| 旧約聖書 新改訳 | |
| 新日本聖書刊行会 | |
| word of life press (2014) | |
『聖書 新改訳』の訳業は、次のような原則によっています。
1.原典にできるだけ忠実であること。
2.文法的に正確であること。
3.一般の人に理解できるものであること。
4.主イエス・キリストの占められるべき地位、みことばが主にささげる地位を正しく認めること。そしてこの業績は決して個人に帰せられるべきものではない。
旧約聖書 - 目 次
創世記
1 初めに、神が天と地を創造した。
2 地は茫漠として何もなかった。やみが大水の上にあり、神の霊が水の上を動いていた。
3 神は仰せられた。「光があれ。」すると光があった。
4 神は光を見て良しとされた。神は光とやみとを区別された。
5 神は光を昼と名づけ、やみを夜と名づけられた。夕があり、朝があった。第一日。
6 神は仰せられた。「大空が水の真っただ中にあれ。水と水との間に区別があれ。」
7 神は大空を造り、大空の下の水と、大空の上の水とを区別された。そのようになった。
8 神は大空を天と名づけられた。夕があり、朝があった。第二日。
9 神は仰せられた。「天の下の水が一所に集まれ。かわいた所が現れよ。」そのようになった。
10 神はかわいた所を地と名づけ、水の集まった所を海と名づけられた。神はそれを見て良しとされた。
11 神は仰せられた。「地が植物、すなわち種を生じる草やその中に種がある実を結ぶ果樹を、種類にしたがって、地の上に芽ばえさせよ。」そのようになった。
12 地は植物、すなわち種を生じる草を、種類にしたがって、またその中に種がある実を結ぶ木を、種類にしたがって生じさせた。神はそれを見て良しとされた。
13 夕があり、朝があった。第三日。
14 神は仰せられた。「光る物が天の大空にあって、昼と夜とを区別せよ。しるしのため、季節のため、日のため、年のためにあれ。
15 また天の大空で光る物となり、地上を照らせ。」そのようになった。
16 神は二つの大きな光る物を造られた。大きいほうの光る物には昼をつかさどらせ、小さいほうの光る物には夜をつかさどらせた。また星を造られた。
17 神はそれらを天の大空に置き、地上を照らさせ、
18 また昼と夜とをつかさどり、光とやみとを区別するようにされた。神はそれを見て良しとされた。
19 夕があり、朝があった。第四日。
20 神は仰せられた。「水には生き物が群がれ。鳥が地の上、天の大空を飛べ。」
21 神は、海の巨獣と、種類にしたがって、水に群がりうごめくすべての生き物と、種類にしたがって、翼のあるすべての鳥を創造された。神はそれを見て良しとされた。
22 神はそれらを祝福して仰せられた。「生めよ。ふえよ。海の水に満ちよ。また鳥は地にふえよ。」
23 夕があり、朝があった。第五日。
24 神は仰せられた。「地が、種類にしたがって、生き物を生ぜよ。家畜や、はうもの、野の獣を、種類にしたがって。」そのようになった。
25 神は、種類にしたがって野の獣を、種類にしたがって家畜を、種類にしたがって地のすべてのはうものを造られた。神はそれを見て良しとされた。
26 神は仰せられた。「さあ人を造ろう。われわれのかたちとして、われわれに似せて。彼らが、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地をはうすべてのものを支配するように。」
27 神は人をご自身のかたちとして創造された。神のかたちとして彼を創造し、男と女とに彼らを創造された。
28 神は彼らを祝福された。神は彼らに仰せられた。「生めよ。ふえよ。地を満たせ。地を従えよ。海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ。」
29 神は仰せられた。「見よ。わたしは、全地の上にあって、種を持つすべての草と、種を持って実を結ぶすべての木をあなたがたに与える。それがあなたがたの食物となる。
30 また、地のすべての獣、空のすべての鳥、地をはうすべてのもので、いのちの息のあるもののために、食物として、すべての緑の草を与える。」そのようになった。
31 神はお造りになったすべてのものを見られた。見よ。それは非常に良かった。夕があり、朝があった。第六日。
1 こうして、天と地とそのすべての万象が完成された。
2 神は第七日目に、なさっていたわざの完成を告げられた。すなわち第七日目に、なさっていたすべてのわざを休まれた。
3 神は第七日目を祝福し、この日を聖であるとされた。それは、その日に、神がなさっていたすべての創造のわざを休まれたからである。
4 これは天と地が創造されたときの経緯である。
神である主が地と天を造られたとき、
5 地には、まだ一本の野の灌木もなく、まだ一本の野の草も芽を出していなかった。それは、神である主が地上に雨を降らせず、土地を耕す人もいなかったからである。
6 ただ、水が地から湧き出て、土地の全面を潤していた。
7 神である主は土地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。そこで人は生きものとなった。
8 神である主は東の方エデンに園を設け、そこに主の形造った人を置かれた。
9 神である主は、その土地から、見るからに好ましく食べるのに良いすべての木を生えさせた。園の中央には、いのちの木、それから善悪の知識の木を生えさせた。
10 一つの川が、この園を潤すため、エデンから出ており、そこから分かれて、四つの源となっていた。
11 第一のものの名はピション。それはハビラの全土を巡って流れる。そこには金があった。
12 その地の金は、良質で、また、そこにはベドラハと1しまめのうもあった。
13 第二の川の名はギホン。それはクシュの全土を巡って流れる。
14 第三の川の名は2ティグリス。それは3アシュルの東を流れる。第四の川、それは4ユーフラテスである。
15 神である主は人を取り、エデンの園に置き、そこを耕させ、またそこを守らせた。
16 神である主は人に命じて仰せられた。「あなたは、園のどの木からでも思いのまま食べてよい。
17 しかし、善悪の知識の木からは取って食べてはならない。それを取って食べるとき、あなたは必ず死ぬ。」
18 神である主は仰せられた。「人が、ひとりでいるのは良くない。わたしは彼のために、彼にふさわしい助け手を造ろう。」
19 神である主は土からあらゆる野の獣と、あらゆる空の鳥を形造り、それにどんな名を彼がつけるかを見るために、人のところに連れて来られた。人が生き物につける名はみな、それがその名となった。
20 人はすべての家畜、空の鳥、野のあらゆる獣に名をつけた。しかし人には、ふさわしい助け手が見つからなかった。
21 神である主は深い眠りをその人に下されたので、彼は眠った。そして、彼のあばら骨の一つを取り、そのところの肉をふさがれた。
22 神である主は、人から取ったあばら骨をひとりの女に造り上げ、その女を人のところに連れて来られた。
23 人は言った。
「これこそ、5今や、私の骨からの骨、
私の肉からの肉。
これを6女と名づけよう。
これは7男から取られたのだから。」
24 それゆえ男はその父母を離れ、妻と結び合い、ふたりは一体となるのである。
25 人とその妻は、ふたりとも裸であったが、互いに恥ずかしいと思わなかった。
1 さて、神である主が造られたあらゆる野の獣のうちで、蛇が一番狡猾であった。蛇は女に言った。「あなたがたは、園のどんな木からも食べてはならない、と神は、ほんとうに言われたのですか。」
2 女は蛇に言った。「私たちは、園にある木の実を食べてよいのです。
3 しかし、園の中央にある木の実について、神は、『あなたがたは、それを食べてはならない。それに触れてもいけない。あなたがたが死ぬといけないからだ』と仰せになりました。」
4 そこで、蛇は女に言った。「あなたがたは決して死にません。
5 あなたがたがそれを食べるその時、あなたがたの目が開け、あなたがたが神のようになり、善悪を知るようになることを神は知っているのです。」
6 そこで女が見ると、その木は、まことに食べるのに良く、目に慕わしく、賢くするというその木はいかにも好ましかった。それで女はその実を取って食べ、いっしょにいた夫にも与えたので、夫も食べた。
7 このようにして、ふたりの目は開かれ、それで彼らは自分たちが裸であることを知った。そこで、彼らは、いちじくの葉をつづり合わせて、自分たちの腰のおおいを作った。
88そよ風の吹くころ、彼らは園を歩き回られる神である主の9声を聞いた。それで人とその妻は、神である主の御顔を避けて園の木の間に身を隠した。
9 神である主は、人に呼びかけ、彼に仰せられた。「あなたは、どこにいるのか。」
10 彼は答えた。「私は園で、あなたの声を聞きました。それで私は裸なので、恐れて、隠れました。」
11 すると、仰せになった。「あなたが裸であるのを、だれがあなたに教えたのか。あなたは、食べてはならない、と命じておいた木から食べたのか。」
12 人は言った。「あなたが私のそばに置かれたこの女が、あの木から取って私にくれたので、私は食べたのです。」
13 そこで、神である主は女に仰せられた。「あなたは、いったいなんということをしたのか。」女は答えた。「蛇が私を惑わしたのです。それで私は食べたのです。」
14 神である主は蛇に仰せられた。
「おまえが、こんな事をしたので、
おまえは、あらゆる家畜、
あらゆる野の獣よりものろわれる。
おまえは、一生、腹ばいで歩き、
ちりを食べなければならない。
15 わたしは、おまえと女との間に、
また、おまえの子孫と女の子孫との間に、
敵意を置く。
彼は、おまえの頭を踏み砕き、
おまえは、彼のかかとにかみつく。」
16 女にはこう仰せられた。
「わたしは、あなたのうめきと苦しみを
大いに増す。
あなたは、苦しんで子を産まなければならない。
しかも、あなたは夫を恋い慕うが、
彼は、あなたを支配することになる。」
17 また、人に仰せられた。
「あなたが、妻の声に聞き従い、
食べてはならないと
わたしが命じておいた木から食べたので、
土地は、あなたのゆえにのろわれてしまった。
あなたは、一生、
苦しんで食を得なければならない。
18 土地は、あなたのために、
いばらとあざみを生えさせ、
あなたは、野の草を食べなければならない。
19 あなたは、顔に汗を流して糧を得、
ついに、あなたは土に帰る。
あなたはそこから取られたのだから。
あなたはちりだから、
ちりに帰らなければならない。」
20 さて、人は、その妻の名を10エバと呼んだ。それは、彼女がすべて11生きているものの母であったからである。
21 神である主は、アダムとその妻のために、皮の衣を作り、彼らに着せてくださった。
22 神である主は仰せられた。「見よ。人はわれわれのひとりのようになり、善悪を知るようになった。今、彼が、手を伸ばし、いのちの木からも取って食べ、永遠に生きないように。」
23 そこで神である主は、人をエデンの園から追い出されたので、人は自分がそこから取り出された土を耕すようになった。
24 こうして、神は人を追放して、いのちの木への道を守るために、エデンの園の東に、ケルビムと輪を描いて回る炎の剣を置かれた。
1 人は、その妻エバを知った。彼女はみごもってカインを産み、「私は、主によってひとりの男子を得た」と言った。
2 彼女は、それからまた、弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。
3 ある時期になって、カインは、地の作物から主へのささげ物を持って来たが、
4 アベルもまた彼の羊の初子の中から、それも最上のものを持って来た。主はアベルとそのささげ物とに目を留められた。
5 だが、カインとそのささげ物には目を留められなかった。それで、カインはひどく怒り、顔を伏せた。
6 そこで、主は、カインに仰せられた。「なぜ、あなたは憤っているのか。なぜ、顔を伏せているのか。
7 あなたが正しく行ったのであれば、12受け入れられる。ただし、あなたが正しく行っていないのなら、罪は戸口で待ち伏せして、あなたを恋い慕っている。だが、あなたは、それを治めるべきである。」
8 しかし、カインは弟アベルに話しかけた。「13野に行こうではないか。」そして、ふたりが野にいたとき、カインは弟アベルに襲いかかり、彼を殺した。
9主はカインに、「あなたの弟アベルは、どこにいるのか」と問われた。カインは答えた。「知りません。私は、自分の弟の番人なのでしょうか。」
10 そこで、仰せられた。「あなたは、いったいなんということをしたのか。聞け。あなたの弟の血が、その土地からわたしに叫んでいる。
11 今や、あなたはその土地にのろわれている。その土地は口を開いてあなたの手から、あなたの弟の血を受けた。
12 それで、あなたがその土地を耕しても、土地はもはや、あなたのためにその力を生じない。あなたは地上をさまよい歩くさすらい人となるのだ。」
13 カインは主に申し上げた。「私の咎は、大きすぎて、14にないきれません。
14 ああ、あなたはきょう私をこの土地から追い出されたので、私はあなたの御顔から隠れ、地上をさまよい歩くさすらい人とならなければなりません。それで、私に出会う者はだれでも、私を殺すでしょう。」
15主は彼に仰せられた。「それだから、だれでもカインを殺す者は、七倍の復讐を受ける。」そこで主は、彼に出会う者が、だれも彼を殺すことのないように、カインに一つのしるしを下さった。
16 それで、カインは、主の前から去って、エデンの東、ノデの地に住みついた。
17 カインはその妻を知った。彼女はみごもり、エノクを産んだ。カインは町を建てていたので、自分の子の名にちなんで、その町にエノクという名をつけた。
18 エノクにはイラデが生まれた。イラデにはメフヤエルが生まれ、15メフヤエルにはメトシャエルが生まれ、メトシャエルにはレメクが生まれた。
19 レメクはふたりの妻をめとった。ひとりの名はアダ、他のひとりの名はツィラであった。
20 アダはヤバルを産んだ。ヤバルは天幕に住む者、家畜を飼う者の先祖となった。
21 その弟の名はユバルであった。彼は立琴と笛を巧みに奏するすべての者の先祖となった。
22 ツィラもまた、トバル・カインを産んだ。彼は青銅と鉄のあらゆる用具の鍛冶屋であった。トバル・カインの妹は、ナアマであった。
23 さて、レメクはその妻たちに言った。
「アダとツィラよ。私の声を聞け。
レメクの妻たちよ。私の言うことに耳を傾けよ。
私の受けた傷のためには、ひとりの人を、
私の受けた打ち傷のためには、
ひとりの若者を殺した。
24 カインに七倍の復讐があれば、
レメクには七十七倍。」
25 アダムは、さらに、その妻を知った。彼女は男の子を産み、その子を16セツと名づけて17言った。「カインがアベルを殺したので、彼の代わりに、神は私にもうひとりの子を18授けられたから。」
26 セツにもまた男の子が生まれた。彼は、その子をエノシュと名づけた。そのとき、人々は主の19御名によって祈ることを始めた。
1 これはアダムの歴史の記録である。
神は人を創造されたとき、神に似せて彼を造られ、
2 男と女とに彼らを創造された。彼らが創造された日に、神は彼らを祝福して、その名を人と呼ばれた。
3 アダムは、百三十年生きて、彼に似た、彼のかたちどおりの子を生んだ。彼はその子をセツと名づけた。
4 アダムはセツを生んで後、八百年生き、息子、娘たちを生んだ。
5 アダムは全部で九百三十年生きた。こうして彼は死んだ。
6 セツは百五年生きて、エノシュを生んだ。
7 セツはエノシュを生んで後、八百七年生き、息子、娘たちを生んだ。
8 セツの一生は九百十二年であった。こうして彼は死んだ。
9 エノシュは九十年生きて、ケナンを生んだ。
10 エノシュはケナンを生んで後、八百十五年生き、息子、娘たちを生んだ。
11 エノシュの一生は九百五年であった。こうして彼は死んだ。
12 ケナンは七十年生きて、マハラルエルを生んだ。
13 ケナンはマハラルエルを生んで後、八百四十年生き、息子、娘たちを生んだ。
14 ケナンの一生は九百十年であった。こうして彼は死んだ。
15 マハラルエルは六十五年生きて、エレデを生んだ。
16 マハラルエルはエレデを生んで後、八百三十年生き、息子、娘たちを生んだ。
17 マハラルエルの一生は八百九十五年であった。こうして彼は死んだ。
18 エレデは百六十二年生きて、エノクを生んだ。
19 エレデはエノクを生んで後、八百年生き、息子、娘たちを生んだ。
20 エレデの一生は九百六十二年であった。こうして彼は死んだ。
21 エノクは六十五年生きて、メトシェラを生んだ。
22 エノクはメトシェラを生んで後、三百年、神とともに歩んだ。そして、息子、娘たちを生んだ。
23 エノクの一生は三百六十五年であった。
24 エノクは神とともに歩んだ。神が彼を取られたので、彼はいなくなった。
25 メトシェラは百八十七年生きて、レメクを生んだ。
26 メトシェラはレメクを生んで後、七百八十二年生き、息子、娘たちを生んだ。
27 メトシェラの一生は九百六十九年であった。こうして彼は死んだ。
28 レメクは百八十二年生きて、ひとりの男の子を生んだ。
29 彼はその子をノアと名づけて言った。「主がこの地をのろわれたゆえに、私たちは働き、この手で苦労しているが、この私たちに、この子は慰めを与えてくれるであろう。」
30 レメクはノアを生んで後、五百九十五年生き、息子、娘たちを生んだ。
31 レメクの一生は七百七十七年であった。こうして彼は死んだ。
32 ノアが五百歳になったとき、ノアはセム、ハム、ヤペテを生んだ。
1 さて、人が地上にふえ始め、彼らに娘たちが生まれたとき、
2 神の子らは、人の娘たちが、いかにも美しいのを見て、その中から好きな者を選んで、自分たちの妻とした。
3 そこで、主は、「わたしの霊は、永久には20人のうちにとどまらないであろう。それは人が肉にすぎないからだ。それで人の齢は、百二十年にしよう」と仰せられた。
4 神の子らが、人の娘たちのところに入り、彼らに子どもができたころ、またその後にも、21ネフィリムが地上にいた。これらは、昔の勇士であり、名のある者たちであった。
5主は、地上に人の悪が増大し、その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾くのをご覧になった。
6 それで主は、地上に人を造ったことを22悔やみ、心を痛められた。
7 そして主は仰せられた。「わたしが創造した人を地の面から消し去ろう。人をはじめ、家畜やはうもの、空の鳥に至るまで。わたしは、これらを造ったことを残念に思うからだ。」
8 しかし、ノアは、主の心にかなっていた。
9 これはノアの歴史である。
ノアは、正しい人であって、その時代にあっても、全き人であった。ノアは神とともに歩んだ。
10 ノアは三人の息子、セム、ハム、ヤペテを生んだ。
11 地は、神の前に堕落し、地は、暴虐で満ちていた。
12 神が地をご覧になると、実に、それは、堕落していた。すべての肉なるものが、地上でその道を乱していたからである。
13 そこで、神はノアに仰せられた。「すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている。地は、彼らのゆえに、暴虐で満ちているからだ。それで今わたしは、彼らを地とともに滅ぼそうとしている。
14 あなたは自分のために、ゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟に部屋を作り、内と外とを木のやにで塗りなさい。
15 それを次のようにして造りなさい。箱舟の長さは三百23キュビト。その幅は五十キュビト。その高さは三十キュビト。
16箱舟に天窓を作り、上部から一キュビト以内にそれを仕上げなさい。また、箱舟の戸口をその側面に設け、一階と二階と三階にそれを作りなさい。
17 わたしは今、いのちの息あるすべての肉なるものを、天の下から滅ぼすために、地上の大水、大洪水を起こそうとしている。地上のすべてのものは死に絶えなければならない。
18 しかし、わたしは、あなたと契約を結ぼう。あなたは、あなたの息子たち、あなたの妻、それにあなたの息子たちの妻といっしょに箱舟に入りなさい。
19 またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹ずつ箱舟に連れて入り、あなたといっしょに生き残るようにしなさい。それらは、雄と雌でなければならない。
20 また、各種類の鳥、各種類の動物、各種類の地をはうものすべてのうち、それぞれ二匹ずつが、生き残るために、あなたのところに来なければならない。
21 あなたは、食べられるあらゆる食糧を取って、自分のところに集め、あなたとそれらの動物の食物としなさい。」
22 ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。
1主はノアに仰せられた。「あなたとあなたの全家族とは、箱舟に入りなさい。あなたがこの時代にあって、わたしの前に正しいのを、わたしが見たからである。
2 あなたは、すべてのきよい動物の中から雄と雌、七つがいずつ、きよくない動物の中から雄と雌、一つがいずつ、
3 また空の鳥の中からも雄と雌、七つがいずつを取りなさい。それはその種類が全地の面で生き残るためである。
4 それは、あと七日たつと、わたしは、地の上に四十日四十夜、雨を降らせ、わたしが造ったすべての生き物を地の面から消し去るからである。」
5 ノアは、すべて主が命じられたとおりにした。
6大洪水が起こり、大水が地の上にあったとき、ノアは六百歳であった。
7 ノアは、自分の息子たちや自分の妻、それに息子たちの妻といっしょに、大洪水の大水を避けるために箱舟に入った。
8 きよい動物、きよくない動物、鳥、地をはうすべてのものの中から、
9 神がノアに命じられたとおり、雄と雌二匹ずつが箱舟の中のノアのところに入って来た。
10 それから七日たって大洪水の大水が地の上に起こった。
11 ノアの生涯の六百年目の第二の月の十七日、その日に、巨大な大いなる水の源が、ことごとく張り裂け、天の水門が開かれた。
12 そして、大雨は、四十日四十夜、地の上に降った。
13 ちょうどその同じ日に、ノアは、ノアの息子たちセム、ハム、ヤペテ、またノアの妻と息子たちの三人の妻といっしょに箱舟に入った。
14 彼らといっしょにあらゆる種類の獣、あらゆる種類の家畜、あらゆる種類の地をはうもの、あらゆる種類の鳥、翼のあるすべてのものがみな、入った。
15 こうして、いのちの息のあるすべての肉なるものが、二匹ずつ箱舟の中のノアのところに入った。
16 入ったものは、すべての肉なるものの雄と雌であって、神がノアに命じられたとおりであった。それから、主は、彼のうしろの戸を閉ざされた。
17 それから、大洪水が、四十日間、地の上にあった。水かさが増していき、箱舟を押し上げたので、それは、地から浮かび上がった。
18 水はみなぎり、地の上に大いに増し、箱舟は水面を漂った。
19 水は、いよいよ地の上に増し加わり、天の下にあるどの高い山々も、すべておおわれた。
20 水は、その上さらに十五24キュビト増し加わったので、山々はおおわれてしまった。
21 こうして地の上を動いていたすべての肉なるものは、鳥も家畜も獣も地に群生するすべてのものも、またすべての人も死に絶えた。
22 いのちの息を吹き込まれたもので、かわいた地の上にいたものはみな死んだ。
23 こうして、主は地上のすべての生き物を、人をはじめ、動物、はうもの、空の鳥に至るまで消し去った。それらは、地から消し去られた。ただノアと、彼といっしょに箱舟にいたものたちだけが残った。
24 水は、百五十日間、地の上にふえ続けた。
1 神は、ノアと、箱舟の中に彼といっしょにいたすべての獣や、すべての家畜とを心に留めておられた。それで、神が地の上に風を吹き過ぎさせると、水は引き始めた。
2 また、大いなる水の源と天の水門が閉ざされ、天からの大雨が、とどめられた。
3 そして、水は、しだいに地から引いていった。水は百五十日の終わりに減り始め、
4箱舟は、第七の月の十七日に、アララテの山の上にとどまった。
5 水は第十の月まで、ますます減り続け、第十の月の一日に、山々の頂が現れた。
6 四十日の終わりになって、ノアは、自分の造った箱舟の窓を開き、
7烏を放った。するとそれは、水が地からかわききるまで、出たり、戻ったりしていた。
8 また、彼は水が地の面から引いたかどうかを見るために、鳩を彼のもとから放った。
9鳩は、その足を休める場所が見あたらなかったので、箱舟の彼のもとに帰って来た。水が全地の面にあったからである。彼は手を差し伸べて鳩を捕らえ、箱舟の自分のところに入れた。
10 それからなお七日待って、再び鳩を箱舟から放った。
11鳩は夕方になって、彼のもとに帰って来た。すると見よ。むしり取ったばかりのオリーブの若葉がそのくちばしにあるではないか。それで、ノアは水が地から引いたのを知った。
12 それからなお、七日待って、彼は鳩を放った。鳩はもう彼のところに戻って来なかった。
1325ノアの生涯の第六百一年の第一の月の一日になって、水は地上からかわき始めた。ノアが、箱舟のおおいを取り去って、ながめると、見よ、地の面は、かわいていた。
14 第二の月の二十七日、地はかわききった。
15 そこで、神はノアに告げて仰せられた。
16 「あなたは、あなたの妻と、あなたの息子たちと、息子たちの妻といっしょに箱舟から出なさい。
17 あなたといっしょにいるすべての肉なるものの生き物、すなわち鳥や家畜や地をはうすべてのものを、あなたといっしょに連れ出しなさい。それらが地に群がり、地の上で生み、そしてふえるようにしなさい。」
18 そこで、ノアは、息子たちや彼の妻や、息子たちの妻といっしょに外に出た。
19 すべての獣、すべてのはうもの、すべての鳥、すべて地の上を動くものは、おのおのその種類にしたがって、箱舟から出て来た。
20 ノアは、主のために祭壇を築き、すべてのきよい家畜と、すべてのきよい鳥のうちから幾つかを選び取って、祭壇の上で全焼のいけにえをささげた。
21主は、そのなだめのかおりをかがれ、主は心の中でこう仰せられた。「わたしは、決して再び人のゆえに、この地をのろうことはすまい。人の心の思い計ることは、26初めから悪であるからだ。わたしは、決して再び、わたしがしたように、すべての生き物を打ち滅ぼすことはすまい。
22 地の続くかぎり、種蒔きと刈り入れ、
寒さと暑さ、夏と冬、
昼と夜とは、やむことはない。」
1 それで、神はノアと、その息子たちを祝福して、彼らに仰せられた。「生めよ。ふえよ。地に満ちよ。
2 野の獣、空の鳥、──地の上を動くすべてのもの──それに海の魚、これらすべてはあなたがたを恐れておののこう。わたしはこれらをあなたがたにゆだねている。
3 生きて動いているものはみな、あなたがたの食物である。緑の草と同じように、すべてのものをあなたがたに与えた。
4 しかし、肉は、そのいのちである血のあるままで食べてはならない。
5 わたしはあなたがたのいのちのためには、あなたがたの血の価を要求する。わたしはどんな獣にでも、それを要求する。また人にも、兄弟である者にも、人のいのちを要求する。
6 人の血を流す者は、
人によって、血を流される。
神は人を神のかたちに
お造りになったから。
7 あなたがたは生めよ。ふえよ。
地に群がり、地にふえよ。」
8 神はノアと、彼といっしょにいる息子たちに告げて仰せられた。
9 「さあ、わたしはわたしの契約を立てよう。あなたがたと、そしてあなたがたの後の子孫と。
10 また、あなたがたといっしょにいるすべての生き物と。鳥、家畜、それにあなたがたといっしょにいるすべての野の獣、箱舟から出て来たすべてのもの、地のすべての生き物と。
11 わたしはあなたがたと契約を立てる。すべて肉なるものは、もはや大洪水の水では断ち切られない。もはや大洪水が地を滅ぼすようなことはない。」
12 さらに神は仰せられた。「わたしとあなたがた、およびあなたがたといっしょにいるすべての生き物との間に、わたしが代々永遠にわたって結ぶ契約のしるしは、これである。
13 わたしは雲の中に、わたしの虹を立てる。それはわたしと地との間の契約のしるしとなる。
14 わたしが地の上に雲を起こすとき、虹が雲の中に現れる。
15 わたしは、わたしとあなたがたとの間、およびすべて肉なる生き物との間の、わたしの契約を思い出すから、大水は、すべての肉なるものを滅ぼす大洪水とは決してならない。
16虹が雲の中にあるとき、わたしはそれを見て、神と、すべての生き物、地上のすべて肉なるものとの間の永遠の契約を思い出そう。」
17 こうして神はノアに仰せられた。「これが、わたしと、地上のすべての肉なるものとの間に立てた契約のしるしである。」
18箱舟から出て来たノアの息子たちは、セム、ハム、ヤペテであった。ハムはカナンの父である。
19 この三人がノアの息子で、彼らから全世界の民は分かれ出た。
20 さて、ノアは、ぶどう畑を作り始めた農夫であった。
21 ノアはぶどう酒を飲んで酔い、天幕の中で裸になっていた。
22 カナンの父ハムは、父の裸を見て、外にいるふたりの兄弟に告げた。
23 それでセムとヤペテは着物を取って、自分たちふたりの肩に掛け、うしろ向きに歩いて行って、父の裸をおおった。彼らは顔をそむけて、父の裸を見なかった。
24 ノアが酔いからさめ、末の息子が自分にしたことを知って、
25 言った。
「のろわれよ。カナン。
兄弟たちのしもべらのしもべとなれ。」
26 また言った。
「ほめたたえよ。
セムの神、主を。
カナンは彼らのしもべとなれ。
27 神がヤペテを広げ、
セムの天幕に住まわせるように。
カナンは彼らのしもべとなれ。」
28 ノアは大洪水の後、三百五十年生きた。
29 ノアの一生は九百五十年であった。こうして彼は死んだ。
1 これはノアの息子、セム、ハム、ヤペテの歴史である。
大洪水の後に、彼らに子どもが生まれた。
2 ヤペテの子孫はゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、トバル、メシェク、ティラス。
3 ゴメルの子孫はアシュケナズ、27リファテ、トガルマ。
4 ヤワンの子孫はエリシャ、タルシシュ、キティム人、28ドダニム人。
5 これらから海沿いの国々が分かれ出て、その地方により、氏族ごとに、それぞれ国々の国語があった。
6 ハムの子孫はクシュ、29ミツライム、プテ、カナン。
7 クシュの子孫はセバ、ハビラ、サブタ、ラマ、サブテカ。ラマの子孫はシェバ、デダン。
8 クシュはニムロデを生んだ。ニムロデは地上で最初の権力者となった。
9 彼は主のおかげで、力ある猟師になったので、「主のおかげで、力ある猟師ニムロデのようだ」と言われるようになった。
10 彼の王国の初めは、バベル、エレク、アカデであって、30みな、シヌアルの地にあった。
11 その地から彼は、アシュルに進出し、ニネベ、レホボテ・イル、ケラフ、
12 およびニネベとケラフとの間のレセンを建てた。それは大きな町であった。
13 ミツライムはルデ人、アナミム人、レハビム人、ナフトヒム人、
14 パテロス人、カスルヒム人──これからペリシテ人が出た──、カフトル人を生んだ。
15 カナンは長子シドン、ヘテ、
16 エブス人、エモリ人、ギルガシ人、
17 ヒビ人、アルキ人、シニ人、
18 アルワデ人、ツェマリ人、ハマテ人を生んだ。その後、カナン人の諸氏族が分かれ出た。
19 それでカナン人の領土は、シドンからゲラルに向かってガザに至り、ソドム、ゴモラ、アデマ、ツェボイムに向かってレシャにまで及んだ。
20 以上が、その氏族、その国語ごとに、その地方、その国により31示したハムの子孫である。
21 セムにも子が生まれた。セムはエベルのすべての子孫の先祖であって、ヤペテの兄であった。
22 セムの子孫はエラム、アシュル、アルパクシャデ、ルデ、アラム。
23 アラムの子孫はウツ、フル、ゲテル、32マシュ。
24 アルパクシャデはシェラフを生み、シェラフはエベルを生んだ。
25 エベルにはふたりの男の子が生まれ、ひとりの名は33ペレグであった。彼の時代に地が分けられたからである。もうひとりの兄弟の名はヨクタンであった。
26 ヨクタンは、アルモダデ、シェレフ、ハツァルマベテ、エラフ、
27 ハドラム、ウザル、ディクラ、
2834オバル、アビマエル、シェバ、
29 オフィル、ハビラ、ヨバブを生んだ。これらはみな、ヨクタンの子孫であった。
30 彼らの定住地は、メシャからセファルに及ぶ東の高原地帯であった。
31 以上は、それぞれ氏族、国語、地方、国ごとに示したセムの子孫である。
32 以上が、その国々にいる、ノアの子孫の諸氏族の家系である。大洪水の後にこれらから、諸国の民が地上に分かれ出たのであった。
1 さて、全地は一つのことば、一つの話しことばであった。
2 そのころ、人々は東のほうから移動して来て、シヌアルの地に平地を見つけ、そこに定住した。
3 彼らは互いに言った。「さあ、れんがを作ってよく焼こう。」彼らは石の代わりにれんがを用い、粘土の代わりに35瀝青を用いた。
4 そのうちに彼らは言うようになった。「さあ、われわれは町を建て、頂が天に届く塔を建て、名をあげよう。われわれが全地に散らされるといけないから。」
5 そのとき主は人間の建てた町と塔をご覧になるために降りて来られた。
6主は仰せになった。「彼らがみな、一つの民、一つのことばで、このようなことをし始めたのなら、今や彼らがしようと思うことで、とどめられることはない。
7 さあ、降りて行って、そこでの彼らのことばを混乱させ、彼らが互いにことばが通じないようにしよう。」
8 こうして主は人々を、そこから地の全面に散らされたので、彼らはその町を建てるのをやめた。
9 それゆえ、その町の名はバベルと呼ばれた。主が全地のことばをそこで36混乱させたから、すなわち、主が人々をそこから地の全面に散らしたからである。
10 これはセムの歴史である。
セムは百歳のとき、すなわち大洪水の二年後にアルパクシャデ37を生んだ。
11 セムはアルパクシャデを生んで後、五百年生き、息子、娘たちを生んだ。
12 アルパクシャデは三十五年生きて、シェラフを生んだ。
13 アルパクシャデはシェラフを生んで後、四百三年生き、息子、娘たちを生んだ。
14 シェラフは三十年生きて、エベルを生んだ。
15 シェラフはエベルを生んで後、四百三年生き、息子、娘たちを生んだ。
16 エベルは三十四年生きて、ペレグを生んだ。
17 エベルはペレグを生んで後、四百三十年生き、息子、娘たちを生んだ。
18 ペレグは三十年生きて、レウを生んだ。
19 ペレグはレウを生んで後、二百九年生き、息子、娘たちを生んだ。
20 レウは三十二年生きて、セルグを生んだ。
21 レウはセルグを生んで後、二百七年生き、息子、娘たちを生んだ。
22 セルグは三十年生きて、ナホルを生んだ。
23 セルグはナホルを生んで後、二百年生き、息子、娘たちを生んだ。
24 ナホルは二十九年生きて、テラを生んだ。
25 ナホルはテラを生んで後、百十九年生き、息子、娘たちを生んだ。
26 テラは七十年生きて、アブラムとナホルとハランを生んだ。
27 これはテラの歴史である。
テラはアブラム、ナホル、ハランを生み、ハランはロトを生んだ。
28 ハランはその父テラの38存命中、彼の生まれ故郷であるカルデヤ人のウルで死んだ。
29 アブラムとナホルは妻をめとった。アブラムの妻の名はサライであった。ナホルの妻の名はミルカといって、ハランの娘であった。ハランはミルカの父で、またイスカの父であった。
30 サライは不妊の女で、子どもがなかった。
31 テラは、その息子アブラムと、ハランの子で自分の孫のロトと、息子のアブラムの妻である嫁のサライとを伴い、彼らはカナンの地に行くために、カルデヤ人のウルからいっしょに出かけた。しかし、彼らはハランまで来て、そこに住みついた。
32 テラの一生は二百五年であった。テラはハランで死んだ。
1主はアブラムに仰せられた。
「あなたは、
あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、
わたしが示す地へ行きなさい。
2 そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、
あなたを祝福し、
あなたの名を大いなるものとしよう。
あなたの名は祝福となる。
3 あなたを祝福する者をわたしは祝福し、
あなたをのろう者をわたしはのろう。
地上のすべての民族は、
あなたによって祝福される。」
4 アブラムは主がお告げになったとおりに出かけた。ロトも彼といっしょに出かけた。アブラムがハランを出たときは、七十五歳であった。
5 アブラムは妻のサライと、おいのロトと、彼らが得たすべての財産と、ハランで加えられた人々を伴い、カナンの地に行こうとして出発した。こうして彼らはカナンの地に入った。
6 アブラムはその地を通って行き、シェケムの場、モレの39樫の木のところまで来た。当時、その地にはカナン人がいた。
7 そのころ、主がアブラムに現れ、そして「あなたの子孫に、わたしはこの地を与える」と仰せられた。アブラムは自分に現れてくださった主のために、そこに祭壇を築いた。
8 彼はそこからベテルの東にある山のほうに移動して天幕を張った。西にはベテル、東にはアイがあった。彼は主のため、そこに祭壇を築き、主の御名によって祈った。
9 それから、アブラムはなおも進んで、ネゲブのほうへと旅を続けた。
10 さて、この地にはききんがあったので、アブラムはエジプトのほうにしばらく滞在するために、下って行った。この地のききんは激しかったからである。
11 彼はエジプトに近づき、そこに入ろうとするとき、妻のサライに言った。「聞いておくれ。あなたが見目麗しい女だということを私は知っている。
12 エジプト人は、あなたを見るようになると、この女は彼の妻だと言って、私を殺すが、あなたは生かしておくだろう。
13 どうか、私の妹だと言ってくれ。そうすれば、あなたのおかげで私にも良くしてくれ、あなたのおかげで私は生きのびるだろう。」
14 アブラムがエジプトに入って行くと、エジプト人は、その女が非常に美しいのを見た。
15 パロの高官たちが彼女を見て、パロに彼女を推賞したので、彼女はパロの宮廷に召し入れられた。
16 パロは彼女のために、アブラムによくしてやり、それでアブラムは羊の群れ、牛の群れ、ろば、それに男女の奴隷、雌ろば、らくだを所有するようになった。
17 しかし、主はアブラムの妻サライのことで、パロと、その家をひどい災害で痛めつけた。
18 そこでパロはアブラムを呼び寄せて言った。「あなたは私にいったい何ということをしたのか。なぜ彼女があなたの妻であることを、告げなかったのか。
19 なぜ彼女があなたの妹だと言ったのか。だから、私は彼女を私の妻として召し入れていた。しかし、さあ今、あなたの妻を連れて行きなさい。」
20 パロはアブラムについて部下に命じた。彼らは彼を、彼の妻と、彼のすべての所有物とともに送り出した。
1 それで、アブラムは、エジプトを出て、ネゲブに上った。彼と、妻のサライと、すべての所有物と、ロトもいっしょであった。
2 アブラムは家畜と銀と金とに非常に富んでいた。
3 彼はネゲブから旅を続けて、ベテルまで、すなわち、ベテルとアイの間で、初めに天幕を張った所まで来た。
4 そこは彼が以前に築いた祭壇の場所である。その所でアブラムは、主の御名によって祈った。
5 アブラムといっしょに行ったロトもまた、羊の群れや牛の群れ、天幕を所有していた。
6 その地は彼らがいっしょに住むのに十分ではなかった。彼らの持ち物が多すぎたので、彼らがいっしょに住むことができなかったのである。
7 そのうえ、アブラムの家畜の牧者たちとロトの家畜の牧者たちとの間に、争いが起こった。またそのころ、その地にはカナン人とペリジ人が住んでいた。
8 そこで、アブラムはロトに言った。「どうか私とあなたとの間、また私の牧者たちとあなたの牧者たちとの間に、争いがないようにしてくれ。私たちは、親類同士なのだから。
9 全地はあなたの前にあるではないか。私から別れてくれないか。もしあなたが左に行けば、私は右に行こう。もしあなたが右に行けば、私は左に行こう。」
10 ロトが目を上げてヨルダンの低地全体を見渡すと、主がソドムとゴモラを滅ぼされる以前であったので、その地はツォアルのほうに至るまで、主の園のように、またエジプトの地のように、どこもよく潤っていた。
11 それで、ロトはそのヨルダンの低地全体を選び取り、その後、東のほうに移動した。こうして彼らは互いに別れた。
12 アブラムはカナンの地に住んだが、ロトは低地の町々に住んで、ソドムの近くまで天幕を張った。
13 ところが、ソドムの人々はよこしまな者で、主に対しては非常な罪人であった。
14 ロトがアブラムと別れて後、主はアブラムに仰せられた。「さあ、目を上げて、あなたがいる所から北と南、東と西を見渡しなさい。
15 わたしは、あなたが見渡しているこの地全部を、永久にあなたとあなたの子孫とに与えよう。
16 わたしは、あなたの子孫を地のちりのようにならせる。もし人が地のちりを数えることができれば、あなたの子孫をも数えることができよう。
17 立って、その地を縦と横に歩き回りなさい。わたしがあなたに、その地を与えるのだから。」
18 そこで、アブラムは天幕を移して、ヘブロンにあるマムレの40樫の木のそばに来て住んだ。そして、そこに主のための祭壇を築いた。
1 さて、シヌアルの王アムラフェル、エラサルの王アルヨク、エラムの王ケドルラオメル、ゴイムの王ティデアルの時代に、
2 これらの王たちは、ソドムの王ベラ、ゴモラの王ビルシャ、アデマの王シヌアブ、ツェボイムの王シェムエベル、ベラの王、すなわち、ツォアルの王と戦った。
3 このすべての王たちは連合して、シディムの谷、すなわち、今の塩の海に進んだ。
4 彼らは十二年間ケドルラオメルに仕えていたが、十三年目にそむいた。
5 十四年目に、ケドルラオメルと彼にくみする王たちがやって来て、アシュテロテ・カルナイムでレファイム人を、ハムでズジム人を、41シャベ・キルヤタイムでエミム人を、
6 セイルの山地でホリ人を打ち破り、砂漠の近くのエル・パランまで進んだ。
7 彼らは引き返して、エン・ミシュパテ、今のカデシュに至り、アマレク人のすべての村落と、ハツァツォン・タマルに住んでいるエモリ人さえも打ち破った。
8 そこで、ソドムの王、ゴモラの王、アデマの王、ツェボイムの王、ベラの王、すなわちツォアルの王が出て行き、シディムの谷で彼らと戦う備えをした。
9 エラムの王ケドルラオメル、ゴイムの王ティデアル、シヌアルの王アムラフェル、エラサルの王アルヨク、この四人の王と、先の五人の王とである。
10 シディムの谷には多くの42瀝青の穴が散在していたので、ソドムの王とゴモラの王は逃げたとき、その穴に落ち込み、残りの者たちは山のほうに逃げた。
11 そこで、彼らはソドムとゴモラの全財産と食糧全部を奪って行った。
12 彼らはまた、アブラムのおいのロトとその財産をも奪い去った。ロトはソドムに住んでいた。
13 ひとりの逃亡者が、ヘブル人アブラムのところに来て、そのことを告げた。アブラムはエモリ人マムレの43樫の木のところに住んでいた。マムレはエシュコルとアネルの兄弟で、彼らはアブラムと盟約を結んでいた。
14 アブラムは自分の親類の者がとりこになったことを聞き、彼の家で生まれたしもべども三百十八人を召集して、ダンまで追跡した。
15 夜になって、彼と奴隷たちは、彼らに向かって展開し、彼らを打ち破り、ダマスコの北にあるホバまで彼らを追跡した。
16 そして、彼はすべての財産を取り戻し、また親類の者ロトとその財産、それにまた、女たちや人々をも取り戻した。
17 こうして、アブラムがケドルラオメルと、彼といっしょにいた王たちとを打ち破って帰って後、ソドムの王は、王の谷と言われるシャベの谷まで、彼を迎えに出て来た。
18 さて、シャレムの王メルキゼデクはパンとぶどう酒を持って来た。彼はいと高き神の祭司であった。
19 彼はアブラムを祝福して言った。
「祝福を受けよ。アブラム。
天と地を造られた方、いと高き神より。
20 あなたの手に、あなたの敵を渡された
いと高き神に、誉れあれ。」
アブラムはすべての物の十分の一を彼に与えた。
21 ソドムの王はアブラムに言った。「人々は私に返し、財産はあなたが取ってください。」
22 しかし、アブラムはソドムの王に言った。「私は天と地を造られた方、いと高き神、主に誓う。
23 糸一本でも、くつひも一本でも、あなたの所有物から私は何一つ取らない。それは、あなたが、『アブラムを富ませたのは私だ』と言わないためだ。
24 ただ若者たちが食べてしまった物と、私といっしょに行った人々の分け前とは別だ。アネルとエシュコルとマムレには、彼らの分け前を取らせるように。」
1 これらの出来事の後、主のことばが幻のうちにアブラムに臨み、こう仰せられた。
「アブラムよ。恐れるな。
わたしはあなたの盾である。
あなたの受ける報いは非常に大きい。」
2 そこでアブラムは申し上げた。「神、主よ。私に何をお与えになるのですか。私には子がありません。私の家の相続人は、あのダマスコのエリエゼルになるのでしょうか。」
3 さらに、アブラムは、「ご覧ください。あなたが子孫を私に下さらないので、44私の家の奴隷が、私の跡取りになるでしょう」と申し上げた。
4 すると、主のことばが彼に臨み、こう仰せられた。「その者があなたの跡を継いではならない。ただ、あなた自身から生まれ出て来る者が、あなたの跡を継がなければならない。」
5 そして、彼を外に連れ出して仰せられた。「さあ、天を見上げなさい。星を数えることができるなら、それを数えなさい。」さらに仰せられた。「あなたの子孫はこのようになる。」
6 彼は主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。
7 また彼に仰せられた。「わたしは、この地をあなたの所有としてあなたに与えるために、カルデヤ人のウルからあなたを連れ出した主である。」
8 彼は申し上げた。「神、主よ。それが私の所有であることを、どのようにして知ることができましょうか。」
9 すると彼に仰せられた。「わたしのところに、三歳の雌牛と、三歳の雌やぎと、三歳の雄羊と、45山鳩とそのひなを持って来なさい。」
10 彼はそれら全部を持って来て、それらを真っ二つに切り裂き、その半分を互いに向かい合わせにした。しかし、鳥は切り裂かなかった。
11猛禽がその死体の上に降りて来たので、アブラムはそれらを追い払った。
12 日が沈みかかったころ、深い眠りがアブラムを襲った。そして見よ。ひどい暗黒の恐怖が彼を襲った。
13 そこで、アブラムに仰せがあった。「あなたはこの事をよく知っていなさい。あなたの子孫は、自分たちのものでない国で寄留者となり、彼らは奴隷とされ、四百年の間、苦しめられよう。
14 しかし、彼らの仕えるその国民を、わたしがさばき、その後、彼らは多くの財産を持って、46そこから出て来るようになる。
15 あなた自身は、平安のうちに、あなたの先祖のもとに行き、長寿を全うして葬られよう。
16 そして、四代目の者たちが、ここに戻って来る。それはエモリ人の咎が、そのときまでに満ちることはないからである。」
17 さて、日は沈み、暗やみになったとき、そのとき、煙の立つかまどと、燃えているたいまつが、あの切り裂かれたものの間を通り過ぎた。
18 その日、主はアブラムと契約を結んで仰せられた。
「わたしはあなたの子孫に、この地を与える。
エジプトの川から、
あの大川、ユーフラテス川まで。
19 ケニ人、ケナズ人、カデモニ人、
20 ヘテ人、ペリジ人、レファイム人、
21 エモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人を。」
1 アブラムの妻サライは、彼に子どもを産まなかった。彼女にはエジプト人の女奴隷がいて、その名をハガルといった。
2 サライはアブラムに言った。「47ご存じのように、主は私が子どもを産めないようにしておられます。どうぞ、私の女奴隷のところにお入りください。たぶん彼女によって、私は48子どもの母になれるでしょう。」アブラムはサライの言うことを聞き入れた。
3 アブラムの妻サライは、アブラムがカナンの土地に住んでから十年後に、彼女の女奴隷のエジプト人ハガルを連れて来て、夫アブラムに妻として与えた。
4 彼はハガルのところに入った。そして彼女はみごもった。彼女は自分がみごもったのを知って、自分の女主人を見下げるようになった。
5 そこでサライはアブラムに言った。「私に対するこの横柄さは、あなたのせいです。私自身が私の女奴隷をあなたのふところに与えたのですが、彼女は自分がみごもっているのを見て、私を見下げるようになりました。主が、私とあなたの間をおさばきになりますように。」
6 アブラムはサライに言った。「ご覧。あなたの女奴隷は、あなたの手の中にある。彼女をあなたの好きなようにしなさい。」それで、サライが彼女をいじめたので、彼女はサライのもとから逃げ去った。
7主の使いは、荒野の泉のほとり、シュルへの道にある泉のほとりで、彼女を見つけ、
8 「サライの女奴隷ハガル。あなたはどこから来て、どこへ行くのか」と尋ねた。彼女は答えた。「私の女主人サライのところから逃げているところです。」
9 そこで、主の使いは彼女に言った。「あなたの女主人のもとに帰りなさい。そして、彼女のもとで身を低くしなさい。」
10 また、主の使いは彼女に言った。「あなたの子孫は、わたしが大いにふやすので、数えきれないほどになる。」
11 さらに、主の使いは彼女に言った。
「見よ。あなたはみごもっている。
男の子を産もうとしている。
その子をイシュマエルと名づけなさい。
主があなたの苦しみを聞き入れられたから。
12 彼は野生のろばのような人となり、
その手は、すべての人に逆らい、
すべての人の手も、彼に逆らう。
彼はすべての兄弟に敵対して住もう。」
13 そこで、彼女は自分に語りかけられた主の名を「あなたは49エル・ロイ」と呼んだ。それは、「ご覧になる方のうしろを私が見て、なおもここにいるとは」と彼女が言ったからである。
14 それゆえ、その井戸は、50ベエル・ラハイ・ロイと呼ばれた。それは、カデシュとベレデの間にある。
15 ハガルは、アブラムに男の子を産んだ。アブラムは、ハガルが産んだその男の子をイシュマエルと名づけた。
16 ハガルがアブラムにイシュマエルを産んだとき、アブラムは八十六歳であった。
1 アブラムが九十九歳になったとき主はアブラムに現れ、こう仰せられた。
「わたしは51全能の神である。
あなたはわたしの前を歩み、全き者であれ。
2 わたしは、わたしの契約を、
わたしとあなたとの間に立てる。
わたしは、あなたをおびただしくふやそう。」
3 アブラムは、ひれ伏した。神は彼に告げて仰せられた。
4 「わたしは、この、わたしの契約を
あなたと結ぶ。
あなたは多くの国民の父となる。
5 あなたの名は、
もう、アブラムと呼んではならない。
あなたの名はアブラハムとなる。
わたしが、あなたを多くの国民の
父とするからである。
6 わたしは、あなたの子孫をおびただしくふやし、あなたを幾つかの国民とする。あなたから、王たちが出て来よう。
7 わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に、そしてあなたの後のあなたの子孫との間に、代々にわたる永遠の契約として立てる。わたしがあなたの神、あなたの後の子孫の神となるためである。
8 わたしは、あなたが滞在している地、すなわちカナンの全土を、あなたとあなたの後のあなたの子孫に永遠の所有として与える。わたしは、彼らの神となる。」
9 ついで、神はアブラハムに仰せられた。「あなたは、あなたの後のあなたの子孫とともに、代々にわたり、わたしの契約を守らなければならない。
10 次のことが、わたしとあなたがたと、またあなたの後のあなたの子孫との間で、あなたがたが守るべきわたしの契約である。あなたがたの中のすべての男子は割礼を受けなさい。
11 あなたがたは、あなたがたの包皮の肉を切り捨てなさい。それが、わたしとあなたがたの間の契約のしるしである。
12 あなたがたの中の男子はみな、代々にわたり、生まれて八日目に、割礼を受けなければならない。家で生まれたしもべも、外国人から金で買い取られたあなたの子孫ではない者も。
13 あなたの家で生まれたしもべも、あなたが金で買い取った者も、必ず割礼を受けなければならない。わたしの契約は、永遠の契約として、あなたがたの肉の上にしるされなければならない。
14 包皮の肉を切り捨てられていない無割礼の男、そのような者は、その民から断ち切られなければならない。わたしの契約を破ったのである。」
15 また、神はアブラハムに仰せられた。「あなたの妻サライのことだが、その名をサライと呼んではならない。その名は52サラとなるからだ。
16 わたしは彼女を祝福しよう。確かに、彼女によって、あなたにひとりの男の子を与えよう。わたしは彼女を祝福する。彼女は国々の53母となり、国々の民の王たちが、彼女から出て来る。」
17 アブラハムはひれ伏し、そして笑ったが、心の中で言った。「百歳の者に子どもが生まれようか。サラにしても、九十歳の女が子を産むことができようか。」
18 そして、アブラハムは神に申し上げた。「どうかイシュマエルが、あなたの御前で生きながらえますように。」
19 すると神は仰せられた。「いや、あなたの妻サラが、あなたに男の子を産むのだ。あなたはその子をイサクと名づけなさい。わたしは彼とわたしの契約を立て、それを彼の後の子孫のために永遠の契約とする。
20 イシュマエルについては、あなたの言うことを聞き入れた。確かに、わたしは彼を祝福し、彼の子孫をふやし、非常に多く増し加えよう。彼は十二人の族長たちを生む。わたしは彼を大いなる国民としよう。
21 しかしわたしは、来年の今ごろサラがあなたに産むイサクと、わたしの契約を立てる。」
22 神はアブラハムと語り終えられると、彼から離れて上られた。
23 そこでアブラハムは、その子イシュマエルと家で生まれたしもべ、また金で買い取った者、アブラハムの家の人々のうちのすべての男子を集め、神が彼にお告げになったとおり、その日のうちに、彼らの包皮の肉を切り捨てた。
24 アブラハムが包皮の肉を切り捨てられたときは、九十九歳であった。
25 その子イシュマエルが包皮の肉を切り捨てられたときは、十三歳であった。
26 アブラハムとその子イシュマエルは、その日のうちに割礼を受けた。
27 彼の家の男たち、すなわち、家で生まれた奴隷、外国人から金で買い取った者もみな、彼といっしょに割礼を受けた。
1主はマムレの54樫の木のそばで、アブラハムに現れた。彼は日の暑いころ、天幕の入口にすわっていた。
2 彼が目を上げて見ると、三人の人が彼に向かって立っていた。彼は、見るなり、彼らを迎えるために天幕の入口から走って行き、地にひれ伏して礼をした。
3 そして言った。「55ご主人。お気に召すなら、どうか、あなたのしもべのところを素通りなさらないでください。
4 少しばかりの水を持って来させますから、あなたがたの足を洗い、この木の下でお休みください。
5 私は少し食べ物を持ってまいります。それで元気を取り戻してください。それから、旅を続けられるように。せっかく、あなたがたのしもべのところをお通りになるのですから。」彼らは答えた。「あなたの言ったとおりにしてください。」
6 そこで、アブラハムは天幕のサラのところに急いで戻って、言った。「早く、三56セアの上等の小麦粉をこねて、パン菓子を作っておくれ。」
7 そしてアブラハムは牛のところに走って行き、柔らかくて、おいしそうな子牛を取り、若い者に渡した。若い者は手早くそれを料理した。
8 それからアブラハムは、凝乳と牛乳と、それに、料理した子牛を持って来て、彼らの前に供えた。彼は、木の下で彼らに給仕をしていた。こうして彼らは食べた。
9 彼らはアブラハムに尋ねた。「あなたの妻サラはどこにいますか。」それで「天幕の中にいます」と答えた。
10 するとひとりが言った。「わたしは来年の今ごろ、必ずあなたのところに戻って来ます。そのとき、あなたの妻サラには、男の子ができている。」サラはその人のうしろの天幕の入口で、聞いていた。
11 アブラハムとサラは年を重ねて老人になっており、サラには57普通の女にあることがすでに止まっていた。
12 それでサラは心の中で笑ってこう言った。「老いぼれてしまったこの私に、何の楽しみがあろう。それに主人も年寄りで。」
13 そこで、主がアブラハムに仰せられた。「サラはなぜ『私はほんとうに子を産めるだろうか。こんなに年をとっているのに』と言って笑うのか。
14主に不可能なことがあろうか。わたしは来年の今ごろ、定めた時に、あなたのところに戻って来る。そのとき、サラには男の子ができている。」
15 サラは「私は笑いませんでした」と言って打ち消した。恐ろしかったのである。しかし主は仰せられた。「いや、確かにあなたは笑った。」
16 その人たちは、そこを立って、ソドムを見おろすほうへ上って行った。アブラハムも彼らを見送るために、彼らといっしょに歩いていた。
17主はこう考えられた。「わたしがしようとしていることを、アブラハムに隠しておくべきだろうか。
18 アブラハムは必ず大いなる強い国民となり、地のすべての国々は、彼によって祝福される。
19 わたしが彼を選び出したのは、彼がその子らと、彼の後の家族とに命じて主の道を守らせ、正義と公正とを行わせるため、主が、アブラハムについて約束したことを、彼の上に成就するためである。」
20 そこで主は仰せられた。「ソドムとゴモラの叫びは非常に大きく、また彼らの罪はきわめて重い。
21 わたしは下って行って、わたしに届いた叫びどおりに、彼らが実際に行っているかどうかを見よう。わたしは知りたいのだ。」
22 その人たちはそこからソドムのほうへと進んで行った。アブラハムはまだ、主の前に立っていた。
23 アブラハムは近づいて申し上げた。「あなたはほんとうに、正しい者を、悪い者といっしょに滅ぼし尽くされるのですか。
24 もしや、その町の中に五十人の正しい者がいるかもしれません。ほんとうに滅ぼしてしまわれるのですか。その中にいる五十人の正しい者のために、その町をお赦しにはならないのですか。
25 正しい者を悪い者といっしょに殺し、そのため、正しい者と悪い者とが同じようになるというようなことを、あなたがなさるはずがありません。とてもありえないことです。全世界をさばくお方は、公義を行うべきではありませんか。」
26主は答えられた。「もしソドムで、わたしが五十人の正しい者を町の中に見つけたら、その人たちのために、その町全部を赦そう。」
27 アブラハムは答えて言った。「私はちりや灰にすぎませんが、あえて主に申し上げるのをお許しください。
28 もしや五十人の正しい者に五人不足しているかもしれません。その五人のために、あなたは町の全部を滅ぼされるでしょうか。」主は仰せられた。「滅ぼすまい。もしそこにわたしが四十五人を見つけたら。」
29 そこで、再び尋ねて申し上げた。「もしやそこに四十人見つかるかもしれません。」すると仰せられた。「58滅ぼすまい。その四十人のために。」
30 また彼は言った。「主よ。どうかお怒りにならないで、私に言わせてください。もしやそこに三十人見つかるかもしれません。」主は仰せられた。「59滅ぼすまい。もしそこにわたしが三十人を見つけたら。」
31 彼は言った。「私があえて、主に申し上げるのをお許しください。もしやそこに二十人見つかるかもしれません。」すると仰せられた。「滅ぼすまい。その二十人のために。」
32 彼はまた言った。「主よ。どうかお怒りにならないで、今一度だけ私に言わせてください。もしやそこに十人見つかるかもしれません。」すると主は仰せられた。「滅ぼすまい。その十人のために。」
33主はアブラハムと語り終えられると、去って行かれた。アブラハムは自分の家へ帰って行った。
1 そのふたりの御使いは夕暮れにソドムに着いた。ロトはソドムの門のところにすわっていた。ロトは彼らを見るなり、立ち上がって彼らを迎え、顔を地につけて伏し拝んだ。
2 そして言った。「さあ、ご主人。どうか、あなたがたのしもべの家に立ち寄り、足を洗って、お泊まりください。そして、朝早く旅を続けてください。」すると彼らは言った。「いや、わたしたちは広場に泊まろう。」
3 しかし、彼がしきりに勧めたので、彼らは彼のところに向かい、彼の家の中に入った。ロトは彼らのためにごちそうを作り、パン種を入れないパンを焼いた。こうして彼らは食事をした。
4 彼らが床につかないうちに、町の者たち、ソドムの人々が、若い者から年寄りまで、すべての人が、町の隅々から来て、その家を取り囲んだ。
5 そしてロトに向かって叫んで言った。「今夜おまえのところにやって来た男たちはどこにいるのか。ここに連れ出せ。彼らをよく知りたいのだ。」
6 ロトは戸口にいる彼らのところに出て、うしろの戸をしめた。
7 そして言った。「兄弟たちよ。どうか悪いことはしないでください。
8 お願いですから。私にはまだ男を知らないふたりの娘があります。娘たちをみなの前に連れて来ますから、あなたがたの好きなようにしてください。ただ、あの人たちには何もしないでください。あの人たちは私の屋根の下に身を寄せたのですから。」
9 しかし彼らは言った。「引っ込んでいろ。」そしてまた言った。「こいつはよそ者として来たくせに、さばきつかさのようにふるまっている。さあ、おまえを、あいつらよりもひどいめに会わせてやろう。」彼らはロトのからだを激しく押しつけ、戸を破ろうと近づいて来た。
10 すると、あの人たちが手を差し伸べて、ロトを自分たちのいる家の中に連れ込んで、戸をしめた。
11 家の戸口にいた者たちは、小さい者も大きい者もみな、目つぶしをくらったので、彼らは戸口を見つけるのに疲れ果てた。
12 ふたりはロトに言った。「ほかにあなたの身内の者がここにいますか。あなたの婿やあなたの息子、娘、あるいはこの町にいるあなたの身内の者をみな、この場所から連れ出しなさい。
13 わたしたちはこの場所を滅ぼそうとしているからです。彼らに対する叫びが主の前で大きくなったので、主はこの町を滅ぼすために、わたしたちを遣わされたのです。」
14 そこでロトは出て行き、娘たちをめとった婿たちに告げて言った。「立ってこの場所から出て行きなさい。主がこの町を滅ぼそうとしておられるから。」しかし、彼の婿たちには、それは冗談のように思われた。
15 夜が明けるころ、御使いたちはロトを促して言った。「さあ立って、あなたの妻と、ここにいるふたりの娘たちを連れて行きなさい。さもないと、あなたはこの町の咎のために滅ぼし尽くされてしまおう。」
16 しかし彼はためらっていた。すると、その人たちは彼の手と彼の妻の手と、ふたりの娘の手をつかんだ。──主の彼に対するあわれみによる。そして彼らを連れ出し、町の外に置いた。
17 彼らを外のほうに連れ出したとき、そのひとりは言った。「いのちがけで逃げなさい。うしろを振り返ってはいけない。この低地のどこででも立ち止まってはならない。山に逃げなさい。さもないと滅ぼされてしまう。」
18 ロトは彼らに言った。「主よ。どうか、そんなことになりませんように。
19 ご覧ください。このしもべはあなたの心にかない、あなたは私のいのちを救って大きな恵みを与えてくださいました。しかし、私は、山に逃げることができません。わざわいが追いついて、たぶん私は死ぬでしょう。
20 ご覧ください。あそこの町は、のがれるのに近いのです。しかもあんなに60小さいのです。どうか、あそこに逃げさせてください。あんなに小さいではありませんか。私のいのちを生かしてください。」
21 その人は彼に言った。「よろしい。わたしはこのことでも、あなたの願いを入れ、あなたの言うその町を滅ぼすまい。
22 急いでそこへのがれなさい。あなたがあそこに入るまでは、わたしは何もできないから。」それゆえ、その町の名は61ツォアルと呼ばれた。
23 太陽が地上に上ったころ、ロトはツォアルに着いた。
24 そのとき、主はソドムとゴモラの上に、硫黄の火を天の主のところから降らせ、
25 これらの町々と低地全体と、その町々の住民と、その地の植物をみな滅ぼされた。
26 ロトのうしろにいた彼の妻は、振り返ったので、塩の柱になってしまった。
27翌朝早く、アブラハムは、かつて主の前に立ったあの場所に行った。
28 彼がソドムとゴモラのほう、それに低地の全地方を見おろすと、見よ、まるでかまどの煙のようにその地の煙が立ち上っていた。
29 こうして、神が低地の町々を滅ぼされたとき、神はアブラハムを覚えておられた。それで、ロトが住んでいた町々を滅ぼされたとき、神はロトをその破壊の中からのがれさせた。
30 その後、ロトはツォアルを出て、ふたりの娘といっしょに山に住んだ。彼はツォアルに住むのを恐れたからである。彼はふたりの娘といっしょにほら穴の中に住んだ。
31 そうこうするうちに、姉は妹に言った。「お父さんは年をとっています。この地には、この世のならわしのように、私たちのところに来る男の人などいません。
32 さあ、お父さんに酒を飲ませ、いっしょに寝て、お父さんによって子孫を残しましょう。」
33 その夜、彼女たちは父親に酒を飲ませ、姉が入って行き、父と寝た。ロトは彼女が寝たのも、起きたのも知らなかった。
34 その翌日、姉は妹に言った。「ご覧。私は昨夜、お父さんと寝ました。今夜もまた、お父さんに酒を飲ませましょう。そして、あなたが行って、いっしょに寝なさい。そうして、私たちはお父さんによって、子孫を残しましょう。」
35 その夜もまた、彼女たちは父に酒を飲ませ、妹が行って、いっしょに寝た。ロトは彼女が寝たのも、起きたのも知らなかった。
36 こうして、ロトのふたりの娘は、父によってみごもった。
37 姉は男の子を産んで、その子をモアブと名づけた。彼は今日のモアブ人の先祖である。
38 妹もまた、男の子を産んで、その子をベン・アミと名づけた。彼は今日のアモン人の先祖である。
1 アブラハムは、そこからネゲブの地方へ移り、カデシュとシュルの間に住みついた。ゲラルに滞在中、
2 アブラハムは、自分の妻サラのことを、「これは私の妹です」と言ったので、ゲラルの王アビメレクは、使いをやって、サラを召し入れた。
3 ところが、神は、夜、夢の中で、アビメレクのところに来られ、そして仰せられた。「あなたが召し入れた女のために、あなたは死ななければならない。あの女は夫のある身である。」
4 アビメレクはまだ、彼女に近づいていなかったので、こう言った。「主よ。あなたは正しい国民をも殺されるのですか。
5 彼は私に、『これは私の妹だ』と言ったではありませんか。そして、彼女自身も『これは私の兄だ』と言ったのです。私は正しい心と汚れない手で、このことをしたのです。」
6 神は夢の中で、彼に仰せられた。「そうだ。あなたが正しい心でこの事をしたのを、わたし自身よく知っていた。それでわたしも、あなたがわたしに罪を犯さないようにしたのだ。それゆえ、わたしは、あなたが彼女に触れることを許さなかったのだ。
7 今、あの人の妻を返していのちを得なさい。あの人は預言者であって、あなたのために祈ってくれよう。しかし、あなたが返さなければ、あなたも、あなたに属するすべての者も、必ず死ぬことをわきまえなさい。」
8翌朝早く、アビメレクは彼のしもべを全部呼び寄せ、これらのことをみな語り聞かせたので、人々は非常に恐れた。
9 それから、アビメレクはアブラハムを呼び寄せて言った。「あなたは何ということを、してくれたのか。あなたが私と私の王国とに、こんな大きな罪をもたらすとは、いったい私がどんな罪をあなたに犯したのか。あなたはしてはならないことを、私にしたのだ。」
10 また、アビメレクはアブラハムに言った。「あなたはどういうつもりで、こんなことをしたのか。」
11 アブラハムは答えた。「この地方には、神を恐れることが全くないので、人々が私の妻のゆえに、私を殺すと思ったからです。
12 また、ほんとうに、あれは私の妹です。あの女は私の父の娘ですが、私の母の娘ではありません。それが私の妻になったのです。
13 神が私を父の家からさすらいの旅に出されたとき、私は彼女に、『こうして、あなたの愛を私のために尽くしておくれ。私たちが行くどこででも、私のことを、この人は私の兄です、と言っておくれ』と頼んだのです。」
14 そこで、アビメレクは、羊の群れと牛の群れと男女の奴隷たちを取って来て、アブラハムに与え、またアブラハムの妻サラを彼に返した。
15 そして、アビメレクは言った。「見よ。私の領地があなたの前に広がっている。あなたの良いと思う所に住みなさい。」
16 彼はまたサラに言った。「ここに、銀千枚をあなたの兄に与える。きっと、これはあなたといっしょにいるすべての人の前で、あなたを守るものとなろう。これで62すべて、正しいとされよう。」
17 そこで、アブラハムは神に祈った。神はアビメレクとその妻、および、はしためたちをいやされたので、彼らはまた子を産むようになった。
18主が、アブラハムの妻、サラのゆえに、アビメレクの家のすべての胎を堅く閉じておられたからである。
1主は、約束されたとおり、サラを顧みて、仰せられたとおりに主はサラになさった。
2 サラはみごもり、そして神がアブラハムに言われたその時期に、年老いたアブラハムに男の子を産んだ。
3 アブラハムは、自分に生まれた子、サラが自分に産んだ子をイサクと名づけた。
4 そしてアブラハムは、神が彼に命じられたとおり、八日目になった自分の子イサクに割礼を施した。
5 アブラハムは、その子イサクが生まれたときは百歳であった。
6 サラは言った。「神は私を笑われました。聞く者はみな、私に向かって笑うでしょう。」
7 また彼女は言った。「だれがアブラハムに、『サラが子どもに乳を飲ませる』と告げたでしょう。ところが私は、あの年寄りに子を産みました。」
8 その子は育って乳離れした。アブラハムはイサクの乳離れの日に、盛大な宴会を催した。
9 そのとき、サラは、エジプトの女ハガルがアブラハムに産んだ子が、63自分の子イサクを64からかっているのを見た。
10 それでアブラハムに言った。「このはしためを、その子といっしょに追い出してください。このはしための子は、私の子イサクといっしょに跡取りになるべきではありません。」
11 このことは、自分の子に関することなので、アブラハムは、非常に悩んだ。
12 すると、神はアブラハムに仰せられた。「その少年と、あなたのはしためのことで、悩んではならない。サラがあなたに言うことはみな、言うとおりに聞き入れなさい。65イサクから出る者が、あなたの子孫と呼ばれるからだ。
13 しかしはしための子も、わたしは一つの国民としよう。彼もあなたの子だから。」
14翌朝早く、アブラハムは、パンと水の皮袋を取ってハガルに与え、それを彼女の肩に載せ、その子とともに彼女を送り出した。それで彼女はベエル・シェバの荒野をさまよい歩いた。
15皮袋の水が尽きたとき、彼女はその子を一本の灌木の下に投げ出し、
16 自分は、矢の届くほど離れた向こうに行ってすわった。それは彼女が「私は子どもの死ぬのを見たくない」と思ったからである。それで、離れてすわったのである。そうして彼女は声をあげて泣いた。
17 神は少年の声を聞かれ、神の使いは天からハガルを呼んで、言った。「ハガルよ。どうしたのか。恐れてはいけない。神があそこにいる少年の声を聞かれたからだ。
18 行ってあの少年を起こし、彼を力づけなさい。わたしはあの子を大いなる国民とするからだ。」
19 神がハガルの目を開かれたので、彼女は井戸を見つけた。それで行って皮袋に水を満たし、少年に飲ませた。
20 神が少年とともにおられたので、彼は成長し、荒野に住んで、弓を射る者となった。
21 こうして彼はパランの荒野に住みついた。彼の母はエジプトの国から彼のために妻を迎えた。
22 そのころ、アビメレクとその将軍ピコルとがアブラハムに告げて言った。「あなたが何をしても、神はあなたとともにおられる。
23 それで今、ここで神によって私に誓ってください。私も、私の親類縁者たちをも裏切らないと。そして私があなたに尽くした真実にふさわしく、あなたは私にも、またあなたが滞在しているこの土地にも真実を尽くしてください。」
24 するとアブラハムは、「私は66誓います」と言った。
25 また、アブラハムは、アビメレクのしもべどもが奪い取った井戸のことでアビメレクに抗議した。
26 アビメレクは答えた。「だれがそのようなことをしたのか知りませんでした。それにあなたもまた、私に告げなかったし、私もまたきょうまで聞いたことがなかったのです。」
27 そこでアブラハムは羊と牛を取って、アビメレクに与え、ふたりは契約を結んだ。
28 アブラハムは羊の群れから、七頭の雌の子羊をより分けた。
29 するとアビメレクは、「今あなたがより分けたこの七頭の雌の子羊は、いったいどういうわけですか」とアブラハムに尋ねた。
30 アブラハムは、「私がこの井戸を掘ったという証拠となるために、67七頭の雌の子羊を私の手から受け取ってください」と答えた。
31 それゆえ、その場所は68ベエル・シェバと呼ばれた。その所で彼らふたりが誓ったからである。
32 彼らがベエル・シェバで契約を結んでから、アビメレクとその将軍ピコルとは立って、ペリシテ人の地に帰った。
33 アブラハムはベエル・シェバに一本の柳の木を植え、その所で永遠の神、主の御名によって祈った。
34 アブラハムは長い間ペリシテ人の地に滞在した。
1 これらの出来事の後、神はアブラハムを試練に会わせられた。神は彼に、「アブラハムよ」と呼びかけられると、彼は、「はい。ここにおります」と答えた。
2 神は仰せられた。「あなたの子、あなたの愛しているひとり子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。そしてわたしがあなたに示す一つの山の上で、全焼のいけにえとしてイサクをわたしにささげなさい。」
3翌朝早く、アブラハムはろばに鞍をつけ、ふたりの若い者と息子イサクとをいっしょに連れて行った。彼は全焼のいけにえのためのたきぎを割った。こうして彼は、神がお告げになった場所へ出かけて行った。
4 三日目に、アブラハムが目を上げると、その場所がはるかかなたに見えた。
5 それでアブラハムは若い者たちに、「あなたがたは、ろばといっしょに、ここに残っていなさい。私と子どもとはあそこに行き、礼拝をして、あなたがたのところに戻って来る」と言った。
6 アブラハムは全焼のいけにえのためのたきぎを取り、それをその子イサクに負わせ、火と刀とを自分の手に取り、ふたりはいっしょに進んで行った。
7 イサクは父アブラハムに話しかけて言った。「お父さん。」すると彼は、「何だ。69イサク」と答えた。イサクは尋ねた。「火とたきぎはありますが、全焼のいけにえのための羊は、どこにあるのですか。」
8 アブラハムは答えた。「70イサク。神ご自身が全焼のいけにえの羊を71備えてくださるのだ。」こうしてふたりはいっしょに歩き続けた。
9 ふたりは神がアブラハムに告げられた場所に着き、アブラハムはその所に祭壇を築いた。そうしてたきぎを並べ、自分の子イサクを縛り、祭壇の上のたきぎの上に置いた。
10 アブラハムは手を伸ばし、刀を取って自分の子をほふろうとした。
11 そのとき、主の使いが天から彼を呼び、「アブラハム。アブラハム」と仰せられた。彼は答えた。「はい。ここにおります。」
12御使いは仰せられた。「あなたの手を、その子に下してはならない。その子に何もしてはならない。今、わたしは、あなたが神を恐れることがよくわかった。あなたは、自分の子、自分のひとり子さえ惜しまないでわたしにささげた。」
13 アブラハムが目を上げて見ると、見よ、角をやぶにひっかけている一頭の雄羊がいた。アブラハムは行って、その雄羊を取り、それを自分の子の代わりに、全焼のいけにえとしてささげた。
14 そうしてアブラハムは、その場所を、72アドナイ・イルエと名づけた。今日でも、「主の山の上には備えがある」と言い伝えられている。
15 それから主の使いは、再び天からアブラハムを呼んで、
16仰せられた。「これは主の御告げである。わたしは自分にかけて誓う。あなたが、このことをなし、あなたの子、あなたのひとり子を惜しまなかったから、
17 わたしは確かにあなたを大いに祝福し、あなたの子孫を、空の星、海辺の砂のように数多く増し加えよう。そしてあなたの子孫は、その敵の門を勝ち取るであろう。
18 あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。あなたがわたしの声に聞き従ったからである。」
19 こうして、アブラハムは、若者たちのところに戻った。彼らは立って、いっしょにベエル・シェバに行った。アブラハムはベエル・シェバに住みついた。
20 これらの出来事の後、アブラハムに次のことが伝えられた。「ミルカもまた、あなたの兄弟ナホルに子どもを産みました。
21 すなわち長男がウツ、その弟がブズ、それにアラムの父であるケムエル、
22 次にケセデ、ハゾ、ピルダシュ、イデラフ、それにベトエルです。」
23 ベトエルはリベカを生んだ。ミルカはこれら八人をアブラハムの兄弟ナホルに産んだのである。
24 レウマというナホルのそばめもまた、テバフ、ガハム、タハシュ、マアカを産んだ。
1 サラの一生、サラが生きた年数は百二十七年であった。
2 サラはカナンの地のキルヤテ・アルバ、すなわちヘブロンで死んだ。アブラハムは来てサラのために嘆き、泣いた。
3 それからアブラハムは、その死者のそばから立ち上がり、ヘテ人たちに告げて言った。
4 「私はあなたがたの中に居留している異国人ですが、あなたがたのところで私有の墓地を私に譲っていただきたい。そうすれば私のところから移して、死んだ者を葬ることができるのです。」
5 ヘテ人たちはアブラハムに答えて言った。
6 「ご主人。私たちの言うことを聞き入れてください。あなたは私たちの間にあって、神のつかさです。私たちの最上の墓地に、なくなられた方を葬ってください。私たちの中で、だれひとり、なくなられた方を葬る墓地を拒む者はおりません。」
7 そこでアブラハムは立って、その土地の人々、ヘテ人にていねいにおじぎをして、
8 彼らに告げて言った。「死んだ者を私のところから移して葬ることが、あなたがたのおこころであれば、私の言うことを聞いて、ツォハルの子エフロンに交渉して、
9 彼の畑地の端にある彼の所有のマクペラのほら穴を私に譲ってくれるようにしてください。彼があなたがたの間でその畑地に十分な価をつけて、私に私有の墓地として譲ってくれるようにしてください。」
10 エフロンはヘテ人たちの間にすわっていた。ヘテ人のエフロンは、その町の門に入って来たヘテ人たちみなが聞いているところで、アブラハムに答えて言った。
11 「ご主人。どうか、私の言うことを聞き入れてください。畑地をあなたに差し上げます。そこにあるほら穴も、差し上げます。私の国の人々の前で、それをあなたに差し上げます。なくなられた方を、葬ってください。」
12 アブラハムは、その土地の人々におじぎをし、
13 その土地の人々の聞いているところで、エフロンに告げて言った。「もしあなたが許してくださるなら、私の言うことを聞き入れてください。私は畑地の代価をお払いします。どうか私から受け取ってください。そうすれば、死んだ者をそこに葬ることができます。」
14 エフロンはアブラハムに答えて言った。
15 「ではご主人。私の言うことを聞いてください。銀四百シェケルの土地、それなら私とあなたとの間では、何ほどのこともないでしょう。どうぞ、なくなられた方を葬ってください。」
16 アブラハムはエフロンの申し出を聞き入れ、エフロンがヘテ人たちの聞いているところでつけた代価、通り相場で銀四百シェケルを計ってエフロンに渡した。
17 こうして、マムレに面するマクペラにあるエフロンの畑地、すなわちその畑地とその畑地にあるほら穴、それと、畑地の回りの境界線の中にあるどの木も、
18 その町の門に入って来たすべてのヘテ人たちの目の前で、アブラハムの所有となった。
19 こうして後、アブラハムは自分の妻サラを、カナンの地にある、マムレすなわち今日のヘブロンに面するマクペラの畑地のほら穴に葬った。
20 こうして、この畑地と、その中にあるほら穴は、ヘテ人たちから離れてアブラハムの私有の墓地として彼の所有となった。
1 アブラハムは年を重ねて、老人になっていた。主は、あらゆる面でアブラハムを祝福しておられた。
2 そのころ、アブラハムは、自分の全財産を管理している家の最年長のしもべに、こう言った。「あなたの手を私のももの下に入れてくれ。
3 私はあなたに、天の神、地の神である主にかけて誓わせる。私が73いっしょに住んでいるカナン人の娘の中から、私の息子の妻をめとってはならない。
4 あなたは私の生まれ故郷に行き、私の息子イサクのために妻を迎えなさい。」
5 しもべは彼に言った。「もしかして、その女の人が、私についてこの国へ来ようとしない場合、お子を、あなたの出身地へ連れ戻さなければなりませんか。」
6 アブラハムは彼に言った。「私の息子をあそこへ連れ帰らないように気をつけなさい。
7 私を、私の父の家、私の生まれ故郷から連れ出し、私に誓って、『あなたの子孫にこの地を与える』と約束して仰せられた天の神、主は、御使いをあなたの前に遣わされる。あなたは、あそこで私の息子のために妻を迎えなさい。
8 もし、その女があなたについて来ようとしないなら、あなたはこの私との誓いから解かれる。ただし、私の息子をあそこへ連れ帰ってはならない。」
9 それでしもべは、その手を主人であるアブラハムのももの下に入れ、このことについて彼に誓った。
10 しもべは主人のらくだの中から十頭のらくだを取り、そして出かけた。また主人のあらゆる貴重な品々を持って行った。彼は立ってアラム・ナハライムのナホルの町へ行った。
11 彼は夕暮れ時、女たちが水を汲みに出て来るころ、町の外の井戸のところに、らくだを伏させた。
12 そうして言った。「私の主人アブラハムの神、主よ。きょう、私のためにどうか取り計らってください。私の主人アブラハムに恵みを施してください。
13 ご覧ください。私は泉のほとりに立っています。この町の人々の娘たちが、水を汲みに出てまいりましょう。
14 私が娘に『どうかあなたの水がめを傾けて私に飲ませてください』と言い、その娘が『お飲みください。私はあなたのらくだにも水を飲ませましょう』と言ったなら、その娘こそ、あなたがしもべイサクのために定めておられたのです。このことで私は、あなたが私の主人に恵みを施されたことを知ることができますように。」
15 こうして彼がまだ言い終わらないうちに、見よ、リベカが水がめを肩に載せて出て来た。リベカはアブラハムの兄弟ナホルの妻ミルカの子ベトエルの娘であった。
16 この娘は非常に美しく、処女で、男が触れたことがなかった。彼女は泉に降りて行き、水がめに水を満たし、そして上がって来た。
17 しもべは彼女に会いに走って行き、そして言った。「どうか、あなたの水がめから、少し水を飲ませてください。」
18 すると彼女は、「どうぞ、お飲みください。だんなさま」と言って、すばやく、その手に水がめを取り降ろし、彼に飲ませた。
19 彼に水を飲ませ終わると、彼女は、「あなたのらくだのためにも、それが飲み終わるまで、水を汲んで差し上げましょう」と言った。
20 彼女は急いで水がめの水を水ぶねにあけ、水を汲むためにまた井戸のところまで走って行き、その全部のらくだのために水を汲んだ。
21 この人は、主が自分の旅を成功させてくださったかどうかを知ろうと、黙って彼女を見つめていた。
22 らくだが水を飲み終わったとき、その人は、重さ一74ベカの金の飾り輪と、彼女の腕のために、重さ十75シェケルの二つの金の腕輪を取り、
23尋ねた。「あなたは、どなたの娘さんですか。どうか私に言ってください。あなたの父上の家には、私どもが泊めていただく場所があるでしょうか。」
24 彼女が答えた。「私はナホルの妻ミルカの子ベトエルの娘です。」
25 そして言った。「私たちのところには、わらも、飼料もたくさんあります。それにまたお泊まりになる場所もあります。」
26 そこでその人は、ひざまずき、主を礼拝して、
27 言った。「私の主人アブラハムの神、主がほめたたえられますように。主は私の主人に対する恵みとまこととをお捨てにならなかった。主はこの私をも途中つつがなく、私の主人の兄弟の家に導かれた。」
28 その娘は走って行って、自分の母の家の者に、これらのことを告げた。
29 リベカにはひとりの兄があって、その名をラバンと言った。ラバンは外へ出て泉のところにいるその人のもとへ走って行った。
30 彼は鼻の飾り輪と妹の腕にある腕輪を見、また、「あの人がこう私に言われました」と言った妹リベカのことばを聞くとすぐ、その人のところに行った。すると見よ。その人は泉のほとり、らくだのそばに立っていた。
31 そこで彼は言った。「どうぞおいでください。主に祝福された方。どうして外に立っておられるのですか。私は家と、らくだのための場所を用意しております。」
32 それでその人は家の中に入った。らくだの荷は解かれ、らくだにはわらと飼料が与えられ、彼の足と、その従者たちの足を洗う水も与えられた。
33 それから、彼の前に食事が出されたが、彼は言った。「私の用向きを話すまでは食事をいただきません。」「お話しください」と言われて、
34 彼は言った。「私はアブラハムのしもべです。
35主は私の主人を大いに祝福されましたので、主人は富んでおります。主は羊や牛、銀や金、男女の奴隷、らくだやろばをお与えになりました。
36 私の主人の妻サラは、年をとってから、ひとりの男の子を主人に産み、主人はこの子に自分の全財産を譲っておられます。
37 私の主人は私に誓わせて、こう申しました。『私が住んでいるこの土地のカナン人の娘を私の息子の妻にめとってはならない。
38 あなたは私の父の家、私の親族のところへ行って、私の息子のために妻を迎えなくてはならない。』
39 そこで私は主人に申しました。『もしかすると、その女の人は私について来ないかもしれません。』
40 すると主人は答えました。『私は主の前を歩んできた。その主が御使いをあなたといっしょに遣わし、あなたの旅を成功させてくださる。あなたは、私の親族、私の父の家族から、私の息子のために妻を迎えなければならない。
41 次のようなときは、あなたは私の誓いから解かれる。あなたが私の親族のところに行き、もしも彼らがあなたに76娘を与えない場合、そのとき、あなたは私の誓いから解かれる。』
42 きょう、私は泉のところに来て申しました。『私の主人アブラハムの神、主よ。私がここまで来た旅を、もしあなたが成功させてくださるのなら、
43 ご覧ください。私は泉のほとりに立っています。おとめが水を汲みに出て来たなら、私は、あなたの水がめから少し水を飲ませてください、と言います。
44 その人が私に、「どうぞお飲みください。私はあなたのらくだにも水を汲んであげましょう」と言ったなら、その人こそ、主が私の主人の息子のために定められた妻でありますように。』
45 私が心の中で話し終わらないうちに、どうです、リベカさんが水がめを肩に載せて出て来て、泉のところに降りて行き、水を汲みました。それで私が『どうか水を飲ませてください』と言うと、
46 急いで水がめを降ろし、『お飲みください。あなたのらくだにも水を飲ませましょう』と言われたので、私は飲みました。らくだにも水を飲ませてくださいました。
47 私が尋ねて、『あなたはどなたの娘さんですか』と言いますと、『ミルカがナホルに産んだ子ベトエルの娘です』と答えられました。そこで私は彼女の鼻に飾り輪をつけ、彼女の腕に腕輪をはめました。
48 そうして私はひざまずき、主を礼拝し、私の主人アブラハムの神、主を賛美しました。主は私の主人の兄弟の娘を、主人の息子にめとるために、私を正しい道に導いてくださったのです。
49 それで今、あなたがたが私の主人に、恵みとまこととを施してくださるのなら、私にそう言ってください。そうでなければ、そうでないと私に言ってください。それによって、私は右か左に向かうことになるでしょう。」
50 するとラバンとベトエルは答えて言った。「このことは主から出たことですから、私たちはあなたによしあしを言うことはできません。
51 ご覧ください。リベカはあなたの前にいます。どうか連れて行ってください。主が仰せられたとおり、あなたの主人のご子息の妻となりますように。」
52 アブラハムのしもべは、彼らのことばを聞くやいなや、地にひれ伏して主を礼拝した。
53 そうして、このしもべは、銀や金の品物や衣装を取り出してリベカに与えた。また、彼女の兄や母にも貴重な品々を贈った。
54 それから、このしもべと、その従者たちとは飲み食いして、そこに泊まった。朝になって、彼らが起きると、そのしもべは「私の主人のところへ帰してください」と言った。
55 すると彼女の兄と母は、「娘をしばらく、十日間ほど、私たちといっしょにとどめておき、それから後、行かせたいのですが」と言った。
56 しもべは彼らに、「私が遅れないようにしてください。主が私の旅を成功させてくださったのですから。私が主人のところへ行けるように私を帰らせてください」と言った。
57 彼らは答えた。「娘を呼び寄せて、娘の言うことを聞いてみましょう。」
58 それで彼らはリベカを呼び寄せて、「この人といっしょに行くか」と尋ねた。すると彼女は、「はい。まいります」と答えた。
59 そこで彼らは、妹リベカとそのうばを、アブラハムのしもべとその従者たちといっしょに送り出した。
60 彼らはリベカを祝福して言った。
「われらの妹よ。
あなたは幾千万にもふえるように。
そして、あなたの子孫は
敵の門を勝ち取るように。」
61 リベカとその侍女たちは立ち上がり、らくだに乗って、その人のあとについて行った。こうして、しもべはリベカを連れて出かけた。
62 そのとき、イサクは、ベエル・ラハイ・ロイ地方から帰って来ていた。彼はネゲブの地に住んでいたのである。
63 イサクは夕暮れ近く、野に散歩に出かけた。彼がふと目を上げ、見ると、らくだが近づいて来た。
64 リベカも目を上げ、イサクを見ると、らくだから降り、
65 そして、しもべに尋ねた。「野を歩いてこちらのほうに、私たちを迎えに来るあの人はだれですか。」しもべは答えた。「あの方が私の主人です。」そこでリベカはベールを取って身をおおった。
66 しもべは自分がしてきたことを残らずイサクに告げた。
67 イサクは、その母サラの天幕にリベカを連れて行き、リベカをめとり、彼女は彼の妻となった。彼は彼女を愛した。イサクは、77母のなきあと、慰めを得た。
1 アブラハムは、もうひとりの妻をめとった。その名はケトラといった。
2 彼女は彼に、ジムラン、ヨクシャン、メダン、ミデヤン、イシュバク、シュアハを産んだ。
3 ヨクシャンはシェバとデダンを生んだ。デダンの子孫はアシュル人とレトシム人とレウミム人であった。
4 ミデヤンの子は、エファ、エフェル、エノク、アビダ、エルダアであって、これらはみな、ケトラの子孫であった。
5 アブラハムは自分の全財産をイサクに与えた。
6 しかしアブラハムのそばめたちの子らには、アブラハムは贈り物を与え、彼の生存中に、彼らを東のほう、東方の国にやって、自分の子イサクから遠ざけた。
7 以上は、アブラハムの一生の年で、百七十五年であった。
8 アブラハムは平安な老年を迎え、長寿を全うして息絶えて死に、自分の民に加えられた。
9 彼の子らイサクとイシュマエルは、彼をマクペラのほら穴に葬った。このほら穴は、マムレに面するヘテ人ツォハルの子エフロンの畑地の中にあった。
10 この畑地はアブラハムがヘテ人たちから買ったもので、そこにアブラハムと妻サラとが葬られたのである。
11 アブラハムの死後、神は彼の子イサクを祝福された。イサクはベエル・ラハイ・ロイの近くに住みついた。
12 これはサラの女奴隷エジプト人ハガルがアブラハムに産んだアブラハムの子イシュマエルの歴史である。
13 すなわちイシュマエルの子の名は、その生まれた順の名によれば、イシュマエルの長子ネバヨテ、ケダル、アデベエル、ミブサム、
14 ミシュマ、ドマ、マサ
15 ハダデ、テマ、エトル、ナフィシュ、ケデマである。
16 これらがイシュマエルの子孫で、それらは彼らの村落と宿営につけられた名であって、十二人の、それぞれの氏族の長である。
17 以上はイシュマエルの生涯で、百三十七年であった。彼は息絶えて死に、その民に加えられた。
18 イシュマエルの子孫は、ハビラから、エジプトに近い、アシュルへの道にあるシュルにわたって、住みつき、それぞれ自分のすべての兄弟たちに敵対して住んだ。
19 これはアブラハムの子イサクの歴史である。
アブラハムはイサクを生んだ。
20 イサクが、パダン・アラムのアラム人ベトエルの娘で、アラム人ラバンの妹であるリベカを妻にめとったときは、四十歳であった。
21 イサクは自分の妻のために主に祈願した。彼女が不妊の女であったからである。主は彼の祈りに答えられた。それで彼の妻リベカはみごもった。
22 子どもたちが彼女の腹の中でぶつかり合うようになったとき、彼女は、「こんなことでは、いったいどうなるのでしょう。私は」と言った。そして主のみこころを求めに行った。
23 すると主は彼女に仰せられた。
「二つの国があなたの胎内にあり、
二つの国民があなたから分かれ出る。
一つの国民は他の国民より強く、
兄が弟に仕える。」
24 出産の時が満ちると、見よ、ふたごが胎内にいた。
25 最初に出て来た子は、赤くて、全身毛衣のようであった。それでその子をエサウと名づけた。
26 そのあとで弟が出て来たが、その手はエサウの78かかとをつかんでいた。それでその子をヤコブと名づけた。イサクは彼らを生んだとき、六十歳であった。
27 この子どもたちが成長したとき、エサウは巧みな猟師、野の人となり、ヤコブは穏やかな人となり、天幕に住んでいた。
28 イサクはエサウを愛していた。それは彼が猟の獲物を好んでいたからである。リベカはヤコブを愛していた。
29 さて、ヤコブが煮物を煮ているとき、エサウが飢え疲れて野から帰って来た。
30 エサウはヤコブに言った。「どうか、その79赤いのを、そこの赤い物を私に食べさせてくれ。私は飢え疲れているのだから。」それゆえ、彼の名はエドムと呼ばれた。
31 するとヤコブは、「今すぐ、あなたの長子の権利を私に売りなさい」と言った。
32 エサウは、「見てくれ。死にそうなのだ。長子の権利など、今の私に何になろう」と言った。
33 それでヤコブは、「まず、私に誓いなさい」と言ったので、エサウはヤコブに誓った。こうして彼の長子の権利をヤコブに売った。
34 ヤコブはエサウにパンとレンズ豆の煮物を与えたので、エサウは食べたり、飲んだりして、立ち去った。こうしてエサウは長子の権利を軽蔑したのである。
1 さて、アブラハムの時代にあった先のききんとは別に、この国にまたききんがあった。それでイサクはゲラルのペリシテ人の王アビメレクのところへ行った。
2主はイサクに現れて仰せられた。「エジプトへは下るな。わたしがあなたに示す地に住みなさい。
3 あなたはこの地に、滞在しなさい。わたしはあなたとともにいて、あなたを祝福しよう。それはわたしが、これらの国々をすべて、あなたとあなたの子孫に与えるからだ。こうしてわたしは、あなたの父アブラハムに誓った誓いを果たすのだ。
4 そしてわたしは、あなたの子孫を空の星のように増し加え、あなたの子孫に、これらの国々をみな与えよう。こうして地のすべての国々は、あなたの子孫によって祝福される。
5 これはアブラハムがわたしの声に聞き従い、わたしの戒めと命令とおきてとおしえを守ったからである。」
6 イサクがゲラルに住んでいるとき、
7 その土地の人々が彼の妻のことを尋ねた。すると彼は、「あれは私の妻です」と言うのを恐れて、「あれは私の妹です」と答えた。リベカが美しかったので、リベカのことでこの土地の人々が自分を殺しはしないかと思ったからである。
8 イサクがそこに滞在して、かなりたったある日、ペリシテ人の王アビメレクが窓から見おろしていると、なんと、イサクがその妻のリベカを愛撫しているのが見えた。
9 それでアビメレクはイサクを呼び寄せて言った。「確かに、あの女はあなたの妻だ。なぜあなたは『あれは私の妹です』と言ったのだ。」それでイサクは、「彼女のことで殺されはしないかと思ったからです」と答えた。
10 アビメレクは言った。「何ということをしてくれたのだ。もう少しで、民のひとりがあなたの妻と寝て、あなたはわれわれに罪を負わせるところだった。」
11 そこでアビメレクはすべての民に命じて言った。「この人と、この人の妻に触れる者は、必ず殺される。」
12 イサクはその地に種を蒔き、その年に百倍の収穫を見た。主が彼を祝福してくださったのである。
13 こうして、この人は富み、ますます栄えて、非常に裕福になった。
14 彼が羊の群れや、牛の群れ、それに多くのしもべたちを持つようになったので、ペリシテ人は彼をねたんだ。
15 それでペリシテ人は、イサクの父アブラハムの時代に、父のしもべたちが掘ったすべての井戸に土を満たしてこれをふさいだ。
16 そうしてアビメレクはイサクに言った。「あなたは、われわれよりはるかに強くなったから、われわれのところから出て行ってくれ。」
17 イサクはそこを去って、ゲラルの谷間に天幕を張り、そこに住んだ。
18 イサクは、彼の父アブラハムの時代に掘ってあった井戸を、再び掘った。それらはペリシテ人がアブラハムの死後、ふさいでいたものである。イサクは、父がそれらにつけていた名と同じ名をそれらにつけた。
19 イサクのしもべたちが谷間を掘っているとき、そこに湧き水の出る井戸を見つけた。
20 ところが、ゲラルの羊飼いたちは「この水はわれわれのものだ」と言って、イサクの羊飼いたちと争った。それで、イサクはその井戸の名を80エセクと呼んだ。それは彼らがイサクと争ったからである。
21 しもべたちは、もう一つの井戸を掘った。ところが、それについても彼らが争ったので、その名を81シテナと呼んだ。
22 イサクはそこから移って、ほかの井戸を掘った。その井戸については争いがなかったので、その名を82レホボテと呼んだ。そして彼は言った。「今や、主は私たちに広い所を与えて、私たちがこの地でふえるようにしてくださった。」
23 彼はそこからベエル・シェバに上った。
24主はその夜、彼に現れて仰せられた。
「わたしはあなたの父アブラハムの神である。
恐れてはならない。
わたしがあなたとともにいる。
わたしはあなたを祝福し、
あなたの子孫を増し加えよう。
わたしのしもべアブラハムのゆえに。」
25 イサクはそこに祭壇を築き、主の御名によって祈った。彼はそこに天幕を張り、イサクのしもべらは、そこに井戸を掘った。
26 そのころ、アビメレクは友人のアフザテとその将軍ピコルと、ゲラルからイサクのところにやって来た。
27 イサクは彼らに言った。「なぜ、あなたがたは私のところに来たのですか。あなたがたは私を憎んで、あなたがたのところから私を追い出したのに。」
28 それで彼らは言った。「私たちは、主があなたとともにおられることを、はっきり見たのです。それで私たちは申し出をします。どうか、私たちの間で、すなわち、私たちとあなたとの間で誓いを立ててください。あなたと契約を結びたいのです。
29 それは、私たちがあなたに手出しをせず、ただ、あなたに良いことだけをして、平和のうちにあなたを送り出したように、あなたも私たちに害を加えないということです。あなたは今、主に祝福されています。」
30 そこでイサクは彼らのために宴会を催し、彼らは飲んだり、食べたりした。
31翌朝早く、彼らは互いに契約を結んだ。イサクは彼らを送り出し、彼らは平和のうちに彼のところから去って行った。
32 ちょうどその日、イサクのしもべたちが帰って来て、彼らが掘り当てた井戸のことについて彼に告げて言った。「私どもは水を見つけました。」
33 そこで彼は、その井戸をシブアと呼んだ。それゆえ、その町の名は、今日に至るまで、ベエル・シェバという。
34 エサウは四十歳になって、ヘテ人ベエリの娘エフディテとヘテ人エロンの娘バセマテとを妻にめとった。
35 彼女たちはイサクとリベカにとって悩みの種となった。
1 イサクは年をとり、視力が衰えてよく見えなくなったとき、長男のエサウを呼び寄せて彼に「息子よ」と言った。すると彼は、「はい。ここにいます」と答えた。
2 イサクは言った。「見なさい。私は年老いて、いつ死ぬかわからない。
3 だから今、おまえの道具の矢筒と弓を取って、野に出て行き、私のために獲物をしとめて来てくれないか。
4 そして私の好きなおいしい料理を作り、ここに持って来て私に食べさせておくれ。私が死ぬ前に、私自身が、おまえを祝福できるために。」
5 リベカは、イサクがその子エサウに話しているのを聞いていた。それでエサウが獲物をしとめて来るために、野に出かけたとき、
6 リベカはその子ヤコブにこう言った。「いま私は、父上が、あなたの兄エサウにこう言っておられるのを聞きました。
7 『獲物をとって来て、私においしい料理を作り、私に食べさせてくれ。私が死ぬ前に、主の前でおまえを祝福したいのだ。』
8 それで今、わが子よ。私があなたに命じることを、よく聞きなさい。
9 さあ、群れのところに行って、そこから最上の子やぎ二頭を私のところに取っておいで。私はそれで父上のお好きなおいしい料理を作りましょう。
10 あなたが父上のところに持って行けば、召し上がって、死なれる前にあなたを祝福してくださるでしょう。」
11 しかし、ヤコブは、その母リベカに言った。「でも、兄さんのエサウは毛深い人なのに、私のはだは、なめらかです。
12 もしや、父上が私にさわるなら、私にからかわれたと思われるでしょう。私は祝福どころか、のろいをこの身に招くことになるでしょう。」
13 母は彼に言った。「わが子よ。あなたののろいは私が受けます。ただ私の言うことをよく聞いて、行って取って来なさい。」
14 それでヤコブは行って、取って、母のところに来た。母は父の好むおいしい料理をこしらえた。
15 それからリベカは、家の中で自分の手もとにあった兄エサウの晴れ着を取って来て、それを弟ヤコブに着せてやり、
16 また、子やぎの毛皮を、彼の手と首のなめらかなところにかぶせてやった。
17 そうして、自分が作ったおいしい料理とパンを息子ヤコブの手に渡した。
18 ヤコブは父のところに行き、「お父さん」と言った。イサクは、「おお、わが子よ。だれだね、おまえは」と尋ねた。
19 ヤコブは父に、「私は長男のエサウです。私はあなたが言われたとおりにしました。さあ、起きてすわり、私の獲物を召し上がってください。ご自身で私を祝福してくださるために」と答えた。
20 イサクは、その子に言った。「どうして、こんなに早く見つけることができたのかね。わが子よ。」すると彼は答えた。「あなたの神、主が私のために、そうさせてくださったのです。」
21 そこでイサクはヤコブに言った。「近くに寄ってくれ。わが子よ。私は、おまえがほんとうにわが子エサウであるかどうか、おまえにさわってみたい。」
22 ヤコブが父イサクに近寄ると、イサクは彼にさわり、そして言った。「声はヤコブの声だが、手はエサウの手だ。」
23 ヤコブの手が、兄エサウの手のように毛深かったので、イサクには見分けがつかなかった。それでイサクは彼を祝福しようとしたが、
24 「ほんとうにおまえは、わが子エサウだね」と尋ねた。すると答えた。「私です。」
25 そこでイサクは言った。「私のところに持って来なさい。私自身がおまえを祝福するために、わが子の獲物を食べたいものだ。」そこでヤコブが持って来ると、イサクはそれを食べた。またぶどう酒を持って来ると、それも飲んだ。
26 父イサクはヤコブに、「わが子よ。近寄って私に口づけしてくれ」と言ったので、
27 ヤコブは近づいて、彼に口づけした。イサクは、ヤコブの着物のかおりをかぎ、彼を祝福して言った。
「ああ、わが子のかおり。
主が祝福された野のかおりのようだ。
28 神がおまえに
天の露と地の肥沃、
豊かな穀物と新しいぶどう酒を
お与えになるように。
29 国々の民はおまえに仕え、
国民はおまえを伏し拝み、
おまえは兄弟たちの主となり、
おまえの母の子らがおまえを伏し拝むように。
おまえをのろう者はのろわれ、
おまえを祝福する者は祝福されるように。」
30 イサクがヤコブを祝福し終わり、ヤコブが父イサクの前から出て行くか行かないうちに、兄のエサウが猟から帰って来た。
31 彼もまた、おいしい料理をこしらえて、父のところに持って来た。そして父に言った。「お父さんは起きて、子どもの獲物を召し上がることができます。あなたご自身が私を祝福してくださるために。」
32 すると父イサクは彼に尋ねた。「おまえはだれだ。」彼は答えた。「私はあなたの子、長男のエサウです。」
33 イサクは激しく身震いして言った。「では、いったい、あれはだれだったのか。獲物をしとめて、私のところに持って来たのは。おまえが来る前に、私はみな食べて、彼を祝福してしまった。それゆえ、彼は祝福されよう。」
34 エサウは父のことばを聞くと、大声で泣き叫び、ひどく痛み悲しんで父に言った。「私を、お父さん、私も祝福してください。」
35 父は言った。「おまえの弟が来て、だましたのだ。そしておまえの祝福を横取りしてしまったのだ。」
36 エサウは言った。「彼の名がヤコブというのも、このためか。二度までも私を83押しのけてしまって。私の長子の権利を奪い取り、今また、私の祝福を奪い取ってしまった。」また言った。「あなたは私のために祝福を残してはおかれなかったのですか。」
37 イサクは答えてエサウに言った。「ああ、私は彼をおまえの主とし、彼のすべての兄弟を、しもべとして彼に与えた。また穀物と新しいぶどう酒で彼を養うようにした。それで、わが子よ。おまえのために、私はいったい何ができようか。」
38 エサウは父に言った。「お父さん。祝福は一つしかないのですか。お父さん。私を、私をも祝福してください。」エサウは声をあげて泣いた。
39 父イサクは答えて彼に言った。
「見よ。おまえの住む所では、
地は肥えることなく、
上から天の露もない。
40 おまえはおのれの剣によって生き、
おまえの弟に仕えることになる。
おまえが奮い立つならば、
おまえは彼のくびきを
自分の首から解き捨てるであろう。」
41 エサウは、父がヤコブを祝福したあの祝福のことでヤコブを恨んだ。それでエサウは心の中で言った。「父の喪の日も近づいている。そのとき、弟ヤコブを殺してやろう。」
42 兄エサウの言ったことがリベカに伝えられると、彼女は使いをやり、弟ヤコブを呼び寄せて言った。「よく聞きなさい。兄さんのエサウはあなたを殺してうっぷんを晴らそうとしています。
43 だからわが子よ。今、私の言うことを聞いて、すぐ立って、ハランへ、私の兄ラバンのところへ逃げなさい。
44 兄さんの憤りがおさまるまで、しばらくラバンのところにとどまっていなさい。
45 兄さんの怒りがおさまり、あなたが兄さんにしたことを兄さんが忘れるようになったとき、私は使いをやり、あなたをそこから呼び戻しましょう。一日のうちに、あなたがたふたりを失うことなど、どうして私にできましょう。」
46 リベカはイサクに言った。「私はヘテ人の娘たちのことで、生きているのがいやになりました。もしヤコブが、この地の娘たちで、このようなヘテ人の娘たちのうちから妻をめとったなら、私は何のために生きることになるのでしょう。」
1 イサクはヤコブを呼び寄せ、彼を祝福し、そして彼に命じて言った。「カナンの娘たちの中から妻をめとってはならない。
2 さあ、立って、パダン・アラムの、おまえの母の父ベトエルの家に行き、そこで母の兄ラバンの娘たちの中から妻をめとりなさい。
3全能の神がおまえを祝福し、多くの子どもを与え、おまえをふえさせてくださるように。そして、おまえが多くの民のつどいとなるように。
4 神はアブラハムの祝福を、おまえと、おまえとともにいるおまえの子孫とに授け、神がアブラハムに下さった地、おまえがいま寄留しているこの地を継がせてくださるように。」
5 こうしてイサクはヤコブを送り出した。彼はパダン・アラムへ行って、ヤコブとエサウの母リベカの兄、アラム人ベトエルの子ラバンのところに行った。
6 エサウは、イサクがヤコブを祝福し、彼をパダン・アラムに送り出して、そこから妻をめとるように、彼を祝福して彼に命じ、カナンの娘たちから妻をめとってはならないと言ったこと、
7 またヤコブが、父と母の言うことに聞き従ってパダン・アラムへ行ったことに気づいた。
8 エサウはまた、カナンの娘たちが父イサクの気に入らないのに気づいた。
9 それでエサウはイシュマエルのところに行き、今ある妻たちのほかに、アブラハムの子イシュマエルの娘で、ネバヨテの妹マハラテを妻としてめとった。
10 ヤコブはベエル・シェバを立って、ハランへと旅立った。
11 ある所に着いたとき、ちょうど日が沈んだので、そこで一夜を明かすことにした。彼はその所の石の一つを取り、それを枕にして、その場所で横になった。
12 そのうちに、彼は夢を見た。見よ。一つのはしごが地に向けて立てられている。その頂は天に届き、見よ、神の使いたちが、そのはしごを上り下りしている。
13 そして、見よ。主が84彼のかたわらに立っておられた。そして仰せられた。「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。わたしはあなたが横たわっているこの地を、あなたとあなたの子孫とに与える。
14 あなたの子孫は地のちりのように85多くなり、あなたは、西、東、北、南へと広がり、地上のすべての民族は、あなたとあなたの子孫によって祝福される。
15 見よ。わたしはあなたとともにあり、あなたがどこへ行っても、あなたを守り、あなたをこの地に連れ戻そう。わたしは、あなたに約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。」
16 ヤコブは眠りからさめて、「まことに主がこの所におられるのに、私はそれを知らなかった」と言った。
17 彼は恐れおののいて、また言った。「この場所は、なんとおそれおおいことだろう。こここそ神の家にほかならない。ここは天の門だ。」
18翌朝早く、ヤコブは自分が枕にした石を取り、それを石の柱として立て、その上に油をそそいだ。
19 そして、その場所の名を86ベテルと呼んだ。しかし、その町の名は、以前はルズであった。
20 それからヤコブは誓願を立てて言った。「神が私とともにおられ、私が行くこの旅路を守り、食べるパンと着る着物を賜り、
21 無事に父の家に帰らせてくださり、こうして主が私の神となられるなら、
22 石の柱として立てたこの石は神の家となり、すべてあなたが私に賜る物の十分の一を必ずささげます。」
1 ヤコブは旅を続けて、東の人々の国へ行った。
2 ふと彼が見ると、野に一つの井戸があった。そしてその井戸のかたわらに、三つの羊の群れが伏していた。その井戸から群れに水を飲ませることになっていたからである。その井戸の口の上にある石は大きかった。
3群れが全部そこに集められたとき、その石を井戸の口からころがして、羊に水を飲ませ、そうしてまた、その石を井戸の口のもとの所に戻すことになっていた。
4 ヤコブがその人たちに、「兄弟たちよ。あなたがたはどこの方ですか」と尋ねると、彼らは、「私たちはハランの者です」と答えた。
5 それでヤコブは、「あなたがたはナホルの子ラバンをご存じですか」と尋ねると、彼らは、「知っています」と答えた。
6 ヤコブはまた、彼らに尋ねた。「あの人は元気ですか。」すると彼らは、「元気です。ご覧なさい。あの人の娘ラケルが羊を連れて来ています」と言った。
7 ヤコブは言った。「ご覧なさい。日はまだ高いし、群れを集める時間でもありません。羊に水を飲ませて、また行って、群れをお飼いなさい。」
8 すると彼らは言った。「全部の群れが集められるまでは、そうできないのです。集まったら、井戸の口から石をころがし、羊に水を飲ませるのです。」
9 ヤコブがまだ彼らと話しているとき、ラケルが父の羊の群れを連れてやって来た。彼女は羊飼いであったからである。
10 ヤコブが、自分の母の兄ラバンの娘ラケルと、母の兄ラバンの羊の群れを見ると、すぐ近寄って行って、井戸の口の上の石をころがし、母の兄ラバンの羊の群れに水を飲ませた。
11 そうしてヤコブはラケルに口づけし、声をあげて泣いた。
12 ヤコブが、自分は彼女の父の親類であり、リベカの子であることをラケルに告げたので、彼女は走って行って、父にそのことを告げた。
13 ラバンは、妹の子ヤコブのことを聞くとすぐ、彼を迎えに走って行き、彼を抱いて、口づけした。そして彼を自分の家に連れて来た。ヤコブはラバンに、事の次第のすべてを話した。
14 ラバンは彼に、「あなたはほんとうに私の骨肉です」と言った。こうしてヤコブは彼のところに一か月滞在した。
15 そのとき、ラバンはヤコブに言った。「あなたが私の親類だからといって、ただで私に仕えることもなかろう。どういう報酬がほしいか、言ってください。」
16 ラバンにはふたりの娘があった。姉の名はレア、妹の名はラケルであった。
17 レアの目は弱々しかったが、ラケルは姿も顔だちも美しかった。
18 ヤコブはラケルを愛していた。それで、「私はあなたの下の娘ラケルのために七年間あなたに仕えましょう」と言った。
19 するとラバンは、「娘を他人にやるよりは、あなたにあげるほうが良い。私のところにとどまっていなさい」と言った。
20 ヤコブはラケルのために七年間仕えた。ヤコブは彼女を愛していたので、それもほんの数日のように思われた。
21 ヤコブはラバンに申し出た。「私の妻を下さい。期間も満了したのですから。私は彼女のところに入りたいのです。」
22 そこでラバンは、その所の人々をみな集めて祝宴を催した。
23 夕方になって、ラバンはその娘レアをとり、彼女をヤコブのところに行かせたので、ヤコブは彼女のところに入った。
24 ラバンはまた、娘のレアに自分の女奴隷ジルパを彼女の女奴隷として与えた。
25 朝になって、見ると、それはレアであった。それで彼はラバンに言った。「何ということを私になさったのですか。私があなたに仕えたのは、ラケルのためではなかったのですか。なぜ、私をだましたのですか。」
26 ラバンは答えた。「われわれのところでは、長女より先に下の娘をとつがせるようなことはしないのです。
27 それで、この婚礼の週を過ごしなさい。そうすれば、あの娘もあなたにあげましょう。その代わり、あなたはもう七年間、私に仕えなければなりません。」
28 ヤコブはそのようにした。すなわち、その婚礼の週を過ごした。それでラバンはその娘ラケルを彼に妻として与えた。
29 ラバンは娘ラケルに、自分の女奴隷ビルハを彼女の女奴隷として与えた。
30 ヤコブはこうして、ラケルのところにも入った。ヤコブはレアよりも、実はラケルを愛していた。それで、もう七年間ラバンに仕えた。
31主はレアがきらわれているのをご覧になって、彼女の胎を開かれた。しかしラケルは不妊の女であった。
32 レアはみごもって、男の子を産み、その子を87ルベンと名づけた。それは彼女が、「主が私の悩みをご覧になった。今こそ夫は私を愛するであろう」と言ったからである。
33 彼女はまたみごもって、男の子を産み、「主は私がきらわれているのを聞かれて、この子をも私に授けてくださった」と言って、その子を88シメオンと名づけた。
34 彼女はまたみごもって、男の子を産み、「今度こそ、夫は私に結びつくだろう。私が彼に三人の子を産んだのだから」と言った。それゆえ、その子は89レビと呼ばれた。
35 彼女はまたみごもって、男の子を産み、「今度は主をほめたたえよう」と言った。それゆえ、その子を彼女は90ユダと名づけた。それから彼女は子を産まなくなった。
1 ラケルは自分がヤコブに子を産んでいないのを見て、姉を嫉妬し、ヤコブに言った。「私に子どもを下さい。でなければ、私は死んでしまいます。」
2 ヤコブはラケルに怒りを燃やして言った。「私が神に代わることができようか。おまえの胎内に子を宿らせないのは神なのだ。」
3 すると彼女は言った。「では、私のはしためのビルハがいます。彼女のところに入り、彼女が私のひざの上に子を産むようにしてください。そうすれば私が彼女によって子どもの母になれましょう。」
4 ラケルは女奴隷ビルハを彼に妻として与えたので、ヤコブは彼女のところに入った。
5 ビルハはみごもり、ヤコブに男の子を産んだ。
6 そこでラケルは、「神は私を91かばってくださり、私の声を聞き入れて、私に男の子を賜った」と言った。それゆえ、その子を92ダンと名づけた。
7 ラケルの女奴隷ビルハは、またみごもって、ヤコブに二番目の男の子を産んだ。
8 そこでラケルは、「私は姉と死に物狂いの争いをして、ついに勝った」と言って、その子を93ナフタリと名づけた。
9 さてレアは自分が子を産まなくなったのを見て、彼女の女奴隷ジルパをとって、ヤコブに妻として与えた。
10 レアの女奴隷ジルパがヤコブに男の子を産んだとき、
11 レアは、「幸運が来た」と言って、その子を94ガドと名づけた。
12 レアの女奴隷ジルパがヤコブに二番目の男の子を産んだとき、
13 レアは、「なんとしあわせなこと。女たちは、私をしあわせ者と呼ぶでしょう」と言って、その子を95アシェルと名づけた。
14 さて、ルベンは麦刈りのころ、野に出て行って、恋なすびを見つけ、それを自分の母レアのところに持って来た。するとラケルはレアに、「どうか、あなたの息子の恋なすびを少し私に下さい」と言った。
15 レアはラケルに言った。「あなたは私の夫を取っても、まだ足りないのですか。私の息子の恋なすびもまた取り上げようとするのですか。」ラケルは答えた。「では、あなたの息子の恋なすびと引き替えに、今夜、あの人があなたといっしょに寝ればいいでしょう。」
16 夕方になってヤコブが野から帰って来たとき、レアは彼を出迎えて言った。「私は、私の息子の恋なすびで、あなたをようやく手に入れたのですから、私のところに来なければなりません。」そこでその夜、ヤコブはレアと寝た。
17 神はレアの願いを聞かれたので、彼女はみごもって、ヤコブに五番目の男の子を産んだ。
18 そこでレアは、「私が、女奴隷を夫に与えたので、神は私に報酬を下さった」と言って、その子を96イッサカルと名づけた。
19 レアがまたみごもり、ヤコブに六番目の男の子を産んだとき、
20 レアは言った。「神は私に良い賜物を下さった。今度こそ夫は私を97尊ぶだろう。私は彼に六人の子を産んだのだから。」そしてその子を98ゼブルンと名づけた。
21 その後、レアは女の子を産み、その子をディナと名づけた。
22 神はラケルを覚えておられた。神は彼女の願いを聞き入れて、その胎を開かれた。
23 彼女はみごもって男の子を産んだ。そして「神は私の汚名を取り去ってくださった」と言って、
24 その子を99ヨセフと名づけ、「主がもうひとりの子を私に加えてくださるように」と言った。
25 ラケルがヨセフを産んで後、ヤコブはラバンに言った。「私を去らせ、私の故郷の地へ帰らせてください。
26 私の妻たちや子どもたちを私に与えて行かせてください。私は彼らのためにあなたに仕えてきたのです。あなたに仕えた私の働きはよくご存じです。」
27 ラバンは彼に言った。「もしあなたが私の願いをかなえてくれるのなら......。私はあなたのおかげで、主が私を祝福してくださったことを、まじないで知っている。」
28 さらに言った。「あなたの望む報酬を申し出てくれ。私はそれを払おう。」
29 ヤコブは彼に言った。「私がどのようにあなたに仕え、また私がどのようにあなたの家畜を飼ったかは、あなたがよくご存じです。
30 私が来る前には、わずかだったのが、ふえて多くなりました。それは、私の行く先で主があなたを祝福されたからです。いったい、いつになったら私も自分自身の家を持つことができましょう。」
31 彼は言った。「何をあなたにあげようか。」ヤコブは言った。「何も下さるには及びません。もし次のことを私にしてくださるなら、私は再びあなたの羊の群れを飼って、守りましょう。
32 私はきょう、あなたの群れをみな見回りましょう。その中から、ぶち毛とまだら毛のもの全部、羊の中では黒毛のもの全部、やぎの中ではまだら毛とぶち毛のものを、取り出してください。そしてそれらを私の報酬としてください。
33 後になってあなたが、私の報酬を見に来られたとき、私の正しさがあなたに証明されますように。やぎの中に、ぶち毛やまだら毛でないものや、羊の中で、黒毛でないものがあれば、それはみな、私が盗んだものとなるのです。」
34 するとラバンは言った。「そうか。あなたの言うとおりになればいいな。」
35 ラバンはその日、しま毛とまだら毛のある雄やぎと、ぶち毛とまだら毛の雌やぎ、いずれも身に白いところのあるもの、それに、羊の真っ黒のものを取り出して、自分の息子たちの手に渡した。
36 そして、自分とヤコブとの間に三日の道のりの距離をおいた。ヤコブはラバンの残りの群れを飼っていた。
37 ヤコブは、ポプラや、アーモンドや、すずかけの木の若枝を取り、それの白い筋の皮をはいで、その若枝の白いところをむき出しにし、
38 その皮をはいだ枝を、群れが水を飲みに来る水ため、すなわち水ぶねの中に、群れに差し向かいに置いた。それで群れは水を飲みに来るときに、さかりがついた。
39 こうして、群れは枝の前でさかりがついて、しま毛のもの、ぶち毛のもの、まだら毛のものを産んだ。
40 ヤコブは羊を分けておき、その群れを、ラバンの群れのしま毛のものと、真っ黒いものとに向けておいた。こうして彼は自分自身のために、自分だけの群れをつくって、ラバンの群れといっしょにしなかった。
41 そのうえ、強いものの群れがさかりがついたときには、いつもヤコブは群れの目の前に向けて、枝を水ぶねの中に置き、枝のところでつがわせた。
42 しかし、群れが弱いときにはそれを置かなかった。こうして弱いのはラバンのものとなり、強いのはヤコブのものとなった。
43 それで、この人は大いに富み、多くの群れと、男女の奴隷、およびらくだと、ろばとを持つようになった。
1 さてヤコブはラバンの息子たちが、「ヤコブはわれわれの父の物をみな取った。父の物でこのすべての富をものにしたのだ」と言っているのを聞いた。
2 ヤコブもまた、彼に対するラバンの態度が、以前のようではないのに気づいた。
3主はヤコブに仰せられた。「あなたが生まれた、あなたの先祖の国に帰りなさい。わたしはあなたとともにいる。」
4 そこでヤコブは使いをやって、ラケルとレアを自分の群れのいる野に呼び寄せ、
5 彼女たちに言った。「私はあなたがたの父の態度が以前のようではないのに気がついている。しかし私の父の神は私とともにおられるのだ。
6 あなたがたが知っているように、私はあなたがたの父に、力を尽くして仕えた。
7 それなのに、あなたがたの父は、私を欺き、私の報酬を100幾度も変えた。しかし神は、彼が私に害を加えるようにされなかった。
8 彼が、『ぶち毛のものはあなたの報酬になる』と言えば、すべての群れがぶち毛のものを産んだ。また、『しま毛のものはあなたの報酬になる』と言えば、すべての群れが、しま毛のものを産んだ。
9 こうして神が、あなたがたの父の家畜を取り上げて、私に下さったのだ。
10群れにさかりがついたとき、私が夢の中で目を上げて見ると、群れにかかっている雄やぎは、しま毛のもの、ぶち毛のもの、また、まだら毛のものであった。
11 そして神の使いが夢の中で私に言われた。『ヤコブよ。』私は『はい』と答えた。
12 すると御使いは言われた。『目を上げて見よ。群れにかかっている雄やぎはみな、しま毛のもの、ぶち毛のもの、まだら毛のものである。ラバンがあなたにしてきたことはみな、わたしが見た。
13 わたしはベテルの神。あなたはそこで、石の柱に油をそそぎ、わたしに誓願を立てたのだ。さあ、立って、この土地を出て、あなたの生まれた国に帰りなさい。』」
14 ラケルとレアは答えて言った。「私たちの父の家に、相続財産で私たちの受けるべき分がまだあるのでしょうか。
15 私たちは父に、よそ者と見なされているのではないでしょうか。彼は私たちを売り、私たちの代金を食いつぶしたのですから。
16 また神が私たちの父から取り上げた富は、すべて私たちのもの、また子どもたちのものですから。さあ、神があなたにお告げになったすべてのことをしてください。」
17 そこでヤコブは立って、彼の子たち、妻たちをらくだに乗せ、
18 また、すべての家畜と、彼が得たすべての財産、彼がパダン・アラムで自分自身のものとした家畜を追って、カナンの地にいる父イサクのところへ出かけた。
19 そのとき、ラバンは自分の羊の毛を刈るために出ていたので、ラケルは父の所有のテラフィムを盗み出した。
20 またヤコブは、アラム人ラバンにないしょにして、自分の逃げるのを彼に知らせなかった。
21 彼は自分の持ち物全部を持って逃げた。彼は旅立って、ユーフラテス川を渡り、ギルアデの山地へ向かった。
22 三日目に、ヤコブが逃げたことがラバンに知らされたので、
23 彼は身内の者たちを率いて、七日の道のりを、彼のあとを追って行き、ギルアデの山地でヤコブに追いついた。
24 しかし神は夜、夢にアラム人ラバンに現れて言われた。「あなたはヤコブと、事の善悪を論じないように気をつけよ。」
25 ラバンがヤコブに追いついたときには、ヤコブは山地に天幕を張っていた。そこでラバンもギルアデの山地に身内の者たちと天幕を張った。
26 ラバンはヤコブに言った。「何ということをしたのか。私にないしょで私の娘たちを剣で捕らえたとりこのように引いて行くとは。
27 なぜ、あなたは逃げ隠れて私のところをこっそり抜け出し、私に知らせなかったのか。私はタンバリンや立琴で喜び歌って、あなたを送り出したろうに。
28 しかもあなたは、私の子どもたちや娘たちに口づけもさせなかった。あなたは全く愚かなことをしたものだ。
29 私はあなたがたに害を加える力を持っているが、昨夜、あなたがたの父の神が私に告げて、『あなたはヤコブと、事の善悪を論じないように気をつけよ』と言われた。
30 それはそうと、あなたは、あなたの父の家がほんとうに恋しくなって、どうしても帰って行きたくなったのであろうが、なぜ、私の神々を盗んだのか。」
31 ヤコブはラバンに答えて言った。「あなたの娘たちをあなたが私から奪い取りはしないかと思って、恐れたからです。
32 あなたが、あなたの神々をだれかのところで見つけたなら、その者を生かしてはおきません。私たちの一族の前で、私のところに、あなたのものがあったら、調べて、それを持って行ってください。」ヤコブはラケルがそれらを盗んだのを知らなかったのである。
33 そこでラバンはヤコブの天幕と、レアの天幕と、さらにふたりのはしための天幕にも入って見たが、見つからなかったので、レアの天幕を出てラケルの天幕に入った。
34 ところが、ラケルはすでにテラフィムを取って、らくだの鞍の下に入れ、その上にすわっていたので、ラバンが天幕を隅々まで捜し回っても見つからなかった。
35 ラケルは父に言った。「101父上。私はあなたの前に立ち上がることができませんので、どうかおこらないでください。私には女の常のことがあるのです。」彼は捜したが、テラフィムは見つからなかった。
36 そこでヤコブは怒って、ラバンをとがめた。ヤコブはラバンに口答えして言った。「私にどんなそむきの罪があって、私にどんな罪があって、あなたは私を追いつめるのですか。
37 あなたは私の物を一つ残らず、さわってみて、何か一つでも、あなたの家の物を見つけましたか。もしあったら、それを私の一族と、あなたの一族の前に置いて、彼らに私たちふたりの間をさばかせましょう。
38 私はこの二十年間、あなたといっしょにいましたが、あなたの雌羊も雌やぎも流産したことはなく、あなたの群れの雄羊も私は食べたことはありませんでした。
39野獣に裂かれたものは、あなたのもとへ持って行かないで、私が罪を負いました。あなたは私に責任を負わせました。昼盗まれたものにも、夜盗まれたものにも。
40 私は昼は暑さに、夜は寒さに悩まされて、眠ることもできない有様でした。
41 私はこの二十年間、あなたの家で過ごしました。十四年間はあなたのふたりの娘たちのために、六年間はあなたの群れのために、あなたに仕えてきました。それなのに、あなたは幾度も私の報酬を変えたのです。
42 もし、私の父の神、アブラハムの神、イサクの恐れる方が、私についておられなかったなら、あなたはきっと何も持たせずに私を去らせたことでしょう。神は私の悩みとこの手の苦労とを顧みられて、昨夜さばきをなさったのです。」
43 ラバンは答えてヤコブに言った。「娘たちは私の娘、子どもたちは私の子ども、群れは私の群れ、すべてあなたが見るものは私のもの。この私の娘たちのために、または娘たちが産んだ子どもたちのために、きょう、私は何ができよう。
44 さあ、今、私とあなたと契約を結び、それを私とあなたとの間の証拠としよう。」
45 そこで、ヤコブは石を取り、これを立てて石の柱とした。
46 ヤコブは自分の一族に言った。「石を集めなさい。」そこで彼らは石を取り、石塚を作った。こうして彼らは石塚のそばで食事をした。
47 ラバンはそれをエガル・サハドタと名づけたが、ヤコブはこれを102ガルエデと名づけた。
48 そしてラバンは言った。「この石塚は、きょう私とあなたとの間の証拠である。」それゆえ、その名はガルエデと呼ばれた。
49 またそれは103ミツパとも呼ばれた。彼がこう言ったからである。「われわれが互いに目が届かない所にいるとき、主が私とあなたとの間の見張りをされるように。
50 もしあなたが私の娘たちをひどいめに会わせたり、もし娘たちのほかに妻をめとったりするなら、われわれのところにだれもいなくても、神が私とあなたとの間の証人であることをわきまえていなさい。」
51 ラバンはまたヤコブに言った。「ご覧、この石塚を。そしてご覧、私があなたと私との間に立てたこの石の柱を。
52 この石塚が証拠であり、この石の柱が証拠である。敵意をもって、この石塚を越えてあなたのところに行くことはない。あなたもまた、この石塚やこの石の柱を越えて私のところに来てはならない。
53 どうかアブラハムの神、ナホルの神──彼らの父祖の神──が、われわれの間をさばかれますように。」ヤコブも父イサクの恐れる方にかけて誓った。
54 そうしてヤコブは山でいけにえをささげ、一族を招いて食事を共にした。食事をしてから彼らは山で一夜を明かした。
55翌朝早く、ラバンは子どもたちと娘たちに口づけして、彼らを祝福した。それからラバンは去って、自分の家へ帰った。
1 さてヤコブが旅を続けていると、神の使いたちが彼に現れた。
2 ヤコブは彼らを見たとき、「ここは神の104陣営だ」と言って、その所の名を105マハナイムと呼んだ。
3 ヤコブはセイルの地、エドムの野にいる兄のエサウに、前もって使者を送った。
4 そして彼らに命じてこう言った。「あなたがたは私の主人エサウにこう伝えなさい。『あなたのしもべヤコブはこう申しました。私はラバンのもとに寄留し、今までとどまっていました。
5 私は牛、ろば、羊、男女の奴隷を持っています。それでご主人にお知らせして、あなたのご好意を得ようと使いを送ったのです。』」
6 使者はヤコブのもとに帰って言った。「私たちはあなたの兄上エサウのもとに行って来ました。あの方も、あなたを迎えに四百人を引き連れてやって来られます。」
7 そこでヤコブは非常に恐れ、心配した。それで彼はいっしょにいる人々や、羊や牛やらくだを二つの宿営に分けて、
8 「たといエサウが来て、一つの宿営を打っても、残りの一つの宿営はのがれられよう」と言った。
9 そうしてヤコブは言った。「私の父アブラハムの神、私の父イサクの神よ。かつて私に『あなたの生まれ故郷に帰れ。わたしはあなたをしあわせにする』と仰せられた主よ。
10 私はあなたがしもべに賜ったすべての恵みとまことを受けるに足りない者です。私は自分の杖一本だけを持って、このヨルダンを渡りましたが、今は、二つの宿営を持つようになったのです。
11 どうか私の兄、エサウの手から私を救い出してください。彼が来て、私をはじめ母や子どもたちまでも打ちはしないかと、私は彼を恐れているのです。
12 あなたはかつて『わたしは必ずあなたをしあわせにし、あなたの子孫を多くて数えきれない海の砂のようにする』と仰せられました。」
13 その夜をそこで過ごしてから、彼は手もとの物から兄エサウへの贈り物を選んだ。
14 すなわち雌やぎ二百頭、雄やぎ二十頭、雌羊二百頭、雄羊二十頭、
15乳らくだ三十頭とその子、雌牛四十頭、雄牛十頭、雌ろば二十頭、雄ろば十頭。
16 彼は、一群れずつをそれぞれしもべたちの手に渡し、しもべたちに言った。「私の先に進め。群れと群れとの間には距離をおけ。」
17 また先頭の者には次のように命じた。「もし私の兄エサウがあなたに会い、『あなたはだれのものか。どこへ行くのか。あなたの前のこれらのものはだれのものか』と言って尋ねたら、
18 『あなたのしもべヤコブのものです。私のご主人エサウに贈る贈り物です。彼もまた、私たちのうしろにおります』と答えなければならない。」
19 彼は第二の者にも、第三の者にも、また群れ群れについて行くすべての者にも命じて言った。「あなたがたがエサウに出会ったときには、これと同じことを告げ、
20 そしてまた、『あなたのしもべヤコブは、私たちのうしろにおります』と言え。」ヤコブは、私より先に行く贈り物によって彼をなだめ、そうして後、彼の顔を見よう。もしや、彼は私を快く受け入れてくれるかもわからない、と思ったからである。
21 それで贈り物は彼より先を通って行き、彼は宿営地でその夜を過ごした。
22 しかし、彼はその夜のうちに起きて、ふたりの妻と、ふたりの女奴隷と、十一人の子どもたちを連れて、ヤボクの渡しを渡った。
23 彼らを連れて流れを渡らせ、自分の持ち物も渡らせた。
24 ヤコブはひとりだけ、あとに残った。すると、ある人が夜明けまで彼と格闘した。
25 ところが、その人は、ヤコブに勝てないのを見てとって、ヤコブのもものつがいを打ったので、その人と格闘しているうちに、ヤコブのもものつがいがはずれた。
26 するとその人は言った。「わたしを去らせよ。夜が明けるから。」しかし、ヤコブは答えた。「私はあなたを去らせません。私を祝福してくださらなければ。」
27 その人は言った。「あなたの名は何というのか。」彼は答えた。「ヤコブです。」
28 その人は言った。「あなたの名は、もうヤコブとは呼ばれない。106イスラエルだ。あなたは神と戦い、人と戦って、勝ったからだ。」
29 ヤコブが、「どうかあなたの名を教えてください」と尋ねると、その人は、「いったい、なぜ、あなたはわたしの名を尋ねるのか」と言って、その場で彼を祝福した。
30 そこでヤコブは、その所の名を107ペヌエルと呼んだ。「私は顔と顔とを合わせて神を見たのに、私のいのちは救われた」という意味である。
31 彼がペヌエルを通り過ぎたころ、太陽は彼の上に上ったが、彼はそのもものために足を引きずっていた。
32 それゆえ、イスラエル人は、今日まで、もものつがいの上の腰の筋肉を食べない。あの人がヤコブのもものつがい、腰の筋肉を打ったからである。
1 ヤコブが目を上げて見ると、見よ、エサウが四百人の者を引き連れてやって来ていた。ヤコブは子どもたちをそれぞれレアとラケルとふたりの女奴隷とに分け、
2女奴隷たちとその子どもたちを先頭に、レアとその子どもたちをそのあとに、ラケルとヨセフを最後に置いた。
3 ヤコブ自身は、彼らの先に立って進んだ。彼は、兄に近づくまで、七回も地に伏しておじぎをした。
4 エサウは彼を迎えに走って来て、彼をいだき、首に抱きついて口づけし、ふたりは泣いた。
5 エサウは目を上げ、女たちや子どもたちを見て、「この人たちは、あなたの何なのか」と尋ねた。ヤコブは、「神があなたのしもべに恵んでくださった子どもたちです」と答えた。
6 それから女奴隷とその子どもたちは進み出て、おじぎをした。
7 次にレアもその子どもたちと進み出て、おじぎをした。最後に、ヨセフとラケルが進み出て、ていねいにおじぎをした。
8 それからエサウは、「私が出会ったこの一団はみな、いったい、どういうものなのか」と尋ねた。するとヤコブは、「あなたのご好意を得るためです」と答えた。
9 エサウは、「弟よ。私はたくさんに持っている。あなたのものは、あなたのものにしておきなさい」と言った。
10 ヤコブは答えた。「いいえ。もしお気に召したら、どうか私の手から私の贈り物を受け取ってください。私はあなたの顔を、神の御顔を見るように見ています。あなたが私を快く受け入れてくださいましたから。
11 どうか、私が持って来たこの祝いの品を受け取ってください。神が私を恵んでくださったので、私はたくさん持っていますから。」ヤコブがしきりに勧めたので、エサウは受け取った。
12 エサウが、「さあ、旅を続けて行こう。私はあなたのすぐ前に立って行こう」と言うと、
13 ヤコブは彼に言った。「あなたもご存じのように、子どもたちは弱く、乳を飲ませている羊や牛は私が世話をしています。一日でも、ひどく追い立てると、この群れは全部、死んでしまいます。
14 あなたは、しもべよりずっと先に進んで行ってください。私は、私の前に行く家畜や子どもたちの歩みに合わせて、ゆっくり旅を続け、あなたのところ、セイルへまいります。」
15 それでエサウは言った。「では、私が連れている者の幾人かを、あなたに108使ってもらうことにしよう。」ヤコブは言った。「どうしてそんなことまで。109私はあなたのご好意に十分あずかっております。」
16 エサウは、その日、セイルへ帰って行った。
17 ヤコブはスコテへ移って行き、そこで自分のために家を建て、家畜のためには小屋を作った。それゆえ、その所の名は110スコテと呼ばれた。
18 こうしてヤコブは、パダン・アラムからの帰途、カナンの地にあるシェケムの町に無事に着き、その町の手前で宿営した。
19 そして彼が天幕を張った野の一部を、シェケムの父ハモルの子らの手から百ケシタで買い取った。
20 彼はそこに祭壇を築き、それを111エル・エロヘ・イスラエルと名づけた。
1 レアがヤコブに産んだ娘ディナがその土地の娘たちを訪ねようとして出かけた。
2 すると、その土地の族長のヒビ人ハモルの子シェケムは彼女を見て、これを捕らえ、これと寝てはずかしめた。
3 彼はヤコブの娘ディナに心をひかれ、この娘を愛し、ねんごろにこの娘に語った。
4 シェケムは父のハモルに願って言った。「この女の人を私の妻にもらってください。」
5 ヤコブも、彼が自分の娘ディナを汚したことを聞いた。息子たちはそのとき、家畜といっしょに野にいた。ヤコブは彼らが帰って来るまで黙っていた。
6 シェケムの父ハモルは、ヤコブと話し合うために出て来た。
7 ヤコブの息子たちが、野から帰って来て、これを聞いた。人々は心を痛め、ひどく怒った。シェケムがヤコブの娘と寝て、イスラエルの中で恥ずべきことを行ったからである。このようなことは許せないことである。
8 ハモルは彼らに話して言った。「私の息子シェケムは心からあなたがたの娘を恋い慕っております。どうか彼女を息子の嫁にしてください。
9 私たちは互いに縁を結びましょう。あなたがたの娘を私たちのところにとつがせ、私たちの娘をあなたがたがめとってください。
10 そうすれば、あなたがたは私たちとともに住み、この土地はあなたがたの前に開放されているのです。ここに住み、自由に行き来し、ここに土地を得てください。」
11 シェケムも彼女の父や兄弟たちに言った。「私はあなたがたのご好意にあずかりたいのです。あなたがたが私におっしゃる物を何でも差し上げます。
12 どんなに高い花嫁料と贈り物を私に求められても、あなたがたがおっしゃるとおりに差し上げますから、どうか、あの人を私の妻に下さい。」
13 ヤコブの息子たちは、シェケムとその父ハモルに答えるとき、シェケムが自分たちの妹ディナを汚したので、悪巧みをたくらんで、
14 彼らに言った。「割礼を受けていない者に、私たちの妹をやるような、そのようなことは、私たちにはできません。それは、私たちにとっては非難の的ですから。
15 ただ次の条件であなたがたに同意しましょう。それは、あなたがたの男子がみな、割礼を受けて、私たちと同じようになることです。
16 そうすれば、私たちの娘たちをあなたがたに与え、あなたがたの娘たちを私たちがめとります。そうして私たちはあなたがたとともに住み、私たちは一つの民となりましょう。
17 もし、私たちの言うことを聞かず、割礼を受けないならば、私たちは娘を連れて、ここを去ります。」
18 彼らの言ったことは、ハモルとハモルの子シェケムの心にかなった。
19 この若者は、ためらわずにこのことを実行した。彼はヤコブの娘を愛しており、また父の家のだれよりも彼は敬われていたからである。
20 ハモルとその子シェケムは、自分たちの町の門に行き、町の人々に告げて言った。
21 「あの人たちは私たちと友だちである。だから、あの人たちをこの地に住まわせ、この地を自由に行き来させよう。この地は彼らが来ても十分広いから。私たちは彼らの娘たちをめとり、私たちの娘たちを彼らにとつがせよう。
22 ただ次の条件で、あの人たちは私たちとともに住み、一つの民となることに同意した。それは彼らが割礼を受けているように、私たちのすべての男子が割礼を受けることである。
23 そうすれば、彼らの群れや財産、それにすべての彼らの家畜も、私たちのものになるではないか。さあ、彼らに同意しよう。そうすれば彼らは私たちとともに住まおう。」
24 その町の門に出入りする者はみな、ハモルとその子シェケムの言うことを聞き入れ、その町の門に出入りする者のすべての男子は割礼を受けた。
25 三日目になって、ちょうど彼らの傷が痛んでいるとき、ヤコブのふたりの息子、ディナの兄シメオンとレビとが、それぞれ剣を取って、難なくその町を襲い、すべての男子を殺した。
26 こうして彼らは、ハモルとその子シェケムとを剣の刃で殺し、シェケムの家からディナを連れ出して行った。
27 ヤコブの子らは、刺し殺された者を襲い、その町を略奪した。それは自分たちの妹が汚されたからである。
28 彼らは、その人たちの羊や、牛や、ろば、それに町にあるもの、野にあるものを奪い、
29 その人たちの全財産、幼子、妻たち、それに家にあるすべてのものを、とりこにし、略奪した。
30 それでヤコブはシメオンとレビに言った。「あなたがたは、私に困ったことをしてくれて、私をこの地の住民カナン人とペリジ人の憎まれ者にしてしまった。私には少人数しかいない。彼らがいっしょに集まって私を攻め、私を打つならば、私も私の家の者も根絶やしにされるであろう。」
31 彼らは言った。「私たちの妹が遊女のように取り扱われてもいいのですか。」
1 神はヤコブに仰せられた。「立ってベテルに上り、そこに住みなさい。そしてそこに、あなたが兄エサウからのがれていたとき、あなたに現れた神のために祭壇を築きなさい。」
2 それでヤコブは自分の家族と、自分といっしょにいるすべての者とに言った。「あなたがたの中にある異国の神々を取り除き、身をきよめ、着物を着替えなさい。
3 そうして私たちは立って、ベテルに上って行こう。私はそこで、私の苦難の日に私に答え、私の歩いた道に、いつも私とともにおられた神に祭壇を築こう。」
4 彼らは手にしていたすべての異国の神々と、耳につけていた耳輪とをヤコブに渡した。それでヤコブはそれらをシェケムの近くにある樫の木の下に隠した。
5 彼らが旅立つと、神からの恐怖が回りの町々に下ったので、彼らはヤコブの子らのあとを追わなかった。
6 ヤコブは、自分とともにいたすべての人々といっしょに、カナンの地にあるルズ、すなわち、ベテルに来た。
7 ヤコブはそこに祭壇を築き、その場所を112エル・ベテルと呼んだ。それはヤコブが兄からのがれていたとき、神がそこで彼に現れたからである。
8 リベカのうばデボラは死に、ベテルの下手にある113樫の木の下に葬られた。それでその木の名は114アロン・バクテと呼ばれた。
9 こうしてヤコブがパダン・アラムから帰って来たとき、神は再び彼に現れ、彼を祝福された。
10 神は彼に仰せられた。
「あなたの名はヤコブであるが、
あなたの名は、もう、ヤコブと呼んではならない。
あなたの名はイスラエルでなければならない。」
それで彼は自分の名をイスラエルと呼んだ。
11 神はまた彼に仰せられた。
「わたしは115全能の神である。
生めよ。ふえよ。
一つの国民、諸国の民のつどいが、
あなたから出て、
王たちがあなたの腰から出る。
12 わたしはアブラハムとイサクに与えた地を、
あなたに与え、
あなたの後の子孫にも
その地を与えよう。」
13 神は彼に語られたその所で、彼を離れて上られた。
14 ヤコブは、神が彼に語られたその場所に柱、すなわち、石の柱を立て、その上に注ぎのぶどう酒を注ぎ、またその上に油をそそいだ。
15 ヤコブは、神が自分と語られたその所をベテルと名づけた。
16 彼らがベテルを旅立って、エフラテまで行くにはまだかなりの道のりがあるとき、ラケルは産気づいて、ひどい陣痛で苦しんだ。
17 彼女がひどい陣痛で苦しんでいるとき、助産婦は彼女に、「心配なさるな。今度も男のお子さんです」と告げた。
18 彼女が死に臨み、そのたましいが離れ去ろうとするとき、彼女はその子の名を116ベン・オニと呼んだ。しかし、その子の父は117ベニヤミンと名づけた。
19 こうしてラケルは死んだ。彼女はエフラテ、今日のベツレヘムへの道に葬られた。
20 ヤコブは彼女の墓の上に石の柱を立てた。それはラケルの墓の石の柱として今日に至っている。
21 イスラエルは旅を続け、ミグダル・エデルのかなたに天幕を張った。
22 イスラエルがその地に住んでいたころ、ルベンは父のそばめビルハのところに行って、これと寝た。イスラエルはこのことを聞いた。
さて、ヤコブの子は十二人であった。
23 レアの子はヤコブの長子ルベン、シメオン、レビ、ユダ、イッサカル、ゼブルン。
24 ラケルの子はヨセフとベニヤミン。
25 ラケルの女奴隷ビルハの子はダンとナフタリ。
26 レアの女奴隷ジルパの子はガドとアシェル。これらはパダン・アラムでヤコブに生まれた彼の子たちである。
27 ヤコブはキルヤテ・アルバ、すなわちヘブロンのマムレにいた父イサクのところに行った。そこはアブラハムとイサクが一時、滞在した所である。
28 イサクの一生は百八十年であった。
29 イサクは息が絶えて死んだ。彼は年老いて長寿を全うして自分の民に加えられた。彼の子エサウとヤコブが彼を葬った。
1 これはエサウ、すなわちエドムの歴史である。
2 エサウはカナンの女の中から妻をめとった。すなわちヘテ人エロンの娘アダと、ヒビ人ツィブオンの118子アナの娘オホリバマ。
3 それにイシュマエルの娘でネバヨテの妹バセマテである。
4 アダがエサウにエリファズを産み、バセマテはレウエルを産み、
5 オホリバマはエウシュ、ヤラム、コラを産んだ。これらはカナンの地で生まれたエサウの子である。
6 エサウは、その妻たち、息子、娘たち、その家のすべての者、その群れとすべての家畜、カナンの地で得た全財産を携え、弟ヤコブから離れてほかの地へ行った。
7 それは、ふたりが共に住むには彼らの持ち物が多すぎて、彼らが滞在していた地は、彼らの群れのために、彼らをささえることができなかったからである。
8 それでエサウはセイルの山地に住みついたのである。エサウとはすなわちエドムである。
9 これがセイルの山地にいたエドム人の先祖エサウの系図である。
10 エサウの子の名は次のとおり。エサウの妻アダの子エリファズ、エサウの妻バセマテの子レウエル。
11 エリファズの子はテマン、オマル、119ツェフォ、ガタム、ケナズである。
12 ティムナはエサウの子エリファズのそばめで、エリファズにアマレクを産んだ。これらはエサウの妻アダの子である。
13 レウエルの子は次のとおり。ナハテ、ゼラフ、シャマ、ミザ。これらはエサウの妻バセマテの子であった。
14 ツィブオンの120子アナの娘でエサウの妻オホリバマの子は次のとおり。彼女はエサウにエウシュとヤラムとコラを産んだ。
15 エサウの子で首長は次のとおり。エサウの長子エリファズの子では、首長テマン、首長オマル、首長121ツェフォ、首長ケナズ、
16首長コラ、首長ガタム、首長アマレクである。これらはエドムの地にいるエリファズから出た首長で、アダの子である。
17 エサウの子レウエルの子では、次のとおり。首長ナハテ、首長ゼラフ、首長シャマ、首長ミザ。これらはエドムの地でレウエルから出た首長で、エサウの妻バセマテの子である。
18 エサウの妻オホリバマの子では、次のとおり。首長エウシュ、首長ヤラム、首長コラである。これらはエサウの妻で、アナの娘であるオホリバマから出た首長である。
19 これらはエサウ、すなわちエドムの子で、彼らの首長である。
20 この地の住民ホリ人セイルの子は次のとおり。ロタン、ショバル、ツィブオン、アナ、
21 ディション、エツェル、ディシャンで、これらはエドムの地にいるセイルの子ホリ人の首長である。
22 ロタンの子はホリ、122ヘマム。ロタンの妹はティムナであった。
23 ショバルの子は次のとおり。123アルワン、マナハテ、エバル、124シェフォ、オナム。
24 ツィブオンの子は次のとおり。アヤ、アナ。このアナは父ツィブオンのろばを飼っていたとき荒野で125温泉を発見したアナである。
25 アナの子は次のとおり。ディションと、アナの娘オホリバマ。
26126ディションの子は次のとおり。127ヘムダン、エシュバン、イテラン、ケラン。
27 エツェルの子は次のとおり。ビルハン、ザアワン、128アカン。
28 ディシャンの子は次のとおり。ウツ、アラン。
29 ホリ人の首長は次のとおり。首長ロタン、首長ショバル、首長ツィブオン、首長アナ、
30首長ディション、首長エツェル、首長ディシャン。これらはホリ人の首長で、セイルの地の首長である。
31 イスラエル人の王が治める以前、エドムの地で治めた王たちは次のとおり。
32 ベオルの子ベラがエドムで治め、その町の名はディヌハバであった。
33 ベラが死ぬと、代わりにボツラから出たゼラフの子ヨバブが王となった。
34 ヨバブが死ぬと、代わりにテマン人の地から出たフシャムが王となった。
35 フシャムが死ぬと、代わりに、モアブの野でミデヤン人を打ち破ったベダデの子ハダデが王となった。その町の名はアビテであった。
36 ハダデが死ぬと、代わりにマスレカから出たサムラが王となった。
37 サムラが死ぬと、代わりに129レホボテ・ハナハルから出たサウルが王となった。
38 サウルが死ぬと、代わりにアクボルの子バアル・ハナンが王となった。
39 アクボルの子バアル・ハナンが死ぬと、代わりに130ハダルが王となった。その町の名は131パウであった。彼の妻の名はメヘタブエルで、メ・ザハブの娘マテレデの娘であった。
40 エサウから出た首長の名は、その氏族とその場所によって、その名をあげると次のとおり。首長ティムナ、首長アルワ、首長エテテ、
41首長オホリバマ、首長エラ、首長ピノン、
42首長ケナズ、首長テマン、首長ミブツァル、
43首長マグディエル、首長イラム。これらの者は、彼らの所有地での部落ごとにあげた、エドムの首長たちである。エドム人の先祖はエサウである。
1 ヤコブは、父が一時滞在していた地、カナンの地に住んでいた。
2 これはヤコブの歴史である。
ヨセフは十七歳のとき、彼の兄たちと羊の群れを飼っていた。彼はまだ手伝いで、父の妻ビルハの子らやジルパの子らといっしょにいた。ヨセフは彼らの悪いうわさを父に告げた。
3 イスラエルは、彼の息子たちのだれよりもヨセフを愛していた。それはヨセフが彼の年寄り子であったからである。それで彼はヨセフに、132そでつきの長服を作ってやっていた。
4 彼の兄たちは、父が兄弟たちのだれよりも彼を愛しているのを見て、彼を憎み、彼と穏やかに話すことができなかった。
5 あるとき、ヨセフは夢を見て、それを兄たちに告げた。すると彼らは、ますます彼を憎むようになった。
6 ヨセフは彼らに言った。「どうか私の見たこの夢を聞いてください。
7 見ると、私たちは畑で束をたばねていました。すると突然、私の束が立ち上がり、しかもまっすぐに立っているのです。見ると、あなたがたの束が回りに来て、私の束におじぎをしました。」
8 兄たちは彼に言った。「おまえは私たちを治める王になろうとするのか。私たちを支配しようとでも言うのか。」こうして彼らは、夢のことや、ことばのことで、彼をますます憎むようになった。
9 ヨセフはまた、ほかの夢を見て、それを兄たちに話した。彼は、「また、私は夢を見ましたよ。見ると、太陽と月と十一の星が私を伏し拝んでいるのです」と言った。
10 ヨセフが父や兄たちに話したとき、父は彼をしかって言った。「おまえの見た夢は、いったい何なのだ。私や、おまえの母上、兄さんたちが、おまえのところに進み出て、地に伏しておまえを拝むとでも言うのか。」
11 兄たちは彼をねたんだが、父はこのことを心に留めていた。
12 その後、兄たちはシェケムで父の羊の群れを飼うために出かけて行った。
13 それで、イスラエルはヨセフに言った。「おまえの兄さんたちはシェケムで群れを飼って133いる。さあ、あの人たちのところに使いに行ってもらいたい。」すると答えた。「はい。まいります。」
14 また言った。「さあ、行って兄さんたちや、羊の群れが無事であるかを見て、そのことを私に知らせに帰って来ておくれ。」こうして彼をヘブロンの谷から使いにやった。それで彼はシェケムに行った。
15 彼が野をさまよっていると、ひとりの人が彼に出会った。その人は尋ねて言った。「何を捜しているのですか。」
16 ヨセフは言った。「私は兄たちを捜しているところです。どこで群れを飼っているか教えてください。」
17 するとその人は言った。「ここから、もう立って行ったはずです。あの人たちが、『ドタンのほうに行こうではないか』と言っているのを私が聞いたからです。」そこでヨセフは兄たちのあとを追って行き、ドタンで彼らを見つけた。
18 彼らは、ヨセフが彼らの近くに来ないうちに、はるかかなたに、彼を見て、彼を殺そうとたくらんだ。
19 彼らは互いに言った。「見ろ。あの夢見る者がやって来る。
20 さあ、今こそ彼を殺し、どこかの穴に投げ込んで、悪い獣が食い殺したと言おう。そして、あれの夢がどうなるかを見ようではないか。」
21 しかし、ルベンはこれを聞き、彼らの手から彼を救い出そうとして、「あの子のいのちを打ってはならない」と言った。
22 ルベンはさらに言った。「血を流してはならない。彼を荒野のこの穴に投げ込みなさい。彼に手を下してはならない。」ヨセフを彼らの手から救い出し、父のところに返すためであった。
23 ヨセフが兄たちのところに来たとき、彼らはヨセフの長服、彼が着ていたそでつきの長服をはぎ取り、
24 彼を捕らえて、穴の中に投げ込んだ。その穴はからで、その中には水がなかった。
25 それから彼らはすわって食事をした。彼らが目を上げて見ると、そこに、イシュマエル人の隊商がギルアデから来ていた。らくだには樹膠と乳香と没薬を背負わせ、彼らはエジプトへ下って行くところであった。
26 すると、ユダが兄弟たちに言った。「弟を殺し、その血を隠したとて、何の益になろう。
27 さあ、ヨセフをイシュマエル人に売ろう。われわれが彼に手をかけてはならない。彼はわれわれの肉親の弟だから。」兄弟たちは彼の言うことを聞き入れた。
28 そのとき、ミデヤン人の商人が通りかかった。それで彼らはヨセフを穴から引き上げ、ヨセフを銀二十枚でイシュマエル人に売った。イシュマエル人はヨセフをエジプトへ連れて行った。
29 さて、ルベンが穴のところに帰って来ると、なんと、ヨセフは穴の中にいなかった。彼は自分の着物を引き裂き、
30 兄弟たちのところに戻って、言った。「あの子がいない。ああ、私はどこへ行ったらよいのか。」
31 彼らはヨセフの長服を取り、雄やぎをほふって、その血に、その長服を浸した。
32 そして、そのそでつきの長服を父のところに持って行き、彼らは、「これを私たちが見つけました。どうか、あなたの子の長服であるかどうか、お調べになってください」と言った。
33 父は、それを調べて、言った。「これはわが子の長服だ。悪い獣にやられたのだ。ヨセフはかみ裂かれたのだ。」
34 ヤコブは自分の着物を引き裂き、荒布を腰にまとい、幾日もの間、その子のために134泣き悲しんだ。
35 彼の息子、娘たちがみな、来て、父を慰めたが、彼は慰められることを拒み、「私は、泣き悲しみながら、よみにいるわが子のところに下って行きたい」と言った。こうして父は、その子のために泣いた。
36 あのミデヤン人はエジプトで、パロの廷臣、その侍従長ポティファルにヨセフを売った。
1 そのころのことであった。ユダは兄弟たちから離れて下って行き、その名をヒラというアドラム人の近くで天幕を張った。
2 そこでユダは、あるカナン人で、その名をシュアという人の娘を見そめ、彼女をめとって彼女のところに入った。
3 彼女はみごもり、男の子を産んだ。彼はその子をエルと名づけた。
4 彼女はまたみごもって、男の子を産み、その子をオナンと名づけた。
5 彼女はさらにまた男の子を産み、その子をシェラと名づけた。彼女がシェラを産んだとき、彼はケジブにいた。
6 ユダは、その長子エルにタマルという妻を迎えた。
7 しかしユダの長子エルは主を怒らせていたので、主は彼を殺した。
8 それでユダはオナンに言った。「あなたは兄嫁のところに入り、義弟としての務めを果たしなさい。そしてあなたの兄のために子孫を起こすようにしなさい。」
9 しかしオナンは、その生まれる子が自分のものとならないのを知っていたので、兄に子孫を与えないために、兄嫁のところに入ると、地に流していた。
10 彼のしたことは主を怒らせたので、主は彼をも殺した。
11 そこでユダは、嫁のタマルに、「わが子シェラが成人するまで、あなたの父の家でやもめのままでいなさい」と言った。それはシェラもまた、兄たちのように死ぬといけないと思ったからである。タマルは父の家に行き、そこに住むようになった。
12 かなり日がたって、シュアの娘であったユダの妻が死んだ。その喪が明けたとき、ユダは、羊の群れの毛を切るために、その友人でアドラム人のヒラといっしょに、ティムナへ上って行った。
13 そのとき、タマルに、「ご覧。あなたのしゅうとが羊の毛を切るためにティムナに上って来ていますよ」と告げる者があった。
14 それでタマルは、やもめの服を脱ぎ、ベールをかぶり、着替えをして、ティムナへの道にある135エナイムの入口にすわっていた。それはシェラが成人したのに、自分がその妻にされないのを知っていたからである。
15 ユダは、彼女を見たとき、彼女が顔をおおっていたので遊女だと思い、
16 道ばたの彼女のところに行き、「さあ、あなたのところに入ろう」と言った。彼はその女が自分の嫁だとは知らなかったからである。彼女は、「私のところにお入りになれば、何を私に下さいますか」と言った。
17 彼が、「群れの中から子やぎを送ろう」と言うと、彼女は、「それを送ってくださるまで、何かおしるしを下されば」と言った。
18 それで彼が、「しるしとして何をあげようか」と言うと、「あなたの印形とひもと、あなたが手にしている杖」と答えた。そこで彼はそれを与えて、彼女のところに入った。こうしてタマルは彼によってみごもった。
19 彼女は立ち去って、そのベールをはずし、またやもめの服を着た。
20 ユダは、彼女の手からしるしを取り戻そうと、アドラム人の友人に託して、子やぎを送ったが、彼はその女を見つけることができなかった。
21 その友人は、そこの人々に尋ねて、「136エナイムの道ばたにいた遊女はどこにいますか」と言うと、彼らは、「ここには遊女はいたことがない」と答えた。
22 それで彼はユダのところに帰って来て言った。「あの女は見つかりませんでした。あそこの人たちも、ここには遊女はいたことがない、と言いました。」
23 ユダは言った。「われわれが笑いぐさにならないために、あの女にそのまま取らせておこう。私はこのとおり、この子やぎを送ったのに、あなたがあの女を見つけなかったのだから。」
24 約三か月して、ユダに、「あなたの嫁のタマルが売春をし、そのうえ、お聞きください、その売春によってみごもっているのです」と告げる者があった。そこでユダは言った。「あの女を引き出して、焼き殺せ。」
25 彼女が引き出されたとき、彼女はしゅうとのところに使いをやり、「これらの品々の持ち主によって、私はみごもったのです」と言わせた。そしてまた彼女は言った。「これらの印形とひもと杖とが、だれのものかをお調べください。」
26 ユダはこれを見定めて言った。「あの女は私よりも正しい。私が彼女にわが子シェラを与えなかったことによるものだ。」それで彼は再び彼女を知ろうとはしなかった。
27 彼女の出産の時になると、なんと、ふたごがその胎内にいた。
28 出産のとき、一つの手が出て来たので、助産婦はそれをつかみ、その手に真っ赤な糸を結びつけて言った。「この子が最初に出て来たのです。」
29 しかし、その子が手を引っ込めたとき、もうひとりの兄弟のほうが出て来た。それで彼女は、「あなたは何であなたのために割りこむのです」と言った。それでその名は137ペレツと呼ばれた。
30 そのあとで、真っ赤な糸をつけたもうひとりの兄弟が出て来た。それでその名は138ゼラフと呼ばれた。
1 ヨセフがエジプトへ連れて行かれたとき、パロの廷臣で侍従長のポティファルというひとりのエジプト人が、ヨセフをそこに連れて下って来たイシュマエル人の手からヨセフを買い取った。
2主がヨセフとともにおられたので、彼は幸運な人となり、そのエジプト人の主人の家にいた。
3 彼の主人は、主が彼とともにおられ、主が彼のすることすべてを成功させてくださるのを見た。
4 それでヨセフは主人にことのほか愛され、主人は彼を側近の者とし、その家を管理させ、彼の全財産をヨセフの手にゆだねた。
5 主人が彼に、その家と全財産とを管理させた時から、主はヨセフのゆえに、このエジプト人の家を、祝福された。それで主の祝福が、家や野にある、全財産の上にあった。
6 彼はヨセフの手に全財産をゆだね、自分の食べる食物以外には、何も気を使わなかった。しかもヨセフは体格も良く、美男子であった。
7 これらのことの後、主人の妻はヨセフに目をつけて、「私と寝ておくれ」と言った。
8 しかし、彼は拒んで主人の妻に言った。「ご覧ください。私の主人は、家の中のことは何でも私に任せ、気を使わず、全財産を私の手にゆだねられました。
9 ご主人は、この家の中では私より大きな権威をふるおうとはされず、あなた以外には、何も私に差し止めてはおられません。あなたがご主人の奥さまだからです。どうして、そのような大きな悪事をして、私は神に罪を犯すことができましょうか。」
10 それでも彼女は毎日、ヨセフに言い寄ったが、彼は、聞き入れず、彼女のそばに寝ることも、彼女といっしょにいることもしなかった。
11 ある日のこと、彼が仕事をしようとして家に入ると、家の中には、家の者どもがひとりもそこにいなかった。
12 それで彼女はヨセフの上着をつかんで、「私と寝ておくれ」と言った。しかしヨセフはその上着を彼女の手に残し、逃げて外へ出た。
13 彼が上着を彼女の手に残して外へ逃げたのを見ると、
14 彼女は、その家の者どもを呼び寄せ、彼らにこう言った。「ご覧。主人は私たちをもてあそぶためにヘブル人を私たちのところに連れ込んだのです。あの男が私と寝ようとして入って来たので、私は大声をあげたのです。
15 私が声をあげて叫んだのを聞いて、あの男は私のそばに自分の上着を残し、逃げて外へ出て行きました。」
16 彼女は、主人が家に帰って来るまで、その上着を自分のそばに置いていた。
17 こうして彼女は主人に、このように告げて言った。「あなたが私たちのところに連れて来られたヘブル人の奴隷は、私にいたずらをしようとして私のところに入って来ました。
18 私が声をあげて叫んだので、私のそばに上着を残して外へ逃げました。」
19 主人は妻が、「あなたの奴隷は私にこのようなことをしたのです」と言って、告げたことばを聞いて、怒りに燃えた。
20 ヨセフの主人は彼を捕らえ、王の囚人が監禁されている監獄に彼を入れた。こうして彼は監獄にいた。
21 しかし、主はヨセフとともにおられ、彼に恵みを施し、監獄の長の心にかなうようにされた。
22 それで監獄の長は、その監獄にいるすべての囚人をヨセフの手にゆだねた。ヨセフはそこでなされるすべてのことを管理するようになった。
23監獄の長は、ヨセフの手に任せたことについては何も干渉しなかった。それは主が彼とともにおられ、彼が何をしても、主がそれを成功させてくださったからである。
1 これらのことの後、エジプト王の献酌官と調理官とが、その主君、エジプト王に罪を犯した。
2 それでパロは、この献酌官長と調理官長のふたりの廷臣を怒り、
3 彼らを侍従長の家に拘留した。すなわちヨセフが監禁されている同じ監獄に入れた。
4侍従長はヨセフを彼らの付き人にしたので、彼はその世話をした。こうして彼らは、しばらく拘留されていた。
5 さて、監獄に監禁されているエジプト王の献酌官と調理官とは、ふたりとも同じ夜にそれぞれ夢を見た。その夢にはおのおの意味があった。
6 朝、ヨセフが彼らのところに行って、よく見ると、彼らはいらいらしていた。
7 それで彼は、自分の主人の家にいっしょに拘留されているこのパロの廷臣たちに尋ねて、「なぜ、きょうはあなたがたの顔色が悪いのですか」と言った。
8 ふたりは彼に答えた。「私たちは夢を見たが、それを解き明かす人がいない。」ヨセフは彼らに言った。「それを解き明かすことは、神のなさることではありませんか。さあ、それを私に話してください。」
9 それで献酌官長はヨセフに自分の夢を話して言った。「夢の中で、見ると、私の前に一本のぶどうの木があった。
10 そのぶどうの木には三本のつるがあった。それが芽を出すと、すぐ花が咲き、ぶどうのふさが熟して、ぶどうになった。
11 私の手にはパロの杯があったから、私はそのぶどうを摘んで、それをパロの杯の中にしぼって入れ、その杯をパロの手にささげた。」
12 ヨセフは彼に言った。「その解き明かしはこうです。三本のつるは三日のことです。
13 三日のうちに、パロは139あなたを呼び出し、あなたをもとの地位に戻すでしょう。あなたは、パロの献酌官であったときの以前の規定に従って、パロの杯をその手にささげましょう。
14140あなたがしあわせになったときには、きっと私を思い出してください。私に恵みを施してください。私のことをパロに話してください。この家から私が出られるようにしてください。
15 実は私は、ヘブル人の国から、さらわれて来たのです。ここでも私は投獄されるようなことは何もしていないのです。」
16調理官長は、解き明かしが良かったのを見て、ヨセフに言った。「私も夢の中で、見ると、私の頭の上に141枝編みのかごが三つあった。
17 一番上のかごには、パロのために調理官が作ったあらゆる食べ物が入っていたが、鳥が私の頭の上のかごの中から、それを食べてしまった。」
18 ヨセフは答えて言った。「その解き明かしはこうです。三つのかごは三日のことです。
19 三日のうちに、パロはあなたを142呼び出し、あなたを木につるし、鳥があなたの肉をむしり取って食うでしょう。」
20 三日目はパロの誕生日であった。それで彼は、自分のすべての家臣たちのために祝宴を張り、献酌官長と調理官長とをその家臣たちの中に呼び出した。
21 そうして、献酌官長をその献酌の役に戻したので、彼はその杯をパロの手にささげた。
22 しかしパロは、ヨセフが解き明かしたように、調理官長を木につるした。
23 ところが献酌官長はヨセフのことを思い出さず、彼のことを忘れてしまった。
1 それから二年の後、パロは夢を見た。見ると、彼はナイルのほとりに立っていた。
2 ナイルから、つやつやした、肉づきの良い七頭の雌牛が上がって来て、葦の中で草をはんでいた。
3 するとまた、そのあとを追ってほかの醜いやせ細った七頭の雌牛がナイルから上がって来て、その川岸にいる雌牛のそばに立った。
4 そして醜いやせ細った雌牛が、つやつやした、よく肥えた七頭の雌牛を食い尽くした。そのとき、パロは目がさめた。
5 それから、彼はまた眠って、再び夢を見た。見ると、肥えた良い七つの穂が、一本の茎に出て来た。
6 すると、すぐそのあとから、東風に焼けた、しなびた七つの穂が出て来た。
7 そして、しなびた穂が、あの肥えて豊かな七つの穂をのみこんでしまった。そのとき、パロは目がさめた。それは夢だった。
8 朝になって、パロは心が騒ぐので、人をやってエジプトのすべての呪法師とすべての知恵のある者たちを呼び寄せた。パロは彼らに夢のことを話したが、それをパロに解き明かすことのできる者はいなかった。
9 そのとき、献酌官長がパロに告げて言った。「私はきょう、私のあやまちを申し上げなければなりません。
10 かつて、パロがしもべらを怒って、私と調理官長とを侍従長の家に拘留なさいました。
11 そのとき、私と彼は同じ夜に夢を見ましたが、その夢はおのおの意味のある夢でした。
12 そこには、私たちといっしょに、侍従長のしもべでヘブル人の若者がいました。それで彼に話しましたところ、彼は私たちの夢を解き明かし、それぞれの夢にしたがって、解き明かしてくれました。
13 そして、彼が私たちに解き明かしたとおりになり、パロは私をもとの地位に戻され、彼を木につるされました。」
14 そこで、パロは使いをやってヨセフを呼び寄せたので、人々は急いで彼を地下牢から連れ出した。彼はひげをそり、着物を着替えてから、パロの前に出た。
15 パロはヨセフに言った。「私は夢を見たが、それを解き明かす者がいない。あなたについて言われていることを聞いた。あなたは夢を聞いて、それを解き明かすということだが。」
16 ヨセフはパロに答えて言った。「私ではありません。神がパロの繁栄を知らせてくださるのです。」
17 それでパロはヨセフに話した。「夢の中で、私はナイルの岸に立っていた。
18 見ると、ナイルから、肉づきが良くて、つやつやした七頭の雌牛が上がって来て、葦の中で草をはんでいた。
19 すると、そのあとから、弱々しい、非常に醜い、やせ細ったほかの七頭の雌牛が上がって来た。私はこのように醜いのをエジプト全土でまだ見たことがない。
20 そして、このやせた醜い雌牛が、先の肥えた七頭の雌牛を食い尽くした。
21 ところが、彼らを腹に入れても、腹に入ったのがわからないほどその姿は初めと同じように醜かった。そのとき、私は目がさめた。
22 ついで、夢の中で私は見た。見ると、一本の茎によく実った七つの穂が出て来た。
23 すると、そのあとから東風に焼けた、しなびた貧弱な七つの穂が出て来た。
24 そのしなびた穂が、あの七つの良い穂をのみこんでしまった。そこで私は呪法師に話したが、だれも私に説明できる者はいなかった。」
25 ヨセフはパロに言った。「パロの夢は一つです。神がなさろうとすることをパロに示されたのです。
26 七頭のりっぱな雌牛は七年のことで、七つのりっぱな穂も七年のことです。それは一つの夢なのです。
27 そのあとから上がって来た七頭のやせた醜い雌牛は七年のことで、東風に焼けたしなびた七つの穂もそうです。それはききんの七年です。
28 これは、私がパロに申し上げたとおり、神がなさろうとすることをパロに示されたのです。
29 今すぐ、エジプト全土に七年間の大豊作が訪れます。
30 それから、そのあと、七年間のききんが起こり、エジプトの地の豊作はみな忘れられます。ききんが地を荒れ果てさせ、
31 この地の豊作は後に来るききんのため、跡もわからなくなります。そのききんは、非常にきびしいからです。
32夢が二度パロにくり返されたのは、このことが神によって定められ、神がすみやかにこれをなさるからです。
33 それゆえ、今、パロは、さとくて知恵のある人を見つけ、その者をエジプトの国の上に置かれますように。
34 パロは、国中に監督官を任命するよう行動を起こされ、豊作の七年間に、エジプトの地に、備えをなさいますように。
35 彼らにこれからの豊作の年のすべての食糧を集めさせ、パロの権威のもとに、町々に穀物をたくわえ、保管させるためです。
36 その食糧は、エジプトの国に起こる七年のききんのための、国のたくわえとなさいますように。この地がききんで滅びないためです。」
37 このことは、パロとすべての家臣たちの心にかなった。
38 そこでパロは家臣たちに言った。「神の霊の宿っているこのような人を、ほかに見つけることができようか。」
39 パロはヨセフに言った。「神がこれらすべてのことをあなたに知らされたのであれば、あなたのように、さとくて知恵のある者はほかにいない。
40 あなたは私の家を治めてくれ。私の民はみな、あなたの命令に従おう。私があなたにまさっているのは王位だけだ。」
41 パロはなおヨセフに言った。「さあ、私はあなたにエジプト全土を支配させよう。」
42 そこで、パロは自分の指輪を手からはずして、それをヨセフの手にはめ、亜麻布の衣服を着せ、その首に金の首飾りを掛けた。
43 そして、自分の第二の車に彼を乗せた。そこで人々は彼の前で「143ひざまずけ」と叫んだ。こうして彼にエジプト全土を支配させた。
44 パロはヨセフに言った。「私はパロだ。しかし、あなたの許しなくしては、エジプト中で、だれも手足を上げることもできない。」
45 パロはヨセフにツァフェナテ・パネアハという名を与え、オンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテを彼の妻にした。こうしてヨセフはエジプトの地に知れ渡った。
46 ──ヨセフがエジプトの王パロに仕えるようになったときは三十歳であった──ヨセフはパロの前を去ってエジプト全土を巡り歩いた。
47 さて、豊作の七年間に地は豊かに生産した。
48 そこで、ヨセフはエジプトの地に産した七年間の食糧をことごとく集め、その食糧を町々にたくわえた。すなわち、町の周囲にある畑の食糧をおのおのその町の中にたくわえた。
49 ヨセフは穀物を海の砂のように非常に多くたくわえ、量りきれなくなったので、ついに量ることをやめた。
50 ききんの年の来る前に、ヨセフにふたりの子どもが生まれた。これらはオンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテが産んだのである。
51 ヨセフは長子を144マナセと名づけた。「神が私のすべての労苦と私の父の全家とを忘れさせた」からである。
52 また、二番目の子を145エフライムと名づけた。「神が私の苦しみの地で私を実り多い者とされた」からである。
53 エジプトの地にあった豊作の七年が終わると、
54 ヨセフの言ったとおり、七年のききんが来始めた。そのききんはすべての国に臨んだが、エジプト全土には食物があった。
55 やがて、エジプト全土が飢えると、その民はパロに食物を求めて叫んだ。そこでパロは全エジプトに言った。「ヨセフのもとに行き、彼の言うとおりにせよ。」
56 ききんは全世界に及んだ。ききんがエジプトの国でひどくなったとき、ヨセフはすべての穀物倉をあけて、エジプトに売った。
57 また、ききんが全世界にひどくなったので、世界中が穀物を買うために、エジプトのヨセフのところに来た。
1 ヤコブはエジプトに穀物があることを知って、息子たちに言った。「あなたがたは、なぜ互いに顔を見合っているのか。」
2 そして言った。「今、私はエジプトに穀物があるということを聞いた。あなたがたは、そこへ下って行き、そこから私たちのために穀物を買って来なさい。そうすれば、私たちは生きながらえ、死なないだろう。」
3 そこで、ヨセフの十人の兄弟はエジプトで穀物を買うために、下って行った。
4 しかし、ヤコブはヨセフの弟ベニヤミンを兄弟たちといっしょにやらなかった。わざわいが彼にふりかかるといけないと思ったからである。
5 こうして、イスラエルの息子たちは、穀物を買いに行く人々に交じって出かけた。カナンの地にききんがあったからである。
6 ときに、ヨセフはこの国の権力者であり、この国のすべての人々に穀物を売る者であった。ヨセフの兄弟たちは来て、顔を地につけて彼を伏し拝んだ。
7 ヨセフは兄弟たちを見て、それとわかったが、彼らに対して見知らぬ者のようにふるまい、荒々しいことばで彼らに言った。「あなたがたは、どこから来たのか。」すると彼らは答えた。「カナンの地から食糧を買いにまいりました。」
8 ヨセフには、兄弟たちだとわかったが、彼らにはヨセフだとはわからなかった。
9 ヨセフはかつて彼らについて見た夢を思い出して、彼らに言った。「あなたがたは間者だ。この国のすきをうかがいに来たのだろう。」
10 彼らは言った。「いいえ。あなたさま。しもべどもは食糧を買いにまいったのでございます。
11 私たちはみな、同じひとりの人の子で、私たちは正直者でございます。しもべどもは間者ではございません。」
12 ヨセフは彼らに言った。「いや。あなたがたは、この国のすきをうかがいにやって来たのだ。」
13 彼らは言った。「しもべどもは十二人の兄弟で、カナンの地にいるひとりの人の子でございます。末の弟は今、父といっしょにいますが、もうひとりはいなくなりました。」
14 ヨセフは彼らに言った。「私が言ったとおりだ。あなたがたは間者だ。
15 このことで、あなたがたをためそう。パロのいのちにかけて言うが、あなたがたの末の弟がここに来ないかぎり、決してここから出ることはできない。
16 あなたがたのうちのひとりをやって、弟を連れて来なさい。それまであなたがたを監禁しておく。あなたがたに誠実があるかどうか、あなたがたの言ったことをためすためだ。もしそうでなかったら、パロのいのちにかけて言うが、あなたがたはやっぱり間者だ。」
17 こうしてヨセフは彼らを三日間、監禁所にいっしょに入れておいた。
18 ヨセフは三日目に彼らに言った。「次のようにして、生きよ。私も神を恐れる者だから。
19 もし、あなたがたが正直者なら、あなたがたの兄弟のひとりを監禁所に監禁しておいて、あなたがたは飢えている家族に穀物を持って行くがよい。
20 そして、あなたがたの末の弟を私のところに連れて来なさい。そうすれば、あなたがたのことばがほんとうだということになり、あなたがたは死ぬことはない。」そこで彼らはそのようにした。
21 彼らは互いに言った。「ああ、われわれは弟のことで罰を受けているのだなあ。あれがわれわれにあわれみを請うたとき、彼の心の苦しみを見ながら、われわれは聞き入れなかった。それでわれわれはこんな苦しみに会っているのだ。」
22 ルベンが彼らに答えて言った。「私はあの子に罪を犯すなと言ったではないか。それなのにあなたがたは聞き入れなかった。だから今、彼の血の報いを受けるのだ。」
23 彼らは、ヨセフが聞いていたとは知らなかった。彼と彼らの間には通訳者がいたからである。
24 ヨセフは彼らから離れて、泣いた。それから彼らのところに帰って来て、彼らに語った。そして彼らの中からシメオンをとって、彼らの目の前で彼を縛った。
25 ヨセフは、彼らの袋に穀物を満たし、彼らの銀をめいめいの袋に返し、また道中の食糧を彼らに与えるように命じた。それで、人々はそのとおりにした。
26 彼らは穀物を自分たちのろばに背負わせて、そこを去った。
27 さて、宿泊所で、そのうちのひとりが、自分のろばに飼料をやるために袋をあけると、自分の銀を見つけた。しかも、見よ。それは自分の袋の口にあった。
28 彼は兄弟たちに言った。「私の銀が返されている。しかもこのとおり、私の袋の中に。」彼らは心配し、身を震わせて互いに言った。「神は、私たちにいったい何ということをなさったのだろう。」
29 こうして、彼らはカナンの地にいる父ヤコブのもとに帰って、その身に起こったことをすべて彼に告げて言った。
30 「あの国の支配者である人が、私たちに荒々しく語り、私たちを、あの国をうかがう間者にしました。
31 私たちはその人に、『私たちは正直者で、間者ではない。
32 私たちは十二人兄弟で同じひとりの父の子で、ひとりはいなくなったが、末の弟は今、カナンの地に父といっしょにいる』と申しました。
33 すると、その国の支配者である人が、私たちに言いました。『こうすれば、あなたがたが正直者かどうか、わかる。あなたがたの兄弟のひとりを私のところに残し、飢えているあなたがたの家族に穀物を持って行け。
34 そしてあなたがたの末の弟を私のところに連れて来い。そうすれば、あなたがたが間者ではなく、正直者だということが私にわかる。そのうえで、私はあなたがたの兄弟を返そう。そうしてあなたがたはこの地に出はいりができる。』」
35 それから、彼らが自分たちの袋をからにすると、見よ、めいめいの銀の包みがそれぞれの袋の中にあるではないか。彼らも父もこの銀の包みを見て、恐れた。
36 父ヤコブは彼らに言った。「あなたがたはもう、私に子を失わせている。ヨセフはいなくなった。シメオンもいなくなった。そして今、ベニヤミンをも取ろうとしている。こんなことがみな、私にふりかかって来るのだ。」
37 ルベンは父にこう言った。「もし私が彼をあなたのもとに連れて帰らなかったら、私のふたりの子を殺してもかまいません。彼を私の手に任せてください。私はきっと彼をあなたのもとに連れ戻します。」
38 しかしヤコブは言った。「私の子は、あなたがたといっしょには行かせない。彼の兄は死に、彼だけが残っているのだから。あなたがたの行く道中で、もし彼にわざわいがふりかかれば、あなたがたは、このしらが頭の私を、悲しみながらよみに下らせることになるのだ。」
1 さて、その地でのききんは、ひどかった。
2 彼らがエジプトから持って来た穀物を食べ尽くしたとき、父は彼らに言った。「また行って、私たちのために少し食糧を買って来ておくれ。」
3 しかしユダが父に言った。「あの方は私たちをきつく戒めて、『あなたがたの弟といっしょでなければ、私の顔を見てはならない』と告げました。
4 もし、あなたが弟を私たちといっしょに行かせてくださるなら、私たちは下って行って、あなたのために食糧を買って来ましょう。
5 しかし、もしあなたが彼を行かせないなら、私たちは下って行きません。あの方が私たちに、『あなたがたの弟といっしょでなければ、私の顔を見てはならない』と言ったからです。」
6 そこで、イスラエルが言った。「なぜ、あなたがたにもうひとりの弟がいるとあの方に言って、私をひどいめに会わせるのか。」
7 彼らは言った。「あの方が、私たちと私たちの家族のことをしつこく尋ねて、『あなたがたの父はまだ生きているのか。あなたがたに弟がいるのか』と言うので、問われるままに言ってしまったのです。あなたがたの弟を連れて来いと言われるとは、どうして私たちにわかりましょう。」
8 ユダは父イスラエルに言った。「あの子を私といっしょにやらせてください。私たちは出かけて行きます。そうすれば、あなたも私たちも、そして私たちの子どもたちも生きながらえて死なないでしょう。
9 私自身が彼の保証人となります。私に責任を負わせてください。万一、彼をあなたのもとに連れ戻さず、あなたの前に彼を立たせなかったら、私は一生あなたに対して罪ある者となります。
10 もし私たちがためらっていなかったなら、今までに二度は行って帰って来られたことでしょう。」
11 父イスラエルは彼らに言った。「もしそうなら、こうしなさい。この地の名産を入れ物に入れ、それを贈り物として、あの方のところへ下って行きなさい。乳香と蜜を少々、樹膠と没薬、くるみとアーモンド、
12 そして、二倍の銀を持って行きなさい。あなたがたの袋の口に返されていた銀も持って行って返しなさい。それはまちがいだったのだろう。
13 そして、弟を連れてあの方のところへ出かけて行きなさい。
14146全能の神がその方に、あなたがたをあわれませてくださるように。そしてもうひとりの兄弟とベニヤミンとをあなたがたに返してくださるように。私も、失うときには、失うのだ。」
15 そこで、この人たちは贈り物を携え、それに二倍の銀を持ち、ベニヤミンを伴ってエジプトへ下り、ヨセフの前に立った。
16 ヨセフはベニヤミンが彼らといっしょにいるのを見るや、彼の家の管理者に言った。「この人たちを家へ連れて行き、獣をほふり、料理をしなさい。この人たちが昼に、私といっしょに食事をするから。」
17 その人はヨセフが言ったとおりにして、その人々をヨセフの家に連れて行った。
18 ところが、この人たちはヨセフの家に連れて行かれたので恐れた。「われわれが連れ込まれたのは、この前のとき、われわれの袋に返されていたあの銀のためだ。われわれを陥れ、われわれを襲い、われわれを奴隷として、われわれのろばもいっしょに捕らえるためなのだ」と彼らは言った。
19 それで、彼らはヨセフの家の管理者に近づいて、家の入口のところで彼に話しかけて、
20 言った。「失礼ですが、あなたさま。この前のときには、私たちは食糧を買うために下って来ただけです。
21 ところが、宿泊所に着いて、袋をあけました。すると、私たちの銀がそのままそれぞれの袋の口にありました。それで、私たちはそれを返しに持って来ました。
22 また、食糧を買うためには、ほかに銀を私たちは持って来ました。袋の中にだれが私たちの銀を入れたのか、私たちにはわかりません。」
23 彼は答えた。「安心しなさい。恐れることはありません。あなたがたの神、あなたがたの父の神が、あなたがたのために袋の中に宝を入れてくださったのに違いありません。あなたがたの銀は私が受け取りました。」それから彼はシメオンを彼らのところに連れて来た。
24 その人は人々をヨセフの家に連れて行き、水を与えた。彼らは足を洗い、ろばに飼料を与えた。
25 彼らはヨセフが昼に帰って来るまでに、贈り物を用意しておいた。それは自分たちがそこで食事をすることになっているのを聞いたからである。
26 ヨセフが家に帰って来たとき、彼らは持って来た贈り物を家に持ち込み、地に伏して彼を拝んだ。
27 ヨセフは彼らの安否を問うて言った。「あなたがたが先に話していた、あなたがたの年老いた父親は元気か。まだ生きているのか。」
28 彼らは答えた。「あなたのしもべ、私たちの父は元気で、まだ生きております。」そして、彼らはひざまずいて伏し拝んだ。
29 ヨセフは目を上げ、同じ母の子である弟のベニヤミンを見て言った。「これがあなたがたが私に話した末の弟か。」そして言った。「わが子よ。神があなたを恵まれるように。」
30 ヨセフは弟なつかしさに胸が熱くなり、泣きたくなって、急いで奥の部屋に入って行って、そこで泣いた。
31 やがて、彼は顔を洗って出て来た。そして自分を制して、「食事を出せ」と言いつけた。
32 それでヨセフにはヨセフにだけ、彼らには彼らにだけ、ヨセフと食事を共にするエジプト人にはその者にだけ、それぞれ別に食事を出した。エジプト人はヘブル人とはいっしょに食事ができなかったからである。それはエジプト人の忌みきらうところであった。
33 彼らはヨセフの指図によって、年長者は年長の座に、年下の者は年下の座にすわらされたので、この人たちは互いに驚き合った。
34 また、ヨセフの食卓から、彼らに分け前が分けられたが、ベニヤミンの分け前はほかのだれの分け前よりも五倍も多かった。彼らはヨセフとともに酒を飲み、酔いごこちになった。
1 さて、ヨセフは家の管理者に命じて言った。「あの人々の袋を彼らに運べるだけの食糧で満たし、おのおのの銀を彼らの袋の口に入れておけ。
2 また、私の杯、あの銀の杯を一番年下の者の袋の口に、穀物の代金といっしょに入れておけ。」彼はヨセフの言いつけどおりにした。
3 明け方、人々はろばといっしょに送り出された。
4 彼らが町を出てまだ遠くへ行かないうちに、ヨセフは家の管理者に言った。「さあ、あの人々のあとを追え。追いついたら彼らに、『なぜ、あなたがたは悪をもって善に報いるのか。
5 これは、私の主人が、これで飲み、また、これでいつもまじないをしておられるのではないか。あなたがたのしたことは悪らつだ』と言うのだ。」
6 彼は彼らに追いついて、このことばを彼らに告げた。
7 すると、彼らは言った。「あなたさまは、なぜそのようなことをおっしゃるのですか。しもべどもがそんなことをするなどとは、とんでもないことです。
8 私たちが、袋の口から見つけた銀でさえ、カナンの地からあなたのもとへ返しに来たではありませんか。どうしてあなたのご主人の家から銀や金を盗んだりいたしましょう。
9 しもべどものうちのだれからでも、それが見つかった者は殺してください。そして私たちもまた、ご主人の奴隷となりましょう。」
10 彼は言った。「今度も、あなたがたの言うことはもっともだが、それが見つかった者は、私の奴隷となり、他の者は無罪としよう。」
11 そこで、彼らは急いで自分の袋を地に降ろし、おのおのその袋を開いた。
12 彼は年長の者から調べ始めて年下の者で終わった。ところがその杯はベニヤミンの袋から見つかった。
13 そこで彼らは着物を引き裂き、おのおのろばに荷を負わせて町に引き返した。
14 ユダと兄弟たちがヨセフの家に入って行ったとき、ヨセフはまだそこにいた。彼らはヨセフの前で顔を地に伏せた。
15 ヨセフは彼らに言った。「あなたがたのしたこのしわざは、何だ。私のような者はまじないをするということを知らなかったのか。」
16 ユダが答えた。「私たちはあなたさまに何を申せましょう。何の申し開きができましょう。また何と言って弁解することができましょう。神がしもべどもの咎をあばかれたのです。今このとおり、私たちも、そして杯を持っているのを見つかった者も、あなたさまの奴隷となりましょう。」
17 しかし、ヨセフは言った。「そんなことはとんでもないことだ。杯を持っているのを見つかった者だけが、私の奴隷となればよい。ほかのあなたがたは安心して父のもとへ帰るがよい。」
18 すると、ユダが彼に近づいて言った。「あなたさま。どうかあなたのしもべの申し上げることに耳を貸してください。そして、どうかしもべを激しくお怒りにならないでください。あなたはパロのようなお方なのですから。
19 あなたさまは、しもべどもに、あなたがたに父や弟があるかとお尋ねになりました。
20 それで、私たちはあなたさまに、『私たちには年老いた父と、年寄り子の末の弟がおります。そしてその兄は死にました。彼だけがその母に残されましたので、父は彼を愛しています』と申し上げました。
21 するとあなたは、しもべどもに、『彼を私のところに連れて来い。私はこの目で彼を見たい』と言われました。
22 それで、私たちはあなたさまに、『その子は父親と離れることはできません。父親と離れたら、父親は死ぬでしょう』と申し上げました。
23 しかし、あなたはしもべどもに言われました。『末の弟といっしょに下って来なければ、二度とあなたがたは私の顔を見ることはできない。』
24 それで、私たちは、あなたのしもべである私の父のもとに帰ったとき、父にあなたさまのおことばを伝えました。
25 それから私たちの父が、『また行って、われわれのために少し食糧を買って来てくれ』と言ったので、
26 私たちは、『私たちは下って行くことはできません。もし、末の弟が私たちといっしょなら、私たちは下って行きます。というのは、末の弟といっしょでなければあの方のお顔を見ることはできないのです』と答えました。
27 すると、あなたのしもべである私の父が言いました。『あなたがたも知っているように、私の妻はふたりの子を産んだ。
28 そしてひとりは私のところから出て行ったきりだ。確かに裂き殺されてしまったのだ、と私は言った。そして、それ以来、今まで私は彼を見ない。
29 あなたがたがこの子をも私から取ってしまって、この子にわざわいが起こるなら、あなたがたは、しらが頭の私を、苦しみながらよみに下らせることになるのだ。』
30 私が今、あなたのしもべである私の父のもとへ帰ったとき、あの子が私たちといっしょにいなかったら、父のいのちは彼のいのちにかかっているのですから、
31 あの子がいないのを見たら、父は死んでしまうでしょう。そして、しもべどもが、あなたのしもべであるしらが頭の私たちの父を、悲しみながら、よみに下らせることになります。
32 というのは、このしもべは私の父に、『もし私があの子をあなたのところに連れ戻さなかったら、私は永久にあなたに対して罪ある者となります』と言って、あの子の保証をしているのです。
33 ですから、どうか今、このしもべを、あの子の代わりに、あなたさまの奴隷としてとどめ、あの子を兄弟たちと帰らせてください。
34 あの子が私といっしょでなくて、どうして私は父のところへ帰れましょう。私の父に起こるわざわいを見たくありません。」
1 ヨセフは、そばに立っているすべての人の前で、自分を制することができなくなって、「みなを、私のところから出しなさい」と叫んだ。ヨセフが兄弟たちに自分のことを明かしたとき、彼のそばに立っている者はだれもいなかった。
2 しかし、ヨセフが声をあげて泣いたので、エジプト人はそれを聞き、パロの家の者もそれを聞いた。
3 ヨセフは兄弟たちに言った。「私はヨセフです。父上はお元気ですか。」兄弟たちはヨセフを前にして驚きのあまり、答えることができなかった。
4 ヨセフは兄弟たちに言った。「どうか私に近寄ってください。」彼らが近寄ると、ヨセフは言った。「私はあなたがたがエジプトに売った弟のヨセフです。
5 今、私をここに売ったことで心を痛めたり、怒ったりしてはなりません。神はいのちを救うために、あなたがたより先に、私を遣わしてくださったのです。
6 この二年の間、国中にききんがあったが、まだあと五年は耕すことも刈り入れることもないでしょう。
7 それで神は私をあなたがたより先にお遣わしになりました。それは、あなたがたのために残りの者をこの地に残し、また、大いなる救いによってあなたがたを生きながらえさせるためだったのです。
8 だから、今、私をここに遣わしたのは、あなたがたではなく、実に、神なのです。神は私をパロには父とし、その全家の主とし、またエジプト全土の統治者とされたのです。
9 それで、あなたがたは急いで父上のところに上って行き、言ってください。『あなたの子ヨセフがこう言いました。神は私をエジプト全土の主とされました。ためらわずに私のところに下って来てください。
10 あなたはゴシェンの地に住み、私の近くにいることになります。あなたも、あなたの子と孫、羊と牛、またあなたのものすべて。
11 ききんはあと五年続きますから、あなたも家族も、また、すべてあなたのものが、困ることのないように、私はあなたをそこで養いましょう』と。
12 さあ、あなたがたも、私の弟ベニヤミンも自分の目でしかと見てください。あなたがたに話しているのは、この私の口です。
13 あなたがたは、エジプトでの私のすべての栄誉とあなたがたが見たいっさいのこととを私の父上に告げ、急いで私の父上をここにお連れしてください。」
14 それから、彼は弟ベニヤミンの首を抱いて泣いた。ベニヤミンも彼の首を抱いて泣いた。
15 彼はまた、すべての兄弟に口づけし、彼らを抱いて泣いた。そのあとで、兄弟たちは彼と語り合った。
16 ヨセフの兄弟たちが来たという知らせが、パロの家に伝えられると、パロもその家臣たちも喜んだ。
17 パロはヨセフに言った。「あなたの兄弟たちに言いなさい。『こうしなさい。あなたがたの家畜に荷を積んで、すぐカナンの地へ行き、
18 あなたがたの父と家族とを連れて、私のもとへ来なさい。私はあなたがたにエジプトの最良の地を与え、地の最も良い物を食べさせる。』
19 あなたは命じなさい。『こうしなさい。子どもたちと妻たちのために、エジプトの地から車を持って行き、あなたがたの父を乗せて来なさい。
20家財に未練を残してはならない。エジプト全土の最良の物は、あなたがたのものだから』と。」
21 イスラエルの子らは、そのようにした。ヨセフはパロの命により、彼らに車を与え、また道中のための食糧をも与えた。
22 彼らすべてにめいめい147晴れ着を与えたが、ベニヤミンには銀三百枚と晴れ着五枚とを与えた。
23 父には次のような物を贈った。エジプトの最良の物を積んだ十頭のろば、それと穀物とパンと父の道中の食糧とを積んだ十頭の雌ろばであった。
24 こうしてヨセフは兄弟たちを送り出し、彼らが出発するとき、彼らに言った。「途中で言い争わないでください。」
25 彼らはこうしてエジプトから上って、カナンの地に入り、彼らの父ヤコブのもとへ行った。
26 彼らは父に告げて言った。「ヨセフはまだ生きています。しかもエジプト全土を支配しているのは彼です。」しかし父はぼんやりしていた。彼らを信じることができなかったからである。
27 彼らはヨセフが話したことを残らず話して聞かせ、彼はヨセフが自分を乗せるために送ってくれた車を見た。すると彼らの父ヤコブは元気づいた。
28 イスラエルは言った。「それで十分だ。私の子ヨセフがまだ生きているとは。私は死なないうちに彼に会いに行こう。」
1 イスラエルは、彼に属するすべてのものといっしょに出発し、ベエル・シェバに来たとき、父イサクの神にいけにえをささげた。
2 神は、夜の幻の中でイスラエルに、「ヤコブよ、ヤコブよ」と言って呼ばれた。彼は答えた。「はい。ここにいます。」
3 すると仰せられた。「わたしは神、あなたの父の神である。エジプトに下ることを恐れるな。わたしはそこで、あなたを大いなる国民にするから。
4 わたし自身があなたといっしょにエジプトに下り、また、わたし自身が必ずあなたを再び導き上る。ヨセフの手はあなたの目を閉じてくれるであろう。」
5 それから、ヤコブはベエル・シェバを立った。イスラエルの子らは、ヤコブを乗せるためにパロが送った車に、父ヤコブと自分たちの子や妻を乗せ、
6 また彼らは家畜とカナンの地で得た財産も持って行った。こうしてヤコブはそのすべての子孫といっしょにエジプトに来た。
7 すなわち、彼は、自分の息子たちと孫たち、自分の娘たちと孫娘たち、こうしてすべての子孫を連れてエジプトに来た。
8 エジプトに来たイスラエルの子──ヤコブとその子──の名は次のとおりである。ヤコブの長子ルベン。
9 ルベンの子はエノク、パル、ヘツロン、カルミ。
10 シメオンの子は148エムエル、ヤミン、オハデ、ヤキン、149ツォハル、カナンの女の産んだ子サウル。
11 レビの子は150ゲルション、ケハテ、メラリ。
12 ユダの子はエル、オナン、シェラ、ペレツ、ゼラフ。しかしエルとオナンはカナンの地で死んだ。ペレツの子はヘツロンとハムルであった。
13 イッサカルの子はトラ、151プワ、152ヨブ、シムロン。
14 ゼブルンの子はセレデ、エロン、ヤフレエル。
15 これらはレアがパダン・アラムでヤコブに産んだ子で、それにその娘ディナがあり、彼の息子、娘たちの総勢は三十三人。
16 ガドの子は153ツィフヨン、ハギ、シュニ、154エツボン、エリ、155アロディ、アルエリ。
17 アシェルの子はイムナ、イシュワ、イシュビ、ベリアとその妹セラフ。ベリアの子はヘベル、マルキエル。
18 これらは、ラバンが娘レアに与えたジルパの子である。彼女がヤコブに産んだのは十六人であった。
19 ヤコブの妻ラケルの子はヨセフとベニヤミンである。
20 ヨセフにはエジプトの地で子どもが生まれた。それはオンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテが彼に産んだマナセとエフライムである。
21 ベニヤミンの子はベラ、ベケル、アシュベル、ゲラ、ナアマン、エヒ、ロシュ、ムピム、156フピム、157アルデ。
22 これらはラケルがヤコブに産んだ子で、みなで十四人である。
23 ダンの子は158フシム。
24 ナフタリの子は159ヤフツェエル、グニ、エツェル、160シレム。
25 これらはラバンが娘ラケルに与えたビルハの子である。彼女がヤコブに産んだのはみなで七人であった。
26 ヤコブに属する者、すなわち、ヤコブから生まれた子でエジプトへ行った者は、ヤコブの息子たちの妻は別として、みなで六十六人であった。
27 エジプトでヨセフに生まれた子らはふたりで、エジプトに行ったヤコブの家族はみなで七十人であった。
28 さて、ヤコブはユダを先にヨセフのところに遣わしてゴシェンへの道を示させた。それから彼らはゴシェンの地に行った。
29 ヨセフは車を整え、父イスラエルを迎えるためにゴシェンへ上った。そして父に会うなり、父の首に抱きつき、その首にすがって泣き続けた。
30 イスラエルはヨセフに言った。「もう今、私は死んでもよい。この目であなたが生きているのを見たからには。」
31 ヨセフは兄弟たちや父の家族の者たちに言った。「私はパロのところに知らせに行き、申しましょう。『カナンの地にいた私の兄弟と父の家族の者たちが私のところに来ました。
32 この人たちは羊を飼う者です。家畜を飼っていた者です。彼らは、自分たちの羊と牛と彼らのものすべてを連れて来ました。』
33 パロがあなたがたを呼び寄せて、『あなたがたの職業は何か』と聞くようなときには、
34 あなたがたは答えなさい。『あなたのしもべどもは若い時から今まで、私たちも、また私たちの先祖も家畜を飼う者でございます』と。そうすれば、あなたがたはゴシェンの地に住むことができるでしょう。羊を飼う者はすべて、エジプト人に忌みきらわれているからです。」
1 ヨセフはパロのところに行き、告げて言った。「私の父と兄弟たちと、羊の群れ、牛の群れ、そして彼らのものすべてがカナンの地からまいりました。そして今ゴシェンの地におります。」
2 彼は兄弟の中から五人を連れて、パロに引き合わせた。
3 パロはヨセフの兄弟たちに尋ねた。「あなたがたの職業は何か。」彼らはパロに答えた。「あなたのしもべどもは羊を飼う者で、私たちも、また私たちの先祖もそうでございます。」
4 彼らはまたパロに言った。「この地に寄留しようとして私たちはまいりました。カナンの地はききんが激しくて、しもべどもの羊のための牧草がございませんので。それでどうか、あなたのしもべどもをゴシェンの地に住ませてください。」
5 その後、パロはヨセフに言った。「あなたの父と兄弟たちとがあなたのところに来た。
6 エジプトの地はあなたの前にある。最も良い地にあなたの父と兄弟たちとを住ませなさい。彼らはゴシェンの地に住むようにしなさい。もし彼らの中に力のある者がいるのを知っていたら、その者を私の家畜の係長としなさい。」
7 それから、ヨセフは父ヤコブを連れて来て、パロの前に立たせた。ヤコブはパロに161あいさつした。
8 パロはヤコブに尋ねた。「あなたの年は、幾つになりますか。」
9 ヤコブはパロに答えた。「私のたどった年月は百三十年です。私の齢の年月はわずかで、ふしあわせで、私の先祖のたどった齢の年月には及びません。」
10 ヤコブはパロにあいさつして、パロの前を立ち去った。
11 ヨセフは、パロの命じたとおりに、彼の父と兄弟たちを住ませ、彼らにエジプトの地で最も良い地、ラメセスの地を所有として与えた。
12 またヨセフは父や兄弟たちや父の全家族、幼い子どもに至るまで、食物を与えて養った。
13 ききんが非常に激しかったので、全地に食物がなく、エジプトの地もカナンの地もききんのために衰え果てた。
14 それで、ヨセフはエジプトの地とカナンの地にあったすべての銀を集めた。それは人々が買った穀物の代金であるが、ヨセフはその銀をパロの家に納めた。
15 エジプトの地とカナンの地に銀が尽きたとき、エジプト人がみなヨセフのところに来て言った。「私たちに食物を下さい。銀が尽きたからといって、どうして私たちがあなたさまの前に死んでよいでしょう。」
16 ヨセフは言った。「あなたがたの家畜をよこしなさい。銀が尽きたのなら、家畜と引き替えに与えよう。」
17 彼らがヨセフのところに家畜を引いて来たので、ヨセフは馬、羊の群れ、牛の群れ、およびろばと引き替えに、食物を彼らに与えた。こうして彼はその年、すべての家畜と引き替えた食物で彼らを切り抜けさせた。
18 やがてその年も終わり、次の年、人々はまたヨセフのところに来て言った。「私たちはあなたさまに何も隠しません。私たちの銀も尽き、家畜の群れもあなたさまのものになったので、私たちのからだと農地のほかには、あなたさまの前に何も残っていません。
19 私たちはどうして農地といっしょにあなたさまの前で死んでよいでしょう。食物と引き替えに私たちと私たちの農地とを買い取ってください。私たちは農地といっしょにパロの奴隷となりましょう。どうか種を下さい。そうすれば私たちは生きて、死なないでしょう。そして、土地も荒れないでしょう。」
20 それでヨセフはエジプトの全農地を、パロのために買い取った。ききんがエジプト人にきびしかったので、彼らがみな、その畑地を売ったからである。こうしてその土地はパロのものとなった。
21 彼は民を、エジプトの領土の端から端まで162町々に移動させた。
22 ただ祭司たちの土地は買い取らなかった。祭司たちにはパロからの給与があって、彼らはパロが与える給与によって生活していたので、その土地を売らなかったからである。
23 ヨセフは民に言った。「私は、今、あなたがたとあなたがたの土地を買い取って、パロのものとしたのだから。さあ、ここにあなたがたへの種がある。これを地に蒔かなければならない。
24収穫の時になったら、その五分の一はパロに納め、五分の四はあなたがたのものとし、畑の種のため、またあなたがたの食糧のため、またあなたがたの家族の者のため、またあなたがたの幼い子どもたちの食糧としなければならない。」
25 すると彼らは言った。「あなたさまは私たちを生かしてくださいました。私たちは、あなたのお恵みをいただいてパロの奴隷となりましょう。」
26 ヨセフはエジプトの土地について、五分の一はパロのものとしなくてはならないとの一つのおきてを定めた。これは今日に及んでいる。ただし祭司の土地だけはパロのものとならなかった。
27 さて、イスラエルはエジプトの国でゴシェンの地に住んだ。彼らはそこに所有地を得、多くの子を生み、非常にふえた。
28 ヤコブはエジプトの地で十七年生きながらえたので、ヤコブの一生の年は百四十七年であった。
29 イスラエルに死ぬべき日が近づいたとき、その子ヨセフを呼び寄せて言った。「もしあなたの心にかなうなら、どうかあなたの手を私のももの下に入れ、私に愛と真実を尽くしてくれ。どうか私をエジプトの地に葬らないでくれ。
30 私が先祖たちとともに眠りについたなら、私をエジプトから運び出して、先祖たちの墓に葬ってくれ。」するとヨセフは言った。「私はきっと、あなたの言われたとおりにいたします。」
31 それでイスラエルは言った。「私に誓ってくれ。」そこでヨセフは彼に誓った。イスラエルは床に寝たまま、おじぎをした。
1 これらのことの後、ヨセフに「あなたの父上は病気です」と告げる者があったので、彼はそのふたりの子、マナセとエフライムを連れて行った。
2 ある人がヤコブに告げて、「あなたの子ヨセフがあなたのもとにおいでです」と言ったので、イスラエルは力をふりしぼって床にすわった。
3 ヤコブはヨセフに言った。「163全能の神がカナンの地ルズで私に現れ、私を祝福して、
4 私に仰せられた。『わたしはあなたに多くの子を与えよう。あなたをふやし、あなたを多くの民のつどいとし、またこの地をあなたの後の子孫に与え、永久の所有としよう。』
5 今、私がエジプトに来る前に、エジプトの地で生まれたあなたのふたりの子は、私の子となる。エフライムとマナセはルベンやシメオンと同じように私の子にする。
6 しかしあとからあなたに生まれる子どもたちはあなたのものになる。しかし、彼らが家を継ぐ場合、彼らは、彼らの兄たちの名を名のらなければならない。
7 私のことを言えば、私がパダンから帰って来たとき、その途上カナンの地で、悲しいことに、ラケルが死んだ。そこからエフラテに行くには、なお道のりがあったが、私はエフラテ、すなわちベツレヘムへの道のその場所に彼女を葬った。」
8 イスラエルはヨセフの子らに気づいて言った。「これはだれか。」
9 ヨセフは父に答えた。「神がここで私に授けてくださった子どもです。」すると父は、「彼らを私のところに連れて来なさい。私は彼らを祝福しよう」と言った。
10 イスラエルの目は老齢のためにかすんでいて、見ることができなかった。それでヨセフが彼らを父のところに近寄らせると、父は彼らに口づけし、彼らを抱いた。
11 イスラエルはヨセフに言った。「私はあなたの顔が見られようとは思わなかったのに、今こうして、神はあなたの子どもをも私に見させてくださった。」
12 ヨセフはヤコブのひざから彼らを引き寄せて、顔を地につけて、伏し拝んだ。
13 それからヨセフはふたりを、エフライムは自分の右手に取ってイスラエルの左手に向かわせ、マナセは自分の左手に取ってイスラエルの右手に向かわせて、彼に近寄らせた。
14 すると、イスラエルは、右手を伸ばして、弟であるエフライムの頭の上に置き、左手をマナセの頭の上に置いた。マナセが長子であるのに、彼は手を交差して置いたのである。
15 それから、ヨセフを祝福して言った。
「私の先祖アブラハムとイサクが、
その御前に歩んだ神。
きょうのこの日まで、
ずっと私の羊飼いであられた神。
16 すべてのわざわいから私を贖われた御使い。
この子どもたちを祝福してください。
私の名が先祖アブラハムとイサクの名とともに、
彼らのうちにとなえ続けられますように。
また彼らが地のまなかで、
豊かにふえますように。」
17 ヨセフは父が右手をエフライムの頭の上に置いたのを見て、164それはまちがっていると思い、父の手をつかんで、それをエフライムの頭からマナセの頭へ移そうとした。
18 ヨセフは父に言った。「父上。そうではありません。こちらが長子なのですから、あなたの右の手を、こちらの頭に置いてください。」
19 しかし、父は拒んで言った。「わかっている。わが子よ。私にはわかっている。彼もまた一つの民となり、また大いなる者となるであろう。しかし弟は彼よりも大きくなり、その子孫は国々を満たすほど多くなるであろう。」
20 そして彼はその日、彼らを祝福して言った。
「165あなたがたによって、
イスラエルは祝福のことばを述べる。
『神があなたをエフライムやマナセのようになさるように。』」
こうして、彼はエフライムをマナセの先にした。
21 イスラエルはヨセフに言った。「私は今、死のうとしている。しかし、神はあなたがたとともにおられ、あなたがたをあなたがたの先祖の地に帰してくださる。
22 私は、あなたの兄弟よりも、むしろあなたに、私が剣と弓とをもってエモリ人の手から取ったあのシェケムを与えよう。」
1 ヤコブはその子らを呼び寄せて言った。「集まりなさい。私は終わりの日に、あなたがたに起こることを告げよう。
2 ヤコブの子らよ。集まって聞け。
あなたがたの父イスラエルに聞け。
3 ルベンよ。あなたはわが長子。
わが力、わが力の初めの実。
すぐれた威厳とすぐれた力のある者。
4 だが、水のように奔放なので、
もはや、あなたは他をしのぐことがない。
あなたは父の床に上り、
そのとき、あなたは汚したのだ。
──彼は私の寝床に上った──
5 シメオンとレビとは兄弟、
彼らの剣は暴虐の道具。
6 わがたましいよ。彼らの仲間に加わるな。
わが心よ。彼らのつどいに連なるな。
彼らは怒りにまかせて人を殺し、
ほしいままに牛の足の筋を切ったから。
7 のろわれよ。彼らの激しい怒りと、
彼らのはなはだしい憤りとは。
私は彼らをヤコブの中で分け、
イスラエルの中に散らそう。
8 ユダよ。兄弟たちはあなたをたたえ、
あなたの手は敵のうなじの上にあり、
あなたの父の子らはあなたを伏し拝む。
9 ユダは獅子の子。
わが子よ。あなたは獲物によって成長する。
雄獅子のように、また雌獅子のように、
彼はうずくまり、身を伏せる。
だれがこれを起こすことができようか。
10 王権はユダを離れず、
統治者の杖はその足の間を離れることはない。
ついにはシロが来て、
国々の民は彼に従う。
11 彼はそのろばをぶどうの木につなぎ、
その雌ろばの子を、良いぶどうの木につなぐ。
彼はその着物を、ぶどう酒で洗い、
その衣をぶどうの血で洗う。
12 その目は166ぶどう酒によって曇り、
その歯は乳によって白い。
13 ゼブルンは海辺に住み、
そこは船の着く岸辺。
167その背中はシドンにまで至る。
14 イッサカルはたくましいろばで、
彼は168二つの鞍袋の間に伏す。
15 彼は、休息がいかにも好ましく、
その地が、いかにも麗しいのを見た。
しかし、彼の肩は重荷を負ってたわみ、
苦役を強いられる奴隷となった。
16 ダンはおのれの民をさばくであろう、
イスラエルのほかの部族のように。
17 ダンは、道のかたわらの蛇、
小道のほとりのまむしとなって、
馬のかかとをかむ。
それゆえ、乗る者はうしろに落ちる。
18 主よ。私はあなたの救いを待ち望む。
19 169ガドについては、襲う者が彼を襲うが、
彼はかえって彼らのかかとを襲う。
20 アシェルには、その食物が豊かになり、
彼は王のごちそうを作り出す。
21 ナフタリは放たれた雌鹿で、
170美しい子鹿を産む。
22 ヨセフは実を結ぶ若枝、
泉のほとりの実を結ぶ若枝、
その枝は垣を越える。
23 弓を射る者は彼を激しく攻め、
彼を射て、悩ました。
24 しかし、彼の弓はたるむことなく、
彼の腕はすばやい。
これはヤコブの全能者の手により、
それはイスラエルの岩なる牧者による。
25 あなたを助けようとされる
あなたの父の神により、また、
あなたを祝福しようとされる
全能者によって。
その祝福は上よりの天の祝福、
下に横たわる大いなる水の祝福、
乳房と胎の祝福。
26 あなたの父の祝福は、
171私の親たちの祝福にまさり、
永遠の丘の172きわみにまで及ぶ。
これらがヨセフのかしらの上にあり、
その兄弟たちから選び出された者の
頭上にあるように。
27 ベニヤミンはかみ裂く狼。
朝には獲物を食らい、
夕には略奪したものを分ける。」
28 これらすべてはイスラエルの部族で、十二であった。これは彼らの父が彼らに語ったことである。彼は彼らを祝福したとき、おのおのにふさわしい祝福を与えたのであった。
29 彼はまた彼らに命じて言った。「私は私の民に加えられようとしている。私をヘテ人エフロンの畑地にあるほら穴に、私の先祖たちといっしょに葬ってくれ。
30 そのほら穴は、カナンの地のマムレに面したマクペラの畑地にあり、アブラハムがヘテ人エフロンから私有の墓地とするために、畑地とともに買い取ったものだ。
31 そこには、アブラハムとその妻サラとが葬られ、そこに、イサクと妻リベカも葬られ、そこに私はレアを葬った。
32 その畑地とその中にあるほら穴は、ヘテ人たちから買ったものである。」
33 ヤコブは子らに命じ終わると、足を床の中に入れ、息絶えて、自分の民に加えられた。
1 ヨセフは父の顔に取りすがって泣き、父に口づけした。
2 ヨセフは彼のしもべである医者たちに、父をミイラにするように命じたので、医者たちはイスラエルをミイラにした。
3 そのために四十日を要した。ミイラにするにはこれだけの日数が必要だった。エジプトは彼のために七十日間、泣き悲しんだ。
4 その喪の期間が明けたとき、ヨセフはパロの家の者に告げて言った。「もし私の願いを聞いてくれるのなら、どうかパロの耳に、こう言って伝えてほしい。
5 私の父は私に誓わせて、『私は死のうとしている。私がカナンの地に掘っておいた私の墓の中に、そこに、必ず私を葬らなければならない』と申しました。どうか今、私に父を葬りに上って行かせてください。私はまた帰って来ます、と。」
6 パロは言った。「あなたの父があなたに誓わせたように、上って行ってあなたの父を葬りなさい。」
7 そこで、ヨセフは父を葬るために上って行った。彼とともにパロのすべての家臣たち、パロの家の長老たち、エジプトの国のすべての長老たち、
8 ヨセフの全家族とその兄弟たちおよび父の家族たちも上って行った。ただ、彼らの子どもと羊と牛はゴシェンの地に残した。
9 また戦車と騎兵も、彼とともに上って行ったので、その一団は非常に大きなものであった。
10 彼らはヨルダンの向こうの地173ゴレン・ハアタデに着いた。そこで彼らは非常に荘厳な、りっぱな哀悼の式を行い、ヨセフは父のため七日間、葬儀を行った。
11 その地の住民のカナン人は、ゴレン・ハアタデのこの葬儀を見て、「これはエジプトの荘厳な葬儀だ」と言った。それゆえ、そこの名は174アベル・ミツライムと呼ばれた。これはヨルダンの向こうの地にある。
12 こうしてヤコブの子らは、命じられたとおりに父のために行った。
13 その子らは彼をカナンの地に運び、マクペラの畑地のほら穴に彼を葬った。そこはアブラハムがヘテ人エフロンから私有の墓地とするために、畑地とともに買ったもので、マムレに面している。
14 ヨセフは父を葬って後、その兄弟たちおよび、父を葬るために彼といっしょに上って行ったすべての者とともに、エジプトに帰った。
15 ヨセフの兄弟たちが、彼らの父が死んだのを見たとき、彼らは、「ヨセフはわれわれを恨んで、われわれが彼に犯したすべての悪の仕返しをするかもしれない」と言った。
16 そこで彼らはことづけしてヨセフに言った。「あなたの父は死ぬ前に命じて言われました。
17 『ヨセフにこう言いなさい。あなたの兄弟たちは実に、あなたに悪いことをしたが、どうか、あなたの兄弟たちのそむきと彼らの罪を赦してやりなさい、と。』今、どうか、あなたの父の神のしもべたちのそむきを赦してください。」ヨセフは彼らのこのことばを聞いて泣いた。
18 彼の兄弟たちも来て、彼の前にひれ伏して言った。「私たちはあなたの奴隷です。」
19 ヨセフは彼らに言った。「恐れることはありません。どうして、私が神の代わりでしょうか。
20 あなたがたは、私に悪を計りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとなさいました。それはきょうのようにして、多くの人々を生かしておくためでした。
21 ですから、もう恐れることはありません。私は、あなたがたや、あなたがたの子どもたちを養いましょう。」こうして彼は彼らを慰め、優しく語りかけた。
22 ヨセフとその父の家族とはエジプトに住み、ヨセフは百十歳まで生きた。
23 ヨセフはエフライムの三代の子孫を見た。マナセの子マキルの子らも生まれて、ヨセフのひざに抱かれた。
24 ヨセフは兄弟たちに言った。「私は死のうとしている。神は必ずあなたがたを顧みて、この地からアブラハム、イサク、ヤコブに誓われた地へ上らせてくださいます。」
25 そうして、ヨセフはイスラエルの子らに誓わせて、「神は必ずあなたがたを顧みてくださるから、そのとき、あなたがたは私の遺体をここから携え上ってください」と言った。
26 ヨセフは百十歳で死んだ。彼らはヨセフをエジプトでミイラにし、棺に納めた。
出エジプト記
1 さて、ヤコブといっしょに、それぞれ自分の家族を連れて、エジプトへ行ったイスラエルの子たちの名は次のとおりである。
2 ルベン、シメオン、レビ、ユダ。
3 イッサカル、ゼブルンと、ベニヤミン。
4 ダンとナフタリ。ガドとアシェル。
5 ヤコブ1から生まれた者の総数は七十人であった。ヨセフはすでにエジプトにいた。
6 そしてヨセフもその兄弟たちも、またその時代の人々もみな死んだ。
7 イスラエル人は多産だったので、おびただしくふえ、すこぶる強くなり、その地は彼らで満ちた。
8 さて、ヨセフのことを知らない新しい王がエジプトに起こった。
9 彼は民に言った。「見よ。イスラエルの民は、われわれよりも多く、また強い。
10 さあ、彼らを賢く取り扱おう。彼らが多くなり、いざ戦いというときに、敵側についてわれわれと戦い、この地から出て行くといけないから。」
11 そこで、彼らを苦役で苦しめるために、彼らの上に労務の係長を置き、パロのために2倉庫の町ピトムとラメセスを建てた。
12 しかし苦しめれば苦しめるほど、この民はますますふえ広がったので、人々はイスラエル人を恐れた。
13 それでエジプトはイスラエル人に過酷な労働を課し、
14粘土やれんがの激しい労働や、畑のあらゆる労働など、すべて、彼らに課する過酷な労働で、彼らの生活を苦しめた。
15 また、エジプトの王は、ヘブル人の助産婦たちに言った。そのひとりの名はシフラ、もうひとりの名はプアであった。
16 彼は言った。「ヘブル人の女に分娩させるとき、産み台の上を見て、もしも男の子なら、それを殺さなければならない。女の子なら、生かしておくのだ。」
17 しかし、助産婦たちは神を恐れ、エジプトの王が命じたとおりにはせず、男の子を生かしておいた。
18 そこで、エジプトの王はその助産婦たちを呼び寄せて言った。「なぜこのようなことをして、男の子を生かしておいたのか。」
19助産婦たちはパロに答えた。「ヘブル人の女はエジプト人の女と違って活力があるので、助産婦が行く前に産んでしまうのです。」
20 神はこの助産婦たちによくしてくださった。それで、イスラエルの民はふえ、非常に強くなった。
21助産婦たちは神を恐れたので、神は彼女たちの家を栄えさせた。
22 また、パロは自分のすべての民に命じて言った。「生まれた男の子はみな、ナイルに投げ込まなければならない。女の子はみな、生かしておかなければならない。」
1 さて、レビの家のひとりの人がレビ人の娘をめとった。
2 女はみごもって、男の子を産んだが、そのかわいいのを見て、三か月の間その子を隠しておいた。
3 しかしもう隠しきれなくなったので、パピルス製のかごを手に入れ、それに瀝青と樹脂とを塗って、その子を中に入れ、ナイルの岸の葦の茂みの中に置いた。
4 その子の姉が、その子がどうなるかを知ろうとして、遠く離れて立っていたとき、
5 パロの娘が水浴びをしようとナイルに降りて来た。彼女の侍女たちはナイルの川辺を歩いていた。彼女は葦の茂みにかごがあるのを見、はしためをやって、それを取って来させた。
6 それをあけると、子どもがいた。なんと、それは男の子で、泣いていた。彼女はその子をあわれに思い、「これはきっとヘブル人の子どもです」と言った。
7 そのとき、その子の姉がパロの娘に言った。「あなたに代わって、その子に乳を飲ませるため、私が行って、ヘブル女のうばを呼んでまいりましょうか。」
8 パロの娘が「そうしておくれ」と言ったので、おとめは行って、その子の母を呼んで来た。
9 パロの娘は彼女に言った。「この子を連れて行き、私に代わって乳を飲ませてください。私があなたの賃金を払いましょう。」それで、その女はその子を引き取って、乳を飲ませた。
10 その子が大きくなったとき、女はその子をパロの娘のもとに連れて行った。その子は王女の息子になった。彼女はその子を3モーセと名づけた。彼女は、「水の中から、私がこの子を引き出したのです」と言ったからである。
11 こうして日がたち、モーセがおとなになったとき、彼は同胞のところへ出て行き、その苦役を見た。そのとき、自分の同胞であるひとりのヘブル人を、あるエジプト人が打っているのを見た。
12 あたりを見回し、ほかにだれもいないのを見届けると、彼はそのエジプト人を打ち殺し、これを砂の中に隠した。
13 次の日、また外に出てみると、なんと、ふたりのヘブル人が争っているではないか。そこで彼は悪いほうに「なぜ自分の仲間を打つのか」と言った。
14 するとその男は、「だれがあなたを私たちのつかさやさばきつかさにしたのか。あなたはエジプト人を殺したように、私も殺そうと言うのか」と言った。そこでモーセは恐れて、きっとあのことが知れたのだと思った。
15 パロはこのことを聞いて、モーセを殺そうと捜し求めた。しかし、モーセはパロのところからのがれ、ミデヤンの地に住んだ。彼は井戸のかたわらにすわっていた。
16 ミデヤンの祭司に七人の娘がいた。彼女たちが父の羊の群れに水を飲ませるために来て、水を汲み、水ぶねに満たしていたとき、
17羊飼いたちが来て、彼女たちを追い払った。すると、モーセは立ち上がり、彼女たちを救い、その羊の群れに水を飲ませた。
18 彼女たちが父レウエルのところに帰ったとき、父は言った。「どうしてきょうはこんなに早く帰って来たのか。」
19 彼女たちは答えた。「ひとりのエジプト人が私たちを羊飼いたちの手から救い出してくれました。そのうえその人は、私たちのために水まで汲み、羊の群れに飲ませてくれました。」
20 父は娘たちに言った。「その人はどこにいるのか。どうしてその人を置いて来てしまったのか。食事をあげるためにその人を呼んで来なさい。」
21 モーセは、思い切ってこの人といっしょに住むようにした。そこでその人は娘のチッポラをモーセに与えた。
22 彼女は男の子を産んだ。彼はその子をゲルショムと名づけた。「私は外国にいる4寄留者だ」と言ったからである。
23 それから何年もたって、エジプトの王は死んだ。イスラエル人は労役にうめき、わめいた。彼らの労役の叫びは神に届いた。
24 神は彼らの嘆きを聞かれ、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こされた。
25 神はイスラエル人をご覧になった。神はみこころを留められた。
1 モーセは、ミデヤンの祭司で彼のしゅうと、イテロの羊を飼っていた。彼はその群れを荒野の西側に追って行き、神の山ホレブにやって来た。
2 すると主の使いが彼に、現れた。柴の中の火の炎の中であった。よく見ると、火で燃えていたのに柴は焼け尽きなかった。
3 モーセは言った。「なぜ柴が燃えていかないのか、あちらへ行ってこの大いなる光景を見ることにしよう。」
4主は彼が横切って見に来るのをご覧になった。神は柴の中から彼を呼び、「モーセ、モーセ」と仰せられた。彼は「はい。ここにおります」と答えた。
5 神は仰せられた。「ここに近づいてはいけない。あなたの足のくつを脱げ。あなたの立っている場所は、聖なる地である。」
6 また仰せられた。「わたしは、あなたの父の神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である。」モーセは神を仰ぎ見ることを恐れて、顔を隠した。
7主は仰せられた。「わたしは、エジプトにいるわたしの民の悩みを確かに見、追い使う者の前の彼らの叫びを聞いた。わたしは彼らの痛みを知っている。
8 わたしが下って来たのは、彼らをエジプトの手から救い出し、その地から、広い良い地、乳と蜜の流れる地、カナン人、ヘテ人、エモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人のいる所に、彼らを上らせるためだ。
9 見よ。今こそ、イスラエル人の叫びはわたしに届いた。わたしはまた、エジプトが彼らをしいたげているそのしいたげを見た。
10 今、行け。わたしはあなたをパロのもとに遣わそう。わたしの民イスラエル人をエジプトから連れ出せ。」
11 モーセは神に申し上げた。「私はいったい何者なのでしょう。パロのもとに行ってイスラエル人をエジプトから連れ出さなければならないとは。」
12 神は仰せられた。「わたしはあなたとともにいる。これがあなたのためのしるしである。わたしがあなたを遣わすのだ。あなたが民をエジプトから導き出すとき、あなたがたは、この山で、神に仕えなければならない。」
13 モーセは神に申し上げた。「今、私はイスラエル人のところに行きます。私が彼らに『あなたがたの父祖の神が、私をあなたがたのもとに遣わされました』と言えば、彼らは、『その名は何ですか』と私に聞くでしょう。私は、何と答えたらよいのでしょうか。」
14 神はモーセに仰せられた。「わたしは、5『わたしはある』という者である。」また仰せられた。「あなたはイスラエル人にこう告げなければならない。『わたしはあるという方が、私をあなたがたのところに遣わされた』と。」
15 神はさらにモーセに仰せられた。「イスラエル人に言え。
あなたがたの父祖の神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神、主が、私をあなたがたのところに遣わされた、と言え。
これが永遠にわたしの名、これが代々にわたってわたしの呼び名である。
16 行って、イスラエルの長老たちを集めて、彼らに言え。
あなたがたの父祖の神、アブラハム、イサク、ヤコブの神、主が、私に現れて仰せられた。『わたしはあなたがたのこと、またエジプトであなたがたがどういうしうちを受けているかを確かに心に留めた。
17 それで、わたしはあなたがたをエジプトでの悩みから6救い出し、カナン人、ヘテ人、エモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の地、乳と蜜の流れる地へ上らせると言ったのである。』
18 彼らはあなたの声に聞き従おう。あなたはイスラエルの長老たちといっしょにエジプトの王のところに行き、彼に『ヘブル人の神、主が私たちとお会いになりました。どうか今、私たちに荒野へ三日の道のりの旅をさせ、私たちの神、主にいけにえをささげさせてください』と言え。
19 しかし、エジプトの王は強いられなければ、あなたがたを行かせないのを、わたしはよく知っている。
20 わたしはこの手を伸ばし、エジプトのただ中で行うあらゆる不思議で、エジプトを打とう。こうしたあとで、彼はあなたがたを去らせよう。
21 わたしは、エジプトがこの民に好意を持つようにする。あなたがたは出て行くとき、何も持たずに出て行ってはならない。
22 女はみな、隣の女、自分の家に宿っている女に銀の飾り、金の飾り、それに着物を求め、あなたがたはそれを自分の息子や娘の身に着けなければならない。あなたがたは、エジプトからはぎ取らなければならない。」
1 モーセは答えて申し上げた。「ですが、彼らは私を信ぜず、また私の声に耳を傾けないでしょう。『主はあなたに現れなかった』と言うでしょうから。」
2主は彼に仰せられた。「あなたの手にあるそれは何か。」彼は答えた。「杖です。」
3 すると仰せられた。「それを地に投げよ。」彼がそれを地に投げると、杖は蛇になった。モーセはそれから身を引いた。
4主はまた、モーセに仰せられた。「手を伸ばして、その尾をつかめ。」彼が手を伸ばしてそれを握ったとき、それは手の中で杖になった。
5 「これは、彼らの父祖の神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神、主があなたに現れたことを、彼らが信じるためである。」
6主はなおまた、彼に仰せられた。「手をふところに入れよ。」彼は手をふところに入れた。そして、出した。なんと、彼の手はツァラアトに冒され、雪のようになっていた。
7 また、主は仰せられた。「あなたの手をもう一度ふところに入れよ。」そこで彼はもう一度手をふところに入れた。そして、ふところから出した。なんと、それは再び彼の肉のようになっていた。
8 「たとい彼らがあなたを信ぜず、また初めのしるしの声に聞き従わなくても、後のしるしの声は信じるであろう。
9 もしも彼らがこの二つのしるしをも信ぜず、あなたの声にも聞き従わないなら、ナイルから水を汲んで、それをかわいた土に注がなければならない。あなたがナイルから汲んだその水は、かわいた土の上で血となる。」
10 モーセは主に申し上げた。「ああ主よ。私はことばの人ではありません。以前からそうでしたし、あなたがしもべに語られてからもそうです。私は口が重く、舌が重いのです。」
11主は彼に仰せられた。「だれが人に口をつけたのか。だれが口をきけなくし、耳を聞こえなくし、あるいは、目を開いたり、盲目にしたりするのか。それはこのわたし、主ではないか。
12 さあ行け。わたしがあなたの口とともにあって、あなたの言うべきことを教えよう。」
13 すると申し上げた。「ああ主よ。どうかほかの人を遣わしてください。」
14 すると、主の怒りがモーセに向かって燃え上がり、こう仰せられた。「あなたの兄、レビ人アロンがいるではないか。わたしは彼がよく話すことを知っている。今、彼はあなたに会いに出て来ている。あなたに会えば、心から喜ぼう。
15 あなたが彼に語り、その口にことばを置くなら、わたしはあなたの口とともにあり、彼の口とともにあって、あなたがたのなすべきことを教えよう。
16 彼があなたに代わって民に語るなら、彼はあなたの口の代わりとなり、あなたは彼に対して神の代わりとなる。
17 あなたはこの杖を手に取り、これでしるしを行わなければならない。」
18 それで、モーセはしゅうとのイテロのもとに帰り、彼に言った。「どうか私をエジプトにいる親類のもとに帰らせ、彼らがまだ生きながらえているかどうか見させてください。」イテロはモーセに「安心して行きなさい」と答えた。
19主はミデヤンでモーセに仰せられた。「エジプトに帰って行け。あなたのいのちを求めていた者は、みな死んだ。」
20 そこで、モーセは妻や息子たちを連れ、彼らをろばに乗せてエジプトの地へ帰った。モーセは手に神の杖を持っていた。
21主はモーセに仰せられた。「エジプトに帰って行ったら、わたしがあなたの手に授けた不思議を、ことごとく心に留め、それをパロの前で行え。しかし、わたしは彼の心をかたくなにする。彼は民を去らせないであろう。
22 そのとき、あなたはパロに言わなければならない。
主はこう仰せられる。『イスラエルはわたしの子、わたしの初子である。
23 そこでわたしはあなたに言う。わたしの子を行かせて、わたしに仕えさせよ。もし、あなたが拒んで彼を行かせないなら、見よ、わたしはあなたの子、あなたの初子を殺す。』」
24 さて、途中、一夜を明かす場所でのことだった。主はモーセに会われ、彼を殺そうとされた。
25 そのとき、チッポラは火打石を取って、自分の息子の包皮を切り、それをモーセの両足につけ、そして言った。「まことにあなたは私にとって血の花婿です。」
26 そこで、主はモーセを放された。彼女はそのとき割礼のゆえに「血の花婿」と言ったのである。
27 さて、主はアロンに仰せられた。「荒野に行って、モーセに会え。」彼は行って、神の山でモーセに会い、口づけした。
28 モーセは自分を遣わすときに主が語られたことばのすべてと、命じられたしるしのすべてを、アロンに告げた。
29 それからモーセとアロンは行って、イスラエル人の長老たちをみな集めた。
30 アロンは、主がモーセに告げられたことばをみな告げ、民の目の前でしるしを行ったので、
31民は信じた。彼らは、主がイスラエル人を顧み、その苦しみをご覧になったことを聞いて、ひざまずいて礼拝した。
1 その後、モーセとアロンはパロのところに行き、そして言った。「イスラエルの神、主がこう仰せられます。『わたしの民を行かせ、荒野でわたしのために祭りをさせよ。』」
2 パロは答えた。「主とはいったい何者か。私がその声を聞いてイスラエルを行かせなければならないというのは。私は主を知らない。イスラエルを行かせはしない。」
3 すると彼らは言った。「ヘブル人の神が私たちにお会いくださったのです。どうか今、私たちに荒野へ三日の道のりの旅をさせ、私たちの神、主にいけにえをささげさせてください。でないと、主は疫病か剣で、私たちを打たれるからです。」
4 エジプトの王は彼らに言った。「モーセとアロン。おまえたちは、なぜ民に仕事をやめさせようとするのか。おまえたちの苦役に戻れ。」
5 パロはまた言った。「見よ。今や7彼らはこの地の人々よりも多くなっている。そしておまえたちは彼らの苦役を休ませようとしているのだ。」
6 その日、パロはこの民を使う監督と人夫がしらに命じて言った。
7 「おまえたちはれんがを作るわらを、これまでのようにこの民に与えてはならない。自分でわらを集めに行かせよ。
8 そしてこれまで作っていた量のれんがを作らせるのだ。それを減らしてはならない。彼らはなまけ者だ。だから、『私たちの神に、いけにえをささげに行かせてください』と言って叫んでいるのだ。
9 あの者たちの労役を重くし、その仕事をさせなければならない。偽りのことばにかかわりを持たせてはいけない。」
10 そこで、この民を使う監督と人夫がしらたちは出て行って、民に告げて言った。「パロはこう言われる。『私はおまえたちにわらを与えない。
11 おまえたちは自分でどこへでも行ってわらを見つけて、取って来い。おまえたちの労役は少しも減らさないから。』」
12 そこで、民はエジプト全土に散って、わらの代わりに刈り株を集めた。
13監督たちは彼らをせきたてて言った。「わらがあったときと同じように、おまえたちの仕事、おまえたちのその日その日の仕事を仕上げよ。」
14 パロの監督たちがこの民の上に立てたイスラエル人の人夫がしらたちは、打ちたたかれ、「なぜおまえたちは定められたれんがの分を、きのうもきょうも、これまでのように仕上げないのか」と言われた。
15 そこで、イスラエル人の人夫がしらたちは、パロのところに行き、叫んで言った。「なぜあなたのしもべどもを、このように扱うのですか。
16 あなたのしもべどもには、わらが与えられていません。それでも、彼らは私たちに、『れんがを作れ』と言っています。見てください。あなたのしもべどもは打たれています。しかし、いけないのはあなたの民なのです。」
17 パロは言った。「おまえたちはなまけ者だ。なまけ者なのだ。だから『私たちの主にいけにえをささげに行かせてください』と言っているのだ。
18 さあ、すぐに行って働け。わらは与えないが、おまえたちは割り当てどおりれんがを納めるのだ。」
19 イスラエル人の人夫がしらたちは、「おまえたちのれんがのその日その日の数を減らしてはならない」と聞かされたとき、これは、悪いことになったと思った。
20 彼らはパロのところから出て来たとき、彼らを迎えに来ているモーセとアロンに出会った。
21 彼らはふたりに言った。「主があなたがたを見て、さばかれますように。あなたがたはパロやその家臣たちに私たちを憎ませ、私たちを殺すために彼らの手に剣を渡したのです。」
22 それでモーセは主のもとに戻り、そして申し上げた。「主よ。なぜあなたはこの民に害をお与えになるのですか。何のために、私を遣わされたのですか。
23 私がパロのところに行って、あなたの御名によって語ってからこのかた、彼はこの民に害を与えています。それなのにあなたは、あなたの民を少しも救い出そうとはなさいません。」
1 それで主はモーセに仰せられた。「わたしがパロにしようとしていることは、今にあなたにわかる。すなわち強い手で、彼は彼らを出て行かせる。強い手で、彼はその国から彼らを追い出してしまう。」
2 神はモーセに告げて仰せられた。「わたしは主である。
3 わたしは、アブラハム、イサク、ヤコブに、8全能の神として現れたが、主という名では、わたしを彼らに9知らせなかった。
4 またわたしは、カナンの地、すなわち彼らがとどまった在住の地を彼らに与えるという契約を彼らに立てた。
5 今わたしは、エジプトが奴隷としているイスラエル人の嘆きを聞いて、わたしの契約を思い起こした。
6 それゆえ、イスラエル人に言え。
わたしは主である。わたしはあなたがたをエジプトの苦役の下から連れ出し、労役から救い出す。伸ばした腕と大いなるさばきとによってあなたがたを贖う。
7 わたしはあなたがたを取ってわたしの民とし、わたしはあなたがたの神となる。あなたがたは、わたしがあなたがたの神、主であり、あなたがたをエジプトの苦役の下から連れ出す者であることを知るようになる。
8 わたしは、アブラハム、イサク、ヤコブに与えると10誓ったその地に、あなたがたを連れて行き、それをあなたがたの所有として与える。わたしは主である。」
9 モーセはこのようにイスラエル人に話したが、彼らは落胆と激しい労役のためモーセに聞こうとはしなかった。
10主はモーセに告げて仰せられた。
11 「エジプトの王パロのところへ行って、彼がイスラエル人をその国から去らせるように告げよ。」
12 しかしモーセは主の前に訴えて言った。「ご覧ください。イスラエル人でさえ、私の言うことを聞こうとはしないのです。どうしてパロが私の言うことを聞くでしょう。私は11口べたなのです。」
13 そこで主はモーセとアロンに語り、イスラエル人をエジプトから連れ出すため、イスラエル人とエジプトの王パロについて彼らに命令された。
14 彼らの父祖の家のかしらたちは次のとおりである。イスラエルの長子ルベンの子はエノク、パル、ヘツロン、カルミで、これらがルベン族である。
15 シメオンの子はエムエル、ヤミン、オハデ、ヤキン、ツォハル、およびカナン人の女の子サウルで、これらがシメオン族である。
16 レビの子の家系の名は、次のとおりである。12ゲルション、ケハテ、メラリ。レビの一生は百三十七年であった。
17 ゲルションの子の諸氏族はリブニとシムイである。
18 ケハテの子はアムラム、イツハル、ヘブロン、ウジエルである。ケハテの一生は百三十三年であった。
19 メラリの子はマフリとムシである。これらはレビ人の諸氏族の家系である。
20 アムラムは父の妹ヨケベデを妻にめとり、彼女はアロンとモーセを産んだ。アムラムの一生は百三十七年であった。
21 イツハルの子はコラ、ネフェグ、ジクリである。
22 ウジエルの子はミシャエル、13エルツァファン、シテリである。
23 アロンは、アミナダブの娘でナフションの妹であるエリシェバを妻にめとり、彼女はナダブとアビフ、エルアザルとイタマルを産んだ。
24 コラの子はアシル、エルカナ、14アビアサフで、これらはコラ族である。
25 アロンの子エルアザルは、プティエルの娘のひとりを妻にめとり、彼女はピネハスを産んだ。これらはレビ人の諸氏族の一族のかしらたちである。
26主が「イスラエル人を集団ごとにエジプトの地から連れ出せ」と仰せられたのは、このアロンとモーセにである。
27 エジプトの王パロに向かって、イスラエル人をエジプトから連れ出すようにと言ったのは、このモーセとアロンであった。
28主がエジプトの地でモーセに告げられたときに、
29主はモーセに告げて仰せられた。「わたしは主である。わたしがあなたに話すことを、みな、エジプトの王パロに告げよ。」
30 しかしモーセは主の前に申し上げた。「ご覧ください。私は15口べたです。どうしてパロが私の言うことを聞くでしょう。」
1主はモーセに仰せられた。「見よ。わたしはあなたをパロに対して神とし、あなたの兄アロンはあなたの預言者となる。
2 あなたはわたしの命じることを、みな、告げなければならない。あなたの兄アロンはパロに、イスラエル人をその国から出て行かせるようにと告げなければならない。
3 わたしはパロの心をかたくなにし、わたしのしるしと不思議をエジプトの地で多く行おう。
4 パロがあなたがたの言うことを聞き入れないなら、わたしは、手をエジプトの上に置き、大きなさばきによって、わたしの集団、わたしの民イスラエル人をエジプトの地から連れ出す。
5 わたしが手をエジプトの上に伸ばし、イスラエル人を彼らの真ん中から連れ出すとき、エジプトはわたしが主であることを知るようになる。」
6 そこでモーセとアロンはそうした。主が彼らに命じられたとおりにした。
7 彼らがパロに語ったとき、モーセは八十歳、アロンは八十三歳であった。
8 また主はモーセとアロンに仰せられた。
9 「パロがあなたがたに、『おまえたちの不思議を行え』と言うとき、あなたはアロンに、『その杖を取って、パロの前に投げよ』と言わなければならない。それは蛇になる。」
10 モーセとアロンはパロのところに行き、主が命じられたとおりに行った。アロンが自分の杖をパロとその家臣たちの前に投げたとき、それは蛇になった。
11 そこで、パロも知恵のある者と呪術者を呼び寄せた。これらのエジプトの呪法師たちもまた彼らの秘術を使って、同じことをした。
12 彼らがめいめい自分の杖を投げると、それが蛇になった。しかしアロンの杖は彼らの杖をのみこんだ。
13 それでもパロの心はかたくなになり、彼らの言うことを聞き入れなかった。主が仰せられたとおりである。
14主はモーセに仰せられた。「パロの心は強情で、民を行かせることを拒んでいる。
15 あなたは朝、パロのところへ行け。見よ。彼は水のところに出て来る。あなたはナイルの岸に立って彼を迎えよ。そして、蛇に変わったあの杖を手に取って、
16 彼に言わなければならない。
ヘブル人の神、主が私をあなたに遣わして仰せられます。『わたしの民を行かせ、彼らに、荒野でわたしに仕えさせよ。』ああ、しかし、あなたは今までお聞きになりませんでした。
17主はこう仰せられます。『あなたは、次のことによって、わたしが主であることを知るようになる。』ご覧ください。私は手に持っている杖でナイルの水を打ちます。水は血に変わり、
18 ナイルの魚は死に、ナイルは臭くなり、エジプト人はナイルの水をもう飲むことを忌みきらうようになります。」
19主はまたモーセに仰せられた。「あなたはアロンに言え。
あなたの杖を取り、手をエジプトの水の上、その川、流れ、池、その他すべて水の集まっている所の上に差し伸ばしなさい。そうすれば、それは血となる。また、エジプト全土にわたって、木の器や石の器にも、血があるようになる。」
20 モーセとアロンは主が命じられたとおりに行った。彼はパロとその家臣の目の前で杖を上げ、ナイルの水を打った。すると、ナイルの水はことごとく血に変わった。
21 ナイルの魚は死に、ナイルは臭くなり、エジプト人はナイルの水を飲むことができなくなった。エジプト全土にわたって血があった。
22 しかしエジプトの呪法師たちも彼らの秘術を使って同じことをした。それで、パロの心はかたくなになり、彼らの言うことを聞こうとはしなかった。主の言われたとおりである。
23 パロは身を返して自分の家に入り、これに心を留めなかった。
24 全エジプトは飲み水を求めて、ナイルのあたりを掘った。彼らはナイルの水を飲むことができなかったからである。
25主がナイルを打たれてから七日が満ちた。
1主はモーセに仰せられた。「パロのもとに行って言え。主はこう仰せられます。『わたしの民を行かせ、彼らにわたしに仕えさせるようにせよ。
2 もし、あなたが行かせることを拒むなら、見よ、わたしは、あなたの全領土を、かえるをもって、打つ。
3 かえるがナイルに群がり、上って来て、あなたの家に入る。あなたの寝室に、あなたの寝台に、あなたの家臣の家に、あなたの民の中に、あなたのかまどに、あなたのこね鉢に、入る。
4 こうしてかえるは、あなたとあなたの民とあなたのすべての家臣の上に、はい上がる。』」
5主はモーセに仰せられた。「アロンに言え。
あなたの手に杖を持ち、川の上、流れの上、池の上に差し伸ばし、かえるをエジプトの地に、はい上がらせなさい。」
6 アロンが手をエジプトの水の上に差し伸ばすと、かえるがはい上がって、エジプトの地をおおった。
7呪法師たちも彼らの秘術を使って、同じようにかえるをエジプトの地の上に、はい上がらせた。
8 パロはモーセとアロンを呼び寄せて言った。「かえるを私と私の民のところから除くように、主に祈れ。そうすれば、私はこの民を行かせる。彼らは主にいけにえをささげることができる。」
9 モーセはパロに言った。「かえるがあなたとあなたの家から断ち切られ、ナイルにだけ残るように、あなたと、あなたの家臣と、あなたの民のために、私がいつ祈ったらよいのか、どうぞ言いつけてください。」
10 パロが「あす」と言ったので、モーセは言った。「あなたのことばどおりになりますように。私たちの神、主のような方はほかにいないことを、あなたが知るためです。
11 かえるは、あなたとあなたの家とあなたの家臣と、あなたの民から離れて、ナイルにだけ残りましょう。」
12 こうしてモーセとアロンはパロのところから出て来た。モーセは、16自分がパロに約束したかえるのことについて、主に叫んだ。
13主はモーセのことばどおりにされたので、かえるは家と庭と畑から死に絶えた。
14 人々はそれらを山また山と積み上げたので、地は臭くなった。
15 ところが、パロは息つく暇のできたのを見て、強情になり、彼らの言うことを聞き入れなかった。主の言われたとおりである。
16主はモーセに仰せられた。「アロンに言え。
あなたの杖を差し伸ばして、地のちりを打て。そうすれば、それはエジプトの全土で、ぶよとなろう。」
17 そこで彼らはそのように行った。アロンは手を差し伸ばして、杖で地のちりを打った。すると、ぶよは人や獣についた。地のちりはみな、エジプト全土で、ぶよとなった。
18呪法師たちもぶよを出そうと、彼らの秘術を使って同じようにしたが、できなかった。ぶよは人や獣についた。
19 そこで、呪法師たちはパロに、「これは神の指です」と言った。しかしパロの心はかたくなになり、彼らの言うことを聞き入れなかった。主の言われたとおりである。
20主はモーセに仰せられた。「あしたの朝早く、パロの前に出よ。見よ。彼は水のところに出て来る。彼にこう言え。
主はこう仰せられます。『わたしの民を行かせ、彼らをわたしに仕えさせよ。
21 もしもあなたがわたしの民を行かせないなら、さあ、わたしは、あぶの群れを、あなたとあなたの家臣とあなたの民の中に、またあなたの家の中に放つ。エジプトの家々も、彼らがいる土地も、あぶの群れで満ちる。
22 わたしはその日、わたしの民がとどまっているゴシェンの地を特別に扱い、そこには、あぶの群れがいないようにする。それは主であるわたしが、その地の真ん中にいることを、あなたが知るためである。
23 わたしは、わたしの民とあなたの民との間を区別して、救いを置く。あす、このしるしが起こる。』」
24主がそのようにされたので、おびただしいあぶの群れが、パロの家とその家臣の家とに入って来た。エジプトの全土にわたり、地はあぶの群れによって荒れ果てた。
25 パロはモーセとアロンを呼び寄せて言った。「さあ、この国内でおまえたちの神にいけにえをささげよ。」
26 モーセは答えた。「そうすることは、とてもできません。なぜなら私たちは、私たちの神、主に、エジプト人の忌みきらうものを、いけにえとしてささげるからです。もし私たちがエジプト人の目の前で、その忌みきらうものを、いけにえとしてささげるなら、彼らは私たちを石で打ち殺しはしないでしょうか。
27 それで私たちは荒野に三日の道のりの旅をして、私たちの神、主にいけにえをささげなければなりません。これは、主が私たちにお命じになることです。」
28 パロは言った。「私は、おまえたちを行かせよう。おまえたちは荒野でおまえたちの神、主にいけにえをささげるがよい。ただ、決して遠くへ行ってはならない。私のために祈ってくれ。」
29 モーセは言った。「それでは、私はあなたのところから出て行きます。私は主に祈ります。あす、あぶが、パロとその家臣とその民から離れます。ただ、パロは、重ねて欺かないようにしてください。民が主にいけにえをささげに行けないようにしないでください。」
30 モーセはパロのところから出て行って主に祈った。
31主はモーセの願ったとおりにされたので、あぶはパロとその家臣およびその民から離れた。一匹も残らなかった。
32 しかし、パロはこのときも強情になり、民を行かせなかった。
1主はモーセに仰せられた。「パロのところに行って、彼に言え。
ヘブル人の神、主はこう仰せられます。『わたしの民を行かせて、彼らをわたしに仕えさせよ。
2 もしあなたが、行かせることを拒み、なおも彼らをとどめておくなら、
3 見よ、主の手は、野にいるあなたの家畜、馬、ろば、らくだ、牛、羊の上に下り、非常に激しい疫病が起こる。
4 しかし主は、イスラエルの家畜とエジプトの家畜とを区別する。それでイスラエル人の家畜は一頭も死なない。』」
5 また、主は時を定めて、仰せられた。「あす、主はこの国でこのことを行う。」
6主は翌日このことをされたので、エジプトの家畜はことごとく死に、イスラエル人の家畜は一頭も死ななかった。
7 パロは使いをやった。すると、イスラエル人の家畜は一頭も死んでいなかった。それでも、パロの心は強情で、民を行かせなかった。
8主はモーセとアロンに仰せられた。「あなたがたは、かまどのすすを両手いっぱいに取れ。モーセはパロの前で、それを天に向けてまき散らせ。
9 それがエジプト全土にわたって、細かいほこりとなると、エジプト全土の人と獣につき、うみの出る腫物となる。」
10 それで彼らはかまどのすすを取ってパロの前に立ち、モーセはそれを天に向けてまき散らした。すると、それは人と獣につき、うみの出る腫物となった。
11呪法師たちは、腫物のためにモーセの前に立つことができなかった。腫物が呪法師たちとすべてのエジプト人にできたからである。
12 しかし、主はパロの心をかたくなにされ、彼はふたりの言うことを聞き入れなかった。主がモーセに言われたとおりである。
13主はモーセに仰せられた。「あしたの朝早く、パロの前に立ち、彼に言え。
ヘブル人の神、主はこう仰せられます。『わたしの民を行かせ、彼らをわたしに仕えさせよ。
14 今度は、わたしは、あなたとあなたの家臣とあなたの民とに、わたしのすべての災害を送る。わたしのような者は地のどこにもいないことを、あなたに知らせるためである。
15 わたしが今、手を伸ばして、あなたとあなたの民を疫病で打つなら、あなたは地から消し去られる。
16 それにもかかわらず、わたしは、わたしの力をあなたに示すためにあなたを立てておく。また、わたしの名を全地に告げ知らせるためである。
17 あなたはまだわたしの民に対して高ぶっており、彼らを行かせようとしない。
18 さあ、今度は、あすの今ごろ、エジプトにおいて建国の日以来、今までになかったきわめて激しい雹をわたしは降らせる。
19 それゆえ、今すぐ使いをやり、あなたの家畜、あなたが持っている野にあるすべてのものを避難させよ。野にいて家へ連れ戻すことのできない人や獣はみな雹が落ちて来ると死んでしまう。』」
20 パロの家臣のうちで主のことばを恐れた者は、しもべたちと家畜を家に避難させた。
21 しかし、主のことばを心に留めなかった者は、しもべたちや家畜をそのまま野に残した。
22 そこで主はモーセに仰せられた。「あなたの手を天に向けて差し伸ばせ。そうすれば、エジプト全土にわたって、人、獣、またエジプトの地のすべての野の草の上に雹が降る。」
23 モーセが杖を天に向けて差し伸ばすと、主は雷と雹を送り、火が地に向かって走った。主はエジプトの国に雹を降らせた。
24雹が降り、雹のただ中を火がひらめき渡った。建国以来エジプトの国中どこにもそのようなことのなかった、きわめて激しいものであった。
25雹はエジプト全土にわたって、人をはじめ獣に至るまで、野にいるすべてのものを打ち、また野の草をみな打った。野の木もことごとく打ち砕いた。
26 ただ、イスラエル人が住むゴシェンの地には、雹は降らなかった。
27 そこでパロは使いをやって、モーセとアロンを呼び寄せ、彼らに言った。「今度は、私は罪を犯した。主は正しいお方だ。私と私の民は悪者だ。
28主に祈ってくれ。神の雷と雹は、もうたくさんだ。私はおまえたちを行かせよう。おまえたちはもう、とどまってはならない。」
29 モーセは彼に言った。「私が町を出たら、すぐに主に向かって手を伸べ広げましょう。そうすれば雷はやみ、雹はもう降らなくなりましょう。この地が主のものであることをあなたが知るためです。
30 しかし、あなたとあなたの家臣が、まだ、神である主を恐れていないことを、私は知っています。」
31 ──亜麻と大麦は打ち倒された。大麦は穂を出し、亜麻はつぼみをつけていたからである。
32 しかし小麦とスペルト小麦は打ち倒されなかった。これらは実るのがおそいからである──
33 モーセはパロのところを去り、町を出て、主に向かって両手を伸べ広げた。すると、雷と雹はやみ、雨はもう地に降らなくなった。
34 パロは雨と雹と雷がやんだのを見たとき、またも罪を犯し、彼とその家臣たちは強情になった。
35 パロの心はかたくなになり、彼はイスラエル人を行かせなかった。主がモーセを通して言われたとおりである。
1主はモーセに仰せられた。「パロのところに行け。わたしは彼とその家臣たちを強情にした。それは、わたしがわたしのこれらのしるしを彼らの中に、行うためであり、
2 わたしがエジプトに対して力を働かせたあのことを、また、わたしが彼らの中で行ったしるしを、あなたが息子や孫に語って聞かせるためであり、わたしが主であることを、あなたがたが知るためである。」
3 モーセとアロンはパロのところに行って、彼に言った。「ヘブル人の神、主はこう仰せられます。『いつまでわたしの前に身を低くすることを拒むのか。わたしの民を行かせ、彼らをわたしに仕えさせよ。
4 もし、あなたが、わたしの民を行かせることを拒むなら、見よ、わたしはあす、いなごをあなたの領土に送る。
5 いなごが地の面をおおい、地は見えなくなる。また、雹の害を免れて、あなたがたに残されているものを食い尽くし、野に生えているあなたがたの木をみな食い尽くす。
6 またあなたの家とすべての家臣の家、および全エジプトの家に満ちる。このようなことは、あなたの先祖たちも、そのまた先祖たちも、彼らが地上にあった日からきょうに至るまで、かつて見たことのないものであろう。』」
こうして彼は身を返してパロのもとを去った。
7 家臣たちはパロに言った。「いつまでこの者は私たちを陥れるのですか。この男たちを行かせ、彼らの神、主に仕えさせてください。エジプトが滅びるのが、まだおわかりにならないのですか。」
8 モーセとアロンはパロのところに連れ戻された。パロは彼らに言った。「行け。おまえたちの神、主に仕えよ。だが、いったいだれが行くのか。」
9 モーセは答えた。「私たちは若い者や年寄りも連れて行きます。息子や娘も、羊の群れも牛の群れも連れて行きます。私たちは主の祭りをするのですから。」
10 パロは彼らに言った。「私がおまえたちとおまえたちの幼子たちとを行かせるくらいなら、主がおまえたちとともにあるように、とでも言おう。見ろ。悪意はおまえたちの顔に表れている。
11 そうはいかない。さあ、壮年の男だけ行って、主に仕えよ。それがおまえたちの求めていることだ。」こうして彼らをパロの前から追い出した。
12主はモーセに仰せられた。「あなたの手をエジプトの地の上に差し伸ばせ。17いなごの大群がエジプトの地を襲い、その国のあらゆる草木、雹の残したすべてのものを食い尽くすようにせよ。」
13 モーセはエジプトの地の上に杖を差し伸ばした。主は終日終夜その地の上に東風を吹かせた。朝になると東風がいなごの大群を運んで来た。
14 いなごの大群はエジプト全土を襲い、エジプト全域にとどまった。実におびただしく、こんないなごの大群は、前にもなかったし、このあとにもないであろう。
15 それらは全地の面をおおったので、地は暗くなった。それらは、地の草木も、雹を免れた木の実も、ことごとく食い尽くした。エジプト全土にわたって、緑色は木にも野の草にも少しも残らなかった。
16 パロは急いでモーセとアロンを呼び出して言った。「私は、おまえたちの神、主とおまえたちに対して罪を犯した。
17 どうか今、もう一度だけ、私の罪を赦してくれ。おまえたちの神、主に願って、主が私から、ただこの死を取り除くようにしてくれ。」
18 彼はパロのところから出て、主に祈った。
19 すると、主はきわめて強い西の風に変えられた。風はいなごを吹き上げ、18葦の海に追いやった。エジプト全域に、一匹のいなごも残らなかった。
20 しかし主がパロの心をかたくなにされたので、彼はイスラエル人を行かせなかった。
21主はモーセに仰せられた。「あなたの手を天に向けて差し伸べ、やみがエジプトの地の上に来て、やみにさわれるほどにせよ。」
22 モーセが天に向けて手を差し伸ばしたとき、エジプト全土は三日間真っ暗やみとなった。
23 三日間、だれも互いに見ることも、自分の場所から立つこともできなかった。しかしイスラエル人の住む所には光があった。
24 パロはモーセを呼び寄せて言った。「行け。主に仕えよ。ただおまえたちの羊と牛は、とどめておけ。幼子はおまえたちといっしょに行ってもよい。」
25 モーセは言った。「あなた自身が私たちの手にいけにえと全焼のいけにえを与えて、私たちの神、主にささげさせなければなりません。
26 私たちは家畜もいっしょに連れて行きます。ひづめ一つも残すことはできません。私たちは、私たちの神、主に仕えるためにその中から選ばなければなりません。しかも私たちは、あちらに行くまでは、どれをもって主に仕えなければならないかわからないのです。」
27 しかし、主はパロの心をかたくなにされた。パロは彼らを行かせようとはしなかった。
28 パロは彼に言った。「私のところから出て行け。私の顔を二度と見ないように気をつけろ。おまえが私の顔を見たら、その日に、おまえは死ななければならない。」
29 モーセは言った。「結構です。私はもう二度とあなたの顔を見ません。」
1主はモーセに仰せられた。「わたしはパロとエジプトの上になお一つのわざわいを下す。そのあとで彼は、あなたがたをここから行かせる。彼があなたがたを行かせるときは、ほんとうにひとり残らずあなたがたをここから追い出してしまおう。
2 さあ、民に語って聞かせよ。男は隣の男から、女は隣の女から銀の飾りや金の飾りを求めるように。」
3主はエジプトが民に好意を持つようにされた。モーセその人も、エジプトの国でパロの家臣と民とに非常に尊敬されていた。
4 モーセは言った。「主はこう仰せられます。『真夜中ごろ、わたしはエジプトの中に出て行く。
5 エジプトの国の初子は、王座に着くパロの初子から、ひき臼のうしろにいる女奴隷の初子、それに家畜の初子に至るまで、みな死ぬ。
6 そしてエジプト全土にわたって、大きな叫びが起こる。このようなことはかつてなく、また二度とないであろう。』
7 しかしイスラエル人に対しては、人から家畜に至るまで、犬も、うなりはしないでしょう。これは、主がエジプト人とイスラエル人を区別されるのを、あなたがたが知るためです。
8 あなたのこの家臣たちは、みな、私のところに来て伏し拝み、『あなたとあなたに従う民はみな出て行ってください』と言うでしょう。私はそのあとで出て行きます。」
こうしてモーセは怒りに燃えてパロのところから出て行った。
9主はモーセに仰せられた。「パロはあなたがたの言うことを聞き入れないであろう。それはわたしの不思議がエジプトの地で多くなるためである。」
10 モーセとアロンは、パロの前でこれらの不思議をみな行った。しかし主はパロの心をかたくなにされ、パロはイスラエル人を自分の国から出て行かせなかった。
1主は、エジプトの国でモーセとアロンに仰せられた。
2 「この月をあなたがたの月の始まりとし、これをあなたがたの年の最初の月とせよ。
3 イスラエルの全会衆に告げて言え。
この月の十日に、おのおのその父祖の家ごとに、羊一頭を、すなわち、家族ごとに羊一頭を用意しなさい。
4 もし家族が羊一頭の分より少ないなら、その人はその家のすぐ隣の人と、人数に応じて一頭を取り、めいめいが食べる分量に応じて、その羊を分けなければならない。
5 あなたがたの羊は傷のない一歳の雄でなければならない。それを子羊かやぎのうちから取らなければならない。
6 あなたがたはこの月の十四日までそれをよく見守る。そしてイスラエルの民の全集会は集まって、夕暮れにそれをほふり、
7 その血を取り、羊を食べる家々の二本の門柱と、かもいに、それをつける。
8 その夜、その肉を食べる。すなわち、それを火に焼いて、種を入れないパンと苦菜を添えて食べなければならない。
9 それを、生のままで、または、水で煮て食べてはならない。その頭も足も内臓も火で焼かなければならない。
10 それを朝まで残してはならない。朝まで残ったものは、火で焼かなければならない。
11 あなたがたは、このようにしてそれを食べなければならない。腰の帯を引き締め、足に、くつをはき、手に杖を持ち、急いで食べなさい。これは主への過越のいけにえである。
12 その夜、わたしはエジプトの地を巡り、人をはじめ、家畜に至るまで、エジプトの地のすべての初子を打ち、また、エジプトのすべての神々にさばきを下そう。わたしは主である。
13 あなたがたのいる家々の血は、あなたがたのためにしるしとなる。わたしはその血を見て、あなたがたの所を通り越そう。わたしがエジプトの地を打つとき、あなたがたには滅びのわざわいは起こらない。
14 この日は、あなたがたにとって記念すべき日となる。あなたがたはこれを主への祭りとして祝い、代々守るべき永遠のおきてとしてこれを祝わなければならない。
15 あなたがたは七日間種を入れないパンを食べなければならない。その第一日目に、あなたがたの家から確かにパン種を取り除かなければならない。第一日から第七日までの間に種を入れたパンを食べる者は、だれでもイスラエルから断ち切られるからである。
16 また第一日に聖なる会合を開き、第七日にも聖なる会合を開かなければならない。この期間中、どんな仕事もしてはならない。ただし、みなが食べなければならないものだけは作ることができる。
17 あなたがたは種を入れないパンの祭りを守りなさい。それは、ちょうどこの日に、わたしがあなたがたの集団をエジプトの地から連れ出すからである。あなたがたは永遠のおきてとして代々にわたって、この日を守りなさい。
18 最初の月の十四日の夕方から、その月の二十一日の夕方まで、種を入れないパンを食べなければならない。
19 七日間はあなたがたの家にパン種があってはならない。だれでもパン種の入ったものを食べる者は、在留異国人でも、この国に生まれた者でも、その者はイスラエルの会衆から断ち切られるからである。
20 あなたがたはパン種の入ったものは何も食べてはならない。あなたがたが住む所ではどこででも、種を入れないパンを食べなければならない。」
21 そこで、モーセはイスラエルの長老たちをみな呼び寄せて言った。「あなたがたの家族のために羊を、ためらうことなく、取り、過越のいけにえとしてほふりなさい。
22 ヒソプの一束を取って、鉢の中の血に浸し、その鉢の中の血をかもいと二本の門柱につけなさい。朝まで、だれも家の戸口から外に出てはならない。
23主がエジプトを打つために行き巡られ、かもいと二本の門柱にある血をご覧になれば、主はその戸口を過ぎ越され、滅ぼす者があなたがたの家に入って、打つことがないようにされる。
24 あなたがたはこのことを、あなたとあなたの子孫のためのおきてとして、永遠に守りなさい。
25 また、主が約束どおりに与えてくださる地に入るとき、あなたがたはこの儀式を守りなさい。
26 あなたがたの子どもたちが『この儀式はどういう意味ですか』と言ったとき、
27 あなたがたはこう答えなさい。『それは主への過越のいけにえだ。主がエジプトを打ったとき、主はエジプトにいたイスラエル人の家を過ぎ越され、私たちの家々を救ってくださったのだ。』」すると民はひざまずいて、礼拝した。
28 こうしてイスラエル人は行って、行った。主がモーセとアロンに命じられたとおりに行った。
29 真夜中になって、主はエジプトの地のすべての初子を、王座に着くパロの初子から、地下牢にいる捕虜の初子に至るまで、また、すべての家畜の初子をも打たれた。
30 それで、その夜、パロやその家臣および全エジプトが起き上がった。そして、エジプトには激しい泣き叫びが起こった。それは死人のない家がなかったからである。
31 パロはその夜、モーセとアロンを呼び寄せて言った。「おまえたちもイスラエル人も立ち上がって、私の民の中から出て行け。おまえたちが言うとおりに、行って、主に仕えよ。
32 おまえたちの言うとおりに、羊の群れも牛の群れも連れて出て行け。そして私のためにも祝福を祈れ。」
33 エジプトは、民をせきたてて、強制的にその国から追い出した。人々が、「われわれもみな死んでしまう」と言ったからである。
34 それで民は練り粉をまだパン種を入れないままで取り、こね鉢を着物に包み、肩にかついだ。
35 イスラエル人はモーセのことばどおりに行い、エジプトから銀の飾り、金の飾り、それに着物を求めた。
36主はエジプトがこの民に好意を持つようにされたので、エジプトは彼らの願いを聞き入れた。こうして、彼らはエジプトからはぎ取った。
37 イスラエル人はラメセスから、スコテに向かって旅立った。幼子を除いて、徒歩の壮年の男子は約六十万人。
38 さらに、多くの入り混じって来た外国人と、羊や牛などの非常に多くの家畜も、彼らとともに上った。
39 彼らはエジプトから携えて来た練り粉を焼いて、パン種の入れてないパン菓子を作った。それには、パン種が入っていなかった。というのは、彼らは、エジプトを追い出され、ぐずぐずしてはおられず、また食料の準備もできなかったからである。
40 イスラエル人がエジプトに滞在していた期間は四百三十年であった。
41 四百三十年が終わったとき、ちょうどその日に、主の全集団はエジプトの国を出た。
42 この夜、主は彼らをエジプトの国から連れ出すために、寝ずの番をされた。この夜こそ、イスラエル人はすべて、代々にわたり、主のために寝ずの番をするのである。
43主はモーセとアロンに仰せられた。「過越のいけにえに関するおきては次のとおりである。外国人はだれもこれを食べてはならない。
44 しかし、だれでも金で買われた奴隷は、あなたが割礼を施せば、これを食べることができる。
45居留者と19雇い人は、これを食べてはならない。
46 これは一つの家の中で食べなければならない。あなたはその肉を家の外に持ち出してはならない。またその骨を折ってはならない。
47 イスラエルの全会衆はこれを行わなければならない。
48 もし、あなたのところに異国人が在留していて、主に過越のいけにえをささげようとするなら、彼の家の男子はみな割礼を受けなければならない。そうしてから、その者は、近づいてささげることができる。彼はこの国に生まれた者と同じになる。しかし無割礼の者は、だれもそれを食べてはならない。
49 このおしえは、この国に生まれた者にも、あなたがたの中にいる在留異国人にも同じである。」
50 イスラエル人はみな、そのように行った。主がモーセとアロンに命じられたとおりに行った。
51 ちょうどその日に、主はイスラエル人を、集団ごとに、エジプトの国から連れ出された。
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人の間で、最初に生まれる初子はすべて、人であれ家畜であれ、わたしのために聖別せよ。それはわたしのものである。」
3 モーセは民に言った。「奴隷の家であるエジプトから出て来たこの日を覚えていなさい。主が力強い御手で、あなたがたをそこから連れ出されたからである。種を入れたパンを食べてはならない。
4 アビブの月のこの日にあなたがたは出発する。
5主があなたに与えるとあなたの先祖たちに誓われたカナン人、ヘテ人、エモリ人、ヒビ人、エブス人の地、乳と蜜の流れる地に、あなたを連れて行かれるとき、次の儀式をこの月に守りなさい。
6 七日間、あなたは種を入れないパンを食べなければならない。七日目は主への祭りである。
7 種を入れないパンを七日間、食べなければならない。あなたのところに種を入れたパンがあってはならない。あなたの領土のどこにおいても、あなたのところにパン種があってはならない。
8 その日、あなたは息子に説明して、『これは、私がエジプトから出て来たとき、主が私にしてくださったことのためなのだ』と言いなさい。
9 これをあなたの手の上のしるしとし、またあなたの20額の上の記念としなさい。それは主のおしえがあなたの口にあるためであり、主が力強い御手で、あなたをエジプトから連れ出されたからである。
10 あなたはこのおきてを年々その定められた時に守りなさい。
11主が、あなたとあなたの先祖たちに誓われたとおりに、あなたをカナン人の地に導き、そこをあなたに賜るとき、
12 すべて最初に生まれる者を、主のものとしてささげなさい。あなたの家畜から生まれる初子もみな、雄は主のものである。
13 ただし、ろばの初子はみな、羊で21贖わなければならない。もし贖わないなら、その首を折らなければならない。あなたの子どもたちのうち、男の初子はみな、贖わなければならない。
14 後になってあなたの子があなたに尋ねて、『これは、どういうことですか』と言うときは、彼に言いなさい。『主は力強い御手によって、私たちを奴隷の家、エジプトから連れ出された。
15 パロが私たちを、なかなか行かせなかったとき、主はエジプトの地の初子を、人の初子をはじめ家畜の初子に至るまで、みな殺された。それで、私は初めに生まれる雄をみな、いけにえとして、主にささげ、私の子どもたちの初子をみな、私は贖うのだ。』
16 これを手の上のしるしとし、また、あなたの22額の上の23記章としなさい。それは主が力強い御手によって、私たちをエジプトから連れ出されたからである。」
17 さて、パロがこの民を行かせたとき、神は、彼らを近道であるペリシテ人の国の道には導かれなかった。神はこう言われた。「民が戦いを見て、心が変わり、エジプトに引き返すといけない。」
18 それで神はこの民を24葦の海に沿う荒野の道に回らせた。イスラエル人は編隊を組み、エジプトの国から離れた。
19 モーセはヨセフの遺骸を携えて来た。それはヨセフが、「神は必ずあなたがたを顧みてくださる。そのとき、あなたがたは私の遺骸をここから携え上らなければならない」と言って、イスラエルの子らに堅く誓わせたからである。
20 こうして彼らはスコテから出て行き、荒野の端にあるエタムに宿営した。
21主は、昼は、途上の彼らを導くため、雲の柱の中に、夜は、彼らを照らすため、火の柱の中にいて、彼らの前を進まれた。彼らが昼も夜も進んで行くためであった。
22 昼はこの雲の柱、夜はこの火の柱が民の前から離れなかった。
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に、引き返すように言え。そしてミグドルと海の間にあるピ・ハヒロテに面したバアル・ツェフォンの手前で宿営せよ。あなたがたは、それに向かって海辺に宿営しなければならない。
3 パロはイスラエル人について、『彼らはあの地で迷っている。荒野は彼らを閉じ込めてしまった』と言うであろう。
4 わたしはパロの心をかたくなにし、彼が彼らのあとを追えば、パロとその全軍勢を通してわたしは栄光を現し、エジプトはわたしが主であることを知るようになる。」そこでイスラエル人はそのとおりにした。
5民の逃げたことがエジプトの王に告げられると、パロとその家臣たちは民についての考えを変えて言った。「われわれはいったい何ということをしたのだ。イスラエルを去らせてしまい、われわれに仕えさせないとは。」
6 そこでパロは戦車を整え、自分でその軍勢を率い、
7 えり抜きの戦車六百とエジプトの全戦車を、それぞれ補佐官をつけて率いた。
8主がエジプトの王パロの心をかたくなにされたので、パロはイスラエル人を追跡した。しかしイスラエル人は臆することなく出て行った。
9 それでエジプトは彼らを追跡した。パロの戦車の馬も、騎兵も、軍勢も、ことごとく、バアル・ツェフォンの手前、ピ・ハヒロテで、海辺に宿営している彼らに追いついた。
10 パロは近づいていた。それで、イスラエル人が目を上げて見ると、なんと、エジプト人が彼らのあとに迫っているではないか。イスラエル人は非常に恐れて、主に向かって叫んだ。
11 そしてモーセに言った。「エジプトには墓がないので、あなたは私たちを連れて来て、この荒野で、死なせるのですか。私たちをエジプトから連れ出したりして、いったい何ということを私たちにしてくれたのです。
12 私たちがエジプトであなたに言ったことは、こうではありませんでしたか。『私たちのことはかまわないで、私たちをエジプトに仕えさせてください。』事実、エジプトに仕えるほうがこの荒野で死ぬよりも私たちには良かったのです。」
13 それでモーセは民に言った。「恐れてはいけない。しっかり立って、きょう、あなたがたのために行われる主の救いを見なさい。あなたがたは、きょう見るエジプト人をもはや永久に見ることはできない。
14主があなたがたのために戦われる。あなたがたは黙っていなければならない。」
15主はモーセに仰せられた。「なぜあなたはわたしに向かって叫ぶのか。イスラエル人に前進するように言え。
16 あなたは、あなたの杖を上げ、あなたの手を海の上に差し伸ばし、海を分けて、イスラエル人が海の真ん中のかわいた地を進み行くようにせよ。
17 見よ。わたしはエジプト人の心をかたくなにする。彼らがそのあとから入って来ると、わたしはパロとその全軍勢、戦車と騎兵を通して、わたしの栄光を現そう。
18 パロとその戦車とその騎兵を通して、わたしが栄光を現すとき、エジプトはわたしが主であることを知るのだ。」
19 ついでイスラエルの陣営の前を進んでいた神の使いは、移って、彼らのあとを進んだ。それで、雲の柱は彼らの前から移って、彼らのうしろに立ち、
20 エジプトの陣営とイスラエルの陣営との間に入った。それは真っ暗な雲であったので、夜を25迷い込ませ、一晩中、一方が他方に近づくことはなかった。
21 そのとき、モーセが手を海の上に差し伸ばすと、主は一晩中強い東風で海を退かせ、海を陸地とされた。それで水は分かれた。
22 そこで、イスラエル人は海の真ん中のかわいた地を、進んで行った。水は彼らのために右と左で壁となった。
23 エジプト人は追いかけて来て、パロの馬も戦車も騎兵も、みな彼らのあとから海の中に入って行った。
24 朝の見張りのころ、主は火と雲の柱のうちからエジプトの陣営を見おろし、エジプトの陣営をかき乱された。
25 その戦車の車輪を26はずして、進むのを困難にされた。それでエジプト人は言った。「イスラエル人の前から逃げよう。主が彼らのために、エジプトと戦っておられるのだから。」
26 このとき主はモーセに仰せられた。「あなたの手を海の上に差し伸べ、水がエジプト人と、その戦車、その騎兵の上に返るようにせよ。」
27 モーセが手を海の上に差し伸べたとき、夜明け前に、海がもとの状態に戻った。エジプト人は水が迫って来るので逃げたが、主はエジプト人を海の真ん中に投げ込まれた。
28 水はもとに戻り、27あとを追って海に入ったパロの全軍勢の戦車と騎兵をおおった。残された者はひとりもいなかった。
29 イスラエル人は海の真ん中のかわいた地を歩き、水は彼らのために、右と左で壁となったのである。
30 こうして、主はその日イスラエルをエジプトの手から救われた。イスラエルは海辺に死んでいるエジプト人を見た。
31 イスラエルは主がエジプトに行われたこの大いなる28御力を見たので、民は主を恐れ、主とそのしもべモーセを信じた。
1 そこで、モーセとイスラエル人は、主に向かって、この歌を歌った。彼らは言った。
「主に向かって私は歌おう。
主は29輝かしくも勝利を収められ、
馬と乗り手とを海の中に投げ込まれたゆえに。
2 30主は、私の力であり、ほめ歌である。
主は、私の救いとなられた。
この方こそ、わが神。
私はこの方をほめたたえる。
私の父の神。この方を私はあがめる。
3 主はいくさびと。
その御名は主。
4 主はパロの戦車も軍勢も海の中に投げ込まれた。
えり抜きの補佐官たちも31葦の海におぼれて死んだ。
5 大いなる水は彼らを包んでしまい、
彼らは石のように深みに下った。
6 主よ。あなたの右の手は力に輝く。
主よ。あなたの右の手は敵を打ち砕く。
7 あなたは大いなる威力によって、
あなたに立ち向かう者どもを打ち破られる。
あなたが燃える怒りを発せられると、
それは彼らを刈り株のように焼き尽くす。
8 あなたの鼻の息で、水は積み上げられ、
流れはせきのように、まっすぐ立ち、
大いなる水は海の真ん中で固まった。
9 敵は言った。
『私は追って、追いついて、
略奪した物を分けよう。
おのれの望みを彼らによってかなえよう。
剣を抜いて、この手で彼らを滅ぼそう。』
10 あなたが風を吹かせられると、
海は彼らを包んでしまった。
彼らは大いなる水の中に鉛のように沈んだ。
11 主よ。32神々のうち、
だれかあなたのような方があるでしょうか。
だれがあなたのように、聖であって力強く、
たたえられつつ恐れられ、
奇しいわざを行うことができましょうか。
12 あなたが右の手を伸ばされると、
地は彼らをのみこんだ。
13 あなたが贖われたこの民を、
あなたは恵みをもって導き、
御力をもって、聖なる御住まいに伴われた。
14 国々の民は聞いて震え、
もだえがペリシテの住民を捕らえた。
15 そのとき、エドムの首長らは、おじ惑い、
モアブの有力者らは、震え上がり、
カナンの住民は、みな震えおののく。
16 恐れとおののきが彼らを襲い、
あなたの偉大な御腕により、
彼らが石のように黙りますように。
主よ。あなたの民が通り過ぎるまで。
あなたが買い取られたこの民が通り過ぎるまで。
17 あなたは彼らを連れて行き、
あなたご自身の山に植えられる。
主よ。御住まいのために
あなたがお造りになった場所に。
主よ。あなたの御手が堅く建てた聖所に。
18 主はとこしえまでも統べ治められる。」
19 パロの馬が戦車や騎兵とともに海の中に入ったとき、主は海の水を彼らの上に返されたのであった。しかしイスラエル人は海の真ん中のかわいた土の上を歩いて行った。
20 アロンの姉、女預言者ミリヤムはタンバリンを手に取り、女たちもみなタンバリンを持って、踊りながら彼女について出て来た。
21 ミリヤムは人々に応えて歌った。
「主に向かって歌え。
主は輝かしくも勝利を収められ、
馬と乗り手とを海の中に投げ込まれた。」
22 モーセはイスラエルを33葦の海から旅立たせた。彼らはシュルの荒野へ出て行き、三日間、荒野を歩いた。彼らには水が見つからなかった。
23 彼らはマラに来たが、マラの水は苦くて飲むことができなかった。それで、そこはマラと呼ばれた。
24民はモーセにつぶやいて、「私たちは何を飲んだらよいのですか」と言った。
25 モーセは主に叫んだ。すると、主は彼に一本の木を示されたので、モーセはそれを水に投げ入れた。すると、水は甘くなった。
その所で主は彼に、おきてと定めを授け、その所で彼を試みられた。
26 そして、仰せられた。「もし、あなたがあなたの神、主の声に確かに聞き従い、主が正しいと見られることを行い、またその命令に耳を傾け、そのおきてをことごとく守るなら、わたしはエジプトに下したような病気を何一つあなたの上に下さない。わたしは主、あなたをいやす者である。」
27 こうして彼らはエリムに着いた。そこには、十二の水の泉と七十本のなつめやしの木があった。そこで、彼らはその水のほとりに宿営した。
1 ついで、イスラエル人の全会衆は、エリムから旅立ち、エジプトの地を出て、第二の月の十五日に、エリムとシナイとの間にあるシンの荒野に入った。
2 そのとき、イスラエル人の全会衆は、この荒野でモーセとアロンにつぶやいた。
3 イスラエル人は彼らに言った。「エジプトの地で、肉なべのそばにすわり、パンを満ち足りるまで食べていたときに、私たちは主の手にかかって死んでいたらよかったのに。事実、あなたがたは、私たちをこの荒野に連れ出して、この全集団を飢え死にさせようとしているのです。」
4主はモーセに仰せられた。「見よ。わたしはあなたがたのために、パンが天から降るようにする。民は外に出て、毎日、一日分を集めなければならない。これは、彼らがわたしのおしえに従って歩むかどうかを、試みるためである。
5 六日目に、彼らが持って来た物を整える場合、日ごとに集める分の二倍とする。」
6 それでモーセとアロンは、すべてのイスラエル人に言った。「夕方には、あなたがたは、主がエジプトの地からあなたがたを連れ出されたことを知り、
7 朝には、主の栄光を見る。主に対するあなたがたのつぶやきを主が聞かれたのです。あなたがたが、この私たちにつぶやくとは、いったい私たちは何なのだろう。」
8 モーセはまた言った。「夕方には、主があなたがたに食べる肉を与え、朝には満ち足りるほどパンを与えてくださるのは、あなたがたが主に対してつぶやく、そのつぶやきを主が聞かれたからです。いったい私たちは何なのだろうか。あなたがたのつぶやきは、この私たちに対してではなく、主に対してなのです。」
9 モーセはアロンに言った。「イスラエル人の全会衆に、『主の前に近づきなさい。主があなたがたのつぶやきを聞かれたから』と言いなさい。」
10 アロンがイスラエル人の全会衆に告げたとき、彼らは荒野のほうに振り向いた。見よ。主の栄光が雲の中に現れた。
11主はモーセに告げて仰せられた。
12 「わたしはイスラエル人のつぶやきを聞いた。彼らに告げて言え。『あなたがたは夕暮れには肉を食べ、朝にはパンで満ち足りるであろう。あなたがたはわたしがあなたがたの神、主であることを知るようになる。』」
13 それから、夕方になるとうずらが飛んで来て、宿営をおおい、朝になると、宿営の回りに露が一面に降りた。
14 その一面の露が上がると、見よ、荒野の面には、地に降りた白い霜のような細かいもの、うろこのような細かいものがあった。
15 イスラエル人はこれを見て、「これは何だろう」と互いに言った。彼らはそれが何か知らなかったからである。モーセは彼らに言った。「これは主があなたがたに食物として与えてくださったパンです。
16主が命じられたことはこうです。『各自、自分の食べる分だけ、ひとり当たり一34オメルずつ、あなたがたの人数に応じてそれを集めよ。各自、自分の天幕にいる者のために、それを取れ。』」
17 そこで、イスラエル人はそのとおりにした。ある者は多く、ある者は少なく集めた。
18 しかし、彼らがオメルでそれを計ってみると、多く集めた者も余ることはなく、少なく集めた者も足りないことはなかった。各自は自分の食べる分だけ集めたのである。
19 モーセは彼らに言った。「だれも、それを、朝まで残しておいてはいけません。」
20 彼らはモーセの言うことを聞かず、ある者は朝まで、それを残しておいた。すると、それに虫がわき、悪臭を放った。そこでモーセは彼らに向かって怒った。
21 彼らは、朝ごとに、各自が食べる分だけ、それを集めた。日が熱くなると、それは溶けた。
22 六日目には、彼らは二倍のパン、すなわち、ひとり当たり二オメルずつ集めた。会衆の上に立つ者たちがみな、モーセのところに来て、告げたとき、
23 モーセは彼らに言った。「主の語られたことはこうです。『あすは全き休みの日、主の聖なる安息である。あなたがたは、焼きたいものは焼き、煮たいものは煮よ。残ったものは、すべて朝まで保存するため、取っておけ。』」
24 それで彼らはモーセの命じたとおりに、それを朝まで取っておいたが、それは臭くもならず、うじもわかなかった。
25 それでモーセは言った。「きょうは、それを食べなさい。きょうは主の安息であるから。きょうはそれを野で見つけることはできません。
26 六日の間はそれを集めることができます。しかし安息の七日目には、それは、ありません。」
27 それなのに、民の中のある者は七日目に集めに出た。しかし、何も見つからなかった。
28 そのとき、主はモーセに仰せられた。「あなたがたは、いつまでわたしの命令とおしえを守ろうとしないのか。
29主があなたがたに安息を与えられたことに、心せよ。それゆえ、六日目には、二日分のパンをあなたがたに与えている。七日目には、あなたがたはそれぞれ自分の場所にとどまれ。その所からだれも出てはならない。」
30 それで、民は七日目に休んだ。
31 イスラエルの家は、それをマナと名づけた。それはコエンドロの種のようで、白く、その味は蜜を入れたせんべいのようであった。
32 モーセは言った。「主の命じられたことはこうです。『それを一オメルたっぷり、あなたがたの子孫のために保存せよ。わたしがあなたがたをエジプトの地から連れ出したとき、荒野であなたがたに食べさせたパンを彼らが見ることができるために。』」
33 モーセはアロンに言った。「つぼを一つ持って来て、マナを一オメルたっぷりその中に入れ、それを主の前に置いて、あなたがたの子孫のために保存しなさい。」
34主がモーセに命じられたとおりである。そこでアロンはそれを保存するために、あかしの箱の前に置いた。
35 イスラエル人は人の住んでいる地に来るまで、四十年間、マナを食べた。彼らはカナンの地の境に来るまで、マナを食べた。
36 一オメルは一35エパの十分の一である。
1 イスラエル人の全会衆は、主の命により、シンの荒野から旅立ち、旅を重ねて、レフィディムで宿営した。そこには民の飲む水がなかった。
2 それで、民はモーセと争い、「私たちに飲む水を下さい」と言った。モーセは彼らに、「あなたがたはなぜ私と争うのですか。なぜ主を試みるのですか」と言った。
3民はその所で水に渇いた。それで民はモーセにつぶやいて言った。「いったい、なぜ私たちをエジプトから連れ上ったのですか。私や、子どもたちや、家畜を、渇きで死なせるためですか。」
4 そこでモーセは主に叫んで言った。「私はこの民をどうすればよいのでしょう。もう少しで私を石で打ち殺そうとしています。」
5主はモーセに仰せられた。「民の前を通り、イスラエルの長老たちを幾人か連れ、あなたがナイルを打ったあの杖を手に取って出て行け。
6 さあ、わたしはあそこのホレブの岩の上で、あなたの前に立とう。あなたがその岩を打つと、岩から水が出る。民はそれを飲もう。」そこでモーセはイスラエルの長老たちの目の前で、そのとおりにした。
7 それで、彼はその所を36マサ、または37メリバと名づけた。それは、イスラエル人が争ったからであり、また彼らが、「主は私たちの中におられるのか、おられないのか」と言って、主を試みたからである。
8 さて、アマレクが来て、レフィディムでイスラエルと戦った。
9 モーセはヨシュアに言った。「私たちのために幾人かを選び、出て行ってアマレクと戦いなさい。あす私は神の杖を手に持って、丘の頂に立ちます。」
10 ヨシュアはモーセが言ったとおりにして、アマレクと戦った。モーセとアロンとフルは丘の頂に登った。
11 モーセが手を上げているときは、イスラエルが優勢になり、手を38降ろしているときは、アマレクが優勢になった。
12 しかし、モーセの手が重くなった。彼らは石を取り、それをモーセの足もとに置いたので、モーセはその上に腰掛けた。アロンとフルは、ひとりはこちら側、ひとりはあちら側から、モーセの手をささえた。それで彼の手は日が沈むまで、しっかりそのままであった。
13 ヨシュアは、アマレクとその民を剣の刃で打ち破った。
14主はモーセに仰せられた。「このことを記録として、書き物に書きしるし、ヨシュアに読んで聞かせよ。わたしはアマレクの記憶を天の下から完全に消し去ってしまう。」
15 モーセは祭壇を築き、それを39アドナイ・ニシと呼び、
16 「それは『40主の御座の上の手』のことで、主は代々にわたってアマレクと戦われる」と言った。
1 さて、モーセのしゅうと、ミデヤンの祭司イテロは、神がモーセと御民イスラエルのためになさったすべてのこと、すなわち、どのようにして主がイスラエルをエジプトから連れ出されたかを聞いた。
2 それでモーセのしゅうとイテロは、先に送り返されていたモーセの妻チッポラと
3 そのふたりの息子を連れて行った。そのひとりの名はゲルショムであった。それは「私は外国にいる41寄留者だ」という意味である。
4 もうひとりの名は42エリエゼル。それは「私の父の神は私の助けであり、パロの剣から私を救われた」という意味である。
5 モーセのしゅうとイテロは、モーセの息子と妻といっしょに、荒野のモーセのところに行った。彼はそこの神の山に宿営していた。
6 イテロはモーセに伝えた。「あなたのしゅうとである私イテロは、あなたの妻とそのふたりの息子といっしょに、あなたのところに来ています。」
7 モーセは、しゅうとを迎えに出て行き、身をかがめ、彼に口づけした。彼らは互いに安否を問い、天幕に入った。
8 モーセはしゅうとに、主がイスラエルのために、パロとエジプトとになさったすべてのこと、途中で彼らに降りかかったすべての困難、また主が彼らを救い出された次第を語った。
9 イテロは、主がイスラエルのためにしてくださったすべての良いこと、エジプトの手から救い出してくださったことを喜んだ。
10 イテロは言った。「主はほむべきかな。主はあなたがたをエジプトの手と、パロの手から救い出し、この民をエジプトの支配から救い出されました。
11 今こそ私は主があらゆる神々にまさって偉大であることを知りました。実に彼らがこの民に対して不遜であったということにおいても。」
12 モーセのしゅうとイテロは、全焼のいけにえと神へのいけにえを持って来たので、アロンは、モーセのしゅうととともに神の前で食事をするために、イスラエルのすべての長老たちといっしょにやって来た。
13翌日、モーセは民をさばくために43さばきの座に着いた。民は朝から夕方まで、モーセのところに立っていた。
14 モーセのしゅうとは、モーセが民のためにしているすべてのことを見て、こう言った。「あなたが民にしているこのことは、いったい何ですか。なぜあなたひとりだけがさばきの座に着き、民はみな朝から夕方まであなたのところに立っているのですか。」
15 モーセはしゅうとに答えた。「民は、神のみこころを求めて、私のところに来るのです。
16 彼らに何か事件があると、私のところに来ます。私は双方の間をさばいて、神のおきてとおしえを知らせるのです。」
17 するとモーセのしゅうとは言った。「あなたのしていることは良くありません。
18 あなたも、あなたといっしょにいるこの民も、きっと疲れ果ててしまいます。このことはあなたには重すぎますから、あなたはひとりでそれをすることはできません。
19 さあ、私の言うことを聞いてください。私はあなたに助言をしましょう。どうか神があなたとともにおられるように。あなたは民に代わって神の前にいて、事件を神のところに持って行きなさい。
20 あなたは彼らにおきてとおしえとを与えて、彼らの歩むべき道と、なすべきわざを彼らに知らせなさい。
21 あなたはまた、民全体の中から、神を恐れる、力のある人々、不正の利を憎む誠実な人々を見つけ出し、千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長として、民の上に立てなければなりません。
22 いつもは彼らが民をさばくのです。大きい事件はすべてあなたのところに持って来、小さい事件はみな、彼らがさばかなければなりません。あなたの重荷を軽くしなさい。彼らはあなたとともに重荷をになうのです。
23 もしあなたがこのことを行えば、──神があなたに命じられるのですが──あなたはもちこたえることができ、この民もみな、平安のうちに自分のところに帰ることができましょう。」
24 モーセはしゅうとの言うことを聞き入れ、すべて言われたとおりにした。
25 モーセは、イスラエル全体の中から力のある人々を選び、千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長として、民のかしらに任じた。
26 いつもは彼らが民をさばき、むずかしい事件はモーセのところに持って来たが、小さい事件は、みな彼ら自身でさばいた。
27 それから、モーセはしゅうとを見送った。彼は自分の国へ帰って行った。
1 エジプトの地を出たイスラエル人は、第三の月の新月のその日に、シナイの荒野に入った。
2 彼らはレフィディムを旅立って、シナイの荒野に入り、その荒野で宿営した。イスラエルはそこで、山のすぐ前に宿営した。
3 モーセは神のみもとに上って行った。主は山から彼を呼んで仰せられた。「あなたは、このように、ヤコブの家に言い、イスラエルの人々に告げよ。
4 あなたがたは、わたしがエジプトにしたこと、また、あなたがたを鷲の翼に載せ、わたしのもとに連れて来たことを見た。
5 今、もしあなたがたが、まことにわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るなら、あなたがたはすべての国々の民の中にあって、わたしの宝となる。全世界はわたしのものであるから。
6 あなたがたはわたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる。
これが、イスラエル人にあなたの語るべきことばである。」
7 モーセは行って、民の長老たちを呼び寄せ、主が命じられたこれらのことばをみな、彼らの前に述べた。
8 すると民はみな口をそろえて答えた。「私たちは主が仰せられたことを、みな行います。」それでモーセは民のことばを主に持って帰った。
9 すると、主はモーセに仰せられた。「見よ。わたしは濃い雲の中で、あなたに臨む。わたしがあなたと語るのを民が聞き、いつまでもあなたを信じるためである。」それからモーセは民のことばを主に告げた。
10主はモーセに仰せられた。「あなたは民のところに行き、きょうとあす、彼らを聖別し、自分たちの着物を洗わせよ。
11 彼らは三日目のために用意をせよ。三日目には、主が民全体の目の前で、シナイ山に降りて来られるからである。
12 あなたは民のために、周囲に境を設けて言え。
山に登ったり、その境界に触れたりしないように注意しなさい。山に触れる者は、だれでも必ず殺されなければならない。
13 それに手を触れてはならない。触れる者は必ず石で打ち殺されるか、刺し殺される。獣でも、人でも、生かしておいてはならない。
しかし雄羊の角が長く鳴り響くとき、彼らは山に登って来なければならない。」
14 それでモーセは山から民のところに降りて来た。そして、民を聖別し、彼らに自分たちの着物を洗わせた。
15 モーセは民に言った。「三日目のために用意をしなさい。女に近づいてはならない。」
16 三日目の朝になると、山の上に雷といなずまと密雲があり、角笛の音が非常に高く鳴り響いたので、宿営の中の民はみな震え上がった。
17 モーセは民を、神を迎えるために、宿営から連れ出した。彼らは山のふもとに立った。
18 シナイ山は全山が煙っていた。それは主が火の中にあって、山の上に降りて来られたからである。その煙は、かまどの煙のように立ち上り、全山が激しく震えた。
19角笛の音が、いよいよ高くなった。モーセは語り、神は声を出して、彼に答えられた。
20主がシナイ山の頂に降りて来られ、主がモーセを山の頂に呼び寄せられたので、モーセは登って行った。
21主はモーセに仰せられた。「下って行って、民を戒めよ。主を見ようと、彼らが押し破って来て、多くの者が滅びるといけない。
22主に近づく祭司たちもまた、その身をきよめなければならない。主が彼らに怒りを発しないために。」
23 モーセは主に申し上げた。「民はシナイ山に登ることはできません。あなたが私たちを戒められて、『山の回りに境を設け、それを聖なる地とせよ』と仰せられたからです。」
24主は彼に仰せられた。「降りて行け。そしてあなたはアロンといっしょに登れ。祭司たちと民とは、主のところに登ろうとして押し破ってはならない。主が彼らに怒りを発せられないために。」
25 そこでモーセは民のところに降りて行き、彼らに告げた。
1 それから神はこれらのことばを、ことごとく告げて仰せられた。
2 「わたしは、あなたをエジプトの国、奴隷の家から連れ出した、あなたの神、主である。
3 あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。
4 あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、どんな形をも造ってはならない。
5 それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神、わたしを憎む者には、父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、
6 わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。
7 あなたは、44あなたの神、主の御名を、みだりに唱えてはならない。主は、御名をみだりに唱える者を、45罰せずにはおかない。
8安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。
9 六日間、働いて、あなたのすべての仕事をしなければならない。
10 しかし七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはどんな仕事もしてはならない。──あなたも、あなたの息子、娘、それにあなたの男奴隷や女奴隷、家畜、また、あなたの町囲みの中にいる在留異国人も──
11 それは主が六日のうちに、天と地と海、またそれらの中にいるすべてのものを造り、七日目に休まれたからである。それゆえ、主は安息日を祝福し、これを聖なるものと宣言された。
12 あなたの父と母を敬え。あなたの神、主が与えようとしておられる地で、あなたの齢が長くなるためである。
13 殺してはならない。
14姦淫してはならない。
15盗んではならない。
16 あなたの隣人に対し、偽りの証言をしてはならない。
17 あなたの隣人の家を欲しがってはならない。すなわち隣人の妻、あるいは、その男奴隷、女奴隷、牛、ろば、すべてあなたの隣人のものを、欲しがってはならない。」
18民はみな、雷と、いなずま、角笛の音と、煙る山を目撃した。民は見て、たじろぎ、遠く離れて立った。
19 彼らはモーセに言った。「どうか、私たちに話してください。私たちは聞き従います。しかし、神が私たちにお話しにならないように。私たちが死ぬといけませんから。」
20 それでモーセは民に言った。「恐れてはいけません。神が来られたのはあなたがたを試みるためなのです。また、あなたがたに神への恐れが生じて、あなたがたが罪を犯さないためです。」
21 そこで、民は遠く離れて立ち、モーセは神のおられる暗やみに近づいて行った。
22主はモーセに仰せられた。「あなたはイスラエル人にこう言わなければならない。
あなたがた自身、わたしが天からあなたがたと話したのを見た。
23 あなたがたはわたしと並べて、銀の神々を造ってはならない。また、あなたがた自身のために金の神々も造ってはならない。
24 わたしのために土の祭壇を造り、その上で、羊と牛をあなたの全焼のいけにえとし、和解のいけにえとしてささげなければならない。わたしの名を覚えさせるすべての所で、わたしはあなたに臨み、あなたを祝福しよう。
25 あなたが石の祭壇をわたしのために造るなら、切り石でそれを築いてはならない。あなたが石に、のみを当てるなら、それを汚すことになる。
26 あなたは階段で、わたしの祭壇に上ってはならない。あなたの裸が、その上にあらわれてはならないからである。
1 あなたが彼らの前に立てる定めは次のとおりである。
2 あなたがヘブル人の奴隷を買う場合、彼は六年間、仕え、七年目には自由の身として無償で去ることができる。
3 もし彼が独身で来たのなら、独身で去り、もし彼に妻があれば、その妻は彼とともに去ることができる。
4 もし彼の主人が彼に妻を与えて、妻が彼に男の子、または女の子を産んだのなら、この妻とその子どもたちは、その主人のものとなり、彼は独身で去らなければならない。
5 しかし、もし、その奴隷が、『私は、私の主人と、私の妻と、私の子どもたちを愛しています。自由の身となって去りたくありません』と、はっきり言うなら、
6 その主人は、彼を46神のもとに連れて行き、戸または戸口の柱のところに連れて行き、彼の耳をきりで刺し通さなければならない。彼はいつまでも主人に仕えることができる。
7 人が自分の娘を女奴隷として売るような場合、彼女は男奴隷が去る場合のように去ることはできない。
8 彼女がもし、彼女を自分のものにしようと定めた主人の気に入らなくなったときは、彼は彼女が贖い出されるようにしなければならない。彼は彼女を裏切ったのであるから、外国の民に売る権利はない。
9 もし、彼が彼女を自分の息子のものとするなら、彼女を娘に関する定めによって、取り扱わなければならない。
10 もし彼が他の女をめとるなら、先の女への食べ物、着物、夫婦の務めを減らしてはならない。
11 もし彼がこれら三つのことを彼女に行わないなら、彼女は金を払わないで無償で去ることができる。
12 人を打って死なせた者は、必ず殺されなければならない。
13 ただし、彼に47殺意がなく、神が御手によって事を起こされた場合、わたしはあなたに彼ののがれる場所を指定しよう。
14 しかし、人が、ほしいままに隣人を襲い、策略をめぐらして殺した場合、この者を、わたしの祭壇のところからでも連れ出して殺さなければならない。
15 自分の父または母を打つ者は、必ず殺されなければならない。
16 人をさらった者は、その人を売っていても、自分の手もとに置いていても、必ず殺されなければならない。
17 自分の父または母をのろう者は、必ず殺されなければならない。
18 人が争い、ひとりが石かこぶしで相手を打ち、その相手が死なないで床についた場合、
19 もし再び起き上がり、杖によって、外を歩くようになれば、打った者は罰せられない。ただ彼が休んだ分を弁償し、彼が完全に直るようにしてやらなければならない。
20 自分の男奴隷、あるいは女奴隷を杖で打ち、その場で死なせた場合、その者は必ず復讐されなければならない。
21 ただし、もしその奴隷が一日か二日生きのびたなら、その者は復讐されない。奴隷は彼の財産だからである。
22 人が争っていて、みごもった女に突き当たり、流産させるが、殺傷事故がない場合、彼はその女の夫が負わせるだけの罰金を必ず払わなければならない。その支払いは48裁定による。
23 しかし、殺傷事故があれば、いのちにはいのちを与えなければならない。
24 目には目。歯には歯。手には手。足には足。
25 やけどにはやけど。傷には傷。打ち傷には打ち傷。
26 自分の男奴隷の片目、あるいは女奴隷の片目を打ち、これをそこなった場合、その目の代償として、その奴隷を自由の身にしなければならない。
27 また、自分の男奴隷の歯一本、あるいは女奴隷の歯一本を打ち落としたなら、その歯の代償として、その奴隷を自由の身にしなければならない。
28 牛が男または女を突いて殺した場合、その牛は必ず石で打ち殺さなければならない。その肉を食べてはならない。しかし、その牛の持ち主は無罪である。
29 しかし、もし、牛が以前から突くくせがあり、その持ち主が注意されていても、それを監視せず、その牛が男または女を殺したのなら、その牛は石で打ち殺し、その持ち主も殺されなければならない。
30 もし彼に贖い金が課せられたなら、自分に課せられたものは何でも、自分のいのちの償いとして支払わなければならない。
31 男の子を突いても、女の子を突いても、この規定のとおりに処理されなければならない。
32 もしその牛が、男奴隷、あるいは女奴隷を突いたなら、牛の持ち主はその奴隷の主人に銀貨三十シェケルを支払い、その牛は石で打ち殺されなければならない。
33井戸のふたをあけていたり、あるいは、井戸を掘って、それにふたをしないでいたりして、牛やろばがそこに落ち込んだ場合、
34 その井戸の持ち主は金を支払って、その持ち主に償いをしなければならない。しかし、その死んだ家畜は彼のものとなる。
35 ある人の牛が、もうひとりの人の牛を突いて、その牛が死んだ場合、両者は生きている牛を売って、その金を分け、また死んだ牛も分けなければならない。
36 しかし、その牛が以前から突くくせのあることがわかっていて、その持ち主が監視をしなかったのなら、その人は必ず牛は牛で償わなければならない。しかし、その死んだ牛は自分のものとなる。
1 牛とか羊を盗み、これを殺したり、これを売ったりした場合、牛一頭を牛五頭で、羊一頭を羊四頭で償わなければならない。
2 ──もし、盗人が、抜け穴を掘って押し入るところを見つけられ、打たれて死んだなら、血の罪は打った者にはない。
3 もし、日が上っていれば、血の罪は打った者にある──盗みをした者は必ず償いをしなければならない。もし彼が何も持っていないなら、盗んだ物のために、彼自身が売られなければならない。
4 もし盗んだ物が、牛でも、ろばでも、羊でも、生きたままで彼の手の中にあるのが確かに見つかったなら、それを二倍にして償わなければならない。
5家畜に畑やぶどう畑の物を食べさせるとき、その家畜を放ち、それが他人の畑の物を食い荒らした場合、その人は自分の畑の最良の物と、ぶどう畑の最良の物とをもって、償いをしなければならない。
6火災を起こし、それがいばらに燃え移り、そのため積み上げた穀物の束、あるいは立穂、あるいは畑を焼き尽くした場合、出火させた者は、必ず償いをしなければならない。
7金銭あるいは物品を、保管のために隣人に預け、それがその人の家から盗まれた場合、もし、その盗人が見つかったなら、盗人はそれを二倍にして償わなければならない。
8 もし、盗人が見つからないなら、その家の主人は49神の前に出て、彼が隣人の財産に絶対に手をかけなかったことを誓わなければならない。
9 すべての50横領事件に際し、牛でも、ろばでも、羊でも、着物でも、どんな紛失物でも、一方が、『それは自分のものだ』と言う場合、その双方の言い分を、神の前に持ち出さなければならない。そして、神が罪に定めた者は、それを二倍にして相手に償わなければならない。
10 ろばでも、牛でも、羊でも、またどんな家畜でも、その番をしてもらうために隣人に預け、それが死ぬとか、傷つくとか、奪い去られるとかして、目撃者がいない場合、
11隣人の財産に絶対に手をかけなかったという主への誓いが、双方の間に、なければならない。その持ち主がこれを受け入れるなら、隣人は償いをする必要はない。
12 しかし、もしそれが確かに自分のところから盗まれたのなら、その持ち主に償いをしなければならない。
13 もしそれが確かに51野獣に裂き殺されたのなら、証拠としてそれを持って行かなければならない。裂き殺されたものの償いをする必要はない。
14 人が隣人から52家畜を借り、それが傷つくか、死ぬかして、その持ち主がいっしょにいなかった場合は、必ず償いをしなければならない。
15 もし、持ち主がいっしょにいたなら、償いをする必要はない。しかし、それが賃借りの物であったなら、借り賃は払わなければならない。
16 まだ婚約していない処女をいざない、彼女と寝た場合は、その人は必ず花嫁料を払って、彼女を自分の妻としなければならない。
17 もし、その父が彼女をその人に与えることを堅く拒むなら、その人は処女のために定められた花嫁料に相当する銀を支払わなければならない。
18呪術を行う女は生かしておいてはならない。
19獣と寝る者はすべて、必ず殺されなければならない。
20 ただ主ひとりのほかに、ほかの神々にいけにえをささげる者は、聖絶しなければならない。
21在留異国人を苦しめてはならない。しいたげてはならない。あなたがたも、かつてはエジプトの国で、在留異国人であったからである。
22 すべてのやもめ、またはみなしごを悩ませてはならない。
23 もしあなたが53彼らをひどく悩ませ、彼らがわたしに向かって切に叫ぶなら、わたしは必ず彼らの叫びを聞き入れる。
24 わたしの怒りは燃え上がり、わたしは剣をもってあなたがたを殺す。あなたがたの妻はやもめとなり、あなたがたの子どもはみなしごとなる。
25 わたしの民のひとりで、あなたのところにいる貧しい者に金を貸すのなら、彼に対して金貸しのようであってはならない。彼から利息を取ってはならない。
26 もし、隣人の着る物を質に取るようなことをするのなら、日没までにそれを返さなければならない。
27 なぜなら、それは彼のただ一つのおおい、彼の身に着ける着物であるから。彼はほかに何を着て寝ることができよう。彼がわたしに向かって叫ぶとき、わたしはそれを聞き入れる。わたしは情け深いから。
28 神をのろってはならない。また、民の上に立つ者をのろってはならない。
29 あなたの豊かな産物と、あふれる酒とのささげ物を、遅らせてはならない。
あなたの息子のうち初子は、わたしにささげなければならない。
30 あなたの牛と羊についても同様にしなければならない。七日間、その母親のそばに置き、八日目にわたしに、ささげなければならない。
31 あなたがたは、わたしの聖なる民でなければならない。野で獣に裂き殺されたものの肉を食べてはならない。それは、犬に投げ与えなければならない。
1偽りのうわさを言いふらしてはならない。悪者と組んで、悪意ある証人となってはならない。
2 悪を行う54権力者の側に立ってはならない。訴訟にあたっては、権力者にかたよって、不当な証言をしてはならない。
3 また、その訴訟において、貧しい人を特に重んじてもいけない。
4 あなたの敵の牛とか、ろばで、迷っているのに出会った場合、必ずそれを彼のところに返さなければならない。
5 あなたを憎んでいる者のろばが、荷物の下敷きになっているのを見た場合、それを起こしてやりたくなくても、必ず彼といっしょに起こしてやらなければならない。
6 あなたの貧しい兄弟が訴えられた場合、裁判を曲げてはならない。
7偽りの告訴から遠ざからなければならない。罪のない者、正しい者を殺してはならない。わたしは悪者を正しいと宣告することはしないからである。
8 わいろを取ってはならない。わいろは聡明な人を盲目にし、正しい人の言い分をゆがめるからである。
9 あなたは在留異国人をしいたげてはならない。あなたがたは、かつてエジプトの国で在留異国人であったので、在留異国人の心をあなたがた自身がよく知っているからである。
10 六年間は、地に種を蒔き、収穫をしなければならない。
11 七年目には、その土地をそのままにしておき、休ませなければならない。民の貧しい人々に、食べさせ、その残りを野の獣に食べさせなければならない。ぶどう畑も、オリーブ畑も、同様にしなければならない。
12 六日間は自分の仕事をし、七日目は休まなければならない。あなたの牛やろばが休み、あなたの女奴隷の子や在留異国人に息をつかせるためである。
13 わたしがあなたがたに言ったすべてのことに心を留めなければならない。ほかの神々の名を口にしてはならない。これがあなたの口から聞こえてはならない。
14 年に三度、わたしのために祭りを行わなければならない。
15 種を入れないパンの祭りを守らなければならない。わたしが命じたとおり、アビブの月の定められた時に、七日間、種を入れないパンを食べなければならない。それは、その月にあなたがエジプトから出たからである。だれも、何も持たずにわたしの前に出てはならない。
16 また、あなたが畑に種を蒔いて得た勤労の初穂の刈り入れの祭りと、年の終わりにはあなたの勤労の実を畑から取り入れる収穫祭を行わなければならない。
17 年に三度、男子はみな、あなたの主、主の前に出なければならない。
18 わたしのいけにえの血を、種を入れたパンに添えてささげてはならない。また、わたしの祭りの脂肪を、朝まで残しておいてはならない。
19 あなたの土地の初穂の最上のものを、あなたの神、主の家に持って来なければならない。
子やぎを、その母親の乳で煮てはならない。
20 見よ。わたしは、使いをあなたの前に遣わし、あなたを道で守らせ、わたしが備えた所にあなたを導いて行かせよう。
21 あなたは、その者に心を留め、御声に聞き従いなさい。決して、その者にそむいてはならない。わたしの名がその者のうちにあるので、その者はあなたがたのそむきの罪を赦さないからである。
22 しかし、もし御声に確かに聞き従い、わたしが告げることをことごとく行うなら、わたしはあなたの敵には敵となり、あなたの仇には仇となろう。
23 わたしの使いがあなたの前を行き、あなたをエモリ人、ヘテ人、ペリジ人、カナン人、ヒビ人、エブス人のところに導き行くとき、わたしは彼らを消し去ろう。
24 あなたは彼らの神々を拝んではならない。仕えてはならない。また、彼らの風習にならってはならない。これらを徹底的に打ちこわし、その石の柱を粉々に打ち砕かなければならない。
25 あなたがたの神、主に仕えなさい。主はあなたのパンと水を祝福してくださる。わたしはあなたの間から病気を除き去ろう。
26 あなたの国のうちには流産する者も、不妊の者もいなくなり、わたしはあなたの日数を満たそう。
27 わたしは、わたしへの恐れをあなたの先に遣わし、あなたがそこに入って行く民のすべてをかき乱し、あなたのすべての敵があなたに背を見せるようにしよう。
28 わたしは、また、55くまばちをあなたの先に遣わそう。これが、ヒビ人、カナン人、ヘテ人を、あなたの前から追い払おう。
29 しかし、わたしは彼らを一年のうちに、あなたの前から追い払うのではない。土地が荒れ果て、野の獣が増して、あなたを害することのないためである。
30 あなたがふえ広がって、この地を相続地とするようになるまで、わたしは徐々に彼らをあなたの前から追い払おう。
31 わたしは、あなたの領土を、56葦の海からペリシテ人の海に至るまで、また、荒野からユーフラテス川に至るまでとする。それはその地に住んでいる者たちをわたしがあなたの手に渡し、あなたが彼らをあなたの前から追い払うからである。
32 あなたは、彼らや、彼らの神々と契約を結んではならない。
33 彼らは、あなたの国に住んではならない。彼らがあなたに、わたしに対する罪を犯させることのないためである。それがあなたにとってわなとなるので、あなたが彼らの神々に仕えるかもしれないからである。」
1 主は、モーセに仰せられた。「あなたとアロン、ナダブとアビフ、それにイスラエルの長老七十人は、主のところに上り、遠く離れて伏し拝め。
2 モーセひとり主のもとに近づけ。他の者は近づいてはならない。民もモーセといっしょに上ってはならない。」
3 そこでモーセは来て、主のことばと、定めをことごとく民に告げた。すると、民はみな声を一つにして答えて言った。「主の仰せられたことは、みな行います。」
4 それで、モーセは主のことばを、ことごとく書きしるした。そうしてモーセは、翌朝早く、山のふもとに祭壇を築き、またイスラエルの十二部族にしたがって十二の石の柱を立てた。
5 それから、彼はイスラエル人の若者たちを遣わしたので、彼らは全焼のいけにえをささげ、また、和解のいけにえとして雄牛を主にささげた。
6 モーセはその血の半分を取って、鉢に入れ、残りの半分を祭壇に注ぎかけた。
7 そして、契約の書を取り、民に読んで聞かせた。すると、彼らは言った。「主の仰せられたことはみな行い、聞き従います。」
8 そこで、モーセはその血を取って、民に注ぎかけ、そして言った。「見よ。これは、これらすべてのことばに関して、主があなたがたと結ばれる契約の血である。」
9 それからモーセとアロン、ナダブとアビフ、それにイスラエルの長老七十人は上って行った。
10 そうして、彼らはイスラエルの神を仰ぎ見た。御足の下にはサファイヤを敷いたようなものがあり、透き通っていて青空のようであった。
11 神はイスラエル人の指導者たちに手を下されなかったので、彼らは神を見、しかも飲み食いをした。
12主はモーセに仰せられた。「山へ行き、わたしのところに上り、そこにおれ。彼らを教えるために、わたしが書きしるしたおしえと命令の石の板をあなたに授けよう。」
13 そこで、モーセとその従者ヨシュアは立ち上がり、モーセは神の山に登った。
14 彼は長老たちに言った。「私たちがあなたがたのところに帰って来るまで、ここにいなさい。ここに、アロンとフルとがあなたがたといっしょにいます。訴え事のある者は、だれでも彼らに告げるようにしなさい。」
15 モーセが山に登ると、雲が山をおおった。
16主の栄光はシナイ山の上にとどまり、雲は六日間、山をおおっていた。七日目に主は雲の中からモーセを呼ばれた。
17主の栄光は、イスラエル人の目には、山の頂で燃え上がる火のように見えた。
18 モーセは雲の中に入って行き、山に登った。そして、モーセは四十日四十夜、山にいた。
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「わたしに奉納物をささげるように、イスラエル人に告げよ。すべて、心から進んでささげる人から、わたしへの奉納物を受け取らなければならない。
3 彼らから受けてよい奉納物は次のものである。金、銀、青銅、
4 青色、紫色、緋色の撚り糸、亜麻布、やぎの毛、
5 赤くなめした雄羊の皮、じゅごんの皮、アカシヤ材、
6燈油、そそぎの油とかおりの高い香のための香料、
7 エポデや胸当てにはめ込むしまめのうや宝石。
8 彼らがわたしのために聖所を造るなら、わたしは彼らの中に住む。
9幕屋の型と幕屋のすべての用具の型とを、わたしがあなたに示すのと全く同じように作らなければならない。
10 アカシヤ材の箱を作らなければならない。長さは二57キュビト半、幅は一キュビト半、高さは一キュビト半。
11 これに純金をかぶせる。それは、その内側と外側とにかぶせなければならない。その回りには金の飾り縁を作る。
12 箱のために、四つの金の環を鋳造し、それをその四隅の基部に取りつける。一方の側に二つの環を、他の側にほかの二つの環を取りつける。
13 アカシヤ材で棒を作り、それを金でかぶせる。
14 その棒は、箱をかつぐために、箱の両側にある環に通す。
15棒は箱の環に差し込んだままにしなければならない。抜いてはならない。
16 わたしが与える58さとしをその箱に納める。
17 また、純金の『贖いのふた』を作る。長さは二キュビト半、幅は一キュビト半。
18槌で打って作った二つの金のケルビムを『贖いのふた』の両端に作る。
19 一つの59ケルブは一方の端に、他のケルブは他方の端に作る。ケルビムを『贖いのふた』の一部としてそれの両端に作らなければならない。
20 ケルビムは翼を上のほうに伸べ広げ、その翼で『贖いのふた』をおおうようにする。互いに向かい合って、ケルビムの顔が『贖いのふた』に向かうようにしなければならない。
21 その『贖いのふた』を箱の上に載せる。箱の中には、わたしが与えるさとしを納めなければならない。
22 わたしはそこであなたと会見し、その『贖いのふた』の上から、すなわちあかしの箱の上の二つのケルビムの間から、イスラエル人について、あなたに命じることをことごとくあなたに語ろう。
23机をアカシヤ材で作らなければならない。長さは二キュビト、幅は一キュビト、高さは一キュビト半。
24 これを純金でかぶせ、その回りに金の飾り縁を作り、
25 その回りに60手幅のわくを作り、そのわくの回りに金の飾り縁を作る。
26 その机のために金の環を四個作り、その四隅の四本の足のところにその環を取りつける。
27環はわくのわきにつけ、机をかつぐ棒を入れる所としなければならない。
28棒をアカシヤ材で作り、これに金をかぶせ、それをもって机をかつぐ。
29 注ぎのささげ物を注ぐための皿やひしゃく、びんや水差しを作る。これらは純金で作らなければならない。
30机の上には供えのパンを置き、絶えずわたしの前にあるようにする。
31 また、純金の燭台を作る。その燭台は槌で打って作らなければならない。それには、台座と支柱と、がくと節と花弁がなければならない。
32 六つの枝をそのわきから、すなわち燭台の三つの枝を一方のわきから、燭台の他の三つの枝を他のわきから出す。
33 一方の枝に、アーモンドの花の形をした節と花弁のある三つのがくを、また、他方の枝にも、アーモンドの花の形をした節と花弁のある三つのがくをつける。燭台から出る六つの枝をみな、そのようにする。
34燭台の61支柱には、アーモンドの花の形をした節と花弁のある四つのがくをつける。
35 それから出る一対の枝の下に一つの節、それから出る次の一対の枝の下に一つの節、それから出るその次の一対の枝の下に一つの節。このように六つの枝が燭台から出ていることになる。
36 それらの節と枝とは燭台と一体にし、その全体は一つの純金を打って作らなければならない。
37 それにともしび皿を七つ作る。ともしび皿を上げて、その前方を照らすようにする。
38 その心切りばさみも心取り皿も純金である。
39純金一62タラントで燭台とこれらのすべての用具を作らなければならない。
40 よく注意して、あなたが山で示される型どおりに作れ。
1幕屋を十枚の幕で造らなければならない。すなわち、撚り糸で織った亜麻布、青色、紫色、緋色の撚り糸で作り、巧みな細工でそれにケルビムを織り出さなければならない。
2幕の長さは、おのおの二十八キュビト、幕の幅は、おのおの四キュビト、幕はみな同じ寸法とする。
3 その五枚の幕を互いにつなぎ合わせ、また他の五枚の幕も互いにつなぎ合わせなければならない。
4 そのつなぎ合わせたものの端にある幕の縁に青いひもの輪をつける。他のつなぎ合わせたものの端にある幕の縁にも、そのようにしなければならない。
5 その一枚の幕に輪五十個をつけ、他のつなぎ合わせた幕の端にも輪五十個をつけ、その輪を互いに向かい合わせにしなければならない。
6 金の留め金五十個を作り、その留め金で幕を互いにつなぎ合わせて一つの幕屋にする。
7 また、幕屋の上に掛ける天幕のために、やぎの毛の幕を作る。その幕を十一枚作らなければならない。
8 その一枚の幕の長さは三十キュビト。その一枚の幕の幅は四キュビト。その十一枚の幕は同じ寸法とする。
9 その五枚の幕を一つにつなぎ合わせ、また、ほかの六枚の幕を一つにつなぎ合わせ、その六枚目の幕を天幕の前で折り重ねる。
10 そのつなぎ合わせたものの端にある幕の縁に輪五十個をつけ、他のつなぎ合わせた幕の縁にも輪五十個をつける。
11青銅の留め金五十個を作り、その留め金を輪にはめ、天幕をつなぎ合わせて一つとする。
12天幕の幕の残って垂れる部分、すなわち、その残りの半幕は幕屋のうしろに垂らさなければならない。
13 そして、天幕の幕の長さで余る部分、すなわち、一方の一63キュビトと他の一キュビトは幕屋をおおうように、その天幕の両側、こちら側とあちら側に、垂らしておかなければならない。
14天幕のために赤くなめした雄羊の皮のおおいと、その上に掛けるじゅごんの皮のおおいを作る。
15幕屋のために、アカシヤ材で、まっすぐに立てる板を作る。
16 板一枚の長さは十キュビト、板一枚の幅は一キュビト半。
17 板一枚ごとに、はめ込みのほぞ二つを作る。幕屋の板全部にこのようにしなければならない。
18幕屋のために板を作る。南側に板二十枚。
19 その二十枚の板の下に銀の台座四十個を作らなければならない。一枚の板の下に、二つのほぞに二個の台座を、他の板の下にも、二つのほぞに二個の台座を作る。
20幕屋の他の側、すなわち北側に、板二十枚。
21 銀の台座四十個。すなわち一枚の板の下に二個の台座。他の板の下にも二個の台座。
22幕屋のうしろ、すなわち、西側に、板六枚を作らなければならない。
23幕屋のうしろの両隅のために板二枚を作らなければならない。
24 底部では重なり合い、上部では、一つの環で一つに合うようになる。二枚とも、そのようにしなければならない。これらが両隅となる。
25 板は八枚、その銀の台座は十六個、すなわち一枚の板の下に二個の台座、他の板の下にも二個の台座となる。
26 アカシヤ材で横木を作る。すなわち、幕屋の一方の側の板のために五本、
27幕屋の他の側の板のために横木五本、幕屋のうしろ、すなわち西側の板のために横木五本を作る。
28 板の中間にある中央横木は、端から端まで通るようにする。
29 板には金をかぶせ、横木を通す環を金で作らなければならない。横木には金をかぶせる。
30 あなたは山で示された定めのとおりに、幕屋を建てなければならない。
31 青色、紫色、緋色の撚り糸、撚り糸で織った亜麻布で垂れ幕を作る。これに巧みな細工でケルビムを織り出さなければならない。
32 これを、四つの銀の台座の上に据えられ、その鉤が金でできている、金をかぶせたアカシヤ材の四本の柱につける。
33 その垂れ幕を留め金の下に掛け、その垂れ幕の内側に、あかしの箱を運び入れる。その垂れ幕は、あなたがたのために聖所と至聖所との仕切りとなる。
34至聖所にあるあかしの箱の上に『贖いのふた』を置く。
35机を垂れ幕の外側に置き、その机は幕屋の南側にある燭台と向かい合わせる。その机を北側に置く。
36天幕の入口のために、青色、紫色、緋色の撚り糸、撚り糸で織った亜麻布で刺繍をした幕を作る。
37 その幕のためにアカシヤ材の柱五本を作り、これに金をかぶせる。それの鉤も金で、また、それらの柱のために青銅の台座五つを鋳造する。
1祭壇をアカシヤ材で作る。その祭壇は長さ五キュビト、幅五キュビトの四角形でなければならない。高さは三キュビトとする。
2 その四隅の上に角を作る。その角は祭壇の一部でなければならない。青銅をその祭壇にかぶせる。
3灰を取るつぼ、十能、鉢、肉刺し、火皿を作る。祭壇の用具はみな、青銅で作らなければならない。
4祭壇のために、青銅の網細工の格子を作り、その網の上の四隅に、青銅の環を四個作る。
5 その網を下方、祭壇の出張りの下に取りつけ、これを祭壇の高さの半ばに達するようにする。
6祭壇のために、棒を、アカシヤ材の棒を作り、それらに青銅をかぶせる。
7 それらの棒は環に通されなければならない。祭壇がかつがれるとき、棒は祭壇の両側にある。
8祭壇は中をからにして板で作らなければならない。山であなたに示されたところにしたがって、彼らはこれを作らなければならない。
9幕屋の庭を造る。南側に面して、庭の掛け幕を、その側のための長さ百キュビトの撚り糸で織った亜麻布を、張る。
10 柱は二十本、その二十個の台座は青銅で、柱の鉤と帯輪は銀とする。
11 同じように、北に面して、その長さで、長さ百キュビトの掛け幕とする。柱は二十本、その二十個の台座は青銅で、柱の鉤と帯輪は銀とする。
12 また、西に面して庭の幅には五十キュビトの掛け幕、その柱十本、その台座十個とする。
13 前面の東に面する庭の幅も五十キュビト。
14片側に寄せて、十五キュビトの掛け幕と、その三本の柱、その三個の台座とする。
15他の片側にも十五キュビトの掛け幕と、その三本の柱、その三個の台座とする。
16 庭の門には、青色、紫色、緋色の撚り糸、それに撚り糸で織った亜麻布を使った長さ二十キュビトの刺繍した幕と、その四本の柱、その四個の台座とする。
17 庭の周囲の柱はみな、銀の帯輪を巻きつけ、その鉤は銀、台座は青銅とする。
18 この庭は、長さ百キュビト、幅は五十キュビトに五十キュビト、高さ五キュビト、幕は撚り糸で織った亜麻布、その台座は青銅とする。
19幕屋の奉仕に用いるすべての用具、すべての釘、庭のすべての釘は青銅とする。
20 あなたはイスラエル人に命じて、燈火用に上質の純粋なオリーブ油を持って来させ、ともしびを絶えずともしておかなければならない。
21 アロンとその子らは、あかしの箱の前の垂れ幕の外側にある会見の天幕で夕方から朝まで、主の前にそのともしびを整えなければならない。これはイスラエル人が代々守るべき永遠のおきてである。
1 あなたは、イスラエル人の中から、あなたの兄弟アロンとその子、すなわち、アロンとその子のナダブとアビフ、エルアザルとイタマルを、あなたのそばに近づけ、祭司としてわたしに仕えさせよ。
2 また、あなたの兄弟アロンのために、栄光と美を表す聖なる装束を作れ。
3 あなたは、わたしが知恵の霊を満たした、心に知恵のある者たちに告げて、彼らにアロンの装束を作らせなければならない。彼を聖別し、わたしのために祭司の務めをさせるためである。
4 彼らが作らなければならない装束は次のとおりである。胸当て、エポデ、青服、市松模様の長服、かぶり物、飾り帯。彼らは、あなたの兄弟アロンとその子らに、わたしのために祭司の務めをさせるため、この聖なる装束を作らなければならない。
5 それで彼らは、金色や、青色、紫色、緋色の撚り糸、それに亜麻布を受け取らなければならない。
6 彼らに金色や、青色、紫色、緋色の撚り糸、それに撚り糸で織った亜麻布を用い、巧みなわざでエポデを作らせる。
7 これにつける二つの肩当てがあって、その両端に、それぞれつけられなければならない。
8 エポデの上に結ぶあや織りの帯は、エポデと同じように、同じ材料、すなわち金色や、青色、紫色、緋色の撚り糸、それに撚り糸で織った亜麻布で作る。
9 二つのしまめのうを取ったなら、その上にイスラエルの子らの名を刻む。
10 その六つの名を一つの石に、残りの六つの名をもう一つの石に、生まれた順に64刻む。
11印を彫る宝石細工師の細工で、イスラエルの子らの名を、その二つの石に彫り、それぞれを金のわくにはめ込まなければならない。
12 その二つの石をイスラエルの子らの記念の石としてエポデの肩当てにつける。アロンは主の前で、彼らの名を両肩に負い、記念とする。
13 あなたは金のわくを作り、
14 また、二つの純金の鎖を作り、これを編んで、撚ったひもとし、この撚った鎖を、先のわくに、取りつけなければならない。
15 あなたはさばきの胸当てを、巧みな細工で作る。それをエポデの細工と同じように作らなければならない。すなわち、金色や、青色、紫色、緋色の撚り糸、それに撚り糸で織った亜麻布で作らなければならない。
16 それは、四角形で、二重にし、長さは65一あたり、幅は一あたりとしなければならない。
17 その中に、宝石をはめ込み、宝石を四列にする。すなわち、第一列は赤めのう、トパーズ、エメラルド。
18 第二列はトルコ玉、サファイヤ、ダイヤモンド。
19 第三列はヒヤシンス石、めのう、紫水晶、
20 第四列は緑柱石、しまめのう、碧玉。これらを金のわくにはめ込まなければならない。
21 この宝石はイスラエルの子らの名によるもので、彼らの名にしたがい十二個でなければならない。十二部族のために、その印の彫り物が一つの名につき一つずつ、なければならない。
22 また編んで撚った純金の鎖を胸当てにつける。
23胸当てに、金の環二個をつけ、その二個の環を胸当ての両端につける。
24 この二筋の金のひもを胸当ての両端の二個の環につける。
25 その二筋のひもの他の端を、先の二つのわくにつけ、エポデの肩当てに外側に向くようにつけなければならない。
26 ほかに二個の金の環を作り、これを胸当ての両端、すなわち、エポデの前に来る胸当ての内側の縁につける。
27 ほかに二個の金の環を作り、これをエポデの二つの肩当ての下端の外側に、すなわち、エポデのあや織りの帯の上部の継ぎ目に接した面の上につける。
28胸当ては、青ひもで、その環のところをエポデの環に結びつけ、エポデのあや織りの帯の上にあるようにする。胸当てがエポデからずり落ちないようにしなければならない。
29 アロンが聖所に入るときには、さばきの胸当てにあるイスラエルの子らの名をその胸の上に載せ、絶えず主の前で記念としなければならない。
30 さばきの胸当てには、ウリムとトンミムを入れ、アロンが主の前に出るときに、それがアロンの胸の上にあるようにする。アロンは絶えず主の前に、イスラエルの子らのさばきを、その胸の上に載せる。
31 エポデの66下に着る青服を、青色の撚り糸だけで作る。
32 その真ん中に頭を通す口を作る。その口の周囲には、織物の縁をつけ、よろいのえりのようにし、ほころびないようにしなければならない。
33 そのすそに、青色、紫色、緋色の撚り糸で、ざくろを作り、そのすその回りにこれをつけ、その回りのざくろの間に金の鈴をつける。
34 すなわち、青服のすその回りに金の鈴、ざくろ、金の鈴、ざくろ、となるようにする。
35 アロンはこれを務めを行うために着る。彼が聖所に入り、主の前に出るとき、またそこを去るとき、その音が聞こえるようにする。彼が死なないためである。
36 また、純金の札を作り、その上に印を彫るように、『主への聖なるもの』と彫り、
37 これを青ひもにつけ、それをかぶり物につける。それはかぶり物の前面に来るようにしなければならない。
38 これがアロンの額の上にあるなら、アロンは、イスラエル人の聖別する聖なる物、すなわち、彼らのすべての聖なるささげ物に関しての咎を負う。これは、それらの物が主の前に受け入れられるために、絶えずアロンの額の上になければならない。
39亜麻布で市松模様の長服を作り、亜麻布でかぶり物を作る。飾り帯は刺繍して作らなければならない。
40 あなたはアロンの子らのために長服を作り、また彼らのために飾り帯を作り、彼らのために、栄光と美を表すターバンを作らなければならない。
41 これらをあなたの兄弟アロン、および彼とともにいるその子らに着せ、彼らに油をそそぎ、彼らを67祭司職に任命し、彼らを聖別して祭司としてわたしに仕えさせよ。
42 彼らのために、裸をおおう亜麻布のももひきを作れ。腰からももにまで届くようにしなければならない。
43 アロンとその子らは、会見の天幕に入るとき、あるいは聖所で務めを行うために祭壇に近づくとき、これを着る。彼らが咎を負って、死ぬことのないためである。これは、彼と彼の後の子孫とのための永遠のおきてである。
1 あなたは、彼らを祭司としてわたしに仕えるように聖別するため、次のことを彼らにしなければならない。すなわち、若い雄牛一頭、傷のない雄羊二頭を取れ。
2 種を入れないパンと、油を混ぜた種を入れない輪型のパンと、油を塗った種を入れないせんべいとを取れ。これらは最良の小麦粉で作らなければならない。
3 これらを一つのかごに入れ、そのかごといっしょに、あの一頭の雄牛と二頭の雄羊とをささげよ。
4 アロンとその子らを会見の天幕の入口に近づかせ、水で彼らを洗わなければならない。
5 あなたは、装束を取り、アロンに長服とエポデの下に着る青服と、エポデと胸当てとを着せ、エポデのあや織りの帯を締めさせる。
6 彼の頭にかぶり物をかぶらせ、そのかぶり物の上に、聖別の記章を掛ける。
7 そそぎの油を取って、彼の頭にそそぎ、彼に油そそぎをする。
8 彼の子らを近づけ、彼らに長服を着せなければならない。
9 アロンとその子らに飾り帯を締めさせ、ターバンを巻きつけさせる。永遠のおきてによって、祭司の職は彼らのものとなる。あなたは、アロンとその子らを祭司職に任命せよ。
10 あなたが、雄牛を会見の天幕の前に近づけたなら、アロンとその子らがその雄牛の頭に手を置く。
11 あなたは、会見の天幕の入口で、主の前に、その雄牛をほふり、
12 その雄牛の血を取り、あなたの指でこれを祭壇の角につける。その血はみな祭壇の土台に注がなければならない。
13 その内臓をおおうすべての脂肪、肝臓の小葉、二つの腎臓と、その上の脂肪を取り、これらを祭壇の上で焼いて煙にする。
14 ただし、その雄牛の肉と皮と汚物とは、宿営の外で火で焼かなければならない。これは罪のためのいけにえである。
15 あなたは雄羊一頭を取り、アロンとその子らはその雄羊の頭に手を置かなければならない。
16 あなたはその雄羊をほふり、その血を取り、これを祭壇の回りに注ぎかける。
17 また、その雄羊を部分に切り分け、その内臓とその足を洗い、これらをほかの部分や頭といっしょにしなければならない。
18 その雄羊を全部祭壇の上で焼いて煙にする。これは、主への全焼のいけにえで、なだめのかおりであり、主への火によるささげ物である。
19 あなたはもう一頭の雄羊を取り、アロンとその子らはその雄羊の頭に手を置く。
20 あなたはその雄羊をほふり、その血を取って、アロンの右の耳たぶと、その子らの右の耳たぶ、また、彼らの右手の親指と、右足の親指につけ、その血を祭壇の回りに注ぎかける。
21 あなたが、祭壇の上にある血とそそぎの油を取って、アロンとその装束、および、彼とともにいる彼の子らとその装束とに振りかけると、彼とその装束、および、彼とともにいる彼の子らとその装束とは聖なるものとなる。
22 あなたはその雄羊の脂肪、あぶら尾、内臓をおおう脂肪、肝臓の小葉、二つの腎臓、その上の脂肪、および、右のももを取る。これは、任職の雄羊である。
23主の前にある種を入れないパンのかごの丸型のパン一個と、油を入れた輪型のパン一個と、せんべい一個、
24 これらをみなアロンの手のひらと、その子らの手のひらに載せ、これらを奉献物として主に向かって揺り動かす。
25 これらを、彼らの手から取り、全焼のいけにえといっしょに祭壇の上で焼いて煙とし、主の前になだめのかおりとする。これは、主への火によるささげ物である。
26 あなたはアロンの任職用の雄羊の胸を取り、これを奉献物として主に向かって揺り動かす。これは、あなたの受け取る分となる。
27 あなたがアロンとその子らの任職用の雄羊の、奉献物として揺り動かされた胸と、奉納物として、ささげられたももとを聖別するなら、
28 それは、アロンとその子らがイスラエル人から受け取る永遠の分け前となる。それは奉納物であり、それはイスラエル人からの和解のいけにえの奉納物、すなわち、主への奉納物であるから。
29 アロンの聖なる装束は、彼の跡を継ぐ子らのものとなり、彼らはこれを着けて、油そそがれ、祭司職に任命されなければならない。
30 彼の子らのうち、彼に代わって祭司となる者は、聖所で務めを行うために会見の天幕に入るとき、七日間、これを着なければならない。
31 あなたは任職用の雄羊を取り、聖なる場所で、その肉を煮なければならない。
32 アロンとその子らは、会見の天幕の入口で、その雄羊の肉と、かごの中のパンとを食べる。
33 彼らは、彼らを祭司職に任命し、聖別するための贖いに用いられたものを、食べる。ほかの者は食べてはならない。これらは聖なる物である。
34 もし、任職用の肉またはパンが、朝まで残ったなら、その残りは火で焼く。食べてはならない。これは聖なる物である。
35 あなたが、わたしの命じたすべてのことをそのとおりに、アロンとその子らに行ったなら、七日間、任職式を行わなければならない。
36 毎日、贖罪のために、罪のためのいけにえとして雄牛一頭をささげなければならない。祭壇のための贖いをするときには、その上に罪のためのいけにえをささげ、これを聖別するために油をそそぐ。
37 七日間にわたって祭壇のための贖いをしなければならない。あなたがそれを聖別すれば、祭壇は最も聖なるものとなる。祭壇に触れるものもすべて聖なるものとなる。
38祭壇の上にささげるべき物は次のとおりである。毎日絶やすことなく一歳の若い雄羊二頭。
39 一頭の若い雄羊は朝ささげ、他の一頭の若い雄羊は夕暮れにささげなければならない。
40 一頭の若い雄羊には、上質のオリーブ油四分の一68ヒンを混ぜた最良の小麦粉69十分の一エパと、また注ぎのささげ物として、ぶどう酒四分の一ヒンが添えられる。
41 もう一頭の若い雄羊は夕暮れにささげなければならない。これには朝の穀物のささげ物や、注ぎのささげ物を同じく添えてささげなければならない。それは、なだめのかおりのためであり、主への火によるささげ物である。
42 これは、主の前、会見の天幕の入口で、あなたがたが代々にわたって、絶やすことのない全焼のいけにえである。その所でわたしはあなたがたに会い、その所であなたと語る。
43 その所でわたしはイスラエル人に会う。そこはわたしの栄光によって聖とされる。
44 わたしは会見の天幕と祭壇を聖別する。またアロンとその子らを聖別して、彼らを祭司としてわたしに仕えさせよう。
45 わたしはイスラエル人の間に住み、彼らの神となろう。
46 彼らは、わたしが彼らの神、主であり、彼らの間に住むために、彼らをエジプトの地から連れ出した者であることを知るようになる。わたしは彼らの神、主である。
1 あなたは、香をたくために壇を作る。それは、アカシヤ材で作らなければならない。
2 長さ一70キュビト、幅一キュビトの四角形で、その高さは二キュビトでなければならない。その一部として角をつける。
3 それに、上面と回りの側面と角を純金でかぶせる。その回りに、金の飾り縁を作る。
4 また、その壇のために、その飾り縁の下に、二つの金環を作らなければならない。相対する両側に作らなければならない。これらは、壇をかつぐ棒を通す所となる。
5 その棒はアカシヤ材で作り、それに金をかぶせる。
6 それをあかしの箱をおおう垂れ幕の手前、わたしがあなたとそこで会うあかしの箱の上の『贖いのふた』の手前に置く。
7 アロンはその上でかおりの高い香をたく。朝ごとにともしびを整えるときに、煙を立ち上らせなければならない。
8 アロンは夕暮れにも、ともしびをともすときに、煙を立ち上らせなければならない。これは、あなたがたの代々にわたる、主の前の常供の香のささげ物である。
9 あなたがたは、その上で異なった香や全焼のいけにえや穀物のささげ物をささげてはならない。また、その上に、注ぎのぶどう酒を注いではならない。
10 アロンは年に一度、贖罪のための、罪のためのいけにえの血によって、その角の上で贖いをする。すなわち、あなたがたは代々、年に一度このために、贖いをしなければならない。これは、主に対して最も聖なるものである。」
11主はモーセに告げて仰せられた。
12 「あなたがイスラエル人の登録のため、人口調査をするとき、その登録にあたり、各人は自分自身の贖い金を主に納めなければならない。これは、彼らの登録によって、彼らにわざわいが起こらないためである。
13 登録される者はみな、聖所の71シェケルで半シェケルを払わなければならない。一シェケルは二十72ゲラであって、おのおの半シェケルを主への奉納物とする。
14 二十歳、またそれ以上の者で登録される者はみな、主にこの奉納物を納めなければならない。
15 あなたがた自身を贖うために、主に奉納物を納めるとき、富んだ者も半シェケルより多く払ってはならず、貧しい者もそれより少なく払ってはならない。
16 イスラエル人から、贖いの銀を受け取ったなら、それは会見の天幕の用に当てる。これは、あなたがた自身の贖いのために、主の前で、イスラエル人のための記念となる。」
17主はまたモーセに告げて仰せられた。
18 「洗いのための青銅の洗盤と青銅の台を作ったなら、それを会見の天幕と祭壇の間に置き、その中に水を入れよ。
19 アロンとその子らは、そこで手と足を洗う。
20 彼らが会見の天幕に入るときには、水を浴びなければならない。彼らが死なないためである。また、彼らが、主への火によるささげ物を焼いて煙にする務めのために祭壇に近づくときにも、
21 その手、その足を洗う。彼らが死なないためである。これは、彼とその子孫の代々にわたる永遠のおきてである。」
22 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
23 「あなたは、最上の香料を取れ。液体の没薬五百シェケル、かおりの強い肉桂をその半分──二百五十シェケル──、におい菖蒲二百五十シェケル、
24桂枝を聖所のシェケルで五百シェケル、オリーブ油一ヒン。
25 あなたはこれらをもって聖なるそそぎの油を、調合法にしたがって、混ぜ合わせの香油を作る。これが聖なるそそぎの油となる。
26 この油を次のものにそそぐ。会見の天幕、あかしの箱、
27机とそのいろいろな器具、燭台とそのいろいろな器具、香の壇、
28全焼のいけにえのための祭壇とそのいろいろな器具、洗盤とその台。
29 あなたがこれらを聖別するなら、それは、最も聖なるものとなる。これらに触れるものもすべて聖なるものとなる。
30 あなたは、アロンとその子らに油をそそぎ、彼らを聖別して祭司としてわたしに仕えさせなければならない。
31 あなたはイスラエル人に告げて言わなければならない。
これはあなたがたの代々にわたって、わたしのための聖なるそそぎの油となる。
32 これをだれのからだにもそそいではならない。また、この割合で、これと似たものを作ってはならない。これは聖なるものであり、あなたがたにとっても聖なるものとしなければならない。
33 すべて、これと似たものを調合する者、または、これをほかの人につける者は、だれでもその民から断ち切られなければならない。」
34主はモーセに仰せられた。「あなたは香料、すなわち、ナタフ香、シェヘレテ香、ヘルベナ香、これらの香料と純粋な乳香を取れ。これはおのおの同じ量でなければならない。
35 これをもって香を、調合法にしたがって、香ばしい聖なる純粋な香油を作る。
36 また、そのいくぶんかを細かに砕き、その一部をわたしがあなたとそこで会う会見の天幕の中のあかしの箱の前に供える。これは、あなたがたにとって最も聖なるものでなければならない。
37 あなたが作る香は、それと同じ割合で自分自身のために作ってはならない。あなたは、それを主に対して聖なるものとしなければならない。
38 これと似たものを作って、これをかぐ者はだれでも、その民から断ち切られる。」
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「見よ。わたしは、ユダ部族のフルの子であるウリの子ベツァルエルを名ざして召し、
3 彼に知恵と英知と知識とあらゆる仕事において、神の霊を満たした。
4 それは、彼が、金や銀や青銅の細工を巧みに設計し、
5 はめ込みの宝石を彫り、木を彫刻し、あらゆる仕事をするためである。
6 見よ。わたしは、ダン部族のアヒサマクの子オホリアブを、彼のもとに任命した。わたしはすべて73心に知恵のある者に知恵を授けた。彼らはわたしがあなたに命じたものを、ことごとく作る。
7 すなわち、会見の天幕、あかしの箱、その上の『贖いのふた』、天幕のあらゆる設備品、
8机とその付属品、純金の燭台と、そのいろいろな器具、香の壇、
9全焼のいけにえの祭壇と、そのあらゆる道具、洗盤とその台、
1074式服、すなわち、祭司として仕える祭司アロンの聖なる装束と、その子らの装束、
11 そそぎの油、聖所のためのかおりの高い香である。彼らは、すべて、わたしがあなたに命じたとおりに作らなければならない。」
12主はモーセに告げて仰せられた。
13 「あなたはイスラエル人に告げて言え。
あなたがたは、必ずわたしの安息を守らなければならない。これは、代々にわたり、わたしとあなたがたとの間のしるし、わたしがあなたがたを聖別する主であることを、あなたがたが知るためのものなのである。
14 これは、あなたがたにとって聖なるものであるから、あなたがたはこの安息を守らなければならない。これを汚す者は必ず殺されなければならない。この安息中に仕事をする者は、だれでも、その民から断ち切られる。
15 六日間は仕事をしてもよい。しかし、七日目は、主の聖なる全き休みの安息日である。安息の日に仕事をする者は、だれでも必ず殺されなければならない。
16 イスラエル人はこの安息を守り、永遠の契約として、代々にわたり、この安息を守らなければならない。
17 これは、永遠に、わたしとイスラエル人との間のしるしである。それは主が六日間に天と地とを造り、七日目に休み、いこわれたからである。」
18 こうして主は、シナイ山でモーセと語り終えられたとき、あかしの板二枚、すなわち、神の指で書かれた石の板をモーセに授けられた。
1民はモーセが山から降りて来るのに手間取っているのを見て、アロンのもとに集まり、彼に言った。「さあ、私たちに先立って行く神を、造ってください。私たちをエジプトの地から連れ上ったあのモーセという者が、どうなったのか、私たちにはわからないから。」
2 それで、アロンは彼らに言った。「あなたがたの妻や、息子、娘たちの耳にある金の耳輪をはずして、私のところに持って来なさい。」
3 そこで、民はみな、その耳にある金の耳輪をはずして、アロンのところに持って来た。
4 彼がそれを、彼らの手から受け取り、のみで型を造り、鋳物の子牛にした。彼らは、「イスラエルよ。これがあなたをエジプトの地から連れ上ったあなたの神だ」と言った。
5 アロンはこれを見て、その前に祭壇を築いた。そして、アロンは呼ばわって言った。「あすは主への祭りである。」
6 そこで、翌日、朝早く彼らは全焼のいけにえをささげ、和解のいけにえを供えた。そして、民はすわっては、飲み食いし、立っては、戯れた。
7主はモーセに仰せられた。「さあ、すぐ降りて行け。あなたがエジプトの地から連れ上ったあなたの民は、堕落してしまったから。
8 彼らは早くも、わたしが彼らに命じた道からはずれ、自分たちのために鋳物の子牛を造り、それを伏し拝み、それにいけにえをささげ、『イスラエルよ。これがあなたをエジプトの地から連れ上ったあなたの神だ』と言っている。」
9主はまた、モーセに仰せられた。「わたしはこの民を見た。これは、実にうなじのこわい民だ。
10 今はただ、わたしのするままにせよ。わたしの怒りが彼らに向かって燃え上がって、わたしが彼らを絶ち滅ぼすためだ。しかし、わたしはあなたを大いなる国民としよう。」
11 しかしモーセは、彼の神、主に嘆願して言った。「主よ。あなたが偉大な力と力強い御手をもって、エジプトの地から連れ出されたご自分の民に向かって、どうして、あなたは御怒りを燃やされるのですか。
12 また、どうしてエジプト人が『神は彼らを山地で殺し、地の面から絶ち滅ぼすために、悪意をもって彼らを連れ出したのだ』と言うようにされるのですか。どうか、あなたの燃える怒りをおさめ、あなたの民へのわざわいを思い直してください。
13 あなたのしもべアブラハム、イサク、イスラエルを覚えてください。あなたはご自身にかけて彼らに誓い、そうして、彼らに、『わたしはあなたがたの子孫を空の星のようにふやし、わたしが約束したこの地をすべて、あなたがたの子孫に与え、彼らは永久にこれを相続地とするようになる』と仰せられたのです。」
14 すると、主はその民に下すと仰せられたわざわいを思い直された。
15 モーセは向き直り、二枚のあかしの板を手にして山から降りた。板は両面から書いてあった。すなわち、表と裏に書いてあった。
16 板はそれ自体神の作であった。その字は神の字であって、その板に刻まれていた。
17 ヨシュアは民の叫ぶ大声を聞いて、モーセに言った。「宿営の中にいくさの声がします。」
18 するとモーセは言った。
「それは勝利を叫ぶ声ではなく、
敗北を嘆く声でもない。
私の聞くのは、歌を歌う声である。」
19宿営に近づいて、子牛と踊りを見るなり、モーセの怒りは燃え上がった。そして手からあの板を投げ捨て、それを山のふもとで砕いてしまった。
20 それから、彼らが造った子牛を取り、これを火で焼き、さらにそれを粉々に砕き、それを水の上にまき散らし、イスラエル人に飲ませた。
21 モーセはアロンに言った。「この民はあなたに何をしたのですか。あなたが彼らにこんな大きな罪を犯させたのは。」
22 アロンは言った。「わが主よ。どうか怒りを燃やさないでください。あなた自身、民の悪いのを知っているでしょう。
23 彼らは私に言いました。『私たちに先立って行く神を、造ってくれ。私たちをエジプトの地から連れ上ったあのモーセという者が、どうなったのか、私たちにはわからないから。』
24 それで、私は彼らに、『だれでも、金を持っている者は私のために、それを取りはずせ』と言いました。彼らはそれを私に渡したので、私がこれを火に投げ入れたところ、この子牛が出て来たのです。」
25 モーセは、民が乱れており、アロンが彼らをほうっておいたので、敵の物笑いとなっているのを見た。
26 そこでモーセは宿営の入口に立って「だれでも、主につく者は、私のところに」と言った。するとレビ族がみな、彼のところに集まった。
27 そこで、モーセは彼らに言った。「イスラエルの神、主はこう仰せられる。おのおの腰に剣を帯び、宿営の中を入口から入口へ行き巡って、おのおのその兄弟、その友、その隣人を殺せ。」
28 レビ族は、モーセのことばどおりに行った。その日、民のうち、おおよそ三千人が倒れた。
29 そこで、モーセは言った。「あなたがたは、おのおのその子、その兄弟に逆らっても、きょう、主に身をささげよ。主が、きょう、あなたがたに祝福をお与えになるために。」
30翌日になって、モーセは民に言った。「あなたがたは大きな罪を犯した。それで今、私は主のところに上って行く。たぶんあなたがたの罪のために贖うことができるでしょう。」
31 そこでモーセは主のところに戻って、申し上げた。「ああ、この民は大きな罪を犯してしまいました。自分たちのために金の神を造ったのです。
32 今、もし、彼らの罪をお赦しくだされるものなら──。しかし、もしも、かないませんなら、どうか、あなたがお書きになったあなたの書物から、私の名を消し去ってください。」
33 すると主はモーセに仰せられた。「わたしに罪を犯した者はだれであれ、わたしの書物から消し去ろう。
34 しかし、今は行って、わたしがあなたに告げた場所に、民を導け。見よ。わたしの使いが、あなたの前を行く。わたしのさばきの日にわたしが彼らの罪をさばく。」
35 こうして、主は民を打たれた。アロンが造った子牛を彼らが75礼拝したからである。
1主はモーセに仰せられた。「あなたも、あなたがエジプトの地から連れ上った民も、わたしがアブラハム、イサク、ヤコブに誓って、『これをあなたの子孫に与える』と言った地にここから上って行け。
2 わたしは76あなたがたの前にひとりの使いを遣わし、わたしが、カナン人、エモリ人、ヘテ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人を追い払い、
3乳と蜜の流れる地に77あなたがたを行かせよう。わたしは、78あなたがたのうちにあっては上らないからである。79あなたがたはうなじのこわい民であるから、わたしが途中で80あなたがたを絶ち滅ぼすようなことがあるといけないから。」
4民はこの悪い知らせを聞いて悲しみ痛み、だれひとり、その飾り物を身に着ける者はいなかった。
5主はモーセに、仰せられた。「イスラエル人に言え。
あなたがたは、うなじのこわい民だ。一時でも81あなたがたのうちにあって、上って行こうものなら、わたしは82あなたがたを絶ち滅ぼしてしまうだろう。今、83あなたがたの飾り物を身から取りはずしなさい。そうすれば、わたしはあなたがたをどうするかを考えよう。」
6 それで、イスラエル人はホレブの山以来、その飾り物を取りはずしていた。
7 モーセはいつも天幕を取り、自分のためにこれを宿営の外の、宿営から離れた所に張り、そしてこれを会見の天幕と呼んでいた。だれでも主に伺いを立てる者は、宿営の外にある会見の天幕に行くのであった。
8 モーセがこの天幕に出て行くときは、民はみな立ち上がり、おのおの自分の天幕の入口に立って、モーセが天幕に入るまで、彼を見守った。
9 モーセが天幕に入ると、雲の柱が降りて来て、天幕の入口に立った。主はモーセと語られた。
10民は、みな、天幕の入口に雲の柱が立つのを見た。民はみな立って、おのおの自分の天幕の入口で伏し拝んだ。
11主は、人が自分の友と語るように、顔と顔とを合わせてモーセに語られた。モーセが宿営に帰ると、彼の従者でヌンの子ヨシュアという若者が幕屋を離れないでいた。
12 さて、モーセは主に申し上げた。「ご覧ください。あなたは私に、『この民を連れて上れ』と仰せになります。しかし、だれを私といっしょに遣わすかを知らせてくださいません。しかも、あなたご自身で、『わたしは、あなたを名ざして選び出した。あなたは特にわたしの心にかなっている』と仰せになりました。
13 今、もしも、私があなたのお心にかなっているのでしたら、どうか、あなたの道を教えてください。そうすれば、私はあなたを知ることができ、あなたのお心にかなうようになれるでしょう。この国民があなたの民であることをお心に留めてください。」
14 すると主は仰せられた。「わたし自身がいっしょに行って、あなたを休ませよう。」
15 それでモーセは申し上げた。「もし、あなたご自身がいっしょにおいでにならないなら、私たちをここから上らせないでください。
16 私とあなたの民とが、あなたのお心にかなっていることは、いったい何によって知られるのでしょう。それは、あなたが私たちといっしょにおいでになって、私とあなたの民が、地上のすべての民と区別されることによるのではないでしょうか。」
17主はモーセに仰せられた。「あなたの言ったそのことも、わたしはしよう。あなたはわたしの心にかない、あなたを名ざして選び出したのだから。」
18 すると、モーセは言った。「どうか、あなたの栄光を私に見せてください。」
19 主は仰せられた。「わたし自身、わたしのあらゆる善をあなたの前に通らせ、主の名で、あなたの前に宣言しよう。わたしは、恵もうと思う者を恵み、あわれもうと思う者をあわれむ。」
20 また仰せられた。「あなたはわたしの顔を見ることはできない。人はわたしを見て、なお生きていることはできないからである。」
21 また主は仰せられた。「見よ。わたしのかたわらに一つの場所がある。あなたは岩の上に立て。
22 わたしの栄光が通り過ぎるときには、わたしはあなたを岩の裂け目に入れ、わたしが通り過ぎるまで、この手であなたをおおっておこう。
23 わたしが手をのけたら、あなたはわたしのうしろを見るであろうが、わたしの顔は決して見られない。」
1主はモーセに仰せられた。「前のと同じような二枚の石の板を、切り取れ。わたしは、あなたが砕いたこの前の石の板にあったあのことばを、その石の板の上に書きしるそう。
2 朝までに準備をし、朝シナイ山に登って、その山の頂でわたしの前に立て。
3 だれも、あなたといっしょに登ってはならない。また、だれも、山のどこにも姿を見せてはならない。また、羊や牛であっても、その山のふもとで草を食べていてはならない。」
4 そこで、モーセは前のと同じような二枚の石の板を切り取り、翌朝早く、主が命じられたとおりに、二枚の石の板を手に持って、シナイ山に登った。
5主は雲の中にあって降りて来られ、彼とともにそこに立って、主の名によって宣言された。
6主は彼の前を通り過ぎるとき、宣言された。「主、主は、あわれみ深く、情け深い神、怒るのにおそく、恵みとまことに富み、
7恵みを千代も保ち、咎とそむきと罪を赦す者、罰すべき者は必ず罰して報いる者。父の咎は子に、子の子に、三代に、四代に。」
8 モーセは急いで地にひざまずき、伏し拝んで、
9 お願いした。「ああ、主よ。もし私があなたのお心にかなっているのでしたら、どうか主が私たちの中にいて、進んでくださいますように。確かに、この民は、うなじのこわい民ですが、どうか私たちの咎と罪を赦し、私たちをご自身のものとしてくださいますように。」
10 主は仰せられた。「今ここで、わたしは契約を結ぼう。わたしは、あなたの民すべての前で、地のどこにおいても、また、どの国々のうちにおいても、かつてなされたことのない奇しいことを行おう。あなたとともにいるこの民はみな、主のわざを見るであろう。わたしがあなたとともに行うことは恐るべきものである。
11 わたしがきょう、あなたに命じることを、守れ。見よ。わたしはエモリ人、カナン人、ヘテ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人を、あなたの前から追い払う。
12 あなたは、注意して、あなたが入って行くその地の住民と契約を結ばないようにせよ。それがあなたの間で、わなとならないように。
13 いや、あなたがたは彼らの祭壇を取りこわし、彼らの石柱を打ち砕き、アシェラ像を切り倒さなければならない。
14 あなたはほかの神を拝んではならないからである。その名がねたみである主は、ねたむ神であるから。
15 あなたはその地の住民と契約を結んではならない。彼らは神々を慕って、みだらなことをし、自分たちの神々にいけにえをささげ、あなたを招くと、あなたはそのいけにえを食べるようになる。
16 あなたがその娘たちをあなたの息子たちにめとるなら、その娘たちが自分たちの神々を慕ってみだらなことをし、あなたの息子たちに、彼らの神々を慕わせてみだらなことをさせるようになる。
17 あなたは、自分のために鋳物の神々を造ってはならない。
18 あなたは、種を入れないパンの祭りを守らなければならない。わたしが命じたように、アビブの月の定められた時に、七日間、種を入れないパンを食べなければならない。あなたがアビブの月にエジプトを出たからである。
19 最初に生まれるものは、すべて、わたしのものである。あなたの家畜はみな、初子の84雄は、牛も羊もそうである。
20 ただし、ろばの初子は羊で贖わなければならない。もし、贖わないなら、その首を折らなければならない。あなたの息子のうち、初子はみな、贖わなければならない。だれも、何も持たずに、わたしの前に出てはならない。
21 あなたは六日間は働き、七日目には休まなければならない。耕作の時も、刈り入れの時にも、休まなければならない。
22 小麦の刈り入れの初穂のために85七週の祭りを、年の変わり目に収穫祭を、行わなければならない。
23 年に三度、男子はみな、イスラエルの神、主、主の前に出なければならない。
24 わたしがあなたの前から、異邦の民を追い出し、あなたの国境を広げるので、あなたが年に三度、あなたの神、主の前に出るために上る間にあなたの地を欲しがる者はだれもいないであろう。
25 わたしのいけにえの血を、種を入れたパンに添えて、ささげてはならない。また、過越の祭りのいけにえを朝まで残しておいてはならない。
26 あなたの土地から取れる初穂の最上のものを、あなたの神、主の家に持って来なければならない。
子やぎをその母の乳で煮てはならない。」
27主はモーセに仰せられた。「これらのことばを書きしるせ。わたしはこれらのことばによって、あなたと、またイスラエルと契約を結んだのである。」
28 モーセはそこに、四十日四十夜、主とともにいた。彼はパンも食べず、水も飲まなかった。そして、彼は石の板に契約のことば、十のことばを書きしるした。
29 それから、モーセはシナイ山から降りて来た。モーセが山を降りて来たとき、その手に二枚のあかしの石の板を持っていた。彼は、主と話したので自分の顔のはだが光を放ったのを知らなかった。
30 アロンとすべてのイスラエル人はモーセを見た。なんと彼の顔のはだが光を放つではないか。それで彼らは恐れて、彼に近づけなかった。
31 モーセが彼らを呼び寄せたとき、アロンと会衆の上に立つ者がみな彼のところに戻って来た。それでモーセは彼らに話しかけた。
32 それから後、イスラエル人全部が近寄って来たので、彼は主がシナイ山で彼に告げられたことを、ことごとく彼らに命じた。
33 モーセは彼らと語り終えたとき、顔におおいを掛けた。
34 モーセが主の前に入って行って主と話すときには、いつも、外に出るときまで、おおいをはずしていた。そして出て来ると、命じられたことをイスラエル人に告げた。
35 イスラエル人はモーセの顔を見た。まことに、モーセの顔のはだは光を放った。モーセは、主と話すために入って行くまで、自分の顔におおいを掛けていた。
1 モーセはイスラエル人の全会衆を集めて彼らに言った。「これは、主が行えと命じられたことばである。
2 六日間は仕事をしてもよい。しかし、七日目には、主の聖なる全き休みの安息を守らなければならない。この日に仕事をする者は、だれでも殺されなければならない。
3安息の日には、あなたがたのどの住まいのどこででも、火をたいてはならない。」
4 モーセはイスラエル人の全会衆に告げて言った。「これは、主が命じて仰せられたことである。
5 あなたがたの中から主への奉納物を受け取りなさい。すべて、心から進んでささげる者に、主への奉納物を持って来させなさい。すなわち、金、銀、青銅、
6 青色、紫色、緋色の撚り糸、亜麻布、やぎの毛、
7 赤くなめした雄羊の皮、じゅごんの皮、アカシヤ材、
8燈油、そそぎの油とかおりの高い香のための香料、
9 エポデや胸当てにはめ込むしまめのうや宝石である。
10 あなたがたのうちの心に知恵のある者は、みな来て、主が命じられたものをすべて造らなければならない。
11幕屋、その天幕と、そのおおい、その留め金とその板、その横木、その柱と、その台座、
12 箱と、その棒、『贖いのふた』とおおいの垂れ幕、
13机と、その棒とそのすべての用具と供えのパン、
14燈火のための燭台と、その用器とともしび皿と、燈火用の油、
15香の壇と、その棒とそそぎの油とかおりの高い香と幕屋の入口につける入口の垂れ幕、
16全焼のいけにえの祭壇とそれに付属する青銅の格子、その棒とそのすべての用具、洗盤と、その台、
17 庭の掛け幕、その柱とその台座と庭の門の垂れ幕、
18幕屋の釘と庭の釘と、そのひも、
19聖所で仕えるための86式服、すなわち、祭司アロンの聖なる装束と、祭司として仕える彼の子らの装束である。」
20 イスラエル人の全会衆は、モーセの前から立ち去った。
21 感動した者と、心から進んでする者とはみな、会見の天幕の仕事のため、また、そのすべての作業のため、また、聖なる装束のために、主への奉納物を持って来た。
22 すべて心から進んでささげる男女は、飾り輪、耳輪、指輪、首飾り、すべての金の飾り物を持って来た。金の奉献物を主にささげた者はみな、そうした。
23 また、青色、紫色、緋色の撚り糸、亜麻布、やぎの毛、赤くなめした雄羊の皮、じゅごんの皮を持っている者はみな、それを持って来た。
24 銀や青銅の奉納物をささげる者はみな、それを主への奉納物として持って来た。アカシヤ材を持っている者はみな、奉仕のすべての仕事のため、それを持って来た。
25 また、心に知恵のある女もみな、自分の手で紡ぎ、その紡いだ青色、紫色、緋色の撚り糸、それに亜麻布を持って来た。
26 感動して、知恵を用いたいと思った女たちはみな、やぎの毛を紡いだ。
27 上に立つ者たちはエポデと胸当てにはめるしまめのうや宝石を持って来た。
28 また、燈火、そそぎの油、かおりの高い香のためのバルサム油とオリーブ油とを持って来た。
29 イスラエル人は、男も女もみな、主がモーセを通して、こうせよと命じられたすべての仕事のために、心から進んでささげたのであって、彼らはそれを進んでささげるささげ物として主に持って来た。
30 モーセはイスラエル人に言った。「見よ。主はユダ部族のフルの子であるウリの子ベツァルエルを名ざして召し出し、
31 彼に、知恵と英知と知識とあらゆる仕事において、神の霊を満たされた。
32 それは彼が金や銀や青銅の細工を巧みに設計し、
33 はめ込みの宝石を彫刻し、木を彫刻し、あらゆる設計的な仕事をさせるためである。
34 また、彼の心に人を教える力を授けられた。彼とダン部族のアヒサマクの子オホリアブとに、そうされた。
35 主は彼らをすぐれた知恵で満たされた。それは彼らが、あらゆる仕事と巧みな設計をなす者として、彫刻する者、設計する者、および、青色、紫色、緋色の撚り糸や亜麻布で刺繍する者、また機織りする者の仕事を成し遂げるためである。
1 ベツァルエルとオホリアブ、および、聖所の奉仕のすべての仕事をすることのできる知恵と英知を主に与えられた、心に知恵のある者はみな、主が命じられたすべてのことを成し遂げなければならない。」
2 モーセは、ベツァルエルとオホリアブ、および、主が知恵を授けられた、心に知恵のある者すべて、すなわち感動して、進み出てその仕事をしたいと思う者すべてを、呼び寄せた。
3 彼らは、聖所の奉仕の仕事をするためにイスラエル人が持って来たすべての奉納物をモーセから受け取った。しかしイスラエル人は、なおも朝ごとに、進んでささげるささげ物を彼のところに持って来た。
4 そこで、聖所のすべての仕事をしていた、知恵のある者はみな、それぞれ自分たちがしていた仕事から離れてやって来て、
5 モーセに告げて言った。「民は幾たびも、持って来ています。主がせよと命じられた仕事のために、あり余る奉仕です。」
6 それでモーセは命じて、宿営中にふれさせて言った。「男も女も、もはや聖所の奉納物のための仕事をしないように。」こうして、民は持って来ることをやめた。
7 手持ちの材料は、すべての仕事をするのに十分であり、あり余るほどであった。
8 仕事に携わっている者のうち、心に知恵のある者はみな、幕屋を十枚の幕で造った。撚り糸で織った亜麻布、青色、紫色、緋色の撚り糸で作り、巧みな細工でケルビムを織り出した。
9幕の長さは、おのおの二十八87キュビト、幕の幅は、おのおの四キュビト、幕はみな同じ寸法とした。
10 五枚の幕を互いにつなぎ合わせ、また、他の五枚の幕も互いにつなぎ合わせた。
11 そのつなぎ合わせたものの端にある幕の縁に青いひもの輪をつけた。他のつなぎ合わせたものの端にある幕の縁にも、そのようにした。
12 その一枚の幕に輪五十個をつけ、他のつなぎ合わせた幕の端にも輪五十個をつけ、その輪を互いに向かい合わせにした。
13 そして、金の留め金五十個を作り、その留め金で、幕を互いにつなぎ合わせて、一つの幕屋にした。
14 また、幕屋の上に掛ける天幕のために、やぎの毛の幕を作った。その幕を十一枚作った。
15 その一枚の幕の長さは三十キュビト。その一枚の幕の幅は四キュビト。その十一枚の幕は同じ寸法とした。
16 その五枚の幕を一つにつなぎ合わせ、また、ほかの六枚の幕を一つにつなぎ合わせ、
17 そのつなぎ合わせたものの端にある幕の縁に、輪五十個をつけ、他のつなぎ合わせた幕の縁にも輪五十個をつけた。
18 また、青銅の留め金五十個を作り、その天幕をつなぎ合わせて、一つにした。
19 また、天幕のために、赤くなめした雄羊の皮のおおいと、じゅごんの皮でその上に掛けるおおいとを作った。
20 さらに、幕屋のためにアカシヤ材で、まっすぐに立てる板を作った。
21 板一枚の長さは十キュビト、板一枚の幅は一キュビト半であった。
22 板一枚ごとに、はめ込みのほぞ二つを作った。幕屋の板、全部にこのようにした。
23幕屋のために板を作った。南側に板二十枚。
24 その二十枚の板の下に銀の台座四十個を作った。一枚の板の下に、二つのほぞに二個の台座、ほかの板の下にも、二つのほぞに二個の台座を作った。
25幕屋の他の側、すなわち、北側に板二十枚を作った。
26 銀の台座四十個。すなわち、一枚の板の下に二個の台座。ほかの板の下にも二個の台座。
27幕屋のうしろ、すなわち、西側に板六枚を作った。
28幕屋のうしろの両隅のために、板二枚を作った。
29 底部では重なり合い、上部では一つの環で一つに合わさるようにした。二枚とも、そのように作った。それが両隅であった。
30 板は八枚、その銀の台座は十六個、すなわち一枚の板の下に、二つずつ台座があった。
31 ついで、アカシヤ材で横木を作った。すなわち、幕屋の一方の側の板のために五本、
32幕屋の他の側の板のために横木五本、幕屋のうしろ、すなわち西側の板のために横木五本を作った。
33 それから、板の中間を、端から端まで通る中央横木を作った。
34 板には金をかぶせ、横木を通す環を金で作った。横木には金をかぶせた。
35 ついで、青色、紫色、緋色の撚り糸、撚り糸で織った亜麻布で、垂れ幕を作った。これに巧みな細工でケルビムを織り出した。
36 そのために、アカシヤ材の四本の柱を作り、それに金をかぶせた。柱の鉤は金であった。そしてこの柱のために銀の四つの台座を鋳造した。
37 ついで、天幕の入口のために、青色、紫色、緋色の撚り糸、撚り糸で織った亜麻布で、刺繍をした幕を作った。
38 五本の柱と、その鉤を作り、その柱の頭部と帯輪に金をかぶせた。その五つの台座は青銅であった。
1 ベツァルエルはアカシヤ材で一つの箱を作った。長さは二キュビト半、幅は一キュビト半、高さは一キュビト半。
2 その内側と外側を純金でかぶせ、その回りに金の飾り縁を作った。
3 箱のために、金の環四つを鋳造し、その四隅の基部に取りつけた。一方の側に二つの環を、他の側にほかの二つの環を取りつけた。
4 また、アカシヤ材で棒を作り、これを金でかぶせ、
5 その棒を、箱をかつぐために箱の両側にある環に通した。
6 ついで彼は、純金で「贖いのふた」を作った。長さは二キュビト半、幅は一キュビト半。
7 また、槌で打って作った二つの金のケルビムを「贖いのふた」の両端に作った。
8 一つの88ケルブを一方の端に、他のケルブを他方の端に。ケルビムを「贖いのふた」の一部として、その両端に作った。
9 ケルビムは翼を上のほうに伸べ広げ、その翼で「贖いのふた」をおおい、ケルビムは互いに向かい合い、その顔は「贖いのふた」に向いていた。
10 彼は、アカシヤ材で、一つの机を作った。長さは二キュビト、幅は一キュビト、高さは一キュビト半。
11 これを純金でかぶせ、その回りに金の飾り縁を作った。
12 その回りに、89手幅のわくを作り、そのわくの回りに金の飾り縁を作った。
13 その机のために、金の環四個を鋳造し、その四本の足のところの四隅に、その環を取りつけた。
14 その環はわくのわきにつけ、机をかつぐ棒を入れる所とした。
15 アカシヤ材で、机をかつぐ棒を作り、これを金でかぶせた。
16 さらに、机の上の器、すなわち、注ぎのささげ物を注ぐための皿や、ひしゃく、水差しや、びんを純金で作った。
17 また彼は、純金で燭台を作った。その燭台は、槌で打って作り、その台座と、支柱と、がくと、節と、花弁とで一個の燭台とした。
18 六つの枝をそのわきから、すなわち、燭台の三つの枝を一方のわきから、燭台の他の三つの枝を他のわきから出した。
19 一方の一つの枝に、アーモンドの花の形をした節と花弁のある三つのがくを、また、他方の一つの枝にも、アーモンドの花の形をした節と花弁のある三つのがくをつけた。こうして燭台から出る六つの枝をみな、そのようにした。
20燭台の支柱には、アーモンドの花の形をした節と花弁のある四つのがくをつけた。
21 それから出る一対の枝の下に一つの節、それから出る次の一対の枝の下に一つの節、それから出るその次の一対の枝の下に一つの節。このように六つの枝が燭台から出ていた。
22 それらの節と枝とは燭台と一体にし、その全体は一つの純金を打って作った。
23 また、そのともしび皿七つと、その心切りばさみと、心取り皿とを純金で作った。
24 すなわち、純金一90タラントで、燭台とそのすべての用具を作った。
25 彼は、アカシヤ材で香の壇を作った。長さは一91キュビト、幅は一キュビトの四角形で、高さは二キュビト。これの一部として角をつけた。
26 そして、上面と回りの側面と角を純金でかぶせ、その回りに金の飾り縁を作った。
27 その壇のために、その飾り縁の下の両わきに、相対する両側に二つの金環を作った。それは、壇をかつぐ棒を通す所である。
28 その棒をアカシヤ材で作り、それに金をかぶせた。
29 彼はまた、調合法にしたがい、聖なるそそぎの油と純粋なかおりの高い香を作った。
1 ついで、彼は、アカシヤ材で全焼のいけにえのための祭壇を作った。長さ五キュビト、幅五キュビトの四角形で、高さは三キュビト。
2 その四隅の上に、角を作った。その角はその一部である。彼は祭壇に青銅をかぶせた。
3 彼は、祭壇のすべての用具、すなわち、つぼ、十能、鉢、肉刺し、火皿を作った。そのすべての用具を青銅で作った。
4祭壇のために、その下のほうに、すなわち、祭壇の出張りの下で、祭壇の高さの半ばに達する青銅の網細工の格子を作った。
5 彼は四つの環を鋳造して、青銅の格子の四隅で棒を通す所とした。
6 彼はアカシヤ材で棒を作り、それに青銅をかぶせた。
7 その棒を祭壇の両側にある環に通して、それをかつぐようにした。祭壇は板で中空に作った。
8 また彼は、青銅で洗盤を、また青銅でその台を作った。会見の天幕の入口で務めをした女たちの鏡でそれを作った。
9 彼はまた、庭を造った。南側では、庭の掛け幕は百キュビトの撚り糸で織った亜麻布でできていた。
10 柱は二十本、その二十個の台座は青銅で、柱の鉤と帯輪は銀であった。
11 北側も百キュビトで、柱は二十本、その二十個の台座は青銅で、柱の鉤と帯輪は銀であった。
12 西側には、五十キュビトの掛け幕があり、柱は十本、その台座は十個。柱の鉤と帯輪は銀であった。
13 前面の東側も、五十キュビト。
14 その片側には十五キュビトの掛け幕があり、柱は三本、その台座は三個であった。
15 庭の門の両側をなすもう一方の片側にも十五キュビトの掛け幕があり、柱は三本、台座は三個であった。
16 庭の周囲の掛け幕はみな、撚り糸で織った亜麻布であった。
17 柱のための台座は青銅で、柱の鉤と帯輪は銀、その柱の頭のかぶせ物も銀であった。それで、庭の柱はみな銀の帯輪が巻きつけられていた。
18 庭の門の幕は、刺繍されたもので、青色、紫色、緋色の撚り糸と、撚り糸で織った亜麻布とでできていた。長さは二十キュビト。高さ、あるいは幅は五キュビトで、庭の掛け幕に準じていた。
19 その柱は四本。その台座は四個で青銅であった。その鉤は銀であり、柱の頭のかぶせ物と帯輪とは銀であった。
20 ただし、幕屋と、その回りの庭の釘は、みな青銅であった。
21幕屋、すなわち、あかしの幕屋の記録は、次のとおりである。これは、モーセの命令によって調べたもの、祭司アロンの子イタマルのもとでの、レビ人の奉仕である。
22 ユダ部族のフルの子であるウリの子ベツァルエルは、主がモーセに命じられたことを、ことごとく行った。
23 彼とともに、ダン部族のアヒサマクの子オホリアブがいた。彼は彫刻をし、設計をする者、また青色、紫色、緋色の撚り糸や亜麻布で刺繍をする者であった。
24 仕事すなわち聖所のあらゆる仕事のために用いられたすべての金は、奉献物の金であるが、聖所のシェケルで二十九タラント七百三十シェケルであった。
25会衆のうちの登録された者による銀は、聖所の92シェケルで百93タラント千七百七十五シェケルであった。
26 これは、ひとり当たり一94ベカ、すなわち、聖所のシェケルの半シェケルであって、すべて、二十歳以上で登録された者が六十万三千五百五十人であったからである。
27聖所の台座と垂れ幕の台座とを鋳造するために用いた銀は、百タラントであった。すなわち、一個の台座に一タラント、百の台座に百タラントであった。
28 また、千七百七十五シェケルで彼は柱の鉤を作り、柱の頭をかぶせ、柱に帯輪を巻きつけた。
29奉献物の青銅は七十タラント二千四百シェケルであった。
30 これを用いて、彼は会見の天幕の入口の台座、青銅の祭壇と、それにつく青銅の格子、および、祭壇のすべての用具を作った。
31 また、庭の回りの台座、庭の門の台座、および、幕屋のすべての釘と、庭の回りのすべての釘を作った。
1 彼らは、青色、紫色、緋色の撚り糸で、聖所で仕えるための95式服を作った。また、主がモーセに命じられたとおりに、アロンの聖なる装束を作った。
2 彼はまた、金色、青色、紫色、緋色の撚り糸と、撚り糸で織った亜麻布で、エポデを作った。
3 彼らは金の板を打ち延ばし、巧みなわざで青色、紫色、緋色の撚り糸に撚り込み、亜麻布に織り込むために、これを切って糸とした。
4 彼らは、エポデにつける肩当てを作った。それぞれ、エポデの両端につけられた。
5 エポデの上で結ぶあや織りの帯は、エポデと同じ材料で、主がモーセに命じられたとおり、金色、青色、紫色、緋色の撚り糸、撚り糸で織った亜麻布で、エポデと同様に作った。
6 彼らは、しまめのうを、金のわくにはめ込み、これに印を彫るようにして、イスラエルの子らの名を彫った。
7 彼らはそれをエポデの肩当てにつけ、主がモーセに命じられたとおりに、イスラエルの子らの記念の石とした。
8 彼はまた、胸当てを巧みな細工で、エポデの細工と同じように、金色や青色、紫色、緋色の撚り糸、撚り糸で織った亜麻布で作った。
9 四角形で二重にし、その胸当てを作った。長さ96一あたり、幅一あたりで、二重であった。
10 それに、四列の宝石をはめ込んだ。第一列は赤めのう、トパーズ、エメラルド。
11 第二列はトルコ玉、サファイヤ、ダイヤモンド。
12 第三列はヒヤシンス石、めのう、紫水晶。
13 第四列は緑柱石、しまめのう、碧玉。これらを金のわくに入れてはめ込んだ。
14 これらの宝石は、イスラエルの子らの名によるもので、彼らの名にしたがい、十二個で、十二の部族のために印の彫り物が、一つの名につき一つずつあった。
15 ついで、編んで撚った純金の鎖を、胸当ての上に作った。
16 彼らは金のわく二個と金の環を二個作り、二個の環を胸当ての両端につけた。
17 そして彼らは、二筋の金のひもを胸当ての両端の二個の環につけた。
18 その二筋のひもの他の端を、先の二つのわくにつけ、エポデの肩当てに外側に向くようにつけた。
19 ほかに、二個の金の環を作り、これを胸当ての両端、すなわち、エポデの前に来る胸当ての内側の縁につけた。
20 ほかに、二個の金の環を作り、エポデの二つの肩当ての下端の外側に、すなわち、エポデのあや織りの帯の上部の継ぎ目に接した面の上につけた。
21胸当ては青ひもで、その環のところをエポデの環に結びつけ、エポデのあや織りの帯の上にあるようにし、胸当てがエポデからずり落ちないようにした。主がモーセに命じられたとおりである。
22 また、エポデの下に着る青服を青色の撚り糸だけで織って作った。
23 青服の口は、その真ん中にあって、よろいのえりのようで、その口の周囲には縁をつけて、ほころびないようにした。
24 青服のすその上に、青色、紫色、緋色の撚り糸で、撚ったざくろを作った。
25 また彼らは、純金の鈴を作り、その鈴を青服のすそ回りの、ざくろとざくろとの間につけた。
26主がモーセに命じられたとおりに、仕えるための青服のすそ回りには、鈴にざくろ、鈴にざくろがあった。
27 彼らは、アロンとその子らのために、織った亜麻布で長服と、
28亜麻布でかぶり物と、亜麻布で美しいターバンと、撚り糸で織った亜麻布でももひきを作った。
29撚り糸で織った亜麻布や青色、紫色、緋色の撚り糸で、刺繍してできた飾り帯を作った。主がモーセに命じられたとおりである。
30 ついで、聖別の記章の札を純金で作り、その上に印を彫るように、「主の聖なるもの」という文字を書きつけた。
31 これに青ひもをつけ、それをかぶり物の回りに上から結びつけた。主がモーセに命じられたとおりである。
32 こうして、会見の天幕である幕屋の、すべての奉仕が終わった。イスラエル人は、すべて、主がモーセに命じられたとおりにした。そのようにした。
33 彼らは幕屋と天幕、および、そのすべての用具をモーセのところに持って来た。すなわち、それは、その留め金、その板、その横木、その柱、その台座、
34 赤くなめした雄羊の皮のおおい、じゅごんの皮のおおい、仕切りの垂れ幕、
35 あかしの箱と、その棒、「贖いのふた」、
36机と、すべての器、供えのパン、
37純金の燭台と、そのともしび皿、すなわち、一列に並べるともしび皿と、そのすべての用具、および、その燈火用の油、
38 金の祭壇、そそぎの油、かおりの高い香、天幕の入口の垂れ幕、
39青銅の祭壇と、それにつく青銅の格子と、棒と、そのすべての用具、洗盤とその台、
40 庭の掛け幕とその柱と、その台座、庭の門のための垂れ幕とそのひもと、その釘、また、会見の天幕のための幕屋に用いるすべての用具、
41聖所で仕えるための97式服、祭司アロンの聖なる装束と、祭司として仕える彼の子らの装束である。
42 イスラエル人は、すべて、主がモーセに命じられたとおりに、そのすべての奉仕を行った。
43 モーセが、すべての仕事を彼らが、まことに主が命じられたとおりに、したのを見たとき、モーセは彼らを祝福した。
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「第一の月の一日に、あなたは会見の天幕である幕屋を建てなければならない。
3 その中にあかしの箱を置き、垂れ幕で箱の前を仕切り、
4机を入れ、その備品を並べ、燭台を入れ、そのともしび皿を上げる。
5 あなたは香のための金の壇をあかしの箱の前に置き、垂れ幕を幕屋の入口に掛ける。
6 会見の天幕である幕屋の入口の前に、全焼のいけにえの祭壇を据え、
7 会見の天幕と祭壇との間に洗盤を据えて、これに水を入れる。
8 回りに庭を設け、庭の門に垂れ幕を掛ける。
9 あなたは、そそぎの油を取って、幕屋とその中のすべてのものにそそぎ、それと、そのすべての用具とを聖別する。それは聖なるものとなる。
10 あなたは全焼のいけにえの祭壇と、そのすべての用具に油をそそぎ、その祭壇を聖別する。祭壇は最も聖なるものとなる。
11洗盤とその台とに油をそそいで、これを聖別する。
12 アロンとその子らを会見の天幕の入口に近づかせ、水で彼らを洗い、
13 アロンに聖なる装束を着けさせ、彼に油をそそぎ彼を聖別する。彼は祭司としてわたしに仕える。
14 彼の子らを近づかせ、これに長服を着せなければならない。
15 あなたは、彼らの父に油をそそいだように、彼らにも油をそそぐ。彼らは祭司としてわたしに仕える。彼らが油をそそがれることは、彼らの代々にわたる永遠の祭司職のためである。」
16 モーセはそのようにした。すべて主が彼に命じられたとおりを行った。
17 第二年目の第一月、その月の第一日に幕屋は建てられた。
18 モーセは、幕屋を建てるとき、台座を据え、その板を立て、その横木を通し、その柱を立て、
19幕屋の上に天幕を広げ、その上に天幕のおおいを掛けた。主がモーセに命じられたとおりである。
20 また、彼は98さとしを取って箱に納め、棒を箱につけ、「贖いのふた」を箱の上に置き、
21 箱を幕屋の中に入れ、仕切りのために垂れ幕を掛け、あかしの箱の前を仕切った。主がモーセに命じられたとおりである。
22 また、彼は会見の天幕の中に、すなわち、幕屋の北のほうの側で垂れ幕の外側に、机を置いた。
23 その上にパンを一列に並べて、主の前に供えた。主がモーセに命じられたとおりである。
24 彼は会見の天幕の中、机の反対側の幕屋の南側に、燭台を置いた。
25 そうして彼は主の前にともしび皿を上げた。主がモーセに命じられたとおりである。
26 それから彼は、会見の天幕の中の垂れ幕の前に、金の壇を置き、
27 その上でかおりの高い香をたいた。主がモーセに命じられたとおりである。
28 彼は、幕屋の入口に垂れ幕を掛け、
29全焼のいけにえの祭壇を、会見の天幕である幕屋の入口に置き、その上に全焼のいけにえと穀物のささげ物とをささげた。主がモーセに命じられたとおりである。
30 また彼は、会見の天幕と祭壇との間に洗盤を置き、洗いのために、それに水を入れた。
31 モーセとアロンとその子らは、それで手と足を洗った。
32 会見の天幕に入るとき、または、祭壇に近づくとき、彼らはいつも洗った。主がモーセに命じられたとおりである。
33 また、幕屋と祭壇の回りに庭を設け、庭の門に垂れ幕を掛けた。こうして、モーセはその仕事を終えた。
34 そのとき、雲は会見の天幕をおおい、主の栄光が幕屋に満ちた。
35 モーセは会見の天幕に入ることができなかった。雲がその上にとどまり、主の栄光が幕屋に満ちていたからである。
36 イスラエル人は、旅路にある間、いつも雲が幕屋から上ったときに旅立った。
37 雲が上らないと、上る日まで、旅立たなかった。
38 イスラエル全家の者は旅路にある間、昼は主の雲が幕屋の上に、夜は雲の中に火があるのを、いつも見ていたからである。
レビ記
1主はモーセを呼び寄せ、会見の天幕から彼に告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に告げて言え。
もし、あなたがたが主にささげ物をささげるときは、だれでも、家畜の中から牛か羊をそのささげ物としてささげなければならない。
3 もしそのささげ物が、牛の全焼のいけにえであれば、傷のない雄牛をささげなければならない。それを、彼が主の前に受け入れられるために会見の天幕の入口の所に連れて来なければならない。
4 その人は、全焼のいけにえの頭の上に手を置く。それが彼を贖うため、彼の代わりに受け入れられるためである。
5 その若い牛は、主の前でほふり、祭司であるアロンの子らは、その血を持って行って、会見の天幕の入口にある祭壇の回りに、その血を注ぎかけなさい。
6 また、その全焼のいけにえの皮をはぎ、いけにえを部分に切り分けなさい。
7祭司であるアロンの子らは祭壇の上に火を置き、その火の上にたきぎを整えなさい。
8祭司であるアロンの子らは、その切り分けた部分と、頭と、脂肪とを祭壇の上にある火の上のたきぎの上に整えなさい。
9内臓と足は、水で洗わなければならない。祭司はこれら全部を祭壇の上で全焼のいけにえとして焼いて煙にする。これは、主へのなだめのかおりの火によるささげ物である。
10 しかし、もし全焼のいけにえのためのささげ物が、羊の群れ、すなわち子羊またはやぎの中からなら、傷のない雄でなければならない。
11祭壇の北側で、主の前にこれをほふりなさい。そして祭司であるアロンの子らは、その血を祭壇の回りに注ぎかけなさい。
12 また、それを、部分に切り分け、祭司はこれを頭と脂肪に添えて祭壇の上にある火の上のたきぎの上に整えなさい。
13内臓と足は、水で洗わなければならない。こうして祭司はそれら全部をささげ、祭壇の上で焼いて煙にしなさい。これは全焼のいけにえであり、主へのなだめのかおりの火によるささげ物である。
14 もしその人の主へのささげ物が、鳥の全焼のいけにえであるなら、山鳩または家鳩のひなの中から、そのささげ物をささげなければならない。
15祭司は、それを祭壇のところに持って来て、その頭をひねり裂き、祭壇の上でそれを焼いて煙にしなさい。ただし、その血は祭壇の側面に絞り出す。
16 またその1汚物の入った餌袋を取り除き、祭壇の東側の灰捨て場に投げ捨てなさい。
17 さらに、その翼を引き裂きなさい。それを切り離してはならない。そして、祭司はそれを祭壇の上、火の上にあるたきぎの上で焼いて煙にしなさい。これは全焼のいけにえであり、主へのなだめのかおりの火によるささげ物である。
1 人が主に穀物のささげ物をささげるときは、ささげ物は小麦粉でなければならない。その上に油をそそぎ、その上に乳香を添え、
2 それを祭司であるアロンの子らのところに持って行きなさい。祭司はこの中から、ひとつかみの小麦粉と、油と、その乳香全部を取り出し、それを記念の部分として、祭壇の上で焼いて煙にしなさい。これは主へのなだめのかおりの火によるささげ物である。
3 その穀物のささげ物の残りは、アロンとその子らのものとなる。それは主への火によるささげ物の最も聖なるものである。
4 あなたがかまどで焼いた穀物のささげ物をささげるときは、それは油を混ぜた小麦粉の、種を入れない輪型のパン、あるいは油を塗った、種を入れないせんべいでなければならない。
5 また、もしあなたのささげ物が、平なべの上で焼いた穀物のささげ物であれば、それは油を混ぜた小麦粉の、種を入れないものでなければならない。
6 あなたはそれを粉々に砕いて、その上に油をそそぎなさい。これは穀物のささげ物である。
7 また、もしあなたのささげ物が、なべで作った穀物のささげ物であれば、それは油を混ぜた小麦粉で作らなければならない。
8 こうして、あなたが作った穀物のささげ物を主にささげるときは、それを祭司のところに持って来、祭司はそれを祭壇に持って行きなさい。
9祭司はその穀物のささげ物から、記念の部分を取り出し、祭壇の上で焼いて煙にしなさい。これは主へのなだめのかおりの火によるささげ物である。
10穀物のささげ物の残りは、アロンとその子らのものとなる。これは主への火によるささげ物の最も聖なるものである。
11 あなたがたが主にささげる穀物のささげ物はみな、パン種を入れて作ってはならない。パン種や蜜は、少しでも、主への火によるささげ物として焼いて煙にしてはならないからである。
12 それらは初物のささげ物として主にささげなければならない。しかしそれらをなだめのかおりとして、祭壇の上で焼き尽くしてはならない。
13 あなたの穀物のささげ物にはすべて、塩で味をつけなければならない。あなたの穀物のささげ物にあなたの神の契約の塩を欠かしてはならない。あなたのささげ物には、いつでも塩を添えてささげなければならない。
14 もしあなたが初穂の穀物のささげ物を主にささげるなら、火にあぶった穀粒、新穀のひき割り麦をあなたの初穂の穀物のささげ物としてささげなければならない。
15 あなたはその上に油を加え、その上に乳香を添えなさい。これは穀物のささげ物である。
16祭司は記念の部分、すなわち、そのひき割り麦の一部とその油の一部、それにその乳香全部を焼いて煙にしなさい。これは主への火によるささげ物である。
1 もしそのささげ物が和解のいけにえの場合、牛をささげようとするなら、雄でも雌でも傷のないものを主の前にささげなければならない。
2 その人はささげ物の頭に手を置く。それは会見の天幕の入口の所でほふられる。そして、祭司であるアロンの子らは祭壇の回りにその血を注ぎかけなさい。
3 次に、その人は和解のいけにえのうちから、主への火によるささげ物として、その内臓をおおう脂肪と、内臓についている脂肪全部、
4 二つの腎臓と、それについていて腰のあたりにある脂肪、さらに腎臓といっしょに取り除いた肝臓の上の小葉とをささげなさい。
5 そこで、アロンの子らは、これを祭壇の上で、火の上のたきぎの上にある全焼のいけにえに載せて、焼いて煙にしなさい。これは主へのなだめのかおりの火によるささげ物である。
6主への和解のいけにえのためのささげ物が、羊である場合、雄でも雌でも傷のないものをささげなければならない。
7 もしそのささげ物として子羊をささげようとするなら、それを主の前に連れて来る。
8 その人はささげ物の頭の上に手を置く。そして、それは会見の天幕の前でほふられる。アロンの子らは、その血を祭壇の回りに注ぎかけなさい。
9 その人はその和解のいけにえのうちから、主への火によるささげ物として、その脂肪をささげなさい。すなわち背骨に沿って取り除いたあぶら尾全部と、内臓をおおう脂肪と、内臓についている脂肪全部、
10 二つの腎臓と、それについていて腰のあたりにある脂肪、さらに腎臓といっしょに取り除いた肝臓の上の小葉とである。
11祭司は祭壇の上でそれを食物として、主への火によるささげ物として、焼いて煙にしなさい。
12 もしそのささげ物がやぎであるなら、それを主の前に連れて来る。
13 その人はささげ物の頭の上に手を置く。そして、それは会見の天幕の前でほふられる。アロンの子らは、その血を祭壇の回りに注ぎかけなさい。
14 その人は、主への火によるささげ物として、そのいけにえから内臓をおおっている脂肪と、内臓についている脂肪全部、
15 二つの腎臓と、それについていて腰のあたりにある脂肪、さらに腎臓といっしょに取り除いた肝臓の上の小葉とをささげなさい。
16祭司は祭壇の上でそれを食物として、火によるささげ物、なだめのかおりとして、焼いて煙にしなさい。脂肪は全部、主のものである。
17 あなたがたは脂肪も血もいっさい食べてはならない。あなたがたが、どんな場所に住んでも、代々守るべき永遠のおきてはこうである。」
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に告げて言え。
もし人が、主がするなと命じたすべてについてあやまって罪を犯し、その一つでも行った場合、
3 もし油そそがれた祭司が罪を犯し、民が咎を覚えるなら、その人は自分の犯した罪のために、傷のない若い雄牛を、罪のためのいけにえとして主にささげなければならない。
4 その雄牛を会見の天幕の入口の所、主の前に連れて来て、その雄牛の頭の上に手を置き、主の前にその雄牛をほふりなさい。
5 油そそがれた祭司はその雄牛の血を取り、それを会見の天幕に持って入りなさい。
6 その祭司は指を血の中に浸し、主の前、すなわち聖所の垂れ幕の前に、その血を七たび振りかけなさい。
7祭司はその血を、会見の天幕の中にある主の前のかおりの高い香の祭壇の角に塗りなさい。その雄牛の血を全部、会見の天幕の入口にある全焼のいけにえの祭壇の土台に注がなければならない。
8 その罪のためのいけにえの雄牛の脂肪全部を、それから取り除かなければならない。すなわち、内臓をおおう脂肪と、内臓についている脂肪全部、
9 二つの腎臓と、それについていて腰のあたりにある脂肪、さらに腎臓といっしょに取り除いた肝臓の上の小葉とを取り除かなければならない。
10 これは和解のいけにえの牛から取り除く場合と同様である。祭司はそれらを全焼のいけにえの祭壇の上で焼いて煙にしなさい。
11 ただし、その雄牛の皮と、その肉の全部、さらにその頭と足、それにその内臓と汚物、
12 その雄牛の全部を、宿営の外のきよい所、すなわち灰捨て場に運び出し、たきぎの火で焼くこと。これは灰捨て場で焼かなければならない。
13 また、イスラエルの全会衆があやまっていて、あることが集団の目から隠れ、主がするなと命じたすべてのうち一つでも行い、後で咎を覚える場合、
14 彼らが犯したその罪が明らかになったときに、集団は罪のためのいけにえとして若い雄牛をささげ、会見の天幕の前にそれを連れて来なさい。
15 そこで、会衆の長老たちは、主の前でその雄牛の頭の上に手を置き、その雄牛を主の前でほふりなさい。
16 油そそがれた祭司は、その雄牛の血を会見の天幕に持って入り、
17祭司は指を血の中に浸して、主の前、垂れ幕の前に、それを七たび振りかけなさい。
18 彼は、その血を会見の天幕の中にある主の前の祭壇の角に塗らなければならない。彼はその血の全部を、会見の天幕の入口にある全焼のいけにえの祭壇の土台に注がなければならない。
19脂肪全部をその雄牛から取り除き、祭壇の上で焼いて煙にしなければならない。
20 この雄牛に対して、彼が罪のためのいけにえの雄牛に対してしたようにしなさい。これにも同様にしなければならない。こうして祭司は彼らのために贖いをしなさい。彼らは赦される。
21 彼はその雄牛を宿営の外に運び出し、最初の雄牛を焼いたように、それも焼きなさい。これは集会の罪のためのいけにえである。
22 上に立つ者が罪を犯し、その神、主がするなと命じたすべてのうち一つでもあやまって行い、後で咎を覚える場合、
23 または、彼が犯した罪が自分に知らされたなら、彼はささげ物として、傷のない雄やぎを連れて来て、
24 そのやぎの頭の上に手を置き、全焼のいけにえをほふる場所で、主の前にそれをほふりなさい。これは罪のためのいけにえである。
25祭司は指で、罪のためのいけにえの血を取り、それを全焼のいけにえの祭壇の角に塗りなさい。また、その血は全焼のいけにえの祭壇の土台に注がなければならない。
26 また、彼は和解のいけにえの脂肪の場合と同様に、その脂肪を全部、祭壇の上で焼いて煙にしなければならない。祭司は、その人のために、その人の罪の贖いをしなさい。その人は赦される。
27 また、もし一般の人々のひとりが、主がするなと命じたことの一つでも行い、あやまって罪を犯し、後で咎を覚える場合、
28 または、彼が犯した罪が自分に知らされたなら、彼は犯した罪のために、そのささげ物として、傷のない雌やぎを連れて来て、
29 その罪のためのいけにえの頭の上に手を置き、全焼のいけにえの場所で罪のためのいけにえをほふりなさい。
30祭司は指で、その血を取り、それを全焼のいけにえの祭壇の角に塗りなさい。その血は全部、祭壇の土台に注がなければならない。
31 また、脂肪が和解のいけにえから取り除かれる場合と同様に、その脂肪全部を取り除かなければならない。祭司は主へのなだめのかおりとして、それを祭壇の上で焼いて煙にしなさい。祭司は、その人のために贖いをしなさい。その人は赦される。
32 もしその人が罪のためのいけにえのために、ささげ物として子羊を連れて来る場合には、傷のない雌羊を連れて来なければならない。
33 その罪のためのいけにえの頭の上に手を置き、全焼のいけにえをほふる場所で、罪のためのいけにえとしてほふりなさい。
34祭司は指で、罪のためのいけにえの血を取り、それを全焼のいけにえの祭壇の角に塗りなさい。その血は全部、祭壇の土台に注がなければならない。
35 また、和解のいけにえの子羊の脂肪が取り除かれる場合と同様に、その脂肪全部を取り除かなければならない。祭司はそれを祭壇の上で、主への火によるささげ物の上に載せて焼いて煙にしなさい。祭司は、その人のために、その人が犯した罪の贖いをしなさい。その人は赦される。
1 人が罪を犯す場合、すなわち、証言しなければのろわれるという声を聞きながら──彼がそれを見ているとか、知っている証人であるのに──、そのことについて証言しないなら、その人は罪の咎を負わなければならない。
2 あるいは人が、汚れた獣の死体でも、汚れた家畜の死体でも、汚れた群生するものの死体でも、すべて汚れたものに触れ、汚れてはいたのに、そのことが彼の目から隠れ、後で咎を覚える場合、
3 あるいは人が、触れれば汚れると言われる人のどんな汚れにも触れ、そのことを知ってはいたが、それが彼の目から隠れ、後で咎を覚える場合、
4 あるいは人が口で軽々しく、害になることでも益になることでも誓う場合、その人が軽々しく誓ったことがどんなことであれ、そのことを知ってはいたのに彼の目から隠れ、後でそれらの一つについて咎を覚える場合、
5 これらの一つについて咎を覚えるときは、犯した罪を告白しなさい。
6 自分が犯した罪のために、償いとして、羊の群れの子羊でも、やぎでも、雌一頭を、主のもとに連れて来て、罪のためのいけにえとしなさい。祭司はその人のために、その人の罪の贖いをしなさい。
7 しかし、もし彼に羊を買う余裕がなければ、自分が犯した罪の償いとして、山鳩二羽あるいは家鳩のひな二羽を主のところに持って来なさい。一羽は罪のためのいけにえ、他の一羽は全焼のいけにえとする。
8 彼はこれらを祭司のところに持って行き、祭司は罪のためのいけにえとなるものを、まずささげなさい。彼はその頭の首のところをひねり裂きなさい。それを切り離してはならない。
9 それから罪のためのいけにえの血を祭壇の側面に振りかけ、血の残りはその祭壇の土台のところに絞り出しなさい。これは罪のためのいけにえである。
10祭司はもう一羽のほうも、定めに従って全焼のいけにえとしなければならない。祭司はその人のために、その人が犯した罪の贖いをしなさい。その人は赦される。
11 もしその人が山鳩二羽あるいは家鳩のひな二羽さえも手に入れることができなければ、その犯した罪のためのささげ物として、十分の一2エパの小麦粉を罪のためのいけにえとして持って来なさい。その人はその上に油を加えたり、その上に乳香を添えたりしてはならない。これは罪のためのいけにえであるから。
12 彼はそれを祭司のところに持って行きなさい。祭司はそのひとつかみを記念の部分としてそれから取り出し、祭壇の上で、主への火によるささげ物といっしょにそれを焼いて煙にしなさい。これは罪のためのいけにえである。
13祭司はその人のために、その人が犯したこれらの一つの罪の贖いをしなさい。その人は赦される。その残りは、穀物のささげ物と同じく、祭司のものとなる。」
14 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
15 「人が不実なことを行い、あやまって主の聖なるものに対して罪を犯したときは、その償いのために、羊の群れから傷のない雄羊一頭、聖所のシェケルで数シェケルの銀に当たるとあなたが評価したものを取って、罪過のためのいけにえとして主のもとに連れて来る。
16 彼は、その聖なるものを犯した罪の償いをしなければならない。それにその五分の一を加えて、祭司にそれを渡さなければならない。祭司は、罪過のためのいけにえの雄羊で、彼のために贖いをしなければならない。その人は赦される。
17 また、もし人が罪を犯し、主がするなと命じたすべてのうち一つでも行い、それを知らずにいて、後で咎を覚える場合、その咎を負わなければならない。
18 その人は、羊の群れからあなたが評価した傷のない雄羊一頭を取って、罪過のためのいけにえとして祭司のところに連れて来る。祭司は、彼があやまって犯し、しかも自分では知らないでいた過失について、彼のために贖いをする。彼は赦される。
19 これは罪過のためのいけにえである。彼は確かに主の前に償いの責めを負った。」
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「人が主に対して罪を犯し、不実なことを行うなら、すなわち預かり物や担保の物、あるいはかすめた物について、隣人を欺いたり、隣人をゆすったり、
3 あるいは落とし物を見つけながら欺くなど、人が行って罪を犯すことになるどれか一つについて偽りの誓いをする場合、
4 この人が罪を犯し、後で咎を覚える場合、そのかすめた品や、強迫してゆすりとった物、自分に託された預かり物、見つけた落とし物、
5 あるいは、それについて偽って誓った物全部を返さなければならない。元の物を償い、またこれに五分の一を加えなければならない。彼は咎を覚えるとき、その元の所有者に、これを返さなければならない。
6 この人は主への罪過のためのいけにえを、その評価により、羊の群れから傷のない雄羊一頭を罪過のためのいけにえとして祭司のところに連れて来なければならない。
7祭司は、主の前で彼のために贖いをする。彼が行って咎を覚えるようになる、どのことについても赦される。」
8 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
9 「アロンとその子らに命じて言え。全焼のいけにえのおしえは次のとおりである。
全焼のいけにえそのものは、一晩中朝まで、祭壇の上の炉床にあるようにし、祭壇の火はそこで燃え続けさせなければならない。
10祭司は亜麻布の衣を着なさい。また亜麻布のももひきをその身にはかなければならない。そして、祭壇の上で火が焼き尽くした全焼のいけにえの脂肪の灰を取り出し、祭壇のそばに置きなさい。
11祭司はその装束を脱ぎ、別の装束を着けて、脂肪の灰を宿営の外のきよい所に持ち出しなさい。
12祭壇の火はそのまま燃え続けさせ、それを消してはならない。かえって、祭司は朝ごとに、その上にたきぎをくべ、その上に全焼のいけにえを整え、和解のいけにえの脂肪をその上で焼いて煙にしなさい。
13 火は絶えず祭壇の上で燃え続けさせなければならない。消してはならない。
14穀物のささげ物のおしえは次のとおりである。アロンの子らは祭壇の前でそれを主の前にささげなさい。
15 すなわち、その中から穀物のささげ物のひとつかみの小麦粉と油を取り出し、穀物のささげ物の上の乳香全部といっしょに、この記念の部分を、主へのなだめのかおりとして祭壇の上で焼いて煙にしなさい。
16 その残った分は、アロンとその子らが食べることができる。それを聖なる所で種を入れないパンにして食べなければならない。それを会見の天幕の庭で食べなければならない。
17 これにパン種を入れて焼いてはならない。わたしは、それを火によるささげ物のうちから、彼らの分け前として与えた。それは罪のためのいけにえや罪過のためのいけにえと同じように、最も聖なるものである。
18 アロンの子らのうち、男子だけがそれを食べることができる。これは、主への火によるささげ物のうちから、あなたがたが代々受け取る永遠の分け前である。それに触れるものはみな、聖なるものとなる。」
19 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
20 「アロンとその子らが、その油そそがれる日に、主にささげるささげ物は次のとおりである。小麦粉、十分の一エパを常供の穀物のささげ物とする。半分は朝、他の半分は夕方の分である。
21 それを油でよくこねて平なべの上で作らなければならない。それを、粉々にした焼いた穀物のささげ物として持って入らなければならない。主へのなだめのかおりとしてささげなければならない。
22 さらに、彼の子らのうち、油そそがれて、彼の跡を継ぐ祭司は、このことをしなければならない。永遠の定めによって、それを主のために完全に焼いて煙にしなければならない。
23 このように、祭司の穀物のささげ物はすべて全焼のささげ物としなければならない。これを食べてはならない。」
24 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
25 「アロンとその子らに告げて言え。
罪のためのいけにえに関するおしえは次のとおりである。罪のためのいけにえは、全焼のいけにえがほふられる場所、主の前でほふらなければならない。これは最も聖なるものである。
26罪のためのいけにえをささげる祭司はそれを食べなければならない。それは、聖なる所、会見の天幕の庭で食べなければならない。
27 その肉に触れるものはみな、聖なるものとなる。また、その血が少しでも着物の上にはねかかったときには、あなたは、そのはねかかったものを聖なる所で洗わなければならない。
28 さらにそれを煮た土の器はこわされなければならない。もしそれが青銅の器で煮られたのであれば、その器はすりみがかれ、水で洗われなければならない。
29祭司たちのうち、男子はみな、これを食べることができる。これは最も聖なるものである。
30 しかし、聖所での贖いをするためにその血が会見の天幕に持って行かれた罪のためのいけにえは、食べてはならない。これは火で焼かれなければならない。
1罪過のためのいけにえのおしえは次のとおりである。これは、最も聖なるものである。
2罪過のためのいけにえは、全焼のいけにえをほふる場所で、ほふらなければならない。そして、その血を祭壇の回りに注ぎかけなければならない。
3 それから取った脂肪を全部、すなわち、あぶら尾と内臓をおおう脂肪、
4 二つの腎臓と、それについていて腰のあたりにある脂肪、さらに腎臓といっしょに取り除いた肝臓の上の小葉とをささげなければならない。
5祭司は、それらを祭壇の上で主への火によるささげ物として、焼いて煙にしなさい。これは罪過のためのいけにえである。
6祭司たちのうち、男子はみな、それを食べることができる。それを聖なる所で食べなければならない。これは最も聖なるものである。
7罪のためのいけにえと罪過のためのいけにえについてのおしえは一つである。そのいけにえはそれをもって贖いをする祭司のものとなる。
8祭司が、ある人の全焼のいけにえをささげるとき、そのささげた全焼のいけにえの皮はその祭司のものとなる。
9 さらに、かまどで焼いた穀物のささげ物全部、およびなべや平なべで作られたものはみな、それをささげる祭司のものとなる。
10 また、穀物のささげ物で油を混ぜたものも、かわいたものもみな、ひとしくアロンの子ら全員のものとなる。
11主にささげる和解のいけにえのおしえは次のとおりである。
12 もし、それを感謝のためにささげるのなら、感謝のいけにえに添えて、油を混ぜた種を入れない輪型のパンと、油を塗った種を入れないせんべい、さらに油を混ぜてよくこねた小麦粉の輪型のパンをささげなければならない。
13 なお和解のための感謝のいけにえに添えて、種を入れた輪型のパンをささげなさい。
14 そのうちから、おのおののささげ物の一つを取って、主への奉納物として、ささげなければならない。これは、和解のいけにえの血を注ぎかける祭司のものとなる。
15和解のための感謝のいけにえの肉は、それがささげられるその日に食べ、そのうちの少しでも朝まで残しておいてはならない。
16 もしそのささげ物のいけにえが、誓願あるいは進んでささげるささげ物であるなら、彼がそのいけにえをささげる日に食べなければならない。残った余りを、翌日食べてもさしつかえない。
17 いけにえの肉の残った余りは三日目に火で焼かなければならない。
18 もし三日目にその和解のいけにえの肉を食べるようなことがあれば、それは受け入れられず、またそれをささげる人のものとは認められない。これは、汚れたものであり、そのいくらかでも食べる者はその咎を負わなければならない。
19 また、何であろうと汚れた物に触れたなら、その肉は、食べてはならない。それは火で焼かなければならない。その他の肉ならば、きよい者はだれでもその肉を食べることができる。
20 人がその身の汚れがあるのに、主への和解のいけにえの肉を食べるなら、その者はその民から断ち切られる。
21 また、人が、何であろうと汚れた物に、すなわち人の汚れ、あるいは汚れた動物、あるいはすべて汚れた忌むべき物に触れていながら、主への和解のいけにえの肉を食べるなら、その者はその民から断ち切られる。」
22 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
23 「イスラエル人に告げて言え。
あなたがたは、牛や、羊、あるいはやぎの脂肪をいっさい食べてはならない。
24 死んだ動物の脂肪や野獣に引き裂かれた動物の脂肪は、何に使ってもさしつかえない。しかし、決してそれを食べてはならない。
25 すべて、火によるささげ物として主にささげる動物の脂肪を食べる者、これを食べる者は、その民から断ち切られるからである。
26 また、あなたがたのどこの居住地においても、鳥でも動物でも、その血をいっさい食べてはならない。
27 どんな血でもこれを食べる者はだれでも、その者はその民から断ち切られる。」
28 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
29 「イスラエル人に告げて言え。
和解のいけにえを主にささげる者は、その和解のいけにえのうちから、そのささげ物を主のところに持って来なければならない。
30 その者は、主への火によるささげ物を、自分で持って来なければならない。すなわち彼は、その脂肪を胸に添えて持って来なければならない。そしてその胸を奉献物として主に向かって揺り動かしなさい。
31祭司はその脂肪を祭壇の上で焼いて煙にしなさい。その胸はアロンとその子らのものとなる。
32 あなたがたは、あなたがたの和解のいけにえのうちから右のももを、奉納物として祭司に与えなければならない。
33 その右のももは、アロンの子らのうち、和解のいけにえの血と脂肪をささげる者の受ける分として、その人のものとなる。
34 それは、わたしが、奉献物の胸と奉納物のももをイスラエル人から、その和解のいけにえのうちから取って、それを祭司アロンとその子らに、イスラエル人から受け取る永遠の分け前として与えたからである。」
35 これは、モーセが彼らを近づけて、祭司として主に仕えさせた日から、アロンとその子らが、主への火によるささげ物のうちから、受ける分であって、
36 それは、彼らが油そそがれた日から永遠のおきてとして、代々イスラエルの人から取って彼らに与えるよう、主が命じられたものである。
37 これは、全焼のいけにえ、穀物のささげ物、罪のためのいけにえ、罪過のためのいけにえ、任職と和解のいけにえについてのおしえである。
38 これは、モーセがシナイの荒野でイスラエル人に、そのささげ物を主にささげるよう命じた日に、主がシナイ山でモーセに命じられたものである。
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「アロンと彼とともにいるその子らを連れ、装束、そそぎの油、罪のためのいけにえの雄牛、二頭の雄羊、種を入れないパンのかごを持って来、
3 また全会衆を会見の天幕の入口の所に集めよ。」
4 そこで、モーセは主が命じられたとおりにした。会衆は会見の天幕の入口の所に集まった。
5 それで、モーセは会衆に言った。「これは主が、するように命じられたことである。」
6 それから、モーセはアロンとその子らを近づかせ、水で彼らを洗った。
7 そして、モーセはアロンに長服を着せ、飾り帯を締めさせ、その上に青服をまとわせ、さらにその上にエポデを着けさせた。すなわち、エポデを帯で締め、あや織りのエポデをその上に着けさせた。
8 次に、モーセは彼に胸当てを着けさせ、その胸当てにウリムとトンミムを入れた。
9 また、彼の頭にかぶり物をかぶらせ、さらにそのかぶり物の前面に、金の札すなわち聖別の記章をつけさせた。主がモーセに命じられたとおりである。
10 ついで、モーセはそそぎの油を取って、幕屋とその中にあるすべてのものに油をそそいだ。こうしてこれらを聖別した。
11 さらにそれを祭壇の上に七たび振りかけ、祭壇とその用具全部、また洗盤とその台に油をそそいで、これらを聖別した。
12 また、そそぎの油をアロンの頭にそそぎ、油をそそいでアロンを聖別した。
13 次に、モーセはアロンの子らを近づかせ、彼らに長服を着せ、飾り帯を締めさせ、彼らにターバンを巻きつけさせた。主がモーセに命じられたとおりである。
14 ついで彼は罪のためのいけにえの雄牛を近寄せた。そこでアロンとその子らは、その罪のためのいけにえの雄牛の頭の上に手を置いた。
15 こうしてそれはほふられた。モーセはその血を取り、指でそれを祭壇の回りの角に塗り、こうして祭壇をきよめ、その残りの血を祭壇の土台に注いで、これを聖別し、それの贖いをした。
16 モーセはさらに、その内臓の上の脂肪全部と肝臓の小葉、二つの腎臓とその脂肪を取り、それを祭壇の上で焼いて煙にした。
17 しかし、その雄牛、すなわちその皮とその肉とその汚物は、宿営の外で火で焼いた。主がモーセに命じられたとおりである。
18 次に、彼は全焼のいけにえの雄羊を連れ出した。アロンとその子らはその雄羊の頭の上に手を置いた。
19 こうしてそれはほふられた。モーセはその血を祭壇の回りに注ぎかけた。
20 さらに、その雄羊を部分に切り分け、モーセはその頭とその切り分けたものと内臓の脂肪を焼いて煙にした。
21 それから、その内臓と足を水で洗い、モーセはその雄羊全部を祭壇の上で焼いて煙にした。これはなだめのかおりとしての全焼のいけにえで、主への火によるささげ物であった。主がモーセに命じられたとおりである。
22 次に、彼はもう一頭の雄羊、すなわち任職の雄羊を連れ出した。アロンとその子らはその雄羊の頭の上に手を置いた。
23 こうしてそれはほふられた。モーセはその血を取り、それをアロンの右の耳たぶと、右手の親指と、右足の親指に塗った。
24 さらに、モーセはアロンの子らを近づかせ、その血を彼らの右の耳たぶと、右手の親指と、右足の親指に塗り、モーセはその血の残りを祭壇の回りに注ぎかけた。
25 それから彼はその脂肪、すなわちあぶら尾、それと内臓の上の脂肪全部、また肝臓の小葉、および二つの腎臓とその脂肪、それからその右のももを取った。
26 それにまた、主の前にある種を入れないパンのかごから、種を入れない輪型のパン一個と、油を入れた輪型のパン一個と、せんべい一個とを取り、それをその脂肪と右のももの上に置いた。
27 それから、彼は、その全部をアロンの手のひらとその子らの手のひらに載せ、奉献物として主に向かって揺り動かした。
28 ついで、モーセはそれらを彼らの手のひらから取り、祭壇の上で、全焼のいけにえとともにそれを焼いて煙にした。これらは、なだめのかおりとしての任職のいけにえであり、主への火によるささげ物である。
29 モーセはまた、その胸を取り、奉献物として主に向かって揺り動かした。これは任職のいけにえの雄羊のうちからモーセの分となるもので、主がモーセに命じられたとおりである。
30 それから、モーセはそそぎの油と、祭壇の上の血を取り、それをアロンとその装束、彼とともにいるその子らとその装束の上に振りかけて、アロンとその装束、彼とともにいるその子らとその装束を聖別した。
31 そして、モーセはまた、アロンとその子らに言った。「会見の天幕の入口の所で、その肉を煮なさい。そしてそこで、それを任職のかごにあるパンといっしょに食べなさい。私が、アロンとその子らはそれを食べよと言って命じたとおりに。
32 しかし、肉やパンの残りは火で焼かなければならない。
33 また、あなたがたの任職の期間が終了する日までの七日間は、会見の天幕の入口から出てはならない。あなたがたを祭司職に任命するには七日を要するからである。
34 きょうしたことは、あなたがたの贖いをするように主が命じられたとおりである。
35 あなたがたは会見の天幕の入口の所で、七日の間、昼も夜もとどまり、主の戒めを守らなければならない。死なないためである。私はそのように命じられたのである。」
36 こうしてアロンとその子らは、主がモーセを通して命じられたことを残らず行った。
1 それから、八日目になって、モーセはアロンとその子ら、およびイスラエルの長老たちを呼び寄せ、
2 アロンに言った。「あなたは、子牛、すなわち、若い牛を罪のためのいけにえとして、雄羊を全焼のいけにえとして、それもまた傷のないものを取って、主の前にささげなさい。
3 あなたはまた、イスラエル人に告げて言わなければならない。
あなたがたは、雄やぎを罪のためのいけにえとして、また、一歳の傷のない子牛と子羊とを全焼のいけにえとして取りなさい。
4 また主へのいけにえとして、和解のいけにえのための雄牛と雄羊を、また、油を混ぜた穀物のささげ物を、取りなさい。それは、きょう主があなたがたに現れるからである。」
5 そこで彼らは、モーセが命じたものを会見の天幕の前に持って来て、全会衆が近づき、主の前に立った。
6 モーセは言った。「これは、あなたがたが行うように主が命じられたことである。こうして主の栄光があなたがたに現れるためである。」
7 それから、モーセはアロンに言った。「祭壇に近づきなさい。あなたの罪のためのいけにえと全焼のいけにえをささげ、あなた自身のため、またこの民のために贖いをしなさい。また民のささげ物をささげ、主が命じられたとおりに、彼らのために贖いをしなさい。」
8 そこで、アロンは祭壇に近づき、自分のために罪のためのいけにえの子牛をほふった。
9 アロンの子らは、その血を彼に差し出し、彼は指をその血に浸し、祭壇の角に塗った。彼はその血を祭壇の土台に注いだ。
10 彼は罪のためのいけにえからの脂肪と腎臓と肝臓の小葉を祭壇の上で焼いて煙にした。主がモーセに命じられたとおりである。
11 しかし、その肉と、その皮は宿営の外で火で焼いた。
12 それから、アロンは全焼のいけにえをほふり、アロンの子らが、その血を彼に渡すと、彼はそれを祭壇の回りに注ぎかけた。
13 また、彼らが全焼のいけにえの部分に切り分けたものとその頭とを彼に渡すと、彼はそれらを祭壇の上で焼いて煙にした。
14 それから、内臓と足を洗い、全焼のいけにえといっしょにこれを祭壇の上で焼いて煙にした。
15 次に、彼は民のささげ物をささげ、民のための罪のためのいけにえとしてやぎを取り、ほふって、先のと同様に、これを罪のためのいけにえとした。
16 それから、彼は全焼のいけにえをささげ、規定のとおりにそうした。
17 次に、彼は穀物のささげ物をささげ、そのうちのいくらかを手のひらいっぱいに取り、朝の全焼のいけにえと別に、祭壇の上で焼いて煙にした。
18 ついで、彼は民のための和解のいけにえの牛と雄羊とをほふり、アロンの子らがその血を渡すと、彼はそれを祭壇の回りに注ぎかけた。
19 その牛と雄羊の脂肪の部分、すなわちあぶら尾、内臓をおおう脂肪、腎臓、肝臓の小葉、
20 これらの脂肪を彼らが胸の上に置くと、彼はその脂肪を祭壇の上で焼いて煙にした。
21 しかし、胸と右のももは、アロンが、モーセの命じたとおりに奉献物として主に向かって揺り動かした。
22 それから、アロンは民に向かって両手を上げ、彼らを祝福し、罪のためのいけにえ、全焼のいけにえ、和解のいけにえをささげてから降りて来た。
23 ついでモーセとアロンは会見の天幕に入り、それから出て来ると、民を祝福した。すると主の栄光が民全体に現れ、
24主の前から火が出て来て、祭壇の上の全焼のいけにえと脂肪とを焼き尽くしたので、民はみな、これを見て、叫び、ひれ伏した。
1 さて、アロンの子ナダブとアビフは、おのおの自分の火皿を取り、その中に火を入れ、その上に香を盛り、主が彼らに命じなかった異なった火を主の前にささげた。
2 すると、主の前から火が出て、彼らを焼き尽くし、彼らは主の前で死んだ。
3 それで、モーセはアロンに言った。「主が仰せになったことは、こういうことだ。『わたしに近づく者によって、わたしは自分の聖を現し、すべての民の前でわたしは自分の栄光を現す。』」それゆえ、アロンは黙っていた。
4 モーセはアロンのおじウジエルの子ミシャエルと3エルツァファンを呼び寄せ、彼らに言った。「進み出て、あなたがたの身内の者たちを聖所の前から宿営の外に運び出しなさい。」
5 彼らは進み出て、モーセが言ったように、彼らの長服をつかんで彼らを宿営の外に運び出した。
6 次に、モーセは、アロンとその子エルアザルとイタマルに言った。「あなたがたは髪の毛を乱してはならない。また着物を引き裂いてはならない。あなたがたが死なないため、また怒りが全会衆に下らないためである。しかし、あなたがたの身内の者、すなわちイスラエルの全家族が、主によって焼かれたことを泣き悲しまなければならない。
7 またあなたがたは会見の天幕の入口から外へ出てはならない。あなたがたが死なないためである。あなたがたの上には主のそそぎの油があるからだ。」それで、彼らはモーセのことばどおりにした。
8 それから、主はアロンに告げて仰せられた。
9 「会見の天幕に入って行くときには、あなたがたが死なないように、あなたも、あなたとともにいるあなたの子らも、ぶどう酒や強い酒を飲んではならない。これはあなたがたが代々守るべき永遠のおきてである。
10 それはまた、あなたがたが、聖なるものと俗なるもの、また、汚れたものときよいものを区別するため、
11 また、主がモーセを通してイスラエル人に告げられたすべてのおきてを、あなたがたが彼らに教えるためである。」
12 そこで、モーセは、アロンとその生き残っている子のエルアザルとイタマルに言った。「主への火によるささげ物のうちから残った穀物のささげ物を取り、パン種を入れずに祭壇のそばで、食べなさい。これは最も聖なるものであるから。
13 それを聖なる所で食べなさい。それは、主への火によるささげ物のうちから、あなたの受け取る分け前であり、あなたの子らの受け取る分け前である。そのように、私は命じられている。
14 しかし、奉献物の胸と、奉納物のももとは、あなたと、あなたとともにいるあなたの息子、娘たちが、きよい所で食べることができる。それは、イスラエル人の和解のいけにえから、あなたの受け取る分け前、またあなたの子らの受け取る分け前として与えられている。
15 人々は、奉納物のももと奉献物の胸とを、火によるささげ物の脂肪に添えて持って来て、奉献物として主に向かって揺り動かさなければならない。これは主が命じられたとおり、あなたと、またあなたとともにいるあなたの子らが永遠に受け取る分である。」
16 モーセは罪のためのいけにえのやぎをけんめいに捜した。しかし、もう、焼かれてしまっていた。すると、モーセはアロンの子で生き残ったエルアザルとイタマルに怒って言った。
17 「どうして、あなたがたは聖なる所でその罪のためのいけにえを食べなかったのか。それは最も聖なるものなのだ。それは、会衆の咎を除き、主の前で彼らのために贖いをするために、あなたがたに賜ったのだ。
18 その血は、聖所の中に携え入れられなかったではないか。あなたがたは、私が命じたように、それを聖所で食べなければならなかったのだ。」
19 そこでアロンはモーセに告げた。「ああ、きょう彼らがその罪のためのいけにえ、全焼のいけにえを、主の前にささげましたが、こういうことが私の身にふりかかったのです。もしきょう私が罪のためのいけにえを食べていたら、主のみこころにかなったのでしょうか。」
20 モーセはこれを聞き、それでよいとした。
1 それから、主はモーセとアロンに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に告げて言え。
地上のすべての動物のうちで、あなたがたが食べてもよい生き物は次のとおりである。
3 動物のうちで、ひづめが分かれ、そのひづめが完全に割れているもの、また、反芻するものはすべて、食べてもよい。
4 しかし、反芻するもの、あるいはひづめが分かれているもののうちでも、次のものは、食べてはならない。すなわち、らくだ。これは反芻するが、そのひづめが分かれていないので、あなたがたには汚れたものである。
5 それから、岩だぬき。これも反芻するが、そのひづめが分かれていないので、あなたがたには汚れたものである。
6 また、野うさぎ。これも反芻するが、そのひづめが分かれていないので、あなたがたには汚れたものである。
7 それに、豚。これは、ひづめが分かれており、ひづめが完全に割れたものであるが、反芻しないので、あなたがたには汚れたものである。
8 あなたがたは、それらの肉を食べてはならない。またそれらの死体に触れてもいけない。それらは、あなたがたには汚れたものである。
9 水の中にいるすべてのもののうちで、次のものをあなたがたは食べてもよい。すなわち、海でも川でも、水の中にいるもので、ひれとうろこを持つものはすべて、食べてもよい。
10 しかし、海でも川でも、すべて水に群生するもの、またすべて水の中にいる生き物のうち、ひれやうろこのないものはすべて、あなたがたには忌むべきものである。
11 これらはさらにあなたがたには忌むべきものとなるから、それらの肉を少しでも食べてはならない。またそれらの死体を忌むべきものとしなければならない。
12 水の中にいるもので、ひれやうろこのないものはすべて、あなたがたには忌むべきものである。
13 また、鳥のうちで次のものを忌むべきものとしなければならない。これらは忌むべきもので、食べてはならない。すなわち、はげわし、はげたか、黒はげたか、
14 とび、はやぶさの類、
15烏の類全部、
16 だちょう、よたか、かもめ、たかの類、
17 ふくろう、う、みみずく、
18 白ふくろう、ペリカン、野がん、
19 こうのとり、さぎの類、やつがしら、こうもりなどである。
20 羽があって群生し四つ足で歩き回るものは、あなたがたには忌むべきものである。
21 しかし羽があって群生し四つ足で歩き回るもののうちで、その足のほかにはね足を持ち、それで地上を跳びはねるものは、食べてもよい。
22 それらのうち、あなたがたが食べてもよいものは次のとおりである。いなごの類、毛のないいなごの類、こおろぎの類、ばったの類である。
23 このほかの、羽があって群生し四つ足のあるものはみな、あなたがたには忌むべきものである。
24 次のことによっても、あなたがたは汚れたものとなる。すなわち、これらのものの死体に触れる者はみな、夕方まで汚れる。
25 また、これらのどの死体を運ぶ者もみな、その衣服を洗わなければならない。その人は夕方まで汚れる。
26 ひづめが分かれてはいるが、それが完全に割れていないか、あるいは反芻しない動物、これらすべてはあなたがたには、汚れたものである。これらに触れる者はみな汚れる。
27 また、四つ足で歩き回るすべての生き物のうちで、足の裏のふくらみで歩くものはみな、あなたがたには、汚れたものである。その死体に触れる者はみな、夕方まで汚れる。
28 これらの死体を運ぶ者は、その衣服を洗わなければならない。その人は夕方まで汚れる。これらは、あなたがたには、汚れたものである。
29 地に群生するもののうち、次のものはあなたがたにとって汚れている。すなわち、もぐら、とびねずみ、大とかげの類、
30 やもり、わに、とかげ、すなとかげ、カメレオンである。
31 すべて群生するもののうちで、これらはあなたがたには、汚れたものである。これらのものが死んだとき、それに触れる者はみな、夕方まで汚れる。
32 また、それらのうちのあるものが死んだとき、何かの上に落ちたなら、それがどんなものでも、みな汚れる。木の器、あるいは衣服、あるいは皮、あるいは袋など、仕事のために作られた器はみな、水の中に入れなければならない。それは夕方まで汚れているが、そうして後きよくなる。
33 また、それらのうちの一つが、どのような土の器の中に落ちても、その中にあるものはすべて汚れる。その器は砕かなければならない。
34 また食べる物で、それにそのような水がかかっていれば、それはみな汚れる。また飲む物で、このような器の中にあるものはみな汚れる。
35 さらに、どんなものでも、その上にこれらの死体の一つが落ちたものは汚れる。それがかまどであれ、炉であれ、それを粉々に割らなければならない。それは汚れており、あなたがたには汚れたものとなる。
36 しかし、泉、あるいは水のたまっている水ためはきよい。ただし、それらの死体に触れるものは汚れる。
37 また、もしそれらのどの死体が、蒔こうとしている種の上に落ちても、それはきよい。
38 しかし、種の上に水がかけられていて、その上に、それらの死体のあるものが落ちたときは、それはあなたがたには汚れたものである。
39 あなたがたが食用として飼っている動物の一つが死んだとき、その死体に触れる者は夕方まで汚れる。
40 その死体のいくらかでも食べる者は、その衣服を洗わなければならない。その人は夕方まで汚れる。また、その死体を運ぶ者も、その衣服を洗わなければならない。その人は夕方まで汚れる。
41 また、地に群生するものはみな忌むべきもので、食べてはならない。
42 地に群生するもののうち、腹ではうもの、また四つ足で歩くもの、あるいは多くの足のあるもの、これらのどれもあなたがたは食べてはならない。それらは忌むべきものである。
43 あなたがたは群生するどんなものによっても、自分自身を忌むべきものとしてはならない。またそれによって、身を汚し、それによって汚れたものとなってはならない。
44 わたしはあなたがたの神、主であるからだ。あなたがたは自分の身を聖別し、聖なる者となりなさい。わたしが聖であるから。地をはういかなる群生するものによっても、自分自身を汚してはならない。
45 わたしは、あなたがたの神となるために、あなたがたをエジプトの地から導き出した主であるから。あなたがたは聖なる者となりなさい。わたしが聖であるから。」
46 以上が動物と鳥、また水の中をうごめくすべての生き物と、地に群生するすべての生き物についてのおしえであり、
47 それで、汚れたものときよいもの、食べてよい生き物と食べてはならない生き物とが区別される。
1 それから、主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に告げて言え。
女が身重になり、男の子を産んだときは、その女は七日の間汚れる。その女は月のさわりの不浄の期間のように、汚れる。
3 ──八日目には、その子の包皮の肉に割礼をしなければならない──
4 その女はさらに三十三日間、血のきよめのために、こもらなければならない。そのきよめの期間が満ちるまでは、聖なるものにいっさい触れてはならない。また聖所に入ってもならない。
5 もし、女の子を産めば、月のさわりのときと同じく、二週間汚れる。その女はさらに六十六日間、血のきよめのために、こもらなければならない。
6 彼女のきよめの期間が満ちたなら、それが息子の場合であっても、娘の場合であっても、その女は全焼のいけにえとして一歳の子羊を一頭と、罪のためのいけにえとして家鳩のひなか、山鳩を一羽、会見の天幕の入口にいる祭司のところに持って来なければならない。
7祭司はこれを主の前にささげ、彼女のために贖いをしなさい。彼女はその出血からきよめられる。これが男の子でも、女の子でも、子を産む女についてのおしえである。
8 しかし、もし彼女が羊を買う余裕がなければ、二羽の山鳩か、二羽の家鳩のひなを取り、一羽は全焼のいけにえとし、もう一羽は罪のためのいけにえとしなさい。祭司は彼女のために贖いをする。彼女はきよめられる。」
1 ついで主はモーセとアロンに告げて仰せられた。
2 「ある人のからだの皮膚にはれもの、あるいはかさぶた、あるいは光る斑点ができ、からだの皮膚に4ツァラアトの患部が現れたときは、彼を、祭司アロンか、祭司であるその子らのひとりのところに連れて来る。
3祭司はそのからだの皮膚の患部を調べる。その患部の毛が白く変わり、その患部がそのからだの皮膚よりも深く見えているなら、それはツァラアトの患部である。祭司はそれを調べ、彼を汚れていると宣言する。
4 もしそのからだの皮膚の光る斑点が白くても、皮膚よりも深くは見えず、そこの毛も白く変わっていないなら、祭司はその患部を七日間隔離する。
5祭司は七日目に彼を調べる。もしその患部が祭司の目に、そのままに見え、患部が皮膚に広がっていないなら、祭司は彼をさらに七日間隔離する。
6祭司は七日目に再び彼を調べる。もし患部が薄れ、患部が皮膚に広がっていないなら、祭司は彼をきよいと宣言する。それはかさぶたにすぎない。彼は自分の衣服を洗う。彼はきよい。
7 もし、彼が祭司のところに現れ、きよいと宣言されて後、かさぶたが皮膚に広がってきたなら、再び祭司にその身を見せる。
8祭司が調べて、かさぶたが皮膚に広がっているなら、祭司は彼を汚れていると宣言する。これはツァラアトである。
9 ツァラアトの患部が人にあるときは、彼を祭司のところに連れて来る。
10祭司が調べて、もし皮膚に白いはれものがあり、その毛も白く変わり、はれものに生肉が盛り上がっているなら、
11 これは、そのからだの皮膚にある慢性のツァラアトである。祭司は彼を汚れていると宣言する。しかし祭司は彼を隔離する必要はない。彼はすでに汚れているのだから。
12 もしそのツァラアトがひどく皮膚に出て来て、そのツァラアトが、その患部の皮膚全体、すなわち祭司の目に留まるかぎり、頭から足までをおおっているときは、
13祭司が調べる。もしそのツァラアトが彼のからだ全体をおおっているなら、祭司はその患部をきよいと宣言する。すべてが白く変わったので、彼はきよい。
14 しかし生肉が彼に現れるときは、彼は汚れる。
15祭司はその生肉を調べて、彼を汚れていると宣言する。その生肉は汚れている。それはツァラアトである。
16 しかし、もしその生肉が再び白く変われば、彼は祭司のところに行く。
17祭司は彼を調べる。もしその患部が白く変わっているなら、祭司はその患部をきよいと宣言する。彼はきよい。
18 また、人のからだの皮膚に腫物ができ、それがいやされたとき、
19 その腫物の局所に白色のはれもの、または赤みがかった白い光る斑点があれば、祭司に見せる。
20祭司が調べて、もしそれが皮膚よりも低く見え、そこの毛が白く変わっていたなら、祭司は彼を汚れていると宣言する。それはその腫物に吹き出たツァラアトの患部である。
21 もし祭司がこれを調べて、そこに白い毛がなく、それが皮膚より低くなっておらず、それが薄れているなら、祭司は彼を七日間隔離する。
22 もしそれが一段と皮膚に広がってくれば、祭司は彼を汚れていると宣言する。これは患部である。
23 もしその光る斑点がもとのままであり、広がっていなければ、それはただ、できもののあとである。祭司は彼をきよいと宣言する。
24 あるいは、人のからだの皮膚にやけどがあって、そのやけどの生肉が赤みがかった白色、または白色の光る斑点であれば、
25祭司はこれを調べる。もし光る斑点の上の毛が白く変わり、それが皮膚よりも深く見えるなら、これはやけどに出て来たツァラアトである。祭司は彼を汚れていると宣言する。それはツァラアトの患部である。
26祭司がこれを調べて、その光る斑点に白い毛がなく、それが皮膚より低くなっておらず、それが薄れているなら、祭司は彼を七日間隔離する。
27 それから七日目に祭司が彼を調べる。もしそれが一段と皮膚に広がっていれば、祭司は彼を汚れていると宣言する。これはツァラアトの患部である。
28 もしその光る斑点がもとのままであり、その皮膚に広がっておらず、それが薄れているなら、それはやけどによるはれものである。祭司は彼をきよいと宣言する。これはやけどのあとであるから。
29 男あるいは女で、頭か、ひげに疾患があるときは、
30祭司はその患部を調べる。もしそれが皮膚よりも深く見え、そこに細い黄色の毛があるなら、祭司は彼を汚れていると宣言する。これはかいせんで、頭またはひげのツァラアトである。
31祭司がかいせんの患部を調べ、もしそれが皮膚よりも深く見えず、そこに黒い毛がないなら、祭司はそのかいせんの患部を七日間隔離する。
32 七日目に祭司は患部を調べる。もしそのかいせんが広がらず、またそこに黄色い毛もなく、かいせんが皮膚よりも深く見えていないなら、
33 その人は毛をそり落とす。ただし、そのかいせんをそり落としてはならない。祭司はそのかいせんの患部をさらに七日間隔離する。
34 七日目に祭司がそのかいせんを調べる。もしかいせんが皮膚に広がっておらず、それが皮膚よりも深く見えていないなら、祭司は彼をきよいと宣言する。彼は自分の衣服を洗う。彼はきよい。
35 しかし、彼がきよいと宣言されて後に、もしも、そのかいせんが皮膚に広がったなら、
36祭司は彼を調べる。もしそのかいせんが皮膚に広がっていれば、祭司は黄色の毛を捜す必要はない。彼は汚れている。
37 もし祭司が見て、そのかいせんがもとのままであり、黒い毛がそこに生えているなら、そのかいせんはいやされており、彼はきよい。祭司は彼をきよいと宣言する。
38 男あるいは女で、そのからだの皮膚に光る斑点、すなわち白い光る斑点があるとき、
39祭司はこれを調べる。もしそのからだの皮膚にある光る斑点が、淡い白色であるなら、これは皮膚に出て来た湿疹である。彼はきよい。
40 男の頭の毛が抜けても、それははげであって、彼はきよい。
41 もし顔の生えぎわから頭の毛が抜けても、それは額のはげであって、彼はきよい。
42 もしその頭のはげか、額のはげに、赤みがかった白の患部があるなら、それは頭のはげに、あるいは額のはげに出て来たツァラアトである。
43祭司は彼を調べる。もしその頭のはげ、あるいは額のはげにある患部のはれものが、からだの皮膚にあるツァラアトに見られるような赤みがかった白色であれば、
44 彼はツァラアトの者であって汚れている。祭司は彼を確かに汚れていると宣言する。その患部が頭にあるからである。
45患部のあるそのツァラアトの者は、自分の衣服を引き裂き、その髪の毛を乱し、その口ひげをおおって、『汚れている、汚れている』と叫ばなければならない。
46 その患部が彼にある間中、彼は汚れている。彼は汚れているので、ひとりで住み、その住まいは宿営の外でなければならない。
47衣服にツァラアトの患部が生じたときは、羊毛の衣服でも、亜麻布の衣服でも、
48亜麻または羊毛の織物でも、編物でも、皮でも、また皮で作ったどんなものでも、
49 その患部が緑がかっていたり、赤みを帯びたりしているなら、衣服でも、皮でも、織物でも、編物でも、またどんな皮製品でも、それはツァラアトの患部である。それを祭司に見せる。
50祭司はその患部を調べる。そして、その患部のある物を七日間隔離する。
51 七日目に彼はその患部のある物を調べる。それが衣服でも、織物でも、編物でも、皮でも、また皮が何に用いられていても、それらにその患部が広がっているときは、その患部は悪性のツァラアトで、それは汚れている。
52羊毛製であるにしても、亜麻製であるにしても、衣服、あるいは織物でも、編物でも、それがまたどんな皮製品でも、その患部のある物は焼く。これは悪性のツァラアトであるから、火で焼かなければならない。
53 もし、祭司が調べて、その患部がその衣服に、あるいは織物、編物、またすべての皮製品に広がっていなければ、
54祭司は命じて、その患部のある物を洗わせ、さらに七日間それを隔離する。
55祭司は、その患部のある物が洗われて後に、調べる。もし患部が変わったように見えなければ、その患部が広がっていなくても、それは汚れている。それは火で焼かなければならない。それが内側にあっても外側にあっても、それは腐食である。
56祭司が調べて、もしそれが洗われて後、その患部が薄れていたならば、彼はそれを衣服から、あるいは皮から、織物、編物から、ちぎり取る。
57 もし再びその衣服に、あるいは織物、編物、またはどんな皮製品にも、それが現れたなら、それは再発である。その患部のある物は火で焼かなければならない。
58 しかし、洗った衣服は、あるいは織物、編物、またはどんな皮製品でも、それらから、もしその患部が消えていたら、再びこれを洗う。それはきよい。」
59 以上は、羊毛あるいは亜麻布の衣服、織物、編物、あるいはすべての皮製品のツァラアトの患部についてのおしえであり、それをきよい、あるいは汚れている、と宣言するためである。
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「ツァラアトに冒された者がきよめられるときのおしえは次のとおりでなければならない。彼を祭司のところに連れて来る。
3祭司は宿営の外に出て行き、調べて、もしツァラアトの者のツァラアトの患部がいやされているなら、
4祭司はそのきよめられる者のために、二羽の生きているきよい小鳥と、杉の木と緋色の撚り糸とヒソプを取り寄せるよう命じる。
5祭司は、土の器に入れた湧き水の上で、その小鳥のうちの一羽をほふるよう命じる。
6 生きている小鳥を、杉の木と緋色の撚り糸とヒソプといっしょに取り、湧き水の上でほふった小鳥の血の中に、その生きている小鳥といっしょにそれらを浸す。
7 それを、ツァラアトからきよめられる者の上に七たび振りかけて、彼をきよいと宣言し、さらにその生きている小鳥を野に放す。
8 きよめられる者は、自分の衣服を洗い、その毛をみなそり落とし、水を浴びる。その者はきよい。そうして後、彼は宿営に入ることができる。しかし七日間は、自分の天幕の外にとどまる。
9 七日目になって、彼はすべての毛、その髪の毛と口ひげとまゆ毛をそり落とす。そのすべての毛をそり落とし、自分の衣服を洗い、水をそのからだに浴びる。その者はきよい。
10 八日目に彼は、傷のない雄の子羊二頭と傷のない一歳の雌の子羊一頭と、穀物のささげ物としての油を混ぜた小麦粉5十分の三エパと、油一6ログとを持って来る。
11 きよめを宣言する祭司は、きよめられる者と、これらのものを主の前、会見の天幕の入口の所に置く。
12祭司はその雄の子羊一頭を取り、それを油一ログといっしょにささげて罪過のためのいけにえとし、それを奉献物として主に向かって揺り動かす。
13罪のためのいけにえと全焼のいけにえをほふった所、すなわち聖なる所で、その雄の子羊をほふる。罪のためのいけにえと同様に、罪過のためのいけにえも祭司のものとなるからである。これは最も聖なるものである。
14祭司は罪過のためのいけにえの血を取り、それをきよめられる者の右の耳たぶと、右手の親指と、右足の親指に塗りつける。
15祭司は油一ログからいくらかを取って、自分の左の手のひらにそそぐ。
16祭司は右の指を左の手のひらにある油に浸し、その指で、油を七たび主の前に振りかける。
17祭司はその手のひらにある残りの油をきよめられる者の右の耳たぶと、右手の親指と、右足の親指に、すなわち先の罪過のためのいけにえの血の上に塗る。
18祭司はその手のひらにある残りの油をきよめられる者の頭に塗り、祭司は主の前で彼のために贖いをする。
19祭司は罪のためのいけにえをささげ、汚れからきよめられる者のために贖いをする。そのあとで全焼のいけにえがほふられなければならない。
20祭司は祭壇の上で、全焼のいけにえと穀物のささげ物をささげ、祭司は彼のために贖いをする。彼はきよい。
21 その人が貧しくて、それを手に入れることができないなら、自分を贖う奉献物とするために、雄の子羊一頭を罪過のためのいけにえとして取り、また穀物のささげ物として油を混ぜた小麦粉7十分の一エパと油一ログを取り、
22 また、手に入れることのできる山鳩二羽か家鳩のひな二羽を取らなければならない。その一羽は罪のためのいけにえ、他の一羽は全焼のいけにえとする。
23 八日目に、彼のきよめのために、それらを主の前、すなわち会見の天幕の入口の祭司のところに持って来る。
24祭司はその罪過のためのいけにえの子羊と油一ログを取って、これを奉献物として主に向かって揺り動かし、
25罪過のためのいけにえの子羊をほふる。祭司はその罪過のためのいけにえの血を取って、それをきよめられる者の右の耳たぶと、右手の親指と、右足の親指に塗る。
26祭司はその油を自分の左の手のひらにそそぐ。
27祭司は右手の指で、左の手のひらにある油を、主の前に七たび振りかける。
28祭司はその手のひらにある油をきよめられる者の右の耳たぶと、右手の親指と、右足の親指に、すなわち罪過のためのいけにえの血と同じところにつける。
29祭司はその手のひらにある残りの油をきよめられる者の頭の上に塗り、主の前で彼のために贖いをする。
30 彼は、手に入れることのできた山鳩か、家鳩のひなのうちから一羽をささげる。
31 すなわち、手に入れることのできたもののうち、一羽を罪のためのいけにえとして、他の一羽を全焼のいけにえとして、穀物のささげ物に添えてささげる。祭司は主の前で、きよめられる者のために贖いをする。」
32 以上は、ツァラアトの患部のある者で、きよめに要するものを手に入れることのできない者のためのおしえである。
33 ついで主はモーセとアロンに告げて仰せられた。
34 「わたしがあなたがたに所有地として与えるカナンの地に、あなたがたが入り、わたしがその所有地にある家にツァラアトの患部を生じさせ、
35 その家の所有者が来て、祭司に、そのような患部が家に現れたと言って、報告するときは、
36祭司はその患部を調べに入る前に、その家をあけるよう命じる。これはすべて家にあるものが汚れることのないためである。その後に、祭司はその家を調べに入る。
37 その患部を調べて、もしその患部がその家の壁に出ていて、それが緑がかったか、または赤みを帯びたくぼみであって、その壁よりも低く見えるならば、
38祭司はその家から入口に出て来て、七日間その家を閉ざしておく。
39 七日目に祭司がまた来て、調べ、もしその患部がその家の壁に広がっているなら、
40祭司はその患部のある石を取り出し、それらを町の外の汚れた場所に投げ捨てるよう命じる。
41 またその家の内側の回りを削り落とさせ、その削り落とした土は町の外の汚れた場所に捨てる。
42 人々は別の石を取って、前の石の代わりに入れ、また別の土を取って、その家を塗り直す。
43 もし彼が石を取り出し、家の壁を削り落とし、また塗り直して後に、再びその患部が家にできたなら、
44祭司は入って来て調べ、そして、もしその患部が家に広がっているなら、それは家につく悪性のツァラアトであって、その家は汚れている。
45 その家、すなわち、その石と材木と家の土全部を取りこわす。またそれを町の外の汚れた場所に運び出す。
46 その家が閉ざされている期間中にその家に入る者は、夕方まで汚れる。
47 その家で寝る者は、その衣服を洗わなければならない。その家で食事をする者も、その衣服を洗わなければならない。
48祭司が入って来て調べて、もしその家が塗り直されて後、その患部が家に広がっていないなら、祭司は、その家はきよいと宣言する。なぜなら、その患部が直ったからである。
49祭司は、その家をきよめるために、小鳥二羽と杉の木と緋色の撚り糸とヒソプを取り、
50 その小鳥のうちの一羽を土の器の中の湧き水の上でほふる。
51杉の木とヒソプと緋色の撚り糸と、生きている小鳥を取って、ほふられた小鳥の血の中と湧き水の中にそれらを浸し、その家に七たび振りかける。
52祭司は小鳥の血と湧き水と生きた小鳥と杉の木とヒソプと緋色の撚り糸とによって、その家をきよめ、
53 その生きている小鳥を町の外の野に放つ。こうして、その家のために贖いをする。その家はきよい。」
54 以上は、ツァラアトのあらゆる患部、かいせん、
55衣服と家のツァラアト、
56 はれもの、かさぶた、光る斑点についてのおしえである。
57 これは、どんなときにそれが汚れているのか、またどんなときにそれがきよいのかを教えるためである。これがツァラアトについてのおしえである。
1 ついで主はモーセとアロンに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に告げて言え。
だれでも、隠しどころに漏出がある場合、その漏出物は汚れている。
3 その漏出物による汚れは次のとおりである。すなわち、隠しどころが漏出物を漏らしても、あるいは隠しどころが漏出物を留めていても、その者には汚れがある。
4漏出を病む人の寝る床は、すべて汚れる。またその者がすわる物もみな汚れる。
5 また、だれでもその床に触れる者は自分の衣服を洗い、水を浴びなければならない。その者は夕方まで汚れる。
6 また漏出を病む人がすわった物の上にすわる者は、自分の衣服を洗い、水を浴びる。その者は夕方まで汚れる。
7 また、漏出を病む人の隠しどころにさわる者も、自分の衣服を洗い、水を浴びなければならない。その者は夕方まで汚れる。
8 また、漏出を病む者が、きよい人につばきをかけるなら、その人は自分の衣服を洗い、水を浴びる。その人は夕方まで汚れる。
9 また、漏出を病む者が乗った鞍はみな汚れる。
10 また、どんな物であれ、その者の下にあった物にさわる者はみな、夕方まで汚れる。また、それらの物を運ぶ者も、自分の衣服を洗わなければならない。水を浴びなければならない。その者は夕方まで汚れる。
11 また、漏出を病む者が、水でその手を洗わずに、だれかにさわるなら、さわられた人は自分の衣服を洗い、水を浴びる。その人は夕方まで汚れる。
12 また、漏出を病む者がさわった土の器はこわされなければならない。木の器はみな、水で洗われなければならない。
13漏出を病む者がその漏出からきよくなるときは、自分のきよめのために七日を数え、自分の衣服を洗い、自分のからだに湧き水を浴びる。彼はきよい。
14 八日目には、自分のために、山鳩二羽か家鳩のひな二羽を取らなければならない。彼は主の前、会見の天幕の入口の所に来て、それを祭司に渡す。
15祭司はそれを、一羽を罪のためのいけにえとして、他の一羽を全焼のいけにえとしてささげ、祭司はその漏出物のために、主の前でその者のために贖いをする。
16 人が精を漏らしたときは、その人は全身に水を浴びる。その人は夕方まで汚れる。
17精のついている衣服と皮はすべて、水で洗う。それは夕方まで汚れる。
18 男が女と寝て交わるなら、ふたりは共に水を浴びる。彼らは夕方まで汚れる。
19 女に漏出があって、その漏出物がからだからの血であるならば、彼女は七日間、月のさわりの状態になる。だれでも彼女に触れる者は、夕方まで汚れる。
20 また、その女の月のさわりのときに使った寝床はすべて汚れる。また、その女のすわった物もみな汚れる。
21 また、その女の床に触れる者はだれでも、その衣服を洗い、水を浴びなければならない。その者は夕方まで汚れる。
22 また、何であれ、その女のすわった物に触れる者はみな、その衣服を洗い、水を浴びなければならない。その者は夕方まで汚れる。
23 その女の床であっても、すわった物であっても、それにさわった者は夕方まで汚れる。
24 また、もし男がその女と寝るなら、その女のさわりが彼に移り、その者は七日間汚れる。彼が寝る床もすべて汚れる。
25 もし女に、月のさわりの間ではないのに、長い日数にわたって血の漏出がある場合、あるいは月のさわりの間が過ぎても漏出がある場合、その汚れた漏出のある間中、彼女は、月のさわりの間と同じく汚れる。
26 彼女がその漏出の間中に寝る床はすべて、月のさわりのときの床のようになる。その女のすわるすべての物は、その月のさわりの間の汚れのように汚れる。
27 これらの物にさわる者はだれでも汚れる。その者は衣服を洗い、水を浴びる。その者は夕方まで汚れる。
28 もし女がその漏出からきよくなったときには、七日を数える。その後にその女はきよくなる。
29 八日目には、その女は山鳩二羽か家鳩のひな二羽を取り、それを会見の天幕の入口の祭司のところに持って来なければならない。
30祭司は一羽を罪のためのいけにえとし、他の一羽を全焼のいけにえとしてささげる。祭司は、その汚れた漏出のために、主の前でその女のために贖いをする。
31 あなたがたは、イスラエル人をその汚れから離れさせなさい。彼らの間にあるわたしの幕屋を汚し、その汚れたままで彼らが死ぬことのないためである。」
32 以上が、漏出のある者、また精を漏らして汚れた者、
33 また月のさわりで不浄の女、また男か女で漏出のある者、あるいは汚れている女と寝る男についてのおしえである。
1 アロンのふたりの子の死後、すなわち、彼らが主の前に近づいてそのために死んで後、主はモーセに告げられた。
2主はモーセに仰せられた。「あなたの兄アロンに告げよ。
かってな時に垂れ幕の内側の聖所に入って、箱の上の『贖いのふた』の前に行ってはならない、死ぬことのないためである。わたしが『贖いのふた』の上の雲の中に現れるからである。
3 アロンは次のようにして聖所に入らなければならない。罪のためのいけにえとして若い雄牛、また全焼のいけにえとして雄羊を携え、
4聖なる亜麻布の長服を着、亜麻布のももひきをはき、亜麻布の飾り帯を締め、亜麻布のかぶり物をかぶらなければならない。これらが聖なる装束であって、彼はからだに水を浴び、それらを着ける。
5 彼はまた、イスラエル人の会衆から、罪のためのいけにえとして雄やぎ二頭、全焼のいけにえとして雄羊一頭を取らなければならない。
6 アロンは自分のための罪のためのいけにえの雄牛をささげ、自分と自分の家族のために贖いをする。
7 二頭のやぎを取り、それを主の前、会見の天幕の入口の所に立たせる。
8 アロンは二頭のやぎのためにくじを引き、一つのくじは主のため、一つのくじはアザゼルのためとする。
9 アロンは、主のくじに当たったやぎをささげて、それを罪のためのいけにえとする。
10 アザゼルのためのくじが当たったやぎは、主の前に生きたままで立たせておかなければならない。これは、それによって贖いをするために、アザゼルとして荒野に放つためである。
11 アロンは自分の罪のためのいけにえの雄牛をささげ、自分と自分の家族のために贖いをする。彼は自分の罪のためのいけにえの雄牛をほふる。
12主の前の祭壇から、火皿いっぱいの炭火と、両手いっぱいの粉にしたかおりの高い香とを取り、垂れ幕の内側に持って入る。
13 その香を主の前の火にくべ、香から出る雲があかしの箱の上の『贖いのふた』をおおうようにする。彼が死ぬことのないためである。
14 彼は雄牛の血を取り、指で『贖いのふた』の東側に振りかけ、また指で七たびその血を『贖いのふた』の前に振りかけなければならない。
15 アロンは民のための罪のためのいけにえのやぎをほふり、その血を垂れ幕の内側に持って入り、あの雄牛の血にしたようにこの血にもして、それを『贖いのふた』の上と『贖いのふた』の前に振りかける。
16 彼はイスラエル人の汚れと、そのそむき、すなわちそのすべての罪のために、聖所の贖いをする。彼らの汚れの中に彼らとともにある会見の天幕にも、このようにしなければならない。
17 彼が贖いをするために聖所に入って、再び出て来るまで、だれも会見の天幕の中にいてはならない。彼は自分と、自分の家族、それにイスラエルの全集会のために贖いをする。
18主の前にある祭壇のところに出て行き、その贖いをする。彼はその雄牛の血と、そのやぎの血を取り、それを祭壇の回りにある角に塗る。
19 その残りの血を、その祭壇の上に指で七たび振りかける。彼はそれをきよめ、イスラエル人の汚れからそれを聖別する。
20 彼は聖所と会見の天幕と祭壇との贖いをし終え、先の生きているやぎをささげる。
21 アロンは生きているやぎの頭に両手を置き、イスラエル人のすべての咎と、すべてのそむきを、どんな罪であっても、これを全部それの上に告白し、これらをそのやぎの頭の上に置き、係りの者の手でこれを荒野に放つ。
22 そのやぎは、彼らのすべての咎をその上に負って、不毛の地へ行く。彼はそのやぎを荒野に放つ。
23 アロンは会見の天幕に入り、聖所に入ったときに着けていた亜麻布の装束を脱ぎ、それをそこに残しておく。
24 彼は聖なる所でそのからだに水を浴び、自分の衣服を着て外に出て、自分の全焼のいけにえと民の全焼のいけにえとをささげ、自分のため、民のために贖いをする。
25罪のためのいけにえの脂肪は、祭壇の上で焼いて煙にしなければならない。
26 アザゼルのやぎを放った者は、その衣服を洗い、そのからだに水を浴びる。そうして後に、彼は宿営に入ることができる。
27罪のためのいけにえの雄牛と、罪のためのいけにえのやぎで、その血が贖いのために聖所に持って行かれたものは、宿営の外に持ち出し、その皮と肉と汚物を火で焼かなければならない。
28 これを焼く者は、その衣服を洗わなければならない。そのからだに水を浴びる。こうして後に宿営に入ることができる。
29 以下のことはあなたがたに、永遠のおきてとなる。第七の月の十日には、あなたがたは身を戒めなければならない。この国に生まれた者も、あなたがたの中の在留異国人も、どんな仕事もしてはならない。
30 なぜなら、この日に、あなたがたをきよめるために、あなたがたの贖いがなされるからである。あなたがたは、主の前でそのすべての罪からきよめられるのである。
31 これがあなたがたの全き休みの安息であり、あなたがたは身を戒める。これは永遠のおきてである。
32 油をそそがれ、その父に代わって祭司として仕えるために任命された祭司が、贖いをする。彼は亜麻布の装束、すなわち聖なる装束を着ける。
33 彼は至聖所の贖いをする。また会見の天幕と祭壇の贖いをしなければならない。また彼は祭司たちと集会のすべての人々の贖いをしなければならない。
34 以上のことは、あなたがたに永遠のおきてとなる。これは年に一度、イスラエル人のすべての罪から彼らを贖うためである。」
モーセは主が命じられたとおりに行った。
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「アロンとその子ら、またすべてのイスラエル人に告げて言え。
主が命じて仰せられたことは次のとおりである。
3 イスラエルの家の者のだれかが、牛か子羊かやぎを宿営の中でほふり、あるいは宿営の外でそれをほふって、
4主の幕屋の前に主へのささげ物としてささげるために、それを会見の天幕の入口の所に持って来ないなら、血はその人に帰せられる。その人は血を流した。その人はその民の間から断たれる。
5 これは、イスラエル人が、野外でささげていたそのいけにえを持って来るようにするため、また会見の天幕の入口の祭司のところで、主に持って来て、主への和解のいけにえとして、それらをささげるためである。
6 また、祭司が、その血を会見の天幕の入口にある主の祭壇に注ぎかけ、その脂肪を主へのなだめのかおりとして焼いて煙にするため、
7 また、彼らが慕って、淫行をしていたやぎの偶像に、彼らが二度といけにえをささげなくなるためである。これは彼らにとって、代々守るべき永遠のおきてとなる。
8 また、あなたは彼らに言わなければならない。
イスラエルの家の者、または彼らの間の在留異国人のだれであっても、全焼か、または、ほかのいけにえをささげ、
9 それを主にささげるために会見の天幕の入口に持って行かないなら、その者は、その民から断ち切られる。
10 また、イスラエルの家の者、または彼らの間の在留異国人のだれであっても、どんな血でも食べるなら、わたしはその血を食べる者から、わたしの顔をそむけ、その者をその民の間から断つ。
11 なぜなら、肉のいのちは血の中にあるからである。わたしはあなたがたのいのちを祭壇の上で贖うために、これをあなたがたに与えた。いのちとして贖いをするのは血である。
12 それゆえ、わたしはイスラエル人に言った。『あなたがたはだれも血を食べてはならない。あなたがたの間の在留異国人もまた、だれも血を食べてはならない。』
13 イスラエル人や彼らの間の在留異国人のだれかが、食べることのできる獣や鳥を狩りで捕らえるなら、その者はその血を注ぎ出し、それを土でおおわなければならない。
14 すべての肉のいのちは、その血が、そのいのちそのものである。それゆえ、わたしはイスラエル人に言っている。『あなたがたは、どんな肉の血も食べてはならない。すべての肉のいのちは、その血そのものであるからだ。それを食べる者はだれでも断ち切られなければならない。』
15 自然に死んだものとか、野獣に裂き殺されたものを食べるなら、この国に生まれた者でも、在留異国人でも、だれでも、その衣服を洗い、水を浴びなければならない。その者は夕方まで汚れている。彼はきよい。
16 もし、その衣服を洗わず、その身に水を浴びないなら、その者は自分の咎を負わなければならない。」
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエルの人々に告げて言え。
わたしはあなたがたの神、主である。
3 あなたがたは、あなたがたが住んでいたエジプトの地のならわしをまねてはならない。またわたしがあなたがたを導き入れようとしているカナンの地のならわしをまねてもいけない。彼らの風習に従って歩んではならない。
4 あなたがたは、わたしの定めを行い、わたしのおきてを守り、それに従わなければならない。わたしは、あなたがたの神、主である。
5 あなたがたは、わたしのおきてとわたしの定めを守りなさい。それを行う人は、それによって生きる。わたしは主である。
6 あなたがたのうち、だれも、自分の肉親の女に近づいて、これを犯してはならない。わたしは主である。
7 父をはずかしめること、すなわちあなたの母を犯すことをしてはならない。彼女はあなたの母であるから、彼女を犯してはならない。
8 あなたの父の妻を犯してはならない。それは、あなたの父をはずかしめることである。
9 あなたの姉妹は、あなたの父の娘でも、母の娘でも、あるいは、家で生まれた女でも、外で生まれた女でも、犯してはならない。
10 あなたの息子の娘、あるいはあなたの娘の娘を犯してはならない。それはあなた自身をはずかしめることだからである。
11 あなたの父の妻があなたの父に産んだ娘は、あなたの姉妹であるから、あなたはその娘を犯してはならない。
12 あなたの父の姉妹を犯してはならない。彼女はあなたの父の肉親である。
13 あなたの母の姉妹を犯してはならない。彼女はあなたの母の肉親であるから。
14 あなたの父の兄弟をはずかしめてはならない。すなわち、その妻に近づいてはならない。彼女はあなたのおばである。
15 あなたの嫁を犯してはならない。彼女はあなたの息子の妻である。彼女を犯してはならない。
16 あなたの兄弟の妻を犯してはならない。それはあなたの兄弟をはずかしめることである。
17 あなたは女とその娘とを犯してはならない。またあなたはその女の息子の娘、あるいはその娘の娘をめとって、これを犯してはならない。彼女たちは肉親であり、このことは破廉恥な行為である。
18 あなたは妻を苦しませるために、妻の存命中に、その姉妹に当たる女をめとり、その女を犯してはならない。
19 あなたは、月のさわりで汚れている女に近づき、これを犯してはならない。
20 また、あなたの隣人の妻と寝て交わり、彼女によって自分を汚してはならない。
21 また、あなたの子どもをひとりでも、火の中を通らせて、モレクにささげてはならない。あなたの神の御名を汚してはならない。わたしは主である。
22 あなたは女と寝るように、男と寝てはならない。これは忌みきらうべきことである。
23 動物と寝て、動物によって身を汚してはならない。女も動物の前に立って、これと臥してはならない。これは道ならぬことである。
24 あなたがたは、これらのどれによっても、身を汚してはならない。わたしがあなたがたの前から追い出そうとしている国々は、これらのすべてのことによって汚れており、
25 このように、その地も汚れており、それゆえ、わたしはその地の咎を罰するので、その地は、住民を吐き出すことになるからである。
26 あなたがたは、わたしのおきてとわたしの定めを守らなければならない。この国に生まれた者も、あなたがたの間の在留異国人も、これらの忌みきらうべきことを、一つでも行うことがないためである。
27 ──あなたがたより先にいたこの地の人々は、これらすべての忌みきらうべきことを行ったので、その地は汚れた──
28 あなたがたがこの地を汚すことによって、この地が、あなたがたより先にいた国民を吐き出したように、あなたがたを吐き出すことのないためである。
29 これらの忌みきらうべきことの一つでも行う者はだれであろうと、それを行う者は、その民の間から断たれる。
30 あなたがたは、わたしの戒めを守り、あなたがたの先に行われていた忌みきらうべき風習を決して行わないようにしなさい。それによって身を汚してはならない。わたしはあなたがたの神、主である。」
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人の全会衆に告げて言え。
あなたがたの神、主であるわたしが聖であるから、あなたがたも聖なる者とならなければならない。
3 おのおの、自分の母と父とを恐れなければならない。また、わたしの安息日を守らなければならない。わたしはあなたがたの神、主である。
4 あなたがたは偶像に心を移してはならない。また自分たちのために鋳物の神々を造ってはならない。わたしはあなたがたの神、主である。
5 あなたがたが主に和解のいけにえをささげるときは、あなたがたが受け入れられるように、それをささげなければならない。
6 それをささげる日と、その翌日に、それを食べなければならない。三日目まで残ったものは、火で焼かなければならない。
7 もし三日目にそれを食べるようなことがあれば、それは汚れたものとなって、受け入れられない。
8 それを食べる者は咎を負わなければならない。主の聖なるものを汚したからである。その者はその民から断ち切られる。
9 あなたがたの土地の収穫を刈り入れるときは、畑の隅々まで刈ってはならない。あなたの収穫の落ち穂を集めてはならない。
10 またあなたのぶどう畑の実を取り尽くしてはならない。あなたのぶどう畑の落ちた実を集めてはならない。貧しい者と在留異国人のために、それらを残しておかなければならない。わたしはあなたがたの神、主である。
11盗んではならない。欺いてはならない。互いに偽ってはならない。
12 あなたがたは、わたしの名によって、偽って誓ってはならない。あなたの神の御名を汚してはならない。わたしは主である。
13 あなたの隣人をしいたげてはならない。かすめてはならない。日雇い人の賃金を朝まで、あなたのもとにとどめていてはならない。
14 あなたは耳の聞こえない者を侮ってはならない。目の見えない者の前につまずく物を置いてはならない。あなたの神を恐れなさい。わたしは主である。
15 不正な裁判をしてはならない。弱い者におもねり、また強い者にへつらってはならない。あなたの隣人を正しくさばかなければならない。
16 人々の間を歩き回って、人を中傷してはならない。あなたの隣人の8血を流そうとしてはならない。わたしは主である。
17 心の中であなたの身内の者を憎んではならない。あなたの隣人をねんごろに戒めなければならない。そうすれば、彼のために罪を負うことはない。
18復讐してはならない。あなたの国の人々を恨んではならない。あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい。わたしは主である。
19 あなたがたは、わたしのおきてを守らなければならない。あなたの家畜を種類の異なった家畜と交わらせてはならない。あなたの畑に二種類の種を蒔いてはならない。また、二種類の糸で織った布地の衣服を身に着けてはならない。
20 男が女と寝て交わり、その女が別の男に決まっている女奴隷であって、まだ全然贖われておらず、自由を与えられていない場合は考慮する。女が自由の身でないので、彼らは殺されない。
21 その男は、主への罪過のためのいけにえとして、罪過のためのいけにえの雄羊を会見の天幕の入口の所に持って来る。
22祭司は、彼の犯した罪のために、その罪過のためのいけにえの雄羊によって主の前で彼の贖いをする。彼はその犯した罪を赦される。
23 あなたがたが、かの地に入って、どんな果樹でも植えるとき、その実はまだ割礼のないものとみなさなければならない。三年の間、それはあなたがたにとって割礼のないものとなる。食べてはならない。
24 四年目にはその実はすべて聖となり、主への賛美のささげ物となる。
25 五年目には、あなたがたはその実を食べることができる。それはあなたがたの収穫を増すためである。わたしはあなたがたの神、主である。
26 あなたがたは血のついたままで何も食べてはならない。まじないをしてはならない。卜占をしてはならない。
27 あなたがたの頭のびんの毛をそり落としてはならない。ひげの両端をそこなってはならない。
28 あなたがたは死者のため、自分のからだに傷をつけてはならない。また自分の身に入墨をしてはならない。わたしは主である。
29 あなたの娘を汚して、みだらなことをさせてはならない。地がみだらになり、地が破廉恥な行為で満ちることのないために。
30 あなたがたは、わたしの安息日を守り、わたしの聖所を恐れなければならない。わたしは主である。
31 あなたがたは霊媒や口寄せに心を移してはならない。彼らを求めて、彼らに汚されてはならない。わたしはあなたがたの神、主である。
32 あなたは白髪の老人の前では起立し、老人を敬い、またあなたの神を恐れなければならない。わたしは主である。
33 もしあなたがたの国に、あなたといっしょに在留異国人がいるなら、彼をしいたげてはならない。
34 あなたがたといっしょの在留異国人は、あなたがたにとって、あなたがたの国で生まれたひとりのようにしなければならない。あなたは彼をあなた自身のように愛しなさい。あなたがたもかつてエジプトの地では在留異国人だったからである。わたしはあなたがたの神、主である。
35 あなたがたはさばきにおいても、ものさしにおいても、はかりにおいても、分量においても、不正をしてはならない。
36 正しいてんびん、正しい重り石、正しい9エパ、正しい10ヒンを使わなければならない。わたしは、あなたがたをエジプトの地から連れ出した、あなたがたの神、主である。
37 あなたがたは、わたしのすべてのおきてとすべての定めを守り、これらを行いなさい。わたしは主である。」
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「あなたはイスラエル人に言わなければならない。
イスラエル人、またはイスラエルにいる在留異国人のうちで、自分の子どもをモレクに与える者は、だれでも必ず殺さなければならない。この国の人々は彼を石で打ち殺さなければならない。
3 わたしはその者からわたしの顔をそむけ、彼をその民の間から断つ。彼がモレクに子どもを与え、そのためわたしの聖所を汚し、わたしの聖なる名を汚すからである。
4 人がモレクにその子どもを与えるとき、もしこの国の人々が、ことさらに目をつぶり、彼を殺さなかったなら、
5 わたし自身は、その人とその家族から顔をそむけ、彼と、彼にならいモレクを慕って、淫行を行うみだらな者をすべて、その民の間から断つ。
6霊媒や口寄せのところにおもむき、彼らを慕って淫行を行う者があれば、わたしはその者から顔をそむけ、その者をその民の間から断つ。
7 あなたがたが自分の身を聖別するなら、あなたがたは聖なる者となる。わたしがあなたがたの神、主であるからだ。
8 あなたがたは、わたしのおきてを守るなら、それを行うであろう。わたしはあなたがたを聖なる者とする主である。
9 だれでも自分の父あるいは母をのろう者は、必ず殺されなければならない。彼は自分の父あるいは母をのろった。その血の責任は彼にある。
10 人がもし、他人の妻と姦通するなら、すなわちその隣人の妻と姦通するなら、姦通した男も女も必ず殺されなければならない。
11 人がもし、父の妻と寝るなら、父をはずかしめたのである。ふたりは必ず殺されなければならない。その血の責任は彼らにある。
12 人がもし、息子の嫁と寝るなら、ふたりは必ず殺されなければならない。彼らは道ならぬことをした。その血の責任は彼らにある。
13 男がもし、女と寝るように男と寝るなら、ふたりは忌みきらうべきことをしたのである。彼らは必ず殺されなければならない。その血の責任は彼らにある。
14 人がもし、女をその母といっしょにめとるなら、それは破廉恥なことである。彼も彼女らも共に火で焼かれなければならない。あなたがたの間で破廉恥な行為があってはならないためである。
15 人がもし、動物と寝れば、その者は必ず殺されなければならない。あなたがたはその動物も殺さなければならない。
16 女がもし、どんな動物にでも、近づいて、それとともに臥すなら、あなたはその女と動物を殺さなければならない。彼らは必ず殺されなければならない。その血の責任は彼らにある。
17 人がもし、自分の姉妹、すなわち父の娘、あるいは母の娘をめとり、その姉妹の裸を見、また女が彼の裸を見るなら、これは恥ずべきことである。同族の目の前で彼らは断ち切られる。彼はその姉妹を犯した。その咎を負わなければならない。
18 人がもし、月のさわりのある女と寝て、これを犯すなら、男は女の泉をあばき、女はその血の泉を現したのである。ふたりはその民の間から断たれる。
19 母の姉妹や父の姉妹を犯してはならない。これは、自分の肉親を犯したのである。彼らは咎を負わなければならない。
20 人がもし、自分のおばと寝るなら、おじをはずかしめることになる。彼らはその罪を負わなければならない。彼らは子を残さずに死ななければならない。
21 人がもし、自分の兄弟の妻をめとるなら、それは忌まわしいことだ。彼はその兄弟をはずかしめた。彼らは子のない者となる。
22 あなたがたが、わたしのすべてのおきてと、すべての定めとを守り、これを行うなら、わたしがあなたがたを住まわせようと導き入れるその地は、あなたがたを吐き出さない。
23 あなたがたは、わたしがあなたがたの前から追い出そうとしている国民の風習に従って歩んではならない。彼らはこれらすべてのことを行ったので、わたしは彼らをはなはだしくきらった。
24 それゆえ、あなたがたに言った。『あなたがたは彼らの土地を所有するようになる。わたしが乳と蜜の流れる地を、あなたがたに与えて、所有させよう。わたしは、あなたがたを国々の民からえり分けたあなたがたの神、主である。
25 あなたがたは、きよい動物と汚れた動物、また、汚れた鳥ときよい鳥を区別するようになる。わたしがあなたがたのために汚れているとして区別した動物や鳥や地をはうすべてのものによって、あなたがた自身を忌むべきものとしてはならない。
26 あなたがたはわたしにとって聖なるものとなる。主であるわたしは聖であり、あなたがたをわたしのものにしようと、国々の民からえり分けたからである。』
27 男か女で、霊媒や口寄せがいるなら、その者は必ず殺されなければならない。彼らは石で打ち殺されなければならない。彼らの血の責任は彼らにある。」
1 ついで主はモーセに仰せられた。
「アロンの子である祭司たちに言え。彼らに言え。
縁者のうちで死んだ者のために、自分の身を汚してはならない。
2 ただし、近親の者、母や父、息子や娘、また兄弟の場合は例外である。
3 近親の、結婚したことのない処女の姉妹の場合は、身を汚してもよい。
4姻戚の縁者として身を汚し、自分を冒瀆することになってはならない。
5 彼らは頭をそってはならない。ひげの両端をそり落としてもいけない。からだにどんな傷もつけてはならない。
6 彼らは自分の神に対して聖でなければならない。また自分の神の御名を汚してはならない。彼らは、主への火によるささげ物、彼らの神のパンをささげるからである。彼らは聖でなければならない。
7 彼らは淫行で汚れている女をめとってはならない。また夫から離婚された女をめとってはならない。祭司は神に対して聖であるから。
8 あなたは彼を聖別しなければならない。彼はあなたの神のパンをささげるからである。彼はあなたにとって聖でなければならない。あなたがたを聖別する主、わたしが聖であるから。
9祭司の娘が淫行で身を汚すなら、その父を汚すことになる。彼女は火で焼かれなければならない。
10 兄弟たちのうち大祭司で、頭にそそぎの油がそそがれ、聖別されて装束を着けている者は、その髪の毛を乱したり、その装束を引き裂いたりしてはならない。
11 どんな死体のところにも、行ってはならない。自分の父のためにも母のためにも、自分の身を汚してはならない。
12聖所から出て行って、神の聖所を汚してはならない。神のそそぎの油による記章を身につけているからである。わたしは主である。
13 彼は処女である女をめとらなければならない。
14 やもめ、離婚された女、あるいは淫行で汚れている女、これらをめとってはならない。彼はただ、自分の民から処女をめとらなければならない。
15 彼の民のうちで、その子孫を汚すことのないためである。わたしは彼を聖別する主だからである。」
16 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
17 「アロンに告げて言え。
あなたの代々の子孫のうち、だれでも身に欠陥のある者は、神のパンをささげるために近づいてはならない。
18 だれでも、身に欠陥のある者は近づいてはならない。目の見えない者、足のなえた者、あるいは手足が短すぎたり、長すぎたりしている者、
19 あるいは足や手の折れた者、
20 くる病、肺病でやせた者、目に星のある者、湿疹のある者、かさぶたのある者や、こうがんのつぶれた者などである。
21祭司であるアロンの子孫のうち、だれでも身に欠陥のある者は、主への火によるささげ物をささげるために近寄ってはならない。彼の身には欠陥があるから、神のパンをささげるために近寄ってはならない。
22 しかし彼は、神のパンは、最も聖なるものでも、聖なるものでも食べることができる。
23 ただし、垂れ幕の所に行ってはならない。祭壇に近寄ってはならない。彼は身に欠陥があるからである。彼はわたしの聖所を汚してはならない。わたしがそれらを聖別する主だからである。」
24 モーセはこのように、アロンとその子らとすべてのイスラエル人に告げた。
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「アロンとその子らに告げよ。
イスラエル人の聖なるものは、わたしのために聖別しなければならない。彼らはわたしの聖なる名を汚してはならない。それは彼らがわたしのために、聖なるものとすべきものである。わたしは主である。
3 彼らに言え。
代々にわたり、あなたがたの子孫のだれかが、イスラエル人が主のために聖別した聖なるものに汚れたままで近づくなら、その者は、わたしの前から断ち切られる。わたしは主である。
4 アロンの子孫のうち、ツァラアトの者、または漏出のある者はだれでも、きよくなるまで聖なるものを食べてはならない。また、死体によって汚されたものに触れる者、精を漏らす者、
5 あるいはすべて人を汚す、群生するものに触れる者、または、どのような汚れでも、人を汚れさせる人間に触れる者、
6 このようなものに触れる者は、夕方まで汚れる。その者は、からだに水を浴びずに、聖なるものを食べてはならない。
7 ただし、日が沈めば、彼はきよくなり、その後、聖なるものを食べることができる。それは彼の食物だからである。
8 自然に死んだものや、野獣に裂き殺されたものを食べて、汚れてはならない。わたしは主である。
9 彼らがわたしの戒めを守るなら、彼らが、これを汚し、そのために罪を負って、死ぬことはない。わたしは彼らを聖別する主である。
1011一般の者はだれも聖なるものを食べてはならない。祭司と同居している者や雇い人は、聖なるものを食べてはならない。
11祭司に金で買われた者は、これを食べることができる。また、その家で生まれたしもべも、祭司のパンを食べることができる。
12祭司の娘が12一般の人と結婚したなら、彼女は聖なる奉納物を食べてはならない。
13祭司の娘がやもめ、あるいは離婚された者となり、子どももなく、娘のときのように再びその父の家に戻っていれば、その父の食物を食べることができる。しかし、一般の者はだれも、それを食べてはならない。
14 だれかが、あやまって聖なるものを食べるなら、それにその五分の一を足して、その聖なるものを祭司に渡す。
15 イスラエル人に、その主に奉納する聖なるものを汚し、
16聖なるものを食べて、その罪過の咎を負うようにさせてはならない。わたしは彼らを聖別する主だからである。」
17 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
18 「アロンとその子ら、またすべてのイスラエル人に告げて言え。
だれでも、イスラエルの家の者、またはイスラエルにいる在留異国人がささげ物をささげ、誓願のささげ物、あるいは進んでささげるささげ物として、全焼のいけにえを主にささげるなら、
19 あなたがたが受け入れられるためには、それは牛、羊、あるいはやぎのうちの傷のない雄でなければならない。
20欠陥のあるものは、いっさいささげてはならない。それはあなたがたのために受け入れられないからである。
21 また、人が特別の誓願を果たすため、あるいは進んでささげるささげ物として、牛か羊の中から和解のいけにえを主にささげるときは、それが受け入れられるためには傷のないものでなければならない。それにはどのような欠陥もあってはならない。
22盲目のもの、折れたところのあるもの、傷のあるもの、あるいは、うみの出るもの、湿疹のあるもの、かさぶたのあるもの、あなたがたはこれらのものを主にささげてはならない。また、これらのものを主への火によるささげ物として祭壇の上にささげてはならない。
23 牛や羊で、足が伸びすぎているか、またはなえ縮んだものは、進んでささげるささげ物とすることはできるが、誓願のささげ物としては受け入れられない。
24 あなたがたは、こうがんの押しつぶされたもの、砕けたもの、裂かれたもの、切り取られたものを主にささげてはならない。あなたがたの地でそのようなことをしてはならない。
25 また、あなたがたは、外国人の手から何かこのようなものを受けて、あなたがたの神のパンとしてささげてはならない。これらのものはそこなわれており、欠陥があるから、あなたがたのために受け入れられない。」
26 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
27 「牛か羊かやぎが生まれたときは、七日間、その母親といっしょにしておく。八日目以後、それは主への火によるささげ物として受け入れられる。
28 しかし、牛でも、羊でも、それをその子と同じ日にほふってはならない。
29主に感謝のいけにえをささげるときは、あなたがたが受け入れられるように、それをささげなければならない。
30 その同じ日にこれを食べ、朝までそれを残しておいてはならない。わたしは主である。
31 あなたがたは、わたしの命令を守り、これを行え。わたしは主である。
32 わたしの聖なる名を汚してはならない。むしろわたしはイスラエル人のうちで聖とされなければならない。わたしはあなたがたを聖別した主である。
33 あなたがたの神となるために、あなたがたをエジプトの地から連れ出した者、わたしは、主である。」
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に告げて言え。
あなたがたが聖なる会合として召集する主の例祭、すなわちわたしの例祭は次のとおりである。
3 六日間は仕事をしてもよい。しかし七日目は全き休みの安息、聖なる会合の日である。あなたがたは、いっさいの仕事をしてはならない。この日はあなたがたがどこに住んでいても主の安息日である。
4 あなたがたが定期に召集しなければならない聖なる会合、すなわち主の例祭は次のとおりである。
5 第一月の十四日には、夕暮れに過越のいけにえを主にささげる。
6 この月の十五日は、主の、種を入れないパンの祭りである。七日間、あなたがたは種を入れないパンを食べなければならない。
7 最初の日は、あなたがたの聖なる会合とし、どんな労働の仕事もしてはならない。
8 七日間、火によるささげ物を主にささげる。七日目は聖なる会合である。あなたがたは、どんな労働の仕事もしてはならない。」
9 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
10 「イスラエル人に告げて言え。
わたしがあなたがたに与えようとしている地に、あなたがたが入り、収穫を刈り入れるときは、収穫の初穂の束を祭司のところに持って来る。
11祭司は、あなたがたが受け入れられるために、その束を主に向かって揺り動かす。祭司は安息日の翌日、それを揺り動かさなければならない。
12 あなたがたは、束を揺り動かすその日に、主への全焼のいけにえとして、一歳の傷のない雄の子羊をささげる。
13 その穀物のささげ物は、油を混ぜた小麦粉13十分の二エパであり、主への火によるささげ物、なだめのかおりである。その注ぎのささげ物はぶどう酒で、一14ヒンの四分の一である。
14 あなたがたは神へのささげ物を持って来るその日まで、パンも、炒り麦も、新穀も食べてはならない。これはあなたがたがどこに住んでいても、代々守るべき永遠のおきてである。
15 あなたがたは、安息日の翌日から、すなわち奉献物の束を持って来た日から、満七週間が終わるまでを数える。
16 七回目の安息日の翌日まで五十日を数え、あなたがたは新しい穀物のささげ物を主にささげなければならない。
17 あなたがたの住まいから、奉献物としてパン──主への初穂として、十分の二エパの小麦粉にパン種を入れて焼かれるもの──二個を持って来なければならない。
18 そのパンといっしょに、主への全焼のいけにえとして、一歳の傷のない雄の子羊七頭、若い雄牛一頭、雄羊二頭、また、主へのなだめのかおりの、火によるささげ物として、彼らの穀物のささげ物と注ぎのささげ物とをささげる。
19 また、雄やぎ一頭を、罪のためのいけにえとし、一歳の雄の子羊二頭を、和解のいけにえとする。
20祭司は、これら二頭の雄の子羊を、初穂のパンといっしょに、奉献物として主に向かって揺り動かす。これらは主の聖なるものであり、祭司のものとなる。
21 その日、あなたがたは聖なる会合を召集する。それはあなたがたのためである。どんな労働の仕事もしてはならない。これはあなたがたがどこに住んでいても、代々守るべき永遠のおきてである。
22 あなたがたの土地の収穫を刈り入れるとき、あなたは刈るときに、畑の隅まで刈ってはならない。あなたの収穫の落ち穂も集めてはならない。貧しい者と在留異国人のために、それらを残しておかなければならない。わたしはあなたがたの神、主である。」
23 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
24 「イスラエル人に告げて言え。
第七月の第一日は、あなたがたの全き休みの日、ラッパを吹き鳴らして記念する聖なる会合である。
25 どんな労働の仕事もしてはならない。火によるささげ物を主にささげなさい。」
26 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
27 「特にこの第七月の十日は贖罪の日、あなたがたのための聖なる会合となる。あなたがたは身を戒めて、火によるささげ物を主にささげなければならない。
28 その日のうちは、いっさいの仕事をしてはならない。その日は贖罪の日であり、あなたがたの神、主の前で、あなたがたの贖いがなされるからである。
29 その日に身を戒めない者はだれでも、その民から断ち切られる。
30 その日のうちに仕事を少しでもする者はだれでも、わたしはその者を、彼の民の間から滅ぼす。
31 どんな仕事もしてはならない。これは、あなたがたがどこに住んでいても、代々守るべき永遠のおきてである。
32 これは、あなたがたの全き休みの安息である。あなたがたは身を戒める。すなわち、その月の九日の夕方には、その夕方から次の夕方まで、あなたがたの安息を守らなければならない。」
33 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
34 「イスラエル人に告げて言え。
この第七月の十五日には、七日間にわたる主の仮庵の祭りが15始まる。
35 最初の日は聖なる会合であって、あなたがたは、労働の仕事はいっさいしてはならない。
36 七日間、あなたがたは火によるささげ物を主にささげなければならない。八日目も、あなたがたは聖なる会合を開かなければならない。あなたがたは火によるささげ物を主にささげる。これはきよめの集会で、労働の仕事はいっさいしてはならない。
37 以上が主の例祭である。あなたがたは聖なる会合を召集して、火によるささげ物、すなわち、全焼のいけにえ、穀物のささげ物、和解のいけにえ、注ぎのささげ物を、それぞれ定められた日に、主にささげなければならない。
38 このほか、主の安息日、また、あなたがたが主にささげる献上物、あらゆる誓願のささげ物、進んでささげるあらゆるささげ物がある。
39 特に、あなたがたがその土地の収穫をし終わった第七月の十五日には、七日間にわたる主の祭りを祝わなければならない。最初の日は全き休みの日であり、八日目も全き休みの日である。
40 最初の日に、あなたがたは自分たちのために、16美しい木の実、なつめやしの葉と茂り合った木の大枝、また川縁の柳を取り、七日間、あなたがたの神、主の前で喜ぶ。
41 年に七日間、主の祭りとしてこれを祝う。これはあなたがたが代々守るべき永遠のおきてとして、第七月にこれを祝わなければならない。
42 あなたがたは七日間、仮庵に住まなければならない。イスラエルで生まれた者はみな、仮庵に住まなければならない。
43 これは、わたしが、エジプトの国からイスラエル人を連れ出したとき、彼らを仮庵に住まわせたことを、あなたがたの後の世代が知るためである。わたしはあなたがたの神、主である。」
44 こうしてモーセはイスラエル人に主の例祭について告げた。
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「あなたはイスラエル人に命じて、ともしびを絶えずともしておくために、燈火用の質の良い純粋なオリーブ油を持って来させよ。
3 アロンは会見の天幕の中、あかしの箱の垂れ幕の外側で、夕方から朝まで主の前に絶えず、そのともしびを整えておかなければならない。これは、あなたがたが代々守るべき永遠のおきてである。
4 彼は純金の燭台の上に、そのともしびを絶えず主の前に整えておかなければならない。
5 あなたは小麦粉を取り、それで輪型のパン十二個を焼く。一つの輪型のパンは17十分の二エパである。
6 それを主の前の純金の机の上に、一並び六個ずつ、二並びに置く。
7 それぞれの並びに純粋な乳香を添え、主への火によるささげ物として、これをパンの記念の部分とする。
8 彼は安息日ごとに、絶えずこれを主の前に、整えておかなければならない。これはイスラエル人からのものであって永遠の契約である。
9 これはアロンとその子らのものとなり、彼らはこれを聖なる所で食べる。これは最も聖なるものであり、主への火によるささげ物のうちから、彼の受け取る永遠の分け前である。」
10 さて、イスラエルの女を母とし、エジプト人を父とする者が、イスラエル人のうちに出たが、このイスラエルの女の息子と、あるイスラエル人とが宿営の中で争った。
11 そのとき、イスラエルの女の息子が、御名を冒瀆してのろったので、人々はこの者をモーセのところに連れて来た。その母の名はシェロミテで、ダンの部族のディブリの娘であった。
12 人々は主の命令をまって彼らにはっきりと示すため、この者を監禁しておいた。
13 そこで、主はモーセに告げて仰せられた。
14 「あの、のろった者を宿営の外に連れ出し、それを聞いた者はすべてその者の頭の上に手を置き、全会衆はその者に石を投げて殺せ。
15 あなたはイスラエル人に告げて言え。
自分の神をのろう者はだれでも、その罪の罰を受ける。
16主の御名を冒瀆する者は必ず殺されなければならない。全会衆は必ずその者に石を投げて殺さなければならない。在留異国人でも、この国に生まれた者でも、御名を冒瀆するなら、殺される。
17 かりそめにも人を打ち殺す者は、必ず殺される。
18 動物を打ち殺す者は、いのちにはいのちをもって償わなければならない。
19 もし人がその隣人に傷を負わせるなら、その人は自分がしたと同じようにされなければならない。
20骨折には骨折。目には目。歯には歯。人に傷を負わせたように人は自分もそうされなければならない。
21 動物を打ち殺す者は償いをしなければならず、人を打ち殺す者は殺されなければならない。
22 あなたがたは、在留異国人にも、この国に生まれた者にも、一つのさばきをしなければならない。わたしはあなたがたの神、主である。」
23 モーセがこのようにイスラエル人に告げたので、彼らはのろった者を宿営の外に連れ出し、彼に石を投げて殺した。こうしてイスラエル人は、主がモーセに命じられたとおりに行った。
1 ついで主はシナイ山でモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に告げて言え。
わたしが与えようとしている地にあなたがたが入ったとき、その地は主の安息を守らなければならない。
3 六年間あなたの畑に種を蒔き、六年間ぶどう畑の枝をおろして、収穫しなければならない。
4 七年目は、地の全き休みの安息、すなわち主の安息となる。あなたの畑に種を蒔いたり、ぶどう畑の枝をおろしたりしてはならない。
5 あなたの落ち穂から生えたものを刈り入れてはならない。あなたが手入れをしなかったぶどうの木のぶどうも集めてはならない。地の全き休みの年である。
6 地を安息させるならあなたがたの食糧のためになる。すなわち、あなたと、あなたの男奴隷と女奴隷、あなたの雇い人と、あなたのところに在留している居留者のため、
7 また、あなたの家畜とあなたの地にいる獣とのため、その地の収穫はみな食物となる。
8 あなたは、安息の年を七たび、つまり、七年の七倍を数える。安息の年の七たびは四十九年である。
9 あなたはその第七月の十日に角笛を鳴り響かせなければならない。贖罪の日に、あなたがたの全土に角笛を鳴り響かせなければならない。
10 あなたがたは第五十年目を聖別し、国中のすべての住民に解放を宣言する。これはあなたがたのヨベルの年である。あなたがたはそれぞれ自分の所有地に帰り、それぞれ自分の家族のもとに帰らなければならない。
11 この第五十年目は、あなたがたのヨベルの年である。種を蒔いてはならないし、落ち穂から生えたものを刈り入れてもならない。また手入れをしなかったぶどうの木の実を集めてはならない。
12 これはヨベルの年であって、あなたがたには聖である。あなたがたは畑の収穫物を食べなければならない。
13 このヨベルの年には、あなたがたは、それぞれ自分の所有地に帰らなければならない。
14 もし、あなたがたが、隣人に土地を売るとか、隣人から買うとかするときは、互いに害を与えないようにしなさい。
15 ヨベルの後の年数にしたがって、あなたの隣人から買い、収穫年数にしたがって、相手もあなたに売らなければならない。
16 年数が多ければ、それに応じて、あなたはその買い値を増し、年数が少なければ、それに応じて、その買い値を減らさなければならない。彼があなたに売るのは収穫の回数だからである。
17 あなたがたは互いに害を与えてはならない。あなたの神を恐れなさい。わたしはあなたがたの神、主である。
18 あなたがたは、わたしのおきてを行い、わたしの定めを守らなければならない。それを行いなさい。安らかにその地に住みなさい。
19 その地が実を結ぶなら、あなたがたは満ち足りるまで食べ、安らかにそこに住むことができる。
20 あなたがたが、『もし、種を蒔かず、また収穫も集めないのなら、私たちは七年目に何を食べればよいのか』と言うなら、
21 わたしは、六年目に、あなたがたのため、わたしの祝福を命じ、三年間のための収穫を生じさせる。
22 あなたがたが八年目に種を蒔くときにも、古い収穫をなお食べていよう。九年目まで、その収穫があるまで、なお古いものを食べることができる。
23 地は買い戻しの権利を放棄して、売ってはならない。地はわたしのものであるから。あなたがたはわたしのもとに居留している異国人である。
24 あなたがたの所有するどの土地にも、その土地の買い戻しの権利を認めなければならない。
25 もし、あなたの兄弟が貧しくなり、その所有地を売ったなら、買い戻しの権利のある親類が来て、兄弟の売ったものを買い戻さなければならない。
26 その者に買い戻しの権利のある親類がいないときは、その者の暮らし向きが良くなり、それを買い戻す余裕ができたなら、
27 売ってからの年数を計算し、なお残る分を買い主に返し、自分の所有地に帰る。
28 もしその者に返す余裕ができないなら、その売ったものは、ヨベルの年まで、買い主の手に渡る。ヨベルの年にその手を離れると、その者が、自分の所有地に帰る。
29 人がもし城壁のある町の中の住宅を売るときは、それを売ってから満一年の間は、買い戻す権利がある。買い戻しはこの期間に限る。
30 もし満一年たつまでに買い戻されないなら、城壁のある町の中のその家は買い戻しの権利の喪失により、代々にわたり、それを買い取った人のものとなって、ヨベルの年にも手を離れない。
31 その回りに城壁のない村落の家は土地とみなされ、買い戻すことができ、ヨベルの年にはその手を離れる。
32 レビ人の町々、すなわち、彼らが所有している町々の家は、レビ人にいつでも買い戻す権利がある。
33 レビ人から買い戻していたもの、すなわち、その所有している町で売られていた家は、ヨベルの年には手放される。レビ人の町々の家は、イスラエル人の間にある彼らの所有だからである。
34 しかし、彼らの町々の放牧用の畑は売ってはならない。それは彼らの永遠の所有地だからである。
35 もし、あなたの兄弟が貧しくなり、あなたのもとで暮らしが立たなくなったなら、あなたは彼を在住異国人として扶養し、あなたのもとで彼が生活できるようにしなさい。
36 彼から利息も利得も取らないようにしなさい。あなたの神を恐れなさい。そうすればあなたの兄弟があなたのもとで生活できるようになる。
37 あなたは彼に金を貸して利息を取ってはならない。また食物を与えて利得を得てはならない。
38 わたしはあなたがたの神、主である。わたしはあなたがたにカナンの地を与え、あなたがたの神となるためにあなたがたをエジプトの地から連れ出したのである。
39 もし、あなたのもとにいるあなたの兄弟が貧しくなり、あなたに身売りしても、彼を奴隷として仕えさせてはならない。
40 あなたのもとで住み込みの雇い人としておらせ、ヨベルの年まであなたのもとで仕えるようにしなさい。
41 そして、彼とその子どもたちがあなたのもとから出て行き、自分の一族のところに帰るようにしなさい。そうすれば彼は自分の先祖の所有地に帰ることができる。
42 彼らは、わたしがエジプトの地から連れ出した、わたしの奴隷だからである。彼らは奴隷の身分として売られてはならない。
43 あなたは彼をしいたげてはならない。あなたの神を恐れなさい。
44 あなたのものとなる男女の奴隷は、あなたがたの周囲の国々から男女の奴隷を買い取るのでなければならない。
45 または、あなたがたのところに居留している異国人の子どもたちのうちから、あるいは、あなたがたの間にいる彼らの家族で、あなたがたの国で生まれた者のうちから買い取ることができる。このような者はあなたがたの所有にできる。
46 あなたがたは、彼らを後の子孫にゆずりとして与え、永遠の所有として受け継がせることができる。このような者は奴隷とすることができる。しかし、あなたがたの兄弟であるイスラエル人は互いに酷使し合ってはならない。
47 もしあなたのところの在住異国人の暮らし向きが良くなり、その人のところにいるあなたの兄弟が貧しくなって、あなたのところの在住異国人に、あるいはその異国人の氏族の子孫に、彼が身を売ったときは、
48 彼が身を売ったあとでも、彼には買い戻される権利がある。彼の兄弟のひとりが彼を買い戻すことができる。
49 あるいは、彼のおじとか、おじの息子が買い戻すことができる。あるいは、彼の一族の近親者のひとりが買い戻すことができる。あるいはもし、彼の暮らし向きが良くなれば、自分で自分自身を買い戻すことができる。
50 彼は買い主と、自分が身を売った年からヨベルの年までを計算し、彼の身代金をその年数に応じて決める。それは雇い人の場合の期間と同じである。
51 もし、まだ多くの年数が残っているなら、それに応じて自分が買われた金額のうちの自分の買い戻し金を払い戻さなければならない。
52 もしヨベルの年までわずかの年数しか残っていないなら、彼はそのように計算し、その年数に応じてその買い戻し金を払い戻さなければならない。
53 彼は年ごとに雇われる者のように扱われなければならない。あなたの目の前で、その人は彼を酷使してはならない。
54 たとい、彼がこれらの方法によって買い戻されなかったとしても、ヨベルの年には、彼はその子どもといっしょに出て行くことができる。
55 わたしにとって、イスラエル人はしもべだからである。彼らは、わたしがエジプトの地から連れ出したわたしのしもべである。わたしはあなたがたの神、主である。
1 あなたがたは自分のために偶像を造ってはならない。また自分のために刻んだ像や石の柱を立ててはならない。あなたがたの地に石像を立てて、それを拝んではならない。わたしがあなたがたの神、主だからである。
2 あなたがたはわたしの安息日を守り、わたしの聖所を恐れなければならない。わたしは主である。
3 もし、あなたがたがわたしのおきてに従って歩み、わたしの命令を守り、それらを行うなら、
4 わたしはその季節にしたがってあなたがたに雨を与え、地は産物を出し、畑の木々はその実を結び、
5 あなたがたの麦打ちは、ぶどうの取り入れ時まで続き、ぶどうの取り入れ時は、種蒔きの時まで続く。あなたがたは満ち足りるまでパンを食べ、安らかにあなたがたの地に住む。
6 わたしはまたその地に平和を与える。あなたがたはだれにも悩まされずに寝る。わたしはまた悪い獣をその国から除く。剣があなたがたの国を通り過ぎることはない。
7 あなたがたは敵を追いかけ、彼らはあなたがたの前に剣によって倒れる。
8 あなたがたの五人は百人を追いかけ、あなたがたの百人は万人を追いかけ、あなたがたの敵はあなたがたの前に剣によって倒れる。
9 わたしは、あなたがたを顧み、多くの子どもを与え、あなたがたをふやし、あなたがたとのわたしの契約を確かなものにする。
10 あなたがたは長くたくわえられた古いものを食べ、新しいものを前にして、古いものを運び出す。
11 わたしはあなたがたの間にわたしの住まいを建てよう。わたしはあなたがたを忌みきらわない。
12 わたしはあなたがたの間を歩もう。わたしはあなたがたの神となり、あなたがたはわたしの民となる。
13 わたしはあなたがたを、奴隷の身分から救い出すためにエジプトの地から連れ出したあなたがたの神、主である。わたしはあなたがたのくびきの横木を打ち砕き、あなたがたをまっすぐに立たせて歩かせた。
14 もし、あなたがたがわたしに聞き従わず、これらの命令をすべて行わないなら、
15 また、わたしのおきてを拒み、あなたがた自身がわたしの定めを忌みきらって、わたしの命令をすべて行わず、わたしの契約を破るなら、
16 わたしもまた、あなたがたに次のことを行おう。すなわち、わたしはあなたがたの上に恐怖を臨ませ、肺病と熱病で目を衰えさせ、心をすり減らさせる。あなたがたは、種を蒔いてもむだになる。あなたがたの敵がそれを食べる。
17 わたしは、あなたがたからわたしの顔をそむける。あなたがたは自分の敵に打ち負かされ、あなたがたを憎む者があなたがたを踏みつける。だれも追いかけて来ないのに、あなたがたは逃げる。
18 もし、これらのことの後でも、あなたがたがわたしに聞かないなら、わたしはさらに、あなたがたの罪に対して七倍も重く懲らしめる。
19 わたしはさらに、あなたがたの力を頼む高慢を打ち砕き、あなたがたの天を鉄のように、あなたがたの地を青銅のようにする。
20 あなたがたの力はむだに費やされる。あなたがたの地はその産物を出さず、地の木々もその実を結ばないであろう。
21 また、もしあなたがたが、わたしに反抗して歩み、わたしに聞こうとしないなら、わたしはさらにあなたがたの罪によって、七倍も激しくあなたがたを打ちたたく。
22 わたしはまた、あなたがたのうちに野の獣を放つ。それらはあなたがたから子を奪い、あなたがたの家畜を絶えさせ、あなたがたの人口を減らす。こうしてあなたがたの道は荒れ果てる。
23 もし、あなたがたがこれらのわたしの懲らしめを受け入れず、わたしに反抗して歩むなら、
24 わたしもまた、あなたがたに反抗して歩もう。わたしはまた、あなたがたの罪に対して七倍も重くあなたがたを打とう。
25 わたしはあなたがたの上に剣を臨ませ、契約の復讐を果たさせよう。またあなたがたが自分たちの町々に集まるとき、わたしは、あなたがたの間に疫病を送り込む。あなたがたは敵の手に落ちる。
26 わたしが、あなたがたのパンのための棒を折るとき、十人の女が一つのかまであなたがたのパンを焼き、はかりにかけて、あなたがたのパンを返す。あなたがたは食べても、満ち足りない。
27 これにもかかわらず、なおもあなたがたが、わたしに聞かず、わたしに反抗して歩むなら、
28 わたしは怒ってあなたがたに反抗して歩み、またわたしはあなたがたの罪に対して七倍も重くあなたがたを懲らしめよう。
29 あなたがたは自分たちの息子の肉を食べ、自分たちの娘の肉を食べる。
30 わたしはあなたがたの高き所をこぼち、香の台を切り倒し、偶像の死体の上に、あなたがたの死体を積み上げる。わたしはあなたがたを忌みきらう。
31 わたしはあなたがたの町々を廃墟とし、あなたがたの聖所を荒れ果てさせる。わたしはあなたがたのなだめのかおりもかがないであろう。
32 わたしはその地を荒れ果てさせ、そこに住むあなたがたの敵はそこで色を失う。
33 わたしはあなたがたを国々の間に散らし、剣を抜いてあなたがたのあとを追おう。あなたがたの地は荒れ果て、あなたがたの町々は廃墟となる。
34 その地が荒れ果て、あなたがたが敵の国にいる間、そのとき、その地は休み、その安息の年を取り返す。
35 地が荒れ果てている間中、地は、あなたがたがそこの住まいに住んでいたとき、安息の年に休まなかったその休みを取る。
36 あなたがたのうちで生き残る者にも、彼らが敵の国にいる間、彼らの心の中におくびょうを送り込む。吹き散らされる木の葉の音にさえ彼らは追い立てられ、剣からのがれる者のように逃げ、追いかける者もいないのに倒れる。
37 追いかける者もいないのに、剣からのがれるように折り重なって、つまずき倒れる。あなたがたは敵の前に立つこともできない。
38 あなたがたは国々の間で滅び、あなたがたの敵の地はあなたがたを食い尽くす。
39 あなたがたのうちで生き残る者も、あなたがたの敵の地で自分の咎のために朽ち果てる。さらに、その先祖たちの咎のために朽ち果てる。
40 彼らは、わたしに不実なことを行い、わたしに反抗して歩んだ自分たちの咎と先祖たちの咎を告白するが、
41 しかし、わたしが彼らに反抗して歩み、彼らを敵の国へ送り込んだのである。そのとき、彼らの無割礼の心はへりくだり、彼らの咎の償いをしよう。
42 わたしはヤコブとのわたしの契約を思い起こそう。またイサクとのわたしの契約を、またアブラハムとのわたしの契約をも思い起こそう。そしてわたしはその地をも思い起こそう。
43 その地は彼らが去って荒れ果てている間、安息の年を取り返すために彼らによって捨てられなければならず、彼らは自分たちの咎の償いをしなければならない。実に彼らがわたしの定めを退け、彼らがわたしのおきてを忌みきらったからである。
44 それにもかかわらず、彼らがその敵の国にいるときに、わたしは彼らを退けず、忌みきらって彼らを絶ち滅ぼさず、彼らとのわたしの契約を破ることはない。わたしは彼らの神、主である。
45 わたしは彼らのために、彼らの先祖たちとの契約を思い起こそう。わたしは彼らを、異邦の民の目の前で、彼らの神となるために、エジプトの地から連れ出した。わたしは主である。」
46 以上は、主がシナイ山でモーセを通してご自身とイスラエル人との間に立てられたおきてと定めとおしえである。
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に告げて言え。
ある人があなたの人身評価にしたがって主に特別な誓願を立てる場合には、
3 その評価は、次のとおりにする。二十歳から六十歳までの男なら、その評価は聖所のシェケルで銀五十シェケル。
4 女なら、その評価は三十シェケル。
5 五歳から二十歳までなら、その男の評価は二十シェケル、女は十シェケル。
6 一か月から五歳までなら、その男の評価は銀五シェケル、女の評価は銀三シェケル。
7 六十歳以上なら、男の評価は十五シェケル、女は十シェケル。
8 もしその者が貧しくて、あなたの評価に達しないなら、その者は祭司の前に立たせられ、祭司が彼の評価をする。祭司は誓願をする者の能力に応じてその者の評価をしなければならない。
9主へのささげ物としてささげることのできる家畜で、主にささげるものはみな、聖なるものとなる。
10 それを他のもので代用したり、良いものを悪いものに、あるいは、悪いものを良いものに取り替えてはならない。もし家畜を他の家畜で代用する場合には、それも、その代わりのものも、聖なるものとなる。
11主へのささげ物としてささげることのできない汚れた家畜一般については、まずその家畜を祭司の前に立たせる。
12祭司はそれを良いか悪いか評価する。それは祭司があなたのために評価したとおり、そのようになる。
13 もしその者が、それを買い戻したければ、その評価に、その五分の一を加える。
14 人がもし、自分の家を主に聖なるものとして聖別するときは、祭司はそれを良いか悪いか評価する。祭司がそれを評価したとおり、そのようになる。
15 もし家を聖別した者が、それを買い戻したければ、評価額に五分の一を加える。それは彼のものとなる。
16 人がもし、自分の所有の畑の一部を主に聖別する場合、評価はそこに蒔く種の量りによる。すなわち、大麦の種一18ホメルごとに銀五十シェケルである。
17 もし、彼がヨベルの年からその畑を聖別するなら、評価どおりである。
18 しかし、もしヨベルの年の後に、その畑を聖別するなら、祭司はヨベルの年までにまだ残っている年数によって、その金額を計算する。そのようにして、評価額から差し引かれる。
19 もしその畑を聖別した者がそれを買い戻したければ、評価額にその五分の一を加える。それは彼のものとして残る。
20 もし彼がその畑を買い戻さず、またその畑が他の人に売られていれば、それをもはや買い戻すことはできない。
21 その畑がヨベルの年に渡されるとき、それは聖絶された畑として主の聖なるものとなり、祭司の所有地となる。
22 また、人がもしその買った畑で、自分の所有の畑の一部でないものを主に聖別する場合、
23祭司はヨベルの年までの評価の総額を計算し、その者はその日に、その評価の金額を主の聖なるものとしてささげなければならない。
24 ヨベルの年には、その畑は、その売り主であるその地の所有主に返される。
25評価はすべて聖所のシェケルによらなければならない。そのシェケルは二十19ゲラである。
26 しかし、家畜の初子は、主のものである。初子として生まれたのであるから、だれもこれを聖別してはならない。牛であっても、羊であっても、それは主のものである。
27 もしそれが汚れた家畜のものであれば、評価にしたがって、人はそれを贖うとき、その五分の一を加える。しかし、買い戻されないなら、評価にしたがって、売られる。
28 しかし、人であっても、家畜であっても、自分の所有の畑であっても、人が自分の持っているすべてのもののうち主のために絶滅すべき聖絶のものは何でも、それを売ることはできない。また買い戻すこともできない。すべて聖絶のものは最も聖なるものであり、主のものである。
29 人であって、聖絶されるべきものは、贖われることはできない。その者は必ず殺されなければならない。
30 こうして地の十分の一は、地の産物であっても、木の実であっても、みな主のものである。それは主の聖なるものである。
31 人がもし、その十分の一のいくらかを買い戻したいなら、それにその五分の一を加える。
32 牛や羊の十分の一については、牧者の杖の下を十番目ごとに通るものが、主の聖なるものとなる。
33 その良い悪いを見てはならない。またそれを取り替えてはならない。もしそれを替えるなら、それもその代わりのものも共に聖なるものとなる。それを買い戻すことはできない。」
34 以上は、主がシナイ山で、イスラエル人のため、モーセに命じられた命令である。
民数記
1 人々がエジプトの国を出て二年目の第二月の一日に、主はシナイの荒野の会見の天幕でモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人の全会衆を、氏族ごとに父祖の家ごとに調べ、すべての男子の名をひとりひとり数えて1人口調査をせよ。
3 あなたとアロンはイスラエルにおいて、二十歳以上の者で、すべて軍務につくことのできる者たちを、その軍団ごとに数えなければならない。
4 また部族ごとにひとりずつ、父祖の家のかしらである者が、あなたがたとともにいなければならない。
5 あなたがたの助手となるはずの者の名は次のとおりである。ルベンからはシェデウルの子エリツル。
6 シメオンからはツリシャダイの子シェルミエル。
7 ユダからはアミナダブの子ナフション。
8 イッサカルからはツアルの子ネタヌエル。
9 ゼブルンからはヘロンの子エリアブ。
10 ヨセフの子のうちからは、エフライムからアミフデの子エリシャマ、マナセからペダツルの子ガムリエル。
11 ベニヤミンからはギデオニの子アビダン。
12 ダンからはアミシャダイの子アヒエゼル。
13 アシェルからはオクランの子パグイエル。
14 ガドからはデウエルの子エルヤサフ。
15 ナフタリからはエナンの子アヒラ。」
16 これらの者が会衆から召し出された者で、その父祖の部族の長たちである。彼らがイスラエルの分団のかしらたちである。
17 さて、モーセとアロンは、これら指名された者を伴い、
18 第二月の一日に全会衆を召集した。そこで氏族ごとに、父祖の家ごとに、二十歳以上の者の名をひとりひとり数えて、その家系を登記した。
19主がモーセに命じられたように、モーセはシナイの荒野で彼らを数えた。
20 イスラエルの長子ルベンの子孫は、氏族ごと、父祖の家ごとの、その家系の者であって、ひとりひとり名を数えられた二十歳以上で軍務につくことのできるすべての男子であった。
21 ルベン部族で登録された者は、四万六千五百人であった。
22 シメオンの子孫については、氏族ごと、父祖の家ごとの、その家系の者であって、ひとりひとり名を数えられ登録された二十歳以上で軍務につくことのできるすべての男子であった。
23 シメオン部族で登録された者は、五万九千三百人であった。
24 ガドの子孫については、氏族ごと、父祖の家ごとの、その家系の者であって、名を数えられた二十歳以上ですべて軍務につくことのできる者であった。
25 ガド部族で登録された者は、四万五千六百五十人であった。
26 ユダの子孫については、氏族ごと、父祖の家ごとの、その家系の者であって、名を数えられた二十歳以上ですべて軍務につくことのできる者であった。
27 ユダ部族で登録された者は、七万四千六百人であった。
28 イッサカルの子孫については、氏族ごと、父祖の家ごとの、その家系の者であって、名を数えられた二十歳以上ですべて軍務につくことのできる者であった。
29 イッサカル部族で登録された者は、五万四千四百人であった。
30 ゼブルンの子孫については、氏族ごと、父祖の家ごとの、その家系の者であって、名を数えられた二十歳以上ですべて軍務につくことのできる者であった。
31 ゼブルン部族で登録された者は、五万七千四百人であった。
32 ヨセフの子孫については、エフライムの子孫で、氏族ごと、父祖の家ごとの、その家系の者であって、名を数えられた二十歳以上ですべて軍務につくことのできる者であった。
33 エフライム部族で登録された者は、四万五百人であった。
34 マナセの子孫については、氏族ごと、父祖の家ごとの、その家系の者であって、名を数えられた二十歳以上ですべて軍務につくことのできる者であった。
35 マナセ部族で登録された者は、三万二千二百人であった。
36 ベニヤミンの子孫については、氏族ごと、父祖の家ごとの、その家系の者であって、名を数えられた二十歳以上ですべて軍務につくことのできる者であった。
37 ベニヤミン部族で登録された者は、三万五千四百人であった。
38 ダンの子孫については、氏族ごと、父祖の家ごとの、その家系の者であって、名を数えられた二十歳以上ですべて軍務につくことのできる者であった。
39 ダン部族で登録された者は、六万二千七百人であった。
40 アシェルの子孫については、氏族ごと、父祖の家ごとの、その家系の者であって、名を数えられた二十歳以上ですべて軍務につくことのできる者であった。
41 アシェル部族で登録された者は、四万一千五百人であった。
42 ナフタリの子孫は、氏族ごと、父祖の家ごとの、その家系の者であって、名を数えられた二十歳以上ですべて軍務につくことのできる者であった。
43 ナフタリ部族で登録された者は、五万三千四百人であった。
44 以上がモーセとアロン、またイスラエルの族長たちが登録した登録名簿である。この族長たち十二人は、それぞれ、自分の父祖の家のための者であった。
45 それで、父祖の家ごとに登録された二十歳以上のイスラエル人で、イスラエルで軍務につくことのできるすべての者、
46 すなわち、登録された者の総数は、六十万三千五百五十人であった。
47 しかしレビ人は、彼らの中で、父祖の部族ごとには、登録されなかった。
48主はモーセに告げて仰せられた。
49 「レビ部族だけは、他のイスラエル人といっしょに登録してはならない。また、その人口調査もしてはならない。
50 あなたは、レビ人に、あかしの幕屋とそのすべての用具、およびそのすべての付属品を管理させよ。彼らは幕屋とそのすべての用具を運び、これを管理し、幕屋の回りに宿営しなければならない。
51幕屋が進むときはレビ人がそれを取りはずし、幕屋が張られるときはレビ人がこれを組み立てなければならない。これに近づくほかの者は殺されなければならない。
52 イスラエル人は、軍団ごとに、おのおの自分の宿営、自分の旗のもとに天幕を張るが、
53 レビ人は、あかしの幕屋の回りに宿営しなければならない。怒りがイスラエル人の会衆の上に臨むことがあってはならない。レビ人はあかしの幕屋の任務を果たさなければならない。」
54 イスラエルの人々は、このようにし、すべて主がモーセに命じられたとおりに行った。
1主はモーセとアロンに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人は、おのおのその旗のもと、その父祖の家の旗じるしのもとに宿営しなければならない。会見の天幕の回りに、距離をおいて宿営しなければならない。
3 前方、すなわち東側に宿営する者は、軍団ごとにユダの宿営の旗の者でなければならない。ユダ族の族長はアミナダブの子ナフションである。
4 彼の軍団は、登録された者が、七万四千六百人である。
5 その隣に宿営する者は、イッサカル部族であり、イッサカル族の族長はツアルの子ネタヌエルである。
6 彼の軍団は、登録された者が、五万四千四百人である。
7 ついでゼブルン部族がおり、ゼブルン族の族長はヘロンの子エリアブである。
8 彼の軍団は、登録された者が、五万七千四百人である。
9 ユダの宿営に属し、その軍団ごとに登録された者の総数は、十八万六千四百人。彼らが先頭に進まなければならない。
10 南側にはルベンの宿営の旗の者が、軍団ごとにおり、ルベン族の族長はシェデウルの子エリツルである。
11 彼の軍団は、登録された者が、四万六千五百人である。
12 その隣に宿営する者はシメオン部族であり、シメオン族の族長はツリシャダイの子シェルミエルである。
13 彼の軍団は、登録された者が、五万九千三百人である。
14 ついでガド部族がおり、ガド族の族長は2デウエルの子エルヤサフである。
15 彼の軍団は、登録された者が、四万五千六百五十人である。
16 ルベンの宿営に属し、その軍団ごとに登録された者の総数は、十五万一千四百五十人。彼らは二番目に進まなければならない。
17 次に会見の天幕、すなわちレビ人の宿営は、これらの宿営の中央にあって進まなければならない。彼らが宿営する場合と同じように、おのおの自分の場所について彼らの旗に従って進まなければならない。
18 西側にはエフライムの宿営の旗の者が、その軍団ごとにおり、エフライム族の族長はアミフデの子エリシャマである。
19 彼の軍団は、登録された者が、四万五百人である。
20 その隣にマナセ部族がおり、マナセ族の族長はペダツルの子ガムリエルである。
21 彼の軍団は、登録された者が、三万二千二百人である。
22 ついでベニヤミン部族がおり、ベニヤミン族の族長はギデオニの子アビダンである。
23 彼の軍団は、登録された者が、三万五千四百人である。
24 エフライムの宿営に属し、その軍団ごとに登録された者の総数は、十万八千百人。彼らは三番目に進まなければならない。
25 北側にはダンの宿営の旗の者が、その軍団ごとにおり、ダン族の族長はアミシャダイの子アヒエゼルである。
26 彼の軍団は、登録された者が、六万二千七百人である。
27 その隣に宿営する者はアシェル部族であり、アシェル族の族長はオクランの子パグイエルである。
28 彼の軍団は、登録された者が、四万一千五百人である。
29 ついでナフタリ部族がおり、ナフタリ族の族長はエナンの子アヒラである。
30 彼の軍団は、登録された者が、五万三千四百人である。
31 ダンの宿営に属する、登録された者の総数は、十五万七千六百人。彼らはその旗に従って最後に進まなければならない。」
32 以上がイスラエル人で、その父祖の家ごとに登録された者たちであり、全宿営の軍団ごとに登録された者の総数は、六十万三千五百五十人であった。
33 しかしレビ人は、主がモーセに命じられたように、他のイスラエル人の中で登録されなかった。
34 イスラエル人は、すべて主がモーセに命じられたとおりに行い、それぞれの旗ごとに宿営し、おのおのその氏族ごとに、父祖の家ごとに進んだ。
1主がシナイ山でモーセと語られたときのアロンとモーセの系図は、次のとおりであった。
2 アロンの子らの名は長子ナダブと、アビフと、エルアザルと、イタマルであった。
3 これらはアロンの子らの名であって、彼らは油そそがれて祭司の職に任じられた祭司であった。
4 しかしナダブとアビフは、シナイの荒野で主の前に異なった火をささげたとき、主の前で死んだ。彼らには子どもがなかった。そこでエルアザルとイタマルは父アロンの生存中から祭司として仕えた。
5主はモーセに告げて仰せられた。
6 「レビ部族を近寄らせ、彼らを祭司アロンにつき添わせ、彼に仕えさせよ。
7 彼らは会見の天幕の前で、アロンの任務と全会衆の任務を果たして、幕屋の奉仕をしなければならない。
8 彼らは会見の天幕のすべての用具を守り、またイスラエル人の務めを守って、幕屋の奉仕をしなければならない。
9 あなたは、レビ人をアロンとその子らにあてがいなさい。彼らはイスラエル人の中から、正式にアロンにあてがわれた者たちである。
10 あなたは、アロンとその子らを任命して、その祭司の職を守らせなければならない。ほかの人で近づく者は殺される。」
11主はモーセに告げて仰せられた。
12 「わたしはイスラエル人のうちで最初に生まれたすべての初子の代わりに、今これからイスラエル人の中からレビ人を取ることにした。レビ人はわたしのものである。
13初子はすべてわたしのものだからである。エジプトの国でわたしがすべての初子を打ち殺した日に、わたしは、人間から始めて家畜に至るまでイスラエルのうちのすべての初子をわたしのものとして聖別した。彼らはわたしのものである。わたしは主である。」
14主はシナイの荒野でモーセに告げて仰せられた。
15 「レビ族をその父祖の家ごとに、その氏族ごとに登録せよ。あなたは一か月以上のすべての男子を登録しなければならない。」
16 そこでモーセは主の命により、命じられたとおりに彼らを登録した。
17 レビ族の名は次のとおりである。3ゲルションと、ケハテと、メラリ。
18 ゲルション族の氏族名は次のとおりである。リブニとシムイ。
19 ケハテ族の諸氏族はそれぞれ、アムラムとイツハル、ヘブロンとウジエル。
20 メラリ族の諸氏族は、それぞれ、マフリとムシ。これらがその父祖の家によるレビ人の諸氏族である。
21 リブニ族とシムイ族は4ゲルションに属し、これらがゲルション人の諸氏族であった。
22 数を数えて登録された者は、一か月以上のこれらすべての男子で、登録された者は、七千五百人であった。
23 ゲルション人諸氏族は、幕屋のうしろ、すなわち西側に宿営しなければならなかった。
24 ゲルション人の、一族の長は、ラエルの子エルヤサフであった。
25 会見の天幕でのゲルション族の任務は、幕屋すなわち天幕と、そのおおい、会見の天幕の入口の垂れ幕、
26 庭の掛け幕、それに幕屋と祭壇の回りを取り巻く庭の入口の垂れ幕、そのすべてに用いるひもについてである。
27 アムラム族、イツハル族、ヘブロン族、ウジエル族はケハテに属し、これらがケハテ人の諸氏族であった。
28 これらの一か月以上のすべての男子を数えると、八千六百人であった。彼らが聖所の任務を果たす者である。
29 ケハテ諸氏族は、幕屋の南側に沿って宿営しなければならなかった。
30 ケハテ人諸氏族の、一族の長は、ウジエルの子5エリツァファンであった。
31 彼らの任務は、契約の箱、机、燭台、祭壇、およびこれらに用いる聖なる用具と垂れ幕と、それに関するすべての奉仕である。
32 レビ人の長の長は祭司アロンの子エルアザルであって、聖所の任務を果たす者たちの監督であった。
33 マフリ族とムシ族はメラリに属し、これらがメラリの諸氏族であった。
34 数を数えて登録された者は、一か月以上のすべての男子で、六千二百人であった。
35 メラリ諸氏族の父の家の長は、アビハイルの子ツリエルであった。彼らは幕屋の北側に沿って宿営しなければならなかった。
36 メラリ族に任じられた務めは、幕屋の板、その横木、その柱と台座、そのすべての用具およびそれに用いるすべてのもの、
37 庭の回りの柱とその台座、その釘とそのひもについてである。
38幕屋の正面、すなわち会見の天幕の前方に当たる東側に宿営する者は、モーセとアロンまたその子らで、イスラエル人の任務に代わって、聖所の任務を果たす者たちであった。ほかの人でこれに近づく者は殺される。
39 モーセとアロンが主の命により、氏族ごとに登録した、すべての登録されたレビ人は、一か月以上のすべての男子で、二万二千人であった。
40主はモーセに仰せられた。「イスラエル人のすべての一か月以上の男子の初子を登録し、その名を数えよ。
41 あなたは、わたしのために、わたし自身、主のために、イスラエル人のうちのすべての初子の代わりにレビ人を取り、またイスラエル人の家畜のうちのすべての初子の代わりに、レビ人の家畜を取りなさい。」
42 モーセは主が彼に命じられたとおりに、イスラエル人のうちのすべての初子を登録した。
43 その登録による、名を数えられたすべての一か月以上の男子の初子は、二万二千二百七十三人であった。
44主はモーセに告げて仰せられた。
45 「レビ人をイスラエル人のうちのすべての初子の代わりに、またレビ人の家畜を彼らの家畜の代わりに取れ。レビ人はわたしのものでなければならない。わたしは主である。
46 レビ人の数より二百七十三人超過しているイスラエル人の初子の贖いの代金として、
47 ひとり当たり五シェケルを取りなさい。これを聖所のシェケルで取らなければならない。一シェケルは二十6ゲラである。
48 そして、この代金を、超過した者たちの贖いの代金として、アロンとその子らに渡しなさい。」
49 こうしてモーセはレビ人によって贖われた者より超過した者たちから、贖いの代金を取った。
50 すなわちイスラエル人の初子から、聖所のシェケルで千三百六十五シェケルの代金を取り、
51 モーセは、主の命により、この贖いの代金を、主がモーセに命じられたように、アロンとその子らに渡した。
1主はモーセとアロンに告げて仰せられた。
2 「レビ人のうち、ケハテ族の人口調査を、その氏族ごとに、父祖の家ごとにせよ。
3 それは会見の天幕で務めにつき、仕事をすることのできる三十歳以上五十歳までのすべての者である。
4 ケハテ族の会見の天幕での奉仕は、最も聖なるものにかかわることであって次のとおりである。
5宿営が進むときは、アロンとその子らは入って行って、仕切りの幕を取り降ろし、あかしの箱をそれでおおい、
6 その上にじゅごんの皮のおおいを掛け、またその上に真っ青の布を延べ、かつぎ棒を通す。
7 また、供えのパンの机の上に青色の布を延べ、その上に皿、ひしゃく、水差し、注ぎのささげ物のためのびんを載せ、またその上に常供のパンを置かなければならない。
8 これらのものの上に緋色の撚り糸の布を延べ、じゅごんの皮のおおいでこれをおおい、かつぎ棒を通す。
9 青色の布を取って、燭台とともしび皿、心切りばさみ、心取り皿およびそれに用いるすべての油のための器具をおおい、
10 この燭台とそのすべての器具をじゅごんの皮のおおいの中に入れ、これをかつぎ台に載せる。
11 また金の祭壇の上に青色の布を延べなければならない。それをじゅごんの皮のおおいでおおい、かつぎ棒を通す。
12聖所で務めに用いる用具をみな取り、青色の布の中に入れ、じゅごんの皮のおおいでそれをおおい、これをかつぎ台に載せ、
13祭壇から灰を除き、紫色の布をその上に延べる。
14 その上に、祭壇で用いるすべての用器、すなわち火皿、肉刺し、十能、鉢、これら祭壇のすべての用具を載せ、じゅごんの皮のおおいをその上に延べ、かつぎ棒を通す。
15宿営が進むときは、アロンとその子らが聖なるものと聖所のすべての器具をおおい終わって、その後にケハテ族が入って来て、これらを運ばなければならない。彼らが聖なるものに触れて死なないためである。これらは会見の天幕で、ケハテ族のになうものである。
16祭司アロンの子エルアザルの責任は、ともしび用の油、かおりの高い香、常供の穀物のささげ物、そそぎの油についてであり、幕屋全体とその中にあるすべての聖なるものと、その用具についての責任である。」
17 ついで主はモーセとアロンに告げて仰せられた。
18 「あなたがたは、ケハテ人諸氏族の部族をレビ人のうちから絶えさせてはならない。
19 あなたがたは、彼らに次のようにし、彼らが最も聖なるものに近づくときにも、死なずに生きているようにせよ。アロンとその子らが、入って行き、彼らにおのおのの奉仕と、そのになうものとを指定しなければならない。
20 彼らが入って行って、一目でも聖なるものを見て死なないためである。」
21 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
22 「あなたはまた、7ゲルション族の人口調査を、その父祖の家ごとに、その氏族ごとに行い、
23 三十歳以上五十歳までの者で会見の天幕で務めを果たし、奉仕をすることのできる者をすべて登録しなければならない。
24 ゲルション人諸氏族のなすべき奉仕とそのになうものに関しては次のとおりである。
25 すなわち幕屋の幕、会見の天幕とそのおおい、その上に掛けるじゅごんの皮のおおい、会見の天幕の入口の垂れ幕を運び、
26 また庭の掛け幕、幕屋と祭壇の回りを取り巻く庭の門の入口の垂れ幕、それらのひも、およびそれらに用いるすべての用具を運び、これらに関係するすべての奉仕をしなければならない。
27 彼らのになうものと奉仕にかかわるゲルション族のすべての奉仕は、アロンとその子らの命令によらなければならない。あなたがたは、彼らに、任務として、彼らがになうものをすべて割り当てなければならない。
28 以上が8ゲルション諸氏族の会見の天幕においての奉仕であって、彼らの任務は祭司アロンの子イタマルの監督のもとにある。
29 メラリ族について、あなたはその氏族ごとに、父祖の家ごとに、彼らを登録しなければならない。
30 三十歳以上五十歳までの者で、務めにつき、会見の天幕の奉仕をすることのできる者たちすべてを登録しなければならない。
31 会見の天幕での彼らのすべての奉仕で、彼らがになう任務のあるものは次のとおりである。幕屋の板、その横木、その柱とその台座、
32 庭の回りの柱と、その台座、釘、ひも、これらの用具と、その奉仕に使うすべての物である。あなたがたは彼らがになう任務のある用具を名ざして割り当てなければならない。
33 これが会見の天幕でのすべての奉仕に関するメラリ諸氏族の奉仕であって、これは祭司アロンの子イタマルの監督のもとにある。」
34 そこでモーセとアロンと会衆の上に立つ者たちは、ケハテ族をその氏族ごとに、父祖の家ごとに、
35 三十歳以上五十歳までの者で、会見の天幕での奉仕の務めにつくことのできる者を、すべて登録した。
36 その氏族ごとに登録された者は、二千七百五十人であった。
37 これはケハテ人諸氏族で登録された者であって、会見の天幕で奉仕する者の全員であり、モーセとアロンが、モーセを通して示された主の命令によって登録した者たちである。
38 ゲルション族で、その氏族ごとに、父祖の家ごとに登録され、
39 三十歳以上五十歳までの者で、会見の天幕での奉仕の務めにつくことのできる者の全員、
40 その氏族ごとに、父祖の家ごとに登録された者は、二千六百三十人であった。
41 これはゲルション諸氏族で登録された者であって、会見の天幕で奉仕する者の全員であり、モーセとアロンが主の命により登録した者たちである。
42 メラリ諸氏族で、その氏族ごとに、父祖の家ごとに登録され、
43 三十歳以上五十歳までの者で、会見の天幕での奉仕の務めにつくことのできる者の全員、
44 その氏族ごとに登録された者は、三千二百人であった。
45 これはメラリ諸氏族で登録された者であって、モーセとアロンが、モーセを通して示された主の命令によって登録した者たちである。
46 モーセとアロンとイスラエルの族長たちが、レビ人を、その氏族ごとに、父祖の家ごとに登録した登録者の全員、
47 三十歳以上五十歳までの者で会見の天幕で、働く奉仕と、になう奉仕をする者全員、
48 その登録された者は、八千五百八十人であった。
49 モーセを通して示された主の命令によって、彼は、おのおのその奉仕とそのになうものについて、彼らを登録した。主がモーセに命じたとおりに登録された者たちである。
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に命じて、ツァラアトの者、漏出を病む者、死体によって身を汚している者をすべて宿営から追い出せ。
3 男でも女でも追い出し、彼らを宿営の外に追い出して、わたしがその中に住む宿営を汚さないようにしなければならない。」
4 イスラエル人はそのようにして、彼らを宿営の外に追い出した。主がモーセに告げられたとおりにイスラエル人は行った。
5 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
6 「イスラエル人に告げよ。
男にせよ、女にせよ、主に対して不信の罪を犯し、他人に何か一つでも罪を犯し、自分でその罪を認めたときは、
7 自分の犯した罪を告白しなければならない。その者は罪過のために総額を弁償する。また、それにその五分の一を加えて、当の被害者に支払わなければならない。
8 もしその人に、罪過のための弁償を受け取る権利のある親類がいなければ、その弁償された罪過のためのものは主のものであり祭司のものとなる。そのほか、その者の罪の贖いをするための贖いの雄羊もそうなる。
9 こうしてイスラエル人が祭司のところに持って来るすべての聖なる奉納物はみな、祭司のものとなる。
10 すべて人の聖なるささげ物は祭司のものとなり、すべて人が祭司に与えるものは祭司のものとなる。」
11 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
12 「イスラエル人に告げて言え。
もし人の妻が道をはずして夫に対して不信の罪を犯し、
13 男が彼女と寝て交わったが、そのことが彼女の夫の目に隠れており、彼女は身を汚したが、発見されず、それに対する証人もなく、またその場で彼女が捕らえられもしなかった場合、
14妻が身を汚していて、夫にねたみの心が起こって妻をねたむか、あるいは妻が身を汚していないのに、夫にねたみの心が起こって妻をねたむかする場合、
15 夫は妻を祭司のところに連れて行き、彼女のために大麦の粉十分の一9エパをささげ物として携えて行きなさい。この上に油をそそいでも乳香を加えてもいけない。これはねたみのささげ物、咎を思い出す覚えの穀物のささげ物だからである。
16祭司は、その女を近寄らせ、主の前に立たせる。
17祭司はきよい水を土の器に取り、幕屋の床にあるちりを取ってその水に入れる。
18祭司は、主の前に女を立たせて、その女の髪の毛を乱れさせ、その手にねたみのささげ物である覚えの穀物のささげ物を与える。祭司の手にはのろいをもたらす苦い水がなければならない。
19祭司は女に誓わせ、これに言う。『もしも、他の男があなたと寝たことがなく、またあなたが夫のもとにありながら道ならぬことをして汚れたことがなければ、あなたはこののろいをもたらす苦い水の害を受けないように。
20 しかしあなたが、もし夫のもとにありながら道ならぬことを行って身を汚し、夫以外の男があなたと寝たのであれば、』
21 ──そこで祭司はその女にのろいの誓いを誓わせ、これに言う──『主があなたのももをやせ衰えさせ、あなたの腹をふくれさせ、あなたの民のうちにあって主があなたをのろいとし誓いとされるように。
22 またこののろいをもたらす水があなたのからだに入って腹をふくれさせ、ももをやせ衰えさせるように。』その女は、『アーメン、アーメン』と言う。
23祭司はこののろいを書き物に書き、それを苦い水の中に洗い落とす。
24 こののろいをもたらす苦い水をその女に飲ませると、のろいをもたらす水が彼女の中に入って苦くなるであろう。
25祭司は女の手からねたみのささげ物を取り、この穀物のささげ物を主に向かって揺り動かし、それを祭壇にささげる。
26祭司は、その穀物のささげ物から記念の部分をひとつかみ取って、それを祭壇で焼いて煙とする。その後に、女にその水を飲ませなければならない。
27 その水を飲ませたときに、もし、その女が夫に対して不信の罪を犯して身を汚していれば、のろいをもたらす水はその女の中に入って苦くなり、その腹はふくれ、そのももはやせ衰える。その女は、その民の間でのろいとなる。
28 しかし、もし女が身を汚しておらず、きよければ、害を受けず、子を宿すようになる。
29 これがねたみの場合のおしえである。女が夫のもとにありながら道ならぬことをして身を汚したり、
30 または人にねたみの心が起こって、自分の妻をねたむ場合には、その妻を主の前に立たせる。そして祭司は女にこのおしえをすべて適用する。
31 夫には咎がなく、その妻がその咎を負うのである。」
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に告げて言え。
男または女が主のものとして身を聖別するため特別な誓いをして、ナジル人の誓願を立てる場合、
3 ぶどう酒や強い酒を断たなければならない。ぶどう酒の酢や強い酒の酢を飲んではならない。ぶどう汁をいっさい飲んではならない。ぶどうの実の生のものも干したものも食べてはならない。
4 彼のナジル人としての聖別の期間には、ぶどうの木から生じるものはすべて、種も皮も食べてはならない。
5 彼がナジル人としての聖別の誓願を立てている間、頭にかみそりを当ててはならない。主のものとして身を聖別している期間が満ちるまで、彼は聖なるものであって、頭の髪の毛をのばしておかなければならない。
6主のものとして身を聖別している間は、死体に近づいてはならない。
7 父、母、兄弟、姉妹が死んだ場合でも、彼らのため身を汚してはならない。その頭には神の聖別があるからである。
8 彼は、ナジル人としての聖別の期間は、主に聖なるものである。
9 もしだれかが突然、彼のそばで死んで、その聖別された頭を汚した場合、彼は、その身をきよめる日に頭をそる。すなわち七日目にそらなければならない。
10 そして八日目に山鳩二羽か家鳩のひな二羽を会見の天幕の入口の祭司のところに持って来なければならない。
11祭司はその一羽を罪のためのいけにえとし、他の一羽を全焼のいけにえとしてささげ、死体によって招いた罪について彼のために贖いをし、彼はその日にその頭を聖なるものとし、
12 ナジル人としての聖別の期間をあらためて主のものとして聖別する。そして一歳の雄の子羊を携えて来て、罪過のためのいけにえとする。それ以前の日数は、彼の聖別が汚されたので無効になる。
13 これがナジル人についてのおしえである。ナジル人としての聖別の期間が満ちたときは、彼を会見の天幕の入口に連れて来なければならない。
14 彼は主へのささげ物として、一歳の雄の子羊の傷のないもの一頭を全焼のいけにえとして、また一歳の雌の子羊の傷のないもの一頭を罪のためのいけにえとして、また傷のない雄羊一頭を和解のいけにえとして、
15 また種を入れないパン一かご、油を混ぜた小麦粉の輪型のパン、油を塗った種を入れないせんべい、これらの穀物のささげ物と注ぎのささげ物を、ささげなければならない。
16祭司はこれらのものを主の前にささげ、罪のためのいけにえと全焼のいけにえとをささげる。
17雄羊を和解のいけにえとして、一かごの種を入れないパンに添えて主にささげ、さらに祭司は穀物のささげ物と注ぎのささげ物をささげる。
18 ナジル人は会見の天幕の入口で、聖別した頭をそり、その聖別した頭の髪の毛を取って、和解のいけにえの下にある火にくべる。
19祭司は煮えた雄羊の肩と、かごの中の種を入れない輪型のパン一個と、種を入れないせんべい一個を取って、ナジル人がその10聖別した髪の毛をそって後に、これらをその手の上に載せる。
20祭司はこれらを奉献物として主に向かって揺り動かす。これは聖なるものであって、奉献物の胸、奉納物のももとともに祭司のものとなる。その後に、このナジル人はぶどう酒を飲むことができる。
21 これがナジル人についてのおしえである。ナジル人としての聖別に加えて、その人の及ぶ以上に主へのささげ物を誓う者は、ナジル人としての聖別のおしえに加えて、その誓った誓いのことばどおりにしなければならない。」
22 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
23 「アロンとその子らに告げて言え。
あなたがたはイスラエル人をこのように祝福して言いなさい。
24 『主があなたを祝福し、
あなたを守られますように。
25主が御顔をあなたに照らし、
あなたを恵まれますように。
26主が御顔をあなたに向け、
あなたに平安を与えられますように。』
27 彼らがわたしの名でイスラエル人のために祈るなら、わたしは彼らを祝福しよう。」
1 モーセは幕屋を建て終わった日に、これに油をそそいで、聖別した。そのすべての器具と、祭壇およびそのすべての用具もそうした。彼がそれらに、油をそそいで聖別したとき、
2 イスラエルの族長たち、すなわち彼らの父祖の家のかしらたち──彼らは部族の長たちで、登録を担当した者──がささげ物をした。
3 彼らはささげ物を主の前に持って来た。それはおおいのある車六両と雄牛十二頭で、族長ふたりにつき車一両、ひとりにつき牛一頭であった。彼らはこれを幕屋の前に連れて来た。
4 すると主はモーセに告げて仰せられた。
5 「会見の天幕の奉仕に使うために彼らからこれらを受け取り、レビ人にそれぞれの奉仕に応じて渡せ。」
6 そこでモーセは車と雄牛とを受け取り、それをレビ人に与えた。
7 車二両と雄牛四頭を11ゲルション族にその奉仕に応じて与え、
8 車四両と雄牛八頭をメラリ族に、祭司アロンの子イタマルの監督のもとにある彼らの奉仕に応じて与えた。
9 しかしケハテ族には何も与えなかった。彼らの聖なるものにかかわる奉仕は、肩に負わなければならないからである。
10祭壇に油がそそがれる日に、族長たちは祭壇奉献のためのささげ物をささげた。族長たちが自分たちのささげ物を祭壇の前にささげたとき、
11主はモーセに言われた。「族長たちは一日にひとりずつの割りで、祭壇奉献のための彼らのささげ物をささげなければならない。」
12 第一日にささげ物をささげたのは、ユダ部族のアミナダブの子ナフションであった。
13 そのささげ物は、銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。
14 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。
15全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。
16罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。
17和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがアミナダブの子ナフションのささげ物であった。
18 二日目にはイッサカルの族長、ツアルの子ネタヌエルがささげた。
19 彼はささげ物をした。銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。
20 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。
21全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。
22罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。
23和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがツアルの子ネタヌエルのささげ物であった。
24 三日目にはゼブルン族の族長、ヘロンの子エリアブであった。
25 そのささげ物は、銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。
26 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。
27全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。
28罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。
29和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがヘロンの子エリアブのささげ物であった。
30 四日目にはルベン族の族長、シェデウルの子エリツルであった。
31 そのささげ物は、銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。
32 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。
33全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。
34罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。
35和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがシェデウルの子エリツルのささげ物であった。
36 五日目にはシメオン族の族長、ツリシャダイの子シェルミエルであった。
37 そのささげ物は、銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。
38 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。
39全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。
40罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。
41和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがツリシャダイの子シェルミエルのささげ物であった。
42 六日目にはガド族の族長、デウエルの子エルヤサフであった。
43 そのささげ物は、銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。
44 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。
45全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。
46罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。
47和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがデウエルの子エルヤサフのささげ物であった。
48 七日目にはエフライム族の族長、アミフデの子エリシャマであった。
49 そのささげ物は、銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。
50 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。
51全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。
52罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。
53和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがアミフデの子エリシャマのささげ物であった。
54 八日目にはマナセ族の族長、ペダツルの子ガムリエルであった。
55 そのささげ物は、銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。
56 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。
57全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。
58罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。
59和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがペダツルの子ガムリエルのささげ物であった。
60 九日目にはベニヤミン族の族長、ギデオニの子アビダンであった。
61 そのささげ物は、銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。
62 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。
63全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。
64罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。
65和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがギデオニの子アビダンのささげ物であった。
66 十日目にはダン族の族長、アミシャダイの子アヒエゼルであった。
67 そのささげ物は、銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。
68 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。
69全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。
70罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。
71和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがアミシャダイの子アヒエゼルのささげ物であった。
72 十一日目にはアシェル族の族長、オクランの子パグイエルであった。
73 そのささげ物は、銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。
74 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。
75全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。
76罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。
77和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがオクランの子パグイエルのささげ物であった。
78 十二日目にはナフタリ族の族長、エナンの子アヒラであった。
79 そのささげ物は、銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。
80 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。
81全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。
82罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。
83和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがエナンの子アヒラのささげ物であった。
84 以上が祭壇に油がそそがれる日の、イスラエルの族長たちからの祭壇奉献のささげ物であった。すなわち銀の皿十二、銀の鉢十二、金のひしゃく十二。
85 銀の皿はそれぞれ百三十シェケル、鉢はそれぞれ七十シェケル。これらの器の銀は、合わせて、聖所のシェケルで二千四百シェケル。
86香を満たした十二の金のひしゃくは、聖所のシェケルでそれぞれ十シェケル。ひしゃくの金は、合わせて百二十シェケル。
87全焼のいけにえとして家畜は合わせて、雄牛十二頭、雄羊十二頭、一歳の雄の子羊十二頭、それにそれらにつく穀物のささげ物。また罪のためのいけにえとして雄やぎ十二頭。
88和解のいけにえとして家畜は合わせて、雄牛二十四頭、雄羊六十頭、雄やぎ六十頭、一歳の雄の子羊六十頭。これが祭壇に油がそそがれて後の祭壇奉献のためのささげ物であった。
89 モーセは、主と語るために会見の天幕に入ると、あかしの箱の上にある「贖いのふた」の二つのケルビムの間から、彼に語られる御声を聞いた。主は彼に語られた。
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「アロンに告げて言え。
あなたがともしび皿を上げるときは、七つのともしび皿が燭台の前を照らすようにしなさい。」
3 アロンはそのようにした。主がモーセに命じられたとおりに、前に向けて燭台のともしび皿を、取りつけた。
4燭台の作り方は次のとおりであった。それは金の打ち物で、その台座から花弁に至るまで打ち物であった。主がモーセに示された型のとおりに、この燭台は作られていた。
5 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
6 「レビ人をイスラエル人の中から取って、彼らをきよめよ。
7 あなたは次のようにして彼らをきよめなければならない。罪のきよめの水を彼らに振りかける。彼らは全身にかみそりを当て、その衣服を洗い、身をきよめ、
8若い雄牛と油を混ぜた小麦粉の穀物のささげ物を取る。あなたも別の若い雄牛を罪のためのいけにえとして取らなければならない。
9 あなたはレビ人を会見の天幕の前に近づかせ、イスラエル人の全会衆を集め、
10 レビ人を主の前に進ませる。イスラエル人はその手をレビ人の上に置く。
11 アロンはレビ人を、イスラエル人からの奉献物として主の前にささげる。これは彼らが主の奉仕をするためである。
12 レビ人は、その手を雄牛の頭の上に置き、レビ人の罪を贖うために、一頭を罪のためのいけにえとし、一頭を全焼のいけにえとして主にささげなければならない。
13 あなたはレビ人をアロンとその子らの前に立たせ、彼らを奉献物として主にささげる。
14 あなたがレビ人をイスラエル人のうちから分けるなら、レビ人はわたしのものとなる。
15 こうして後、レビ人は会見の天幕の奉仕をすることができる。あなたは彼らをきよめ、彼らを奉献物としてささげなければならない。
16 彼らはイスラエル人のうちから正式にわたしのものとなったからである。すべてのイスラエル人のうちで、最初に生まれた初子の代わりに、わたしは彼らをわたしのものとして取ったのである。
17 イスラエル人のうちでは、人でも家畜でも、すべての初子はわたしのものだからである。エジプトの地で、わたしがすべての初子を打ち殺した日に、わたしは彼らを聖別してわたしのものとした。
18 わたしはイスラエル人のうちのすべての初子の代わりにレビ人を取った。
19 わたしはイスラエル人のうちからレビ人をアロンとその子らに正式にあてがい、会見の天幕でイスラエル人の奉仕をし、イスラエル人のために贖いをするようにした。それは、イスラエル人が聖所に近づいて、彼らにわざわいが及ぶことのないためである。」
20 モーセとアロンとイスラエル人の全会衆は、すべて主がレビ人についてモーセに命じられたところに従って、レビ人に対して行った。イスラエル人はそのとおりに彼らに行った。
21 レビ人は罪の身をきよめ、その衣服を洗った。そうしてアロンは彼らを奉献物として主の前にささげた。またアロンは彼らの贖いをし、彼らをきよめた。
22 こうして後、レビ人は会見の天幕に入って、アロンとその子らの前で自分たちの奉仕をした。人々は主がレビ人についてモーセに命じられたとおりに、レビ人に行った。
23 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
24 「これはレビ人に関することである。二十五歳以上の者は会見の天幕の奉仕の務めを果たさなければならない。
25 しかし、五十歳からは奉仕の務めから退き、もう奉仕してはならない。
26 その人はただ、会見の天幕で、自分の同族の者が任務を果たすのを助けることはできるが、自分で奉仕をしてはならない。あなたは、レビ人に、彼らの任務に関して、このようにしなければならない。」
1 エジプトの国を出て第二年目の第一月に、主はシナイの荒野でモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人は、定められた時に、過越のいけにえをささげよ。
3 あなたがたはこの月の十四日の夕暮れ、その定められた時に、それをささげなければならない。そのすべてのおきてとすべての定めに従って、それをしなければならない。」
4 そこでモーセはイスラエル人に、過越のいけにえをささげるように命じたので、
5 彼らはシナイの荒野で第一月の十四日の夕暮れに過越のいけにえをささげた。イスラエル人はすべて主がモーセに命じられたとおりに行った。
6 しかし、人の死体によって身を汚し、その日に過越のいけにえをささげることができなかった人々がいた。彼らはその日、モーセとアロンの前に近づいた。
7 その人々は彼に言った。「私たちは、人の死体によって身を汚しておりますが、なぜ定められた時に、イスラエル人の中で、主へのささげ物をささげることを禁じられているのでしょうか。」
8 するとモーセは彼らに言った。「待っていなさい。私は主があなたがたについてどのように命じられるかを聞こう。」
9主はモーセに告げて仰せられた。
10 「イスラエル人に告げて言え。
あなたがたの、またはあなたがたの子孫のうちでだれかが、もし死体によって身を汚しているか、遠い旅路にあるなら、その人は主に過越のいけにえをささげなければならない。
11 第二月の十四日の夕暮れに、それをささげなければならない。種を入れないパンと苦菜といっしょにそれを食べなければならない。
12 そのうちの少しでも朝まで残してはならない。またその骨を一本でも折ってはならない。すべて過越のいけにえのおきてに従ってそれをささげなければならない。
13 身がきよく、また旅にも出ていない者が、過越のいけにえをささげることをやめたなら、その者はその民から断ち切られなければならない。その者は定められた時に、主へのささげ物をささげなかったのであるから、自分の罪を負わなければならない。
14 もし、あなたがたのところに異国人が在留していて、主に過越のいけにえをささげようとするなら、過越のいけにえのおきてと、その定めとに従ってささげなければならない。在留異国人にも、この国に生まれた者にも、あなたがたには、おきては一つである。」
15幕屋を建てた日、雲があかしの天幕である幕屋をおおった。それは、夕方には幕屋の上にあって火のようなものになり、朝まであった。
16 いつもこのようであって、昼は雲がそれをおおい、夜は火のように見えた。
17 雲が天幕を離れて上ると、すぐそのあとで、イスラエル人はいつも旅立った。そして、雲がとどまるその場所で、イスラエル人は宿営していた。
18主の命令によって、イスラエル人は旅立ち、主の命令によって宿営した。雲が幕屋の上にとどまっている間、彼らは宿営していた。
19長い間、雲が幕屋の上にとどまるときには、イスラエル人は主の戒めを守って、旅立たなかった。
20 また雲がわずかの間しか幕屋の上にとどまらないことがあっても、彼らは主の命令によって宿営し、主の命令によって旅立った。
21 雲が夕方から朝までとどまるようなときがあっても、朝になって雲が上れば、彼らはただちに旅立った。昼でも、夜でも、雲が上れば、彼らはいつも旅立った。
22 二日でも、一月でも、あるいは一年でも、雲が幕屋の上にとどまって去らなければ、イスラエル人は宿営して旅立たなかった。ただ雲が上ったときだけ旅立った。
23 彼らは主の命令によって宿営し、主の命令によって旅立った。彼らはモーセを通して示された主の命令によって、主の戒めを守った。
1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。
2 「銀のラッパを二本作らせよ。それを打ち物作りとし、あなたはそれで会衆を召集し、また宿営を出発させなければならない。
3 この二つが長く吹き鳴らされると、全会衆が会見の天幕の入口の、あなたのところに集まる。
4 もしその一つが吹き鳴らされると、イスラエルの分団のかしらである族長たちがあなたのところに集まる。
5 また、あなたがたがそれを短く吹き鳴らすと、東側に宿っている宿営が出発する。
6 あなたがたが二度目に短く吹き鳴らすと、南側に宿っている宿営が出発する。彼らが出発するには、短く吹き鳴らさなければならない。
7 集会を召集するときには、長く吹き鳴らさなければならない。短く吹き鳴らしてはならない。
8祭司であるアロンの子らがラッパを吹かなければならない。これはあなたがたにとって、代々にわたる永遠の定めである。
9 また、あなたがたの国で、あなたがたを襲う侵略者との戦いに出る場合は、ラッパを短く吹き鳴らす。あなたがたが、あなたがたの神、主の前に覚えられ、あなたがたの敵から救われるためである。
10 また、あなたがたの喜びの日、あなたがたの例祭と新月の日に、あなたがたの全焼のいけにえと、和解のいけにえの上に、ラッパを鳴り渡らせるなら、あなたがたは、あなたがたの神の前に覚えられる。わたしはあなたがたの神、主である。」
11 第二年目の第二月の二十日に、雲があかしの幕屋の上から離れて上った。
12 それでイスラエル人はシナイの荒野を出て旅立ったが、雲はパランの荒野でとどまった。
13 彼らは、モーセを通して示された主の命令によって初めて旅立ち、
14 まず初めにユダ族の宿営の旗が、その軍団ごとに出発した。軍団長はアミナダブの子ナフション。
15 イッサカル部族の軍団長はツアルの子ネタヌエル。
16 ゼブルン部族の軍団長はヘロンの子エリアブ。
17幕屋が取りはずされ、幕屋を運ぶ12ゲルション族、メラリ族が出発。
18 ルベンの宿営の旗が、その軍団ごとに出発。軍団長はシェデウルの子エリツル。
19 シメオン部族の軍団長はツリシャダイの子シェルミエル。
20 ガド部族の軍団長はデウエルの子エルヤサフ。
21聖なる物を運ぶケハテ人が出発。彼らが着くまでに、幕屋は建て終えられる。
22 また、エフライム族の宿営の旗が、その軍団ごとに出発。軍団長はアミフデの子エリシャマ。
23 マナセ部族の軍団長はペダツルの子ガムリエル。
24 ベニヤミン部族の軍団長はギデオニの子アビダンであった。
25 ダン部族の宿営の旗が、全宿営の後衛としてその軍団ごとに出発。軍団長はアミシャダイの子アヒエゼル。
26 アシェル部族の軍団長はオクランの子パグイエル。
27 ナフタリ部族の軍団長はエナンの子アヒラ。
28 以上がイスラエル人の軍団ごとの出発順序であって、彼らはそのように出発した。
29 さて、モーセは、彼のしゅうとミデヤン人レウエルの子ホバブに言った。「私たちは、主があなたがたに与えると言われた場所へ出発するところです。私たちといっしょに行きましょう。私たちはあなたをしあわせにします。主がイスラエルにしあわせを約束しておられるからです。」
30 彼はモーセに答えた。「私は行きません。私の生まれ故郷に帰ります。」
31 そこでモーセは言った。「どうか私たちを見捨てないでください。あなたは、私たちが荒野のどこで宿営したらよいかご存じであり、私たちにとって目なのですから。
32 私たちといっしょに行ってくだされば、主が私たちに下さるしあわせを、あなたにもおわかちしたいのです。」
33 こうして、彼らは主の山を出て、三日の道のりを進んだ。主の契約の箱は三日の道のりの間、彼らの先頭に立って進み、彼らの休息の場所を捜した。
34 彼らが宿営を出て進むとき、昼間は主の雲が彼らの上にあった。
35契約の箱が出発するときには、モーセはこう言っていた。
「主よ。立ち上がってください。
あなたの敵は散らされ、
あなたを憎む者は、
御前から逃げ去りますように。」
36 またそれがとどまるときに、彼は言っていた。
「主よ。お帰りください。
イスラエルの幾千万の民のもとに。」
1 さて、民はひどく不平を鳴らして主につぶやいた。主はこれを聞いて怒りを燃やし、主の火が彼らに向かって燃え上がり、宿営の端をなめ尽くした。
2 すると民はモーセに向かってわめいた。それで、モーセが主に祈ると、その火は消えた。
3主の火が、彼らに向かって燃え上がったので、その場所の名を13タブエラと呼んだ。
4 また彼らのうちに混じってきていた者が、激しい欲望にかられ、そのうえ、イスラエル人もまた14大声で泣いて、言った。「ああ、肉が食べたい。
5 エジプトで、ただで魚を食べていたことを思い出す。きゅうりも、すいか、にら、たまねぎ、にんにくも。
6 だが今や、私たちののどは干からびてしまった。何もなくて、このマナを見るだけだ。」
7 マナは、コエンドロの種のようで、その色はベドラハのようであった。
8 人々は歩き回って、それを集め、ひき臼でひくか、臼でついて、これをなべで煮て、パン菓子を作っていた。その味は、おいしいクリームの味のようであった。
9 夜、宿営に露が降りるとき、マナもそれといっしょに降りた。
10 モーセは、民がその家族ごとに、それぞれ自分の天幕の入口で泣くのを聞いた。主の怒りは激しく燃え上がり、モーセも腹立たしく思った。
11 モーセは主に申し上げた。「なぜ、あなたはしもべを苦しめられるのでしょう。なぜ、私はあなたのご厚意をいただけないのでしょう。なぜ、このすべての民の重荷を私に負わされるのでしょう。
12 私がこのすべての民をはらんだのでしょうか。それとも、私が彼らを生んだのでしょうか。それなのになぜ、あなたは私に、『うばが乳飲み子を抱きかかえるように、彼らをあなたの胸に抱き、15わたしが彼らの先祖たちに誓った地に連れて行け』と言われるのでしょう。
13 どこから私は肉を得て、この民全体に与えなければならないのでしょうか。彼らは私に泣き叫び、『私たちに肉を与えて食べさせてくれ』と言うのです。
14 私だけでは、この民全体を負うことはできません。私には重すぎます。
15 私にこんなしうちをなさるのなら、お願いです、どうか私を殺してください。これ以上、私を苦しみに会わせないでください。」
16主はモーセに仰せられた。「イスラエルの長老たちのうちから、あなたがよく知っている民の長老で、そのつかさである者七十人をわたしのために集め、彼らを会見の天幕に連れて来て、そこであなたのそばに立たせよ。
17 わたしは降りて行って、その所であなたと語り、あなたの上にある霊のいくらかを取って彼らの上に置こう。それで彼らも民の重荷をあなたとともに負い、あなたはただひとりで負うことがないようになろう。
18 あなたは民に言わなければならない。あすのために身をきよめなさい。あなたがたは肉が食べられるのだ。あなたがたが泣いて、『ああ肉が食べたい。エジプトでは良かった』と、主につぶやいて言ったからだ。主が肉を下さる。あなたがたは肉が食べられるのだ。
19 あなたがたが食べるのは、一日や二日や五日や十日や二十日だけではなく、
20 一か月もであって、ついにはあなたがたの鼻から出て来て、吐きけを催すほどになる。それは、あなたがたのうちにおられる主をないがしろにして、御前に泣き、『なぜ、こうして私たちはエジプトから出て来たのだろう』と言ったからだ。」
21 しかしモーセは申し上げた。「私といっしょにいる民は徒歩の男子だけで六十万です。しかもあなたは、彼らに肉を与え、一月の間食べさせる、と言われます。
22 彼らのために羊の群れ、牛の群れをほふっても、彼らに十分でしょうか。彼らのために海の魚を全部集めても、彼らに十分でしょうか。」
23主はモーセに答えられた。「主の手は短いのだろうか。わたしのことばが実現するかどうかは、今わかる。」
24 ここでモーセは出て行って、主のことばを民に告げた。そして彼は民の長老たちのうちから七十人を集め、彼らを天幕の回りに立たせた。
25 すると主は雲の中にあって降りて来られ、モーセと語り、彼の上にある霊を取って、その七十人の長老にも与えた。その霊が彼らの上にとどまったとき、彼らは預言した。しかし、それを重ねることはなかった。
26 そのとき、ふたりの者が宿営に残っていた。ひとりの名はエルダデ、もうひとりの名はメダデであった。彼らの上にも霊がとどまった。──彼らは16長老として登録された者たちであったが、天幕へは出て行かなかった──彼らは宿営の中で預言した。
27 それで、ひとりの若者が走って来て、モーセに知らせて言った。「エルダデとメダデが宿営の中で預言しています。」
28若いときからモーセの従者であったヌンの子ヨシュアも答えて言った。「わが主、モーセよ。彼らをやめさせてください。」
29 しかしモーセは彼に言った。「あなたは私のためを思ってねたみを起こしているのか。主の民がみな、預言者となればよいのに。主が彼らの上にご自分の霊を与えられるとよいのに。」
30 それからモーセとイスラエルの長老たちは、宿営に戻った。
31 さて、主のほうから風が吹き、海の向こうからうずらを運んで来て、宿営の上に落とした。それは宿営の回りに、こちら側に約一日の道のり、あちら側にも約一日の道のり、地上に約二17キュビトの高さになった。
32民はその日は、終日終夜、その翌日も一日中出て行って、うずらを集め、──最も少なく集めた者でも、十18ホメルほど集めた──彼らはそれらを、宿営の回りに広く広げた。
33 肉が彼らの歯の間にあってまだかみ終わらないうちに、主の怒りが民に向かって燃え上がり、主は非常に激しい疫病で民を打った。
34 こうして、欲望にかられた民を、彼らがそこに埋めたので、その場所の名を19キブロテ・ハタアワと呼んだ。
35 キブロテ・ハタアワから、民はハツェロテに進み、ハツェロテにとどまった。
1 そのとき、ミリヤムはアロンといっしょに、モーセがめとっていたクシュ人の女のことで彼を非難した。モーセがクシュ人の女をめとっていたからである。
2 彼らは言った。「主はただモーセとだけ話されたのでしょうか。私たちとも話されたのではないでしょうか。」主はこれを聞かれた。
3 さて、モーセという人は、地上のだれにもまさって非常に謙遜であった。
4 そこで、主は突然、モーセとアロンとミリヤムに、「あなたがた三人は会見の天幕の所へ出よ」と言われたので、彼ら三人は出て行った。
5主は雲の柱の中にあって降りて来られ、天幕の入口に立って、アロンとミリヤムを呼ばれた。ふたりが出て行くと、
6仰せられた。「わたしのことばを聞け。もし、あなたがたのひとりが預言者であるなら、主であるわたしは、幻の中でその者にわたしを知らせ、夢の中でその者に語る。
7 しかしわたしのしもべモーセとはそうではない。彼はわたしの全家を通じて忠実な者である。
8 彼とは、わたしは口と口とで語り、明らかに語って、なぞで話すことはしない。彼はまた、主の姿を仰ぎ見ている。なぜ、あなたがたは、わたしのしもべモーセを恐れずに非難するのか。」
9主の怒りが彼らに向かって燃え上がり、主は去って行かれた。
10 雲が天幕の上から離れ去ると、見よ、ミリヤムはツァラアトになり、雪のようになっていた。アロンがミリヤムのほうを振り向くと、見よ、彼女はツァラアトに冒されていた。
11 アロンはモーセに言った。「わが主よ。私たちが愚かで犯しました罪の罰をどうか、私たちに負わせないでください。
12 どうか、彼女を、その肉が半ば腐って母の胎から出て来る死人のようにしないでください。」
13 それで、モーセは主に叫んで言った。「神よ。どうか、彼女をいやしてください。」
14 しかし主はモーセに言われた。「彼女の父が、彼女の顔につばきしてさえ、彼女は七日間、恥をかかせられたことになるではないか。彼女を七日間、宿営の外に締め出しておかなければならない。その後に彼女を連れ戻すことができる。」
15 それでミリヤムは七日間、宿営の外に締め出された。民はミリヤムが連れ戻されるまで、旅立たなかった。
16 その後、民はハツェロテから旅立ち、パランの荒野に宿営した。
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「人々を遣わして、わたしがイスラエル人に与えようとしているカナンの地を探らせよ。父祖の部族ごとにひとりずつ、みな、その族長を遣わさなければならない。」
3 モーセは主の命によって、パランの荒野から彼らを遣わした。彼らはみな、イスラエル人のかしらであった。
4 彼らの名は次のとおりであった。ルベン部族からはザクルの子シャムア。
5 シメオン部族からはホリの子シャファテ。
6 ユダ部族からはエフネの子カレブ。
7 イッサカル部族からはヨセフの子イグアル。
8 エフライム部族からはヌンの子ホセア。
9 ベニヤミン部族からはラフの子パルティ。
10 ゼブルン部族からはソディの子ガディエル。
11 ヨセフ部族、すなわちマナセ部族からはスシの子ガディ。
12 ダン部族からはゲマリの子アミエル。
13 アシェル部族からはミカエルの子セトル。
14 ナフタリ部族からはボフシの子ナフビ。
15 ガド部族からはマキの子ゲウエル。
16 以上は、モーセがその地を探らせるために遣わした者の名であった。そのときモーセはヌンの子ホセアをヨシュアと名づけた。
17 モーセは彼らを、カナンの地を探りにやったときに、言った。「あちらに上って行ってネゲブに入り、山地に行って、
18 その地がどんなであるか、そこに住んでいる民が強いか弱いか、あるいは少ないか多いかを調べなさい。
19 また彼らが住んでいる土地はどうか、それが良いか悪いか。彼らが住んでいる町々はどうか、それらは宿営かそれとも城壁の町か。
20 土地はどうか、それは肥えているか、やせているか。そこには木があるか、ないかを調べなさい。あなたがたは勇気を出し、その地のくだものを取って来なさい。」その季節は初ぶどうの熟すころであった。
21 そこで、彼らは上って行き、ツィンの荒野から20レボ・ハマテのレホブまで、その地を探った。
22 彼らは上って行ってネゲブに入り、ヘブロンまで行った。そこにはアナクの子孫であるアヒマンと、シェシャイと、タルマイが住んでいた。ヘブロンはエジプトのツォアンより七年前に建てられた。
23 彼らはエシュコルの谷まで来て、そこでぶどうが一ふさついた枝を切り取り、それをふたりが棒でかついだ。また、いくらかのざくろやいちじくも切り取った。
24 イスラエル人がそこで切り取ったぶどうのふさのことから、その場所は21エシュコルの谷と呼ばれた。
25 四十日がたって、彼らはその地の偵察から帰って来た。
26 そして、ただちにパランの荒野のカデシュにいるモーセとアロンおよびイスラエルの全会衆のところに行き、ふたりと全会衆に報告をして、彼らにその地のくだものを見せた。
27 彼らはモーセに告げて言った。「私たちは、あなたがお遣わしになった地に行きました。そこにはまことに乳と蜜が流れています。そしてこれがそこのくだものです。
28 しかし、その地に住む民は力強く、その町々は城壁を持ち、非常に大きく、そのうえ、私たちはそこでアナクの子孫を見ました。
29 ネゲブの地方にはアマレク人が住み、山地にはヘテ人、エブス人、エモリ人が住んでおり、海岸とヨルダンの川岸にはカナン人が住んでいます。」
30 そのとき、カレブがモーセの前で、民を静めて言った。「私たちはぜひとも、上って行って、そこを占領しよう。必ずそれができるから。」
31 しかし、彼といっしょに上って行った者たちは言った。「私たちはあの民のところに攻め上れない。あの民は私たちより強いから。」
32 彼らは探って来た地について、イスラエル人に悪く言いふらして言った。「私たちが行き巡って探った地は、その住民を食い尽くす地だ。私たちがそこで見た民はみな、背の高い者たちだ。
33 そこで、私たちはネフィリム人、ネフィリム人のアナク人を見た。私たちには自分がいなごのように見えたし、彼らにもそう見えたことだろう。」
1全会衆は大声をあげて叫び、民はその夜、泣き明かした。
2 イスラエル人はみな、モーセとアロンにつぶやき、全会衆は彼らに言った。「私たちはエジプトの地で死んでいたらよかったのに。できれば、この荒野で死んだほうがましだ。
3 なぜ主は、私たちをこの地に導いて来て、剣で倒そうとされるのか。私たちの妻子は、さらわれてしまうのに。エジプトに帰ったほうが、私たちにとって良くはないか。」
4 そして互いに言った。「さあ、私たちは、ひとりのかしらを立ててエジプトに帰ろう。」
5 そこで、モーセとアロンは、イスラエル人の会衆の全集会の集まっている前でひれ伏した。
6 すると、その地を探って来た者のうち、ヌンの子ヨシュアとエフネの子カレブとは自分たちの着物を引き裂いて、
7 イスラエル人の全会衆に向かって次のように言った。「私たちが巡り歩いて探った地は、すばらしく良い地だった。
8 もし、私たちが主の御心にかなえば、私たちをあの地に導き入れ、それを私たちに下さるだろう。あの地には、乳と蜜とが流れている。
9 ただ、主にそむいてはならない。その地の人々を恐れてはならない。彼らは私たちのえじきとなるからだ。彼らの守りは、彼らから取り去られている。しかし主が私たちとともにおられるのだ。彼らを恐れてはならない。」
10 しかし全会衆は、彼らを石で打ち殺そうと言い出した。そのとき、主の栄光が会見の天幕からすべてのイスラエル人に現れた。
11主はモーセに仰せられた。「この民はいつまでわたしを侮るのか。わたしがこの民の間で行ったすべてのしるしにもかかわらず、いつまでわたしを信じないのか。
12 わたしは疫病で彼らを打って滅ぼしてしまい、あなたを彼らよりも大いなる強い国民にしよう。」
13 モーセは主に申し上げた。「エジプトは、あなたが御力によって、彼らのうちからこの民を導き出されたことを聞いて、
14 この地の住民に告げましょう。事実、彼らは、あなた、主がこの民のうちにおられ、あなた、主がまのあたりに現れて、あなたの雲が彼らの上に立ち、あなたが昼は雲の柱、夜は火の柱のうちにあって、彼らの前を歩んでおられるのを聞いているのです。
15 そこでもし、あなたがこの民をひとり残らず殺すなら、あなたのうわさを聞いた異邦の民は次のように言うでしょう。
16 『主はこの民を、彼らに誓った地に導き入れることができなかったので、彼らを荒野で殺したのだ。』
17 どうか今、わが主の大きな力を現してください。あなたは次のように約束されました。
18 『主は怒るのにおそく、恵み豊かである。咎とそむきを赦すが、罰すべき者は必ず罰して、父の咎を子に報い、三代、四代に及ぼす』と。
19 あなたがこの民をエジプトから今に至るまで赦してくださったように、どうかこの民の咎をあなたの大きな恵みによって赦してください。」
20主は仰せられた。「わたしはあなたのことばどおりに赦そう。
21 しかしながら、わたしが生きており、主の栄光が全地に満ちている以上、
22 エジプトとこの荒野で、わたしの栄光とわたしの行ったしるしを見ながら、このように十度もわたしを試みて、わたしの声に聞き従わなかった者たちは、みな、
23 わたしが彼らの先祖たちに誓った地を見ることがない。わたしを侮った者も、みなそれを見ることがない。
24 ただし、わたしのしもべカレブは、ほかの者と違った心を持っていて、わたしに従い通したので、わたしは彼が行って来た地に彼を導き入れる。彼の子孫はその地を所有するようになる。
2522低地にはアマレク人とカナン人が住んでいるので、あなたがたは、あす、向きを変えて23葦の海の道を通り、荒野へ出発せよ。」
26主はモーセとアロンに告げて仰せられた。
27 「いつまでこの悪い会衆は、わたしにつぶやいているのか。わたしはイスラエル人が、わたしにつぶやいているつぶやきを、もう聞いている。
28 あなたは彼らに言え。
これは主の御告げである。わたしは生きている。わたしは必ずあなたがたに、わたしの耳に告げたそのとおりをしよう。
29 この荒野であなたがたは死体となって倒れる。わたしにつぶやいた者で、二十歳以上の登録され数えられた者たちはみな倒れて死ぬ。
30 ただエフネの子カレブと、ヌンの子ヨシュアのほかは、あなたがたを住まわせるとわたしが24誓った地に、だれも決して入ることはできない。
31 さらわれてしまうと、あなたがたが言ったあなたがたの子どもたちを、わたしは導き入れよう。彼らはあなたがたが拒んだ地を知るようになる。
32 しかし、あなたがたは死体となってこの荒野に倒れなければならない。
33 あなたがたの子どもたちは、この荒野で四十年の間羊を飼う者となり、あなたがたが死体となってこの荒野で倒れてしまうまで、あなたがたの背信の罪を負わなければならない。
34 あなたがたが、かの地を探った日数は四十日であった。その一日を一年と数えて、四十年の間あなたがたは自分の咎を負わなければならない。こうして25わたしへの反抗が何かを思い知ろう。
35主であるわたしが言う。一つになってわたしに逆らったこの悪い会衆のすべてに対して、わたしは必ず次のことを行う。この荒野で彼らはひとり残らず死ななければならない。
36 モーセがかの地を探らせるために遣わした者で、帰って来て、その地について悪く言いふらし、全会衆をモーセにつぶやかせた者たちも。」
37 こうして、その地をひどく悪く言いふらした者たちは、主の前に、疫病で死んだ。
38 しかし、かの地を探りに行った者のうち、ヌンの子ヨシュアと、エフネの子カレブは生き残った。
39 モーセがこれらのことばを、すべてのイスラエル人に告げたとき、民はひどく悲しんだ。
40翌朝早く、彼らは山地の峰のほうに上って行こうとして言った。「私たちは罪を犯したのだから、とにかく主が言われた所へ上って行ってみよう。」
41 するとモーセは言った。「あなたがたはなぜ、主の命令にそむこうとしているのか。それは成功しない。
42 上って行ってはならない。主はあなたがたのうちにおられないのだ。あなたがたが敵に打ち負かされないように。
43 そこにはアマレク人とカナン人とがあなたがたの前にいるから、あなたがたは剣で打ち倒されよう。あなたがたが主にそむいて従わなかったのだから、主はあなたがたとともにはおられない。」
44 それでも、彼らはかまわずに山地の峰のほうに登って行った。しかし、主の契約の箱とモーセとは、宿営の中から動かなかった。
45 山地に住んでいたアマレク人とカナン人は、下って来て、彼らを打ち、ホルマまで彼らを追い散らした。
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に告げて言え。
わたしがあなたがたに与えて住ませる地にあなたがたが入り、
3 特別な誓願を果たすために、または進んでささげるささげ物として、あるいは例祭のときに、主へのなだめのかおりをささげるために、牛か羊の群れから全焼のいけにえでも、ほかのいけにえでも、火によるささげ物を主にささげるときは、
4 そのささげ物をささげる者は、穀物のささげ物として、油四分の一26ヒンを混ぜた小麦粉27十分の一エパを主にささげなければならない。
5 また全焼のいけにえ、またはほかのいけにえに添えて、子羊一頭のための注ぎのささげ物としては四分の一ヒンのぶどう酒をささげなければならない。
6雄羊の場合には、穀物のささげ物として、油三分の一ヒンを混ぜた小麦粉十分の二エパをささげ、
7 さらに、注ぎのささげ物としてぶどう酒三分の一ヒンを主へのなだめのかおりとして、ささげなければならない。
8 また、あなたが特別な誓願を果たすため、あるいは、和解のいけにえとして、若い牛を全焼のいけにえ、または、ほかのいけにえとして主にささげるときは、
9 その若い牛に添えて、油二分の一ヒンを混ぜた小麦粉十分の三エパの穀物のささげ物をささげ、
10 また注ぎのささげ物としてぶどう酒二分の一ヒンをささげなければならない。これは主へのなだめのかおりの、火によるささげ物である。
11 牛一頭、あるいは雄羊一頭、あるいはどんな羊、やぎについても、このようにしなければならない。
12 あなたがたがささげる数に応じ、その数にしたがって一頭ごとにこのようにしなければならない。
13 すべてこの国に生まれた者が、主へのなだめのかおりの、火によるささげ物をささげるには、このようにこれらのことを行わなければならない。
14 また、あなたがたのところにいる在留異国人、あるいはあなたがたのうちに代々住んでいる者が、主へのなだめのかおりの、火によるささげ物をささげる場合には、あなたがたがするようにその者もしなければならない。
15 一つの集会として、定めはあなたがたにも、在留異国人にも、同一であり、代々にわたる永遠の定めである。主の前には、あなたがたも在留異国人も同じである。
16 あなたがたにも、あなたがたのところにいる在留異国人にも、同一のおしえ、同一のさばきでなければならない。」
17主はまたモーセに告げて仰せられた。
18 「イスラエル人に告げて言え。
わたしがあなたがたを導いて行く地にあなたがたが入り、
19 その地のパンを食べるとき、あなたがたは主に奉納物を供えなければならない。
20 初物の麦粉で作った輪型のパンを奉納物として供え、打ち場からの奉納物として供えなければならない。
21 初物の麦粉のうちから、あなたがたは代々にわたり、主に奉納物を供えなければならない。
22 あなたがたが、もしあやまって罪を犯し、主がモーセに告げられたこれらの命令のどれでも、
23主が命じられた日以来、代々にわたって主がモーセを通してあなたがたに命じられたことの一つでも行わないときは、
24 もし会衆が気づかず、あやまってしたのなら、全会衆は、主へのなだめのかおりのための全焼のいけにえとして、若い雄牛一頭、また、定めにかなう穀物のささげ物と注ぎのささげ物、さらに雄やぎ一頭を罪のためのいけにえとして、ささげなければならない。
25祭司がイスラエル人の全会衆の贖いをするなら、彼らは赦される。それが過失であって、彼らは自分たちの過失のために、ささげ物、主への火によるささげ物、罪のためのいけにえを主の前に持って来たからである。
26 イスラエル人の全会衆も、あなたがたのうちの在留異国人も赦される。それは民全体の過失だからである。
27 もし個人があやまって罪を犯したなら、一歳の雌やぎ一頭を罪のためのいけにえとしてささげなければならない。
28祭司は、あやまって罪を犯した者のために、主の前で贖いをしなければならない。彼はあやまって罪を犯したのであるから、彼の贖いをすれば、その者は赦される。
29 イスラエル人のうちの、この国に生まれた者にも、あなたがたのうちにいる在留異国人にも、あやまって罪を犯す者には、あなたがたと同一のおしえがなければならない。
30 国に生まれた者でも、在留異国人でも、故意に罪を犯す者は、主を冒瀆する者であって、その者は民の間から断たれなければならない。
31主のことばを侮り、その命令を破ったなら、必ず断ち切られ、その咎を負う。」
32 イスラエル人が荒野にいたとき、安息日に、たきぎを集めている男を見つけた。
33 たきぎを集めているのを見つけた者たちは、その者をモーセとアロンおよび全会衆のところに連れて来た。
34 しかし彼をどうすべきか、はっきりと示されていなかったので、その者を監禁しておいた。
35 すると、主はモーセに言われた。「この者は必ず殺されなければならない。全会衆は宿営の外で、彼を石で打ち殺さなければならない。」
36 そこで、主がモーセに命じられたように、全会衆はその者を宿営の外に連れ出し、彼を石で打ち殺した。
37主はモーセに告げて仰せられた。
38 「イスラエル人に告げて、彼らが代々にわたり、着物のすその四隅にふさを作り、その隅のふさに青いひもをつけるように言え。
39 そのふさはあなたがたのためであって、あなたがたがそれを見て、主のすべての命令を思い起こし、それを行うため、みだらなことをしてきた自分の心と目に従って歩まないようにするため、
40 こうしてあなたがたが、わたしのすべての命令を思い起こして、これを行い、あなたがたの神の聖なるものとなるためである。
41 わたしはあなたがたの神、主であって、わたしがあなたがたの神となるために、あなたがたをエジプトの地から連れ出したのである。わたしは、あなたがたの神、主である。」
1 レビの子ケハテの子であるイツハルの子コラは、ルベンの子孫であるエリアブの子ダタンとアビラム、およびペレテの子オンと共謀して、
2会衆の上に立つ人たちで、会合で選び出された名のある者たち二百五十人のイスラエル人とともに、モーセに立ち向かった。
3 彼らは集まって、モーセとアロンとに逆らい、彼らに言った。「あなたがたは分を越えている。全会衆残らず聖なるものであって、主がそのうちにおられるのに、なぜ、あなたがたは、主の集会の上に立つのか。」
4 モーセはこれを聞いてひれ伏した。
5 それから、コラとそのすべての仲間とに告げて言った。「あしたの朝、主は、だれがご自分のものか、だれが聖なるものかをお示しになり、その者をご自分に近づけられる。主は、ご自分が選ぶ者をご自分に近づけられるのだ。
6 こうしなさい。コラとその仲間のすべてよ。あなたがたは火皿を取り、
7 あす、主の前でその中に火を入れ、その上に香を盛りなさい。主がお選びになるその人が聖なるものである。レビの子たちよ。あなたがたが分を越えているのだ。」
8 モーセはさらにコラに言った。「レビの子たちよ。よく聞きなさい。
9 イスラエルの神が、あなたがたを、イスラエルの会衆から分けて、主の幕屋の奉仕をするために、また会衆の前に立って彼らに仕えるために、みもとに近づけてくださったのだ。あなたがたには、これに不足があるのか。
10 こうしてあなたとあなたの同族であるレビ族全部を、あなたといっしょに近づけてくださったのだ。それなのに、あなたがたは祭司の職まで要求するのか。
11 それだから、あなたとあなたの仲間のすべては、一つになって主に逆らっているのだ。アロンが何だからといって、彼に対して不平を言うのか。」
12 モーセは使いをやって、エリアブの子のダタンとアビラムとを呼び寄せようとしたが、彼らは言った。「私たちは行かない。
13 あなたが私たちを乳と蜜の流れる地から上らせて、荒野で私たちを死なせようとし、そのうえ、あなたは私たちを支配しようとして君臨している。それでも不足があるのか。
14 しかも、あなたは、乳と蜜の流れる地に私たちを連れても行かず、畑とぶどう畑を受け継ぐべき財産として私たちに与えてもいない。あなたは、この人たちの目を28くらまそうとするのか。私たちは行かない。」
15 モーセは激しく怒った。そして主に申し上げた。「どうか、彼らのささげ物を顧みないでください。私は彼らから、ろば一頭も取ったことはなく、彼らのうちのだれをも傷つけたこともありません。」
16 それから、モーセはコラに言った。「あなたとあなたの仲間のすべて、あなたと彼らとそれにアロンとは、あす、主の前に出なさい。
17 あなたがたは、おのおの自分の火皿を取り、その上に香を盛り、おのおの主の前にそれを持って来なさい。すなわち二百五十の火皿、それにまたあなたも、アロンも、おのおの火皿を持って来なさい。」
18 彼らはおのおの、その火皿を取り、それに火を入れて、その上に香を盛った。そしてモーセとアロンはいっしょに会見の天幕の入口に立った。
19 コラは全会衆を会見の天幕の入口に集めて、ふたりに逆らわせようとした。そのとき、主の栄光が全会衆に現れた。
20主はモーセとアロンに告げて仰せられた。
21 「あなたがたはこの会衆から離れよ。わたしはこの者どもをたちどころに絶滅してしまうから。」
22 ふたりはひれ伏して言った。「神。すべての肉なるもののいのちの神よ。ひとりの者が罪を犯せば、全会衆をお怒りになるのですか。」
23主はモーセに告げて仰せられた。
24 「この会衆に告げて、コラとダタンとアビラムの住まいの付近から離れ去るように言え。」
25 モーセは立ち上がり、イスラエルの長老たちを従えて、ダタンとアビラムのところへ行き、
26 そして会衆に告げて言った。「さあ、この悪者どもの天幕から離れ、彼らのものには何にもさわるな。彼らのすべての罪のために、あなたがたが滅ぼし尽くされるといけないから。」
27 それでみなは、コラとダタンとアビラムの住まいの付近から離れ去った。ダタンとアビラムは、その妻子、幼子たちといっしょに出て来て、自分たちの天幕の入口に立った。
28 モーセは言った。「私を遣わして、これらのしわざをさせたのは主であって、私自身の考えからではないことが、次のことによってあなたがたにわかるであろう。
29 もしこの者たちが、すべての人が死ぬように死に、すべての人の会う運命に彼らも会えば、私を遣わされたのは主ではない。
30 しかし、もし主がこれまでにないことを行われて、地がその口を開き、彼らと彼らに属する者たちとを、ことごとくのみこみ、彼らが生きながらよみに下るなら、あなたがたは、これらの者たちが主を侮ったことを知らなければならない。」
31 モーセがこれらのことばをみな言い終わるや、彼らの下の地面が割れた。
32 地はその口をあけて、彼らとその家族、またコラに属するすべての者と、すべての持ち物とをのみこんだ。
33 彼らとすべて彼らに属する者は、生きながら、よみに下り、地は彼らを包んでしまい、彼らは集会の中から滅び去った。
34 このとき、彼らの回りにいたイスラエル人はみな、彼らの叫び声を聞いて逃げた。「地が私たちをも、のみこんでしまうかもしれない」と思ったからである。
35 また、主のところから火が出て、香をささげていた二百五十人を焼き尽くした。
36主はモーセに告げて仰せられた。
37 「あなたは、祭司アロンの子エルアザルに命じて、炎の中から火皿を取り出させよ。火を遠くにまき散らさせよ。それらは聖なるものとなっているから。
38罪を犯していのちを失ったこれらの者たちの火皿を29取り、それらを打ちたたいて延べ板とし、祭壇のための被金とせよ。それらは、彼らが主の前にささげたので、聖なるものとなっているからである。こうして、これらをイスラエル人に対するしるしとさせよ。」
39 そこで祭司エルアザルは、焼き殺された者たちがささげた青銅の火皿を取って、それを打ち延ばし、祭壇のための被金とし、
40 イスラエル人のための記念とした。これは、アロンの子孫でないほかの者が、主の前に近づいて煙を立ち上らせることがないため、その者が、コラやその仲間のようなめに会わないためである。──主がモーセを通してエルアザルに言われたとおりである。
41 その翌日、イスラエル人の全会衆は、モーセとアロンに向かってつぶやいて言った。「あなたがたは主の民を殺した。」
42会衆が集まってモーセとアロンに逆らったとき、ふたりが会見の天幕のほうを振り向くと、見よ、雲がそれをおおい、主の栄光が現れた。
43 モーセとアロンが会見の天幕の前に行くと、
44主はモーセに告げて仰せられた。
45 「あなたがたはこの会衆から立ち去れ。わたしがこの者どもをたちどころに絶ち滅ぼすことができるように。」ふたりはひれ伏した。
46 モーセはアロンに言った。「火皿を取り、祭壇から火を取ってそれに入れ、その上に香を盛りなさい。そして急いで会衆のところへ持って行き、彼らの贖いをしなさい。主の前から激しい怒りが出て来て、神罰がもう始まったから。」
47 アロンは、モーセが命じたように、火皿を取って集会の真ん中に走って行ったが、見よ、神罰はすでに民のうちに始まっていた。そこで彼は香をたいて、民の贖いをした。
48 彼が死んだ者たちと生きている者たちとの間に立ったとき、神罰はやんだ。
49 コラの事件で死んだ者とは別に、この神罰で死んだ者は、一万四千七百人になった。
50 こうして、アロンは会見の天幕の入口のモーセのところへ帰った。神罰はやんだ。
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に告げて、彼らから、杖を、父の家ごとに一本ずつ、彼らの父祖の家のすべての族長から十二本の杖を、取れ。その杖におのおのの名を書きしるさなければならない。
3 レビの杖にはアロンの名を書かなければならない。彼らの父祖の家のかしらにそれぞれ一本の杖とするから。
4 あなたはそれらを、会見の天幕の中のわたしがそこであなたがたに会うあかしの箱の前に置け。
5 わたしが選ぶ人の杖は芽を出す。こうしてイスラエル人があなたがたに向かってつぶやく不平をわたし自身が静めよう。」
6 モーセがイスラエル人にこのように告げたので、彼らの族長たちはみな、父祖の家ごとに、族長ひとりに一本ずつの杖、十二本を彼に渡した。アロンの杖も彼らの杖の中にあった。
7 モーセはそれらの杖を、あかしの天幕の中の主の前に置いた。
8 その翌日、モーセはあかしの天幕に入って行った。すると見よ、レビの家のためのアロンの杖が芽をふき、つぼみを出し、花をつけ、アーモンドの実を結んでいた。
9 モーセがその杖をみな、主の前から、すべてのイスラエル人のところに持って来たので、彼らは見分けて、おのおの自分の杖を取った。
10主はモーセに言われた。「アロンの杖をあかしの箱の前に戻して、逆らう者どもへの戒めのため、しるしとせよ。彼らのわたしに対する不平を全くなくして、彼らが死ぬことのないように。」
11 モーセはそうした。主が命じられたとおりにした。
12 しかし、イスラエル人はモーセに言った。「ああ、私たちは死んでしまう。私たちは滅びる。みな滅びる。
13主の幕屋にあえて近づく者はだれでも死ななければならないとは。ああ、私たちはみな、死に絶えなければならないのか。」
1 そこで、主はアロンに言われた。「あなたと、あなたとともにいるあなたの子たちと、あなたの父の家の者たちは、聖所にかかわる咎を負わなければならない。そしてあなたと、あなたとともにいるあなたの子たちが、あなたがたの祭司職にかかわる咎を負わなければならない。
2 しかし、あなたの父祖の部族であるレビ族のあなたの身内の者たちも、あなたに近づけよ。彼らがあなたに配属され、あかしの天幕の前で、あなたと、あなたとともにいるあなたの子たちに仕えるためである。
3 彼らはあなたのための任務と、天幕全体の任務を果たすのである。しかし彼らは、聖所の器具と祭壇とに、近づいてはならない。彼らも、あなたがたも、死ぬことのないためである。
4 彼らがあなたに配属され、天幕の奉仕のすべてにかかわる会見の天幕の任務を果たす。ほかの者があなたがたに近づいてはならない。
5 あなたがたが聖所の任務と祭壇の任務を果たすなら、イスラエル人に再び激しい怒りが下ることはない。
6 今ここに、わたしは、あなたがたの同族レビ人をイスラエル人の中から取り、会見の天幕の奉仕をするために、彼らを主にささげられたあなたがたへの贈り物とする。
7 あなたと、あなたとともにいるあなたの子たちは、祭壇に関するすべてのことや、垂れ幕の内側のことについてのあなたがたの祭司職を守り、奉仕しなければならない。わたしはあなたがたの祭司職を賜物の奉仕として与える。ほかの者で近づく者は死ななければならない。」
8主はそれから、アロンに仰せられた。「今、わたしは、わたしへの奉納物にかかわる任務をあなたに与える。わたしはイスラエル人のすべての聖なるささげ物についてこれをあなたに、またあなたの子たちとに、受ける分として与え、永遠の分け前とする。
9 最も聖なるもの、火によるささげ物のうちで、あなたの分となるものは次のとおりである。最も聖なるものとして、わたしに納めるすべてのささげ物、すなわち穀物のささげ物、罪のためのいけにえ、罪過のためのいけにえ、これらの全部は、あなたとあなたの子たちの分となる。
10 あなたはそれを最も聖なるものとして食べなければならない。ただ男子だけが、それを食べることができる。それはあなたにとって聖なるものである。
11 また次の物もあなたの分となる。イスラエル人の贈り物である奉納物、彼らのすべての奉献物、これをわたしはあなたとあなたの息子たち、それにあなたとともにいる娘たちに与えて、永遠の分け前とする。あなたの家にいるきよい者はみな、それを食べることができる。
12 最良の新しい油、最良の新しいぶどう酒と穀物、これらの人々が主に供える初物全部をあなたに与える。
13 彼らの国のすべてのものの初なりで、彼らが主に携えて来る物は、あなたのものになる。あなたの家にいるきよい者はだれでも、それを食べることができる。
14 イスラエルのうちで、聖絶のものはみな、あなたのものになる。
15 人でも、獣でも、すべての肉なるものの最初に生まれるもので主にささげられるものはみな、あなたのものとなる。ただし、人の初子は、必ず贖わなければならない。また、汚れた獣の初子も贖わなければならない。
16 その贖いの代金として、生後一か月以上は聖所のシェケルの評価によって銀五シェケルで贖わなければならない。一シェケルは二十30ゲラである。
17 ただし、牛の初子、または羊の初子、あるいはやぎの初子は贖ってはならない。これらは聖なるものであるからである。あなたはそれらの血を祭壇に振りかけ、その脂肪を火によるささげ物、主へのなだめのかおりとして、焼いて煙にしなければならない。
18 その肉はあなたのものとなる。それは奉献物の胸や右のもものようにあなたのものとなる。
19 イスラエル人が主に供える聖なる奉納物をみな、わたしは、あなたとあなたの息子たちと、あなたとともにいるあなたの娘たちに与えて、永遠の分け前とする。それは、主の前にあって、あなたとあなたの子孫に対する永遠の塩の契約となる。」
20主はまたアロンに仰せられた。「あなたは彼らの国で相続地を持ってはならない。彼らのうちで何の割り当て地をも所有してはならない。イスラエル人の中にあって、わたしがあなたの割り当ての地であり、あなたの相続地である。
21 さらに、わたしは今、レビ族には、彼らが会見の天幕の奉仕をするその奉仕に報いて、イスラエルのうちの十分の一をみな、相続財産として与える。
22 これからはもう、イスラエル人は、会見の天幕に近づいてはならない。彼らが罪を得て死ぬことがないためである。
23 レビ人だけが会見の天幕の奉仕をすることができる。ほかの者は咎を負う。これは代々にわたる永遠のおきてである。彼らはイスラエル人の中にあって相続地を持ってはならない。
24 それは、イスラエル人が、奉納物として主に供える十分の一を、わたしは彼らの相続財産としてレビ人に与えるからである。それゆえわたしは彼らがイスラエル人の中で相続地を持ってはならないと、彼らに言ったのである。」
25主はモーセに告げて仰せられた。
26 「あなたはレビ人に告げて言わなければならない。
わたしがあなたがたに相続財産として与えた十分の一を、イスラエル人から受け取るとき、あなたがたはその十分の一の十分の一を、主への奉納物として供えなさい。
27 これは、打ち場からの穀物や、酒ぶねからの豊かなぶどう酒と同じように、あなたがたの奉納物とみなされる。
28 それで、あなたがたもまた、イスラエル人から受け取るすべての十分の一の中から、主への奉納物を供えなさい。その中から主への奉納物を祭司アロンに与えなさい。
29 あなたがたへのすべての贈り物のうち、それぞれ最上の部分で聖別される分のうちから主へのすべての奉納物を供えなさい。
30 またあなたは彼らに言え。
あなたがたが、その最上の部分をその中から供えるとき、それはレビ人にとって打ち場からの収穫、酒ぶねからの収穫と同じようにみなされる。
31 あなたがたもあなたがたの家族も、どこででもそれを食べてよい。これは会見の天幕でのあなたがたの奉仕に対する報酬だからである。
32 あなたがたが、その最上の部分を供えるなら、そのことで罪を負うことはない。イスラエル人の聖なるささげ物を、あなたがたは汚してはならない。それは、あなたがたが死なないためである。」
1主はモーセとアロンに告げて仰せられた。
2 「主が命じて仰せられたおしえの定めは、こうである。イスラエル人に言い、傷がなく、まだくびきの置かれたことのない、完全な赤い雌牛をあなたのところに引いて来させよ。
3 あなたがたはそれを祭司エルアザルに渡せ。彼はそれを宿営の外に引き出し、彼の前でほふれ。
4祭司エルアザルは指でその血を取り、会見の天幕の正面に向かってこの血を七たび振りかけよ。
5 その雌牛は彼の目の前で焼け。その皮、肉、血をその汚物とともに焼かなければならない。
6祭司は杉の木と、ヒソプと、緋色の糸を取り、それを雌牛の焼けている中に投げ入れる。
7祭司は、その衣服を洗い、そのからだに水を浴びよ。その後、宿営に入ることができる。しかしその祭司は夕方まで汚れる。
8 それを焼いた者も、その衣服を水で洗い、からだに水を浴びなければならない。しかし彼も夕方まで汚れる。
9 身のきよい人がその雌牛の灰を集め、宿営の外のきよい所に置き、イスラエル人の会衆のため、汚れをきよめる水を作るために、それを保存しておく。これは罪のきよめのためである。
10 この雌牛の灰を集めた者も、その衣服を洗う。彼は夕方まで汚れる。これは、イスラエル人にも、あなたがたの間の在留異国人にも永遠のおきてとなる。
11 どのような人の死体にでも触れる者は、七日間、汚れる。
12 その者は三日目と七日目に、31汚れをきよめる水で罪の身をきよめ、きよくならなければならない。三日目と七日目に罪の身をきよめないなら、きよくなることはできない。
13 すべて死んだ人の遺体に触れ、罪の身をきよめない者はだれでも、主の幕屋を汚す。その者はイスラエルから断ち切られる。その者は、汚れをきよめる水が振りかけられていないので、汚れており、その汚れがなお、その者にあるからである。
14 人が天幕の中で死んだ場合のおしえは次のとおりである。その天幕に入る者と、その天幕の中にいる者はみな、七日間、汚れる。
15 ふたをしていない口のあいた器もみな、汚れる。
16 また、野外で、剣で刺し殺された者や死人や、人の骨や、墓に触れる者はみな、七日間、汚れる。
17 この汚れた者のためには、罪のきよめのために焼いた灰を取り、器に入れて、それに湧き水を加える。
18 身のきよい人がヒソプを取ってこの水に浸し、それを、天幕と、すべての器と、そこにいた者と、また骨や、刺し殺された者や、死人や、墓に触れた者との上に振りかける。
19 身のきよい人が、それを汚れた者に三日目と七日目に振りかければ、その者は七日目に、罪をきよめられる。その者は、衣服を洗い、水を浴びる。その者は夕方にはきよくなる。
20汚れた者が、罪の身をきよめなければ、その者は集会の中から断ち切られる。その者は主の聖所を汚したからである。汚れをきよめる水がその者に振りかけられなかったので、その者は汚れている。
21 これは彼らに対する永遠のおきてとなる。汚れをきよめる水を振りかけた者は、その衣服を洗わなければならない。汚れをきよめる水に触れた者は夕方まで汚れる。
22汚れた者が触れるものは、何でも汚れる。その者に触れた者も夕方まで汚れる。」
1 イスラエル人の全会衆は、第一の月にツィンの荒野に着いた。そこで民はカデシュにとどまった。ミリヤムはそこで死んで葬られた。
2 ところが会衆のためには水がなかったので、彼らは集まってモーセとアロンとに逆らった。
3民はモーセと争って言った。「ああ、私たちの兄弟たちが主の前で死んだとき、私たちも死んでいたのなら。
4 なぜ、あなたがたは主の集会をこの荒野に引き入れて、私たちと、私たちの家畜をここで死なせようとするのか。
5 なぜ、あなたがたは私たちをエジプトから上らせて、この悪い所に引き入れたのか。ここは穀物も、いちじくも、ぶどうも、ざくろも育つような所ではない。そのうえ、飲み水さえない。」
6 モーセとアロンは集会の前から去り、会見の天幕の入口に行ってひれ伏した。すると主の栄光が彼らに現れた。
7主はモーセに告げて仰せられた。
8 「杖を取れ。あなたとあなたの兄弟アロンは、会衆を集めよ。あなたがたが彼らの目の前で岩に命じれば、岩は水を出す。あなたは、彼らのために岩から水を出し、会衆とその家畜に飲ませよ。」
9 そこでモーセは、主が彼に命じられたとおりに、主の前から杖を取った。
10 そしてモーセとアロンは岩の前に集会を召集して、彼らに言った。「逆らう者たちよ。さあ、聞け。この岩から私たちがあなたがたのために水を出さなければならないのか。」
11 モーセは手を上げ、彼の杖で岩を二度打った。すると、たくさんの水がわき出たので、会衆もその家畜も飲んだ。
12 しかし、主はモーセとアロンに言われた。「あなたがたはわたしを信ぜず、わたしをイスラエルの人々の前に聖なる者としなかった。それゆえ、あなたがたは、この集会を、わたしが彼らに与えた地に導き入れることはできない。」
13 これが32メリバの水、イスラエル人が主と争ったことによるもので、主がこれによってご自身を、聖なる者として示されたのである。
14 さて、モーセはカデシュからエドムの王のもとに使者たちを送った。「あなたの兄弟、イスラエルはこう申します。あなたは私たちに降りかかったすべての困難をご存じです。
15 私たちの先祖たちはエジプトに下り、私たちはエジプトに長年住んでいました。しかしエジプトは私たちや先祖たちを、虐待しました。
16 そこで、私たちが主に叫ぶと、主は私たちの声を聞いて、ひとりの御使いを遣わし、私たちをエジプトから連れ出されました。今、私たちはあなたの領土の境にある町、カデシュにおります。
17 どうか、あなたの国を通らせてください。私たちは、畑もぶどう畑も通りません。井戸の水も飲みません。私たちは王の道を行き、あなたの領土を通過するまでは右にも左にも曲がりません。」
18 しかし、エドムはモーセに言った。「私のところを通ってはならない。さもないと、私は剣をもっておまえを迎え撃とう。」
19 イスラエル人は彼に言った。「私たちは公道を上って行きます。33私たちと私たちの家畜があなたの水を飲むことがあれば、その代価を払います。ただ、歩いて通り過ぎるだけです。」
20 しかし、エドムは、「通ってはならない」と言って、強力な大軍勢を率いて彼らを迎え撃つために出て来た。
21 こうして、エドムはイスラエルにその領土を通らせようとしなかったので、イスラエルは彼の所から方向を変えて去った。
22 こうしてイスラエル人の全会衆は、カデシュから旅立ってホル山に着いた。
23主は、エドムの国の領土にあるホル山で、モーセとアロンに告げて仰せられた。
24 「アロンは34民に加えられる。しかし彼は、わたしがイスラエル人に与えた地に入ることはできない。それはメリバの水のことで、あなたがたがわたしの命令に逆らったからである。
25 あなたはアロンと、その子エルアザルを連れてホル山に登れ。
26 アロンにその衣服を脱がせ、これをその子エルアザルに着せよ。アロンは35先祖の民に加えられ、そこで死ぬ。」
27 モーセは、主が命じられたとおりに行った。全会衆の見ている前で、彼らはホル山に登って行った。
28 モーセはアロンにその衣服を脱がせ、それをその子エルアザルに着せた。そしてアロンはその山の頂で死んだ。モーセとエルアザルが山から降りて来たとき、
29全会衆はアロンが息絶えたのを知った。そのためイスラエルの全家は三十日の間、アロンのために泣き悲しんだ。
1 ネゲブに住んでいたカナン人アラデの王は、イスラエルがアタリムの道を進んで来ると聞いて、イスラエルと戦い、その何人かを捕虜として捕らえて行った。
2 そこでイスラエルは主に誓願をして言った。「もし、確かにあなたが私の手に、この民を渡してくださるなら、私は彼らの町々を聖絶いたします。」
3主はイスラエルの願いを聞き入れ、カナン人を渡されたので、彼らはカナン人と彼らの町々を聖絶した。そしてその所の名を36ホルマと呼んだ。
4 彼らはホル山から、エドムの地を迂回して、37葦の海の道に旅立った。しかし民は、途中でがまんができなくなり、
5民は神とモーセに逆らって言った。「なぜ、あなたがたは私たちをエジプトから連れ上って、この荒野で死なせようとするのか。パンもなく、水もない。私たちはこのみじめな食物に飽き飽きした。」
6 そこで主は民の中に38燃える蛇を送られたので、蛇は民にかみつき、イスラエルの多くの人々が死んだ。
7民はモーセのところに来て言った。「私たちは主とあなたを非難して罪を犯しました。どうか、蛇を私たちから取り去ってくださるよう、主に祈ってください。」モーセは民のために祈った。
8 すると、主はモーセに仰せられた。「あなたは燃える蛇を作り、それを旗ざおの上につけよ。すべてかまれた者は、それを仰ぎ見れば、生きる。」
9 モーセは一つの青銅の蛇を作り、それを旗ざおの上につけた。もし蛇が人をかんでも、その者が青銅の蛇を仰ぎ見ると、生きた。
10 イスラエル人は旅立って、オボテで宿営した。
11 彼らはオボテから旅立って、日の上る方、モアブに面した荒野にあるイエ・ハアバリムに宿営した。
12 そこから旅立って、ゼレデの谷に宿営し、
13 さらにそこから旅立って、エモリ人の国境から広がっている荒野にあるアルノン川の向こう側に宿営した。アルノン川がモアブとエモリ人との間の、モアブの国境であるためである。
14 それで、「主の戦いの書」にこう言われている。
「スパのワヘブと
アルノンの谷川とともに、
15 谷川の支流は、
アルの定住地に達し、
モアブの領土をささえている。」
16 彼らはそこから39ベエルに向かった。それは主がモーセに、「民を集めよ。わたしが彼らに水を与える」と言われた井戸である。
17 そのとき、イスラエルはこの歌を歌った。
「わきいでよ。井戸。
──このために歌え──
18 笏をもって、杖をもって、
つかさたちがうがち、
民の尊き者たちが掘ったその井戸に。」
彼らは荒野からマタナに進み、
19 マタナからナハリエルに、ナハリエルからバモテに、
20 バモテからモアブの野にある谷に行き、荒地を見おろすピスガの頂に着いた。
21 イスラエルはエモリ人の王シホンに使者たちを送って言った。
22 「40あなたの国を通らせてください。私たちは畑にもぶどう畑にも曲がって入ることをせず、井戸の水も飲みません。あなたの領土を通過するまで、私たちは王の道を通ります。」
23 しかし、シホンはイスラエルが自分の領土を通ることを許さなかった。シホンはその民をみな集めて、イスラエルを迎え撃つために荒野に出て来た。そしてヤハツに来て、イスラエルと戦った。
24 イスラエルは剣の刃で彼を打ち、その地をアルノンからヤボクまで、アモン人の国境まで占領した。アモン人の国境は堅固だったからである。
25 イスラエルはこれらの町々をすべて取った。そしてイスラエルはエモリ人のすべての町々、ヘシュボンとそれに属するすべての村落に住みついた。
26 ヘシュボンはエモリ人の王、シホンの町であった。彼はモアブの以前の王と戦って、その手からその全土をアルノンまで取っていた。
27 それで、ことわざを唱える者たちが歌っている。
「来たれ、ヘシュボンに。
シホンの町は建てられ、
堅くされている。
28 ヘシュボンから火が出、
シホンの町から炎が出て、
モアブのアルを焼き尽くし、
41アルノンにそびえる高地を
焼き尽くしたからだ。
29 モアブよ。おまえはわざわいだ。
ケモシュの民よ。おまえは滅びうせる。
その息子たちは逃亡者、
娘たちは捕らわれの身である。
エモリ人の王シホンによって。
30 しかしわれわれは彼らを投げ倒した。
ヘシュボンからディボンに至るまで滅びうせた。
われわれはノファフまでも荒らし、
それはメデバにまで及んだ。」
31 こうしてイスラエルはエモリ人の地に住んだ。
32 そのとき、モーセはまた人をやって、ヤゼルを探らせ、ついにそれに属する村落を攻め取り、そこにいたエモリ人を追い出した。
33 さらに彼らは進んでバシャンへの道を上って行ったが、バシャンの王オグはそのすべての民とともに出て来た。彼らを迎え撃ち、エデレイで戦うためであった。
34 しかし、主はモーセに言われた。「彼を恐れてはならない。わたしは彼とそのすべての民とその地とをあなたの手のうちに与えた。あなたがヘシュボンに住んでいたエモリ人の王シホンに対して行ったように、彼に対しても行え。」
35 そこで彼らは彼とその子らとそのすべての民とを打ち殺し、ひとりの生存者も残さなかった。こうして彼らはその地を占領した。
1 イスラエル人はさらに進んで、ヨルダンのエリコをのぞむ対岸のモアブの草原に宿営した。
2 さてツィポルの子バラクは、イスラエルがエモリ人に行ったすべてのことを見た。
3 モアブはイスラエルの民が多数であったので非常に恐れた。それでモアブはイスラエル人に恐怖をいだいた。
4 そこでモアブはミデヤンの長老たちに言った。「今、この集団は、牛が野の青草をなめ尽くすように、私たちの回りのすべてのものをなめ尽くそうとしている。」ツィポルの子バラクは当時、モアブの王であった。
5 そこで彼は、同族の国にあるユーフラテス河畔のペトルにいるベオルの子バラムを招こうとして使者たちを遣わして、言わせた。「今ここに、一つの民がエジプトから出て来ている。今や、彼らは地の面をおおって、私のすぐそばにとどまっている。
6 どうかいま来て、私のためにこの民をのろってもらいたい。この民は私より強い。そうしてくれれば、たぶん私は彼らを打って、この地から追い出すことができよう。私は、あなたが祝福する者は祝福され、あなたがのろう者はのろわれることを知っている。」
7占いに通じているモアブの長老たちとミデヤンの長老たちとは、バラムのところに行き、彼にバラクのことづけを告げた。
8 するとバラムは彼らに言った。「今夜はここに泊まりなさい。主が私に告げられるとおりのことをあなたがたに答えましょう。」そこでモアブのつかさたちはバラムのもとにとどまった。
9 神はバラムのところに来て言われた。「あなたといっしょにいるこの者たちは何者か。」
10 バラムは神に申し上げた。「モアブの王ツィポルの子バラクが、私のところに使いをよこしました。
11 『今ここに、エジプトから出て来た民がいて、地の面をおおっている。いま来て、私のためにこの民をのろってくれ。そうしたら、たぶん私は彼らと戦って、追い出すことができよう。』」
12 神はバラムに言われた。「あなたは彼らといっしょに行ってはならない。またその民をのろってもいけない。その民は祝福されているからだ。」
13 朝になると、バラムは起きてバラクのつかさたちに言った。「あなたがたの国に帰りなさい。主は私をあなたがたといっしょに行かせようとはなさらないから。」
14 モアブのつかさたちは立ってバラクのところに帰り、そして言った。「バラムは私たちといっしょに来ようとはしませんでした。」
15 バラクはもう一度、前の者より大ぜいの、しかも位の高いつかさたちを遣わした。
16 彼らはバラムのところに来て彼に言った。「ツィポルの子バラクはこう申しました。『どうか私のところに来るのを拒まないでください。
17 私はあなたを手厚くもてなします。また、あなたが私に言いつけられることは何でもします。どうぞ来て、私のためにこの民をのろってください。』」
18 しかしバラムはバラクの家臣たちに答えて言った。「たといバラクが私に銀や金の満ちた彼の家をくれても、私は私の神、主のことばにそむいて、事の大小にかかわらず、何もすることはできません。
19 それであなたがたもまた、今晩ここにとどまりなさい。主が私に何かほかのことをお告げになるかどうか確かめましょう。」
20 その夜、神はバラムのところに来て、彼に言われた。「この者たちがあなたを招きに来たのなら、立って彼らとともに行け。だが、あなたはただ、わたしがあなたに告げることだけを行え。」
21 朝になると、バラムは起きて、彼の42ろばに鞍をつけ、モアブのつかさたちといっしょに出かけた。
22 しかし、彼が出かけると、神の怒りが燃え上がり、主の使いが彼に敵対して道に立ちふさがった。バラムはろばに乗っており、ふたりの若者がそばにいた。
23 ろばは主の使いが抜き身の剣を手に持って道に立ちふさがっているのを見たので、ろばは道からそれて畑の中に行った。そこでバラムはろばを打って道に戻そうとした。
24 しかし主の使いは、両側に石垣のあるぶどう畑の間の狭い道に立っていた。
25 ろばは主の使いを見て、石垣に身を押しつけ、バラムの足を石垣に押しつけたので、彼はまた、ろばを打った。
26主の使いは、さらに進んで、右にも左にもよける余地のない狭い所に立った。
27 ろばは、主の使いを見て、バラムを背にしたまま、うずくまってしまった。そこでバラムは怒りを燃やして、杖でろばを打った。
28 すると、主はろばの口を開かれたので、ろばがバラムに言った。「私があなたに何をしたというのですか。私を三度も打つとは。」
29 バラムはろばに言った。「おまえが私をばかにしたからだ。もし私の手に剣があれば、今、おまえを殺してしまうところだ。」
30 ろばはバラムに言った。「私は、あなたがきょうのこの日まで、ずっと乗ってこられたあなたのろばではありませんか。私が、かつて、あなたにこんなことをしたことがあったでしょうか。」彼は答えた。「いや、なかった。」
31 そのとき、主がバラムの目のおおいを除かれたので、彼は主の使いが抜き身の剣を手に持って道に立ちふさがっているのを見た。彼はひざまずき、伏し拝んだ。
32主の使いは彼に言った。「なぜ、あなたは、あなたのろばを三度も打ったのか。敵対して出て来たのはわたしだったのだ。43あなたの道がわたしとは反対に向いていたからだ。
33 ろばはわたしを見て、三度もわたしから身を巡らしたのだ。もしかして、ろばがわたしから身を巡らしていなかったなら、わたしは今はもう、あなたを殺しており、ろばを生かしておいたことだろう。」
34 バラムは主の使いに申し上げた。「私は罪を犯しました。私はあなたが私をとどめようと道に立ちふさがっておられたのを知りませんでした。今、もし、あなたのお気に召さなければ、私は引き返します。」
35主の使いはバラムに言った。「この人たちといっしょに行け。だが、わたしがあなたに告げることばだけを告げよ。」そこでバラムはバラクのつかさたちといっしょに行った。
36 バラクはバラムが来たことを聞いて、彼を迎えに、国境の端にあるアルノンの国境のイル・モアブまで出て来た。
37 そしてバラクはバラムに言った。「私はあなたを迎えるために、わざわざ使いを送ったではありませんか。なぜ、すぐ私のところに来てくださらなかったのですか。ほんとうに私にはあなたを手厚くもてなすことができないのでしょうか。」
38 バラムはバラクに言った。「ご覧なさい。私は今あなたのところに来ているではありませんか。私に何が言えるでしょう。神が私の口に置かれることば、それを私は語らなければなりません。」
39 こうしてバラムはバラクといっしょに出て行って、キルヤテ・フツォテに来た。
40 バラクは牛と羊をいけにえとしてささげ、それをバラムおよび彼とともにいたつかさたちにも配った。
41 朝になると、バラクはバラムを連れ出し、彼をバモテ・バアルに上らせた。バラムはそこからイスラエルの民の一部を見ることができた。
1 バラムはバラクに言った。「私のためにここに七つの祭壇を築き、七頭の雄牛と七頭の雄羊をここに用意してください。」
2 バラクはバラムの言ったとおりにした。そしてバラクとバラムとは、それぞれの祭壇の上で雄牛一頭と雄羊一頭とをささげた。
3 バラムはバラクに言った。「あなたは、あなたの全焼のいけにえのそばに立っていなさい。私は行って来ます。たぶん、主は私に現れて会ってくださるでしょう。そうしたら、私にお示しになることはどんなことでも、あなたに知らせましょう。」そして彼は裸の丘に行った。
4 神がバラムに会われたので、バラムは神に言った。「私は七つの祭壇を造り、それぞれの祭壇の上で雄牛一頭と雄羊一頭とをささげました。」
5主はバラムの口にことばを置き、そして言われた。「バラクのところに帰れ。あなたはこう言わなければならない。」
6 それで、彼はバラクのところに帰った。すると、モアブのすべてのつかさたちといっしょに、彼は自分の全焼のいけにえのそばに立っていた。
7 バラムは彼のことわざを唱えて言った。
「バラクは、アラムから、
モアブの王は、東の山々から、
私を連れて来た。
『来て、私のためにヤコブをのろえ。
来て、イスラエルに滅びを宣言せよ。』
8 神がのろわない者を、
私がどうしてのろえようか。
主が滅びを宣言されない者に、
私がどうして滅びを宣言できようか。
9 岩山の頂から私はこれを見、
丘の上から私はこれを見つめる。
見よ。この民はひとり離れて住み、
おのれを諸国の民の一つと認めない。
10 だれがヤコブのちりを数え、
イスラエルのちりの群れを数ええようか。
私は正しい人が死ぬように死に、
私の終わりが彼らと同じであるように。」
11 バラクはバラムに言った。「あなたは私になんということをしたのですか。私の敵をのろってもらうためにあなたを連れて来たのに、今、あなたはただ祝福しただけです。」
12 バラムは答えて言った。「主が私の口に置かれること、それを私は忠実に語らなければなりません。」
13 バラクは彼に言った。「では、私といっしょにほかの所へ行ってください。そこから彼らを見ることができるが、ただその一部だけが見え、全体を見ることはできない所です。そこから私のために彼らをのろってください。」
14 バラクはバラムを、セデ・ツォフィムのピスガの頂に連れて行き、そこで七つの祭壇を築き、それぞれの祭壇の上で雄牛と雄羊とを一頭ずつささげた。
15 バラムはバラクに言った。「あなたはここであなたの全焼のいけにえのそばに立っていなさい。私はあちらで主にお会いします。」
16主はバラムに会われ、その口にことばを置き、そして言われた。「バラクのところに帰れ。あなたはこう告げなければならない。」
17 それで、彼はバラクのところに行った。すると、モアブのつかさたちといっしょに、彼は全焼のいけにえのそばに立っていた。バラクは言った。「主は何とお告げになりましたか。」
18 バラムは彼のことわざを唱えて言った。
「立て、バラクよ。そして聞け。
ツィポルの子よ。私に耳を傾けよ。
19 神は人間ではなく、偽りを言うことがない。
人の子ではなく、悔いることがない。
神は言われたことを、なさらないだろうか。
約束されたことを成し遂げられないだろうか。
20 見よ。祝福せよ、との命を私は受けた。
神は祝福される。
私はそれをくつがえすことはできない。
21 ヤコブの中に不法を見いださず、
イスラエルの中にわざわいを見ない。
王をたたえる声が46彼らの中にある。
22 彼らをエジプトから連れ出した神は、
47彼らにとっては野牛の角のようだ。
23 まことに、ヤコブのうちにまじないはなく、
イスラエルのうちに占いはない。
神のなされることは、
時に応じてヤコブに告げられ、
イスラエルに告げられる。
24 見よ。この民は雌獅子のように起き、
雄獅子のように立ち上がり、
獲物を食らい、
殺したものの血を飲むまでは休まない。」
25 バラクはバラムに言った。「彼らをのろうことも、祝福することもしないでください。」
26 バラムはバラクに答えて言った。「私は主が告げられたことをみな、しなければならない、とあなたに言ったではありませんか。」
27 バラクはバラムに言った。「さあ、私はあなたをもう一つ別の所へ連れて行きます。もしかしたら、それが神の御目にかなって、あなたは私のために、そこから彼らをのろうことができるかもしれません。」
28 バラクはバラムを荒地を見おろすペオルの頂上に連れて行った。
29 バラムはバラクに言った。「私のためにここに七つの祭壇を築き、七頭の雄牛と七頭の雄羊をここに用意してください。」
30 バラクはバラムが言ったとおりにして、祭壇ごとに雄牛と雄羊とを一頭ずつささげた。
1 バラムはイスラエルを祝福することが主の御心にかなうのを見、これまでのように、まじないを求めに行くことをせず、その顔を荒野に向けた。
2 バラムが目を上げて、イスラエルがその部族ごとに宿っているのをながめたとき、神の霊が彼の上に臨んだ。
3 彼は彼のことわざを唱えて言った。
「ベオルの子バラムの告げたことば。
目のひらけた者の告げたことば。
4 神の御告げを聞く者、
全能者の幻を見る者、
ひれ伏して、目のおおいを除かれた者の
告げたことば。
5 なんと美しいことよ。
ヤコブよ、あなたの天幕は。
イスラエルよ、あなたの住まいは。
6 それは、延び広がる谷間のように、
川辺の園のように、
主が植えたアロエのように、
水辺の杉の木のように。
7 その手おけからは水があふれ、
その種は豊かな水に潤う。
その王はアガグよりも高くなり、
その王国はあがめられる。
8 彼をエジプトから連れ出した神は、
彼にとっては野牛の角のようだ。
彼はおのれの敵の国々を食い尽くし、
彼らの骨を砕き、彼らの矢を粉々にする。
9 雄獅子のように、また雌獅子のように、
彼はうずくまり、身を横たえる。
だれがこれを起こすことができよう。
あなたを祝福する者は祝福され、
あなたをのろう者はのろわれる。」
10 そこでバラクはバラムに対して怒りを燃やし、手を打ち鳴らした。バラクはバラムに言った。「私の敵をのろうためにあなたを招いたのに、かえってあなたは三度までも彼らを祝福した。
11 今、あなたは自分のところに下がれ。私はあなたを手厚くもてなすつもりでいたが、主がもう、そのもてなしを拒まれたのだ。」
12 バラムはバラクに言った。「私はあなたがよこされた使者たちにこう言ったではありませんか。
13 『たとい、バラクが私に銀や金の満ちた彼の家をくれても、主のことばにそむいては、善でも悪でも、私の心のままにすることはできません。主が告げられること、それを私は告げなければなりません。』
14 今、私は私の民のところに帰ります。さあ、私は、この民が後の日にあなたの民に行おうとしていることをあなたのために申し上げましょう。」
15 そして彼のことわざを唱えて言った。
「ベオルの子バラムの告げたことば。
目のひらけた者の告げたことば。
16 神の御告げを聞く者、
いと高き方の知識を知る者、
全能者の幻を見る者、
ひれ伏して、目のおおいを除かれた者の
告げたことば。
17 私は見る。しかし今ではない。
私は見つめる。しかし間近ではない。
ヤコブから一つの星が上り、
イスラエルから一本の杖が起こり、
モアブのこめかみと、
すべての騒ぎ立つ者の48脳天を打ち砕く。
18 その敵、エドムは所有地となり、
セイルも所有地となる。
イスラエルは力ある働きをする。
19 ヤコブから出る者が治め、
残った者たちを町から消し去る。」
20 彼はアマレクを見渡して彼のことわざを唱えて言った。
「アマレクは国々の中で首位のもの。
しかしその終わりは滅びに至る。」
21 彼はケニ人を見渡して彼のことわざを唱えて言った。
「あなたの住みかは堅固であり、
あなたの巣は岩間の中に置かれている。
22 しかし、カインは滅ぼし尽くされ、
ついにはアシュルがあなたをとりこにする。」
23 彼はまた彼のことわざを唱えて言った。
「ああ、神が定められたなら、
だれが生きのびることができよう。
24 船がキティムの岸から来て、
アシュルを悩まし、エベルを悩ます。
しかし、これもまた滅びに至る。」
25 それからバラムは立って自分のところへ帰って行った。バラクもまた帰途についた。
1 イスラエルはシティムにとどまっていたが、民はモアブの娘たちと、みだらなことをし始めた。
2娘たちは、自分たちの神々にいけにえをささげるのに、民を招いたので、民は食し、娘たちの神々を拝んだ。
3 こうしてイスラエルは、バアル・ペオルを慕うようになったので、主の怒りはイスラエルに対して燃え上がった。
4主はモーセに言われた。「この民のかしらたちをみな捕らえて、白日のもとに彼らを主の前でさらし者にせよ。主の燃える怒りはイスラエルから離れ去ろう。」
5 そこでモーセはイスラエルのさばきつかさたちに言った。「あなたがたは、おのおの自分の配下のバアル・ペオルを慕った者たちを殺せ。」
6 モーセとイスラエル人の全会衆が会見の天幕の入口で泣いていると、彼らの目の前に、ひとりのイスラエル人が、その兄弟たちのところにひとりのミデヤン人の女を連れてやって来た。
7祭司アロンの子エルアザルの子ピネハスはそれを見るや、会衆の中から立ち上がり、手に槍を取り、
8 そのイスラエル人のあとを追ってテントの奥の部屋に入り、イスラエル人とその女とをふたりとも、腹を刺し通して殺した。するとイスラエル人への神罰がやんだ。
9 この神罰で死んだ者は、二万四千人であった。
10主はモーセに告げて仰せられた。
11 「祭司アロンの子エルアザルの子ピネハスは、わたしのねたみをイスラエル人の間で自分のねたみとしたことで、わたしの憤りを彼らから引っ込めさせた。わたしは、わたしのねたみによってイスラエル人を絶ち滅ぼすことはしなかった。
12 それゆえ、言え。『見よ。わたしは彼にわたしの平和の契約を与える。
13 これは、彼とその後の彼の子孫にとって、永遠にわたる祭司職の契約となる。それは彼がおのれの神のためにねたみを表し、イスラエル人の贖いをしたからである。』」
14 その殺されたイスラエル人、ミデヤン人の女といっしょに殺された者の名は、シメオン人の父の家の長サルの子ジムリであった。
15 また殺されたミデヤン人の女の名はツルの娘コズビであった。ツルはミデヤンの父の家の氏族のかしらであった。
16主はモーセに告げて仰せられた。
17 「ミデヤン人を襲い、彼らを打て。
18 彼らは巧妙にたくらんだたくらみで、あなたがたを襲ってペオルの事件を引き起こし、ペオルの事件の神罰の日に殺された彼らの同族の女、ミデヤンの族長の娘コズビの事件を引き起こしたからだ。」
1 この神罰の後、主はモーセと祭司アロンの子エルアザルに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人の全会衆につき、父祖の家ごとに二十歳以上で、イスラエルにあって軍務につくことのできる者すべての人口調査をせよ。」
3 そこでモーセと祭司エルアザルは、エリコをのぞむヨルダンのほとりのモアブの草原で彼らに告げて言った。
4 「主がモーセに命じられたように、二十歳以上の者を49数えなさい。」
エジプトの国から出て来たイスラエル人は、
5 イスラエルの長子ルベン。ルベン族は、エノクからはエノク族、パルからはパル族、
6 ヘツロンからはヘツロン族、カルミからはカルミ族。
7 これがルベン人諸氏族で、登録された者は、四万三千七百三十人であった。
8 パルの子孫はエリアブ。
9 エリアブの子はネムエルとダタンとアビラムであった。このダタンとアビラムは会衆に選ばれた者であったが、彼らはコラの仲間に入り、モーセとアロンに逆らい、主に逆らったのである。
10 そのとき、地は口をあけて、彼らをコラとともにのみこみ、その仲間は死んだ。すなわち火が二百五十人の男を食い尽くした。こうして彼らは警告のしるしとなった。
11 しかしコラの子たちは死ななかった。
12 シメオン族の諸氏族は、それぞれ、50ネムエルからはネムエル族、ヤミンからはヤミン族、51ヤキンからはヤキン族、
13 ゼラフからはゼラフ族、サウルからはサウル族。
14 これがシメオン人諸氏族で、二万二千二百人であった。
15 ガド族の諸氏族は、それぞれ、52ツェフォンからはツェフォン族、ハギからはハギ族、シュニからはシュニ族、
1653オズニからはオズニ族、エリからはエリ族、
1754アロデからはアロデ族、アルエリからはアルエリ族。
18 これがガド諸氏族で、登録された者は、四万五百人であった。
19 ユダの子はエルとオナン。しかしエルとオナンはカナンの地で死んだ。
20 ユダ族の諸氏族は、それぞれ、シェラからはシェラ族、ペレツからはペレツ族、ゼラフからはゼラフ族。
21 ペレツ族は、ヘツロンからはヘツロン族、ハムルからはハムル族。
22 これがユダ諸氏族で、登録された者は、七万六千五百人であった。
23 イッサカル族の諸氏族は、それぞれ、トラからはトラ族、55プワからはプワ族、
2456ヤシュブからはヤシュブ族、シムロンからはシムロン族。
25 これがイッサカル諸氏族で、登録された者は、六万四千三百人であった。
26 ゼブルン族の諸氏族は、それぞれ、セレデからはセレデ族、エロンからはエロン族、ヤフレエルからはヤフレエル族。
27 これがゼブルン人諸氏族で、登録された者は、六万五百人であった。
28 ヨセフの子孫の諸氏族は、それぞれ、マナセとエフライム。
29 マナセ族は、マキルからはマキル族。マキルはギルアデを生んだ。ギルアデからはギルアデ族。
30 ギルアデ族は次のとおりである。57イエゼルからはイエゼル族、ヘレクからはヘレク族、
31 アスリエルからはアスリエル族、シェケムからはシェケム族、
32 シェミダからはシェミダ族、ヘフェルからはヘフェル族。
33 ヘフェルの子ツェロフハデには、息子がなく、娘だけであった。ツェロフハデの娘の名は、マフラ、ノア、ホグラ、ミルカ、ティルツァであった。
34 これがマナセ諸氏族で、登録された者は、五万二千七百人であった。
35 エフライム族の諸氏族は、それぞれ、次のとおりである。シュテラフからはシュテラフ族、58ベケルからはベケル族、タハンからはタハン族。
36 シュテラフ族は次のとおりである。エランからはエラン族。
37 これがエフライム諸氏族で、登録された者は、三万二千五百人であった。これがヨセフの子孫の諸氏族である。
38 ベニヤミン族の諸氏族は、それぞれ、ベラからはベラ族、アシュベルからはアシュベル族、59アヒラムからはアヒラム族、
3960シェフファムからはシュファム族、61フファムからはフファム族。
40 ベラの子はアルデとナアマン。アルデからはアルデ族、ナアマンからはナアマン族。
41 これがベニヤミン族の諸氏族で、登録された者は、四万五千六百人であった。
42 ダン族の諸氏族は、次のとおりである。62シュハムからはシュハム族。これがダン族の諸氏族である。
43 すべてのシュハム人諸氏族で、登録された者は、六万四千四百人であった。
44 アシェル族の諸氏族は、それぞれ、イムナからはイムナ族、イシュビからはイシュビ族、ベリアからはベリア族。
45 ベリア族のうち、ヘベルからはヘベル族、マルキエルからはマルキエル族。
46 アシェルの娘の名はセラフであった。
47 これがアシェル諸氏族で、登録された者は、五万三千四百人であった。
48 ナフタリ族の諸氏族は、それぞれ、63ヤフツェエルからはヤフツェエル族、グニからはグニ族、
49 エツェルからはエツェル族、シレムからはシレム族。
50 これがナフタリ族の諸氏族で、登録された者は、四万五千四百人であった。
51 これがイスラエル人の登録された者で、六十万一千七百三十人であった。
52主はモーセに告げて仰せられた。
53 「この人々に、その地は、名の数にしたがって、相続地として割り当てられなければならない。
54 大きい部族にはその相続地を多くし、小さい部族にはその相続地を少なくしなければならない。おのおの登録された者に応じて、その相続地は与えられなければならない。
55 ただし、その地はくじで割り当て、彼らの父祖の部族の名にしたがって、受け継がなければならない。
56 その相続地はくじによって、大部族と小部族の間で割り当てられなければならない。」
57 さてレビ人で氏族ごとに登録された者は、次のとおりである。64ゲルションからはゲルション族、ケハテからはケハテ族、メラリからはメラリ族。
58 レビ諸氏族は次のとおりである。すなわち、リブニ族、ヘブロン族、マフリ族、ムシ族、およびコラ族。ケハテはアムラムを生んだ。
59 アムラムの妻の名はヨケベデで、レビの娘であった。彼女はエジプトでレビに生まれた者であって、アムラムにアロンとモーセとその姉妹ミリヤムを産んだ。
60 アロンにはナダブとアビフとエルアザルとイタマルが生まれた。
61 ナダブとアビフは主の前に異なった火をささげたときに死んだ。
62 その登録された者は、一か月以上のすべての男子二万三千人であった。彼らは、ほかのイスラエル人の中に登録されなかった。彼らにはイスラエル人の間で相続地が与えられていなかったからである。
63 これがモーセと祭司エルアザルが、エリコに近いヨルダンのほとりのモアブの草原で、イスラエル人を登録したときにモーセと祭司エルアザルによって登録された者である。
64 しかし、このうちには、モーセと祭司アロンがシナイの荒野でイスラエル人を登録したときに登録された者は、ひとりもいなかった。
65 それは主がかつて彼らについて、「彼らは必ず荒野で死ぬ」と言われていたからである。彼らのうち、ただエフネの子カレブとヌンの子ヨシュアのほかには、だれも残っていなかった。
1 さて、ヨセフの子マナセの一族のツェロフハデの娘たち──ツェロフハデはヘフェルの子、ヘフェルはギルアデの子、ギルアデはマキルの子、マキルはマナセの子──が進み出た。娘たちの名はマフラ、ノア、ホグラ、ミルカ、ティルツァであった。
2 彼女たちは、モーセと、祭司エルアザルと、族長たちと、全会衆との前、会見の天幕の入口に立って言った。
3 「私たちの父は荒野で死にました。彼はコラの仲間と一つになって主に逆らった仲間には加わっていませんでしたが、自分の罪によって死にました。彼には男の子がなかったのです。
4 男の子がなかったからといって、なぜ私たちの父の名がその氏族の間から削られるのでしょうか。私たちにも、父の兄弟たちの間で所有地を与えてください。」
5 そこでモーセは、彼女たちの訴えを、主の前に出した。
6 すると主はモーセに告げて仰せられた。
7 「ツェロフハデの娘たちの言い分は正しい。あなたは必ず彼女たちに、その父の兄弟たちの間で、相続の所有地を与えなければならない。彼女たちにその父の相続地を渡せ。
8 あなたはイスラエル人に告げて言わなければならない。
人が死に、その人に男の子がないときは、あなたがたはその相続地を娘に渡しなさい。
9 もし娘もないときには、その相続地を彼の兄弟たちに与えなさい。
10 もし兄弟たちもいないときには、その相続地を彼の父の兄弟たちに与えなさい。
11 もしその父に兄弟がないときには、その相続地を彼の氏族の中で、彼に一番近い血縁の者に与え、それを受け継がせなさい。
これを、主がモーセに命じられたとおり、イスラエル人のための定まったおきてとしなさい。」
12 ついで主はモーセに言われた。「このアバリム山に登り、わたしがイスラエル人に与えた地を見よ。
13 それを見れば、あなたもまた、あなたの兄弟アロンが加えられたように、あなたの民に加えられる。
14 ツィンの荒野で会衆が争ったとき、あなたがたがわたしの命令に逆らい、その水のほとりで、彼らの目の前に、わたしを聖なる者としなかったからである。」これはツィンの荒野の65メリバテ・カデシュの水のことである。
15 それでモーセは主に申し上げた。
16 「すべての肉なるもののいのちの神、主よ。ひとりの人を会衆の上に定め、
17 彼が、彼らに先立って出て行き、彼らに先立って入り、また彼らを連れ出し、彼らを入らせるようにしてください。主の会衆を、飼う者のいない羊のようにしないでください。」
18主はモーセに仰せられた。「あなたは神の霊の宿っている人、ヌンの子ヨシュアを取り、あなたの手を彼の上に置け。
19 彼を祭司エルアザルと全会衆の前に立たせ、彼らの見ているところで彼を任命せよ。
20 あなたは、自分の権威を彼に分け与え、イスラエル人の全会衆を彼に聞き従わせよ。
21 彼は祭司エルアザルの前に立ち、エルアザルは彼のために主の前でウリムによるさばきを求めなければならない。ヨシュアと彼とともにいるイスラエルのすべての者、すなわち全会衆は、エルアザルの命令によって出、また、彼の命令によって、入らなければならない。」
22 モーセは主が命じられたとおりに行った。ヨシュアを取って、彼を祭司エルアザルと全会衆の前に立たせ、
23 自分の手を彼の上に置いて、主がモーセを通して告げられたとおりに彼を任命した。
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に命じて彼らに言え。
あなたがたは、わたしへのなだめのかおりの火によるささげ物として、わたしへの食物のささげ物を、定められた時に、気をつけてわたしにささげなければならない。
3 彼らに言え。
これがあなたがたが主にささげる火によるささげ物である。一歳の傷のない雄の子羊を常供の全焼のいけにえとして、毎日二頭。
4 一頭の子羊を朝ささげ、他の一頭の子羊を夕暮れにささげなければならない。
5穀物のささげ物としては、上質のオリーブ油四分の一66ヒンを混ぜた小麦粉十分の一67エパとする。
6 これはシナイ山で定められた常供の全焼のいけにえであって、主へのなだめのかおりの火によるささげ物である。
7 それにつく注ぎのささげ物は子羊一頭につき四分の一ヒンとする。聖所で、主への注ぎのささげ物として強い酒を注ぎなさい。
8他の一頭の子羊は夕暮れにささげなければならない。これに朝の穀物のささげ物や、注ぎのささげ物と同じものを添えてささげなければならない。これは主へのなだめのかおりの火によるささげ物である。
9 安息日には、一歳の傷のない雄の子羊二頭と、穀物のささげ物として油を混ぜた小麦粉68十分の二エパと、それにつく注ぎのささげ物とする。
10 これは、常供の全焼のいけにえとその注ぎのささげ物とに加えられる、安息日ごとの全焼のいけにえである。
11 あなたがたは月の第一日に、主への全焼のいけにえとして若い雄牛二頭、雄羊一頭、一歳の傷のない雄の子羊七頭をささげなければならない。
12雄牛一頭については、穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉十分の三エパ。雄羊一頭については、穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉十分の二エパとする。
13 子羊一頭については、穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉十分の一エパ。これらはなだめのかおりの全焼のいけにえであって、主への火によるささげ物である。
14 それにつく注ぎのささげ物は、雄牛一頭については二分の一ヒン、雄羊一頭については三分の一ヒン、子羊一頭については四分の一ヒンのぶどう酒でなければならない。これは一年を通して毎月の、新月祭の全焼のいけにえである。
15常供の全焼のいけにえとその注ぎのささげ物に加えて、雄やぎ一頭が、主への罪のためのいけにえとしてささげられなければならない。
16 第一の月の十四日は、過越のいけにえを主にささげなさい。
17 この月の十五日は祭りである。七日間、種を入れないパンを食べなければならない。
18 その最初の日には、聖なる会合を開き、どんな労役の仕事もしてはならない。
19 あなたがたは、主への火によるささげ物、全焼のいけにえとして、若い雄牛二頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊七頭をささげなければならない。それはあなたがたにとって傷のないものでなければならない。
20 それにつく穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉を、雄牛一頭につき69十分の三エパ、雄羊一頭につき十分の二エパをささげなければならない。
21 子羊七頭には、一頭につき十分の一エパをささげなければならない。
22 あなたがたの贖いのためには、罪のためのいけにえとして、雄やぎ一頭とする。
23 あなたがたは、常供の全焼のいけにえである朝の全焼のいけにえのほかに、これらの物をささげなければならない。
24 このように七日間、毎日主へのなだめのかおりの火によるささげ物を食物としてささげなければならない。これは常供の全焼のいけにえとその注ぎのささげ物とに加えてささげられなければならない。
25 七日目にあなたがたは聖なる会合を開かなければならない。どんな労役の仕事もしてはならない。
26初穂の日、すなわち七週の祭りに新しい穀物のささげ物を主にささげるとき、あなたがたは聖なる会合を開かなければならない。どんな労役の仕事もしてはならない。
27 あなたがたは、主へのなだめのかおりとして、全焼のいけにえ、すなわち、若い雄牛二頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊七頭をささげなさい。
28 それにつく穀物のささげ物としては、油を混ぜた小麦粉を、雄牛一頭につき十分の三エパ、雄羊一頭につき十分の二エパとする。
29 七頭の子羊には、一頭につき十分の一エパとする。
30 あなたがたの贖いのためには、雄やぎ一頭とする。
31 あなたがたは、常供の全焼のいけにえとその穀物のささげ物のほかに、これらのものと──これらは傷のないものでなければならない──それらにつく注ぎのささげ物とをささげなければならない。
1 第七月には、その月の一日にあなたがたは聖なる会合を開かなければならない。あなたがたはどんな労役の仕事もしてはならない。これをあなたがたにとって70ラッパが吹き鳴らされる日としなければならない。
2 あなたがたは、主へのなだめのかおりとして、全焼のいけにえ、すなわち、若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の傷のない雄の子羊七頭をささげなさい。
3 それにつく穀物のささげ物としては、油を混ぜた小麦粉を、雄牛一頭につき十分の三エパ、雄羊一頭につき十分の二エパとする。
4 七頭の子羊には、一頭につき十分の一エパとする。
5 あなたがたの贖いのためには、罪のためのいけにえとして、雄やぎ一頭とする。
6 これらは、定めによる新月祭の全焼のいけにえとその穀物のささげ物、常供の全焼のいけにえとその穀物のささげ物、および、それにつく注ぎのささげ物、すなわち、なだめのかおりとしての主への火によるささげ物以外のものである。
7 この第七月の十日には、あなたがたは聖なる会合を開き、身を戒めなければならない。どんな仕事もしてはならない。
8 あなたがたは、主へのなだめのかおりとして、全焼のいけにえ、すなわち、若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊七頭をささげなさい。これらはあなたがたにとって傷のないものでなければならない。
9 それにつく穀物のささげ物としては、油を混ぜた小麦粉を、雄牛一頭につき十分の三エパ、雄羊一頭につき十分の二エパとする。
10 七頭の子羊には、一頭につき十分の一エパとする。
11罪のためのいけにえは雄やぎ一頭とする。これらは贖いのための罪のためのいけにえと、常供の全焼のいけにえ、それにつく穀物のささげ物と、これらにつく注ぎのささげ物以外のものである。
12 第七月の十五日には、あなたがたは聖なる会合を開かなければならない。どんな労役の仕事もしてはならない。あなたがたは七日間、主の祭りを祝いなさい。
13 あなたがたは、主へのなだめのかおりの火によるささげ物として、全焼のいけにえ、すなわち、若い雄牛十三頭、雄羊二頭、一歳の雄の子羊十四頭をささげなさい。これらは傷のないものでなければならない。
14 それにつく穀物のささげ物としては、油を混ぜた小麦粉を、雄牛十三頭のため、雄牛一頭につき十分の三エパ、雄羊二頭のため、雄羊一頭につき十分の二エパ、
15 子羊十四頭のため、子羊一頭につき十分の一エパとする。
16罪のためのいけにえは雄やぎ一頭とする。これらは常供の全焼のいけにえと、その穀物のささげ物、および注ぎのささげ物以外のものである。
17 二日目には、若い雄牛十二頭、雄羊二頭、一歳の傷のない雄の子羊十四頭、
18 これらの雄牛、雄羊、子羊のための、それぞれの数に応じて定められた穀物のささげ物と注ぎのささげ物とする。
19罪のためのいけにえは雄やぎ一頭とする。これらは常供の全焼のいけにえと、その穀物のささげ物、および注ぎのささげ物以外のものである。
20 三日目には、雄牛十一頭、雄羊二頭、一歳の傷のない雄の子羊十四頭、
21 これらの雄牛、雄羊、子羊のための、それぞれの数に応じて定められた穀物のささげ物と注ぎのささげ物とする。
22罪のためのいけにえは雄やぎ一頭とする。これらは常供の全焼のいけにえと、その穀物のささげ物、および注ぎのささげ物以外のものである。
23 四日目には、雄牛十頭、雄羊二頭、一歳の傷のない雄の子羊十四頭、
24 これらの雄牛、雄羊、子羊のための、それぞれの数に応じて定められた穀物のささげ物と注ぎのささげ物とする。
25罪のためのいけにえは雄やぎ一頭とする。これらは常供の全焼のいけにえと、その穀物のささげ物、および注ぎのささげ物以外のものである。
26 五日目には、雄牛九頭、雄羊二頭、一歳の傷のない雄の子羊十四頭、
27 これらの雄牛、雄羊、子羊のための、それぞれの数に応じて定められた穀物のささげ物と注ぎのささげ物とする。
28罪のためのいけにえは雄やぎ一頭とする。これらは常供の全焼のいけにえと、その穀物のささげ物、および注ぎのささげ物以外のものである。
29 六日目には、雄牛八頭、雄羊二頭、一歳の傷のない雄の子羊十四頭、
30 これらの雄牛、雄羊、子羊のための、それぞれの数に応じて定められた穀物のささげ物と注ぎのささげ物とする。
31罪のためのいけにえは雄やぎ一頭とする。これらは常供の全焼のいけにえと、その穀物のささげ物、および注ぎのささげ物以外のものである。
32 七日目には、雄牛七頭、雄羊二頭、一歳の傷のない雄の子羊十四頭、
33 これらの雄牛、雄羊、子羊のための、それぞれの数に応じて定められた穀物のささげ物と注ぎのささげ物とする。
34罪のためのいけにえは雄やぎ一頭とする。これらは常供の全焼のいけにえと、その穀物のささげ物、および注ぎのささげ物以外のものである。
35 八日目にあなたがたはきよめの集会を開かなければならない。どんな労役の仕事もしてはならない。
36 あなたがたは、主へのなだめのかおりの火によるささげ物として、全焼のいけにえ、すなわち、雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の傷のない雄の子羊七頭をささげなさい。
37 これらの雄牛、雄羊、子羊のための、穀物のささげ物と注ぎのささげ物とは、それぞれの数に応じて定められる。
38罪のためのいけにえは雄やぎ一頭とする。これらは常供の全焼のいけにえと、その穀物のささげ物、および注ぎのささげ物以外のものである。
39 あなたがたは定められた時に、これらのものを主にささげなければならない。これらはあなたがたの誓願、または進んでささげるささげ物としての全焼のいけにえ、穀物のささげ物、注ぎのささげ物および和解のいけにえ以外のものである。」
40 モーセは、主がモーセに命じられたとおりを、イスラエル人に告げた。
1 モーセはイスラエル人の部族の一族のかしらたちに告げて言った。「これは主が命じられたことである。
2 人がもし、主に誓願をし、あるいは、物断ちをしようと誓いをするなら、そのことばを破ってはならない。すべて自分の口から出たとおりのことを実行しなければならない。
3 もし女がまだ婚約していないおとめで、父の家にいて主に誓願をし、あるいは物断ちをする場合、
4 その父が彼女の誓願、あるいは、物断ちを聞いて、その父が彼女に何も言わなければ、彼女のすべての誓願は有効となる。彼女の物断ちもすべて、有効としなければならない。
5 もし父がそれを聞いた日に彼女にそれを禁じるなら、彼女の誓願、または、物断ちはすべて無効としなければならない。彼女の父が彼女に禁じるのであるから、主は彼女を赦される。
6 もし彼女が、自分の誓願、あるいは、物断ちをするのに無思慮に言ったことが、まだその身にかかっているうちにとつぐ場合、
7 夫がそれを聞き、聞いた日に彼女に何も言わなければ、彼女の誓願は有効である。彼女の物断ちも有効でなければならない。
8 もし彼女の夫がそれを聞いた日に彼女に禁じるなら、彼は、彼女がかけている誓願や、物断ちをするのに無思慮に言ったことを破棄することになる。そして主は彼女を赦される。
9 やもめや離婚された女の誓願で、物断ちをするものはすべて有効としなければならない。
10 もし女が夫の家で誓願をし、あるいは、誓って物断ちをする場合、
11 夫がそれを聞いて、彼女に何も言わず、しかも彼女に禁じないならば、彼女の誓願はすべて有効となる。彼女の物断ちもすべて有効としなければならない。
12 もし夫が、そのことを聞いた日にそれらを破棄してしまうなら、その誓願も、物断ちも、彼女の口から出たすべてのことは無効としなければならない。彼女の夫がそれを破棄したので、主は彼女を赦される。
13 すべての誓願も、身を戒めるための物断ちの誓いもみな、彼女の夫がそれを有効にすることができ、彼女の夫がそれを破棄することができる。
14 もし夫が日々、その妻に全く何も言わなければ、夫は彼女のすべての誓願、あるいは、すべての物断ちを有効にする。彼がそれを聞いた日に彼女に何も言わなかったので、彼はそれを有効にしたのである。
15 もし夫がそれを聞いて後、それを破棄してしまうなら、夫が彼女の咎を負う。」
16 以上は主がモーセに命じられたおきてであって、夫とその妻、父と父の家にいるまだ婚約していないその娘との間に関するものである。
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「ミデヤン人にイスラエル人の仇を報いよ。その後あなたは、あなたの71民に加えられる。」
3 そこでモーセは民に告げて言った。「あなたがたのうち、男たちは、いくさのために武装しなさい。ミデヤン人を襲って、ミデヤン人に主の復讐をするためである。
4 イスラエルのすべての部族から、一部族ごとに千人ずつをいくさに送らなければならない。」
5 それで、イスラエルの分団から部族ごとに千人が割り当てられ、一万二千人がいくさのために武装された。
6 モーセは部族ごとに千人ずつをいくさに送った。祭司エルアザルの子ピネハスを、聖具と吹き鳴らすラッパをその手に持たせて、彼らとともにいくさに送った。
7 彼らは主がモーセに命じられたとおりに、ミデヤン人と戦って、その男子をすべて殺した。
8 彼らはその殺した者たちのほかに、ミデヤンの王たち、エビ、レケム、ツル、フル、レバの五人のミデヤンの王たちを殺した。彼らはベオルの子バラムを剣で殺した。
9 イスラエル人はミデヤン人の女、子どもをとりこにし、またその獣や、家畜や、その財産をことごとく奪い取り、
10 彼らの住んでいた町々や陣営を全部火で焼いた。
11 そして人も獣も、略奪したものや分捕ったものをすべて取り、
12捕虜や分捕ったもの、略奪したものを携えて、エリコに近いヨルダンのほとりのモアブの草原の宿営にいるモーセと祭司エルアザルとイスラエル人の会衆のところに来た。
13 モーセと祭司エルアザルおよびすべての会衆の上に立つ者たちは出て行って宿営の外で彼らを迎えた。
14 モーセは軍勢の指揮官たち、すなわち戦いの任務から帰って来た千人の長や百人の長たちに対して怒った。
15 モーセは彼らに言った。「あなたがたは、女たちをみな、生かしておいたのか。
16 ああ、この女たちはバラムの事件のおり、ペオルの事件に関連してイスラエル人をそそのかして、主に対する不実を行わせた。それで神罰が主の会衆の上に下ったのだ。
17 今、子どものうち男の子をみな殺せ。男と寝て、男を知っている女もみな殺せ。
18 男と寝ることを知らない若い娘たちはみな、あなたがたのために生かしておけ。
19 あなたがたは七日間、宿営の外にとどまれ。あなたがたでも、あなたがたの捕虜でも、人を殺した者、あるいは刺し殺された者に触れた者はだれでも、三日目と七日目に罪の身をきよめなければならない。
20衣服、皮製品、やぎの毛で作ったもの、木製品はすべてきよめなければならない。」
21祭司エルアザルは戦いに行った軍人たちに言った。「主がモーセに命じられたおしえのおきては次のとおりである。
22 金、銀、青銅、鉄、すず、鉛、
23 すべて火に耐えるものは、火の中を通し、きよくしなければならない。しかし、それは汚れをきよめる水できよめられなければならない。火に耐えないものはみな、水の中を通さなければならない。
24 あなたがたは七日目に自分の衣服を洗うなら、きよくなる。その後、宿営に入ることができる。」
25主はモーセに次のように言われた。
26 「あなたと、祭司エルアザルおよび会衆の氏族のかしらたちは、人と家畜で捕虜として分捕ったものの数を調べ、
27 その分捕ったものをいくさに出て取って来た戦士たちと、全会衆との間に二分せよ。
28 いくさに出た戦士たちからは、人や牛やろばや羊を、それぞれ五百に対して一つ、主のためにみつぎとして徴収せよ。
29 彼らが受ける分のうちからこれを取って、主への奉納物として祭司エルアザルに渡さなければならない。
30 イスラエル人が受ける分のうちから、人や牛やろばや羊、これらすべての家畜を、それぞれ五十に対して一つ、取り出しておき、それらを主の幕屋の任務を果たすレビ人に与えなければならない。」
31 そこでモーセと祭司エルアザルは、主がモーセに命じられたとおりに行った。
32従軍した民が奪った戦利品以外の分捕りものは、羊六十七万五千頭、
33 牛七万二千頭、
34 ろば六万一千頭、
35 人間は男と寝ることを知らない女がみなで三万二千人であった。
36 この半分がいくさに出た人々への分け前で、羊の数は三十三万七千五百頭。
37 その羊のうちから主へのみつぎは六百七十五頭。
38 牛は三万六千頭で、そのうちから主へのみつぎは七十二頭。
39 ろばは三万五百頭で、そのうちから主へのみつぎは六十一頭。
40 人間は一万六千人で、そのうちから主へのみつぎは三十二人であった。
41 モーセは、主がモーセに命じられたとおりに、そのみつぎ、すなわち、主への奉納物を祭司エルアザルに渡した。
42 モーセがいくさに出た者たちに折半して与えた残り、すなわち、イスラエル人のものである半分、
43 つまり会衆のものである半分は、羊三十三万七千五百頭、
44 牛三万六千頭、
45 ろば三万五百頭、
46 人間は一万六千人であった。
47 モーセは、このイスラエル人のものである半分から、人間も家畜も、それぞれ五十ごとに一つを取り出し、それらを主がモーセに命じられたとおりに、主の幕屋の任務を果たすレビ人に与えた。
48 すると、軍団の指揮官たち、すなわち千人の長、百人の長たちがモーセのもとに進み出て、
49 モーセに言った。「しもべどもは、部下の戦士たちの人員点呼をしました。私たちのうちひとりも欠けておりません。
50 それで、私たちは、おのおのが手に入れた金の飾り物、すなわち腕飾り、腕輪、指輪、耳輪、首飾りなどを主へのささげ物として持って来て、主の前での私たち自身の贖いとしたいのです。」
51 モーセと祭司エルアザルは、彼らから金を受け取った。それはあらゆる種類の細工を施した物であった。
52 千人の長や百人の長たちが、主に供えた奉納物の金は全部で、一万六千七百五十シェケルであった。
53従軍した人たちは、戦利品をめいめい自分のものとした。
54 モーセと祭司エルアザルは、千人の長や百人の長たちから金を受け取り、それを会見の天幕に持って行き、主の前に、イスラエル人のための記念とした。
1 ルベン族とガド族は、非常に多くの家畜を持っていた。彼らがヤゼルの地とギルアデの地を見ると、その場所はほんとうに家畜に適した場所であったので、
2 ガド族とルベン族は、モーセと祭司エルアザルおよび会衆の上に立つ者たちのところに来て、次のように言った。
3 「アタロテ、ディボン、ヤゼル、ニムラ、ヘシュボン、エルアレ、72セバム、ネボ、ベオン。
4 これら主がイスラエルの会衆のために打ち滅ぼされた地は、家畜に適した地です。そして、あなたのしもべどもは家畜を持っているのです。」
5 また彼らは言った。「もし、私たちの願いがかないますなら、どうかこの地をあなたのしもべどもに所有地として与えてください。私たちにヨルダンを渡らせないでください。」
6 モーセはガド族とルベン族に答えた。「あなたがたの兄弟たちは戦いに行くのに、あなたがたは、ここにとどまろうとするのか。
7 どうしてあなたがたは、イスラエル人の意気をくじいて、主が彼らに与えた地へ渡らせないようにするのか。
8 私がカデシュ・バルネアからその地を調べるためにあなたがたの父たちを遣わしたときにも、彼らはこのようにふるまった。
9 彼らはエシュコルの谷まで上って行き、その地を見て、主が彼らに与えられた地に入って行かないようにイスラエル人の意気をくじいた。
10 その日、主の怒りが燃え上がり、誓って言われた。
11 『エジプトから上って来た者たちで二十歳以上の者はだれも、わたしがアブラハム、イサク、ヤコブに誓った地を見ることはできない。彼らはわたしに従い通さなかった。
12 ただ、ケナズ人エフネの子カレブと、ヌンの子ヨシュアは別である。彼らは主に従い通したからである。』
13主の怒りはイスラエルに向かって燃え上がったのだ。それで主の目の前に悪を行ったその世代の者がみな死に絶えてしまうまで彼らを四十年の間、荒野にさまよわされた。
14 そして今、あなたがた罪人の子らは、あなたがたの父たちに代わって立ち上がり、イスラエルに対する主の燃える怒りをさらに増し加えようとしている。
15 あなたがたが、もしそむいて主に従わなければ、主はまたこの民をこの荒野に見捨てられる。そしてあなたがたはこの民すべてに滅びをもたらすことになる。」
16 彼らはモーセに近づいて言った。「私たちはここに家畜のために羊の囲い場を作り、子どもたちのために町々を建てます。
17 しかし、私たちは、イスラエル人をその場所に導き入れるまで、武装して彼らの先頭に立って急ぎます。私たちの子どもたちは、この地の住民の前で城壁のある町々に住みます。
18 私たちは、イスラエル人がおのおのその相続地を受け継ぐまで、私たちの家に帰りません。
19 私たちは、ヨルダンを越えた向こうでは、彼らとともに相続地を持ちはしません。私たちの相続地は、ヨルダンのこちらの側、東のほうになっているからです。」
20 モーセは彼らに言った。「もしあなたがたがそのようにし、もし主の前に戦いのため武装をし、
21 あなたがたのうちの武装した者がみな、主の前でヨルダンを渡り、ついに主がその敵を御前から追い払い、
22 その地が主の前に征服され、その後あなたがたが帰って来るのであれば、あなたがたは主に対しても、イスラエルに対しても責任が解除される。そして、この地は主の前であなたがたの所有地となる。
23 しかし、もしそのようにしないなら、今や、あなたがたは主に対して罪を犯したのだ。あなたがたの罪の罰があることを思い知りなさい。
24 あなたがたの子どもたちのために町々を建て、その羊のために囲い場を作りなさい。あなたがたの口から出たことは実行しなければならない。」
25 ガド族とルベン族はモーセに答えて言った。「あなたのしもべどもは、あなたの命じるとおりにします。
26 私たちの子どもたちや妻たち、家畜とすべての獣は、そこのギルアデの町々にとどまります。
27 しかし、あなたのしもべたち、いくさのために武装した者はみな、73あなたが命じられたとおり、渡って行って、主の前に戦います。」
28 そこで、モーセは彼らについて、祭司エルアザル、ヌンの子ヨシュア、イスラエル人の部族の一族のかしらたちに命令を下した。
29 モーセは彼らに言った。「もし、ガド族とルベン族の戦いのために武装した者がみな、あなたがたとともにヨルダンを渡り、主の前に戦い、その地があなたがたの前に征服されたなら、あなたがたはギルアデの地を所有地として彼らに与えなさい。
30 もし彼らが武装し、あなたがたとともに渡って行かなければ、彼らはカナンの地であなたがたの間に所有地を得なければならない。」
31 ガド族とルベン族は答えて言った。「主があなたのしもべたちについて言われたとおりに、私たちはいたします。
32 私たちは武装して主の前にカナンの地に渡って行きます。それで私たちの相続の所有地はヨルダンのこちら側にありますように。」
33 そこでモーセは、ガド族と、ルベン族と、ヨセフの子マナセの半部族とに、エモリ人の王シホンの王国と、バシャンの王オグの王国、すなわちその町々のある国と、周辺の地の町々のある領土とを与えた。
34 そこでガド族は、ディボン、アタロテ、アロエル、
35 アテロテ・ショファン、ヤゼル、ヨグボハ、
36 ベテ・ニムラ、74ベテ・ハランを城壁のある町々として、または羊の囲い場として建て直した。
37 また、ルベン族は、ヘシュボン、エルアレ、キルヤタイム、
38 ネボ、バアル・メオン──ある名は改められる──またシブマを建て直した。彼らは、建て直した町々に新しい名をつけた。
39 マナセの子マキルの子らはギルアデに行ってそこを攻め取り、そこにいたエモリ人を追い出した。
40 それでモーセは、ギルアデをマナセの子マキルに与えたので、彼はそこに住みついた。
41 マナセの子ヤイルは行って、彼らの村々を攻め取り、それらをハボテ・ヤイルと名づけた。
42 ノバフは行って、ケナテとそれに属する村落を攻め取り、自分の名にちなんで、それをノバフと名づけた。
1 モーセとアロンの指導のもとに、その軍団ごとに、エジプトの地から出て来たイスラエル人の旅程は次のとおりである。
2 モーセは主の命により、彼らの旅程の出発地点を書きしるした。その旅程は、出発地点によると次のとおりである。
3 彼らは第一月、その月の十五日に、ラメセスから旅立った。すなわち過越のいけにえの翌日、イスラエル人は、全エジプトが見ている前を臆することなく出て行った。
4 エジプトは、彼らの間で主が打ち殺されたすべての初子を埋葬していた。主は彼らの神々にさばきを下された。
5 イスラエル人はラメセスから旅立ってスコテに宿営し、
6 スコテから旅立って荒野の端にあるエタムに宿営した。
7 エタムから旅立ってバアル・ツェフォンの手前にあるピ・ハヒロテのほうに向きを変え、ミグドルの前で宿営した。
875ピ・ハヒロテから旅立って海の真ん中を通って荒野に向かい、エタムの荒野を三日路ほど行ってマラに宿営した。
9 彼らはマラから旅立ってエリムに行った。エリムには十二の泉と、七十本のなつめやしの木があり、そこに宿営した。
10 ついでエリムから旅立って76葦の海のほとりに宿営し、
11葦の海から旅立ってシンの荒野に宿営した。
12 シンの荒野から旅立ってドフカに宿営し、
13 ドフカから旅立ってアルシュに宿営し、
14 アルシュから旅立ってレフィディムに宿営した。そこには民の飲む水がなかった。
15 ついで彼らはレフィディムから旅立ってシナイの荒野に宿営し、
16 シナイの荒野から旅立ってキブロテ・ハタアワに宿営した。
17 キブロテ・ハタアワから旅立ってハツェロテに宿営し、
18 ハツェロテから旅立ってリテマに宿営した。
19 リテマから旅立ってリモン・ペレツに宿営し、
20 リモン・ペレツから旅立ってリブナに宿営した。
21 リブナから旅立ってリサに宿営し、
22 リサから旅立ってケヘラタに宿営し、
23 ケヘラタから旅立ってシェフェル山に宿営した。
24 シェフェル山から旅立ってハラダに宿営し、
25 ハラダから旅立ってマクヘロテに宿営した。
26 マクヘロテから旅立ってタハテに宿営し、
27 タハテから旅立ってテラに宿営し、
28 テラから旅立ってミテカに宿営した。
29 ミテカから旅立ってハシュモナに宿営し、
30 ハシュモナから旅立ってモセロテに宿営した。
31 モセロテから旅立ってベネ・ヤアカンに宿営し、
32 ベネ・ヤアカンから旅立ってホル・ハギデガデに宿営した。
33 ホル・ハギデガデから旅立ってヨテバタに宿営し、
34 ヨテバタから旅立ってアブロナに宿営し、
35 アブロナから旅立ってエツヨン・ゲベルに宿営した。
36 エツヨン・ゲベルから旅立ってツィンの荒野、すなわちカデシュに宿営し、
37 カデシュから旅立ってエドムの国の端にあるホル山に宿営した。
38祭司アロンは主の命令によってホル山に登り、そこで死んだ。それはイスラエル人がエジプトの国を出てから四十年目の第五月の一日であった。
39 アロンはホル山で死んだとき、百二十三歳であった。
40 カナンの地のネゲブに住んでいたカナン人、アラデの王は、イスラエル人がやって来るのを聞いた。
41 さて彼らはホル山から旅立ってツァルモナに宿営し、
42 ツァルモナから旅立ってプノンに宿営し、
43 プノンから旅立ってオボテに宿営し、
44 オボテから旅立ってモアブの領土の77イエ・ハアバリムに宿営した。
45 イイムから旅立ってディボン・ガドに宿営し、
46 ディボン・ガドから旅立ってアルモン・ディブラタイムに宿営した。
47 アルモン・ディブラタイムから旅立ってネボの手前にあるアバリムの山々に宿営し、
48 アバリムの山々から旅立ってエリコに近いヨルダンのほとりのモアブの草原に宿営した。
49 ヨルダンのほとり、ベテ・ハエシモテからアベル・ハシティムに至るまでのモアブの草原に彼らは宿営した。
50 エリコに近いヨルダンのほとりのモアブの草原で、主はモーセに告げて仰せられた。
51 「イスラエル人に告げて彼らに言え。
あなたがたがヨルダンを渡ってカナンの地に入るときには、
52 その地の住民をことごとくあなたがたの前から追い払い、彼らの石像をすべて粉砕し、彼らの鋳像をすべて粉砕し、彼らの高き所をみな、こぼたなければならない。
53 あなたがたはその地を自分の所有とし、そこに住みなさい。あなたがたが所有するように、わたしがそれを与えたからである。
54 あなたがたは、氏族ごとに、くじを引いて、その地を相続地としなさい。大きい部族には、その相続地を多くし、小さい部族には、その相続地を少なくしなければならない。くじが当たったその場所が、その部族のものとなる。あなたがたは、自分の父祖の部族ごとに相続地を受けなければならない。
55 もしその地の住民をあなたがたの前から追い払わなければ、あなたがたが残しておく者たちは、あなたがたの目のとげとなり、わき腹のいばらとなり、彼らはあなたがたの住むその土地であなたがたを悩ますようになる。
56 そしてわたしは、彼らに対してしようと計ったとおりをあなたがたにしよう。」
1主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に命じて、彼らに言え。
あなたがたがカナンの地に入るとき、あなたがたの相続地となる国、カナンの地の境界は次のとおりである。
3 あなたがたの南側は、エドムに接するツィンの荒野に始まる。南の境界線は、東のほうの塩の海の端に始まる。
4 その境界線は、アクラビムの坂の南から回ってツィンのほうに進み、その終わりはカデシュ・バルネアの南である。またハツァル・アダルを出て、アツモンに進む。
5 その境界線は、アツモンから回ってエジプト川に向かい、その終わりは78海である。
6 あなたがたの西の境界線は、大海とその沿岸である。これをあなたがたの西の境界線としなければならない。
7 あなたがたの北の境界線は、次のとおりにしなければならない。大海からホル山まで線を引き、
8 さらにホル山からレボ・ハマテまで線を引き、その境界線の終わりはツェダデである。
9 ついでその境界線は、ジフロンに延び、その終わりはハツァル・エナンである。これがあなたがたの北の境界線である。
10 あなたがたの東の境界線としては、ハツァル・エナンからシェファムまで79線を引け。
11 その境界線は、シェファムからアインの東方のリブラに下り、さらに境界線は、そこから下って80キネレテの海の東の傾斜地に達し、
12 さらにその境界線は、ヨルダンに下り、その終わりは81塩の海である。以上が周囲の境界線によるあなたがたの地である。」
13 モーセはイスラエル人に命じて言った。「これが、あなたがたがくじを引いて相続地とする土地である。主はこれを九部族と半部族に与えよと命じておられる。
14 ルベン部族は、その父祖の家ごとに、ガド部族も、その父祖の家ごとに相続地を取っており、マナセの半部族も、受けているからである。
15 この二部族と半部族は、ヨルダンのエリコをのぞむ対岸、東の、日の出るほうに彼らの相続地を取っている。」
16主はモーセに告げて仰せられた。
17 「この地をあなたがたのための相続地とする者の名は次のとおり、祭司エルアザルとヌンの子ヨシュアである。
18 あなたがたは、この地を相続地とするため、おのおのの部族から族長ひとりずつを取らなければならない。
19 その人々の名は次のとおりである。ユダ部族からは、エフネの子カレブ。
20 シメオン部族からは、アミフデの子サムエル。
21 ベニヤミン部族からは、キスロンの子エリダデ。
22 ダン部族からは、族長として、ヨグリの子ブキ。
23 ヨセフの子孫、マナセ部族からは、族長として、エフォデの子ハニエル。
24 エフライム部族からは、族長として、シフタンの子ケムエル。
25 ゼブルン部族からは、族長として、パルナクの子エリツァファン。
26 イッサカル部族からは、族長として、アザンの子パルティエル。
27 アシェル部族からは、族長として、シェロミの子アヒフデ。
28 ナフタリ部族からは、族長として、アミフデの子ペダフエル。
29 イスラエル人にカナンの地で相続地を持たせるよう主が命じたのはこの人々である。」
1 エリコに近いヨルダンのほとりのモアブの草原で、主はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に命じて、その所有となる相続地の一部を、レビ人に住むための町々として与えさせなさい。彼らはその町々の回りの放牧地をレビ人に与えなければならない。
3 町々は彼らが住むためであり、その放牧地は彼らの家畜や群れや、すべての獣のためである。
4 あなたがたがレビ人に与える町々の放牧地は、町の城壁から外側に、回り一千82キュビトでなければならない。
5 町の外側に、町を真ん中として東側に二千キュビト、南側に二千キュビト、西側に二千キュビト、北側に二千キュビトを測れ。これが彼らの町々の放牧地である。
6 あなたがたが、レビ人に与える町々、すなわち、人を殺した者がそこにのがれるために与える六つの、のがれの町と、そのほかに、四十二の町を与えなければならない。
7 あなたがたがレビ人に与える町は、全部で四十八の町で、放牧地つきである。
8 あなたがたがイスラエル人の所有地のうちから与える町々は、大きい部族からは多く、小さい部族からは少なくしなければならない。おのおの自分の相続した相続地に応じて、自分の町々からレビ人に与えなければならない。」
9主はモーセに告げて仰せられた。
10 「イスラエル人に告げて、彼らに言え。
あなたがたがヨルダンを渡ってカナンの地に入るとき、
11 あなたがたは町々を定めなさい。それをあなたがたのために、のがれの町とし、あやまって人を打ち殺した殺人者がそこにのがれることができるようにしなければならない。
12 この町々は、あなたがたが復讐する者から、のがれる所で、殺人者が、さばきのために会衆の前に立つ前に、死ぬことのないためである。
13 あなたがたが与える町々は、あなたがたのために六つの、のがれの町としなければならない。
14 ヨルダンのこちら側に三つの町を与え、カナンの地に三つの町を与えて、あなたがたののがれの町としなければならない。
15 これらの六つの町はイスラエル人、または彼らの間の在住異国人のための、のがれの場所としなければならない。すべてあやまって人を殺した者が、そこにのがれるためである。
16 人がもし鉄の器具で人を打って死なせたなら、その者は殺人者である。その殺人者は必ず殺されなければならない。
17 もし、人を殺せるほどの石の道具で人を打って死なせたなら、その者は殺人者である。殺人者は必ず殺されなければならない。
18 あるいは、人を殺せるほどの木製の器具で、人を打って死なせたなら、その者は殺人者である。殺人者は必ず殺されなければならない。
19 血の復讐をする者は、自分でその殺人者を殺してもよい。彼と出会ったときに、彼を殺してもよい。
20 もし、人が憎しみをもって人を突くか、あるいは悪意をもって人に物を投げつけて死なせるなら、
21 あるいは、敵意をもって人を手で打って死なせるなら、その打った者は必ず殺されなければならない。彼は殺人者である。その血の復讐をする者は、彼と出会ったときに、その殺人者を殺してもよい。
22 もし敵意もなく人を突き、あるいは悪意なしに何か物を投げつけ、
23 または気がつかないで、人を死なせるほどの石を人の上に落とし、それによって死なせた場合、しかもその人が自分の敵でもなく、傷つけようとしたのでもなければ、
24会衆は、打ち殺した者と、その血の復讐をする者との間を、これらのおきてに基づいてさばかなければならない。
25会衆は、その殺人者を、血の復讐をする者の手から救い出し、会衆は彼を、逃げ込んだそののがれの町に返してやらなければならない。彼は、聖なる油をそそがれた大祭司が死ぬまで、そこにいなければならない。
26 もし、その殺人者が、自分が逃げ込んだのがれの町の境界から出て行き、
27 血の復讐をする者が、そののがれの町の境界の外で彼を見つけて、その殺人者を殺しても、彼には血を流した罪はない。
28 その者は、大祭司が死ぬまでは、そののがれの町に住んでいなければならないからである。大祭司の死後には、その殺人者は、自分の所有地に帰ることができる。
29 これらのことは、あなたがたが住みつくすべての所で、代々にわたり、あなたがたのさばきのおきてとなる。
30 もしだれかが人を殺したなら、証人の証言によってその殺人者を、殺さなければならない。しかし、ただひとりの証人の証言だけでは、死刑にするには十分でない。
31 あなたがたは、死刑に当たる悪を行った殺人者のいのちのために贖い金を受け取ってはならない。彼は必ず殺されなければならない。
32 のがれの町に逃げ込んだ者のために、贖い金を受け取り、祭司が死ぬ前に、国に帰らせて住まわせてはならない。
33 あなたがたは、自分たちのいる土地を汚してはならない。血は土地を汚すからである。土地に流された血についてその土地を贖うには、その土地に血を流させた者の血による以外はない。
34 あなたがたは、自分たちの住む土地、すなわち、わたし自身がそのうちに宿る土地を汚してはならない。主であるわたしが、イスラエル人の真ん中に宿るからである。」
1 ヨセフ族の一つ、マナセの子マキルの子ギルアデの氏族に属する諸家族のかしらたちが進み出て、モーセとイスラエル人の諸家族のかしらである家長たちに訴えて、
2 言った。「主は、あの土地をくじによってイスラエル人に相続地として与えるように、あなたに命じられました。そしてまた、私たちの親類ツェロフハデの相続地を、彼の娘たちに与えるように、あなたは主に命じられています。
3 もし彼女たちが、イスラエル人の他の部族の息子たちにとついだなら、彼女たちの相続地は、私たちの父祖の相続地から差し引かれて、彼女たちがとつぐ部族の相続地に加えられましょう。こうして私たちの相続の地所は減ることになります。
4 イスラエル人のヨベルの年になれば、彼女たちの相続地は、彼女たちのとつぐ部族の相続地に加えられ、彼女たちの相続地は、私たちの父祖の部族の相続地から差し引かれることになります。」
5 そこでモーセは、主の命により、イスラエル人に命じて言った。「ヨセフ部族の訴えはもっともである。
6主がツェロフハデの娘たちについて命じて仰せられたことは次のとおりである。『彼女たちは、その心にかなう人にとついでよい。ただし、彼女たちの父の部族に属する氏族にとつがなければならない。
7 イスラエル人の相続地は、一つの部族から他の部族に移してはならない。イスラエル人は、おのおのその父祖の部族の相続地を堅く守らなければならないからである。
8 イスラエル人の部族のうち、相続地を受け継ぐ娘はみな、その父の部族に属する氏族のひとりにとつがなければならない。イスラエル人が、おのおのその父祖の相続地を受け継ぐためである。
9 こうして相続地は、一つの部族から他の部族に移してはならない。イスラエル人の部族は、おのおのその相続地を堅く守らなければならないからである。』」
10 ツェロフハデの娘たちは、主がモーセに命じられたとおりに行った。
11 ツェロフハデの娘たち、マフラ、ティルツァ、ホグラ、ミルカおよびノアは、そのおじの息子たちにとついだ。
12 彼女たちは、ヨセフの子マナセの子孫の氏族にとついだので、彼女たちの相続地は、彼女たちの父の氏族の部族に残った。
13 これらは、エリコに近いヨルダンのほとりのモアブの草原で、主がモーセを通してイスラエル人に命じた命令と定めである。
申命記
1 これは、モーセがヨルダンの向こうの地、パランと、トフェル、ラバン、ハツェロテ、ディ・ザハブとの間の、スフの前にあるアラバの荒野で、イスラエルのすべての民に告げたことばである。
2 ホレブから、セイル山を経てカデシュ・バルネアに至るのには十一日かかる。
3 第四十年の第十一月の一日にモーセは、主がイスラエル人のために彼に命じられたことを、ことごとく彼らに告げた。
4 モーセが、ヘシュボンに住んでいたエモリ人の王シホン、および1アシュタロテに住んでいたバシャンの王オグをエデレイで打ち破って後のことである。
5 ヨルダンの向こうの地、モアブの地で、モーセは、このみおしえを説明し始めて言った。
6 私たちの神、主は、ホレブで私たちに告げて仰せられた。「あなたがたはこの山に長くとどまっていた。
7 向きを変えて、出発せよ。そしてエモリ人の山地に行き、その近隣のすべての地、アラバ、山地、低地、ネゲブ、海辺、カナン人の地、レバノン、さらにあの大河ユーフラテス川にまで行け。
8 見よ。わたしはその地をあなたがたの手に渡している。行け。その地を所有せよ。これは、主があなたがたの先祖アブラハム、イサク、ヤコブに誓って、彼らとその後の子孫に与えると言われた地である。」
9 私はあの時、あなたがたにこう言った。「私だけではあなたがたの重荷を負うことはできない。
10 あなたがたの神、主が、あなたがたをふやされたので、見よ、あなたがたは、きょう、空の星のように多い。
11 ──どうかあなたがたの父祖の神、主が、あなたがたを今の千倍にふやしてくださるように。そしてあなたがたに約束されたとおり、あなたがたを祝福してくださるように──
12 私ひとりで、どうして、あなたがたのもめごとと重荷と争いを背負いきれよう。
13 あなたがたは、部族ごとに、知恵があり、悟りがあり、経験のある人々を出しなさい。彼らを、あなたがたのかしらとして立てよう。」
14 すると、あなたがたは私に答えて、「あなたが、しようと言われることは良い」と言った。
15 そこで私は、あなたがたの部族のかしらで、知恵があり、経験のある者たちを取り、彼らをあなたがたの上に置き、かしらとした。千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長、また、あなたがたの部族のつかさである。
16 またそのとき、私はあなたがたのさばきつかさたちに命じて言った。「あなたがたの身内の者たちの間の事をよく聞きなさい。ある人と身内の者たちとの間、また在留異国人との間を正しくさばきなさい。
17 さばきをするとき、人をかたよって見てはならない。身分の低い人にも高い人にもみな、同じように聞かなければならない。人を恐れてはならない。さばきは神のものである。あなたがたにとってむずかしすぎる事は、私のところに持って来なさい。私がそれを聞こう。」
18 私はまた、そのとき、あなたがたのなすべきすべてのことを命じた。
19 私たちの神、主が、私たちに命じられたとおりに、私たちはホレブを旅立ち、あなたがたが見た、あの大きな恐ろしい荒野を、エモリ人の山地への道をとって進み、カデシュ・バルネアまで来た。
20 そのとき、私はあなたがたに言った。「あなたがたは、私たちの神、主が私たちに与えようとされるエモリ人の山地に来た。
21 見よ。あなたの神、主は、この地をあなたの手に渡されている。上れ。占領せよ。あなたの父祖の神、主があなたに告げられたとおりに。恐れてはならない。おののいてはならない。」
22 すると、あなたがた全部が、私に近寄って来て、「私たちより先に人を遣わし、私たちのために、その地を探らせよう。私たちの上って行く道や、入って行く町々について、報告を持ち帰らせよう」と言った。
23 私にとってこのことは良いと思われたので、私は各部族からひとりずつ、十二人をあなたがたの中から取った。
24 彼らは山地に向かって登って行き、エシュコルの谷まで行き、そこを探り、
25 また、その地のくだものを手に入れ、私たちのもとに持って下って来た。そして報告をもたらし、「私たちの神、主が、私たちに与えようとしておられる地は良い地です」と言った。
26 しかし、あなたがたは登って行こうとせず、あなたがたの神、主の命令に逆らった。
27 そしてあなたがたの天幕の中でつぶやいて言った。「主は私たちを憎んでおられるので、私たちをエジプトの地から連れ出してエモリ人の手に渡し、私たちを根絶やしにしようとしておられる。
28 私たちはどこへ上って行くのか。私たちの身内の者たちは、『その民は私たちよりも大きくて背が高い。町々は大きく城壁は高く天にそびえている。しかも、そこでアナク人を見た』と言って、私たちの心をくじいた。」
29 それで、私はあなたがたに言った。「おののいてはならない。彼らを恐れてはならない。
30 あなたがたに先立って行かれるあなたがたの神、主が、エジプトにおいて、あなたがたの目の前で、あなたがたのためにしてくださったそのとおりに、あなたがたのために戦われるのだ。
31 また、荒野では、あなたがたがこの所に来るまでの、全道中、人がその子を抱くように、あなたの神、主が、あなたを抱かれたのを見ているのだ。
32 このようなことによってもまだ、あなたがたはあなたがたの神、主を信じていない。
33 主は、あなたがたが宿営する場所を捜すために、道中あなたがたの先に立って行かれ、夜は火のうち、昼は雲のうちにあって、あなたがたの進んで行く道を示されるのだ。」
34主は、あなたがたの不平を言う声を聞いて怒り、誓って言われた。
35 「この悪い世代のこれらの者のうちには、わたしが、あなたがたの先祖たちに与えると誓ったあの良い地を見る者は、ひとりもいない。
36 ただエフネの子カレブだけがそれを見ることができる。彼が踏んだ地を、わたしは彼とその子孫に与えよう。彼は主に従い通したからだ。」
37主はあなたがたのために、この私に対しても怒って言われた。「あなたも、そこに、入れない。
38 あなたに仕えているヌンの子ヨシュアが、そこに、入るのだ。彼を力づけよ。彼がそこをイスラエルに受け継がせるからだ。
39 あなたがたが、略奪されるだろうと言ったあなたがたの幼子たち、今はまだ善悪のわきまえのないあなたがたの子どもたちが、そこに、入る。わたしは彼らにそこを与えよう。彼らはそれを所有するようになる。
40 あなたがたは向きを変え、2葦の海への道を荒野に向かって旅立て。」
41 すると、あなたがたは私に答えて言った。「私たちは主に向かって罪を犯した。私たちの神、主が命じられたとおりに、私たちは上って行って、戦おう。」そして、おのおの武具を身に帯びて、向こう見ずに山地に登って行こうとした。
42 それで主は私に言われた。「彼らに言え。『上ってはならない。戦ってはならない。わたしがあなたがたのうちにはいないからだ。あなたがたは敵に打ち負かされてはならない。』」
43 私が、あなたがたにこう告げたのに、あなたがたは聞き従わず、主の命令に逆らい、不遜にも山地に登って行った。
44 すると、その山地に住んでいたエモリ人が出て来て、あなたがたを迎え撃ち、蜂が追うようにあなたがたを追いかけ、あなたがたをセイルのホルマにまで追い散らした。
45 あなたがたは帰って来て、主の前で泣いたが、主はあなたがたの声を聞き入れず、あなたがたに耳を傾けられなかった。
46 こうしてあなたがたは、あなたがたがとどまった期間だけの長い間カデシュにとどまった。
1 それから、私たちは向きを変え、主が私に告げられたように、葦の海への道を荒野に向かって旅立って、その後、長らくセイル山のまわりを回っていた。
2主は私にこう仰せられた。
3 「あなたがたは長らくこの山のまわりを回っていたが、北のほうに向かって行け。
4民に命じてこう言え。あなたがたは、セイルに住んでいるエサウの子孫、あなたがたの同族の領土内を通ろうとしている。彼らはあなたがたを恐れるであろう。あなたがたは、十分に注意せよ。
5 彼らに争いをしかけてはならない。わたしは彼らの地を、足の裏で踏むほども、あなたがたには与えない。わたしはエサウにセイル山を彼の所有地として与えたからである。
6 食物は、彼らから金で買って食べ、水もまた、彼らから金で買って飲まなければならない。
7 事実、あなたの神、主は、あなたのしたすべてのことを祝福し、あなたの、この広大な荒野の旅を見守ってくださったのだ。あなたの神、主は、この四十年の間あなたとともにおられ、あなたは、何一つ欠けたものはなかった。」
8 それで私たちは、セイルに住むエサウの子孫である私たちの同族から離れ、アラバへの道から離れ、エラテからも、またエツヨン・ゲベルからも離れて進んで行った。
そして、私たちはモアブの荒野への道を進んで行った。
9主は私に仰せられた。「モアブに敵対してはならない。彼らに戦いをしかけてはならない。あなたには、その土地を所有地としては与えない。わたしはロトの子孫にアルを所有地として与えたからである。
10 ──そこには以前、エミム人が住んでいた。強大な民で、数も多く、アナク人のように背が高かった。
11 アナク人と同じく、彼らもレファイムであるとみなされていたが、モアブ人は彼らをエミム人と呼んでいた。
12 ホリ人は、以前セイルに住んでいたが、エサウの子孫がこれを追い払い、これを根絶やしにして、彼らに代わって住んでいた。ちょうど、イスラエルが主の下さった所有の地に対してしたようにである──
13 今、立ってゼレデ川を渡れ。」そこで私たちはゼレデ川を渡った。
14 カデシュ・バルネアを出てからゼレデ川を渡るまでの期間は三十八年であった。それまでに、その世代の戦士たちはみな、宿営のうちから絶えてしまった。主が彼らについて誓われたとおりであった。
15 まことに主の御手が彼らに下り、彼らをかき乱し、宿営のうちから絶やされた。
16 戦士たちがみな、民のうちから絶えたとき、
17主は私に告げて仰せられた。
18 「あなたは、きょう、モアブの領土、アルを通ろうとしている。
19 それで、アモン人に近づくが、彼らに敵対してはならない。彼らに争いをしかけてはならない。あなたには、アモン人の地を所有地としては与えない。ロトの子孫に、それを所有地として与えているからである。
20 ──そこもまたレファイムの国とみなされている。以前は、レファイムがそこに住んでいた。アモン人は、彼らをザムズミム人と呼んでいた。
21 これは強大な民であって数も多く、アナク人のように背も高かった。主がこれを根絶やしにされたので、アモン人がこれを追い払い、彼らに代わって住んでいた。
22 それは、セイルに住んでいるエサウの子孫のために、主が彼らの前からホリ人を根絶やしにされたのと同じである。それで彼らはホリ人を追い払い、彼らに代わって住みつき、今日に至っている。
23 また、ガザ近郊の村々に住んでいたアビム人を、3カフトルから出て来たカフトル人が根絶やしにして、これに代わって住みついた──
24 立ち上がれ。出発せよ。アルノン川を渡れ。見よ。わたしはヘシュボンの王エモリ人シホンとその国とを、あなたの手に渡す。占領し始めよ。彼と戦いを交えよ。
25 きょうから、わたしは全天下の国々の民に、あなたのことでおびえと恐れを臨ませる。彼らは、あなたのうわさを聞いて震え、あなたのことでわななこう。」
26 そこで私は、ケデモテの荒野から、ヘシュボンの王シホンに使者を送り、和平を申し込んで言った。
27 「あなたの国を通らせてください。私は大路だけを通って、右にも左にも曲がりません。
28 食物は金で私に売ってください。それを食べます。水も、金を取って私に与えてください。それを飲みます。徒歩で通らせてくださるだけでよいのです。
29 セイルに住んでいるエサウの子孫や、アルに住んでいるモアブ人が、私にしたようにしてください。そうすれば、私はヨルダンを渡って、私たちの神、主が私たちに与えようとしておられる地に行けるのです。」
30 しかし、ヘシュボンの王シホンは、私たちをどうしても通らせようとはしなかった。それは今日見るとおり、彼をあなたの手に渡すために、あなたの神、主が、彼を強気にし、その心をかたくなにされたからである。
31主は私に言われた。「見よ。わたしはシホンとその地とをあなたの手に渡し始めた。占領し始めよ。その地を所有せよ。」
32 シホンとそのすべての民が、私たちを迎えて戦うため、ヤハツに出て来たとき、
33 私たちの神、主は、彼を私たちの手に渡された。私たちは彼とその子らと、そのすべての民とを打ち殺した。
34 そのとき、私たちは、彼のすべての町々を攻め取り、すべての町々──男、女および子ども──を聖絶して、ひとりの生存者も残さなかった。
35 ただし、私たちが分捕った家畜と私たちが攻め取った町々で略奪した物とは別である。
36 アルノン川の縁にあるアロエルおよび谷の中の町から、ギルアデに至るまで、私たちよりも強い町は一つもなかった。私たちの神、主が、それらをみな、私たちの手に渡されたのである。
37 ただアモン人の地、ヤボク川の全岸と山地の町々には、私たちの神、主が命じられたとおりに、近寄らなかった。
1 私たちはバシャンへの道を上って行った。するとバシャンの王オグとそのすべての民は、エデレイで私たちを迎えて戦うために出て来た。
2 そのとき、主は私に仰せられた。「彼を恐れてはならない。わたしは、彼と、そのすべての民と、その地とを、あなたの手に渡している。あなたはヘシュボンに住んでいたエモリ人の王シホンにしたように、彼にしなければならない。」
3 こうして私たちの神、主は、バシャンの王オグとそのすべての民をも、私たちの手に渡されたので、私たちはこれを打ち殺して、ひとりの生存者をも残さなかった。
4 そのとき、私たちは彼の町々をことごとく攻め取った。私たちが取らなかった町は一つもなかった。取った町は六十、アルゴブの全地域であって、バシャンのオグの王国であった。
5 これらはみな、高い城壁と門とかんぬきのある要害の町々であった。このほかに、城壁のない町々が非常に多くあった。
6 私たちはヘシュボンの王シホンにしたように、これらを聖絶した。そのすべての町々──男、女および子ども──を聖絶した。
7 ただし、すべての家畜と、私たちが取った町々で略奪した物とは私たちのものとした。
8 このようにして、そのとき、私たちは、ふたりのエモリ人の王の手から、ヨルダンの向こうの地を、アルノン川からヘルモン山まで取った。
9 ──シドン人はヘルモンをシルヨンと呼び、エモリ人はこれをセニルと呼んでいる──
10 すなわち、高原のすべての町、ギルアデの全土、バシャンの全土、サルカおよびエデレイまでのバシャンのオグの王国の町々である。
11 ──バシャンの王オグだけが、レファイムの生存者として残っていた。見よ。彼の寝台は鉄の寝台、それはアモン人のラバにあるではないか。その長さは、規準の4キュビトで九キュビト、その幅は四キュビトである──
12 この地を、私たちは、そのとき、占領した。アルノン川のほとりのアロエルの一部と、ギルアデの山地の半分と、その町々とを私はルベン人とガド人とに与えた。
13 ギルアデの残りと、オグの王国であったバシャンの全土とは、マナセの半部族に与えた。それはアルゴブの全地域で、そのバシャンの全土はレファイムの国と呼ばれている。
14 マナセの子ヤイルは、ゲシュル人とマアカ人との境界までのアルゴブの全地域を取り、自分の名にちなんで、バシャンをハボテ・ヤイルと名づけて、今日に至っている。
15 マキルには私はギルアデを与えた。
16 ルベン人とガド人には、ギルアデからアルノン川の、国境にあたる川の真ん中まで、またアモン人の国境ヤボク川までを与えた。
17 またアラバをも与えた。それはヨルダンを境界として、キネレテからアラバの海、すなわち、東のほうのピスガの傾斜地のふもとにある塩の海までであった。
18 私はそのとき、あなたがたに命じて言った。「あなたがたの神、主は、あなたがたがこの地を所有するように、あなたがたに与えられた。しかし、勇士たちはみな武装して、同族、イスラエル人の先に立って渡って行かなければならない。
19 ただし、あなたがたの妻と子どもと家畜は、私が与えた町々にとどまっていてもよい。私はあなたがたが家畜を多く持っているのを知っている。
20主があなたがたと同じように、あなたがたの同族に安住の地を与え、彼らもまた、ヨルダンの向こうで、あなたがたの神、主が与えようとしておられる地を所有するようになったなら、そのとき、あなたがたは、おのおの私が与えた自分の所有地に帰ることができる。」
21 私は、そのとき、ヨシュアに命じて言った。「あなたは、あなたがたの神、主が、これらふたりの王になさったすべてのことをその目で見た。主はあなたがたがこれから渡って行くすべての国々にも、同じようにされる。
22 彼らを恐れてはならない。あなたがたのために戦われるのはあなたがたの神、主であるからだ。」
23 私は、そのとき、主に懇願して言った。
24 「神、主よ。あなたの偉大さと、あなたの力強い御手とを、あなたはこのしもべに示し始められました。あなたのわざ、あなたの力あるわざのようなことのできる神が、天、あるいは地にあるでしょうか。
25 どうか、私に、渡って行って、ヨルダンの向こうにある良い地、あの良い山地、およびレバノンを見させてください。」
26 しかし主は、あなたがたのために私を怒り、私の願いを聞き入れてくださらなかった。そして主は私に言われた。「もう十分だ。このことについては、もう二度とわたしに言ってはならない。
27 ピスガの頂に登って、目を上げて西、北、南、東を見よ。あなたのその目でよく見よ。あなたはこのヨルダンを渡ることができないからだ。
28 ヨシュアに命じ、彼を力づけ、彼を励ませ。彼はこの民の先に立って渡って行き、あなたの見るあの地を彼らに受け継がせるであろう。」
29 こうして私たちはベテ・ペオルの近くの谷にとどまっていた。
1 今、イスラエルよ。あなたがたが行うように私の教えるおきてと定めとを聞きなさい。そうすれば、あなたがたは生き、あなたがたの父祖の神、主が、あなたがたに与えようとしておられる地を所有することができる。
2 私があなたがたに命じることばに、つけ加えてはならない。また、減らしてはならない。私があなたがたに命じる、あなたがたの神、主の命令を、守らなければならない。
3 あなたがたは、主がバアル・ペオルのことでなさったことを、その目で見た。バアル・ペオルに従った者はみな、あなたの神、主があなたのうちから根絶やしにされた。
4 しかし、あなたがたの神、主にすがってきたあなたがたはみな、きょう、生きている。
5 見なさい。私は、私の神、主が私に命じられたとおりに、おきてと定めとをあなたがたに教えた。あなたがたが、入って行って、所有しようとしているその地の真ん中で、そのように行うためである。
6 これを守り行いなさい。そうすれば、それは国々の民に、あなたがたの知恵と悟りを示すことになり、これらすべてのおきてを聞く彼らは、「この偉大な国民は、確かに知恵のある、悟りのある民だ」と言うであろう。
7 まことに、私たちの神、主は、私たちが呼ばわるとき、いつも、近くにおられる。このような神を持つ偉大な国民が、どこにあるだろうか。
8 また、きょう、私があなたがたの前に与えようとしている、このみおしえのすべてのように、正しいおきてと定めとを持っている偉大な国民が、いったい、どこにあるだろう。
9 ただ、あなたは、ひたすら慎み、用心深くありなさい。あなたが自分の目で見たことを忘れず、一生の間、それらがあなたの心から離れることのないようにしなさい。あなたはそれらを、あなたの子どもや孫たちに知らせなさい。
10 あなたがホレブで、あなたの神、主の前に立った日に、主は私に仰せられた。「民をわたしのもとに集めよ。わたしは彼らにわたしのことばを聞かせよう。それによって彼らが地上に生きている日の間、わたしを恐れることを学び、また彼らがその子どもたちに教えることができるように。」
11 そこであなたがたは近づいて来て、山のふもとに立った。山は激しく燃え立ち、火は中天に達し、雲と暗やみの暗黒とがあった。
12主は火の中から、あなたがたに語られた。あなたがたはことばの声を聞いたが、御姿は見なかった。御声だけであった。
13 主はご自分の契約をあなたがたに告げて、それを行うように命じられた。十のことばである。主はそれを二枚の石の板に書きしるされた。
14主は、そのとき、あなたがたにおきてと定めとを教えるように、私に命じられた。あなたがたが、渡って行って、所有しようとしている地で、それらを行うためであった。
15 あなたがたは十分に気をつけなさい。主がホレブで火の中からあなたがたに話しかけられた日に、あなたがたは何の姿も見なかったからである。
16堕落して、自分たちのために、どんな形の彫像をも造らないようにしなさい。男の形も女の形も。
17 地上のどんな家畜の形も、空を飛ぶどんな鳥の形も、
18 地をはうどんなものの形も、地の下の水の中にいるどんな魚の形も。
19 また、天に目を上げて、日、月、星の天の万象を見るとき、魅せられてそれらを拝み、それらに仕えないようにしなさい。それらのものは、あなたの神、主が全天下の国々の民に分け与えられたものである。
20主はあなたがたを取って、鉄の炉エジプトから連れ出し、今日のように、ご自分の所有の民とされた。
21 しかし、主は、あなたがたのことで私を怒り、私はヨルダンを渡れず、またあなたの神、主が相続地としてあなたに与えようとしておられる良い地に入ることができないと誓われた。
22 私は、この地で、死ななければならない。私はヨルダンを渡ることができない。しかしあなたがたは渡って、あの良い地を所有しようとしている。
23 気をつけて、あなたがたの神、主があなたがたと結ばれた契約を忘れることのないようにしなさい。あなたの神、主の命令にそむいて、どんな形の彫像をも造ることのないようにしなさい。
24 あなたの神、主は焼き尽くす火、ねたむ神だからである。
25 あなたが子を生み、孫を得、あなたがたがその地に永住し、堕落して、何かの形に刻んだ像を造り、あなたの神、主の目の前に悪を行い、御怒りを買うようなことがあれば、
26 私は、きょう、あなたがたに対して、天と地とを証人に立てる。あなたがたは、ヨルダンを渡って、所有しようとしているその土地から、たちまちにして滅びうせる。そこで長く生きるどころか、すっかり根絶やしにされるだろう。
27主はあなたがたを国々の民の中に散らされる。しかし、ごくわずかな者たちが、主の追いやる国々の中に残される。
28 あなたがたはそこで、人間の手で造った、見ることも、聞くこともせず、食べることも、かぐこともしない木や石の神々に仕える。
29 そこから、あなたがたは、あなたの神、主を慕い求め、主に会う。あなたが、心を尽くし、精神を尽くして切に求めるようになるからである。
30 あなたの苦しみのうちにあって、これらすべてのことが後の日に、あなたに臨むなら、あなたは、あなたの神、主に立ち返り、御声に聞き従うのである。
31 あなたの神、主は、あわれみ深い神であるから、あなたを捨てず、あなたを滅ぼさず、あなたの先祖たちに誓った契約を忘れない。
32 さあ、あなたより前の過ぎ去った時代に尋ねてみるがよい。神が地上に人を造られた日からこのかた、天のこの果てからかの果てまでに、これほど偉大なことが起こったであろうか。このようなことが聞かれたであろうか。
33 あなたのように、火の中から語られる神の声を聞いて、なお生きていた民があっただろうか。
34 あるいは、あなたがたの神、主が、エジプトにおいてあなたの目の前で、あなたがたのためになさったように、試みと、しるしと、不思議と、戦いと、力強い御手と、伸べられた腕と、恐ろしい力とをもって、一つの国民を他の国民の中から取って、あえてご自身のものとされた神があったであろうか。
35 あなたにこのことが示されたのは、主だけが神であって、ほかには神はないことを、あなたが知るためであった。
36 主はあなたを訓練するため、天から御声を聞かせ、地の上では、大きい火を見させた。その火の中からあなたは、みことばを聞いた。
37 主は、あなたの先祖たちを愛して、その後の子孫を選んでおられたので、主ご自身が大いなる力をもって、あなたをエジプトから連れ出された。
38 それはあなたよりも大きく、強い国々を、あなたの前から追い払い、あなたを彼らの地に入らせ、これを相続地としてあなたに与えるためであった。今日のとおりである。
39 きょう、あなたは、上は天、下は地において、主だけが神であり、ほかに神はないことを知り、心に留めなさい。
40 きょう、私が命じておいた主のおきてと命令とを守りなさい。あなたも、あなたの後の子孫も、しあわせになり、あなたの神、主が永久にあなたに与えようとしておられる地で、あなたが長く生き続けるためである。
41 それからモーセは、ヨルダンの向こうの地に三つの町を取り分けた。東のほうである。
42 以前から憎んでいなかった隣人を知らずに殺した殺人者が、そこへ、のがれることのできるためである。その者はこれらの町の一つにのがれて、生きのびることができる。
43 ルベン人に属する高地の荒野にあるベツェル、ガド人に属するギルアデのラモテ、マナセ人に属するバシャンのゴランである。
44 これはモーセがイスラエル人の前に置いたみおしえである。
45 これはさとしとおきてと定めであって、イスラエル人がエジプトを出たとき、モーセが彼らに告げたのである。
46 そこは、ヨルダンの向こうの地、エモリ人の王シホンの国のベテ・ペオルの前の谷であった。シホンはヘシュボンに住んでいたが、モーセとイスラエル人が、エジプトから出て来たとき、彼を打ち殺した。
47 彼らは、シホンの国とバシャンの王オグの国とを占領した。このふたりのエモリ人の王はヨルダンの向こうの地、東のほうにいた。
48 それはアルノン川の縁にあるアロエルから5シーオン山、すなわちヘルモンまで、
49 また、ヨルダンの向こうの地、東の、アラバの全部、ピスガの傾斜地のふもとのアラバの海までである。
1 さて、モーセはイスラエル人をみな呼び寄せて彼らに言った。
聞きなさい。イスラエルよ。きょう、私があなたがたの耳に語るおきてと定めとを。これを学び、守り行いなさい。
2 私たちの神、主は、ホレブで私たちと契約を結ばれた。
3主が、この契約を結ばれたのは、私たちの先祖たちとではなく、きょう、ここに生きている私たちひとりひとりと、結ばれたのである。
4主はあの山で、火の中からあなたがたに顔と顔とを合わせて語られた。
5 そのとき、私は主とあなたがたとの間に立ち、主のことばをあなたがたに告げた。あなたがたが火を恐れて、山に登らなかったからである。主は仰せられた。
6 「わたしは、あなたをエジプトの国、奴隷の家から連れ出した、あなたの神、主である。
7 あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。
8 あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、どんな形をも造ってはならない。
9 それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神、わたしを憎む者には、父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、
10 わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。
11 あなたは、あなたの神、6主の御名を、みだりに唱えてはならない。主は、御名をみだりに唱える者を、罰せずにはおかない。
12 安息日を守って、これを聖なる日とせよ。あなたの神、主が命じられたとおりに。
13 六日間、働いて、あなたのすべての仕事をしなければならない。
14 しかし七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはどんな仕事もしてはならない。──あなたも、あなたの息子、娘も、あなたの男奴隷や女奴隷も、あなたの牛、ろばも、あなたのどんな家畜も、またあなたの町囲みのうちにいる在留異国人も──そうすれば、あなたの男奴隷も、女奴隷も、あなたと同じように休むことができる。
15 あなたは、自分がエジプトの地で奴隷であったこと、そして、あなたの神、主が力強い御手と伸べられた腕とをもって、あなたをそこから連れ出されたことを覚えていなければならない。それゆえ、あなたの神、主は、安息日を守るよう、あなたに命じられたのである。
16 あなたの父と母を敬え。あなたの神、主が命じられたとおりに。それは、あなたの齢が長くなるため、また、あなたの神、主が与えようとしておられる地で、しあわせになるためである。
17 殺してはならない。
18姦淫してはならない。
19盗んではならない。
20 あなたの隣人に対し、偽証してはならない。
21 あなたの隣人の妻を欲しがってはならない。あなたの隣人の家、畑、男奴隷、女奴隷、牛、ろば、すべてあなたの隣人のものを、欲しがってはならない。」
22 これらのことばを、主はあの山で、火と雲と暗やみの中から、あなたがたの全集会に、大きな声で告げられた。このほかのことは言われなかった。主はそれを二枚の石の板に書いて、私に授けられた。
23 あなたがたが、暗黒の中からのその御声を聞き、またその山が火で燃えていたときに、あなたがた、すなわちあなたがたの部族のすべてのかしらたちと長老たちとは、私のもとに近寄って来た。
24 そして言った。「私たちの神、主は、今、ご自身の栄光と偉大さとを私たちに示されました。私たちは火の中から御声を聞きました。きょう、私たちは、神が人に語られても、人が生きることができるのを見ました。
25 今、私たちはなぜ死ななければならないのでしょうか。この大きい火が私たちをなめ尽くそうとしています。もし、この上なお私たちの神、主の声を聞くならば、私たちは死ななければなりません。
26 いったい肉を持つ者で、私たちのように、火の中から語られる生ける神の声を聞いて、なお生きている者がありましょうか。
27 あなたが近づいて行き、私たちの神、主が仰せになることをみな聞き、私たちの神、主があなたにお告げになることをみな、私たちに告げてくださいますように。私たちは聞いて、行います。」
28主はあなたがたが私に話していたとき、あなたがたのことばの声を聞かれて、主は私に仰せられた。「わたしはこの民があなたに話していることばの声を聞いた。彼らの言ったことは、みな、もっともである。
29 どうか、彼らの心がこのようであって、いつまでも、わたしを恐れ、わたしのすべての命令を守るように。そうして、彼らも、その子孫も、永久にしあわせになるように。
30 さあ、彼らに、『あなたがたは、自分の天幕に帰りなさい』と言え。
31 しかし、あなたは、わたしとともにここにとどまれ。わたしは、あなたが彼らに教えるすべての命令──おきてと定め──を、あなたに告げよう。彼らは、わたしが与えて所有させようとしているその地で、それを行うのだ。」
32 あなたがたは、あなたがたの神、主が命じられたとおりに守り行いなさい。右にも左にもそれてはならない。
33 あなたがたの神、主が命じられたすべての道を歩まなければならない。あなたがたが生き、しあわせになり、あなたがたが所有する地で、長く生きるためである。
1 これは、あなたがたの神、主が、あなたがたに教えよと命じられた命令──おきてと定め──である。あなたがたが、渡って行って、所有しようとしている地で、行うためである。
2 それは、あなたの一生の間、あなたも、そしてあなたの子も孫も、あなたの神、主を恐れて、私の命じるすべての主のおきてと命令を守るため、またあなたが長く生きることのできるためである。
3 イスラエルよ。聞いて、守り行いなさい。そうすれば、あなたはしあわせになり、あなたの父祖の神、主があなたに告げられたように、あなたは乳と蜜の流れる国で大いにふえよう。
4聞きなさい。イスラエル。7主は私たちの神。主はただひとりである。
5 心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。
6 私がきょう、あなたに命じるこれらのことばを、あなたの心に刻みなさい。
7 これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい。あなたが家にすわっているときも、道を歩くときも、寝るときも、起きるときも、これを唱えなさい。
8 これをしるしとしてあなたの手に結びつけ、記章として額の上に置きなさい。
9 これをあなたの家の門柱と門に書きしるしなさい。
10 あなたの神、主が、あなたの先祖、アブラハム、イサク、ヤコブに誓われた地にあなたを導き入れ、あなたが建てなかった、大きくて、すばらしい町々、
11 あなたが満たさなかった、すべての良い物が満ちた家々、あなたが掘らなかった掘り井戸、あなたが植えなかったぶどう畑とオリーブ畑、これらをあなたに与え、あなたが食べて、満ち足りるとき、
12 あなたは気をつけて、あなたをエジプトの地、奴隷の家から連れ出された主を忘れないようにしなさい。
13 あなたの神、主を恐れなければならない。主に仕えなければならない。御名によって誓わなければならない。
14 ほかの神々、あなたがたの回りにいる国々の民の神に従ってはならない。
15 あなたのうちにおられるあなたの神、主は、ねたむ神であるから、あなたの神、主の怒りがあなたに向かって燃え上がり、主があなたを地の面から根絶やしにされないようにしなさい。
16 あなたがたがマサで試みたように、あなたがたの神、主を試みてはならない。
17 あなたがたの神、主の命令、主が命じられたさとしとおきてを忠実に守らなければならない。
18主が正しい、また良いと見られることをしなさい。そうすれば、あなたはしあわせになり、主があなたの先祖たちに誓われたあの良い地を所有することができる。
19 そうして、主が告げられたように、あなたの敵は、ことごとくあなたの前から追い払われる。
20後になって、あなたの息子があなたに尋ねて、「私たちの神、主が、あなたがたに命じられた、このさとしとおきてと定めとは、どういうことか」と言うなら、
21 あなたは自分の息子にこう言いなさい。「私たちはエジプトでパロの奴隷であったが、主が力強い御手をもって、私たちをエジプトから連れ出された。
22主は私たちの目の前で、エジプトに対し、パロとその全家族に対して大きくてむごいしるしと不思議とを行い、
23 私たちをそこから連れ出された。それは私たちの先祖たちに誓われた地に、私たちを入らせて、その地を私たちに与えるためであった。
24 それで、主は、私たちがこのすべてのおきてを行い、私たちの神、主を恐れるように命じられた。それは、今日のように、いつまでも私たちがしあわせであり、生き残るためである。
25 私たちの神、主が命じられたように、御前でこのすべての命令を守り行うことは、私たちの義となるのである。」
1 あなたが、入って行って、所有しようとしている地に、あなたの神、主が、あなたを導き入れられるとき、主は、多くの異邦の民、すなわちヘテ人、ギルガシ人、エモリ人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、およびエブス人の、これらあなたよりも数多く、また強い七つの異邦の民を、あなたの前から追い払われる。
2 あなたの神、主は、彼らをあなたに渡し、あなたがこれを打つとき、あなたは彼らを聖絶しなければならない。彼らと何の契約も結んではならない。容赦してはならない。
3 また、彼らと互いに縁を結んではならない。あなたの娘を彼の息子に与えてはならない。彼の娘をあなたの息子にめとってはならない。
4 彼はあなたの息子を私から引き離すであろう。彼らがほかの神々に仕えるなら、主の怒りがあなたがたに向かって燃え上がり、主はあなたをたちどころに根絶やしにしてしまわれる。
5 むしろ彼らに対して、このようにしなければならない。彼らの祭壇を打ちこわし、石の柱を打ち砕き、彼らのアシェラ像を切り倒し、彼らの彫像を火で焼かなければならない。
6 あなたは、あなたの神、主の聖なる民だからである。あなたの神、主は、地の面のすべての国々の民のうちから、あなたを選んでご自分の宝の民とされた。
7主があなたがたを恋い慕って、あなたがたを選ばれたのは、あなたがたがどの民よりも数が多かったからではない。事実、あなたがたは、すべての国々の民のうちで最も数が少なかった。
8 しかし、主があなたがたを愛されたから、また、あなたがたの先祖たちに誓われた誓いを守られたから、主は、力強い御手をもってあなたがたを連れ出し、奴隷の家から、エジプトの王パロの手からあなたを贖い出された。
9 あなたは知っているのだ。あなたの神、主だけが神であり、誠実な神である。主を愛し、主の命令を守る者には恵みの契約を千代までも守られるが、
10 主を憎む者には、これに報いて、主はたちどころに彼らを滅ぼされる。主を憎む者には猶予はされない。たちどころに報いられる。
11 私が、きょう、あなたに命じる命令──おきてと定め──を守り行わなければならない。
12 それゆえ、もしあなたがたが、これらの定めを聞いて、これを守り行うならば、あなたの神、主は、あなたの先祖たちに誓われた恵みの契約をあなたのために守り、
13 あなたを愛し、あなたを祝福し、あなたをふやし、主があなたに与えるとあなたの先祖たちに誓われた地で、主はあなたの8身から生まれる者、地の産物、穀物、新しいぶどう酒、油、またあなたの群れのうちの子牛、群れのうちの雌羊をも祝福される。
14 あなたはすべての国々の民の中で、最も祝福された者となる。あなたのうちには、子のない男、子のない女はいないであろう。あなたの家畜も同様である。
15主は、すべての病気をあなたから取り除き、あなたの知っているあのエジプトの悪疫は、これを一つもあなたにもたらさず、あなたを憎むすべての者にこれを下す。
16 あなたは、あなたの神、主があなたに与えるすべての国々の民を滅ぼし尽くす。彼らをあわれんではならない。また、彼らの神々に仕えてはならない。それがあなたへのわなとなるからだ。
17 あなたが心のうちで、「これらの異邦の民は私よりも多い。どうして彼らを追い払うことができよう」と言うことがあれば、
18 彼らを恐れてはならない。あなたの神、主がパロに、また全エジプトにされたことをよく覚えていなければならない。
19 あなたが自分の目で見たあの大きな試みと、しるしと、不思議と、力強い御手と、伸べられた腕、これをもって、あなたの神、主は、あなたを連れ出された。あなたの恐れているすべての国々の民に対しても、あなたの神、主が同じようにされる。
20 あなたの神、主はまた、9くまばちを彼らのうちに送り、生き残っている者たちや隠れている者たちを、あなたの前から滅ぼされる。
21 彼らの前でおののいてはならない。あなたの神、主、大いなる恐るべき神が、あなたのうちにおられるから。
22 あなたの神、主は、これらの国々を徐々にあなたの前から追い払われる。あなたは彼らをすぐに絶ち滅ぼすことはできない。野の獣が増してあなたを襲うことがないためである。
23 あなたの神、主が、彼らをあなたに渡し、彼らを大いにかき乱し、ついに、彼らを根絶やしにされる。
24 また彼らの王たちをあなたの手に渡される。あなたは彼らの名を天の下から消し去ろう。だれひとりとして、あなたの前に立ちはだかる者はなく、ついに、あなたは彼らを根絶やしにする。
25 あなたがたは彼らの神々の彫像を火で焼かなければならない。それにかぶせた銀や金を欲しがってはならない。自分のものとしてはならない。あなたがわなにかけられないために。それは、あなたの神、主の忌みきらわれるものである。
26忌みきらうべきものを、あなたの家に持ち込んで、あなたもそれと同じように聖絶のものとなってはならない。それをあくまで忌むべきものとし、あくまで忌みきらわなければならない。それは聖絶のものだからである。
1 私が、きょう、あなたに命じるすべての命令をあなたがたは守り行わなければならない。そうすれば、あなたがたは生き、その数はふえ、主があなたがたの先祖たちに誓われた地を所有することができる。
2 あなたの神、主が、この四十年の間、荒野であなたを歩ませられた全行程を覚えていなければならない。それは、あなたを苦しめて、あなたを試み、あなたがその命令を守るかどうか、あなたの心のうちにあるものを知るためであった。
3 それで主は、あなたを苦しめ、飢えさせて、あなたも知らず、あなたの先祖たちも知らなかったマナを食べさせられた。それは、人はパンだけで生きるのではない、人は主の口から出るすべてのもので生きる、ということを、あなたにわからせるためであった。
4 この四十年の間、あなたの着物はすり切れず、あなたの足は、はれなかった。
5 あなたは、人がその子を訓練するように、あなたの神、主があなたを訓練されることを、知らなければならない。
6 あなたの神、主の命令を守って、その道に歩み、主を恐れなさい。
7 あなたの神、主が、あなたを良い地に導き入れようとしておられるからである。そこは、水の流れと泉があり、谷間と山を流れ出た深い淵のある地、
8 小麦、大麦、ぶどう、いちじく、ざくろの地、オリーブ油と蜜の地。
9 そこは、あなたが十分に食物を食べ、何一つ足りないもののない地、その地の石は鉄であり、その山々からは青銅を掘り出すことのできる地である。
10 あなたが食べて満ち足りたとき、主が賜った良い地について、あなたの神、主をほめたたえなければならない。
11 気をつけなさい。私が、きょう、あなたに命じる主の命令と、主の定めと、主のおきてとを守らず、あなたの神、主を忘れることがないように。
12 あなたが食べて満ち足り、りっぱな家を建てて住み、
13 あなたの牛や羊の群れがふえ、金銀が増し、あなたの所有物がみな増し加わり、
14 あなたの心が高ぶり、あなたの神、主を忘れる、そういうことがないように。──主は、あなたをエジプトの地、奴隷の家から連れ出し、
1510燃える蛇やさそりのいるあの大きな恐ろしい荒野、水のない、かわききった地を通らせ、堅い岩から、あなたのために水を流れ出させ、
16 あなたの先祖たちの知らなかったマナを、荒野であなたに食べさせられた。それは、あなたを苦しめ、あなたを試み、ついには、あなたをしあわせにするためであった──
17 あなたは心のうちで、「この私の力、私の手の力が、この富を築き上げたのだ」と言わないように気をつけなさい。
18 あなたの神、主を心に据えなさい。主があなたに富を築き上げる力を与えられるのは、あなたの先祖たちに誓った契約を今日のとおりに果たされるためである。
19 あなたが万一、あなたの神、主を忘れ、ほかの神々に従い、これらに仕え、これらを拝むようなことがあれば、きょう、私はあなたがたに警告する。あなたがたは必ず滅びる。
20主があなたがたの前で滅ぼされる国々のように、あなたがたも滅びる。あなたがたがあなたがたの神、主の御声に聞き従わないからである。
1聞きなさい。イスラエル。あなたはきょう、ヨルダンを渡って、あなたよりも大きくて強い国々を占領しようとしている。その町々は大きく、城壁は天に高くそびえている。
2 その民は大きくて背が高く、あなたの知っているアナク人である。あなたは聞いた。「だれがアナク人に立ち向かうことができようか。」
3 きょう、知りなさい。あなたの神、主ご自身が、焼き尽くす火として、あなたの前に進まれ、主が彼らを根絶やしにされる。主があなたの前で彼らを征服される。あなたは、主が約束されたように、彼らをただちに追い払って、滅ぼすのだ。
4 あなたの神、主が、あなたの前から彼らを追い出されたとき、あなたは心の中で、「私が正しいから、主が私にこの地を得させてくださったのだ」と言ってはならない。これらの国々が悪いために、主はあなたの前から彼らを追い出そうとしておられるのだ。
5 あなたが彼らの地を所有することのできるのは、あなたが正しいからではなく、またあなたの心がまっすぐだからでもない。それは、これらの国々が悪いために、あなたの神、主が、あなたの前から彼らを追い出そうとしておられるのだ。また、主があなたの先祖、アブラハム、イサク、ヤコブになさった誓いを果たすためである。
6 知りなさい。あなたの神、主は、あなたが正しいということで、この良い地をあなたに与えて所有させられるのではない。あなたはうなじのこわい民であるからだ。
7 あなたは荒野で、どんなにあなたの神、主を怒らせたかを覚えていなさい。忘れてはならない。エジプトの地を出た日から、この所に来るまで、あなたがたは主に逆らいどおしであった。
8 あなたがたはホレブで、主を怒らせたので、主は怒ってあなたがたを根絶やしにしようとされた。
9 私が石の板、主があなたがたと結ばれた契約の板を受けるために、山に登ったとき、私は四十日四十夜、山にとどまり、パンも食べず、水も飲まなかった。
10 その後、主は神の指で書きしるされた石の板二枚を私に授けられた。その上には、あの集まりの日に主が山で火の中から、あなたがたに告げられたことばが、ことごとく、そのまま書かれてあった。
11 こうして四十日四十夜の終わりに、主がその二枚の石の板、契約の板を私に授けられた。
12 そして主は私に仰せられた。「さあ、急いでここから下れ。あなたがエジプトから連れ出したあなたの民が、堕落してしまった。彼らはわたしが命じておいた道から早くもそれて、自分たちのために鋳物の像を造った。」
13 さらに主は私にこう言われた。「わたしがこの民を見るのに、この民は実にうなじのこわい民だ。
14 わたしのするがままにさせよ。わたしは彼らを根絶やしにし、その名を天の下から消し去ろう。しかし、わたしはあなたを、彼らよりも強い、人数の多い国民としよう。」
15 私は向き直って山から降りた。山は火で燃えていた。二枚の契約の板は、私の両手にあった。
16 私が見ると、見よ、あなたがたはあなたがたの神、主に罪を犯して、自分たちのために鋳物の子牛を造り、主があなたがたに命じられた道から早くもそれてしまっていた。
17 それで私はその二枚の板をつかみ、両手でそれを投げつけ、あなたがたの目の前でこれを打ち砕いた。
18 そして私は、前のように四十日四十夜、主の前にひれ伏して、パンも食べず、水も飲まなかった。あなたがたが主の目の前に悪を行い、御怒りを引き起こした、その犯したすべての罪のためであり、
19主が怒ってあなたがたを根絶やしにしようとされた激しい憤りを私が恐れたからだった。そのときも、主は私の願いを聞き入れられた。
20主は、激しくアロンを怒り、彼を滅ぼそうとされたが、そのとき、私はアロンのためにも、とりなしをした。
21 私はあなたがたが作った罪、その子牛を取って、火で焼き、打ち砕き、ちりになるまでよくすりつぶした。そして私は、そのちりを山から流れ下る川に投げ捨てた。
22 あなたがたはまた、タブエラでも、マサでも、キブロテ・ハタアワでも、主を怒らせた。
23主があなたがたをカデシュ・バルネアから送り出されるとき、「上って行って、わたしがあなたがたに与えている地を占領せよ」と言われたが、あなたがたは、あなたがたの神、主の命令に逆らい、主を信ぜず、その御声にも聞き従わなかった。
24 私があなたがたを知った日から、あなたがたはいつも、主にそむき逆らってきた。
25 それで、私は、その四十日四十夜、主の前にひれ伏していた。それは主があなたがたを根絶やしにすると言われたからである。
26 私は主に祈って言った。「神、主よ。あなたの所有の民を滅ぼさないでください。彼らは、あなたが偉大な力をもって贖い出し、力強い御手をもってエジプトから連れ出された民です。
27 あなたのしもべ、アブラハム、イサク、ヤコブを覚えてください。そしてこの民の強情と、その悪と、その罪とに目を留めないでください。
28 そうでないと、あなたがそこから私たちを連れ出されたあの国では、『主は、約束した地に彼らを導き入れることができないので、また彼らを憎んだので、彼らを荒野で死なせるために連れ出したのだ』と言うでしょう。
29 しかし彼らは、あなたの所有の民です。あなたがその大いなる力と伸べられた腕とをもって連れ出された民です。」
1 そのとき、主は私に仰せられた。「前のような石の板を二枚切って作り、山のわたしのところに登れ。また木の箱を一つ作れ。
2 その板の上に、わたしは、あなたが砕いた、あの最初の板にあったことばを書きしるそう。あなたはそれを箱の中に納めよ。」
3 そこで私はアカシヤ材の箱を一つ作り、前のような石の板を二枚切り取り、その二枚の板を手にして山に登って行った。
4主は、その板に、あの集まりの日に山で火の中からあなたがたに告げた十のことばを、前と同じ文で書きしるされた。主はそれを私に授けた。
5 私は向き直って、山を下り、その板を私が作った箱の中に納めたので、それはそこにある。主が命じられたとおりである。
6 ──イスラエル人は、11ベエロテ・ベネ・ヤアカンからモセラに旅立った。アロンはそこで死に、そこに葬られた。それで彼の子エルアザルが彼に代わって祭司の職に任じられた。
7 そこから彼らは旅立ってグデゴダに行き、またグデゴダから水の流れる地ヨテバタに進んだ。
8 そのとき、主はレビ部族をえり分けて、主の契約の箱を運び、主の前に立って仕え、また御名によって祝福するようにされた。今日までそうなっている。
9 それゆえ、レビには兄弟たちといっしょの相続地の割り当てはなかった。あなたの神、主が彼について言われたように、主が彼の相続地である──
10 私は最初のときのように、四十日四十夜、山にとどまった。主はそのときも、私の願いを聞き入れ、主はあなたを滅ぼすことを思いとどまられた。
11 そして主は私に、「民の先頭に立って進め。そうすれば、わたしが彼らに与えると彼らの先祖たちに誓った地に彼らは入り、その地を占領することができよう」と言われた。
12 イスラエルよ。今、あなたの神、主が、あなたに求めておられることは何か。それは、ただ、あなたの神、主を恐れ、主のすべての道に歩み、主を愛し、心を尽くし、精神を尽くしてあなたの神、主に仕え、
13 あなたのしあわせのために、私が、きょう、あなたに命じる主の命令と主のおきてとを守ることである。
14 見よ。天ともろもろの天の天、地とそこにあるすべてのものは、あなたの神、主のものである。
15主は、ただあなたの先祖たちを恋い慕って、彼らを愛された。そのため彼らの後の子孫、あなたがたを、すべての国々の民のうちから選ばれた。今日あるとおりである。
16 あなたがたは、心の包皮を切り捨てなさい。もううなじのこわい者であってはならない。
17 あなたがたの神、主は、神の神、主の主、偉大で、力あり、恐ろしい神。かたよって愛することなく、わいろを取らず、
18 みなしごや、やもめのためにさばきを行い、在留異国人を愛してこれに食物と着物を与えられる。
19 あなたがたは在留異国人を愛しなさい。あなたがたもエジプトの国で在留異国人であったからである。
20 あなたの神、主を恐れ、主に仕え、主にすがり、御名によって誓わなければならない。
21 主はあなたの賛美、主はあなたの神であって、あなたが自分の目で見たこれらの大きい、恐ろしいことを、あなたのために行われた。
22 あなたの先祖たちは七十人でエジプトへ下ったが、今や、あなたの神、主は、あなたを空の星のように多くされた。
1 あなたはあなたの神、主を愛し、いつも、主の戒めと、おきてと、定めと、命令とを守りなさい。
2 きょう、知りなさい。私が語るのは、あなたがたの子どもたちにではない。彼らはあなたがたの神、主の訓練、主の偉大さ、その力強い御手、伸べられた腕、そのしるしとみわざを経験も、目撃もしなかった。
3 これらはエジプトで、エジプトの王パロとその全土に対してなさったこと、
4 また、エジプトの軍勢とその馬と戦車とに対してなさったことである。──彼らがあなたがたのあとを追って来たとき、12葦の海の水を彼らの上にあふれさせ、主はこれを滅ぼして、今日に至っている──
5 また、あなたがたがこの所に来るまで、荒野であなたがたのためになさったこと、
6 また、ルベンの子エリアブの子であるダタンとアビラムに対してなさったことである。イスラエルのすべての人々のただ中で、地はその口をあけ、彼らとその家族、その天幕、また彼らにつくすべての生き物をのみこんだ。
7 これら主がなされた偉大なみわざのすべてをその目で見たのは、あなたがたである。
8 あなたがたは、私が、きょう、あなたに命じるすべての命令を守りなさい。そうすれば、あなたがたは、強くなり、あなたがたが、渡って行って、所有しようとしている地を所有することができ、
9 また、主があなたがたの先祖たちに誓って、彼らとその子孫に与えると言われた地、乳と蜜の流れる国で、長生きすることができる。
10 なぜなら、あなたが、入って行って、所有しようとしている地は、あなたがたが出て来たエジプトの地のようではないからである。あそこでは、野菜畑のように、自分で種を蒔き、自分の13力で水をやらなければならなかった。
11 しかし、あなたがたが、渡って行って、所有しようとしている地は、山と谷の地であり、天の雨で潤っている。
12 そこはあなたの神、主が求められる地で、年の初めから年の終わりまで、あなたの神、主が、絶えずその上に目を留めておられる地である。
13 もし、私が、きょう、あなたがたに命じる命令に、あなたがたがよく聞き従って、あなたがたの神、主を愛し、心を尽くし、精神を尽くして仕えるなら、
14 「14わたしは季節にしたがって、あなたがたの地に雨、先の雨と後の雨を与えよう。あなたは、あなたの穀物と新しいぶどう酒と油を集めよう。
15 また、わたしは、あなたの家畜のため野に草を与えよう。あなたは食べて満ち足りよう。」
16 気をつけなさい。あなたがたの心が迷い、横道にそれて、ほかの神々に仕え、それを拝むことのないように。
17主の怒りがあなたがたに向かって燃え上がり、主が天を閉ざされないように。そうなると、雨は降らず、地はその産物を出さず、あなたがたは、主が与えようとしておられるその良い地から、すぐに滅び去ってしまおう。
18 あなたがたは、私のこのことばを心とたましいに刻みつけ、それをしるしとして手に結びつけ、記章として15額の上に置きなさい。
19 それをあなたがたの子どもたちに教えなさい。あなたが家にすわっているときも、道を歩くときも、寝るときも、起きるときも、それを唱えるように。
20 これをあなたの家の門柱と門に書きしるしなさい。
21 それは、主があなたがたの先祖たちに、与えると誓われた地で、あなたがたの日数と、あなたがたの子孫の日数が、天が地をおおう日数のように長くなるためである。
22 もし、あなたがたが、私の命じるこのすべての命令を忠実に守り行い、あなたがたの神、主を愛して、主のすべての道に歩み、主にすがるなら、
23主はこれらの国々をことごとくあなたがたの前から追い払い、あなたがたは、自分たちよりも大きくて強い国々を占領することができる。
24 あなたがたが足の裏で踏む所は、ことごとくあなたがたのものとなる。あなたがたの領土は荒野からレバノンまで、あの川、ユーフラテス川から16西の海までとなる。
25 だれひとりとして、あなたがたの前に立ちはだかる者はいない。あなたがたの神、主は、あなたがたに約束されたとおり、あなたがたが足を踏み入れる地の全面に、あなたがたに対するおびえと恐れを臨ませられる。
26 見よ。私は、きょう、あなたがたの前に、祝福とのろいを置く。
27 もし、私が、きょう、あなたがたに命じる、あなたがたの神、主の命令に聞き従うなら、祝福を、
28 もし、あなたがたの神、主の命令に聞き従わず、私が、きょう、あなたがたに命じる道から離れ、あなたがたの知らなかったほかの神々に従って行くなら、のろいを与える。
29 あなたが、入って行って、所有しようとしている地に、あなたの神、主があなたを導き入れたなら、あなたはゲリジム山には祝福を、エバル山にはのろいを置かなければならない。
30 それらの山は、ヨルダンの向こう、日の入るほうの、アラバに住むカナン人の地にあり、ギルガルの前方、モレの17樫の木の付近にあるではないか。
31 あなたがたは、ヨルダンを渡り、あなたがたの神、主があなたがたに与えようとしておられる地に入って、それを所有しようとしている。あなたがたがそこを所有し、そこに住みつくとき、
32 私がきょう、あなたがたの前に与えるすべてのおきてと定めを守り行わなければならない。
1 これは、あなたの父祖の神、主が、あなたに与えて所有させようとしておられる地で、あなたがたが生きるかぎり、守り行わなければならないおきてと定めである。
2 あなたがたが所有する異邦の民が、その神々に仕えた場所は、高い山の上であっても、丘の上であっても、また青々と茂ったどの木の下であっても、それをことごとく必ず破壊しなければならない。
3 彼らの祭壇をこわし、石の柱を打ち砕き、アシェラ像を火で焼き、彼らの神々の彫像を粉砕して、それらの名をその場所から消し去りなさい。
4 あなたがたの神、主に対して、このようにしてはならない。
5 ただあなたがたの神、主がご自分の住まいとして御名を置くために、あなたがたの全部族のうちから選ぶ場所を尋ねて、そこへ行かなければならない。
6 あなたがたは全焼のいけにえや、ほかのいけにえ、十分の一と、あなたがたの奉納物、誓願のささげ物、進んでささげるささげ物、あなたがたの牛や羊の初子を、そこに携えて行きなさい。
7 その所であなたがたは家族の者とともに、あなたがたの神、主の前で祝宴を張り、あなたの神、主が祝福してくださったあなたがたのすべての手のわざを喜び楽しみなさい。
8 あなたがたは、私たちがきょう、ここでしているようにしてはならない。おのおのが自分の正しいと見ることを何でもしている。
9 あなたがたがまだ、あなたの神、主のあなたに与えようとしておられる相続の安住地に行っていないからである。
10 あなたがたは、ヨルダンを渡り、あなたがたの神、主があなたがたに受け継がせようとしておられる地に住み、主があなたがたの回りの敵をことごとく取り除いてあなたがたを休ませ、あなたがたが安らかに住むようになるなら、
11 あなたがたの神、主が、御名を住まわせるために選ぶ場所へ、私があなたがたに命じるすべての物を持って行かなければならない。あなたがたの全焼のいけにえとそのほかのいけにえ、十分の一と、あなたがたの奉納物、それにあなたがたが主に誓う最良の誓願のささげ物とである。
12 あなたがたは、息子、娘、男奴隷、女奴隷とともに、あなたがたの神、主の前で喜び楽しみなさい。また、あなたがたの町囲みのうちにいるレビ人とも、そうしなさい。レビ人にはあなたがたにあるような相続地の割り当てがないからである。
13全焼のいけにえを、かって気ままな場所でささげないように気をつけなさい。
14 ただ主があなたの部族の一つのうちに選ぶその場所で、あなたの全焼のいけにえをささげ、その所で私が命じるすべてのことをしなければならない。
15 しかしあなたの神、主があなたに賜った祝福にしたがって、いつでも自分の欲するとき、あなたのどの町囲みのうちでも、獣をほふってその肉を食べることができる。汚れた人も、きよい人も、かもしかや、鹿と同じように、それを食べることができる。
16 ただし、血は食べてはならない。それを地面に水のように注ぎ出さなければならない。
17 あなたの穀物や新しいぶどう酒や油の十分の一、あるいは牛や羊の初子、または、あなたが誓うすべての誓願のささげ物や進んでささげるささげ物、あるいは、あなたの奉納物を、あなたの町囲みのうちで食べることはできない。
18 ただ、あなたの神、主が選ぶ場所で、あなたの息子、娘、男奴隷、女奴隷、およびあなたの町囲みのうちにいるレビ人とともに、あなたの神、主の前でそれらを食べなければならない。あなたの神、主の前で、あなたの手のすべてのわざを喜び楽しみなさい。
19 あなたは一生、あなたの地で、レビ人をないがしろにしないように気をつけなさい。
20 あなたの神、主が、あなたに告げたように、あなたの領土を広くされるなら、あなたが肉を食べたくなったとき、「肉を食べたい」と言ってよい。あなたは食べたいだけ、肉を食べることができる。
21 もし、あなたの神、主が御名を置くために選ぶ場所が遠く離れているなら、私があなたに命じたように、あなたは主が与えられた牛と羊をほふり、あなたの町囲みのうちで、食べたいだけ食べてよい。
22 かもしかや、鹿を食べるように、それを食べてよい。汚れた人もきよい人もいっしょにそれを食べることができる。
23 ただ、血は絶対に食べてはならない。血はいのちだからである。肉とともにいのちを食べてはならない。
24 血を食べてはならない。それを水のように地面に注ぎ出さなければならない。
25 血を食べてはならない。あなたも、後の子孫もしあわせになるためである。あなたは主が正しいと見られることを行わなければならない。
26 ただし、あなたがささげようとする聖なるものと誓願のささげ物とは、主の選ぶ場所へ携えて行かなければならない。
27 あなたの全焼のいけにえはその肉と血とを、あなたの神、主の祭壇の上にささげなさい。あなたの、ほかのいけにえの血は、あなたの神、主の祭壇の上に注ぎ出さなければならない。その肉は食べてよい。
28 気をつけて、私が命じるこれらのすべてのことばに聞き従いなさい。それは、あなたの神、主がよいと見、正しいと見られることをあなたが行い、あなたも後の子孫も永久にしあわせになるためである。
29 あなたが、入って行って、所有しようとしている国々を、あなたの神、主が、あなたの前から絶ち滅ぼし、あなたがそれらを所有して、その地に住むようになったら、
30 よく気をつけ、彼らがあなたの前から根絶やしにされて後に、彼らにならって、わなにかけられないようにしなさい。彼らの神々を求めて、「これらの異邦の民は、どのように神々に仕えたのだろう。私もそうしてみよう」と言わないようにしなさい。
31 あなたの神、主に対して、このようにしてはならない。彼らは、主が憎むあらゆる忌みきらうべきことを、その神々に行い、自分たちの息子、娘を自分たちの神々のために、火で焼くことさえしたのである。
32 あなたがたは、私があなたがたに命じるすべてのことを、守り行わなければならない。これにつけ加えてはならない。減らしてはならない。
118あなたがたのうちに預言者または夢見る者が現れ、あなたに何かのしるしや不思議を示し、
2 あなたに告げたそのしるしと不思議が実現して、「さあ、あなたが知らなかったほかの神々に従い、これに仕えよう」と言っても、
3 その預言者、夢見る者のことばに従ってはならない。あなたがたの神、主は、あなたがたが心を尽くし、精神を尽くして、ほんとうに、あなたがたの神、主を愛するかどうかを知るために、あなたがたを試みておられるからである。
4 あなたがたの神、主に従って歩み、主を恐れなければならない。主の命令を守り、御声に聞き従い、主に仕え、主にすがらなければならない。
5 その預言者、あるいは、夢見る者は殺されなければならない。その者は、あなたがたをエジプトの国から連れ出し、奴隷の家から贖い出された、あなたがたの神、主に、あなたがたを反逆させようとそそのかし、あなたの神、主があなたに歩めと命じた道から、あなたを迷い出させようとするからである。あなたがたのうちからこの悪を除き去りなさい。
6 あなたと母を同じくするあなたの兄弟、あるいはあなたの息子、娘、またはあなたの愛妻、またはあなたの無二の親友が、ひそかにあなたをそそのかして、「さあ、ほかの神々に仕えよう」と言うかもしれない。これは、あなたも、あなたの先祖たちも知らなかった神々で、
7 地の果てから果てまで、あなたの近くにいる、あるいはあなたから遠く離れている、あなたがたの回りの国々の民の神である。
8 あなたは、そういう者に同意したり、耳を貸したりしてはならない。このような者にあわれみをかけたり、同情したり、彼をかばったりしてはならない。
9 必ず彼を殺さなければならない。彼を殺すには、まず、あなたが彼に手を下し、その後、民がみな、その手を下すようにしなさい。
10 彼を石で打ちなさい。彼は死ななければならない。彼は、エジプトの地、奴隷の家からあなたを連れ出したあなたの神、主から、あなたを迷い出させようとしたからである。
11 イスラエルはみな、聞いて恐れ、重ねてこのような悪を、あなたがたのうちで行わないであろう。
12 もし、あなたの神、主があなたに与えて住まわせる町の一つで、
13 よこしまな者たちが、あなたがたのうちから出て、「さあ、あなたがたの知らなかったほかの神々に仕えよう」と言って、町の住民を迷わせたと聞いたなら、
14 あなたは、調べ、探り、よく問いたださなければならない。もし、そのような忌みきらうべきことがあなたがたのうちで行われたことが、事実で確かなら、
15 あなたは必ず、その町の住民を剣の刃で打たなければならない。その町とそこにいるすべての者、その家畜も、剣の刃で聖絶しなさい。
16 そのすべての略奪物を広場の中央に集め、その町と略奪物のすべてを、あなたの神、主への焼き尽くすいけにえとして、火で焼かなければならない。その町は永久に廃墟となり、再建されることはない。
17 この聖絶のものは何一つ自分のものにしてはならない。主が燃える怒りをおさめ、あなたにあわれみを施し、あなたをいつくしみ、あなたの先祖たちに誓ったとおり、あなたをふやすためである。
18 あなたは、必ずあなたの神、主の御声に聞き従い、私が、きょう、あなたに命じるすべての主の命令を守り、あなたの神、主が正しいと見られることを行わなければならない。
1 あなたがたは、あなたがたの神、主の子どもである。死人のために自分の身に傷をつけたり、また額をそり上げたりしてはならない。
2 あなたは、あなたの神、主の聖なる民である。主は、地の面のすべての国々の民のうちから、あなたを選んでご自分の宝の民とされた。
3 あなたは忌みきらうべきものを、いっさい食べてはならない。
4 あなたがたが食べることのできる獣は、牛、羊、やぎ、
5鹿、かもしか、のろじか、野やぎ、くじか、おおじか、野羊。
6 および、ひづめが分かれ、完全に二つに割れているもので、反芻するものは、すべて食べることができる。
7反芻するもの、または、ひづめの分かれたもののうち、らくだ、野うさぎ、岩だぬきは、食べてはならない。これらは反芻するが、ひづめが分かれていない。それは、あなたがたには汚れたものである。
8豚もそうである。ひづめは分かれているが、反芻しないから、あなたがたには汚れたものである。その肉を食べてはならない。またその死体にも触れてはならない。
9 すべて水の中にいるもののうち、次のものをあなたがたは食べることができる。すべて、ひれとうろこのあるものは食べることができる。
10 ひれとうろこのないものは何も食べてはならない。それは、あなたがたには汚れたものである。
11 すべて、きよい鳥は食べることができる。
12 食べてならないものは、はげわし、はげたか、黒はげたか、
13 黒とび、はやぶさ、とびの類、
14烏の類全部、
15 だちょう、よたか、かもめ、たかの類、
16 ふくろう、みみずく、白ふくろう、
17 ペリカン、野がん、う、
18 こうのとり、さぎの類、やつがしら、こうもり。
19羽があって群生するものは、すべてあなたがたには汚れたものである。
20羽のあるきよいものはどれも食べることができる。
21 あなたがたは自然に死んだものを、いっさい食べてはならない。あなたの町囲みのうちにいる在留異国人にそれを与えて、彼がそれを食べるのはよい。あるいは、外国人に売りなさい。あなたは、あなたの神、主の聖なる民である。
子やぎをその母の乳で煮てはならない。
22 あなたが種を蒔いて、畑から得るすべての収穫の十分の一を必ず毎年ささげなければならない。
23 主が御名を住まわせるために選ぶ場所、あなたの神、主の前で、あなたの穀物や新しいぶどう酒や油の十分の一と、それに牛や羊の初子を食べなさい。あなたが、いつも、あなたの神、主を恐れることを学ぶために。
24 もし、道のりがあまりに遠すぎ、持って行くことができないなら、もし、あなたの神、主が御名を置くために選ぶ場所が遠く離れているなら、あなたの神、主があなたを祝福される場合、
25 あなたはそれを金に換え、その金を手に結びつけ、あなたの神、主の選ぶ場所に行きなさい。
26 あなたは、そこでその金をすべてあなたの望むもの、牛、羊、ぶどう酒、強い酒、また何であれ、あなたの願うものに換えなさい。あなたの神、主の前で食べ、あなたの家族とともに喜びなさい。
27 あなたの町囲みのうちにいるレビ人をないがしろにしてはならない。彼には、あなたのうちにあって相続地の割り当てがないからである。
28 三年の終わりごとに、その年の収穫の十分の一を全部持ち出し、あなたの町囲みのうちに置いておかなければならない。
29 あなたのうちにあって相続地の割り当てのないレビ人や、あなたの町囲みのうちにいる在留異国人や、みなしごや、やもめは来て、食べ、満ち足りるであろう。あなたの神、主が、あなたのすべての手のわざを祝福してくださるためである。
1 七年の終わりごとに、負債の免除をしなければならない。
2 その免除のしかたは次のとおりである。貸し主はみな、その隣人に貸したものを免除する。その隣人やその兄弟から取り立ててはならない。主が免除を布告しておられる。
3 外国人からは取り立てることができるが、あなたの兄弟が、あなたに借りているものは免除しなければならない。
4 そうすれば、あなたのうちには貧しい者がなくなるであろう。あなたの神、主が相続地としてあなたに与えて所有させようとしておられる地で、主は、必ずあなたを祝福される。
5 ただ、あなたは、あなたの神、主の御声によく聞き従い、私が、きょう、あなたに命じるこのすべての命令を守り行わなければならない。
6 あなたの神、主は、あなたに約束されたようにあなたを祝福されるから、あなたは多くの国々に貸すが、あなたが借りることはない。またあなたは多くの国々を支配するが、彼らがあなたを支配することはない。
7 あなたの神、主があなたに与えようとしておられる地で、あなたのどの町囲みのうちででも、あなたの兄弟のひとりが、もし貧しかったなら、その貧しい兄弟に対して、あなたの心を閉じてはならない。また手を閉じてはならない。
8 進んであなたの手を彼に開き、その必要としているものを十分に貸し与えなければならない。
9 あなたは心に邪念をいだき、「第七年、免除の年が近づいた」と言って、貧しい兄弟に物惜しみして、これに何も与えないことのないように気をつけなさい。その人があなたのことで主に訴えるなら、あなたは有罪となる。
10 必ず彼に与えなさい。また与えるとき、心に未練を持ってはならない。このことのために、あなたの神、主は、あなたのすべての働きと手のわざを祝福してくださる。
11貧しい者が国のうちから絶えることはないであろうから、私はあなたに命じて言う。「国のうちにいるあなたの兄弟の悩んでいる者と貧しい者に、必ずあなたの手を開かなければならない。」
12 もし、あなたの同胞、ヘブル人の男あるいは女が、あなたのところに売られてきて六年間あなたに仕えたなら、七年目にはあなたは彼を自由の身にしてやらなければならない。
13 彼を自由の身にしてやるときは、何も持たせずに去らせてはならない。
14 必ず、あなたの羊の群れと打ち場と酒ぶねのうちから取って、彼にあてがってやらなければならない。あなたの神、主があなたに祝福として与えられたものを、彼に与えなければならない。
15 あなたは、エジプトの地で奴隷であったあなたを、あなたの神、主が贖い出されたことを覚えていなさい。それゆえ、私は、きょう、この戒めをあなたに命じる。
16 その者が、あなたとあなたの家族を愛し、あなたのもとにいてしあわせなので、「あなたのところから出て行きたくありません」と言うなら、
17 あなたは、きりを取って、彼の耳を戸に刺し通しなさい。彼はいつまでもあなたの奴隷となる。女奴隷にも同じようにしなければならない。
18 彼を自由の身にしてやるときには、きびしくしてはならない。彼は六年間、雇い人の賃金の二倍分あなたに仕えたからである。あなたの神、主は、あなたのなすすべてのことにおいて、あなたを祝福してくださる。
19 あなたの牛の群れや羊の群れに生まれた雄の初子はみな、あなたの神、主にささげなければならない。牛の初子を使って働いてはならない。羊の初子の毛を刈ってはならない。
20主が選ぶ場所で、あなたは家族とともに、毎年、あなたの神、主の前で、それを食べなければならない。
21 もし、それに欠陥があれば、足がなえたり盲目であったり、何でもひどい欠陥があれば、あなたの神、主にそれをいけにえとしてささげてはならない。
22 あなたの町囲みのうちでそれを食べなければならない。汚れた人もきよい人も、かもしかや、鹿と同じように、それを食べることができる。
23 ただし、その血を食べてはならない。それを地面に水のように注ぎ出さなければならない。
1 アビブの月を守り、あなたの神、主に過越のいけにえをささげなさい。アビブの月に、あなたの神、主が、夜のうちに、エジプトからあなたを連れ出されたからである。
2主が御名を住まわせるために選ぶ場所で、羊と牛を過越のいけにえとしてあなたの神、主にささげなさい。
3 それといっしょに、パン種を入れたものを食べてはならない。七日間は、それといっしょに種を入れないパン、悩みのパンを食べなければならない。あなたが急いでエジプトの国を出たからである。それは、あなたがエジプトの国から出た日を、あなたの一生の間、覚えているためである。
4 七日間は、パン種があなたの領土のどこにも見あたらないようにしなければならない。また、第一日目の夕方にいけにえとしてほふったその肉を、朝まで残してはならない。
5 あなたの神、主があなたに与えようとしておられるあなたの町囲みのどれでも、その中で過越のいけにえをほふることはできない。
6 ただ、あなたの神、主が御名を住まわせるために選ぶその場所で、夕方、日の沈むころ、あなたがエジプトから出た時刻に、過越のいけにえをほふらなければならない。
7 そして、あなたの神、主が選ぶその場所で、それを調理して食べなさい。そして朝、自分の天幕に戻って行きなさい。
8 六日間、種を入れないパンを食べなければならない。七日目は、あなたの神、主へのきよめの集会である。どんな仕事もしてはならない。
9 七週間を数えなければならない。かまを立穂に入れ始める時から、七週間を数え始めなければならない。
10 あなたの神、主のために七週の祭りを行い、あなたの神、主が賜る祝福に応じ、進んでささげるささげ物をあなたの手でささげなさい。
11 あなたは、あなたの息子、娘、男女の奴隷、あなたの町囲みのうちにいるレビ人、19あなたがたのうちの在留異国人、みなしご、やもめとともに、あなたの神、主の前で、あなたの神、主が御名を住まわせるために選ぶ場所で、喜びなさい。
12 あなたがエジプトで奴隷であったことを覚え、これらのおきてを守り行いなさい。
13 あなたの打ち場とあなたの酒ぶねから、取り入れが済んだとき、七日間、仮庵の祭りをしなければならない。
14 この祭りのときには、あなたも、あなたの息子、娘、男女の奴隷、あなたの町囲みのうちにいるレビ人、在留異国人、みなしご、やもめも共に喜びなさい。
15 あなたの神、主のために、主が選ぶ場所で、七日間、祭りをしなければならない。あなたの神、主が、あなたのすべての収穫、あなたの手のすべてのわざを祝福されるからである。あなたは大いに喜びなさい。
16 あなたのうちの男子はみな、年に三度、種を入れないパンの祭り、七週の祭り、仮庵の祭りのときに、あなたの神、主の選ぶ場所で、御前に出なければならない。主の前には、何も持たずに出てはならない。
17 あなたの神、主が賜った祝福に応じて、それぞれ自分のささげ物を持って出なければならない。
18 あなたの神、主があなたに与えようとしておられるあなたのすべての町囲みのうちに、あなたの部族ごとに、さばきつかさと、つかさたちを任命しなければならない。彼らは正しいさばきをもって民をさばかなければならない。
19 あなたはさばきを曲げてはならない。人をかたよって見てはならない。わいろを取ってはならない。わいろは知恵のある人を盲目にし、正しい人の言い分をゆがめるからである。
20正義を、ただ正義を追い求めなければならない。そうすれば、あなたは生き、あなたの神、主が与えようとしておられる地を、自分の所有とすることができる。
21 あなたが築く、あなたの神、主の祭壇のそばに、どんな木のアシェラ像をも立ててはならない。
22 あなたは、あなたの神、主の憎む石の柱を立ててはならない。
1悪性の欠陥のある牛や羊を、あなたの神、主にいけにえとしてささげてはならない。それは、あなたの神、主の忌みきらわれるものだからである。
2 あなたの神、主があなたに与えようとしておられる町囲みのどれでも、その中で、男であれ、女であれ、あなたの神、主の目の前に悪を行い、主の契約を破り、
3 行ってほかの神々に仕え、また、日や月や天の万象など、私が命じもしなかったものを拝む者があり、
4 それがあなたに告げられて、あなたが聞いたなら、あなたはよく調査しなさい。もし、そのことが事実で、確かであり、この忌みきらうべきことがイスラエルのうちに行われたのなら、
5 あなたは、この悪事を行った男または女を20町の広場に連れ出し、男でも女でも、彼らを石で打ちなさい。彼らは死ななければならない。
6 ふたりの証人または三人の証人の証言によって、死刑に処さなければならない。ひとりの証言で死刑にしてはならない。
7死刑に処するには、まず証人たちが手を下し、ついで、民がみな、手を下さなければならない。こうして21あなたがたのうちから悪を除き去りなさい。
8 もし、町囲みのうちで争い事が起こり、それが流血事件、権利の訴訟、暴力事件で、あなたのさばきかねるものであれば、ただちに、あなたの神、主の選ぶ場所に上り、
9 レビ人の祭司たち、あるいは、その時に立てられているさばきつかさのもとに行き、尋ねなさい。彼らは、あなたに判決のことばを告げよう。
10 あなたは、主が選ぶその場所で、彼らが告げる判決によって行い、すべて彼らがあなたに教えることを守り行いなさい。
11 彼らが教えるおしえによって、彼らが述べるさばきによって行わなければならない。彼らが告げる判決から右にも左にもそれてはならない。
12 もし人が、あなたの神、主に仕えてそこに立つ祭司やさばきつかさに聞き従わず、不遜なふるまいをするなら、その者は死ななければならない。あなたがイスラエルのうちから悪を除き去るなら、
13民はみな、聞いて恐れ、不遜なふるまいをすることはもうないであろう。
14 あなたの神、主があなたに与えようとしておられる地に入って行って、それを占領し、そこに住むようになったとき、あなたが、「回りのすべての国々と同じく、私も自分の上に王を立てたい」と言うなら、
15 あなたの神、主の選ぶ者を、必ず、あなたの上に王として立てなければならない。あなたの同胞の中から、あなたの上に王を立てなければならない。同胞でない外国の人を、あなたの上に立てることはできない。
16 王は、自分のために決して馬を多くふやしてはならない。馬をふやすためだといって民をエジプトに帰らせてはならない。「二度とこの道を帰ってはならない」と主はあなたがたに言われた。
17 多くの妻を持ってはならない。心をそらせてはならない。自分のために金銀を非常に多くふやしてはならない。
18 彼がその王国の王座に着くようになったなら、レビ人の祭司たちの前のものから、自分のために、このみおしえを書き写して、
19 自分の手もとに置き、一生の間、これを読まなければならない。それは、彼の神、主を恐れ、このみおしえのすべてのことばとこれらのおきてとを守り行うことを学ぶためである。
20 それは、王の心が自分の同胞の上に高ぶることがないため、また命令から、右にも左にもそれることがなく、彼とその子孫とがイスラエルのうちで、長くその王国を治めることができるためである。
1 レビ人の祭司たち、レビ部族全部は、イスラエルといっしょに、相続地の割り当てを受けてはならない。彼らは主への火によるささげ物を、自分への割り当て分として、食べていかなければならない。
2 彼らは、その兄弟たちの部族の中で相続地を持ってはならない。主が約束されたとおり、主ご自身が、彼らの相続地である。
3祭司たちが民から、牛でも羊でも、いけにえをささげる者から、受けるべきものは次のとおりである。その人は、肩と両方の頰と胃とを祭司に与える。
4 あなたの穀物や、新しいぶどう酒や、油などの初物、羊の毛の初物も彼に与えなければならない。
5 彼とその子孫が、いつまでも、主の御名によって奉仕に立つために、あなたの神、主が、あなたの全部族の中から、彼を選ばれたのである。
6 もし、ひとりのレビ人が、自分の住んでいたイスラエルのうちのどの町囲みのうちからでも出て、主の選ぶ場所に行きたいなら、望むままに行くことができる。
7 彼は、その所で主の前に仕えている自分の同族レビ人と全く同じように、彼の神、主の御名によって奉仕することができる。
8 彼の分け前は、相続財産を売った分は別として、彼らが食べる分け前と同じである。
9 あなたの神、主があなたに与えようとしておられる地に入ったとき、あなたはその異邦の民の忌みきらうべきならわしをまねてはならない。
10 あなたのうちに自分の息子、娘に火の中を通らせる者があってはならない。占いをする者、卜者、まじない師、呪術者、
11呪文を唱える者、霊媒をする者、口寄せ、死人に伺いを立てる者があってはならない。
12 これらのことを行う者はみな、主が忌みきらわれるからである。これらの忌みきらうべきことのために、あなたの神、主は、あなたの前から、彼らを追い払われる。
13 あなたは、あなたの神、主に対して全き者でなければならない。
14 あなたが占領しようとしているこれらの異邦の民は、卜者や占い師に聞き従ってきたのは確かである。しかし、あなたには、あなたの神、主は、そうすることを許されない。
15 あなたの神、主は、あなたのうちから、あなたの同胞の中から、私のようなひとりの預言者をあなたのために起こされる。彼に聞き従わなければならない。
16 これはあなたが、ホレブであの集まりの日に、あなたの神、主に求めたそのことによるものである。あなたは、「私の神、主の声を二度と聞きたくありません。またこの大きな火をもう見たくありません。私は死にたくありません」と言った。
17 それで主は私に言われた。「彼らの言ったことはもっともだ。
18 わたしは彼らの同胞のうちから、彼らのためにあなたのようなひとりの預言者を起こそう。わたしは彼の口にわたしのことばを授けよう。彼は、わたしが命じることをみな、彼らに告げる。
19 わたしの名によって彼が告げるわたしのことばに聞き従わない者があれば、わたしが彼に責任を問う。
20 ただし、わたしが告げよと命じていないことを、不遜にもわたしの名によって告げたり、あるいは、ほかの神々の名によって告げたりする預言者があるなら、その預言者は死ななければならない。」
21 あなたが心の中で、「私たちは、主が言われたのでないことばを、どうして見分けることができようか」と言うような場合は、
22預言者が主の名によって語っても、そのことが起こらず、実現しないなら、それは主が語られたことばではない。その預言者が不遜にもそれを語ったのである。彼を恐れてはならない。
1 あなたの神、主が、あなたに与えようとしておられる地の国々を、あなたの神、主が断ち滅ぼし、あなたがそれらを占領し、それらの町々や家々に住むようになったときに、
2 あなたの神、主があなたに与えて所有させようとしておられるその地に、三つの町を取り分けなければならない。
3 あなたは距離を測定し、あなたの神、主があなたに受け継がせる地域を三つに区分しなければならない。殺人者はだれでも、そこにのがれることができる。
4 殺人者がそこにのがれて生きることができる場合は次のとおり。知らずに隣人を殺し、以前からその人を憎んでいなかった場合である。
5 たとえば、木を切るため隣人といっしょに森に入り、木を切るために斧を手にして振り上げたところ、その頭が柄から抜け、それが隣人に当たってその人が死んだ場合、その者はこれらの町の一つにのがれて生きることができる。
6 血の復讐をする者が、憤りの心に燃え、その殺人者を追いかけ、道が遠いために、その人に追いついて、打ち殺すようなことがあってはならない。その人は、以前から相手を憎んでいたのではないから、死刑に当たらない。
7 だから私はあなたに命じて、「三つの町を取り分けよ」と言ったのである。
8 あなたの神、主が、あなたの先祖たちに誓われたとおり、あなたの領土を広げ、先祖たちに与えると約束された地を、ことごとくあなたに与えられたなら、
9 ──私が、きょう、あなたに命じるこのすべての命令をあなたが守り行い、あなたの神、主を愛し、いつまでもその道を歩むなら──そのとき、この三つの町に、さらに三つの町を追加しなさい。
10 あなたの神、主が相続地としてあなたに与えようとしておられる地で、罪のない者の血が流されることがなく、また、あなたが血の罪を負うことがないためである。
11 しかし、もし人が自分の隣人を憎み、待ち伏せして襲いかかり、彼を打って、死なせ、これらの町の一つにのがれるようなことがあれば、
12 彼の町の長老たちは、人をやって彼をそこから引き出し、血の復讐をする者の手に渡さなければならない。彼は死ななければならない。
13 彼をあわれんではならない。罪のない者の血を流す罪は、イスラエルから除き去りなさい。それはあなたのためになる。
14 あなたの神、主があなたに与えて所有させようとしておられる地のうち、あなたの受け継ぐ相続地で、あなたは、先代の人々の定めた隣人との地境を移してはならない。
15 どんな咎でも、どんな罪でも、すべて人が犯した罪は、ひとりの証人によっては立証されない。ふたりの証人の証言、または三人の証人の証言によって、そのことは立証されなければならない。
16 もし、ある人に不正な証言をするために悪意のある証人が立ったときには、
17 相争うこの二組の者は、主の前に、その時の祭司たちとさばきつかさたちの前に立たなければならない。
18 さばきつかさたちはよく調べたうえで、その証人が偽りの証人であり、自分の同胞に対して偽りの証言をしていたのであれば、
19 あなたがたは、彼がその同胞にしようとたくらんでいたとおりに、彼になし、22あなたがたのうちから悪を除き去りなさい。
20 ほかの人々も聞いて恐れ、このような悪を、23あなたがたのうちで再び行わないであろう。
21 あわれみをかけてはならない。いのちにはいのち、目には目、歯には歯、手には手、足には足。
1 あなたが敵と戦うために出て行くとき、馬や戦車や、あなたよりも多い軍勢を見ても、彼らを恐れてはならない。あなたをエジプトの地から導き上られたあなたの神、主が、あなたとともにおられる。
2 あなたがたが戦いに臨む場合は、祭司は進み出て民に告げ、
3 彼らに言いなさい。「聞け。イスラエルよ。あなたがたは、きょう、敵と戦おうとしている。弱気になってはならない。恐れてはならない。うろたえてはならない。彼らのことでおじけてはならない。
4 共に行って、あなたがたのために、あなたがたの敵と戦い、24勝利を得させてくださるのは、あなたがたの神、主である。」
5 つかさたちは、民に告げて言いなさい。「新しい家を建てて、まだそれを奉献しなかった者はいないか。その者は家へ帰らなければならない。彼が戦死して、ほかの者がそれを奉献するといけないから。
6 ぶどう畑を作って、そこからまだ収穫していない者はいないか。その者は家へ帰らなければならない。彼が戦死して、ほかの者が収穫するといけないから。
7 女と婚約して、まだその女と結婚していない者はいないか。その者は家へ帰らなければならない。彼が戦死して、ほかの者が彼女と結婚するといけないから。」
8 つかさたちは、さらに民に告げて言わなければならない。「恐れて弱気になっている者はいないか。その者は家に帰れ。戦友たちの心が、彼の心のようにくじけるといけないから。」
9 つかさたちが民に告げ終わったら、将軍たちが民の指揮をとりなさい。
10 町を攻略しようと、あなたがその町に近づいたときには、まず降伏を勧めなさい。
11降伏に同意して門を開くなら、その中にいる民は、みな、あなたのために、25苦役に服して働かなければならない。
12 もし、あなたに降伏せず、戦おうとするなら、これを包囲しなさい。
13 あなたの神、主が、それをあなたの手に渡されたなら、その町の男をみな、剣の刃で打ちなさい。
14 しかし女、子ども、家畜、また町の中にあるすべてのもの、そのすべての略奪物を、戦利品として取ってよい。あなたの神、主があなたに与えられた敵からの略奪物を、あなたは利用することができる。
15非常に遠く離れていて、次に示す国々の町でない町々に対しては、すべてこのようにしなければならない。
16 しかし、あなたの神、主が相続地として与えようとしておられる次の国々の民の町では、息のある者をひとりも生かしておいてはならない。
17 すなわち、ヘテ人、エモリ人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人は、あなたの神、主が命じられたとおり、必ず聖絶しなければならない。
18 それは、彼らが、その神々に行っていたすべての忌みきらうべきことをするようにあなたがたに教え、あなたがたが、あなたがたの神、主に対して罪を犯すことのないためである。
19長い間、町を包囲して、これを攻め取ろうとするとき、斧をふるって、そこの木を切り倒してはならない。その木から取って食べるのはよいが、切り倒してはならない。まさか野の木が包囲から逃げ出す人間でもあるまい。
20 ただ、実を結ばないとわかっている木だけは、切り倒してもよい。それを切り倒して、あなたと戦っている町が陥落するまでその町に対して、それでとりでを築いてもよい。
1 あなたの神、主があなたに与えて所有させようとしておられる地で、刺し殺されて野に倒れている人が見つかり、だれが殺したのかわからないときは、
2 あなたの長老たちとさばきつかさたちは出て行って、刺し殺された者の回りの町々への距離を測りなさい。
3 そして、刺し殺された者に最も近い町がわかれば、その町の長老たちは、まだ使役されず、まだくびきを負って引いたことのない群れのうちの雌の子牛を取り、
4 その町の長老たちは、その雌の子牛を、まだ耕されたことも種を蒔かれたこともない、いつも水の流れている谷へ連れて下り、その谷で雌の子牛の首を折りなさい。
5 そこでレビ族の祭司たちが進み出なさい。彼らは、あなたの神、主が、ご自身に仕えさせ、また主の御名によって祝福を宣言するために選ばれた者であり、どんな争いも、どんな暴行事件も、彼らの判決によるからである。
6刺し殺された者に最も近い、その町の長老たちはみな、谷で首を折られた雌の子牛の上で手を洗い、
7証言して言いなさい。「私たちの手は、この血を流さず、私たちの目はそれを見なかった。
8主よ。あなたが贖い出された御民イスラエルをお赦しください。罪のない者の血を流す罪を、御民イスラエルのうちに負わせないでください。」彼らは血の罪を赦される。
9 あなたは、罪のない者の血を流す罪を26あなたがたのうちから除き去らなければならない。主が正しいと見られることをあなたは行わなければならないからである。
10 あなたが敵との戦いに出て、あなたの神、主が、その敵をあなたの手に渡し、あなたがそれを捕虜として捕らえて行くとき、
11 その捕虜の中に、姿の美しい女性を見、その女を恋い慕い、妻にめとろうとするなら、
12 その女をあなたの家に連れて行きなさい。女は髪をそり、爪を切り、
13捕虜の着物を脱ぎ、あなたの家にいて、自分の父と母のため、一か月の間、泣き悲しまなければならない。その後、あなたは彼女のところに入り、彼女の夫となることができる。彼女はあなたの妻となる。
14 もしあなたが彼女を好まなくなったなら、彼女を自由の身にしなさい。決して金で売ってはならない。あなたは、すでに彼女を27意のままにしたのであるから、彼女を奴隷として扱ってはならない。
15 ある人がふたりの妻を持ち、ひとりは愛され、ひとりはきらわれており、愛されている者も、きらわれている者も、その人に男の子を産み、長子はきらわれている妻の子である場合、
16 その人が自分の息子たちに財産を譲る日に、長子である、そのきらわれている者の子をさしおいて、愛されている者の子を長子として扱うことはできない。
17 きらわれている妻の子を長子として認め、自分の全財産の中から、二倍の分け前を彼に与えなければならない。彼は、その人の力の初めであるから、長子の権利は、彼のものである。
18 かたくなで、逆らう子がおり、父の言うことも、母の言うことも聞かず、父母に懲らしめられても、父母に従わないときは、
19 その父と母は、彼を捕らえ、町の門にいる町の長老たちのところへその子を連れて行き、
20 町の長老たちに、「私たちのこの息子は、かたくなで、逆らいます。私たちの言うことを聞きません。放蕩して、大酒飲みです」と言いなさい。
21 町の人はみな、彼を石で打ちなさい。彼は死ななければならない。28あなたがたのうちから悪を除き去りなさい。イスラエルがみな、聞いて恐れるために。
22 もし、人が死刑に当たる罪を犯して殺され、あなたがこれを木につるすときは、
23 その死体を次の日まで木に残しておいてはならない。その日のうちに必ず埋葬しなければならない。木につるされた者は、神にのろわれた者だからである。あなたの神、主が相続地としてあなたに与えようとしておられる地を汚してはならない。
1 あなたの同族の者の牛または羊が迷っているのを見て、知らぬふりをしていてはならない。あなたの同族の者のところへそれを必ず連れ戻さなければならない。
2 もし同族の者が近くの者でなく、あなたはその人を知らないなら、それを自分の家に連れて来て、同族の者が捜している間、あなたのところに置いて、それを彼に返しなさい。
3 彼のろばについても同じようにしなければならない。彼の着物についても同じようにしなければならない。すべてあなたの同族の者がなくしたものを、あなたが見つけたなら、同じようにしなければならない。知らぬふりをしていることはできない。
4 あなたの同族の者のろば、または牛が道で倒れているのを見て、知らぬふりをしていてはならない。必ず、その者を助けて、それを起こさなければならない。
5 女は男の衣装を身に着けてはならない。また男は女の着物を着てはならない。すべてこのようなことをする者を、あなたの神、主は忌みきらわれる。
6 たまたまあなたが道で、木の上、または地面に鳥の巣を見つけ、それにひなか卵が入っていて、母鳥がひなまたは卵を抱いているなら、その母鳥を子といっしょに取ってはならない。
7 必ず母鳥を去らせて、子を取らなければならない。それは、あなたがしあわせになり、長く生きるためである。
8 新しい家を建てるときは、屋上に手すりをつけなさい。万一、だれかがそこから落ちても、あなたの家は血の罪を負うことがないために。
9 ぶどう畑に二種類の種を蒔いてはならない。あなたが蒔いた種、ぶどう畑の収穫が、みな汚れたものとならないために。
10 牛とろばとを組にして耕してはならない。
11 羊毛と亜麻糸とを混ぜて織った着物を着てはならない。
12 身にまとう着物の四隅に、ふさを作らなければならない。
13 もし、人が妻をめとり、彼女のところに入り、彼女をきらい、
14 口実を構え、悪口を言いふらし、「私はこの女をめとって、近づいたが、処女のしるしを見なかった」と言う場合、
15 その女の父と母は、その女の処女のしるしを取り、門のところにいる町の長老たちのもとにそれを持って行きなさい。
16 その女の父は長老たちに、「私は娘をこの人に、妻として与えましたが、この人は娘をきらいました。
17 ご覧ください。彼は口実を構えて、『あなたの娘に処女のしるしを見なかった』と言いました。しかし、これが私の娘の処女のしるしです」と言い、町の長老たちの前にその着物をひろげなさい。
18 その町の長老たちは、この男を捕らえて、むち打ちにし、
19 銀百シェケルの罰金を科し、これをその女の父に与えなければならない。彼がイスラエルのひとりの処女の悪口を言いふらしたからである。彼女はその男の妻としてとどまり、その男は一生、その女を離縁することはできない。
20 しかし、もしこのことが真実であり、その女の処女のしるしが見つからない場合は、
21 その女を父の家の入口のところに連れ出し、その女の町の人々は石で彼女を打たなければならない。彼女は死ななければならない。その女は父の家で淫行をして、イスラエルの中で恥辱になる事をしたからである。29あなたがたのうちから悪を除き去りなさい。
22 夫のある女と寝ている男が見つかった場合は、その女と寝ていた男もその女も、ふたりとも死ななければならない。あなたはイスラエルのうちから悪を除き去りなさい。
23 ある人と婚約中の処女の女がおり、他の男が町で彼女を見かけて、これといっしょに寝た場合は、
24 あなたがたは、そのふたりをその町の門のところに連れ出し、石で彼らを打たなければならない。彼らは死ななければならない。これはその女が町の中におりながら叫ばなかったからであり、その男は隣人の妻をはずかしめたからである。30あなたがたのうちから悪を除き去りなさい。
25 もし男が、野で、婚約中の女を見かけ、その女をつかまえて、これといっしょに寝た場合は、女と寝たその男だけが死ななければならない。
26 その女には何もしてはならない。その女には死刑に当たる罪はない。この場合は、ある人が隣人に襲いかかりいのちを奪ったのと同じである。
27 この男が野で彼女を見かけ、婚約中のその女が叫んだが、救う者がいなかったからである。
28 もしある男が、まだ婚約していない処女の女を見かけ、捕らえてこれといっしょに寝て、ふたりが見つけられた場合、
29 女と寝たその男は、この女の父に銀五十シェケルを渡さなければならない。彼女は彼の妻となる。彼は彼女をはずかしめたのであるから、彼は一生、この女を離縁することはできない。
30 だれも自分の父の妻をめとり、31自分の父の恥をさらしてはならない。
1 こうがんのつぶれた者、陰茎を切り取られた者は、主の集会に加わってはならない。
2不倫の子は主の集会に加わってはならない。その十代目の子孫さえ、主の集会に加わることはできない。
3 アモン人とモアブ人は主の集会に加わってはならない。その十代目の子孫さえ、決して、主の集会に、入ることはできない。
4 これは、あなたがたがエジプトから出て来た道中で、彼らがパンと水とをもってあなたがたを迎えず、あなたをのろうために、アラム・ナハライムのペトルからベオルの子バラムを雇ったからである。
5 しかし、あなたの神、主はバラムに耳を貸そうとはせず、かえってあなたの神、主は、あなたのために、のろいを祝福に変えられた。あなたの神、主は、あなたを愛しておられるからである。
6 あなたは一生、彼らのために決して平安も、しあわせも求めてはならない。
7 エドム人を忌みきらってはならない。あなたの親類だからである。エジプト人を忌みきらってはならない。あなたはその国で、在留異国人であったからである。
8 彼らに生まれた子どもたちは、三代目には、主の集会に入ることができる。
9 あなたが敵に対して出陣しているときには、すべての汚れたことから身を守らなければならない。
10 もし、あなたのうちに、夜、精を漏らして、身を汚した者があれば、その者は陣営の外に出なければならない。陣営の中に入って来てはならない。
11夕暮れ近くになったら、水を浴び、日没後、陣営の中に戻ることができる。
12 また、陣営の外に一つの場所を設け、そこへ出て行って用をたすようにしなければならない。
13武器とともに小さなくわを持ち、外でかがむときは、それで穴を掘り、用をたしてから、排泄物をおおわなければならない。
14 あなたの神、主が、あなたを救い出し、敵をあなたに渡すために、あなたの陣営の中を歩まれるからである。あなたの陣営はきよい。主が、あなたの中で、醜いものを見て、あなたから離れ去ることのないようにしなければならない。
15 主人のもとからあなたのところに逃げて来た奴隷を、その主人に引き渡してはならない。
1632あなたがたのうちに、あなたの町囲みのうちのどこでも彼の好むままに選んだ場所に、あなたとともに住まわせなければならない。彼をしいたげてはならない。
17 イスラエルの女子は神殿娼婦になってはならない。イスラエルの男子は神殿男娼になってはならない。
18 どんな誓願のためでも、遊女のもうけや犬のかせぎをあなたの神、主の家に持って行ってはならない。これはどちらも、あなたの神、主の忌みきらわれるものである。
19金銭の利息であれ、食物の利息であれ、すべて利息をつけて貸すことのできるものの利息を、あなたの同胞から取ってはならない。
20 外国人から利息を取ってもよいが、あなたの同胞からは利息を取ってはならない。それは、あなたが、入って行って、所有しようとしている地で、あなたの神、主が、あなたの手のわざのすべてを祝福されるためである。
21 あなたの神、主に誓願をするとき、それを遅れずに果たさなければならない。あなたの神、主は、必ずあなたにそれを求め、あなたの罪とされるからである。
22 もし誓願をやめるなら、罪にはならない。
23 あなたのくちびるから出たことを守り、あなたの口で約束して、自分から進んであなたの神、主に誓願したとおりに行わなければならない。
24隣人のぶどう畑に入ったとき、あなたは思う存分、満ち足りるまでぶどうを食べてもよいが、あなたのかごに入れてはならない。
25隣人の麦畑の中に入ったとき、あなたは穂を手で摘んでもよい。しかし、隣人の麦畑でかまを使ってはならない。
1 人が妻をめとり夫となり、妻に何か恥ずべき事を発見したため、気に入らなくなり、離婚状を書いてその女の手に渡し、彼女を家から去らせ、
2 彼女が家を出、行って、ほかの人の妻となり、
3 次の夫が彼女をきらい、離婚状を書いてその女の手に渡し、彼女を家から去らせた場合、あるいはまた、彼女を妻としてめとったあとの夫が死んだ場合、
4 彼女を出した最初の夫は、その女を再び自分の妻としてめとることはできない。彼女は汚されているからである。これは、主の前に忌みきらうべきことである。あなたの神、主が相続地としてあなたに与えようとしておられる地に、罪をもたらしてはならない。
5 人が新妻をめとったときは、その者をいくさに出してはならない。これに何の義務をも負わせてはならない。彼は一年の間、自分の家のために自由の身になって、めとった妻を喜ばせなければならない。
6 ひき臼、あるいは、その上石を質に取ってはならない。いのちそのものを質に取ることになるからである。
7 あなたの同族イスラエル人のうちのひとりをさらって行き、これを奴隷として扱い、あるいは売りとばす者が見つかったなら、その人さらいは死ななければならない。33あなたがたのうちからこの悪を除き去りなさい。
8 ツァラアトの患部には気をつけて、すべてレビ人の祭司が教えるとおりによく守り行わなければならない。私が彼らに命じたとおりに、それを守り行わなければならない。
9 あなたがたがエジプトから出て来たとき、その道中で、あなたの神、主がミリヤムにされたことを思い出しなさい。
10隣人に何かを貸すときに、担保を取るため、その家に入ってはならない。
11 あなたは外に立っていなければならない。あなたが貸そうとするその人が、外にいるあなたのところに、担保を持って出て来なければならない。
12 もしその人が貧しい人である場合は、その担保を取ったままで寝てはならない。
13日没のころには、その担保を必ず返さなければならない。彼は、自分の着物を着て寝るなら、あなたを祝福するであろう。また、それはあなたの神、主の前に、あなたの義となる。
14貧しく困窮している雇い人は、あなたの同胞でも、あなたの地で、あなたの町囲みのうちにいる在留異国人でも、しいたげてはならない。
15 彼は貧しく、それに期待をかけているから、彼の賃金は、その日のうちに、日没前に、支払わなければならない。彼があなたのことを主に訴え、あなたがとがめを受けることがないように。
16 父親が子どものために殺されてはならない。子どもが父親のために殺されてはならない。人が殺されるのは、自分の罪のためでなければならない。
17在留異国人や、みなしごの権利を侵してはならない。やもめの着物を質に取ってはならない。
18 思い起こしなさい。あなたがエジプトで奴隷であったことを。そしてあなたの神、主が、そこからあなたを贖い出されたことを。だから、私はあなたにこのことをせよと命じる。
19 あなたが畑で穀物の刈り入れをして、束の一つを畑に置き忘れたときは、それを取りに戻ってはならない。それは、在留異国人や、みなしご、やもめのものとしなければならない。あなたの神、主が、あなたのすべての手のわざを祝福してくださるためである。
20 あなたがオリーブの実を打ち落とすときは、後になってまた枝を打ってはならない。それは、在留異国人や、みなしご、やもめのものとしなければならない。
21 ぶどう畑のぶどうを収穫するときは、後になってまたそれを摘み取ってはならない。それは、在留異国人や、みなしご、やもめのものとしなければならない。
22 あなたは、自分がエジプトの地で奴隷であったことを思い出しなさい。だから、私はあなたにこのことをせよと命じる。
1 人と人との間で争いがあり、彼らが裁判に出頭し、正しいほうを正しいとし、悪いほうを悪いとする判決が下されるとき、
2 もし、その悪い者が、むち打ちにすべき者なら、さばきつかさは彼を伏させ、自分の前で、その罪に応じて数を数え、むち打ちにしなければならない。
3 四十までは彼をむち打ってよいが、それ以上はいけない。それ以上多くむち打たれて、あなたの兄弟が、あなたの目の前で卑しめられないためである。
4脱穀をしている牛にくつこを掛けてはならない。
5 兄弟がいっしょに住んでいて、そのうちのひとりが死に、彼に子がない場合、死んだ者の妻は、家族以外のよそ者にとついではならない。その夫の兄弟がその女のところに、入り、これをめとって妻とし、夫の兄弟としての義務を果たさなければならない。
6 そして彼女が産む初めの男の子に、死んだ兄弟の名を継がせ、その名がイスラエルから消し去られないようにしなければならない。
7 しかし、もしその人が兄弟の、やもめになった妻をめとりたくない場合は、その兄弟のやもめになった妻は、町の門の長老たちのところに行って言わなければならない。「私の夫の兄弟は、自分の兄弟のためにその名をイスラエルのうちに残そうとはせず、夫の兄弟としての義務を私に果たそうとしません。」
8 町の長老たちは彼を呼び寄せ、彼に告げなさい。もし、彼が、「私は彼女をめとりたくない」と言い張るなら、
9 その兄弟のやもめになった妻は、長老たちの目の前で、彼に近寄り、彼の足からくつを脱がせ、彼の顔につばきして、彼に答えて言わなければならない。「兄弟の家を立てない男は、このようにされる。」
10 彼の名は、イスラエルの中で、「くつを脱がされた者の家」と呼ばれる。
11 ふたりの者が互いに相争っているとき、一方の者の妻が近づき、自分の夫を、打つ者の手から救おうとして、その手を伸ばし、相手の隠しどころをつかんだ場合は、
12 その女の手を切り落としなさい。容赦してはならない。
13 あなたは袋に大小異なる重り石を持っていてはならない。
14 あなたは家に大小異なる34枡を持っていてはならない。
15 あなたは完全に正しい重り石を持ち、完全に正しい35枡を持っていなければならない。あなたの神、主があなたに与えようとしておられる地で、あなたが長く生きるためである。
16 すべてこのようなことをなし、不正をする者を、あなたの神、主は忌みきらわれる。
17 あなたがたがエジプトから出て、その道中で、アマレクがあなたにした事を忘れないこと。
18 彼は、神を恐れることなく、道であなたを襲い、あなたが疲れて弱っているときに、あなたのうしろの落後者をみな、切り倒したのである。
19 あなたの神、主が相続地としてあなたに与えて所有させようとしておられる地で、あなたの神、主が、周囲のすべての敵からあなたを解放して、休息を与えられるようになったときには、あなたはアマレクの記憶を天の下から消し去らなければならない。これを忘れてはならない。
1 あなたの神、主が相続地としてあなたに与えようとしておられる地に入って行き、それを占領し、そこに住むようになったときは、
2 あなたの神、主が与えようとしておられる地から収穫するその地のすべての産物の初物をいくらか取って、かごに入れ、あなたの神、主が御名を住まわせるために選ぶ場所へ行かなければならない。
3 そのとき、任務についている祭司のもとに行って、「私は、主が私たちに与えると先祖たちに誓われた地に入りました。きょう、あなたの神、主に報告いたします」と言いなさい。
4祭司は、あなたの手からそのかごを受け取り、あなたの神、主の祭壇の前に供えなさい。
5 あなたは、あなたの神、主の前で、次のように唱えなさい。「私の父は、さすらいのアラム人でしたが、わずかな人数を連れてエジプトに下り、そこに寄留しました。しかし、そこで、大きくて強い、人数の多い国民になりました。
6 エジプト人は、私たちを虐待し、苦しめ、私たちに過酷な労働を課しました。
7 私たちが、私たちの父祖の神、主に叫びますと、主は私たちの声を聞き、私たちの窮状と労苦と圧迫をご覧になりました。
8 そこで、主は力強い御手と、伸べられた腕と、恐ろしい力と、しるしと、不思議とをもって、私たちをエジプトから連れ出し、
9 この所に導き入れ、乳と蜜の流れる地、この地を私たちに下さいました。
10 今、ここに私は、主、あなたが私に与えられた地の産物の初物を持ってまいりました。」あなたは、あなたの神、主の前にそれを供え、あなたの神、主の前に礼拝しなければならない。
11 あなたの神、主が、あなたとあなたの家とに与えられたすべての恵みを、あなたは、レビ人および36あなたがたのうちの在留異国人とともに喜びなさい。
12 第三年目の十分の一を納める年に、あなたの収穫の十分の一を全部納め終わり、これをレビ人、在留異国人、みなしご、やもめに与えて、彼らがあなたの町囲みのうちで食べて満ち足りたとき、
13 あなたは、あなたの神、主の前で言わなければならない。「私は聖なるささげ物を、家から取り出し、あなたが私に下された命令のとおり、それをレビ人、在留異国人、みなしご、やもめに与えました。私はあなたの命令にそむかず、また忘れもしませんでした。
14 私は喪のときに、それを食べず、また汚れているときに、そのいくらかをも取り出しませんでした。またそのいくらかでも死人に供えたこともありません。私は、私の神、主の御声に聞き従い、すべてあなたが私に命じられたとおりにいたしました。
15 あなたの聖なる住まいの天から見おろして、御民イスラエルとこの地を祝福してください。これは、私たちの先祖に誓われたとおり私たちに下さった地、乳と蜜の流れる地です。」
16 あなたの神、主は、きょう、これらのおきてと定めとを行うように、あなたに命じておられる。あなたは心を尽くし、精神を尽くして、それを守り行おうとしている。
17 きょう、あなたは、主が、あなたの神であり、あなたは、主の道に歩み、主のおきてと、命令と、定めとを守り、御声に聞き従うと断言した。
18 きょう、主は、こう明言された。あなたに約束したとおり、あなたは主の宝の民であり、あなたが主のすべての命令を守るなら、
19 主は、賛美と名声と栄光とを与えて、あなたを主が造られたすべての国々の上に高くあげる。そして、約束のとおり、あなたは、あなたの神、主の聖なる民となる。
1 ついでモーセとイスラエルの長老たちとは、民に命じて言った。
私が、きょう、あなたがたに命じるすべての命令を守りなさい。
2 あなたがたが、あなたの神、主が与えようとしておられる地に向かってヨルダンを渡る日には、大きな石を立て、それらに石灰を塗りなさい。
3 あなたが渡ってから、それらの上に、このみおしえのすべてのことばを書きしるしなさい。それはあなたの父祖の神、主が約束されたとおり、あなたの神、主があなたに与えようとしておられる地、乳と蜜の流れる地にあなたが入るためである。
4 あなたがたがヨルダンを渡ったなら、私が、きょう、あなたがたに命じるこれらの石をエバル山に立て、それに石灰を塗らなければならない。
5 そこに、あなたの神、主のために祭壇、石の祭壇を築きなさい。それに鉄の道具を当ててはならない。
6 自然のままの石で、あなたの神、主の祭壇を築かなければならない。その上で、あなたの神、主に全焼のいけにえをささげなさい。
7 またそこで和解のいけにえをささげて、それを食べ、あなたの神、主の前で喜びなさい。
8 それらの石の上に、このみおしえのことばすべてをはっきりと書きしるしなさい。
9 ついで、モーセとレビ人の祭司たちとは、すべてのイスラエル人に告げて言った。
静まりなさい。イスラエルよ。聞きなさい。きょう、あなたは、あなたの神、主の民となった。
10 あなたの神、主の御声に聞き従い、私が、きょう、あなたに命じる主の命令とおきてとを行いなさい。
11 その日、モーセは民に命じて言った。
12 あなたがたがヨルダンを渡ったとき、次の者たちは民を祝福するために、ゲリジム山に立たなければならない。シメオン、レビ、ユダ、イッサカル、ヨセフ、ベニヤミン。
13 また次の者たちはのろいのために、エバル山に立たなければならない。ルベン、ガド、アシェル、ゼブルン、ダン、ナフタリ。
14 レビ人はイスラエルのすべての人々に大声で宣言しなさい。
15 「職人の手のわざである、主の忌みきらわれる彫像や鋳像を造り、これをひそかに安置する者はのろわれる。」民はみな、答えて、アーメンと言いなさい。
16 「自分の父や母を侮辱する者はのろわれる。」民はみな、アーメンと言いなさい。
17 「隣人の地境を移す者はのろわれる。」民はみな、アーメンと言いなさい。
18 「盲人にまちがった道を教える者はのろわれる。」民はみな、アーメンと言いなさい。
19 「在留異国人、みなしご、やもめの権利を侵す者はのろわれる。」民はみな、アーメンと言いなさい。
20 「父の妻と寝る者は、自分の父の恥をさらすのであるから、のろわれる。」民はみな、アーメンと言いなさい。
21 「どんな獣とも寝る者はのろわれる。」民はみな、アーメンと言いなさい。
22 「父の娘であれ、母の娘であれ、自分の姉妹と寝る者はのろわれる。」民はみな、アーメンと言いなさい。
23 「自分の妻の母と寝る者はのろわれる。」民はみな、アーメンと言いなさい。
24 「ひそかに隣人を打ち殺す者はのろわれる。」民はみな、アーメンと言いなさい。
25 「わいろを受け取り、人を打ち殺して罪のない者の血を流す者はのろわれる。」民はみな、アーメンと言いなさい。
26 「このみおしえのことばを守ろうとせず、これを実行しない者はのろわれる。」民はみな、アーメンと言いなさい。
1 もし、あなたが、あなたの神、主の御声によく聞き従い、私が、きょう、あなたに命じる主のすべての命令を守り行うなら、あなたの神、主は、地のすべての国々の上にあなたを高くあげられよう。
2 あなたがあなたの神、主の御声に聞き従うので、次のすべての祝福があなたに臨み、あなたは祝福される。
3 あなたは、町にあっても祝福され、野にあっても祝福される。
4 あなたの身から生まれる者も、地の産物も、家畜の産むもの、群れのうちの子牛も、群れのうちの雌羊も祝福される。
5 あなたのかごも、こね鉢も祝福される。
6 あなたは、入るときも祝福され、出て行くときにも祝福される。
7主は、あなたに立ち向かって来る敵を、あなたの前で敗走させる。彼らは、一つの道からあなたを攻撃し、あなたの前から七つの道に逃げ去ろう。
8主は、あなたのために、あなたの穀物倉とあなたのすべての手のわざを祝福してくださることを定めておられる。あなたの神、主があなたに与えようとしておられる地で、あなたを祝福される。
9 あなたが、あなたの神、主の命令を守り、主の道を歩むなら、主はあなたに誓われたとおり、あなたを、ご自身の聖なる民として立ててくださる。
10 地上のすべての国々の民は、あなたに主の名がつけられているのを見て、あなたを恐れよう。
11主が、あなたに与えるとあなたの先祖たちに誓われたその地で、主は、あなたの身から生まれる者や家畜の産むものや地の産物を、豊かに恵んでくださる。
12主は、その恵みの倉、天を開き、時にかなって雨をあなたの地に与え、あなたのすべての手のわざを祝福される。それであなたは多くの国々に貸すであろうが、借りることはない。
13 私が、きょう、あなたに命じるあなたの神、主の命令にあなたが聞き従い、守り行うなら、主はあなたをかしらとならせ、尾とはならせない。ただ上におらせ、下へは下されない。
14 あなたは、私が、きょう、あなたがたに命じるこのすべてのことばを離れて右や左にそれ、ほかの神々に従い、それに仕えてはならない。
15 もし、あなたが、あなたの神、主の御声に聞き従わず、私が、きょう、命じる主のすべての命令とおきてとを守り行わないなら、次のすべてののろいがあなたに臨み、あなたはのろわれる。
16 あなたは町にあってものろわれ、野にあってものろわれる。
17 あなたのかごも、こね鉢ものろわれる。
18 あなたの身から生まれる者も、地の産物も、群れのうちの子牛も、群れのうちの雌羊ものろわれる。
19 あなたは、入るときものろわれ、出て行くときにものろわれる。
20主は、あなたのなすすべての手のわざに、のろいと恐慌と懲らしめとを送り、ついにあなたは根絶やしにされて、すみやかに滅びてしまう。これはわたしを捨てて、あなたが悪を行ったからである。
21主は、疫病をあなたの身にまといつかせ、ついには、あなたが、入って行って、所有しようとしている地から、あなたを絶滅される。
22主は、肺病と熱病と高熱病と悪性熱病と、37水枯れと、立ち枯れと、黒穂病とで、あなたを打たれる。これらのものは、あなたが滅びうせるまで、あなたを追いかける。
23 またあなたの頭の上の天は青銅となり、あなたの下の地は鉄となる。
24主は、あなたの地の雨をほこりとされる。それで砂ほこりが天から降って来て、ついにはあなたは根絶やしにされる。
25主は、あなたを敵の前で敗走させる。あなたは一つの道から攻撃するが、その前から七つの道に逃げ去ろう。あなたのことは、地上のすべての王国のおののきとなる。
26 あなたの死体は、空のすべての鳥と、地の獣とのえじきとなり、これをおどかして追い払う者もいない。
27主は、エジプトの腫物と、はれものと、湿疹と、かいせんとをもって、あなたを打ち、あなたはいやされることができない。
28主はあなたを打って気を狂わせ、盲目にし、気を錯乱させる。
29 あなたは、盲人が暗やみで手さぐりするように、真昼に手さぐりするようになる。あなたは自分のやることで繁栄することがなく、いつまでも、しいたげられ、略奪されるだけである。あなたを救う者はいない。
30 あなたが女の人と婚約しても、他の男が彼女と寝る。家を建てても、その中に住むことができない。ぶどう畑を作っても、その収穫をすることができない。
31 あなたの牛が目の前でほふられても、あなたはそれを食べることができない。あなたのろばが目の前から略奪されても、それはあなたに返されない。あなたの羊が敵の手に渡されても、あなたを救う者はいない。
32 あなたの息子と娘があなたの見ているうちに他国の人に渡され、あなたの目は絶えず彼らを慕って衰えるが、あなたはどうすることもできない。
33 地の産物およびあなたの勤労の実はみな、あなたの知らない民が食べるであろう。あなたはいつまでも、しいたげられ、踏みにじられるだけである。
34 あなたは、目に見ることで気を狂わされる。
35主は、あなたのひざとももとを悪性の不治の腫物で打たれる。足の裏から頭の頂まで。
36主は、あなたと、あなたが自分の上に立てた王とを、あなたも、あなたの先祖たちも知らなかった国に行かせよう。あなたは、そこで木や石のほかの神々に仕えよう。
37主があなたを追い入れるすべての国々の民の中で、あなたは恐怖となり、物笑いの種となり、なぶりものとなろう。
38 畑に多くの種を持って出ても、あなたは少ししか収穫できない。いなごが食い尽くすからである。
39 ぶどう畑を作り、耕しても、あなたはそのぶどう酒を飲むことも、集めることもできない。虫がそれを食べるからである。
40 あなたの領土の至る所にオリーブの木があっても、あなたは身に油を塗ることができない。オリーブの実が落ちてしまうからである。
41息子や娘が生まれても、あなたのものとはならない。彼らは捕らえられて行くからである。
42 こおろぎは、あなたのすべての木と、地の産物とを取り上げてしまう。
43 あなたのうちの在留異国人は、あなたの上にますます高く上って行き、あなたはますます低く下って行く。
44 彼はあなたに貸すが、あなたは彼に貸すことができない。彼はかしらとなり、あなたは尾となる。
45 これらすべてののろいが、あなたに臨み、あなたを追いかけ、あなたに追いつき、ついには、あなたを根絶やしにする。あなたが、あなたの神、主の御声に聞き従わず、主が命じられた命令とおきてとを守らないからである。
46 これらのことは、あなたとあなたの子孫に対して、いつまでも、しるしとなり、また不思議となる。
47 あなたがすべてのものに豊かになっても、あなたの神、主に、心から喜び楽しんで仕えようとしないので、
48 あなたは、飢えて渇き、裸となって、あらゆるものに欠乏して、主があなたに差し向ける敵に仕えることになる。主は、あなたの首に鉄のくびきを置き、ついには、あなたを根絶やしにされる。
49主は、遠く地の果てから、鷲が飛びかかるように、一つの国民にあなたを襲わせる。その話すことばがあなたにはわからない国民である。
50 その国民は横柄で、老人を顧みず、幼い者をあわれまず、
51 あなたの家畜の産むものや、地の産物を食い尽くし、ついには、あなたを根絶やしにする。彼らは、穀物も、新しいぶどう酒も、油も、群れのうちの子牛も、群れのうちの雌羊も、あなたには少しも残さず、ついに、あなたを滅ぼしてしまう。
52 その国民は、あなたの国中のすべての町囲みの中にあなたを包囲し、ついには、あなたが頼みとする高く堅固な城壁を打ち倒す。彼らが、あなたの神、主の与えられた国中のすべての町囲みの中にあなたを包囲するとき、
53 あなたは、包囲と、敵がもたらす窮乏とのために、あなたの身から生まれた者、あなたの神、主が与えてくださった息子や娘の肉を食べるようになる。
54 あなたのうちの最も優しく、上品な男が、自分の兄弟や、自分の愛する妻や、まだ残っている子どもたちに対してさえ物惜しみをし、
55 自分が食べている子どもの肉を、全然、だれにも分け与えようとはしないであろう。あなたのすべての町囲みのうちには、包囲と、敵がもたらした窮乏とのために、何も残されてはいないからである。
5638あなたがたのうちの、優しく、上品な女で、あまりにも上品で優しいために足の裏を地面につけようともしない者が、自分の愛する夫や、息子や、娘に、物惜しみをし、
57 自分の足の間から出た後産や、自分が産んだ子どもさえ、何もかも欠乏しているので、ひそかに、それを食べるであろう。あなたの町囲みのうちは、包囲と、敵がもたらした窮乏との中にあるからである。
58 もし、あなたが、この光栄ある恐るべき御名、あなたの神、主を恐れて、この書物に書かれてあるこのみおしえのすべてのことばを守り行わないなら、
59主は、あなたへの災害、あなたの子孫への災害を下される。大きな長く続く災害、長く続く悪性の病気である。
60 主は、あなたが恐れたエジプトのあらゆる病気をあなたにもたらされる。それはあなたにまといつこう。
61主は、このみおしえの書にしるされていない、あらゆる病気、あらゆる災害をもあなたの上に臨ませ、ついにはあなたは根絶やしにされる。
62 あなたがたは空の星のように多かったが、あなたの神、主の御声に聞き従わなかったので、少人数しか残されない。
63 かつて主があなたがたをしあわせにし、あなたがたをふやすことを喜ばれたように、主は、あなたがたを滅ぼし、あなたがたを根絶やしにすることを喜ばれよう。あなたがたは、あなたが入って行って、所有しようとしている地から引き抜かれる。
64主は、地の果てから果てまでのすべての国々の民の中に、あなたを散らす。あなたはその所で、あなたも、あなたの先祖たちも知らなかった木や石のほかの神々に仕える。
65 これら異邦の民の中にあって、あなたは休息することもできず、足の裏を休めることもできない。主は、その所で、あなたの心をおののかせ、目を衰えさせ、精神を弱らせる。
66 あなたのいのちは、危険にさらされ、あなたは夜も昼もおびえて、自分が生きることさえおぼつかなくなる。
67 あなたは、朝には、「ああ夕方であればよいのに」と言い、夕方には、「ああ朝であればよいのに」と言う。あなたの心が恐れる恐れと、あなたの目が見る光景とのためである。
68 私がかつて「あなたはもう二度とこれを見ないだろう」と言った道を通って、主は、あなたを舟で、再びエジプトに帰らせる。あなたがたは、そこで自分を男奴隷や女奴隷として、敵に身売りしようとしても、だれも買う者はいまい。
1 これは、モアブの地で、主がモーセに命じて、イスラエル人と結ばせた契約のことばである。ホレブで彼らと結ばれた契約とは別である。
2 モーセは、イスラエルのすべてを呼び寄せて言った。
あなたがたは、エジプトの地で、パロと、そのすべての家臣たちと、その全土とに対して、主があなたがたの目の前でなさった事を、ことごとく見た。
3 あなたが、自分の目で見たあの大きな試み、それは大きなしるしと不思議であった。
4 しかし、主は今日に至るまで、あなたがたに、悟る心と、見る目と、聞く耳を、下さらなかった。
5 私は、四十年の間、あなたがたに荒野を行かせたが、あなたがたが身に着けている着物はすり切れず、その足のくつもすり切れなかった。
6 あなたがたはパンも食べず、また、ぶどう酒も強い酒も飲まなかった。それは、「わたしが、あなたがたの神、主である」と、あなたがたが知るためであった。
7 あなたがたが、この所に来たとき、ヘシュボンの王シホンとバシャンの王オグが出て来て、私たちを迎えて戦ったが、私たちは彼らを打ち破った。
8 私たちは、彼らの国を取り、これを相続地としてルベン人と、ガド人と、マナセ人の半部族とに、分け与えた。
9 あなたがたは、この契約のことばを守り、行いなさい。あなたがたのすることがみな、栄えるためである。
10 きょう、あなたがたはみな、あなたがたの神、主の前に立っている。すなわち、あなたがたの部族のかしらたち、長老たち、つかさたち、イスラエルのすべての人々、
11 あなたがたの子どもたち、妻たち、宿営のうちにいる在留異国人、たきぎを割る者から水を汲む者に至るまで。
12 あなたが、あなたの神、主の契約と、あなたの神、主が、きょう、あなたと結ばれるのろいの誓いとに、入るためである。
13 さきに主が、あなたに約束されたように、またあなたの先祖、アブラハム、イサク、ヤコブに誓われたように、きょう、あなたを立ててご自分の民とし、またご自身があなたの神となられるためである。
14 しかし、私は、ただあなたがたとだけ、この契約とのろいの誓いとを結ぶのではない。
15 きょう、ここで、私たちの神、主の前に、私たちとともに立っている者、ならびに、きょう、ここに、私たちとともにいない者に対しても結ぶのである。
16 事実、あなたがたは、私たちがエジプトの地に住んでいたこと、また、私たちが異邦の民の中を通って来たことを知っている。
17 また、あなたがたは、彼らのところにある忌むべきもの、木や石や銀や金の偶像を見た。
18 万が一にも、あなたがたのうちに、きょう、その心が私たちの神、主を離れて、これらの異邦の民の神々に行って、仕えるような、男や女、氏族や部族があってはならない。あなたがたのうちに、毒草や、苦よもぎを生ずる根があってはならない。
19 こののろいの誓いのことばを聞いたとき、「潤ったものも渇いたものもひとしく滅びるのであれば、私は自分のかたくなな心のままに歩いても、私には平和がある」と心の中で自分を祝福する者があるなら、
20主はその者を決して赦そうとはされない。むしろ、主の怒りとねたみが、その者に対して燃え上がり、この書にしるされたすべてののろいの誓いがその者の上にのしかかり、主は、その者の名を天の下から消し去ってしまう。
21主は、このみおしえの書にしるされている契約のすべてののろいの誓いにしたがい、その者をイスラエルの全部族からより分けて、わざわいを下される。
22後の世代、あなたがたの後に起こるあなたがたの子孫や、遠くの地から来る外国人は、この地の災害と主がこの地に起こされた病気を見て、言うであろう。
23 ──その全土は、硫黄と塩によって焼け土となり、種も蒔けず、芽も出さず、草一本も生えなくなっており、主が怒りと憤りで、くつがえされたソドム、ゴモラ、アデマ、ツェボイムの破滅のようである──
24 すべての国々は言おう。「なぜ、主はこの地に、このようなことをしたのか。この激しい燃える怒りは、なぜなのだ。」
25 人々は言おう。「それは、彼らの父祖の神、主が彼らをエジプトの地から連れ出して、彼らと結ばれた契約を、彼らが捨て、
26 彼らの知らぬ、また彼らに当てたのでもない、ほかの神々に行って仕え、それを拝んだからである。
27 それで、主の怒りは、この地に向かって燃え上がり、この書にしるされたすべてののろいが、この地にもたらされた。
28主は、怒りと、憤激と、激怒とをもって、彼らをこの地から根こぎにし、ほかの地に投げ捨てた。今日あるとおりに。」
29隠されていることは、私たちの神、主のものである。しかし、現されたことは、永遠に、私たちと私たちの子孫のものであり、私たちがこのみおしえのすべてのことばを行うためである。
1 私があなたの前に置いた祝福とのろい、これらすべてのことが、あなたに臨み、あなたの神、主があなたをそこへ追い散らしたすべての国々の中で、あなたがこれらのことを心に留め、
2 あなたの神、主に立ち返り、きょう、私があなたに命じるとおりに、あなたも、あなたの子どもたちも、心を尽くし、精神を尽くして御声に聞き従うなら、
3 あなたの神、主は、あなたの繁栄を元どおりにし、あなたをあわれみ、あなたの神、主がそこへ散らしたすべての国々の民の中から、あなたを再び、集める。
4 たとい、あなたが、天の果てに追いやられていても、あなたの神、主は、そこからあなたを集め、そこからあなたを連れ戻す。
5 あなたの神、主は、あなたの先祖たちが所有していた地にあなたを連れて行き、あなたはそれを所有する。主は、あなたを栄えさせ、あなたの先祖たちよりもその数を多くされる。
6 あなたの神、主は、あなたの心と、あなたの子孫の心を包む皮を切り捨てて、あなたが心を尽くし、精神を尽くし、あなたの神、主を愛し、それであなたが生きるようにされる。
7 あなたの神、主は、あなたを迫害したあなたの敵や、あなたの仇に、これらすべてののろいを下される。
8 あなたは、再び、主の御声に聞き従い、私が、きょう、あなたに命じる主のすべての命令を、行うようになる。
9 あなたの神、主は、あなたのすべての手のわざや、あなたの身から生まれる者や、家畜の産むもの、地の産物を豊かに与えて、あなたを栄えさせよう。まことに、主は、あなたの先祖たちを喜ばれたように、再び、あなたを栄えさせて喜ばれる。
10 これは、あなたが、あなたの神、主の御声に聞き従い、このみおしえの書にしるされている主の命令とおきてとを守り、心を尽くし、精神を尽くして、あなたの神、主に立ち返るからである。
11 まことに、私が、きょう、あなたに命じるこの命令は、あなたにとってむずかしすぎるものではなく、遠くかけ離れたものでもない。
12 これは天にあるのではないから、「だれが、私たちのために天に上り、それを取って来て、私たちに聞かせて行わせようとするのか」と言わなくてもよい。
13 また、これは海のかなたにあるのではないから、「だれが、私たちのために海のかなたに渡り、それを取って来て、私たちに聞かせて行わせようとするのか」と言わなくてもよい。
14 まことに、みことばは、あなたのごく身近にあり、あなたの口にあり、あなたの心にあって、あなたはこれを行うことができる。
15 見よ。私は、確かにきょう、あなたの前にいのちと幸い、死とわざわいを置く。
16 私が、きょう、あなたに、あなたの神、主を愛し、主の道に歩み、主の命令とおきてと定めとを守るように命じるからである。確かに、あなたは生きて、その数はふえる。あなたの神、主は、あなたが、入って行って、所有しようとしている地で、あなたを祝福される。
17 しかし、もし、あなたが心をそむけて、聞き従わず、誘惑されて、ほかの神々を拝み、これに仕えるなら、
18 きょう、私は、あなたがたに宣言する。あなたがたは、必ず滅びうせる。あなたがたは、あなたが、ヨルダンを渡り、入って行って、所有しようとしている地で、長く生きることはできない。
19 私は、きょう、あなたがたに対して天と地とを、証人に立てる。私は、いのちと死、祝福とのろいを、あなたの前に置く。あなたはいのちを選びなさい。あなたもあなたの子孫も生き、
20 あなたの神、主を愛し、御声に聞き従い、主にすがるためだ。確かに主はあなたのいのちであり、あなたは主が、あなたの先祖、アブラハム、イサク、ヤコブに与えると誓われた地で、長く生きて住む。
1 それから、モーセは行って、次のことばをイスラエルのすべての人々に告げて、
2 言った。
私は、きょう、百二十歳である。もう出入りができない。主は私に、「あなたは、このヨルダンを渡ることができない」と言われた。
3 あなたの神、主ご自身が、あなたの先に渡って行かれ、あなたの前からこれらの国々を根絶やしにされ、あなたはこれらを占領しよう。主が告げられたように、ヨシュアが、あなたの先に立って渡るのである。
4主は、主の根絶やしにされたエモリ人の王シホンとオグおよびその国に対して行われたように、彼らにしようとしておられる。
5主は、彼らをあなたがたに渡し、あなたがたは私が命じたすべての命令どおり、彼らに行おうとしている。
6 強くあれ。雄々しくあれ。彼らを恐れてはならない。おののいてはならない。あなたの神、主ご自身が、あなたとともに進まれるからだ。主はあなたを見放さず、あなたを見捨てない。
7 ついでモーセはヨシュアを呼び寄せ、イスラエルのすべての人々の目の前で、彼に言った。「強くあれ。雄々しくあれ。主がこの民の先祖たちに与えると誓われた地に、彼らとともに入るのはあなたであり、それを彼らに受け継がせるのもあなたである。
8主ご自身があなたの先に進まれる。主があなたとともにおられる。主はあなたを見放さず、あなたを見捨てない。恐れてはならない。おののいてはならない。」
9 モーセはこのみおしえを書きしるし、主の契約の箱を運ぶレビ族の祭司たちと、イスラエルのすべての長老たちとに、これを授けた。
10 そして、モーセは彼らに命じて言った。「七年の終わりごとに、すなわち免除の年の定めの時、仮庵の祭りに、
11 イスラエルのすべての人々が、主の選ぶ場所で、あなたの神、主の御顔を拝するために来るとき、あなたは、イスラエルのすべての人々の前で、このみおしえを読んで聞かせなければならない。
12民を、男も、女も、子どもも、あなたの町囲みの中にいる在留異国人も、集めなさい。彼らがこれを聞いて学び、あなたがたの神、主を恐れ、このみおしえのすべてのことばを守り行うためである。
13 これを知らない彼らの子どもたちもこれを聞き、あなたがたが、ヨルダンを渡って、所有しようとしている地で、39彼らが生きるかぎり、あなたがたの神、主を恐れることを学ばなければならない。」
14 それから、主はモーセに仰せられた。「今や、あなたの死ぬ日が近づいている。ヨシュアを呼び寄せ、ふたりで会見の天幕に立て。わたしは彼に命令を下そう。」それで、モーセとヨシュアは行って、会見の天幕に立った。
15主は天幕で雲の柱のうちに現れた。雲の柱は天幕の入口にとどまった。
16主はモーセに仰せられた。「あなたは間もなく、あなたの先祖たちとともに眠ろうとしている。この民は、入って行こうとしている地の、自分たちの中の、外国の神々を慕って淫行をしようとしている。この民がわたしを捨て、わたしがこの民と結んだわたしの契約を破るなら、
17 その日、わたしの怒りはこの民に対して燃え上がり、わたしも彼らを捨て、わたしの顔を彼らから隠す。彼らが滅ぼし尽くされ、多くのわざわいと苦難が彼らに降りかかると、その日、この民は、『これらのわざわいが私たちに降りかかるのは、私たちのうちに、私たちの神がおられないからではないか』と言うであろう。
18 彼らがほかの神々に移って行って行ったすべての悪のゆえに、わたしはその日、必ずわたしの顔を隠そう。
19 今、次の歌を書きしるし、それをイスラエル人に教え、彼らの口にそれを置け。この歌をイスラエル人に対するわたしのあかしとするためである。
20 わたしが、彼らの先祖に誓った乳と蜜の流れる地に、彼らを導き入れるなら、彼らは食べて満ち足り、肥え太り、そして、ほかの神々のほうに向かい、これに仕えて、わたしを侮り、わたしの契約を破る。
21 多くのわざわいと苦難が彼に降りかかるとき、この歌が彼らに対してあかしをする。彼らの子孫の口からそれが忘れられることはないからである。わたしが誓った地に彼らを導き入れる以前から、彼らが今たくらんでいる計画を、わたしは知っているからである。」
22 モーセは、その日、この歌を書きしるして、イスラエル人に教えた。
23 ついで主は、ヌンの子ヨシュアに命じて言われた。「強くあれ。雄々しくあれ。あなたはイスラエル人を、わたしが彼らに誓った地に導き入れなければならないのだ。わたしが、あなたとともにいる。」
24 モーセが、このみおしえのことばを書物に書き終えたとき、
25 モーセは、主の契約の箱を運ぶレビ人に命じて言った。
26 「このみおしえの書を取り、あなたがたの神、主の契約の箱のそばに置きなさい。その所で、あなたに対するあかしとしなさい。
27 私は、あなたの逆らいと、あなたがうなじのこわい者であることを知っている。私が、なおあなたがたの間に生きている今ですら、あなたがたは主に逆らってきた。まして、私の死後はどんなであろうか。
28 あなたがたの部族の長老たちと、つかさたちとをみな、私のもとに集めなさい。私はこれらのことばを彼らに聞こえるように語りたい。私は天と地を、彼らに対する証人に立てよう。
29 私の死後、あなたがたがきっと堕落して、私が命じた道から離れること、また、後の日に、わざわいがあなたがたに降りかかることを私が知っているからだ。これは、あなたがたが、主の目の前に悪を行い、あなたがたの手のわざによって、主を怒らせるからである。」
30 モーセは、イスラエルの全集会に聞こえるように、次の歌のことばを終わりまで唱えた。
1 天よ。耳を傾けよ。私は語ろう。
地よ。聞け。私の口のことばを。
2 私のおしえは、雨のように下り、
私のことばは、露のようにしたたる。
若草の上の小雨のように。
青草の上の夕立のように。
3 私が主の御名を告げ知らせるのだから、
栄光を私たちの神に帰せよ。
4 主は岩。主のみわざは完全。
まことに、主の道はみな正しい。
主は真実の神で、偽りがなく、
正しい方、直ぐな方である。
5 主をそこない、
その汚れで、主の子らではない、
よこしまで曲がった世代。
6 あなたがたはこのように主に恩を返すのか。
愚かで知恵のない民よ。
主はあなたを造った父ではないか。
主はあなたを造り上げ、
あなたを堅く建てるのではないか。
7 昔の日々を思い出し、
代々の年を思え。
あなたの父に問え。
彼はあなたに告げ知らせよう。
長老たちに問え。
彼らはあなたに話してくれよう。
8 「いと高き方が、国々に、
相続地を持たせ、
人の子らを、振り当てられたとき、
イスラエルの子らの数にしたがって、
国々の民の境を決められた。
9 主の割り当て分はご自分の民であるから、
ヤコブは主の相続地である。
10 主は荒野で、
獣のほえる荒地で彼を見つけ、
これをいだき、世話をして、
ご自分のひとみのように、
これを守られた。
11 鷲が巣のひなを呼びさまし、
そのひなの上を舞いかけり、
翼を広げてこれを取り、
羽に載せて行くように。
12 ただ主だけでこれを導き、
主とともに外国の神は、いなかった。
13 主はこれを、地の高い所に上らせ、
野の産物を食べさせた。
主は岩からの蜜と、
堅い岩からの油で、これを養い、
14 牛の凝乳と、羊の乳とを、
最良の子羊とともに、
バシャンのものである雄羊と、雄やぎとを、
小麦の最も良いものとともに、食べさせた。
あわ立つぶどうの血をあなたは飲んでいた。」
15 エシュルンは肥え太ったとき、足でけった。
あなたはむさぼり食って、肥え太った。
自分を造った神を捨て、
自分の救いの岩を軽んじた。
16 彼らは異なる神々で、
主のねたみを引き起こし、
忌みきらうべきことで、
主の怒りを燃えさせた。
17 神ではない悪霊どもに、
彼らはいけにえをささげた。
それらは彼らの知らなかった神々、
近ごろ出てきた新しい神々、
先祖が恐れもしなかった神々だ。
18 あなたは自分を生んだ岩をおろそかにし、
産みの苦しみをした神を忘れてしまった。
19 主は見て、彼らを退けられた。
主の息子と娘たちへの怒りのために。
20 主は言われた。
「わたしの顔を彼らに隠し、
彼らの終わりがどうなるかを見よう。
彼らは、ねじれた世代、
真実のない子らであるから。
21 彼らは、神でないもので、
わたしのねたみを引き起こし、
彼らのむなしいもので、
わたしの怒りを燃えさせた。
わたしも、民ではないもので、
彼らのねたみを引き起こし、
愚かな国民で、
彼らの怒りを燃えさせよう。
22 わたしの怒りで火は燃え上がり、
よみの底にまで燃えて行く。
地とその産物を焼き尽くし、
山々の基まで焼き払おう。
23 わざわいを彼らの上に積み重ね、
わたしの矢を彼らに向けて使い尽くそう。
24 飢えによる荒廃、災害による壊滅、
激しい悪疫、野獣のきば、
これらを、地をはう蛇の毒とともに、
彼らに送ろう。
25 外では剣が人を殺し、内には恐れがある。
若い男も若い女も乳飲み子も、
白髪の老人もともどもに。
26 わたしは彼らを粉々にし、
人々から彼らの記憶を消してしまおうと
考えたであろう。
27 もし、わたしが敵のののしりを
気づかっていないのだったら。
──彼らの仇が誤解して、
『われわれの手で勝ったのだ。
これはみな主がしたのではない』
と言うといけない。」
28 まことに、彼らは思慮の欠けた国民、
彼らのうちに、英知はない。
29 もしも、知恵があったなら、
彼らはこれを悟ったろうに。
自分の終わりもわきまえたろうに。
30 彼らの岩が、彼らを売らず、
主が、彼らを渡さなかったなら、
どうして、ひとりが千人を追い、
ふたりが万人を敗走させたろうか。
31 まことに、彼らの岩は、私たちの岩には及ばない。
敵もこれを認めている。
32 ああ、彼らのぶどうの木は、
ソドムのぶどうの木から、
ゴモラのぶどう畑からのもの。
彼らのぶどうは毒ぶどう、
そのふさは苦みがある。
33 そのぶどう酒は蛇の毒、
コブラの恐ろしい毒である。
34 「これはわたしのもとにたくわえてあり、
わたしの倉に閉じ込められているではないか。
35 40復讐と報いとは、わたしのもの、
それは、彼らの足がよろめくときのため。
彼らのわざわいの日は近く、
来るべきことが、すみやかに来るからだ。」
36 主は御民をかばい、
主のしもべらをあわれむ。
彼らの力が去って行き、
奴隷も、自由の者も、
いなくなるのを見られるときに。
37 主は言われる。
「彼らの神々は、どこにいるのか。
彼らが頼みとした岩はどこにあるのか。
38 彼らのいけにえの脂肪を食らい、
彼らの注ぎのぶどう酒を飲んだ者は
どこにいるのか。
彼らを立たせて、あなたがたを助けさせ、
あなたがたの盾とならせよ。
39 今、見よ。わたしこそ、それなのだ。
わたしのほかに神はいない。
わたしは殺し、また生かす。
わたしは傷つけ、またいやす。
わたしの手から救い出せる者はいない。
40 まことに、わたしは41誓って言う。
『わたしは永遠に生きる。
41 わたしがきらめく剣をとぎ、
手にさばきを握るとき、
わたしは仇に復讐をし、
わたしを憎む者たちに報いよう。
42 わたしの矢を血に酔わせ、
わたしの剣に肉を食わせよう。
刺し殺された者や捕らわれた者の血を飲ませ、
髪を乱している敵の頭を食わせよう。』」
43 諸国の民よ。
御民のために喜び歌え。
主が、ご自分のしもべの血のかたきを討ち、
ご自分の仇に復讐をなし、
ご自分の民の地の贖いをされるから。
44 モーセはヌンの子ホセアといっしょに行って、この歌のすべてのことばを、民に聞こえるように唱えた。
45 モーセはイスラエルのすべての人々に、このことばをみな唱え終えてから、
46 彼らに言った。「あなたがたは、私が、きょう、あなたがたを戒めるこのすべてのことばを心に納めなさい。それをあなたがたの子どもたちに命じて、このみおしえのすべてのことばを守り行わせなさい。
47 これは、あなたがたにとって、むなしいことばではなく、あなたがたのいのちであるからだ。このことばにより、あなたがたは、ヨルダンを渡って、所有しようとしている地で、長く生きることができる。」
48 この同じ日に、主はモーセに告げて仰せられた。
49 「エリコに面したモアブの地のこのアバリム高地のネボ山に登れ。わたしがイスラエル人に与えて所有させようとしているカナンの地を見よ。
50 あなたの兄弟アロンがホル山で死んでその民に加えられたように、あなたもこれから登るその山で死に、あなたの民に加えられよ。
51 あなたがたがツィンの荒野のメリバテ・カデシュの水のほとりで、イスラエル人の中で、わたしに対して不信の罪を犯し、わたしの神聖さをイスラエル人の中に現さなかったからである。
52 あなたは、わたしがイスラエルの人々に与えようとしている地を、はるかにながめることはできるが、その地へ入って行くことはできない。」
1 これは神の人モーセが、その死を前にして、イスラエル人を祝福した祝福のことばである。
2 彼は言った。
「主はシナイから来られ、
セイルから彼らを照らし、
パランの山から光を放ち、
42メリバテ・カデシュから近づかれた。
その右の手からは、
彼らにいなずまがきらめいていた。
3 まことに国々の民を愛する方、
あなたの御手のうちに、
すべての聖徒たちがいる。
彼らはあなたの足もとに集められ、
あなたの御告げを受ける。
4 モーセは、みおしえを私たちに命じ、
ヤコブの会衆の所有とした。
5 民のかしらたちが、
イスラエルの部族とともに集まったとき、
主はエシュルンで王となられた。」
6 「ルベンは生きて、死なないように。
その人数は少なくても。」
7 ユダについては、こう言った。
「主よ。ユダの声を聞き、
その民に、彼を連れ返してください。
彼は自分の手で戦っています。
あなたが彼を、敵から助けてください。」
8 レビについて言った。
「あなたのトンミムとウリムとを、
あなたの聖徒のものとしてください。
あなたはマサで、彼を試み、
メリバの水のほとりで、彼と争われました。
9 彼は、自分の父と母とについて、
『私は、彼らを顧みない』と言いました。
また彼は自分の兄弟をも認めず、
その子どもをさえ無視し、
ただ、あなたの仰せに従って
あなたの契約を守りました。
10 彼らは、あなたの定めをヤコブに教え、
あなたのみおしえをイスラエルに教えます。
彼らはあなたの御前で、かおりの良い香をたき、
全焼のささげ物を、あなたの祭壇にささげます。
11 主よ。彼の資産を祝福し、
その手のわざに恵みを施してください。
彼の敵の腰を打ち、
彼を憎む者たちが、
二度と立てないようにしてください。」
12 ベニヤミンについて言った。
「主に愛されている者。
彼は安らかに、主のそばに住まい、
主はいつまでも彼をかばう。
彼が主の肩の間に住むかのように。」
13 ヨセフについて言った。
「主の祝福が、彼の地にあるように。
天の賜物の露、下に横たわる大いなる水の賜物、
14 太陽がもたらす賜物、
月が生み出す賜物、
15 昔の山々からの最上のもの、
太古の丘からの賜物、
16 地とそれを満たすものの賜物、
柴の中におられた方の恵み、
これらがヨセフの頭の上にあり、
その兄弟たちから選び出された者の
頭の頂の上にあるように。
17 彼の牛の初子には威厳があり、
その角は野牛の角。
これをもって地の果て果てまで、
国々の民をことごとく突き倒して行く。
このような者がエフライムに幾万、
このような者がマナセに幾千もいる。」
18 ゼブルンについて言った。
「ゼブルンよ。喜べ。
あなたは外に出て行って。
イッサカルよ。あなたは天幕の中にいて。
19 彼らは民を山に招き、
そこで義のいけにえをささげよう。
彼らが海の富と、砂に隠されている宝とを、
吸い取るからである。」
20 ガドについて言った。
「ガドを大きくする方は、ほむべきかな。
ガドは雌獅子のように伏し、
腕や頭の頂をかき裂く。
21 彼は自分のために最良の地を見つけた。
そこには、
指導者の分が割り当てられていたからだ。
彼は民の先頭に立ち、
主の正義と
主の公正をイスラエルのために行った。」
22 ダンについて言った。
「ダンは獅子の子、
バシャンからおどり出る。」
23 ナフタリについて言った。
「ナフタリは恵みに満ち足り、
主の祝福に満たされている。
西と南を所有せよ。」
24 アシェルについて言った。
「アシェルは子らの中で、
最も祝福されている。
その兄弟たちに愛され、
その足を、油の中に浸すようになれ。
25 あなたのかんぬきが、鉄と青銅であり、
あなたの43力が、
あなたの生きるかぎり続くように。」
26 「エシュルンよ。
神に並ぶ者はほかにない。
神はあなたを助けるため天に乗り、
威光のうちに雲に乗られる。
27 昔よりの神は、住む家。
永遠の腕が下に。
あなたの前から敵を追い払い、
『根絶やしにせよ』と命じた。
28 こうして、イスラエルは安らかに住まい、
ヤコブの泉は、
穀物と新しいぶどう酒の地をひとりで占める。
天もまた、露をしたたらす。
29 しあわせなイスラエルよ。
だれがあなたのようであろう。
主に救われた民。
主はあなたを助ける盾、
あなたの勝利の剣。
あなたの敵はあなたにへつらい、
あなたは彼らの背を踏みつける。」
1 モーセはモアブの草原からネボ山、エリコに向かい合わせのピスガの頂に登った。主は、彼に次の全地方を見せられた。ギルアデをダンまで、
2 ナフタリの全土、エフライムとマナセの地、ユダの全土を44西の海まで、
3 ネゲブと低地、すなわち、なつめやしの町エリコの谷をツォアルまで。
4 そして主は彼に仰せられた。「わたしが、アブラハム、イサク、ヤコブに、『あなたの子孫に与えよう』と言って誓った地はこれである。わたしはこれをあなたの目に見せたが、あなたはそこへ渡って行くことはできない。」
5 こうして、主の命令によって、主のしもべモーセは、モアブの地のその所で死んだ。
6 主は彼をベテ・ペオルの近くのモアブの地の谷に葬られたが、今日に至るまで、その墓を知った者はいない。
7 モーセが死んだときは百二十歳であったが、彼の目はかすまず、気力も衰えていなかった。
8 イスラエル人はモアブの草原で、三十日間、モーセのために泣き悲しんだ。そしてモーセのために泣き悲しむ喪の期間は終わった。
9 ヌンの子ヨシュアは、知恵の霊に満たされていた。モーセが彼の上に、かつて、その手を置いたからである。イスラエル人は彼に聞き従い、主がモーセに命じられたとおりに行った。
10 モーセのような預言者は、もう再びイスラエルには起こらなかった。彼を主は、顔と顔とを合わせて選び出された。
11 それは主が彼をエジプトの地に遣わし、パロとそのすべての家臣たち、およびその全土に対して、あらゆるしるしと不思議を行わせるためであり、
12 また、モーセが、イスラエルのすべての人々の目の前で、力強い権威と、恐るべき威力とをことごとくふるうためであった。
ヨシュア記
1 さて、主のしもべモーセが死んで後、主はモーセの従者、ヌンの子ヨシュアに告げて仰せられた。
2 「わたしのしもべモーセは死んだ。今、あなたとこのすべての民は立って、このヨルダン川を渡り、わたしがイスラエルの人々に与えようとしている地に行け。
3 あなたがたが足の裏で踏む所はことごとく、わたしがモーセに約束したとおり、あなたがたに与えている。
4 あなたがたの領土は、この荒野とあのレバノンから、大河ユーフラテス、ヘテ人の全土および日の入るほうの大海に至るまでである。
5 あなたの一生の間、だれひとりとしてあなたの前に立ちはだかる者はいない。わたしは、モーセとともにいたように、あなたとともにいよう。わたしはあなたを見放さず、あなたを見捨てない。
6 強くあれ。雄々しくあれ。わたしが彼らに与えるとその先祖たちに誓った地を、あなたは、この民に継がせなければならないからだ。
7 ただ強く、雄々しくあって、わたしのしもべモーセがあなたに命じたすべての律法を守り行え。これを離れて右にも左にもそれてはならない。それは、あなたが行く所ではどこででも、あなたが栄えるためである。
8 この律法の書を、あなたの口から離さず、昼も夜もそれを口ずさまなければならない。そのうちにしるされているすべてのことを守り行うためである。そうすれば、あなたのすることで繁栄し、また栄えることができるからである。
9 わたしはあなたに命じたではないか。強くあれ。雄々しくあれ。恐れてはならない。おののいてはならない。あなたの神、主が、あなたの行く所どこにでも、あなたとともにあるからである。」
10 そこで、ヨシュアは民のつかさたちに命じて言った。
11 「宿営の中を巡って、民に命じて、『糧食の準備をしなさい。三日のうちに、あなたがたはこのヨルダン川を渡って、あなたがたの神、主があなたがたに与えて所有させようとしておられる地を占領するために、進んで行こうとしているのだから』と言いなさい。」
12 ヨシュアは、ルベン人、ガド人、およびマナセの半部族に、こう言った。
13 「主のしもべモーセがあなたがたに命じて、『あなたがたの神、主は、あなたがたに安住の地を与え、あなたがたにこの地を与える』と言ったことばを思い出しなさい。
14 あなたがたの妻子と家畜とは、モーセがあなたがたに与えたヨルダン川のこちら側の地に、とどまらなければならない。しかし、あなたがたのうちの勇士は、みな編隊を組んで、あなたがたの同族よりも先に渡って、彼らを助けなければならない。
15主が、あなたがたと同様、あなたがたの同族にも安住の地を与え、彼らもまた、あなたがたの神、主が与えようとしておられる地を所有するようになったなら、あなたがたは、主のしもべモーセがあなたがたに与えたヨルダン川のこちら側、日の上る方にある、あなたがたの所有地に帰って、それを所有することができる。」
16 彼らはヨシュアに答えて言った。「あなたが私たちに命じたことは、何でも行います。また、あなたが遣わす所、どこへでもまいります。
17 私たちは、モーセに聞き従ったように、あなたに聞き従います。ただ、あなたの神、主が、モーセとともにおられたように、あなたとともにおられますように。
18 あなたの命令に逆らい、あなたが私たちに命じるどんなことばにも聞き従わない者があれば、その者は殺されなければなりません。ただ強く、雄々しくあってください。」
1 ヌンの子ヨシュアは、シティムからひそかにふたりの者を斥候として遣わして、言った。「行って、あの地とエリコを偵察しなさい。」彼らは行って、ラハブという名の遊女の家に入り、そこに泊まった。
2 エリコの王に、「今、イスラエル人のある者たちが、今夜この地を探るために、入って来ました」と告げる者があったので、
3 エリコの王はラハブのところに人をやって言った。「あなたのところに来て、あなたの家に入った者たちを連れ出しなさい。その者たちは、この地のすべてを探るために来たのだから。」
4 ところが、この女はそのふたりの人をかくまって、こう言った。「その人たちは私のところに来ました。しかし、私はその人たちがどこから来たのか知りませんでした。
5 その人たちは、暗くなって、門が閉じられるころ、出て行きました。その人たちがどこへ行ったのか存じません。急いで彼らのあとを追ってごらんなさい。追いつけるでしょう。」
6 彼女はふたりを屋上に連れて行き、屋上に並べてあった亜麻の茎の中に隠していたのである。
7 彼らはその人たちのあとを追って、ヨルダン川の道を渡し場へ向かった。彼らがあとを追って出て行くと、門はすぐ閉じられた。
8 ふたりの人がまだ寝ないうちに、彼女は屋上の彼らのところに上って来て、
9 その人たちに言った。「主がこの地をあなたがたに与えておられること、私たちはあなたがたのことで恐怖に襲われており、この地の住民もみな、あなたがたのことで震えおののいていることを、私は知っています。
10 あなたがたがエジプトから出て来られたとき、主があなたがたの前で、1葦の海の水をからされたこと、また、あなたがたがヨルダン川の向こう側にいたエモリ人のふたりの王シホンとオグにされたこと、彼らを聖絶したことを、私たちは聞いているからです。
11 私たちは、それを聞いたとき、あなたがたのために、心がしなえて、もうだれにも、勇気がなくなってしまいました。あなたがたの神、主は、上は天、下は地において神であられるからです。
12 どうか、私があなたがたに真実を尽くしたように、あなたがたもまた私の父の家に真実を尽くすと、今、主にかけて私に誓ってください。そして、私に確かな証拠を下さい。
13 私の父、母、兄弟、姉妹、また、すべて彼らに属する者を生かし、私たちのいのちを死から救い出してください。」
14 その人たちは、彼女に言った。「あなたがたが、私たちのこのことをしゃべらなければ、私たちはいのちにかけて誓おう。主が私たちにこの地を与えてくださるとき、私たちはあなたに真実と誠実を尽くそう。」
15 そこで、ラハブは綱で彼らを窓からつり降ろした。彼女の家は城壁の中に建て込まれていて、彼女はその城壁の中に住んでいたからである。
16 彼女は彼らに言った。「追っ手に出会わないように、あなたがたは山地のほうへ行き、追っ手が引き返すまで三日間、そこで身を隠していてください。それから帰って行かれたらよいでしょう。」
17 その人たちは彼女に言った。「あなたが私たちに誓わせたこのあなたの誓いから、私たちは解かれる。
18 私たちが、この地に入って来たなら、あなたは、私たちをつり降ろした窓に、この赤いひもを結びつけておかなければならない。また、あなたの父と母、兄弟、また、あなたの父の家族を全部、あなたの家に集めておかなければならない。
19 あなたの家の戸口から外へ出る者があれば、その血はその者自身のこうべに帰する。私たちは誓いから解かれる。しかし、あなたといっしょに家の中にいる者に手をかけるなら、その血は私たちのこうべに帰する。
20 だが、もしあなたが私たちのこのことをしゃべるなら、あなたが私たちに誓わせたあなたの誓いから私たちは解かれる。」
21 ラハブは言った。「おことばどおりにいたしましょう。」こうして、彼女は彼らを送り出したので、彼らは去った。そして彼女は窓に赤いひもを結んだ。
22 彼らは去って山地のほうへ行き、追っ手が引き返すまで三日間、そこにとどまった。追っ手は彼らを道中くまなく捜したが、見つけることができなかった。
23 ふたりの人は、帰途につき、山を下り、川を渡り、ヌンの子ヨシュアのところに来て、その身に起こったことを、ことごとく話した。
24 それから、ヨシュアにこう言った。「主は、あの地をことごとく私たちの手に渡されました。そればかりか、あの地の住民はみな、私たちのことで震えおののいています。」
1 ヨシュアは翌朝早く、イスラエル人全部といっしょに、シティムを出発してヨルダン川の川岸まで行き、それを渡る前に、そこに泊まった。
2 三日たってから、つかさたちは宿営の中を巡り、
3民に命じて言った。「あなたがたは、あなたがたの神、主の契約の箱を見、レビ人の祭司たちが、それをかついでいるのを見たなら、あなたがたのいる所を発って、そのうしろを進まなければならない。
4 あなたがたと箱との間には、約二千キュビトの距離をおかなければならない。それに近づいてはならない。それは、あなたがたの行くべき道を知るためである。あなたがたは、今までこの道を通ったことがないからだ。」
5 ヨシュアは民に言った。「あなたがたの身をきよめなさい。あす、主が、あなたがたのうちで不思議を行われるから。」
6 ヨシュアは祭司たちに命じて言った。「契約の箱をかつぎ、民の先頭に立って渡りなさい。」そこで、彼らは契約の箱をかつぎ、民の先頭に立って行った。
7主はヨシュアに仰せられた。「きょうから、わたしはイスラエル全体の見ている前で、あなたを大いなる者としよう。それは、わたしがモーセとともにいたように、あなたとともにいることを、彼らが知るためである。
8 あなたは契約の箱をかつぐ祭司たちに命じてこう言え。『ヨルダン川の水ぎわに来たとき、あなたがたはヨルダン川の中に立たなければならない。』」
9 ヨシュアはイスラエル人に言った。「ここに近づき、あなたがたの神、主のことばを聞きなさい。」
10 ヨシュアは言った。「生ける神があなたがたのうちにおられ、あなたがたの前から、カナン人、ヘテ人、ヒビ人、ペリジ人、ギルガシ人、エモリ人、エブス人を、必ず追い払われることを、次のことで知らなければならない。
11 見よ。全地の主の契約の箱が、あなたがたの先頭に立って、ヨルダン川を渡ろうとしている。
12 今、部族ごとにひとりずつ、イスラエルの部族の中から十二人を選び出しなさい。
13 全地の主である主の箱をかつぐ祭司たちの足の裏が、ヨルダン川の水の中にとどまると、ヨルダン川の水は、上から流れ下って来る水がせきとめられ、せきをなして立つようになる。」
14民がヨルダン川を渡るために、天幕を発ったとき、契約の箱をかつぐ祭司たちは民の先頭にいた。
15箱をかつぐ者がヨルダン川まで来て、箱をかつぐ祭司たちの足が水ぎわに浸ったとき、──ヨルダン川は刈り入れの間中、岸いっぱいにあふれるのだが──
16 上から流れ下る水はつっ立って、はるかかなたのツァレタンのそばにある町アダムのところで、せきをなして立ち、アラバの海、すなわち塩の海のほうに流れ下る水は完全にせきとめられた。民はエリコに面するところを渡った。
17主の契約の箱をかつぐ祭司たちがヨルダン川の真ん中のかわいた地にしっかりと立つうちに、イスラエル全体は、かわいた地を通り、ついに民はすべてヨルダン川を渡り終わった。
1民がすべてヨルダン川を渡り終わったとき、主はヨシュアに告げて仰せられた。
2 「民の中から十二人、部族ごとにひとりずつを選び出し、
3 彼らに命じて言え。『ヨルダン川の真ん中で、祭司たちの足が堅く立ったその所から十二の石を取り、それを持って来て、あなたがたが今夜泊まる宿営地にそれを据えよ。』」
4 そこで、ヨシュアはイスラエルの人々の中から、部族ごとにひとりずつ、あらかじめ用意しておいた十二人の者を召し出した。
5 ヨシュアは彼らに言った。「ヨルダン川の真ん中の、あなたがたの神、主の箱の前に渡って行って、イスラエルの子らの部族の数に合うように、各自、石一つずつを背負って来なさい。
6 それがあなたがたの間で、しるしとなるためである。後になって、あなたがたの子どもたちが、『これらの石はあなたがたにとってどういうものなのですか』と聞いたなら、
7 あなたがたは彼らに言わなければならない。『ヨルダン川の水は、主の契約の箱の前でせきとめられた。箱がヨルダン川を渡るとき、ヨルダン川の水がせきとめられた。これらの石は永久にイスラエル人の記念なのだ。』」
8 イスラエルの人々は、ヨシュアが命じたとおりにした。主がヨシュアに告げたとおり、イスラエルの子らの部族の数に合うように、ヨルダン川の真ん中から十二の石を取り、それを宿営地に運び、そこに据えた。
9 ──ヨシュアはヨルダン川の真ん中で、契約の箱をかつぐ祭司たちの足の立っていた場所の下にあった十二の石を、立てたのである。それが今日までそこにある──
10箱をかつぐ祭司たちは、主がヨシュアに命じて民に告げさせたことがすべて終わるまで、ヨルダン川の真ん中に立っていた。すべてモーセがヨシュアに命じたとおりである。その間に民は急いで渡った。
11民がすべて渡り終わったとき、主の箱が渡った。祭司たちは民の先頭に立ち、
12 ルベン人と、ガド人と、マナセの半部族は、モーセが彼らに告げたように、イスラエルの人々の先頭を隊を組んで進んだ。
13 いくさのために武装した約四万人が、エリコの草原で戦うために主の前を進んで行った。
14 その日、主は全イスラエルの見ている前でヨシュアを大いなる者とされたので、彼らは、モーセを恐れたように、ヨシュアをその一生の間恐れた。
15主がヨシュアに、
16 「あかしの箱をかつぐ祭司たちに命じて、ヨルダン川から上がって来させよ」と仰せられたとき、
17 ヨシュアは祭司たちに、「ヨルダン川から上がって来なさい」と命じた。
18主の契約の箱をかつぐ祭司たちが、ヨルダン川の真ん中から上がって来て、祭司たちの足の裏が、かわいた地に上がったとき、ヨルダン川の水はもとの所に返って、以前のように、その岸いっぱいになった。
19民は第一の月の十日にヨルダン川から上がって、エリコの東の境にあるギルガルに宿営した。
20 ヨシュアは、彼らがヨルダン川から取って来たあの十二の石をギルガルに立てて、
21 イスラエルの人々に、次のように言った。「後になって、あなたがたの子どもたちがその父たちに、『これらの石はどういうものなのですか』と聞いたなら、
22 あなたがたは、その子どもたちにこう言って教えなければならない。『イスラエルは、このヨルダン川のかわいた土の上を渡ったのだ。』
23 あなたがたの神、主は、あなたがたが渡ってしまうまで、あなたがたの前からヨルダン川の水をからしてくださった。ちょうど、あなたがたの神、主が2葦の海になさったのと同じである。それを、私たちが渡り終わってしまうまで、私たちの前からからしてくださったのである。
24 それは、地のすべての民が、主の御手の強いことを知り、あなたがたがいつも、あなたがたの神、主を恐れるためである。」
1 ヨルダン川のこちら側、西のほうにいたエモリ人のすべての王たちと、海辺にいるカナン人のすべての王たちとは、主がイスラエル人の前でヨルダン川の水をからし、ついに彼らが渡って来たことを聞いて、イスラエル人のために彼らの心がしなえ、彼らのうちに、もはや勇気がなくなってしまった。
2 そのとき、主はヨシュアに仰せられた。「火打石の小刀を作り、もう一度イスラエル人に割礼をせよ。」
3 そこで、ヨシュアは自分で火打石の小刀を作り、ギブアテ・ハアラロテで、イスラエル人に割礼を施した。
4 ヨシュアがすべての民に割礼を施した理由はこうである。エジプトから出て来た者のうち、男子、すなわち戦士たちはすべて、エジプトを出て後、途中、荒野で死んだ。
5 その出て来た民は、すべて割礼を受けていたが、エジプトを出て後、途中、荒野で生まれた民は、だれも割礼を受けていなかったからである。
6 イスラエル人は、四十年間、荒野を旅していて、エジプトから出て来た民、すなわち戦士たちは、ことごとく死に絶えてしまったからである。彼らは主の御声に聞き従わなかったので、主が私たちに与えると彼らの先祖たちに誓われた地、乳と蜜の流れる地を、主は彼らには見せないと誓われたのであった。
7 主は彼らに代わって、その息子たちを起こされた。ヨシュアは、彼らが無割礼の者で、途中で割礼を受けていなかったので、彼らに割礼を施した。
8民のすべてが割礼を完了したとき、彼らは傷が直るまで、宿営の自分たちのところにとどまった。
9 すると、主はヨシュアに仰せられた。「きょう、わたしはエジプトのそしりを、あなたがたから取り除いた。」それで、その所の名は、3ギルガルと呼ばれた。今日もそうである。
10 イスラエル人が、ギルガルに宿営しているとき、その月の十四日の夕方、エリコの草原で彼らは過越のいけにえをささげた。
11過越のいけにえをささげた翌日、彼らはその地の産物、「種を入れないパン」と、炒り麦を食べた。その日のうちであった。
12 彼らがその地の産物を食べた翌日から、マナの降ることはやみ、イスラエル人には、もうマナはなかった。それで、彼らはその年のうちにカナンの地で収穫した物を食べた。
13 さて、ヨシュアがエリコの近くにいたとき、彼が目を上げて見ると、見よ、ひとりの人が抜き身の剣を手に持って、彼の前方に立っていた。ヨシュアはその人のところへ行って、言った。「あなたは、私たちの味方ですか。それとも私たちの敵なのですか。」
14 すると彼は言った。「いや、わたしは主の軍の将として、今、来たのだ。」そこで、ヨシュアは顔を地につけて伏し拝み、彼に言った。「わが主は、何をそのしもべに告げられるのですか。」
15 すると、主の軍の将はヨシュアに言った。「あなたの足のはきものを脱げ。あなたの立っている場所は聖なる所である。」そこで、ヨシュアはそのようにした。
1 エリコは、イスラエル人の前に、城門を堅く閉ざして、だれひとり出入りする者がなかった。
2主はヨシュアに仰せられた。「見よ。わたしはエリコとその王、および勇士たちを、あなたの手に渡した。
3 あなたがた戦士はすべて、町のまわりを回れ。町の周囲を一度回り、六日、そのようにせよ。
4 七人の祭司たちが、七つの雄羊の角笛を持って、箱の前を行き、七日目には、七度町を回り、祭司たちは角笛を吹き鳴らさなければならない。
5祭司たちが雄羊の角笛を長く吹き鳴らし、あなたがたがその角笛の音を聞いたなら、民はみな、大声でときの声をあげなければならない。町の城壁がくずれ落ちたなら、民はおのおのまっすぐ上って行かなければならない。」
6 そこで、ヌンの子ヨシュアは祭司たちを呼び寄せ、彼らに言った。「契約の箱をかつぎなさい。七人の祭司たちが、七つの雄羊の角笛を持って、主の箱の前を行かなければならない。」
7 ついで、彼は民に言った。「進んで行き、あの町のまわりを回りなさい。武装した者たちは、主の箱の前を進みなさい。」
8 ヨシュアが民に言ったとき、七人の祭司たちが、七つの雄羊の角笛を持って主の前を進み、角笛を吹き鳴らした。主の契約の箱は、そのうしろを進んだ。
9武装した者たちは、角笛を吹き鳴らす祭司たちの先を行き、しんがりは箱のうしろを進んだ。彼らは進みながら、角笛を吹き鳴らした。
10 ヨシュアは民に命じて言った。「私がときの声をあげよと言って、あなたがたに叫ばせる日まで、あなたがたは叫んではいけない。あなたがたの声を聞かせてはいけない。また口からことばを出してはいけない。」
11 こうして、彼は主の箱を、一度だけ町のまわりを回らせた。彼らは宿営に帰り、宿営の中で夜を過ごした。
12翌朝、ヨシュアは早く起き、祭司たちは主の箱をかついだ。
13 七人の祭司たちが七つの雄羊の角笛を持って、主の箱の前を行き、角笛を吹き鳴らした。武装した者たちは彼らの先頭に立って行き、しんがりは主の箱のうしろを進んだ。彼らは進みながら角笛を吹き鳴らした。
14 彼らはその次の日にも、町を一度回って宿営に帰り、六日、そのようにした。
15 七日目になると、朝早く夜が明けかかるころ、彼らは同じしかたで町を七度回った。この日だけは七度町を回った。
16 その七度目に祭司たちが角笛を吹いたとき、ヨシュアは民に言った。「ときの声をあげなさい。主がこの町をあなたがたに与えてくださったからだ。
17 この町と町の中のすべてのものを、主のために聖絶しなさい。ただし遊女ラハブと、その家に共にいる者たちは、すべて生かしておかなければならない。あの女は私たちの送った使者たちをかくまってくれたからだ。
18 ただ、あなたがたは、聖絶のものに手を出すな。聖絶のものにしないため、聖絶のものを取って、イスラエルの宿営を聖絶のものにし、これにわざわいをもたらさないためである。
19 ただし、銀、金、および青銅の器、鉄の器はすべて、主のために聖別されたものだから、主の宝物倉に持ち込まなければならない。」
20 そこで、民はときの声をあげ、祭司たちは角笛を吹き鳴らした。民が角笛の音を聞いて、大声でときの声をあげるや、城壁がくずれ落ちた。そこで民はひとり残らず、まっすぐ町へ上って行き、その町を攻め取った。
21 彼らは町にあるものは、男も女も、若い者も年寄りも、また牛、羊、ろばも、すべて剣の刃で聖絶した。
22 ヨシュアはこの地を偵察したふたりの者に言った。「あなたがたがあの遊女に誓ったとおり、あの女の家に行って、その女とその女に属するすべての者を連れ出しなさい。」
23斥候になったその若者たちは、行って、ラハブとその父、母、兄弟、そのほか彼女に属するすべての者を連れ出し、また、彼女の親族をみな連れ出して、イスラエルの宿営の外にとどめておいた。
24 彼らは町とその中のすべてのものを火で焼いた。ただ銀、金、および青銅の器、鉄の器は、主の宮の宝物倉に納めた。
25 しかし、遊女ラハブとその父の家族と彼女に属するすべての者とは、ヨシュアが生かしておいたので、ラハブはイスラエルの中に住んだ。今日もそうである。これは、ヨシュアがエリコを偵察させるために遣わした使者たちを、ラハブがかくまったからである。
26 ヨシュアは、そのとき、誓って言った。「この町エリコの再建を企てる者は、主の前にのろわれよ。その礎を据える者は長子を失い、その門を建てる者は末の子を失う。」
27主がヨシュアとともにおられたので、そのうわさは地にあまねく広まった。
1 しかしイスラエルの子らは、聖絶のもののことで不信の罪を犯し、ユダ部族のゼラフの子ザブディの子であるカルミの子アカンが、聖絶のもののいくらかを取った。そこで、主の怒りはイスラエル人に向かって燃え上がった。
2 ヨシュアはエリコから人々をベテルの東、ベテ・アベンの近くにあるアイに遣わすとき、その人々に次のように言った。「上って行って、あの地を偵察して来なさい。」そこで、人々は上って行って、アイを偵察した。
3 彼らはヨシュアのもとに帰って来て言った。「民を全部行かせないでください。二、三千人ぐらいを上らせて、アイを打たせるといいでしょう。彼らはわずかなのですから、民を全部やって、骨折らせるようなことはしないでください。」
4 そこで、民のうち、およそ三千人がそこに上ったが、彼らはアイの人々の前から逃げた。
5 アイの人々は、彼らの中の約三十六人を打ち殺し、彼らを門の前からシェバリムまで追って、下り坂で彼らを打ったので、民の心がしなえ、水のようになった。
6 ヨシュアは着物を裂き、イスラエルの長老たちといっしょに、主の箱の前で、夕方まで地にひれ伏し、自分たちの頭にちりをかぶった。
7 ヨシュアは言った。「ああ、4神、主よ。あなたはどうしてこの民にヨルダン川をあくまでも渡らせて、私たちをエモリ人の手に渡して、滅ぼそうとされるのですか。私たちは心を決めてヨルダン川の向こう側に居残ればよかったのです。
8 ああ、主よ。イスラエルが敵の前に背を見せた今となっては、何を申し上げることができましょう。
9 カナン人や、この地の住民がみな、これを聞いて、私たちを攻め囲み、私たちの名を地から断ってしまうでしょう。あなたは、あなたの大いなる御名のために何をなさろうとするのですか。」
10主はヨシュアに仰せられた。
「立て。あなたはどうしてそのようにひれ伏しているのか。
11 イスラエルは罪を犯した。現に、彼らは、わたしが彼らに命じたわたしの契約を破り、聖絶のものの中から取り、盗み、偽って、それを自分たちのものの中に入れさえした。
12 だから、イスラエル人は敵の前に立つことができず、敵に背を見せたのだ。彼らが聖絶のものとなったからである。あなたがたのうちから、その聖絶のものを一掃してしまわないなら、わたしはもはやあなたがたとともにはいない。
13 立て。民をきよめよ。そして言え。
あなたがたは、あすのために身をきよめなさい。イスラエルの神、主がこう仰せられるからだ。『イスラエルよ。あなたのうちに、聖絶のものがある。あなたがたがその聖絶のものを、あなたがたのうちから除き去るまで、敵の前に立つことはできない。
14 あしたの朝、あなたがたは部族ごとに進み出なければならない。主がくじで取り分ける部族は、氏族ごとに進みいで、主が取り分ける氏族は、家族ごとに進みいで、主が取り分ける家族は、男ひとりひとり進み出なければならない。
15 その聖絶のものを持っている者が取り分けられたなら、その者は、所有物全部といっしょに、火で焼かれなければならない。彼が主の契約を破り、イスラエルの中で恥辱になることをしたからである。』」
16 そこで、ヨシュアは翌朝早く、イスラエルを部族ごとに進み出させた。するとユダの部族がくじで取り分けられた。
17 ユダの氏族を進み出させると、ゼラフ人の氏族が取られた。ゼラフ人の氏族を男ひとりひとり進み出させると、ザブディが取られた。
18 ザブディの家族を男ひとりひとり進み出させると、ユダの部族のゼラフの子ザブディの子カルミの子のアカンが取られた。
19 そこで、ヨシュアはアカンに言った。「わが子よ。イスラエルの神、主に栄光を帰し、主に告白しなさい。あなたが何をしたのか私に告げなさい。私に隠してはいけない。」
20 アカンはヨシュアに答えて言った。「ほんとうに、私はイスラエルの神、主に対して罪を犯しました。私は次のようなことをいたしました。
21 私は、分捕り物の中に、シヌアルの美しい外套一枚と、銀二百シェケルと、目方五十シェケルの金の延べ棒一本があるのを見て、欲しくなり、それらを取りました。それらは今、私の天幕の中の地に隠してあり、銀はその下にあります。」
22 そこで、ヨシュアが使いたちを遣わした。彼らは天幕に走って行った。そして、見よ、それらが彼の天幕に隠してあって、銀はその下にあった。
23 彼らは、それらを天幕の中から取り出して、ヨシュアと全イスラエル人のところに持って来た。彼らは、それらを主の前に置いた。
24 ヨシュアは全イスラエルとともに、ゼラフの子アカンと、銀や、外套、金の延べ棒、および彼の息子、娘、牛、ろば、羊、天幕、それに、彼の所有物全部を取って、アコルの谷へ連れて行った。
25 そこでヨシュアは言った。「なぜあなたは私たちにわざわいをもたらしたのか。主は、きょう、あなたにわざわいをもたらされる。」全イスラエルは彼を石で打ち殺し、彼らのものを火で焼き、それらに石を投げつけた。
26 こうして彼らは、アカンの上に、大きな、石くれの山を積み上げた。今日もそのままである。そこで、主は燃える怒りをやめられた。そういうわけで、その所の名は、5アコルの谷と呼ばれた。今日もそうである。
1主はヨシュアに仰せられた。「恐れてはならない。おののいてはならない。戦う民全部を連れてアイに攻め上れ。見よ。わたしはアイの王と、その民、その町、その地を、あなたの手に与えた。
2 あなたがエリコとその王にしたとおりに、アイとその王にもせよ。ただし、その分捕り物と家畜だけは、あなたがたの戦利品としてよい。あなたは町のうしろに伏兵を置け。」
3 そこで、ヨシュアは戦う民全部と、アイに上って行く準備をした。ヨシュアは勇士たち三万人を選び、彼らを夜のうちに派遣した。
4 そのとき、ヨシュアは彼らに命じて言った。「聞きなさい。あなたがたは町のうしろから町に向かう伏兵である。町からあまり遠く離れないで、みな用意をしていなさい。
5 私と私とともにいる民はすべて、町に近づく。彼らがこの前と同じように、私たちに向かって出て来るなら、私たちは彼らの前で、逃げよう。
6 彼らが私たちを追って出て、私たちは彼らを町からおびき出すことになる。彼らは、『われわれの前から逃げて行く。前と同じことだ』と言うだろうから。そうして私たちは彼らの前から逃げる。
7 あなたがたは伏している所から立ち上がり、町を占領しなければならない。あなたがたの神、主が、それをあなたがたの手に渡される。
8 その町を取ったら、その町に火をかけなければならない。主の言いつけどおりに行わなければならない。見よ。私はあなたがたに命じた。」
9 こうして、ヨシュアは彼らを派遣した。彼らは待ち伏せの場所へ行き、アイの西方、ベテルとアイの間にとどまった。ヨシュアはその夜、民の中で夜を過ごした。
10 ヨシュアは翌朝早く民を召集し、イスラエルの長老たちといっしょに、民の先頭に立って、アイに上って行った。
11 彼とともにいた戦う民はみな、上って行って、町の前に近づき、アイの北側に陣を敷いた。彼とアイとの間には、一つの谷があった。
12 彼が約五千人を取り、町の西側、ベテルとアイの間に伏兵として配置してから、
13民は町の北に全陣営を置き、後陣を町の西に置いた。ヨシュアは、その夜、谷の中で夜を過ごした。
14 アイの王が気づくとすぐ、町の人々は、急いで、朝早くイスラエルを迎えて戦うために、出て来た。王とその民全部はアラバの前の定められた所に出て来た。しかし王は、町のうしろに、伏兵がいることを知らなかった。
15 ヨシュアと全イスラエルは、彼らに打たれて、荒野への道を逃げた。
16 アイにいた民はみな、彼らのあとを追えと叫び、ヨシュアのあとを追って、町からおびき出された。
17 イスラエルのあとを追って出なかった者は、アイとベテルにひとりもないまでになった。彼らは町を明け放しのまま捨てておいて、イスラエルのあとを追った。
18 そのとき、主はヨシュアに仰せられた。「手に持っている投げ槍をアイのほうに差し伸ばせ。わたしがアイをあなたの手に渡すから。」そこで、ヨシュアは手に持っていた投げ槍を、その町のほうに差し伸ばした。
19伏兵はすぐにその場所から立ち上がり、彼の手が伸びたとき、すぐに走って町に入り、それを攻め取り、急いで町に火をつけた。
20 アイの人々がうしろを振り返ったとき、彼らは気づいた。見よ、町の煙が天に立ち上っていた。彼らには、こちらへも、あちらへも逃げる手だてがなかった。荒野へ逃げていた民は、追って来た者たちのほうに向き直った。
21 ヨシュアと全イスラエルは、伏兵が町を攻め取り、町の煙が立ち上るのを見て、引き返して来て、アイの者どもを打った。
22 ある者は町から出て来て、彼らに立ち向かったが、両方の側から、イスラエルのはさみ打ちに会った。彼らはこの者どもを打ち、生き残った者も、のがれた者も、ひとりもいないまでにした。
23 しかし、アイの王は生けどりにして、ヨシュアのもとに連れて来た。
24 イスラエルが、彼らを追って来たアイの住民をことごとく荒野の戦場で殺し、剣の刃で彼らをひとりも残さず倒して後、イスラエルの全員はアイに引き返し、その町を剣の刃で打った。
25 その日、打ち倒された男や女は合わせて一万二千人で、アイのすべての人々であった。
26 ヨシュアは、アイの住民をことごとく聖絶するまで、投げ槍を差し伸べた手を引っ込めなかった。
27 ただし、イスラエルは、その町の家畜と分捕り物を、主がヨシュアに命じたことばのとおり、自分たちの戦利品として取った。
28 こうして、ヨシュアはアイを焼いて、永久に荒れ果てた丘とした。今日もそのままである。
29 ヨシュアはアイの王を、夕方まで木にかけてさらし、日の入るころ、命じて、その死体を木から降ろし、町の門の入口に投げ、その上に大きな、石くれの山を積み上げさせた。今日もそのままである。
30 それからヨシュアは、エバル山に、イスラエルの神、主のために、一つの祭壇を築いた。
31 それは、主のしもべモーセがイスラエルの人々に命じたとおりであり、モーセの律法の書にしるされているとおりに、鉄の道具を当てない自然のままの石の祭壇であった。彼らはその上で、主に全焼のいけにえをささげ、和解のいけにえをささげた。
32 その所で、ヨシュアは、モーセが書いた律法の写しをイスラエルの人々の前で、石の上に書いた。
33 全イスラエルは、その長老たち、つかさたち、さばきつかさたちとともに、それに在留異国人もこの国に生まれた者も同様に、主の契約の箱をかつぐレビ人の祭司たちの前で、箱のこちら側と向こう側とに分かれ、その半分はゲリジム山の前に、あとの半分はエバル山の前に立った。それは、主のしもべモーセが先に命じたように、イスラエルの民を祝福するためであった。
34 それから後、ヨシュアは律法の書にしるされているとおりに、祝福とのろいについての律法のことばを、ことごとく読み上げた。
35 モーセが命じたすべてのことばの中で、ヨシュアがイスラエルの全集会、および女と子どもたち、ならびに彼らの間に来る在留異国人の前で読み上げなかったことばは、一つもなかった。
1 さて、ヨルダン川のこちら側の山地、6低地、およびレバノンの前の大海の全沿岸のヘテ人、エモリ人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の王たちはみな、これを聞き、
2相集まり、一つになってヨシュアおよびイスラエルと戦おうとした。
3 しかし、ギブオンの住民たちは、ヨシュアがエリコとアイに対して行ったことを聞いて、
4 彼らもまた計略をめぐらし、7変装を企てた。彼らは古びた袋と古びて破れたのに継ぎを当てたぶどう酒の皮袋とを、ろばに負わせ、
5繕った古いはきものを足にはき、古びた着物を身に着けた。彼らの食料のパンは、みなかわいて、ぼろぼろになっていた。
6 こうして、彼らはギルガルの陣営のヨシュアのところに来て、彼とイスラエルの人々に言った。「私たちは遠い国からまいりました。ですから、今、私たちと盟約を結んでください。」
7 イスラエルの人々は、そのヒビ人たちに言った。「たぶんあなたがたは私たちの中に住んでいるのだろう。どうして私たちがあなたがたと盟約を結ぶことができようか。」
8 すると、彼らはヨシュアに言った。「私たちはあなたのしもべです。」しかしヨシュアは彼らに言った。「あなたがたはだれだ。どこから来たのか。」
9 彼らは言った。「しもべどもは、あなたの神、主の名を聞いて、非常に遠い国からまいりました。私たちは主のうわさ、および主がエジプトで行われたすべての事、
10 主がヨルダン川の向こう側のエモリ人のふたりの王、ヘシュボンの王シホン、およびアシュタロテにいたバシャンの王オグになさったすべての事を聞いたからです。
11 それで、私たちの長老たちや、私たちの国の住民はみな、私たちに言いました。『あなたがたは、旅のための食料を手に持って、彼らに会いに出かけよ。そして彼らに、私たちはあなたがたのしもべです。それで、今、私たちと盟約を結んでくださいと言え。』
12 この私たちのパンは、私たちがあなたがたのところに来ようとして出た日に、それぞれの家から、まだあたたかなのを、食料として準備したのですが、今はもう、ご覧のとおり、かわいて、ぼろぼろになってしまいました。
13 また、ぶどう酒を満たしたこれらの皮袋も、新しかったのですが、ご覧のとおり、破れてしまいました。私たちのこの着物も、はきものも、非常に長い旅のために、古びてしまいました。」
14 そこで8人々は、彼らの食料のいくらかを取ったが、主の指示をあおがなかった。
15 ヨシュアが彼らと和を講じ、彼らを生かしてやるとの盟約を結んだとき、会衆の上に立つ族長たちは、彼らに誓った。
16 彼らと盟約を結んで後三日たったとき、人々は、彼らが近くの者たちで、自分たちの中に住んでいるということを聞いた。
17 それから、イスラエル人は旅立って、三日目に彼らの町々に着いた。彼らの町々とは、ギブオン、ケフィラ、ベエロテ、およびキルヤテ・エアリムであった。
18会衆の上に立つ族長たちがすでにイスラエルの神、主にかけて彼らに誓っていたので、イスラエル人は彼らを打たなかった。しかし、全会衆は族長たちに向かって不平を鳴らした。
19 そこで族長たちはみな、全会衆に言った。「私たちはイスラエルの神、主にかけて彼らに誓った。だから今、私たちは彼らに触れることはできない。
20 私たちは彼らにこうしよう。彼らを生かしておこう。そうすれば、私たちが彼らに誓った誓いのために、御怒りが私たちの上に下らないだろう。」
21族長たちが全会衆に、「彼らを生かしておこう」と言ったので、彼らは全会衆のために、たきぎを割る者、水を汲む者となった。族長たちが彼らに言ったとおりである。
22 ヨシュアは彼らを呼び寄せて、彼らに次のように言った。「あなたがたは、私たちの中に住んでいながら、なぜ、『私たちはあなたがたから非常に遠い所にいる』と言って、私たちを欺いたのか。
23 今、あなたがたはのろわれ、あなたがたはいつまでも奴隷となり、私の神の家のために、たきぎを割る者、水を汲む者となる。」
24 すると、彼らはヨシュアに答えて言った。「あなたの神、主がそのしもべモーセに、この全土をあなたがたに与え、その地の住民のすべてをあなたがたの前から滅ぼしてしまうようにと、お命じになったことを、このあなたのしもべどもは、はっきり知らされたのです。ですから、あなたがたの前で私たちのいのちが失われるのを、非常に恐れたので、このようなことをしたのです。
25 ご覧ください。私たちは今、あなたの手の中にあります。あなたのお気に召すように、お目にかなうように私たちをお扱いください。」
26 ヨシュアは彼らにそのようにし、彼らをイスラエル人の手から救って、殺さなかった。
27 こうしてヨシュアは、その日、彼らを会衆のため、また主の祭壇のため、主が選ばれた場所で、たきぎを割る者、水を汲む者とした。今日もそうである。
1 さて、エルサレムの王アドニ・ツェデクは、ヨシュアがアイを攻め取って、それを聖絶し、先にエリコとその王にしたようにアイとその王にもしたこと、またギブオンの住民がイスラエルと和を講じて、彼らの中にいることを聞き、
2 大いに恐れた。それは、ギブオンが大きな町であって、王国の都の一つのようであり、またアイよりも大きくて、そこの人々はみな勇士たちであったからである。
3 それで、エルサレムの王アドニ・ツェデクは、ヘブロンの王ホハム、ヤルムテの王ピルアム、ラキシュの王ヤフィア、エグロンの王デビルに使いをやって言った。
4 「私のところに上って来て、私を助けてください。私たちはギブオンを打ちましょう。ギブオンがヨシュア、イスラエル人と和を講じたから。」
5 それで、エモリ人の五人の王たち、エルサレムの王、ヘブロンの王、ヤルムテの王、ラキシュの王、エグロンの王とその全陣営は、相集まり、上って行って、ギブオンに向かって陣を敷き、それを攻めて戦った。
6 ギブオンの人々は、ギルガルの陣営のヨシュアのところに使いをやって言った。「あなたのしもべどもからあなたの手を引かないで、早く、私たちのところに上って来て私たちを救い、助けてください。山地に住むエモリ人の王たちがみな集まって、私たちに向かっているからです。」
7 そこでヨシュアは、すべての戦う民と、すべての勇士たちとを率いて、ギルガルから上って行った。
8主はヨシュアに仰せられた。「彼らを恐れてはならない。わたしが彼らをあなたの手に渡したからだ。彼らのうち、ひとりとしてあなたの前に立ち向かうことのできる者はいない。」
9 それで、ヨシュアは夜通しギルガルから上って行って、突然彼らを襲った。
10主が彼らをイスラエルの前でかき乱したので、イスラエルはギブオンで彼らを激しく打ち殺し、ベテ・ホロンの上り坂を通って彼らを追い、アゼカとマケダまで行って彼らを打った。
11 彼らがイスラエルの前から逃げて、ベテ・ホロンの下り坂にいたとき、主は天から彼らの上に大きな石を降らし、アゼカに至るまでそうしたので、彼らは死んだ。イスラエル人が剣で殺した者よりも、雹の石で死んだ者のほうが多かった。
12主がエモリ人をイスラエル人の前に渡したその日、ヨシュアは主に語り、イスラエルの見ている前で言った。
「日よ。ギブオンの上で動くな。
月よ。アヤロンの谷で。」
13 民がその敵に復讐するまで、
日は動かず、月はとどまった。
これは、ヤシャルの書にしるされているではないか。こうして、日は天のまなかにとどまって、まる一日ほど出て来ることを急がなかった。
14主が人の声を聞き入れたこのような日は、先にもあとにもなかった。主がイスラエルのために戦ったからである。
15 ヨシュアは、全イスラエルを率いてギルガルの陣営に引き揚げた。
16 これらの五人の王たちは逃げて、マケダのほら穴に隠れた。
17 その後、マケダのほら穴に隠れている五人の王たちが見つかったという知らせがヨシュアに入った。
18 そこでヨシュアは言った。「ほら穴の口に大きな石をころがし、そのそばに人を置いて、彼らを見張りなさい。
19 しかしあなたがたはそこにとどまってはならない。敵のあとを追い、彼らのしんがりを攻撃しなさい。彼らの町に入らせてはならない。あなたがたの神、主が彼らをあなたがたの手に渡されたからだ。」
20 ヨシュアとイスラエル人は、非常に激しく打って、彼らを絶ち滅ぼし、ついに全滅させた。彼らのうちの生き残った者たちは、城壁のある町々に逃げ込んだ。
21 そこで民はみな無事にマケダの陣営のヨシュアのもとに引き揚げたが、イスラエル人に向かって9ののしる者はだれもなかった。
22 その後、ヨシュアは言った。「ほら穴の口を開いて、ほら穴からあの五人の王たちを私のもとに引き出して来なさい。」
23 彼らはそのとおりにして、ほら穴からあの五人の王たち、エルサレムの王、ヘブロンの王、ヤルムテの王、ラキシュの王、エグロンの王を彼のもとに引き出して来た。
24 彼らがその王たちをヨシュアのもとに引き出して来たとき、ヨシュアはイスラエルのすべての人々を呼び寄せ、自分といっしょに行った戦士たちを率いた人たちに言った。「近寄って、この王たちの首に足をかけなさい。」そこで彼らは近寄り、その王たちの首に足をかけた。
25 ヨシュアは彼らに言った。「恐れてはならない。おののいてはならない。強くあれ。雄々しくあれ。あなたがたの戦うすべての敵は、主がこのようにされる。」
26 このようにして後、ヨシュアは彼らを打って死なせ、彼らを五本の木にかけ、夕方まで木にかけておいた。
27 日の入るころになって、ヨシュアは彼らを木から降ろすように命じ、彼らが隠れていたほら穴の中に投げ込み、ほら穴の口に大きな石を置かせた。今日もそうである。
28 その日、ヨシュアはマケダを攻め取り、剣の刃で、この地とその王とを打った。彼は、この地とその中にいたすべての者を聖絶し、ひとりも生き残る者がないようにした。彼はエリコの王にしたように、マケダの王にもした。
29 ヨシュアは全イスラエルを率いて、マケダからリブナに進み、リブナと戦った。
30主が、その地も、その王も、イスラエルの手に渡されたので、彼は、この地とその中のすべての者を、剣の刃で打ち、その中にひとりも生き残る者がないようにした。彼はエリコの王にしたように、その王にもした。
31 ヨシュアはまた、全イスラエルを率いて、リブナからラキシュに進み、それに向かって陣を敷き、それと戦った。
32主がラキシュをイスラエルの手に渡されたので、彼は二日目にそれを取り、それと、その中のすべての者を、剣の刃で打った。すべてリブナにしたとおりであった。
33 そのとき、ゲゼルの王ホラムが、ラキシュを助けるために上って来たので、ヨシュアは、彼とその民を打ち、ひとりも生き残る者のないまでにした。
34 ヨシュアはまた、全イスラエルを率いて、ラキシュからエグロンに進み、それに向かって陣を敷き、それと戦った。
35 彼らはその日それを取り、剣の刃でそれを打ち、その日、その中のすべての者を聖絶した。すべてラキシュにしたとおりであった。
36 ヨシュアはまた、全イスラエルを率いて、エグロンからヘブロンに上り、彼らはそれと戦った。
37 彼らは、それを取り、それとその王、およびそのすべての町々とその中のすべての者を、剣の刃で打ち、ひとりも生き残る者がないようにした。すべてエグロンにしたとおりであった。彼は、それとその中のすべての者を聖絶した。
38 ヨシュアは全イスラエルを率いて、デビルに引き返し、これと戦った。
39 そして彼は、その地とその王、およびその中のすべての町々を取り、剣の刃でこれらを打ち、その中のすべての者を聖絶し、ひとりも生き残る者がないようにした。彼がデビルとその王にしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナとその王にしたとおりであった。
40 こうして、ヨシュアはその全土、すなわち山地、ネゲブ、10低地、傾斜地、そのすべての王たちを打ち、ひとりも生き残る者がないようにし、息のあるものはみな聖絶した。イスラエルの神、主が命じられたとおりであった。
41 ヨシュアは、また、カデシュ・バルネアからガザまで、およびゴシェンの全土をギブオンに至るまで打った。
42 ヨシュアはこれらすべての王たちとその地とをいちどきに攻め取った。イスラエルの神、主が、イスラエルのために戦われたからである。
43 それで、ヨシュアは全イスラエルを率いて、ギルガルの陣営に引き揚げた。
1 ハツォルの王ヤビンは、このことを聞いて、マドンの王ヨバブ、シムロンの王、アクシャフの王、
2 また北方の山地、11キネレテの南のアラバ、12低地、西方のドルの高地にいる王たち、
3 すなわち、東西のカナン人、エモリ人、ヘテ人、ペリジ人、山地のエブス人、ミツパの地にあるヘルモンのふもとのヒビ人に使いをやった。
4 それで彼らは、その全陣営を率いて出て来た。その人数は海辺の砂のように多く、馬や戦車も非常に多かった。
5 これらの王たちはみな、相集まり、進んで来て、イスラエルと戦うために、メロムの水のあたりに一つになって陣を敷いた。
6主はヨシュアに仰せられた。「彼らを恐れてはならない。あすの今ごろ、わたしは彼らをことごとくイスラエルの前で、刺し殺された者とするからだ。あなたは、彼らの馬の足の筋を切り、彼らの戦車を火で焼かなければならない。」
7 そこで、ヨシュアは戦う民をみな率いて、メロムの水のあたりで、彼らを急襲し、彼らに襲いかかった。
8主が彼らをイスラエルの手に渡されたので、イスラエルは、彼らを打ち、大シドン、およびミスレフォテ・マイムまで追い、さらに東のほうでは、13ミツパの谷まで彼らを追い、ひとりも生き残る者がないまでに彼らを打った。
9 ヨシュアは、主が命じたとおりに彼らにして、彼らの馬の足の筋を切り、彼らの戦車を火で焼いた。
10 そのとき、ヨシュアは引き返して、ハツォルを攻め取り、その王を剣で打ち殺した。ハツォルは以前、これらすべての王国の首都だったからである。
11 彼らは、その中のすべての者を剣の刃で打ち、彼らを聖絶した。息のあるものは、何も残さなかった。彼はハツォルを火で焼いた。
12 ヨシュアは、それらの王たちのすべての町々、および、そのすべての王たちを捕らえ、彼らを剣の刃で打ち殺し、聖絶した。主のしもべモーセが命じたとおりであった。
13 ただしイスラエルは、丘の上に立っている町々は焼かなかった。ヨシュアが焼いたハツォルだけは例外である。
14 これらの町々のすべての分捕り物と家畜とは、イスラエル人の戦利品として自分たちのものとした。ただし人間はみな、剣の刃で打ち殺し、彼らを一掃して、息のあるものはひとりも残さなかった。
15主がそのしもべモーセに命じられたとおりに、モーセはヨシュアに命じたが、ヨシュアはそのとおりに行い、主がモーセに命じたすべてのことばを、一言も取り除かなかった。
16 こうして、ヨシュアはこの地のすべて、すなわち山地、ネゲブの全地域、ゴシェンの全土、14低地、アラバ、およびイスラエルの山地と低地を取り、
17 セイルへ上って行くハラク山から、ヘルモン山のふもとのレバノンの谷にあるバアル・ガドまでを取った。また、それらの王をことごとく捕らえて、彼らを打って、殺した。
18 ヨシュアは、これらすべての王たちと長い間戦った。
19 ギブオンの住民ヒビ人を除いては、イスラエル人と和を講じた町は一つもなかった。彼らは戦って、すべてのものを取った。
20 彼らの心をかたくなにし、イスラエルを迎えて戦わせたのは、主から出たことであり、それは主が彼らを容赦なく聖絶するためであった。まさに、主がモーセに命じたとおりに彼らを一掃するためであった。
21 そのとき、ヨシュアは行って、アナク人を、山地、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地、イスラエルのすべての山地から断ち、彼らをその町々とともに聖絶した。
22 それでイスラエル人の地には、アナク人がいなくなった。ただガザ、ガテ、アシュドデにわずかの者が残っていた。
23 こうしてヨシュアは、その地をことごとく取った。すべて主がモーセに告げたとおりであった。ヨシュアはこの地を、イスラエルの部族の割り当てにしたがって、相続地としてイスラエルに分け与えた。その地に戦争はやんだ。
1 イスラエル人は、ヨルダン川の向こう側、日の上る方で、アルノン川からヘルモン山まで、それと東アラバの全部を打ち、それを占領したが、その地の王たちは次のとおりである。
2 エモリ人の王シホン。彼はヘシュボンに住み、アルノン川の縁にあるアロエル、川の中部とギルアデの半分、アモン人の国境のヤボク川までを支配していた。
3 またアラバを、東の15キネレテ湖までと、東のアラバの海、すなわち塩の海、ベテ・ハエシモテの道まで、南はピスガの傾斜地のふもとまで支配していた。
4 また、レファイムの生き残りのひとりであったバシャンの王オグの領土。彼は、アシュタロテとエデレイに住み、
5 ヘルモン山、サルカ、ゲシュル人とマアカ人の国境に至るバシャンの全土、およびギルアデの半分、ヘシュボンの王シホンの国境までを支配していた。
6主のしもべモーセとイスラエル人とは彼らを打った。主のしもべモーセは、ルベン人と、ガド人と、マナセの半部族に、これらを所有地として与えた。
7 ヨシュアとイスラエル人とがヨルダン川のこちら側、西のほうで、レバノンの谷にあるバアル・ガドから、セイルへ上って行くハラク山までの地で打った王たちは、次のとおりである。──ヨシュアはこの地をイスラエルの部族に、所有地、その割り当ての地として与えた──
8 これらは、山地、16低地、アラバ、傾斜地、荒野、およびネゲブにおり、ヘテ人、エモリ人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人であった。
9 エリコの王ひとり。ベテルのそばのアイの王ひとり。
10 エルサレムの王ひとり。ヘブロンの王ひとり。
11 ヤルムテの王ひとり。ラキシュの王ひとり。
12 エグロンの王ひとり。ゲゼルの王ひとり。
13 デビルの王ひとり。ゲデルの王ひとり。
14 ホルマの王ひとり。アラデの王ひとり。
15 リブナの王ひとり。アドラムの王ひとり。
16 マケダの王ひとり。ベテルの王ひとり。
17 タプアハの王ひとり。ヘフェルの王ひとり。
18 アフェクの王ひとり。シャロンの王ひとり。
19 マドンの王ひとり。ハツォルの王ひとり。
20 シムロン・メロンの王ひとり。アクシャフの王ひとり。
21 タナクの王ひとり。メギドの王ひとり。
22 ケデシュの王ひとり。カルメルの17ヨクネアムの王ひとり。
23 ドルの高地にいるドルの王ひとり。ギルガルのゴイムの王ひとり。
24 ティルツァの王ひとり。合計三十一人の王である。
1 ヨシュアは年を重ねて老人になった。主は彼に仰せられた。「あなたは年を重ね、老人になったが、まだ占領すべき地がたくさん残っている。
2 その残っている地は次のとおりである。ペリシテ人の全地域、ゲシュル人の全土、
3 エジプトの東のシホルから、北方のカナン人のものとみなされているエクロンの国境まで、ペリシテ人の五人の領主、ガザ人、アシュドデ人、アシュケロン人、ガテ人、エクロン人の地、それに南のアビム人の地、
4 カナン人の全土、シドン人のメアラからエモリ人の国境のアフェクまでの地。
5 また、ヘルモン山のふもとのバアル・ガドから、18レボ・ハマテまでのゲバル人の地、およびレバノンの東側全部。
6 レバノンからミスレフォテ・マイムまでの山地のすべての住民、すなわちシドン人の全部。わたしは彼らをイスラエル人の前から追い払おう。わたしが命じたとおりに、ただあなたはその地をイスラエルに相続地としてくじで分けよ。
7 今、あなたはこの地を、九つの部族と、マナセの半部族とに、相続地として割り当てよ。」
8 マナセの他の半部族とともにルベン人とガド人とは、ヨルダン川の向こう側、東のほうで、モーセが彼らに与えた相続地を取っていた。主のしもべモーセが彼らに与えたとおりである。
9 アルノン川の縁にあるアロエルと、その谷の中にある町からディボンまでのメデバの全台地。
10 ヘシュボンを治めていたエモリ人の王シホンの、アモン人の国境までのすべての町々。
11 ギルアデと、ゲシュル人、ならびにマアカ人の領土、ヘルモン山の全部、サルカまでのバシャンの全部。
12 アシュタロテとエデレイを治めていたバシャンのオグの全王国。オグはレファイムの生き残りであった。モーセはこれらを打って、追い払った。
13 しかし、イスラエル人は、ゲシュル人とマアカ人とを追い払わなかったので、ゲシュルと19マアカとは、イスラエルの中に住んだ。今日もそうである。
14 ただレビの部族だけには、相続地が与えられなかった。主が約束されたとおり、イスラエルの神、主への火によるささげ物、それが彼らの相続地であった。
15 モーセはルベン部族の諸氏族に20相続地を与えた。
16 彼らの地域は、アルノン川の縁にあるアロエルとその谷の中にある町から、メデバの全台地、
17 ヘシュボンとその台地にあるすべての町々、ディボン、バモテ・バアルとベテ・バアル・メオン、
18 ヤハツと、ケデモテと、メファアテと、
19 キルヤタイムと、シブマ、谷の丘にあるツェレテ・ハシャハル、
20 ベテ・ペオルと、ピスガの傾斜地と、ベテ・ハエシモテ、
21 台地のすべての町々と、ヘシュボンを治めていたエモリ人の王シホンの王国の全部。モーセは、シホンと、ミデヤンの君主、エビ、レケム、ツル、フル、レバとを打った。これらは、その地に住んでいたシホンの首長たちであった。
22 イスラエル人は、これらを殺したほか、ベオルの子、占い師のバラムをも剣で殺した。
23 ルベン人の地域は、ヨルダン川とその地域であった。これはルベン族の諸氏族の相続地であり、その町々と村々であった。
24 モーセはまた、ガド部族、ガド族の諸氏族にも相続地を与えた。
25 彼らの地域は、ヤゼルと、ギルアデのすべての町々、アモン人の地の半分で、ラバに面するアロエルまでの地、
26 ヘシュボンからラマテ・21ハミツパとベトニムまで、マハナイムからデビルの国境まで。
27 谷の中では22ベテ・ハラムと、ベテ・ニムラと、スコテと、ツァフォン。ヘシュボンの王シホンの王国の残りの地、ヨルダン川とその地域でヨルダン川の向こう側、東のほうで、キネレテ湖の端までであった。
28 これらは、ガド族の諸氏族の相続地であり、その町々と村々であった。
29 モーセはまた、マナセの半部族にも、23相続地を与えた。マナセの半部族の諸氏族のものである。
30 彼らの地域は、マハナイムからバシャンの全部、バシャンの王オグの王国の全部、バシャンにあるハボテ・ヤイルの全部、その六十の町。
31 またギルアデの半分、バシャンのオグの王国の町であるアシュタロテとエデレイ。これらは、マナセの子マキルの子孫、すなわち、マキル族の半分の諸氏族に与えられた。
32 これらは、エリコのあたりのヨルダン川の向こう側、東のほうのモアブの草原で、モーセが割り当てた相続地である。
33 レビ部族には、モーセは相続地を与えなかった。主が彼らに約束されたとおりにイスラエルの神、主が彼らの相続地である。
1 イスラエル人がカナンの地で相続地の割り当てをした地は次のとおりである。その地を祭司エルアザルと、ヌンの子ヨシュアと、イスラエル人の部族の一族のかしらたちが、彼らに割り当て、
2主がモーセを通して命じたとおりに、九部族と半部族とにくじで相続地を割り当てた。
3 モーセはすでに二部族と半部族とに、ヨルダン川の向こう側で相続地を与えており、またレビ人には、彼らの中で相続地を与えなかったからであり、
4 ヨセフの子孫が、マナセとエフライムの二部族になっていたからである。彼らは、レビ族には、その住むための町々と彼らの所有になる家畜のための放牧地を除いては、その地で割り当て地を与えなかった。
5 イスラエル人は、主がモーセに命じたとおりに行って、その地を割り当てた。
6 ときに、ユダ族がギルガルでヨシュアのところに近づいて来た。そして、ケナズ人エフネの子カレブが、ヨシュアに言った。「主がカデシュ・バルネアで、私とあなたについて、神の人モーセに話されたことを、あなたはご存じのはずです。
7主のしもべモーセがこの地を偵察するために、私をカデシュ・バルネアから遣わしたとき、私は四十歳でした。そのとき、私は自分の心の中にあるとおりを彼に報告しました。
8 私といっしょに上って行った私の身内の者たちは、民の心をくじいたのですが、私は私の神、主に従い通しました。
9 そこでその日、モーセは誓って、『あなたの足が踏み行く地は、必ず永久に、あなたとあなたの子孫の相続地となる。あなたが、私の神、主に従い通したからである』と言いました。
10 今、ご覧のとおり、主がこのことばをモーセに告げられた時からこのかた、イスラエルが荒野を歩いた四十五年間、主は約束されたとおりに、私を生きながらえさせてくださいました。今や私は、きょうでもう八十五歳になります。
11 しかも、モーセが私を遣わした日のように、今も壮健です。私の今の力は、あの時の力と同様、戦争にも、また日常の出入りにも耐えるのです。
12 どうか今、主があの日に約束されたこの山地を私に与えてください。あの日、あなたが聞いたように、そこにはアナク人がおり、城壁のある大きな町々があったのです。主が私とともにいてくだされば、主が約束されたように、私は彼らを追い払うことができましょう。」
13 それでヨシュアは、エフネの子カレブを祝福し、彼にヘブロンを相続地として与えた。
14 それで、ヘブロンは、ケナズ人エフネの子カレブの相続地となった。今日もそうである。それは、彼がイスラエルの神、主に従い通したからである。
15 ヘブロンの名は、以前はキルヤテ・アルバであった。アルバというのは、アナク人の中の最も偉大な人物であった。そして、その地に戦争はやんだ。
1 ユダ族の諸氏族が、くじで割り当てられた地は、エドムの国境に至り、その南端は、南のほうのツィンの荒野であった。
2 その南の境界線は、塩の海の端、南に面する入江から、
3 アクラビムの坂の南に出て、ツィンに進み、カデシュ・バルネアの南から上って、ヘツロンに進み、さらにアダルに上って、カルカに回り、
4 アツモンに進んで、エジプト川に出て、その境界線の終わりは海である。これが、24あなたがたの南の境界線である。
5 東の境界線は、塩の海であって、ヨルダン川の川口までで、北側の境界線は、ヨルダン川の川口の湖の入江から始まり、
6境界線は、ベテ・ホグラに上り、ベテ・ハアラバの北に進み、境界線は、ルベンの子ボハンの石に上って行き、
7境界線はまた、アコルの谷からデビルに上り、川の南側のアドミムの坂の反対側にあるギルガルに向かって北に向かう。また境界線はエン・シェメシュの水に進み、その終わりはエン・ロゲルであった。
8 またその境界線は、ベン・ヒノムの谷を上って、南のほう、エブス人のいる傾斜地、すなわちエルサレムに至る。また境界線は、西のほうヒノムの谷を見おろす山の頂に上る。この谷はレファイムの谷の北のほうの端にある。
9 それからその境界線は、この山の頂から、メ・ネフトアハの泉のほうに折れ、エフロン山の町々に出て、それから境界線は、バアラ、すなわちキルヤテ・エアリムのほうに折れる。
10 またその境界線は、バアラから西に回って、セイル山に至り、エアリム山の北側、すなわちケサロンに進み、ベテ・シェメシュに下り、さらにティムナに進み、
11 その境界線は、エクロンの北側に出て、それから境界線は、シカロンのほうに折れ、バアラ山に進み、ヤブネエルに出て、その境界線の終わりは海であった。
12 また西の境界線は、大海とその沿岸であった。これが、ユダ族の諸氏族の周囲の境界線であった。
13 ヨシュアは、主の命令で、エフネの子カレブに、ユダ族の中で、キルヤテ・アルバ、すなわちヘブロンを割り当て地として与えた。アルバはアナクの父であった。
14 カレブは、その所からアナクの三人の息子、シェシャイ、アヒマン、タルマイを追い払った。これらはアナクの子どもである。
15 その後、その所から彼は、デビルの住民のところに攻め上った。デビルの名は、以前は25キルヤテ・セフェルであった。
16 そのとき、カレブは言った。「キルヤテ・セフェルを打って、これを取る者には、私の娘アクサを妻として与えよう。」
17 ケナズの子で、カレブの兄弟オテニエルがそれを取ったので、カレブは娘アクサを、彼に妻として与えた。
18 彼女がとつぐとき、26オテニエルは彼女をそそのかして、畑を父に求めることにした。彼女がろばから降りたので、カレブは彼女に、「何がほしいのか」と尋ねた。
19 彼女は言った。「私に祝いの品を下さい。あなたはネゲブの地に私を送るのですから、水の泉を私に下さい。」そこで彼は、上の泉と下の泉とを彼女に与えた。
20 ユダ部族の諸氏族の相続地は次のとおり。
21 ユダ部族が、エドムの国境のほうに持っていた最南端の町々は、カブツェエル、エデル、ヤグル、
22 キナ、ディモナ、アデアダ、
24 ジフ、テレム、ベアロテ、
2529ハツォル・ハダタ、ケリヨテ・ヘツロンすなわちハツォル、
26 アマム、シェマ、モラダ、
27 ハツァル・ガダ、30ヘシュモン、ベテ・ペレテ、
28 ハツァル・シュアル、ベエル・シェバ、31ビズヨテヤ、
29 バアラ、イイム、エツェム、
30 エルトラデ、ケシル、ホルマ、
31 ツィケラグ、マデマナ、サヌサナ、
32 レバオテ、シルヒム、32アイン、リモンであり、二十九の町と、それらに属する村々の全部である。
33 低地では、エシュタオル、ツォルア、アシュナ、
34 ザノアハ、エン・ガニム、タプアハ、エナム、
35 ヤルムテ、アドラム、ソコ、アゼカ、
36 シャアライム、アディタイム、ゲデラとゲデロタイム。すなわち、十四の町と、それらに属する村々。
3733ツェナン、ハダシャ、ミグダル・ガド、
38 ディルアン、34ミツパ、ヨクテエル、
39 ラキシュ、ボツカテ、エグロン、
40 カボン、ラフマス、キテリシュ、
41 ゲデロテ、ベテ・ダゴン、ナアマ、マケダ。すなわち、十六の町と、それらに属する村々。
42 リブナ、エテル、アシャン、
43 エフタ、アシュナ、ネツィブ、
44 ケイラ、アクジブ、マレシャ。すなわち、九つの町と、それらに属する村々。
45 エクロンと、それに属する村落、すなわち、村々。
46 エクロンから海まで、すべてアシュドデのほとりにある町々と、それらに属する村々。
47 アシュドデと、それに属する村落、すなわち、村々。ガザと、それに属する村落、すなわち、村々。エジプト川と大海までとその沿岸。
48 山地では、シャミル、ヤティル、ソコ、
49 ダナ、35キルヤテ・サナ、すなわちデビル、
50 アナブ、36エシュテモア、アニム、
51 ゴシェン、ホロン、ギロ。すなわち、十一の町と、それらに属する村々。
52 アラブ、ドマ、エシュアン、
53 ヤニム、ベテ・タプアハ、アフェカ、
54 フムタ、キルヤテ・アルバ、すなわちヘブロン、ツィオル。すなわち、九つの町と、それらに属する村々。
55 マオン、カルメル、ジフ、ユタ、
56 イズレエル、ヨクデアム、ザノアハ、
57 カイン、ギブア、ティムナ。すなわち、十の町と、それらに属する村々。
58 ハルフル、ベテ・ツル、ゲドル、
59 マアラテ、ベテ・アノテ、エルテコン。すなわち、六つの町と、それらに属する村々。
60 キルヤテ・バアルすなわちキルヤテ・エアリムと、ラバ。すなわち、二つの町と、それらに属する村々。
61荒野では、ベテ・ハアラバ、ミディン、セカカ、
62 ニブシャン、37塩の町、エン・ゲディ。すなわち、六つの町と、それらに属する村々である。
63 ユダ族は、エルサレムの住民エブス人を追い払うことができなかった。それで、エブス人はユダ族とともにエルサレムに住んでいた。今日もそうである。
1 ヨセフ族が、くじで割り当てられた地38の境界線は、東、エリコのあたりのヨルダン川、すなわちエリコの水から荒野に出、エリコから山地を上ってベテルに至り、
2 ベテルからルズに出て、アルキ人の領土アタロテに進み、
3 西のほう、ヤフレテ人の領土に下り、下ベテ・ホロンの地境、さらにゲゼルに至り、その終わりは海であった。
4 こうして、ヨセフ族、マナセとエフライムは、彼らの相続地を受けた。
5 エフライム族の諸氏族の地域は、次のとおりである。彼らの相続地の東の境界線は、アテロテ・アダルから上ベテ・ホロンに至り、
6 その境界線は、西に向かって、北方のミクメタテに出、その境界線は、東に回ってタアナテ・シロに至り、そこからヤノアハの東に進み、
7 ヤノアハからアタロテとナアラに下り、それからエリコに達し、ヨルダン川に出る。
8 西の境界線は、タプアハからカナ川に行き、その終わりは海であった。これが、エフライム部族の諸氏族の相続地であった。
9 このほかに、マナセ族の相続地の中に、エフライム族のために取り分けられた町々、そのすべての町々と、それに属する村々とがあった。
10 彼らはゲゼルに住むカナン人を追い払わなかったので、カナン人はエフライムの中に住んでいた。今日もそうである。カナン人は苦役に服する奴隷となった。
1 マナセ部族が、くじで割り当てられた地は次のとおりである。マナセはヨセフの長子であった。マナセの長子で、ギルアデの父であるマキルは戦士であったので、ギルアデとバシャンが彼のものとなった。
2 さらにそれはマナセ族のほかの諸氏族、アビエゼル族、ヘレク族、アスリエル族、シェケム族、ヘフェル族、シェミダ族のものになった。これらは、ヨセフの子マナセの男子の子孫の諸氏族である。
3 ところが、マナセの子マキルの子ギルアデの子ヘフェルの子ツェロフハデには、娘だけで息子がなかった。その娘たちの名は、マフラ、ノア、ホグラ、ミルカ、ティルツァであった。
4 彼女たちは、祭司エルアザルと、ヌンの子ヨシュアと、族長たちとの前に進み出て、「私たちの親類の間で、私たちにも相続地を与えるように、主はモーセに命じられました」と言ったので、ヨシュアは主の命令で、彼女たちの父の兄弟たちの間で、彼女たちに相続地を与えた。
5 こうして、マナセはヨルダン川の向こう側のギルアデとバシャンの地のほかに、なお十の割り当て地があてがわれた。
6 マナセの娘たちが、彼の息子たちの間に、相続地を受けたからである。ギルアデの地は、マナセのほかの子孫のものとなった。
7 マナセの境界線は、アシェルからシェケムに面したミクメタテに向かい、その境界線は、さらに南に行って、エン・タプアハの住民のところに至った。
8 タプアハの地は、マナセのものであったが、マナセの境界に近いタプアハは、エフライム族のものであった。
9 またその境界線は、カナ川に下り、川の南に向かった。そこの町々は、マナセの町々の中にあって、エフライムのものであった。マナセの境界線は、川の北で、その終わりは海であった。
10 その南は、エフライムのもの、北はマナセのものであった。海がその境界となった。マナセは、北はアシェルに、東はイッサカルに達していた。
11 またマナセには、イッサカルとアシェルの中に、ベテ・シェアンとそれに属する村落、39イブレアムとそれに属する村落、ドルの住民とそれに属する村落、エン・ドルの住民とそれに属する村落、タナクの住民とそれに属する村落、メギドの住民とそれに属する村落があった。この第三番目は高地であった。
12 しかしマナセ族は、これらの町々を占領することができなかった。カナン人はこの土地に住みとおした。
13 イスラエル人は、強くなってから、カナン人に苦役を課したが、彼らを追い払ってしまうことはなかった。
14 ヨセフ族はヨシュアに告げて言った。「主が今まで私を祝福されたので、私は数の多い民になりました。あなたはなぜ、私にただ一つのくじによる相続地、ただ一つの割り当て地しか分けてくださらなかったのですか。」
15 ヨシュアは彼らに言った。「もしもあなたが数の多い民であるなら、ペリジ人やレファイム人の地の森に上って行って、そこを自分で切り開くがよい。エフライムの山地は、あなたには狭すぎるのだから。」
16 ヨセフ族は答えた。「山地は私どもには十分ではありません。それに、谷間の地に住んでいるカナン人も、ベテ・シェアンとそれに属する村落にいる者も、イズレエルの谷にいる者もみな、鉄の戦車を持っています。」
17 するとヨシュアは、ヨセフ家の者、エフライムとマナセにこう言った。「あなたは数の多い民で、大きな力を持っている。あなたは、ただ一つのくじによる割り当て地だけを持っていてはならない。
18 山地もあなたのものとしなければならない。それが森であっても、切り開いて、その終わる所まで、あなたのものとしなければならない。カナン人は鉄の戦車を持っていて、強いのだから、あなたは彼らを追い払わなければならないのだ。」
1 さて、イスラエル人の全会衆はシロに集まり、そこに会見の天幕を建てた。この地は彼らによって征服されていた。
2 イスラエル人の中で、まだ自分たちの相続地が割り当てられていない七つの部族が残っていた。
3 そこで、ヨシュアはイスラエル人に言った。「あなたがたの父祖の神、主が、あなたがたに与えられた地を占領しに行くのを、あなたがたはいつまで延ばしているのか。
4部族ごとに三人の者を選び出しなさい。彼らが立ってその地を行き巡るように、私は彼らを送り出そう。彼らはその地についてその相続地のことを書きしるし、私のところに来なければならない。
5 彼らは、それを七つの割り当て地に分割しなさい。ユダは南側の彼の地域にとどまり、ヨセフ家は北側の彼らの地域にとどまらなければならない。
6 あなたがたは、その地の七つの割り当て地を書きしるし、それをここの私のところに持って来なければならない。私はここで、私たちの神、主の前に、あなたがたのために、くじを引こう。
7 しかしレビ人には、あなたがたの中で割り当て地がない。主の祭司として仕えることが、その相続地だからである。また、ガドと、ルベンと、マナセの半部族とは、ヨルダン川の向こう側、東のほうで、すでに彼らの相続地を受けている。それは、主のしもべモーセが、彼らに与えたものである。」
8 そこで、その者たちは行く準備をした。ヨシュアは、その地の調査に出て行く者たちに命じて言った。「あなたがたは行って、その地を行き巡り、その地について書きしるし、私のところに帰って来なさい。私はシロで、主の前に、あなたがたのため、ここでくじを引こう。」
9 その者たちは行って、その地を巡り、それを町ごとに七つの割り当て地ごとに書き物にしるし、シロの宿営にいるヨシュアのもとに来た。
10 ヨシュアはシロで主の前に、彼らのため、くじを引いた。こうしてヨシュアは、その地をイスラエル人に、その割り当て地によって分割した。
11 ベニヤミン部族の諸氏族がくじを引いた。彼らのくじに当たった地域は、ユダ族とヨセフ族の間にあった。
12 彼らの北側の境界線は、ヨルダン川から出て、その境界線は、エリコの北側に上って行き、さらに山地を西のほうに上って行き、その終わりはベテ・アベンの荒野であった。
13 そこから境界線は、ルズに向かい、ルズの南のほうの傾斜地に進む。ルズはベテルである。さらに、境界線は、下ベテ・ホロンの南にある山の近くのアテロテ・アダルに下る。
14境界線は折れて、西側で、ベテ・ホロンに面する山から、南のほうに回り、その終わりはユダ族の町キルヤテ・バアル、すなわちキルヤテ・エアリムであった。これが西側であった。
15 南側は、キルヤテ・エアリムの端からで、境界線は西のほうへ出て、メ・ネフトアハの泉に出て、
16境界線は、北のほう、レファイムの谷間の中のベン・ヒノムの谷を見おろす山の端に下り、ヒノムの谷を、南のほうのエブス人のいる傾斜地に下り、エン・ロゲルに下る。
17 それから北のほうに折れ、エン・シェメシュに出、アドミムの坂に対するゲリロテに出、ルベンの子ボハンの石に下る。
18 それから、北のほう、アラバの近くの傾斜地に進み、アラバに下る。
19 その境界線は、北のほう、ベテ・ホグラの傾斜地に進み、境界線の終わりは塩の海の北の入江、ヨルダン川の南端であった。これが南の境界であった。
20 ヨルダン川が東側の境界線となっていた。これはベニヤミン人の相続地で、その諸氏族の周囲の境界線によるものであった。
21 さて、ベニヤミン部族の諸氏族の町々は、エリコ、ベテ・ホグラ、エメク・ケツィツ、
22 ベテ・ハアラバ、ツェマライム、ベテル、
23 アビム、パラ、オフラ、
24 ケファル・ハアモナ、オフニ、ゲバで、十二の町と、それらに属する村々であった。
25 また、ギブオン、ラマ、ベエロテ、
2640ミツパ、ケフィラ、モツァ、
27 レケム、イルペエル、タルアラ、
28 ツェラ、エレフ、エブスすなわちエルサレム、ギブアテ、キルヤテなど十四の町と、それらに属する村々であった。これがベニヤミン族の諸氏族の相続地であった。
1 第二番目のくじは、シメオン、すなわちシメオン部族の諸氏族に当たった。彼らの相続地は、ユダ族の相続地の中にあった。
2 彼らの相続地は、ベエル・シェバ、シェバ、モラダ、
3 ハツァル・シュアル、バラ、エツェム、
4 エルトラデ、ベトル、ホルマ、
5 ツィケラグ、ベテ・マルカボテ、ハツァル・スサ、
6 ベテ・レバオテ、41シャルヘンで、十三の町と、それらに属する村々。
7 アイン、リモン、エテル、アシャン。四つの町と、それらに属する村々、
8 および、これらの町々の周囲にあって、バアラテ・ベエル、42南のラマまでのすべての村々であった。これがシメオン部族の諸氏族の相続地であった。
9 シメオン族の相続地は、ユダ族の割り当て地から取られた。それは、ユダ族の割り当て地が彼らには広すぎたので、シメオン族は彼らの相続地の中に割り当て地を持ったのである。
10 第三番目のくじは、ゼブルン族の諸氏族のために引かれた。彼らの相続地となる地域はサリデに及び、
11 その境界線は、西のほう、マルアラに上り、ダベシェテに達し、ヨクネアムの東にある川に達した。
12 また、サリデのほう、東のほう日の上る方に戻り、キスロテ・タボルの地境に至り、ダベラテに出て、ヤフィアに上る。
13 そこから東のほう、ガテ・ヘフェルとエテ・カツィンに進み、ネアのほうに折れてリモンに出る。
14 その境界線は、そこを北のほう、ハナトンに回り、その終わりはエフタ・エルの谷であった。
15 そして43カタテ、ナハラル、シムロン、イデアラ、ベツレヘムなど十二の町と、それらに属する村々であった。
16 これは、ゼブルン族の諸氏族の相続地で、その町々と、それらに属する村々であった。
17 第四番目のくじは、イッサカル、すなわちイッサカル族の諸氏族に当たった。
18 彼らの地域は、イズレエル、ケスロテ、シュネム、
19 ハファライム、シオン、アナハラテ、
20 ラビテ、キシュヨン、エベツ、
21 レメテ、エン・ガニム、エン・ハダ、ベテ・パツェツ。
22 その境界線は、タボルに達し、それからシャハツィマと、ベテ・シェメシュに向かい、その境界線の終わりはヨルダン川であった。十六の町と、それらに属する村々であった。
23 これが、イッサカル部族の諸氏族の相続地で、その町々と、それらに属する村々であった。
24 第五番目のくじは、アシェル部族の諸氏族に当たった。
25 彼らの地域は、ヘルカテ、ハリ、ベテン、アクシャフ、
26 アラメレク、アムアデ、ミシュアルで、西のほう、カルメルとシホル・リブナテに達する。
27 また、日の上る方、ベテ・ダゴンに戻り、ゼブルンに達し、北のほう、エフタ・エルの谷、ベテ・ハエメク、ネイエルを経て、左のほう、カブルに出て、
28 エブロン、レホブ、ハモン、カナを経て、大シドンに至る。
29 その境界線は、ラマのほうに戻り、城壁のある町ツロに至る。またその境界線は、ホサのほうに戻り、その終わりは海であった。それに、44マハレブ、アクジブ、
3045アコ、アフェク、レホブなど、二十二の町と、それらに属する村々であった。
31 これがアシェル部族の諸氏族の相続地で、その町々と、それらに属する村々であった。
32 第六番目のくじは、ナフタリ人、すなわちナフタリ族の諸氏族に当たった。
33 彼らの地域は、ヘレフとツァアナニムの樫の木のところから、アダミ・ハネケブ、ヤブネエルを経てラクムまでで、終わりはヨルダン川であった。
34 その境界線は、西のほう、アズノテ・タボルに戻り、そこからフコクに出る。南はゼブルンに達し、西はアシェルに達し、日の上る方は46ヨルダン川に達する。
35 その城壁のある町々は、ツィディム、ツェル、ハマテ、ラカテ、キネレテ、
36 アダマ、ラマ、ハツォル、
37 ケデシュ、エデレイ、エン・ハツォル、
38 イルオン、ミグダル・エル、ホレム、ベテ・アナテ、ベテ・シェメシュなど十九の町と、それらに属する村々であった。
39 これが、ナフタリ部族の諸氏族の相続地で、その町々と、それらに属する村々であった。
40 第七番目のくじは、ダン部族の諸氏族に当たった。
41 彼らの相続地となる地域は、ツォルア、エシュタオル、イル・シェメシュ、
4247シャアラビン、アヤロン、イテラ、
43 エロン、48ティムナ、エクロン、
44 エルテケ、ギベトン、バアラテ、
45 エフデ、ベネ・ベラク、ガテ・リモン、
46 メ・ハヤルコン、ラコン、およびヤフォの近くの地境であった。
47 ダン族の地域は、さらに広げられた。ダン族は上って行き、レシェムと戦って、これを取り、剣の刃で打ち、これを占領して、そこに住み、彼らの先祖ダンの名にちなんで、レシェムをダンと呼んだ。
48 これがダン部族の諸氏族の相続地で、その町々と、それらに属する村々であった。
49 この地について地域ごとに、相続地の割り当てを終えたとき、イスラエル人は、彼らの間に一つの相続地をヌンの子ヨシュアに与えた。
50 彼らは主の命令により、ヨシュアが求めた町、すなわちエフライムの山地にある49ティムナテ・セラフを彼に与えた。彼はその町を建てて、そこに住んだ。
51 これらは、祭司エルアザル、ヌンの子ヨシュア、およびイスラエル人の部族の一族のかしらたちが、シロにおいて会見の天幕の入口、主の前で、くじによって割り当てた相続地であった。こうして彼らは、この地の割り当てを終わった。
1主はヨシュアに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に告げて言え。わたしがモーセを通してあなたがたに告げておいた、のがれの町をあなたがたのために定め、
3 あやまって、知らずに人を殺した殺人者が、そこに逃げ込むことのできるようにしなさい。その町々は、あなたがたが血の復讐をする者からのがれる場所となる。
4 人が、これらの町の一つに逃げ込む場合、その者は、その町の門の入口に立ち、その町の長老たちに聞こえるように、そのわけを述べなさい。彼らは、自分たちの町に彼を受け入れ、彼に一つの場所を与え、彼は、彼らとともに住む。
5 たとい、血の復讐をする者がその者を追って来ても、殺人者をその手に渡してはならない。彼は知らずに隣人を打ち殺したのであって、以前からその人を憎んでいたのではないからである。
6 その者は会衆の前に立ってさばきを受けるまで、あるいは、その時の大祭司が死ぬまで、その町に住まなければならない。それから後、殺人者は、自分の町、自分の家、自分が逃げて来たその町に帰って行くことができる。」
7 それで彼らは、ナフタリの山地にあるガリラヤのケデシュと、エフライムの山地にあるシェケムと、ユダの山地にあるキルヤテ・アルバ、すなわちヘブロンとを聖別した。
8 エリコのあたりのヨルダン川の向こう側、東のほうでは、ルベン部族から、高地の荒野にあるベツェルを、ガド部族から、ギルアデのラモテを、マナセ部族から、バシャンのゴランをこれに当てた。
9 これらは、すべてのイスラエル人、および、彼らの間の在留異国人のために設けられた町々で、すべて、あやまって人を殺した者が、そこに逃げ込むためである。会衆の前に立たないうちに、血の復讐をする者の手によって死ぬことがないためである。
1 そのとき、レビ人の一族のかしらたちは、祭司エルアザルとヌンの子ヨシュアとイスラエル人の部族の一族のかしらたちのところに来て、
2 カナンの地のシロで、彼らに告げて言った。「主は、私たちに住むべき町々と、家畜のための放牧地とを与えるよう、モーセを通して命じられました。」
3 それで、イスラエル人は、主の命令で、彼らの相続地から、次の町々とその放牧地とをレビ人に与えた。
4 ケハテ諸氏族のために、くじが引かれたとき、ユダ部族、シメオン部族、ベニヤミン部族のうちから、くじによって、十三の町がレビ人の祭司アロンの子孫のものとなった。
5 エフライム部族、ダン部族、マナセの半部族から、十の町がくじによって残りのケハテ族のものに、
6 イッサカル部族の諸氏族、アシェル部族、ナフタリ部族、バシャンのマナセの半部族から、十三の町がくじによってゲルション族のものに、
7 ルベン部族、ガド部族、ゼブルン部族から、十二の町がメラリ族の諸氏族のものになった。
8 イスラエル人は、主がモーセを通して命じたとおりに、これらの町とその放牧地を、くじによってレビ人に与えるとき、
9 ユダ部族、シメオン部族から、次に名をあげる町を与えた。
10 これらは、レビ人に属するケハテ諸氏族の一つ、アロンの子孫のものとなった。──最初に彼らにくじが当たったからである──
11 彼らには、ユダの山地にあるキルヤテ・アルバ──アルバは50アナクの父──、すなわちヘブロンとその周囲の放牧地を与えた。
12 しかし、この町の畑とその村々は、エフネの子カレブに、その所有地として与えられた。
13祭司アロンの子孫には、殺人者ののがれの町ヘブロンとその放牧地、それにリブナとその放牧地、
14 ヤティルとその放牧地、エシュテモアとその放牧地、
15 ホロンとその放牧地、デビルとその放牧地、
16 アインとその放牧地、ユタとその放牧地、ベテ・シェメシュとその放牧地。すなわちこれら二つの部族から九つの町を与えた。
17 またベニヤミン部族の中からも、ギブオンとその放牧地、ゲバとその放牧地、
18 アナトテとその放牧地、アルモンとその放牧地、この四つの町を与えた。
19 それでアロンの子孫である祭司たちの町の総数は、十三の町とその放牧地であった。
20 ケハテ族のうち残りのレビ人であるケハテ諸氏族には、エフライム部族からくじによって次の町々が与えられた。
21 彼らには、エフライムの山地にある殺人者ののがれの町シェケムとその放牧地、ゲゼルとその放牧地、
22 キブツァイムとその放牧地、ベテ・ホロンとその放牧地、この四つの町。
23 ダン部族から、エルテケとその放牧地、ギベトンとその放牧地、
24 アヤロンとその放牧地、ガテ・リモンとその放牧地、この四つの町。
25 マナセの半部族から、タナクとその放牧地、ガテ・リモンとその放牧地、この二つの町を与えた。
26 残りのケハテ諸氏族には、全部で十の町とその放牧地が与えられた。
27 レビ諸氏族の一つゲルション族には、マナセの半部族から、殺人者ののがれの町バシャンのゴランとその放牧地、ベエシュテラとその放牧地、この二つの町。
28 イッサカル部族から、キシュヨンとその放牧地、ダベラテとその放牧地、
29 ヤルムテとその放牧地、エン・ガニムとその放牧地、この四つの町。
30 アシェル部族から、51ミシュアルとその放牧地、アブドンとその放牧地、
31 ヘルカテとその放牧地、レホブとその放牧地、この四つの町。
32 ナフタリ部族から、殺人者ののがれの町、ガリラヤのケデシュとその放牧地、ハモテ・ドルとその放牧地、カルタンとその放牧地、この三つの町を与えた。
33 それでゲルション人の諸氏族の町の総数は、十三の町と、その放牧地であった。
34 レビ人の残りのメラリ諸氏族には、ゼブルン部族から、ヨクネアムとその放牧地、カルタとその放牧地、
35 ディムナとその放牧地、ナハラルとその放牧地、この四つの町。
5236 ルベン部族から、ベツェルとその放牧地、ヤハツとその放牧地、
37 ケデモテとその放牧地、メファアテとその放牧地、この四つの町。
38 ガド部族から、殺人者ののがれの町ギルアデのラモテとその放牧地、マハナイムとその放牧地、
39 ヘシュボンとその放牧地、ヤゼルとその放牧地、全部で四つの町。
40 これらの町はみな、レビ諸氏族のうちの残りの諸氏族、メラリ族のもので、くじによって与えられた十二の町であった。
41 イスラエル人の所有のうちで、レビ人の町は、全部で四十八の町と、その放牧地とであった。
42 これらの町には、それぞれその周囲に放牧地があった。これらの町はみなそうなっていた。
43 こうして主は、イスラエルの先祖たちに与えると誓った地をすべて、イスラエルに与えられたので、彼らはそれを占領して、そこに住んだ。
44主は、彼らの先祖たちに誓ったように、周囲の者から守って、彼らに安住を許された。すべての敵の中で、ひとりも彼らの前に立ちはだかる者はいなかった。主はすべての敵を彼らの手に渡された。
45主がイスラエルの家に約束されたすべての良いことは、一つもたがわず、みな実現した。
1 そのとき、ヨシュアはルベン人、ガド人、およびマナセの半部族を呼び寄せて、
2 彼らに言った。「あなたがたは、主のしもべモーセがあなたがたに命じたことを、ことごとく守り、また私があなたがたに命じたすべてのことについても、私の声に聞き従った。
3今日まで、この長い間、あなたがたの同胞を捨てず、あなたがたの神、主の戒め、命令を守ってきた。
4 今すでに、あなたがたの神、主は、あなたがたの同胞に約束したように、彼らに安住を許された。今、主のしもべモーセがあなたがたに与えたヨルダン川の向こう側の所有地、あなたがたの天幕に引き返して行きなさい。
5 ただ主のしもべモーセが、あなたがたに命じた命令と律法をよく守り行い、あなたがたの神、主を愛し、そのすべての道に歩み、その命令を守って、主にすがり、心を尽くし、精神を尽くして、主に仕えなさい。」
6 ヨシュアは彼らを祝福して去らせたので、彼らは自分たちの天幕に行った。
7 ──マナセの半部族には、モーセがすでにバシャンに所有地を与えていたが、他の半部族には、ヨシュアはヨルダン川のこちら側、西のほうで、彼らの同胞といっしょに所有地を与えた──さらに、ヨシュアは彼らを天幕に送り返すとき、彼らを祝福して、
8 次のように彼らに言った。「あなたがたは多くの財宝と、おびただしい数の家畜と、銀、金、青銅、鉄、および多くの衣服とを持って天幕に帰りなさい。敵からの分捕り物はあなたがたの同胞と分け合いなさい。」
9 それでルベン族、ガド族、マナセの半部族は、カナンの地にあるシロでイスラエル人と別れ、モーセを通して示された主の命令によって、彼らが得た自分の所有地、ギルアデの地へ行くために帰って行った。
10 ルベン族、ガド族、マナセの半部族は、カナンの地にあるヨルダン川のほとりの地に来たとき、そこ、ヨルダン川のそばに一つの祭壇を築いた。それは、大きくて、遠くから見える祭壇であった。
11 イスラエル人はこういううわさを聞いた。「ルベン族、ガド族、およびマナセの半部族が、カナンの地の国境、ヨルダン川のほとりの地、イスラエル人に属する側で、一つの祭壇を築いた。」
12 イスラエル人がそれを聞いたとき、イスラエル人の全会衆は、シロに集まり、彼らといくさをするために上って行こうとした。
13 それでイスラエル人は、祭司エルアザルの子ピネハスを、ギルアデの地のルベン族、ガド族、およびマナセの半部族のところに送り、
14 イスラエルの全部族の中から、一族につき族長ひとりずつ、全部で十人の族長を彼といっしょに行かせた。これらはみな、イスラエルの分団の中で、父祖の家のかしらであった。
15 彼らはギルアデの地のルベン族、ガド族、およびマナセの半部族のところに行き、彼らに告げて言った。
16 「主の全会衆はこう言っている。『この不信の罪は何か。あなたがたはきょう、主に従うことをやめて、イスラエルの神に不信の罪を犯し、自分のために祭壇を築いて、きょう、主に反逆している。
17 ペオルで犯した不義は、私たちにとって小さなことだろうか。私たちは今日まで、自分たちの身をきよめていない。そのために、神罰が主の会衆の上に下ったのだ。
18 あなたがたは、きょう、主に従うことをやめようとしている。あなたがたは、きょう、主に反逆しようとしている。あす、主はイスラエルの全会衆に向かって怒られるだろう。
19 もしもあなたがたの所有地がきよくないのなら、主の幕屋の立つ主の所有地に渡って来て、私たちの間に所有地を得なさい。私たちの神、主の祭壇のほかに、自分たちのために祭壇を築いて、主に反逆してはならない。また私たちに反逆してはならない。
20 ゼラフの子アカンが、聖絶のもののことで罪を犯し、イスラエルの全会衆の上に御怒りが下ったではないか。彼の不義によって死んだ者は彼ひとりではなかった。』」
21 すると、ルベン族、ガド族、およびマナセの半部族は、イスラエルの分団のかしらたちに答えて言った。
22 「神の神、主。神の神、主は、これをご存じです。イスラエルもこれを知るように。もしこれが主への反逆や、不信の罪をもってなされたのなら、きょう、あなたは私たちを救わないでください。
23 私たちが祭壇を築いたことが、主に従うことをやめることであり、また、それはその上で全焼のいけにえや、穀物のささげ物をささげるためであり、あるいはまた、その上で和解のいけにえをささげるためであったのなら、主ご自身が私たちを責めてくださるように。
24 しかし、事実、私たちがこのことをしたのは、次のことを恐れたからです。後になって、あなたがたの子らが私たちの子らに次のように言うかもしれないと思いました。『あなたがたと、イスラエルの神、主と何の関係があるのか。
25主はヨルダン川を、私たちとあなたがた、ルベン族、ガド族との間の境界とされた。あなたがたは主の中に分け前を持っていない。』こうして、あなたがたの子らが私たちの子らに、主を恐れることをやめさせるかもしれません。
26 それで、私たちは言いました。『さあ、私たちは自分たちのために、祭壇を築こう。全焼のいけにえのためではなく、またほかのいけにえのためでもない。
27 ただ私たちとあなたがたとの間、また私たちの後の世代との間の証拠とし、私たちが、全焼のいけにえとほかのいけにえと和解のいけにえをささげて、主の前で、主の奉仕をするためである。こうすれば、後になって、あなたがたの子らは私たちの子らに、「あなたがたは主の中に分け前を持っていない」とは言わないであろう。』
28 また私たちは考えました。後になって、もし私たち、また私たちの子孫に、そのようなことが言われたとしても、そのとき、私たちはこう言うことができる。『私たちの先祖が造った主の祭壇の型を見よ。これは全焼のいけにえのためでもなく、またほかのいけにえのためでもなく、これは私たちとあなたがたとの間の証拠なのだ。』
29 私たちが、主の幕屋の前にある私たちの神、主の祭壇のほかに、全焼のいけにえや、穀物のささげ物や、他のいけにえをささげる祭壇を築いて、きょう、主に反逆し、主に従うことをやめるなど、絶対にそんなことはありません。」
30祭司ピネハス、および会衆の上に立つ族長たち、すなわち彼とともにいたイスラエルの分団のかしらたちは、ルベン族、ガド族、およびマナセ族が語ったことばを聞いて、それに満足した。
31 そしてエルアザルの子の祭司ピネハスは、ルベン族、ガド族、およびマナセ族に言った。「きょう、私たちは主が私たちの中におられることを知った。あなたがたが主に対してこの不信の罪を犯さなかったからである。あなたがたは、今、イスラエル人を主の手から救い出したのだ。」
32 こうして、エルアザルの子の祭司ピネハスと族長たちは、ギルアデのルベン族およびガド族から別れて、カナンの地のイスラエル人のところに帰り、このことを報告した。
33 そこで、イスラエル人は、これに満足した。それでイスラエル人は、神をほめたたえ、ルベン族とガド族の住んでいる地に攻め上って、これを滅ぼそうとは、もはや言わなかった。
34 それでルベン族とガド族は、その祭壇を「まことにこれは、私たちの間で、主が神であるという証拠だ」と呼んだ。
1主が周囲のすべての敵から守って、イスラエルに安住を許されて後、多くの日がたち、ヨシュアは年を重ねて老人になっていた。
2 ヨシュアは全イスラエル、その長老たちや、かしらたちや、さばきつかさたち、およびつかさたちを呼び寄せて彼らに言った。「私は年を重ねて、老人になった。
3 あなたがたは、あなたがたの神、主が、あなたがたのために、これらすべての国々に行ったことをことごとく見た。あなたがたのために戦ったのは、あなたがたの神、主だからである。
4 見よ。私は、ヨルダン川から日の入るほうの大海まで、これらの残っている国々と、すでに私が断ち滅ぼしたすべての国々とを、相続地として、くじによってあなたがたの部族に分け与えた。
5 あなたがたの神、主ご自身が、あなたがたの前から彼らを追いやり、あなたがたの目の前から追い払う。あなたがたは、あなたがたの神、主があなたがたに告げたように、彼らの地を占領しなければならない。
6 あなたがたは、モーセの律法の書にしるされていることを、ことごとく断固として守り行い、そこから右にも左にもそれてはならない。
7 あなたがたは、これらの国民、あなたがたの中に残っているこれらの国民と交わってはならない。彼らの神々の名を口にしてはならない。それらによって誓ってはならない。それらに仕えてはならない。それらを拝んではならない。
8 ただ、今日までしてきたように、あなたがたの神、主にすがらなければならない。
9主が、大きくて強い国々を、あなたがたの前から追い払ったので、今日まで、だれもあなたがたの前に立ちはだかることのできる者はいなかった。
10 あなたがたのひとりだけで千人を追うことができる。あなたがたの神、主ご自身が、あなたがたに約束したとおり、あなたがたのために戦われるからである。
11 あなたがたは、十分に気をつけて、あなたがたの神、主を愛しなさい。
12 しかし、もしもあなたがたが、もう一度堕落して、これらの国民の生き残っている者、すなわち、あなたがたの中に残っている者たちと親しく交わり、彼らと互いに縁を結び、あなたがたが彼らの中に入って行き、彼らもあなたがたの中に入って来るなら、
13 あなたがたの神、主は、もはやこれらの国民を、あなたがたの前から追い払わないことを、しかと知らなければならない。彼らは、あなたがたにとって、わなとなり、落とし穴となり、あなたがたのわき腹にむちとなり、あなたがたの目にとげとなり、あなたがたはついに、あなたがたの神、主があなたがたに与えたこの良い地から、滅びうせる。
14 見よ。きょう、私は世のすべての人の行く道を行こうとしている。あなたがたは、心を尽くし、精神を尽くして知らなければならない。あなたがたの神、主が、あなたがたについて約束したすべての良いことが一つもたがわなかったことを。それは、一つもたがわず、みな、あなたがたのために実現した。
15 あなたがたの神、主があなたがたについて約束したすべての良いことが、あなたがたに実現したように、主はまた、すべての悪いことをあなたがたにもたらし、ついには、あなたがたの神、主が、あなたがたに与えたこの良い地から、あなたがたを根絶やしにする。
16 主があなたがたに命じたあなたがたの神、主の契約を、あなたがたが破り、行って、ほかの神々に仕え、それらを拝むなら、主の怒りはあなたがたに向かって燃え上がり、あなたがたは主があなたがたに与えられたこの良い地から、ただちに滅びうせる。」
1 ヨシュアはイスラエルの全部族をシェケムに集め、イスラエルの長老たち、そのかしらたち、さばきつかさたち、つかさたちを呼び寄せた。彼らが神の前に立ったとき、
2 ヨシュアはすべての民に言った。「イスラエルの神、主はこう仰せられる。『あなたがたの先祖たち、アブラハムの父で、ナホルの父でもあるテラは、昔、ユーフラテス川の向こうに住んでおり、ほかの神々に仕えていた。
3 わたしは、あなたがたの先祖アブラハムを、ユーフラテス川の向こうから連れて来て、カナンの全土を歩かせ、彼の子孫を増し、彼にイサクを与えた。
4 ついで、わたしは、イサクにヤコブとエサウを与え、エサウにはセイルの山地を与えて、それを所有させた。ヤコブと彼の子らはエジプトに下った。
5 それからわたしは、モーセとアロンを遣わし、エジプトに災害を下した。わたしがその真ん中で行ったとおりである。その後、あなたがたを連れ出した。
6 わたしが、あなたがたの先祖たちをエジプトから連れ出し、あなたがたが海に来たとき、エジプト人は、戦車と騎兵とをもってあなたがたの先祖たちのあとを追い、53葦の海まで来た。
754あなたがたが主に叫び求めたので、主はあなたがたとエジプト人との間に暗やみを置き、海に彼らを襲いかからせ、彼らをおおわれた。あなたがたは、わたしがエジプトで行ったことをその目で見てから、長い間、荒野に住んだ。
8 それからわたしはヨルダン川の向こう側に住んでいたエモリ人の地に、あなたがたを導き入れた。彼らはあなたがたと戦ったが、わたしは彼らをあなたがたの手に渡したので、あなたがたはその地を占領した。わたしが、あなたがたの前から彼らを根絶やしにしたからである。
9 それから、モアブの王ツィポルの子バラクが立って、イスラエルと戦い、ベオルの子バラムに人をやって彼を呼び寄せ、あなたがたをのろわせようとした。
10 わたしはバラムに聞こうとしなかった。彼は、かえって、あなたがたを祝福し、わたしはあなたがたを彼の手から救い出した。
11 あなたがたはヨルダン川を渡ってエリコに来た。エリコの者たちや、エモリ人、ペリジ人、カナン人、ヘテ人、ギルガシ人、ヒビ人、エブス人があなたがたと戦ったが、わたしは彼らを、あなたがたの手に渡した。
12 わたしは、あなたがたの前にくまばちを送ったので、くまばちがエモリ人のふたりの王をあなたがたの前から追い払った。あなたがたの剣にもよらず、またあなたがたの弓にもよらなかった。
13 わたしは、あなたがたが得るのに労しなかった地と、あなたがたが建てなかった町々を、あなたがたに与えたので、あなたがたはそこに住み、自分で植えなかったぶどう畑とオリーブ畑で食べている。』
14 今、あなたがたは主を恐れ、誠実と真実をもって主に仕えなさい。あなたがたの先祖たちが55川の向こう、およびエジプトで仕えた神々を除き去り、主に仕えなさい。
15 もしも主に仕えることがあなたがたの気に入らないなら、川の向こうにいたあなたがたの先祖たちが仕えた神々でも、今あなたがたが住んでいる地のエモリ人の神々でも、あなたがたが仕えようと思うものを、どれでも、きょう選ぶがよい。私と私の家とは、主に仕える。」
16 すると、民は答えて言った。「私たちが主を捨てて、ほかの神々に仕えるなど、絶対にそんなことはありません。
17 私たちの神、主は、私たちと私たちの先祖たちを、エジプトの地、奴隷の家から導き上られた方、私たちの目の前で、あの数々の大きなしるしを行い、私たちの行くすべての道で、私たちの通ったすべての民の中で、私たちを守られた方だからです。
18主はまた、すべての民、この地に住んでいたエモリ人をも、私たちの前から追い払われました。私たちもまた、主に仕えます。主が私たちの神だからです。」
19 すると、ヨシュアは民に言った。「あなたがたは主に仕えることはできないであろう。主は聖なる神であり、ねたむ神である。あなたがたのそむきも、罪も赦さないからである。
20 もしあなたがたが主を捨てて、外国の神々に仕えるなら、あなたがたをしあわせにして後も、主はもう一度あなたがたにわざわいを下し、あなたがたを滅ぼし尽くす。」
21 それで民はヨシュアに言った。「いいえ。私たちは主に仕えます。」
22 それでヨシュアは民に言った。「あなたがたは、主を選んで、主に仕えるという、自分自身の証人である。」すると彼らは、「私たちは証人です」と言った。
23 「今、あなたがたの中にある外国の神々を除き去り、イスラエルの神、主に心を傾けなさい。」
24民はヨシュアに言った。「私たちは私たちの神、主に仕え、主の御声に聞き従います。」
25 それでヨシュアは、その日、民と契約を結び、シェケムで、おきてと定めを定めた。
26 ヨシュアは、これらのことばを神の律法の書にしるし、大きな石を取って、主の聖所にある樫の木の下に、それを立てた。
27 そして、ヨシュアはすべての民に言った。「見よ。この石は、私たちに証拠となる。この石は、主が私たちに語られたすべてのことばを聞いたからである。あなたがたが自分の神を否むことがないように、この石は、あなたがたに証拠となる。」
28 こうしてヨシュアは、民をそれぞれ自分の相続地に送り出した。
29 これらのことの後、主のしもべ、ヌンの子ヨシュアは百十歳で死んだ。
30 人々は彼を、エフライムの山地、ガアシュ山の北にある彼の相続の地境56ティムナテ・セラフに葬った。
31 イスラエルは、ヨシュアの生きている間、また、ヨシュアのあとまで生き残って、主がイスラエルに行われたすべてのわざを知っていた長老たちの生きている間、主に仕えていた。
32 イスラエル人がエジプトから携え上ったヨセフの骨は、シェケムの地に、すなわちヤコブが百ケシタでシェケムの父ハモルの子らから買い取った野の一画に、葬った。そのとき、そこはヨセフ族の相続地となっていた。
33 アロンの子エルアザルは死んだ。人々は彼を、彼の子ピネハスに与えられていたエフライムの山地にあるギブアに葬った。
士師記
1 さて、ヨシュアの死後、イスラエル人は主に伺って言った。「だれが私たちのために最初に上って行って、カナン人と戦わなければならないでしょうか。」
2 すると、主は仰せられた。「ユダが上って行かなければならない。見よ。わたしは、その地を彼の手に渡した。」
3 そこで、ユダは自分の兄弟シメオンに言った。「私に割り当てられた地に私といっしょに上ってください。カナン人と戦うのです。私も、あなたに割り当てられた地にあなたといっしょに行きます。」そこでシメオンは彼といっしょに行った。
4 ユダが上って行ったとき、主はカナン人とペリジ人を彼らの手に渡されたので、彼らはベゼクで一万人を打った。
5 彼らはベゼクでアドニ・ベゼクに出会ったとき、彼と戦ってカナン人とペリジ人を打った。
6 ところが、アドニ・ベゼクが逃げたので、彼らはあとを追って彼を捕らえ、その手足の親指を切り取った。
7 すると、アドニ・ベゼクは言った。「私の食卓の下で、手足の親指を切り取られた七十人の王たちが、パンくずを集めていたものだ。神は私がしたとおりのことを、私に報いられた。」それから、彼らはアドニ・ベゼクをエルサレムに連れて行ったが、彼はそこで死んだ。
8 また、ユダ族はエルサレムを攻めて、これを取り、剣の刃でこれを打ち破り、町に火をつけた。
9 その後、ユダ族は山地やネゲブや1低地に住んでいるカナン人と戦うために下って行った。
10 ユダはヘブロンに住んでいるカナン人を攻めた。ヘブロンの名は以前はキルヤテ・アルバであった。彼らはシェシャイとアヒマンとタルマイを打ち破った。
11 ユダはそこから進んでデビルの住民を攻めた。デビルの名は以前は2キルヤテ・セフェルであった。
12 そのときカレブは言った。「キルヤテ・セフェルを打って、これを取る者には、私の娘アクサを妻として与えよう。」
13 ケナズの子で、カレブの弟オテニエルがそれを取ったので、カレブは娘アクサを彼に妻として与えた。
14 彼女がとつぐとき、3オテニエルは彼女をそそのかして、畑を父に求めることにした。彼女がろばから降りたので、カレブは彼女に、「何がほしいのか」と尋ねた。
15 アクサは彼に言った。「どうか私に祝いの品を下さい。あなたはネゲブの地に私を送るのですから、水の泉を私に下さい。」そこでカレブは、上の泉と下の泉とを彼女に与えた。
16 モーセの義兄弟であるケニ人の子孫は、ユダ族といっしょに、なつめやしの町からアラデの南にあるユダの荒野に上って行って、民とともに住んだ。
17 ユダは兄弟シメオンといっしょに行って、ツェファテに住んでいたカナン人を打ち、それを聖絶し、その町に4ホルマという名をつけた。
18 ついで、ユダはガザとその地域、アシュケロンとその地域、エクロンとその地域を攻め取った。
19主がユダとともにおられたので、ユダは山地を占領した。しかし、谷の住民は鉄の戦車を持っていたので、ユダは彼らを追い払わなかった。
20 彼らはモーセが約束したとおり、ヘブロンをカレブに与えたので、カレブはその所からアナクの三人の息子を追い払った。
21 ベニヤミン族はエルサレムに住んでいたエブス人を追い払わなかったので、エブス人は今日までベニヤミン族といっしょにエルサレムに住んでいる。
22 ヨセフの一族もまた、ベテルに上って行った。主は彼らとともにおられた。
23 ヨセフの一族はベテルを探った。この町の名は以前はルズであった。
24見張りの者は、ひとりの人がその町から出て来るのを見て、その者に言った。「この町の出入口を教えてくれないか。私たちは、あなたにまことを尽くすから。」
25 彼が町の出入口を教えたので、彼らは剣の刃でこの町を打った。しかし、その者とその氏族の者全部は自由にしてやった。
26 そこで、その者はヘテ人の地に行って、一つの町を建て、その名をルズと呼んだ。これが今日までその名である。
27 マナセはベテ・シェアンとそれに属する村落、タナクとそれに属する村落、ドルの住民とそれに属する村落、5イブレアムの住民とそれに属する村落、メギドの住民とそれに属する村落は占領しなかった。それで、カナン人はその土地に住みとおした。
28 イスラエルは、強くなってから、カナン人を苦役に服させたが、彼らを追い払ってしまうことはなかった。
29 エフライムはゲゼルの住民カナン人を追い払わなかった。それで、カナン人はゲゼルで彼らの中に住んだ。
30 ゼブルンは6キテロンの住民と7ナハラルの住民を追い払わなかった。それで、カナン人は彼らの中に住み、苦役に服した。
31 アシェルはアコの住民や、シドンの住民や、また8マハレブ、アクジブ、ヘルバ、9アフェク、レホブの住民を追い払わなかった。
32 そして、アシェル人は、その土地に住むカナン人の中に住みついた。彼らを追い払わなかったからである。
33 ナフタリはベテ・シェメシュの住民やベテ・アナテの住民を追い払わなかった。そして、その土地に住むカナン人の中に住みついた。しかし、ベテ・シェメシュとベテ・アナテの住民は、彼らのために苦役に服した。
34 エモリ人はダン族を山地のほうに圧迫した。エモリ人は、彼らの谷に降りて来ることを許さなかった。
35 こうして、エモリ人はハル・ヘレスと、アヤロンと、シャアルビムに住みとおした。しかし、ヨセフの一族が勢力を得るようになると、彼らは苦役に服した。
36 エモリ人の国境はアクラビムの坂から、セラを経て、上のほうに及んだ。
1 さて、主の使いがギルガルからボキムに上って来て言った。「わたしはあなたがたをエジプトから上らせて、あなたがたの先祖に誓った地に連れて来て言った。『わたしはあなたがたとの契約を決して破らない。
2 あなたがたはこの地の住民と契約を結んではならない。彼らの祭壇を取りこわさなければならない。』ところが、あなたがたはわたしの声に聞き従わなかった。なぜこのようなことをしたのか。
3 それゆえわたしは言う。『わたしはあなたがたの前から彼らを追い出さない。彼らはあなたがたの敵となり、彼らの神々はあなたがたにとってわなとなる。』」
4主の使いがこれらのことばをイスラエル人全体に語ったとき、民は声をあげて泣いた。
5 それで、その場所の名を10ボキムと呼んだ。彼らはその場所で主にいけにえをささげた。
6 ヨシュアが民を送り出したので、イスラエル人はそれぞれ地を自分の相続地として占領するために出て行った。
7民は、ヨシュアの生きている間、また、ヨシュアのあとまで生き残って主がイスラエルに行われたすべての大きなわざを見た長老たちの生きている間、主に仕えた。
8主のしもべ、ヌンの子ヨシュアは百十歳で死んだ。
9 人々は彼を、エフライムの山地、ガアシュ山の北にある彼の相続の地境11ティムナテ・ヘレスに葬った。
10 その同世代の者もみな、その先祖のもとに集められたが、彼らのあとに、主を知らず、また、主がイスラエルのためにされたわざも知らないほかの世代が起こった。
11 それで、イスラエル人は主の目の前に悪を行い、バアルに仕えた。
12 彼らは、エジプトの地から自分たちを連れ出した父祖の神、主を捨てて、ほかの神々、彼らの回りにいる国々の民の神々に従い、それらを拝み、主を怒らせた。
13 彼らが主を捨てて、バアルとアシュタロテに仕えたので、
14主の怒りがイスラエルに向かって燃え上がり、主は彼らを略奪者の手に渡して、彼らを略奪させた。主は回りの敵の手に彼らを売り渡した。それで、彼らはもはや、敵の前に立ち向かうことができなかった。
15 彼らがどこへ出て行っても、主の手が彼らにわざわいをもたらした。主が告げ、主が彼らに誓われたとおりであった。それで、彼らは非常に苦しんだ。
16 そのとき、主はさばきつかさを起こして、彼らを略奪する者の手から救われた。
17 ところが、彼らはそのさばきつかさにも聞き従わず、ほかの神々を慕って淫行を行い、それを拝み、彼らの先祖たちが主の命令に聞き従って歩んだ道から、またたくまにそれて、先祖たちのようには行わなかった。
18主が彼らのためにさばきつかさを起こされる場合は、主はさばきつかさとともにおられ、そのさばきつかさの生きている間は、敵の手から彼らを救われた。これは、圧迫し、苦しめる者のために彼らがうめいたので、主があわれまれたからである。
19 しかし、さばきつかさが死ぬと、彼らはいつも逆戻りして、先祖たちよりも、いっそう堕落して、ほかの神々に従い、それに仕え、それを拝んだ。彼らはその行いや、頑迷な生き方を捨てなかった。
20 それで、主の怒りがイスラエルに向かって燃え上がった。主は仰せられた。「この民は、わたしが彼らの先祖たちに命じたわたしの契約を破り、わたしの声に聞き従わなかったから、
21 わたしもまた、ヨシュアが死んだとき残していた国民を、彼らの前から一つも追い払わない。
22 彼らの先祖たちが主の道を守って歩んだように、彼らもそれを守って歩むかどうか、これらの国民によってイスラエルを試みるためである。」
23 こうして、主はこれらの国民をただちに追い出さないで、残しておき、ヨシュアの手に渡されなかったのである。
1 カナンでの戦いを少しも知らないすべてのイスラエルを試みるために、主が残しておかれた国民は次のとおり。
2 ──これはただイスラエルの次の世代の者、これまで戦いを知らない者たちに、戦いを教え、知らせるためである──
3 すなわち、ペリシテ人の五人の領主と、すべてのカナン人と、シドン人と、バアル・ヘルモン山から12レボ・ハマテまでのレバノン山に住んでいたヒビ人とであった。
4 これは、主がモーセを通して先祖たちに命じた命令に、イスラエルが聞き従うかどうか、これらの者によってイスラエルを試み、そして知るためであった。
5 イスラエル人は、カナン人、ヘテ人、エモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の間に住んで、
6 彼らの娘たちを自分たちの妻にめとり、また自分たちの娘を彼らの息子たちに与え、彼らの神々に仕えた。
7 こうして、イスラエル人は、主の目の前に悪を行い、彼らの神、主を忘れて、バアルやアシェラに仕えた。
8 それで、主の怒りがイスラエルに向かって燃え上がり、主は彼らをアラム・ナハライムの王クシャン・リシュアタイムの手に売り渡された。こうして、イスラエル人は、八年の間、クシャン・リシュアタイムに仕えた。
9 イスラエル人が主に叫び求めたとき、主はイスラエル人のために、彼らを救うひとりの救助者、カレブの弟ケナズの子オテニエルを起こされた。
10主の霊が彼の上にあった。彼はイスラエルをさばき、戦いに出て行った。主はアラムの王クシャン・リシュアタイムを彼の手に渡された。それで彼の勢力はクシャン・リシュアタイムを押さえた。
11 こうして、この国は四十年の間、穏やかであった。その後、ケナズの子オテニエルは死んだ。
12 そうすると、イスラエル人はまた、主の目の前に悪を行った。彼らが主の目の前に悪を行ったので、主はモアブの王エグロンを強くして、イスラエルに逆らわせた。
13 エグロンはアモン人とアマレク人を集め、イスラエルを攻めて打ち破り、彼らはなつめやしの町を占領した。
14 それで、イスラエル人は十八年の間、モアブの王エグロンに仕えた。
15 イスラエル人が主に叫び求めたとき、主は彼らのために、ひとりの救助者、ベニヤミン人ゲラの子で、左ききのエフデを起こされた。イスラエル人は、彼を通してモアブの王エグロンにみつぎものを送った。
16 エフデは長さ一13キュビトの、一振りのもろ刃の剣を作り、それを着物の下の右ももの上の帯にはさんだ。
17 こうして、彼はモアブの王エグロンにみつぎものをささげた。エグロンは非常に太っていた。
18 みつぎものをささげ終わったとき、エフデはみつぎものを運んで来た者たちを帰らせ、
19 彼自身はギルガルのそばの14石切り場から戻って来て言った。「王さま。私はあなたに秘密のお知らせがあります。」すると王は、「今、言うな」と言った。そこで、王のそばに立っていた者たちはみな、彼のところから出て行った。
20 エフデは王のところへ行った。そのとき、王はひとりで涼しい屋上の部屋に座していた。エフデが、「私にあなたへの神のお告げがあります」と言うと、王はその座から立ち上がった。
21 このとき、エフデは左手を伸ばして、右ももから剣を取り出し、王の腹を刺した。
22柄も刃も、共に入ってしまった。彼が剣を王の腹から抜かなかったので、脂肪が刃をふさいでしまった。エフデは15窓から出て、
23廊下へ出て行き、王のいる屋上の部屋の戸を閉じ、かんぬきで締めた。
24 彼が出て行くと、王のしもべたちがやって来た。そして見ると、屋上の部屋にかんぬきがかけられていたので、彼らは、「王はきっと涼み部屋で用をたしておられるのだろう」と思った。
25 それで、しもべたちは16いつまでも待っていたが、王が屋上の部屋の戸をいっこうにあけないので、かぎを取ってあけると、なんと、彼らの主人は床の上に倒れて死んでいた。
26 エフデはしもべたちが手間取っている間にのがれて、石切り場の所を通り過ぎ、セイラにのがれた。
27 エフデは行って、エフライムの山地で角笛を吹き鳴らした。すると、イスラエル人は彼といっしょに山地から下って行き、彼はその先頭に立った。
28 エフデは彼らに言った。「私を追って来なさい。主はあなたがたの敵モアブ人をあなたがたの手に渡された。」それで、彼らはエフデのあとについて下って行き、モアブへのヨルダン川の渡し場を攻め取って、ひとりも渡らせなかった。
29 このとき彼らは約一万人のモアブ人を打った。彼らはみなたくましい、力ある者たちであったが、ひとりも助からなかった。
30 このようにして、モアブはその日イスラエルによって征服され、この国は八十年の間、穏やかであった。
31 エフデのあとにアナテの子シャムガルが起こり、牛の突き棒でペリシテ人六百人を打った。彼もまたイスラエルを救った。
1 その後、イスラエル人はまた、主の目の前に悪を行った。エフデは死んでいた。
2 それで、主はハツォルで治めていたカナンの王ヤビンの手に彼らを売り渡した。ヤビンの将軍はシセラで、彼はハロシェテ・ハゴイムに住んでいた。
3 彼は鉄の戦車九百両を持ち、そのうえ二十年の間、イスラエル人をひどく圧迫したので、イスラエル人は主に叫び求めた。
4 そのころ、ラピドテの妻で女預言者デボラがイスラエルをさばいていた。
5 彼女はエフライムの山地のラマとベテルとの間にあるデボラのなつめやしの木の下にいつもすわっていたので、イスラエル人は彼女のところに上って来て、さばきを受けた。
6 あるとき、デボラは使いを送って、ナフタリのケデシュからアビノアムの子バラクを呼び寄せ、彼に言った。「イスラエルの神、主はこう命じられたではありませんか。『タボル山に進軍せよ。ナフタリ族とゼブルン族のうちから一万人を取れ。
7 わたしはヤビンの将軍シセラとその戦車と大軍とをキション川のあなたのところに引き寄せ、彼をあなたの手に渡す。』」
8 バラクは彼女に言った。「もしあなたが私といっしょに行ってくださるなら、行きましょう。しかし、もしあなたが私といっしょに行ってくださらないなら、行きません。」
9 そこでデボラは言った。「私は必ずあなたといっしょに行きます。けれども、あなたが行こうとしている道では、あなたは光栄を得ることはできません。主はシセラをひとりの女の手に売り渡されるからです。」こうして、デボラは立ってバラクといっしょにケデシュへ行った。
10 バラクはゼブルンとナフタリをケデシュに呼び集め、一万人を引き連れて上った。デボラも彼といっしょに上った。
11 ケニ人ヘベルは、モーセの義兄弟ホバブの子孫のカインから離れて、ケデシュの近くのツァアナニムの樫の木のそばで天幕を張っていた。
12 一方シセラは、アビノアムの子バラクがタボル山に登った、と知らされたので、
13 シセラは鉄の戦車九百両全部と、自分といっしょにいた民をみな、ハロシェテ・ハゴイムからキション川に呼び集めた。
14 そこで、デボラはバラクに言った。「さあ、やりなさい。きょう、主があなたの手にシセラを渡される。主はあなたの前に出て行かれるではありませんか。」それで、バラクはタボル山から下り、一万人が彼について行った。
15主がシセラとそのすべての戦車と、すべての陣営の者をバラクの前に剣の刃でかき乱したので、シセラは戦車から飛び降り、徒歩で逃げた。
16 バラクは戦車と陣営をハロシェテ・ハゴイムに追いつめた。こうして、シセラの陣営の者はみな剣の刃に倒れ、残された者はひとりもいなかった。
17 しかし、シセラは徒歩でケニ人ヘベルの妻ヤエルの天幕に逃げて来た。ハツォルの王ヤビンとケニ人ヘベルの家とは親しかったからである。
18 ヤエルはシセラを迎えに出て来て、彼に言った。「お立ち寄りください、ご主人さま。私のところにお立ち寄りください。ご心配には及びません。」シセラが彼女の天幕に入ったので、ヤエルは彼に毛布を掛けた。
19 シセラはヤエルに言った。「どうか、水を少し飲ませてください。のどが渇いているから。」ヤエルは乳の皮袋をあけて、彼に飲ませ、また彼をおおった。
20 シセラはまた彼女に言った。「天幕の入口に立っていてください。もしだれかが来て、『ここにだれかいないか』とあなたに尋ねたら、『いない』と言ってください。」
21 だが、ヘベルの妻ヤエルは天幕の鉄のくいを取ると、手に槌を持ってそっと彼のところへ近づき、彼のこめかみに鉄のくいを打ち込んで地に刺し通した。彼は疲れていたので、熟睡していた。こうして彼は死んだ。
22 ちょうどその時、バラクがシセラを追って来たので、ヤエルは彼を迎えに出て、言った。「さあ、あなたの捜している人をお見せしましょう。」彼がヤエルのところに来ると、そこに、シセラは倒れて死んでおり、そのこめかみには鉄のくいが刺さっていた。
23 こうして神はその日、イスラエル人の前でカナンの王ヤビンを服従させた。
24 それから、イスラエル人の勢力がますますカナンの王ヤビンを圧するようになり、ついにカナンの王ヤビンを断ち滅ぼした。
1 その日、デボラとアビノアムの子バラクはこう歌った。
2 「イスラエルで髪の毛を乱すとき、
民が進んで身をささげるとき、
主をほめたたえよ。
3 聞け、王たちよ。耳を傾けよ、君主たちよ。
私は主に向かって歌う。
イスラエルの神、主にほめ歌を歌う。
4 主よ。あなたがセイルを出て、
エドムの野を進み行かれたとき、
大地は揺れ、天もまた、したたり、
雲は水をしたたらせた。
5 山々は主の前に揺れ動いた。
シナイもまた、イスラエルの神、主の前に。
6 アナテの子シャムガルのとき、
またヤエルのときに、
隊商は絶え、旅人はわき道を通った。
7 農民は絶えた。イスラエルに絶えた。
私、デボラが立ち、
イスラエルに母として立つまでは。
8 新しい神々が選ばれたとき、
城門で戦いがあった。
イスラエルの四万人のうちに、
盾と槍が見られたであろうか。
9 私の心はイスラエルの指導者たちに、
民のうちの進んで身をささげる者たちに向かう。
主をほめたたえよ。
10 黄かっ色のろばに乗る者、
さばきの座に座する者、道を歩く者よ。
よく聞け。
11 水汲み場での、水を汲む者たちの声に。
そこで彼らは主の正しいみわざと、
イスラエルの
主の農民の正しいわざを唱えている。
そのとき、主の民は城門におりて来た。
12 目ざめよ、目ざめよ。デボラ。
目ざめよ、目ざめよ。歌声をあげよ。
起きよ。バラク。
とりこを捕らえて行け。アビノアムの子よ。
13 そのとき、生き残った者は
貴人のようにおりて来た。
主の民は私のために勇士のようにおりて来た。
14 その根がアマレクにある者も
エフライムからおりて来た。
ベニヤミンはあなたのあとに続いて、
あなたの民のうちにいる。
指導者たちはマキルからおりて来た。
指揮をとる者たちもゼブルンから。
15 イッサカルのつかさたちはデボラとともにいた。
イッサカルはバラクと同じく
歩兵とともに谷の中を突進した。
ルベンの支族の間では、
17心の定めは大きかった。
16 なぜ、あなたは二つの鞍袋の間にすわって、
羊の群れに笛吹くのを聞いているのか。
ルベンの支族の間では、
18心の秘密は大きかった。
17 ギルアデはヨルダン川のかなたに住んでいた。
なぜダンは舟にとどまったのか。
アシェルは海辺にすわり、
その波止場のそばに住んでいた。
18 ゼブルンは、いのちをも19賭して死ぬ民。
野の高い所にいるナフタリも、そうである。
19 王たちはやって来て、戦った。
そのとき、カナンの王たちは、
メギドの流れのそばのタナクで戦って、
銀の分捕り品を得なかった。
20 天からは、星が下って戦った。
その軌道を離れて、シセラと戦った。
21 キション川は彼らを押し流した。
昔からの川、キションの川。
私のたましいよ。力強く進め。
22 そのとき、馬のひづめは地を踏み鳴らし、
その荒馬はけりまくる。
23 主の使いは言った。『メロズをのろえ、
その住民を激しくのろえ。
彼らは主の手助けに来ず、
勇士として主の手助けに来なかったからだ。』
24 女の中で最も祝福されたのはヤエル、
ケニ人ヘベルの妻。
天幕に住む女の中で最も祝福されている。
25 シセラが水を求めると、
ヤエルは乳を与え、
高価な鉢で凝乳を勧めた。
26 ヤエルは鉄のくいを手にし、
右手に職人の槌をかざし、
シセラを打って、その頭に打ち込み、
こめかみを砕いて刺し通した。
27 ヤエルの足もとに
彼はひざをつき、倒れて、横たわった。
その足もとにひざをつき、倒れた。
ひざをついた所で、打ち殺された。
28 シセラの母は窓越しに、
格子窓越しに外を見おろして嘆いた。
『なぜ、あれの車の来るのがおそいのか。
なぜ、あれの車の歩みが遅れているのか。』
29 知恵のある姫君たちは彼女に答え、
彼女も同じことばをくり返した。
30 『彼らは分捕り物を見つけ出し、
それを分けているのではありませんか。
めいめいひとりの勇士にひとりかふたりの娘を。
シセラには染めた織物の分捕り物を。
染めた織物の分捕り物、
色とりどりに刺繍した織物。
分捕り物として、
首には二枚の刺繍した織物を。』
31 主よ。あなたの敵はみな滅び、
主を愛する者は、
力強く日がさし出るようにしてください。」
こうして、この国は四十年の間、穏やかであった。
1 イスラエル人はまた、主の目の前に悪を行った。そこで、主は七年の間、彼らをミデヤン人の手に渡した。
2 こうして、ミデヤン人の勢力はイスラエルを押さえたので、イスラエル人はミデヤン人を避けて、山々にある洞窟や、ほら穴や、要害を自分たちのものにした。
3 イスラエル人が種を蒔くと、いつでもミデヤン人や、アマレク人や、東の人々が上って来て、イスラエル人を襲った。
4 そしてイスラエル人に対して陣を敷き、その地の産物を荒らして、ガザに至るまで、イスラエルに羊や牛やろばのためのえささえも残さなかった。
5 彼らが自分たちの家畜と天幕を持って上って来たからである。彼らはいなごの大群のようにしてやって来た。彼らとそのらくだは数えきれないほどであった。しかも、彼らは国を荒らすために入って来たのであった。
6 それで、イスラエルはミデヤン人のために非常に弱くなっていった。すると、イスラエル人は主に叫び求めた。
7 イスラエル人がミデヤン人のために主に叫び求めたとき、
8主はイスラエル人にひとりの預言者を遣わした。預言者は彼らに言った。「イスラエルの神、主はこう仰せられる。
わたしはあなたがたをエジプトから上らせ、あなたがたを奴隷の家から連れ出した。
9 わたしはあなたがたをエジプト人の手と、すべてあなたがたを圧迫する者の手から助け出し、あなたがたの前から彼らを追い出して、その国をあなたがたに与えた。
10 それでわたしはあなたがたに言った。『わたしはあなたがたの神、主である。あなたがたが住んでいる国のエモリ人の神々を20恐れてはならない。』ところが、あなたがたはわたしの声に聞き従わなかった。」
11 さて主の使いが来て、アビエゼル人ヨアシュに属するオフラにある21樫の木の下にすわった。このとき、ヨアシュの子ギデオンはミデヤン人からのがれて、酒ぶねの中で小麦を打っていた。
12主の使いが彼に現れて言った。「勇士よ。主があなたといっしょにおられる。」
13 ギデオンはその御使いに言った。「ああ、主よ。もし主が私たちといっしょにおられるなら、なぜこれらのことがみな、私たちに起こったのでしょうか。私たちの先祖たちが、『主は私たちをエジプトから上らせたではないか』と言って、私たちに話したあの驚くべきみわざはみな、どこにありますか。今、主は私たちを捨てて、ミデヤン人の手に渡されました。」
14 すると、主は彼に向かって仰せられた。「あなたのその力で行き、イスラエルをミデヤン人の手から救え。わたしがあなたを遣わすのではないか。」
15 ギデオンは言った。「ああ、主よ。私にどのようにしてイスラエルを救うことができましょう。ご存じのように、私の分団はマナセのうちで最も弱く、私は父の家で一番若いのです。」
16主はギデオンに仰せられた。「わたしはあなたといっしょにいる。だからあなたはひとりを打ち殺すようにミデヤン人を打ち殺そう。」
17 すると、ギデオンは言った。「お願いです。私と話しておられるのがあなたであるというしるしを、私に見せてください。
18 どうか、私が贈り物を持って来て、あなたのところに戻り、御前にそれを供えるまで、ここを離れないでください。」それで、主は、「あなたが戻って来るまで待とう」と仰せられた。
19 ギデオンはうちに入り、一匹のやぎの子を料理し、一エパの粉で種を入れないパンを作り、その肉をかごに入れ、また吸い物をなべに入れ、22樫の木の下にいる方のところに持って来て、供えた。
20 すると、神の使いはギデオンに言った。「肉と種を入れないパンを取って、この岩の上に置き、その吸い物を注げ。」それで彼はそのようにした。
21 すると主の使いは、その手にしていた杖の先を伸ばして、肉と種を入れないパンに触れた。すると、たちまち火が岩から燃え上がって、肉と種を入れないパンを焼き尽くしてしまった。主の使いは去って見えなくなった。
22 これで、この方が主の使いであったことがわかった。それで、ギデオンは言った。「ああ、23神、主よ。私は面と向かって主の使いを見てしまいました。」
23 すると、主はギデオンに仰せられた。「安心しなさい。恐れるな。あなたは死なない。」
24 そこで、ギデオンはそこに主のために祭壇を築いて、これを24アドナイ・シャロムと名づけた。これは今日まで、アビエゼル人のオフラに残っている。
25 その夜、主はギデオンに仰せられた。「あなたの父の雄牛、七歳の第二の雄牛を取り、あなたの父が持っているバアルの祭壇を取りこわし、そのそばのアシェラ像を切り倒せ。
26 そのとりでの頂上に、あなたの神、主のために石を積んで祭壇を築け。あの第二の雄牛を取り、切り倒したアシェラ像の木で全焼のいけにえをささげよ。」
27 そこで、ギデオンは、自分のしもべの中から十人を引き連れて、主が言われたとおりにした。彼は父の家の者や、町の人々を恐れたので、昼間それをせず、夜それを行った。
28 町の人々が翌朝早く起きて見ると、バアルの祭壇は取りこわされ、そのそばにあったアシェラ像は切り倒され、新しく築かれた祭壇の上には、第二の雄牛がささげられていた。
29 そこで、彼らは互いに言った。「だれがこういうことをしたのだろう。」それから、彼らは調べて、尋ね回り、「ヨアシュの子ギデオンがこれをしたのだ」と言った。
30 ついで、町の人々はヨアシュに言った。「あなたの息子を引っ張り出して殺しなさい。あれはバアルの祭壇を取りこわし、そばにあったアシェラ像も切り倒したのだ。」
31 すると、ヨアシュは自分に向かって立っているすべての者に言った。「あなたがたは、バアルのために争っているのか。それとも、彼を救おうとするのか。バアルのために争う者は、朝までに殺されてしまう。もしバアルが神であるなら、自分の祭壇が取りこわされたのだから、自分で争えばよいのだ。」
32 こうして、その日、ギデオンはエルバアルと呼ばれた。自分の祭壇が取りこわされたのだから「バアルは自分で争えばよい」という意味である。
33 ミデヤン人や、アマレク人や、東の人々がみな連合して、ヨルダン川を渡り、イズレエルの谷に陣を敷いた。
34主の霊がギデオンをおおったので、彼が角笛を吹き鳴らすと、アビエゼル人が集まって来て、彼に従った。
35 ギデオンはマナセの全域に使者を遣わした。それで彼らもまた呼び集められ、彼に従った。彼はまた、アシェル、ゼブルン、そしてナフタリに使者を遣わしたので、彼らは合流して上って来た。
36 ギデオンは神に申し上げた。「もしあなたが仰せられたように、私の手でイスラエルを救おうとされるなら、
37 今、私は打ち場に刈り取った一頭分の羊の毛を置きます。もしその羊の毛の上にだけ露が降りていて、土全体がかわいていたら、あなたがおことばのとおりに私の手でイスラエルを救われることが、私にわかります。」
38 すると、そのようになった。ギデオンが翌日、朝早く、その羊の毛を押しつけて、その羊の毛から露を絞ると、鉢いっぱいになるほど水が出た。
39 ギデオンは神に言った。「私に向かって御怒りを燃やさないでください。私にもう一回言わせてください。どうぞ、この羊の毛でもう一回だけ試みさせてください。今度はこの羊の毛だけがかわいていて、土全体には露が降りるようにしてください。」
40 それで、神はその夜、そのようにされた。すなわち、その羊の毛の上だけがかわいていて、土全体には露が降りていた。
1 それで、エルバアル、すなわちギデオンと、彼といっしょにいた民はみな、朝早くハロデの泉のそばに陣を敷いた。ミデヤン人の陣営は、彼の北に当たり、モレの山沿いの谷にあった。
2 そのとき、主はギデオンに仰せられた。「あなたといっしょにいる民は多すぎるから、わたしはミデヤン人を彼らの手に渡さない。イスラエルが『自分の手で自分を救った』と言って、わたしに向かって誇るといけないから。
3 今、民に聞こえるように告げ、『恐れ、おののく者はみな帰りなさい。ギルアデ山から離れなさい』と言え。」すると、民のうちから二万二千人が帰って行き、一万人が残った。
4 すると、主はギデオンに仰せられた。「民はまだ多すぎる。彼らを連れて水のところに下って行け。わたしはそこで、あなたのために彼らをためそう。わたしがあなたに、『この者はあなたといっしょに行かなければならない』と言うなら、その者は、あなたといっしょに行かなければならない。またわたしがあなたに、『この者はあなたといっしょに行ってはならない』と言う者はだれも、行ってはならない。」
5 そこでギデオンは民を連れて、水のところに下って行った。すると、主はギデオンに仰せられた。「犬がなめるように、舌で水をなめる者は残らず別にしておき、また、ひざをついて飲む者も残らずそうせよ。」
6 そのとき、口に手を当てて水をなめた者の数は三百人であった。残りの民はみな、ひざをついて水を飲んだ。
7 そこで主はギデオンに仰せられた。「手で水をなめた三百人で、わたしはあなたがたを救い、ミデヤン人をあなたの手に渡す。残りの民はみな、それぞれ自分の家に帰らせよ。」
8 そこで彼らは民の糧食と角笛を手に取った。こうして、ギデオンはイスラエル人をみな、それぞれ自分の天幕に送り返し、三百人の者だけを引き止めた。ミデヤン人の陣営は、彼から見て下の谷にあった。
9 その夜、主はギデオンに仰せられた。「立って、あの陣営に攻め下れ。それをあなたの手に渡したから。
10 しかし、もし下って行くことを恐れるなら、あなたに仕える若い者プラといっしょに陣営に下って行き、
11 彼らが何と言っているかを聞け。そのあとで、あなたは、勇気を出して、陣営に攻め下らなければならない。」そこで、ギデオンと若い者プラとは、陣営の中の編隊の端に下って行った。
12 そこには、ミデヤン人や、アマレク人や、東の人々がみな、いなごのように大ぜい、谷に伏していた。そのらくだは、海辺の砂のように多くて数えきれなかった。
13 ギデオンがそこに行ってみると、ひとりの者が仲間に夢の話をしていた。ひとりが言うには、「私は今、夢を見た。見ると、大麦のパンのかたまりが一つ、ミデヤン人の陣営にころがって来て、天幕の中にまで入り、それを打ったので、それは倒れた。ひっくり返って、天幕は倒れてしまった。」
14 すると、その仲間は答えて言った。「それはイスラエル人ヨアシュの子ギデオンの剣にほかならない。神が彼の手にミデヤンと、陣営全部を渡されたのだ。」
15 ギデオンはこの夢の話とその解釈を聞いたとき、25主を礼拝した。そして、イスラエルの陣営に戻って言った。「立て。主はミデヤン人の陣営をあなたがたの手に下さった。」
16 そして、彼は三百人を三隊に分け、全員の手に角笛とからつぼとを持たせ、そのつぼの中にたいまつを入れさせた。
17 それから、彼らに言った。「私を見て、あなたがたも同じようにしなければならない。見よ。私が陣営の端に着いたら、私がするように、あなたがたもそうしなければならない。
18 私と、私といっしょにいる者がみな、角笛を吹いたなら、あなたがたもまた、全陣営の回りで角笛を吹き鳴らし、『主のためだ。ギデオンのためだ』と言わなければならない。」
19 ギデオンと、彼といっしょにいた百人の者が、真夜中の夜番の始まる時、陣営の端に着いた。ちょうどその時、番兵の交替をしたばかりであった。それで、彼らは角笛を吹き鳴らし、その手に持っていたつぼを打ちこわした。
20 三隊の者が角笛を吹き鳴らして、つぼを打ち砕き、それから左手にたいまつを堅く握り、右手に吹き鳴らす角笛を堅く握って、「主の剣、ギデオンの剣だ」と叫び、
21 それぞれ陣営の周囲の持ち場に着いたので、陣営の者はみな走り出し、大声をあげて逃げた。
22 三百人が角笛を吹き鳴らしている間に、主は、陣営の全面にわたって、同士打ちが起こるようにされた。それで陣営はツェレラのほうのベテ・ハシタや、タバテの近くのアベル・メホラの端まで逃げた。
23 イスラエル人はナフタリと、アシェルと、全マナセから呼び集められ、彼らはミデヤン人を追撃した。
24 ついで、ギデオンはエフライムの山地全域に使者を送って言った。「降りて来て、ミデヤン人を攻めなさい。ベテ・バラまでの流れと、ヨルダン川を攻め取りなさい。」そこでエフライム人はみな呼び集められ、彼らはベテ・バラまでの流れと、ヨルダン川を攻め取った。
25 また彼らはミデヤン人のふたりの首長オレブとゼエブを捕らえ、オレブをオレブの岩で、ゼエブをゼエブの酒ぶねで殺し、こうしてミデヤン人を追撃した。彼らはヨルダン川の向こう側にいたギデオンのところに、オレブとゼエブの首を持って行った。
1 そのとき、エフライム人はギデオンに言った。「あなたは、私たちに何ということをしたのですか。ミデヤン人と戦いに行ったとき、私たちに呼びかけなかったとは。」こうして彼らはギデオンを激しく責めた。
2 ギデオンは彼らに言った。「今、あなたがたのしたことに比べたら、私がいったい何をしたというのですか。アビエゼルのぶどうの収穫よりも、エフライムの取り残した実のほうが、よかったのではありませんか。
3 神はあなたがたの手にミデヤン人の首長オレブとゼエブを渡されました。あなたがたに比べたら、私に何ができたのでしょう。」ギデオンがこのことを話すと、そのとき彼らの怒りは和らいだ。
4 それからギデオンは、彼に従う三百人の人々とヨルダン川を渡った。彼らは疲れていたが、追撃を続けた。
5 彼はスコテの人々に言った。「どうか、私について来ている民に26パンを下さい。彼らは疲れているが、私はミデヤン人の王ゼバフとツァルムナを追っているのです。」
6 すると、スコテのつかさたちは言った。「ゼバフとツァルムナの手首を、今、あなたは手にしているのでしょうか。私たちがあなたの軍団にパンを与えなければならないなどとは。」
7 そこでギデオンは言った。「そういうことなら、主が私の手にゼバフとツァルムナを渡されるとき、私は荒野のいばらやとげで、あなたがたを踏みつけてやる。」
8 ギデオンはそこからペヌエルに上って行き、同じように彼らに言った。すると、ペヌエルの人々もスコテの人々が答えたように彼に答えた。
9 それでギデオンはまたペヌエルの人々に言った。「私が無事に帰って来たら、このやぐらをたたきこわしてやる。」
10 ゼバフとツァルムナはカルコルにいたが、約一万五千からなるその陣営の者も彼らといっしょにいた。これは東の人々の陣営全体のうち生き残った者のすべてであった。剣を使う者十二万人が、すでに倒されていたからである。
11 そこでギデオンは、ノバフとヨグボハの東の天幕に住む人々の道に沿って上って行き、陣営を打った。陣営は油断していた。
12 ゼバフとツァルムナは逃げたが、ギデオンは彼らを追って、ミデヤンのふたりの王ゼバフとツァルムナを捕らえ、その全陣営をろうばいさせた。
13 それから、ヨアシュの子ギデオンは、ヘレスの坂道を通って戦いから帰って来た。
14 そのとき、彼はスコテの人々の中からひとりの若者を捕らえ、尋問した。すると、彼はギデオンのために、スコテのつかさたちと七十七人の長老たちの名を書いた。
15 そこで、ギデオンはスコテの人々のところに行って、言った。「あなたがたが、『ゼバフとツァルムナの手首を、今、あなたは手にしているのか。私たちがあなたに従う疲れた人たちにパンを与えなければならないなどとは』と言って、私をそしったそのゼバフとツァルムナが、ここにいる。」
16 そしてギデオンは、その町の長老たちを捕らえ、また荒野のいばらや、とげを取って、それでスコテの人々に思い知らせた。
17 また彼はペヌエルのやぐらをたたきこわして、町の人々を殺した。
18 それから、ギデオンはゼバフとツァルムナに言った。「おまえたちがタボルで殺した人たちは、どこにいるのか。」すると彼らは答えた。「あの人たちは、あなたのような人でした。どの人も王の子たちに似ていました。」
19 ギデオンは言った。「彼らは私の兄弟、私の母の息子たちだ。主は生きておられる。おまえたちが彼らを生かしておいてくれたなら、私はおまえたちを殺しはしないのだが。」
20 そしてギデオンは自分の長男エテルに「立って、彼らを殺しなさい」と言ったが、その若者は自分の剣を抜かなかった。彼はまだ若かったので、恐ろしかったからである。
21 そこで、ゼバフとツァルムナは言った。「立って、あなたが私たちに撃ちかかりなさい。人の勇気はそれぞれ違うのですから。」すると、ギデオンは立って、ゼバフとツァルムナを殺し、彼らのらくだの首に掛けてあった三日月形の飾りを取った。
22 そのとき、イスラエル人はギデオンに言った。「あなたも、あなたのご子息も、あなたの孫も、私たちを治めてください。あなたが私たちをミデヤン人の手から救ったのですから。」
23 しかしギデオンは彼らに言った。「私はあなたがたを治めません。また、私の息子もあなたがたを治めません。主があなたがたを治められます。」
24 ついで、ギデオンは彼らに言った。「あなたがたに一つ、お願いしたい。ひとりひとり、自分の分捕り物の耳輪を私に下さい。」──殺された者たちはイシュマエル人であったので、金の耳輪をつけていたからである──
25 すると、彼らは「差し上げますとも」と答えて、一枚の上着を広げ、ひとりひとりその分捕り物の耳輪をその中に投げ込んだ。
26 ギデオンが願った金の耳輪の目方は金で一千七百シェケルであった。このほかに、三日月形の飾りや、垂れ飾りや、ミデヤンの王たちの着ていた赤紫の衣、またほかに、彼らのらくだの首の回りに掛けていた首飾りなどもあった。
27 ギデオンはそれで、一つのエポデを作り、彼の町のオフラにそれを置いた。すると、イスラエルはみな、それを慕って、そこで淫行を行った。それはギデオンとその一族にとって、落とし穴となった。
28 こうしてミデヤン人はイスラエル人によって屈服させられ、二度とその頭を上げなかった。この国はギデオンの時代、四十年の間、穏やかであった。
29 ヨアシュの子エルバアルは帰って自分の家に住んだ。
30 ギデオンには彼から生まれた息子が七十人いた。彼には大ぜいの妻がいたからである。
31 シェケムにいたそばめもまた、彼にひとりの男の子を産んだ。そこで彼はアビメレクという名をつけた。
32 やがて、ヨアシュの子ギデオンは長寿を全うして死に、アビエゼル人のオフラにある父ヨアシュの墓に葬られた。
33 ギデオンが死ぬとすぐ、イスラエル人は再びバアルを慕って淫行を行い、バアル・ベリテを自分たちの神とした。
34 イスラエル人は、周囲のすべての敵から自分たちを救い出した彼らの神、主を心に留めなかった。
35 彼らは、エルバアルすなわちギデオンがイスラエルに尽くした善意のすべてにふさわしい真実を、彼の家族に尽くさなかった。
1 さて、エルバアルの子アビメレクは、シェケムにいる自分の母の身内の者たちのところに行き、彼らと母の一族の氏族全員に告げて言った。
2 「どうかシェケムのすべての者に、よく言って聞かせてください。
エルバアルの息子七十人がみなで、あなたがたを治めるのと、ただひとりがあなたがたを治めるのと、あなたがたにとって、どちらがよいか。私があなたがたの骨肉であることを思い起こしてください。」
3 アビメレクの母の身内の者たちが、彼に代わって、これらのことをみな、シェケムのすべての者に言って聞かせたとき、彼らの心はアビメレクに傾いた。彼らは「彼は私たちの身内の者だ」と思ったからである。
4 彼らはバアル・ベリテの宮から銀七十シェケルを取り出して彼に与えた。アビメレクはそれで、ごろつきの、ずうずうしい者たちを雇った。彼らはアビメレクのあとについた。
5 それから、アビメレクはオフラにある彼の父の家に行って、自分の兄弟であるエルバアルの息子たち七十人を一つの石の上で殺した。しかし、エルバアルの末子ヨタムは隠れていたので生き残った。
6 それで、シェケムの者とベテ・ミロの者はみな集まり、出かけて行って、シェケムにある石の柱のそばの27樫の木のところで、アビメレクを王とした。
7 このことがヨタムに告げられたとき、彼は行って、ゲリジム山の頂上に立ち、声を張り上げ、彼らに叫んで言った。「シェケムの者たち。私に聞け。そうすれば神はあなたがたに聞いてくださろう。
8 木々が自分たちの王を立てて油をそそごうと出かけた。彼らはオリーブの木に言った。『私たちの王となってください。』
9 すると、オリーブの木は彼らに言った。『私は神と人とをあがめるために使われる私の油を捨て置いて、木々の上にそよぐために出かけなければならないだろうか。』
10 ついで、木々はいちじくの木に言った。『来て、私たちの王となってください。』
11 しかし、いちじくの木は彼らに言った。『私は、私の甘みと私の良い実を捨て置いて、木々の上にそよぐために出かけなければならないだろうか。』
12 それから、木々はぶどうの木に言った。『来て、私たちの王となってください。』
13 しかし、ぶどうの木は彼らに言った。『私は、神と人とを喜ばせる私の新しいぶどう酒を捨て置いて、木々の上にそよぐために出かけなければならないだろうか。』
14 そこで、すべての木がいばらに言った。『来て、私たちの王となってください。』
15 すると、いばらは木々に言った。『もしあなたがたがまことをもって私に油をそそぎ、あなたがたの王とするなら、来て、私の陰に身を避けよ。そうでなければ、いばらから火が出て、レバノンの杉の木を焼き尽くそう。』
16 今、あなたがたはまことと真心をもって行動して、アビメレクを王にしたのか。あなたがたはエルバアルとその家族とを、ねんごろに取り扱い、彼のてがらに報いたのか。
17 私の父は、あなたがたのために戦い、自分のいのちをかけて、あなたがたをミデヤン人の手から助け出したのだ。
18 あなたがたは、きょう、私の父の家にそむいて立ち上がり、その息子たち七十人を、一つの石の上で殺し、女奴隷の子アビメレクをあなたがたの身内の者だからというので、シェケムの者たちの王として立てた。
19 もしあなたがたが、きょう、エルバアルと、その家族とにまことと真心をもって行動したのなら、あなたがたはアビメレクを喜び、彼もまた、あなたがたを喜ぶがよい。
20 そうでなかったなら、アビメレクから火が出て、シェケムとベテ・ミロの者たちを食い尽くし、シェケムとベテ・ミロの者たちから火が出て、アビメレクを食い尽くそう。」
21 それから、ヨタムは逃げ去り、ベエルに行き、兄弟アビメレクを避けてそこに住んだ。
22 アビメレクは三年間、イスラエルを支配した。
23 神は、アビメレクとシェケムの者たちの間にわざわいの霊を送ったので、シェケムの者たちはアビメレクを裏切った。
24 そのためエルバアルの七十人の息子たちへの暴虐が再現し、彼らの血が、彼らを殺した兄弟アビメレクと、アビメレクに加勢して彼の兄弟たちを殺したシェケムの者たちの上に臨んだ。
25 シェケムの者たちは、山々の頂上に彼を待ち伏せる者たちを置いたので、彼らは道でそばを過ぎるすべての者を略奪した。やがて、このことがアビメレクに告げられた。
26 エベデの子ガアルとその身内の者たちが来て、シェケムを通りかかったとき、シェケムの者たちは彼を信用した。
27 そこで彼らは畑に出て行って、ぶどうを収穫して、踏んだ。そして祭りをし、自分たちの神の宮に入って行って、飲み食いし、アビメレクをののしった。
28 そのとき、エベデの子ガアルは言った。「アビメレクとは何者か。シェケムとは何者か。われわれが彼に仕えなければならないとは。アビメレクはエルバアルの子、ゼブルはアビメレクの役人ではないか。シェケムの父ハモルの人々に仕えなさい。なぜわれわれはアビメレクに仕えなければならないのか。
29 だれか、この民を私の手に与えてくれないものか。そうすれば私はアビメレクを追い出すのだが。」そして彼はアビメレクに言った。「おまえの軍勢をふやして、出て来い。」
30 この町のつかさゼブルは、エベデの子ガアルの言ったことを聞いて、怒りを燃やし、
3128トルマにいるアビメレクのところに使者を送って言わせた。「今、エベデの子ガアルとその身内の者たちがシェケムに来ています。今、彼らは町を、あなたにそむかせようとしています。
32 今、あなたとあなたとともにいる民は、夜のうちに立って、野で待ち伏せなさい。
33 朝早く、太陽が上るころ、町に突入しなさい。すると、ガアルと、彼とともにいる民は、あなたに向かって出て来るでしょう。あなたは好機をつかんで、彼らを攻撃することができます。」
34 そこでアビメレクと、彼とともにいた民はみな、夜のうちに立って、四隊に分かれてシェケムに向かって待ち伏せた。
35 エベデの子ガアルが出て来て、町の門の入口に立ったとき、アビメレクと、彼とともにいた民は、待ち伏せしていた所から立ち上がった。
36 ガアルはその民を見て、ゼブルに言った。「あれ、山々の頂から民が降りて来る。」すると、ゼブルは彼に言った。「あなたは、山々の影が人のように見えるのです。」
37 ガアルはまた言った。「いや。人々がこの地の一番高い所から降りて来る。また一隊が29メオヌニムの樫の木のほうから来る。」
38 すると、ゼブルは彼に言った。「『アビメレクとは何者か。われわれが彼に仕えなければならないとは』と言ったあなたの口は、いったいどこにあるのですか。あなたが見くびったのは、この民ではありませんか。さあ、今、出て行って、彼と戦いなさい。」
39 そこで、ガアルはシェケムの者たちの先頭に立って出て行き、アビメレクと戦った。
40 アビメレクが彼を追ったので、ガアルは彼の前から逃げた。そして多くの者が刺し殺されて倒れ、門の入口にまで及んだ。
41 アビメレクは30アルマにとどまったが、ゼブルは、ガアルとその身内の者たちを追い払って、彼らをシェケムに住ませなかった。
42翌日、民は、野に出かけて行って、アビメレクに告げた。
43 そこで、アビメレクは自分の民を引き連れて、それを三隊に分け、野で待ち伏せた。すると、民が町から出て来るのが見えたので、彼らを襲って打った。
44 アビメレクと、彼とともにいた一隊は突入して、町の門の入口に立った。一方、他の二隊は野にいたすべての者を襲って、打ち殺した。
45 アビメレクはその日、一日中、町で戦い、この町を攻め取り、そのうちにいた民を殺し、町を破壊して、そこに塩をまいた。
46 シェケムのやぐらの者たちはみな、これを聞いて、エル・ベリテの宮の地下室に入って行った。
47 シェケムのやぐらの者たちがみな集まったことがアビメレクに告げられたとき、
48 アビメレクは、自分とともにいた民とツァルモン山に登って行った。アビメレクは手に斧を取って、木の枝を切り、これを持ち上げて、自分の肩に載せ、共にいる民に言った。「私がするのを見たとおりに、あなたがたも急いでそのとおりにしなさい。」
49 それで民もまた、みなめいめい枝を切って、アビメレクについて行き、それを地下室の上に置き、火をつけて、地下室を焼いた。それでシェケムのやぐらの人たち、男女約一千人もみな死んだ。
50 それから、アビメレクはテベツに行き、テベツに対して陣を敷き、これを攻め取った。
51 この町の中に、一つ、堅固なやぐらがあった。すべての男、女、この町の者たちはみなそこへ逃げて、立てこもり、やぐらの屋根に上った。
52 そこで、アビメレクはやぐらのところまで行って、これと戦い、やぐらの戸に近づいて、それを火で焼こうとした。
53 そのとき、ひとりの女がアビメレクの頭にひき臼の上石を投げつけて、彼の頭蓋骨を砕いた。
54 アビメレクは急いで道具持ちの若者を呼んで言った。「おまえの剣を抜いて、私を殺してくれ。女が殺したのだと私のことを人が言わないように。」それで、若者が彼を刺し通したので、彼は死んだ。
55 イスラエル人はアビメレクが死んだのを見たとき、ひとりひとり自分のところへ帰った。
56 こうして神は、アビメレクが彼の兄弟七十人を殺して、その父に行った悪を、彼に報いられた。
57 神はシェケムの人々のすべての悪を彼らの頭上に報いられた。こうしてエルバアルの子ヨタムののろいが彼らに実現した。
1 さて、アビメレクの後、イスラエルを救うために、イッサカル人、ドドの子プワの息子トラが立ち上がった。彼はエフライムの山地にあるシャミルに住んだ。
2 彼は、二十三年間、イスラエルをさばいて後、死んでシャミルに葬られた。
3 彼の後にギルアデ人ヤイルが立ち上がり、二十二年間、イスラエルをさばいた。
4 彼には三十人の息子がいて、三十頭のろばに乗り、三十の町を持っていたが、それは今日まで、ハボテ・ヤイルと呼ばれ、ギルアデの地にある。
5 ヤイルは死んでカモンに葬られた。
6 またイスラエル人は、主の目の前に重ねて悪を行い、バアルや、アシュタロテ、アラムの神々、シドンの神々、モアブの神々、アモン人の神々、ペリシテ人の神々に仕えた。こうして彼らは主を捨て、主に仕えなかった。
7主の怒りはイスラエルに向かって燃え上がり、彼らをペリシテ人の手とアモン人の手に売り渡された。
8 それで彼らはその年、イスラエル人を打ち砕き、苦しめた。彼らはヨルダン川の向こう側のギルアデにあるエモリ人の地にいたイスラエル人をみな、十八年の間、苦しめた。
9 アモン人がヨルダン川を渡って、ユダ、ベニヤミン、およびエフライムの家と戦ったとき、イスラエルは非常な苦境に立った。
10 そのとき、イスラエル人は主に叫んで言った。「私たちは、あなたに罪を犯しました。私たちの神を捨ててバアルに仕えたのです。」
11 すると、主はイスラエル人に仰せられた。「わたしは、かつてエジプト人、エモリ人、アモン人、ペリシテ人から、あなたがたを救ったではないか。
12 シドン人、アマレク人、マオン人が、あなたがたをしいたげたが、あなたがたがわたしに叫んだとき、わたしはあなたがたを彼らの手から救った。
13 しかし、あなたがたはわたしを捨てて、ほかの神々に仕えた。だから、わたしはこれ以上あなたがたを救わない。
14 行け。そして、あなたがたが選んだ神々に叫べ。あなたがたの苦難の時には、彼らが救うがよい。」
15 すると、イスラエル人は主に言った。「私たちは罪を犯しました。あなたがよいと思われることを何でも私たちにしてください。ただ、どうか、きょう、私たちを救い出してください。」
16 彼らが自分たちのうちから外国の神々を取り去って、主に仕えたので、主は、イスラエルの苦しみを見るに忍びなくなった。
17 このころ、アモン人が呼び集められ、ギルアデに陣を敷いた。一方、イスラエル人も集まって、ミツパに陣を敷いた。
18 ギルアデの民や、その首長たちは互いに言った。「アモン人と戦いを始める者はだれか。その者がギルアデのすべての住民のかしらとなるのだ。」
1 さて、ギルアデ人エフタは勇士であったが、彼は遊女の子であった。エフタの父親はギルアデであった。
2 ギルアデの妻も、男の子たちを産んだ。この妻の子たちが成長したとき、彼らはエフタを追い出して、彼に言った。「あなたはほかの女の子だから、私たちの父の家を受け継いではいけない。」
3 そこで、エフタは兄弟たちのところから逃げて行き、トブの地に住んだ。すると、エフタのところに、ごろつきが集まって来て、彼といっしょに出歩いた。
4 それからしばらくたって、アモン人がイスラエルに戦争をしかけてきた。
5 アモン人がイスラエルに戦争をしかけてきたとき、ギルアデの長老たちはトブの地からエフタを連れて来ようと出かけて行き、
6 エフタに言った。「来て、私たちの首領になってください。そしてアモン人と戦いましょう。」
7 エフタはギルアデの長老たちに言った。「あなたがたは私を憎んで、私の父の家から追い出したではありませんか。あなたがたが苦しみに会ったからといって、今なぜ私のところにやって来るのですか。」
8 すると、ギルアデの長老たちはエフタに言った。「だからこそ、私たちは、今、あなたのところに戻って来たのです。あなたが私たちといっしょに行き、アモン人と戦ってくださるなら、あなたは、私たちギルアデの住民全体のかしらになるのです。」
9 エフタはギルアデの長老たちに言った。「もしあなたがたが、私を連れ戻して、アモン人と戦わせ、主が彼らを私に渡してくださったら、私はあなたがたのかしらになりましょう。」
10 ギルアデの長老たちはエフタに言った。「主が私たちの間の31証人となられます。私たちは必ずあなたの言われるとおりにします。」
11 エフタがギルアデの長老たちといっしょに行き、民が彼を自分たちのかしらとし、首領としたとき、エフタは自分が言ったことをみな、ミツパで主の前に告げた。
12 それから、エフタはアモン人の王に使者たちを送って、言った。「あなたは私と、どういうかかわりがあって、私のところに攻めて来て、この国と戦おうとするのか。」
13 すると、アモン人の王はエフタの使者たちに答えた。「イスラエルがエジプトから上って来たとき、アルノン川からヤボク川、それにヨルダン川に至るまでの私の国を取ったからだ。だから、今、これらの地を穏やかに返してくれ。」
14 そこで、エフタは再びアモン人の王に使者たちを送って、
15 彼に、エフタはこう言うと言わせた。「イスラエルはモアブの地も、アモン人の地も取らなかった。
16 イスラエルは、エジプトから上って来たとき、荒野を通って32葦の海まで行き、それからカデシュに来た。
17 そこで、イスラエルはエドムの王に使者たちを送って、言った。『どうぞ、あなたの国を通らせてください。』ところが、エドムの王は聞き入れなかった。イスラエルはモアブの王にも使者たちを送ったが、彼も好まなかった。それでイスラエルはカデシュにとどまった。
18 それから、彼らは荒野を行き、エドムの地とモアブの地を回って、モアブの地の東に来て、アルノン川の向こう側に宿営した。しかし、モアブの領土には入らなかった。アルノンはモアブの領土だったから。
19 そこでイスラエルは、ヘシュボンの王で、エモリ人の王シホンに使者たちを送って、彼に言った。『どうぞ、あなたの国を通らせて、私の目的地に行かせてください。』
20 シホンはイスラエルを信用せず、その領土を通らせなかったばかりか、シホンは民をみな集めてヤハツに陣を敷き、イスラエルと戦った。
21 しかし、イスラエルの神、主が、シホンとそのすべての民をイスラエルの手に渡されたので、イスラエルは彼らを打った。こうしてイスラエルはその地方に住んでいたエモリ人の全地を占領した。
22 こうして彼らは、アルノン川からヤボク川までと、荒野からヨルダン川までのエモリ人の全領土を占領した。
23 今、イスラエルの神、主は、ご自分の民イスラエルの前からエモリ人を追い払われた。それをあなたは占領しようとしている。
24 あなたは、あなたの神ケモシュがあなたに占領させようとする地を占領しないのか。私たちは、私たちの神、主が、私たちの前から追い払ってくださる土地をみな占領するのだ。
25 今、あなたはモアブの王ツィポルの子バラクよりもまさっているのか。バラクは、イスラエルと争ったことがあるのか。彼らと戦ったことがあるのか。
26 イスラエルが、ヘシュボンとそれに属する村落、33アロエルとそれに属する村落、アルノン川の川岸のすべての町々に、三百年間住んでいたのに、なぜあなたがたは、その期間中に、それを取り戻さなかったのか。
27 私はあなたに罪を犯してはいないのに、あなたは私に戦いをいどんで、私に害を加えようとしている。審判者である主が、きょう、イスラエル人とアモン人との間をさばいてくださるように。」
28 アモン人の王はエフタが彼に送ったことばを聞き入れなかった。
29主の霊がエフタの上に下ったとき、彼はギルアデとマナセを通り、ついで、ギルアデの34ミツパを通って、ギルアデの35ミツパからアモン人のところへ進んで行った。
30 エフタは主に誓願を立てて言った。「もしあなたが確かにアモン人を私の手に与えてくださるなら、
31 私がアモン人のところから無事に帰って来たとき、私の家の戸口から私を迎えに出て来る、その者を主のものといたします。私はその者を全焼のいけにえとしてささげます。」
32 こうして、エフタはアモン人のところに進んで行き、彼らと戦った。主は彼らをエフタの手に渡された。
33 ついでエフタは、アロエルからミニテに至るまでの二十の町を、またアベル・ケラミムに至るまでを、非常に激しく打った。こうして、アモン人はイスラエル人に屈服した。
34 エフタが、ミツパの自分の家に来たとき、なんと、自分の娘が、タンバリンを鳴らし、踊りながら迎えに出て来ているではないか。彼女はひとり子であって、エフタには彼女のほかに、男の子も女の子もなかった。
35 エフタは彼女を見るや、自分の着物を引き裂いて言った。「ああ、娘よ。あなたはほんとうに、私を打ちのめしてしまった。あなたは私を苦しめる者となった。私は主に向かって口を開いたのだから、もう取り消すことはできないのだ。」
36 すると、娘は父に言った。「お父さま。あなたは主に対して口を開かれたのです。お口に出されたとおりのことを私にしてください。主があなたのために、あなたの敵アモン人に復讐なさったのですから。」
37 そして、父に言った。「このことを私にさせてください。私に二か月のご猶予を下さい。私は山々をさまよい歩き、私が処女であることを私の友だちと泣き悲しみたいのです。」
38 エフタは、「行きなさい」と言って、娘を二か月の間、出してやったので、彼女は友だちといっしょに行き、山々の上で自分の処女であることを泣き悲しんだ。
39 二か月の終わりに、娘は父のところに帰って来たので、父は誓った誓願どおりに彼女に行った。彼女はついに男を知らなかった。こうしてイスラエルでは、
40 毎年、イスラエルの娘たちは出て行って、年に四日間、ギルアデ人エフタの娘のために嘆きの歌を歌うことがしきたりとなった。
1 エフライム人が集まって、ツァフォンへ進んだとき、彼らはエフタに言った。「なぜ、あなたは、あなたとともに行くように私たちに呼びかけずに、進んで行ってアモン人と戦ったのか。私たちはあなたの家をあなたもろとも火で焼き払う。」
2 そこでエフタは彼らに言った。「かつて、私と私の民とがアモン人と激しく争ったとき、私はあなたがたを呼び集めたが、あなたがたは私を彼らの手から救ってくれなかった。
3 あなたがたが私を救ってくれないことがわかったので、私は自分のいのちをかけてアモン人のところへ進んで行った。そのとき、主は彼らを私の手に渡された。なぜ、あなたがたは、きょう、私のところに上って来て、私と戦おうとするのか。」
4 そして、エフタはギルアデの人々をみな集めて、エフライムと戦った。ギルアデの人々はエフライムを打ち破った。これはエフライムが、「ギルアデ人よ。あなたがたはエフライムとマナセのうちにいるエフライムの逃亡者だ」と言ったからである。
5 ギルアデ人はさらに、エフライムに面するヨルダン川の渡し場を攻め取った。エフライムの逃亡者が、「渡らせてくれ」と言うとき、ギルアデの人々はその者に、「あなたはエフライム人か」と尋ね、その者が「そうではない」と答えると、
6 その者に、「『シボレテ』と言え」と言い、その者が「スィボレテ」と言って、正しく発音できないと、その者をつかまえて、ヨルダン川の渡し場で殺した。そのとき、四万二千人のエフライム人が倒れた。
7 こうして、エフタはイスラエルを六年間、さばいた。ギルアデ人エフタは死んで、ギルアデの町に葬られた。
8 彼の後に、ベツレヘムの出のイブツァンがイスラエルをさばいた。
9 彼には三十人の息子がいた。また彼は三十人の娘を自分の氏族以外の者にとつがせ、自分の息子たちのために、よそから三十人の娘たちをめとった。彼は七年間、イスラエルをさばいた。
10 イブツァンは死んで、ベツレヘムに葬られた。
11 彼の後に、ゼブルン人エロンがイスラエルをさばいた。彼は十年間、イスラエルをさばいた。
12 ゼブルン人エロンは死んで、ゼブルンの地のアヤロンに葬られた。
13 彼の後に、ピルアトン人ヒレルの子アブドンがイスラエルをさばいた。
14 彼には四十人の息子と三十人の孫がいて、七十頭のろばに乗っていた。彼は八年間、イスラエルをさばいた。
15 ピルアトン人ヒレルの子アブドンは死んで、アマレク人の山地にあるエフライムの地のピルアトンに葬られた。
1 イスラエル人はまた、主の目の前に悪を行ったので、主は四十年間、彼らをペリシテ人の手に渡された。
2 さて、ダン人の氏族で、その名をマノアというツォルアの出のひとりの人がいた。彼の妻は不妊の女で、子どもを産んだことがなかった。
3主の使いがその女に現れて、彼女に言った。「見よ。あなたは不妊の女で、子どもを産まなかったが、あなたはみごもり、男の子を産む。
4 今、気をつけなさい。ぶどう酒や強い酒を飲んではならない。汚れた物をいっさい食べてはならない。
5 見よ。あなたはみごもっていて、男の子を産もうとしている。その子の頭にかみそりを当ててはならない。その子は胎内にいるときから神へのナジル人であるからだ。彼はイスラエルをペリシテ人の手から救い始める。」
6 その女は夫のところに行き、次のように言った。「神の人が私のところに来られました。その姿は神の使いの姿のようで、とても恐ろしゅうございました。私はその方がどちらから来られたか伺いませんでした。その方も私に名をお告げになりませんでした。
7 けれども、その方は私に言われました。『見よ。あなたはみごもっていて、男の子を産もうとしている。今、ぶどう酒や強い酒を飲んではならない。汚れた物をいっさい食べてはならない。その子は胎内にいるときから死ぬ日まで、神へのナジル人であるからだ。』」
8 そこで、マノアは主に願って言った。「ああ、主よ。どうぞ、あなたが遣わされたあの神の人をまた、私たちのところに来させてください。私たちが、生まれて来る子に、何をすればよいか、教えてください。」
9 神は、マノアの声を聞き入れられたので、神の使いが再びこの女のところに来た。彼女は、畑にすわっており、夫マノアは彼女といっしょにいなかった。
10 それで、この女は急いで走って行き、夫に告げて言った。「早く。あの日、私のところに来られたあの方が、また私に現れました。」
11 マノアは立ち上がって妻のあとについて行き、その方のところに行って尋ねた。「この女にお話しになった方はあなたなのですか。」その方は言った。「わたしだ。」
12 マノアは言った。「今、あなたのおことばは実現するでしょう。その子のための定めとならわしはどのようにすべきでしょうか。」
13 すると、主の使いはマノアに言った。「わたしがこの女に言ったことすべてに気をつけなければならない。
14 ぶどうの木からできる物はいっさい食べてはならない。ぶどう酒や、強い酒も飲んではならない。汚れた物はいっさい食べてはならない。わたしが彼女に命令したことはみな、守らなければならない。」
15 マノアは主の使いに言った。「私たちにあなたをお引き止めできますでしょうか。あなたのために子やぎを料理したいのですが。」
16 すると、主の使いはマノアに言った。「たとい、あなたがわたしを引き止めても、わたしはあなたの食物は食べない。もし全焼のいけにえをささげたいなら、それは主にささげなさい。」マノアはその方が主の使いであることを知らなかったのである。
17 そこで、マノアは主の使いに言った。「お名まえは何とおっしゃるのですか。あなたのおことばが実現しましたら、私たちは、あなたをほめたたえたいのです。」
18主の使いは彼に言った。「なぜ、あなたはそれを聞こうとするのか。わたしの名は不思議という。」
19 そこでマノアは、子やぎと穀物のささげ物を取り、それを岩の上で主にささげた。主はマノアとその妻が見ているところで、不思議なことをされた。
20炎が祭壇から天に向かって上ったとき、マノアとその妻の見ているところで、主の使いは祭壇の炎の中を上って行った。彼らは地にひれ伏した。
21 ──主の使いは再びマノアとその妻に現れなかった──そのとき、マノアは、この方が主の使いであったのを知った。
22 それで、マノアは妻に言った。「私たちは神を見たので、必ず死ぬだろう。」
23妻は彼に言った。「もし私たちを殺そうと思われたのなら、主は私たちの手から、全焼のいけにえと穀物のささげ物をお受けにならなかったでしょう。これらのことをみな、私たちにお示しにならなかったでしょうし、いましがた、こうしたことを私たちにお告げにならなかったでしょう。」
24 その後、この女は男の子を産み、その名をサムソンと呼んだ。その子は大きくなり、主は彼を祝福された。
25 そして、主の霊は、ツォルアとエシュタオルとの間のマハネ・ダンで彼を揺り動かし始めた。
1 サムソンはティムナに下って行ったとき、ペリシテ人の娘でティムナにいるひとりの女を見た。
2 彼は帰ったとき、父と母に告げて言った。「私はティムナで、ある女を見ました。ペリシテ人の娘です。今、あの女をめとって、私の妻にしてください。」
3 すると、父と母は彼に言った。「あなたの身内の娘たちのうちに、または、私の民全体のうちに、女がひとりもいないというのか。割礼を受けていないペリシテ人のうちから、妻を迎えるとは。」サムソンは父に言った。「あの女を私にもらってください。あの女が私の気に入ったのですから。」
4 彼の父と母は、それが主によることだとは知らなかった。主はペリシテ人と事を起こす機会を求めておられたからである。そのころはペリシテ人がイスラエルを支配していた。
5 こうして、サムソンは彼の父母とともに、ティムナに下って行き、ティムナのぶどう畑にやって来た。見よ。一頭の若い獅子がほえたけりながら彼に向かって来た。
6 このとき、主の霊が激しく彼の上に下って、彼は、まるで子やぎを引き裂くように、それを引き裂いた。彼はその手に何も持っていなかった。サムソンは自分のしたことを父にも母にも言わなかった。
7 サムソンは下って行って、その女と話し合った。彼女はサムソンの気に入った。
8 しばらくたってから、サムソンは、彼女をめとろうと引き返して来た。そして、あの獅子の死体を見ようと、わき道に入って行くと、見よ、獅子のからだの中に、蜜蜂の群れと蜜があった。
9 彼はそれを手にかき集めて、歩きながら食べた。彼は自分の父母のところに来て、それを彼らに与えたので、彼らも食べた。その蜜を、獅子のからだからかき集めたことは彼らに言わなかった。
10 彼の父がその女のところに下って行ったとき、サムソンはそこで祝宴を催した。若い男たちはそのようにするのが常だった。
11 人々は、サムソンを見たとき、三十人の客を連れて来た。彼らはサムソンにつき添った。
12 サムソンは彼らに言った。「さあ、あなたがたに、一つのなぞをかけましょう。もし、あなたがたが七日の祝宴の間に、それを解いて、私に明かすことができれば、あなたがたに亜麻布の着物三十着と、晴れ着三十着をあげましょう。
13 もし、それを私に明かすことができなければ、あなたがたが亜麻布の着物三十着と晴れ着三十着とを私に下さい。」すると、彼らは言った。「あなたのなぞをかけて、私たちに聞かせてください。」
14 そこで、サムソンは彼らに言った。
「食らうものから食べ物が出、
強いものから甘い物が出た。」
彼らは三日たっても、そのなぞを明かすことができなかった。
1536四日目になって、彼らはサムソンの妻に言った。「あなたの夫をくどいて、あのなぞを私たちに明かしてください。さもないと、私たちは火であなたとあなたの父の家とを焼き払ってしまう。あなたがたは私たちからはぎ取るために招待したのですか。そうではないでしょう。」
16 そこで、サムソンの妻は夫に泣きすがって言った。「あなたは私を憎んでばかりいて、私を愛してくださいません。あなたは私の民の人々に、なぞをかけて、それを私に解いてくださいません。」すると、サムソンは彼女に言った。「ご覧。私は父にも母にもそれを明かしてはいない。あなたに、明かさなければならないのか。」
17 彼女は祝宴の続いていた七日間、サムソンに泣きすがった。七日目になって、彼女がしきりにせがんだので、サムソンは彼女に明かした。それで、彼女はそのなぞを自分の民の人々に明かした。
18 町の人々は、七日目の日が沈む前にサムソンに言った。
「蜂蜜よりも甘いものは何か。
雄獅子よりも強いものは何か。」
すると、サムソンは彼らに言った。
「もし、私の雌の子牛で耕さなかったなら、
私のなぞは解けなかったろうに。」
19 そのとき、主の霊が激しくサムソンの上に下った。彼はアシュケロンに下って行って、そこの住民三十人を打ち殺し、彼らからはぎ取って、なぞを明かした者たちにその晴れ着をやり、彼は怒りを燃やして、父の家へ帰った。
20 それで、サムソンの妻は、彼につき添った客のひとりの妻となった。
1 しばらくたって、小麦の刈り入れの時に、サムソンは一匹の子やぎを持って自分の妻をたずね、「私の妻の部屋に入りたい」と言ったが、彼女の父は、入らせなかった。
2 彼女の父は言った。「私は、あなたがほんとうにあの娘をきらったものと思って、あれをあなたの客のひとりにやりました。あれの妹のほうが、あれよりもきれいではありませんか。どうぞ、あれの代わりに妹をあなたのものとしてください。」
3 すると、サムソンは彼らに言った。「今度、私がペリシテ人に害を加えても、私には何の罪もない。」
4 それからサムソンは出て行って、37ジャッカルを三百匹捕らえ、たいまつを取り、尾と尾をつなぎ合わせて、二つの尾の間にそれぞれ一つのたいまつを取りつけ、
5 そのたいまつに火をつけ、そのジャッカルをペリシテ人の38麦畑の中に放して、たばねて積んである麦から、立穂、オリーブ畑に至るまでを燃やした。
6 それで、ペリシテ人は言った。「だれがこういうことをしたのか。」また言った。「あのティムナ人の婿サムソンだ。あれが、彼の妻を取り上げて客のひとりにやったからだ。」それで、ペリシテ人は上って来て、彼女とその父を火で焼いた。
7 すると、サムソンは彼らに言った。「あなたがたがこういうことをするなら、私は必ずあなたがたに復讐する。そのあとで、私は手を引こう。」
8 そして、サムソンは彼らを取りひしいで、激しく打った。それから、サムソンは下って行って、エタムの岩の裂け目に住んだ。
9 ペリシテ人が上って行って、ユダに対して陣を敷き、レヒを攻めたとき、
10 ユダの人々は言った。「なぜ、あなたがたは、私たちを攻めに上って来たのか。」彼らは言った。「われわれはサムソンを縛って、彼がわれわれにしたように、彼にもしてやるために上って来たのだ。」
11 そこで、ユダの人々三千人がエタムの岩の裂け目に下って行って、サムソンに言った。「あなたはペリシテ人が私たちの支配者であることを知らないのか。あなたはどうしてこんなことをしてくれたのか。」すると、サムソンは彼らに言った。「彼らが私にしたとおり、私は彼らにしたのだ。」
12 彼らはサムソンに言った。「私たちはあなたを縛って、ペリシテ人の手に渡すために下って来たのだ。」サムソンは彼らに言った。「あなたがたは私に撃ちかからないと誓いなさい。」
13 すると、彼らはサムソンに言った。「決してしない。ただあなたをしっかり縛って、彼らの手に渡すだけだ。私たちは決してあなたを殺さない。」こうして、彼らは二本の新しい綱で彼を縛り、その岩から彼を引き上げた。
14 サムソンがレヒに来たとき、ペリシテ人は大声をあげて彼に近づいた。すると、主の霊が激しく彼の上に下り、彼の腕にかかっていた綱は火のついた亜麻糸のようになって、そのなわめが手から解け落ちた。
15 サムソンは、生新しいろばのあご骨を見つけ、手を差し伸べて、それを取り、それで千人を打ち殺した。
16 そして、サムソンは言った。
「39ろばのあご骨で、
40山と積み上げた。
ろばのあご骨で、千人を打ち殺した。」
17 こう言い終わったとき、彼はそのあご骨を投げ捨てた。彼はその場所を、41ラマテ・レヒと名づけた。
18 そのとき、彼はひどく渇きを覚え、主に呼び求めて言った。「あなたは、しもべの手で、この大きな救いを与えられました。しかし、今、私はのどが渇いて死にそうで、無割礼の者どもの手に落ちようとしています。」
19 すると、神はレヒにあるくぼんだ所を裂かれ、そこから水が出た。サムソンは水を飲んで元気を回復して生き返った。それゆえその名は、42エン・ハコレと呼ばれた。それは今日もレヒにある。
20 こうして、サムソンはペリシテ人の時代に二十年間、イスラエルをさばいた。
1 サムソンは、ガザへ行ったとき、そこでひとりの遊女を見つけ、彼女のところに入った。
2 このとき、「サムソンがここにやって来た」と、ガザの人々に告げる者があったので、彼らはサムソンを取り囲み、町の門で一晩中、彼を待ち伏せた。そして、「明け方まで待ち、彼を殺そう」と言いながら、一晩中、鳴りをひそめていた。
3 しかしサムソンは真夜中まで寝て、真夜中に起き上がり、町の門のとびらと、二本の門柱をつかんで、かんぬきごと引き抜き、それを肩にかついで、ヘブロンに面する山の頂へ運んで行った。
4 その後、サムソンはソレクの谷にいるひとりの女を愛した。彼女の名はデリラといった。
5 すると、ペリシテ人の領主たちが彼女のところに来て、彼女に言った。「サムソンをくどいて、彼の強い力がどこにあるのか、またどうしたら私たちが彼に勝ち、彼を縛り上げて苦しめることができるかを見つけなさい。私たちはひとりひとり、あなたに銀千百枚をあげよう。」
6 そこで、デリラはサムソンに言った。「あなたの強い力はどこにあるのですか。どうすればあなたを縛って苦しめることができるのでしょう。どうか私に教えてください。」
7 サムソンは彼女に言った。「もし彼らが、まだ干されていない七本の新しい弓の弦で私を縛るなら、私は弱くなり、並みの人のようになろう。」
8 そこで、ペリシテ人の領主たちは、干されていない七本の新しい弓の弦を彼女のところに持って来たので、彼女はそれでサムソンを縛り上げた。
9 彼女は、奥の部屋に待ち伏せしている者をおいていた。そこで彼女は、「サムソン。ペリシテ人があなたを襲ってきます」と言った。しかし、サムソンはちょうど麻くずの糸が火に触れて切れるように、弓の弦を断ち切った。こうして、彼の力のもとは知られなかった。
10 デリラはサムソンに言った。「まあ、あなたは私をだまして、うそをつきました。さあ、今度は、どうしたらあなたを縛れるか、教えてください。」
11 すると、サムソンは彼女に言った。「もし、彼らが仕事に使ったことのない新しい綱で、私をしっかり縛るなら、私は弱くなり、並みの人のようになろう。」
12 そこで、デリラは新しい綱を取って、それで彼を縛り、「サムソン。ペリシテ人があなたを襲ってきます」と言った。奥の部屋には待ち伏せしている者がいた。しかし、サムソンはその綱を糸のように腕から切り落とした。
13 デリラはまた、サムソンに言った。「今まで、あなたは私をだまして、うそをつきました。どうしたらあなたを縛れるか、私に教えてください。」サムソンは彼女に言った。「もしあなたが43機の縦糸といっしょに私の髪の毛七ふさを織り込み、44機のおさで突き刺しておけば、私は弱くなり、並みの人のようになろう。」
14 彼が深く眠っているとき、デリラは彼の髪の毛七ふさを取って、機の縦糸といっしょに織り込み、それを機のおさで突き刺し、彼に言った。「サムソン。ペリシテ人があなたを襲ってきます。」すると、サムソンは眠りからさめて、機のおさと機の縦糸を引き抜いた。
15 そこで、彼女はサムソンに言った。「あなたの心は私を離れているのに、どうして、あなたは『おまえを愛する』と言えるのでしょう。あなたはこれで三回も私をだまして、あなたの強い力がどこにあるのかを教えてくださいませんでした。」
16 こうして、毎日彼女が同じことを言って、しきりにせがみ、責め立てたので、彼は死ぬほどつらかった。
17 それで、ついにサムソンは、自分の心をみな彼女に明かして言った。「私の頭には、かみそりが当てられたことがない。私は母の胎内にいるときから、神へのナジル人だからだ。もし私の髪の毛がそり落とされたら、私の力は私から去り、私は弱くなり、普通の人のようになろう。」
18 デリラは、サムソンが自分の心をみな明かしたことがわかったので、人をやって、ペリシテ人の領主たちを呼んで言った。「今度は上って来てください。サムソンは彼の心をみな私に明かしました。」ペリシテ人の領主たちは、彼女のところに上って来た。そのとき、彼らはその手に銀を持って上って来た。
19 彼女は自分のひざの上でサムソンを眠らせ、ひとりの人を呼んで、彼の髪の毛七ふさをそり落とさせ、彼を苦しめ始めた。彼の力は彼を去っていた。
20 彼女が、「サムソン。ペリシテ人があなたを襲ってきます」と言ったとき、サムソンは眠りからさめて、「今度も前のように出て行って、からだをひとゆすりしてやろう」と言った。彼は主が自分から去られたことを知らなかった。
21 そこで、ペリシテ人は彼をつかまえて、その目をえぐり出し、彼をガザに引き立てて行って、青銅の足かせをかけて、彼をつないだ。こうしてサムソンは牢の中で臼をひいていた。
22 しかし、サムソンの頭の毛はそり落とされてから、また伸び始めた。
23 さて、ペリシテ人の領主たちは、自分たちの神ダゴンに盛大ないけにえをささげて楽しもうと集まり、そして言った。「私たちの神は、私たちの敵サムソンを、私たちの手に渡してくださった。」
24民はサムソンを見たとき、自分たちの神をほめたたえて言った。「私たちの神は、私たちの敵を、この国を荒らし、私たち大ぜいを殺した者を、私たちの手に渡してくださった。」
25 彼らは、心が陽気になったとき、「サムソンを呼んで来い。私たちのために見せものにしよう」と言って、サムソンを牢から呼び出した。彼は彼らの前で戯れた。彼らがサムソンを柱の間に立たせたとき、
26 サムソンは自分の手を堅く握っている若者に言った。「私の手を放して、この宮をささえている柱にさわらせ、それに寄りかからせてくれ。」
27 宮は、男や女でいっぱいであった。ペリシテ人の領主たちもみなそこにいた。屋上にも約三千人の男女がいて、サムソンが演技するのを見ていた。
28 サムソンは主に呼ばわって言った。「45神、主よ。どうぞ、私を御心に留めてください。ああ、神よ。どうぞ、この一時でも、私を強めてください。私の46二つの目のために、もう一度ペリシテ人に復讐したいのです。」
29 そして、サムソンは、宮をささえている二本の中柱を、一本は右の手に、一本は左の手にかかえ、それに寄りかかった。
30 そしてサムソンは、「ペリシテ人といっしょに死のう」と言って、力をこめて、それを引いた。すると、宮は、その中にいた領主たちと民全体との上に落ちた。こうしてサムソンが死ぬときに殺した者は、彼が生きている間に殺した者よりも多かった。
31 そこで、彼の身内の者や父の家族の者たちがみな下って来て、彼を引き取り、ツォルアとエシュタオルとの間にある父マノアの墓に彼を運んで行って葬った。サムソンは二十年間、イスラエルをさばいた。
1 エフライムの山地の出で、その名をミカという人がいた。
2 彼は母に言った。「あなたが、銀千百枚を盗まれたとき、のろって言われたことが、私の耳に入りました。実は、私がその銀を持っています。私がそれを盗んだのです。」すると、母は言った。「主が私の息子を祝福されますように。」
3 彼が母にその銀千百枚を返したとき、母は言った。「私の手でその銀を聖別して主にささげ、わが子のために、それで彫像と鋳像を造りましょう。今は、それをあなたに返します。」
4 しかし彼は母にその銀を返した。そこで母は銀二百枚を取って、それを銀細工人に与えた。すると、彼はそれで彫像と鋳像を造った。それがミカの家にあった。
5 このミカという人は神の宮を持っていた。それで彼はエポデとテラフィムを作り、その息子のひとりを任命して、自分の祭司としていた。
6 そのころ、イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行っていた。
7 ユダのベツレヘムの出の、ユダの氏族に属するひとりの若者がいた。彼はレビ人で、そこに滞在していた。
8 その人がユダのベツレヘムの町を出て、滞在する所を見つけに、旅を続けてエフライムの山地のミカの家まで来たとき、
9 ミカは彼に言った。「あなたはどこから来たのですか。」彼は答えた。「私はユダのベツレヘムから来たレビ人です。私は滞在する所を見つけようとして、歩いているのです。」
10 そこでミカは言った。「私といっしょに住んで、私のために父となり、また祭司となってください。あなたに毎年、銀十枚と、衣服ひとそろいと、あなたの生活費をあげます。」それで、このレビ人は同意した。
11 このレビ人は心を決めてその人といっしょに住むことにした。この若者は彼の息子のひとりのようになった。
12 ミカがこのレビ人を任命したので、この若者は彼の祭司となり、ミカの家にいた。
13 そこで、ミカは言った。「私は主が私をしあわせにしてくださることをいま知った。レビ人を私の祭司に得たから。」
1 そのころ、イスラエルには王がなかった。そのころ、ダン人の部族は、自分たちの住む相続地を求めていた。イスラエルの諸部族の中にあって、相続地はその時まで彼らに割り当てられていなかったからである。
2 そこで、ダン族は、彼らの諸氏族全体のうちから五人の者、ツォルアとエシュタオルからの勇士たちを派遣して、土地を偵察し、調べることにした。それで、彼らに言った。「行って、あの地を調べなさい。」彼らはエフライムの山地のミカの家に行って、そこで一夜を明かした。
3 彼らはミカの家のそばに来、あのレビ人の若者の声に気づいた。そこで、そこに立ち寄り、彼に言った。「だれがあなたをここに連れて来たのですか。ここで何をしているのですか。ここに何の用事があるのですか。」
4 その若者は彼らに言った。「ミカが、かくかくのことを私にしてくれて、私を雇い、私は彼の祭司になったのです。」
5 彼らはその若者に言った。「どうぞ、神に伺ってください。私たちのしているこの旅が、成功するかどうかを知りたいのです。」
6 その祭司は彼らに言った。「安心して行きなさい。あなたがたのしている旅は、主が認めておられます。」
7 五人の者は進んで行って、ライシュに着き、そこの住民を見ると、彼らは安らかに住んでおり、シドン人のならわしに従って、平穏で安心しきっていた。この地には47足りないものは何もなく、押さえつける者もなかった。彼らはシドン人から遠く離れており、そのうえ、だれとも交渉がなかった。
8 五人の者がツォルアとエシュタオルの身内の者たちのところに帰って来たとき、身内の者たちは彼らに、どうだったかと尋ねた。
9 そこで、彼らは言った。「さあ、彼らのところへ攻め上ろう。私たちはその土地を見たが、実に、すばらしい。あなたがたはためらっている。ぐずぐずせずに進んで行って、あの地を占領しよう。
10 あなたがたが行くときは、安心しきっている民のところに行けるのだ。しかもその地は広々としている。神はそれをあなたがたの手に渡しておられる。その場所には、地にあるもので足りないものは何もない。」
11 そこで、ダン人の氏族の者六百人は武具を身に着けて、そこ、ツォルアとエシュタオルから旅立ち、
12 上って行って、ユダのキルヤテ・エアリムに宿営した。それで、その所は48マハネ・ダンと呼ばれた。今日もそうである。それはキルヤテ・エアリムの西にある。
13 彼らはさらにそこからエフライムの山地へと進み、ミカの家に着いた。
14 そのとき、あのライシュの地を偵察に行った五人の者は、その身内の者たちに告げて言った。「これらの建物の中にエポデやテラフィム、彫像や鋳像があるのを知っているか。今あなたがたは何をなすべきかを知りなさい。」
15 そこで、彼らは、そちらのほうに行き、あのレビ人の若者の家ミカの家に来て、彼の安否を尋ねた。
16武具を身に着けた六百人のダンの人々は、門の入口のところに立っていた。
17 あの地を偵察に行った五人の者は上って行き、そこに入り、彫像とエポデとテラフィムと鋳像を取った。祭司は武具を身に着けた六百人の者と、門の入口のところに立っていた。
18 五人の者がミカの家に入り、彫像とエポデとテラフィムと鋳像を取った。そのとき祭司は彼らに言った。「あなたがたは何をしているのか。」
19 彼らは祭司に言った。「黙っていてください。あなたの手を口に当てて、私たちといっしょに来て、私たちのために父となり、また祭司となってください。あなたはひとりの家の祭司になるのと、イスラエルで部族または氏族の祭司になるのと、どちらがよいですか。」
20祭司の心ははずんだ。彼はエポデとテラフィムと彫像を取り、この人々の中に入って行った。
21 そこで、彼らは子どもや家畜や貴重品を先にして引き返して行った。
22 彼らがミカの家からかなり離れると、ミカは家の近くの家にいた人々を集め、ダン族に追いついた。
23 彼らがダン族に呼びかけたとき、彼らは振り向いて、ミカに言った。「あなたは、どうしたのだ。人を集めたりして。」
24 すると、ミカは言った。「あなたがたは私の造った神々と、それに祭司とを取って行った。私のところには何が残っていますか。私に向かって『どうしたのだ』と言うのは、いったい何事です。」
25 そこで、ダン族はミカに言った。「あなたの声が私たちの中で聞こえないようにせよ。でなければ、気の荒い連中があなたがたに撃ちかかろう。あなたは、自分のいのちも、家族のいのちも失おう。」
26 こうして、ダン族は去って行った。ミカは、彼らが自分よりも強いのを見てとり、向きを変えて、自分の家に帰った。
27 彼らは、ミカが造った物と、ミカの祭司とを取って、ライシュに行き、平穏で安心しきっている民を襲い、剣の刃で彼らを打ち、火でその町を焼いた。
28 その町はシドンから遠く離れており、そのうえ、だれとも交渉がなかったので、救い出す者がいなかった。その町はベテ・レホブの近くの谷にあった。彼らは町を建てて、そこに住んだ。
29 そして、彼らはイスラエルに生まれた自分たちの先祖ダンの名にちなんで、その町にダンという名をつけた。その町のもとの名はライシュであった。
30 さて、ダン族は自分たちのために彫像を立てた。49モーセの子ゲルショムの子ヨナタンとその子孫が、国の捕囚の日まで、ダン部族の祭司であった。
31 こうして、神の宮がシロにあった間中、彼らはミカの造った彫像を自分たちのために立てた。
1 イスラエルに王がなかった時代のこと、ひとりのレビ人が、エフライムの山地の奥に滞在していた。この人は、そばめとして、ユダのベツレヘムからひとりの女をめとった。
2 ところが、そのそばめは彼をきらって、彼のところを去り、ユダのベツレヘムの自分の父の家に行き、そこに四か月の間いた。
3 そこで、彼女の夫は、ねんごろに話をして彼女を引き戻すために、若い者と一くびきのろばを連れ、彼女のあとを追って出かけた。彼女が夫を自分の父の家に連れて入ったとき、娘の父は彼を見て、喜んで迎えた。
4娘の父であるしゅうとが引き止めたので、彼は、しゅうとといっしょに三日間とどまった。こうして、彼らは食べたり飲んだりして、夜を過ごした。
5 四日目になって朝早く、彼は出かけようとして立ち上がった。すると、娘の父は婿に言った。「少し食事をして元気をつけ、そのあとで出かけなさい。」
6 それで、彼らふたりは、すわって共に食べたり飲んだりした。娘の父はその人に言った。「どうぞ、もう一晩泊まることにして、楽しみなさい。」
7 その人が出かけようとして立ち上がると、しゅうとが彼にしきりに勧めたので、彼はまたそこに泊まって一夜を明かした。
8 五日目の朝早く、彼が出かけようとすると、娘の父は言った。「どうぞ、元気をつけて、日が傾くまで、ゆっくりしていなさい。」そこで、彼らふたりは食事をした。
9 それから、その人が自分のそばめと、若い者を連れて、出かけようとすると、娘の父であるしゅうとは彼に言った。「ご覧なさい。もう日が暮れかかっています。どうぞ、もう一晩お泊まりなさい。もう日も傾いています。ここに泊まって、楽しみなさい。あすの朝早く旅立って、家に帰ればいいでしょう。」
10 その人は泊まりたくなかったので、立ち上がって出て行き、エブスすなわちエルサレムの向かい側にやって来た。鞍をつけた一くびきのろばと彼のそばめとが、いっしょだった。
11 彼らがエブスの近くに来たとき、日は非常に低くなっていた。それで、若い者は主人に言った。「さあ、このエブス人の町に寄り道して、そこで一夜を明かしましょう。」
12 すると、彼の主人は言った。「私たちは、イスラエル人ではない外国人の町には立ち寄らない。さあ、ギブアまで進もう。」
13 それから、彼は若い者に言った。「さあ、ギブアかラマのどちらかの地に着いて、そこで一夜を明かそう。」
14 こうして、彼らは進んで行った。彼らがベニヤミンに属するギブアの近くに来たとき、日は沈んだ。
15 彼らはギブアに行って泊まろうとして、そこに立ち寄り、町に入って行って、広場にすわった。だれも彼らを迎えて家に泊めてくれる者がいなかったからである。
16 そこへ、夕暮れになって野ら仕事から帰ったひとりの老人がやって来た。この人はエフライムの山地の人で、ギブアに滞在していた。この土地の者たちはベニヤミン族であった。
17 目を上げて、町の広場にいる旅人を見たとき、この老人は、「どちらへおいでですか。どちらからおいでになったのですか」と尋ねた。
18 そこで、その人は彼に言った。「私たちは、ユダのベツレヘムから、エフライムの山地の奥まで旅を続けているのです。私はその奥地の者です。ユダのベツレヘムまで行って来ました。今、主の宮へ帰る途中ですが、だれも私を家に迎えてくれる者がありません。
19 私たちのろばのためには、わらも飼葉もあり、また、私と、50妻と、51私たちといっしょにいる若い者とのためにはパンも酒もあります。足りないものは何もありません。」
20 すると、この老人は言った。「安心なさい。ただ、足りないものはみな、私に任せて。ただ広場では夜を過ごさないでください。」
21 こうして彼は、この人を自分の家に連れて行き、ろばに、まぐさをやった。彼らは足を洗って、食べたり飲んだりした。
22 彼らが楽しんでいると、町の者で、よこしまな者たちが、その家を取り囲んで、戸をたたき続けた。そして彼らは、その家の主人である老人に言った。「あなたの家に来たあの男を引き出せ。あの男を知りたい。」
23 そこで、家の主人であるその人は彼らのところに出て行って言った。「いけない。兄弟たちよ。どうか悪いことはしないでくれ。この人が私の家に入って後に、そんな恥ずべきことはしないでくれ。
24 ここに処女の私の娘と、あの人のそばめがいる。今、ふたりを連れ出すから、彼らをはずかしめて、あなたがたの好きなようにしなさい。あの人には、そのような恥ずべきことはしないでくれ。」
25 しかし、人々は彼に聞こうとしなかった。そこで、その人は自分のそばめをつかんで、外の彼らのところへ出した。すると、彼らは彼女を52犯して、夜通し、朝まで暴行を加え、夜が明けかかるころ彼女を放した。
26 夜明け前に、その女は自分の主人のいるその人の家の戸口に来て倒れ、明るくなるまでそこにいた。
27 その女の主人は、朝になって起き、家の戸を開いて、旅に出ようとして外に出た。見ると、そこに自分のそばめであるその女が、手を敷居にかけて、家の入口に倒れていた。
28 それで、彼はその女に、「立ちなさい。行こう」と言ったが、何の返事もなかった。それで、その人は彼女をろばに乗せ、立って自分の所へ向かって行った。
29 彼は自分の家に着くと、刀を取り、自分のそばめをつかんで、その死体を十二の部分に切り分けて、イスラエルの国中に送った。
30 それを見た者はみな言った。「イスラエル人がエジプトの地から上って来た日から今日まで、こんなことは起こったこともなければ、見たこともない。このことをよく考えて、相談をし、意見を述べよ。」
1 そこで、ダンからベエル・シェバ、およびギルアデの地に至るイスラエル人はみな、出て来て、その会衆は、53こぞってミツパの主のところに集まった。
2 イスラエルの全部族、民全体のかしらたち、四十万の剣を使う歩兵が神の民の集まりに出た。
3 ──ベニヤミン族は、イスラエル人がミツパに上って来たことを聞いた──イスラエル人は、「こんな悪い事がどうして起こったのか、話してください」と言った。
4 殺された女の夫であるレビ人は答えて言った。「私は、そばめといっしょに、ベニヤミンに属するギブアに行き、一夜を明かそうとしました。
5 すると、ギブアの者たちは私を襲い、夜中に私のいる家を取り囲み、私を殺そうと計りましたが、彼らは私のそばめに暴行を加えました。それで彼女は死にました。
6 そこで私は、そばめをつかみ、彼女を切り分け、それをイスラエルの相続地の全地に送りました。これは、彼らがイスラエルの中で、みだらな恥ずべきことを行ったからです。
7 さあ、あなたがたイスラエル人のすべてよ。今ここで、意見を述べて、相談してください。」
8 そこで、民はみな、54こぞって立ち上がって言った。「私たちは、だれも自分の天幕に帰らない。だれも自分の家に戻らない。
9 今、私たちがギブアに対してしようとしていることはこうだ。くじを引いて、55攻め上ろう。
10 私たちは、イスラエルの全部族について、百人につき十人、千人につき百人、一万人につき千人をとって、民のための糧食を持って行かせ、民がベニヤミンの56ギブアに行って、ベニヤミンがイスラエルでしたこのすべての恥ずべき行いに対して、報復させよう。」
11 こうして、イスラエル人はみな団結し、57こぞってその町に集まって来た。
12 それから、イスラエルの諸部族は、ベニヤミンの諸族のすべてに人をやって言わせた。「あなたがたのうちに起こったあの悪い事は、何ということか。
13 今、ギブアにいるあのよこしまな者たちを渡せ。彼らを殺して、イスラエルから悪を除き去ろう。」ベニヤミン族は、自分たちの同族イスラエル人の言うことに聞き従おうとしなかった。
14 それどころか、ベニヤミン族は町々からギブアに集まり、イスラエル人との戦いに出て行こうとした。
15 その日、ベニヤミン族は、町々から二万六千人の剣を使う者を召集した。そのほかにギブアの住民のうちから七百人の精鋭を召集した。
16 この民全体のうちに、左ききの精鋭が七百人いた。彼らはみな、一本の毛をねらって石を投げて、失敗することがなかった。
17 イスラエル人は、ベニヤミンを除いて、剣を使う者四十万人を召集した。彼らはみな、戦士であった。
18 イスラエル人は立ち上がって、ベテルに上り、神に伺って言った。「私たちのため、だれが最初に上って行って、ベニヤミン族と戦うのでしょうか。」すると、主は仰せられた。「ユダが最初だ。」
19 朝になると、イスラエル人は立ち上がり、ギブアに対して陣を敷いた。
20 イスラエル人はベニヤミンとの戦いに出て行った。そのとき、イスラエル人はギブアで彼らと戦うための陣ぞなえをした。
21 ベニヤミン族はギブアから出て来て、その日、イスラエル人二万二千人をその場で殺した。
22 しかし、この民、イスラエル人は奮い立って、初めの日に陣を敷いた場所で、再び戦いの備えをした。
23 そしてイスラエル人は上って行って、主の前で夕方まで泣き、主に伺って言った。「私は再び、私の兄弟ベニヤミン族に近づいて戦うべきでしょうか。」すると、主は仰せられた。「攻め上れ。」
24 そこで、イスラエル人は次の日、ベニヤミン族に攻め寄せたが、
25 ベニヤミンも次の日、ギブアから出て来て、彼らを迎え撃ち、再びイスラエル人のうち一万八千人をその場で殺した。これらの者はみな、剣を使う者であった。
26 それで、すべてのイスラエル人は、全民こぞってベテルに上って行って、泣き、その所で主の前にすわり、その日は、夕方まで断食をし、全焼のいけにえと和解のいけにえを主の前にささげた。
27 そして、イスラエル人は主に伺い、──当時、神の契約の箱はそこにあった。
28 当時、アロンの子エルアザルの子ピネハスが、御前に仕えていた──そして言った。「私はまた、出て行って、私の兄弟ベニヤミン族と戦うべきでしょうか。それとも、やめるべきでしょうか。」主は仰せられた。「攻め上れ。あす、彼らをあなたがたの手に渡す。」
29 そこで、イスラエルはギブアの回りに伏兵を置いた。
30 三日目にイスラエル人は、ベニヤミン族のところに攻め上り、先のようにギブアに対して陣ぞなえをした。
31 すると、ベニヤミン族は、この民を迎え撃つために出て来た。彼らは町からおびき出された。彼らは、一つはベテルに、他の一つはギブアに上る大路で、この前のようにこの民を打ち始め、イスラエル人約三十人を戦場で刺し殺した。
32 ベニヤミン族は、「彼らは最初のときのようにわれわれに打ち負かされる」と思った。イスラエル人は言った。「さあ、逃げよう。そして彼らを町から大路におびき出そう。」
33 イスラエル人はみな、その持ち場を立ち、バアル・タマルで陣ぞなえをした。一方、イスラエルの伏兵たちは、自分たちの持ち場、58マアレ・ゲバからおどり出た。
34 こうして、全イスラエルの精鋭一万人がギブアに向かってやって来た。戦いは激しかった。ベニヤミン族は、わざわいが自分たちに迫っているのに気がつかなかった。
35 こうして、主がイスラエルによってベニヤミンを打ったので、イスラエル人は、その日、ベニヤミンのうち二万五千百人を殺した。これらの者はみな、剣を使う者であった。
36 ベニヤミン族は、自分たちが打ち負かされたのを見た。イスラエル人がベニヤミンの前から退却したのは、ギブアに対して伏せていた伏兵を信頼したからであった。
37伏兵は急ぎギブアに突入した。伏兵はその勢いに乗って、町中を剣の刃で打ちまくった。
38 イスラエル人と伏兵との間には、合図が決めてあって、町からのろしが上げられたら、
39 イスラエル人は引き返して戦うようになっていた。ベニヤミンは、約三十人のイスラエル人を打ち殺し始めた。「彼らは、きっと最初の戦いのときのように、われわれに打ち負かされるに違いない」と思ったのである。
40 そのころ、のろしが煙の柱となって町から上り始めた。ベニヤミンは、うしろを振り向いた。見よ。町全体から煙が天に上っていた。
41 そこへ、イスラエル人が引き返して来たので、ベニヤミン人は、わざわいが自分たちに迫っているのを見て、うろたえた。
42 それで、彼らはイスラエル人の前から荒野のほうへ向かったが、戦いは彼らに追い迫り、町々から出て来た者も合流して、彼らを殺した。
43 イスラエル人はベニヤミンを包囲して追いつめ、59ヌアから東のほうギブアの向こう側まで踏みにじった。
44 こうして、一万八千人のベニヤミンが倒れた。これらの者はみな、力ある者たちであった。
45 また残りの者は荒野のほうに向かってリモンの岩に逃げたが、イスラエル人は、大路でそのうちの五千人を60打ち取り、なお残りをギデオムまで追跡して、そのうちの二千人を打ち殺した。
46 こうして、その日ベニヤミンの中で倒れた者はみなで二万五千人、剣を使う力ある者たちであった。
47 それでも、六百人の者は荒野のほうに向かってリモンの岩に逃げ、四か月間、リモンの岩にいた。
48 イスラエル人は、ベニヤミン族のところへ引き返し、無傷のままだった町をはじめ、家畜、見つかったものすべてを剣の刃で打ち、また見つかったすべての町々に火を放った。
1 イスラエル人はミツパで、「私たちはだれも、娘をベニヤミンにとつがせない」と言って誓っていた。
2 そこで、民はベテルに来て、そこで夕方まで神の前にすわり、声をあげて激しく泣いた。
3 そして、彼らは言った。「イスラエルの神、主よ。なぜイスラエルにこのようなことが起こって、きょう、イスラエルから一つの部族が欠けるようになったのですか。」
4翌日になって、民は朝早く、そこに一つの祭壇を築き、全焼のいけにえと和解のいけにえをささげた。
5 そこで、イスラエルの人々は、「イスラエルの全部族のうちで、主のところの集まりに上って来なかった者はだれか」と言った。彼らがミツパの主のところに上って来なかった者について、「その者は必ず殺されなければならない」と言って、重い誓いを立てていたからである。
6 イスラエル人は、その兄弟ベニヤミンのことで悔やんだ。それで言った。「きょう、イスラエルから、一つの部族が切り捨てられた。
7 あの残った者たちに妻をめとらせるにはどうすればよいだろうか。私たちは主にかけて、彼らに娘をとつがせないと誓ったのだ。」
8 ついで、彼らは言った。「イスラエルの部族のうちで、どこの者がミツパの主のところに上って来なかったのか。」見ると、ヤベシュ・ギルアデからは、ひとりも陣営に、その集まりに、出ていなかった。
9民は点呼したが、ヤベシュ・ギルアデの住民はひとりもそこにいなかった。
10会衆は、一万二千人の勇士をそこに送り、彼らに命じて言った。「行って、ヤベシュ・ギルアデの住民を、剣の刃で打て。女や子どもも。
11 あなたがたは、こうしなければならない。男はみな、そして男と寝たことのある女はみな、聖絶しなければならない。」
12 こうして、彼らはヤベシュ・ギルアデの住民のうちから、男と寝たことがなく、男を知らない若い処女四百人を見つけ出した。彼らは、この女たちをカナンの地にあるシロの陣営に連れて来た。
13 それから、全会衆は、リモンの岩にいるベニヤミン族に使いをやり、彼らに和解を呼びかけたが、
14 そのとき、ベニヤミンは引き返して来たので、ヤベシュ・ギルアデの女のうちから生かしておいた女たちを彼らに与えた。しかし、彼らには足りなかった。
15民はベニヤミンのことで悔やんでいた。主がイスラエルの部族の間を裂かれたからである。
16 そこで、会衆の長老たちは言った。「あの残った者たちに妻をめとらせるにはどうしたらよかろう。ベニヤミンのうちから女が根絶やしにされたのだ。」
17 ついで彼らは言った。「ベニヤミンののがれた者たちの跡継ぎがなければならない。イスラエルから一つの部族が消し去られてはならない。
18 しかし、私たちの娘を彼らにとつがせることはできない。イスラエル人は、『ベニヤミンに妻を与える者はのろわれる』と言って誓っているからだ。」
19 それで、彼らは言った。「そうだ。毎年、シロで主の祭りがある。」──この町はベテルの北にあって、ベテルからシェケムに上る大路の日の上る方、レボナの南にある──
20 それから、彼らはベニヤミン族に命じて言った。「行って、ぶどう畑で待ち伏せして、
21 見ていなさい。もしシロの娘たちが踊りに出て来たら、あなたがたはぶどう畑から出て、めいめい自分の妻をシロの娘たちのうちから捕らえ、ベニヤミンの地に行きなさい。
22 もし、女たちの父や兄弟が私たちに苦情を言いに来たら、私たちは彼らに、『私たちのため、彼らに情けをかけてやってください。私たちは戦争のときに彼らのひとりひとりに妻をとらせなかったし、あなたがたも娘を彼らに与えませんでした。もしそうしていたら、あなたがたは、罪に定められたでしょう』と言います。」
23 ベニヤミン族はそのようにした。彼らは女たちを自分たちの数にしたがって、連れて来た。踊っているところを、彼らが略奪した女たちである。それから彼らは戻って、自分たちの相続地に帰り、町々を再建して、そこに住んだ。
24 こうして、イスラエル人は、そのとき、そこを去って、めいめい自分の部族と氏族のところに帰って行き、彼らはそこからめいめい自分の相続地へ出て行った。
25 そのころ、イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行っていた。
ルツ記
1 さばきつかさが治めていたころ、この地にききんがあった。それで、ユダのベツレヘムの人が妻とふたりの息子を連れてモアブの野へ行き、そこに滞在することにした。
2 その人の名はエリメレク。妻の名はナオミ。ふたりの息子の名はマフロンとキルヨン。彼らはユダのベツレヘムの出のエフラテ人であった。彼らがモアブの野へ行き、そこにとどまっているとき、
3 ナオミの夫エリメレクは死に、彼女とふたりの息子があとに残された。
4 ふたりの息子はモアブの女を妻に迎えた。ひとりの名はオルパで、もうひとりの名はルツであった。こうして、彼らは約十年の間、そこに住んでいた。
5 しかし、マフロンとキルヨンのふたりもまた死んだ。こうしてナオミはふたりの子どもと夫に先立たれてしまった。
6 そこで、彼女は嫁たちと連れ立って、モアブの野から帰ろうとした。モアブの野でナオミは、主がご自分の民を顧みて彼らにパンを下さったと聞いたからである。
7 そこで、彼女はふたりの嫁といっしょに、今まで住んでいた所を出て、ユダの地へ戻るため帰途についた。
8 そのうちに、ナオミはふたりの嫁に、「あなたがたは、それぞれ自分の母の家へ帰りなさい。あなたがたが、なくなった者たちと私にしてくれたように、主があなたがたに恵みを賜り、
9 あなたがたが、それぞれ夫の家で平和な暮らしができるように主がしてくださいますように」と言った。そしてふたりに口づけしたので、彼女たちは声をあげて泣いた。
10 ふたりはナオミに言った。「いいえ。私たちは、あなたの民のところへあなたといっしょに帰ります。」
11 しかしナオミは言った。「帰りなさい。娘たち。なぜ私といっしょに行こうとするのですか。あなたがたの夫になるような息子たちが、まだ、私のお腹にいるとでもいうのですか。
12 帰りなさい。娘たち。さあ、行きなさい。私は年をとって、もう夫は持てません。たとい私が、自分には望みがあると思って、今晩でも夫を持ち、息子たちを産んだとしても、
13 それだから、あなたがたは息子たちの成人するまで待とうというのですか。だから、あなたがたは夫を持たないままでいるというのですか。娘たち。それはいけません。私をひどく苦しませるだけです。主の御手が私に下ったのですから。」
14 彼女たちはまた声をあげて泣き、オルパはしゅうとめに別れの口づけをしたが、ルツは彼女にすがりついていた。
15 ナオミは言った。「ご覧なさい。あなたの弟嫁は、自分の民とその神のところへ帰って行きました。あなたも弟嫁にならって帰りなさい。」
16 ルツは言った。「あなたを捨て、あなたから別れて帰るように、私にしむけないでください。あなたの行かれる所へ私も行き、あなたの住まれる所に私も住みます。あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。
17 あなたの死なれる所で私は死に、そこに葬られたいのです。もし死によっても私があなたから離れるようなことがあったら、主が幾重にも私を罰してくださるように。」
18 ナオミは、ルツが自分といっしょに行こうと堅く決心しているのを見ると、もうそれ以上は何も言わなかった。
19 それから、ふたりは旅をして、ベツレヘムに着いた。彼女たちがベツレヘムに着くと、町中がふたりのことで騒ぎ出し、女たちは、「まあ。1ナオミではありませんか」と言った。
20 ナオミは彼女たちに言った。「私をナオミと呼ばないで、2マラと呼んでください。全能者が私をひどい苦しみに会わせたのですから。
21 私は満ち足りて出て行きましたが、主は私を素手で帰されました。なぜ私をナオミと呼ぶのですか。主は私を3卑しくし、全能者が私をつらいめに会わせられましたのに。」
22 こうして、ナオミは、嫁のモアブの女ルツといっしょに、モアブの野から帰って来て、大麦の刈り入れの始まったころ、ベツレヘムに着いた。
1 ナオミには、夫の親戚で、エリメレクの一族に属するひとりの有力者がいた。その人の名はボアズであった。
2 モアブの女ルツはナオミに言った。「どうぞ、畑に行かせてください。私に親切にしてくださる方のあとについて落ち穂を拾い集めたいのです。」すると、ナオミは彼女に、「娘よ。行っておいで」と言った。
3 ルツは出かけて行って、刈る人たちのあとについて、畑で落ち穂を拾い集めたが、それは、はからずもエリメレクの一族に属するボアズの畑のうちであった。
4 ちょうどその時、ボアズはベツレヘムからやって来て、刈る者たちに言った。「主があなたがたとともにおられますように。」彼らは、「主があなたを祝福されますように」と答えた。
5 ボアズは刈る者たちの世話をしている若者に言った。「これはだれの娘か。」
6刈る者たちの世話をしている若者は答えて言った。「あれは、ナオミといっしょにモアブの野から帰って来たモアブの娘です。
7 彼女は、『どうぞ、刈る人たちのあとについて、束の間で、落ち穂を拾い集めさせてください』と言い、ここに来て、朝から今まで家で休みもせず、ずっと立ち働いています。」
8 ボアズはルツに言った。「娘さん。よく聞きなさい。ほかの畑に落ち穂を拾いに行ったり、ここから出て行ったりしてはいけません。私のところの若い女たちのそばを離れないで、ここにいなさい。
9刈り取っている畑を見つけて、あとについて行きなさい。私は若者たちに、あなたのじゃまをしてはならないと、きつく命じておきました。のどが渇いたら、水がめのところへ行って、若者たちの汲んだのを飲みなさい。」
10 彼女は顔を伏せ、地面にひれ伏して彼に言った。「私が外国人であるのを知りながら、どうして親切にしてくださるのですか。」
11 ボアズは答えて言った。「あなたの夫がなくなってから、あなたがしゅうとめにしたこと、それにあなたの父母や生まれた国を離れて、これまで知らなかった民のところに来たことについて、私はすっかり話を聞いています。
12主があなたのしたことに報いてくださるように。また、あなたがその翼の下に避け所を求めて来たイスラエルの神、主から、豊かな報いがあるように。」
13 彼女は言った。「ご主人さま。私はあなたのご好意にあずかりとう存じます。私はあなたのはしためのひとりでもありませんのに、あなたは私を慰め、このはしためにねんごろに話しかけてくださったからです。」
14 食事のとき、ボアズは彼女に言った。「ここに来て、このパンを食べ、あなたのパン切れを酢に浸しなさい。」彼女が刈る者たちのそばにすわったので、彼は炒り麦を彼女に取ってやった。彼女はそれを食べ、十分食べて、余りを残しておいた。
15 彼女が落ち穂を拾い集めようとして立ち上がると、ボアズは若者たちに命じて言った。「あの女には束の間でも穂を拾い集めさせなさい。あの女に恥ずかしい思いをさせてはならない。
16 それだけでなく、あの女のために、束からわざと穂を抜き落としておいて、拾い集めさせなさい。あの女をしかってはいけない。」
17 こうして彼女は、夕方まで畑で落ち穂を拾い集めた。拾ったのを打つと、大麦が一4エパほどあった。
18 彼女はそれを持って町に行き、しゅうとめにその拾い集めたのを見せ、また、先に十分食べてから残しておいたのを取り出して、彼女に与えた。
19 しゅうとめは彼女に言った。「きょう、どこで落ち穂を拾い集めたのですか。どこで働いたのですか。あなたに目を留めてくださった方に祝福がありますように。」彼女はしゅうとめに自分の働いてきた所のことを告げ、「きょう、私はボアズという名の人の所で働きました」と言った。
20 ナオミは嫁に言った。「生きている者にも、死んだ者にも、御恵みを惜しまれない主が、その方を祝福されますように。」それから、ナオミは彼女に言った。「その方は私たちの近親者で、しかも5買い戻しの権利のある私たちの親類のひとりです。」
21 モアブの女ルツは言った。「その方はまた、『私のところの刈り入れが全部終わるまで、私の若者たちのそばを離れてはいけない』と私におっしゃいました。」
22 ナオミは嫁のルツに言った。「娘よ。あの方のところの若い女たちといっしょに出かけるのは、けっこうなことです。ほかの畑でいじめられなくても済みます。」
23 それで、彼女はボアズのところの若い女たちのそばを離れないで、大麦の刈り入れと小麦の刈り入れの終わるまで、落ち穂を拾い集めた。こうして、彼女はしゅうとめと暮らした。
1 しゅうとめナオミは彼女に言った。「娘よ。あなたがしあわせになるために、身の落ち着く所を私が捜してあげなければならないのではないでしょうか。
2 ところで、あなたが若い女たちといっしょにいた所のあのボアズは、私たちの親戚ではありませんか。ちょうど今夜、あの方は打ち場で大麦をふるい分けようとしています。
3 あなたはからだを洗って、油を塗り、晴れ着をまとい、打ち場に下って行きなさい。しかし、あの方の食事が終わるまで、気づかれないようにしなさい。
4 あの方が寝るとき、その寝る所を見届けてから入って行き、その足のところをまくって、そこに寝なさい。あの方はあなたのすべきことを教えてくれましょう。」
5 ルツはしゅうとめに言った。「私におっしゃることはみないたします。」
6 こうして、彼女は打ち場に下って行って、しゅうとめが命じたすべてのことをした。
7 ボアズは飲み食いして、気持ちがよくなると、積み重ねてある麦の端に行って寝た。それで、彼女はこっそり行って、ボアズの足のところをまくって、そこに寝た。
8 夜中になって、その人はびっくりして起き直った。なんと、ひとりの女が、自分の足のところに寝ているではないか。
9 彼は言った。「あなたはだれか。」彼女は答えた。「私はあなたのはしためルツです。あなたのおおいを広げて、このはしためをおおってください。あなたは6買い戻しの権利のある親類ですから。」
10 すると、ボアズは言った。「娘さん。主があなたを祝福されるように。あなたのあとからの真実は、先の真実にまさっています。あなたは貧しい者でも、富む者でも、若い男たちのあとを追わなかったからです。
11 さあ、娘さん。恐れてはいけません。あなたの望むことはみな、してあげましょう。この町の人々はみな、あなたがしっかりした女であることを知っているからです。
12 ところで、確かに私は買い戻しの権利のある親類です。しかし、私よりももっと近い買い戻しの権利のある親類がおります。
13今晩はここで過ごしなさい。朝になって、もしその人があなたに親類の役目を果たすなら、けっこうです。その人に親類の役目を果たさせなさい。しかし、もしその人があなたに親類の役目を果たすことを喜ばないなら、私があなたを買い戻します。主は生きておられる。とにかく、朝までおやすみなさい。」
14 こうして、彼女は朝まで彼の足のところに寝たが、だれかれの見分けがつかないうちに起き上がった。彼は、「打ち場にこの女の来たことが知られてはならない」と思ったので、
15 「あなたの着ている外套を持って来て、それをしっかりつかんでいなさい」と言い、彼女がそれをしっかりつかむうちに、大麦六杯を量って、それを彼女に負わせた。こうして彼は町へ行った。
16 彼女がしゅうとめのところに行くと、しゅうとめは尋ねた。「娘よ。どうでしたか。」ルツは、その人が自分にしたことをみな、しゅうとめに告げて、
17 言った。「あなたのしゅうとめのところに素手で帰ってはならないと言って、あの方は、この大麦六杯を私に下さいました。」
18 しゅうとめは言った。「娘よ。このことがどうおさまるかわかるまで待っていなさい。あの方は、きょう、そのことを決めてしまわなければ、落ち着かないでしょうから。」
1 一方、ボアズは門のところへ上って行って、そこにすわった。すると、ちょうど、ボアズが言ったあの買い戻しの権利のある親類の人が通りかかった。ボアズは、彼にことばをかけた。「ああ、もしもし、こちらに立ち寄って、おすわりになってください。」彼は立ち寄ってすわった。
2 それから、ボアズは、町の長老十人を招いて、「ここにおすわりください」と言ったので、彼らもすわった。
3 そこで、ボアズは、その買い戻しの権利のある親類の人に言った。「モアブの野から帰って来たナオミは、私たちの身内のエリメレクの畑を売ることにしています。
4 私はそれをあなたの耳に入れ、ここにすわっている人々と私の民の長老たちとの前で、それを買いなさいと、言おうと思ったのです。もし、あなたがそれを買い戻すつもりなら、それを買い戻してください。しかし、もしそれを買い戻さないのなら、私にそう言って知らせてください。あなたをさしおいて、それを買い戻す人はいないのです。私はあなたの次なのですから。」すると彼は言った。「私が買い戻しましょう。」
5 そこで、ボアズは言った。「あなたがナオミの手からその畑を買うときには、死んだ者の名をその相続地に起こすために、死んだ者の妻であったモアブの女ルツをも買わなければなりません。」
6 その買い戻しの権利のある親類の人は言った。「私には自分のために、その土地を買い戻すことはできません。私自身の相続地をそこなうことになるといけませんから。あなたが私に代わって買い戻してください。私は買い戻すことができませんから。」
7 昔、イスラエルでは、買い戻しや権利の譲渡をする場合、すべての取り引きを有効にするために、一方が自分のはきものを脱いで、それを相手に渡す習慣があった。これがイスラエルにおける証明の方法であった。
8 それで、この7買い戻しの権利のある親類の人はボアズに、「あなたがお買いなさい」と言って、自分のはきものを脱いだ。
9 そこでボアズは、長老たちとすべての民に言った。「あなたがたは、きょう、私がナオミの手から、エリメレクのすべてのもの、それからキルヨンとマフロンのすべてのものを買い取ったことの証人です。
10 さらに、死んだ者の名をその相続地に起こすために、私はマフロンの妻であったモアブの女ルツを買って、私の妻としました。死んだ者の名を、その身内の者たちの間から、また、その町の門から絶えさせないためです。きょう、あなたがたはその証人です。」
11 すると、門にいた人々と長老たちはみな、言った。「私たちは証人です。どうか、主が、あなたの家に入る女を、イスラエルの家を建てたラケルとレアのふたりのようにされますように。あなたはエフラテで力ある働きをし、ベツレヘムで名をあげなさい。
12 また、主がこの若い女を通してあなたに授ける子孫によって、あなたの家が、タマルがユダに産んだペレツの家のようになりますように。」
13 こうしてボアズはルツをめとり、彼女は彼の妻となった。彼が彼女のところに入ったとき、主は彼女をみごもらせたので、彼女はひとりの男の子を産んだ。
14 女たちはナオミに言った。「イスラエルで、その名が伝えられるよう、きょう、買い戻す者をあなたに与えて、あなたの跡を絶やさなかった主が、ほめたたえられますように。
15 その子は、あなたを元気づけ、あなたの老後をみとるでしょう。あなたを愛し、七人の息子にもまさるあなたの嫁が、その子を産んだのですから。」
16 ナオミはその子をとり、胸に抱いて、養い育てた。
17 近所の女たちは、「ナオミに男の子が生まれた」と言って、その子に名をつけた。彼女たちは、その名をオベデと呼んだ。オベデはダビデの父エッサイの父である。
18 ペレツの家系は次のとおりである。ペレツの子はヘツロン、
19 ヘツロンの子はラム、ラムの子はアミナダブ、
20 アミナダブの子はナフション、ナフションの子は8サルモン、
21 サルモンの子はボアズ、ボアズの子はオベデ、
22 オベデの子はエッサイ、エッサイの子はダビデである。
サムエル記 第一
1 エフライムの山地1ラマタイム・ツォフィムに、その名をエルカナというひとりの人がいた。この人はエロハムの子、順次さかのぼって、エリフの子、2トフの子、エフライム人ツフの子であった。
2 エルカナには、ふたりの妻があった。ひとりの妻の名はハンナ、もうひとりの妻の名はペニンナと言った。ペニンナには子どもがあったが、ハンナには子どもがなかった。
3 この人は自分の町から毎年シロに上って、万軍の主を礼拝し、いけにえをささげていた。そこにはエリのふたりの息子、主の祭司ホフニとピネハスがいた。
4 その日になると、エルカナはいけにえをささげ、妻のペニンナ、彼女のすべての息子、娘たちに、それぞれの受ける分を与えた。
5 しかしハンナには特別の受け分を与えていた。主は彼女の胎を閉じておられたが、彼がハンナを愛していたからである。
6 彼女を憎むペニンナは、主がハンナの胎を閉じておられるというので、ハンナが気をもんでいるのに、彼女をひどくいらだたせるようにした。
7毎年、このようにして、彼女が主の宮に上って行くたびに、ペニンナは彼女をいらだたせた。そのためハンナは泣いて、食事をしようともしなかった。
8 それで夫エルカナは彼女に言った。「ハンナ。なぜ、泣くのか。どうして、食べないのか。どうして、ふさいでいるのか。あなたにとって、私は十人の息子以上の者ではないのか。」
9 シロでの食事が終わって、ハンナは立ち上がった。そのとき、祭司エリは、主の宮の柱のそばの席にすわっていた。
10 ハンナの心は痛んでいた。彼女は主に祈って、激しく泣いた。
11 そして誓願を立てて言った。「万軍の主よ。もし、あなたが、はしための悩みを顧みて、私を心に留め、このはしためを忘れず、このはしために男の子を授けてくださいますなら、私はその子の一生を主におささげします。そして、その子の頭に、かみそりを当てません。」
12 ハンナが主の前で長く祈っている間、エリはその口もとを見守っていた。
13 ハンナは心のうちで祈っていたので、くちびるが動くだけで、その声は聞こえなかった。それでエリは彼女が酔っているのではないかと思った。
14 エリは彼女に言った。「いつまで酔っているのか。酔いをさましなさい。」
15 ハンナは答えて言った。「いいえ、3祭司さま。私は心に悩みのある女でございます。ぶどう酒も、お酒も飲んではおりません。私は主の前に、私の心を注ぎ出していたのです。
16 このはしためを、よこしまな女4と思わないでください。私はつのる憂いといらだちのため、今まで祈っていたのです。」
17 エリは答えて言った。「安心して行きなさい。イスラエルの神が、あなたの願ったその願いをかなえてくださるように。」
18 彼女は、「はしためが、あなたのご好意にあずかることができますように」と言った。それからこの女は帰って食事をした。彼女の顔は、もはや以前のようではなかった。
19翌朝早く、彼らは主の前で礼拝をし、ラマにある自分たちの家へ帰って行った。エルカナは自分の妻ハンナを知った。主は彼女を心に留められた。
20 日が改まって、ハンナはみごもり、男の子を産んだ。そして「私がこの子を主に願ったから」と言って、その名をサムエルと呼んだ。
21 夫のエルカナは、家族そろって、年ごとのいけにえを主にささげ、自分の誓願を果たすために上って行こうとしたが、
22 ハンナは夫に、「この子が乳離れし、私がこの子を連れて行き、この子が主の御顔を拝し、いつまでも、そこにとどまるようになるまでは」と言って、上って行かなかった。
23 夫のエルカナは彼女に言った。「あなたの良いと思うようにしなさい。この子が乳離れするまで待ちなさい。ただ、主のおことばのとおりになるように。」こうしてこの女は、とどまって、その子が乳離れするまで乳を飲ませた。
24 その子が乳離れしたとき、彼女は5雄牛三頭、小麦粉一6エパ、ぶどう酒の皮袋一つを携え、その子を連れ上り、シロの主の宮に連れて行った。その子は幼かった。
25 彼らは、雄牛一頭をほふり、その子をエリのところに連れて行った。
26 ハンナは言った。「おお、7祭司さま。あなたは生きておられます。8祭司さま。私はかつて、ここのあなたのそばに立って、主に祈った女でございます。
27 この子のために、私は祈ったのです。主は私がお願いしたとおり、私の願いをかなえてくださいました。
28 それで私もまた、この子を主にお渡しいたします。この子は一生涯、主に渡されたものです。」こうして彼らはそこで主を礼拝した。
1 ハンナは祈って言った。
「私の心は主を誇り、
私の角は主によって高く上がります。
私の口は敵に向かって大きく開きます。
私はあなたの救いを喜ぶからです。
2 主のように聖なる方はありません。
あなたに並ぶ者はないからです。
私たちの神のような岩はありません。
3 高ぶって、多くを語ってはなりません。
横柄なことばを口から出してはなりません。
まことに主は、すべてを知る神。
そのみわざは確かです。
4 勇士の弓が砕かれ、
弱い者が力を帯び、
5 食べ飽いた者がパンのために雇われ、
飢えていた者が働きをやめ、
不妊の女が七人の子を産み、
多くの子を持つ女が、しおれてしまいます。
6 主は殺し、また生かし、
9よみに下し、また上げる。
7 主は、貧しくし、また富ませ、
低くし、また高くするのです。
8 主は、弱い者をちりから起こし、
貧しい人を、10あくたから引き上げ、
高貴な者とともに、すわらせ、
彼らに栄光の位を継がせます。
まことに、地の柱は主のもの、
その上に主は世界を据えられました。
9 主は聖徒たちの足を守られます。
悪者どもは、やみの中に滅びうせます。
まことに人は、おのれの力によっては勝てません。
10 主は、はむかう者を打ち砕き、
その者に、天から雷鳴を響かせられます。
主は地の果て果てまでさばき、
ご自分の王に力を授け、
主に油そそがれた者の角を高く上げられます。」
11 その後、エルカナはラマの自分の家に帰った。幼子は、祭司エリのもとで主に仕えていた。
12 さて、エリの息子たちは、11よこしまな者で、主を知らず、
13民にかかわる祭司の定めについてもそうであった。だれかが、いけにえをささげていると、まだ肉を煮ている間に、祭司の子が三又の肉刺しを手にしてやって来て、
14 これを、大なべや、かまや、大がまや、なべに突き入れ、肉刺しで取り上げたものをみな、祭司が自分のものとして取っていた。彼らはシロで、そこに来るすべてのイスラエルに、このようにしていた。
15 それどころか、人々が脂肪を焼いて煙にしないうちに祭司の子はやって来て、いけにえをささげる人に、「祭司に、その焼く肉を渡しなさい。祭司は煮た肉は受け取りません。生の肉だけです」と言うので、
16 人が、「まず、脂肪をすっかり焼いて煙にし、好きなだけお取りなさい」と言うと、祭司の子は、「いや、いま渡さなければならない。でなければ、私は力ずくで取る」と言った。
17 このように、子たちの罪は、主の前で非常に大きかった。主へのささげ物を、この人たちが侮ったからである。
18 サムエルはまだ幼く、亜麻布のエポデを身にまとい、主の前に仕えていた。
19 サムエルの母は、彼のために小さな上着を作り、毎年、夫とともに、その年のいけにえをささげに上って行くとき、その上着を持って行くのだった。
20 エリは、エルカナとその妻を祝福して、「主がお求めになった者の代わりに、主がこの女により、あなたに子どもを賜りますように」と言い、彼らは、自分の家に帰るのであった。
21 事実、主はハンナを顧み、彼女はみごもって、三人の息子と、ふたりの娘を産んだ。少年サムエルは、主のみもとで成長した。
22 エリは非常に年をとっていた。彼は自分の息子たちがイスラエル全体に行っていることの一部始終、それに彼らが会見の天幕の入口で仕えている女たちと寝ているということを聞いた。
23 それでエリは息子たちに言った。「なぜ、おまえたちはこんなことをするのだ。私はこの民全部から、おまえたちのした悪いことについて聞いている。
24 子たちよ。そういうことをしてはいけない。私が主の民の言いふらしているのを聞くそのうわさは良いものではない。
25 人がもし、ほかの人に対して罪を犯すと、神がその仲裁をしてくださる。だが、人が主に対して罪を犯したら、だれが、その者のために仲裁に立とうか。」しかし、彼らは父の言うことを聞こうとしなかった。彼らを殺すことが主のみこころであったからである。
26 一方、少年サムエルはますます成長し、主にも、人にも愛された。
27 そのころ、神の人がエリのところに来て、彼に言った。「主はこう仰せられる。
あなたの父の家がエジプトでパロの家に属していたとき、わたしは、この身を明らかに彼らに示したではないか。
28 また、イスラエルの全部族から、その家を選び、わたしの祭司とし、わたしの祭壇に上り、香をたき、わたしの前でエポデを着るようにした。こうして、イスラエル人のすべての火によるささげ物を、あなたの父の家に与えた。
29 なぜ、あなたがたは、わたしが命じたわたしへのいけにえ、わたしへのささげ物を、わたしの住む所で軽くあしらい、またあなたは、わたしよりも自分の息子たちを重んじて、わたしの民イスラエルのすべてのささげ物のうち最上の部分で自分たちを肥やそうとするのか。
30 それゆえ、──イスラエルの神、主の御告げだ──あなたの家と、あなたの父の家とは、永遠にわたしの前を歩む、と確かに言ったが、今や、──主の御告げだ──絶対にそんなことはない。わたしは、わたしを尊ぶ者を尊ぶ。わたしをさげすむ者は軽んじられる。
31 見よ。わたしがあなたの腕と、あなたの父の家の腕とを切り落とし、あなたの家には年寄りがいなくなる日が近づいている。
32 イスラエルはしあわせにされるのに、あなたはわたしの住む所で敵を見るようになろう。あなたの家には、いつまでも、年寄りがいなくなる。
33 わたしは、ひとりの人をあなたのために、わたしの祭壇から断ち切らない。その人はあなたの目を衰えさせ、あなたの心をやつれさせよう。あなたの家の多くの者はみな、壮年のうちに死ななければならない。
34 あなたのふたりの息子、ホフニとピネハスの身にふりかかることが、あなたへのしるしである。ふたりとも一日のうちに死ぬ。
35 わたしは、わたしの心と思いの中で事を行う忠実な祭司を、わたしのために起こそう。わたしは彼のために長く続く家を建てよう。彼は、いつまでもわたしに油そそがれた者の前を歩むであろう。
36 あなたの家の生き残った者はみな、賃金と12パン一個を求めて彼のところに来ておじぎをし、『どうか、祭司の務めの一つでも私にあてがって、一切れのパンを食べさせてください』と言おう。」
1 少年サムエルはエリの前で主に仕えていた。そのころ、主のことばはまれにしかなく、幻も示されなかった。
2 その日、エリは自分の所で寝ていた。──彼の目はかすんできて、見えなくなっていた──
3 神のともしびは、まだ消えていず、サムエルは、神の箱の安置されている主の宮で寝ていた。
4 そのとき、主はサムエルを呼ばれた。彼は、「はい。ここにおります」と言って、
5 エリのところに走って行き、「はい。ここにおります。私をお呼びになったので」と言った。エリは、「私は呼ばない。帰って、おやすみ」と言った。それでサムエルは戻って、寝た。
6主はもう一度、サムエルを呼ばれた。サムエルは起きて、エリのところに行き、「はい。ここにおります。私をお呼びになったので」と言った。エリは、「私は呼ばない。わが子よ。帰って、おやすみ」と言った。
7 サムエルはまだ、主を知らず、主のことばもまだ、彼に示されていなかった。
8主が三度目にサムエルを呼ばれたとき、サムエルは起きて、エリのところに行き、「はい。ここにおります。私をお呼びになったので」と言った。そこでエリは、主がこの少年を呼んでおられるということを悟った。
9 それで、エリはサムエルに言った。「行って、おやすみ。今度呼ばれたら、『主よ。お話しください。しもべは聞いております』と申し上げなさい。」サムエルは行って、自分の所で寝た。
10 そのうちに主が来られ、そばに立って、これまでと同じように、「サムエル。サムエル」と呼ばれた。サムエルは、「お話しください。しもべは聞いております」と申し上げた。
11主はサムエルに仰せられた。「見よ。わたしは、イスラエルに一つの事をしようとしている。それを聞く者はみな、二つの耳が鳴るであろう。
12 その日には、エリの家についてわたしが語ったことをすべて、初めから終わりまでエリに果たそう。
13 わたしは彼の家を永遠にさばくと彼に告げた。それは自分の息子たちが、みずからのろいを招くようなことをしているのを知りながら、彼らを戒めなかった罪のためだ。
14 だから、わたしはエリの家について誓った。エリの家の咎は、いけにえによっても、穀物のささげ物によっても、永遠に償うことはできない。」
15 サムエルは朝まで眠り、それから主の宮のとびらをあけた。サムエルは、この黙示についてエリに語るのを恐れた。
16 ところが、エリはサムエルを呼んで言った。「わが子サムエルよ。」サムエルは、「はい。ここにおります」と答えた。
17 エリは言った。「おまえにお告げになったことは、どんなことだったのか。私に隠さないでくれ。もし、おまえにお告げになったことばの一つでも私に隠すなら、神がおまえを幾重にも罰せられるように。」
18 それでサムエルは、すべてのことを話して、何も隠さなかった。エリは言った。「その方は主だ。主がみこころにかなうことをなさいますように。」
19 サムエルは成長した。主は彼とともにおられ、彼のことばを一つも地に落とされなかった。
20 こうして全イスラエルは、ダンからベエル・シェバまで、サムエルが主の預言者に任じられたことを知った。
21主は再びシロで現れた。主のことばによって、主がご自身をシロでサムエルに現されたからである。
1 サムエルのことばが全イスラエルに行き渡ったころ、イスラエルはペリシテ人を迎え撃つために戦いに出て、エベン・エゼルのあたりに陣を敷いた。ペリシテ人はアフェクに陣を敷いた。
2 ペリシテ人はイスラエルを迎え撃つ陣ぞなえをした。戦いが始まると、イスラエルはペリシテ人に打ち負かされ、約四千人が野の陣地で打たれた。
3民が陣営に戻って来たとき、イスラエルの長老たちは言った。「なぜ主は、きょう、ペリシテ人の前でわれわれを打ったのだろう。シロから主の契約の箱をわれわれのところに持って来よう。そうすれば、それがわれわれの真ん中に来て、われわれを敵の手から救おう。」
4 そこで民はシロに人を送った。彼らはそこから、ケルビムに座しておられる万軍の主の契約の箱をかついで来た。エリのふたりの息子、ホフニとピネハスも、神の契約の箱といっしょにそこに来た。
5主の契約の箱が陣営に着いたとき、全イスラエルは大歓声をあげた。それで地はどよめいた。
6 ペリシテ人は、その歓声を聞いて、「ヘブル人の陣営の、あの大歓声は何だろう」と言った。そして、主の箱が陣営に着いたと知ったとき、
7 ペリシテ人は、「神が陣営に来た」と言って、恐れた。そして言った。「ああ、困ったことだ。今まで、こんなことはなかった。
8 ああ、困ったことだ。だれがこの力ある神々の手から、われわれを救い出してくれよう。これらの神々は、荒野で、ありとあらゆる災害をもってエジプトを打った神々だ。
9 さあ、ペリシテ人よ。奮い立て。男らしくふるまえ。さもないと、ヘブル人がおまえたちに仕えたように、おまえたちがヘブル人に仕えるようになる。男らしくふるまって戦え。」
10 こうしてペリシテ人は戦ったので、イスラエルは打ち負かされ、おのおの自分たちの天幕に逃げた。そのとき、非常に激しい疫病が起こり、イスラエルの歩兵三万人が倒れた。
11 神の箱は奪われ、エリのふたりの息子、ホフニとピネハスは死んだ。
12 その日、ひとりのベニヤミン人が、戦場から走って来て、シロに着いた。その着物は裂け、頭には土をかぶっていた。
13 彼が着いたとき、エリは道のそばに設けた席にすわって、見張っていた。神の箱のことを気づかっていたからである。この男が町に入って13敗戦を知らせたので、町中こぞって泣き叫んだ。
14 エリが、この泣き叫ぶ声を聞いて、「この騒々しい声は何だ」と尋ねると、この者は大急ぎでやって来て、エリに知らせた。
15 エリは九十八歳で、その目はこわばり、何も見えなくなっていた。
16 その男はエリに言った。「私は戦場から来た者です。私は、きょう、戦場から逃げて来ました。」するとエリは、「状況はどうか。わが子よ」と聞いた。
17 この知らせを持って来た者は答えて言った。「イスラエルはペリシテ人の前から逃げ、民のうちに打たれた者が多く出ました。それにあなたのふたりの子息、ホフニとピネハスも死に、神の箱は奪われました。」
18 彼が神の箱のことを告げたとき、エリはその席から門のそばにあおむけに落ち、首を折って死んだ。年寄りで、からだが重かったからである。彼は四十年間、イスラエルをさばいた。
19 彼の嫁、ピネハスの妻は身ごもっていて、出産間近であったが、神の箱が奪われ、しゅうとと、夫が死んだという知らせを聞いたとき、陣痛が起こり、身をかがめて子を産んだ。
20 彼女が死にかけているので、彼女の世話をしていた女たちが、「しっかりしなさい。男の子が生まれましたよ」と言ったが、彼女は答えもせず、気にも留めなかった。
21 彼女は、「栄光がイスラエルから去った」と言って、その子を14イ・カボデと名づけた。これは神の箱が奪われたこと、それに、しゅうとと、夫のことをさしたのである。
22 彼女は、「栄光はイスラエルを去りました。神の箱が奪われたから」と言った。
1 ペリシテ人は神の箱を奪って、それをエベン・エゼルからアシュドデに運んだ。
2 それからペリシテ人は神の箱を取って、それをダゴンの宮に運び、ダゴンのかたわらに安置した。
3 アシュドデの人たちが、翌日、朝早く起きて見ると、ダゴンは主の箱の前に、地にうつぶせになって倒れていた。そこで彼らはダゴンを取り、それをもとの所に戻した。
4 次の日、朝早く彼らが起きて見ると、やはり、ダゴンは主の箱の前に、地にうつぶせになって倒れていた。ダゴンの頭と両腕は切り離されて敷居のところにあり、ダゴンの胴体だけが、そこに残っていた。
5 それで、ダゴンの祭司たちや、ダゴンの宮に行く者はだれでも、今日に至るまで、アシュドデにあるダゴンの敷居を踏まない。
6 さらに主の手はアシュドデの人たちの上に重くのしかかり、アシュドデとその地域の人々とを腫物で打って脅かした。
7 アシュドデの人々は、この有様を見て言った。「イスラエルの神の箱を、私たちのもとにとどめておいてはならない。その神の手が私たちと、私たちの神ダゴンを、ひどいめに会わせるから。」
8 それで彼らは人をやり、ペリシテ人の領主を全部そこに集め、「イスラエルの神の箱をどうしたらよいでしょうか」と尋ねた。彼らは、「イスラエルの神の箱をガテに移したらよかろう」と答えた。そこで彼らはイスラエルの神の箱を移した。
9 それがガテに移されて後、主の手はこの町に下り、非常な大恐慌を引き起こし、この町の人々を、上の者も下の者もみな打ったので、彼らに腫物ができた。
10 そこで、彼らは神の箱をエクロンに送った。神の箱がエクロンに着いたとき、エクロンの人たちは大声で叫んで言った。「私たちのところにイスラエルの神の箱を回して、私たちと、この民を殺すのか。」
11 そこで彼らは人をやり、ペリシテ人の領主を全部集めて、「イスラエルの神の箱を送って、もとの所に戻っていただきましょう。私たちと、この民とを殺すことがないように」と言った。町中に死の恐慌があったからである。神の手は、そこに非常に重くのしかかっていた。
12 死ななかった者も腫物で打たれ、町の叫び声は天にまで上った。
1主の箱は七か月もペリシテ人の野にあった。
2 ペリシテ人は祭司たちと占い師たちを呼び寄せて言った。「主の箱を、どうしたらよいだろう。どのようにして、それをもとの所に送り返せるか、教えてもらいたい。」
3 すると彼らは答えた。「イスラエルの神の箱を送り返すのなら、何もつけないで送り返してはなりません。彼に対して償いをしなければなりません。そうすれば、あなたがたはいやされましょう。なぜ、神の手があなたがたから去らないかがわかるでしょう。」
4 人々は言った。「私たちのする償いとは何ですか。」彼らは言った。「ペリシテ人の領主の数によって、五つの金の腫物、すなわち五つの金のねずみです。あなたがたみなと、あなたがたの領主へのわざわいは同じであったからです。
5 あなたがたの腫物の像、すなわちこの地を荒らしたねずみの像を作り、イスラエルの神に栄光を帰するなら、たぶん、あなたがたと、あなたがたの神々と、この国とに下される神の手は、軽くなるでしょう。
6 なぜ、あなたがたは、エジプト人とパロが心をかたくなにしたように、心をかたくなにするのですか。神が彼らをひどいめに会わせたときに、彼らは、イスラエルを自由にして、彼らを去らせたではありませんか。
7 それで今、一台の新しい車を仕立て、くびきをつけたことのない、乳を飲ませている二頭の雌牛を取り、その雌牛を車につなぎ、子牛は引き離して牛小屋に戻しなさい。
8 また主の箱を取ってその車に載せなさい。償いとして返す金の品物を鞍袋に入れ、そのかたわらに置き、それを行くがままにさせなければならない。
9 あなたがたは、箱がその国への道をベテ・シェメシュに上って行けば、私たちにこの大きなわざわいを起こしたのは、あの箱だと思わなければならない。もし、行かなければ、その手は私たちを打たず、それは私たちに偶然起こったことだと知ろう。」
10 人々はそのようにした。彼らは乳を飲ませている二頭の雌牛を取り、それを車につないだ。子牛は牛小屋に閉じ込めた。
11 そして主の箱を車に載せ、また金のねずみ、すなわち腫物の像を入れた鞍袋を載せた。
12 すると雌牛は、ベテ・シェメシュへの道、一筋の大路をまっすぐに進み、鳴きながら進み続け、右にも左にもそれなかった。ペリシテ人の領主たちは、ベテ・シェメシュの国境まで、そのあとについて行った。
13 ベテ・シェメシュの人々は、谷間で小麦の刈り入れをしていたが、目を上げたとき、神の箱が見えた。彼らはそれを見て喜んだ。
14 車はベテ・シェメシュ人ヨシュアの畑に入り、そこにとどまった。そこには大きな石があった。その人たちは、その車の木を割り、その雌牛を全焼のいけにえとして主にささげた。
15 レビ人たちは、主の箱と、そばにあった金の品物の入っている鞍袋とを降ろし、その大きな石の上に置いた。ベテ・シェメシュの人たちは全焼のいけにえをささげ、その日、ほかのいけにえも主にささげた。
16 五人のペリシテ人の領主たちは、これを見て、その日のうちにエクロンへ帰った。
17 ペリシテ人が、償いとして主に返した金の腫物は、アシュドデのために一つ、ガザのために一つ、アシュケロンのために一つ、ガテのために一つ、エクロンのために一つであった。
18 すなわち金のねずみは、五人の領主のものであるペリシテ人のすべての町──城壁のある町から城壁のない村まで──の数によっていた。終わりに主の箱が安置されたアベルの大きな台は、今日までベテ・シェメシュ人ヨシュアの畑にある。
19 主はベテ・シェメシュの人たちを打たれた。主の箱の中を見たからである。そのとき主は、その民五万七十人を打たれた。主が民を激しく打たれたので、民は喪に服した。
20 ベテ・シェメシュの人々は言った。「だれが、この聖なる神、主の前に立ちえよう。私たちのところから、だれのところへ上って行かれるのか。」
21 そこで、彼らはキルヤテ・エアリムの住民に使者を送って言った。「ペリシテ人が主の箱を返してよこしました。下って来て、それをあなたがたのところに運び上げてください。」
1 キルヤテ・エアリムの人々は来て、主の箱を運び上げ、それを丘の上のアビナダブの家に運び、彼の子エルアザルを聖別して、主の箱を守らせた。
2 その箱がキルヤテ・エアリムにとどまった日から長い年月がたって、二十年になった。イスラエルの全家は主を15慕い求めていた。
3 そのころ、サムエルはイスラエルの全家に次のように言った。「もし、あなたがたが心を尽くして主に帰り、あなたがたの間から外国の神々やアシュタロテを取り除き、心を主に向け、主にのみ仕えるなら、主はあなたがたをペリシテ人の手から救い出されます。」
4 そこでイスラエル人は、バアルやアシュタロテを取り除き、主にのみ仕えた。
5 それで、サムエルは言った。「イスラエル人をみな、ミツパに集めなさい。私はあなたがたのために主に祈りましょう。」
6 彼らはミツパに集まり、水を汲んで主の前に注ぎ、その日は断食した。そうして、その所で言った。「私たちは主に対して罪を犯しました。」こうしてサムエルはミツパでイスラエル人をさばいた。
7 イスラエル人がミツパに集まったことをペリシテ人が聞いたとき、ペリシテ人の領主たちはイスラエルに攻め上った。イスラエル人はこれを聞いて、ペリシテ人を恐れた。
8 そこでイスラエル人はサムエルに言った。「私たちの神、主に叫ぶのをやめないでください。私たちをペリシテ人の手から救ってくださるように。」
9 サムエルは乳離れしていない子羊一頭を取り、焼き尽くす全焼のいけにえとして主にささげた。サムエルはイスラエルのために主に叫んだ。それで主は彼に答えられた。
10 サムエルが全焼のいけにえをささげていたとき、ペリシテ人がイスラエルと戦おうとして近づいて来たが、主はその日、ペリシテ人の上に、大きな雷鳴をとどろかせ、彼らをかき乱したので、彼らはイスラエル人に打ち負かされた。
11 イスラエルの人々は、ミツパから出て、ペリシテ人を追い、彼らを打って、ベテ・カルの下にまで行った。
12 そこでサムエルは一つの石を取り、それをミツパとシェンの間に置き、それに16エベン・17エゼルという名をつけ、「ここまで主が私たちを助けてくださった」と言った。
13 こうしてペリシテ人は征服され、二度とイスラエルの領内に、入って来なかった。サムエルの生きている間、主の手がペリシテ人を防いでいた。
14 ペリシテ人がイスラエルから奪った町々は、エクロンからガテまで、イスラエルに戻った。イスラエルはペリシテ人の手から、領土を解放した。そのころ、イスラエル人とエモリ人の間には平和があった。
15 サムエルは、一生の間、イスラエルをさばいた。
16 彼は毎年、ベテル、ギルガル、ミツパを巡回し、それらの地でイスラエルをさばき、
17 ラマに帰った。そこに自分の家があったからである。彼はそこでイスラエルをさばいた。彼はまた、そこに主のために一つの祭壇を築いた。
1 サムエルは、年老いたとき、息子たちをイスラエルのさばきつかさとした。
2 長男の名はヨエル、次男の名はアビヤである。彼らはベエル・シェバで、さばきつかさであった。
3 この息子たちは父の道に歩まず、利得を追い求め、わいろを取り、さばきを曲げていた。
4 そこでイスラエルの長老たちはみな集まり、ラマのサムエルのところに来て、
5 彼に言った。「今や、あなたはお年を召され、あなたのご子息たちは、あなたの道を歩みません。どうか今、ほかのすべての国民のように、私たちをさばく王を立ててください。」
6 彼らが、「私たちをさばく王を与えてください」と言ったとき、そのことばはサムエルの気に入らなかった。そこでサムエルは主に祈った。
7主はサムエルに仰せられた。「この民があなたに言うとおりに、民の声を聞き入れよ。それはあなたを退けたのではなく、彼らを治めているこのわたしを退けたのであるから。
8 わたしが彼らをエジプトから連れ上った日から今日に至るまで、彼らのした事といえば、わたしを捨てて、ほかの神々に仕えたことだった。そのように彼らは、あなたにもしているのだ。
9 今、彼らの声を聞け。ただし、彼らにきびしく警告し、彼らを治める王の権利を彼らに知らせよ。」
10 そこでサムエルは、彼に王を求めるこの民に、主のことばを残らず話した。
11 そして言った。「あなたがたを治める王の権利はこうだ。王はあなたがたの息子をとり、彼らを自分の戦車や馬に乗せ、自分の戦車の前を走らせる。
12 自分のために彼らを千人隊の長、五十人隊の長として、自分の耕地を耕させ、自分の刈り入れに従事させ、武具や、戦車の部品を作らせる。
13 あなたがたの娘をとり、香料作りとし、料理女とし、パン焼き女とする。
14 あなたがたの畑や、ぶどう畑や、オリーブ畑の良い所を取り上げて、自分の家来たちに与える。
15 あなたがたの穀物とぶどうの十分の一を取り、それを自分の宦官や家来たちに与える。
16 あなたがたの奴隷や、女奴隷、それに最もすぐれた若者や、ろばを取り、自分の仕事をさせる。
17 あなたがたの羊の群れの十分の一を取り、あなたがたは王の奴隷となる。
18 その日になって、あなたがたが、自分たちに選んだ王ゆえに、助けを求めて叫んでも、その日、主はあなたがたに答えてくださらない。」
19 それでもこの民は、サムエルの言うことを聞こうとしなかった。そして言った。「いや。どうしても、私たちの上には王がいなくてはなりません。
20 私たちも、ほかのすべての国民のようになり、私たちの王が私たちをさばき、王が私たちの先に立って出陣し、私たちの戦いを戦ってくれるでしょう。」
21 サムエルは、この民の言うことすべてを聞いて、それを主の耳に入れた。
22主はサムエルに仰せられた。「彼らの言うことを聞き、彼らにひとりの王を立てよ。」そこで、サムエルはイスラエルの人々に、「おのおの自分の町に帰りなさい」と言った。
1 ベニヤミン人で、その名をキシュという人がいた。──キシュはアビエルの子、順次さかのぼって、ツェロルの子、ベコラテの子、アフィアハの子。アフィアハは裕福なベニヤミン人であった──
2 キシュにはひとりの息子がいて、その名をサウルと言った。彼は美しい若い男で、イスラエル人の中で彼より美しい者はいなかった。彼は民のだれよりも、肩から上だけ高かった。
3 あるとき、サウルの父キシュの雌ろばがいなくなった。そこでキシュは、息子サウルに言った。「若い者をひとり連れて、雌ろばを捜しに行ってくれ。」
4 そこで、彼らはエフライムの山地を巡り、シャリシャの地を巡り歩いたが、見つからなかった。さらに彼らはシャアリムの地を巡り歩いたが、いなかった。ベニヤミン人の地を巡り歩いたが、見つからなかった。
5 彼らがツフの地に来たとき、サウルは連れの若い者に言った。「さあ、もう帰ろう。父が雌ろばのことはさておき、私たちのことを心配するといけないから。」
6 すると、彼は言った。「待ってください。この町には神の人がいます。この人は敬われている人です。この人の言うことはみな、必ず実現します。今そこへまいりましょう。たぶん、私たちの行くべき道を教えてくれるでしょう。」
7 サウルは若い者に言った。「もし行くとすると、その人に何を持って行こうか。私たちの袋には、パンもなくなったし、その神の人に持って行く贈り物もない。何かあるか。」
8 その若い者はまたサウルに答えて言った。「ご覧ください。私の手に四分の一シェケルの銀があります。私がこれを神の人に差し上げて、私たちの行く道を教えてもらいましょう。」
9 ──昔イスラエルでは、神のみこころを求めに行く人は、「さあ、18予見者のところへ行こう」と言った。今の預言者は、昔は予見者と呼ばれていたからである──
10 するとサウルは若い者に言った。「それはいい。さあ、行こう。」こうして、ふたりは神の人のいる町へ出かけた。
11 彼らはその町の坂道を上って行った。水を汲みに出て来た娘たちに出会って、「ここに予見者がおられますか」と尋ねた。
12 すると、娘たちは答えて言った。「ついこの先におられます。今、急いでください。きょう、町に来られました。きょう、あの高き所で民のためにいけにえをささげますから。
13 町にお入りになると、すぐ、あの方にお会いできるでしょう。あの方が食事のために高き所に上られる前に。民は、あの方が来て、いけにえを祝福されるまでは食事をしません。祝福のあとで招かれた者たちが食事をすることになっています。今、上ってください。すぐ、あの方に会えるでしょう。」
14 彼らが町へ上って行って、町にさしかかったとき、ちょうどサムエルは、高き所に上ろうとして彼らに向かって出て来た。
15主は、サウルが来る前の日に、サムエルの耳を開いて仰せられた。
16 「あすの今ごろ、わたしはひとりの人をベニヤミンの地からあなたのところに遣わす。あなたは彼に油をそそいで、わたしの民イスラエルの君主とせよ。彼はわたしの民をペリシテ人の手から救うであろう。民の叫びがわたしに届いたので、わたしは自分の民を見たからだ。」
17 サムエルがサウルを見たとき、主は彼に告げられた。「ここに、わたしがあなたに話した者がいる。この者がわたしの民を支配するのだ。」
18 サウルは、門の中でサムエルに近づいたとき、言った。「予見者の家はどこですか。教えてください。」
19 サムエルはサウルに答えて言った。「私がその予見者です。この先のあの高き所に上りなさい。きょう、あなたがたは私といっしょに食事をすることになっています。あしたの朝、私があなたをお送りしましょう。あなたの心にあることを全部、明かしましょう。
20 三日前にいなくなったあなたの雌ろばについては、もう気にかけないように。あれは見つかっています。イスラエルのすべてが望んでいるものは、だれのものでしょう。それはあなたのもの、あなたの父の全家のものではありませんか。」
21 サウルは答えて言った。「私はイスラエルの部族のうちの最も小さいベニヤミン人ではありませんか。私の家族は、ベニヤミンの部族のどの家族よりも、つまらないものではありませんか。どうしてあなたはこのようなことを私に言われるのですか。」
22 しかし、サムエルはサウルとその若い者を広間に連れて入り、三十人ほどの招かれた者の上座に彼らを着かせた。
23 サムエルが料理人に、「取っておくようにと言って渡しておいた分を下さい」と言うと、
24 料理人は、ももとその上の部分とを取り出し、それをサウルの前に置いた。そこでサムエルは言った。「あなたの前に置かれたのは取っておいたものです。お食べなさい。私が客を招いたからと民に言って、この時のため、あなたに取っておいたのです。」その日、サウルはサムエルといっしょに食事をした。
25 それから彼らは高き所から町に下って来た。19サムエルはサウルと屋上で話をした。
26 朝早く、夜が明けかかると、サムエルは屋上のサウルを呼んで言った。「起きてください。お送りしましょう。」サウルは起きて、サムエルとふたりで外に出た。
27 彼らは、町はずれに下って来ていた。サムエルはサウルに言った。「この若い者に、私たちより先に行くように言ってください。若い者が先に行ったら、あなたは、ここにしばらくとどまってください。神のことばをお聞かせしますから。」
1 サムエルは油のつぼを取ってサウルの頭にそそぎ、彼に口づけして言った。「主が、ご自身のものである民の君主として、あなたに油をそそがれたではありませんか。20
2 あなたが、きょう、私のもとを離れて行くとき、ベニヤミンの領内のツェルツァフにあるラケルの墓のそばで、ふたりの人に会いましょう。そのふたりはあなたに、『あなたが捜して歩いておられるあの雌ろばは見つかりました。ところで、あなたの父上は、雌ろばのことなどあきらめて、息子のために、どうしたらよかろうと言って、あなたがたのことを心配しておられます』と言うでしょう。
3 あなたがそこからなお進んで、タボルの樫の木のところまで来ると、そこでベテルの神のもとに上って行く三人の人に会います。ひとりは子やぎ三頭を持ち、ひとりは丸型のパン三つを持ち、ひとりはぶどう酒の皮袋一つを持っています。
4 彼らはあなたに安否を尋ね、あなたにパンを二つくれます。あなたは彼らの手から受け取りなさい。
5 その後、ペリシテ人の守備隊のいる21神のギブアに着きます。あなたがその町に入るとき、琴、タンバリン、笛、立琴を鳴らす者を先頭に、高き所から降りて来る預言者の一団に出会います。彼らは預言をしていますが、
6主の霊があなたの上に激しく下ると、あなたも彼らといっしょに預言して、あなたは新しい人に変えられます。
7 このしるしがあなたに起こったら、手当たりしだいに何でもしなさい。神があなたとともにおられるからです。
8 あなたは私より先にギルガルに下りなさい。私も全焼のいけにえと和解のいけにえとをささげるために、あなたのところへ下って行きます。あなたは私が着くまで七日間、そこで待たなければなりません。私がなすべきことを教えます。」
9 サウルがサムエルをあとにして去って行ったとき、神はサウルの心を変えて新しくされた。こうして、これらすべてのしるしは、その日に起こった。
10 彼らがそこ、ギブアに着くと、なんと、預言者の一団が彼に出会い、神の霊が彼の上に激しく下った。それで彼も彼らの間で預言を始めた。
11 以前からサウルを知っている者みなが、彼が預言者たちといっしょに預言しているのを見た。民は互いに言った。「キシュの息子は、いったいどうしたことか。サウルもまた、預言者のひとりなのか。」
12 そこにいたひとりも、これに応じて、「彼らの父はだれだろう」と言った。こういうわけで、「サウルもまた、預言者のひとりなのか」ということが、ことわざになった。
13 サウルは預言することを終えて、高き所に行った。
14 サウルのおじは、彼とその若い者に言った。「どこへ行っていたのか。」するとサウルは答えた。「雌ろばを捜しにです。見つからないのでサムエルのところに行って来ました。」
15 サウルのおじは言った。「サムエルはあなたがたに何と言ったか、私に話してくれ。」
16 サウルはおじに言った。「雌ろばは見つかっていると、はっきり私たちに知らせてくれました。」サウルは、サムエルが語った王位のことについては、おじに話さなかった。
17 サムエルはミツパで、民を主のもとに呼び集め、
18 イスラエル人に言った。「イスラエルの神、主はこう仰せられる。『わたしはイスラエルをエジプトから連れ上り、あなたがたを、エジプトの手と、あなたがたをしいたげていたすべての王国の手から、救い出した。』
19 ところで、あなたがたはきょう、すべてのわざわいと苦しみからあなたがたを救ってくださる、あなたがたの神を退けて、『いや、私たちの上に王を立ててください』と言った。今、あなたがたは、部族ごとに、分団ごとに、主の前に出なさい。」
20 こうしてサムエルは、イスラエルの全部族を近づけた。するとベニヤミンの部族がくじで取り分けられた。
21 それでベニヤミンの部族を、その氏族ごとに近づけたところ、マテリの氏族が取り分けられ、そしてキシュの子サウルが取り分けられた。そこで人々はサウルを捜したが、見つからなかった。
22 それで人々がまた、主に、「あの人はもう、ここに来ているのですか」と尋ねた。主は、「見よ。彼は荷物の間に隠れている」と言われた。
23 人々は走って行って、そこから彼を連れて来た。サウルが民の中に立つと、民のだれよりも、肩から上だけ高かった。
24 サムエルは民のすべてに言った。「見よ。主がお選びになったこの人を。民のうちだれも、この人に並ぶ者はいない。」民はみな、喜び叫んで、「王さま。ばんざい」と言った。
25 サムエルは民に王の責任を告げ、それを文書にしるして主の前に納めた。こうしてサムエルは民をみな、それぞれ自分の家へ帰した。
26 サウルもまた、ギブアの自分の家へ帰った。神に心を動かされた勇者は、彼について行った。
27 しかし、22よこしまな者たちは、「この者がどうしてわれわれを救えよう」と言って軽蔑し、彼に贈り物を持って来なかった。しかしサウルは黙っていた。
1 その後、アモン人ナハシュが上って来て、ヤベシュ・ギルアデに対して陣を敷いた。ヤベシュの人々はみな、ナハシュに言った。「私たちと契約を結んでください。そうすれば、私たちはあなたに仕えましょう。」
2 そこでアモン人ナハシュは彼らに言った。「次の条件で契約を結ぼう。おまえたちみなの者の右の目をえぐり取ることだ。それをもって全イスラエルにそしりを負わせよう。」
3 ヤベシュの長老たちは彼に言った。「七日の猶予を与えてください。イスラエルの国中に使者を送りたいのです。もし、私たちを救う者がいなければ、あなたに降伏します。」
4 使者たちはサウルのギブアに来て、このことをそこの民の耳に入れた。民はみな、声をあげて泣いた。
5 そこへ、サウルが牛を追って畑から帰って来た。サウルは言った。「民が泣いているが、どうしたのですか。」そこで、みなが、ヤベシュの人々のことを彼に話した。
6 サウルがこれらのことを聞いたとき、神の霊がサウルの上に激しく下った。それで彼の怒りは激しく燃え上がった。
7 彼は一くびきの牛を取り、これを切り分け、それを使者に託してイスラエルの国中に送り、「サウルとサムエルとに従って出て来ない者の牛は、このようにされる」と言わせた。23民は主を恐れて、24いっせいに出て来た。
8 サウルがベゼクで彼らを数えたとき、イスラエルの人々は三十万人、ユダの人々は三万人であった。
9 彼らは、やって来た使者たちに言った。「ヤベシュ・ギルアデの人にこう言わなければならない。あすの真昼ごろ、あなたがたに救いがある。」使者たちは帰って来て、ヤベシュの人々に告げたので、彼らは喜んだ。
10 ヤベシュの人々は言った。「私たちは、あす、あなたがたに降伏します。あなたがたのよいと思うように私たちにしてください。」
11翌日、サウルは民を三組に分け、夜明けの見張りの時、陣営に突入し、昼までアモン人を打った。残された者もいたが、散って行って、ふたりの者が共に残ることはなかった。
12 そのとき、民はサムエルに言った。「サウルがわれわれを治めるのか、などと言ったのはだれでしたか。その者たちを引き渡してください。彼らを殺します。」
13 しかしサウルは言った。「きょうは人を殺してはならない。きょう、主がイスラエルを救ってくださったのだから。」
14 それからサムエルは民に言った。「さあ、われわれはギルガルへ行って、そこで王権を創設する宣言をしよう。」
15民はみなギルガルへ行き、ギルガルで、主の前に、サウルを王とした。彼らはそこで主の前に和解のいけにえをささげ、サウルとイスラエルのすべての者が、そこで大いに喜んだ。
1 サムエルはすべてのイスラエル人に言った。「見よ。あなたがたが私に言ったことを、私はことごとく聞き入れ、あなたがたの上にひとりの王を立てた。
2 今、見なさい。王はあなたがたの先に立って歩んでいる。この私は年をとり、髪も白くなった。それに私の息子たちは、あなたがたとともにいるようになった。私は若い時から今日まで、あなたがたの先に立って歩んだ。
3 さあ、今、主の前、油そそがれた者の前で、私を訴えなさい。私はだれかの牛を取っただろうか。だれかのろばを取っただろうか。だれかを苦しめ、だれかを迫害しただろうか。だれかの手からわいろを取って自分の目をくらましただろうか。もしそうなら、私はあなたがたにお返しする。」
4 彼らは言った。「あなたは私たちを苦しめたことも、迫害したことも、人の手から何かを取ったこともありません。」
5 そこでサムエルは彼らに言った。「あなたがたが私の手に何も見いださなかったことについては、きょう、あなたがたの間で主が証人であり、主に油そそがれた者が証人である。」すると彼らは言った。「その方が証人です。」
6 サムエルは民に言った。「モーセとアロンを立てて、あなたがたの先祖をエジプトの地から25上らせたのは主である。
7 さあ、立ちなさい。私は、主があなたがたと、あなたがたの先祖とに行われたすべての正義のみわざを、主の前であなたがたに説き明かそう。
8 ヤコブがエジプトに行ったとき、あなたがたの先祖は主に叫んだ。主はモーセとアロンを遣わされ、この人々はあなたがたの先祖をエジプトから連れ出し、この地に住まわせた。
9 ところが、彼らは彼らの神、主を忘れたので、主は彼らを26ハツォルの将軍シセラの手、ペリシテ人の手、モアブの王の手に売り渡された。それで彼らが戦いをいどまれたのである。
10 彼らが、『私たちは主を捨て、バアルやアシュタロテなどに仕えて罪を犯しました。私たちを敵の手から救い出してください。私たちはあなたに仕えます』と言って、主に叫び求めたとき、
11主はエルバアルと27ベダンとエフタとサムエルを遣わし、あなたがたを周囲の敵の手から救い出してくださった。それであなたがたは安らかに暮らしてきた。
12 あなたがたは、アモン人の王ナハシュがあなたがたに向かって来るのを見たとき、あなたがたの神、主があなたがたの王であるのに、『いや、王が私たちを治めなければならない』と私に言った。
13 今、見なさい。あなたがたが選び、あなたがたが求めた王を。見なさい。主はあなたがたの上に王を置かれた。
14 もし、あなたがたが主を恐れ、主に仕え、主の御声に聞き従い、主の命令に逆らわず、また、あなたがたも、あなたがたを治める王も、あなたがたの神、主のあとに従うなら、28それで良い。
15 もし、あなたがたが主の御声に聞き従わず、主の命令に逆らうなら、主の手があなたがたの先祖たちに下ったように、あなたがたの上にも下る。
16 今一度立って、主があなたがたの目の前で行われるこの大きなみわざを見なさい。
17 今は小麦の刈り入れ時ではないか。だが私が主に呼び求めると、主は雷と雨とを下される。あなたがたは王を求めて、主のみこころを大いにそこなったことを悟り、心に留めなさい。」
18 それからサムエルは主に呼び求めた。すると、主はその日、雷と雨とを下された。民はみな、主とサムエルを非常に恐れた。
19民はみな、サムエルに言った。「あなたのしもべどものために、あなたの神、主に祈り、私たちが死なないようにしてください。私たちのあらゆる罪の上に、王を求めるという悪を加えたからです。」
20 サムエルは民に言った。「恐れてはならない。あなたがたは、このすべての悪を行った。しかし主に従い、わきにそれず、心を尽くして主に仕えなさい。
21 役にも立たず、救い出すこともできないむなしいものに従って、わきへそれてはならない。それはむなしいものだ。
22 まことに主は、ご自分の偉大な御名のために、ご自分の民を捨て去らない。主は29あえて、あなたがたをご自分の民とされるからだ。
23 私もまた、あなたがたのために祈るのをやめて主に罪を犯すことなど、とてもできない。私はあなたがたに、よい正しい道を教えよう。
24 ただ、主を恐れ、心を尽くし、誠意をもって主に仕えなさい。主がどれほど偉大なことをあなたがたになさったかを見分けなさい。
25 あなたがたが悪を重ねるなら、あなたがたも、あなたがたの王も滅ぼし尽くされる。」
1 サウルは30三十歳で王となり、31十二年間イスラエルの王であった。
2 サウルはイスラエルから三千人を選んだ。二千人はサウルとともにミクマスとベテルの山地におり、千人はヨナタンとともにベニヤミンのギブアにいた。残りの民は、それぞれ自分の天幕に帰した。
3 ヨナタンはゲバにいたペリシテ人の守備隊長を打ち殺した。ペリシテ人はこれを聞いた。サウルは国中に角笛を吹き鳴らし、「ヘブル人よ。聞け」と言わせた。
4 イスラエル人はみな、サウルがペリシテ人の守備隊長を打ち、イスラエルがペリシテ人の恨みを買った、ということを聞いた。こうして民はギルガルのサウルのもとに集合した。
5 ペリシテ人もイスラエル人と戦うために集まった。戦車三万、騎兵六千、それに海辺の砂のように多い民であった。彼らは上って来て、ベテ・アベンの東、ミクマスに陣を敷いた。
6 イスラエルの人々は、民がひどく圧迫されて、自分たちが危険なのを見た。そこで、ほら穴や、奥まった所、岩間、地下室、水ための中に隠れた。
7 またあるヘブル人はヨルダン川を渡って、ガドとギルアデの地へ行った。サウルはなおギルガルにとどまり、民はみな、震えながら彼に従っていた。
8 サウルは、サムエルが定めた日によって、七日間待ったが、サムエルはギルガルに来なかった。それで民は彼から離れて散って行こうとした。
9 そこでサウルは、「全焼のいけにえと和解のいけにえを私のところに持って来なさい」と言った。こうして彼は全焼のいけにえをささげた。
10 ちょうど彼が全焼のいけにえをささげ終わったとき、サムエルがやって来た。サウルは彼を迎えに出てあいさつした。
11 サムエルは言った。「あなたは、なんということをしたのか。」サウルは答えた。「民が私から離れ去って行こうとし、また、あなたも定められた日にお見えにならず、ペリシテ人がミクマスに集まったのを見たからです。
12 今にもペリシテ人がギルガルの私のところに下って来ようとしているのに、私は、まだ32主に嘆願していないと考え、思い切って全焼のいけにえをささげたのです。」
13 サムエルはサウルに言った。「あなたは愚かなことをしたものだ。あなたの神、主が命じた命令を守らなかった。主は今、イスラエルにあなたの王国を永遠に確立されたであろうに。
14 今は、あなたの王国は立たない。主はご自分の心にかなう人を求め、主はその人をご自分の民の君主に任命しておられる。あなたが、主の命じられたことを守らなかったからだ。」
15 こうしてサムエルは立って、ギルガルからベニヤミンのギブアへ上って行った。
サウルが彼とともにいる民を数えると、おおよそ六百人であった。
16 サウルと、その子ヨナタン、および彼らとともにいた民は、ベニヤミンのゲバにとどまった。ペリシテ人はミクマスに陣を敷いていた。
17 ペリシテ人の陣営から、三つの組に分かれて略奪隊が出て来た。一つの組はオフラへの道をとってシュアルの地に向かい、
18 一つの組はベテ・ホロンへの道に向かい、一つの組は荒野のほうツェボイムの谷を見おろす国境への道に向かった。
19 イスラエルの地のどこにも鍛冶屋がいなかった。ヘブル人が剣や槍を作るといけないから、とペリシテ人が言っていたからである。
20 それでイスラエルはみな、鋤や、くわや、斧や、33かまをとぐために、ペリシテ人のところへ下って行っていた。
21鋤や、くわや、三又のほこや、斧や、突き棒を直すのに、その料金は一ピムであった。
22 戦いの日に、サウルやヨナタンといっしょにいた民のうちだれの手にも、剣や槍が見あたらなかった。ただサウルとその子ヨナタンだけが持っていた。
23 ペリシテ人の先陣はミクマスの渡しに出た。
1 ある日のこと、サウルの子ヨナタンは、道具持ちの若者に言った。「さあ、この向こう側のペリシテ人の先陣のところへ渡って行こう。」ヨナタンは、このことを父に知らせなかった。
2 サウルはギブアのはずれの、ミグロンにある、ざくろの木の下にとどまっていた。彼とともにいた民は、約六百人であった。
3 シロで主の祭司であったエリの子ピネハスの子イ・カボデの兄弟アヒトブの子であるアヒヤが、エポデを持っていた。民はヨナタンが出て行ったことを知らなかった。
4 ヨナタンがペリシテ人の先陣に渡って行こうとする渡し場の両側には、こちら側にも、向かい側にも、切り立った岩があり、片側の名はボツェツ、他の側の名はセネであった。
5片側の切り立った岩はミクマスに面して北側に、他の側の切り立った岩はゲバに面して南側にそそり立っていた。
6 ヨナタンは、道具持ちの若者に言った。「さあ、あの割礼を受けていない者どもの先陣のところへ渡って行こう。たぶん、主がわれわれに味方してくださるであろう。大人数によるのであっても、小人数によるのであっても、主がお救いになるのに妨げとなるものは何もない。」
7 すると道具持ちが言った。「何でも、あなたのお心のままにしてください。さあ、お進みください。私もいっしょにまいります。お心のままに。」
8 ヨナタンは言った。「今われわれは、あの者どものところに渡って行って、彼らの前に身を現すのだ。
9 もしも彼らが、『おれたちがおまえらのところに行くまで、じっとしていろ』と言ったら、われわれはその場に立ちとどまり、彼らのところに上って行くまい。
10 もし彼らが、『おれたちのところに上って来い』と言えば、われわれは上って行こう。主が彼らを、われわれの手に渡されたのだから。これがわれわれへのしるしである。」
11 こうして、このふたりはペリシテ人の先陣に身を現した。するとペリシテ人が言った。「やあ、ヘブル人が、隠れていた穴から出て来るぞ。」
12先陣の者たちは、ヨナタンと道具持ちとに呼びかけて言った。「おれたちのところに上って来い。思い知らせてやる。」ヨナタンは、道具持ちに言った。「私について上って来なさい。主がイスラエルの手に彼らを渡されたのだ。」
13 ヨナタンは手足を使ってよじのぼり、道具持ちもあとに続いた。ペリシテ人はヨナタンの前に倒れ、道具持ちがそのあとから彼らを打ち殺した。
14 ヨナタンと道具持ちが最初に殺したのは約二十人で、それも一くびきの牛が一日で耕す畑のおおよそ半分の場所で行われた。
15 こうして陣営にも、野外にも、また民全体のうちにも恐れが起こった。先陣の者、略奪隊さえ恐れおののいた。地は震え、34非常な恐れとなった。
16 ベニヤミンのギブアにいるサウルのために見張りをしていた者たちが見ると、群集は震えおののいて右往左往していた。
17 サウルは彼とともにいる民に言った。「だれがわれわれのところから出て行ったかを、調べて、見なさい。」そこで彼らが調べると、ヨナタンと道具持ちがそこにいなかった。
18 サウルはアヒヤに言った。「神の箱を持って来なさい。」神の箱は、その日、イスラエル人の間にあったからである。
19 サウルが祭司とまだ話しているうちに、ペリシテ人の陣営の騒動は、ますます大きくなっていった。
そこでサウルは祭司に、「もう手をしまいなさい」と言った。
20 サウルと、彼とともにいた民がみな、集まって戦場に行くと、そこでは剣をもって同士打ちをしており、非常な大恐慌が起こっていた。
21 それまでペリシテ人につき、彼らといっしょに陣営に上って来ていたヘブル人も転じて、サウルとヨナタンとともにいるイスラエル人の側につくようになった。
22 また、エフライムの山地に隠れていたすべてのイスラエル人も、ペリシテ人が逃げたと聞いて、彼らもまた戦いに加わってペリシテ人に追い迫った。
23 こうしてその日、主はイスラエルを救い、戦いはベテ・アベンに移った。
24 その日、イスラエル人はひどく苦しんだ。サウルが民に誓わせて、「夕方、私が敵に復讐するまで、食物を食べる者はのろわれる」と言い、民はだれも食物を味見もしなかったからである。
25 この地はどこでも、森に入って行くと、地面に蜜があった。
26民が森に入ると、蜜がしたたっていたが、だれもそれを手につけて口に入れる者はなかった。民は誓いを恐れていたからである。
27 ヨナタンは、父が民に誓わせていることを聞いていなかった。それで手にあった杖の先を伸ばして、それを蜜蜂の巣に浸し、それを手につけて口に入れた。すると彼の目が輝いた。
28 そのとき、民のひとりが告げて言った。「あなたの父上は、民に堅く誓わせて、きょう、食物を食べる者はのろわれる、とおっしゃいました。それで民は疲れているのです。」
29 ヨナタンは言った。「父はこの国を悩ませている。ご覧。私の目はこんなに輝いている。この蜜を少し味見しただけで。
30 もしも、きょう、民が見つけた、敵からの分捕り物を十分食べていたなら、今ごろは、もっと多くのペリシテ人を打ち殺していたであろうに。」
31 その日彼らは、ミクマスからアヤロンに至るまでペリシテ人を打った。それで民は非常に疲れていた。
32 そこで民は分捕り物に飛びかかり、羊、牛、若い牛を取り、その場でほふった。民は血のままで、それを食べた。
33 すると、「民が血のままで食べて、主に罪を犯しています」と言って、サウルに告げる者がいた。サウルは言った。「あなたがたは裏切った。今ここに大きな石をころがして来なさい。」
34 サウルはまた言った。「民の中に散って行って、彼らに言いなさい。『めいめい自分の牛か羊かを私のところに連れて来て、ここでそれをほふって食べなさい。血のままで食べて主に罪を犯してはならない。』」そこで民はみな、その夜、それぞれ自分の牛を連れて来て、そこでほふった。
35 サウルは主のために祭壇を築いた。これは彼が主のために築いた最初の祭壇であった。
36 サウルは言った。「夜、ペリシテ人を追って下り、明け方までに彼らをかすめ奪い、ひとりも残しておくまい。」すると民は言った。「あなたのお気に召すことを、何でもしてください。」しかし祭司は言った。「ここで、われわれは神の前に出ましょう。」
37 それでサウルは神に伺った。「私はペリシテ人を追って下って行くべきでしょうか。あなたは彼らをイスラエルの手に渡してくださるのでしょうか。」しかしその日は何の答えもなかった。
38 そこでサウルは言った。「民のかしらたちはみな、ここに寄って来なさい。きょう、どうしてこのような罪が起こったかを確かめてみなさい。
39 まことに、イスラエルを救う主は生きておられる。たとい、それが私の子ヨナタンであっても、彼は必ず死ななければならない。」しかし民のうちだれもこれに答える者はいなかった。
40 サウルはすべてのイスラエル人に言った。「あなたがたは、こちら側にいなさい。私と、私の子ヨナタンは、あちら側にいよう。」民はサウルに言った。「あなたのお気に召すようにしてください。」
41 そこでサウルはイスラエルの神、主に、「みこころをお示しください」と言った。すると、ヨナタンとサウルが取り分けられ、民ははずれた。
42 それでサウルは言った。「私か、私の子ヨナタンかを決めてください。」するとヨナタンが取り分けられた。
43 サウルはヨナタンに言った。「何をしたのか、私に告げなさい。」そこでヨナタンは彼に告げて言った。「私は手にあった杖の先で、少しばかりの蜜を、確かに味見しましたが。ああ、私は死ななければなりません。」
44 サウルは言った。「神が幾重にも罰してくださるように。ヨナタン。おまえは必ず死ななければならない。」
45 すると民はサウルに言った。「このような大勝利をイスラエルにもたらしたヨナタンが死ななければならないのですか。絶対にそんなことはありません。主は生きておられます。あの方の髪の毛一本でも地に落ちてはなりません。神が共におられたので、あの方は、きょう、これをなさったのです。」こうして民はヨナタンを救ったので、ヨナタンは死ななかった。
46 こうして、サウルはペリシテ人を追うのをやめて引き揚げ、ペリシテ人は自分たちの所へ帰って行った。
47 サウルは、イスラエルの王位を取ってから、周囲のすべての敵と戦った。すなわち、モアブ、アモン人、エドム、ツォバの王たち、ペリシテ人と戦い、どこに行っても彼らを懲らしめた。
48 彼は勇気を奮って、アマレク人を打ち、イスラエル人を略奪者の手から救い出した。
49 さて、サウルの息子は、ヨナタン、イシュビ、マルキ・シュア、ふたりの娘の名は、姉がメラブ、妹がミカルであった。
50 サウルの妻の名はアヒノアムで、アヒマアツの娘であった。将軍の名は35アブネルでサウルのおじネルの子であった。
51 サウルの父キシュとアブネルの父ネルとは、アビエルの子であった。
52 サウルの一生の間、ペリシテ人との激しい戦いがあった。サウルは勇気のある者や、力のある者を見つけると、その者をみな、召しかかえた。
1 サムエルはサウルに言った。「主は私を遣わして、あなたに油をそそぎ、その民イスラエルの王とされた。今、主の言われることを聞きなさい。
2万軍の主はこう仰せられる。『わたしは、イスラエルがエジプトから上って来る途中、アマレクがイスラエルにしたことを罰する。
3 今、行って、アマレクを打ち、そのすべてのものを聖絶せよ。容赦してはならない。男も女も、子どもも乳飲み子も、牛も羊も、らくだもろばも殺せ。』」
4 そこでサウルは民を呼び集めた。テライムで彼らを数えると、歩兵が二十万、ユダの兵士が一万であった。
5 サウルはアマレクの町へ行って、谷で待ち伏せた。
6 サウルはケニ人たちに言った。「さあ、あなたがたはアマレク人の中から離れて下って行きなさい。私があなたがたを彼らといっしょにするといけないから。あなたがたは、イスラエルの民がすべてエジプトから上って来るとき、彼らに親切にしてくれたのです。」そこでケニ人はアマレク人の中から離れた。
7 サウルは、ハビラから、エジプトの東にあるシュルのほうのアマレク人を打ち、
8 アマレク人の王アガグを生けどりにし、その民を残らず剣の刃で聖絶した。
9 しかし、サウルと彼の民は、アガグと、それに、肥えた羊や牛の最も良いもの、子羊とすべての最も良いものを惜しみ、これらを聖絶するのを好まず、ただ、つまらない、値打ちのないものだけを聖絶した。
10 そのとき、サムエルに次のような主のことばがあった。
11 「わたしはサウルを王に任じたことを悔いる。彼はわたしに背を向け、わたしのことばを守らなかったからだ。」それでサムエルは怒り、夜通し主に向かって叫んだ。
12翌朝早く、サムエルがサウルに会いに行こうとしていたとき、サムエルに告げて言う者があった。「サウルはカルメルに行って、もう、自分のために記念碑を立てました。それから、引き返して、進んで、ギルガルに下りました。」
13 サムエルがサウルのところに行くと、サウルは彼に言った。「主の祝福がありますように。私は主のことばを守りました。」
14 しかしサムエルは言った。「では、私の耳に入るあの羊の声、私に聞こえる牛の声は、いったい何ですか。」
15 サウルは答えた。「アマレク人のところから連れて来ました。民は羊と牛の最も良いものを惜しんだのです。あなたの神、主に、いけにえをささげるためです。そのほかの物は聖絶しました。」
16 サムエルはサウルに言った。「やめなさい。昨夜、主が私に仰せられたことをあなたに知らせます。」サウルは彼に言った。「お話しください。」
17 サムエルは言った。「あなたは、自分では小さい者にすぎないと思ってはいても、イスラエルの諸部族のかしらではありませんか。主があなたに油をそそぎ、イスラエルの王とされました。
18主は36あなたに使命を授けて言われました。『行って、罪人アマレク人を聖絶せよ。彼らを絶滅させるまで戦え。』
19 あなたはなぜ、主の御声に聞き従わず、分捕り物に飛びかかり、主の目の前に悪を行ったのですか。」
20 サウルはサムエルに答えた。「私は主の御声に聞き従いました。主が私に授けられた使命の道を進めました。私はアマレク人の王アガグを連れて来て、アマレクを聖絶しました。
21 しかし民は、ギルガルであなたの神、主に、いけにえをささげるために、聖絶すべき物の最上の物として、分捕り物の中から、羊と牛を取って来たのです。」
22 するとサムエルは言った。
「主は主の御声に聞き従うことほどに、
全焼のいけにえや、その他のいけにえを
喜ばれるだろうか。
見よ。聞き従うことは、いけにえにまさり、
耳を傾けることは、雄羊の脂肪にまさる。
23 まことに、そむくことは占いの罪、
従わないことは偶像礼拝の罪だ。
あなたが主のことばを退けたので、
主もあなたを王位から退けた。」
24 サウルはサムエルに言った。「私は罪を犯しました。私は主の命令と、あなたの37ことばにそむいたからです。私は民を恐れて、彼らの声に従ったのです。
25 どうか今、私の罪を赦し、私といっしょに帰ってください。私は主を礼拝いたします。」
26 すると、サムエルはサウルに言った。「私はあなたといっしょに帰りません。あなたが主のことばを退けたので、主もあなたをイスラエルの王位から退けたからです。」
27 サムエルが引き返して行こうとしたとき、サウルはサムエルの上着のすそをつかんだので、それが裂けた。
28 サムエルは彼に言った。「主は、きょう、あなたからイスラエル王国を引き裂いて、これをあなたよりすぐれたあなたの友に与えられました。
29 実に、イスラエルの栄光である方は、偽ることもなく、悔いることもない。この方は人間ではないので、悔いることがない。」
30 サウルは言った。「私は罪を犯しました。しかし、どうか今は、私の民の長老とイスラエルとの前で私の面目を立ててください。どうか私といっしょに帰って、あなたの神、主を礼拝させてください。」
31 それで、サムエルはサウルについて帰った。こうしてサウルは主を礼拝した。
32 その後、サムエルは言った。「アマレク人の王アガグを私のところに連れて来なさい。」アガグは38いやいやながら彼のもとに行き、「ああ、死の苦しみは去ろう」と言った。
33 サムエルは言った。
「あなたの剣が、女たちから子を奪ったように、
女たちのうちであなたの母は、子を奪われる。」
こうしてサムエルは、ギルガルの主の前で、アガグをずたずたに切った。
34 サムエルはラマへ行き、サウルはサウルのギブアにある自分の家へ上って行った。
35 サムエルは死ぬ日まで、二度とサウルを見なかった。しかしサムエルはサウルのことで悲しんだ。主もサウルをイスラエルの王としたことを悔やまれた。
1主はサムエルに仰せられた。「いつまであなたはサウルのことで悲しんでいるのか。わたしは彼をイスラエルの王位から退けている。角に油を満たして行け。あなたをベツレヘム人エッサイのところへ遣わす。わたしは彼の息子たちの中に、わたしのために、王を見つけたから。」
2 サムエルは言った。「私はどうして行けましょう。サウルが聞いたら、私を殺すでしょう。」主は仰せられた。「あなたは群れのうちから一頭の雌の子牛を取り、『主にいけにえをささげに行く』と言え。
3 いけにえをささげるときに、エッサイを招け。あなたのなすべきことを、このわたしが教えよう。あなたはわたしのために、わたしが言う人に油をそそげ。」
4 サムエルは主が告げられたとおりにして、ベツレヘムへ行った。すると町の長老たちは恐れながら彼を迎えて言った。「平和なことでおいでになったのですか。」
5 サムエルは答えた。「平和なことです。主にいけにえをささげるために来ました。私がいけにえをささげるとき、あなたがたは身を聖別して私といっしょに来なさい。」こうして、サムエルはエッサイとその子たちを聖別し、彼らを、いけにえをささげるために招いた。
6 彼らが来たとき、サムエルはエリアブを見て、「確かに、主の前で油をそそがれる者だ」と思った。
7 しかし主はサムエルに仰せられた。「彼の容貌や、背の高さを見てはならない。わたしは彼を退けている。人が見るようには見ないからだ。人はうわべを見るが、主は心を見る。」
8 エッサイはアビナダブを呼んで、サムエルの前に進ませた。サムエルは、「この者もまた、主は選んでおられない」と言った。
9 エッサイは39シャマを進ませたが、サムエルは、「この者もまた、主は選んではおられない」と言った。
10 こうしてエッサイは七人の息子をサムエルの前に進ませたが、サムエルはエッサイに言った。「主はこの者たちを選んではおられない。」
11 サムエルはエッサイに言った。「子どもたちはこれで全部ですか。」エッサイは答えた。「まだ末の子が残っています。あれは今、羊の番をしています。」サムエルはエッサイに言った。「人をやって、その子を連れて来なさい。その子がここに来るまで、私たちは座に着かないから。」
12 エッサイは人をやって、彼を連れて来させた。その子は血色の良い顔で、目が美しく、姿もりっぱだった。主は仰せられた。「さあ、この者に油をそそげ。この者がそれだ。」
13 サムエルは油の角を取り、兄弟たちの真ん中で彼に油をそそいだ。主の霊がその日以来、ダビデの上に激しく下った。サムエルは立ち上がってラマへ帰った。
14主の霊はサウルを離れ、主からの、わざわいの霊が彼をおびえさせた。
15 そこでサウルの家来たちは彼に言った。「ご覧ください。わざわいをもたらす、神の霊があなたをおびえさせているのです。
16 わが君。どうか御前にはべるこの家来どもに命じて、じょうずに立琴をひく者を捜させてください。わざわいをもたらす、神の霊があなたに臨むとき、その者が琴をひけば、あなたは良くなられるでしょう。」
17 そこでサウルは家来たちに言った。「どうか、私のためにじょうずなひき手を見つけて、私のところに連れて来てくれ。」
18 すると、若者のひとりが答えて言った。「おります。私はベツレヘム人エッサイの息子を見たことがあります。琴がじょうずで勇士であり、戦士です。ことばには分別があり、体格も良い人です。主がこの人とともにおられます。」
19 そこでサウルは使いをエッサイのところに遣わし、「羊の番をしているあなたの子ダビデを私のところによこしてください」と言わせた。
20 それでエッサイは、40ろば一頭分のパンと、ぶどう酒の皮袋一つ、子やぎ一匹を取り、息子ダビデに託して、これをサウルに送った。
21 ダビデはサウルのもとに来て、彼に仕えた。サウルは彼を非常に愛し、ダビデはサウルの道具持ちとなった。
22 サウルはエッサイのところに人をやり、「どうか、ダビデを私に仕えさせてください。私の気に入ったから」と言わせた。
23 神の霊がサウルに臨むたびに、ダビデは立琴を手に取って、ひき、サウルは元気を回復して、良くなり、わざわいの霊は彼から離れた。
1 ペリシテ人は戦いのために軍隊を召集した。彼らはユダのソコに集まり、ソコとアゼカとの間にあるエフェス・ダミムに陣を敷いた。
2 サウルとイスラエル人は集まって、エラの谷に陣を敷き、ペリシテ人を迎え撃つため、戦いの備えをした。
3 ペリシテ人は向こう側の山の上に、イスラエル人はこちら側の山の上に、谷を隔てて相対した。
4 ときに、ペリシテ人の陣営から、ひとりの代表戦士が出て来た。その名はゴリヤテ、ガテの生まれで、その背の高さは六41キュビト半。
5 頭には青銅のかぶとをかぶり、身にはうろことじのよろいを着けていた。よろいの重さは青銅で五千42シェケル。
6 足には青銅のすね当て、背中には青銅の投げ槍。
7槍の柄は機織りの巻き棒のようであり、槍の穂先は、鉄で六百シェケル。盾持ちが彼の先を歩いていた。
8 ゴリヤテは立って、イスラエル人の陣に向かって叫んで言った。「おまえらは、なぜ、並んで出て来たのか。おれはペリシテ人だし、おまえらはサウルの奴隷ではないのか。ひとりを選んで、おれのところによこせ。
9 おれと勝負して勝ち、おれを打ち殺すなら、おれたちはおまえらの奴隷となる。もし、おれが勝って、そいつを殺せば、おまえらがおれたちの奴隷となり、おれたちに仕えるのだ。」
10 そのペリシテ人はまた言った。「きょうこそ、イスラエルの陣をなぶってやる。ひとりをよこせ。ひとつ勝負をしよう。」
11 サウルとイスラエルのすべては、このペリシテ人のことばを聞いたとき、意気消沈し、非常に恐れた。
12 ダビデはユダのベツレヘムのエフラテ人でエッサイという名の人の息子であった。エッサイには八人の息子がいた。この人はサウルの時代には、年をとって老人になっていた。
13 エッサイの上の三人の息子たちは、サウルに従って戦いに出て行った。戦いに行った三人の息子の名は、長男エリアブ、次男アビナダブ、三男43シャマであった。
14 ダビデは末っ子で、上の三人がサウルに従って出ていた。
15 ダビデは、サウルのところへ行ったり、帰ったりしていた。ベツレヘムの父の羊を飼うためであった。
16 例のペリシテ人は、四十日間、朝早くと夕暮れに出て来て姿を現した。
17 エッサイは息子のダビデに言った。「さあ、兄さんたちのために、この炒り麦一44エパと、このパン十個を取り、兄さんたちの陣営に急いで持って行きなさい。
18 この十個のチーズは千人隊の長に届け、兄さんたちの安否を調べなさい。そしてしるしを持って来なさい。
19 サウルと兄さんたち、それにイスラエルの人たちはみな、エラの谷でペリシテ人と戦っているのだから。」
20 ダビデは翌朝早く、羊を番人に預け、エッサイが命じたとおりに、品物を持って出かけた。彼が野営地に来ると、軍勢はときの声をあげて、陣地に出るところであった。
21 イスラエル人とペリシテ人とは、それぞれ向かい合って陣を敷いていた。
22 ダビデは、その品物を武器を守る者に預け、陣地に走って行き、兄たちの安否を尋ねた。
23 ダビデが兄たちと話していると、ちょうどその時、ガテのペリシテ人で、その名をゴリヤテという代表戦士が、ペリシテ人の陣地から上って来て、いつもと同じ文句をくり返した。ダビデはこれを聞いた。
24 イスラエルの人はみな、この男を見たとき、その前を逃げて、非常に恐れた。
25 イスラエルの人たちは言った。「あの上って来た男を見たか。イスラエルをなぶるために上って来たのだ。あれを殺す者がいれば、王はその者を大いに富ませ、その者に自分の娘を与え、その父の家にイスラエルでは45何も義務を負わせないそうだ。」
26 ダビデは、そばに立っている人たちに、こう言った。「このペリシテ人を打って、イスラエルのそしりをすすぐ者には、どうされるのですか。この割礼を受けていないペリシテ人は何者ですか。生ける神の陣をなぶるとは。」
27民は、先のことばのように、彼を殺した者には、このようにされる、と答えた。
28 兄のエリアブは、ダビデが人々と話しているのを聞いた。エリアブはダビデに怒りを燃やして、言った。「いったいおまえはなぜやって来たのか。荒野にいるあのわずかな羊を、だれに預けて来たのか。私には、おまえのうぬぼれと悪い心がわかっている。戦いを見にやって来たのだろう。」
29 ダビデは言った。「私が今、何をしたというのですか。一言も話してはいけないのですか。」
30 ダビデはエリアブから、ほかの人のほうを振り向いて、同じことを尋ねた。すると民は、先ほどと同じ返事をした。
31 ダビデが言ったことを人々が聞いて、それをサウルに知らせたので、サウルはダビデを呼び寄せた。
32 ダビデはサウルに言った。「あの男のために、だれも気を落としてはなりません。このしもべが行って、あのペリシテ人と戦いましょう。」
33 サウルはダビデに言った。「あなたは、あのペリシテ人のところへ行って、あれと戦うことはできない。あなたはまだ若いし、あれは若い時から戦士だったのだから。」
34 ダビデはサウルに言った。「しもべは、父のために羊の群れを飼っています。獅子や、熊が来て、群れの羊を取って行くと、
35 私はそのあとを追って出て、それを殺し、その口から羊を救い出します。それが私に襲いかかるときは、そのひげをつかんで打ち殺しています。
36 このしもべは、獅子でも、熊でも打ち殺しました。あの割礼を受けていないペリシテ人も、これらの獣の一匹のようになるでしょう。生ける神の陣をなぶったのですから。」
37 ついで、ダビデは言った。「獅子や、熊の爪から私を救い出してくださった主は、あのペリシテ人の手からも私を救い出してくださいます。」サウルはダビデに言った。「行きなさい。主があなたとともにおられるように。」
38 サウルはダビデに自分のよろいかぶとを着させた。頭には青銅のかぶとをかぶらせ、身にはよろいを着けさせた。
39 ダビデは、そのよろいの上に、サウルの剣を帯び、思い切って歩いてみた。慣れていなかったからである。それから、ダビデはサウルに言った。「こんなものを着けては、歩くこともできません。慣れていないからです。」ダビデはそれを脱ぎ、
40 自分の杖を手に取り、川から五つのなめらかな石を選んできて、それを羊飼いの使う袋、投石袋に入れ、石投げを手にして、あのペリシテ人に近づいた。
41 そのペリシテ人も盾持ちを先に立て、ダビデのほうにじりじりと進んで来た。
42 ペリシテ人はあたりを見おろして、ダビデに目を留めたとき、彼をさげすんだ。ダビデが若くて、紅顔の美少年だったからである。
43 ペリシテ人はダビデに言った。「おれは犬なのか。杖を持って向かって来るが。」ペリシテ人は自分の神々によってダビデをのろった。
44 ペリシテ人はダビデに言った。「さあ、来い。おまえの肉を空の鳥や野の獣にくれてやろう。」
45 ダビデはペリシテ人に言った。「おまえは、剣と、槍と、投げ槍を持って、私に向かって来るが、私は、おまえがなぶったイスラエルの戦陣の神、万軍の主の御名によって、おまえに立ち向かうのだ。
46 きょう、主はおまえを私の手に渡される。私はおまえを打って、おまえの頭を胴体から離し、きょう、ペリシテ人の陣営のしかばねを、空の鳥、地の獣に与える。すべての国は、イスラエルに神がおられることを知るであろう。
47 この全集団も、主が剣や槍を使わずに救うことを知るであろう。この戦いは46主の戦いだ。主はおまえたちをわれわれの手に渡される。」
48 そのペリシテ人は、立ち上がり、ダビデを迎え撃とうと近づいて来た。ダビデもすばやく戦場を走って行き、ペリシテ人に立ち向かった。
49 ダビデは袋の中に手を差し入れ、石を一つ取り、石投げでそれを放ち、ペリシテ人の額を打った。石は額に食い込み、彼はうつぶせに倒れた。
50 こうしてダビデは、石投げと一つの石で、このペリシテ人に勝った。ダビデの手には、一振りの剣もなかったが、このペリシテ人を打ち殺してしまった。
51 ダビデは走って行って、このペリシテ人の上にまたがり、彼の剣を奪って、さやから抜き、とどめを刺して首をはねた。ペリシテ人たちは、彼らの勇士が死んだのを見て逃げた。
52 イスラエルとユダの人々は立ち上がり、ときの声をあげて、ペリシテ人を47ガテに至るまで、エクロンの門まで追った。それでペリシテ人は、シャアライムからガテとエクロンに至る途上で刺し殺されて倒れた。
53 イスラエル人はペリシテ人追撃から引き返して、ペリシテ人の陣営を略奪した。
54 ダビデは、あのペリシテ人の首を取って、エルサレムに持ち帰った。武具は彼の天幕に置いた。
55 サウルは、ダビデがあのペリシテ人に立ち向かって出て行くのを見たとき、将軍アブネルに言った。「アブネル。あの若者はだれの子だ。」アブネルは言った。「王さま。48私はあなたに誓います。私は存じません。」
56 すると王は命じた。「あなたは、あの少年がだれの子か尋ねなさい。」
57 ダビデが、あのペリシテ人を打って帰って来たとき、アブネルは彼をサウルの前に連れて行った。ダビデはペリシテ人の首を手にしていた。
58 サウルはダビデに言った。「若者。あなたはだれの子か。」ダビデは言った。「私は、あなたのしもべ、ベツレヘム人エッサイの子です。」
1 ダビデがサウルと語り終えたとき、ヨナタンの心はダビデの心に結びついた。ヨナタンは、自分と同じほどにダビデを愛した。
2 サウルはその日、ダビデを召しかかえ、父の家に帰らせなかった。
3 ヨナタンは、自分と同じほどにダビデを愛したので、ダビデと契約を結んだ。
4 ヨナタンは、着ていた上着を脱いで、それをダビデに与え、自分のよろいかぶと、さらに剣、弓、帯までも彼に与えた。
5 ダビデは、どこでもサウルが遣わす所に出て行って、勝利を収めたので、サウルは彼を戦士たちの長とした。このことは、すべての民にも、サウルの家来たちにも喜ばれた。
6 ダビデがあのペリシテ人を打って帰って来たとき、みなが戻ったが、女たちはイスラエルのすべての町々から出て来て、タンバリン、喜びの歌、三弦の琴をもって、歌い、喜び踊りながら、サウル王を迎えた。
7 女たちは、笑いながら、くり返してこう歌った。
「サウルは千を打ち、
ダビデは万を打った。」
8 サウルは、このことばを聞いて、非常に怒り、不満に思って言った。「ダビデには万を当て、私には千を当てた。彼にないのは王位だけだ。」
9 その日以来、サウルはダビデを疑いの目で見るようになった。
10 その翌日、わざわいをもたらす、神の霊がサウルに激しく下り、彼は家の中で49狂いわめいた。ダビデは、いつものように、琴を手にしてひいたが、サウルの手には槍があった。
11 サウルはその槍を投げつけた。ダビデを壁に突き刺してやろう、と思ったからである。しかしダビデは二度も身をかわした。
12 サウルはダビデを恐れた。主はダビデとともにおられ、サウルのところから去られたからである。
13 それでサウルはダビデを自分のもとから離し、彼を千人隊の長にした。ダビデは民の先に立って行動していた。
14 ダビデはその行く所、どこででも勝利を収めた。主が彼とともにおられた。
15 ダビデが大勝利を収めるのを見て、サウルは彼を恐れた。
16 イスラエルとユダの人々はみな、ダビデを愛した。彼が彼らの先に立って行動していたからである。
17 あるとき、サウルはダビデに言った。「これは、私の上の娘メラブだ。これをあなたの妻として与えよう。ただ、私のために勇敢にふるまい、主の戦いを戦ってくれ。」サウルは、自分の手を下さないで、ペリシテ人の手を彼に下そう、と思ったのである。
18 ダビデはサウルに言った。「私は何者なのでしょう。私の家族、私の父の氏族もイスラエルでは何者なのでしょう。私が王の婿になるなどとは。」
19 ところが、サウルの娘メラブをダビデに与える、という時になって、彼女はメホラ人のアデリエルに妻として与えられた。
20 サウルの娘ミカルはダビデを愛していた。そのことがサウルに知らされたとき、サウルはそれはちょうどよいと思った。
21 サウルは、「ミカルを彼にやろう。ミカルは彼にとって落とし穴となり、ペリシテ人の手が彼に下るだろう」と思った。そこでサウルはもう一度ダビデに言った。「きょう、あなたは私の婿になるのだ。」
22 そしてサウルは家来たちに命じた。「ダビデにひそかにこう告げなさい。『聞いてください。王はあなたが気に入り、家来たちもみな、あなたを愛しています。今、王の婿になってください。』」
23 それでサウルの家来たちは、このことばをダビデの耳に入れた。するとダビデは言った。「王の婿になるのがたやすいことだと思っているのか。私は貧しく、身分の低い者だ。」
24 サウルの家来たちは、ダビデがこのように言っています、と言ってサウルに報告した。
25 それでサウルは言った。「ダビデにこう言うがよい。王は花嫁料を望んではいない。ただ王の敵に復讐するため、ペリシテ人の陽の皮百だけを望んでいる、と。」サウルは、ダビデをペリシテ人の手で倒そうと考えていた。
26 サウルの家来たちが、このことばをダビデに告げると、ダビデは、王の婿になるために、それはちょうどよいと思った。そこで、期限が過ぎる前に、
27 ダビデは立って、彼と部下とで、出て行き、ペリシテ人二百人を打ち殺し、その陽の皮を持ち帰り、王の婿になるためのことを、王に果たした。そこでサウルは娘ミカルを妻としてダビデに与えた。
28 こうして、サウルは、主がダビデとともにおられ、サウルの娘ミカルがダビデを愛していることを見、また、知った。
29 それでサウルは、ますますダビデを恐れた。サウルはいつまでもダビデの敵となった。
30 ペリシテ人の首長たちが出て来るときは、そのたびごとに、ダビデはサウルの家来たちのすべてにまさる戦果をあげた。それで彼の名は非常に尊ばれた。
1 サウルは、ダビデを殺すことを、息子ヨナタンや家来の全部に告げた。しかし、サウルの子ヨナタンはダビデを非常に愛していた。
2 それでヨナタンはダビデに告げて言った。「私の父サウルは、あなたを殺そうとしています。それで、あしたの朝は、注意して、隠れ場にとどまり、身を隠していてください。
3 私はあなたのいる野原に出て行って、父のそばに立ち、あなたのことについて父に話しましょう。何かわかったら、あなたに知らせましょう。」
4 ヨナタンは父サウルにダビデの良いことを話し、父に言った。「王よ。あなたのしもべダビデについて罪を犯さないでください。彼はあなたに対して罪を犯してはいません。かえって、彼のしたことは、あなたにとっては非常な益となっています。
5 彼が自分のいのちをかけて、ペリシテ人を打ったので、主は大勝利をイスラエル全体にもたらしてくださったのです。あなたはそれを見て、喜ばれました。なぜ何の理由もなくダビデを殺し、罪のない者の血を流して、罪を犯そうとされるのですか。」
6 サウルはヨナタンの言うことを聞き入れた。サウルは誓った。「主は生きておられる。あれは殺されることはない。」
7 それで、ヨナタンはダビデを呼んで、このことのすべてを告げた。ヨナタンがダビデをサウルのところに連れて行ったので、ダビデは以前のようにサウルに仕えることになった。
8 それからまた、戦いが起こったが、ダビデは出て行って、ペリシテ人と戦い、彼らを打って大損害を与えた。それで、彼らはダビデの前から逃げた。
9 ときに、わざわいをもたらす、主の霊がサウルに臨んだ。サウルは自分の家にすわっており、その手には槍を持っていた。ダビデは琴を手にしてひいていた。
10 サウルが槍でダビデを壁に突き刺そうとしたとき、ダビデはサウルから身を避けたので、サウルは槍を壁に打ちつけた。ダビデは逃げ、その夜は難をのがれた。
11 サウルはダビデの家に使者たちを遣わし、彼を見張らせ、朝になって彼を殺そうとした。ダビデの妻ミカルはダビデに告げて言った。「今夜、あなたのいのちを救わなければ、あすは、あなたは殺されてしまいます。」
12 こうしてミカルはダビデを窓から降ろしたので、彼は逃げて行き、難をのがれた。
13 ミカルはテラフィムを取って、それを寝床の上に置き、やぎの毛で編んだものを枕のところに置き、それを着物でおおった。
14 サウルがダビデを捕らえようと使者たちを遣わしたとき、ミカルは、「あの人は病気です」と言った。
15 サウルはダビデを見ようとして、「あれを寝床のまま、私のところに連れて来い。あれを殺すのだ」と言って使者たちを遣わした。
16 使者たちが入って見ると、なんと、テラフィムが寝床にあり、やぎの毛で編んだものが枕のところにあった。
17 サウルはミカルに言った。「なぜ、このようにして私を欺き、私の敵を逃がし、のがれさせたのか。」ミカルはサウルに言った。「あの人は、『私を逃がしてくれ。私がどうしておまえを殺せよう』と私に言ったのです。」
18 ダビデは逃げ、のがれて、ラマのサムエルのところに行き、サウルが自分にしたこといっさいをサムエルに話した。そしてサムエルと、ナヨテに行って住んだ。
19 ところが、「ダビデは、なんと、ラマのナヨテにいます」とサウルに告げる者がいた。
20 そこでサウルはダビデを捕らえようと使者たちを遣わした。彼らは、預言者の一団が預言しており、サムエルがその監督をする者として立っているのを見た。そのとき、神の霊がサウルの使者たちに臨み、彼らもまた、預言した。
21 サウルにこのことが知らされたとき、彼はほかの使者たちを遣わしたが、彼らもまた、預言した。サウルはさらに三度目の使者たちを送ったが、彼らもまた、預言した。
22 そこでサウル自身もまたラマへ行った。彼はセクにある大きな井戸まで来たとき、「サムエルとダビデはどこにいるか」と尋ねた。すると、「今、ラマのナヨテにいます」と言われた。
23 サウルはそこからラマのナヨテへ出て行ったが、彼にも神の霊が臨み、彼は預言しながら歩いて、ラマのナヨテに着いた。
24 彼もまた着物を脱いで、サムエルの前で預言し、一昼夜の間、裸のまま倒れていた。このために、「サウルもまた、預言者のひとりなのか」と言われるようになった。
1 ダビデはラマのナヨテから逃げて、ヨナタンのもとに来て言った。「私がどんなことをし、私にどんな咎があり、私があなたの父上に対してどんな罪を犯したというので、父上は私のいのちを求めておられるのでしょうか。」
2 ヨナタンは彼に言った。「絶対にそんなことはありません。あなたが殺されるはずはありません。そうです。私の父は、事の大小を問わず、私の耳に入れないでするようなことはありません。どうして父が、このことを私に隠さなければならないでしょう。そんなことはありません。」
3 ダビデはなおも誓って言った。「あなたの父上は、私があなたのご好意を得ていることを、よくご存じです。それで、ヨナタンが悲しまないように、このことを知らせないでおこう、と思っておられるのです。けれども、50主とあなたに誓います。私と死との間には、ただ一歩の隔たりしかありません。」
4 するとヨナタンはダビデに言った。「あなたの言われることは、何でもあなたのためにしましょう。」
5 ダビデはヨナタンに言った。「あすはちょうど新月祭で、私は王といっしょに食事の席に着かなければなりません。私を行かせて、あさっての夕方まで、野に隠れさせてください。
6 もし、父上が私のことをとがめられたら、おっしゃってください。『ダビデは自分の町ベツレヘムへ急いで行きたいと、しきりに頼みました。あそこで彼の氏族全体のために、年ごとのいけにえをささげることになっているからです』と。
7 もし、父上が『よし』とおっしゃれば、このしもべは安全です。もし、激しくお怒りになれば、私に害を加える決心をしておられると思ってください。
8 どうか、このしもべに真実を尽くしてください。あなたは主に誓って、このしもべと契約を結んでおられるからです。もし、私に咎があれば、あなたが私を殺してください。どうして私を父上のところにまで連れ出す必要がありましょう。」
9 ヨナタンは言った。「絶対にそんなことはありません。父があなたに害を加える決心をしていることが確かにわかったら、あなたに知らせないでおくはずはありません。」
10 ダビデはヨナタンに言った。「もし父上が、きびしい返事をなさったら、だれが私に知らせてくれましょう。」
11 ヨナタンはダビデに言った。「さあ、野原に出ましょう。」こうしてふたりは野原に出た。
12 ヨナタンはイスラエルの神、主に誓ってダビデに言った。「あすかあさってかの今ごろ、私は父の気持ちを探ってみます。ダビデに対して寛大であれば、必ず人をやって、あなたの耳に入れましょう。
13 もし父が、あなたに害を加えようと思っているのに、それをあなたの耳に入れず、あなたを無事に逃がしてあげなかったなら、主がこのヨナタンを幾重にも罰せられるように。主が私の父とともにおられたように、あなたとともにおられますように。
14 もし、私が生きながらえておれば、主の恵みを私に施してください。たとい、私が死ぬようなことがあっても、
15 あなたの恵みをとこしえに私の家から断たないでください。主がダビデの敵を地の面からひとり残らず断ち滅ぼすときも。」
16 こうしてヨナタンはダビデの家と契約を結んだ。「主がダビデの敵に51血の責めを問われるように。」
17 ヨナタンは、もう一度ダビデに誓った。ヨナタンは自分を愛するほどに、ダビデを愛していたからである。
18 ヨナタンはダビデに言った。「あすは新月祭です。あなたの席があくので、あなたのいないのが気づかれるでしょう。
19 あさってになれば、52きびしく問いただすでしょうから、あなたは、あの事件の日に隠れたあの場所に行って、エゼルの石のそばにいてください。
20 私は的を射るように、三本の矢をそのあたりに放ちます。
21 いいですか。私が子どもをやって、『行って矢を見つけて来い』と言い、もし私がその子どもに、『それ、矢はおまえのこちら側にある。それを取って来い』と言ったら、そのとき、あなたは出て来てください。主は生きておられます。あなたは安全で、何事もありませんから。
22 しかし、私が少年に、『それ、矢はおまえの向こう側だ』と言ったら、あなたは行きなさい。主があなたを去らせるのです。
23 私とあなたが交わしたことばについては、主が私とあなたとの間の53永遠の証人です。」
24 こうしてダビデは野に隠れた。新月祭になって、王は食事の席に着いた。
25 王は、いつものように壁寄りの席の自分の席に着いた。ヨナタンはその向かい側、アブネルはサウルの横の席に着いたが、ダビデの場所はあいていた。
26 その日、サウルは何も言わなかった。「あれに思わぬことが起こって身を汚したのだろう。きっと汚れているためだろう」と思ったからである。
27 しかし、その翌日、新月祭の第二日にも、ダビデの席があいていたので、サウルは息子のヨナタンに尋ねた。「どうしてエッサイの子は、きのうも、きょうも食事に来ないのか。」
28 ヨナタンはサウルに答えた。「ベツレヘムへ行かせてくれと、ダビデが私にしきりに頼みました。
29 『どうか、私を行かせてください。私たちの氏族はあの町で、いけにえをささげるのですが、私の兄弟が私に来るように命じています。今、お願いします。どうか私を行かせて、兄弟たちに会わせてください』と言ったのです。それでダビデは王の食卓に連ならないのです。」
30 サウルはヨナタンに怒りを燃やして言った。「この54ばいたの息子め。おまえがエッサイの子にえこひいきをして、自分をはずかしめ、自分の母親の恥をさらしているのを、この私が知らないとでも思っているのか。
31 エッサイの子がこの地上に生きているかぎり、おまえも、おまえの王位も危うくなるのだ。今、人をやって、あれを私のところに連れて来い。55あれは殺さなければならない。」
32 ヨナタンは父サウルに答えて言った。「なぜ、あの人は殺されなければならないのですか。あの人が何をしたというのですか。」
33 すると、サウルは槍をヨナタンに投げつけて打ち殺そうとした。それでヨナタンは、父がダビデを殺そうと決心しているのを知った。
34 ヨナタンは怒りに燃えて食卓から立ち上がり、新月祭の二日目には食事をとらなかった。父がダビデを侮辱したので、ダビデのために心を痛めたからである。
35 朝になると、ヨナタンは小さい子どもを連れて、ダビデと打ち合わせた時刻に野原に出て行った。
36 そして子どもに言った。「私が射る矢を見つけておいで。」子どもが走って行くと、ヨナタンは、その子の向こうに矢を放った。
37 子どもがヨナタンの放った矢の所まで行くと、ヨナタンは子どものうしろから叫んで言った。「矢は、おまえより、もっと向こうではないのか。」
38 ヨナタンは子どものうしろから、また叫んだ。「早く。急げ。止まってはいけない。」その子どもは矢を拾って、主人ヨナタンのところに来た。
39 子どもは何も知らず、ヨナタンとダビデだけに、その意味がわかっていた。
40 ヨナタンは自分の弓矢を子どもに渡し、「さあ、これを町に持って行っておくれ」と言った。
41 子どもが行ってしまうと、ダビデは南側のほうから出て来て、地にひれ伏し、三度礼をした。ふたりは口づけして、抱き合って泣き、ダビデはいっそう激しく泣いた。
42 ヨナタンはダビデに言った。「では、安心して行きなさい。私たちふたりは、『主が、私とあなた、また、私の子孫とあなたの子孫との間の56永遠の証人です』と言って、主の御名によって誓ったのです。」こうしてダビデは立ち去った。ヨナタンは町へ帰って行った。
1 ダビデはノブの祭司アヒメレクのところに行った。アヒメレクはダビデを迎え、恐る恐る彼に言った。「なぜ、おひとりで、だれもお供がいないのですか。」
2 ダビデは祭司アヒメレクに言った。「王は、ある事を命じて、『おまえを遣わし、おまえに命じた事については、何事も人に知らせてはならない』と私に言われました。若い者たちとは、しかじかの場所で落ち合うことにしています。
3 ところで、今、お手もとに何かあったら、五つのパンでも、何か、ある物を私に下さい。」
4祭司はダビデに答えて言った。「普通のパンは手もとにありません。ですが、もし若い者たちが女から遠ざかっているなら、聖別されたパンがあります。」
5 ダビデは祭司に答えて言った。「確かにこれまでのように、私が出かけて以来、私たちは女を遠ざけています。それで若い者たちは汚れていません。普通の旅でもそうですから、ましてきょうは確かに汚れていません。」
6 そこで祭司は彼に聖別されたパンを与えた。そこには、その日、あたたかいパンと置きかえられて、主の前から取り下げられた供えのパンしかなかったからである。
7 ──その日、そこにはサウルのしもべのひとりが主の前に引き止められていた。その名はドエグといって、エドム人であり、サウルの牧者たちの中のつわものであった──
8 ダビデはアヒメレクに言った。「ここに、あなたの手もとに、槍か、剣はありませんか。私は自分の剣も武器も持って来なかったのです。王の命令があまり急だったので。」
9祭司は言った。「あなたがエラの谷で打ち殺したペリシテ人ゴリヤテの剣が、ご覧なさい、エポデのうしろに布に包んであります。よろしければ、持って行ってください。ここには、それしかありませんから。」ダビデは言った。「それは何よりです。私に下さい。」
10 ダビデはその日、すぐにサウルからのがれ、ガテの王アキシュのところへ行った。
11 するとアキシュの家来たちがアキシュに言った。「この人は、あの国の王ダビデではありませんか。みなが踊りながら、
『サウルは千を打ち、
ダビデは万を打った』
と言って歌っていたのは、この人のことではありませんか。」
12 ダビデは、このことばを気にして、ガテの王アキシュを非常に恐れた。
13 それでダビデは彼らの前で気が違ったかのようにふるまい、捕らえられて狂ったふりをし、門のとびらに傷をつけたり、ひげによだれを流したりした。
14 アキシュは家来たちに言った。「おい、おまえたちも見るように、この男は気が狂っている。なぜ、私のところに連れて来たのか。
15 私に気の狂った者が足りないとでもいうのか。私の前で狂っているのを見せるために、この男を連れて来るとは。この男を私の家に入れようとでもいうのか。」
1 ダビデはそこを去って、アドラムのほら穴に避難した。彼の兄弟たちや、彼の父の家のみなの者が、これを聞いて、そのダビデのところに下って来た。
2 また、困窮している者、負債のある者、不満のある者たちもみな、彼のところに集まって来たので、ダビデは彼らの長となった。こうして、約四百人の者が彼とともにいるようになった。
3 ダビデはそこからモアブの57ミツパに行き、モアブの王に言った。「神が私にどんなことをされるかわかるまで、どうか、私の父と母とを出て来させて、あなたがたといっしょにおらせてください。」
4 こうしてダビデが両親をモアブの王の前に連れて来たので、両親は、ダビデが要害にいる間、王のもとに住んだ。
5 そのころ、預言者ガドはダビデに言った。「この要害にとどまっていないで、さあ、ユダの地に帰りなさい。」そこでダビデは出て、ハレテの森へ行った。
6 サウルは、ダビデおよび彼とともにいる者たちが見つかった、ということを聞いた。そのとき、サウルはギブアにある高台の柳の木の下で、槍を手にしてすわっていた。彼の家来たちはみな、彼のそばに立っていた。
7 サウルは、そばに立っている家来たちに言った。「聞け。ベニヤミン人。エッサイの子が、おまえたち全部に畑やぶどう畑をくれ、おまえたち全部を千人隊の長、百人隊の長にするであろうか。
8 それなのに、おまえたちはみな、私に謀反を企てている。きょうのように、息子がエッサイの子と契約を結んだことも私の耳に入れず、息子が私のあのしもべを私に、はむかわせるようにしたことも、私の耳に入れず、だれも私のことを思って心を痛めない。」
9 すると、サウルの家来のそばに立っていたエドム人ドエグが答えて言った。「私は、エッサイの子が、ノブのアヒトブの子アヒメレクのところに来たのを見ました。
10 アヒメレクは彼のために主に伺って、彼に食料を与え、ペリシテ人ゴリヤテの剣も与えました。」
11 そこで王は人をやって、祭司アヒトブの子アヒメレクと、彼の父の家の者全部、すなわち、ノブにいる祭司たちを呼び寄せたので、彼らはみな、王のところに来た。
12 サウルは言った。「聞け。アヒトブの息子。」彼は答えた。「はい、58王さま。ここにおります。」
13 サウルは彼に言った。「おまえとエッサイの子は、なぜ私に謀反を企てるのか。おまえは彼にパンと剣を与え、彼がきょうあるように、私に、はむかうために彼のために神に伺ったりしている。」
14 アヒメレクは王に答えて言った。「あなたの家来のうち、ダビデほど忠実な者が、ほかにだれかいるでしょうか。ダビデは王の婿であり、あなたの護衛の長であり、あなたの家では尊敬されているではありませんか。
15 私が彼のために神に伺うのは、きょうに始まったことでしょうか。決して、決して。王さま。私や、私の父の家の者全部に汚名を着せないでください。しもべは、この事件については、いっさい知らないのですから。」
16 しかし王は言った。「アヒメレク。おまえは必ず死ななければならない。おまえも、おまえの父の家の者全部もだ。」
17 それから、王はそばに立っていた近衛兵たちに言った。「近寄って、主の祭司たちを殺せ。彼らはダビデにくみし、彼が逃げているのを知りながら、それを私の耳に入れなかったからだ。」しかし王の家来たちは、主の祭司たちに手を出して撃ちかかろうとはしなかった。
18 それで王はドエグに言った。「おまえが近寄って祭司たちに撃ちかかれ。」そこでエドム人ドエグが近寄って、祭司たちに撃ちかかった。その日、彼は八十五人を殺した。それぞれ亜麻布のエポデを着ていた人であった。
19 彼は祭司の町ノブを、男も女も、子どもも乳飲み子までも、剣の刃で打った。牛もろばも羊も、剣の刃で打った。
20 ところが、アヒトブの子アヒメレクの息子のエブヤタルという名の人が、ひとりのがれてダビデのところに逃げて来た。
21 エブヤタルはダビデに、サウルが主の祭司たちを虐殺したことを告げた。
22 ダビデはエブヤタルに言った。「私はあの日、エドム人ドエグがあそこにいたので、あれがきっとサウルに知らせると思っていた。私が、あなたの父の家の者全部の死を引き起こしたのだ。
23 私といっしょにいなさい。恐れることはない。私のいのちをねらう者は、あなたのいのちをねらう。しかし私といっしょにいれば、あなたは安全だ。」
1 その後、ダビデに次のような知らせがあった。「今、ペリシテ人がケイラを攻めて、打ち場を略奪しています。」
2 そこでダビデは主に伺って言った。「私が行って、このペリシテ人を打つべきでしょうか。」主はダビデに仰せられた。「行け。ペリシテ人を打ち、ケイラを救え。」
3 しかし、ダビデの部下は彼に言った。「ご覧のとおり、私たちは、ここユダにいてさえ、恐れているのに、ケイラのペリシテ人の陣地に向かって行けるでしょうか。」
4 ダビデはもう一度、主に伺った。すると主は答えて言われた。「さあ、ケイラに下って行け。わたしがペリシテ人をあなたの手に渡すから。」
5 ダビデとその部下はケイラに行き、ペリシテ人と戦い、彼らの家畜を連れ去り、ペリシテ人を打って大損害を与えた。こうしてダビデはケイラの住民を救った。
6 アヒメレクの子エブヤタルがケイラのダビデのもとに逃げて来たとき、彼はエポデを携えていた。
7 一方、ダビデがケイラに行ったことがサウルに知らされると、サウルは、「神は彼を私の手に渡された。ダビデはとびらとかんぬきのある町に入って、自分自身を閉じ込めてしまったからだ」と言った。
8 そこでサウルは民をみな呼び集め、ケイラへ下って行き、ダビデとその部下を攻めて封じ込めようとした。
9 ダビデはサウルが自分に害を加えようとしているのを知り、祭司エブヤタルに言った。「エポデを持って来なさい。」
10 そしてダビデは言った。「イスラエルの神、主よ。あなたのしもべは、サウルがケイラに来て、私のことで、この町を破壊しようとしていることを確かに聞きました。
11 ケイラの者たちは私を彼の手に引き渡すでしょうか。サウルは、あなたのしもべが聞いたとおり下って来るでしょうか。イスラエルの神、主よ。どうか、あなたのしもべにお告げください。」主は仰せられた。「彼は下って来る。」
12 ダビデは言った。「ケイラの者たちは、私と私の部下をサウルの手に引き渡すでしょうか。」主は仰せられた。「彼らは引き渡す。」
13 そこでダビデとその部下およそ六百人はすぐに、ケイラから出て行き、そこここと、さまよった。ダビデがケイラからのがれたことがサウルに告げられると、サウルは討伐をやめた。
14 ダビデは荒野や要害に宿ったり、ジフの荒野の山地に宿ったりした。サウルはいつもダビデを追ったが、神はダビデをサウルの手に渡さなかった。
15 ダビデは、サウルが自分のいのちをねらって出て来たので恐れていた。そのときダビデはジフの荒野のホレシュにいた。
16 サウルの子ヨナタンは、ホレシュのダビデのところに来て、神の御名によってダビデを力づけた。
17 彼はダビデに言った。「恐れることはありません。私の父サウルの手があなたの身に及ぶことはないからです。あなたこそ、イスラエルの王となり、私はあなたの次に立つ者となるでしょう。私の父サウルもまた、そうなることを確かに知っているのです。」
18 こうして、ふたりは主の前で契約を結んだ。ダビデはホレシュにとどまり、ヨナタンは自分の家へ帰った。
19 さて、ジフ人たちがギブアのサウルのところに上って来て言った。「ダビデは私たちのところに隠れているではありませんか。エシモンの59南、ハキラの丘のホレシュにある要害に。
20 王さま。今、あなたが下って行こうとお思いでしたら、下って来てください。私たちは彼を王の手に渡します。」
21 サウルは言った。「主の祝福があなたがたにあるように。あなたがたが私のことを思ってくれたからだ。
22 さあ、行って、もっと確かめてくれ。彼がよく足を運ぶ所と、だれがそこで彼を見たかを、よく調べてくれ。彼は非常に悪賢いとの評判だから。
23 彼が潜んでいる隠れ場所をみな、よく調べて、確かな知らせを持って、ここに戻って来てくれ。そのとき、私はあなたがたといっしょに行こう。彼がこの地方にいるなら、ユダのすべての分団のうちから彼を捜し出そう。」
24 こうして彼らはサウルに先立ってジフへ行った。ダビデとその部下はエシモンの南のアラバにあるマオンの荒野にいた。
25 サウルとその部下がダビデを捜しに出て来たとき、このことがダビデに知らされたので、彼はマオンの荒野の中で、岩のところに下り、そこにとどまった。サウルはこれを聞き、ダビデを追ってマオンの荒野に来た。
26 サウルは山の一方の側を進み、ダビデとその部下は山の他の側を進んだ。ダビデは急いでサウルから逃げようとしていた。サウルとその部下が、ダビデとその部下を捕らえようと迫って来ていたからである。
27 そのとき、ひとりの使者がサウルのもとに来て告げた。「急いで来てください。ペリシテ人がこの国に突入して来ました。」
28 それでサウルはダビデを追うのをやめて帰り、ペリシテ人を迎え撃つために出て行った。こういうわけで、この場所は、「仕切りの岩」と呼ばれた。
29 ダビデはそこから上って行って、エン・ゲディの要害に住んだ。
1 サウルがペリシテ人討伐から帰って来たとき、ダビデが今、エン・ゲディの荒野にいるということが知らされた。
2 そこでサウルは、イスラエル全体から三千人の精鋭をえり抜いて、60エエリムの岩の東に、ダビデとその部下を捜しに出かけた。
3 彼が、道ばたの羊の群れの囲い場に来たとき、そこにほら穴があったので、サウルは61用をたすためにその中に入った。そのとき、ダビデとその部下は、そのほら穴の奥のほうにすわっていた。
4 ダビデの部下はダビデに言った。「今こそ、主があなたに、『見よ。わたしはあなたの敵をあなたの手に渡す。彼をあなたのよいと思うようにせよ』と言われた、その時です。」そこでダビデは立ち上がり、サウルの上着のすそを、こっそり切り取った。
5 こうして後、ダビデは、サウルの上着のすそを切り取ったことについて心を痛めた。
6 彼は部下に言った。「私が、主に逆らって、主に油そそがれた方、私の主君に対して、そのようなことをして、手を下すなど、主の前に絶対にできないことだ。彼は主に油そそがれた方だから。」
7 ダビデはこう言って部下を説き伏せ、彼らがサウルに襲いかかるのを許さなかった。サウルは、ほら穴から出て道を歩いて行った。
8 その後、ダビデもほら穴から出て行き、サウルのうしろから呼びかけ、「62王よ」と言った。サウルがうしろを振り向くと、ダビデは地にひれ伏して、礼をした。
9 そしてダビデはサウルに言った。「あなたはなぜ、『ダビデがあなたに害を加えようとしている』と言う人のうわさを信じられるのですか。
10 実はきょう、いましがた、主があのほら穴で私の手にあなたをお渡しになったのを、あなたはご覧になったのです。ある者はあなたを殺そうと言ったのですが、私は、あなたを思って、『私の主君に手を下すまい。あの方は主に油そそがれた方だから』と申しました。
11 わが父よ。どうか、私の手にあるあなたの上着のすそをよくご覧ください。私はあなたの上着のすそを切り取りましたが、あなたを殺しはしませんでした。それによって私に悪いこともそむきの罪もないことを、確かに認めてください。私はあなたに罪を犯さなかったのに、あなたは私のいのちを取ろうとつけねらっておられます。
12 どうか、主が、私とあなたの間をさばき、主が私の仇を、あなたに報いられますように。私はあなたを手にかけることはしません。
13 昔のことわざに、『悪は悪者から出る』と言っているので、私はあなたを手にかけることはしません。
14 イスラエルの王はだれを追って出て来られたのですか。あなたはだれを追いかけておられるのですか。それは死んだ犬のあとを追い、一匹の蚤を追っておられるのにすぎません。
15 どうか主が、さばき人となり、私とあなたの間をさばき、私の訴えを取り上げて、これを弁護し、正しいさばきであなたの手から私を救ってくださいますように。」
16 ダビデがこのようにサウルに語り終えたとき、サウルは、「これはあなたの声なのか。わが子ダビデよ」と言った。サウルは声をあげて泣いた。
17 そしてダビデに言った。「あなたは私より正しい。あなたは私に良くしてくれたのに、私はあなたに悪いしうちをした。
18 あなたが私に良いことをしていたことを、きょう、あなたは知らせてくれた。主が私をあなたの手に渡されたのに、私を殺さなかったからだ。
19 人が自分の敵を見つけたとき、無事にその敵を去らせるであろうか。あなたがきょう、私にしてくれた事の報いとして、主があなたに幸いを与えられるように。
20 あなたが必ず王になり、あなたの手によってイスラエル王国が確立することを、私は今、確かに知った。
21 さあ、主にかけて私に誓ってくれ。私のあとの私の子孫を断たず、私の名を私の父の家から根絶やしにしないことを。」
22 ダビデはこれをサウルに誓った。サウルは自分の家へ帰り、ダビデとその部下は要害へ上って行った。
1 サムエルが死んだとき、イスラエル人はみな集まって、彼のためにいたみ悲しみ、ラマにある彼の屋敷に葬った。ダビデはそこを立ってパランの荒野に下って行った。
2 マオンにひとりの人がいた。彼はカルメルで事業をしており、非常に裕福であった。彼は羊三千頭、やぎ一千頭を持っていた。そのころ、彼はカルメルで羊の毛の刈り取りの祝いをしていた。
3 この人の名はナバルといい、彼の妻の名はアビガイルといった。この女は聡明で美人であったが、夫は頑迷で行状が悪かった。彼はカレブ人であった。
4 ダビデはナバルがその羊の毛を刈っていることを荒野で聞いた。
5 それで、ダビデは十人の若者を遣わし、その若者たちに言った。「カルメルへ上って行って、ナバルのところに行き、私の名で彼に安否を尋ね、
6 わが同胞に、こうあいさつしなさい。『あなたに平安がありますように。あなたの家に平安がありますように。また、あなたのすべてのものに平安がありますように。
7 私は今、羊の毛を刈る者たちが、あなたのところにいるのを聞きました。あなたの羊飼いたちは、私たちといっしょにいましたが、私たちは彼らに恥ずかしい思いをさせたことはありませんでした。彼らがカルメルにいる間中、何もなくなりませんでした。
8 あなたの若者に尋ねてみてください。きっと、そう言うでしょう。ですから、この若者たちに親切にしてやってください。私たちは祝いの日に来たのですから。どうか、このしもべたちと、あなたの子ダビデに、何かあなたの手もとにある物を与えてください。』」
9 ダビデの若者たちは行って、言われたとおりのことをダビデの名によってナバルに告げ、答えを待った。
10 ナバルはダビデの家来たちに答えて言った。「ダビデとは、いったい何者だ。エッサイの子とは、いったい何者だ。このごろは、主人のところを脱走する奴隷が多くなっている。
11 私のパンと私の水、それに羊の毛の刈り取りの祝いのためにほふったこの肉を取って、どこから来たかもわからない者どもに、くれてやらなければならないのか。」
12 それでダビデの若者たちは、もと来た道を引き返し、戻って来て、これら一部始終をダビデに報告した。
13 ダビデが部下に「めいめい自分の剣を身につけよ」と命じたので、みな剣を身につけた。ダビデも剣を身につけた。四百人ほどの者がダビデについて上って行き、二百人は荷物のところにとどまった。
14 そのとき、ナバルの妻アビガイルに、若者のひとりが告げて言った。「ダビデが私たちの主人にあいさつをするために、荒野から使者たちを送ったのに、ご主人は彼らをののしりました。
15 あの人たちは私たちにたいへん良くしてくれたのです。私たちは恥ずかしい思いをさせられたこともなく、私たちが彼らと野でいっしょにいて行動を共にしていた間中、何もなくしませんでした。
16 私たちが彼らといっしょに羊を飼っている間は、昼も夜も、あの人たちは私たちのために城壁となってくれました。
17 今、あなたはどうすればよいか、よくわきまえてください。わざわいが私たちの主人と、その一家に及ぶことは、もう、はっきりしています。ご主人は63よこしまな者ですから、だれも話したがらないのです。」
18 そこでアビガイルは急いでパン二百個、ぶどう酒の皮袋二つ、料理した羊五頭、炒り麦五64セア、干しぶどう百ふさ、干しいちじく二百個を取って、これをろばに載せ、
19 自分の若者たちに言った。「私の先を進みなさい。私はあなたがたについて行くから。」ただ、彼女は夫ナバルには何も告げなかった。
20 彼女がろばに乗って山陰を下って来ると、ちょうど、ダビデとその部下が彼女のほうに降りて来るのに出会った。
21 ダビデは、こう言ったばかりであった。「私が荒野で、あの男が持っていた物をみな守ってやったので、その持ち物は何一つなくならなかったが、それは全くむだだった。あの男は善に代えて悪を返した。
22 もし私が、あしたの朝までに、あれのもののうちから小わっぱひとりでも残しておくなら、神が65このダビデを幾重にも罰せられるように。」
23 アビガイルはダビデを見るやいなや、急いでろばから降り、ダビデの前で顔を伏せて地面にひれ伏した。
24 彼女はダビデの足もとにひれ伏して言った。「ご主人さま。あの罪は私にあるのです。どうか、このはしためが、あなたにじかに申し上げることをお許しください。このはしためのことばを聞いてください。
25 ご主人さま。どうか、あの66よこしまな者、ナバルのことなど気にかけないでください。あの人は、その名のとおりの男ですから。その名は67ナバルで、そのとおりの愚か者です。このはしための私は、ご主人さまがお遣わしになった若者たちを見ませんでした。
26 今、ご主人さま。あなたが血を流しに行かれるのをとどめ、ご自分の手を下して復讐なさることをとどめられた主は生きておられ、あなたのたましいも生きています。どうか、あなたの敵、ご主人さまに対して害を加えようとする者どもが、ナバルのようになりますように。
27 どうぞ、この女奴隷が、ご主人さまに持ってまいりましたこの贈り物を、ご主人さまにつき従う若者たちにお与えください。
28 どうか、このはしためのそむきの罪をお赦しください。主は必ずご主人さまのために、長く続く家をお建てになるでしょう。ご主人さまは主の戦いを戦っておられるのですから、一生の間、わざわいはあなたに起こりません。
29 たとい、人があなたを追って、あなたのいのちをねらおうとしても、ご主人さまのいのちは、あなたの神、主によって、いのちの袋にしまわれており、主はあなたの敵のいのちを石投げのくぼみに入れて投げつけられるでしょう。
30主が、あなたについて約束されたすべての良いことを、ご主人さまに成し遂げ、あなたをイスラエルの君主に任じられたとき、
31 むだに血を流したり、ご主人さま自身で復讐されたりしたことが、あなたのつまずきとなり、ご主人さまの心の妨げとなりませんように。主がご主人さまをしあわせにされたなら、このはしためを思い出してください。」
32 ダビデは68アビガイルに言った。「きょう、あなたを私に会わせるために送ってくださったイスラエルの神、主がほめたたえられますように。
33 あなたの判断が、ほめたたえられるように。また、きょう、私が血を流す罪を犯し、私自身の手で復讐しようとしたのをやめさせたあなたに、誉れがあるように。
34 私をとどめて、あなたに害を加えさせられなかったイスラエルの神、主は生きておられる。もし、あなたが急いで私に会いに来なかったなら、確かに、明け方までにナバルには小わっぱひとりも残らなかったであろう。」
35 ダビデはアビガイルの手から彼女が持って来た物を受け取り、彼女に言った。「安心して、あなたの家へ上って行きなさい。ご覧なさい。私はあなたの言うことを聞き、69あなたの願いを受け入れた。」
36 アビガイルがナバルのところに帰って来ると、ちょうどナバルは自分の家で、王の宴会のような宴会を開いていた。ナバルが上きげんで、ひどく酔っていたので、アビガイルは明け方まで、何一つ彼に話さなかった。
37 朝になって、ナバルの酔いがさめたとき、妻がこれらの出来事を彼に告げると、彼は気を失って石のようになった。
38 十日ほどたって、主がナバルを打たれたので、彼は死んだ。
39 ダビデはナバルが死んだことを聞いて言った。「私がナバルの手から受けたそしりに報復し、このしもべが悪を行うのを引き止めてくださった主が、ほめたたえられますように。主はナバルの悪を、その頭上に返された。」その後、ダビデは人をやって、アビガイルに自分の妻になるよう申し入れた。
40 ダビデのしもべたちがカルメルのアビガイルのところに行ったとき、次のように話した。「ダビデはあなたを妻として迎えるために私たちを遣わしました。」
41 彼女はすぐに、地にひれ伏して礼をし、そして言った。「まあ。このはしためは、ご主人さまのしもべたちの足を洗う女奴隷となりましょう。」
42 アビガイルは急いで用意をして、ろばに乗り、彼女の五人の侍女をあとに従え、ダビデの使いたちのあとに従って行った。こうして彼女はダビデの妻となった。
43 ダビデはイズレエルの出のアヒノアムをめとっていたので、ふたりともダビデの妻となった。
44 サウルはダビデの妻であった自分の娘ミカルを、ガリムの出のライシュの子パルティに与えていた。
1 ジフ人がギブアにいるサウルのところに来て言った。「ダビデはエシモンの東にあるハキラの丘に隠れているではありませんか。」
2 そこでサウルはすぐ、三千人のイスラエルの精鋭を率い、ジフの荒野にいるダビデを求めてジフの荒野へ下って行った。
3 サウルは、エシモンの70東にあるハキラの丘で、道のかたわらに陣を敷いた。一方、ダビデは荒野にとどまっていた。ダビデはサウルが自分を追って荒野に来たのを見たので、
4斥候を送り、サウルが確かに来たことを知った。
5 ダビデは、サウルが陣を敷いている場所へ出て行き、サウルと、その将軍ネルの子アブネルとが寝ている場所を見つけた。サウルは幕営の中で寝ており、兵士たちは、その回りに宿営していた。
671そこで、ダビデは、ヘテ人アヒメレクと、ヨアブの兄弟で、ツェルヤの子アビシャイとに言った。「だれか私といっしょに陣営のサウルのところへ下って行く者はいないか。」するとアビシャイが答えた。「私があなたといっしょに下って行きます。」
7 ダビデとアビシャイは夜、民のところに行った。見ると、サウルは幕営の中で横になって寝ており、彼の槍が、その枕もとの地面に突き刺してあった。アブネルも兵士たちも、その回りに眠っていた。
8 アビシャイはダビデに言った。「神はきょう、あなたの敵をあなたの手に渡されました。どうぞ私に、あの槍で彼を一気に地に刺し殺させてください。二度することはいりません。」
9 しかしダビデはアビシャイに言った。「殺してはならない。主に油そそがれた方に手を下して、だれが無罪でおられよう。」
10 ダビデは言った。「主は生きておられる。主は、必ず彼を打たれる。彼はその生涯の終わりに死ぬか、戦いに下ったときに滅ぼされるかだ。
11 私が、主に油そそがれた方に手を下すなど、主の前に絶対にできないことだ。さあ、今は、あの枕もとにある槍と水差しとを取って行くことにしよう。」
12 こうしてダビデはサウルの枕もとの槍と水差しとを取り、ふたりは立ち去ったが、だれひとりとしてこれを見た者も、気づいた者も、目をさました者もなかった。主が彼らを深い眠りに陥れられたので、みな眠りこけていたからである。
13 ダビデは向こう側へ渡って行き、遠く離れた山の頂上に立った。彼らの間には、かなりの隔たりがあった。
14 そしてダビデは、兵士たちとネルの子アブネルに呼びかけて言った。「アブネル。返事をしろ。」アブネルは答えて言った。「王を呼びつけるおまえはだれだ。」
15 ダビデはアブネルに言った。「おまえは男ではないか。イスラエル中で、おまえに並ぶ者があろうか。おまえはなぜ、自分の主君である王を見張っていなかったのだ。兵士のひとりが、おまえの主君である王を殺しに入り込んだのに。
16 おまえのやったことは良くない。主に誓って言うが、おまえたちは72死に値する。おまえたちの主君、主に油そそがれた方を見張っていなかったからだ。今、王の枕もとにあった王の槍と水差しが、どこにあるか見てみよ。」
17 サウルは、それがダビデの声だとわかって言った。「わが子ダビデよ。これはおまえの声ではないか。」ダビデは答えた。「私の声です。73王さま。」
18 そして言った。「なぜ、わが君はこのしもべのあとを追われるのですか。私が何をしたというのですか。私の手に、どんな悪があるというのですか。
1974王さま。どうか今、このしもべの言うことを聞いてください。もし私にはむかうようにあなたに誘いかけられたのが主であれば、主はあなたのささげ物を受け入れられるでしょう。しかし、それが人によるのであれば、主の前で彼らがのろわれますように。彼らはきょう、私を追い払って、主のゆずりの地にあずからせず、行ってほかの神々に仕えよ、と言っているからです。
20 どうか今、私が主の前から去って、この血を地面に流すことがありませんように。イスラエルの王が、山で、しゃこを追うように、一匹の蚤をねらって出て来られたからです。」
21 サウルは言った。「私は罪を犯した。わが子ダビデ。帰って来なさい。私はもう、おまえに害を加えない。きょう、私のいのちがおまえによって助けられたからだ。ほんとうに私は愚かなことをして、たいへんなまちがいを犯した。」
22 ダビデは答えて言った。「さあ、ここに王の槍があります。これを取りに、若者のひとりをよこしてください。
23主は、おのおの、その人の正しさと真実に報いてくださいます。主はきょう、あなたを私の手に渡されましたが、私は、主に油そそがれた方に、この手を下したくはありませんでした。
24 きょう、私があなたのいのちをたいせつにしたように、主は私のいのちをたいせつにして、すべての苦しみから私を救い出してくださいます。」
25 サウルはダビデに言った。「わが子ダビデ。おまえに祝福があるように。おまえは多くのことをするだろうが、それはきっと成功しよう。」こうしてダビデは自分の旅を続け、サウルは自分の家へ帰って行った。
1 ダビデは心の中で言った。「私はいつか、いまに、サウルの手によって滅ぼされるだろう。ペリシテ人の地にのがれるよりほかに道はない。そうすれば、サウルは、私をイスラエルの領土内で、くまなく捜すのをあきらめるであろう。こうして私は彼の手からのがれよう。」
2 そこでダビデは、いっしょにいた六百人の者を連れて、ガテの王マオクの子アキシュのところへ渡って行った。
3 ダビデとその部下たちは、それぞれ自分の家族とともに、ガテでアキシュのもとに住みついた。ダビデも、そのふたりの妻、イズレエル人アヒノアムと、ナバルの妻であったカルメル人アビガイルといっしょであった。
4 ダビデがガテへ逃げたことが、サウルに知らされると、サウルは二度とダビデを追おうとはしなかった。
5 ダビデはアキシュに言った。「もし、私の願いをかなえてくださるなら、地方の町の一つの場所を私に与えて、そこに私を住まわせてください。どうして、このしもべが王の都に、あなたといっしょに住めましょう。」
6 それでアキシュは、その日、ツィケラグをダビデに与えた。それゆえ、ツィケラグは今日まで、ユダの王に属している。
7 ダビデがペリシテ人の地に住んだ日数は一年四か月であった。
8 ダビデは部下とともに上って行って、ゲシュル人、ゲゼル人、アマレク人を襲った。彼らは昔から、シュルのほうエジプトの国に及ぶ地域に住んでいた。
9 ダビデは、これらの地方を打つと、男も女も生かしておかず、羊、牛、ろば、らくだ、それに着物などを奪って、いつもアキシュのところに帰って来ていた。
10 アキシュが、「きょうは、どこを襲ったのか」と尋ねると、ダビデはいつも、ユダのネゲブとか、エラフメエル人のネゲブとか、ケニ人のネゲブとか答えていた。
11 ダビデは男も女も生かしておかず、ガテにひとりも連れて来なかった。彼らが、「ダビデはこういうことをした」と言って、自分たちのことを告げるといけない、と思ったからである。ダビデはペリシテ人の地に住んでいる間、いつも、このようなやり方をしていた。
12 アキシュはダビデを信用して、こう思った。「ダビデは進んで自分の同胞イスラエル人に忌みきらわれるようなことをしている。彼はいつまでも私のしもべになっていよう。」
1 そのころ、ペリシテ人はイスラエルと戦おうとして、軍隊を召集した。アキシュはダビデに言った。「あなたと、あなたの部下は、私といっしょに出陣することになっているのを、よく承知していてもらいたい。」
2 ダビデはアキシュに言った。「よろしゅうございます。このしもべが、どうするか、おわかりになるでしょう。」アキシュはダビデに言った。「よろしい。あなたをいつまでも、私の護衛に任命しておこう。」
3 サムエルが死んだとき、全イスラエルは彼のためにいたみ悲しみ、彼をその町ラマに葬った。サウルは国内から霊媒や口寄せを追い出していた。
4 ペリシテ人が集まって、シュネムに来て陣を敷いたので、サウルは全イスラエルを召集して、ギルボアに陣を敷いた。
5 サウルはペリシテ人の陣営を見て恐れ、その心はひどくわなないた。
6 それで、サウルは主に伺ったが、主が夢によっても、ウリムによっても、預言者によっても答えてくださらなかったので、
7 サウルは自分の家来たちに言った。「霊媒をする女を捜して来い。私がその女のところに行って、その女に尋ねてみよう。」家来たちはサウルに言った。「エン・ドルに霊媒をする女がいます。」
8 サウルは、変装して身なりを変え、ふたりの部下を連れて、夜、その女のところに行き、そして言った。「霊媒によって、私のために占い、私の名ざす人を呼び出してもらいたい。」
9 すると、この女は彼に言った。「あなたは、サウルがこの国から霊媒や口寄せを断ち滅ぼされたことをご存じのはずです。それなのに、なぜ、私のいのちにわなをかけて、私を殺そうとするのですか。」
10 サウルは主にかけて彼女に誓って言った。「主は生きておられる。このことにより、あなたが咎を負うことは決してない。」
11 すると、女は言った。「だれを呼び出しましょうか。」サウルは言った。「サムエルを呼び出してもらいたい。」
12 この女がサムエルを見たとき、大声で叫んだ。そしてこの女はサウルに次のように言った。「あなたはなぜ、私を欺いたのですか。あなたはサウルではありませんか。」
13 王は彼女に言った。「恐れることはない。何が見えるのか。」この女はサウルに言った。「こうごうしい方が地から上って来られるのが見えます。」
14 サウルは彼女に尋ねた。「どんな様子をしておられるか。」彼女は言った。「年老いた方が上って来られます。外套を着ておられます。」サウルは、その人がサムエルであることがわかって、地にひれ伏して、おじぎをした。
15 サムエルはサウルに言った。「なぜ、私を呼び出して、私を煩わすのか。」サウルは言った。「私は困りきっています。ペリシテ人が私を攻めて来るのに、神は私から去っておられます。預言者によっても、夢によっても、もう私に答えてくださらないのです。それで私がどうすればよいか教えていただくために、あなたをお呼びしました。」
16 サムエルは言った。「なぜ、私に尋ねるのか。主はあなたから去り、あなたの敵になられたのに。
17主は、私を通して告げられたとおりのことをなさったのだ。主は、あなたの手から王位をはぎ取って、あなたの友ダビデに与えられた。
18 あなたは主の御声に聞き従わず、燃える御怒りをもってアマレクを罰しなかったからだ。それゆえ、主はきょう、このことをあなたにされたのだ。
19主は、あなたといっしょにイスラエルをペリシテ人の手に渡される。あす、あなたも、あなたの息子たちも私といっしょになろう。そして主は、イスラエルの陣営をペリシテ人の手に渡される。」
20 すると、サウルは突然、倒れて地上に棒のようになった。サムエルのことばを非常に恐れたからである。それに、その日、一昼夜、何の食事もしていなかったので、彼の力がうせていたからである。
21 女はサウルのところに来て、サウルが非常におびえているのを見て彼に言った。「あなたのはしためは、あなたの言われたことに聞き従いました。私は自分のいのちをかけて、あなたが言われた命令に従いました。
22 今度はどうか、あなたがこのはしための言うことを聞き入れてください。パンを少し差し上げますから、それを食べてください。お帰りのとき、元気になられるでしょう。」
23 サウルは、これを断って、「食べたくない」と言った。しかし、彼の家来とこの女がしきりに勧めたので、サウルはその言うことを聞き入れて地面から立ち上がり、床の上にすわった。
24 この女の家に肥えた子牛がいたので、急いでそれをほふり、また、小麦粉を取って練り、種を入れないパンを焼いた。
25 それをサウルとその家来たちの前に差し出すと、彼らはそれを食べた。その夜、彼らは立ち去った。
1 さて、ペリシテ人は全軍をアフェクに集結し、イスラエル人はイズレエルにある泉のほとりに陣を敷いた。
2 ペリシテ人の領主たちは、百人隊、あるいは千人隊を率いて進み、ダビデとその部下は、アキシュといっしょに、そのあとに続いた。
3 すると、ペリシテ人の首長たちは言った。「このヘブル人は何者ですか。」アキシュはペリシテ人の首長たちに言った。「確かにこれは、イスラエルの王サウルの家来ダビデであるが、この一、二年、私のところにいて、彼が私のところに落ちのびて来て以来、今日まで、私は彼に何のあやまちも見つけなかった。」
4 しかし、ペリシテ人の首長たちはアキシュに対して腹を立てた。ペリシテ人の首長たちは彼に言った。「この男を帰らせてください。あなたが指定した場所に帰し、私たちといっしょに戦いに行かせないでください。戦いの最中に、私たちを裏切るといけませんから。この男は、どんなことをして、主君の好意を得ようとするでしょうか。ここにいる人々の首を使わないでしょうか。
5 この男は、みなが踊りながら、
『サウルは千を打ち、
ダビデは万を打った』
と言って歌っていたダビデではありませんか。」
6 そこでアキシュはダビデを呼んで言った。「主は生きておられる。あなたは正しい人だ。私は、あなたに陣営で、私と行動を共にしてもらいたかった。あなたが私のところに来てから今日まで、私はあなたに何の悪いところも見つけなかったのだから。しかし、あの領主たちは、あなたを良いと思っていない。
7 だから今のところ、穏やかに帰ってくれ。ペリシテ人の領主たちの、気に入らないことはしないでくれ。」
8 ダビデはアキシュに言った。「私が何をしたというのでしょうか。私があなたに仕えた日から今日まで、このしもべに何か、あやまちでもあったのでしょうか。75王さまの敵と戦うために私が出陣できないとは。」
9 アキシュはダビデに答えて言った。「私は、あなたが神の使いのように正しいということを知っている。だが、ペリシテ人の首長たちが、『彼はわれわれといっしょに戦いに行ってはならない』と言ったのだ。
10 さあ、あなたは、いっしょに来たあなたの主君のしもべたちと、あしたの朝、早く起きなさい。朝早く起きて、明るくなったら出かけなさい。」
11 そこで、ダビデとその部下は、翌朝早く、ペリシテ人の地へ帰って行った。ペリシテ人はイズレエルへ上って行った。
1 ダビデとその部下が、三日目にツィケラグに帰ってみると、アマレク人がネゲブとツィケラグを襲ったあとだった。彼らはツィケラグを攻撃して、これを火で焼き払い、
2 そこにいた女たちを、子どももおとなもみな、とりこにし、ひとりも殺さず、自分たちの所に連れて去った。
3 ダビデとその部下が、この町に着いたとき、町は火で焼かれており、彼らの妻も、息子も、娘たちも連れ去られていた。
4 ダビデも、彼といっしょにいた者たちも、声をあげて泣き、ついには泣く力もなくなった。
5 ダビデのふたりの妻、イズレエル人アヒノアムも、ナバルの妻であったカルメル人アビガイルも連れ去られていた。
6 ダビデは非常に悩んだ。民がみな、自分たちの息子、娘たちのことで心を悩まし、ダビデを石で打ち殺そうと言いだしたからである。しかし、ダビデは彼の神、主によって奮い立った。
7 ダビデが、アヒメレクの子、祭司エブヤタルに、「エポデを持って来なさい」と言ったので、エブヤタルはエポデをダビデのところに持って来た。
8 ダビデは主に伺って言った。「あの略奪隊を追うべきでしょうか。追いつけるでしょうか。」するとお答えになった。「追え。必ず追いつくことができる。必ず救い出すことができる。」
9 そこでダビデは六百人の部下とともに出て行き、ベソル川まで来た。残された者は、そこにとどまった。
10 ダビデと四百人の者は追撃を続け、疲れきってベソル川を渡ることのできなかった二百人の者は、そこにとどまった。
11 彼らはひとりのエジプト人を野原で見つけ、ダビデのところに連れて来た。彼らは彼にパンをやって、食べさせ、水も飲ませた。
12 さらに、ひとかたまりの干しいちじくと、二ふさの干しぶどうをやると、彼はそれを食べて元気を回復した。三日三晩、パンも食べず、水も飲んでいなかったからである。
13 ダビデは彼に言った。「おまえはだれのものか。どこから来たのか。」すると答えた。「私はエジプトの若者で、アマレク人の奴隷です。私が三日前に病気になったので、主人は私を置き去りにしたのです。
14 私たちは、ケレテ人のネゲブと、ユダに属する地と、カレブのネゲブを襲い、ツィケラグを火で焼き払いました。」
15 ダビデは彼に言った。「その略奪隊のところに案内できるか。」彼は答えた。「私を殺さず、主人の手に私を渡さないと、神かけて私に誓ってください。そうすれば、あなたをあの略奪隊のところに案内いたしましょう。」
16 彼がダビデを案内して行くと、ちょうど、彼らはその地いっぱいに散って飲み食いし、お祭り騒ぎをしていた。彼らがペリシテ人の地やユダの地から、非常に多くの分捕り物を奪ったからである。
17 そこでダビデは、その夕暮れから次の夕方まで彼らを打った。らくだに乗って逃げた四百人の若い者たちのほかは、ひとりものがれおおせなかった。
18 こうしてダビデは、アマレクが奪い取ったものを全部、取り戻した。彼のふたりの妻も取り戻した。
19 彼らは、子どももおとなも、また息子、娘たちも、分捕り物も、彼らが奪われたものは、何一つ失わなかった。ダビデは、これらすべてを取り返した。
20 ダビデはまた、すべての羊と牛を取った。彼らはこの家畜の先に立って導き、「これはダビデの分捕り物です」と言った。
21 ダビデが、疲れてダビデについて来ることができずにベソル川のほとりにとどまっていた二百人の者のところに来たとき、彼らはダビデと彼に従った者たちを迎えに出て来た。ダビデはこの人たちに近づいて彼らの安否を尋ねた。
22 そのとき、ダビデといっしょに行った者たちのうち、意地の悪い、76よこしまな者たちがみな、口々に言った。「彼らはいっしょに行かなかったのだから、われわれが取り戻した分捕り物を、彼らに分けてやるわけにはいかない。ただ、めいめい自分の妻と子どもを連れて行くがよい。」
23 ダビデは言った。「兄弟たちよ。主が私たちに賜った物を、そのようにしてはならない。主が私たちを守り、私たちを襲った略奪隊を私たちの手に渡されたのだ。
24 だれが、このことについて、あなたがたの言うことを聞くだろうか。戦いに下って行った者への分け前も、荷物のそばにとどまっていた者への分け前も同じだ。共に同じく分け合わなければならない。」
25 その日以来、ダビデはこれをイスラエルのおきてとし、定めとした。今日もそうである。
26 ダビデはツィケラグに帰って、友人であるユダの長老たちに分捕り物のいくらかを送って言った。「これはあなたがたへの贈り物で、主の敵からの分捕り物の一部です。」
27 その送り先は、ベテルの人々、ネゲブのラモテの人々、ヤティルの人々、
28 アロエルの人々、シフモテの人々、エシュテモアの人々、
29 ラカルの人々、エラフメエル人の町々の人たち、ケニ人の町々の人たち、
30 ホルマの人々、ボル・アシャンの人々、アタクの人々、
31 ヘブロンの人々、および、ダビデとその部下がさまよい歩いたすべての場所の人々であった。
1 ペリシテ人はイスラエルと戦った。そのとき、イスラエルの人々はペリシテ人の前から逃げ、ギルボア山で刺し殺されて倒れた。
2 ペリシテ人はサウルとその息子たちに追い迫って、サウルの息子ヨナタン、アビナダブ、マルキ・シュアを打ち殺した。
3攻撃はサウルに集中し、射手たちが彼をねらい撃ちにしたので、彼は射手たちのためにひどい傷を負った。
4 サウルは、道具持ちに言った。「おまえの剣を抜いて、それで私を刺し殺してくれ。あの割礼を受けていない者どもがやって来て、私を刺し殺し、私をなぶり者にするといけないから。」しかし、道具持ちは、非常に恐れて、とてもその気になれなかった。そこで、サウルは剣を取り、その上にうつぶせに倒れた。
5 道具持ちも、サウルの死んだのを見届けると、自分の剣の上にうつぶせに倒れて、サウルのそばで死んだ。
6 こうしてその日、サウルと彼の三人の息子、道具持ち、それにサウルの部下たちはみな、共に死んだ。
7 谷の向こう側とヨルダン川の向こう側にいたイスラエルの人々は、イスラエルの兵士たちが逃げ、サウルとその息子たちが死んだのを見て、町々を捨てて逃げ去った。それでペリシテ人がやって来て、そこに住んだ。
8翌日、ペリシテ人がその殺した者たちからはぎ取ろうとしてやって来たとき、サウルとその三人の息子がギルボア山で倒れているのを見つけた。
9 彼らはサウルの首を切り、その武具をはぎ取った。そして、ペリシテ人の地にあまねく人を送って、彼らの偶像の宮と民とに告げ知らせた。
10 彼らはサウルの武具をアシュタロテの宮に奉納し、彼の死体をベテ・シャンの城壁にさらした。
11 ヤベシュ・ギルアデの住民が、ペリシテ人のサウルに対するしうちを聞いたとき、
12 勇士たちはみな、立ち上がり、夜通し歩いて行って、サウルの死体と、その息子たちの死体とをベテ・シャンの城壁から取りはずし、これをヤベシュに運んで、そこで焼いた。
13 それから、その骨を取って、ヤベシュにある柳の木の下に葬り、七日間、断食した。
サムエル記 第二
1 サウルの死後、ダビデはアマレク人を打ち破って帰り、二日間、ツィケラグに滞在した。
2 三日目に、突然、ひとりの男がサウルの陣営からやって来た。その着物は裂け、頭には土をかぶっていた。彼は、ダビデのところに来ると、地にひれ伏して、礼をした。
3 ダビデは言った。「どこから来たのか。」彼はダビデに言った。「イスラエルの陣営からのがれて来ました。」
4 ダビデは彼に言った。「状況はどうか、話してくれ。」すると彼は言った。「民は戦場から逃げ、また民の多くは倒れて死に、サウルも、その子ヨナタンも死にました。」
5 ダビデは、その報告をもたらした若者に言った。「サウルとその子ヨナタンが死んだことを、どうして知ったのか。」
6報告をもたらした若者は言った。「私は、たまたま、ギルボア山にいましたが、ちょうどその時、サウルは槍にもたれ、戦車と騎兵があの方に押し迫っていました。
7 サウルが振り返って、私を見て呼びました。私が『はい』と答えると、
8 サウルは私に、『おまえはだれだ』と言いましたので、『私はアマレク人です』と答えますと、
9 サウルが、『さあ、近寄って、私を殺してくれ。まだ息があるのに、ひどいけいれんが起こった』と言いました。
10 そこで私は近寄って、あの方を殺しました。もう倒れて生きのびることができないとわかったからです。私はその頭にあった王冠と、腕についていた腕輪を取って、ここに、あなたさまのところに持ってまいりました。」
11 すると、ダビデは自分の衣をつかんで裂いた。そこにいた家来たちもみな、そのようにした。
12 彼らは、サウルのため、その子ヨナタンのため、また、主の民のため、イスラエルの家のためにいたみ悲しんで泣き、夕方まで断食した。彼らが剣に倒れたからである。
13 ダビデは自分に報告した若者に言った。「おまえはどこの者か。」若者は答えた。「私はアマレク人で、在留異国人の子です。」
14 ダビデは言った。「主に油そそがれた方に、手を下して殺すのを恐れなかったとは、どうしたことか。」
15 ダビデは若者のひとりを呼んで言った。「近寄って、これを打て。」そこで彼を打ち殺した。
16 そのとき、ダビデは彼に言った。「おまえの血は、おまえの頭にふりかかれ。おまえ自身の口で、『私は主に油そそがれた方を殺した』と言って証言したからである。」
17 ダビデは、サウルのため、その子ヨナタンのために、この哀歌を作り、
18 この弓の1歌をユダの子らに教えるように命じた。これはヤシャルの書にしるされている。
19 「イスラエルの誉れは、
おまえの高き所で殺された。
ああ、勇士たちは倒れた。
20 これをガテに告げるな。
アシュケロンのちまたに告げ知らせるな。
ペリシテ人の娘らを喜ばせないために。
割礼のない者の娘らを勝ち誇らせないために。
21 ギルボアの山々よ。
お前たちの上に、露は降りるな。雨も降るな。
いけにえがささげられた野の上にも。
そこでは勇士たちの盾は汚され、
サウルの盾に油も塗られなかった。
22 ただ、殺された者の血、
勇士たちのあぶらのほかは。
ヨナタンの弓は、退いたことがなく、
サウルの剣は、むなしく帰ったことがなかった。
23 サウルもヨナタンも、
愛される、りっぱな人だった。
生きているときにも、
死ぬときにも離れることなく、
鷲よりも速く、雄獅子よりも強かった。
24 イスラエルの娘らよ。
サウルのために泣け。
サウルは紅の薄絹をおまえたちにまとわせ、
おまえたちの装いに金の飾りをつけてくれた。
25 ああ、勇士たちは戦いのさなかに倒れた。
ヨナタンはおまえの高き所で殺された。
26 あなたのために私は悲しむ。
私の兄弟ヨナタンよ。
あなたは私を大いに喜ばせ、
あなたの私への愛は、
女の愛にもまさって、すばらしかった。
27 ああ、勇士たちは倒れた。
戦いの器はうせた。」
1 この後、ダビデは主に伺って言った。「ユダの一つの町へ上って行くべきでしょうか。」すると主は彼に、「上って行け」と仰せられた。ダビデが、「どこへ上るのでしょうか」と聞くと、主は、「ヘブロンへ」と仰せられた。
2 そこでダビデは、ふたりの妻、イズレエル人アヒノアムと、ナバルの妻であったカルメル人アビガイルといっしょに、そこへ上って行った。
3 ダビデは、自分とともにいた人々を、その家族といっしょに連れて上った。こうして彼らはヘブロンの町々に住んだ。
4 そこへユダの人々がやって来て、ダビデに油をそそいでユダの家の王とした。
ヤベシュ・ギルアデの人々がサウルを葬った、ということがダビデに知らされたとき、
5 ダビデはヤベシュ・ギルアデの人々に使いを送り、彼らに言った。「あなたがたの主君サウルに、このような真実を尽くして、彼を葬ったあなたがたに、主の祝福があるように。
6 今、主があなたがたに恵みとまことを施してくださるように。この私も、あなたがたがこのようなことをしたので、善をもって報いよう。
7 さあ、強くあれ。勇気のある者となれ。あなたがたの主君サウルは死んだが、ユダの家は私に油をそそいで、彼らの王としたのだ。」
8 一方、サウルの将軍であったネルの子アブネルは、サウルの子2イシュ・ボシェテをマハナイムに連れて行き、
9 彼をギルアデ、アシュル人、イズレエル、エフライム、ベニヤミン、全イスラエルの王とした。
10 サウルの子イシュ・ボシェテは、四十歳でイスラエルの王となり、二年間、王であった。ただ、ユダの家だけはダビデに従った。
11 ダビデがヘブロンでユダの家の王であった期間は、七年六か月であった。
12 ネルの子アブネルは、サウルの子イシュ・ボシェテの家来たちといっしょにマハナイムを出て、ギブオンへ向かった。
13 一方、ツェルヤの子ヨアブも、ダビデの家来たちといっしょに出て行った。こうして彼らはギブオンの池のそばで出会った。一方は池のこちら側に、他方は池の向こう側にとどまった。
14 アブネルはヨアブに言った。「さあ、若い者たちを出して、われわれの前で闘技をさせよう。」ヨアブは言った。「出そう。」
15 そこで、ベニヤミンとサウルの子イシュ・ボシェテの側から十二人、ダビデの家来たちから十二人が順番に出て行った。
16 彼らは互いに相手の頭をつかみ、相手のわき腹に剣を刺し、一つになって倒れた。それでその所はヘルカテ・ハツリムと呼ばれた。それはギブオンにある。
17 その日、戦いは激しさをきわめ、アブネルとイスラエルの兵士たちは、ダビデの家来たちに打ち負かされた。
18 そこに、ツェルヤの三人の息子、ヨアブ、アビシャイ、アサエルが居合わせた。アサエルは野にいるかもしかのように、足が早かった。
19 アサエルはアブネルのあとを追った。右にも左にもそれずに、アブネルを追った。
20 アブネルは振り向いて言った。「おまえはアサエルか。」彼は答えた。「そうだ。」
21 アブネルは彼に言った。「右か左にそれて、若者のひとりを捕らえ、その者からはぎ取れ。」しかしアサエルは、アブネルを追うのをやめず、ほかへ行こうともしなかった。
22 アブネルはもう一度アサエルに言った。「私を追うのをやめて、ほかへ行け。なんでおまえを地に打ち倒すことができよう。どうしておまえの兄弟ヨアブに顔向けができよう。」
23 それでもアサエルは、ほかへ行こうとはしなかった。それでアブネルは、槍の石突きで彼の下腹を突き刺した。槍はアサエルを突き抜けた。アサエルはその場に倒れて、そこで死んだ。アサエルが倒れて死んだ場所に来た者はみな、立ち止まった。
24 しかしヨアブとアビシャイは、アブネルのあとを追った。彼らがアマの丘に来たとき太陽が沈んだ。アマはギブオンの荒野の道沿いにあるギアハの手前にあった。
25 ベニヤミン人はアブネルに従って集まり、一団となって、そこの丘の頂上に立った。
26 アブネルはヨアブに呼びかけて言った。「いつまでも剣が人を滅ぼしてよいものか。その果ては、ひどいことになるのを知らないのか。いつになったら、兵士たちに、自分の兄弟たちを追うのをやめて帰れ、と命じるつもりか。」
27 ヨアブは言った。「神は生きておられる。もし、おまえが言いださなかったなら、確かに兵士たちは、あしたの朝まで、自分の兄弟たちを追うのをやめなかっただろう。」
28 ヨアブが角笛を吹いたので、兵士たちはみな、立ち止まり、もうイスラエルのあとを追わず、戦いもしなかった。
29 アブネルとその部下たちは、一晩中アラバを通って行き、ヨルダン川を渡り、3午前中、歩き続けて、マハナイムに着いた。
30 一方、ヨアブはアブネルを追うのをやめて帰った。兵士たちを全部集めてみると、ダビデの家来十九人とアサエルがいなかった。
31 ダビデの家来たちは、アブネルの部下であるベニヤミン人のうち三百六十人を打ち殺していた。
32 彼らはアサエルを運んで、ベツレヘムにある彼の父の墓に葬った。ヨアブとその部下たちは、一晩中歩いて、夜明けごろ、ヘブロンに着いた。
1 サウルの家とダビデの家との間には、長く戦いが続いた。ダビデはますます強くなり、サウルの家はますます弱くなった。
2 ヘブロンでダビデに子どもが生まれた。長子はイズレエル人アヒノアムによるアムノン。
3 次男はカルメル人でナバルの妻であったアビガイルによるキルアブ。三男はゲシュルの王タルマイの娘マアカの子アブシャロム。
4 四男はハギテの子アドニヤ。五男はアビタルの子シェファテヤ。
5 六男はダビデの妻エグラによるイテレアム。これらはヘブロンでダビデに生まれた子どもである。
6 サウルの家とダビデの家とが戦っている間に、アブネルはサウルの家で勢力を増し加えていた。
7 サウルには、そばめがあって、その名はリツパといい、アヤの娘であった。あるときイシュ・ボシェテはアブネルに言った。「あなたはなぜ、私の父のそばめと通じたのか。」
8 アブネルはイシュ・ボシェテのことばを聞くと、激しく怒って言った。「この私が、ユダの犬のかしらだとでも言うのですか。今、私はあなたの父上サウルの家と、その兄弟と友人たちとに真実を尽くして、あなたをダビデの手に渡さないでいるのに、今、あなたは、あの女のことで私をとがめるのですか。
9主がダビデに誓われたとおりのことを、もし私が彼に果たせなかったなら、神がこのアブネルを幾重にも罰せられますように。
10 サウルの家から王位を移し、ダビデの王座を、ダンからベエル・シェバに至るイスラエルとユダの上に堅く立てるということを。」
11 イシュ・ボシェテはアブネルに、もはや一言も返すことができなかった。アブネルを恐れたからである。
12 アブネルはダビデのところに使いをやって言わせた。「この国はだれのものでしょう。私と契約を結んでください。そうすれば、私は全イスラエルをあなたに移すのに協力します。」
13 ダビデは言った。「よろしい。あなたと契約を結ぼう。しかし、それには一つの条件がある。というのは、あなたが私に会いに来るとき、まずサウルの娘ミカルを連れて来なければ、あなたは私に会えないだろう。」
14 それからダビデはサウルの子イシュ・ボシェテに使いをやって言わせた。「私がペリシテ人の陽の皮百をもってめとった私の妻ミカルを返していただきたい。」
15 それでイシュ・ボシェテは人をやり、彼女をその夫、ライシュの子パルティエルから取り返した。
16 その夫は泣きながら彼女についてバフリムまで来たが、アブネルが、「もう帰りなさい」と言ったので、彼は帰った。
17 アブネルはイスラエルの長老たちと話してこう言った。「あなたがたは、かねてから、ダビデを自分たちの王とすることを願っていたが、
18 今、それをしなさい。主がダビデについて、『わたしのしもべダビデの手によって、わたしはわたしの民イスラエルをペリシテ人の手、およびすべての敵の手から救う』と仰せられているからだ。」
19 アブネルはまた、ベニヤミン人とじかに話し合ってから、ヘブロンにいるダビデのところへ行き、イスラエルとベニヤミンの家全体とが望んでいることをすべて彼の耳に入れた。
20 アブネルが二十人の部下を連れてヘブロンのダビデのもとに来たとき、ダビデはアブネルとその部下の者たちのために祝宴を張った。
21 アブネルはダビデに言った。「私は、全イスラエルをわが主、王のもとに集めに出かけます。そうして彼らがあなたと契約を結び、あなたが、望みどおりに治められるようにしましょう。」それでダビデはアブネルを送り出し、彼は安心して出て行った。
22 ちょうどそこへ、ダビデの家来たちとヨアブが略奪から帰り、たくさんの分捕り物を持って来た。しかしそのとき、アブネルはヘブロンのダビデのもとにはいなかった。ダビデがアブネルを送り出し、もう彼は安心して出て行ったからである。
23 ヨアブと彼についていた軍勢がみな帰って来たとき、ネルの子アブネルが王のところに来たが、王がアブネルを送り出したので、彼は安心して出て行った、ということがヨアブに知らされた。
24 それでヨアブは王のところに来て言った。「何ということをなさったのですか。ちょうどアブネルがあなたのところに来たのに、なぜ、彼を送り出して、出て行くままにしたのですか。
25 ネルの子アブネルが、あなたを惑わし、あなたの動静を探り、あなたのなさることを残らず知るために来たのに、お気づきにならなかったのですか。」
26 ヨアブはダビデのもとを出てから使者たちを遣わし、アブネルのあとを追わせ、彼をシラの井戸から連れ戻させた。しかしダビデはそのことを知らなかった。
27 アブネルがヘブロンに戻ったとき、ヨアブは彼とひそかに話すと見せかけて、彼を門のとびらの内側に連れ込み、そこで、下腹を突いて死なせ、自分の兄弟アサエルの血に報いた。
28 あとになって、ダビデはそのことを聞いて言った。「私にも私の王国にも、ネルの子アブネルの血については、主の前にとこしえまでも罪はない。
29 それは、ヨアブの頭と彼の父の全家にふりかかるように。またヨアブの家に、漏出を病む者、ツァラアトに冒された者、4糸巻きをつかむ者、剣で倒れる者、食に飢える者が絶えないように。」
30 ヨアブとその兄弟アビシャイがアブネルを殺したのは、アブネルが彼らの兄弟アサエルをギブオンでの戦いで殺したからであった。
31 ダビデはヨアブと彼とともにいたすべての民に言った。「あなたがたの着物を裂き、荒布をまとい、アブネルの前でいたみ悲しみなさい。」そしてダビデ王は、ひつぎのあとに従った。
32 彼らはアブネルをヘブロンに葬った。王はアブネルの墓で声をあげて泣き、民もみな泣いた。
33 王はアブネルのために悲しみ歌って言った。
「愚か者の死のように、
アブネルは死ななければならなかったのか。
34 あなたの手は縛られず、
あなたの足は足かせにつながれもせずに。
不正な者の前に倒れる者のように、
あなたは倒れた。」
民はみな、また彼のために泣いた。
35民はみな、まだ日のあるうちにダビデに食事をとらせようとしてやって来たが、ダビデは誓って言った。「もし私が、日の沈む前にパンでも、ほかの何物でも味わったなら、神がこの私を幾重にも罰せられますように。」
36民はみな、それを認めて、それでよいと思った。王のしたことはすべて、民を満足させた。
37 それで民はみな、すなわち、全イスラエルは、その日、ネルの子アブネルを殺したのは、王から出たことではないことを知った。
38 王は家来たちに言った。「きょう、イスラエルでひとりの偉大な将軍が倒れたのを知らないのか。
39 この私は油そそがれた王であるが、今はまだ力が足りない。ツェルヤの子らであるこれらの人々は、私にとっては手ごわすぎる。主が、悪を行う者には、その悪にしたがって報いてくださるように。」
1 サウルの子イシュ・ボシェテは、アブネルがヘブロンで死んだことを聞いて、気力を失った。イスラエル人もみな、うろたえた。
2 サウルの子イシュ・ボシェテのもとに、ふたりの略奪隊の隊長がいた。ひとりの名はバアナ、もうひとりの名はレカブといって、ふたりともベニヤミン族のベエロテ人リモンの子であった。というのは、ベエロテもベニヤミンに属するとみなされていたからである。
3 ベエロテ人はギタイムに逃げて、寄留者となった。今日もそうである。
4 さて、サウルの子ヨナタンに、足の不自由な子がひとりいた。その子は、サウルとヨナタンの悲報がイズレエルからもたらされたとき五歳であった。うばがこの子を抱いて逃げるとき、あまり急いで逃げたので、この子を落とし、そのために足のなえた者になった。この子の名はメフィボシェテといった。
5 ベエロテ人リモンの子のレカブとバアナが、日盛りに、イシュ・ボシェテの家にやって来たが、ちょうどその時、イシュ・ボシェテは昼寝をしていた。
6 彼らは、小麦を取りに家の中まで入り込み、そこで、彼の下腹を突いて殺した。レカブとその兄弟バアナはのがれた。
7 彼らが家に入ったとき、イシュ・ボシェテは寝室の寝床で寝ていたので、彼らは彼を突き殺して首をはね、その首を持って、一晩中、アラバへの道を歩いた。
8 彼らはイシュ・ボシェテの首をヘブロンのダビデのもとに持って来て、王に言った。「ご覧ください。これは、あなたのいのちをねらっていたあなたの敵、サウルの子イシュ・ボシェテの首です。主は、きょう、わが主、王のために、サウルとその子孫に復讐されたのです。」
9 すると、ダビデは、ベエロテ人リモンの子レカブとその兄弟バアナに答えて言った。「私のいのちをあらゆる苦難から救い出してくださった主は生きておられる。
10 かつて私に、『ご覧ください。サウルは死にました』と告げて、自分自身では、良い知らせをもたらしたつもりでいた者を、私は捕らえて、ツィケラグで殺した。それが、その良い知らせの報いであった。
11 まして、この悪者どもが、ひとりの正しい人を、その家の中の、しかも寝床の上で殺したときはなおのこと、今、私は彼の血の責任をおまえたちに問い、この地からおまえたちを除き去らないでおられようか。」
12 ダビデが命じたので、若者たちは彼らを殺し、手、足を切り離した。そして、ヘブロンの池のほとりで木につるした。しかし、イシュ・ボシェテの首は、ヘブロンにあるアブネルの墓に持って行き、そこに葬った。
1 イスラエルの全部族は、ヘブロンのダビデのもとに来てこう言った。「ご覧のとおり、私たちはあなたの骨肉です。
2 これまで、サウルが私たちの王であった時でさえ、イスラエルを動かしていたのは、あなたでした。しかも、主はあなたに言われました。『あなたがわたしの民イスラエルを牧し、あなたがイスラエルの君主となる。』」
3 イスラエルの全長老がヘブロンの王のもとに来たとき、ダビデ王は、ヘブロンで主の前に、彼らと契約を結び、彼らはダビデに油をそそいでイスラエルの王とした。
4 ダビデは三十歳で王となり、四十年間、王であった。
5 ヘブロンで七年六か月、ユダを治め、エルサレムで三十三年、全イスラエルとユダを治めた。
6 王とその部下がエルサレムに来て、その地の住民エブス人のところに行ったとき、彼らはダビデに言った。「あなたはここに来ることはできない。目の見えない者、足のなえた者でさえ、あなたを追い出せる。」彼らは、ダビデがここに来ることができない、と考えていたからであった。
7 しかし、ダビデはシオンの要害を攻め取った。これが、ダビデの町である。
8 その日ダビデは、「だれでもエブス人を打とうとする者は、水汲みの地下道を抜けて、ダビデが憎む、目の見えない者、足のなえた者を打て」と言った。このため、「目の見えない者、足のなえた者は宮に入ってはならない」と言われている。
9 こうしてダビデはこの要害を住まいとして、これをダビデの町と呼んだ。ダビデはミロから内側にかけて、回りに城壁を建てた。
10 ダビデはますます大いなる者となり、万軍の神、主が彼とともにおられた。
11 ツロの王ヒラムは、ダビデのもとに使者を送り、杉材、大工、石工を送った。彼らはダビデのために王宮を建てた。
12 ダビデは、主が彼をイスラエルの王として堅く立て、ご自分の民イスラエルのために、彼の王国を盛んにされたのを知った。
13 ダビデはヘブロンから来て後、エルサレムで、さらにそばめたちと妻たちをめとった。ダビデにはさらに、息子、娘たちが生まれた。
14 エルサレムで彼に生まれた子の名は次のとおり。シャムア、ショバブ、ナタン、ソロモン、
15 イブハル、エリシュア、ネフェグ、ヤフィア、
16 エリシャマ、エルヤダ、エリフェレテであった。
17 ペリシテ人は、ダビデが油をそそがれてイスラエルの王となったことを聞いた。そこでペリシテ人はみな、ダビデをねらって上って来た。ダビデはそれと聞き、要害に下って行った。
18 ペリシテ人は来て、レファイムの谷間に展開した。
19 そこで、ダビデは主に伺って言った。「ペリシテ人を攻めに上るべきでしょうか。彼らを私の手に渡してくださるでしょうか。」すると主はダビデに仰せられた。「上れ。わたしは必ず、ペリシテ人をあなたの手に渡すから。」
20 それで、ダビデはバアル・ペラツィムに行き、そこで彼らを打った。そして言った。「主は、水が破れ出るように、私の前で私の敵を破られた。」それゆえ彼は、その場所の名をバアル・5ペラツィムと呼んだ。
21 彼らが自分たちの偶像を置き去りにして行ったので、ダビデとその部下はそれらを運んで捨てた。
22 ところがペリシテ人は、なおもまた上って来て、レファイムの谷間に展開した。
23 そこで、ダビデが主に伺ったところ、主は仰せられた。「上って行くな。彼らのうしろに回って行き、バルサム樹の林の前から彼らに向かえ。
24 バルサム樹の林の上から行進の音が聞こえたら、そのとき、あなたは攻め上れ。そのとき、主はすでに、ペリシテ人の陣営を打つために、あなたより先に出ているから。」
25 ダビデは、主が彼に命じたとおりにし、ゲバからゲゼルに至るまでのペリシテ人を打った。
1 ダビデは再びイスラエルの精鋭三万をことごとく集めた。
2 ダビデはユダのバアラから神の箱を運び上ろうとして、自分につくすべての民とともに出かけた。神の箱は、ケルビムの上に座しておられる万軍の主の名で呼ばれている。
3 彼らは、神の箱を、新しい車に載せて、丘の上にあるアビナダブの家から運び出した。アビナダブの子、ウザとアフヨが新しい車を御していた。
4丘の上にあるアビナダブの家からそれを神の箱とともに運び出したとき、アフヨは箱の前を歩いていた。
5 ダビデとイスラエルの全家は6歌を歌い、立琴、琴、タンバリン、カスタネット、シンバルを鳴らして、主の前で、力の限り喜び踊った。
6 こうして彼らがナコンの打ち場まで来たとき、ウザは神の箱に手を伸ばして、それを押さえた。牛がそれをひっくり返しそうになったからである。
7 すると、主の怒りがウザに向かって燃え上がり、神は、その不敬の罪のために、彼をその場で打たれたので、彼は神の箱のかたわらのその場で死んだ。
8 ダビデの心は激した。ウザによる割りこみに主が怒りを発せられたからである。それで、その場所は7ペレツ・ウザと呼ばれた。今日もそうである。
9 その日ダビデは主を恐れて言った。「主の箱を、私のところにお迎えすることはできない。」
10 ダビデは主の箱を彼のところ、ダビデの町に移したくなかったので、ガテ人オベデ・エドムの家にそれを回した。
11 こうして、主の箱はガテ人オベデ・エドムの家に三か月とどまった。主はオベデ・エドムと彼の全家を祝福された。
12主が神の箱のことで、オベデ・エドムの家と彼に属するすべてのものを祝福された、ということがダビデ王に知らされた。そこでダビデは行って、喜びをもって神の箱をオベデ・エドムの家からダビデの町へ運び上った。
13主の箱をかつぐ者たちが六歩進んだとき、ダビデは肥えた牛をいけにえとしてささげた。
14 ダビデは、主の前で、力の限り踊った。ダビデは亜麻布のエポデをまとっていた。
15 ダビデとイスラエルの全家は、歓声をあげ、角笛を鳴らして、主の箱を運び上った。
16主の箱はダビデの町に入った。サウルの娘ミカルは窓から見おろし、ダビデ王が主の前ではねたり踊ったりしているのを見て、心の中で彼をさげすんだ。
17 こうして彼らは、主の箱を運び込み、ダビデがそのために張った天幕の真ん中の場所に安置した。それから、ダビデは主の前に、全焼のいけにえと和解のいけにえをささげた。
18 ダビデは、全焼のいけにえと和解のいけにえをささげ終えてから、万軍の主の御名によって民を祝福した。
19 そして民全部、イスラエルの群集全部に、男にも女にも、それぞれ、輪型のパン一個、なつめやしの菓子一個、干しぶどうの菓子一個を分け与えた。こうして民はみな、それぞれ自分の家に帰った。
20 ダビデが自分の家族を祝福するために戻ると、サウルの娘ミカルがダビデを迎えに出て来て言った。「イスラエルの王は、きょう、ほんとうに威厳がございましたね。ごろつきが恥ずかしげもなく裸になるように、きょう、あなたは自分の家来のはしための目の前で裸におなりになって。」
21 ダビデはミカルに言った。「あなたの父よりも、その全家よりも、むしろ私を選んで主の民イスラエルの君主に任じられた主の前なのだ。私はその主の前で喜び踊るのだ。
22 私はこれより、もっと卑しめられよう。私の目に卑しく見えても、あなたの言うそのはしためたちに、敬われたいのだ。」
23 サウルの娘ミカルには死ぬまで子どもがなかった。
1 王が自分の家に住み、主が周囲のすべての敵から守って、彼に安息を与えられたとき、
2 王は預言者ナタンに言った。「ご覧ください。この私が杉材の家に住んでいるのに、神の箱は天幕の中にとどまっています。」
3 すると、ナタンは王に言った。「さあ、あなたの心にあることをみな行いなさい。主があなたとともにおられるのですから。」
4 その夜のことである。次のような主のことばがナタンにあった。
5 「行って、わたしのしもべダビデに言え。
主はこう仰せられる。あなたはわたしのために、わたしの住む家を建てようとしているのか。
6 わたしは、エジプトからイスラエル人を導き上った日以来、今日まで、家に住んだことはなく、天幕、すなわち幕屋にいて、歩んできた。
7 わたしがイスラエル人のすべてと歩んできたどんな所ででも、わたしが、民イスラエルを牧せよと命じたイスラエル部族の一つにでも、『なぜ、あなたがたはわたしのために杉材の家を建てなかったのか』と、一度でも、言ったことがあろうか。
8 今、わたしのしもべダビデにこう言え。
万軍の主はこう仰せられる。わたしはあなたを、羊の群れを追う牧場からとり、わたしの民イスラエルの君主とした。
9 そして、あなたがどこに行っても、あなたとともにおり、あなたの前であなたのすべての敵を断ち滅ぼした。わたしは地上の大いなる者の名に等しい大いなる名をあなたに与える。
10 わたしが、わたしの民イスラエルのために一つの場所を定め、民を住みつかせ、民がその所に住むなら、もはや民は恐れおののくことはない。不正な者たちも、初めのころのように重ねて民を苦しめることはない。
11 それは、わたしが、わたしの民イスラエルの上にさばきつかさを任命したころのことである。わたしはあなたをすべての敵から守って、安息を与える。さらに主はあなたに告げる。『主はあなたのために一つの家を造る。』
12 あなたの日数が満ち、あなたがあなたの先祖たちとともに眠るとき、わたしは、あなたの身から出る世継ぎの子を、あなたのあとに起こし、彼の王国を確立させる。
13 彼はわたしの名のために一つの家を建て、わたしはその王国の王座をとこしえまでも堅く立てる。
14 わたしは彼にとって父となり、彼はわたしにとって子となる。もし彼が罪を犯すときは、わたしは人の杖、人の子のむちをもって彼を懲らしめる。
15 しかし、わたしは、あなたの前からサウルを取り除いて、わたしの恵みをサウルから取り去ったが、わたしの恵みをそのように、彼から取り去ることはない。
16 あなたの家とあなたの王国とは、8わたしの前にとこしえまでも続き、あなたの王座はとこしえまでも堅く立つ。」
17 ナタンはこれらすべてのことばと、これらすべての幻とを、そのままダビデに告げた。
18 ダビデ王は行って主の前に座し、そして言った。「9神、主よ。私がいったい何者であり、私の家が何であるからというので、あなたはここまで私を導いてくださったのですか。
19 神、主よ。この私はあなたの御目には取るに足りない者でしたのに、あなたは、このしもべの家にも、はるか先のことまで告げてくださいました。神、主よ。これが人の定めでしょうか。
20 神、主よ。このダビデは、このうえ、あなたに何をつけ加えて申し上げることができましょう。あなたはこのしもべをよくご存じです。
21 あなたは、ご自分の約束のために、あなたのみこころのままに、この大いなることのすべてを行い、このしもべにそれを知らせてくださいました。
22 それゆえ、神、主よ。あなたは大いなる方です。私たちの耳に入るすべてについて、あなたのような方はほかになく、あなたのほかに神はありません。
23 また、地上のどの国民があなたの民のよう、イスラエルのようでしょう。神ご自身が来られて、この民を贖い、これをご自身の民とし、これにご自身の名を置かれました。あなたは、ご自身の国のために、あなたの民の前で、大いなる恐るべきことを行い、この民をあなたのためにエジプトから、そして国々とその神々から贖ってくださいました。
24 こうして、あなたの民イスラエルをとこしえまでもあなたの民として立てられました。主よ。あなたは彼らの神となられました。
25 どうか、神、主よ。あなたが、このしもべとその家について約束されたことを、とこしえまでも守り、あなたの約束どおりに行ってください。
26 あなたの御名がとこしえまでもあがめられ、『万軍の主はイスラエルの神』と言われますように。あなたのしもべダビデの家が御前に堅く立つことができますように。
27 イスラエルの神、万軍の主よ。あなたは、このしもべの耳にはっきり、『わたしが、あなたのために家を建てる』と言われました。それゆえ、このしもべは、この祈りをあなたに祈る勇気を得たのです。
28 今、神、主よ。あなたこそ神であられます。あなたのおことばはまことです。あなたは、このしもべに、この良いことを約束してくださいました。
29 今、どうぞあなたのしもべの家を祝福して、とこしえに御前に続くようにしてください。神、主よ。あなたが、約束されました。あなたの祝福によって、あなたのしもべの家はとこしえに祝福されるのです。」
1 その後、ダビデはペリシテ人を打って、これを屈服させた。ダビデは10メテグ・ハアマをペリシテ人の手から奪った。
2 彼はモアブを打ったとき、彼らを地面に伏させて、なわで彼らを測った。なわ二本を伸ばして測った者を殺し、なわ一本を伸ばして測った者を生かしておいた。こうしてモアブはダビデのしもべとなり、みつぎものを納める者となった。
3 ダビデは、ツォバの王レホブの子ハダデエゼルが、ユーフラテス川流域にその勢力を回復しようと出て来たとき、彼を打った。
4 ダビデは、彼から騎兵千七百、歩兵二万を取った。ダビデは、その戦車全部の馬の足の筋を切った。ただし、戦車の馬百頭を残した。
5 ダマスコのアラムがツォバの王ハダデエゼルを助けに来たが、ダビデはアラムの二万二千人を打った。
6 ダビデはダマスコのアラムに守備隊を置いた。アラムはダビデのしもべとなり、みつぎものを納める者となった。こうして主は、ダビデの行く先々で、彼に勝利を与えられた。
7 ダビデはハダデエゼルの家来たちの持っていた金の丸い小盾を奪い取り、エルサレムに持ち帰った。
8 ダビデ王は、ハダデエゼルの町ベタフと11ベロタイから、非常に多くの青銅を奪い取った。
9 ハマテの王12トイは、ダビデがハダデエゼルの全軍勢を打ち破ったことを聞いた。
10 そこでトイは、その子13ヨラムをダビデ王のもとにやって、安否を尋ねさせ、ダビデがハダデエゼルと戦ってこれを打ち破ったことについて、祝福のことばを述べさせた。ハダデエゼルがトイに戦いをいどんでいたからである。ヨラムは銀の器、金の器、青銅の器を手にして来た。
11 ダビデ王は、それをもまた、彼の征服したすべての国々から取って聖別する銀や金とともに主に聖別してささげた。
12 それらは、アラム、モアブ、アモン人、ペリシテ人、アマレクから取った物、およびツォバの王レホブの子ハダデエゼルからの分捕り物であった。
13 ダビデが塩の谷で14エドム人一万八千を打ち殺して帰って来たとき、彼は名をあげた。
14 彼はエドムに守備隊を、すなわち、エドム全土に守備隊を置いた。こうして、エドムの全部がダビデのしもべとなった。このように主は、ダビデの行く先々で、彼に勝利を与えられた。
15 ダビデはイスラエルの全部を治め、その民のすべての者に正しいさばきを行った。
16 ツェルヤの子ヨアブは軍団長、アヒルデの子ヨシャパテは参議、
17 アヒトブの子ツァドクとエブヤタルの子15アヒメレクは祭司、セラヤは書記、
18 エホヤダの子ベナヤはケレテ人とペレテ人の16上に立つ者、ダビデの子らは祭司であった。
1 ダビデが言った。「サウルの家の者で、まだ生き残っている者はいないか。私はヨナタンのために、その者に恵みを施したい。」
2 サウルの家にツィバという名のしもべがいた。彼がダビデのところに召し出されたとき、王は彼に尋ねた。「あなたがツィバか。」すると彼は答えた。「はい、このしもべです。」
3 王は言った。「サウルの家の者で、まだ、だれかいないのか。私はその者に神の恵みを施したい。」ツィバは王に言った。「まだ、ヨナタンの子で足の不自由な方がおられます。」
4 王は彼に言った。「彼は、どこにいるのか。」ツィバは王に言った。「今、ロ・デバルのアミエルの子マキルの家におられます。」
5 そこでダビデ王は人をやり、ロ・デバルのアミエルの子マキルの家から彼を連れて来させた。
6 サウルの子ヨナタンの子メフィボシェテは、ダビデのところに来て、ひれ伏して礼をした。ダビデは言った。「メフィボシェテか。」彼は答えた。「はい、このしもべです。」
7 ダビデは言った。「恐れることはない。私は、あなたの父ヨナタンのために、あなたに恵みを施したい。あなたの祖父サウルの地所を全部あなたに返そう。あなたはいつも私の食卓で食事をしてよい。」
8 彼は礼をして言った。「このしもべが何者だというので、あなたは、この死んだ犬のような私を顧みてくださるのですか。」
9 そこで王はサウルのしもべツィバを呼び寄せて言った。「サウルと、その一家の所有になっていた物をみな、私はあなたの主人の子に与えた。
10 あなたも、あなたの息子たちも、あなたの召使いたちも、彼のために地を耕して、作物を得たなら、それはあなたの主人の子のパン、また食物となる。あなたの主人の子メフィボシェテは、私の食卓で、いつも食事をすることになる。」ツィバには十五人の息子と二十人の召使いがあった。
11 ツィバは王に言った。「17王さま。あなたが、このしもべに申しつけられたとおりに、このしもべはいたします。」こうして、メフィボシェテは王の息子たちのひとりのように、王の食卓で食事をすることになった。
12 メフィボシェテにはミカという名の小さな子どもがいた。ツィバの家に住む者はみな、メフィボシェテのしもべとなった。
13 メフィボシェテはエルサレムに住み、いつも王の食卓で食事をした。彼は両足が共になえていた。
1 この後、アモン人の王が死に、その子ハヌンが代わって王となった。
2 ダビデは、「ナハシュの子ハヌンに真実を尽くそう。彼の父が私に真実を尽くしてくれたように」と考えた。そこで、ダビデは家来を派遣して、彼の父の悔やみを言わせた。ダビデの家来たちがアモン人の地に来たとき、
3 アモン人のつかさたちは、彼らの主君ハヌンに言った。「ダビデがあなたのもとに悔やみの使者をよこしたからといって、彼が父君を敬っているとでもお考えですか。この町を調べ、探り、くつがえすために、ダビデはあなたのところに家来をよこしたのではありませんか。」
4 そこでハヌンはダビデの家来たちを捕らえ、彼らのひげを半分そり落とし、その衣を半分に切って尻のあたりまでにし、彼らを送り返した。
5 ダビデにこのことが知らされたので、彼は彼らを迎えに人をやった。この人たちが非常に恥じていたからである。王は言った。「あなたがたのひげが伸びるまで、エリコにとどまり、それから帰りなさい。」
6 アモン人は、自分たちがダビデに憎まれるようになったのを見て取った。そこでアモン人は使いをやって、ベテ・レホブのアラムとツォバのアラムの歩兵二万、マアカの王の兵士一千、トブの兵士一万二千を雇った。
7 ダビデはこれを聞き、ヨアブと勇士たちの全軍を送った。
8 アモン人は出て、門の入口に戦いの備えをした。ツォバとレホブのアラムおよびトブとマアカの人たちは、別に野にいた。
9 ヨアブは、彼の前とうしろに戦いの前面があるのを見て、イスラエルの精鋭全員からさらに兵を選び、アラムに立ち向かう陣ぞなえをし、
10民の残りの者は彼の兄弟18アブシャイの手に託して、アモン人に立ち向かう陣ぞなえをした。
11 ヨアブは言った。「もし、アラムが私より強ければ、おまえが私を救ってくれ。もし、アモン人がおまえより強かったら、私がおまえを救いに行こう。
12 強くあれ。われわれの民のため、われわれの神の町々のために全力を尽くそう。主はみこころにかなうことをされる。」
13 ヨアブと彼の部下の兵士たちがアラムと戦おうとして近づいたとき、アラムは彼の前から逃げた。
14 アモン人はアラムが逃げるのを見て、19アビシャイの前から逃げて、町に入り込んだ。そこでヨアブはアモン人を打つのをやめて、エルサレムに帰った。
15 アラムは、自分たちがイスラエルに打ち負かされたのを見て団結した。
16 ハダデエゼルは使いを送り、川向こうのアラムを連れ出したので、彼らはヘラムに来た。ハダデエゼルの将軍20ショバクが彼らを率いていた。
17 このことがダビデに報告された。すると、彼は全イスラエルを集結し、ヨルダン川を渡って、ヘラムへ行った。アラムはダビデに立ち向かう陣ぞなえをして、彼と戦った。
18 アラムがイスラエルの前から逃げたので、ダビデはアラムの戦車兵七百と騎兵四万をほふり、将軍ショバクを打って、その場で殺した。
19 ハダデエゼルに仕えていた王たちはみな、自分たちがイスラエルに打ち負かされたのを見て、イスラエルと和を講じ、彼らのしもべとなった。アラムは恐れて、それからはもう、アモン人を救おうとはしなかった。
1 年が改まり、王たちが出陣するころ、ダビデは、ヨアブと自分の家来たちとイスラエルの全軍とを戦いに出した。彼らはアモン人を滅ぼし、ラバを包囲した。しかしダビデはエルサレムにとどまっていた。
2 ある夕暮れ時、ダビデは床から起き上がり、王宮の屋上を歩いていると、ひとりの女が、からだを洗っているのが屋上から見えた。その女は非常に美しかった。
3 ダビデは人をやって、その女について調べたところ、「あれはヘテ人ウリヤの妻で、エリアムの娘バテ・シェバではありませんか」との報告を受けた。
4 ダビデは使いの者をやって、その女を召し入れた。女が彼のところに来たので、彼はその女と寝た。──その女は月のものの汚れをきよめていた──それから女は自分の家へ帰った。
5 女はみごもったので、ダビデに人をやって、告げて言った。「私はみごもりました。」
6 ダビデはヨアブのところに人をやって、「ヘテ人ウリヤを私のところに送れ」と言わせた。それでヨアブはウリヤをダビデのところに送った。
7 ウリヤが彼のところに入って来ると、ダビデは、ヨアブは無事でいるか、兵士たちも変わりないか、戦いもうまくいっているか、と尋ねた。
8 それからダビデはウリヤに言った。「家に帰って、あなたの足を洗いなさい。」ウリヤが王宮から出て行くと、王からの贈り物が彼のあとに続いた。
9 しかしウリヤは、王宮の門のあたりで、自分の主君の家来たちみなといっしょに眠り、自分の家には帰らなかった。
10 ダビデは、ウリヤが自分の家には帰らなかった、という知らせを聞いて、ウリヤに言った。「あなたは遠征して来たのではないか。なぜ、自分の家に帰らなかったのか。」
11 ウリヤはダビデに言った。「神の箱も、イスラエルも、ユダも仮庵に住み、私の主人ヨアブも、私の主人の家来たちも戦場で野営しています。それなのに、私だけが家に帰り、飲み食いして、妻と寝ることができましょうか。あなたの前に、あなたのたましいの前に誓います。私は決してそのようなことをいたしません。」
12 ダビデはウリヤに言った。「では、きょうもここにとどまるがよい。あすになったらあなたを送り出そう。」それでウリヤはその日と翌日エルサレムにとどまることになった。
13 ダビデは彼を招いて、自分の前で食べたり飲んだりさせ、彼を酔わせた。夕方、ウリヤは出て行って、自分の主君の家来たちといっしょに自分の寝床で寝た。そして自分の家には行かなかった。
14 朝になって、ダビデはヨアブに手紙を書き、ウリヤに持たせた。
15 その手紙にはこう書かれてあった。「ウリヤを激戦の真っ正面に出し、彼を残してあなたがたは退き、彼が打たれて死ぬようにせよ。」
16 ヨアブは町を見張っていたので、その町の力ある者たちがいると知っていた場所に、ウリヤを配置した。
17 その町の者が出て来てヨアブと戦ったとき、民のうちダビデの家来たちが倒れ、ヘテ人ウリヤも戦死した。
18 そこでヨアブは、使いを送って戦いの一部始終をダビデに報告するとき、
19 使者に命じて言った。「戦いの一部始終を王に報告し終わったとき、
20 もし王が怒りを発して、おまえに『なぜ、あなたがたはそんなに町に近づいて戦ったのか。城壁の上から彼らが射かけてくるのを知らなかったのか。
21 エルベシェテの子アビメレクを打ち殺したのはだれであったか。ひとりの女が城壁の上からひき臼の上石を投げつけて、テベツで彼を殺したのではなかったか。なぜ、そんなに城壁に近づいたのか』と言われたら、『あなたの家来、ヘテ人ウリヤも死にました』と言いなさい。」
22 こうして使者は出かけ、ダビデのところに来て、ヨアブの伝言をすべて伝えた。
23 使者はダビデに言った。「21敵は私たちより優勢で、私たちに向かって野に出て来ましたが、私たちは門の入口まで彼らを攻めて行きました。
24 すると城壁の上から射手たちが、あなたの家来たちに矢を射かけ、王の家来たちが死に、あなたの家来、ヘテ人ウリヤも死にました。」
25 ダビデは使者に言った。「あなたはヨアブにこう言わなければならない。『このことで心配するな。剣はこちらの者も、あちらの者も滅ぼすものだ。あなたは町をいっそう激しく攻撃して、それを全滅せよ。』あなたは、彼を力づけなさい。」
26 ウリヤの妻は、夫ウリヤが死んだことを聞いて、夫のためにいたみ悲しんだ。
27喪が明けると、ダビデは人をやり、彼女を自分の家に迎え入れた。彼女は彼の妻となり、男の子を産んだ。しかし、ダビデの行ったことは主のみこころをそこなった。
1主がナタンをダビデのところに遣わされたので、彼はダビデのところに来て言った。「ある町にふたりの人がいました。ひとりは富んでいる人、ひとりは貧しい人でした。
2富んでいる人には、非常に多くの羊と牛の群れがいますが、
3貧しい人は、自分で買って来て育てた一頭の小さな雌の子羊のほかは、何も持っていませんでした。子羊は彼とその子どもたちといっしょに暮らし、彼と同じ食物を食べ、同じ杯から飲み、彼のふところでやすみ、まるで彼の娘のようでした。
4 あるとき、富んでいる人のところにひとりの旅人が来ました。彼は自分のところに来た旅人のために自分の羊や牛の群れから取って調理するのを惜しみ、貧しい人の雌の子羊を取り上げて、自分のところに来た人のために調理しました。」
5 すると、ダビデは、その男に対して激しい怒りを燃やし、ナタンに言った。「主は生きておられる。そんなことをした男は死刑だ。
6 その男は、あわれみの心もなく、そんなことをしたのだから、その雌の子羊を四倍にして償わなければならない。」
7 ナタンはダビデに言った。「あなたがその男です。イスラエルの神、主はこう仰せられる。『わたしはあなたに油をそそいで、イスラエルの王とし、サウルの手からあなたを救い出した。
8 さらに、あなたの主人の家を与え、あなたの主人の妻たちをあなたのふところに渡し、イスラエルとユダの家も与えた。それでも少ないというのなら、わたしはあなたにもっと多くのものを増し加えたであろう。
9 それなのに、どうしてあなたは主のことばをさげすみ、わたしの目の前に悪を行ったのか。あなたはヘテ人ウリヤを剣で打ち、その妻を自分の妻にした。あなたが彼をアモン人の剣で切り殺したのだ。
10 今や剣は、いつまでもあなたの家から離れない。あなたがわたしをさげすみ、ヘテ人ウリヤの妻を取り、自分の妻にしたからである。』
11主はこう仰せられる。『聞け。わたしはあなたの家の中から、あなたの上にわざわいを引き起こす。あなたの妻たちをあなたの目の前で取り上げ、あなたの友に与えよう。その人は、白昼公然と、あなたの妻たちと寝るようになる。
12 あなたは隠れて、それをしたが、わたしはイスラエル全部の前で、太陽の前で、このことを行おう。』」
13 ダビデはナタンに言った。「私は主に対して罪を犯した。」ナタンはダビデに言った。「主もまた、あなたの罪を見過ごしてくださった。あなたは死なない。
14 しかし、あなたはこのことによって、主の敵に大いに侮りの心を起こさせたので、あなたに生まれる子は必ず死ぬ。」
15 こうしてナタンは自分の家へ戻った。
主は、ウリヤの妻がダビデに産んだ子を打たれたので、その子は病気になった。
16 ダビデはその子のために神に願い求め、断食をして、引きこもり、一晩中、地に伏していた。
17 彼の家の長老たちは彼のそばに立って、彼を地から起こそうとしたが、ダビデは起きようともせず、彼らといっしょに食事を取ろうともしなかった。
18 七日目に子どもは死んだが、ダビデの家来たちは、その子が死んだことをダビデに告げるのを恐れた。「王はあの子が生きている時、われわれが話しても、言うことを聞かなかった。どうしてあの子が死んだことを王に言えようか。王は何か悪い事をされるかもしれない」と彼らが思ったからである。
19 しかしダビデは、家来たちがひそひそ話し合っているのを見て、子どもが死んだことを悟った。それでダビデは家来たちに言った。「子どもは死んだのか。」彼らは言った。「なくなられました。」
20 するとダビデは地から起き上がり、からだを洗って身に油を塗り、着物を着替えて、主の宮に入り、礼拝をしてから、自分の家へ帰った。そして食事の用意をさせて、食事をとった。
21 すると家来たちが彼に言った。「あなたのなさったこのことは、いったいどういうことですか。お子さまが生きておられる時は断食をして泣かれたのに、お子さまがなくなられると、起き上がり、食事をなさるとは。」
22 ダビデは言った。「子どもがまだ生きている時に私が断食をして泣いたのは、もしかすると、主が私をあわれみ、子どもが生きるかもしれない、と思ったからだ。
23 しかし今、子どもは死んでしまった。私はなぜ、断食をしなければならないのか。あの子をもう一度、呼び戻せるであろうか。私はあの子のところに行くだろうが、あの子は私のところに戻っては来ない。」
24 ダビデは妻バテ・シェバを慰め、彼女のところに入り、彼女と寝た。彼女が男の子を産んだとき、彼はその名をソロモンと名づけた。主はその子を愛されたので、
25預言者ナタンを遣わして、主のために、その名を22エディデヤと名づけさせた。
26 さて、ヨアブはアモン人のラバと戦い、この王の町を攻め取った。
27 ヨアブはダビデに使者を送って言った。「私はラバと戦って、水の町を攻め取りました。
28 しかし今、民の残りの者たちを集めて、この町に対して陣を敷き、あなたがこれを攻め取ってください。私がこの町を取り、この町に私の名がつけられるといけませんから。」
29 そこでダビデは民のすべてを集めて、ラバに進んで行き、これと戦って、攻め取った。
30 彼は23彼らの王の冠をその頭から取った。その重さは金一タラントで、宝石がはめ込まれていた。その冠はダビデの頭に置かれた。彼はまた、その町から非常に多くの分捕り物を持ってきた。
31 彼はその町の人々を連れてきて、石のこぎりや、鉄のつるはし、鉄の斧を使う仕事につかせ、れんが作りの仕事をさせた。ダビデはアモン人のすべての町々に対して、このようにした。こうして、ダビデと民のすべてはエルサレムに帰った。
1 その後のことである。ダビデの子アブシャロムに、タマルという名の美しい妹がいたが、ダビデの子アムノンは彼女を恋していた。
2 アムノンは、妹タマルのために、苦しんで、わずらうようになった。というのは、彼女が処女であって、アムノンには、彼女に何かするということはとてもできないと思われたからである。
3 アムノンには、ダビデの兄弟24シムアの子でヨナダブという名の友人がいた。ヨナダブは非常に悪賢い男であった。
4 彼はアムノンに言った。「王子さま。あなたは、なぜ、朝ごとにやつれていくのか、そのわけを話してくれませんか。」アムノンは彼に言った。「私は、兄弟アブシャロムの妹タマルを愛している。」
5 ヨナダブは彼に言った。「あなたは床に伏せて、仮病を使いなさい。あなたの父君が見舞いに来られたら、こう言いなさい。『どうか、妹のタマルをよこして、私に食事をさせ、私に見えるように、この目の前で病人食を作らせてください。タマルの手から、それを食べたいのです。』」
6 そこでアムノンは床につき、仮病を使った。王が見舞いに来ると、アムノンは王に言った。「どうか、妹のタマルをよこし、目の前で二つの25甘いパンを作らせてください。私は彼女の手から食べたいのです。」
7 そこでダビデは、タマルの家に人をやって言った。「兄さんのアムノンの家に行って、病人食を作ってあげなさい。」
8 それでタマルが兄アムノンの家に行ったところ、彼は床についていた。彼女は粉を取って、それをこね、彼の目の前で甘いパンを作って、それを焼いた。
9 彼女は平なべを取り、彼の前に甘いパンを出したが、彼は食べようとしなかった。アムノンが、「みな、ここから出て行け」と言ったので、みなアムノンのところから出て行った。
10 アムノンはタマルに言った。「食事を寝室に持って来ておくれ。私はおまえの手からそれを食べたい。」タマルは自分が作った甘いパンを兄のアムノンの寝室に持って行った。
11 彼女が食べさせようとして、彼に近づくと、彼は彼女をつかまえて言った。「妹よ。さあ、私と寝ておくれ。」
12 彼女は言った。「いけません。兄上。乱暴してはいけません。イスラエルでは、こんなことはしません。こんな愚かなことをしないでください。
13 私は、このそしりをどこに持って行けましょう。あなたもイスラエルで、愚か者のようになるのです。今、王に話してください。きっと王が私をあなたに会わせてくださいます。」
14 しかし、アムノンは彼女の言うことを聞こうとはせず、力ずくで、彼女をはずかしめて、これと寝た。
15 ところがアムノンは、ひどい憎しみにかられて、彼女をきらった。その憎しみは、彼がいだいた恋よりもひどかった。アムノンは彼女に言った。「さあ、出て行け。」
16 彼女は言った。「それはなりません。私を追い出すなど、あなたが私にしたあのことより、なおいっそう、悪いことです。」しかし、彼は彼女の言うことを聞こうともせず、
17召使いの若い者を呼んで言った。「この女をここから外に追い出して、戸をしめてくれ。」
18 彼女は、そでつきの長服を着ていた。昔、処女である王女たちはそのような着物を着ていたからである。召使いは彼女を外に追い出して、戸をしめてしまった。
19 タマルは頭に灰をかぶり、着ていたそでつきの長服を裂き、手を頭に置いて、歩きながら声をあげて泣いていた。
20 彼女の兄アブシャロムは彼女に言った。「おまえの兄26アムノンが、おまえといっしょにいたのか。だが妹よ。今は黙っていなさい。あれはおまえの兄なのだ。あのことで心配しなくてもよい。」それでタマルは、兄アブシャロムの家で、ひとりわびしく暮らしていた。
21 ダビデ王は、事の一部始終を聞いて激しく怒った。
22 アブシャロムは、アムノンにこのことが良いとも悪いとも何も言わなかった。アブシャロムは、アムノンが妹タマルをはずかしめたことで、彼を憎んでいたからである。
23 それから満二年たって、アブシャロムがエフライムの近くのバアル・ハツォルで羊の毛の刈り取りの祝いをしたとき、アブシャロムは王の息子たち全部を招くことにした。
24 アブシャロムは王のもとに行って言った。「このたび、このしもべが羊の毛の刈り取りの祝いをすることになりました。どうか、王も、あなたの家来たちも、このしもべといっしょにおいでください。」
25 すると王はアブシャロムに言った。「いや、わが子よ。われわれ全部が行くのは良くない。あなたの重荷になってはいけないから。」アブシャロムは、しきりに勧めたが、ダビデは行きたがらず、ただ彼に祝福を与えた。
26 それでアブシャロムは言った。「それなら、どうか、私の兄弟アムノンを私どもといっしょに行かせてください。」王は彼に言った。「なぜ、彼があなたといっしょに行かなければならないのか。」
27 しかし、アブシャロムが、しきりに勧めたので、王はアムノンと王の息子たち全部を彼といっしょに行かせた。
28 アブシャロムは自分に仕える若い者たちに命じて言った。「よく注意して、アムノンが酔って上きげんになったとき、私が『アムノンを打て』と言ったら、彼を殺せ。恐れてはならない。この私が命じるのではないか。強くあれ。力ある者となれ。」
29 アブシャロムの若い者たちが、アブシャロムの命じたとおりにアムノンにしたので、王の息子たちはみな立ち上がって、おのおの自分の騾馬に乗って逃げた。
30 彼らがまだ道の途中にいたとき、ダビデのところに次のような知らせが着いた。「アブシャロムは王の子たちを全部殺しました。残された方はひとりもありません。」
31 そこで王は立ち上がり、着物を裂き、地に伏した。かたわらに立っていた家来たちもみな、着物を裂いた。
32 しかしダビデの兄弟シムアの子ヨナダブは、証言をして言った。「27王さま。彼らが王の子である若者たちを全部殺したとお思いなさいませんように。アムノンだけが死んだのです。それはアブシャロムの命令によるので、アムノンが妹のタマルをはずかしめた日から、胸に持っていたことです。
33 今、28王さま。王子たち全部が殺された、という知らせを心に留めないでください。アムノンだけが死んだのです。」
34 一方、アブシャロムは逃げた。見張りの若者が目を上げて見ると、見よ、彼のうしろの山沿いの道から大ぜいの人々がやって来るところであった。
35 ヨナダブは王に言った。「ご覧ください。王子たちが来られます。このしもべが申し上げたとおりになりました。」
36 彼が語り終えたとき、そこに王子たちが来て、声をあげて泣いた。王もその家来たちもみな、非常に激しく泣いた。
37 アブシャロムは、ゲシュルの王アミフデの子タルマイのところに逃げた。ダビデは、いつまでもアムノンの死を嘆き悲しんでいた。
38 アブシャロムは、ゲシュルに逃げて行き、三年の間そこにいた。
39 ダビデ王はアブシャロムに会いに出ることはやめた。アムノンが死んだので、アムノンのために悔やんでいたからである。
1 ツェルヤの子ヨアブは、王がアブシャロムに敵意をいだいているのに気づいた。
2 ヨアブはテコアに人をやって、そこからひとりの知恵のある女を連れて来て、彼女に言った。「あなたは喪に服している者を装い、喪服を着て、身に油も塗らず、死んだ人のために長い間、喪に服している女のようになって、
3 王のもとに行き、王にこのように話してくれまいか。」こうしてヨアブは彼女の口にことばを授けた。
4 テコアの女は、王に話したとき、地にひれ伏し、礼をして言った。「お救いください。王さま。」
5 それで、王は彼女に言った。「いったい、どうしたのか。」彼女は答えた。「実は、この私は、やもめで、私の夫はなくなりました。
6 このはしためには、ふたりの息子がありましたが、ふたりが野原でけんかをして、だれもふたりを仲裁する者がいなかったので、ひとりが相手を打ち殺してしまいました。
7 そのうえ、親族全体がこのはしために詰め寄って、『兄弟を打った者を引き渡せ。あれが殺した兄弟のいのちのために、あれを殺し、この家の世継ぎをも根絶やしにしよう』と申します。あの人たちは残された私の一つの火種を消して、私の夫の名だけではなく、残りの者までも、この地上に残さないようにするのです。」
8 王は女に言った。「家に帰りなさい。あなたのことで命令を出そう。」
9 テコアの女は王に言った。「29王さま。刑罰は私と私の父の家に下り、王さまと王位には罪がありませんように。」
10 王は言った。「あなたに文句を言う者がいるなら、その者を、私のところに連れて来なさい。そうすれば、もう二度とあなたを煩わすことはなくなる。」
11 そこで彼女は言った。「どうか王さま。あなたの神、主に心を留め、血の復讐をする者が殺すことをくり返さず、私の息子を根絶やしにしないようにしてください。」王は言った。「主は生きておられる。あなたの息子の髪の毛一本も決して地に落ちることはない。」
12 するとその女は言った。「このはしために、一言、王さまに申し上げさせてください。」王は言った。「言いなさい。」
13 女は言った。「あなたはどうして、このような神の民に逆らうようなことを、計られたのですか。王は、先のようなことを語られて、ご自分を罪ある者とされています。王は追放された者を戻しておられません。
14 私たちは、必ず死ぬ者です。私たちは地面にこぼれて、もう集めることのできない水のようなものです。神は死んだ者をよみがえらせてはくださいません。どうか追放されている者を追放されたままにしておかないように、ご計画をお立てください。
15 今、私が、このことを王さまにお話しにまいりましたのも、人々が私をおどしたからです。それで、このはしためは、こう思いました。『王さまにお話ししてみよう。王さまは、このはしための願いをかなえてくださるかもしれない。
16 王さまは聞き入れて、私と私の子を神のゆずりの地から根絶やしにしようとする者の手から、このはしためをきっと助け出してくださるでしょうから。』
17 それで、このはしためは、『王さまのことばは私の慰めとなろう』と思いました。王さまは、神の使いのように、善と悪とを聞き分けられるからです。あなたの神、主が、あなたとともにおられますように。」
18 すると、王はこの女に答えて言った。「私が尋ねることを、私に隠さず言ってくれ。」女は言った。「王さま。どうぞおっしゃってください。」
19 王は言った。「これは全部、ヨアブの指図によるのであろう。」女は答えて言った。「王さま。あなたのたましいは生きておられます。王さまが言われることから、だれも右にも左にもそれることはできません。確かにあなたの家来ヨアブが私に命じ、あの方がこのはしための口に、これらすべてのことばを授けたのです。
20 あなたの家来ヨアブは、事の成り行きを変えるために、このことをしたのです。30あなたさまは、神の使いの知恵のような知恵があり、この地上のすべての事をご存じですから。」
21 それで、王はヨアブに言った。「よろしい。その願いを聞き入れた。行って、若者アブシャロムを連れ戻しなさい。」
22 ヨアブは地にひれ伏して、礼をし、王に祝福のことばを述べて言った。「きょう、このしもべは、私があなたのご好意にあずかっていることがわかりました。王さま。王さまはこのしもべの願いを聞き入れてくださったからです。」
23 そこでヨアブはすぐゲシュルに出かけて行き、アブシャロムをエルサレムに連れて来た。
24 王は言った。「あれは自分の家に引きこもっていなければならない。私の顔を見ることはならぬ。」それでアブシャロムは家に引きこもり、王の顔を見なかった。
25 さて、イスラエルのどこにも、アブシャロムほど、その美しさをほめはやされた者はいなかった。足の裏から頭の頂まで彼には非の打ちどころがなかった。
26 彼が頭を刈るとき、──毎年、年の終わりには、それが重いので刈っていた──その髪の毛を量ると、王の31はかりで二百シェケルもあった。
27 アブシャロムに、三人の息子と、ひとりの娘が生まれた。その娘の名はタマルといって非常に美しい娘であった。
28 アブシャロムは二年間エルサレムに住んでいたが、王には一度も会わなかった。
29 それで、アブシャロムは、ヨアブを王のところに遣わそうとして、ヨアブのもとに人をやったが、彼は来ようとしなかった。アブシャロムはもう一度、人をやったが、それでもヨアブは来ようとはしなかった。
30 アブシャロムは家来たちに言った。「見よ。ヨアブの畑は私の畑のそばにあり、そこには大麦が植えてある。行ってそれに火をつけよ。」アブシャロムの家来たちは畑に火をつけた。
31 するとヨアブはアブシャロムの家にやって来て、彼に言った。「なぜ、あなたの家来たちは、私の畑に火をつけたのですか。」
32 アブシャロムはヨアブに答えた。「私はあなたのところに人をやり、ここに来てくれ、と言わせたではないか。私はあなたを王のもとに遣わし、『なぜ、私をゲシュルから帰って来させたのですか。あそこにとどまっていたほうが、まだ、ましでしたのに』と言ってもらいたかったのだ。今、私は王の顔を拝したい。もし私に咎があるなら、王に殺されてもかまわない。」
33 それで、ヨアブは王のところに行き、王に告げたので、王はアブシャロムを呼び寄せた。アブシャロムは王のところに来て、王の前で地にひれ伏して礼をした。王はアブシャロムに口づけした。
1 その後、アブシャロムは自分のために戦車と馬、それに自分の前を走る者五十人を手に入れた。
2 アブシャロムはいつも、朝早く、門に通じる道のそばに立っていた。さばきのために王のところに来て訴えようとする者があると、アブシャロムは、そのひとりひとりを呼んで言っていた。「あなたはどこの町の者か。」その人が、「このしもべはイスラエルのこれこれの部族の者です」と答えると、
3 アブシャロムは彼に、「ご覧。あなたの訴えはよいし、正しい。だが、王の側にはあなたのことを聞いてくれる者はいない」と言い、
4 さらにアブシャロムは、「ああ、だれかが私をこの国のさばきつかさに立ててくれたら、訴えや申し立てのある人がみな、私のところに来て、私がその訴えを正しくさばくのだが」と言っていた。
5 人が彼に近づいて、あいさつしようとすると、彼は手を差し伸べて、その人を抱き、口づけをした。
6 アブシャロムは、さばきのために王のところに来るすべてのイスラエル人にこのようにした。こうしてアブシャロムはイスラエル人の心を盗んだ。
7 それから32四年たって、アブシャロムは王に言った。「私が主に立てた誓願を果たすために、どうか私をヘブロンへ行かせてください。
8 このしもべは、アラムのゲシュルにいたときに、『もし主が、私をほんとうにエルサレムに連れ帰ってくださるなら、私は主に仕えます』と言って誓願を立てたのです。」
9 王が、「元気で行って来なさい」と言ったので、彼は立って、ヘブロンへ行った。
10 そのとき、アブシャロムはイスラエルの全部族に、ひそかに使いを送って言った。「角笛の鳴るのを聞いたら、『アブシャロムがヘブロンで王になった』と言いなさい。」
11 アブシャロムは二百人の人々を連れてエルサレムを出て行った。その人たちはただ単に、招かれて行った者たちで、何も知らなかった。
12 アブシャロムは、いけにえをささげている間に、人をやって、ダビデの議官をしているギロ人アヒトフェルを、彼の町ギロから呼び寄せた。この謀反は根強く、アブシャロムにくみする民が多くなった。
13 ダビデのところに告げる者が来て、「イスラエル人の心はアブシャロムになびいています」と言った。
14 そこでダビデはエルサレムにいる自分の家来全部に言った。「さあ、逃げよう。そうでないと、アブシャロムからのがれる者はなくなるだろう。すぐ出発しよう。彼がすばやく追いついて、私たちに害を加え、剣の刃でこの町を打つといけないから。」
15 王の家来たちは王に言った。「私たち、あなたの家来どもは、33王さまの選ばれるままにいたします。」
16 こうして王は出て行き、家族のすべての者も王に従った。しかし王は、王宮の留守番に十人のそばめを残した。
17 王と、王に従うすべての民は、出て行って町はずれの家にとどまった。
18 王のすべての家来は、王のかたわらを進み、すべてのケレテ人と、すべてのペレテ人、それにガテから王について来た六百人のガテ人がみな、王の前を進んだ。
19 王はガテ人イタイに言った。「どうして、あなたもわれわれといっしょに行くのか。戻って、あの王のところにとどまりなさい。あなたは外国人で、それに、あなたは、自分の国からの亡命者なのだから。
20 あなたは、きのう来たばかりなのに、きょう、あなたをわれわれといっしょにさまよわせるに忍びない。私はこれから、あてどもなく旅を続けるのだから。あなたはあなたの同胞を連れて戻りなさい。恵みとまことが、あなたとともにあるように。」
21 イタイは王に答えて言った。「主の前に誓います。34王さまの前にも誓います。王さまがおられるところに、生きるためでも、死ぬためでも、しもべも必ず、そこにいます。」
22 ダビデはイタイに言った。「それでは来なさい。」こうしてガテ人イタイは、彼の部下全部と、いっしょにいた子どもたち全部とを連れて、進んだ。
23 この民がみな進んで行くとき、国中は大きな声をあげて泣いた。王はキデロン川を渡り、この民もみな、荒野のほうへ渡って行った。
24 ツァドクも、すべてのレビ人といっしょに、神の契約の箱をかついでいたが、神の箱をそこに降ろした。エブヤタルも来て、民が全部、町から出て行ってしまうまでいた。
25 王はツァドクに言った。「神の箱を町に戻しなさい。もし、私が主の恵みをいただくことができれば、主は、私を連れ戻し、神の箱とその住まいとを見せてくださろう。
26 もし主が、『あなたはわたしの心にかなわない』と言われるなら、どうか、この私に主が良いと思われることをしてくださるように。」
27 王は祭司ツァドクにまた言った。「先見者よ。あなたは安心して町に帰りなさい。あなたがたのふたりの子、あなたの子アヒマアツとエブヤタルの子ヨナタンも、あなたがたといっしょに。
28 よく覚えていてもらいたい。私は、あなたがたから知らせのことばが来るまで、荒野の草原で、しばらく待とう。」
29 そこで、ツァドクとエブヤタルは神の箱をエルサレムに持ち帰り、そこにとどまっていた。
30 ダビデはオリーブ山の坂を登った。彼は泣きながら登り、その頭をおおい、はだしで登った。彼といっしょにいた民もみな、頭をおおい、泣きながら登った。
31 ダビデは、「アヒトフェルがアブシャロムの謀反に荷担している」と35いう知らせを受けたが、そのとき、ダビデは言った。「主よ。どうかアヒトフェルの助言を愚かなものにしてください。」
32 ダビデが、神を礼拝する場所になっていた山の頂に来た、ちょうどその時、アルキ人フシャイが上着を裂き、頭に土をかぶってダビデに会いに来た。
33 ダビデは彼に言った。「もしあなたが、私といっしょに行くなら、あなたは私の重荷になる。
34 しかしもし、あなたが町に戻って、アブシャロムに、『王よ。私はあなたのしもべになります。これまであなたの父上のしもべであったように、今、私はあなたのしもべになります』と言うなら、あなたは、私のために、アヒトフェルの助言を打ちこわすことになる。
35 あそこには祭司のツァドクとエブヤタルも、あなたといっしょにいるではないか。あなたは王の家から聞くことは何でも、祭司のツァドクとエブヤタルに告げなければならない。
36 それにあそこには、彼らのふたりの息子、ツァドクの子アヒマアツとエブヤタルの子ヨナタンがいる。彼らをよこして、あなたがたが聞いたことを残らず私に伝えてくれ。」
37 それで、ダビデの友フシャイは町へ帰った。そのころ、アブシャロムもエルサレムに着いた。
1 ダビデは山の頂から少し下った。見ると、メフィボシェテのしもべツィバが王を迎えに来ていた。彼は、鞍を置いた一くびきのろばに、パン二百個、干しぶどう百ふさ、夏のくだもの百個、ぶどう酒一袋を載せていた。
2 王はツィバに尋ねた。「これらは何のためか。」ツィバは答えた。「二頭のろばは王の家族がお乗りになるため、パンと夏のくだものは若い者たちが食べるため、ぶどう酒は荒野で疲れた者が飲むためです。」
3 王は言った。「あなたの主人の息子はどこにいるか。」ツィバは王に言った。「今、エルサレムにおられます。あの人は、『きょう、イスラエルの家は、私の父の王国を私に返してくれる』と言っていました。」
4 すると王はツィバに言った。「メフィボシェテのものはみな、今、あなたのものだ。」ツィバが言った。「36王さま。あなたのご好意にあずかることができますように、伏してお願いいたします。」
5 ダビデ王がバフリムまで来ると、ちょうど、サウルの家の一族のひとりが、そこから出て来た。その名はシムイといってゲラの子で、盛んにのろいのことばを吐きながら出て来た。
6 そしてダビデとダビデ王のすべての家来たちに向かって石を投げつけた。民と勇士たちはみな、王の右左にいた。
7 シムイはのろってこう言った。
「出て行け、出て行け。
血まみれの男、37よこしまな者。
8 主がサウルの家のすべての血を
おまえに報いたのだ。
サウルに代わって王となったおまえに。
主はおまえの息子アブシャロムの手に
王位を渡した。
今、おまえはわざわいに会うのだ。
おまえは血まみれの男だから。」
9 すると、ツェルヤの子アビシャイが王に言った。「この死に犬めが、38王さまをのろってよいものですか。行って、あの首をはねさせてください。」
10 王は言った。「ツェルヤの子らよ。これは私のことで、あなたがたには、かかわりのないことだ。彼がのろうのは、主が彼に、『ダビデをのろえ』と言われたからだ。だれが彼に、『おまえはどうしてこういうことをするのだ』と言えようか。」
11 ダビデはアビシャイと彼のすべての家来たちに言った。「見よ。私の身から出た私の子さえ、私のいのちをねらっている。今、このベニヤミン人としては、なおさらのことだ。ほうっておきなさい。彼にのろわせなさい。主が彼に命じられたのだから。
12 たぶん、主は私の39心をご覧になり、主は、きょうの彼ののろいに代えて、私にしあわせを報いてくださるだろう。」
13 ダビデと彼の部下たちは道を進んで行った。シムイは、山の中腹をダビデと平行して歩きながら、のろったり、石を投げたり、ちりをかけたりしていた。
14 王も、王とともに行った民もみな、疲れたので、そこでひと息ついた。
15 アブシャロムとすべての民、イスラエル人はエルサレムに入った。アヒトフェルもいっしょであった。
16 ダビデの友アルキ人フシャイがアブシャロムのところに来たとき、フシャイはアブシャロムに言った。「王さま。ばんざい。王さま。ばんざい。」
17 アブシャロムはフシャイに言った。「これが、あなたの友への忠誠のあらわれなのか。なぜ、あなたは、あなたの友といっしょに行かなかったのか。」
18 フシャイはアブシャロムに答えた。「いいえ、主と、この民、イスラエルのすべての人々とが選んだ方に私はつき、その方といっしょにいたいのです。
19 また、私はだれに仕えるべきでしょう。私の友の子に仕えるべきではありませんか。私はあなたの父上に仕えたように、あなたにもお仕えいたします。」
20 それで、アブシャロムはアヒトフェルに言った。「あなたがたは相談して、われわれはどうしたらよいか、意見を述べなさい。」
21 アヒトフェルはアブシャロムに言った。「父上が王宮の留守番に残したそばめたちのところにお入りください。全イスラエルが、あなたは父上に憎まれるようなことをされたと聞くなら、あなたに、くみする者はみな、勇気を出すでしょう。」
22 こうしてアブシャロムのために屋上に天幕が張られ、アブシャロムは全イスラエルの目の前で、父のそばめたちのところに入った。
23 当時、アヒトフェルの進言する助言は、人が神のことばを伺って得ることばのようであった。アヒトフェルの助言はみな、ダビデにもアブシャロムにもそのように思われた。
1 アヒトフェルはさらにアブシャロムに言った。「私に一万二千人を選ばせてください。私は今夜、ダビデのあとを追って出発し、
2 彼を襲います。ダビデは疲れて気力を失っているでしょう。私が、彼を恐れさせれば、彼といっしょにいるすべての民は逃げましょう。私は王だけを打ち殺します。
3 私はすべての民をあなたのもとに連れ戻します。すべての者が帰って来るとき、あなたが求めているのはただひとりだけですから、民はみな、穏やかになるでしょう。」
4 このことばはアブシャロムとイスラエルの全長老の気に入った。
5 しかしアブシャロムは言った。「アルキ人フシャイを呼び出し、彼の言うことも聞いてみよう。」
6 フシャイがアブシャロムのところに来ると、アブシャロムは彼に次のように言った。「アヒトフェルはこのように言ったが、われわれは彼のことばに従ってよいものだろうか。もしいけなければ、あなたの意見を述べてみなさい。」
7 するとフシャイはアブシャロムに言った。「このたびアヒトフェルの立てたはかりごとは良くありません。」
8 フシャイはさらに言った。「あなたは父上とその部下が戦士であることをご存じです。しかも彼らは、野で子を奪われた雌熊のように気が荒くなっています。また、あなたの父上は戦いに慣れた方ですから、民といっしょには夜を過ごさないでしょう。
9 きっと今、ほら穴か、どこか、そんな所に隠れておられましょう。もし、民のある者が最初に倒れたら、それを聞く者は、『アブシャロムに従う民のうちに打たれた者が出た』と言うでしょう。
10 そうなると、たとい、獅子のような心を持つ力ある者でも、気がくじけます。全イスラエルは、あなたの父上が勇士であり、彼に従う者が力ある者であるのをよく知っています。
11 私のはかりごとはこうです。全イスラエルをダンからベエル・シェバに至るまで、海辺の砂のように数多くあなたのところに集めて、あなた自身が戦いに出られることです。
12 われわれは、彼を見つけしだい、その場で彼を攻め、露が地面に降りるように彼を襲い、彼や、共にいるすべての兵士たちを、ひとりも生かしておかないのです。
13 もし彼がさらにどこかの町に入るなら、全イスラエルでその町に綱をかけ、その町を川まで引きずって行って、そこに一つの石ころも残らないようにしましょう。」
14 アブシャロムとイスラエルの民はみな言った。「アルキ人フシャイのはかりごとは、アヒトフェルのはかりごとよりも良い。」これは主がアブシャロムにわざわいをもたらそうとして、主がアヒトフェルのすぐれたはかりごとを打ちこわそうと決めておられたからであった。
15 フシャイは祭司ツァドクとエブヤタルに言った。「アヒトフェルは、アブシャロムとイスラエルの長老たちにこれこれの助言をしたが、私は、これこれの助言をした。
16 今、急いで人をやり、ダビデに、『今夜は荒野の草原で夜を過ごしてはいけません。ほんとうに、ぜひ、あちらへ渡って行かなければなりません。でないと、王をはじめ、いっしょにいる民全部にわざわいが降りかかるでしょう』と告げなさい。」
17 ヨナタンとアヒマアツはエン・ロゲルにとどまっていたが、ひとりの女奴隷が行って彼らに告げ、彼らがダビデ王に告げに行くようになっていた。これは彼らが町に入るのを見られることのないためであった。
18 ところが、ひとりの若者が彼らを見て、アブシャロムに告げた。そこで彼らふたりは急いで去り、バフリムに住むある人の家に行った。その人の庭に井戸があったので、彼らはその中に降りた。
19 その人の妻は、おおいを持って来て、井戸の口の上に広げ、その上に麦をまき散らしたので、だれにも知られなかった。
20 アブシャロムの家来たちが、その女の家に来て言った。「アヒマアツとヨナタンはどこにいるのか。」女は彼らに答えた。「あの人たちは、ここを通り過ぎて川のほうへ行きました。」彼らは、捜したが見つけることができなかったので、エルサレムへ帰った。
21 彼らが去って後、ふたりは井戸から上がって来て、ダビデ王に知らせに行った。彼らはダビデに言った。「さあ、急いで川を渡ってください。アヒトフェルがあなたがたに対してこれこれのはかりごとを立てたからです。」
22 そこで、ダビデと、ダビデのもとにいたすべての者たちとは出発して、ヨルダン川を渡った。夜明けまでにヨルダン川を渡りきれなかった者はひとりもいなかった。
23 アヒトフェルは、自分のはかりごとが行われないのを見て、ろばに鞍を置き、自分の町の家に帰って行き、家を整理して、首をくくって死に、彼の父の墓に葬られた。
24 ダビデがマハナイムに着いたとき、アブシャロムは、彼とともにいるイスラエルのすべての人々とヨルダン川を渡った。
25 アブシャロムはアマサをヨアブの代わりに軍団長に任命していた。アマサは、ヨアブの母ツェルヤの妹ナハシュの娘40アビガルと結婚した41イシュマエル人イテラという人の息子であった。
26 こうして、イスラエルとアブシャロムはギルアデの地に陣を敷いた。
27 ダビデがマハナイムに来たとき、アモン人でラバの出のナハシュの子ショビと、ロ・デバルの出のアミエルの子マキルと、ログリムの出のギルアデ人バルジライとは、
28寝台、鉢、土器、小麦、大麦、小麦粉、炒り麦、そら豆、レンズ豆、炒り麦、
29蜂蜜、凝乳、羊、牛酪を、ダビデとその一行の食糧として持って来た。彼らは民が荒野で飢えて疲れ、渇いていると思ったからである。
1 ダビデは彼とともにいる民を調べて、彼らの上に千人隊の長、百人隊の長を任命した。
2 ダビデは民の三分の一をヨアブの指揮のもとに、三分の一をヨアブの兄弟ツェルヤの子アビシャイの指揮のもとに、三分の一をガテ人イタイの指揮のもとに配置した。王は民に言った。「私自身もあなたがたといっしょに出たい。」
3 すると民は言った。「あなたが出てはいけません。私たちがどんなに逃げても、彼らは私たちのことは何とも思わないでしょう。たとい私たちの半分が死んでも、彼らは私たちのことは心に留めないでしょう。しかし、42あなたは私たちの一万人に当たります。今、あなたは町にいて私たちを助けてくださるほうが良いのです。」
4 王は彼らに言った。「あなたがたが良いと思うことを、私はしよう。」王は門のそばに立ち、すべての民は、百人、千人ごとに出て行った。
5 王はヨアブ、アビシャイ、イタイに命じて言った。「私に免じて、若者アブシャロムをゆるやかに扱ってくれ。」民はみな、王が隊長たち全部にアブシャロムのことについて命じているのを聞いていた。
6 こうして、民はイスラエルを迎え撃つために戦場へ出て行った。戦いはエフライムの森で行われた。
7 イスラエルの民はそこでダビデの家来たちに打ち負かされ、その日、その場所で多くの打たれた者が出、二万人が倒れた。
8 戦いはこの地一帯に散り広がり、この日、剣で倒された者よりも、密林で行き倒れになった者のほうが多かった。
9 アブシャロムはダビデの家来たちに出会った。アブシャロムは騾馬に乗っていたが、騾馬が大きな樫の木の茂った枝の下を通ったとき、アブシャロムの頭が樫の木に引っ掛かり、彼は43宙づりになった。彼が乗っていた騾馬はそのまま行った。
10 ひとりの男がそれを見て、ヨアブに告げて言った。「今、アブシャロムが樫の木に引っ掛かっているのを見て来ました。」
11 ヨアブはこれを告げた者に言った。「いったい、おまえはそれを見ていて、なぜその場で地に打ち落とさなかったのか。私がおまえに銀十枚と帯一本を与えたのに。」
12 その男はヨアブに言った。「たとい、私の手に銀千枚をいただいても、王のお子さまに手は下せません。王は私たちの聞いているところで、あなたとアビシャイとイタイとに、『若者アブシャロムに手を出すな』と言って、お命じになっているからです。
13 もし、私が自分のいのちをかけて、命令にそむいていたとしても、王には、何も隠すことはできません。そのとき、あなたは知らぬ顔をなさるでしょう。」
14 ヨアブは、「こうしておまえとぐずぐずしてはおられない」と言って、手に三本の44槍を取り、まだ樫の木の真ん中に引っ掛かったまま生きていたアブシャロムの心臓を突き通した。
15 ヨアブの道具持ちの十人の若者たちも、アブシャロムを取り巻いて彼を打ち殺した。
16 ヨアブが角笛を吹き鳴らすと、民はイスラエルを追うのをやめて帰って来た。ヨアブが民を引き止めたからである。
17 人々はアブシャロムを取り降ろし、森の中の深い穴に投げ込み、その上に非常に大きな石くれの山を積み上げた。イスラエルはみな、おのおの自分の天幕に逃げ帰っていた。
18 アブシャロムは存命中、王の谷に自分のために一本の柱を立てていた。「私の名を覚えてくれる息子が私にはいないから」と考えていたからである。彼はその柱に自分の名をつけていた。それは、アブシャロムの記念碑と呼ばれた。今日もそうである。
19 ツァドクの子アヒマアツは言った。「私は王のところへ走って行って、主が敵の手から王を救って王のために正しいさばきをされたと知らせたいのですが。」
20 ヨアブは彼に言った。「きょう、あなたは知らせるのではない。ほかの日に知らせなさい。きょうは、知らせないがよい。王子が死んだのだから。」
21 ヨアブはクシュ人に言った。「行って、あなたの見たことを王に告げなさい。」クシュ人はヨアブに礼をして、走り去った。
22 ツァドクの子アヒマアツは再びヨアブに言った。「どんなことがあっても、やはり私もクシュ人のあとを追って走って行きたいのです。」ヨアブは言った。「わが子よ。なぜ、あなたは走って行きたいのか。知らせに対して、何のほうびも得られないのに。」
23 「しかしどんなことがあっても、走って行きたいのです。」ヨアブは「走って行きなさい」と言った。アヒマアツは45低地への道を走って行き、クシュ人を追い越した。
24 ダビデは二つの門の間にすわっていた。見張りが城壁の門の屋根に上り、目を上げて見ていると、ただひとりで走って来る男がいた。
25見張りが王に大声で告げると、王は言った。「ただひとりなら、46吉報だろう。」その者がしだいに近づいて来たとき、
26見張りは、もうひとりの男が走って来るのを見た。見張りは門衛に叫んで言った。「ひとりで走って来る男がいます。」すると王は言った。「それも吉報を持って来ているのだ。」
27見張りは言った。「先に走っているのは、どうやらツァドクの子アヒマアツのように見えます。」王は言った。「あれは良い男だ。良い知らせを持って来るだろう。」
28 アヒマアツは大声で王に「47ごきげんはいかがでしょうか」と言って、地にひれ伏して、王に礼をした。彼は言った。「あなたの神、主がほめたたえられますように。主は、48王さまに手向かった者どもを、引き渡してくださいました。」
29 王が、「若者アブシャロムは無事か」と聞くと、アヒマアツは答えた。「ヨアブが王の家来のこのしもべを遣わすとき、私は、何か大騒ぎの起こるのを見ましたが、何があったのか知りません。」
30 王は言った。「わきへ退いて、そこに立っていなさい。」そこで彼はわきに退いて立っていた。
31 するとクシュ人が入って来て言った。「王さまにお知らせいたします。主は、きょう、あなたに立ち向かうすべての者の手から、あなたを救って、あなたのために正しいさばきをされました。」
32 王はクシュ人に言った。「若者アブシャロムは無事か。」クシュ人は答えた。「王さまの敵、あなたに立ち向かって害を加えようとする者はすべて、あの若者のようになりますように。」
33 すると王は身震いして、門の屋上に上り、そこで泣いた。彼は泣きながら、こう言い続けた。「わが子アブシャロム。わが子よ。わが子アブシャロム。ああ、私がおまえに代わって死ねばよかったのに。アブシャロム。わが子よ。わが子よ。」
1 そうこうするうちに、ヨアブに、「今、王は泣いて、アブシャロムのために、喪に服しておられる」という報告がされた。
2 それで、この日の勝利は、すべての民の嘆きとなった。この日、民が、王がその子のために悲しんでいる、ということを聞いたからである。
3民はその日、まるで戦場から逃げて恥じている民がこっそり帰るように、町にこっそり帰って来た。
4 王は顔をおおい、大声で、「わが子アブシャロム。アブシャロムよ。わが子よ。わが子よ」と叫んでいた。
5 ヨアブは王の家に行き、王に言った。「あなたは、きょう、あなたのいのちと、あなたの息子、娘たちのいのち、それに、あなたの妻やそばめたちのいのちを救ったあなたの家来たち全部に、きょう、恥をかかせました。
6 あなたは、あなたを憎む者を愛し、あなたを愛する者を憎まれるからです。あなたは、きょう、隊長たちも家来たちも、あなたにとっては取るに足りないことを明らかにされました。今、私は知りました。もしアブシャロムが生き、われわれがみな、きょう死んだのなら、あなたの目にかなったのでしょう。
7 それで今、立って外に行き、あなたの家来たちに、ねんごろに語ってください。私は主によって誓います。あなたが外においでにならなければ、今夜、だれひとりあなたのそばに、とどまらないでしょう。そうなれば、そのわざわいは、あなたの幼いころから今に至るまでにあなたに降りかかった、どんなわざわいよりもひどいでしょう。」
8 それで、王は立って、門のところにすわった。人々がすべての民に、「見よ。王は門のところにすわっておられる」と知らせたので、すべての民は、王の前にやって来た。
一方、イスラエル人は、おのおの自分たちの天幕に逃げ帰っていた。
9民はみな、イスラエルの全部族の間で、こう言って争っていた。「王は敵の手から、われわれを救い出してくださった。王はわれわれをペリシテ人の手から助け出してくださった。ところが今、王はアブシャロムのために国外に逃げておられる。
10 われわれが油をそそいで王としたアブシャロムは、戦いで死んでしまった。それなのに、あなたがたは今、王を連れ戻すために、なぜ何もしないでいるのか。」
11 ダビデ王は祭司ツァドクとエブヤタルに人をやって言わせた。「ユダの長老たちにこう言って告げなさい。『全イスラエルの言っていることが、ここの家にいる王の耳に届いたのに、あなたがたは、なぜ王をその王宮に連れ戻すのをためらっているのか。
12 あなたがたは、私の兄弟、私の骨肉だ。それなのに、なぜ王を連れ戻すのをためらっているのか。』
13 またアマサにも言わなければならない。『あなたは、私の骨肉ではないか。もしあなたが、ヨアブに代わってこれからいつまでも、私の将軍にならないなら、神がこの私を幾重にも罰せられるように。』」
14 こうしてダビデは、すべてのユダの人々を、あたかもひとりの人の心のように自分になびかせた。ユダの人々は王のもとに人をやって、「あなたも、あなたの家来たちもみな、お帰りください」と言った。
15 そこで王は帰途につき、ヨルダン川に着くと、ユダの人々は、王を迎えてヨルダン川を渡らせるためにギルガルに来た。
16 バフリムの出のベニヤミン人、ゲラの子シムイは、ダビデ王を迎えようと、急いでユダの人々といっしょに下って来た。
17 彼は千人のベニヤミン人を連れていた。サウルの家のしもべツィバも、十五人の息子、二十人の召使いを連れて、王が渡る前にヨルダン川に駆けつけた。
18 そして彼は、王の家族を渡らせるために渡しを渡って行き、王が喜ぶことをした。ゲラの子シムイも、ヨルダン川を渡って行って、王の前に倒れ伏して、
19 王に言った。「わが君。どうか私の咎を罰しないでください。49王さまが、エルサレムから出て行かれた日に、このしもべが犯した咎を、思い出さないでください。王さま。心に留めないでください。
20 このしもべは、自分の犯した罪を認めましたから、ご覧のとおり、きょう、ヨセフのすべての家に先立って、王さまを迎えに下ってまいりました。」
21 ツェルヤの子アビシャイは口をはさんで言った。「シムイは、主に油そそがれた方をのろったので、そのために死に値するのではありませんか。」
22 しかしダビデは言った。「ツェルヤの子らよ。あれは私のことで、あなたがたには、かかわりのないことだ。あなたがたは、きょう、私に敵対しようとでもするのか。きょう、イスラエルのうちで、人が殺されてよいだろうか。私が、きょう、イスラエルの王であることを、私が知らないとでもいうのか。」
23 そして王はシムイに、「あなたを殺さない」と言って彼に誓った。
24 サウルの孫メフィボシェテは、王を迎えに下って来た。彼は、王が出て行った日から無事に帰って来た日まで、自分の足の手入れもせず、ひげもそらず、着物も洗っていなかった。
25 彼が王を迎えにエルサレムから来たとき、王は彼に言った。「メフィボシェテよ。あなたはなぜ、私といっしょに来なかったのか。」
26 彼は答えた。「王さま。私の家来が、私を欺いたのです。このしもべは『私のろばに鞍をつけ、それに乗って、王といっしょに行こう』と思ったのです。しもべは足のなえた者ですから。
27 ところが彼は、このしもべのことを、王さまに中傷しました。しかし、王さまは、神の使いのような方です。あなたのお気に召すようにしてください。
28 私の父の家の者はみな、王さまから見れば、死刑に当たる者に過ぎなかったのですが、あなたは、このしもべをあなたの食卓で食事をする者のうちに入れてくださいました。ですから、この私に、どうして重ねて王さまに訴える権利がありましょう。」
29 王は彼に言った。「あなたはなぜ、自分の弁解をくり返しているのか。私は決めている。あなたとツィバとで、地所を分けなければならない。」
30 メフィボシェテは王に言った。「王さまが無事に王宮に帰られて後なら、彼が全部でも取ってよいのです。」
31 ギルアデ人バルジライは、ログリムから下って、ヨルダン川で王を見送るために、王といっしょにヨルダン川まで進んで来た。
32 バルジライは非常に年をとっていて八十歳であった。彼は王がマハナイムにいる間、王を養っていた。彼は非常に富んでいたからである。
33 王はバルジライに言った。「私といっしょに渡って行ってください。エルサレムで私のもとであなたを養いたいのです。」
34 バルジライは王に言った。「王といっしょにエルサレムへ上って行っても、私はあと何年生きられるでしょう。
35 私は今、八十歳です。私はもう善悪をわきまえることができません。しもべは食べる物も飲む物も味わうことができません。歌う男や女の声を聞くことさえできません。どうして、このうえ、しもべが王さまの重荷になれましょう。
36 このしもべは、王とともにヨルダン川を渡って、ほんの少しだけまいりましょう。それ以上、王はどうして、そのような報酬を、この私にしてくださらなければならないのでしょうか。
37 このしもべを帰らせてください。私は自分の町で、私の父と母の墓の近くで死にたいのです。しかしここに、あなたのしもべキムハムがおります。彼が、王さまといっしょに渡ってまいります。どうか彼に、あなたの良いと思われることをなさってください。」
38 王は言った。「キムハムは私といっしょに渡って来てよいのです。私は、あなたが良いと思うことを彼にしましょう。あなたが、私にしてもらいたいことは何でも、あなたにしてあげましょう。」
39 こうして、みなはヨルダン川を渡った。王も渡った。それから、王はバルジライに口づけをして、彼を祝福した。バルジライは自分の町へ帰って行った。
40 王はギルガルへ進み、50キムハムもいっしょに進んだ。ユダのすべての民とイスラエルの民の半分とが、王といっしょに進んだ。
41 するとそこへ、イスラエルのすべての人が王のところにやって来て、王に言った。「われわれの兄弟、ユダの人々は、なぜ、あなたを奪い去り、王とその家族に、また王といっしょにダビデの部下たちに、ヨルダン川を渡らせたのですか。」
42 ユダのすべての人々はイスラエルの人々に言い返した。「王は、われわれの身内だからだ。なぜ、このことでそんなに怒るのか。いったい、われわれが王の食物を食べたとでもいうのか。王が何かわれわれに贈り物をしたとでもいうのか。」
43 イスラエルの人々はユダの人々に答えて言った。「われわれは、王に十の分け前を持っている。だからダビデにも、あなたがたよりも多くを持っているはずだ。それなのに、なぜ、われわれをないがしろにするのか。われわれの王を連れ戻そうと最初に言いだしたのは、われわれではないか。」しかし、ユダの人々のことばは、イスラエルの人々のことばより激しかった。
1 たまたまそこに、51よこしまな者で、名をシェバという者がいた。彼はベニヤミン人ビクリの子であった。彼は角笛を吹き鳴らして言った。
「ダビデには、
われわれのための割り当て地がない。
エッサイの子には、
われわれのためのゆずりの地がない。
イスラエルよ。おのおの自分の天幕に帰れ。」
2 そのため、すべてのイスラエル人は、ダビデから離れて、ビクリの子シェバに従って行った。しかし、ユダの人々はヨルダン川からエルサレムまで、自分たちの王につき従って行った。
3 ダビデはエルサレムの自分の王宮に入った。王は、王宮の留守番に残しておいた十人のそばめをとり、監視つきの家を与えて養ったが、王は彼女たちのところには通わなかった。それで彼女たちは、一生、やもめとなって、死ぬ日まで閉じ込められていた。
4 さて、王はアマサに言った。「私のために、ユダの人々を三日のうちに召集し、あなたも、ここに帰って来なさい。」
5 そこでアマサは、ユダの人々を召集するために出て行ったが、指定された期限に間に合わなかった。
6 ダビデはアビシャイに言った。「今や、ビクリの子シェバは、アブシャロムよりも、もっとひどいわざわいを、われわれにしかけるに違いない。あなたは、52私の家来を引き連れて彼を追いなさい。でないと彼は城壁のある町に入って、のがれてしまうだろう。」
7 それで、ヨアブの部下と、ケレテ人と、ペレテ人と、すべての勇士たちとは、アビシャイのあとに続いて出て行った。彼らはエルサレムを出て、ビクリの子シェバのあとを追った。
8 彼らがギブオンにある大きな石のそばに来たとき、アマサが彼らの前にやって来た。ヨアブは自分のよろいを身に着け、さやに納めた剣を腰の上に帯で結びつけていた。彼が進み出ると、剣が落ちた。
9 ヨアブはアマサに、「兄弟。おまえは元気か」と言って、アマサに口づけしようとして、右手でアマサのひげをつかんだ。
10 アマサはヨアブの手にある剣に気をつけていなかった。ヨアブが彼の下腹を刺したので、はらわたが地面に流れ出た。この一突きでアマサは死んだ。
それからヨアブとその兄弟アビシャイは、ビクリの子シェバのあとを追った。
11 そのとき、ヨアブに仕える若い者のひとりがアマサのそばに立って言った。「ヨアブにつく者、ダビデに味方する者は、ヨアブに従え。」
12 アマサは大路の真ん中で、血まみれになってころがっていた。この若い者は、民がみな立ち止まるのを見て、アマサを大路から野原に運んだ。そのかたわらを通る者がみな、立ち止まるのを見ると、彼の上に着物を掛けた。
13 アマサが大路から移されると、みなヨアブのあとについて進み、ビクリの子シェバを追った。
14 シェバはイスラエルの全部族のうちを通って、53アベル・ベテ・マアカへ行った。すべてのベリ人は集まって来て、彼に従った。
15 しかし、人々はアベル・ベテ・マアカに来て、彼を包囲し、この町に向かって塁を築いた。それは外壁に向かって立てられた。ヨアブにつく民はみな、城壁を破壊して倒そうとしていた。
16 そのとき、この町から、ひとりの知恵のある女が叫んだ。「聞いてください。聞いてください。ヨアブにこう言ってください。ここまで近づいてください。あなたにお話ししたいのです。」
17 ヨアブが彼女のほうに近づくと、この女は、「あなたがヨアブですか」と尋ねた。彼は答えた。「そうだ。」すると女は言った。「このはしためのことばを聞いてください。」彼は答えた。「私が聞こう。」
18 すると女はこう言った。「昔、人々は『アベルで尋ねてみなければならない』と言って、事を決めるのがならわしでした。
19 私は、イスラエルのうちで平和な、忠実な者のひとりです。あなたは、イスラエルの母である町を滅ぼそうとしておられます。あなたはなぜ、主のゆずりの地を、のみ尽くそうとされるのですか。」
20 ヨアブは答えて言った。「絶対にそんなことはない。のみ尽くしたり、滅ぼしたりするなど、とてもできないことだ。
21 そうではない。実はビクリの子で、その名をシェバというエフライムの山地の出の男が、ダビデ王にそむいたのだ。この男だけを引き渡してくれたら、私はこの町から引き揚げよう。」するとこの女はヨアブに言った。「では、その男の首を城壁の上からあなたのところに投げ落としてごらんにいれます。」
22 この女はその知恵を用いてすべての民のところに行った。それで彼らはビクリの子シェバの首をはね、それをヨアブのもとに投げた。ヨアブが角笛を吹き鳴らしたので、人々は町から散って行って、めいめい自分の天幕へ帰った。ヨアブはエルサレムの王のところに戻った。
23 さて、ヨアブはイスラエルの全軍の長であった。エホヤダの子ベナヤはケレテ人とペレテ人の長。
2454アドラムは役務長官。アヒルデの子ヨシャパテは参議。
2555シェワは書記。ツァドクとエブヤタルは祭司。
26 ヤイル人イラもダビデの祭司であった。
1 ダビデの時代に、三年間引き続いてききんがあった。そこでダビデが主のみこころを伺うと、主は仰せられた。「サウルとその一族に、血を流した罪がある。彼がギブオン人たちを殺したからだ。」
2 そこで王はギブオン人たちを呼び出して、彼らに言った。──ギブオンの人たちはイスラエル人ではなく、エモリ人の生き残りであって、イスラエル人は、彼らと盟約を結んでいたのであるが、サウルが、イスラエルとユダの人々への熱心のあまり、彼らを打ち殺してしまおうとしたのであった。──
3 ダビデはギブオン人たちに言った。「あなたがたのために、私は何をしなければならないのか。私が何を償ったら、あなたがたは主のゆずりの地を祝福できるのか。」
4 ギブオン人たちは彼に言った。「私たちとサウル、およびその一族との間の問題は、銀や金のことではありません。また私たちがイスラエルのうちで、人を殺すことでもありません。」そこでダビデが言った。「それでは私があなたがたに何をしたらよいと言うのか。」
5 彼らは王に言った。「私たちを絶ち滅ぼそうとした者、私たちを滅ぼしてイスラエルの領土のどこにも、おらせないようにたくらんだ者、
6 その者の子ども七人を、私たちに引き渡してください。私たちは、主の選ばれたサウルのギブアで、主のために、彼らをさらし者にします。」王は言った。「引き渡そう。」
7 しかし王は、サウルの子ヨナタンの子メフィボシェテを惜しんだ。それは、ダビデとサウルの子ヨナタンとの間で主に誓った誓いのためであった。
8 王は、アヤの娘リツパがサウルに産んだふたりの子アルモニとメフィボシェテ、それに、サウルの娘56メラブがメホラ人バルジライの子アデリエルに産んだ五人の子を取って、
9 彼らをギブオン人の手に渡した。それで彼らは、この者たちを山の上で主の前に、さらし者にした。これら七人はいっしょに殺された。彼らは、刈り入れ時の初め、大麦の刈り入れの始まったころ、死刑に処せられた。
10 アヤの娘リツパは、荒布を脱いで、それを岩の上に敷いてすわり、刈り入れの始まりから雨が天から彼らの上に降るときまで、昼には空の鳥が、夜には野の獣が死体に近寄らないようにした。
11 サウルのそばめアヤの娘リツパのしたことはダビデに知らされた。
12 すると、ダビデは行って、サウルの骨とその子ヨナタンの骨を、ヤベシュ・ギルアデの者たちのところから取って来た。これは、ペリシテ人がサウルをギルボアで殺した日に、ペリシテ人が彼らをさらしたベテ・シャンの広場から、彼らが盗んで行ったものであった。
13 ダビデがサウルの骨とその子ヨナタンの骨をそこから携えて上ると、人々は、さらし者にされた者たちの骨を集めた。
14 こうして、彼らはサウルとその子ヨナタンの骨を57、ベニヤミンの地のツェラにあるサウルの父キシュの墓に葬り、すべて王が命じたとおりにした。その後、神はこの国の祈りに心を動かされた。
15 ペリシテ人はまた、イスラエルに戦いをしかけた。ダビデは自分の家来たちを連れて下り、ペリシテ人と戦ったが、ダビデは疲れていた。
16 それで、ラファの子孫のひとりであったイシュビ・ベノブは、ダビデを殺そうと考えた。彼の槍の重さは青銅で三百シェケル。そして彼は新しい剣を帯びていた。
17 しかし、ツェルヤの子アビシャイはダビデを助け、このペリシテ人を打ち殺した。そのとき、ダビデの部下たちは彼に誓って言った。「あなたは、もうこれから、われわれといっしょに、戦いに出ないでください。あなたがイスラエルのともしびを消さないために。」
18 その後、ゴブでまたペリシテ人との戦いがあり、そのとき、フシャ人シベカイは、ラファの子孫の58サフを打ち殺した。
19 ゴブでまたペリシテ人との戦いがあったとき、ベツレヘム人59ヤイルの子エルハナンは、ガテ人60ゴリヤテの兄弟ラフミを打ち殺した。ラフミの槍の柄は、機織りの巻き棒のようであった。
20 さらにガテで戦いがあったとき、そこに、手の指、足の指が六本ずつで、合計二十四本指の闘士がいた。彼もまた、ラファの子孫であった。
21 彼はイスラエルをそしったが、ダビデの兄弟61シムアの子ヨナタンが彼を打ち殺した。
22 これら四人はガテのラファの子孫で、ダビデとその家来たちの手にかかって倒れた。
1主が、ダビデのすべての敵の手、特にサウルの手から彼を救い出された日に、ダビデはこの歌のことばを主に歌った。
2 彼はこう歌った。
「主はわが巌、わがとりで、わが救い主、
3 わが身を避けるわが岩なる神。
わが盾、わが救いの角、わがやぐら。
私を暴虐から救う私の救い主、私の逃げ場。
4 ほめたたえられる方、この主を呼び求めると、
私は、敵から救われる。
5 死の波は私を取り巻き、
62滅びの川は、私を恐れさせた。
663よみの綱は私を取り囲み、
死のわなは私に立ち向かった。
7 私は苦しみの中に主を呼び求め、
わが神に叫んだ。
主はその宮で私の声を聞かれ、
私の叫びは、御耳に届いた。
8 すると、地はゆるぎ、動いた。
また、天の基も震え、揺れた。
主がお怒りになったのだ。
9煙は鼻から立ち上り、
その口から出る火はむさぼり食い、
炭火は主から燃え上がった。
10 主は、天を押し曲げて降りて来られた。
暗やみをその足の下にして。
11 主は、ケルブに乗って飛び、
風の翼の64上に現れた。
12 主は、やみを回りに置かれた。
仮庵は水の集まりと、濃い雲。
13御前の輝きから、炭火が燃え上がった。
14主は、天から雷鳴を響かせ、
いと高き方は御声を発せられた。
15 主は、矢を放って彼らを散らし、
いなずまで彼らをかき乱された。
16 こうして、海の底が現れ、
地の基があらわにされた。
主のとがめにより、
その鼻の荒いいぶきによって。
17 主は、いと高き所から御手を伸べて私を捕らえ、
私を大水から引き上げられた。
18 主は、私の強い敵と、私を憎む者とから
私を救い出された。
彼らは私より強かったから。
19 彼らは私のわざわいの日に私に立ち向かった。
だが、主は私のささえであった。
20 主は、私を広い所に連れ出し、私を助け出された。
主が私を喜びとされたから。
21主は、私の義にしたがって私に報い、
私の手のきよさに従って私に償いをされた。
22 私は主の道を守り、
私の神に対して悪を行わなかった。
23 主のすべてのさばきは私の前にあり、
そのおきてから私は遠ざからなかった。
24 私は主の前に全く、
私の罪から身を守る。
25主は、私の義にしたがって、
また、御目の前の私のきよさにしたがって
私に償いをされた。
26 あなたは、恵み深い者には、恵み深く、
65全き者には、全くあられ、
27 きよい者には、きよく、
曲がった者には、ねじ曲げる方。
28 あなたは、悩む民を救われますが、
高ぶる者に目を向けて、これを低くされます。
29主よ。あなたは私のともしび。
主は、私のやみを照らされます。
30 あなたによって私は軍勢に襲いかかり、
私の神によって私は城壁を飛び越えます。
31 神、その道は完全。
主のみことばは純粋。
主はすべて彼に身を避ける者の盾。
32 まことに、主のほかにだれが神であろうか。
私たちの神のほかにだれが岩であろうか。
33 この神こそ、私の力強いとりで。
私の道を完全に66探り出される。
34 彼は私の足を雌鹿のようにし、
私を高い所に立たせてくださる。
35 戦いのために私の手を鍛え、
私の腕を青銅の弓でも引けるようにされる。
36 こうしてあなたは、御救いの盾を私に下さいました。
あなたの謙遜は、私を大きくされます。
37 あなたは私を大またで歩かせます。
私のくるぶしはよろけませんでした。
38 私は、敵を追って、これを根絶やしにし、
絶ち滅ぼすまでは、引き返しませんでした。
39 私が彼らを絶ち滅ぼし、打ち砕いたため、
彼らは立てず、私の足もとに倒れました。
40 あなたは、戦いのために、私に力を帯びさせ、
私に立ち向かう者を私のもとにひれ伏させました。
41 また、敵が私に背を見せるようにされたので、
私は私を憎む者を滅ぼしました。
42 彼らが67叫んでも、救う者はなかった。
主に叫んでも、答えはなかった。
43 私は、彼らを地のちりのように打ち砕き、
道のどろのように、粉々に砕いて踏みつけた。
44 あなたは、私の民の争いから、私を助け出し、
私を国々のかしらとして保たれます。
私の知らなかった民が私に仕えます。
45 外国人らは、私におもねり、
耳で聞くとすぐ、
私の言うことを聞き入れます。
46 外国人らはしなえて、
彼らのとりでから68震えて出て来ます。
47主は生きておられる。
ほむべきかな。わが岩。
あがむべきかな。わが救いの岩なる神。
48 この神は私のために、復讐する方。
諸国の民を私のもとに下らせる方。
49 私の敵から私を携え出される方。
あなたは私に立ち向かう者から
私を引き上げ、
暴虐の者から私を救い出されます。
50 それゆえ、主よ。
私は、国々の中であなたをほめたたえ、
あなたの御名を、ほめ歌います。
51 主は、王に救いを増し加え、
油そそがれた者、ダビデとそのすえに、
とこしえに恵みを施されます。」
1 これはダビデの最後のことばである。
エッサイの子ダビデの告げたことば。
高くあげられた者、
ヤコブの神に油そそがれた者の告げたことば。
イスラエルの麗しい歌。
2 「主の霊は、私を通して語り、
そのことばは、私の舌の上にある。
3 イスラエルの神は仰せられた。
イスラエルの岩は私に語られた。
『義をもって人を治める者、
神を恐れて治める者は、
4太陽の上る朝の光、
雲一つない朝の光のようだ。
雨の後に、
地の若草を照らすようだ。』
5 まことにわが家は、このように神とともにある。
とこしえの契約が私に立てられているからだ。
このすべては備えられ、また守られる。
まことに神は、私の救いと願いとを、
すべて、育て上げてくださる。
669よこしまな者は
いばらのように、みな投げ捨てられる。
手で取る値うちがないからだ。
7 これに触れる者はだれでも、
鉄や槍の柄でこれを集め、
その場で、これらはことごとく
火で焼かれてしまう。」
8 ダビデの勇士たちの名は次のとおりであった。補佐官のかしら、70ハクモニの子ヤショブアム。彼は71槍をふるって一度に八百人を刺し殺した。
9 彼の次は、72アホアハ人ドドの子エルアザル。ダビデにつく三勇士のひとりであった。73彼がペリシテ人の間でそしったとき、ペリシテ人は戦うためにそこに集まった。そこで、イスラエル人は攻め上った。
10 彼は立ち上がり、自分の手が疲れて、手が剣について離れなくなるまでペリシテ人を打ち殺した。主はその日、大勝利をもたらされ、兵士たちが彼のところに引き返して来たのは、ただ、はぎ取るためであった。
11 彼の次はハラル人アゲの子シャマ。ペリシテ人が74隊をなして集まったとき、そこにはレンズ豆の密生した一つの畑があり、民はペリシテ人の前から逃げたが、
12 彼はその畑の真ん中に踏みとどまって、これを救い、ペリシテ人を打ち殺した。こうして、主は大勝利をもたらされた。
13 三十人のうちのこの三人は、刈り入れのころ、アドラムのほら穴にいるダビデのところに下って来た。ペリシテ人の一隊は、レファイムの谷に陣を敷いていた。
14 そのとき、ダビデは要害におり、ペリシテ人の先陣はそのとき、ベツレヘムにあった。
15 ダビデはしきりに望んで言った。「だれか、ベツレヘムの門にある井戸の水を飲ませてくれたらなあ。」
16 すると三人の勇士は、ペリシテ人の陣営を突き抜けて、ベツレヘムの門にある井戸から水を汲み、それを携えてダビデのところに持って来た。ダビデは、それを飲もうとはせず、それを注いで主にささげて、
17 言った。「主よ。私がこれを飲むなど、絶対にできません。いのちをかけて行った人たちの血ではありませんか。」彼は、それを飲もうとはしなかった。三勇士は、このようなことをしたのである。
18 ツェルヤの子ヨアブの兄弟アビシャイ、彼は三人のかしらであった。彼は槍をふるって三百人を刺し殺し、あの三人とともに名をあげた。
19 彼は三人の中で最も誉れが高かった。そこで彼らの長になった。しかし、あの三人には及ばなかった。
20 エホヤダの子ベナヤは、カブツェエルの出で、多くのてがらを立てた力ある人であった。彼は、モアブのふたりの英雄を打ち殺した。また、ある雪の日に、ほら穴の中に降りて行って雄獅子を打ち殺した。
21 彼はまた、あの堂々としたエジプト人を打ち殺した。このエジプト人は、手に槍を持っていた。彼は杖を持ってその男のところに下って行き、エジプト人の手から槍をもぎ取って、その槍で彼を殺した。
22 エホヤダの子ベナヤは、これらのことをして、三勇士とともに名をあげた。
23 彼はあの三十人の中で最も誉れが高かったが、あの三人には及ばなかった。ダビデは彼を自分の護衛長にした。
24 あの三十人の中には次の者がいた。ヨアブの兄弟アサエル。ベツレヘムの出のドドの子エルハナン。
25ハロデ人シャマ。ハロデ人エリカ。
2675ペレテ人ヘレツ。テコア人イケシュの子イラ。
27 アナトテ人アビエゼル。フシャ人メブナイ。
28 アホアハ人ツァルモン。ネトファ人マフライ。
29 ネトファ人バアナの子ヘレブ。ギブアの出のベニヤミン族リバイの子イタイ。
30 ピルアトン人ベナヤ。ガアシュの谷の出のヒダイ。
31 アラバ人アビ・アルボン。バルフム人アズマベテ。
32 シャアルビム人エルヤフバ。ヤシェンの子ら。ヨナタン。
33 ハラル人シャマ。アラル人シャラルの子アヒアム。
34 マアカ人アハスバイの子エリフェレテ。ギロ人アヒトフェルの子エリアム。
35 カルメル人ヘツライ。アラブ人パアライ。
36 ツォバの出のナタンの子イグアル。ガド人バニ。
37 アモン人ツェレク。ツェルヤの子ヨアブの道具持ちベエロテ人ナフライ。
38 エテル人イラ。エテル人ガレブ。
39 ヘテ人ウリヤ。全部で三十七人である。
1 さて、再び主の怒りが、イスラエルに向かって燃え上がった。主は「さあ、イスラエルとユダの人口を数えよ」と言って、ダビデを動かして彼らに向かわせた。
2 王は側近の軍隊の長ヨアブに言った。「さあ、ダンからベエル・シェバに至るまでのイスラエルの全部族の間を行き巡り、その民を登録し、私に、民の数を知らせなさい。」
3 すると、ヨアブは王に言った。「あなたの神、主が、この民を今より百倍も増してくださいますように。76王さまが、親しくこれをご覧になりますように。ところで、王さまは、なぜ、このようなことを望まれるのですか。」
4 しかし王は、ヨアブと将校たちを説き伏せたので、ヨアブと将校たちは、王の前から去って、イスラエルの民を登録しに出かけた。
5 彼らはヨルダン川を渡って、ガドの谷の真ん中にある町、ヤゼルに向かって右側にあるアロエルに宿営し、
6 それから、ギルアデと77タフティム・ホデシの地に行き、さらにダン・ヤアンに行き、シドンに回った。
7 そしてツロの要塞に行き、ヒビ人やカナン人のすべての町々に行き、それからユダのネゲブへ出て行って、ベエル・シェバに来た。
8 こうして彼らは全土を行き巡り、九か月と二十日の後にエルサレムに帰って来た。
9 そして、ヨアブは民の登録人数を王に報告した。イスラエルには剣を使う兵士が八十万、ユダの兵士は五十万人であった。
10 ダビデは、民を数えて後、良心のとがめを感じた。そこで、ダビデは主に言った。「私は、このようなことをして、大きな罪を犯しました。主よ。今、あなたのしもべの咎を見のがしてください。私はほんとうに愚かなことをしました。」
11 朝ダビデが起きると、次のような主のことばがダビデの先見者である預言者ガドにあった。
12 「行って、ダビデに告げよ。『主はこう仰せられる。わたしがあなたに負わせる三つのことがある。そのうち一つを選べ。わたしはあなたのためにそれをしよう。』」
13 ガドはダビデのもとに行き、彼に告げて言った。「78七年間のききんが、あなたの国に来るのがよいか。三か月間、あなたは仇の前を逃げ、仇があなたを追うのがよいか。三日間、あなたの国に疫病があるのがよいか。今、よく考えて、私を遣わされた方に、何と答えたらよいかを決めてください。」
14 ダビデはガドに言った。「それは私には非常につらいことです。主の手に陥ることにしましょう。主のあわれみは深いからです。人の手には陥りたくありません。」
15 すると、主は、その朝から、定められた時まで、イスラエルに疫病を下されたので、ダンからベエル・シェバに至るまで、民のうち七万人が死んだ。
16御使いが、エルサレムに手を伸べて、これを滅ぼそうとしたとき、主はわざわいを下すことを思い直し、民を滅ぼしている御使いに仰せられた。「もう十分だ。あなたの手を引け。」主の使いは、エブス人アラウナの打ち場のかたわらにいた。
17 ダビデは、民を打っている御使いを見たとき、主に言った。「罪を犯したのは、この私です。私が悪いことをしたのです。この羊の群れがいったい何をしたというのでしょう。どうか、あなたの御手を、私と私の一家に下してください。」
18 その日、ガドはダビデのところに来て、彼に言った。「エブス人アラウナの打ち場に上って行って、主のために祭壇を築きなさい。」
19 そこでダビデは、ガドのことばのとおりに、主が命じられたとおりに、上って行った。
20 アラウナが見おろすと、王とその家来たちが自分のほうに進んで来るのが見えた。それで、アラウナは出て来て、地にひれ伏して、王に礼をした。
21 アラウナは言った。「なぜ、王さまは、このしもべのところにおいでになるのですか。」そこでダビデは言った。「あなたの打ち場を買って、主のために祭壇を建てるためです。神罰が民に及ばないようになるためです。」
22 アラウナはダビデに言った。「王さま。お気に召す物を取って、おささげください。ご覧ください。ここに全焼のいけにえのための牛がいます。たきぎにできる打穀機や牛の用具もあります。
23 王さま。このアラウナはすべてを王に差し上げます。」アラウナはさらに王に言った。「あなたの神、主が、あなたのささげ物を受け入れてくださいますように。」
24 しかし王はアラウナに言った。「いいえ、私はどうしても、代金を払って、あなたから買いたいのです。費用もかけずに、私の神、主に、全焼のいけにえをささげたくありません。」そしてダビデは、打ち場と牛とを銀五十シェケルで買った。
25 こうしてダビデは、そこに主のために祭壇を築き、全焼のいけにえと和解のいけにえとをささげた。主が、この国の祈りに心を動かされたので、神罰はイスラエルに及ばないようになった。
列王記 第一
1 ダビデ王は年を重ねて老人になっていた。それで夜着をいくら着せても暖まらなかった。
2 そこで、彼の家来たちは彼に言った。「1王さまのためにひとりの若い処女を捜して来て、王さまにはべらせ、王さまの世話をさせ、あなたのふところに寝させ、2王さまを暖めるようにいたしましょう。」
3 こうして、彼らは、イスラエルの国中に美しい娘を捜し求め、シュネム人の女アビシャグを見つけて、王のもとに連れて来た。
4 この娘は非常に美しかった。彼女は王の世話をするようになり、彼に仕えたが、王は彼女を知ろうとしなかった。
5 一方、ハギテの子アドニヤは、「私が王になろう」と言って、野心をいだき、戦車、騎兵、それに、自分の前を走る者五十人を手に入れた。
6 ──彼の父は存命中、「あなたはどうしてこんなことをしたのか」と言って、彼のことで心を痛めたことがなかった。そのうえ、彼は非常な美男子で、アブシャロムの次に生まれた子であった──
7 彼はツェルヤの子ヨアブと祭司エブヤタルに相談をしたので、彼らはアドニヤを支持するようになった。
8 しかし、祭司ツァドクとエホヤダの子ベナヤと預言者ナタン、それにシムイとレイ、および、ダビデの勇士たちは、アドニヤにくみしなかった。
9 アドニヤは、エン・ロゲルの近くにあるゾヘレテの石のそばで、羊、牛、肥えた家畜をいけにえとしてささげ、王の子らである自分の兄弟たちすべてと、王の家来であるユダのすべての人々とを招いた。
10 しかし、預言者ナタンや、ベナヤ、それに勇士たちや、彼の兄弟ソロモンは招かなかった。
11 それで、ナタンはソロモンの母バテ・シェバにこう言った。「私たちの君ダビデが知らないうちに、ハギテの子アドニヤが王となったということを聞きませんでしたか。
12 さあ、今、私があなたに助言をいたしますから、あなたのいのちとあなたの子ソロモンのいのちを助けなさい。
13 さあ、ダビデ王のもとに行って、『3王さま。あなたは、このはしために、必ず、あなたの子ソロモンが私の跡を継いで王となる。彼が私の王座に着く、と言って誓われたではありませんか。それなのに、なぜ、アドニヤが王となったのですか』と言いなさい。
14 あなたがまだそこで王と話しているうちに、私もあなたのあとから入って行って、あなたのことばの確かなことを保証しましょう。」
15 そこで、バテ・シェバは寝室の王のもとに行った。──王は非常に年老いて、シュネム人の女アビシャグが王に仕えていた──
16 バテ・シェバがひざまずいて、王におじぎをすると、王は、「何の用か」と言った。
17 彼女は答えた。「わが君。あなたは、あなたの神、主にかけて『必ず、あなたの子ソロモンが私の跡を継いで王となる。彼が私の王座に着く』と、このはしためにお誓いになりました。
18 それなのに、今、アドニヤが王となっています。4王さま。あなたはそれをご存じないのです。
19 彼は、牛や肥えた家畜や羊をたくさん、いけにえとしてささげ、王のお子さま全部と、祭司エブヤタルと、将軍ヨアブを招いたのに、あなたのしもべソロモンは招きませんでした。
205王さま。王さまの跡を継いで、だれが6王さまの王座に着くかを告げていただきたいと、今や、すべてのイスラエルの目はあなたの上に注がれています。
21 そうでないと、7王さまがご先祖たちとともに眠りにつかれるとき、私と私の子ソロモンは罪を犯した者とみなされるでしょう。」
22 彼女がまだ王と話しているうちに、預言者ナタンが入って来た。
23 家来たちは、「預言者ナタンがまいりました」と言って王に告げた。彼は王の前に出て、地にひれ伏して、王に礼をした。
24 ナタンは言った。「8王さま。あなたは『アドニヤが私の跡を継いで王となる。彼が私の王座に着く』と仰せられましたか。
25 実は、きょう、彼は下って行って、牛と肥えた家畜と羊とをたくさん、いけにえとしてささげ、王のお子さま全部と、将軍たちと、祭司エブヤタルとを招きました。そして、彼らは、彼の前で飲み食いし、『アドニヤ王。ばんざい』と叫びました。
26 しかし、あなたのしもべのこの私や祭司ツァドクやエホヤダの子ベナヤや、それに、あなたのしもべソロモンは招きませんでした。
27 このことは、9王さまから出たことなのですか。あなたは、だれが王の跡を継いで、10王さまの王座に着くかを、このしもべに告げておられませんのに。」
28 ダビデ王は答えて言った。「バテ・シェバをここに呼びなさい。」彼女が王の前に来て、王の前に立つと、
29 王は誓って言った。「私のいのちをあらゆる苦難から救い出してくださった主は生きておられる。
30 私がイスラエルの神、主にかけて、『必ず、あなたの子ソロモンが私の跡を継いで王となる。彼が私に代わって王座に着く』と言ってあなたに誓ったとおり、きょう、必ずそのとおりにしよう。」
31 バテ・シェバは地にひれ伏して、王に礼をし、そして言った。「わが君、ダビデ王さま。いつまでも生きておられますように。」
32 それからダビデ王は言った。「祭司ツァドクと預言者ナタン、それに、エホヤダの子ベナヤをここに呼びなさい。」彼らが王の前に来ると、
33 王は彼らに言った。「あなたがたの主君の家来たちを連れ、私の子ソロモンを私の雌騾馬に乗せ、彼を連れてギホンへ下って行きなさい。
34 祭司ツァドクと預言者ナタンは、そこで彼に油をそそいでイスラエルの王としなさい。そうして、角笛を吹き鳴らし、『ソロモン王。ばんざい』と叫びなさい。
35 それから、彼に従って上って来なさい。彼は来て、私の王座に着き、彼が私に代わって王となる。私は彼をイスラエルとユダの君主に任命した。」
36 エホヤダの子ベナヤが王に答えて言った。「アーメン。11王さまの神、主も、そう言われますように。
37主が、12王さまとともにおられたように、ソロモンとともにおられ、彼の王座を、わが君、ダビデ王の王座よりもすぐれたものとされますように。」
38 そこで、祭司ツァドクと預言者ナタンとエホヤダの子ベナヤ、それに、ケレテ人とペレテ人とが下って行き、彼らはソロモンをダビデ王の雌騾馬に乗せ、彼を連れてギホンへ行った。
39 祭司ツァドクは天幕の中から油の角を取って来て、油をソロモンにそそいだ。そうして彼らが角笛を吹き鳴らすと、民はこぞって、「ソロモン王。ばんざい」と叫んだ。
40民はみな、彼のあとに従って上って来た。民が笛を吹き鳴らしながら、大いに喜んで歌ったので、地がその声で裂けた。
41 アドニヤと、彼に招待された者たちはみな、食事を終えたとき、これを聞いた。ヨアブは角笛の音を聞いて言った。「なぜ、都で騒々しい声が起こっているのだろう。」
42 彼がまだそう言っているうちに、祭司エブヤタルの子ヨナタンがやって来た。アドニヤは言った。「入りなさい。あなたは勇敢な人だから、良い知らせを持って来たのだろう。」
43 ヨナタンはアドニヤに答えて言った。「いいえ、私たちの君、ダビデ王はソロモンを王としました。
44 ダビデ王は、祭司ツァドクと預言者ナタンとエホヤダの子ベナヤ、それに、ケレテ人とペレテ人とをソロモンにつけて送り出しました。彼らはソロモンを王の雌騾馬に乗せ、
45 祭司ツァドクと預言者ナタンがギホンで彼に油をそそいで王としました。こうして彼らが大喜びで、そこから上って来たので、都が騒々しくなったのです。あなたがたの聞いたあの物音はそれです。
46 しかも、ソロモンはすでに王の座に着きました。
47 そのうえ、王の家来たちが来て、『神が、ソロモンの名をあなたの名よりも輝かせ、その王座をあなたの王座よりもすぐれたものとされますように』と言って、私たちの君、ダビデ王に祝福のことばを述べました。すると王は寝台の上で礼拝をしました。
48 また、王はこう言われました。『きょう、私の王座に着く者を与えてくださって、私がこの目で見るようにしてくださったイスラエルの神、主はほむべきかな。』」
49 すると、アドニヤの客たちはみな、身震いして立ち上がり、おのおの帰途についた。
50 アドニヤもソロモンを恐れて立ち上がり、行って、祭壇の角をつかんだ。
51 そのとき、ソロモンに次のように言って告げる者がいた。「アドニヤはソロモン王を恐れ、祭壇の角をしっかり握って、『ソロモン王がまず、このしもべを剣で殺さないと私に誓ってくださるように』と言っています。」
52 すると、ソロモンは言った。「彼がりっぱな人物であれば、彼の髪の毛一本でも地に落ちることはない。しかし、彼のうちに悪があれば、彼は死ななければならない。」
53 それから、ソロモン王は人をやってアドニヤを祭壇から降ろさせた。彼がソロモン王の前に来て礼をすると、ソロモンは彼に言った。「家へ帰りなさい。」
1 ダビデの死ぬ日が近づいたとき、彼は息子のソロモンに次のように言いつけた。
2 「私は世のすべての人の行く道を行こうとしている。強く、男らしくありなさい。
3 あなたの神、主の戒めを守り、モーセの律法に書かれているとおりに、主のおきてと、命令と、定めと、さとしとを守って主の道を歩まなければならない。あなたが何をしても、どこへ行っても、栄えるためである。
4 そうすれば、主は私について語られた約束を果たしてくださろう。すなわち『もし、あなたの息子たちが彼らの道を守り、心を尽くし、精神を尽くして、誠実をもってわたしの前を歩むなら、あなたには、イスラエルの王座から人が断たれない。』
5 また、あなたはツェルヤの子ヨアブが私にしたこと、すなわち、彼がイスラエルのふたりの将軍、ネルの子アブネルとエテルの子アマサとにしたことを知っている。彼は彼らを虐殺し、平和な時に、戦いの血を流し、自分の腰の帯と足のくつに戦いの血をつけたのだ。
6 だから、あなたは自分の知恵に従って行動しなさい。彼のしらが頭を安らかに13よみに下らせてはならない。
7 しかし、ギルアデ人バルジライの子らには恵みを施してやり、彼らをあなたの食事の席に連ならせなさい。私があなたの兄弟アブシャロムの前から逃げたとき、彼らは私の近くに来てくれたからだ。
8 また、あなたのそばには、バフリムの出のベニヤミン人ゲラの子シムイがいる。彼は、私がマハナイムに行ったとき、非常に激しく私をのろった。しかし、彼は私を迎えにヨルダン川に下って来たので、私は主にかけて、『あなたを剣で殺さない』と言って彼に誓った。
9 だが、今は、彼を罪のない者としてはならない。あなたは知恵のある人だから、彼にどうすれば彼のしらが頭を血に染めて14よみに下らせるかを知るようになろう。」
10 こうして、ダビデは彼の先祖たちとともに眠り、ダビデの町に葬られた。
11 ダビデがイスラエルの王であった期間は四十年であった。ヘブロンで七年治め、エルサレムで三十三年治めた。
12 ソロモンは父ダビデの王座に着き、その王位は確立した。
13 あるとき、ハギテの子アドニヤがソロモンの母バテ・シェバのところにやって来た。彼女は、「平和なことで来たのですか」と尋ねた。彼は、「平和なことです」と答えて、
14 さらに言った。「あなたにお話ししたいことがあるのですが。」すると彼女は言った。「話してごらんなさい。」
15 彼は言った。「ご存じのように、王位は私のものであるはずですし、すべてのイスラエルは私が王となるのを期待していました。それなのに、王位は転じて、私の弟のものとなりました。主によって彼のものとなったからです。
16 今、あなたに一つのお願いがあります。断らないでください。」彼女は彼に言った。「話してごらんなさい。」
17 彼は言った。「どうかソロモン王に頼んでください。あなたからなら断らないでしょうから。シュネム人の女アビシャグを私に与えて私の妻にしてください。」
18 そこで、バテ・シェバは、「よろしい。私から王にあなたのことを話してあげましょう」と言った。
19 バテ・シェバは、アドニヤのことを話すために、ソロモン王のところに行った。王は立ち上がって彼女を迎え、彼女におじぎをして、自分の王座に戻った。王の母のためにほかの王座を設けさせたので、彼女は彼の右にすわった。
20 そこで、彼女は言った。「あなたに一つの小さなお願いがあります。断らないでください。」王は彼女に言った。「母上。その願い事を聞かせてください。お断りしないでしょうから。」
21 彼女は言った。「シュネム人の女アビシャグをあなたの兄のアドニヤに妻として与えてやってください。」
22 ソロモン王は母に答えて言った。「なぜ、あなたはアドニヤのためにシュネム人の女アビシャグを求めるのですか。彼は私の兄ですから、彼のために、王位を求めたほうがよいのではありませんか。彼のためにも祭司エブヤタルやツェルヤの子ヨアブのためにも。」
23 ソロモン王は主にかけて誓って言った。「アドニヤがこういうことを言って自分のいのちを失わなかったら、神がこの私を幾重にも罰せられるように。
24 私の父ダビデの王座に着かせて、私を堅く立て、お約束どおりに、王朝を建ててくださった主は生きておられる。アドニヤは、きょう、殺されなければなりません。」
25 こうして、ソロモン王は、エホヤダの子ベナヤを遣わしてアドニヤを打ち取らせたので、彼は死んだ。
26 それから、王は祭司エブヤタルに言った。「アナトテの自分の地所に帰りなさい。あなたは死に値する者であるが、きょうは、あなたを殺さない。あなたは私の父ダビデの前で15神である主の箱をかつぎ、父といつも苦しみを共にしたからだ。」
27 こうして、ソロモンはエブヤタルを主の祭司の職から罷免した。シロでエリの家族について語られた主のことばはこうして成就した。
28 この知らせがヨアブのところに伝わると、──ヨアブはアドニヤについたが、アブシャロムにはつかなかった──ヨアブは主の天幕に逃げ、祭壇の角をつかんだ。
29 ヨアブが主の天幕に逃げて、今、祭壇のかたわらにいる、とソロモン王に知らされたとき、ソロモンは、「行って、彼を打ち取れ」と命じて、エホヤダの子ベナヤを遣わした。
30 そこで、ベナヤは主の天幕に入って、彼に言った。「王がこう言われる。『外に出よ。』」彼は、「いやだ。ここで死ぬ」と言った。ベナヤは王にこのことを報告して言った。「ヨアブはこう言って私に答えました。」
31 王は彼に言った。「では、彼が言ったとおりにして、彼を打ち取って、葬りなさい。こうして、ヨアブが理由もなく流した血を、私と、私の父の家から取り除きなさい。
32主は、彼が流した血を彼の頭に注ぎ返されるであろう。彼は自分よりも正しく善良なふたりの者に撃ちかかり、剣で彼らを虐殺したからだ。彼は私の父ダビデが知らないうちに、ネルの子、イスラエルの将軍アブネルと、エテルの子、ユダの将軍アマサを虐殺した。
33 ふたりの血は永遠にヨアブの頭と彼の子孫の頭とに注ぎ返されよう。しかし、ダビデとその子孫、およびその家と王座にはとこしえまで、主から平安が下されよう。」
34 エホヤダの子ベナヤは上って行って、彼を打ち取った。彼は荒野にある自分の家に葬られた。
35 王はエホヤダの子ベナヤを彼の代わりに軍団長とし、王は祭司ツァドクをエブヤタルの代わりとした。
36 王は人をやって、シムイを呼び寄せ、彼に言った。「自分のためにエルサレムに家を建てて、そこに住むがよい。だが、そこからどこへも出てはならない。
37 出て、キデロン川を渡ったら、あなたは必ず殺されることを覚悟しておきなさい。あなたの血はあなた自身の頭に帰するのだ。」
38 シムイは王に言った。「よろしゅうございます。しもべは、16王さまのおっしゃるとおりにいたします。」このようにして、シムイは長い間エルサレムに住んだ。
39 それから、三年たったころ、シムイのふたりの奴隷が、ガテの王マアカの子アキシュのところへ逃げた。シムイに、「あなたの奴隷たちが今、ガテにいる」という知らせがあったので、
40 シムイはすぐ、ろばに鞍をつけ、奴隷たちを捜しにガテのアキシュのところへ行った。シムイは行って、奴隷たちをガテから連れ戻して帰って来た。
41 シムイがエルサレムからガテに行って帰って来たことは、ソロモンに告げられた。
42 すると、王は人をやって、シムイを呼び出して言った。「私はあなたに、主にかけて誓わせ、『あなたが出て、どこかへ行ったなら、あなたは必ず殺されることをよく承知しておくように』と言って警告しておいたではないか。すると、あなたは私に、『よろしゅうございます。従います』と言った。
43 それなのに、なぜ、主への誓いと、私があなたに命じた命令を守らなかったのか。」
44 王はまた、シムイに言った。「あなたは自分の心に、あなたが私の父ダビデに対してなしたすべての悪を知っているはずだ。主はあなたの悪をあなたの頭に返されるが、
45 ソロモン王は祝福され、ダビデの王座は主の前でとこしえまでも堅く立つであろう。」
46 王はエホヤダの子ベナヤに命じた。彼は出て行って、シムイを打ち取った。こうして、王国はソロモンによって確立した。
1 ソロモンはエジプトの王パロと互いに縁を結び、パロの娘をめとって、彼女をダビデの町に連れて来、自分の家と主の宮、および、エルサレムの回りの城壁を建て終わるまで、そこにおらせた。
2 当時はまだ、主の名のための宮が建てられていなかったので、民はただ、高き所でいけにえをささげていた。
3 ソロモンは主を愛し、父ダビデのおきてに歩んでいたが、ただし、彼は高き所でいけにえをささげ、香をたいていた。
4 王はいけにえをささげるためにギブオンへ行った。そこは最も重要な高き所であったからである。ソロモンはそこの祭壇の上に一千頭の全焼のいけにえをささげた。
5 その夜、ギブオンで主は夢のうちにソロモンに現れた。神は仰せられた。「あなたに何を与えようか。願え。」
6 ソロモンは言った。「あなたは、あなたのしもべ、私の父ダビデに大いなる恵みを施されました。それは、彼が誠実と正義と真心とをもって、あなたの御前を歩んだからです。あなたは、この大いなる恵みを彼のために取っておき、きょう、その王座に着く子を彼にお与えになりました。
7 わが神、主よ。今、あなたは私の父ダビデに代わって、このしもべを王とされました。しかし、私は小さい子どもで、出入りするすべを知りません。
8 そのうえ、しもべは、あなたの選んだあなたの民の中におります。しかも、彼らはあまりにも多くて、数えることも調べることもできないほど、おびただしい民です。
9善悪を判断してあなたの民をさばくために聞き分ける心をしもべに与えてください。さもなければ、だれに、このおびただしいあなたの民をさばくことができるでしょうか。」
10 この願い事は主の御心にかなった。ソロモンがこのことを願ったからである。
11 神は彼に仰せられた。「あなたがこのことを求め、自分のために長寿を求めず、自分のために富を求めず、あなたの敵のいのちをも求めず、むしろ、自分のために正しい訴えを聞き分ける判断力を求めたので、
12 今、わたしはあなたの言ったとおりにする。見よ。わたしはあなたに知恵の心と判断する心とを与える。あなたの先に、あなたのような者はなかった。また、あなたのあとに、あなたのような者も起こらない。
13 そのうえ、あなたの願わなかったもの、富と誉れとをあなたに与える。あなたの生きているかぎり、王たちの中であなたに並ぶ者はひとりもないであろう。
14 また、あなたの父ダビデが歩んだように、あなたもわたしのおきてと命令を守って、わたしの道を歩むなら、あなたの日を長くしよう。」
15 ソロモンが目をさますと、なんと、それは夢であった。そこで、彼はエルサレムに行き、主の契約の箱の前に立って、全焼のいけにえをささげ、和解のいけにえをささげ、すべての家来たちを招いて祝宴を開いた。
16 そのころ、ふたりの遊女が王のところに来て、その前に立った。
17 ひとりの女が言った。「わが君。私とこの女とは同じ家に住んでおります。私はこの女といっしょに家にいるとき子どもを産みました。
18 ところが、私が子どもを産んで三日たつと、この女も子どもを産みました。家には私たちのほか、だれもいっしょにいた者はなく、家にはただ私たちふたりだけでした。
19 ところが、夜の間に、この女の産んだ子が死にました。この女が自分の子の上に伏したからです。
20 この女は夜中に起きて、はしためが眠っている間に、私のそばから私の子を取って、自分のふところに抱いて寝かせ、自分の死んだ子を私のふところに寝かせたのです。
21 朝、私が子どもに乳を飲ませようとして起きてみると、どうでしょう、子どもは死んでいるではありませんか。朝、その子をよく見てみると、まあ、その子は私が産んだ子ではないのです。」
22 すると、もうひとりの女が言った。「いいえ、生きているのが私の子で、死んでいるのはあなたの子です。」先の女は言った。「いいえ、死んだのがあなたの子で、生きているのが私の子です。」こうして、女たちは王の前で言い合った。
23 そこで王は言った。「ひとりは『生きているのが私の子で、死んでいるのはあなたの子だ』と言い、また、もうひとりは『いや、死んだのがあなたの子で、生きているのが私の子だ』と言う。」
24 そして、王は、「剣をここに持って来なさい」と命じた。剣が王の前に持って来られると、
25 王は言った。「生きている子どもを二つに断ち切り、半分をこちらに、半分をそちらに与えなさい。」
26 すると、生きている子の母親は、自分の子を哀れに思って胸が熱くなり、王に申し立てて言った。「わが君。どうか、その生きている子をあの女にあげてください。決してその子を殺さないでください。」しかし、もうひとりの女は、「それを私のものにも、あなたのものにもしないで、断ち切ってください」と言った。
27 そこで王は宣告を下して言った。「生きている子どもを初めの女に与えなさい。決してその子を殺してはならない。彼女がその子の母親なのだ。」
28 イスラエル人はみな、王が下したさばきを聞いて、王を恐れた。神の知恵が彼のうちにあって、さばきをするのを見たからである。
1 こうして、ソロモン王は全イスラエルの王となった。
2 彼の高官たちは次のとおり。ツァドクの子アザルヤは祭司。
317シシャの子らエリホレフとアヒヤは書記。アヒルデの子ヨシャパテは参議。
4 エホヤダの子ベナヤは軍団長。ツァドクとエブヤタルは祭司。
5 ナタンの子アザルヤは政務長官。ナタンの子ザブデは祭司で、王の友。
6 アヒシャルは宮内長官。アブダの子アドニラムは役務長官。
7 ソロモンは、イスラエルの全土に十二人の守護を置いた。彼らは王とその一族に食糧を納めていた。すなわち、一年に一か月間、おのおの食糧を納めていた。
8 彼らの名は次のとおり。
エフライムの山地にはフルの子。
9 マカツ、シャアルビム、ベテ・シェメシュ、エロン・ベテ・ハナンにはデケルの子。
10 アルボテにはヘセデの子。──彼にはソコとヘフェルの全地が任せられていた──
11 ドルの全高地にはアビナダブの子。──ソロモンの娘タファテが彼の妻であった──
12 タナク、メギド、それに、イズレエルの下ツァレタンのそばのベテ・シェアンの全土、ベテ・シェアンからアベル・メホラ、ヨクモアムの向こうまでの地には、アヒルデの子バアナ。
13 ラモテ・ギルアデにはゲベルの子。──彼にはギルアデのマナセの子ヤイルの村々と、バシャンにあるアルゴブの地域で、城壁と青銅のかんぬきを備えた六十の大きな町々が任せられた──
14 マハナイムにはイドの子アヒナダブ。
15 ナフタリにはアヒマアツ。──彼もまた、ソロモンの娘バセマテをめとっていた──
16 アシェルと18ベアロテにはフシャイの子バアナ。
17 イッサカルにはパルアハの子ヨシャパテ。
18 ベニヤミンにはエラの子シムイ。
19 エモリ人の王シホンと、バシャンの王オグの領地であったギルアデの地にはウリの子ゲベル。その地にはもうひとりの守備隊長がいた。
20 ユダとイスラエルの人口は、海辺の砂のように多くなり、彼らは飲み食いして楽しんでいた。
21 ソロモンは、19大河からペリシテ人の地、さらには、エジプトの国境に至るすべての王国を支配した。これらの王国は、ソロモンの一生の間みつぎものを持って来て、彼に仕えた。
22 ソロモンの一日分の食糧は、小麦粉三十20コル、大麦粉六十コル。
23 それに、肥えた牛十頭、放牧の牛二十頭、羊百頭。そのほか、雄鹿、かもしか、のろじかと、肥えた鳥であった。
24 これはソロモンが、大河の西側、ティフサフからガザまでの全土、すなわち、大河の西側のすべての王たちを支配し、周辺のすべての地方に平和があったからである。
25 ユダとイスラエルは、ソロモンの治世中、ダンからベエル・シェバまで、みな、おのおの自分のぶどうの木の下や、いちじくの木の下で安心して住むことができた。
26 ソロモンは戦車用の馬のための馬屋21四万、騎兵一万二千を持っていた。
27守護たちは、それぞれ自分の当番月にソロモン王、およびソロモン王の食事の席に連なるすべての者たちのために、食糧を納め、不足させなかった。
28 彼らはまた、引き馬や早馬のために、それぞれ割り当てに従って、馬のいる所に大麦とわらを持って来た。
29 神は、ソロモンに非常に豊かな知恵と英知と、海辺の砂浜のように広い心とを与えられた。
30 それでソロモンの知恵は、東のすべての人々の知恵と、エジプト人のすべての知恵とにまさっていた。
31 彼は、すべての人、すなわち、エズラフ人エタンや、ヘマンや、カルコルや、マホルの子ダルダよりも知恵があった。それで、彼の名声は周辺のすべての国々に広がった。
32 彼は三千の箴言を語り、彼の歌は一千五首もあった。
33 彼はレバノンの杉の木から、石垣に生えるヒソプに至るまでの草木について語り、獣や鳥やはうものや魚についても語った。
34 ソロモンの知恵を聞くために、すべての国の人々や、彼の知恵のうわさを聞いた国のすべての王たちがやって来た。
1 さて、ツロの王ヒラムは、ソロモンが油をそそがれ、彼の父に代わって王となったことを聞いて、自分の家来たちをソロモンのところへ遣わした。ヒラムはダビデといつも友情を保っていたからである。
2 そこで、ソロモンはヒラムのもとに人をやって言わせた。
3 「あなたがご存じのように、私の父ダビデは、彼の回りからいつも戦いをいどまれていたため、主が彼らを私の足の裏の下に置かれるまで、彼の神、主の名のために宮を建てることができませんでした。
4 ところが、今、私の神、主は、周囲の者から守って、私に安息を与えてくださり、敵対する者もなく、わざわいを起こす者もありません。
5 今、私は、私の神、主の名のために宮を建てようと思っています。主が私の父ダビデに『わたしが、あなたの代わりに、あなたの王座に着かせるあなたの子、彼がわたしの名のために宮を建てる』と言われたとおりです。
6 どうか、私のために、レバノンから杉の木を切り出すように命じてください。私のしもべたちも、あなたのしもべたちといっしょに働きます。私はあなたのしもべたちに、あなたが言われるとおりの賃金を払います。ご存じのように、私たちの中にはシドン人のように木を切ることに熟練した者がいないのです。」
7 ヒラムはソロモンの申し出を聞いて、非常に喜んで言った。「きょう、主はほむべきかな。このおびただしい民を治める知恵ある子をダビデに授けられたとは。」
8 そして、ヒラムはソロモンのもとに人をやって言わせた。「あなたの申し送られたことを聞きました。私は、杉の木材ともみの木材なら、何なりとあなたのお望みどおりにいたしましょう。
9 私のしもべたちはそれをレバノンから海へ下らせます。私はそれをいかだに組んで、海路、あなたが指定される場所まで送り、そこで、それを解かせましょう。あなたはそれを受け取ってください。それから、あなたは、私の一族に食物を与え、私の願いをかなえてください。」
10 こうしてヒラムは、ソロモンに杉の木材ともみの木材とを彼の望むだけ与えた。
11 そこで、ソロモンはヒラムに、その一族の食糧として、小麦二万コルを与え、また、上質のオリーブ油二十コルを与えた。ソロモンはこれだけの物を毎年ヒラムに与えた。
12主は約束どおり、ソロモンに知恵を賜ったので、ヒラムとソロモンとの間には平和が保たれ、ふたりは契約を結んだ。
13 ソロモン王は全イスラエルから役務者を徴用した。役務者は三万人であった。
14 ソロモンは彼らを一か月交替で、一万人ずつレバノンに送った。すなわち、一か月はレバノンに、二か月は家にいるようにした。役務長官はアドニラムであった。
15 ソロモンには荷役人夫が七万人、山で石を切り出す者が八万人あった。
16 そのほか、ソロモンには工事の監督をする者の長が三千三百人あって、工事に携わる者を指揮していた。
17 王は、切り石を神殿の礎に据えるために、大きな石、高価な石を切り出すように命じた。
18 ソロモンの建築師と、ヒラムの建築師と、ゲバル人たちは石を切り、宮を建てるために木材と石材とを準備した。
1 イスラエル人がエジプトの地を出てから四百八十年目、ソロモンがイスラエルの王となってから四年目のジブの月、すなわち第二の月に、ソロモンは主の家の建設に取りかかった。
2 ソロモン王が主のために建設した神殿は、長さ六十22キュビト、幅二十キュビト、高さ三十キュビトであった。
3神殿の本堂の前につく玄関は、長さが神殿の幅と同じ二十キュビト、幅が神殿の前方に十キュビトであった。
4神殿には格子を取りつけた窓を作った。
5 さらに、神殿の壁の回り、つまり、本堂と内堂の回りの神殿の壁に脇屋を建て増しし、こうして階段式の脇間を造りめぐらした。
6脇屋の一階は幅五キュビト、二階は幅六キュビト、三階は幅七キュビトであった。それは、神殿の外側の回りの壁に段を作り、神殿の壁を梁でささえないようにするためであった。
7神殿は、建てるとき、石切り場で完全に仕上げられた石で建てられたので、工事中、槌や、斧、その他、鉄の道具の音は、いっさい神殿の中では聞かれなかった。
8 二階の脇間に通ずる入口は神殿の右側にあり、らせん階段で、二階に上り、二階から三階に上るようになっていた。
9 彼は神殿を建て、これを完成するにあたって、神殿の天井を杉材のたるきと厚板でおおった。
10神殿の側面に脇屋を建てめぐらし、その各階の高さは五キュビトにして、これを杉材で神殿に固着させた。
11 そのとき、ソロモンに次のような主のことばがあった。
12 「あなたが建てているこの神殿については、もし、あなたがわたしのおきてに歩み、わたしの定めを行い、わたしのすべての命令を守り、これによって歩むなら、わたしがあなたの父ダビデにあなたについて約束したことを成就しよう。
13 わたしはイスラエルの子らのただ中に住み、わたしの民イスラエルを捨てることはしない。」
14 こうして、ソロモンは神殿を建て、これを完成した。
15 彼は神殿の内側の壁を杉の板で張り、神殿の床から天井の壁に至るまで、内側を板で張った。なお神殿の床はもみの木の板で張った。
16 ついで、彼は神殿の奥の部分二十キュビトを、床から天井の壁に至るまで、杉の板で張った。このようにして、彼は神殿に内堂、すなわち、至聖所を造り上げた。
17神殿、すなわち、前面の本堂の長さは四十キュビトであった。
18神殿内部の杉の板には、ひょうたん模様と花模様が浮き彫りにされており、全部、杉の板で、石は見えなかった。
19 それから、彼は神殿内部の奥に内堂を設け、そこに主の契約の箱を置くことにした。
20 内堂の内部は、長さ二十キュビト、幅二十キュビト、高さ二十キュビトで、純金をこれに着せた。さらに杉材の祭壇にも純金を着せた。
21 ソロモンは神殿の内側を純金でおおい、内堂の前に金の鎖を渡し、これを金でおおった。
22神殿全体を、隅々まで金で張り、内堂にある祭壇もすっかり金をかぶせた。
23 内堂の中に二つのオリーブ材のケルビムを作った。その高さは十キュビトであった。
24 そのケルブの一方の翼は五キュビト、もう一方の翼も五キュビト。一方の翼の端からもう一方の翼の端まで十キュビトあった。
25他のケルブも十キュビトあり、両方のケルビムは全く同じ寸法、同じ形であった。
26 一方のケルブは高さ十キュビト、他方のケルブも同じであった。
27 そのケルビムは奥の神殿の中に置かれた。ケルビムの翼は広がって、一つのケルブの翼は一方の壁に届き、もう一つのケルブの翼はもう一方の壁に届き、また彼らの翼は神殿の真ん中に届いて翼と翼が触れ合っていた。
28 彼はこのケルビムに金をかぶせた。
29神殿の周囲の壁には、すべて、奥の間も外の間も、ケルビムの彫刻、なつめやしの木と花模様の彫り物を彫った。
30神殿の床には、奥の間も外の間も、金をかぶせた。
31 彼は内堂の入口を、オリーブ材のとびらと五角形の戸口の柱で作った。
32 二つのオリーブ材のとびらである。彼はその上に、ケルビムの彫刻と、なつめやしの木と花模様を彫り、金をかぶせた。ケルビムと、なつめやしの木の上に金を延ばしつけたのである。
33 同じように、本堂の入口にも四角形のオリーブ材の戸口の柱を作った。
34 もみの木の二つのとびらである。一方のとびらの二枚の戸は折りたたみ戸、片方のとびらの二枚の戸も折りたたみ戸であった。
35 彼はケルビムと、なつめやしの木と花模様を彫りつけ、その彫り物の上に、ぴったりと金を張りつけた。
36 それから、彼は、切り石三段、杉角材一段の仕切りで内庭を造った。
37 第四年目のジブの月に、主の神殿の礎を据え、
38 第十一年目のブルの月、すなわち第八の月に、神殿のすべての部分が、その明細どおりに完成した。これを建てるのに七年かかった。
1 ソロモンは自分の宮殿を建て、十三年かかって宮殿全部を完成した。
2 彼はレバノンの森の宮殿を建てた。その長さは百キュビト、幅は五十キュビト、高さは三十キュビトで、それは四列の杉材の柱の上にあり、その柱の上には杉材の梁があった。
3 また四十五本の柱──一列に十五本ずつ──の上の階段式脇間の屋根は杉材でふかれていた。
4 戸口は三列、三階になって、向かい合っていた。
5 戸口のとびらと戸口の柱とはすべて四辺形で、三階になって向かい合っていた。
6 彼はまた、柱の広間を造った。その長さは五十キュビト、その幅は三十キュビトであった。その前に玄関があり、その前に柱とひさしとがあった。
7 彼はまた、さばきをするための王座の広間、さばきの広間を造り、床の隅々から天井まで杉材を張りつめた。
8 彼の住む家は、その広間のうしろの庭にあり、同じ造作であった。また、ソロモンは、彼がめとったパロの娘のためにも、この広間と同じような家を建てた。
9 これらはすべて、内側も外側も、寸法どおりにのこぎりで切りそろえた切り石、高価な石で造られていた。礎から頂上に至るまで、さらに外庭から大庭に至るまでそうであった。
10礎は高価な石、大きな石で、十キュビトも八キュビトもあった。
11 その上には寸法どおりの切り石、高価な石と杉材が使われていた。
12 大庭の周囲には、三段の切り石と一段の杉角材とが使われ、主の宮の内庭や、神殿の玄関広間と同じであった。
13 ソロモン王は人をやって、ツロからヒラムを呼んで来た。
14 彼はナフタリ族のやもめの子であった。彼の父はツロの人で、青銅の細工師であった。それでヒラムは青銅の細工物全般に関する知恵と、英知と、知識とに満ちていた。彼はソロモン王のもとにやって来て、そのいっさいの細工を行った。
15 彼は青銅で二本の柱を鋳造した。その一本の柱の高さは十八キュビト。周囲は他の柱といっしょに、ひもで測って十二キュビトであった。
16 彼は青銅で鋳造した二つの柱頭を作り、柱の頂に載せた。一つの柱頭の高さは五キュビト、もう一つの柱頭の高さも五キュビトであった。
17 柱の頂の柱頭に取りつけて、鎖で編んだ、ふさになった格子細工の網を、一方の柱頭に七つ、他の柱頭に七つ作った。
18 こうして彼は柱を作り、23柱の頂にある柱頭をおおうために、24青銅のざくろが格子網の上を二段に取り巻くようにし、他の柱頭にも同じようにした。
19 この玄関広間にある柱の頂の上の柱頭は、ゆりの花の細工であって、それは四キュビトであった。
20 二本の柱の上にある柱頭の格子網のあたりで丸い突出部の回りには、二百個のざくろが、両方の柱頭に段をなして並んでいた。
21 この柱を本堂の玄関広間の前に立てた。彼は右側に立てた柱に25ヤキンという名をつけ、左側に立てた柱に26ボアズという名をつけた。
22 この柱の頂の上には、ゆりの花の細工があり、このようにして、柱の造作を完成した。
23 それから、鋳物の海を作った。縁から縁まで十キュビト。円形で、その高さは五キュビト。その周囲は測りなわで巻いて三十キュビトであった。
24 その縁の下に沿って、ひょうたん模様が回りを取り巻いていた。すなわち、一キュビトにつき十ずつの割りでその海の周囲を取り巻いていた。このひょうたん模様は二段になっており、海を鋳たときに鋳込んだものである。
25 これは十二頭の牛の上に据えられていた。三頭は北を向き、三頭は西を向き、三頭は南を向き、三頭は東を向いていた。この海は、これらの牛の上に載せられており、牛の後部はすべて内側に向いていた。
26 その海の厚さは一手幅あり、その縁は、杯の縁のようにゆりの花の形をしていた。その容量は二千27バテであった。
27 彼は青銅で十個の台を作った。おのおのの台は長さ四キュビト、幅四キュビト、高さ三キュビトであった。
28 この台の構造は次のとおり。台には鏡板があり、鏡板はわくにはまっていた。
29 わくにはめられている鏡板の上には、雄獅子と牛とケルビムとがあり、雄獅子と牛の上と下にあるわくの表面には花模様が鋳込んであった。
30 それぞれ台には青銅の車輪四つと、青銅の軸がついており、台の四隅には洗盤のささえがあり、そのささえは洗盤の下にあって、各表面が花模様に鋳られていた。
31洗盤の口は28ささえの内側にあって、一キュビト上に出ており、その口は丸く、花模様の細工があって、一キュビト半あり、また、その口の上にも彫刻がしてあり、わくの鏡板は四角で、丸くなかった。
32鏡板の下には四つの車輪があり、車軸は台に取りつけられ、一つの車輪の高さは一キュビト半であった。
33 その車輪の作りは戦車の車輪の作りと同じで、車軸も、輪縁も、輻も、こしきもみな、鋳物であった。
34 それぞれ台の四隅には四本のささえがあり、ささえと台とは一体をなしていた。
35 台の上部には高さ半キュビトの丸い部分が取り巻いており、その台の上のささえと鏡板とは一体をなしていた。
36 そのささえの表面と鏡板には、それぞれの場所に、ケルビムと、雄獅子と、なつめやしの木を刻み、その周囲には花模様を刻んだ。
37 彼は、以上のように、十個の台を作った。それらは全部、同じ鋳方、同じ寸法、同じ形であった。
38 ついで、彼は青銅で十個の洗盤を作った。洗盤の容量はそれぞれ四十バテ、それぞれ29直径四キュビトであった。洗盤は、一つの台の上に一つずつ、十個の台の上にあった。
39 彼はその台の五個を神殿の右側に、五個を神殿の左側に置き、海を神殿の右側、すなわち、東南の方角に置いた。
40 さらに、ヒラムは30灰つぼと十能と鉢を作った。こうして、ヒラムは主の宮のためにソロモン王が注文したすべての仕事を完成した。
41 すなわち、二本の柱と、二本の柱の頂にある丸い柱頭、および、柱の頂にある丸い二つの柱頭をおおう二つの格子網、
42 また、二つの格子網に取りつけた四百のざくろ、すなわち、柱の先端にある丸い二つの柱頭をおおうそれぞれの格子網のための二段のざくろ。
43 また、十個の台と、その台の上の十個の洗盤、
44 一つの海と、その海の下の十二頭の牛、
45 また、灰つぼと十能と鉢であった。ヒラムがソロモン王の注文により主の宮のために作ったすべての用具は、みがきをかけた青銅であった。
46 王は、ヨルダンの低地、スコテとツァレタンとの間の粘土の地で、これらを鋳造した。
47 ソロモンは、この用具があまりにも多かったので、みなそれを31量らないままにしておいた。青銅の重さは量られなかった。
48 ついで、ソロモンは主の宮にあるすべての用具を作った。すなわち、金の祭壇と供えのパンを載せる金の机、
49純金の燭台──内堂の右側に五つ、左側に五つ──、金の花模様、ともしび皿、心切りばさみを作った。
50 また、純金の皿と、心取りばさみ、鉢、平皿、火皿を純金で作った。また、至聖所に通じる神殿のとびらのちょうつがい、神殿の本堂に通じるとびらのちょうつがいも金で作った。
51 こうして、ソロモン王が主の宮のためにしたすべての工事が完成した。そこで、ソロモンは父ダビデが聖別した物、すなわち、銀、金、各種の器具類を運び入れ、主の宮の宝物倉に納めた。
1 そのとき、ソロモンはイスラエルの長老たち、およびイスラエル人の部族のかしらたちと一族の長たちをすべて、エルサレムのソロモン王のもとに召集した。ダビデの町シオンから主の契約の箱を運び上るためであった。
2 イスラエルのすべての人々は、エタニムの月、すなわち第七の新月の祭りに、ソロモン王のもとに集まった。
3 こうして、イスラエルの長老全員が到着したところで、祭司たちは箱をにない、
4主の箱と、会見の天幕と、天幕にあったすべての聖なる用具とを運び上った。これらの物を祭司たちとレビ人たちが運び上った。
5 ソロモン王、そして彼のところに集まったイスラエルの全会衆が彼とともに、箱の前に行き、羊や牛をいけにえとしてささげたが、その数があまりに多くて数えることも調べることもできなかった。
6 それから、祭司たちは主の契約の箱を、定めの場所、すなわち神殿の内堂である至聖所のケルビムの翼の下に運び入れた。
7 ケルビムは箱の所の上に翼を広げた。ケルビムは箱とそのかつぎ棒とを上からおおった。
8 そのかつぎ棒は長かったので、棒の先が内堂の前の聖所から見えていたが、外からは見えなかった。それは今日までそこにある。
9 箱の中には、二枚の石の板のほかには何も入っていなかった。これは、イスラエル人がエジプトの地から出て来たとき、主が彼らと契約を結ばれたときに、モーセがホレブでそこに納めたものである。
10 祭司たちが聖所から出て来たとき、雲が主の宮に満ちた。
11 祭司たちは、その雲にさえぎられ、そこに立って仕えることができなかった。主の栄光が主の宮に満ちたからである。
12 そのとき、ソロモンは言った。
「主は、暗やみの中に住む、と仰せられました。
13 そこで私はあなたのお治めになる宮を、
あなたがとこしえにお住みになる所を
確かに建てました。」
14 それから王は振り向いて、イスラエルの全集団を祝福した。イスラエルの全集団は起立していた。
15 彼は言った。「イスラエルの神、主はほむべきかな。主は御口をもって私の父ダビデに語り、御手をもってこれを成し遂げて言われた。
16 『わたしの民イスラエルを、エジプトから連れ出した日からこのかた、わたしはわたしの名を置く宮を建てるために、イスラエルの全部族のうちのどの町をも選ばなかった。わたしはダビデを選び、わたしの民イスラエルの上に立てた。』
17 それで私の父ダビデは、イスラエルの神、主の名のために宮を建てることをいつも心がけていた。
18 ところが、主は、私の父ダビデにこう仰せられた。『あなたは、わたしの名のために宮を建てることを心がけていたために、あなたはよくやった。あなたは確かに、そう心がけていた。
19 しかし、あなたがその宮を建ててはならない。あなたの腰から出るあなたの子どもが、わたしの名のために宮を建てる。』
20主は、お告げになった約束を果たされたので、私は父ダビデに代わって立ち、主の約束どおりイスラエルの王座に着いた。そして、イスラエルの神、主の名のために、この宮を建て、
21主の契約が納められている箱のために、そこに一つの場所を設けた。その契約は、主が、私たちの先祖をエジプトの地から連れ出されたときに、彼らと結ばれたものである。」
22 ソロモンはイスラエルの全集団の前で、主の祭壇の前に立ち、両手を天に差し伸べて、
23 言った。「イスラエルの神、主。上は天、下は地にも、あなたのような神はほかにありません。あなたは、心を尽くして御前に歩むあなたのしもべたちに対し、契約と32愛とを守られる方です。
24 あなたは、約束されたことを、あなたのしもべ、私の父ダビデのために守られました。それゆえ、あなたは御口をもって語られました。また御手をもって、これを今日のように、成し遂げられました。
25 それで今、イスラエルの神、主よ。あなたのしもべ、私の父ダビデに約束して、『あなたがわたしの前に歩んだように、もしあなたの子孫がその道を守り、わたしの前に歩みさえするなら、あなたには、イスラエルの王座に着く人が、わたしの前から断たれない』と仰せられたことを、ダビデのために守ってください。
26 今、イスラエルの神。どうかあなたのしもべ、私の父ダビデに約束されたみことばが堅く立てられますように。
27 それにしても、神ははたして地の上に住まわれるでしょうか。実に、天も、天の天も、あなたをお入れすることはできません。まして、私の建てたこの宮など、なおさらのことです。
28 けれども、あなたのしもべの祈りと願いに御顔を向けてください。私の神、主よ。あなたのしもべが、きょう、御前にささげる叫びと祈りを聞いてください。
29 そして、この宮、すなわち、あなたが『わたしの名をそこに置く』と仰せられたこの所に、夜も昼も御目を開いていてくださって、あなたのしもべがこの所に向かってささげる祈りを聞いてください。
30 あなたのしもべとあなたの民イスラエルが、この所に向かってささげる願いを聞いてください。あなたご自身が、あなたのお住まいになる所、天にいまして、これを聞いてください。聞いて、お赦しください。
31 ある人が隣人に罪を犯し、のろいの誓いを立てさせられることになって、この宮の中にあるあなたの祭壇の前に来て誓うとき、
32 あなたご自身が天でこれを聞き、あなたのしもべたちにさばきを行って、悪者にはその生き方への報いとして、その頭上に悪を下し、正しい者にはその正しさにしたがって義を報いてください。
33 また、あなたの民イスラエルが、あなたに罪を犯したために敵に打ち負かされたとき、彼らがあなたのもとに立ち返り、御名をほめたたえ、この宮で、あなたに祈り願ったなら、
34 あなたご自身が天でこれを聞き、あなたの民イスラエルの罪を赦し、あなたが彼らの先祖たちにお与えになった地に、彼らを帰らせてください。
35 彼らがあなたに罪を犯したため、天が閉ざされて雨が降らない場合、彼らがこの所に向かって祈り、御名をほめたたえ、あなたの懲らしめによって彼らがその罪から立ち返るなら、
36 あなたご自身が天でこれを聞き、あなたのしもべたち、あなたの民イスラエルの罪を赦し、彼らの歩むべき良い道を彼らに教え、あなたの民に相続地としてお与えになったあなたの地に雨を降らせてください。
37 もし、この地に、ききんが起こり、疫病や立ち枯れや、黒穂病、いなごや油虫が発生した場合、また、敵がこの地の町々を攻め囲んだ場合、どんなわざわい、どんな病気の場合にも、
38 だれでも、あなたの民イスラエルがおのおの自分の心の悩みを知り、この宮に向かって両手を差し伸べて祈るとき、どのような祈り、願いも、
39 あなたご自身が、あなたの御住まいの所である天で聞いて、赦し、またかなえてください。ひとりひとりに、そのすべての生き方にしたがって報いてください。あなたはその心を知っておられます。あなただけがすべての人の子の心を知っておられるからです。
40 それは、あなたが私たちの先祖に賜った地の上で彼らが生きながらえる間、いつも彼らがあなたを恐れるためです。
41 また、あなたの民イスラエルの者でない外国人についても、彼があなたの御名のゆえに、遠方の地から来て、
42 ──彼らは、あなたの大いなる御名と、力強い御手と、伸べられた腕について聞きますから──この宮に来て祈るとき、
43 あなたご自身が、あなたの御住まいの所である天でこれを聞き、その外国人があなたに向かって願うことをすべてかなえてください。そうすれば、この地のすべての民が御名を知り、あなたの民イスラエルと同じように、あなたを恐れるようになり、私の建てたこの宮では、御名が呼び求められなくてはならないことを知るようになるでしょう。
44 あなたの民が、敵に立ち向かい、あなたが遣わされる道に出て戦いに臨むとき、あなたの選ばれた町、私が御名のために建てた宮の方向に向かって、主に祈るなら、
45 天で、彼らの祈りと願いを聞いて、彼らの言い分を聞き入れてやってください。
46 彼らがあなたに対して罪を犯したため──罪を犯さない人間はひとりもいないのですから──あなたが彼らに対して怒られ、彼らを敵に渡し、彼らが、遠い、あるいは近い敵国に捕虜として捕らわれていった場合、
47 彼らが捕らわれていった地で、みずから反省して悔い改め、捕らわれていった地で、あなたに願い、『私たちは罪を犯しました。悪を行って、咎ある者となりました』と言って、
48捕らわれていった敵国で、心を尽くし、精神を尽くして、あなたに立ち返り、あなたが彼らの先祖に与えられた彼らの地、あなたが選ばれたこの町、私が御名のために建てたこの宮のほうに向いて、あなたに祈るなら、
49 あなたの御住まいの所である天で、彼らの祈りと願いを聞き、彼らの言い分を聞き入れ、
50 あなたに対して罪を犯したあなたの民を赦し、あなたにそむいて犯したすべてのそむきの罪を赦し、彼らを捕らえていった者たちが、あわれみの心を起こし、彼らをあわれむようにしてください。
51 彼らは、あなたの民であり、あなたがエジプトから、すなわち鉄の炉の中から連れ出されたあなたご自身のものであるからです。
52 どうか、あなたのしもべの願いと、あなたの民イスラエルの願いとに、御目を開き、彼らがあなたに叫び求めるとき、いつも彼らの願いを聞き入れてください。
53 あなたが彼らを地上のすべての国々の民から区別してご自身のものとされたのです。33神、主よ。あなたが私たちの先祖をエジプトから連れ出されたとき、あなたのしもべモーセを通して告げられたとおりです。」
54 こうして、ソロモンは、この祈りと願いをことごとく主にささげ終わった。彼はそれまで、ひざまずいて、両手を天に差し伸ばしていた主の祭壇の前から立ち上がり、
55 まっすぐ立って、イスラエルの全集団を大声で祝福して言った。
56 「約束どおり、ご自分の民イスラエルに安住の地をお与えになった主はほむべきかな。しもべモーセを通して告げられた良い約束はみな、一つもたがわなかった。
57 私たちの神、主は、私たちの先祖とともにおられたように、私たちとともにいて、私たちを見放さず、私たちを見捨てられませんように。
58 私たちの心を主に傾けさせ、私たちが主のすべての道に歩み、私たちの先祖にお命じになった命令と、おきてと、定めとを守るようにさせてください。
59 私が主の御前で願ったことばが、昼も夜も、私たちの神、主のみそば近くにあって、日常のことにおいても、しもべの言い分や、御民イスラエルの言い分を正しく聞き入れてくださいますように。
60 地上のすべての国々の民が、主こそ神であり、ほかに神はないことを知るようになるためです。
61 あなたがたは、私たちの神、主と心を全く一つにし、主のおきてに歩み、今日のように、主の命令を守らなければならない。」
62 それから、王と王のそばにいたイスラエル人はみな、主の前にいけにえをささげた。
63 ソロモンは主へのいけにえとして和解のいけにえをささげた。すなわち牛二万二千頭と羊十二万頭。こうして、王とすべてのイスラエル人は主の宮を奉献した。
64 その日、王は主の神殿の前の庭の中央部を聖別し、そこで、全焼のいけにえと、穀物のささげ物と、和解のいけにえの脂肪とをささげた。主の前にあった青銅の祭壇は、全焼のいけにえと、穀物のささげ物と、和解のいけにえの脂肪とを受け入れるには小さすぎたからである。
65 ソロモンは、このとき、彼とともにいた全イスラエル、すなわち、34レボ・ハマテからエジプト川に至るまでの大集団といっしょに、35七日と七日、すなわち十四日間、私たちの神、主の前で祭りを行った。
66 八日目に、彼は民を去らせた。民は王に祝福のことばを述べ、主がそのしもべダビデと、その民イスラエルとに下さったすべての恵みを喜び、心楽しく彼らの天幕へ帰って行った。
1 ソロモンが、主の宮と王宮、およびソロモンが造りたいと望んでいたすべてのものを完成したとき、
2主は、かつてギブオンで彼に現れたときのように、ソロモンに再び現れた。
3主は彼に仰せられた。「あなたがわたしの前で願った祈りと願いをわたしは聞いた。わたしは、あなたがわたしの名をとこしえまでもここに置くために建てたこの宮を聖別した。わたしの目とわたしの心は、いつもそこにある。
4 あなたが、あなたの父ダビデが歩んだように、全き心と正しさをもって、わたしの前に歩み、わたしがあなたに命じたことをすべてそのまま実行し、わたしのおきてと定めとを守るなら、
5 わたしが、あなたの父ダビデに、『あなたには、イスラエルの王座から人が断たれない』と言って約束したとおり、あなたの王国の王座をイスラエルの上に永遠に確立しよう。
6 もし、あなたがたとあなたがたの子孫が、わたしにそむいて従わず、あなたがたに授けたわたしの命令とわたしのおきてとを守らず、行ってほかの神々に仕え、これを拝むなら、
7 わたしが彼らに与えた地の面から、イスラエルを断ち、わたしがわたしの名のために聖別した宮を、わたしの前から投げ捨てよう。こうして、イスラエルはすべての国々の民の間で、物笑いとなり、なぶりものとなろう。
8 この宮も36廃墟となり、そのそばを通り過ぎる者はみな、驚いて、ささやき、『なぜ、主はこの地とこの宮とに、このような仕打ちをされたのだろう』と言うであろう。
9 すると人々は、『あの人たちは、エジプトの地から自分たちの先祖を連れ出した彼らの神、主を捨てて、ほかの神々にたより、これを拝み、これに仕えた。そのために、主はこのすべてのわざわいをこの人たちに下されたのだ』と言うようになる。」
10 ソロモンが主の宮と王宮との二つの家を二十年かかって建て終わったとき、
11 ツロの王ヒラムが、ソロモンの要請に応じて、杉の木材、もみの木材、および、金をソロモンに用立てたので、ソロモン王はガリラヤの地方の二十の町をヒラムに与えた。
12 しかし、ヒラムがツロからやって来て、ソロモンが彼に与えた町々を見たが、それは彼の気に入らなかった。
13 それで彼は、「兄弟よ。あなたが私に下さったこの町々は、いったい何ですか」と言った。そのため、これらの町々は37カブルの地と呼ばれた。今日もそうである。
14 ヒラムは王に金百二十38タラントを贈っていた。
15 ソロモン王は役務者を徴用して次のような事業をした。彼は主の宮と、自分の宮殿、ミロと、エルサレムの城壁、ハツォルとメギドとゲゼルを建設した。
16 ──エジプトの王パロは、かつて上って来て、ゲゼルを攻め取り、これを火で焼き、この町に住んでいたカナン人を殺し、ソロモンの妻である自分の娘に結婚の贈り物としてこれを与えていたので、
17 ソロモンは、このゲゼルを再建した──また、下ベテ・ホロンと、
18 バアラテ、およびこの地の荒野にあるタデモル、
19 ソロモンの所有のすべての倉庫の町々、戦車のための町々、騎兵のための町々、ソロモンがエルサレムや、レバノンや、すべての領地に建てたいと切に願っていたものを建設した。
20 イスラエル人でないエモリ人、ヘテ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の生き残りの民全員、
21 すなわち、イスラエル人が聖絶することのできなかった人々の跡を継いで、この地に生き残った彼らの子孫を、ソロモンは奴隷の苦役に徴用した。今日もそうである。
22 しかし、ソロモンはイスラエル人を奴隷にはしなかった。彼らは戦士であり、彼の家来であり、隊長であり、補佐官であり、戦車隊と騎兵隊の長であったからである。
23 ソロモンの工事を監督する者の長は五百五十人であって、工事に携わる民を指揮していた。
24 パロの娘が、ダビデの町から、彼女のために建てた家に上って来たとき、ソロモンはミロを建てた。
25 ソロモンは、主のために建てた祭壇の上に、一年に三度、全焼のいけにえと和解のいけにえとをささげ、また、主の前にある壇で香をたいた。彼は宮を完成した。
26 また、ソロモン王は、エドムの地の39葦の海の岸辺にある40エラテに近いエツヨン・ゲベルに船団を設けた。
27 この船団に、ヒラムは自分のしもべであり、海に詳しい水夫たちを、ソロモンのしもべたちといっしょに送り込んだ。
28 彼らはオフィルへ行き、そこから、四百二十41タラントの金を取って、これをソロモン王のもとに持って来た。
1 ときに、シェバの女王が、主の名に関連してソロモンの名声を伝え聞き、難問をもって彼をためそうとして、やって来た。
2 彼女は、非常に大ぜいの有力者たちを率い、らくだにバルサム油と、非常に多くの金および宝石を載せて、エルサレムにやって来た。彼女はソロモンのところに来ると、心にあったすべてのことを彼に質問した。
3 ソロモンは、彼女のすべての質問を説き明かした。王がわからなくて、彼女に説き明かせなかったことは何一つなかった。
4 シェバの女王は、ソロモンのすべての知恵と、彼が建てた宮殿と、
5 その食卓の料理、列席の家来たち従者たちが仕えている態度とその服装、彼の献酌官たち、および、彼が主の宮でささげた全焼のいけにえを見て、息も止まるばかりであった。
6 彼女は王に言った。「私が国であなたの事績とあなたの知恵とについて聞き及んでおりましたことはほんとうでした。
7 実は、私は、自分で来て、自分の目で見るまでは、そのことを信じなかったのですが、驚いたことに、私にはその半分も知らされていなかったのです。あなたの知恵と繁栄は、私が聞いていたうわさよりはるかにまさっています。
8 なんとしあわせなことでしょう。あなたにつく人たちは。なんとしあわせなことでしょう。いつもあなたの前に立って、あなたの知恵を聞くことのできる家来たちは。
9 あなたを喜ばれ、イスラエルの王座にあなたを着かせられたあなたの神、主はほむべきかな。主はイスラエルをとこしえに愛しておられるので、あなたを王とし、公正と正義とを行わせられるのです。」
10 彼女は百二十タラントの金と、非常にたくさんのバルサム油と宝石とを王に贈った。シェバの女王がソロモン王に贈ったほどに多くのバルサム油は、二度と入って来なかった。
11 オフィルから金を積んで来たヒラムの船団も、非常に多くのびゃくだんの木材と宝石とをオフィルから運んで来た。
12 王はこのびゃくだんの木材で、主の宮と王宮の柱を造り、歌うたいたちのために、立琴と十弦の琴を作った。今日まで、このようなびゃくだんの木材が入って来たこともなく、だれもこのようなものを見たこともなかった。
13 ソロモン王は、その豊かさに相応したものをシェバの女王に与えたが、それ以外にも、彼女が求めた物は何でもその望みのままに与えた。彼女は、家来たちを連れて、自分の国へ戻って行った。
14 一年間にソロモンのところに入って来た金の重さは、金の目方で六百六十六タラントであった。
15 このほかに、交易商人から得たもの、貿易商人の商いで得たもの、アラビヤのすべての王たち、およびその地の総督たちからのものがあった。
16 ソロモン王は、延べ金で大盾二百を作り、その大盾一個に六百42シェケルの金を使った。
17 また、延べ金で盾三百を作り、その盾一個に三43ミナの金を使った。王はそれらを、レバノンの森の宮殿に置いた。
18 王は大きな象牙の王座を作り、これに純粋な金をかぶせた。
19 その王座には六つの段があり、王座の背44には子牛の頭があり、座席の両側にひじかけがあり、そのひじかけのわきには二頭の雄獅子が立っていた。
20 また、十二頭の雄獅子が、六つの段の両側に立っていた。このような物は、どこの王国でも作られたためしがなかった。
21 ソロモン王が飲み物に用いる器はみな金であった。レバノンの森の宮殿にあった器物もすべて純金であって、銀の物はなかった。銀はソロモンの時代には、価値あるものとはみなされていなかった。
22 王は海に、ヒラムの船団のほか、タルシシュの船団を持っており、三年に一度、タルシシュの船団が金、銀、象牙、さる、くじゃくを運んで来たからである。
23 ソロモン王は、富と知恵とにおいて、地上のどの王よりもまさっていた。
24 全世界の者は、神が彼の心に授けられた知恵を聞こうとして、ソロモンに謁見を求めた。
25 彼らはおのおの贈り物として、銀の器、金の器、衣服、武器、バルサム油、馬、騾馬などを、毎年きまって携えて来た。
26 ソロモンは戦車と騎兵を集めたが、戦車一千四百台、騎兵一万二千人が彼のもとに45集まった。そこで、彼はこれらを戦車の町々に配置し、また、エルサレムの王のもとにも置いた。
27 王は銀をエルサレムで石のように用い、杉の木を46低地のいちじく桑の木のように大量に用いた。
28 ソロモンの所有していた馬は、エジプトとケベの輸出品であった。それは王の御用達が代価を払って、ケベから手に入れたものであった。
2947エジプトから買い上げられ、輸入された戦車は銀六百、馬は銀百五十であった。同様に、ヘテ人のすべての王も、アラムの王たちも、彼らの仲買で輸入した。
1 ソロモン王は、パロの娘のほかに多くの外国の女、すなわちモアブ人の女、アモン人の女、エドム人の女、シドン人の女、ヘテ人の女を愛した。
2 この女たちは、主がかつてイスラエル人に、「あなたがたは彼らの中に入って行ってはならない。彼らをもあなたがたの中に入れてはならない。さもないと、彼らは必ずあなたがたの心を転じて彼らの神々に従わせる」と言われたその国々の者であった。それなのに、ソロモンは彼女たちを愛して、離れなかった。
3 彼には七百人の王妃としての妻と、三百人のそばめがあった。その妻たちが彼の心を転じた。
4 ソロモンが年をとったとき、その妻たちが彼の心をほかの神々のほうへ向けたので、彼の心は、父ダビデの心とは違って、彼の神、主と全く一つにはなっていなかった。
5 ソロモンはシドン人の神アシュタロテと、アモン人のあの忌むべきミルコムに従った。
6 こうしてソロモンは、主の目の前に悪を行い、父ダビデのようには、主に従い通さなかった。
7 当時、ソロモンは、モアブの、忌むべきケモシュと、アモン人の、忌むべきモレクのために、エルサレムの東にある山の上に高き所を築いた。
8 彼は外国人の自分のすべての妻のためにも、同じようなことをしたので、彼女たちは自分たちの神々に香をたき、いけにえをささげた。
9主はソロモンに怒りを発せられた。それは彼の心がイスラエルの神、主から移り変わったからである。主は二度も彼に現れ、
10 このことについて、ほかの神々に従って行ってはならないと命じておられたのに、彼は主の命令を守らなかったからである。
11 それゆえ、主はソロモンに仰せられた。「あなたがこのようにふるまい、わたしが命じたわたしの契約とおきてとを守らなかったので、わたしは王国をあなたから必ず引き裂いて、あなたの家来に与える。
12 しかし、あなたの父ダビデに免じて、あなたの存命中は、そうしないが、あなたの子の手からそれを引き裂こう。
13 ただし、王国全部を引き裂くのではなく、わたしのしもべダビデと、わたしが選んだエルサレムのために、一つの部族だけをあなたの子に与えよう。」
14 こうして、主は、ソロモンに敵対する者としてエドム人のハダデを起こされた。彼はエドムの王の子孫であった。
15 ダビデがかつてエドムにいたころ、将軍ヨアブが戦死者を葬りに上って来て、エドムの男子をみな打ち殺したことがあった。
16 ──ヨアブは全イスラエルとともに六か月の間、そこにとどまり、エドムの男子をみな断ち滅ぼした──
17 しかしそのとき、48ハダデは、彼の父のしもべの数人のエドム人と逃げ去ってエジプトへ行った。当時、ハダデは少年であった。
18 彼らはミデヤンを出立し、パランに行き、パランから幾人かの従者を従えてエジプトへ行き、エジプトの王パロのところに行った。するとパロは彼に家を与え、食料をあてがい、さらに、土地をも与えた。
19 ハダデはパロにことのほか愛された。パロは自分の妻の妹、すなわち王妃タフペネスの妹を彼に妻として与えた。
20 タフペネスの妹は彼に男の子ゲヌバテを産んだ。タフペネスはその子をパロの宮殿で育てた。ゲヌバテはパロの宮殿でパロの子どもたちといっしょにいた。
21 さてハダデは、ダビデが彼の先祖たちとともに眠ったこと、また、将軍ヨアブも死んだことを、エジプトで聞いた。ハダデがパロに、「私を国へ帰らせてください」と言うと、
22 パロは彼に言った。「あなたは、私に何か不満があるのか。自分の国へ帰ることを求めるとは。」すると、答えた。「違います。ただ、とにかく、私を帰らせてください。」
23 神はまた、ソロモンに敵対する者として、エリヤダの子レゾンを起こされた。彼は、自分の主人、ツォバの王ハダデエゼルのもとから逃亡した者であった。
24 ダビデがハダデエゼルの兵士たちを殺害して後、彼は、人々を自分のところに集め、略奪隊の隊長となった。彼らはダマスコに行って、そこに住みつき、ダマスコを支配した。
25 彼は、ソロモンの生きている間、ハダデの悪を行って、イスラエルに敵対し、イスラエルを憎んだ。こうして彼は、アラムを支配していた。
26 ツェレダの出の49エフライム人ネバテの子ヤロブアムはソロモンの家来であった。彼の母の名はツェルアといい、やもめであった。ところが彼も王に反逆した。
27 彼が王に反逆するようになった事情はこうである。ソロモンはミロを建て、彼の父ダビデの町の破れ口をふさいでいた。
28 ヤロブアムは手腕家であった。ソロモンはこの若者の働きぶりを見て、ヨセフの家のすべての役務を管理させた。
29 そのころ、ヤロブアムがエルサレムから出て来ると、シロ人で預言者であるアヒヤが道で彼に会った。アヒヤは新しい外套を着ていた。そして彼らふたりだけが野原にいた。
30 アヒヤは着ていた新しい外套をつかみ、それを十二切れに引き裂き、
31 ヤロブアムに言った。「十切れを取りなさい。イスラエルの神、主は、こう仰せられます。『見よ。わたしはソロモンの手から王国を引き裂き、十部族をあなたに与える。
32 しかし、彼には一つの部族だけが残る。それは、わたしのしもべダビデと、わたしがイスラエルの全部族の中から選んだ町、エルサレムに免じてのことである。
33 というのは、50彼がわたしを捨て、シドン人の神アシュタロテや、モアブの神ケモシュや、アモン人の神ミルコムを拝み、彼の父ダビデのようには、彼は、わたしの見る目にかなうことを行わず、わたしのおきてと定めを守らず、わたしの道を歩まなかったからである。
34 しかし、わたしは、彼の手から、王国全部は取り上げない。わたしが選び、わたしの命令とおきてとを守ったわたしのしもべダビデに免じて、ソロモンが生きている間は、彼を君主としておこう。
35 しかし、わたしは彼の子の手から王位を取り上げ、十部族をあなたに与える。
36 彼の子には一つの部族を与える。それはわたしの名を置くために選んだ町、エルサレムで、わたしのしもべダビデがわたしの前にいつも一つのともしびを保つためである。
37 わたしがあなたを召したなら、あなたは自分の望むとおりに王となり、イスラエルを治める王とならなければならない。
38 もし、わたしが命じるすべてのことにあなたが聞き従い、わたしの道に歩み、わたしのしもべダビデが行ったように、わたしのおきてと命令とを守って、わたしの見る目にかなうことを行うなら、わたしはあなたとともにおり、わたしがダビデのために建てたように、長く続く家をあなたのために建て、イスラエルをあなたに与えよう。
39 このために、わたしはダビデの子孫を苦しめる。しかし、それを永久に続けはしない。』」
40 ソロモンはヤロブアムを殺そうとしたが、ヤロブアムは立ち去り、エジプトにのがれ、エジプトの王シシャクのもとに行き、ソロモンが死ぬまでエジプトにいた。
41 ソロモンのその他の業績、彼の行ったすべての事、および彼の知恵、それはソロモンの業績の書にしるされているではないか。
42 ソロモンがエルサレムで全イスラエルの王であった期間は四十年であった。
43 ソロモンは彼の先祖たちとともに眠り、彼の父ダビデの町に葬られた。彼の子レハブアムが代わって王となった。
1 レハブアムはシェケムへ行った。全イスラエルが彼を王とするため、シェケムに来ていたからである。
2 ネバテの子ヤロブアムが、そのことを聞いたころは、ヤロブアムはソロモン王の顔を避けてのがれ、まだエジプトにおり、エジプトに住んでいた。
3 人々は使いをやって、彼を呼び寄せた。それで、ヤロブアムはイスラエルの全集団とともにやって来て、レハブアムに言った。
4 「あなたの父上は、私たちのくびきをかたくしました。今、あなたは、父上が私たちに負わせた過酷な労働と重いくびきとを軽くしてください。そうすれば、私たちはあなたに仕えましょう。」
5 すると、彼はこの人々に、「行って、もう三日したら私のところに戻って来なさい」と言った。そこで、民は出て行った。
6 レハブアム王は、父ソロモンが生きている間ソロモンに仕えていた長老たちに相談して、「この民にどう答えたらよいと思うか」と言った。
7 彼らは王に答えて言った。「きょう、あなたが、この民のしもべとなって彼らに仕え、彼らに答え、彼らに親切なことばをかけてやってくださるなら、彼らはいつまでもあなたのしもべとなるでしょう。」
8 しかし、彼はこの長老たちの与えた助言を退け、彼とともに育ち、彼に仕えている若者たちに相談して、
9 彼らに言った。「この民に何と返答したらよいと思うか。彼らは私に『あなたの父上が私たちに負わせたくびきを軽くしてください』と言って来たのだが。」
10 彼とともに育った若者たちは答えて言った。「『あなたの父上は私たちのくびきを重くした。だから、あなたは、それを私たちの肩から、軽くしてください』と言ってあなたに申し出たこの民に、こう答えたらいいでしょう。あなたは彼らにこう言ってやりなさい。『私の小指は父の腰よりも太い。
11 私の父はおまえたちに重いくびきを負わせたが、私はおまえたちのくびきをもっと重くしよう。私の父はおまえたちをむちで懲らしめたが、私はさそりでおまえたちを懲らしめよう』と。」
12 ヤロブアムと、すべての民は、三日目にレハブアムのところに来た。王が、「三日目に私のところに戻って来なさい」と言って命じたからである。
13 王は荒々しく民に答え、長老たちが彼に与えた助言を退け、
14若者たちの助言どおり、彼らに答えてこう言った。「私の父はおまえたちのくびきを重くしたが、私はおまえたちのくびきをもっと重くしよう。父はおまえたちをむちで懲らしめたが、私はさそりでおまえたちを懲らしめよう。」
15 王は民の願いを聞き入れなかった。それは、主がかつてシロ人アヒヤを通してネバテの子ヤロブアムに告げられた約束を実現するために、主がそうしむけられたからである。
16 全イスラエルは、王が自分たちに耳を貸さないのを見て取った。民は王に答えて言った。
「ダビデには、
われわれへのどんな割り当て地があろう。
エッサイの子には、ゆずりの地がない。
イスラエルよ。あなたの天幕に帰れ。
ダビデよ。今、あなたの家を見よ。」
こうして、イスラエルは自分たちの天幕へ帰って行った。
17 しかし、ユダの町々に住んでいるイスラエル人は、レハブアムがその王であった。
18 レハブアム王は役務長官アドラムを遣わしたが、全イスラエルは、彼を石で打ち殺した。それで、レハブアム王は、ようやくの思いで戦車に乗り込み、エルサレムに逃げた。
19 このようにして、イスラエルはダビデの家にそむいた。今日もそうである。
20 全イスラエルは、ヤロブアムが戻って来たことを聞き、人をやって彼を会衆のところに招き、彼を全イスラエルの王とした。ユダの部族以外には、ダビデの家に従うものはなかった。
21 レハブアムはエルサレムに帰り、ユダの全家とベニヤミンの部族から選抜戦闘員十八万を召集し、王位をソロモンの子レハブアムのもとに取り戻すため、イスラエルの家と戦おうとした。
22 すると、神の人シェマヤに次のような神のことばがあった。
23 「ユダの王、ソロモンの子レハブアム、ユダとベニヤミンの全家、および、そのほかの民に告げて言え。
24 『主はこう仰せられる。上って行ってはならない。あなたがたの兄弟であるイスラエル人と戦ってはならない。おのおの自分の家に帰れ。わたしがこうなるようにしむけたのだから。』」そこで、彼らは主のことばに聞き従い、主のことばのとおりに帰って行った。
25 ヤロブアムはエフライムの山地にシェケムを再建し、そこに住んだ。さらに、彼はそこから出て、ペヌエルを再建した。
26 ヤロブアムは心に思った。「今のままなら、この王国はダビデの家に戻るだろう。
27 この民が、エルサレムにある主の宮でいけにえをささげるために上って行くことになっていれば、この民の心は、彼らの主君、ユダの王レハブアムに再び帰り、私を殺し、ユダの王レハブアムのもとに帰るだろう。」
28 そこで、王は相談して、金の子牛を二つ造り、彼らに言った。「もう、エルサレムに上る必要はない。イスラエルよ。ここに、あなたをエジプトから連れ上ったあなたの神々がおられる。」
29 それから、彼は一つをベテルに据え、一つをダンに安置した。
30 このことは罪となった。51民はこの一つを礼拝するためダンにまで行った。
31 それから、彼は高き所の宮を建て、レビの子孫でない一般の民の中から祭司を任命した。
32 そのうえ、ヤロブアムはユダでの祭りにならって、祭りの日を第八の月の十五日と定め、祭壇でいけにえをささげた。こうして彼は、ベテルで自分が造った子牛にいけにえをささげた。また、彼が任命した高き所の祭司たちをベテルに常住させた。
33 彼は自分で勝手に考え出した月である第八の月の十五日に、ベテルに造った祭壇でいけにえをささげ、イスラエル人のために祭りの日を定め、祭壇でいけにえをささげ、香をたいた。
1 ひとりの神の人が、主の命令によって、ユダからベテルにやって来た。ちょうどそのとき、ヤロブアムは香をたくために祭壇のそばに立っていた。
2 すると、この人は、主の命令によって祭壇に向かい、これに呼ばわって言った。「祭壇よ。祭壇よ。主はこう仰せられる。『見よ。ひとりの男の子がダビデの家に生まれる。その名はヨシヤ。彼は、おまえの上で香をたく高き所の祭司たちをいけにえとしておまえの上にささげ、人の骨がおまえの上で焼かれる。』」
3 その日、彼は次のように言って一つのしるしを与えた。「これが、主の告げられたしるしである。見よ。祭壇は裂け、その上の灰はこぼれ出る。」
4 ヤロブアム王は、ベテルの祭壇に向かって叫んでいる神の人のことばを聞いたとき、祭壇から手を伸ばして、「彼を捕らえよ」と言った。すると、彼に向けて伸ばした手はしなび、戻すことができなくなった。
5 神の人が主のことばによって与えたしるしのとおり、祭壇は裂け、灰は祭壇からこぼれ出た。
6 そこで、王はこの神の人に向かって言った。「どうか、あなたの神、52主にお願いをして、私のために祈ってください。そうすれば、私の手はもとに戻るでしょう。」神の人が主に願ったので、王の手はもとに戻り、前と同じようになった。
7 王は神の人に言った。「私といっしょに家に来て、食事をして元気をつけてください。あなたに贈り物をしたい。」
8 すると、神の人は王に言った。「たとい、あなたの家の半分を私に下さっても、あなたといっしょにまいりません。また、この所ではパンを食べず、水も飲みません。
9主の命令によって、『パンを食べてはならない。水も飲んではならない。また、もと来た道を通って帰ってはならない』と命じられているからです。」
10 こうして、彼はベテルに来たときの道は通らず、ほかの道を通って帰った。
11 ひとりの年寄りの預言者がベテルに住んでいた。その息子たちが来て、その日、ベテルで神の人がしたことを残らず彼に話した。また、この人が王に告げたことばも父に話した。
12 すると父は、「その人はどの道を行ったか」と彼らに尋ねた。息子たちはユダから来た神の人の帰って行った道を知っていた。
13 父は息子たちに、「ろばに鞍を置いてくれ」と言った。彼らがろばに鞍を置くと、父はろばに乗り、
14 神の人のあとを追って行った。その人が樫の木の下にすわっているのを見つけると、「あなたがユダからおいでになった神の人ですか」と尋ねた。その人は、「私です」と答えた。
15 彼はその人に、「私といっしょに家に来て、パンを食べてください」と言った。
16 するとその人は、「私はあなたといっしょに引き返し、あなたといっしょに行くことはできません。この所では、あなたといっしょにパンも食べず、水も飲みません。
17 というのは、私は主の命令によって、『そこではパンを食べてはならない。水も飲んではならない。もと来た道を通って帰ってはならない』と命じられているからです。」
18 彼はその人に言った。「私もあなたと同じく預言者です。御使いが主の命令を受けて、私に『その人をあなたの家に連れ帰り、パンを食べさせ、水を飲ませよ』と言って命じました。」こうしてその人をだました。
19 そこで、その人は彼といっしょに帰り、彼の家でパンを食べ、水を飲んだ。
20 彼らが食卓についていたとき、その人を連れ戻した預言者に、主のことばがあったので、
21 彼はユダから来た神の人に叫んで言った。「主はこう仰せられる。『あなたは主のことばにそむき、あなたの神、主が命じられた命令を守らず、
22 主があなたに、パンを食べてはならない、水も飲んではならない、と命じられた場所に引き返して、そこであなたはパンを食べ、水を飲んだので、あなたのなきがらは、あなたの先祖の墓には、入らない。』」
23 彼はパンを食べ、水を飲んで後、彼が連れ帰った預言者のために、ろばに鞍を置いた。
24 その人が出て行くと、獅子が道でその人に会い、その人を殺した。死体は道に投げ出され、ろばはそのそばに立っていた。獅子も死体のそばに立っていた。
25 そこを、人々が通りかかり、道に投げ出されている死体と、その死体のそばに立っている獅子を見た。彼らはあの年寄りの預言者の住んでいる町に行って、このことを話した。
26 その人を途中から連れ帰ったあの預言者は、それを聞いて言った。「それは、主のことばにそむいた神の人だ。主が彼に告げたことばどおりに、主が彼を獅子に渡し、獅子が彼を裂いて殺したのだ。」
27 そして息子たちに、「ろばに鞍を置いてくれ」と言ったので、彼らは鞍を置いた。
28 彼は出かけて行って、道に投げ出されている死体と、その死体のそばに立っているろばと獅子とを見つけた。獅子はその死体を食べず、ろばを裂き殺してもいなかった。
29 そこで、預言者は、神の人の死体を取り上げ、それをろばに乗せてこの年寄りの預言者の町に持ち帰り、いたみ悲しんで、葬った。
30 彼がなきがらを自分の墓に納めると、みなはその人のために、「ああ、わが兄弟」と言って、いたみ悲しんだ。
31 彼はその人を葬って後、息子たちに言った。「私が死んだら、あの神の人を葬った墓に私を葬り、あの人の骨のそばに私の骨を納めてくれ。
32 あの人が主の命令によって、ベテルにある祭壇と、サマリヤの町々にあるすべての高き所の宮とに向かって呼ばわったことばは、必ず成就するからだ。」
33 このことがあって後も、ヤロブアムは悪い道から立ち返ることもせず、引き続いて、一般の民の中から高き所の祭司たちを任命し、だれでも志願する者を任職して高き所の祭司にした。
34 このことによって、ヤロブアムの家が罪を犯すこととなり、ついには、地の面から根絶やしにされるようになった。
1 このころ、ヤロブアムの子アビヤが病気になったので、
2 ヤロブアムは妻に言った。「さあ、変装して、ヤロブアムの妻だと悟られないようにしてシロへ行ってくれ。そこには、私がこの民の王となることを私に告げた預言者アヒヤがいる。
3 パン十個と菓子数個、それに、蜜のびんを持って彼のところへ行ってくれ。彼は子どもがどうなるか教えてくれるだろう。」
4 ヤロブアムの妻は言われたとおりにして、シロへ出かけ、アヒヤの家に行ったが、アヒヤは年をとって目がこわばり、見ることができなかった。
5 しかし、主はアヒヤに言われた。「今、ヤロブアムの妻が子どものことで、あなたに尋ねるために来ている。その子が病気だからだ。あなたはこれこれのことを彼女に告げなければならない。入って来るときには、彼女は、ほかの女のようなふりをしている。」
6 アヒヤは戸口に入って来る彼女の足音を聞いて言った。「お入りなさい。ヤロブアムの奥さん。なぜ、ほかの女のようなふりをしているのですか。私はあなたにきびしいことを伝えなければなりません。
7 帰って行ってヤロブアムに言いなさい。イスラエルの神、主は、こう仰せられます。『わたしは民の中からあなたを高くあげ、わたしの民イスラエルを治める君主とし、
8 ダビデの家から王国を引き裂いてあなたに与えた。あなたは、わたしのしもべダビデのようではなかった。ダビデは、わたしの命令を守り、心を尽くしてわたしに従い、ただ、わたしの見る目にかなったことだけを行った。
9 ところが、あなたはこれまでのだれよりも悪いことをし、行って、自分のためにほかの神々と、鋳物の像を造り、わたしの怒りを引き起こし、わたしをあなたのうしろに捨て去った。
10 だから、見よ、わたしはヤロブアムの家にわざわいをもたらす。ヤロブアムに属する小わっぱから奴隷や自由の者に至るまで、イスラエルにおいて断ち滅ぼし、糞を残らず焼き去るように、ヤロブアムの家のあとを除き去る。
11 ヤロブアムに属する者で、町で死ぬ者は犬がこれを食らい、野で死ぬ者は空の鳥がこれを食らう。』主がこう仰せられたのです。
12 さあ、家へ帰りなさい。あなたの足が町に入るとき、あの子は死にます。
13 イスラエルのすべてがその子のためにいたみ悲しんで葬りましょう。ヤロブアムの家の者で、墓に葬られるのは、彼だけでしょう。ヤロブアムの家で、彼は、イスラエルの神、主の御心にかなっていたからです。
14主はご自分のためにイスラエルの上にひとりの王を起こされます。彼は、その日、そしてただちに、ヤロブアムの家を断ち滅ぼします。
15主は、イスラエルを打って、水に揺らぐ葦のようにし、彼らの先祖たちに与えられたこの良い地からイスラエルを引き抜き、ユーフラテス川の向こうに散らされるでしょう。彼らがアシェラ像を造って主の怒りを引き起こしたからです。
16 ヤロブアムが自分で犯した罪と、彼がイスラエルに犯させた罪のために、主はイスラエルを捨てられるのです。」
17 ヤロブアムの妻は立ち去って、ティルツァに着いた。彼女が家の敷居に来たとき、その子どもは死んだ。
18 人々はその子を葬り、全イスラエルは彼のためにいたみ悲しんだ。主がそのしもべ、預言者アヒヤによって語られたことばのとおりであった。
19 ヤロブアムのその他の業績、彼がいかに戦い、いかに治めたかは、イスラエルの王たちの年代記の書にまさしくしるされている。
20 ヤロブアムが王であった期間は二十二年であった。彼は先祖たちとともに眠り、その子ナダブが代わって王となった。
21 ユダではソロモンの子レハブアムが王になっていた。レハブアムは四十一歳で王となり、主がご自分の名を置くためにイスラエルの全部族の中から選ばれた都、エルサレムで十七年間、王であった。彼の母の名はナアマといい、アモン人であった。
22 ユダの人々は主の目の前に悪を行い、彼らの先祖たちよりひどい罪を犯して主を怒らせた。
23 彼らもまた、すべての高い丘の上や青木の下に、高き所や、石の柱や、アシェラ像を立てた。
24 この国には神殿男娼もいた。彼らは、主がイスラエル人の前から追い払われた異邦の民の、すべての忌みきらうべきならわしをまねて行っていた。
25 レハブアム王の第五年に、エジプトの王シシャクがエルサレムに攻め上って来て、
26主の宮の財宝、王宮の財宝を奪い取り、何もかも奪って、ソロモンが作った金の盾も全部奪い取った。
27 それで、レハブアム王は、その代わりに青銅の盾を作り、これを王宮の門を守る近衛兵の隊長の手に託した。
28 王が主の宮に入るたびごとに、近衛兵が、これを運んで行き、また、これを近衛兵の控え室に運び帰った。
29 レハブアムのその他の業績、彼の行ったすべての事、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
30 レハブアムとヤロブアムとの間には、いつまでも戦いがあった。
31 レハブアムは彼の先祖たちとともに眠り、先祖たちとともにダビデの町に葬られた。彼の母の名はナアマといい、アモン人であった。彼の子53アビヤムが代わって王となった。
1 ネバテの子ヤロブアム王の第十八年に、54アビヤムはユダの王となり、
2 エルサレムで三年間、王であった。彼の母の名は55マアカといい、56アブシャロムの娘であった。
3 彼は父がかつて犯したすべての罪を行い、彼の心は父ダビデの心のようには、彼の神、主と全く一つにはなっていなかった。
4 しかし、ダビデに免じて、彼の神、主は、エルサレムにおいて彼に一つのともしびを与え、彼の跡を継ぐ子を起こし、エルサレムを堅く立てられた。
5 それはダビデが主の目にかなうことを行い、ヘテ人ウリヤのことのほかは、一生の間、主が命じられたすべてのことにそむかなかったからである。
6 レハブアムとヤロブアムとの間には、一生の間、争いがあった。
757アビヤムのその他の業績、彼の行ったすべての事、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。アビヤムとヤロブアムとの間には争いがあった。
8 アビヤムは彼の先祖たちとともに眠り、人々は彼をダビデの町に葬った。彼の子アサが代わって王となった。
9 イスラエルの王ヤロブアムの第二十年に、ユダの王アサが王となった。
10 彼はエルサレムで四十一年間、王であった。彼の母の名はマアカといい、アブシャロムの娘であった。
11 アサは父ダビデのように、主の目にかなうことを行った。
12 彼は神殿男娼を国から追放し、先祖たちが造った偶像をことごとく取り除いた。
13 彼はまた、彼の母マアカがアシェラのために憎むべき像を造ったので、彼女を王母の位から退けた。アサはその憎むべき像を切り倒し、これをキデロン川で焼いた。
14 高き所は取り除かれなかったが、アサの心は一生涯、主と全く一つになっていた。
15 彼は、彼の父が聖別した物と、彼が聖別した物、すなわち、銀、金、器類を、主の宮に運び入れた。
16 アサとイスラエルの王バシャとの間には、彼らの生きている間、争いがあった。
17 イスラエルの王バシャはユダに上って来て、ユダの王アサのもとにだれも出入りできないようにするためにラマを築いた。
18 アサは主の宮の宝物倉と王宮の宝物倉とに残っていた銀と金をことごとく取って、自分の家来たちの手に渡した。アサ王は、彼らをダマスコに住んでいたアラムの王ヘズヨンの子タブリモンの子ベン・ハダデのもとに遣わして言わせた。
19 「私の父とあなたの父上の間にあったように、私とあなたの間に同盟を結びましょう。ご覧ください。私はあなたに銀と金の贈り物をしました。どうか、イスラエルの王バシャとの同盟を破棄し、彼が私のもとから離れ去るようにしてください。」
20 ベン・ハダデはアサ王の願いを聞き入れ、自分の配下の将校たちをイスラエルの町々に差し向け、イヨンと、ダンと、アベル・ベテ・マアカ、および、58キネレテ全土と、ナフタリの全土とを打った。
21 バシャはこれを聞くと、ラマを築くのをやめて、ティルツァにとどまった。
22 アサ王はユダ全土にもれなく布告し、バシャが建築に用いたラマの石材と木材を運び出させた。アサ王は、これを用いてベニヤミンのゲバとミツパとを建てた。
23 アサのその他のすべての業績、すべての功績、彼の行ったすべての事、彼が建てた町々、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。ただ、彼は年をとったとき、足の病気にかかった。
24 アサは彼の先祖たちとともに眠り、先祖たちとともに父ダビデの町に葬られた。彼の子ヨシャパテが代わって王となった。
25 ユダの王アサの第二年に、ヤロブアムの子ナダブがイスラエルの王となり、二年間、イスラエルの王であった。
26 彼は主の目の前に悪を行い、彼の父の道に歩み、父がイスラエルに犯させた彼の罪の道に歩んだ。
27 それでイッサカルの家のアヒヤの子バシャは、彼に謀反を企てた。バシャはペリシテ人のギベトンで彼を打った。ナダブと全イスラエルはギベトンを攻め囲んでいた。
28 こうしてバシャはユダの王アサの第三年に、彼を殺し、彼に代わって王となった。
29 彼は、王となったとき、ヤロブアムの全家を打ち、ヤロブアムに属する息のある者をひとりも残さず、根絶やしにした。主がそのしもべ、シロ人アヒヤを通して言われたことばのとおりであった。
30 これはヤロブアムが犯した罪のため、またイスラエルに犯させた罪のためであり、またイスラエルの神、主の怒りを引き起こしたその怒りによるのであった。
31 ナダブのその他の業績、彼の行ったすべての事、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
32 アサとイスラエルの王バシャとの間には、彼らの生きている間、争いがあった。
33 ユダの王アサの第三年に、アヒヤの子バシャがティルツァで全イスラエルの王となった。治世は二十四年。
34 彼は主の目の前に悪を行い、ヤロブアムの道に歩み、ヤロブアムがイスラエルに犯させた彼の罪の道に歩んだ。
1 そのとき、ハナニの子エフーにバシャに対する次のような主のことばがあった。
2 「わたしはあなたをちりから引き上げ、わたしの民イスラエルの君主としたが、あなたはヤロブアムの道に歩み、わたしの民イスラエルに罪を犯させ、その罪によってわたしの怒りを引き起こした。
3 それで今、わたしはバシャとその家族とを除き去り、あなたの家をネバテの子ヤロブアムの家のようにする。
4 バシャに属する者で、町で死ぬ者は犬がこれを食らい、野で死ぬ者は空の鳥がこれを食らう。」
5 バシャのその他の業績、彼の行った事、およびその功績、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
6 バシャは彼の先祖たちとともに眠り、ティルツァに葬られた。彼の子エラが代わって王となった。
7主のことばはまた、ハナニの子、預言者エフーを通して、バシャとその家とに向けられた。それは、彼が主の目の前にあらゆる悪を行い、その手のわざによって主の怒りを引き起こし、ヤロブアムの家のようになり、また、彼がヤロブアムを打ち殺したからである。
8 ユダの王アサの第二十六年に、バシャの子エラがティルツァで、イスラエルの王となった。治世は二年である。
9 彼がティルツァにいて、ティルツァの王の家のつかさアルツァの家で酒を飲んで酔っていたとき、彼の家来で、戦車隊の半分の長であるジムリが彼に謀反を企てた。
10 ユダの王アサの第二十七年に、ジムリは入って来て、彼を打ち殺し、彼に代わって王となった。
11 彼が王となり、王座に着くとすぐ、彼はバシャの全家を打ち、小わっぱから、親類、友人に至るまで、ひとりも残さなかった。
12 こうして、ジムリはバシャの全家を根絶やしにした。預言者エフーによってバシャに言われた主のことばのとおりであった。
13 これは、バシャのすべての罪と、その子エラの罪のためであって、彼らが罪を犯し、また、彼らがイスラエルに罪を犯させ、彼らのむなしい神々によって、イスラエルの神、主の怒りを引き起こしたためである。
14 エラのその他の業績、彼の行ったすべての事、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
15 ユダの王アサの第二十七年に、ジムリが七日間ティルツァで王となった。そのとき、民はペリシテ人のギベトンに対して陣を敷いていた。
16陣を敷いていたこの民は、「ジムリが謀反を起こして王を打ち殺した」と言うことを聞いた。すると、全イスラエルがその日、その陣営で将軍オムリをイスラエルの王とした。
17 オムリは全イスラエルとともにギベトンから上って来て、ティルツァを包囲した。
18 ジムリは町が攻め取られるのを見ると、王宮の高殿に入り、みずから王宮に火を放って死んだ。
19 これは、彼が罪を犯して主の目の前に悪を行い、ヤロブアムの道に歩んだその罪のためであり、イスラエルに罪を犯させた彼の罪のためであった。
20 ジムリのその他の業績、彼の企てた謀反、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
21 当時、イスラエルの民は二派に分裂していた。民の半分はギナテの子ティブニに従って彼を王にしようとし、あとの半分はオムリに従った。
22 オムリに従った民は、ギナテの子ティブニに従った民より強かったので、ティブニが死ぬとオムリが王となった。
23 ユダの王アサの第三十一年に、オムリはイスラエルの王となり、十二年間、王であった。六年間はティルツァで王であった。
24 彼は銀二タラントでシェメルかサマリヤの山を買い、その山に町を建て、彼が建てたこの町の名を、その山の持ち主であったシェメルの名にちなんで59サマリヤと名づけた。
25 オムリは主の目の前に悪を行い、彼以前のだれよりも悪いことをした。
26 彼はネバテの子ヤロブアムのすべての道に歩み、イスラエルに罪を犯させ、彼らのむなしい神々によってイスラエルの神、主の怒りを引き起こした。
27 オムリの行ったその他の業績、彼の立てた功績、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
28 オムリは彼の先祖たちとともに眠り、サマリヤに葬られた。彼の子アハブが代わって王となった。
29 オムリの子アハブは、ユダの王アサの第三十八年に、イスラエルの王となった。オムリの子アハブはサマリヤで二十二年間、イスラエルの王であった。
30 オムリの子アハブは、彼以前のだれよりも主の目の前に悪を行った。
31 彼にとっては、ネバテの子ヤロブアムの罪のうちを歩むことは軽いことであった。それどころか彼は、シドン人の王エテバアルの娘イゼベルを妻にめとり、行ってバアルに仕え、それを拝んだ。
32 さらに彼は、サマリヤに建てたバアルの宮に、バアルのために祭壇を築いた。
33 アハブはアシェラ像も造った。こうしてアハブは、彼以前のイスラエルのすべての王たちにまして、ますますイスラエルの神、主の怒りを引き起こすようなことを行った。
34 彼の時代に、ベテル人ヒエルがエリコを再建した。彼は、その礎を据えるとき、長子アビラムを失い、門を建てるとき、末の子セグブを失った。ヌンの子ヨシュアを通して語られた主のことばのとおりであった。
1 ギルアデの60ティシュベの出のティシュベ人エリヤはアハブに言った。「私の仕えているイスラエルの神、主は生きておられる。私のことばによらなければ、ここ二、三年の間は露も雨も降らないであろう。」
2 それから、彼に次のような主のことばがあった。
3 「ここを去って東へ向かい、ヨルダン川の東にあるケリテ川のほとりに身を隠せ。
4 そして、その川の水を飲まなければならない。わたしは烏に、そこであなたを養うように命じた。」
5 それで、彼は行って、主のことばのとおりにした。すなわち、彼はヨルダン川の東にあるケリテ川のほとりに行って住んだ。
6幾羽かの烏が、朝になると彼のところにパンと肉とを運んで来、また、夕方になるとパンと肉とを運んで来た。彼はその川から水を飲んだ。
7 しかし、しばらくすると、その川がかれた。その地方に雨が降らなかったからである。
8 すると、彼に次のような主のことばがあった。
9 「さあ、シドンのツァレファテに行き、そこに住め。見よ。わたしは、そこのひとりのやもめに命じて、あなたを養うようにしている。」
10 彼はツァレファテへ出て行った。その町の門に着くと、ちょうどそこに、たきぎを拾い集めているひとりのやもめがいた。そこで、彼は彼女に声をかけて言った。「水差しにほんの少しの水を持って来て、私に飲ませてください。」
11 彼女が取りに行こうとすると、彼は彼女を呼んで言った。「一口のパンも持って来てください。」
12 彼女は答えた。「あなたの神、主は生きておられます。私は焼いたパンを持っておりません。ただ、かめの中に一握りの粉と、つぼにほんの少しの油があるだけです。ご覧のとおり、二、三本のたきぎを集め、帰って行って、私と私の息子のためにそれを調理し、それを食べて、死のうとしているのです。」
13 エリヤは彼女に言った。「恐れてはいけません。行って、あなたが言ったようにしなさい。しかし、まず、私のためにそれで小さなパン菓子を作り、私のところに持って来なさい。それから後に、あなたとあなたの子どものために作りなさい。
14 イスラエルの神、主が、こう仰せられるからです。『主が地の上に雨を降らせる日までは、そのかめの粉は尽きず、そのつぼの油はなくならない。』」
15 彼女は行って、エリヤのことばのとおりにした。彼女と彼、および彼女の家族も、長い間それを食べた。
16 エリヤを通して言われた主のことばのとおり、かめの粉は尽きず、つぼの油はなくならなかった。
17 これらのことがあって後、この家の主婦の息子が病気になった。その子の病気は非常に重くなり、ついに息を引き取った。
18 彼女はエリヤに言った。「神の人よ。あなたはいったい私にどうしようとなさるのですか。あなたは私の罪を思い知らせ、私の息子を死なせるために来られたのですか。」
19 彼は彼女に、「あなたの息子を私によこしなさい」と言って、その子を彼女のふところから受け取り、彼が泊まっていた屋上の部屋にかかえて上がり、その子を自分の寝台の上に横たえた。
20 彼は主に祈って言った。「私の神、主よ。私を世話してくれたこのやもめにさえもわざわいを下して、彼女の息子を死なせるのですか。」
21 そして、彼は三度、その子の上に身を伏せて、主に祈って言った。「私の神、主よ。どうか、この子のいのちをこの子のうちに返してください。」
22主はエリヤの願いを聞かれたので、子どものいのちはその子のうちに返り、その子は生き返った。
23 そこで、エリヤはその子を抱いて、屋上の部屋から家の中に降りて来て、その子の母親に渡した。そして、エリヤは言った。「ご覧、あなたの息子は生きている。」
24 その女はエリヤに言った。「今、私はあなたが神の人であり、あなたの口にある主のことばが真実であることを知りました。」
1 それから、かなりたって、三年目に、次のような主のことばがエリヤにあった。「アハブに会いに行け。わたしはこの地に雨を降らせよう。」
2 そこで、エリヤはアハブに会いに出かけた。そのころ、サマリヤではききんがひどかった。
3 アハブは王宮をつかさどるオバデヤを呼び寄せた。──オバデヤは非常に主を恐れていた。
4 イゼベルが主の預言者たちを殺したとき、オバデヤは百人の預言者を救い出し、五十人ずつほら穴の中にかくまい、パンと水で彼らを養った──
5 アハブはオバデヤに言った。「国のうちのすべての水の泉や、すべての川に行ってみよ。たぶん、馬と騾馬とを生かしておく草を見つけて、家畜を殺さないで済むかもしれない。」
6 ふたりはこの国を二分して巡り歩くことにし、アハブはひとりで一つの道を行き、オバデヤはひとりでほかの道を行った。
7 オバデヤがその道にいたところ、そこへ、エリヤが彼に会いに来た。彼にはそれがエリヤだとわかったので、ひれ伏して言った。「あなたは私の主人エリヤではありませんか。」
8 エリヤは彼に答えた。「そうだ。行って、エリヤがここにいると、あなたの主人に言いなさい。」
9 すると、オバデヤが言った。「私がどんな罪を犯したというので、あなたはこのしもべをアハブの手に渡し、私を殺そうとされるのですか。
10 あなたの神、主は生きておられます。私の主人があなたを捜すために、人をやらなかった民や王国は一つもありません。彼らがあなたはいないと言うと、主人はその王国や民に、あなたが見つからないという誓いをさせるのです。
11 今、あなたは『行って、エリヤがここにいると、あなたの主人に言え』と言われます。
12 私があなたから離れて行っている間に、主の霊はあなたを私の知らない所に連れて行くでしょう。私はアハブに知らせに行きますが、彼があなたを見つけることができないなら、彼は私を殺すでしょう。しもべは子どものころから主を恐れています。
1361あなたさまには、イゼベルが主の預言者たちを殺したとき、私のしたことが知らされていないのですか。私は主の預言者百人を五十人ずつほら穴に隠し、パンと水で彼らを養いました。
14 今、あなたは『行って、エリヤがここにいると、あなたの主人に言え』と言われます。彼は私を殺すでしょう。」
15 するとエリヤは言った。「私が仕えている万軍の主は生きておられます。必ず私は、きょう、彼の前に出ましょう。」
16 そこで、オバデヤは行ってアハブに会い、彼に告げたので、アハブはエリヤに会うためにやって来た。
17 アハブがエリヤを見るや、アハブは彼に言った。「これはおまえか。イスラエルを煩わすもの。」
18 エリヤは言った。「私はイスラエルを煩わしません。あなたとあなたの父の家こそそうです。現にあなたがたは主の命令を捨て、あなたはバアルのあとについています。
19 さあ、今、人をやって、カルメル山の私のところに、全イスラエルと、イゼベルの食卓につく四百五十人のバアルの預言者と、四百人のアシェラの預言者とを集めなさい。」
20 そこで、アハブはイスラエルのすべての人に使いをやり、預言者たちをカルメル山に集めた。
21 エリヤはみなの前に進み出て言った。「あなたがたは、いつまでどっちつかずによろめいているのか。もし、主が神であれば、それに従い、もし、バアルが神であれば、それに従え。」しかし、民は一言も彼に答えなかった。
22 そこで、エリヤは民に向かって言った。「私ひとりが主の預言者として残っている。しかし、バアルの預言者は四百五十人だ。
23 彼らは、私たちのために、二頭の雄牛を用意せよ。彼らは自分たちで一頭の雄牛を選び、それを切り裂き、たきぎの上に載せよ。彼らは火をつけてはならない。私は、もう一頭の雄牛を同じようにして、たきぎの上に載せ、火をつけないでおく。
24 あなたがたは自分たちの神の名を呼べ。私は主の名を呼ぼう。そのとき、火をもって答える神、その方が神である。」民はみな答えて、「それがよい」と言った。
25 エリヤはバアルの預言者たちに言った。「あなたがたで一頭の雄牛を選び、あなたがたのほうからまず始めよ。人数が多いのだから。あなたがたの神の名を呼べ。ただし、火をつけてはならない。」
26 そこで、彼らは与えられた雄牛を取ってそれを整え、朝から真昼までバアルの名を呼んで言った。「バアルよ。私たちに答えてください。」しかし、何の声もなく、答える者もなかった。そこで彼らは、自分たちの造った祭壇のあたりを、62踊り回った。
27 真昼になると、エリヤは彼らをあざけって言った。「もっと大きな声で呼んでみよ。彼は神なのだから。きっと何かに没頭しているか、席をはずしているか、旅に出ているのだろう。もしかすると、寝ているのかもしれないから、起こしたらよかろう。」
28 彼らはますます大きな声で呼ばわり、彼らのならわしに従って、剣や槍で血を流すまで自分たちの身を傷つけた。
29 このようにして、昼も過ぎ、63ささげ物をささげる時まで騒ぎ立てたが、何の声もなく、答える者もなく、注意を払う者もなかった。
30 エリヤが民全体に、「私のそばに近寄りなさい」と言ったので、民はみな彼に近寄った。それから、彼はこわれていた主の祭壇を建て直した。
31 エリヤは、主がかつて、「あなたの名はイスラエルとなる」と言われたヤコブの子らの部族の数にしたがって十二の石を取った。
32 その石で彼は主の名によって一つの祭壇を築き、その祭壇の回りに、二64セアの種を入れるほどのみぞを掘った。
33 ついで彼は、たきぎを並べ、一頭の雄牛を切り裂き、それをたきぎの上に載せ、
34 「四つのかめに水を満たし、この全焼のいけにえと、このたきぎの上に注げ」と命じた。ついで「それを二度せよ」と言ったので、彼らは二度そうした。そのうえに、彼は、「三度せよ」と言ったので、彼らは三度そうした。
35 水は祭壇の回りに流れ出した。彼はみぞにも水を満たした。
36 ささげ物をささげるころになると、預言者エリヤは進み出て言った。「アブラハム、イサク、イスラエルの神、主よ。あなたがイスラエルにおいて神であり、私があなたのしもべであり、あなたのみことばによって私がこれらのすべての事を行ったということが、きょう、明らかになりますように。
37 私に答えてください。主よ。私に答えてください。この民が、あなたこそ、主よ、神であり、あなたが彼らの心を翻してくださることを知るようにしてください。」
38 すると、主の火が降って来て、全焼のいけにえと、たきぎと、石と、ちりとを焼き尽くし、みぞの水もなめ尽くしてしまった。
39民はみな、これを見て、ひれ伏し、「主こそ神です。主こそ神です」と言った。
40 そこでエリヤは彼らに命じた。「バアルの預言者たちを捕らえよ。ひとりものがすな。」彼らがバアルの預言者たちを捕らえると、エリヤは彼らをキション川に連れて下り、そこで彼らを殺した。
41 それから、エリヤはアハブに言った。「上って行って飲み食いしなさい。激しい大雨の音がするから。」
42 そこで、アハブは飲み食いするために上って行った。エリヤはカルメル山の頂上に登り、地にひざまずいて自分の顔をひざの間にうずめた。
43 それから、彼は若い者に言った。「さあ、上って行って、海のほうを見てくれ。」若い者は上って、見て来て、「何もありません」と言った。すると、エリヤが言った。「七たびくり返しなさい。」
44 七度目に彼は、「あれ。人の手のひらほどの小さな雲が海から上っています」と言った。それでエリヤは言った。「上って行って、アハブに言いなさい。『大雨に閉じ込められないうちに、車を整えて下って行きなさい。』」
45 しばらくすると、空は濃い雲と風で暗くなり、やがて激しい大雨となった。アハブは車に乗ってイズレエルへ行った。
46主の手がエリヤの上に下ったので、彼は腰をからげてイズレエルの入口までアハブの前を走って行った。
1 アハブは、エリヤがしたすべての事と、預言者たちを剣で皆殺しにしたこととを残らずイゼベルに告げた。
2 すると、イゼベルは使者をエリヤのところに遣わして言った。「もしも私が、あすの今ごろまでに、あなたのいのちをあの人たちのひとりのいのちのようにしなかったなら、神々がこの私を幾重にも罰せられるように。」
365彼は恐れて立ち、自分のいのちを救うため立ち去った。ユダのベエル・シェバに来たとき、若い者をそこに残し、
4 自分は荒野へ一日の道のりを入って行った。彼は、えにしだの木の陰にすわり、自分の死を願って言った。「主よ。もう十分です。私のいのちを取ってください。私は先祖たちにまさっていませんから。」
5 彼がえにしだの木の下で横になって眠っていると、ひとりの御使いが彼にさわって、「起きて、食べなさい」と言った。
6 彼は見た。すると、彼の頭のところに、焼け石で焼いたパン菓子一つと、水の入ったつぼがあった。彼はそれを食べ、そして飲んで、また横になった。
7 それから、主の使いがもう一度戻って来て、彼にさわり、「起きて、食べなさい。旅はまだ遠いのだから」と言った。
8 そこで、彼は起きて、食べ、そして飲み、この食べ物に力を得て、四十日四十夜、歩いて神の山ホレブに着いた。
9 彼はそこにあるほら穴に入り、そこで一夜を過ごした。すると、彼への主のことばがあった。主は「エリヤよ。ここで何をしているのか」と仰せられた。
10 エリヤは答えた。「私は万軍の神、主に、熱心に仕えました。しかし、イスラエルの人々はあなたの契約を捨て、あなたの祭壇をこわし、あなたの預言者たちを剣で殺しました。ただ私だけが残りましたが、彼らは私のいのちを取ろうとねらっています。」
11主は仰せられた。「外に出て、山の上で主の前に立て。」すると、そのとき、主が通り過ぎられ、主の前で、激しい大風が山々を裂き、岩々を砕いた。しかし、風の中に主はおられなかった。風のあとに地震が起こったが、地震の中にも主はおられなかった。
12地震のあとに火があったが、火の中にも主はおられなかった。火のあとに、かすかな細い声があった。
13 エリヤはこれを聞くと、すぐに外套で顔をおおい、外に出て、ほら穴の入口に立った。すると、声が聞こえてこう言った。「エリヤよ。ここで何をしているのか。」
14 エリヤは答えた。「私は万軍の神、主に、熱心に仕えました。しかし、イスラエルの人々はあなたの契約を捨て、あなたの祭壇をこわし、あなたの預言者たちを剣で殺しました。ただ私だけが残りましたが、彼らは私のいのちを取ろうとねらっています。」
15主は彼に仰せられた。「さあ、ダマスコの荒野へ帰って行け。そこに行き、ハザエルに油をそそいで、アラムの王とせよ。
16 また、ニムシの子エフーに油をそそいで、イスラエルの王とせよ。また、アベル・メホラの出のシャファテの子エリシャに油をそそいで、あなたに代わる預言者とせよ。
17 ハザエルの剣をのがれる者をエフーが殺し、エフーの剣をのがれる者をエリシャが殺す。
18 しかし、わたしはイスラエルの中に七千人を残しておく。これらの者はみな、バアルにひざをかがめず、バアルに口づけしなかった者である。」
19 エリヤはそこを立って行って、シャファテの子エリシャを見つけた。エリシャは、十二くびきの牛を先に立て、その十二番目のくびきのそばで耕していた。エリヤが彼のところを通り過ぎて自分の外套を彼に掛けたので、
20 エリシャは牛をほうっておいて、エリヤのあとを追いかけて行って言った。「私の父と母とに口づけさせてください。それから、あなたに従って行きますから。」エリヤは彼に言った。「行って来なさい。私があなたに何をしたというのか。」
21 エリシャは引き返して来て、一くびきの牛を取り、それを殺し、牛の用具でその肉を調理し、家族の者たちに与えてそれを食べさせた。それから、彼は立って、エリヤについて行って、彼に仕えた。
1 アラムの王ベン・ハダデは彼の全軍勢を集めた。彼には三十二人の王と、馬と戦車とがあった。彼はサマリヤに上って来て、これを包囲して攻め、
2 町に使者たちを遣わし、イスラエルの王アハブに、
3 言わせた。「ベン・ハダデはこう言われる。『あなたの銀と金は私のもの。あなたの妻たちや子どもたちの最も美しい者も私のものだ。』」
4 イスラエルの王は答えて言った。「66王よ。仰せのとおりです。この私、および、私に属するものはすべてあなたのものです。」
5 使者たちは再び戻って来て言った。「ベン・ハダデはこう言われる。『私は先に、あなたに人を遣わし、あなたの銀と金、および、あなたの妻たちや子どもたちを私に与えよ、と言った。
6 あすの今ごろ、私の家来たちを遣わす。彼らは、あなたの家とあなたの家来たちの家とを捜し、たとい、あなたが最も大事にしているものでも、彼らは手に入れて奪い取るだろう。』」
7 そこで、イスラエルの王は国のすべての長老たちを呼び寄せて言った。「あの男が、こんなにひどいことを要求しているのを知ってほしい。彼は人を遣わして、私の妻たちや子どもたち、および、私の銀や金を求めたが、私はそれを断りきれなかった。」
8 すると長老たちや民はみな、彼に言った。「聞かないでください。承諾しないでください。」
9 そこで、彼はベン・ハダデの使者たちに言った。「67王に言ってくれ。『初めに、あなたが、このしもべに言ってよこされたことはすべて、そのようにするが、このたびのことはできません。』」使者たちは帰って行って、このことを報告した。
10 するとベン・ハダデは、彼のところに人をやって言わせた。「サマリヤのちりが私に従うすべての民の手を満たすほどでもあったら、神々がこの私を幾重にも罰せられるように。」
11 そこでイスラエルの王は答えて言った。「彼にこう伝えてくれ。『武装しようとする者は、武装を解く者のように誇ってはならない。』」
12 ベン・ハダデは、このことばを聞いたとき、王たちと仮小屋で酒を飲んでいたが、家来たちに、「配置につけ」と命じたので、彼らは、この町に向かう配置についた。
13 ちょうどそのころ、ひとりの預言者がイスラエルの王アハブに近づいて言った。「主はこう仰せられる。『あなたはこのおびただしい大軍をみな見たか。見よ。わたしは、きょう、これをあなたの手に引き渡す。あなたは、わたしこそ主であることを知ろう。』」
14 アハブが、「それはだれによってでしょうか」と尋ねると、その預言者は言った。「主はこう仰せられる。『諸国の首長に属する若い者たちによって。』」アハブが、「だれが戦いをしかけるのでしょうか」と尋ねると、「あなただ」と答えた。
15 彼が諸国の首長に属する若い者たちを調べてみると、二百三十二人いた。そのほか、民の全部、すなわちイスラエル人全部を調べたところ、七千人いた。
16 彼らは真昼ごろ出陣した。そのとき、ベン・ハダデは味方の三十二人の王たちと仮小屋で酒を飲んで酔っていた。
17諸国の首長に属する若い者たちが最初に出て行った。ベン・ハダデが人を遣わしてみると、「人々がサマリヤから出て来ている」との報告を受けた。
18 それで彼は言った。「和平のために出て来ても、生けどりにし、戦うために出て来ても、生けどりにせよ。」
19 町から出て来たのは、諸国の首長に属する若い者たちと、これに続く軍勢であった。
20 彼らはおのおのその相手を打ったので、アラムは逃げ、イスラエル人は追った。アラムの王ベン・ハダデは馬に乗り、騎兵たちといっしょに、のがれた。
21 イスラエルの王は出て来て、馬と戦車を68分捕り、アラムを打って大損害を与えた。
22 その後、あの預言者がイスラエルの王に近寄って来て言った。「さあ、奮い立って、これからなすべきことをわきまえ知りなさい。来年の今ごろ、アラムの王があなたを攻めに上って来るから。」
23 そのころ、アラムの王の家来たちは王に言った。「彼らの神々は山の神です。だから、彼らは私たちより強いのです。しかしながら、私たちが平地で彼らと戦うなら、私たちのほうがきっと彼らより強いでしょう。
24 こういうようにしてください。王たちをそれぞれ、その地位から退かせ、彼らの代わりに総督を任命し、
25 あなたは失っただけの軍勢と馬と戦車とをそれだけ補充してください。彼らと平地で戦うなら、きっと私たちのほうが彼らより強いでしょう。」彼は彼らの言うことを聞き入れて、そのようにした。
26翌年、ベン・ハダデはアラムを召集し、イスラエルと戦うために、アフェクに上って来た。
27 一方イスラエル人も召集され、糧食を受けて出て行き、彼らを迎えた。イスラエル人は彼らと向かい合って陣を敷いた。彼らは二つの群れのやぎのようであったが、アラムはその地に満ちていた。
28 ときに、ひとりの神の人が近づいて来て、イスラエルの王に言った。「主はこう仰せられる。『アラムが、主は山の神であって、低地の神でない、と言っているので、わたしはこのおびただしい大軍を全部あなたの手に渡す。それによって、あなたがたは、わたしこそ主であることを知るであろう。』」
29 両軍は互いに向かい合って、七日間、陣を敷いていた。七日目になって、戦いを交えたが、イスラエル人は一日のうちにアラムの歩兵十万人を打ち殺した。
30 生き残った者たちはアフェクの町に逃げたが、その二万七千人の残った者の上に城壁がくずれ落ちた。ベン・ハダデは逃げて町に入り、奥の間に入った。
31 家来たちは彼に言った。「イスラエルの家の王たちはあわれみ深い王である、と聞いています。それで、私たちの腰に荒布をまとい、首になわをかけ、イスラエルの王のもとに出て行かせてください。そうすれば、あなたのいのちを助けてくれるかもしれません。」
32 こうして彼らは腰に荒布を巻き、首になわをかけ、イスラエルの王のもとに行って願った。「あなたのしもべ、ベン・ハダデが、『どうか私のいのちを助けてください』と申しています。」するとアハブは言った。「彼はまだ生きているのか。彼は私の兄弟だ。」
33 この人々は、これは吉兆だと見て、すぐにそのことばにより事が決まったと思い、「ベン・ハダデはあなたの兄弟です」と言った。王は言った。「行って、彼を連れて来なさい。」ベン・ハダデが彼のところに出て来ると、王は彼を戦車に乗せた。
34 ベン・ハダデは彼に言った。「私の父が、あなたの父上から奪い取った町々をお返しします。あなたは私の父がサマリヤにしたように、ダマスコに市場を設けることもできます。」「では、契約を結んであなたを帰そう。」こうして、アハブは彼と契約を結び、彼を去らせた。
35預言者のともがらのひとりが、主の命令によって、自分の仲間に、「私を打ってくれ」と言った。しかし、その人は彼を打つことを拒んだ。
36 それで彼はその人に言った。「あなたは主の御声に聞き従わなかったので、あなたが私のもとから出て行くなら、すぐ獅子があなたを殺す。」その人が彼のそばから出て行くと、獅子がその人を見つけて殺した。
37 ついで、彼はもうひとりの人に会ったので、「私を打ってくれ」と頼んだ。すると、その人は彼を打って傷を負わせた。
38 それから、その預言者は行って道ばたで王を待っていた。彼は目の上にほうたいをして、だれかわからないようにしていた。
39 王が通りかかったとき、彼は王に叫んで言った。「しもべが戦場に出て行くと、ちょうどそこに、ある人がひとりの者を連れてやって来て、こう言いました。『この者を見張れ。もし、この者を逃がしでもしたら、この者のいのちの代わりにあなたのいのちを取るか、または、銀一タラントを払わせるぞ。』
40 ところが、しもべが何やかやしているうちに、その者はいなくなってしまいました。」すると、イスラエルの王が彼に言った。「あなたはそのとおりにさばかれる。あなた自身が決めたとおりに。」
41 彼は急いで、ほうたいを目から取り除いた。そのとき、イスラエルの王は、彼が預言者のひとりであることを見た。
42 彼は王に言った。「主はこう仰せられる。『わたしが聖絶しようとした者をあなたが逃がしたから、あなたのいのちは彼のいのちの代わりとなり、あなたの民は彼の民の代わりとなる。』」
43 イスラエルの王は不きげんになり、激しく怒って、自分の家に戻って行き、サマリヤに着いた。
1 このことがあって後のこと。イズレエル人ナボテはイズレエルにぶどう畑を持っていた。それはサマリヤの王アハブの宮殿のそばにあった。
2 アハブはナボテに次のように言って頼んだ。「あなたのぶどう畑を私に譲ってもらいたい。あれは私の家のすぐ隣にあるので、私の野菜畑にしたいのだが。その代わりに、あれよりもっと良いぶどう畑をあげよう。もしあなたがそれでよいと思うなら、それ相当の代価を銀で支払おう。」
3 ナボテはアハブに言った。「主によって、私には、ありえないことです。私の先祖のゆずりの地をあなたに与えるとは。」
4 アハブは不きげんになり、激しく怒りながら、自分の家に入った。イズレエル人ナボテが彼に、「私の先祖のゆずりの地をあなたに譲れません」と言ったからである。彼は寝台に横になり、顔をそむけて食事もしようとはしなかった。
5 彼の妻イゼベルは彼のもとに入って来て言った。「あなたはどうしてそんなに不きげんで、食事もなさらないのですか。」
6 そこで、アハブは彼女に言った。「私がイズレエル人ナボテに『金を払うからあなたのぶどう畑を譲ってほしい。それとも、あなたが望むなら、その代わりのぶどう畑をやってもよい』と言ったのに、彼は『私のぶどう畑はあなたに譲れません』と答えたからだ。」
7妻イゼベルは彼に言った。「今、あなたはイスラエルの王権をとっているのでしょう。さあ、起きて食事をし、元気を出してください。この私がイズレエル人ナボテのぶどう畑をあなたのために手に入れてあげましょう。」
8 彼女はアハブの名で手紙を書き、彼の印で封印し、ナボテの町に住む長老たちとおもだった人々にその手紙を送った。
9 手紙にはこう書いていた。「断食を布告し、ナボテを民の前に引き出してすわらせ、
10 彼の前にふたりのよこしまな者をすわらせ、彼らに『おまえは神と王をのろった』と言って証言させなさい。そして、彼を外に引き出し、石打ちにして殺しなさい。」
11 そこで、その町の人々、つまり、その町に住んでいる長老たちとおもだった人々は、イゼベルが彼らに言いつけたとおり、彼女が手紙に書き送ったとおりを行った。
12 彼らは断食を布告し、ナボテを民の前に引き出してすわらせた。
13 そこに、ふたりのよこしまな者が入って来て、彼の前にすわった。よこしまな者たちは民の前で、ナボテが神と王をのろった、と言って証言した。そこで人々は彼を町の外に引き出し、石打ちにして殺した。
14 こうして、彼らはイゼベルに、「ナボテは石打ちにされて殺された」と言ってよこした。
15 イゼベルはナボテが石打ちにされて殺されたことを聞くとすぐ、アハブに言った。「起きて、イズレエル人ナボテが、あなたに売ることを拒んだあのぶどう畑を取り上げなさい。もうナボテは生きていません。死んだのです。」
16 アハブはナボテが死んだと聞いてすぐ、立って、イズレエル人ナボテのぶどう畑を取り上げようと下って行った。
17 そのとき、ティシュベ人エリヤに次のような主のことばがあった。
18 「さあ、サマリヤにいるイスラエルの王アハブに会いに下って行け。今、彼はナボテのぶどう畑を取り上げようと、そこに下って来ている。
19 彼にこう言え。『主はこう仰せられる。あなたはよくも人殺しをして、取り上げたものだ。』また、彼に言え。『主はこう仰せられる。犬どもがナボテの血をなめたその場所で、その犬どもがまた、あなたの血をなめる。』」
20 アハブがエリヤに、「あなたはまた、私を見つけたのか。わが敵よ」と言うと、エリヤは答えた。「あなたが裏切って主の目の前に悪を行ったので、私は見つけたのだ。
21 今、わたしはあなたにわざわいをもたらす。わたしはあなたの子孫を除き去り、アハブに属する小わっぱも奴隷も、自由の者も、イスラエルで断ち滅ぼし、
22 あなたの家をネバテの子ヤロブアムの家のようにし、アヒヤの子バシャの家のようにする。それは、あなたがわたしの怒りを引き起こしたその怒りのため、イスラエルに罪を犯させたためだ。
23 また、イゼベルについても主はこう仰せられる。『犬がイズレエルの領地でイゼベルを食らう。』
24 アハブに属する者で、町で死ぬ者は犬どもがこれを食らい、野で死ぬ者は空の鳥がこれを食らう。」
25 アハブのように、裏切って主の目の前に悪を行った者はだれもいなかった。彼の妻イゼベルが彼をそそのかしたからである。
26 彼は偶像につき従い、主がイスラエル人の前から追い払われたエモリ人がしたとおりのことをして、忌みきらうべきことを大いに行った。
27 アハブは、これらのことばを聞くとすぐ、自分の外套を裂き、身に荒布をまとい、断食をし、荒布を着て伏し、また、打ちしおれて歩いた。
28 そのとき、ティシュベ人エリヤに次のような主のことばがあった。
29 「あなたはアハブがわたしの前にへりくだっているのを見たか。彼がわたしの前にへりくだっているので、彼の生きている間は、わざわいを下さない。しかし、彼の子の時代に、彼の家にわざわいを下す。」
1 アラムとイスラエルとの間には戦いがないまま三年が過ぎた。
2 しかし、三年目になって、ユダの王ヨシャパテがイスラエルの王のところに下って来ると、
3 イスラエルの王は自分の家来たちに言った。「あなたがたは、ラモテ・ギルアデが私たちのものであることを知っているではないか。それなのに、私たちはためらっていて、それをアラムの王の手から奪い返していない。」
4 それから、彼はヨシャパテに言った。「私といっしょにラモテ・ギルアデに戦いに行ってくれませんか。」ヨシャパテはイスラエルの王に言った。「私とあなたとは同じようなもの、私の民とあなたの民、私の馬とあなたの馬も同じようなものです。」
5 ヨシャパテは、イスラエルの王に言った。「まず、主のことばを伺ってみてください。」
6 そこで、イスラエルの王は約四百人の預言者を召し集めて、彼らに尋ねた。「私はラモテ・ギルアデに戦いに行くべきだろうか。それとも、やめるべきだろうか。」彼らは答えた。「上って行きなさい。そうすれば、主は王の手にこれを渡されます。」
7 ところが、ヨシャパテは、「ここには、私たちがみこころを求めることのできる主の預言者がほかにいないのですか」と言った。
8 イスラエルの王はヨシャパテに答えた。「いや、ほかにもうひとり、私たちが主のみこころを求めることのできる者がいます。しかし、私は彼を憎んでいます。彼は私について良いことは預言せず、悪いことばかりを預言するからです。それは、イムラの子ミカヤです。」すると、ヨシャパテは言った。「王よ。そういうふうには言わないでください。」
9 そこで、イスラエルの王はひとりの宦官を呼び寄せ、「急いで、イムラの子ミカヤを呼んで来なさい」と命じた。
10 イスラエルの王と、ユダの王ヨシャパテは、おのおの王服を着て、サマリヤの門の入口にある打ち場の王の座に着き、預言者はみな、ふたりの前で預言していた。
11 そのとき、ケナアナの子ゼデキヤは、王のために鉄の角を作って言った。「主はこう仰せられます。『これらの角で、あなたはアラムを突いて、絶滅させなければならない。』」
12 ほかの預言者たちもみな、同じように預言して言った。「ラモテ・ギルアデに攻め上って勝利を得なさい。主は王の手にこれを渡されます。」
13 さて、ミカヤを呼びに行った使いの者はミカヤに告げて言った。「いいですか。お願いです。預言者たちは口をそろえて、王に対し良いことを述べています。お願いですから、あなたもみなと全く同じように語り、良いことを述べてください。」
14 すると、ミカヤは答えた。「主は生きておられる。主が私に告げられることを、そのまま述べよう。」
15 彼が王のもとに着くと、王は彼に言った。「ミカヤ。私たちはラモテ・ギルアデに戦いに行くべきだろうか。それとも、やめるべきだろうか。」すると、彼は王に答えた。「攻め上って勝利を得なさい。主は王の手にこれを渡されます。」
16 すると、王は彼に言った。「いったい、私が何度あなたに誓わせたら、あなたは主の名によって真実だけを私に告げるようになるのか。」
17 彼は答えた。
「私は全イスラエルが、
山々に散らされているのを見た。
まるで、飼い主のいない羊の群れのように。
そのとき、主は仰せられた。
『彼らには主人がいない。
彼らをおのおの
その家に無事に帰さなければならない。』」
18 イスラエルの王はヨシャパテに言った。「彼は私について良いことを預言せず、悪いことばかりを預言すると、あなたに言っておいたではありませんか。」
19 すると、ミカヤは言った。「それゆえ主のことばを聞きなさい。私は主が御座にすわり、天の万軍がその右左に立っているのを見ました。
20 そのとき、主は仰せられました。『だれか、アハブを惑わして、攻め上らせ、ラモテ・ギルアデで倒れさせる者はいないか。』すると、あれこれと答えがありました。
21 それからひとりの霊が進み出て、主の前に立ち、『この私が彼を惑わします』と言いますと、主が彼に『どういうふうにやるのか』と尋ねられました。
22 彼は答えました。『私が出て行き、彼のすべての預言者の口で偽りを言う霊となります。』すると、『あなたはきっと惑わすことができよう。出て行って、そのとおりにせよ』と仰せられました。
23 今、ご覧のとおり、主はここにいるあなたのすべての預言者の口に偽りを言う霊を授けられました。主はあなたに下るわざわいを告げられたのです。」
24 すると、ケナアナの子ゼデキヤが近寄って来て、ミカヤの頰をなぐりつけて言った。「どのようにして、主の霊が私を離れて行き、おまえに語ったというのか。」
25 ミカヤは答えた。「いまに、あなたが奥の間に入って身を隠すときに、思い知るであろう。」
26 すると、イスラエルの王は言った。「ミカヤを連れて行け。町のつかさアモンと王の子ヨアシュのもとに下がらせよ。
27 王が『この男を獄屋に入れ、私が無事に帰って来るまで、69わずかなパンと、70わずかな水をあてがっておけ』と命じたと言え。」
28 ミカヤは言った。「万が一、あなたが無事に戻って来られることがあるなら、主は私によって語られなかったのです。」そして、「みなの人々よ。聞いておきなさい」と言った。
29 こうして、イスラエルの王とユダの王ヨシャパテは、ラモテ・ギルアデに攻め上った。
30 そのとき、イスラエルの王はヨシャパテに言った。「私は変装して戦いに行こう。でも、あなたは、自分の王服を着ていてください。」こうして、イスラエルの王は変装して戦いに行った。
31 アラムの王は、自分の配下の戦車隊長たち三十二人に命じて言った。「71兵や将校とは戦うな。ただイスラエルの王を目ざして戦え。」
32 戦車隊長たちはヨシャパテを見つけたとき、「確かにあれはイスラエルの王に違いない」と思ったので、彼のほうに向かって行って戦おうとした。すると、ヨシャパテは助けを叫び求めた。
33 それで、戦車隊長たちは、彼がイスラエルの王ではないことを知ったとき、彼を追うことをやめ、引き返した。
34 ところが、ひとりの兵士が何げなく弓を放つと、イスラエルの王の胸当てと草摺の間を射抜いた。そこで、王は自分の戦車の御者に言った。「手綱を返して、私を敵陣から抜け出させてくれ。傷を負ってしまった。」
35 その日、戦いはますます激しくなった。王はアラムに向かって、戦車の中に立っていたが、夕方になって死んだ。傷から出た血は戦車のくぼみに流れた。
36日没のころ、陣営の中に、「めいめい自分の町、自分の国へ帰れ」という叫び声が伝わった。
37 王は死んでからサマリヤに着いた。人々はサマリヤで王を葬った。
38 それから、戦車をサマリヤの池で洗った。すると、犬が彼の血をなめ、遊女たちがそこで身を洗った。主が語られたことばのとおりであった。
39 アハブのその他の業績、彼の行ったすべての事、彼が建てた象牙の家、彼が建てたすべての町々、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
40 アハブは彼の先祖たちとともに眠り、その子アハズヤが代わって王となった。
41 アサの子ヨシャパテがユダの王となったのは、イスラエルの王アハブの第四年であった。
42 ヨシャパテは三十五歳で王となり、エルサレムで二十五年間、王であった。その母の名はアズバといい、シルヒの娘であった。
43 彼はその父アサのすべての道に歩み、その道からそれることなく、主の目にかなうことを行った。しかし、高き所は取り除かなかった。民はなおも、その高き所でいけにえをささげたり、香をたいたりしていた。
44 ヨシャパテはイスラエルの王と友好関係を保っていた。
45 ヨシャパテのその他の業績、彼の立てた功績とその戦績、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
46 彼は、父アサの時代にまだ残っていた神殿男娼をこの国から除き去った。
47 そのころ、エドムには王がなく、守護が王であった。
48 ヨシャパテはタルシシュの船団をつくり、金を得るためにオフィルへ行こうとしたが、行けなかった。船団がエツヨン・ゲベルで難破したからである。
49 そのとき、アハブの子アハズヤはヨシャパテに、「私の家来をあなたの家来といっしょに船で行かせましょう」と言ったが、ヨシャパテは承知しなかった。
50 ヨシャパテは彼の先祖たちとともに眠り、先祖たちとともに父ダビデの町に葬られた。その子ヨラムが代わって王となった。
51 アハブの子アハズヤは、ユダの王ヨシャパテの第十七年にサマリヤでイスラエルの王となり、二年間、イスラエルの王であった。
52 彼は主の目の前に悪を行い、彼の父の道と彼の母の道、それに、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの道に歩んだ。
53 すなわち、彼はバアルに仕え、それを拝み、彼の父が行ったと全く同じように行って、イスラエルの神、主の怒りを引き起こした。
列王記 第二
1 アハブの死後、モアブがイスラエルにそむいた。
2 さて、アハズヤはサマリヤにある彼の屋上の部屋の欄干から落ちて病気になった。彼は使者たちを遣わし、「行って、エクロンの神、バアル・ゼブブに、私のこの病気が直るかどうか、伺いを立てなさい」と命じた。
3 そのころ、主の使いがティシュベ人エリヤに告げた。「さあ、上って行って、サマリヤの王の使者たちに会い、彼らに言え。『あなたがたがエクロンの神、バアル・ゼブブに伺いを立てに行くのは、イスラエルに神がいないためか。
4 それゆえ、主はこう仰せられる。あなたは上ったその寝台から降りることはない。あなたは必ず死ぬ。』」それで、エリヤは出て行った。
5 使者たちがアハズヤのもとに戻って来ると、彼は、「なぜあなたがたは帰って来たのか」と彼らに尋ねた。
6 彼らは答えた。「ひとりの人が私たちに会いに上って来て、こう言いました。『あなたがたを遣わした王のところに帰って行き、彼に告げなさい。主はこう仰せられる。あなたが人をやって、エクロンの神、バアル・ゼブブに伺いを立てるのは、イスラエルに神がいないためか。それゆえ、あなたは上ったその寝台から降りることはない。あなたは必ず死ぬ。』」
7 アハズヤは彼らに尋ねた。「あなたがたに会いに上って来て、そんなことをあなたがたに告げた者は、どんな様子をしていたか。」
8 彼らが、「毛衣を着て、腰に皮帯を締めた人でした」と答えると、アハズヤは、「それはティシュベ人エリヤだ」と言った。
9 そこで、アハズヤは五十人隊の長を、その部下五十人とともにエリヤのところに遣わした。彼がエリヤのところに上って行くと、そのとき、エリヤは山の頂にすわっていた。彼はエリヤに、「神の人よ。王のお告げです。降りて来てください」と言った。
10 エリヤはその五十人隊の長に答えて言った。「もし、私が神の人であるなら、天から火が下って来て、あなたと、あなたの部下五十人を焼き尽くすだろう。」すると、天から火が下って来て、彼と、その部下五十人を焼き尽くした。
11 王はまた、もうひとりの五十人隊の長を、その部下五十人とともにエリヤのところに遣わした。彼はエリヤに答えて言った。「神の人よ。王がこう申しております。急いで降りて来てください。」
12 エリヤは彼らに答えて言った。「もし、私が神の人であるなら、天から火が下って来て、あなたと、あなたの部下五十人を焼き尽くすだろう。」すると、天から神の火が下って来て、彼と、その部下五十人を焼き尽くした。
13 王はまた、第三の五十人隊の長と、その部下五十人を遣わした。この三人目の五十人隊の長は上って行き、エリヤの前にひざまずき、懇願して言った。「神の人よ。どうか私のいのちと、このあなたのしもべ五十人のいのちとを1お助けください。
14 ご承知のように、天から火が下って来て、先のふたりの五十人隊の長と、彼らの部下五十人ずつとを、焼き尽くしてしまいました。今、私のいのちは2お助けください。」
15主の使いがエリヤに、「彼といっしょに降りて行け。彼を恐れてはならない」と言ったので、エリヤは立って、彼といっしょに王のところに下って行き、
16 王に言った。「主はこう仰せられる。『あなたが使者たちをエクロンの神、バアル・ゼブブに伺いを立てにやったのは、イスラエルにみことばを伺う神がいないためか。それゆえ、あなたは、上ったその寝台から降りることはない。あなたは必ず死ぬ。』」
17 王はエリヤが告げた主のことばのとおりに死んだ。そしてヨラムが代わって王となった。それはユダの王ヨシャパテの子ヨラムの第二年であった。アハズヤには男の子がなかったからである。
18 アハズヤの行ったその他の業績、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
1主がエリヤをたつまきに乗せて天に上げられるとき、エリヤはエリシャを連れてギルガルから出て行った。
2 エリヤはエリシャに、「ここにとどまっていなさい。主が私をベテルに遣わされたから」と言ったが、エリシャは言った。「主は生きておられ、あなたのたましいも生きています。私は決してあなたから離れません。」こうして、彼らはベテルに下って行った。
3 すると、ベテルの預言者のともがらがエリシャのところに出て来て、彼に言った。「きょう、主があなたの主人をあなたから取り上げられることを知っていますか。」エリシャは、「私も知っているが、黙っていてください」と答えた。
4 それからエリヤは彼に、「エリシャ。ここにとどまっていなさい。主が私をエリコに遣わされたから」と言った。しかし、彼は言った。「主は生きておられ、あなたのたましいも生きています。私は決してあなたから離れません。」こうして、彼らはエリコに来た。
5 エリコの預言者のともがらがエリシャに近づいて来て、彼に言った。「きょう、主があなたの主人をあなたから取り上げられることを知っていますか。」エリシャは、「私も知っているが、黙っていてください」と答えた。
6 エリヤは彼に、「ここにとどまっていなさい。主が私をヨルダンへ遣わされたから」と言った。しかし、彼は言った。「主は生きておられ、あなたのたましいも生きています。私は決してあなたから離れません。」こうして、ふたりは進んで行った。
7預言者のともがらのうち五十人が行って、遠く離れて立っていた。ふたりがヨルダン川のほとりに立ったとき、
8 エリヤは自分の外套を取り、それを丸めて水を打った。すると、水は両側に分かれた。それでふたりはかわいた土の上を渡った。
9渡り終わると、エリヤはエリシャに言った。「私はあなたのために何をしようか。私があなたのところから取り去られる前に、求めなさい。」すると、エリシャは、「では、あなたの霊の、二つの分け前が私のものになりますように」と言った。
10 エリヤは言った。「あなたはむずかしい注文をする。しかし、もし、私があなたのところから取り去られるとき、あなたが私を見ることができれば、そのことがあなたにかなえられよう。できないなら、そうはならない。」
11 こうして、彼らがなお進みながら話していると、なんと、一台の火の戦車と火の馬とが現れ、このふたりの間を分け隔て、エリヤは、たつまきに乗って天へ上って行った。
12 エリシャはこれを見て、「わが父。わが父。イスラエルの戦車と騎兵たち」と叫んでいたが、彼はもう見えなかった。そこで、彼は自分の着物をつかみ、それを二つに引き裂いた。
13 それから、彼はエリヤの身から落ちた外套を拾い上げ、引き返してヨルダン川の岸辺に立った。
14 彼はエリヤの身から落ちた外套を取って水を打ち、「エリヤの神、主はどこにおられるのですか」と言った。彼も水を打つと、水が両側に分かれたので、エリシャは渡った。
15 エリコの預言者のともがらは、遠くから彼を見て、「エリヤの霊がエリシャの上にとどまっている」と言い、彼を迎えに行って、地に伏して彼に礼をした。
16 彼らはエリシャに言った。「しもべたちのところに五十人の力ある者がいます。どうか彼らをあなたのご主人を捜しに行かせてください。主の霊が彼を運んで、どこかの山か谷に彼を投げられたのかもしれません。」するとエリシャは、「人をやってはいけません」と言った。
17 しかし、彼らが3しつこく彼に願ったので、ついにエリシャは、「やりなさい」と言った。それで、彼らは五十人を遣わした。彼らは、三日間、捜したが、彼を見つけることはできなかった。
18 彼らはエリシャがエリコにとどまっているところへ帰って来た。エリシャは彼らに言った。「行かないようにと、あなたがたに言ったではありませんか。」
19 この町の人々がエリシャに言った。「4あなたさまもご覧のとおり、この町は住むのには良いのですが、水が悪く、この土地は流産が多いのです。」
20 すると、エリシャは言った。「新しい皿に塩を盛って、私のところに持って来なさい。」人々は彼のところにそれを持って来た。
21 エリシャは水の源のところに行って、塩をそこに投げ込んで言った。「主はこう仰せられる。『わたしはこの水をいやした。ここからは、もう、死も流産も起こらない。』」
22 こうして、水は良くなり、今日に至っている。エリシャが言ったことばのとおりである。
23 エリシャはそこからベテルへ上って行った。彼が道を上って行くと、この町から小さい子どもたちが出て来て、彼をからかって、「上って来い、はげ頭。上って来い、はげ頭」と言ったので、
24 彼は振り向いて、彼らをにらみ、主の名によって彼らをのろった。すると、森の中から二頭の雌熊が出て来て、彼らのうち、四十二人の子どもをかき裂いた。
25 こうして彼は、そこからカルメル山に行き、そこからさらに、サマリヤへ帰った。
1 ユダの王ヨシャパテの第十八年に、アハブの子ヨラムがサマリヤでイスラエルの王となり、十二年間、王であった。
2 彼は主の目の前に悪を行ったが、彼の父母ほどではなかった。彼は父が造ったバアルの石の柱を取り除いた。
3 しかし、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの罪を彼も犯し続け、それをやめようとはしなかった。
4 モアブの王メシャは羊を飼っており、子羊十万頭と、雄羊十万頭分の羊毛とをイスラエルの王にみつぎものとして納めていた。
5 しかし、アハブが死ぬと、モアブの王はイスラエルの王にそむいた。
6 そこで、ヨラム王は、ただちにサマリヤを出発し、すべてのイスラエル人を動員した。
7 そして、ユダの王ヨシャパテに使いをやって言った。「モアブの王が私にそむきました。私といっしょにモアブに戦いに行ってくれませんか。」ユダの王は言った。「行きましょう。私とあなたとは同じようなもの、私の民とあなたの民、私の馬とあなたの馬も同じようなものです。」
8 そして言った。「私たちはどの道を上って行きましょうか。」するとヨラムは、「エドムの荒野の道を」と答えた。
9 こうして、イスラエルの王は、ユダの王とエドムの王といっしょに出かけたが、七日間も回り道をしたので、陣営の者と、あとについて来る家畜のための水がなくなった。
10 それで、イスラエルの王は、「ああ、主が、この三人の王を召されたのは、モアブの手に渡すためだったのだ」と言った。
11 ヨシャパテは言った。「ここには主のみこころを求めることのできる主の預言者はいないのですか。」すると、イスラエルの王の家来のひとりが答えて言った。「ここには、シャファテの子エリシャがいます。エリヤの手に水を注いだ者です。」
12 ヨシャパテが、「主のことばは彼とともにある」と言ったので、イスラエルの王と、ヨシャパテと、エドムの王とは彼のところに下って行った。
13 エリシャはイスラエルの王に言った。「私とあなたとの間に何のかかわりがありましょうか。あなたの父上の預言者たちと、あなたの母上の預言者たちのところにおいでください。」すると、イスラエルの王は彼に言った。「いや、主がこの三人の王を召されたのは、モアブの手に渡すためだから。」
14 エリシャは言った。「私が仕えている万軍の主は生きておられる。もし私がユダの王ヨシャパテのためにするのでなかったなら、私は決してあなたに目も留めず、あなたに会うこともしなかったでしょう。
15 しかし、今、立琴をひく者をここに連れて来てください。」立琴をひく者が立琴をひき鳴らすと、主の手がエリシャの上に下り、
16 彼は次のように言った。「主はこう仰せられる。『この谷にみぞを掘れ。みぞを掘れ。』
17主がこう仰せられるからだ。『風も見ず、大雨も見ないのに、この谷には水があふれる。あなたがたも、あなたがたの家畜も、獣もこれを飲む。』
18 これは主の目には小さなことだ。主はモアブをあなたがたの手に渡される。
19 あなたがたは、城壁のある町々、りっぱな町々をことごとく打ち破り、すべての良い木を切り倒し、すべての水の源をふさぎ、すべての良い畑を石ころでだいなしにしよう。」
20 朝になって、ささげ物をささげるころ、なんと、水がエドムのほうから流れて来て、この地は水で満たされた。
21 モアブはみな、王たちが彼らを攻めに上って来たことを聞いた。よろいを着ることのできるほどの者は全部、呼び集められ、国境の守備についた。
22 彼らが翌朝早く起きてみると、太陽が水の面を照らしていた。モアブは向こう側の水が血のように赤いのを見て、
23 言った。「これは血だ。きっと王たちが切り合って、同士打ちをしたに違いない。さあ今、モアブよ、分捕りに行こう。」
24 彼らがイスラエルの陣営に攻め入ると、イスラエルは立ってモアブを打った。モアブはイスラエルの前から逃げた。それで、イスラエルは攻め入って、モアブを打った。
25 さらに、彼らは町々を破壊し、すべての良い畑にひとりずつ石を投げ捨てて石だらけにし、すべての水の源をふさぎ、すべての良い木を切り倒した。ただ5キル・ハレセテにある石だけが残ったが、そこも、石を投げる者たちが取り囲み、これを打ち破った。
26 モアブの王は、戦いが自分に不利になっていくのを見て、剣を使う者七百人を引き連れ、エドムの王のところに突き入ろうとしたが、果たさなかった。
27 そこで、彼は自分に代わって王となる長男をとり、その子を城壁の上で全焼のいけにえとしてささげた。このため、イスラエル人に対する大きな怒りが起こった。それでイスラエル人は、そこから引き揚げて、自分の国へ帰って行った。
1預言者のともがらの妻のひとりがエリシャに叫んで言った。「あなたのしもべである私の夫が死にました。ご存じのように、あなたのしもべは、主を恐れておりました。ところが、貸し主が来て、私のふたりの子どもを自分の奴隷にしようとしております。」
2 エリシャは彼女に言った。「何をしてあげようか。あなたには、家にどんな物があるか、言いなさい。」彼女は答えた。「はしための家には何もありません。ただ、油のつぼ一つしかありません。」
3 すると、彼は言った。「外に出て行って、隣の人みなから、器を借りて来なさい。からの器を。それも、一つ二つではいけません。
4 家に入ったなら、あなたと子どもたちのうしろの戸を閉じなさい。そのすべての器に油をつぎなさい。いっぱいになったものはわきに置きなさい。」
5 そこで、彼女は彼のもとから去り、子どもたちといっしょにうしろの戸を閉じ、子どもたちが次々に彼女のところに持って来る器に油をついだ。
6器がいっぱいになったので、彼女は子どもに言った。「もっと器を持って来なさい。」子どもが彼女に、「もう器はありません」と言うと、油は止まった。
7 彼女が神の人に知らせに行くと、彼は言った。「行って、その油を売り、あなたの負債を払いなさい。その残りで、あなたと子どもたちは暮らしていけます。」
8 ある日、エリシャがシュネムを通りかかると、そこにひとりの裕福な女がいて、彼を食事に引き止めた。それからは、そこを通りかかるたびごとに、そこに寄って、食事をするようになった。
9 女は夫に言った。「いつも私たちのところに立ち寄って行かれるあの方は、きっと神の聖なる方に違いありません。
10 ですから、屋上に壁のある小さな部屋を作り、あの方のために寝台と机といすと燭台とを置きましょう。あの方が私たちのところにおいでになるたびに、そこをお使いになれますから。」
11 ある日、エリシャはそこに来て、その屋上の部屋に入り、そこで横になった。
12 彼は若い者ゲハジに言った。「ここのシュネムの女を呼びなさい。」彼が呼ぶと、彼女は彼の前に立った。
13 エリシャはゲハジに言った。「彼女にこう伝えなさい。『ほんとうに、あなたはこのように、私たちのことでいっしょうけんめいほねおってくれたが、あなたのために何をしたらよいか。王か、それとも、将軍に、何か話してほしいことでもあるか。』」彼女は答えた。「私は私の民の中で、しあわせに暮らしております。」
14 エリシャは言った。「では、彼女のために何をしたら良いだろうか。」ゲハジは言った。「彼女には子どもがなく、それに、彼女の夫も年をとっています。」
15 エリシャが、「彼女を呼んで来なさい」と言ったので、ゲハジが彼女を呼ぶと、彼女は入口のところに立った。
16 エリシャは言った。「来年の今ごろ、あなたは男の子を抱くようになろう。」彼女は言った。「いいえ。あなたさま。神の人よ。このはしために偽りを言わないでください。」
17 しかし、この女はみごもり、エリシャが彼女に告げたとおり、翌年のちょうどそのころ、男の子を産んだ。
18 その子が、大きくなって、ある日、刈り入れ人といっしょにいる父のところに出て行ったとき、
19 父親に、「私の頭が、頭が」と言ったので、父親は若者に、「この子を母親のところに抱いて行ってくれ」と命じた。
20若者はその子を抱いて、母親のところに連れて行った。この子は昼まで母親のひざの上に休んでいたが、ついに死んだ。
21 彼女は屋上に上がって行って、神の人の寝台にその子を寝かし、戸をしめて出て来た。
22 彼女は夫に呼びかけて言った。「どうぞ、若者のひとりと、雌ろば一頭を私によこしてください。私は急いで、神の人のところに行って、すぐ戻って来ますから。」
23 すると彼は、「どうして、きょう、あの人のところに行くのか。新月祭でもなく、安息日でもないのに」と言ったが、彼女は、「それでも、かまいません」と答えた。
24 彼女は雌ろばに鞍を置き、若者に命じた。「手綱を引いて、進んで行きなさい。私が命じなければ、手綱をゆるめてはいけません。」
25 こうして、彼女は出かけ、カルメル山の神の人のところへ行った。神の人は、遠くから彼女を見つけると、若い者ゲハジに言った。「ご覧。あのシュネムの女があそこに来ている。
26 さあ、走って行き、彼女を迎え、『あなたは無事ですか。あなたのご主人は無事ですか。お子さんは無事ですか』と言いなさい。」それで彼女は答えた。「無事です。」
27 それから、彼女は山の上の神の人のところに来て、彼の足にすがりついた。ゲハジが彼女を追い払おうと近寄ると、神の人は言った。「そのままにしておきなさい。彼女の心に悩みがあるのだから。主はそれを私に隠され、まだ、私に知らせておられないのだ。」
28 彼女は言った。「私が6あなたさまに子どもを求めたでしょうか。この私にそんな気休めを言わないでくださいと申し上げたではありませんか。」
29 そこで、彼はゲハジに言った。「腰に帯を引き締め、手に私の杖を持って行きなさい。たといだれに会っても、あいさつしてはならない。また、たといだれがあいさつしても、答えてはならない。そして、私の杖をあの子の顔の上に置きなさい。」
30 その子の母親は言った。「主は生きておられ、あなたのたましいも生きています。私は決してあなたを離しません。」そこで、彼は立ち上がり、彼女のあとについて行った。
31 ゲハジは、ふたりより先に行って、その杖を子どもの顔の上に置いたが、何の声もなく、何の応答もなかったので、引き返して、エリシャに会い、「子どもは目をさましませんでした」と言って彼に報告した。
32 エリシャが家に着くと、なんと、その子は死んで、寝台の上に横たわっていた。
33 エリシャは中に入り、戸をしめて、ふたりだけになって、主に祈った。
34 それから、寝台の上に上がり、その子の上に身を伏せ、自分の口を子どもの口の上に、自分の目を子どもの目の上に、自分の両手を子どもの両手の上に重ねて、子どもの上に身をかがめると、子どものからだが暖かくなってきた。
35 それから彼は降りて、部屋の中をあちら、こちらと歩き回り、また、寝台の上に上がり、子どもの上に身をかがめると、子どもは七回くしゃみをして目を開いた。
36 彼はゲハジを呼んで、「あのシュネムの女を呼んで来なさい」と言いつけた。ゲハジが彼女を呼んだので、彼女はエリシャのところに来た。そこで、エリシャは、「あなたの子どもを抱き上げなさい」と言った。
37 彼女は入って来て、彼の足もとにひれ伏し、地に伏しておじぎをした。そして、子どもを抱き上げて出て行った。
38 エリシャがギルガルに帰って来たとき、この地にききんがあった。預言者のともがらが彼の前にすわっていたので、彼は若い者に命じた。「大きなかまを火にかけ、預言者のともがらのために、煮物を作りなさい。」
39 彼らのひとりが食用の草を摘みに野に出て行くと、野生のつる草を見つけたので、そのつるから野生のうりを前掛けにいっぱい取って、帰って来た。そして、彼は煮物のかまの中にそれを切り込んだ。彼らはそれが何であるか知らなかったからである。
40 彼らはみなに食べさせようとして、これをよそった。みながその煮物を口にするや、叫んで言った。「神の人よ。かまの中に7毒が入っています。」彼らは食べることができなかった。
41 エリシャは言った。「では、麦粉を持って来なさい。」彼はそれをかまに投げ入れて言った。「これをよそって、この人たちに食べさせなさい。」その時にはもう、かまの中には悪い物はなくなっていた。
42 ある人がバアル・シャリシャから来て、神の人に初穂のパンである大麦のパン二十個と、一袋の新穀とを持って来た。神の人は、「この人たちに与えて食べさせなさい」と命じた。
43 彼の召使いは、「これだけで、どうして百人もの人に分けられましょう」と言った。しかし、エリシャは言った。「この人たちに与えて食べさせなさい。主はこう仰せられる。『彼らは食べて残すだろう。』」
44 そこで、召使いが彼らに配ると、彼らは食べた。主のことばのとおり、それはあり余った。
1 アラムの王の将軍ナアマンは、その主君に重んじられ、尊敬されていた。主がかつて彼によってアラムに勝利を得させられたからである。この人は勇士で、ツァラアトに冒されていた。
2 アラムはかつて略奪に出たとき、イスラエルの地から、ひとりの若い娘を捕らえて来ていた。彼女はナアマンの妻に仕えていたが、
3 その女主人に言った。「もし、ご主人さまがサマリヤにいる預言者のところに行かれたら、きっと、あの方がご主人さまのツァラアトを直してくださるでしょうに。」
4 それで、ナアマンはその主君のところに行き、イスラエルの地から来た娘がこれこれのことを言いました、と告げた。
5 アラムの王は言った。「行って来なさい。私がイスラエルの王にあてて手紙を送ろう。」そこで、ナアマンは銀十8タラントと、金六千9シェケルと、晴れ着十着とを持って出かけた。
6 彼はイスラエルの王あての次のような手紙を持って行った。「さて、この手紙があなたに届きましたら、実は家臣ナアマンをあなたのところに送りましたので、彼のツァラアトを直してくださいますように。」
7 イスラエルの王はこの手紙を読むと、自分の服を引き裂いて言った。「私は殺したり、生かしたりすることのできる神であろうか。この人はこの男を送って、ツァラアトを直せと言う。しかし、考えてみなさい。彼は私に言いがかりをつけようとしているのだ。」
8 神の人エリシャは、イスラエルの王が服を引き裂いたことを聞くと、王のもとに人をやって言った。「あなたはどうして服を引き裂いたりなさるのですか。彼を私のところによこしてください。そうすれば、彼はイスラエルに預言者がいることを知るでしょう。」
9 こうして、ナアマンは馬と戦車をもって来て、エリシャの家の入口に立った。
10 エリシャは、彼に使いをやって、言った。「ヨルダン川へ行って七たびあなたの身を洗いなさい。そうすれば、あなたのからだが元どおりになってきよくなります。」
11 しかしナアマンは怒って去り、そして言った。「何ということだ。私は彼がきっと出て来て、立ち、彼の神、主の名を呼んで、この患部の上で彼の手を動かし、このツァラアトに冒された者を直してくれると思っていたのに。
12 ダマスコの川、アマナやパルパルは、イスラエルのすべての川にまさっているではないか。これらの川で洗って、私がきよくなれないのだろうか。」こうして、彼は怒って帰途についた。
13 そのとき、彼のしもべたちが近づいて彼に言った。「わが父よ。あの預言者が、もしも、10むずかしいことをあなたに命じたとしたら、あなたはきっとそれをなさったのではありませんか。ただ、彼はあなたに『身を洗って、きよくなりなさい』と言っただけではありませんか。」
14 そこで、ナアマンは下って行き、神の人の言ったとおりに、ヨルダン川に七たび身を浸した。すると彼のからだは元どおりになって、幼子のからだのようになり、きよくなった。
15 そこで、彼はその一行の者を全部連れて神の人のところに引き返し、彼の前に来て、立って言った。「私は今、イスラエルのほか、世界のどこにも神はおられないことを知りました。それで、どうか今、あなたのしもべからの贈り物を受け取ってください。」
16 神の人は言った。「私が仕えている主は生きておられる。私は決して受け取りません。」それでも、ナアマンは、受け取らせようとしきりに彼に勧めたが、彼は断った。
17 そこでナアマンは言った。「だめでしたら、どうか二頭の騾馬に載せるだけの土をしもべに与えてください。しもべはこれからはもう、ほかの神々に全焼のいけにえや、その他のいけにえをささげず、ただ主にのみささげますから。
18主が次のことをしもべにお許しくださいますように。私の主君がリモンの神殿に入って、そこで拝む場合、私の腕に寄りかかります。それで私もリモンの神殿で身をかがめます。私がリモンの神殿で身をかがめるとき、どうか、主がこのことをしもべにお許しくださいますように。」
19 エリシャは彼に言った。「安心して行きなさい。」そこでナアマンは彼から離れて、かなりの道のりを進んで行った。
20 そのとき、神の人エリシャに仕える若い者ゲハジはこう考えた。「なんとしたことか。私の主人は、あのアラム人ナアマンが持って来た物を受け取ろうとはしなかった。主は生きておられる。私は彼のあとを追いかけて行き、必ず何かをもらって来よう。」
21 ゲハジはナアマンのあとを追って行った。ナアマンは、うしろから駆けて来る者を見つけると、戦車から降りて、彼を迎え、「何か変わったことでも」と尋ねた。
22 そこで、ゲハジは言った。「変わったことはありませんが、私の主人は私にこう言ってよこしました。『たった今、エフライムの山地から、預言者のともがらのふたりの若い者が私のところにやって来ましたから、どうぞ、彼らに銀一11タラントと、晴れ着二着をやってください。』」
23 するとナアマンは、「どうぞ。思い切って二タラントを取ってください」と言って、しきりに勧め、二つの袋に入れた銀二タラントと、晴れ着二着を、自分のふたりの若い者に渡した。それで彼らはそれを背負ってゲハジの先に立って進んだ。
24 ゲハジは丘に着くと、それを彼らから受け取って家の中にしまい込み、ふたりの者を帰らせたので、彼らは去って行った。
25 彼が家に入って主人の前に立つと、エリシャは彼に言った。「ゲハジ。あなたはどこへ行って来たのか。」彼は答えた。「しもべはどこへも行きませんでした。」
26 エリシャは彼に言った。「あの人があなたを迎えに戦車から降りて来たとき、私の心もあなたといっしょに行っていたではないか。今は銀を受け、着物を受け、オリーブ畑やぶどう畑、羊や牛、男女の奴隷を受ける時だろうか。
27 ナアマンのツァラアトは、いつまでもあなたとあなたの子孫とにまといつく。」彼はツァラアトに冒され、雪のようになって、エリシャの前から出て来た。
1預言者のともがらがエリシャに、「ご覧のとおり、私たちがあなたといっしょに住んでいるこの場所は狭くなりましたので、
2 ヨルダン川に行きましょう。そこからめいめい一本ずつ材木を切り出して、そこに、私たちの住む所を作りましょう」と言うと、エリシャは、「行きなさい」と言った。
3 すると、そのひとりが、「あなたもどうか、思い切ってしもべたちといっしょに行ってください」と言ったので、エリシャは、「では、私も行こう」と言って、
4 彼らといっしょに出かけた。彼らは、ヨルダン川に着くと、木を切り倒した。
5 ひとりが材木を倒しているとき、斧の頭を水の中に落としてしまった。彼は叫んで言った。「ああ、わが主。あれは借り物です。」
6 神の人は言った。「どこに落としたのか。」彼がその場所を示すと、エリシャは一本の枝を切って、そこに投げ込み、斧の頭を浮かばせた。
7 彼が、「それを拾い上げなさい」と言ったので、その人は手を伸ばして、それを取り上げた。
8 アラムの王がイスラエルと戦っていたとき、王は家来たちと相談して言った。「これこれの所に陣を敷こう。」
9 そのとき、神の人はイスラエルの王のもとに人をやって言った。「あの場所を通らないように注意しなさい。あそこにはアラムが下って来ますから。」
10 イスラエルの王は神の人が告げたその場所に人をやった。神の人が警告すると、王はそこを警戒した。このようなことは一度や二度ではなかった。
11 このことで、アラムの王の心は怒りに燃え、家来たちを呼んで言った。「われわれのうち、だれが、イスラエルの王と通じているのか、あなたがたは私に告げないのか。」
12 すると家来のひとりが言った。「いいえ、12王さま。イスラエルにいる預言者エリシャが、あなたが寝室の中で語られることばまでもイスラエルの王に告げているのです。」
13 王は言った。「行って、彼がどこにいるかを突き止めなさい。人をやって、彼をつかまえよう。」そのうちに、「今、彼はドタンにいる」という知らせが王にもたらされた。
14 そこで王は馬と戦車と大軍とをそこに送った。彼らは夜のうちに来て、その町を包囲した。
15 神の人の召使いが、朝早く起きて、外に出ると、なんと、馬と戦車の軍隊がその町を包囲していた。若い者がエリシャに、「ああ、ご主人さま。どうしたらよいのでしょう」と言った。
16 すると彼は、「恐れるな。私たちとともにいる者は、彼らとともにいる者よりも多いのだから」と言った。
17 そして、エリシャは祈って主に願った。「どうぞ、彼の目を開いて、見えるようにしてください。」主がその若い者の目を開かれたので、彼が見ると、なんと、火の馬と戦車がエリシャを取り巻いて山に満ちていた。
18 アラムがエリシャに向かって下って来たとき、彼は主に祈って言った。「どうぞ、この民を打って、盲目にしてください。」そこで主はエリシャのことばのとおり、彼らを打って、盲目にされた。
19 エリシャは彼らに言った。「こちらの道でもない。あちらの町でもない。私について来なさい。あなたがたの捜している人のところへ連れて行ってやろう。」こうして、彼らをサマリヤへ連れて行った。
20 彼らがサマリヤに着くと、エリシャは言った。「主よ。この者たちの目を開いて、見えるようにしてください。」主が彼らの目を開かれたので、彼らが見ると、なんと、彼らはサマリヤの真ん中に来ていた。
21 イスラエルの王は彼らを見て、エリシャに言った。「私が打ちましょうか。私が打ちましょうか。わが父よ。」
22 エリシャは言った。「打ってはなりません。あなたは自分の剣と弓でとりこにした者を打ち殺しますか。彼らにパンと水をあてがい、飲み食いさせて、彼らの主君のもとに行かせなさい。」
23 そこで、王は彼らのために盛大なもてなしをして、彼らに飲み食いをさせて後、彼らを帰した。こうして彼らは自分たちの主君のもとに戻って行った。それからはアラムの略奪隊は、二度とイスラエルの地に侵入して来なかった。
24 この後、アラムの王ベン・ハダデは全軍を召集し、サマリヤに上って来て、これを包囲した。
25 そのころ、サマリヤには、ひどいききんがあった。そのうえ、彼らが包囲していたので、ろばの頭一つが銀八十13シェケルで売られ、鳩の糞一14カブの四分の一が銀五シェケルで売られるようになった。
26 イスラエルの王が城壁の上を通りかかると、ひとりの女が彼に叫んで言った。「15王さま。お救いください。」
27 王は言った。「主があなたを救われないのなら、どのようにして、私があなたを救うことができようか。打ち場の物をもってか。それとも、酒ぶねの物をもってか。」
28 それから王は彼女に尋ねた。「いったい、どうしたというのか。」彼女は答えた。「この女が私に『あなたの子どもをよこしなさい。私たちはきょう、それを食べて、あすは私の子どもを食べましょう』と言ったのです。
29 それで、私たちは、私の子どもを煮て、食べました。その翌日、私は彼女に『さあ、あなたの子どもをよこしなさい。私たちはそれを食べましょう』と言ったのですが、彼女は自分の子どもを隠してしまったのです。」
30 王はこの女の言うことを聞くと、自分の服を引き裂いた。彼は城壁の上を通っていたので、民が見ると、なんと、王は服の下に荒布を着ていた。
31 彼は言った。「きょう、シャファテの子エリシャの首が彼の上についていれば、神がこの私を幾重にも罰せられますように。」
32 エリシャは自分の家にすわっており、長老たちも彼といっしょにすわっていた。王はひとりの者を自分のもとから遣わした。しかし、その使者がエリシャのところに着く前に、エリシャは長老たちに言った。「あの人殺しが、私の首をはねに人を遣わしたのをご存じですか。気をつけなさい。使者が来たら、戸をしめ、戸を押しても入れないようにしなさい。そのうしろに、彼の主君の足音がするではありませんか。」
33 彼がまだ彼らと話しているうちに、使者が彼のところに下って来て言った。「見よ。これは、主からのわざわいだ。これ以上、何を私は主に期待しなければならないのか。」
1 エリシャは言った。「主のことばを聞きなさい。主はこう仰せられる。『あすの今ごろ、サマリヤの門で、上等の小麦粉一16セアが一シェケルで、大麦二セアが一シェケルで売られるようになる。』」
2 しかし、侍従で、王がその腕に寄りかかっていた者が、神の人に答えて言った。「たとい、主が天に窓を作られるにしても、そんなことがあるだろうか。」そこで、彼は言った。「確かに、あなたは自分の目でそれを見るが、それを食べることはできない。」
3 さて、四人のツァラアトに冒された人が、町の門の入口にいた。彼らは互いに言った。「私たちはどうして死ぬまでここにすわっていなければならないのだろうか。
4 たとい、私たちが町に入ろうと言っても、町はききんなので、私たちはそこで死ななければならない。ここにすわっていても死んでしまう。さあ今、アラムの陣営に入り込もう。もし彼らが私たちを生かしておいてくれるなら、私たちは生きのびられる。もし殺すなら、そのときは死ぬまでのことだ。」
5 こうして、彼らはアラムの陣営に行こうと、夕暮れになって立ち上がり、アラムの陣営の端まで来た。見ると、なんと、そこにはだれもいなかった。
6 主がアラムの陣営に、戦車の響き、馬のいななき、大軍勢の騒ぎを聞かせられたので、彼らは口々に、「あれ。イスラエルの王が、ヘテ人の王たち、エジプトの王たちを雇って、われわれを襲うのだ」と言って、
7夕暮れになると、彼らは立って逃げ、彼らの天幕や馬やろば、すなわち、陣営をそのまま置き去りにして、いのちからがら逃げ去ったのであった。
8 このツァラアトに冒された人たちは、陣営の端に来て、一つの天幕に入り、食べたり飲んだりして、そこから、銀や金や衣服を持ち出し、それを隠しに行った。また、戻って来ては、ほかの天幕に入り、そこから持ち出し、それを隠しに行った。
9 彼らは話し合って言った。「私たちのしていることは正しくない。きょうは、良い知らせの日なのに、私たちはためらっている。もし明け方まで待っていたら、私たちは罰を受けるだろう。さあ、行って、王の家に知らせよう。」
10 彼らは町に行って、門衛を呼び、彼らに告げて言った。「私たちがアラムの陣営に入ってみると、もう、そこにはだれもおらず、人の声もありませんでした。ただ、馬やろばがつながれたままで、天幕もそっくりそのままでした。」
11 そこで門衛たちは叫んで、門のうちの王の家に告げた。
12 王は夜中に起きて家来たちに言った。「アラムが私たちに対して計ったことをあなたがたに教えよう。彼らは私たちが飢えているのを知っているので、陣営から出て行って野に隠れ、あいつらが町から出て来たら、生けどりにし、それから町に押し入ろう、と考えているのだ。」
13 すると、家来のひとりが答えて言った。「それでは、だれかにこの町に残っている馬の中から五頭だけ取らせ、その者たちを遣わして偵察してみましょう。どうせ彼らはこの町に残っているイスラエルの全民衆と同じめに会い、または、すでに滅ぼされたイスラエルの全民衆と同じめに会うのですから。」
14 彼らが二台分の戦車の馬を取ると、王は、「行って、偵察して来なさい」と命じ、アラムの陣営のあとを追わせた。
15 彼らはアラムのあとを追って、ヨルダン川まで行った。ところが、なんと、道は至る所、アラムがあわてて逃げるとき捨てていった衣服や武具でいっぱいであった。使者たちは帰って来て、このことを王に報告した。
16 そこで、民は出て行き、アラムの陣営をかすめ奪ったので、主のことばのとおり、上等の小麦粉一17セアが一18シェケルで、大麦二セアが一シェケルで売られた。
17 王は例の侍従、その腕に王が寄りかかっていた侍従を門の管理に当たらせたが、民が門で彼を踏みつけたので、彼は死んだ。王が神の人のところに下って行ったとき話した神の人のことばのとおりであった。
18 神の人が王に、「あすの今ごろ、サマリヤの門で、大麦二セアが一シェケルで、上等の小麦粉一セアが一シェケルで売られるようになる」と言ったとき、
19侍従は神の人に答えて、「たとい、主が天に窓を作られるにしても、そんなことがあるだろうか」と言った。そこで、彼は、「確かに、あなたは自分の目でそれを見るが、それを食べることはできない」と言った。
20 そのとおりのことが彼に実現した。民が門で彼を踏みつけたので、彼は死んだ。
1 エリシャは、かつて子どもを生き返らせてやったあの女に言った。「あなたは家族の者たちと旅に立ち、あなたがとどまっていたい所に、しばらくとどまっていなさい。主がききんを起こされたので、この国は七年間、ききんに見舞われるから。」
2 そこで、この女は神の人のことばに従って出発し、家族の者を連れてペリシテ人の地に行き、七年間滞在した。
3 七年たって後、彼女はペリシテ人の地から戻って来て、自分の家と畑を得ようと王に訴え出た。
4 そのころ、王は神の人に仕える若い者ゲハジに、「エリシャが行ったすばらしいことを、残らず私に聞かしてくれ」と言って、話していた。
5 彼が王に、死人を生き返らせたあのことを話していると、ちょうどそこに、子どもを生き返らせてもらった女が、自分の家と畑のことについて王に訴えに来た。そこで、ゲハジは言った。「19王さま。これがその女です。これが、エリシャが生き返らせたその子どもです。」
6 王が彼女に尋ねると、彼女は王にそのことを話した。そこで、王は彼女のためにひとりの宦官に命じて言った。「彼女の物は全部返してやりなさい。それに、彼女がこの地を離れた日から、きょうまでの畑の収穫もみな、返してやりなさい。」
7 エリシャがダマスコに行ったとき、アラムの王ベン・ハダデは病気であったが、彼に「神の人がここまで来ました」という知らせがあった。
8 王はハザエルに言った。「贈り物を持って行って、神の人を迎え、私のこの病気が直るかどうか、あの人を通して主のみこころを求めてくれ。」
9 そこで、ハザエルはダマスコのあらゆる良い物をらくだ四十頭に載せ、贈り物として携えて、彼を迎えに行った。彼は神の人の前に行って立ち、そして言った。「あなたの子、アラムの王ベン・ハダデが、『この病気は直るであろうか』と言ってあなたのところへ私をよこしました。」
10 エリシャは彼に言った。「行って、『あなたは必ず直る』と彼に告げなさい。しかし、主は私に、彼が必ず死ぬことも示された。」
11 神の人は、彼が恥じるほど、じっと彼を見つめ、そして泣き出したので、
12 ハザエルは尋ねた。「20あなたさまは、なぜ泣くのですか。」エリシャは答えた。「私は、あなたがイスラエルの人々に害を加えようとしていることを知っているからだ。あなたは、彼らの要塞に火を放ち、その若い男たちを剣で切り殺し、幼子たちを八つ裂きにし、妊婦たちを切り裂くだろう。」
13 ハザエルは言った。「しもべは犬にすぎないのに、どうして、そんなだいそれたことができましょう。」しかし、エリシャは言った。「主は私に、あなたがアラムの王になると、示されたのだ。」
14 彼はエリシャのもとを去り、自分の主君のところに帰った。王が彼に、「エリシャはあなたに何と言ったか」と尋ねると、彼は、「あなたは必ず直る、と彼は言いました」と答えた。
15 しかし、翌日、ハザエルは毛布を取って、それを水に浸し、王の顔にかぶせたので、王は死んだ。こうして、ハザエルは彼に代わって王となった。
16 イスラエルの王アハブの子ヨラムの第五年に──ヨシャパテがユダの王であったが──ユダの王ヨシャパテの子ヨラムが王となった。
17 彼は三十二歳で王となり、エルサレムで八年間、王であった。
18 彼はアハブの家の者がしたように、イスラエルの王たちの道に歩んだ。アハブの娘が彼の妻であったからである。彼は主の目の前に悪を行ったが、
19主は、そのしもべダビデに免じて、ユダを滅ぼすことを望まれなかった。主はダビデとその子孫にいつまでもともしびを与えようと、彼に約束されたからである。
20 ヨラムの時代に、エドムがそむいて、ユダの支配から脱し、自分たちの上に王を立てた。
21 ヨラムは、すべての戦車を率いてツァイルへ渡って行き、夜襲を試み、彼を包囲していたエドムと戦車隊長たちを打ったので、その民は自分の天幕に逃げ帰った。
22 しかしなお、エドムはそむいて、ユダの支配から脱した。今日もそうである。リブナもまた、その時にそむこうとした。
23 ヨラムのその他の業績、彼の行ったすべての事、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
24 ヨラムは彼の先祖たちとともに眠り、先祖たちとともにダビデの町に葬られた。彼の子アハズヤが代わって王となった。
25 イスラエルの王アハブの子ヨラムの第十二年に、ユダの王ヨラムの子アハズヤが王となった。
26 アハズヤは二十二歳で王となり、エルサレムで一年間、王であった。彼の母の名はアタルヤといい、イスラエルの王オムリの孫娘であった。
27 彼はアハブの家の道に歩み、アハブの家にならって主の目の前に悪を行った。彼自身アハブ家の婿になっていたからである。
28 彼はアハブの子ヨラムとともに、アラムの王ハザエルと戦うため、ラモテ・ギルアデに行ったが、アラム人はヨラムに傷を負わせた。
29 ヨラム王は、アラムの王ハザエルと戦ったときにラマでアラム人に負わされた傷をいやすため、イズレエルに帰って来た。ユダの王ヨラムの子アハズヤは、アハブの子ヨラムが病気であったので、彼を見舞いにイズレエルに下って行った。
1預言者エリシャは預言者のともがらのひとりを呼んで言った。「腰に帯を引き締め、手にこの油のつぼを持って、ラモテ・ギルアデに行きなさい。
2 そこに行ったら、ニムシの子ヨシャパテの子エフーを見つけ、家に入って、その同僚たちの中から彼を立たせ、奥の間に連れて行き、
3 油のつぼを取って、彼の頭の上に油をそそいで言いなさい。『主はこう仰せられる。わたしはあなたに油をそそいでイスラエルの王とする。』それから、戸をあけて、ぐずぐずしていないで逃げなさい。」
4 そこで、その若い者、預言者に仕える若い者は、ラモテ・ギルアデに行った。
5 彼が来てみると、ちょうど、将校たちが会議中であった。彼は言った。「隊長。あなたに申し上げることがあります。」エフーは言った。「このわれわれのうちのだれにか。」若い者は、「隊長。あなたにです」と答えた。
6 エフーは立って、家に入った。そこで若い者は油をエフーの頭にそそいで言った。「イスラエルの神、主は、こう仰せられる。『わたしはあなたに油をそそいで、主の民イスラエルの王とする。
7 あなたは、主君アハブの家の者を打ち殺さなければならない。こうしてわたしは、わたしのしもべである預言者たちの血、イゼベルによって流された主のすべてのしもべたちの血の復讐をする。
8 それでアハブの家はことごとく滅びうせる。わたしは、アハブに属する小わっぱから奴隷や自由の者に至るまでを、イスラエルで断ち滅ぼし、
9 アハブの家をネバテの子ヤロブアムの家のようにし、アヒヤの子バシャの家のようにする。
10 犬がイズレエルの地所でイゼベルを食らい、だれも彼女を葬る者がいない。』」こう言って彼は戸をあけて逃げた。
11 エフーが彼の主君の家来たちのところに出て来ると、ひとりが彼に尋ねた。「何事もなかったのですか。あの気の狂った者は何のために来たのですか。」すると、エフーは彼らに答えた。「あなたがたは、あの男も、あの男の言ったことも知っているはずだ。」
12 彼らは言った。「あなたは偽っている。われわれに教えてくれ。」そこで、彼は答えた。「あの男は私にこんなことを言った。『主はこう仰せられる。わたしはあなたに油をそそいでイスラエルの王とする』と。」
13 すると、彼らは大急ぎで、みな自分の上着を脱ぎ、入口の階段の彼の足もとに敷き、角笛を吹き鳴らして、「エフーは王である」と言った。
14 こうして、ニムシの子ヨシャパテの子エフーは、ヨラムに対して謀反を起こした。──ヨラムは全イスラエルを率いて、ラモテ・ギルアデでアラムの王ハザエルを防いだが、
15 ヨラム王は、アラムの王ハザエルと戦ったときにアラム人に負わされた傷をいやすため、イズレエルに帰って来ていた──エフーは言った。「もし、これがあなたがたの本心であれば、だれもこの町からのがれ出て、イズレエルに知らせに行ってはならない。」
16 それから、エフーは車に乗って、イズレエルへ行った。ヨラムがそこで床についており、ユダの王アハズヤもヨラムを見舞いに下っていたからである。
17 イズレエルのやぐらの上に、ひとりの見張りが立っていたが、エフーの軍勢がやって来るのを見て、「軍勢が見える」と言った。ヨラムは、「騎兵ひとりを選んで彼らを迎えにやり、お元気ですかと、尋ねさせなさい」と言った。
18 そこで、騎兵は彼を迎えに行って言った。「王が、お元気ですかと尋ねておられます。」エフーは言った。「元気かどうか、あなたの知ったことではない。私のうしろについて来い。」一方、見張りは報告して言った。「使者は彼らのところに着きましたが、帰って来ません。」
19 そこでヨラムは、もうひとりの騎兵を送った。彼は彼らのところに行って言った。「王が、お元気ですかと尋ねておられます。」すると、エフーは言った。「元気かどうか、あなたの知ったことではない。私のうしろについて来い。」
20見張りはまた、報告して言った。「あれは彼らのところに着きましたが、帰って来ません。しかし、車の御し方は、ニムシの子エフーの御し方に似ています。気が狂ったように御しています。」
21 ヨラムは、「馬をつけよ」と命じた。馬を戦車につけると、イスラエルの王ヨラムとユダの王アハズヤは、おのおの自分の戦車に乗って出て行き、エフーを迎えに出て行った。彼らはイズレエル人ナボテの所有地で彼に出会った。
22 ヨラムはエフーを見ると、「エフー。元気か」と尋ねた。エフーは答えた。「何が元気か。あなたの母イゼベルの姦淫と呪術とが盛んに行われているかぎり。」
23 それでヨラムは手綱を返して逃げ、アハズヤに、「アハズヤ。悪巧みだ」と叫んだ。
24 エフーは弓を力いっぱい引き絞り、ヨラムの両肩の間を射た。矢は彼の心臓を射抜いたので、彼は車の中にくずおれた。
25 エフーは侍従のビデカルに命じた。「これを運んで行き、イズレエル人ナボテの所有地であった畑に投げ捨てよ。私とあなたが馬に乗って彼の父アハブのあとに並んで従って行ったとき、主が彼にこの宣告を下されたことを思い出すがよい。
26 『わたしは、きのう、ナボテの血とその子らの血とを確かに見届けた。──主の御告げだ──わたしは、この地所であなたに報復する。──主の御告げだ──』それで今、彼を運んで行って、主のことばのとおり、あの地所に彼を投げ捨てよ。」
27 ユダの王アハズヤはこれを見ると、ベテ・ハガンの道へ逃げた。エフーはそのあとを追いかけて、「あいつも打ち取れ」と叫んだので、彼らはイブレアムのそばのグルの坂道で、車の上の彼に傷を負わせた。それでも彼はメギドに逃げたが、そこで死んだ。
28 彼の家来たちは彼を車に載せて、エルサレムに運び、ダビデの町の彼の墓に先祖たちといっしょに葬った。
29 アハズヤはアハブの子ヨラムの第十一年に、ユダの王となっていた。
30 エフーがイズレエルに来たとき、イゼベルはこれを聞いて、目の縁を塗り、髪を結い直し、窓から見おろしていた。
31 エフーが門に入って来たので、彼女は、「元気かね。主君殺しのジムリ」と言った。
32 彼は窓を見上げて、「だれか私にくみする者はいないか。だれかいないか」と言った。二、三人の宦官が彼を見おろしていたので、
33 彼が、「その女を突き落とせ」と言うと、彼らは彼女を突き落とした。それで彼女の血は壁や馬にはねかかった。エフーは彼女を踏みつけた。
34 彼は内に入って飲み食いし、それから言った。「あののろわれた女を見に行って、彼女を葬ってやれ。あれは王の娘だから。」
35 彼らが彼女を葬りに行ってみると、彼女の頭蓋骨と両足と両方の手首しか残っていなかったので、
36 帰って来て、エフーにこのことを知らせた。すると、エフーは言った。「これは、主がそのしもべティシュベ人エリヤによって語られたことばのとおりだ。『イズレエルの地所で犬どもがイゼベルの肉を食らい、
37 イゼベルの死体は、イズレエルの地所で畑の上にまかれた肥やしのようになり、だれも、これがイゼベルだと言えなくなる。』」
1 アハブにはサマリヤに七十人の子どもがあった。エフーは手紙を書いてサマリヤに送り、イズレエルのつかさたちや長老たち、および、アハブの子の養育係たちにこう伝えた。
2 「この手紙が届いたら、あなたがたのところに、あなたがたの主君の子どもたちがおり、戦車も馬も城壁のある町も武器もあなたがたのところにあるのだから、すぐ、
3 あなたがたの主君の子どもの中から最もすぐれた正しい人物を選んで、その父の王座に着かせ、あなたがたの主君の家のために戦え。」
4 彼らは非常に恐れて言った。「ふたりの王たちでさえ、彼に当たることができなかったのに、どうしてこのわれわれが当たることができよう。」
5 そこで、宮内長官、町のつかさ、長老たち、および、養育係たちは、エフーに人を送って言った。「私どもはあなたのしもべです。あなたが私どもにお命じになることは何でもいたしますが、だれをも王に立てるつもりはありません。あなたのお気に召すようにしてください。」
6 そこで、エフーは再び彼らに手紙を書いてこう言った。「もしあなたがたが私に味方し、私の命令に従うのなら、あなたがたの主君の子どもたちの首を取り、あすの今ごろ、イズレエルの私のもとに持って来い。」そのころ、王の子どもたち七十人は、彼らを養育していた町のおもだった人たちのもとにいた。
7 その手紙が彼らに届くと、彼らは王の子どもたちを捕らえ、その七十人を切り殺し、その首を幾つかのかごに入れ、それをイズレエルのエフーのもとに送り届けた。
8 使者が来て、「彼らは王の子どもたちの首を持ってまいりました」とエフーに報告した。すると、彼は、「それを二つに分けて積み重ね、朝まで門の入口に置いておけ」と命じた。
9 朝になると、エフーは出て行って立ち、すべての民に言った。「あなたがたには罪はない。聞け。私が主君に対して謀反を起こして、彼を殺したのだ。しかしこれらの者を皆殺しにしたのはだれか。
10 だから知れ。主がアハブの家について告げられた主のことばは一つも地に落ちないことを。主は、そのしもべエリヤによってお告げになったことをなされたのだ。」
11 そして、エフーは、アハブの家に属する者でイズレエルに残っていた者全部、身分の高い者、親しい者、その祭司たちを、みな打ち殺し、ひとりも生き残る者がないまでにした。
12 それから、エフーは立ってサマリヤへ行った。彼は途中、羊飼いのベテ・エケデという所にいた。
13 その間に、エフーはユダの王アハズヤの身内の者たちに出会った。彼が「あなたがたはだれか」と聞くと、彼らは、「私たちはアハズヤの身内の者です。王の子どもたちと、王母の子どもたちの安否を気づかって下って来たのです」と答えた。
14 エフーは「彼らを生けどりにせよ」と言った。それで人々は彼らを生けどりにした。そして、ベテ・エケデの水ためのところで、彼ら四十二人を殺し、ひとりも残さなかった。
15 彼がそこを去って行くと、彼を迎えに来たレカブの子ヨナダブに出会った。エフーは彼にあいさつして言った。「私の心があなたの心に結ばれているように、あなたの心もそうですか。」ヨナダブは、「そうです」と答えた。「それなら、こちらに手をよこしなさい。」ヨナダブが手を差し出すと、エフーは彼を戦車の上に引き上げて、
16 「私といっしょに来て、私の主に対する熱心さを見なさい」と言った。ふたりは、彼の戦車に乗って、
17 サマリヤに行った。エフーはアハブに属する者で、サマリヤに残っていた者を皆殺しにし、その一族を根絶やしにした。主がエリヤにお告げになったことばのとおりであった。
18 エフーは民全部を集めて、彼らに言った。「アハブは少ししかバアルに仕えなかったが、エフーは大いに仕えるつもりだ。
19 だから今、バアルの預言者や、その信者、および、その祭司たちをみな、私のところに呼び寄せよ。ひとりでも欠けてはならない。私は大いなるいけにえをバアルにささげるつもりである。列席しない者は、だれでも生かしてはおかない。」これは、エフーがバアルの信者たちを滅ぼすために、悪巧みを計ったのである。
20 エフーが、「バアルのためにきよめの集会を21催しなさい」と命じると、彼らはこれを布告した。
21 エフーが全イスラエルに人を遣わしたので、バアルの信者たちはみなやって来た。残っていて、来なかった者はひとりもいなかった。彼らがバアルの宮に入ると、バアルの宮は端から端までいっぱいになった。
22 エフーが衣装係に、「バアルの信者全部に祭服を出してやりなさい」と命じたので、彼らのために祭服を取り出した。
23 エフーとレカブの子ヨナダブは、バアルの宮に入り、バアルの信者たちに言った。「よく捜して見て、ここに、あなたがたといっしょに、主のしもべたちがひとりもいないようにし、ただ、バアルの信者たちだけがいるようにしなさい。」
24 こうして、彼らはいけにえと、全焼のいけにえをささげる準備をした。エフーは八十人の者を宮の外に配置して言った。「私があなたがたの手に渡す者をひとりでものがす者があれば、そのいのちを、22のがれた者のいのちに代える。」
25全焼のいけにえをささげ終わったとき、エフーは近衛兵と侍従たちに言った。「入って行って、彼らを打ち取れ。ひとりも外に出すな。」そこで、近衛兵と侍従たちは剣の刃で彼らを打ち、これを外に投げ捨て、バアルの宮の奥の間にまで踏み込んだ。
26 そしてバアルの宮の石の柱を運び出して、これを焼き、
27 バアルの石の柱をこわし、バアルの宮もこわし、これを公衆便所とした。それは今日まで残っている。
28 このようにして、エフーはバアルをイスラエルから根絶やしにした。
29 ただし、エフーは、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの罪、すなわち、ベテルとダンにあった金の子牛に仕えることをやめようとはしなかった。
30主はエフーに仰せられた。「あなたはわたしの見る目にかなったことをよくやり遂げ、アハブの家に対して、わたしが心に定めたことをことごとく行ったので、あなたの子孫は四代目まで、イスラエルの王座に着こう。」
31 しかし、エフーは、心を尽くしてイスラエルの神、主の律法に歩もうと心がけず、イスラエルに罪を犯させたヤロブアムの罪から離れなかった。
32 そのころ、主はイスラエルを少しずつ削り始めておられた。ハザエルがイスラエルの全領土を打ち破ったのである。
33 すなわち、ヨルダン川の東側、ガド人、ルベン人、マナセ人のギルアデ全土、つまり、アルノン川のほとりにあるアロエルからギルアデ、バシャンの地方を打ち破った。
34 エフーのその他の業績、彼の行ったすべての事、および彼のすべての功績、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
35 エフーは彼の先祖たちとともに眠り、人々は彼をサマリヤに葬った。彼の子エホアハズが代わって王となった。
36 エフーがサマリヤでイスラエルの王であった期間は二十八年であった。
1 アハズヤの母アタルヤは、自分の子が死んだと知ると、ただちに王の一族をことごとく滅ぼした。
2 しかし、ヨラム王の娘で、アハズヤの姉妹のエホシェバが、殺される王の子たちの中から、アハズヤの子ヨアシュを盗み出し、彼とそのうばとを寝具をしまう小部屋に入れて、彼をアタルヤから隠した。それで、彼は殺されなかった。
3 こうして、彼はうばとともに、主の宮に六年間、身を隠していた。その間、アタルヤがこの国の王であった。
4 その第七年目に、エホヤダは使いを遣わして、カリ人、近衛兵の百人隊の長たちを主の宮の自分のもとに連れて来させ、彼らと契約を結び、主の宮で彼らに誓いを立てさせ、彼らに王の子を見せた。
5 それから、彼は命じて言った。「あなたがたのなすべきことはこうです。あなたがたのうちの三分の一は、安息日に勤務して王宮の護衛の任務につく者となる。
6 三分の一はスルの門におり、他の三分の一は近衛兵舎の裏の門にいる。あなたがたは交互に王宮の護衛の任務につく。
7 あなたがたのうち二組は、みな、安息日に勤務しない者であるが、主の宮で王の護衛の任務につかなければならない。
8 おのおの武器を手にし、王の回りを取り囲みなさい。その列を侵す者は殺されなければならない。あなたがたは、王が出るときにも、入るときにも、いつも王とともにいなさい。」
9 百人隊の長たちは、すべて祭司エホヤダが命じたとおりに行った。おのおの自分の部下、すなわち安息日に勤務する者、安息日に勤務しない者を率いて、祭司エホヤダのところに来た。
10祭司は百人隊の長たちに、主の宮にあったダビデ王の槍と丸い小盾を与えた。
11近衛兵たちは、ひとりひとり武器を手にして、神殿の右側から神殿の左側まで、祭壇と神殿に向かって王の回りに立った。
12 こうしてエホヤダは、王の子を連れ出し、彼に王冠をかぶらせ、さとしの書を渡した。彼らは彼を王と宣言した。そして、彼に油をそそぎ、手をたたいて、「王さま。ばんざい」と叫んだ。
13 アタルヤは近衛兵と民の声を聞いて、主の宮の民のところに行った。
14 見ると、なんと、王が定めのとおりに、柱のそばに立っていた。王のかたわらに、隊長たちやラッパ手たちがいた。一般の人々がみな喜んでラッパを吹き鳴らしていた。アタルヤは自分の衣服を引き裂き、「謀反だ。謀反だ」と叫んだ。
15 すると、祭司エホヤダは、部隊をゆだねられた百人隊の長たちに命じて言った。「この女を列の間から連れ出せ。この女に従って来る者は剣で殺せ。」祭司が「この女は主の宮で殺されてはならない」と言ったからである。
16 彼らは彼女を取り押さえた。彼女が馬の出入口を通って、王宮に着くと、彼女はそこで殺された。
17 エホヤダは、主と王と民との間で、主の民となるという契約を結び、王と民との間でも契約を結んだ。
18一般の人々はみなバアルの宮に行って、それを取りこわし、その祭壇とその像を徹底的に打ち砕き、バアルの祭司マタンを祭壇の前で殺した。祭司23エホヤダは、主の宮の管理を定めた。
19 彼は百人隊の長たち、カリ人、近衛兵たちとすべての一般の人々を率いた。彼らは王を主の宮から連れ下り、近衛兵の門を通って、王宮に入った。彼は王を王座に着けた。
20一般の人々はみな喜び、この町は平穏であった。彼らはアタルヤを王宮で剣にかけて殺したからである。
21 ヨアシュは七歳で王となった。
1 ヨアシュはエフーの第七年に王となり、エルサレムで四十年間、王であった。彼の母の名はツィブヤといい、ベエル・シェバの出であった。
2 ヨアシュは、祭司エホヤダが彼を教えた間はいつも、主の目にかなうことを行った。
3 ただし、高き所は取り除かなかった。民はなおも、その高き所でいけにえをささげたり、香をたいたりしていた。
4 ヨアシュは祭司たちに言った。「主の宮にささげられる聖別されたすべての金、すなわち、各人に割り当てを課せられた金や、自発的に主の宮にささげられるすべての金は、
5祭司たちが、めいめい自分の担当する者から受け取り、宮のどこかが破損していれば、その破損の修理にそれを当てなければならない。」
6 しかし、ヨアシュ王の第二十三年になっても、祭司たちは宮の破損を修理しなかった。
7 それでヨアシュ王は、祭司エホヤダと、祭司たちを呼んで彼らに言った。「なぜ、宮の破損を修理しないのか。もう、あなたがたは、自分の担当する者たちから金を受け取ってはならない。宮の破損に、それを当てなければならないから。」
8祭司たちは、民から金を受け取らないことと、宮の破損の修理の責任を持たないこととに同意した。
9祭司エホヤダは、一つの箱を取り、そのふたに穴をあけ、それを祭壇のわき、主の宮の入口の右側に置いた。入口を守る祭司たちは、主の宮に納められる金をみな、そこに置いた。
10 箱の中に金が多くなるのを見て、王の書記と大祭司は、上って来て、それを袋に入れ、主の宮に納められている金を計算した。
11 こうして、勘定された金は、主の宮で工事をしている監督者たちの手に渡された。彼らはそれを主の宮で働く木工や建築師たち、
12 石工や石切り工たちに支払い、また、主の宮の破損修理のための木材や切り石を買うために支払った。つまり、宮の修理のための出費全部のために支払った。
13 ただし、主の宮に納められる金で、主の宮のために銀の皿、心切りばさみ、鉢、ラッパなど、すべての金の器、銀の器を作ることはなかった。
14 ただ、これを工事する者に渡し、これを主の宮の修理に当てた。
15 また、工事する者に支払うように金を渡した人々と、残高を勘定することもしなかった。彼らが忠実に働いていたからである。
16罪過のためのいけにえの金と、罪のためのいけにえの金とは、主の宮に納められず、祭司たちのものとなった。
17 そのとき、アラムの王ハザエルが上って来てガテを攻め、これを取った。それから、ハザエルはエルサレムを目ざして攻め上った。
18 それでユダの王ヨアシュは、自分の先祖であるユダの王ヨシャパテ、ヨラム、アハズヤが聖別してささげたすべての物、および自分自身が聖別してささげた物、主の宮と王宮との宝物倉にあるすべての金を取って、アラムの王ハザエルに送ったので、ハザエルはエルサレムから去って行った。
19 ヨアシュのその他の業績、彼の行ったすべての事、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
20 ヨアシュの家来たちは立ち上がって謀反を起こし、シラに下って行くヨアシュをミロの家で打ち殺した。
21 彼の家来シムアテの子ヨザバデとショメルの子エホザバデが彼を打った。それで彼は死んだ。人々は彼をダビデの町に先祖たちといっしょに葬った。彼の子アマツヤが代わって王となった。
1 ユダの王アハズヤの子ヨアシュの第二十三年に、エフーの子エホアハズがサマリヤでイスラエルの王となり、十七年間、王であった。
2 彼は主の目の前に悪を行い、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの罪を犯し続けて、それをやめなかった。
3 それで、主の怒りがイスラエルに向かって燃え上がり、主は彼らをアラムの王ハザエル、および、ハザエルの子ベン・ハダデの手にいつまでも渡しておられた。
4 しかし、エホアハズが24主に願ったので、主はこれを聞き入れられた。アラムの王のしいたげによって、イスラエルがしいたげられているのを見られたからである。
5主がイスラエル人にひとりの救い手を与えられたとき、イスラエルの人々はアラムの支配を脱し、以前のように、自分たちの天幕に住むようになった。
6 それにもかかわらず、彼らはイスラエルに罪を犯させたヤロブアム家の罪を離れず、なおそれを行い続け、アシェラ像もサマリヤに立ったままであった。
7 また、アラムの王が彼らを滅ぼして、打穀のときのちりのようにしたので、エホアハズには騎兵五十、戦車十台、歩兵一万だけの軍隊しか残されていなかった。
8 エホアハズのその他の業績、彼の行ったすべての事、およびその功績、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
9 エホアハズは彼の先祖たちとともに眠り、人々は彼をサマリヤに葬った。彼の子ヨアシュが代わって王となった。
10 ユダの王ヨアシュの第三十七年に、エホアハズの子ヨアシュがサマリヤでイスラエルの王となり、十六年間、王であった。
11 彼は主の目の前に悪を行い、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムのすべての罪から離れず、なおそれを行い続けた。
12 ヨアシュのその他の業績、彼の行ったすべての事、およびユダの王アマツヤと戦ったその功績、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
13 ヨアシュは彼の先祖たちとともに眠り、ヤロブアムがその王座に着いた。ヨアシュはイスラエルの王たちとともにサマリヤに葬られた。
14 エリシャが死の病をわずらっていたときのことである。イスラエルの王ヨアシュは、彼のところに下って行き、彼の上に泣き伏して、「わが父。わが父。イスラエルの戦車と騎兵たち」と叫んだ。
15 エリシャが王に、「弓と矢を取りなさい」と言ったので、彼は弓と矢をエリシャのところに持って行った。
16 彼はイスラエルの王に、「弓に手をかけなさい」と言ったので、彼は手をかけた。すると、エリシャは自分の手を王の手の上にのせて、
17 「東側の窓をあけなさい」と言ったので、彼がそれをあけると、エリシャはさらに言った。「矢を射なさい。」彼が矢を射ると、エリシャは言った。「主の勝利の矢。アラムに対する勝利の矢。あなたはアフェクでアラムを打ち、これを絶ち滅ぼす。」
18 ついでエリシャは、「矢を取りなさい」と言った。彼が取ると、エリシャはイスラエルの王に、「それで地面を打ちなさい」と言った。すると彼は三回打ったが、それでやめた。
19 神の人は彼に向かい怒って言った。「あなたは、五回、六回、打つべきだった。そうすれば、あなたはアラムを打って、絶ち滅ぼしたことだろう。しかし、今は三度だけアラムを打つことになろう。」
20 こうして、エリシャは死んで葬られた。モアブの略奪隊は、年が改まるたびにこの国に侵入していた。
21 人々が、ひとりの人を葬ろうとしていたちょうどその時、略奪隊を見たので、その人をエリシャの墓に投げ入れて去って行った。その人がエリシャの骨に触れるや、その人は生き返り、自分の足で立ち上がった。
22 アラムの王ハザエルは、エホアハズの生きている間中、イスラエル人をしいたげたが、
23主は、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約のために、彼らを恵み、あわれみ、顧みて、彼らを滅ぼし尽くすことは望まず、今日まで彼らから御顔をそむけられなかった。
24 アラムの王ハザエルは死に、その子ベン・ハダデが代わって王となった。
25 エホアハズの子ヨアシュは、その父エホアハズの手からハザエルが戦い取った町々を、ハザエルの子ベン・ハダデの手から取り返した。すなわち、ヨアシュは三度彼を打ち破って、イスラエルの町々を取り返した。
1 イスラエルの王エホアハズの子ヨアシュの第二年に、ユダの王ヨアシュの子アマツヤが王となった。
2 彼は二十五歳で王となり、エルサレムで二十九年間、王であった。彼の母の名はエホアダンといい、エルサレムの出であった。
3 彼は主の目にかなうことを行ったが、彼の父祖、ダビデのようではなく、すべて父ヨアシュが行ったとおりを行った。
4 ただし、高き所は取り除かなかった。民はなおも、その高き所でいけにえをささげたり、香をたいたりしていた。
5 王国が彼の手によって強くなると、彼は自分の父、王を打った家来たちを打ち殺した。
6 しかし、その殺害者の子どもたちは殺さなかった。モーセの律法の書にしるされているところによったのである。主はこう命じておられた。「父親が子どものために殺されてはならない。子どもが父親のために殺されてはならない。人が殺されるのは、ただ、自分の罪のためにでなければならない。」
7 アマツヤは塩の谷で一万人のエドム人を打ち殺し、セラを取り、その所をヨクテエルと呼んだ。今日もそうである。
8 そのとき、アマツヤは、エフーの子エホアハズの子、イスラエルの王ヨアシュに、使者を送って言った。「さあ、25勝敗を決めようではないか。」
9 すると、イスラエルの王ヨアシュは、ユダの王アマツヤに使者を送って言った。「レバノンのあざみが、レバノンの杉に使者を送って、『あなたの娘を私の息子の嫁にくれないか』と言ったが、レバノンの野の獣が通り過ぎて、そのあざみを踏みにじった。
10 あなたは、エドムを打ちに打って、それであなたの心は高ぶっている。誇ってもよいが、自分の家にとどまっていなさい。なぜ、争いをしかけてわざわいを求め、あなたもユダも共に倒れようとするのか。」
11 しかし、アマツヤが聞き入れなかったので、イスラエルの王ヨアシュは攻め上った。それで彼とユダの王アマツヤは、ユダのベテ・シェメシュで対戦したが、
12 ユダはイスラエルに打ち負かされ、おのおの自分の天幕に逃げ帰った。
13 イスラエルの王ヨアシュは、26アハズヤの子ヨアシュの子、ユダの王アマツヤを、ベテ・シェメシュで捕らえ、エルサレムに来て、エルサレムの城壁をエフライムの門から隅の門まで、四百キュビトにわたって打ちこわした。
14 彼は、主の宮と王宮の宝物倉にあったすべての金と銀、およびすべての器具、それに人質を取って、サマリヤに帰った。
15 ヨアシュの行ったその他の業績、その功績、およびユダの王アマツヤと戦った戦績、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
16 ヨアシュは彼の先祖たちとともに眠り、イスラエルの王たちとともにサマリヤに葬られた。彼の子ヤロブアムが代わって王となった。
17 ユダの王ヨアシュの子アマツヤは、イスラエルの王エホアハズの子ヨアシュが死んで後、なお十五年生きながらえた。
18 アマツヤのその他の業績、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
19 エルサレムで人々が彼に対して謀反を企てたとき、彼はラキシュに逃げた。しかし、彼らはラキシュまで追いかけて、そこで彼を殺した。
20 彼らは彼を馬にのせて行った。彼はエルサレムで先祖たちとともにダビデの町に、葬られた。
21 ユダの民はみな、当時十六歳であった27アザルヤを立てて、その父アマツヤの代わりに王とした。
22 彼は、28アマツヤが先祖たちとともに眠って後、エラテを再建し、それをユダに復帰させた。
23 ユダの王ヨアシュの子アマツヤの第十五年に、イスラエルの王ヨアシュの子ヤロブアムが王となり、サマリヤで四十一年間、王であった。
24 彼は主の目の前に悪を行い、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムのすべての罪をやめなかった。
25 彼は、29レボ・ハマテから30アラバの海までイスラエルの領土を回復した。それは、イスラエルの神、主が、そのしもべ、ガテ・ヘフェルの出の預言者アミタイの子ヨナを通して仰せられたことばのとおりであった。
26主がイスラエルの悩みが非常に激しいのを見られたからである。そこには、奴隷も自由の者もいなくなり、イスラエルを助ける者もいなかった。
27主はイスラエルの名を天の下から消し去ろうとは言っておられなかった。それで、ヨアシュの子ヤロブアムによって彼らを救われたのである。
28 ヤロブアムのその他の業績、彼の行ったすべての事、および彼が戦いにあげた功績、すなわち、かつてユダのものであったダマスコとハマテをイスラエルに取り戻したこと、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
29 ヤロブアムは、彼の先祖たち、イスラエルの王たちとともに眠り、その子ゼカリヤが代わって王となった。
1 イスラエルの王ヤロブアムの第二十七年に、ユダの王アマツヤの子31アザルヤが王となった。
2 彼は十六歳で王となり、エルサレムで五十二年間、王であった。彼の母の名はエコルヤといい、エルサレムの出であった。
3 彼はすべて父アマツヤが行ったとおりに、主の目にかなうことを行った。
4 ただし、高き所は取り除かなかった。民はなおも、その高き所でいけにえをささげたり、香をたいたりしていた。
5主が王を打たれたので、彼は死ぬ日までツァラアトに冒された者となり、隔ての家に住んだ。王の子ヨタムが宮殿を管理し、この国の人々をさばいていた。
6 アザルヤのその他の業績、彼の行ったすべての事、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
7 アザルヤが彼の先祖たちとともに眠ったとき、人々は彼をダビデの町に先祖たちといっしょに葬った。彼の子ヨタムが代わって王となった。
8 ユダの王アザルヤの第三十八年に、ヤロブアムの子ゼカリヤがサマリヤでイスラエルの王となり、六か月間、王であった。
9 彼は先祖たちがしたように、主の目の前に悪を行い、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの罪を離れなかった。
10 ヤベシュの子シャルムは、彼に対して謀反を企て、32民の前で彼を打ち、彼を殺して、彼に代わって王となった。
11 ゼカリヤのその他の業績は、イスラエルの王たちの年代記の書にまさしくしるされている。
12主がかつてエフーに告げて仰せられたことばは、「あなたの子孫は四代までイスラエルの王座に着く」ということであったが、はたして、そのとおりになった。
13 ユダの王33ウジヤの第三十九年に、ヤベシュの子シャルムが王となり、サマリヤで一か月間、王であった。
14 ガディの子メナヘムは、ティルツァから上ってサマリヤに至り、ヤベシュの子シャルムをサマリヤで打ち、彼を殺して、彼に代わって王となった。
15 シャルムのその他の業績、彼の企てた謀反は、イスラエルの王たちの年代記の書にまさしくしるされている。
16 そのとき、メナヘムはティルツァから出て行って、34ティフサフ、その住民、その地境を打ち破った。彼らが城門を開かなかったのでこれを打ち、その中のすべての妊婦たちを切り裂いた。
17 ユダの王アザルヤの第三十九年に、ガディの子メナヘムがイスラエルの王となり、サマリヤで十年間、王であった。
18 彼は主の目の前に悪を行い、一生、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの罪から離れなかった。
19 アッシリヤの王プルがこの国に来たとき、メナヘムは銀一千タラントをプルに与えた。それは、プルの援助によって、王国を強くするためであった。
20 メナヘムは、イスラエルのすべての有力な資産家にそれぞれ銀五十シェケルを供出させ、これをアッシリヤの王に与えたので、アッシリヤの王は引き返して行き、この国にとどまらなかった。
21 メナヘムのその他の業績、彼の行ったすべての事、それはイスラエルの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
22 メナヘムは彼の先祖たちとともに眠り、その子ペカフヤが代わって王となった。
23 ユダの王アザルヤの第五十年に、メナヘムの子ペカフヤがサマリヤでイスラエルの王となり、二年間、王であった。
24 彼は主の目の前に悪を行い、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの罪を離れなかった。
25 彼の侍従、レマルヤの子ペカは、彼に対して謀反を企て、サマリヤの王宮の高殿で、ペカフヤとアルゴブとアルエとを打ち殺した。ペカには五十人のギルアデ人が加わっていた。ペカは彼を殺し、彼に代わって王となった。
26 ペカフヤのその他の業績、彼の行ったすべての事は、イスラエルの王たちの年代記の書にまさしくしるされている。
27 ユダの王アザルヤの第五十二年に、レマルヤの子ペカがサマリヤでイスラエルの王となり、二十年間、王であった。
28 彼は主の目の前に悪を行い、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの罪を離れなかった。
29 イスラエルの王ペカの時代に、アッシリヤの王ティグラテ・ピレセルが来て、イヨン、アベル・ベテ・マアカ、ヤノアハ、ケデシュ、ハツォル、ギルアデ、ガリラヤ、ナフタリの全土を占領し、その住民をアッシリヤへ捕らえ移した。
30 そのとき、エラの子ホセアは、レマルヤの子ペカに対して謀反を企て、彼を打って、彼を殺し、ウジヤの子ヨタムの第二十年に、彼に代わって王となった。
31 ペカのその他の業績、彼の行ったすべての事は、イスラエルの王たちの年代記の書にまさしくしるされている。
32 イスラエルの王レマルヤの子ペカの第二年に、ユダの王ウジヤの子ヨタムが王となった。
33 彼は二十五歳で王となり、エルサレムで十六年間、王であった。彼の母の名はエルシャといい、ツァドクの娘であった。
34 彼は、すべて父ウジヤが行ったとおり、主の目にかなうことを行った。
35 ただし、高き所は取り除かなかった。民はなおも高き所でいけにえをささげたり、香をたいたりしていた。彼は主の宮の上の門を建てた。
36 ヨタムの行ったその他の業績、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
37 そのころ、主はアラムの王レツィンとレマルヤの子ペカをユダに送って、これを攻め始めておられた。
38 ヨタムは彼の先祖たちとともに眠り、先祖たちとともにその父ダビデの町に葬られた。彼の子アハズが代わって王となった。
1 レマルヤの子ペカの第十七年に、ユダの王ヨタムの子アハズが王となった。
2 アハズは二十歳で王となり、エルサレムで十六年間、王であった。彼はその父祖ダビデとは違って、彼の神、主の目にかなうことを行わず、
3 イスラエルの王たちの道に歩み、主がイスラエル人の前から追い払われた異邦の民の、忌みきらうべきならわしをまねて、自分の子どもに火の中をくぐらせることまでした。
4 さらに彼は、高き所、丘の上、青々と茂ったすべての木の下で、いけにえをささげ、香をたいた。
5 このとき、アラムの王レツィンと、イスラエルの王レマルヤの子ペカが、エルサレムに戦いに上って来てアハズを包囲したが、戦いに勝つことはできなかった。
6 そのころ、アラムの王レツィンはエラテをアラムに取り返し、ユダ人をエラテから追い払った。ところが、エドム人が35エラテに来て、そこに住みついた。今日もそのままである。
7 アハズは使者たちをアッシリヤの王ティグラテ・ピレセルに遣わして言った。「私はあなたのしもべであり、あなたの子です。どうか上って来て、私を攻めているアラムの王とイスラエルの王の手から私を救ってください。」
8 アハズが主の宮と王宮の宝物倉にある銀と金を取り出して、それを贈り物として、アッシリヤの王に送ったので、
9 アッシリヤの王は彼の願いを聞き入れた。そこでアッシリヤの王はダマスコに攻め上り、これを取り、その住民をキルへ捕らえ移した。彼はレツィンを殺した。
10 アハズ王がアッシリヤの王ティグラテ・ピレセルに会うためダマスコに行ったとき、ダマスコにある祭壇を見た。すると、アハズ王は、詳細な作り方のついた、祭壇の図面とその模型を、祭司ウリヤに送った。
11祭司ウリヤは、アハズ王がダマスコから送ったものそっくりの祭壇を築いた。祭司ウリヤは、アハズ王がダマスコから帰って来るまでに、そのようにした。
12 王はダマスコから帰って来た。その祭壇を見て、王は祭壇に近づき、その上でいけにえをささげた。
13 彼は全焼のいけにえと、穀物のささげ物とを焼いて煙にし、注ぎのささげ物を注ぎ、自分のための和解のいけにえの血をこの祭壇の上に振りかけた。
14主の前にあった青銅の祭壇は、神殿の前から、すなわち、この祭壇と主の神殿との間から持って来て、この祭壇の北側に据えた。
15 それから、アハズ王は祭司ウリヤに命じて言った。「朝の全焼のいけにえと夕方の穀物のささげ物、また、王の全焼のいけにえと穀物のささげ物、すべてのこの国の人々の全焼のいけにえとその穀物のささげ物、ならびにこれらに添える注ぎのささげ物を、この大祭壇の上で焼いて煙にしなさい。また全焼のいけにえの血と、他のいけにえの血はすべて、この祭壇の上に振りかけなければならない。青銅の祭壇は、私が伺いを立てるためである。」
16祭司ウリヤは、すべてアハズ王が命じたとおりに行った。
17 アハズ王は、車輪つきの台の鏡板を切り離し、その台の上から洗盤をはずし、またその下にある青銅の牛の上から海も降ろして、それを敷石の上に置いた。
18 彼は宮の中に造られていた安息日用のおおいのある道も、外側の王の出入口も、アッシリヤの王のために主の宮から取り除いた。
19 アハズの行ったその他の業績、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
20 アハズは彼の先祖たちとともに眠り、先祖たちとともにダビデの町に葬られた。彼の子ヒゼキヤが代わって王となった。
1 ユダの王アハズの第十二年に、エラの子ホセアがサマリヤでイスラエルの王となり、九年間、王であった。
2 彼は主の目の前に悪を行ったが、彼以前のイスラエルの王たちのようではなかった。
3 アッシリヤの王シャルマヌエセルが攻め上って来た。そのとき、ホセアは彼に服従して、みつぎものを納めた。
4 しかし、アッシリヤの王はホセアの謀反に気がついた。ホセアがエジプトの王ソに使者たちを遣わし、アッシリヤの王には年々のみつぎものを納めなかったからである。それで、アッシリヤの王は彼を逮捕して牢獄につないだ。
5 アッシリヤの王はこの国全土に攻め上り、サマリヤに攻め上って、三年間これを包囲した。
6 ホセアの第九年に、アッシリヤの王はサマリヤを取り、イスラエル人をアッシリヤに捕らえ移し、彼らをハラフと、ハボル、すなわちゴザンの川のほとり、36メディヤの町々に住ませた。
7 こうなったのは、イスラエルの人々が、彼らをエジプトの地から連れ上り、エジプトの王パロの支配下から解放した彼らの神、主に対して罪を犯し、ほかの神々を恐れ、
8主がイスラエルの人々の前から追い払われた異邦人の風習、イスラエルの王たちが取り入れた風習に従って歩んだからである。
9 イスラエルの人々は、彼らの神、主に対して、正しくないことをひそかに行い、見張りのやぐらから城壁のある町に至るまで、すべての町々に高き所を建て、
10 すべての小高い丘の上や、青々と茂ったどの木の下にも石の柱やアシェラ像を立て、
11主が彼らの前から移された異邦人のように、すべての高き所で香をたき、悪事を行って主の怒りを引き起こした。
12主が彼らに、「このようなことをしてはならない」と命じておられたのに、彼らは偶像に仕えたのである。
13主はすべての預言者とすべての先見者を通して、イスラエルとユダとに次のように警告して仰せられた。「あなたがたは悪の道から立ち返れ。わたしがあなたがたの先祖たちに命じ、また、わたしのしもべである預言者たちを通して、あなたがたに伝えた律法全体に従って、わたしの命令とおきてとを守れ。」
14 しかし、彼らはこれを聞き入れず、彼らの神、主を信じなかった彼らの先祖たち37よりも、うなじのこわい者となった。
15 彼らは主のおきてと、彼らの先祖たちと結ばれた主の契約と、彼らに与えられた主の警告とをさげすみ、むなしいものに従って歩んだので、自分たちもむなしいものとなり、主が、ならってはならないと命じられた周囲の異邦人にならって歩んだ。
16 また、彼らの神、主のすべての命令を捨て、自分たちのために、鋳物の像、二頭の子牛の像を造り、さらに、アシェラ像を造り、天の万象を拝み、バアルに仕えた。
17 また、自分たちの息子や娘たちに火の中をくぐらせ、占いをし、まじないをし、裏切って主の目の前に悪を行い、主の怒りを引き起こした。
18 そこで、主はイスラエルに対して激しく怒り、彼らを御前から取り除いた。ただユダの部族だけしか残されなかった。
19 ユダもまた、彼らの神、主の命令を守らず、イスラエルが取り入れた風習に従って歩んだ。
20 そこで、主はイスラエルのすべての子孫をさげすみ、彼らを苦しめ、略奪者たちの手に渡し、ついに彼らを御前から投げ捨てられた。
21 主がイスラエルをダビデの家から引き裂かれたとき、彼らはネバテの子ヤロブアムを王としたが、ヤロブアムは、イスラエルを主に従わないようにしむけ、彼らに大きな罪を犯させた。
22 イスラエルの人々は、ヤロブアムの犯したすべての罪に歩み、それをやめなかったので、
23 ついに、主は、そのしもべであるすべての預言者を通して告げられたとおり、イスラエルを御前から取り除かれた。こうして、イスラエルは自分の土地からアッシリヤへ引いて行かれた。今日もそのままである。
24 アッシリヤの王は、バビロン、クテ、アワ、ハマテ、そして、セファルワイムから人々を連れて来て、イスラエルの人々の代わりにサマリヤの町々に住ませた。それで、彼らは、サマリヤを占領して、その町々に住んだ。
25 彼らがそこに住み始めたとき、彼らは主を恐れなかったので、主は彼らのうちに獅子を送られた。獅子は彼らの幾人かを殺した。
26 そこで、彼らはアッシリヤの王に報告して言った。「あなたがサマリヤの町々に移した諸国の民は、この国の神に関するならわしを知りません。それで、神が彼らのうちに獅子を送りました。今、獅子が彼らを殺しています。彼らがこの国の神に関するならわしを知らないからです。」
27 そこで、アッシリヤの王は命じて言った。「あなたがたがそこから捕らえ移した祭司のひとりを、そこに連れて行きなさい。行かせて、そこに住ませ、その国の神に関するならわしを教えさせなさい。」
28 こうして、サマリヤから捕らえ移された祭司のひとりが来て、ベテルに住み、どのようにして主を38礼拝するかを教えた。
29 しかし、それぞれの民は、めいめい自分たちの神々を造り、サマリヤ人が造った高き所の宮にそれを安置した。それぞれの民は自分たちの住んでいる町々でそのようにした。
30 バビロンの人々はスコテ・ベノテを造り、クテの人々はネレガルを造り、ハマテの人々はアシマを造り、
31 アワ人はニブハズとタルタクを造り、セファルワイム人はセファルワイムの神々アデラメレクとアナメレクとに自分たちの子どもを火で焼いてささげた。
32 彼らは主を礼拝し、自分たちの中から高き所の祭司たちを自分たちで任命し、この祭司たちが彼らのために高き所の宮で祭儀を行った。
33 彼らは主を礼拝しながら、同時に、自分たちがそこから移された諸国の民のならわしに従って、自分たちの神々にも仕えていた。
34 彼らは今日まで、最初のならわしのとおりに行っている。彼らは主を恐れているのでもなく、主が、その名をイスラエルと名づけたヤコブの子らに命じたおきてや、定めや、律法や、命令のとおりに行っているのでもない。
35主は、イスラエル人と契約を結び、命じて言われた。「ほかの神々を恐れてはならない。これを拝みこれに仕えてはならない。これにいけにえをささげてはならない。
36 大きな力と、差し伸べた腕とをもって、あなたがたをエジプトの地から連れ上った主だけを恐れ、主を礼拝し、主にいけにえをささげなければならない。
37 主があなたがたのために書きしるしたおきてと、定めと、律法と、命令をいつも守り行わなければならない。ほかの神々を恐れてはならない。
38 わたしがあなたがたと結んだ契約を忘れてはならない。ほかの神々を恐れてはならない。
39 あなたがたの神、主だけを恐れなければならない。主はすべての敵の手からあなたがたを救い出される。」
40 しかし、彼らは聞かず、先の彼らのならわしのとおりに行った。
41 このようにして、これらの民は主を恐れ、同時に、彼らの刻んだ像に仕えた。その子たちも、孫たちも、その先祖たちがしたとおりに行った。今日もそうである。
1 イスラエルの王エラの子ホセアの第三年に、ユダの王アハズの子ヒゼキヤが王となった。
2 彼は二十五歳で王となり、エルサレムで二十九年間、王であった。彼の母の名は39アビといい、ゼカリヤの娘であった。
3 彼はすべて父祖ダビデが行ったとおりに、主の目にかなうことを行った。
4 彼は高き所を取り除き、石の柱を打ちこわし、アシェラ像を切り倒し、モーセの作った青銅の蛇を打ち砕いた。そのころまでイスラエル人は、これに香をたいていたからである。これはネフシュタンと呼ばれていた。
5 彼はイスラエルの神、主に信頼していた。彼のあとにも彼の先にも、ユダの王たちの中で、彼ほどの者はだれもいなかった。
6 彼は主に堅くすがって離れることなく、主がモーセに命じられた命令を守った。
7主は彼とともにおられた。彼はどこへ出陣しても勝利を収めた。彼はアッシリヤの王に反逆し、彼に仕えなかった。
8 彼はペリシテ人を打ってガザにまで至り、見張りのやぐらから城壁のある町に至るその領土を打ち破った。
9 ヒゼキヤ王の第四年、すなわち、イスラエルの王エラの子ホセアの第七年に、アッシリヤの王シャルマヌエセルがサマリヤに攻め上って、包囲し、
10 三年の後、これを攻め取った。つまり、ヒゼキヤの第六年、イスラエルの王ホセアの第九年に、サマリヤは攻め取られた。
11 アッシリヤの王はイスラエル人をアッシリヤに捕らえ移し、彼らをハラフと、ハボル、すなわちゴザンの川のほとり、メディヤの町々に連れて行った。
12 これは、彼らが彼らの神、主の御声に聞き従わず、その契約を破り、主のしもべモーセが命じたすべてのことに聞き従わず、これを行わなかったからである。
13 ヒゼキヤ王の第十四年に、アッシリヤの王セナケリブが、ユダのすべての城壁のある町々を攻めて、これを取った。
14 そこでユダの王ヒゼキヤはラキシュのアッシリヤの王のところに人をやって、言った。「私は罪を犯しました。私のところから引き揚げてください。あなたが私に課せられるものは何でも負いますから。」そこで、アッシリヤの王は銀三百タラントと、金三十タラントを、ユダの王ヒゼキヤに要求した。
15 ヒゼキヤは主の宮と王宮の宝物倉にある銀を全部渡した。
16 そのとき、ヒゼキヤは、40ユダの王が金を張りつけた主の本堂のとびらと柱から金をはぎ取り、これをアッシリヤの王に渡した。
17 アッシリヤの王は、タルタン、ラブ・サリス、およびラブ・シャケに大軍をつけて、ラキシュからエルサレムのヒゼキヤ王のところに送った。彼らはエルサレムに上って来た。彼らはエルサレムに上って来たとき、布さらしの野への大路にある上の池の水道のそばに立った。
18 彼らが王に呼びかけたので、ヒルキヤの子である宮内長官エルヤキム、書記シェブナ、アサフの子である参議ヨアフが、彼らのもとに出て行った。
19 ラブ・シャケは彼らに言った。「ヒゼキヤに伝えよ。大王、アッシリヤの王がこう言っておられる。
いったい、おまえは何に拠り頼んでいるのか。
20 口先だけのことばが、戦略であり戦力だと思い込んでいるのか。今、おまえはだれに拠り頼んで私に反逆するのか。
21 今、おまえは、あのいたんだ葦の杖、エジプトに拠り頼んでいるが、これは、それに寄りかかる者の手を刺し通すだけだ。エジプトの王、パロは、すべて彼に拠り頼む者にそうするのだ。
22 おまえたちは私に『われわれは、われわれの神、主に拠り頼む』と言う。その主とは、ヒゼキヤが高き所と祭壇を取り除いておいて、ユダとエルサレムに向かい『エルサレムにあるこの祭壇の前で拝め』と言ったそういう主ではないか、と。
23 さあ、今、私の主君、アッシリヤの王と、かけをしないか。もしおまえのほうで乗り手をそろえることができれば、私はおまえに二千頭の馬を与えよう。
24 おまえは戦車と騎兵のことでエジプトに拠り頼んでいるが、私の主君の最も小さい家来のひとりの総督をさえ撃退することはできないのだ。
25 今、私がこの所を滅ぼすために上って来たのは、主をさしおいてのことであろうか。主が私に『この国に攻め上って、これを滅ぼせ』と言われたのだ。」
26 ヒルキヤの子エルヤキムとシェブナとヨアフとは、ラブ・シャケに言った。「どうかしもべたちには、アラム語で話してください。われわれはアラム語がわかりますから。城壁の上にいる民の聞いている所では、われわれにユダのことばで話さないでください。」
27 すると、ラブ・シャケは彼らに言った。「私の主君がこれらのことを告げに私を遣わされたのは、おまえの主君や、おまえのためだろうか。むしろ、城壁の上にすわっている者たちのためではないか。彼らはおまえたちといっしょに、自分の糞を食らい、自分の尿を飲むようになるのだ。」
28 こうして、ラブ・シャケはつっ立って、ユダのことばで大声に呼ばわって、語って言った。「大王、アッシリヤの王のことばを聞け。
29 王はこう言われる。ヒゼキヤにごまかされるな。あれはおまえたちを私の手から救い出すことはできない。
30 ヒゼキヤが、主は必ずわれわれを救い出してくださる、この町は決してアッシリヤの王の手に渡されることはない、と言って、おまえたちに主を信頼させようとするが、そうはさせない。
31 ヒゼキヤの言うことを聞くな。アッシリヤの王はこう言っておられるからだ。私と和を結び、私に降参せよ。そうすれば、おまえたちはみな、自分のぶどうと自分のいちじくを食べ、また、自分の井戸の水を飲めるのだ。
32 その後、私が来て、おまえたちの国と同じような国におまえたちを連れて行こう。そこは穀物とぶどう酒の地、パンとぶどう畑の地、オリーブの木と蜜の地である。それはおまえたちが生きながらえて死なないためである。たとい、ヒゼキヤが、主がわれわれを救い出してくださると言って、おまえたちをそそのかしても、ヒゼキヤに聞き従ってはならない。
33 国々の神々が、だれか、自分の国をアッシリヤの王の手から救い出しただろうか。
34 ハマテやアルパデの神々は今、どこにいるのか。セファルワイムやヘナやイワの神々はどこにいるのか。彼らはサマリヤを私の手から救い出したか。
35 国々のすべての神々のうち、だれが自分たちの国を私の手から救い出しただろうか。主がエルサレムを私の手から救い出すとでもいうのか。」
36民は黙っており、彼に一言も答えなかった。「彼に答えるな」というのが、王の命令だったからである。
37 ヒルキヤの子である宮内長官エルヤキム、書記シェブナ、アサフの子である参議ヨアフは、自分たちの衣を裂いてヒゼキヤのもとに行き、ラブ・シャケのことばを告げた。
1 ヒゼキヤ王は、これを聞いて、自分の衣を裂き、荒布を身にまとって、主の宮に入った。
2 彼は、宮内長官エルヤキム、書記シェブナ、年長の祭司たちに、荒布をまとわせて、アモツの子、預言者イザヤのところに遣わした。
3 彼らはイザヤに言った。「ヒゼキヤはこう言っておられます。『きょうは、苦難と、懲らしめと、侮辱の日です。41子どもが生まれようとするのに、それを産み出す力がないのです。
4 おそらく、あなたの神、主は、ラブ・シャケのすべてのことばを聞かれたことでしょう。彼の主君、アッシリヤの王が、生ける神をそしるために彼を遣わしたのです。あなたの神、主は、その聞かれたことばを責められますが、あなたはまだいる残りの者のため、祈りをささげてください。』」
5 ヒゼキヤ王の家来たちがイザヤのもとに来たとき、
6 イザヤは彼らに言った。「あなたがたの主君にこう言いなさい。
主はこう仰せられる。『あなたが聞いたあのことば、アッシリヤの王の若い者たちがわたしを冒瀆したあのことばを恐れるな。
7 今、わたしは彼のうちに一つの霊を入れる。彼は、あるうわさを聞いて、自分の国に引き揚げる。わたしは、その国で彼を剣で倒す。』」
8 ラブ・シャケは退いて、リブナを攻めていたアッシリヤの王と落ち合った。王がラキシュから移動したことを聞いたからである。
9 王は、42クシュの王ティルハカについて、「今、彼はあなたと戦うために出て来ている」ということを聞いたとき、再び使者たちをヒゼキヤに送って言った。
10 「ユダの王ヒゼキヤにこう伝えよ。『おまえの信頼するおまえの神にごまかされるな。おまえは、エルサレムはアッシリヤの王の手に渡されないと言っている。
11 おまえは、アッシリヤの王たちがすべての国々にしたこと、それらを絶滅させたことを聞いている。それでも、おまえは救い出されるというのか。
12 私の先祖たちはゴザン、ハラン、レツェフ、および、テラサルにいたエデンの人々を滅ぼしたが、その国々の神々は彼らを救い出したのか。
13 ハマテの王、アルパデの王、セファルワイムの町の王、また、ヘナやイワの王は、どこにいるか。』」
14 ヒゼキヤは、使者の手からその手紙を受け取り、それを読み、主の宮に上って行って、それを主の前に広げた。
15 ヒゼキヤは主の前で祈って言った。「ケルビムの上に座しておられるイスラエルの神、主よ。ただ、あなただけが、地のすべての王国の神です。あなたが天と地を造られました。
16主よ。御耳を傾けて聞いてください。主よ。御目を開いてご覧ください。生ける神をそしるために言ってよこしたセナケリブのことばを聞いてください。
17主よ。アッシリヤの王たちが、国々と、その国土とを廃墟としたのは事実です。
18 彼らはその神々を火に投げ込みました。それらは神ではなく、人の手の細工、木や石にすぎなかったので、滅ぼすことができたのです。
19 私たちの神、主よ。どうか今、私たちを彼の手から救ってください。そうすれば、地のすべての王国は、主よ、あなただけが神であることを知りましょう。」
20 アモツの子イザヤはヒゼキヤのところに人をやって言わせた。「イスラエルの神、主は、こう仰せられます。『あなたがアッシリヤの王セナケリブについて、わたしに祈ったことを、わたしは聞いた。』
21主が彼について語られたことばは次のとおりである。
処女であるシオンの娘は
あなたをさげすみ、あなたをあざける。
エルサレムの娘は
あなたのうしろで、頭を振る。
22 あなたはだれをそしり、ののしったのか。
だれに向かって声をあげ、
高慢な目を上げたのか。
イスラエルの聖なる方に対してだ。
23 あなたは使者たちを使って、
主をそしって言った。
『多くの戦車を率いて、
私は山々の頂に、
レバノンの奥深く上って行った。
そのそびえる杉の木と
美しいもみの木を切り倒し、
私はその果ての宿り場、
木の茂った園にまで入って行った。
24 私は井戸を掘って、他国の水を飲み、
足の裏で
43エジプトのすべての川を干上がらせた』と。
25 あなたは聞かなかったのか。
昔から、それをわたしがなし、
大昔から、それをわたしが計画し、
今、それを果たしたことを。
それであなたは城壁のある町々を荒らして
廃墟の石くれの山としたのだ。
26 その住民は力うせ、おののいて、恥を見、
野の草や青菜、
育つ前に干からびる屋根の草のようになった。
27 あなたがすわるのも、出て行くのも、
入るのも、わたしは知っている。
あなたがわたしに向かっていきりたつのも。
28 あなたがわたしに向かっていきりたち、
あなたの高ぶりが、わたしの耳に届いたので、
あなたの鼻には鉤輪を、
あなたの口にはくつわをはめ、
あなたを、もと来た道に引き戻そう。
29 あなたへのしるしは次のとおりである。
ことしは、落ち穂から生えたものを食べ、
二年目も、またそれから生えたものを食べ、
三年目は、種を蒔いて刈り入れ、
ぶどう畑を作ってその実を食べる。
30 ユダの家ののがれて残った者は
下に根を張り、上に実を結ぶ。
31 エルサレムから、残りの者が出て来、
シオンの山から、
のがれた者が出て来るからである。
万軍の主の熱心がこれをする。
32 それゆえ、アッシリヤの王について、
主はこう仰せられる。
彼はこの町に侵入しない。
また、ここに矢を放たず、
これに盾をもって迫らず、
塁を築いてこれを攻めることもない。
33 彼はもと来た道から引き返し、
この町には入らない。
──主の御告げだ──
34 わたしはこの町を守って、これを救おう。
わたしのために、わたしのしもべダビデのために。」
35 その夜、主の使いが出て行って、アッシリヤの陣営で、十八万五千人を打ち殺した。人々が翌朝早く起きて見ると、なんと、彼らはみな、死体となっていた。
36 アッシリヤの王セナケリブは立ち去り、帰ってニネベに住んだ。
37 彼がその神ニスロクの宮で拝んでいたとき、その子のアデラメレクとサルエツェルは、剣で彼を打ち殺し、アララテの地へのがれた。それで彼の子エサル・ハドンが代わって王となった。
1 そのころ、ヒゼキヤは病気になって死にかかっていた。そこへ、アモツの子、預言者イザヤが来て、彼に言った。「主はこう仰せられます。『あなたの家を整理せよ。あなたは死ぬ。直らない。』」
2 そこでヒゼキヤは顔を壁に向けて、主に祈って、言った。
3 「ああ、主よ。どうか思い出してください。私が、まことを尽くし、全き心をもって、あなたの御前に歩み、あなたがよいと見られることを行ってきたことを。」こうして、ヒゼキヤは大声で泣いた。
4 イザヤがまだ中庭を出ないうちに、次のような主のことばが彼にあった。
5 「引き返して、わたしの民の君主ヒゼキヤに告げよ。
あなたの父ダビデの神、主は、こう仰せられる。
『わたしはあなたの祈りを聞いた。あなたの涙も見た。見よ。わたしはあなたをいやす。三日目には、あなたは主の宮に上る。
6 わたしは、あなたの寿命にもう十五年を加えよう。わたしはアッシリヤの王の手から、あなたとこの町を救い出し、わたしのために、また、わたしのしもべダビデのためにこの町を守る。』」
7 イザヤが、「干しいちじくをひとかたまり、持って来なさい」と命じたので、人々はそれを持って来て、腫物に当てた。すると、彼は直った。
8 ヒゼキヤはイザヤに言った。「主が私をいやしてくださり、私が三日目に主の宮に上れるしるしは何ですか。」
9 イザヤは言った。「これがあなたへの主からのしるしです。主は約束されたことを成就されます。影が十度進むか、十度戻るかです。」
10 ヒゼキヤは答えた。「影が十度伸びるのは容易なことです。むしろ、影が十度あとに戻るようにしてください。」
11預言者イザヤが主に祈ると、主はアハズの44日時計におりた日時計の影を十度あとに戻された。
12 そのころ、バルアダンの子、バビロンの王45メロダク・バルアダンは、使者を遣わし、手紙と贈り物をヒゼキヤに届けた。ヒゼキヤが病気だったことを聞いていたからである。
13 ヒゼキヤは、46彼らのことを聞いて、すべての宝庫、銀、金、香料、高価な油、武器庫、彼の宝物倉にあるすべての物を彼らに見せた。ヒゼキヤがその家の中、および国中で、彼らに見せなかった物は一つもなかった。
14 そこで預言者イザヤが、ヒゼキヤ王のところに来て、彼に尋ねた。「あの人々は何を言いましたか。どこから来たのですか。」ヒゼキヤは答えた。「遠い国、バビロンから来たのです。」
15 イザヤはまた言った。「彼らは、あなたの家で何を見たのですか。」ヒゼキヤは答えた。「私の家の中のすべての物を見ました。私の宝物倉の中で彼らに見せなかった物は一つもありません。」
16 すると、イザヤはヒゼキヤに言った。「主のことばを聞きなさい。
17 見よ。あなたの家にある物、あなたの先祖たちが今日まで、たくわえてきた物がすべて、バビロンへ運び去られる日が来ている。何一つ残されまい、と主は仰せられます。
18 また、あなたの生む、あなた自身の息子たちのうち、捕らえられてバビロンの王の宮殿で宦官となる者があろう。」
19 ヒゼキヤはイザヤに言った。「あなたが告げてくれた主のことばはありがたい。」彼は、自分が生きている間は、平和で安全ではなかろうか、と思ったからである。
20 ヒゼキヤのその他の業績、彼のすべての功績、彼が貯水池と水道を造り、町に水を引いたこと、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
21 こうして、ヒゼキヤは彼の先祖たちとともに眠り、その子マナセが代わって王となった。
1 マナセは十二歳で王となり、エルサレムで五十五年間、王であった。彼の母の名はヘフツィ・バハといった。
2 彼は、主がイスラエル人の前から追い払われた異邦の民の忌みきらうべきならわしをまねて、主の目の前に悪を行った。
3 彼は、父ヒゼキヤが打ちこわした高き所を築き直し、バアルのために祭壇を立て、イスラエルの王アハブがしたようにアシェラ像を造り、天の万象を拝み、これに仕えた。
4 彼は、主がかつて、「エルサレムにわたしの名を置く」と言われた主の宮に、祭壇を築いたのである。
5 こうして、彼は、主の宮の二つの庭に、天の万象のために祭壇を築いた。
6 また、自分の子どもに火の中をくぐらせ、卜占をし、まじないをし、霊媒や口寄せをして、主の目の前に悪を行い、主の怒りを引き起こした。
7 さらに彼は、自分が造ったアシェラの彫像を宮に安置した。主はかつてこの宮について、ダビデとその子ソロモンに言われた。「わたしは、この宮に、そしてわたしがイスラエルの全部族の中から選んだエルサレムに、わたしの名をとこしえに置く。
8 もし彼らが、わたしの命じたすべてのこと、わたしのしもべモーセが彼らに命じたすべての律法を、守り行いさえするなら、わたしはもう二度と、彼らの先祖に与えた地から、イスラエルの足を迷い出させない。」
9 しかし、彼らはこれに聞き従わず、マナセは彼らを迷わせて、主がイスラエル人の前で根絶やしにされた異邦人よりも、さらに悪いことを行わせた。
10主は、そのしもべ預言者たちによって、次のように告げられた。
11 「ユダの王マナセは、これらの忌みきらうべきことを、彼以前にいたエモリ人が行ったすべてのことよりもさらに悪いことを行い、その偶像でユダにまで罪を犯させた。
12 それゆえ、イスラエルの神、主は、こう仰せられる。見よ。わたしはエルサレムとユダにわざわいをもたらす。だれでもそれを聞く者は、二つの耳が鳴るであろう。
13 わたしは、サマリヤに使った測りなわと、アハブの家に使ったおもりとをエルサレムの上に伸ばし、人が皿をぬぐい、それをぬぐって伏せるように、わたしはエルサレムをぬぐい去ろう。
14 わたしは、わたしのものである民の残りの者を捨て去り、彼らを敵の手に渡す。彼らはそのすべての敵のえじきとなり、奪い取られる。
15 それは、彼らの先祖がエジプトを出た日から今日まで、わたしの目の前に悪を行い、わたしの怒りを引き起こしたからである。」
16 マナセは、ユダに罪を犯させ、主の目の前に悪を行わせて、罪を犯したばかりでなく、罪のない者の血まで多量に流し、それがエルサレムの隅々に満ちるほどであった。
17 マナセのその他の業績、彼の行ったすべての事、および彼の犯した罪、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
18 マナセは彼の先祖たちとともに眠り、その家の園、ウザの園に葬られた。彼の子アモンが代わって王となった。
19 アモンは二十二歳で王となり、エルサレムで二年間、王であった。彼の母の名はメシュレメテといい、ヨテバの出のハルツの娘であった。
20 彼は、その父マナセが行ったように、主の目の前に悪を行った。
21 彼は、父の歩んだすべての道に歩み、父が仕えた偶像に仕え、それらを拝み、
22 彼の父祖の神、主を捨てて、主の道に歩もうとはしなかった。
23 アモンの家来たちは彼に謀反を起こし、その宮殿の中でこの王を殺した。
24 しかし、民衆はアモン王に謀反を起こした者をみな打ち殺した。民衆はアモンの子ヨシヤを代わりに王とした。
25 アモンの行ったその他の業績、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
26 人々は彼をウザの園にある彼の墓に葬った。彼の子ヨシヤが代わって王となった。
1 ヨシヤは八歳で王となり、エルサレムで三十一年間、王であった。彼の母の名はエディダといい、ボツカテの出のアダヤの娘であった。
2 彼は主の目にかなうことを行って、先祖ダビデのすべての道に歩み、右にも左にもそれなかった。
3 ヨシヤ王の第十八年に、王はメシュラムの子アツァルヤの子である書記シャファンを主の宮に遣わして言った。
4 「大祭司ヒルキヤのもとに上って行き、主の宮に納められた金、すなわち、入口を守る者たちが民から集めたものを彼に計算させ、
5 それを主の宮で工事している監督者たちの手に渡しなさい。それを主の宮で工事している者たちに渡し、宮の破損の修理をさせなさい。
6 木工、建築師、石工に渡し、また宮の修理のための木材や切り石を買わせなさい。
7 ただし、彼らの手に渡した金を彼らといっしょに勘定してはならない。彼らは忠実に働いているからである。」
8 そのとき、大祭司ヒルキヤは書記シャファンに、「私は主の宮で律法の書を見つけました」と言って、その書物をシャファンに渡したので、彼はそれを読んだ。
9 書記シャファンは王のもとに行って、王に報告して言った。「しもべたちは、宮にあった金を箱からあけて、これを主の宮で工事している監督者たちの手に渡しました。」
10 ついで、書記シャファンは王に告げて、言った。「祭司ヒルキヤが私に一つの書物を渡してくれました。」そして、シャファンは王の前でそれを読み上げた。
11 王は律法の書のことばを聞いたとき、自分の衣を裂いた。
12 王は祭司ヒルキヤ、シャファンの子アヒカム、47ミカヤの子アクボル、書記シャファン、王の家来アサヤに命じて言った。
13 「行って、この見つかった書物のことばについて、私のため、民のため、ユダ全体のために、主のみこころを求めなさい。私たちの先祖が、この書物のことばに聞き従わず、すべて私たちについてしるされているとおりに行わなかったため、私たちに向かって燃え上がった主の憤りは激しいから。」
14 そこで、祭司ヒルキヤ、アヒカム、アクボル、シャファン、アサヤは、女預言者フルダのもとに行った。彼女は、48ハルハスの子ティクワの子、装束係シャルムの妻で、エルサレムの第二区に住んでいた。彼らが彼女に伝えると、
15 彼女は彼らに答えた。「イスラエルの神、主は、こう仰せられます。『あなたがたをわたしのもとに遣わした人に告げよ。
16主はこう仰せられる。見よ。わたしは、この場所とその住民の上にわざわいをもたらす。ユダの王が読み上げた書物のすべてのことばを成就する。
17 彼らはわたしを捨て、ほかの神々に香をたき、彼らのすべての手のわざで、わたしの怒りを引き起こすようにした。わたしの憤りはこの場所に燃え上がり、消えることがない。』
18主のみこころを求めるために、あなたがたを遣わしたユダの王には、こう言わなければなりません。『あなたが聞いたことばについて、イスラエルの神、主は、こう仰せられます。
19 あなたが、この場所とその住民について、これは恐怖となり、のろいとなると、わたしが言ったのを聞いたとき、あなたは心を痛め、主の前にへりくだり、自分の衣を裂き、わたしの前で泣いたので、わたしもまた、あなたの願いを聞き入れる。──主の御告げです──
20 それゆえ、見よ、わたしは、あなたを先祖たちのもとに集めよう。あなたは安らかに自分の墓に集められる。それで、あなたは自分の目で、わたしがこの場所にもたらすすべてのわざわいを見ることがない。』」彼らはそれを王に報告した。
1 すると、王は使者を遣わして、ユダとエルサレムの長老をひとり残らず彼のところに集めた。
2 王は主の宮へ上って行った。ユダのすべての人、エルサレムの住民のすべて、祭司と預言者、および、下の者も上の者も、すべての民が彼とともに行った。そこで彼は、主の宮で発見された契約の書のことばをみな、彼らに読み聞かせた。
3 それから、王は柱のわきに立ち、主の前に契約を結び、主に従って歩み、心を尽くし、精神を尽くして、主の命令と、あかしと、おきてを守り、この書物にしるされているこの契約のことばを実行することを誓った。民もみな、この契約に加わった。
4 それから、王は大祭司ヒルキヤと次席祭司たち、および、入口を守る者たちに命じて、バアルやアシェラや天の万象のために作られた器物をことごとく主の本堂から運び出させ、エルサレムの郊外、キデロンの野でそれを焼き、その灰をベテルへ持って行った。
5 彼はまた、ユダの王たちが任命して、ユダの町々やエルサレム周辺の高き所で香をたかせた、偶像に仕える祭司たちを、また、バアルや太陽や月や星座や天の万象に香をたく者どもを取り除いた。
6 彼は、アシェラ像を主の宮から、エルサレムの郊外、キデロン川に運び出し、それをキデロン川で焼いた。彼はそれを粉々に砕いて灰にし、その灰を共同墓地にまき散らした。
7 さらに、彼は主の宮の中にあった神殿男娼の家をこわした。そこでは、女たちがアシェラ像のための蔽いを織っていたからである。
8 彼はユダの町々から祭司たちを全部連れて来て、ゲバからベエル・シェバに至るまでの、祭司たちが香をたいていた高き所を49汚し、門にあった高き所をこわした。それは町のつかさヨシュアの門の入口にあり、町の門に入る人の左側にあった。
9 高き所の祭司たちは、エルサレムの主の祭壇に上ることはできなかったが、その同輩たちの間で種を入れないパンを食べた。
10 彼は、ベン・ヒノムの谷にあるトフェテを50汚し、だれも自分の息子や娘に火の中をくぐらせて、モレクにささげることのないようにした。
11 ついで、ユダの王たちが太陽に献納した馬を、前庭にある宦官ネタン・メレクの部屋のそばの主の宮の入口から取り除き、太陽の車を火で焼いた。
12 王は、ユダの王たちがアハズの屋上の部屋の上に造った祭壇と、マナセが主の宮の二つの庭に造った祭壇を取りこわし、51そこから走っていって、そして、その灰をキデロン川に投げ捨てた。
13 王は、イスラエルの王ソロモンがシドン人の、忌むべき、アシュタロテ、モアブの、忌むべきケモシュ、アモン人の、忌みきらうべきミルコムのためにエルサレムの東、破壊の山の南に築いた高き所を52汚した。
14 また、石の柱を打ち砕き、アシェラ像を切り倒し、その場所を人の骨で満たした。
15 なお彼は、ベテルにある祭壇と、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの造った高き所、すなわち、その祭壇も高き所もこわした。高き所を焼き、粉々に砕いて灰にし、アシェラ像を焼いた。
16 ヨシヤが向き直ると、山の中に墓があるのが見えた。そこで彼は人をやってその墓から骨を取り出し、それを祭壇の上で焼き、祭壇を汚れたものとした。かつて、神の人がこのことを預言して呼ばわった主のことばのとおりであった。
17 彼は言った。「あそこに見える石碑は何か。」すると、町の人々は彼に答えた。「ユダから出て来て、あなたがベテルの祭壇に対してされた、あのことを預言した神の人の墓です。」
18 王は言った。「そのままにしておきなさい。だれも彼の骨を移してはならない。」それで人々は彼の骨を、サマリヤから出て来たあの預言者の骨といっしょにそのままにしておいた。
19 なお、ヨシヤはイスラエルの王たちが造って主の怒りを引き起こした、サマリヤの町々の高き所の宮をすべて取り除き、彼がベテルでしたと全く同じように、それらに対してもした。
20 それから、彼は、そこにいた高き所の祭司たちをみな、祭壇の上でほふり、その祭壇の上で人間の骨を焼いた。こうして、彼はエルサレムに帰った。
21 王は民全体に命じて言った。「この契約の書にしるされているとおりに、あなたがたの神、主に、過越のいけにえをささげなさい。」
22 事実、さばきつかさたちがイスラエルをさばいた時代からこのかた、イスラエルの王たちとユダの王たちのどの時代にも、このような過越のいけにえがささげられたことはなかった。
23 ただ、ヨシヤ王の第十八年に、エルサレムでこの過越のいけにえが主にささげられただけであった。
24 さらにヨシヤは、霊媒、口寄せ、テラフィム、偶像、それに、ユダの地とエルサレムに見られるすべての忌むべき物も除き去った。これは、祭司ヒルキヤが主の宮で見つけた書物にしるされている律法のことばを実行するためであった。
25 ヨシヤのように心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くしてモーセのすべての律法に従って、主に立ち返った王は、彼の先にはいなかった。彼の後にも彼のような者は、ひとりも起こらなかった。
26 それにもかかわらず、マナセが主の怒りを引き起こしたあのいらだたしい行いのために、主はユダに向けて燃やされた激しい怒りを静めようとはされなかった。
27主は仰せられた。「わたしがイスラエルを移したと同じように、ユダもまた、わたしの前から移す。わたしが選んだこの町エルサレムも、わたしの名を置く、と言ったこの宮も、わたしは退ける。」
28 ヨシヤのその他の業績、彼の行ったすべての事、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
29 彼の時代に、エジプトの王パロ・ネコが、アッシリヤの王のもとに行こうとユーフラテス川のほうに上って来た。そこで、ヨシヤ王は彼を迎え撃ちに行ったが、パロ・ネコは彼を見つけてメギドで殺した。
30 ヨシヤの家来たちは、彼の死体を戦車にのせ、メギドからエルサレムに運んで来て、彼の墓に葬った。この国の民は、ヨシヤの子エホアハズを選んで、彼に油をそそぎ、彼の父に代えて、彼を王とした。
31 エホアハズは二十三歳で王となり、エルサレムで三か月間、王であった。彼の母の名はハムタルといい、リブナの出のエレミヤの娘であった。
32 彼は、その先祖たちがしたように、主の目の前に悪を行った。
33 パロ・ネコは、彼をエルサレムで王であったときに、ハマテの地リブラに幽閉し、この国に銀百タラントと金一タラントの科料を課した。
34 ついで、パロ・ネコは、ヨシヤの子エルヤキムをその父ヨシヤに代えて王とし、その名をエホヤキムと改めさせた。エホアハズは捕らえられて、エジプトに来て、そこで死んだ。
35 エホヤキムは銀と金をパロに贈ったが、パロの要求するだけの銀を与えるためには、この国に税を課さなければならなかった。彼は、パロ・ネコに贈るために、ひとりひとりに割り当てて、銀と金をこの国の人々から取り立てた。
36 エホヤキムは二十五歳で王となり、エルサレムで十一年間、王であった。彼の母の名はゼブダといい、ルマの出のペダヤの娘であった。
37 彼は、その先祖たちがしたとおり、主の目の前に悪を行った。
1 エホヤキムの時代に、バビロンの王ネブカデネザルが攻め上って来た。エホヤキムは三年間彼のしもべとなったが、その後、再び彼に反逆した。
2 そこで主は、カルデヤ人の略奪隊、アラムの略奪隊、モアブの略奪隊、アモン人の略奪隊を遣わしてエホヤキムを攻められた。ユダを攻めて、これを滅ぼすために彼らを遣わされた。主がそのしもべである預言者たちによって告げられたことばのとおりであった。
3 ユダを主の前から除くということは、実に主の命令によることであって、それは、マナセが犯したすべての罪のためであり、
4 また、マナセが流した罪のない者の血のためであった。マナセはエルサレムを罪のない者の血で満たした。そのため主はその罪を赦そうとはされなかった。
5 エホヤキムのその他の業績、彼の行ったすべての事、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
6 エホヤキムは彼の先祖たちとともに眠り、その子エホヤキンが代わって王となった。
7 エジプトの王は自分の国から再び出て来ることがなかった。バビロンの王が、エジプト川からユーフラテス川に至るまで、エジプトの王に属していた全領土を占領していたからである。
8 エホヤキンは十八歳で王となり、エルサレムで三か月間、王であった。彼の母の名はネフシュタといい、エルサレムの出のエルナタンの娘であった。
9 彼は、すべて先祖たちがしたとおり、主の目の前に悪を行った。
10 そのころ、バビロンの王ネブカデネザルの家来たちがエルサレムに攻め上り、町は包囲された。
11 バビロンの王ネブカデネザルが町にやって来たときに、家来たちは町を包囲していた。
12 ユダの王エホヤキンは、その母や、家来たちや、高官たち、宦官たちといっしょにバビロンの王に降伏したので、バビロンの王は彼を捕虜にした。これはネブカデネザルの治世の第八年であった。
13 彼は主の宮の財宝と王宮の財宝をことごとく運び出し、イスラエルの王ソロモンが造った主の本堂の中のすべての金の用具を断ち切った。主の告げられたとおりであった。
14 彼はエルサレムのすべて、つまり、すべての高官、すべての有力者一万人、それに職人や、鍛冶屋もみな、捕囚として捕らえ移した。貧しい民衆のほかは残されなかった。
15 彼はさらに、エホヤキンをバビロンへ引いて行き、王の母、王の妻たち、その宦官たち、この国のおもだった人々を、捕囚としてエルサレムからバビロンへ連れて行った。
16 バビロンの王は、すべての兵士七千人、職人と鍛冶屋千人、勇敢な戦士を、すべて、捕囚としてバビロンへ連れて行った。
17 バビロンの王は、エホヤキンのおじマタヌヤをエホヤキンの代わりに王とし、その名をゼデキヤと改めさせた。
18 ゼデキヤは二十一歳で王となり、エルサレムで十一年間、王であった。彼の母の名はハムタルといい、リブナの出のエレミヤの娘であった。
19 彼は、すべてエホヤキムがしたように、主の目の前に悪を行った。
20 エルサレムとユダにこのようなことが起こったのは、主の怒りによるもので、ついに主は彼らを御前から投げ捨てられたのである。その後、ゼデキヤはバビロンの王に反逆した。
1 ゼデキヤの治世の第九年、第十の月の十日に、バビロンの王ネブカデネザルは、その全軍勢を率いてエルサレムを攻めに来て、これに対して陣を敷き、周囲に塁を築いた。
2 こうして町はゼデキヤ王の第十一年まで包囲されていたが、
353第四の月の九日、町の中では、ききんがひどくなり、民衆に食物がなくなった。
4 そのとき、町が破られ、戦士たちはみな夜のうちに、王の園のほとりにある二重の城壁の間の門の道から54町を出た。カルデヤ人が町を包囲していたので、王はアラバへの道を行った。
5 カルデヤの軍勢が王のあとを追い、エリコの草原で彼に追いついたとき、王の軍隊はみな王から離れて散ってしまった。
6 そこでカルデヤ人は王を捕らえ、リブラにいるバビロンの王のところへ彼を連れ上り、彼に宣告を下した。
7 彼らはゼデキヤの子らを彼の目の前で虐殺した。王はゼデキヤの目をつぶし、彼を青銅の足かせにつないで、バビロンへ連れて行った。
8 第五の月の55七日──それは、バビロンの王ネブカデネザル王の第十九年であった──バビロンの王の家来、侍従長ネブザルアダンがエルサレムに来て、
9主の宮と王宮とエルサレムのすべての家を焼き、そのおもだった建物をことごとく火で焼いた。
10侍従長といっしょにいたカルデヤの全軍勢は、エルサレムの回りの城壁を取りこわした。
11侍従長ネブザルアダンは、町に残されていた残りの民と、バビロンの王に降伏した者たちと、残りの群衆を捕らえ移した。
12 しかし、侍従長は国の貧民の一部を残し、ぶどう作りと農夫とにした。
13 カルデヤ人は、主の宮の青銅の柱と、主の宮にある青銅の車輪つきの台と、海とを砕いて、その青銅をバビロンへ運んだ。
14 また、灰つぼ、十能、心切りばさみ、平皿、奉仕に用いるすべての青銅の器具を奪った。
15 また、侍従長は火皿、鉢など、純金、純銀のものを奪った。
16 ソロモンが主の宮のために作った二本の柱、一つの海、車輪つきの台、これらすべての器具の青銅の重さは、量りきれなかった。
17 一本の柱の高さは十八キュビトで、その上の柱頭も青銅で、その柱頭の高さは三キュビトであり、柱頭の回りに網細工と、ざくろがあって、それもみな青銅で、他の柱も、網細工までも同様であった。
18侍従長はさらに、祭司のかしらセラヤと次席祭司ゼパニヤと三人の入口を守る者を捕らえ、
19 戦士の指揮官であったひとりの宦官と、町にいた王の56五人の側近と、一般の人々を徴兵する将軍の書記と、町にいた一般の人々六十人を、町から捕らえ去った。
20侍従長ネブザルアダンは彼らを捕らえ、リブラにいるバビロンの王のところへ連れて行った。
21 バビロンの王は彼らを打ち、ハマテの地のリブラで殺した。こうして、ユダはその国から捕らえ移された。
22 バビロンの王57ネブカデネザルは、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤを、ユダの地に残った残りの民の上に総督とした。
23将校たちと、その部下たちはみな、バビロンの王がゲダルヤを総督としたことを聞いて、ミツパにいるゲダルヤのもとに来た。すなわち、ネタヌヤの子イシュマエル、カレアハの子ヨハナン、ネトファ人タヌフメテの子セラヤ、マアカ人の子58ヤアザヌヤ、これらとその部下たちであった。
24 そこでゲダルヤは彼らとその部下たちに誓って、彼らに言った。「カルデヤ人の家来たちを恐れてはならない。この国に住んで、バビロンの王に仕えなさい。そうすれば、あなたがたはしあわせになる。」
25 ところが第七の月に、王族のひとり、エリシャマの子ネタヌヤの子イシュマエルは、十人の部下を連れてやって来て、ゲダルヤを打ち殺し、ミツパで彼といっしょにいたユダ人たちと、カルデヤ人たちを打ち殺した。
26 そこで、身分の下の者から上の者まで、民はみな、将校たちとともに、エジプトへ立って行った。カルデヤ人を恐れたからである。
27 ユダの王エホヤキンが捕らえ移されて三十七年目の第十二の月の二十七日に、バビロンの王エビル・メロダクは、彼が王となったその年のうちに、ユダの王エホヤキンを牢獄から釈放し、
28 彼に優しいことばをかけ、彼の位をバビロンで彼とともにいた王たちの位よりも高くした。
29 彼は囚人の服を着替え、その一生の間、いつも王の前で食事をした。
30 彼の生活費は、その一生の間、日々の分をいつも王から支給されていた。
歴代誌 第一
1 アダム、セツ、エノシュ、
2 ケナン、マハラルエル、エレデ、
3 エノク、メトシェラ、レメク、
4 ノア、セム、ハム、それにヤペテ。
5 ヤペテの子孫は、ゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、トバル、メシェク、ティラス。
6 ゴメルの子孫は、アシュケナズ、1ディファテ、トガルマ。
7 ヤワンの子孫は、エリシャ、タルシシュ、キティム人、2ロダニム人。
8 ハムの子孫は、クシュ、ミツライム、プテ、カナン。
9 クシュの子孫は、セバ、ハビラ、サブタ、ラマ、サブテカ。ラマの子孫は、シェバ、デダン。
10 クシュはニムロデを生んだ。ニムロデは地上で最初の権力者となった。
11 ミツライムは、ルデ人、アナミム人、レハビム人、ナフトヒム人を生み、
12 パテロス人、カスルヒム人──これからペリシテ人が出た──、カフトル人を生んだ。
13 カナンは、長子シドン、ヘテ、
14 エブス人、エモリ人、ギルガシ人、
15 ヒビ人、アルキ人、シニ人、
16 アルワデ人、ツェマリ人、ハマテ人を生んだ。
17 セムの子孫は、エラム、アシュル、アルパクシャデ、ルデ、アラム、ウツ、フル、ゲテル、3メシェク。
18 アルパクシャデはシェラフを生み、シェラフはエベルを生んだ。
19 エベルにはふたりの男の子が生まれ、ひとりの名は4ペレグであった。彼の時代に地が分けられたからである。もうひとりの兄弟の名はヨクタンであった。
20 ヨクタンは、アルモダデ、シェレフ、ハツァルマベテ、エラフ、
21 ハドラム、ウザル、ディクラ、
225エバル、アビマエル、シェバ、
23 オフィル、ハビラ、ヨバブを生んだ。これらはみなヨクタンの子孫であった。
24 セム、アルパクシャデ、シェラフ、
25 エベル、ペレグ、レウ、
26 セルグ、ナホル、テラ、
27 アブラム、すなわちアブラハム。
28 アブラハムの子は、イサク、イシュマエル。
29 これは彼らの歴史である。イシュマエルの長子はネバヨテ。ケダル、アデベエル、ミブサム、
30 ミシュマ、ドマ、マサ、ハダデ、テマ、
31 エトル、ナフィシュ、ケデマ。これがイシュマエルの子孫である。
32 アブラハムのそばめケトラの息子たち。彼女は、ジムラン、ヨクシャン、メダン、ミデヤン、イシュバク、シュアハを産んだ。ヨクシャンの子は、シェバ、デダン。
33 ミデヤンの子は、エファ、エフェル、エノク、アビダ、エルダア。これらはみな、ケトラの子孫である。
34 アブラハムはイサクを生んだ。イサクの子は、エサウ、イスラエル。
35 エサウの子は、エリファズ、レウエル、エウシュ、ヤラムとコラ、
36 エリファズの子は、テマン、オマル、6ツェフィとガタム、ケナズ、ティムナ、アマレク。
37 レウエルの子は、ナハテ、ゼラフ、シャマとミザ。
38 セイルの子は、ロタン、ショバル、ツィブオン、アナ、ディション、エツェル、ディシャン。
39 ロタンの子は、ホリ、7ホマム。ロタンの妹はティムナ。
40 ショバルの子は、8アルヤンとマナハテとエバル、9シェフィ、オナム。ツィブオンの子は、アヤ、アナ。
41 アナの子は、ディション。ディションの子は、10ハムラン、エシュバン、イテラン、ケラン。
42 エツェルの子は、ビルハン、ザアワン、11ヤアカン。12ディションの子は、ウツ、アラン。
43 イスラエル人の王が治める以前、エドムの地で治めた王たちは次のとおりである。ベオルの子ベラ。その町の名はディヌハバであった。
44 ベラが死ぬと、代わりに、ボツラから出たゼラフの子ヨバブが王となった。
45 ヨバブが死ぬと、代わりに、テマン人の地から出たフシャムが王となった。
46 フシャムが死ぬと、代わりに、モアブの野でミデヤン人を打ち破ったベダデの子ハダデが王となった。その町の名はアビテであった。
47 ハダデが死ぬと、代わりに、マスレカから出たサムラが王となった。
48 サムラが死ぬと、代わりに、13レホボテ・ハナハルから出たサウルが王となった。
49 サウルが死ぬと、代わりに、アクボルの子バアル・ハナンが王となった。
50 バアル・ハナンが死ぬと、代わりに、14ハダデが王となった。その町の名は15パイであった。彼の妻の名はメヘタブエルといい、メ・ザハブの娘マテレデの娘であった。
51 そして、ハダデも死んだ。
エドムから出た首長たちは、首長ティムナ、首長アルワ、首長エテテ、
52首長オホリバマ、首長エラ、首長ピノン、
53首長ケナズ、首長テマン、首長ミブツァル、
54首長マグディエル、首長イラム。これらがエドムから出た首長である。
1 イスラエルの子は次のとおりである。ルベン、シメオン、レビ、ユダ、イッサカル、ゼブルン、
2 ダン、ヨセフ、ベニヤミン、ナフタリ、ガド、アシェル。
3 ユダの子は、エル、オナン、シェラ。この三人は、カナンの女シュアの娘から彼に生まれた。しかし、ユダの長子エルは主の目の前に悪を行ったため、主が彼を殺された。
4 彼の嫁タマルは彼にペレツとゼラフとを産んだ。ユダの子は全部で五人。
5 ペレツの子は、ヘツロン、ハムル。
6 ゼラフの子は、16ジムリ、エタン、ヘマン、カルコル、17ダラで、全部で五人。
7 カルミの子は、聖絶のもののことで罪を犯し、イスラエルにわざわいをもたらす者となった18アカル。
8 エタンの子は、アザルヤ。
9 ヘツロンの子として生まれた者は、エラフメエル、ラム、19カレブ。
10 ラムはアミナダブを生み、アミナダブはユダ族の長ナフションを生み、
11 ナフションはサルマを生み、20サルマはボアズを生み、
12 ボアズはオベデを生み、オベデはエッサイを生んだ。
13 エッサイは、長子エリアブ、次男アビナダブ、三男シムア、
14 四男ネタヌエル、五男ラダイ、
15 六男オツェム、七男ダビデを生んだ。
16 彼らの姉妹はツェルヤとアビガイルであり、ツェルヤの子は、21アブシャイ、ヨアブ、アサエルの三人であった。
1722アビガイルはアマサを産んだが、アマサの父親はイシュマエル人エテルであった。
18 ヘツロンの子カレブは妻アズバとエリオテによって子を生んだ。彼女の子は次のとおりである。エシェル、ショバブ、アルドン。
19 アズバが死んだので、カレブはエフラテをめとった。彼女は彼にフルを産んだ。
20 フルはウリを生み、ウリはベツァルエルを生んだ。
21 その後、ヘツロンは、ギルアデの父マキルの娘のもとに行き、彼女をめとった。彼は六十歳であった。彼女は彼にセグブを産んだ。
22 セグブはヤイルを生んだ。彼はギルアデの地に二十三の町を持っていた。
23 ところが、ゲシュルとアラムは、その中からハボテ・ヤイルおよびケナテとそれに属する村落など六十の町を取った。これらはみな、ギルアデの父マキルの子であった。
24 ヘツロンがエフラテのカレブで死んで後、ヘツロンの妻アビヤは、彼にテコアの父アシュフルを産んだ。
25 ヘツロンの長子エラフメエルの子は、長子ラム、ブナ、オレン、オツェム、アヒヤ。
26 エラフメエルには、もうひとり妻があった。その名はアタラ。彼女はオナムの母であった。
27 エラフメエルの長子ラムの子は、マアツ、ヤミン、エケル。
28 オナムの子は、シャマイ、ヤダ。シャマイの子は、ナダブ、アビシュル。
29 アビシュルの妻の名はアビハイルで、彼女は彼にアフバンとモリデを産んだ。
30 ナダブの子は、セレデとアパイムで、セレデは子がないままで死んだ。
31 アパイムの子孫は、イシュイ。イシュイの子孫は、シェシャン。シェシャンの子孫は、アフライ。
32 シャマイの兄弟ヤダの子は、エテルとヨナタンで、エテルは子がないままで死んだ。
33 ヨナタンの子は、ペレテとザザ。これらがエラフメエルの子孫であった。
34 シェシャンには息子がなく、娘だけであった。シェシャンにはエジプト人のしもべがいた。その名はヤルハ。
35 シェシャンは彼の娘をそのしもべヤルハに妻として与えたので、彼女は彼にアタイを産んだ。
36 アタイはナタンを生み、ナタンはザバデを生み、
37 ザバデはエフラルを生み、エフラルはオベデを生み、
38 オベデはエフーを生み、エフーはアザルヤを生み、
39 アザルヤはヘレツを生み、ヘレツはエルアサを生み、
40 エルアサはシセマイを生み、23シセマイはシャルムを生み、
41 シャルムはエカムヤを生み、エカムヤはエリシャマを生んだ。
42 エラフメエルの兄弟カレブの子孫は、長子メシャ。彼はジフの父であった。24ヘブロンの父マレシャの子たち。
43 ヘブロンの子は、コラ、タプアハ、レケム、シェマ。
44 シェマは、ヨルコアムの父ラハムを生み、レケムはシャマイを生んだ。
45 シャマイの子はマオン。マオンはベテ・ツルの父であった。
46 カレブのそばめエファは、ハラン、モツァ、ガゼズを産んだ。ハランはガゼズを生んだ。
47 ヤフダイの子は、レゲム、ヨタム、ゲシャン、ペレテ、エファ、シャアフ。
48 カレブのそばめマアカは、シェベルとティルハナを産み、
49 マデマナの父シャアフと、マクベナの父でありギブアの父であるシェワを産んだ。カレブの娘はアクサであった。
50 カレブの子孫は次のとおりである。25エフラテによる長子フルの子はキルヤテ・エアリムの父ショバル、
51 ベツレヘムの父サルマ、ベテ・ガデルの父ハレフ。
52 キルヤテ・エアリムの父ショバルにも子どもたちがあった。メヌホテの半分の26ハロエであった。
53 キルヤテ・エアリムの諸氏族は、エテル人、プテ人、シュマ人、ミシュラ人で、彼らの中から、ツォルア人とエシュタオル人が出た。
54 サルマの子孫は、ベツレヘムとネトファ人、アテロテ・ベテ・ヨアブとマナハテ人の半氏族、ツォルア人。
55 ヤベツに住んでいた書記の諸氏族は、ティルア人、シムア人、スカ人。彼らはレカブ家の父祖ハマテから出たケニ人である。
1 ヘブロンで生まれたダビデの子は次のとおりである。長子はイズレエル人アヒノアムによるアムノン。次男はカルメル人アビガイルによるダニエル。
2 三男はゲシュルの王タルマイの娘マアカの子アブシャロム。四男はハギテの子アドニヤ。
3 五男はアビタルによるシェファテヤ。六男は彼の妻エグラによるイテレアム。
4 六人の子がヘブロンで彼に生まれた。ダビデはそこで七年六か月治め、エルサレムで三十三年治めた。
5 エルサレムで彼に生まれた者は次のとおりである。27シムア、ショバブ、ナタン、ソロモン。この四人はアミエルの娘28バテ・シュアによる子である。
6 イブハル、エリシャマ、エリフェレテ、
7 ノガハ、ネフェグ、ヤフィア、
8 エリシャマ、エルヤダ、エリフェレテの九人。
9 みなダビデの子であるが、別にそばめたちの子もあり、タマルは彼らの姉妹であった。
10 ソロモンの子はレハブアム。その子は29アビヤ、その子はアサ、その子はヨシャパテ、
11 その子はヨラム、その子はアハズヤ、その子はヨアシュ、
12 その子はアマツヤ、その子はアザルヤ、その子はヨタム、
13 その子はアハズ、その子はヒゼキヤ、その子はマナセ、
14 その子はアモン、その子はヨシヤ。
15 ヨシヤの子は、長子ヨハナン、次男エホヤキム、三男ゼデキヤ、四男シャルム。
16 エホヤキムの子孫は、その子、エコヌヤ、その子のゼデキヤ。
17捕らわれ人エコヌヤの子は、その子シェアルティエル、
18 マルキラム、ペダヤ、シェヌアツァル、エカムヤ、ホシャマ、ネダブヤ。
19 ペダヤの子は、ゼルバベル、シムイ。ゼルバベルの子は、メシュラム、ハナヌヤ。シェロミテは彼らの姉妹。
20 それにハシュバ、オヘル、ベレクヤ、ハサデヤ、ユシャブ・ヘセデの五人。
21 ハナヌヤの子たちは、ペラテヤ、エシャヤ、レファヤの子たち、アルナンの子たち、オバデヤの子たち、シェカヌヤの子たち。
22 シェカヌヤの子たちは、シェマヤ。シェマヤの子は、ハトシュ、イグアル、バリアハ、ネアルヤ、シャファテなど六人。
23 ネアルヤの子は、エルヨエナイ、ヒゼキヤ、アズリカムの三人。
24 エルヨエナイの子は、ホダブヤ、エルヤシブ、ペラヤ、アクブ、ヨハナン、デラヤ、アナニの七人。
1 ユダの子孫は、ペレツ、ヘツロン、カルミ、フル、ショバル。
2 ショバルの子レアヤはヤハテを生み、ヤハテはアフマイとラハデを生んだ。これらはツォルア人の諸氏族である。
3 エタムの父30の子は次のとおりである。イズレエル、イシュマ、イデバシュ。彼らの姉妹の名はハツェレルポニ。
4 ゲドルの父ペヌエルとフシャの父エゼル。これらがベツレヘムの父、31エフラテの長子、フルの子である。
5 テコアの父アシュフルにはふたりの妻、ヘルアとナアラがいた。
6 ナアラは彼に、アフザム、ヘフェル、テメニ、アハシュタリを産んだ。これらがナアラの子である。
7 ヘルアの子は、ツェレテ、ツォハル、エテナン。
8 コツは、アヌブ、ツォベバ、それにハルムの子アハルヘルの諸氏族を生んだ。
9 ヤベツは彼の兄弟たち32よりも重んじられた。彼の母は、「私が悲しみのうちにこの子を産んだから」と言って、彼にヤベツという名をつけた。
10 ヤベツはイスラエルの神に呼ばわって言った。「私を大いに祝福し、私の地境を広げてくださいますように。御手が私とともにあり、わざわいから遠ざけて私が苦しむことのないようにしてくださいますように。」そこで神は彼の願ったことをかなえられた。
11 シュハの兄弟ケルブはメヒルを生んだ。彼はエシュトンの父であった。
12 エシュトンは、ベテ・ラファ、パセアハ、イル・ナハシュの父テヒナを生んだ。これらはレカの人々である。
13 ケナズの子たちは、オテニエル、セラヤ。オテニエルの子たちは、ハタテと33メオノタイ。
14 メオノタイはオフラを生み、セラヤはゲ・ハラシムの父ヨアブを生んだ。彼らは34職人だったのである。
15 エフネの子カレブの子たちは、イル、エラ、ナアム。エラの子たちは、ケナズ。
16 エハレルエルの子は、ジフ、ジファ、ティルヤ、アサルエル。
17 エズラの子は、エテル、メレデ、エフェル、ヤロン。35彼女はみごもって、ミリヤムとシャマイとエシュテモアの父イシュバフを産んだ。
18 彼のユダヤ人の妻は、ゲドルの父エレデ、ソコの父ヘベル、ザノアハの父エクティエルを産んだ。これらはメレデがめとったパロの娘ビテヤの子であった。
19 ナハムの姉妹に当たるホディヤの妻の子は、ガルミ人ケイラの36父とマアカ人エシュテモア。
20 シモンの子は、アムノン、リナ、ベン・ハナン、ティロン。イシュイの子は、ゾヘテ、ベン・ゾヘテ。
21 ユダの子シェラの子孫は、レカの父エル、マレシャの父ラダ、および、アシュベア家に属する、白亜麻布業を営む家の氏族、
22 モアブを治めたヨキム、コゼバの人々、ヨアシュ、サラフ、ヤシュビ・ラヘム。この記録は古い。
23 彼らは陶器師で、ネタイムとゲデラの住民であり、王の仕事をするため、王とともにそこに住んだ。
24 シメオンの子は、37ネムエル、ヤミン、38ヤリブ、39ゼラフ、サウル。
25 その子はシャルム、その子はミブサム、その子はミシュマ。
26 ミシュマの子孫は、その子、ハムエル、その子のザクル、その子のシムイ。
27 シムイには十六人の息子と、六人の娘があったが、彼の兄弟たちには多くの息子がなかった。彼らの全氏族は、ユダの子らほどには多くならなかった。
28 彼らは、ベエル・シェバ、モラダ、ハツァル・シュアルに住み、
29 ビルハ、エツェム、トラデ、
30 ベトエル、ホルマ、ツィケラグ、
31 ベテ・マルカボテ、ハツァル・スシム、ベテ・ビルイ、シャアライムに住んだ。これはダビデの治世に至るまで、彼らの町であった。
32 また、彼らの村々は、エタム、アイン、リモン、トケン、アシャンの五つの町であり、
33 その町々の回りにあってバアルにまで及ぶ彼らのすべての村々であった。これが彼らの住まいであった。彼らは系図に載せられた者であった。
34 メショバブ、ヤムレク、アマツヤの子ヨシャ、
35 ヨエル、アシエルの子セラヤの子ヨシブヤの子エフー、
36 エルヨエナイ、ヤアコバ、エショハヤ、アサヤ、アディエル、エシミエル、ベナヤ、
37 ジザ。彼はシフイの子、順次さかのぼって、アロンの子、エダヤの子、シムリの子、シェマヤの子。
38 ここに名まえの出てくるこれらの人々は、彼らの諸氏族の長であった。彼ら一族は大いにふえた。
39 彼らは、その群れのために牧場を捜し求めて、ゲドルの入口に行き、谷の東方にまで行って、
40豊かな良い牧場を発見した。その土地は広々としていて、静かで安らかだった。以前そこに住んでいた者はハム系の人々だったからである。
41 そこで、ユダの王ヒゼキヤの時代に、ここに名のしるされた人々が来て、彼らの天幕と、そこにいたメウニム人を打ち、彼らを聖絶した。今日もそのままである。彼らはこの人々に代わってそこに住みついた。そこには、彼らの群れのために牧場があったからである。
42 また、彼らシメオン族のうち、五百人の人々が、イシュイの子ペラテヤ、ネアルヤ、レファヤ、ウジエルを彼らのかしらとして、セイル山に行った。
43 そして、アマレクの残っていた者、のがれた者を打ち、そこに住んだ。今日もそのままである。
1 イスラエルの長子ルベンの子孫──彼は長子であったが、父の寝床を汚したことにより、その長子の権利はイスラエルの子ヨセフの子に与えられた。系図の記載は長子の権利に従って行うものではない。
2 ユダは彼の兄弟たちにまさる者となり、君たる者も彼から出るのであるが、長子の権利はヨセフに帰したからである──
3 イスラエルの長子ルベンの子は、エノク、パル、ヘツロン、カルミ。
4 ヨエルの子は、その子はシェマヤ、その子はゴグ、その子はシムイ、
5 その子はミカ、その子はレアヤ、その子はバアル、
6 その子はアッシリヤの王40ティグラテ・ピレセルが引いて行ったベエラ。彼はルベン人の族長であった。
7 また、彼の兄弟たちは、氏族ごとに生まれた順に系図に載せられたかしらはエイエル、それにゼカリヤ、
8 ベラ。彼はヨエルの子シェマの子アザズの子で、アロエルに住み、ネボやバアル・メオンにまで及び、
9 東は、ユーフラテス川から荒野の入口に及ぶ地に住んだ。ギルアデの地で彼らの家畜がふえたからである。
10 彼らはサウルの時代に、ハガル人と戦いを交え、ハガル人は彼らの手に倒れた。そこで、彼らは、ギルアデの東方一帯に、天幕を張って住んだ。
11 ガド族は、彼らの真向かいに当たるバシャンの地に住み、サルカにまで及んだ。
12 かしらヨエル、二番目のシャファム、そして、ヤナイ、シャファテが、バシャンに住んだ。
13 彼ら一族に属する彼らの兄弟たちは、ミカエル、メシュラム、シェバ、ヨライ、ヤカン、ジア、エベルの七人。
14 これらは、アビハイルの子である。アビハイルはフリの子、順次さかのぼって、ヤロアハの子、ギルアデの子、ミカエルの子、エシシャイの子、ヤフドの子、ブズの子。
15 アヒ。彼はグニの子アブディエルの子で、彼ら一族のかしらであった。
16 そして、彼らはギルアデとバシャンとそれに属する村落、およびシャロンの放牧地全域にわたって、その境に住んだ。
17 彼らはみな、ユダの王ヨタムの時代、イスラエルの王ヤロブアムの時代に系図に載せられた。
18 ルベン族、ガド人、マナセの半部族で、盾と剣を取り、弓を引き、戦いの訓練を受けた勇者たちのうち、従軍する者は、四万四千七百六十人であった。
19 ここに、彼らはハガル人およびエトル、ナフィシュ、ノダブと戦いを交えたが、
20 助けを得てこれらに当たった。それで、ハガル人およびこれとともにいた者はみな彼らの手に渡された。それは、彼らがその戦いのときに、神に呼ばわったからである。彼らが神に拠り頼んだので、神は彼らの願いを聞き入れられた。
21 彼らはこの人々の家畜を奪い去った。らくだ五万、羊二十五万、ろば二千、人十万。
22 この戦いは神から出ていたため、多くの者が刺し殺されて倒れたからである。彼らはこの人々に代わって、捕囚の時まで、そこに住んだ。
23 マナセの半部族の人々は、この地、すなわち、バシャンからバアル・ヘルモン、セニル、ヘルモン山に至る地に住み、その数はふえた。
24 彼らの一族のかしらたちは次のとおり。エフェル、イシュイ、エリエル、アズリエル、エレミヤ、ホダブヤ、ヤフディエル。この人たちは、勇士であり、名のある人々であって、彼らの一族のかしらであった。
25 ところが、彼らは、その父祖の神に対して不信の罪を犯し、神が彼らの前からぬぐい去って滅ぼされたその地の民の神々を慕って不貞を犯した。
26 そこで、イスラエルの神は、アッシリヤの王プルの霊と、アッシリヤの王41ティグラテ・ピレセルの霊を奮い立たせられた。それで、彼はルベン人とガド人、およびマナセの半部族を捕らえ移し、彼らをハラフと、ハボルとハラとゴザンの川に連れて行った。今日もそのままである。
1 レビの子は、42ゲルション、ケハテ、メラリ。
2 ケハテの子は、アムラム、イツハル、ヘブロン、ウジエル。
3 アムラムの子は、アロン、モーセ、ミリヤム。アロンの子は、ナダブ、アビフ、エルアザル、イタマル。
4 エルアザルはピネハスを生み、ピネハスはアビシュアを生み、
5 アビシュアはブキを生み、ブキはウジを生み、
6 ウジはゼラヘヤを生み、ゼラヘヤはメラヨテを生み、
7 メラヨテはアマルヤを生み、アマルヤはアヒトブを生み、
8 アヒトブはツァドクを生み、ツァドクはアヒマアツを生み、
9 アヒマアツはアザルヤを生み、アザルヤはヨハナンを生み、
10 ヨハナンはアザルヤを生んだ。これは、ソロモンがエルサレムに建てた宮で、祭司の務めを果たしたアザルヤのことである。
11 アザルヤはアマルヤを生み、アマルヤはアヒトブを生み、
12 アヒトブはツァドクを生み、ツァドクは43シャルムを生み、
13 シャルムはヒルキヤを生み、ヒルキヤはアザルヤを生み、
14 アザルヤはセラヤを生み、セラヤはエホツァダクを生んだ。
15 エホツァダクは、主がネブカデネザルの手によってユダとエルサレムとを捕らえ移したとき、連れ去られた。
16 レビ族は、44ゲルショム、ケハテ、メラリ。
17 ゲルショム族の名は次のとおり。リブニとシムイ。
18 ケハテ族は、アムラム、イツハル、ヘブロン、ウジエル。
19 メラリ族は、マフリ、ムシ。これが父祖の家ごとのレビ人の諸氏族である。
20 ゲルショムに属する者は、その子、リブニ、その子のヤハテ、その子のジマ、
21 その子のヨアフ、その子の45イド、その子のゼラフ、その子のエオテライ。
22 ケハテ族は、その子、アミナダブ、その子のコラ、その子のアシル、
23 その子のエルカナ、その子のエブヤサフ、その子のアシル、
24 その子のタハテ、その子のウリエル、その子のウジヤ、その子のサウル。
25 エルカナの子孫は、アマサイ、アヒモテ。
26 エルカナの46子、エルカナ、その子の47ツォファイ、その子のナハテ、
27 その子の48エリアブ、その子のエロハム、その子のエルカナ。
28 サムエルの子は、長子49ヨエル、次男アビヤ。
29 メラリの子は、マフリ、その子、リブニ、その子のシムイ、その子のウザ、
30 その子のシムア、その子のハギヤ、その子のアサヤ。
31 箱が安置所に納められて後、ダビデが主の宮の歌をつかさどらせるために立てた人々は次のとおりである。
32 彼らはソロモンがエルサレムに主の宮を建てるまでは、会見の天幕である幕屋の前で、歌をもって仕え、おのおのその定めに従って、奉仕を担当した。
33 仕えた者たちとその一族は次のとおりである。ケハテ族からは歌い手ヘマン。彼はヨエルの子、順次さかのぼって、サムエルの子、
34 エルカナの子、エロハムの子、エリエルの子、50トアハの子、
3551ツフの子、エルカナの子、マハテの子、アマサイの子、
36 エルカナの子、ヨエルの子、アザルヤの子、ゼパニヤの子、
37 タハテの子、アシルの子、52エブヤサフの子、コラの子、
38 イツハルの子、ケハテの子、レビの子、イスラエルの子。
39 ヘマンの兄弟アサフは、彼の右に立って仕えた。アサフはベレクヤの子、順次さかのぼって、彼はシムアの子、
40 ミカエルの子、バアセヤの子、マルキヤの子、
41 エテニの子、ゼラフの子、アダヤの子、
42 エタンの子、ジマの子、シムイの子、
43 ヤハテの子、ゲルショムの子、レビの子。
44 左側には、彼らの同胞、メラリ族のエタンがいた。彼は53キシの子、順次さかのぼって、アブディの子、マルクの子、
45 ハシャブヤの子、アマツヤの子、ヒルキヤの子、
46 アムツィの子、バニの子、シェメルの子、
47 マフリの子、ムシの子、メラリの子、レビの子。
48 彼らの同胞のレビ人は、神の宮である幕屋のあらゆる奉仕につけられた。
49 アロンとその子らは、全焼のいけにえの壇と香の壇の上に煙を立ち上らせて、至聖所のすべての仕事に当たり、イスラエルを贖った。すべて、神のしもべモーセが命じたとおりである。
50 アロンの子孫は次のとおりである。その子、エルアザル、その子のピネハス、その子のアビシュア、
51 その子のブキ、その子のウジ、その子のゼラヘヤ、
52 その子のメラヨテ、その子のアマルヤ、その子のアヒトブ、
53 その子のツァドク、その子のアヒマアツ。
54 彼らの居住地はおのおのの地域内の宿営ごとに次のとおりである。ケハテ氏族に属するアロンの子孫には、彼らにくじが当たったので、
55 ユダの地にあるヘブロンとその回りの放牧地を与えた。
56 しかし、この町の畑とその村々は、エフネの子カレブに与えた。
57 アロンの子孫には、のがれの町ヘブロン、それにリブナとその放牧地、ヤティル、エシュテモアとその放牧地、
5854ヒレズとその放牧地、デビルとその放牧地、
5955アシャンとその放牧地、ベテ・シェメシュとその放牧地、
60 ベニヤミン部族から、ゲバとその放牧地、56アレメテとその放牧地、アナトテとその放牧地を与えた。彼らの諸氏族の町は、全部で十三の町であった。
61 残りのケハテ族には、あの半部族、すなわち、マナセの半部族に属する氏族から、くじによって十の町を与えた。
6257ゲルショム族の諸氏族には、イッサカル部族、アシェル部族、ナフタリ部族、バシャンに住むマナセ部族から十三の町を与えた。
63 メラリ族の諸氏族には、ルベン部族、ガド部族、ゼブルン部族から、くじによって十二の町を与えた。
64 イスラエル人は、レビ人に町とその放牧地とを与えるとき、
65 ユダ部族、シメオン部族、ベニヤミン部族から、これらの町々をくじによって与えた。彼らは、その町々の名を読み上げた。
66 ケハテ諸氏族のうちのあるものには、エフライム部族からその地域の町々が与えられた。
67 彼らには、エフライムの山地にあるのがれの町シェケムとその放牧地、それに、ゲゼルとその放牧地、
68 ヨクメアムとその放牧地、ベテ・ホロンとその放牧地、
69 アヤロンとその放牧地、ガテ・リモンとその放牧地を与えた。
70 残りのケハテ族の氏族には、マナセの半部族から、アネルとその放牧地、58バラムとその放牧地を与えた。
71 ゲルショム族には、マナセの半部族に属する氏族から、バシャンのゴランとその放牧地、アシュタロテとその放牧地、
72 イッサカル部族から、ケデシュとその放牧地、ダベラテとその放牧地、
73 ラモテとその放牧地、アネムとその放牧地、
74 アシェル部族から、マシャルとその放牧地、アブドンとその放牧地、
75 フコクとその放牧地、レホブとその放牧地、
76 ナフタリ部族から、ガリラヤにあるケデシュとその放牧地、ハモンとその放牧地、キルヤタイムとその放牧地を与えた。
77 残りのメラリ族には、ゼブルン部族から、59リモノとその放牧地、タボルとその放牧地、
78 エリコからヨルダン川を渡った地方、すなわち、ヨルダン川の東では、ルベン部族から、荒野にあるベツェルとその放牧地、ヤハツとその放牧地、
79 ケデモテとその放牧地、メファアテとその放牧地、
80 ガド部族から、ギルアデのラモテとその放牧地、マハナイムとその放牧地、
81 ヘシュボンとその放牧地、ヤゼルとその放牧地を与えた。
1 イッサカル族の者は、トラ、60プア、ヤシュブ、シムロンの四人。
2 トラの子は、ウジ、レファヤ、エリエル、ヤフマイ、イブサム、シェムエル。これは彼ら一族の、すなわち、トラのかしらであって、彼らの家系の勇士であった。その数はダビデの時代には二万二千六百人であった。
3 ウジの子たちは、イゼラヘヤ。61イゼラヘヤの子たちは、ミカエル、オバデヤ、ヨエル、イシヤ。合わせて五人。彼らはみなかしらであった。
4 この人々に加えて、彼ら一族の者、彼らの家系の者で、戦いに備えた軍隊は三万六千人であった。彼らは多くの妻子を得たからである。
5 イッサカル全氏族の同胞で、系図に載せられた勇士は全部で八万七千人であった。
6 ベニヤミンは、ベラ、ベケル、エディアエルの三人。
7 ベラの子は、エツボン、ウジ、ウジエル、エリモテ、イリの五人。これらは彼ら一族のかしらであり、勇士であった。系図に載せられた者は二万二千三十四人であった。
8 ベケルの子は、ゼミラ、ヨアシュ、エリエゼル、エルヨエナイ、オムリ、エレモテ、アビヤ、アナトテ、アレメテ。これらはみなベケルの子であった。
9 その子孫のうち、彼らの系図に載せられた一族のかしらで勇士である者の数は、二万二百人であった。
10 エディアエルの子たちは、ビルハン。ビルハンの子たちは、エウシュ、ベニヤミン、エフデ、ケナアナ、ゼタン、タルシシュ、アヒシャハル。
11 これらはみなエディアエルの子であった。彼らは、一族のかしらであり勇士であって、一万七千二百人、従軍して戦いに出る者であった。
1262シュピムとフピムは、63イルの子であり、フシムが64アヘルの子であった。
13 ナフタリの子は、65ヤハツィエル、グニ、エツェル、66シャルム。これらはビルハの子であった。
14 マナセの子は、アスリエル、──彼のアラム人のそばめが産んだ。彼女はギルアデの父マキルを産んだ。
15 マキルはフピムとシュピムのために妻をめとった。彼の妹の名をマアカと言った──それから次男の名はツェロフハデ。ツェロフハデには女の子どもたちがあった。
16 マキルの妻マアカは男の子を産み、その名をペレシュと呼んだ。その弟の名はシェレシュであり、その子はウラムとレケムであった。
17 ウラムの子は、ベダン。これらがマナセの子マキルの子ギルアデの子であった。
18 また、彼の妹モレケテは、イシュホデ、67アビエゼル、マフラを産んだ。
19 それから、シェミダの子は、アフヤン、シェケム、リクヒ、アニアムであった。
20 エフライムの子たちは、シュテラフ、その子、ベレデ、その子のタハテ、その子のエルアダ、その子のタハテ、
21 その子のザバデ、その子のシュテラフ。それに、エゼル、エルアデであるが、彼らはこの地の生まれであるガテの人々に殺された。彼らが家畜を奪おうとして下って行ったからである。
22 彼らの父エフライムは、何日もの間、喪に服したので、彼の兄弟たちが来て、彼を慰めた。
23 その後、エフライムは、妻のところに入った。彼女はみごもって男の子を産んだ。彼はその子を68ベリアと名づけた。その家がわざわいのさなかにあったからである。
24 彼の娘はシェエラであった。彼女は上および下ベテ・ホロン、およびウゼン・シェエラを建てた。
25 彼の子はレファフ、レシェフ。その子はテラフ、その子はタハン、
26 その子はラダン、その子はアミフデ、その子はエリシャマ、
27 その子は69ヌン、その子はヨシュア。
28 また、彼らの所有地と居住地は、ベテルとそれに属する村落、東方では70ナアラン、西方ではゲゼルとそれに属する村落、それからシェケムとそれに属する村落、そしてアヤとそれに属する村落に至る。
29 マナセ族との境では、ベテ・シェアンとそれに属する村落、タナクとそれに属する村落、メギドとそれに属する村落、ドルとそれに属する村落であった。これらの地に、イスラエルの子ヨセフの子孫は住んだ。
30 アシェルの子は、イムナ、イシュワ、イシュビ、ベリアと彼らの姉妹セラフ。
31 ベリアの子は、ヘベル、マルキエル。マルキエルはビルザイテの父。
32 ヘベルは、ヤフレテ、ショメル、ホタムと彼らの姉妹シュアを生んだ。
33 ヤフレテの子は、パサク、ビムハル、アシュワテ。これがヤフレテの子らであった。
3471ショメルの子は、アヒ、ロフガ、フバ、アラム。
35 彼の兄弟ヘレムの子は、ツォファフ、イムナ、シェレシュ、アマル。
36 ツォファフの子は、スアハ、ハルネフェル、シュアル、ベリ、イムラ、
37 ベツェル、ホデ、シャマ、シルシャ、イテラン、ベエラ。
38 エテルの子は、エフネ、ピスパ、アラ。
39 ウラの子は、アラフ、ハニエル、リツヤ。
40 これらはみなアシェルの子で、一族のかしら、えり抜きの勇士、長たちのかしらであった。戦いのとき軍務につく者として彼らの系図に載せられた者の数は、二万六千人であった。
1 ベニヤミンは、その長子ベラ、次男アシュベル、三男アフラフ、
2 四男ノハ、五男ラファを生んだ。
3 ベラの子は、72アダル、ゲラ、アビフデ、
4 アビシュア、ナアマン、アホアハ、
5 ゲラ、シェフファンとフラムであった。
6 エフデの子は次のとおりである。──彼らはゲバの住民の一族のかしらで、マナハテに捕らえ移された者たちである。
7 すなわち、この人々を捕らえ移したのはナアマンとアヒヤとゲラである──エフデは、ウザとアヒフデを生んだ。
8 シャハライムは、その妻フシムとバアラを去らせて後、モアブの野で子をもうけた。
9 彼は、その妻ホデシュによって、ヨバブ、ツィブヤ、メシャ、マルカム、
10 エウツ、サケヤ、ミルマを生んだ。これらは彼の子であって、一族のかしらであった。
11 彼はフシムによって、アビトブとエルパアルを生んだ。
12 エルパアルの子は、エベル、ミシュアム、シェメデ、──彼はオノとロデおよびそれに属する村落を建てた──
13 ベリア、シェマ、──彼らはアヤロンの住民の一族のかしらで、ガテの住民を追い払った者。
14 アフヨ、シャシャク、エレモテ、
15 ゼバデヤ、アラデ、エデル、
16 ミカエル、イシュパ、ヨハはベリアの子──
17 ゼバデヤ、メシュラム、ヒズキ、ヘベル、
18 イシュメライ、イズリア、ヨバブ。これらはエルパアルの子であった。
19 ヤキム、ジクリ、ザブディ、
20 エリエナイ、ツィルタイ、エリエル、
21 アダヤ、ベラヤ、シムラテ。これらは73シムイの子であった。
22 イシュパン、エベル、エリエル、
23 アブドン、ジクリ、ハナン、
24 ハナヌヤ、エラム、アヌトティヤ、
25 イフデヤ、ペヌエル。これらはシャシャクの子であった。
26 シャムシェライ、シェハルヤ、アタルヤ、
27 ヤアレシュヤ、エリヤ、ジクリ。これらはエロハムの子であった。
28 これらは、彼らの家系の一族のかしらで、おもだった者たちである。彼らはエルサレムに住んだ。
29 ギブオンにはギブオンの父が住んだ。その妻の名はマアカ。
30 その子は、長子がアブドン、それにツル、キシュ、バアル、ナダブ、
31 ゲドル、アフヨ、74ゼケル。
32 ミクロテは75シムアを生んだ。彼らも、その兄弟たちとともにエルサレムに住み、その兄弟たちのすぐ前にいた。
33 ネルはキシュを生み、キシュはサウルを生み、サウルはヨナタン、マルキ・シュア、76アビナダブ、77エシュバアルを生んだ。
34 ヨナタンの子は78メリブ・バアル。メリブ・バアルはミカを生んだ。
35 ミカの子は、ピトン、メレク、79タアレア、アハズ。
36 アハズは80エホアダを生み、エホアダは、アレメテ、アズマベテ、ジムリを生み、ジムリはモツァを生んだ。
37 モツァはビヌアを生んだ。その子は81ラファ、その子はエルアサ、その子はアツェル。
38 アツェルには六人の子がいた。その名まえは次のとおりである。アズリカム、ボクル、イシュマエル、シェアルヤ、オバデヤ、ハナン。これらはみな、アツェルの子であった。
39 彼の兄弟エシェクの子は、長子がウラム、次男がエウシュ、三男がエリフェレテ。
40 ウラムの子たちは勇士であり、弓を引く人々であった。子や孫が多く、百五十人であった。以上はみな、ベニヤミン族の者であった。
1 全イスラエルは系図に載せられた。それはイスラエルの王たちの書にまさしくしるされている。ユダは、不信の罪のために、バビロンに捕らえ移されていた。
2 ところで、彼らの所有地である彼らの町々に最初に住みついたのは、イスラエル、祭司たち、レビ人および宮に仕えるしもべたちであった。
3 エルサレムには、ユダ族、ベニヤミン族、エフライムおよびマナセ族の者が住みついた。
4 すなわち、ウタイ。彼はアミフデの子、順次さかのぼって、オムリの子、イムリの子、バニの子、バニはユダの子ペレツの子孫である。
5 シェラ人からは、長子アサヤとその子孫。
6 ゼラフ族からは、エウエルとその同族、六百九十人。
7 ベニヤミン族からは、サル、彼はセヌアの子ホダブヤの子メシュラムの子。
8 それにエロハムの子イブネヤ。ミクリの子ウジの子エラ。シェファテヤの子メシュラ。シェファテヤはイブニヤの子レウエルの子である。
9 彼らの家系の同族九百五十六人。これはみな、父祖の家ごとの一族のかしらに当たる人々であった。
10祭司たちからは、エダヤ、エホヤリブ、ヤキン、
1182アザルヤ。彼はヒルキヤの子、順次さかのぼって、メシュラムの子、ツァドクの子、メラヨテの子、神の宮のつかさアヒトブの子。
12 アダヤ。彼はマルキヤの子パシュフルの子エロハムの子。マサイ。彼はアディエルの子、順次さかのぼって、ヤフゼラの子、メシュラムの子、メシレミテの子、イメルの子。
13 彼らの同族で一族のかしらたち、千七百六十人。彼らは神の宮の奉仕の仕事に熟練した、力のある人々であった。
14 レビ人からは、メラリ族のハシャブヤの子アズリカムの子ハシュブの子シェマヤ。
15 それにバクバカル、ヘレシュ、ガラル、マタヌヤ、彼はアサフの子83ジクリの子ミカの子。
1684オバデヤ。彼はエドトンの子ガラルの子85シェマヤの子。それにベレクヤ。彼はネトファ人の村々に住んだエルカナの子アサの子。
17門衛はシャルム、アクブ、タルモン、アヒマンで、彼らの兄弟シャルムがかしらであった。
18 彼は今日に至るまで、東方にある王の門にいる。この人々はレビ族の宿営の門衛であった。
19 コラの子86エブヤサフの子コレの子シャルム、その父の家に属する彼の兄弟たち、すなわちコラ人は、その奉仕の仕事につき、天幕の入口を守る者となった。彼らの一族は主の宿営をつかさどり、その門口を守る者であった。
20 かつてはエルアザルの子ピネハスが彼らのつかさであり、主は彼とともにおられた。
2187メシェレムヤの子ゼカリヤは会見の天幕の戸口を守る門衛であった。
22 入口にいる門衛として選ばれたこれらの人々は、全部で二百十二人であった。彼らは、彼らの村々で系図に載せられた。ダビデと予見者サムエルが彼らの職責を定めたのである。
23 彼らとその子らは、守衛として主の宮すなわち天幕の家の門をつかさどった。
24 四方、すなわち、東方、西方、北方、南方に門衛がいた。
25 彼らの村々の同胞は、七日目ごとに来て、決まった時から決まった時まで彼らとともにいなければならなかった。
26 その職責では、彼らは、門衛の勇士たちの四人で、レビ人であり、脇部屋および神の宮の宝物倉をつかさどった。
27 彼らは神の宮の回りで夜を過ごした。彼らには任務が課せられており、彼らは朝ごとにかぎをあけた。
28 彼らの中のある者は、務めの器具をつかさどった。数を合わせてこれらを運び入れ、数を合わせてこれらを運び出した。
29 彼らの中のある者は、器具、すなわち聖所のすべての器具と、小麦粉、ぶどう酒、油、乳香、バルサム油の管理を割り当てられた。
30祭司の子の中には、バルサム油の香料を調合する者たちもいた。
31 レビ人のひとり、コラ人シャルムの長男マティテヤは、その職責として手なべの仕事をつかさどった。
32 また、ケハテ族の彼らの同胞のうちには、並べ供えるパンをつかさどり、安息日ごとにこれを用意する者たちもいた。
33 この人々は歌うたいであって、レビ人の一族のかしらであり、各部屋にいて、自由にされていた。昼となく夜となく彼らはその仕事に携わったからである。
34 この人々は、レビ人の一族のかしらであって、その家系のうちのおもだった者であった。この人々はエルサレムに住んだ。
35 ギブオンにはギブオンの父エイエルが住んだ。その妻の名はマアカ。
36 その子は、長子がアブドン、それにツル、キシュ、バアル、ネル、ナダブ、
37 ゲドル、アフヨ、88ゼカリヤ、ミクロテ。
38 ミクロテはシムアムを生んだ。彼らも、その兄弟たちとともにエルサレムに住み、その兄弟たちのすぐ前にいた。
39 ネルはキシュを生み、キシュはサウルを生み、サウルはヨナタン、マルキ・シュア、アビナダブ、89エシュバアルを生んだ。
40 ヨナタンの子はメリブ・バアル。90メリブ・バアルはミカを生んだ。
41 ミカの子は、ピトン、メレク、91タフレア。
42 アハズは92ヤラを生み、ヤラは、アレメテ、アズマベテ、ジムリを生み、ジムリはモツァを生んだ。
43 モツァはビヌアを生んだ。その子は93レファヤ、その子はエルアサ、その子はアツェル。
44 アツェルには六人の子がいた。その名まえは次のとおりである。アズリカム、ボクル、イシュマエル、シェアルヤ、オバデヤ、ハナン。これらはアツェルの子であった。
1 ペリシテ人はイスラエルと戦った。そのときイスラエル人は、ペリシテ人の前から逃げ、ギルボア山で刺し殺されて倒れた。
2 ペリシテ人はサウルとその息子たちに追い迫って、サウルの息子ヨナタン、アビナダブ、マルキ・シュアを打ち殺した。
3攻撃はサウルに集中し、射手たちが彼をねらい撃ちにしたので、彼は射手たちのために傷を負った。
4 サウルは、道具持ちに言った。「おまえの剣を抜いて、それで私を刺し殺してくれ。あの割礼を受けていない者どもがやって来て、私をなぶり者にするといけないから。」しかし、道具持ちは、非常に恐れて、とてもその気になれなかった。そこで、サウルは剣を取り、その上にうつぶせに倒れた。
5 道具持ちも、サウルの死んだのを見届けると、剣の上にうつぶせに倒れて死んだ。
6 こうしてサウルは死に、彼の三人の息子も、彼の全家も、共に死んだ。
7 谷にいたイスラエル人はみな、彼らが逃げ、サウルとその息子たちが死んだのを見て、彼らの町々を捨てて逃げた。それで、ペリシテ人がやって来て、そこに住んだ。
8翌日、ペリシテ人が、その殺した者たちからはぎ取ろうとしてやって来たとき、サウルとその息子たちがギルボア山で倒れているのを見つけた。
9 彼らは、彼の衣服をはぎ取り、彼の首と彼の武具を取った。そしてペリシテ人の地にあまねく人を送って、彼らの偶像と民とに告げ知らせた。
10 彼らはサウルの武具を彼らの神々の宮に奉納し、彼の首をダゴンの宮にさらした。
11 全ヤベシュ・ギルアデが、ペリシテ人のサウルに対するしうちをことごとく聞いたとき、
12 勇士たちはみな、立ち上がり、サウルのなきがらとその息子たちのなきがらとを取り上げ、これをヤベシュに運んで、彼らの骨をヤベシュにある樫の木の下に葬り、七日間、断食した。
13 このように、サウルは主に逆らったみずからの不信の罪のために死んだ。主のことばを守らず、そのうえ、霊媒によって伺いを立て、
14主に尋ねなかった。それで、主は彼を殺し、王位をエッサイの子ダビデに回された。
1 全イスラエルは、ヘブロンのダビデのもとに集まって来て言った。「ご覧のとおり、私たちはあなたの骨肉です。
2 これまで、サウルが王であった時でさえ、イスラエルを動かしていたのは、あなたでした。しかもあなたの神、主は、あなたに言われました。『あなたがわたしの民イスラエルを牧し、あなたがわたしの民イスラエルの君主となる。』」
3 イスラエルの全長老がヘブロンの王のもとに来たとき、ダビデは、ヘブロンで主の前に彼らと契約を結び、彼らは、サムエルによる主のことばのとおりに、ダビデに油をそそいでイスラエルの王とした。
4 ダビデと全イスラエルがエルサレム──それはエブスのことで、そこには、この地の住民エブス人がいた──に行ったとき、
5 エブスの住民はダビデに言った。「あなたはここに来ることはできない。」しかし、ダビデはシオンの要害を攻め取った。これがダビデの町である。
6 そのとき、ダビデは言った。「だれでも真っ先にエブス人を打つ者をかしらとし、つかさとしよう。」ツェルヤの子ヨアブが真っ先に上って行ったので、彼がかしらとなった。
7 こうしてダビデはこの要害を住まいとした。このため、これはダビデの町と呼ばれた。
8 彼は、ミロから周辺に至るまで、町の周囲を建て上げ、町の他の部分はヨアブが再建した。
9 ダビデはますます大いなる者となり、万軍の主が彼とともにおられた。
10 ダビデの勇士のかしらたちは次のとおりである。彼らは、彼とともに全イスラエルに対する彼の王権を強固にし、イスラエルについての主のことばのとおりに、彼を王とした人々である。
11 ダビデの勇士たちの名簿は次のとおりである。補佐官のかしら、ハクモニの子ヤショブアム。彼は槍をふるって一度に三百人を刺し殺した。
12 彼の次は、アホアハ人ドドの子エルアザル。彼は三勇士のひとりであった。
13 彼はダビデとともにパス・ダミムにいた。ペリシテ人はそこに集まって来て戦いをいどんだ。そこには大麦の密生した一つの畑があり、民はペリシテ人の前から逃げたが、
14 彼らはその畑の真ん中に踏みとどまって、これを救い、ペリシテ人を打ち殺した。こうして、主は大勝利を収められた。
15 三十人のうちのこの三人は、岩場にあるアドラムのほら穴にいるダビデのところに下って来た。ペリシテ人の陣営は、レファイムの谷に張られていた。
16 そのとき、ダビデは要害におり、ペリシテ人の守備隊長はそのとき、ベツレヘムにいた。
17 ダビデはしきりに望んで言った。「だれか、ベツレヘムの門にある井戸の水を飲ませてくれたらなあ。」
18 すると、この三人は、ペリシテ人の陣営を突き抜けて、ベツレヘムの門にある井戸から水を汲み、それを携えてダビデのところに持って来た。ダビデはそれを飲もうとはせず、それを注いで主にささげて、
19 言った。「そんなことをするなど、わが神の御前に、絶対にできません。これらいのちをかけた人たちの血が、私に飲めましょうか。彼らはいのちをかけてこれを運んで来たのです。」彼は、それを飲もうとはしなかった。三勇士は、このようなことをしたのである。
20 ヨアブの兄弟94アブシャイ、彼は三人のかしらであった。彼は槍をふるって三百人に向かい、これを刺し殺したが、あの三人の中には、その名がなかった。
21 彼は三人の中で95最も誉れが高かった。そこで彼らの長になった。しかし、あの三人には及ばなかった。
22 エホヤダの子ベナヤは、カブツェエルの出で、多くのてがらを立てた力ある人であった。彼は、モアブのふたりの英雄を打ち殺した。また、ある雪の日に、ほら穴の中に降りて行って雄獅子を打ち殺した。
23 彼はまた、あのエジプト人──背の高い男で、五96キュビトあった──を打ち殺した。このエジプト人は、手に機織りの巻き棒に似た槍を持っていた。彼は杖を持ってその男のところに下って行き、エジプト人の手から槍をもぎ取って、その槍で彼を殺した。
24 エホヤダの子ベナヤは、これらのことをして、三勇士とともに名をあげた。
25 彼は、実に、あの三十人の中で最も誉れが高かったが、あの三人には及ばなかった。ダビデは彼を自分の護衛長にした。
26 勇士たちは、ヨアブの兄弟アサエル。ベツレヘムの出のドドの子エルハナン。
27 ハロリ人シャモテ。ペロニ人ヘレツ。
28 テコア人イケシュの子イラ。アナトテ人アビエゼル。
29 フシャ人シベカイ。アホアハ人イライ。
30 ネトファ人マフライ。ネトファ人バアナの子ヘレデ。
31 ギブアの出のベニヤミン族リバイの子イタイ。ピルアトン人ベナヤ。
32 ガアシュの谷の出のフライ。アラバ人アビエル。
33 バハルム人アズマベテ。シャアルビム人エルヤフバ。
34 ギゾ人ハシェムの子ら。ハラル人シャゲの子ヨナタン。
35 ハラル人サカルの子アヒアム。ウルの子エリファル。
36 メケラ人ヘフェル。ペロニ人アヒヤ。
37 カルメル人ヘツロ。エズバイの子ナアライ。
38 ナタンの兄弟ヨエル。ハグリの子ミブハル。
39 アモン人ツェレク。ツェルヤの子ヨアブの道具持ち97ベロテ人ナフライ。
40 エテル人イラ。エテル人ガレブ。
41 ヘテ人ウリヤ。アフライの子ザバデ。
42 ルベン人シザの子アディナ、すなわちルベン人のかしらで、98三十人の上に立つ者であった。
43 マアカの子ハナン。ミテニ人ヨシャパテ。
44 アシュタロテ人ウジヤ。アロエル人ホタムの子らシャマとエイエル。
45 ティツ人シムリの子エディアエルとその兄弟ヨハ。
46 マハビム人エリエル。エルナアムの子らエリバイとヨシャブヤ。モアブ人イテマ。
47 エリエル、オベデ。それにメツォバヤ人ヤアシエル。
1 ダビデがキシュの子サウルのゆえに、まだツィケラグに引きこもっていたとき、ツィケラグの彼のもとに来た人々は次のとおりである。彼らは勇士たちの中で、戦いの加勢をした人々であり、
2 弓を持った者、石投げ、弓矢に、右手も左手も使う者で、サウルの同族、ベニヤミンの出であった。
3 かしらはアヒエゼル、次はヨアシュ。彼らはギブア人シェマアの子。エジエル、ペレテ。彼らはアズマベテの子。次にベラカとアナトテ人エフー。
4 ギブオン人イシュマヤ、彼は三十人の中の勇士で、三十人の長であった。
次に、エレミヤ、ヤハジエル、ヨハナン、ゲデラ人エホザバデ、
5 エルウザイ、エリモテ、ベアルヤ、シェマルヤ、ハリフ人シェファテヤ、
6 エルカナ、イシヤ、アザルエル、ヨエゼル、ヤショブアム。これらはコラ人である。
7 ヨエラ、ゼバデヤ。これらはゲドルから出たエロハムの子らである。
8 また、ガド人から離れて、荒野の要害をさしてダビデのもとに来た人々は、勇士であって戦いのために従軍している人であり、大盾と槍の備えのある者であった。彼らの顔は獅子の顔で、早く走ることは、山のかもしかのようであった。
9 そのかしらはエゼル。第二はオバデヤ。第三はエリアブ。
10 第四はミシュマナ。第五はエレミヤ。
11 第六はアタイ。第七はエリエル。
12 第八はヨハナン。第九はエルザバデ。
13 第十はエレミヤ。第十一はマクバナイ。
14 これらはガド族から出た軍のかしらたちで、その最も小さい者もひとりが百人に匹敵し、最も大いなる者は千人に匹敵した。
15 この人々は、第一の月、すなわちヨルダン川がどこの岸もいっぱいにあふれるとき、これを渡った者たちである。彼らは谷にいた人々を全部、東に西に追い払った。
16 さらに、ベニヤミン族とユダ族からも、要害のダビデのもとに来た者があった。
17 そこで、ダビデは彼らの前に出て行き、彼らに答えて言った。「もし、あなたがたが穏やかな心で、私を助けるために私のもとに来たのなら、私の心はあなたがたと一つだ。もし、私の手に暴虐がないのに、私を欺いて、私の敵に渡すためなら、私たちの父祖の神が見て、おさばきくださるように。」
18 そのとき、御霊が補佐官の長アマサイを捕らえた。
「ダビデよ。私たちはあなたの味方。
エッサイの子よ。
私たちはあなたとともにいる。
平安があるように。
あなたに平安があるように。
あなたを助ける者に平安があるように。
まことにあなたの神はあなたを助ける。」
そこで、ダビデは彼らを受け入れ、隊のかしらとした。
19 ダビデがペリシテ人とともに、サウルとの戦いに出たとき、マナセからも、何人かの者がダビデをたよって来た。しかし、彼らはペリシテ人を助けなかった。ペリシテ人の領主たちが、「彼はわれわれの首を持って、主君サウルのもとに下って行くのだ」と言い、わざわざ彼を送り返したからである。
20 彼がツィケラグに行ったとき、マナセからアデナフ、エホザバデ、エディアエル、ミカエル、エホザバデ、エリフ、ツィルタイが彼をたよって来た。彼らは、マナセに属する千人隊のかしらであった。
21 彼らはダビデを助けて、あの略奪隊に当たった。みな勇士であり、将軍であった。
22 日に日に、人々がダビデを助けるため彼のもとに来て、ついに神の陣営のような大陣営となった。
23主のことばのとおり、サウルの支配をダビデに回そうと、ヘブロンにいるダビデのもとに来た、武装した者のかしらの数は次のとおりである。
24 ユダ族で、大盾と槍を手にし武装した者六千八百人。
25 シメオン族から軍務につく勇士七千百人。
26 レビ族から四千六百人。
27 エホヤダはアロンのつかさで、彼とともにいた者は三千七百人。
28 ツァドクは若い勇士で、その一族には二十二人のつかさがいた。
29 サウルの同胞、ベニヤミン族から三千人。これまで、彼らの大多数は、サウルの家の任務についていた。
30 エフライム族から二万八百人。勇士で、その一族に名のある人々であった。
31 マナセの半部族から、ダビデを王にしようとしてやって来た名の示された者一万八千人。
32 イッサカル族から、時を悟り、イスラエルが何をなすべきかを知っている彼らのかしら二百人。彼らの同胞はみな、彼らの命令に従った。
33 ゼブルンから、従軍する者で、完全に武装し、戦いの備えをした者五万人。彼らは心を一つにして集まった。
34 ナフタリから、つかさ一千人。彼らのもとに、大盾と槍を持つ者三万七千人。
35 ダン人から、戦いの備えをした者二万八千六百人。
36 アシェルから、従軍する者で、戦いの備えをした者四万人。
37 ヨルダン川の向こう側、ルベン人、ガド人、マナセの半部族から、戦いのために完全軍装をした者十二万人。
38誠実な心で、並び集まったこれらの戦士たちは、ヘブロンに来て、ダビデを全イスラエルの王にした。イスラエルの残りの者たちもまた、心を一つにしてダビデを王にした。
39 彼らはそこに、ダビデとともに三日間とどまり、飲み食いした。彼らの兄弟たちが彼らのために用意したからである。
40 彼らに近い者たちも、イッサカル、ゼブルン、ナフタリに至るまで、ろば、らくだ、騾馬、牛に載せて食べ物を運んで来た。小麦粉の菓子、干しいちじく、干しぶどう、ぶどう酒、油、牛、羊などがたくさん運ばれた。イスラエルに喜びがあったからである。
1 ここに、ダビデは千人隊の長、百人隊の長たち、すべての隊長と合議し、
2 イスラエルの全集団に向かって、言った。「もしも、このことが、あなたがたによく、私たちの神、主の御旨から出たことなら、イスラエル全土に残っている私たちの同胞にいっせいに使者を送ろう。彼らのうちには、放牧地のある町々の祭司やレビ人もいる。彼らを私たちのもとに集めよう。
3 私たちの神の箱を私たちのもとに持ち帰ろう。私たちは、サウルの時代には、これを顧みなかったから。」
4 すると全集団は、そうしようと言った。すべての民がそのことを正しいと見たからである。
5 そこで、ダビデは、神の箱をキルヤテ・エアリムから運ぶため、エジプトのシホルから99レボ・ハマテに至るまでの全イスラエルを召集した。
6 ダビデと全イスラエルは、バアラ、すなわち、ユダに属するキルヤテ・エアリムに上って行き、そこから、「ケルビムに座しておられる主」と呼ばれていた神の箱を運び上ろうとした。
7 そこで彼らはアビナダブの家から神の箱を新しい車に載せた。ウザとアフヨがその車を御していた。
8 ダビデと全イスラエルは、歌を歌い、立琴、十弦の琴、タンバリン、シンバル、ラッパを鳴らして、神の前で力の限り喜び踊った。
9 こうして彼らがキドンの打ち場まで来たとき、ウザは手を伸ばして、箱を押さえた。牛がそれをひっくり返しそうになったからである。
10 すると、主の怒りがウザに向かって燃え上がり、彼を打った。彼が手を箱に伸べたからである。彼はその場で神の前に死んだ。
11 ダビデの心は激した。ウザによる割りこみに主が怒りを発せられたからである。それでその場所は100ペレツ・ウザと呼ばれた。今日もそうである。
12 その日ダビデは神を恐れて言った。「私はどうして、私のところに神の箱をお運びできましょうか。」
13 そこで、ダビデは箱を彼のところダビデの町には移さず、ガテ人オベデ・エドムの家にそれを回した。
14 このようにして、神の箱はオベデ・エドムの家族とともに、彼の家に三か月間とどまった。主はオベデ・エドムの家と、彼に属するすべてのものを祝福された。
1 ツロの王ヒラムは、ダビデのもとに使者を送り、ダビデの王宮を建てるために杉材、石工、大工を送った。
2 ダビデは、主が彼をイスラエルの王として堅く立て、主の民イスラエルのために、彼の王権がいよいよ盛んにされているのを知った。
3 ダビデはエルサレムで、さらに妻たちをめとった。ダビデはさらに、息子、娘たちを生んだ。
4 エルサレムで彼に生まれた子の名は次のとおり。シャムア、ショバブ、ナタン、ソロモン、
6 ノガハ、ネフェグ、ヤフィア、
7 エリシャマ、103ベエルヤダ、エリフェレテ。
8 ペリシテ人は、ダビデが油をそそがれて全イスラエルの王となったことを聞いた。そこでペリシテ人はみな、ダビデをねらって上って来た。ダビデはそれと聞き、彼らを迎え撃ちに出た。
9 ペリシテ人は来て、レファイムの谷間に突入した。
10 そこで、ダビデは神に伺って言った。「ペリシテ人を攻めに上るべきでしょうか。彼らを私の手に渡してくださるでしょうか。」すると主は彼に仰せられた。「上れ。わたしは彼らをあなたの手に渡す。」
11 それで、みなはバアル・ペラツィムに上り、ダビデはそこで彼らを打った。そして、ダビデは言った。「神は、水が破れ出るように、私の手を用いて私の敵を破られた。」それゆえ、その場所の名はバアル・104ペラツィムと呼ばれた。
12 彼らが自分たちの神々を置き去りにして行ったので、ダビデは命じて、これを火で焼いた。
13 ところがペリシテ人は、なおもまたその谷間に突入して来た。
14 そこで、ダビデがさらに神に伺ったところ、神は彼に仰せられた。「彼らを追って上って行くな。彼らには面と向かわず、回って行き、バルサム樹の林の前から彼らに向かえ。
15 バルサム樹の林の上から行進の音が聞こえたら、そのとき、あなたは戦いに行け。神はすでに、ペリシテ人の陣営を打つために、あなたより先に出ているから。」
16 ダビデは、神が彼に命じたとおりにし、彼らはギブオンからゲゼルまでのペリシテ人の陣営を打った。
17 こうして、ダビデの名声はあまねく全地に及んだ。主はすべての国々に、彼に対する恐怖を起こされた。
1 彼はダビデの町に自分のために家を造り、また、神の箱のために場所を定め、そのために天幕を張った。
2 そのとき、ダビデは言った。「レビ人でなければ、神の箱をかついではならない。主は、主の箱をかつがせ、とこしえまでも、ご自身に仕えさせるために、彼らを選ばれたからである。」
3 ダビデは全イスラエルをエルサレムに呼び出して、主の箱を定めておいた場所へ運び上らせようとした。
4 そこで、ダビデは、アロンの子らとレビ人とを集めた。
5 ケハテ族から、そのつかさウリエルと、彼の同族の者百二十人。
6 メラリ族から、そのつかさアサヤと、彼の同族の者二百二十人。
7105ゲルショム族から、そのつかさヨエルと、彼の同族の者百三十人。
8 エリツァファン族から、そのつかさシェマヤと、彼の同族の者二百人。
9 ヘブロン族から、そのつかさエリエルと、彼の同族の者八十人。
10 ウジエル族から、そのつかさアミナダブと、彼の同族の者百十二人。
11 ダビデは祭司ツァドクとエブヤタル、それにレビ人たち、ウリエルとアサヤ、ヨエルとシェマヤ、エリエル、アミナダブを呼び、
12 彼らに言った。「あなたがたはレビ人の家のかしらです。あなたがた自身も、あなたがたの同族の者たちも、身を聖別し、イスラエルの神、主の箱を、私がそのために定めておいた所に運び上りなさい。
13 最初の時には、あなたがたがいなかったため、私たちの神、主が、私たちに怒りを発せられたのです。私たちがこの方を定めのとおりに求めなかったからです。」
14 そこで、祭司たちとレビ人たちは、イスラエルの神、主の箱を運び上るために身を聖別した。
15 そして、レビ族は、モーセが主のことばに従って命じたとおり、神の箱をにない棒で肩にかついだ。
16 ここに、ダビデはレビ人のつかさたちに、彼らの同族の者たちを十弦の琴、立琴、シンバルなどの楽器を使う歌うたいとして立て、喜びの声をあげて歌わせるよう命じた。
17 そこで、レビ人は、ヨエルの子ヘマン、彼の同族からベレクヤの子アサフ、メラリ族から彼らの同族106クシャヤの子エタンを立てた。
18 第二の部類に属する彼らの同族の者たちも、彼らとともにいた。すなわち、ゼカリヤ、ベン、ヤアジエル、シェミラモテ、エヒエル、ウニ、エリアブ、ベナヤ、マアセヤ、マティテヤ、エリフェレフ、ミクネヤ、門衛オベデ・エドムとエイエル。
19 歌うたいは、ヘマン、アサフ、エタン。彼らは青銅のシンバルを用いて歌った。
20 ゼカリヤ、アジエル、シェミラモテ、エヒエル、ウニ、エリアブ、マアセヤ、ベナヤは、十弦の琴を用いてアラモテに合わせた。
21 マティテヤ、エリフェレフ、ミクネヤ、オベデ・エドム、エイエル、アザズヤは、八弦の立琴に合わせて指揮した。
22 レビ人のつかさケナヌヤは荷物の係りで、荷物のことを指図した。彼はそれに通じていたからである。
23 ベレクヤとエルカナは、箱を守る門衛であった。
24祭司たち、すなわち、シェバヌヤ、ヨシャパテ、ネタヌエル、アマサイ、ゼカリヤ、ベナヤ、エリエゼルは、神の箱の前でラッパを吹き鳴らす者、オベデ・エドムとエヒヤは箱を守る門衛であった。
25 こうして、ダビデとイスラエルの長老たち、千人隊の長たちは行って、喜びをもって主の契約の箱をオベデ・エドムの家から運び上ろうとした。
26 神が、主の契約の箱をかつぐレビ人を助けられたとき、彼らは七頭の雄牛と七頭の雄羊とをいけにえとしてささげた。
27 ダビデは白亜麻布の衣を身にまとっていた。箱をかつぐすべてのレビ人、歌うたいたち、荷物係長ケナヌヤ、歌うたいたちも、同様であった。ダビデは亜麻布のエポデを着けていた。
28 全イスラエルは、歓声をあげ、角笛、ラッパ、シンバルを鳴らし、十弦の琴と立琴とを響かせて、主の契約の箱を運び上った。
29 こうして、主の契約の箱はダビデの町に入った。サウルの娘ミカルは、窓から見おろし、ダビデ王がとびはねて喜び踊っているのを見て、心の中で彼をさげすんだ。
1 こうして、彼らは、神の箱を運び込み、ダビデがそのために張った天幕の真ん中に安置した。それから、彼らは神の前に、全焼のいけにえと和解のいけにえをささげた。
2 ダビデは、全焼のいけにえと和解のいけにえをささげ終えてから、主の名によって民を祝福した。
3 そしてイスラエルのひとりひとりみなに、男にも女にも、それぞれ、丸型のパン、なつめやしの菓子、干しぶどうの菓子を分け与えた。
4 それから、レビ人の中のある者たちを、主の箱の前で仕えさせ、イスラエルの神、主を覚えて感謝し、ほめたたえるようにした。
5 かしらはアサフ、彼に次ぐ者は、ゼカリヤ、エイエル、シェミラモテ、エヒエル、マティテヤ、エリアブ、ベナヤ、オベデ・エドム、エイエル。彼らは十弦の琴や、立琴などの楽器を携え、アサフはシンバルを響かせた。
6祭司ベナヤとヤハジエルは、ラッパを携え、常に神の契約の箱の前にいた。
7 その日その時、ダビデは初めてアサフとその兄弟たちを用いて、主をほめたたえた。
8 主に感謝して、御名を呼び求めよ。
そのみわざを国々の民の中に知らせよ。
9 主に歌え。主にほめ歌を歌え。
そのすべての奇しいみわざに思いを潜めよ。
10 主の聖なる名を誇りとせよ。
主を慕い求める者の心を喜ばせよ。
11 主とその御力を尋ね求めよ。
絶えず御顔を慕い求めよ。
12 主が行われた奇しいみわざを思い起こせ。
その奇蹟と御口のさばきとを。
13 主のしもべイスラエルのすえよ。
主に選ばれた者、ヤコブの子らよ。
14 この方こそ、私たちの神、主。
そのさばきは全地にわたる。
15 覚えよ。
主の契約をとこしえに。
お命じになったみことばは千代にも及ぶ。
16 その契約はアブラハムと結んだもの、
イサクへの誓い。
17 主はヤコブのためにそれをおきてとして立て、
イスラエルに対する永遠の契約とされた。
18 そのとき主は仰せられた。
「わたしはあなたがたの相続地として
あなたに、カナンの地を与える。」
19 そのころ、あなたがたの数は少なかった。
まことにわずかで、そのうえそこでは、
寄留の他国人であった。
20 彼らは、国から国へ、
一つの王国から他の民へと渡り歩いた。
21 しかし主は、だれにも彼らをしいたげさせず、
かえって、彼らのために王たちを責められた。
22 「わたしの油そそがれた者たちに触れるな。
わたしの預言者たちに危害を加えるな。」
23 全地よ。主に歌え。
日から日へと、
御救いの良い知らせを告げよ。
24 主の栄光を国々の中で語り告げよ。
その奇しいみわざを、すべての国々の民の中で。
25 まことに主は大いなる方、
大いに賛美されるべき方。
すべての神々にまさって恐れられる方だ。
26 まことに、国々の民の神々はみな、むなしい。
しかし主は天をお造りになった。
27 尊厳と威光は御前にあり、
力と歓喜はみもとにある。
28 国々の民の諸族よ。主にささげよ。
栄光と力を主にささげよ。
29 御名の栄光を主にささげよ。
ささげ物を携えて、御前に行け。
聖なる飾り物を着けて、主にひれ伏せ。
30 全地よ。主の御前に、おののけ。
まことに、世界は堅く建てられ、
揺らぐことはない。
31 天は喜び、地は、こおどりせよ。
国々の中で言え。主は王である。
32 海とそれに満ちているものは鳴りとどろけ。
野とその中にあるものはみな、勝ち誇れ。
33 そのとき、森の木々も、
主の御前で、喜び歌おう。
確かに、主は地をさばくために来られる。
34 主に感謝せよ。
主はまことにいつくしみ深い。
その恵みはとこしえまで。
35 言え。
「私たちの救いの神よ。
私たちをお救いください。
国々から私たちを集め、
私たちを救い出してください。
あなたの聖なる御名に感謝し、
あなたの誉れを誇るために。」
36 ほむべきかな。イスラエルの神、主。
とこしえから、とこしえまで。
それから、すべての民はアーメンと言い、主をほめたたえた。
37 彼は、その場所、すなわち、主の契約の箱の前に、アサフとその兄弟たちをとどめておき、毎日の日課として、常に箱の前で仕えさせた。
38 オベデ・エドムと彼らの兄弟たちは六十八人いたが、エドトンの子オベデ・エドムとホサを門衛とした。
39祭司ツァドクと彼の兄弟である祭司たちを、ギブオンの高き所にある主の住まいの前におらせ、
40全焼のいけにえを、朝ごと、夕ごとに、絶えず、また、すべて主のイスラエルに命じた律法に書かれているとおりに、全焼のいけにえの壇上で、主にささげさせた。
41 彼らとともにヘマン、エドトン、その他、はっきりと名の示された者で、選ばれた者たちを置き、主をほめたたえさせた。「まことに主の恵みは、とこしえまで。」
42 ヘマンとエドトンの手には、歌う者たちのためにラッパとシンバルとがあり、また、神の歌に用いる楽器があった。また、エドトンの子らは門にいた。
43民がみなそれぞれ自分の家に帰ってから、ダビデは自分の家族を祝福するために戻って行った。
1 ダビデが自分の家に住んでいたとき、ダビデは預言者ナタンに言った。「ご覧のように、この私が杉材の家に住んでいるのに、主の契約の箱は天幕の下にあります。」
2 すると、ナタンはダビデに言った。「あなたの心にあることをみな行いなさい。神があなたとともにおられるのですから。」
3 その夜のことである。次のような神のことばがナタンにあった。
4 「行って、わたしのしもべダビデに言え。
主はこう仰せられる。あなたはわたしのために住む家を建ててはならない。
5 わたしは、イスラエルを導き上った日以来、今日まで、家に住んだことはなく、天幕から天幕に、幕屋から107幕屋にいた。
6 わたしが全イスラエルと歩んできたどんな所ででも、わたしの民を牧せよとわたしが命じたイスラエルのさばきつかさのひとりにでも、『なぜ、あなたがたはわたしのために杉材の家を建てなかったのか』と、一度でも、言ったことがあろうか。
7 今、わたしのしもべダビデにこう言え。
万軍の主はこう仰せられる。わたしはあなたを、羊の群れを追う牧場からとり、わたしの民イスラエルの君主とした。
8 そして、あなたがどこに行っても、あなたとともにおり、あなたの前で、あなたのすべての敵を断ち滅ぼした。わたしは地上の大いなる者の名に等しい名をあなたに与える。
9 わたしが、わたしの民イスラエルのために一つの場所を定め、民を108住みつかせ、民がその所に住むなら、もはや民は恐れおののくことはない。不正な者たちも、初めのころのように、重ねて民を押さえつけることはない。
10 それは、わたしが、わたしの民イスラエルの上にさばきつかさを任命したころのことである。わたしはあなたのすべての敵を屈服させる。わたしはあなたに告げる。『主があなたのために一つの家を建てる。』
11 あなたの日数が満ち、あなたがあなたの先祖たちのもとに行くようになるなら、わたしは、あなたの息子の中から、あなたの世継ぎの子を、あなたのあとに起こし、彼の王国を確立させる。
12 彼はわたしのために一つの家を建て、わたしはその王座をとこしえまでも堅く立てる。
13 わたしは彼にとって父となり、彼はわたしにとって子となる。わたしはわたしの恵みをあなたの先にいた者から取り去ったが、わたしの恵みをそのように、彼から取り去ることはない。
14 わたしは、彼をわたしの家とわたしの王国の中に、とこしえまでも立たせる。彼の王座は、とこしえまでも堅く立つ。」
15 ナタンはこれらすべてのことばと、これらすべての幻とを、そのままダビデに告げた。
16 ダビデ王は行って、主の前に座し、そして言った。「神、主よ。私がいったい何者であり、私の家が何であるからというので、あなたはここまで私を導いてくださったのですか。
17 神よ。この私はあなたの御目には取るに足りない者でしたのに、あなたは、このしもべの家について、はるか先のことまで告げてくださいました。神、主よ。あなたは私を、高い者として見ておられます。
18 このしもべに誉れを与えてくださったことについて、ダビデはこのうえあなたに向かって何をつけ加えることができましょう。あなたはこのしもべをよくご存じです。
19主よ。あなたは、このしもべのために、あなたのみこころのままに、この大いなることのすべてを行い、この大いなることをすべて知らせてくださいました。
20主よ。私たちの耳に入るすべてについて、あなたのような方はほかになく、あなたのほかに神はありません。
21 また、地上のどの国民があなたの民イスラエルのようでしょう。神ご自身が来られて、この民を贖い、これをご自身の民となさいました。あなたがエジプトから贖い出してくださったあなたの民の前から、国々を追い払うという大いなる恐るべきことを109行って、名を得られるためでした。
22 こうして、あなたの民イスラエルをとこしえまでもあなたの民とされました。主よ。あなたは彼らの神となられました。
23 どうか、主よ。あなたが、このしもべとその家について約束されたことが、とこしえまでも真実をもって行われますように。あなたの約束どおりに行ってください。
24 あなたの御名がとこしえまでも真実なものとされ、あがめられ、『イスラエルの神、万軍の主は、イスラエルの神』と言われますように。あなたのしもべダビデの家が御前に堅く立ちますように。
25 わが神よ。あなたは、このしもべの耳にはっきり、しもべのために家を建てようと言われました。それゆえ、このしもべは、御前に祈りえたのです。
26 今、主よ。あなたこそ神であられます。あなたは、このしもべに、この良いことを約束してくださいました。
27 今、あなたは、おぼしめしにより、あなたのしもべの家を祝福して、とこしえに御前に続くようにしてくださいました。主よ。あなたが、祝福してくださいました。それはとこしえに祝福されています。」
1 その後、ダビデはペリシテ人を打って、これを屈服させ、ガテとそれに属する村落をペリシテ人の手から奪った。
2 彼がモアブを打ったとき、モアブはダビデのしもべとなり、みつぎものを納める者となった。
3 ダビデは、ツォバの王ハダデエゼルが、ユーフラテス川流域にその勢力を確保しようと出て来たとき、ハマテに出て、彼を打った。
4 ダビデは、彼から戦車一千、騎兵七千、歩兵二万を取った。ダビデは、その戦車全部の馬の足の筋を切った。ただし、戦車の馬百頭を残した。
5 ダマスコのアラムが、ツォバの王ハダデエゼルを助けに来たが、ダビデはアラムの二万二千人を打った。
6 ダビデはダマスコのアラムに110守備隊を置いた。アラムはダビデのしもべとなり、みつぎものを納める者となった。こうして主は、ダビデの行く先々で、彼に勝利を与えられた。
7 ダビデはハダデエゼルの家来たちの持っていた金の丸い小盾を奪い取り、エルサレムに持ち帰った。
8 ダビデは、ハダデエゼルの町ティブハテとクンから、非常に多くの青銅を奪い取った。これを用いて、ソロモンは青銅の海や柱、および青銅の器を作った。
9 ハマテの王111トウは、ダビデがツォバの王ハダデエゼルの全軍勢を打ち破ったことを聞いた。
10 そこで、その子112ハドラムをダビデ王のもとにやって、安否を尋ねさせ、ダビデがハダデエゼルと戦ってこれを打ち破ったことについて、祝福のことばを述べさせた。ハダデエゼルがトウに戦いをいどんでいたからである。トウは金、銀、青銅のすべての器を贈り物とした。
11 ダビデ王は、それをもまた、彼がすべての異邦の民、すなわちエドム、モアブ、アモン人、ペリシテ人、アマレクのところから運んで来た銀や金とともに、主に聖別してささげた。
12 また、ツェルヤの子113アブシャイは、塩の谷でエドム人一万八千を打ち殺した。
13 彼はエドムに守備隊を置いた。こうして、エドムの全部がダビデのしもべとなった。このように主は、ダビデの行く先々で、彼に勝利を与えられた。
14 ダビデはイスラエルの全部を治め、その民のすべての者に正しいさばきを行った。
15 ツェルヤの子ヨアブは軍団長、アヒルデの子ヨシャパテは参議、
16 アヒトブの子ツァドクとエブヤタルの子114アビメレクは祭司、シャウシャは書記、
17 エホヤダの子ベナヤはケレテ人とペレテ人の上に立つ者、ダビデの子らは王の側近の者であった。
1 この後、アモン人の王ナハシュが死に、その子が代わって王となった。
2 ダビデは、「ナハシュの子ハヌンに真実を尽くそう。彼の父が私に真実を尽くしてくれたのだから」と考えた。そこで、ダビデは使者を送って、彼の父の悔やみを言わせた。ダビデの家来たちがハヌンに悔やみを言うため、彼のもと、アモン人の地に来たとき、
3 アモン人のつかさたちは、ハヌンに言った。「ダビデがあなたのもとに悔やみの使者をよこしたからといって、彼が父君を敬っているとでもお考えですか。この地を調べ、くつがえし、探るために、彼の家来たちがあなたのところに来たのではありませんか。」
4 そこでハヌンはダビデの家来たちを捕らえ、彼らのひげをそり落とし、その衣を半分に切って腰のあたりまでにし、彼らを送り返した。
5 人々が来て、ダビデにこの人たちのことを告げたので、彼は彼らを迎えに人をやった。この人たちが非常に恥じていたからである。王は言った。「あなたがたのひげが伸びるまで、エリコにとどまり、それから帰りなさい。」
6 アモン人は、自分たちがダビデの憎しみを買ったのを見て取った。そこでハヌンおよびアモン人は、銀一千115タラントを送って、アラム・ナハライムとアラム・マアカとツォバとから戦車と騎兵を雇った。
7 彼らは自分たちのもとに、戦車三万二千台とマアカの王とその軍勢を雇った。彼らは出て来て、メデバの前に陣を敷いた。アモン人も、彼らの町々から集まり、いくさに臨もうと出て来た。
8 ダビデはこれを聞き、ヨアブと勇士たちの全軍を送った。
9 アモン人は出て、町の入口に戦いの備えをした。共に来た王たちは、別に野にいた。
10 ヨアブは、彼の前とうしろに戦いの前面があるのを見て、イスラエルの精鋭全員からさらに兵を選び、アラムに立ち向かう陣ぞなえをし、
11民の残りの者は彼の兄弟116アブシャイの手に託して、アモン人に立ち向かう陣ぞなえをした。
12 ヨアブは言った。「もし、アラムが私より強ければ、おまえが私を救ってくれ。もし、アモン人がおまえより強かったら、私がおまえを救おう。
13 強くあれ。われわれの民のため、われわれの神の町々のために全力を尽くそう。主はみこころにかなうことをされる。」
14 ヨアブと彼の部下の兵士たちが戦おうとしてアラムの前方に近づいたとき、アラムは彼の前から逃げた。
15 アモン人はアラムが逃げるのを見て、彼らもまた、ヨアブの兄弟アブシャイの前から逃げて、町に入り込んだ。そこでヨアブはエルサレムに帰った。
16 アラムは、自分たちがイスラエルに打ち負かされたのを見て、使いを送り、川向こうのアラムを連れ出した。ハダデエゼルの将軍117ショファクが彼らを率いていた。
17 このことがダビデに報告された。すると、彼は全イスラエルを集結し、ヨルダン川を渡って、彼らのほうに進み、彼らに向かって陣ぞなえをした。ダビデはアラムに立ち向かうために戦いの備えをした。彼らは彼と戦った。
18 アラムがイスラエルの前から逃げたので、ダビデはアラムの戦車兵七千と歩兵四万をほふり、将軍ショファクを殺した。
19 ハダデエゼルのしもべたちは、彼らがイスラエルに打ち負かされたのを見て、ダビデと和を講じ、彼のしもべとなった。アラムはそれからはもう、アモン人を救おうと思わなかった。
1 年が改まり、王たちが出陣するころ、ヨアブは軍勢を率いてアモン人の地を荒らし、さらに進んで、ラバを包囲した。ダビデはエルサレムにとどまっていた。ヨアブはラバを打ち、これを破壊した。
2 ダビデが、彼らの王の冠をその頭から取ったとき、それは金一タラントの重さがあり、それには宝石がはめ込まれているのがわかった。その冠はダビデの頭に置かれた。彼はまた、その町から非常に多くの分捕り物を持って来た。
3 彼はその町の人々を連れて来て、石のこぎりや、鉄のつるはしや118斧を使う仕事につかせた。ダビデはアモン人のすべての町々に対して、このようにした。こうして、ダビデと民のすべてはエルサレムに帰った。
4 その後、ゲゼルでペリシテ人との戦いが起こり、そのとき、フシャ人シベカイは、ラファの子孫のひとりシパイを打ち殺した。こうして、彼らは征服された。
5 またペリシテ人との戦いがあったとき、ヤイルの子エルハナンは、ガテ人ゴリヤテの兄弟ラフミを打ち殺した。ラフミの槍の柄は、機織りの巻き棒のようであった。
6 さらに、ガテで戦いがあったとき、そこに、指が六本ずつ、二十四本ある背の高い男がいた。彼もまたラファの子孫であった。
7 彼はイスラエルをそしったが、ダビデの兄弟シムアの子ヨナタンが彼を打ち殺した。
8 これらはガテのラファの子孫で、ダビデとその家来たちの手にかかって倒れた。
1 ここに、サタンがイスラエルに逆らって立ち、ダビデを誘い込んで、イスラエルの人口を数えさせた。
2 ダビデはヨアブと民のつかさたちに言った。「さあ、ベエル・シェバからダンに至るまでのイスラエルを数えなさい。そして、その人数を私に報告して、知らせてほしい。」
3 すると、ヨアブは言った。「主が、御民を今より百倍も増してくださいますように。119王さま。彼らはみな、わが君のもの、そのしもべではないのでしょうか。なぜ、わが君はこんなことを要求なさるのですか。なぜ、イスラエルに対し罪過ある者となられるのですか。」
4 王はヨアブを説き伏せた。そこでヨアブは出て行って、イスラエルをあまねく行き巡り、エルサレムに帰って来た。
5 そして、ヨアブは民の登録人数をダビデに報告した。全イスラエルには剣を使う者が百十万人、ユダには剣を使う者が四十七万人であった。
6 彼はレビとベニヤミンとを、その中に登録しなかった。ヨアブは王の命令を忌みきらったからである。
7 この命令で、王は神のみこころをそこなった。神はイスラエルを打たれた。
8 そこで、ダビデは神に言った。「私は、このようなことをして、大きな罪を犯しました。今、あなたのしもべの咎を見のがしてください。私はほんとうに愚かなことをしました。」
9 そこで、主はダビデの先見者ガドに告げて仰せられた。
10 「行って、ダビデに告げて言え。『主はこう仰せられる。わたしがあなたに出す三つのことがある。そのうち一つを選べ。わたしはあなたのためにそれをしよう。』」
11 ガドはダビデのもとに行き、彼に言った。「主はこう仰せられる。『受け入れよ。
12120三年間のききんか。三か月間、あなたが仇の前で取り去られ、あなたに敵の剣が追い迫ることか。あるいは三日間、主の剣、疫病がこの地に及び、主の使いがイスラエルの国中を荒らすことか。』今、私を遣わされた方に何と答えたらよいかを決めてください。」
13 ダビデはガドに言った。「それは私には非常につらいことです。私を主の手に陥らせてください。主のあわれみは深いからです。人の手には陥りたくありません。」
14 すると、主はイスラエルに疫病を下されたので、イスラエルのうち七万の人が倒れた。
15 神はエルサレムに御使いを遣わして、これを滅ぼそうとされた。主は121御使いが滅ぼしているのをご覧になって、わざわいを下すことを思い直し、滅ぼしている御使いに仰せられた。「もう十分だ。あなたの手を引け。」主の使いは、エブス人122オルナンの打ち場のかたわらに立っていた。
16 ダビデは、目を上げたとき、主の使いが、抜き身の剣を手に持ち、それをエルサレムの上に差し伸べて、地と天の間に立っているのを見た。ダビデと長老たちは、荒布で身をおおい、ひれ伏した。
17 ダビデは神に言った。「民を数えよと命じたのは私ではありませんか。罪を犯したのは、はなはだしい悪を行ったのは、この私です。この羊の群れがいったい何をしたというのでしょう。わが神、主よ。どうか、あなたの御手を、私と私の一家に下してください。あなたの民は、疫病に渡さないでください。」
18 すると、主の使いはガドに、ダビデに言うようにと言った。「ダビデは上って行って、エブス人オルナンの打ち場に、主のために祭壇を築かなければならない。」
19 そこでダビデは、ガドが主の御名によって語ったことばに従って上って行った。
20 オルナンが振り返ると御使いが見えた。彼とともにいた彼の四人の子は身を隠し、オルナンは小麦の打穀をしていた。
21 ダビデがオルナンのもとに行くと、オルナンは目を留めてダビデを見、打ち場から出て来て、地にひれ伏して、ダビデに礼をした。
22 そこで、ダビデはオルナンに言った。「私に打ち場の地所を下さい。そこに主のために祭壇を建てたいのです。十分な金額で、それを私に下さい。神罰が民に及ばないようになるためです。」
23 オルナンはダビデに言った。「123王さま。どうぞ、お取りになってお気に召すようになさってください。ご覧ください。私は、全焼のいけにえのための牛、たきぎにできる打穀機、穀物のささげ物のための小麦を差し上げます。すべてを差し上げます。」
24 しかし、ダビデ王はオルナンに言った。「いいえ、私はどうしても、十分な金額を払って買いたいのです。あなたのものを主にささげるわけにはいきません。費用もかけずに全焼のいけにえをささげたくないのです。」
25 そしてダビデは、その地所代として、金のシェケルで重さ六百シェケルに当たるものを、オルナンに与えた。
26 こうしてダビデは、そこに主のために祭壇を築き、全焼のいけにえと和解のいけにえとをささげて、主に呼ばわった。すると、主は全焼のいけにえの祭壇の上に天から火を下して、彼に答えられた。
27主が御使いに命じられたので、御使いは剣をさやに納めた。
28 そのとき、ダビデは主がエブス人オルナンの打ち場で彼に答えられたのを見て、そこでいけにえをささげた。
29 モーセが荒野で造った主の幕屋と全焼のいけにえの祭壇は、その時、ギブオンの高き所にあった。
30 ダビデは神を求めて、その前に出て行くことができなかった。主の使いの剣を恐れたからである。
1 そこで、ダビデは言った。「これこそ、神である主の宮だ。これこそ、イスラエルの全焼のいけにえの祭壇だ。」
2 そして、ダビデは命じて、イスラエルの地にいる在留異国人を召集し、神の宮を建てるため石材を切り出す石切り工を任命した。
3 ダビデは、門のとびらの釘および留め金用の鉄をたくさん用意し、青銅も、量りきれないほどおびただしく用意した。
4 また、杉の木も数えきれないほど用意した。シドン人とツロ人がダビデのもとに杉の木をおびただしく運んで来たからである。
5 ダビデは言った。「わが子ソロモンは、まだ若く力もない。主のために建てる宮は、全地の名となり栄えとなるように大いなるものとしなければならない。それで私は、そのために用意をしておく。」こうして、ダビデは彼が死ぬ前に多くの用意をしておいた。
6 彼はその子ソロモンを呼び、イスラエルの神、主のために宮を建てるように彼に命じた。
7 ダビデはソロモンに言った。「わが子よ。私は、わが神、主の御名のために宮を建てようとする志を持ち続けてきた。
8 ある時、私に次のような主のことばがあった。『あなたは多くの血を流し、大きな戦いをしてきた。あなたはわたしの名のために家を建ててはならない。あなたは、わたしの前に多くの血を地に流してきたからである。
9 見よ。あなたにひとりの子が生まれる。彼は穏やかな人になり、わたしは、彼に安息を与えて、回りのすべての敵に煩わされないようにする。彼の名が124ソロモンと呼ばれるのはそのためである。彼の世に、わたしはイスラエルに平和と平穏を与えよう。
10 彼がわたしの名のために家を建てる。彼はわたしにとって子となり、わたしは彼にとって父となる。わたしはイスラエルの上に彼の王座をとこしえまでも堅く立てる。』
11 そこで今、わが子よ、主があなたとともにおられ、主があなたについて語られたとおり、あなたが、あなたの神、主の宮をりっぱに建て上げることができるように。
12 ただ、主があなたに思慮と分別を与えて、あなたをイスラエルの上に任命し、あなたの神、主の律法を守らせてくださるように。
13主がイスラエルについてモーセに命じられたおきてと定めをあなたが守り行うなら、あなたは栄える。強くあれ。雄々しくあれ。恐れてはならない。おののいてはならない。
14 見なさい。私は困難な中にも主の家のために、金十万タラント、銀百万タラントを用意した。また、青銅と鉄はあまりに多くて量りきれない。それに、木材と石材も用意した。あなたが、これらにもっと加えてほしい。
15 あなたのもとには、石を切り出す者、石や木に細工する者、各種の仕事に熟練した者など、多くの仕事をする者がいて、
16 金、銀、青銅、鉄を扱うが、その人数は数えきれない。立ち上がって、行いなさい。主があなたとともにおられるように。」
17 そして、ダビデはイスラエルのすべてのつかさたちに、その子ソロモンを助けるよう命じた。
18 「あなたがたの神、主は、あなたがたとともにおられ、周囲の者から守ってあなたがたに安息を与えられたではありませんか。主はこの地の住民を私の手に渡され、この地は主の前とその民の前に服したからです。
19 そこで今、あなたがたは心を尽くし、精神を尽くして、あなたがたの神、主に求めなさい。立ち上がって、神である主の聖所を建て上げ、主の御名のために建てられた宮に、主の契約の箱と神の聖なる器具を運び入れなさい。」
1 ダビデは老年を迎え、長寿を全うして、その子ソロモンをイスラエルの王とした。
2 ついで、彼はイスラエルのすべてのつかさ、祭司、レビ人を集めた。
3 レビ人のうち、三十歳以上の者を数えたところ、ひとりずつ人数を調べた合計は三万八千であった。
4 「そのうち、主の宮の仕事を指揮する者は二万四千、つかさとさばきつかさは六千、
5 そして、四千人は門衛となり、四千人は私が賛美するために作った楽器を手にして、主を賛美する者となりなさい。」
6 そして、ダビデは彼らを組に分けた。レビ族を、125ゲルション、ケハテ、メラリに分け、
7 ゲルション人を126ラダンとシムイに分けた。
8 ラダンの子は、そのかしらエヒエルと、ゼタム、ヨエルの三人。
9 シムイの子は、シェロミテ、ハジエル、ハランの三人。これらはラダンの一族のかしらであった。
10 シムイの子は、ヤハテ、127ジザ、エウシュ、ベリア。これらの四人はシムイの子であった。
11 ヤハテはそのかしら、ジザはその次であった。エウシュとベリアは子どもを多く持たなかった。そこで父の家にいて、同じ役についた。
12 ケハテの子は、アムラム、イツハル、ヘブロン、ウジエルの四人。
13 アムラムの子は、アロンとモーセ。アロンは、至聖所を聖別するために取り分けられた。それは、彼とその子らが、とこしえまでも主の前に香をたき、主に仕え、主の御名によって、とこしえまでも祝福するためである。
14 神の人モーセの子孫は、レビ部族の者として名を呼ばれた。
15 モーセの子は、ゲルショムとエリエゼル。
16 ゲルショムの子は、かしらがシェブエル。
17 エリエゼルの子は、かしらがレハブヤで、エリエゼルにはほかに男の子がなかった。レハブヤの子は非常に多かった。
18 イツハルの子は、かしらがシェロミテ。
19 ヘブロンの子は、かしらがエリヤ、第二はアマルヤ、第三はヤハジエル、第四はエカムアム。
20 ウジエルの子は、かしらがミカ、第二はイシヤ。
21 メラリの子は、マフリとムシ。マフリの子はエルアザルとキシュ。
22 エルアザルは死に、彼には息子がなく、娘だけであったので、彼らのいとこであるキシュの子らが彼らをめとった。
23 ムシの子は、マフリ、エデル、エレモテの三人。
24 これは、それぞれ父祖の家に属するレビ族で二十歳以上になり、主の宮の奉仕の仕事をした者であり、ひとりひとり、その名が数えられ登録された一族のかしらたちであった。
25 ダビデがこう言ったからである。「イスラエルの神、主は、御民に安息を与え、とこしえまでもエルサレムに住まわれる。
26 レビ人も、幕屋を運んだり、奉仕に用いるすべての器具を運んだりする必要はない。」
27 これらは、ダビデの最後のことばに従って数えられた二十歳以上のレビ族の数である。
28 彼らの役目は、アロンの子らを助け、庭のこと、脇部屋のこと、きよめて聖なるものとすることに関する主の宮の奉仕をし、神の宮で奉仕をすることである。
29並べ供えるパン、穀物のささげ物である小麦粉、種を入れないせんべい、平なべ、混ぜ合わせたもの、また、各種の量や大きさを計ること。
30 立って朝ごとに主をほめたたえ、賛美し、夕べにも同じようにすること。
31安息日、新月の祭りおよび例祭の時に、定められた数にしたがって絶やさずに主の前にささげる主へのすべての全焼のいけにえのこと。
32 彼らは、会見の天幕の任務、聖所の任務、および、主の宮で奉仕をする彼らの同族アロンの子らの任務を果たさなければならない。
1 アロンの子らの組分け。アロンの子らは、ナダブ、アビフ、エルアザル、イタマル。
2 ナダブとアビフはその父に先立って死に、彼らには子どもがなかったので、エルアザルとイタマルが祭司の務めについた。
3 ダビデは、エルアザルの子孫のひとりツァドク、およびイタマルの子孫のひとりアヒメレクと協力して、彼らをそれぞれの奉仕に任命し、それぞれの組に分けた。
4 エルアザルの子孫のほうが、イタマルの子孫よりも一族のかしらが多かったので、エルアザルの子孫は、父祖の家のかしらごとに十六組に、イタマルの子孫は、父祖の家ごとに八組に分けられた。
5 彼らはくじを引いて互いにそれぞれの組に分かれた。聖所の組のつかさたち、神の組のつかさたちは、エルアザルの子孫の中にも、イタマルの子孫の中にもいたからである。
6 レビ人の出の書記、ネタヌエルの子シェマヤが、王とつかさたち、および祭司ツァドクとエブヤタルの子アヒメレク、それに祭司とレビ人の一族のかしらたちの前で、それらを書きしるした。エルアザルの父祖の家を一つ128一つ、イタマルのを129一つ130一つ。
7 第一のくじは、エホヤリブに当たった。第二はエダヤに、
8 第三はハリムに、第四はセオリムに、
9 第五はマルキヤに、第六はミヤミンに、
10 第七はコツに、第八はアビヤに、
11 第九は131ヨシュアに、第十はシェカヌヤに、
12 第十一はエルヤシブに、第十二はヤキムに、
13 第十三はフパに、第十四はエシェブアブに、
14 第十五はビルガに、第十六はイメルに、
15 第十七はヘジルに、第十八はピツェツに、
16 第十九はペタフヤに、第二十はエヘズケルに、
17 第二十一はヤキンに、第二十二はガムルに、
18 第二十三はデラヤに、第二十四はマアズヤに当たった。
19 これは主の宮に入る彼らの奉仕のために登録された者たちで、彼らの先祖アロンがイスラエルの神、主の彼に命じられたところによって、定めたとおりである。
20 残りのレビ族については、アムラムの子孫では132シュバエル。シュバエルの子ではエフデヤ。
21 レハブヤについて、レハブヤの子では、そのかしらイシヤ。
22 イツハル人では、133シェロミテ。シェロミテの子ではヤハテ。
23134ヘブロンの子は、そのかしらがエリヤ、第二はアマルヤ、第三はヤハジエル、第四はエカムアム。
24 ウジエルの子孫はミカ。ミカの子ではシャミル。
25 ミカの兄弟はイシヤ。イシヤの子ではゼカリヤ。
26 メラリの子はマフリとムシ。彼の子ヤアジヤの子孫、
27 すなわち、メラリの子孫で、彼の子ヤアジヤから出た者は、ショハム、ザクル、イブリ。
28 マフリからは、エルアザル。彼には子どもがなかった。
29 キシュからは、キシュの子孫のエラフメエル。
30 ムシの子孫は、マフリ、エデル、135エリモテ。これが、それぞれその父祖の家に属するレビの子孫である。
31 彼らもまた、彼らの同族であるアロンの子らと全く同じように、ダビデ王とツァドクとアヒメレク、および祭司とレビ人の一族のかしらたちの前で、くじを引いた。一族では、かしらもその弟と全く同じであった。
1 また、ダビデと将軍たちは、アサフとヘマンとエドトンの子らを奉仕のために取り分け、立琴と十弦の琴とシンバルをもって預言する者とした。その奉仕に従って、仕事についた者の数は次のとおりである。
2 アサフの子では、ザクル、ヨセフ、ネタヌヤ、アサルエラ。これらはアサフの子で、王の指揮に従って、預言するアサフの指揮下にあった。
3 エドトンについて。エドトンの子は、ゲダルヤ、ツェリ、エシャヤ、136シムイ、ハシャブヤ、マティテヤの六人。立琴をもって主をほめたたえ、賛美しながら預言する彼らの父エドトンの指揮下にあった。
4 ヘマンについて。ヘマンの子は、ブキヤ、マタヌヤ、ウジエル、137シェブエル、138エリモテ、ハナヌヤ、ハナニ、139エリヤタ、ギダルティ、ロマムティ・エゼル、ヨシュベカシャ、マロティ、ホティル、マハジオテ。
5 これらはみな、神のことばに従って、角笛を高く上げる王の先見者ヘマンの子らであった。神はヘマンに息子十四人と、娘三人を与えられた。
6 これらはみな、その父の指揮下にあって、シンバル、十弦の琴、立琴を手に、主の宮で歌を歌って、王の指揮の下に神の宮の奉仕に当たる者たちである。アサフ、エドトン、ヘマン、
7 彼らおよび主にささげる歌の訓練を受けた彼らの同族──彼らはみな達人であった──の人数は二百八十八人であった。
8 彼らは、下の者も上の者も、達人も弟子も、みな同じように任務のためのくじを引いた。
9 第一のくじは、アサフに属するヨセフに当たり、第二はゲダルヤに当たった。彼と兄弟たち、子たち、十二人。
10 第三はザクル、その子たち、兄弟たち、十二人。
11 第四はイツェリ、その子たち、兄弟たち、十二人。
12 第五はネタヌヤ、その子たち、兄弟たち、十二人。
13 第六はブキヤ、その子たち、兄弟たち、十二人。
14 第七は140エサルエラ、その子たち、兄弟たち、十二人。
15 第八はエシャヤ、その子たち、兄弟たち、十二人。
16 第九はマタヌヤ、その子たち、兄弟たち、十二人。
17 第十はシムイ、その子たち、兄弟たち、十二人。
18 第十一はアザルエル、その子たち、兄弟たち、十二人。
19 第十二はハシャブヤ、その子たち、兄弟たち、十二人。
20 第十三は141シュバエル、その子たち、兄弟たち、十二人。
21 第十四はマティテヤ、その子たち、兄弟たち、十二人。
22 第十五はエレモテ、その子たち、兄弟たち、十二人。
23 第十六はハナヌヤ、その子たち、兄弟たち、十二人。
24 第十七はヨシュベカシャ、その子たち、兄弟たち、十二人。
25 第十八はハナニ、その子たち、兄弟たち、十二人。
26 第十九はマロティ、その子たち、兄弟たち、十二人。
27 第二十はエリヤタ、その子たち、兄弟たち、十二人。
28 第二十一はホティル、その子たち、兄弟たち、十二人。
29 第二十二はギダルティ、その子たち、兄弟たち、十二人。
30 第二十三はマハジオテ、その子たち、兄弟たち、十二人。
31 第二十四はロマムティ・エゼル、その子たち、兄弟たち、十二人に当たった。
1門衛の組分け。コラ人では142アサフ族のコレの子143メシェレムヤ。
2 メシェレムヤには子どもがあった。長男ゼカリヤ、次男エディアエル、三男ゼバデヤ、四男ヤテニエル、
3 五男エラム、六男ヨハナン、七男エルエホエナイ。
4 オベデ・エドムには子どもがあった。長男シェマヤ、次男エホザバデ、三男ヨアフ、四男サカル、五男ネタヌエル、
5 六男アミエル、七男イッサカル、八男ペウルタイ。神が彼を祝福されたからである。
6 彼の子シェマヤに子どもたちが生まれた。彼らは勇士だったので、その父の家を治める者となった。
7 シェマヤの子は、オテニ、レファエル、オベデ、エルザバデ──彼の兄弟は勇者、エリフとセマクヤ。
8 これはみな、オベデ・エドムの子たちで、彼らとその子、兄弟たちは、その奉仕にふさわしい力のある勇敢な人であった。オベデ・エドムに属する者は六十二人であった。
9 メシェレムヤには子どもと兄弟たちがあり、彼らは勇者で、十八人であった。
10 また、メラリ族のホサには、子どもがあり、そのかしらはシムリであった。彼は長男ではなかったが、父が彼をかしらにしたからである。
11 第二はヒルキヤ、第三はテバルヤ、第四はゼカリヤであった。ホサの子ども、兄弟たちは合計十三人であった。
12門衛のこれらの各組に対し、主の宮で仕える任務が、彼らのかしらごとに、彼らの兄弟たちと全く同じように割り当てられた。
13 こうして、彼らは、下の者も上の者もひとしく、その父祖の家ごとに、一つ一つの門についてくじを引いた。
14 すると、東方のくじは144シェレムヤに当たった。彼の子で思慮深い議官ゼカリヤのためにくじが引かれ、彼のくじは北方と出た。
15 オベデ・エドムには南方、彼の子らには倉、
16 シュピムとホサには西方、それに上り坂の大路のシャレケテ門が当たった。見張りの組と組とは並び合っていた。
17 東方には六人のレビ人、北方には毎日四人、南方には毎日四人、倉にはふたりずつ、
18 西方の145前庭には、大路に四人、前庭にふたりであった。
19 以上は、コラ族とメラリ族の門衛の組分けである。
20 レビ人のアヒヤは、神の宮の宝物倉および聖なるささげ物の宝物倉をつかさどった。
21 ゲルション族でラダンに属するラダンの子ら、ゲルション人ラダンに属する一族のかしらたち、すなわちエヒエル人、
22 エヒエル人の子孫、その兄弟ゼタムとヨエルは、主の宮の宝物倉をつかさどった。
23 アムラム人、イツハル人、ヘブロン人、ウジエル人については、
24 モーセの子ゲルショムの子シェブエルが宝物倉のつかさであった。
25 彼の同族で、エリエゼルに属する者は、その子レハブヤ、その子エシャヤ、その子ヨラム、その子ジクリ、その子シェロミテであるが、
26 この146シェロミテと彼の兄弟たちは、ダビデ王と一族のかしらたち、および、千人隊の長、百人隊の長たち、将軍たちが聖別してささげた聖なるささげ物のすべての宝物倉をつかさどった。
27 彼らは、戦いで得た分捕り物を、主の宮を修理するために聖別してささげた。
28 すべて予見者サムエル、キシュの子サウル、ネルの子アブネル、ツェルヤの子ヨアブが聖別してささげた物、すなわち、すべての聖なるささげ物は、シェロミテとその兄弟たちにゆだねられた。
29 イツハル人のうち、ケナヌヤとその子らは、イスラエルに関する外の仕事につき、つかさとさばきつかさとなった。
30 ヘブロン人のうち、ハシャブヤとその同族の者は勇者であり、千七百人いたが、ヨルダン川を渡った所から西方に至る地域のイスラエルの管理に当たり、すべての主の仕事、王への奉仕に当たった。
31 ヘブロン人のうち、エリヤは、その一族その家系によるヘブロン人のかしらであった。ダビデの治世の第四十年に、彼らは調べられ、そのとき彼らのうちにギルアデのヤゼルで勇士が見いだされた。
32 彼の同族の者たちは勇者であって、二千七百人いたが、一族のかしらたちであった。ダビデ王は彼らを、ルベン人、ガド人、マナセ人の半部族の上に任命し、すべて神に関する事がら、王に関する事がらに当たらせた。
1 イスラエル人、すなわち、一族のかしらたち、千人隊の長、百人隊の長たち、および彼らのつかさたちは、王に仕えて一年のすべての月を通じ、月ごとの交替制にしたがって、各分団のすべての事に当たったが、その人数は一つの分団が二万四千人であった。
2 第一の月、第一分団の長、ザブディエルの子ヤショブアム。彼の分団は二万四千人。
3 彼はペレツの子孫のひとりで、第一の月を受け持つ将軍たちすべてのかしらであった。
4 第二の月、分団の長、アホアハ人ドダイ、──彼の分団といえば、つかさミクロテがいた。彼の分団は二万四千人。
5 第三の月、第三軍団の長は祭司エホヤダの子ベナヤ。彼がかしらであった。彼の分団は二万四千人。
6 彼は、あの三十人の勇士のひとり、三十人の長のベナヤである。彼の分団には、その子アミザバデがいた。
7 第四の月、第四軍は、ヨアブの兄弟アサエル。その子ゼバデヤが彼の跡を継いだ。彼の分団は二万四千人。
8 第五の月、第五軍は、あの長イズラフ人シャムフテ。彼の分団は二万四千人。
9 第六の月、第六軍は、テコア人イケシュの子イラ。彼の分団は二万四千人。
10 第七の月、第七軍は、エフライム族の出である147ペロニ人ヘレツ。彼の分団は二万四千人。
11 第八の月、第八軍は、ゼラフ人に属するフシャ人シベカイ。彼の分団は二万四千人。
12 第九の月、第九軍は、ベニヤミン人に属するアナトテ人アビエゼル。彼の分団は二万四千人。
13 第十の月、第十軍は、ゼラフ人に属するネトファ人マフライ。彼の分団は二万四千人。
14 第十一の月、第十一軍は、エフライム族の出であるピルアトン人ベナヤ。彼の分団は二万四千人。
15 第十二の月、第十二軍は、オテニエルに属するネトファ人ヘルダイ。彼の分団は二万四千人。
16 なお、イスラエルの各部族の長は、ルベン人では、ジクリの子エリエゼルがつかさ。シメオン人ではマアカの子シェファテヤ。
17 レビではケムエルの子ハシャブヤ。アロンではツァドク。
18 ユダではダビデの兄弟のひとり148エリフ。イッサカルではミカエルの子オムリ。
19 ゼブルンではオバデヤの子イシェマヤ。ナフタリではアズリエルの子エリモテ。
20 エフライム族ではアザズヤの子ホセア。マナセの半部族ではペダヤの子ヨエル。
21 ギルアデのマナセの半部族ではゼカリヤの子イド。ベニヤミンではアブネルの子ヤアシエル。
22 ダンではエロハムの子アザルエル。これがイスラエル各部族のつかさたちであった。
23 ダビデは二十歳以下の人々は数に入れなかった。主がイスラエルを天の星のようにふやそうと言われたからである。
24 ツェルヤの子ヨアブが数え始めたが、終わらなかった。このため、御怒りがイスラエルの上に下って、その数はダビデ王の年代記の統計には載らなかった。
25 王の宝物倉をつかさどったのは、アディエルの子アズマベテ。野と町々と村々とおのおののやぐらにある宝物倉をつかさどったのは、ウジヤの子ヨナタン。
26 土地を耕して畑仕事をする者たちをつかさどったのは、ケルブの子エズリ。
27 ぶどう畑をつかさどったのは、ラマ人シムイ。ぶどう酒の倉にあるぶどう畑の産物をつかさどったのは、シェファム人ザブディ。
28149低地にあるオリーブの木といちじく桑の木をつかさどったのは、ゲデル人バアル・ハナン。油の倉をつかさどったのはヨアシュ。
29 シャロンで飼われる牛の群れをつかさどったのは、シャロン人シルタイ。谷にいる牛の群れをつかさどったのは、アデライの子シャファテ。
30 らくだをつかさどったのは、イシュマエル人オビル。雌ろばをつかさどったのは、メロノテ人エフデヤ。
31 羊の群れをつかさどったのは、ハガル人ヤジズ。これらはみな、ダビデ王の所有する財産の係長であった。
32 ダビデのおじヨナタンは議官であり、英知の人で、彼は書記でもあった。ハクモニの子エヒエルは王の子らとともにいた。
33 アヒトフェルは王の議官で、アルキ人フシャイは王の友であった。
34 アヒトフェルの跡を継いだのは、ベナヤの子エホヤダとエブヤタルであり、王の将軍はヨアブであった。
1 さて、ダビデはイスラエルのすべてのつかさ、すなわち、各部族のつかさ、王に仕える各組のつかさ、千人隊の長、百人隊の長、王とその子らが所有している財産、家畜全体の係長たち、宦官たち、勇士たち、つまり、すべての勇士をエルサレムに召集した。
2 ダビデ王は立ち上がって、こう言った。「私の兄弟たち、私の民よ。私の言うことを聞きなさい。私は主の契約の箱のため、私たちの神の足台のために、安息の家を建てる志を持っていた。私は建築の用意をした。
3 しかし、神は私に仰せられた。『あなたはわたしの名のために家を建ててはならない。あなたは戦士であって、血を流してきたからである。』
4 けれども、イスラエルの神、主は、私の父の全家から私を選び、とこしえにイスラエルを治める王としてくださった。ユダの中から君たる者を選ばれたからである。私の父の家はユダの家に属している。主は私の父の子どもたちのうちで、私を愛し、全イスラエルを治める王としてくださった。
5主は私に多くの子どもを授けてくださったが、私のすべての子どもの中から、私の子ソロモンを選び、イスラエルを治める主の王座に着けてくださった。
6 そして、私にこう仰せられた。『あなたの子ソロモンが、わたしの家とわたしの庭を建てる。わたしが彼をわたしの子として選び、わたしが彼の父となるからだ。
7 もし彼が今日のようにわたしの命令と定めを行おうと堅く決心しているなら、わたしは彼の王位をとこしえまでも確立しよう。』
8 今、主の集会、全イスラエルの前で、私たちの神が聞いてくださるこの所で、あなたがたは、あなたがたの神、主の命令をことごとく守り、求めなさい。それは、あなたがたがこの良い地を所有し、あなたがたの後、とこしえまでもあなたがたの子たちにゆずりとして与えるためである。
9 わが子ソロモンよ。今あなたはあなたの父の神を知りなさい。全き心と喜ばしい心持ちをもって神に仕えなさい。主はすべての心を探り、すべての思いの向かうところを読み取られるからである。もし、あなたが神を求めるなら、神はあなたにご自分を現される。もし、あなたが神を離れるなら、神はあなたをとこしえまでも退けられる。
10 今、心に留めなさい。主は聖所となる宮を建てさせるため、あなたを選ばれた。勇気を出して実行しなさい。」
11 ダビデはその子ソロモンに、玄関広間、150その神殿、宝物室、屋上の間、内部屋、贖いの間などの仕様書を授けた。
12御霊により彼が示されていたすべてのものの仕様書であった。すなわち、主の宮の庭のこと、回りにあるすべての脇部屋のこと、神の宮の宝物倉のこと、聖なるささげ物の宝物倉のこと、
13祭司とレビ人の組分けのこと、主の宮の奉仕のすべての仕事のこと、主の宮の奉仕に用いるすべての器具のことである。
14 金については、各種の奉仕に用いるすべての器具に使う金の目方が、すべての銀の器具については、各種の奉仕に用いるすべての器具の目方が151示され、
15 金の燭台とその上にある金のともしび皿の目方は、一つ一つの燭台とその上にあるともしび皿の目方が、銀の燭台については、一つ一つの燭台の用途別に燭台とその上にあるともしび皿の目方が152示されていた。
16 また、並べ供えるパンの机、一つ一つの机に使う金の目方、銀の机に使うその銀、
17純金の、肉刺し、鉢、びん、金の杯については、それぞれの杯の目方、銀の杯について、それぞれの杯の目方、
18精金の香の壇についてはその目方、主の契約の箱の上で翼を伸べ、防ぎ守っているケルビムの車のひな型の金のことが153示されていた。
19 「これらすべては、私に与えられた主の手による書き物にある。彼は、この仕様書のすべての仕事を賢く行う。」
20 それから、ダビデはその子ソロモンに言った。「強く、雄々しく、事を成し遂げなさい。恐れてはならない。おののいてはならない。神である主、私の神が、あなたとともにおられるのだから──。主は、あなたを見放さず、あなたを見捨てず、主の宮の奉仕のすべての仕事を完成させてくださる。
21 見なさい。神の宮のあらゆる奉仕のために祭司とレビ人の各組がいる。あらゆる奉仕のために知恵のある、進んで事に当たるすべての人が、どんな仕事にも、あなたとともにいる。つかさたちとすべての民は、あなたのすべての命令に従う。」
1 次に、ダビデ王は全集団に言った。「わが子ソロモンは、神が選ばれたただひとりの者であるが、まだ若く、力もなく、この仕事は大きい。この城は、人のためでなく、神である主のためだからである。
2 私は全力を尽くして、私の神の宮のために用意をした。すなわち、金製品のための金、銀製品のための銀、青銅製品のための青銅、鉄製品のための鉄、木製品のための木、しまめのう、色とりどりのモルタルの石の象眼細工、あらゆる宝石、大理石をおびただしく用意した。
3 そのうえ、私は、私の神の宮を喜ぶあまり、聖なる宮のために私が用意したすべてのものに加えて、私の宝としていた金銀を、私の神の宮のためにささげた。
4 家々の壁に着せるため、オフィルの金の中から金三千154タラントと、精銀七千タラントを、
5 金は金製品のため、銀は銀製品のために、またすべて職人の手による仕事のために、ささげた。そこで、きょう、だれか、みずから進んでその手にあふれるほど、主にささげる者はないだろうか。」
6 すると、一族の長たち、イスラエル各部族の長たち、千人隊、百人隊の長たち、王の仕事の係長たちは、みずから進んで、
7 神の宮の奉仕のために、金五千タラント一万ダリク、銀一万タラント、青銅一万八千タラント、鉄十万タラントをささげた。
8宝石を持っている者は、これを主の宮の宝物倉にささげ、ゲルション人エヒエルの手に託した。
9 こうして、民は自分たちのみずから進んでささげた物について喜んだ。彼らは全き心を持ち、みずから進んで主にささげたからである。ダビデ王もまた、大いに喜んだ。
10 ダビデは全集団の目の前で主をほめたたえた。ダビデは言った。「私たちの父イスラエルの神、主よ。あなたはとこしえからとこしえまでほむべきかな。
11主よ。偉大さと力と栄えと栄光と尊厳とはあなたのものです。天にあるもの地にあるものはみなそうです。主よ。王国もあなたのものです。あなたはすべてのものの上に、かしらとしてあがむべき方です。
12富と誉れは御前から出ます。あなたはすべてのものの支配者であられ、御手には勢いと力があり、あなたの御手によって、すべてが偉大にされ、力づけられるのです。
13 今、私たちの神、私たちはあなたに感謝し、あなたの栄えに満ちた御名をほめたたえます。
14 まことに、私は何者なのでしょう。私の民は何者なのでしょう。このようにみずから進んでささげる力を保っていたとしても。すべてはあなたから出たのであり、私たちは、御手から出たものをあなたにささげたにすぎません。
15 私たちは、すべての父祖たちのように、あなたの前では異国人であり、居留している者です。地上での私たちの日々は影のようなもので、望みもありません。
16 私たちの神、主よ。あなたの聖なる御名のために家をお建てしようと私たちが用意をしたこれらすべてのおびただしいものは、あなたの御手から出たものであり、すべてはあなたのものです。
17 私の神。あなたは心をためされる方で、直ぐなことを愛されるのを私は知っています。私は直ぐな心で、これらすべてをみずから進んでささげました。今、ここにいるあなたの民が、みずから進んであなたにささげるのを、私は喜びのうちに見ました。
18 私たちの父祖アブラハム、イサク、イスラエルの神、主よ。御民のその心に計る思いをとこしえにお守りください。彼らの心をしっかりとあなたに向けさせてください。
19 わが子ソロモンに、全き心を与えて、あなたの命令とさとしと定めを守らせ、すべてを行わせて、私が用意した城を建てさせてください。」
20 そして、ダビデは全集団に向かって、「あなたがたの神、主をほめたたえなさい」と言った。すると全集団は、父祖の神、主をほめたたえ、ひざまずいて、主と王とを礼拝した。
21 その日の翌日、彼らは主にいけにえをささげ、全焼のいけにえをささげた。雄牛千頭、雄羊千頭、子羊千頭、これらに添える注ぎのぶどう酒、それに全イスラエルのためのおびただしいいけにえをささげた。
22 彼らはその日、大いに喜んで、主の前に食べたり飲んだりし、あらためてダビデの子ソロモンを王とし、油をそそいで、主のために、君主とし、ツァドクを祭司とした。
23 こうしてソロモンは、主の設けられた王座に着き、父ダビデに代わり、王となって、栄えた。全イスラエルは彼に聞き従った。
24 すべてのつかさたち、勇士たち、および、ダビデ王のすべての子たちまでも、ソロモン王に服した。
25主はソロモンを全イスラエルの目の前に非常に大いなる者とし、彼より先にイスラエルを治めたどの王にも見られなかった王の尊厳を、彼に与えられた。
26 このようにして、エッサイの子ダビデは全イスラエルを治めた。
27 彼がイスラエルの王であった期間は四十年であった。ヘブロンで七年治め、エルサレムで三十三年治めた。
28 彼は長寿に恵まれ、齢も富も誉れも満ち満ちて死んだ。彼の子ソロモンが代わって王となった。
29 ダビデ王の業績は、最初から最後まで、予見者サムエルの言行録、預言者ナタンの言行録、先見者ガドの言行録にまさしくしるされている。
30 それには、彼のすべての統治、彼の力、また、彼およびイスラエル、それに各地の諸王国が過ごした時代についてしるされている。
歴代誌 第二
1 さて、ダビデの子ソロモンは、ますます王権を強固にした。彼の神、主は彼とともにおられ、彼を並みはずれて偉大な者とされた。
2 ソロモンは全イスラエル、千人隊、百人隊の長、さばきつかさ、および一族のかしらである、全イスラエルの上に立つ者すべてに向かって語り、
3 ソロモンおよび彼とともにいた全集団はギブオンにある高き所に行った。そこには、主のしもべモーセが荒野で造った神の会見の天幕があったからである。
4 ──しかし、神の箱については、ダビデはこれをキルヤテ・エアリムから、ダビデがそのために定めておいた場所に運び上らせた。箱のために天幕をエルサレムに張っておいたからである──
5 また、フルの子ウリの子のベツァルエルが造った青銅の祭壇を主の幕屋の前に置き、ソロモンと会衆は主に求めた。
6 ソロモンはその所で主の前にある青銅の祭壇の上に──その壇は会見の天幕の所にあった──いけにえをささげた。すなわち、その上で一千頭の全焼のいけにえをささげた。
7 その夜、神がソロモンに現れて、彼に仰せられた。「あなたに何を与えようか。願え。」
8 ソロモンは神に言った。「あなたは私の父ダビデに大いなる恵みを施されましたが、今度は父に代わって私を王とされました。
9 そこで今、神、主よ、私の父ダビデになさったあなたの約束を堅く守ってください。あなたは、地のちりのようにおびただしい民の上に、私を王とされたからです。
10 今、知恵と知識を私に下さい。そうすれば、私はこの民の前に出はいりいたします。さもなければ、だれに、この大いなる、あなたの民をさばくことができましょうか。」
11 神はソロモンに仰せられた。「そのようなことがあなたの心にあり、あなたが富をも、財宝をも、誉れをも、あなたを憎む者たちのいのちをも求めず、さらに長寿をも求めず、むしろ、わたしがあなたを立ててわたしの民の王とした、その民をさばくことができるようにと、自分のために知恵と知識を求めたので、
12 その知恵と知識とはあなたのものとなった。そのうえ、わたしはあなたの前の、また後の王たちにもないほどの富と財宝と誉れとをあなたに与えよう。」
13 こうして、ソロモンはギブオンにある1高き所から出て行き、会見の天幕の前を去ってエルサレムに行き、イスラエルの王となった。
14 ソロモンは戦車と騎兵を集めたが、戦車一千四百台と、騎兵一万二千人が彼のもとに集まった。そこで、彼はこれらを戦車の町々に配置し、また、エルサレムの王のもとにも置いた。
15 王は銀と金とをエルサレムで石のように用い、杉の木を2低地のいちじく桑の木のように大量に用いた。
16 ソロモンの所有していた馬は、エジプトとケベの輸出品であった。それは王の御用達が代価を払って、ケベから手に入れたものであった。
17 彼らはエジプトから、戦車を銀六百、馬を銀百五十で3買い上げ、輸入していた。同様に、ヘテ人のすべての王も、アラムの王たちも、彼らの仲買で輸入した。
1 さて、ソロモンは主の名のための宮と自分の王国のための宮殿とを建てようと考えた。
2 ソロモンは、荷役人夫七万人、山で石を切り出す者八万人、彼らを指揮する者三千六百人4の人数をそろえた。
3 ソロモンはツロの王5フラムのもとに人をやって言わせた。「あなたが私の父ダビデに行い、父の住む家を建てるための杉材を送ってくださったように、私にもしていただけないでしょうか。
4 実は、私も、私の神、主の名のために宮を建てて、これを主にささげ、主の前にかおりの高い香をたき、パンを常に並べ供え、また、朝ごと夕ごとに、また安息日ごと新月の祭りごとに、私たちの神、主の例祭ごとに、全焼のいけにえをささげようとしています。このことは、とこしえにイスラエルに命じられているのです。
5 私が建てる宮は壮大な宮です。私たちの神は、すべての神々にまさって偉大な神だからです。
6 天も、天の天も主をお入れできないのに、いったいだれが主のために宮を建てる力を持っているというのでしょうか。また、主のために宮を建てるというこの私は、いったい何者でしょう。ただ主の前に香をたくためだけの者です。
7 そこで今、私のもとに、金、銀、青銅、鉄の細工に長じ、紫、紅、青などの製造に熟練した人で、各種の彫り物の技術を心得ている人を送ってください。私の父ダビデが備えておいたユダとエルサレムにいるこちらの熟練した者たちもいっしょに働きます。
8 それから、私のもとに、杉、もみ、びゃくだんの木材をレバノンから送ってください。私はあなたのしもべたちがレバノンの木を切ることに熟練していることを知っております。もちろん、私のしもべたちも、あなたのしもべたちといっしょに働きます。
9 私のために、木材を多量に用意させるためです。私の建てる宮は壮大であり、みごとなものだからです。
10 お聞きください。私は、木を切り出し、材木を切る者たちのため、あなたのしもべたちのために6食糧として小麦二万7コル、大麦二万コル、ぶどう酒二万8バテ、油二万バテを提供します。」
11 ツロの王フラムは文書を送ってソロモンに言った。「主はご自身の民を愛しておられるので、あなたを彼らの上に立てて王とされました。」
12 さらに、フラムは言った。「天と地とをお造りになったイスラエルの神、主はほむべきかな。主はダビデ王に、思慮と悟りとを備えた知恵ある子を授け、主のための宮と、自分の王国のための宮殿とを建てさせられるのです。
13 今、私は才知に恵まれた熟練工、9職人の長フラムを遣わします。
14 彼はダンの娘たちのうちのひとりの女から生まれた者であり、彼の父はツロの人です。彼は、あなたの熟練工と、あなたの父、私の主ダビデの熟練工とともに、金、銀、青銅、鉄、石材、木材の細工を心得、紫、青、白亜麻布、紅などの製造を心得、彼にゆだねられたあらゆる種類の彫り物を刻み、彼の創案に任されたすべてのものを巧みに設計することのできる男です。
15 今、私の主が語られた小麦と大麦、油とぶどう酒を、そのしもべたちにお送りください。
16 私たちのほうでは、お入用なだけレバノンから木材を切り、これをいかだに組んで、海路をヤフォまであなたのもとにお届けします。そこからあなたがこれをエルサレムに運び上ってください。」
17 ソロモンは、彼の父ダビデが行った人口調査の後、イスラエルの地にいる在留異国人全員の人数を調べたが、十五万三千六百人いた。
18 彼は、その中から七万人を荷役人夫に、八万人を山で石を切り出す者に、三千六百人を民の労働を指揮する者にした。
1 こうして、ソロモンは、10主がその父ダビデにご自身を現された所、すなわちエルサレムのモリヤ山上で主の家の建設に取りかかった。彼はそのため、エブス人オルナンの打ち場にある、ダビデの指定した所に、場所を定めた。
2 彼が建設に取りかかったのは、その治世の第四年、第二の月の二日であった。
3 神の家を建てるために、ソロモンの据えた礎は次のとおりである。長さは先代の尺度の11キュビトにしたがって六十キュビト。幅は二十キュビト。
4 前の玄関は、長さが神殿の幅と同じ二十キュビト、高さは百二十キュビトとし、その内側には純金を着せた。
5 この大きな家はもみの木材でおおい、良質の金を着せ、さらに、その上になつめやしの木の彫刻と鎖を置き、
6宝石の装飾でこの神殿をおおった。ここに用いた金はパルワイムの金であった。
7 この神殿の梁にも、敷居にも、壁にも、とびらにも金を着せ、壁にはケルビムを刻んだ。
8 ついで、至聖所を造ったが、その長さはこの神殿の幅と同じ二十キュビト、その幅も二十キュビトとし、これに六百12タラントに当たる良質の金を着せた。
9釘の重さは金五十シェケルであった。屋上の間にも金を着せた。
10至聖所の中に、鋳物のケルビムを二つ作り、これに金を着せた。
11 そのケルビムの翼は、長さが二十キュビトあった。一方のケルブの一つの翼は五キュビトであって、神殿の壁にまで届いており、片方の翼も五キュビトであって、他方のケルブの翼にまで届いていた。
12 もう一方のケルブの一つの翼も五キュビトであって、神殿の壁にまで届いており、片方の翼も五キュビトであって、他方のケルブの翼につながっていた。
13 これらのケルビムの翼は、広げられており、二十キュビトあった。これらは、その足で立ち、その顔は神殿のほうに向いていた。
14 それから彼は、青、紫、紅、および白亜麻布の垂れ幕を作り、その上にケルビムの模様を縫いつけた。
15 彼は、神殿の前に柱を二本作った。三十五キュビトの高さのもので、その頂にある柱頭は五キュビトであった。
16 さらに、彼は内堂に鎖を作り、これを柱の頂に取りつけ、ざくろを百作り、鎖のところに取りつけた。
17 それから、彼はこれらの柱を本堂の前に、一つを右側に、もう一つを左側に立てた。右側の柱にヤキンという名をつけ、左側の柱にボアズという名をつけた。
1 さらに、青銅の祭壇を作った。その長さは二十キュビト、幅も二十キュビト、高さは十キュビトであった。
2 それから、鋳物の海を作った。縁から縁まで十キュビト。円形で、その高さは五キュビト。その周囲は細なわで巻いて三十キュビトであった。
3 その下に沿って、13牛の型が回りを取り巻いていた。すなわち、一キュビトにつき十ずつの割りでその海の周囲を取り巻いていた。この牛は二段になっており、海を鋳たときに鋳込んだものである。
4 これは、十二頭の牛の上に据えられていた。三頭は北を向き、三頭は西を向き、三頭は南を向き、三頭は東を向いていた。この海は、これらの牛の上に載せられており、牛の後部はすべて内側に向いていた。
5 その海の厚さは一手幅あり、その縁は、杯の縁のようにゆりの花の形をしていた。その容量は三千14バテであった。
6 それから、洗盤を十個作り、五個を右側に、五個を左側に置いた。その中で洗うためである。全焼のいけにえに用いるものは、その中ですすぎ清めた。海は祭司たちがその中で身を洗うためのものであった。
7 さらに、金の燭台十個を、規格どおりに作って、本堂の中に置き、五個を右側に、五個を左側に置いた。
8机を十個作り、本堂の中に置き、五個を右側に、五個を左側に置いた。それから、金の鉢を百個作った。
9 さらに、祭司たちの庭と大庭およびその庭の戸を作り、その戸に青銅を着せた。
10 海は右側、すなわち、東南の方角に置いた。
11 さらに、フラムは灰つぼと十能と鉢を作った。こうして、フラムは神の宮のためにソロモン王が注文した仕事を完成した。
12 すなわち、二本の柱と、二本の柱の頂にある丸い柱頭、および、柱の頂にある丸い二つの柱頭をおおう二つの格子網、
13 また、二つの格子網に取りつけた四百のざくろ、すなわち、柱の先端にある丸い二つの柱頭をおおうそれぞれの格子網のための二段のざくろ。
14 また、台を作り、またその台の上の洗盤を作り、
15 一つの海と、その下の十二頭の牛、
16 また、灰つぼと十能と肉刺し、およびそれらに属するすべての用具を、ソロモン王の注文により主の宮のために、彼の15職人の長フラムがみがき上げた青銅で作った。
17 王は、ヨルダンの低地、スコテとツェレダとの間の粘土層の地で、これらを鋳造した。
18 こうして、ソロモンはこれらすべての用具を大量に作った。青銅の重さは量りきれなかった。
19 ついで、ソロモンは神の宮にあるすべての用具を作った。すなわち、金の祭壇と供えのパンを載せる机、
20 内堂の前で火をともすための燭台と、その上のともしび皿を規格どおりに純金で作った。
21 さらに、金の花模様、ともしび皿、心切りばさみ。この金は混じりけのない純金であった。
22 また、心取りばさみ、鉢、平皿、火皿を純金で作った。また、神殿の開き戸は、至聖所に通じるとびらも、本堂に通じる神殿のとびらも、金で作った。
1 こうして、ソロモンが主の宮のためにしたすべての工事が完成した。そこで、ソロモンは父ダビデが聖別した物、すなわち、銀、金、各種の器具類を運び入れ、神の宮の宝物倉に納めた。
2 そのとき、ソロモンはイスラエルの長老たち、およびイスラエル人の部族のかしらたちと一族の長たちをすべて、エルサレムに召集した。ダビデの町シオンから主の契約の箱を運び上るためであった。
3 イスラエルのすべての人々は、第七の新月の祭りに王のもとに集まった。
4 こうして、イスラエルの長老全員が到着したところで、レビ人たちは箱をにない、
5 箱と会見の天幕と天幕にあったすべての聖なる用具とを運び上った。これらのものを祭司たち、レビ人たちが運び上った。
6 ソロモン王と彼のところに集まったイスラエルの全会衆は、箱の前に行き、羊や牛の群れをいけにえとしてささげたが、その数があまりに多くて数えることも調べることもできなかった。
7 それから、祭司たちは主の契約の箱を、定めの場所、すなわち神殿の内堂である至聖所のケルビムの翼の下に運び入れた。
8 ケルビムは箱の所の上に翼を広げた。ケルビムは箱とそのかつぎ棒とを上からおおった。
9 そのかつぎ棒は長かったので、棒の先が内堂の前の16聖所から見えていたが、外からは見えなかった。それは、今日までそこにある。
10 箱の中には、二枚の板のほかには何も入っていなかった。これは、イスラエル人がエジプトから出て来たとき、主が彼らと契約を結ばれたときに、モーセがホレブで入れたものである。
11祭司たちが聖所から出て来たとき、──列席したすべての祭司が各組の務めの順序にかかわらず身を聖別した。
12 また、歌うたいであるレビ人全員も、すなわち、アサフもヘマンもエドトンも彼らの子らも彼らの兄弟たちも、白亜麻布を身にまとい、シンバル、十弦の琴および立琴を手にして、祭壇の東側に立ち、百二十人の祭司たちも彼らとともにいて、ラッパを吹き鳴らしていた──
13 ラッパを吹き鳴らす者、歌うたいたちが、まるでひとりででもあるかのように一致して歌声を響かせ、主を賛美し、ほめたたえた。そして、ラッパとシンバルとさまざまの楽器をかなでて声をあげ、「主はまことにいつくしみ深い。その恵みはとこしえまで」と主に向かって賛美した。そのとき、その宮、すなわち主の宮は雲で満ちた。
14祭司たちは、その雲にさえぎられ、そこに立って仕えることができなかった。主の栄光が神の宮に満ちたからである。
1 そのとき、ソロモンは言った。
「主は、暗やみの中に住む、と仰せられました。
2 そこでこの私が
あなたのお治めになる宮を建てました。
あなたがとこしえにお住みになる所を。」
3 それから王は振り向いて、イスラエルの全集団を祝福した。イスラエルの全集団は起立していた。
4 彼は言った。「イスラエルの神、主はほむべきかな。主は御口をもって私の父ダビデに語り、御手をもってこれを成し遂げて言われた。
5 『わたしの民を、エジプトの地から連れ出した日からこのかた、わたしはわたしの名を置く宮を建てるために、イスラエルの全部族のうちのどの町をも選ばず、また、わたしの民イスラエルの上に立つ君主とするためにどんな人も選ばず、
6 ただ、エルサレムを選んでそこにわたしの名を置き、ダビデを選んでわたしの民イスラエルの上に立てた。』
7 それで、私の父ダビデは、イスラエルの神、主の名のために宮を建てることを、いつも心がけていた。
8 ところが、主は、私の父ダビデにこう仰せられた。『あなたは、わたしの名のために宮を建てることを心がけていたために、よくやった。あなたは確かに、そう心がけていた。
9 しかし、あなたがその宮を建ててはならない。あなたの腰から出るあなたの子どもが、わたしの名のためにその宮を建てる。』
10主は、お告げになった約束を果たされたので、私は父ダビデに代わって立ち、主の約束どおりイスラエルの王座に着いた。そして、イスラエルの神、主の名のために、この宮を建て、
11 主がイスラエル人と結ばれた主の契約が納められている箱をそこに置いた。」
12 彼はイスラエルの全集団の前で、主の祭壇の前に立ち、両手を差し伸べた。
13 ソロモンは、長さ五キュビト、幅五キュビト、高さ三キュビトの青銅の足台を作って、これを庭の中央に据えておいたが、その上に立って、イスラエルの全集団の前でひざまずき、両手を天に差し伸べて、
14 言った。「イスラエルの神、主。天にも地にも、あなたのような神はほかにありません。あなたは、心を尽くして御前に歩むあなたのしもべたちに対し、契約と愛とを守られる方です。
15 あなたは、約束されたことを、あなたのしもべ、私の父ダビデのために守られました。それゆえ、あなたは御口をもって語られました。また御手をもって、これを今日のように、成し遂げられました。
16 今、イスラエルの神、主よ。あなたのしもべ、私の父ダビデに約束して、『あなたがわたしの前に歩んだように、あなたの子孫がその道を守り、わたしの律法に歩みさえするなら、あなたには、イスラエルの王座に着く者が、わたしの前から、絶えることはない』と仰せられたことを、ダビデのために守ってください。
17 今、イスラエルの神、主よ。あなたのしもべダビデに約束されたみことばが堅く立てられますように。
18 それにしても、神ははたして人間とともに地の上に住まわれるでしょうか。実に、天も、天の天も、あなたをお入れすることはできません。まして、私の建てたこの宮など、なおさらのことです。
19 けれども、あなたのしもべの祈りと願いに御顔を向けてください。私の神、主よ。あなたのしもべが御前にささげる叫びと祈りを聞いてください。
20 そして、この宮、すなわち、あなたが御名をそこに置くと仰せられたこの所に、昼も夜も御目を開いていてくださって、あなたのしもべがこの所に向かってささげる祈りを聞いてください。
21 あなたのしもべとあなたの民イスラエルが、この所に向かってささげる願いを聞いてください。あなたご自身が、あなたのお住まいになる所、天からこれを聞いてください。聞いて、お赦しください。
22 もし、ある人が隣人に罪を犯し、のろいの誓いを立てさせられることになって、この宮の中にあるあなたの祭壇の前に来て、誓うなら、
23 あなたご自身が天からこれを聞き、あなたのしもべたちにさばきを行って、悪者にはその生き方への報いをその頭上に返し、正しい者にはその正しさにしたがって義を報いてください。
24 また、もし、あなたの民イスラエルが、あなたに罪を犯したため、敵に打ち負かされるようなとき、立ち返って御名をほめたたえ、この宮で、御前に祈り願うなら、
25 あなたご自身が天からこれを聞き、あなたの民イスラエルの罪を赦し、あなたが彼らとその先祖たちにお与えになった地に、彼らを帰らせてください。
26 彼らがあなたに罪を犯したため、天が閉ざされ、雨が降らない場合、彼らがこの所に向かって祈り、御名をほめたたえ、あなたの懲らしめによって、彼らがその罪から立ち返るなら、
27 あなたご自身が天でこれを聞き、あなたのしもべたち、あなたの民イスラエルの罪を赦し、彼らの歩むべき良い道を彼らに教え、あなたの民に相続地としてお与えになったあなたの地に、雨を降らせてください。
28 もし、この地に、ききんが起こり、疫病や立ち枯れや、黒穂病、いなごや油虫が発生した場合、また、敵がこの地の町々を攻め囲んだ場合、どんなわざわい、どんな病気の場合にも、
29 だれでも、あなたの民イスラエルがおのおの自分の疫病と痛みを思い知らされて、この宮に向かって両手を差し伸べて祈るとき、どのような祈り、願いも、
30 あなたご自身が、あなたの御住まいの所である天から聞いて、赦し、ひとりひとりに、そのすべての生き方にしたがって報いてください。あなたはその心を知っておられます。あなただけが人の子らの心を知っておられるからです。
31 それは、あなたが私たちの先祖に賜った地の上で彼らが生きながらえる間、いつも彼らがあなたを恐れて、あなたの道に歩むためです。
32 また、あなたの民イスラエルの者でない外国人についても、彼があなたの大いなる御名と、力強い御手と、伸べられた腕のゆえに、遠方の地から来て、この宮に来て祈るとき、
33 あなたご自身が、あなたの御住まいの所である天からこれを聞き、その外国人があなたに向かって願うことをすべてかなえてください。そうすれば、この地のすべての民が御名を知り、あなたの民イスラエルと同じように、あなたを恐れるようになり、私の建てたこの宮では、御名が呼び求められなくてはならないことを知るようになるでしょう。
34 あなたの民が、敵に立ち向かい、あなたが遣わされる道に出て戦いに臨むとき、あなたの選ばれたこの町、私が御名のために建てた宮の方向に向かって、あなたに祈るなら、
35 天から彼らの祈りと願いを聞いて、彼らの言い分を聞き入れてやってください。
36 彼らがあなたに対して罪を犯したため──罪を犯さない人間はひとりもいないのですから──あなたが彼らに対して怒り、彼らを敵に渡し、彼らが、遠くの地、あるいは近くの地に、捕虜として捕らわれていった場合、
37 彼らが捕らわれていった地で、みずから反省して悔い改め、その捕囚の地で、あなたに願い、『私たちは罪を犯しました。悪を行って、咎ある者となりました』と言って、
38捕らわれていった捕囚の地で、心を尽くし、精神を尽くして、あなたに立ち返り、あなたが彼らの先祖に与えられた彼らの地、あなたが選ばれたこの町、私が御名のために建てたこの宮のほうに向いて祈るなら、
39 あなたの御住まいの所である天から、彼らの祈りと願いを聞き、彼らの言い分を聞き入れ、あなたに対して罪を犯したあなたの民をお赦しください。
40 今、私の神よ。お願いします。どうか、この所でささげる祈りに目を開き、耳を傾けてください。
41 そこで今、神、主よ。あなたもあなたの御力の箱も立ち上がって、休み所にお入りください。神、主よ。あなたの祭司たちの身に救いをまとわせてください。あなたの聖徒たちにいつくしみを喜ばせてください。
42 神、主よ。あなたに油そそがれた者たちの顔を退けないでください。あなたのしもべダビデの忠実なわざの数々を思い起こしてください。」
1 ソロモンが祈り終えると、火が天から下って来て、全焼のいけにえと、数々のいけにえとを焼き尽くした。そして、主の栄光がこの宮に満ちた。
2祭司たちは主の宮に入ることができなかった。主の栄光が主の宮に満ちたからである。
3 イスラエル人はみな、火が下り、主の栄光がこの宮の上に現れたのを見て、ひざをかがめて顔を地面の敷石につけ、伏し拝んで、「主はまことにいつくしみ深い。その恵みはとこしえまで」と主をほめたたえた。
4 それから、王と民はみな、主の前にいけにえをささげた。
5 ソロモン王は牛二万二千頭と羊十二万頭のいけにえをささげた。こうして、王とすべての民は、神の宮を奉献した。
6祭司たちは、その務めに従って立ち、レビ人も、主の楽を奏する楽器を手にして立っていた。これは、ダビデ王が作ったものであり、ダビデが彼らの17奏楽によって賛美したとき、「主の恵みはとこしえまで」と主をほめたたえるための楽器であった。また、祭司たちは、彼らの前でラッパを吹き鳴らしており、全イスラエルは起立していた。
7 ソロモンは、主の神殿の前の庭の中央部を聖別し、そこで、全焼のいけにえと、和解のいけにえの脂肪とをささげた。ソロモンが作った青銅の祭壇では、全焼のいけにえと、穀物のささげ物と、脂肪とを受け入れることができなかったからである。
8 ソロモンは、このとき、彼とともにいた全イスラエル、すなわち、レボ・ハマテからエジプト川に至るまでの大集団といっしょに、七日間の祭りを行った。
9 彼らは第八日目にきよめの集会を開いた。七日間、祭壇の奉献を行い、七日間、祭りを行ったからである。
10 第七の月の二十三日に、彼は民をおのおのの天幕に帰した。彼らは主がダビデと、ソロモンと、その民イスラエルに下さった恵みを喜び、心楽しく帰って行った。
11 こうしてソロモンは、主の宮と、王宮とを建て終え、主の宮と自分の宮殿に対して実施しようとソロモンが思っていたすべてのことをみごとに実現した。
12 すると、主が夜ソロモンに現れ、彼に仰せられた。「わたしはあなたの祈りを聞いた。また、わたしのために、この所をいけにえをささげる宮として選んだ。
13 もし、わたしが天を閉ざしたため雨が降らなくなった場合、また、いなごに命じてこの地を食い尽くさせた場合、また、もし、わたしの民に対して疫病を送った場合、
14 わたしの名を呼び求めているわたしの民がみずからへりくだり、祈りをささげ、わたしの顔を慕い求め、その悪い道から立ち返るなら、わたしが親しく天から聞いて、彼らの罪を赦し、彼らの地をいやそう。
15 今や、わたしはこの所でささげられる祈りに目を留め、耳を傾けよう。
16 今、わたしは、とこしえまでもそこにわたしの名を置くためにこの宮を選んで聖別した。わたしの目とわたしの心は、いつもそこにある。
17 あなたが、あなたの父ダビデが歩んだように、わたしの前に歩み、わたしがあなたに命じたことをすべてそのまま実行し、わたしのおきてと定めとを守るなら、
18 わたしが、あなたの父ダビデに、『あなたには、イスラエルを支配する者となる人が絶えることはない』と言って契約を結んだとおり、あなたの王座を確立しよう。
19 しかし、もし、あなたがたがそむいて、あなたがたに授けたわたしのおきてとわたしの命令とを捨て去り、行ってほかの神々に仕え、これを拝むなら、
20 わたしが彼らに与えた地から、彼らを根こぎにし、わたしがわたしの名のために聖別したこの宮をわたしの前から投げ捨て、これをすべての国々の民の間で、物笑いとし、なぶりものとする。
21 かつては並びもなく高かったこの宮も、そのときには、そのそばを通り過ぎる者がみな、驚いて、『どういうわけで、主はこの地とこの宮とに、このような仕打ちをされたのだろう』と言うであろう。
22 すると人々は、『あの人たちは、エジプトの地から連れ出した彼らの父祖の神、主を捨てて、ほかの神々にたより、これを拝み、これに仕えた。そのために、主はこのすべてのわざわいをこの人たちに下されたのだ』と言うようになる。」
1 ソロモンが主の宮と自分の宮殿を二十年かかって建て終わったとき、
2 ソロモンは、フラムがソロモンに返した町々を建て直し、そこにイスラエル人を住ませた。
3 ソロモンはハマテ・ツォバに出て行き、これに打ち勝った。
4 ついで、彼は荒野にタデモルを建て、倉庫の町々はすべて、これをハマテに建てた。
5 さらに、彼は上ベテ・ホロンと下ベテ・ホロンを建てた。これは、城壁と門とかんぬきのある防備の町々であった。
6 バアラテ、およびソロモンの所有のすべての倉庫の町々、戦車のためのすべての町々、騎兵のための町々、ソロモンがエルサレムや、レバノンや、すべての領地に建てたいと切に願っていたものすべてを彼は建設した。
7 イスラエルの出でないヘテ人、エモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の生き残りの民全員、
8 すなわち、イスラエル人が滅ぼし尽くさなかった人々の跡を継いでこの地に生き残った彼らの子孫に当たる人々を、ソロモンは苦役に徴用した。今日もそうである。
9 しかし、ソロモンはイスラエル人を自分の仕事をさせる奴隷にはしなかった。彼らは戦士であり、彼の補佐官の長であり、戦車隊と騎兵隊の長であったからである。
10 また、ソロモン王に属する者で、監督をする者の長は二百五十人であって、民を指揮していた。
11 ソロモンはパロの娘を、ダビデの町から彼女のために建てた家に連れて上った。「私の妻はイスラエルの王ダビデの家に住んではならない。主の箱を迎え入れた所は聖なる所だからである」と彼が言ったからである。
12 それから、ソロモンは、彼が玄関の前に建てた主の祭壇の上に、主のために全焼のいけにえをささげた。
13 すなわち、モーセの命令どおりに、毎日の日課により、これをささげ、安息日ごとに、新月の祭りごとに、年三回の例祭、すなわち、種を入れないパンの祭り、七週の祭り、仮庵の祭りごとに、これをささげた。
14 彼はその父ダビデの定めに従い、祭司たちの組分けを定めてその務めにつかせ、レビ人もその任務につかせ、毎日の日課として、祭司たちの前で賛美と奉仕をさせた。門衛たちも、その組分けに従って、おのおのの門に立たせた。神の人ダビデの命令がこうだったからである。
15 彼らは、王がすべてのことにつき、また宝物倉のことについて、祭司たちとレビ人たちに命じたことにそむかなかった。
16 このように、ソロモンの工事は、主の宮の礎を据える日まで、また、その完成まで、すべてが整えられていた。主の宮は完全であった。
17 それから、ソロモンはエドムの地の海岸にあるエツヨン・ゲベルと18エラテへ行った。
18 フラムはそのしもべたちを通して、何隻かの船と海に詳しいしもべたちを彼のもとに送り届けた。彼らはソロモンのしもべたちといっしょにオフィルへ行き、そこから、金四百五十19タラントを取って、これをソロモン王のもとに持って来た。
1 ときに、シェバの女王が、ソロモンの名声を伝え聞き、難問をもってソロモンをためそうとして、非常に大ぜいの有力者たちを率い、らくだにバルサム油と、多くの金および宝石を載せて、エルサレムにやって来た。彼女は、ソロモンのところに来ると、心にあるすべてのことを彼に質問した。
2 ソロモンは、彼女のすべての質問を説き明かした。ソロモンがわからなくて、彼女に説き明かせなかったことは何一つなかった。
3 シェバの女王は、ソロモンの知恵と、彼が建てた宮殿と、
4 その食卓の料理、列席の家来たち従者たちが仕えている態度とその服装、彼の献酌官たちとその服装、主の宮に上る階段を見て、息も止まるばかりであった。
5 彼女は王に言った。「私が国であなたの事績とあなたの知恵とについて聞き及んでおりましたことはほんとうでした。
6 実は、私は、自分で来て、自分の目で見るまでは、彼らの言うことを信じなかったのですが、驚いたことに、私にはあなたの知恵の半分も知らされていなかったのです。あなたは、私の聞いていたうわさを上回る方でした。
7 なんとしあわせなことでしょう。あなたにつく人たちは。なんとしあわせなことでしょう。いつもあなたの前に立って、あなたの知恵を聞くことのできるこの、あなたの家来たちは。
8 あなたを喜ばれ、その王座にあなたを着かせて、あなたの神、主のために王とされたあなたの神、主はほむべきかな。あなたの神はイスラエルを愛して、これをとこしえにゆるがぬものとされたので、彼らの上にあなたを王として与え、公正と正義とを行わせられるのです。」
9 彼女は百二十タラントの金と、非常に多量のバルサム油と宝石とを王に贈った。シェバの女王がソロモン王に贈ったこのバルサム油のようなものはなかった。
10 オフィルから金を運んで来たフラムのしもべたちと、ソロモンのしもべたちも、びゃくだんの木材と宝石とを運んで来た。
11 王はこのびゃくだんの木材で、主の宮と王宮への大路を造り、歌うたいたちのために、立琴と十弦の琴を作った。このようなものは、これまで、ユダの地でだれも見たことがなかった。
12 ソロモン王は、シェバの女王に、彼女が王のもとに携えて来た品物以外のもので、彼女が求めた物は何でもその望みのままに与えた。彼女は、家来たちを連れて、自分の国へ戻って行った。
13 一年間にソロモンのところに入って来た金の重さは、金の目方で六百六十六タラントであった。
14 このほかに、交易商人や仕入れ商人たちが携えて来たものがあり、また、アラビヤのすべての王たち、およびその地の総督たちも、ソロモンのもとに金銀を携えて来た。
15 ソロモン王は、延べ金で大盾二百を作り、その大盾一個に六百シェケルの延べ金を使った。
16 また、延べ金で盾三百を作り、その盾一個に三百シェケルの金を使った。王はそれらを、レバノンの森の宮殿に置いた。
17 王は大きな象牙の王座を作り、これに純金をかぶせた。
18 その王座には六つの段があり、その王座には金の足台が取りつけられており、座席の両側にはひじかけがあり、そのひじかけのわきには二頭の雄獅子が立っていた。
19 また、十二頭の雄獅子が、六つの段の両側に立っていた。このような物は、どこの王国でも作られたためしがなかった。
20 ソロモン王が飲み物に用いる器はみな金であった。レバノンの森の宮殿にあった器物もすべて純金であった。銀はソロモンの時代には、価値あるものとはみなされていなかった。
21 王は、フラムのしもべたちを乗せてタルシシュへ行く船を持っており、三年に一度、タルシシュの船が金、銀、象牙、さる、くじゃくを運んで来たからである。
22 ソロモン王は、富と知恵とにおいて、地上のどの王よりもまさっていた。
23 地上のすべての王は、神が彼の心に授けられた知恵を聞こうとして、ソロモンに謁見を求めた。
24 彼らはおのおの贈り物として、銀の器、金の器、衣服、武器、バルサム油、馬、騾馬などを、毎年きまって携えて来た。
25 ソロモンは四千の馬屋と戦車、および騎兵一万二千を持っていた。彼はこれらを戦車の町々に配置し、またエルサレムの王のもとにも置いた。
26 彼は大河からペリシテ人の地、さらには、エジプトの国境に至るすべての王を支配していた。
27 王は銀をエルサレムで石のように用い、杉の木を20低地のいちじく桑の木のように大量に用いた。
28 人々は馬をエジプトや諸国からソロモンのもとに運んで来た。
29 そのほか、ソロモンの業績、それは最初から最後まで、預言者ナタンの言行録、シロ人アヒヤの預言、および、先見者21イドが見たネバテの子ヤロブアムについての幻の記録にしるされているではないか。
30 ソロモンはエルサレムで、四十年の間、全イスラエルの王であった。
31 ソロモンは彼の先祖たちとともに眠り、人々は彼をその父ダビデの町に葬った。彼の子レハブアムが代わって王となった。
1 レハブアムはシェケムへ行った。全イスラエルが彼を王とするため、シェケムに来ていたからである。
2 ネバテの子ヤロブアムがそのことを聞くと、──彼はソロモン王の顔を避けて逃げて行き、エジプトにいたのである──ヤロブアムはエジプトから戻って来た。
3 人々が使いをやって、彼を呼び寄せたので、ヤロブアムは全イスラエルとともにやって来て、レハブアムに言った。
4 「あなたの父上は、私たちのくびきをかたくしました。今、父上が私たちに負わせた過酷な労働と重いくびきを軽くしてください。そうすれば、私たちはあなたに仕えましょう。」
5 すると、彼はこの人々に、「もう三日したら、私のところに戻って来なさい」と言った。そこで、民は出て行った。
6 レハブアム王は、父ソロモンが生きている間ソロモンに仕えていた長老たちに相談して、「この民にどう答えたらよいと思うか」と言った。
7 彼らは王に答えて言った。「もし、あなたがこの民に優しくし、彼らに好意を示し、彼らに親切なことばをかけてやってくださるなら、彼らはいつまでもあなたのしもべとなるでしょう。」
8 しかし、彼はこの長老たちの与えた助言を退け、彼とともに育ち、彼に仕えている若者たちに相談して、
9 彼らに言った。「この民に何と返答したらよいと思うか。彼らは私に『あなたの父上が私たちに負わせたくびきを軽くしてください』と言って来たのだが。」
10 彼とともに育った若者たちは彼に答えて言った。「『あなたの父上は私たちのくびきを重くした。だから、あなたは、それを私たちの肩から軽くしてください』と言ってあなたに申し出た民に、こう答えたらいいでしょう。あなたは彼らにこう言いなさい。『私の小指は父の腰よりも太い。
11 私の父はおまえたちに重いくびきを負わせたが、私はおまえたちのくびきをもっと重くしよう。私の父はおまえたちをむちで懲らしめたが、私はさそりを使うつもりだ』と。」
12 ヤロブアムと、すべての民は、三日目にレハブアムのところに来た。王が、「三日目に私のところに戻って来なさい」と言って命じたからである。
13 王は彼らに荒々しく答えた。レハブアム王は長老たちの助言を退け、
14若者たちの助言どおり、彼らに答えてこう言った。「私はおまえたちのくびきを重くする。私はそれをもっと重くしよう。私の父はおまえたちをむちで懲らしめたが、私はさそりを使うつもりだ。」
15 王は民の願いを聞き入れなかった。それは、かつてシロ人アヒヤを通してネバテの子ヤロブアムに告げられた約束を主が実現するために、神がそうしむけられたからである。
16 全イスラエルは、王が自分たちに耳を貸さないのを22見て取った。民は王に答えた。
「ダビデには、
われわれへのどんな割り当て地があろう。
エッサイの子には、ゆずりの地がない。
イスラエルよ。おのおのあなたの天幕に帰れ。
ダビデよ。今、あなたの家を見よ。」
こうして、全イスラエルは自分たちの天幕へ帰って行った。
17 しかし、ユダの町々に住んでいるイスラエル人は、レハブアムがその王であった。
18 レハブアム王は、役務長官23ハドラムを遣わしたが、イスラエル人は、彼を石で打ち殺した。それで、レハブアム王は、ようやくの思いで戦車に乗り込み、エルサレムに逃げた。
19 このようにして、イスラエルはダビデの家にそむいた。今日もそうである。
1 レハブアムはエルサレムに帰り、ユダとベニヤミンの家から選抜戦闘員十八万を召集し、王国をレハブアムのもとに取り戻すため、イスラエルと戦おうとした。
2 すると、神の人シェマヤに次のような主のことばがあった。
3 「ユダの王、ソロモンの子レハブアム、および、ユダとベニヤミンに属する全イスラエルに告げて言え。
4 『主はこう仰せられる。上って行ってはならない。あなたがたの兄弟たちと戦ってはならない。おのおの自分の家に帰れ。わたしがこうなるようにしむけたのだから。』」そこで、彼らは主のことばに聞き従い、ヤロブアムを目ざして進む行軍を中止して、引き返した。
5 レハブアムはエルサレムに住み、ユダの中に防備の町々を建てた。
6 すなわち、ベツレヘムとエタムとテコア、
7 ベテ・ツルとソコとアドラム、
8 ガテとマレシャとジフ、
9 アドライムとラキシュとアゼカ、
10 ツォルアとアヤロンとヘブロン。これらはユダとベニヤミンの中にあり、防備の町々であった。
11 さらに、彼は防備を固めて、その中に隊長を置き、糧食、油、ぶどう酒をたくわえた。
12 またすべての町ごとに大盾と槍を置き、これらの町をますます強固にした。こうして、ユダとベニヤミンは彼の側についた。
13 イスラエル全土の祭司たち、レビ人たちは、あらゆる地域から出て来て、彼の側についた。
14 実は、レビ人は自分たちの放牧地と所有地を捨てて、ユダとエルサレムに来たのである。ヤロブアムとその子らが、主の祭司としての彼らの職を解き、
15 自分のために祭司たちを任命して、彼が造った高き所と雄やぎと子牛に仕えさせたからである。
16 さらに、彼らのあとに続いて、イスラエルの全部族の中から、その心をささげてイスラエルの神、主を尋ね求める者たちが、その父祖の神、主にいけにえをささげるためエルサレムに出て来た。
17 彼らは三年の間、ユダの王権を強固にし、ソロモンの子レハブアムを励ました。三年の間、彼らがダビデとソロモンの道に歩んだからである。
18 レハブアムは、ダビデの子エリモテとエッサイの子エリアブの娘アビハイルとの間にできた娘マハラテをめとって妻とした。
19 彼女は彼に男の子を産んだ。エウシュ、シェマルヤ、ザハムである。
20 彼女をめとって後、彼はアブシャロムの娘マアカをめとった。彼女はアビヤとアタイとジザとシェロミテを産んだ。
21 レハブアムは彼のすべての妻、そばめにまさってアブシャロムの娘マアカを愛した。彼は妻を十八人、そばめを六十人持っており、二十八人の息子、六十人の娘をもうけた。
22 レハブアムはマアカの子アビヤを立ててかしらとし、彼の兄弟たちの間でつかさとした。彼を王にしようと24考えたからである。
23 彼は賢く事を行い、その子どもたちを全部、ユダとベニヤミンの全土、すなわちすべての防備の町々に分散させたうえ、彼らにたくさんの食糧を供給し、多くの妻を捜し与えた。
1 レハブアムの王位が確立し、彼が強くなるに及んで、彼は主の律法を捨て去った。そして、全イスラエルが彼にならった。
2 レハブアム王の第五年に、エジプトの王シシャクがエルサレムに攻め上って来た。彼らが主に対して不信の罪を犯したからである。
3 戦車一千二百台、騎兵六万がこれに従った。また、彼とともにエジプトから出陣した民、すなわちルブ人、スキ人、25クシュ人の人数は数えきれないほどであった。
4 彼はユダに属する防備の町々を攻め取り、エルサレムまで攻め寄せて来た。
5 そのとき、預言者シェマヤが、レハブアムと、シシャクを前にしてエルサレムに集まったユダのつかさたちのもとに来て、彼らに言った。「主はこう仰せられる。『あなたがたがわたしを捨て去ったので、わたしもまたあなたがたを捨ててシシャクの手に渡した。』」
6 すると、イスラエルのつかさたちと王とはへりくだり、「主は正しい」と言った。
7主が、彼らのへりくだった様子をご覧になると、シェマヤに次のような主のことばがあった。「彼らがへりくだったので、わたしは彼らを滅ぼさない。間もなく彼らに救いを与えよう。シシャクの手によって、わたしの怒りをエルサレムに注ぐことはやめよう。
8 ただし、彼らは彼のしもべとなる。わたしに仕えることと地の諸王国に仕えることとの違いを思い知るためである。」
9 エジプトの王シシャクはエルサレムに攻め上って来て、主の宮の財宝、王宮の財宝を奪い取り、何もかも奪って、ソロモンが作った金の盾をも奪い取った。
10 それで、レハブアム王は、その代わりに青銅の盾を作り、これを王宮の門を守る26近衛兵の隊長の手に託した。
11 王が主の宮に入るたびごとに、近衛兵が来て、これを運んで行き、また、これを近衛兵の控え室に運び帰った。
12 このように、彼がへりくだったとき、主の怒りは彼の身を離れ、彼を徹底的に滅ぼすことはされなかった。ユダにも良いことがあったからである。
13 こうして、レハブアム王はエルサレムで勢力を増し加え、国を治めた。レハブアムは四十一歳で王となり、主がご自分の名を置くためにイスラエルの全部族の中から選ばれた都、エルサレムで十七年間、王であった。彼の母の名はナアマといい、アモン人であった。
14 彼は悪事を行った。すなわち、その心を定めて常に主を求めることをしなかった。
15 レハブアムの業績、それは最初から最後まで、預言者シェマヤと先見者イドの言行録にしるされて、系図に載せられているではないか。レハブアムとヤロブアムとの間には、いつまでも争いがあった。
16 レハブアムは彼の先祖たちとともに眠り、ダビデの町に葬られた。彼の子27アビヤが代わって王となった。
1 ヤロブアム王の第十八年に、アビヤはユダの王となり、
2 エルサレムで三年間、王であった。彼の母の名は28ミカヤといい、ギブアの出のウリエルの娘であった。
アビヤとヤロブアムとの間には争いがあった。
3 アビヤは精鋭四十万の勇敢な戦士の部隊を率いて戦争を始めた。一方、ヤロブアムも八十万の精鋭、勇士を率いて彼に対抗し、戦いの備えをした。
4 アビヤはエフライムの山地にあるツェマライム山の頂上に立って、言った。「ヤロブアムおよび全イスラエルよ。私の言うことを聞け。
5 イスラエルの神、主が、イスラエルの王国をとこしえにダビデに与えられたこと、すなわち、塩の契約をもって、彼とその子らとに与えられたことは、あなたがたが知らないはずはあるまい。
6 ところが、ダビデの子ソロモンのしもべであったネバテの子ヤロブアムが立ち上がって、自分の主君に反逆したが、
7 彼のもとに、ごろつき、29よこしまな者たちが集まり、ソロモンの子レハブアムより優勢となった。それに、レハブアムは若くて、おくびょうであり、彼らに対抗して自分の力を増し加えることがなかった。
8 そこで今、あなたがたは、ダビデの子らの支配下にある主の王国に敵対して、力を増し加えようとしており、また、あなたがたはおびただしい群れをなしており、ヤロブアムが造ってあなたがたのために神とした金の子牛もあなたがたとともにある。
9 あなたがたは、アロンの子らである主の祭司たちとレビ人を追放し、諸国の民にならって自分たちのために祭司を任命したではないか。だれでも若い雄牛一頭と雄羊七頭を携えて来て祭司職につこうとする者は、神ならぬものの祭司となったのである。
10 しかし、私たちの場合は、主が私たちの神である。私たちはこの方を捨てなかった。また、アロンの子らである祭司たちが主に仕えており、レビ人が仕事をしている。
11 彼らは朝ごとに夕ごとに全焼のいけにえを主にささげ、かおりの高い香をたき、並べ供えたパンを純金の机の上に整え、金の燭台とその上のともしび皿には、夕ごとに火をともしている。私たちは、私たちの神、主の戒めを守っている。それに反し、あなたがたはこの方を捨て去った。
12 見よ。神は私たちとともにいて、かしらとなっておられる。また、神の祭司たちも私たちの側におり、合図のラッパを手にして、あなたがたに対し進撃の合図を吹き鳴らそうとしている。イスラエル人よ。あなたがたの父祖の神、主と戦ってはならない。とうてい勝ち目はないからである。」
13 ヤロブアムは伏兵を回して、この人々の背後から攻めるようにさせた。こうして、彼らはユダの正面におり、伏兵はその背後にいた。
14 ユダが向き直ると、見よ、戦いは前後から迫っていた。それで、彼らは主に叫び求め、祭司たちはラッパを吹き鳴らした。
15 そして、ユダの人々はときの声をあげた。ユダの人々がときの声をあげたとき、神はヤロブアムと全イスラエルを、アビヤとユダの前に打ち破られた。
16 こうして、イスラエル人はユダの前から逃げ去り、神はこの人々を彼らの手に渡された。
17 アビヤとその民は彼らをおびただしく打ち殺した。その結果、イスラエルのうち、精鋭五十万が殺されて倒れた。
18 イスラエル人は、このとき征服され、ユダ人は、勝利を得た。彼らがその父祖の神、主に拠り頼んだからである。
19 アビヤはヤロブアムのあとを追い、ベテルとそれに属する村落、エシャナとそれに属する村落、エフラインとそれに属する村落など、幾つかの町々を彼から取った。
20 こうして、ヤロブアムはアビヤの時代には、もはや力をとどめておくことができなかった。主が彼を打たれたので、彼は死んだ。
21 一方、アビヤは勢力を増し加えた。十四人の妻をめとり、二十二人の息子、十六人の娘をもうけた。
22 アビヤのその他の業績、彼の行いとことばは、預言者イドの注解にしるされている。
1 アビヤは彼の先祖たちとともに眠り、人々は彼をダビデの町に葬った。彼の子アサが代わって王となった。彼の時代には、この地は十年の間、平安を保った。
2 アサは、彼の神、主がよいと見られること、御目にかなうことを行い、
3異教の祭壇と高き所を取り除き、柱を砕き、アシェラ像を打ちこわした。
4 それから、ユダに命じて、彼らの父祖の神、主を求めさせ、その律法と命令を行わせた。
5 さらに、彼はユダのすべての町々から高き所と香の台を取り除いた。こうして、王国は彼の前に平安を保った。
6 彼はユダに防備の町々を築いた。当時数年の間、その地は平安を保ち、主が彼に安息を与えられたので、彼に戦いをいどむ者はなかったからである。
7 彼はユダに向かってこう言った。「さあ、これらの町々を建てようではないか。そして、その回りに城壁とやぐらと門とかんぬきを設けよう。この地はなおも私たちの前にある。私たちが私たちの神、主を求めたからである。私たちが求めたところ、神は、周囲の者から守って私たちに安息を下さった。」こうして、彼らは建設し、繁栄した。
8 アサには、ユダの、大盾と槍を帯びる軍勢が三十万、ベニヤミンの、盾を持ち、弓を引く者が二十八万あって、これらすべてが勇士であった。
9 時がたって、30クシュ人ゼラフが、百万の軍勢と三百台の戦車を率いて、彼らに向かって出陣し、マレシャにまで寄せて来た。
10 そこで、アサは彼に対抗して出陣し、マレシャにあるツェファテの谷で戦いの備えをした。
11 アサはその神、主に叫び求めて言った。「主よ。力の強い者を助けるのも、力のない者を助けるのも、あなたにあっては変わりはありません。私たちの神、主よ。私たちを助けてください。私たちはあなたに拠り頼み、御名によってこの大軍に当たります。主よ。あなたは私たちの神です。人間にすぎない者に、あなたに並ぶようなことはできないようにしてください。」
12主はアサの前とユダの前に、クシュ人を打ち破られたので、クシュ人は逃げ去った。
13 アサおよび彼とともにいた民は、彼らをゲラルまで追いつめた。クシュ人は倒れ、生きている者はなかった。主の前、その宿営の前に、打ち砕かれたからである。そこで、彼らは非常に多くの分捕り物を持ち帰った。
14 さらに、彼らはゲラル周辺のすべての町々を攻め打った。主の恐れが彼らに臨んだからである。そこで、彼らはすべての町々をかすめ奪った。その中には多くの獲物があったからである。
15 また、彼らは家畜の天幕も打ち、多くの羊とらくだを奪い去って、エルサレムに帰って来た。
1 すると、神の霊がオデデの子アザルヤの上に臨んだ。
2 そこで、彼はアサの前に出て行き、彼に言った。「アサおよび、すべてユダとベニヤミンの人々よ。私の言うことを聞きなさい。あなたがたが主とともにいる間は、主はあなたがたとともにおられます。もし、あなたがたがこの方を求めるなら、あなたがたにご自身を示してくださいます。もし、あなたがたがこの方を捨て去るなら、この方はあなたがたを捨ててしまわれます。
3長年の間、イスラエルにはまことの神なく、教師となる祭司もなく、律法もありませんでした。
4 しかし、その悩みのときに、彼らがイスラエルの神、主に立ち返り、この方を尋ね求めたところ、彼らにご自身を示してくださいました。
5 この時期には、出て行く者にも、入って来る者にも平安がありませんでした。国々に住むすべての人々に大きな恐慌があったからです。
6 そして彼らは、民は民に、町は町に相逆らい、共に打ち砕かれてしまいました。神があらゆる苦しみをもって、彼らをかき乱されたからです。
7 しかし、あなたがたこそ強くあってほしいのです。力を落としてはなりません。あなたがたの働きには報いが伴っているからです。」
8 アサは、これらのことばと預言者オデデによって預言されたことを聞いたとき、奮い立って、ユダとベニヤミンの全地から、また彼がエフライムの山地で攻め取った町々から、忌むべき物を除いた。そして、主の玄関の前にあった主の祭壇を新しくした。
9 さらに、彼はユダとベニヤミンのすべての人々、および、エフライム、マナセ、シメオンから来て彼らのもとに身を寄せている人々を集めた。彼の神、主が彼とともにおられるのを見て、イスラエルから多くの人々が彼をたよって来たからである。
10 こうして、アサの治世の第十五年の第三の月に、彼らはエルサレムに集まった。
11 その日、自分たちが携えて来た分捕り物の中から、牛七百頭と羊七千頭を主にいけにえとしてささげた。
12 さらに、彼らは、心を尽くし、精神を尽くしてその父祖の神、主を求め、
13 だれでもイスラエルの神、主に求めようとしない者は、小さな者も大きな者も、男も女も、殺されるという契約を結んだ。
14 それから、彼らは、大声をあげ、喜び叫び、ラッパと角笛を吹いて、主に誓いを立てた。
15 ユダの人々はみなその誓いを喜んだ。彼らは心を尽くして誓いを立て、ただ一筋に喜んで主を慕い求め、主は彼らにご自身を示されたからである。主は周囲の者から守って彼らに安息を与えられた。
16 アサ王の母マアカがアシェラのために憎むべき像を造ったので、彼は王母の位から彼女を退けた。アサはその憎むべき像を切り倒し、粉々に砕いて、キデロン川で焼いた。
17 高き所はイスラエルから取り除かれなかったが、アサの心は一生涯、31完全であった。
18 彼は、彼の父が聖別した物と、彼が聖別した物、すなわち、銀、金、器類を、神の宮に運び入れた。
19 アサの治世の第三十五年まで、戦いは起こらなかった。
1 アサの治世の第三十六年に、イスラエルの王バシャはユダに上って来て、ユダの王アサのもとにだれも出入りできないようにするためにラマを築いた。
2 アサは主の宮と王宮との宝物倉から銀と金を取り出し、ダマスコに住むアラムの王ベン・ハダデのもとに送り届けて言った。
3 「私の父とあなたの父上の間にあったように、私とあなたの間に同盟を結びましょう。ご覧ください。私はあなたに銀と金を送りました。どうか、イスラエルの王バシャとの同盟を破棄し、彼が私のもとから離れ去るようにしてください。」
4 ベン・ハダデはアサ王の願いを聞き入れ、自分の配下の将校たちをイスラエルの町々に差し向けたところ、彼らはイヨンと、ダンと、アベル・マイム、および、ナフタリに属するすべての倉庫の町々を打った。
5 バシャはこれを聞くと、ラマを築くのを中止し、その工事をやめさせた。
6 アサ王はユダの人々をみな連れて行き、バシャが建築に用いたラマの石材と木材を運び出させたうえ、これを用いてゲバとミツパを建てた。
7 そのとき、予見者ハナニがユダの王アサのもとに来て、彼に言った。「あなたはアラムの王に拠り頼み、あなたの神、主に拠り頼みませんでした。それゆえ、アラム王の軍勢はあなたの手からのがれ出たのです。
8 あの32クシュ人とルブ人は大軍勢ではなかったでしょうか。戦車と騎兵は非常におびただしかったではありませんか。しかし、あなたが主に拠り頼んだとき、主は彼らをあなたの手に渡されたのです。
9主はその御目をもって、あまねく全地を見渡し、その心がご自分と全く一つになっている人々に御力をあらわしてくださるのです。あなたは、このことについて愚かなことをしました。今から、あなたは数々の戦いに巻き込まれます。」
10 すると、アサはこの予見者に対して怒りを発し、彼に足かせをかけた。このことで、彼に対し激しい怒りをいだいたからである。アサはこのとき、民のうちのある者を踏みにじった。
11 見よ。アサの業績は、最初から最後まで、ユダとイスラエルの王たちの書にまさしくしるされている。
12 それから、アサはその治世の第三十九年に、両足とも病気にかかった。彼の病は重かった。ところが、その病の中でさえ、彼は主を求めることをしないで、逆に医者を求めた。
13 アサは、彼の先祖たちとともに眠った。すなわち、その治世の第四十一年に死んだ。
14 そこで、人々は、彼が自分のためにダビデの町に掘っておいた墓に彼を葬り、香料の混合法にしたがって作ったかおりの高い香油や香料に満ちたふしどに彼を横たえた。そして、彼のために非常にたくさんの香をたいた。
1 そこで、彼の子ヨシャパテが代わって王となり、イスラエルに対して勢力を増し加えた。
2 彼はユダにあるすべての城壁のある町々に軍隊を置き、ユダの地と、彼の父アサが攻め取ったエフライムの町々に守備隊を置いた。
3主はヨシャパテとともにおられた。彼がその先祖ダビデの最初の道に歩んで、バアルに求めず、
4 その父の神に求め、その命令に従って歩み、イスラエルのしわざにならわなかったからである。
5 そこで、主は、王国を彼の手によって確立された。ユダの人々はみなヨシャパテに贈り物をささげた。彼には、富と誉れが豊かに与えられた。
6 彼の心は主の道にいよいよ励み、彼はさらに、高き所とアシェラ像をユダから取り除いた。
7 それから、彼はその治世の第三年に、彼のつかさたち、すなわち、ベン・ハイル、オバデヤ、ゼカリヤ、ネタヌエル、ミカヤなどを遣わし、ユダの町々で教えさせた。
8 また、彼らとともにレビ人も同行した。すなわち、シェマヤ、ネタヌヤ、ゼバデヤ、アサエル、シェミラモテ、ヨナタン、アドニヤ、トビヤ、トブ・アドニヤなどのレビ人である。それから、彼らとともにエリシャマ、ヨラムなどの祭司も同行した。
9 彼らはユダで教えた。すなわち、主の律法の書を携えて行き、ユダのすべての町々を巡回して、民の間で教えた。
10 そこで、主の恐れが、ユダの回りの地のすべての王国に臨んだため、ヨシャパテに戦いをしかける者はだれもなかった。
11 また、ペリシテ人の中から、ヨシャパテに贈り物とみつぎの銀を携えて来る者があり、アラビヤ人も、彼のもとに羊の群れ、すなわち、雄羊七千七百頭、雄やぎ七千七百頭を携えて来た。
12 こうして、ヨシャパテはしだいに並みはずれて強大になり、ユダに城塞や倉庫の町々を築いた。
13 彼には、ユダの町々で多くの工事があり、エルサレムには勇士である戦士たちをかかえていた。
14 彼らの父祖の家ごとの登録は次のとおりである。ユダでは、千人隊の長たちは、隊長アデナ。その配下には勇士三十万人。
1533王の指揮下に、隊長ヨハナン。その配下には二十八万人。
16 その指揮下に、みずから進んで主に身をささげたジクリの子アマスヤ。その配下には二十万人の勇士。
17 ベニヤミンには、勇士エルヤダ。その配下には、弓と盾を持った者が二十万人。
1834王の指揮下に、隊長エホザバデ。その配下には十八万人の武装した者。
19 これらは、王がユダ全国にある城壁のある町々に配属した人々とは別に、王に仕えた人々であった。
1 こうして、ヨシャパテには富と誉れとが豊かに与えられたが、彼はアハブと縁を結んだ。
2 何年かたって後、彼が、サマリヤに下ってアハブのもとに行ったとき、アハブは彼および彼とともにいた民のために、おびただしい羊や牛の群れをほふったうえ、彼を誘い込んで、ラモテ・ギルアデに攻め上らせようとした。
3 そのとき、イスラエルの王アハブはユダの王ヨシャパテに言った。「私とともにラモテ・ギルアデに行ってくれませんか。」すると、彼は答えた。「私とあなたとは同じようなもの、私の民はあなたの民と同じようなものです。あなたとともに戦いに臨みましょう。」
4 ヨシャパテは、イスラエルの王に言った。「まず、主のことばを伺ってみてください。」
5 そこで、イスラエルの王は四百人の預言者を召し集めて、彼らに尋ねた。「私たちはラモテ・ギルアデに戦いに行くべきだろうか。それとも、私はやめるべきだろうか。」彼らは答えた。「上って行きなさい。そうすれば、神は王の手にこれを渡されます。」
6 ところが、ヨシャパテは、「ここには、私たちがみこころを求めることのできる主の預言者がほかにいないのですか」と言った。
7 イスラエルの王はヨシャパテに答えた。「いや、ほかにもうひとり、私たちが主のみこころを求めることのできる者がいます。しかし、私は彼を憎んでいます。彼は私について、決して良いことは預言せず、いつも悪いことばかりを預言するからです。それは、イムラの子ミカヤです。」すると、ヨシャパテは言った。「王よ。そういうふうには言わないでください。」
8 そこで、イスラエルの王はひとりの宦官を呼び寄せ、「急いで、イムラの子ミカヤを呼んで来なさい」と命じた。
9 イスラエルの王と、ユダの王ヨシャパテは、おのおの王服を着て、王の座に着き、サマリヤの門の入口にある打ち場にすわっていた。預言者はみな、ふたりの前で預言していた。
10 そのとき、ケナアナの子ゼデキヤは、王のために鉄の角を作って言った。「主はこう仰せられます。『これらの角で、あなたはアラムを突いて、絶滅させなければならない。』」
11 ほかの預言者たちもみな、同じように預言して言った。「ラモテ・ギルアデに攻め上って勝利を得なさい。主は王の手にこれを渡されます。」
12 さて、ミカヤを呼びに行った使いの者はミカヤに告げて言った。「いいですか。預言者たちは口をそろえて、王に対し良いことを述べています。お願いですから、あなたもみなと同じように語り、良いことを述べてください。」
13 すると、ミカヤは答えた。「主は生きておられる。私の神が告げられることを、そのまま述べよう。」
14 彼が王のもとに着くと、王は彼に言った。「ミカヤ。私たちはラモテ・ギルアデに戦いに行くべきだろうか。それとも、私はやめるべきだろうか。」すると、彼は答えた。「攻め上って勝利を得なさい。彼らはあなたがたの手に渡されます。」
15 すると、王は彼に言った。「いったい、私が何度あなたに誓わせたら、あなたは主の名によって真実だけを私に告げるようになるのか。」
16 彼は答えた。
「私は全イスラエルが、
山々に散らされているのを見た。
まるで、飼い主のいない羊の群れのように。
そのとき、主は仰せられた。
『彼らには主人がいない。
彼らをおのおの
その家に無事に帰さなければならない。』」
17 イスラエルの王はヨシャパテに言った。「彼は私について良いことを預言せず、悪いことばかりを預言すると、あなたに言っておいたではありませんか。」
18 すると、ミカヤは言った。「それゆえ主のことばを聞きなさい。私は主が御座に着き、天の万軍がその右左に立っているのを見ました。
19 そのとき、主は仰せられました。『だれか、イスラエルの王アハブを惑わして、攻め上らせ、ラモテ・ギルアデで倒れさせる者はいないか。』すると、ある者は一つの案を述べ、他の者は別の案を述べました。
20 それから、ひとりの霊が進み出て、主の前に立ち、『この私が彼を惑わします』と言いますと、主が彼に『どういうふうにやるのか』と尋ねられました。
21 彼は答えました。『私が出て行き、彼のすべての預言者の口で偽りを言う霊となります。』すると、『あなたはきっと惑わすことができよう。出て行って、そのとおりにせよ』と仰せられました。
22 今、ご覧のとおり、主はここにいるあなたの預言者たちの口に偽りを言う霊を授けられました。主はあなたに下るわざわいを告げられたのです。」
23 すると、ケナアナの子ゼデキヤが近寄って来て、ミカヤの頰をなぐりつけて言った。「どの道を通って、主の霊が私を離れて行き、おまえに語ったというのか。」
24 ミカヤは答えた。「いまに、あなたが奥の間に入って身を隠すときに、思い知るであろう。」
25 すると、イスラエルの王は言った。「ミカヤを連れて行け。町のつかさアモンと王の子ヨアシュのもとに下がらせよ。
26 王が『この男を獄屋に入れ、私が無事に戻って来るまで、35わずかなパンと36わずかな水をあてがっておけ』と命じたと言え。」
27 ミカヤは言った。「万が一、あなたが無事に戻って来られることがあるなら、主は私によって語られなかったのです。」そして、「みなの人々よ。聞いておきなさい」と言った。
28 こうして、イスラエルの王とユダの王ヨシャパテは、ラモテ・ギルアデに攻め上った。
29 そのとき、イスラエルの王はヨシャパテに言った。「私は変装して戦いに行こう。でも、あなたは、自分の王服を着ていてください。」こうして、イスラエルの王は変装し、彼らは戦いに行った。
30 アラムの王は、自分の配下の戦車隊長たちに命じて言った。「37兵や将校とは戦うな。ただイスラエルの王を目ざして戦え。」
31戦車隊長たちはヨシャパテを見たとき、「あれはイスラエルの王に違いない」と思ったので、彼を取り囲んで戦おうとした。すると、ヨシャパテは助けを叫び求めた。主は彼を助けられた。神は彼らを、彼から離れるように仕向けられた。
32戦車隊長たちは、彼がイスラエルの王ではないことを知ったとき、彼を追うことをやめ、引き返した。
33 ところが、ひとりの兵士が何げなく弓を放つと、イスラエルの王の胸当てと草摺の間を射抜いた。そこで、王は戦車の御者に言った。「手綱を返して、私を敵陣から抜け出させてくれ。傷を負ってしまった。」
34 その日、戦いはますます激しくなった。イスラエルの王はアラムに向かって、夕方まで戦車の中に立っていたが、日没のころになって死んだ。
1 ユダの王ヨシャパテは無事に自分の家に帰り、エルサレムに戻った。
2 すると、先見者ハナニの子エフーが彼の前に出向いて来て、ヨシャパテ王に言った。「悪者を助けるべきでしょうか。あなたは主を憎む者たちを愛してよいのでしょうか。これによって、あなたの上に、主の前から怒りが下ります。
3 しかし、あなたには、良いことも幾つか見られます。あなたはこの地からアシェラ像を除き去り、心を定めて常に神を求めて来られました。」
4 ヨシャパテはエルサレムに住んだ。それから、彼はもう一度ベエル・シェバからエフライムの山地に至る民の中へ出て行き、彼らをその父祖の神、主に立ち返らせた。
5 さらに、彼はこの地、すなわち、ユダにあるすべての城壁のある町々にさばきつかさを立て、町ごとにこれを任命し、
6 さばきつかさたちにこう言った。「あなたがたは自分のする事に注意しなさい。あなたがたがさばくのは、人のためではなく、主のためだからです。この方は、さばきが行われるとき、あなたがたとともにおられるのです。
7 今、主への恐れがあなたがたにあるように。忠実に行いなさい。私たちの神、主には、不正も、えこひいきも、わいろを取ることもないからです。」
8 なお、ヨシャパテはエルサレムでは、レビ人と祭司の中から、またイスラエルに属する一族のかしらたちの中から、主のさばき、および訴訟に携わる者たちを任命していた。38エルサレムに帰ったとき、
9 彼はこの人々に次のように命じた。「あなたがたは、主を恐れ、忠実に、また全き心をもって、このように行わなければなりません。
10 おのおのの町に住んでいるあなたがたの兄弟たちから、あるいは互いの流血事件について、あるいは律法、命令、おきて、定めなどについて、あなたがたのところに訴訟が持ち込まれた場合には、いつでも、あなたがたは、彼らが主に対して罪を負い、その結果、あなたがたとあなたがたの兄弟たちの上に御怒りが下ることのないよう、彼らに警告を与えなければなりません。あなたがたはこのように行いなさい。そうすれば罪を負わずに済むのです。
11 ご覧なさい。あなたがたの上のかしら、祭司アマルヤは、主の事がら全体に当たります。また、ユダの家のつかさイシュマエルの子ゼバデヤは王の事がら全体に当たってくれます。さらに、あなたがたの前のレビ人はつかさです。勇気を出して実行しなさい。主が善人とともにいてくださるように。」
1 この後、モアブ人とアモン人、および彼らに合流した39アモン人の一部が、ヨシャパテと戦おうとして攻めて来た。
2 そこで、人々は来て、ヨシャパテに告げて言った。「海の向こうの40アラムからおびただしい大軍があなたに向かって攻めて来ました。早くも、彼らはハツァツォン・タマル、すなわちエン・ゲディに来ています。」
3 ヨシャパテは恐れて、ただひたすら主に求め、ユダ全国に断食を布告した。
4 ユダの人々は集まって来て、主の助けを求めた。すなわち、ユダのすべての町々から人々が出て来て、主を求めた。
5 ヨシャパテは、主の宮にある新しい庭の前で、ユダとエルサレムの集団の中に立って、
6 言った。「私たちの父祖の神、主よ。あなたは天におられる神であり、また、あなたはすべての異邦の王国を支配なさる方ではありませんか。あなたの御手には力があり、勢いがあります。だれも、あなたと対抗してもちこたえうる者はありません。
7 私たちの神よ。あなたはこの地の住民をあなたの民イスラエルの前から追い払い、これをとこしえにあなたの友アブラハムのすえに賜ったのではありませんか。
8 彼らはそこに住み、あなたのため、御名のために、そこに聖所を建てて言いました。
9 『もし、剣、さばき、疫病、ききんなどのわざわいが私たちに襲うようなことがあれば、私たちはこの宮の前、すなわち、あなたの御前に立って──あなたの御名はこの宮にあるからです──私たちの苦難の中から、あなたに呼ばわります。そのときには、あなたは聞いてお救いくださいます。』
10 ところが今、アモン人とモアブ人、およびセイル山の人々をご覧ください。この者たちは、イスラエルがエジプトの地を出て来たとき、イスラエルがそこに侵入することをあなたがお許しにならなかった者たちです。事実、イスラエルは彼らから離れ去り、これを根絶やしにすることはしませんでした。
11 ご覧ください。彼らが私たちにしようとしていることを。彼らは、あなたが私たちに得させてくださったあなたの所有地から私たちを追い払おうとして来ました。
12 私たちの神よ。あなたは彼らをさばいてくださらないのですか。私たちに立ち向かって来たこのおびただしい大軍に当たる力は、私たちにはありません。私たちとしては、どうすればよいかわかりません。ただ、あなたに私たちの目を注ぐのみです。」
13 ユダの人々は全員主の前に立っていた。彼らの幼子たち、妻たち、子どもたちも共にいた。
14 ときに、主の霊が集団の中で、アサフ族の出のレビ人ヤハジエルの上に臨んだ。彼はマタヌヤの子エイエルの子ベナヤの子ゼカリヤの子である。
15 彼は言った。「ユダのすべての人々とエルサレムの住民およびヨシャパテ王よ。よく聞きなさい。主はあなたがたにこう仰せられます。『あなたがたはこのおびただしい大軍のゆえに恐れてはならない。気落ちしてはならない。この戦いはあなたがたの戦いではなく、神の戦いであるから。
16 あす、彼らのところに攻め下れ。見よ。彼らはツィツの上り道から上って来る。あなたがたはエルエルの荒野の前の谷のはずれで、彼らに会う。
17 この戦いではあなたがたが戦うのではない。しっかり立って動かずにいよ。あなたがたとともにいる主の救いを見よ。ユダおよびエルサレムよ。恐れてはならない。気落ちしてはならない。あす、彼らに向かって出陣せよ。主はあなたがたとともにいる。』」
18 それで、ヨシャパテは地にひれ伏した。ユダのすべての人々とエルサレムの住民も主の前にひれ伏して主を礼拝し、
19 ケハテ族、コラ族のレビ人たちが立ち上がり、大声を張り上げてイスラエルの神、主を賛美した。
20 こうして、彼らは翌朝早く、テコアの荒野へ出陣した。出陣のとき、ヨシャパテは立ち上がって言った。「ユダおよびエルサレムの住民よ。私の言うことを聞きなさい。あなたがたの神、主を信じ、忠誠を示しなさい。その預言者を信じ、勝利を得なさい。」
21 それから、彼は民と相談し、主に向かって歌う者たち、聖なる飾り物を着けて賛美する者たちを任命した。彼らが武装した者の前に出て行って、こう歌うためであった。
「主に感謝せよ。
その恵みはとこしえまで。」
22 彼らが喜びの声、賛美の声をあげ始めたとき、主は伏兵を設けて、ユダに攻めて来たアモン人、モアブ人、セイル山の人々を襲わせたので、彼らは打ち負かされた。
23 アモン人とモアブ人はセイル山の住民に立ち向かい、これを聖絶し、根絶やしにしたが、セイルの住民を全滅させると、互いに力を出して滅ぼし合った。
24 ユダが荒野に面した物見の塔に上ってその大軍のほうを見渡すと、なんと、死体が野にころがっている。のがれた者はひとりもない。
25 ヨシャパテとその民が分捕りをしに行くと、その所に、武具、死体、高価な器具を数多く見つけたので、これを負いきれないほど、はぎ取って、自分のものとした。あまりにも多かったので、彼らはその分捕りに三日かかった。
26 四日目に、彼らは41ベラカの谷に集まり、その所で主をほめたたえた。それゆえ、人々はその所の名をベラカの谷と呼んだ。今日もそうである。
27 それから、ユダとエルサレムの人々はひとり残らず、ヨシャパテを先頭にして、喜びのうちにエルサレムに凱旋した。主が彼らに、その敵のことについて喜びを与えられたからである。
28 彼らは、十弦の琴、立琴、ラッパを携えてエルサレムに入り、主の宮に行った。
29 地のすべての王国が、主はイスラエルの敵と戦われたということを聞いたとき、神の恐れが彼らの上に臨んだ。
30 このようなわけで、ヨシャパテの治世は平穏であった。彼の神は、周囲の者から守って、彼に安息を与えられた。
31 このようにして、ヨシャパテはユダを治めた。彼は三十五歳で王となり、エルサレムで二十五年間、王であった。その母の名はアズバといい、シルヒの娘であった。
32 彼はその父アサの道に歩み、その道からそれることなく、主の目にかなうことを行った。
33 しかし、高き所は取り除かなかったので、民はなおも、彼らの父祖の神にその心を定めようとしなかった。
34 ヨシャパテのその他の業績は、最初から最後まで、イスラエルの王たちの書に載せられたハナニの子エフーの言行録にまさしくしるされている。
35 その後、ユダの王ヨシャパテは、悪事を行ったイスラエルの王アハズヤと同盟を結んだ。
36 彼はタルシシュへ行くための船団をつくるためにこの王と結んだ。彼らはエツヨン・ゲベルで船団をつくった。
37 そのとき、マレシャの出のドダワの子エリエゼルがヨシャパテに向かって預言し、こう言った。「あなたがアハズヤと同盟を結んだので、主はあなたの造ったものを打ちこわされました。」そうこうするうちに、船は難破し、タルシシュへそのまま行くことができなかった。
1 ヨシャパテは彼の先祖たちとともに眠り、先祖たちとともにダビデの町に葬られた。その子ヨラムが代わって王となった。
2 彼には、兄弟たちがいた。ヨシャパテの子たちで、アザルヤ、エヒエル、ゼカリヤ、アザルヤ、ミカエル、シェファテヤであった。これらはみな、42ユダの王ヨシャパテの子たちであった。
3 彼らの父は、彼らに銀、金、えりすぐりの品々など多くの賜り物を与え、また、それとともにユダにある防備の町々を与えたが、王国はヨラムに与えた。彼は長男だったからである。
4 ヨラムはその父の王国に立つと勢力を増し加え、その兄弟たちをひとり残らず剣にかけて殺し、また、イスラエルのつかさたちのうち幾人かを殺した。
5 ヨラムは三十二歳で王となり、エルサレムで八年間、王であった。
6 彼はアハブの家の者がしたように、イスラエルの王たちの道に歩んだ。アハブの娘が彼の妻であったからである。彼は主の目の前に悪を行ったが、
7主は、ダビデと結ばれた契約のゆえに、ダビデの家を滅ぼすことを望まれなかった。主はダビデとその子孫にいつまでもともしびを与えようと、約束されたからである。
8 ヨラムの時代に、エドムがそむいて、ユダの支配から脱し、自分たちの上に王を立てた。
9 ヨラムは、彼のつかさたちとともに、すべての戦車を率いて渡って行き、夜襲を試み、彼を包囲していたエドムと戦車隊長たちを打った。
10 しかしなお、エドムはそむいて、ユダの支配から脱した。今日もそうである。リブナもまた、その時にそむいて、その支配から脱しようとした。これは彼がその父祖の神、主を捨て去ったからである。
11 そのうえ、彼はユダの山々に高き所を造り、エルサレムの住民に淫行を行わせ、ユダを迷わせた。
12 ときに、預言者エリヤのもとから彼のところに書状が届いたが、そこには次のようにしるされていた。「あなたの父ダビデの神、主は、こう仰せられます。『あなたが、あなたの父ヨシャパテの道にも、ユダの王アサの道にも歩まず、
13 イスラエルの王たちの道に歩み、アハブの家が淫行を行わせたように、ユダとエルサレムの住民に淫行を行わせたので、また、そればかりでなく、あなたは、自分よりも善良なあなたの兄弟たち、あなたの父の家の者を殺したので、
14 見よ、主は大きな災害をもってあなたの民、あなたの子たち、あなたの妻たち、あなたの全財産を打つ。
15 あなた自身は、内臓の病気で大病をわずらい、日々にその病が進んで、内臓が外に出るまでになる。』」
16主は43クシュ人の近くにいたペリシテ人とアラビヤ人の霊を奮い立たせて、ヨラムに敵対させられたので、
17 彼らは、ユダに上って攻め入り、王宮の中で目に留まったすべての財産と彼の子や妻たちを奪い去った。その結果、彼には末子のエホアハズのほか、男の子はだれも残らなかった。
18 これらすべてのことの後、主は彼を、その内臓を打たれた。彼は不治の病になった。
19 年は巡り、二年の終わりが来ると、彼の内臓は病のために外に出てしまい、ついに彼は重病の床で死んだ。彼の民は、彼の父祖たちのために香をたいたようには、彼のために香をたかなかった。
20 彼は三十二歳で王となり、エルサレムで八年間、王であった。彼は人々に愛されることなく世を去った。人々は彼をダビデの町に葬ったが、王たちの墓には納めなかった。
1 エルサレムの住民は、彼の末子44アハズヤを彼の代わりに王とした。アラビヤ人とともに陣営に攻めて来た略奪隊が年長の子らを全部殺してしまったからである。こうして、ユダの王ヨラムの子アハズヤが王となった。
2 アハズヤは45四十二歳で王となり、エルサレムで一年間、王であった。彼の母の名はアタルヤといい、オムリの46孫娘であった。
3 彼もまた、アハブの家の道に歩んだ。彼の母が彼の助言者で、悪を行わせたからである。
4 彼はアハブの家にならって主の目の前に悪を行った。その父の死後、彼らが助言者となって、彼を滅びに至らせたのである。
5 彼はこの人々の助言を重んじて行動し、イスラエルの王アハブの子ヨラムとともに、アラムの王ハザエルと戦うため、ラモテ・ギルアデに行ったが、アラム人はヨラムに傷を負わせた。
6 彼は、アラムの王ハザエルと戦ったときにラマで負わされた傷をいやすため、イズレエルに帰って来た。ユダの王ヨラムの子47アハズヤは、アハブの子ヨラムが病気であったので、彼を見舞いにイズレエルに下って行った。
7 ヨラムのもとに行くことによって、アハズヤが滅びたのは、神から出たことであった。彼はそこに着くと、ヨラムとともにニムシの子エフーに向かって出て行った。これは、主がアハブの家を断ち滅ぼすために油をそそがれた人である。
8 エフーは、アハブの家にさばきを行ったとき、アハズヤに仕えていたユダのつかさたちと、アハズヤの兄弟たちの子らとを見つけたので、これらの人々を殺した。
9 彼がアハズヤを捜したので、人々は彼を捕らえた。彼はサマリヤに身を隠していたのである。こうして、人々は、彼をエフーのもとに引いて来て殺したが、これは心を尽くして主を求めたヨシャパテの子であると言って、彼を葬った。アハズヤの家は王国を治める力を失った。
10 アハズヤの母アタルヤは、自分の子が死んだと知ると、ただちにユダの家に属する王の一族をことごとく48滅ぼした。
11 しかし、王の娘エホシェバが、殺される王の子たちの中から、アハズヤの子ヨアシュを盗み出し、彼とそのうばとを49寝具をしまう小部屋に入れた。こうして、ヨラム王の娘、祭司エホヤダの妻、エホシェバは、──彼女がアハズヤの妹であったので──ヨアシュをアタルヤから隠した。アタルヤはこの子を殺さなかった。
12 こうして、彼はこの人々とともに、神の宮に六年の間、身を隠していた。その間、アタルヤがこの国の王であった。
1 その第七年目に、エホヤダは奮い立って、エロハムの子アザルヤ、ヨハナンの子イシュマエル、オベデの子アザルヤ、アダヤの子マアセヤ、ジクリの子エリシャファテなど、百人隊の長たちを連れて来て、彼と契約を結ばせた。
2 それで彼らはユダを巡回し、ユダのすべての町々からレビ人を集め、イスラエルの一族のかしらたちを集めたので、彼らはエルサレムに来た。
3 こうして、全集団が神の宮で王と契約を結んだ。そのとき、彼はこう言った。「ご覧のとおり、主がダビデの子孫について約束されたように、王の子が王となるのです。
4 あなたがたのなすべきことはこうです。あなたがた、祭司、レビ人の三分の一は安息日に勤務し、入口にいる門衛となる。
5 三分の一は王宮におり、他の三分の一は礎の門にいる。すべての民は主の宮の庭にいる。
6祭司と、レビ人で仕えている者たちは聖であるから、入ってもよいが、それ以外の者は、主の宮に入ってはならない。すべての民は主の戒めを守らなければならない。
7 レビ人は、おのおの武器を手にし、王の回りを取り囲みなさい。宮に入って来る者は殺されなければならない。あなたがたは、王が入るときにも、出るときにも、いつも王とともにいなさい。」
8 レビ人およびすべてのユダの人々は、すべて祭司エホヤダが命じたとおりに行った。おのおの自分の部下、すなわち安息日に勤務する者、安息日に勤務しない者を率いていた。祭司エホヤダが各組の任を解かなかったからである。
9祭司エホヤダは百人隊の長たちに、神の宮にあったダビデ王の槍、盾、および丸い小盾を与えた。
10 彼はすべての民にひとりひとり手に投げ槍を持たせて、神殿の右側から神殿の左側まで、祭壇と神殿に向かって王の回りに立たせた。
11 こうして彼らは、王の子を連れ出し、彼に王冠をかぶらせ、さとしの書を渡して、彼を王と宣言した。そしてエホヤダとその子たちが彼に油をそそぎ、「王さま。ばんざい」と叫んだ。
12 アタルヤは、王をほめたたえている民と近衛兵の声を聞いて、主の宮の民のところに行った。
13 見ると、なんと、王が入口の柱のそばに立っていた。王のかたわらに、隊長たちやラッパ手たちがいた。一般の人々がみな喜んでラッパを吹き鳴らしており、歌うたいたちが楽器を手にし、賛美の拍子をとっていた。アタルヤは自分の衣服を引き裂き、「謀反だ。謀反だ」と言った。
14 すると、祭司エホヤダは、部隊をゆだねられた百人隊の長たちを呼び出して、彼らに言った。「この女を列の間から連れ出せ。この女に従って来る者は剣で殺されなければならない。」祭司が「この女を主の宮で殺してはならない」と言ったからである。
15 彼らは彼女を取り押さえ、彼女が馬の門の出入口を通って、王宮に着いたとき、そこで彼女を殺した。
16 エホヤダは、彼とすべての民と王との間で、主の民となるという契約を結んだ。
17民はみなバアルの宮に行って、それを取りこわし、その祭壇とその像を打ち砕き、バアルの祭司マタンを祭壇の前で殺した。
18 エホヤダは、主の宮の管理を定めて、これをレビ人の祭司の手にゆだねた。彼らは、モーセの律法にしるされているとおり、ダビデの指示に基づいて、喜びと歌とをもって主の全焼のいけにえをささげさせるようにと、ダビデが組分けをして主の宮に配属した人々である。
19 さらに、彼は主の宮の門に、門衛たちを立て、どんなことで汚れた者であっても、だれひとり入り込ませないようにした。
20 彼は百人隊の長たち、貴人たち、民の支配者たちとすべての一般の人々を率いて、王を主の宮から連れ下った。彼らは上の門をくぐって王宮に入り、王を王国の王座に着かせた。
21一般の人々はみな喜び、この町は平穏であった。彼らはアタルヤを剣にかけて殺したからである。
1 ヨアシュは七歳で王となり、エルサレムで四十年間、王であった。彼の母の名はツィブヤといい、ベエル・シェバの出であった。
2 ヨアシュは、祭司エホヤダの生きている間は、主の目にかなうことを行った。
3 エホヤダは、彼のためにふたりの妻をめとらせた。彼は息子たちと娘たちを生んだ。
4 その後のことであるが、ヨアシュは主の宮を新しくすることを志し、
5祭司とレビ人を集めて、彼らに言った。「ユダの町々へ出て行き、毎年あなたがたの神の宮を修理するために、全イスラエルから金を集めて来なさい。あなたがたは急いでそのことをしなければならない。」ところが、レビ人は急がなかった。
6 それで、王はかしらエホヤダを呼んで彼に言った。「なぜ、あなたはレビ人に要求して、主のしもべモーセとイスラエルの集団の、あかしの天幕のための税金を、ユダとエルサレムから持って来させないのですか。」
7 というのは、あの悪女50アタルヤ、その子たちが、神の宮を打ちこわし、主の宮の聖なるものをもすべてバアルのために用いたからである。
8 王は命令した。すると、彼らは一つの箱を作り、それを主の宮の門の外側に置いた。
9 そして、神のしもべモーセが荒野でイスラエルに課した税金を主のみもとに持って来るように、ユダとエルサレムに布告した。
10 すると、すべてのつかさたち、すべての民が喜んで、それを持って来て、箱に投げ入れ、ついにいっぱいにした。
11金が多くなったのを見て、レビ人たちが箱を王の役所に運んで行ったとき、王の書記と祭司のかしらに仕える管理人が来て、箱をからにし、それを持ち上げ、もとの場所に返した。彼らは毎日このように行い、多くの金を集めた。
12 そこで、王とエホヤダは、これを主の宮の奉仕の仕事を行う者に渡した。彼らは、主の宮を新しくするために石切り工と木工を、主の宮を修理するために鉄と青銅の細工師を雇った。
13 こうして、仕事をする人々は仕事をし、彼らの手によって、細工物の修復がされた。彼らは、神の宮を元のとおりに建て、これを堅固にした。
14 彼らは、完工の際、残った金を王とエホヤダの前に持って来た。彼らは、それで、主の宮の器具、すなわち、ささげる務めに用いる用具、深皿、金銀の器などを作った。こうして、人々はエホヤダの生きている間、絶えず、主の宮で全焼のいけにえをささげた。
15 さて、エホヤダは老年を迎え、長寿を全うして死んだ。彼は死んだとき、百三十歳であった。
16 人々は彼をダビデの町に王たちといっしょに葬った。彼がイスラエルにあって、神とその宮とに対して良いことを行ったからである。
17 エホヤダが死んで後、ユダのつかさたちが来て、王を伏し拝んだ。それで、王は彼らの言うことを聞き入れた。
18 彼らはその父祖の神、主の宮を捨て、アシェラと偶像に仕えたので、彼らのこの罪過のため、御怒りがユダとエルサレムの上に下った。
19 主は、彼らを主に立ち返らせようと預言者たちを彼らの中に遣わし、預言者たちは彼らを戒めたが、彼らは耳を貸さなかった。
20 神の霊が祭司エホヤダの子ゼカリヤを51捕らえたので、彼は民よりも高い所に立って、彼らにこう言った。「神はこう仰せられる。『あなたがたは、なぜ、主の命令を犯して、繁栄を取り逃がすのか。』あなたがたが主を捨てたので、主もあなたがたを捨てられた。」
21 ところが、彼らは彼に対して陰謀を企て、主の宮の庭で、王の命令により、彼を石で打ち殺した。
22 ヨアシュ王は、ゼカリヤの父エホヤダが自分に尽くしてくれたまことを心に留めず、かえってその子を殺した。その子は死ぬとき、「主がご覧になり、言い開きを求められるように」と言った。
23 その年の改まるころ、アラムの軍勢が彼に向かって攻め上り、ユダとエルサレムに来て、民の中の、民のつかさをひとり残らず殺し、分捕り物を全部、ダマスコの王のもとに送った。
24 アラムの軍勢は少人数で来たが、主が、非常に大きな軍勢を彼らの手に渡されたからである。それは、この人々がその父祖の神、主を捨てたからである。彼らはヨアシュを裁判にかけた。
25 彼らが重病の状態にあるヨアシュを捨てて、離れて行ったとき、彼の家来たちは、祭司エホヤダの子たちの血のために、彼に謀反を企てた。彼らは、病床で彼を殺し、彼が死んだので、彼をダビデの町に葬ったが、王たちの墓には葬らなかった。
26 彼に謀反を企てたのは次の者たちである。アモンの女シムアテの子52ザバデ、モアブの女シムリテの子エホザバデ。
27 彼の子たちのこと、彼について述べられた多くの預言のこと、神の宮の53再建のことなどは、王たちの書の注解にまさしくしるされている。
ついで彼の子アマツヤが代わって王となった。
1 アマツヤは二十五歳で王となり、エルサレムで二十九年間、王であった。彼の母の名はエホアダンといい、エルサレムの出であった。
2 彼は主の目にかなうことを行ったが、全き心をもってではなかった。
3 彼の王国が強くなると、彼は自分の父、王を打ち殺した家来たちを殺した。
4 しかし、彼らの子どもたちは殺さなかった。それは、モーセの書の律法にしるされているところによったからである。主はこう命じておられた。「父親が子どものために殺されてはならない。子どもが父親のために殺されてはならない。人が殺されるのは、自分の罪のためでなければならないからである。」
5 アマツヤはユダを召集し、ユダおよびベニヤミン全員を、千人隊の長、百人隊の長の下に、父祖の家ごとに整列させた。こうして、二十歳以上の者を登録し、従軍して槍と大盾を手にする精鋭三十万人を得た。
6 さらに、彼はイスラエルから、銀百54タラントで、十万人の勇士を雇った。
7 神の人が彼のもとに来て言った。「王よ。イスラエルの軍勢をあなたとともに行かせてはなりません。主は、イスラエル、すなわち、すべてのエフライム族とは、共におられないからです。
8 それでも、あなたが行くと言われるのなら、そうしなさい。雄々しく戦いなさい。神は敵の前にあなたをつまずかせられます。神には、助ける力があり、つまずかせる力もあるからです。」
9 アマツヤは神の人に言った。「では、イスラエルの軍勢に与えた百タラントはどうしたらよいのか。」神の人は答えた。「主はそれよりも多くのものをあなたに与えることがおできになります。」
10 そこで、アマツヤは、エフライムから彼のもとに来た軍隊を取り分けて、彼らの所に帰したので、彼らはユダに向かって怒りを激しく燃やし、怒りに燃えながら、自分たちのところへ帰った。
11 アマツヤは奮い立って、その民を率いて塩の谷に行き、セイルの者たち一万人を打った。
12 ユダ族は一万人を生けどりにして、彼らを岩の頂上に連れて行き、その岩の頂上から、彼らを投げ落とした。彼らはひとり残らず砕かれてしまった。
13 アマツヤが自分とともに戦いに行かせずに帰した軍隊の者たちは、サマリヤからベテ・ホロンに及ぶユダの町々に突入し、三千人を打って、多くの物をかすめ奪った。
14 アマツヤは、エドム人を打ち殺して帰って来て後、セイルの者たちの神々を持ち帰り、これを自分の神々として立て、その前に伏し拝み、これに香をたいた。
15 そこで、主はアマツヤに向かって怒りを燃やし、彼のもとに預言者を遣わして、彼に仰せられた。「なぜ、あなたは、あなたの手からその民を救い出すこともできないような55神々を求めたのか。」
16 彼が王に語っているうちに、王は彼に言った。「私たちはあなたを王の議官に任じたのか。身のためを思ってやめなさい。なぜ、打ち殺されるようなことをするのか。」そこで、預言者はやめて言った。「私は神があなたを滅ぼそうと計画しておられるのを知りました。あなたがこれを行い、私の勧めを聞かなかったからです。」
17 そののち、ユダの王アマツヤは、よく考えたうえで、エフーの子エホアハズの子、イスラエルの王ヨアシュに、使者を送って言った。「さあ、56勝敗を決めようではないか。」
18 すると、イスラエルの王ヨアシュは、ユダの王アマツヤに使者を送って言った。「レバノンのあざみが、レバノンの杉に使者を送って、『あなたの娘を私の息子の嫁にくれないか』と言ったが、レバノンの野の獣が通り過ぎて、そのあざみを踏みにじった。
19 あなたは、どうだ、自分はエドムを打ち破ったと言った。あなたの心は高ぶり、誇っている。今は、自分の家にとどまっていなさい。なぜ、争いをしかけてわざわいを求め、あなたもユダも共に倒れようとするのか。」
20 しかし、アマツヤは聞き入れなかった。それは、神から出たことで、彼らがエドムの神々を求めたので、彼らを57敵の手に渡すためであった。
21 そこで、イスラエルの王ヨアシュは攻め上った。それで彼とユダの王アマツヤは、ユダのベテ・シェメシュで対戦したが、
22 ユダはイスラエルに打ち負かされ、おのおの自分の天幕に逃げ帰った。
23 イスラエルの王ヨアシュは、58エホアハズの子ヨアシュの子、ユダの王アマツヤを、ベテ・シェメシュで捕らえ、エルサレムに連れて来たうえ、エルサレムの城壁をエフライムの門から隅の門まで、四百59キュビトにわたって打ちこわした。
24 またオベデ・エドムの管理していた神の宮にあったすべての金と銀、およびすべての器具、それに王宮の財宝と人質を60取って、サマリヤに帰った。
25 ユダの王ヨアシュの子アマツヤは、イスラエルの王エホアハズの子ヨアシュの死んで後、なお十五年生きながらえた。
26 アマツヤのその他の業績は、最初から最後まで、ユダとイスラエルの王たちの書にまさしくしるされているではないか。
27 アマツヤが主から離れた時、エルサレムで人々が彼に対して謀反を企てたので、彼はラキシュに逃げた。しかし、彼らはラキシュまで追いかけて、そこで彼を殺した。
28 彼らは、彼を馬にのせて行って、ユダの町に先祖たちといっしょに葬った。
1 ユダの民はみな、当時十六歳であった61ウジヤを立てて、その父アマツヤの代わりに王とした。
2 彼は、アマツヤが先祖たちとともに眠って後、62エラテを再建し、それをユダに復帰させた。
3 ウジヤは十六歳で王となり、エルサレムで五十二年間、王であった。彼の母の名はエコルヤといい、エルサレムの出であった。
4 彼はすべて父アマツヤが行ったとおりに、主の目にかなうことを行った。
5 彼は神を63認めることを教えたゼカリヤの存命中は、神を求めた。彼が主を求めていた間、神は彼を栄えさせた。
6 彼は出陣してペリシテ人と戦ったとき、ガテの城壁、ヤブネの城壁、アシュドデの城壁を打ちこわし、アシュドデの中の、ペリシテ人たちの間に、町々を築いた。
7 神は彼を助けて、ペリシテ人、グル・バアルに住むアラビヤ人、メウニム人に立ち向かわせた。
8 アモン人はウジヤのもとにみつぎものを納めた。こうして、彼の名はエジプトの入口にまで届いた。その勢力が並みはずれて強くなったからである。
9 ウジヤはエルサレムの隅の門、谷の門および曲がりかどの上にやぐらを建て、これを強固にし、
10荒野にやぐらを建て、多くの水ためを掘った。彼は64低地にも平野にも多くの家畜を持っていたからである。山地や果樹園には農夫やぶどう作りがいた。彼が農業を好んだからである。
11 さらに、ウジヤは戦闘部隊をかかえていたが、彼らは、書記エイエルとつかさマアセヤによって登録された人数にしたがって各隊に分かれ、王の隊長のひとり、ハナヌヤの指揮下にいくさに出る者たちであった。
12 勇士である一族のかしらたちの数はみなで二千六百人であった。
13 その指揮下には三十万七千五百人の軍勢があり、王を助けて敵に当たる強力な戦闘部隊であった。
14 ウジヤは、彼ら全軍のために、盾、槍、かぶと、よろい、弓および石投げの石を用意した。
15 さらに、彼はエルサレムで、巧みに考案された兵器を作り、矢や大石を打ち出すために、やぐらの上や、城壁のかどにある塔の上にこれを据えた。こうして、彼の名は遠くにまで65鳴り響いた。彼がすばらしいしかたで、助けを得て強くなったからである。
16 しかし、彼が強くなると、彼の心は高ぶり、ついに身に滅びを招いた。彼は彼の神、主に対して不信の罪を犯した。彼は香の壇の上で香をたこうとして主の神殿に入った。
17 すると彼のあとから、祭司アザルヤが、主に仕える八十人の有力な祭司たちとともに入って来た。
18 彼らはウジヤ王の前に立ちふさがって、彼に言った。「ウジヤよ。主に香をたくのはあなたのすることではありません。66香をたくのは、聖別された祭司たち、アロンの子らのすることです。聖所から出てください。あなたは不信の罪を犯したのです。あなたには神である主の誉れは与えられません。」
19 ウジヤは激しく怒って、手に香炉を取って香をたこうとした。彼が祭司たちに対して激しい怒りをいだいたとき、その祭司たちの前、主の神殿の中、香の壇のかたわらで、突然、彼の額にツァラアトが現れた。
20祭司のかしらアザルヤと祭司たち全員が彼のほうを見ると、なんと、彼の額はツァラアトに冒されていた。そこで彼らは急いで彼をそこから連れ出した。彼も自分から急いで出て行った。主が彼を打たれたからである。
21 ウジヤ王は死ぬ日までツァラアトに冒され、ツァラアトに冒された者として隔ての家に住んだ。彼は主の宮から絶たれたからである。その子ヨタムが王宮を管理し、この国の人々をさばいていた。
22 ウジヤのその他の業績は、最初から最後まで、アモツの子預言者イザヤが書きしるした。
23 ウジヤは彼の先祖たちとともに眠った。人々は彼を王たちの墓地の野に先祖たちとともに葬った。彼がツァラアトに冒された者だと言われていたからである。彼の子ヨタムが代わって王となった。
1 ヨタムは、二十五歳で王となり、エルサレムで十六年間、王であった。彼の母の名はエルシャといい、ツァドクの娘であった。
2 彼はすべて、主の目にかなうことを行った。父ウジヤが行ったとおりである。ただし、彼は、主の神殿に入るようなことはしなかった。民はなお滅びに向かっていた。
3 彼は主の宮の上の門を建てた。また、オフェルの城壁上に、多くのものを建てた。
4 彼はユダの山地に町々を建て、森林地帯には城塞とやぐらを築いた。
5 彼はアモン人の王と戦い、彼らに打ち勝ったので、アモン人は、その年に、銀百67タラント、小麦一万68コル、大麦一万コルを彼に贈った。アモン人はこれだけのものを彼に納めた。第二年にも第三年にも同様にした。
6 このように、ヨタムは勢力を増し加えた。彼が、彼の神、主の前に、自分の道を確かなものとしたからである。
7 ヨタムのその他の業績、彼の戦いと彼の行いは、イスラエルとユダの王たちの書にまさしくしるされている。
8 彼は二十五歳で王となり、エルサレムで十六年間、王であった。
9 ヨタムは彼の先祖たちとともに眠り、人々は彼をダビデの町に葬った。彼の子アハズが代わって王となった。
1 アハズは二十歳で王となり、エルサレムで十六年間、王であった。彼はその父祖ダビデとは違って、主の目にかなうことを行わず、
2 イスラエルの王たちの道に歩み、そのうえ、バアルのために鋳物の像を造った。
3 彼は、ベン・ヒノムの谷で香をたき、主がイスラエル人の前から追い払われた異邦の民の、忌みきらうべきならわしをまねて、自分の子どもたちに火の中をくぐらせた。
4 さらに彼は、高き所、丘の上、青々と茂ったすべての木の下で、いけにえをささげ、香をたいた。
5 彼の神、主は、彼をアラムの王の手に渡されたので、彼らは彼を打ち、彼のところから多くのとりこを捕らえて行き、ダマスコへ帰った。彼はイスラエルの王の手にも渡されたので、イスラエルの王は彼を打って大損害を与えた。
6 レマルヤの子ペカはユダで一日のうちに十二万人を殺した。みな勇者たちであった。彼らはその父祖の神、主を捨て去っていた。
7 ついで、エフライムの勇士ジクリは、王の子マアセヤ、その家のつかさアズリカム、王の補佐官エルカナを殺した。
8 さらに、イスラエル人は、自分の同胞の中から女たち、男女の子どもたちを二十万人とりこにし、また、彼らの中から多くの物をかすめ奪って、その分捕り物をサマリヤに持って行った。
9 そこには主の預言者で、その名をオデデという者がいた。この人はサマリヤに入って来た軍勢の前に出て行って、彼らに言った。「見よ。あなたがたの父祖の神、主がユダに対して憤られたため、主はあなたがたの手に彼らを渡された。ところが、あなたがたは天に達するほどの激しい怒りをもって彼らを殺した。
10 今、あなたがたはユダとエルサレムの人々を従えて自分たちの男女の奴隷にしようとしている。しかし、実はあなたがた自身にも、あなたがたの神、主に対して罪過があるのではないか。
11 今、私に聞きなさい。あなたがたが自分の同胞をとりこにしたそのとりこを帰しなさい。主の燃える怒りがあなたがたに臨むからです。」
12 そのとき、エフライム族のかしらたちの中から、ヨハナンの子アザルヤ、メシレモテの子ベレクヤ、シャルムの子ヒゼキヤ、ハデライの子アマサなどの人々が、いくさから帰って来た者たちに向かって立ち上がり、
13 彼らに言った。「あなたがたは、とりこをここに連れて来てはならない。私たちを、主に対して罪過のある者とするようなことをあなたがたは考えて、私たちの罪と私たちの罪過に、もう一つを加えようとしている。私たちの罪過は大きい。燃える怒りがイスラエルに下される。」
14 そこで、武装した者はつかさたちと全集団の前で、とりこと、かすめ奪った物を手放した。
15 指名された人々が立ち上がって、とりこの世話をし、その中で裸の者にはみな、分捕り物を用いて衣服を着せた。彼らに衣服を着せてから、くつをはかせ、食べさせ、飲ませ、油を塗ってやった。そのうえ、69足の弱い者はみな、ろばに乗せて運び、彼らの兄弟たちのもと、なつめやしの町エリコに連れて行った。こうして、彼らはサマリヤに帰った。
16 その時、アハズ王はアッシリヤの王たちに人を遣わして、助けを求めた。
17 エドム人はなおも攻めて来て、ユダを打ち、とりこを捕らえて行った。
18 ペリシテ人は、ユダの70低地およびネゲブにある町々に突入し、ベテ・シェメシュとアヤロンとゲデロテ、およびソコとそれに属する村落、ティムナとそれに属する村落、ギムゾとそれに属する村落を取って、そこに住んだ。
19 これは、主が71ユダの王アハズのゆえにユダを低くされたためであり、彼がユダでほしいままに事を行い、主に対して不信の罪を犯したからである。
20 アッシリヤの王72ティグラテ・ピレセルは、彼を攻め、彼を悩ました。彼の力にはならなかった。
21 アハズは主の宮と王およびつかさたちの家から物を取って、アッシリヤの王に贈ったが、何の助けにもならなかったのである。
22 アッシリヤの王が彼を悩ましたとき、このアハズ王は、ますます主に対して不信の罪を犯した。
23 彼は自分を打ったダマスコの神々にいけにえをささげて言った。「アラムの王たちの神々は彼らを助けている。この神々に私もいけにえをささげよう。そうすれば私を助けてくれるだろう。」この神々が彼を、また全イスラエルをつまずかせるものとなった。
24 ついで、アハズは神の宮の器具を集めた。彼は神の宮の器具を断ち切ってから、主の宮の戸を閉じ、エルサレムの町かどの至る所に祭壇を造った。
25 ユダの町という町にはすべて、ほかの神々に香をたくため高き所を造り、彼の父祖の神、主の怒りをひき起こした。
26 彼のその他の業績と彼のすべての行いは、最初から最後まで、ユダとイスラエルの王たちの書にまさしくしるされている。
27 アハズは彼の先祖たちとともに眠り、人々は彼をエルサレムの町に葬った。彼をイスラエルの王たちの墓に運び入れなかったからである。彼の子ヒゼキヤが代わって王となった。
1 ヒゼキヤは二十五歳で王となり、エルサレムで二十九年間、王であった。彼の母の名は73アビヤといい、ゼカリヤの娘であった。
2 彼はすべて父祖ダビデが行ったとおりに、主の目にかなうことを行った。
3 彼はその治世の第一年の第一の月に主の宮の戸を開き、これらを修理した。
4 さらに、彼は祭司とレビ人を連れて来て、東側の広場に集め、
5 彼らに言った。「レビ人たち。聞きなさい。今、あなたがたは自分自身を聖別しなさい。あなたがたの父祖の神、主の宮を聖別し、聖所から忌まわしいものを出してしまいなさい。
6 というのも、私たちの父たちが不信の罪を犯し、私たちの神、主の目の前に悪を行い、この方を捨て去って、その顔を主の御住まいからそむけ、背を向けたからです。
7 また、彼らは玄関の戸を閉じ、ともしびの火を消し、聖所でイスラエルの神に香をたかず、全焼のいけにえをささげることをしなかったのです。
8 そこで、主の怒りがユダとエルサレムの上に下り、あなたがたが自分の目で見るとおり、主は彼らを人々のおののき、恐怖、あざけりとされました。
9 見なさい。私たちの父たちは剣に倒れ、そのため、私たちの息子たち、娘たち、妻たちは、とりこになっています。
10 今、私の願いは、イスラエルの神、主と契約を結ぶことです。そうすれば、主の燃える怒りが私たちから離れるでしょう。
11 子たちよ。今は、74手をこまねいていてはなりません。主はあなたがたを選んでご自分の前に立たせ、ご自分に仕えさせ、ご自分のために、仕える者、香をたく者とされたからです。」
12 そこで、レビ人は立ち上がった。ケハテ族からはアマサイの子マハテとアザルヤの子ヨエル、メラリ族からはアブディの子キシュとエハレルエルの子アザルヤ、ゲルション族からはジマの子ヨアフとヨアフの子エデン、
13 エリツァファン族からはシムリとエイエル、アサフ族からはゼカリヤとマタヌヤ、
14 ヘマン族からはエヒエルとシムイ、エドトン族からはシェマヤとウジエルであった。
15 こうして、彼らは自分の兄弟たちを集め、身を聖別して、主のことばによる王の命令のとおりに、主の宮をきよめに来た。
16祭司たちが主の宮の中に入って、これをきよめ、主の本堂にあった汚れたものをみな、主の宮の庭に出すと、レビ人が受け取って外に持ち出し、キデロン川へ持って行った。
17 彼らは第一の月の一日に聖別し始めた。その月の八日に主の玄関に入り、八日間にわたって主の宮を聖別した。第一の月の十六日に終わった。
18 そこで、彼らは中に入って、ヒゼキヤ王のところに行って言った。「私たちは主の宮を全部きよめました。全焼のいけにえの祭壇とそのすべての器具、並べ供えるパンの机とそのすべての器具をきよめました。
19 また、アハズ王が、その治世に、不信の罪を犯して取り除いたすべての器具を整えて、聖別しました。ご覧ください。それらは主の祭壇の前にあります。」
20 そこで、ヒゼキヤ王は朝早く、この町のつかさたちを集め、主の宮に上って行った。
21 彼らは、王国と聖所とユダのための、罪のためのいけにえとして七頭の雄牛、七頭の雄羊、七頭の子羊、七頭の雄やぎを引いて来たので、彼は祭司であるアロンの子らに命じて、主の祭壇の上でいけにえをささげさせた。
22 彼らが牛をほふり、祭司たちがその血を受け取って、祭壇に注ぎかけた。ついで雄羊をほふり、その血を祭壇に注ぎかけた。ついで子羊をほふり、その血を祭壇に注ぎかけた。
23 それから、彼らは王および集団の前に、罪のためのいけにえとする雄やぎを引いて来て、それらの上に自分たちの手を置いた。
24 それから、祭司たちはこれらをほふり、その血を祭壇にささげて、罪のためのいけにえとし、全イスラエルのために贖いをした。全焼のいけにえと罪のためのいけにえを、王が全イスラエルのために命じたからである。
25 さらに、彼は、ダビデおよび王の先見者ガド、預言者ナタンの命令のとおりに、レビ人にシンバルと十弦の琴と立琴を持たせて、主の宮に立たせた。この命令は主から出たものであり、その預言者たちを通して与えられたものだからである。
26 こうして、レビ人はダビデの楽器を手にし、祭司はラッパを手にして立った。
27 そこで、ヒゼキヤは全焼のいけにえを、祭壇でささげるよう命じた。全焼のいけにえをささげ始めた時に、主の歌が始まり、ラッパがイスラエルの王ダビデの楽器とともに鳴り始めた。
28全集団は伏し拝み、75歌うたいは歌い、76ラッパ手はラッパを吹き鳴らした。これらはみな、全焼のいけにえが終わるまで、続いた。
29 ささげ終わると、王および彼とともにいたすべての者はひざをかがめ、伏し拝んだ。
30 ヒゼキヤ王とつかさたちが、ダビデおよび先見者アサフのことばをもって主をほめたたえるようにレビ人に命じると、彼らは喜びつつほめたたえた。そして、一同はひざまずき、伏し拝んだ。
31 そのようなことのあとで、ヒゼキヤは言った。「今、あなたがたは主に77身をささげました。近寄って来て、感謝のいけにえを主の宮に携えて来なさい。」そこで集団は感謝のいけにえを携えて来た。心から進んでささげる者がみな、全焼のいけにえを携えて来た。
32集団が携えて来た全焼のいけにえの数は、牛七十頭、雄羊百頭、子羊二百頭であり、これらはみな、主への全焼のいけにえであった。
33 また、聖なるささげ物は、牛六百頭、羊三千頭であった。
34 ただ、祭司たちは、少なかったので、すべての全焼のいけにえの皮をはぎ尽くすことができなかった。そこで、彼らの兄弟に当たるレビ人が、その仕事を終え、祭司たちが身を聖別し終わるまで、彼らに加勢した。レビ人は、祭司たちよりも直ぐな心をもって、身を聖別したからである。
35 また、多くの全焼のいけにえ、その全焼のいけにえに添える和解のいけにえの脂肪、注ぎのぶどう酒。こうして、主の宮の奉仕の用意ができた。
36 ヒゼキヤとすべての民は、神が民のために整えてくださったことを喜んだ。このことが即座に行われたからである。
1 さて、ヒゼキヤは全イスラエルとユダに使いを遣わし、またエフライムとマナセに手紙を書いて、エルサレムにある主の宮に来て、イスラエルの神、主に過越のいけにえをささげるよう呼びかけた。
2 王とそのつかさたちとエルサレムの全集団は、第二の月に過越のいけにえをささげようと決議した。
3 というのは、身を聖別した祭司たちは十分な数に達しておらず、民もエルサレムに集まっていなかったので、そのときには、ささげることができなかったからである。
4 こうして、王と、全集団がこれを正しいと見たので、
5 彼らはベエル・シェバからダンに至るまで、全イスラエルにおふれを出し、上って来て、エルサレムでイスラエルの神、主に過越のいけにえをささげるよう呼びかけることに決定した。しるされているとおりにささげる者が、多くはいなかったからである。
6 そこで、近衛兵は、王とそのつかさたちの手紙を携えて、イスラエルとユダの全土を行き巡り、王の命令のとおりに言った。「イスラエルの人たちよ。アブラハム、イサク、イスラエルの神、主に立ち返りなさい。そうすれば、主は、あなたがたに残された、アッシリヤの王たちの手をのがれた者たちのところに、帰って来てくださいます。
7 あなたがたは、父祖の神、主に対して不信の罪を犯したあなたがたの父たち、兄弟たちのようになってはいけません。あなたがたが自分の目で見ているとおり、主は彼らを恐怖に渡されたのです。
8 今、あなたがたは、自分の父たちのようにうなじのこわい者であってはなりません。主に78服従しなさい。主がとこしえに聖別された聖所に入り、あなたがたの神、主に仕えなさい。そうすれば、主の燃える怒りがあなたがたから離れるでしょう。
9 あなたがたが主に立ち返るなら、あなたがたの兄弟や子たちは、彼らをとりこにした人々のあわれみを受け、この地に帰って来るでしょう。あなたがたの神、主は、情け深く、あわれみ深い方であり、もし、あなたがたが主に立ち返るなら、あなたがたから御顔をそむけるようなことは決してなさいません。」
10 こうして、近衛兵は、エフライムとマナセから、ゼブルンの地に至るまで、町から町へと行き巡ったが、人々は彼らを物笑いにし、あざけった。
11 ただ、アシェル、マナセおよびゼブルンのある人々はへりくだって、エルサレムに上って来た。
12 また、ユダには、神の御手が臨み、人々は心を一つにして、主のことばのとおりに王とそのつかさたちの命令を行った。
13 こうして、多くの民が第二の月に、種を入れないパンの祭りを行おうとエルサレムに集まった。おびただしい大集団であった。
14 彼らは立ち上がり、エルサレムにあった祭壇を取り除き、すべての香の壇を取り除いて、キデロン川に投げ捨てた。
15 そして、第二の月の十四日に、過越のいけにえをほふった。祭司とレビ人は恥じて身を聖別し、全焼のいけにえを主の宮に携えて来た。
16 彼らは、神の人モーセの律法に従って、おのおのその定めの場所に立った。祭司はレビ人の手から受け取った血を注いだ。
17集団の中には、身を聖別していなかった者が多かったので、レビ人が、きよくないすべての人々のために、過越のいけにえをほふる役目につき、これを聖別して主にささげた。
18民のうち大ぜいの者、すなわち、エフライムとマナセ、イッサカルとゼブルンの多くの者は、身をきよめておらず、しかも、しるされているのと異なったやり方で、過越のいけにえを食べてしまったので、ヒゼキヤは、彼らのために祈って言った。「いつくしみ深い主よ。このことの贖いをしてください。
19 彼らは、心を定めて神、彼らの父祖の神、主を求めたのですが、聖なるもののきよめのとおりにはいたしませんでした。」
20主はヒゼキヤの願いを聞かれ、民をいやされた。
21 こうして、エルサレムにいたイスラエル人は、大きな喜びをもって七日の間、種を入れないパンの祭りを行った。レビ人と祭司は、毎日、主に向かって強い調べの楽器をかなで、主をほめたたえた。
22 ヒゼキヤは、主の務めによく通じているすべてのレビ人の心に語りかけた。そこで彼らは、和解のいけにえをささげ、彼らの父祖の神、主に告白をしつつ、七日間、祝いの食物にあずかった。
23 それから、全集団は、あと七日間祭りを行うことを決議し、喜びをもって七日間、祭りを行った。
24 ユダの王ヒゼキヤは集団に一千頭の雄牛と七千頭の羊を贈り、つかさたちは集団に雄牛一千頭と羊一万頭を贈り、多くの祭司は身を聖別した。
25 こうして、ユダの全集団と祭司とレビ人、およびイスラエルから来た全集団、イスラエルの地から来た在留異国人、ユダに在住している者たちは、喜んだ。
26 エルサレムには大きな喜びがあった。イスラエルの王、ダビデの子ソロモンの時代からこのかた、こうしたことはエルサレムになかった。
27 それから、79レビ人の祭司たちが立ち上がって民を祝福した。彼らの声は聞き届けられ、彼らの祈りは、主の聖なる御住まい、天に届いた。
1 これらすべてのことが終わると、そこにいた全イスラエルは、ユダの町々に出て行き、石の柱を打ちこわし、アシェラ像を切り落とし、全ユダとベニヤミンの中から、エフライムとマナセの中から、高き所と祭壇を取りこわして、絶ち滅ぼした。そして、イスラエル人はみな、おのおのその所有地、それぞれの町へ帰って行った。
2 ヒゼキヤは、祭司とレビ人の組を定め、祭司とレビ人に、それぞれその奉仕に応じて、おのおのの組ごとに、全焼のいけにえと和解のいけにえをささげさせ、さらに、主の宿営の門で仕え、感謝し、ほめたたえさせた。
3 また、主の律法にしるされているとおりに、朝夕の全焼のいけにえ、安息日、新月の祭り、例祭ごとにささげる全焼のいけにえのため、王の分は王の財産から出した。
4 さらに彼は、エルサレムに住む民に、祭司とレビ人の分を与えるように命じた。祭司とレビ人が主の律法に専念するためであった。
5 この命令が広まるとともに、イスラエルの人たちは、穀物、新しいぶどう酒、油、蜜など、すべての野の収穫の初物をたくさん持って来た。彼らはすべてのものの十分の一を豊富に携えて来た。
6 ユダの町々に住むイスラエルと、ユダの人たちもまた、牛や羊の十分の一と、彼らの神、主に聖別した聖なるささげ物の十分の一を携えて来て、あちらこちらに山と積んだ。
7 第三の月に、彼らは80積み始め、第七の月に終わった。
8 ヒゼキヤとつかさたちは、入って来て、積んだ山を見、主とその民イスラエルをほめたたえ、祝福した。
9 それから、ヒゼキヤは、その積んだ山について、祭司とレビ人に説明を求めた。
10 すると、ツァドクの家のかしら、祭司アザルヤが彼に答えて言った。「人々が奉納物を主の宮に携えて来始めてから、食べて、満ち足り、たくさん残りました。主が御民を祝福されたからです。その残りがこんなにたくさんあるのです。」
11 そこで、ヒゼキヤが主の宮の脇部屋を整えるよう命じたので、彼らは整えて、
12 その奉納物と十分の一と聖なるささげ物を忠実に携え入れた。彼らを指図したつかさは、レビ人カナヌヤであり、その兄弟シムイは、副指揮者であった。
13 エヒエル、アザズヤ、ナハテ、アサエル、エリモテ、エホザバデ、エリエル、イスマクヤ、マハテ、ベナヤは、ヒゼキヤ王と神の宮のつかさアザルヤの任命によって、カナヌヤとその兄弟シムイを助けて、管理者となった。
14 また、レビ人イムナの子コレは東の門の門衛であったが、神に進んでささげるささげ物をつかさどり、主の奉納物と最も聖なるささげ物を分配した。
15 彼の下には、エデン、ミヌヤミン、81ヨシュア、シェマヤ、アマルヤ、シェカヌヤがいて、忠実に祭司の町々にとどまり、彼らの兄弟たちに、各組にしたがい、82上の者にも下の者にも分配した。
16 ただし、三歳以上の男子で、すべて毎日の日課として、組ごとに任務につき奉仕に当たるために、主の宮に入る者として系図に載せられた人々は、別であった。
17父祖の家ごとに祭司として系図に載せられた者、および、二十歳以上のレビ人で系図に載せられた者で、組別にその任務につく人々も別であった。
18 また、全集団のうち、すべて系図に載せられた幼児、妻たち、息子たち、娘たちに分配した。彼らは、聖なるささげ物を、忠実に、聖なる物として扱ったからである。
19 おのおのの町の放牧地の野にいたアロンの子らである祭司たちのためには、どの町にも、その名の示された者たちがいて、祭司たちのすべての男子、および、レビ人ですべて系図に載せられている者に、その受ける分を与えた。
20 ヒゼキヤはユダ全国にこのように行い、その神、主の目の前に、良いこと、正しいこと、誠実なことを行った。
21 彼は、彼が始めたすべてのわざにおいて、すなわち、神の宮の奉仕、律法、命令において神に求め、心を尽くして行い、その目的を果たした。
1 これらの誠実なことが示されて後、アッシリヤの王セナケリブが来て、ユダに入り、城壁のある町々に対して陣を敷いた。そこに攻め入ろうと思ったのである。
2 ヒゼキヤは、セナケリブが攻め入って、エルサレムに向かって戦おうとしているのを見たので、
3 彼のつかさたち、勇士たちと相談し、この町の外にある泉の水をふさごうとした。彼らは王を支持した。
4 そこで、多くの民が集まり、すべての泉と、この83地を流れている川をふさいで言った。「アッシリヤの王たちに、攻め入らせ、豊富な水を見つけさせてたまるものか。」
5 それから、彼は奮い立って、くずれていた城壁を全部建て直し、さらに、84やぐらを上に上げ、外側にもう一つの城壁を築き、ダビデの町ミロを強固にした。そのうえ、彼は大量の投げ槍と盾を作った。
6 彼は、民の上に戦時の隊長たちを立て、彼らを町の門の広場に召集し、彼らに励ましのことばを与えて言った。
7 「強くあれ。雄々しくあれ。アッシリヤの王に、彼とともにいるすべての大軍に、恐れをなしてはならない。おびえてはならない。彼とともにいる者よりも大いなる方が私たちとともにおられるからである。
8 彼とともにいる者は肉の腕であり、私たちとともにおられる方は、私たちの神、主、私たちを助け、私たちの戦いを戦ってくださる方である。」民はユダの王ヒゼキヤのことばによって奮い立った。
9 この後、アッシリヤの王セナケリブは、その家来たちをエルサレムに遣わして、──彼自身はその全軍を率いてラキシュを攻めていた──ユダの王ヒゼキヤとエルサレムにいたすべてのユダの人々に向かって言わせた。
10 「アッシリヤの王セナケリブはこう言っておられる。おまえたちは何に拠り頼んで、エルサレムの包囲の中でじっとしているのか。
11 ヒゼキヤは、『私たちの神、主は、アッシリヤの王の手から私たちを救い出される』と言って、おまえたちをそそのかし、飢えと渇きで、おまえたちを死なせようとしているではないか。
12 あの主ではないのか。その高き所と祭壇をヒゼキヤは取り除いておいて、ユダとエルサレムに向かい、『あなたがたは、ただ一つの祭壇の前で拝み、その上で香をたかなければならない』と言ったのだ。
13 おまえたちは、私と私の先祖たちが地のすべての国々の民に対して、何をしてきたかを知らないのか。地の国々の神々が彼らの国を私の手から救い出すことができたか。
14 私の先祖たちが聖絶したこれらの国々の神々のうち、どの神が私の手からその民を救い出すことができたか。おまえたちの神が私の手からおまえたちを救い出すことができるというのか。
15 今、おまえたちは、ヒゼキヤにごまかされるな。このようにそそのかされてはならない。彼を信じてはならない。どのような国、どのような王国のどのような神も、その民を私の手から、私の先祖たちの手から救い出すことはできない。まして、おまえたちの神は、おまえたちを私の手から救い出すことはできない。」
16 彼の家来たちは、なおも、神である主とそのしもべヒゼキヤに逆らって弁舌をふるった。
17 彼は手紙を書いて、イスラエルの神、主をそしり、主に逆らって言った。「私の手から自分たちの民を救い出さなかった地の国々の神々と同じように、ヒゼキヤの神も、その民を私の手から救い出せない。」
18 さらに、彼らは城壁の上にいたエルサレムの民に向かい、ユダのことばで大声に呼ばわり、彼らを恐れさせ、おじけさせて、この町を取ろうとした。
19 このように、彼らは、エルサレムの神について、人の手で造ったこの地の民の神々についてと同じように、語ったのである。
20 そこで、ヒゼキヤ王とアモツの子預言者イザヤは、このことのゆえに、祈りをささげ、天に叫び求めた。
21 すると、主はひとりの御使いを遣わし、アッシリヤの王の陣営にいたすべての勇士、隊長、首長を全滅させた。そこで、彼は恥じて国へ帰り、彼の神の宮に入ったが、自分の身から出た85子どもたちが、その所で、彼を剣にかけて倒した。
22 こうして、主は、アッシリヤの王セナケリブの手、および、すべての者の手から、ヒゼキヤとエルサレムの住民とを救い、四方から彼らを守り導かれた。
23 多くの人々が主への贈り物を携え、ユダの王ヒゼキヤに贈るえりすぐりの品々を持って、エルサレムに来るようになり、この時以来、彼はすべての国々から尊敬の目で見られるようになった。
24 そのころ、ヒゼキヤは病気になって死にかかったが、彼が主に祈ったとき、主は彼に答え、しるしを与えられた。
25 ところが、ヒゼキヤは、自分に与えられた恵みにしたがって報いようとせず、かえってその心を高ぶらせた。そこで、彼の上に、また、ユダとエルサレムの上に御怒りが下った。
26 しかしヒゼキヤが、その心の高ぶりを捨ててへりくだり、彼およびエルサレムの住民もそうしたので、主の怒りは、ヒゼキヤの時代には彼らの上に臨まなかった。
27 さて、ヒゼキヤは、富と誉れに非常に恵まれた。彼は銀、金、宝石、バルサム油、盾、すべての尊い器を納める宝物倉、
28穀物、新しいぶどう酒、油の収穫のための倉庫、および、すべての家畜のそれぞれの小屋、86群れの小屋を造った。
29 彼は町々を建て、羊や牛の家畜もおびただしいものであった。神が、非常に多くの財産を彼に与えられたからである。
30 このヒゼキヤこそ、ギホンの上流の水の源をふさいで、これをダビデの町の西側に向けて、まっすぐに流した人である。こうして、ヒゼキヤはそのすべての仕事をみごとに成し遂げた。
31 バビロンのつかさたちが彼のもとに代言者を遣わし、この地に示されたしるしについて説明を求めたとき、神は彼を試みて、その心にあることをことごとく知るために彼を捨て置かれた。
32 ヒゼキヤのその他の業績、その忠実な行いは、アモツの子預言者イザヤの幻、すなわちユダとイスラエルの王たちの書に、まさしくしるされている。
33 こうして、ヒゼキヤは彼の先祖たちとともに眠り、人々は彼をダビデの子らの墓地の上り坂に葬った。ユダのすべての人々とエルサレムの住民は、彼が死んだとき、彼に栄光を与えた。彼の子マナセが代わって王となった。
1 マナセは十二歳で王となり、エルサレムで五十五年間、王であった。
2 彼は、主がイスラエル人の前から追い払われた異邦の民の忌みきらうべきならわしをまねて、主の目の前に悪を行った。
3 彼は、父ヒゼキヤが取りこわした高き所を築き直し、バアルのために祭壇を立て、アシェラ像を造り、天の万象を拝み、これに仕えた。
4 彼は、主がかつて、「エルサレムにわたしの名がとこしえにあるように」と言われた主の宮に、祭壇を築いたのである。
5 こうして、彼は、主の宮の二つの庭に、天の万象のために、祭壇を築いた。
6 また、彼はベン・ヒノムの谷で、自分の子どもたちに火の中をくぐらせ、卜占をし、まじないをし、呪術を行い、霊媒や口寄せをして、主の目の前に悪を行い、主の怒りを引き起こした。
7 さらに、彼は自分が造った偶像の彫像を神の宮に安置した。神はかつてこの宮について、ダビデとその子ソロモンに言われた。「わたしは、この宮に、わたしがイスラエルの全部族の中から選んだエルサレムに、わたしの名をとこしえに置く。
8 もし彼らが、わたしの命じたすべてのこと、わたしがモーセを通して与えたすべての律法とおきてと定めとを、守り行いさえするなら、わたしは、もう二度と、わたしがあなたがたの先祖たちのものと定めた地から、87イスラエルを取り除かない。」
9 しかし、マナセはユダとエルサレムの住民を迷わせて、主がイスラエル人の前で根絶やしにされた異邦人よりも、さらに悪いことを行わせた。
10主はマナセとその民に語られたが、彼らは聞こうともしなかった。
11 そこで、主はアッシリヤの王の配下にある将軍たちを彼らのところに連れて来られた。彼らはマナセを鉤で捕らえ、青銅の足かせにつないで、バビロンへ引いて行った。
12 しかし、悩みを身に受けたとき、彼はその神、88主に嘆願し、その父祖の神の前に大いにへりくだって、
13 神に祈ったので、神は彼の願いを聞き入れ、その切なる求めを聞いて、彼をエルサレムの彼の王国に戻された。こうして、マナセは、主こそ神であることを知った。
14 その後、彼はダビデの町に外側の城壁を築いた。それはギホンの西側の谷の中に、さらには、魚の門の入口に達し、オフェルを取り巻いた。彼はこれを非常に高く築き上げた。そして、彼はすべてのユダの城壁のある町々に将校を置いた。
15 さらに、彼は主の宮から外国の神々と偶像、および、彼が主の宮のある山とエルサレムに築いたすべての祭壇を取り除いて、町の外に投げ捨てた。
16 そして、主の祭壇を築き、その上で和解のいけにえと感謝のいけにえをささげ、ユダに命じてイスラエルの神、主に仕えさせた。
17 しかし、民は、彼らの神、主にではあったが、高き所でなおいけにえをささげていた。
18 マナセのその他の業績、彼が神にささげたその祈り、イスラエルの神、主の名によって彼に語った先見者たちのことばは、まさしくイスラエルの王たちの言行録にある。
19 彼の祈り、その願いが聞き入れられたこと、および、彼がへりくだる前に犯したその罪、その不信の罪、高き所を築き、アシェラ像と刻んだ像を立てた場所については、89ホザイの言行録にまさしくしるされている。
20 マナセは彼の先祖たちとともに眠り、人々は彼をその家に葬った。彼の子アモンが代わって王となった。
21 アモンは二十二歳で王となり、エルサレムで二年間、王であった。
22 彼は、その父マナセが行ったように、主の目の前に悪を行った。彼は、その父マナセが造ったすべての刻んだ像にいけにえをささげ、これに仕えた。
23 彼はその父マナセがへりくだったようには、主の前にへりくだらず、かえって、彼アモンは罪過を大きくした。
24 彼の家来たちは彼に謀反を起こし、その宮殿の中で彼を殺した。
25 しかし、民衆はアモン王に謀反を起こした者をみな打ち殺した。民衆はアモンの子ヨシヤを代わりに王とした。
1 ヨシヤは八歳で王となり、エルサレムで三十一年間、王であった。
2 彼は主の目にかなうことを行って、先祖ダビデの道に歩み、右にも左にもそれなかった。
3 彼の治世の第八年に、彼はまだ若かったが、その先祖ダビデの神に求め始め、第十二年に、ユダとエルサレムをきよめ始めて、高き所、アシェラ像、刻んだ像、および、鋳物の像を除いた。
4 人々は彼の面前で、バアルの祭壇を取りこわした。彼は、その上にあった香の台を切り倒し、アシェラ像と刻んだ像と鋳物の像を打ちこわし、粉々に砕いて、これらのいけにえをささげた者たちの墓の上にまき散らした。
5 彼は、祭司たちの骨を彼らの祭壇の上で焼いて、ユダとエルサレムをきよめた。
6 彼は、マナセ、エフライム、シメオン、さらにはナフタリの町々でも、至る所で、彼らの剣を用いて同様にした。
7 イスラエルの全地で、祭壇を取りこわし、アシェラ像と刻んだ像を粉々に砕き、すべての香の台を切り倒してから、彼はエルサレムに帰った。
8 この地とこの宮とをきよめたのは、彼の治世の第十八年で、彼は、その神、主の宮を修理するため、アツァルヤの子シャファン、この町のつかさマアセヤ、エホアハズの子参議ヨアフを遣わした。
9 彼らは、大祭司ヒルキヤのもとに来て、神の宮に納められた金を渡した。これは入口を守るレビ人が、マナセとエフライム、すべてのイスラエルの残りの者、全ユダとベニヤミンから集めたものである。それから、彼らはエルサレムに帰って、
10主の宮で工事している監督者たちの手に渡し、さらにそれを主の宮で行われる工事をしている者たちに渡して、宮を繕い、修理させた。
11 彼らは、木工や建築師たちに渡して、切り石やつなぎ材を買わせ、ユダの王たちが荒らした家々に、梁を置いて、これを建てさせた。
12 この人々は、この仕事を忠実に行った。彼らの上には、監督者、メラリ族のレビ人ヤハテとオバデヤ、ケハテ族のゼカリヤとメシュラムがいて、指揮をした。また、すべて楽器を奏するのに巧みなレビ人がいた。
13 彼らはまた、荷をになう者たちをもつかさどり、各分野の仕事に当たるすべての職人たちの指揮をする役目についた。レビ人の中には、書記、つかさ、門衛などもいた。
14 彼らが、主の宮に携え入れられた金を取り出していたとき、祭司ヒルキヤは、モーセを通して示された主の律法の書を発見した。
15 そのときすぐ、ヒルキヤは書記シャファンに対してこう言った。「私は主の宮で律法の書を見つけました。」ヒルキヤがその書物をシャファンに渡すと、
16 シャファンは、その書物を王のもとに携えて行き、さらに王に報告して言った。「しもべにゆだねられたことは、すべてやらせております。
17 彼らは主の宮にあった金を箱からあけて、これを監督者たちの手に、工事をしている者たちの手に渡しました。」
18 ついで、書記シャファンは王に告げて、言った。「祭司ヒルキヤが私に一つの書物を渡してくれました。」そして、シャファンは王の前でそれを朗読した。
19 王は律法のことばを聞いたとき、自分の衣を裂いた。
20 王はヒルキヤ、シャファンの子アヒカム、90ミカの子アブドン、書記シャファン、王の家来アサヤに命じて言った。
21 「行って、見つかった書物のことばについて、私のため、イスラエルとユダの残りの者のために、主のみこころを求めなさい。私たちの先祖が、主のことばを守らず、すべてこの書にしるされているとおりに行わなかったため、私たちの上に注がれた主の憤りは激しいから。」
22 そこで、ヒルキヤ、および、王の91指名した人々は、女預言者フルダのもとに行った。彼女は、92ハスラの子トクハテの子、装束係シャルムの妻で、エルサレムの第二区に住んでいた。彼らがその旨を彼女に伝えると、
23 彼女は彼らに答えた。「イスラエルの神、主は、こう仰せられます。『あなたがたをわたしのもとに遣わした人に告げよ。
24主はこう仰せられる。見よ。わたしは、この場所とその住民の上にわざわいをもたらす。彼らがユダの王の前で読み上げた書物にしるされているすべてののろいをもたらす。
25 彼らはわたしを捨て、ほかの神々に香をたき、彼らのすべての手のわざで、わたしの怒りを引き起こすようにした。わたしの憤りはこの場所に注がれ、消えることがない。』
26主に尋ねるために、あなたがたを遣わしたユダの王には、こう言わなければなりません。『あなたが聞いたことばについて、イスラエルの神、主は、こう仰せられます。
27 あなたが、この場所とその住民についての神のことばを聞いたとき、あなたは心を痛め、神の前にへりくだり、わたしの前にへりくだって自分の衣を裂き、わたしの前で泣いたので、わたしもまた、あなたの願いを聞き入れる。──主の御告げです──
28 見よ。わたしは、あなたを先祖たちのもとに集めよう。あなたは安らかに自分の墓に集められる。それで、あなたは自分の目で、わたしがこの場所とその住民にもたらすすべてのわざわいを見ることがない。』」彼らはそれを王に報告した。
29 すると、王は使者を遣わして、ユダとエルサレムの長老をひとり残らず集めた。
30 王は主の宮へ上って行った。ユダのすべての人、エルサレムの住民、祭司とレビ人、および、上の者も下の者も、すべての民が行った。そこで彼は主の宮で発見された契約の書のことばをみな、彼らに読み聞かせた。
31 それから、王はその定めの場所に立ち、主の前に契約を結び、主に従って歩み、心を尽くし、精神を尽くして、主の命令と、あかしと、おきてを守り、この書物にしるされている契約のことばを行うことを誓った。
32 彼はエルサレムとベニヤミンにいるすべての者を堅く立たせた。エルサレムの住民は、その父祖の神である神の契約に従って行動した。
33 ヨシヤはイスラエル人の全地から、忌みきらうべきものを除き去り、イスラエルにいるすべての者を、その神、主に仕えさせた。彼の生きている間、彼らはその父祖の神、主に従う道からはずれなかった。
1 さて、ヨシヤはエルサレムで主に過越のいけにえをささげた。人々は第一の月の十四日に過越のいけにえをほふった。
2 彼は祭司たちを任命してその任務につかせ、彼らを力づけて、主の宮の奉仕に当たらせた。
3 それから、彼は、全イスラエルを教え導く者であり、主の聖なる者であるレビ人たちに言った。「聖なる箱を、イスラエルの王ダビデの子ソロモンが建てた宮に据えなさい。もう、あなたがたにとって肩の重荷にはなるまい。そこで今、あなたがたの神、主と、主の民イスラエルに仕えなさい。
4 イスラエルの王ダビデの文書およびその子ソロモンの書きつけのとおりに、父祖の家ごとに、組分けに従って、用意をしなさい。
5 あなたがたの同胞であるこの民の者たちが属している父祖の家の区分に従って、聖所に立ちなさい。レビ人にとって、一族の分があるようにしなさい。
6 それから、過越のいけにえをほふり、身を聖別し、あなたがたの同胞のために用意をして、モーセを通して示された主のことばのとおりに行いなさい。」
7 ヨシヤは民の者たちに羊の群れ、すなわち、子羊とやぎの子を贈った。すべては、そこにいたすべての人の過越のいけにえのためであった。その数は三万、牛は三千。これらは王の財産の中から出された。
8 彼のつかさたちも、民および祭司たち、レビ人たちに、進んでささげるささげ物として贈り物をした。神の宮のつかさ、ヒルキヤ、ゼカリヤ、エヒエルも、祭司たちに過越のいけにえとして93羊二千六百頭、牛三百頭を与えた。
9 さらに、レビ人のつかさたち、すなわち、カナヌヤとその兄弟シェマヤ、ネタヌエル、およびハシャブヤ、エイエル、エホザバデも、レビ人に過越のいけにえとして94羊五千頭、牛五百頭を贈った。
10 こうして、奉仕の用意ができたので、王の命令のとおりに、祭司たちはおのおのの定めの場所に立ち、レビ人はおのおのの組分けに従って立った。
11 彼らが過越のいけにえをほふると、祭司たちは彼らの手から95血を受け取って注ぎかけ、レビ人は皮をはいだ。
12 それから、彼らは全焼のいけにえを取り除き、これを民の者たちの父祖の家の各区分に渡し、モーセの書にしるされているとおりに主にささげさせた。牛についても同様にした。
13 それから、彼らは定めのとおりに、過越のいけにえに火を加えて調理し、聖別されたささげ物を、なべ、かま、平なべなどで調理して、民たち全員のもとに急いで運んだ。
14 そのあとで、彼らは自分たちや祭司たちのための用意をした。アロンの子らである祭司たちは、夜になるまで、全焼のいけにえと脂肪をささげていたからである。そこでレビ人は、自分たちや、アロンの子らである祭司たちのための用意をした。
15 アサフの子らである歌うたいたちは、ダビデ、アサフ、ヘマン、および、王の先見者エドトンの命令のとおりに、その役目についていた。また、門衛たちは、それぞれの門を守っていた。彼らのうちだれも、その奉仕を離れる必要がなかった。彼らの同族であるレビ人が彼らのための用意をしたからである。
16 こうして、この日に、すべて主への奉仕の用意ができ、ヨシヤ王の命令のとおりに過越のいけにえをささげ、主の祭壇で全焼のいけにえをささげるばかりになったので、
17 そこにいたイスラエル人は、そのとき、過越のいけにえをささげ、七日間、種を入れないパンの祭りを行った。
18預言者サムエルの時代からこのかた、イスラエルでこのような過越のいけにえがささげられたことはなかった。イスラエルのどの王も、ここでヨシヤが行い、祭司たちとレビ人、および、そこにいた全ユダとイスラエル、さらに、エルサレムの住民たちがささげたような過越のいけにえをささげたことはなかった。
19 ヨシヤの治世の第十八年に、この過越のいけにえがささげられた。
20 すべてこのように、ヨシヤが宮を整えて後、エジプトの王ネコが、ユーフラテス河畔のカルケミシュで戦うために上って来た。そこでヨシヤは、彼を迎え撃ちに出て行った。
21 ところが、ネコは彼のもとに使者を遣わして言った。「ユダの王よ。私とあなたと何の関係があるのですか。きょうは、あなたを攻めに来たのではありません。私の戦う家へ行くところなのです。神は、早く行けと命じておられます。私とともにおられる神に逆らわずに、控えていなさい。さもなければ、神があなたを滅ぼされます。」
22 しかし、ヨシヤは96身を引かず、かえって、彼と戦おうとして変装し、神の御口から出たネコのことばを聞かなかった。そして、メギドの平地で戦うために行った。
23射手たちがヨシヤ王を射たとき、王は家来たちに言った。「私を降ろしてくれ。傷を負ったのだ。」
24 そこで、家来たちは彼を戦車から降ろし、彼の持っていた第二の車に乗せた。そして、彼をエルサレムに連れ帰った。彼は死んだので、その先祖たちの墓に葬られた。全ユダとエルサレムはヨシヤのために喪に服した。
25 エレミヤはヨシヤのために哀歌を作った。そして、男女の歌うたいはみな、今日に至るまで、彼らの哀歌の中でヨシヤのことを語り、これをイスラエルのために慣例としている。これらは哀歌にまさしくしるされている。
26 ヨシヤのその他の業績、すなわち、主の律法にしるされているところに従った彼の忠実な行為、
27 彼の業績は、最初から最後まで、イスラエルとユダの王たちの書にまさしくしるされている。
1 さて、この国の民は、ヨシヤの子エホアハズを選んで、彼の父に代えて、エルサレムで彼を王とした。
2 エホアハズは二十三歳で王となり、エルサレムで三か月間、王であった。
3 しかし、エジプトの王は、エルサレムで彼を退け、この国に、銀百97タラントと金一タラントの科料を課した。
4 ついで、エジプトの王は、彼の兄弟エルヤキムをユダとエルサレムの王とし、その名をエホヤキムと改めさせた。ネコは、その兄弟エホアハズを捕らえて、エジプトへ連れて行った。
5 エホヤキムは二十五歳で王となり、エルサレムで十一年間、王であった。彼は、その神、主の目の前に悪を行った。
6 この彼のもとに、バビロンの王ネブカデネザルが攻め上って来て、彼を青銅の足かせにつなぎ、バビロンへ引いて行った。
7 ネブカデネザルは、主の宮の器具をバビロンに持ち去り、バビロンにある彼の宮殿に置いた。
8 エホヤキムのその他の業績、彼の行った忌みきらうべきしわざ、彼について露見したことは、イスラエルとユダの王たちの書にまさしくしるされている。彼の子エホヤキンが代わって王となった。
9 エホヤキンは98十八歳で王となり、エルサレムで三か月と十日の間、王であった。彼は主の目の前に悪を行った。
10 年が改まるに及んで、ネブカデネザル王は使者を遣わし、彼を主の宮にあった尊い器とともにバビロンに連れて行った。そして、エホヤキンの兄弟ゼデキヤをユダとエルサレムの王とした。
11 ゼデキヤは二十一歳で王となり、エルサレムで十一年間、王であった。
12 彼はその神、主の目の前に悪を行い、99主のことばを告げた預言者エレミヤの前にへりくだらなかった。
13 彼はまた、ネブカデネザルが、彼に、神にかけて誓わせたにもかかわらず、この王に反逆した。このように、彼はうなじのこわい者となり、心を閉ざして、イスラエルの神、主に立ち返らなかった。
14 そのうえ、祭司長全員と民も、異邦の民の、忌みきらうべきすべてのならわしをまねて、不信に不信を重ね、主がエルサレムで聖別された主の宮を汚した。
15 彼らの父祖の神、主は、彼らのもとに、使者たちを遣わし、早くからしきりに使いを遣わされた。それは、ご自分の民と、ご自分の御住まいをあわれまれたからである。
16 ところが、彼らは神の使者たちを笑いものにし、そのみことばを侮り、その預言者たちをばかにしたので、ついに、主の激しい憤りが、その民に対して積み重ねられ、もはや、いやされることがないまでになった。
17 そこで、主は、彼らのもとにカルデヤ人の王を攻め上らせた。彼は、剣で、彼らのうちの若い男たちを、その聖所の家の中で殺した。若い男も若い女も、年寄りも老衰の者も容赦しなかった。主は、すべての者を彼の手に渡された。
18 彼は、神の宮のすべての大小の器具、主の宮の財宝と、王とそのつかさたちの財宝、これらすべてをバビロンへ持ち去った。
19 彼らは神の宮を焼き、エルサレムの城壁を取りこわした。その高殿を全部火で燃やし、その中の宝としていた器具を一つ残らず破壊した。
20 彼は、剣をのがれた残りの者たちをバビロンへ捕らえ移した。こうして、彼らは、ペルシヤ王国が支配権を握るまで、彼とその子たちの奴隷となった。
21 これは、エレミヤにより告げられた主のことばが成就して、この地が安息を取り戻すためであった。この荒れ果てた時代を通じて、この地は七十年が満ちるまで安息を得た。
22 ペルシヤの王クロスの第一年に、エレミヤにより告げられた主のことばを実現するために、主はペルシヤの王クロスの霊を奮い立たせたので、王は王国中におふれを出し、文書にして言った。
23 「ペルシヤの王クロスは言う。『天の神、主は、地のすべての王国を私に賜った。この方はユダにあるエルサレムに、ご自分のために宮を建てることを私にゆだねられた。あなたがた、すべて主の民に属する者はだれでも、その神、主がその者とともにおられるように。その者は上って行くようにせよ。』」
エズラ記
1 ペルシヤの王クロスの第一年に、エレミヤにより告げられた主のことばを実現するために、主はペルシヤの王クロスの霊を奮い立たせたので、王は王国中におふれを出し、文書にして言った。
2 「ペルシヤの王クロスは言う。『天の神、主は、地のすべての王国を私に賜った。この方はユダにあるエルサレムに、ご自分のために宮を建てることを私にゆだねられた。
3 あなたがた、すべて主の民に属する者はだれでも、その神がその者とともにおられるように。その者はユダにあるエルサレムに上り、イスラエルの神、主の宮を建てるようにせよ。この方はエルサレムにおられる神である。
4 残る者はみな、その者を援助するようにせよ。どこに寄留しているにしても、その所から、その土地の人々が、エルサレムにある神の宮のために進んでささげるささげ物のほか、銀、金、財貨、家畜をもって援助せよ。』」
5 そこで、ユダとベニヤミンの一族のかしらたち、祭司たち、レビ人たち、すなわち、神にその霊を奮い立たされた者はみな、エルサレムにある主の宮を建てるために上って行こうと立ち上がった。
6 彼らの回りの人々はみな、銀の器具、金、財貨、家畜、えりすぐりの品々、そのほか進んでささげるあらゆるささげ物をもって彼らを力づけた。
7 クロス王は、ネブカデネザルがエルサレムから持って来て、自分の神々の宮に置いていた主の宮の用具を運び出した。
8 すなわち、ペルシヤの王クロスは宝庫係ミテレダテ1に命じてこれを取り出し、その数を調べさせ、それをユダの君主2シェシュバツァルに渡した。
9 その数は次のとおりであった。金の皿三十、銀の皿一千、香炉二十九、
10金の鉢三十、二級品の銀の鉢四百十、その他の用具一千。
11金、銀の用具は全部で五千四百あった。捕囚の民がバビロンからエルサレムに連れて来られたとき、シェシュバツァルはこれらの物をみないっしょに携えて上った。
1 バビロンの王ネブカデネザルがバビロンに引いて行った捕囚の民で、その捕囚の身から解かれて上り、エルサレムとユダに戻り、めいめい自分の町に戻ったこの州の人々は次のとおりである。
23ゼルバベルといっしょに帰って来た者は、4ヨシュア、ネヘミヤ、セラヤ、5レエラヤ、モルデカイ、ビルシャン、ミスパル、ビグワイ、レフム、バアナ。
イスラエルの民の人数は次のとおりである。
3 パルオシュ族、二千百七十二名。
4 シェファテヤ族、三百七十二名。
5 アラフ族、七百七十五名。
6 ヨシュアとヨアブの二族からなるパハテ・モアブ族、二千八百十二名。
7 エラム族、一千二百五十四名。
8 ザト族、九百四十五名。
9 ザカイ族、七百六十名。
106バニ族、六百四十二名。
11 ベバイ族、六百二十三名。
12 アズガデ族、一千二百二十二名。
13 アドニカム族、六百六十六名。
14 ビグワイ族、二千五十六名。
15 アディン族、四百五十四名。
16 ヒゼキヤ族、すなわちアテル族、九十八名。
17 ベツァイ族、三百二十三名。
187ヨラ族、百十二名。
19 ハシュム族、二百二十三名。
208ギバル族、九十五名。
21 ベツレヘムの人、百二十三名。
22 ネトファの人々、五十六名。
23 アナトテの人々、百二十八名。
24 アズマベテの人、四十二名。
259キルヤテ・アリムと、ケフィラと、ベエロテの人、七百四十三名。
26 ラマとゲバの人、六百二十一名。
27 ミクマスの人々、百二十二名。
28 ベテルとアイの人々、二百二十三名。
29 ネボの人、五十二名。
30 マグビシュ族、百五十六名。
31 別のエラム族、一千二百五十四名。
32 ハリム族、三百二十名。
33 ロデと、ハディデと、オノの人、七百二十五名。
34 エリコの人、三百四十五名。
35 セナアの人、三千六百三十名。
36祭司は、ヨシュアの家系のエダヤ族、九百七十三名。
37 イメル族、一千五十二名。
38 パシュフル族、一千二百四十七名。
39 ハリム族、一千十七名。
40 レビ人は、ホダブヤ族のヨシュアとカデミエルの二族、七十四名。
41 歌うたいは、アサフ族、百二十八名。
42門衛の人々は、シャルム族、アテル族、タルモン族、アクブ族、ハティタ族、ショバイ族、合計百三十九名。
43 宮に仕えるしもべたちは、ツィハ族、ハスファ族、タバオテ族、
44 ケロス族、10シアハ族、パドン族、
45 レバナ族、ハガバ族、アクブ族、
46 ハガブ族、サルマイ族、ハナン族、
47 ギデル族、ガハル族、レアヤ族、
48 レツィン族、ネコダ族、ガザム族、
49 ウザ族、パセアハ族、ベサイ族、
50 アスナ族、メウニム族、11ネフシム族、
51 バクブク族、ハクファ族、ハルフル族、
5212バツルテ族、メヒダ族、ハルシャ族、
53 バルコス族、シセラ族、テマフ族、
54 ネツィアハ族、ハティファ族。
55 ソロモンのしもべたちの子孫は、ソタイ族、ソフェレテ族、13ペルダ族、
5614ヤラ族、ダルコン族、ギデル族、
57 シェファテヤ族、ハティル族、ポケレテ・ハツェバイム族、15アミ族。
58 宮に仕えるしもべたちと、ソロモンのしもべたちの子孫は、合計三百九十二名。
59 次の人々は、テル・メラフ、テル・ハルシャ、ケルブ、16アダン、イメルから引き揚げて来たが、自分たちの先祖の家系と血統がイスラエル人であったかどうかを、証明することができなかった。
60 すなわち、デラヤ族、トビヤ族、ネコダ族、六百五十二名。
61祭司の子孫のうちでは、ホバヤ族、コツ族、バルジライ族。──このバルジライは、ギルアデ人バルジライの娘のひとりを妻にめとったので、その名をもって呼ばれていた──
62 これらの人々は、自分たちの系図書きを捜してみたが、見つからなかったので、彼らは祭司職を果たす資格がない者とされた。
63 それで、総督は、ウリムとトンミムを使える祭司が起こるまでは最も聖なるものを食べてはならない、と命じた。
64全集団の合計は四万二千三百六十名であった。
65 このほかに、彼らの男女の奴隷が七千三百三十七名いた。また彼らには男女の歌うたいが二百名いた。
66 彼らの馬は七百三十六頭。彼らの騾馬は二百四十五頭。
67 彼らのらくだは四百三十五頭。ろばは六千七百二十頭であった。
68 一族のかしらのある者たちは、エルサレムにある主の宮に着いたとき、それをもとの所に建てるために、神の宮のために自分から進んでささげ物をした。
69 すなわち、彼らは自分たちにできることとして工事の資金のために金六万一千17ダリク、銀五千18ミナ、祭司の長服百着をささげた。
70 こうして、祭司、レビ人、民のある者たち、歌うたい、門衛、宮に仕えるしもべたちは、自分たちのもとの町々に住みつき、すべてのイスラエル人は、自分たちのもとの町々に住みついた。
1 イスラエル人は自分たちの町々にいたが、第七の月が近づくと、民は19いっせいにエルサレムに集まって来た。
2 そこで、エホツァダクの子ヨシュアとその兄弟の祭司たち、またシェアルティエルの子ゼルバベルとその兄弟たちは、神の人モーセの律法に書かれているとおり、全焼のいけにえをささげるために、こぞってイスラエルの神の祭壇を築いた。
3 彼らは回りの国々の民を恐れていたので、祭壇をもとの所に設けた。彼らはその上で主に全焼のいけにえ、すなわち、朝ごと夕ごとの全焼のいけにえをささげた。
4 彼らは、書かれているとおりに仮庵の祭りを祝い、毎日の分として定められた数にしたがって、日々の全焼のいけにえをささげた。
5 その後、常供の全焼のいけにえと、新月の祭りのいけにえと、主の例祭のすべての聖なるささげ物、それからめいめいが喜んで進んでささげるささげ物を主にささげた。
6 彼らは第七の月の第一日から全焼のいけにえを主にささげ始めたが、主の神殿の礎はまだ据えられていなかった。
7 彼らは石切り工や木工には金を与え、シドンとツロの人々には食べ物や飲み物や油を与えた。それはペルシヤの王クロスが与えた許可によって、レバノンから海路、ヤフォに杉材を運ぶためであった。
8 彼らがエルサレムにある神の宮のところに着いた翌年の第二の月に、シェアルティエルの子ゼルバベルと、エホツァダクの子ヨシュアと、その他の兄弟たちの祭司とレビ人たち、および捕囚からエルサレムに帰って来たすべての人々は、主の宮の工事を指揮するために二十歳以上のレビ人を立てて工事を始めた。
9 こうして、ユダヤ人ヨシュアと、その子、その兄弟たち、カデミエルと、その子たちは、一致して立ち、神の宮の工事をする者を指揮した。レビ人ヘナダデの一族と、その子、その兄弟たちもそうした。
10建築師たちが主の神殿の礎を据えたとき、イスラエルの王ダビデの規定によって主を賛美するために、祭服を着た祭司たちはラッパを持ち、アサフの子らのレビ人たちはシンバルを持って出て来た。
11 そして、彼らは主を賛美し、感謝しながら、互いに、
「主はいつくしみ深い。
その恵みはとこしえまでもイスラエルに」
と歌い合った。こうして、主の宮の礎が据えられたので、民はみな、主を賛美して大声で喜び叫んだ。
12 しかし、祭司、レビ人、一族のかしらたちのうち、最初の宮を見たことのある多くの老人たちは、彼らの目の前でこの宮の基が据えられたとき、大声をあげて泣いた。一方、ほかの多くの人々は喜びにあふれて声を張り上げた。
13 そのため、だれも喜びの叫び声と民の泣き声とを区別することができなかった。民が大声をあげて喜び叫んだので、その声は遠い所まで聞こえた。
1 ユダとベニヤミンの敵たちは、捕囚から帰って来た人々が、イスラエルの神、主のために神殿を建てていると聞いて、
2 ゼルバベルと一族のかしらたちのところに近づいて来て、言った。「私たちも、あなたがたといっしょに建てたい。私たちは、あなたがたと同様、あなたがたの神を求めているのです。アッシリヤの王エサル・ハドンが、私たちをここに連れて来た時以来、私たちはあなたがたの神に、いけにえをささげてきました。」
3 しかし、ゼルバベルとヨシュアとその他のイスラエルの一族のかしらたちは、彼らに言った。「私たちの神のために宮を建てることについて、あなたがたと私たちとは何の関係もない。ペルシヤの王、クロス王が私たちに命じたとおり、私たちだけで、イスラエルの神、主のために20宮を建てるつもりだ。」
4 すると、その地の民は、建てさせまいとして、ユダの民の気力を失わせ、彼らをおどした。
5 さらに、議官を買収して彼らに反対させ、この計画を打ちこわそうとした。このことはペルシヤの王クロスの時代からペルシヤの王ダリヨスの治世の時まで続いた。
6 アハシュエロスの治世、すなわちその治世の初めに、彼らはユダとエルサレムの住民を非難する一通の告訴状を書いた。
7 また、アルタシャスタの時代に、ビシュラム、ミテレダテ、21タベエルとその他の同僚は、ペルシヤの王アルタシャスタに書き送った。その手紙はアラム語の文字で書かれ、アラム語で述べられていた。
228参事官レフム、書記官シムシャイはエルサレムを非難して、次のような手紙をアルタシャスタ王に書き送った。
9 すなわち、参事官レフム、書記官シムシャイ、その他の同僚、裁判官、使節、役人、官吏、エレク人、バビロン人、シュシャンの人々、すなわち、エラム人、
10 その他、名声高い大王オスナパルがサマリヤの町と川向こうのその他の地に引いて行って住まわせた民たちが、書き送った。さて、
11 彼らが送ったその手紙の写しは次のとおりである。
「川向こうの者、あなたのしもべたちから、アルタシャスタ王へ。さて、
12 王にお知らせいたします。あなたのところから、こちらに来たユダヤ人たちはエルサレムに行き、あの反抗的で危険な町を再建しています。その城壁を修復し、その礎もすでに据えられています。
13 今、王にお知らせいたします。もしこの町が再建され、城壁が修復されたら、彼らはみつぎ、関税、税金を納めなくなるでしょう。そうすれば、王の収入に損害を与えることになりましょう。
14 さて、私たちは王宮の23恩恵を受けておりますから、王のはずかしめを見るのに耐えられません。それゆえ、私たちは人を遣わして、王にお知らせするのです。
15 あなたの先祖の記録文書をお調べになれば、この町が反抗的な町で、王たちと諸州に損害を与え、また昔からこの町で反逆が行われたことを、その記録文書の中に見て、おわかりになるでしょう。この町が滅ぼされたのも、そのためです。
16 私たちは王にお知らせします。もしこの町が再建され、城壁が修復されたら、あなたはこのために川向こうの領土を失ってしまわれるでしょう。」
17 王は参事官レフム、書記官シムシャイ、およびサマリヤと川向こうのその他の地に住んでいる彼らの同僚に返事を送った。
「平安があるように。さて、
18 あなたがたが、私たちに送ったあの書状は、私の前で説明して読まれた。
19 私は命令を下し、調べさせたところ、その町は昔から王たちに対して謀反を企て、その町で暴動と反逆が行われたことがわかった。
20 またエルサレムにはかつて勢力のある王たちがいて、川向こうの地を全部支配し、みつぎ、関税、税金が彼らに納められていたこともわかった。
21 今、あなたがたは命令を下して、その者たちの働くのをやめさせ、私が再び命令を下すまで、この町が再建されないようにせよ。
22 あなたがたは、よく注意してこのことを怠ってはならない。損害を増して王を傷つけるといけないから。」
23 アルタシャスタ王の書状の写しがレフムと、書記官シムシャイと、その同僚の前で読まれると、彼らは急いでエルサレムのユダヤ人のところに行って、武力をもって彼らの働きをやめさせた。
24 こうして、エルサレムにある神の宮の工事は中止され、ペルシヤの王ダリヨスの治世の第二年まで中止された。
1 さて、預言者ハガイとイドの子ゼカリヤの、ふたりの預言者は、ユダとエルサレムにいるユダヤ人に、彼らとともにおられるイスラエルの神の名によって預言した。
2 そこで、シェアルティエルの子ゼルバベルと、エホツァダクの子ヨシュアは立ち上がり、エルサレムにある神の宮を建て始めた。神の預言者たちも彼らといっしょにいて、彼らを助けた。
3 そのとき、川向こうの総督タテナイと、シェタル・ボズナイと、その同僚とがやって来て、こう言った。「だれがあなたがたに命令を下して、この宮を建て、この城壁を修復させようとしたのか。」
4 そしてまた、「この建物を建てている者たちの名は何というのか」と24尋ねた。
5 しかし、ユダヤ人の長老たちの上には神の目が注がれていたので、このことがダリヨスに報告され、ついで、このことについての書状が来るまで、この者たちは彼らの働きをやめさせることができなかった。
6 川向こうの総督タテナイと、シェタル・ボズナイと、その同僚の川向こうにいる知事たちが、ダリヨス王に書き送った手紙の写しは次のとおりである。
7 すなわち、彼らが王に送った報告には次のように書かれてあった。
「ダリヨス王に全き平安がありますように。
8 王にお知らせいたします。私たちはユダの州に行き、あの大いなる神の宮に行ってみましたが、それは大きな石で建てられており、壁には木材が組まれていました。その工事は彼らの手で着々と進められ、順調にはかどっています。
9 そこで、私たちはその長老たちに尋ねて、彼らに次のように言いました。『だれがあなたがたに命令を下して、この宮を建て、この城壁を修復させようとしたのか。』
10 私たちはまた、あなたにお知らせするために彼らにその名を尋ねました。それは、彼らのかしらになっている者の名を書きしるすためでした。
11 すると、彼らは次のように私たちに返事をよこして言いました。『私たちは天と地の神のしもべであり、ずっと昔から建てられていた宮を建て直しているのです。それはイスラエルの大王が建てて、完成させたものです。
12 しかし、私たちの先祖が、天の神を怒らせたので、神は彼らをカルデヤ人であるバビロンの王ネブカデネザルの手に渡されました。そこで、彼はこの宮を破壊し、民を捕らえてバビロンに移したのです。
13 しかし、バビロンの王クロスの第一年に、クロス王はこの神の宮を再建するよう命令を下しました。
14 クロス王はまた、ネブカデネザルがエルサレムの神殿から取って、バビロンの神殿に運んで来た神の宮の金、銀の器具を、バビロンの神殿から取り出し、自分が総督に任命したシェシュバツァルという名の者にそれを渡しました。
15 そして、シェシュバツァルに、これらの器具を携えて行って、エルサレムの神殿に納め、神の宮をもとの所に再建せよと言いました。
16 そこで、このシェシュバツァルは来て、エルサレムの神の宮の礎を据えました。その時から今に至るまで、建て続けていますが、まだ完成していません。』
17 ですから今、王さま、もしもよろしければ、あのバビロンにある王の宝物倉を捜させて、エルサレムにあるこの神の宮を建てるためにクロス王からの命令が下されたかどうかをお調べください。そして、このことについての王のご意見を私たちにお伝えください。」
1 それで、ダリヨス王は命令を下し、宝物を納めてあるバビロンの文書保管所を調べさせたところ、
2 メディヤ州の25城の中のアフメタで、一つの巻き物が発見された。その中に次のように書かれていた。
「記録。
3 クロス王の第一年に、クロス王は命令を下した。エルサレムにある神の宮、26いけにえがささげられる宮を建て、その礎を定めよ。宮の高さは六十キュビト、その幅も六十キュビト。
4 大きな石の層は三段。木材の層は一段にする。その費用は王家から支払う。
5 また、ネブカデネザルがエルサレムの神殿から取って、バビロンに運んで来た神の宮の金、銀の器具は返し、エルサレムの神殿に運び、一つ一つもとの所に戻す。こうして、それらを神の宮に納める。」
6 「それゆえ、今、川向こうの総督タテナイと、シェタル・ボズナイと、その同僚で川向こうにいる知事たちよ。そこから遠ざかれ。
7 この神の宮の工事をそのままやらせておけ。ユダヤ人の総督とユダヤ人の長老たちにこの神の宮をもとの所に建てさせよ。
8 私は、さらに、この神の宮を建てるために、あなたがたがこれらユダヤ人の長老たちにどうすべきか、命令を下す。王の収益としての川向こうの地のみつぎの中から、その費用をまちがいなくそれらの者たちに支払って、滞らぬようにせよ。
9 また、その必要とする物、すなわち、天の神にささげる全焼のいけにえのための子牛、雄羊、子羊、また、小麦、塩、ぶどう酒、油を、エルサレムにいる祭司たちの求めに応じて、毎日怠りなく彼らに与えよ。
10 こうして彼らが天の神になだめのかおりをささげ、王と王子たちの27長寿を祈るようにせよ。
11 私は命令を下す。だれであれ、この法令を犯す者があれば、その家から梁を引き抜き、その者をその上にはりつけにしなければならない。このことのため、その家はごみの山としなければならない。
12 エルサレムに御名を住まわせられた神は、この命令をあえて犯しエルサレムにあるこの神の宮を破壊しようとして手を出す王や民をみな、くつがえされますように。私ダリヨスは命令を下す。まちがいなくこれを守れ。」
13 このように、ダリヨス王が書き送ったので、川向こうの総督タテナイと、シェタル・ボズナイと、その同僚たちとは、これをまちがいなく行った。
14 ユダヤ人の長老たちは、預言者ハガイとイドの子ゼカリヤの預言によって、これを建てて成功した。彼らはイスラエルの神の命令により、また、クロスと、ダリヨスと、ペルシヤの王アルタシャスタの命令によって、これを建て終えた。
15 こうして、この宮はダリヨス王の治世の第六年、アダルの月の三日に完成した。
16 そこで、イスラエル人、すなわち、祭司、レビ人、その他、捕囚から帰って来た人々は、この神の宮の奉献式を喜んで祝った。
17 彼らはこの神の宮の奉献式のために、牛百頭、雄羊二百頭、子羊四百頭をささげた。また、イスラエルの部族の数にしたがって、イスラエル人全体の罪のためのいけにえとして、雄やぎ十二頭もささげた。
18 また彼らは、エルサレムでの神への28奉仕のため、祭司をその区分にしたがって、レビ人をその組にしたがってそれぞれ任命した。モーセの書にしるされているとおりである。
19捕囚から帰って来た人々は、第一の月の十四日に過越のいけにえをささげた。
20祭司とレビ人たちは、ひとり残らず身をきよめて、みなきよくなっていたので、彼らは捕囚から帰って来たすべての人々のため、また、彼らの兄弟の祭司たちのため、また、彼ら自身のために、過越のいけにえをほふった。
21捕囚から戻って来たイスラエル人と、イスラエルの神、主を求めて、この国の異邦人の汚れから縁を絶って彼らに加わったすべての者たちとは、これを食べた。
22 そして、彼らは七日間、種を入れないパンの祭りを喜んで守った。これは、主が彼らを喜ばせ、また、アッシリヤの王の心を彼らに向かわせて、イスラエルの神である神の宮の工事にあたって、彼らを力づけるようにされたからである。
1 これらの出来事の後、ペルシヤの王アルタシャスタの治世に、エズラという人がいた。このエズラはセラヤの子、順次さかのぼって、アザルヤの子、ヒルキヤの子、
2 シャルムの子、ツァドクの子、アヒトブの子、
3 アマルヤの子、アザルヤの子、メラヨテの子、
4 ゼラヘヤの子、ウジの子、ブキの子、
5 アビシュアの子、ピネハスの子、エルアザルの子、このエルアザルは祭司のかしらアロンの子である。
6 エズラはバビロンから上って来た者であるが、イスラエルの神、主が賜ったモーセの律法に通じている学者であった。彼の神、主の御手が彼の上にあったので、王は彼の願いをみなかなえた。
7 アルタシャスタ王の第七年にも、イスラエル人のある者たち、および、祭司、レビ人、歌うたい、門衛、宮に仕えるしもべたちのある者たちが、エルサレムに上って来た。
8 エズラは王の第七年の第五の月にエルサレムに着いた。
9 すなわち、彼は第一の月の一日にバビロンを出発して、第五の月の一日にエルサレムに着いた。彼の神の恵みの御手が確かに彼の上にあった。
10 エズラは、主の律法を調べ、これを実行し、イスラエルでおきてと定めを教えようとして、心を定めていたからである。
11 アルタシャスタ王が、祭司であり、学者であるエズラに与えた手紙の写しは次のとおりである。──エズラは、主の命令のことばと、イスラエルに関する主のおきてに精通した学者であった──
2912 「王の王アルタシャスタ。天の神の律法の学者である祭司エズラへ。30この件は完了した。さて、
13 私は命令を下す。私の国にいるイスラエルの民、その祭司、レビ人のうち、だれでも自分から進んでエルサレムに上って行きたい者は、あなたといっしょに行ってよい。
14 なぜなら、あなたは、あなたの手にあるあなたの神の律法に従ってユダとエルサレムを調査するよう、王とその七人の議官によって遣わされており、
15 また、王とその議官たちが、エルサレムに住まれるイスラエルの神に進んでささげた銀と金、
16 バビロンのすべての州で、あなたが得るすべての銀と金、それに、エルサレムにある自分たちの神の宮のために、民と祭司たちが進んでささげたささげ物をも合わせて携えて行くために遣わされているからである。
17 それゆえ、あなたはその献金で、牛、雄羊、子羊、また、そのための穀物のささげ物と注ぎのぶどう酒を心して買い求め、エルサレムにあるあなたがたの神の宮の祭壇の上で、それをささげなければならない。
18 また、残りの銀と金の使い方については、あなたとあなたの兄弟たちがよいと思うことは何でも、あなたがたの神の御心に従って行うがよい。
19 また、あなたの神の宮での礼拝のために、あなたに与えられた器具は、エルサレムの神の前に供えよ。
20 その他、あなたの神の宮のために必要なもので、どうしても調達しなければならないものは、王の宝物倉からそれを調達してよい。
21 私、アルタシャスタ王は、川向こうの宝庫係全員に命令を下す。
天の神の律法の学者である祭司エズラが、あなたがたに求めることは何でも、心してそれを行え。
22 すなわち、銀は百31タラントまで、小麦は百32コルまで、ぶどう酒は百33バテまで、油も百バテまで、塩は34制限なし。
23 天の神の宮のために、天の神によって命じられていることは何でも、熱心に行え。御怒りが王とその子たちの国に下るといけないから。
24 また、次のことを知らせる。祭司、レビ人、歌うたい、門衛、宮に仕えるしもべたち、つまり、この神の宮に仕える者にはだれにも、みつぎ、関税、税金を課してはならない。
25 エズラよ。あなたは、あなたの手にあるあなたの神の知恵にしたがってさばきつかさや裁判官を任命し、川向こうにいるすべての民、すなわち、あなたの神の律法を知っているすべての者をさばかせよ。また、これを知らない者に、あなたがたは教えよ。
26 あなたの神の律法と、王の律法を守らない者には、だれにでも、死刑でも、追放でも、財産の没収でも、または投獄でも、その判決を厳格に執行せよ。」
27 私たちの父祖の神、主はほむべきかな。主はエルサレムにある主の宮に栄光を与えるために、このようなことを王の心に起こさせ、
28 王と、その議官と、すべての王の有力な首長の好意を私に得させてくださった。私の神、主の御手が私の上にあったので、私は奮い立って、私といっしょに上るイスラエル人のかしらたちを集めることができた。
1 アルタシャスタ王の治世に、バビロンから私といっしょに上って来た一族のかしらとその系図の記載は次のとおりである。
2 ピネハス族からはゲルショム。イタマル族からはダニエル。ダビデ族からは、ハトシュ。
335ハトシュはシェカヌヤの孫。パルオシュ族からは、ゼカリヤと、系図に載せられた同行の者、男子百五十名。
4 パハテ・モアブ族からは、ゼラヘヤの子エルエホエナイと、同行の男子二百名。
536ザト族からは、ヤハジエルの子シェカヌヤと、同行の男子三百名。
6 アディン族からは、ヨナタンの子エベデと、同行の男子五十名。
7 エラム族からは、アタルヤの子エシャヤと、同行の男子七十名。
8 シェファテヤ族からは、ミカエルの子ゼバデヤと、同行の男子八十名。
9 ヨアブ族からは、エヒエルの子オバデヤと、同行の男子二百十八名。
1037バニ族からは、ヨシフヤの子シェロミテと、同行の男子百六十名。
11 ベバイ族からは、ベバイの子ゼカリヤと、同行の男子二十八名。
12 アズガデ族からは、カタンの子ヨハナンと、同行の男子百十名。
13 アドニカム族からの者は最後の者たちで、その名はエリフェレテ、エイエル、シェマヤ、および彼らと同行の男子六十名。
14 ビグワイ族からは、ウタイとザクルと、同行の男子七十名。
15 私はアハワに流れる川のほとりに彼らを集め、私たちはそこに三日間、宿営した。私はそこに、民と祭司たちとを認めたが、レビ人をひとりも見つけることができなかった。
16 それで、私はかしらのエリエゼル、アリエル、シェマヤ、エルナタン、ヤリブ、エルナタン、ナタン、ゼカリヤ、メシュラムと、教師エホヤリブ、エルナタンを呼び集め、
17 彼らをカシフヤ地方のかしらイドのもとに遣わした。私は彼らにことばを授けて、私たちの神の宮に仕える者たちを連れて来るように、カシフヤ地方にいるイドとその兄弟の宮に仕えるしもべたちに命じた。
18 私たちの神の恵みの御手が私たちの上にあったので、彼らはイスラエルの子、レビの子、マフリの子孫のうちから思慮深い人、シェレベヤと、その子たち、およびその兄弟たち十八名を私たちのところに連れて来た。
19 また、ハシャブヤとともに、メラリの子孫のうちからエシャヤと、その兄弟と、その子たち二十名、
20 および、ダビデとつかさたちにより、レビ人に奉仕するよう任命されていた宮に仕えるしもべたちのうちから、二百二十名の宮に仕えるしもべたちを連れて来た。これらの者はみな、指名された者であった。
21 そこで、私はその所、アハワ川のほとりで断食を布告した。それは、私たちの神の前でへりくだり、私たちのために、私たちの子どもたちと、私たちのすべての持ち物のために、道中の無事を神に願い求めるためであった。
22 私は道中の敵から私たちを助ける部隊と騎兵たちを王に求めるのを恥じたからである。私たちは、かつて王に、「私たちの神の御手は、神を尋ね求めるすべての者の上に幸いを下し、その力と怒りとは、神を捨てるすべての者の上に下る」と言っていたからである。
23 だから、私たちはこのことのために断食して、私たちの神に願い求めた。すると神は私たちの願いを聞き入れてくださった。
24 私は祭司長たちのうちから十二人、すなわち、シェレベヤとハシャブヤ、および彼らの同僚十人を選び出し、
25 王や、議官たち、つかさたち、および、そこにいたすべてのイスラエル人がささげた、私たちの神の宮への奉納物の銀、金、器類を量って彼らに渡した。
26 私は銀六百五十タラント、また、百タラント相当の銀の器類、および、金百タラントを量って彼らに渡した。
27 それにまた、一千ダリク相当の金の鉢二十。また、金のように高価な、光り輝くみごとな青銅の器類二個を彼らに渡した。
28 ついで、私は彼らに言った。「あなたがたは主の聖なるものである。この器類も聖なるものとされている。この銀と金は、あなたがたの父祖の神、主への進んでささげるささげ物である。
29 あなたがたは、エルサレムの主の宮の部屋で、祭司長たち、レビ人たち、イスラエルの一族の長たちの前で量るまで、寝ずの番をして守りなさい。」
30祭司とレビ人たちは、その銀、金、器類を、エルサレムの私たちの神の宮に持って行くために、量って、受け取った。
31 私たちはエルサレムに行こうと、第一の月の十二日にアハワ川を出発した。私たちの神の御手が私たちの上にあって、その道中、敵の手、待ち伏せする者の手から、私たちを救い出してくださった。
32 こうして、私たちはエルサレムに着いて、そこに三日間とどまった。
33 四日目に銀と金と器類が、私たちの神の宮の中で量られ、ウリヤの子の祭司メレモテの手に渡された。彼とともにピネハスの子エルアザルがおり、彼らとともにレビ人であるヨシュアの子エホザバデと、ビヌイの子ノアデヤがいた。
34 全部が数えられ、量られた。そのとき、全重量が書き留められた。
35捕囚の人々で、捕囚から帰って来た者は、イスラエルの神に全焼のいけにえをささげた。すなわち、イスラエル全体のために雄牛十二頭、雄羊九十六頭、子羊七十七頭、罪のためのいけにえとして雄やぎ十二頭をささげた。これはすべて主への全焼のいけにえであった。
36 それから、彼らは王の命令書を、王の太守たちと、川向こうの総督たちに渡した。この人たちは、この民と神の宮とに援助を与えた。
1 これらのことが終わって後、つかさたちが私のところに近づいて来て次のように言った。「イスラエルの民や、祭司や、レビ人は、カナン人、ヘテ人、ペリジ人、エブス人、アモン人、モアブ人、エジプト人、エモリ人などの、忌みきらうべき国々の民と縁を絶つことなく、
2 かえって、彼らも、その息子たちも、これらの国々の娘をめとり、聖なる種族がこれらの国々の民と混じり合ってしまいました。しかも、つかさたち、代表者たちがこの不信の罪の張本人なのです。」
3 私はこのことを聞いて、着物と上着を裂き、髪の毛とひげを引き抜き、色を失ってすわってしまった。
4捕囚から帰って来た人々の不信の罪のことで、イスラエルの神のことばを恐れている者はみな、私のところに集まって来た。私は夕方のささげ物の時刻まで、色を失ってじっとすわっていた。
5 夕方のささげ物の時刻になって、私は気を取り戻し、着物と上着を裂いたまま、ひざまずき、私の神、主に向かって手を差し伸ばし、祈って、
6 言った。「私の神よ。私は恥を受け、私の神であるあなたに向かって顔を上げるのも恥ずかしく思います。私たちの咎は私たちの頭より高く増し加わり、私たちの罪過は大きく天にまで達したからです。
7 私たちの先祖の時代から今日まで、私たちは大きな罪過の中にありました。私たちのその咎のため、私たちや、私たちの王、祭司たちは、よその国々の王たちの手に渡され、剣にかけられ、とりこにされ、かすめ奪われ、恥を見せられて、今日あるとおりです。
8 しかし、今、しばらくの間、私たちの神、主のあわれみによって、私たちに、のがれた者を残しておき、私たちのためにご自分の聖なる所の中に一つの釘を与えてくださいました。これは、私たちの神が私たちの目を明るくし、奴隷の身の私たちをしばらく生き返らせてくださるためでした。
9 事実、私たちは奴隷です。しかし、私たちの神は、この奴隷の身の私たちを見捨てることなく、かえって、ペルシヤの王たちによって、私たちに恵みを施し、私たちを生かして、私たちの神の宮を再建させ、その廃墟を建て直させ、ユダとエルサレムに石垣を下さいました。
10 今、こうなってからは、何と申し上げたらよいのでしょう。私たちの神よ。私たちはあなたの命令を捨てたからです。
11 あなたは、あなたのしもべ、預言者たちによって、こう命じておられました。『あなたがたが、入って行って所有しようとしている地は、そこの国々の民の、忌みきらうべき行いによって汚された汚らわしい地であり、その隅々まで、彼らの汚れで満たされている。
12 だから、今、あなたがたの娘を彼らの息子にとつがせてはならない。また、彼らの娘をあなたがたの息子にめとってはならない。永久に彼らの平安も、しあわせも求めてはならない。そうすれば、あなたがたは強くなり、その地の良い物を食べ、これを永久にあなたがたの子孫のために所有することができる』と。
13 私たちの悪い行いと、大きな罪過のために、これらすべてのことが私たちの上に起こって後、──事実、私たちの神、あなたは、私たちの咎の受けるべき刑罰よりも軽く罰し、このようにのがれた者を私たちに残してくださいました──
14 私たちは再び、あなたの命令を破って、忌みきらうべき行いをするこれらの民と互いに縁を結んでよいのでしょうか。あなたは私たちを怒り、ついには私たちを絶ち滅ぼし、生き残った者も、のがれた者もいないようにされるのではないでしょうか。
15 イスラエルの神、主。あなたは正しい方です。まことに、今日あるように、私たちは、のがれた者として残されています。ご覧ください。私たちは罪過の中であなたの御前におります。このような状態で、だれもあなたの御前に立つことはできないのに。」
1 エズラが神の宮の前でひれ伏し、涙ながらに祈って告白しているとき、イスラエルのうちから男や女や子どもの大集団が彼のところに集まって来て、民は激しく涙を流して泣いた。
2 そのとき、エラムの子孫のひとりエヒエルの子シェカヌヤが、エズラに答えて言った。「私たちは、私たちの神に対して不信の罪を犯し、この地の民である外国の女をめとりました。しかし、このことについては、イスラエルに、今なお望みがあります。
3 今、私たちは、私たちの神に契約を結び、主の勧告と、私たちの神の命令を恐れる人々の勧告に従って、これらの妻たちと、その子どもたちをみな、追い出しましょう。律法に従ってこれを行いましょう。
4 立ち上がってください。このことはあなたの肩にかかっています。私たちはあなたに協力します。勇気を出して、実行してください。」
5 そこで、エズラは立ち上がり、祭司や、レビ人や、全イスラエルのつかさたちに、この提案を実行するように誓わせたので、彼らは誓った。
6 エズラは神の宮の前を去って、エルヤシブの子ヨハナンの部屋に行き、パンも食べず、水も飲まずにそこで38夜を過ごした。捕囚から帰って来た人々の不信の罪を嘆き悲しんでいたからである。
7 そこで、彼らは、捕囚から帰って来た者はみなエルサレムに集合するようにと、ユダとエルサレムにおふれを出した。
8 それには、つかさたちや長老たちの勧告に従って、三日のうちに出頭しない者はだれでも、その全財産は聖絶され、その者は、捕囚から帰って来た人々の集団から切り離されることになっていた。
9 それで、ユダとベニヤミンの男はみな、三日のうちに、エルサレムに集まって来た。それは第九の月の二十日であった。こうして、すべての民は神の宮の前の広場にすわり、このことと、大雨のために震えていた。
10祭司エズラは立ち上がって、彼らに言った。「あなたがたは、不信の罪を犯した。外国の女をめとって、イスラエルの罪過を増し加えた。
11 だから今、あなたがたの父祖の神、主に告白して、その御旨にかなったことをしなさい。この地の民と、外国の女から離れなさい。」
12全集団は大声をあげて答えて言った。「必ずあなたの言われたとおりにします。
13 しかし、民は大ぜいであり、また、大雨の季節ですから、私たちは外に立っていることができません。しかも、これは一日や二日の仕事でもありません。このことでは、私たちの多くの者がそむいているのですから。
14 私たちのつかさたちは全集団に代わって、ここにとどまっていただきたい。そして、私たちの町で外国の女をめとった者がみな、定まった時に、それぞれの町の長老たちとさばきつかさたちといっしょに出て来るようにしていただきたい。そうすれば、このことについての私たちの神の燃える怒りは、私たちから遠ざかるでしょう。」
15 アサエルの子ヨナタンとティクワの子ヤフゼヤだけは、メシュラムとレビ人シャベタイの支持を得て、これに反対したが、
16捕囚から帰って来た人々は、その提案どおりにした。祭司エズラは、彼らの一族のために、一族のかしらのある者たちをみな、名ざしで選び出した。こうして、彼らはこのことを調べるために、第十の月の一日に会議を始め、
17 第一の月の一日までに、外国の女をめとった男たちについて、みな調べ終えた。
18祭司の子らのうちで、外国の女をめとった者がわかったが、それはエホツァダクの子ヨシュアの子たちと、その兄弟たちのうちから、マアセヤ、エリエゼル、ヤリブ、ゲダルヤであった。
19 彼らはその妻を出すという誓いをして、彼らの罪過のために、雄羊一頭を罪過のためのいけにえとしてささげた。
20 イメル族のうちでは、ハナニとゼバデヤ。
21 ハリム族のうちでは、マアセヤ、エリヤ、シェマヤ、エヒエル、ウジヤ。
22 パシュフル族のうちでは、エルヨエナイ、マアセヤ、イシュマエル、ネタヌエル、エホザバデ、エルアサ。
23 レビ人のうちでは、エホザバデ、シムイ、ケラヤ──すなわちケリタ──、ペタヘヤ、ユダ、エリエゼル。
24 歌うたいのうちでは、エルヤシブ。門衛のうちでは、シャルム、テレム、ウリ。
25一般のイスラエル人のうち、パルオシュ族のうちでは、ラムヤ、イジヤ、マルキヤ、ミヤミン、エルアザル、マルキヤ、ベナヤ。
26 エラム族のうちでは、マタヌヤ、ゼカリヤ、エヒエル、アブディ、エレモテ、エリヤ。
27 ザト族のうちでは、エルヨエナイ、エルヤシブ、マタヌヤ、エレモテ、ザバデ、アジザ。
28 ベバイ族のうちでは、ヨハナン、ハナヌヤ、ザバイ、アテライ。
29 バニ族のうちでは、メシュラム、マルク、アダヤ、ヤシュブ、シェアル、ラモテ。
30 パハテ・モアブ族のうちでは、アデナ、ケラル、ベナヤ、マアセヤ、マタヌヤ、ベツァルエル、ビヌイ、マナセ。
31 ハリム族のうちでは、エリエゼル、イシヤ、マルキヤ、シェマヤ、シメオン、
32 ベニヤミン、マルク、シェマルヤ。
33 ハシュム族のうちでは、マテナイ、マタタ、ザバデ、エリフェレテ、エレマイ、マナセ、シムイ。
34 バニ族のうちでは、マアダイ、アムラム、ウエル、
35 ベナヤ、ベデヤ、ケルフ、
36 ワヌヤ、メレモテ、エルヤシブ、
37 マタヌヤ、マテナイ、ヤアサイ。
3839ビヌイ族のうちでは、シムイ、
39 シェレムヤ、ナタン、アダヤ、
40 マクナデバイ、シャシャイ、シャライ、
41 アザルエル、シェレムヤ、シェマルヤ、
42 シャルム、アマルヤ、ヨセフ。
43 ネボ族のうちでは、エイエル、マティテヤ、ザバデ、ゼビナ、ヤダイ、ヨエル、ベナヤ。
44 これらの者はみな、外国の女をめとった者である。40彼らの妻たちのうちには、すでに子どもを産んだ者もいた。
ネヘミヤ記
1 ハカルヤの子ネヘミヤのことば。
第二十年のキスレウの月に、私がシュシャンの城にいたとき、
2 私の親類のひとりハナニが、ユダから来た数人の者といっしょにやって来た。そこで私は、捕囚から残ってのがれたユダヤ人とエルサレムのことについて、彼らに尋ねた。
3 すると、彼らは私に答えた。「あの州の捕囚からのがれて生き残った残りの者たちは、非常な困難の中にあり、またそしりを受けています。そのうえ、エルサレムの城壁はくずされ、その門は火で焼き払われたままです。」
4 私はこのことばを聞いたとき、すわって泣き、数日の間、喪に服し、断食して天の神の前に祈って、
5 言った。「ああ、天の神、主。大いなる、恐るべき神。主を愛し、主の命令を守る者に対しては、契約を守り、いつくしみを賜る方。
6 どうぞ、あなたの耳を傾け、あなたの目を開いて、このしもべの祈りを聞いてください。私は今、あなたのしもべイスラエル人のために、昼も夜も御前に祈り、私たちがあなたに対して犯した、イスラエル人の罪を告白しています。まことに、私も私の父の家も罪を犯しました。
7 私たちは、あなたに対して非常に悪いことをして、あなたのしもべモーセにお命じになった命令も、おきても、定めも守りませんでした。
8 しかしどうか、あなたのしもべモーセにお命じになったことばを、思い起こしてください。『あなたがたが不信の罪を犯すなら、わたしはあなたがたを諸国民の間に散らす。
9 あなたがたがわたしに立ち返り、わたしの命令を守り行うなら、たとい、あなたがたのうちの散らされた者が天の果てにいても、わたしはそこから彼らを集め、わたしの名を住ませるためにわたしが選んだ場所に、彼らを連れて来る』と。
10 これらの者たちは、あなたの偉大な力とその力強い御手をもって、あなたが贖われたあなたのしもべ、あなたの民です。
11 ああ、主よ。どうぞ、このしもべの祈りと、あなたの名を喜んで敬うあなたのしもべたちの祈りとに、耳を傾けてください。どうぞ、きょう、このしもべに幸いを見せ、この人の前に、あわれみを受けさせてくださいますように。」そのとき、私は王の献酌官であった。
1 アルタシャスタ王の第二十年のニサンの月に、王の前に酒が出たとき、私は酒を取り上げ、それを王に差し上げた。これまで、私は王の前でしおれたことはなかった。
2 そのとき、王は私に言った。「あなたは病気でもなさそうなのに、なぜ、そのように悲しい顔つきをしているのか。きっと心に悲しみがあるに違いない。」私はひどく恐れて、
3 王に言った。「王よ。いつまでも生きられますように。私の先祖の墓のある町が廃墟となり、その門が火で焼き尽くされているというのに、どうして悲しい顔をしないでおられましょうか。」
4 すると、王は私に言った。「では、あなたは何を願うのか。」そこで私は、天の神に祈ってから、
5 王に答えた。「王さま。もしもよろしくて、このしもべをいれてくださいますなら、私をユダの地、私の先祖の墓のある町へ送って、それを再建させてください。」
6 王は私に言った。──王妃もそばにすわっていた──「旅はどのくらいかかるのか。いつ戻って来るのか。」私が王にその期間を申し出ると、王は快く私を送り出してくれた。
7 それで、私は王に言った。「もしも、王さまがよろしければ、川向こうの総督たちへの手紙を私に賜り、私がユダに着くまで、彼らが私を通らせるようにしてください。
8 また、王に属する御園の番人アサフへの手紙も賜り、宮の城門の梁を置くため、また、あの町の城壁と、私が入る家のために、彼が材木を私に与えるようにしてください。」私の神の恵みの御手が私の上にあったので、王はそれをかなえてくれた。
9 私は、川向こうの総督たちのところに行き、王の手紙を彼らに手渡した。それに、王は将校たちと騎兵を私につけてくれた。
10 ホロン人サヌバラテと、アモン人で1役人のトビヤは、これを聞いて、非常に不きげんになった。イスラエル人の利益を求める人がやって来たからである。
11 こうして、私はエルサレムにやって来て、そこに三日間とどまった。
12 あるとき、私は夜中に起きた。ほかに数人の者もいっしょにいた。しかし、私の神が、私の心を動かしてエルサレムのためにさせようとされることを、私はだれにも告げなかった。また、私が乗った獣のほかには、一頭の獣も連れて行かなかった。
13 私は夜、谷の門を通って竜の泉のほう、糞の門のところに出て行き、エルサレムの城壁を調べると、それはくずされ、その門は火で焼け尽きていた。
14 さらに、私は泉の門と王の池のほうへ進んで行ったが、私の乗っている獣の通れる所がなかった。
15 そこで、私は夜のうちに流れを上って行き、城壁を調べた。そしてまた引き返し、谷の門を通って戻って来た。
16 代表者たちは、私がどこへ行っていたか、また私が何をしていたか知らなかった。それに、私は、それをユダヤ人にも、祭司たちにも、おもだった人たちにも、代表者たちにも、その他工事をする者たちにも、まだ知らせていなかった。
17 それから、私は彼らに言った。「あなたがたは、私たちの当面している困難を見ている。エルサレムは廃墟となり、その門は火で焼き払われたままである。さあ、エルサレムの城壁を建て直し、もうこれ以上そしりを受けないようにしよう。」
18 そして、私に恵みを下さった私の神の御手のことと、また、王が私に話したことばを、彼らに告げた。そこで彼らは、「さあ、再建に取りかかろう」と言って、この良い仕事に着手した。
19 ところが、ホロン人サヌバラテと、アモン人で役人のトビヤ、および、アラブ人ゲシェムは、これを聞いて、私たちをあざけり、私たちをさげすんで言った。「おまえたちのしているこのことは何だ。おまえたちは王に反逆しようとしているのか。」
20 そこで、私は彼らにことばを返して言った。「天の神ご自身が、私たちを成功させてくださる。だから、そのしもべである私たちは、再建に取りかかっているのだ。しかし、あなたがたにはエルサレムの中に何の分け前も、権利も、記念もないのだ。」
1 こうして、大祭司エルヤシブは、その兄弟の祭司たちと、羊の門の再建に取りかかった。彼らはそれを聖別して、とびらを取りつけた。彼らはメアのやぐらまで聖別し、ハナヌエルのやぐらにまで及んだ。
2 彼の次にエリコの人々が建て、その次にイムリの子ザクルが建てた。
3 魚の門はセナアの子らが建てた。彼らは梁を置き、とびら、かんぬき、横木を取りつけた。
4 彼らの次に、コツの子ウリヤの子であるメレモテが修理し、その次に、メシェザブエルの子ベレクヤの子であるメシュラムが修理し、その次に、バアナの子ツァドクが修理した。
5 その次に、テコア人たちが修理したが、そのすぐれた人たちは彼らの主人たちの工事に協力しなかった。
62エシャナの門はパセアハの子エホヤダと、ベソデヤの子メシュラムが修理した。彼らは梁を置き、とびら、かんぬき、横木を取りつけた。
7 彼らの次に、ギブオン人メラテヤと、メロノテ人ヤドン、それに川向こうの総督の管轄に属するギブオンとミツパの人々が修理した。
8 その次に、金細工人のハルハヤの子ウジエルが修理し、その次に、香料作りのひとりハナヌヤが修理した。こうして、彼らはエルサレムを、広い城壁のところまで修復した。
9 彼らの次に、エルサレム地区の半区の長、フルの子レファヤが修理した。
10 その次に、ハルマフの子エダヤが自分の家に面する所を修理し、その次に、ハシャブネヤの子ハトシュが修理した。
11 ハリムの子マルキヤと、パハテ・モアブの子ハシュブは、その続きの部分と炉のやぐらを修理した。
12 その次に、エルサレムの3残りの半区の長、ロヘシュの子シャルムが、自分の娘たちといっしょに修理した。
13 谷の門はハヌンと、ザノアハの住民が修理した。彼らはそれを建て直し、とびら、かんぬき、横木を取りつけ、糞の門までの城壁一千4キュビトを修理した。
14糞の門はベテ・ハケレム地区の長、レカブの子マルキヤが修理した。彼はそれを建て直し、とびら、かんぬき、横木を取りつけた。
15泉の門はミツパ地区の長、コル・ホゼの子5シャルンが修理した。彼はそれを建て直し、屋根をつけ、とびら、かんぬき、横木を取りつけた。また、王の園のシェラフの池の城壁を、ダビデの町から下って来る階段のところまで修理した。
16 そのあとに、ベテ・ツル地区の半区の長、アズブクの子ネヘミヤが、ダビデの墓地に面する所と、人工貯水池と、勇士たちの家のところまで修理した。
17 そのあとに、バニの子レフムなど、レビ人たちが修理した。その次に、ケイラ地区の半区の長、ハシャブヤが、自分の区域のために修理した。
18 そのあとに、ケイラの6残りの半地区の長、ヘナダデの子バワイなど、彼らの同僚たちが修理した。
19 その次に、ミツパの長、7ヨシュアの子エゼルが、城壁の曲がりかどにある武器倉への上り坂に面した続きの部分を修理した。
20 そのあとに、ザカイの子バルクが、城壁の曲がりかどから大祭司エルヤシブの家の門のところまでの続きの部分を、熱心に修理した。
21 そのあとに、コツの子ウリヤの子メレモテが、エルヤシブの家の門からエルヤシブの家の端までの続きの部分を修理した。
22 そのあとに、低地の人々である祭司たちが修理した。
23 そのあとに、ベニヤミンとハシュブが、彼らの家に面する所を修理した。そのあとに、アナネヤの子マアセヤの子アザルヤが、自分の家の近くを修理した。
24 そのあとに、ヘナダデの子ビヌイが、アザルヤの家から城壁の曲がりかどの、隅までの続きの部分を修理した。
25 ウザイの子パラルは、城壁の曲がりかどに面した所と、監視の庭のそばにあって、王宮から高く突き出ているやぐらを修理した。そのあとに、パルオシュの子ペダヤと、
26 オフェルの住民で宮に仕えるしもべたちとは、東のほうの水の門、および突き出ているやぐらに面する所までを修理した。
27 そのあとに、テコア人が、突き出ている大きなやぐらに面している所から、オフェルの城壁までの続きの部分を修理した。
28 馬の門から上のほうは、祭司たちがそれぞれ、自分の家に面する所を修理した。
29 そのあとに、イメルの子ツァドクが、自分の家に面する所を修理した。そのあとに、シェカヌヤの子、東の門を守る者シェマヤが修理した。
30 そのあとに、シェレムヤの子ハナヌヤと、ツァラフの六男ハヌンが、その続きの部分を修理した。そのあとに、ベレクヤの子メシュラムが、自分の部屋に面する部分を修理した。
31 そのあとに、金細工人のひとりマルキヤは、召集の門の向かい側にある宮に仕えるしもべたちや商人たちの家を、かどの二階の部屋のところまで修理した。
32 かどの二階の部屋と羊の門の間は、金細工人と商人たちが修理した。
1 サヌバラテは私たちが城壁を修復していることを聞くと、怒り、また非常に憤慨して、ユダヤ人たちをあざけった。
2 彼はその同胞と、サマリヤの有力者たちの前で言った。「この哀れなユダヤ人たちは、いったい何をしているのか。あれを修復して、いけにえをささげようとするのか。一日で仕上げようとするのか。焼けてしまった石をちりあくたの山から生き返らせようとするのか。」
3 彼のそばにいたアモン人トビヤもまた、「彼らの建て直している城壁なら、一匹の狐が上っても、その石垣をくずしてしまうだろう」と言った。
4 「お聞きください、私たちの神。私たちは軽蔑されています。彼らのそしりを彼らの頭に返し、彼らが捕囚の地でかすめ奪われるようにしてください。
5 彼らの咎を赦すことなく、彼らの罪を御前からぬぐい去らないでください。彼らは建て直す者たちを侮辱したからです。」
6 こうして、私たちは城壁を建て直し、城壁はみな、その8高さの半分まで継ぎ合わされた。民に働く気があったからである。
7 ところが、サヌバラテ、トビヤ、アラブ人、アモン人、アシュドデ人たちは、エルサレムの城壁の修復がはかどり、割れ目もふさがり始めたことを聞いたとき、非常に怒り、
8 彼らはみな共にエルサレムに攻め入り、混乱を起こそうと陰謀を企てた。
9 しかし私たちは、私たちの神に祈り、彼らに備えて日夜見張りを置いた。
10 そのとき、ユダの人々は言った。
「荷をになう者の力は衰えているのに、
ちりあくたは山をなしている。
私たちは城壁を築くことはできない。」
11 一方、私たちの敵は言った。「彼らの知らないうちに、また見ないうちに、彼らの真ん中に入り込んで、彼らを殺し、その工事をやめさせよう。」
12 そこで、彼らの近くに住んでいたユダヤ人たちがやって来て、9四方から十回も私たちに言った。「私たちのところに戻って来てほしい。」
13 そこで私は、民をその家族ごとに、城壁のうしろの低い所の、空地に、剣や槍や弓を持たせて配置した。
14 私は10彼らが恐れているのを見て立ち上がり、おもだった人々や、代表者たち、およびその他の人々に言った。「彼らを恐れてはならない。大いなる恐るべき主を覚え、自分たちの兄弟、息子、娘、妻、また家のために戦いなさい。」
15 私たちの敵が、彼らのたくらみは私たちに悟られ、神がそれを打ちこわされたということを聞いたとき、私たちはみな、城壁に帰り、それぞれ自分の工事に戻った。
16 その日以来、私に仕える若い者の半分は工事を続け、他の半分は、槍や、盾、弓、よろいで身を固めていた。一方、11隊長たちはユダの全家を守った。
17城壁を築く者たち、荷をかついで運ぶ者たちは、片手で仕事をし、片手に投げ槍を堅く握っていた。
18築く者は、それぞれ剣を腰にして築き、角笛を吹き鳴らす者は、私のそばにいた。
19 私はおもだった人々や、代表者たち、およびその他の人々に言った。「この工事は大きく、また広がっている。私たちは城壁の上で互いに遠く離れ離れになっている。
20 どこででも、あなたがたが角笛の鳴るのを聞いたら、私たちのところに集まって来なさい。私たちの神が私たちのために戦ってくださるのだ。」
21 こうして、私たちはこの工事を進めたが、その半分の者は、夜明けから星の現れる時まで、槍を手に取っていた。
22 そのときまた、私は民に言った。「だれでも自分に仕える若い者といっしょにエルサレムのうちで夜を明かすようにしなさい。そうすれば、夜にも見張りがおり、昼には働くことができる。」
23 私も、私の親類の者も、私に仕える若い者たちも、私を守る見張りの人々も、私たちのうちのだれも、服を脱がず、12それぞれ投げ槍を13手にしていた。
1 ときに、民とその妻たちは、その同胞のユダヤ人たちに対して強い抗議の声をあげた。
2 ある者は、「私たちには息子や娘が大ぜいいる。私たちは、食べて生きるために、穀物を手に入れなければならない」と言い、
3 またある者は、「このききんに際し、穀物を手に入れるために、私たちの畑も、ぶどう畑も、家も抵当に入れなければならない」と言った。
4 またある者は言った。「私たちは、王に支払う税金のために、私たちの畑とぶどう畑をかたにして、金を借りなければならなかった。
5現に、私たちの肉は私たちの兄弟の肉と同じであり、私たちの子どもも彼らの子どもと同じなのだ。それなのに、今、私たちは自分たちの息子や娘を奴隷に売らなければならない。事実、私たちの娘で、もう奴隷にされている者もいる。しかし、私たちの畑もぶどう畑も他人の所有となっているので、私たちにはどうする力もない。」
6 私は彼らの不平と、これらのことばを聞いて、非常に怒った。
7 私は十分考えたうえで、おもだった者たちや代表者たちを非難して言った。「あなたがたはみな、自分の兄弟たちに、担保を取って金を貸している」と。私は大集会を開いて彼らを責め、
8 彼らに言った。「私たちは、異邦人に売られた私たちの兄弟、ユダヤ人を、できるかぎり買い取った。それなのに、あなたがたはまた、自分の兄弟たちを売ろうとしている。14私たちが彼らを買わなければならないのだ。」すると、彼らは黙ってしまい、一言も言いだせなかった。
9 私は言い続けた。「あなたがたのしていることは良くない。あなたがたは、私たちの敵である異邦人のそしりを受けないために、私たちの神を恐れながら歩むべきではないか。
10 私も、私の親類の者も、私に仕える若い者たちも、彼らに金や穀物を貸してやったが、私たちはその負債を帳消しにしよう。
11 だから、あなたがたも、きょう、彼らの畑、ぶどう畑、オリーブ畑、家、それにまた、あなたがたが彼らに貸していた金や、穀物、新しいぶどう酒、油などの15利子を彼らに返してやりなさい。」
12 すると彼らは、「私たちは返します。彼らから何も要求しません。私たちはあなたの言われるとおりにします」と言った。そこで、私は祭司たちを呼び、彼らにこの約束を実行する誓いを立てさせた。
13 私はまた、私のすそを振って言った。「この約束を果たさない者を、ひとり残らず、神がこのように、その家とその勤労の実とから振り落としてくださいますように。このように、その者は振り落とされて、むなしいものとなりますように。」すると全集団は、「アーメン」と言って、主をほめたたえた。こうして、民はこの約束を実行した。
14 また、私がユダの地の総督として任命された時から、すなわち、アルタシャスタ王の第二十年から第三十二年までの十二年間、私も私の親類も、総督としての16手当を受けなかった。
15 私の前任の総督たちは民の負担を重くし、民から、17パンとぶどう酒のために取り立て、そのうえ、銀四十シェケルを取った。しかも、彼らに仕える若い者たちは民にいばりちらした。しかし、私は神を恐れて、そのようなことはしなかった。
16 また、私はこの城壁の工事に専念し、私たちは農地を買わなかった。私に仕える若い者たちはみな、工事に集まっていた。
17 ユダヤ人の代表者たち百五十人と、私たちの回りの国々から来る者が、私の食卓についていた。
18 それで、一日に牛一頭、えり抜きの羊六頭が料理され、私のためには鶏が料理された。それに、十日ごとに、あらゆる種類のぶどう酒をたくさん用意した。それでも私は、この民に重い労役がかかっていたので、総督としての手当を要求しなかった。
19 私の神。どうか私がこの民のためにしたすべてのことを覚えて、私をいつくしんでください。
1 さて、私が城壁を建て直し、破れ口は残されていないということが、サヌバラテ、トビヤ、アラブ人ゲシェム、その他の私たちの敵に聞こえると、──その時まで、私はまだ、門にとびらを取りつけていなかった──
2 サヌバラテとゲシェムは私のところに使いをよこして言った。「さあ、オノの平地にある18村の一つで会見しよう。」彼らは私に害を加えようとたくらんでいたのである。
3 そこで、私は彼らのところに使者たちをやって言った。「私は大工事をしているから、下って行けない。私が工事をそのままにして、あなたがたのところへ下って行ったため、工事が止まるようなことがあってよいものだろうか。」
4 すると、彼らは同じようにして、四度も私のところに人をよこした。それで私も同じように彼らに答えた。
5 サヌバラテは五度目にも同じようにして、若い者を私のところによこした。その手には一通の開封した手紙を持っていた。
6 それには次のように書いてあった。「諸国民の間に言いふらされ、また、19ゲシェムも言っているが、あなたとユダヤ人たちは反逆をたくらんでおり、そのために、あなたは城壁を建て直している。このうわさによれば、あなたは彼らの王になろうとしている。
7 また、あなたはエルサレムで、自分について宣言させるために、預言者たちを任命して、『ユダに王がいる』と言わせている。今にこのようなことが王に聞こえるであろう。さあ、来なさい。いっしょに相談しよう。」
8 そこで、私は彼のところに人をやって言わせた。「あなたが言っているようなことはされていない。あなたはそのことを自分でかってに考え出したのだ」と。
9 事実、これらのことはみな、「あの者たちが気力を失って工事をやめ、中止するだろう」と考えて、私たちをおどすためであった。ああ、今、私を力づけてください。
10 私がメヘタブエルの子デラヤの子シェマヤの家に行ったところ、彼は引きこもっており、そして言った。「私たちは、神の宮、本堂の中で会い、本堂の戸を閉じておこう。彼らがあなたを殺しにやって来るからだ。きっと夜分にあなたを殺しにやって来る。」
11 そこで、私は言った。「私のような者が逃げてよいものか。私のような者で、だれが本堂に入って生きながらえようか。私は入って行かない。」
12 私にはわかっている。今、彼を遣わしたのは、神ではない。彼がこの預言を私に伝えたのは、トビヤとサヌバラテが彼を買収したからである。
13 彼が買収されたのは、私が恐れ、言われるとおりにして、私が罪を犯すようにするためであり、彼らの悪口の種とし、私をそしるためであった。
14 わが神よ。トビヤやサヌバラテのあのしわざと、また、私を恐れさせようとした女預言者ノアデヤや、その他の預言者たちのしわざを忘れないでください。
15 こうして、城壁は五十二日かかって、エルルの月の二十五日に完成した。
16 私たちの敵がみな、これを聞いたとき、私たちの回りの諸国民はみな恐れ、大いに20面目を失った。この工事が、私たちの神によってなされたことを知ったからである。
17 また、そのころ、ユダのおもだった人々は、トビヤのところにひんぱんに手紙を送っており、トビヤも彼らに返事をしていた。
18 それは、トビヤがアラフの子シェカヌヤの婿であり、また、トビヤの子ヨハナンもベレクヤの子メシュラムの娘を妻にめとっていたので、彼と誓いを立てていた者がユダの中に大ぜいいたからである。
19 彼らはまた、私の前でトビヤの善行を語り、私の言うことを彼に伝えていた。トビヤは私をおどそうと、たびたび手紙を送って来た。
1城壁が再建され、私がとびらを取りつけたとき、門衛と、歌うたいと、レビ人が任命された。
2 私は、兄弟ハナニと、この城のつかさハナヌヤとに、エルサレムを治めるように命じた。これは、ハナヌヤが誠実な人であり、多くの人にまさって神を恐れていたからである。
3 私はふたりに言った。「太陽が高く上って暑くなる前に、エルサレムの門をあけてはならない。そして住民が警備に立っている間に、門を閉じ、かんぬきを差しなさい。エルサレムの住民のうちから、それぞれの見張り所と自分の家の前に見張りを立てなさい。」
4 この町は広々としていて大きかったが、そのうちの住民は少なく、家もまだ十分に建てられていなかった。
5 私の神は、私の心を動かして、私がおもだった人々や、代表者たちや、民衆を集めて、彼らの系図を記載するようにされた。私は最初に上って来た人々の系図を発見し、その中に次のように書かれているのを見つけた。
6 バビロンの王ネブカデネザルが引いて行った捕囚の民で、その捕囚の身から解かれて上り、エルサレムとユダに戻り、めいめい自分の町に戻ったこの州の人々は次のとおりである。
7 ゼルバベルといっしょに帰って来た者は、ヨシュア、ネヘミヤ、アザルヤ、21ラアムヤ、ナハマニ、モルデカイ、ビルシャン、ミスペレテ、ビグワイ、ネフム、バアナ。
イスラエルの民の人数は次のとおりである。
8 パルオシュ族、二千百七十二名。
9 シェファテヤ族、三百七十二名。
10 アラフ族、六百五十二名。
11 ヨシュアとヨアブの二族からなるパハテ・モアブ族、二千八百十八名。
12 エラム族、一千二百五十四名。
13 ザト族、八百四十五名。
14 ザカイ族、七百六十名。
1522ビヌイ族、六百四十八名。
16 ベバイ族、六百二十八名。
17 アズガデ族、二千三百二十二名。
18 アドニカム族、六百六十七名。
19 ビグワイ族、二千六十七名。
20 アディン族、六百五十五名。
21 ヒゼキヤ族、すなわちアテル族、九十八名。
22 ハシュム族、三百二十八名。
23 ベツァイ族、三百二十四名。
2423ハリフ族、百十二名。
2524ギブオン族、九十五名。
26 ベツレヘムとネトファの人々、百八十八名。
27 アナトテの人々、百二十八名。
28 ベテ・アズマベテの人々、四十二名。
2925キルヤテ・エアリムと、ケフィラと、ベエロテの人々、七百四十三名。
30 ラマとゲバの人々、六百二十一名。
31 ミクマスの人々、百二十二名。
32 ベテルとアイの人々、百二十三名。
33 別のネボの人々、五十二名。
34 別のエラム族、一千二百五十四名。
35 ハリム族、三百二十名。
36 エリコの人、三百四十五名。
37 ロデと、ハディデと、オノの人、七百二十一名。
38 セナアの人、三千九百三十名。
39祭司は、ヨシュアの家のエダヤ族、九百七十三名。
40 イメル族、一千五十二名。
41 パシュフル族、一千二百四十七名。
42 ハリム族、一千十七名。
43 レビ人は、26ホデヤ族のヨシュアとカデミエルの二族、七十四名。
44 歌うたいは、アサフ族、百四十八名。
45門衛は、シャルム族、アテル族、タルモン族、アクブ族、ハティタ族、ショバイ族、百三十八名。
46 宮に仕えるしもべたちは、ツィハ族、ハスファ族、タバオテ族、
47 ケロス族、27シア族、パドン族、
48 レバナ族、ハガバ族、サルマイ族、
49 ハナン族、ギデル族、ガハル族、
50 レアヤ族、レツィン族、ネコダ族、
51 ガザム族、ウザ族、パセアハ族、
52 ベサイ族、メウニム族、28ネフィシェシム族、
53 バクブク族、ハクファ族、ハルフル族、
5429バツリテ族、メヒダ族、ハルシャ族、
55 バルコス族、シセラ族、テマフ族、
56 ネツィアハ族、ハティファ族。
57 ソロモンのしもべたちの子孫は、ソタイ族、ソフェレテ族、30ペリダ族、
5831ヤアラ族、ダルコン族、ギデル族、
59 シェファテヤ族、ハティル族、ポケレテ・ハツェバイム族、32アモン族。
60 宮に仕えるしもべたちと、ソロモンのしもべたちの子孫は、合計三百九十二名。
61 次の人々は、テル・メラフ、テル・ハルシャ、ケルブ、33アドン、イメルから引き揚げて来たが、自分たちの先祖の家系と血統がイスラエル人であったかどうかを、証明することができなかった。
62 すなわち、デラヤ族、トビヤ族、ネコダ族、六百四十二名。
63祭司のうちでは、ホバヤ族、コツ族、バルジライ族。──このバルジライは、ギルアデ人バルジライの娘のひとりを妻にめとったので、その名をもって呼ばれていた──
64 これらの人々は、自分たちの系図書きを捜してみたが、見つからなかったので、彼らは祭司職を果たす資格がない者とされた。
65 それで、総督は、ウリムとトンミムを使える祭司が起こるまでは最も聖なるものを食べてはならない、と命じた。
66全集団の合計は四万二千三百六十名であった。
67 このほかに、彼らの男女の奴隷が七千三百三十七名いた。また彼らには男女の歌うたいが二百四十五名いた。34
68 らくだは四百三十五頭。ろばは六千七百二十頭であった。
69 一族のかしらの何人かは、工事のためにささげ物をした。総督は資金のために金一千35ダリク、鉢五十、祭司の長服五百三十着をささげ、
70 また、一族のかしらのある者は、工事の資金のために金二万ダリク、銀二千二百36ミナをささげた。
71 そのほかの民のささげたものは、金二万ダリク、銀二千ミナ、祭司の長服六十七着であった。
72 こうして、祭司、レビ人、門衛、歌うたい、民のある者たち、宮に仕えるしもべたち、および、すべてのイスラエル人は、自分たちのもとの町々に住みついた。
イスラエル人は自分たちの町々にいたが、第七の月が近づくと、
1民はみな、37いっせいに、水の門の前の広場に集まって来た。そして彼らは、主がイスラエルに命じたモーセの律法の書を持って来るように、学者エズラに願った。
2 そこで、第七の月の一日目に祭司エズラは、男も女も、すべて聞いて理解できる人たちからなる集団の前に律法を持って来て、
3 水の門の前の広場で、夜明けから真昼まで、男や女で理解できる人たちの前で、これを朗読した。民はみな、律法の書に耳を傾けた。
4 学者エズラは、このために作られた木の台の上に立った。彼のそばには、右手にマティテヤ、シェマ、アナヤ、ウリヤ、ヒルキヤ、マアセヤが立ち、左手にペダヤ、ミシャエル、マルキヤ、ハシュム、ハシュバダナ、ゼカリヤ、メシュラムが立った。
5 エズラはすべての民の面前で、その書を開いた。彼はすべての民よりも高い所にいたからである。彼がそれを開くと、民はみな立ち上がった。
6 エズラが大いなる神、主をほめたたえると、民はみな、手を上げながら、「アーメン、アーメン」と答えてひざまずき、地にひれ伏して主を礼拝した。
7 ヨシュア、バニ、シェレベヤ、ヤミン、アクブ、シャベタイ、ホディヤ、マアセヤ、ケリタ、アザルヤ、エホザバデ、ハナン、ペラヤなどレビ人たちは、民に律法を解き明かした。その間、民はそこに立っていた。
8 彼らが神の律法の書をはっきりと読んで説明したので、民は読まれたことを理解した。
9総督であるネヘミヤと、祭司であり学者であるエズラと、民に解き明かすレビ人たちは、民全部に向かって言った。「きょうは、あなたがたの神、主のために聖別された日である。悲しんではならない。泣いてはならない。」民が律法のことばを聞いたときに、みな泣いていたからである。
10 さらに、ネヘミヤは彼らに言った。「行って、上等な肉を食べ、甘いぶどう酒を飲みなさい。何も用意できなかった者には38ごちそうを贈ってやりなさい。きょうは、私たちの主のために聖別された日である。悲しんではならない。39あなたがたの力を主が喜ばれるからだ。」
11 レビ人たちも、民全部を静めながら言った。「静まりなさい。きょうは神聖な日だから。悲しんではならない。」
12 こうして、民はみな、行き、食べたり飲んだり、ごちそうを贈ったりして、大いに喜んだ。これは、彼らが教えられたことを理解したからである。
13 二日目に、すべての民の一族のかしらたちと、祭司たち、レビ人たちは、律法のことばをよく調べるために、学者エズラのところに集まって来た。
14 こうして彼らは、主がモーセを通して命じた律法に、イスラエル人は第七の月の祭りの間、仮庵の中に住まなければならない、と書かれているのを見つけ出した。
15 これを聞くと、彼らは、自分たちのすべての町々とエルサレムに、次のようなおふれを出した。「山へ出て行き、オリーブ、野生のオリーブの木、ミルトス、なつめやし、また、枝の茂った木などの枝を取って来て、書かれているとおりに仮庵を作りなさい。」
16 そこで、民は出て行って、それを持って帰り、それぞれ自分の家の屋根の上や、庭の中、または、神の宮の庭や、水の門の広場、エフライムの門の広場などに、自分たちのために仮庵を作った。
17捕囚から帰って来た全集団は、仮庵を作り、その仮庵に住んだ。ヌンの子40ヨシュアの時代から今日まで、イスラエル人はこのようにしていなかったので、それは非常に大きな喜びであった。
18 神の律法の書は、最初の日から最後の日まで、毎日朗読された。祭りは七日間、祝われ、八日目には定めに従って、きよめの集会が行われた。
1 その月の二十四日に、イスラエル人は断食をし、荒布を着け、土をかぶって集まった。
2 そして、すべての外国人との縁を絶ったイスラエルの子孫は立ち上がって、自分たちの罪と、先祖の咎を告白した。
3 彼らはその所に立ったままで、昼の四分の一は、彼らの神、主の律法の書を朗読し、次の四分の一は、告白をして、彼らの神、主を礼拝した。
4 ヨシュア、バニ、カデミエル、シェバヌヤ、ブニ、シェレベヤ、バニ、ケナニは、レビ人の台の上に立ち上がり、彼らの神、主に対し大声で叫んだ。
5 それからまた、レビ人のヨシュア、カデミエル、バニ、ハシャブネヤ、シェレベヤ、ホディヤ、シェバヌヤ、ペタヘヤは言った。「立ち上がって、とこしえからとこしえまでいますあなたがたの神、主をほめたたえよ。すべての祝福と賛美を越えるあなたの栄光の御名はほむべきかな。」
6 「ただ、あなただけが主です。あなたは天と、天の天と、その万象、地とその上のすべてのもの、海とその中のすべてのものを造り、そのすべてを生かしておられます。そして、天の軍勢はあなたを伏し拝んでおります。
7 あなたこそ神である主です。あなたはアブラムを選んでカルデヤ人のウルから連れ出し、彼にアブラハムという名を与えられました。
8 あなたは、彼の心が御前に真実であるのを見て、カナン人、ヘテ人、エモリ人、ペリジ人、エブス人、ギルガシ人の地を、彼と彼の子孫に与えるとの契約を彼と結び、あなたの約束を果たされました。あなたは正しい方だからです。
9 あなたはエジプトで私たちの先祖が受けた悩みを見、また、41葦の海のほとりでの彼らの叫びを聞かれました。
10 あなたは、パロとそのすべての家臣、その国のすべての民に対して、しるしと不思議を行われました。これは、彼らが私たちの先祖に対して、かってなことをしていたのをあなたが知られたからです。こうして、今日あるとおり、あなたは名をあげられました。
11 あなたが彼らの前で海を分けたので、彼らは海の中のかわいた地を通って行きました。しかし、あなたは、奔流に石を投げ込むように、彼らの追っ手を海の深みに投げ込まれました。
12 昼間は雲の柱によって彼らを導き、夜は火の柱によって彼らにその行くべき道を照らされました。
13 あなたはシナイ山の上に下り、天から彼らと語り、正しい定めと、まことの律法、良きおきてと命令を彼らにお与えになりました。
14 あなたの聖なる安息を彼らに教え、あなたのしもべモーセを通して、命令とおきてと律法を彼らに命じられました。
15 彼らが飢えたときには、天からパンを彼らに与え、彼らが渇いたときには、岩から水を出し、こうして、彼らに与えると42誓われたその地を所有するために進んで行くよう彼らに命じられました。
16 しかし、彼ら、すなわち私たちの先祖は、かってにふるまい、うなじをこわくし、あなたの命令に聞き従いませんでした。
17 彼らは聞き従うことを拒み、あなたが彼らの間で行われた奇しいみわざを記憶もせず、かえってうなじをこわくし、ひとりのかしらを立てて43エジプトでの奴隷の身に戻ろうとしました。それにもかかわらず、あなたは赦しの神であり、情け深く、あわれみ深く、怒るのにおそく、恵み豊かであられるので、彼らをお捨てになりませんでした。
18 彼らが自分たちのために、一つの鋳物の子牛を造り、『これがあなたをエジプトから導き上ったあなたの神だ』と言って、ひどい侮辱を加えたときでさえ、
19 あなたは、大きなあわれみをかけ、彼らを荒野に見捨てられませんでした。昼間は雲の柱が彼らから離れないで、道中、彼らを導き、夜には火の柱が彼らの行くべき道を照らしました。
20 あなたは、彼らに悟らせようと、あなたのいつくしみ深い霊を賜り、彼らの口からあなたのマナを絶やさず、彼らが渇いたときには、彼らに水を与えられました。
21 四十年の間、あなたは彼らを荒野で養われたので、彼らは何も不足することなく、彼らの着物もすり切れず、足もはれませんでした。
22 あなたは彼らに王国や国々の民を与え、それらを領地として割り当てられました。こうして、彼らはシホンの地、すなわちヘシュボンの王の地と、バシャンの王オグの地を占領しました。
23 あなたは彼らの子孫を空の星のようにふやし、彼らの先祖たちに、入って行って所有せよ、と言われた地に、彼らを導き入れられました。
24 こうして、その子孫は、入って行って、その地を所有しました。あなたは、彼らの前でこの地の住民、カナン人を屈服させ、これを彼らの手に渡し、その王たちや、この地の人々も渡して、これを思いどおりに扱うようにされました。
25 こうして、彼らは城壁のある町々と、肥えた土地を攻め取り、あらゆる良い物の満ちた家、掘り井戸、ぶどう畑、オリーブ畑、および果樹をたくさん手に入れました。それで、彼らは食べて、満腹し、肥え太って、あなたの大いなる恵みを楽しみました。
26 しかし、彼らは反抗的で、あなたに反逆し、あなたの律法をうしろに投げ捨て、あなたに立ち返らせようとして彼らを戒めたあなたの預言者たちを殺し、ひどい侮辱を加えました。
27 そこで、あなたは彼らを敵の手に渡され、敵が彼らを苦しめました。彼らがその苦難の時にあなたに叫び求めると、あなたは天からこれを聞き入れ、あなたの大いなるあわれみによって、彼らに救う者たちを与え、彼らを敵の手から救ってくださいました。
28 しかし、ひと息つくと、彼らはまた、あなたの前に悪事を行いました。そこで、あなたは彼らを敵の手にゆだねられ、敵が彼らを支配しました。しかし、彼らが立ち返って、あなたに叫び求めると、あなたは天からこれを聞き入れ、あなたのあわれみによって、たびたび彼らを救い出されました。
29 あなたは彼らを戒めて、彼らをあなたの律法に立ち返らせようとされましたが、彼らはかってなふるまいをして、あなたの命令に聞き従わず、もし人がこれを行うなら、これによって生きる、というあなたの定めにそむいて罪を犯し、肩を怒らして、うなじをこわくし、聞き入れようとはしませんでした。
30 それでも、あなたは何年も彼らを忍び、あなたの預言者たちを通して、あなたの霊によって彼らを戒められましたが、彼らは耳を傾けませんでした。それであなたは、彼らを国々の民の手に渡されました。
31 しかし、あなたは大いなるあわれみをかけて、彼らを滅ぼし尽くさず、彼らを捨てられませんでした。あなたは、情け深く、あわれみ深い神であられますから。
32 私たちの神、契約と恵みを守られる、大いなる、力強い、恐るべき神よ。アッシリヤの王たちの時代から今日まで、私たちと私たちの王たち、私たちのつかさ、祭司、預言者たち、また、私たちの先祖と、あなたの民全部に降りかかったすべての困難を、どうか今、小さい事とみなさないでください。
33 私たちに降りかかって来たすべての事において、あなたは正しかったのです。あなたは誠実をもって行われたのに、私たちは悪を行ったのです。
34 私たちの王たち、つかさたち、祭司たち、先祖たちは、あなたの律法を守らず、あなたの命令と、あなたが彼らに与えた警告を心に留めませんでした。
35 彼らは、自分たちの王国のうちと、あなたが彼らに与えたその大きな恵みのうちに、また、あなたが彼らの前に置かれた広くて肥えた土地のうちにありながら、あなたに仕えず、また自分たちの悪い行いから、立ち返りもしませんでした。
36 ご覧ください。私たちは今、奴隷です。あなたが私たちの先祖に与えて、その実りと、その良い物を食べるようにされたこの地で、ご覧ください、私たちは奴隷です。
37 私たちが罪を犯したので、あなたは私たちの上に王たちを立てられましたが、その王たちのために、この地は多くの収穫を与えています。彼らは私たちのからだと、私たちの家畜を思いどおりに支配しております。それで私たちは非常な苦しみの中におります。」
38 これらすべてのことのゆえに、私たちは堅い盟約を結び、それを書きしるした。そして、私たちのつかさたち、レビ人たち、祭司たちはそれに印を押した。
1印を押した者は次のとおりである。ハカルヤの子の総督ネヘミヤ、およびゼデキヤ、
2 セラヤ、アザルヤ、エレミヤ、
3 パシュフル、アマルヤ、マルキヤ、
4 ハトシュ、シェバヌヤ、マルク、
5 ハリム、メレモテ、オバデヤ、
6 ダニエル、ギネトン、バルク、
7 メシュラム、アビヤ、ミヤミン、
8 マアズヤ、ビルガイ、シェマヤ。以上は祭司たちであった。
9 次にレビ人たちでは、アザヌヤの子ヨシュア、ヘナダデの子らのうちのビヌイ、カデミエル、
10 および、彼らの親類シェバヌヤ、ホディヤ、ケリタ、ペラヤ、ハナン、
11 ミカ、レホブ、ハシャブヤ、
12 ザクル、シェレベヤ、シェバヌヤ、
13 ホディヤ、バニ、ベニヌ。
14 次に民のかしらたちでは、パルオシュ、パハテ・モアブ、エラム、ザト、バニ、
15 ブニ、アズガデ、ベバイ、
16 アドニヤ、ビグワイ、アディン、
17 アテル、ヒゼキヤ、アズル、
18 ホディヤ、ハシュム、ベツァイ、
19 ハリフ、アナトテ、ネバイ、
20 マグピアシュ、メシュラム、ヘジル、
21 メシェザブエル、ツァドク、ヤドア、
22 ペラテヤ、ハナン、アナヤ、
23 ホセア、ハナヌヤ、ハシュブ、
24 ロヘシュ、ピルハ、ショベク、
25 レフム、ハシャブナ、マアセヤ、
26 アヒヤ、ハナン、アナン、
27 マルク、ハリム、バアナ。
28 このほかの民、祭司、レビ人、門衛、歌うたい、宮に仕えるしもべたち、また、国々の民と縁を絶って神の律法についた者全員、その妻、息子、娘たち、すべて理解できるまでになった者は、
29 彼らの親類のすぐれた人々にたより、神のしもべモーセを通して与えられた神の律法に従って歩み、私たちの主、主のすべての命令、その定めとおきてを守り行うための、のろいと誓いとに加わった。
30 すなわち、私たちの娘をこの地の民たちにとつがせず、また、彼らの娘を私たちの息子にめとらない。
31 たとい、この地の民たちが安息日に、品物、すなわち、いろいろな穀物を売りに持って来ても、私たちは安息日や聖日には彼らから買わない。また、私たちは七年目には土地を休ませ、すべての負債を取り立てない。
32 私たちは、私たちの神の宮の礼拝のために、毎年シェケルの三分の一をささげるとの命令を自分たちで定めた。
33 これは、並べ供えるパンと、常供の穀物のささげ物、また常供の全焼のいけにえ、また、安息日、新月の祭り、例祭のいけにえ、聖なるささげ物、また、イスラエルの贖いをなす罪のためのいけにえ、さらに、私たちの神の宮のすべての用途のためであった。
34 また私たち、祭司とレビ人と民とは、律法にしるされているとおり、私たちの神、主の、祭壇の上で燃やすたきぎのささげ物についてのくじを引き、毎年、定まった時に、私たちの父祖の家ごとに、それを私たちの神の宮に携えて来ることに決めた。
35 また、私たちの土地の初なりと、あらゆる木の初なりの果実とをみな、毎年、主の宮に携えて来ることに決めた。
36 また、律法にしるされているとおり、私たちの子どもと家畜の初子、および、私たちの牛や羊の初子を、私たちの神の宮に、私たちの神の宮で仕えている祭司たちのところに携えて来ることに決めた。
37 また、私たちの初物の麦粉と、私たちの奉納物、およびあらゆる木の果実、新しいぶどう酒と油を、祭司たちのところに、私たちの神の宮の部屋に携えて来ることにした。また、私たちの土地の十分の一はレビ人たちのものとした。レビ人が、彼ら自身で私たちの農耕するすべての町から、その十分の一を集めることにした。
38 レビ人が十分の一を集めるとき、アロンの子孫である祭司が、そのレビ人とともにいなければならない。レビ人はその十分の一の十分の一を、私たちの神の宮へ携え上り、宝物倉の部屋に納めなければならない。
39 この部屋に、イスラエル人とレビ人たちは、穀物や、新しいぶどう酒や油の奉納物を携えて来るようになっているからである。そこには聖所の器具があり、また、当番の祭司や門衛や歌うたいもいる。こうして私たちは、私たちの神の宮をなおざりにしないのである。
1民のつかさたちはエルサレムに住んでいたが、ほかの民は、くじを引いて、十人のうちからひとりずつ、聖なる都エルサレムに来て住むようにし、あとの九人をほかの町々に住まわせた。
2 すると民は、自分から進んでエルサレムに住もうとする人々をみな、祝福した。
3 エルサレムに住んだこの州のかしらたちは次のとおりである。ユダの町々には、イスラエル人、祭司、レビ人、宮に仕えるしもべたち、ソロモンのしもべたちの子孫が、それぞれ、自分たちの町々の自分の所有地に住んだ。
4 ユダ族とベニヤミン族のうちのある者は、エルサレムに住んだ。すなわち、ユダ族では、ウジヤの子アタヤであった。このウジヤはゼカリヤの子、順次さかのぼって、アマルヤの子、シェファテヤの子、マハラルエルの子。マハラルエルはペレツの子孫のひとりである。
5 次にバルクの子マアセヤであった。このバルクはコル・ホゼの子、順次さかのぼって、ハザヤの子、アダヤの子、エホヤリブの子、ゼカリヤの子。ゼカリヤはシェラ人の子孫である。
6 エルサレムに住んだペレツの子孫は合計四百六十八名の勇士であった。
7 ベニヤミン族では次のとおりである。メシュラムの子サル。このメシュラムはヨエデの子、順次さかのぼって、ペダヤの子、コラヤの子、マアセヤの子、イティエルの子、エシャヤの子である。
8 彼の次には、ガバイとサライで、九百二十八名。
9 ジクリの子ヨエルが彼らの監督者であり、セヌアの子ユダが、彼の副監督者としてこの町を治めた。
10祭司のうちでは、エホヤリブの子エダヤと、ヤキン、
11 神の宮のつかさセラヤであった。このセラヤはヒルキヤの子、順次さかのぼって、メシュラムの子、ツァドクの子、メラヨテの子、アヒトブの子である。
12 なお、宮の務めをする彼らの同族で、八百二十二名。また、エロハムの子アダヤがいた。このエロハムはペラルヤの子、順次さかのぼって、アムツィの子、ゼカリヤの子、パシュフルの子、マルキヤの子である。
13 アダヤの同族で一族のかしらたちは二百四十二名。また、アザルエルの子アマシュサイがいた。このアザルエルはアフザイの子、順次さかのぼって、メシレモテの子、イメルの子である。
14 彼らの同族の勇士たちは百二十八名。彼らの監督者はハゲドリムの子ザブディエルであった。
15 レビ人のうちでは、ハシュブの子シェマヤ。このハシュブはアズリカムの子、順次さかのぼって、ハシャブヤの子、ブニの子である。
16 また、レビ人のかしらのシャベタイとエホザバデは、神の宮の外の仕事を監督していた。
17 また、ミカの子マタヌヤがいた。ミカはアサフの子の44ザブディの子である。マタヌヤは、祈りのために感謝の歌を始める指揮者、バクブクヤはその兄弟たちの副指揮者であった。またシャムアの子アブダがいた。シャムアは、エドトンの子のガラルの子である。
18聖なる都にいるレビ人は合計二百八十四名であった。
19 門の見張りをする門衛では、アクブとタルモン、および、彼らの同族百七十二名であった。
20 そのほかのイスラエル人、祭司、レビ人たちは、ユダのすべての町々で、それぞれ自分のゆずりの地にいた。
21 宮に仕えるしもべたちはオフェルに住み、ツィハとギシュパは宮に仕えるしもべたちを監督していた。
22 エルサレムにいるレビ人の監督者はバニの子ウジであった。バニはハシャブヤの子、ハシャブヤはマタヌヤの子、マタヌヤはミカの子である。ウジはアサフの子孫の歌うたいのひとりで、神の宮の礼拝を指導していた。
23 彼らについては王の命令があり、歌うたいたちには日課が定められていた。
24 またユダの子ゼラフの子孫のひとりで、メシェザブエルの子ペタヘヤは、王に代わって民に関するすべての事がらを取り扱った。
25 ユダの子孫のある者は、自分の畑に近い村々に住んだ。すなわち、キルヤテ・アルバとそれに属する村落、ディボンとそれに属する村落、45エカブツェエルとその村々、
26 ヨシュア、モラダ、ベテ・ペレテ、
27 ハツァル・シュアル、およびベエル・シェバとそれに属する村落、
28 ツィケラグ、およびメコナとそれに属する村落、
29 エン・リモン、ツォルア、ヤルムテ、
30 ザノアハ、アドラムとその村々、ラキシュとその農地、アゼカとそれに属する村落。こうして、彼らはベエル・シェバとヒノムの谷の間に住みついた。
31 ベニヤミンの子孫は、ゲバから、ミクマス、アヤ、およびベテルとそれに属する村落、
32 アナトテ、ノブ、アナネヤ、
33 ハツォル、ラマ、ギタイム、
34 ハディデ、ツェボイム、ネバラテ、
35 ロデとオノ、および職人の谷に住んだ。
36 レビ人のうち、ユダにいたある組はベニヤミンに加わった。
1 シェアルティエルの子ゼルバベル、およびヨシュアといっしょに上って来た祭司とレビ人は次のとおりである。セラヤ、エレミヤ、エズラ、
2 アマルヤ、マルク、ハトシュ、
3 シェカヌヤ、レフム、メレモテ、
4 イド、ギネトイ、アビヤ、
5 ミヤミン、マアデヤ、ビルガ、
6 シェマヤ、エホヤリブ、エダヤ、
7 サル、アモク、ヒルキヤ、エダヤ。以上はヨシュアの時代に、祭司たちとその同族のかしらであった。
8 また、レビ人では、ヨシュア、ビヌイ、カデミエル、シェレベヤ、ユダ、マタヌヤで、マタヌヤはその兄弟たちといっしょに感謝の歌を受け持っていた。
9 また彼らの兄弟のバクブクヤとウニは、務めのときには、彼らの向かい側に立った。
10 ヨシュアはエホヤキムを生み、エホヤキムはエルヤシブを生み、エルヤシブはエホヤダを生み、
11 エホヤダはヨナタンを生み、ヨナタンはヤドアを生んだ。
12 次に、エホヤキムの時代に祭司で一族のかしらであった者は次のとおりである。セラヤ族ではメラヤ。エレミヤ族ではハナヌヤ。
13 エズラ族ではメシュラム。アマルヤ族ではヨハナン。
14 メリク族ではヨナタン。シェバヌヤ族ではヨセフ。
15 ハリム族ではアデナ。メラヨテ族ではヘルカイ。
16 イド族ではゼカリヤ。ギネトン族ではメシュラム。
17 アビヤ族ではジクリ。ミヌヤミン族、モアデヤ族ではピルタイ。
18 ビルガ族ではシャムア。シェマヤ族ではヨナタン。
19 エホヤリブ族ではマテナイ。エダヤ族ではウジ。
20 サライ族ではカライ。アモク族ではエベル。
21 ヒルキヤ族ではハシャブヤ。エダヤ族ではネタヌエル。
22 エルヤシブの時代に、レビ人エホヤダ、ヨハナン、ヤドアは、一族のかしらとして登録され、また、ペルシヤ人ダリヨスの治世に祭司として登録された。
23 レビの子孫で、一族のかしらたちは、エルヤシブの子ヨハナンの時代まで、年代記の書にしるされていた。
24 レビ人のかしらたちは、ハシャブヤ、シェレベヤ、およびカデミエルの子ヨシュアであり、その前方に彼らの兄弟がいて、組と組が相応じて、神の人ダビデの命令に従い、賛美をし、感謝をささげた。
25 マタヌヤ、バクブクヤ、オバデヤ、メシュラム、タルモン、アクブは門衛で、門の倉を見張っていた。
26 以上はエホツァダクの子ヨシュアの子エホヤキムの時代と、総督ネヘミヤ、および、学者である祭司エズラの時代の人々である。
27 彼らはエルサレムの城壁の奉献式のときに、レビ人を、彼らのいるすべての所から捜し出してエルサレムに来させ、シンバルと十弦の琴と立琴に合わせて、感謝の歌を歌いながら喜んで、奉献式を行おうとした。
28 そこで、歌うたいたちは、エルサレムの周辺の地方や、ネトファ人の村々から集まって来た。
29 また、ベテ・ギルガルや、ゲバとアズマベテの農地からも集まって来た。この歌うたいたちは、エルサレムの周辺に自分たちの村々を建てていたからである。
30祭司とレビ人は、自分たちの身をきよめ、また民と門と城壁をきよめた。
31 そこで私は、ユダのつかさたちを城壁の上に上らせ、二つの大きな46聖歌隊を編成した。47一組は城壁の上を右のほうに糞の門に向かって進んだ。
32 彼らのうしろに続いて進んだ者は、ホシャヤと、ユダのつかさたちの半分、
33 アザルヤ、エズラ、メシュラム、
34 および、ユダ、ベニヤミン、シェマヤとエレミヤであった。
35祭司のうちのある者もラッパを持って進んだ。すなわち、ヨナタンの子ゼカリヤであった。このヨナタンはシェマヤの子、順次さかのぼって、マタヌヤの子、ミカヤの子、ザクルの子、アサフの子である。
36 また、ゼカリヤの兄弟たちシェマヤ、アザルエル、ミラライ、ギラライ、マアイ、ネタヌエル、ユダ、ハナニであって、神の人ダビデの楽器を持って続いて行った。学者エズラが彼らの先頭に立った。
37 彼らは泉の門のところで、城壁の上り口にあるダビデの町の階段をまっすぐに上って行き、ダビデの家の上を通って、東のほうの水の門に来た。
38 もう一組の48聖歌隊は49左のほうに進んだ。私は民の半分といっしょに、そのうしろに従った。そして城壁の上を進んで、炉のやぐらの上を通り、広い城壁のところに行き、
39 エフライムの門の上を過ぎ、エシャナの門を過ぎ、魚の門と、ハナヌエルのやぐらと、メアのやぐらを過ぎて、羊の門に行った。そして彼らは監視の門で立ち止まった。
40 こうして、二つの聖歌隊は神の宮でその位置に着いた。私も、私とともにいた代表者たちの半分も位置に着いた。
41 また祭司たち、エルヤキム、マアセヤ、ミヌヤミン、ミカヤ、エルヨエナイ、ゼカリヤ、ハナヌヤも、ラッパを持って位置に着いた。
42 また、マアセヤ、シェマヤ、エルアザル、ウジ、ヨハナン、マルキヤ、エラム、エゼルも位置に着いた。それから、歌うたいたちは、監督者50イゼラフヤの指揮で歌った。
43 こうして、彼らはその日、数多くのいけにえをささげて喜び歌った。神が彼らを大いに喜ばせてくださったからである。女も子どもも喜び歌ったので、エルサレムの喜びの声ははるか遠くまで聞こえた。
44 その日、備品や、奉納物、初物や十分の一を納める部屋を管理する人々が任命され、彼らは祭司とレビ人のために、律法で定められた分を、町々の農地からそこに集めた。これは、職務についている祭司とレビ人をユダ人が見て喜んだからである。
45 彼らおよび歌うたいや門衛たちは、ダビデとその子ソロモンの命令のとおりに、彼らの神への任務と、きよめの任務を果たした。
46 昔から、ダビデとアサフの時代から、神に賛美と感謝をささげる歌うたいたちのかしらがいた。
47 ゼルバベルの時代とネヘミヤの時代には、イスラエル人はみな、歌うたいと門衛のために定められた日当を支給していた。彼らはまた、レビ人には聖別したささげ物を与え、レビ人はその聖別したささげ物をアロンの子孫に渡していた。
1 その日、民に聞こえるように、モーセの書が朗読されたが、その中に、アモン人とモアブ人は決して神の集会に加わってはならない、と書かれているのが見つかった。
2 それは、彼らがパンと水をもってイスラエル人を迎えず、かえって彼らをのろうためにバラムを雇ったからである。しかし、私たちの神はそののろいを祝福に変えられた。
3 彼らはこの律法を聞くと、混血の者をみな、イスラエルから取り分けた。
4 これより以前、私たちの神の宮の部屋を任されていた祭司エルヤシブは、トビヤと親しい関係にあったので、
5 トビヤのために大きな部屋を一つあてがった。その部屋にはかつて、穀物のささげ物、乳香、器物、および、レビ人や歌うたいや門衛たちのために定められていた穀物と新しいぶどう酒と油の十分の一、および祭司のための奉納物が保管されていた。
6 その間、私はエルサレムにいなかった。私は、バビロンの王アルタシャスタの三十二年に、王のところに行き、その後しばらくたって、王にいとまを請い、
7 エルサレムに帰って来たからである。そのとき、エルヤシブがトビヤのために行った悪、すなわち、神の宮の庭にある一つの部屋を彼にあてがったことに気づいた。
8 私は大いにきげんを悪くし、トビヤ家の器具類を全部、その部屋から外へ投げ出し、
9 命じて、その部屋をきよめさせた。そして、私は、神の宮の器物を、穀物のささげ物や乳香といっしょに、再びそこに納めた。
10 私は、レビ人の分が支給されないので、仕事をするレビ人と歌うたいたちが、それぞれ自分の農地に逃げ去ったことを知った。
11 私は代表者たちを詰問し、「どうして神の宮が見捨てられているのか」と言った。そして私はレビ人たちを集め、もとの持ち場に戻らせた。
12 ユダの人々はみな、穀物と新しいぶどう酒と油の十分の一を宝物倉に持って来た。
13 そこで私は、祭司シェレムヤと、学者ツァドクと、レビ人のひとりペダヤに宝物倉を管理させ、マタヌヤの子ザクルの子ハナンを彼らの助手とした。彼らは忠実な者と認められていたからであった。彼らの任務は、兄弟たちに分け前を分配することであった。
14 私の神。どうか、このことのために私を覚えていてください。私の神の宮と、その務めのためにしたいろいろな私の愛のわざを、ぬぐい去らないでください。
15 そのころ私は、ユダのうちで安息日に酒ぶねを踏んでいる者や、麦束を運んでいる者、また、ろばに荷物を負わせている者、さらに、ぶどう酒、ぶどうの実、いちじくなど、あらゆる品物を積んで、安息日にエルサレムに運び込んでいる者を見つけた。それで私は、彼らが食物を売ったその日、彼らをとがめた。
16 また、そこに住んでいたツロの人々も、魚や、いろいろな商品を運んで来て、安息日に、しかもエルサレムで、ユダの人々に売っていた。
17 そこで私は、ユダのおもだった人たちを詰問して言った。「あなたがたはなぜ、このような悪事を働いて安息日を汚しているのか。
18 あなたがたの先祖も、このようなことをしたので、私たちの神はこのすべてのわざわいを、私たちとこの町の上に送られたではないか。それなのに、あなたがたは安息日を汚して、イスラエルに下る怒りを加えている。」
19安息日の前、エルサレムの門に夕やみが迫ると、私は命じて、とびらをしめさせ、安息日が済むまでは開いてはならないと命じた。そして、私の若い者の幾人かを門の見張りに立て、安息日に荷物が持ち込まれないようにした。
20 それで、商人や、あらゆる品物を売る者たちは、一度か二度エルサレムの外で夜を過ごした。
21 そこで、私は彼らをとがめて言った。「なぜあなたがたは、城壁の前で夜を過ごすのか。再びそうするなら、私はあなたがたに手を下す。」その時から、彼らはもう、安息日には来なくなった。
22 私はレビ人に命じて、身をきよめさせ、安息日をきよく保つために、門の守りにつかせた。私の神。どうか、このことにおいてもまた、私を覚えていてください。そして、あなたの大いなるいつくしみによって私をあわれんでください。
23 そのころまた、私はアシュドデ人、アモン人、モアブ人の女をめとっているユダヤ人たちのいるのに気がついた。
24 彼らの子どもの半分はアシュドデのことばを話し、あるいは、それぞれ他の国語を話して、ユダヤのことばがわからなかった。
25 そこで、私は彼らを詰問してのろい、そのうちの数人を打ち、その毛を引き抜き、彼らを神にかけて誓わせて言った。「あなたがたの娘を彼らの息子にとつがせてはならない。また、あなたがたの息子、あるいは、あなたがた自身が、彼らの娘をめとってはならない。
26 イスラエルの王ソロモンは、このことによって罪を犯したではないか。多くの国々のうちで彼のような王はいなかった。彼は神に愛され、神は彼をイスラエル全土を治める王としたのに、外国の女たちが彼に罪を犯させてしまった。
27 だから、あなたがたが外国の女をめとって、私たちの神に対して不信の罪を犯し、このような大きな悪を行っていることを聞き流しにできようか。」
28大祭司エルヤシブの子エホヤダの子のひとりは、ホロン人サヌバラテの婿であった。それで、私は彼を私のところから追い出した。
29 私の神。どうか彼らのことを思い出してください。彼らは祭司職を汚し、51祭司やレビ人たちの契約を汚したからです。
30 私はすべての異教的なものから彼らをきよめ、祭司とレビ人のそれぞれの務めの規程を定め、
31 定まった時に行うたきぎのささげ物と、初物についての規程も定めた。私の神。どうか私を覚えて、いつくしんでください。
エステル記
1 アハシュエロスの時代のこと──このアハシュエロスは、1ホドから2クシュまで百二十七州を治めていた──
2 アハシュエロス王がシュシャンの城で、王座に着いていたころ、
3 その治世の第三年に、彼はすべての首長と家臣たちのために宴会を催した。それにはペルシヤとメディヤの有力者、貴族たちおよび諸州の首長たちが出席した。
4 そのとき、王は輝かしい王国の富と、そのきらびやかな栄誉を幾日も示して、百八十日に及んだ。
5 この期間が終わると、王は、シュシャンの城にいた身分の高い者から低い者に至るまですべての民のために、七日間、王宮の園の庭で、宴会を催した。
6 そこには白綿布や青色の布が、白や紫色の細ひもで大理石の柱の銀の輪に結びつけられ、金と銀でできた長いすが、緑色石、白大理石、真珠貝や黒大理石のモザイクの床の上に置かれていた。
7 彼は金の杯で酒をふるまったが、その杯は一つ一つ違っていた。そして王の勢力にふさわしく王室の酒がたくさんあった。
8 それを飲むとき、法令によって、だれも強いられなかった。だれでもめいめい自分の好みのままにするようにと、王が宮殿のすべての役人に命じておいたからである。
9王妃ワシュティも、アハシュエロス王の王宮で婦人たちのために宴会を催した。
10 七日目に、王は酒で心が陽気になり、アハシュエロス王に仕える七人の宦官メフマン、ビゼタ、ハルボナ、ビグタ、アバグタ、ゼタル、カルカスに命じて、
11王妃ワシュティに王冠をかぶらせ、彼女を王の前に連れて来るようにと言った。それは、彼女の容姿が美しかったので、その美しさを民と首長たちに見せるためであった。
12 しかし、王妃ワシュティが宦官から伝えられた王の命令を拒んで来ようとしなかったので、王は非常に怒り、その憤りが彼のうちで燃え立った。
13 そこで王は3法令に詳しい、知恵のある者たちに相談した。──このように、法令と裁判に詳しいすべての者に計るのが、王のならわしであった。
14 王の側近の者はペルシヤとメディヤの七人の首長たちカルシェナ、シェタル、アデマタ、タルシシュ、メレス、マルセナ、メムカンで、彼らは王と面接ができ、王国の最高の地位についていた──
15 「王妃ワシュティは、宦官によって伝えられたアハシュエロス王の命令に従わなかったが、法令により、彼女をどう処分すべきだろうか。」
16 メムカンは王と首長たちの前で答えた。「王妃ワシュティは王ひとりにではなく、すべての首長とアハシュエロス王のすべての州の全住民にも悪いことをしました。
17 なぜなら、王妃の行いが女たちみなに知れ渡り、『アハシュエロス王が王妃ワシュティに王の前に来るようにと命じたが、来なかった』と言って、女たちは自分の夫を軽く見るようになるでしょう。
18 きょうにでも、王妃のことを聞いたペルシヤとメディヤの首長の夫人たちは、王のすべての首長たちに、このことを言って、ひどい軽蔑と怒りが起こることでしょう。
19 もしも王によろしければ、ワシュティはアハシュエロス王の前に出てはならないという勅令をご自身で出し、ペルシヤとメディヤの法令の中に書き入れて、変更することのないようにし、王は王妃の位を彼女よりもすぐれた婦人に授けてください。
20 王が出される詔勅が、この大きな王国の隅々まで告げ知らされると、女たちは、身分の高い者から低い者に至るまでみな、自分の夫を尊敬するようになりましょう。」
21 この進言は、王と首長たちの心にかなったので、王はメムカンの言ったとおりにした。
22 そこで王は、王のすべての州に書簡を送った。各州にはその文字で、各民族にはそのことばで書簡を送り、男子はみな、一家の主人となること、また、自分の民族のことばで話すことを命じた。
1 この出来事の後、アハシュエロス王の憤りがおさまると、王は、ワシュティのこと、彼女のしたこと、また、彼女に対して決められたことを思い出した。
2 そのとき、王に仕える若い者たちは言った。「王のために容姿の美しい未婚の娘たちを捜しましょう。
3 王は、王国のすべての州に役人を任命し、容姿の美しい未婚の娘たちをみな、シュシャンの城の婦人部屋に集めさせ、女たちの監督官である王の宦官4ヘガイの管理のもとに置き、化粧に必要な品々を彼女たちに与えるようにしてください。
4 そして、王のお心にかなうおとめをワシュティの代わりに王妃としてください。」このことは王の心にかなったので、彼はそのようにした。
5 シュシャンの城にひとりのユダヤ人がいた。その名をモルデカイといって、ベニヤミン人キシュの子シムイの子ヤイルの子であった。
6 このキシュは、バビロンの王ネブカデネザルが捕らえ移したユダの王エコヌヤといっしょに捕らえ移された捕囚の民とともに、エルサレムから捕らえ移された者であった。
7 モルデカイはおじの娘ハダサ、すなわち、エステルを養育していた。彼女には父も母もいなかったからである。このおとめは、姿も顔だちも美しかった。彼女の父と母が死んだとき、モルデカイは彼女を引き取って自分の娘としたのである。
8 王の命令、すなわちその法令が伝えられて、多くのおとめたちがシュシャンの城に集められ、ヘガイの管理のもとに置かれたとき、エステルも王宮に連れて行かれて、女たちの監督官ヘガイの管理のもとに置かれた。
9 このおとめは、ヘガイの心にかない、彼の好意を得た。そこで、彼は急いで化粧に必要な品々と5ごちそうを彼女に与え、また王宮から選ばれた七人の侍女を彼女にあてがった。そして、ヘガイは彼女とその侍女たちを、婦人部屋の最も良い所に移した。
10 エステルは自分の民族をも、自分の生まれをも明かさなかった。モルデカイが、明かしてはならないと彼女に命じておいたからである。
11 モルデカイは毎日婦人部屋の庭の前を歩き回り、エステルの安否と、彼女がどうされるかを知ろうとしていた。
12 おとめたちは、婦人の規則に従って、十二か月の期間が終わって後、ひとりずつ順番にアハシュエロス王のところに、入って行くことになっていた。これは、準備の期間が、六か月は没薬の油で、次の六か月は香料と婦人の化粧に必要な品々で化粧することで終わることになっていたからである。
13 このようにして、おとめが王のところに入って行くとき、おとめの願うものはみな与えられ、それを持って婦人部屋から王宮に行くことができた。
14 おとめは夕方入って行き、朝になると、ほかの婦人部屋に帰っていた。そこは、そばめたちの監督官である王の宦官シャアシュガズの管理のもとにあった。そこの女は、王の気に入り、指名されるのでなければ、二度と王のところには行けなかった。
15 さて、モルデカイが引き取って、自分の娘とした彼のおじアビハイルの娘エステルが、王のところに入って行く順番が来たとき、彼女は女たちの監督官である王の宦官ヘガイの勧めたもののほかは、何一つ求めなかった。こうしてエステルは、彼女を見るすべての者から好意を受けていた。
16 エステルがアハシュエロス王の王宮に召されたのは、王の治世の第七年の第十の月、すなわちテベテの月であった。
17 王はほかのどの女たちよりもエステルを愛した。このため、彼女はどの娘たちよりも王の好意と恵みを受けた。こうして、王はついに王冠を彼女の頭に置き、ワシュティの代わりに彼女を王妃とした。
18 それから、王はすべての首長と家臣たちの大宴会、すなわち、エステルの宴会を催し、諸州には休日を与えて、王の勢力にふさわしい贈り物を配った。
19娘たちが二度目に集められたとき、モルデカイは王の門のところにすわっていた。
20 エステルは、モルデカイが彼女に命じていたように、まだ自分の生まれをも、自分の民族をも明かしていなかった。エステルはモルデカイに養育されていた時と同じように、彼の言いつけに従っていた。
21 そのころ、モルデカイが王の門のところにすわっていると、入口を守っていた王のふたりの宦官ビグタンとテレシュが怒って、アハシュエロス王を殺そうとしていた。
22 このことがモルデカイに知れたので、彼はこれを王妃エステルに知らせた。エステルはこれをモルデカイの名で王に告げた。
23 このことが追及されて、その事実が明らかになったので、彼らふたりは木にかけられた。このことは王の前で年代記の書に記録された。
1 この出来事の後、アハシュエロス王は、アガグ人ハメダタの子ハマンを重んじ、彼を昇進させて、その席を、彼とともにいるすべての首長たちの上に置いた。
2 それで、王の門のところにいる王の家来たちはみな、ハマンに対してひざをかがめてひれ伏した。王が彼についてこのように命じたからである。しかし、モルデカイはひざもかがめず、ひれ伏そうともしなかった。
3 王の門のところにいる王の家来たちはモルデカイに、「あなたはなぜ、王の命令にそむくのか」と言った。
4 彼らは、毎日そう言ったが、モルデカイが耳を貸さなかったので、モルデカイのこの態度が続けられてよいものかどうかを見ようと、これをハマンに告げた。モルデカイは自分がユダヤ人であることを彼らに打ち明けていたからである。
5 ハマンはモルデカイが自分に対してひざもかがめず、ひれ伏そうともしないのを見て、憤りに満たされた。
6 ところが、ハマンはモルデカイひとりに手を下すことだけで満足しなかった。彼らがモルデカイの民族のことを、ハマンに知らせていたからである。それでハマンは、アハシュエロスの王国中のすべてのユダヤ人、すなわちモルデカイの民族を、根絶やしにしようとした。
7 アハシュエロス王の第十二年の第一の月、すなわちニサンの月に、日と月とを決めるためにハマンの前で、プル、すなわちくじが投げられ、くじは第十二の月、すなわちアダルの月に当たった。
8 ハマンはアハシュエロス王に言った。「あなたの王国のすべての州にいる諸民族の間に、散らされて離れ離れになっている一つの民族がいます。彼らの法令は、どの民族のものとも違っていて、彼らは王の法令を守っていません。それで、彼らをそのままにさせておくことは、6王のためになりません。
9 もしも王さま、よろしければ、彼らを滅ぼすようにと書いてください。私はその仕事をする者たちに銀一万7タラントを量って渡します。そうして、それを王の金庫に納めさせましょう。」
10 そこで、王は自分の手から指輪をはずして、アガグ人ハメダタの子で、ユダヤ人の敵であるハマンに、それを渡した。
11 そして、王はハマンに言った。「その銀はあなたに授けよう。また、その民族もあなたの好きなようにしなさい。」
12 そこで、第一の月の十三日に、王の書記官が召集され、ハマンが、王の太守や、各州を治めている総督や、各民族の首長たちに命じたことが全部、各州にはその文字で、各民族にはそのことばでしるされた。それは、アハシュエロスの名で書かれ、王の指輪で印が押された。
13書簡は急使によって王のすべての州へ送られた。それには、第十二の月、すなわちアダルの月の十三日の一日のうちに、若い者も年寄りも、子どもも女も、すべてのユダヤ人を根絶やしにし、殺害し、滅ぼし、彼らの家財をかすめ奪えとあった。
14 各州に法令として発布される文書の写しが、この日の準備のために、すべての民族に公示された。
15急使は王の命令によって急いで出て行った。この法令はシュシャンの城でも発布された。このとき、王とハマンは酒をくみかわしていたが、シュシャンの町は混乱に陥った。
1 モルデカイは、なされたすべてのことを知った。すると、モルデカイは着物を引き裂き、荒布をまとい、灰をかぶり、大声でひどくわめき叫びながら町の真ん中に出て行き、
2 王の門の前まで来た。だれも荒布をまとったままでは、王の門に入ることができなかったからである。
3 王の命令とその法令が届いたどの州においても、ユダヤ人のうちに大きな悲しみと、断食と、泣き声と、嘆きとが起こり、多くの者は荒布を着て灰の上にすわった。
4 そのとき、エステルの侍女たちと、その宦官たちが入って来て、彼女にこのことを告げたので、王妃はひどく悲しみ、モルデカイに着物を送って、それを着させ、荒布を脱がせようとしたが、彼はそれを受け取らなかった。
5 そこでエステルは、王の宦官のひとりで、王が彼女に仕えさせるために任命していたハタクを呼び寄せ、モルデカイのところへ行って、これはどういうわけか、また何のためかと聞いて来るように命じた。
6 それで、ハタクは王の門の前の町の広場にいるモルデカイのところに出て行った。
7 モルデカイは自分の身に起こったことを全部、彼に告げ、ハマンがユダヤ人を滅ぼすために、王の金庫に納めると約束した正確な金額をも告げた。
8 モルデカイはまた、ユダヤ人を滅ぼすためにシュシャンで発布された法令の文書の写しをハタクに渡し、それをエステルに見せて、事情を知らせてくれと言い、また、彼女が王のところに行って、自分の民族のために王にあわれみを求めるように彼女に言いつけてくれと頼んだ。
9 ハタクは帰って来て、モルデカイの伝言をエステルに伝えた。
10 するとエステルはハタクに命じて、モルデカイにこう伝えさせた。
11 「王の家臣も、王の諸州の民族もみな、男でも女でも、だれでも、召されないで内庭に入り、王のところに行く者は死刑に処せられるという一つの法令があることを知っております。しかし、王がその者に金の笏を差し伸ばせば、その者は生きます。でも、私はこの三十日間、まだ、王のところへ行くようにと召されていません。」
128彼がエステルのことばをモルデカイに伝えると、
13 モルデカイはエステルに返事を送って言った。「あなたはすべてのユダヤ人から離れて王宮にいるから助かるだろうと考えてはならない。
14 もし、あなたがこのような時に沈黙を守るなら、別の所から、助けと救いがユダヤ人のために起ころう。しかしあなたも、あなたの父の家も滅びよう。あなたがこの王国に来たのは、もしかすると、この時のためであるかもしれない。」
15 エステルはモルデカイに返事を送って言った。
16 「行って、シュシャンにいるユダヤ人をみな集め、私のために断食をしてください。三日三晩、食べたり飲んだりしないように。私も、私の侍女たちも、同じように断食をしましょう。たとい法令にそむいても私は王のところへまいります。私は、死ななければならないのでしたら、死にます。」
17 そこで、モルデカイは出て行って、エステルが彼に命じたとおりにした。
1 さて、三日目にエステルは王妃の衣装を着て、王室の正面にある王宮の内庭に立った。王は王室の入口の正面にある王宮の玉座にすわっていた。
2 王が、庭に立っている王妃エステルを見たとき、彼女は王の好意を受けたので、王は手に持っていた金の笏をエステルに差し伸ばした。そこで、エステルは近寄って、その笏の先にさわった。
3 王は彼女に言った。「どうしたのだ。王妃エステル。何がほしいのか。王国の半分でも、あなたにやれるのだが。」
4 エステルは答えた。「もしも、王さまがよろしければ、きょう、私が王さまのために設ける宴会にハマンとごいっしょにお越しください。」
5 すると、王は、「ハマンをせきたてて、エステルの言ったようにしよう」と言った。王とハマンはエステルが設けた宴会に出た。
6 その酒宴の席上、王はエステルに尋ねた。「あなたは何を願っているのか。それを授けてやろう。何を望んでいるのか。王国の半分でも、それをかなえてやろう。」
7 エステルは答えて言った。「私が願い、望んでいることは、
8 もしも王さまのお許しが得られ、王さまがよろしくて、私の願いをゆるし、私の望みをかなえていただけますなら、私が設ける宴会に、ハマンとごいっしょに、もう一度お越しください。そうすれば、あす、私は王さまのおっしゃったとおりにいたします。」
9 ハマンはその日、喜び、上きげんで出て行った。ところが、ハマンは、王の門のところにいるモルデカイが立ち上がろうともせず、自分を少しも恐れていないのを見て、モルデカイに対する憤りに満たされた。
10 しかし、ハマンはがまんして家に帰り、人をやって、友人たちと妻ゼレシュを連れて来させた。
11 ハマンは自分の輝かしい富について、また、子どもが大ぜいいることや、王が自分を重んじ、王の首長や家臣たちの上に自分を昇進させてくれたことなどを全部彼らに話した。
12 そして、ハマンは言った。「しかも、王妃エステルは、王妃が設けた宴会に、私のほかはだれも王といっしょに来させなかった。あすもまた、私は王といっしょに王妃に招かれている。
13 しかし、私が、王の門のところにすわっているあのユダヤ人モルデカイを見なければならない間は、これらのことはいっさい9私のためにならない。」
14 すると、彼の妻ゼレシュとすべての友人たちは、彼に言った。「高さ五十10キュビトの柱を立てさせ、あしたの朝、王に話して、モルデカイをそれにかけ、それから、王といっしょに喜んでその宴会においでなさい。」この進言はハマンの気に入ったので、彼はその柱を立てさせた。
1 その夜、王は眠れなかったので、記録の書、年代記を持って来るように命じ、王の前でそれを読ませた。
2 その中に、入口を守っていた王のふたりの宦官11ビグタナとテレシュが、アハシュエロス王を殺そうとしていることをモルデカイが報告した、と書かれてあるのが見つかった。
3 そこで王は尋ねた。「このために、栄誉とか昇進とか、何かモルデカイにしたか。」王に仕える若い者たちは答えた。「彼には何もしていません。」
4 王は言った。「庭にいるのはだれか。」ちょうど、ハマンが、モルデカイのために準備した柱に彼をかけることを王に上奏しようと、王宮の外庭に入って来たところであった。
5 王に仕える若い者たちは彼に言った。「今、庭に立っているのはハマンです。」王は言った。「ここに通せ。」
6 ハマンが入って来たので、王は彼に言った。「王が栄誉を与えたいと思う者には、どうしたらよかろう。」そのとき、ハマンは心のうちで思った。「王が栄誉を与えたいと思われる者は、私以外にだれがあろう。」
7 そこでハマンは王に言った。「王が栄誉を与えたいと思われる人のためには、
8 王が着ておられた王服を持って来させ、また、王の乗られた馬を、その頭に王冠をつけて引いて来させてください。
9 その王服と馬を、貴族である王の首長のひとりの手に渡し、王が栄誉を与えたいと思われる人に王服を着させ、その人を馬に乗せて、町の広場に導かせ、その前で『王が栄誉を与えたいと思われる人はこのとおりである』と、ふれさせてください。」
10 すると、王はハマンに言った。「あなたが言ったとおりに、すぐ王服と馬を取って来て、王の門のところにすわっているユダヤ人モルデカイにそうしなさい。あなたの言ったことを一つもたがえてはならない。」
11 それで、ハマンは王服と馬を取って来て、モルデカイに着せ、彼を馬に乗せて町の広場に導き、その前で「王が栄誉を与えたいと思われる人はこのとおりである」と叫んだ。
12 それからモルデカイは王の門に戻ったが、ハマンは嘆いて、頭をおおい、急いで家に帰った。
13 そして、ハマンは自分の身に起こった一部始終を妻ゼレシュとすべての友人たちに話した。すると、彼の知恵のある者たちと、妻ゼレシュは彼に言った。「あなたはモルデカイに負けかけておいでですが、このモルデカイが、ユダヤ民族のひとりであるなら、あなたはもう彼に勝つことはできません。きっと、あなたは彼に負けるでしょう。」
14 彼らがまだハマンと話しているうちに、王の宦官たちがやって来て、ハマンを急がせ、エステルの設けた宴会に連れて行った。
1 王とハマンはやって来て、王妃エステルと酒をくみかわした。
2 この酒宴の二日目にもまた、王はエステルに尋ねた。「あなたは何を願っているのか。王妃エステル。それを授けてやろう。何を望んでいるのか。王国の半分でも、それをかなえてやろう。」
3王妃エステルは答えて言った。「もしも王さまのお許しが得られ、王さまがよろしければ、私の願いを聞き入れて、私にいのちを与え、私の望みを聞き入れて、私の民族にもいのちを与えてください。
4 私も私の民族も、売られて、根絶やしにされ、殺害され、滅ぼされることになっています。私たちが男女の奴隷として売られるだけなら、私は黙っていたでしょうに。事実、その迫害者は王の損失を償うことができないのです。」
5 アハシュエロス王は王妃エステルに尋ねて言った。「そんなことをあえてしようとたくらんでいる者は、いったいだれか。どこにいるのか。」
6 エステルは答えた。「その迫害する者、その敵は、この悪いハマンです。」ハマンは王と王妃の前で震え上がった。
7 王は憤って酒宴の席を立って、宮殿の園に出て行った。ハマンは王妃エステルにいのち請いをしようとして、居残った。王が彼にわざわいを下す決心をしたのがわかったからである。
8 王が宮殿の園から酒宴の12広間に戻って来ると、エステルのいた長いすの上にハマンがひれ伏していたので、王は言った。「私の前で、この家の中で、王妃に乱暴しようとするのか。」このことばが王の口から出るやいなや、ハマンの顔はおおわれた。
9 そのとき、王の前にいた宦官のひとりハルボナが言った。「ちょうど、王に良い知らせを告げたモルデカイのために、ハマンが用意した高さ五十13キュビトの柱がハマンの家に立っています。」すると王は命じた。「彼をそれにかけよ。」
10 こうしてハマンは、モルデカイのために準備しておいた柱にかけられた。それで王の憤りはおさまった。
1 その日、アハシュエロス王は王妃エステルに、ユダヤ人を迫害する者ハマンの家を与えた。モルデカイは王の前に来た。エステルが自分と彼との関係を明かしたからである。
2 王はハマンから取り返した自分の指輪をはずして、それをモルデカイに与え、エステルはモルデカイにハマンの家の管理を任せた。
3 エステルが再び王に告げて、その足もとにひれ伏し、アガグ人ハマンがユダヤ人に対してたくらんだわざわいとそのたくらみを取り除いてくれるように、泣きながら嘆願したので、
4 王はエステルに金の笏を差し伸ばした。そこで、エステルは身を起こして、王の前に立って、
5 言った。「もしも王さま、よろしくて、お許しが得られ、このことを王さまがもっともとおぼしめされ、私をおいれくださるなら、アガグ人ハメダタの子ハマンが、王のすべての州にいるユダヤ人を滅ぼしてしまえと書いたあのたくらみの書簡を取り消すように、詔書を出してください。
6 どうして私は、私の民族に降りかかるわざわいを見てがまんしておられましょう。また、私の同族の滅びるのを見てがまんしておられましょうか。」
7 アハシュエロス王は、王妃エステルとユダヤ人モルデカイに言った。「ハマンがユダヤ人を殺そうとしたので、今、私はハマンの家をエステルに与え、彼は柱にかけられたではないか。
8 あなたがたはユダヤ人についてあなたがたのよいと思うように、王の名で書き、王の指輪でそれに印を押しなさい。王の名で書かれ、王の指輪で印が押された文書は、だれも取り消すことができないのだ。」
9 そのとき、王の書記官が召集された。それは第三の月、すなわちシワンの月の二十三日であった。そしてすべてモルデカイが命じたとおりに、ユダヤ人と、太守や、総督たち、および14ホドから15クシュまで百二十七州の首長たちとに詔書が書き送られた。各州にはその文字で、各民族にはそのことばで、ユダヤ人にはその文字とことばで書き送られた。
10 モルデカイはアハシュエロス王の名で書き、王の指輪でそれに印を押し、その手紙を、16速く走る御用馬の早馬に乗る急使に託して送った。
11 その中で王は、どこの町にいるユダヤ人にも、自分たちのいのちを守るために集まって、彼らを襲う民や州の軍隊を、子どもも女たちも含めて残らず根絶やしにし、殺害し、滅ぼすことを許し、また、彼らの家財をかすめ奪うことも許した。
12 このことは、アハシュエロス王のすべての州において、第十二の月、すなわちアダルの月の十三日の一日のうちに行うようになっていた。
13 各州に法令として発布される文書の写しが、すべての民族に公示された。それはユダヤ人が、自分たちの敵に復讐するこの日の準備をするためであった。
14御用馬の早馬に乗った急使は、王の命令によってせきたてられ、急いで出て行った。この法令はシュシャンの城でも発布された。
15 モルデカイは、青色と白色の王服を着、大きな金の冠をかぶり、白亜麻布と紫色のマントをまとって、王の前から出て来た。するとシュシャンの町は喜びの声にあふれた。
16 ユダヤ人にとって、それは光と、喜びと、楽しみと、栄誉であった。
17 王の命令とその法令が届いたどの州、どの町でも、ユダヤ人は喜び、楽しみ、祝宴を張って、祝日とした。この国の民のうちで、自分がユダヤ人であることを宣言する者が大ぜいいた。それは彼らがユダヤ人を恐れるようになったからである。
1 第十二の月、すなわちアダルの月の十三日、この日に王の命令とその法令が実施された。この日に、ユダヤ人の敵がユダヤ人を征服しようと望んでいたのに、それが一変して、ユダヤ人が自分たちを憎む者たちを征服することとなった。
217その日、ユダヤ人が自分たちに害を加えようとする者たちを殺そうと、アハシュエロス王のすべての州にある自分たちの町々で集まったが、だれもユダヤ人に抵抗する者はいなかった。民はみなユダヤ人を恐れていたからである。
3諸州の首長、太守、総督、王の役人もみな、ユダヤ人を助けた。彼らはモルデカイを恐れたからである。
4 というのは、モルデカイは王宮で勢力があり、その名声はすべての州に広がっており、モルデカイはますます勢力を伸ばす人物だったからである。
5 ユダヤ人は彼らの敵をみな剣で打ち殺し、虐殺して滅ぼし、自分たちを憎む者を思いのままに処分した。
6 ユダヤ人はシュシャンの城でも五百人を殺して滅ぼし、
7 また、パルシャヌダタ、ダルフォン、アスパタ、
8 ポラタ、アダルヤ、アリダタ、
9 パルマシュタ、アリサイ、アリダイ、ワイザタ、
10 すなわち、ハメダタの子で、ユダヤ人を迫害する者ハマンの子十人を虐殺した。しかし、彼らは獲物には手をかけなかった。
11 その日、シュシャンの城で殺された者の数が王に報告されると、
12 王は王妃エステルに尋ねた。「ユダヤ人はシュシャンの城で、五百人とハマンの子十人を殺して滅ぼした。王のほかの諸州では、彼らはどうしたであろう。あなたは何を願っているのか。それを授けてやろう。あなたはなおも何を望んでいるのか。それをかなえてやろう。」
13 エステルは答えた。「もしも王さま、よろしければ、あすも、シュシャンにいるユダヤ人に、きょうの法令どおりにすることを許してください。また、ハマンの十人の子を柱にかけてください。」
14 そこで王が、そのようにせよ、と命令したので、法令がシュシャンで布告され、ハマンの十人の子は柱にかけられた。
15 シュシャンにいるユダヤ人は、アダルの月の十四日にも集まって、シュシャンで三百人を殺したが、獲物には手をかけなかった。
16 王の諸州にいるほかのユダヤ人も団結して、自分たちのいのちを守り、彼らの敵を除いて休みを得た。すなわち、自分たちを憎む者七万五千人を殺したが、獲物には手をかけなかった。
17 これは、アダルの月の十三日のことであって、その十四日には彼らは休んで、その日を祝宴と喜びの日とした。
18 しかし、シュシャンにいるユダヤ人は、その十三日にも十四日にも集まり、その十五日に休んで、その日を祝宴と喜びの日とした。
19 それゆえ、城壁のない町々に住むいなかのユダヤ人は、アダルの月の十四日を喜びと祝宴の日、つまり祝日とし、互いに18ごちそうを贈りかわす日とした。
20 モルデカイは、これらのことを書いて、アハシュエロス王のすべての州の、近い所や、遠い所にいるユダヤ人全部に手紙を送った。
21 それは、ユダヤ人が毎年アダルの月の十四日と十五日を、
22 自分たちの敵を除いて休みを得た日、悲しみが喜びに、喪の日が祝日に変わった月として、祝宴と喜びの日、互いにごちそうを贈り、貧しい者に贈り物をする日と定めるためであった。
23 ユダヤ人は、すでに守り始めていたことを、モルデカイが彼らに書き送ったとおりに実行した。
24 なぜなら、アガグ人ハメダタの子で、全ユダヤ人を迫害する者ハマンが、ユダヤ人を滅ぼそうとたくらんで、プル、すなわちくじを投げ、彼らをかき乱し、滅ぼそうとしたが、
25 そのことが、王の耳に入ると、王は書簡で命じ、ハマンがユダヤ人に対してたくらんだ悪い計略をハマンの頭上に返し、彼とその子らを柱にかけたからである。
26 こういうわけで、ユダヤ人はプルの名を取って、これらの日をプリムと呼んだ。こうして、この書簡のすべてのことばにより、また、このことについて彼らが見たこと、また彼らに起こったことにより、
27 ユダヤ人は、彼らと、その子孫、および彼らにつく者たちがその文書のとおり、毎年定まった時期に、この両日を守って、これを廃止してはならないと定め、これを実行することにした。
28 また、この両日は、代々にわたり、すべての家族、諸州、町々においても記念され、祝われなければならないとし、これらのプリムの日が、ユダヤ人の間で廃止されることがなく、この記念が彼らの子孫の中でとだえてしまわないようにした。
29 アビハイルの娘である王妃エステルと、ユダヤ人モルデカイは、プリムについてのこの第二の書簡を確かなものとするために、いっさいの権威をもって書いた。
30 この手紙は、平和と誠実のことばをもって、アハシュエロスの王国の百二十七州にいるすべてのユダヤ人に送られ、
31 ユダヤ人モルデカイと王妃エステルがユダヤ人に命じたとおり、また、ユダヤ人が自分たちとその子孫のために断食と哀悼に関して定めたとおり、このプリムの両日を定まった時期に守るようにした。
32 エステルの命令は、このプリムのことを規定し、それは書物にしるされた。
1 後に、アハシュエロス王は、本土と海の島々に苦役を課した。
2 彼の権威と勇気によるすべての功績と、王に重んじられたモルデカイの偉大さについての詳細とは、メディヤとペルシヤの王の年代記の書にしるされているではないか。
3 それはユダヤ人モルデカイが、アハシュエロス王の次に位し、ユダヤ人の中でも大いなる者であり、彼の多くの同胞たちに敬愛され、自分の民の幸福を求め、自分の全民族に平和を語ったからである。
ヨブ記
1 ウツの地にヨブという名の人がいた。この人は潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっていた。
2 彼には七人の息子と三人の娘が生まれた。
3 彼は羊七千頭、らくだ三千頭、牛五百くびき、雌ろば五百頭、それに非常に多くのしもべを持っていた。それでこの人は東の人々の中で一番の富豪であった。
4 彼の息子たちは互いに行き来し、それぞれ自分の日に、その家で祝宴を開き、人をやって彼らの三人の姉妹も招き、彼らといっしょに飲み食いするのを常としていた。
5 こうして祝宴の日が一巡すると、ヨブは彼らを呼び寄せ、聖別することにしていた。彼は翌朝早く、彼らひとりひとりのために、それぞれの全焼のいけにえをささげた。ヨブは、「私の息子たちが、あるいは罪を犯し、心の中で神をのろったかもしれない」と思ったからである。ヨブはいつもこのようにしていた。
6 ある日、神の子らが主の前に来て立ったとき、サタンも来てその中にいた。
7主はサタンに仰せられた。「おまえはどこから来たのか。」サタンは主に答えて言った。「地を行き巡り、そこを歩き回って来ました。」
8主はサタンに仰せられた。「おまえはわたしのしもべヨブに心を留めたか。彼のように潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっている者はひとりも地上にはいないのだが。」
9 サタンは主に答えて言った。「ヨブはいたずらに神を恐れましょうか。
10 あなたは彼と、その家とそのすべての持ち物との回りに、垣を巡らしたではありませんか。あなたが彼の手のわざを祝福されたので、彼の家畜は地にふえ広がっています。
11 しかし、あなたの手を伸べ、彼のすべての持ち物を打ってください。彼はきっと、あなたに向かってのろうに違いありません。」
12主はサタンに仰せられた。「では、彼のすべての持ち物をおまえの手に任せよう。ただ彼の身に手を伸ばしてはならない。」そこで、サタンは主の前から出て行った。
13 ある日、彼の息子、娘たちが、一番上の兄の家で食事をしたり、ぶどう酒を飲んだりしていたとき、
14 使いがヨブのところに来て言った。「牛が耕し、そのそばで、ろばが草を食べていましたが、
15 シェバ人が襲いかかり、これを奪い、若い者たちを剣の刃で打ち殺しました。私ひとりだけがのがれて、お知らせするのです。」
16 この者がまだ話している間に、他のひとりが来て言った。「神の火が天から下り、羊と若い者たちを焼き尽くしました。私ひとりだけがのがれて、お知らせするのです。」
17 この者がまだ話している間に、また他のひとりが来て言った。「カルデヤ人が三組になって、らくだを襲い、これを奪い、若い者たちを剣の刃で打ち殺しました。私ひとりだけがのがれて、お知らせするのです。」
18 この者がまだ話している間に、また他のひとりが来て言った。「あなたのご子息や娘さんたちは一番上のお兄さんの家で、食事をしたりぶどう酒を飲んだりしておられました。
19 そこへ荒野のほうから大風が吹いて来て、家の四隅を打ち、それがお若い方々の上に倒れたので、みなさまは死なれました。私ひとりだけがのがれて、あなたにお知らせするのです。」
20 このとき、ヨブは立ち上がり、その上着を引き裂き、頭をそり、地にひれ伏して礼拝し、
21 そして言った。
「私は裸で母の胎から出て来た。
また、裸で私はかしこに帰ろう。
主は与え、主は取られる。
主の御名はほむべきかな。」
22 ヨブはこのようになっても罪を犯さず、神に愚痴をこぼさなかった。
1 ある日のこと、神の子らが主の前に来て立ったとき、サタンもいっしょに来て、主の前に立った。
2主はサタンに仰せられた。「おまえはどこから来たのか。」サタンは主に答えて言った。「地を行き巡り、そこを歩き回って来ました。」
3主はサタンに仰せられた。「おまえはわたしのしもべヨブに心を留めたか。彼のように潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっている者はひとりも地上にはいない。彼はなお、自分の誠実を堅く保っている。おまえは、わたしをそそのかして、何の理由もないのに彼を滅ぼそうとしたが。」
4 サタンは主に答えて言った。「皮の代わりには皮をもってします。人は自分のいのちの代わりには、すべての持ち物を与えるものです。
5 しかし、今あなたの手を伸べ、彼の骨と肉とを打ってください。彼はきっと、あなたをのろうに違いありません。」
6主はサタンに仰せられた。「では、彼をおまえの手に任せる。ただ彼のいのちには触れるな。」
7 サタンは主の前から出て行き、ヨブの足の裏から頭の頂まで、悪性の腫物で彼を打った。
8 ヨブは土器のかけらを取って自分の身をかき、また灰の中にすわった。
9 すると彼の妻が彼に言った。「それでもなお、あなたは自分の誠実を堅く保つのですか。神をのろって死になさい。」
10 しかし、彼は彼女に言った。「あなたは愚かな女が言うようなことを言っている。私たちは幸いを神から受けるのだから、わざわいをも受けなければならないではないか。」ヨブはこのようになっても、罪を犯すようなことを口にしなかった。
11 そのうちに、ヨブの三人の友は、ヨブに降りかかったこのすべてのわざわいのことを聞き、それぞれ自分の所からたずねて来た。すなわち、テマン人エリファズ、シュアハ人ビルダデ、ナアマ人ツォファルである。彼らはヨブに悔やみを言って慰めようと互いに打ち合わせて来た。
12 彼らは遠くから目を上げて彼を見たが、それがヨブであることが見分けられないほどだった。彼らは声をあげて泣き、おのおの、自分の上着を引き裂き、ちりを天に向かって投げ、自分の頭の上にまき散らした。
13 こうして、彼らは彼とともに七日七夜、地にすわっていたが、だれも一言も彼に話しかけなかった。彼の痛みがあまりにもひどいのを見たからである。
1 その後、ヨブは口を開いて自分の1生まれた日をのろった。
2 ヨブは声を出して言った。
3 私の生まれた日は滅びうせよ。
「男の子が胎に宿った」と言ったその夜も。
4 その日はやみになれ。
神もその日を顧みるな。
光もその上を照らすな。
5 やみと2暗黒がこれを取り戻し、
雲がこの上にとどまれ。
3昼を暗くするものもそれをおびやかせ。
6 その夜は、暗やみがこれを奪い取るように。
これを年の日のうちで喜ばせるな。
月の数のうちにも入れるな。
7 ああ、その夜は、はらむことのないように。
その夜には喜びの声も起こらないように。
8 日をのろう者、
レビヤタンを呼び起こせる者が
これをのろうように。
9 その夜明けの星は暗くなれ。
光を待ち望んでも、それはなく、
暁のまぶたのあくのを見ることがないように。
10 それは、私の母の胎の戸が閉じられず、
私の目から苦しみが隠されなかったからだ。
11 なぜ、私は、胎から出たとき、
死ななかったのか。
なぜ、私は、生まれ出たとき、
息絶えなかったのか。
12 なぜ、ひざが私を受けたのか。
なぜ、私の吸う乳房があったのか。
13 今ごろ、私は安らかに横になり、眠って休み、
14 自分たちのためにあの廃墟を築いた
この世の王たち、また議官たち、
15 あるいは黄金を持ち、自分の家を銀で満たした
首長たちといっしょにいたことであろうに。
16 それとも、私は、
ひそかにおろされた流産の子のよう、
光を見なかった嬰児のようでなかったのか。
17 かしこでは、悪者どもはいきりたつのをやめ、
かしこでは、力のなえた者はいこい、
18 捕らわれ人も共に休み、
追い使う者の声も聞かない。
19 かしこでは、下の者も上の者も同じで、
奴隷も主人から解き放たれる。
20 なぜ、苦しむ者に光が与えられ、
心の痛んだ者にいのちが与えられるのだろう。
21 死を待ち望んでも、死は来ない。
それを掘り求めても、
隠された宝を掘り求めるのにすぎないとは。
22 彼らは墓を見つけると、
なぜ、歓声をあげて喜び、楽しむのだろう。
23 神が囲いに閉じ込めて、
自分の道が隠されている人に、
なぜ、光が与えられるのだろう。
24 実に、私には食物の代わりに嘆きが来て、
私のうめき声は水のようにあふれ出る。
25 私の最も恐れたものが、私を襲い、
私のおびえたものが、
私の身にふりかかったからだ。
26 私には安らぎもなく、
休みもなく、いこいもなく、
心はかき乱されている。
1 すると、テマン人エリファズが話しかけて言った。
2 もし、だれかがあなたにあえて語りかけたら、
あなたはそれに耐えられようか。
しかし、だれが4黙っておられよう。
3 見よ。あなたは多くの人を訓戒し、
弱った手を力づけた。
4 あなたのことばはつまずく者を起こし、
くずおれるひざをしっかり立たせた。
5 だが、今これがあなたにふりかかると、
あなたは、これに耐えられない。
これがあなたを打つと、あなたはおびえている。
6 あなたが5神を恐れていることは
あなたの確信ではないか。
あなたの望みは
あなたの潔白な行いではないか。
7 さあ思い出せ。
だれか罪がないのに滅びた者があるか。
どこに正しい人で絶たれた者があるか。
8 私の見るところでは、不幸を耕し、
害毒を蒔く者が、それを刈り取るのだ。
9 彼らは神のいぶきによって滅び、
その怒りの息によって消えうせる。
10 獅子のほえる声、たける獅子の声は共にやみ、
若い獅子のきばも砕かれる。
11 雄獅子は獲物がなくて滅び、
雌獅子の子らは散らされる。
12 一つのことばが私に忍び寄り、
そのささやきが私の耳を捕らえた。
13 夜の幻で思い乱れ、
深い眠りが人々を襲うとき、
14 恐れとおののきが私にふりかかり、
私の骨々は、わなないた。
15 そのとき、一つの霊が私の顔の上を通り過ぎ、
私の身の毛がよだった。
16 それは立ち止まったが、
私はその顔だちを見分けることができなかった。
しかし、その姿は、私の目の前にあった。
静寂...、そして私は一つの声を聞いた。
17 人は神6の前に正しくありえようか。
人はその造り主の前にきよくありえようか。
18 見よ。神はご自分のしもべさえ信頼せず、
その御使いたちにさえ誤りを認められる。
19 まして、
ちりの中に土台を据える泥の家に住む者は
なおさらのことである。
彼らはしみのようにたやすく押しつぶされ、
20 彼らは朝から夕方までに打ち砕かれ、
永遠に滅ぼされて、だれも顧みない。
21 彼らの幕屋の綱も
彼らのうちから取り去られないであろうか。
彼らは知恵がないために死ぬ。
1 さあ、呼んでみよ。
だれかあなたに答える者があるか。
聖者のうちのだれに
あなたは向かって行こうとするのか。
2 憤りは愚か者を殺し、
ねたみはあさはかな者を死なせる。
3 私は愚か者が根を張るのを見た。
しかし、7その住みかは、たちまち腐った。
4 その子たちは8危険にさらされ、
門で押しつぶされても、
彼らを救い出す者もいない。
5 彼の刈り入れる物は飢えた人が食べ、
いばらの中からさえこれを奪う。
9渇いた者が彼らの富をあえぎ求める。
6 なぜなら、不幸はちりから出て来ず、
苦しみは土から芽を出さないからだ。
7 人は生まれると苦しみに会う。
火花が上に飛ぶように。
8 私なら、神に尋ね、私のことを神に訴えよう。
9 神は大いなる事をなして測り知れず、
その奇しいみわざは数えきれない。
10 神は地の上に雨を降らし、
野の面に水を送る。
11 神は低い者を高く上げ、
悲しむ者を引き上げて救う。
12 神は悪賢い者のたくらみを打ちこわす。
それで彼らの手は、何の効果ももたらさない。
13 神は知恵のある者を
彼ら自身の悪知恵を使って捕らえる。
彼らのずるいはかりごとはくつがえされる。
14 彼らは昼間にやみに会い、
真昼に、夜のように手さぐりする。
15 神は貧しい者を剣から、彼らの口から、
強い者の手から救われる。
16 こうして寄るべのない者は望みを持ち、
不正はその口をつぐむ。
17 ああ、幸いなことよ。神に責められるその人は。
だから全能者の懲らしめを
ないがしろにしてはならない。
18 神は傷つけるが、それを包み、
打ち砕くが、その手でいやしてくださるからだ。
19 神は六つの苦しみから、あなたを救い出し、
七つ目のわざわいはあなたに触れない。
20 ききんのときには死からあなたを救い、
戦いのときにも剣の力からあなたを救う。
21 舌でむち打たれるときも、あなたは隠され、
破壊の来るときにも、あなたはそれを恐れない。
22 あなたは破壊とききんとをあざ笑い、
地の獣をも恐れない。
23 野の石とあなたは契りを結び、
野の獣はあなたと和らぐからだ。
24 あなたは自分の天幕が安全であるのを知り、
あなたの牧場を見回っても何も失っていない。
25 あなたは自分の子孫が多くなり、
あなたのすえが地の草のようになるのを知ろう。
26 あなたは10長寿を全うして墓に入ろう。
あたかも麦束がその時期に収められるように。
27 さあ、私たちが調べ上げたことはこのとおりだ。
これを聞き、あなた自身でこれを知れ。
1 ヨブは答えて言った。
2 ああ、私の苦悶の重さが量られ、
私の災害も共にはかりにかけられたら。
3 それは、きっと海の砂よりも重かろう。
だから、私のことばが激しかったのだ。
4 全能者の矢が私に刺さり、
私のたましいがその毒を飲み、
神の脅かしが私に備えられている。
5 野ろばは若草の上で鳴くだろうか。
牛は飼葉の上でうなるだろうか。
6 味のない物は塩がなくて食べられようか。
11卵のしろみに味があろうか。
7 私はそんなものに触れるまい。
それは私には腐った食物のようだ。
8 ああ、私の願いがかなえられ、
私の望むものを神が与えてくださるとよいのに。
9 私を砕き、
御手を伸ばして私を絶つことが
神のおぼしめしであるなら、
10 私はなおも、それに慰めを得、
容赦ない苦痛の中でも、こおどりして喜ぼう。
私は聖なる方のことばを
拒んだことがないからだ。
11 私にどんな力があるからといって、
私は待たなければならないのか。
私にどんな終わりがあるからといって、
私は耐え忍ばなければならないのか。
12 私の力は石の力であろうか。
私の肉は青銅であろうか。
13 私のうちには、何の助けもないではないか。
すぐれた知性も
私から追い散らされているではないか。
14 落胆している者には、その友から12友情を。
さもないと、彼は全能者への恐れを捨てるだろう。
15 私の兄弟たちは川のように裏切った。
流れている川筋の流れのように。
16 氷で黒ずみ、
雪がその上を隠している。
17 炎天のころになると、それはなくなり、
暑くなると、その所から消える。
18 隊商はその道を変え、
荒地に行って、滅びる。
19 テマの隊商はこれを目当てとし、
シェバの旅人はこれに期待をかける。
20 彼らはこれにたよったために恥を見、
そこまで来て、はずかしめを受ける。
21 今あなたがたは、そのようになった。
あなたがたは恐ろしいことを見ておびえている。
22 私が言ったことがあるか。
「私に与えよ」とか、
「あなたがたの持ち物の中から、
私のために贈り物をせよ」と。
23 あるいは「敵の手から私を救い出せ。
横暴な者の手から私を贖え」と。
24 私に教えよ。そうすれば、私は黙ろう。
私がどんなあやまちを犯したか、
私に悟らせよ。
25 まっすぐなことばはなんと痛いことか。
あなたがたは何を責めたてているのか。
26 あなたがたはことばで私を責めるつもりか。
絶望した者のことばは風のようだ。
27 あなたがたはみなしごをくじ引きにし、
自分の友さえ売りに出す。
28 今、思い切って私のほうを向いてくれ。
あなたがたの顔に向かって、
私は決してまやかしを言わない。
29 どうか、思い直してくれ。
不正があってはならない。
もう一度、思い返してくれ。
私の正しい訴えを。
30 私の舌に不正があるだろうか。
私の口はわざわいをわきまえないだろうか。
1 地上の人には苦役があるではないか。
その日々は日雇い人の日々のようではないか。
2 日陰をあえぎ求める奴隷のように、
賃金を待ち望む日雇い人のように、
3 私にはむなしい月々が割り当てられ、
苦しみの夜が定められている。
4 横たわるとき、私は言う。
「私はいつ起きられるだろうか」と。
夜は長く、
私は暁まで寝返りをうち続ける。
5 私の肉はうじと土くれをまとい、
私の皮は固まっては、またくずれる。
6 私の日々は機の杼よりも速く、
望みもなく過ぎ去る。
7 思い出してください。
私のいのちはただの息であることを。
私の目は再び幸いを見ないでしょう。
8 私を見る者の目は、
私を認めることができないでしょう。
あなたの目が私に向けられても、
私はもういません。
9 雲が消え去ってしまうように、
13よみに下る者は、もう上って来ないでしょう。
10 彼はもう自分の家に帰らず、
彼の家も、もう彼を認めないでしょう。
11 それゆえ、私も自分の口を制することをせず、
私の霊の苦しみの中から語り、
私のたましいの苦悩の中から嘆きます。
12 私は海でしょうか、海の巨獣でしょうか、
あなたが私の上に見張りを置かれるとは。
13 「私のふしどが私を慰め、
私の寝床が私の嘆きを軽くする」と私が言うと、
14 あなたは夢で私をおののかせ、
幻によって私をおびえさせます。
15 それで私のたましいは、むしろ窒息を選び、
私の骨よりも死を選びます。
16 私は14いのちをいといます。
私はいつまでも生きたくありません。
私にかまわないでください。
私の日々は15むなしいものです。
17 人とは何者なのでしょう。あなたがこれを尊び、
これに御心を留められるとは。
18 また、朝ごとにこれを訪れ、
そのつどこれをためされるとは。
19 いつまで、
あなたは私から目をそらされないのですか。
つばをのみこむ間も、
私を捨てておかれないのですか。
20 私が罪を犯したといっても、
人を見張るあなたに、
私は何ができましょう。
なぜ、私をあなたの的とされるのですか。
私が重荷を負わなければならないのですか。
21 どうして、あなたは私のそむきの罪を赦さず、
私の不義を除かれないのですか。
今、私はちりの中に横たわります。
あなたが私を捜されても、私はもうおりません。
1 シュアハ人ビルダデが答えて言った。
2 いつまであなたはこのようなことを語るのか。
あなたが口にすることばは激しい風のようだ。
3 神は公義を曲げるだろうか。
全能者は義を曲げるだろうか。
4 もし、あなたの子らが神に罪を犯し、
神が彼らを
そのそむきの罪の手中に送り込まれたのなら、
5 もし、あなたが、熱心に神に求め、
全能者にあわれみを請うなら、
6 もし、あなたが純粋で正しいなら、
まことに神は今すぐあなたのために起き上がり、
あなたの義の住まいを回復される。
7 あなたの始めは小さくても、
その終わりは、はなはだ大きくなる。
8 さあ、先代の人に尋ねよ。
その先祖たちの探究したことを確かめよ。
9 私たちは、きのう生まれた者で、
何も知らず、
私たちの地上にある日は影だからである。
10 彼らはあなたに教え、あなたに語りかけ、
その心からことばを出さないだろうか。
11 パピルスは沼地でなくても育つだろうか。
葦は水がなくても伸びるだろうか。
12 これは、まだ若芽のときには刈られないのに、
ほかの草に先立って枯れる。
13 すべて神を忘れる者の道はこのようだ。
神を敬わない者の望みは消えうせる。
14 その確信は、くもの糸、
その信頼は、くもの巣だ。
15 彼が自分の家に寄りかかると、
家はそれに耐えきれない。
これにすがりつくと、
それはもちこたえない。
16 彼が日に当たって青々と茂り、
その若枝は庭に生えいで、
17 その根は石くれの山にからまり、
16それが岩間に生えても、
18 神がもし、その場所からそれを取り除くと、
その場所は
「私はあなたを見たことがない」と否む。
19 見よ。これが彼の道の喜びである。
ほかのものがその地から芽を出そう。
20 見よ。神は潔白な人を退けない。
悪を行う者の手を取らない。
21 ついには、神は笑いをあなたの口に満たし、
喜びの叫びをあなたのくちびるに満たす。
22 あなたを憎む者は恥を見、
悪者どもの天幕は、なくなってしまう。
1 ヨブは答えて言った。
2 まことに、
そのとおりであることを私は知っている。
しかし、どうして人は自分の正しさを
神に訴えることができようか。
3 たとい神と言い争おうと思っても、
千に一つも答えられまい。
4 神は心に知恵のある方、力の強い方。
神に身をこわくして、
だれがそのままで済むだろうか。
5 神が山々を移されるが、
だれもこれに気づかない。
神は怒ってこれをくつがえされる。
6 神が地をその基から震わすと、
その柱は揺れ動く。
7 神が太陽に命じると、それは上らない。
星もまた封じ込められる。
8 神はただひとりで天を張り延ばし、
海の大波を踏まれる。
9 神は17牡牛座、オリオン座、すばる座、
それに、18南の天の室を造られた。
10 神は大いなることを行って測り知れず、
その奇しいみわざは数えきれない。
11 たとい神が私のそばを通り過ぎても、
私には見えない。
神が進んで行っても、私は認めることができない。
12 ああ、神が奪い取ろうとするとき、
だれがそれを引き止めることができようか。
だれが神に向かって、
「何をされるのか」と言いえよう。
13 神は怒りを翻さない。
ラハブを助ける者たちは、
みもとに身をかがめる。
14 いったい、この私が神に答えられようか。
私が神とことばを交せようか。
15 たとい、私が正しくても、
神に答えることはできない。
私をさばく方にあわれみを請うだけだ。
16 たとい、私が呼び、
私に答えてくださったとしても、
神が私の声に耳を傾けられたとは、
信じられない。
17 神はあらしをもって私を打ち砕き、
理由もないのに、私の傷を増し加え、
18 私に息もつかせず、
私を苦しみで満たしておられる。
19 もし、力について言えば、見よ、神は力強い。
もし、さばきについて言えば、
だれが私を呼び出すことができるか。
20 たとい私が正しくても、
私自身の口が私を罪ある者とし、
たとい私が潔白でも、
神は私を曲がった者とされる。
21 私は潔白だ。
しかし、私には自分自身がわからない。
私は自分のいのちをいとう。
22 みな同じことだ。だから私は言う。
神は、潔白な者をも悪者をも
共に絶ち滅ぼされる。
23 19にわか水が突然出て人を殺すと、
神は罪のない者の受ける試練をあざける。
24 地は悪者の手にゆだねられ、
神はそのさばきつかさらの顔をおおう。
もし、神がそうするのでなければ、
そうするのはだれか。
25 私の日々は飛脚よりも速い。
それは飛び去って、しあわせを見ない。
26 それは葦の舟のように通り過ぎ、
獲物に襲いかかる鷲のように通り過ぎる。
27 たとい「不平を忘れ、20憂うつな顔を捨てて、
明るくなりたい」と私が言いましても、
28 私の受けたすべての苦痛を思うと、
私はおびえます。
私は知っています。
あなたは、私を罪のない者とは
してくださいません。
29 私はきっと、罪ある者とされましょう。
ではなぜ、
私はいたずらに労するのでしょうか。
30 たとい私が雪の水で身を洗っても、
灰汁で私の手をきよめても、
31 あなたは私を墓の穴に突き落とし、
私の着物は私を忌みきらいます。
32 神は私のように人間ではないから、
私は「さあ、さばきの座にいっしょに行こう」
と申し入れることはできない。
33 私たちふたりの上に手を置く仲裁者が
私たちの間にはいない。
34 神がその杖を私から取り去られるように。
その恐ろしさで私をおびえさせないように。
35 そうすれば、私は語りかけ、神を恐れまい。
いま私はそうではないからだ。
1 私は自分のいのちをいとう。
私は自分の不平をぶちまけ、
私のたましいの苦しみを語ろう。
2 私は神に言おう。
「私を罪ある者となさらないように。
なぜ私と争われるかを、知らせてください。
3 あなたが人をしいたげ、御手のわざをさげすみ、
悪者のはかりごとに光を添えることは
良いことでしょうか。
4 あなたは肉の目を持っておられるのですか。
あるいは、人間が見るように、
あなたも見られるのですか。
5 あなたの日々は人間の日々と同じですか。
あるいは、あなたの年は人の年と同じですか。
6 それで、あなたは私の咎を捜し、
私の罪を探られるのですか。
7 あなたは、私に罪のないことを知っておられ、
だれもあなたの手から
救い出せる者はいないのに。
8 あなたの御手は私を形造り、造られました。
それなのにあなたは私を滅ぼそうとされます。
9 思い出してください。
あなたは私を粘土で造られました。
あなたは、私をちりに帰そうとされるのですか。
10 あなたは私を乳のように注ぎ出し、
チーズのように固め、
11 皮と肉とを私に着せ、
骨と筋とで私を編まれたではありませんか。
12 あなたはいのちと恵みとを私に与え、
私を顧みて私の霊を守られました。
13 しかし、あなたはこれらのことを
御心に秘めておられました。
私はこのことがあなたのうちにあるのを
知っています。
14 もし、私が罪を犯すと、
あなたは私を待ちもうけておられ、
私の咎を見のがされません。
15 もし、私が罪ある者とされるのなら、
ああ、悲しいことです。
私は、正しくても、
私の頭をもたげることはできません。
自分の恥に飽き飽きし、
私の悩みを見ていますから。
16 21私の頭が上がると、あなたはたける獅子のように、
私を駆り立て、
再び私に驚くべき力をふるわれるでしょう。
17 あなたは私の前に
あなたの新しい証人たちを立て、
私に向かってあなたの怒りを増し、
私をいよいよ苦しめられるでしょう。
18 なぜ、あなたは
私を母の胎から出されたのですか。
私が息絶えていたら、
だれにも見られなかったでしょうに。
19 私が生まれて来なかったかのように、
母の胎から墓に運び去られていたら
よかったものを。
20 私の生きる日はいくばくもないのですか。
それではやめてください。
私にかまわないでください。
私はわずかでも明るくなりたいのです。
21 私が、再び帰らぬところ、
やみと死の陰の地に行く前に。
22 そこは暗やみのように真っ暗な地、
死の陰があり、秩序がなく、
光も暗やみのようです。」
1 ナアマ人ツォファルが答えて言った。
2 ことば数が多ければ、
言い返しがないであろうか。
舌の人が義とされるのだろうか。
3 あなたのおしゃべりは人を黙らせる。
あなたはあざけるが、
だれも22あなたを恥じさせる者がない。
4 あなたは言う。
「私の主張は純粋だ。
あなたの目にも、きよい」と。
5 ああ、神がもし語りかけ、
あなたに向かって
くちびるを開いてくださったなら、
6 神は知恵の奥義をあなたに告げ、
すぐれた知性を倍にしてくださるものを。
知れ。神はあなたのために、
あなたの罪を忘れてくださることを。
7 あなたは神の深さを見抜くことができようか。
全能者の極限を見つけることができようか。
8 それは23天よりも高い。あなたに何ができよう。
それは24よみよりも深い。あなたが何を知りえよう。
9 それを計れば、地よりも長く、海よりも広い。
10 もし、神が通り過ぎ、
あるいは閉じ込め、あるいは呼び集めるなら、
だれがそれを引き止めえようか。
11 神は不信実な者どもを知っておられる。
神はその悪意を見て、
これに気がつかないであろうか。
12 無知な人間も賢くなり、
野ろばの子も、人として生まれる。
13 もし、あなたが心を定め、
あなたの手を神に向かって差し伸べるなら、
14 ──あなたの手に悪があれば、それを捨て、
あなたの天幕に不正を住まわせるな──
15 そうすれば、あなたは必ず、
汚れのないあなたの顔を上げることができ、
堅く立って恐れることがない。
16 こうしてあなたは労苦を忘れ、
流れ去った水のように、これを思い出そう。
17 あなたの一生は真昼よりも輝き、
暗くても、それは朝のようになる。
18 望みがあるので、あなたは安らぎ、
あなたは25守られて、安らかに休む。
19 あなたが横たわっても、
だれもあなたを脅かさない。
多くの者があなたの好意を求める。
20 しかし悪者どもの目は衰え果て、
彼らは逃げ場を失う。
彼らの望みは、あえぐ息に等しい。
1 そこでヨブが答えて言った。
2 確かにあなたがたは人だ。
あなたがたが死ぬと、知恵も共に死ぬ。
3 私にも、あなたがたと同様に、悟りがある。
私はあなたがたに劣らない。
だれかこれくらいのことを
知らない者があろうか。
4 私は、神を呼び、
神が答えてくださった者であるのに、
私は自分の友の物笑いとなっている。
潔白で正しい者が物笑いとなっている。
5 安らかだと思っている者は
衰えている者をさげすみ、
足のよろめく者を押し倒す。
6 荒らす者の天幕は栄え、
神を怒らせる者は安らかである。
神がご自分の手でそうさせる者は。
7 しかし、獣に尋ねてみよ。
それがあなたに教えるだろう。
空の鳥に尋ねてみよ。
それがあなたに告げるだろう。
8 あるいは26地に話しかけよ。
それがあなたに教えるだろう。
海の魚もあなたに語るだろう。
9 これらすべてのもののうち、
主の御手がこれをなさったことを、
知らないものがあろうか。
10 すべての生き物のいのちと、
すべての人間の息とは、その御手のうちにある。
11 口が食物の味を知るように、
耳はことばを聞き分けないだろうか。
12 老いた者に知恵があり、
年のたけた者に英知があるのか。
13 知恵と力とは神とともにあり、
思慮と英知も神のものだ。
14 見よ。神が打ちこわすと、
それは二度と建て直せない。
人を閉じ込めると、それはあけられない。
15 見よ。神が水を引き止めると、それはかれ、
水を送ると、地をくつがえす。
16 力とすぐれた知性とは神とともにあり、
あやまって罪を犯す者も、迷わす者も、
神のものだ。
17 神は議官たちをはだしで連れて行き、
さばきつかさたちを愚かにし、
18 王たちの帯を解き、
その腰に腰布を巻きつけ、
19 祭司たちをはだしで連れて行き、
勢力ある者を滅ぼす。
20 神は信頼されている者の弁舌を取り除き、
長老たちの分別を取り去り、
21 君主たち27をさげすみ、
力ある者たちの腰帯を解き、
22 やみの中から秘密をあらわし、
28暗黒を光に引き出す。
23 神は国々を富ませ、また、これを滅ぼし、
国々を広げ、また、これを連れ去り、
24 この国の民のかしらたちの悟りを取り除き、
彼らを道のない荒地にさまよわせる。
25 彼らは光のない所、やみに手さぐりする。
神は彼らを酔いどれのように、よろけさせる。
1 見よ。私の目はこれをことごとく見た。
私の耳はこれを聞いて悟った。
2 あなたがたの知っていることは
私も知っている。
私はあなたがたに劣っていない。
3 だが、私は全能者に語りかけ、
神と論じ合ってみたい。
4 しかし、あなたがたは偽りをでっちあげる者、
あなたがたはみな、能なしの医者だ。
5 ああ、あなたがたが全く黙っていたら、
それがあなたがたの知恵であったろうに。
6 さあ、私の論ずるところを聞き、
私のくちびるの訴えに耳を貸せ。
7 あなたがたは神の代わりに、
なんと、不正を言うのか。
神の代わりに、欺きを語るのか。
8 神の顔を、あなたがたは立てるつもりなのか。
神の代わりに言い争うのか。
9 神があなたがたを調べても、大丈夫か。
あなたがたは、人が人を欺くように、
神を欺こうとするのか。
10 もし、あなたがたが隠れて
自分の顔を立てようとするなら、
神は必ずあなたがたを責める。
11 神の威厳は
あなたがたを震え上がらせないだろうか。
その恐れがあなたがたを襲わないだろうか。
12 あなたがたの格言は灰のことわざだ。
あなたがたの盾は粘土の盾だ。
13 黙れ。私にかかわり合うな。
この私が話そう。
何が私にふりかかってもかまわない。
14 それゆえ、私は自分の肉を自分の歯にのせ、
私のいのちを私の手に置こう。
15 見よ。神が私を殺しても、
私は神を待ち望み、
なおも、私の道を神の前に主張しよう。
16 神もまた、私の救いとなってくださる。
神を敬わない者は、
神の前に出ることができないからだ。
17 あなたがたは私の言い分をよく聞け。
私の述べることをあなたがたの耳に入れよ。
18 今、私は訴えを並べたてる。
私が義とされることを私は知っている。
19 私と論争する者はいったいだれだ。
もしあれば、
そのとき、私は黙って息絶えよう。
20 ただ二つの事を私にしないでください。
そうすれば、私は御顔を避けて隠れません。
21 あなたの手を私の上から遠ざけてください。
あなたの恐ろしさで
私をおびえさせないでください。
22 呼んでください。私は答えます。
あるいは、私に言わせ、
あなたが私に答えてください。
23 私の不義と罪とはどれほどでしょうか。
私のそむきの罪と咎とを私に知らせてください。
24 なぜ、あなたは御顔を隠し、
私をあなたの敵とみなされるのですか。
25 あなたは吹き散らされた木の葉をおどし、
かわいたわらを追われるのですか。
26 実にあなたは私に対してひどい29宣告を書きたて、
私の若い時の咎を
私に受け継がせようとされます。
27 あなたは私の足にかせをはめ、
私の歩く小道をことごとく見張り、
私の足跡にしるしをつけられます。
28 そのような者は、腐った物のように朽ち、
しみが食い尽くす着物のようになります。
1 女から生まれた人間は、日が短く、
心がかき乱されることでいっぱいです。
2 花のように咲き出ては30切り取られ、
影のように飛び去ってとどまりません。
3 あなたはこのような者にさえ、
あなたの目を開き、
私をご自身とともに、
さばきの座に連れて行かれるのですか。
4 だれが、きよい物を汚れた物から出せましょう。
だれひとり、できません。
5 もし、彼の日数が限られ、
その月の数も31あなたが決めておられ、
越えることのできない限界を、
あなたが定めておられるなら、
6 彼から目をそらして、かまわないでください。
そうすれば、彼は日雇い人のように
自分の日を楽しむでしょう。
7 木には望みがある。
たとい切られても、32また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。
8 たとい、その根が地中で老い、
その根株が土の中で枯れても、
9 水分に出会うと芽をふき、
苗木のように枝を出す。
10 しかし、人間は死ぬと、倒れたきりだ。
人は、息絶えると、どこにいるか。
11 水は海から消え去り、
川は干上がり、かれる。
12 人は伏して起き上がらず、
天がなくなるまで目ざめず、
また、その眠りから起きない。
13 ああ、あなたが私を33よみに隠し、
あなたの怒りが過ぎ去るまで私を潜ませ、
私のために時を定め、
私を覚えてくださればよいのに。
14 人が死ぬと、生き返るでしょうか。
私の苦役の日の限り、
私の代わりの者が来るまで待ちましょう。
15 あなたが呼んでくだされば、私は答えます。
あなたはご自分の手で造られたものを
慕っておられるでしょう。
16 今、あなたは私の歩みを数えておられますが、
私の罪に目を留めず、
17 私のそむきの罪を袋の中に封じ込め、
私の咎をおおってください。
18 しかし、山は倒れてくずれ去り、
岩もその所から移される。
19 水は石をうがち、大水は地の泥を押し流す。
そのようにあなたは
人の望みを絶ち滅ぼされます。
20 あなたは、いつまでも人を打ち負かすので、
人は過ぎ去って行きます。
あなたは彼の顔を変えて、彼を追いやられます。
21 自分の子らが尊ばれても、彼にはそれがわからず、
彼らが卑しめられても、
彼には見分けがつきません。
22 ただ、彼は自分の肉の痛みを覚え、
そのたましいは自分のために嘆くだけです。
1 テマン人エリファズが答えて言った。
2 知恵のある者は
34むなしい知識をもって答えるだろうか。
東風によってその腹を満たすだろうか。
3 彼は無益なことばを使って論じ、
役に立たない論法で論じるだろうか。
4 ところが、あなたは信仰を捨て、
神に祈ることをやめている。
5 それは、あなたの罪があなたの口に教え、
あなたが悪賢い人の舌を選び取るからだ。
6 あなたの口があなたを罪に定める。私ではない。
あなたのくちびるがあなたに不利な証言をする。
7 あなたは最初に生まれた人か。
あなたは丘より先に生み出されたのか。
8 あなたは神の会議にあずかり、
あなたは知恵をひとり占めにしているのか。
9 あなたが知っていることを、
私たちは知らないのだろうか。
あなたが悟るものは、
私たちのうちに、ないのだろうか。
10 私たちの中には白髪の者も、老いた者もいる。
あなたの父よりもはるかに年上なのだ。
11 神の慰めと、
あなたに優しく話しかけられたことばとは、
あなたにとっては取るに足りないものだろうか。
12 なぜ、35あなたは理性を失ったのか。
なぜ、あなたの目はぎらつくのか。
13 あなたが神に向かっていらだち、
口からあのようなことばを吐くとは。
14 人がどうして、きよくありえようか。
女から生まれた者が、
どうして、正しくありえようか。
15 見よ。神はご自身の聖なる者たちをも信頼しない。
天も神の目にはきよくない。
16 まして忌みきらうべき汚れた者、
不正を水のように飲む人間は、なおさらだ。
17 私はあなたに告げよう。私に聞け。
私の見たところを述べよう。
18 それは知恵のある者たちが告げたもの、
彼らの先祖が隠さなかったものだ。
19 彼らにだけ、この地は与えられ、
他国人はその中を通り過ぎなかった。
20 悪者はその一生の間、もだえ苦しむ。
横暴な者にも、ある年数がたくわえられている。
21 その耳には恐ろしい音が聞こえ、
平和なときにも荒らす者が彼を襲う。
22 彼はやみから帰って来ることを信ぜず、
彼は剣につけねらわれている。
23 彼は食物を求めて、
「どこだ」と言いながら、さまよい、
やみの日がすぐそこに用意されているのを
知っている。
24 苦難と苦悩とが彼をおびえさせ、
戦いの備えをした王のように彼に打ち勝つ。
25 それは彼が神に手向かい、
全能者に対して高慢にふるまい、
26 厚い盾の取っ手を取って
おこがましくも神に向かって馳せかかるからだ。
27 また、彼は顔をあぶらでおおい、
腰の回りは脂肪でふくれさせ、
28 荒らされた町、人の住まない家に、
石くれの山となる所に、住んだからだ。
29 彼は富むこともなく、その財産も長くもたず、
36その影を地上に投げかけない。
30 彼はやみからのがれることができず、
炎がその若枝を枯らし、
神の御口の息によって彼は追い払われる。
31 迷わされて、むなしいことに信頼するな。
その報いはむなしい。
32 彼の時が来ないうちに、それは成し遂げられ、
その葉は茂らない。
33 彼は、ぶどうの木のように、
その未熟の実は振り落とされ、
オリーブの木のように、その花は落とされる。
34 実に、神を敬わない者の仲間には実りがない。
わいろを使う者の天幕は火で焼き尽くされる。
35 彼らは害毒をはらみ、悪意を生み、
その腹は欺きの備えをしている。
1 ヨブは答えて言った。
2 そのようなことを、私は何度も聞いた。
あなたがたはみな、煩わしい慰め手だ。
3 むなしいことばに終わりがあろうか。
あなたは何に興奮して答えるのか。
4 私もまた、
あなたがたのように語ることができる。
もし、あなたがたが私の立場にあったなら、
私はことばを連ねてあなたがたを攻撃し、
あなたがたに向かって、頭を振ったことだろう。
5 私は口先だけであなたがたを強くし、
私のくちびるでの慰めを
37やめなかったことだろう。
6 たとい、私が語っても、
私の痛みは押さえられない。
たとい、私が忍んでも、
どれだけ私からそれが去るだろう。
7 まことに神は今、私を疲れさせた。
あなたは私の仲間の者を
ことごとく荒らされました。
8 あなたは私を、つかみました。
私のやせ衰えた姿が、証人となり、
私に向かって立ち、
面と向かって答えをします。
9 神は怒って私を引き裂き、私を攻めたて、
私に向かって歯ぎしりした。
私の敵は私に向かって目をぎらつかせる。
10 彼らは私に向かって口を大きくあけ、
そしって私の頰を打ち、
相集まって私を攻める。
11 神は私を38小僧っ子に渡し、
悪者の手に投げ込まれる。
12 私は安らかな身であったが、
神は私を打ち砕き、
私の首をつかまえて粉々にし、
私を立ててご自分の的とされた。
13 その射手たちは私を巡り囲み、
神は私の39内臓を容赦なく射抜き、
私の胆汁を地に流した。
14 神は私を打ち破って、破れに破れを加え、
勇士のように私に向かって馳せかかる。
15 私は荒布をはだに縫いつけ、
私の角をちりの中に突き刺した。
16 私の顔は泣いて赤くなり、
私のまぶたには死の陰がある。
17 しかし、私の手には暴虐がなく、
私の祈りはきよい。
18 地よ。私の血をおおうな。
私の叫びに40休み場所を与えるな。
19 今でも天には、私の証人がおられます。
私を保証してくださる方は高い所におられます。
20 私の友は私をあざけります。
しかし、私の目は神に向かって涙を流します。
21 その方が、人のために
神に41とりなしをしてくださいますように。
人の子がその友のために。
22 数年もたてば、
私は帰らぬ旅路につくからです。
1 私の霊は乱れ、私の日は尽き、
私のものは墓場だけ。
2 しかも、あざける者らが、私とともにおり、
私の目は彼らの敵意の中で夜を過ごす。
3 どうか、私を保証する者を
あなたのそばに置いてください。
ほかにだれか誓ってくれる者がありましょうか。
4 あなたが彼らの心を閉じて
悟ることがないようにされたからです。
それゆえ、あなたは彼らを高められないでしょう。
5 分け前を得るために友の告げ口をする者、
その子らの目は衰え果てる。
6 神は私を民の物笑いとされた。
私は顔につばきをかけられる者となった。
7 私の目は悲しみのためにかすみ、
私の42からだは影のようだ。
8 正しい者はこのことに驚き、
罪のない者は神を敬わない者に向かって憤る。
9 義人は自分の道を保ち、
手のきよい人は力を増し加える。
10 だが、あなたがたはみな、帰って来るがよい。
私はあなたがたの中に
ひとりの知恵のある者も見いだすまい。
11 私の日は過ぎ去り、
私の企て、私の心に抱いたことも破れ去った。
12 「夜は昼に変えられ、
やみから光が近づく」43と言うが、
13 もし私が、44よみを私の住みかとして望み、
やみに私の寝床をのべ、
14 その穴に向かって、
「おまえは私の父だ」と言い、
うじに向かって、
「私の母、私の姉妹」と言うのなら、
15 私の望みはいったいどこにあるのか。
だれが、私の望みを見つけよう。
16 45よみの深みに下っても、
あるいは、共にちりの上に降りて行っても。
1 そこでシュアハ人ビルダデが答えて言った。
2 46いつ、あなたがたはその話にけりをつけるのか。
まず悟れ。それから私たちは語り合おう。
3 なぜ、私たちは獣のようにみなされるのか。
なぜ、あなたがたの目には汚れて見えるのか。
4 怒って自分自身を引き裂く者よ。
あなたのために地が見捨てられようか。
岩がその所から移されようか。
5 悪者どもの光は消え、
その火の炎も輝かない。
6 彼の天幕のうちでは、光は暗くなり、
彼を照らすともしびも消える。
7 彼の力強い歩みはせばめられ、
おのれのはかりごとが彼を投げ倒す。
8 彼は自分の足で網にかかる。
落とし穴の上を歩むからだ。
9 わなは彼のかかとを捕らえ、
しかけ網は彼をつかまえる。
10 地には彼のための輪繩が、
その通り道には彼のためのわなが隠されている。
11 恐怖が回りから彼を脅かし、
彼の足を47追い立てる。
12 彼の精力は飢え、
わざわいが
彼をつまずかせようとしている。
13 彼の48皮膚を食らおうとしている。
死の初子が彼のからだを食らおうとしている。
14 彼はその拠り頼む天幕から引き抜かれ、
恐怖の王のもとへ追いやられる。
15 彼の天幕には、彼のものではない者が住み、
硫黄が彼の住まいの上にまき散らされる。
16 下ではその根が枯れ、
上ではその枝がしなびる。
17 彼についての記憶は地から消えうせ、
彼の名はちまたから消える。
18 彼は光からやみに追いやられ、
世から追い出される。
19 彼には自分の民の中に親類縁者がなくなり、
その住みかにはひとりの生存者もなくなる。
20 西に住む者は彼の日について驚き、
東に住む者は恐怖に取りつかれる。
21 不正をする者の住みかは、
まことに、このようであり、
これが神を知らない者の住まいである。
1 そこでヨブは答えて言った。
2 いつまで、あなたがたは私のたましいを悩まし、
そんな論法で私を砕くのか。
3 もう、十度もあなたがたは
私に恥ずかしい思いをさせ、
恥知らずにも私をいじめる。
4 もし、私がほんとうに
あやまって罪を犯したとしても、
私のあやまって犯した罪が
私のうちにとどまっているだろうか。
5 あなたがたがほんとうに私に向かって高ぶり、
私の受けたそしりのことで、私を責めるのなら、
6 いま知れ。「神が私を迷わせ、
神の網で私を取り囲まれた」ことを。
7 見よ。私が、「これは暴虐だ」と叫んでも
答えはなく、
助けを求めて叫んでも、それは正されない。
8 神が私の道をふさがれたので、
私は過ぎ行くことができない。
私の通り道にやみを置いておられる。
9 神は私の栄光を私からはぎ取り、
私の頭から冠を取り去られた。
10 神が四方から私を打ち倒すので、
私は去って行く。
神は私の望みを木のように根こそぎにする。
11 神は私に向かって怒りを燃やし、
私をご自分の敵のようにみなされる。
12 その軍勢は一つとなって進んで来、
私に向かって彼らの道を築き上げ、
私の天幕の回りに陣を敷く。
13 神は私の兄弟たちを私から遠ざけた。
私の知人は全く私から離れて行った。
14 私の親族は来なくなり、
私の親しい友は私を忘れた。
15 私の家に寄宿している者も、
私のはしためたちも、
私を他国人のようにみなし、
私は彼らの目には外国人のようになった。
16 私が自分のしもべを呼んでも、
彼は返事もしない。
私は私の口で彼に請わなければならない。
17 私の息は私の妻にいやがられ、
私の身内の者らにきらわれる。
18 小僧っ子までが私をさげすみ、
私が起き上がると、私に言い逆らう。
19 私の親しい仲間はみな、私を忌みきらい、
私の愛した人々も私にそむいた。
20 私の骨は皮と肉とにくっついてしまい、
私はただ歯の皮だけでのがれた。
21 あなたがた、私の友よ。
私をあわれめ、私をあわれめ。
神の御手が私を打ったからだ。
22 なぜ、あなたがたは神のように、
私を追いつめ、
私の肉で満足しないのか。
23 ああ、今、できれば、
私のことばが書き留められればよいのに。
ああ、書き物に刻まれればよいのに。
24 鉄の筆と鉛とによって、
いつまでも岩に刻みつけられたい。
25 私は知っている。
私を贖う方は生きておられ、
後の日に、ちりの上に立たれることを。
26 私の皮が、このようにはぎとられて後、
私は、私の肉から神を見る。
27 この方を私は自分自身で見る。
私の目がこれを見る。ほかの者の目ではない。
私の49内なる思いは私のうちで
絶え入るばかりだ。
28 もし、あなたがたが、
事の原因を私のうちに見つけて、
「彼をどのようにして追いつめようか」
と言うなら、
29 あなたがたは剣を恐れよ。
その剣は刑罰の憤りだから。
これによって、あなたがたは
さばきのあることを知るだろう。
1 そこでナアマ人ツォファルは答えて言った。
2 それで、いらだつ思いが私に答えを促し、
そのため、私は心あせる。
3 私の侮辱となる訓戒を聞いて、
私の悟りの霊が私に答えさせる。
4 あなたはこのことを知っているはずだ。
昔から、地の上に人が置かれてから、
5 悪者の喜びは短く、
神を敬わない者の楽しみはつかのまだ。
6 たとい彼の高ぶりが天まで上り、
その頭が雲まで及んでも、
7 彼は自分の糞のようにとこしえに滅びる。
彼を見たことのある者たちは言う。
彼はどこにいるのかと。
8 彼は夢のように飛び去り、
だれにも彼は見つけられない。
彼は夜の幻のように追い払われ、
9 彼を見慣れていた目は再び50彼を見ず、
彼のいた所はもはや彼を認めない。
10 彼の子らは貧民たちにあわれみを請い、
彼の手は自分の財産を
取り戻さなければならない。
11 彼の骨が若さに満ちても、
それも彼とともにちりに横たわる。
12 たとい悪が彼の口に甘く、
彼がそれを舌の裏に隠しても、
13 あるいは、彼がこれを惜しんで、捨てず、
その口の中にとどめていても、
14 彼の食べた物は、彼の腹の中で変わり、
彼の中でコブラの毒となる。
15 彼は富をのみこんでも、またこれを吐き出す。
神がこれを彼の腹から追い払われる。
16 彼はコブラの毒を吸い、まむしの舌が彼を殺す。
17 彼は川を見ることがない。
すなわち、蜜と凝乳の流れる川を見ることがない。
18 彼は骨折って得たものを取り戻しても、
それをのみこめない。
商いで得た富によっても楽しめない。
19 彼が寄るべのない者を踏みにじって見捨て、
自分で建てなかった家をかすめたからだ。
20 彼の腹は足ることを知らないので、
欲しがっている物は何一つ、彼はのがさない。
21 彼のむさぼりからのがれる物は一つもない。
だから、彼の繁栄は続かない。
22 満ち足りているときに、
彼は貧乏になって苦しみ、
苦しむ者の手がことごとく彼に押し寄せる。
23 彼が腹を満たそうとすると、
神はその燃える怒りを彼の上に送り、
51憤りを彼の上に降らす。
24 彼は鉄の武器を免れても、
青銅の弓が彼を射通す。
25 彼がそれを引き抜くと、それは彼の背中から出る。
きらめく矢じりが52腹から出て、
恐れが彼を襲う。
26 すべてのやみが彼の宝として隠され、
人が吹きおこしたのではない火が
彼を焼き尽くし、
彼の天幕に生き残っているものをも
そこなってしまう。
27 天は彼の罪をあらわし、
地は彼に逆らって立つ。
28 53彼の家の作物はさらわれ、
御怒りの日に消えうせる。
29 これが悪者の、神からの分け前、
54神によって定められた彼の相続財産である。
1 ヨブは答えて言った。
2 あなたがたは、私の言い分をよく聞け。
これをあなたがたの私への慰めとしてくれ。
3 まず、私が語るのを許してくれ。
私が語って後、55あなたはあざけってもよい。
4 私の不平は人に向かってであろうか。
なぜ、私がいらだってはならないのか。
5 私のほうを見て驚け。
そして手を口に当てよ。
6 私は思い出すとおびえ、
おののきが私の肉につかみかかる。
7 なぜ悪者どもが生きながらえ、
年をとっても、なお力を増すのか。
8 彼らのすえは彼らとともに堅く立ち、
その子孫は彼らの前に堅く立つ。
9 彼らの家は平和で恐れがなく、
神の杖は彼らの上に下されない。
10 その牛は、はらませて、失敗することがなく、
その雌牛は、子を産んで、仕損じがない。
11 彼らは自分の幼子たちを
羊の群れのように自由にさせ、
彼らの子どもたちはとびはねる。
12 彼らはタンバリンと立琴に合わせて歌い、
笛の音で楽しむ。
13 彼らはしあわせのうちに寿命を全うし、
すぐに56よみに下る。
14 しかし、彼らは神に向かって言う。
「私たちから離れよ。
私たちは、あなたの道を知りたくない。
15 全能者が何者なので、
私たちは彼に仕えなければならないのか。
私たちが彼に祈って、
どんな利益があるのか」と。
16 見よ。彼らの繁栄はその手の中にない。
悪者のはかりごとは、私と何の関係もない。
17 幾たび、悪者のともしびが消え、
わざわいが彼らの上に下り、
神が怒って彼らに滅びを分け与えることか。
18 彼らは、風の前のわらのようではないか。
つむじ風に吹き去られる
もみがらのようではないか。
19 神はそのような者の子らのために、
彼のわざわいをたくわえておられるのか。
彼自身が報いを受けて
思い知らなければならない。
20 彼の目が自分の滅びを見、
彼が全能者の憤りをのまなければならない。
21 彼の日の数が短く定められているのに、
自分の後の家のことに何の望みがあろうか。
22 彼は神に知識を教えようとするのか。
高い所におられる方がさばきを下すのだ。
23 ある者は元気盛りの時に、
全く平穏のうちに死ぬだろう。
24 彼のからだは57脂肪で満ち、
その骨の髄は潤っている。
25 ある者は苦悩のうちに死に、
何の幸いも味わうことがない。
26 彼らは共にちりに伏し、うじが彼らをおおう。
27 ああ、私はあなたがたの計画を知っている。
私をそこなおうとするたくらみを。
28 あなたがたは言う。「権門の家はどこにあるか。
悪者の住んだ天幕はどこにあるか」と。
29 あなたがたは道行く人に尋ねなかったか。
彼らのあかしをよく調べないのか。
30 「悪人はわざわいの日を免れ、
激しい怒りの日から連れ出される」58という。
31 だれが彼に面と向かって彼の道を告げえようか。
だれが彼のなしたことを彼に報いえようか。
32 彼は墓に運ばれ、
その塚の上には見張りが立つ。
33 谷の土くれは彼に快く、
すべての人が彼のあとについて行く。
彼より先に行った者も数えきれない。
34 どうしてあなたがたは、
私を慰めようとするのか。むだなことだ。
あなたがたの答えることは、ただ不信実だ。
1 テマン人エリファズが答えて言った。
2 人は神の役に立つことができようか。
賢い人さえ、ただ自分自身の役に立つだけだ。
3 あなたが正しくても、
それが全能者に何の喜びであろうか。
あなたの道が潔白であっても、
それが何の益になろう。
4 あなたとともに、さばきの座に、入って行かれ、
あなたを責められるのは、
あなたが神を恐れているためか。
5 いや、それはあなたの悪が大きくて、
あなたの不義が果てしないからではないか。
6 あなたは理由もないのに
あなたの兄弟から質を取り、
裸の者から着物をはぎ取り、
7 疲れている者に水も飲ませず、
飢えている者に食物を拒んだからだ。
8 土地を持っている有力者のように、
そこに住む有名人のように、
9 あなたはやもめを素手で去らせ、
みなしごの腕を折った。
10 それでわながあなたを取り巻き、
恐れが、にわかにあなたを脅かす。
11 あるいは、
やみがあって、あなたは見ることもできず、
みなぎる水があなたをおおう。
12 神は天の高きにおられるではないか。
見よ、星の頂を。それはなんと高いことか。
13 あなたは言う。「神に何がわかろうか。
黒雲を通してさばくことができようか。
14 濃い雲が神をおおっているので、
神は見ることができない。
神は天の回りを歩き回るだけだ」と。
15 あなたは悪人が歩いたあの昔からの道を
守っていこうとするのか。
16 彼らは時がまだ来ないうちに取り去られ、
彼らの土台は流れに押し流された。
17 彼らは神に向かって言った。
「私たちから離れよ。
全能者が59私たちに何ができようか」と。
18 しかし、神は彼らの家を良い物で満たされた。
だが、悪者のはかりごとは私と何の関係もない。
19 正しい者は見て喜び、
罪のない者は彼らをあざけって60言う。
20 「まことに、私たちに立ち向かった者は滅ぼされ、
彼らの残した物は火が焼き尽くした。」
21 さあ、あなたは神と和らぎ、平和を得よ。
そうすればあなたに幸いが来よう。
22 神の御口からおしえを受け、
そのみことばを心にとどめよ。
23 あなたがもし全能者に立ち返るなら、
あなたは再び立ち直る。
あなたは自分の天幕から不正を遠ざけ、
24 宝をちりの上に置き、
オフィルの61金を川の小石の間に置け。
25 そうすれば全能者はあなたの黄金となり、
尊い銀があなたのものとなる。
26 そのとき、あなたは全能者をあなたの喜びとし、
神に向かってあなたの顔を上げる。
27 あなたが神に祈れば、神はあなたに聞き、
あなたは自分の誓願を果たせよう。
28 あなたが事を決めると、それは成り、
あなたの道の上には光が輝く。
29 62あなたが低くされると、
あなたは高められたと言おう。
神はへりくだる者を救われるからだ。
30 神は罪ある者さえ救う。
その人はあなたの手のきよいことによって救われる。
1 ヨブは答えて言った。
2 きょうもまた、私はそむく心でうめき、
私の手は自分の嘆きのために重い。
3 ああ、できれば、どこで神に会えるかを知り、
その御座にまで行きたい。
4 私は御前に訴えを並べたて、
ことばの限り討論したい。
5 私は神が答えることばを知り、
私に言われることが何であるかを悟りたい。
6 神は力強く私と争われるだろうか。
いや、むしろ私に心を留めてくださろう。
7 そこでは正しい人が神と論じ合おう。
そうすれば私は、とこしえにさばきを免れる。
8 ああ、私が前へ進んでも、神はおられず、
うしろに行っても、神を認めることができない。
9 左に63向かって行っても、私は神を見ず、
右に向きを変えても、私は会うことができない。
10 しかし、神は、私の行く道を知っておられる。
神は私を調べられる。
私は金のように、出て来る。
11 私の足は神の歩みにつき従い、
神の道を守って、それなかった。
12 私は神のくちびるの命令から離れず、
私の定めよりも、御口のことばをたくわえた。
13 しかし、みこころは一つである。
だれがそれを翻すことができようか。
神はこころの欲するところを行われる。
14 神は、私について定めたことを、
成し遂げられるからだ。
このような多くの定めが神のうちにある。
15 だから、私は神の前でおびえ、
これを思って、神を恐れているのだ。
16 神は私の心を弱くし、
全能者は私をおびえさせた。
17 私はやみによって消されず、
彼が、暗黒を私の前からなくされたからだ。
1 なぜ、全能者によって時が隠されていないのに、
神を知る者たちがその日を見ないのか。
2 ある者は地境を動かし、
群れを奪い取ってこれを飼い、
3 みなしごのろばを連れ去り、
やもめの牛を質に取り、
4 貧しい者を道から押しのける。
その地の哀れな人々は、共に身を隠す。
5 見よ。荒野の野ろばを。
彼らは、出て行き、
荒れた地で獲物を求めて捜し回り、
自分の子らのためにえさを求める。
6 飼葉を畑で刈り取り、
悪者のぶどう畑をかすめる。
7 彼らは着る物もなく、裸で夜を明かし、
寒さの中でも身をおおう物がない。
8 山のあらしでずぶぬれになり、
避け所もなく、岩を抱く。
9 彼らはみなしごを乳房からもぎ取り、
貧しい者の持ち物を質に取る。
10 彼らは着る物もなく、裸で歩き、
飢えながら麦束をになう。
11 その植え込みの間で油をしぼり、
酒ぶねを踏みながら、なお渇く。
12 人の住む町からうめき声が起こり、
傷ついた者の64たましいは助けを求めて叫ぶ。
しかし、神はその愚痴に心を留められない。
13 これらの者は光に反逆する者で、
光の道を認めず、
また、その通り道にとどまらない。
14 人殺しは、夜明けに起き上がり、
哀れな者や貧しい者を殺し、
夜には盗人のようになる。
15 姦通する者の目は夕暮れを待ちもうけ、
「私に気づく目はない」と言い、
その顔におおう物を当てる。
16 彼は暗くなってから、家々に侵入する。
昼間は閉じこもって光を知らない。
17 すべて彼にとっては65暗黒が朝である。
彼は66暗黒の恐怖と親しいからだ。
18 彼は水の面をすばやく過ぎ去り、
67彼の割り当ての地は国の中でのろわれる。
彼はぶどう畑の道のほうに向かわない。
19 ひでりと暑さは雪の水を奪い、
68よみは罪を犯した者を奪う。
20 母の胎は彼を忘れ、うじは彼を好んで食べ、
彼はもう思い出されない。
不正な者は木のように折られてしまう。
21 彼は子を産まない不妊の女を食いものにし、
やもめによくしてやらない。
22 しかし、神は力をもって
暴虐な者たちを生きのびるようにされる。
彼はいのちがあるとは信じられないときにも
立ち上がる。
23 神が彼に安全を与える。
それで、彼は休むことができる。
神の目は彼らの道の上に注がれる。
24 彼らはしばらくの間、高められるが、消えうせる。
彼らは低くされ、
ほかのすべての者と同じように刈り集められる。
麦の穂先のように枯れてしまう。
25 今そうでないからといって、
だれが私をまやかし者だと言えよう。
だれが私のことばを
たわごとにしようとするのか。
1 シュアハ人ビルダデが答えて言った。
2 主権と恐れとは神のもの。
神はその高き所で平和をつくる。
3 その軍勢の数ほどのものがほかにあろうか。
その光に照らされないものがだれかいようか。
4 人はどうして神の前に正しくありえようか。
女から生まれた者が、
どうしてきよくありえようか。
5 ああ、神の目には
月さえも輝きがなく、星もきよくない。
6 ましてうじである人間、
虫けらの人の子はなおさらである。
1 ヨブは答えて言った。
2 あなたは無力な者をどのようにして助けたのか。
力のない腕をどのようにして救ったのか。
3 知恵のない者をどのようにしていさめ、
豊かなすぐれた知性を示したのか。
4 あなたはだれに対してことばを告げているのか。
だれの息があなたから出たのか。
5 死者の霊は、
水とそこに住むものとの下にあって震える。
6 69よみも神の前では裸であり、
滅びの淵もおおわれない。
7 神は北を虚空に張り、
地を何もない上に掛けられる。
8 神は水を濃い雲の中に包まれるが、
その下の雲は裂けない。
9 神は御座の面をおおい、
その上に雲を広げ、
10 水の面に円を描いて、
光とやみとの境とされた。
11 神がしかると、
天の柱は震い、恐れる。
12 神は御力によって海をかき立て、
神の英知をもってラハブを打ち砕く。
13 その息によって天は晴れ渡り、
御手は逃げる蛇を刺し通す。
14 見よ。これらはただ神の道の外側にすぎない。
私たちはただ、
神についてのささやきしか聞いていない。
だれが、その力ある雷を聞き分けえようか。
1 ヨブはまた、自分の格言を取り上げて言った。
2 私の権利を取り去った神、
私のたましいを苦しめた全能者70をさして誓う。
3 私の息が私のうちにあり、
神の霊が私の鼻にあるかぎり、
4 私のくちびるは不正を言わず、
私の舌は決して欺きを告げない。
5 あなたがたを義と認めることは、
私には絶対にできない。
私は息絶えるまで、
自分の潔白を離さない。
6 私は自分の義を堅く保って、手放さない。
私の良心は生涯私を責めはしない。
7 私の敵は不正をする者のようになれ。
私に立ち向かう者はよこしまな者のようになれ。
8 神を敬わない者の望みはどうなるであろうか。
神が彼を断ち切り、
そのいのちを取り去るときは。
9 苦しみが彼にふりかかるとき、
神は彼の叫びを聞かれるであろうか。
10 彼は全能者を彼の喜びとするだろうか。
どんな時にも神を呼ぶだろうか。
11 私は神の御手について
あなたがたに教えよう。
全能者のもとにあるものを私は隠すまい。
12 ああ、あなたがたはみな、それを見たのに、
なぜ、あなたがたは全くむなしいことを言うのか。
13 悪者の神からの分け前、
横暴な者が全能者から受け取る相続財産は
次のとおりだ。
14 たとい、彼の子どもたちがふえても、
剣にかかる。
その子孫はパンに飽き足ることはない。
15 その生き残った者も死んで葬られ、
そのやもめらは泣きもしない。
16 彼が銀をちりのように積み上げ、
衣装を土のようにたくわえても、
17 彼がたくわえたものは、正しい者がこれを着、
銀は、罪のない者が分け取る。
18 彼はしみが建てるような家を建てる。
それは番人が作る仮小屋のようだ。
19 富む者が寝ると、71もうそれきりだ。
彼が目を開くと、もうそれはない。
20 恐怖が洪水のように彼を襲い、
夜にはつむじ風が彼を運び去る。
21 東風が彼を吹き上げると、彼は去り、
彼をそのいる所から吹き払う。
22 神は容赦なくそれを彼に投げつけ、
彼は御手からなんとかしてのがれようとする。
23 人々は彼に向かって手をたたき、
72彼をあざけって、そのいる所から追い出す。
1 まことに、銀には73鉱山があり、
金には精錬する所がある。
2 鉄は土から取られ、
銅は石を溶かして取る。
3 人はやみを目当てとし、
その隅々にまで行って、
暗やみと74暗黒の石を捜し出す。
4 彼は、人里離れた所に、縦坑を掘り込み、
行きかう人に忘れられ、
人から離れてそこにぶら下がり、揺れ動く。
5 地そのものは、そこから食物を出すが、
その下は火のように沸き返っている。
6 その石はサファイヤの出るもと、
そのちりには金がある。
7 その通り道は猛禽も知らず、
はやぶさの目もこれをねらったことがない。
8 誇り高い獣もこれを踏まず、
たける獅子もここを通ったことがない。
9 彼は堅い岩に手を加え、
山々をその基からくつがえす。
10 彼は岩に坑道を切り開き、
その目はすべての宝を見る。
11 彼は75川をせきとめ、
したたることもないようにし、
隠されている物を明るみに持ち出す。
12 しかし、知恵はどこから見つけ出されるのか。
悟りのある所はどこか。
13 人はその76評価ができない。
それは生ける者の地では見つけられない。
14 深い淵は言う。「私の中にはそれはない。」
海は言う。「私のところにはない。」
15 それは純金をもってしても得られない。
銀を量ってもその代価とすることができない。
16 オフィルの金でも
その値踏みをすることができず、
高価なしまめのうや、サファイヤでもできない。
17 金も玻璃もこれと並ぶことができず、
純金の器とも、これは取り替えられない。
18 さんごも水晶も言うに足りない。
知恵を獲得するのは真珠にまさる。
19 77クシュのトパーズもこれと並ぶことができず、
純金でもその値踏みをすることはできない。
20 では、知恵はどこから来るのか。
悟りのある所はどこか。
21 それはすべての生き物の目に隠され、
空の鳥にもわからない。
22 滅びの淵も、死も言う。
「私たちはそのうわさを
この耳で聞いたことがある。」
23 しかし、神はその道をわきまえておられ、
神はその所を知っておられる。
24 神は地の隅々まで見渡し、
天の下をことごとく見られるからだ。
25 神は風を重くし、
水をはかりで量られる。
26 神は、雨のためにその降り方を決め、
いなびかりのために道を決められた。
27 そのとき、神は知恵を見て、これを見積もり、
これを定めて、調べ上げられた。
28 こうして、神は人に仰せられた。
「見よ。主を恐れること、これが知恵である。
悪から離れることは悟りである。」
1 ヨブはまた、自分の格言を取り上げて言った。
2 ああ、できれば、私は、
昔の月日のようであったらよいのに。
神が私を守ってくださった
日々のようであったらよいのに。
3 あのとき、神のともしびが私の頭を照らし、
その光によって私はやみを歩いた。
4 私がまだ壮年であったころ、
神は天幕の私に語りかけてくださった。
5 全能者がまだ私とともにおられたとき、
私の子どもたちは、私の回りにいた。
6 あのとき、私の足跡は乳で洗われ、
岩は私に油の流れを注ぎ出してくれたのに。
7 私は町の門に出て行き、
私のすわる所を広場に設けた。
8 若者たちは私を見て身をひき、
年老いた者も起き上がって立った。
9 つかさたちは78黙ってしまい、
手を口に当てていた。
10 首長たちの声もひそまり、
その舌は上あごについた。
11 私について聞いた耳は、私を賞賛し、
私を見た目は、それをあかしした。
12 それは私が、
助けを叫び求める貧しい者を助け出し、
身寄りのないみなしごを助け出したからだ。
13 死にかかっている者の祝福が私に届き、
やもめの心を私は喜ばせた。
14 私は義をまとい、
義は私をおおった。
私の公義は上着であり、かぶり物であった。
15 私は目の見えない者の目となり、
足のなえた者の足となった。
16 私は貧しい者の父であり、
見知らぬ者の訴訟を調べてやった。
17 私はまた、不正をする者のあごを砕き、
その歯の間から獲物を引き抜いた。
18 そこで私は考えた。
私は私の巣とともに息絶えるが、
79不死鳥のように、私は日をふやそう。
19 私の根は水に向かって根を張り、
夜露が私の枝に宿ろう。
20 私の栄光は私とともに新しくなり、
私の弓は私の手で次々に矢を放つ。
21 人々は、私に聞き入って待ち、
私の意見にも黙っていた。
22 私が言ったあとでも言い返さず、
私の話は彼らの上に降り注いだ。
23 彼らは雨を待つように私を待ち、
80後の雨を待つように
彼らは口を大きくあけて待った。
24 私が彼らにほほえみかけても、
彼らはそれを信じることができなかった。
私の顔の光はかげらなかった。
25 私は彼らの道を選んでやり、
首長として座に着いた。
また、王として軍勢とともに住まい、
しかも、嘆く者を慰める者のようであった。
1 しかし今は、私よりも若い者たちが、
私をあざ笑う。
彼らの父は、私が軽く見て、
私の群れの番犬とともにいさせたものだ。
2 彼らの手の力も私に何の役に立とうか。
彼らから気力が消えうせた。
3 彼らは欠乏とききんでやつれ、
荒れ果てた廃墟の暗やみで砂漠をかじる。
4 彼らはやぶの中のおかひじきを摘み、
えにしだの根を彼らの食物とする。
5 彼らは世間から追い出され、
人々は盗人を追うように、彼らに大声で叫ぶ。
6 彼らは谷の斜面や、
土や岩の穴に住み、
7 やぶの中でつぶやき、
いらくさの下に群がる。
8 彼らはしれ者の子たち、つまらぬ者の子たち、
国からむちでたたき出された者たちだ。
9 それなのに、今や、
私は彼らのあざけりの歌となり、
その笑いぐさとなっている。
10 彼らは私を忌みきらって、
私から遠ざかり、
私の顔に情け容赦もなくつばきを吐きかける。
11 神が私の綱を解いて、
私を悩まされたので、
彼らも手綱を私の前に投げ捨てた。
12 この悪童どもは、私の右手に立ち、
私の足をもつれさせ、
私に向かって滅びの道を築いた。
13 彼らは私の通り道をこわし、
私の滅びを推し進める。
だれも彼らを81押し止める者はいない。
14 彼らは、広い破れ口から入って来るように、
あらしの中を押し寄せて来る。
15 恐怖が私にふりかかり、
私の威厳を、あの風のように追い立てる。
私の繁栄は雨雲のように過ぎ去った。
16 今、私は心を自分に注ぐ。
悩みの日に私は捕らえられた。
17 夜は私の骨を私からえぐりとり、
私をむしばむものは、休まない。
18 それは大きな力で、私の着物に姿を変え、
まるで長服のように
私に巻きついている。
19 神は私を泥の中に投げ込み、
私はちりや灰のようになった。
20 私はあなたに向かって叫びますが、
あなたはお答えになりません。
私が立っていても、
あなたは私に目を留めてくださいません。
21 あなたは、私にとって、残酷な方に変わられ、
御手の力で、私を攻めたてられます。
22 あなたは私を吹き上げて風に乗せ、
すぐれた知性で、私をきりもみにされます。
23 私は知っています、
あなたは私を死に帰らせ、
すべての生き物の集まる家に帰らせることを。
24 それでも、廃墟の中で
人は手を差し伸べないだろうか。
その衰えているとき、
助けを叫ばないだろうか。
25 私は不運な人のために
泣かなかっただろうか。
私のたましいは貧しい者のために
悲しまなかっただろうか。
26 私が善を望んだのに、悪が来、
光を待ち望んだのに、暗やみが来た。
27 私のはらわたは、休みなく煮えたぎる。
悩みの日が私に立ち向かっている。
28 私は、日にも当たらず、
泣き悲しんで歩き回り、
つどいの中に立って助けを叫び求める。
29 私はジャッカルの兄弟となり、
だちょうの仲間となった。
30 私の皮膚は黒ずんではげ落ち、
骨は熱で焼けている。
31 私の立琴は喪のためとなり、
私の笛は泣き悲しむ声となった。
1 私は自分の目と契約を結んだ。
どうしておとめに目を留めよう。
2 神が上から分けてくださる分け前は何か。
全能者が高い所から下さる相続財産は何か。
3 不正をする者にはわざわいが、
不法を行う者には
災難が来るのではないか。
4 神は私の道を見られないのだろうか。
私の歩みをことごとく
数えられないのだろうか。
5 もし私がうそとともに歩み、
この足が欺きに急いだのなら、
6 正しいはかりで私を量るがよい。
そうすれば神に私の潔白がわかるだろう。
7 もし、私の歩みが道からそれ、
私の心が自分の目に従って歩み、
私の手によごれがついていたなら、
8 私が種を蒔いて他の人が食べるがよい。
私の作物は根こぎにされるがよい。
9 もしも、私の心が女に惑わされ、
隣人の門で待ち伏せしたことがあったなら、
10 私の妻が他人のために粉をひいてもよい。
また、他人が彼女と寝てもよい。
11 これは恥ずべき行い、
裁判にかけて罰せられる罪だ。
12 実に、それは滅びの淵まで焼き尽くす火だ。
私の収穫をことごとく根こぎにする。
13 私のしもべや、はしためが、
私と争ったとき、
もし、私が彼らの言い分を
ないがしろにしたことがあるなら、
14 神が立たれるとき、
私はどうすればよいか。
また、神がお調べになるとき、
何と答えたらよいか。
15 私を胎内で造られた方は、
82彼らをも造られたのではないか。
私たちを母の胎内に形造られた方は、
ただひとりではないか。
16 もし、私が寄るべのない者の望みを退け、
やもめの目を衰え果てさせ、
17 私ひとりだけで食物を食べて、
みなしごにそれを食べさせなかったのなら、
18 ──私の若いときから、
彼は私を父のようにして育ち、
私は、母の胎にいたときから、
彼女を導いた──
19 もし、私が、
着る物がなくて死にかかっている者や、
身をおおう物を持っていない
貧しい者を見たとき、
20 彼の腰が私にあいさつをせず、
私の子羊の毛で
それが暖められなかったのなら、
21 あるいは、私を助ける者が
門のところにいるのを見ながら、
みなしごに向かって私の手を
振り上げたことがあるなら、
22 私の肩の骨が肩から落ち、
私の腕がつけ根から折れてもよい。
23 神からのわざわいは私をおびえさせ、
その威厳のゆえに、
私は何もすることができないからだ。
24 もし、私が金をおのれの頼みとし、
黄金に向かって、
私の拠り頼むもの、と言ったことがあるなら、
25 あるいは、私の富が多いので喜び、
私の手が多くの物を得たので、
喜んだことがあるなら、
26 あるいは、輝く日の光を見、
照りながら動く月を見て、
27 私の心がひそかに惑わされ、
手をもって口づけを投げかけたことがあるなら、
28 これもまた裁判にかけて罰せられる罪だ。
私が上なる神を否んだためだ。
29 あるいは、私を憎む者の衰えているのを
私が見て喜び、
彼にわざわいが下ったとき、
喜び勇んだことがあろうか。
30 私は自分の口に罪を犯させなかった。
のろって彼のいのちを求めようともしなかった。
31 いったい、私の天幕の人々で、
「だれか、彼の肉に
飽き足りなかった者はいないか」
と言わなかったことがあろうか。
32 異国人は外で夜を過ごさず、
私は戸口を通りに向けてあけている。
33 あるいは、私がアダムのように、
自分のそむきの罪をおおい隠し、
自分の咎を胸の中に秘めたことがあろうか。
34 私が群集の騒ぎにおびえ、
一族のさげすみを恐れて黙り、
門を出なかったことがあろうか。
35 だれか私に聞いてくれる者はないものか。
見よ。83私を確認してくださる方、
全能者が私に答えてくださる。
私を訴える者が書いた告訴状があれば、
36 私はそれを肩に負い、
冠のように、それをこの身に結びつけ、
37 私の歩みの数をこの方に告げ、
君主のようにして近づきたい。
38 もし、私の土地が私に向かって叫び、
そのうねが共に泣くことがあるなら、
39 あるいは、私が金を払わないで
その産物を食べ、
その持ち主のいのちを失わせたことがあるなら、
40 小麦の代わりにいばらが生え、
大麦の代わりに雑草がはびこるように。
ヨブのことばは終わった。
1 この三人の者はヨブに答えるのをやめた。それはヨブが自分は正しいと思っていたからである。
2 すると、ラム族のブズ人、バラクエルの子エリフが怒りを燃やした。彼がヨブに向かって怒りを燃やしたのは、ヨブが神よりもむしろ自分自身を義としたからである。
3 彼はまた、その三人の友に向かっても怒りを燃やした。彼らがヨブを罪ある者としながら、言い返すことができなかったからである。
4 エリフはヨブに語りかけようと待っていた。彼らが自分よりも年長だったからである。
5 しかし、エリフは三人の者の口に答えがないのを見て、怒りを燃やした。
6 ブズ人、バラクエルの子エリフは答えて言った。
私は若く、あなたがたは年寄りだ。
だから、わきに控えて、遠慮し、
あなたがたに私の意見を述べなかった。
7 私は思った。
「日を重ねた者が語り、
年の多い者が知恵を教える」と。
8 しかし、人の中には確かに霊がある。
全能者の息が人に悟りを与える。
9 年長者が知恵深いわけではない。
老人が道理をわきまえるわけでもない。
10 だから、私は言う。
「私の言うことを聞いてくれ。
私も、また私の意見を述べよう。」
11 今まで私はあなたがたの言うことに期待し、
あなたがたの言い分を調べ上げるまで、
あなたがたの意見に耳を傾けていた。
12 私はあなたがたに注意を払っていたのに、
ヨブに罪を認めさせる者はなく、
あなたがたのうちで
彼のことばに答える者もいない。
13 だが、おそらくあなたがたは言おう。
「私たちは知恵を見いだした。
人ではなく、神が彼を吹き払った」と。
14 彼はまだ私に向かって
ことばを並べたててはいない。
私はあなたがたのような言い方では
彼に答えまい。
15 彼らはあきれて、もう答えない。
彼らの言うことばもなくなった。
16 彼らが語らず、
そのままじっと答えないからといって、
私は待っていなければならないだろうか。
17 私は私で自分の言い分を言い返し、
私の意見を述べてみよう。
18 私にはことばがあふれており、
一つの霊が私を圧迫している。私の腹を。
19 今、私の腹は抜け口のないぶどう酒のようだ。
新しいぶどう酒の皮袋のように、
今にも張り裂けようとしている。
20 私は語って、気分を晴らしたい。
くちびるを開いて答えたい。
21 私はだれをもひいきしない。
どんな人にもへつらわない。
22 へつらうことを知らないから。
そうでなければ、私を造った方は
今すぐ、私を奪い去ろう。
1 そこでヨブよ。
どうか、私の言い分を聞いてほしい。
私のすべてのことばに耳を傾けてほしい。
2 さあ、私は口を開き、
私の舌はこの口の中で語ろう。
3 私の言うことは真心からだ。
私のくちびるは、きよく知識を語る。
4 神の霊が私を造り、
全能者の息が私にいのちを与える。
5 あなたにできれば、私に返事をし、
ことばを並べたて、私の前に立ってみよ。
6 実に、神にとって、私はあなたと同様だ。
私もまた粘土で形造られた。
7 見よ。私のおどしも、
あなたをおびえさせない。
私が強く圧しても、あなたには重くない。
8 確かにあなたは、この耳に言った。
私はあなたの話す声を聞いた。
9 「私はきよく、そむきの罪を犯さなかった。
私は純潔で、よこしまなことがない。
10 それなのに、神は私を攻める口実を見つけ、
私を敵のようにみなされる。
11 神は私の足にかせをはめ、
私の歩みをことごとく見張る。」
12 聞け。私はあなたに答える。
このことであなたは正しくない。
神は人よりも偉大だからである。
13 なぜ、あなたは神と言い争うのか。
自分のことばに
神がいちいち答えてくださらないといって。
14 神はある方法で語られ、
また、ほかの方法で語られるが、
人はそれに気づかない。
15 夜の幻と、夢の中で、
または深い眠りが人々を襲うとき、
あるいは寝床の上でまどろむとき、
16 そのとき、神はその人たちの耳を開き、
84このような恐ろしいかたちで彼らをおびえさせ、
17 人にその悪いわざを取り除かせ、
人間から高ぶりを離れさせる。
18 神は人のたましいが、
よみの穴に、入らないようにし、
そのいのちが槍で滅びないようにされる。
19 あるいは、人を床の上で痛みによって責め、
その骨の多く85をしびれさせる。
20 彼のいのちは食物をいとい、
そのたましいはうまい物をいとう。
21 その肉は衰え果てて見えなくなり、
見えなかった骨があらわになる。
22 そのたましいはよみの穴に近づき、
そのいのちは殺す者たちに近づく。
23 もし彼のそばに、ひとりの御使い、
すなわち千人にひとりの代言者がおり、
それが人に代わって
その正しさを告げてくれるなら、
24 神は彼をあわれんで仰せられる。
「彼を救って、
よみの穴に下って行かないようにせよ。
わたしは身代金を得た。」
25 彼の肉は幼子のように、まるまる太り、
彼は青年のころに返る。
26 彼が神に祈ると、彼は受け入れられる。
彼は喜びをもって御顔を見、
神はその人に彼の義を報いてくださる。
27 彼は86人々を見つめて言う。
「私は罪を犯し、正しい事を曲げた。
しかし、神は私のようではなかった。
28 神は87私のたましいを贖ってよみの穴に下らせず、
88私のいのちは光を見る」と。
29 見よ。神はこれらすべてのことを、
二度も三度も人に行われ、
30 人のたましいをよみの穴から引き戻し、
いのちの光で照らされる。
31 耳を貸せ。ヨブ。私に聞け。
黙れ。私が語ろう。
32 もし、言い分があるならば、私に言い返せ。
言ってみよ。
あなたの正しいことを示してほしいからだ。
33 そうでなければ私に聞け。
黙れ。あなたに知恵を教えよう。
1 エリフは続けて言った。
2 知恵のある人々よ。私の言い分を聞け。
知識のある人々よ。私に耳を傾けよ。
3 口が食物の味を知るように、
耳はことばを聞き分ける。
4 さあ、私たちは一つの定めを選び取り、
私たちの間で
何が良いことであるかを見分けよう。
5 ヨブはかつてこう言った。
「私は正しい。
神が私の正義を取り去った。
6 私は自分の正義に反して、
まやかしを言えようか。
私はそむきの罪を犯していないが、
私の矢傷は直らない。」
7 ヨブのような人がほかにあろうか。
彼はあざけりを水のようにのみ、
8 不法を行う者どもとよく交わり、
悪人たちとともに歩んだ。
9 彼は言った。「神と親しんでも、
それは人の役に立たない。」
10 だから、あなたがた分別のある人々よ。
私に聞け。
神が悪を行うなど、
全能者が不正をするなど、
絶対にそういうことはない。
11 神は、人の行いをその身に報い、
人に、それぞれ自分の道を見つけるようにされる。
12 神は決して悪を行わない。
全能者は公義を曲げない。
13 だれが、この地を神にゆだねたのか。
だれが、全世界を神に任せたのか。
14 もし、神がご自分だけに心を留め、
その霊と息をご自分に集められたら、
15 すべての肉なるものは共に息絶え、
人はちりに帰る。
16 あなたに悟りがあるなら、これを聞け。
私の話す声に耳を傾けよ。
17 いったい、公義を憎む者が
治めることができようか。
正しく力ある方を、
あなたは罪に定めることができようか。
18 人が王に向かって、「よこしまな者」と言い、
高貴な人に向かって、「悪者」と言えるだろうか。
19 この方は首長たちを、えこひいきせず、
貧民よりも上流の人を重んじることはない。
なぜなら、彼らはみな、
神の御手のわざだから。
20 彼らはまたたくまに、
それも真夜中に死に、
民は震えて過ぎ去る。
強い者たちも人の手によらないで取り去られる。
21 神の御目が人の道の上にあり、
その歩みをすべて見ているからだ。
22 不法を行う者どもが身を隠せるような、
やみもなく、89暗黒もない。
23 人がさばきのときに神のみもとに出るのに、
神は人について、
そのほか何も定めておられないからだ。
24 神は力ある者を取り調べることなく打ち滅ぼし、
これに代えて他の者を立てられる。
25 神は彼らのしたことを知っておられるので、
夜、彼らをくつがえされる。
こうして彼らは砕かれる。
26 神は、人々の見ているところで、
彼らを、悪者として打たれる。
27 それは、彼らが神にそむいて従わず、
神のすべての道に心を留めなかったからである。
28 こうして彼らは寄るべのない者の叫びを
神の耳に入れるようにし、
神は悩める者の叫びを聞き入れられる。
29 神が黙っておられるとき、
だれが神をとがめえよう。
神が御顔を隠されるとき、
だれが神を認めえよう。
一つの国民にも、ひとりの人にも同様だ。
30 神を敬わない人間が治めないために、
民をわなにかける者がいなくなるために。
31 神に向かってだれが言ったのか。
「私は懲らしめを受けました。
私はもう罪を犯しません。
32 私の見ないことをあなたが私に教えてください。
私が不正をしたのでしたら、
もういたしません」と。
33 あなたが反対するからといって、
神はあなたの願うとおりに報復なさるだろうか。
私ではなく、あなたが選ぶがよい。
あなたの知っていることを言うがよい。
34 分別のある人々や、
私に聞く、知恵のある人は私に言う。
35 「ヨブは知識がなくて語る。
彼のことばには思慮がない」と。
36 どうか、ヨブが最後までためされるように。
彼は不法者のように
言い返しをするから。
37 彼は、自分の罪にそむきの罪を加え、
私たちの間で手を打ち鳴らし、
神に対してことば数を多くする。
1 エリフはさらに続けて言った。
2 あなたはこのことを正義によると思うのか。
「私の義は神からだ」とでも言うのか。
3 あなたは言っている。
「何があなたの役に立つのでしょうか。
私が罪を犯さないと、
どんな利益がありましょうか」と。
4 私はあなたと、
またあなたとともにいるあなたの友人たちに
答えて言おう。
5 天を仰ぎ見よ。
あなたより、はるかに高い雲を見よ。
6 あなたが罪を犯しても、神に対して何ができよう。
あなたのそむきの罪が多くても、
あなたは神に何をなしえようか。
7 あなたが正しくても、
あなたは神に何を与ええようか。
神は、あなたの手から何を受けられるだろうか。
8 あなたの悪は、ただ、あなたのような人間に、
あなたの正しさは、ただ、人の子に、
かかわりを持つだけだ。
9 人々は、多くのしいたげのために泣き叫び、
力ある者の腕のために助けを叫び求める。
10 しかし、だれも問わない。
「私の造り主である神はどこにおられるか。
夜には、ほめ歌を与え、
11 地の獣よりも、むしろ、私たちに教え、
空の鳥よりも、むしろ、私たちに知恵を
授けてくださる方は」と。
12 そこでは、彼らが泣き叫んでも答えはない。
悪人がおごり高ぶっているからだ。
13 神は決してむなしい叫びを聞き入れず、
全能者はこれに心を留めない。
14 しかも、あなたは
神を見ることができないと言っている。
訴えは神の前にある。
あなたは神を待て。
15 しかし今、神は怒って罰しないだろうか。
ひどい罪を知らないだろうか。
16 ヨブはいたずらに口を大きく開き、
知識もなく、自分の言い分を述べたてる。
1 エリフはさらに続けて言った。
2 しばらく待て。あなたに示そう。
まだ、神のために言い分があるからだ。
3 私は遠くから私の意見を持って来て、
私の造り主に義を返そう。
4 確かに私の言い分は偽りではない。
完全な知識を持つ方が
あなたのそばにいるからだ。
5 見よ。神は強い。
だが、だれをもさげすまない。
その理解の力は強い。
6 神は悪者を生かしてはおかず、
しいたげられている者には権利を与えられる。
7 神は、正しい者から目を離さず、
彼らを王たちとともに王座に着け、
永遠に座に着かせて、高められる。
8 もし、彼らが鎖で縛られ、
悩みのなわに捕らえられると、
9 そのとき、神は、彼らのしたことを彼らに告げ、
彼らがおごり高ぶったそむきの罪を告げる。
10 神は彼らの耳を開いて戒め、
悪から立ち返るように命じる。
11 もし彼らが聞き入れて仕えるなら、
彼らはその日々をしあわせのうちに全うし、
その年々を楽しく過ごす。
12 しかし、もし聞き入れなければ、
彼らは槍によって滅び、
知識を持たないで息絶える。
13 心で神を敬わない者は、怒りをたくわえ、
神が彼らを縛るとき、
彼らは助けを求めて叫ばない。
14 彼らのたましいは若くして死に、
そのいのちは90腐れている。
15 神は悩んでいる者をその悩みの中で助け出し、
そのしいたげの中で彼らの耳を開かれる。
16 まことに、神はあなたを苦しみの中から誘い出し、
束縛のない広い所に導き、
あなたの食卓には、
あぶらぎった食物が備えられる。
17 しかし、あなたには
悪者の受けるさばきが満ちている。
それでさばきと公義があなたをつかまえる。
18 だから、あなたは憤って、
懲らしめに誘い込まれないようにせよ。
身代金が多いからといって、
あなたはそれに惑わされないようにせよ。
19 あなたの叫びが並べたてられても、
力の限りが尽くされても、
それが役に立つだろうか。
20 国々の民が91取り去られる夜を
あえぎ求めてはならない。
21 悪に向かわないように注意せよ。
あなたは悩みよりも、これを選んだのだから。
22 見よ。神は力にすぐれておられる。
神のような教師が、だれかいようか。
23 だれが、神にその道を指図したのか。
だれが、「あなたは不正をした」と言ったのか。
24 人々がほめ歌った神のみわざを覚えて賛美せよ。
25 すべての人がこれを見、
人が遠くからこれをながめる。
26 見よ。神はいと高く、
私たちには知ることができない。
その年の数も測り知ることができない。
27 神は水のしずくを引き上げ、
それが神の霧となって雨をしたたらせる。
28 雨雲がこれを降らせ、
人の上に豊かに注ぐ。
29 いったい、だれが雲の広がりと、
その幕屋のとどろきとを悟りえよう。
30 見よ。神はご自分の光をその上にまき散らし、
また、海の底をおおう。
31 神はこれらによって民をさばき、
食物を豊かに与える。
32 神はいなずまを両手に包み、
これに命じて的を打たせる。
33 その雷鳴は、神について告げ、
家畜もまた、その起こることを告げる。
1 これによって私の心はおののき、
その所からとびのく。
2 しかと聞け。その御声の荒れ狂うのを。
その御口から出るとどろきを。
3 神はそのいなずまを全天の下、
まっすぐに進ませる。
それを地の果て果てまでも。
4 そのあとでかみなりが鳴りとどろく。
神はそのいかめしい声で雷鳴をとどろかせ、
その声の聞こえるときも、
92いなずまを引き止めない。
5 神は、御声で驚くほどに雷鳴をとどろかせ、
私たちの知りえない大きな事をされる。
6 神は雪に向かって、地に降れ、と命じ、
夕立に、激しい大雨に命じる。
7 神はすべての人の手を封じ込める。
神の造った人間が知るために。
8 獣は巣にもぐり、ほら穴にうずくまる。
9 つむじ風は天の室から吹き、寒さは北から来る。
10 神の息によって氷が張り、広い水が凍りつく。
11 神は濃い雲に水気を負わせ、
雲が、そのいなずまをまき散らす。
12 これは神の指図によって巡り回り、
命じられるままに世界の地の面で事を行う。
13 神がこれを起こさせるのは、93懲らしめのため、
あるいは、ご自身の地のため、
あるいは、恵みを施すためである。
14 これに耳を傾けよ。ヨブ。
神の奇しいみわざを、じっと考えよ。
15 あなたは知っているか。
神がどのようにこれらに命じ、
その雲にいなずまをひらめかせるかを。
16 あなたは濃い雲のつり合いを知っているか。
完全な知識を持つ方の不思議なみわざを。
17 また、南風で地がもだすとき、
あなたの着物がいかに熱くなるかを。
18 あなたは、鋳た鏡のように堅い大空を
神とともに張り延ばすことができるのか。
19 神に何と言うべきかを私たちに教えよ。
やみのために、
私たちはことばを並べることができない。
20 私が語りたいと、
神にどうして伝えられようか。
人が尋ねるなら、必ず彼は滅ぼされる。
21 今、雨雲の中に輝いている光を
見ることはできない。
しかし、風が吹き去るとこれをきよめる。
22 北から黄金の94輝きが現れ、
神の回りには恐るべき尊厳がある。
23 私たちが見つけることのできない全能者は、
力とさばきにすぐれた方。
義に富み、苦しめることをしない。
24 だから、人々は神を恐れなければならない。
神は心のこざかしい者を決して顧みない。
1主はあらしの中からヨブに答えて仰せられた。
2 知識もなく言い分を述べて、
摂理を暗くするこの者はだれか。
3 さあ、あなたは勇士のように腰に帯を締めよ。
わたしはあなたに尋ねる。わたしに示せ。
4 わたしが地の基を定めたとき、
あなたはどこにいたのか。
あなたに悟ることができるなら、告げてみよ。
5 あなたは知っているか。
だれがその大きさを定め、
だれが測りなわをその上に張ったかを。
6 その台座は何の上にはめ込まれたか。
その隅の石はだれが据えたか。
7 そのとき、明けの星々が共に喜び歌い、
神の子たちはみな喜び叫んだ。
8 海がふき出て、胎内から流れ出たとき、
だれが戸でこれを閉じ込めたか。
9 そのとき、わたしは雲をその着物とし、
黒雲をそのむつきとした。
10 わたしは、これをくぎって境を定め、
かんぬきと戸を設けて、
11 言った。「ここまでは来てもよい。
しかし、これ以上はいけない。
あなたの高ぶる波はここでとどまれ」と。
12 あなたが生まれてこのかた、
朝に対して命令を下し、
暁に対してその所をさし示し、
13 これに地の果て果てをつかまえさせ、
悪者をそこから振り落とさせたことがあるか。
14 地は刻印を押された粘土のように変わり、
衣服のように95色づけられる。
15 悪者からはその光が退けられ、
振りかざす腕は折られる。
16 あなたは海の源まで行ったことがあるのか。
深い淵の奥底を歩き回ったことがあるのか。
17 死の門があなたに現れたことがあるのか。
あなたは死の陰の門を見たことがあるのか。
18 あなたは地の広さを見きわめたことがあるのか。
そのすべてを知っているなら、告げてみよ。
19 光の住む所に至る道はどこか。
やみのあるその場所はどこか。
20 あなたはわたしを
その国まで連れて行くというのか。
また、その家に至る通り道を見分けるというのか。
21 あなたが知っている......
そのとき、あなたが生まれ、
あなたの日数が多い、といって。
22 あなたは雪の倉に入ったことがあるか。
雹の倉を見たことがあるか。
23 これらは苦難の時のために、
いくさと戦いの日のために、
わたしが押さえているのだ。
24 光が分かれる道はどこか。
東風が地の上で散り広がる道はどこか。
25 だれが、大水のために水路を通し、
いなびかりのために道を開き、
26 人のいない地にも、人間のいない荒野にも、
雨を降らせ、
27 荒れ果てた廃墟の地を満ち足らせ、
それに若草を生やすのか。
28 雨に父があるか。露のしずくはだれが生んだか。
29 氷はだれの胎から生まれ出たか。
空の白い霜はだれが生んだか。
30 水は姿を変えて石のようになり、
深い淵の面は凍る。
31 あなたは96すばる座の鎖を
結びつけることができるか。
オリオン座の綱を解くことができるか。
32 あなたは十二宮をその時々にしたがって
引き出すことができるか。
97牡牛座をその子の星とともに
導くことができるか。
33 あなたは天の法令を知っているか。
地にその法則を立てることができるか。
34 あなたの声を雲にまであげ、
みなぎる水に
あなたをおおわせることができるか。
35 あなたはいなずまを向こうに行かせ、
「私たちはここです」と
あなたに言わせることができるか。
36 だれが98心のうちに知恵を置いたか。
だれが99心の奥に悟りを与えたか。
37 だれが知恵をもって
雨雲を数えることができるか。
だれが天のかめを傾けることができるか。
38 ちりが溶け合ってかたまりとなり、
土くれが堅く固まるとき。
39 あなたは雌獅子のために獲物を狩り、
若い獅子の食欲を満たすことができるか。
40 それらがほら穴に伏し、
茂みの中で待ち伏せしているときに。
41 烏の子が神に向かって鳴き叫び、
食物がなくてさまようとき、
烏にえさを備えるのはだれか。
1 あなたは岩間の野やぎが子を産む時を
知っているか。
雌鹿が子を産むのを見守ったことがあるか。
2 あなたはこれらがはらんでいる月を
数えることができるか。
それらが子を産む時を知っているか。
3 それらは身をかがめて子を産み落とし、
その胎児を放り出す。
4 その子らは強くなり、野原で大きくなると、
出て行って、もとの所には帰らない。
5 だれが野ろばを解き放ったのか。
だれが野生のろばの綱をほどいたのか。
6 わたしは荒れた地をそれの家とし、
不毛の地をその住みかとした。
7 それは町の騒ぎをあざ笑い、
追い立てる者の叫び声を聞かない。
8 山岳地帯はその牧場、
それは青い物を何でも捜す。
9 野牛は喜んであなたに仕え、
あなたの飼葉おけのそばで夜を過ごすだろうか。
10 あなたはあぜみぞで
野牛に手綱をかけることができるか。
それが、あなたに従って
谷間を耕すだろうか。
11 その力が強いからといって、
あなたはそれに拠り頼むだろうか。
また、あなたの働きをこれに任せるだろうか。
12 あなたはそれがあなたの穀物を持ち帰り、
あなたの打ち場で、これを集めるとでも
信じているのか。
13 だちょうの翼は誇らしげにはばたく。
しかし、それらはこうのとりの羽と
羽毛であろうか。
14 だちょうは卵を土に置き去りにし、
これを砂で暖めさせ、
15 足がそれをつぶすことも、
野の獣がこれを踏みつけることも忘れている。
16 だちょうは自分の子を
自分のものでないかのように荒く扱い、
その産みの苦しみが
むだになることも気にしない。
17 神がこれに知恵を忘れさせ、
悟りをこれに授けなかったからだ。
18 それが高くとびはねるとき、
馬とその乗り手をあざ笑う。
19 あなたが馬に力を与えるのか。
その首にたてがみをつけるのか。
20 あなたは、これをいなごのように、
とびはねさせることができるか。
そのいかめしいいななきは恐ろしい。
21 馬は谷で前掻きをし、力を喜び、
武器に立ち向かって出て行く。
22 それは恐れをあざ笑って、ひるまず、
剣の前から退かない。
23 矢筒はその上でうなり、
槍と投げ槍はきらめく。
24 それはいきりたって、地を駆け回り、
角笛の音を聞いても信じない。
25 角笛が鳴るごとに、ヒヒーンといななき、
遠くから戦いをかぎつけ、
隊長の怒号と、ときの声を聞きつける。
26 あなたの悟りによってか。
たかが舞い上がり、南にその翼を広げるのは。
27 あなたの命令によってか。
鷲が高く上がり、その巣を高い所に作るのは。
28 それは岩に宿って住み、
近寄りがたい切り立つ岩の上にいる。
29 そこから獲物をうかがい、
その目は遠くまで見通す。
30 そのひなは血を吸い、
殺されたものがある所に、それはいる。
1主はさらに、ヨブに答えて仰せられた。
2 非難する者が全能者と争おうとするのか。
神を責める者は、それを言いたててみよ。
3 ヨブは主に答えて言った。
4 ああ、私はつまらない者です。
あなたに何と口答えできましょう。
私はただ手を口に当てるばかりです。
5 一度、私は語りましたが、もう口答えしません。
二度と、私はくり返しません。
6主はあらしの中からヨブに答えて仰せられた。
7 さあ、あなたは勇士のように腰に帯を締めよ。
わたしはあなたに尋ねる。わたしに示せ。
8 あなたはわたしのさばきを無効にするつもりか。
自分を義とするために、わたしを罪に定めるのか。
9 あなたには神のような腕があるのか。
神のような声で雷鳴をとどろき渡らせるのか。
10 さあ、誉れ、気高さで身を装い、
尊厳と威光を身につけよ。
11 あなたの激しい怒りを吐き散らし、
すべて高ぶる者を見て、これを低くせよ。
12 すべて高ぶる者を見て、これを押さえ、
悪者どもを、その場で踏みにじれ。
13 彼らを共にちりの中に隠し、
その顔を隠れた所につなぎとめよ。
14 そうすれば、わたしはあなたをたたえて言おう。
あなたの右の手があなたを救えると。
15 さあ、河馬を見よ。
これはあなたと並べてわたしが造ったもの、
牛のように草を食らう。
16 見よ。その力は腰にあり、
その強さは腹の筋にある。
17 尾は杉の木のように垂れ、
ももの筋はからみ合っている。
18 骨は青銅の管、
肋骨は鉄の棒のようだ。
19 これは神が造られた第一の100獣、
これを造られた方が、
ご自分の剣でこれに近づく。
20 山々は、これのために産物をもたらし、
野の獣もみな、そこで戯れる。
21 彼ははすの下、
あるいは、葦の茂みや沼に横たわる。
22 はすはその陰で、これをおおい、
川の柳はこれを囲む。
23 たとい川があふれても、それはあわてない。
その口にヨルダン川が注ぎ込んでも、動じない。
24 だれがその目をつかんでこれを捕らええようか。
だれがわなにかけて、
その鼻を突き通すことができようか。
1 あなたは釣り針で
101レビヤタンを釣り上げることができるか。
輪繩でその舌を押さえつけることができるか。
2 あなたは葦をその鼻に通すことができるか。
鉤をそのあごに突き通すことができるか。
3 これがあなたに、しきりに哀願し、
優しいことばで、あなたに語りかけるだろうか。
4 これがあなたと契約を結び、
あなたはこれを捕らえて
いつまでも奴隷とすることができようか。
5 あなたは鳥と戯れるようにこれと戯れ、
あなたの娘たちのために
これをつなぐことができるか。
6 102漁師仲間はこれを売りに出し、
103商人たちの間でこれを分けるだろうか。
7 あなたはもりでその皮を、
やすでその頭を104十分に突くことができようか。
8 その上にあなたの手を置いてみよ。
その戦いを思い出して、二度と手を出すな。
9 見よ。その望みは裏切られる。
それを見ただけで投げ倒されるではないか。
10 これを起こすほどの狂った者はいない。
だから、だれがいったい、
わたしの前に立つことができよう。
11 だれがわたしにささげたのか、
わたしが報いなければならないほどに。
天の下にあるものはみな、わたしのものだ。
12 わたしは彼のおしゃべりと、雄弁と、美辞麗句に
105黙っていることはできない。
13 だれがその外套をはぎ取ることができるか。
だれがその106胸当ての折り目の間に、入れるか。
14 だれがその顔の戸をあけることができるか。
その歯の回りは恐ろしい。
15 107その背は並んだ盾、
封印したように堅く閉じている。
16 一つ一つぴったりついて、
風もその間を通らない。
17 互いにくっつき合い、堅くついて離せない。
18 そのくしゃみはいなずまを放ち、
その目は暁のまぶたのようだ。
19 その口からは、たいまつが燃え出し、
火花を散らす。
20 その鼻からは煙が出て、
煮え立つかまや、燃える葦のようだ。
21 その息は炭火をおこし、その口から炎が出る。
22 その首には力が宿り、その前には恐れが踊る。
23 その肉のひだはくっつき合い、
その身にしっかりついて、動かない。
24 その心臓は石のように堅く、
臼の下石のように堅い。
25 それが起き上がると、力ある者もおじけづき、
ぎょっとしてとまどう。
26 それを剣で襲っても、ききめがなく、
槍も投げ槍も矢じりもききめがない。
27 それは鉄をわらのように、
青銅を腐った木のようにみなす。
28 矢もそれを逃げさせることができず、
石投げの石も、それにはわらのようになる。
29 こん棒をもわらのようにみなし、
投げ槍のうなる音をあざ笑う。
30 その下腹は鋭い土器のかけら、
それは打穀機のように泥の上に身を伸ばす。
31 それは深みをかまのように沸き立たせ、
海を香油をかき混ぜるなべのようにする。
32 その通ったあとは輝き、
深い淵は白髪のように思われる。
33 地の上には、これと似たものはなく、
恐れを知らないものとして造られた。
34 それは、すべて高いものを見おろし、
それは、すべての誇り高い獣の王である。
1 ヨブは主に答えて言った。
2 あなたには、すべてができること、
あなたは、どんな計画も成し遂げられることを、
私は知りました。
3 知識もなくて、摂理をおおい隠す者は、だれか。
まことに、私は、
自分で悟りえないことを告げました。
自分でも知りえない不思議を。
4 さあ聞け。わたしが語る。
わたしがあなたに尋ねる。わたしに示せ。
5 私はあなたのうわさを耳で聞いていました。
しかし、今、この目であなたを見ました。
6 それで私は自分をさげすみ、
ちりと灰の中で悔いています。
7 さて、主がこれらのことばをヨブに語られて後、主はテマン人エリファズに仰せられた。「わたしの怒りはあなたとあなたのふたりの友に向かって燃える。それは、あなたがたがわたしについて真実を語らず、わたしのしもべヨブのようではなかったからだ。
8 今、あなたがたは雄牛七頭、雄羊七頭を取って、わたしのしもべヨブのところに行き、あなたがたのために全焼のいけにえをささげよ。わたしのしもべヨブはあなたがたのために祈ろう。わたしは彼を受け入れるので、わたしはあなたがたの恥辱となることはしない。あなたがたはわたしについて真実を語らず、わたしのしもべヨブのようではなかったが。」
9 テマン人エリファズと、シュアハ人ビルダデと、ナアマ人ツォファルが行って、主の彼らに命じたようにすると、主はヨブの108祈りを受け入れられた。
10 ヨブがその友人たちのために祈ったとき、主はヨブの繁栄を元どおりにされた。主はヨブの所有物もすべて二倍に増された。
11 こうして彼のすべての兄弟、すべての姉妹、それに以前のすべての知人は、彼のところに来て、彼の家で彼とともに食事をした。そして彼をいたわり、主が彼の上にもたらしたすべてのわざわいについて、彼を慰めた。彼らはめいめい一ケシタと金の輪一つずつを彼に与えた。
12主はヨブの前の半生よりあとの半生をもっと祝福された。それで彼は羊一万四千頭、らくだ六千頭、牛一千くびき、雌ろば一千頭を持つことになった。
13 また、息子七人、娘三人を持った。
14 彼はその第一の娘をエミマ、第二の娘をケツィア、第三の娘をケレン・ハプクと名づけた。
15 ヨブの娘たちほど美しい女はこの国のどこにもいなかった。彼らの父は、彼女たちにも、その兄弟たちの間に相続地を与えた。
16 この後ヨブは百四十年生き、自分の子と、その子の子たちを四代目まで見た。
17 こうしてヨブは老年を迎え、長寿を全うして死んだ。
詩篇
第一巻
1 幸いなことよ。
悪者のはかりごとに歩まず、
罪人の道に立たず、
あざける者の座に着かなかった、その人。
2 まことに、その人は主のおしえを喜びとし、
昼も夜もそのおしえを1口ずさむ。
3 その人は、
水路のそばに植わった木のようだ。
時が来ると実がなり、その葉は枯れない。
その人は、何をしても栄える。
4 悪者は、それとは違い、
まさしく、風が吹き飛ばすもみがらのようだ。
5 それゆえ、悪者は、さばきの中に立ちおおせず、
罪人は、正しい者のつどいに立てない。
6 まことに、主は、正しい者の道を知っておられる。
しかし、悪者の道は滅びうせる。
1 なぜ国々は騒ぎ立ち、
国民はむなしくつぶやくのか。
2 地の王たちは立ち構え、
治める者たちは相ともに集まり、
主と、主に油をそそがれた者とに逆らう。
3 「さあ、彼らのかせを打ち砕き、
彼らの綱を、解き捨てよう。」
4 天の御座に着いている方は笑い、
主はその者どもをあざけられる。
5 ここに主は、怒りをもって彼らに告げ、
燃える怒りで彼らを恐れおののかせる。
6 「しかし、わたしは、わたしの王を立てた。
わたしの聖なる山、シオンに。」
7 「わたしは主の定めについて語ろう。
主はわたしに言われた。
『あなたは、わたしの子。
きょう、わたしがあなたを生んだ。
8 わたしに求めよ。
わたしは国々をあなたへのゆずりとして与え、
地をその果て果てまで、あなたの所有として与える。
9 あなたは鉄の杖で彼らを打ち砕き、
焼き物の器のように粉々にする。』」
10 それゆえ、今、王たちよ、悟れ。
地のさばきづかさたちよ、慎め。
11恐れつつ主に仕えよ。
おののきつつ喜べ。
12御子に口づけせよ。
主が怒り、おまえたちが道で滅びないために。
怒りは、いまにも燃えようとしている。
幸いなことよ。
すべて主に身を避ける人は。
ダビデがその子アブシャロムからのがれたときの賛歌
1主よ。なんと私の敵がふえてきたことでしょう。
私に立ち向かう者が多くいます。
2 多くの者が私のたましいのことを言っています。
「彼に神の救いはない」と。 セラ
3 しかし、主よ。
あなたは私の回りを囲む盾、私の栄光、
そして私のかしらを高く上げてくださる方です。
4 私は声をあげて、主に呼ばわる。
すると、聖なる山から私に答えてくださる。 セラ
5 私は身を横たえて、眠る。
私はまた目をさます。
主がささえてくださるから。
6 私を取り囲んでいる幾万の民をも私は恐れない。
7主よ。立ち上がってください。
私の神。私をお救いください。
あなたは私のすべての敵の頰を打ち、
悪者の歯を打ち砕いてくださいます。
8 救いは主にあります。
あなたの祝福があなたの民の上にありますように。 セラ
指揮者のために。弦楽器に合わせて。ダビデの賛歌
1 私が呼ぶとき、答えてください。
私の義なる神。
あなたは、私の苦しみのときに
ゆとりを与えてくださいました。
私をあわれみ、私の祈りを聞いてください。
2 人の子たちよ。いつまでわたしの栄光をはずかしめ、
むなしいものを愛し、
まやかしものを慕い求めるのか。 セラ
3 知れ。主は、
ご自分の聖徒を特別に扱われるのだ。
私が呼ぶとき、主は聞いてくださる。
4恐れおののけ。そして罪を犯すな。
床の上で自分の心に語り、静まれ。 セラ
5義のいけにえをささげ、主に拠り頼め。
6 多くの者は言っています。
「だれかわれわれに
良い目を見せてくれないものか。」
主よ。どうか、あなたの御顔の光を、
私たちの上に照らしてください。
7 あなたは私の心に喜びを下さいました。
それは穀物と新しいぶどう酒が
豊かにあるときにもまさっています。
8 平安のうちに私は身を横たえ、
すぐ、眠りにつきます。
主よ。あなただけが、
私を安らかに住まわせてくださいます。
指揮者のために。フルートに合わせて。ダビデの賛歌
1 私の言うことを耳に入れてください。主よ。
私のうめきを聞き取ってください。
2 私の叫びの声を心に留めてください。
私の王、私の神。
私はあなたに祈っています。
3主よ。朝明けに、私の声を聞いてください。
朝明けに、私はあなたのために備えをし、
見張りをいたします。
4 あなたは悪を喜ぶ神ではなく、
わざわいは、あなたとともに住まないからです。
5誇り高ぶる者たちは
御目の前に立つことはできません。
あなたは不法を行うすべての者を憎まれます。
6 あなたは偽りを言う者どもを滅ぼされます。
主は血を流す者と欺く者とを忌みきらわれます。
7 しかし、私は、豊かな恵みによって、
あなたの家に行き、
あなたを恐れつつ、
あなたの聖なる宮に向かってひれ伏します。
8主よ。私を待ち伏せている者がおりますから、
あなたの義によって私を導いてください。
私の前に、あなたの道をまっすぐにしてください。
9 彼らの口には真実がなく、
その心には破滅があるのです。
彼らののどは、開いた墓で、
彼らはその舌でへつらいを言うのです。
10 神よ。彼らを罪に定めてください。
彼らがおのれのはかりごとで倒れますように。
彼らのはなはだしいそむきのゆえに
彼らを追い散らしてください。
彼らはあなたに逆らうからです。
11 こうして、あなたに身を避ける者がみな喜び、
とこしえまでも喜び歌いますように。
あなたが彼らをかばってくださり、
御名を愛する者たちが
あなたを誇りますように。
12主よ。まことに、あなたは正しい者を祝福し、
大盾で囲むように愛で彼を囲まれます。
指揮者のために。八弦の立琴に合わせて。ダビデの賛歌
1主よ。御怒りで私を責めないでください。
激しい憤りで私を懲らしめないでください。
2主よ。私をあわれんでください。
私は衰えております。
主よ。私をいやしてください。
私の骨は恐れおののいています。
3 私のたましいはただ、恐れおののいています。
主よ。いつまでですか。あなたは。
4 帰って来てください。主よ。
私のたましいを助け出してください。
あなたの恵みのゆえに、私をお救いください。
5 死にあっては、
あなたを覚えることはありません。
2よみにあっては、
だれが、あなたをほめたたえるでしょう。
6 私は私の嘆きで疲れ果て、
私の涙で、夜ごとに私の寝床を漂わせ、
私のふしどを押し流します。
7 私の目は、いらだちで衰え、
私のすべての敵のために弱まりました。
8 不法を行う者ども。みな私から離れて行け。
主は私の泣く声を聞かれたのだ。
9主は私の切なる願いを聞かれた。
主は私の祈りを受け入れられる。
10 私の敵は、みな恥を見、
ただ、恐れおののきますように。
彼らは退き、恥を見ますように。またたくまに。
ベニヤミン人クシュのことについてダビデが主に歌ったシガヨンの歌
1 私の神、主よ。私はあなたのもとに身を避けました。
どうか、追い迫るすべての者から
私を救ってください。
私を救い出してください。
2 救い出す者がいない間に
彼らが獅子のように、私のたましいを引き裂き、
さらって行くことがないように。
3 私の神、主よ。
もし私がこのことをしたのなら、
もし私の手に不正があるのなら、
4 もし私が親しい友に悪い仕打ちをしたのなら、
また、私に敵対する者から、ゆえなく奪ったのなら、
5敵に私を追わせ、追いつかせ、
私のいのちを地に踏みにじらせてください。
私のたましいをちりの中に
とどまらせてください。 セラ
6主よ。御怒りをもって立ち上がってください。
私の敵の激しい怒りに向かって立ち、
私のために目をさましてください。
あなたはさばきを定められました。
7国民のつどいをあなたの回りに集め、
その上の高いみくらにお帰りください。
8主は諸国の民をさばかれる。
主よ。私の義と、私にある誠実とにしたがって、
私を弁護してください。
9 どうか、悪者の悪があとを絶ち、
あなたが正しい者を堅く立てられますように。
正しい神は、心と3思いを調べられます。
10 私の盾は神にあり、神は心の直ぐな人を救われる。
11 神は正しい審判者、日々、4怒る神。
12悔い改めない者には
剣をとぎ、弓を張って、ねらいを定め、
13 その者に向かって、死の武器を構え、
矢を燃える矢とされる。
14 見よ。彼は悪意を宿し、
害毒をはらみ、偽りを生む。
15 彼は穴を掘って、それを深くし、
おのれの作った穴に落ち込む。
16 その害毒は、おのれのかしらに戻り、
その暴虐は、おのれの脳天に下る。
17 その義にふさわしく、
主を、私はほめたたえよう。
いと高き方、主の御名をほめ歌おう。
指揮者のために。ギテトの調べに合わせて。ダビデの賛歌
1 私たちの主、主よ。
あなたの御名は全地にわたり、
なんと力強いことでしょう。
あなたのご威光は天でたたえられています。
2 あなたは幼子と乳飲み子たちの口によって、
力を打ち建てられました。
それは、あなたに敵対する者のため、
敵と復讐する者とをしずめるためでした。
3 あなたの指のわざである天を見、
あなたが整えられた月や星を見ますのに、
4 人とは、何者なのでしょう。
あなたがこれを心に留められるとは。
人の子とは、何者なのでしょう。
あなたがこれを顧みられるとは。
これに栄光と誉れの冠をかぶらせました。
6 あなたの御手の多くのわざを人に治めさせ、
万物を彼の足の下に置かれました。
7 すべて、羊も牛も、また、野の獣も、
8 空の鳥、海の魚、海路を通うものも。
9 私たちの主、主よ。
あなたの御名は全地にわたり、
なんと力強いことでしょう。
指揮者のために。「ムテ・ラベン」の調べに合わせて。ダビデの賛歌
1 私は心を尽くして主に感謝します。
あなたの奇しいわざを余すことなく語り告げます。
2 私は、あなたを喜び、誇ります。
いと高き方よ。あなたの御名をほめ歌います。
3 私の敵は退くとき、つまずき、
あなたの前で、ついえ去ります。
4 あなたが私の正しい訴えを支持し、
7義の審判者として王座に着かれるからです。
5 あなたは国々をお叱りになり、悪者を滅ぼし、
彼らの名を、とこしえに、消し去られました。
6敵は、絶え果てて永遠の廃墟。
あなたが根こぎにされた町々、
その記憶さえ、消えうせました。
7 しかし、主はとこしえに御座に着き、
さばきのためにご自身の王座を堅く立てられた。
8 主は義によって世界をさばき、
公正をもって国民にさばきを行われる。
9主はしいたげられた者のとりで、
苦しみのときのとりで。
10御名を知る者はあなたに拠り頼みます。
主よ。あなたはあなたを尋ね求める者を
お見捨てになりませんでした。
11主にほめ歌を歌え、
シオンに住まうその方に。
国々の民にみわざを告げ知らせよ。
12 血に報いる方は、彼らを心に留め、
貧しい者の叫びをお忘れにならない。
13主よ。私をあわれんでください。
私を憎む者から来る私の悩みを見てください。
主は死の門から私を引き上げてくださる。
14 私は、あなたのすべての誉れを語り告げるために、
シオンの娘の門で、
あなたの救いに歓声をあげましょう。
15 国々はおのれの作った穴に陥り、
おのれの隠した網に、わが足をとられる。
16主はご自身を知らせ、さばきを行われた。
悪者はおのれの手で作ったわなにかかった。 ヒガヨン セラ
17 悪者どもは、8よみに帰って行く。
神を忘れたあらゆる国々も。
18貧しい者は決して忘れられない。
悩む者の望みは、いつまでもなくならない。
19主よ。立ち上がってください。
人間が勝ち誇らないために。
国々が御前で、さばかれるために。
20主よ。彼らに恐れを起こさせてください。
おのれが、ただ、人間にすぎないことを、
国々に思い知らせてください。 セラ
1主よ。なぜ、あなたは遠く離れてお立ちなのですか。
苦しみのときに、なぜ、身を隠されるのですか。
2 悪者は高ぶって、悩む人に追い迫ります。
彼らが、おのれの設けたたくらみに
みずから捕らえられますように。
3 悪者はおのれの心の欲望を誇り、
貪欲な者は、主をのろい、また、侮る。
4 悪者は高慢を顔に表して、神を尋ね求めない。
その思いは「神はいない」の一言に尽きる。
5 彼の道はいつも栄え、
あなたのさばきは高くて、彼の目に、入らない。
敵という敵を、彼は吹き飛ばす。
6 彼は心の中で言う。
「私はゆるぐことがなく、
代々にわたって、わざわいに会わない。」
7 彼の口は、のろいと欺きとしいたげに満ち、
彼の舌の裏には害毒と悪意がある。
8 彼は村はずれの待ち伏せ場にすわり、
隠れた所で、罪のない人を殺す。
彼の目は不幸な人をねらっている。
9 彼は茂みの中の獅子のように
隠れ場で待ち伏せている。
彼は悩む人を捕らえようと待ち伏せる。
悩む人を、その網にかけて捕らえてしまう。
10 不幸な人は、強い者によって砕かれ、うずくまり、
倒れる。
11 彼は心の中で言う。
「神は忘れている。顔を隠している。
彼は決して見はしないのだ。」
12主よ。立ち上がってください。
神よ。御手を上げてください。
どうか、貧しい者を、忘れないでください。
13 なぜ、悪者は、神を侮るのでしょうか。
彼は心の中で、あなたは追い求めない
と言っています。
14 あなたは、見ておられました。
害毒と苦痛を。
彼らを御手の中に収めるために
じっと見つめておられました。
不幸な人は、あなたに身をゆだねます。
あなたはみなしごを助ける方でした。
15 悪者と、よこしまな者の腕を折り、
その悪を捜し求めて
一つも残らぬようにしてください。
16主は世々限りなく王である。
国々は、主の地から滅びうせた。
17主よ。あなたは貧しい者の願いを
聞いてくださいました。
あなたは彼らの心を強くしてくださいます。
耳を傾けて、
18 みなしごと、しいたげられた者を
かばってくださいます。
地から生まれた人間が
もはや、脅かすことができないように。
指揮者のために。ダビデによる
1主に私は身を避ける。
どうして、あなたたちは私のたましいに言うのか。
「鳥のように、おまえたちの山に飛んで行け。
2 それ、見よ。悪者どもが弓を張り、
弦に矢をつがえ、暗やみで
心の直ぐな人を射ぬこうとしている。
3拠り所がこわされたら正しい者に何ができようか。」
4主は、その聖座が宮にあり、
主は、その王座が天にある。
その目は見通し、
そのまぶたは、人の子らを調べる。
5主は正しい者と悪者を調べる。
そのみこころは、暴虐を好む者を憎む。
6 主は、悪者の上に網を張る。
火と硫黄。
燃える風が彼らの杯への分け前となろう。
7主は正しく、正義を愛される。
直ぐな人は、御顔を仰ぎ見る。
指揮者のために。八弦の立琴に合わせて。ダビデの賛歌
1主よ。お救いください。
聖徒はあとを絶ち、
誠実な人は人の子らの中から消え去りました。
2 人は互いにうそを話し、
へつらいのくちびると、二心で話します。
3主が、へつらいのくちびると傲慢の舌とを、
ことごとく断ち切ってくださいますように。
4 彼らはこう言うのです。
「われらはこの舌で勝つことができる。
われらのくちびるはわれらのものだ。
だれが、われらの支配者なのか。」
5主は仰せられる。
「悩む人が踏みにじられ、貧しい人が嘆くから、
今、わたしは立ち上がる。
わたしは彼を、その求める救いに入れよう。」
6主のみことばは混じりけのないことば。
土の炉で七回もためされて、純化された銀。
7 あなたが、主よ、彼らをお守りになります。
あなたはこの時代からとこしえまでも
彼らを保たれます。
8 人の子の間で、
卑しいことがあがめられているときには、
悪者が、至る所で横行します。
指揮者のために。ダビデの賛歌
1主よ。いつまでですか。
あなたは私を永久にお忘れになるのですか。
いつまで御顔を私からお隠しになるのですか。
2 いつまで私は自分のたましいのうちで
思い計らなければならないのでしょう。
私の心には、一日中、悲しみがあります。
いつまで敵が私の上に、勝ちおごるのでしょう。
3 私に目を注ぎ、私に答えてください。
私の神、主よ。私の目を輝かせてください。
私が死の眠りにつかないように。
4 また私の敵が、「おれは彼に勝った」
と言わないように。
私がよろめいた、と言って私の仇が喜ばないように。
5 私はあなたの恵みに拠り頼みました。
私の心はあなたの救いを喜びます。
6 私は主に歌を歌います。
主が私を豊かにあしらわれたゆえ。
指揮者のために。ダビデによる
1愚か者は心の中で、「神はいない」と言っている。
彼らは腐っており、忌まわしい事を行っている。
善を行う者はいない。
2主は天から人の子らを見おろして、
神を尋ね求める、悟りのある者が
いるかどうかをご覧になった。
3 彼らはみな、離れて行き、
だれもかれも腐り果てている。
善を行う者はいない。ひとりもいない。
4 不法を行う者らはだれも知らないのか。
彼らはパンを食らうように、わたしの民を食らい、
主を呼び求めようとはしない。
5 見よ。彼らが、いかに恐れたかを。
神は、正しい者の一族とともにおられるからだ。
6 おまえたちは、悩む者のはかりごとを
はずかしめようとするだろう。
しかし、主が彼の避け所である。
7 ああ、イスラエルの救いがシオンから来るように。
主が御民の繁栄を元どおりにされるとき、
ヤコブは楽しめ。
イスラエルは喜べ。
ダビデの賛歌
1主よ。
だれが、あなたの幕屋に宿るのでしょうか。
だれが、あなたの聖なる山に住むのでしょうか。
2 正しく歩み、義を行い、
心の中の真実を語る人。
3 その人は、舌をもってそしらず、
友人に悪を行わず、
隣人への非難を口にしない。
4 神に捨てられた人を、その目はさげすみ、
主を恐れる者を尊ぶ。
損になっても、立てた誓いは変えない。
5 金を貸しても利息を取らず、
罪を犯さない人にそむいて、わいろを取らない。
このように行う人は、決してゆるがされない。
ダビデのミクタム
1 神よ。私をお守りください。
私は、あなたに身を避けます。
2 私は、主に申し上げました。
「あなたこそ、私の主。
私の幸いは、あなたのほかにはありません。」
3 地にある聖徒たちには威厳があり、
私の喜びはすべて、彼らの中にあります。
4 ほかの神へ走った者の痛みは
増し加わりましょう。
私は、彼らの注ぐ血の酒を注がず、
その名を口に唱えません。
5主は、私へのゆずりの地所、また私への杯です。
あなたは、私の受ける分を、
堅く保っていてくださいます。
6測り綱は、私の好む所に落ちた。
まことに、私への、すばらしいゆずりの地だ。
7 私は助言を下さった主をほめたたえる。
まことに、夜になると、私の9心が私に教える。
8 私はいつも、私の前に主を置いた。
主が私の右におられるので、
私はゆるぐことがない。
9 それゆえ、私の心は喜び、
私のたましいは楽しんでいる。
私の身もまた安らかに住まおう。
10 まことに、あなたは、私のたましいを
10よみに捨ておかず、
あなたの聖徒に墓の穴をお見せにはなりません。
11 あなたは私に、いのちの道を
知らせてくださいます。
あなたの御前には喜びが満ち、
あなたの右には、楽しみがとこしえにあります。
ダビデの祈り
1主よ。聞いてください、正しい訴えを。
耳に留めてください、私の叫びを。
耳に入れてください、欺きのくちびるからでない
私の祈りを。
2 私のためのさばきが御前から出て、
公正に御目が注がれますように。
3 あなたは私の心を調べ、
夜、私を問いただされました。
あなたは私をためされましたが、
何も見つけ出されません。
私は、口のあやまちをしまいと心がけました。
4 人としての行いについては、
あなたのくちびるのことばによりました。
私は無法な者の道を避けました。
5 私の歩みは、あなたの道を堅く守り、
私の足はよろけませんでした。
6 神よ。私はあなたを呼び求めました。
あなたは私に答えてくださるからです。
耳を傾けて、私の申し上げることを聞いてください。
7 あなたの奇しい恵みをお示しください。
立ち向かう者から身を避けて右の手に来る者を
救う方。
8 私を、ひとみのように見守り、
御翼の陰に私をかくまってください。
9 私を襲う悪者から。私を取り巻く貪欲な敵から。
10 彼らは、鈍い心を堅く閉ざし、
その口をもって高慢に語ります。
11 彼らは、あとをつけて来て、今、
私たちを取り囲みました。
彼らは目をすえて、
私たちを地に投げ倒そうとしています。
12 彼は、あたかも、引き裂こうとねらっている獅子、
待ち伏せしている若い獅子のようです。
13主よ。立ち上がってください。
彼に立ち向かい、彼を打ちのめしてください。
あなたの剣で、悪者から私のたましいを
助け出してください。
14主よ。人々から、あなたの御手で。
相続分がこの世のいのちであるこの世の人々から。
彼らの腹は、あなたの宝で満たされ、
彼らは、子どもらに満ち足り、
その豊かさを、その幼子らに残します。
15 しかし、私は、正しい訴えで、御顔を仰ぎ見、
目ざめるとき、あなたの御姿に満ち足りるでしょう。
指揮者のために。主のしもべダビデによる。主が、彼のすべての敵の手、特にサウルの手から彼を救い出された日に、この歌のことばを主に歌った
1 彼はこう言った。
主、わが力。私は、あなたを慕います。
2主はわが巌、わがとりで、わが救い主、
身を避けるわが岩、わが神。
わが盾、わが救いの角、わがやぐら。
3 ほめたたえられる方、この主を呼び求めると、
私は、敵から救われる。
4 死の綱は私を取り巻き、
11滅びの川は、私を恐れさせた。
512よみの綱は私を取り囲み、
死のわなは私に立ち向かった。
6 私は苦しみの中に主を呼び求め、
助けを求めてわが神に叫んだ。
主はその宮で私の声を聞かれ、
御前に助けを求めた私の叫びは、御耳に届いた。
7 すると、地はゆるぎ、動いた。
また、山々の基も震え、揺れた。
主がお怒りになったのだ。
8煙は鼻から立ち上り、
その口から出る火はむさぼり食い、
炭火は主から燃え上がった。
9 主は、天を押し曲げて降りて来られた。
暗やみをその足の下にして。
10 主は、ケルブに乗って飛び、
風の翼に乗って飛びかけられた。
11 主はやみを隠れ家として、回りに置かれた。
その仮庵は雨雲の暗やみ、濃い雲。
12御前の輝きから、密雲を突き抜けて来たもの。
それは雹と火の炭。
13主は天に雷鳴を響かせ、
いと高き方は御声を発せられた。
雹、そして、火の炭。
14 主は、矢を放って彼らを散らし、
すさまじいいなずまで彼らをかき乱された。
15 こうして、水の底が現れ、
地の基があらわにされた。
主よ。あなたのとがめ、あなたの鼻の荒いいぶきで。
16 主は、いと高き所から御手を伸べて私を捕らえ、
私を大水から引き上げられた。
17 主は私の強い敵と、私を憎む者とから
私を救い出された。
彼らは私より強かったから。
18 彼らは私のわざわいの日に私に立ち向かった。
だが、主は私のささえであった。
19 主は私を広い所に連れ出し、私を助け出された。
主が私を喜びとされたから。
20主は私の義にしたがって私に報い、
私の手のきよさにしたがって私に償いをされた。
21 私は主の道を守り、
私の神に対して悪を行わなかった。
22 主のすべてのさばきは私の前にあり、
主のおきてを私は遠ざけなかった。
23 私は主の前に全く、
私の罪から身を守る。
24主は、私の義にしたがって、
また、御目の前の私の手のきよさにしたがって
私に償いをされた。
25 あなたは、恵み深い者には、恵み深く、
全き者には、全くあられ、
26 きよい者には、きよく、
曲がった者には、ねじ曲げる方。
27 あなたは、悩む民をこそ救われますが、
高ぶる目は低くされます。
28 あなたは私のともしびをともされ、
主、私の神は、私のやみを照らされます。
29 あなたによって私は軍勢に襲いかかり、
私の神によって私は城壁を飛び越えます。
30 神、その道は完全。
主のみことばは純粋。
主はすべて彼に身を避ける者の盾。
31 まことに、主のほかにだれが神であろうか。
私たちの神を除いて、だれが岩であろうか。
32 この神こそ、私に力を帯びさせて
私の道を完全にされる。
33 彼は私の足を雌鹿のようにし、
私を高い所に立たせてくださる。
34 戦いのために私の手を鍛え、
私の腕を青銅の弓をも引けるようにされる。
35 こうしてあなたは、御救いの盾を私に下さいました。
あなたの右の手は私をささえ、
あなたの謙遜は、私を大きくされます。
36 あなたは私を大またで歩かせます。
私のくるぶしはよろけませんでした。
37 私は、敵を追って、これに追いつき、
絶ち滅ぼすまでは引き返しませんでした。
38 私が彼らを打ち砕いたため、
彼らは立つことができず、私の足もとに倒れました。
39 あなたは、戦いのために、私に力を帯びさせ、
私に立ち向かう者を私のもとにひれ伏させました。
40 また、敵が私に背を見せるようにされたので、
私は私を憎む者を滅ぼしました。
41 彼らが叫んでも、救う者はなかった。
主に叫んでも、答えはなかった。
42 私は、彼らを風の前のちりのように、打ち砕き、
道のどろのように除き去った。
43 あなたは、民の争いから、私を助け出し、
私を国々のかしらに任ぜられました。
私の知らなかった民が私に仕えます。
44 彼らは、耳で聞くとすぐ、
私の言うことを聞き入れます。
外国人らは、私におもねります。
45 外国人らはしなえて、
彼らのとりでから震えて出て来ます。
46主は生きておられる。
ほむべきかな。わが岩。
あがむべきかな。わが救いの神。
47 この神は私のために、復讐する方。
神は諸国の民を私のもとに従わせてくださる。
48 神は、私の敵から私を助け出される方。
まことに、あなたは私に立ち向かう者から
私を引き上げ、
暴虐の者から私を救い出されます。
49 それゆえ、主よ。
私は、国々の中であなたをほめたたえ、
あなたの御名を、ほめ歌います。
50 主は、王に救いを増し加え、
油そそがれた者、ダビデとそのすえに、
とこしえに恵みを施されます。
指揮者のために。ダビデの賛歌
1 天は神の栄光を語り告げ、
大空は御手のわざを告げ知らせる。
2 昼は昼へ、話を伝え、
夜は夜へ、知識を示す。
3 話もなく、ことばもなく、
その声も聞かれない。
4 しかし、その呼び声は全地に響き渡り、
そのことばは、地の果てまで届いた。
神はそこに、太陽のために、幕屋を設けられた。
5 太陽は、部屋から出て来る花婿のようだ。
勇士のように、その走路を喜び走る。
6 その上るのは、天の果てから、
行き巡るのは、天の果て果てまで。
その熱を、免れるものは何もない。
7主のみおしえは完全で、たましいを生き返らせ、
主のあかしは確かで、わきまえのない者を賢くする。
8主の戒めは正しくて、人の心を喜ばせ、
主の仰せはきよくて、人の目を明るくする。
9主への恐れはきよく、
とこしえまでも変わらない。
主のさばきはまことであり、ことごとく正しい。
10 それらは、金よりも、多くの純金よりも好ましい。
蜜よりも、蜜蜂の巣のしたたりよりも甘い。
11 また、それによって、あなたのしもべは
戒めを受ける。
それを守れば、報いは大きい。
12 だれが自分の数々のあやまちを
悟ることができましょう。
どうか、隠れている私の罪をお赦しください。
13 あなたのしもべを、傲慢の罪から守ってください。
それらが私を支配しませんように。
そうすれば、私は全き者となり、
大きな罪を、免れて、きよくなるでしょう。
14 私の口のことばと、私の心の思いとが
御前に、受け入れられますように。
わが岩、わが贖い主、主よ。
指揮者のために。ダビデの賛歌
1苦難の日に
主があなたにお答えになりますように。
ヤコブの神の名が、あなたを高く上げますように。
2 主が聖所から、あなたに助けを送り、
シオンから、あなたをささえられますように。
3 あなたの穀物のささげ物をすべて心に留め、
あなたの全焼のいけにえを
受け入れてくださいますように。 セラ
4 主があなたの願いどおりに
してくださいますように。
あなたのすべてのはかりごとを
遂げさせてくださいますように。
5 私たちは、あなたの勝利を喜び歌いましょう。
私たちの神の御名により旗を高く掲げましょう。
主があなたの願いのすべてを
遂げさせてくださいますように。
6 今こそ、私は知る。
主は、油をそそがれた者を、お救いになる。
主は、右の手の救いの力をもって
聖なる天から、お答えになる。
7 ある者はいくさ車を誇り、ある者は馬を誇る。
しかし、私たちは私たちの神、主の御名を誇ろう。
8 彼らは、ひざをつき、そして倒れた。
しかし、私たちは、立ち上がり、まっすぐに立った。
9主よ。13王をお救いください。
私たちが呼ぶときに私たちに答えてください。
指揮者のために。ダビデの賛歌
1主よ。王はあなたの御力を、喜びましょう。
あなたの御救いをどんなに楽しむことでしょう。
2 あなたは彼の心の願いをかなえ、
彼のくちびるの願いを、退けられません。 セラ
3 あなたは彼を迎えてすばらしい祝福を与え、
彼のかしらに純金の冠を置かれます。
4 彼はあなたに、いのちを請い求めました。
あなたは彼に、
とこしえまでの長い日々を与えられました。
5御救いによって彼の栄光は、大きい。
あなたは、尊厳と威光を彼の上に置かれます。
6 あなたは、とこしえに彼を祝福し、
御前の喜びで彼を楽しませてくださいます。
7 まことに、王は主に信頼し、
いと高き方の恵みによってゆるがないでしょう。
8 あなたの手は、あなたのすべての敵を見つけ出し、
あなたの右の手は、あなたを憎む者どもを
見つけ出します。
9 あなたの御怒りのとき、
彼らを、燃える炉のようにされましょう。
主は御怒りによって彼らをのみ尽くし、
火は彼らを食い尽くすでしょう。
10 あなたは、地の上から、
彼らのすえを滅ぼされましょう。
また、人の子らの中から、彼らの子孫をも。
11 彼らが、あなたに対して悪を企て、
たくらみを設けたとしても、
彼らには、できません。
12 あなたは彼らが背を見せるようにし、
弓弦を張って彼らの顔をねらわれるでしょう。
13主よ。御力のゆえに、
あなたがあがめられますように。
私たちは歌い、あなたの威力をほめ歌います。
指揮者のために。「暁の雌鹿」の調べに合わせて。ダビデの賛歌
1 わが神、わが神。
どうして、私をお見捨てになったのですか。
遠く離れて私をお救いにならないのですか。
私のうめきのことばにも。
2 わが神。昼、私は呼びます。
しかし、あなたはお答えになりません。
夜も、私は黙っていられません。
3 けれども、あなたは聖であられ、
イスラエルの賛美を住まいとしておられます。
4 私たちの先祖は、あなたに信頼しました。
彼らは信頼し、あなたは彼らを助け出されました。
5 彼らはあなたに叫び、彼らは助け出されました。
彼らはあなたに信頼し、彼らは恥を見ませんでした。
6 しかし、私は虫けらです。人間ではありません。
人のそしり、民のさげすみです。
7 私を見る者はみな、私をあざけります。
彼らは口をとがらせ、頭を振ります。
8 「主に身を任せよ。
彼が助け出したらよい。
彼に救い出させよ。
彼のお気に入りなのだから。」
9 しかし、あなたは私を母の胎から取り出した方。
母の乳房に拠り頼ませた方。
10 生まれる前から、私はあなたに、ゆだねられました。
母の胎内にいた時から、あなたは私の神です。
11 どうか、遠く離れないでください。
苦しみが近づいており、助ける者がいないのです。
12 数多い雄牛が、私を取り囲み、
バシャンの強いものが、私を囲みました。
13 彼らは私に向かって、その口を開きました。
引き裂き、ほえたける獅子のように。
14 私は、水のように注ぎ出され、
私の骨々はみな、はずれました。
私の心は、ろうのようになり、私の内で溶けました。
15 私の力は、土器のかけらのように、かわききり、
私の舌は、上あごにくっついています。
あなたは私を死のちりの上に置かれます。
16 犬どもが私を取り囲み、
悪者どもの群れが、私を取り巻き、
私の手足を14引き裂きました。
17 私は、私の骨を、みな数えることができます。
彼らは私をながめ、私を見ています。
18 彼らは私の着物を互いに分け合い、
私の一つの着物を、くじ引きにします。
19主よ。あなたは、遠く離れないでください。
私の力よ、急いで私を助けてください。
20 私のたましいを、剣から救い出してください。
私の15いのちを、犬の手から。
21 私を救ってください。
獅子の口から、野牛の角から。
あなたは私に答えてくださいます。
22 私は、御名を私の兄弟たちに語り告げ、
会衆の中で、あなたを賛美しましょう。
23主を恐れる人々よ。主を賛美せよ。
ヤコブのすべてのすえよ。主をあがめよ。
イスラエルのすべてのすえよ。主の前におののけ。
24 まことに、主は悩む者の悩みを
さげすむことなく、いとうことなく、
御顔を隠されもしなかった。
むしろ、彼が助けを叫び求めたとき、
聞いてくださった。
25大会衆の中での私の賛美は
あなたからのものです。
私は主を恐れる人々の前で私の誓いを果たします。
26悩む者は、食べて、満ち足り、
主を尋ね求める人々は、主を賛美しましょう。
あなたがたの心が、いつまでも生きるように。
27 地の果て果てもみな、思い起こし、
主に帰って来るでしょう。
また、国々の民もみな、
あなたの御前で伏し拝みましょう。
28 まことに、王権は主のもの。
主は、国々を統べ治めておられる。
29 地の裕福な者もみな、食べて、伏し拝み、
ちりに下る者もみな、主の御前に、ひれ伏す。
おのれのいのちを保つことのできない人も。
30 子孫たちも主に仕え、
主のことが、次の世代に語り告げられよう。
31 彼らは来て、主のなされた義を、
生まれてくる民に告げ知らせよう。
ダビデの賛歌
1主は私の羊飼い。
私は、乏しいことがありません。
2 主は私を緑の牧場に伏させ、
いこいの水のほとりに伴われます。
3 主は私のたましいを生き返らせ、
御名のために、私を義の道に導かれます。
4 たとい、死の陰の谷を歩くことがあっても、
私はわざわいを恐れません。
あなたが私とともにおられますから。
あなたのむちとあなたの杖、
それが私の慰めです。
5 私の敵の前で、あなたは私のために食事をととのえ、
私の頭に油をそそいでくださいます。
私の杯は、あふれています。
6 まことに、私のいのちの日の限り、いつくしみと
恵みとが、私を追って来るでしょう。
私は、いつまでも、主の家に住まいましょう。
ダビデの賛歌
1 地とそれに満ちているもの、
世界とその中に住むものは主のものである。
2 まことに主は、海に地の基を据え、
また、もろもろの川の上に、それを築き上げられた。
3 だれが、主の山に登りえようか。
だれが、その聖なる所に立ちえようか。
4 手がきよく、心がきよらかな者、
16そのたましいをむなしいことに向けず、
欺き誓わなかった人。
5 その人は主から祝福を受け、
その救いの神から義を受ける。
6 これこそ、神を求める者の一族、
あなたの御顔を慕い求める人々、ヤコブである。 セラ
7 門よ。おまえたちのかしらを上げよ。
永遠の戸よ。上がれ。
栄光の王が入って来られる。
8 栄光の王とは、だれか。
強く、力ある主。
戦いに力ある主。
9 門よ。おまえたちのかしらを上げよ。
永遠の戸よ。上がれ。
栄光の王が入って来られる。
10 その栄光の王とはだれか。
万軍の主。これぞ、栄光の王。 セラ
ダビデによる
1主よ。
私のたましいは、あなたを仰いでいます。
2 わが神。
私は、あなたに信頼いたします。
どうか私が恥を見ないようにしてください。
私の敵が私に勝ち誇らないようにしてください。
3 まことに、あなたを待ち望む者は
だれも恥を見ません。
ゆえもなく裏切る者は恥を見ます。
4主よ。あなたの道を私に知らせ、
あなたの小道を私に教えてください。
5 あなたの真理のうちに私を導き、
私を教えてください。
あなたこそ、私の救いの神、
私は、あなたを一日中待ち望んでいるのです。
6主よ。あなたのあわれみと恵みを
覚えていてください。
それらはとこしえからあったのですから。
7 私の若い時の罪やそむきを
覚えていないでください。
あなたの恵みによって、私を覚えていてください。
主よ。あなたのいつくしみのゆえに。
8主は、いつくしみ深く、正しくあられる。
それゆえ、罪人に道を教えられる。
9 主は貧しい者を公義に導き、
貧しい者にご自身の道を教えられる。
10主の小道はみな恵みと、まことである。
その契約とそのさとしを守る者には。
11主よ。御名のために、
私の咎をお赦しください。大きな咎を。
12主を恐れる人は、だれか。
主はその人に選ぶべき道を教えられる。
13 その人のたましいは、しあわせの中に住み、
その子孫は地を受け継ごう。
14主はご自身を恐れる者と親しくされ、
ご自身の契約を彼らにお知らせになる。
15 私の目はいつも主に向かう。
主が私の足を網から引き出してくださるから。
16 私に御顔を向け、私をあわれんでください。
私はただひとりで、悩んでいます。
17 私の心の苦しみが大きくなりました。
どうか、苦悩のうちから私を引き出してください。
18 私の悩みと労苦を見て、
私のすべての罪を赦してください。
19 私の敵がどんなに多いかを見てください。
彼らは暴虐な憎しみで、私を憎んでいます。
20 私のたましいを守り、私を救い出してください。
私が恥を見ないようにしてください。
私はあなたに身を避けています。
21誠実と正しさが私を保ちますように。
私はあなたを待ち望んでいます。
22 神よ。イスラエルを、
そのすべての苦しみから贖い出してください。
ダビデによる
1 私を弁護してください。主よ。
私が誠実に歩み、
よろめくことなく、主に信頼したことを。
2主よ。私を調べ、私を試みてください。
私の思いと私の心をためしてください。
3 あなたの恵みが私の目の前にあり、
私はあなたの真理のうちを歩み続けました。
4 私は、不信実な人とともにすわらず、
偽善者とともに行きません。
5 私は、悪を行う者の集まりを憎み、
悪者とともにすわりません。
6主よ。私は手を洗ってきよくし、
あなたの祭壇の回りを歩きましょう。
7感謝の声を聞こえさせ、あなたの奇しいみわざを
余すことなく、語り告げましょう。
8主よ。私は、あなたのおられる家と、
あなたの栄光の住まう所を愛します。
9 どうか私のたましいを罪人とともに、
また、私のいのちを血を流す人々とともに、
取り集めないでください。
10 彼らの両手には放らつがあり、
彼らの右の手はわいろで満ちています。
11 しかし、私は、誠実に歩みます。
どうか私を贖い出し、私をあわれんでください。
12 私の足は平らな所に立っています。
私は、数々の集まりの中で、
主をほめたたえましょう。
ダビデによる
1主は、私の光、私の救い。だれを私は恐れよう。
主は、私のいのちのとりで。だれを私はこわがろう。
2 悪を行う者が私の肉を食らおうと、
私に襲いかかったとき、
私の仇、私の敵、彼らはつまずき、倒れた。
3 たとい、私に向かって陣営が張られても、
私の心は恐れない。
たとい、戦いが私に向かって起こっても、
それにも、私は動じない。
4 私は一つのことを主に願った。
私はそれを求めている。
私のいのちの日の限り、主の家に住むことを。
主の麗しさを仰ぎ見、
その宮で、思いにふける、そのために。
5 それは、主が、
悩みの日に私を隠れ場に隠し、
その幕屋のひそかな所に私をかくまい、
岩の上に私を上げてくださるからだ。
6 今、私のかしらは、
私を取り囲む敵の上に高く上げられる。
私は、その幕屋で、喜びのいけにえをささげ、
歌うたい、主に、ほめ歌を歌おう。
7 聞いてください。主よ。私の呼ぶこの声を。
私をあわれみ、私に答えてください。
8 あなたに代わって、私の心は申します。
「わたしの顔を、慕い求めよ」と。
主よ。あなたの御顔を私は慕い求めます。
9 どうか、御顔を私に隠さないでください。
あなたのしもべを、
怒って、押しのけないでください。
あなたは私の助けです。
私を見放さないでください。見捨てないでください。
私の救いの神。
10 私の父、私の母が、私を見捨てるときは、
主が私を取り上げてくださる。
11主よ。あなたの道を私に教えてください。
私を待ち伏せている者どもがおりますから、
私を平らな小道に導いてください。
12 私を、私の仇の意のままに、させないでください。
偽りの証人どもが私に立ち向かい、
暴言を吐いているのです。
13 ああ、私に、
生ける者の地で主のいつくしみを見ることが
信じられなかったなら──
14 待ち望め。主を。
雄々しくあれ。心を強くせよ。
待ち望め。主を。
ダビデによる
1主よ。私はあなたに呼ばわります。
私の岩よ。どうか私に耳を閉じないでください。
私に口をつぐまれて、
私が、穴に下る者と同じにされないように。
2 私の願いの声を聞いてください。
私があなたに助けを叫び求めるとき。
私の手をあなたの聖所の奥に向けて上げるとき。
3 どうか、悪者どもや不法を行う者どもと
いっしょに、私をかたづけないでください。
彼らは隣人と平和を語りながら、
その心には悪があるのです。
4 彼らのすることと、彼らの行う悪にしたがって、
彼らに報いてください。
その手のしわざにしたがって彼らに報い、
その仕打ちに報復してください。
5 彼らは、主のなさることも
その御手のわざをも悟らないので、
主は、彼らを打ちこわし、建て直さない。
6 ほむべきかな。主。
まことに主は私の願いの声を聞かれた。
7主は私の力、私の盾。
私の心は主に拠り頼み、私は助けられた。
それゆえ私の心はこおどりして喜び、
私は歌をもって、主に感謝しよう。
8主は、17彼らの力。
主は、その油そそがれた者の、救いのとりで。
9 どうか、御民を救ってください。
あなたのものである民を祝福してください。
どうか彼らの羊飼いとなって、
いつまでも、彼らを携えて行ってください。
ダビデの賛歌
118力ある者の子らよ。主に帰せよ。
栄光と力とを主に帰せよ。
2御名の栄光を、主に帰せよ。
聖なる飾り物を着けて主にひれ伏せ。
3主の声は、水の上にあり、
栄光の神は、雷鳴を響かせる。
主は、大水の上にいます。
4主の声は、力強く、主の声は、威厳がある。
5主の声は、杉の木を引き裂く。
まことに、主はレバノンの杉の木を打ち砕く。
6 主は、それらを、子牛のように、はねさせる。
レバノンとシルヨンを若い野牛のように。
7主の声は、火の炎を、ひらめかせる。
8主の声は、荒野をゆすぶり、
主は、カデシュの荒野を、ゆすぶられる。
9主の声は、雌鹿に産みの苦しみをさせ、
大森林を裸にする。
その宮で、すべてのものが、「栄光」と言う。
10主は、大洪水のときに御座に着かれた。
まことに、主は、とこしえに王として
御座に着いておられる。
11主は、ご自身の民に力をお与えになる。
主は、平安をもって、ご自身の民を祝福される。
ダビデの賛歌。家をささげる歌
1主よ。私はあなたをあがめます。
あなたが私を引き上げ、
私の敵を喜ばせることはされなかったからです。
2 私の神、主よ。
私があなたに叫び求めると、
あなたは私を、いやされました。
3主よ。あなたは私のたましいを19よみから引き上げ、
私が穴に下って行かないように、
私を生かしておかれました。
4聖徒たちよ。主をほめ歌え。
その聖なる御名に感謝せよ。
5 まことに、御怒りはつかの間、
いのちは恩寵のうちにある。
夕暮れには涙が宿っても、
朝明けには喜びの叫びがある。
6 私が栄えたときに、私はこう言った。
「私は決してゆるがされない。」
7主よ。あなたはご恩寵のうちに、私の山を
強く立たせてくださいました。
あなたが御顔を隠され、
私はおじ惑っていましたが。
8主よ。私はあなたを呼び求めます。
私の主にあわれみを請います。
9 私が墓に下っても、
私の血に何の益があるのでしょうか。
ちりが、あなたを、ほめたたえるでしょうか。
あなたのまことを、告げるでしょうか。
10 聞いてください。主よ。
私をあわれんでください。
主よ。私の助けとなってください。
11 あなたは私のために、
嘆きを踊りに変えてくださいました。
あなたは私の荒布を解き、
喜びを私に着せてくださいました。
12 私のたましいがあなたをほめ歌い、
黙っていることがないために。
私の神、主よ。
私はとこしえまでも、あなたに感謝します。
指揮者のために。ダビデの賛歌
1主よ。私はあなたに身を避けています。
私が決して恥を見ないようにしてください。
あなたの義によって、私を助け出してください。
2 私に耳を傾け、早く私を救い出してください。
私の力の岩となり、強いとりでとなって、
私を救ってください。
3 あなたこそ、私の巌、私のとりでです。
あなたの御名のゆえに、
私を導き、私を伴ってください。
4 私をねらってひそかに張られた網から、
私を引き出してください。
あなたは私の力ですから。
5 私の霊を御手にゆだねます。
真実の神、主よ。
あなたは私を贖い出してくださいました。
6 私は、むなしい偶像につく者を憎み、
主に信頼しています。
7 あなたの恵みを私は楽しみ、喜びます。
あなたは、私の悩みをご覧になり、
私のたましいの苦しみを知っておられました。
8 あなたは私を敵の手に渡さず、
私の足を広い所に立たせてくださいました。
9 私をあわれんでください。主よ。
私には苦しみがあるのです。
私の目はいらだちで衰えてしまいました。
私のたましいも、また私のからだも。
10 まことに私のいのちは悲しみで尽き果てました。
私の年もまた、嘆きで。
私の力は私の咎によって弱まり、
私の骨々も衰えてしまいました。
11 私は、敵対するすべての者から、非難されました。
わけても、私の隣人から。
私の親友には恐れられ、
外で私に会う者は、私を避けて逃げ去ります。
12 私は死人のように、人の心から忘れられ、
こわれた器のようになりました。
13 私は多くの者のそしりを聞きました。
「四方八方みな恐怖だ」と。
彼らは私に逆らって相ともに集まったとき、
私のいのちを取ろうと図りました。
14 しかし、主よ。私は、あなたに信頼しています。
私は告白します。
「あなたこそ私の神です。」
15 私の時は、御手の中にあります。
私を敵の手から、また追い迫る者の手から、
救い出してください。
16御顔をあなたのしもべの上に
照り輝かせてください。
あなたの恵みによって私をお救いください。
17主よ。私が恥を見ないようにしてください。
私はあなたを呼び求めていますから。
悪者をはずかしめてください。
彼らを20よみで静まらせてください。
18偽りのくちびるを封じてください。
それは正しい者に向かって、横柄に語っています。
高ぶりとさげすみをもって。
19 あなたのいつくしみは、なんと大きいことでしょう。
あなたはそれを、
あなたを恐れる者のためにたくわえ、
あなたに身を避ける者のために
人の子の前で、それを備えられました。
20 あなたは彼らを人のそしりから、
あなたのおられるひそかな所にかくまい、
舌の争いから、隠れ場に隠されます。
21 ほむべきかな。主。
主は包囲された町の中で
私に奇しい恵みを施されました。
22 私はあわてて言いました。
「私はあなたの目の前から断たれたのだ」と。
しかし、あなたは私の願いの声を聞かれました。
私があなたに叫び求めたときに。
23 すべて、主の聖徒たちよ。主を愛しまつれ。
主は誠実な者を保たれるが、
高ぶる者には、きびしく報いをされる。
24雄々しくあれ。心を強くせよ。
すべて主を待ち望む者よ。
ダビデのマスキール
1 幸いなことよ。
そのそむきを赦され、罪をおおわれた人は。
2 幸いなことよ。
主が、咎をお認めにならない人、
その霊に欺きのない人は。
3 私は黙っていたときには、一日中、うめいて、
私の骨々は疲れ果てました。
4 それは、御手が昼も夜も私の上に重くのしかかり、
私の骨髄は、夏のひでりでかわききったからです。 セラ
5 私は、自分の罪を、あなたに知らせ、
私の咎を隠しませんでした。
私は申しました。
「私のそむきの罪を主に告白しよう。」
すると、あなたは私の罪のとがめを赦されました。 セラ
6 それゆえ、聖徒は、みな、あなたに祈ります。
あなたにお会いできる間に。
まことに、大水の濁流も、彼の所に届きません。
7 あなたは私の隠れ場。
あなたは苦しみから私を守り、
救いの歓声で、私を取り囲まれます。 セラ
8 わたしは、21あなたがたに悟りを与え、
行くべき道を教えよう。
わたしは22あなたがたに目を留めて、
助言を与えよう。
9 あなたがたは、
悟りのない馬や騾馬のようであってはならない。
それらは、くつわや手綱の馬具で押さえなければ、
あなたに近づかない。
10 悪者には心の痛みが多い。
しかし、主に信頼する者には、
恵みが、その人を取り囲む。
11 正しい者たち。主にあって、喜び、楽しめ。
すべて心の直ぐな人たちよ。喜びの声をあげよ。
1 正しい者たち。主にあって、喜び歌え。
賛美は心の直ぐな人たちにふさわしい。
2立琴をもって主に感謝せよ。
十弦の琴をもって、ほめ歌を歌え。
3 新しい歌を主に向かって歌え。
喜びの叫びとともに、巧みに弦をかき鳴らせ。
4 まことに、主のことばは正しく、
そのわざはことごとく真実である。
5 主は正義と公正を愛される。
地は主の恵みに満ちている。
6主のことばによって、天は造られた。
天の万象もすべて、御口のいぶきによって。
7 主は海の水をせきのように集め、
深い水を倉に収められる。
8 全地よ。主を恐れよ。
世界に住む者よ。みな、主の前におののけ。
9 まことに、主が仰せられると、そのようになり、
主が命じられると、それは堅く立つ。
10主は国々のはかりごとを無効にし、
国々の民の計画をむなしくされる。
11主のはかりごとはとこしえに立ち、
御心の計画は代々に至る。
12 幸いなことよ。
主をおのれの神とする、その国は。
神が、ご自身のものとしてお選びになった、
その民は。
13主は天から目を注ぎ、
人の子らを残らずご覧になる。
14御住まいの所から
地に住むすべての者に目を注がれる。
15 主は、彼らの心をそれぞれみな造り、
彼らのわざのすべてを読み取る方。
16 王は軍勢の多いことによっては救われない。
勇者は力の強いことによっては救い出されない。
17 軍馬も勝利の頼みにはならない。
その大きな力も救いにならない。
18 見よ。主の目は主を恐れる者に注がれる。
その恵みを待ち望む者に。
19 彼らのたましいを死から救い出し、
ききんのときにも
彼らを生きながらえさせるために。
20 私たちのたましいは主を待ち望む。
主は、われらの助け、われらの盾。
21 まことに私たちの心は主を喜ぶ。
私たちは、聖なる御名に信頼している。
22主よ。あなたの恵みが私たちの上にありますように。
私たちがあなたを待ち望んだときに。
ダビデによる。彼がアビメレクの前で気が違ったかのようにふるまい、彼に追われて去ったとき
1 私はあらゆる時に主をほめたたえる。
私の口には、いつも、主への賛美がある。
2 私のたましいは主を誇る。
貧しい者はそれを聞いて喜ぶ。
3 私とともに主をほめよ。
共に、御名をあがめよう。
4 私が主を求めると、主は答えてくださった。
私をすべての恐怖から救い出してくださった。
5 彼らが主を仰ぎ見ると、彼らは輝いた。
「彼らの顔をはずかしめないでください。」
6 この悩む者が呼ばわったとき、
主は聞かれた。
こうして、主はすべての苦しみから彼を救われた。
7主の使いは主を恐れる者の回りに陣を張り、
彼らを助け出される。
8主のすばらしさを味わい、これを見つめよ。
幸いなことよ。彼に身を避ける者は。
9主を恐れよ。その聖徒たちよ。
彼を恐れる者には乏しいことはないからだ。
10若い獅子も乏しくなって飢える。
しかし、主を尋ね求める者は、
良いものに何一つ欠けることはない。
11 来なさい。子たちよ。私に聞きなさい。
主を恐れることを教えよう。
12 いのちを喜びとし、しあわせを見ようと、
日数の多いのを愛する人は、だれか。
13 あなたの舌に悪口を言わせず、
くちびるに欺きを語らせるな。
14 悪を離れ、善を行え。
平和を求め、それを追い求めよ。
15主の目は正しい者に向き、
その耳は彼らの叫びに傾けられる。
16主の御顔は悪をなす者からそむけられ、
彼らの記憶を地から消される。
17 彼らが叫ぶと、主は聞いてくださる。
そして、彼らをそのすべての苦しみから
救い出される。
18主は心の打ち砕かれた者の近くにおられ、
霊の砕かれた者を救われる。
19 正しい者の悩みは多い。
しかし、主はそのすべてから彼を救い出される。
20 主は、彼の骨をことごとく守り、
その一つさえ、砕かれることはない。
21 悪は悪者を殺し、
正しい者を憎む者は罪に定められる。
22主はそのしもべのたましいを贖い出される。
主に身を避ける者は、だれも罪に定められない。
ダビデによる
1主よ。私と争う者と争い、
私と戦う者と戦ってください。
2盾と大盾とを手に取って、
私を助けに、立ち上がってください。
3槍を抜き、私に追い迫る者を封じてください。
私のたましいに言ってください。
「わたしがあなたの救いだ」と。
4 私のいのちを求める者どもが恥を見、
卑しめられますように。
私のわざわいを図る者が退き、
はずかしめを受けますように。
5 彼らを風の前のもみがらのようにし、
主の使いに押しのけさせてください。
6 彼らの道をやみとし、また、すべるようにし、
主の使いに彼らを追わせてください。
7 まことに、彼らは
ゆえもなく、私にひそかに網を張り、
ゆえもなく、私のたましいを陥れようと、
穴を掘りました。
8 思わぬときに、滅びが彼を襲いますように。
ひそかに張ったおのれの網が彼を捕らえ、
滅びの中に彼が落ち込みますように。
9 こうして私のたましいは、主にあって喜び、
御救いの中にあって楽しむことでしょう。
10 私のすべての骨は言いましょう。
「主よ。だれか、あなたのような方があるでしょうか。
悩む者を、彼よりも強い者から
救い出す方。
そうです。悩む者、貧しい者を、奪い取る者から。」
11暴虐な証人どもが立ち
私の知らないことを私に問う。
12 彼らは善にかえて悪を報い、
私のたましいは見捨てられる。
13 しかし、私は──、
彼らの病のとき、私の着物は荒布だった。
私は断食してたましいを悩ませ、
私の祈りは私の胸を行き来していた。
14 私の友、私の兄弟にするように、私は歩き回り、
母の喪に服するように、
私はうなだれて泣き悲しんだ。
15 だが、彼らは私がつまずくと喜び、相つどい、
私の知らない攻撃者どもが、
共に私を目ざして集まり、
休みなく私を中傷した。
16 私の回りの、あざけり、ののしる者どもは
私に向かって歯ぎしりした。
17 わが主よ。いつまでながめておられるのですか。
どうか私のたましいを彼らの略奪から、
私のただ一つのものを若い獅子から、
奪い返してください。
18 私は大きな会衆の中で、あなたに感謝し、
強い人々の間で、あなたを賛美します。
19偽り者の、私の敵を、
私のことで喜ばせないでください。
ゆえもなく私を憎む人々が
目くばせしないようにしてください。
20 彼らは平和を語らず、
地の平穏な人々に、欺きごとをたくらむからです。
21 彼らは私に向かって、大きく口を開き、
「あはは、あはは。この目で見たぞ」と言います。
22主よ。あなたはそれをご覧になったのです。
黙っていないでください。
わが主よ。私から遠く離れないでください。
23奮い立ってください。目をさましてください。
私のさばきのために。
わが神、わが主よ。私の訴えのために。
24 あなたの義にしたがって、私を弁護してください。
わが神、主よ。
彼らを私のことで喜ばせないでください。
25 彼らに心のうちで言わせないでください。
「あはは。われわれの望みどおりだ」と。
また、言わせないでください。
「われわれは彼を、のみこんだ」と。
26 私のわざわいを楽しんでいる者らは、
みな恥を見、はずかしめを受けますように。
私に向かって高ぶる者は、
恥と侮辱をこうむりますように。
27 私の義を喜びとする者は、
喜びの声をあげ、楽しむようにしてください。
彼らにいつも言わせてください。
「ご自分のしもべの繁栄を喜ばれる主は、
大いなるかな」と。
28 私の舌はあなたの義とあなたの誉れを
日夜、口ずさむことでしょう。
指揮者のために。主のしもべ、ダビデによる
1罪は悪者の心の中に語りかける。
彼の目の前には、神に対する恐れがない。
2 彼はおのれの目で自分にへつらっている。
おのれの咎を見つけ出し、それを憎むことで。
3 彼の口のことばは、不法と欺きだ。
彼は知恵を得ることも、善を行うことも
やめてしまっている。
4 彼は寝床で、不法を図り、
よくない道に堅く立っていて、
悪を捨てようとしない。
5主よ。あなたの恵みは天にあり、
あなたの真実は雲にまで及びます。
6 あなたの義は23高くそびえる山のようで、
あなたのさばきは深い海のようです。
あなたは人や獣を栄えさせてくださいます。主よ。
7 神よ。あなたの恵みは、なんと尊いことでしょう。
人の子らは御翼の陰に身を避けます。
8 彼らはあなたの家の豊かさを
心ゆくまで飲むでしょう。
あなたの楽しみの流れを、
あなたは彼らに飲ませなさいます。
9 いのちの泉はあなたにあり、
私たちは、あなたの光のうちに光を見るからです。
10 注いでください。
あなたの恵みを、あなたを知る者に。
あなたの義を、心の直ぐな人に。
11 高ぶりの足が私に追いつかず、
悪者の手が私を追いやらないようにしてください。
12 そこでは、不法を行う者は倒れ、
押し倒されて立ち上がれません。
ダビデによる
1 悪を行う者に対して腹を立てるな。
不正を行う者に対してねたみを起こすな。
2 彼らは草のようにたちまちしおれ、
青草のように枯れるのだ。
3主に信頼して善を行え。
地に住み、誠実を養え。
4主をおのれの喜びとせよ。
主はあなたの心の願いをかなえてくださる。
5 あなたの道を主にゆだねよ。
主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。
6 主は、あなたの義を光のように、
あなたのさばきを真昼のように輝かされる。
7主の前に静まり、耐え忍んで主を待て。
おのれの道の栄える者に対して、
悪意を遂げようとする人に対して、
腹を立てるな。
8怒ることをやめ、憤りを捨てよ。
腹を立てるな。それはただ悪への道だ。
9 悪を行う者は断ち切られる。
しかし主を待ち望む者、彼らは地を受け継ごう。
10 ただしばらくの間だけで、悪者はいなくなる。
あなたが彼の居所を調べても、
彼はそこにはいないだろう。
11 しかし、貧しい人は地を受け継ごう。
また、豊かな繁栄をおのれの喜びとしよう。
12 悪者は正しい者に敵対して事を図り、
歯ぎしりして彼に向かう。
13 主は彼を笑われる。
彼の日が迫っているのをご覧になるから。
14 悪者どもは剣を抜き、弓を張った。
悩む者、貧しい者を打ち倒し、
行いの正しい者を切り殺すために。
15 彼らの剣はおのれの心臓を貫き、
彼らの弓は折られよう。
16 ひとりの正しい者の持つわずかなものは、
多くの悪者の豊かさにまさる。
17 なぜなら、悪者の腕は折られるが、
主は正しい者をささえられるからだ。
18主は全き人の日々を知っておられ、
彼らのゆずりは永遠に残る。
19 彼らはわざわいのときにも恥を見ず、
ききんのときにも満ち足りよう。
20 しかし悪者は滅びる。
主の敵は牧場の青草のようだ。
彼らは消えうせる。煙となって消えうせる。
21 悪者は、借りるが返さない。
正しい者は、情け深くて人に施す。
22 主に祝福された者は地を受け継ごう。
しかし主にのろわれた者は断ち切られる。
23 人の歩みは主によって確かにされる。
主はその人の道を喜ばれる。
24 その人は倒れてもまっさかさまに倒されはしない。
主がその手をささえておられるからだ。
25 私が若かったときも、また年老いた今も、
正しい者が見捨てられたり、
その子孫が食べ物を請うのを見たことがない。
26 その人はいつも情け深く人に貸す。
その子孫は祝福を得る。
27 悪を離れて善を行い、
いつまでも住みつくようにせよ。
28 まことに、主は公義を愛し、
ご自身の聖徒を見捨てられない。
彼らは永遠に保たれるが、
悪者どもの子孫は断ち切られる。
29 正しい者は地を受け継ごう。
そして、そこにいつまでも住みつこう。
30 正しい者の口は知恵を語り、
その舌は公義を告げる。
31 心に神のみおしえがあり、
彼の歩みはよろけない。
32 悪者は正しい者を待ち伏せ、
彼を殺そうとする。
33主は、彼をその者の手の中に捨ておかず、
彼がさばかれるとき、彼を罪に定められない。
34主を待ち望め。その道を守れ。
そうすれば、主はあなたを高く上げて、
地を受け継がせてくださる。
あなたは悪者が断ち切られるのを見よう。
35 私は悪者の横暴を見た。
彼は、24おい茂る野生の木のようにはびこっていた。
36 だが、25彼は過ぎ去った。見よ。彼はもういない。
私は彼を捜し求めたが見つからなかった。
37 全き人に目を留め、直ぐな人を見よ。
平和の人には子孫ができる。
38 しかし、そむく者は、相ともに滅ぼされる。
悪者どもの子孫は断ち切られる。
39 正しい者の救いは、主から来る。
苦難のときの彼らのとりでは主である。
40主は彼らを助け、彼らを解き放たれる。
主は、悪者どもから彼らを解き放ち、
彼らを救われる。
彼らが主に身を避けるからだ。
記念のためのダビデの賛歌
1主よ。あなたの大きな怒りで
私を責めないでください。
あなたの激しい憤りで
私を懲らしめないでください。
2 あなたの矢が私の中に突き刺さり、
あなたの手が私の上に激しく下って来ました。
3 あなたの憤りのため、
私の肉には完全なところがなく、
私の罪のため
私の骨には健全なところがありません。
4 私の咎が、私の頭を越え、
重荷のように、私には重すぎるからです。
5 私の傷は、悪臭を放ち、ただれました。
それは私の愚かしさのためです。
6 私はかがみ、深くうなだれ、
一日中、嘆いて歩いています。
7 私の腰はやけどでおおい尽くされ、
私の肉には完全なところがありません。
8 私はしびれ、砕き尽くされ、
心の乱れのためにうめいています。
9 主よ。私の願いはすべてあなたの御前にあり、
私の嘆きはあなたから隠されていません。
10 私の心はわななきにわななき、
私の力は私を見捨て、
目の光さえも、私にはなくなりました。
11 私の愛する者や私の友も、私のえやみを避けて立ち、
私の近親の者も遠く離れて立っています。
12 私のいのちを求める者はわなを仕掛け、
私を痛めつけようとする者は私の破滅を告げ、
一日中、欺きを語っています。
13 しかし私には聞こえません。
私は耳の聞こえない者のよう。
口を開かず、話せない者のよう。
14 まことに私は、耳が聞こえず、
口で言い争わない人のようです。
15 それは、主よ、
私があなたを待ち望んでいるからです。
わが神、主よ。あなたが答えてくださいますように。
16 私は申しました。
「私の足がよろけるとき、彼らが私のことで喜ばず、
私に対して高ぶらないようにしてください。」
17 私はつまずき倒れそうであり、
私の痛みはいつも私の前にあります。
18 私は自分の咎を言い表し、
私の罪で私は不安になっています。
19 しかし私の敵は、活気に満ちて、強く、
私を憎む偽り者が多くいます。
20 また、善にかえて悪を報いる者どもは、
私が善を追い求めるからといって、私をなじっています。
21 私を見捨てないでください。主よ。
わが神よ。私から遠く離れないでください。
22 急いで私を助けてください。
主よ、私の救いよ。
指揮者エドトンのために。ダビデの賛歌
1 私は言った。
私は自分の道に気をつけよう。
私が舌で罪を犯さないために。
私の口に口輪をはめておこう。
悪者が私の前にいる間は。
2 私はひたすら沈黙を守った。
よいことにさえ、黙っていた。
それで私の痛みは激しくなった。
3 私の心は私のうちで熱くなり、
私がうめく間に、火は燃え上がった。
そこで私は自分の舌で、こう言った。
4主よ。お知らせください。
私の終わり、私の齢が、どれだけなのか。
私が、どんなに、はかないかを
知ることができるように。
5 ご覧ください。あなたは
私の日を手幅ほどにされました。
私の一生は、あなたの前では、ないのも同然です。
まことに、人はみな、盛んなときでも、
全くむなしいものです。 セラ
6 まことに、人は幻のように歩き回り、
まことに、彼らはむなしく立ち騒ぎます。
人は、積みたくわえるが、
だれがそれを集めるのかを知りません。
7 主よ。今、私は何を待ち望みましょう。
私の望み、それはあなたです。
8 私のすべてのそむきの罪から
私を助け出してください。
私を愚か者のそしりとしないでください。
9 私は黙し、口を開きません。
あなたが、そうなさったからです。
10 どうか、あなたのむちを私から取り除いてください。
あなたの26手に打たれて、私は衰え果てました。
11 あなたは、不義を責めて人を懲らしめ、
その人の望むものを、
しみが食うように、なくしてしまわれます。
まことに、人はみな、むなしいものです。 セラ
12 私の祈りを聞いてください。主よ。
私の叫びを耳に入れてください。
私の涙に、黙っていないでください。
私はあなたとともにいる旅人で、
私のすべての先祖たちのように、寄留の者なのです。
13 私を見つめないでください。
私が去って、いなくなる前に、
私がほがらかになれるように。
指揮者のために。ダビデの賛歌
1 私は切なる思いで主を待ち望んだ。
主は私のほうに身を傾け、私の叫びを聞き、
2 私を滅びの穴から、泥沼から、
引き上げてくださった。
そして私の足を巌の上に置き、
私の歩みを確かにされた。
3 主は、私の口に、新しい歌、
われらの神への賛美を授けられた。
多くの者は見、そして恐れ、主に信頼しよう。
4 幸いなことよ。主に信頼し、
高ぶる者や、偽りに陥る者たちのほうに
向かなかった、その人は。
5 わが神、主よ。
あなたがなさった奇しいわざと、
私たちへの御計りは、数も知れず、
あなたに並ぶ者はありません。
私が告げても、また語っても、
それは多くて述べ尽くせません。
6 あなたは、いけにえや穀物のささげ物を
お喜びにはなりませんでした。
あなたは私の耳を開いてくださいました。
あなたは、
全焼のいけにえも、罪のためのいけにえも、
お求めになりませんでした。
7 そのとき私は申しました。
「今、私はここに来ております。
巻き物の書に私のことが書いてあります。
8 わが神。私はみこころを行うことを喜びとします。
あなたのおしえは私の心のうちにあります。」
9 私は大きな会衆の中で、
義の良い知らせを告げました。ご覧ください。
私は私のくちびるを押さえません。
主よ。あなたはご存じです。
10 私は、あなたの義を心の中に隠しませんでした。
あなたの真実とあなたの救いを告げました。
私は、あなたの恵みとあなたのまことを
大いなる会衆に隠しませんでした。
11 あなたは、主よ。私にあわれみを
惜しまないでください。
あなたの恵みと、あなたのまことが、
絶えず私を見守るようにしてください。
12 数えきれないほどのわざわいが私を取り囲み、
私の咎が私に追いついたので、
私は見ることさえできません。
それは私の髪の毛よりも多く、
私の心も私を見捨てました。
13主よ。どうかみこころによって
私を救い出してください。
主よ。急いで、私を助けてください。
14 私のいのちを求め、滅ぼそうとする者どもが、
みな恥を見、はずかしめを受けますように。
私のわざわいを喜ぶ者どもが退き、
卑しめられますように。
15 私を「あはは」とあざ笑う者どもが、
おのれの恥のために、色を失いますように。
16 あなたを慕い求める人がみな、
あなたにあって楽しみ、喜びますように。
あなたの救いを愛する人たちが、
「主をあがめよう」と、いつも言いますように。
17 私は悩む者、貧しい者です。
主よ。私を顧みてください。
あなたは私の助け、私を助け出す方。
わが神よ。遅れないでください。
指揮者のために。ダビデの賛歌
1 幸いなことよ。
弱っている者に心を配る人は。
主はわざわいの日にその人を助け出される。
2主は彼を見守り、彼を生きながらえさせ、
地上でしあわせな者とされる。
どうか彼を敵の意のままにさせないでください。
3主は病の床で彼をささえられる。
病むときにどうか彼を
全くいやしてくださるように。
4 私は言った。
「主よ、あわれんでください。
私のたましいをいやしてください。
私はあなたに罪を犯したからです。」
5 私の敵は、私の悪口を言います。
「いつ、彼は死に、その名は滅びるのだろうか。」
6 たとい、人が見舞いに来ても、その人はうそを言い、
その心のうちでは、悪意をたくわえ、
外に出ては、それを言いふらす。
7 私を憎む者はみな、私について共にささやき、
私に対して、悪をたくらむ。
8 「27邪悪なものが、彼に取りついている。
彼が床に着いたからには、
もう二度と起き上がれまい。」
9 私が信頼し、私のパンを食べた親しい友までが、
私にそむいて、かかとを上げた。
10 しかし、主よ。あなたは私をあわれんでください。
私を立ち上がらせてください。
そうすれば私は、彼らに仕返しができます。
11 このことによって、
あなたは私を喜んでおられるのが、わかります。
私の敵が私に勝ちどきをあげないからです。
12誠実を尽くしている私を強くささえ、
いつまでも、あなたの御顔の前に立たせてください。
13 ほむべきかな。イスラエルの神、主。
とこしえから、とこしえまで。
アーメン。アーメン。
第二巻
指揮者のために。コラの子たちのマスキール
1鹿が谷川の流れを慕いあえぐように、
神よ。私のたましいはあなたを慕いあえぎます。
2 私のたましいは、神を、生ける神を求めて
渇いています。
いつ、私は行って、神の御前に出ましょうか。
3 私の涙は、昼も夜も、私の食べ物でした。
人が一日中
「おまえの神はどこにいるのか」と私に言う間。
4 私はあの事などを思い起こし、
私の前で心を注ぎ出しています。
私があの群れといっしょに行き巡り、
喜びと感謝の声をあげて、祭りを祝う群集とともに
神の家へとゆっくり歩いて行ったことなどを。
5 わがたましいよ。
なぜ、おまえはうなだれているのか。
私の前で思い乱れているのか。
神を待ち望め。私はなおも神をほめたたえる。
御顔の救いを。
628私の神よ。私のたましいは
私の前でうなだれています。
それゆえ、ヨルダンとヘルモンの地から、
またミツァルの山から
私はあなたを思い起こします。
7 あなたの大滝のとどろきに、淵が淵を呼び起こし、
あなたの波、あなたの大波は、
みな私の上を越えて行きました。
8 昼には、主が恵みを施し、
夜には、その歌が私とともにあります。
私のいのち、神への、祈りが。
9 私は、わが巌の神に申し上げます。
「なぜ、あなたは私をお忘れになったのですか。
なぜ私は敵のしいたげに、嘆いて歩くのですか。」
10 私に敵対する者どもは、
私の骨々が打ち砕かれるほど、私をそしり、
一日中、「おまえの神はどこにいるのか」と
私に言っています。
11 わがたましいよ。
なぜ、おまえはうなだれているのか。
なぜ、私の前で思い乱れているのか。
神を待ち望め。私はなおも神をほめたたえる。
私の顔の救い、私の神を。
1 神よ。私のためにさばいてください。
私の訴えを取り上げ、
神を恐れない民の言い分を退けてください。
欺きと不正の人から私を助け出してください。
2 あなたは私の力の神であられるからです。
なぜあなたは私を拒まれたのですか。
なぜ私は敵のしいたげに、嘆いて歩き回るのですか。
3 どうか、あなたの光とまことを送り、
私を導いてください。
あなたの聖なる山、あなたのお住まいに向かって
それらが、私を連れて行きますように。
4 こうして、私は神の祭壇、私の最も喜びとする
神のみもとに行き、
立琴に合わせて、あなたをほめたたえましょう。
神よ。私の神よ。
5 わがたましいよ。
なぜ、おまえはうなだれているのか。
なぜ、私の前で思い乱れているのか。
神を待ち望め。私はなおも神をほめたたえる。
私の顔の救い、私の神を。
指揮者のために。コラの子たちのマスキール
1 神よ。私たちはこの耳で、
先祖たちが語ってくれたことを聞きました。
あなたが昔、彼らの時代になさったみわざを。
2 あなたは御手をもって、国々を追い払い、
そこに彼らを植え、
国民にわざわいを与え、
そこに彼らを送り込まれました。
3 彼らは、自分の剣によって地を得たのでもなく、
自分の腕が彼らを救ったのでもありません。
ただあなたの右の手、あなたの腕、
あなたの御顔の光が、そうしたのです。
あなたが彼らを愛されたからです。
4 神よ。あなたこそ私の王です。
ヤコブの勝利を命じてください。
5 あなたによって私たちは、敵を押し返し、
御名によって私たちに立ち向かう者どもを
踏みつけましょう。
6 私は私の弓にたよりません。
私の剣も私を救いません。
7 しかしあなたは、敵から私たちを救い、
私たちを憎む者らをはずかしめなさいました。
8 私たちはいつも神によって誇りました。
また、あなたの御名をとこしえにほめたたえます。 セラ
9 それなのに、あなたは私たちを拒み、
卑しめました。あなたはもはや、
私たちの軍勢とともに出陣なさいません。
10 あなたは私たちを敵から退かせ、
私たちを憎む者らは思うままにかすめ奪いました。
11 あなたは私たちを食用の羊のようにし、
国々の中に私たちを散らされました。
12 あなたはご自分の民を安値で売り、
その代価で何の得もなさいませんでした。
13 あなたは私たちを、隣人のそしりとし、
回りの者のあざけりとし、笑いぐさとされます。
14 あなたは私たちを国々の中で物笑いの種とし、
民の中で笑い者とされるのです。
15 私の前には、一日中、はずかしめがあって、
私の顔の恥が私をおおってしまいました。
16 それはそしる者とののしる者の声のため、
敵と復讐者のためでした。
17 これらのことすべてが私たちを襲いました。
しかし私たちはあなたを忘れませんでした。
また、あなたの契約を無にしませんでした。
18 私たちの心はたじろがず、
私たちの歩みはあなたの道からそれませんでした。
19 しかも、あなたはジャッカルの住む所で
私たちを砕き、
死の陰で私たちをおおわれたのです。
20 もし、私たちが私たちの神の名を忘れ、
ほかの神に私たちの手を差し伸ばしたなら、
21 神はこれを探り出されないでしょうか。
神は心の秘密を知っておられるからです。
22 だが、あなたのために、
私たちは一日中、殺されています。
私たちは、ほふられる羊とみなされています。
23 起きてください。
主よ。なぜ眠っておられるのですか。
目をさましてください。
いつまでも拒まないでください。
24 なぜ御顔をお隠しになるのですか。
私たちの悩みとしいたげをお忘れになるのですか。
25 私たちのたましいはちりに伏し、
私たちの腹は地にへばりついています。
26 立ち上がって私たちをお助けください。
あなたの恵みのために
私たちを贖い出してください。
指揮者のために。「ゆりの花」の調べに合わせて。コラの子たちのマスキール。愛の歌
1 私の心はすばらしいことばでわき立っている。
私は王に私の作ったものを語ろう。
私の舌は巧みな書記の筆。
2 あなたは人の子らにまさって麗しい。
あなたのくちびるからは優しさが流れ出る。
神がとこしえにあなたを祝福しておられるからだ。
3雄々しい方よ。あなたの剣を腰に帯びよ。
あなたの尊厳と威光を。
4 あなたの威光は、真理と29柔和と義のために、
勝利のうちに乗り進め。
あなたの右の手は、恐ろしいことをあなたに教えよ。
5 あなたの矢は鋭い。
国々の民はあなたのもとに倒れ、王の敵は気を失う。
630神よ。あなたの王座は世々限りなく、
あなたの王国の杖は公正の杖。
7 あなたは義を愛し、悪を憎んだ。
それゆえ、神よ。あなたの神は喜びの油を
あなたのともがらにまして、あなたにそそがれた。
8 あなたの着物はみな、
没薬、アロエ、肉桂のかおりを放ち、
象牙のやかたから聞こえる緒琴は
あなたを喜ばせた。
9 王たちの娘があなたの愛する女たちの中にいる。
王妃はオフィルの金を身に着けて、
あなたの右に立つ。
10娘よ。聞け。心して、耳を傾けよ。
あなたの民と、あなたの父の家を忘れよ。
11 そうすれば王は、あなたの美を慕おう。
彼はあなたの夫であるから、彼の前にひれ伏せ。
12 ツロの娘は贈り物を携えて来、
民のうちの富んだ者はあなたの好意を求めよう。
13 王の娘は奥にいて栄華を窮め、
その衣には黄金が織り合わされている。
14 彼女は綾織物を着て、王の前に導かれ、
彼女に付き添うおとめらも
あなたのもとに連れて来られよう。
15 喜びと楽しみをもって彼らは導かれ、
王の宮殿に入って行く。
16 あなたの息子らがあなたの父祖に代わろう。
あなたは彼らを全地の君主に任じよう。
17 わたしはあなたの名を
代々にわたって覚えさせよう。
それゆえ、国々の民は世々限りなく、
あなたをほめたたえよう。
指揮者のために。コラの子たちによる。アラモテに合わせて。歌
1 神はわれらの避け所、また力。
苦しむとき、そこにある助け。
2 それゆえ、われらは恐れない。
たとい、地は変わり山々が海のまなかに移ろうとも。
3 たとい、その水が立ち騒ぎ、あわだっても、
その水かさが増して山々が揺れ動いても。 セラ
4 川がある。その流れは、
いと高き方の聖なる住まい、神の都を喜ばせる。
5 神はそのまなかにいまし、その都はゆるがない。
神は夜明け前にこれを助けられる。
6 国々は立ち騒ぎ、諸方の王国は揺らいだ。
神が御声を発せられると、地は溶けた。
7万軍の主はわれらとともにおられる。
ヤコブの神はわれらのとりでである。 セラ
8 来て、主のみわざを見よ。
主は地に荒廃をもたらされた。
9 主は地の果てまでも戦いをやめさせ、
弓をへし折り、槍を断ち切り、戦車を火で焼かれた。
10 「やめよ。
わたしこそ神であることを知れ。
わたしは国々の間であがめられ、
地の上であがめられる。」
11万軍の主はわれらとともにおられる。
ヤコブの神はわれらのとりでである。 セラ
指揮者のために。コラの子たちの賛歌
1 すべての国々の民よ。手をたたけ。
喜びの声をあげて神に叫べ。
2 まことに、いと高き方主は、恐れられる方。
全地の大いなる王。
3 国々の民を私たちのもとに、
国民を私たちの足もとに従わせる。
4 主は、私たちのためにお選びになる。
私たちの受け継ぐ地を。主の愛するヤコブの誉れを。 セラ
5 神は喜びの叫びの中を、主は角笛の音の中を、
上って行かれた。
6 神にほめ歌を歌え。ほめ歌を歌え。
われらの王にほめ歌を歌え。ほめ歌を歌え。
7 まことに神は全地の王。巧みな歌でほめ歌を歌え。
8 神は国々を統べ治めておられる。
神はその聖なる王座に着いておられる。
9 国々の民の尊き者たちは、
アブラハムの神の民として集められた。
10 まことに、地の盾は神のもの。
神は大いにあがめられる方。
歌。コラの子たちの賛歌
1主は大いなる方。大いにほめたたえられるべき方。
その聖なる山、われらの神の都において。
2高嶺の麗しさは、全地の喜び。
北の端なるシオンの山は大王の都。
3 神は、その宮殿で、ご自身をやぐらとして示された。
4 見よ。王たちは相つどい、
ともどもにそこを通り過ぎた。
5 彼らは、見るとたちまち驚き、
おじ惑って急いで逃げた。
6 その場で恐怖が彼らを捕らえた。
産婦のような苦痛。
7 あなたは東風でタルシシュの船を打ち砕かれる。
8 私たちは、聞いたとおりを、そのまま見た。
万軍の主の都、われらの神の都で。
神は都を、とこしえに堅く建てられる。 セラ
9 神よ。私たちは、あなたの宮の中で、
あなたの恵みを思い巡らしました。
10 神よ。あなたの誉れはあなたの御名と同じく、
地の果てにまで及んでいます。
あなたの右の手は義に満ちています。
11 あなたのさばきがあるために、シオンの山が喜び、
ユダの娘が楽しむようにしてください。
12 シオンを巡り、その回りを歩け。
そのやぐらを数えよ。
13 その城壁に心を留めよ。その宮殿を巡り歩け。
後の時代に語り伝えるために。
14 この方こそまさしく神。
世々限りなくわれらの神であられる。
神は私たちを31とこしえに導かれる。
指揮者のために。コラの子たちの賛歌
1 すべての国々の民よ。これを聞け。
世界に住むすべての者よ。耳を傾けよ。
2 低い者も、尊い者も、
富む者も、貧しい者も、ともどもに。
3 私の口は知恵を語り、私の心は英知を告げる。
4 私はたとえに耳を傾け、
立琴に合わせて私のなぞを解き明かそう。
5 どうして私は、わざわいの日に、
恐れなければならないのか。
私を取り囲んで中傷する者の悪意を。
6 おのれの財産に信頼する者どもや、
豊かな富を誇る者どもを。
7 人は自分の兄弟をも買い戻すことはできない。
自分の身代金を神に払うことはできない。
8 ──たましいの贖いしろは、高価であり、
永久にあきらめなくてはならない──
9 人はとこしえまでも生きながらえるであろうか。
墓を見ないであろうか。
10 彼は見る。知恵のある者たちが死に、
愚か者もまぬけ者もひとしく滅び、
自分の財産を他人に残すのを。
11 彼らは、心の中で、彼らの家は永遠に続き、
その住まいは代々にまで及ぶと思い、
自分たちの土地に、自分たちの名をつける。
12 しかし人は、その栄華のうちにとどまれない。
人は滅びうせる獣に等しい。
13 これが愚か者どもの道、
彼らに従い、彼らの言うことを受け入れる者どもの
道である。 セラ
14 彼らは羊のように32よみに定められ、
死が彼らの羊飼いとなる。
朝は、直ぐな者が彼らを支配する。
彼らのかたちはなくなり、
よみがその住む所となる。
15 しかし神は私のたましいを
33よみの手から買い戻される。
神が私を受け入れてくださるからだ。 セラ
16恐れるな。人が富を得ても、
その人の家の栄誉が増し加わっても。
17 人は、死ぬとき、何一つ持って行くことができず、
その栄誉も彼に従って下っては行かないのだ。
18 彼が生きている間、自分を祝福できても、
また、あなたが幸いな暮らしをしているために、
人々があなたをほめたたえても。
1934あなたは、自分の先祖の世代に行き、
彼らは決して光を見ないであろう。
20 人はその栄華の中にあっても、悟りがなければ、
滅びうせる獣に等しい。
アサフの賛歌
1 神の神、主は語り、地を呼び寄せられた。
日の上る所から沈む所まで。
2麗しさの窮み、シオンから、
神は光を放たれた。
3 われらの神は来て、黙ってはおられない。
御前には食い尽くす火があり、
その回りには激しいあらしがある。
4 神はご自分の民をさばくため、
上なる天と、地とを呼び寄せられる。
5 「わたしの聖徒たちをわたしのところに集めよ。
いけにえにより、わたしの契約を結んだ者たちを。」
6 天は神の義を告げ知らせる。
まことに神こそは審判者である。 セラ
7 「聞け。わが民よ。わたしは語ろう。
イスラエルよ。わたしはあなたを戒めよう。
わたしは神、あなたの神である。
8 いけにえのことで、あなたを責めるのではない。
あなたの全焼のいけにえは、
いつも、わたしの前にある。
9 わたしは、あなたの家から、
若い雄牛を取り上げはしない。
あなたの囲いから、雄やぎをも。
10 森のすべての獣は、わたしのもの、
千の丘の家畜らも。
11 わたしは、35山の鳥も残らず知っている。
野に群がるものもわたしのものだ。
12 わたしはたとい飢えても、あなたに告げない。
世界とそれに満ちるものはわたしのものだから。
13 わたしが雄牛の肉を食べ、
雄やぎの血を飲むだろうか。
14感謝のいけにえを神にささげよ。
あなたの誓いをいと高き方に果たせ。
15苦難の日にはわたしを呼び求めよ。
わたしはあなたを助け出そう。
あなたはわたしをあがめよう。」
16 しかし、悪者に対して神は言われる。
「何事か。おまえがわたしのおきてを語り、
わたしの契約を口にのせるとは。
17 おまえは戒めを憎み、
わたしのことばを自分のうしろに投げ捨てた。
18 おまえは盗人に会うと、これとくみし、
姦通する者と親しくする。
19 おまえの口は悪を放ち、
おまえの舌は欺きを仕組んでいる。
20 おまえは座して、おのれの兄弟の悪口を言い、
おのれの母の子をそしる。
21 こういうことをおまえはしてきたが、
わたしは黙っていた。
わたしがおまえと等しい者だと
おまえは、思っていたのだ。
わたしはおまえを責める。
おまえの目の前でこれを並べ立てる。
22 神を忘れる者よ。
さあ、このことをよくわきまえよ。
さもないと、わたしはおまえを引き裂き、
救い出す者もいなくなろう。
23感謝のいけにえをささげる人は、
わたしをあがめよう。
その道を正しくする人に、
わたしは神の救いを見せよう。」
指揮者のために。ダビデの賛歌。ダビデがバテ・シェバのもとに通ったのちに、預言者ナタンが彼のもとに来たとき
1 神よ。御恵みによって、私に情けをかけ、
あなたの豊かなあわれみによって、
私のそむきの罪をぬぐい去ってください。
2 どうか私の咎を、私から全く洗い去り、
私の罪から、私をきよめてください。
3 まことに、私は自分のそむきの罪を知っています。
私の罪は、いつも私の目の前にあります。
4 私はあなたに、ただあなたに、罪を犯し、
あなたの御目に悪であることを行いました。
それゆえ、
あなたが宣告されるとき、あなたは正しく、
さばかれるとき、あなたはきよくあられます。
5 ああ、私は咎ある者として生まれ、
罪ある者として母は私をみごもりました。
6 ああ、あなたは心のうちの真実を喜ばれます。
それゆえ、私の心の奥に知恵を教えてください。
7 ヒソプをもって私の罪を除いてきよめてください。
そうすれば、私はきよくなりましょう。
私を洗ってください。
そうすれば、私は雪よりも白くなりましょう。
8 私に、楽しみと喜びを、聞かせてください。
そうすれば、あなたがお砕きになった骨が、
喜ぶことでしょう。
9御顔を私の罪から隠し、
私の咎をことごとく、ぬぐい去ってください。
10 神よ。私にきよい心を造り、
ゆるがない霊を私のうちに新しくしてください。
11 私をあなたの御前から、投げ捨てず、
あなたの聖霊を、私から取り去らないでください。
12 あなたの救いの喜びを、私に返し、
喜んで仕える霊が、私をささえますように。
13 私は、そむく者たちに、
あなたの道を教えましょう。
そうすれば、罪人は、あなたのもとに帰りましょう。
14 神よ。私の救いの神よ。
血の罪から私を救い出してください。
そうすれば、私の舌は、
あなたの義を、高らかに歌うでしょう。
15 主よ。私のくちびるを開いてください。
そうすれば、私の口は、
あなたの誉れを告げるでしょう。
16 たとい私がささげても、
まことに、あなたはいけにえを喜ばれません。
全焼のいけにえを、望まれません。
17 神へのいけにえは、砕かれた霊。
砕かれた、悔いた心。
神よ。あなたは、それをさげすまれません。
18 どうか、ご恩寵により、シオンにいつくしみを施し、
エルサレムの城壁を築いてください。
19 そのとき、あなたは、
全焼のいけにえと全焼のささげ物との、
義のいけにえを喜ばれるでしょう。
そのとき、
雄の子牛があなたの祭壇にささげられましょう。
指揮者のために。ダビデのマスキール。エドム人ドエグがサウルのもとに来て、彼に告げて「ダビデがアヒメレクの家に来た」と言ったときに
1 なぜ、おまえは悪を誇るのか。勇士よ。
神の恵みは、いつも、あるのだ。
2欺く者よ。おまえの舌は破滅を図っている。
さながら鋭い刃物のようだ。
3 おまえは、善よりも悪を、
義を語るよりも偽りを愛している。 セラ
4欺きの舌よ。
おまえはあらゆるごまかしのことばを愛している。
5 それゆえ、神はおまえを全く打ち砕き、
打ち倒し、おまえを幕屋から引き抜かれる。
こうして、生ける者の地から、
おまえを根こぎにされる。 セラ
6 正しい者らは見て、恐れ、彼を笑う。
7 「見よ。彼こそは、神を力とせず、
おのれの豊かな富にたより、おのれの悪に強がる。」
8 しかし、この私は、
神の家にあるおい茂るオリーブの木のようだ。
私は、世々限りなく、神の恵みに拠り頼む。
9 私は、とこしえまでも、あなたに感謝します。
あなたが、こうしてくださったのですから。
私はあなたの聖徒たちの前で、
いつくしみ深いあなたの御名を待ち望みます。
指揮者のために。「マハラテ」の調べに合わせて。ダビデのマスキール
1愚か者は心の中で「神はいない」と言っている。
彼らは腐っており、忌まわしい不正を行っている。
善を行う者はいない。
2 神は天から人の子らを見おろして、
神を尋ね求める、悟りのある者が
いるかどうかをご覧になった。
3 彼らはみな、そむき去り、
だれもかれも腐り果てている。
善を行う者はいない。ひとりもいない。
4 不法を行う者らは知らないのか。
彼らはパンを食らうように、わたしの民を食らい、
神を呼び求めようとはしない。
5 見よ。彼らが恐れのないところで、
いかに恐れたかを。
それは神が、あなたに対して陣を張る者の骨を
まき散らされたからだ。
あなたは彼らをはずかしめた。
それは神が彼らを捨てられたからだ。
6 ああ、イスラエルの救いがシオンから来るように。
神が御民の繁栄を元どおりにされるとき、
ヤコブは楽しめ。
イスラエルは喜べ。
指揮者のために。弦楽器に合わせて。ダビデのマスキール。ジフの人たちが来て、「ダビデはわれらの所に隠れているではないか」とサウルに言ったとき
1 神よ。御名によって、私をお救いください。
あなたの権威によって、私を弁護してください。
2 神よ。私の祈りを聞いてください。
私の口のことばに、耳を傾けてください。
3 見知らぬ者たちが、私に立ち向かい、
横暴な者たちが私のいのちを求めます。
彼らは自分の前に神を置いていないからです。 セラ
4 まことに、神は私を助ける方、
主は私のいのちをささえる方です。
5 神は、私を待ち伏せている者どもに
わざわいを報いられます。
あなたの真実をもって、彼らを滅ぼしてください。
6 私は、進んでささげるささげ物をもって、
あなたにいけにえをささげます。
主よ。いつくしみ深いあなたの御名に、感謝します。
7 神は、すべての苦難から私を救い出し、
私の目が私の敵をながめるようになったからです。
指揮者のために。弦楽器に合わせて。ダビデのマスキール
1 神よ。私の祈りを耳に入れ、
私の切なる願いから、身を隠さないでください。
2 私に御心を留め、私に答えてください。
私は苦しんで、心にうめき、泣きわめいています。
3 それは敵の叫びと、悪者の迫害のためです。
彼らは私にわざわいを投げかけ、
激しい怒りをもって私に恨みをいだいています。
4 私の心は、うちにもだえ、
死の恐怖が、私を襲っています。
5恐れとおののきが私に臨み、
戦慄が私を包みました。
6 そこで私は言いました。
「ああ、私に鳩のように翼があったなら。
そうしたら、飛び去って、休むものを。
7 ああ、私は遠くの方へのがれ去り、
荒野の中に宿りたい。 セラ
8 あらしとはやてを避けて、
私ののがれ場に急ぎたい。」
9 主よ。どうか、彼らのことばを混乱させ、
分裂させてください。
私はこの町の中に暴虐と争いを見ています。
10 彼らは昼も夜も、町の城壁の上を歩き回り、
町の真ん中には、罪悪と害毒があります。
11破滅は町の真ん中にあり、
虐待と詐欺とは、その市場から離れません。
12 まことに、私をそしる者が敵ではありません。
それなら私は忍べたでしょう。
私に向かって高ぶる者が
私を憎む者ではありません。
それなら私は、彼から身を隠したでしょう。
13 そうではなくて、おまえが。
私の同輩、私の友、私の親友のおまえが。
14 私たちは、いっしょに仲良く語り合い、
神の家に群れといっしょに歩いて行ったのに。
15 死が、彼らをつかめばよい。
彼らが生きたまま、36よみに下るがよい。
悪が、彼らの住まいの中、彼らのただ中にあるから。
16 私が、神に呼ばわると、
主は私を救ってくださる。
17 夕、朝、真昼、私は嘆き、うめく。
すると、主は私の声を聞いてくださる。
18 主は、私のたましいを、37敵の挑戦から、
平和のうちに贖い出してくださる。
私と争う者が多いから。
19 神は聞き、彼らを悩まされる。
昔から王座に着いている者をも。 セラ
彼らは38改めず、彼らは神を恐れない。
20 彼は、自分の親しい者にまで手を伸ばし、
自分の誓約を破った。
21 彼の口は、バタよりもなめらかだが、
その心には、戦いがある。
彼のことばは、油よりも柔らかいが、
それは抜き身の剣である。
22 あなたの重荷を主にゆだねよ。
主は、あなたのことを心配してくださる。
主は決して、正しい者がゆるがされるようには
なさらない。
23 しかし、神よ。あなたは彼らを、
滅びの穴に落とされましょう。
血を流す者と欺く者どもは、
おのれの日数の半ばも生きながらえないでしょう。
けれども、私は、あなたに拠り頼みます。
指揮者のために。「遠くの人の、もの言わぬ鳩」の調べに合わせて。ダビデのミクタム。ペリシテ人が、ガテでダビデを捕らえたときに
1 神よ。私をあわれんでください。
人が私を踏みつけ、一日中、戦って、
私をしいたげます。
2 私の敵は、一日中、私を踏みつけています。
誇らしげに私に戦いをいどんでいる者が、
多くいます。
3恐れのある日に、私は、あなたに信頼します。
4 神にあって、私はみことばを、ほめたたえます。
私は神に信頼し、何も恐れません。
肉なる者が、私に何をなしえましょう。
5 一日中、彼らは私のことばを痛めつけています。
彼らの思い計ることはみな、
私にわざわいを加えることです。
6 彼らは襲い、彼らは待ち伏せ、
私のあとをつけています。
私のいのちをねらっているように。
7 神よ。彼らの不法のゆえに、
彼らを投げつけてください。
御怒りをもって、国々の民を打ち倒してください。
8 あなたは、私のさすらいをしるしておられます。
どうか私の涙を、
あなたの皮袋にたくわえてください。
それはあなたの書には、ないのでしょうか。
9 それで、私が呼ばわる日に、私の敵は退きます。
神が私の味方であることを私は知っています。
10 神にあって、私はみことばをほめたたえます。
主にあって、私はみことばをほめたたえます。
11 私は、神に信頼しています。それゆえ、恐れません。
人が、私に何をなしえましょう。
12 神よ。あなたへの誓いは、私の上にあります。
私は、感謝のいけにえを、あなたにささげます。
13 あなたは、私のいのちを死から、まことに私の足を、
つまずきから、
救い出してくださいました。
それは、私が、いのちの光のうちに、
神の御前を歩むためでした。
指揮者のために。「滅ぼすな」の調べに合わせて。ダビデのミクタム。ダビデがサウルからのがれて洞窟にいたときに
1 神よ。私をあわれんでください。
私をあわれんでください。
私のたましいはあなたに身を避けていますから。
まことに、滅びが過ぎ去るまで、
私は御翼の陰に身を避けます。
2 私はいと高き方、神に呼ばわります。
私のために、すべてを成し遂げてくださる神に。
3 神は、天からの送りで、私を救われます。
神は私を踏みつける者どもを、責めておられます。 セラ
神は恵みとまことを送られるのです。
4 私は、獅子の中にいます。
私は、人の子らをむさぼり食う者の中で
横になっています。
彼らの歯は、槍と矢、彼らの舌は鋭い剣です。
5 神よ。あなたが、天であがめられ、
あなたの栄光が、全世界であがめられますように。
6 彼らは私の足をねらって網を仕掛けました。
私のたましいは、うなだれています。
彼らは私の前に穴を掘りました。
そして自分で、その中に落ちました。 セラ
7 神よ。私の心はゆるぎません。
私の心はゆるぎません。
私は歌い、ほめ歌を歌いましょう。
8 私のたましいよ。目をさませ。
十弦の琴よ。立琴よ、目をさませ。
私は暁を呼びさましたい。
9 主よ。私は国々の民の中にあって、あなたに感謝し、
国民の中にあって、あなたにほめ歌を歌いましょう。
10 あなたの恵みは大きく、天にまで及び、
あなたのまことは雲にまで及ぶからです。
11 神よ。あなたが、天であがめられ、
あなたの栄光が、全世界であがめられますように。
指揮者のために。「滅ぼすな」の調べに合わせて。ダビデのミクタム
139力ある者よ。ほんとうに、おまえたちは義を語り、
人の子らを公正にさばくのか。
2 いや、心では不正を働き、
地上では、おまえたちの手の暴虐を、
はびこらせている。
3 悪者どもは、母の胎を出たときから、踏み迷い、
偽りを言う者どもは
生まれたときからさまよっている。
4 彼らは蛇の毒のような毒を持ち、
耳をふさぐ、耳の聞こえないコブラのよう。
5 これは、蛇使いの声も、
巧みに呪文を唱える者の声も、聞こうとしない。
6 神よ。彼らの歯を、その口の中で折ってください。
主よ。若獅子のきばを、打ち砕いてください。
7 彼らを、流れて行く水のように
消え去らせてください。
彼が矢を放つときは、
それを折れた矢のようにしてください。
8 彼らを、溶けて、消えていくかたつむりのように、
また、日の目を見ない、死産の子のように
してください。
9 おまえたちの釜が、いばらの40火を感じる前に、
神は、生のものも、燃えているものも、
ひとしくつむじ風で吹き払われる。
10 正しい者は、復讐を見て喜び、
その足を、悪者の血で洗おう。
11 こうして人々は言おう。
「まことに、正しい者には報いがある。
まことに、さばく神が、地におられる。」
指揮者のために。「滅ぼすな」の調べに合わせて。ダビデのミクタム。ダビデを殺そうと、サウルが人々を遣わし、彼らがその家の見張りをしたときに
1 わが神。私を敵から救い出してください。
私に立ち向かう者が届かぬほど、
私を高く上げてください。
2 不法を行う者どもから、私を救い出してください。
血を流す者どもから、私を救ってください。
3 今や、彼らは私のいのちを取ろうと、
待ち伏せています。
力ある者どもが、私に襲いかかろうとしています。
主よ。それは私のそむきの罪のためでもなく、
私の罪のためでもありません。
4 私には、咎がないのに、
彼らは走り回り、身を構えているのです。
どうか目をさまして、私を助けてください。
どうか、見てください。
5 あなたは万軍の神、主。イスラエルの神。
どうか目をさまして、
すべての国々を罰してください。
悪い裏切り者は、だれをもあわれまないでください。 セラ
6 彼らは、夕べには帰って来て、犬のようにほえ、
町をうろつき回る。
7 見よ。彼らは自分の口で放言し、
彼らのくちびるには、剣がある。
そして、「だれが聞くものか」と41言っている。
8 しかし主よ。あなたは、彼らを笑い、
すべての国々を、あざけられます。
942私の力、あなたを私は、見守ります。
神は私のとりでです。
10 私の恵みの神は、私を迎えに来てくださる。
神は、私の敵の敗北を見せてくださる。
11 彼らを殺してしまわないでください。
私の民が、忘れることのないためです。
御力によって、彼らを放浪させてください。
彼らを打ち倒してください。
主よ。私たちの盾よ。
12 彼らの口の罪は、彼らのくちびるのことばです。
彼らは高慢に取りつかれるがよい。
彼らの述べる、のろいとへつらいのために。
13激しい憤りをもって滅ぼし尽くしてください。
滅ぼし尽くして、彼らをなくしてください。
そうして、神が地の果て果てまでも
ヤコブを治められることを、
彼らが知るようにしてください。 セラ
14 こうして、彼らは夕べには帰って来て、
犬のようにほえ、町をうろつき回る。
15 彼らは、食を求めて、うろつき回り、
満ち足りなければ、うなる。
16 しかし、この私は、あなたの力を歌います。
まことに、朝明けには、あなたの恵みを
喜び歌います。
それは、私の苦しみの日に、あなたは私のとりで、
また、私の逃げ場であられたからです。
17 私の力、あなたに、私はほめ歌を歌います。
神は私のとりで、私の恵みの神であられます。
指揮者のために。「さとしは、ゆりの花」の調べに合わせて。教えのためのダビデのミクタム。ダビデがアラム・ナハライムやアラム・ツォバと戦っていたとき、ヨアブが帰って来て、塩の谷でエドムを一万二千人打ち殺したときに
1 神よ。あなたは私たちを拒み、
私たちを破り、
怒って、私たちから顔をそむけられました。
2 あなたは地をゆるがせ、それを引き裂かれました。
その裂け目を、いやしてください。
地がぐらついているのです。
3 あなたは、御民に苦難をなめさせられました。
よろめかす酒を、私たちに飲ませられました。
4 あなたは、あなたを恐れる者のために
旗を授けられました。
それは、弓にかえて、これをひらめかせるためです。 セラ
5 あなたの愛する者が助け出されるために、
あなたの右の手で救ってください。
そして私に答えてください。
6 神は聖所から告げられた。
「わたしは、喜び勇んで、シェケムを分割し、
スコテの谷を配分しよう。
7 ギルアデはわたしのもの。
マナセもわたしのもの。
エフライムもまた、わたしの頭のかぶと。
ユダはわたしの杖。
8 モアブはわたしの足を洗うたらい。
エドムの上に、わたしのはきものを投げつけよう。
ペリシテよ。わたしのゆえに大声で叫べ。」
9 だれが私を防備の町に連れて行くでしょう。
だれが私をエドムまで導くでしょう。
10 神よ。あなたご自身が
私たちを拒まれたのではありませんか。
神よ。あなたは、
もはや私たちの軍勢とともに、
出陣なさらないのですか。
11 どうか、敵から私たちを助けてください。
まことに、人の救いはむなしいものです。
12 神によって、私たちは力ある働きをします。
神こそ、私たちの敵を踏みつけられる方です。
指揮者のために。弦楽器に合わせて。ダビデによる
1 神よ。私の叫びを聞き、
私の祈りを心に留めてください。
2 私の心が衰え果てるとき、
私は地の果てから、あなたに呼ばわります。
どうか、私の及びがたいほど高い岩の上に、
私を導いてください。
3 まことに、あなたは私の避け所、
敵に対して強いやぐらです。
4 私は、あなたの幕屋に、いつまでも住み、
御翼の陰に、身を避けたいのです。 セラ
5 まことに、神よ。あなたは私の誓いを聞き入れ、
御名を恐れる者の受け継ぐ地を
私に下さいました。
6 どうか王のいのちを延ばし、
その齢を代々に至らせてください。
7 彼が、神の御前で、いつまでも
王座に着いているようにしてください。
恵みとまこととを彼に授け、
彼を保つようにしてください。
8 こうして、私は、あなたの御名を、
とこしえまでもほめ歌い、
私の誓いを日ごとに果たしましょう。
指揮者のために。エドトンによって。ダビデの賛歌
1 私のたましいは黙って、ただ神を待ち望む。
私の救いは神から来る。
2 神こそ、わが岩。わが救い。わがやぐら。
私は決して、ゆるがされない。
3 おまえたちは、いつまでひとりの人を襲うのか。
おまえたちはこぞって打ち殺そうとしている。
あたかも、傾いた城壁か、ぐらつく石垣のように。
4 まことに、彼らは彼を高い地位から
突き落とそうとたくらんでいる。
彼らは偽りを好み、
口では祝福し、心の中ではのろう。 セラ
5 私のたましいは黙って、ただ神を待ち望む。
私の望みは神から来るからだ。
6 神こそ、わが岩。わが救い。わがやぐら。
私はゆるがされることはない。
7 私の救いと、私の栄光は、神にかかっている。
私の力の岩と避け所は、神のうちにある。
8民よ。どんなときにも、神に信頼せよ。
あなたがたの心を神の御前に注ぎ出せ。
神は、われらの避け所である。 セラ
9 まことに、身分の低い人々は、むなしく、
高い人々は、偽りだ。
はかりにかけると、43彼らは上に上がる。
彼らを合わせても、息より軽い。
10圧制にたよるな。
略奪に44むなしい望みをかけるな。
富がふえても、それに心を留めるな。
11 神は、一度告げられた。
二度、私はそれを聞いた。
力は、神のものであることを。
12 主よ。恵みも、あなたのものです。
あなたは、そのしわざに応じて、人に報いられます。
ダビデの賛歌。彼がユダの荒野にいたときに
1 神よ。あなたは私の神。
私はあなたを切に求めます。
水のない、砂漠の衰え果てた地で、
私のたましいは、あなたに渇き、
私の身も、あなたを慕って気を失うばかりです。
2 私は、あなたの力と栄光を見るために、
こうして聖所で、あなたを仰ぎ見ています。
3 あなたの恵みは、いのちにもまさるゆえ、
私のくちびるは、あなたを賛美します。
4 それゆえ私は生きているかぎり、
あなたをほめたたえ、
あなたの御名により、両手を上げて祈ります。
5 私のたましいが脂肪と髄に満ち足りるかのように、
私のくちびるは喜びにあふれて賛美します。
6 ああ、私は床の上であなたを思い出し、
夜ふけて私はあなたを思います。
7 あなたは私の助けでした。
御翼の陰で、私は喜び歌います。
8 私のたましいは、あなたにすがり、
あなたの右の手は、私をささえてくださいます。
9 しかし、45私のいのちを求める者らは滅んでしまい、
地の深い所に行くでしょう。
10 彼らは、剣の力に渡され、
きつねのえじきとなるのです。
11 しかし王は、神にあって喜び、
神にかけて誓う者は、みな誇ります。
偽りを言う者の口は封じられるからです。
指揮者のために。ダビデの賛歌
1 神よ。私の嘆くとき、その声を聞いてください。
恐るべき敵から、私のいのちを守ってください。
2 悪を行う者どものはかりごとから、
不法を行う者らの騒ぎから、
私をかくまってください。
3 彼らは、その舌を剣のように、とぎすまし、
苦いことばの矢を放っています。
4 全き人に向けて、隠れた所から射掛け、
不意に射て恐れません。
5 彼らは悪事に凝っています。
語り合ってひそかにわなをかけ、
「だれに、見破ることができよう」と言っています。
6 彼らは不正をたくらみ、
「たくらんだ策略がうまくいった」
と言っています。
人の内側のものと心とは、深いものです。
7 しかし神は、矢を彼らに射掛けられるので、
彼らは、不意に傷つきましょう。
8 彼らは、おのれの舌を、
みずからのつまずきとしたのです。
彼らを見る者はみな、頭を振ってあざけります。
9 こうして、すべての人は恐れ、
神のみわざを告げ知らせ、
そのなさったことを悟ります。
10 正しい者は主にあって喜び、
主に身を避けます。
心の直ぐな人はみな、誇ることができましょう。
指揮者のために。ダビデの賛歌。歌
1 神よ。あなたの御前には静けさがあり、
シオンには賛美があります。
あなたに誓いが果たされますように。
2祈りを聞かれる方よ。
みもとにすべての肉なる者が参ります。
3咎が私を圧倒しています。
しかし、あなたは、私たちのそむきの罪を
赦してくださいます。
4 幸いなことよ。
あなたが選び、近寄せられた人、
あなたの大庭に住むその人は。
私たちは、あなたの家、あなたの聖なる宮の
良いもので満ち足りるでしょう。
5 私たちの救いの神よ。
あなたは、恐ろしい事柄をもって、
義のうちに私たちに答えられます。
あなたは、地のすべての果て果て、
遠い大海の、信頼の的です。
6 あなたは、御力によって山々を堅く建て、
力を帯びておられます。
7 あなたは、海のとどろき、その大波のとどろき、
また国々の民の騒ぎを静められます。
8 地の果て果てに住む者も
あなたの数々のしるしを恐れます。
あなたは、朝と夕べの起こる所を、
高らかに歌うようにされます。
9 あなたは、地を訪れ、水を注ぎ、
これを大いに豊かにされます。
神の川は水で満ちています。
あなたは、こうして地の下ごしらえをし、
彼らの穀物を作ってくださいます。
10 地のあぜみぞを水で満たし、そのうねをならし、
夕立で地を柔らかにし、
その生長を祝福されます。
11 あなたは、その年に、御恵みの冠をかぶらせ、
あなたの通られた跡には
あぶらがしたたっています。
12荒野の牧場はしたたり、
もろもろの丘も喜びをまとっています。
13 牧草地は羊の群れを着、
もろもろの谷は穀物をおおいとしています。
まことに喜び叫び、歌っています。
指揮者のために。歌。賛歌
1 全地よ。神に向かって喜び叫べ。
2御名の栄光をほめ歌い、
神への賛美を栄光に輝かせよ。
3 神に申し上げよ。
「あなたのみわざは、なんと恐ろしいことでしょう。
偉大な御力のために、
あなたの敵は、御前にへつらい服します。
4 全地はあなたを伏し拝み、
あなたにほめ歌を歌います。
あなたの御名をほめ歌います。」 セラ
5 さあ、神のみわざを見よ。
神の人の子らになさることは恐ろしい。
6 神は海を変えて、かわいた地とされた。
人々は川の中を歩いて渡る。
さあ、私たちは、神にあって喜ぼう。
7 神はその権力をもってとこしえに統べ治め、
その目は国々を監視される。
頑迷な者を、高ぶらせないでください。 セラ
8 国々の民よ。私たちの神をほめたたえよ。
神への賛美の声を聞こえさせよ。
9 神は、私たちを、いのちのうちに保ち、
私たちの足をよろけさせない。
10 神よ。まことに、あなたは私たちを調べ、
銀を精錬するように、私たちを練られました。
11 あなたは私たちを網に引き入れ、
私たちの腰に重荷をつけられました。
12 あなたは人々に、
私たちの頭の上を乗り越えさせられました。
私たちは、火の中を通り、水の中を通りました。
しかし、あなたは豊かな所へ
私たちを連れ出されました。
13 私は全焼のいけにえを携えて、あなたの家に行き、
私の誓いを果たします。
14 それは、私の苦しみのときに、
私のくちびるが言ったもの、
私の口が申し上げた誓いです。
15 私はあなたに肥えた獣の全焼のいけにえを、
雄羊のいけにえの煙とともにささげます。
雄牛を雄やぎといっしょに、ささげます。 セラ
16 さあ、神を恐れる者は、みな聞け。
神が私のたましいになさったことを語ろう。
17 私は、この口で神に呼ばわり、
この舌であがめた。
18 もしも私の心にいだく不義があるなら、
主は聞き入れてくださらない。
19 しかし、確かに、神は聞き入れ、
私の祈りの声を心に留められた。
20 ほむべきかな。神。
神は、私の祈りを退けず、
御恵みを私から取り去られなかった。
指揮者のために。弦楽器によって。賛歌。歌
1 どうか、神が私たちをあわれみ、祝福し、御顔を
私たちの上に照り輝かしてくださるように。 セラ
2 それは、あなたの道が地の上に、
あなたの御救いが
すべての国々の間に知られるためです。
3 神よ。国々の民があなたをほめたたえ、
国々の民がこぞって
あなたをほめたたえますように。
4国民が喜び、また、喜び歌いますように。
それはあなたが公正をもって国々の民をさばかれ、
地の国民を導かれるからです。 セラ
5 神よ。国々の民があなたをほめたたえ、
国々の民がこぞって
あなたをほめたたえますように。
6 地はその産物を出しました。
神、私たちの神が、
私たちを祝福してくださいますように。
7 神が私たちを祝福してくださって、
地の果て果てが、ことごとく神を恐れますように。
指揮者のために。ダビデの賛歌。歌
1 神よ。立ち上がってください。
神の敵は、散りうせよ。
神を憎む者どもは御前から逃げ去れ。
2煙が追い払われるように
彼らを追い払ってください。
悪者どもは火の前で溶け去るろうのように、
神の御前から滅びうせよ。
3 しかし、正しい者たちは喜び、
神の御前で、こおどりせよ。
喜びをもって楽しめ。
4 神に向かって歌い、御名をほめ歌え。
雲に乗って来られる方のために道を備えよ。
その御名は、46主。その御前で、こおどりして喜べ。
5 みなしごの父、やもめのさばき人は
聖なる住まいにおられる神。
6 神は孤独な者を家に住まわせ、
捕らわれ人を導き出して栄えさせられる。
しかし、頑迷な者だけは、焦げつく地に住む。
7 神よ。あなたが御民に先立って出て行かれ、
荒れ地を進み行かれたとき、 セラ
8 地は揺れ動き、天もまた神の御前に雨を降らせ、
シナイもイスラエルの神であられる神の御前で
震えました。
9 神よ。あなたは豊かな雨を注ぎ、
疲れきったあなたのゆずりの地を
しっかりと立てられました。
10 あなたの群れはその地に住みました。
神よ。あなたは、いつくしみによって
悩む者のために備えをされました。
11 主はみことばを賜る。
良いおとずれを告げる女たちは
大きな群れをなしている。
12万軍の王たちは逃げ去り、また逃げ去る。
そして家に居残っている女が獲物を分ける。
13 あなたがたは羊のおりの間に横たわるとき、
銀でおおわれた、鳩の翼。
その羽はきらめく黄金でおおわれている。
14全能者が王たちをかしこで散らされたとき、
ツァルモンには雪が降っていた。
15 神の山はバシャンの山。
峰々の連なる山はバシャンの山。
16 峰々の連なる山々。
なぜ、おまえたちは神がその住まいとして望まれた
あの山を、ねたみ見るのか。
まことに、主はとこしえに住まわれる。
17 神のいくさ車は幾千万と数知れず、
主がその中に、おられる。
シナイが聖の中にあるように。
18 あなたは、いと高き所に上り、
捕らわれた者をとりこにし、
人々から、みつぎを受けられました。
頑迷な者どもからさえも。
神であられる47主が、そこに住まわれるために。
19 ほむべきかな。日々、私たちのために、
重荷をになわれる主。
私たちの救いであられる神。 セラ
20 神は私たちにとって救いの神。
死を免れるのは、私の主、神による。
21 神は必ず敵の頭を打ち砕かれる。
おのれの罪過のうちを歩む者の毛深い脳天を。
22 主は仰せられた。
「わたしはバシャンから彼らを連れ帰る。
わたしは海の底から連れ帰る。
23 それは、あなたが、足を血に染めて、
彼らを打ち砕くために。
あなたの犬の舌が敵からその分け前を得るために。」
24 神よ。人々は、あなたの行列を見ました。
聖所でわが王わが神の行列を。
25 歌う者が先に立ち、楽人があとになり、
その間にタンバリンを鳴らしておとめらが行く。
26 「相つどうて、神をほめたたえよ。
イスラエルの泉から出た者よ。主をほめたたえよ。」
27 そこには、彼らを導く末子のベニヤミンがおり、
その群れの中にはユダの君主たち、
ゼブルンの君主たち、ナフタリの君主たちもいる。
28 神よ。御力を48奮い起こしてください。
私たちのために、事を行われた神よ。
御力を示してください。
29 エルサレムにあるあなたの宮のために、
王たちは、あなたに贈り物を持って来ましょう。
30葦の中の獣、それに、国々の民の子牛とともにいる
雄牛の群れを、叱ってください。
49銀の品々を踏み汚す
戦いを喜ぶ、国々の民を散らしてください。
3150使節らはエジプトから来、
51クシュはその手を
神に向かって急いで差し伸ばす。
32 この世の王国よ。神に向かって歌え。
主に、ほめ歌を歌え。 セラ
33 昔から、いと高き天に乗っておられる方に向かい、
ほめ歌を歌え。
聞け。神は御声を発せられる。力強い声を。
34 神の力を認めよ。
みいつはイスラエルの上に、御力は雲の上にある。
35 神よ。あなたはご自身の聖なる所におられ、
恐れられる方です。
イスラエルの神こそ
力と勢いとを御民にお与えになる方です。
ほむべきかな。神。
指揮者のために。「ゆりの花」の調べに合わせて。ダビデによる
1 神よ。私を救ってください。
水が、私ののどにまで、入って来ましたから。
2 私は深い泥沼に沈み、足がかりもありません。
私は大水の底に陥り
奔流が私を押し流しています。
3 私は呼ばわって疲れ果て、のどが渇き、
私の目は、わが神を待ちわびて、衰え果てました。
4 ゆえなく私を憎む者は私の髪の毛よりも多く、
私を滅ぼそうとする者、
偽り者の私の敵は強いのです。
それで、私は盗まなかった物をも
返さなければならないのですか。
5 神よ。あなたは私の愚かしさをご存じです。
私の数々の罪過は、あなたに隠されてはいません。
6万軍の神、主よ。あなたを待ち望む者たちが、
私のために恥を見ないようにしてください。
イスラエルの神よ。あなたを慕い求める者たちが、
私のために卑しめられないようにしてください。
7 私は、あなたのためにそしりを負い、
侮辱が私の顔をおおっていますから。
8 私は自分の兄弟からは、のけ者にされ、
私の母の子らにはよそ者となりました。
9 それは、あなたの家を思う熱心が私を食い尽くし、
あなたをそしる人々のそしりが、
私に降りかかったからです。
10 私が、断食して、わが身を泣き悲しむと、
それが私へのそしりとなりました。
11 私が荒布を自分の着物とすると、
私は彼らの物笑いの種となりました。
12 門にすわる者たちは私のうわさ話をしています。
私は酔いどれの歌になりました。
13 しかし主よ。この私は、あなたに祈ります。
神よ。みこころの時に。
あなたの豊かな恵みにより、
御救いのまことをもって、私に答えてください。
14 私を泥沼から救い出し、
私が沈まないようにしてください。
私を憎む者ども、また大水の底から、
私が救い出されるようにしてください。
15 大水の流れが私を押し流さず、
深い淵は私をのみこまず、
穴がその口を
私の上で閉じないようにしてください。
16主よ。私に答えてください。
あなたの恵みはまことに深いのです。
あなたの豊かなあわれみにしたがって
私に御顔を向けてください。
17 あなたのしもべに御顔を隠さないでください。
私は苦しんでいます。早く私に答えてください。
18 どうか、私のたましいに近づき、贖ってください。
私の敵のゆえに、私を贖ってください。
19 あなたは私へのそしりと、
私の恥と私への侮辱とをご存じです。
私に敵対する者はみな、あなたの御前にいます。
20 そしりが私の心を打ち砕き、
私は、ひどく病んでいます。
私は同情者を待ち望みましたが、ひとりもいません。
慰める者を待ち望みましたが、
見つけることはできませんでした。
21 彼らは私の食物の代わりに、苦味を与え、
私が渇いたときには酢を飲ませました。
22 彼らの前の食卓はわなとなれ。
彼らが52栄えるときには、それが落とし穴となれ。
23 彼らの目は暗くなって、見えなくなれ。
彼らの腰をいつもよろけさせてください。
24 あなたの憤りを彼らの上に注いでください。
あなたの燃える怒りが、
彼らに追いつくようにしてください。
25 彼らの陣営を荒れ果てさせ、彼らの宿営には
だれも住む者がないようにしてください。
26 彼らはあなたが打った者を迫害し、
あなたに傷つけられた者の痛みを
53数え上げるからです。
27 どうか、彼らの咎に咎を加え、
彼らをあなたの義の中に入れないでください。
28 彼らがいのちの書から消し去られ、
正しい者と並べて、書きしるされることが
ありませんように。
29 しかし私は悩み、痛んでいます。
神よ。御救いが私を高く上げてくださるように。
30 私は神の御名を歌をもってほめたたえ、
神を感謝をもってあがめます。
31 それは雄牛、
角と割れたひづめのある若い雄牛にまさって
主に喜ばれるでしょう。
32 心の貧しい人たちは、見て、喜べ。
神を尋ね求める者たちよ。あなたがたの心を生かせ。
33主は、貧しい者に耳を傾け、
その捕らわれ人らをさげすみなさらないのだから。
34 天と地は、主をほめたたえよ。
海とその中に動くすべてのものも。
35 まことに神がシオンを救い、
ユダの町々を建てられる。
こうして彼らはそこに住み、
そこを自分たちの所有とする。
36 主のしもべの子孫はその地を受け継ぎ、
御名を愛する者たちはそこに住みつこう。
指揮者のために。ダビデによる。記念のために
1 神よ。私を救い出してください。
主よ。急いで私を助けてください。
2 私のいのちを求める者どもが、
恥を見、はずかしめを受けますように。
私のわざわいを喜ぶ者どもが
退き卑しめられますように。
3 「あはは」とあざ笑う者どもが、
おのれの恥のためにうしろに退きますように。
4 あなたを慕い求める人がみな、
あなたにあって楽しみ、喜びますように。
あなたの救いを愛する人たちが、
「神をあがめよう」と、いつも言いますように。
5 私は、悩む者、貧しい者です。
神よ。私のところに急いでください。
あなたは私の助け、私を救う方。
主よ。遅れないでください。
1主よ。私はあなたに身を避けています。
私が決して恥を見ないようにしてください。
2 あなたの義によって、私を救い出し、
私を助け出してください。
あなたの耳を私に傾け、私をお救いください。
3 私の住まいの岩となり、
54強いとりでとなって、私を救ってください。
あなたこそ私の巌、私のとりでです。
4 わが神よ。私を悪者の手から助け出してください。
不正をする者や残虐な者の手からも。
5 神なる主よ。
あなたは、私の若いころからの私の望み、
私の信頼の的です。
6 私は生まれたときから、
あなたにいだかれています。
あなたは私を母の胎から取り上げた方。
私はいつもあなたを賛美しています。
7 私は多くの人にとっては奇蹟と思われました。
あなたが、私の力強い避け所だからです。
8 私の口には一日中、あなたの賛美と、
あなたの光栄が満ちています。
9 年老いた時も、私を見放さないでください。
私の力の衰え果てたとき、
私を見捨てないでください。
10 私の敵が私のことを話し合い、
私のいのちをつけねらう者どもが
共にたくらんでいるからです。
11 彼らはこう言っています。
「神は彼を見捨てたのだ。追いかけて、彼を捕らえよ。
救い出す者はいないから。」
12 神よ。私から遠く離れないでください。
わが神よ。急いで私を助けてください。
13 私をなじる者どもが恥を見、消えうせますように。
私を痛めつけようとする者どもが、
そしりと侮辱で、おおわれますように。
14 しかし、私自身は絶えずあなたを待ち望み、
いよいよ切に、あなたを賛美しましょう。
15 私の口は一日中、あなたの義と、あなたの救いを
語り告げましょう。
私は、その全部を知ってはおりませんが。
16 神なる主よ。
私は、あなたの大能のわざを携えて行き、
あなたの義を、ただあなただけを心に留めましょう。
17 神よ。あなたは、私の若いころから、
私を教えてくださいました。
私は今もなお、
あなたの奇しいわざを告げ知らせています。
18 年老いて、しらがになっていても、
神よ、私を捨てないでください。
私はなおも、あなたの力を次の世代に、
あなたの大能のわざを、
後に来るすべての者に告げ知らせます。
19 神よ。あなたの義は天にまで届きます。
あなたは大いなることをなさいました。
神よ。だれが、あなたと比べられましょうか。
20 あなたは私を多くの苦しみと悩みとに、
会わせなさいましたが、
私を再び生き返らせ、
地の深みから、再び私を引き上げてくださいます。
21 あなたが私の偉大さを増し、
ふり向いて私を慰めてくださいますように。
22 私もまた、六弦の立琴をもって、
あなたをほめたたえます。
わが神よ。あなたのまことを。
イスラエルの聖なる方よ。
私は、立琴をもって、あなたにほめ歌を歌います。
23 私があなたにほめ歌を歌うとき、
私のくちびるは、高らかに歌います。
また、あなたが贖い出された私のたましいも。
24 私の舌もまた、一日中、
あなたの義を言い表しましょう。
それは彼らが恥を見、
私を痛めつけようとする者どもが
はずかしめを受けるからです。
ソロモンによる
1 神よ。あなたの公正を王に、
あなたの義を王の子に授けてください。
2 彼があなたの民を義をもって、
あなたの、悩む者たちを
公正をもってさばきますように。
3 山々、丘々は義によって、
民に平和をもたらしますように。
4 彼が民の悩む者たちを弁護し、
貧しい者の子らを救い、
しいたげる者どもを、打ち砕きますように。
5 彼らが、日と月の続くかぎり、代々にわたって、
あなたを恐れますように。
6 彼は牧草地に降る雨のように、
地を潤す夕立のように下って来る。
7 彼の代に正しい者が栄え、
月のなくなるときまで、
豊かな平和がありますように。
8 彼は海から海に至るまで、
また、川から地の果て果てに至るまで
統べ治めますように。
9荒野の民は彼の前にひざをつき、
彼の敵はちりをなめますように。
10 タルシシュと島々の王たちは贈り物をささげ、
シェバとセバの王たちは、みつぎを納めましょう。
11 こうして、すべての王が彼にひれ伏し、
すべての国々が彼に仕えましょう。
12 これは、彼が、助けを叫び求める貧しい者や、
助ける人のない悩む者を救い出すからです。
13 彼は、弱っている者や貧しい者をあわれみ、
貧しい者たちのいのちを救います。
14 彼はしいたげと暴虐とから、
彼らのいのちを贖い出し、
彼らの血は彼の目に尊ばれましょう。
15 それゆえ、彼が生きながらえ、
彼にシェバの黄金がささげられますように。
彼のためにいつも彼らは祈り、
一日中、彼をほめたたえますように。
16 地では、山々の頂に穀物が豊かにあり、
その実りはレバノンのように豊かで、
町の人々は地の青草のように栄えますように。
17 彼の名はとこしえに続き、
その名は日の照るかぎり、いや増し、
人々は彼によって祝福され、
すべての国々は彼をほめたたえますように。
18 ほむべきかな。神、主、イスラエルの神。
ただ、主ひとり、奇しいわざを行う。
19 とこしえに、ほむべきかな。その栄光の御名。
その栄光は地に満ちわたれ。
アーメン。アーメン。
20 エッサイの子ダビデの祈りは終わった。
第三巻
アサフの賛歌
1 まことに神は、イスラエルに、
心のきよい人たちに、いつくしみ深い。
2 しかし、私自身は、この足がたわみそうで、
私の歩みは、すべるばかりだった。
3 それは、私が誇り高ぶる者をねたみ、
悪者の栄えるのを見たからである。
455彼らの死には、苦痛がなく、
彼らのからだは、あぶらぎっているからだ。
5 人々が苦労するとき、彼らはそうではなく、
ほかの人のようには打たれない。
6 それゆえ、高慢が彼らの首飾りとなり、
暴虐の着物が彼らをおおっている。
7 彼らの目は脂肪でふくらみ、
心の思いはあふれ出る。
8 彼らはあざけり、悪意をもって語り、
高い所からしいたげを告げる。
9 彼らはその口を天にすえ、
その舌は地を行き巡る。
10 それゆえ、その民は、ここに帰り、
豊かな水は、彼らによって飲み干された。
11 こうして彼らは言う。
「どうして神が知ろうか。
いと高き方に知識があろうか。」
12 見よ。悪者とは、このようなものだ。
彼らはいつまでも安らかで、富を増している。
13確かに私は、むなしく心をきよめ、
手を洗って、きよくしたのだ。
14 私は一日中打たれどおしで、
朝ごとに責められた。
15 もしも私が、「このままを述べよう」と言ったなら、
確かに私は、あなたの子らの世代の者を
裏切ったことだろう。
16 私は、これを知ろうと思い巡らしたが、
それは、私の目には、苦役であった。
17 私は、神の聖所に入り、
ついに、彼らの最後を悟った。
18 まことに、あなたは彼らをすべりやすい所に置き、
彼らを滅びに突き落とされます。
19 まことに、彼らは、またたくまに滅ぼされ、
突然の恐怖で滅ぼし尽くされましょう。
20 目ざめの夢のように、
主よ、あなたは、奮い立つとき、
彼らの姿をさげすまれましょう。
21 私の心が苦しみ、
私の内なる思いが突き刺されたとき、
22 私は、愚かで、わきまえもなく、
あなたの前で獣のようでした。
23 しかし私は絶えずあなたとともにいました。
あなたは私の右の手を
しっかりつかまえられました。
24 あなたは、私をさとして導き、
後には栄光のうちに受け入れてくださいましょう。
25 天では、56あなたのほかに、
だれを持つことができましょう。
地上では、あなたのほかに私はだれをも望みません。
26 この身とこの心とは尽き果てましょう。
しかし神はとこしえに私の心の岩、
私の分の土地です。
27 それゆえ、見よ。
あなたから遠く離れている者は滅びます。
あなたはあなたに不誠実な者をみな滅ぼされます。
28 しかし私にとっては、
神の近くにいることが、しあわせなのです。
私は、神なる主を私の避け所とし、
あなたのすべてのみわざを語り告げましょう。
アサフのマスキール
1 神よ。なぜ、いつまでも拒み、
あなたの牧場の羊に御怒りを燃やされるのですか。
2 どうか思い起こしてください。
昔あなたが買い取られた、あなたの会衆、
あなたがご自分のものである部族として
贖われた民を。
また、あなたがお住まいになったシオンの山を。
3永遠の廃墟に、あなたの足を向けてください。
敵は聖所であらゆる害を加えています。
4 あなたに敵対する者どもは、
あなたの集会のただ中でほえたけり、
おのれらの目じるしを、しるしとして掲げ、
5 森の中で斧を振り上げるかのようです。
6 そうして今や、手斧と槌で、
聖所の彫り物をことごとく打ち砕き、
7 あなたの聖所に火を放ち、
あなたの御名の住まいを、その地まで汚しました。
8 彼らは心の中で、
「彼らを、ことごとく征服しよう」と言い、
国中の神の集会所をみな、焼き払いました。
9 もう私たちのしるしは見られません。
もはや預言者もいません。
いつまでそうなのかを知っている者も、
私たちの間にはいません。
10 神よ。いつまで、仇はそしるのでしょうか。
敵は、永久に御名を侮るのでしょうか。
11 なぜ、あなたは御手を、右の御手を、
引っ込めておられるのですか。
その手をふところから出して
彼らを滅ぼし尽くしてください。
12確かに、神は、昔から私の王、
地上のただ中で、救いのわざを行われる方です。
13 あなたは、御力をもって海を分け、
海の巨獣の頭を砕かれました。
14 あなたは、レビヤタンの頭を打ち砕き、
荒野の民のえじきとされました。
15 あなたは泉と谷を切り開き、
絶えず流れる川をからされました。
16 昼はあなたのもの、夜もまたあなたのもの。
あなたは57月と太陽とを備えられました。
17 あなたは地のすべての境を定め、
夏と冬とを造られました。
18主よ。どうか、心に留めてください。
敵がそしり、
愚かな民が御名を侮っていることを。
19 あなたの山鳩のいのちを
獣に引き渡さないでください。
あなたの悩む者たちのいのちを
永久に忘れないでください。
20 どうか、契約に目を留めてください。
地の暗い所には暴虐が横行していますから。
21 しいたげられる者が卑しめられて帰ることがなく、
悩む者、貧しい者が御名をほめたたえますように。
22 神よ。立ち上がり、
あなたの言い分を立ててください。
愚か者が一日中あなたをそしっていることを
心に留めてください。
23 あなたに敵対する者どもの声や、
あなたに立ち向かう者どもの絶えずあげる叫びを、
お忘れにならないでください。
指揮者のために。「滅ぼすな」の調べに合わせて。アサフの賛歌。歌
1 私たちは、あなたに感謝します。
神よ。私たちは感謝します。
御名は、近くにあり、
人々は、あなたの奇しいわざを語り告げます。
2 「わたしが、定めの時を決め、
わたしみずから公正にさばく。
3 地とこれに住むすべての者が揺らぐとき、
わたしは地の柱を堅く立てる。 セラ
4 わたしは、誇る者には、『誇るな』と言い、
悪者には、
『角を上げるな。
5 おまえたちの角を、高く上げるな。
横柄な58態度で語るな』と言う。」
6 高く上げることは、東からでもなく、
西からでもなく、荒野からでもない。
7 それは、神が、さばく方であり、
これを低くし、かれを高く上げられるからだ。
8主の御手には、杯があり、
よく混ぜ合わされた、あわだつぶどう酒がある。
主が、これを注ぎ出されると、
この世の悪者どもは、こぞって、
そのかすまで飲んで、飲み干してしまう。
9 しかし私は、とこしえまでも告げよう。
ヤコブの神を、ほめ歌おう。
10 悪者どもの角を、ことごとく切り捨てよう。
しかし、正しい者の角は、高く上げられる。
指揮者のために。弦楽器によって。アサフの賛歌。歌
1 神はユダにおいて知られ、
御名はイスラエルにおいて大きい。
2 神の仮庵はシャレムにあり、
その住まいはシオンにある。
3 その所で神は弓につがえる火矢、盾と剣、
また戦いを打ち砕かれた。 セラ
4 あなたは輝かしく、
59えじきの山々にまさって威厳があります。
5剛胆な者らは略奪に会い、
彼らは全く眠りこけました。
勇士たちはだれも、
手の施しようがありませんでした。
6 ヤコブの神よ。
あなたが、お叱りになると、
騎手も馬も、深い眠りに陥りました。
7 あなたは、あなたは、恐ろしい方。
あなたが怒られたら、だれが御前に立ちえましょう。
8 あなたの宣告が天から聞こえると、
地は恐れて、沈黙を守りました。
9 神が、さばきのために、
そして地上の貧しい者たちをみな、救うために、
立ち上がられたそのときに。 セラ
10 まことに、人の憤りまでもが、あなたをほめたたえ、
あなたは、憤りの余りまでをも身に締められます。
11 あなたがたの神、主に、誓いを立て、それを果たせ。
主の回りにいる者はみな、恐るべき方に、
贈り物をささげよ。
12 主は君主たちのいのちを絶たれる。
地の王たちにとって、恐ろしい方。
指揮者のために。エドトンの調べによって。アサフの賛歌
1 私は神に向かい声をあげて、叫ぶ。
私が神に向かって声をあげると、神は聞かれる。
2苦難の日に、私は主を尋ね求め、
夜には、たゆむことなく手を差し伸ばしたが、
私のたましいは慰めを拒んだ。
3 私は神を思い起こして嘆き、
思いを潜めて、私の霊は衰え果てる。 セラ
4 あなたは、私のまぶたを閉じさせない。
私の心は乱れて、もの言うこともできない。
5 私は、昔の日々、遠い昔の年々を思い返した。
6 夜には私の歌を思い起こし、
自分の心と語り合い、私の霊は探り求める。
7 「主は、いつまでも拒まれるのだろうか。
もう決して愛してくださらないのだろうか。
8 主の恵みは、永久に絶たれたのだろうか。
約束は、代々に至るまで、果たされないのだろうか。
9 神は、いつくしみを忘れたのだろうか。
もしや、怒って
あわれみを閉じてしまわれたのだろうか。」 セラ
10 そのとき私は言った。
「私の弱いのは
いと高き方の右の手が変わったことによる。」
11 私は、60主のみわざを思い起こそう。
まことに、昔からの
あなたの奇しいわざを思い起こそう。
12 私は、あなたのなさったすべてのことに
思いを巡らし、
あなたのみわざを、静かに考えよう。
13 神よ。あなたの道は聖です。
神のように大いなる神が、ほかにありましょうか。
14 あなたは奇しいわざを行われる神、
国々の民の中に御力を現される方です。
15 あなたは御腕をもって、ご自分の民、
ヤコブとヨセフの子らを贖われました。 セラ
16 神よ。水はあなたを見たのです。
水はあなたを見て、わななきました。
わたつみもまた、震え上がりました。
17 雲は水を注ぎ出し、雷雲は雷をとどろかし、
あなたの矢もまた、ひらめき飛びました。
18 あなたの雷の声は、いくさ車のように鳴り、
いなずまは世界を照らし、
地は震え、揺れ動きました。
19 あなたの道は海の中にあり、
あなたの小道は大水の中にありました。
それで、あなたの足跡を見た者はありません。
20 あなたは、ご自分の民を、
モーセとアロンの手によって、
羊の群れのように導かれました。
アサフのマスキール
1 私の民よ。私の教えを耳に入れ、
私の口のことばに耳を傾けよ。
2 私は、口を開いて、たとえ話を語り、
昔からのなぞを物語ろう。
3 それは、私たちが聞いて、知っていること、
私たちの先祖が語ってくれたこと。
4 それを私たちは彼らの子孫に隠さず、
後の時代に語り告げよう。
主への賛美と御力と、
主の行われた奇しいわざとを。
5 主はヤコブのうちにさとしを置き、
みおしえをイスラエルのうちに定め、
私たちの先祖たちに命じて、
これをその子らに教えるようにされた。
6 後の世代の者、生まれてくる子らが、これを知り、
彼らが興り、これをその子らにまた語り告げるため、
7 彼らが神に信頼し、神のみわざを忘れず、
その仰せを守るためである。
8 また先祖たちのように、
彼らが、かたくなで、逆らう世代の者、
心定まらず、その霊が神に忠実でない世代の者と
ならないためである。
9 エフライムの人々は、
矢をつがえて弓を射る者であったが、
戦いの日には退却した。
10 彼らは、神の契約を守らず、
神のおしえに従って歩むことを拒み、
11 神の数々のみわざと、
神が見せてくださった多くの奇しいこととを
忘れてしまった。
12 神は、彼らの先祖たちの前で、
エジプトの地、ツォアンの野で、
奇しいわざを行われた。
13 神は海を分けて彼らを通らせ、
せきのように水を立てられた。
14 神は、昼は雲をもって、彼らを導き、
夜は、夜通し炎の光で彼らを導いた。
15荒野では岩を割り、
深い水からのように豊かに飲ませられた。
16 また、岩から数々の流れを出し、
水を川のように流された。
17 それなのに、彼らはなおも神に罪を犯し、
砂漠で、いと高き方に逆らった。
18 彼らは欲するままに食べ物を求め、
心のうちで神を試みた。
19 そのとき彼らは神に逆らって、こう言った。
「神は荒野の中で食事を備えることができようか。
20確かに、岩を打たれると、水がほとばしり出て
流れがあふれた。
だが、神は、パンをも与えることができようか。
ご自分の民に肉を備えることができようか。」
21 それゆえ、主は、これを聞いて激しく怒られた。
火はヤコブに向かって燃え上がり、
怒りもまた、イスラエルに向かって立ち上った。
22 これは、彼らが神を信ぜず、
御救いに信頼しなかったからである。
23 しかし神は、上の雲に命じて天の戸を開き、
24 食べ物としてマナを、彼らの上に降らせ、
天の穀物を彼らに与えられた。
25 それで人々は61御使いのパンを食べた。
神は飽きるほど食物を送られた。
26 神は、東風を天に起こし、
御力をもって、南風を吹かせられた。
27 神は彼らの上に肉をちりのように、
翼のある鳥をも海辺の砂のように降らせた。
28 それを宿営の中、住まいの回りに落とした。
29 そこで彼らは食べ、十分に満ち足りた。
こうして彼らの欲望を、かなえてくださった。
30 彼らがその欲望から離れず、
まだ、その食べ物が口にあるうちに、
31 神の怒りは彼らに向かって燃え上がり、
彼らのうちの最もがんじょうな者たちを殺し、
イスラエルの若い男たちを打ちのめされた。
32 このすべてのことにもかかわらず、
彼らはなおも罪を犯し、
神の奇しいわざを信じなかった。
33 それで神は、彼らの日をひと息のうちに、
彼らの齢を、突然の恐怖のうちに、終わらせた。
34 神が彼らを殺されると、彼らは神を尋ね求め、
立ち返って、神を切に求めた。
35 彼らは、神が自分たちの岩であり、
いと高き神が自分たちを贖う方であることを
思い出した。
36 しかしまた彼らは、その口で神を欺き、
その舌で神に偽りを言った。
37 彼らの心は神に誠実でなく、
神の契約にも忠実でなかった。
38 しかし、あわれみ深い神は、彼らの咎を赦して、
滅ぼさず、幾度も怒りを押さえ、
憤りのすべてをかき立てられはしなかった。
39 神は、彼らが肉にすぎず、
吹き去れば、返って来ない風であることを
心に留めてくださった。
40幾たび彼らは、荒野で神に逆らい、
荒れ地で神を悲しませたことか。
41 彼らはくり返して、神を試み、
イスラエルの聖なる方を痛めた。
42 彼らは神の力をも、
神が敵から贖い出してくださった日をも、
覚えてはいなかった。
43 神が、エジプトでしるしを、
ツォアンの野で奇蹟を行われたことを。
44 神がそこの川を血に変わらせたので、
その流れを飲むことができなかった。
45 神は彼らに、あぶの群れを送って彼らを食わせ、
かえるを送って彼らを滅ぼされた。
46 また、彼らの作物を、油虫に、
彼らの勤労の実を、いなごに与えられた。
47 神は、雹で、彼らのぶどうの木を、
62いなずまで、彼らのいちじく桑の木を滅ぼされた。
48 神は、彼らの家畜を、雹に、
彼らの家畜の群れを、疫病に渡された。
49 神は、彼らの上に、燃える怒りと激しい怒り、
憤りと苦しみ、
それに、わざわいの御使いの群れを送られた。
50 神は御怒りのために道をならし、
彼らのたましいに死を免れさせず、
彼らのいのちを疫病に渡された。
51 また、エジプトのすべての初子、
ハムの天幕の彼らの力の初めの子らを
打ち殺された。
52 しかし神は、ご自分の民を、
羊の群れのように連れ出し、
家畜の群れのように荒野の中を連れて行かれた。
53 彼らを安らかに導かれたので、彼らは恐れなかった。
彼らの敵は、海が包んでしまった。
54 こうして神は、ご自分の聖なる国、
右の御手で造られたこの山に、
彼らを連れて行かれた。
55 神はまた、彼らの前から国々を追い出し、
その地を相続地として彼らに分け与え、
イスラエルの諸族をおのおのの天幕に住まわせた。
56 それなのに、彼らはいと高き神を試み、
神に逆らって、神のさとしを守らず、
57 もとに戻って、
彼らの先祖たちのように裏切りをし、
たるんだ弓の矢のようにそれてしまった。
58 また彼らは、高き所を築いて神の怒りを引き起こし、
刻んだ像で、神のねたみを引き起こした。
59 神は、聞いて激しく怒り、
イスラエルを全く捨てられた。
60 それで、シロの御住まい、
人々の中にお建てになったその幕屋を見放し、
6163御力をとりこに、御栄えを敵の手に、ゆだねられた。
62 神はまた、御民を剣に渡し、
ご自分のものである民に対して激しく怒られた。
63 火はその若い男たちを食い尽くし、
その若い女たちは婚姻の歌を歌わなかった。
64 その祭司たちは剣に倒れ、
やもめたちは泣き悲しむこともできなかった。
65 そのとき主は眠りから目をさまされた。
ぶどう酒に酔った勇士がさめたように。
66 その敵を打ち退け、
彼らに永遠のそしりを与えられた。
67 それで、ヨセフの天幕を捨て、
エフライム族をお選びにならず、
68 ユダ族を選び、
主が愛されたシオンの山を、選ばれた。
69 主はその聖所を、高い天のように、
ご自分が永遠に基を据えた堅い地のように、
お建てになった。
70 主はまた、しもべダビデを選び、
羊のおりから彼を召し、
71乳を飲ませる雌羊の番から彼を連れて来て、
御民ヤコブとご自分のものであるイスラエルを
牧するようにされた。
72 彼は、正しい心で彼らを牧し、
英知の手で彼らを導いた。
アサフの賛歌
1 神よ。国々は、ご自身のものである地に侵入し、
あなたの聖なる宮をけがし、
エルサレムを廃墟としました。
2 彼らは、あなたのしもべたちのしかばねを
空の鳥のえじきとし、
あなたの聖徒たちの肉を野の獣に与え、
3聖徒たちの血を、エルサレムの回りに、
水のように注ぎ出しました。
彼らを葬る者もいません。
4 私たちは隣人のそしりとなり、
回りの者のあざけりとなり、
笑いぐさとなりました。
5主よ。いつまででしょうか。
あなたは、いつまでもお怒りなのでしょうか。
いつまで、あなたのねたみは
火のように燃えるのでしょうか。
6 どうか、あなたを知らない国々に、
御名を呼び求めない王国の上に、
あなたの激しい憤りを注ぎ出してください。
7 彼らはヤコブを食い尽くし、
その住む所を荒らしたからです。
8先祖たちの咎を、
私たちのものとして、思い出さないでください。
あなたのあわれみが、すみやかに、
私たちを迎えますように。
私たちは、ひどくおとしめられていますから。
9 私たちの救いの神よ。
御名の栄光のために、私たちを助けてください。
御名のために、
私たちを救い出し、私たちの罪をお赦しください。
10 なぜ、国々は、
「彼らの神はどこにいるのか」と言うのでしょう。
あなたのしもべたちの、流された血の復讐が、
私たちの目の前で、国々に思い知らされますように。
11捕らわれ人のうめきが御前に届きますように。
あなたの偉大な力によって、
死に定められた人々を
生きながらえさせてください。
12 主よ。あなたをそしった、そのそしりの七倍を、
私たちの隣人らの胸に返してください。
13 そうすれば、あなたの民、あなたの牧場の羊である
私たちは、
とこしえまでも、あなたに感謝し、
代々限りなくあなたの誉れを語り告げましょう。
指揮者のために。「さとしは、ゆりの花」の調べに合わせて。アサフの賛歌
1 イスラエルの牧者よ。聞いてください。
ヨセフを羊の群れのように導かれる方よ。
光を放ってください。
ケルビムの上の御座に着いておられる方よ。
2 エフライムとベニヤミンとマナセの前で、
御力を呼びさまし、
私たちを救うために来てください。
3 神よ。私たちをもとに返し、
御顔を照り輝かせてください。
そうすれば、私たちは救われます。
4万軍の神、主よ。
いつまで、あなたの民の祈りに
怒りを燃やしておられるのでしょう。
5 あなたは彼らに涙のパンを食べさせ、
あふれる涙を飲ませられました。
6 あなたは、私たちを隣人らの争いの的とし、
私たちの敵は敵で、私たちをあざけっています。
7万軍の神よ。私たちをもとに返し、
御顔を照り輝かせてください。
そうすれば、私たちは救われます。
8 あなたは、エジプトから、ぶどうの木を携え出し、
国々を追い出して、それを植えられました。
9 あなたがそのために、地を切り開かれたので、
ぶどうの木は深く根を張り、地にはびこりました。
10 山々もその影におおわれ、
神の杉の木もその大枝におおわれました。
11 ぶどうの木はその枝を海にまで、
若枝をあの川にまで伸ばしました。
12 なぜ、あなたは、石垣を破り、
道を行くすべての者に、
その実を摘み取らせなさるのですか。
13 林のいのししはこれを食い荒らし、
野に群がるものも、これを食べます。
14万軍の神よ。どうか、帰って来てください。
天から目を注ぎ、よく見てください。
そして、このぶどうの木を育ててください。
15 また、あなたの右の手が植えた苗と、
ご自分のために強くされた64枝とを。
16 それは火で焼かれ、切り倒されました。
彼らは、御顔のとがめによって、滅びるのです。
17 あなたの右の手の人の上に、御手が、
ご自分のため強くされた人の子の上に、御手が
ありますように。
18 そうすれば、私たちはあなたを裏切りません。
私たちを生かしてください。
私たちは御名を呼び求めます。
19万軍の神、主よ。私たちをもとに返し、
御顔を照り輝かせてください。
そうすれば、私たちは救われます。
指揮者のために。ギテトの調べに合わせて。アサフによる
1 われらの力であられる神に喜び歌え。
ヤコブの神に喜び叫べ。
2 声高らかにほめ歌を歌え。
タンバリンを打ち鳴らせ。
六弦の琴に合わせて、良い音の立琴をかき鳴らせ。
3 われらの祭りの日の、新月と満月に、
角笛を吹き鳴らせ。
4 それは、イスラエルのためのおきて、
ヤコブの神の定めである。
5 神が、エジプトの地に出て行かれたとき、
ヨセフの中に、それをあかしとして授けられた。
私は、まだ知らなかったことばを聞いた。
6 「わたしは、彼の肩から重荷を取り除き、
彼の手を荷かごから離してやった。
7 あなたは苦しみのときに、呼び求め、
わたしは、あなたを助け出した。
わたしは、雷の隠れ場から、あなたに答え、
メリバの水のほとりで、あなたをためした。 セラ
8 聞け。わが民よ。
わたしは、あなたをたしなめよう。
イスラエルよ。よくわたしの言うことを聞け。
9 あなたのうちに、ほかの神があってはならない。
あなたは、外国の神を拝んではならない。
10 わたしが、あなたの神、主である。
わたしはあなたをエジプトの地から連れ上った。
あなたの口を大きくあけよ。
わたしが、それを満たそう。
11 しかしわが民は、わたしの声を聞かず、
イスラエルは、わたしに従わなかった。
12 それでわたしは、
彼らをかたくなな心のままに任せ、
自分たちのおもんぱかりのままに歩かせた。
13 ああ、ただ、わが民がわたしに聞き従い、
イスラエルが、わたしの道を歩いたのだったら。
14 わたしはただちに、彼らの敵を征服し、
彼らの仇に、わたしの手を向けたのに。」
15主を憎む者どもは、主にへつらっているが、
彼らの65刑罰の時は永遠に続く。
16 しかし主は、最良の小麦を
イスラエルに食べさせる。
「わたしは岩の上にできる蜜で、
あなたを満ち足らせよう。」
アサフの賛歌
1 神は神の会衆の中に立つ。
神は66神々の真ん中で、さばきを下す。
2 いつまでおまえたちは、不正なさばきを行い、
悪者どもの顔を立てるのか。 セラ
3 弱い者とみなしごとのためにさばき、
悩む者と乏しい者の権利を認めよ。
4 弱い者と貧しい者とを助け出し、
悪者どもの手から救い出せ。
5 彼らは、知らない。また、悟らない。
彼らは、暗やみの中を歩き回る。
地の基は、ことごとく揺らいでいる。
6 わたしは言った。「おまえたちは神々だ。
おまえたちはみな、いと高き方の子らだ。
7 にもかかわらず、おまえたちは、人のように死に、
君主たちのひとりのように倒れよう。」
8 神よ。立ち上がって、地をさばいてください。
まことに、すべての国々は
あなたが、ご自分のものとしておられます。
歌。アサフの賛歌
1 神よ。沈黙を続けないでください。
黙っていないでください。
神よ。じっとしていないでください。
2 今、あなたの敵どもが立ち騒ぎ、
あなたを憎む者どもが頭をもたげています。
3 彼らは、あなたの民に対して
悪賢いはかりごとを巡らし、
あなたのかくまわれる者たちに
悪だくみをしています。
4 彼らは言っています。
「さあ、彼らの国を消し去って、
イスラエルの名が
もはや覚えられないようにしよう。」
5 彼らは心を一つにして悪だくみをし、
あなたに逆らって、契約を結んでいます。
6 それは、エドムの天幕の者たちとイシュマエル人、
モアブとハガル人、
7 ゲバルとアモン、それにアマレク、
ツロの住民といっしょにペリシテもです。
8 アッシリヤもまた、彼らにくみし、
彼らはロトの子らの腕となりました。セラ
9 どうか彼らを、ミデヤンや、キション川での
シセラとヤビンのようにしてください。
10 彼らは、エン・ドルで滅ぼされ、
土地の肥やしとなりました。
11 彼らの貴族らを、オレブとゼエブのように、
彼らの君主らをみな、
ゼバフとツァルムナのようにしてください。
12 彼らは言っています。
「神の牧場をわれわれのものとしよう。」
13 わが神よ。彼らを
吹きころがされる枯れあざみのように、
風の前の、わらのようにしてください。
14 林を燃やす火のように、
山々を焼き尽くす炎のように、
15 そのように、あなたのはやてで、彼らを追い、
あなたのあらしで
彼らを恐れおののかせてください。
16 彼らの顔を恥で満たしてください。
主よ。彼らがあなたの御名を
慕い求めるようにしてください。
17 彼らが恥を見、いつまでも恐れおののきますように。
彼らがはずかしめを受け、滅びますように。
18 こうして彼らが知りますように。
その名、主であるあなただけが、
全地の上にいますいと高き方であることを。
指揮者のために。ギテトの調べに合わせて。コラの子たちの賛歌
1万軍の主。あなたのお住まいは
なんと、慕わしいことでしょう。
2 私のたましいは、主の大庭を恋い慕って
絶え入るばかりです。
私の心も、身も、生ける神に喜びの歌を歌います。
3雀さえも、住みかを見つけました。
つばめも、ひなを入れる巣、
あなたの祭壇を見つけました。
万軍の主。私の王、私の神よ。
4 なんと幸いなことでしょう。
あなたの家に住む人たちは。
彼らは、いつも、あなたをほめたたえています。 セラ
5 なんと幸いなことでしょう。
その力が、あなたにあり、
その心の中に67シオンへの大路のある人は。
6 彼らは68涙の谷を過ぎるときも、
そこを泉のわく所とします。
初めの雨もまたそこを祝福でおおいます。
7 彼らは、力から力へと進み、
シオンにおいて、神の御前に現れます。
8万軍の神、主よ。
私の祈りを聞いてください。
ヤコブの神よ。耳を傾けてください。 セラ
9 神よ。われらの盾をご覧ください。
あなたに油そそがれた者の顔に
目を注いでください。
10 まことに、あなたの大庭にいる一日は
千日にまさります。
私は悪の天幕に住むよりは
むしろ神の宮の門口に立ちたいのです。
11 まことに、神なる主は太陽です。盾です。
主は恵みと栄光を授け、
正しく歩く者たちに、良いものを拒まれません。
12万軍の主よ。
なんと幸いなことでしょう。
あなたに信頼するその人は。
指揮者のために。コラの子たちの賛歌
1主よ。あなたは御国に恵みを施し、
ヤコブの繁栄を元どおりにされました。
2 あなたは、御民の咎を赦し、
彼らのすべての罪を、おおわれました。 セラ
3 あなたは、激しい怒りをことごとく取り去り、
燃える御怒りを、押しとどめられました。
4 われらの救いの神よ。
どうか、私たちを生き返らせ、
私たちに対する御怒りをやめてください。
5 あなたは、いつまでも、
私たちに対して怒っておられるのですか。
代々に至るまで、
あなたの御怒りを引き延ばされるのですか。
6 あなたは、私たちを再び生かされないのですか。
あなたの民があなたによって喜ぶために。
7主よ。私たちに、あなたの恵みを示し、
あなたの救いを私たちに与えてください。
8 私は、主であられる神の仰せを聞きたい。
主は、御民と聖徒たちとに平和を告げ、
彼らを再び愚かさには戻されない。
9 まことに御救いは主を恐れる者たちに近い。
それは、栄光が私たちの国にとどまるためです。
10恵みとまこととは、互いに出会い、
義と平和とは、互いに口づけしています。
11 まことは地から生えいで、
義は天から見おろしています。
12 まことに、主は、良いものを下さるので、
私たちの国は、その産物を生じます。
13義は、主の御前に先立って行き、
主の足跡を道とします。
ダビデの祈り
1主よ。あなたの耳を傾けて、
私に答えてください。
私は悩み、そして貧しいのです。
2 私のたましいを守ってください。
私は神を恐れる者です。
わが神よ。どうかあなたに信頼する
あなたのしもべを救ってください。
3 主よ。私をあわれんでください。
私は一日中あなたに呼ばわっていますから。
4 あなたのしもべのたましいを喜ばせてください。
主よ。私のたましいはあなたを仰いでいますから。
5 主よ。まことにあなたは
いつくしみ深く、赦しに富み、
あなたを呼び求めるすべての者に、
恵み豊かであられます。
6主よ。私の祈りを耳に入れ、
私の願いの声を心に留めてください。
7 私は苦難の日にあなたを呼び求めます。
あなたが答えてくださるからです。
8 主よ。神々のうちで、あなたに並ぶ者はなく、
あなたのみわざに比ぶべきものはありません。
9 主よ。あなたが造られたすべての国々は
あなたの御前に来て、伏し拝み、
あなたの御名をあがめましょう。
10 まことに、あなたは大いなる方、
奇しいわざを行われる方です。
あなただけが神です。
11主よ。あなたの道を私に教えてください。
私はあなたの真理のうちを歩みます。
私の心を一つにしてください。
御名を恐れるように。
12 わが神、主よ。私は心を尽くしてあなたに感謝し、
とこしえまでも、あなたの御名をあがめましょう。
13 それは、あなたの恵みが私に対して大きく、
あなたが私のたましいを、
69よみの深みから救い出してくださったからです。
14 神よ。高ぶる者どもは私に逆らって立ち、
横暴な者の群れは私のいのちを求めます。
彼らは、あなたを自分の前に置いていません。
15 しかし主よ。あなたは、あわれみ深く、
情け深い神。
怒るのにおそく、恵みとまことに富んでおられます。
16 私に御顔を向け、私をあわれんでください。
あなたのしもべに御力を与え、
あなたのはしための子をお救いください。
17 私に、いつくしみのしるしを行ってください。
そうすれば、私を憎む者らは見て、
恥を受けるでしょう。
まことに主よ。
あなたは私を助け、私を慰めてくださいます。
コラの子たちの賛歌。歌
1 主は聖なる山に基を置かれる。
2主は、ヤコブのすべての住まいにまさって、
シオンのもろもろの門を愛される。
3 神の都よ。あなたについては、
すばらしいことが語られている。 セラ
4 「わたしはラハブとバビロンを
わたしを知っている者の数に入れよう。
見よ。ペリシテとツロ、それに70クシュもともに。
これらをもここで生まれた者として。」
5 しかし、シオンについては、こう言われる。
「だれもかれもが、ここで生まれた」と。
こうして、いと高き方ご自身が
シオンを堅くお建てになる。
6主が国々の民を登録されるとき、
「この民はここで生まれた」としるされる。 セラ
7踊りながら歌う者は、
「私の泉はことごとく、あなたにある」と言おう。
歌。コラの子たちの賛歌。指揮者のため。マハラテ・レアノテの調べに合わせて。エズラフ人ヘマンのマスキール
1主、私の救いの神。
私は昼は、叫び、
夜は、あなたの御前にいます。
2 私の祈りがあなたの御前に届きますように。
どうか、あなたの耳を私の叫びに傾けてください。
3 私のたましいは、悩みに満ち、
私のいのちは、71よみに触れていますから。
4 私は穴に下る者とともに数えられ、
力のない者のようになっています。
5 死人の中でも見放され、
墓の中に横たわる
殺された者のようになっています。
あなたは彼らをもはや覚えてはおられません。
彼らはあなたの御手から断ち切られています。
6 あなたは私を最も深い穴に置いておられます。
そこは暗い所、深い淵です。
7 あなたの激しい憤りが私の上にとどまり、
あなたのすべての波で
あなたは私を悩ましておられます。 セラ
8 あなたは私の親友を私から遠ざけ、
私を彼らの忌みきらう者とされました。
私は閉じ込められて、出て行くことができません。
9 私の目は悩みによって衰えています。
主よ。私は日ごとにあなたを呼び求めています。
あなたに向かって私の両手を差し伸ばしています。
10 あなたは死人のために奇しいわざを
行われるでしょうか。
亡霊が起き上がって、
あなたをほめたたえるでしょうか。 セラ
11 あなたの恵みが墓の中で宣べられましょうか、
あなたの真実が滅びの中で。
12 あなたの奇しいわざが、
やみの中で知られるでしょうか、
あなたの義が忘却の地で。
13 しかし、主よ。
この私は、あなたに叫んでいます。
朝明けに、私の祈りはあなたのところに届きます。
14主よ。なぜ、私のたましいを拒み、
私に御顔を隠されるのですか。
15 私は若いころから悩み、そして死にひんしています。
私はあなたの恐ろしさに耐えてきて、
心が乱れています。
16 あなたの燃える怒りが私の上を越え、
あなたからの恐怖が私を滅ぼし尽くしました。
17 これらが日夜、大水のように私を囲み、
私を全く取り巻いてしまいました。
18 あなたは私から愛する者や友を
遠ざけてしまわれました。
私の知人たちは暗い所にいます。
エズラフ人エタンのマスキール
1 私は、主の恵みを、とこしえに歌います。
あなたの真実を代々限りなく私の口で知らせます。
2 私はこう言います。
「御恵みは、とこしえに建てられ、
あなたは、その真実を天に堅く立てられる」と。
3 「わたしは、わたしの選んだ者と契約を結び、
わたしのしもべダビデに誓っている。
4 わたしは、おまえのすえを、とこしえに堅く立て、
おまえの王座を代々限りなく建てる。」 セラ
5主よ。天は、あなたの奇しいわざを
ほめたたえます。
また、聖徒たちの集まりで、あなたの真実をも。
6 まことに、雲の上では
だれが主と並びえましょう。
力ある者の子らの中で
だれが主に似ているでしょう。
7 主は、聖徒たちのつどいで大いに恐れられている神。
主の回りのすべての者にまさって
恐れられている方です。
8万軍の神、主。
だれが、あなたのように力がありましょう。
72主よ。あなたの真実はあなたを取り囲んでいます。
9 あなたは海の高まりを治めておられます。
その波がさかまくとき、
あなたはそれを静められます。
10 あなたご自身が、
ラハブを殺された者のように打ち砕き、
あなたの敵を力ある御腕によって散らされました。
11 天はあなたのもの、地もあなたのもの。
世界とそれを満たすものは、
あなたがその基を据えられました。
12 北と南、これらをあなたが造られました。
タボルとヘルモンは
あなたの御名を高らかに歌います。
13 あなたは力ある腕を持っておられます。
あなたの御手は強く、
あなたの右の手は高く上げられています。
14義と公正は、あなたの王座の基。
恵みとまことは、御前に先立ちます。
15 幸いなことよ、喜びの叫びを知る民は。
主よ。彼らは、あなたの御顔の光の中を歩みます。
16 彼らは、あなたの御名をいつも喜び、
あなたの義によって、高く上げられます。
17 あなたが彼らの力の光栄であり、
あなたのご恩寵によって、
私たちの角が高く上げられているからです。
18 私たちの盾は主のもの、
私たちの王は
イスラエルの聖なる方のものだからです。
19 あなたは、かつて、幻のうちに、
あなたの敬虔な者たちに告げて、仰せられました。
「わたしは、ひとりの勇士に助けを与え、
民の中から選ばれた者を高く上げた。
20 わたしは、わたしのしもべダビデを見いだし、
わたしの聖なる油を彼にそそいだ。
21 わたしの手は彼とともに堅く立てられ、
わたしの腕もまた彼を強くしよう。
22敵が彼に害を与えることはなく、
不正な者も彼を悩ますことはない。
23 わたしは彼の前で彼の仇を打ち砕き、
彼を憎む者を打ち倒そう。
24 わたしの真実とわたしの恵みとは彼とともにあり、
わたしの名によって、彼の角は高く上げられる。
25 わたしは彼の手を海の上に、
彼の右の手を川の上に置こう。
26 彼は、わたしを呼ぼう。
『あなたはわが父、わが神、わが救いの岩』と。
27 わたしもまた、彼をわたしの長子とし、
地の王たちのうちの最も高い者としよう。
28 わたしの恵みを彼のために永遠に保とう。
わたしの契約は彼に対して真実である。
29 わたしは彼の子孫をいつまでも、
彼の王座を天の日数のように、続かせよう。
30 もし、その子孫がわたしのおしえを捨て、
わたしの定めのうちを歩かないならば、
31 また、もし彼らがわたしのおきてを破り、
わたしの命令を守らないならば、
32 わたしは杖をもって、彼らのそむきの罪を、
むちをもって、彼らの咎を罰しよう。
33 しかし、わたしは恵みを彼からもぎ取らず、
わたしの真実を偽らない。
34 わたしは、わたしの契約を破らない。
くちびるから出たことを、わたしは変えない。
35 わたしは、かつて、わが聖によって誓った。
わたしは決してダビデに偽りを言わない。
36 彼の子孫はとこしえまでも続き、
彼の王座は、太陽のようにわたしの前にあろう。
37 それは月のようにとこしえに、堅く立てられる。
雲の中の証人は真実である。」 セラ
38 しかし、あなたは拒んでお捨てになりました。
あなたによって油そそがれた者に向かって、
あなたは激しく怒っておられます。
39 あなたは、あなたのしもべの契約を廃棄し、
彼の冠を地に捨てて汚しておられます。
40 あなたは彼の城壁をことごとく打ちこわし、
その要塞を廃墟とされました。
41 道を通り過ぎる者はみな、彼から奪い取り、
彼は隣人のそしりとなっています。
42 あなたは彼の仇の右の手を高く上げ、
彼の敵をみな喜ばせておられます。
43 そればかりか、あなたは彼の剣の刃を折り曲げ、
彼が戦いに立てないようにされています。
44 あなたは、彼の輝きを消し、
彼の王座を地に投げ倒してしまわれました。
45 あなたは、彼の若い日を短くし、
恥で彼をおおわれました。 セラ
46 いつまでですか。主よ。
あなたがどこまでも身を隠し、
あなたの憤りが火のように燃えるのは。
47 どうか、心に留めていてください。
私がどれだけ長く生きるかを。
あなたはすべての人の子らを
いかにむなしいものとして創造されたかを。
48 いったい、生きていて死を見ない者は
だれでしょう。
だれがおのれ自身を、
73よみの力から救い出せましょう。 セラ
49 主よ。あなたのさきの恵みは
どこにあるのでしょうか。
それはあなたが真実をもって
ダビデに誓われたものです。
50 主よ。心に留めてください。
あなたのしもべたちの受けるそしりを。
私が多くの国々の民のすべてをこの胸に
こらえていることを。
51主よ。あなたの敵どもは、そのようにそしり、
そのように、あなたに油そそがれた者の足跡を
そしりました。
52 ほむべきかな。主。とこしえまでも。
アーメン。アーメン。
第四巻
神の人モーセの祈り
1 主よ。あなたは代々にわたって
私たちの住まいです。
2 山々が生まれる前から、
あなたが地と世界とを生み出す前から、
まことに、とこしえからとこしえまで
あなたは神です。
3 あなたは人をちりに帰らせて言われます。
「人の子らよ、帰れ。」
4 まことに、あなたの目には、
千年も、きのうのように過ぎ去り、
夜回りのひとときのようです。
5 あなたが人を押し流すと、
彼らは、眠りにおちます。
朝、彼らは移ろう草のようです。
6 朝は、花を咲かせているが、また移ろい、
夕べには、しおれて枯れます。
7 まことに、私たちは
あなたの御怒りによって消えうせ、
あなたの激しい憤りにおじ惑います。
8 あなたは私たちの不義を御前に、
私たちの秘めごとを御顔の光の中に置かれます。
9 まことに、私たちのすべての日は
あなたの激しい怒りの中に沈み行き、
私たちは自分の齢をひと息のように終わらせます。
10 私たちの齢は七十年。
健やかであっても八十年。
しかも、その74誇りとするところは
労苦とわざわいです。
それは早く過ぎ去り、私たちも飛び去るのです。
11 だれが御怒りの力を知っているでしょう。
だれがあなたの激しい怒りを知っているでしょう。
その恐れにふさわしく。
12 それゆえ、私たちに
自分の日を正しく数えることを教えてください。
そうして私たちに
知恵の心を得させてください。
13 帰って来てください。
主よ。いつまでこのようなのですか。
あなたのしもべらを、あわれんでください。
14 どうか、朝には、あなたの恵みで
私たちを満ち足らせ、
私たちのすべての日に、喜び歌い、
楽しむようにしてください。
15 あなたが私たちを悩まされた日々と、
私たちがわざわいに会った年々に応じて、
私たちを楽しませてください。
16 あなたのみわざをあなたのしもべらに、
あなたの威光を彼らの子らに見せてください。
17 私たちの神、主のご慈愛が
私たちの上にありますように。
そして、私たちの手のわざを
確かなものにしてください。
どうか、私たちの手のわざを
確かなものにしてください。
1 いと高き方の隠れ場に住む者は、
全能者の陰に宿る。
2 私は主に申し上げよう。
「わが避け所、わがとりで、
私の信頼するわが神」と。
3 主は狩人のわなから、
恐ろしい疫病から、
あなたを救い出されるからである。
4 主は、ご自分の羽で、あなたをおおわれる。
あなたは、その翼の下に身を避ける。
主の真実は、大盾であり、とりでである。
5 あなたは夜の恐怖も恐れず、
昼に飛び来る矢も恐れない。
6 また、暗やみに歩き回る疫病も、
真昼に荒らす滅びをも。
7 千人が、あなたのかたわらに、
万人が、あなたの右手に倒れても、
それはあなたには、近づかない。
8 あなたはただ、それを目にし、
悪者への報いを見るだけである。
9 それはあなたが私の避け所である主を、
いと高き方を、あなたの住まいとしたからである。
10 わざわいは、あなたにふりかからず、
えやみも、あなたの天幕に近づかない。
11 まことに主は、
あなたのために、御使いたちに命じて、
すべての道で、あなたを守るようにされる。
12 彼らは、その手で、あなたをささえ、
あなたの足が
石に打ち当たることのないようにする。
13 あなたは、獅子とコブラとを踏みつけ、
若獅子と蛇とを踏みにじろう。
14 彼がわたしを愛しているから、
わたしは彼を助け出そう。
彼がわたしの名を知っているから、
わたしは彼を高く上げよう。
15 彼が、わたしを呼び求めれば、
わたしは、彼に答えよう。
わたしは苦しみのときに彼とともにいて、
彼を救い彼に誉れを与えよう。
16 わたしは、彼を長いいのちで満ち足らせ、
わたしの救いを彼に見せよう。
賛歌。安息日のための歌
1主に感謝するのは、良いことです。
いと高き方よ。あなたの御名にほめ歌を歌うことは。
2 朝に、あなたの恵みを、
夜ごとに、あなたの真実を言い表すことは。
3 十弦の琴や六弦の琴、
それに立琴によるたえなる調べに合わせて。
4主よ。あなたは、あなたのなさったことで、
私を喜ばせてくださいましたから、
私は、あなたの御手のわざを、喜び歌います。
5主よ。あなたのみわざは
なんと大きいことでしょう。
あなたの御計らいは、いとも深いのです。
6 まぬけ者は知らず、
愚か者にはこれがわかりません。
7 悪者どもが青草のようにもえいでようと、
不法を行う者どもがみな栄えようと、
それは彼らが永遠に滅ぼされるためです。
8 しかし主よ。
あなたはとこしえに、いと高き所におられます。
9 おお、主よ。今、あなたの敵が、
今、あなたの敵が滅びます。
不法を行う者どもがみな、散らされるのです。
10 しかし、あなたは私の角を
野牛の75角のように高く上げ、
私に新しい油をそそがれました。
11 私の目は私を待ち伏せている者どもを見下し、
私の耳は
私に立ち向かう悪人ども76の悲鳴を聞きます。
12 正しい者は、なつめやしの木のように栄え、
レバノンの杉のように育ちます。
13 彼らは、主の家に植えられ、
私たちの神の大庭で栄えます。
14 彼らは年老いてもなお、実を実らせ、
みずみずしく、おい茂っていましょう。
15 こうして彼らは、主の正しいことを告げましょう。
主は、わが岩。主には不正がありません。
1主は、王であられ、みいつをまとっておられます。
主はまとっておられます。
力を身に帯びておられます。
まことに、世界は堅く建てられ、
揺らぐことはありません。
2 あなたの御座は、いにしえから堅く立ち、
あなたは、とこしえからおられます。
3主よ。川は、声をあげました。
川は、叫び声をあげました。
川は、とどろく声をあげています。
4 大水のとどろきにまさり、
海の力強い波にもまさって、
いと高き所にいます主は、力強くあられます。
5 あなたのあかしは、まことに確かです。
聖なることがあなたの家にはふさわしいのです。
主よ、いつまでも。
1復讐の神、主よ。
復讐の神よ。光を放ってください。
2 地をさばく方よ。立ち上がってください。
高ぶる者に報復してください。
3主よ。悪者どもはいつまで、
いつまで、悪者どもは、勝ち誇るのでしょう。
4 彼らは放言し、横柄に語り、
不法を行う者はみな自慢します。
5主よ。彼らはあなたの民を打ち砕き、
あなたのものである民を悩まします。
6 彼らは、やもめや在留異国人を殺し、
みなしごたちを打ち殺します。
7 こうして彼らは言っています。
「77主は見ることはない。ヤコブの神は気づかない。」
8 気づけ。民のうちのまぬけ者ども。
愚か者ども。おまえらは、
いつになったら、わかるのか。
9 耳を植えつけられた方が、
お聞きにならないだろうか。
目を造られた方が、ご覧にならないだろうか。
10 国々を戒める方が、お責めにならないだろうか。
人に知識を教えるその方が。
11主は、人の思い計ることがいかにむなしいかを、
知っておられる。
1278主よ。
なんと幸いなことでしょう。
あなたに、戒められ、
あなたのみおしえを教えられる、その人は。
13 わざわいの日に、あなたがその人に
平安を賜るからです。
その間に、悪者のためには穴が掘られます。
14 まことに、主は、ご自分の民を見放さず、
ご自分のものである民を、お見捨てになりません。
15 さばきは再び義に戻り、
心の直ぐな人はみな、これに従うでしょう。
16 だれが、私のために、悪を行う者に向かって
立ち上がるのでしょうか。
だれが、私のために、不法を行う者に向かって
堅く立つのでしょうか。
17 もしも主が私の助けでなかったなら、
私のたましいはただちに
沈黙のうちに住んだことでしょう。
18 もしも私が、
「私の足はよろけています」と言ったとすれば、
主よ、あなたの恵みが
私をささえてくださいますように。
19 私のうちで、思い煩いが増すときに、
あなたの慰めが、
私のたましいを喜ばせてくださいますように。
20 おきてにしたがって悪をたくらむ破滅の法廷が、
あなたを仲間に加えるでしょうか。
21 彼らは、正しい者のいのちを求めて共に集まり、
罪に定めて、罪を犯さない人の血を流します。
22 しかし主は、わがとりでとなり、
わが神は、わが避け所の岩となられました。
23 主は彼らの不義をその身に返し、
彼らの悪のゆえに、彼らを滅ぼされます。
われらの神、主が、彼らを滅ぼされます。
1 さあ、主に向かって、喜び歌おう。
われらの救いの岩に向かって、喜び叫ぼう。
2感謝の歌をもって、御前に進み行き、
賛美の歌をもって、主に喜び叫ぼう。
3主は大いなる神であり、
すべての神々にまさって、
大いなる王である。
4 地の深みは主の御手のうちにあり、
山々の頂も主のものである。
5 海は主のもの。主がそれを造られた。
陸地も主の御手が造られた。
6 来たれ。
私たちは伏し拝み、ひれ伏そう。
私たちを造られた方、主の御前に、ひざまずこう。
7 主は、私たちの神。
私たちは、その牧場の民、その御手の羊である。
きょう、もし御声を聞くなら、
8 メリバでのときのように、
荒野のマサでの日のように、
あなたがたの心をかたくなにしてはならない。
9 あのとき、あなたがたの先祖たちは
すでにわたしのわざを見ておりながら、
わたしを試み、わたしをためした。
10 わたしは四十年の間、
その世代の者たちを忌みきらい、そして言った。
「彼らは、心の迷っている民だ。
彼らは、わたしの道を知ってはいない」と。
11 それゆえ、わたしは怒って誓った。
「確かに彼らは、わたしの安息に、入れない」と。
1 新しい歌を主に歌え。
全地よ。主に歌え。
2主に歌え。
御名をほめたたえよ。
日から日へと、御救いの良い知らせを告げよ。
3 主の栄光を国々の中で語り告げよ。
その奇しいわざを、すべての国々の民の中で。
4 まことに主は大いなる方、
大いに賛美されるべき方。
すべての神々にまさって恐れられる方だ。
5 まことに、国々の民の神々はみな、むなしい。
しかし主は天をお造りになった。
6尊厳と威光は御前にあり、
力と光栄は主の聖所にある。
7 国々の民の諸族よ。主にささげよ。
栄光と力を主にささげよ。
8御名の栄光を主にささげよ。
ささげ物を携えて、主の大庭に入れ。
9聖なる飾り物を着けて、主にひれ伏せ。
全地よ。主の御前に、おののけ。
10 国々の中で言え。
「主は王である。
まことに、世界は堅く建てられ、揺らぐことはない。
主は公正をもって国々の民をさばく。」
11 天は喜び、地は、こおどりし、
海とそれに満ちているものは鳴りとどろけ。
12 野とその中にあるものはみな、喜び勇め。
そのとき、森の木々もみな、
主の御前で、喜び歌おう。
13確かに、主は来られる。
確かに、地をさばくために来られる。
主は、義をもって世界をさばき、
その真実をもって国々の民をさばかれる。
1主は、王だ。
地は、こおどりし、79多くの島々は喜べ。
2 雲と暗やみが主を取り囲み、
義とさばきが御座の基である。
3 火は御前に先立って行き
主を取り囲む敵を焼き尽くす。
4 主のいなずまは世界を照らし、
地は見て、おののく。
5 山々は主の御前に、ろうのように溶けた。
全地の主の御前に。
6 天は主の義を告げ、
すべての国々の民は主の栄光を見る。
7偶像に仕える者、
むなしいものを誇りとする者は、みな恥を見よう。
すべての神々よ。主にひれ伏せ。
8 シオンは聞いて、喜び、
ユダの娘たちも、こおどりしました。
主よ。あなたのさばきのために。
9 まことに主よ。
あなたは全地の上に、すぐれて高い方。
すべての神々をはるかに抜いて、高きにおられます。
10主を愛する者たちよ。悪を憎め。
主は聖徒たちのいのちを守り、
悪者どもの手から、彼らを救い出される。
11 光は、正しい者のために、80種のように蒔かれている。
喜びは、心の直ぐな人のために。
12 正しい者たち。主にあって喜べ。
その聖なる御名に感謝せよ。
賛歌
1 新しい歌を主に歌え。
主は、奇しいわざをなさった。
その右の御手と、その聖なる御腕とが、
主に勝利をもたらしたのだ。
2主は御救いを知らしめ、
その義を国々の前に現された。
3 主はイスラエルの家への
恵みと真実を覚えておられる。
地の果て果てまでもが、みな、
われらの神の救いを見ている。
4 全地よ。主に喜び叫べ。
大声で叫び、喜び歌い、ほめ歌を歌え。
5立琴に合わせて、主にほめ歌を歌え。
立琴と歌の調べに合わせて。
6 ラッパと角笛の音に合わせて、
主である王の御前で喜び叫べ。
7 海と、それに満ちているもの。
世界と、その中に住むものよ。鳴りとどろけ。
8 もろもろの川よ。手を打ち鳴らせ。
山々も、こぞって主の御前で喜び歌え。
9確かに、主は地をさばくために来られる。
主は義をもって世界をさばき、
公正をもって国々の民を、さばかれる。
1主は王である。
国々の民は恐れおののけ。
主は、ケルビムの上の御座に着いておられる。
地よ、震えよ。
2主はシオンにおいて、大いなる方。
主はすべての国々の民の上に高くいます。
3 国々の民よ。
大いなる、おそれおおい御名をほめたたえよ。
主は聖である。
4 王の力は、さばきを愛する。
あなたは公正を堅く立てられた。
あなたは、ヤコブの中で、
さばきと正義を行われた。
5 われらの神、主をあがめよ。
その足台のもとにひれ伏せ。
主は聖である。
6 モーセとアロンは主の祭司の中に、
サムエルは御名を呼ぶ者の中にいた。
彼らは主を呼び、主は彼らに答えられた。
7 主は、雲の柱から、彼らに語られた。
彼らは、主のさとしと、
彼らに賜ったおきてとを守った。
8 われらの神、主。あなたは、彼らに答えられた。
あなたは、彼らにとって赦しの神であられた。
しかし、彼らのしわざに対しては
それに報いる方であった。
9 われらの神、主をあがめよ。
その聖なる山に向かって、ひれ伏せ。
われらの神、主は聖である。
81感謝の賛歌
1 全地よ。主に向かって喜びの声をあげよ。
2 喜びをもって主に仕えよ。
喜び歌いつつ御前に来たれ。
3 知れ。主こそ神。
主が、私たちを造られた。
82私たちは主のもの、主の民、
その牧場の羊である。
483感謝しつつ、主の門に、
賛美しつつ、その大庭に、入れ。
主に感謝し、御名をほめたたえよ。
5主はいつくしみ深く
その恵みはとこしえまで、
その真実は代々に至る。
ダビデの賛歌
1 私は、恵みとさばきを歌いましょう。
主よ。あなたに、ほめ歌を歌いましょう。
2 私は、全き道に心を留めます。
いつ、あなたは私のところに来てくださいますか。
私は、正しい心で、自分の家の中を歩みます。
3 私の目の前に84卑しいことを置きません。
私は曲がったわざを憎みます。
それは私にまといつきません。
4 曲がった心は私から離れて行きます。
私は悪を知ろうともしません。
5陰で自分の隣人をそしる者を、
私は滅ぼします。
高ぶる目と誇る心の者に、
私は耐えられません。
6 私の目は、国の中の真実な人たちに注がれます。
彼らが私とともに住むために。
全き道を歩む者は、私に仕えます。
7欺く者は、私の家の中には住みえず、
偽りを語る者は、
私の目の前に堅く立つことができません。
8 朝ごとに、私は国の中の悪者を
ことごとく滅ぼします。
それは主の都から、不法を行う者を
ことごとく断ち切るためです。
悩む者の祈り。彼が気落ちして、自分の嘆きを主の前に注ぎ出したときのもの
1主よ。私の祈りを聞いてください。
私の叫びが、あなたに届きますように。
2 私が苦しんでいるときに、
御顔を私に隠さないでください。
私に耳を傾けてください。
私が呼ぶときに、早く私に答えてください。
3 私の日は煙の中に尽き果て、
私の骨は炉のように燃えていますから。
4 私の心は、青菜のように打たれ、しおれ、
パンを食べることさえ忘れました。
5 私の嘆く声で
私の骨と皮はくっついてしまいました。
6 私は荒野のペリカンのようになり、
廃墟のふくろうのようになっています。
7 私はやせ衰えて、
屋根の上のひとりぼっちの鳥のようになりました。
8 私の敵は一日中私をそしり、
私をあざける者は私を名ざして毒づきます。
9 これはみな、私が、パンを食べるように灰を食べ、
私の飲み物に涙を混ぜ合わせたからです。
10 それはあなたの憤りと怒りとのゆえに、
あなたが私を持ち上げ、投げ出されたからです。
11 私の日は、伸びていく夕影のようです。
私は、青菜のようにしおれています。
12 しかし、主よ。あなたはとこしえに御座に着き、
あなたの御名は代々に及びます。
13 あなたは立ち上がり、
シオンをあわれんでくださいます。
今やいつくしみの時です。
定めの時が来たからです。
14 まことに、あなたのしもべはシオンの石を愛し、
シオンのちりをいつくしみます。
15 こうして、国々は主の御名を恐れ、
地のすべての王はあなたの栄光を恐れましょう。
16 なぜなら、主はシオンを建て、
その栄光のうちに現れ、
17窮した者の祈りを顧み、
彼らの祈りをないがしろにされなかったからです。
18 次のことが、後の時代のために書きしるされ、
新しく造られる民が
85主を賛美しますように。
19主はその聖なるいと高き所から見おろし、
天から地の上に目を注がれました。
20捕らわれ人のうめきを聞き、
死に定められた者を解き放つために。
21 人々が、主の名をシオンで語り、
エルサレムで主を賛美するために。
22 また、国々の民や、王国が共に集められるとき、
主に仕えるために。
23 主は私の力を道の途中で弱くされ、
私の日数を短くされました。
24 私は申しました。
「わが神よ。私の日の半ばに
私を取り去らないでください。
あなたの年は代々に至ります。
25 あなたははるか以前に地の基を据えられました。
天も、あなたの御手のわざです。
26 これらのものは滅びるでしょう。
しかし、あなたはながらえられます。
すべてのものは衣のようにすり切れます。
あなたが着物のように取り替えられると、
それらは変わってしまいます。
27 しかし、あなたは変わることがなく、
あなたの年は尽きることがありません。
28 あなたのしもべらの子孫は住みつき、
彼らのすえは、
あなたの前に堅く立てられましょう。」
ダビデによる
1 わがたましいよ。主をほめたたえよ。
私のうちにあるすべてのものよ。
聖なる御名をほめたたえよ。
2 わがたましいよ。主をほめたたえよ。
主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな。
3 主は、あなたのすべての咎を赦し、
あなたのすべての病をいやし、
4 あなたのいのちを穴から贖い、
あなたに、恵みとあわれみとの冠をかぶらせ、
5 あなたの86一生を良いもので満たされる。
あなたの若さは、鷲のように、新しくなる。
6主はすべてしいたげられている人々のために、
正義とさばきを行われる。
7 主は、ご自身の道をモーセに、
そのみわざをイスラエルの子らに知らされた。
8主は、あわれみ深く、情け深い。
怒るのにおそく、恵み豊かである。
9 主は、絶えず争ってはおられない。
いつまでも、怒ってはおられない。
10 私たちの罪にしたがって私たちを扱うことをせず、
私たちの咎にしたがって
私たちに報いることもない。
11 天が地上はるかに高いように、
御恵みは、主を恐れる者の上に大きい。
12 東が西から遠く離れているように、
私たちのそむきの罪を私たちから遠く離される。
13 父がその子をあわれむように、
主は、ご自分を恐れる者をあわれまれる。
14 主は、私たちの成り立ちを知り、
私たちがちりにすぎないことを
心に留めておられる。
15 人の日は、草のよう。
野の花のように咲く。
16 風がそこを過ぎると、それは、もはやない。
その場所すら、それを、知らない。
17 しかし、主の恵みは、とこしえから、とこしえまで、
主を恐れる者の上にある。
主の義はその子らの子に及び、
18 主の契約を守る者、
その戒めを心に留めて、行う者に及ぶ。
19主は天にその王座を堅く立て、
その王国はすべてを統べ治める。
20主をほめたたえよ。御使いたちよ。
みことばの声に聞き従い、
みことばを行う力ある勇士たちよ。
21主をほめたたえよ。
主のすべての軍勢よ。
みこころを行い、主に仕える者たちよ。
22主をほめたたえよ。
すべて造られたものたちよ。
主の治められるすべての所で。
わがたましいよ。主をほめたたえよ。
1 わがたましいよ。主をほめたたえよ。
わが神、主よ。あなたはまことに偉大な方。
あなたは尊厳と威光を身にまとっておられます。
2 あなたは光を衣のように着、
天を、幕のように広げておられます。
3 水の中にご自分の高殿の梁を置き、
雲をご自分の車とし、
風の翼に乗って歩かれます。
4 風をご自分の使いとし、
焼き尽くす火をご自分の召使いとされます。
5 また地をその基の上に据えられました。
地はそれゆえ、とこしえにゆるぎません。
6 あなたは、深い水を衣のようにして、
地をおおわれました。
水は、山々の上にとどまっていました。
7 水は、あなたに叱られて逃げ、
あなたの雷の声で急ぎ去りました。
8 山は上がり、谷は沈みました。
あなたが定めたその場所へと。
9 あなたは境を定め、
水がそれを越えないようにされました。
水が再び地をおおうことのないようにされました。
10 主は泉を谷に送り、山々の間を流れさせ、
11 野のすべての獣に飲ませられます。
野ろばも渇きをいやします。
12 そのかたわらには空の鳥が住み、
枝の間でさえずっています。
13 主はその高殿から山々に水を注ぎ、
地はあなたのみわざの実によって
満ち足りています。
14 主は家畜のために草を、
また、人に役立つ植物を生えさせられます。
人が地から食物を得るために。
15 また、人の心を喜ばせるぶどう酒をも。
油によるよりも顔をつややかにするために。
また、人の心をささえる食物をも。
16主の木々は満ち足りています。
主の植えたレバノンの杉の木も。
17 そこに、鳥は巣をかけ、
こうのとりは、もみの木をその宿としています。
18 高い山は野やぎのため、
岩は岩だぬきの隠れ場。
19 主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。
20 あなたがやみを定められると、夜になります。
夜には、あらゆる森の獣が動きます。
21若い獅子はおのれのえじきのためにほえたけり、
神におのれの食物を求めます。
22 日が上ると、彼らは退いて、
自分のねぐらに横になります。
23 人はおのれの仕事に出て行き、
夕暮れまでその働きにつきます。
24主よ。あなたのみわざはなんと多いことでしょう。
あなたは、それらをみな、
知恵をもって造っておられます。
地はあなたの造られたもので満ちています。
25 そこには大きく、広く広がる海があり、
その中で、はうものは数知れず、
大小の生き物もいます。
26 そこを船が通い、
あなたが造られたレビヤタンも、
そこで戯れます。
27 彼らはみな、あなたを待ち望んでいます。
あなたが時にしたがって
食物をお与えになることを。
28 あなたがお与えになると、彼らは集め、
あなたが御手を開かれると、
彼らは良いもので満ち足ります。
29 あなたが御顔を隠されると、彼らはおじ惑い、
彼らの息を取り去られると、
彼らは死に、おのれのちりに帰ります。
30 あなたが御霊を送られると、彼らは造られます。
また、あなたは地の面を新しくされます。
31主の栄光が、とこしえにありますように。
主がそのみわざを喜ばれますように。
32 主が地に目を注がれると、地は震え、
山々に触れられると、山々は煙を上げます。
33 私は生きているかぎり、主に歌い、
いのちのあるかぎり、
私の神にほめ歌を歌いましょう。
34 私の心の思いが神のみこころにかないますように。
私自身は、主を喜びましょう。
35罪人らが地から絶え果て、
悪者どもが、もはやいなくなりますように。
わがたましいよ。主をほめたたえよ。
87ハレルヤ。
1主に感謝して、御名を呼び求めよ。
そのみわざを国々の民の中に知らせよ。
2 主に歌え。主にほめ歌を歌え。
そのすべての奇しいみわざに思いを潜めよ。
3 主の聖なる名を誇りとせよ。
主を慕い求める者の心を喜ばせよ。
4主とその御力を尋ね求めよ。
絶えず御顔を慕い求めよ。
5 主が行われた奇しいみわざを思い起こせ。
その奇蹟と御口のさばきとを。
6 主のしもべアブラハムのすえよ。
主に選ばれた者、ヤコブの子らよ。
7 この方こそ、われらの神、主。
そのさばきは全地にわたる。
8 主は、ご自分の契約をとこしえに覚えておられる。
お命じになったみことばは千代にも及ぶ。
9 その契約はアブラハムと結んだもの、
イサクへの誓い。
10 主はヤコブのためにそれをおきてとして立て、
イスラエルに対する永遠の契約とされた。
11 そのとき主は仰せられた。
「わたしはあなたがたの相続地として
あなたに、カナンの地を与える。」
12 そのころ彼らの数は少なかった。
まことにわずかで、そのうえそこでは、
寄留の他国人であった。
13 彼らは、国から国へ、
一つの王国から他の民へと渡り歩いた。
14 しかし主は、だれにも彼らをしいたげさせず、
かえって、彼らのために王たちを責められた。
15 「わたしの油そそがれた者たちに触れるな。
わたしの預言者たちに危害を加えるな。」
16 こうして主はききんを地の上に招き、
パンのための棒をことごとく折られた。
17 主はひとりの人を彼らにさきがけて送られた。
ヨセフが奴隷に売られたのだ。
18 彼らは足かせで、ヨセフの足を悩まし、
ヨセフは鉄のかせの中に入った。
19 彼のことばがそのとおりになる時まで、
主のことばは彼をためした。
20 王は人をやってヨセフを解放し、
国々の民の支配者が、彼を自由にした。
21 王はヨセフを自分の家のかしらとし、
自分の全財産の支配者とした。
22 これはヨセフが意のままに王の高官を縛り、
王の長老たちに知恵を与えるためだった。
23 イスラエルもエジプトに行き、
ヤコブはハムの地に寄留した。
24 主はその民を大いにふやし、
彼らの敵よりも強くされた。
25 主は人々の心を変えて、御民を憎ませ、
彼らに主のしもべたちを、ずるくあしらわせた。
26 主は、そのしもべモーセと、
主が選んだアロンを遣わされた。
27 彼らは人々の間で、主の数々のしるしを行い、
ハムの地で、もろもろの奇蹟を行った。
28 主はやみを送って、暗くされた。
彼らは主のことばに逆らわなかった。
29 主は人々の水を血に変わらせ、
彼らの魚を死なせた。
30 彼らの地に、かえるが群がった。
王族たちの奥の間にまで。
31 主が命じられると、あぶの群れが来た。
ぶよが彼らの国中に入った。
32 主は雨にかえて雹を彼らに降らせ、
燃える火を彼らの地に下された。
33 主は彼らのぶどうの木と、いちじくの木を打ち、
彼らの国の木を砕かれた。
34 主が命じられると、いなごが来た。
若いいなごで、数知れず、
35 それが彼らの国の青物を食い尽くし、
彼らの地の果実を食い尽くした。
36 主は彼らの国の初子をことごとく打たれた。
彼らのすべての力の初めを。
37 主は銀と金とを持たせて御民を連れ出された。
その部族の中でよろける者はひとりもなかった。
38 エジプトは彼らが出たときに喜んだ。
エジプトに彼らへの恐れが生じたからだ。
39 主は、雲を広げて仕切りの幕とし、
夜には火を与えて照らされた。
40民が願い求めると、主はうずらをもたらし、
また、天からのパンで彼らを満ち足らわせた。
41 主が岩を開かれると、水がほとばしり出た。
水は砂漠を川となって流れた。
42 これは主が、そのしもべアブラハムへの
聖なることばを、覚えておられたからである。
43 主は御民を喜びのうちに連れ出された。
その選ばれた民を喜びの叫びのうちに。
44 主は、彼らに国々の地を与えられた。
彼らが国々の民の労苦の実を
自分の所有とするために。
45 これは、彼らが主のおきてを守り、
そのみおしえを守るためである。
88ハレルヤ。
1 ハレルヤ。主に感謝せよ。
主はまことにいつくしみ深い。
その恵みはとこしえまで。
2 だれが主の大能のわざを語り、
そのすべての誉れをふれ知らせることができよう。
3 幸いなことよ。
さばきを守り、正義を常に行う人々は。
4主よ。あなたが御民を愛されるとき、私を心に留め、
あなたの御救いのとき、私を顧みてください。
5 そうすれば、私は
あなたに選ばれた者たちのしあわせを見、
あなたの国民の喜びを喜びとし、
あなたのものである民とともに、
誇ることができるでしょう。
6 私たちは先祖と同じように罪を犯し、
不義をなし、悪を行った。
7 私たちの先祖はエジプトにおいて、
あなたの奇しいわざを悟らず、
あなたの豊かな恵みを思い出さず、
かえって、海のほとり、89葦の海で、逆らった。
8 しかし主は、御名のために彼らを救われた。
それは、ご自分の力を知らせるためだった。
9 主が90葦の海を叱ると、海は干上がった。
主は、彼らを行かせた。深みの底を。
さながら荒野を行くように。
10 主は、憎む者の手から彼らを救い、
敵の手から彼らを贖われた。
11 水は彼らの仇をおおい、
そのひとりさえも残らなかった。
12 そこで、彼らはみことばを信じ、
主への賛美を歌った。
13 しかし、彼らはすぐに、みわざを忘れ、
そのさとしを待ち望まなかった。
14 彼らは、荒野で激しい欲望にかられ、
荒れ地で神を試みた。
15 そこで、主は彼らにその願うところを与え、
また彼らに病を送ってやせ衰えさせた。
16 彼らが宿営でモーセをねたみ、
主の聖徒、アロンをねたんだとき、
17 地は開き、ダタンをのみこみ、
アビラムの仲間を包んでしまった。
18 その仲間の間で火が燃え上がり、
炎が悪者どもを焼き尽くした。
19 彼らはホレブで子牛を造り、
鋳物の像を拝んだ。
20 こうして彼らは
彼らの栄光を、草を食らう雄牛の像に取り替えた。
21 彼らは自分たちの救い主である神を忘れた。
エジプトで大いなることをなさった方を。
22 ハムの地では奇しいわざを、
91葦の海のほとりでは恐ろしいわざを、
行われた方を。
23 それゆえ、神は、
「彼らを滅ぼす」と言われた。
もし、神に選ばれた人モーセが、
滅ぼそうとする激しい憤りを避けるために、
御前の破れに立たなかったなら、
どうなっていたことか。
24 しかも彼らは麗しい地をさげすみ、
神のみことばを信ぜず、
25 自分たちの天幕でつぶやき、
主の御声を聞かなかった。
26 それゆえ、主は彼らにこう誓われた。
彼らを荒野で打ち倒し、
27 その子孫を国々の中に投げ散らし、
彼らをもろもろの地にまき散らそうと。
28 彼らはまた、バアル・ペオルにつき従い、
死者へのいけにえを食べた。
29 こうして、その行いによって御怒りを引き起こし、
彼らの間に神罰が下った。
30 そのとき、ピネハスが立ち、
なかだちのわざをしたので、その神罰はやんだ。
31 このことは、代々永遠に、
彼の義と認められた。
32 彼らはさらにメリバの水のほとりで主を怒らせた。
それで、モーセは彼らのために
わざわいをこうむった。
33 彼らが92主の心に逆らったとき、
彼が軽率なことを口にしたからである。
34 彼らは、主が命じたのに、国々の民を滅ぼさず、
35 かえって、異邦の民と交わり、
そのならわしにならい、
36 その偶像に仕えた。
それが彼らに、わなであった。
37 彼らは自分たちの息子、娘を
悪霊のいけにえとしてささげ、
38罪のない血を流した。
カナンの偶像のいけにえにした
彼らの息子、娘の血。
こうしてその国土は血で汚された。
39 このように彼らは、
その行いによっておのれを汚し、
その行いによって姦淫を犯した。
40 それゆえ、主の怒りは御民に向かって燃え上がり、
ご自分のものである民を忌みきらわれた。
41 それで彼らを国々の手に渡し、
彼らを憎む者たちが彼らを支配した。
42敵どもは彼らをしいたげ、
その力のもとに彼らは征服された。
43 主は幾たびとなく彼らを救い出されたが、
彼らは相計って、逆らい、
自分たちの不義の中におぼれた。
44 それでも彼らの叫びを聞かれたとき、
主は彼らの苦しみに目を留められた。
45 主は、彼らのために、ご自分の契約を思い起こし、
豊かな恵みゆえに、彼らをあわれまれた。
46 また、彼らを、捕らえ移したすべての者たちから、
彼らがあわれまれるようにされた。
47 私たちの神、主よ。私たちをお救いください。
国々から私たちを集めてください。
あなたの聖なる御名に感謝し、
あなたの誉れを勝ち誇るために。
48 ほむべきかな。イスラエルの神、主。
とこしえから、とこしえまで。
すべての民が、「アーメン」と言え。
93ハレルヤ。
第五巻
1 「主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い。
その恵みはとこしえまで。」
2主に贖われた者はこのように言え。
主は彼らを敵の手から贖い、
3 彼らを国々から、
東から、西から、北から、南から、集められた。
4 彼らは荒野や荒れ地をさまよい、
住むべき町へ行く道を見つけなかった。
5飢えと渇きに彼らのたましいは衰え果てた。
6 この苦しみのときに、彼らが主に向かって叫ぶと、
主は彼らを苦悩から救い出された。
7 また彼らをまっすぐな道に導き、
住むべき町へ行かせられた。
8 彼らは、主の恵みと、
人の子らへの奇しいわざを主に感謝せよ。
9 まことに主は渇いたたましいを満ち足らせ、
飢えたたましいを良いもので満たされた。
10 やみと死の陰に座す者、
悩みと鉄のかせとに縛られている者、
11 彼らは、神のことばに逆らい、
いと高き方のさとしを侮ったのである。
12 それゆえ主は苦役をもって彼らの心を低くされた。
彼らはよろけたが、だれも助けなかった。
13 この苦しみのときに、彼らが主に向かって叫ぶと、
主は彼らを苦悩から救われた。
14 主は彼らをやみと死の陰から連れ出し、
彼らのかせを打ち砕かれた。
15 彼らは、主の恵みと、
人の子らへの奇しいわざを主に感謝せよ。
16 まことに主は青銅のとびらを打ち砕き、
鉄のかんぬきを粉々に砕かれた。
17愚か者は、自分のそむきの道のため、
また、その咎のために悩んだ。
18 彼らのたましいは、あらゆる食物を忌みきらい、
彼らは死の門にまで着いていた。
19 この苦しみのときに、彼らが主に向かって叫ぶと、
主は彼らを苦悩から救われた。
20 主はみことばを送って彼らをいやし、
その滅びの穴から彼らを助け出された。
21 彼らは、主の恵みと、
人の子らへの奇しいわざを主に感謝せよ。
22 彼らは、感謝のいけにえをささげ、
喜び叫びながら主のみわざを語れ。
23 船に乗って海に出る者、大海であきないする者、
24 彼らは主のみわざを見、
深い海でその奇しいわざを見た。
25 主が命じてあらしを起こすと、
風が波を高くした。
26 彼らは天に上り、深みに下り、
そのたましいはみじめにも、溶け去った。
27 彼らは酔った人のようによろめき、
ふらついて分別が乱れた。
28 この苦しみのときに、彼らが主に向かって叫ぶと、
主は彼らを苦悩から連れ出された。
29 主があらしを静めると、波はないだ。
30 波がないだので彼らは喜んだ。
そして主は、彼らをその望む港に導かれた。
31 彼らは、主の恵みと、
人の子らへの奇しいわざを主に感謝せよ。
32 また、主を民の集会であがめ、
長老たちの座で、主を賛美せよ。
33 主は川を荒野に、
水のわき上がる所を潤いのない地に、
34肥沃な地を94不毛の地に変えられる。
その住民の悪のために。
35 主は荒野を水のある沢に、
砂漠の地を水のわき上がる所に変え、
36 そこに飢えた者を住まわせる。
彼らは住むべき町を堅く建て、
37 畑に種を蒔き、ぶどう畑を作り、
豊かな実りを得る。
38 主が祝福されると、彼らは大いにふえ、
主はその家畜を減らされない。
39 彼らが、しいたげとわざわいと悲しみによって、
数が減り、またうなだれるとき、
40 主は君主たちをさげすみ、
道なき荒れ地に彼らをさまよわせる。
41 しかし、貧しい者を悩みから高く上げ、
その一族を羊の群れのようにされる。
42直ぐな人はそれを見て喜び、
不正な者はすべてその口を閉じる。
43知恵のある者はだれか。
その者はこれらのことに心を留め、主の恵みを悟れ。
歌。ダビデの賛歌
1 神よ。私の心はゆるぎません。
私は歌い、
私のたましいもまた、ほめ歌を歌いましょう。
2 十弦の琴よ、立琴よ。目をさませ。
私は暁を呼びさましたい。
3主よ。私は、国々の民の中にあって、あなたに感謝し、
国民の中にあって、あなたにほめ歌を歌いましょう。
4 あなたの恵みは大きく、天の上にまで及び、
あなたのまことは雲にまで及ぶからです。
5 神よ。あなたが天であがめられ、
あなたの栄光が全世界であがめられますように。
6 あなたの愛する者が助け出されるために、
あなたの右の手で救ってください。
そして私に答えてください。
7 神は95聖所から告げられた。
「わたしは、喜び勇んで、シェケムを分割し、
スコテの谷を配分しよう。
8 ギルアデはわたしのもの。マナセもわたしのもの。
エフライムもまた、わたしの頭のかぶと。
ユダはわたしの杖。
9 モアブはわたしの足を洗うたらい。
エドムの上に、わたしのはきものを投げつけよう。
ペリシテの上で、わたしは大声で叫ぼう。」
10 だれが私を要塞の町に連れて行くでしょう。
だれが私をエドムまで導くでしょう。
11 神よ。あなたは
私たちを拒まれたのではありませんか。
神よ。あなたは、もはや
私たちの軍勢とともに、96出陣なさらないのですか。
12 どうか敵から私たちを助けてください。
まことに、人の救いはむなしいものです。
13 神によって、私たちは力ある働きをします。
神が私たちの敵を踏みつけられます。
指揮者のために。ダビデの賛歌
1 私の賛美する神よ。
黙っていないでください。
2 彼らは邪悪な口と、欺きの口を、私に向けて開き、
偽りの舌をもって、私に語ったからです。
3 彼らはまた、憎しみのことばで私を取り囲み、
ゆえもなく私と戦いました。
4 彼らは、私の愛への報いとして私をなじります。
私は祈るばかりです。
5 彼らは、善にかえて悪を、
私の愛にかえて憎しみを、私に報いました。
6 どうか、悪者を彼に遣わしてください。
97なじる者が彼の右に立つようにしてください。
7 彼がさばかれるとき、彼は罪ある者とされ、
その祈りが罪となりますように。
8 彼の日はわずかとなり、彼の仕事は他人が取り、
9 その子らはみなしごとなり、
彼の妻はやもめとなりますように。
10 彼の子らは、さまよい歩いて、
物ごいをしますように。
その荒れ果てた家から離れて、
物ごいをしますように。
11債権者が、彼のすべての持ち物を没収し、
見知らぬ者が、その勤労の実をかすめますように。
12 彼には恵みを注ぐ者もなく、
そのみなしごをあわれむ者もいませんように。
13 その子孫は断ち切られ、
次の世代には彼らの名が消し去られますように。
14 彼の父たちの咎が、主に覚えられ、
その母の罪が消し去られませんように。
15 それらがいつも主の御前にあり、
主が彼らの98記憶を地から消されますように。
16 それは、彼が愛のわざを行うことに心を留めず、
むしろ、悩む者、貧しい人、
心ひしがれた者を追いつめ、殺そうとしたからです。
17 彼はまたのろうことを愛したので、
それが自分に返って来ました。
祝福することを喜ばなかったので、
それは彼から遠く離れました。
18 彼はおのれの衣のように
のろいを身にまといました。
それは水のように彼の内臓へ、
油のように、その骨々にしみ込みました。
19 それが彼の着る着物となり、
いつも、締めている帯となりますように。
20 このことが、私を99なじる者や
私のたましいについて悪口を言う者への、
主からの100刑罰でありますように。
21 しかし、私の主、神よ。
どうかあなたは、御名のために
私に101優しくしてください。
あなたの恵みは、まことに深いのですから、
私を救い出してください。
22 私は悩み、そして貧しく、
私の心は、私のうちで102傷ついています。
23 私は、伸びていく夕日の影のように去り行き、
いなごのように振り払われます。
24 私のひざは、断食のためによろけ、
私の肉は脂肪がなく、やせ衰えています。
25 私はまた、彼らのそしりとなり、
彼らは私を見て、その頭を振ります。
26 わが神、主よ。私を助けてください。
あなたの恵みによって、私を救ってください。
27 こうして、これがあなたの手であること、
主よ、あなたがそれをなされたことを
彼らが知りますように。
28 彼らはのろいましょう。
しかし、あなたは祝福してくださいます。
彼らは立ち上がると、恥を見ます。
しかしあなたのしもべは喜びます。
29 私をなじる者が侮辱をこうむり、
おのれの恥を上着として着ますように。
30 私は、この口をもって、大いに主に感謝します。
私は多くの人々の真ん中で、賛美します。
31 主は貧しい者の右に立ち、
死刑を宣告する者たちから、
彼を救われるからです。
ダビデの賛歌
1主は、私の主に仰せられる。
「わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまでは、
わたしの右の座に着いていよ。」
2主は、あなたの力強い杖をシオンから伸ばされる。
「あなたの敵の真ん中で治めよ。」
3 あなたの民は、あなたの戦いの日に、
聖なる飾り物を着けて、103夜明け前から喜んで仕える。
あなたの若者は、あなたにとっては、朝露のようだ。
4主は誓い、そしてみこころを変えない。
「あなたは、メルキゼデクの例にならい、
とこしえに祭司である。」
5 あなたの右にいます主は
御怒りの日に、王たちを打ち砕かれる。
6 主は国々の間をさばき、
それらをしかばねで満たし、
広い国を治めるかしらを打ち砕かれる。
7 主は道のほとりの流れから水を飲まれよう。
それゆえ、その頭を高く上げられる。
1104ハレルヤ。
私は心を尽くして主に感謝しよう。
直ぐな人のつどいと集会において。
2主のみわざは偉大で、
みわざを喜ぶすべての人々に尋ね求められる。
3 そのみわざは尊厳と威光。
その義は永遠に堅く立つ。
4 主は、その奇しいわざを記念とされた。
主は情け深く、あわれみ深く、
5 主を恐れる者に食べ物を与え、
その契約をとこしえに覚えておられる。
6異邦の民のゆずりの地を、ご自分の民に与え、
彼らに、そのみわざの力を告げ知らせられた。
7御手のわざは真実、公正、
そのすべての戒めは確かである。
8 それらは世々限りなく保たれ、
まことと正しさをもって行われる。
9 主は、御民に贖いを送り、
ご自分の契約をとこしえに定められた。
主の御名は聖であり、おそれおおい。
10主を恐れることは、知恵の初め。
これを行う人はみな、良い明察を得る。
主の誉れは永遠に堅く立つ。
1105ハレルヤ。
幸いなことよ。
主を恐れ、その仰せを大いに喜ぶ人は。
2 その人の子孫は地上で力ある者となり、
直ぐな人たちの世代は祝福されよう。
3繁栄と富とはその家にあり、
彼の義は永遠に堅く立つ。
4 主は直ぐな人たちのために、光をやみの中に輝かす。
主は情け深く、あわれみ深く、正しくあられる。
5 しあわせなことよ。
情け深く、人には貸し、
自分のことを公正に取り行う人は。
6 彼は決してゆるがされない。
正しい者はとこしえに覚えられる。
7 その人は悪い知らせを恐れず、
主に信頼して、その心はゆるがない。
8 その心は堅固で、恐れることなく、
自分の敵を106ものともしないまでになる。
9 彼は貧しい人々に惜しみなく分け与えた。
彼の義は永遠に堅く立つ。
その角は栄光のうちに高く上げられる。
10 悪者はそれを見ていらだち、
歯ぎしりして溶け去る。
悪者の願いは滅びうせる。
1107ハレルヤ。
主のしもべたちよ。ほめたたえよ。
主の御名をほめたたえよ。
2 今よりとこしえまで、
主の御名はほめられよ。
3 日の上る所から沈む所まで、
主の御名がほめたたえられるように。
4主はすべての国々の上に高くいまし、
その栄光は天の上にある。
5 だれが、われらの神、主のようであろうか。
主は高い御位に座し、
6 身を低くして天と地をご覧になる。
7 主は、弱い者をちりから起こし、
貧しい人を108あくたから引き上げ、
8 彼らを、君主たちとともに、
御民の君主たちとともに、王座に着かせられる。
9 主は子を産まない女を、
子をもって喜ぶ母として家に住まわせる。
109ハレルヤ。
1 イスラエルがエジプトから、
ヤコブの家が異なることばの民のうちから、
出て来たとき、
2 ユダは神の聖所となり、
イスラエルはその領地となった。
3 海は見て逃げ去り、
ヨルダン川はさかさに流れた。
4 山々は雄羊のように、丘は子羊のように、はねた。
5 海よ。なぜ、おまえは逃げ去るのか。
ヨルダン川よ。なぜ、さかさに流れるのか。
6 山々よ。おまえはなぜ雄羊のようにはねるのか。
丘よ。なぜ子羊のようにはねるのか。
7 地よ。主の御前におののけ。
ヤコブの神の御前に。
8 神は、岩を水のある沢に変えられた。
堅い石を水の出る泉に。
1 私たちにではなく、主よ、私たちにではなく、
あなたの恵みとまことのために、
栄光を、ただあなたの御名にのみ帰してください。
2 なぜ、国々は言うのか。
「彼らの神は、いったいどこにいるのか」と。
3 私たちの神は、天におられ、
その望むところをことごとく行われる。
4 彼らの偶像は銀や金で、人の手のわざである。
5 口があっても語れず、目があっても見えない。
6 耳があっても聞こえず、鼻があってもかげない。
7 手があってもさわれず、足があっても歩けない。
のどがあっても声をたてることもできない。
8 これを造る者も、
これに信頼する者もみな、これと同じである。
9 イスラエルよ。主に信頼せよ。
この方こそ、彼らの助け、また盾である。
10 アロンの家よ。主に信頼せよ。
この方こそ、彼らの助け、また盾である。
11主を恐れる者たちよ。主に信頼せよ。
この方こそ、彼らの助け、また盾である。
12主はわれらを御心に留められた。
主は祝福してくださる。
イスラエルの家を祝福し、
アロンの家を祝福し、
13主を恐れる者を祝福してくださる。
小さな者も、大いなる者も。
14主があなたがたをふやしてくださるように。
あなたがたと、あなたがたの子孫とを。
15 あなたがたが主によって祝福されるように。
主は、天と地を造られた方である。
16 天は、主の天である。
しかし、地は、人の子らに与えられた。
17 死人は110主をほめたたえることがない。
沈黙へ下る者もそうだ。
18 しかし、私たちは、今よりとこしえまで、
1 私は主を愛する。
主は私の声、私の願いを聞いてくださるから。
2 主は、私に耳を傾けられるので、
私は生きるかぎり主を呼び求めよう。
3 死の綱が私を取り巻き、
113よみの恐怖が私を襲い、
私は苦しみと悲しみの中にあった。
4 そのとき、私は主の御名を呼び求めた。
「主よ。どうか私のいのちを助け出してください。」
5主は情け深く、正しい。
まことに、私たちの神はあわれみ深い。
6主はわきまえのない者を守られる。
私がおとしめられたとき、私をお救いになった。
7 私のたましいよ。おまえの全きいこいに戻れ。
主はおまえに、良くしてくださったからだ。
8 まことに、あなたは私のたましいを死から、
私の目を涙から、
私の足をつまずきから、救い出されました。
9 私は、生ける者の地で、主の御前を歩き進もう。
10 「私は大いに悩んだ」と言ったときも、
私は信じた。
11 私はあわてて
「すべての人は偽りを言う者だ」と言った。
12 主が、ことごとく私に
良くしてくださったことについて、
私は主に何をお返ししようか。
13 私は救いの杯をかかげ、
主の御名を呼び求めよう。
14 私は、自分の誓いを主に果たそう。
ああ、御民すべてのいる所で。
15 主の聖徒たちの死は主の目に尊い。
16 ああ、主よ。私はまことにあなたのしもべです。
私は、あなたのしもべ、あなたのはしための子です。
あなたは私のかせを解かれました。
17 私はあなたに感謝のいけにえをささげ、
主の御名を呼び求めます。
18 私は自分の誓いを主に果たそう。
ああ、御民すべてのいる所で。
19主の家の大庭で。エルサレムよ。あなたの真ん中で。
114ハレルヤ。
1 すべての国々よ。主をほめたたえよ。
すべての民よ。主をほめ歌え。
2 その恵みは私たちに大きく、
主のまことはとこしえに。
115ハレルヤ。
1主に感謝せよ。
主はまことにいつくしみ深い。
その恵みはとこしえまで。
2 さあ。イスラエルよ、言え。
「主の恵みはとこしえまで」と。
3 さあ。アロンの家よ、言え。
「主の恵みはとこしえまで」と。
4 さあ。主を恐れる者たちよ、言え。
「主の恵みはとこしえまで」と。
5 苦しみのうちから、私は116主を呼び求めた。
主は、私に答えて、私を広い所に置かれた。
6主は私の味方。私は恐れない。
人は、私に何ができよう。
7主は、私を助けてくださる私の味方。
私は、私を憎む者を117ものともしない。
8主に身を避けることは、
人に信頼するよりもよい。
9主に身を避けることは、
君主たちに信頼するよりもよい。
10 すべての国々が私を取り囲んだ。
確かに私は主の御名によって、彼らを断ち切ろう。
11 彼らは私を取り囲んだ。まことに、私を取り囲んだ。
確かに私は主の御名によって、彼らを断ち切ろう。
12 彼らは蜂のように、私を取り囲んだ。
しかし、彼らはいばらの火のように消された。
確かに私は主の御名によって、彼らを断ち切ろう。
13 おまえは、私をひどく押して倒そうとしたが、
主が私を助けられた。
14118主は、私の力であり、ほめ歌である。
主は、私の救いとなられた。
15 喜びと救いの声は、正しい者の幕屋のうちにある。
主の右の手は力ある働きをする。
16主の右の手は高く上げられ、
主の右の手は力ある働きをする。
17 私は死ぬことなく、かえって生き、
そして119主のみわざを語り告げよう。
18120主は私をきびしく懲らしめられた。
しかし、私を死に渡されなかった。
19義の門よ。私のために開け。
私はそこから入り、121主に感謝しよう。
20 これこそ主の門。正しい者たちはこれより122入る。
21 私はあなたに感謝します。あなたが私に答えられ、
私の救いとなられたからです。
22 家を建てる者たちの捨てた石。
それが礎の石になった。
23 これは主のなさったことだ。
私たちの目には不思議なことである。
24 これは、主が設けられた日である。
この日を楽しみ喜ぼう。
25 ああ、主よ。どうぞ救ってください。
ああ、主よ。どうぞ栄えさせてください。
26主の御名によって来る人に、祝福があるように。
私たちは主の家から、あなたがたを祝福した。
27主は神であられ、私たちに光を与えられた。
枝をもって、祭りの行列を組め。
祭壇の角のところまで。
28 あなたは、私の神。私はあなたに感謝します。
あなたは私の神、私はあなたをあがめます。
29主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い。
その恵みはとこしえまで。
1 幸いなことよ。
全き道を行く人々、
主のみおしえによって歩む人々。
2 幸いなことよ。
主のさとしを守り、
心を尽くして主を尋ね求める人々。
3 まことに、彼らは不正を行わず、
主の道を歩む。
4 あなたは堅く守るべき戒めを仰せつけられた。
5 どうか、私の道を堅くしてください。
あなたのおきてを守るように。
6 そうすれば、私はあなたのすべての仰せを見ても
恥じることがないでしょう。
7 あなたの義のさばきを学ぶとき、
私は直ぐな心であなたに感謝します。
8 私は、あなたのおきてを守ります。
どうか私を、見捨てないでください。
9 どのようにして若い人は自分の道を
きよく保てるでしょうか。
あなたのことばに従ってそれを守ることです。
10 私は心を尽くしてあなたを尋ね求めています。
どうか私が、あなたの仰せから
迷い出ないようにしてください。
11 あなたに罪を犯さないため、
私は、あなたのことばを心にたくわえました。
12主よ。あなたは、ほむべき方。
あなたのおきてを私に教えてください。
13 私は、このくちびるで、あなたの御口の決めたことを
ことごとく語り告げます。
14 私は、あなたのさとしの道を、
どんな宝よりも、楽しんでいます。
15 私は、あなたの戒めに思いを潜め、
あなたの道に私の目を留めます。
16 私は、あなたのおきてを喜びとし、
あなたのことばを忘れません。
17 あなたのしもべを豊かにあしらい、私を生かし、
私があなたのことばを守るようにしてください。
18 私の目を開いてください。
私が、あなたのみおしえのうちにある奇しいことに
目を留めるようにしてください。
19 私は地では旅人です。
あなたの仰せを私に隠さないでください。
20 私のたましいは、いつもあなたのさばきを慕い、
砕かれています。
21 あなたは、あなたの仰せから迷い出る高ぶる者、
のろわるべき者をお叱りになります。
22 どうか、私から、そしりとさげすみとを
取り去ってください。
私はあなたのさとしを守っているからです。
23 たとい君主たちが座して、
私に敵対して語り合っても
あなたのしもべは
あなたのおきてに思いを潜めます。
24 まことに、あなたのさとしは私の喜び、
私の相談相手です。
25 私のたましいは、ちりに打ち伏しています。
あなたのみことばのとおりに
私を生かしてください。
26 私は私の道を申し上げました。
すると、あなたは、私に答えてくださいました。
どうか、あなたのおきてを私に教えてください。
27 あなたの戒めの道を私に悟らせてください。
私が、あなたの奇しいわざに
思いを潜めることができるようにしてください。
28 私のたましいは悲しみのために涙を流しています。
みことばのとおりに私を堅くささえてください。
29 私から偽りの道を取り除いてください。
あなたのみおしえのとおりに、
私をあわれんでください。
30 私は真実の道を選び取り、
あなたのさばきを123私の前に置きました。
31 私は、あなたのさとしを堅く守ります。
主よ。どうか私をはずかしめないでください。
32 私はあなたの仰せの道を走ります。
あなたが、私の心を広くしてくださるからです。
33主よ。あなたのおきての道を
私に教えてください。
そうすれば、私はそれを終わりまで守りましょう。
34 私に悟りを与えてください。
私はあなたのみおしえを守り、
心を尽くしてそれを守ります。
35 私に、あなたの仰せの道を踏み行かせてください。
私はその道を喜んでいますから。
36 私の心をあなたのさとしに傾かせ、
124不正な利得に傾かないようにしてください。
37 むなしいものを見ないように私の目をそらせ、
あなたの道に私を生かしてください。
38 あなたのことばを、あなたのしもべに果たし、
あなたを恐れるようにしてください。
39 私が恐れているそしりを取り去ってください。
あなたのさばきはすぐれて良いからです。
40 このとおり、私は、あなたの戒めを慕っています。
どうかあなたの義によって、私を生かしてください。
41主よ。あなたの恵みと、あなたの救いとが、
みことばのとおりに、私にもたらされますように。
42 こうして、私をそしる者に対して、
私に答えさせてください。
私はあなたのことばに信頼していますから。
43 私の口から、真理のみことばを
取り去ってしまわないでください。
私は、あなたのさばきを待ち望んでいますから。
44 こうして私は、あなたのみおしえを
いつも、とこしえまでも、守りましょう。
45 そうして私は広やかに歩いて行くでしょう。
それは私が、あなたの戒めを求めているからです。
46 私はまた、あなたのさとしを王たちの前で述べ、
しかも私は恥を見ることはないでしょう。
47 私は、あなたの仰せを喜びとします。
それは私の愛するものです。
48 私は私の愛するあなたの仰せに手を差し伸べ、
あなたのおきてに思いを潜めましょう。
49 どうか、あなたのしもべへのみことばを
思い出してください。
あなたは私がそれを待ち望むように
なさいました。
50 これこそ悩みのときの私の慰め。
まことに、みことばは私を生かします。
51高ぶる者どもは、ひどく私をあざけりました。
しかし私は、あなたのみおしえから
それませんでした。
52主よ。
私は、あなたのとこしえからの定めを思い出し、
慰めを得ました。
53 あなたのみおしえを捨てる悪者どものために、
激しい怒りが私を捕らえます。
54 あなたのおきては、私の旅の家では、
私の歌となりました。
55主よ。私は、夜には、あなたの御名を思い出し、
また、あなたのみおしえを守っています。
56 これこそ、私のものです。
私があなたの戒めを守っているからです。
57主は私の受ける分です。
私は、あなたのことばを守ると申しました。
58 私は心を尽くして、あなたに請い求めます。
どうか、みことばのとおりに、
私をあわれんでください。
59 私は、自分の道を顧みて、
あなたのさとしのほうへ私の足を向けました。
60 私は急いで、ためらわずに、
あなたの仰せを守りました。
61 悪者の綱が私に巻き付きましたが、
私は、あなたのみおしえを忘れませんでした。
62 真夜中に、私は起きて、
あなたの正しいさばきについて感謝します。
63 私は、あなたを恐れるすべての者と、
あなたの戒めを守る者とのともがらです。
64主よ。地はあなたの恵みに満ちています。
あなたのおきてを私に教えてください。
65主よ。あなたは、みことばのとおりに、
あなたのしもべに良くしてくださいました。
66 よい分別と知識を私に教えてください。
私はあなたの仰せを信じていますから。
67 苦しみに会う前には、私はあやまちを犯しました。
しかし今は、あなたのことばを守ります。
68 あなたはいつくしみ深くあられ、
いつくしみを施されます。
どうか、あなたのおきてを私に教えてください。
69高ぶる者どもは、私を偽りで塗り固めましたが、
私は心を尽くして、あなたの戒めを守ります。
70 彼らの心は脂肪のように鈍感です。
しかし、私は、あなたのみおしえを喜んでいます。
71 苦しみに会ったことは、私にとってしあわせでした。
私はそれであなたのおきてを学びました。
72 あなたの御口のおしえは、私にとって
幾千の金銀にまさるものです。
73 あなたの御手が私を造り、私を形造りました。
どうか私に、悟りを与えてください。
私があなたの仰せを学ぶようにしてください。
74 あなたを恐れる人々は、私を見て喜ぶでしょう。
私が、あなたのことばを待ち望んでいるからです。
75主よ。私は、あなたのさばきの正しいことと、
あなたが真実をもって私を悩まされたこととを
知っています。
76 どうか、あなたのしもべへのみことばのとおりに、
あなたの恵みが私の慰めとなりますように。
77 私にあなたのあわれみを臨ませ、
私を生かしてください。
あなたのみおしえが私の喜びだからです。
78 どうか高ぶる者どもが、恥を見ますように。
彼らは偽りごとをもって私を曲げたからです。
しかし私は、あなたの戒めに思いを潜めます。
79 あなたを恐れる人々と、
あなたのさとしを知る者たちが、
私のところに帰りますように。
80 どうか、私の心が、あなたのおきてのうちに
全きものとなりますように。
それは、私が恥を見ることのないためです。
81 私のたましいは、あなたの救いを慕って
絶え入るばかりです。
私はあなたのみことばを待ち望んでいます。
82 私の目は、みことばを慕って絶え入るばかりです。
「いつあなたは私を慰めてくださるのですか」と
言っています。
83 たとい私は煙の中の皮袋のようになっても、
あなたのおきてを忘れません。
84 あなたのしもべの日数は、どれだけでしょうか。
あなたはいつ、私を迫害する者どもを
さばかれるのでしょうか。
85高ぶる者は私のために穴を掘りました。
彼らはあなたのみおしえに従わないのです。
86 あなたの仰せはことごとく真実です。
彼らは偽りごとをもって私を迫害しています。
どうか私を助けてください。
87 彼らはこの地上で私を滅ぼしてしまいそうです。
しかしこの私は、あなたの戒めを捨てませんでした。
88 あなたの恵みによって、
私を生かしてください。
私はあなたの御口のさとしを守ります。
89主よ。あなたのことばは、とこしえから、
天において定まっています。
90 あなたの真実は代々に至ります。
あなたが地を据えたので、
地は堅く立っています。
91 それらはきょうも、あなたの定めにしたがって
堅く立っています。
すべては、あなたのしもべだからです。
92 もしあなたのみおしえが私の喜びでなかったら、
私は自分の悩みの中で滅んでいたでしょう。
93 私はあなたの戒めを決して忘れません。
それによって、あなたは
私を生かしてくださったからです。
94 私はあなたのもの。どうか私をお救いください。
私は、あなたの戒めを、求めています。
95 悪者どもは、私を滅ぼそうと、
私を待ち伏せています。
しかし私はあなたのさとしを聞き取ります。
96 私は、すべての全きものにも、
終わりのあることを見ました。
しかし、あなたの仰せは、すばらしく広いのです。
97 どんなにか私は、
あなたのみおしえを愛していることでしょう。
これが一日中、私の思いとなっています。
98 あなたの仰せは、私を私の敵よりも賢くします。
それはとこしえに、私のものだからです。
99 私は私のすべての師よりも悟りがあります。
それはあなたのさとしが私の思いだからです。
100 私は老人よりもわきまえがあります。
それは、私があなたの戒めを守っているからです。
101 私はあらゆる悪の道から私の足を引き止めました。
あなたのことばを守るためです。
102 私はあなたの定めから離れませんでした。
それは、あなたが私を教えられたからです。
103 あなたのみことばは、
私の上あごに、なんと甘いことでしょう。
蜜よりも私の口に甘いのです。
104 私には、あなたの戒めがあるので、
わきまえがあります。
それゆえ、私は偽りの道をことごとく憎みます。
105 あなたのみことばは、私の足のともしび、
私の道の光です。
106 私は誓い、そして果たしてきました。
あなたの義のさばきを守ることを。
107 私はひどく悩んでいます。
主よ。みことばのとおりに
私を生かしてください。
108 どうか、私の口の進んでささげるささげ物を
受け入れてください。主よ。
あなたのさばきを私に教えてください。
109125私は、いつもいのちがけでいなければなりません。
しかし私は、あなたのみおしえを忘れません。
110 悪者は私に対してわなを設けました。
しかし私は、あなたの戒めから迷い出ませんでした。
111 私は、あなたのさとしを
永遠のゆずりとして受け継ぎました。
これこそ、私の心の喜びです。
112 私は、あなたのおきてを行うことに、
心を傾けます。いつまでも、終わりまでも。
113 私は二心の者どもを憎みます。
しかし、あなたのみおしえを愛します。
114 あなたは私の隠れ場、私の盾。
私は、あなたのみことばを待ち望みます。
115 悪を行う者どもよ。私から離れて行け。
私は、わが神の仰せを守る。
116 みことばのとおりに私をささえ、
私を生かしてください。
私の望みのことで
私をはずかしめないようにしてください。
117 私をささえてください。そうすれば私は救われ、
いつもあなたのおきてに
目を留めることができましょう。
118 あなたは、あなたのおきてから迷い出る者を
みな卑しめられます。
彼らの欺きは、偽りごとだからです。
119 あなたは、地上のすべての悪者を
金かすのように、取り除かれます。
それゆえ私は、あなたのさとしを愛します。
120 私の肉は、あなたへの恐れで、震えています。
私はあなたのさばきを恐れています。
121 私は公正と義とを行いました。
私をしいたげる者どもに
私をゆだねないでください。
122 あなたのしもべの幸いの保証人となってください。
高ぶる者どもが
私をしいたげないようにしてください。
123 私の目は、あなたの救いと、
あなたの義のことばとを慕って
絶え入るばかりです。
124 あなたの恵みによって
あなたのしもべをあしらってください。
私にあなたのおきてを教えてください。
125 私はあなたのしもべです。
私に悟りを授けてください。
そうすれば私は、あなたのさとしを知るでしょう。
126 今こそ主が事をなさる時です。
彼らはあなたのおしえを破りました。
127 それゆえ、私は、金よりも、純金よりも、
あなたの仰せを愛します。
128 それゆえ私は、すべてのことについて、
あなたの戒めを正しいとします。
私は偽りの道をことごとく憎みます。
129 あなたのさとしは奇しく、
それゆえ、私のたましいはそれを守ります。
130 みことばの戸が開くと、光が差し込み、
わきまえのない者に悟りを与えます。
131 私は口を大きくあけて、あえぎました。
あなたの仰せを愛したからです。
132御名を愛する者たちのために
あなたが決めておられるように、
私に御顔を向け、私をあわれんでください。
133 あなたのみことばによって、私の歩みを確かにし、
どんな罪にも私を支配させないでください。
134 私を人のしいたげから贖い出し、
私があなたの戒めを守れるようにしてください。
135御顔をあなたのしもべの上に照り輝かし、
あなたのおきてを教えてください。
136 私の目から涙が川のように流れます。
彼らがあなたのみおしえを守らないからです。
137主よ。あなたは正しくあられます。
あなたのさばきはまっすぐです。
138 あなたの仰せられるさとしは、なんと正しく、
なんと真実なことでしょう。
139 私の熱心は私を滅ぼし尽くしてしまいました。
私の敵があなたのことばを忘れているからです。
140 あなたのみことばは、よく練られていて、
あなたのしもべは、それを愛しています。
141 私はつまらない者で、さげすまれています。
しかし、あなたの戒めを忘れてはいません。
142 あなたの義は、永遠の義、
あなたのみおしえは、まことです。
143苦難と窮乏とが私に襲いかかっています。
しかしあなたの仰せは、私の喜びです。
144 あなたのさとしは、とこしえに義です。
私に悟りを与えて、私を生かしてください。
145 私は心を尽くして呼びました。
主よ。私に答えてください。
私はあなたのおきてを守ります。
146 私はあなたを呼びました。私をお救いください。
私はあなたのさとしを守ります。
147 私は夜明け前に起きて叫び求めます。
私はあなたのことばを待ち望んでいます。
148 私の目は夜明けの見張りよりも先に目覚め、
みことばに思いを潜めます。
149 あなたの恵みによって私の声を聞いてください。
主よ。あなたの決めておられるように、
私を生かしてください。
150 悪を追い求める者が近づきました。
彼らはあなたのみおしえから遠く離れています。
151 しかし、主よ。あなたは私に近くおられます。
あなたの仰せはことごとくまことです。
152 私は昔から、あなたのあかしで知っています。
あなたはとこしえからこれを
定めておられることを。
153 私の悩みを顧み、
私を助け出してください。
私はあなたのみおしえを忘れません。
154 私の言い分を取り上げ、私を贖ってください。
みことばにしたがって、私を生かしてください。
155 救いは悪者から遠くかけ離れています。
彼らがあなたのおきてを求めないからです。
156 あなたのあわれみは大きい。
主よ。あなたが決めておられるように、
私を生かしてください。
157 私を迫害する者と私の敵は多い。
しかし私は、あなたのさとしから離れません。
158 私は裏切る者どもを見て、
彼らを忌みきらいました。
彼らがあなたのみことばを守らないからです。
159 ご覧ください。
どんなに私があなたの戒めを愛しているかを。
主よ。あなたの恵みによって、
私を生かしてください。
160 みことばのすべてはまことです。
あなたの義のさばきはことごとく、
とこしえに至ります。
161 君主らは、ゆえもなく私を迫害しています。
しかし私の心は、あなたのことばを恐れています。
162 私は、大きな獲物を見つけた者のように、
あなたのみことばを喜びます。
163 私は偽りを憎み、忌みきらい、
あなたのみおしえを愛しています。
164 あなたの義のさばきのために、
私は日に七度、あなたをほめたたえます。
165 あなたのみおしえを愛する者には
豊かな平和があり、つまずきがありません。
166 私はあなたの救いを待ち望んでいます。主よ。
私はあなたの仰せを行っています。
167 私のたましいはあなたのさとしを守っています。
しかも、限りなくそれを愛しています。
168 私はあなたの戒めと、さとしとを守っています。
私の道はすべて、あなたの御前にあるからです。
169 私の叫びが御前に近づきますように。主よ。
みことばのとおりに、私に悟りを与えてください。
170 私の切なる願いが御前に届きますように。
みことばのとおりに私を救い出してください。
171 私のくちびるに
賛美がわきあふれるようにしてください。
あなたが私に
みおきてを教えてくださるから。
172 私の舌は
あなたのみことばを歌うようにしてください。
あなたの仰せはことごとく正しいから。
173 あなたの御手が
私の助けとなりますように。
私はあなたの戒めを選びました。
174 私はあなたの救いを慕っています。主よ。
あなたのみおしえは私の喜びです。
175 私のたましいが生き、
あなたをほめたたえますように。
そしてあなたのさばきが
私の助けとなりますように。
176 私は、滅びる羊のように、迷い出ました。
どうかあなたのしもべを捜し求めてください。
私はあなたの仰せを忘れません。
都上りの歌
1 苦しみのうちに、私が主に呼ばわると、
主は私に答えられた。
2主よ。私を偽りのくちびる、欺きの舌から、
救い出してください。
3欺きの舌よ。
おまえに何が与えられ、
おまえに何が加えられるのか。
4 勇士の鋭い矢、
それに、えにしだの熱い炭火だ。
5 ああ、哀れな私よ。
メシェクに寄留し、ケダルの天幕で暮らすとは。
6 私は、久しく、平和を憎む者とともに住んでいた。
7 私は平和を――、私が話すと、
彼らは戦いを望むのだ。
都上りの歌
1 私は山に向かって目を上げる。
私の助けは、どこから来るのだろうか。
2 私の助けは、天地を造られた主から来る。
3 主はあなたの足をよろけさせず、
あなたを守る方は、まどろむこともない。
4 見よ。イスラエルを守る方は、
まどろむこともなく、眠ることもない。
5主は、あなたを守る方。
主は、あなたの右の手をおおう陰。
6 昼も、日が、あなたを打つことがなく、
夜も、月が、あなたを打つことはない。
7主は、すべてのわざわいから、あなたを守り、
あなたのいのちを守られる。
8主は、あなたを、行くにも帰るにも、
今よりとこしえまでも守られる。
都上りの歌。ダビデによる
1 人々が私に、
「さあ、主の家に行こう」と言ったとき、
私は喜んだ。
2 エルサレムよ。
私たちの足は、おまえの門のうちに立っている。
3 エルサレム、それは、
よくまとめられた町として建てられている。
4 そこに、多くの部族、126主の部族が、上って来る。
イスラエルのあかしとして、
主の御名に感謝するために。
5 そこには、さばきの座、
ダビデの家の王座があったからだ。
6 エルサレムの平和のために祈れ。
「おまえを愛する人々が栄えるように。
7 おまえの城壁のうちには、平和があるように。
おまえの宮殿のうちには、繁栄があるように。」
8 私の兄弟、私の友人のために、さあ、私は言おう。
「おまえのうちに平和があるように。」
9 私たちの神、主の家のために、
私は、おまえの繁栄を求めよう。
都上りの歌
1 あなたに向かって、私は目を上げます。
天の御座に着いておられる方よ。
2 ご覧ください。奴隷の目が主人の手に向けられ、
女奴隷の目が女主人の手に向けられているように、
私たちの目は私たちの神、主に向けられています。
主が私たちをあわれまれるまで。
3 私たちをあわれんでください。主よ。
私たちをあわれんでください。
私たちはさげすみで、もういっぱいです。
4 私たちのたましいは、
安逸をむさぼる者たちのあざけりと、
高ぶる者たちのさげすみとで、もういっぱいです。
都上りの歌。ダビデによる
1 「もしも主が私たちの味方でなかったなら。」
さあ、イスラエルは言え。
2 「もしも主が私たちの味方でなかったなら、
人々が私たちに逆らって立ち上がったとき、
3 そのとき、彼らは私たちを生きたまま
のみこんだであろう。
彼らの怒りが私たちに向かって燃え上がったとき、
4 そのとき、大水は私たちを押し流し、
流れは私たちを越えて行ったであろう。
5 そのとき、荒れ狂う水は
私たちを越えて行ったであろう。」
6 ほむべきかな。主。
主は私たちを彼らの歯のえじきにされなかった。
7 私たちは127仕掛けられたわなから
鳥のように助け出された。
わなは破られ、私たちは助け出された。
8 私たちの助けは、天地を造られた主の御名にある。
都上りの歌
1主に信頼する人々はシオンの山のようだ。
ゆるぐことなく、とこしえにながらえる。
2 山々がエルサレムを取り囲むように、
主は御民を今よりとこしえまでも囲まれる。
3 悪の杖が正しい者の地所の上にとどまることなく、
正しい者が不正なことに、
手を伸ばさないためである。
4主よ。善良な人々や心の直ぐな人々に、
いつくしみを施してください。
5 しかし、主は、曲がった道にそれる者どもを
不法を行う者どもとともに、連れ去られよう。
イスラエルの上に平和があるように。
都上りの歌
1主がシオンの繁栄を128元どおりにされたとき、
私たちは夢を見ている者のようであった。
2 そのとき、私たちの口は笑いで満たされ、
私たちの舌は喜びの叫びで満たされた。
そのとき、国々の間で、人々は言った。
「主は彼らのために大いなることをなされた。」
3主は私たちのために大いなることをなされ、
私たちは喜んだ。
4主よ。ネゲブの流れのように、
私たちの繁栄を元どおりにしてください。
5涙とともに種を蒔く者は、
喜び叫びながら刈り取ろう。
6 種入れをかかえ、泣きながら出て行く者は、
束をかかえ、喜び叫びながら帰って来る。
都上りの歌。ソロモンによる
1主が家を建てるのでなければ、
建てる者の働きはむなしい。
主が町を守るのでなければ、
守る者の見張りはむなしい。
2 あなたがたが早く起きるのも、おそく休むのも、
辛苦の糧を食べるのも、それはむなしい。
129主はその愛する者には、眠っている間に、
このように備えてくださる。
3 見よ。子どもたちは主の賜物、
胎の実は報酬である。
4若い時の子らは
まさに勇士の手にある矢のようだ。
5 幸いなことよ。矢筒をその矢で満たしている人は。
彼らは、門で敵と語る時にも、恥を見ることがない。
都上りの歌
1 幸いなことよ。すべて主を恐れ、
主の道を歩む者は。
2 あなたは、自分の手の勤労の実を食べるとき、
幸福で、しあわせであろう。
3 あなたの妻は、あなたの家の奥にいて、
豊かに実を結ぶぶどうの木のようだ。
あなたの子らは、あなたの食卓を囲んで、
オリーブの木を囲む若木のようだ。
4 見よ。主を恐れる人は、
確かに、このように祝福を受ける。
5主はシオンからあなたを祝福される。
あなたは、いのちの日の限り、
エルサレムの繁栄を見よ。
6 あなたの子らの子たちを見よ。
イスラエルの上に平和があるように。
都上りの歌
1 「彼らは私の若いころからひどく私を苦しめた。」
さあ、イスラエルは言え。
2 「彼らは私の若いころからひどく私を苦しめた。
彼らは私に勝てなかった。
3耕す者は私の背に鋤をあて、長いあぜを作った。」
4主は、正しくあり、
悪者の綱を断ち切られた。
5 シオンを憎む者はみな、
恥を受けて、退け。
6 彼らは
伸びないうちに枯れる屋根の草のようになれ。
7刈り取る者は、そんなものを、つかみはしない。
たばねる者も、かかえはしない。
8 通りがかりの人も、
「主の祝福があなたがたにあるように。
主の名によってあなたがたを祝福します」
とは言わない。
都上りの歌
1主よ。深い淵から、私はあなたを呼び求めます。
2 主よ。私の声を聞いてください。
私の願いの声に耳を傾けてください。
3130主よ。あなたがもし、不義に目を留められるなら、
主よ、だれが御前に立ちえましょう。
4 しかし、あなたが赦してくださるからこそ
あなたは人に恐れられます。
5 私は主を待ち望みます。
私のたましいは、待ち望みます。
私は主のみことばを待ちます。
6 私のたましいは、夜回りが夜明けを待つのにまさり、
まことに、夜回りが夜明けを待つのにまさって、
主を待ちます。
7 イスラエルよ。主を待て。
主には恵みがあり、
豊かな贖いがある。
8 主は、すべての不義から
イスラエルを贖い出される。
都上りの歌。ダビデによる
1主よ。私の心は誇らず、
私の目は高ぶりません。
及びもつかない大きなことや、奇しいことに、
私は深入りしません。
2 まことに私は、
自分のたましいを和らげ、静めました。
乳離れした子が母親の前にいるように、
私のたましいは乳離れした子のように
私の前におります。
3 イスラエルよ。今よりとこしえまで主を待て。
都上りの歌
1主よ。ダビデのために、
彼のすべての苦しみを思い出してください。
2 彼は主に誓い、
ヤコブの全能者に誓いを立てました。
3 「私は決して、わが家の天幕に入りません。
私のために備えられた寝床にも上がりません。
4 私の目に眠りを与えません。
私のまぶたにまどろみをも。
5 私が主のために、一つの場所を見いだし、
ヤコブの全能者のために、
御住まいを見いだすまでは。」
6 今や、私たちはエフラテでそれを聞き、
ヤアルの野で、それを見いだした。
7 さあ、主の住まいに行き、
主の足台のもとにひれ伏そう。
8主よ。立ち上がってください。
あなたの安息の場所に、お入りください。
あなたと、あなたの御力の箱も。
9 あなたの祭司たちは、義を身にまとい、
あなたの聖徒たちは、喜び歌いますように。
10 あなたのしもべダビデのために、
あなたに油そそがれた者の顔を、
うしろへ向けないでください。
11主はダビデに誓われた。
それは、主が取り消すことのない真理である。
「あなたの身から出る子をあなたの位に着かせよう。
12 もし、あなたの子らが、わたしの契約と、
わたしの教えるさとしを守るなら、
彼らの子らもまた、とこしえに
あなたの位に着くであろう。」
13主はシオンを選び、
それをご自分の住みかとして望まれた。
14 「これはとこしえに、わたしの安息の場所、
ここにわたしは住もう。
わたしがそれを望んだから。
15 わたしは豊かにシオンの食物を祝福し、
その貧しい者をパンで満ち足らせよう。
16 その祭司らに救いを着せよう。
その聖徒らは大いに喜び歌おう。
17 そこにわたしはダビデのために、
一つの角を生えさせよう。
わたしは、わたしに油そそがれた者のために、
一つのともしびを備えている。
18 わたしは彼の敵に恥を着せる。
しかし、彼の上には、彼の冠が光り輝くであろう。」
都上りの歌。ダビデによる
1 見よ。兄弟たちが一つになって共に住むことは、
なんというしあわせ、なんという楽しさであろう。
2 それは頭の上にそそがれた尊い油のようだ。
それはひげに、アロンのひげに流れて
その衣のえりにまで流れしたたる。
3 それはまたシオンの山々におりる
ヘルモンの露にも似ている。
主がそこに
とこしえのいのちの祝福を命じられたからである。
都上りの歌
1 さあ、主をほめたたえよ。
主のすべてのしもべたち、
夜ごとに主の家で131仕える者たちよ。
2聖所に向かってあなたがたの手を上げ、
主をほめたたえよ。
3 天地を造られた主が
シオンからあなたを祝福されるように。
1132ハレルヤ。主の御名をほめたたえよ。
ほめたたえよ。主のしもべたち。
2主の家で133仕え、
私たちの神の家の大庭で仕える者よ。
3134ハレルヤ。主はまことにいつくしみ深い。
主の御名にほめ歌を歌え。
その御名はいかにも麗しい。
4 まことに、135主はヤコブを選び、ご自分のものとされ、
イスラエルを選んで、ご自分の宝とされた。
5 まことに、私は知る。主は大いなる方、
私たちの主はすべての神々にまさっておられる。
6主は望むところをことごとく行われる。
天で、地で、海で、またすべての淵で。
7 主は地の果てから、雲を上らせ、
雨のためにいなずまを造り、
その倉から風を出される。
8 主はエジプトの初子を
人から獣に至るまで打たれた。
9 エジプトよ。おまえの真っただ中に、
主はしるしと奇蹟を送られた。
パロとそのすべてのしもべらに。
10 主は多くの国々を打ち、
力ある王たちを殺された。
11 エモリ人の王シホン、バシャンの王オグ、
カナンのすべての王国を。
12 主は彼らの地を、相続の地とし、
御民イスラエルに相続の地として与えられた。
13主よ。あなたの御名はとこしえまで、
主よ。あなたの呼び名は代々に及びます。
14 まことに、主はご自分の民をさばき、
そのしもべらをあわれまれます。
15異邦の民の偶像は、銀や金で、
人の手のわざです。
16 口があっても語れず、
目があっても見えません。
17 耳があっても聞こえず、
また、その口には息がありません。
18 これを造る者も
これに信頼する者もみな、これと同じです。
19 イスラエルの家よ。主をほめたたえよ。
アロンの家よ。主をほめたたえよ。
20 レビの家よ。主をほめたたえよ。
主を恐れる者よ。主をほめたたえよ。
21 ほむべきかな。主。シオンにて。
エルサレムに住む方。
136ハレルヤ。
1主に感謝せよ。
主はまことにいつくしみ深い。
その恵みはとこしえまで。
2 神の神であられる方に感謝せよ。
その恵みはとこしえまで。
3 主の主であられる方に感謝せよ。
その恵みはとこしえまで。
4 ただひとり、大いなる不思議を行われる方に。
その恵みはとこしえまで。
5 英知をもって天を造られた方に。
その恵みはとこしえまで。
6 地を水の上に敷かれた方に。
その恵みはとこしえまで。
7 大いなる光を造られた方に。
その恵みはとこしえまで。
8 昼を治める太陽を造られた方に。
その恵みはとこしえまで。
9 夜を治める月と星を造られた方に。
その恵みはとこしえまで。
10 エジプトの初子を打たれた方に。
その恵みはとこしえまで。
11 主はイスラエルを
137エジプトの真ん中から連れ出された。
その恵みはとこしえまで。
12 力強い手と差し伸ばされた腕をもって。
その恵みはとこしえまで。
13138葦の海を二つに分けられた方に。
その恵みはとこしえまで。
14 主はイスラエルにその中を通らせられた。
その恵みはとこしえまで。
15 パロとその軍勢を139葦の海に投げ込まれた。
その恵みはとこしえまで。
16荒野で御民を導かれた方に。
その恵みはとこしえまで。
17 大いなる王たちを打たれた方に。
その恵みはとこしえまで。
18 主は力ある王たちを、殺された。
その恵みはとこしえまで。
19 エモリ人の王シホンを殺された。
その恵みはとこしえまで。
20 バシャンの王オグを殺された。
その恵みはとこしえまで。
21 主は彼らの地を、相続の地として与えられた。
その恵みはとこしえまで。
22 主のしもべイスラエルに相続の地として。
その恵みはとこしえまで。
23 主は私たちが卑しめられたとき、
私たちを御心に留められた。
その恵みはとこしえまで。
24 主は私たちを敵から救い出された。
その恵みはとこしえまで。
25 主はすべての肉なる者に食物を与えられる。
その恵みはとこしえまで。
26 天の神に感謝せよ。
その恵みはとこしえまで。
1140バビロンの川のほとり、
そこで、私たちはすわり、
シオンを思い出して泣いた。
2 その柳の木々に
私たちは立琴を掛けた。
3 それは、私たちを捕らえ移した者たちが、
そこで、私たちに141歌を求め、
私たちを苦しめる者たちが、
興を求めて、
「シオンの歌を一つ歌え」と言ったからだ。
4 私たちがどうして、
異国の地にあって主の歌を歌えようか。
5 エルサレムよ。
もしも、私がおまえを忘れたら、
私の右手が142その巧みさを忘れるように。
6 もしも、私がおまえを思い出さず、
私がエルサレムを
最上の喜びにもまさってたたえないなら、
私の舌が上あごについてしまうように。
7主よ。エルサレムの日に、
「破壊せよ、破壊せよ、その基までも」と言った
エドムの子らを思い出してください。
おまえの私たちへの仕打ちを、
おまえに仕返しする人は、なんと幸いなことよ。
9 おまえの子どもたちを捕らえ、
岩に打ちつける人は、なんと幸いなことよ。
ダビデによる
1 私は心を尽くしてあなたに感謝します。
145天使たちの前であなたをほめ歌います。
2 私はあなたの聖なる宮に向かってひれ伏し、
あなたの恵みとまことを
あなたの御名に感謝します。
あなたは、ご自分のすべての御名のゆえに、
あなたのみことばを高く上げられたからです。
3 私が呼んだその日に、
あなたは私に答え、
私のたましいに力を与えて強くされました。
4主よ。
地のすべての王たちは、あなたに感謝しましょう。
彼らがあなたの口のみことばを聞いたからです。
5 彼らは主の道について歌うでしょう。
主の栄光が大きいからです。
6 まことに、主は高くあられるが、
低い者を顧みてくださいます。
しかし、高ぶる者を遠くから見抜かれます。
7 私が苦しみの中を歩いても、
あなたは私を生かしてくださいます。
私の敵の怒りに向かって御手を伸ばし、
あなたの右の手が私を救ってくださいます。
8主は私にかかわるすべてのことを、
成し遂げてくださいます。
主よ。あなたの恵みはとこしえにあります。
あなたの御手のわざを捨てないでください。
指揮者のために。ダビデの賛歌
1主よ。あなたは私を探り、
私を知っておられます。
2 あなたこそは私のすわるのも、
立つのも知っておられ、
私の思いを遠くから読み取られます。
3 あなたは私の歩みと私の伏すのを見守り、
私の道をことごとく知っておられます。
4 ことばが私の舌にのぼる前に、
なんと主よ、
あなたはそれをことごとく知っておられます。
5 あなたは前からうしろから私を取り囲み、
御手を私の上に置かれました。
6 そのような知識は私にとって
あまりにも不思議、
あまりにも高くて、及びもつきません。
7 私はあなたの御霊から離れて、どこへ行けましょう。
私はあなたの御前を離れて、どこへのがれましょう。
8 たとい、私が天に上っても、そこにあなたはおられ、
私が146よみに床を設けても、
そこにあなたはおられます。
9 私が暁の翼をかって、海の果てに住んでも、
10 そこでも、あなたの御手が私を導き、
あなたの右の手が私を捕らえます。
11 たとい私が
「おお、やみよ。私をおおえ。
私の回りの光よ。夜となれ」と言っても、
12 あなたにとっては、やみも暗くなく
夜は昼のように明るいのです。
暗やみも光も同じことです。
13 それはあなたが私の147内臓を造り、
母の胎のうちで私を組み立てられたからです。
14 私は感謝します。
あなたは私に、奇しいことをなさって
恐ろしいほどです。
私のたましいは、それをよく知っています。
15 私がひそかに造られ、地の深い所で仕組まれたとき、
私の骨組みはあなたに隠れてはいませんでした。
16 あなたの目は胎児の私を見られ、
あなたの書物にすべてが、書きしるされました。
私のために作られた日々が、
しかも、その一日もないうちに。
17 神よ。あなたの御思いを知るのは
なんとむずかしいことでしょう。
その総計は、なんと多いことでしょう。
18 それを数えようとしても、
それは砂よりも数多いのです。
私が目ざめるとき、
私はなおも、あなたとともにいます。
19 神よ。どうか悪者を殺してください。
血を流す者どもよ。私から離れて行け。
20 彼らはあなたに悪口を言い、
あなたの敵は、みだりに148御名を口にします。
21主よ。
私は、あなたを憎む者たちを憎まないでしょうか。
私は、あなたに立ち向かう者を
忌みきらわないでしょうか。
22 私は憎しみの限りを尽くして彼らを憎みます。
彼らは私の敵となりました。
23 神よ。私を探り、私の心を知ってください。
私を調べ、私の思い煩いを知ってください。
24 私のうちに傷のついた道があるか、ないかを見て、
私をとこしえの道に導いてください。
指揮者のために。ダビデの賛歌
1主よ。私をよこしまな人から助け出し、
暴虐の者から、私を守ってください。
2 彼らは心の中で悪をたくらみ、
日ごとに戦いを仕掛けています。
3蛇のように、その舌を鋭くし、
そのくちびるの下には、まむしの毒があります。 セラ
4主よ。私を悪者の手から守り、
暴虐の者から、私を守ってください。
彼らは私の足を押し倒そうとたくらんでいます。
5高ぶる者は、私にわなと綱を仕掛け、
道ばたに網を広げ、私に落とし穴を設けました。 セラ
6 私は主に申し上げます。
「あなたは私の神。
主よ。私の願いの声を聞いてください。
7 私の主、神、わが救いの力よ。
あなたは私が武器をとる日に、
私の頭をおおわれました。
8主よ。悪者の願いをかなえさせないでください。
そのたくらみを遂げさせないでください。
彼らは高ぶっています。セラ
9 私を取り囲んでいる者の頭。
これを彼のくちびるの害毒がおおいますように。
10燃えている炭火が
彼らの上にふりかかりますように。
彼らが火の中に、また、深い淵に落とされ、
彼らが立ち上がれないようにしてください。
11149そしる者が地上で栄えないように。
わざわいが暴虐の者を
急いで捕らえるようにしてください。」
12 私は知っています。主は悩む者の訴えを支持し、
貧しい者に、さばきを行われることを。
13 まことに、正しい者はあなたの御名に感謝し、
直ぐな人はあなたの御前に住むでしょう。
ダビデの賛歌
1主よ。私はあなたを呼び求めます。
私のところに急いでください。
私があなたに呼ばわるとき、
私の声を聞いてください。
2 私の祈りが、御前への香として、
私が手を上げることが、夕べのささげ物として
立ち上りますように。
3主よ。私の口に見張りを置き、
私のくちびるの戸を守ってください。
4 私の心を悪いことに向けさせず、
不法を行う者どもとともに、
悪い行いに携わらないようにしてください。
私が彼らのうまい物を
食べないようにしてください。
5 正しい者が愛情をもって私を打ち、
私を責めますように。
それは150頭にそそがれる油です。
私の頭がそれを拒まないようにしてください。
彼らが悪行を重ねても、なおも私は祈ります。
6 彼らのさばきづかさらが岩のかたわらに
投げ落とされたとき、
彼らは私のいかにも喜ばしいことばを
聞くことでしょう。
7 人が地を掘り起こして砕くときのように、
私たちの骨は151よみの入口にまき散らされました。
8 私の主、神よ。
まことに、私の目はあなたに向いています。
私はあなたに身を避けます。
私を放り出さないでください。
9 どうか、彼らが私に仕掛けたわなから、
不法を行う者の落とし穴から、
私を守ってください。
10 私が通り過ぎるそのときに、
悪者はおのれ自身の網に落ち込みますように。
ダビデのマスキール。彼が洞窟にいたときに。祈り
1 私は主に向かい、声をあげて叫びます。
声をあげ、主にあわれみを請います。
2 私は御前に自分の嘆きを注ぎ出し、
私の苦しみを御前に言い表します。
3 私の霊が私のうちで衰え果てたとき、
あなたこそ、私の道を知っておられる方です。
私が歩く、その道に、
彼らは、私に、わなを仕掛けているのです。
4 私の右のほうに目を注いで、見てください。
私を顧みる者もなく、
私の逃げる所もなくなり、
私のたましいに気を配る者もいません。
5主よ。私はあなたに叫んで、言いました。
「あなたは私の避け所、
生ける者の地で、私の分の土地です。
6 私の叫びに耳を留めてください。
私はひどく、おとしめられていますから。
どうか、私を迫害する者から救い出してください。
彼らは私よりも強いのです。
7 私のたましいを、牢獄から連れ出し、
私があなたの御名に感謝するようにしてください。
正しい者たちが私の回りに集まることでしょう。
あなたが私に良くしてくださるからです。」
ダビデの賛歌
1主よ。私の祈りを聞き、
私の願いに耳を傾けてください。
あなたの真実と義によって、私に答えてください。
2 あなたのしもべをさばきにかけないでください。
生ける者はだれひとり、
あなたの前に義と認められないからです。
3敵は私のたましいを追いつめ、
私のいのちを地に打ち砕き、
長く死んでいる者のように、
私を暗い所に住まわせたからです。
4 それゆえ、私の霊は私のうちで衰え果て、
私の心は私のうちでこわばりました。
5 私は昔の日々を思い出し、
あなたのなさったすべてのことに思いを巡らし、
あなたの御手のわざを静かに考えています。
6 あなたに向かって、私は手を差し伸べ、
私のたましいは、かわききった地のように、
あなたを慕います。 セラ
7主よ。早く私に答えてください。
私の霊は滅びてしまいます。
どうか、御顔を私に隠さないでください。
私が穴に下る者と等しくならないため。
8 朝にあなたの恵みを聞かせてください。
私はあなたに信頼していますから。
私に行くべき道を知らせてください。
私のたましいはあなたを仰いでいますから。
9主よ。私を敵から救い出してください。
私はあなたの中に、身を隠します。
10 あなたのみこころを行うことを教えてください。
あなたこそ私の神であられますから。
あなたのいつくしみ深い霊が、
平らな地に私を導いてくださるように。
11主よ。あなたの御名のゆえに、私を生かし、
あなたの義によって、
私のたましいを苦しみから連れ出してください。
12 あなたの恵みによって、私の敵を滅ぼし、
私のたましいに敵対するすべての者を
消し去ってください。
私はあなたのしもべですから。
ダビデによる
1 ほむべきかな。わが岩である主。
主は、戦いのために私の手を、
いくさのために私の指を、鍛えられる。
2 主は私の恵み、私のとりで。
私のやぐら、私を救う方。
私の盾、私の身の避け所。
私の民を私に服させる方。
3主よ。人とは何者なのでしょう。
あなたがこれを知っておられるとは。
人の子とは何者なのでしょう。
あなたがこれを顧みられるとは。
4 人はただ息に似て、
その日々は過ぎ去る影のようです。
5主よ。あなたの天を押し曲げて降りて来てください。
山々に触れて、煙を出させてください。
6 いなずまを放って、彼らを散らし、
あなたの矢を放って、
彼らをかき乱してください。
7 いと高き所からあなたの御手を伸べ、
大水から、また外国人の手から、
私を解き放し、救い出してください。
8 彼らの口はうそを言い、
その右の手は偽りの右の手です。
9 神よ。あなたに、私は新しい歌を歌い、
十弦の琴をもってあなたに、ほめ歌を歌います。
10 神は王たちに救いを与え、
神のしもべダビデを、悪の剣から解き放されます。
11 私を、外国人の手から解き放し、
救い出してください。
彼らの口はうそを言い、
その右の手は偽りの右の手です。
12 私たちの息子らが、若いときに、
よく育った若木のようになりますように。
私たちの娘らが、宮殿の建物にふさわしく刻まれた
隅の柱のようになりますように。
13 私たちの倉は満ち、あらゆる産物を備えますように。
私たちの羊の群れは、私たちの野原で、
幾千幾万となりますように。
14152私たちの牛が子牛を産み、
死ぬこともなく、出て行くこともなく、
また、哀れな叫び声が
私たちの町にありませんように。
15 幸いなことよ。このようになる民は。
幸いなことよ。主をおのれの神とするその民は。
ダビデの賛美
1 私の神、王よ。私はあなたをあがめます。
あなたの御名を世々限りなく、ほめたたえます。
2 日ごとにあなたをほめたたえ、
あなたの御名を世々限りなく賛美します。
3主は大いなる方。大いに賛美されるべき方。
その偉大さを測り知ることができません。
4代は代へと、あなたのみわざをほめ歌い、
あなたの大能のわざを告げ知らせるでしょう。
5 私は栄光輝くあなたの主権と、
あなたの奇しいわざに思いを潜めます。
6 人々はあなたの恐ろしいみわざの力を語り、
私はあなたの偉大さを述べるでしょう。
7 人々はあなたの豊かないつくしみの思い出を
熱心に語り、
あなたの義を高らかに歌うでしょう。
8主は情け深く、あわれみ深く、
怒るのにおそく、恵みに富んでおられます。
9主はすべてのものにいつくしみ深く、
そのあわれみは、
造られたすべてのものの上にあります。
10主よ。あなたの造られたすべてのものは、
あなたに感謝し、
あなたの聖徒はあなたをほめたたえます。
11 彼らはあなたの王国の栄光を告げ、
あなたの大能のわざを、語るでしょう。
12 こうして人の子らに、主の大能のわざと、
主の王国の輝かしい栄光を、知らせましょう。
13 あなたの王国は、永遠にわたる王国。
あなたの統治は、代々限りなく続きます。
14主は倒れる者をみなささえ、
かがんでいる者をみな起こされます。
15 すべての目は、あなたを待ち望んでいます。
あなたは時にかなって、彼らに食物を与えられます。
16 あなたは御手を開き、
すべての生けるものの願いを満たされます。
17主はご自分のすべての道において正しく、
またすべてのみわざにおいて恵み深い。
18 主を呼び求める者すべて、
まことをもって主を呼び求める者すべてに
主は近くあられる。
19 また主を恐れる者の願いをかなえ、
彼らの叫びを聞いて、救われる。
20 すべて主を愛する者は主が守られる。
しかし、悪者はすべて滅ぼされる。
21 私の口が主の誉れを語り、
すべて肉なる者が聖なる御名を
世々限りなくほめたたえますように。
1153ハレルヤ。
私のたましいよ。主をほめたたえよ。
2 私は生きているかぎり、主をほめたたえよう。
いのちのあるかぎり、私の神に、ほめ歌を歌おう。
3 君主たちにたよってはならない。
救いのない人間の子に。
4霊が出て行くと、人はおのれの土に帰り、
その日のうちに彼のもろもろの計画は滅びうせる。
5 幸いなことよ。ヤコブの神を助けとし、
その神、主に望みを置く者は。
6 主は天と地と海とその中のいっさいを造った方。
とこしえまでも真実を守り、
7 しいたげられる者のためにさばきを行い、
飢えた者にパンを与える方。
主は捕らわれ人を解放される。
8主は盲人の目をあけ、
主はかがんでいる者を起こされる。
主は正しい者を愛し、
9主は在留異国人を守り、
みなしごとやもめをささえられる。
しかし主は悪者の道を曲げられる。
10主は、とこしえまでも統べ治められる。
シオンよ。あなたの神は代々にいます。
154ハレルヤ。
1155ハレルヤ。
まことに、われらの神にほめ歌を歌うのは良い。
まことに楽しく、賛美は麗しい。
2主はエルサレムを建て
イスラエルの追い散らされた者を集める。
3 主は心の打ち砕かれた者をいやし
彼らの傷を包む。
4 主は星の数を数え、
そのすべてに名をつける。
5 われらの主は偉大であり、力に富み、
その英知は測りがたい。
6主は心の貧しい者をささえ、
悪者を地面に引き降ろす。
7感謝をもって主に歌え。
立琴でわれらの神にほめ歌を歌え。
8 神は雲で天をおおい、
地のために雨を備え、
また、山々に草を生えさせ、
9獣に、また、鳴く烏の子に
食物を与える方。
10 神は馬の力を喜ばず、
歩兵を好まない。
11 主を恐れる者と
御恵みを待ち望む者とを主は好まれる。
12 エルサレムよ。主をほめ歌え。
シオンよ。あなたの神をほめたたえよ。
13 主は、あなたの門のかんぬきを強め、
あなたの中にいる子らを祝福しておられるからだ。
14 主は、あなたの地境に平和を置き、
最良の小麦であなたを満たされる。
15 主は地に命令を送られる。
そのことばはすみやかに走る。
16 主は羊毛のように雪を降らせ、
灰のように霜をまかれる。
17 主は氷をパンくずのように投げつける。
だれがその寒さに耐ええようか。
18 主が、みことばを送って、これらを溶かし、
ご自分の風を吹かせると、水は流れる。
19 主はヤコブには、みことばを、
イスラエルには、おきてとさばきを告げられる。
20 主は、どんな国々にも、
このようには、なさらなかった。
さばきについて彼らは知っていない。
156ハレルヤ。
1157ハレルヤ。
天において主をほめたたえよ。
いと高き所で主をほめたたえよ。
2 主をほめたたえよ。すべての御使いよ。
主をほめたたえよ。主の万軍よ。
3 主をほめたたえよ。日よ。月よ。
主をほめたたえよ。すべての輝く星よ。
4 主をほめたたえよ。天の天よ。
天の上にある水よ。
5 彼らに主の名をほめたたえさせよ。
主が命じて、彼らが造られた。
6 主は彼らを、世々限りなく立てられた。
主は過ぎ去ることのない定めを置かれた。
7 地において主をほめたたえよ。
海の巨獣よ。すべての淵よ。
8 火よ。雹よ。雪よ。煙よ。
みことばを行うあらしよ。
9 山々よ。すべての丘よ。
実のなる木よ。すべての杉よ。
10獣よ。すべての家畜よ。はうものよ。
翼のある鳥よ。
11 地の王たちよ。すべての国民よ。
君主たちよ。地のすべてのさばきづかさよ。
12若い男よ。若い女よ。年老いた者と幼い者よ。
13 彼らに主の名をほめたたえさせよ。
主の御名だけがあがめられ、
その威光は地と天の上にあるからだ。
14 主は、その民の角を上げられた。
主のすべての聖徒たち、主の近くにいる民、
イスラエルの子らの賛美を。
158ハレルヤ。
1159ハレルヤ。
主に新しい歌を歌え。
聖徒の集まりで主への賛美を。
2 イスラエルは、おのれの造り主にあって喜べ。
シオンの子らは、おのれの王にあって楽しめ。
3踊りをもって、御名を賛美せよ。
タンバリンと立琴をかなでて、主にほめ歌を歌え。
4主は、ご自分の民を愛し、
救いをもって貧しい者を飾られる。
5聖徒たちは栄光の中で喜び勇め。
おのれの床の上で、高らかに歌え。
6 彼らの口には、神への称賛、
彼らの手には、もろ刃の剣があるように。
7 それは国々に復讐し、国民を懲らすため、
8 また、鎖で彼らの王たちを、
鉄のかせで彼らの貴族たちを縛るため。
9 また書きしるされたさばきを
彼らの間で行うため。
それは、すべての聖徒の誉れである。
160ハレルヤ。
1161ハレルヤ。
神の聖所で、
神をほめたたえよ。
御力の大空で、
神をほめたたえよ。
2 その大能のみわざのゆえに、
神をほめたたえよ。
そのすぐれた偉大さのゆえに、
神をほめたたえよ。
3角笛を吹き鳴らして、
神をほめたたえよ。
十弦の琴と立琴をかなでて、
神をほめたたえよ。
4 タンバリンと踊りをもって、
神をほめたたえよ。
緒琴と笛とで、
神をほめたたえよ。
5音の高いシンバルで、
神をほめたたえよ。
鳴り響くシンバルで、
神をほめたたえよ。
6 息のあるものはみな、
162主をほめたたえよ。
163ハレルヤ。
箴言
1 イスラエルの王、ダビデの子、ソロモンの箴言。
2 これは、知恵と訓戒とを学び、
悟りのことばを理解するためであり、
3正義と公義と公正と、
思慮ある訓戒を体得するためであり、
4 わきまえのない者に分別を与え、
若い者に知識と思慮を得させるためである。
5知恵のある者はこれを聞いて理解を深め、
悟りのある者は指導を得る。
6 これは箴言と、比喩と、
知恵のある者のことばと、そのなぞとを
理解するためである。
7主を恐れることは知識の初めである。
愚か者は知恵と訓戒をさげすむ。
8 わが子よ。あなたの父の訓戒に聞き従え。
あなたの母の教えを捨ててはならない。
9 それらは、あなたの頭の麗しい花輪、
あなたの首飾りである。
10 わが子よ。罪人たちがあなたを惑わしても、
彼らに従ってはならない。
11 もしも、彼らがこう言っても。「いっしょに来い。
われわれは人の血を流すために待ち伏せし、
罪のない者を、理由もなく、こっそりねらい、
121よみのように、彼らを生きたままで、のみこみ、
墓に下る者のように、
彼らをそのまま丸のみにしよう。
13 あらゆる宝物を見つけ出し、
分捕り物で、われわれの家を満たそう。
14 おまえも、われわれの間でくじを引き、
われわれみなで一つの財布を持とう。」
15 わが子よ。
彼らといっしょに道を歩いてはならない。
あなたの足を
彼らの通り道に踏み入れてはならない。
16 彼らの足は悪に走り、
血を流そうと急いでいるからだ。
17 鳥がみな見ているところで、
網を張っても、むだなことだ。
18 彼らは待ち伏せして自分の血を流し、
自分のいのちを、こっそり、
ねらっているのにすぎない。
19 利得をむさぼる者の道はすべてこのようだ。
こうして、持ち主のいのちを取り去ってしまう。
20知恵は、ちまたで大声で叫び、
広場でその声をあげ、
21騒がしい町かどで叫び、
町の門の入口で語りかけて言う。
22 「わきまえのない者たち。
あなたがたは、いつまで、
わきまえのないことを好むのか。
あざける者は、いつまで、あざけりを楽しみ、
愚かな者は、いつまで、知識を憎むのか。
23 わたしの叱責に心を留めるなら、
今すぐ、あなたがたにわたしの霊を注ぎ、
あなたがたにわたしのことばを知らせよう。
24 わたしが呼んだのに、あなたがたは拒んだ。
わたしは手を伸べたが、顧みる者はない。
25 あなたがたはわたしのすべての忠告を無視し、
わたしの叱責を受け入れなかった。
26 それで、わたしも、
あなたがたが災難に会うときに笑い、
あなたがたを恐怖が襲うとき、あざけろう。
27恐怖があらしのようにあなたがたを襲うとき、
災難がつむじ風のようにあなたがたを襲うとき、
苦難と苦悩があなたがたの上に下るとき、
28 そのとき、彼らはわたしを呼ぶが、
わたしは答えない。
わたしを捜し求めるが、
彼らはわたしを見つけることができない。
29 なぜなら、彼らは知識を憎み、
主を恐れることを選ばず、
30 わたしの忠告を好まず、
わたしの叱責を、ことごとく侮ったからである。
31 それで、彼らは自分の行いの実を食らい、
自分のたくらみに飽きるであろう。
32 わきまえのない者の背信は自分を殺し、
愚かな者の安心は自分を滅ぼす。
33 しかし、わたしに聞き従う者は、安全に住まい、
わざわいを恐れることもなく、安らかである。」
1 わが子よ。もしあなたが、
私のことばを受け入れ、
私の命令をあなたのうちにたくわえ、
2 あなたの耳を知恵に傾け、
あなたの心を英知に向けるなら、
3 もしあなたが悟りを呼び求め、
英知を求めて声をあげ、
4 銀のように、これを捜し、
隠された宝のように、これを探り出すなら、
5 そのとき、あなたは、主を恐れることを悟り、
神の知識を見いだそう。
6主が知恵を与え、
御口を通して知識と英知を与えられるからだ。
7 彼は正しい者のために、すぐれた知性をたくわえ、
正しく歩む者の盾となり、
8公義の小道を保ち、その聖徒たちの道を守る。
9 そのとき、あなたは正義と公義と公正と、
すべての良い道筋を悟る。
10知恵があなたの心に入り、
知識があなたのたましいを楽しませるからだ。
11思慮があなたを守り、
英知があなたを保って、
12 悪の道からあなたを救い出し、
ねじれごとを言う者からあなたを救い出す。
13 彼らはまっすぐな道を捨て、
やみの道に歩み、
14 悪を行うことを喜び、
悪いねじれごとを楽しむ。
15 彼らの道は曲がり、
その道筋は曲がりくねっている。
16 あなたは、他人の妻から2身を避けよ。
ことばのなめらかな、見知らぬ女から。
17 彼女は若いころの連れ合いを捨て、
その神との契約を忘れている。
18 彼女の家は死に下り、
その道筋は3やみにつながる。
19 彼女のもとへ行く者はだれも帰って来ない。
いのちの道に至らない。
20 だから、あなたは良い人々の道に歩み、
正しい人々の道を守るがよい。
21 正直な人は地に住みつき、
潔白な人は地に生き残る。
22 しかし、悪者どもは地から絶やされ、
裏切り者は地から根こぎにされる。
1 わが子よ。私のおしえを忘れるな。
私の命令を心に留めよ。
2 そうすれば、あなたに長い日と、
いのちの年と平安が増し加えられる。
3恵みとまことを捨ててはならない。
それをあなたの首に結び、
あなたの心の板に書きしるせ。
4 神と人との前に
好意と聡明を得よ。
5 心を尽くして主に拠り頼め。
自分の悟りにたよるな。
6 あなたの行く所どこにおいても、主を認めよ。
そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。
7 自分を知恵のある者と思うな。
主を恐れて、悪から離れよ。
8 それはあなたの4からだを健康にし、
あなたの骨に元気をつける。
9 あなたの財産とすべての収穫の初物で、
主をあがめよ。
10 そうすれば、あなたの倉は豊かに満たされ、
あなたの酒ぶねは新しいぶどう酒であふれる。
11 わが子よ。主の懲らしめをないがしろにするな。
その叱責をいとうな。
12 父がかわいがる子をしかるように、
主は愛する者をしかる。
13 幸いなことよ。知恵を見いだす人、
英知をいただく人は。
14 それの儲けは銀の儲けにまさり、
その収穫は黄金にまさるからだ。
15知恵は真珠よりも尊く、
あなたの望むどんなものも、これとは比べられない。
16 その右の手には長寿があり、
その左の手には富と誉れがある。
17 その道は楽しい道であり、
その通り道はみな平安である。
18知恵は、これを堅く握る者には
いのちの木である。
これをつかんでいる者は幸いである。
19主は知恵をもって地の基を定め、
英知をもって天を堅く立てられた。
20深淵はその知識によって張り裂け、
雲は露を注ぐ。
21 わが子よ。すぐれた知性と思慮とをよく見張り、
これらを見失うな。
22 それらは、あなたのたましいのいのちとなり、
あなたの首の麗しさとなる。
23 こうして、あなたは安らかに自分の道を歩み、
あなたの足はつまずかない。
24 あなたが横たわるとき、あなたに恐れはない。
休むとき、眠りは、ここちよい。
25 にわかに起こる恐怖におびえるな。
悪者どもが襲いかかってもおびえるな。
26主があなたの5わきにおられ、
あなたの足がわなにかからないように、
守ってくださるからだ。
27 あなたの手に善を行う力があるとき、
求める者に、それを拒むな。
28 あなたに財産があるとき、あなたの隣人に向かい、
「去って、また来なさい。
あす、あげよう」と言うな。
29 あなたの隣人が、あなたのそばで
安心して住んでいるとき、
その人に、悪をたくらんではならない。
30 あなたに悪いしうちをしていないのなら、
理由もなく、人と争うな。
31暴虐の者をうらやむな。
そのすべての道を選ぶな。
32主は、よこしまな者を忌みきらい、
直ぐな者と親しくされるからだ。
33 悪者の家には、主ののろいがある。
正しい人の住まいは、主が祝福される。
34 あざける者を主はあざけり、
へりくだる者には恵みを授ける。
35知恵のある者は誉れを受け継ぎ、
愚かな者は恥を得る。
1 子どもらよ。父の訓戒に聞き従い、
悟りを得るように心がけよ。
2 私は良い教訓をあなたがたに授けるからだ。
私のおしえを捨ててはならない。
3 私が、私の父には、子であり、
私の母にとっては、
おとなしいひとり子であったとき、
4 父は私を教えて言った。
「私のことばを心に留め、
私の命令を守って、生きよ。
5知恵を得よ。悟りを得よ。忘れてはならない。
私の口の授けたことばからそれてはならない。
6知恵を捨てるな。
それがあなたを守る。
これを愛せ。これがあなたを保つ。
7知恵の初めに、
知恵を得よ。
あなたのすべての財産をかけて、悟りを得よ。
8 それを尊べ。
そうすれば、それはあなたを高めてくれる。
それを抱きしめると、
それはあなたに誉れを与える。
9 それはあなたの頭に麗しい花輪を与え、
光栄の冠をあなたに授けよう。」
10 わが子よ。聞け。私の言うことを受け入れよ。
そうすれば、あなたのいのちの年は多くなる。
11 私は知恵の道をあなたに教え、
正しい道筋にあなたを導いた。
12 あなたが歩むとき、その歩みは妨げられず、
走るときにも、つまずくことはない。
13訓戒を堅く握って、手放すな。
それを見守れ。それはあなたのいのちだから。
14 悪者どもの道に入るな。
悪人たちの道を歩むな。
15 それを無視せよ。そこを通るな。
それを避けて通れ。
16 彼らは悪を行わなければ、眠ることができず、
人をつまずかせなければ、6眠りが得られない。
17 彼らは不義のパンを食べ、
暴虐の酒を飲むからだ。
18義人の道は、あけぼのの光のようだ。
いよいよ輝きを増して真昼となる。
19 悪者の道は暗やみのようだ。
彼らは何につまずくかを知らない。
20 わが子よ。私のことばをよく聞け。
私の言うことに耳を傾けよ。
21 それをあなたの目から離さず、
あなたの心のうちに保て。
22 見いだす者には、それはいのちとなり、
その全身を健やかにする。
23 力の限り、見張って、あなたの心を見守れ。
いのちの泉はこれからわく。
24偽りを言う口をあなたから取り除き、
曲がったことを言うくちびるを
あなたから切り離せ。
25 あなたの目は前方を見つめ、
あなたのまぶたはあなたの前をまっすぐに見よ。
26 あなたの足の道筋7に心を配り、
あなたのすべての道を堅く定めよ。
27 右にも左にもそれてはならない。
あなたの足を悪から遠ざけよ。
1 わが子よ。私の知恵に心を留め、
私の英知に耳を傾けよ。
2 これは、分別を守り、
あなたのくちびるが知識を保つためだ。
3他国の女のくちびるは蜂の巣の蜜をしたたらせ、
その口は油よりもなめらかだ。
4 しかし、その終わりは苦よもぎのように苦く、
もろ刃の剣のように鋭い。
5 その足は死に下り、
その歩みは8よみに通じている。
6 その女はいのちの道9に心を配らず、
その道筋は確かでないが、彼女はそれを知らない。
7 子どもらよ。今、私に聞け。
私の言うことばから離れるな。
8 あなたの道を彼女から遠ざけ、
その家の門に近づくな。
9 そうでないと、あなたの尊厳を他人に渡し、
あなたの年を残忍な者に渡すだろう。
10 そうでないと、他国人があなたの富で満たされ、
あなたの労苦の実は見知らぬ者の家に渡るだろう。
11 そして、あなたの終わりに、
あなたの肉とからだが滅びるとき、
あなたは嘆くだろう。
12 そのとき、あなたは言おう。
「ああ、私は訓戒を憎み、私の心は叱責を侮った。
13 私は私の教師の声に聞き従わず、
私を教える者に耳を傾けなかった。
14 私は、集会、会衆のただ中で、
ほとんど最悪の状態であった」と。
15 あなたの水ためから、水を飲め。
豊かな水をあなたの井戸から。
16 あなたの泉を外に散らし、
通りを水路にしてよいものか。
17 それを自分だけのものにせよ。
あなたのところにいる他国人のものにするな。
18 あなたの泉を祝福されたものとし、
あなたの若い時の妻と喜び楽しめ。
19愛らしい雌鹿、いとしいかもしかよ。
その乳房がいつもあなたを酔わせ、
いつも彼女の愛に夢中になれ。
20 わが子よ。あなたはどうして他国の女に夢中になり、
見知らぬ女の胸を抱くのか。
21 人の道は主の目の前にあり、
主はその道筋のすべて10に心を配っておられる。
22 悪者は自分の咎に捕らえられ、
自分の罪のなわにつながれる。
23 彼は懲らしめがないために死に、
その愚かさが大きいためにあやまちを犯す。
1 わが子よ。もし、あなたが
隣人のために保証人となり、
他国人のために11誓約をし、
2 あなたの口のことばによって、
あなた自身がわなにかかり、
あなたの口のことばによって、
捕らえられたなら、
3 わが子よ、そのときにはすぐこうして、
自分を救い出すがよい。
あなたは隣人の手に陥ったのだから、
行って、伏して隣人にしつこくせがむがよい。
4 あなたの目を眠らせず、
あなたのまぶたをまどろませず、
5 かもしかが12狩人の手からのがれるように、
鳥が鳥を取る者の手からのがれるように
自分を救い出せ。
6 なまけ者よ。蟻のところへ行き、
そのやり方を見て、知恵を得よ。
7蟻には首領もつかさも支配者もいないが、
8 夏のうちに食物を確保し、
刈り入れ時に食糧を集める。
9 なまけ者よ。いつまで寝ているのか。
いつ目をさまして起きるのか。
10 しばらく眠り、しばらくまどろみ、
しばらく手をこまねいて、また休む。
11 だから、あなたの貧しさは浮浪者のように、
あなたの乏しさは横着者のようにやって来る。
12 よこしまな者や不法の者は、
曲がったことを言って歩き回り、
13 目くばせをし、足で合図し、指でさし、
14 そのねじれた心は、いつも悪を計り、
争いをまき散らす。
15 それゆえ、災害は突然やって来て、
彼はたちまち滅ぼされ、いやされることはない。
16主の憎むものが六つある。
いや、主ご自身の忌みきらうものが七つある。
17高ぶる目、偽りの舌、
罪のない者の血を流す手、
18邪悪な計画を細工する心、
悪へ走るに速い足、
19 まやかしを吹聴する偽りの証人、
兄弟の間に争いをひき起こす者。
20 わが子よ。あなたの父の命令を守れ。
あなたの母の教えを捨てるな。
21 それをいつも、あなたの心に結び、
あなたの首の回りに結びつけよ。
22 これは、あなたが歩くとき、あなたを導き、
あなたが寝るとき、あなたを見守り、
あなたが目ざめるとき、あなたに話しかける。
23 命令はともしびであり、おしえは光であり、
訓戒のための叱責はいのちの道であるからだ。
24 これはあなたを悪い女から守り、
見知らぬ女のなめらかな舌から守る。
25 彼女の美しさを心に慕うな。
そのまぶたに捕らえられるな。
26 遊女はひとかたまりのパンで買えるが、
人妻は尊いいのちをあさるからだ。
27 人は火をふところにかき込んで、
その着物が焼けないだろうか。
28 また人が、熱い火を踏んで、
その足が焼けないだろうか。
29隣の人の妻と姦通する者は、これと同じこと、
その女に触れた者はだれでも罰を免れない。
30盗人が飢え、
自分の13飢えを満たすために盗んだとしたら、
人々はその者をさげすまないであろうか。
31 もし、つかまえられたなら、彼は七倍を償い、
自分の家の財産をことごとく
与えなければならない。
32 女と姦通する者は思慮に欠けている。
これを行う者は自分自身を滅ぼす。
33 彼は傷と恥辱とを受けて、
そのそしりを消し去ることができない。
34嫉妬が、その夫を激しく憤らせて、
夫が復讐するとき、彼を容赦しないからだ。
35 彼はどんな償い物も受けつけず、
多くの贈り物をしても、彼は和らがない。
1 わが子よ。私のことばを守り、
私の命令をあなたのうちにたくわえよ。
2 私の命令を守って、生きよ。
私のおしえを、あなたのひとみのように守れ。
3 それをあなたの指に結び、
あなたの心の板に書きしるせ。
4知恵に向かって、
「あなたは私の姉妹だ」と言い、
悟りを「身内の者」と呼べ。
5 それは、あなたを他人の妻から守り、
ことばのなめらかな見知らぬ女から守るためだ。
6 私が私の家の窓の
格子窓から見おろして、
7 わきまえのない者たちを見ていると、
若者のうちに、
思慮に欠けたひとりの若い者のいるのを認めた。
8 彼は女の家への曲がりかどに近い通りを過ぎ行き、
女の家のほうに歩いて行った。
9 それは、たそがれの、日の沈むころ、
夜がふける、暗やみのころだった。
10 すると、遊女の装いをした
心にたくらみのある女が彼を迎えた。
11 この女は騒がしくて、御しにくく、
その足は自分の家にとどまらず、
12 あるときは通りに、あるときは市場にあり、
あるいは、あちこちの町かどに立って待ち伏せる。
13 この女は彼をつかまえて口づけし、
臆面もなく彼に言う。
14 「和解のいけにえをささげて、
きょう、私の誓願を果たしました。
15 それで私はあなたに会いに出て来たのです。
あなたを捜して、やっとあなたを見つけました。
16 私は長いすに敷き物を敷き、
あや織りのエジプトの亜麻布を敷き、
17没薬、アロエ、肉桂で、
私の床をにおわせました。
18 さあ、私たちは朝になるまで、
愛に酔いつぶれ、愛撫し合って楽しみましょう。
19 夫は家にいません。
遠くへ旅に出ていますから。
20金の袋を持って出ました。
満月になるまでは帰って来ません」と。
21 女はくどき続けて彼を惑わし、
へつらいのくちびるで彼をいざなう。
22 彼はほふり場に引かれる牛のように、
愚か者を懲らしめるための足かせのように、
ただちに女につき従い、
23 ついには、矢が肝を射通し、
鳥がわなに飛び込むように、
自分のいのちがかかっているのを知らない。
24 子どもらよ。今、私に聞き従い、
私の言うことに心を留めよ。
25 あなたの心は、彼女の道に迷い込んではならない。
その通り道に迷ってはならない。
26 彼女は多くの者を切り倒した。
彼女に殺された者は数えきれない。
27 彼女の家は14よみへの道、
死の部屋に下って行く。
1知恵は呼ばわらないだろうか。
英知はその声をあげないだろうか。
2 これは丘の頂、道のかたわら、
通り道の四つかどに立ち、
3 門のかたわら、町の入口、
正門の入口で大声で呼ばわって言う。
4 「人々よ。わたしはあなたがたに呼ばわり、
人の子らに声をかける。
5 わきまえのない者よ。分別をわきまえよ。
愚かな者よ。思慮をわきまえよ。
6 聞け。わたしは高貴なことについて語り、
わたしのくちびるは正しいことを述べよう。
7 わたしの口は真実を告げ、
わたしのくちびるは悪を忌みきらうからだ。
8 わたしの言うことはみな正しい。
そのうちには曲がったことやよこしまはない。
9 これはみな、識別する者には、正直、
知識を見いだす者には、正しい。
10 銀を受けるよりも、わたしの懲らしめを受けよ。
えり抜きの黄金よりも知識を。
11知恵は真珠にまさり、
どんな喜びも、これには比べられないからだ。
12知恵であるわたしは分別を住みかとする。
そこには知識と思慮とがある。
13主を恐れることは悪を憎むことである。
わたしは高ぶりと、おごりと、悪の道と、
ねじれたことばを憎む。
14摂理とすぐれた知性とはわたしのもの。
わたしは分別であって、わたしには力がある。
15 わたしによって、王たちは治め、
君主たちは正義を制定する。
16 わたしによって、支配者たちは支配する。
高貴な人たちはすべて正義のさばきつかさ。
17 わたしを愛する者を、わたしは愛する。
わたしを熱心に捜す者は、わたしを見つける。
18富と誉れとはわたしとともにあり、
尊い宝物と義もわたしとともにある。
19 わたしの実は黄金よりも、純金よりも良く、
わたしの生み出すものはえり抜きの銀にまさる。
20 わたしは正義の道、公正の通り道の真ん中を歩み、
21 わたしを愛する者には財産を受け継がせ、
彼らの財宝を満たす。
22主は、その働きを始める前から、
そのみわざの初めから、わたしを得ておられた。
23 大昔から、初めから、大地の始まりから、
わたしは立てられた。
24深淵もまだなく、水のみなぎる源もなかったとき、
わたしはすでに生まれていた。
25 山が立てられる前に、丘より先に、
わたしはすでに生まれていた。
26 神がまだ地も野原も、
この世の最初のちりも造られなかったときに。
27 神が天を堅く立て、
深淵の面に円を描かれたとき、
わたしはそこにいた。
28 神が上のほうに大空を固め、
深淵の源を堅く定め、
29 海にその境界を置き、
水がその境を越えないようにし、
地の基を定められたとき、
30 わたしは神のかたわらで、
15これを組み立てる者であった。
わたしは毎日喜び、いつも御前で楽しみ、
31 神の地、この世界で楽しみ、
人の子らを喜んだ。
32 子どもらよ。今、わたしに聞き従え。
幸いなことよ。わたしの道を守る者は。
33訓戒を聞いて知恵を得よ。
これを無視してはならない。
34 幸いなことよ。
日々わたしの戸口のかたわらで見張り、
わたしの戸口の柱のわきで見守って、
わたしの言うことを聞く人は。
35 なぜなら、わたしを見いだす者は、
いのちを見いだし、
主から恵みをいただくからだ。
36 わたしを見失う者は自分自身をそこない、
わたしを憎む者はみな、死を愛する。」
1知恵は自分の家を建て、
七つの柱を16据え、
2 いけにえをほふり、ぶどう酒に混ぜ物をし、
その食卓も整え、
3小娘にことづけて、
町の高い所で告げさせた。
4 「わきまえのない者はだれでも、
ここに来なさい」と。
また、思慮に欠けた者に言う。
5 「わたしの食事を食べに来なさい。
わたしの混ぜ合わせたぶどう酒を飲み、
6 わきまえのないことを捨てて、生きなさい。
悟りのある道を、まっすぐ歩みなさい」と。
7 あざける者を戒める者は、自分が恥を受け、
悪者を責める者は、自分が傷を受ける。
8 あざける者を責めるな。
おそらく、彼はあなたを憎むだろう。
知恵のある者を責めよ。
そうすれば、彼はあなたを愛するだろう。
9知恵のある者に与えよ。
彼はますます知恵を得よう。
正しい者を教えよ。
彼は理解を深めよう。
10主を恐れることは知恵の初め、
聖なる方を知ることは悟りである。
11 わたしによって、あなたの日は多くなり、
あなたのいのちの年は増すからだ。
12 もし、あなたが知恵を得れば、
その知恵はあなたのものだ。
もし、あなたがこれをあざけるなら、
あなただけが、その責任を負うことになる。
13愚かな女は、騒がしく、
わきまえがなく、何も知らない。
14 彼女は自分の家の戸口にすわり、
町の高い所にある座にすわり、
15 まっすぐに歩いて行く往来の人を招いて言う。
16 「わきまえのない者はだれでも
ここに来なさい」と。
また思慮に欠けた者に向かって、彼女は言う。
17 「盗んだ水は甘く、
こっそり食べる食べ物はうまい」と。
18 しかしその人は、そこに死者の霊がいることを、
彼女の客が17よみの深みにいることを、知らない。
1 ソロモンの箴言
知恵のある子は父を喜ばせ、
愚かな子は母の悲しみである。
2不義によって得た財宝は役に立たない。
しかし正義は人を死から救い出す。
3主は正しい者を飢えさせない。
しかし悪者の願いを突き放す。
4無精者の手は人を貧乏にし、
勤勉な者の手は人を富ます。
5 夏のうちに集める者は思慮深い子であり、
刈り入れ時に眠る者は恥知らずの子である。
6 正しい者の頭には祝福があり、
悪者の口は暴虐を隠す。
7 正しい者の呼び名はほめたたえられ、
悪者の名は朽ち果てる。
8 心に知恵のある者は命令を受け入れる。
むだ口をたたく愚か者は踏みつけられる。
9 まっすぐに歩む者の歩みは安全である。
しかし自分の道を曲げる者は思い知らされる。
10 目くばせする者は人を痛め、
18むだ口をたたく愚か者は踏みつけられる。
11 正しい者の口はいのちの泉。
悪者の口は暴虐を隠す。
12憎しみは争いをひき起こし、
愛はすべてのそむきの罪をおおう。
13悟りのある者のくちびるには知恵があり、
思慮に欠けた者の背には杖がある。
14知恵のある者は知識をたくわえ、
愚か者の口は滅びに近い。
15富む者の財産はその堅固な城。
貧民の滅びは彼らの貧困。
16 正しい者の報酬はいのち。
悪者の収穫は罪。
17訓戒を大事にする者はいのちへの道にあり、
叱責を捨てる者は迷い出る。
18憎しみを隠す者は偽りのくちびるを持ち、
そしりを口に出す者は愚かな者である。
19 ことば数が多いところには、
そむきの罪がつきもの。
自分のくちびるを制する者は思慮がある。
20 正しい者の舌はえり抜きの銀。
悪者の心は価値がない。
21 正しい者のくちびるは多くの人を養い、
愚か者は思慮がないために死ぬ。
22主の祝福そのものが人を富ませ、
人の苦労は何もそれに加えない。
23愚かな者には悪事が楽しみ。
英知のある者には知恵が楽しみ。
24 悪者の恐れていることはその身にふりかかり、
正しい者の望みはかなえられる。
25 つむじ風が過ぎ去るとき、悪者はいなくなるが、
正しい者は永遠の礎である。
26 使いにやる者にとって、なまけ者は、
歯に酢、目に煙のようなものだ。
27主を恐れることは日をふやし、
悪者の年は縮められる。
28 正しい者の望みは喜びであり、
悪者の期待は消えうせる。
29主の道は、潔白な人にはとりでであり、
不法を行う者には滅びである。
30 正しい者はいつまでも動かされない。
しかし悪者はこの地に住みつくことができない。
31 正しい者の口は知恵を実らせる。
しかしねじれた舌は抜かれる。
32 正しい者のくちびるは好意を、
悪者の口はねじれごとを知っている。
1欺きのはかりは主に忌みきらわれる。
正しいおもりは主に喜ばれる。
2 高ぶりが来れば、恥もまた来る。
知恵はへりくだる者とともにある。
3直ぐな人の誠実は、その人を導き、
裏切り者のよこしまは、その人を破滅させる。
4財産は激しい怒りの日には役に立たない。
しかし正義は人を死から救い出す。
5潔白な人の道は、その正しさによって平らにされ、
悪者は、その悪事によって倒れる。
6直ぐな人は、その正しさによって救い出され、
裏切り者は、自分の欲によって捕らえられる。
7 悪者が死ぬとき、その期待は消えうせ、
邪悪な者たちの望みもまた消えうせる。
8 正しい者は苦しみから救い出され、
彼に代わって悪者がそれに陥る。
9 神を敬わない者は
その口によって隣人を滅ぼそうとするが、
正しい者は知識によって彼らを救おうとする。
10 町は、正しい者が栄えると、こおどりし、
悪者が滅びると、喜びの声をあげる。
11直ぐな人の祝福によって、町は高くあげられ、
悪者の口によって、滅ぼされる。
12隣人をさげすむ者は思慮に欠けている。
しかし英知のある者は沈黙を守る。
13 歩き回って人を中傷する者は秘密を漏らす。
しかし真実な心の人は事を秘める。
14指導がないことによって民は倒れ、
多くの助言者によって救いを得る。
15他国人の保証人となる者は苦しみを受け、
保証をきらう者は安全だ。
16優しい女は誉れをつかみ、
横暴な者は富をつかむ。
17 真実な者は自分のたましいに報いを得るが、
残忍な者は自分の身に煩いをもたらす。
18 悪者は偽りの報酬を得るが、
義を蒔く者は確かな賃金を得る。
19 このように、義を追い求める者はいのちに至り、
悪を追い求める者は死に至る。
20 心の曲がった者は主に忌みきらわれる。
しかしまっすぐに道を歩む者は主に喜ばれる。
2119確かに悪人は罰を免れない。
しかし正しい者のすえは救いを得る。
22 美しいが、たしなみのない女は、
金の輪が豚の鼻にあるようだ。
23 正しい者の願い、ただ良いこと。
悪者の望み、激しい怒り。
24 ばらまいても、なお富む人があり、
正当な支払いを惜しんでも、
かえって乏しくなる者がある。
25 おおらかな人は肥え、
人を潤す者は自分も潤される。
26穀物を売り惜しむ者は民にのろわれる。
しかしそれを売る者の頭には祝福がある。
27 熱心に善を捜し求める者は恵みを見つけるが、
悪を求める者には悪が来る。
28 自分の富に拠り頼む者は倒れる。
しかし正しい者は若葉のように芽を出す。
29 自分の家族を煩わせる者は風を相続し、
愚か者は心に知恵のある者のしもべとなる。
30 正しい者の結ぶ実はいのちの木である。
知恵のある者は人の心をとらえる。
3120もし正しい者がこの世で報いを受けるなら、
悪者や罪人は、なおさら、その報いを受けよう。
1訓戒を愛する人は知識を愛する。
叱責を憎む者はまぬけ者だ。
2善人は主から恵みをいただき、
悪をたくらむ者は罰を受ける。
3 人は悪をもって身を堅く立てることはできず、
正しい人の根はゆるがない。
4 しっかりした妻は夫の冠。
恥をもたらす妻は、
夫の骨の中の腐れのようだ。
5 正しい人の計画することは公正で、
悪者の指導には欺きがある。
6 悪者のことばは血に飢えている。
しかし正しい者の口は彼らを救い出す。
7 悪者はくつがえされて、いなくなる。
しかし正しい者の家は立ち続ける。
8 人はその思慮深さによってほめられ、
心のねじけた者はさげすまれる。
9 身分の低い人で職を持っている者は、
高ぶっている人で食に乏しい者にまさる。
10 正しい者は、自分の家畜のいのちに気を配る。
悪者のあわれみは、残忍である。
11 自分の畑を耕す者は食糧に飽き足り、
むなしいものを追い求める者は思慮に欠ける。
12 悪者は、悪の網を張るのを好み、
正しい者の根は、芽を出す。
13 悪人はくちびるでそむきの罪を犯して、
わなにかかる。
しかし正しい者は苦しみを免れる。
14 人はその口の実によって良いものに満ち足りる。
人の手の働きはその人に報いを与える。
15愚か者は自分の道を正しいと思う。
しかし知恵のある者は忠告を聞き入れる。
16愚か者は自分の怒りをすぐ現す。
利口な者ははずかしめを受けても黙っている。
17 真実の申し立てをする人は正しいことを告げ、
偽りの証人は欺き事を告げる。
18軽率に話して人を剣で刺すような者がいる。
しかし知恵のある人の舌は人をいやす。
19 真実のくちびるはいつまでも堅く立つ。
偽りの舌はまばたきの間だけ。
20 悪をたくらむ者の心には欺きがあり、
平和を図る人には喜びがある。
21 正しい者は何の災害にも会わない。
悪者はわざわいで満たされる。
22偽りのくちびるは主に忌みきらわれる。
真実を行う者は主に喜ばれる。
23 利口な者は知識を隠し、
愚かな者は自分の愚かさを言いふらす。
24勤勉な者の手は支配する。
無精者は苦役に服する。
25 心に不安のある人は沈み、
親切なことばは人を喜ばす。
26 正しい者はその友を探り出し、
悪者の道は彼らを迷わせる。
27無精者は獲物を捕らえない。
しかし勤勉な人は多くの尊い人を捕らえる。
28正義の道にはいのちがある。
その道筋には死がない。
1知恵のある子は父の訓戒に従い、
あざける者は叱責を聞かない。
2 人はその口の実によって良いものを食べ、
裏切り者は暴虐を食べる。
3 自分の口を見張る者は自分のいのちを守り、
くちびるを大きく開く者には滅びが来る。
4 なまけ者は欲を起こしても心に何もない。
しかし勤勉な者の心は満たされる。
5 正しい者は偽りのことばを憎む。
悪者は悪臭を放ちながら恥ずべきふるまいをする。
6正義は潔白な生き方を保ち、
悪は罪人を滅ぼす。
7富んでいるように見せかけ、
何も持たない者がいる。
貧しいように見せかけ、
多くの財産を持つ者がいる。
8富はその人のいのちの身代金である。
しかし貧しい者は叱責を聞かない。
9 正しい者の光は21輝き、
悪者のともしびは消える。
10 高ぶりは、ただ争いを生じ、
知恵は勧告を聞く者とともにある。
1122急に得た財産は減るが、
働いて集める者は、それを増す。
12 期待が長びくと心は病む。
望みがかなうことは、いのちの木である。
13 みことばをさげすむ者は身を滅ぼし、
命令を敬う者は報いを受ける。
14知恵のある者のおしえはいのちの泉、
これによって、死のわなをのがれることができる。
15 良い思慮は好意を生む。
裏切り者の行いは荒い。
16 すべて利口な者は知識によって行動し、
愚かな者は自分の愚かさを言い広める。
17 悪い使者はわざわいに陥り、
忠実な使者は人をいやす。
18貧乏と恥とは訓戒を無視する者に来る。
しかし叱責を大事にする者はほめられる。
19 望みがかなえられるのはここちよい。
愚かな者は悪から離れることを忌みきらう。
20知恵のある者とともに歩む者は知恵を得る。
愚かな者の友となる者は害を受ける。
21 わざわいは罪人を追いかけ、
幸いは正しい者に報いる。
22善良な人は子孫にゆずりの地を残す。
罪人の財宝は正しい者のためにたくわえられる。
23貧しい者の開拓地に、多くの食糧がある。
公義がないところで、
財産は滅ぼし尽くされる。
24 むちを控える者はその子を憎む者である。
子を愛する者はつとめてこれを懲らしめる。
25 正しい者は食べてその食欲を満たし、
悪者は腹をすかせる。
1知恵のある女は自分の家を建て、
愚かな女は自分の手でこれをこわす。
2 まっすぐに歩む者は、主を恐れ、
曲がって歩む者は、主をさげすむ。
3愚か者の口には誇りの若枝がある。
知恵のある者のくちびるは身を守る。
4 牛がいなければ飼葉おけはきれいだ。
しかし牛の力によって収穫は多くなる。
5 真実な証人はまやかしを言わない。
偽りの証人はまやかしを吹聴する。
6 あざける者は知恵を捜しても得られない。
しかし悟りのある者はたやすく知識を得る。
7愚かな者の前を離れ去れ。
知識のことばは23そこにはない。
8 利口な者は自分の知恵で自分の道をわきまえ、
愚かな者は自分の愚かさで自分を欺く。
9罪過のためのいけにえは愚か者をあざけり、
正しい者の間には恩恵がある。
10 心がその人自身の苦しみを知っている。
その喜びにもほかの者はあずからない。
11 悪者の家は滅ぼされ、
正しい者の天幕は栄える。
12 人の目にはまっすぐに見える道がある。
その道の終わりは死の道である。
13 笑うときにも心は痛み、
終わりには喜びが悲しみとなる。
1424心の堕落している者は自分の道に甘んじる。
善良な人は彼から離れる。
15 わきまえのない者は何でも言われたことを信じ、
利口な者は自分の歩みをわきまえる。
16知恵のある者は用心深くて悪を避け、
愚かな者は怒りやすくて自信が強い。
17 短気な者は愚かなことをする。
悪をたくらむ者は憎まれる。
18 わきまえのない者は愚かさを受け継ぎ、
利口な者は知識の冠をかぶる。
19 悪人はよい人の前で、
悪者は正しい人の門のところで身をかがめる。
20貧しい者はその隣人にさえ憎まれるが、
富む者を愛する人は多い。
21 自分の隣人をさげすむ人は罪人。
貧しい者をあわれむ人は幸いだ。
22 悪をたくらむ者は迷い出るではないか。
善を計る者には恵みとまことがある。
23 すべての勤労には利益がある。
おしゃべりは欠損を招くだけだ。
24知恵のある者の冠はその25知恵。
愚かな者の26かぶり物はその愚かさ。
25誠実な証人は人のいのちを救い出す。
欺く者はまやかしを吹聴する。
26 力強い信頼は主を恐れることにあり、
子たちの避け所となる。
27主を恐れることはいのちの泉、
死のわなからのがれさせる。
28民の多いことは王の栄え。
民がなくなれば君主は滅びる。
29怒りをおそくする者は英知を増し、
気の短い者は愚かさを27増す。
30穏やかな心は、からだのいのち。
激しい思いは骨をむしばむ。
31 寄るべのない者をしいたげる者は
自分の造り主をそしり、
貧しい者をあわれむ者は造り主を敬う。
32 悪者は自分の悪によって打ち倒され、
正しい者は、28自分の死の中にものがれ場がある。
33知恵は悟りのある者の心にいこう。
愚かな者の間でもそれは29知られている。
34正義は国を高め、
罪は国民をはずかしめる。
35思慮深いしもべは王の好意を受け、
恥知らずの者は王の激しい怒りに会う。
1柔らかな答えは憤りを静める。
しかし激しいことばは怒りを引き起こす。
2知恵のある者の舌は知識をよく用い、
愚かな者の口は愚かさを吐き出す。
3主の御目はどこにでもあり、
悪人と善人とを見張っている。
4穏やかな舌はいのちの木。
偽りの舌はたましいの破滅。
5愚か者は自分の父の訓戒を侮る。
叱責を大事にする者は利口になる。
6 正しい者の家には多くの富がある。
悪者の収穫は煩いをもたらす。
7知恵のある者のくちびるは知識を広める。
愚かな者の心はそうではない。
8 悪者のいけにえは主に忌みきらわれる。
正しい者の祈りは主に喜ばれる。
9主は悪者の行いを忌みきらい、
義を追い求める者を愛する。
10 正しい道を捨てる者にはきびしい懲らしめがあり、
叱責を憎む者は死に至る。
1130よみと滅びの淵とは主の前にある。
人の子らの心はなおさらのこと。
12 あざける者はしかってくれる者を愛さない。
知恵のある者にも近づかない。
13 心に喜びがあれば顔色を良くする。
心に憂いがあれば気はふさぐ。
14悟りのある者の心は知識を求めるが、
愚かな者の口は愚かさを食いあさる。
15悩む者には毎日が不吉の日であるが、
心に楽しみのある人には毎日が宴会である。
16 わずかな物を持っていて主を恐れるのは、
多くの財宝を持っていて恐慌があるのにまさる。
17 野菜を食べて愛し合うのは、
肥えた牛を食べて憎み合うのにまさる。
18激しやすい者は争いを引き起こし、
怒りをおそくする者はいさかいを静める。
19 なまけ者の道はいばらの生け垣のよう。
実直な者の小道は平らな大路。
20知恵のある子は父を喜ばせ、
愚かな者はその母をさげすむ。
21思慮に欠けている者は愚かさを喜び、
英知のある者はまっすぐに歩む。
22密議をこらさなければ、計画は破れ、
多くの助言者によって、成功する。
2331良い返事をする人には喜びがあり、
時宜にかなったことばは、いかにも麗しい。
24悟りのある者はいのちの道を上って行く。
これは下にある32よみを離れるためだ。
25主は高ぶる者の家を打ちこわし、
やもめの地境を決められる。
26 悪人の計画は主に忌みきらわれる。
親切なことばは、きよい。
27 利得をむさぼる者は自分の家族を煩わし、
まいないを憎む者は生きながらえる。
28 正しい者の心は、どう答えるかを思い巡らす。
悪者の口は悪を吐き出す。
29主は悪者から遠ざかり、
正しい者の祈りを聞かれる。
30 目の光は心を喜ばせ、
良い知らせは33人を健やかにする。
31 いのちに至る叱責を聞く耳のある者は、
知恵のある者の間に宿る。
32訓戒を無視する者は
自分のいのちをないがしろにする。
叱責を聞き入れる者は思慮を得る。
33主を恐れることは知恵の訓戒である。
謙遜は栄誉に先立つ。
1 人は心に計画を持つ。
主はその舌に答えを下さる。
2 人は自分の行いがことごとく純粋だと思う。
しかし主は人のたましいの値うちをはかられる。
3 あなたのしようとすることを主にゆだねよ。
そうすれば、あなたの計画はゆるがない。
4主はすべてのものを、ご自分の目的のために造り、
悪者さえもわざわいの日のために造られた。
5主はすべて心おごる者を忌みきらわれる。
確かに、この者は罰を免れない。
6恵みとまことによって、咎は贖われる。
主を恐れることによって、人は悪を離れる。
7主は、人の行いを喜ぶとき、
その人の敵をも、その人と和らがせる。
8正義によって得たわずかなものは、
不正によって得た多くの収穫にまさる。
9 人は心に自分の道を思い巡らす。
しかし、その人の歩みを確かなものにするのは
主である。
10 王のくちびるには神の宣告がある。
さばくとき、その口に不実があってはならない。
11 正しいてんびんとはかりとは、主のもの。
袋の中の重り石もみな、主が造られたもの。
12 悪を行うことは王たちの忌みきらうこと。
王座は義によって堅く立つからだ。
13 正しいことばは王たちの喜び。
まっすぐに語る者は愛される。
14 王の憤りは死の使者である。
しかし知恵のある人はそれをなだめる。
15 王の顔の光にはいのちがある。
彼のいつくしみは34後の雨をもたらす雲のようだ。
16知恵を得ることは、黄金を得るよりはるかにまさる。
悟りを得ることは銀を得るよりも望ましい。
17直ぐな者の大路は悪から離れている。
自分のいのちを守る者は自分の道を監視する。
18 高ぶりは破滅に先立ち、
心の高慢は倒れに先立つ。
19 へりくだって貧しい者とともにいるのは、
高ぶる者とともにいて、
分捕り物を分けるのにまさる。
20 みことばに心を留める者は幸いを見つける。
主に拠り頼む者は幸いである。
21 心に知恵のある者は悟りのある者ととなえられ、
その快いことばは理解を増し加える。
22思慮を持つ者にはいのちが泉となり、
愚か者には愚かさが懲らしめとなる。
23知恵のある者の心はその口をさとし、
そのことばに理解を増し加える。
24 親切なことばは蜂蜜、
たましいに甘く、骨を健やかにする。
25 人の目にはまっすぐに見える道がある。
その道の終わりは死の道である。
26 働く者は食欲のために働く。
その口が彼を駆り立てるからだ。
27 よこしまな者は悪をたくらむ。
その言うことは焼き尽くす火のようだ。
28 ねじれ者は争いを巻き起こし、
陰口をたたく者は親しい友を離れさせる。
29暴虐の者は自分の隣人を惑わし、
良くない道へ導く。
30 目くばせする者はねじれごとをたくらみ、
くちびるをすぼめている者は悪を成し遂げた者だ。
31 しらがは光栄の冠、
それは正義の道に見いだされる。
32怒りをおそくする者は勇士にまさり、
自分の心を治める者は町を攻め取る者にまさる。
33 くじは、ひざに投げられるが、
そのすべての決定は、主から来る。
1 一切れのかわいたパンがあって、
平和であるのは、
35ごちそうと争いに満ちた家にまさる。
2思慮のあるしもべは、恥知らずの子を治め、
その兄弟たちの間にあって、
資産の分け前を受け継ぐ。
3 銀にはるつぼ、金には炉、
人の心をためすのは主。
4 悪を行う者は邪悪なくちびるに聞き入り、
偽り者は人を傷つける舌に耳を傾ける。
5貧しい者をあざける者は自分の造り主をそしる。
人の災害を喜ぶ者は罰を免れない。
6 孫たちは老人の冠、
子らの光栄は彼らの父である。
7 すぐれたことばは、しれ者にふさわしくない。
偽りのくちびるは、高貴な人には
なおさらふさわしくない。
8 わいろは、その贈り主の目には宝石、
その向かう所、どこにおいても、うまくいく。
9 そむきの罪をおおう者は、愛を追い求める者。
同じことをくり返して言う者は、
親しい友を離れさせる。
10悟りのある者を一度責めることは、
愚かな者を百度むち打つよりもききめがある。
11 ただ逆らうことだけを求める悪人には、
残忍な使者が送られる。
12愚かさにふけっている愚かな者に会うよりは、
子を奪われた雌熊に会うほうがましだ。
13善に代えて悪を返すなら、
その家から悪が離れない。
14 争いの初めは水が吹き出すようなものだ。
争いが起こらないうちに争いをやめよ。
15 悪者を正しいと認め、正しい者を悪いとする、
この二つを、主は忌みきらう。
16愚かな者が思慮もないのに、
知恵を買おうとして、手に代金を持っている。
これはいったいどうしたことか。
17 友はどんなときにも愛するものだ。
兄弟は苦しみを分け合うために生まれる。
18思慮に欠けている者はすぐ36誓約をして、
隣人の前で保証人となる。
19 そむきの罪を愛する者はけんかを愛する。
自分の門を高くする者は破滅を求める。
20 心の曲がった者は幸いを見つけない。
偽りを口にする者はわざわいに陥る。
21愚かな者を生む者には悲しみがあり、
しれ者の父には喜びがない。
22 陽気な心は健康を良くし、
陰気な心は骨を枯らす。
23 悪者は人のふところからわいろを受け、
さばきの道を曲げる。
24悟りのある者はその顔を知恵に向け、
愚かな者は目を地の果てに注ぐ。
25愚かな子はその父の憂い、
これを産んだ母の痛みである。
26 正しい人に罰金を科し、
高貴な人をその正しさのゆえにむち打つのは、
どちらもよくない。
27 自分のことばを控える者は知識に富む者。
心の冷静な人は英知のある者。
28愚か者でも、
黙っていれば、知恵のある者と思われ、
そのくちびるを閉じていれば、
悟りのある者と思われる。
137おのれを閉ざす者は自分の欲望のままに求め、
すべてのすぐれた知性と仲たがいする。
2愚かな者は英知を喜ばない。
ただ自分の意見だけを表す。
3 悪者が来ると、侮りも来る。
恥とともに、そしりも来る。
4 人の口のことばは深い水のようだ。
知恵の泉はわいて流れる川のようだ。
5 悪者をえこひいきすることはよくない。
正しい者をさばきのときに否むこともよくない。
6愚かな者のくちびるは争いを起こし、
その口はむち打つ者を呼び寄せる。
7愚かな者の口は自分の滅びとなり、
そのくちびるは自分のたましいのわなとなる。
8陰口をたたく者のことばは
おいしい食べ物のようだ。
腹の奥に下っていく。
9 自分の仕事をなまける者は、
滅びをもたらす者の兄弟である。
10主の名は堅固なやぐら。
正しい者はその中に走って行って安全である。
11富む者の財産はその堅固な城。
自分ではそそり立つ城壁のように思っている。
12 人の心の高慢は破滅に先立ち、
謙遜は栄誉に先立つ。
13 よく聞かないうちに返事をする者は、
愚かであって、侮辱を受ける。
14 人の心は病苦をも忍ぶ。
しかし、ひしがれた心にだれが耐えるだろうか。
15悟りのある者の心は知識を得、
知恵のある者の耳は知識を求める。
16 人の贈り物はその人のために道を開き、
高貴な人の前にも彼を導く。
17 最初に訴える者は、
その相手が来て彼を調べるまでは、正しく見える。
18 くじは争いをやめさせ、
強い者の間を解決する。
19反抗する兄弟は堅固な城よりも近寄りにくい。
38敵意は宮殿のかんぬきのようだ。
20 人はその口の結ぶ実によって腹を満たし、
そのくちびるによる収穫に満たされる。
21 死と生は舌に支配される。
どちらかを愛して、人はその実を食べる。
22 良い妻を見つける者はしあわせを見つけ、
主からの恵みをいただく。
23貧しい者は哀願するが、
富む者は荒々しく答える。
24滅びに至らせる友人たちも39あれば、
兄弟よりも親密な者もいる。
1貧しくても、誠実に歩む者は、
曲がったことを言う愚かな者にまさる。
2 熱心だけで知識のないのはよくない。
急ぎ足の者はつまずく。
3 人は自分の愚かさによってその生活を滅ぼす。
しかもその心は主に向かって激しく怒る。
4財産は多くの友を増し加え、
寄るべのない者は、その友からも引き離される。
5偽りの証人は罰を免れない。
まやかしを吹聴する者も、のがれられない。
6高貴な人の好意を求める者は多く、
だれでも贈り物をしてくれる人の友となる。
7貧しい者は自分の兄弟たちみなから憎まれる。
彼の友人が彼から遠ざかるのは、なおさらのこと。
40彼がことばをもって追い求めても、彼らはいない。
8思慮を得る者は自分自身を愛する者、
英知を保つ者は幸いを見つける。
9偽りの証人は罰を免れない。
まやかしを吹聴する者は滅びる。
10愚かな者にぜいたくな暮らしはふさわしくない。
奴隷が主人を支配するのは、なおさらのこと。
11 人に思慮があれば、怒りをおそくする。
その人の光栄は、そむきを赦すことである。
12 王の激しい怒りは若い獅子がうなるよう。
しかし、その恵みは草の上に置く露のよう。
13愚かな息子は父のわざわい。
妻のいさかいは、したたり続ける雨漏り。
14 家と財産とは先祖から受け継ぐもの。
思慮深い妻は主からのもの。
15怠惰は人を深い眠りに陥らせ、
なまけ者は飢える。
16 命令を守る者は自分のいのちを保ち、
自分の道をさげすむ者は死ぬ。
17 寄るべのない者に施しをするのは、主に貸すことだ。
主がその善行に報いてくださる。
18 望みのあるうちに、自分の子を懲らしめよ。
しかし、殺す気を起こしてはならない。
19激しく憤る者は罰を受ける。
たとい彼を救い出しても、
ただ、これをくり返さなければならない。
20忠告を聞き、訓戒を受け入れよ。
そうすれば、あなたはあとで知恵を得よう。
21 人の心には多くの計画がある。
しかし主のはかりごとだけが成る。
22 人の望むものは、人の変わらぬ愛である。
貧しい人は、まやかしを言う者にまさる。
23主を恐れるなら、いのちに至る。
満ち足りて住み、わざわいに会わない。
24 なまけ者は手を皿に差し入れても、
それを口に持っていこうとしない。
25 あざける者を打て。
そうすれば、わきまえのない者は利口になる。
悟りのある者を責めよ。
そうすれば、彼は知識をわきまえる。
26 父に乱暴し、母を追い出す者は、
恥を見、はずかしめを受ける子である。
27 わが子よ。訓戒を聞くのをやめてみよ。
そうすれば、知識のことばから迷い出る。
28 よこしまな証人は、さばきをあざけり、
悪者の口は、わざわいをのみこむ。
29 さばきはあざける者のために準備され、
むち打ちは愚かな者の背のために準備されている。
1 ぶどう酒は、あざける者。
強い酒は、騒ぐ者。
これに惑わされる者は、みな知恵がない。
2 王の恐ろしさは若い獅子がうなるようだ。
彼を怒らせる者は自分のいのちを失う。
3 争いを避けることは人の誉れ、
愚か者はみな争いを引き起こす。
4 なまけ者は冬には耕さない。
それゆえ、刈り入れ時に求めても、何もない。
5 人の心にあるはかりごとは深い水、
英知のある人はこれを汲み出す。
6 多くの人は自分の親切を吹聴する。
しかし、だれが忠実な人を見つけえよう。
7 正しい人が潔白な生活をするときに、
彼の子孫はなんと幸いなことだろう。
8 さばきの座に着く王は、
自分の目ですべての悪をふるい分ける。
9 だれが、「私は自分の心をきよめた。
私は罪からきよめられた」
と言うことができよう。
10異なる二種類のおもり、異なる二種類の枡、
そのどちらも主に忌みきらわれる。
11幼子でさえ、何かするとき、
その行いが純粋なのかどうか、
正しいのかどうかを明らかにする。
12 聞く耳と、見る目とは、
二つとも主が造られたもの。
13眠りを愛してはいけない。さもないと貧しくなる。
目を開け。そうすればパンに飽き足りる。
14 買う者は「悪い、悪い」と言うが、
41買ってしまえば、それを自慢する。
15金があり、多くの真珠があっても、
知識のくちびるが宝の器。
16他国人の保証人となるときは、その者の着物を取れ。
見知らぬ女のためにも、着物を抵当に取れ。
17 だまし取ったパンはうまい。
しかし、後にはその口はじゃりでいっぱいになる。
18 相談して計画を整え、
すぐれた指揮のもとに戦いを交えよ。
19 歩き回って人を中傷する者は秘密を漏らす。
くちびるを開く者とは交わるな。
20 自分の父や母をのろう者、
そのともしびは、やみが近づくと消える。
21 初めに急に得た相続財産は、
終わりには祝福されない。
22 「悪に報いてやろう」と言ってはならない。
主を待ち望め。主があなたを救われる。
23異なる二種類のおもりは主に忌みきらわれる。
欺きのはかりはよくない。
24 人の歩みは主によって42定められる。
人間はどうして自分の道を理解できようか。
25 軽々しく、聖なるささげ物をすると言い、
誓願を立てて後に、それを考え直す者は、
わなにかかっている人だ。
26知恵のある王は悪者どもをふるいにかけ、
彼らの上で車輪を引き回す。
27 人間の息は主のともしび、
腹の底まで探り出す。
28恵みとまこととは王を守る。
彼は恵みによって王位をささえる。
29若い男の光栄は彼らの力。
年寄りの飾りはそのしらが。
30 打って傷つけるのは悪を洗い落とすため。
腹の底まで打ちたたけ。
1 王の心は主の手の中にあって、水の流れのようだ。
みこころのままに向きを変えられる。
2 人は自分の道はみな正しいと思う。
しかし主は人の心の値うちをはかられる。
3正義と公義を行うことは、
いけにえにまさって主に喜ばれる。
4高ぶる目とおごる心――
悪者のともしびは罪である。
5勤勉な人の計画は利益をもたらし、
すべてあわてる者は欠損を招くだけだ。
6偽りの舌をもって財宝を得る者は、
吹き払われる息のようで、
死を求める者だ。
7 悪者は自分の暴虐に引きずられる。
公義を行おうとしないからだ。
8罪人の道はねじれている。
しかし、きよい人の行いはまっすぐだ。
9 争い好きな女と社交場にいるよりは、
屋根の片隅に住むほうがよい。
10 悪者のたましいは悪事にあこがれ、
隣人をあわれもうとはしない。
11 あざける者が罰を受けるとき、
わきまえのない者が知恵を得る。
知恵のある者が学ぶとき、その人は知識を得る。
12 正しい人は悪者の家を見抜く。
悪者どもは自分の悪事のために滅ぼされる。
13 寄るべのない者の叫びに耳を閉じる者は、
自分が呼ぶときに答えられない。
14 ひそかな贈り物は怒りをなだめ、
ふところのわいろは激しい憤りをなだめる。
15公義が行われることは、正しい者には喜びであり、
不法を行う者には43滅びである。
16悟りの道から迷い出る者は、
死者の霊たちの集会の中で休む。
17快楽を愛する者は貧しい人となり、
ぶどう酒や油を愛する者は富むことがない。
18 悪者が正しい人のための身代金となり、
裏切り者が直ぐな人の身代わりとなる。
19 争い好きで、うるさい女といるよりは、
荒野に住むほうがまだましだ。
20知恵のある者の住まいには、
好ましい財宝と油がある。
しかし愚かな者はこれをのみ尽くす。
21正義と誠実を追い求める者は、
いのちと正義と誉れとを得る。
22知恵のある者は勇士たちの町に攻め上って、
その頼みとするとりでを倒す。
23 自分の口と舌とを守る者は、
自分自身を守って苦しみに会わない。
24 高ぶった横柄な者――その名は「あざける者」、
彼はいばって、横柄なふるまいをする。
25 なまけ者の欲望はその身を殺す。
その手が働くことを拒むからだ。
26 この者は一日中、自分の欲望に明け暮れている。
しかし、正しい人は人に与えて惜しまない。
27 悪者のいけにえは忌みきらわれる。
悪意をもってささげるときは、なおさらのこと。
28 まやかしの証人は滅びる。
しかし、よく聞く者はいつまでも語る。
29 悪者はあつかましく、
正しい者は自分の道をわきまえる。
30主の前では、
どんな知恵も英知もはかりごとも、役に立たない。
31 馬は戦いの日のために備えられる。
しかし救いは主による。
1 名声は多くの富よりも望ましい。
愛顧は銀や金にまさる。
2富む者と貧しい者とは互いに出会う。
これらすべてを造られたのは主である。
3 利口な者はわざわいを見て、これを避け、
わきまえのない者は進んで行って、罰を受ける。
4謙遜と、主を恐れることの報いは、
富と誉れといのちである。
5 曲がった者の道にはいばらとわながある。
たましいを守る者はこれらから遠ざかる。
6若者をその行く道にふさわしく教育せよ。
そうすれば、年老いても、それから離れない。
7富む者は貧しい者を支配する。
借りる者は貸す者のしもべとなる。
8 不正を蒔く者はわざわいを刈り取る。
彼の怒りの杖はすたれる。
944善意の人は祝福を受ける。
自分のパンを寄るべのない者に与えるから。
10 あざける者を追い出せ。
そうすれば、争いも出て行く。
けんかも、悪口もやむ。
11 心のきよさを愛し、優しく話をする者は、
王がその友となる。
12主の目は知識を見守り、
裏切り者のことばをくつがえす。
13 なまけ者は言う。「獅子が外にいる。
私はちまたで殺される」と。
14他国の女の口車は深い穴のようだ。
主の憤りに触れた者がそこに落ち込む。
15愚かさは子どもの心につながれている。
懲らしめの杖がこれを断ち切る。
16 自分を富まそうと寄るべのない者をしいたげる人、
富む人に与える者は、必ず乏しくなる。
17 耳を傾けて、知恵のある者のことばを聞け。
あなたの心を私の知識に向けよ。
18 これらをあなたのうちに保つなら、楽しいことだ。
これらをみな、あなたのくちびるに備えておけ。
19 あなたが主に拠り頼むことができるように、
私はきょう、特にあなたに教える。
20 私はあなたのために、
勧告と知識についての三十句を書いたではないか。
21 これはあなたに真理のことばの確かさを教え、
あなたを遣わした者に
真理のことばを持ち帰らせるためである。
22貧しい者を、彼が貧しいからといって、
かすめ取るな。
悩む者を門のところで押さえつけるな。
23主が彼らの訴えを弁護し、
彼らを奪う者のいのちを奪うからだ。
24 おこりっぽい者と交わるな。
激しやすい者といっしょに行くな。
25 あなたがそのならわしにならって、
自分自身がわなにかかるといけないから。
26 あなたは人と45誓約をしてはならない。
他人の負債の保証人となってはならない。
27 あなたに、償うものがないとき、
人があなたの下から
寝床を奪い取ってもよかろうか。
28 あなたの先祖が立てた昔からの地境を
移してはならない。
29 じょうずな仕事をする人を見たことがあるか。
その人は王の前には立つが、
身分の卑しい人の前には立たない。
1 あなたが支配者と食事の席に着くときは、
あなたの前にある物に、よく注意するがよい。
2 あなたが食欲の盛んな人であるなら、
あなたののどに短刀を当てよ。
3 そのごちそうをほしがってはならない。
それはまやかす食物だから。
4富を得ようと苦労してはならない。
自分の悟りによって、これをやめよ。
5 あなたがこれに目を留めると、
それはもうないではないか。
富は必ず翼をつけて、
鷲のように天へ飛んで行く。
646貪欲な人の食物を食べるな。
彼のごちそうをほしがるな。
7 彼は、心のうちでは勘定ずくだから。
あなたに、「食え、飲め」と言っても、
その心はあなたとともにない。
8 あなたは、食べた食物を吐き出し、
あなたの快いことばをむだにする。
9愚かな者に話しかけるな。
彼はあなたの思慮深いことばをさげすむからだ。
10 昔からの地境を移してはならない。
みなしごの畑に入り込んではならない。
11 彼らの贖い主は力強く、
あなたに対する彼らの訴えを弁護されるからだ。
12 あなたは訓戒に意を用い、
知識のことばに耳を傾けよ。
13 子どもを懲らすことを差し控えてはならない。
むちで打っても、彼は死ぬことはない。
14 あなたがむちで彼を打つなら、
彼のいのちを47よみから救うことができる。
15 わが子よ。もし、あなたの心に知恵があれば、
私の心も喜び、
16 あなたのくちびるが正しいことを語るなら、
私の48心はおどる。
17 あなたは心のうちで罪人をねたんではならない。
ただ主をいつも恐れていよ。
18確かに終わりがある。
あなたの望みは断ち切られることはない。
19 わが子よ。よく聞いて、知恵を得、
あなたの心に、まっすぐ道を歩ませよ。
20 大酒飲みや、肉をむさぼり食う者と交わるな。
21 大酒飲みとむさぼり食う者とは貧しくなり、
惰眠をむさぼる者は、
ぼろをまとうようになるからだ。
22 あなたを生んだ父の言うことを聞け。
あなたの年老いた母をさげすんではならない。
23 真理を買え。それを売ってはならない。
知恵と訓戒と悟りも。
24 正しい者の父は大いに楽しみ、
知恵のある子を生んだ者はその子を喜ぶ。
25 あなたの父と母を喜ばせ、
あなたを産んだ母を楽しませよ。
26 わが子よ。あなたの心をわたしに向けよ。
あなたの目は、わたしの道を見守れ。
27遊女は深い穴、見知らぬ女は狭い井戸だから。
28 彼女は強盗のように待ち伏せて、
人々の間に裏切り者を多くする。
29 わざわいのある者はだれか。嘆く者はだれか。
争いを好む者はだれか。不平を言う者はだれか。
ゆえなく傷を受ける者はだれか。
血走った目をしている者はだれか。
30 ぶどう酒を飲みふける者、
混ぜ合わせた酒の味見をしに行く者だ。
31 ぶどう酒が赤く、杯の中で輝き、
なめらかにこぼれるとき、それを見てはならない。
32 あとでは、これが蛇のようにかみつき、
まむしのように刺す。
33 あなたの目は、異様な物を見、
あなたの心は、ねじれごとをしゃべり、
34 海の真ん中で寝ている人のように、
帆柱のてっぺんで寝ている人のようになる。
35 「私はなぐられたが、49痛くなかった。
私はたたかれたが、知らなかった。
いつ、私はさめるだろうか。
もっと50飲みたいものだ。」
1 悪い者たちをねたんではならない。
彼らとともにいることを望んではならない。
2 彼らの心は暴虐を図り、
彼らのくちびるは害毒を語るからだ。
3 家は知恵によって建てられ、
英知によって堅くされる。
4 部屋は知識によって
すべて尊い、好ましい宝物で満たされる。
5知恵のある人は力強い。
知識のある人は力を増す。
6 あなたはすぐれた指揮のもとに戦いを交え、
多くの助言者によって勝利を得る。
7愚か者には知恵はさんごのようだ。
彼は門のところで、口を開くことができない。
8 悪事を働こうとたくらむ者は、
陰謀家と言われている。
9愚かなはかりごとは罪だ。
あざける者は人に忌みきらわれる。
10 もしあなたが苦難の日に気落ちしたら、
あなたの力は弱い。
11捕らえられて殺されようとする者を救い出し、
虐殺されようとする貧困者を51助け出せ。
12 もしあなたが、
「私たちはそのことを知らなかった」と言っても、
人の心を評価する方は、
それを見抜いておられないだろうか。
あなたのたましいを見守る方は、
それを知らないだろうか。
この方は
おのおの、人の行いに応じて報いないだろうか。
13 わが子よ。蜜を食べよ。それはおいしい。
蜂の巣の蜜はあなたの口に甘い。
14知恵もあなたのたましいにとっては、そうだと知れ。
それを見つけると、良い終わりがあり、
あなたの望みは断たれることがない。
15 悪者よ。正しい人の住まいをねらうな。
彼のいこいの場所を荒らすな。
16 正しい者は七たび倒れても、
また起き上がるからだ。
悪者はつまずいて滅びる。
17 あなたの敵が倒れるとき、喜んではならない。
彼がつまずくとき、
あなたは心から楽しんではならない。
18主がそれを見て、御心を痛め、
彼への怒りをやめられるといけないから。
19 悪を行う者に対して腹を立てるな。
悪者に対してねたみを起こすな。
20 悪い者には良い終わりがなく、
悪者のともしびは消えるから。
21 わが子よ。主と王とを恐れよ。
52そむく者たちと交わってはならない。
22 たちまち彼らに災難が起こるからだ。
このふたりから来る滅びをだれが知りえようか。
23 これらもまた、知恵ある者による。
さばくときに、人をかたより見るのはよくない。
24 悪者に向かって、「あなたは正しい」と言う者を、
人々はののしり、民はのろう。
25 しかし、悪者を責める者は喜ばれ、
彼らにはしあわせな祝福が与えられる。
26 正しい答えをする者は、
そのくちびるに口づけされる。
27 外であなたの仕事を確かなものとし、
あなたの畑を整え、
そのあとで、あなたは家を建てよ。
28 あなたは、理由もないのに、
あなたの隣人をそこなう証言をしてはならない。
あなたのくちびるで惑わしてはならない。
29 「彼が私にしたように、私も彼にしよう。
私は彼の行いに応じて、仕返しをしよう」
と言ってはならない。
30 私は、なまけ者の畑と、
思慮に欠けている者のぶどう畑のそばを、通った。
31 すると、いばらが一面に生え、
いらくさが地面をおおい、その石垣はこわれていた。
32 私はこれを見て、心に留め、
これを見て、戒めを受けた。
33 しばらく眠り、しばらくまどろみ、
しばらく手をこまねいて、また休む。
34 だから、あなたの貧しさは浮浪者のように、
あなたの乏しさは横着者のようにやって来る。
1 次もまたソロモンの箴言であり、ユダの王ヒゼキヤの人々が書き写したものである。
2 事を隠すのは神の誉れ。
事を探るのは王の誉れ。
3 天が高く、地が深いように、
王の心は測り知れない。
4 銀から、かなかすを除け。
そうすれば、練られて良い器ができる。
5 王の前から悪者を除け。
そうすれば、
その王座は義によって堅く据えられる。
6 王の前で横柄ぶってはならない。
偉い人のいる所に立っていてはならない。
753高貴な人の前で下に下げられるよりは、
「ここに上って来なさい」
と言われるほうがよいからだ。
あなたがその目で見たことを、
8 軽々しく訴えて出るな。そうでないと、
あとになって、あなたの隣人があなたに
恥ずかしい思いをさせたとき、
あなたはどうしようとするのか。
9 あなたは隣人と争っても、
他人の秘密を漏らしてはならない。
10 そうでないと、聞く者があなたを侮辱し、
あなたの評判は取り返しのつかないほど悪くなる。
11時宜にかなって語られることばは、
銀の彫り物にはめられた金のりんごのようだ。
12知恵のある叱責は、それを聞く者の耳にとって、
金の54耳輪、黄金の飾りのようだ。
13忠実な使者はこれを遣わす者にとって、
55夏の暑い日の冷たい雪のようだ。
彼は主人の心を生き返らせる。
1456贈りもしない贈り物を自慢する者は、
雨を降らせない雲や風のようだ。
15忍耐強く説けば、首領も納得する。
柔らかな舌は骨を砕く。
16蜜を見つけたら、十分、食べよ。
しかし、食べすぎて吐き出すことがないように。
17隣人の家に、足しげく通うな。
彼があなたに飽きて、
あなたを憎むことがないようにせよ。
18隣人に対し、偽りの証言をする人は、
こん棒、剣、また鋭い矢のようだ。
19苦難の日に、裏切り者に拠り頼むのは、
悪い歯やよろける足を頼みとするようなもの。
20 心配している人の前で歌を歌うのは、
寒い日に着物を脱ぐようであり、
ソーダの上に酢を注ぐようなものだ。
21 もしあなたを憎む者が飢えているなら、
パンを食べさせ、
渇いているなら、水を飲ませよ。
22 あなたはこうして彼の頭に
燃える炭火を積むことになり、
主があなたに報いてくださる。
23 北風は大雨を起こし、
陰口をきく舌は人を怒らす。
24 争い好きな女と社交場にいるよりは、
屋根の片隅に住むほうがよい。
25 遠い国からの良い消息は、
疲れた人への冷たい水のようだ。
26 正しい人が悪者の前に屈服するのは、
きたなくされた泉、荒らされた井戸のようだ。
27 あまり多くの蜜を食べるのはよくない。
57しかし、りっぱなことばは尊重しなければならない。
28 自分の心を制することができない人は、
城壁のない、打ちこわされた町のようだ。
1誉れが愚かな者にふさわしくないのは、
夏の雪、刈り入れ時の雨のようだ。
2逃げる雀のように、
飛び去るつばめのように、
いわれのないのろいは58やって来ない。
3 馬には、むち。ろばには、くつわ。
愚かな者の背には、むち。
4愚かな者には、その愚かさにしたがって答えるな。
あなたも彼と同じようにならないためだ。
5愚かな者には、その愚かさにしたがって答えよ。
そうすれば彼は、
自分を知恵のある者と思わないだろう。
6愚かな者にことづけする者は、
自分の両足を切り、身に害を受ける。
7愚かな者が口にする箴言は、
足のなえた者の垂れ下がった足のようだ。
8愚かな者に誉れを与えるのは、
石投げ器に石をゆわえるようだ。
9愚かな者が口にする箴言は、
酔った人が手にして振り上げるいばらのようだ。
10愚かな者や通りすがりの者を雇う者は、
すべての人を傷つける投げ槍のようだ。
11 犬が自分の吐いた物に帰って来るように、
愚かな者は自分の愚かさをくり返す。
12 自分を知恵のある者と思っている人を見ただろう。
彼よりも、愚かな者のほうが、まだ望みがある。
13 なまけ者は「道に獅子がいる。
ちまたに雄獅子がいる」と言う。
14 戸がちょうつがいで回転するように、
なまけ者は寝台の上でころがる。
15 なまけ者は手を皿に差し入れても、
それを口に持っていくことをいとう。
16 なまけ者は、
分別のある答えをする七人の者よりも、
自分を知恵のある者と思う。
17 自分に関係のない争いに干渉する者は、
通りすがりの犬の耳をつかむ者のようだ。
18 気が狂った者は、燃え木を59死の矢として投げるが、
19隣人を欺きながら、
「ただ、戯れただけではないか」
と言う者も、それと同じだ。
20 たきぎがなければ火が消えるように、
陰口をたたく者がなければ争いはやむ。
21 おき火に炭を、火にたきぎをくべるように、
争い好きな人は争いをかき立てる。
22陰口をたたく者のことばは、
おいしい食べ物のようだ。腹の奥に下っていく。
23燃えるくちびるも、心が悪いと、
銀の上薬を塗った土の器のようだ。
24憎む者は、くちびるで身を装い、
心のうちでは欺きを図っている。
25 声を和らげて語りかけても、それを信じるな。
その心には七つの忌みきらわれるものがあるから。
26憎しみは、うまくごまかし隠せても、
その悪は集会の中に現れる。
27穴を掘る者は、自分がその穴に陥り、
石をころがす者は、自分の上にそれをころがす。
28偽りの舌は、60真理を憎み、
へつらう口は滅びを招く。
1 あすのことを誇るな。
一日のうちに何が起こるか、
あなたは知らないからだ。
2 自分の口でではなく、
ほかの者にあなたをほめさせよ。
自分のくちびるでではなく、よその人によって。
3 石は重く、砂も重い。
しかし愚か者の怒りはそのどちらよりも重い。
4憤りは残忍で、怒りはあふれ出る。
しかし、ねたみの前には
だれが立ちはだかることができよう。
5 あからさまに責めるのは、
ひそかに愛するのにまさる。
6憎む者が口づけしてもてなすよりは、
愛する者が傷つけるほうが真実である。
7飽き足りている者は蜂の巣の蜜も踏みつける。
しかし飢えている者には苦い物もみな甘い。
8 自分の家を離れてさまよう人は、
自分の巣を離れてさまよう鳥のようだ。
9香油と香料は心を喜ばせ、
友の慰めはたましいを61力づける。
10 あなたの友、あなたの父の友を捨てるな。
あなたが災難に会うとき、兄弟の家に行くな。
近くにいる隣人は、遠くにいる兄弟にまさる。
11 わが子よ。知恵を得よ。私の心を喜ばせよ。
そうすれば、私をそしる者に、
私は言い返すことができよう。
12 利口な者はわざわいを見て、これを避け、
わきまえのない者は進んで行って、罰を受ける。
13他国人の保証人となるときは、その者の着物を取れ。
見知らぬ女のためにも、着物を抵当に取れ。
14 朝早くから、大声で友人を祝福すると、
かえってのろいとみなされる。
15長雨の日にしたたり続ける雨漏りは、
争い好きな女に似ている。
16 その女を62制する者は、風を制し、
右手に油をつかむことができる。
17 鉄は鉄によってとがれ、
人はその友によってとがれる。
18 いちじくの木の番人はその実を食う。
主人の身を守る者は誉れを得る。
19 顔が、水に映る顔と同じように、
人の心は、その人に映る。
2063よみと滅びの淵は飽くことがなく、
人の64目も飽くことがない。
21 るつぼは銀のため、炉は金のためにあるように、
他人の称賛によって人はためされる。
22愚か者を臼に入れ、
きねでこれを麦といっしょについても、
その愚かさは彼から離れない。
23 あなたの羊の様子をよく知り、
群れに心を留めておけ。
24富はいつまでも続くものではなく、
王冠も代々に続かないからだ。
25 草が刈り取られ、若草が現れ、
山々の青草も集められると、
26 子羊はあなたに着物を着させ、
やぎは畑の代価となる。
27 やぎの乳は十分あって、
あなたの食物、あなたの家族の食物となり、
あなたの召使いの女たちを養う。
1 悪者は追う者もないのに逃げる。
しかし、正しい人は若獅子のように頼もしい。
2 国にそむきがあるときは、多くの首長たちがいる。
しかし、分別と知識のあるひとりの人によって、
それは長く安定する。
3 寄るべのない者をしいたげる貧しい者は、
押し流して食物を残さない豪雨のようだ。
4 おしえを捨てる者は悪者をほめる。
おしえを守る者は彼らと争う。
5 悪人は公義を悟らない。
主を尋ね求める者はすべての事を悟る。
6貧しくても、誠実に歩む者は、
富んでいても、曲がった道を歩む者にまさる。
7 おしえを守る者は分別のある子、
放蕩者と交わる者は、
その父に恥ずかしい思いをさせる。
8 利息や高利によって財産をふやす者は、
寄るべのない者たちに恵む者のために
それをたくわえる。
9 耳をそむけておしえを聞かない者は、
その者の祈りさえ忌みきらわれる。
10 正直な人を悪い道に迷わす者は、
自分の掘った穴に陥る。
しかし潔白な人たちはしあわせを継ぐ。
11富む者は自分を知恵のある者と思い込む。
分別のある貧しい者は、自分を調べる。
12 正しい者が喜ぶときには、大いなる光栄があり、
悪者が起き上がるときには、人は身を隠す。
13 自分のそむきの罪を隠す者は成功しない。
それを告白して、それを捨てる者は
あわれみを受ける。
14 幸いなことよ。
いつも65主を恐れている人は。
しかし心をかたくなにする人はわざわいに陥る。
15 うなる雄獅子、襲いかかる熊、
寄るべのない民を治める悪い支配者。
16 英知を欠く君主は、多くの物を強奪する。
不正な利得を憎む者は、長生きをする。
17 流血の罪に苦しむ者は、墓まで逃げるが、
だれも彼をつかまえない。
18潔白な生活をする者は救われ、
曲がった生活をする者は66墓穴に陥る。
19 自分の畑を耕す者は食糧に飽き足り、
むなしいものを追い求める者は貧しさに飽きる。
20忠実な人は多くの祝福を得る。
しかし富を得ようとあせる者は罰を免れない。
21 人をかたより見るのは良くない。
人は一切れのパンで、そむく。
2267貪欲な人は財産を得ようとあせり、
欠乏が自分に来るのを知らない。
23 人を責める者は、
へつらいを言う者より後に、恵みを得る。
24 自分の父母の物を盗んで、
「私は罪を犯していない」と言う者は、
滅びをもたらす者の仲間である。
25欲の深い人は争いを引き起こす。
しかし主に拠り頼む人は豊かになる。
26 自分の心にたよる者は愚かな者、
知恵をもって歩む者は救われる。
27貧しい者に施す者は不足することがない。
しかし目をそむける者は多くののろいを受ける。
28 悪者が起こると、人は身を隠し、
彼らが滅びると、正しい人がふえる。
1責められても、なお、うなじのこわい者は、
たちまち滅ぼされて、いやされることはない。
2 正しい人がふえると、民は喜び、
悪者が治めると、民は嘆く。
3知恵を愛する人は、その父を喜ばせ、
遊女と交わる者は、財産を滅ぼす。
4 王は正義によって国を建てる。
しかし68重税を取り立てる者は国を滅ぼす。
5 自分の友人にへつらう者は、
自分の足もとに網を張る。
6 悪人はそむきの罪を犯して自分のわなをかける。
しかし正しい人は喜びの声をあげ、楽しむ。
7 正しい人は
寄るべのない者を正しくさばくことを知っている。
しかし悪者はそのような知識をわきまえない。
8 あざける者たちは町を騒がし、
知恵のある人々は怒りを静める。
9知恵のある人が愚か者を訴えて争うと、
愚か者は怒り、あざ笑い、休むことがない。
10 血に飢えた者たちは潔白な人を憎み、
正直な人のいのちをねらう。
11愚かな者は怒りをぶちまける。
しかし知恵のある者はそれを内におさめる。
12支配者が偽りのことばに聞き入るなら、
従者たちもみな悪者になる。
13貧しい者としいたげる者とは互いに出会う。
主は、この両者に日の光を見させる。
14誠実をもって寄るべのない者をさばく王、
その王座はとこしえまでも堅く立つ。
15 むちと叱責とは知恵を与える。
わがままにさせた子は、母に恥を見させる。
16 悪者がふえると、そむきの罪も増す。
しかし正しい者は彼らの滅びを見る。
17 あなたの子を懲らせ。
そうすれば、彼はあなたを安らかにし、
あなたの心に喜びを与える。
18幻がなければ、民はほしいままにふるまう。
しかし律法を守る者は幸いである。
19 しもべをことばだけで戒めることはできない。
彼はそれがわかっても、反応がない。
20軽率に話をする人を見ただろう。
彼よりも愚かな者のほうが、まだ望みがある。
21 自分のしもべを幼い時から甘やかすと、
ついには彼は69手におえない者になる。
22怒る者は争いを引き起こし、
憤る者は多くのそむきの罪を犯す。
23 人の高ぶりはその人を低くし、
心の低い人は誉れをつかむ。
24盗人にくみする者は自分自身を憎む者だ。
彼はのろいを聞いても何も言わない。
25 人を恐れるとわなにかかる。
しかし主に信頼する者は守られる。
26支配者の顔色をうかがう者は多い。
しかし人をさばくのは主である。
27 不正な人は正しい人に忌みきらわれ、
行いの正しい人は悪者に忌みきらわれる。
1 マサの人ヤケの子アグルのことば。イティエルに告げ、イティエルとウカルに告げたことば。
2確かに、私は人間の中でも最も愚かで、
私には人間の悟りがない。
3 私はまだ知恵も学ばず、
聖なる方の知識も知らない。
4 だれが天に上り、また降りて来ただろうか。
だれが風をたなごころに集めただろうか。
だれが水を衣のうちに包んだだろうか。
だれが地のすべての限界を堅く定めただろうか。
その名は何か、その子の名は何か。
あなたは確かに知っている。
5 神のことばは、すべて純粋。
神は拠り頼む者の盾。
6 神のことばにつけ足しをしてはならない。
神が、あなたを責めないように、
あなたがまやかし者とされないように。
7 二つのことをあなたにお願いします。
私が死なないうちに、それをかなえてください。
8不信実と偽りとを私から遠ざけてください。
貧しさも富も私に与えず、
ただ、私に定められた分の食物で
私を養ってください。
9 私が食べ飽きて、あなたを否み、
「主とはだれだ」と言わないために。
また、私が貧しくて、盗みをし、
私の神の御名を汚すことのないために。
10 しもべのことを、その主人に中傷してはならない。
そうでないと、彼はあなたをのろい、
あなたは罰せられる。
11 自分の父をのろい、自分の母を祝福しない世代。
12 自分をきよいと見、汚れを洗わない世代。
13 なんとも、その目が高く、
まぶたが上がっている世代。
14 歯が剣のようで、きばが刀のような世代。
彼らは地の苦しむ者を、
人のうちの貧しい者を
食い尽くす。
15蛭にはふたりの娘がいて、
「くれろ、くれろ」と言う。
飽くことを知らないものが、三つある。
いや、四つあって、「もう十分だ」と言わない。
1670よみと、不妊の胎、
水に飽くことを知らない地と、
「もう十分だ」と言わない火。
17 自分の父をあざけり、
71母への従順をさげすむ目は、
谷の烏にえぐりとられ、
鷲の子に食われる。
18 私にとって不思議なことが三つある。
いや、四つあって、私はそれを知らない。
19 天にある鷲の道、
岩の上にある蛇の道、
海の真ん中にある舟の道、
おとめへの男の道。
20姦通する女の道もそのとおり。
彼女は食べて口をぬぐい、
「私は不法を行わなかった」と言う。
21 この地は三つのことによって震える。
いや、四つのことによって耐えられない。
22奴隷が王となり、
しれ者がパンに飽き、
23 きらわれた女が夫を得、
女奴隷が女主人の代わりとなることによって。
24 この地上には小さいものが四つある。
しかし、それは知恵者中の知恵者だ。
25蟻は力のない種族だが、
夏のうちに食糧を確保する。
26 岩だぬきは強くない種族だが、
その巣を岩間に設ける。
27 いなごには王はないが、
みな隊を組んで出て行く。
28 やもりは手でつかまえることができるが、
王の宮殿にいる。
29 歩きぶりの堂々としているものが三つある。
いや、その歩みの堂々としているものが四つある。
30獣のうちで最も強く、
何ものからも退かない雄獅子、
3172いばって歩くおんどりと、雄やぎ、
73軍隊を率いる王である。
32 もし、あなたが高ぶって、
愚かなことをしたり、たくらんだりしたら、
手を口に当てよ。
33乳をかき回すと凝乳ができる。
鼻をねじると血が出る。
怒りをかき回すと争いが起こる。
1 マサの王レムエルが母から受けた戒めのことば。
2 私の子よ、何を言おうか。
私の胎の子よ、何を言おうか。
私の誓願の子よ、何を言おうか。
3 あなたの力を女に費やすな。
あなたの生き方を
王たちを消し去る者にゆだねるな。
474レムエルよ。
酒を飲むことは王のすることではない。
王のすることではない。
「強い酒はどこだ」とは、君子の言うことではない。
5 酒を飲んで勅令を忘れ、
すべて悩む者のさばきを曲げるといけないから。
6 強い酒は滅びようとしている者に与え、
ぶどう酒は心の痛んでいる者に与えよ。
7 彼はそれを飲んで自分の貧しさを忘れ、
自分の苦しみをもう思い出さないだろう。
8 あなたは口のきけない者のために、
また、すべての不幸な人の訴えのために、
口を開け。
9 口を開いて、正しくさばき、
悩んでいる人や貧しい者の権利を守れ。
10 しっかりした妻をだれが見つけることができよう。
彼女の値うちは真珠よりもはるかに尊い。
11 夫の心は彼女を信頼し、
彼は「収益」に欠けることがない。
12 彼女は生きながらえている間、
夫に良いことをし、悪いことをしない。
13 彼女は羊毛や亜麻を手に入れ、
喜んで自分の手でそれを仕上げる。
14 彼女は商人の舟のように、
遠い所から食糧を運んで来る。
15 彼女は夜明け前に起き、
家の者に食事を整え、
召使いの女たちに用事を言いつける。
16 彼女は畑をよく調べて、それを手に入れ、
自分がかせいで、ぶどう畑を作り、
17腰に帯を強く引き締め、
勇ましく腕をふるう。
18 彼女は収入がよいのを味わい、
そのともしびは夜になっても消えない。
19 彼女は糸取り棒に手を差し伸べ、
手に糸巻きをつかむ。
20 彼女は悩んでいる人に手を差し出し、
貧しい者に手を差し伸べる。
21 彼女は家の者のために雪を恐れない。
家の者はみな、75あわせの着物を着ているからだ。
22 彼女は自分のための敷き物を作り、
彼女の着物は亜麻布と紫色の撚り糸でできている。
23 夫は町囲みのうちで人々によく知られ、
土地の長老たちとともに座に着く。
24 彼女は亜麻布の着物を作って、売り、
帯を作って、76商人に渡す。
25 彼女は力と気品を身につけ、
ほほえみながら後の日を待つ。
26 彼女は口を開いて知恵深く語り、
その舌には恵みのおしえがある。
27 彼女は家族の様子をよく見張り、
怠惰のパンを食べない。
28 その子たちは立ち上がって、彼女を幸いな者と言い、
夫も彼女をほめたたえて言う。
29 「しっかりしたことをする女は多いけれど、
あなたはそのすべてにまさっている」と。
30麗しさはいつわり。
美しさはむなしい。
しかし、主を恐れる女はほめたたえられる。
31 彼女の手でかせいだ実を彼女に与え、
彼女のしたことを町囲みのうちでほめたたえよ。
伝道者の書
1 エルサレムでの王、ダビデの子、伝道者のことば。
2 空の空。伝道者は言う。
空の空。すべては空。
3 日の下で、どんなに労苦しても、
それが人に何の益になろう。
4 一つの時代は去り、次の時代が来る。
しかし地はいつまでも変わらない。
5 日は上り、日は沈み、
またもとの上る所に1帰って行く。
6 風は南に吹き、巡って北に吹く。
巡り巡って風は吹く。
しかし、その巡る道に風は帰る。
7 川はみな海に流れ込むが、
海は満ちることがない。
川は流れ込む所に、また流れる。
8 すべての事はものうい。
人は語ることさえできない。
目は見て飽きることもなく、
耳は聞いて満ち足りることもない。
9 昔あったものは、これからもあり、
昔起こったことは、これからも起こる。
日の下には新しいものは一つもない。
10 「これを見よ。これは新しい」と言われるものがあっても、それは、私たちよりはるか先の時代に、すでにあったものだ。
11 先にあったことは記憶に残っていない。これから後に起こることも、それから後の時代の人々には記憶されないであろう。
12 伝道者である私は、エルサレムでイスラエルの王であった。
13 私は、天の下で行われるいっさいの事について、知恵を用いて、一心に尋ね、探り出そうとした。これは、人の子らが労苦するようにと神が与えたつらい仕事だ。
14 私は、日の下で行われたすべてのわざを見たが、なんと、すべてがむなしいことよ。風を2追うようなものだ。
15 曲がっているものを、まっすぐにはできない。
なくなっているものを、数えることはできない。
16 私は自分の心にこう語って言った。「今や、私は、私より先にエルサレムにいただれよりも知恵を増し加えた。私の心は多くの知恵と知識を得た。」
17 私は、一心に知恵と知識を、狂気と愚かさを知ろうとした。それもまた風を追うようなものであることを知った。
18 実に、知恵が多くなれば悩みも多くなり、
知識を増す者は悲しみを増す。
1 私は心の中で言った。「さあ、快楽を味わってみるがよい。楽しんでみるがよい。」しかし、これもまた、なんとむなしいことか。
2 笑いか。ばからしいことだ。快楽か。それがいったい何になろう。
3 私は心の中で、私の心は知恵によって導かれているが、からだはぶどう酒で元気づけようと考えた。人の子が短い一生の間、天の下でする事について、何が良いかを見るまでは、愚かさを身につけていようと考えた。
4 私は事業を拡張し、邸宅を建て、ぶどう畑を設け、
5 庭と園を造り、そこにあらゆる種類の果樹を植えた。
6 木の茂った森を潤すために池も造った。
7 私は男女の奴隷を得た。私には家で生まれた奴隷があった。私には、私より先にエルサレムにいただれよりも多くの牛や羊もあった。
8 私はまた、銀や金、それに王たちや諸州の宝も集めた。私は男女の歌うたいをつくり、人の子らの快楽である多くのそばめを手に入れた。
9 私は、私より先にエルサレムにいただれよりも偉大な者となった。しかも、私の知恵は私から離れなかった。
10 私は、私の目の欲するものは何でも拒まず、心のおもむくままに、あらゆる楽しみをした。実に私の心はどんな労苦をも喜んだ。これが、私のすべての労苦による私の受ける分であった。
11 しかし、私が手がけたあらゆる事業と、そのために私が骨折った労苦とを振り返ってみると、なんと、すべてがむなしいことよ。風を追うようなものだ。日の下には何一つ益になるものはない。
12 私は振り返って、知恵と、狂気と、愚かさとを見た。いったい、王の跡を継ぐ者も、すでになされた事をするのにすぎないではないか。
13 私は見た。光がやみにまさっているように、知恵は愚かさにまさっていることを。
14知恵ある者は、その頭に目があるが、愚かな者はやみの中を歩く。しかし、みな、同じ結末に行き着くことを私は知った。
15 私は心の中で言った。「私も愚かな者と同じ結末に行き着くのなら、それでは私の知恵は私に何の益になろうか。」私は心の中で語った。「これもまたむなしい」と。
16 事実、知恵ある者も愚かな者も、いつまでも記憶されることはない。日がたつと、いっさいは忘れられてしまう。知恵ある者も愚かな者とともに死んでいなくなる。
17 私は生きていることを憎んだ。日の下で行われるわざは、私にとってはわざわいだ。すべてはむなしく、風を追うようなものだから。
18 私は、日の下で骨折ったいっさいの労苦を憎んだ。後継者のために残さなければならないからである。
19後継者が知恵ある者か愚か者か、だれにわかろう。しかも、私が日の下で骨折り、知恵を使ってしたすべての労苦を、その者が支配するようになるのだ。これもまた、むなしい。
20 私は日の下で骨折ったいっさいの労苦を思い返して絶望した。
21 どんなに人が知恵と知識と才能をもって労苦しても、何の労苦もしなかった者に、自分の分け前を譲らなければならない。これもまた、むなしく、非常に悪いことだ。
22 実に、日の下で骨折ったいっさいの労苦と思い煩いは、人に何になろう。
23 その一生は悲しみであり、その仕事には悩みがあり、その心は夜も休まらない。これもまた、むなしい。
24 人には、食べたり飲んだりし、自分の労苦に満足を見いだすよりほかに、何も良いことがない。これもまた、神の御手によることがわかった。
25 実に、3神から離れて、だれが食べ、だれが楽しむことができようか。
26 なぜなら、神は、みこころにかなう人には、知恵と知識と喜びを与え、罪人には、神のみこころにかなう者に渡すために、集め、たくわえる仕事を与えられる。これもまた、むなしく、風を追うようなものだ。
1 天の下では、何事にも定まった時期があり、
すべての営みには時がある。
2 生まれるのに時があり、死ぬのに時がある。
植えるのに時があり、
植えた物を引き抜くのに時がある。
3 殺すのに時があり、いやすのに時がある。
くずすのに時があり、建てるのに時がある。
4 泣くのに時があり、ほほえむのに時がある。
嘆くのに時があり、踊るのに時がある。
5 石を投げ捨てるのに時があり、
石を集めるのに時がある。
抱擁するのに時があり、
抱擁をやめるのに時がある。
6 捜すのに時があり、失うのに時がある。
保つのに時があり、投げ捨てるのに時がある。
7 引き裂くのに時があり、
縫い合わせるのに時がある。
黙っているのに時があり、話をするのに時がある。
8 愛するのに時があり、憎むのに時がある。
戦うのに時があり、和睦するのに時がある。
9 働く者は労苦して何の益を得よう。
10 私は神が人の子らに与えて労苦させる仕事を見た。
11 神のなさることは、すべて時にかなって美しい。神はまた、人の心に永遠を与えられた。しかし人は、神が行われるみわざを、初めから終わりまで見きわめることができない。
12 私は知った。人は生きている間に喜び楽しむほか何も良いことがないのを。
13 また、人がみな、食べたり飲んだりし、すべての労苦の中にしあわせを見いだすこともまた神の賜物であることを。
14 私は知った。神のなさることはみな永遠に変わらないことを。それに何かをつけ加えることも、それから何かを取り去ることもできない。神がこのことをされたのだ。人は神を恐れなければならない。
15 今あることは、すでにあったこと。これからあることも、すでにあったこと。神は、すでに追い求められたことをこれからも捜し求められる。
16 さらに私は日の下で、さばきの場に不正があり、正義の場に不正があるのを見た。
17 私は心の中で言った。「神は正しい人も悪者もさばく。そこでは、すべての営みと、すべてのわざには、時があるからだ。」
18 私は心の中で人の子らについて言った。「神は彼らを試み、彼らが獣にすぎないことを、彼らが気づくようにされたのだ。」
19 人の子の結末と獣の結末とは同じ結末だ。これも死ねば、あれも死ぬ。両方とも同じ息を持っている。人は何も獣にまさっていない。すべてはむなしいからだ。
20 みな同じ所に行く。すべてのものはちりから出て、すべてのものはちりに帰る。
21 だれが知っているだろうか。人の子らの霊は上に上り、獣の霊は地の下に降りて行くのを。
22 私は見た。人は、自分の仕事を楽しむよりほかに、何も良いことがないことを。それが人の受ける分であるからだ。だれが、これから後に起こることを人に見せてくれるだろう。
1 私は再び、日の下で行われるいっさいのしいたげを見た。見よ、しいたげられている者の涙を。彼らには慰める者がいない。しいたげる者が権力をふるう。しかし、彼らには慰める者がいない。
2 私は、まだいのちがあって生きながらえている人よりは、すでに死んだ死人のほうに祝いを申し述べる。
3 また、この両者よりもっと良いのは、今までに存在しなかった者、日の下で行われる悪いわざを見なかった者だ。
4 私はまた、あらゆる労苦とあらゆる仕事の成功を見た。それは人間同士のねたみにすぎない。これもまた、むなしく、風を追うようなものだ。
5 愚かな者は、手をこまねいて、自分の肉を食べる。
6 片手に安楽を満たすことは、
両手に労苦を満たして風を追うのにまさる。
7 私は再び、日の下にむなしさのあるのを見た。
8 ひとりぼっちで、仲間もなく、子も兄弟もない人がいる。それでも彼のいっさいの労苦には終わりがなく、彼の目は富を求めて飽き足りることがない。そして、「私はだれのために労苦し、楽しみもなくて自分を犠牲にしているのか」とも言わない。これもまた、むなしく、つらい仕事だ。
9 ふたりはひとりよりもまさっている。ふたりが労苦すれば、良い報いがあるからだ。
10 どちらかが倒れるとき、ひとりがその仲間を起こす。倒れても起こす者のいないひとりぼっちの人はかわいそうだ。
11 また、ふたりがいっしょに寝ると暖かいが、ひとりでは、どうして暖かくなろう。
12 もしひとりなら、打ち負かされても、ふたりなら立ち向かえる。三つ撚りの糸は簡単には切れない。
13貧しくても知恵のある若者は、もう忠言を受けつけない年とった愚かな王にまさる。
14 たとい、彼が牢獄から出て来て王になったにしても、たとい、彼が王国で貧しく生まれた者であったにしても。
15 私は、日の下に生息するすべての生きものが、王に代わって立つ4後継の若者の側につくのを見た。
16 すべての民には果てしがない。彼が今あるすべての民の先頭に立っても、これから後の者たちは、彼を喜ばないであろう。これもまた、むなしく、風を追うようなものだ。
1 神の宮へ行くときは、自分の足に気をつけよ。近寄って聞くことは、愚かな者がいけにえをささげるのにまさる。彼らは自分たちが悪を行っていることを知らないからだ。
2 神の前では、軽々しく、心あせってことばを出すな。神は天におられ、あなたは地にいるからだ。だから、ことばを少なくせよ。
3 仕事が多いと夢を見る。
ことばが多いと愚かな者の声となる。
4 神に誓願を立てるときには、それを果たすのを遅らせてはならない。神は愚かな者を喜ばないからだ。誓ったことは果たせ。
5誓って果たさないよりは、誓わないほうがよい。
6 あなたの口が、あなたに罪を犯させないようにせよ。使者の前で「あれは過失だ」と言ってはならない。神が、あなたの言うことを聞いて怒り、あなたの手のわざを滅ぼしてもよいだろうか。
7 夢が多くなると、
むなしいことばも多くなる。
ただ、神を恐れよ。
8 ある州で、貧しい者がしいたげられ、権利と正義がかすめられるのを見ても、そのことに驚いてはならない。その上役には、それを見張るもうひとりの上役がおり、彼らよりももっと高い者たちもいる。
9 何にもまして、国の利益は農地を耕させる王である。
10金銭を愛する者は金銭に満足しない。富を愛する者は収益に満足しない。これもまた、むなしい。
11財産がふえると、寄食者もふえる。持ち主にとって何の益になろう。彼はそれを目で見るだけだ。
12 働く者は、少し食べても多く食べても、ここちよく眠る。富む者は、満腹しても、安眠をとどめられる。
13 私は日の下に、痛ましいことがあるのを見た。所有者に守られている富が、その人に害を加えることだ。
14 その富は不幸な出来事で失われ、子どもが生まれても、自分の手もとには何もない。
15 母の胎から出て来たときのように、また裸でもとの所に帰る。彼は、自分の労苦によって得たものを、何一つ手に携えて行くことができない。
16 これも痛ましいことだ。出て来たときと全く同じようにして去って行く。風のために労苦して何の益があるだろう。
17 しかも、人は一生、やみの中で食事をする。多くの苦痛、病気、そして怒り。
18 見よ。私がよいと見たこと、好ましいことは、神がその人に許されるいのちの日数の間、日の下で骨折るすべての労苦のうちに、しあわせを見つけて、食べたり飲んだりすることだ。これが人の受ける分なのだ。
19 実に神はすべての人間に富と財宝を与え、これを楽しむことを許し、自分の受ける分を受け、自分の労苦を喜ぶようにされた。これこそが神の賜物である。
20 こういう人は、自分の生涯のことをくよくよ思わない。神が彼の心を喜びで満たされるからだ。
1 私は日の下で、もう一つの悪があるのを見た。それは人の上に重くのしかかっている。
2 神が富と財宝と誉れとを与え、彼の望むもので何一つ欠けたもののない人がいる。しかし、神は、この人がそれを楽しむことを許さず、外国人がそれを楽しむようにされる。これはむなしいことで、それは悪い病だ。
3 もし人が百人の子どもを持ち、多くの年月を生き、彼の年が多くなっても、彼が幸いで満たされることなく、墓にも葬られなかったなら、私は言う、死産の子のほうが彼よりはましだと。
4 その子はむなしく生まれて来て、やみの中に去り、その名はやみの中に消される。
5 太陽も見ず、何も知らずに。しかし、この子のほうが彼よりは安らかである。
6 彼が千年の倍も生きても、――しあわせな目に会わなければ――両者とも同じ所に行くのではないか。
7 人の労苦はみな、自分の口のためである。
しかし、その食欲は決して満たされない。
8知恵ある者は、愚かな者より何がまさっていよう。人々の前での生き方を知っている貧しい人も、何がまさっていよう。
9 目が見るところは、心があこがれることにまさる。これもまた、むなしく、風を追うようなものだ。
10 今あるものは、何であるか、すでにその名がつけられ、また彼がどんな人であるかも知られている。彼は彼よりも力のある者と争うことはできない。
11 多く語れば、それだけむなしさを増す。それは、人にとって何の益になるだろう。
12 だれが知ろうか。影のように過ごすむなしいつかのまの人生で、何が人のために善であるかを。だれが人に告げることができようか。彼の後に、日の下で何が起こるかを。
1 良い名声は良い香油にまさり、
死の日は生まれる日にまさる。
2 祝宴の家に行くよりは、
喪中の家に行くほうがよい。
そこには、すべての人の終わりがあり、
生きている者が
それを心に留めるようになるからだ。
3 悲しみは笑いにまさる。
顔の曇りによって心は良くなる。
4 知恵ある者の心は喪中の家に向き、
愚かな者の心は楽しみの家に向く。
5 知恵ある者の叱責を聞くのは、
愚かな者の歌を聞くのにまさる。
6 愚かな者の笑いは、
なべの下のいばらがはじける音に似ている。
これもまた、むなしい。
7 しいたげは知恵ある者を愚かにし、
まいないは心を滅ぼす。
8 事の終わりは、その初めにまさり、
忍耐は、うぬぼれにまさる。
9 軽々しく心をいらだててはならない。
いらだちは愚かな者の胸にとどまるから。
10 「どうして、昔のほうが今より良かったのか」と言ってはならない。このような問いは、知恵によるのではない。
11 資産を伴う知恵は良い。
日を見る人に益となる。
12 知恵の陰にいるのは、
金銭の陰にいるようだ。
知識の益は、
知恵がその持ち主を生かすことにある。
13 神のみわざに目を留めよ。神が曲げたものをだれがまっすぐにできようか。
14順境の日には喜び、逆境の日には反省せよ。これもあれも神のなさること。それは後の事を人にわからせないためである。
15 私はこのむなしい人生において、すべての事を見てきた。正しい人が正しいのに滅び、悪者が悪いのに長生きすることがある。
16 あなたは正しすぎてはならない。知恵がありすぎてはならない。なぜあなたは自分を滅ぼそうとするのか。
17 悪すぎてもいけない。愚かすぎてもいけない。自分の時が来ないのに、なぜ死のうとするのか。
18 一つをつかみ、もう一つを手放さないがよい。神を恐れる者は、この両方を会得している。
19知恵は町の十人の権力者よりも知恵者を力づける。
20 この地上には、善を行い、罪を犯さない正しい人はひとりもいないから。
21 人の語ることばにいちいち心を留めてはならない。あなたのしもべがあなたをのろうのを聞かないためだ。
22 あなた自身も他人を何度ものろったことを知っているからだ。
23 私は、これらのいっさいを知恵によって試み、そして言った。「私は知恵ある者になりたい」と。しかし、それは私の遠く及ばないことだった。
24 今あることは、遠くて非常に深い。だれがそれを見きわめることができよう。
25 私は心を転じて、知恵と道理を学び、探り出し、捜し求めた。愚かな者の悪行と狂った者の愚かさを学びとろうとした。
26 私は女が死よりも苦々しいことに気がついた。女はわなであり、その心は網、その手はかせである。神に喜ばれる者は女からのがれるが、罪を犯す者は女に捕らえられる。
27 見よ。「私は道理を見いだそうとして、一つ一つに当たり、見いだしたことは次のとおりである」と伝道者は言う。
28 私はなおも捜し求めているが、見いださない。私は千人のうちに、ひとりの男を見いだしたが、そのすべてのうちに、ひとりの女も見いださなかった。
29 私が見いだした次の事だけに目を留めよ。神は人を正しい者に造られたが、人は多くの理屈を捜し求めたのだ。
八章
1 だれが知恵ある者にふさわしいだろう。
だれが事物の意義を知りえよう。
人の知恵は、その人の顔を輝かし、
その顔の固さを5和らげる。
2 私は6言う。王の命令を守れ。神の誓約があるから。
3 王の前からあわてて退出するな。悪事に荷担するな。王は自分の望むままを何でもするから。
4 王のことばには権威がある。だれが彼に、「あなたは何をするのですか」と言えようか。
5 命令を守る者はわざわいを知らない。
知恵ある者の心は時とさばきを知っている。
6 すべての営みには時とさばきがある。人に降りかかるわざわいが多いからだ。
7 何が起こるかを知っている者はいない。いつ起こるかをだれも告げることはできない。
8 風を支配し、風を止めることのできる人はいない。死の日も支配することはできない。この戦いから放免される者はいない。悪は悪の所有者を救いえない。
9 私はこのすべてを見て、日の下で行われるいっさいのわざ、人が人を支配して、わざわいを与える時について、私の心を用いた。
10 そこで、私は見た。悪者どもが葬られて、行くのを。しかし、正しい行いの者が、聖なる方の所を去り、そうして、町で忘れられるのを。これもまた、むなしい。
11 悪い行いに対する宣告がすぐ下されないので、人の子らの心は悪を行う思いで満ちている。
12罪人が、百度悪事を犯しても、長生きしている。しかし私は、神を恐れる者も、神を敬って、しあわせであることを知っている。
13 悪者にはしあわせがない。その生涯を影のように長くすることはできない。彼らは神を敬わないからだ。
14 しかし、むなしいことが地上で行われている。悪者の行いに対する報いを正しい人がその身に受け、正しい人の行いに対する報いを悪者がその身に受けることがある。これもまた、むなしい、と私は言いたい。
15 私は快楽を賛美する。日の下では、食べて、飲んで、楽しむよりほかに、人にとって良いことはない。これは、日の下で、神が人に与える一生の間に、その労苦に添えてくださるものだ。
16 私は一心に知恵を知り、昼も夜も眠らずに、地上で行われる人の仕事を見ようとしたとき、
17 すべては神のみわざであることがわかった。人は日の下で行われるみわざを見きわめることはできない。人は労苦して捜し求めても、見いだすことはない。知恵ある者が知っていると思っても、見きわめることはできない。
1 というのは、私はこのいっさいを心に留め、正しい人も、知恵のある者も、彼らの働きも、神の御手の中にあることを確かめたからである。彼らの前にあるすべてのものが愛であるか、憎しみであるか、人にはわからない。
2 すべての事はすべての人に同じように起こる。同じ結末が、正しい人にも、悪者にも、善人にも、きよい人にも、汚れた人にも、いけにえをささげる人にも、いけにえをささげない人にも来る。善人にも、罪人にも同様である。誓う者にも、誓うのを恐れる者にも同様である。
3 同じ結末がすべての人に来るということ、これは日の下で行われるすべての事のうちで最も悪い。だから、人の子らの心は悪に満ち、生きている間、その心には狂気が満ち、それから後、死人のところに行く。
4 すべて生きている者に連なっている者には希望がある。生きている犬は死んだ獅子にまさるからである。
5 生きている者は自分が死ぬことを知っているが、死んだ者は何も知らない。彼らにはもはや何の報いもなく、彼らの呼び名も忘れられる。
6 彼らの愛も憎しみも、ねたみもすでに消えうせ、日の下で行われるすべての事において、彼らには、もはや永遠に受ける分はない。
7 さあ、喜んであなたのパンを食べ、
愉快にあなたのぶどう酒を飲め。
神はすでにあなたの行いを喜んでおられる。
8 いつもあなたは白い着物を着、
頭には油を絶やしてはならない。
9 日の下であなたに与えられたむなしい一生の間に、あなたの愛する妻と生活を楽しむがよい。それが、生きている間に、日の下であなたがする労苦によるあなたの受ける分である。
10 あなたの手もとにあるなすべきことはみな、自分の力でしなさい。あなたが行こうとしている7よみには、働きも企ても知識も知恵もないからだ。
11 私は再び、日の下を見たが、競走は足の早い人のものではなく、戦いは勇士のものではなく、またパンは知恵ある人のものではなく、また富は悟りのある人のものではなく、愛顧は知識のある人のものではないことがわかった。すべての人が時と機会に出会うからだ。
12 しかも、人は自分の時を知らない。悪い網にかかった魚のように、わなにかかった鳥のように、人の子らもまた、わざわいの時が突然彼らを襲うと、それにかかってしまう。
13 私はまた、日の下で知恵についてこのようなことを見た。それは私にとって大きなことであった。
14 わずかな人々が住む小さな町があった。そこに大王が攻めて来て、これを包囲し、これに対して大きな8とりでを築いた。
15 ところが、その町に、貧しいひとりの知恵ある者がいて、自分の知恵を用いてその町を解放した。しかし、だれもこの貧しい人を記憶しなかった。
16 私は言う。「知恵は力にまさる。しかし貧しい者の知恵はさげすまれ、彼の言うことも聞かれない。」
17 知恵ある者の静かなことばは、
愚かな者の間の支配者の叫びよりは、
よく聞かれる。
18 知恵は武器にまさり、
ひとりの罪人は多くの良いことを打ちこわす。
1 死んだはえは、
調合した香油を臭くし、発酵させる。
少しの愚かさは、知恵や栄誉よりも重い。
2 知恵ある者の心は右に向き、
愚かな者の心は左に向く。
3 愚か者が道を行くとき、思慮に欠けている。
自分が愚かであることを、みなに知らせる。
4 支配者があなたに向かって立腹しても、
あなたはその場を離れてはならない。
冷静は大きな罪を犯さないようにするから。
5 私は、日の下に一つの悪があるのを見た。
それは
権力者の犯す過失のようなものである。
6 愚か者が非常に高い位につけられ、
富む者が低い席に着けられている。
7 私は奴隷たちが馬に乗り、
君主たちが奴隷のように地を歩くのを見た。
8 穴を掘る者はそれに落ち込み、
石垣をくずす者は蛇にかまれる。
9 石を切り出す者は石で傷つき、
木を割る者は木で危険にさらされる。
10 もし斧が鈍くなったとき、その刃をとがないと、
もっと力がいる。
しかし知恵は人を成功させるのに益になる。
11 もし蛇がまじないにかからずにかみつくなら、
それは蛇使いに何の益にもならない。
12 知恵ある者が口にすることばは優しく、
愚かな者のくちびるはその身を滅ぼす。
13 彼が口にすることばの始まりは、愚かなこと、
彼の口の終わりは、みじめな狂気。
14 愚か者はよくしゃべる。
人はこれから起こることを知らない。
これから後に起こることを
だれが告げることができよう。
15 愚かな者の労苦は、おのれを疲れさせる。
彼は町に行く道さえ知らない。
16 わざわいなことよ。
あなたの王が子どもであって、
あなたの首長たちが朝から食事をする国は。
17 幸いなことよ。
あなたの王が貴族の出であって、
あなたの首長たちが、
酔うためではなく、
力をつけるために、
定まった時に、食事をする国は。
18 なまけていると天井が落ち、
手をこまねいていると雨漏りがする。
19 食事をするのは笑うため。
ぶどう酒は人生を楽しませる。
金銭はすべての必要に応じる。
20 王をのろおうと、ひそかに思ってはならない。
寝室でも富む者をのろってはならない。
なぜなら、空の鳥がその声を持ち運び、
翼のあるものがそのことを告げるからだ。
1 あなたのパンを水の上に投げよ。
ずっと後の日になって、
あなたはそれを見いだそう。
2 あなたの受ける分を七人か八人に分けておけ。
地上でどんなわざわいが起こるか
あなたは知らないのだから。
3 雲が雨で満ちると、それは地上に降り注ぐ。
木が南風や北風で倒されると、
その木は倒れた場所にそのままにある。
4 風を警戒している人は種を蒔かない。
雲を見ている者は刈り入れをしない。
59あなたは妊婦の胎内の骨々のことと同様、風の道がどのようなものかを知らない。そのように、あなたはいっさいを行われる神のみわざを知らない。
6 朝のうちにあなたの種を蒔け。夕方も手を放してはいけない。あなたは、あれか、これか、どこで成功するのか、知らないからだ。二つとも同じようにうまくいくかもわからない。
7 光は快い。太陽を見ることは目のために良い。
8 人は長年生きて、ずっと楽しむがよい。だが、やみの日も数多くあることを忘れてはならない。すべて起こることはみな、むなしい。
9若い男よ。若いうちに楽しめ。若い日にあなたの心を喜ばせよ。あなたの心のおもむくまま、あなたの目の望むままに歩め。しかし、これらすべての事において、あなたは神のさばきを受けることを知っておけ。
10 だから、あなたの心から悲しみを除き、あなたの肉体から痛みを取り去れ。若さも、青春も、むなしいからだ。
1 あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また「何の喜びもない」と言う年月が近づく前に。
2 太陽と光、月と星が暗くなり、雨の後にまた雨雲がおおう前に。
3 その日には、家を守る者は震え、力のある男たちは身をかがめ、粉ひき女たちは少なくなって仕事をやめ、窓からながめている女の目は暗くなる。
4 通りのとびらは閉ざされ、臼をひく音も低くなり、人は鳥の声に起き上がり、歌を歌う娘たちはみなうなだれる。
5 彼らはまた高い所を恐れ、道でおびえる。アーモンドの花は咲き、いなごはのろのろ歩き、ふうちょうぼくは花を開く。だが、人は永遠の家へと歩いて行き、嘆く者たちが通りを歩き回る。
6 こうしてついに、銀のひもは切れ、金の器は打ち砕かれ、水がめは泉のかたわらで砕かれ、滑車が井戸のそばでこわされる。
7 ちりはもとあった地に帰り、霊はこれを下さった神に帰る。
8空の空。伝道者は言う。すべては空。
9 伝道者は知恵ある者であったが、そのうえ、知識を民に教えた。彼は思索し、探求し、多くの箴言をまとめた。
10 伝道者は適切なことばを見いだそうとし、真理のことばを正しく書き残した。
11知恵ある者のことばは突き棒のようなもの、編集されたものはよく打ちつけられた釘のようなものである。これらはひとりの羊飼いによって与えられた。
12 わが子よ。これ以外のことにも注意せよ。多くの本を作ることには、限りがない。多くのものに熱中すると、からだが疲れる。
13 結局のところ、もうすべてが聞かされていることだ。神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである。
14 神は、善であれ悪であれ、すべての隠れたことについて、すべてのわざをさばかれるからだ。
雅歌
1 ソロモンの1雅歌
2 あの方が私に
口づけしてくださったらよいのに。
あなたの愛はぶどう酒よりも快く、
3 あなたの香油のかおりはかぐわしく、
あなたの名はそそがれる香油のよう。
それで、おとめらはあなたを愛しています。
4 私を引き寄せてください。
私たちはあなたのあとから急いでまいります。
王は私を奥の間に連れて行かれました。
私たちはあなたによって楽しみ喜び、
あなたの愛をぶどう酒にまさってほめたたえ、
真心からあなたを愛しています。
5 エルサレムの娘たち。
私はケダルの天幕のように、
ソロモンの幕のように、
黒いけれども美しい。
6 私をご覧にならないでください。
私は日に焼けて、黒いのです。
私の母の子らが私に向かっていきりたち、
私をぶどう畑の見張りに立てたのです。
しかし、私は自分のぶどう畑は
見張りませんでした。
7 私の愛している人。どうか教えてください。
どこで羊を飼い、
昼の間は、どこでそれを休ませるのですか。
あなたの仲間の群れのかたわらで、
私はなぜ、
顔おおいをつけた女のようにしていなければ
ならないのでしょう。
8 女のなかで最も美しい人よ。
あなたがこれを知らないのなら、
羊の群れの足跡について行き、
羊飼いの住まいのかたわらで、
あなたの子やぎを飼いなさい。
9 わが愛する者よ。私はあなたを
パロの戦車の雌馬になぞらえよう。
10 あなたの頰には飾り輪がつき、
首には宝石をちりばめた
首飾りがつけてあって、美しい。
11 私たちは銀をちりばめた金の飾り輪を
あなたのために作ろう。
12 王が2うたげの座に着いておられる間、
私のナルドはかおりを放ちました。
13 私の愛する方は、私にとっては、
この乳房の間に宿る没薬の袋のようです。
14 私の愛する方は、私にとっては、
エン・ゲディのぶどう畑にある
ヘンナ樹の花ぶさのようです。
15 ああ、わが愛する者。
あなたはなんと美しいことよ。
なんと美しいことよ。あなたの目は鳩のようだ。
16 私の愛する方。
あなたはなんと美しく、慕わしい方でしょう。
私たちの長いいすは青々としています。
17 私たちの家の梁は杉の木、
その3たるきは糸杉です。
1 私はシャロンのサフラン、
谷のゆりの花。
2 わが愛する者が娘たちの間にいるのは、
いばらの中のゆりの花のようだ。
3 私の愛する方が
若者たちの間におられるのは、
林の木の中のりんごの木のようです。
私はその陰にすわりたいと切に望みました。
その実は私の口に甘いのです。
4 あの方は私を酒宴の席に伴われました。
私の上に翻るあの方の旗じるしは愛でした。
5干しぶどうの菓子で私を力づけ、
りんごで私を元気づけてください。
私は愛に病んでいるのです。
6 ああ、あの方の左の腕が私の頭の下にあり、
右の手が私を抱いてくださるとよいのに。
7 エルサレムの娘たち。
私は、かもしかや野の雌鹿をさして、
あなたがたに誓っていただきます。
揺り起こしたり、かき立てたりしないでください。
愛が目ざめたいと思うときまでは。
8愛する方の声。
ご覧、あの方が来られます。
山々をとび越え、丘々の上をはねて。
9 私の愛する方は、
かもしかや若い鹿のようです。
ご覧、あの方は私たちの壁のうしろに
じっと立ち、窓からのぞき、
格子越しにうかがっています。
10 私の愛する方は、
私に語りかけて言われます。
「わが愛する者、美しいひとよ。
さあ、立って、出ておいで。
11 ほら、冬は過ぎ去り、
大雨も通り過ぎて行った。
12 地には花が咲き乱れ、
歌の季節がやって来た。
山鳩の声が、私たちの国に聞こえる。
13 いちじくの木は実をならせ、
ぶどうの木は、花をつけてかおりを放つ。
わが愛する者、美しいひとよ。
さあ、立って、出ておいで。
14 岩の裂け目、がけの隠れ場にいる私の鳩よ。
私に、顔を見せておくれ。
あなたの声を聞かせておくれ。
あなたの声は愛らしく、あなたの顔は美しい。
15 『私たちのために、
ぶどう畑を荒らす狐や小狐を捕らえておくれ。』
私たちのぶどう畑は花盛りだから。」
16 私の愛する方は私のもの。
私はあの方のもの。
あの方はゆりの花の間で群れを飼っています。
17 私の愛する方よ。
そよ風が吹き始め、影が消え去るころまでに、
あなたは帰って来て、
険しい山々の上のかもしかや、
若い鹿のようになってください。
1 私は、夜、床についても、
私の愛している人を捜していました。
私が捜しても、あの方は見あたりませんでした。
2 「さあ、起きて町を行き巡り、通りや広場で、
私の愛している人を捜して来よう。」
私が捜しても、
あの方は見あたりませんでした。
3 町を行き巡る夜回りたちが私を見つけました。
「私の愛している人を、
あなたがたはお見かけになりませんでしたか。」
4 彼らのところを通り過ぎると間もなく、
私の愛している人を私は見つけました。
この方をしっかりつかまえて、放さず、
とうとう、私の母の家に、
私をみごもった人の奥の間に、お連れしました。
5 エルサレムの娘たち。
私は、かもしかや野の雌鹿をさして、
あなたがたに誓っていただきます。
揺り起こしたり、かき立てたりしないでください。
愛が目ざめたいと思うときまでは。
6没薬や乳香、
貿易商人のあらゆる香料の粉末をくゆらして、
煙の柱のように荒野から上って来るひとはだれ。
7 見なさい。あれはソロモンの乗るみこし。
その回りには、イスラエルの勇士、
六十人の勇士がいる。
8 彼らはみな剣を帯びている練達の戦士たち。
夜襲に備えて、おのおの腰に剣を帯びている。
9 ソロモン王は、レバノンの木で
自分のためにみこしを作った。
10 その支柱は銀、背は金、
その座席は紫色の布で作った。
その内側はエルサレムの娘たちによって
美しく切りばめ細工がされている。
11 シオンの娘たち。ソロモン王を見に出かけなさい。
ご自分の婚礼の日、心の喜びの日のために、
母上からかぶらせてもらった冠をかぶっている。
1 ああ、わが愛する者。
あなたはなんと美しいことよ。
なんと美しいことよ。
あなたの目は、顔おおいのうしろで鳩のようだ。
あなたの髪は、ギルアデの山から降りて来る
やぎの群れのよう、
2 あなたの歯は、洗い場から上って来て
毛を刈られる雌羊の群れのようだ。
それはみな、ふたごを産み、
ふたごを産まないものは一頭もいない。
3 あなたのくちびるは紅の糸。
あなたの口は愛らしい。
あなたの頬は、顔おおいのうしろにあって、
ざくろの片割れのようだ。
4 あなたの首は、兵器庫のために建てられた
ダビデのやぐらのようだ。
その上には千の盾が掛けられていて、
みな勇士の丸い小盾だ。
5 あなたの二つの乳房は、
ゆりの花の間で草を食べているふたごのかもしか、
二頭の子鹿のようだ。
6 そよ風が吹き始め、影が消え去るころまでに、
私は没薬の山、乳香の丘に行こう。
7 わが愛する者よ。あなたのすべては美しく、
あなたには何の汚れもない。
8花嫁よ。私といっしょにレバノンから、
私といっしょにレバノンから来なさい。
アマナの頂から、
セニル、すなわちヘルモンの頂から、
獅子のほら穴、ひょうの山から4降りて来なさい。
9 私の妹、花嫁よ。
あなたは私の心を奪った。
あなたのただ一度のまなざしと、
あなたの首飾りのただ一つの宝石で、
私の心を奪ってしまった。
10 私の妹、花嫁よ。
あなたの愛は、なんと麗しいことよ。
あなたの愛は、ぶどう酒よりもはるかにまさり、
あなたの香油のかおりは、
すべての香料にもまさっている。
11花嫁よ。あなたのくちびるは蜂蜜をしたたらせ、
あなたの舌の裏には蜜と乳がある。
あなたの着物のかおりは、
レバノンのかおりのようだ。
12 私の妹、花嫁は、
閉じられた庭、閉じられた源、封じられた泉。
13 あなたの産み出すものは、
最上の実をみのらすざくろの園、
ヘンナ樹にナルド、
14 ナルド、サフラン、菖蒲、
肉桂に、乳香の取れるすべての木、
没薬、アロエに、香料の最上のものすべて、
15 庭の泉、湧き水の井戸、
レバノンからの流れ。
16 北風よ、起きよ。南風よ、吹け。
私の庭に吹き、そのかおりを漂わせておくれ。
私の愛する方が庭に入り、
その最上の実を食べることができるように。
1 私の妹、花嫁よ。
私は、私の庭に入り、
没薬と香料を集め、蜂の巣と蜂蜜を食べ、
ぶどう酒と乳を飲む。
友よ、食べよ。
飲め。愛する人たちよ。大いに飲め。
2 私は眠っていましたが、心はさめていました。
戸をたたいている愛する方の声。
「わが妹、わが愛する者よ。
戸をあけておくれ。
私の鳩よ。汚れのないものよ。
私の頭は露にぬれ、
髪の毛も夜のしずくでぬれている。」
3 私は着物を脱いでしまった。
どうしてまた、着られましょう。
足も洗ってしまった。
どうしてまた、よごせましょう。
4 私の愛する方が戸の穴から手を差し入れました。
私の心は、あの方のために立ち騒ぎました。
5 私は起きて、
私の愛する方のために戸をあけました。
私の手から没薬が、私の指から没薬の液が、
かんぬきの取っ手の上にしたたりました。
6 私が、愛する方のために戸をあけると、
愛する方は、背を向けて去って行きました。
5あの方のことばで、私は気を失いました。
私が捜しても、
あの方は見あたりませんでした。
私が呼んでも、答えはありませんでした。
7 町を行き巡る夜回りたちが私を見つけました。
彼らは私を打ち、傷つけました。
城壁を守る者たちも、
私のかぶり物をはぎ取りました。
8 エルサレムの娘たち。誓ってください。
あなたがたが私の愛する方を見つけたら、
あの方に何と言ってくださるでしょう。
私が愛に病んでいる、と言ってください。
9 女のなかで最も美しい人よ。
あなたの愛する方は、ほかの愛人より
何がすぐれているのですか。
あなたがそのように私たちに6切に願うとは。
あなたの愛する方は、ほかの愛人より
何がすぐれているのですか。
10 私の愛する方は、輝いて、赤く、
万人よりすぐれ、
11 その頭は純金です。
髪の毛はなつめやしの枝で、烏のように黒く、
12 その目は、乳で洗われ、池のほとりで休み、
水の流れのほとりにいる鳩のようです。
13 その頰は、良いかおりを放つ香料の花壇のよう。
くちびるは没薬の液をしたたらせるゆりの花。
14 その腕は、タルシシュの宝石をはめ込んだ
金の棒。
からだは、サファイヤでおおった象牙の細工。
15 その足は、純金の台座に据えられた大理石の柱。
その姿はレバノンのよう。杉のようにすばらしい。
16 そのことばは甘いぶどう酒。
あの方のすべてがいとしい。
エルサレムの娘たち。
これが私の愛する方、これが私の連れ合いです。
1 女のなかで最も美しい人よ。
あなたの愛する方は、どこへ行かれたのでしょう。
あなたの愛する方は、
どこへ向かわれたのでしょう。
私たちも、あなたといっしょに捜しましょう。
2 私の愛する方は、
自分の庭、香料の花壇へ下って行かれました。
庭の中で群れを飼い、ゆりの花を集めるために。
3 私は、私の愛する方のもの。
私の愛する方は私のもの。
あの方はゆりの花の間で群れを飼っています。
4 わが愛する者よ。
あなたはティルツァのように美しく、
エルサレムのように愛らしい。
だが、7旗を掲げた軍勢のように恐ろしい。
5 あなたの目を私からそらしておくれ。
それが私をひきつける。
あなたの髪は、ギルアデから降りて来る
やぎの群れのよう、
6 あなたの歯は、洗い場から上って来た
雌羊の群れのようだ。
それはみな、ふたごを産み、
ふたごを産まないものは一頭もいない。
7 あなたの頰は、顔おおいのうしろにあって、
ざくろの片割れのようだ。
8王妃は六十人、そばめは八十人、
おとめたちは数知れない。
9汚れのないもの、私の鳩はただひとり。
彼女は、その母のひとり子、
彼女を産んだ者の愛する子。
娘たちは彼女を見て、幸いだと言い、
王妃たち、そばめたちも彼女をほめた。
10 「暁の光のように見おろしている、
月のように美しい、
太陽のように明るい、
旗を掲げた軍勢のように恐ろしいもの。
それはだれか。」
11 私はくるみの木の庭へ下って行きました。
谷の新緑を見るために。
ぶどうの木が芽を出したか、
ざくろの花が咲いたかを見るために。
12 私自身が知らないうちに、
私は民の高貴な人の車に乗せられていました。
13 帰れ。帰れ。シュラムの女よ。
帰れ。帰れ。私たちはあなたを見たい。
どうしてあなたがたはシュラムの女を見るのです。
8二つの陣営の舞のように。
1高貴な人の娘よ。
サンダルの中のあなたの足はなんと美しいことよ。
あなたの丸みを帯びたももは、
名人の手で作られた飾りのようだ。
2 あなたのほぞは、混ぜ合わせたぶどう酒の
尽きることのない丸い杯。
あなたの腹は、ゆりの花で囲まれた小麦の山。
3 あなたの二つの乳房は、ふたごのかもしか、
二頭の子鹿。
4 あなたの首は、象牙のやぐらのようだ。
あなたの目は、バテ・ラビムの門のほとり、
ヘシュボンの池。
あなたの鼻は、ダマスコのほうを見張っている
レバノンのやぐらのようだ。
5 あなたの頭はカルメル山のようにそびえ、
あなたの乱れた髪は紫色。
王はその9ふさふさした髪のとりこになった。
6 ああ、慰めに満ちた愛よ。
あなたはなんと美しく、快いことよ。
7 あなたの背たけはなつめやしの木のよう、
あなたの乳房はぶどうのふさのようだ。
8 私は言った。
「なつめやしの木に登り、その枝をつかみたい。
あなたの乳房はぶどうのふさのように、
あなたの息はりんごのかおりのようであれ。
9 あなたのことばは、良いぶどう酒のようだ。
私の愛に対して、なめらかに流れる。
眠っている者のくちびるを流れる。」
10 私は、私の愛する方のもの。
あの方は私を恋い慕う。
11 さあ、私の愛する方よ。野に出て行って、
ヘンナ樹の花の中で夜を過ごしましょう。
12 私たちは朝早くからぶどう畑に行き、
ぶどうの木が芽を出したか、
花が咲いたか、
ざくろの花が咲いたかどうかを見て、
そこで私の愛をあなたにささげましょう。
13恋なすびは、かおりを放ち、
私たちの門のそばには、
新しいのも、古いのも、
すべて、最上の物があります。
私の愛する方よ。
これはあなたのためにたくわえたものです。
1 ああ、もし、あなたが私の母の乳房を吸った
私の兄弟のようであったなら、
私が外であなたに出会い、
あなたに口づけしても、
だれも私をさげすまないでしょうに。
2 私はあなたを導き、
私を育てた私の母の家にお連れして、
香料を混ぜたぶどう酒、ざくろの果汁を
あなたに飲ませてあげましょう。
3 ああ、あの方の左の腕が私の頭の下にあり、
右の手が私を抱いてくださるとよいのに。
4 エルサレムの娘たち。
私はあなたがたに誓っていただきます。
揺り起こしたり、かき立てたりしないでください。
愛が目ざめたいと思うときまでは。
5 自分の愛する者に寄りかかって、
荒野から上って来るひとはだれでしょう。
私はりんごの木の下で
あなたの目をさまさせた。
そこはあなたの母があなたのために
産みの苦しみをした所。
そこはあなたを産んだ者が
産みの苦しみをした所。
6 私を封印のようにあなたの心臓の上に、
封印のようにあなたの腕につけてください。
愛は死のように強く、
ねたみは10よみのように激しいからです。
その炎は火の炎、すさまじい炎です。
7 大水もその愛を消すことができません。
洪水も押し流すことができません。
もし、人が愛を得ようとして、
自分の財産をことごとく与えても、
ただのさげすみしか得られません。
8 私たちの妹は若く、乳房もない。
私たちの妹に縁談のある日には、
彼女のために何をしてあげよう。
9 もし、彼女が城壁だったら、
その上に銀の胸壁を建てよう。
彼女が戸であったら、
杉の板で囲もう。
10 私は城壁、私の乳房はやぐらのよう。
それで、私はあの方の目には
平安をもたらす者のようになりました。
11 ソロモンにはバアル・ハモンにぶどう畑があった。
彼はぶどう畑を、守る者に任せ、
おのおのその収穫によって
銀千枚を納めることになっていた。
12 私が持っているぶどう畑が私の前にある。
ソロモンよ。あなたには銀千枚、
その実を守る者には銀二百枚。
13 庭の中に住む仲間たちは、
あなたの声に耳を傾けている。
私にそれを聞かせよ。
14 私の愛する方よ。急いでください。
香料の山々の上のかもしかや、
若い鹿のようになってください。
イザヤ書
1 アモツの子イザヤの幻。これは彼が、ユダとエルサレムについて、ユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代に見たものである。
2 天よ、聞け。地も耳を傾けよ。
主が語られるからだ。
「子らはわたしが大きくし、育てた。
しかし彼らはわたしに逆らった。
3 牛はその飼い主を、
ろばは持ち主の飼葉おけを知っている。
それなのに、イスラエルは知らない。
わたしの民は悟らない。」
4 ああ。罪を犯す国、咎重き民、
悪を行う者どもの子孫、堕落した子ら。
彼らは主を捨て、
イスラエルの聖なる方を侮り、
背を向けて離れ去った。
5 あなたがたは、なおも
どこを打たれようというのか。
反逆に反逆を重ねて。
頭は残すところなく病にかかり、
心臓もすっかり弱り果てている。
6 足の裏から頭まで、
健全なところはなく、
傷と、打ち傷と、打たれた生傷。
絞り出してももらえず、
包んでももらえず、
油で和らげてももらえない。
7 あなたがたの国は荒れ果てている。
あなたがたの町々は火で焼かれ、
畑は、あなたがたの前で、他国人が食い荒らし、
1他国人の破滅にも似て荒れ果てている。
8 しかし、シオンの娘は残された。
あたかもぶどう畑の小屋のように、
きゅうり畑の番小屋のように、
包囲された町のように。
9 もしも、万軍の主が、少しの生き残りの者を
私たちに残されなかったら、
私たちもソドムのようになり、
ゴモラと同じようになっていた。
10 聞け。ソドムの首領たち。主のことばを。
耳を傾けよ。ゴモラの民。
私たちの神のみおしえに。
11 「あなたがたの多くのいけにえは、
わたしに何になろう」と、主は仰せられる。
「わたしは、雄羊の全焼のいけにえや、
肥えた家畜の脂肪に飽きた。
雄牛、子羊、雄やぎの血も喜ばない。
12 あなたがたは、わたしに会いに出て来るが、
だれが、わたしの庭を踏みつけよ、と
あなたがたに求めたのか。
13 もう、むなしいささげ物を携えて来るな。
香の煙──それもわたしの忌みきらうもの。
新月の祭りと安息日──会合の召集、
不義と、きよめの集会、
これにわたしは耐えられない。
14 あなたがたの新月の祭りや例祭を、
わたしの心は憎む。
それはわたしの重荷となり、
わたしは負うのに疲れ果てた。
15 あなたがたが手を差し伸べて祈っても、
わたしはあなたがたから目をそらす。
どんなに祈りを増し加えても、聞くことはない。
あなたがたの手は血まみれだ。
16 洗え。身をきよめよ。
わたしの前で、あなたがたの悪を取り除け。
悪事を働くのをやめよ。
17 善をなすことを習い、
公正を求め、しいたげる者を正し、
みなしごのために正しいさばきをなし、
やもめのために弁護せよ。」
18 「さあ、来たれ。論じ合おう」と主は仰せられる。
「たとい、あなたがたの罪が緋のように赤くても、
雪のように白くなる。
たとい、紅のように赤くても、
羊の毛のようになる。
19 もし喜んで聞こうとするなら、あなたがたは、
この国の良い物を食べることができる。
20 しかし、もし拒み、そむくなら、
あなたがたは剣にのまれる」と、
主の御口が語られたからである。
21 どうして、遊女になったのか、忠信な都が。
公正があふれ、正義がそこに宿っていたのに。
今は人殺しばかりだ。
22 おまえの銀は、かなかすになった。
おまえの良い酒も、水で割ってある。
23 おまえのつかさたちは反逆者、盗人の仲間。
みな、わいろを愛し、報酬を追い求める。
みなしごのために正しいさばきをせず、
やもめの訴えも2彼らは取り上げない。
24 それゆえに、──万軍の主、
イスラエルの全能者、主の御告げ──
「ああ。
わたしの仇に思いを晴らし、
わたしの敵に復讐しよう。
25 しかし、おまえの上に再びわが手を伸ばし、
おまえのかなかすを灰汁のように溶かし、
その浮きかすをみな除こう。
26 こうして、
おまえのさばきつかさたちを初めのように、
おまえの議官たちを昔のようにしよう。
そうして後、
おまえは正義の町、忠信な都と呼ばれよう。」
27 シオンは公正によって贖われ、
その町の悔い改める者は
正義によって贖われる。
28 そむく者は罪人とともに破滅し、
主を捨てる者は、うせ果てる。
29 まことに、彼らは、
あなたがたの慕った樫の木で恥を見、
あなたがたは、
みずから選んだ園によって
はずかしめを受けよう。
30 あなたがたは葉のしぼんだ樫の木のように、
水のない園のようになるからだ。
31 つわものは麻くずに、
そのわざは火花になり、
その二つとも燃え立って、これを消す者がいない。
1 アモツの子イザヤが、ユダとエルサレムについて示された先見のことば。
2 終わりの日に、
主の家の山は、山々の頂に堅く立ち、
丘々よりもそびえ立ち、
すべての国々がそこに流れて来る。
3 多くの民が来て言う。
「さあ、主の山、ヤコブの神の家に上ろう。
主はご自分の道を、私たちに教えてくださる。
私たちはその小道を歩もう。」
それは、シオンからみおしえが出、
エルサレムから主のことばが出るからだ。
4 主は国々の間をさばき、
多くの国々の民に、判決を下す。
彼らはその剣を鋤に、
その槍をかまに打ち直し、
国は国に向かって剣を上げず、
二度と戦いのことを習わない。
5 来たれ。ヤコブの家よ。
私たちも主の光に歩もう。
6 まことに、あなたは、
あなたの民、ヤコブの家を捨てられた。
彼らがペリシテ人のように
東方からの者、卜者で満ち、
外国人の子らであふれているからだ。
7 その国は金や銀で満ち、その財宝は限りなく、
その国は馬で満ち、その戦車も数限りない。
8 その国は偽りの神々で満ち、
彼らは、自分の手で造った物、
指で造った物を拝んでいる。
9 こうして人はかがめられ、人間は低くされた。
──彼らをお赦しにならないように。──
10 岩の間に入り、
ちりの中に身を隠せ。
主の恐るべき御顔を避け、
そのご威光の輝きを避けて。
11 その日には、高ぶる者の目も低くされ、
高慢な者もかがめられ、
主おひとりだけが高められる。
12 まことに、万軍の主の日は、
すべておごり高ぶる者、すべて誇る者に
襲いかかり、これを低くする。
13 高くそびえるレバノンのすべての杉の木と、
バシャンのすべての樫の木、
14 すべての高い山々と、すべてのそびえる峰々、
15 すべてのそそり立つやぐらと、堅固な城壁、
16 タルシシュのすべての船、
すべての慕わしい船に襲いかかる。
17 その日には、高ぶる者はかがめられ、
高慢な者は低くされ、
主おひとりだけが高められる。
18 偽りの神々は消えうせる。
19 主が立ち上がり、地をおののかせるとき、
人々は主の恐るべき御顔を避け、
ご威光の輝きを避けて、
岩のほら穴や、土の穴に入る。
20 その日、人は、拝むために造った
銀の偽りの神々と金の偽りの神々を、
もぐらや、こうもりに投げやる。
21 主が立ち上がり、地をおののかせるとき、
人々は主の恐るべき御顔を避け、
ご威光の輝きを避けて、
岩の割れ目、巌の裂け目に入る。
22 鼻で息をする人間をたよりにするな。
そんな者に、何の値うちがあろうか。
1 まことに、見よ、万軍の主、主は、
エルサレムとユダから、
ささえとたよりを除かれる。
──すべて頼みのパン、すべて頼みの水、
2 勇士と戦士、さばきつかさと預言者、
占い師と長老、
3 五十人隊の長と高官、議官と賢い細工人、
巧みにまじないをかける者。
4 わたしは、若い者たちを彼らのつかさとし、
気まぐれ者に彼らを治めさせる。
5 民はおのおの、仲間同士で相しいたげ、
若い者は年寄りに向かって高ぶり、
身分の低い者は高貴な者に向かって高ぶる。
6 そのとき、人が父の家で、
自分の兄弟をとらえて言う。
「あなたは着る物を持っている。
私たちの首領になってくれ。
この乱れた世を、あなたの手で治めてくれ。」
7 その日、彼は声を張り上げて言う。
「私は医者にはなれない。
私の家にはパンもなく、着る物もない。
私を民の首領にはしてくれるな。」
8 これはエルサレムがつまずき、
ユダが倒れたからであり、
彼らの舌と行いとが主にそむき、
3主のご威光に逆らったからである。
9 彼らの顔つきが、
4そのことを表している。
彼らは罪を、ソドムのように現して、
隠そうともしなかった。
ああ、彼らにわざわいあれ。
彼らは悪の報いを受けるからだ。
10 義人は幸いだと言え。
彼らは、その行いの実を食べる。
11 悪者にはわざわいあれ。
わざわいが彼にふりかかり、
その手の報いがふりかかる。
12 わが民よ。幼子が彼をしいたげ、
女たちが彼を治める。
わが民よ。あなたの指導者は迷わす者、
あなたの歩む道をかき乱す。
13 主は論争するために立ち上がり、
民をさばくために立つ。
14 主は民の長老たちや、民のつかさたちと、
さばきの座に入る。
「あなたがたは、ぶどう畑を荒れすたらせ、
貧しい者からかすめた物を、
あなたがたの家に置いている。
15 なぜ、あなたがたは、わが民を砕き、
貧しい者の顔をすりつぶすのか。
──万軍の神、主の御告げ──」
16 主は仰せられた。
「シオンの娘たちは高ぶり、
首を伸ばし、色目を使って歩き、
足に鈴を鳴らしながら小またで歩いている。」
それゆえ、
17 主はシオンの娘たちの頭の頂を
かさぶただらけにし、
主はその額をむき出しにされる。
18 その日、主はもろもろの飾り──足飾り、髪の輪飾り、三日月形の飾り物、
19耳輪、腕輪、ベール、
20頭飾り、くるぶしの鎖、飾り帯、5香の入れ物、お守り札、
21 指輪、鼻輪、
22礼服、羽織、外套、財布、
23 手鏡、亜麻布の着物、ターバン、かぶり物を除かれる。
24 こうして、良いかおりは腐ったにおいとなり、
帯は荒なわ、
結い上げた髪ははげ頭、
晴れ着は荒布の腰巻きとなる。
その美しさは焼け傷となる。
25 あなたの男たちは剣に倒れ、
あなたの勇士たちは戦いに倒れ、
26 その門はみな、悲しみ嘆き、
シオンはさびれ果てて地に座す。
1 その日、七人の女が
ひとりの男にすがりついて言う。
「私たちは自分たちのパンを食べ、
自分たちの着物を着ます。
私たちをあなたの名で呼ばれるようにし、
私たちへのそしりを除いてください。」
2 その日、主の若枝は、麗しく、栄光に輝き、
地の実は、イスラエルののがれた者の
威光と飾りになる。
3 シオンに残された者、エルサレムに残った者は、聖と呼ばれるようになる。みなエルサレムでいのちの6書にしるされた者である。
4 主が、さばきの霊と焼き尽くす霊によって、シオンの娘たちの7汚れを洗い、エルサレムの血をその中からすすぎ清めるとき、
5主は、シオンの山のすべての場所とその会合の上に、昼は雲、夜は煙と燃える火の輝きを創造される。それはすべての栄光の上に、おおいとなり、仮庵となり、
6 昼は暑さを避ける陰となり、あらしと雨を防ぐ避け所と隠れ家になるからだ。
1 「さあ、わが愛する者のためにわたしは歌おう。
そのぶどう畑についてのわが愛の歌を。
わが愛する者は、よく肥えた山腹に、
ぶどう畑を持っていた。
2 彼はそこを掘り起こし、石を取り除き、
そこに良いぶどうを植え、
その中にやぐらを立て、酒ぶねまでも掘って、
甘いぶどうのなるのを待ち望んでいた。
ところが、酸いぶどうができてしまった。
3 そこで今、エルサレムの住民とユダの人よ、
さあ、わたしとわがぶどう畑との間をさばけ。
4 わがぶどう畑になすべきことで、
なお、何かわたしがしなかったことがあるのか。
なぜ、甘いぶどうのなるのを待ち望んだのに、
酸いぶどうができたのか。
5 さあ、今度はわたしが、あなたがたに知らせよう。
わたしがわがぶどう畑に対してすることを。
その垣を除いて、荒れすたれるに任せ、
その石垣をくずして、踏みつけるままにする。
6 わたしは、これを滅びるままにしておく。
8枝はおろされず、草は刈られず、
いばらとおどろが生い茂る。
わたしは雲に命じて、
この上に雨を降らせない。」
7 まことに、万軍の主のぶどう畑はイスラエルの家。
ユダの人は、主が喜んで植えつけたもの。
主は公正を待ち望まれたのに、見よ、流血。
正義を待ち望まれたのに、見よ、泣き叫び。
8 ああ。家に家を連ね、
畑に畑を寄せている者たち。
あなたがたは余地も残さず、
自分たちだけが国の中に住もうとしている。
9 私の耳に、万軍の主は告げられた。
「必ず、多くの家は荒れすたれ、
大きな美しい家々も住む人がなくなる。
10 十9ツェメドのぶどう畑が一バテを産し、
一ホメルの種が一エパを産するからだ。」
11 ああ。朝早くから強い酒を追い求め、
夜をふかして、ぶどう酒をあおっている者たち。
12 彼らの酒宴には、立琴と十弦の琴、
タンバリンと笛とぶどう酒がある。
彼らは、主のみわざを見向きもせず、
御手のなされたことを見もしない。
13 それゆえ、わが民は無知のために捕らえ移される。
10その貴族たちは、飢えた人々。
その群衆は、渇きで干からびる。
14 それゆえ、11よみは、のどを広げ、
口を限りなくあける。
その威光も、その騒音も、そのどよめきも、
そこでの歓声も、よみに落ち込む。
15 こうして人はかがめられ、人間は低くされ、
高ぶる者の目も低くされる。
16 しかし、万軍の主は、さばきによって高くなり、
聖なる神は正義によって、
みずから聖なることを示される。
17 子羊は自分の牧場にいるように草を食べ、
肥えた獣は廃墟にとどまって食をとる。
18 ああ。
うそを綱として咎を引き寄せ、
車の手綱でするように、
罪を引き寄せている者たち。
19 彼らは言う。「彼のすることを早くせよ。
急がせよ。それを見たいものだ。
イスラエルの聖なる方のはかりごとが、
近づけばよい。それを知りたいものだ」と。
20 ああ。
悪を善、善を悪と言っている者たち。
彼らはやみを光、光をやみとし、
苦みを甘み、甘みを苦みとしている。
21 ああ。おのれを知恵ある者とみなし、
おのれを、悟りがある者と見せかける者たち。
22 ああ。酒を飲むことでの勇士、
強い酒を混ぜ合わせることにかけての豪の者。
23 彼らはわいろのために、悪者を正しいと宣言し、
義人からその義を取り去っている。
24 それゆえ、火の舌が刈り株を焼き尽くし、
炎が枯れ草をなめ尽くすように、
彼らの根は腐れ、
その花も、ちりのように舞い上がる。
彼らが万軍の主のみおしえをないがしろにし、
イスラエルの聖なる方のみことばを
侮ったからだ。
25 このゆえに、主の怒りが、その民に向かって燃え、
これに御手を伸ばして打った。
山々は震え、彼らのしかばねは、
ちまたで、あくたのようになった。
それでも、御怒りは去らず、
なおも、御手は伸ばされている。
26 主が遠く離れた国に旗を揚げ、
地の果てから来るように合図されると、
見よ、それは急いで、すみやかに来る。
27 その中には、疲れる者もなく、つまずく者もない。
それはまどろまず、眠らず、
その腰の帯は解けず、
くつひもも切れない。
28 その矢はとぎすまされ、
弓はみな張ってあり、
馬のひづめは火打石のように、
その車輪はつむじ風のように思われる。
29 それは、獅子のようにほえる。
若獅子のようにほえ、うなり、
獲物を捕らえる。
救おうとしても救い出す者がいない。
30 その日、その民は海のとどろきのように、
12イスラエルにうなり声をあげる。
地を見やると、
見よ、やみと苦しみ。
光さえ雨雲の中で暗くなる。
1 ウジヤ王が死んだ年に、私は、高くあげられた王座に座しておられる主を見た。そのすそは13神殿に満ち、
2 セラフィムがその上に立っていた。彼らはそれぞれ六つの翼があり、おのおのその二つで顔をおおい、二つで両足をおおい、二つで飛んでおり、
3互いに呼びかわして言っていた。
「聖なる、聖なる、聖なる、万軍の主。
その栄光は全地に満つ。」
4 その叫ぶ者の声のために、14敷居の基はゆるぎ、宮は煙で満たされた。
5 そこで、私は言った。
「15ああ。私は、もうだめだ。
私はくちびるの汚れた者で、
くちびるの汚れた民の間に住んでいる。
しかも万軍の主である王を、
この目で見たのだから。」
6 すると、私のもとに、セラフィムのひとりが飛んで来たが、その手には、祭壇の上から火ばさみで取った燃えさかる炭があった。
7 彼は、私の口に触れて言った。
「見よ。これがあなたのくちびるに触れたので、
あなたの不義は取り去られ、
あなたの罪も贖われた。」
8 私は、「だれを遣わそう。だれが、われわれのために行くだろう」と言っておられる主の声を聞いたので、言った。「ここに、私がおります。私を遣わしてください。」
9 すると仰せられた。
「行って、この民に言え。
『聞き続けよ。だが悟るな。
見続けよ。だが知るな。』
10 この民の心を肥え鈍らせ、
その耳を遠くし、その目を堅く閉ざせ。
自分の目で見ず、自分の耳で聞かず、
自分の心で悟らず、
立ち返っていやされることのないように。」
11 私が「主よ、いつまでですか」と言うと、主は仰せられた。
「町々は荒れ果てて、住む者がなく、
家々も人がいなくなり、
土地も滅んで荒れ果て、
12 主が人を遠くに移し、
国の中に捨てられた所がふえるまで。
13 そこにはなお、十分の一が残るが、
それもまた、焼き払われる。
テレビンの木や樫の木が
切り倒されるときのように。
しかし、その中に切り株がある。
聖なるすえこそ、その切り株。」
1 ウジヤの子のヨタムの子、ユダの王アハズの時のこと、アラムの王レツィンと、イスラエルの王レマルヤの子ペカが、エルサレムに上って来てこれを攻めたが、戦いに勝てなかった。
2 ところが、「エフライムにアラムがとどまった」という報告がダビデの家に告げられた。すると、王の心も民の心も、林の木々が風で揺らぐように動揺した。
3 そこで主はイザヤに仰せられた。「あなたとあなたの子シェアル・ヤシュブとは出かけて行って、布さらしの野への大路のそばにある上の池の水道の端でアハズに会い、
4 そこで彼に言え。
気をつけて、静かにしていなさい。恐れてはなりません。あなたは、これら二つの木切れの煙る燃えさし、レツィンすなわちアラムとレマルヤの子との燃える怒りに、心を弱らせてはなりません。
5 アラムはエフライムすなわちレマルヤの子とともに、あなたに対して悪事を企ててこう言っています。
6 『われわれはユダに上って、これを脅かし、これに攻め入り、わがものとし、16タベアルの子をそこの王にしよう』と。
7 17神である主はこう仰せられる。
『そのことは起こらないし、ありえない。
8 実に、アラムのかしらはダマスコ、
ダマスコのかしらはレツィン。
──六十五年のうちに、エフライムは粉砕されて、
もう民ではなくなる。──
9 また、エフライムのかしらはサマリヤ、
サマリヤのかしらはレマルヤの子。
もし、あなたがたが信じなければ、
長く立つことはできない。』」
10主は再び、アハズに告げてこう仰せられた。
11 「あなたの神、主から、しるしを求めよ。18よみの深み、あるいは、上の高いところから。」
12 するとアハズは言った。「私は求めません。主を試みません。」
13 そこでイザヤは言った。「さあ、聞け。ダビデの家よ。あなたがたは、人々を煩わすのは小さなこととし、私の神までも煩わすのか。
14 それゆえ、主みずから、あなたがたに一つのしるしを与えられる。見よ。処女がみごもっている。そして男の子を産み、その名を『インマヌエル』と名づける。
15 この子は、悪を退け、善を選ぶことを知るころまで、凝乳と蜂蜜を食べる。
16 それは、まだその子が、悪を退け、善を選ぶことも知らないうちに、あなたが恐れているふたりの王の土地は、捨てられるからだ。
17主は、あなたとあなたの民とあなたの父の家に、エフライムがユダから離れた日以来、まだ来たこともない日を来させる。それは、アッシリヤの王だ。」
18 その日になると、
主はエジプトの川々の果てにいるあのはえ、
アッシリヤの地にいるあの蜂に合図される。
19 すると、彼らはやって来て、
みな、険しい谷、岩の割れ目、
すべてのいばらの茂み、すべての牧場に巣くう。
20 その日、
主はユーフラテス川の向こうで雇ったかみそり、
すなわち、アッシリヤの王を使って、
頭と足の毛をそり、ひげまでもそり落とす。
21 その日になると、
ひとりの人が19雌の子牛一頭と羊二頭を飼う。
22 これらが乳を多く出すので、
凝乳を食べるようになる。
国のうちに残されたすべての者が
凝乳と蜂蜜を食べるようになる。
23 その日になると、
ぶどう千株のある、銀千枚に値する地所もみな、
いばらとおどろのものとなる。
24 全土がいばらとおどろになるので、
人々は弓矢を持ってそこに行く。
25 くわで耕されたすべての山も、
あなたはいばらとおどろを恐れて、
そこに行かない。
そこは牛の放牧地、羊の踏みつける所となる。
1主は私に仰せられた。「一つの大きな板を取り、その上に普通の文字で、『マヘル・シャラル・ハシュ・バズのため』と書け。
2 そうすれば、わたしは、祭司ウリヤとエベレクヤの子ゼカリヤをわたしの確かな証人として証言させる。」
3 そののち、私は女預言者に近づいた。彼女はみごもった。そして男の子を産んだ。すると、主は私に仰せられた。「その名を、『マヘル・シャラル・ハシュ・バズ』と呼べ。
4 それは、この子がまだ『お父さん。お母さん』と呼ぶことも知らないうちに、ダマスコの財宝とサマリヤの分捕り物が、アッシリヤの王の前に持ち去られるからである。」
5主はさらに、続けて私に仰せられた。
6 「この民は、ゆるやかに流れるシロアハの水を
ないがしろにして、
レツィンとレマルヤの子を喜んでいる。
7 それゆえ、見よ、主は、
あの強く水かさの多いユーフラテス川の水、
アッシリヤの王と、そのすべての栄光を、
彼らの上にあふれさせる。
それはすべての運河にあふれ、
すべての堤を越え、
8 ユダに流れ込み、押し流して進み、
首にまで達する。
インマヌエル。その広げた翼は
あなたの国の幅いっぱいに広がる。」
9 国々の民よ。打ち破られて、わななけ。
遠く離れたすべての国々よ。耳を傾けよ。
腰に帯をして、わななけ。
腰に帯をして、わななけ。
10 はかりごとを立てよ。
しかし、それは破られる。
申し出をせよ。しかし、それは成らない。
神が、私たちとともにおられるからだ。
11 まことに主は強い御手をもって私を捕らえ、私にこう仰せられた。この民の道に歩まないよう、私を戒めて仰せられた。
12 「この民が謀反と呼ぶことをみな、謀反と呼ぶな。
この民の恐れるものを恐れるな。おののくな。
13 万軍の主、この方を、聖なる方とし、
この方を、あなたがたの恐れ、
この方を、あなたがたのおののきとせよ。
14 そうすれば、この方が聖所となられる。
しかし、イスラエルの二つの家には
妨げの石とつまずきの岩、
エルサレムの住民には
わなとなり、落とし穴となる。
15 多くの者がそれにつまずき、倒れて砕かれ、
わなにかけられて捕らえられる。
16 このあかしをたばねよ。
このおしえを
わたしの弟子たちの20心のうちに封ぜよ。」
17 私は主を待つ。
ヤコブの家から御顔を隠しておられる方を。
私はこの方に、望みをかける。
18 見よ。私と、主が私に下さった子たちとは、
シオンの山に住む万軍の主からの
イスラエルでのしるしとなり、
不思議となっている。
19 人々があなたがたに、「霊媒や、さえずり、ささやく口寄せに尋ねよ」と言うとき、民は自分の神に尋ねなければならない。生きている者のために、死人に伺いを立てなければならないのか。
20 おしえとあかしに尋ねなければならない。もし、このことばに従って語らなければ、その人には夜明けがない。
21 彼は、迫害され、飢えて、国を歩き回り、飢えて、怒りに身をゆだねる。上を仰いでは自分の王と神をのろう。
22 地を見ると、見よ、苦難とやみ、苦悩の暗やみ、暗黒、追放された者。
1 しかし、苦しみのあった所に、やみがなくなる。先にはゼブルンの地とナフタリの地は、はずかしめを受けたが、後には海沿いの道、ヨルダン川のかなた、異邦人のガリラヤは光栄を受けた。
2 やみの中を歩んでいた民は、大きな光を見た。
死の陰の地に住んでいた者たちの上に
光が照った。
3 あなたはその国民をふやし、
その喜びを増し加えられた。
彼らは刈り入れ時に喜ぶように、
分捕り物を分けるときに楽しむように、
あなたの御前で喜んだ。
4 あなたが彼の重荷のくびきと、肩のむち、
彼をしいたげる者の杖を、
ミデヤンの日になされたように
粉々に砕かれたからだ。
5 戦場ではいたすべてのくつ、血にまみれた着物は、
焼かれて、火のえじきとなる。
6 ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。
ひとりの男の子が、私たちに与えられる。
主権はその肩にあり、
その名は「不思議な助言者、力ある神、
永遠の父、平和の君」と呼ばれる。
7 その主権は増し加わり、その平和は限りなく、
ダビデの王座に着いて、その王国を治め、
さばきと正義によってこれを堅く立て、
これをささえる。今より、とこしえまで。
万軍の主の熱心がこれを成し遂げる。
8 主がヤコブに一つのことばを送られた。
それはイスラエルに落ちた。
9 この民、エフライムとサマリヤに住む者たちは
みな、それを知り、高ぶり、思い上がって言う。
10 「れんがが落ちたから、切り石で建て直そう。
いちじく桑の木が切り倒されたから、
杉の木でこれに代えよう。」
11 そこで主は、
レツィンに仇する者たちをのし上がらせ、
その敵たちをあおりたてる。
12 東からはアラムが、
西からはペリシテ人が、
イスラエルをほおばって食らう。
それでも、御怒りは去らず、
なおも、御手は伸ばされている。
13 しかし、この民は、自分を打った方に帰らず、
万軍の主を求めなかった。
14 そこで、主はイスラエルから、
かしらも尾も、なつめやしの葉も葦も、
ただ一日で切り取られた。
15 そのかしらとは、長老や身分の高い者。
その尾とは、偽りを教える預言者。
16 この民の指導者は迷わす者となり、
彼らに導かれる者は惑わされる。
17 それゆえ、主はその若い男たちを喜ばず、
そのみなしごをも、やもめをもあわれまない。
みなが神を敬わず、悪を行い、
すべての口が恥ずべきことを語っているからだ。
それでも、御怒りは去らず、
なおも、御手は伸ばされている。
18 悪は火のように燃えさかり、
いばらとおどろをなめ尽くし、
林の茂みに燃えついて、煙となって巻き上がる。
19 万軍の主の激しい怒りによって地は焼かれ、
民は火のえじきのようになり、
だれも互いにいたわり合わない。
20 右にかぶりついても、飢え、
左に食いついても、満ち足りず、
おのおの自分の腕の肉を食べる。
21 マナセはエフライムとともに、
エフライムはマナセとともに、
彼らはいっしょにユダを襲う。
それでも、御怒りは去らず、
なおも、御手は伸ばされている。
1 ああ。不義のおきてを制定する者、
わざわいを引き起こす判決を書いている者たち。
2 彼らは、寄るべのない者の正しい訴えを退け、
わたしの民のうちの悩む者の権利をかすめ、
やもめを自分のとりこにし、
みなしごたちをかすめ奪っている。
3 刑罰の日、遠くからあらしが来るときに、
あなたがたはどうするのか。
だれに助けを求めて逃げ、
どこに自分の栄光を残すのか。
4 ただ、捕らわれ人の足もとにひざをつき、
殺された者たちのそばに倒れるだけだ。
それでも、御怒りは去らず、
なおも、御手は伸ばされている。
5 ああ。
アッシリヤ、わたしの怒りの杖。
彼らの手にあるわたしの憤りのむち。
6 わたしはこれを神を敬わない国に送り、
わたしの激しい怒りの民を襲えと、これに命じ、
物を分捕らせ、獲物を奪わせ、
ちまたの泥のように、これを踏みにじらせる。
7 しかし、彼自身はそうとは思わず、
彼の心もそうは考えない。
彼の心にあるのは、滅ぼすこと、
多くの国々を断ち滅ぼすことだ。
8 なぜなら、彼はこう思っている。
「私の高官たちはみな、王ではないか。
9 カルノもカルケミシュのよう、
ハマテもアルパデのようではないか。
サマリヤもダマスコのようではないか。
10 エルサレム、サマリヤにまさる刻んだ像を持つ
偽りの神々の王国を私が手に入れたように、
11 サマリヤとその偽りの神々に私がしたように、
エルサレムとその多くの偶像にも
私が同じようにしないだろうか」と。
12 主はシオンの山、エルサレムで、ご自分のすべてのわざを成し遂げられるとき、アッシリヤの王の高慢の実、その誇らしげな高ぶりを21罰する。
13 それは、彼がこう言ったからである。
「私は自分の手の力でやった。私の知恵でやった。
私は賢いからだ。
私が、国々の民の境を除き、
彼らのたくわえを奪い、
全能者のように、住民をおとしめた。
14 私の手は国々の民の財宝を巣のようにつかみ、
また私は、捨てられた卵を集めるように、
すべての国々を集めたが、
翼を動かす者も、くちばしを大きく開く者も、
さえずる者もいなかった。」
15 斧は、それを使って切る人に向かって
高ぶることができようか。
のこぎりは、それをひく人に向かって
おごることができようか。
それは棒が、それを振り上げる人を動かし、
杖が、木でない22人を
持ち上げるようなものではないか。
16 それゆえ、万軍の主、主は、
その最もがんじょうな者たちのうちに
やつれを送り、
その栄光のもとで、
火が燃えるように、それを燃やしてしまう。
17 イスラエルの光は火となり、
その聖なる方は炎となる。
燃え上がって、そのおどろといばらを
一日のうちになめ尽くす。
18 主はその美しい林も、果樹園も、
また、たましいも、からだも滅ぼし尽くす。
それは病人がやせ衰えるようになる。
19 その林の木の残りは数えるほどになり、
子どもでもそれらを書き留められる。
20 その日になると、
イスラエルの残りの者、
ヤコブの家ののがれた者は、
もう再び、自分を打つ者にたよらず、
イスラエルの聖なる方、主に、
まことをもって、たよる。
21 残りの者、ヤコブの残りの者は、
力ある神に立ち返る。
22 たとい、あなたの民イスラエルが
海辺の砂のようであっても、
その中の残りの者だけが立ち返る。
壊滅は定められており、
義があふれようとしている。
23 すでに定められた全滅を、万軍の神、主が、全世界のただ中で行おうとしておられるからだ。
24 それゆえ、万軍の神、主は、こう仰せられる。「シオンに住むわたしの民よ。アッシリヤを恐れるな。彼がむちであなたを打ち、エジプトがしたように杖をあなたに振り上げても。
25 もうしばらくすれば、憤りは終わり、わたしの怒りが彼らを滅ぼしてしまうから。
26 オレブの岩でミデヤンを打ったときのように、万軍の主が23アッシリヤにむちを振り上げる。杖を海にかざして、エジプトにしたように、それを上げる。
27 その日になると、
彼の重荷はあなたの肩から、
彼のくびきはあなたの首から除かれる。
くびきはあなたの24肩からもぎ取られる。」
28 彼はアヤテに着き、ミグロンを過ぎ、
ミクマスに荷を置く。
29 彼らは渡し場を過ぎ、ゲバで野営する。
ラマはおののき、サウルのギブアは逃げる。
30 ガリムの娘よ。かん高く叫べ。
よく聞け、ラユシャよ。
25哀れなアナトテ。
31 マデメナは逃げ去り、ゲビムの住民は身を避ける。
32 その日、彼はノブで立ちとどまり、
シオンの娘の山、エルサレムの丘に向かって、
こぶしを振り上げる。
33 見よ。万軍の主、主が
恐ろしい勢いで枝を切り払う。
たけの高いものは切り落とされ、
そびえたものは低くされる。
34 主は林の茂みを斧で切り落とし、
レバノンは力強い方によって倒される。
1 エッサイの根株から新芽が生え、
その根から若枝が出て実を結ぶ。
2 その上に、主の霊がとどまる。
それは知恵と悟りの霊、
はかりごとと能力の霊、
26主を知る知識と主を恐れる霊である。
3 この方は主を恐れることを喜び、
その目の見るところによってさばかず、
その耳の聞くところによって判決を下さず、
4 正義をもって寄るべのない者をさばき、
公正をもって国の貧しい者のために判決を下し、
口のむちで国を打ち、
くちびるの息で悪者を殺す。
5 正義はその腰の帯となり、
真実はその胴の帯となる。
6 狼は子羊とともに宿り、
ひょうは子やぎとともに伏し、
子牛、若獅子、肥えた家畜が共にいて、
小さい子どもがこれを追っていく。
7 雌牛と熊とは共に草をはみ、
その子らは共に伏し、
獅子も牛のようにわらを食う。
8 乳飲み子はコブラの穴の上で戯れ、
乳離れした子はまむしの27子に手を伸べる。
9 わたしの聖なる山のどこにおいても、
これらは害を加えず、そこなわない。
主を知ることが、
海をおおう水のように、地を満たすからである。
10 その日、
エッサイの根は、国々の民の旗として立ち、
国々は彼を求め、
彼のいこう所は栄光に輝く。
11 その日、主は再び御手を伸ばし、
ご自分の民の残りを買い取られる。
残っている者をアッシリヤ、エジプト、
パテロス、28クシュ、エラム、
シヌアル、ハマテ、海の島々から買い取られる。
12 主は、国々のために旗を揚げ、
イスラエルの散らされた者を取り集め、
ユダの追い散らされた者を
地の四隅から集められる。
13 エフライムのねたみは去り、
ユダに敵する者は断ち切られる。
エフライムはユダをねたまず、
ユダもエフライムを敵としない。
14 彼らは、西の方、ペリシテ人の肩に飛びかかり、
共に東の人々をかすめ奪う。
彼らはエドムとモアブにも手を伸ばし、
アモン人も彼らに従う。
15 主はエジプトの海の入江を29干上がらせ、
また、その焼けつく風の中に
御手を川に向かって振り動かし、
それを打って、七つの水無し川とし、
くつばきのままで歩けるようにする。
16 残される御民の残りの者のために
アッシリヤからの大路が備えられる。
イスラエルがエジプトの国から上って来た日に、
イスラエルのために備えられたように。
1 その日、あなたは言おう。
「主よ。感謝します。
あなたは、私を怒られたのに、
あなたの怒りは去り、
私を慰めてくださいました。」
2 見よ。神は私の救い。
私は信頼して恐れることはない。
ヤハ、主は、私の力、私のほめ歌。
私のために救いとなられた。
3 あなたがたは喜びながら
救いの泉から水を汲む。
4 その日、あなたがたは言う。
「主に感謝せよ。
その御名を呼び求めよ。
そのみわざを、国々の民の中に知らせよ。
御名があがめられていることを語り告げよ。
5 主をほめ歌え。
主はすばらしいことをされた。
これを、全世界に知らせよ。
6 シオンに住む者。
大声をあげて、喜び歌え。
イスラエルの聖なる方は、
あなたの中におられる、大いなる方。」
1 アモツの子イザヤの見たバビロンに対する宣告。
2 はげ山の上に旗を掲げ、
彼らに向かって声をあげ、
手を振って、彼らを貴族の門に、入らせよ。
3 わたしは怒りを晴らすために、
わたしに聖別された者たちに命じ、
またわたしの勇士、
わたしの勝利を誇る者たちを呼び集めた。
4 聞け。おびただしい民にも似た山々のとどろきを。
聞け。寄り合った王国、国々のどよめきを。
万軍の主が、軍隊を召集しておられるのだ。
5 彼らは遠い国、天の果てからやって来る。
彼らは全世界を滅ぼすための、
主とその憤りの器だ。
6 泣きわめけ。主の日は近い。
全能者から破壊が来る。
7 それゆえ、すべての者は気力を失い、
すべての者の心がしなえる。
8 彼らはおじ惑い、
子を産む女が身もだえするように、
苦しみと、ひどい痛みが彼らを襲う。
彼らは驚き、燃える顔で互いを見る。
9 見よ。主の日が来る。残酷な日だ。
憤りと燃える怒りをもって、
地を荒れすたらせ、
罪人たちをそこから根絶やしにする。
10 天の星、天のオリオン座は光を放たず、
太陽は日の出から暗く、
月も光を放たない。
11 わたしは、その悪のために世を罰し、
その罪のために悪者を罰する。
不遜な者の誇りをやめさせ、
横暴な者の高ぶりを低くする。
12 わたしは、人間を純金よりもまれにし、
人をオフィルの金よりも少なくする。
13 それゆえ、わたしは天を震わせる。
万軍の主の憤りによって、
その燃える怒りの日に、
大地はその基から揺れ動く。
14 追い立てられたかもしかのように、
集める者のいない羊の群れのようになって、
彼らはおのおの自分の民に向かい、
おのおの自分の国に逃げ去る。
15 見つけられた者はみな、刺され、
連れて行かれた者はみな、剣に倒れる。
16 彼らの幼子たちは目の前で八つ裂きにされ、
彼らの家は略奪され、
彼らの妻は犯される。
17 見よ。わたしは彼らに対して、
メディヤ人を奮い立たせる。
彼らは銀をものともせず、金をも喜ばず、
18 その弓は若者たちをなぎ倒す。
彼らは胎児もあわれまず、
子どもたちを見ても惜しまない。
19 こうして、王国の誉れ、
カルデヤ人の誇らかな栄えであるバビロンは、
神がソドム、ゴモラを滅ぼした時のようになる。
20 そこには永久に住む者もなく、
代々にわたり、住みつく者もなく、
アラビヤ人も、そこには天幕を張らず、
牧者たちも、そこには群れを伏させない。
21 そこには荒野の獣が伏し、
そこの家々にはみみずくが満ち、
そこにはだちょうが住み、
野やぎがそこにとびはねる。
22 山犬は、そこの30とりでで、
ジャッカルは、豪華な宮殿で、ほえかわす。
その時の来るのは近く、
その日はもう延ばされない。
1 まことに、主はヤコブをあわれみ、再びイスラエルを選び、彼らを自分たちの土地にいこわせる。在留異国人も彼らに連なり、ヤコブの家に加わる。
2 国々の民は彼らを迎え、彼らの所に導き入れる。イスラエルの家は主の土地でこの異国人を奴隷、女奴隷として所有し、自分たちをとりこにした者をとりこにし、自分たちをしいたげた者を支配するようになる。
3主が、あなたの痛み、あなたへの激しい怒りを除き、あなたに負わせた過酷な労役を解いてあなたをいこわせる日に、
4 あなたは、バビロンの王について、このようなあざけりの歌を歌って言う。
「しいたげる者はどのようにして果てたのか。
31横暴はどのようにして終わったのか。
5 主が悪者の杖と、支配者の笏とを折られたのだ。
6 彼は憤って、国々の民を打ち、絶え間なく打ち、
怒って、国々を容赦なくしいたげて
支配したのだが。
7 全地は安らかにいこい、
喜びの歌声をあげている。
8 もみの木も、レバノンの杉も、
あなたのことを喜んで、32言う。
『あなたが倒れ伏したので、
もう、私たちを切る者は上って来ない。』
9 下界の33よみは、
あなたの来るのを迎えようとざわめき、
死者の霊たち、
地のすべての指導者たちを
揺り起こし、
国々のすべての王を、
その王座から立ち上がらせる。
10 彼らはみな、あなたに告げて言う。
『あなたもまた、私たちのように弱くされ、
私たちに似た者になってしまった。』
11 あなたの誇り、あなたの琴の音は34よみに落とされ、
あなたの下には、うじが敷かれ、
虫けらが、あなたのおおいとなる。
12 暁の子、明けの明星よ。
どうしてあなたは天から落ちたのか。
国々を打ち破った者よ。
どうしてあなたは地に切り倒されたのか。
13 あなたは心の中で言った。
『私は天に上ろう。
神の星々のはるか上に私の王座を上げ、
北の果てにある会合の山にすわろう。
14 密雲の頂に上り、
いと高き方のようになろう。』
15 しかし、あなたは35よみに落とされ、
穴の底に落とされる。
16 あなたを見る者は、あなたを見つめ、
あなたを見きわめる。
『この者が、地を震わせ、王国を震え上がらせ、
17 世界を荒野のようにし、町々を絶滅し、
捕虜たちを家に36帰さなかった者なのか。』
18 すべての国の王たちはみな、
おのおの自分の墓で、尊ばれて眠っている。
19 しかし、あなたは、忌みきらわれる若枝のように
墓の外に投げ出された。
剣で刺し殺されて墓穴に下る者でおおわれ、
踏みつけられるしかばねのようだ。
20 あなたは墓の中で彼らとともになることはない。
あなたは自分の国を滅ぼし、
自分の民を虐殺したからだ。
悪を行う者どもの子孫については
永久に語られない。
21 先祖の咎のゆえに、
彼の子らのために、ほふり場を備えよ。
彼らが立って地を占領し、
世界の面を37彼らの町々で満たさないためだ。」
22 「わたしは彼らに向かって立ち上がる。──万軍の主の御告げ──わたしはバビロンからその名と、残りの者、および、後に生まれる子孫とを断ち滅ぼす。──主の御告げ──
23 わたしはこれを針ねずみの領地、水のある沢とし、滅びのほうきで一掃する。──万軍の主の御告げ──」
24 万軍の主は誓って仰せられた。
「必ず、わたしの考えたとおりに事は成り、
わたしの計ったとおりに成就する。
25 わたしはアッシリヤをわたしの国で打ち破り、
わたしの山で踏みつける。
アッシリヤのくびきは彼らの上から除かれ、
その重荷は彼らの肩から除かれる。
26 これが、全地に対して立てられたはかりごと、
これが、万国に対して伸ばされた御手。
27 万軍の主が立てられたことを、
だれが破りえよう。
御手が伸ばされた。
だれがそれを戻しえよう。」
28 アハズ王が死んだ年、この宣告があった。
29 「喜ぶな、ペリシテの全土よ。
おまえを打った杖が折られたからと言って。
蛇の子孫からまむしが出、
その子は飛びかける燃える蛇となるからだ。
30 寄るべのない者たちの初子は養われ、
貧しい者は安らかに伏す。
しかし、わたしは、おまえの子孫を
飢えで、死なせる。
おまえの残りの者は殺される。
31 門よ、泣きわめけ。町よ、叫べ。
ペリシテの全土は、震えおののけ。
北から煙が上がり、
その編隊から抜ける者がないからだ。
32 異邦の使者たちに何と答えようか。
『主はシオンの礎を据えられた。
主の民の悩む者たちは、これに身を避ける。』」
1 モアブに対する宣告。
ああ、一夜のうちに
アルは荒らされ、
モアブは滅びうせた。
ああ、一夜のうちに
38キル・モアブは荒らされ、滅びうせた。
2 モアブは宮に、
ディボンは高き所に、泣くために上る。
ネボとメデバのことで、モアブは泣きわめく。
頭をみなそり落とし、ひげもみな切り取って。
3 そのちまたでは、荒布を腰にまとい、
その屋上や広場では、
みな涙を流して泣きわめく。
4 ヘシュボンとエルアレは叫び、
その叫び声がヤハツまで聞こえる。
それで、モアブの武装した者たちはわめく。
そのたましいはわななく。
5 わたしの心はモアブのために叫ぶ。
その逃げ延びる者はツォアルまで、
エグラテ・シェリシヤまでのがれる。
ああ、彼らはルヒテの坂を泣きながら上り、
ホロナイムの道で、破滅の叫びをあげる。
6 ああ、ニムリムの水は荒廃した地となり、
草は枯れ、若草も尽き果て、緑もなくなった。
7 それゆえ彼らは、
残していた物や、たくわえていた物を、
アラビム川を越えて運んで行く。
8 ああ、叫ぶ声がモアブの領土に響き渡り、
その泣き声がエグライムまで、
その泣き声がベエル・エリムまで届いた。
9 ああ、ディモンの水は血で満ちた。
わたしはさらにディモンに39わざわいを増し加え、
モアブののがれた者と、
その土地の残りの者とに獅子を向けよう。
1 子羊を、この国の支配者に送れ。
セラから荒野を経てシオンの娘の山に。
2 モアブの娘たちはアルノンの渡し場で、
逃げ惑う鳥、投げ出された巣のようになる。
3 助言を与え、事を決めよ。
昼のさなかにも、あなたの影を夜のようにせよ。
散らされた者をかくまい、
のがれて来る者を渡すな。
4 あなたの中に、モアブの散らされた者を宿らせ、
荒らす者からのがれて来る者の隠れ家となれ。
しいたげる者が死に、破壊も終わり、
踏みつける者が地から消えうせるとき、
5 一つの王座が恵みによって堅く立てられ、
さばきをなし、公正を求め、
正義をすみやかに行う者が、
ダビデの天幕で、真実をもって、そこにすわる。
6 われわれはモアブの高ぶりを聞いた。
彼は実に高慢だ。
その誇りと高ぶりとおごり、
その自慢話は正しくない。
7 それゆえ、モアブは、
モアブ自身のために泣きわめく。
みなが泣きわめく。
あなたがたは打ちのめされて、
40キル・ハレセテの干しぶどうの菓子のために嘆く。
8 ヘシュボンの畑も、シブマのぶどうの木も、
しおれてしまった。
国々の支配者たちがそのふさを打ったからだ。
それらはヤゼルまで届き、荒野をさまよい、
そのつるは伸びて海を越えた。
9 それゆえ、わたしはヤゼルのために、
シブマのぶどうの木のために、涙を流して泣く。
ヘシュボンとエルアレ。
わたしはわたしの涙であなたを潤す。
あなたの夏のくだものと刈り入れとを喜ぶ声が
やんでしまったからだ。
10 喜びと楽しみは果樹園から取り去られ、
ぶどう畑の中では、喜び歌うこともなく、
大声で叫ぶこともない。
酒ぶねで酒を踏む者も、もう踏まない。
わたしが喜びの声をやめさせたのだ。
11 それゆえ、わたしのはらわたはモアブのために、
わたしの内臓はキル・ヘレスのために
立琴のようにわななく。
12 モアブが高き所にもうでて身を疲れさせても、
祈るためにその聖所に入って行っても、
もうむだだ。
13 これが、以前から主がモアブに対して語っておられたみことばである。
14 今や、主は次のように告げられる。「雇い人の年期のように、三年のうちに、モアブの栄光は、そのおびただしい群衆とともに軽んじられ、残りの者もしばらくすれば、力がなくなる。」
1 ダマスコに対する宣告。
見よ。ダマスコは取り去られて町でなくなり、
廃墟となる。
2 アロエルの町々は捨てられて、
家畜の群れのものとなり、
群れはそこに伏すが、
それを脅かす者もいなくなる。
3 エフライムは要塞を失い、
ダマスコは王国を失う。
アラムの残りの者は、
イスラエル人の栄光のように扱われる。
──万軍の主の御告げ──
4 その日、ヤコブの栄光は衰え、
その肉の脂肪はやせ細る。
5 刈り入れ人が立穂を集め、
その腕が穂を刈り入れるときのように、
レファイムの谷で落穂を拾うときのようになる。
6 オリーブを打ち落とすときのように、
取り残された実がその中に残される。
二つ三つのうれた実がこずえに、
四つ五つが実りのある枝に残される。
──イスラエルの神、主の御告げ──
7 その日、人は自分を造られた方に目を向け、その目はイスラエルの聖なる方を見、
8 自分の手で造った祭壇に目を向けず、自分の指で造ったもの、アシェラ像や香の台を見もしない。
9 その日、その堅固な町々は、森の中の見捨てられた所のようになり、かつてイスラエル人によって捨てられた山の頂のようになり、そこは荒れ果てた地となる。
10 あなたが救いの神を忘れて
あなたの力の岩を覚えていなかったからだ。
それで、あなたは好ましい植木を植え、
他国のぶどうのつるをさす。
11 あなたが植えたものを育てるときに、
朝、あなたの種を花咲かせても、
病といやしがたい痛みの日に、
その刈り入れは逃げうせる。
12 ああ。多くの国々の民がざわめき──
海のとどろきのように、ざわめいている。
ああ、国民の騒ぎ──
大水の騒ぐように、騒いでいる。
13 国民は、
大水が騒ぐように、騒いでいる。
しかし、それをしかると、遠くへ逃げる。
山の上で風に吹かれるもみがらのよう、
つむじ風の前でうず巻くちりのように、
彼らは吹き飛ばされる。
14 夕暮れには、見よ、突然の恐怖。
夜明けの前に、彼らはいなくなる。
これこそ、
私たちから奪い取る者たちの分け前、
私たちをかすめ奪う者たちの受ける割り当て。
1 ああ。
41クシュの川々のかなたにある羽こおろぎの国。
2 この国は、パピルスの船を水に浮かべて、
海路、使いを送る。
すばやい使者よ、行け。
背の高い、はだのなめらかな国民のところに。
あちこちで恐れられている民のところに。
多くの川の流れる国、
力の強い、踏みにじる国に。
3 世界のすべての住民よ。
地に住むすべての者よ。
山々に旗の揚がるときは見よ。
角笛が吹き鳴らされるときは聞け。
4 主が私にこう仰せられたからだ。
「わたしは静まって、
わたしの所からながめよう。
照りつける暑さで暑いころ、
刈り入れ時の暑いときの露の濃い雲のように。」
5 刈り入れ前につぼみが開き、
花ぶさが育って、酸いぶどうになるとき、
人はその枝をかまで切り、
そのつるを取り去り、切り除くからだ。
6 それらはいっしょにして、
山々の猛禽や野獣のために投げ捨てられ、
猛禽はその上で夏を過ごし、
野獣はみな、その上で冬を過ごす。
7 そのとき、万軍の主のために、
背の高い、はだのなめらかな民、
あちこちで恐れられている民、
多くの川の流れる国、
力の強い、踏みにじる国から、
万軍の主の名のある所、シオンの山に、
贈り物が運ばれて来る。
1 エジプトに対する宣告。
見よ。主は速い雲に乗って
エジプトに来る。
エジプトの偽りの神々はその前にわななき、
エジプト人の心も真底からしなえる。
2 わたしは、エジプト人を駆り立てて
エジプト人にはむかわせる。
兄弟は兄弟と、友人は友人と、
町は町と、王国は王国と、相逆らって争う。
3 エジプトの霊はその中で衰える。
わたしがその計画をかき乱す。
彼らは偽りの神々や死霊、
霊媒や口寄せに伺いを立てる。
4 わたしは、エジプト人を
きびしい主人の手に引き渡す。
力ある王が彼らを治める。
──万軍の主、主の御告げ──
5 海から水が干され、
川は干上がり、かれる。
6 多くの運河は臭くなり、
42エジプトの川々は、水かさが減って、干上がり、
葦や蘆も枯れ果てる。
7 ナイル川やその河口のほとりの水草も、
その川の種床もみな枯れ、
吹き飛ばされて何もない。
8 漁夫たちは悲しみ、
ナイル川で釣りをする者もみな嘆き、
水の上に網を打つ者も打ちしおれる。
9 亜麻をすく労務者や、白布を織る者は恥を見、
10 この国の機織人たちは砕かれ、
雇われて働く者はみな、心を痛める。
11 ツォアンの首長たちは全く愚か者だ。
パロの知恵ある議官たちも
愚かなはかりごとをする。
どうして、あなたがたはパロに向かって、
「私は、知恵ある者の子、
昔の王たちの子です」と言えようか。
12 あなたの知恵ある者たちは
いったいどこにいて、
あなたに告げ知らせようというのか。
万軍の主がエジプトに何を計られたかを。
13 ツォアンの首長たちは愚か者、
43ノフの首長たちはごまかす者。
その諸族のかしらたちは、エジプトを迷わせた。
14 主が、彼らの中に、
よろめく霊を吹き入れられたので、
彼らは、あらゆることでエジプトを迷わせ、
酔いどれがへどを吐き吐きよろめくようにした。
15 それで、頭も尾も、なつめやしの葉も葦も、
エジプト人のために、なすべきわざがない。
16 その日、エジプト人は、女のようになり、万軍の主が自分たちに向かって振り上げる御手を見て、恐れおののく。
17 ユダの地はエジプトにとっては恐れとなる。これを思い出す者はみな、万軍の主がエジプトに対して計るはかりごとのためにおののく。
18 その日、エジプトの国には、カナン語を話し、万軍の主に誓いを立てる五つの町が起こり、その一つは、イル・ハヘレスと言われる。
19 その日、エジプトの国の真ん中に、主のために、一つの祭壇が建てられ、その国境のそばには、主のために一つの石の柱が立てられ、
20 それがエジプトの国で、万軍の主のしるしとなり、あかしとなる。彼らがしいたげられて主に叫ぶとき、主は、彼らのために戦って彼らを救い出す救い主を送られる。
21 そのようにして主はエジプト人にご自身を示し、その日、エジプト人は主を知り、いけにえとささげ物をもって仕え、主に誓願を立ててこれを果たす。
22主はエジプト人を打ち、打って彼らをいやされる。彼らが主に立ち返れば、彼らの願いを聞き入れ、彼らをいやされる。
23 その日、エジプトからアッシリヤへの大路ができ、アッシリヤ人はエジプトに、エジプト人はアッシリヤに行き、エジプト人はアッシリヤ人とともに44主に仕える。
24 その日、イスラエルはエジプトとアッシリヤと並んで、第三のものとなり、大地の真ん中で祝福を受ける。
25万軍の主は祝福して言われる。「わたしの民エジプト、わたしの手でつくったアッシリヤ、わたしのものである民イスラエルに祝福があるように。」
1 アッシリヤの王サルゴンによって派遣されたタルタンがアシュドデに来て、アシュドデを攻め、これを取った年──
2 そのとき、主はアモツの子イザヤによって、語られた。こうである。「行って、あなたの腰の荒布を解き、あなたの足のはきものを脱げ。」それで、彼はそのようにし、裸になり、はだしで歩いた。
3 そのとき、主は仰せられた。「わたしのしもべイザヤが、三年間、エジプトと45クシュに対するしるしとして、また前兆として、裸になり、はだしで歩いたように、
4 アッシリヤの王は、エジプトのとりことクシュの捕囚の民を、若い者も年寄りも裸にし、はだしにし、尻をまくり、エジプトの隠しどころをむき出しにして連れて行く。
5 人々は、クシュを頼みとし、エジプトを栄えとしていたので、おののき恥じる。
6 その日、この海辺の住民は言う。『見よ。アッシリヤの王の手から救ってもらおうと、助けを求めて逃げて来た私たちの拠り所は、この始末だ。私たちはどうしてのがれることができようか。』」
1 海の荒野に対する宣告。
ネゲブに吹きまくるつむじ風のように、
それは、荒野から、
恐ろしい地からやって来る。
2 きびしい幻が、私に示された。
裏切る者は裏切り、
荒らす者は荒らす。
エラムよ、上れ。メディヤよ、囲め。
すべての嘆きを、私は終わらせる。
3 それゆえ、私の腰は苦痛で満ちた。
女の産みの苦しみのような苦しみが
私を捕らえた。
私は、心乱れて聞くにたえない。
恐ろしさのあまり、見るにたえない。
4 私の心は迷い、恐怖が私を震え上がらせた。
私が恋い慕っていたたそがれも、
私にとっては恐れとなった。
5 彼らは食卓を整え、座席を並べて、
飲み食いしている。
「立ち上がれ、首長たち。
盾に油を塗れ。」
6 主は私にこう仰せられた。
「さあ、見張りを立たせ、
見たことを告げさせよ。
7 戦車や、二列に並んだ騎兵、
ろばに乗った者や、
らくだに乗った者を見たなら、
よくよく注意を払わせよ。」
8 すると獅子が叫んだ。
「主よ。私は昼間はずっと物見の塔の上に立ち、
夜はいつも私の見張り所についています。
9 ああ、今、戦車や兵士、
二列に並んだ騎兵がやって来ます。
彼らは互いに言っています。
『倒れた。バビロンは倒れた。
その神々のすべての刻んだ像も
地に打ち砕かれた』と。」
10 踏みにじられた私の民、
打ち場の私の子らよ。
私はイスラエルの神、万軍の主から聞いた事を、
あなたがたに告げたのだ。
11 ドマに対する宣告。
セイルから、私に叫ぶ者がある。
「夜回りよ。46今は夜の何時か。
夜回りよ。今は夜の何時か。」
12 夜回りは言った。
「朝が来、また夜も来る。尋ねたければ尋ねよ。
もう一度、来るがよい。」
13 アラビヤに対する宣告。
デダン人の隊商よ。アラビヤの林に宿れ。
14 テマの地の住民よ。
渇いている者に会って、水をやれ。
のがれて来た者にパンを与えてやれ。
15 彼らは、剣や、抜き身の剣から、
張られた弓や激しい戦いから
のがれて来たのだから。
16 まことに主は私に、こう仰せられる。「雇い人の年季のように、もう一年のうちに、ケダルのすべての栄光は尽き果て、
17 ケダル人の勇士たちで、残った射手たちの数は少なくなる。」
イスラエルの神、主が告げられたのだ。
1幻の谷に対する宣告。
これはいったいどうしたことか。
おまえたちみな、屋根に上って。
2 喧噪に満ちた、騒がしい町、おごった都よ。
おまえのうちの殺された者たちは、
剣で刺し殺されたのでもなく、
戦死したのでもない。
3 おまえの首領たちは、こぞって逃げた。
彼らは弓を引かないうちに捕らえられ、
おまえのうちの見つけられた者も、
遠くへ逃げ去る前に、みな捕らえられた。
4 それで、私は言う。
「私から目をそらしてくれ、
私は激しく泣きたいのだ。
私の民、この娘の破滅のことで、
無理に私を慰めてくれるな。」
5 なぜなら、恐慌と蹂躙と混乱の日は、
万軍の神、主から来るからだ。
幻の谷では、47城壁の崩壊、
山への叫び。
6 エラムは矢筒を負い、
戦車と兵士と騎兵を引き連れ、
キルは盾のおおいを取った。
7 おまえの最も美しい谷は戦車で満ち、
騎兵は城門で立ち並んだ。
8 こうしてユダのおおいは除かれ、
その日、おまえは森の宮殿の武器に目を向けた。
9 おまえたちは、ダビデの町の破れの多いのを見て、
下の池の水を集めた。
10 また、エルサレムの家を数え、
その家をこわして城壁を補強し、
11 二重の城壁の間に貯水池を造って、
古い池の水を引いた。
しかし、おまえたちは、
これをなさった方に目もくれず、
昔からこれを計画された方を
目にも留めなかった。
12 その日、万軍の神、主は、
「泣け。悲しめ。頭を丸めて、荒布をまとえ」と
呼びかけられたのに、
13 なんと、48おまえたちは楽しみ喜び、
牛を殺し、羊をほふり、
肉を食らい、ぶどう酒を飲み、
「飲めよ。食らえよ。
どうせ、あすは死ぬのだから」と49言っている。
14 そこで万軍の主は、私の耳を開かれた。
「この罪は、
おまえたちが死ぬまでは決して赦されない」と、
万軍の神、主は仰せられた。
15 万軍の神、主は、こう仰せられる。
さあ、宮廷をつかさどる
あの執事シェブナのところに行け。
16 あなたは自分のために、ここに墓を掘ったが、
ここはあなたに何のかかわりがあるのか。
ここはあなたのだれにかかわりがあるのか。
高い所に自分の墓を掘り、
岩に自分の住まいを刻んで。
17 ああ、ますらおよ。
主はあなたを遠くに投げやる。
主はあなたをわしづかみにし、
18 あなたをまりのように、くるくる丸めて、
広い広い地に投げ捨てる。
あなたはそこで死ぬ。
あなたの誇った車もそこで。
主人の家の恥さらしよ。
19 わたしはあなたをその職から追放し、
あなたの地位から引き降ろす。
20 その日、わたしは、
わたしのしもべ、ヒルキヤの子エルヤキムを召し、
21 あなたの長服を彼に着せ、
あなたの飾り帯を彼に締め、
あなたの権威を彼の手にゆだねる。
彼はエルサレムの住民とユダの家の父となる。
22 わたしはまた、
ダビデの家のかぎを彼の肩に置く。
彼が開くと、閉じる者はなく、
彼が閉じると、開く者はない。
23 わたしは、彼を一つの釘として、
確かな場所に打ち込む。
彼はその父の家にとって栄光の座となる。
24 彼の上に、父の家のすべての栄光がかけられる。
子も孫も、
すべての小さい器も、
鉢の類からすべてのつぼの類に至るまで。
25 その日、──万軍の主の御告げ──
確かな場所に打ち込まれた一つの釘は
抜き取られ、折られて落ち、
その上にかかっていた荷も取りこわされる。
主が語られたのだ。
150ツロに対する宣告。
タルシシュの船よ。泣きわめけ。
ツロは荒らされて、家も港もなくなった、と
キティムの地から、彼らに示されたのだ。
2 海辺の住民よ。黙せ。
海を渡るシドンの商人はあなたを富ませていた。
3 大海によって、
51シホルの穀物、
ナイルの刈り入れがあなたの収穫となり、
あなたは諸国と商いをしていた。
4 シドンよ、恥を見よ、と海が言う。
海のとりでがこう言っている。
「私は産みの苦しみをせず、子を産まず、
若い男を育てず、若い女を養ったこともない。」
5 エジプトがこのツロのうわさを聞いたなら、
ひどく苦しもう。
6 海辺の住民よ。
タルシシュへ渡り、泣きわめけ。
7 これが、あなたがたのおごった町なのか。
その起こりは古く、
その足を遠くに運んで移住したものを。
8 だれが、王冠をいただくツロに対して
これを計ったのか。
その商人は君主たち、
そのあきゅうどは世界で最も尊ばれていたのに。
9 万軍の主がそれを計り、
すべての麗しい誇りを汚し、
すべて世界で最も尊ばれている者を
卑しめられた。
10 タルシシュの娘よ。
ナイル川のように、自分の国にあふれよ。
だが、もうこれを制する者がいない。
11 主は御手を海の上に伸ばし、
王国をおののかせた。
主は命令を下してカナンのとりでを滅ぼした。
12 そして仰せられた。
「もう二度とこおどりして喜ぶな。
しいたげられたおとめ、シドンの娘よ。
立ってキティムに渡れ。
そこでもあなたは休めない。」
13 見よ、カルデヤ人の国を。
──この民はもういない。
アッシリヤ人が
これを荒野の獣の住む所にした。──
彼らは、やぐらを立てて、
その宮殿をかすめ、そこを廃墟にした。
14 タルシシュの船よ。泣きわめけ。
あなたがたのとりでが荒らされたからだ。
15 その日になると、ツロは、ひとりの王の年代の七十年の間忘れられる。七十年が終わって、ツロは遊女の歌のようになる。
16 「立琴を取り、町を巡れ、
忘れられた遊女よ。
うまくひけ、もっと歌え、
思い出してもらうために。」
17 七十年がたつと、主はツロを顧みられるので、彼女は再び遊女の報酬を得、地のすべての王国と地上で淫行を行う。
18 その儲け、遊女の報酬は、主にささげられ、それはたくわえられず、積み立てられない。その儲けは、主の前に住む者たちが、飽きるほど食べ、上等の着物を着るためのものとなるからだ。
1 見よ。主は地を荒れすたらせ、
その面をくつがえして、その住民を散らされる。
2 民は祭司と等しくなり、
奴隷はその主人と、女奴隷はその女主人と、
買い手は売り手と、
貸す者は借りる者と、
債権者は債務者と等しくなる。
3 地は荒れに荒れ、全くかすめ奪われる。
主がこのことばを語られたからである。
4 地は嘆き悲しみ、衰える。
世界はしおれ、衰える。
52天も地とともにしおれる。
5 地はその住民によって汚された。
彼らが律法を犯し、定めを変え、
とこしえの契約を破ったからである。
6 それゆえ、のろいは地を食い尽くし、
その地の住民は罪ある者とされる。
それゆえ、地の住民は減り、
わずかな者が残される。
7 新しいぶどう酒は嘆き悲しみ、
ぶどうの木はしおれ、
心楽しむ者はみな、ため息をつく。
8 陽気なタンバリンの音は終わり、
はしゃぐ者の騒ぎもやみ、
陽気な立琴の音も終わる。
9 歌いながらぶどう酒を飲むこともなく、
強い酒を飲んでも、それは苦い。
10 都はこわされて荒地のようになり、
すべての家は閉ざされて、入れない。
11 ちまたには、ぶどう酒はなく、
悲しみの叫び。
すべての喜びは薄れ、
地の楽しみは取り去られる。
12 町はただ荒れ果てたままに残され、
城門は打ち砕かれて荒れ果てる。
13 それは、世界の真ん中で、国々の民の間で、
オリーブの木を打つときのように、
ぶどうの取り入れが終わって、
取り残しの実を集めるときのようになるからだ。
14 彼らは、声を張り上げて喜び歌い、
海の向こうから主の威光をたたえて叫ぶ。
15 それゆえ、東の国々で主をあがめ、
53西の島々で、
イスラエルの神、主の御名をあがめよ。
16 私たちは、「正しい者に誉れあれ」という
地の果てからのほめ歌を聞く。
しかし、私は言った。
「私はだめだ、私はだめだ。
なんと私は不幸なことか。
裏切る者は裏切り、
裏切り者は、裏切り、裏切った。」
17 地上の住民よ。
恐れと、落とし穴と、わなとがあなたにかけられ、
18 その恐れの叫びから逃げる者は、
その落とし穴に落ち、
落とし穴からはい上がる者は、
そのわなに捕らえられる。
天の窓が開かれ、
地の基が震えるからだ。
19 地は裂けに裂け、
地はゆるぎにゆるぎ、
地はよろめきによろめく。
20 地は酔いどれのように、ふらふら、ふらつき、
仮小屋のように揺り動かされる。
そのそむきの罪が地の上に重くのしかかり、
地は倒れて、再び起き上がれない。
21 その日、主は天では天の大軍を、
地では地上の王たちを罰せられる。
22 彼らは囚人が地下牢に集められるように
集められ、
牢獄に閉じ込められ、
それから何年かたって後、罰せられる。
23 月ははずかしめを受け、
日も恥を見る。
万軍の主がシオンの山、エルサレムで王となり、
栄光がその長老たちの前に輝くからである。
1 主よ。あなたは私の神。
私はあなたをあがめ、
あなたの御名をほめたたえます。
あなたは遠い昔からの不思議なご計画を、
まことに、忠実に成し遂げられました。
2 あなたは町を石くれの山とし、
城壁のある都を廃墟にされたので、
他国人の宮殿は町からうせ、
もう、永久に建てられることはありません。
3 それで、力強い民も、あなたをほめたたえ、
横暴な国々の都も、あなたを恐れます。
4 あなたは弱っている者のとりで、
貧しい者の悩みのときのとりで、
あらしのときの避け所、
暑さを避ける陰となられたからです。
横暴な者たちの息は、
壁に吹きつけるあらしのようだからです。
5 砂漠のひでりのように、
あなたは他国人の騒ぎを押さえ、
濃い雲の陰になってしずまる暑さのように、
横暴な者たちの歌はしずめられます。
6 万軍の主はこの山の上で万民のために、
あぶらの多い肉の宴会、良いぶどう酒の宴会、
髄の多いあぶらみと
よくこされたぶどう酒の宴会を催される。
7 この山の上で、
万民の上をおおっている顔おおいと、
万国の上にかぶさっているおおいを取り除き、
8 永久に死を滅ぼされる。
54神である主はすべての顔から涙をぬぐい、
ご自分の民へのそしりを全地の上から除かれる。
主が語られたのだ。
9 その日、人は言う。
「見よ。この方こそ、
私たちが救いを待ち望んだ私たちの神。
この方こそ、私たちが待ち望んだ主。
その御救いを楽しみ喜ぼう。」
10 主の御手がこの山にとどまるとき、
わらが肥だめの水の中で踏みつけられるように、
モアブはその所で踏みつけられる。
11 泳ぐ者が泳ごうとして手を伸ばすように、
モアブはその中で手を伸ばすが、
その手を55伸ばしてみるごとに、
主はその高ぶりを低くされる。
12 主はあなたの城壁のそそり立つ要塞を
引き倒して、低くし、
地に投げつけて、ちりにされる。
1 その日、ユダの国でこの歌が歌われる。
私たちには強い町がある。
神はその城壁と塁で私たちを救ってくださる。
2 城門をあけて、
誠実を守る正しい民を入らせよ。
3 志の堅固な者を、
あなたは全き平安のうちに守られます。
その人があなたに信頼しているからです。
4 いつまでも主に信頼せよ。
ヤハ、主は、とこしえの岩だから。
5 主は高い所、そびえ立つ都に住む者を引き倒し、
これを下して地に倒し、
これを投げつけて、ちりにされる。
6 貧しい者の足、弱い者の歩みが、
これを踏みつける。
7 義人の道は平らです。
あなたは義人の道筋をならして平らにされます。
8 主よ。まことにあなたのさばきの道で、
私たちはあなたを待ち望み、
私たちのたましいは、
あなたの御名、あなたの呼び名を慕います。
9 私のたましいは、夜あなたを慕います。
まことに、私の内なる霊は
あなたを切に求めます。
あなたのさばきが地に行われるとき、
世界の住民は義を学んだからです。
10 悪者はあわれみを示されても、義を学びません。
正直の地で不正をし、
主のご威光を見ようともしません。
11 主よ。あなたの御手が上げられても、
彼らは認めません。
どうか彼らが、この民へのあなたの熱心を認めて
恥じますように。
まことに火が、あなたに逆らう者を
なめ尽くしますように。
12 主よ。あなたは、
私たちのために平和を備えておられます。
私たちのなすすべてのわざも、
あなたが私たちのために
してくださったのですから。
13 私たちの神、主よ。
あなた以外の多くの君主が、
私たちを治めましたが、
私たちは、ただあなたによってのみ、
御名を唱えます。
14 死人は生き返りません。
死者の霊はよみがえりません。
それゆえ、あなたは彼らを罰して滅ぼし、
彼らについてのすべての記憶を
消し去られました。
15 主よ。あなたはこの国民を増し加え、増し加えて、
この国民に栄光を現し、
この国のすべての境を広げられました。
16 主よ。苦難の時に、彼らはあなたを求め、
あなたが彼らを懲らしめられたので、
彼らは祈ってつぶやきました。
17 子を産む時が近づいて、
そのひどい痛みに、苦しみ叫ぶ妊婦のように。
主よ。私たちは御前にそのようでした。
18 私たちもみごもり、産みの苦しみをしましたが、
それはあたかも、風を産んだようなものでした。
私たちは救いを地にもたらさず、
世界の住民はもう生まれません。
19 あなたの死人は生き返り、
私のなきがらはよみがえります。
さめよ、喜び歌え。ちりに住む者よ。
あなたの露は光の露。
地は死者の霊を56生き返らせます。
20 さあ、わが民よ。
あなたの部屋に入り、うしろの戸を閉じよ。
憤りの過ぎるまで、
ほんのしばらく、身を隠せ。
21 見よ。主はご自分の住まいから出て来て、
地に住む者の罪を罰せられるからだ。
地はその上に流された血を現し、
その上で殺された者たちを、
もう、おおうことをしない。
1 その日、主は、鋭い大きな強い剣で、
逃げ惑う蛇レビヤタン、
曲がりくねる蛇レビヤタンを罰し、
海にいる竜を殺される。
2 その日、
麗しいぶどう畑、これについて歌え。
3 わたし、主は、それを見守る者。
絶えずこれに水を注ぎ、
だれも、それをそこなわないように、
夜も昼もこれを見守っている。
4 わたしはもう怒らない。
もしも、いばらとおどろが、わたしと戦えば、
わたしはそれを踏みつぶし、
それをみな焼き払う。
5 しかし、もし、わたしのとりでにたよりたければ、
わたしと和を結ぶがよい。
和をわたしと結ぶがよい。
6 時が来れば、ヤコブは根を張り、
イスラエルは芽を出し、花を咲かせ、
世界の面に実を満たす。
7 主は、イスラエルを打った者を打つように、
イスラエルを打たれただろうか。
あるいは、イスラエルを殺した者を殺すように、
イスラエルを殺されただろうか。
8 あなたは彼らを追い立て、追い出し、彼らと争い、
東風の日、激しい風で彼らを追放された。
9 それゆえ、
次のことによってヤコブの不義は赦される。
祭壇のすべての石を
粉々にされた石灰のようにし、
アシェラ像と香の台をもう立てなくすること、
これが、自分の罪を除いて得られる報酬の
すべてだ。
10 城壁のある町は、ひとり寂しく、
ほうっておかれる牧場のようになり、
荒野のように見捨てられる。
子牛はそこで草をはみ、
そこに伏して、木の枝を食い尽くす。
11 その大枝が枯れると、それは折られ、
女たちが来てこれを燃やす。
これは悟りのない民だからだ。
それゆえ、これを造った方は、これをあわれまず、
これを形造った方は、これに恵みを与えない。
12 その日、
主はユーフラテス川からエジプト川までの
穀物の穂を打ち落とされる。
イスラエルの子らよ。
あなたがたは、ひとりひとり拾い上げられる。
13 その日、大きな角笛が鳴り渡り、
アッシリヤの地に失われていた者や、
エジプトの地に散らされていた者たちが来て、
エルサレムの聖なる山で、主を礼拝する。
1 ああ。
エフライムの酔いどれの誇りとする冠、
その美しい飾りのしぼんでゆく花。
これは、酔いつぶれた者たちの
肥えた谷の頂にある。
2 見よ。57主は強い、強いものを持っておられる。
それは、刺し通して荒れ狂う雹のあらしのようだ。
激しい勢いで押し流す豪雨のようだ。
主はこれを力いっぱい地に投げつける。
3 エフライムの酔いどれの誇りとする冠は、
足の下に踏みにじられ、
4 肥えた谷の頂にあって
これを美しく飾る花もしぼみ、
夏前の初なりのいちじくの実のようになる。
だれかがそれを見つけると、
それを手に取って、すぐのみこんでしまう。
5 その日、万軍の主は、民の残りの者にとって、
美しい冠、栄えの飾り輪となり、
6 さばきの座に着く者にとって、さばきの霊となり、
攻撃して来る者を城門で追い返す者にとって、
力となられる。
7 しかし、これらの者もまた、
ぶどう酒のためによろめき、
強い酒のためにふらつき、
祭司も預言者も、強い酒のためによろめき、
ぶどう酒のために混乱し、
強い酒のためにふらつき、
幻を見ながらよろめき、
さばきを下すときよろける。
8 どの食卓も吐いた汚物でいっぱいで、
余す所もない。
9 「彼はだれに知識を教えようとしているのか。
だれに啓示を悟らせようとしているのか。
乳離れした子にか。乳房を離された子にか。
10 58彼は言っている。
『戒めに戒め、戒めに戒め、
規則に規則、規則に規則、
ここに少し、あそこに少し』と。」
11 まことに主は、もつれた舌で、
外国のことばで、この民に語られる。
12 主は、彼らに「ここにいこいがある。
疲れた者をいこわせよ。ここに休みがある」
と仰せられたのに、
彼らは聞こうとはしなかった。
13 主は彼らに告げられる。
「戒めに戒め、戒めに戒め、
規則に規則、規則に規則、
ここに少し、あそこに少し。」
これは、彼らが歩くとき、うしろざまに倒れ、
手足を折られ、わなにかかって
捕らえられるためである。
14 それゆえ、あざける者たち──
エルサレムにいてこの民を
59物笑いの種にする者たちよ。
主のことばを聞け。
15 あなたがたは、こう言ったからだ。
「私たちは死と契約を結び、
たとい、にわか水があふれ、越えて来ても、
それは私たちには届かない。
私たちは、まやかしを避け所とし、
偽りに身を隠してきたのだから。」
16 だから、62神である主は、こう仰せられる。
「見よ。わたしはシオンに
一つの石を礎として据える。
これは、試みを経た石、
堅く据えられた礎の、尊いかしら石。
63これを信じる者は、あわてることがない。
17 わたしは公正を、測りなわとし、
正義を、おもりとする。
雹は、まやかしの避け所を一掃し、
水は隠れ家を押し流す。
18 あなたがたの死との契約は解消され、
64よみとの同盟は成り立たない。
にわか水があふれ、越えて来ると、
あなたがたはそれに踏みにじられる。
19 それは押し寄せるたびに、あなたがたを捕らえる。
それは朝ごとに押し寄せる。昼も夜も。
この啓示を悟らせることは全く恐ろしい。」
20 寝床は、身を伸ばすには短すぎ、
65毛布も、身をくるむには狭すぎるようになる。
21 実に、主はペラツィムの山でのように起き上がり、
ギブオンの谷でのように奮い立ち、
そのみわざを行われる。
そのみわざは異なっている。
また、その働きをされる。
その働きは比類がない。
22 だから今、あなたがたはあざけり続けるな。
あなたがたを縛るかせが、
きつくされるといけないから。
私は万軍の66神、主から、
全世界に下る決定的な全滅について
聞いているのだ。
23 あなたがたは、私の声に耳を傾けて聞け。
私の言うことを、注意して聞け。
24 農夫は、種を蒔くために、
いつも耕して、その土地を起こし、
まぐわでならしてばかりいるだろうか。
25 その地面をならしたら、
67ういきょうを蒔き、クミンの種を蒔き、
小麦を68うねに、大麦を定まった場所に、
裸麦をその境に植えるではないか。
26 農夫を指図する神は、
彼に正しく教えておられる。
27 ういきょうは打穀機で打たれず、
クミンの上では脱穀車の車輪を回さない。
ういきょうは杖で、
クミンは棒で打たれるからである。
28 パンのための麦は砕かれない。
打穀をいつまでも続けることがないからだ。
脱穀車の車輪を回しても、
馬がこれを砕きはしない。
29 これもまた、万軍の主のもとから出ることで、
そのはかりごとは奇しく、
そのおもんぱかりはすばらしい。
1 ああ。アリエル、アリエル。
ダビデが陣を敷いた都よ。
年に年を加え、祭りを巡って来させよ。
2 わたしはアリエルをしいたげるので、
そこにはうめきと嘆きが起こり、
そこはわたしにとっては祭壇の炉のようになる。
3 わたしは、あなたの回りに陣を敷き、
あなたを前哨部隊で囲み、
あなたに対して塁を築く。
4 あなたは倒れて、地の中から語りかけるが、
あなたの言うことは、ちりで打ち消される。
あなたが地の中から出す声は、
死人の霊の声のようになり、
あなたの言うことは、
ちりの中からのささやきのようになる。
5 しかし、あなたの69敵の群れも、
細かいほこりのようになり、
横暴な者の群れは、
吹き飛ぶもみがらのようになる。
しかも、それはにわかに、急に起こる。
6 万軍の主は、
雷と地震と大きな音をもって、
つむじ風と暴風と焼き尽くす火の炎をもって、
あなたを訪れる。
7 アリエルに戦いをいどむすべての民の群れ、
これを攻めて、これを取り囲み、
これをしいたげる者たちはみな、
夢のようになり、夜の幻のようになる。
8 飢えた者が、夢の中で食べ、
目がさめると、その腹はからであるように、
渇いている者が、夢の中で飲み、
目がさめると、
なんとも疲れて、のどが干からびているように、
シオンの山に戦いをいどむすべての民の群れも、
そのようになる。
9 のろくなれ。驚け。
目を堅くつぶって見えなくなれ。
彼らは酔うが、ぶどう酒によるのではない。
ふらつくが、強い酒によるのではない。
10 主が、あなたがたの上に深い眠りの霊を注ぎ、
あなたがたの目、預言者たちを閉じ、
あなたがたの頭、先見者たちをおおわれたから。
11 そこで、あなたがたにとっては、すべての幻が、封じられた書物のことばのようになった。これを、読み書きのできる人に渡して、「どうぞ、これを読んでください」と言っても、「これは、封じられているから読めない」と言い、
12 また、その書物を、読み書きのできない人に渡して、「どうぞ、これを読んでください」と言っても、「私は、読み書きができない」と答えよう。
13 そこで主は仰せられた。
「この民は口先で近づき、
くちびるでわたしをあがめるが、
その心はわたしから遠く離れている。
彼らがわたしを恐れるのは、
人間の命令を教え込まれてのことにすぎない。
14 それゆえ、見よ、
わたしはこの民に再び不思議なこと、
驚き怪しむべきことをする。
この民の知恵ある者の知恵は滅び、
悟りある者の悟りは隠される。」
15 ああ。
主に自分のはかりごとを深く隠す者たち。
彼らはやみの中で事を行い、
そして言う。「だれが、私たちを見ていよう。
だれが、私たちを知っていよう」と。
16 ああ、あなたがたは、物をさかさに考えている。
陶器師を粘土と同じにみなしてよかろうか。
造られた者が、それを造った者に、
「彼は私を造らなかった」と言い、
70陶器が陶器師に、
「彼はわからずやだ」と言えようか。
17 もうしばらくすれば、確かに、
レバノンは果樹園に変わり、
果樹園は森とみなされるようになる。
18 その日、耳の聞こえない者が書物のことばを聞き、
目の見えない者の目が暗黒とやみから物を見る。
19 へりくだる者は主によっていよいよ喜び、
貧しい人はイスラエルの聖なる方によって
楽しむ。
20 横暴な者はいなくなり、
あざける者は滅びてしまい、
悪をしようとうかがう者はみな、
断ち滅ぼされるからだ。
21 彼らは、うわさ話で他人を罪に陥れ、
城門でさばきをする者のあげあしを取り、
正しい人を、むなしい理由でくつがえす。
22 それゆえ、アブラハムを贖われた主は、
ヤコブの家について、こう仰せられる。
「今からは、ヤコブは恥を見ることがない。
今からは、顔色を失うことがない。
23 彼が自分の子らを見、
自分たちの中で、わたしの手のわざを見るとき、
彼らはわたしの名を聖とし、
ヤコブの聖なる方を聖とし、
イスラエルの神を恐れるからだ。
24 心の迷っている者は悟りを得、
つぶやく者もおしえを学ぶ。」
1 「ああ。反逆の子ら。
──主の御告げ──
彼らははかりごとをめぐらすが、わたしによらず、
同盟を結ぶが、わたしの霊によらず、
罪に罪を増し加えるばかりだ。
2 彼らはエジプトに下って行こうとするが、
わたしの指示をあおごうとしない。
パロの保護のもとに身を避け、
エジプトの陰に隠れようとする。
3 しかし、パロの保護にたよることは、
あなたがたの恥をもたらし、
エジプトの陰に身を隠すことは、
侮辱をもたらす。
4 その首長たちがツォアンにいても、
その使者たちがハネスに着いても、
5 彼らはみな、自分たちの役に立たない民のため、
はずかしめられる。
その民は彼らの助けとならず、役にも立たない。
かえって、恥となり、そしりとなる。」
6 ネゲブの獣に対する宣告。
「苦難と苦悩の地を通り、
雌獅子や雄獅子、
まむしや飛びかける燃える蛇のいる所を通り、
彼らはその財宝をろばの背に載せ、
宝物をらくだのこぶに載せて、
役にも立たない民のところに運ぶ。
7 そのエジプトの助けはむなしく、うつろ。
だから、わたしはこれを
71『何もしないラハブ』と呼んでいる。」
8 今、行って、これを彼らの前で板に書き、
書物にこれを書きしるし、
後の日のためとせよ。72世々限りなく。
9 彼らは反逆の民、うそつきの子ら、
主のおしえを聞こうとしない子らだから。
10 彼らは予見者に「見るな」と言い、
先見者にはこう言う。
「私たちに正しいことを預言するな。
私たちの気に入ることを語り、
偽りの預言をせよ。
11 道から離れ、小道からそれ、
私たちの前からイスラエルの聖なる方を消せ。」
12 それゆえ、
イスラエルの聖なる方は、こう仰せられる。
「あなたがたはわたしの言うことを
ないがしろにし、
73しいたげと悪巧みに拠り頼み、
これにたよった。
13 それゆえ、このあなたがたの不義は、
そそり立つ城壁に広がって
今にもそれを倒す裂け目のようになる。
それは、にわかに、急に、破滅をもたらす。
14 その破滅は、陶器師のつぼが
容赦なく打ち砕かれるときのような破滅。
その破片で、炉から火を集め、
水ためから水を汲むほどのかけらさえ
見いだされない。」
15 神である主、イスラエルの聖なる方は、
こう仰せられる。
「74立ち返って静かにすれば、
あなたがたは救われ、
落ち着いて、信頼すれば、
あなたがたは力を得る。」
しかし、あなたがたは、これを望まなかった。
16 あなたがたは言った。
「いや、私たちは馬に乗って逃げよう。」
それなら、あなたがたは逃げてみよ。
「私たちは早馬に乗って。」
それなら、あなたがたの追っ手はなお速い。
17 ひとりのおどしによって千人が逃げ、
五人のおどしによってあなたがたが逃げ、
ついに、山の頂の旗ざお、
丘の上の旗ぐらいしか残るまい。
18 それゆえ、主は
あなたがたに恵もうと待っておられ、
あなたがたをあわれもうと立ち上がられる。
主は正義の神であるからだ。
幸いなことよ。主を待ち望むすべての者は。
19 ああ、シオンの民、エルサレムに住む者。もうあなたは泣くことはない。あなたの叫び声に応じて、主は必ずあなたに恵み、それを聞かれるとすぐ、あなたに答えてくださる。
20 たとい主があなたがたに、乏しいパンと75わずかな水とを賜っても、あなたの教師はもう隠れることなく、あなたの目はあなたの教師を見続けよう。
21 あなたが右に行くにも左に行くにも、あなたの耳はうしろから「これが道だ。これに歩め」と言うことばを聞く。
22 あなたは、銀をかぶせた刻んだ像と、金をかぶせた鋳物の像を汚し、汚れた物としてそれをまき散らし、これに「出て行け」と言うであろう。
23 主は、あなたが畑に蒔く種に雨を降らせ、その土地の産する食物は豊かで滋養がある。その日、あなたの家畜の群れは、広々とした牧場で草をはみ、
24 畑を耕す牛やろばは、シャベルや熊手でふるい分けられた76味の良いまぐさを食べる。
25 大いなる虐殺の日、やぐらの倒れる日に、すべての高い山、すべてのそびえる丘の上にも、水の流れる運河ができる。
26主がその民の傷を包み、その打たれた傷をいやされる日に、月の光は日の光のようになり、日の光は七倍になって、七つの日の光のようになる。
27 見よ。主の御名が遠くから来る。
その怒りは燃え、
その燃え上がることはものすごく、
くちびるは憤りで満ち、
舌は焼き尽くす火のようだ。
28 その息は、ほとばしって、
首に達するあふれる流れのようだ。
77破滅のふるいで国々をふるい、
迷い出させる手綱を、国々の民のあごにかける。
29 あなたがたは、祭りを祝う夜のように歌い、
主の山、イスラエルの岩に行くために、
笛に合わせて進む者のように心楽しむ。
30 しかし、主は威厳のある御声を聞かせ、
激しい怒りと、焼き尽くす火の炎と、
大雨と、あらしと、雹の石をもって、
御腕の下るのを示される。
31 主の御声を聞いてアッシリヤはおののく。
主が杖でこれを打たれるからだ。
32 主がこれに下す懲らしめのむちのしなうごとに、
タンバリンと立琴が鳴らされる。
主は武器を振り動かして、これと戦う。
33 すでに78トフェテも整えられ、
特に王のために備えられているからだ。
それは深く、広くされてあり、
そこには火とたきぎとが多く積んである。
主の息は硫黄の流れのように、それを燃やす。
1 ああ。
助けを求めてエジプトに下る者たち。
彼らは馬にたより、
多数の戦車と、非常に強い騎兵隊とに拠り頼み、
イスラエルの聖なる方に目を向けず、
主を求めない。
2 しかし主は、知恵ある方、
わざわいをもたらし、
みことばを取り消さない。
主は、悪を行う者の家と、
不法を行う者を助ける者とを攻めたてられる。
3 エジプト人は人間であって神ではなく、
彼らの馬も、肉であって霊ではない。
主が御手を伸ばすと、
助ける者はつまずき、助けられる者は倒れて、
みな共に滅び果てる。
4 まことに主は、私にこう仰せられる。
「獅子、あるいは若獅子が
獲物に向かってほえるとき、
牧者がみなそのところに集められても、
それは、彼らの声に脅かされず、
彼らの騒ぎにも動じない。
そのように、万軍の主は下って来て、
シオンの山と79その丘を攻める。
5 万軍の主は飛びかける鳥のように、
エルサレムを守り、
これを守って救い出し、これを助けて解放する。」
6 イスラエルの子らよ。あなたがたが反逆を深めているその方のもとに帰れ。
7 その日、イスラエルの子らは、おのおの自分のために自分の手で造って罪を犯した銀の偽りの神々や金の偽りの神々を退けるからだ。
8 アッシリヤは人間のものでない剣に倒れ、
人間のものでない剣が彼らを食い尽くす。
アッシリヤは剣の前から逃げ、
若い男たちは苦役につく。
9 岩も恐れのために過ぎ去り、
首長たちも旗を捨てておののき逃げる。
──シオンに火を持ち、
エルサレムにかまどを持つ主の御告げ──
1 見よ。ひとりの王が正義によって治め、
首長たちは公義によってつかさどる。
2 彼らはみな、風を避ける避け所、
あらしを避ける隠れ場のようになり、
砂漠にある水の流れ、
かわききった地にある
大きな岩の陰のようになる。
3 見る者は目を堅く閉ざさず、
聞く者は耳を傾ける。
4 気短な者の心も知識を悟り、
どもりの舌も、
はっきりと早口で語ることができる。
5 もはや、しれ者が
高貴な人と呼ばれることがなく、
ならず者が上流の人と言われることもない。
6 なぜなら、しれ者は80恥ずべきことを語り、
その心は不法をたくらんで、81神を敬わず、
主に向かって迷いごとを語り、
飢えている者を飢えさせ、
渇いている者に飲み物を飲ませないからだ。
7 ならず者、そのやり方は悪い。
彼はみだらなことをたくらみ、
貧しい者が正しいことを申し立てても、
偽りを語って身分の低い者を滅ぼす。
8 しかし、高貴な人は高貴なことを計画し、
高貴なことを、いつもする。
9 のんきな女たちよ。
立ち上がって、わたしの声を聞け。
うぬぼれている娘たちよ。
わたしの言うことに耳を傾けよ。
10 うぬぼれている女たちよ。
一年と少しの日がたつと、
あなたがたはわななく。
ぶどうの収穫がなくなり、
その取り入れもできなくなるからだ。
11 のんきな女たちよ。おののけ。
うぬぼれている女たちよ。わななけ。
着物を脱ぎ、裸になり、腰に荒布をまとえ。
12 胸を打って嘆け。
麗しい畑、実りの多いぶどうの木のために。
13 いばらやおどろの生い茂る
わたしの民の土地のために。
そして、すべての楽しい家々、おごる都のために。
14 なぜなら、宮殿は見捨てられ、
町の騒ぎもさびれ、
オフェルと見張りの塔は、
いつまでも82荒地となり、
野ろばの喜ぶ所、羊の群れの牧場となるからだ。
15 しかし、ついには、
上から霊が私たちに注がれ、
荒野が果樹園となり、
果樹園が森とみなされるようになる。
16 公正は荒野に宿り、義は果樹園に住む。
17 義は平和をつくり出し、
義はとこしえの平穏と信頼をもたらす。
18 わたしの民は、平和な住まい、
安全な家、安らかないこいの場に住む。
19 ──雹が降ってあの森を倒し、
あの町は全く卑しめられる。──
20 ああ、幸いなことよ。
すべての水のほとりに種を蒔き、
牛とろばとを放し飼いするあなたがたは。
1 ああ。
自分は踏みにじられなかったのに、
人を踏みにじり、
自分は裏切られなかったのに、
人を裏切るあなたは。
あなたが踏みにじることを終えるとき、
あなたは踏みにじられ、
あなたが裏切りをやめるとき、
あなたは裏切られる。
2 主よ。私たちをあわれんでください。
私たちはあなたを待ち望みます。
朝ごとに、83私たちの腕となり、
苦難の時の私たちの救いとなってください。
3 騒ぎの声に国々の民は逃げ、
あなたが立ち上がると、国は散らされます。
4 あなたがたの分捕り物は、
油虫が物を集めるように集められ、
いなごの群れが飛びつくように飛びつかれる。
5 主はいと高き方で、高い所に住み、
シオンを公正と正義で満たされる。
6 あなたの時代は堅く立つ。
知恵と知識とが、救いの富である。
主を恐れることが、その財宝である。
7 見よ。彼らの84勇士はちまたで叫び、
平和の使者たちは激しく泣く。
8 大路は荒れ果て、道行く者はとだえ、
契約は破られ、85町々は捨てられ、
人は顧みられない。
9 国は喪に服し、しおれ、
レバノンははずかしめを受けて、しなび、
シャロンは荒地のようになり、
バシャンもカルメルも葉を振り落とす。
10 「今、わたしは立ち上がる」と主は仰せられる。
「今、わたしは自分を高め、
今、あがめられるようにしよう。
11 あなたがたは枯れ草をはらみ、わらを産む。
あなたがたの息は、あなたがたを食い尽くす火だ。
12 国々の民は焼かれて石灰となり、
刈り取られて火をつけられるいばらとなる。
13 遠くの者よ。わたしのしたことを聞け。
近くの者よ。わたしの力を知れ。」
14 罪人たちはシオンでわななき、
神を敬わない者は恐怖に取りつかれる。
「私たちのうち、
だれが焼き尽くす火に耐えられよう。
私たちのうち、
だれがとこしえに燃える炉に耐えられよう。」
15 正義を行う者、まっすぐに語る者、
強奪による利得を退ける者、
手を振ってわいろを取らない者、
耳を閉じて血なまぐさいことを聞かない者、
目を閉じて悪いことを見ない者、
16 このような人は、高い所に住み、
そのとりでは岩の上の要害である。
彼のパンは与えられ、その水は確保される。
17 あなたの目は、麗しい王を見、
遠く広がった国を見る。
18 あなたの心は、恐ろしかった事どもを思い起こす。
「数えた者はどこへ行ったのか。
測った者はどこへ行ったのか。
やぐらを数えた者はどこへ行ったのか。」
19 あなたは、もう横柄な民を見ない。
この民のことばはわかりにくく、
その舌はどもって、わけがわからない。
20 私たちの祝祭の都、シオンを見よ。
あなたの目は、安らかな住まい、
取り払われることのない天幕、エルサレムを見る。
その鉄のくいはとこしえに抜かれず、
その綱は一つも切られない。
21 しかも、そこには威厳のある主が
私たちとともにおられる。
そこには多くの川があり、広々とした川がある。
櫓をこぐ船もそこを通わず、
大船もそこを通らない。
22 まことに、主は私たちをさばく方、
主は私たちの立法者、
主は私たちの王、
この方が私たちを救われる。
23 あなたの帆の綱は解け、
帆柱の基は、結びつけることができず、
帆は、張ることもできない。
そのとき、おびただしい分捕り物や獲物は
分け取られ、
足のなえた者も獲物をかすめる。
24 そこに住む者は、だれも
「私は病気だ」とは言わず、
そこに住む民の罪は赦される。
1 国々よ。近づいて聞け。
諸国の民よ。耳を傾けよ。
地と、それに満ちるもの、
世界と、そこから生え出たすべてのものよ。聞け。
2 主がすべての国に向かって怒り、
すべての軍勢に向かって憤り、
彼らを聖絶し、
彼らが虐殺されるままにされたからだ。
3 彼らの殺された者は投げやられ、
その死体は悪臭を放ち、
山々は、その血によって溶ける。
4 天の万象は朽ち果て、
天は巻き物のように巻かれる。
その万象は、枯れ落ちる。
ぶどうの木から葉が枯れ落ちるように。
いちじくの木から葉が枯れ落ちるように。
5 天ではわたしの剣に86血がしみ込んでいる。
見よ。これがエドムの上に下り、
わたしが聖絶すると定めた民の上に下るからだ。
6 主の剣は血で満ち、脂肪で肥えている。
子羊ややぎの血と、
雄羊の腎臓の脂肪で肥えている。
主がボツラでいけにえをほふり、
エドムの地で大虐殺をされるからだ。
7 野牛は彼らとともに、雄牛は荒馬とともに倒れる。
彼らの地には血がしみ込み、
その土は脂肪で肥える。
8 それは主の復讐の日であり、
シオンの訴えのために仇を返す年である。
9 87エドムの川はピッチに、
その土は硫黄に変わり、
その地は燃えるピッチになる。
10 それは夜も昼も消えず、
いつまでもその煙は立ち上る。
そこは代々にわたって、廃墟となり、
だれも、もうそこを通る者はない。
11 88ペリカンと針ねずみがそこをわがものとし、
みみずくと烏がそこに住む。
主はその上に虚空の測りなわを張り、
虚無のおもりを下げられる。
12 そのおもだった人たちのうち、
王権を宣言する者が、だれもそこにはいない。
すべての首長たちもいなくなる。
13 そこの宮殿にはいばらが生え、
要塞にはいらくさやあざみが生え、
ジャッカルの住みか、だちょうの住む所となる。
14 荒野の獣は山犬に会い、
野やぎはその友を呼ぶ。
そこには89こうもりもいこい、
自分の休み場を見つける。
15 蛇もそこに巣を作って卵を産み、
それをかえして、自分の陰に集める。
とびもそれぞれ自分の連れ合いとそこに集まる。
16 主の書物を調べて読め。
これらのもののうちどれも失われていない。
それぞれ自分の連れ合いを欠くものはいない。
それは、90主の口がこれを命じ、
主の御霊が、これらを集めたからである。
17 主はこれらのもののために
受ける割り当てをくじで定め、
御手が測りなわで測ってこれを分け与えたので、
とこしえまでも彼らはこれを所有し、
代々にわたって、ここに住む。
1 荒野と砂漠は楽しみ、荒地は喜び、
サフランのように花を咲かせる。
2 盛んに花を咲かせ、喜び喜んで歌う。
レバノンの栄光と、
カルメルやシャロンの威光をこれに賜るので、
彼らは主の栄光、私たちの神の威光を見る。
3 弱った手を強め、
よろめくひざをしっかりさせよ。
4 心騒ぐ者たちに言え。
「強くあれ、恐れるな。
見よ、あなたがたの神を。
復讐が、神の報いが来る。
神は来て、あなたがたを救われる。」
5 そのとき、目の見えない者の目は開き、
耳の聞こえない者の耳はあく。
6 そのとき、足のなえた者は鹿のようにとびはね、
口のきけない者の舌は喜び歌う。
荒野に水がわき出し、
荒地に川が流れるからだ。
7 焼けた地は沢となり
潤いのない地は水のわく所となり、
ジャッカルの伏したねぐらは、
葦やパピルスの茂みとなる。
8 そこに大路があり、
その道は聖なる道と呼ばれる。
汚れた者はそこを通れない。
これは、91贖われた者たちのもの。
旅人も愚か者も、これに迷い込むことはない。
9 そこには獅子もおらず、
猛獣もそこに上って来ず、
そこで出会うこともない。
ただ、贖われた者たちがそこを歩む。
10 主に贖われた者たちは帰って来る。
彼らは喜び歌いながらシオンに入り、
その頭にはとこしえの喜びをいただく。
楽しみと喜びがついて来、
悲しみと嘆きとは逃げ去る。
1 ヒゼキヤ王の第十四年に、アッシリヤの王セナケリブが、ユダのすべての城壁のある町々を攻めて、これを取った。
2 アッシリヤの王は、ラブ・シャケに大軍をつけて、ラキシュからエルサレムに、ヒゼキヤ王のところへ送った。ラブ・シャケは布さらしの野への大路にある上の池の水道のそばに立った。
3 そこで、ヒルキヤの子である宮内長官エルヤキム、書記シェブナ、および、アサフの子である参議ヨアフが、彼のもとに出て行った。
4 ラブ・シャケは彼らに言った。「ヒゼキヤに伝えよ。大王、アッシリヤの王がこう言っておられる。
いったい、おまえは何に拠り頼んでいるのか。
5 口先だけのことばが、戦略であり戦力だと92思い込んでいるのか。今、おまえはだれに拠り頼んで私に反逆するのか。
6 おまえは、あのいたんだ葦の杖、エジプトに拠り頼んでいるが、これは、それに寄りかかる者の手を刺し通すだけだ。エジプトの王、パロは、すべて彼に拠り頼む者たちにそうするのだ。
7 おまえは私に『われわれは、われわれの神、主に拠り頼む』と言う。その主とは、ヒゼキヤが高き所と祭壇を取り除いておいて、ユダとエルサレムに向かい『この祭壇の前で拝め』と言ったそういう主ではないか、と。
8 さあ、今、私の主君、アッシリヤの王と、かけをしないか。もしおまえのほうで乗り手をそろえることができれば、私はおまえに二千頭の馬を与えよう。
9 おまえは戦車と騎兵のことでエジプトに拠り頼んでいるが、私の主君の最も小さい家来のひとりの総督をさえ撃退することはできないのだ。
10 今、私がこの国を滅ぼすために上って来たのは、主をさしおいてのことであろうか。主が私に『この国に攻め上って、これを滅ぼせ』と言われたのだ。」
11 エルヤキムとシェブナとヨアフとは、ラブ・シャケに言った。「どうかしもべたちには、アラム語で話してください。われわれはアラム語がわかりますから。城壁の上にいる民の聞いている所では、われわれにユダのことばで話さないでください。」
12 すると、ラブ・シャケは言った。「私の主君がこれらのことを告げに私を遣わされたのは、おまえの主君や、おまえのためだろうか。むしろ、城壁の上にすわっている者たちのためではないか。彼らはおまえたちといっしょに、自分の糞を食らい、自分の尿を飲むようになるのだ。」
13 こうして、ラブ・シャケはつっ立って、ユダのことばで大声に呼ばわって、言った。「大王、アッシリヤの王のことばを聞け。
14 王はこう言われる。ヒゼキヤにごまかされるな。あれはおまえたちを救い出すことはできない。
15 ヒゼキヤが、主は必ずわれわれを救い出してくださる、この町は決してアッシリヤの王の手に渡されることはない、と言って、おまえたちに主を信頼させようとするが、そうはさせない。
16 ヒゼキヤの言うことを聞くな。アッシリヤの王はこう言っておられるからだ。私と和を結び、私に降参せよ。そうすれば、おまえたちはみな、自分のぶどうと自分のいちじくを食べ、また、自分の井戸の水を飲めるのだ。
17 その後、私が来て、おまえたちの国と同じような国におまえたちを連れて行こう。そこは穀物とぶどう酒の地、パンとぶどう畑の地である。
18 おまえたちは、ヒゼキヤが、主がわれわれを救い出してくださると言っているのに、そそのかされないようにせよ。国々の神々が、だれか、自分の国をアッシリヤの王の手から救い出しただろうか。
19 ハマテやアルパデの神々は今、どこにいるのか。セファルワイムの神々はどこにいるのか。彼らはサマリヤを私の手から救い出したか。
20 これらの国々のすべての神々のうち、だれが自分たちの国を私の手から救い出しただろうか。主がエルサレムを私の手から救い出すとでもいうのか。」
21 しかし人々は黙っており、彼に一言も答えなかった。「彼に答えるな」というのが、王の命令だったからである。
22 ヒルキヤの子である宮内長官エルヤキム、書記シェブナ、アサフの子である参議ヨアフは、自分たちの衣を裂いてヒゼキヤのもとに行き、ラブ・シャケのことばを告げた。
1 ヒゼキヤ王は、これを聞いて、自分の衣を裂き、荒布を身にまとって、主の宮に入った。
2 彼は、宮内長官エルヤキム、書記シェブナ、年長の祭司たちに荒布をまとわせて、アモツの子、預言者イザヤのところに遣わした。
3 彼らはイザヤに言った。「ヒゼキヤはこう言っておられます。『きょうは、苦難と、懲らしめと、侮辱の日です。子どもが生まれようとするのに、それを産み出す力がないのです。
4 おそらく、あなたの神、主は、ラブ・シャケのことばを聞かれたことでしょう。彼の主君、アッシリヤの王が、生ける神をそしるために彼を遣わしたのです。あなたの神、主は、その聞かれたことばを責められますが、あなたはまだいる残りの者のため、祈りをささげてください。』」
5 ヒゼキヤ王の家来たちがイザヤのもとに来たとき、
6 イザヤは彼らに言った。「あなたがたの主君にこう言いなさい。
主はこう仰せられる。『あなたが聞いたあのことば、アッシリヤの王の若い者たちがわたしを冒瀆したあのことばを恐れるな。
7 今、わたしは彼のうちに一つの霊を入れる。彼は、あるうわさを聞いて、自分の国に引き揚げる。わたしは、その国で彼を剣で倒す。』」
8 ラブ・シャケは退いて、リブナを攻めていたアッシリヤの王と落ち合った。王がラキシュから移動したことを聞いたからである。
9 王は、93クシュの王ティルハカについて、「彼はあなたと戦うために出て来ている」と聞いた。彼はそれを聞くと、使者たちをヒゼキヤに送って言った。
10 「ユダの王ヒゼキヤにこう伝えよ。『おまえの信頼するおまえの神にごまかされるな。おまえは、エルサレムはアッシリヤの王の手に渡されないと言っている。
11 おまえは、アッシリヤの王たちがすべての国々にしたこと、それらを絶滅させたことを聞いている。それでも、おまえは救い出されるというのか。
12 私の先祖たちはゴザン、ハラン、レツェフ、および、テラサルにいたエデンの人々を滅ぼしたが、その国々の神々が彼らを救い出したのか。
13 ハマテの王、アルパデの王、セファルワイムの町の王、また、ヘナやイワの王は、どこにいるか。』」
14 ヒゼキヤは、使者の手からその手紙を受け取り、それを読み、主の宮に上って行って、それを主の前に広げた。
15 ヒゼキヤは主に祈って言った。
16 「ケルビムの上に座しておられるイスラエルの神、万軍の主よ。ただ、あなただけが、地のすべての王国の神です。あなたが天と地を造られました。
17主よ。御耳を傾けて聞いてください。主よ。御目を開いてご覧ください。生ける神をそしるために言ってよこしたセナケリブのことばをみな聞いてください。
18主よ。アッシリヤの王たちが、すべての国々と、その国土とを廃墟としたのは事実です。
19 彼らはその神々を火に投げ込みました。それらは神ではなく、人の手の細工、木や石にすぎなかったので、滅ぼすことができたのです。
20 私たちの神、主よ。今、私たちを彼の手から救ってください。そうすれば、地のすべての王国は、あなただけが主であることを知りましょう。」
21 アモツの子イザヤはヒゼキヤのところに人をやって言わせた。「イスラエルの神、主は、こう仰せられます。あなたがアッシリヤの王セナケリブについて、わたしに祈ったことを、94わたしは聞いた。
22 主が彼について語られたことばは次のとおりである。
処女であるシオンの娘は
あなたをさげすみ、あなたをあざける。
エルサレムの娘は、
あなたのうしろで、頭を振る。
23 あなたはだれをそしり、ののしったのか。
だれに向かって声をあげ、
高慢な目を上げたのか。
イスラエルの聖なる方に対してだ。
24 あなたはしもべたちを使って、
主をそしって言った。
『多くの戦車を率いて、
私は山々の頂に、
レバノンの奥深く上って行った。
そのそびえる杉の木と、
美しいもみの木を切り倒し、
私はその果ての高地、
木の茂った園にまで入って行った。
25 私は井戸を掘って水を飲み、
足の裏で
95エジプトのすべての川を干上がらせた』と。
26 あなたは聞かなかったのか。
昔から、それをわたしがなし、
大昔から、それをわたしが計画し、
今、それを果たしたことを。
それであなたは城壁のある町々を荒らして
廃墟の石くれの山としたのだ。
27 その住民は力うせ、おののいて、恥を見、
野の草や青菜、
育つ前に96干からびる屋根の草のようになった。
28 あなたがすわるのも、出て行くのも、
入るのも、わたしは知っている。
あなたがわたしに向かっていきりたつのも。
29 あなたがわたしに向かっていきりたち、
あなたの高ぶりが、わたしの耳に届いたので、
あなたの鼻には鉤輪を、
あなたの口にはくつわをはめ、
あなたを、もと来た道に引き戻そう。
30 あなたへのしるしは次のとおりである。
ことしは、落ち穂から生えたものを食べ、
二年目も、またそれから生えたものを食べ、
三年目は、種を蒔いて刈り入れ、
ぶどう畑を作ってその実を食べる。
31 ユダの家ののがれて残った者は
下に根を張り、上に実を結ぶ。
32 エルサレムから、残りの者が出て来、
シオンの山から、
のがれた者が出て来るからである。
万軍の主の熱心がこれをする。
33 それゆえ、アッシリヤの王について、
主はこう仰せられる。
彼はこの町に侵入しない。
また、ここに矢を放たず、
これに盾をもって迫らず、
塁を築いてこれを攻めることもない。
34 彼はもと来た道から引き返し、
この町には入らない。
──主の御告げ──
35 わたしはこの町を守って、これを救おう。
わたしのために、
わたしのしもべダビデのために。」
36主の使いが出て行って、アッシリヤの陣営で、十八万五千人を打ち殺した。人々が翌朝早く起きて見ると、なんと、彼らはみな、死体となっていた。
37 アッシリヤの王セナケリブは立ち去り、帰ってニネベに住んだ。
38 彼がその神ニスロクの宮で拝んでいたとき、その子のアデラメレクとサルエツェルは、剣で彼を打ち殺し、アララテの地へのがれた。それで彼の子エサル・ハドンが代わって王となった。
1 そのころ、ヒゼキヤは病気になって死にかかっていた。そこへ、アモツの子、預言者イザヤが来て、彼に言った。「主はこう仰せられます。『あなたの家を整理せよ。あなたは死ぬ。直らない。』」
2 そこでヒゼキヤは顔を壁に向けて、主に祈って、
3 言った。「ああ、主よ。どうか思い出してください。私が、まことを尽くし、全き心をもって、あなたの御前に歩み、あなたがよいと見られることを行ってきたことを。」こうして、ヒゼキヤは大声で泣いた。
4 そのとき、イザヤに次のような主のことばがあった。
5 「行って、ヒゼキヤに告げよ。
あなたの父ダビデの神、主は、こう仰せられます。『わたしはあなたの祈りを聞いた。あなたの涙も見た。見よ。わたしはあなたの寿命にもう十五年を加えよう。
6 わたしはアッシリヤの王の手から、あなたとこの町を救い出し、この町を守る。』
7 これがあなたへの主からのしるしです。主は約束されたこのことを成就されます。
8 見よ。わたしは、アハズの日時計におりた時計の影を、十度あとに戻す。」すると、97日時計におりた日が十度戻った。
9 ユダの王ヒゼキヤが、病気になって、その病気から回復したときにしるしたもの。
10 私は言った。
私は生涯の半ばで、98よみの門に入る。
私は、私の残りの年を失ってしまった。
11 私は言った。
死人の国の住人とともに、
再び人を見ることがない。
12 私の住みかは牧者の天幕のように引き抜かれ、
私から取り去られた。
私は、私のいのちを機織りのように巻いた。
主は私を、機から断ち切る。
あなたは昼も夜も、
私を全く捨てておかれます。
13 私は朝まで101叫びました。
主は、雄獅子のように
私のすべての骨を砕かれます。
あなたは昼も夜も、
私を全く捨てておかれます。
14 つばめや、つるのように、私は泣き、
鳩のように、うめきました。
私の目は、上を仰いで衰えました。
主よ。私はしいたげられています。
私の保証人となってください。
15 何を私は語れましょう。
主が私に語り、
主みずから行われたのに。
私は私のすべての年月、
私のたましいの苦しみのために、
静かに歩みます。
16 主よ。これらによって、人は生きるのです。
私の息のいのちも、
すべてこれらに従っています。
どうか、私を健やかにし、
私を生かしてください。
17 ああ、私の苦しんだ苦しみは
平安のためでした。
あなたは、滅びの穴から、
私のたましいを102引き戻されました。
あなたは私のすべての罪を、
あなたのうしろに投げやられました。
18 103よみはあなたをほめたたえず、
死はあなたを賛美せず、
穴に下る者たちは、
あなたのまことを待ち望みません。
19 生きている者、ただ生きている者だけが
今日の私のように、
あなたをほめたたえるのです。
父は子らにあなたのまことについて知らせます。
20 主は、私を救ってくださる。
私たちの生きている日々の間、
主の宮で琴をかなでよう。
21 イザヤは言った。「ひとかたまりの干しいちじくを持って来させ、腫物の上に塗りつけなさい。そうすれば直ります。」
22 ヒゼキヤは言った。「私が主の宮に上れるそのしるしは何ですか。」
1 そのころ、バルアダンの子、バビロンの王メロダク・バルアダンは、使者を遣わし、手紙と贈り物をヒゼキヤに届けた。彼が病気だったが、元気になった、ということを聞いたからである。
2 ヒゼキヤはそれらを喜び、宝庫、銀、金、香料、高価な油、いっさいの武器庫、彼の宝物倉にあるすべての物を彼らに見せた。ヒゼキヤがその家の中、および国中で、彼らに見せなかった物は一つもなかった。
3 そこで預言者イザヤが、ヒゼキヤ王のところに来て、彼に尋ねた。「あの人々は何を言いましたか。どこから来たのですか。」ヒゼキヤは答えた。「遠い国、バビロンから、私のところに来たのです。」
4 イザヤはまた言った。「彼らは、あなたの家で何を見たのですか。」ヒゼキヤは答えた。「私の家の中のすべての物を見ました。私の宝物倉の中で彼らに見せなかった物は一つもありません。」
5 すると、イザヤはヒゼキヤに言った。「万軍の主のことばを聞きなさい。
6 見よ。あなたの家にある物、あなたの先祖たちが今日まで、たくわえてきた物がすべて、バビロンへ運び去られる日が来ている。何一つ残されまい、と主は仰せられます。
7 また、あなたの生む、あなた自身の息子たちのうち、捕らえられてバビロンの王の宮殿で宦官となる者があろう。」
8 ヒゼキヤはイザヤに言った。「あなたが告げてくれた主のことばはありがたい。」彼は、自分が生きている間は、平和で安全だろう、と思ったからである。
1 「慰めよ。慰めよ。わたしの民を」と
あなたがたの神は仰せられる。
2 「エルサレムに優しく語りかけよ。
これに呼びかけよ。
その労苦は終わり、その咎は償われた。
そのすべての罪に引き替え、
二倍のものを主の手から受けたと。」
3 104荒野に呼ばわる者の声がする。
「主の道を整えよ。
105荒地で、私たちの神のために、
大路を平らにせよ。
4 すべての谷は埋め立てられ、
すべての山や丘は低くなる。
盛り上がった地は平地に、
険しい地は平野となる。
5 このようにして、主の栄光が現されると、
すべての106者が共にこれを見る。
主の御口が語られたからだ。」
6 107「呼ばわれ」と言う者の声がする。
108私は、
「何と呼ばわりましょう」と答えた。
「すべての109人は草、
110その栄光は、みな野の花のようだ。
7 主のいぶきがその上に吹くと、
草は枯れ、花はしぼむ。
まことに、民は草だ。
8 草は枯れ、花はしぼむ。
だが、私たちの神のことばは永遠に立つ。」
9 シオンに良い知らせを伝える者よ。
高い山に登れ。
エルサレムに良い知らせを伝える者よ。
力の限り声をあげよ。
声をあげよ。恐れるな。
ユダの町々に言え。
「見よ。あなたがたの神を。」
10 見よ。111神である主は力をもって来られ、
その御腕で統べ治める。
見よ。その報いは主とともにあり、
その報酬は主の前にある。
11 主は羊飼いのように、その群れを飼い、
御腕に子羊を引き寄せ、ふところに抱き、
乳を飲ませる羊を優しく導く。
12 だれが、手のひらで水を量り、
手の幅で天を推し量り、
地のちりを枡に盛り、
山をてんびんで量り、丘をはかりで量ったのか。
13 だれが主の霊を推し量り、
主の顧問として教えたのか。
14 主はだれと相談して悟りを得られたのか。
だれが公正の道筋を主に教えて、
知識を授け、英知の道を知らせたのか。
15 見よ。国々は、手おけの一しずく、
はかりの上のごみのようにみなされる。
見よ。主は島々を細かいちりのように取り上げる。
16 レバノンも、たきぎにするには、足りない、
その獣も、全焼のいけにえにするには、足りない。
17 すべての国々も主の前では無いに等しく、
主にとっては
むなしく形もないものとみなされる。
18 あなたがたは、神をだれになぞらえ、
神をどんな似姿に似せようとするのか。
19 鋳物師は偶像を鋳て造り、
金細工人はそれに金をかぶせ、銀の鎖を作る。
20 貧しい者は、奉納物として、
朽ちない木を選び、
巧みな細工人を捜して、
動かない偶像を据える。
21 あなたがたは知らないのか。聞かないのか。
初めから、告げられなかったのか。
地の基がどうして置かれたかを
悟らなかったのか。
22 主は地をおおう天蓋の上に住まわれる。
地の住民はいなごのようだ。
主は天を薄絹のように延べ、
これを天幕のように広げて住まわれる。
23 君主たちを無に帰し、
地のさばきつかさをむなしいものにされる。
24 彼らが、やっと植えられ、やっと蒔かれ、
やっと地に根を張ろうとするとき、
主はそれに風を吹きつけ、彼らは枯れる。
暴風がそれを、わらのように散らす。
25 「それなのに、わたしを、だれになぞらえ、
だれと比べようとするのか」と
聖なる方は仰せられる。
26 目を高く上げて、
だれがこれらを創造したかを見よ。
この方は、その万象を数えて呼び出し、
一つ一つ、その名をもって、呼ばれる。
この方は精力に満ち、その力は強い。
一つももれるものはない。
27 ヤコブよ。なぜ言うのか。
イスラエルよ。なぜ言い張るのか。
「私の道は主に隠れ、
私の正しい訴えは、
私の神に見過ごしにされている」と。
28 あなたは知らないのか。聞いていないのか。
主は永遠の神、地の果てまで創造された方。
疲れることなく、たゆむことなく、
その英知は測り知れない。
29 疲れた者には力を与え、
精力のない者には活気をつける。
30 若者も疲れ、たゆみ、
若い男もつまずき倒れる。
31 しかし、主を待ち望む者は新しく力を得、
鷲のように翼をかって上ることができる。
走ってもたゆまず、歩いても疲れない。
1 島々よ。わたしの前で静まれ。
諸国の民よ。新しい力を得よ。
近寄って、今、語れ。
われわれは、こぞって、さばきの座に近づこう。
2 だれが、ひとりの者を東から起こし、
彼の行く先々で勝利を収めさせるのか。
彼の前に国々を渡し、
王たちを踏みにじらせ、
その剣で彼らをちりのようにし、
その弓でわらのように吹き払う。
3 彼は彼らを追い、
まだ歩いて行ったことのない道を
安全に通って行く。
4 だれが、これを成し遂げたのか。
初めから代々の人々に呼びかけた者ではないか。
わたし、主こそ初めであり、
また終わりとともにある。わたしがそれだ。
5 島々は見て恐れた。
地の果ては震えながら
近づいて来た。
6 彼らは互いに助け合い、
その兄弟に「強くあれ」と言う。
7 鋳物師は金細工人を力づけ、
金槌で打つ者は、鉄床をたたく者に、
はんだづけについて「それで良い」と言い、
釘で打ちつけて動かないようにする。
8 しかし、わたしのしもべ、イスラエルよ。
わたしが選んだヤコブ、
わたしの友、アブラハムのすえよ。
9 わたしは、あなたを地の果てから112連れ出し、
地のはるかな所からあなたを呼び出して言った。
「あなたは、わたしのしもべ。
わたしはあなたを選んで、捨てなかった。」
10 恐れるな。わたしはあなたとともにいる。
たじろぐな。わたしがあなたの神だから。
わたしはあなたを強め、あなたを助け、
わたしの義の右の手で、あなたを守る。
11 見よ。あなたに向かっていきりたつ者はみな、
恥を見、はずかしめを受け、
あなたと争う者たちは、
無いもののようになって滅びる。
12 あなたと言い争いをする者を捜しても、
あなたは見つけることはできず、
あなたと戦う者たちは、全くなくなってしまう。
13 あなたの神、主であるわたしが、
あなたの右の手を堅く握り、
「恐れるな。わたしがあなたを助ける」
と言っているのだから。
14 恐れるな。虫けらのヤコブ、
イスラエルの人々。
わたしはあなたを助ける。
──主の御告げ──
あなたを贖う者はイスラエルの聖なる者。
15 見よ。わたしはあなたを
鋭い、新しいもろ刃の打穀機とする。
あなたは、山々を踏みつけて粉々に砕く。
丘をもみがらのようにする。
16 あなたがそれをあおぐと、風が運び去り、
暴風がそれをまき散らす。
あなたは主によって喜び、
イスラエルの聖なる者によって誇る。
17 悩んでいる者や貧しい者が水を求めても
水はなく、
その舌は渇きで干からびるが、
わたし、主は、彼らに答え、
イスラエルの神は、彼らを見捨てない。
18 わたしは、裸の丘に川を開き、
平地に泉をわかせる。
荒野を水のある沢とし、
砂漠の地を水の源とする。
19 わたしは荒野の中に杉や、アカシヤ、
ミルトス、オリーブの木を植え、
荒地にもみの木、
すずかけ、檜も共に植える。
20 主の手がこのことをし、
イスラエルの聖なる者がこれを創造したことを、
彼らが見て知り、
心に留めて、共に悟るためである。
21 あなたがたの訴えを出せ、と主は仰せられる。
あなたがたの証拠を持って来い、と
ヤコブの王は仰せられる。
22 持って来て、後に起ころうとする事を告げよ。
先にあった事は何であったのかを告げよ。
そうすれば、われわれもそれに心を留め、
また後の事どもを知ることができよう。
または、来たるべき事をわたしたちに聞かせよ。
23 後に起ころうとする事を告げよ。
そうすれば、われわれは、
あなたがたが神であることを知ろう。
良いことでも、悪いことでもしてみよ。
そうすれば、われわれは共に見て驚こう。
24 見よ。あなたがたは無に等しい。
あなたがたのわざはむなしい。
あなたがたを選んだことは忌まわしい。
25 わたしが北から人を起こすと、彼は来て、
日の出る所から、わたしの名を呼ぶ。
彼は長官たちを
しっくいのように踏む。
陶器師が粘土を踏みつけるように。
26 だれか、初めから告げて、われわれに
このことを知るようにさせただろうか。
だれか、あらかじめ、われわれに
「それは正しい」と言うようにさせただろうか。
告げた者はひとりもなく、
聞かせた者もひとりもなく、
あなたがたの言うことを聞いた者も
だれひとり、いなかった。
27 わたしが、最初にシオンに、
「見よ。これを見よ」113と言い、
わたしが、エルサレムに、
良い知らせを伝える者を与えよう。
28 わたしが見回しても、だれもいない。
彼らの中には、
わたしが尋ねても返事のできる助言者もいない。
29 見よ。彼らはみな、偽りを言い、
彼らのなすことはむなしい。
彼らの鋳た像は風のように形もない。
1 見よ。わたしのささえるわたしのしもべ、
わたしの心の喜ぶわたしが選んだ者。
わたしは彼の上にわたしの霊を授け、
彼は国々に公義をもたらす。
2 彼は叫ばず、声をあげず、
ちまたにその声を聞かせない。
3 彼はいたんだ葦を折ることもなく、
くすぶる燈心を消すこともなく、
まことをもって公義をもたらす。
4 彼は衰えず、くじけない。
ついには、地に公義を打ち立てる。
島々も、そのおしえを待ち望む。
5 天を造り出し、これを引き延べ、
地とその産物を押し広め、
その上の民に息を与え、
この上を歩む者に霊を授けた神なる主は
こう仰せられる。
6 「わたし、主は、
義をもってあなたを召し、
あなたの手を握り、
あなたを見守り、
あなたを民の契約とし、国々の光とする。
7 こうして、見えない目を開き、
囚人を牢獄から、
やみの中に住む者を獄屋から連れ出す。
8 わたしは114主、これがわたしの名。
わたしの栄光を他の者に、
わたしの栄誉を刻んだ像どもに与えはしない。
9 先の事は、見よ、すでに起こった。
新しい事を、わたしは告げよう。
それが起こる前に、あなたがたに聞かせよう。」
10 主に向かって新しい歌を歌え、
その栄誉を地の果てから。
海に下る者、115そこを渡るすべての者、
島々とそこに住む者よ。
11 荒野とその町々、
ケダル人の住む村々よ。声をあげよ。
セラに住む者は喜び歌え。
山々の頂から声高らかに叫べ。
12 主に栄光を帰し、
島々にその栄誉を告げ知らせよ。
13 主は勇士のようにいで立ち、
戦士のように激しく奮い立ち、
ときの声をあげて叫び、
敵に向かって威力を現す。
14 わたしは久しく黙っていた。
静かに自分を押さえていた。
116今は、子を産む女のようにうめき、
激しい息づかいであえぐ。
15 わたしは山や丘を荒らし、
そのすべての青草を枯らし、
川を117かわいた地とし、
沢をからす。
16 わたしは目の見えない者に、
彼らの知らない道を歩ませ、
彼らの知らない通り道を行かせる。
彼らの前でやみを光に、
でこぼこの地を平らにする。
これらのことをわたしがして、
彼らを見捨てない。
17 彫像に拠り頼み、鋳像に、
「あなたがたこそ、私たちの神々」と言う者は、
退けられて、恥を見る。
18 耳の聞こえない者たちよ、聞け。
目の見えない者たちよ、目をこらして見よ。
19 わたしのしもべほどの盲目の者が、
だれかほかにいようか。
わたしの送る使者のような耳の聞こえない者が、
ほかにいようか。
118わたしに買い取られた者のような盲目の者、
主のしもべのような盲目の者が、
だれかほかにいようか。
20 あなたは多くのことを見ながら、心に留めず、
耳を開きながら、聞こうとしない。
21 主は、ご自分の義のために、
みおしえを広め、
これを輝かすことを望まれた。
22 これは、かすめ奪われ、
略奪された民のことであって、
若い男たちはみな、わなにかかり、
獄屋に閉じ込められた。
彼らはかすめ奪われたが、助け出す者もなく、
奪い取られても、それを返せと言う者もいない。
23 あなたがたのうち、だれが、これに耳を傾け、
だれが、後々のために注意して聞くだろうか。
24 だれが、ヤコブを、奪い取る者に渡し、
イスラエルを、かすめ奪う者に渡したのか。
それは主ではないか。
この方に、私たちは罪を犯し、
主の道に歩むことを望まず、
そのおしえに聞き従わなかった。
25 そこで主は、燃える怒りをこれに注ぎ、
激しい戦いをこれに向けた。
それがあたりを焼き尽くしても、彼は悟らず、
自分に燃えついても、心に留めなかった。
1 だが、今、ヤコブよ。
あなたを造り出した方、主はこう仰せられる。
イスラエルよ。
あなたを形造った方、主はこう仰せられる。
「恐れるな。わたしがあなたを贖ったのだ。
わたしはあなたの名を呼んだ。
あなたはわたしのもの。
2 あなたが水の中を過ぎるときも、
わたしはあなたとともにおり、
川を渡るときも、あなたは押し流されない。
火の中を歩いても、あなたは焼かれず、
炎はあなたに燃えつかない。
3 わたしが、あなたの神、主、
イスラエルの聖なる者、
あなたの救い主であるからだ。
わたしは、エジプトをあなたの身代金とし、
119クシュとセバをあなたの代わりとする。
4 わたしの目には、あなたは高価で尊い。
わたしはあなたを愛している。
だからわたしは人をあなたの代わりにし、
国民をあなたのいのちの代わりにするのだ。
5 恐れるな。
わたしがあなたとともにいるからだ。
わたしは東から、あなたの子孫を来させ、
西から、あなたを集める。
6 わたしは、北に向かって『引き渡せ』と言い、
南に向かって『引き止めるな』と言う。
わたしの子らを遠くから来させ、
わたしの娘らを地の果てから来させよ。
7 わたしの名で呼ばれるすべての者は、
わたしの栄光のために、わたしがこれを創造し、
これを形造り、これを造った。
8 目があっても盲目の民、
耳があっても聞こえない者たちを連れ出せ。
9 すべての国々をつどわせ、
諸国の民を集めよ。
彼らのうちのだれが、このことを告げ、
先の事をわれわれに聞かせることができようか。
彼らの証人を出して証言させ、
それを聞く者に『ほんとうだ』と言わせよ。
10 あなたがたはわたしの証人、
──主の御告げ──
わたしが選んだわたしのしもべである。
これは、あなたがたが知って、わたしを信じ、
わたしがその者であることを悟るためだ。
わたしより先に造られた神はなく、
わたしより後にもない。
11 わたし、このわたしが、主であって、
わたしのほかに救い主はいない。
12 このわたしが、告げ、救い、聞かせたのだ。
あなたがたのうちに、異なる120神はなかった。
だから、あなたがたはわたしの証人。
──主の御告げ──わたしは神だ。
13 これから後もわたしは121神だ。
わたしの手から救い出せる者はなく、
わたしが事を行えば、
だれがそれを戻しえよう。」
14 あなたがたを贖われたイスラエルの聖なる方、
主はこう仰せられる。
「あなたがたのために、
わたしはバビロンに使いを送り、
彼らの横木をみな突き落とし、
カルデヤ人を喜び歌っている船から突き落とす。
15 わたしは主、あなたがたの聖なる者、
イスラエルの創造者、あなたがたの王である。」
16 海の中に道を、
激しく流れる水の中に通り道を設け、
17 戦車と馬、強力な軍勢を連れ出した主は
こう仰せられる。
「彼らはみな倒れて起き上がれず、
燈心のように消える。
18 先の事どもを思い出すな。
昔の事どもを考えるな。
19 見よ。わたしは新しい事をする。
今、もうそれが起ころうとしている。
あなたがたは、それを知らないのか。
確かに、わたしは荒野に道を、
荒地に川を設ける。
20 野の獣、ジャッカルや、だちょうも、
わたしをあがめる。
わたしが荒野に水をわき出させ、
荒地に川を流し、
わたしの民、わたしの選んだ者に飲ませるからだ。
21 わたしのために造ったこの民は
わたしの栄誉を宣べ伝えよう。
22 しかしヤコブよ。
あなたはわたしを呼び求めなかった。
イスラエルよ。
あなたはわたしのために労苦しなかった。
23 あなたはわたしに、
全焼のいけにえの羊を携えて来ず、
いけにえをささげて、
わたしをあがめようともしなかった。
わたしは穀物のささげ物のことで、
あなたに苦労をさせず、
乳香のことであなたを煩わせもしなかった。
24 あなたはわたしのために、
金を払って菖蒲を買わず、
いけにえの脂肪で、わたしを満足させなかった。
かえって、あなたの罪で、わたしに苦労をさせ、
あなたの不義で、わたしを煩わせただけだ。
25 わたし、このわたしは、わたし自身のために
あなたのそむきの罪をぬぐい去り、
もうあなたの罪を思い出さない。
26 わたしに思い出させよ。
共に論じ合おう。
身の潔白を明かすため、
あなたのほうから述べたてよ。
27 あなたの最初の先祖は罪を犯し、
あなたの代言者たちは、わたしにそむいた。
28 それで、わたしは聖所のつかさたちを汚し、
ヤコブが聖絶されるようにし、
イスラエルが、ののしられるようにした。」
1 今、聞け、わたしのしもべヤコブ、
わたしの選んだイスラエルよ。
2 あなたを造り、
あなたを母の胎内にいる時から形造って、
あなたを助ける主はこう仰せられる。
「恐れるな。わたしのしもべヤコブ、
わたしの選んだエシュルンよ。
3 わたしは潤いのない地に水を注ぎ、
かわいた地に豊かな流れを注ぎ、
わたしの霊をあなたのすえに、
わたしの祝福をあなたの子孫に注ごう。
4 彼らは、流れのほとりの柳の木のように、
青草の間に芽ばえる。
5 ある者は『私は主のもの』と言い、
ある者はヤコブの名を名のり、
ある者は手に『主のもの』としるして、
イスラエルの名を名のる。」
6 イスラエルの王である主、これを贖う方、
万軍の主はこう仰せられる。
「わたしは初めであり、
わたしは終わりである。
わたしのほかに神はない。
7 わたしが永遠の民を起こしたときから、
だれが、わたしのように宣言して、
これを告げることができたか。
これをわたしの前で並べたててみよ。
彼らに未来の事、来たるべき事を
告げさせてみよ。
8 恐れるな、おののくな。
わたしが、もう古くからあなたに聞かせ、
告げてきたではないか。
あなたがたはわたしの証人。
わたしのほかに神があろうか。
122ほかに岩はない。わたしは知らない。
9偶像を造る者はみな、むなしい。彼らの慕うものは何の役にも立たない。彼らの123仕えるものは、見ることもできず、知ることもできない。彼らはただ恥を見るだけだ。
10 だれが、いったい、何の役にも立たない神を造り、偶像を鋳たのだろうか。
11 見よ。その信徒たちはみな、恥を見る。それを細工した者が人間にすぎないからだ。彼らはみな集まり、立つがよい。彼らはおののいて共に恥を見る。
12 鉄で細工する者はなたを使い、炭火の上で細工し、金槌でこれを形造り、力ある腕でそれを造る。彼も腹がすくと力がなくなり、水を飲まないと疲れてしまう。
13 木で細工する者は、測りなわで測り、124朱で輪郭をとり、かんなで削り、コンパスで線を引き、人の形に造り、人間の美しい姿に仕上げて、神殿に安置する。
14 彼は杉の木を切り、あるいはうばめがしや樫の木を選んで、林の木の中で自分のために125育てる。また、月桂樹を植えると、大雨が育てる。
15 それは人間のたきぎになり、人はそのいくらかを取って暖まり、また、これを燃やしてパンを焼く。また、これで神を造って拝み、それを偶像に仕立てて、これにひれ伏す。
16 その半分は火に燃やし、その半分で肉を食べ、あぶり肉をあぶって満腹する。また、暖まって、『ああ、暖まった。熱くなった』と言う。
17 その残りで神を造り、自分の偶像とし、それにひれ伏して拝み、それに祈って『私を救ってください。あなたは私の神だから』と言う。
18 彼らは知りもせず、悟りもしない。彼らの目は固くふさがって見ることもできず、彼らの心もふさがって悟ることもできない。
19 彼らは考えてもみず、知識も英知もないので、『私は、その半分を火に燃やし、その炭火でパンを焼き、肉をあぶって食べた。その残りで忌みきらうべき物を造り、木の切れ端の前にひれ伏すのだろうか』とさえ言わない。
20灰にあこがれる者の心は欺かれ、惑わされて、自分を救い出すことができず、『私の右の手には偽りがないのだろうか』とさえ言わない。
21 ヤコブよ。これらのことを覚えよ。
イスラエルよ。あなたはわたしのしもべ。
わたしが、あなたを造り上げた。
あなたは、わたし自身のしもべだ。
イスラエルよ。
あなたはわたしに忘れられることがない。
22 わたしは、あなたのそむきの罪を雲のように、
あなたの罪をかすみのようにぬぐい去った。
わたしに帰れ。
わたしは、あなたを贖ったからだ。」
23 天よ。喜び歌え。
主がこれを成し遂げられたから。
地のどん底よ。喜び叫べ。
山々よ。喜びの歌声をあげよ。
林とそのすべての木も。
主がヤコブを贖い、
イスラエルのうちに、
その栄光を現されるからだ。
24 あなたを贖い、
あなたを母の胎内にいる時から形造った方、主は
こう仰せられる。
「わたしは万物を造った主だ。
わたしはひとりで天を張り延ばし、
126ただ、わたしだけで、地を押し広げた。
25 わたしは自慢する者らのしるしを破り、
占い師を狂わせ、
知恵ある者を退けて、その知識を愚かにする。
26 わたしは、わたしのしもべのことばを成就させ、
わたしの使者たちの計画を成し遂げさせる。
エルサレムに向かっては、
『人が住むようになる』と言い、
ユダの町々に向かっては、『町々は再建され、
その廃墟はわたしが復興させる』と言う。
27 淵に向かっては、『干上がれ。
わたしはおまえの川々をからす』と言う。
28 わたしはクロスに向かっては、『わたしの牧者、
わたしの望む事をみな成し遂げる』と言う。
エルサレムに向かっては、
『再建される。
神殿は、その基が据えられる』と言う。」
1 主は、油そそがれた者クロスに、
こう仰せられた。
「わたしは彼の右手を握り、
彼の前に諸国を下らせ、
王たちの腰の帯を解き、
彼の前にとびらを開いて、
その門を閉じさせないようにする。
2 わたしはあなたの前に進んで、
険しい地を平らにし、
青銅のとびらを打ち砕き、
鉄のかんぬきをへし折る。
3 わたしは秘められている財宝と、
ひそかな所の隠された宝をあなたに与える。
それは、
わたしが主であり、あなたの名を呼ぶ者、
イスラエルの神であることを
あなたが知るためだ。
4 わたしのしもべヤコブ、
わたしが選んだイスラエルのために、
わたしはあなたをあなたの名で呼ぶ。
あなたはわたしを知らないが、
わたしはあなたに肩書を与える。
5 わたしが主である。ほかにはいない。
わたしのほかに神はいない。
あなたはわたしを知らないが、
わたしはあなたに力を帯びさせる。
6 それは、日の上る方からも、西からも、
わたしのほかには、だれもいないことを、
人々が知るためだ。
わたしが主である。ほかにはいない。
7 わたしは光を造り出し、やみを創造し、
平和をつくり、わざわいを創造する。
わたしは主、これらすべてを造る者。」
8 「天よ。上から、したたらせよ。
雲よ。正義を降らせよ。
地よ。開いて救いを実らせよ。
正義も共に芽ばえさせよ。
わたしは主、わたしがこれを創造した。」
9 ああ。
陶器が陶器を作る者に抗議するように
自分を造った者に抗議する者。
粘土は、形造る者に、
「何を作るのか」とか、
「あなたの作った物には、手がついていない」
などと言うであろうか。
10 ああ。
自分の父に「なぜ、子どもを生むのか」と言い、
母に「なぜ、産みの苦しみをするのか」と言う者。
11 イスラエルの聖なる方、これを形造った方、
主はこう仰せられる。
「これから起こる事を、
わたしに尋ねようとするのか。
わたしの子らについて、
わたしの手で造ったものについて、
わたしに命じるのか。
12 このわたしが地を造り、
その上に人間を創造した。
わたしはわたしの手で天を引き延べ、
その万象に命じた。
13 わたしは勝利のうちに彼を奮い立たせ、
彼の道をみな、平らにする。
彼はわたしの町を建て、
わたしの捕囚の民を解放する。
代価を払ってでもなく、
わいろによってでもない」と
万軍の主は仰せられる。
14 主はこう仰せられる。
「エジプトの産物と、127クシュの商品、
それに背の高いセバ人も、
あなたのところにやって来て、
あなたのものとなる。
彼らは鎖につながれて、
あなたに従って来、
あなたにひれ伏して、あなたに祈って言う。
『神はただあなたのところにだけおられ、
ほかにはなく、ほかに神々はいない。』」
15 イスラエルの神、救い主よ。
まことに、あなたはご自身を隠す神。
16 偶像を細工する者どもはみな、恥を見、
みな共に、はずかしめを受け、恥の中に去る。
17 イスラエルは主によって救われ、
永遠の救いに入る。
あなたがたは恥を見ることがなく、
いつまでも、はずかしめを受けることがない。
18 天を創造した方、すなわち神、
地を形造り、これを仕上げた方、
すなわちこれを堅く立てた方、
これを茫漠としたものに創造せず、
人の住みかにこれを形造った方、
まことに、この主がこう仰せられる。
「わたしが主である。ほかにはいない。
19 わたしは隠れた所、
やみの地の場所で語らなかった。
荒地で、ヤコブの子らに
わたしを尋ね求めよと言わなかった。
わたしは主、
正義を語り、公正を告げる者。
20 諸国からの逃亡者たちよ。
集まって来て、共に近づけ。
木の偶像をになう者、
救えもしない神に祈る者らは、何も知らない。
21 告げよ。証拠を出せ。共に相談せよ。
だれが、これを昔から聞かせ、
以前からこれを告げたのか。
わたし、主ではなかったか。
わたしのほかに神はいない。
正義の神、救い主、
わたしをおいてほかにはいない。
22 地の果てのすべての者よ。
わたしを仰ぎ見て救われよ。
わたしが神である。ほかにはいない。
23 わたしは自分にかけて誓った。
128わたしの口から出ることばは正しく、
取り消すことはできない。
すべてのひざはわたしに向かってかがみ、
すべての舌は誓い、
24 わたしについて、『ただ、主にだけ、
正義と力がある』と言う。
主に向かっていきりたつ者はみな、
主のもとに来て恥じ入る。
25 イスラエルの子孫はみな、
主によって義とされ、誇る。」
1 「ベルはひざまずき、ネボはかがむ。
彼らの偶像は獣と家畜に載せられ、
あなたがたの運ぶものは荷物となり、
疲れた獣の重荷となる。
2 彼らは共にかがみ、ひざまずく。
彼らは重荷を解くこともできず、
彼ら自身もとりことなって行く。
3 わたしに聞け、
ヤコブの家と、イスラエルの家の
すべての残りの者よ。
胎内にいる時からになわれており、
生まれる前から運ばれた者よ。
4 あなたがたが年をとっても、
わたしは同じようにする。
あなたがたがしらがになっても、
わたしは背負う。
わたしはそうしてきたのだ。
なお、わたしは運ぼう。
わたしは背負って、救い出そう。
5 わたしをだれになぞらえて比べ、
わたしをだれと並べて、なぞらえるのか。
6 袋から金を惜しげなく出し、
銀をてんびんで量る者たちは、
金細工人を雇って、それで神を造り、
これにひざまずいて、すぐ拝む。
7 彼らはこれを肩にかついで運び、
下に置いて立たせる。
これはその場からもう動けない。
これに叫んでも答えず、
悩みから救ってもくれない。
8 このことを思い出し、しっかりせよ。
そむく者らよ。心に思い返せ。
9 遠い大昔の事を思い出せ。
わたしが神である。ほかにはいない。
わたしのような神はいない。
10 わたしは、終わりの事を初めから告げ、
まだなされていない事を昔から告げ、
『わたしのはかりごとは成就し、
わたしの望む事をすべて成し遂げる』と言う。
11 わたしは、東から猛禽を、
遠い地から、
わたしのはかりごとを行う者を呼ぶ。
わたしが語ると、すぐそれを行い、
わたしが計ると、すぐそれをする。
12 わたしに聞け。
強情な者、正義から遠ざかっている者たちよ。
13 わたしは、わたしの勝利を近づける。
それは遠くはない。
わたしの救いは遅れることがない。
わたしはシオンに救いを与え、
イスラエルにわたしの光栄を与える。」
1 「おとめバビロンの娘よ。
下って、ちりの上にすわれ。
カルデヤ人の娘よ。王座のない地にすわれ。
もうあなたは、
優しい上品な女と呼ばれないからだ。
2 ひき臼を取って粉をひけ。
顔おおいを取り去り、
すそをまくって、すねを出し、川を渡れ。
3 あなたの裸は現れ、
あなたの恥もあらわになる。
わたしは復讐をする。だれひとり容赦しない。」
4 私たちを贖う方、その名は万軍の主、
イスラエルの聖なる方。
5 「カルデヤ人の娘よ。
黙ってすわり、やみに入れ。
あなたはもう、
王国の女王と呼ばれることはないからだ。
6 わたしは、わたしの民を怒って、
わたしのゆずりの民を汚し、
彼らをあなたの手に渡したが、
あなたは彼らをあわれまず、
老人にも、ひどく重いくびきを負わせた。
7 あなたは『いつまでも、私は女王でいよう』
と考えて、
これらのことを心に留めず、
自分の終わりのことを思ってもみなかった。
8 だから今、これを聞け。
楽しみにふけり、安心して住んでいる女。
心の中で、『129私だけは特別だ。
私はやもめにはならないし、
子を失うことも知らなくて済もう』と言う者よ。
9 子を失うことと、やもめになること、
この二つが一日のうちに、
またたくまにあなたに来る。
あなたがどんなに多く呪術を行っても、
どんなに強く呪文を唱えても、
これらは突然、あなたを見舞う。
10 あなたは自分の悪に拠り頼み、
『私を見る者はない』と言う。
あなたの知恵と知識、
これがあなたを迷わせた。
だから、あなたは心の中で言う。
『130私だけは特別だ。』
11 しかしわざわいがあなたを見舞う。
それを払いのけるまじないをあなたは知らない。
災難があなたを襲うが、
あなたはそれを避けることはできない。
破滅はあなたの知らないうちに、
突然あなたにやって来る。
12 さあ、若い時からの使い古しの呪文や、
多くの呪術を使って、立ち上がれ。
あるいは役立つかもしれない。
おびえさせることができるかもしれない。
13 あなたに助言する者が多すぎて、
あなたは疲れている。
さあ、131天を観測する者、星を見る者、
新月ごとにあなたに起こる事を知らせる者を
並べたてて、
あなたを救わせてみよ。
14 見よ。彼らは刈り株のようになり、
火が彼らを焼き尽くす。
彼らは自分のいのちを
炎の手から救い出すこともできない。
これは身を暖める炭火でもなく、
その前にすわれる火でもない。
15 あなたが若い時から仕え、
行き来してきた者たちは、このようになる。
彼らはおのおの自分かってに迷い出て、
あなたを救う者はひとりもいない。」
1 これを聞け。ヤコブの家よ。
あなたはイスラエルの名で呼ばれ、
ユダの源から出て、
主の御名によって誓い、
イスラエルの神を呼び求めるが、
誠実をもってせず、また正義をもってしない。
2 確かに彼らは聖なる都の名を名のり、
イスラエルの神──その名は万軍の主──に
寄りかかっている。
3 「先に起こった事は、前からわたしが告げていた。
それらはわたしの口から出、
わたしはそれらを聞かせた。
にわかに、わたしは行い、それは成就した。
4 あなたがかたくなであり、首筋は鉄の腱、
額は青銅だと知っているので、
5 わたしは、かねてからあなたに告げ、
まだ起こらないうちに、聞かせたのだ。
『私の偶像がこれをした』とか、
『私の彫像や鋳た像がこれを命じた』とか
あなたが言わないためだ。
6 あなたは聞いた。さあ、これらすべてを見よ。
あなたがたは告げ知らせないのか。
わたしは今から、新しい事、
あなたの知らない秘め事をあなたに聞かせよう。
7 それは今、創造された。ずっと前からではない。
きょうまで、あなたはこれを聞いたこともない。
『ああ、私は知っていた』と
あなたが言わないためだ。
8 あなたは聞いたこともなく、
知っていたこともない。
ずっと前から、あなたの耳は開かれていなかった。
わたしは、あなたがきっと裏切ること、
母の胎内にいる時から
そむく者と呼ばれていることを、
知っていたからだ。
9 わたしは、わたしの名のために、怒りを遅らせ、
わたしの栄誉のために、これを押さえて、
あなたを断ち滅ぼさなかった。
10 見よ。わたしはあなたを練ったが、
銀の場合とは違う。
わたしは悩みの炉であなたを試みた。
11 わたしのため、わたしのために、
わたしはこれを行う。
どうしてわたしの名が汚されてよかろうか。
わたしはわたしの栄光を他の者には与えない。
12 わたしに聞け。ヤコブよ。
わたしが呼び出したイスラエルよ。
132わたしがそれだ。
わたしは初めであり、また、終わりである。
13 まことに、わたしの手が地の基を定め、
わたしの右の手が天を引き延ばした。
わたしがそれらに呼びかけると、
それらはこぞって立ち上がる。
14 あなたがた、みな集まって聞け。
だれがこれらの事を告げたのか。
主に愛される者が、
主の喜ばれる事をバビロンにしむける。
主の御腕はカルデヤ人に向かう。
15 わたしが、このわたしが語り、
そして彼を呼んだのだ。
わたしは彼を来させ、
彼の行うことを成功させる。
16 わたしに近づいて、これを聞け。
わたしは初めから、隠れた所で語らなかった。
それが起こった時から、わたしはそこにいた。」
今、133神である主は私を、
その御霊とともに遣わされた。
17 あなたを贖う主、イスラエルの聖なる方は
こう仰せられる。
「わたしは、あなたの神、主である。
わたしは、あなたに益になることを教え、
あなたの歩むべき道にあなたを導く。
18 あなたがわたしの命令に耳を傾けさえすれば、
あなたのしあわせは川のように、
あなたの正義は海の波のようになるであろうに。
19 あなたの子孫は砂のように、
あなたの身から出る者は、
真砂のようになるであろうに。
その名はわたしの前から断たれることも、
滅ぼされることもないであろうに。」
20 バビロンから出よ。カルデヤからのがれよ。
喜びの歌声をあげて、これを告げ知らせよ。
地の果てにまで響き渡らせよ。
「主が、そのしもべヤコブを贖われた」と言え。
21 主がかわいた地を通らせたときも、
彼らは渇かなかった。
主は彼らのために岩から水を流れ出させ、
岩を裂いて水をほとばしり出させた。
22 「悪者どもには平安がない」と主は仰せられる。
1 島々よ。私に聞け。
遠い国々の民よ。耳を傾けよ。
主は、生まれる前から私を召し、
母の胎内にいる時から私の名を呼ばれた。
2 主は私の口を鋭い剣のようにし、
御手の陰に私を隠し、
私をとぎすました矢として、
矢筒の中に私を隠した。
3 そして、私に仰せられた。
「あなたはわたしのしもべ、イスラエル。
わたしはあなたのうちに、
わたしの栄光を現す。」
4 しかし、私は言った。
「私はむだな骨折りをして、
いたずらに、むなしく、私の力を使い果たした。
それでも、私の正しい訴えは、主とともにあり、
私の報酬は、私の神とともにある。」
5 今、主は仰せられる。
──主はヤコブをご自分のもとに帰らせ、
イスラエルをご自分のもとに集めるために、
私が母の胎内にいる時、
私をご自分のしもべとして造られた。
私は主に尊ばれ、
私の神は私の力となられた。──
6 主は仰せられる。
「ただ、あなたがわたしのしもべとなって、
ヤコブの諸部族を立たせ、
イスラエルのとどめられている者たちを
帰らせるだけではない。
わたしはあなたを諸国の民の光とし、
地の果てにまでわたしの救いを
もたらす者とする。」
7 イスラエルを贖う、その聖なる方、主は、
人にさげすまれている者、
民に忌みきらわれている者、
支配者たちの奴隷に向かってこう仰せられる。
「王たちは見て立ち上がり、首長たちもひれ伏す。
主が真実であり、
イスラエルの聖なる方が
あなたを選んだからである。」
8 主はこう仰せられる。
「恵みの時に、わたしはあなたに答え、
救いの日にあなたを助けた。
わたしはあなたを見守り、
あなたを民の契約とし、
国を興し、荒れ果てたゆずりの地を継がせよう。
9 わたしは捕らわれ人には『出よ』と言い、
やみの中にいる者には『姿を現せ』と言う。
彼らは道すがら羊を飼い、
裸の丘の至る所が、彼らの牧場となる。
10 彼らは飢えず、渇かず、
熱も太陽も彼らを打たない。
彼らをあわれむ者が彼らを導き、
水のわく所に連れて行くからだ。
11 わたしは、わたしの山々をすべて道とし、
わたしの大路を高くする。
12 見よ。ある者は遠くから来る。
また、ある者は北から西から、
また、ある者はシニムの地から来る。」
13 天よ。喜び歌え。地よ。楽しめ。
山々よ。喜びの歌声をあげよ。
主がご自分の民を慰め、
その悩める者をあわれまれるからだ。
14 しかし、シオンは言った。
「主は私を見捨てた。主は私を忘れた」と。
15 「女が自分の乳飲み子を忘れようか。
自分の胎の子をあわれまないだろうか。
たとい、女たちが忘れても、
このわたしはあなたを忘れない。
16 見よ。わたしは手のひらにあなたを刻んだ。
あなたの城壁は、いつもわたしの前にある。
17 あなたの子どもたちは急いで来る。
あなたを滅ぼし、あなたを廃墟とした者は、
あなたのところから出て行く。
18 目を上げて、あたりを見回せ。
彼らはみな集まって、あなたのところに来る。
わたしは生きている。──主の御告げ──
あなたは必ず、彼らをみな飾り物として身につけ、
花嫁のように彼らを帯に結ぶ。
19 必ず、あなたの廃墟と荒れ跡と滅びた地は、
いまに、人が住むには狭すぎるようになり、
あなたを滅ぼした者たちは
遠くへ離れ去る。
20 あなたが子を失って後に生まれた子らが、
再びあなたの耳に言おう。
『この場所は、私には狭すぎる。
私が住めるように、
場所をあけてもらいたい』と。
21 そのとき、あなたは心の中で言おう。
『だれが私に、この者たちを
生んでくれたのだろう。
私は子に死なれた女、うまずめ、
亡命のさすらい者であったのに。
だれがこの者たちを育てたのだろう。
見よ。私は、ただひとり、残されていたのに、
この者たちはどこから来たのだろう。』」
22 134神である主はこう仰せられる。
「見よ。わたしは国々に向かって手を上げ、
わたしの旗を国々の民に向かって揚げる。
彼らは、あなたの息子たちを
ふところに抱いて来、
あなたの娘たちは肩に負われて来る。
23 王たちはあなたの世話をする者となり、
王妃たちはあなたのうばとなる。
彼らは顔を地につけて、あなたを伏し拝み、
あなたの足のちりをなめる。
あなたは、わたしが主であることを知る。
わたしを待ち望む者は恥を見ることがない。」
24 奪われた物を勇士から取り戻せようか。
罪のないとりこたちを助け出せようか。
25 まことに、主はこう仰せられる。
「勇士のとりこは取り戻され、
横暴な者に奪われた物も奪い返される。
あなたの争う者とわたしは争い、
あなたの子らをこのわたしが救う。
26 わたしは、あなたをしいたげる者に、
彼ら自身の肉を食らわせる。
彼らは甘いぶどう酒に酔うように、
自分自身の血に酔う。
すべての者が、
わたしが主、あなたの救い主、あなたの贖い主、
ヤコブの力強き者であることを知る。」
1 主はこう仰せられる。
「あなたがたの母親の離婚状は、どこにあるか。
わたしが彼女を追い出したというのなら。
あるいは、その債権者はだれなのか。
わたしがあなたがたを売ったというのなら。
見よ。あなたがたは、自分の咎のために売られ、
あなたがたのそむきの罪のために、
あなたがたの母親は追い出されたのだ。
2 なぜ、わたしが来たとき、
だれもおらず、
わたしが呼んだのに、
だれも答えなかったのか。
わたしの手が短くて贖うことができないのか。
わたしには救い出す力がないと言うのか。
見よ。わたしは、しかって海を干上がらせ、
多くの川を荒野とする。
その魚は水がなくて臭くなり、
渇きのために死に絶える。
3 わたしは天をやみでおおい、
荒布をそのおおいとする。」
疲れた者をことばで励ますことを教え、
朝ごとに、私を呼びさまし、
私の耳を開かせて、
私が弟子のように聞くようにされる。
5 神である主は、私の耳を開かれた。
私は逆らわず、うしろに退きもせず、
6 打つ者に私の背中をまかせ、
ひげを抜く者に私の頰をまかせ、
侮辱されても、つばきをかけられても、
私の顔を隠さなかった。
7 しかし、神である主は、私を助ける。
それゆえ、私は、侮辱されなかった。
それゆえ、私は顔を火打石のようにし、
恥を見てはならないと知った。
8 私を義とする方が近くにおられる。
だれが私と争うのか。
さあ、さばきの座に共に立とう。
どんな者が、私を訴えるのか。
私のところに出て来い。
9 見よ。神である主が、私を助ける。
だれが私を罪に定めるのか。
見よ。彼らはみな、衣のように古び、
しみが彼らを食い尽くす。
10 あなたがたのうち、
だれが主を恐れ、
そのしもべの声に聞き従うのか。
暗やみの中を歩き、
光を持たない者は、
主の御名に信頼し、自分の神に拠り頼め。
11 見よ。あなたがたはみな、火をともし、
137燃えさしを身に帯びている。
あなたがたは自分たちの火のあかりを持ち、
火をつけた燃えさしを持って歩くがよい。
このことはわたしの手によって
あなたがたに起こり、
あなたがたは、苦しみのうちに伏し倒れる。
1 義を追い求める者、主を尋ね求める者よ。
わたしに聞け。
あなたがたの切り出された岩、
掘り出された穴を見よ。
2 あなたがたの父アブラハムと、
あなたがたを産んだサラのことを考えてみよ。
わたしが彼ひとりを呼び出し、
わたしが彼を祝福し、
彼の138子孫をふやしたことを。
3 まことに主はシオンを慰め、
そのすべての廃墟を慰めて、
その荒野をエデンのようにし、
その砂漠を主の園のようにする。
そこには楽しみと喜び、感謝と歌声とがある。
4 わたしの民よ。わたしに心を留めよ。
わたしの国民よ。わたしに耳を傾けよ。
139おしえはわたしから出、
わたしはわたしの公義を定め、
国々の民の光とする。
5 わたしの義は近い。
わたしの救いはすでに出ている。
わたしの腕は国々の民をさばく。
島々はわたしを待ち望み、
わたしの腕に拠り頼む。
6 目を天に上げよ。また下の地を見よ。
天は煙のように散りうせ、
地も衣のように古びて、
その上に住む者は、ぶよのように死ぬ。
しかし、わたしの救いはとこしえに続き、
わたしの義はくじけないからだ。
7 義を知る者、心にわたしの140おしえを持つ民よ。
わたしに聞け。
人のそしりを恐れるな。
彼らのののしりにくじけるな。
8 しみが彼らを衣のように食い尽くし、
虫が彼らを羊毛のように食い尽くす。
しかし、わたしの義はとこしえに続き、
わたしの救いは代々にわたるからだ。
9 さめよ。さめよ。力をまとえ。主の御腕よ。
さめよ。昔の日、いにしえの代のように。
ラハブを切り刻み、竜を刺し殺したのは、
あなたではないか。
10 海と大いなる淵の水を干上がらせ、
海の底に道を設けて、
贖われた人々を通らせたのは、
あなたではないか。
11 主に贖われた者たちは帰って来る。
彼らは喜び歌いながらシオンに入り、
その頭にはとこしえの喜びをいただく。
楽しみと喜びがついて来、
悲しみと嘆きとは逃げ去る。
12 わたし、このわたしが、あなたがたを慰める。
あなたは、何者なのか。
死ななければならない人間や、
草にも等しい人の子を恐れるとは。
13 天を引き延べ、地の基を定め、
あなたを造った主を、あなたは忘れ、
一日中、絶えず、
しいたげる者の憤りを恐れている。
まるで滅びに定められているかのようだ。
そのしいたげる者の憤りはどこにあるのか。
14 捕らわれ人は、すぐ解き放たれ、
死んで穴に下ることがなく、
パンにも事欠かない。
15 わたしは、あなたの神、主であって、
海をかき立て、波をとどろかせる。
その名は万軍の主。
16 わたしは、わたしのことばをあなたの口に置き、
わたしの手の陰にあなたをかばい、
天を141引き延べ、地の基を定め、
「あなたはわたしの民だ」とシオンに言う。
17 さめよ。さめよ。立ち上がれ。エルサレム。
あなたは、主の手から、憤りの杯を飲み、
よろめかす大杯を飲み干した。
18 彼女が産んだすべての子らのうち、
だれも彼女を導く者がなく、
彼女が育てたすべての子らのうち、
だれも彼女の手を取る者がない。
19 これら二つの事が、あなたを見舞う。
だれが、あなたのために嘆くだろうか。
滅亡と破滅、ききんと剣──
142わたしはどのようにしてあなたを慰めようか。
20 あなたの子らは
網にかかった大かもしかのように気を失って、
すべての町かどに倒れ伏す。
彼らには、主の憤りと、
あなたの神のとがめとが満ちている。
21 それゆえ、さあ、これを聞け。悩んでいる者、
酔ってはいても、酒のせいではない者よ。
22 あなたの主、
ご自分の民を弁護するあなたの神、主は、
こう仰せられる。
「見よ。わたしはあなたの手から、
よろめかす杯を取り上げた。
あなたはわたしの憤りの大杯を
もう二度と飲むことはない。
23 わたしはこれを、
あなたを悩ます者たちの手に渡す。
彼らはかつてあなたに、
『ひれ伏せ。われわれは乗り越えて行こう』
と言ったので、
あなたは背中を地面のようにし、
また、歩道のようにして、
彼らが乗り越えて行くのにまかせた。」
1 さめよ。さめよ。力をまとえ。シオン。
あなたの美しい衣を着よ。
聖なる都エルサレム。
無割礼の汚れた者が、
もう、あなたの中に入って来ることはない。
2 ちりを払い落として立ち上がり、もとの座に着け、
エルサレム。
あなたの首からかせをふりほどけ、
捕囚のシオンの娘よ。
3 まことに主はこう仰せられる。「あなたがたは、ただで売られた。だから、金を払わずに買い戻される。」
4 まことに143神である主がこう仰せられる。「わたしの民は昔、エジプトに下って行ってそこに寄留した。またアッシリヤ人がゆえなく彼らを苦しめた。
5 さあ、今、ここでわたしは何をしよう。──主の御告げ──わたしの民はただで奪い取られ、彼らを支配する者たちはわめいている。──主の御告げ──また、わたしの名は一日中絶えず侮られている。
6 それゆえ、わたしの民はわたしの名を知るようになる。その日、『ここにわたしがいる』と告げる者がわたしであることを知るようになる。」
7 良い知らせを伝える者の足は
山々の上にあって、なんと美しいことよ。
平和を告げ知らせ、幸いな良い知らせを伝え、
救いを告げ知らせ、
「あなたの神が王となる」と
シオンに言う者の足は。
8 聞け。あなたの見張り人たちが、
声を張り上げ、共に喜び歌っている。
彼らは、主がシオンに帰られるのを、
まのあたりに見るからだ。
9 エルサレムの廃墟よ。
共に大声をあげて喜び歌え。
主がその民を慰め、エルサレムを贖われたから。
10 主はすべての国々の目の前に、
聖なる御腕を現した。
地の果て果てもみな、私たちの神の救いを見る。
11 去れよ。去れよ。そこを出よ。
汚れたものに触れてはならない。
その中から出て、身をきよめよ。
主の器をになう者たち。
12 あなたがたは、あわてて出なくてもよい。
逃げるようにして去らなくてもよい。
主があなたがたの前に進み、
イスラエルの神が、
あなたがたのしんがりとなられるからだ。
13 見よ。わたしのしもべは144栄える。
彼は高められ、上げられ、非常に高くなる。
14 多くの者があなたを見て驚いたように、
──その顔だちは、
そこなわれて人のようではなく、
その姿も人の子らとは違っていた──
15 そのように、彼は多くの国々を驚かす。
王たちは彼の前で口をつぐむ。
彼らは、まだ告げられなかったことを見、
まだ聞いたこともないことを悟るからだ。
1 私たちの聞いたことを、だれが信じたか。
主の御腕は、だれに現れたのか。
2 彼は主の前に若枝のように芽ばえ、
砂漠の地から出る根のように育った。
彼には、私たちが見とれるような姿もなく、
輝きもなく、
私たちが慕うような見ばえもない。
3 彼はさげすまれ、人々からのけ者にされ、
145悲しみの人で病を知っていた。
人が顔をそむけるほどさげすまれ、
私たちも彼を尊ばなかった。
4 まことに、彼は私たちの病を負い、
私たちの痛みをになった。
だが、私たちは思った。
彼は罰せられ、神に打たれ、苦しめられたのだと。
5 しかし、彼は、
私たちのそむきの罪のために刺し通され、
私たちの咎のために砕かれた。
彼への懲らしめが私たちに平安をもたらし、
彼の打ち傷によって、私たちはいやされた。
6 私たちはみな、羊のようにさまよい、
おのおの、自分かってな道に向かって行った。
しかし、主は、私たちのすべての咎を
彼に負わせた。
7 彼は痛めつけられた。
彼は苦しんだが、口を開かない。
ほふり場に引かれて行く羊のように、
毛を刈る者の前で黙っている雌羊のように、
彼は口を開かない。
8 しいたげと、さばきによって、彼は取り去られた。
彼の時代の者で、だれが思ったことだろう。
彼がわたしの民のそむきの罪のために打たれ、
生ける者の地から絶たれたことを。
9 彼の墓は悪者どもとともに設けられ、
146彼は富む者とともに葬られた。
彼は暴虐を行わず、その口に欺きはなかったが。
10 しかし、彼を砕いて、痛めることは
主のみこころであった。
もし彼が、147自分のいのちを
罪過のためのいけにえとするなら、
彼は末長く、子孫を見ることができ、
主のみこころは彼によって成し遂げられる。
11 彼は、自分のいのちの
激しい苦しみのあとを見て、満足する。
わたしの正しいしもべは、
その知識によって多くの人を義とし、
彼らの咎を彼がになう。
12 それゆえ、わたしは、多くの人々を彼に分け与え、
彼は強者たちを分捕り物としてわかちとる。
彼が148自分のいのちを死に明け渡し、
そむいた人たちとともに数えられたからである。
彼は多くの人の罪を負い、
そむいた人たちのためにとりなしをする。
1 「子を産まない不妊の女よ。喜び歌え。
産みの苦しみを知らない女よ。
喜びの歌声をあげて叫べ。
夫に捨てられた女の子どもは、
夫のある女の子どもよりも多いからだ」
と主は仰せられる。
2 「あなたの天幕の場所を広げ、
あなたの住まいの幕を惜しみなく張り伸ばし、
綱を長くし、鉄のくいを強固にせよ。
3 あなたは右と左にふえ広がり、
あなたの子孫は、国々を所有し、
荒れ果てた町々を人の住む所とするからだ。
4 恐れるな。あなたは恥を見ない。
恥じるな。あなたははずかしめを受けないから。
あなたは自分の若かったころの恥を忘れ、
やもめ時代のそしりを、もう思い出さない。
5 あなたの夫はあなたを造った者、
その名は万軍の主。
あなたの贖い主は、イスラエルの聖なる方で、
全地の神と呼ばれている。
6 主は、あなたを、
夫に捨てられた、心に悲しみのある女と呼んだが、
若い時の妻をどうして見捨てられようか」
とあなたの神は仰せられる。
7 「わたしはほんのしばらくの間、
あなたを見捨てたが、
大きなあわれみをもって、あなたを集める。
8 怒りがあふれて、ほんのしばらく、
わたしの顔をあなたから隠したが、
永遠に変わらぬ愛をもって、
あなたをあわれむ」と
あなたを贖う主は仰せられる。
9 「このことは、わたしにとっては、
ノアの日のようだ。
わたしは、ノアの洪水を
もう地上に送らないと誓ったが、
そのように、あなたを怒らず、
あなたを責めないとわたしは誓う。
10 たとい山々が移り、丘が動いても、
わたしの変わらぬ愛はあなたから移らず、
わたしの平和の契約は動かない」と
あなたをあわれむ主は仰せられる。
11 「苦しめられ、もてあそばれて、
慰められなかった女よ。
見よ。わたしはあなたの石を
アンチモニーでおおい、
サファイヤであなたの基を定め、
12 あなたの塔をルビーにし、
あなたの門を紅玉にし、
あなたの149境をすべて宝石にする。
13 あなたの子どもたちはみな、主の教えを受け、
あなたの子どもたちには、豊かな平安がある。
14 あなたは義によって堅く立ち、
しいたげから遠ざかれ。恐れることはない。
恐れから遠ざかれ。それが近づくことはない。
15 見よ。攻め寄せる者があっても、
それはわたしから出た者ではない。
あなたを攻める者は、あなたによって倒される。
16 見よ。
炭火を吹きおこし武器を作り出す職人を
創造したのはわたしである。
それをこわしてしまう破壊者を
創造したのもわたしである。
17 あなたを攻めるために作られる武器は、
どれも役に立たなくなる。
また、さばきの時、
あなたを責めたてるどんな舌でも、
あなたはそれを罪に定める。
これが、主のしもべたちの受け継ぐ分、
わたしから受ける彼らの義である。
──主の御告げ──」
1 ああ。渇いている者はみな、
水を求めて出て来い。金のない者も。
さあ、穀物を買って食べよ。
さあ、金を払わないで、穀物を買い、
代価を払わないで、ぶどう酒と乳を買え。
2 なぜ、あなたがたは、
食糧にもならない物のために金を払い、
腹を満たさない物のために労するのか。
わたしに聞き従い、良い物を食べよ。
そうすれば、あなたがたは脂肪で元気づこう。
3 耳を傾け、わたしのところに出て来い。
聞け。そうすれば、あなたがたは生きる。
わたしはあなたがたととこしえの契約、
ダビデへの変わらない愛の契約を結ぶ。
4 見よ。わたしは彼を諸国の民への証人とし、
諸国の民の君主とし、司令官とした。
5 見よ。
あなたの知らない国民をあなたが呼び寄せると、
あなたを知らなかった国民が、
あなたのところに走って来る。
これは、あなたの神、主のため、
また、あなたを輝かせた
イスラエルの聖なる方のためである。
6 主を求めよ。お会いできる間に。
近くにおられるうちに、呼び求めよ。
7 悪者はおのれの道を捨て、
不法者はおのれのはかりごとを捨て去れ。
主に帰れ。そうすれば、主はあわれんでくださる。
私たちの神に帰れ。豊かに赦してくださるから。
8 「わたしの思いは、あなたがたの思いと異なり、
わたしの道は、あなたがたの道と異なるからだ。
──主の御告げ──
9 天が地よりも高いように、
わたしの道は、あなたがたの道よりも高く、
わたしの思いは、あなたがたの思いよりも高い。
10 雨や雪が天から降ってもとに戻らず、
必ず地を潤し、
それに物を生えさせ、芽を出させ、
種蒔く者には種を与え、
食べる者にはパンを与える。
11 そのように、
わたしの口から出るわたしのことばも、
むなしく、わたしのところに帰っては来ない。
必ず、わたしの望む事を成し遂げ、
わたしの言い送った事を成功させる。
12 まことに、あなたがたは喜びをもって出て行き、
安らかに導かれて行く。
山と丘は、あなたがたの前で喜びの歌声をあげ、
野の木々もみな、手を打ち鳴らす。
13 いばらの代わりにもみの木が生え、
おどろの代わりにミルトスが生える。
これは主の記念となり、
絶えることのない永遠のしるしとなる。」
1 主はこう仰せられる。
「公正を守り、正義を行え。
わたしの救いが来るのは近く、
わたしの義が現れるのも近いからだ。」
2 幸いなことよ。
安息日を守ってこれを汚さず、
どんな悪事にもその手を出さない、
このように行う人、
これを堅く保つ人の子は。
3 主に連なる外国人は言ってはならない。
「主はきっと、私をその民から切り離される」と。
宦官も言ってはならない。
「ああ、私は枯れ木だ」と。
4 まことに主はこう仰せられる。
「わたしの安息日を守り、わたしの喜ぶ事を選び、わたしの契約を堅く保つ宦官たちには、
5 わたしの家、わたしの城壁のうちで、息子、娘たちにもまさる150分け前と名を与え、絶えることのない永遠の名を与える。
6 また、主に連なって主に仕え、主の名を愛して、そのしもべとなった外国人がみな、安息日を守ってこれを汚さず、わたしの契約を堅く保つなら、
7 わたしは彼らを、わたしの聖なる山に連れて行き、わたしの祈りの家で彼らを楽しませる。彼らの全焼のいけにえやその他のいけにえは、わたしの祭壇の上で受け入れられる。わたしの家は、すべての民の祈りの家と呼ばれるからだ。
8 ──イスラエルの散らされた者たちを集める151神である主の御告げ──わたしは、すでに集められた者たちに、さらに集めて加えよう。」
9 野のすべての獣、林の中のすべての獣よ。
食べに来い。
10 見張り人はみな目が見えず、知ることがない。
彼らはみな口のきけない犬、
ほえることもできない。
あえいで、横になり、眠りをむさぼる。
11 この貪欲な犬どもは、足ることを知らない。
彼らは、悟ることも知らない牧者で、
みな、自分かってな道に向かい、
ひとり残らず自分の利得に向かって行く。
12 「やって来い。ぶどう酒を持って来るから、
強い酒を浴びるほど飲もう。
あすもきょうと同じだろう。
もっと、すばらしいかもしれない。」
1 義人が滅びても心に留める者はなく、
誠実な人が取り去られても、
心を向ける者もいない。
まことに、義人はわざわいから取り去られて、
2 平安に入り、
まっすぐに歩む人は、
自分の寝床で休むことができる。
3 しかし、あなたがた、女卜者の子ら、
姦夫と152遊女のすえよ。
ここに近寄れ。
4 あなたがたは、だれをからかい、
だれに向かって口を大きく開いて、舌を出すのか。
あなたがたはそむきの子ら、
偽りのすえではないか。
5 あなたがたは、樫の木の間や、
すべての生い茂る木の下で、身を焦がし、
谷や、岩のはざまで
子どもをほふっているではないか。
6 谷川のなめらかな石がおまえの分け前、
そこいらの石が、おまえの受ける割り当て。
それらに、おまえは、注ぎのぶどう酒を注ぎ、
穀物のささげ物をささげているが、
こんな物で、わたしが慰められようか。
7 そびえる高い山の上に、あなたは寝床を設け、
そこにも、上って行って
あなたはいけにえをささげた。
8 あなたは、とびらと柱のうしろに、
あなたを象徴する像を置いた。
あなたはわたしを捨てて、
裸になり、寝床に上ってそれを広げ、
彼らと契りを結び、彼らの寝床を愛し、
その象徴物を見た。
9 あなたは油を携えてモレクのところまで旅し、
香料を増し加え、
あなたの使者たちを遠くまで送り出し、
153よみにまでも下らせた。
10 あなたは、長い旅に疲れても、
「あきらめた」とは言わなかった。
あなたは元気を回復し、弱らなかった。
11 あなたは、だれにおじけ、だれを恐れて、
まやかしを言うのか。
あなたはわたしを思い出さず、
心にも留めなかった。
わたしが久しく、黙っていたので、
わたしを恐れないのではないか。
12 わたしは、あなたの義と、
あなたのした事どもを告げよう。
しかし、それはあなたの益にはならない。
13 あなたが叫ぶとき、
あなたが集めたものどもに、あなたを救わせよ。
風が、それらをみな運び去り、
息がそれらを連れ去ってしまう。
しかし、わたしに身を寄せる者は、地を受け継ぎ、
わたしの聖なる山を所有することができる。
14 主は仰せられる。
「盛り上げよ。土を盛り上げて、道を整えよ。
わたしの民の道から、つまずきを取り除け。」
15 いと高くあがめられ、永遠の住まいに住み、
その名を聖ととなえられる方が、
こう仰せられる。
「わたしは、高く聖なる所に住み、
心砕かれて、へりくだった人とともに住む。
へりくだった人の霊を生かし、
砕かれた人の心を生かすためである。
16 わたしはいつまでも争わず、
いつも怒ってはいない。
わたしから出る霊と、
わたしが造ったたましいが衰え果てるから。
17 彼のむさぼりの罪のために、
わたしは、怒って彼を打ち、154顔を隠して怒った。
しかし、彼はなおそむいて、
自分の思う道を行った。
18 わたしは彼の道を見たが、彼をいやそう。
わたしは彼を導き、彼と、その悲しむ者たちとに、
慰めを報いよう。
19 わたしはくちびるの実を創造した者。
平安あれ。遠くの者にも近くの者にも平安あれ。
わたしは彼をいやそう」と主は仰せられる。
20 しかし悪者どもは、荒れ狂う海のようだ。
静まることができず、
水が海草と泥を吐き出すからである。
21 「悪者どもには平安がない」と
私の神は仰せられる。
1 せいいっぱい大声で叫べ。
角笛のように、声をあげよ。
わたしの民に彼らのそむきの罪を告げ、
ヤコブの家にその罪を告げよ。
2 しかし、彼らは日ごとにわたしを求め、
わたしの道を知ることを望んでいる。
義を行い、
神の定めを捨てたことのない国のように、
彼らはわたしの正しいさばきをわたしに求め、
神に近づくことを望んでいる。
3 「なぜ、私たちが断食したのに、
あなたはご覧にならなかったのですか。
私たちが身を戒めたのに、
どうしてそれを認めてくださらないのですか。」
見よ。あなたがたは
断食の日に自分の好むことをし、
あなたがたの労働者をみな、圧迫する。
4 見よ。あなたがたが断食をするのは、
争いとけんかをするためであり、
不法にこぶしを打ちつけるためだ。
あなたがたは今、断食をしているが、
あなたがたの声はいと高き所に届かない。
5 わたしの好む断食、人が身を戒める日は、
このようなものだろうか。
葦のように頭を垂れ、
荒布と灰を敷き広げることだけだろうか。
これを、あなたがたは断食と呼び、
主に喜ばれる日と呼ぶのか。
6 わたしの好む断食は、これではないか。
悪のきずなを解き、くびきのなわめをほどき、
しいたげられた者たちを自由の身とし、
すべてのくびきを砕くことではないか。
7 飢えた者にはあなたのパンを分け与え、
家のない貧しい人々を家に入れ、
裸の人を見て、これに着せ、
155あなたの肉親の世話をすることではないか。
8 そのとき、暁のようにあなたの光がさしいで、
あなたの傷はすみやかにいやされる。
あなたの義はあなたの前に進み、
主の栄光が、あなたのしんがりとなられる。
9 そのとき、あなたが呼ぶと、主は答え、
あなたが叫ぶと、
「わたしはここにいる」と仰せられる。
もし、あなたの中から、くびきを除き、
うしろ指をさすことや、
つまらないおしゃべりを除き、
10 飢えた者に心を配り、
悩む者の願いを満足させるなら、
あなたの光は、やみの中に輝き上り、
あなたの暗やみは、真昼のようになる。
11 主は絶えず、あなたを導いて、
焼けつく土地でも、あなたの思いを満たし、
あなたの骨を強くする。
あなたは、潤された園のようになり、
水のかれない源のようになる。
12 あなたのうちのある者は、昔の廃墟を建て直し、
あなたは古代の礎を築き直し、
「破れを繕う者、
市街を住めるように回復する者」と呼ばれよう。
13 もし、あなたが安息日に出歩くことをやめ、
わたしの聖日に自分の好むことをせず、
安息日を「喜びの日」と呼び、
主の聖日を「はえある日」と呼び、
これを尊んで旅をせず、
自分の好むことを求めず、むだ口を慎むなら、
14 そのとき、あなたは主をあなたの喜びとしよう。
「わたしはあなたに地の高い所を踏み行かせ、
あなたの父ヤコブのゆずりの地で
あなたを養う」と
主の御口が語られたからである。
1 見よ。主の御手が短くて救えないのではない。
その耳が遠くて、聞こえないのではない。
2 あなたがたの咎が、
あなたがたと、あなたがたの神との仕切りとなり、
あなたがたの罪が御顔を隠させ、
聞いてくださらないようにしたのだ。
3 実に、あなたがたの手は血で汚れ、
指は咎で汚れ、
あなたがたのくちびるは偽りを語り、
舌は不正をつぶやく。
4 正しい訴えをする者はなく、
真実をもって弁護する者もなく、
むなしいことにたより、うそを言い、
害毒をはらみ、悪意を産む。
5 彼らはまむしの卵をかえし、くもの巣を織る。
その卵を食べる者は死に、
卵をつぶすと、毒蛇がとび出す。
6 そのくもの巣は着物にはならず、
自分の作ったもので身をおおうこともできない。
彼らのわざは不義のわざ、
彼らの手のなすことは、ただ暴虐。
7 彼らの足は悪に走り、
罪のない者の血を流すのに速い。
彼らの思いは不義の思い。
破壊と破滅が彼らの大路にある。
8 彼らは平和の道を知らず、
その道筋には公義がない。
彼らは自分の通り道を曲げ、
そこを歩む者はだれも、平和を知らない。
9 それゆえ、公義は私たちから遠ざかり、
義は私たちに追いつかない。
私たちは光を待ち望んだが、
見よ、やみ。
輝きを待ち望んだが、暗やみの中を歩む。
10 私たちは盲人のように壁を手さぐりし、
目のない者のように手さぐりする。
真昼でも、たそがれ時のようにつまずき、
156やみの中にいる死人のようだ。
11 私たちはみな、熊のようにほえ、
鳩のようにうめきにうめく。
公義を待ち望むが、それはなく、
救いを待ち望むが、
それは私たちから遠く離れている。
12 それは、私たちがあなたの御前で
多くのそむきの罪を犯し、
私たちの罪が、
私たちに不利な証言をするからです。
私たちのそむきの罪は、私たちとともにあり、
私たちは自分の咎を知っている。
13 私たちは、そむいて、主を否み、
私たちの神に従うことをやめ、
しいたげと反逆を語り、
心に偽りのことばを抱いて、つぶやいている。
14 こうして公正は退けられ、
正義は遠く離れて立っている。
真理は広場でつまずき、
正直は中に入ることもできない。
15 そこでは真理は失われ、
悪から離れる者も、そのとりこになる。
主はこれを見て、公義のないのに心を痛められた。
16 主は人のいないのを見、
とりなす者のいないのに驚かれた。
そこで、ご自分の御腕で救いをもたらし、
ご自分の義を、ご自分のささえとされた。
17 主は義をよろいのように着、
救いのかぶとを頭にかぶり、
復讐の衣を身にまとい、
ねたみを外套として身をおおわれた。
18 主は彼らのしうちに応じて報い、
その仇には憤りを報い、その敵には報復をし、
島々にも報復をする。
19 そうして、西のほうでは、主の御名が、
日の上るほうでは、主の栄光が恐れられる。
主は激しい流れのように来られ、
その中で主の息が吹きまくっている。
20 「しかし、シオンには贖い主として来る。
ヤコブの中の
そむきの罪を悔い改める者のところに来る。」
──主の御告げ──
21 「これは、彼らと結ぶわたしの契約である」と
主は仰せられる。
「あなたの上にあるわたしの霊、
わたしがあなたの口に置いたわたしのことばは、
あなたの口からも、あなたの子孫の口からも、
すえのすえの口からも、
今よりとこしえに離れない」と主は仰せられる。
1 起きよ。光を放て。
あなたの光が来て、
主の栄光があなたの上に輝いているからだ。
2 見よ。やみが地をおおい、
暗やみが諸国の民をおおっている。
しかし、あなたの上には主が輝き、
その栄光があなたの上に現れる。
3 国々はあなたの光のうちに歩み、
王たちはあなたの輝きに照らされて歩む。
4 目を上げて、あたりを見よ。
彼らはみな集まって、あなたのもとに来る。
あなたの息子たちは遠くから来、
娘たちはわきに抱かれて来る。
5 そのとき、あなたはこれを見て、晴れやかになり、
心は震えて、157喜ぶ。
海の富はあなたのところに移され、
国々の財宝はあなたのものとなるからだ。
6 らくだの大群、
ミデヤンとエファの若いらくだが、
あなたのところに押し寄せる。
これらシェバから来るものはみな、
金と乳香を携えて来て、
主の奇しいみわざを宣べ伝える。
7 ケダルの羊の群れもみな、
あなたのところに集まり、
ネバヨテの雄羊は、あなたに仕え、
これらは受け入れられるいけにえとして、
わたしの祭壇にささげられる。
わたしは、わたしの美しい家を輝かす。
8 雲のように飛び、
巣に帰る鳩のように飛んでくる者は、だれか。
9 まことに、島々はわたしを待ち望み、
タルシシュの船は真っ先に、
あなたの子らを遠くから来させ、
彼らの金銀もいっしょに、
あなたの神、主の名のために、
イスラエルの聖なる者のために運んでくる。
主があなたを輝かされたからである。
10 外国人もあなたの城壁を建て直し、
その王たちもあなたに仕える。
実に、わたしは怒って、あなたを打ったが、
恵みをもって、あなたをあわれんだ。
11 あなたの門はいつも開かれ、
昼も夜も閉じられない。
国々の財宝があなたのところに運ばれ、
その王たちが導かれて来るためである。
12 あなたに仕えない国民や王国は滅び、
これらの国々は荒廃する。
13 レバノンの栄光は、もみの木、すずかけ、檜も、
共に、あなたのもとに来て、
わたしの聖所を美しくする。
わたしは、わたしの足台を尊くする。
14 あなたを苦しめた者たちの子らは、
身をかがめてあなたのところに来、
あなたを侮った者どもはみな、
あなたの足もとにひれ伏し、
あなたを、主の町、
イスラエルの聖なる方のシオン、と呼ぶ。
15 あなたは捨てられ、憎まれ、
通り過ぎる人もなかったが、
わたしはあなたを永遠の誇り、
代々の喜びの町に変える。
16 あなたは国々の乳を吸い、王たちの乳房を吸う。
あなたは、わたしが、あなたを救う主、
あなたを贖うヤコブの全能者であることを知る。
17 わたしは青銅の代わりに金を運び入れ、
鉄の代わりに銀、木の代わりに青銅、
石の代わりに鉄を運び入れ、
平和をあなたの管理者とし、
義をあなたの監督者とする。
18 あなたの国の中の暴虐、
あなたの領土のうちの破壊と破滅は、
もう聞かれない。
あなたは、あなたの城壁を救いと呼び、
あなたの門を賛美と呼ぼう。
19 太陽がもうあなたの昼の光とはならず、
月の輝きもあなたを照らさず、
主があなたの永遠の光となり、
あなたの神があなたの光栄となる。
20 あなたの太陽はもう沈まず、
あなたの月はかげることがない。
主があなたの永遠の光となり、
あなたの嘆き悲しむ日が終わるからである。
21 あなたの民はみな正しくなり、
とこしえにその地を所有しよう。
彼らはわたしの栄光を現す、わたしの植えた枝。
わたしの手で造ったもの。
22 最も小さい者も氏族となり、
最も弱い者も強国となる。
時が来れば、わたし、主が、すみやかにそれをする。
1 158神である主の霊が、わたしの上にある。
主はわたしに油をそそぎ、
貧しい者に良い知らせを伝え、
心の傷ついた者をいやすために、
わたしを遣わされた。
捕らわれ人には解放を、囚人には釈放を告げ、
2 主の恵みの年と、われわれの神の復讐の日を告げ、
すべての悲しむ者を慰め、
3 シオンの悲しむ者たちに、
灰の代わりに頭の飾りを、
悲しみの代わりに喜びの油を、
憂いの心の代わりに賛美の外套を
着けさせるためである。
彼らは、義の樫の木、
栄光を現す主の植木と呼ばれよう。
4 彼らは昔の廃墟を建て直し、
先の荒れ跡を復興し、
廃墟の町々、代々の荒れ跡を一新する。
5 他国人は、あなたがたの羊の群れを
飼うようになり、
外国人が、あなたがたの農夫となり、
ぶどう作りとなる。
6 しかし、あなたがたは主の祭司ととなえられ、
われわれの神に仕える者と呼ばれる。
あなたがたは国々の力を食い尽くし、
その富を誇る。
7 あなたがたは恥に代えて、二倍のものを受ける。
人々は侮辱に代えて、その分け前に喜び歌う。
それゆえ、その国で二倍のものを所有し、
とこしえの喜びが彼らのものとなる。
8 まことに、わたしは公義を愛する主だ。
わたしは不法な略奪を憎む。
わたしは誠実を尽くして彼らに報い、
とこしえの契約を彼らと結ぶ。
9 彼らの子孫は国々のうちで、
彼らのすえは国々の民のうちで知れ渡る。
彼らを見る者はみな、
彼らが主に祝福された子孫であることを認める。
10 わたしは主によって大いに楽しみ、
わたしのたましいも、わたしの神によって喜ぶ。
主がわたしに、救いの衣を着せ、
正義の外套をまとわせ、
花婿のように栄冠をかぶらせ、
花嫁のように宝玉で飾ってくださるからだ。
11 地が芽を出し、
園が蒔かれた種を芽ばえさせるように、
159神である主が義と賛美とを、
すべての国の前に芽ばえさせるからだ。
1 シオンのために、わたしは黙っていない。
エルサレムのために、黙りこまない。
その義が朝日のように光を放ち、
その救いが、たいまつのように燃えるまでは。
2 そのとき、国々はあなたの義を見、
すべての王があなたの栄光を見る。
あなたは、
主の口が名づける新しい名で呼ばれよう。
3 あなたは主の手にある輝かしい冠となり、
あなたの神の手のひらにある
王のかぶり物となる。
4 あなたはもう、「見捨てられている」と言われず、
あなたの国はもう、
「荒れ果てている」とは言われない。
かえって、あなたは
「わたしの喜びは、彼女にある」と呼ばれ、
あなたの国は夫のある国と呼ばれよう。
主の喜びがあなたにあり、
あなたの国が夫を得るからである。
5 若い男が若い女をめとるように、
あなたの子らはあなたをめとり、
花婿が花嫁を喜ぶように、
あなたの神はあなたを喜ぶ。
6 エルサレムよ。
わたしはあなたの城壁の上に見張り人を置いた。
昼の間も、夜の間も、
彼らは決して黙っていてはならない。
主に覚えられている者たちよ。
黙りこんではならない。
7 主がエルサレムを堅く立て、
この地でエルサレムを栄誉とされるまで、
黙っていてはならない。
8 主は右の手と、力強い腕によって誓われた。
「わたしは再びあなたの穀物を、
あなたの敵に食物として与えない。
あなたの労して作った新しいぶどう酒を、
外国人に決して飲ませない。
9 取り入れをした者がそれを食べて、
主をほめたたえ、
ぶどうを取り集めた者が、
わたしの聖所の庭で、それを飲む。」
10 通れ、通れ、城門を。
この民の道を整え、
盛り上げ、土を盛り上げ、大路を造れ。
石を取り除いて国々の民の上に旗を揚げよ。
11 見よ。
主は、地の果てまで聞こえるように仰せられた。
「シオンの娘に言え。
『見よ。あなたの救いが来る。
見よ。その報いは主とともにあり、
その報酬は主の前にある』と。
12 彼らは、聖なる民、主に贖われた者と呼ばれ、
あなたは、尋ね求められる者、
見捨てられない町と呼ばれる。」
1 「エドムから来る者、
ボツラから深紅の衣を着て来るこの者は、だれか。
その着物には威光があり、
大いなる力をもって進んで来るこの者は。」
「正義を語り、
救うに力強い者、それがわたしだ。」
2 「なぜ、あなたの着物は赤く、
あなたの衣は酒ぶねを踏む者のようなのか。」
3 「わたしはひとりで酒ぶねを踏んだ。
国々の民のうちに、
わたしと事を共にする者はいなかった。
わたしは怒って彼らを踏み、
憤って彼らを踏みにじった。
それで、彼らの血のしたたりが、
わたしの衣にふりかかり、
わたしの着物を、すっかり汚してしまった。
4 わたしの心のうちに復讐の日があり、
わたしの贖いの年が来たからだ。
5 わたしは見回したが、だれも助ける者はなく、
いぶかったが、だれもささえる者はいなかった。
そこで、わたしの腕で救いをもたらし、
わたしの憤りを、わたしのささえとした。
6 わたしは、怒って国々の民を踏みつけ、
憤って彼らを160踏みつぶし、
彼らの血のしたたりを地に流した。」
7 私は、
主の恵みと、主の奇しいみわざをほめ歌おう。
主が私たちに報いてくださった
すべての事について、
そのあわれみと、豊かな恵みによって
報いてくださったイスラエルの家への
豊かないつくしみについて。
8 主は仰せられた。
「まことに彼らはわたしの民、
偽りのない子たちだ」と。
こうして、主は彼らの救い主になられた。
9 彼らが苦しむときには、いつも主も苦しみ、
161ご自身の使いが彼らを救った。
その愛とあわれみによって主は彼らを贖い、
昔からずっと、彼らを背負い、抱いて来られた。
10 しかし、彼らは逆らい、
主の聖なる御霊を痛ませたので、
主は彼らの敵となり、みずから彼らと戦われた。
11 そのとき、主の民は、
いにしえのモーセの日を思い出した。
「羊の群れの牧者たちとともに、
彼らを海から上らせた方は、
どこにおられるのか。
その中に主の聖なる御霊を置かれた方は、
どこにおられるのか。
12 その輝かしい御腕をモーセの右に進ませ、
彼らの前で水を分け、永遠の名を成し、
13 荒野の中を行く馬のように、
つまずくことなく彼らに深みの底を
歩ませた方は、どこにおられるのか。
14 家畜が谷に下るように、
主の御霊が彼らをいこわせた。」
このようにして、あなたは、あなたの民を導き、
あなたの輝かしい御名をあげられたのです。
15 どうか、天から見おろし、
聖なる輝かしい御住まいからご覧ください。
あなたの熱心と、力あるみわざは、
どこにあるのでしょう。
私へのあなたのたぎる思いとあわれみを、
あなたは押さえておられるのですか。
16 まことに、あなたは私たちの父です。
たとい、アブラハムが私たちを知らず、
イスラエルが私たちを認めなくても、
主よ、あなたは、私たちの父です。
あなたの御名は、とこしえから
私たちの贖い主です。
17 主よ。なぜあなたは、
私たちをあなたの道から迷い出させ、
私たちの心をかたくなにして、
あなたを恐れないようにされるのですか。
あなたのしもべたち、
あなたのゆずりの地の部族のために、
どうかお帰りください。
18 あなたの聖なる民がこの地を所有して間もなく、
私たちの敵は、あなたの聖所を踏みつけました。
19 私たちは、
とこしえからあなたに支配されたことも、
あなたの御名で呼ばれたこともない者のように
なりました。
1 ああ、あなたが天を裂いて降りて来られると、
山々は御前で揺れ動くでしょう。
2 火が柴に燃えつき、
火が水を沸き立たせるように、
あなたの御名はあなたの敵に知られ、
国々は御前で震えるでしょう。
3 私たちが予想もしなかった恐ろしい事を
あなたが行われるとき、
あなたが降りて来られると、
山々は御前で揺れ動くでしょう。
4 神を待ち望む者のために、
このようにしてくださる神は、
あなた以外にとこしえから聞いたこともなく、
耳にしたこともなく、目で見たこともありません。
5 あなたは迎えてくださいます。
喜んで正義を行う者、
あなたの道を歩み、あなたを忘れない者を。
ああ、あなたは怒られました。
私たちは昔から罪を犯し続けています。
それでも私たちは救われるでしょうか。
6 私たちはみな、汚れた者のようになり、
私たちの義はみな、162不潔な着物のようです。
私たちはみな、木の葉のように枯れ、
私たちの咎は風のように私たちを吹き上げます。
7 しかし、あなたの御名を呼ぶ者もなく、
奮い立って、あなたにすがる者もいません。
あなたは私たちから御顔を隠し、
私たちの咎のゆえに、私たちを弱められました。
8 しかし、主よ。
今、あなたは私たちの父です。
私たちは粘土で、
あなたは私たちの陶器師です。
私たちはみな、
あなたの手で造られたものです。
9 主よ。どうかひどく怒らないでください。
いつまでも、咎を覚えないでください。
どうか今、
私たちがみな、あなたの民であることに
目を留めてください。
10 あなたの聖なる町々は荒野となっています。
シオンは荒野となり、
エルサレムは荒れ果てています。
11 私たちの先祖があなたをほめたたえた
私たちの聖なる美しい宮は、火で焼かれ、
私たちの宝とした物すべてが荒廃しました。
12 主よ。これでも、あなたはじっとこらえ、
黙って、私たちをこんなにも悩まされるのですか。
1 わたしに問わなかった者たちに、
わたしは尋ねられ、
わたしを捜さなかった者たちに、見つけられた。
わたしは、
163わたしの名を呼び求めなかった国民に向かって、
「わたしはここだ、わたしはここだ」と言った。
2 わたしは、反逆の民、
自分の思いに従って良くない道を歩む者たちに、
一日中、わたしの手を差し伸べた。
3 この民は、いつも164わたしに逆らって
わたしの怒りを引き起こし、
園の中でいけにえをささげ、
れんがの上で香をたき、
4 墓地にすわり、165見張り小屋に宿り、
豚の肉を食べ、汚れた肉の吸い物を器に入れ、
5 「そこに立っておれ。私に近寄るな。
私はあなたより
聖なるものになっている」と言う。
「これらは、わたしの怒りの煙、
一日中燃え続ける火である。
6 見よ。これは、わたしの前に書かれている。
わたしは黙っていない。必ず報復する。
わたしは彼らのふところに報復する。――
7 山の上で香をたき、
丘の上でわたしをそしったあなたがたの咎と、
あなたがたの先祖の咎とをともどもに。
わたしは、彼らの先のしわざを量って、
彼らのふところに、報復する」と主は仰せられる。
8 主はこう仰せられる。
「ぶどうのふさの中に甘い汁があるのを見れば、
『それをそこなうな。その中に祝福があるから』
と言うように、
わたしも、わたしのしもべたちのために、
その全部は滅ぼさない。
9 わたしは、ヤコブから子孫を、
ユダからわたしの山々を所有する者を
生まれさせよう。
わたしの選んだ者がこれを所有し、
わたしのしもべたちがそこに住む。
10 わたしを求めたわたしの民にとって、
シャロンは羊の群れの牧場、
アコルの谷は牛の群れの伏す所となる。
11 しかし、あなたがた、主を捨てる者、
わたしの聖なる山を忘れる者、
ガドのために食卓を整える者、
メニのために、混ぜ合わせた酒を盛る者たちよ。
12 わたしはあなたがたを剣に渡す。
それであなたがたはみな、虐殺されて倒れる。
わたしが呼んでも答えず、
わたしが語りかけても聞かず、
わたしの目の前に悪を行い、
わたしの喜ばない事を選んだからだ。」
13 それゆえ、166神である主はこう仰せられる。
「見よ。わたしのしもべたちは食べる。
しかし、あなたがたは飢える。
見よ。わたしのしもべたちは飲む。
しかし、あなたがたは渇く。
見よ。わたしのしもべたちは喜ぶ。
しかし、あなたがたは恥を見る。
14 見よ。わたしのしもべたちは
心の楽しみによって喜び歌う。
しかし、あなたがたは心の痛みによって叫び、
たましいの傷によって泣きわめく。
15 あなたがたは自分の名を、
わたしの選んだ者たちののろいとして残す。
それで167神である主は、あなたがたを殺される。
ご自分のしもべたちを、
ほかの名で呼ばれるようにされる。
16 この世にあって祝福される者は、
まことの神によって祝福され、
この世にあって誓う者は、
まことの神によって誓う。
先の苦難は忘れられ、
わたしの目から隠されるからだ。
17 見よ。まことにわたしは新しい天と新しい地を
創造する。
先の事は思い出されず、心に上ることもない。
18 だから、わたしの創造するものを、
いついつまでも楽しみ喜べ。
見よ。わたしはエルサレムを創造して喜びとし、
その民を楽しみとする。
19 わたしはエルサレムを喜び、
わたしの民を楽しむ。
そこにはもう、泣き声も叫び声も聞かれない。
20 そこにはもう、数日しか生きない乳飲み子も、
寿命の満ちない老人もない。
百歳で死ぬ者は若かったとされ、
百歳にならないで死ぬ者は、
のろわれた者とされる。
21 彼らは家を建てて住み、
ぶどう畑を作って、その実を食べる。
22 彼らが建てて他人が住むことはなく、
彼らが植えて他人が食べることはない。
わたしの民の寿命は、木の寿命に等しく、
わたしの選んだ者は、自分の手で作った物を
存分に用いることができるからだ。
23 彼らはむだに労することもなく、
168子を産んで、突然その子が死ぬこともない。
彼らは主に祝福された者のすえであり、
その子孫たちは彼らとともにいるからだ。
24 彼らが呼ばないうちに、わたしは答え、
彼らがまだ語っているうちに、わたしは聞く。
25 狼と子羊は共に草をはみ、
獅子は牛のように、わらを食い、
蛇は、ちりをその食べ物とし、
わたしの聖なる山のどこにおいても、
これらは害を加えず、そこなわない」
と主は仰せられる。
1 主はこう仰せられる。
「天はわたしの王座、地はわたしの足台。
わたしのために、あなたがたの建てる家は、
いったいどこにあるのか。
わたしのいこいの場は、いったいどこにあるのか。
2 これらすべては、わたしの手が造ったもの、
これらすべては169わたしのものだ。
――主の御告げ――
わたしが目を留める者は、
へりくだって心砕かれ、
わたしのことばにおののく者だ。
3 牛をほふる者は、人を打ち殺す者。
羊をいけにえにする者は、犬をくびり殺す者。
穀物のささげ物をささげる者は、
豚の血をささげる者。
乳香を170ささげる者は、偶像をほめたたえる者。
実に彼らは自分かってな道を選び、
その心は忌むべき物を喜ぶ。
4 わたしも、彼らを虐待することを選び、
彼らに恐怖をもたらす。
わたしが呼んでもだれも答えず、
わたしが語りかけても聞かず、
わたしの目の前に悪を行い、
わたしの喜ばない事を彼らが選んだからだ。」
5 主のことばにおののく者たちよ。
主のことばを聞け。
「あなたがたを憎み、
わたしの名のためにあなたがたを押しのける、
あなたがたの同胞は言った。
『主に栄光を現させよ。
そうすれば、あなたがたの楽しみを見てやろう。』
しかし、彼らは恥を見る。」
6 聞け。町からの騒ぎ、宮からの声、
敵に報復しておられる主の御声を。
7 彼女は産みの苦しみをする前に産み、
陣痛の起こる前に男の子を産み落とした。
8 だれが、このような事を聞き、
だれが、これらの事を見たか。
地は一日の陣痛で産み出されようか。
国は一瞬にして生まれようか。
ところがシオンは、
陣痛を起こすと同時に子らを産んだのだ。
9 「わたしが産み出させるようにしながら、
産ませないだろうか」と主は仰せられる。
「わたしは産ませる者なのに、
胎を閉ざすだろうか」と
あなたの神は仰せられる。
10 エルサレムとともに喜べ。
すべてこれを愛する者よ。これとともに楽しめ。
すべてこれのために悲しむ者よ。
これとともに喜び喜べ。
11 あなたは、
彼女の慰めの乳房から乳を飲んで飽き足り、
その豊かな乳房から吸って喜んだからだ。
12 主はこう仰せられる。
「見よ。わたしは川のように繁栄を彼女に与え、
あふれる流れのように国々の富を与える。
あなたがたは乳を飲み、
わきに抱かれ、ひざの上でかわいがられる。
13 母に慰められる者のように、
わたしはあなたがたを慰め、
エルサレムであなたがたは慰められる。
14 あなたがたはこれを見て、心喜び、
あなたがたの骨は若草のように生き返る。
主の御手は、そのしもべたちに知られ、
その憤りは敵たちに向けられる。」
15 見よ。まことに、主は火の中を進んで来られる。
その戦車はつむじ風のようだ。
その怒りを激しく燃やし、
火の炎をもって責めたてる。
16 実に、主は火をもってさばき、
その剣ですべての肉なる者をさばく。
主に刺し殺される者は多い。
17 おのが身を聖別し、身をきよめて、
園に行き、その中にある一つのものに従って、
豚の肉や、忌むべき物や、
ねずみを食らう者たちはみな、絶ち滅ぼされる。
――主の御告げ――
18 「わたしは、彼らのわざと、思い計りと171を知っている。わたしは、すべての国々と172種族とを集めに173来る。彼らは来て、わたしの栄光を見る。
19 わたしは彼らの中にしるしを置き、彼らのうちののがれた者たちを諸国に遣わす。すなわち、タルシシュ、プル、弓を引く者ルデ、トバル、ヤワン、遠い島々に。これらはわたしのうわさを聞いたこともなく、わたしの栄光を見たこともない。彼らはわたしの栄光を諸国の民に告げ知らせよう。
20 彼らは、すべての国々から、あなたがたの同胞をみな、主への贈り物として、馬、車、かご、騾馬、らくだに乗せて、わたしの聖なる山、エルサレムに連れて来る」と主は仰せられる。「それはちょうど、イスラエル人がささげ物をきよい器に入れて主の宮に携えて来るのと同じである。
21 わたしは彼らの中からある者を選んで祭司とし、レビ人とする」と主は仰せられる。
22 「わたしの造る新しい天と新しい地が、
わたしの前にいつまでも続くように、
――主の御告げ――
あなたがたの子孫と、あなたがたの名も
いつまでも続く。
23 毎月の新月の祭りに、毎週の安息日に、
すべての174人が、わたしの前に礼拝に来る」と
主は仰せられる。
24 「彼らは出て行って、
わたしにそむいた者たちのしかばねを見る。
そのうじは死なず、その火も消えず、
それはすべての人に、忌みきらわれる。」
エレミヤ書
1 ベニヤミンの地アナトテにいた祭司のひとり、ヒルキヤの子エレミヤのことば。
2 アモンの子、ユダの王ヨシヤの時代、その治世の第十三年に、エレミヤに主のことばがあった。
3 それはさらに、ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの時代にもあり、ヨシヤの子、ユダの王ゼデキヤの第十一年の終わりまで、すなわち、その年の第五の月、エルサレムの民の捕囚の時まであった。
4 次のような主のことばが私にあった。
5 「わたしは、あなたを胎内に形造る前から、
あなたを知り、
あなたが腹から出る前から、あなたを聖別し、
あなたを国々への預言者と定めていた。」
6 そこで、私は言った。
「ああ、1神、主よ。
ご覧のとおり、私はまだ若くて、
どう語っていいかわかりません。」
7 すると、主は私に仰せられた。
「まだ若い、と言うな。
わたしがあなたを遣わすどんな所へでも行き、
わたしがあなたに命じるすべての事を語れ。
8 彼らの顔を恐れるな。
わたしはあなたとともにいて、
あなたを救い出すからだ。
――主の御告げ――」
9 そのとき、主は御手を伸ばして、私の口に触れ、主は私に仰せられた。
「今、わたしのことばをあなたの口に授けた。
10 見よ。わたしは、きょう、
あなたを諸国の民と王国の上に任命し、
あるいは引き抜き、あるいは引き倒し、
あるいは滅ぼし、あるいはこわし、
あるいは建て、また植えさせる。」
11 次のような主のことばが私にあった。「エレミヤ。あなたは何を見ているのか。」そこで私は言った。「2アーモンドの枝を見ています。」
12 すると主は私に仰せられた。「よく見たものだ。わたしのことばを実現しようと、わたしは見張っているからだ。」
13再び、私に次のような主のことばがあった。「何を見ているのか。」そこで私は言った。「煮え立っているかまを見ています。それは北のほうからこちらに傾いています。」
14 すると主は私に仰せられた。
「わざわいが、北からこの地の全住民の上に、
降りかかる。
15 今、わたしは北のすべての王国の民に
呼びかけているからだ。
――主の御告げ――
彼らは来て、
エルサレムの門の入口と、周囲のすべての城壁と、
ユダのすべての町に向かって、
それぞれの王座を設ける。
16 しかし、わたしは、
彼らのすべての悪にさばきを下す。
彼らはわたしを捨てて、
ほかの神々にいけにえをささげ、
自分の手で造った物を拝んだからだ。
17 さあ、あなたは腰に帯を締め、立ち上がって、
わたしがあなたに命じることをみな語れ。
彼らの顔におびえるな。
さもないと、
わたしはあなたを彼らの面前で打ち砕く。
18 見よ。わたしはきょう、あなたを、
全国に、ユダの王たち、首長たち、祭司たち、
この国の人々に対して、
城壁のある町、鉄の柱、青銅の城壁とした。
19 だから、彼らがあなたと戦っても、
あなたには勝てない。
わたしがあなたとともにいて、
――主の御告げ――
あなたを救い出すからだ。」
1 ついで、私に次のような主のことばがあった。
2 「さあ、行って、主はこう仰せられると言って、エルサレムの人々の耳に呼ばわれ。
わたしは、あなたの若かったころの誠実、
婚約時代の愛、
荒野の種も蒔かれていない地での
わたしへの従順を覚えている。
3 イスラエルは主の聖なるもの、
その収穫の初穂であった。
これを食らう者はだれでも罪に定められ、
わざわいをこうむったものだ。
――主の御告げ――」
4 ヤコブの家と、
イスラエルの家のすべてのやからよ。
主のことばを聞け。
5主はこう仰せられる。
「あなたがたの先祖は、
わたしにどんな不正を見つけて、
わたしから遠く離れ、
むなしいものに従って行って、
むなしいものとなったのか。
6 彼らは尋ねもしなかった。
『主はどこにおられるのか。
私たちをエジプトの国から上らせた方、
私たちに、荒野の荒れた穴だらけの地、
砂漠の3死の陰の地、
人も通らず、だれも住まない地を
行かせた方は』と。
7 しかし、わたしはあなたがたを、
実り豊かな地に連れて入り、
その良い実を食べさせた。
ところが、あなたがたは、入って来て、
わたしの国を汚し、
わたしのゆずりの地を
忌みきらうべきものにした。
8 祭司たちは、
『主はどこにおられるのか』と言わず、
律法を取り扱う者たちも、わたしを知らず、
牧者たちもわたしにそむき、
預言者たちはバアルによって預言して、
無益なものに従って行った。
9 そのため、わたしはなお、あなたがたと争う。
――主の御告げ――
また、あなたがたの子孫と争う。
10 キティムの島々に渡ってよく見よ。
ケダルに人を遣わして調べてみよ。
このようなことがあったかどうか、よく見よ。
11 かつて、神々を神々でないものに、
取り替えた国民があっただろうか。
ところが、わたしの民は、その栄光を
無益なものに取り替えた。
12 天よ。このことに色を失え。
おぞ気立て。干上がれ。
――主の御告げ――
13 わたしの民は二つの悪を行った。
湧き水の泉であるわたしを捨てて、
多くの水ためを、
水をためることのできない、こわれた水ためを、
自分たちのために掘ったのだ。
14 イスラエルは奴隷なのか。
それとも家に生まれたしもべなのか。
なぜ、獲物にされたのか。
15 若獅子は、これに向かってほえたけり、
叫び声をあげて、その地を荒れ果てさせ、
その町々は焼かれて住む者もいなくなる。
16 4ノフとタフパヌヘスの子らも、
あなたの頭の頂を5そり上げる。
17 あなたの神、主が、あなたを道に進ませたとき、
あなたは主を捨てたので、
このことがあなたに起こるのではないか。
18 今、6ナイル川の水を飲みに
エジプトの道に向かうとは、
いったいどうしたことか。
ユーフラテス川の水を飲みに
アッシリヤの道に向かうとは、
いったいどうしたことか。
19 あなたの悪が、あなたを懲らし、
あなたの背信が、あなたを責める。
だから、知り、見きわめよ。
あなたが、あなたの神、主を捨てて、
わたしを恐れないのは、
どんなに悪く、苦々しいことかを。
――万軍の7神、主の御告げ――
20 実に、あなたは昔から自分のくびきを砕き、
自分のなわめを断ち切って、
『私は逃げ出さない』と言いながら、
すべての高い丘の上や、
すべての青々とした木の下で、
寝そべって淫行を行っている。
21 わたしは、あなたをことごとく
8純良種の良いぶどうとして植えたのに、
どうしてあなたは、わたしにとって、
22 たとい、あなたがソーダで身を洗い、
たくさんの灰汁を使っても、
あなたの咎は、わたしの前では汚れている。
――11神である主の御告げ――
23 どうしてあなたは、『私は汚れていない。
バアルたちには従わなかった』と言えようか。
谷の中でのあなたの道を省み、
何をしたかを知れ。
あなたは、道をあちこち走り回る
すばやい雌のらくだ、
24 また、荒野に慣れた野ろばだ。
欲情に息はあえぐ。
そのさかりのとき、だれがこれを静めえようか。
これを捜す者は苦労しない。
その発情期に、これを見つけることができる。
25 はだしにならないよう、
のどが渇かないようにせよ。
しかし、あなたは言う。
『あきらめられません。
私は他国の男たちが好きです。
それについて行きたいのです』と。
26 盗人が、見つけられたときに、
はずかしめられるように、
イスラエルの家もはずかしめられる。
彼らの王たち、首長たち、
祭司たち、預言者たちがそうである。
27 彼らは木に向かっては、『あなたは私の父』、
石に向かっては、『あなたは私を生んだ』と
言っている。
実に、彼らはわたしに背を向けて、
顔を向けなかった。
それなのに、わざわいのときには、
『立って、私たちを救ってください』と言う。
28 では、あなたが造った神々はどこにいるのか。
あなたのわざわいのときには、
彼らが立って救えばよい。
ユダよ。あなたの神々は、
あなたの町の数ほどもいるからだ。
29 なぜ、あなたがたは、わたしと争うのか。
あなたがたはみな、わたしにそむいている。
――主の御告げ――
30 わたしはあなたがたの子らを打ったが、
むだだった。
その懲らしめは役に立たなかった。
あなたがたの剣は、食い滅ぼす獅子のように、
あなたがたの預言者たちを食い尽くした。
31 あなたがた、この時代の人々よ。
主のことばに心せよ。
わたしはイスラエルにとって、荒野であったのか。
あるいは暗黒の地であったのか。
どうしてわたしの民は、
『私たちはさまよい出て、
もうあなたのところには帰りません』と
言うのか。
32 おとめが自分の飾り物を忘れ、
花嫁が自分の飾り帯を忘れるだろうか。
それなのに、わたしの民が
わたしを忘れた日数は数えきれない。
33 あなたが愛を求める方法は、なんと巧みなことか。
それであなたは、悪い女にも、
自分の方法を巧みに教えたのだ。
34 あなたのすそには、
罪のない貧しい人たちの、いのちの血が見える。
彼らの押し入るのを、
あなたが見つけたわけでもないのに。
しかも、これらのことがあるにもかかわらず、
35 あなたは『私には罪がない。
確かに、御怒りは私から去った』と言っている。
『私は罪を犯さなかった』と言うから、
今、わたしはあなたをさばく。
36 なんと、簡単に自分の道を変えることか。
あなたは
アッシリヤによってはずかしめられたと同様に、
エジプトによってもはずかしめられる。
37 そこからもあなたは、
両手を頭にのせて出て来よう。
主があなたの拠り頼む者を退けるので、
あなたは彼らによって栄えることは決してない。
1 もし、人が自分の妻を去らせ、
彼女が彼のもとを去って、
ほかの男のものになれば、
12この人は再び先の妻のもとに戻れるだろうか。
この国も大いに汚れていないだろうか。
あなたは、多くの愛人と淫行を行って、
しかも、わたしのところに帰ると言っている。
――主の御告げ――
2 目を上げて裸の丘を見よ。
どこに、あなたが共寝をしなかった所があろう。
荒野のアラビヤ人がするように、
道ばたで相手を待ってすわり込み、
あなたの淫行と悪行によって、この地を汚した。
3 それで夕立はとどめられ、13後の雨はなかった。
それでも、あなたは遊女の額をしていて、
恥じようともしない。
4 今でも、わたしに、
こう呼びかけているではないか。
『父よ。
あなたは私の若いころの連れ合いです。
5 いつまでも怒られるのですか。
永久に怒り続けるのですか』と。
なんと、あなたはこう言っていても、
できるだけ多くの悪を行っている。」
6 ヨシヤ王の時代に、主は私に仰せられた。「あなたは、背信の女イスラエルが行ったことを見たか。彼女はすべての高い山の上、すべての茂った木の下に行って、そこで淫行を行った。
7 わたしは、彼女がすべてこれらのことをしたあとで、わたしに帰って来るだろうと思ったのに、帰らなかった。また裏切る女、妹のユダもこれを見た。
8背信の女イスラエルは、姦通したというその理由で、わたしが離婚状を渡してこれを追い出したのに、裏切る女、妹のユダは恐れもせず、自分も行って、淫行を行ったのをわたしは見た。
9 彼女は、自分の淫行を軽く見て、国を汚し、石や木と姦通した。
10 このようなことをしながら、裏切る女、妹のユダは、心を尽くしてわたしに帰らず、ただ偽っていたにすぎなかった。――主の御告げ――」
11主はまた、私に仰せられた。「背信の女イスラエルは、裏切る女ユダよりも正しかった。
12 行って、次のことばを北のほうに呼ばわって言え。
背信の女イスラエル。帰れ。
――主の御告げ――
14わたしはあなたがたをしからない。
わたしは恵み深いから。
――主の御告げ――
わたしは、いつまでも怒ってはいない。
13 ただ、あなたは自分の咎を知れ。
あなたは自分の神、主にそむいて、
すべての茂った木の下で、
他国の男とかってなまねをし、
わたしの声を聞き入れなかった。
――主の御告げ――
14背信の子らよ。帰れ。――主の御告げ――わたしが、あなたがたの夫になるからだ。わたしはあなたがたを、町からひとり、氏族からふたり選び取り、シオンに連れて行こう。
15 また、あなたがたに、わたしの心にかなった牧者たちを与える。彼らは知識と分別をもってあなたがたを育てよう。
16 その日、あなたがたが国中にふえて多くなるとき、――主の御告げ――彼らはもう、主の契約の箱について何も言わず、心にも留めず、思い出しもせず、調べもせず、再び作ろうともしない。
17 そのとき、エルサレムは『主の御座』と呼ばれ、万国の民はこの御座、主の名のあるエルサレムに集められ、二度と彼らは悪いかたくなな心のままに歩むことはない。
18 その日、ユダの家はイスラエルの家といっしょになり、彼らはともどもに、北の国から、わたしが15彼らの先祖に継がせた国に帰って来る。」
19 「わたしはどのようにして、あなたを息子たちの中に入れ、あなたに、慕わしい地、諸国のうちで最も麗しいゆずりの地を授けようかと思っていた。また、わたしは、あなたがわたしを父と呼び、わたしに従って、もう離れまい、と思っていた。
20 ところが、なんと、妻が夫を裏切るように、あなたがたはわたしを裏切った。イスラエルの家よ。――主の御告げ――
21 一つの声が裸の丘の上で聞こえる。
イスラエルの子らの哀願の泣き声だ。
彼らは自分たちの道を曲げ、
自分たちの神、主を忘れたからだ。
22 背信の子らよ。帰れ。
わたしがあなたがたの背信をいやそう。」
「今、私たちはあなたのもとにまいります。
あなたこそ、私たちの神、主だからです。
23 確かに、もろもろの丘も、山の騒ぎも、
偽りでした。
確かに、私たちの神、主に、
イスラエルの救いがあります。
24 しかし、私たちの若いころから、
16バアルが、私たちの先祖の勤労の実、
彼らの羊の群れ、牛の群れ、
息子、娘たちを食い尽くしました。
25 私たちは恥の中に伏し、
侮辱が私たちのおおいとなっています。
私たちの神、主に対し、
私たちも先祖たちも、
私たちの若いころから今日まで罪を犯して、
私たちの神、主の御声に
聞き従わなかったからです。」
1 「イスラエルよ。もし帰るのなら、
――主の御告げ――
わたしのところに帰って来い。
もし、あなたが忌むべき物を
わたしの前から除くなら、
あなたは迷うことはない。
2 あなたが真実と公義と正義とによって
『主は生きておられる』と誓うなら、
国々は主によって互いに祝福し合い、
主によって誇り合う。」
3 まことに主は、ユダの人と17エルサレムとに、こう仰せられる。
「耕地を開拓せよ。いばらの中に種を蒔くな。
4 ユダの人とエルサレムの住民よ。
主のために割礼を受け、心の包皮を取り除け。
さもないと、あなたがたの悪い行いのため、
わたしの憤りが火のように出て燃え上がり、
消す者もいないだろう。」
5 「ユダに告げ、エルサレムに聞かせて言え。
国中に角笛を吹け。大声で叫んで言え。
『集まれ。城壁のある町に行こう。』
6 シオンのほうに旗を掲げよ。
のがれよ。立ち止まるな。
わたしがわざわいを北からもたらし、
大いなる破滅をもたらすから。
7 獅子はその茂みから上って来、
国々を滅ぼす者は彼らの国から進み出た。
あなたの国を荒れ果てさせるために。
あなたの町々は滅び、住む者もいなくなろう。」
8 そのために荒布をまとい、悲しみ嘆け。
主の燃える怒りが、私たちから去らないからだ。
9 「その日には、――主の御告げ――
王の心、つかさたちの心は、ついえ去り、
祭司はおののき、預言者は驚く。」
10 そこで、私は言った。
「ああ、18神、主よ。
まことに、あなたはこの民とエルサレムを
全く欺かれました――
『あなたがたには平和が来る』と仰せられて。
それなのに、剣が私ののどに触れています。」
11 その時、この民とエルサレムにこう告げられる。
荒野にある裸の丘の熱風が、
わたしの民の娘のほうに吹いて来る。――
吹き分けるためでもなく、清めるためでもない。
12 これよりも、もっと激しい風が、
わたしのために吹いて来る。
今、わたしは彼らにさばきを下そう。
13 見よ。それは雲のように上って来る。
その戦車はつむじ風のよう、
その馬は鷲よりも速い。
ああ。私たちは荒らされる。
14 エルサレムよ。救われるために、
心を洗って悪を除け。
いつまで、あなたの中には邪念が宿っているのか。
15 ああ、ダンから告げる声がある。
エフライムの山から
わざわいを告げ知らせている。
16 国々に知らせよ。
さあ、エルサレムに告げ知らせよ。
包囲する者たちが遠くの地から来て、
ユダの町々に叫び声をあげる。
17 彼らは畑の番人のように、ユダを取り囲む。
それは、ユダがわたしに逆らったからだ。
――主の御告げ――
18 あなたの行いと、あなたのわざが、
あなたの身にこれを招いたのだ。
これがあなたへのわざわいで、実に苦い。
もう、あなたの心臓にまで達している。
19 私のはらわた、私のはらわた。
私は19痛み苦しむ。私の心臓の壁よ。
私の心は高鳴り、
私はもう、黙っていられない。
私のたましいよ。
おまえが角笛の音と、
戦いの雄たけびを聞くからだ。
20 破滅に次ぐ破滅が知らされる。
全国が荒らされるからだ。
たちまち、私の天幕も荒らされ、
私の幕屋も倒される。
21 いつまで私は、旗を見、
角笛の音を聞かなければならないのだ。
22 実に、わたしの民は愚か者で、わたしを知らない。
彼らは、ばかな子らで、彼らは悟りがない。
彼らは悪事を働くのに賢くて、
善を行うことを知らない。
23 私が地を見ると、
見よ、茫漠として何もなく、
天を見ると、その光はなかった。
24 私が山々を見ると、見よ、揺れ動き、
すべての丘は震えていた。
25 私が見ると、見よ、人はひとりもいなく、
空の鳥もみな飛び去っていた。
26 私が見ると、見よ、果樹園は荒野となり、
町々は主の御前で、その燃える怒りによって、
取りこわされていた。
27 まことに主はこう仰せられる。
「全地は荒れ果てる。
しかし、わたしはことごとくは滅ぼさない。
28 このために、地は嘆き悲しみ、上の天も暗くなる。
わたしが語り、わたしが企てたからだ。
わたしは悔いず、取りやめもしない。」
29 騎兵と射手の叫びに、町中の人が逃げ去った。
彼らは草むらに入り、岩によじのぼった。
すべての町が捨てられ、そこに住む人もない。
30 踏みにじられた女よ。
あなたが緋の衣をまとい、
金の飾りで身を飾りたてても、
それが何の役に立とう。
目を塗って大きく見せても、
美しく見せても、かいがない。
恋人たちは、あなたをうとみ、
あなたのいのちを取ろうとしている。
31 まことに、わたしは、
産みの苦しみをする女のような声、
初子を産む女のようなうめき、
シオンの娘の声を聞いた。
彼女はあえぎ、手を伸べて20言う。
「ああ。私は殺す者たちのために疲れ果てた。」
1 エルサレムのちまたを行き巡り、
さあ、見て知るがよい。
その広場で捜して、だれか公義を行い、
真実を求める者を見つけたら、
わたしはエルサレムを赦そう。
2 たとい彼らが、
「主は生きておられる」と言っても、
実は、彼らは偽って誓っているのだ。
3 主よ。あなたの目は、
真実に向けられていないのでしょうか。
あなたが彼らを打たれたのに、
彼らは痛みもしませんでした。
彼らを絶ち滅ぼそうとされたのに、
彼らは懲らしめを受けようともしませんでした。
彼らは顔を岩よりも堅くし、
悔い改めようともしませんでした。
4 そこで、私は思いました。
「彼らは、実に卑しい愚か者だ。
主の道も、神のさばきも知りもしない。
5 だから、身分の高い者たちのところへ行って、
彼らと語ろう。
彼らなら、主の道も、
神のさばきも知っているから。」
ところが、彼らもみな、
くびきを砕き、なわめを断ち切っていました。
6 それゆえ、森の獅子が彼らを殺し、
荒れた地の狼が彼らを荒らす。
ひょうが彼らの町々をうかがう。
町から出る者をみな、引き裂こう。
彼らが多くの罪を犯し、
その背信がはなはだしかったからだ。
7 これでは、どうして、
わたしがあなたを赦せよう。
あなたの子らはわたしを捨て、
神でないものによって誓っていた。
わたしが彼らを満ち足らせたときも、
彼らは姦通をし、遊女の家で身を傷つけた。
8 彼らは、肥え太ってさかりのついた馬のように、
おのおの隣の妻を慕っていななく。
9 これらに対して、わたしが罰しないだろうか。
――主の御告げ――
このような国に、
わたしが復讐しないだろうか。
10 ぶどう畑の石垣に上って滅ぼせ。
しかし、ことごとく滅ぼしてはならない。
そのつるを除け。
それらは主のものではないからだ。
11 イスラエルの家とユダの家とは、
大いにわたしを裏切ったからだ。
――主の御告げ――
12 彼らは主を否んでこう言った。
「主が何だ。
わざわいは私たちを襲わない。
剣もききんも、私たちは、見はしない。
13 預言者たちは風になり、
みことばは彼らのうちにない。
彼らはこのようになる。」
14 それゆえ、
万軍の神、主は、こう仰せられる。
「あなたがたが、このようなことを言ったので、
見よ、わたしは、
あなたの口にあるわたしのことばを火とし、
この民をたきぎとする。
火は彼らを焼き尽くす。
15 イスラエルの家よ。
見よ。わたしはあなたがたを攻めに、
遠くの地から一つの国民を連れて来る。
――主の御告げ――
それは古くからある国、昔からある国、
そのことばをあなたは知らず、
何を話しているのか聞き取れない国。
16 その矢筒は開いた墓のようだ。
彼らはみなつわもの。
17 彼らはあなたの刈り入れたものと
あなたのパンを食らい、
あなたの息子、娘を食らい、
あなたの羊の群れと牛の群れを食らい、
あなたのぶどうと、いちじくを食らい、
あなたの拠り頼む城壁のある町々を、
剣で打ち破る。
18 しかし、その日にも、――主の御告げ――
わたしはあなたがたを、
ことごとくは滅ぼさない。」
19 「あなたがたが、『何のために、私たちの神、主は、これらすべての事を私たちにしたのか』と尋ねるときは、あなたは彼らにこう言え。『あなたがたが、わたしを捨て、あなたがたの国内で、外国の神々に仕えたように、あなたがたの国ではない地で、他国人に仕えるようになる。』
20 ヤコブの家にこう告げ、
ユダに言い聞かせよ。
21 さあ、これを聞け。
愚かで思慮のない民よ。
彼らは、目があっても見えず、
耳があっても聞こえない。
22 あなたがたは、わたしを恐れないのか。
――主の御告げ――
それとも、わたしの前でおののかないのか。
わたしは砂を、海の境とした。
越えられない永遠の境界として。
波が逆巻いても勝てず、
鳴りとどろいても越えられない。
23 ところが、この民には、
かたくなで、逆らう心があり、
彼らは、そむいて去って行った。
24 彼らは心の中でも、こう言わなかった。
『さあ、私たちの神、主を恐れよう。
季節にしたがって与え、
刈り入れのために定められた数週を
私たちのために守ってくださる』と。
25 あなたがたの咎が、これを追い払い、
あなたがたの罪が、この良い物を拒んだのだ。
26 それは、わたしの民のうちに、
悪者たちがいるからだ。
彼らは、待ち伏せして鳥を取る者のように、
わなをしかけて人々を捕らえる。
27 鳥でいっぱいの鳥かごのように、
彼らの家は欺きでいっぱいだ。
だから、彼らは偉い者となって富む。
28 彼らは、肥えて、つややかになり、
悪事に進み、
さばきについては、
みなしごのためにさばいて幸いを見させず、
貧しい者たちの権利を弁護しない。
29 これらに対して、
わたしが罰しないだろうか。
――主の御告げ――
このような国に、
わたしが復讐しないだろうか。
30 恐怖と、戦慄が、この国のうちにある。
31 預言者は偽りの預言をし、
祭司は自分かってに治め、
わたしの民はそれを愛している。
その末には、あなたがたは、どうするつもりだ。」
1 ベニヤミンの子らよ。
エルサレムの中からのがれよ。
テコアで角笛を吹き、
ベテ・ハケレムでのろしを上げよ。
わざわいと大いなる破滅が、
北から見おろしているからだ。
2 23私は、シオンの娘を、
麗しい牧場になぞらえる。
3 羊飼いは自分の群れを連れて、そこに行き、
その回りに天幕を張り、
その群れはおのおの、自分の草を食べる。
4 「シオンに向かって聖戦をふれよ。
立て。われわれは真昼に上ろう。」
「ああ、残念だ。
日が傾いた。夕べの影も伸びる。」
5 「立て。われわれは夜の間に上って、
その宮殿を滅ぼそう。」
6 まことに万軍の主はこう仰せられる。
「木を切って、エルサレムに対して塁を築け。
これは罰せられる町。
その中には、しいたげだけがある。
7 井戸が水をわき出させるように、
エルサレムは自分の悪をわき出させた。
暴虐と暴行が、その中で聞こえる。
わたしの前には、いつも病と打ち傷がある。
8 エルサレムよ。戒めを受けよ。
さもないと、わたしの心はおまえから離れ、
おまえを住む人もない荒れ果てた地とする。」
9 万軍の主はこう仰せられる。
「ぶどうの残りを摘むように、
イスラエルの残りの者をすっかり摘み取れ。
ぶどうを収穫する者のように、
あなたの手をもう一度、その枝に伸ばせ。」
10 私はだれに語りかけ、だれをさとして、
聞かせようか。
見よ。彼らの24耳は閉じたままで、
聞くこともできない。
見よ。主のことばは、
彼らにとって、そしりとなる。
彼らはそれを喜ばない。
11 私の身には主の憤りが満ち、
これに耐えるのに、私は疲れ果てた。
「それを、道ばたにいる子どもの上にも、
若い男の集まりの上にも、ぶちまけよ。
夫も妻も、ともどもに、
年寄りも齢の満ちた者も共に捕らえられ、
12 彼らの家は、畑や妻もろともに、
他人のものとなる。
それは、わたしが
この国の住民に手を伸ばすからだ。
――主の御告げ――
13 なぜなら、身分の低い者から高い者まで、
みな利得をむさぼり、
預言者から祭司に至るまで、
みな偽りを行っているからだ。
14 彼らは、わたしの民の傷を手軽にいやし、
平安がないのに、
『平安だ、平安だ』と言っている。
15 彼らは忌みきらうべきことをして、
恥を見ただろうか。
彼らは少しも恥じず、恥じることも知らない。
だから、彼らは、倒れる者の中に倒れ、
わたしが彼らを罰する時に、よろめき倒れる」と
主は仰せられる。
16 主はこう仰せられる。
「四つ辻に立って見渡し、
昔からの通り道、
幸いの道はどこにあるかを尋ね、
それを歩んで、あなたがたのいこいを見いだせ。
しかし、彼らは『そこを歩まない』と言った。
17 また、わたしは、あなたがたの上に
見張り人を立て、
『角笛の音に注意せよ』と言わせたのに、
彼らは『注意しない』と言った。
18 それゆえ、諸国の民よ。聞け。
会衆よ。知れ。
彼らに何が起こるかを。
19 この国よ。聞け。
見よ。わたしはこの民にわざわいをもたらす。
これは彼らのたくらみの実。
彼らが、わたしのことばに注意せず、
わたしの律法を退けたからだ。
20 いったい、何のため、シェバから乳香や、
遠い国からかおりの良い菖蒲が
わたしのところに来るのか。
あなたがたの全焼のいけにえは受け入れられず、
あなたがたのいけにえはわたしを喜ばせない。」
21 それゆえ、主はこう仰せられる。
「見よ。わたしはこの民につまずきを与える。
父も子も共にこれにつまずき、
隣人も友人も滅びる。」
22 主はこう仰せられる。
「見よ。一つの民が北の地から来る。
大きな国が地の果てから奮い立つ。
23 彼らは弓と投げ槍を堅く握り、
残忍で、あわれみがない。
その声は海のようにとどろく。
シオンの娘よ。彼らは馬にまたがり、
ひとりのように陣備えをして、あなたを攻める。」
24 私たちは、そのうわさを聞いて、気力を失い、
産婦のような苦しみと苦痛が私たちを捕らえた。
25 畑に出るな。道を歩くな。
敵の剣がそこにあり、
恐れが回りにあるからだ。
26 私の民の娘よ。
荒布を身にまとい、灰の中をころび回れ。
ひとり子のために苦しみ嘆いて、喪に服せ。
たちまち、荒らす者が私たちに襲いかかるからだ。
27 「わたしはあなたを、
わたしの民の中で、ためす者とし、
試みる者とした。
彼らの行いを知り、これをためせ。」
28 彼らはみな、かたくなな反逆者、
中傷して歩き回り、青銅や鉄のようだ。
彼らはみな、堕落した者たちだ。
29 ふいごで激しく吹いて、
鉛を火で溶かす。
鉛は溶けた。溶けたが、むだだった。
悪いものは除かれなかった。
30 彼らは廃物の銀と呼ばれている。
主が彼らを退けたからだ。
1主からエレミヤにあったみことばは、こうである。
2 「主の家の門に立ち、そこでこのことばを叫んで言え。
主を礼拝するために、この門に入るすべてのユダの人々よ。主のことばを聞け。
3 イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。あなたがたの行いと、わざとを改めよ。そうすれば、わたしは、あなたがたをこの所に住ませよう。
4 あなたがたは、『これは主の宮、主の宮、主の宮だ』と言っている偽りのことばを信頼してはならない。
5 もし、ほんとうに、あなたがたが行いとわざとを改め、あなたがたの間で公義を行い、
6在留異国人、みなしご、やもめをしいたげず、罪のない者の血をこの所で流さず、ほかの神々に従って自分の身にわざわいを招くようなことをしなければ、
7 わたしはこの所、わたしがあなたがたの先祖に与えたこの地に、とこしえからとこしえまで、あなたがたを住ませよう。
8 なんと、あなたがたは、役にも立たない偽りのことばにたよっている。
9 しかも、あなたがたは盗み、殺し、姦通し、偽って誓い、バアルのためにいけにえを焼き、あなたがたの知らなかったほかの神々に従っている。
10 それなのに、あなたがたは、わたしの名がつけられているこの家のわたしの前にやって来て立ち、『私たちは救われている』と言う。それは、このようなすべての忌みきらうべきことをするためか。
11 わたしの名がつけられているこの家は、あなたがたの目には強盗の巣と見えたのか。そうだ。わたしにも、そう見えていた。──主の御告げ──
12 それなら、さあ、シロにあったわたしの住まい、先にわたしの名を住ませた所へ行って、わたしの民イスラエルの悪のために、そこでわたしがしたことを見よ。
13 今、あなたがたは、これらの事をみな行っている。──主の御告げ──わたしがあなたがたに絶えず、しきりに語りかけたのに、あなたがたは聞こうともせず、わたしが呼んだのに、答えもしなかった。
14 それで、あなたがたの頼みとするこの家、わたしの名がつけられているこの家、また、わたしが、あなたがたと、あなたがたの先祖に与えたこの場所に、わたしはシロにしたのと同様なことを行おう。
15 わたしは、かつて、あなたがたのすべての兄弟、エフライムのすべての子孫を追い払ったように、あなたがたを、わたしの前から追い払おう。
16 あなたは、この民のために祈ってはならない。彼らのために叫んだり、祈りをささげたりしてはならない。わたしにとりなしをしてはならない。わたしはあなたの願いを聞かないからだ。
17 彼らがユダの町々や、エルサレムのちまたで何をしているのか、あなたは見ていないのか。
18 子どもたちはたきぎを集め、父たちは火をたき、女たちは麦粉をこねて『天の女王』のための供えのパン菓子を作り、わたしの怒りを引き起こすために、ほかの神々に注ぎのぶどう酒を注いでいる。
19 彼らはわたしの怒りを引き起こすのか。──主の御告げ──自分たちを怒らせ、自分たちの赤恥をさらすためではないか。」
20 それで、25神である主はこう仰せられる。「見よ。わたしの怒りと憤りは、この場所と、人間と、家畜と、畑の木と、地の産物とに注がれ、それは燃えて、消えることがない。」
21 イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「全焼のいけにえを、あなたがたのほかのいけにえに加えて、その肉を食べよ。
22 わたしは、あなたがたの先祖をエジプトの国から連れ出したとき、全焼のいけにえや、ほかのいけにえについては何も語らず、命じもしなかった。
23 ただ、次のことを彼らに命じて言った。『わたしの声に聞き従え。そうすれば、わたしは、あなたがたの神となり、あなたがたは、わたしの民となる。あなたがたをしあわせにするために、わたしが命じるすべての道を歩め。』
24 しかし、彼らは聞かず、耳を傾けず、悪いかたくなな心のはかりごとのままに歩み、前進するどころか後退した。
25 あなたがたの先祖がエジプトの国を出た日から今日まで、わたしはあなたがたに、わたしのしもべであるすべての預言者たちを、毎日朝早くから、たびたび送ったが、
26 彼らはわたしに聞かず、耳を傾けず、うなじのこわい者となって、先祖たちよりも悪くなった。
27 あなたが彼らにこれらのことをすべて語っても、彼らはあなたに聞かず、彼らを呼んでも、彼らはあなたに答えまい。
28 そこであなたは彼らに言え。この民は、自分の神、主の声を聞かず、懲らしめを受けなかった民だ。真実は消えうせ、彼らの口から断たれた。
29 『あなたの長い髪を切り捨て、
裸の丘の上で哀歌を唱えよ。
主は、この世代の者を、激しく怒って、
退け、捨てたからだ。』
30 それは、ユダの子らが、わたしの目の前に悪を行ったからだ。──主の御告げ──彼らは、わたしの名がつけられているこの家に自分たちの忌むべき物を置いて、これを汚した。
31 また自分の息子、娘を火で焼くために、ベン・ヒノムの谷にあるトフェテに高き所を築いたが、これは、わたしが命じたこともなく、思いつきもしなかったことだ。
32 それゆえ、見よ、その日が来る。──主の御告げ──その日には、もはや、そこはトフェテとかベン・ヒノムの谷と呼ばれない。ただ虐殺の谷と呼ばれる。人々はトフェテに、余地がないほどに葬る。
33 この民のしかばねは、空の鳥、地の獣のえじきとなるが、これを追い払う者もない。
34 わたしは、ユダの町々とエルサレムのちまたから、楽しみの声と喜びの声、花婿の声と花嫁の声を絶やす。この国は廃墟となるからである。
1 その時、──主の御告げ──人々は、ユダの王たちの骨、首長たちの骨、祭司たちの骨、預言者たちの骨、エルサレムの住民の骨を、彼らの墓からあばき、
2 それらを、彼らが愛し、仕え、従い、伺いを立て、拝んだ日や月や天の万象の前にさらす。それらは集められることなく、葬られることもなく、地面の肥やしとなる。
3 また、この悪い一族の中から残された残りの者はみな、わたしが追い散らした残りの者のいるどんな所でも、いのちよりも死を選ぶようになる。──万軍の主の御告げ──」
4 あなたは、彼らに言え。
主はこう仰せられる。
「倒れたら、起き上がらないのだろうか。
背信者となったら、悔い改めないのだろうか。
5 なぜ、この民エルサレムは、
背信者となり、背信を続けているのか。
彼らは欺きにすがりつき、帰って来ようとしない。
6 わたしは注意して聞いたが、
彼らは正しくないことを語り、
『私はなんということをしたのか』と言って、
自分の悪行を悔いる者は、ひとりもいない。
彼らはみな、戦いに突入する馬のように、
自分の走路に走り去る。
7 空のこうのとりも、自分の季節を知っており、
山鳩、つばめ、つるも、自分の帰る時を守るのに、
わたしの民は主の定めを知らない。
8 どうして、あなたがたは、
『私たちは知恵ある者だ。
私たちには主の律法がある』と言えようか。
確かにそうだが、書記たちの偽りの筆が、
これを偽りにしてしまっている。
9 知恵ある者たちは恥を見、
驚きあわてて、捕らえられる。
見よ。主のことばを退けたからには、
彼らに何の知恵があろう。
10 それゆえ、わたしは彼らの妻を他人に与え、
彼らの畑を侵略者に与える。
なぜなら、身分の低い者から高い者まで、
みな利得をむさぼり、
預言者から祭司に至るまで、
みな偽りを行っているからだ。
11 彼らは、わたしの民の娘の傷を手軽にいやし、
平安がないのに、
『平安だ、平安だ』と言っている。
12 彼らは忌みきらうべきことをして、
恥を見ただろうか。
彼らは少しも恥じず、恥じることも知らない。
だから、彼らは、倒れる者の中に倒れ、
彼らの刑罰の時、よろめき倒れる」と
主は仰せられる。
13 「わたしは彼らを、刈り入れたい。
――主の御告げ――
しかし、ぶどうの木には、ぶどうがなく、
いちじくの木には、いちじくがなく、
葉はしおれている。
わたしはそれをなるがままにする。」
14 どうして、私たちはすわっているのか。
集まって、城壁のある町々に行き、
そこで死のう。
私たちの神、主が、私たちを滅ぼす。
主が私たちに毒の水を飲ませられる。
私たちが主に罪を犯したからだ。
15 平安を待ち望んでも、幸いはなく、
いやしの時を待ち望んでも、見よ、恐怖しかない。
16 「ダンから馬の鼻息が聞こえる。
その荒馬のいななきの声に、全地は震える。
彼らは来て、地と、それに満ちるもの、
町と、その住民を食らう。
17 見よ。わたしが、
まじないのきかないコブラや、まむしを、
あなたがたの中に送り、
あなたがたをかませるからだ。
――主の御告げ――」
18 私の悲しみはいやされず、
私の心は弱り果てている。
19 聞け。遠くの地からの
私の民の娘の叫び声を。
「主はシオンにおられないのか。
シオンの王は、その中におられないのか。」
「なぜ、彼らは自分たちの刻んだ像により、
外国のむなしいものによって、
わたしの怒りを引き起こしたのか。」
20 「刈り入れ時は過ぎ、夏も終わった。
それなのに、私たちは救われない。」
21 私の民の娘の傷のために、
私も傷つき、
私は憂え、
恐怖が、私を捕らえた。
22 乳香はギルアデにないのか。
医者はそこにいないのか。
それなのに、なぜ、
私の民の娘の傷はいやされなかったのか。
1 ああ、私の頭が水であったなら、
私の目が涙の泉であったなら、
私は昼も夜も、
私の娘、私の民の殺された者のために
泣こうものを。
2 ああ、私が荒野に旅人の宿を持っていたなら、
私の民を見捨てて、
彼らから離れることができようものを。
彼らはみな姦通者、
裏切り者の集会だから。
3 彼らは舌を弓のように曲げ、
真実でなく、偽りをもって、地にはびこる。
まことに彼らは、悪から悪へ進み、
わたしを知らない。――主の御告げ――
4 おのおの互いに警戒せよ。
どの兄弟も信用するな。
どの兄弟も人を押しのけ、
どの友も中傷して歩き回るからだ。
5 彼らはおのおの、だまし合って、真実を語らない。
偽りを語ることを舌に教え、
26悪事を働き、依然として悔い改めない。
6 27彼らはしいたげに、しいたげを重ね、
欺きに欺きを重ねて、
わたしを知ろうともしなかった。
――主の御告げ――
7 それゆえ、万軍の主はこう仰せられる。
「見よ。わたしは彼らを溶かしてためす。
いったい、わたしの民の娘に対し、
ほかに何ができようか。
8 彼らの舌はとがった矢で、欺きを語る。
口先では友人に平和を語るが、
腹の中では待ち伏せを計る。
9 これらのために、
わたしは彼らを罰しないだろうか。
――主の御告げ――
このような国に対して、
わたしが復讐しないだろうか。」
10 私は山々のために泣き声をあげて嘆き、
荒野の牧草地のために哀歌を唱える。
そこは、焼き払われて通る人もなく、
群れの声も聞こえず、
空の鳥から家畜まで、みな逃げ去っているからだ。
11 わたしはエルサレムを石くれの山とし、
ジャッカルの住みかとする。
ユダの町々を荒れ果てさせ、住む者もなくする。
12 知恵があって、
これを悟ることのできる者はだれか。
主の御口が語られたことを
告げ知らせることのできる者はだれか。
どうしてこの国は滅びたのか。
どうして荒野のように焼き払われて、
通る人もないのか。
13主は仰せられる。「彼らは、わたしが彼らの前に与えたわたしの律法を捨て、わたしの声に聞き従わず、それに歩まず、
14 彼らのかたくなな心のままに歩み、先祖たちが彼らに教えたバアルに従って歩んだ。」
15 それゆえ、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「見よ。わたしは、この民に、苦よもぎを食べさせ、毒の水を飲ませる。
16 彼らも先祖たちも知らなかった国々に彼らを散らし、剣を彼らのうしろに送り、ついに彼らを絶滅させる。」
17 万軍の主はこう仰せられる。
「よく考えて、泣き女を呼んで来させ、
使いをやって巧みな女たちを連れて来させよ。」
18 彼らをせきたて、
私たちのために嘆きの声をあげさせ、
私たちの目に涙をしたたらせ、
私たちのまぶたに水をあふれさせよ。
19 シオンから嘆きの声が聞こえるからだ。
ああ、私たちは踏みにじられ、いたく恥を見た。
私たちが国を見捨て、
彼らが私たちの住まいを投げやったからだ。
20 女たちよ。主のことばを聞き、
あなたがたの耳は、
主の言われることばを受けとめよ。
あなたがたの娘に嘆きの歌を教え、
隣の女にも哀歌を教えよ。
21 死が、私たちの窓によじのぼり、
私たちの高殿に入って来、
道ばたで子どもを、広場で若い男を
断ち滅ぼすからだ。
22 語れ。――主の御告げはこうだ――
人間のしかばねは、
畑の肥やしのように、
刈り入れ人のあとの、
集める者もない束のように、横たわる。
23 主はこう仰せられる。
「知恵ある者は自分の知恵を誇るな。
つわものは自分の強さを誇るな。
富む者は自分の富を誇るな。
24 誇る者は、ただ、これを誇れ。
悟りを得て、わたしを知っていることを。
わたしは主であって、
地に恵みと公義と正義を行う者であり、
わたしがこれらのことを喜ぶからだ。
――主の御告げ――
25 見よ。その日が来る。――主の御告げ――
その日、わたしは、
すべて包皮に割礼を受けている者を罰する。
26 エジプト、ユダ、エドム、アモン人、モアブ、および
荒野の住人でこめかみを刈り上げている
すべての者を罰する。
すべての国々は無割礼であり、
イスラエルの全家も
心に割礼を受けていないからだ。」
1 イスラエルの家よ。主があなたがたに語られたことばを聞け。
2主はこう仰せられる。
「異邦人の道を見習うな。
天のしるしにおののくな。
異邦人がそれらにおののいていても。
3 国々の民のならわしはむなしいからだ。
それは、林から切り出された木、
木工が、なたで造った物にすぎない。
4 それは銀と金で飾られ、
釘や、槌で、動かないように打ちつけられる。
5 それは、きゅうり畑のかかしのようで、
ものも言えず、歩けないので、
いちいち運んでやらなければならない。
そんな物を恐れるな。
わざわいも幸いも下せないからだ。」
6 主よ。あなたに並ぶ者はありません。
あなたは大いなる方。
あなたの御名は、力ある大いなるものです。
7 諸国の民の王よ。
だれかあなたを恐れない者がありましょうか。
それは、あなたに対して当然なことです。
諸国の民のすべての知恵ある者たちの中にも、
そのすべての王国の中にも、
あなたと並ぶような者はいないからです。
8 彼らはみなまぬけ者で愚かなことをする。
むなしい神々の戒め――それは木にすぎない。
9 銀箔はタルシシュから、
金はウファズから運ばれる。
偶像は木工と金細工人の手の作。
その衣は青色と紫色、
これらはみな、名匠の作。
10 しかし、主はまことの神、
生ける神、とこしえの王。
その怒りに地は震え、
その憤りに国々は耐えられない。
2811 あなたがたは、彼らにこう言え。「天と地を造らなかった神々は、地からも、これらの天の下からも滅びる」と。
12 主は、御力をもって地を造り、
知恵をもって世界を堅く建て、
英知をもって天を張られた。
13 主が声を出すと、水のざわめきが天に起こる。
主は地の果てから雲を上らせ、
雨のためにいなずまを造り、
その倉から風を出される。
14 すべての人間は愚かで無知だ。
すべての金細工人は、偶像のために恥を見る。
その鋳た像は偽りで、その中に息がないからだ。
15 それは、むなしいもの、物笑いの種だ。
刑罰の時に、それらは滅びる。
16 ヤコブの分け前はこんなものではない。
主は万物を造る方。
イスラエルは主ご自身の部族。
その御名は万軍の主である。
17 包囲されている女よ。
あなたの荷物を地から取り集めよ。
18 まことに主はこう仰せられる。
「見よ。わたしはこの国の住民を、
今度こそ放り出し、彼らを悩ます。
彼らに思い知らせてやるためだ。」
19 ああ、私は悲しい。この傷のために。
この打ち傷はいやしがたい。
そこで、私は言った。
「まことに、これこそ私が、
負わなければならない病だ。」
20 私の天幕は荒らされ、
すべての綱は断ち切られ、
私の子らも私から去って、もういない。
再び私の天幕を張る者はなく、
私の幕屋を建てる者もいない。
21 牧者たちは愚かで、主を求めなかった。
それで彼らは栄えず、
彼らの飼うものはみな散らされる。
22 聞け、うわさを。
見よ。大いなる騒ぎが北の地からやって来る。
ユダの町々を荒れ果てた地とし、
ジャッカルの住みかとするために。
23 主よ。私は知っています。
人間の道は、その人によるのでなく、
歩くことも、その歩みを確かにすることも、
人によるのではないことを。
24 主よ。御怒りによらず、
ただ公義によって、私を懲らしてください。
そうでないと、私は無に帰してしまうでしょう。
25 あなたを知らない諸国の民の上に、
あなたの御名を呼ばない諸氏族の上に、
あなたの憤りを注いでください。
彼らはヤコブを食らい、
これを食らって、これを絶滅させ、
その住まいを荒らしたからです。
1主からエレミヤにあったみことばは、こうである。
2 「この契約のことばを聞け。これをユダの人とエルサレムの住民に語って、
3 彼らに言え。
イスラエルの神、主は、こう仰せられる。この契約のことばを聞かない者は、のろわれよ。
4 これは、わたしがあなたがたの先祖をエジプトの国、鉄の炉から連れ出した日に、『わたしの声に聞き従い、すべてわたしがあなたがたに命ずるように、それを行え。そうすれば、あなたがたはわたしの民となり、わたしはあなたがたの神となる』と言って、彼らに命じたものだ。
5 それは、わたしがあなたがたの先祖に対して、乳と蜜の流れる地を彼らに与えると誓った誓いを、今日あるとおり成就するためであった。」そこで、私は答えて言った。「主よ。アーメン。」
6 すると主は私に仰せられた。「これらのことばのすべてを、ユダの町々と、エルサレムのちまたで叫んで、こう言え。『この契約のことばを聞いて、これを行え。』
7 わたしは、あなたがたの先祖をエジプトの国から導き出した日に、彼らをはっきり戒め、また今日まで、『わたしの声を聞け』と言って、しきりに戒めてきた。
8 しかし彼らは聞かず、耳を傾けず、おのおの悪いかたくなな心のままに歩んだ。それで、わたしはこの契約のことばをみな、彼らに実現させた。わたしが行うように命じたのに、彼らが行わなかったからである。」
9 ついで、主は私に仰せられた。「ユダの人、エルサレムの住民の間に、謀反がある。
10 彼らは、わたしのことばを聞こうとしなかった彼らの先祖たちの咎をくり返し、彼ら自身も、ほかの神々に従って、これに仕えた。イスラエルの家とユダの家は、わたしが彼らの先祖たちと結んだわたしの契約を破った。」
11 それゆえ、主はこう仰せられる。「見よ。わたしは彼らにわざわいを下す。彼らはそれからのがれることはできない。彼らはわたしに叫ぶだろうが、わたしは彼らに聞かない。
12 そこで、ユダの町々とエルサレムの住民は、彼らが香をたいた神々のもとに行って叫ぶだろうが、これらは、彼らのわざわいの時に、彼らを決して救うことはできない。
13 なぜなら、ユダよ、あなたの神々は、あなたの町の数ほどもあり、あなたがたは、恥ずべきもののための祭壇、バアルのためにいけにえを焼く祭壇を、エルサレムの通りの数ほども設けたからである。
14 あなたは、この民のために祈ってはならない。彼らのために叫んだり祈りをささげたりしてはならない。彼らがわざわいに会ってわたしを呼ぶときにも、わたしは聞かないからだ。
15 わたしの愛する者は、わたしの家で、
何をしているのか。何をたくらんでいるのか。
わざわいをあなたから過ぎ去らせるのか。
その時には、こおどりして喜ぶがよい。
16 主はかつてあなたの名を、
『良い実をみのらせる
美しい緑のオリーブの木』と呼ばれたが、
大きな騒ぎの声が起こると、
主はこれに火をつけ、その枝を焼かれる。
17 あなたを植えた万軍の主が、あなたにわざわいを言い渡す。これはイスラエルの家とユダの家が、悪を行い、バアルにいけにえをささげて、わたしの怒りを引き起こしたからである。」
18主が私に知らせてくださったので、私はそれを知りました。今、あなたは、彼らのわざを、私に見せてくださいました。
19 私は、ほふり場に引かれて行くおとなしい子羊のようでした。彼らが私に敵対して、「木を実とともに滅ぼそう。彼を生ける者の地から断って、その名が二度と思い出されないようにしよう」と計画していたことを、私は知りませんでした。
20 しかし、正しいさばきをし、
31思いと心をためされる万軍の主よ。
あなたが彼らに復讐するのを
私は見ることでしょう。
私が、あなたに私の訴えを打ち明けたからです。
21 それゆえ、主はアナトテの人々について、こう仰せられた。「彼らはあなたのいのちをねらい、『主の名によって預言するな。われわれの手にかかってあなたが死なないように』と言っている。」
22 それで、万軍の主はこう仰せられる。「見よ。わたしは彼らを罰する。若い男は剣で殺され、彼らの息子、娘は飢えて死に、
23 彼らには残る者がいなくなる。わたしがアナトテの人々にわざわいを下し、刑罰の年をもたらすからだ。」
1 主よ。私があなたと論じても、
あなたのほうが正しいのです。
それでも、さばきについて、
一つのことを私はあなたにお聞きしたいのです。
なぜ、悪者の道は栄え、
裏切りを働く者が、
みな安らかなのですか。
2 あなたは彼らを植え、
彼らは根を張り、伸びて、実を結びました。
あなたは、彼らの口には近いのですが、
彼らの思いからは遠く離れておられます。
3 主よ。あなたは私を知り、
私を見ておられ、
あなたへの私の心をためされます。
どうか彼らを、ほふられる羊のように
引きずり出して、
虐殺の日のために取り分けてください。
4 いつまで、この地は喪に服し、
すべての畑の青草は枯れているのでしょうか。
そこに住む者たちの悪のために、
家畜も鳥も取り去られています。
人々は、「彼は私たちの最期を見ない」と
言っているのです。
5 あなたは徒歩の人たちと走っても疲れるのに、
どうして騎馬の人と競走できよう。
あなたは平穏な地で安心して過ごしているのに、
どうしてヨルダンの密林で過ごせよう。
6 あなたの兄弟や、父の家の者さえ、
彼らさえ、あなたを裏切り、
彼らさえ、
あなたのあとから大声で呼ばわるのだから、
彼らがあなたに親切そうに語りかけても、
彼らを信じてはならない。
7 私は、私の家を捨て、
私の相続地を見放し、
私の心の愛するものを、敵の手中に渡した。
8 私の相続地は、
私にとって、林の中の獅子のようだ。
これは私に向かって、うなり声をあげる。
それで、私はこの地を憎む。
9 私の相続地は、
私にとって、まだらの猛禽なのか。
猛禽がそれを取り巻いているではないか。
さあ、すべての野の獣を集めよ。
連れて来て、食べさせよ。
10 多くの牧者が、私のぶどう畑を荒らし、
私の地所を踏みつけ、
私の慕う地所を、
恐怖の荒野にした。
11 それは恐怖と化し、
荒れ果てて、私に向かって嘆いている。
全地は荒らされてしまった。
だれも心に留める者がいないのだ。
12 荒野にあるすべての裸の丘の上に、
荒らす者が来た。
主の剣が、地の果てから地の果てに至るまで
食い尽くすので、
すべての者には平安がない。
13 小麦を蒔いても、いばらを刈り取り、
労苦してもむだになる。
あなたがたは、自分たちの収穫で恥を見よう。
主の燃える怒りによって。
14 「主はこう仰せられる。わたしが、わたしの民イスラエルに継がせた相続地を侵す悪い隣国の民について。見よ、わたしは彼らをその土地から引き抜き、ユダの家も彼らの中から引き抜く。
15 しかし、彼らを引き抜いて後、わたしは再び彼らをあわれみ、彼らをそれぞれ、彼らの相続地、彼らの国に帰らせよう。
16 彼らが、かつて、わたしの民にバアルによって誓うことを教えたように、もし彼らがわたしの民の道をよく学び、わたしの名によって、『主は生きておられる』と誓うなら、彼らは、わたしの民のうちに建てられよう。
17 しかし、彼らが聞かなければ、わたしはその国を根こぎにして滅ぼしてしまう。──主の御告げ──」
1主は私にこう仰せられた。「行って、亜麻布の帯を買い、それを腰に締めよ。水に浸してはならない。」
2 私は主のことばのとおり、帯を買って、腰に締めた。
3 すると、私に次のような主のことばがあった。
4 「あなたが買って腰に着けているその帯を取り、すぐ、ユーフラテス川へ行き、それをそこの岩の割れ目に隠せ。」
5 そこで、主が私に命じられたように、私は行って、それをユーフラテス川のほとりに隠した。
6 多くの日を経て、主は私に仰せられた。「すぐ、ユーフラテス川へ行き、わたしが隠せとあなたに命じたあの帯を取り出せ。」
7 私はユーフラテス川に行って、掘り、隠した所から帯を取り出したが、なんと、その帯は腐って、何の役にも立たなくなっていた。
8 すると、私に次のような主のことばがあった。
9 「主はこう仰せられる。わたしはユダとエルサレムの大きな誇りを腐らせる。
10 わたしのことばを聞こうともせず、自分たちのかたくなな心のままに歩み、ほかの神々に従って、それに仕え、それを拝むこの悪い民は、何の役にも立たないこの帯のようになる。
11 なぜなら、帯が人の腰に結びつくように、わたしは、イスラエルの全家とユダの全家をわたしに結びつけた。──主の御告げ──それは、彼らがわたしの民となり、名となり、栄誉となり、栄えとなるためだったのに、彼らがわたしに聞き従わなかったからだ。
12 あなたは彼らにこのことばを伝えよ。『イスラエルの神、主は、こう仰せられる。すべてのつぼには酒が満たされる。』彼らはあなたに、『すべてのつぼに酒が満たされることくらい、私たちは知りぬいていないだろうか』と言うが、
13 あなたは彼らに言え。『主はこう仰せられる。見よ。わたしは、この国の全住民、ダビデの王座に着いている王たち、祭司、預言者、およびエルサレムの全住民をすっかり酔わせ、
14 彼らを互いにぶつけ合わせて砕く。父も子もともどもに。──主の御告げ──わたしは容赦せず、惜しまず、あわれまないで、彼らを滅ぼしてしまおう。』」
15 耳を傾けて聞け。高ぶるな。
主が語られたからだ。
16 あなたがたの神、主に、栄光を帰せよ。
まだ主がやみを送らないうちに、
まだあなたがたの足が、
暗い山でつまずかないうちに。
そのとき、あなたがたが光を待ち望んでも、
主はそれを死の陰に変え、暗やみとされる。
17 もし、あなたがたがこれに聞かなければ、
私は隠れた所で、
あなたがたの高ぶりのために泣き、涙にくれ、
私の目は涙を流そう。
主の群れが、とりこになるからだ。
18 王と王母に告げよ。
「低い座に着け。
あなたがたの32頭から、
あなたがたの輝かしい冠が落ちたから。」
19 ネゲブの町々は閉ざされて、
だれもあける者はいない。
ユダはことごとく捕らえ移され、
ひとり残らず捕らえ移される。
20 あなたがたの目を上げ、
北から来る者たちを見よ。
――あなたに賜った群れ、
あなたの美しい羊の群れは
どこにいるのか――
21 あなたは彼らを最も親しい友として、
自分に教えこんでいたのに。
主があなたを罰するとき、
あなたは何と言おうとするのか。
苦痛があなたを捕らえないだろうか。
子を産む女のように。
22 あなたが心の中で、
「なぜ、こんなことが、私の身に起こったのか」と
言うなら、
それは、あなたの多くの咎のために、
あなたのすそはまくられ、
あなたのかかとがそこなわれたからだ。
23 33クシュ人がその皮膚を、
ひょうがその斑点を、変えることができようか。
もしできたら、悪に慣れたあなたがたでも、
善を行うことができるだろう。
24 わたしは、彼らを、
荒野の風に吹き飛ばされるわらのように散らす。
25 これがあなたの34受ける割り当て、
わたしがあなたに量り与える分である。
――主の御告げ――
あなたがわたしを忘れ、
偽りに拠り頼んだためだ。
26 わたしも、あなたのすそを、
顔の上までまくるので、
あなたの恥ずべき所が現れる。
27 あなたの姦淫、あなたのいななき、
あなたの淫行のわざ――
この忌むべき行いを、
わたしは、丘の上や野原で見た。
ああ。エルサレムよ。あなたは
いつまでたっても、きよめられないのか。
1 日照りのことについて、エレミヤにあった主のことば。
2 ユダは喪に服し、その門は打ちしおれ、
地に伏して嘆き悲しみ、
エルサレムは哀れな叫び声をあげる。
3 その貴人たちは、召使いを、水を汲みにやるが、
彼らが水ためのほとりに来ても、
水は見つからず、からの器のままで帰る。
彼らは恥を見、侮られて、頭をおおう。
4 国に秋の大雨が降らず、地面が割れたため、
農夫たちも恥を見、頭をおおう。
5 若草がないために、
野の雌鹿さえ、子を産んでも捨てる。
6 野ろばは裸の丘の上に立ち、
ジャッカルのようにあえぎ、目も衰え果てる。
青草がないためだ。
7 私たちの咎が、私たちに不利な証言をしても、
主よ、あなたの御名のために事をなしてください。
私たちの背信ははなはだしく、
私たちはあなたに罪を犯しました。
8 イスラエルの望みである方、
苦難の時の救い主よ。
なぜあなたは、この国にいる在留異国人のように、
また、一夜を過ごすため立ち寄った旅人のように、
すげなくされるのですか。
9 なぜ、あなたはあわてふためく人のように、
また、人を救うこともできない勇士のように、
されるのですか。
主よ。あなたは私たちの真ん中におられ、
私たちはあなたの御名をもって、
呼ばれているのです。
私たちを、置き去りにしないでください。
10 この民について、主はこう仰せられる。「このように、彼らはさすらうことを愛し、その足を制することもしない。それで、主は彼らを喜ばず、今、彼らの咎を覚えて、その罪を罰する。」
11主はさらに、私に仰せられた。「この民のために幸いを祈ってはならない。
12 彼らが断食しても、わたしは彼らの叫びを聞かない。全焼のいけにえや、穀物のささげ物をささげても、わたしはそれを受け入れない。かえって、剣とききんと疫病で、彼らをことごとく絶ち滅ぼす。」
13 私は言った。「ああ、35神、主よ。預言者たちは、『あなたがたは剣を見ず、ききんもあなたがたに起こらない。かえって、わたしはこの所でまことの平安をあなたがたに与える』と人々に言っているではありませんか。」
14主は私に仰せられた。「あの預言者たちは、わたしの名によって偽りを預言している。わたしは彼らを遣わしたこともなく、彼らに命じたこともなく、語ったこともない。彼らは、偽りの幻と、むなしい占いと、自分の心の偽りごとを、あなたがたに預言しているのだ。
15 それゆえ、わたしの名によって預言はするが、わたしが遣わしたのではない預言者たち、『剣やききんがこの国に起こらない』と言っているこの預言者たちについて、主はこう仰せられる。『剣とききんによって、その預言者たちは滅びうせる。』
16 彼らの預言を聞いた民も、ききんと剣によってエルサレムの道ばたに投げ出され、彼らを葬る者もいなくなる。彼らも、その妻も、息子、娘もそのようになる。わたしは、彼らの上にわざわいを注ぎかける。
17 あなたは彼らに、このことばを言え。
『私の目は夜も昼も涙を流して、
やむことがない。
私の民の娘、おとめの打たれた傷は大きく、
いやしがたい、ひどい打ち傷。
18 野に出ると、見よ、剣で刺し殺された者たち。
町に入ると、見よ、飢えて病む者たち。
しかし、預言者も祭司も、地にさまよって、
途方にくれている。』」
19 あなたはユダを全く退けたのですか。
あなたはシオンをきらわれたのですか。
なぜ、あなたは、私たちを打って、
いやされないのですか。
私たちが平安を待ち望んでも、幸いはなく、
いやしの時を待ち望んでも、
なんと、恐怖しかありません。
20 主よ。私たちは自分たちの悪と、
先祖の咎とを知っています。
ほんとうに私たちは、
あなたに罪を犯しています。
21 御名のために、私たちを退けないでください。
あなたの栄光の御座を
はずかしめないでください。
あなたが私たちに立てられた契約を覚えて、
それを破らないでください。
22 異国のむなしい神々の中で、
大雨を降らせる者がいるでしょうか。
それとも、天が夕立を降らせるでしょうか。
私たちの神、主よ。
それは、あなたではありませんか。
私たちはあなたを待ち望みます。
あなたがこれらすべてをなさるからです。
1主は私に仰せられた。「たといモーセとサムエルがわたしの前に立っても、わたしはこの民を顧みない。彼らをわたしの前から追い出し、立ち去らせよ。
2 彼らがあなたに、『どこへ去ろうか』と言うなら、あなたは彼らに言え。『主はこう仰せられる。
死に定められた者は死に、
剣に定められた者は剣に、
ききんに定められた者はききんに、
とりこに定められた者はとりこに。』
3 わたしは四つの種類のもので彼らを罰する。――主の御告げ――すなわち、切り殺すために剣、引きずるために犬、食い尽くし、滅ぼすために空の鳥と地の獣である。
4 わたしは彼らを、地のすべての王国のおののきとする。ユダの王ヒゼキヤの子マナセがエルサレムで行ったことのためである。
5 エルサレムよ。
いったい、だれがおまえをあわれもう。
だれがおまえのために嘆こう。
だれが立ち寄って、おまえの安否を尋ねよう。
6 おまえがわたしを捨てたのだ、
――主の御告げ――
おまえはわたしに背を向けた。
わたしはおまえに手を伸ばし、おまえを滅ぼす。
わたしは36あわれむのに飽いた。
7 わたしはこの国の町囲みのうちで、
熊手で彼らを追い散らし、
彼らの子を失わせ、わたしの民を滅ぼした。
彼らがその行いを悔い改めなかったからだ。
8 わたしはそのやもめの数を
海の砂よりも多くした。
わたしは若い男の母親に対し、
真昼に荒らす者を送り、
にわかに、苦痛と恐怖を彼女の上に襲わせた。
9 七人の子を産んだ女は打ちしおれ、
その息はあえいだ。
彼女の太陽は、まだ昼のうちに没し、
彼女は恥を見、はずかしめを受けた。
また、わたしは、彼らの残りの者を
彼らの敵の前で剣に渡す。
――主の御告げ――」
10 ああ、悲しいことだ。
私の母が私を産んだので、
私は国中の争いの相手、
けんかの相手となっている。
私は貸したことも、借りたこともないのに、
みな、私をのろっている。
11 主は仰せられた。
「必ずわたしはあなたを解き放って、
しあわせにする。
必ずわたしは、わざわいの時、苦難の時に、
敵があなたにとりなしを頼むようにする。
12 だれが鉄、北からの鉄や青銅を
砕くことができようか。
13 わたしは、あなたの財宝、あなたの宝物を
獲物として、ただで引き渡す。
それは、あなたの国中で、
あなたが犯した罪のためだ。
14 わたしは37あなたを
あなたの知らない国で敵に38仕えさせる。
わたしの怒りによって火がつき、
あなたがたに向かって燃えるからだ。」
15 主よ。あなたはご存じです。
私を思い出し、私を顧み、
私を追う者たちに復讐してください。
あなたの御怒りをおそくして、
私を取り去らないでください。
私があなたのためにそしりを受けているのを、
知ってください。
16 私はあなたのみことばを見つけ出し、
それを食べました。
あなたのみことばは、私にとって
楽しみとなり、心の喜びとなりました。
万軍の神、主よ。
私にはあなたの名がつけられているからです。
17 私は、戯れる者たちの集まりにすわったことも、
こおどりして喜んだこともありません。
私はあなたの御手によって、
ひとりすわっていました。
あなたが憤りで私を満たされたからです。
18 なぜ、私の痛みはいつまでも続き、
私の打ち傷は直らず、
いえようともしないのでしょう。
あなたは、私にとって、欺く者、
当てにならない小川のようになられるのですか。
19 それゆえ、主はこう仰せられた。
「もし、あなたが帰って来るなら、
わたしはあなたを帰らせ、
わたしの前に立たせよう。
もし、あなたが、卑しいことではなく、
尊いことを言うなら、
あなたはわたしの口のようになる。
彼らがあなたのところに帰ることがあっても、
あなたは彼らのところに帰ってはならない。
20 わたしはあなたを、この民に対し、
堅固な青銅の城壁とする。
彼らは、あなたと戦っても、勝てない。
わたしがあなたとともにいて、
あなたを救い、あなたを助け出すからだ。
――主の御告げ――
21 また、わたしは、
あなたを悪人どもの手から救い出し、
横暴な者たちの手から助け出す。」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「あなたは妻をめとるな。またこの所で、息子や娘を持つな。」
3 まことに、主は、この所で生まれる息子や娘につき、また、この国で、彼らを産む母親たちや、彼らを生ませる父親たちについて、こう仰せられる。
4 「彼らはひどい病気で死ぬ。彼らはいたみ悲しまれることなく、葬られることもなく、地面の肥やしとなる。また、剣とききんで滅ぼされ、しかばねは空の鳥や地の獣のえじきとなる。」
5 まことに主はこう仰せられる。「あなたは、服喪中の家に入ってはならない。悼みに行ってはならない。彼らのために嘆いてはならない。わたしはこの民から、わたしの平安と、──主の御告げ──いつくしみと、あわれみとを取り去った。
6 この国の身分の高い者や低い者が死んでも葬られず、だれも彼らをいたみ悲しまず、彼らのために身を傷つけず、髪もそらない。
7 だれも、死んだ者を悔やむために葬儀に出て、パンを裂くこともなく、その父や母を慰める杯を彼らに飲ませることもないだろう。
8 あなたは宴会の家に行き、いっしょにすわって食べたり飲んだりしてはならない。」
9 まことにイスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「見よ。わたしは、この所から、あなたがたの目の前で、あなたがたが生きているうちに、楽しみの声と喜びの声、花婿の声と花嫁の声を絶やす。
10 あなたがこの民にこのすべてのことばを告げるとき、彼らがあなたに、『なぜ、主は私たちに、この大きなわざわいを語られたのか。私たちの咎とは何か。私たちの神、主に犯したという、私たちの罪とは何か』と尋ねたら、
11 あなたは彼らにこう言え。『あなたがたの先祖がわたしを捨て、──主の御告げ──ほかの神々に従い、これに仕え、これを拝み、わたしを捨てて、わたしの律法を守らなかったためだ。
12 また、あなたがた自身、あなたがたの先祖以上に悪事を働き、しかも、おのおの悪い、かたくなな心のままに歩み、わたしに聞き従わないので、
13 わたしはあなたがたをこの国から投げ出して、あなたがたも、先祖も知らなかった国へ行かせる。あなたがたは、そこで日夜、ほかの神々に仕える。わたしはあなたがたに、いつくしみを施さない。』
14 それゆえ、見よ、その日が来る。──主の御告げ──その日にはもはや、『イスラエルの子らをエジプトの国から上らせた主は生きておられる』とは言わないで、
15 ただ『イスラエルの子らを北の国や、彼らの散らされたすべての地方から上らせた主は生きておられる』と言うようになる。わたしは彼らの先祖に与えた彼らの土地に彼らを帰らせる。
16 見よ。わたしは多くの漁夫をやって、──主の御告げ──彼らをすなどらせる。その後、わたしは多くの狩人をやって、すべての山、すべての丘、岩の割れ目から彼らをかり出させる。
17 わたしの目は彼らのすべての行いを見ているからだ。彼らはわたしの前から隠れることはできない。また、彼らの咎もわたしの目の前から隠されはしない。
18 わたしはまず、彼らの咎と罪に対し二倍の報復をする。それは彼らがわたしの国を忌むべきもののしかばねで汚し、忌みきらうべきものを、わたしの与えた相続地に、満たしたからである。」
19 主よ、私の力、私のとりで、
苦難の日の私の逃げ場よ。
あなたのもとに、
諸国の民は地の果てから来て言うでしょう。
「私たちの先祖が受け継いだものは、
ただ偽るもの、
何の役にも立たないむなしいものばかりだった。
20 人間は、自分のために神々を造れようか。
そんなものは神ではない」と。
21 「だから、見よ、わたしは彼らに知らせる。
今度こそ彼らに、
わたしの手と、わたしの力を知らせる。
彼らは、わたしの名が主であることを知る。」
1 ユダの罪は鉄の筆と金剛石のとがりでしるされ、
彼らの心の板と39彼らの祭壇の角に刻まれている。
2 彼らの子たちまで、
その祭壇や、高い丘の茂った木のほとりにある
アシェラ像を覚えているほどだ。
3 野にあるわたしの山よ。
わたしは、あなたの財宝、すべての宝物を、
獲物として引き渡す。
あなたの国中にある40高き所の罪のために。
4 あなたは、わたしが与えたあなたの相続地を、
41手放さなければならない。
また、わたしは、
あなたの知らない国で、あなたを敵に仕えさせる。
あなたがたが、わたしの怒りに火をつけたので、
それはとこしえまでも燃えよう。
5 主はこう仰せられる。
「人間に信頼し、肉を自分の腕とし、
心が主から離れる者はのろわれよ。
6 そのような者は荒地のむろの木のように、
しあわせが訪れても会うことはなく、
荒野の溶岩地帯、住む者のない塩地に住む。
7 主に信頼し、
主を頼みとする者に
祝福があるように。
8 その人は、水のほとりに植わった木のように、
流れのほとりに根を伸ばし、
暑さが来ても暑さを知らず、
葉は茂って、
日照りの年にも心配なく、
いつまでも実をみのらせる。
9 人の心は何よりも陰険で、
それは直らない。
だれが、それを知ることができよう。
10 わたし、主が心を探り、思いを調べ、
それぞれその生き方により、
行いの結ぶ実によって報いる。
11 しゃこが自分で産まなかった卵を抱くように、
公義によらないで富を得る者がある。
彼の一生の半ばで、
富が彼を置き去りにし、
そのすえはしれ者となる。」
12 私たちの聖所のある所は、
初めから高く上げられた栄光の王座である。
13 イスラエルの望みである主よ。
あなたを捨てる者は、みな恥を見ます。
「わたしから離れ去る者は、
地に42その名がしるされる。
いのちの水の泉、主を捨てたからだ。」
14 私をいやしてください。主よ。
そうすれば、私はいえましょう。
私をお救いください。
そうすれば、私は救われます。
あなたこそ、私の賛美だからです。
15 ああ、彼らは私に言っています。
「主のことばはどこへ行ったのか。
さあ、それを来させよ。」
16 しかし、私は、あなたに従う牧者となることを、
避けたことはありません。
私は、いやされない日を望んだこともありません。
あなたは、私のくちびるから出るものは、
あなたの御前にあるのをご存じです。
17 私を恐れさせないでください。
あなたは、わざわいの日の、私の身の避け所です。
18 私に追い迫る者たちが恥を見、
私が恥を見ないようにしてください。
彼らがうろたえ、
私がうろたえないようにしてください。
彼らの上にわざわいの日を来たらせ、
破れを倍にして、彼らを打ち破ってください。
19主は私にこう仰せられる。「行って、ユダの王たちが出入りする、この民の子らの門と、エルサレムのすべての門に立ち、
20 彼らに言え。
これらの門のうちに入るユダの王たち、ユダ全体、エルサレムの全住民よ。主のことばを聞け。
21主はこう仰せられる。『あなたがた自身、気をつけて、安息日に荷物を運ぶな。また、それをエルサレムの門のうちに持ち込むな。
22 また、安息日に荷物を家から出すな。何の仕事もするな。わたしがあなたがたの先祖に命じたとおりに安息日をきよく保て。
23 しかし、彼らは聞かず、耳も傾けず、うなじのこわい者となって聞こうとせず、懲らしめを受けなかった。
24 もし、あなたがたが、ほんとうにわたしに聞き従い、──主の御告げ──安息日にこの町の門のうちに荷物を持ち込まず、安息日をきよく保ち、この日に何の仕事もしないなら、
25 ダビデの王座に着く王たちや、車や馬に乗る首長たち、すなわち王たちとその首長たち、ユダの人、エルサレムの住民は、この町の門のうちに入り、この町はとこしえに人の住む所となる。
26 ユダの町々やエルサレムの周辺から、ベニヤミンの地や43低地から、また山地やネゲブから、全焼のいけにえや、ほかのいけにえ、穀物のささげ物や乳香を携えて来る者、感謝のいけにえを携えて来る者が、主の宮に来る。
27 しかし、もし、わたしの言うことを聞き入れず、安息日をきよく保たずに、安息日に荷物を運んでエルサレムの門のうちに入るなら、わたしはその門に火をつけ、火はエルサレムの宮殿をなめ尽くして、消えることがないであろう。』」
1主からエレミヤにあったみことばは、こうである。
2 「立って、陶器師の家に下れ。そこで、あなたに、わたしのことばを聞かせよう。」
3 私が陶器師の家に下って行くと、ちょうど、彼はろくろで仕事をしているところだった。
4陶器師は、粘土で制作中の器を自分の手でこわし、再びそれを陶器師自身の気に入ったほかの器に作り替えた。
5 それから、私に次のような主のことばがあった。
6 「イスラエルの家よ。この陶器師のように、わたしがあなたがたにすることができないだろうか。──主の御告げ──見よ。粘土が陶器師の手の中にあるように、イスラエルの家よ、あなたがたも、わたしの手の中にある。
7 わたしが、一つの国、一つの王国について、引き抜き、引き倒し、滅ぼすと語ったその時、
8 もし、わたしがわざわいを予告したその民が、悔い改めるなら、わたしは、下そうと思っていたわざわいを思い直す。
9 わたしが、一つの国、一つの王国について、建て直し、植えると語ったその時、
10 もし、それがわたしの声に聞き従わず、わたしの目の前に悪を行うなら、わたしは、それに与えると言ったしあわせを思い直す。
11 さあ、今、ユダの人とエルサレムの住民に言え。『主はこう仰せられる。見よ。わたしはあなたがたに対してわざわいを考え、あなたがたを攻める計画を立てている。さあ、おのおの悪の道から立ち返り、あなたがたの行いとわざとを改めよ。』
12 しかし、彼らは言う。『だめだ。私たちは自分の計画に従い、おのおの悪いかたくなな心のままに行うのだから』と。
13 それゆえ、主はこう仰せられる。
『さあ、国々の中で尋ねてみよ。
だれが、こんなことを聞いたことがあるか。
おとめイスラエルは、
実に恐るべきことを行った。
14 レバノンの雪は、
44野の岩から消え去るだろうか。
ほかの国から流れて来る冷たい水が、
引き抜かれるだろうか。
15 それなのに、わたしの民はわたしを忘れ、
むなしいものに45香をたく。
それらは、彼らをその道、
いにしえの道でつまずかせ、
小道に、まだ築かれていない道に行かせ、
16 彼らの国を恐怖とし、
永久にあざけりとする。
そこを通り過ぎる者はみな色を失い、頭を振る。
17 東風のように、わたしは彼らを敵の前で散らす。
彼らの災難の日に、
わたしは彼らに背を向け、顔を向けない。』」
18 彼らは言った。「さあ、私たちは計画を立ててエレミヤを倒そう。祭司から律法が、知恵ある者からはかりごとが、預言者からことばが滅びうせることはないはずだから。さあ、舌で彼を打ち、彼のことばにはどれにも耳を傾けまい。」
19 主よ。私に耳を傾け、
私と争う者の声を聞いてください。
20 善に悪を報いてよいでしょうか。
まことに彼らは、私のいのちを取ろうとして
穴を掘ったのです。
私があなたの御前に立って、
彼らに対するあなたの憤りをやめていただき、
彼らについて良いことを語ったことを、
覚えてください。
21 それゆえ、彼らの子らをききんに渡し、
彼らを剣で殺してください。
妻たちは子を失い、また、やもめになり、
夫たちは虐殺されて死に、
若い男たちは戦いで剣に殺されますように。
22 あなたが突然、略奪隊に彼らを襲わせるとき、
彼らの家からの叫びが聞こえます。
彼らは私を捕らえようと穴を掘り、
私の足もとに、わなを隠したからです。
23 しかし、主よ。あなたは、
私を殺そうとする彼らの計画を
みな、ご存じです。
彼らの咎をおおわず、
彼らの罪を御前からぬぐい去らないでください。
彼らを、御前で打ち倒し、
あなたの御怒りの時に、彼らを罰してください。
1主はこう仰せられる。「行って、土の焼き物のびんを買い、民の長老と年長の祭司のうちの数人といっしょに、
2 『瀬戸のかけらの門』の入口にあるベン・ヒノムの谷に出かけ、そこで、わたしがあなたに語ることばを呼ばわって、
3 言え。『ユダの王たちとエルサレムの住民よ。主のことばを聞け。イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。見よ。わたしはこの所にわざわいをもたらす。だれでも、そのことを聞く者は、耳鳴りがする。
4 彼らがわたしを捨ててこの所を見分けがつかないほどにし、この所で、彼らも彼らの先祖も、ユダの王たちも知らなかったほかの神々にいけにえをささげ、この所を罪のない者の血で満たし、
5 バアルのために自分の子どもたちを全焼のいけにえとして火で焼くため、バアルの高き所を築いたからである。このような事は、わたしが命じたこともなく、語ったこともなく、思いつきもしなかったことだ。
6 それゆえ、見よ、その日が来る。──主の御告げ──その日には、この所はもはや、トフェテとかベン・ヒノムの谷とか呼ばれない。ただ虐殺の谷と呼ばれる。
7 また、わたしはこの所で、ユダとエルサレムのはかりごとをこぼち、彼らを敵の前で、剣で倒し、またいのちをねらう者の手によって倒し、そのしかばねを、空の鳥や地の獣にえじきとして与える。
8 また、わたしはこの町を恐怖とし、あざけりとする。そこを通り過ぎる者はみな、色を失い、そのすべての打ち傷を見てあざける。
9 またわたしは、包囲と、彼らの敵、いのちをねらう者がもたらす窮乏のために、彼らに自分の息子の肉、娘の肉を食べさせる。彼らは互いにその友の肉を食べ合う。』
10 そこであなたは、同行の人々の目の前で、そのびんを砕いて、
11 彼らに言え。『万軍の主はこう仰せられる。陶器師の器が砕かれると、二度と直すことができない。このように、わたしはこの民と、この町を砕く。人々はトフェテに葬る余地がないほどに葬る。
12 わたしはこの所と、──主の御告げ──その住民にこうしよう。わたしはこの町をトフェテのようにする。
13 エルサレムの家々とユダの王の家々、すなわち、彼らが屋上で天の万象に46香をたき、ほかの神々に注ぎのぶどう酒を注いだすべての家々は、トフェテの地のように汚される。』」
14 そこでエレミヤは、主が預言のために遣わしたトフェテから帰って来て、主の宮の庭に立ち、すべての民に言った。
15 「イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『見よ。わたしはこの町と、すべての町々に、わたしが告げたすべてのわざわいをもたらす。彼らがうなじのこわい者となって、わたしのことばに聞き従おうとしなかったからである。』」
1祭司であり、主の宮のつか、監督者であるイメルの子パシュフルは、エレミヤがこれらのことばを預言するのを聞いた。
2 パシュフルは、預言者エレミヤを打ち、彼を主の宮にある上のベニヤミンの門にある足かせにつないだ。
3翌日になって、パシュフルがエレミヤを足かせから解いたとき、エレミヤは彼に言った。「主はあなたの名をパシュフルではなくて、『恐れが回りにある』と呼ばれる。
4 まことに主がこう仰せられる。『見よ。わたしはあなたを、あなた自身とあなたの愛するすべての者への恐れとする。彼らは、あなたの目の見る所で、敵の剣に倒れる。また、わたしはユダの人全部をバビロンの王の手に渡す。彼は彼らをバビロンへ引いて行き、剣で打ち殺す。
5 また、わたしはこの町のすべての富と、すべての勤労の実と、すべての宝を渡し、またユダの王たちの財宝を敵の手に渡す。彼らはそれをかすめ奪い、略奪し、バビロンへ運ぶ。
6 パシュフルよ。あなたとあなたの家に住むすべての者は、とりことなって、バビロンに行き、そこで死に、そこで葬られる。あなたも、あなたが偽りの預言をした相手の、あなたの愛するすべての人も。』」
7 主よ。あなたが私を惑わしたので、
私はあなたに惑わされました。
あなたは私をつかみ、私を思いのままにしました。
私は一日中、物笑いとなり、
みなが私をあざけります。
8 私は、語るごとに、わめき、
「暴虐だ。暴行だ」と叫ばなければなりません。
私への主のみことばが、一日中、
そしりとなり、笑いぐさとなるのです。
9 私は、「主のことばを宣べ伝えまい。
もう主の名で語るまい」と思いましたが、
主のみことばは私の心のうちで、
骨の中に閉じ込められて
燃えさかる火のようになり、
私はうちにしまっておくのに
疲れて耐えられません。
10 私が多くの人のささやきを聞いたからです。
「恐れが回りにあるぞ。
訴えよ。われわれもあいつを訴えよう。」
私の親しい者もみな、
私のつまずくのを待ちもうけています。
「たぶん、彼は惑わされるから、
われわれが彼に勝って、
復讐してやろう」と。
11 しかし、主は私とともにあって、
横暴な勇士のようです。
ですから、私を追う者たちは、
つまずいて、勝つことはできません。
彼らは成功しないので、大いに恥をかき、
それが忘れられない永久の恥となりましょう。
12 正しい者を調べ、
思いと心を見ておられる万軍の主よ。
あなたが彼らに復讐されるのを
私に見せてください。
あなたに私の訴えを打ち明けたのですから。
13 主に向かって歌い、主をほめたたえよ。
主が貧しい者のいのちを、
悪を行う者どもの手から救い出されたからだ。
14 私の生まれた日は、のろわれよ。
母が私を産んだその日は、
祝福されるな。
15 私の父に、
「あなたに男の子が生まれた」と言って伝え、
彼を大いに喜ばせた人は、のろわれよ。
16 その人は、主がくつがえして
悔いない町々のようになれ。
朝には彼に叫びを聞かせ、
真昼にはときの声を聞かせよ。
17 彼は、私が胎内にいるとき、私を殺さず、
私の母を私の墓とせず、
彼女の胎を、永久に
みごもったままにして
おかなかったのだから。
18 なぜ、私は労苦と苦悩に会うために
胎を出たのか。
私の一生は恥のうちに終わるのか。
1主からエレミヤにあったみことば。ゼデキヤ王は、マルキヤの子パシュフルと、マアセヤの子、祭司ゼパニヤをエレミヤのもとに遣わしてこう言わせた。
2 「どうか、私たちのために主に尋ねてください。バビロンの王47ネブカデレザルが私たちを攻めています。主がかつて、あらゆる奇しいみわざを行われたように、私たちにも行い、彼を私たちから離れ去らせてくださるかもしれませんから。」
3 エレミヤは彼らに言った。「あなたがたは、ゼデキヤにこう言いなさい。
4 イスラエルの神、主は、こう仰せられる。『見よ。あなたがたは、城壁の外からあなたがたを囲んでいるバビロンの王とカルデヤ人とに向かって戦っているが、わたしは、あなたがたの手にしている武具を取り返して、それをこの町の中に集め、
5 わたし自身が、伸ばした手と強い腕と、怒りと、憤りと、激怒とをもって、あなたがたと戦い、
6 この町に住むものは、人間も獣も打ち、彼らはひどい疫病で死ぬ。
7 そのあとで、──主の御告げ──わたしはユダの王ゼデキヤと、その家来と、その民と、この町で、疫病や剣やききんからのがれて生き残った者たちとを、バビロンの王ネブカデレザルの手、敵の手、いのちをねらう者たちの手に渡す。彼は彼らを剣の刃で打ち、彼らを惜しまず、容赦せず、あわれまない。』」
8 「あなたは、この民に言え。
主はこう仰せられる。『見よ。わたしはあなたがたの前に、いのちの道と死の道を置く。
9 この町にとどまる者は、剣とききんと疫病によって死ぬが、出て、あなたがたを囲んでいるカルデヤ人にくだる者は、生きて、そのいのちは彼の分捕り物となる。
10 なぜならわたしは、幸いのためにではなく、わざわいのためにこの町から顔をそむけるからである。──主の御告げ──この町は、バビロンの王の手に渡され、彼はこれを火で焼くであろう。』」
11 ユダの王家のために──
「主のことばを聞け。
12 ダビデの家よ。主はこう仰せられる。
朝ごとに、正しいさばきを行い、
かすめられている者を、
しいたげる者の手から救い出せ。
さもないと、あなたがたの悪行のために、
わたしの憤りが火のように燃えて焼き尽くし、
消す者はいない。」
13 「ああ、この谷に住む者、平地の岩よ。
あなたに言う。──主の御告げ──
あなたがたは、
『だれが、私たちのところに下って来よう。
だれが、私たちの住まいに入れよう』
と言っている。
14 わたしはあなたがたを、
その行いの実にしたがって罰する。
──主の御告げ──
また、わたしは、その林に火をつける。
火はその周辺をことごとく焼き尽くす。」
1主はこう仰せられる。「ユダの王の家に下り、そこで、このことばを語って
2 言え。『ダビデの王座に着いているユダの王よ。あなたも、この門のうちに入って来るあなたの家来、あなたの民も、主のことばを聞け。
3主はこう仰せられる。公義と正義を行い、かすめられている者を、しいたげる者の手から救い出せ。在留異国人、みなしご、やもめを苦しめたり、いじめたりしてはならない。また罪のない者の血をこの所に流してはならない。
4 もし、あなたがたがこのことばを忠実に行うなら、ダビデの王座に着いている王たちは、車や馬に乗り、48彼らも、その家来、その民も、この家の門のうちに入ることができよう。
5 しかし、もしこのことばを聞かなければ、わたしは自分にかけて誓うが、──主の御告げ──この家は必ず廃墟となる。』」
6 まことに、ユダの王の家について、主はこう仰せられる。
「あなたは、わたしにとってはギルアデ、
レバノンの頂。
しかし必ず、わたしはあなたを荒野にし、
住む者もない町々にする。
7 わたしはあなたを攻めるため、
おのおの武具を持つ破壊者たちを準備する。
彼らは、最も美しいあなたの杉の木を切り倒し、
これを火に投げ入れる。
8 多くの国々の民がこの町のそばを過ぎ、彼らが互いに、『なぜ、主はこの大きな町をこのようにしたのだろう』と言うと、
9 人々は、『彼らが彼らの神、主の契約を捨て、ほかの神々を拝み、これに仕えたからだ』と言おう。」
10 死んだ者のために泣くな。
彼のために嘆くな。
去って行く者のために、大いに泣け。
彼は二度と、
帰って、故郷を見ることがないからだ。
11 父ヨシヤに代わって王となり、この所から出て行った、ヨシヤの子、ユダの王シャルムについて、主はまことにこう仰せられる。「彼は二度とここには帰らない。
12 彼は引いて行かれた所で死に、二度とこの国を見ることはない。」
13 「ああ。
不義によって自分の家を建て、
不正によって自分の高殿を建てる者。
隣人をただで働かせて報酬も払わず、
14 『私は自分のために、
広い家、ゆったりした高殿を建て、
それに窓を取りつけ、
杉の板でおおい、朱を塗ろう』と言う者。
15 あなたは杉の木で競って、
王になるのか。
あなたの父は飲み食いしたが、
公義と正義を行ったではないか。
そのとき、彼は幸福だった。
16 彼はしいたげられた人、
貧しい人の訴えをさばき、
そのとき、彼は幸福だった。
それが、わたしを知ることではなかったのか。
――主の御告げ――
17 しかし、あなたの目と心とは、
自分の利得だけに向けられ、
罪のない者の血を流し、
しいたげと暴虐を行うだけだ。
18 それゆえ、ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムについて、主はこう仰せられる。
だれも、『ああ、悲しいかな、私の兄弟。
ああ、悲しいかな、私の姉妹』
と言って彼をいたまず、
だれも、『ああ、悲しいかな、主よ。
ああ、悲しいかな、陛下よ』
と言って彼をいたまない。
19 彼はここからエルサレムの門まで、
引きずられ、投げやられて、
ろばが埋められるように埋められる。
20 レバノンに上って叫び、
バシャンで声をあげ、アバリムから叫べ。
あなたの恋人はみな、砕かれたからである。
21 あなたが繁栄していたときに、
わたしはあなたに語りかけたが、
あなたは『私は聞かない』と言った。
わたしの声に聞き従わないということ、
これが、若いころからのあなたの生き方だった。
22 あなたの牧者はみな風が追い立て、
あなたの恋人はとりこになって行く。
そのとき、あなたは自分のすべての悪のゆえに、
恥を見、はずかしめを受ける。
23 レバノンの中に住み、
杉の木の中に巣ごもりする女よ。
陣痛があなたに起こるとき、
産婦のような苦痛が襲うとき、
あなたはどんなにうめくことだろう。」
24 「わたしは生きている、――主の御告げ――たとい、エホヤキムの子、ユダの王49エコヌヤが、わたしの右手の指輪の印であっても、わたしは必ず、あなたをそこから抜き取り、
25 あなたのいのちをねらう者たちの手、あなたが恐れている者たちの手、バビロンの王ネブカデレザルの手、カルデヤ人の手に渡し、
26 あなたと、あなたの産みの母を、あなたがたの生まれた所ではないほかの国に投げ出し、そこであなたがたは死ぬことになる。
27 彼らが帰りたいと心から望むこの国に、彼らは決して帰らない。」
28 この50エコヌヤという人は、さげすまれて砕かれる像なのか。それとも、だれにも喜ばれない器なのか。なぜ、彼と、その子孫は投げ捨てられて、見も知らぬ国に投げやられるのか。
29 地よ、地よ、地よ。主のことばを聞け。
30主はこう仰せられる。「この人を『子を残さず、一生栄えない男』と記録せよ。彼の子孫のうちひとりも、ダビデの王座に着いて、栄え、再びユダを治める者はいないからだ。」
1 「ああ。わたしの牧場の群れを滅ぼし散らす牧者たち。──主の御告げ──」
2 それゆえ、イスラエルの神、主は、この民を牧する牧者たちについて、こう仰せられる。「あなたがたは、わたしの群れを散らし、これを追い散らして顧みなかった。見よ。わたしは、あなたがたの悪い行いを罰する。──主の御告げ──
3 しかし、わたしは、わたしの群れの残りの者を、わたしが追い散らしたすべての国から集め、もとの牧場に帰らせる。彼らは多くの子を生んでふえよう。
4 わたしは彼らの上に牧者たちを立て、彼らを牧させる。彼らは二度と恐れることなく、おののくことなく、失われることもない。──主の御告げ──
5 見よ。その日が来る。
――主の御告げ――
その日、わたしは、
ダビデに一つの正しい若枝を起こす。
彼は王となって治め、栄えて、
この国に公義と正義を行う。
6 その日、ユダは救われ、
イスラエルは安らかに住む。
その王の名は、
『主は私たちの正義』と呼ばれよう。
7 それゆえ、見よ、このような日が来る。――主の御告げ――その日には、彼らは、『イスラエルの子らをエジプトの国から上らせた主は生きておられる』とはもう言わないで、
8 『イスラエルの家のすえを北の国や、51彼らの散らされたすべての地方から上らせた主は生きておられる』と言って、自分たちの土地に住むようになる。」
9 預言者たちに対して――
私の心は、うちに砕かれ、
私の骨はみな震える。
私は酔いどれのようだ。
ぶどう酒に負けた男のようになった。
主と、主の聖なることばのために。
10 国は姦通する者で満ちているからだ。
地はのろわれて喪に服し、
荒野の牧草地は乾ききる。
彼らの走る道は悪で、
正しくないものをその力とする。
11 実に、預言者も祭司も汚れている。
わたしの家の中にも、
わたしは彼らの悪を見いだした。
――主の御告げ――
12 それゆえ、彼らの道は、
暗やみの中のすべりやすい所のようになり、
彼らは追い散らされて、そこに倒れる。
わたしが彼らにわざわいをもたらし、
刑罰の年をもたらすからだ。
――主の御告げ――
13 サマリヤの預言者たちの中に、
みだらな事をわたしは見た。
彼らはバアルによって預言し、
わたしの民イスラエルを惑わした。
14 エルサレムの預言者たちの中にも、
恐ろしい事をわたしは見た。
彼らは姦通し、うそをついて歩き、
悪を行う者どもの手を強くして、
その悪からだれをも戻らせない。
彼らはみな、わたしには、ソドムのようであり、
その住民はゴモラのようである。
15 それゆえ、万軍の主は、
預言者たちについて、こう仰せられる。
「見よ。わたしは彼らに、
苦よもぎを食べさせ、毒の水を飲ませる。
汚れがエルサレムの預言者たちから出て、
この全土に広がったからだ。」
16 万軍の主はこう仰せられる。
「あなたがたに預言する預言者たちの
ことばを聞くな。
彼らはあなたがたを
むなしいものにしようとしている。
主の口からではなく、
自分の心の幻を語っている。
17 彼らは、わたしを侮る者に向かって、
『主はあなたがたに平安があると告げられた』と
しきりに言っており、
また、かたくなな心のままに歩む
すべての者に向かって、
『あなたがたにはわざわいが来ない』と
言っている。」
18 いったいだれが、主の会議に連なり、
主のことばを見聞きしたか。
だれが、耳を傾けて主のことばを聞いたか。
19 見よ。主の暴風、――憤り――
うずを巻く暴風が起こり、
悪者の頭上にうずを巻く。
20 主の怒りは、
御心の思うところを行って、成し遂げるまで
去ることはない。
終わりの日に、
あなたがたはそれを明らかに悟ろう。
21 わたしはこのような預言者たちを
遣わさなかったのに、
彼らは走り続け、
わたしは彼らに語らなかったのに、
彼らは預言している。
22 もし彼らがわたしの会議に連なったのなら、
彼らはわたしの民にわたしのことばを聞かせ、
民をその悪の道から、その悪い行いから
立ち返らせたであろうに。
23 わたしは近くにいれば、神なのか。
――主の御告げ――
遠くにいれば、神ではないのか。
24 人が隠れた所に身を隠したら、
わたしは彼を見ることができないのか。
――主の御告げ――
天にも地にも、わたしは満ちているではないか。
――主の御告げ――
25 「わたしの名によって偽りを預言する預言者たちが、『私は夢を見た。夢を見た』と言ったのを、わたしは聞いた。
26 いつまで偽りの預言が、あの預言者たちの心にあるのだろうか。いつまで欺きの預言が、彼らの心にあるのだろうか。
27 彼らの先祖がバアルのためにわたしの名を忘れたように、彼らはおのおの自分たちの夢を述べ、わたしの民にわたしの名を忘れさせようと、たくらんでいるのだろうか。
28夢を見る預言者は夢を述べるがよい。しかし、わたしのことばを聞く者は、わたしのことばを忠実に語らなければならない。麦はわらと何のかかわりがあろうか。──主の御告げ──
29 わたしのことばは火のようではないか。また、岩を砕く金槌のようではないか。──主の御告げ──
30 それゆえ、見よ、──主の御告げ──わたしは、おのおのわたしのことばを盗む預言者たちの敵となる。
31 見よ。──主の御告げ──わたしは、自分たちの舌を使って御告げを告げる預言者たちの敵となる。
32 見よ。わたしは偽りの夢を預言する者たちの敵となる。──主の御告げ──彼らは、偽りと自慢話をわたしの民に述べて惑わしている。わたしは彼らを遣わさず、彼らに命じもしなかった。彼らはこの民にとって、何の役にも立ちはしない。──主の御告げ──
33 この民、あるいは預言者、あるいは祭司が、『主の52宣告とは何か』とあなたに尋ねたら、あなたは彼らに、『53あなたがたが54重荷だ。だから、わたしはあなたがたを捨てる』と言え。──主の御告げ──
34預言者でも、祭司でも、民でも、『主の宣告』と言う者があれば、その者とその家とを、わたしは罰する。」
35 あなたがたは互いに「主は何と答えられたか。主は何と語られたか」と言うがよい。
36 しかし「主の宣告」ということを二度と述べてはならない。主のことばが人の重荷となり、あなたがたが、生ける神、万軍の主、私たちの神のことばを曲げるからだ。
37 「あの預言者たちにこう言え。
主は何と答えられたか。主は何と語られたか。
38 もし、あなたがたが『主の宣告』と言うなら、それに対して、主はこう仰せられる。『わたしはあなたがたに、主の宣告、と言うなと言い送ったのに、あなたがたは主の宣告というこのことばを語っている。
39 それゆえ、見よ、わたしはあなたがたを全く忘れ、あなたがたと、あなたがたや先祖たちに与えたこの町とを、わたしの前から捨て、
40永遠のそしり、忘れられることのない、永遠の侮辱をあなたがたに与える。』」
1 バビロンの王ネブカデレザルが、エホヤキムの子、ユダの王エコヌヤと、ユダのつかさたちや、職人や、鍛冶屋をエルサレムから捕らえ移し、バビロンに連れて行って後、主は私に示された。見ると、主の宮の前に、二かごのいちじくが置かれている。
2 一つのかごのは非常に良いいちじくで、初なりのいちじくの実のようであり、もう一つのかごのは非常に悪いいちじくで、悪くて食べられないものである。
3 そのとき、主が私に、「エレミヤ。あなたは何を見ているのか」と言われたので、私は言った。「いちじくです。良いいちじくは非常に良く、悪いのは非常に悪く、悪くて食べられないものです。」
4 すると、私に次のような主のことばがあった。
5 「イスラエルの神、主は、こう仰せられる。この良いいちじくのように、わたしは、この所からカルデヤ人の地に送ったユダの捕囚の民を良いものにしようと思う。
6 わたしは、良くするために彼らに目をかけて、彼らをこの国に帰らせ、彼らを建て直し、倒れないように植えて、もう引き抜かない。
7 また、わたしは彼らに、わたしが主であることを知る心を与える。彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。彼らが心を尽くしてわたしに立ち返るからである。
8 しかし、悪くて食べられないあの悪いいちじくのように、──まことに主はこう仰せられる──わたしは、ユダの王ゼデキヤと、そのつかさたち、エルサレムの残りの者と、この国に残されている者、およびエジプトの国に住みついている者とを、このようにする。
9 わたしは彼らを地のすべての王国のおののき、悩みとし、また、わたしが追い散らすすべての所で、そしり、物笑いの種、なぶりもの、のろいとする。
10 わたしは彼らのうちに、剣と、ききんと、疫病を送り、彼らとその先祖に与えた地から彼らを滅ぼし尽くす。」
1 ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第四年、すなわち、バビロンの王ネブカデレザルの元年に、ユダの民全体についてエレミヤにあったみことば。
2 これを預言者エレミヤは、ユダの民全体とエルサレムの全住民に語って言った。
3 アモンの子、ユダの王ヨシヤの第十三年から今日まで、この二十三年間、私に主のことばがあり、私はあなたがたに絶えず、しきりに語りかけたのに、あなたがたは聞かなかった。
4 また、主はあなたがたに、主のしもべである預言者たちを早くからたびたび送ったのに、あなたがたは聞かず、聞こうと耳を傾けることもなかった。
5 主は仰せられた。「さあ、おのおの、悪の道から、あなたがたの悪い行いから立ち返り、主があなたがたと先祖たちに与えた土地で、いつまでも、とこしえに住め。
6 ほかの神々に従い、それに仕え、それを拝んではならない。あなたがたが手で造った物によって、わたしの怒りを引き起こしてはならない。そうでないと、わたしもあなたがたにわざわいを与える。
7 それでも、あなたがたはわたしに聞き従わなかった。──主の御告げ──それで、あなたがたは手で造った物でわたしの怒りを引き起こし、身にわざわいを招いた。」
8 それゆえ、万軍の主はこう仰せられる。「あなたがたがわたしのことばに聞き従わなかったために、
9 見よ、わたしは北のすべての種族を呼び寄せる。──主の御告げ──すなわち、わたしのしもべバビロンの王ネブカデレザルを呼び寄せて、この国と、その住民と、その回りのすべての国々とを攻めさせ、これを聖絶して、恐怖とし、あざけりとし、永遠の廃墟とする。
10 わたしは彼らの楽しみの声と喜びの声、花婿の声と花嫁の声、ひき臼の音と、ともしびの光を消し去る。
11 この国は全部、廃墟となって荒れ果て、これらの国々はバビロンの王に七十年仕える。
12 七十年の終わりに、わたしはバビロンの王とその民、──主の御告げ──またカルデヤ人の地を、彼らの咎のゆえに罰し、これを永遠に荒れ果てた地とする。
13 わたしは、この国について語ったすべてのことば、すなわち、エレミヤが万国について預言し、この書にしるされている事をみな、この地にもたらす。
14 多くの国々と大王たちが彼らを奴隷に使い、わたしも彼らに、そのしわざに応じ、その手のわざに応じて報いよう。」
15 まことにイスラエルの神、主は、私にこう仰せられた。「この憤りのぶどう酒の杯をわたしの手から取り、わたしがあなたを遣わすすべての国々に、これを飲ませよ。
16 彼らは飲んで、ふらつき、狂ったようになる。わたしが彼らの間に送る剣のためである。」
17 そこで、私は主の御手からその杯を取り、主が私を遣わされたすべての国々に飲ませた。
18 エルサレムとユダの町々とその王たち、つかさたちに。──彼らを今日のように廃墟とし、恐怖とし、あざけりとし、のろいとするためであった。──
19 エジプトの王パロと、その家来たち、つかさたち、すべての民に、
20 すべての混血の民、ウツの地のすべての王たち、ペリシテ人の地のすべての王たち──アシュケロン、ガザ、エクロン、アシュドデの残りの者──に、
21 エドム、モアブ、アモン人に、
22 ツロのすべての王たち、シドンのすべての王たち、海のかなたにある島の王たちに、
23 デダン、テマ、ブズ、こめかみを刈り上げているすべての者に、
24 アラビヤのすべての王たち、荒野に住む混血の民のすべての王たちに、
25 ジムリのすべての王たち、エラムのすべての王たち、メディヤのすべての王たちに、
26 北国のすべての王たち、近い者も遠い者もひとりひとりに、地上のすべての王国に飲ませ、彼らのあとで55バビロンの王が飲む。
27 「あなたは彼らに言え。『イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。飲んで酔い、へどを吐いて倒れよ。起き上がるな。わたしがあなたがたの間に剣を送るからだ。』
28 もし、彼らが、あなたの手からその杯を取って飲もうとしなければ、彼らに言え。『万軍の主はこう仰せられる。あなたがたは必ず飲まなければならない。
29 見よ。わたしの名がつけられているこの町にも、わたしはわざわいを与え始めているからだ。あなたがたが、どんなに罰を免れようとしても、免れることはできない。わたしが、この地の全住民の上に、剣を呼び寄せているからだ。──万軍の主の御告げ──』
30 あなたは彼らにこのすべてのことばを預言して、言え。
『主は高い所から叫び、
その聖なる御住まいから声をあげられる。
その牧場に向かって大声で叫び、
酒ぶねを踏む者のように、
地の全住民に向かって叫び声をあげられる。
31 その騒ぎは地の果てまでも響き渡る。
主が諸国の民と争い、すべての者をさばき、
悪者どもを剣に渡されるからだ。
――主の御告げ――
32 万軍の主はこう仰せられる。
見よ。わざわいが国から国へと移り行き、
大暴風が地の果てから起こる。
33 その日、主に殺される者が地の果てから地の果てまでに及び、彼らはいたみ悲しまれることなく、集められることなく、葬られることもなく、地面の肥やしとなる。』」
34 牧者たちよ。泣きわめけ。
群れのあるじたちよ。灰の中にころげ回れ。
あなたがたがほふられ、
あなたがたが散らされる日が来たからだ。
あなたがたは美しい56雄羊のように倒れる。
35 逃げ場は牧者たちから、
のがれ場は群れのあるじたちから消えうせる。
36 聞け。牧者たちの叫び、
群れのあるじたちの泣き声を。
主が彼らの牧場を荒らしておられるからだ。
37 平和な牧場も、
主の燃える怒りによって荒れすたれる。
38 主は、若獅子のように、仮庵を捨てた。
主の燃える剣、主の燃える怒りによって、
彼らの国が荒れ果てるからだ。
1 ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの治世の初めに、主から次のようなことばがあった。
2 「主はこう仰せられる。主の宮の庭に立ち、主の宮に礼拝しに来るユダのすべての町の者に、わたしがあなたに語れと命じたことばを残らず語れ。一言も省くな。
3 彼らがそれを聞いて、それぞれ悪の道から立ち返るかもしれない。そうすれば、わたしは、彼らの悪い行いのために彼らに下そうと考えていたわざわいを思い直そう。
4 だから彼らに言え。『主はこう仰せられる。もし、あなたがたがわたしに聞き従わず、あなたがたの前に置いたわたしの律法に歩まず、
5 わたしがあなたがたに早くからたびたび送っているわたしのしもべである預言者たちのことばに聞き従わないなら、──あなたがたは聞かなかった──
6 わたしはこの宮をシロのようにし、この町を地の万国ののろいとする。』」
7祭司と預言者とすべての民は、エレミヤがこのことばを主の宮で語っているのを聞いた。
8主がすべての民に語れと命じたことをみな、エレミヤが語り終えたとき、祭司と預言者とすべての民は彼を捕らえて言った。「あなたは必ず死ななければならない。
9 なぜ、主の御名により、この宮がシロのようになり、この町もだれも住む者のいない廃墟となると言って預言したのか。」こうしてすべての民がエレミヤを攻撃しに、主の宮に集まった。
10 ユダの首長たちはこれらのことを聞いて、王宮から主の宮に上り、主の宮の新しい門の入口にすわった。
11祭司や預言者たちは、首長たちやすべての民に次のように言った。「この者は死刑に当たる。彼がこの町に対して、あなたがたが自分の耳で聞いたとおりの預言をしたからだ。」
12 エレミヤは、すべての首長とすべての民に告げてこう言った。「主が、あなたがたの聞いたすべてのことばを、この宮とこの町に対して預言するよう、私を遣わされたのです。
13 さあ、今、あなたがたの行いとわざを改め、あなたがたの神、主の御声に聞き従いなさい。そうすれば、主も、あなたがたに語ったわざわいを思い直されるでしょう。
14 このとおり、私はあなたがたの手の中にあります。私をあなたがたがよいと思うよう、正しいと思うようにしなさい。
15 ただ、もしあなたがたが私を殺すなら、あなたがた自身が罪のない者の血の報いを、自分たちと、この町と、その住民とに及ぼすのだということを、はっきり知っていてください。なぜなら、ほんとうに主が、私をあなたがたのもとに送り、あなたがたの耳にこれらすべてのことばを語らせたのですから。」
16 すると、首長たちとすべての民は、祭司や預言者たちに言った。「この人は死刑に当たらない。私たちの神、主の名によって、彼は私たちに語ったのだから。」
17 それで、その地の長老たちの幾人かが立って、民の全集団に語って言った。
18 「かつてモレシェテ人ミカも、ユダの王ヒゼキヤの時代に預言して、ユダのすべての民に語って言ったことがある。
『万軍の主はこう仰せられる。
シオンは畑のように耕され、
エルサレムは廃墟となり、
この宮の山は森の丘となる。』
19 そのとき、ユダの王ヒゼキヤとユダのすべての人は彼を殺しただろうか。ヒゼキヤが主を恐れ、57主に願ったので、主も彼らに語ったわざわいを思い直されたではないか。ところが、私たちはわが身に大きなわざわいを招こうとしている。」
20 ほかにも主の名によって預言している人がいた。すなわち、キルヤテ・エアリムの出のシェマヤの子ウリヤで、彼はこの町とこの国に対して、エレミヤのことばと全く同じような預言をしていた。
21 エホヤキム王と、そのすべての勇士や、首長たちは、彼のことばを聞いた。王は彼を殺そうとしたが、ウリヤはこれを聞いて恐れ、エジプトへ逃げて行った。
22 そこでエホヤキム王は人々をエジプトにやった。すなわち、アクボルの子エルナタンに人々を同行させて、エジプトに送った。
23 彼らはウリヤをエジプトから連れ出し、エホヤキム王のところに連れて来たので、王は彼を剣で打ち殺し、そのしかばねを共同墓地に捨てさせた。
24 しかし、シャファンの子アヒカムはエレミヤをかばい、エレミヤが民の手に渡されて殺されないようにした。
1 ヨシヤの子、ユダの王58エホヤキムの治世の初めに、主からエレミヤに次のようなことばがあった。
2主は私にこう仰せられる。「あなたはなわとかせとを作り、それをあなたの首につけよ。
3 そうして、エルサレムのユダの王ゼデキヤのところに来る使者たちによって、エドムの王、モアブの王、アモン人の王、ツロの王、シドンの王に伝言を送り、
4 彼らがそれぞれの主君に次のことを言うように命じよ。『イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。あなたがたは主君にこう言え。
5 わたしは、大いなる力と、伸ばした腕とをもって、地と、地の面にいる人間と獣を造った。それで、わたしの見る目にかなった者に、この地を与えるのだ。
6 今、わたしは、これらすべての国をわたしのしもべ、バビロンの王ネブカデネザルの手に与え、野の獣も彼に与えて仕えさせる。
7 ──彼の国に時が来るまで、すべての国は、彼と、その子と、その子の子に仕えよう。しかし時が来ると、多くの民や大王たちが彼を自分たちの奴隷とする。──
8 バビロンの王ネブカデネザルに仕えず、またバビロンの王のくびきに首を差し出さない民や王国があれば、わたしはその民を剣と、ききんと、疫病で罰し、──主の御告げ──彼らを彼の手で皆殺しにする。
9 だから、あなたがたは、バビロンの王に仕えることはない、と言っているあなたがたの預言者、占い師、夢見る者、卜者、呪術者に聞くな。
10 彼らは、あなたがたに偽りを預言しているからだ。それで、あなたがたは、あなたがたの土地から遠くに移され、わたしはあなたがたを追い散らして、あなたがたが滅びるようにする。
11 しかし、バビロンの王のくびきに首を差し出して彼に仕える民を、わたしはその土地にいこわせる。──主の御告げ──こうして、その土地を耕し、その中に住む。』」
12 ユダの王ゼデキヤにも、私はこのことばのとおりに語って言った。「あなたがたはバビロンの王のくびきに首を差し出し、彼とその民に仕えて生きよ。
13 どうして、あなたとあなたの民は、バビロンの王に仕えない国について主が語られたように、剣とききんと疫病で死んでよかろうか。
14 『バビロンの王に仕えることはない』とあなたがたに語る預言者たちのことばに聞くな。彼らはあなたがたに偽りを預言しているからだ。」
15 「わたしは彼らを遣わさなかったのに、──主の御告げ──彼らは、わたしの名によって偽りを預言している。それでわたしはあなたがたを追い散らし、あなたがたも、あなたがたに預言している預言者たちも滅びるようにする。」
16 私はまた、祭司たちとこのすべての民に語って言った。「主はこう仰せられた。『見よ。主の宮の器は、今すみやかにバビロンから持ち帰られる』と言って、あなたがたに預言しているあなたがたの預言者のことばに聞いてはならない。彼らはあなたがたに、偽りを預言しているからだ。
17 彼らに聞くな。バビロンの王に仕えて生きよ。どうして、この町が廃墟となってよかろうか。
18 もし彼らが預言者であり、もし彼らに主のことばがあるのなら、彼らは、主の宮や、ユダの王の家や、エルサレムに残されている器がバビロンに持って行かれないよう、万軍の主にとりなしの祈りをするはずだ。
19 まことに万軍の主は、宮の柱や、海や、車輪つきの台や、そのほかのこの町に残されている器について、こう仰せられる。
20 ──これらの物は、バビロンの王ネブカデネザルがエホヤキムの子、ユダの王59エコヌヤ、およびユダとエルサレムのすべてのおもだった人々をエルサレムからバビロンへ引いて行ったときに、携えて行かなかったものである。──
21 まことに、イスラエルの神、万軍の主は、主の宮とユダの王の家とエルサレムとに残された器について、こう仰せられる。
22 『それらはバビロンに運ばれて、わたしがそれを顧みる日まで、そこにある。──主の御告げ──そうして、わたしは、それらを携え上り、この所に帰らせる。』」
1 その同じ年、すなわち、ユダの王ゼデキヤの治世の初め、第四年の第五の月に、ギブオンの出の預言者、アズルの子ハナヌヤが、主の宮で、祭司たちとすべての民の前で、私に語って言った。
2 「イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。わたしは、バビロンの王のくびきを打ち砕く。
3 二年のうちに、わたしは、バビロンの王ネブカデネザルがこの所から取って、バビロンに運んだ主の宮のすべての器をこの所に帰らせる。
4 バビロンに行ったエホヤキムの子、ユダの王エコヌヤと、ユダのすべての捕囚の民も、わたしはこの所に帰らせる。──主の御告げ──わたしがバビロンの王のくびきを打ち砕くからだ。」
5 そこで預言者エレミヤは、主の宮に立っている祭司たちや、すべての民の前で、預言者ハナヌヤに言った。
6預言者エレミヤは言った。「アーメン。そのとおりに主がしてくださるように。あなたが預言したことばを主が成就させ、主の宮の器と、すべての捕囚の民がバビロンからこの所に帰って来るように。
7 しかし、私があなたの耳と、すべての民の耳に語っているこのことばを聞きなさい。
8 昔から、私と、あなたの先に出た預言者たちは、多くの国と大きな王国について、戦いとわざわいと疫病とを預言した。
9 平安を預言する預言者については、その預言者のことばが成就して初めて、ほんとうに主が遣わされた預言者だ、と知られるのだ。」
10 しかし預言者ハナヌヤは、預言者エレミヤの首から例のかせを取り、それを砕いた。
11 そしてハナヌヤは、すべての民の前でこう言った。「主はこう仰せられる。『このとおり、わたしは二年のうちに、バビロンの王ネブカデネザルのくびきを、すべての国の首から砕く。』」そこで、預言者エレミヤは立ち去った。
12預言者ハナヌヤが預言者エレミヤの首からかせを取ってこれを砕いて後、エレミヤに次のような主のことばがあった。
13 「行って、ハナヌヤに次のように言え。『主はこう仰せられる。あなたは木のかせを砕いたが、その代わりに、鉄のかせを作ることになる。
14 まことに、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。わたしは鉄のくびきをこれらすべての国の首にはめて、バビロンの王ネブカデネザルに仕えさせる。それで彼らは彼に仕える。野の獣まで、わたしは彼に与えた。』」
15 そこで預言者エレミヤは、預言者ハナヌヤに言った。「ハナヌヤ。聞きなさい。主はあなたを遣わされなかった。あなたはこの民を偽りに拠り頼ませた。
16 それゆえ、主はこう仰せられる。『見よ。わたしはあなたを地の面から追い出す。ことし、あなたは死ぬ。主への反逆をそそのかしたからだ。』」
17預言者ハナヌヤはその年の第七の月に死んだ。
1預言者エレミヤは、ネブカデネザルがエルサレムからバビロンへ引いて行った捕囚の民、長老たちで生き残っている者たち、祭司たち、預言者たち、およびすべての民に、エルサレムから手紙を送ったが、そのことばは次のとおりである。
2 ──これは、エコヌヤ王と王母と宦官たち、ユダとエルサレムの貴族たち、職人と鍛冶屋たちが、エルサレムを出て後、
3 ユダの王ゼデキヤがバビロンの王ネブカデネザルのもとに、バビロンへ遣わした、シャファンの子エルアサとヒルキヤの子ゲマルヤの手に託したもので、次のように言っている──
4 イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「エルサレムからバビロンへわたしが引いて行かせたすべての捕囚の民に。
5 家を建てて住みつき、畑を作って、その実を食べよ。
6妻をめとって、息子、娘を生み、あなたがたの息子には妻をめとり、娘には夫を与えて、息子、娘を産ませ、そこでふえよ。減ってはならない。
7 わたしがあなたがたを引いて行ったその町の繁栄を求め、そのために主に祈れ。そこの繁栄は、あなたがたの繁栄になるのだから。」
8 まことに、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「あなたがたのうちにいる預言者たちや、占い師たちにごまかされるな。あなたがたが夢を見させている、あなたがたの夢見る者の言うことを聞くな。
9 なぜなら、彼らはわたしの名を使って偽りをあなたがたに預言しているのであって、わたしが彼らを遣わしたのではないからだ。──主の御告げ──」
10 まことに、主はこう仰せられる。「バビロンに七十年の満ちるころ、わたしはあなたがたを顧み、あなたがたにわたしの幸いな約束を果たして、あなたがたをこの所に帰らせる。
11 わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。──主の御告げ──それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。
12 あなたがたがわたしを呼び求めて歩き、わたしに祈るなら、わたしはあなたがたに聞こう。
13 もし、あなたがたが心を尽くしてわたしを捜し求めるなら、わたしを見つけるだろう。
14 わたしはあなたがたに見つけられる。──主の御告げ──わたしは、あなたがたの繁栄を元どおりにし、わたしがあなたがたを追い散らした先のすべての国々と、すべての場所から、あなたがたを集める。──主の御告げ──わたしはあなたがたを引いて行った先から、あなたがたをもとの所へ帰らせる。」
15 あなたがたは、「主は私たちのために、バビロンでも預言者を起こされた」と言っているが、
16 まことに、主は、ダビデの王座に着いている王と、この町に住んでいるすべての民と、捕囚としてあなたがたといっしょに出て行かなかったあなたがたの兄弟について、こう仰せられる。
17万軍の主はこう仰せられる。「見よ。わたしは彼らの中に、剣とききんと疫病を送り、彼らを悪くて食べられない割れたいちじくのようにする。
18 わたしは剣とききんと疫病で彼らを追い、彼らを、地のすべての王国のおののきとし、わたしが彼らを追い散らしたすべての国の間で、のろいとし、恐怖とし、あざけりとし、そしりとする。
19 彼らがわたしのことばを聞かなかったからだ。──主の御告げ──わたしが彼らにわたしのしもべである預言者たちを早くからたびたび送ったのに、あなたがたが聞かなかったからだ。──主の御告げ──
20 わたしがエルサレムからバビロンへ送ったすべての捕囚の民よ。主のことばを聞け。」
21 イスラエルの神、万軍の主は、わたしの名によってあなたがたに偽りを預言している者であるコラヤの子アハブと、マアセヤの子ゼデキヤについて、こう仰せられる。「見よ。わたしは彼らを、バビロンの王ネブカデレザルの手に渡す。彼はあなたがたの目の前で、彼らを打ち殺す。
22 バビロンにいるユダの捕囚の民はみな、のろうときに彼らの名を使い、『主がおまえをバビロンの王が火で焼いたゼデキヤやアハブのようにされるように』と言うようになる。
23 それは、彼らがイスラエルのうちで、恥ずべきことを行い、隣人の妻たちと姦通し、わたしの命じもしなかった偽りのことばをわたしの名によって語ったからである。わたしはそれを知っており、その証人である。──主の御告げ──」
24 あなたはネヘラム人シェマヤに次のように言わなければならない。
25 「イスラエルの神、万軍の主は、次のように仰せられる。あなたは、あなたの名によって、エルサレムにいるすべての民と、マアセヤの子、祭司ゼパニヤ、および、すべての祭司に次のような手紙を送った。
26 『主は、祭司エホヤダの代わりに、あなたを祭司とされましたが、それは、あなたを主の宮の監督者に任じて、すべて狂って預言をする者に備え、そういう者に足かせや、首かせをはめるためでした。
27 それなのに、なぜ、今あなたは、あなたがたに預言しているアナトテ人エレミヤを責めないのですか。
28 それで、彼はバビロンの私たちのところに使いをよこして、それは長く続く。家を建てて住みつき、畑を作ってその実を食べなさいと、言わせたのです。』」
29 ──祭司ゼパニヤがこの手紙を預言者エレミヤに読んで聞かせたとき、
30 エレミヤに次のような主のことばがあった。──
31 「すべての捕囚の民に言い送れ。主はネヘラム人シェマヤにこう仰せられる。わたしはシェマヤを遣わさなかったのに、シェマヤがあなたがたに預言し、あなたがたを偽りに拠り頼ませた。
32 それゆえ、主はこう仰せられる。『見よ。わたしはネヘラム人シェマヤと、その子孫とを罰する。彼に属する者で、だれもこの民の中に住んで、わたしがわたしの民に行おうとしている良いことを見る者はいない。──主の御告げ──彼が主に対する反逆をそそのかしたからである。』」
1主からエレミヤにあったみことばは、次のとおりである。
2 イスラエルの神、主はこう仰せられる。「わたしがあなたに語ったことばをみな、書物に書きしるせ。
3 見よ。その日が来る。──主の御告げ──その日、わたしは、わたしの民イスラエルとユダの繁栄を元どおりにすると、主は言う。わたしは彼らをその先祖たちに与えた地に帰らせる。彼らはそれを所有する。」
4主がイスラエルとユダについて語られたことばは次のとおりである。
5 まことに主はこう仰せられる。
「おののきの声を、われわれは聞いた。
恐怖があって平安はない。
6 男が子を産めるか、さあ、尋ねてみよ。
わたしが見るのに、
なぜ、男がみな、産婦のように
腰に手を当てているのか。
なぜ、みなの顔が青く変わっているのか。
7 ああ。
その日は大いなる日、比べるものもない日だ。
それはヤコブにも苦難の時だ。
しかし彼はそれから救われる。
8 その日になると、――万軍の主の御告げ――わたしは60彼らの首のくびきを砕き、61彼らのなわめを解く。他国人は二度と彼らを奴隷にしない。
9 彼らは彼らの神、主と、わたしが彼らのために立てる彼らの王ダビデに仕えよう。
10 わたしのしもべヤコブよ。恐れるな。
――主の御告げ――
イスラエルよ。おののくな。
見よ。わたしが、あなたを遠くから、
あなたの子孫を捕囚の地から、救うからだ。
ヤコブは帰って来て、平穏に安らかに生き、
おびえさせる者はだれもいない。
11 わたしがあなたとともにいて、
――主の御告げ――
あなたを救うからだ。
わたしは、あなたを散らした先の
すべての国々を滅ぼし尽くすからだ。
しかし、わたしはあなたを滅ぼし尽くさない。
公義によって、あなたを懲らしめ、
あなたを罰せずにおくことは決してないが。」
12 まことに主はこう仰せられる。
「あなたの傷はいやしにくく、
あなたの打ち傷は痛んでいる。
13 あなたの訴えを弁護する者もなく、
はれものに薬をつけて、
あなたをいやす者もいない。
14 あなたの恋人はみな、あなたを忘れ、
あなたを尋ねようともしない。
わたしが、敵を打つようにあなたを打ち、
ひどい懲らしめをしたからだ。
あなたの咎が大きく、あなたの罪が重いために。
15 なぜ、あなたは自分の傷のために叫ぶのか。
あなたの痛みは直らないのか。
あなたの咎が大きく、あなたの罪が重いため、
わたしはこれらの事を、あなたにしたのだ。
16 しかし、あなたを食う者はみな、かえって食われ、
あなたの敵はみな、とりことなって行き、
あなたから略奪した者は、略奪され、
あなたをかすめ奪った者は、
わたしがみな獲物として与える。
17 わたしがあなたの傷を直し、
あなたの打ち傷をいやすからだ。
――主の御告げ――
あなたが、捨てられた女、
だれも尋ねて来ないシオン、と呼ばれたからだ。」
18 主はこう仰せられる。
「見よ。
わたしはヤコブの天幕の繁栄を元どおりにし、
その住まいをあわれもう。
町はその廃墟の上に建て直され、
宮殿は、その定められている所に建つ。
19 彼らの中から、感謝と、喜び笑う声がわき出る。
わたしは人をふやして減らさず、
彼らを尊くして、軽んじられないようにする。
20 その子たちは昔のようになり、
その会衆はわたしの前で堅く立てられる。
わたしはこれを圧迫する者をみな罰する。
21 その権力者は、彼らのうちのひとり、
その支配者はその中から出る。
わたしは彼を近づけ、彼はわたしに近づく。
わたしに近づくためにいのちをかける者は、
いったいだれなのか。――主の御告げ――
22 あなたがたはわたしの民となり、
わたしはあなたがたの神となる。」
23 見よ。主の暴風、――憤り――
吹きつける暴風が起こり、
悪者の頭上にうずを巻く。
24 主の燃える怒りは、
御心の思うところを行って、成し遂げるまで
去ることはない。
終わりの日に、あなたがたはそれを悟ろう。
1 「その時、――主の御告げ――わたしはイスラエルのすべての部族の神となり、彼らはわたしの民となる。」
2主はこう仰せられる。
「剣を免れて生き残った民は
荒野で恵みを得た。
イスラエルよ。出て行って休みを得よ。」
3 主は遠くから、私に現れた。
「永遠の愛をもって、
わたしはあなたを愛した。
それゆえ、わたしはあなたに、
誠実を尽くし続けた。
4 おとめイスラエルよ。
わたしは再びあなたを建て直し、
あなたは建て直される。
再びあなたはタンバリンで身を飾り、
喜び笑う者たちの踊りの輪に出て行こう。
5 再びあなたはサマリヤの山々に
ぶどう畑を作り、
植える者たちは植えて、
その実を食べることができる。
6 エフライムの山では見張る者たちが、
『さあ、シオンに上って、
私たちの神、主のもとに行こう』と
呼ばわる日が来るからだ。」
7 まことに主はこう仰せられる。
「ヤコブのために喜び歌え。
国々のかしらのために叫べ。
告げ知らせ、賛美して、言え。
『主よ。あなたの民を救ってください。
イスラエルの残りの者を。』
8 見よ。わたしは彼らを北の国から連れ出し、
地の果てから彼らを集める。
その中には目の見えない者も足のなえた者も、
妊婦も産婦も共にいる。
彼らは大集団をなして、ここに帰る。
9 彼らは泣きながらやって来る。
わたしは彼らを、62慰めながら連れ戻る。
わたしは彼らを、水の流れのほとりに導き、
彼らは平らな道を歩いて、つまずかない。
わたしはイスラエルの父となろう。
エフライムはわたしの長子だから。」
10 諸国の民よ。主のことばを聞け。
遠くの島々に告げ知らせて言え。
「イスラエルを散らした者がこれを集め、
牧者が群れを飼うように、これを守る」と。
11 主はヤコブを贖い、
ヤコブより強い者の手から、
これを買い戻されたからだ。
12 彼らは来て、シオンの丘で喜び歌い、
穀物と新しいぶどう酒とオリーブ油と、
羊の子、牛の子とに対する主の恵みに喜び輝く。
彼らのたましいは潤った園のようになり、
もう再び、しぼむことはない。
13 そのとき、若い女は踊って楽しみ、
若い男も年寄りも共に楽しむ。
「わたしは彼らの悲しみを喜びに変え、
彼らの憂いを慰め、楽しませる。
14 また祭司のたましいを髄で飽かせ、
わたしの民は、わたしの恵みに満ち足りる。
――主の御告げ――」
15 主はこう仰せられる。
「聞け。ラマで聞こえる。
苦しみの嘆きと泣き声が。
ラケルがその子らのために泣いている。
慰められることを拒んで。
子らがいなくなったので、
その子らのために泣いている。」
16 主はこう仰せられる。
「あなたの泣く声をとどめ、
目の涙をとどめよ。
あなたの労苦には報いがあるからだ。
――主の御告げ――
彼らは敵の国から帰って来る。
17 あなたの将来には望みがある。
――主の御告げ――
あなたの子らは自分の国に帰って来る。
18 わたしは、エフライムが嘆いているのを
確かに聞いた。
『あなたが私を懲らしめられたので、
くびきに慣れない子牛のように、
私は懲らしめを受けました。
私を帰らせてください。
そうすれば、帰ります。
主よ。あなたは私の神だからです。
19 私は、そむいたあとで、悔い、
悟って後、ももを打ちました。
私は恥を見、はずかしめを受けました。
私の若いころのそしりを
負っているからです』と。
20 エフライムは、わたしの大事な子なのだろうか。
それとも、喜びの子なのだろうか。
わたしは彼のことを語るたびに、
いつも必ず彼のことを思い出す。
それゆえ、わたしのはらわたは
彼のためにわななき、
わたしは彼をあわれまずにはいられない。
――主の御告げ――
21 あなたは自分のために標柱を立て、
道しるべを置き、
あなたの歩んだ道の大路に心を留めよ。
おとめイスラエルよ。帰れ。
これら、あなたの町々に帰れ。
22 裏切り娘よ。いつまで迷い歩くのか。
主は、この国に、一つの新しい事を創造される。
ひとりの女がひとりの男を抱こう。」
23 イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「わたしが彼らの繁栄を元どおりにするとき、彼らは再び次のことばを、ユダの国とその町々で語ろう。『義の住みか、聖なる山よ。主があなたを祝福されるように。』
24 ユダと、そのすべての町の者は、そこに住み、農夫も、群れを連れて旅する者も、そこに住む。
25 わたしが疲れたたましいを潤し、すべてのしぼんだたましいを満たすからだ。
26 ――ここで、私は目ざめて、見渡した。私の眠りはここちよかった。――
27 見よ。その日が来る。――主の御告げ――その日、わたしは、イスラエルの家とユダの家に、人間の種と家畜の種を蒔く。
28 かつてわたしが、引き抜き、引き倒し、こわし、滅ぼし、わざわいを与えようと、彼らを見張っていたように、今度は、彼らを建て直し、また植えるために見守ろう。――主の御告げ――
29 その日には、彼らはもう、『父が酸いぶどうを食べたので、子どもの歯が浮く』とは言わない。
30 人はそれぞれ自分の咎のために死ぬ。だれでも、酸いぶどうを食べる者は歯が浮くのだ。
31 見よ。その日が来る。――主の御告げ――その日、わたしは、イスラエルの家とユダの家とに、新しい契約を結ぶ。
32 その契約は、わたしが彼らの先祖の手を握って、エジプトの国から連れ出した日に、彼らと結んだ契約のようではない。わたしは彼らの主であったのに、彼らはわたしの契約を破ってしまった。――主の御告げ――
33 彼らの時代の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこうだ。――主の御告げ――わたしはわたしの律法を彼らの中に置き、彼らの心にこれを書きしるす。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。
34 そのようにして、人々はもはや、『主を知れ』と言って、おのおの互いに教えない。それは、彼らがみな、身分の低い者から高い者まで、わたしを知るからだ。――主の御告げ――わたしは彼らの咎を赦し、彼らの罪を二度と思い出さないからだ。」
35 主はこう仰せられる。
主は太陽を与えて昼間の光とし、
月と星を定めて夜の光とし、
海をかき立てて波を騒がせる方、
その名は万軍の主。
36 「もし、これらの定めがわたしの前から
取り去られるなら、――主の御告げ――
イスラエルの子孫も、絶え、
いつまでもわたしの前で
一つの民をなすことはできない。」
37 主はこう仰せられる。
「もし、上の天が測られ、
下の地の基が探り出されるなら、
わたしも、イスラエルのすべての子孫を、
彼らの行ったすべての事のために退けよう。
――主の御告げ――
38 見よ。その日が来る。──主の御告げ──その日、この町は、ハナヌエルのやぐらから隅の門まで、主のために建て直される。
39測りなわは、さらにそれよりガレブの丘に伸び、ゴアのほうに向かう。
40 死体と灰との谷全体、キデロン川と東の方、馬の門の隅までの畑は、みな主に聖別され、もはやとこしえに根こぎにされず、こわされることもない。」
1 ユダの王ゼデキヤの第十年、すなわち、ネブカデレザルの第十八年に、主からエレミヤにあったみことば。
2 そのとき、バビロンの王の軍勢がエルサレムを包囲中で、預言者エレミヤは、ユダの王の家にある監視の庭に監禁されていた。
3 彼が監禁されたのは、ユダの王ゼデキヤがエレミヤに、「なぜ、あなたは預言をするのか」と尋ねたとき、エレミヤが次のように答えたからである。「主はこう仰せられる。『見よ。わたしはこの町をバビロンの王の手に渡す。それで、彼はこれを攻め取る。
4 ユダの王ゼデキヤは、カルデヤ人の手からのがれることはできない。彼は必ずバビロンの王の手に渡され、彼と口と口で語り、目と目で、彼を見る。
5 彼はまた、ゼデキヤをバビロンへ連れて行く。それでゼデキヤは、わたしが彼を顧みる時まで、そこにいる。──主の御告げ──あなたがたはカルデヤ人と戦っても、勝つことはできない。』」
6 そのとき、エレミヤは言った。「私に次のような主のことばがあった。
7 見よ。あなたのおじシャルムの子ハナムエルが、あなたのところに来て、『アナトテにある私の畑を買ってくれ。あなたには買い戻す権利があるのだから』と言おう。
8 すると、主のことばのとおり、おじの子ハナムエルが私のところ、監視の庭に来て、私に言った。『どうか、ベニヤミンの地のアナトテにある私の畑を買ってください。あなたには所有権もあり、買い戻す権利もありますから、あなたが買い取ってください。』私は、それが主のことばであると知った。
9 そこで私は、おじの子ハナムエルから、アナトテにある畑を買い取り、彼に銀十七シェケルを払った。
10 すなわち、証書に署名し、それに封印し、証人を立て、はかりで銀を量り、
11 命令と規則に従って、封印された購入証書と、封印のない証書を取り、
12 おじの63子ハナムエルと、購入証書に署名した証人たちと、監視の庭に座しているすべてのユダヤ人の前で、購入証書をマフセヤの子ネリヤの子バルクに渡し、
13 彼らの前で、バルクに命じて言った。
14 『イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。これらの証書、すなわち封印されたこの購入証書と、封印のない証書を取って、土の器の中に入れ、これを長い間、保存せよ。
15 まことに、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。再びこの国で、家や、畑や、ぶどう畑が買われるようになるのだ』と。」
16 私は、購入証書をネリヤの子バルクに渡して後、主に祈って言った。
17 「ああ、64神、主よ。まことに、あなたは大きな力と、伸ばした御腕とをもって天と地を造られました。あなたには何一つできないことはありません。
18 あなたは、恵みを千代にまで施し、先祖の咎をその後の子らのふところに報いる方、偉大な力強い神、その名は万軍の主です。
19 おもんぱかりは大きく、みわざは力があり、御目は人の子のすべての道に開いており、人それぞれの生き方にしたがい、行いの結ぶ実にしたがって、すべてに報いをされます。
20 あなたは今日まで、エジプトの国で、イスラエルと、人の中で、しるしと不思議を行われ、ご自身の名を、今日のようにされました。
21 あなたはまた、御民イスラエルを、しるしと、不思議と、強い御手と、伸べた御腕と、大いなる恐れとをもって、エジプトの国から連れ出し、
22 あなたが彼らの先祖に与えると誓われたこの国、乳と蜜の流れる国を彼らに授けられました。
23 彼らは、そこに行って、これを所有しましたが、あなたの声に聞き従わず、あなたの律法に歩まず、あなたが彼らにせよと命じた事を何一つ行わなかったので、あなたは彼らを、このようなあらゆるわざわいに会わせなさいました。
24 ご覧ください。この町を攻め取ろうとして、塁が築かれました。この町は、剣とききんと疫病のために、攻めているカルデヤ人の手に渡されようとしています。あなたの告げられた事は成就しました。ご覧のとおりです。
2565神、主よ。あなたはこの町がカルデヤ人の手に渡されようとしているのに、私に、『銀を払ってあの畑を買い、証人を立てよ』と仰せられます。」
26 エレミヤに次のような主のことばがあった。
27 「見よ。わたしは、すべての肉なる者の神、主である。わたしにとってできないことが一つでもあろうか。」
28 「それゆえ、主はこう仰せられる。見よ。わたしはこの町を、カルデヤ人の手と、バビロンの王ネブカデレザルの手に渡す。彼はこれを取ろう。
29 また、この町を攻めているカルデヤ人は、来て、この町に火をつけて焼く。また、人々が屋上でバアルに66香をたき、ほかの神々に注ぎのぶどう酒を注いで、わたしの怒りを引き起こしたその家々にも火をつけて焼く。
30 なぜなら、イスラエルの子らとユダの子らは、若いころから、わたしの目の前に悪のみを行い、イスラエルの子らは、その手のわざをもってわたしの怒りを引き起こすのみであったからだ。──主の御告げ──
31 この町は、建てられた日から今日まで、わたしの怒りと憤りを引き起こしてきたので、わたしはこれをわたしの顔の前から取り除く。
32 それは、イスラエルの子らとユダの子らが、すなわち彼ら自身と、その王、首長、祭司、預言者が、またユダの人もエルサレムの住民も、わたしの怒りを引き起こすために行った、すべての悪のゆえである。
33 彼らはわたしに、顔ではなくて背を向け、わたしがしきりに彼らに教えるが、聞いて懲らしめを受ける者もなく、
34 わたしの名がつけられている宮に忌むべき物を置いて、これを汚し、
35 わたしが命じもせず、心に思い浮かべもしなかったことだが、彼らはモレクのために自分の息子、娘をささげて、この忌みきらうべきことを行うために、ベン・ヒノムの谷にバアルの高き所を築き、ユダを迷わせた。」
36 それゆえ、今、イスラエルの神、主は、あなたがたが、「剣とききんと疫病により、バビロンの王の手に渡される」と言っているこの町について、こう仰せられる。
37 「見よ。わたしは、わたしの怒りと、憤りと、激怒とをもって散らしたすべての国々から彼らを集め、この所に帰らせ、安らかに住まわせる。
38 彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。
39 わたしは、いつもわたしを恐れさせるため、彼らと彼らの後の子らの幸福のために、彼らに一つの心と一つの道を与え、
40 わたしが彼らから離れず、彼らを幸福にするため、彼らととこしえの契約を結ぶ。わたしは、彼らがわたしから去らないようにわたしに対する恐れを彼らの心に与える。
41 わたしは彼らを幸福にして、彼らをわたしの喜びとし、真実をもって、心を尽くし思いを尽くして、彼らをこの国に植えよう。」
42 まことに、主はこう仰せられる。「わたしがこの大きなわざわいをみな、この民にもたらしたように、わたしが彼らに語っている幸福もみな、わたしが彼らにもたらす。
43 あなたがたが、『この地は荒れ果てて、人間も家畜もいなくなり、カルデヤ人の手に渡される』と言っているこの国で、再び畑が買われるようになる。
44 ベニヤミンの地でも、エルサレム近郊でも、ユダの町々でも、山地の町々でも、低地の町々でも、ネゲブの町々でも、銀で畑が買われ、証書に署名し、封印し、証人を立てるようになる。それは、わたしが彼らの繁栄を元どおりにするからだ。──主の御告げ──」
1 エレミヤがまだ監視の庭に閉じ込められていたとき、再びエレミヤに次のような主のことばがあった。
2 「67地を造られた主、それを形造って確立させた主、その名は主である方がこう仰せられる。
3 わたしを呼べ。そうすれば、わたしは、あなたに答え、あなたの知らない、理解を越えた大いなる事を、あなたに告げよう。
4 まことにイスラエルの神、主は、塁と剣で引き倒されるこの町の家々と、ユダの王たちの家々について、こう仰せられる。
5 彼らはカルデヤ人と戦おうとして出て行くが、彼らはわたしの怒りと憤りによって打ち殺されたしかばねをその家々に満たす。それは、彼らのすべての悪のために、わたしがこの町から顔を隠したからだ。
6 見よ。わたしはこの町の傷をいやして直し、彼らをいやして彼らに平安と真実を豊かに示す。
7 わたしはユダとイスラエルの繁栄を元どおりにし、初めのように彼らを建て直す。
8 わたしは、彼らがわたしに犯したすべての咎から彼らをきよめ、彼らがわたしに犯し、わたしにそむいたすべての咎を赦す。
9 この町は世界の国々の間で、わたしにとって喜びの名となり、栄誉となり栄えとなる。彼らはわたしがこの民に与えるすべての祝福のことを聞き、わたしがこの町に与えるすべての祝福と平安のために、恐れおののこう。」
10主はこう仰せられる。「あなたがたが、『人間も家畜もいなくて廃墟となった』と言っているこの所、人間も住民も家畜もいなくて荒れすたれたユダの町々とエルサレムのちまたで、
11 楽しみの声と喜びの声、花婿の声と花嫁の声、『万軍の主に感謝せよ。主はいつくしみ深く、その恵みはとこしえまで』と言って、主の宮に感謝のいけにえを携えて来る人たちの声が再び聞こえる。それは、わたしがこの国の繁栄を元どおりにし、初めのようにするからだ」と主は仰せられる。
12万軍の主はこう仰せられる。「人間も家畜もいなくて廃墟となったこの所と、そのすべての町々に、再び、群れを伏させる牧者たちの住まいができる。
13 この山の町々でも、低地の町々、ネゲブの町々、ベニヤミンの地、エルサレム近郊、ユダの町々でも、再び群れが、数を数える者の手を通り過ぎる」と主は仰せられる。
14 「見よ。その日が来る。──主の御告げ──その日、わたしは、イスラエルの家とユダの家に語ったいつくしみのことばを成就する。
15 その日、その時、わたしはダビデのために正義の若枝を芽ばえさせる。彼はこの国に公義と正義を行う。
16 その日、ユダは救われ、エルサレムは安らかに住み、こうしてこの町は、『主は私たちの正義』と名づけられる。」
17 まことに主はこう仰せられる。「ダビデには、イスラエルの家の王座に着く人が絶えることはない。
18 またレビ人の祭司たちにも、わたしの前で全焼のいけにえをささげ、穀物のささげ物を焼き、いつもいけにえをささげる人が絶えることはない。」
19 エレミヤに次のような主のことばがあった。
20 「主はこう仰せられる。もし、あなたがたが、昼と結んだわたしの契約と、夜と結んだわたしの契約とを破ることができ、昼と夜とが定まった時に来ないようにすることができるなら、
21 わたしのしもべダビデと結んだわたしの契約も破られ、彼には、その王座に着く子がいなくなり、わたしに仕えるレビ人の祭司たちとのわたしの契約も破られよう。
22 天の万象が数えきれず、海の砂が量れないように、わたしは、わたしのしもべダビデの子孫と、わたしに仕えるレビ人とをふやす。」
23 エレミヤに次のような主のことばがあった。
24 「あなたは、この民が、『主は選んだ二つの部族を退けた』と言って話しているのを知らないのか。彼らはわたしの民をもはや一つの民ではないとみなして侮っている。」
25主はこう仰せられる。「もしわたしが昼と夜とに契約を結ばず、天と地との諸法則をわたしが定めなかったのなら、
26 わたしは、ヤコブの子孫と、わたしのしもべダビデの子孫とを退け、その子孫の中から、アブラハム、イサク、ヤコブの子孫を治める者を選ばないようなこともあろう。しかし、わたしは彼らの繁栄を元どおりにし、彼らをあわれむ。」
1 バビロンの王ネブカデレザルと、その全軍勢、および彼の支配下にある地のすべての王国とすべての国々の民が、エルサレムとそのすべての町々を攻めていたとき、主からエレミヤにあったみことばは、こうである。
2 「イスラエルの神、主は、こう仰せられる。行って、ユダの王ゼデキヤに告げて言え。
主はこう仰せられる。『見よ。わたしはこの町をバビロンの王の手に渡す。彼はこれを火で焼こう。
3 あなたはその手からのがれることができない。あなたは必ず捕らえられて、彼の手に渡されるからだ。あなたの目はバビロンの王の目を見、彼の口はあなたの口と語り、あなたはバビロンへ行く。』
4 ユダの王ゼデキヤ。ただ、主のことばを聞きなさい。主はあなたについてこう仰せられる。『あなたは剣で死ぬことはない。
5 あなたは安らかに死んで、人々は、あなたの先祖たち、あなたの先にいた王たちのために香をたいたように、あなたのためにも香をたき、ああ主君よと言ってあなたをいたむ。このことを語るのはわたしだ。』──主の御告げ──」
6 そこで預言者エレミヤは、これらすべてのことばを、エルサレムでユダの王ゼデキヤに語った。
7 そのとき、バビロンの王の軍勢は、エルサレムとユダの残されたすべての町、ラキシュとアゼカを攻めていた。これらがユダの町々で城壁のある町として残っていたからである。
8 ゼデキヤ王がエルサレムにいるすべての民と契約を結んで、彼らに奴隷の解放を宣言して後、主からエレミヤにあったみことば。
9 ──それは各自が、ヘブル人である自分の奴隷や女奴隷を自由の身にし、同胞のユダヤ人を奴隷にしないという契約であった。
10契約に加入したすべての首長、すべての民は、それぞれ、自分の奴隷や女奴隷を自由の身にして、二度と彼らを奴隷にしないことに同意し、同意してから彼らを去らせた。
11 しかし、彼らは、そのあとで心を翻した。そして、いったん自由の身にした奴隷や女奴隷を連れ戻して、彼らを奴隷や女奴隷として使役した。──
12 そこで、主からエレミヤに次のような主のことばがあった。
13 「イスラエルの神、主は、こう仰せられる。『わたしが、あなたがたの先祖をエジプトの国、奴隷の家から連れ出した日に、わたしは彼らと契約を結んで言った。
14 七年の終わりには、各自、自分のところに売られて来た同胞のヘブル人を去らせなければならない。六年の間、あなたに仕えさせ、その後、あなたは彼を自由の身にせよと。しかし、あなたがたの先祖は、わたしに聞かず、耳を傾けなかった。
15 しかし、あなたがたは、きょう悔い改め、各自、隣人の解放を告げてわたしが正しいと見ることを行い、わたしの名がつけられているこの家で、わたしの前に契約を結んだ。
16 それなのに、あなたがたは心を翻して、わたしの名を汚し、いったん自由の身にした奴隷や女奴隷をかってに連れ戻し、彼らをあなたがたの奴隷や女奴隷として使役した。』
17 それゆえ、主はこう仰せられる。『あなたがたはわたしに聞き従わず、各自、自分の同胞や隣人に解放を告げなかったので、見よ、わたしはあなたがたに──主の御告げ──剣と疫病とききんの解放を宣言する。わたしは、あなたがたを地のすべての王国のおののきとする。
18 また、わたしの前で結んだ契約のことばを守らず、わたしの契約を破った者たちを、二つに断ち切られた子牛の間を通った者のようにする。
19 二つに分けた子牛の間を通った者は、ユダの首長たち、エルサレムの首長たち、宦官と祭司と一般の全民衆であった。
20 わたしは彼らを、敵の手、いのちをねらう者たちの手に渡す。そのしかばねは空の鳥、地の獣のえじきとなる。
21 わたしはまた、ユダの王ゼデキヤとそのつかさたちを敵の手、いのちをねらう者たちの手、あなたがたのところから退却したバビロンの王の軍勢の手に渡す。
22 見よ。わたしは命じ、──主の御告げ──彼らをこの町に引き返させる。彼らはこの町を攻め、これを取り、火で焼く。わたしはユダの町々を、住む者もいない荒れ果てた地とする。』」
1 ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの時代に、主からエレミヤにあったみことばは、こうである。
2 「レカブ人の家に行って、彼らに語り、彼らを主の宮の一室に連れて来て、彼らに酒を飲ませよ。」
3 そこで私は、ハバツィヌヤの子エレミヤの子であるヤアザヌヤと、その兄弟と、そのすべての息子と、レカブ人の全家を率い、
4 彼らを主の宮のイグダルヤの子、神の人ハナンの子らの部屋に連れて来た。それは、首長たちの部屋の隣にあり、入口を守る者シャルムの子マアセヤの部屋の上にあった。
5 私は、レカブ人の家の子たちの前に、ぶどう酒を満たしたつぼと杯とを出して、彼らに「酒を飲みなさい」と言った。
6 すると彼らは言った。「私たちはぶどう酒を飲みません。それは、私たちの先祖レカブの子ヨナダブが私たちに命じて、『あなたがたも、あなたがたの子らも、永久にぶどう酒を飲んではならない。
7 あなたがたは家を建てたり、種を蒔いたり、ぶどう畑を作ったり、また所有したりしてはならない。あなたがたが寄留している地の面に末長く生きるために、一生、天幕に住め』と言ったからです。
8 それで、私たちは、私たちの先祖レカブの子ヨナダブが私たちに命じたすべての命令に聞き従い、私たちも、妻も、息子、娘たちも、一生、ぶどう酒を飲まず、
9 住む家も建てず、ぶどう畑も、畑も、種も持ちません。
10 私たちは天幕に住み、すべて先祖ヨナダブが私たちに命じたとおりに、聞いて行ってきました。
11 しかし、バビロンの王ネブカデレザルがこの国に攻め上ったとき、私たちは『さあ、カルデヤの軍勢とアラムの軍勢を避けてエルサレムに行こう』と言って、エルサレムに住んだのです。」
12 そこで、エレミヤに次のような主のことばがあった。
13 「イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。行って、ユダの人とエルサレムの住民に言え。『あなたがたはわたしのことばを聞いて懲らしめを受けようとしないのか。──主の御告げ──
14 レカブの子ヨナダブが、酒を飲むなと子らに命じた命令は守られた。彼らは先祖の命令に聞き従ったので、今日まで飲まなかった。ところが、わたしがあなたがたにたびたび語っても、あなたがたはわたしに聞かなかった。
15 わたしはあなたがたに、わたしのしもべであるすべての預言者たちを早くからたびたび送って、さあ、おのおの悪の道から立ち返り、行いを改めよ。ほかの神々を慕ってそれに仕えてはならない。わたしがあなたがたと先祖たちに与えた土地に住めと言ったのに、あなたがたは耳を傾けず、わたしに聞かなかった。
16 レカブの子ヨナダブの子たちは、先祖が命じた命令を守ってきたのに、この民はわたしに聞かなかった。』
17 それゆえ、イスラエルの神、万軍の神、主は、こう仰せられる。『見よ。わたしはユダと、エルサレムの全住民に、わたしが彼らについて語ったすべてのわざわいを下す。わたしが彼らに語ったのに、彼らが聞かず、わたしが彼らに呼びかけたのに、彼らが答えなかったからだ。』」
18 エレミヤはレカブ人の家の者に言った。「イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『あなたがたは、先祖ヨナダブの命令に聞き従い、そのすべての命令を守り、すべて彼があなたがたに命じたとおりに行った。』
19 それゆえ、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『レカブの子、ヨナダブには、いつも、わたしの前に立つ人が絶えることはない。』」
1 ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第四年に、主からエレミヤに次のようなみことばがあった。
2 「あなたは巻き物を取り、わたしがあなたに語った日、すなわちヨシヤの時代から今日まで、わたしがイスラエルとユダとすべての国々について、あなたに語ったことばをみな、それに書きしるせ。
3 ユダの家は、わたしが彼らに下そうと思っているすべてのわざわいを聞いて、それぞれ悪の道から立ち返るかもしれない。そうすれば、わたしも、彼らの咎と罪とを赦すことができる。」
4 それでエレミヤは、ネリヤの子バルクを呼んだ。バルクはエレミヤの口述に従って、彼に語られた主のことばを、ことごとく巻き物に書きしるした。
5 そしてエレミヤは、バルクに命じて言った。「私は閉じ込められていて、主の宮に行けない。
6 だから、あなたが行って、主の宮で、断食の日に、あなたが私の口述によって巻き物に書きしるした主のことばを、民の耳に読み聞かせ、また町々から来るユダ全体の耳にもそれを読み聞かせよ。
7 そうすれば、彼らは主の前に祈願をささげ、それぞれ悪の道から立ち返るかもしれない。主がこの民に語られた怒りと憤りは大きいからである。」
8 そこでネリヤの子バルクは、すべて預言者エレミヤが命じたとおりに、主の宮で主のことばの巻き物を読んだ。
9 ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第五年、第九の月、エルサレムのすべての民と、ユダの町々からエルサレムに来ているすべての民に、主の前での断食が布告された。
10 そのとき、バルクは、主の宮の、書記シャファンの子ゲマルヤの部屋で、──その部屋は主の宮の新しい門の入口にある上の庭にあった──すべての民に聞こえるように、その書物からエレミヤのことばを読んだ。
11 シャファンの子ゲマルヤの子ミカヤは、その書物にあるすべての主のことばを聞き、
12 王宮の、書記の部屋に下ったが、ちょうど、そこには、すべての首長たちがすわっていた。すなわち書記エリシャマ、シェマヤの子デラヤ、アクボルの子エルナタン、シャファンの子ゲマルヤ、ハナヌヤの子ゼデキヤ、およびすべての首長たちである。
13 ミカヤは、バルクがあの巻き物を民に読んで聞かせたときに聞いたすべてのことばを彼らに告げた。
14 すべての首長たちは、バルクのもとにクシの子シェレムヤの子ネタヌヤの子エフディを遣わして言わせた。「あなたが民に読んで聞かせたあの巻き物、あれを手に持って来なさい。」そこで、ネリヤの子バルクは、巻き物を手に持って彼らのところに入って来た。
15 彼らはバルクに言った。「さあ、すわって、私たちにそれを読んで聞かせてくれ。」そこで、バルクは彼らに読んで聞かせた。
16 彼らがそのすべてのことばを聞いたとき、みな互いに恐れ、バルクに言った。「私たちは、これらのことばをみな、必ず王に告げなければならない。」
17 彼らはバルクに尋ねて言った。「さあ、どのようにして、あなたはこれらのことばをみな、彼の口から書きとったのか、私たちに教えてくれ。」
18 バルクは彼らに言った。「エレミヤがこれらすべてのことばを私に口述し、私が墨でこの巻き物に書きしるしました。」
19 すると、首長たちはバルクに言った。「行って、あなたも、エレミヤも身を隠しなさい。だれにも、あなたがたがどこにいるか知られないように。」
20 彼らは巻き物を書記エリシャマの部屋に置き、庭の王のところに行ってこのすべての事を王に報告した。
21 王はエフディに、その巻き物を取りに行かせたので、彼はそれを書記エリシャマの部屋から取って来た。エフディはそれを、王と王のかたわらに立つすべての首長たちに読んで聞かせた。
22 第九の月であったので、王は冬の家の座に着いていた。彼の前には暖炉の火が燃えていた。
23 エフディが三、四段を読むごとに、王は書記の小刀でそれを裂いては、暖炉の火に投げ入れ、ついに、暖炉の火で巻き物全部を焼き尽くした。
24 王も、彼のすべての家来たちも、これらのすべてのことばを聞きながら、恐れようともせず、衣を裂こうともしなかった。
25 エルナタンとデラヤとゲマルヤは、巻き物を焼かないように、王に願ったが、王は聞き入れなかった。
26 王は、王子エラフメエルと、アズリエルの子セラヤと、アブデエルの子シェレムヤに、書記バルクと預言者エレミヤを捕らえるよう命じたが、主はふたりを隠された。
27 王が、あの巻き物、バルクがエレミヤの口述で書きしるしたことばを焼いて後、エレミヤに次のような主のことばがあった。
28 「あなたは再びもう一つの巻き物を取り、ユダの王エホヤキムが焼いた先の巻き物にあった先のことばを残らず、それに書きしるせ。
29 ユダの王エホヤキムについてはこう言え。
主はこう仰せられる。あなたはこの巻き物を焼いて言った。『あなたはなぜ、バビロンの王は必ず来てこの国を滅ぼし、ここから人間も家畜も絶やすと書いたのか』と。
30 それゆえ、主はユダの王エホヤキムについてこう仰せられる。彼には、ダビデの王座に着く者がなくなり、彼のしかばねは捨てられて、昼は暑さに、夜は寒さにさらされる。
31 わたしは、彼とその子孫、その家来たちを、彼らの咎のゆえに罰し、彼らとエルサレムの住民とユダの人々に、彼らが聞かなかったが、わたしが彼らに告げたあのすべてのわざわいをもたらす。」
32 エレミヤは、もう一つの巻き物を取り、それをネリヤの子、書記バルクに与えた。彼はエレミヤの口述により、ユダの王エホヤキムが火で焼いたあの書物のことばを残らず書きしるした。さらにこれと同じような多くのことばもそれに書き加えた。
1 ヨシヤの子ゼデキヤは、エホヤキムの子68エコヌヤに代わって王となった。バビロンの王ネブカデレザルが彼をユダの国の王にしたのである。
2 彼も、その家来たちも、一般の民衆も、預言者エレミヤによって語られた主のことばに聞き従わなかった。
3 ゼデキヤ王は、シェレムヤの子エフカルと、マアセヤの子、祭司ゼパニヤを預言者エレミヤのもとに遣わして言った。「どうか、私たちのために、私たちの神、主に、祈ってください。」
4 ──そのとき、エレミヤは民のうちに出入りしていて、まだ獄屋に入れられていなかった。
5 パロの軍勢がエジプトから出て来たので、エルサレムを包囲中のカルデヤ人は、そのうわさを聞いて、エルサレムから退却したときであった。──
6 そのとき、預言者エレミヤに次のような主のことばがあった。
7 「イスラエルの神、主は、こう仰せられる。『わたしに尋ねるために、あなたがたをわたしのもとに遣わしたユダの王にこう言え。見よ。あなたがたを助けに出て来たパロの軍勢は、自分たちの国エジプトへ帰り、
8 カルデヤ人が引き返して来て、この町を攻め取り、これを火で焼く。』
9主はこう仰せられる。『あなたがたは、カルデヤ人は必ず私たちから去る、と言って、みずから欺くな。彼らは去ることはないからだ。
10 たとい、あなたがたが、あなたがたを攻めるカルデヤの全軍勢を打ち、その中に重傷を負った兵士たちだけが残ったとしても、彼らがそれぞれ、その天幕で立ち上がり、この町を火で焼くようになる。』」
11 カルデヤの軍勢がパロの軍勢の来るのを聞いてエルサレムから退却したとき、
12 エレミヤは、ベニヤミンの地に行き、民の間で割り当ての地を決めるためにエルサレムから出て行った。
13 彼がベニヤミンの門に来たとき、そこにハナヌヤの子シェレムヤの子のイルイヤという名の当直の者がいて、「あなたはカルデヤ人のところへ落ちのびるのか」と言って、預言者エレミヤを捕らえた。
14 エレミヤは、「違う。私はカルデヤ人のところに落ちのびるのではない」と言ったが、イルイヤは聞かず、エレミヤを捕らえて、首長たちのところに連れて行った。
15首長たちはエレミヤに向かって激しく怒り、彼を打ちたたき、書記ヨナタンの家にある牢屋に入れた。そこを獄屋にしていたからである。
16 エレミヤは丸天井の地下牢に入れられ、長い間そこにいた。
17 ゼデキヤ王は人をやって彼を召し寄せた。王は自分の家でひそかに彼に尋ねて言った。「主から、みことばがあったか。」エレミヤは、「ありました」と言った。そして「あなたはバビロンの王の手に渡されます」と言った。
18 エレミヤはゼデキヤ王に言った。「あなたや、あなたの家来たちや、この民に、私が何の罪を犯したというので、私を獄屋に入れたのですか。
19 あなたがたに『バビロンの王は、あなたがたと、この国とを攻めに来ない』と言って預言した、あなたがたの預言者たちは、どこにいますか。
20 今、69王さま、どうぞ聞いてください。どうぞ、私の願いを御前にかなえて、私を書記ヨナタンの家へ帰らせないでください。そうすれば、私はあそこで死ぬことはないでしょう。」
21 そこでゼデキヤ王は命じて、エレミヤを監視の庭に入れさせ、町からすべてのパンが絶えるまで、パン屋街から、毎日パン一個を彼に与えさせた。こうして、エレミヤは監視の庭にとどまっていた。
1 さて、マタンの子シェファテヤと、パシュフルの子ゲダルヤと、シェレムヤの子ユカルと、マルキヤの子パシュフルは、すべての民にエレミヤが次のように告げていることばを聞いた。
2 「主はこう仰せられる。『この町にとどまる者は、剣とききんと疫病で死ぬが、カルデヤ人のところに出て行く者は生きる。そのいのちは彼の分捕り物として彼のものになり、彼は生きる。』
3主はこう仰せられる。『この町は、必ず、バビロンの王の軍勢の手に渡される。彼はこれを攻め取る。』」
4 そこで、首長たちは王に言った。「どうぞ、あの男を殺してください。彼はこのように、こんなことばをみなに語り、この町に残っている戦士や、民全体の士気をくじいているからです。あの男は、この民のために平安を求めず、かえってわざわいを求めているからです。」
5 するとゼデキヤ王は言った。「今、彼はあなたがたの手の中にある。王は、あなたがたに逆らっては何もできない。」
6 そこで彼らはエレミヤを捕らえ、監視の庭にある王子マルキヤの穴に投げ込んだ。彼らはエレミヤを綱で降ろしたが、穴の中には水がなくて泥があったので、エレミヤは泥の中に沈んだ。
7 王宮にいた70クシュ人の宦官エベデ・メレクは、エレミヤが穴に入れられたこと、また王がベニヤミンの門にすわっていることを聞いた。
8 そこでエベデ・メレクは、王宮から出て行き、王に告げて言った。
9 「71王さま。あの人たちが預言者エレミヤにしたことは、みな悪いことばかりです。彼らはあの方を穴に投げ込みました。もう町にパンはありませんので、あの方は、下で、飢え死にするでしょう。」
10 すると、王は、クシュ人エベデ・メレクに命じて言った。「あなたはここから72三十人を連れて行き、預言者エレミヤを、まだ死なないうちに、その穴から引き上げなさい。」
11 エベデ・メレクは人々を率いて、王宮の73宝物倉の下に行き、そこから着ふるした着物やぼろ切れを取り、それらを綱で穴の中のエレミヤのところに降ろした。
12 クシュ人エベデ・メレクはエレミヤに、「さあ、古着やぼろ切れをあなたのわきの下にはさんで、綱を当てなさい」と言ったので、エレミヤがそのとおりにすると、
13 彼らはエレミヤを綱で穴から引き上げた。こうして、エレミヤは監視の庭にすわっていた。
14 ゼデキヤ王は人をやって、預言者エレミヤを自分のところ、主の宮の第三の入口に召し寄せた。王がエレミヤに、「私はあなたに一言尋ねる。私に何事も隠してはならない」と言うと、
15 エレミヤはゼデキヤに言った。「もし私があなたに告げれば、あなたは必ず、私を殺すではありませんか。私があなたに忠告しても、あなたは私の言うことを聞きません。」
16 そこで、ゼデキヤ王は、ひそかにエレミヤに誓って言った。「私たちのこのいのちを造られた主は生きておられる。私は決してあなたを殺さない。また、あなたのいのちをねらうあの人々の手に、あなたを渡すことも絶対にしない。」
17 するとエレミヤはゼデキヤに言った。「イスラエルの神、万軍の神、主は、こう仰せられる。『もし、あなたがバビロンの王の首長たちに降伏するなら、あなたのいのちは助かり、この町も火で焼かれず、あなたも、あなたの家族も生きのびる。
18 あなたがバビロンの王の首長たちに降伏しないなら、この町はカルデヤ人の手に渡され、彼らはこれを火で焼き、あなたも彼らの手からのがれることができない。』」
19 しかし、ゼデキヤ王はエレミヤに言った。「私は、カルデヤ人に投降したユダヤ人たちを恐れる。カルデヤ人が私を彼らの手に渡し、彼らが私をなぶりものにするかもしれない。」
20 エレミヤは言った。「彼らはあなたを渡しません。どうぞ、主の声、私があなたに語っていることに聞き従ってください。そうすれば、あなたはしあわせになり、あなたのいのちは助かるのです。
21 しかし、もしあなたが降伏するのを拒むなら、これが、主の私に示されたみことばです。
22 『見よ。ユダの王の家に残された女たちはみな、バビロンの王の首長たちのところに引き出される。聞け。彼女らは言う。──
あなたの親友たちが、あなたをそそのかし、
あなたに勝った。
彼らはあなたの足を泥の中に沈ませ、
背を向けてしまった。
23 あなたの妻たちや、子どもたちはみな、カルデヤ人のところに引き出され、あなたも彼らの手からのがれることができずに、バビロンの王の手に捕らえられ、この町も火で焼かれる。』」
24 ゼデキヤはエレミヤに言った。「だれにも、これらのことを知らせてはならない。そうすれば、あなたは殺されることはない。
25 もし、あの首長たちが、私があなたと話したことを聞いて、あなたのところに行き、あなたに『さあ、何を王と話したのか、教えてくれ。私たちに隠すな。あなたを殺しはしない。王はあなたに何を話したのだ』と言っても、
26 あなたは彼らに、『私をヨナタンの家に返してそこで私が死ぬことがないようにしてくださいと、王の前に嘆願していた』と言いなさい。」
27首長たちがみなエレミヤのところに来て、彼に尋ねたとき、彼は、王が命じたことばのとおりに、彼らに告げたので、彼らは黙ってしまった。あのことはだれにも聞かれなかったからである。
28 エレミヤは、エルサレムが攻め取られる日まで、監視の庭にとどまっていた。彼はエルサレムが攻め取られたときも、そこにいた。
1 ユダの王ゼデキヤの第九年、その第十の月に、バビロンの王ネブカデレザルは、その全軍勢を率いてエルサレムに攻めて来て、これを包囲した。
2 ゼデキヤの第十一年、第四の月の九日に、町は破られた。
3 そのとき、バビロンの王のすべての首長たちが入って来て、中央の門に座を占めた。すなわち、ネルガル・サル・エツェル、サムガル・ネブ、74ラブ・サリスのサル・セキム、75ラブ・マグのネルガル・サル・エツェル、およびバビロンの王の首長の残り全員である。
4 ユダの王ゼデキヤとすべての戦士は、彼らを見て逃げ、夜の間に、王の園の道伝いに、二重の城壁の間の門を通って町を出、アラバへの道に出た。
5 しかし、カルデヤの軍勢は彼らのあとを追い、エリコの草原でゼデキヤに追いつき、彼を捕らえて、ハマテの地のリブラにいるバビロンの王ネブカデレザルのもとに連れ上った。そこで、王は彼に宣告を下した。
6 バビロンの王はリブラで、ゼデキヤの子たちをその目の前で虐殺し、またユダのおもだった人たちもみな虐殺し、
7 ゼデキヤの目をつぶし、彼を青銅の足かせにつないで、バビロンに連れて行った。
8 カルデヤ人は、王宮も民の家も火で焼き、エルサレムの城壁を取りこわした。
9侍従長ネブザルアダンは、町に残されていた残りの民と、王に降伏した投降者たちと、そのほかの残されていた民を、バビロンへ捕らえ移した。
10 しかし侍従長ネブザルアダンは、何も持たない貧民の一部をユダの地に残し、その日、彼らにぶどう畑と畑を与えた。
11 バビロンの王ネブカデレザルは、エレミヤについて、侍従長ネブザルアダンに次のように命じた。
12 「彼を連れ出し、目をかけてやれ。何も悪いことをするな。ただ、彼があなたに語るとおりに、彼にせよ。」
13 こうして、侍従長ネブザルアダンと、ラブ・サリスのネブシャズ・バンと、ラブ・マグのネルガル・サル・エツェルと、バビロンの王のすべての高官たちは、
14 人を遣わして、エレミヤを、監視の庭から連れ出し、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤに渡して、その家に連れて行かせた。こうして彼は民の間に住んだ。
15 エレミヤが監視の庭に閉じ込められているとき、エレミヤに次のような主のことばがあった。
16 「行って、76クシュ人エベデ・メレクに話して言え。『イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。見よ。わたしはこの町にわたしのことばを実現する。幸いのためではなく、わざわいのためだ。それらは、その日、あなたの前で起こる。
17 しかしその日、わたしはあなたを救い出す。──主の御告げ──あなたはあなたが恐れている者たちの手に渡されることはない。
18 わたしは必ずあなたを助け出す。あなたは剣に倒れず、あなたのいのちはあなたの分捕り物としてあなたのものになる。それは、あなたがわたしに信頼したからだ。──主の御告げ──』」
1侍従長ネブザルアダンがラマからエレミヤを釈放して後に、主からエレミヤにあったみことば。──彼がエレミヤを連れ出したとき、エレミヤは、バビロンへ引いて行かれるエルサレムとユダの捕囚の民の中で、鎖につながれていた。──
2侍従長はエレミヤを連れ出して、彼に言った。「あなたの神、主は、この所にこのわざわいを下すと語られたが、
3主はこれを下し、語られたとおりに行われた。あなたがたが主に罪を犯して、その御声に聞き従わなかったので、このことがあなたがたに下ったのだ。
4 そこで今、見よ、私はきょう、あなたの手にある鎖を解いてあなたを釈放する。もし、私とともにバビロンへ行くのがよいと思うなら、行きなさい。私はあなたに目をかけよう。しかし、もし、私といっしょにバビロンへ行くのが気に入らないならやめなさい。見よ。全地はあなたの前に広がっている。あなたが行くのによいと思う、気に入った所へ行きなさい。」
5 しかし彼がまだ帰ろうとしないので、「では、バビロンの王がユダの町々をゆだねたシャファンの子アヒカムの子ゲダルヤのところへ帰り、彼とともに民の中に住みなさい。でなければ、あなたが行きたいと思う所へ、どこへでも行きなさい。」こうして侍従長は、食糧と贈り物を与えて、彼を去らせた。
6 そこでエレミヤは、ミツパにいるアヒカムの子ゲダルヤのところに行って、彼とともに、国に残された民の中に住んだ。
7 野にいた将校たちとその部下たちはみな、バビロンの王がアヒカムの子ゲダルヤをその国の総督にし、彼に、バビロンに捕らえ移されなかった男、女、子どもたち、国の貧民たちをゆだねたことを聞いた。
8 ネタヌヤの子イシュマエル、カレアハの子らヨハナンとヨナタン、タヌフメテの子セラヤ、ネトファ人エファイの子ら、マアカ人の子エザヌヤと、彼らの部下たちは、ミツパにいるゲダルヤのもとに来た。
9 そこで、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤは、彼らとその部下たちに誓って言った。「カルデヤ人に仕えることを恐れてはならない。この国に住んで、バビロンの王に仕えなさい。そうすれば、あなたがたはしあわせになる。
10 私も、このように、ミツパに住んで、私たちのところに来るカルデヤ人の前に立とう。あなたがたも、ぶどう酒、夏のくだもの、油を集めて、自分の器に納め、あなたがたの取った町々に住むがよい。」
11 モアブや、アモン人のところや、エドムや、あらゆる地方にいたユダヤ人はみな、バビロンの王がユダに人を残したこと、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤを彼らの総督に任命したことを聞いた。
12 そこで、ユダヤ人はみな、散らされていたすべての所からユダの地に帰って来て、ミツパのゲダルヤのもとに行き、ぶどう酒と夏のくだものを非常に多く集めた。
13 さて、野にいたカレアハの子ヨハナンと、すべての将校たちは、ミツパのゲダルヤのもとに来て、
14 彼に言った。「あなたは、アモン人の王バアリスがネタヌヤの子イシュマエルを送って、あなたを打ち殺そうとしているのを、いったい、ご存じですか。」しかし、アヒカムの子ゲダルヤは、彼らの言うことを信じなかった。
15 カレアハの子ヨハナンは、ミツパでひそかにゲダルヤに話して言った。「では、私が行って、ネタヌヤの子イシュマエルを、だれにもわからないように、打ち殺しましょう。どうして、彼があなたを打ち殺し、あなたのもとに集められた全ユダヤ人が散らされ、ユダの残りの者が滅びてよいでしょうか。」
16 しかし、アヒカムの子ゲダルヤは、カレアハの子ヨハナンに言った。「そんなことをしてはならない。あなたこそ、イシュマエルについて偽りを語っているからだ。」
1 ところが第七の月に、王族のひとり、エリシャマの子ネタヌヤの子イシュマエルは、王の高官と十人の部下を連れて、ミツパにいるアヒカムの子ゲダルヤのもとに来て、ミツパで食事を共にした。
2 そのとき、ネタヌヤの子イシュマエルと、彼とともにいた十人の部下は立ち上がって、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤを剣で打ち殺した。イシュマエルは、バビロンの王がこの国の総督にした者を殺した。
3 ミツパでゲダルヤとともにいたすべてのユダヤ人と、そこに居合わせたカルデヤ人の戦士たちをも、イシュマエルは打ち殺した。
4 ゲダルヤが殺された次の日、まだだれも知らないとき、
5 シェケムや、シロや、サマリヤから八十人の者がやって来た。彼らはみな、ひげをそり、衣を裂き、身に傷をつけ、手に穀物のささげ物や乳香を持って、主の宮に持って行こうとしていた。
6 ネタヌヤの子イシュマエルは、彼らを迎えにミツパを出て、泣きながら歩いて行き、彼らに出会ったとき、言った。「アヒカムの子ゲダルヤのところにおいでなさい。」
7 彼らが町の中に入ったとき、ネタヌヤの子イシュマエルと、彼とともにいた部下たちは、彼らを殺して穴の中に投げ入れた。
8 彼らのうちの十人がイシュマエルに、「私たちを殺さないでください。私たちは、小麦、大麦、油、蜜を畑に隠していますから」と言ったので、彼は、彼らをその仲間とともに殺すのはやめた。
9 イシュマエルが打ち殺した、77ゲダルヤの指揮下の人たちのすべての死体を投げ入れた穴は、アサ王がイスラエルの王バシャを恐れて作ったものであった。ネタヌヤの子イシュマエルはそれを、殺された者で満たした。
10 イシュマエルは、ミツパに残っていたすべての民、すなわち王の娘たちと、侍従長ネブザルアダンがアヒカムの子ゲダルヤにゆだねた、ミツパに残っていたすべての民とをとりこにした。ネタヌヤの子イシュマエルは彼らをとりこにして、アモン人のところに渡ろうとして出かけて行った。
11 カレアハの子ヨハナンと、彼とともにいたすべての将校は、ネタヌヤの子イシュマエルが行ったすべての悪を聞いたので、
12 部下をみな連れて、ネタヌヤの子イシュマエルと戦うために出て行き、ギブオンにある大池のほとりで彼を見つけた。
13 イシュマエルとともにいたすべての民は、カレアハの子ヨハナンと、彼とともにいるすべての将校を見て喜んだ。
14 イシュマエルがミツパからとりこにして来たすべての民は身を翻して、カレアハの子ヨハナンのもとに帰って行った。
15 ネタヌヤの子イシュマエルは、八人の者とともにヨハナンの前をのがれて、アモン人のところへ行った。
16 カレアハの子ヨハナンと、彼とともにいたすべての将校は、ネタヌヤの子イシュマエルがアヒカムの子ゲダルヤを打ち殺して後、ミツパから、ネタヌヤの子イシュマエルから取り返したすべての残りの民、すなわちギブオンから連れ帰った勇士たち、戦士たち、女たち、子どもたち、および宦官たちを連れて、
17 エジプトに行こうとして、ベツレヘムのかたわらにあるゲルテ・キムハムへ行って、そこにとどまった。
18 それは、バビロンの王がこの国の総督としたアヒカムの子ゲダルヤをネタヌヤの子イシュマエルが打ち殺したので、カルデヤ人を恐れて、彼らから逃げるためであった。
1 すべての将校たち、カレアハの子ヨハナン、ホシャヤの子イザヌヤ、および身分の低い者も高い者もみな、寄って来て、
2預言者エレミヤに言った。「どうぞ、私たちの願いを聞いてください。私たちのため、この残った者みなのために、あなたの神、主に、祈ってください。ご覧のとおり、私たちは多くの者の中からごくわずかだけ残ったのです。
3 あなたの神、主が、私たちの歩むべき道と、なすべきことを私たちに告げてくださいますように。」
4 そこで、預言者エレミヤは彼らに言った。「承知しました。今、私は、あなたがたのことばのとおり、あなたがたの神、主に祈り、主があなたがたに答えられることはみな、あなたがたに告げましょう。何事も、あなたがたに隠しません。」
5 彼らはエレミヤに言った。「主が私たちの間で真実な確かな証人でありますように。私たちは、すべてあなたの神、主が私たちのためにあなたを送って告げられることばのとおりに、必ず行います。
6 私たちは良くても悪くても、あなたを遣わされた私たちの神、主の御声に聞き従います。私たちが私たちの神、主の御声に聞き従ってしあわせを得るためです。」
7 十日の後、主のことばがエレミヤにあった。
8 彼はカレアハの子ヨハナンと、彼とともにいるすべての将校と、身分の低い者や高い者をみな呼び寄せて、
9 彼らに言った。「あなたがたが私を遣わして、あなたがたの願いを御前に述べさせたイスラエルの神、主は、こう仰せられる。
10 『もし、あなたがたがこの国にとどまるなら、わたしはあなたがたを建てて、倒さず、あなたがたを植えて、引き抜かない。わたしはあなたがたに下したあのわざわいを思い直したからだ。
11 あなたがたが恐れているバビロンの王を恐れるな。彼をこわがるな。──主の御告げ──わたしはあなたがたとともにいて、彼の手からあなたがたを救い、彼の手からあなたがたを救い出すからだ。
12 わたしがあなたがたにあわれみを施すので、彼は、あなたがたをあわれみ、あなたがたをあなたがたの土地に帰らせる。』
13 しかしあなたがたが、『私たちはこの国にとどまらない』と言って、あなたがたの神、主の御声を聞かず、
14 『いや、エジプトの国に行こう。あそこでは戦いに会わず、角笛の音も聞かず、パンにも飢えることがないから、あそこに、私たちは住もう』と言っているのなら、
15 今、ユダの残りの者よ、主のことばを聞け。イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『もし、あなたがたがエジプトに行こうと堅く決心し、そこに行って寄留するなら、
16 あなたがたの恐れている剣が、あのエジプトの国であなたがたに追いつき、あなたがたの心配しているききんが、あのエジプトであなたがたに追いすがり、あなたがたはあそこで死のう。
17 エジプトに行ってそこに寄留しようと決心した者たちはみな、そこで剣とききんと疫病で死に、わたしが彼らに下すわざわいをのがれて生き残る者はいない。』
18 まことに、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『わたしの怒りと憤りが、エルサレムの住民の上に注がれたように、あなたがたがエジプトに行くとき、わたしの憤りはあなたがたの上に注がれ、あなたがたは、のろいと、恐怖と、ののしりと、そしりになり、二度とこの所を見ることができない。』
19 ユダの残りの者よ。主はあなたがたに『エジプトへ行ってはならない』と仰せられた。きょう、私があなたがたにあかししたことを、確かに知らなければならない。
20 あなたがたは迷い出てしまっている。あなたがたは私をあなたがたの神、主のもとに遣わして、『私たちのために、私たちの神、主に祈り、すべて私たちの神、主の仰せられるとおりに、私たちに告げてください。私たちはそれを行います』と言ったのだ。
21 だから、私は、きょう、あなたがたに告げたのに、あなたがたは、あなたがたの神、主の御声を聞かず、すべてそのために主が私をあなたがたに遣わされたことを聞かなかった。
22 だから今、確かに知れ。あなたがたは、行って寄留したいと思っているその所で、剣とききんと疫病で死ぬことを。」
1 エレミヤはすべての民に、彼らの神、主のことばを語り終えた。それは彼らの神、主が、このすべてのことばをもって彼を遣わされたものであった。
2 すると、ホシャヤの子アザルヤと、カレアハの子ヨハナンと、高ぶった人たちはみな、エレミヤに告げて言った。「あなたは偽りを語っている。私たちの神、主は『エジプトに行って寄留してはならない』と言わせるために、あなたを遣わされたのではない。
3 ネリヤの子バルクが、あなたをそそのかして私たちに逆らわせ、私たちをカルデヤ人の手に渡して、私たちを死なせ、また、私たちをバビロンへ引いて行かせようとしているのだ。」
4 カレアハの子ヨハナンと、すべての将校と、すべての民は、「ユダの国にとどまれ」という主の御声に聞き従わなかった。
5 そして、カレアハの子ヨハナンと、すべての将校は、散らされていた国々からユダの国に住むために帰っていたユダの残りの者すべてを、
6 男も女も子どもも、王の娘も、それに、侍従長ネブザルアダンが、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤに託したすべての者、預言者エレミヤと、ネリヤの子バルクをも連れて、
7 エジプトの国に行った。彼らは主の御声に聞き従わなかったのである。こうして、彼らはタフパヌヘスまで来た。
8 タフパヌヘスで、エレミヤに次のような主のことばがあった。
9 「あなたは手に大きな石を取り、それらを、ユダヤ人たちの目の前で、タフパヌヘスにあるパロの宮殿の入口にある敷石のしっくいの中に隠して、
10 彼らに言え。
イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。見よ。わたしは人を送り、わたしのしもべバビロンの王ネブカデレザルを連れて来て、彼の王座を、わたしが隠したこれらの石の上に据える。彼はその石の上に本営を張ろう。
11 彼は来てエジプトの国を打ち、死に定められた者を死に渡し、とりこに定められた者をとりこにし、剣に定められた者を剣に渡す。
1278彼はエジプトの神々の宮に火をつけて、それらを焼き、彼らをとりこにする。彼は牧者が自分の着物のしらみをつぶすようにエジプトの国をつぶして、ここから無事に去って行こう。
13 彼はエジプトの国にある太陽の宮の柱を砕き、エジプトの神々の宮を火で焼こう。」
1 エジプトの国に住むすべてのユダヤ人、すなわちミグドル、タフパヌヘス、79ノフ、およびパテロス地方に住む者たちについて、エレミヤにあったみことばは、次のとおりである。
2 「イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『あなたがたは、わたしがエルサレムとユダのすべての町に下したあのすべてのわざわいを見た。見よ。それらはきょう、廃墟となって、そこに住む者もない。
3 それは、彼らが悪を行ってわたしの怒りを引き起こし、彼ら自身も、あなたがたも先祖も知らなかったほかの神々のところに行き、香をたいて仕えたためだ。
4 それでわたしはあなたがたに、わたしのしもべであるすべての預言者たちを早くからたびたび送り、どうか、わたしの憎むこの忌みきらうべきことを行わないように、と言ったのに、
5 彼らは聞かず、耳も傾けず、ほかの神々に80香をたいて、その悪から立ち返らなかった。
6 それで、わたしの憤りと怒りが、ユダの町々とエルサレムのちまたに注がれて燃え上がり、それらは今日のように廃墟となり荒れ果ててしまった。』
7 それで今、イスラエルの神、万軍の神、主は、こう仰せられる。『あなたがたは自分自身に大きなわざわいを招こうとしているのか。なぜユダの中から男も女も、幼子も乳飲み子も断ち、残りの者を生かしておかないようにするのか。
8 なぜ、あなたがたの手のわざによってわたしの怒りを引き起こし、寄留しに来たエジプトの国でも、ほかの神々に香をたき、あなたがた自身を断ち滅ぼし、地のすべての国の中で、ののしりとなり、そしりとなろうとするのか。
9 あなたがたは、ユダの国とエルサレムのちまたで行ったあなたがたの先祖の悪、ユダの王たちの悪、王妃たちの悪、あなたがたの悪、妻たちの悪を忘れたのか。
10 彼らは今日まで心砕かれず、恐れず、わたしがあなたがたとあなたがたの先祖の前に与えたわたしの律法と定めに歩まなかった。』
11 それゆえ、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『見よ。わたしは、わたしの顔をあなたがたからそむけて、わざわいを下し、ユダのすべての民を断ち滅ぼそう。
12 わたしは、寄留しにエジプトの国へ行こうと決心したユダの残りの者を取り除く。彼らはみな、エジプトの国で、剣とききんに倒れて滅びる。身分の低い者も高い者もみな、剣とききんで死に、のろい、恐怖、ののしり、そしりとなる。
13 わたしは、エルサレムを罰したと同じように、エジプトの国に住んでいる者たちを、剣とききんと疫病で罰する。
14 エジプトの国に来てそこに寄留しているユダの残りの者のうち、のがれて生き残る者、帰って行って住みたいと願っているユダの地へ帰れる者はいない。ただのがれる者だけが帰れよう。』」
15 すると、自分たちの妻がほかの神々に香をたいていることを知っているすべての男たちと、大集団をなしてそばに立っているすべての女たち、すなわち、エジプトの国とパテロスに住むすべての民は、エレミヤに答えて言った。
16 「あなたが主の御名によって私たちに語ったことばに、私たちは従うわけにはいかない。
17 私たちは、私たちの口から出たことばをみな必ず行って、私たちも、先祖たちも、私たちの王たちも、首長たちも、ユダの町々やエルサレムのちまたで行っていたように、天の女王にいけにえをささげ、それに注ぎのぶどう酒を注ぎたい。私たちはその時、パンに飽き足り、しあわせでわざわいに会わなかったから。
18 私たちが天の女王にいけにえをささげ、それに注ぎのぶどう酒を注ぐのをやめた時から、私たちは万事に不足し、剣とききんに滅ぼされた。」
19 「私たち女が、天の女王にいけにえをささげ、それに注ぎのぶどう酒を注ぐとき、女王にかたどった供えのパン菓子を作り、注ぎのぶどう酒を注いだのは、私たちの夫と相談せずにしたことでしょうか。」
20 そこでエレミヤは、男女のすべての民と、彼に口答えしたすべての民に語って言った。
21 「ユダの町々やエルサレムのちまたで、あなたがたや、あなたがたの先祖や、王たちや、首長たち、それに一般の人々がいけにえをささげたことを主は覚え、心に思い浮かべられたのではないか。
22主は、あなたがたの悪い行い、あなたがたが行ったあの忌みきらうべきことのために、もう耐えられず、それであなたがたの国は今日のように、住む者もなく、廃墟となり、恐怖、ののしりとなった。
23 あなたがたがいけにえをささげ、主に罪を犯して、主の御声に聞き従わず、主の律法と定めとあかしに歩まなかったために、あなたがたに、このわざわいが今日のように来たのだ。」
24 ついで、エレミヤは、すべての民、すべての女に言った。「エジプトの国にいるすべてのユダの人々よ。主のことばを聞け。
25 イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『あなたがたとあなたがたの妻は、自分たちの口で約束したことをその手で果たせ。あなたがたは、私たちは天の女王にいけにえをささげ、それに注ぎのぶどう酒を注ごうと誓った誓願を、必ず実行すると言っている。では、あなたがたの誓願を確かに果たし、あなたがたの誓願を必ず実行せよ。』
26 それゆえ、エジプトの国に住むすべてのユダの人々。主のことばを聞け。『見よ。わたしはわたしの偉大な名によって誓う。──主は仰せられる──エジプトの全土において、81神である主は生きておられると言って、わたしの名がユダヤ人の口にとなえられることはもうなくなる。
27 見よ。わたしは彼らを見張っている。わざわいのためであって、幸いのためではない。エジプトの国にいるすべてのユダヤ人は、剣とききんによって、ついには滅び絶える。
28剣をのがれる少数の者だけが、エジプトの国からユダの国に帰る。こうして、エジプトの国に来て寄留しているユダの残りの者たちはみな、わたしのと彼らのと、どちらのことばが成就するかを知る。
29 これがあなたがたへのしるしである。──主の御告げ──わたしはこの所であなたがたを罰する。それは、あなたがたにわざわいを下すというわたしのことばは必ず成就することをあなたがたが知るためである。』
30主はこう仰せられる。『見よ。わたしは、ユダの王ゼデキヤを、そのいのちをねらっていた彼の敵、バビロンの王ネブカデレザルの手に渡したように、エジプトの王パロ・ホフラをその敵の手、そのいのちをねらう者たちの手に渡す。』」
1 ネリヤの子バルクが、ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第四年に、エレミヤの口述によってこれらのことばを書物に書いたときに、預言者エレミヤが彼に語ったことばは、こうである。
2 「バルクよ。イスラエルの神、主は、あなたについてこう仰せられる。
3 あなたは言った。『ああ、哀れなこの私。主は私の痛みに悲しみを加えられた。私は嘆きで疲れ果て、いこいもない。』
4 あなたが主にこう言うので、主はこう仰せられる。『見よ。わたしは自分が建てた物を自分でこわし、わたしが植えた物を自分で引き抜く。この全土をそうする。
5 あなたは、自分のために大きなことを求めるのか。求めるな。見よ。わたしがすべての肉なる者に、わざわいを下すからだ。──主の御告げ──しかし、わたしは、あなたの行くどんな所ででも、あなたのいのちを分捕り物としてあなたに与える。』」
1諸国の民について、預言者エレミヤにあった主のことば。
2 エジプトについて、すなわちユーフラテス河畔のカルケミシュにいたエジプトの王パロ・ネコの軍勢について。ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第四年に、バビロンの王ネブカデレザルはこれを打ち破った。
3 「盾と大盾を整えて、戦いに向かえ。
4 騎兵よ。馬に鞍をつけて乗れ。
かぶとを着けて部署につけ。
槍をみがき、よろいを着よ。
5 何ということか、この有様。
彼らはおののき、うしろに退く。
勇士たちは打たれ、
うしろも振り向かずに逃げ去った。
恐れが回りにある。――主の御告げ――
6 足の速い者も逃げることができない。
勇士たちものがれることができない。
北のほう、ユーフラテス川のほとりで、
彼らはつまずき倒れた。
7 ナイル川のようにわき上がり、
川々のように寄せては返すこの者はだれか。
8 エジプトだ。――ナイル川のようにわき上がり、
川々のように寄せては返す。
彼は言った。『わき上がって地をおおい、
町も住民も滅ぼしてしまおう。』
9 馬よ、上れ。戦車よ、走れ。
勇士たちよ、出陣だ。
盾を取る82クシュ人、プテ人、
弓を引き張るルデ人よ。
10 その日は、万軍の神、主の日、
仇に復讐する復讐の日。
剣は食らって飽き、彼らの血に酔う。
北の地、ユーフラテス川のほとりでは、
万軍の神、主に、いけにえがささげられる。
11 おとめエジプトの娘よ。
ギルアデに上って乳香を取れ。
多くの薬を使ってもむなしい。
あなたはいやされない。
12 国々は、あなたの恥を聞いた。
あなたの哀れな叫び声は地に満ちた。
勇士は勇士につまずき、共に倒れたからだ。」
13 バビロンの王ネブカデレザルが来て、エジプトの国を打つことについて、主が預言者エレミヤに語られたみことば。
14 エジプトで告げ、ミグドルで聞かせ、
83ノフとタフパヌヘスで聞かせて言え。
「立ち上がって備えをせよ。
剣があなたの回りを食い尽くしたからだ。
15 なぜ、あなたの84雄牛は押し流されたのか。
立たなかったのか。
主が彼を追い払われたからだ。
16 多くの者がつまずき、倒れた。
彼らは互いに言った。
『さあ、私たちの民のところ、
生まれ故郷に帰ろう。
あのしいたげる者の剣を避けて。』
エジプトの王パロは、時期を逸して騒ぐ者。
18 わたしは生きている。
――その名を万軍の主という王の御告げ――
彼は山々の中のタボルのように、
海のほとりのカルメルのように、必ず来る。
19 エジプトに住む娘よ。捕虜になる身支度をせよ。
87ノフは荒れ果て、
廃墟となって住む人もなくなるからだ。
20 エジプトはかわいい雌の子牛。
北からあぶが襲って来る。
21 その中にいた傭兵も、
肥えた子牛のようだった。
彼らもまた、背を向けて共に逃げ、
立ち止まろうともしなかった。
彼らの滅びの日、刑罰の時が、
彼らの上に来たからだ。
22 彼女の声は蛇のように消え去る。
彼らは軍勢を率いて来る。
きこりのように、斧を持って入って来る。
23 彼らはその森を切り倒す。――主の御告げ――
それは測り知られず、
いなごより多くて数えることができないからだ。
24 娘エジプトは、はずかしめられ、
北の民の手に渡された。」
25 イスラエルの神、万軍の主は、仰せられる。「見よ。わたしは、88ノのアモンと、パロとエジプト、その神々と王たち、パロと彼に拠り頼む者たちとを罰する。
26 わたしは彼らを、そのいのちをねらっている者たちの手、すなわちバビロンの王ネブカデレザルの手とその家来たちの手に渡す。その後、エジプトは、昔の日のように人が住むようになる。――主の御告げ――
27 わたしのしもべヤコブよ。恐れるな。
イスラエルよ。おののくな。
見よ。わたしが、あなたを遠くから、
あなたの子孫を捕囚の地から、救うからだ。
ヤコブは帰って来て、平穏に安らかに生き、
おびえさせる者はだれもいない。
28 わたしのしもべヤコブよ。恐れるな。
――主の御告げ――
わたしがあなたとともにいるからだ。
わたしは、あなたを追いやった先の
すべての国々を滅ぼし尽くすからだ。
わたしはあなたを滅ぼし尽くさない。
公義によって、あなたを懲らしめ、
あなたを罰せずにおくことは決してないが。」
1 パロがまだガザを打たないうちに、ペリシテ人について、預言者エレミヤにあった主のことば。
2主はこう仰せられる。
「見よ。北から水が上って来て、
あふれる流れとなり、
地と、それに満ちるもの、
町とその住民とにあふれかかる。
人々は泣き叫び、地の住民はみな泣きわめく。
3 荒馬のひづめの音、
戦車の響き、車輪の騒音のため、
父たちは気力を失って、子らを顧みない。
4 すべてのペリシテ人を破滅させる日が
来たからだ。
その日には、ツロとシドンを、
生き残って助ける者もみな、断ち滅ぼされる。
主が、カフトルの島に残っているペリシテ人も
破滅させるからだ。
5 ガザは頭をそられ、
アシュケロンは滅びうせた。
89アナク人の残りの者よ。
いつまで、あなたは身を傷つけるのか。」
6 「ああ。主の剣よ。
いつまで、おまえは休まないのか。
さやに納まり、静かに休め。」
7 どうして、おまえは休めよう。
主が剣に命じられたのだ。
アシュケロンとその海岸――
そこに剣を向けられたのだ。
1 モアブについて。イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。
「ああ、悲しいかな、ネボ。これは荒らされた。
キルヤタイムもはずかしめられ、攻め取られた。
そのとりでは、はずかしめられて
打ちのめされた。
2 もはやモアブの栄誉はない。
ヘシュボンでは、これに悪事をたくらんでいる。
『行って、あの国民を断ち滅ぼして
無き者にしよう。』
マデメンよ。おまえも黙る。
剣がおまえのあとを追っている。」
3 聞け。ホロナイムからの悲鳴。
「破壊だ。大破滅だ」と。
4 モアブは打ち破られた。
その叫びは90ツォアルまで聞こえた。
5 ルヒテの坂を泣きながら嘆きが上る。
敵はホロナイムの下り坂では、
いたいたしい破滅の叫びを聞いた。
6 逃げて、おまえたちのいのちを救え。
荒野の中の91野ろばのようになれ。
7 おまえは自分の92作った物や
財宝に拠り頼んだので、
おまえまで捕らえられ、
ケモシュはその祭司や首長たちとともに、
捕囚となって出て行く。
8 荒らす者がすべての町に入って来る。
一つの町ものがれることができない。
谷は滅びうせ、平地は根絶やしにされる。
主が仰せられるからだ。
9 モアブに翼を与えて、飛び去らせよ。
その町々は住む者もなくて荒れ果てる。
10主のみわざをおろそかにする者は、のろわれよ。その剣をとどめて血を流さないようにする者は、のろわれよ。
11 モアブは若い時から安らかであった。
彼はぶどう酒のかすの上にじっとたまっていて、
器から器へあけられたこともなく、
捕囚として連れて行かれたこともなかった。
それゆえ、その味はそのまま残り、
かおりも変わらなかった。
12 「それゆえ、見よ、その日が来る。――主の御告げ――その日、わたしは、彼に酒蔵の番人を送る。彼らはそれを器から移し、その器をあけ、そのつぼを砕く。
13 モアブは、ケモシュのために恥を見る。イスラエルの家が、彼らの拠り頼むベテルのために恥を見たように。」
14 どうして、あなたがたは「われわれは勇士、戦いの豪の者」と言えようか。
15 モアブは荒らされ、その町々は襲われて、
えり抜きの若者たちも、ほふり場に下って行く。
――その名を万軍の主という王の御告げ――
16 モアブの災難は近づいた。
そのわざわいは、すみやかに来る。
17 その回りの者、その名を知る者はみな、
これのために嘆け。
「どうして力ある杖、美しい笏が砕かれたのか」
と言え。
18 ディボンに住む娘よ。
栄光の座からおりて、潤いのない地にすわれ。
モアブを荒らす者が、あなたを襲い、
あなたの要塞を滅ぼしたからだ。
19 アロエルに住む女よ。
道のかたわらに立って見張れ。
逃げて来る男、のがれて来る女に尋ねて、
「何が起こったのか」と言え。
20 モアブは打ちのめされて、はずかしめられた。
泣きわめき、叫べ。
アルノンで、「モアブは荒らされた」と告げよ。
21 さばきは次の平地に来た。ホロン、ヤハツ、メファアテ、
22 ディボン、ネボ、ベテ・ディブラタイム、
23 キルヤタイム、ベテ・ガムル、ベテ・メオン、
24 ケリヨテ、ボツラ、モアブの国の遠近のすべての町々に。
25 「モアブの角は切り落とされ、
その腕は砕かれた。――主の御告げ――」
26 彼を酔わせよ。主に対して高ぶったからだ。モアブは、へどを吐き散らし、彼もまた物笑いとなる。
27 イスラエルは、あなたの物笑いではなかったのか。それとも、あなたが彼のことを語るたびごとに彼に向かって頭を振っていたのは、彼が見つけられた盗人のひとりであったためか。
28 モアブの住民よ。
町を見捨てて岩間に住め。
穴の入口のそばに巣を作る鳩のようになれ。
29 私たちはモアブの高ぶりを聞いた。
実に高慢だ。
その高慢、その高ぶり、
その誇り、その心の高ぶりを。
30 「わたしは、彼の高ぶりを知っている。――主の御告げ――その自慢話は正しくない。その行いも正しくない。」
31 それゆえ、モアブのために私は泣きわめき、モアブ全体のために私は叫ぶ。キル・ヘレスの人々のために嘆く。
32 シブマのぶどうの木よ。
ヤゼルの涙にまさって、私はおまえのために泣く。
おまえのつるは伸びて海を越えた。
ヤゼルの海に達した。
おまえの夏のくだものとぶどうの取り入れを、
荒らす者が襲った。
33 「モアブの果樹園とその国から、
喜びと楽しみは取り去られ、
私は酒ぶねから酒を絶やした。
喜びの声をあげてぶどうを踏む者もなく、
ぶどう踏みの喜びの声は、
もう喜びの声ではない。」
34 ヘシュボンが叫んだため、その声はエルアレとヤハツまで、ツォアルからホロナイムやエグラテ・シェリシヤまで届いた。ニムリムの水さえ、荒廃した地となるからだ。
35 「またわたしは、モアブの、――主の御告げ――高き所でいけにえをささげ、その神々に香をたく者を取り除く。」
36 それゆえ、私の心はモアブのために笛のように鳴り、私の心はキル・ヘレスの人々のために笛のように鳴る。彼らの得た富も消えうせたからだ。
37 彼らは頭の毛をみなそり、ひげもみな切り取り、手にもみな傷をつけ、腰に荒布を着けているからだ。
38 モアブのすべての屋根の上や、広場には、ただ嘆きだけがある。
「わたしがモアブを、だれにも喜ばれない器のように、砕いたからだ。――主の御告げ――」
39 どうしてこうも打ちのめされて、泣きわめくのか。どうして、モアブは恥を見、背を見せたのか。モアブは、その回りのすべての者の物笑いとなり、恐れとなってしまった。
40 まことに、主はこう仰せられる。「見よ。彼は鷲のように飛びかかり、モアブに向かって翼を広げる。
41 町々は攻め取られ、要害は取られる。
その日、モアブの勇士の心も、
産みの苦しみをする女の心のようになる。
42 モアブは滅ぼされて、民でなくなった。
主に対して高ぶったからだ。
43 モアブの住民よ。恐れと穴とわなとが、
あなたを襲う。――主の御告げ――
44 その恐れから逃げた者は、穴に落ち、
穴から上る者は、わなに捕らえられる。
わたしがモアブに、
彼らの刑罰の年を来させるからだ。
――主の御告げ――
45 ヘシュボンの陰には、
のがれる者たちが力尽きて立ち止まる。
火がヘシュボンから、炎がシホンのうちから出て、
モアブのこめかみと、
騒がしい子らの頭の頂を焼いた。
46 ああ。モアブ。
ケモシュの民は滅びた。
あなたの息子はとりこにされ、
娘は捕虜になって連れ去られた。
47 しかし終わりの日に、
わたしはモアブの繁栄を元どおりにする。
――主の御告げ――」
ここまではモアブへのさばきである。
1 アモン人について。主はこう仰せられる。
「イスラエルには子がないのか。
世継ぎがないのか。
なぜ、93彼らの王がガドを所有し、
その民が町々に住んだのか。
2 それゆえ、見よ、その日が来る。
――主の御告げ――
その日、わたしは、アモン人のラバに
戦いの雄たけびを聞かせる。
そこは荒れ果てた廃墟となり、
その娘たちは火で焼かれる。
イスラエルがその跡を継ぐ」と
主は仰せられる。
3 「ヘシュボンよ。泣きわめけ。
アイが荒らされたから。
ラバの娘たちよ。叫べ。荒布をまとえ。
嘆いて囲い場の中を走り回れ。
94彼らの王が、その祭司や首長たちとともに、
捕囚として連れて行かれるからだ。
4 裏切り娘よ。
あなたの谷には水が流れているからといって、
なぜ、その多くの谷を誇るのか。
あなたは自分の財宝に拠り頼んで、95言う。
『だれが、私のところに来よう。』
5 見よ。わたしは四方からあなたに
恐怖をもたらす。――万軍の96神、主の御告げ――
あなたがたはみな、散らされて、
逃げる者を集める者もいない。
6 そうして後、
わたしはアモン人の繁栄を元どおりにする。
――主の御告げ――」
7 エドムについて。万軍の主はこう仰せられた。
「テマンには、もう知恵がないのか。
賢い者から分別が消えうせ、
彼らの知恵は朽ちたのか。
8 デダンの住民よ。逃げよ、のがれよ。
深く潜め。
わたしがエサウの災難をもたらすからだ。
彼を罰する時だ。
9 ぶどうを収穫する者たちが、
あなたのところに来るなら、
彼らは取り残しの実を残さない。
盗人は、夜中に来るなら、
彼らの気のすむまで荒らす。
10 わたしがエサウを裸にし、
その隠し所をあらわにし、
身を隠すこともできないようにするからだ。
彼の子孫も兄弟も隣人も
踏みにじられてひとりもいなくなる。
11 あなたのみなしごたちを見捨てよ。
わたしが彼らを生きながらえさせる。
あなたのやもめたちは、
わたしに拠り頼まなければならない。」
12 まことに主はこう仰せられる。「見よ。あの杯を飲むように定められていない者も、それを飲まなければならない。あなただけが罰を免れることができようか。罰を受けずには済まない。いや、あなたは必ずそれを飲まなければならない。
13 わたしは自分にかけて誓ったからだ。――主の御告げ――必ずボツラは恐怖、そしりとなり、廃墟、ののしりとなる。そのすべての町々は、永遠の廃墟となる。」
14 私は主から知らせを聞いた。
「使者が国々の間に送られた。
『集まって、エドムに攻め入れ。
戦いに立ち上がれ。』
15 見よ。わたしはあなたを国々の中の小さい者、
人にさげすまれる者とするからだ。
16 岩の住みかに住む者、丘の頂を占める者よ。
あなたの脅かしが、あなた自身を欺いた。
あなたの心は高慢だ。
あなたが鷲のように巣を高くしても、
わたしは、そこから引き降ろす。
――主の御告げ――」
17 エドムは恐怖となり、そこを通り過ぎる者はみな、色を失い、そのすべての打ち傷を見てあざける。
18 ソドムとゴモラとその近隣の破滅のように、――主は仰せられる――そこに人は住まず、そこに人の子は宿らない。
19 「見よ。獅子がヨルダンの密林から水の絶えず流れる牧場に上って来るように、わたしは一瞬にして彼らをそこから追い出そう。わたしは、選ばれた人をそこに置く。なぜなら、だれかわたしのような者があろうか。だれかわたしを呼びつける者があろうか。だれかわたしの前に立つことのできる牧者があろうか。」
20 それゆえ、エドムに対してめぐらされた主のはかりごとと、テマンの住民に対して立てられたご計画を聞け。
必ず、群れの小さい者まで引きずって行かれ、
必ず、彼らの牧場はそのことでおびえる。
21 彼らの倒れる音で地は震え、
その叫び声が97葦の海でも聞こえた。
22 見よ。彼は鷲のように舞い上がっては襲い、ボツラの上に翼を広げる。その日、エドムの勇士の心も、産みの苦しみをする女の心のようになる。
23 ダマスコについて。
「ハマテとアルパデは恥を見た。
悪い知らせを聞いたからだ。
彼らは海のように震えおののいて恐れ、
静まることもできない。
24 ダマスコは弱り、恐怖に捕らわれ、
身を巡らして逃げた。
産婦のような苦しみと苦痛に捕らえられて。
25 いったい、どうして、
栄誉の町、わたしの喜びの都は捨てられたのか。
26 それゆえ、その日、
その若い男たちは町の広場に倒れ、
その戦士たちもみな、断ち滅ぼされる。
――万軍の主の御告げ――
27 わたしは、ダマスコの城壁に火をつける。
その火はベン・ハダデの宮殿をなめ尽くす。」
28 バビロンの王ネブカデレザルが打ったケダルとハツォルの王国について。主はこう仰せられる。
「さあ、ケダルへ攻め上り、東の人々を荒らせ。
29 その天幕と羊の群れは奪われ、
その幕屋もそのすべての器も、
らくだも、運び去られる。
人々は彼らに向かって
『恐れが回りにある』と叫ぶ。
30 ハツォルの住民よ。逃げよ。遠くへのがれよ。
深く潜め。――主の御告げ――
バビロンの王ネブカデレザルは、
あなたがたに対してはかりごとをめぐらし、
あなたがたに対して
たくらみを設けているからだ。
31 さあ、安心して住んでいるのんきな国に攻め上れ。
――主の御告げ――
そこにはとびらもなく、かんぬきもなく、
その民は孤立して住んでいる。
32 彼らのらくだは獲物に、
その家畜の群れは分捕り物になる。
わたしは、こめかみを刈り上げている者たちを
四方に吹き散らし、
彼らに災難を各方面から来させる。
――主の御告げ――
33 ハツォルはとこしえまでも荒れ果てて、
ジャッカルの住みかとなり、
そこに人は住まず、そこに人の子は宿らない。」
34 ユダの王ゼデキヤの治世の初めに、エラムについて預言者エレミヤにあった主のことば。
35万軍の主はこう仰せられる。
「見よ。
わたしはエラムの力の源であるその弓を砕く。
36 わたしは天の四隅から、
四方の風をエラムに来させ、
彼らをこの四方の風で吹き散らし、
エラムの散らされた者が入らない国は
ないようにする。
37 わたしは、エラムを敵の前におののかせ、
そのいのちをねらう者たちの前におののかせ、
彼らの上にわざわいを下し、
わたしの燃える怒りをその上に下す。
――主の御告げ――
わたしは、彼らのうしろに剣を送って、
彼らを絶ち滅ぼす。
38 わたしはエラムにわたしの王座を置き、
王や首長たちをそこから滅ぼす。
――主の御告げ――
39 しかし、終わりの日になると、
わたしはエラムの繁栄を元どおりにする。
――主の御告げ――」
1主が預言者エレミヤを通して、バビロンについて、すなわちカルデヤ人の国について語られたみことば。
2 「諸国の民の間に告げ、旗を掲げて知らせよ。
隠さずに言え。
『バビロンは捕らえられた。
ベルははずかしめられ、
メロダクは砕かれた。
その像ははずかしめられ、
その偶像は砕かれた。』
3 なぜなら、北から一つの国がここに攻め上り、この地を荒れ果てさせたからだ。ここには住む者もない。人間から家畜に至るまで逃げ去った。
4 その日、その時、――主の御告げ――
イスラエルの民もユダの民も共に来て、泣きながら歩み、その神、主を、尋ね求める。
5 彼らはシオンを求め、その道に顔を向けて、『来たれ。忘れられることのないとこしえの契約によって、主に連なろう』と言う。
6 わたしの民は、迷った羊の群れであった。その牧者が彼らを迷わせ、山々へ連れ去った。彼らは山から丘へと行き巡って、休み場も忘れてしまった。
7 彼らを見つける者はみな彼らを食らい、敵は『私たちには罪がない。彼らが、正しい牧場である主、彼らの先祖の望みであった主に、罪を犯したためだ』と言った。
8 バビロンの中から逃げ、カルデヤ人の国から出よ。
群れの先頭に立つやぎのようになれ。
9 見よ。わたしが、大国の集団を奮い立たせて、
北の地からバビロンに攻め上らせる。
彼らはこれに向かって陣ぞなえをし、
これを攻め取る。
彼らの矢は、練達の勇士の矢のようで、
むなしくは帰らない。
10 カルデヤは略奪され、
これを略奪する者はみな満ち足りる。
――主の御告げ――
11 わたしの相続地を略奪する者たち。
あなたがたは楽しみ、こおどりして喜び、
穀物を打つ雌の子牛のようにはしゃぎ、
荒馬のようにいなないても、
12 あなたがたの母はいたく恥を見、
あなたがたを産んだ者ははずかしめを受けた。
見よ。彼女は国々のうちの最後の者、
荒野となり、砂漠と荒れた地となる。
13 主の怒りによって、そこに住む者はなく、
ことごとく廃墟と化する。
バビロンのあたりを通り過ぎる者は
みな、色を失い、
そのすべての打ち傷を見てあざける。
14 すべて弓を張る者よ。
バビロンの回りに陣ぞなえをし、これを射よ。
矢を惜しむな。
彼女は主に罪を犯したのだから。
15 その回りに、ときの声をあげよ。
彼女は降伏した。
その柱は倒れ、その城壁はこわれた。
これこそ主の復讐だ。
彼女に復讐せよ。
彼女がしたとおりに、これにせよ。
16 種を蒔く者や、刈り入れの時にかまを取る者を、
バビロンから切り取れ。
しいたげる者の剣を避けて、
人はおのおの自分の民に帰り、
自分の国へ逃げて行く。」
17 イスラエルは雄獅子に散らされた羊。先にはアッシリヤの王がこれを食らったが、今度はついに、バビロンの王ネブカデレザルがその骨まで食らった。
18 それゆえ、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「見よ。わたしはアッシリヤの王を罰したように、バビロンの王とその国を罰する。
19 わたしはイスラエルをその牧場に帰らせる。彼はカルメルとバシャンで草を食べ、エフライムの山とギルアデで、その願いは満たされる。
20 その日、その時、――主の御告げ――イスラエルの咎は見つけようとしても、それはなく、ユダの罪も見つけることはできない。わたしが残す者の罪を、わたしが赦すからだ。」
21 「メラタイムの地、ペコデの住民のところに
攻め上れ。
彼らを追って、殺し、彼らを聖絶せよ。
――主の御告げ――
すべて、わたしがあなたに命じたとおりに、
行え。」
22 「国中には戦いの声、大いなる破滅。
23 万国を打った鉄槌は、
どうして折られ、砕かれたのか。
バビロンよ。
どうして国々の恐怖となったのか。
24 バビロンよ。
わたしがおまえにわなをかけ、
おまえは捕らえられた。
おまえはそれを知らなかった。
おまえは見つけられてつかまえられた。
おまえが主に争いをしかけたからだ。
25 主はその倉を開いて、
その憤りの武器を持ち出された。
それは、カルデヤ人の国で、
万軍の98神、主の、される仕事があるからだ。
26 四方からそこに攻め入れ。その穀物倉を開け。
これを麦束のように積み上げ、
これを聖絶して、何一つ残すな。
27 その雄牛をみな滅ぼせ。ほふり場に下らせよ。
ああ。哀れな彼ら。
彼らの日、その刑罰の時が来たからだ。」
28 聞け。バビロンの国からのがれて来た者が、
シオンで、私たちの神、主の、復讐のこと、
その宮の復讐のことを告げ知らせている。
29 射手を呼び集めて
バビロンを攻め、弓を張る者はみな、
これを囲んで陣を敷き、ひとりものがすな。
そのしわざに応じてこれに報い、
これがしたとおりに、これにせよ。
主に向かい、イスラエルの聖なる方に向かって
高ぶったからだ。
30 「それゆえ、その日、その若い男たちは町の広場に倒れ、その戦士もみな、断ち滅ぼされる。――主の御告げ――
31 高ぶる者よ。見よ。わたしはあなたを攻める。
――万軍の神、主の御告げ――
あなたの日、
わたしがあなたを罰する時が来たからだ。
32 そこで、高ぶる者はつまずき倒れ、
これを起こす者もいない。
わたしは、その町に火をつける。
火はその回りのものをすべて焼き尽くす。」
33万軍の主はこう仰せられる。「イスラエルの民とユダの民は、共にしいたげられている。彼らをとりこにした者はみな、彼らを捕らえて解放しようとはしない。」
34 彼らを贖う方は強く、その名は万軍の主。主は、確かに彼らの訴えを支持し、この国をいこわせるが、バビロンの住民を震え上がらせる。
35 剣が、カルデヤ人にも、――主の御告げ――
バビロンの住民、
その首長たち、知恵ある者たちにも下る。
36 剣が自慢する者たちにも下り、彼らは愚かになる。
剣がその勇士たちにも下り、彼らはおののく。
37 剣がその馬と車と、そこに住む混血の民にも下り、
彼らは女のようになる。
剣がその財宝にも下り、それらはかすめ取られる。
38 その水の上には、ひでりが下り、それはかれる。
ここは刻んだ像の国で、
彼らは偶像の神に狂っているからだ。
39 それゆえ、そこには荒野の獣が山犬とともに住み、だちょうがそこに住む。もう、いつまでも人は住まず、代々にわたって、住む人はない。
40 神がソドムと、ゴモラと、その近隣を滅ぼされたように、――主の御告げ――そこには人が住まず、そこには人の子が宿らない。
41 見よ。一つの民が北から来る。大きな国と多くの王が地の果て果てから奮い立つ。
42 彼らは弓と投げ槍を堅く握り、残忍で、あわれみがない。その声は海のようにとどろく。バビロンの娘よ。彼らは馬に乗り、ひとりのように陣ぞなえをして、あなたを攻める。
43 バビロンの王は、彼らのうわさを聞いて気力を失い、産婦のような苦しみと苦痛に捕らえられる。
44 「見よ。獅子がヨルダンの密林から水の絶えず流れる牧場に上って来るように、わたしは一瞬にして彼らをそこから追い出そう。わたしは、選ばれた人をそこに置く。なぜなら、だれかわたしのような者があろうか。だれかわたしを呼びつける者があろうか。だれかわたしの前に立つことのできる牧者があろうか。」
45 それゆえ、バビロンに対してめぐらされた主のはかりごとと、カルデヤ人の国に対して立てられたご計画を聞け。
必ず、群れの小さい者まで引きずって行かれ、
必ず、彼らの牧場はそのことでおびえる。
46 バビロンの捕らえられる音で地は震え、
その叫びが国々の間でも聞こえた。
1主はこう仰せられる。
「見よ。わたしはバビロンとその住民に対し、
破壊する者の霊を奮い立たせ、
2 他国人たちをバビロンに送る。
彼らはこれを吹き散らし、その国を滅ぼす。
彼らは、わざわいの日に、
四方からこれを攻める。」
3 射手には弓を張らせ、
よろいを着けてこれを襲わせよ。
そこの若い男を惜しむことなく、
その全軍を聖絶せよ。
4 刺し殺された者たちが、カルデヤ人の国に倒れ、
突き刺された者たちが、そのちまたに倒れる。
5 しかし、イスラエルもユダも、
その神、万軍の主から、決して見捨てられない。
彼らの国は、
イスラエルの聖なる方にそむいた罪に
満ちていたが。
6 バビロンの中から逃げ、
それぞれ自分のいのちを救え。
バビロンの咎のために断ち滅ぼされるな。
これこそ、主の復讐の時、報いを主が返される。
7 バビロンは主の御手にある金の杯。
すべての国々はこれに酔い、
国々はそのぶどう酒を飲んで、酔いしれた。
8 たちまち、バビロンは倒れて砕かれた。
このために泣きわめけ。
その痛みのために乳香を取れ。
あるいはいやされるかもしれない。
9 私たちは、バビロンをいやそうとしたのに、
それはいやされなかった。
私たちはこれを見捨てて、
おのおの自分の国へ帰ろう。
バビロンへの罰は、
天に達し、大空まで上ったからだ。
10 主は、私たちの正義の主張を明らかにされた。
来たれ。私たちはシオンで、
私たちの神、主のみわざを語ろう。
11 矢をとぎ、丸い小盾を取れ。
主はメディヤ人の王たちの霊を
奮い立たせられた。
主の御思いは、バビロンを滅ぼすこと。
それは主の復讐、その宮のための復讐である。
12 バビロンの城壁に向かって旗を揚げよ。
見張りを強くし、番兵を立てよ。伏兵を備えよ。
主ははかりごとを立て、
バビロンの住民について語られたことを
実行されたからだ。
13 大水のほとりに住む財宝豊かな者よ。
あなたの最期、あなたの断ち滅ぼされる時が来た。
14 万軍の主はご自分をさして誓って言われた。
「必ず、わたしはばったのような大群の人を
あなたに満たす。
彼らはあなたに向かって叫び声をあげる。」
15 主は、御力をもって地を造り、
知恵をもって世界を堅く建て、
英知をもって天を張られた。
16 主が声を出すと、水のざわめきが天に起こる。
主は地の果てから雲を上らせ、
雨のためにいなずまを造り、
その倉から風を出される。
17 すべての人間は愚かで無知だ。
すべての金細工人は、偶像のために恥を見る。
その鋳た像は偽りで、その中に息がないからだ。
18 それは、むなしいもの、物笑いの種だ。
刑罰の時に、それらは滅びる。
19 ヤコブの分け前はこんなものではない。
主は万物を造る方。
99イスラエルは主ご自身の部族。
その御名は万軍の主である。
20 「あなたはわたしの鉄槌、戦いの道具だ。
わたしはあなたを使って国々を砕き、
あなたを使って諸王国を滅ぼす。
21 あなたを使って馬も騎手も砕き、
あなたを使って戦車も御者も砕き、
22 あなたを使って男も女も砕き、
あなたを使って年寄りも幼い者も砕き、
あなたを使って若い男も若い女も砕き、
23 あなたを使って牧者も群れも砕き、
あなたを使って農夫もくびきを負う牛も砕き、
あなたを使って総督や長官たちも砕く。
24 わたしはバビロンとカルデヤの全住民に、
彼らがシオンで行ったすべての悪のために、
あなたがたの目の前で報復する。
――主の御告げ――
25 全地を破壊する、破壊の山よ。
見よ。わたしはおまえを攻める。
――主の御告げ――
わたしはおまえに手を伸べ、
おまえを岩から突き落とし、
おまえを焼け山とする。
26 だれもおまえから石を取って、
隅の石とする者はなく、
礎の石とする者もない。
おまえは永遠に荒れ果てる。
――主の御告げ――
27 この地に旗を掲げ、国々の中に角笛を鳴らせ。
国々を整えてこれを攻めよ。
アララテ、ミニ、アシュケナズの王国を
召集してこれを攻めよ。
ひとりの長を立ててこれを攻めよ。
群がるばったのように、馬を上らせよ。
28 国々を整えてこれを攻めよ。
メディヤ人の王たち、
その総督やすべての長官たち、
その支配する全土の民を整えて、
これを攻めよ。
29 地は震え、もだえる。
主はご計画をバビロンに成し遂げ、
バビロンの国を
住む者もない荒れ果てた地とされる。
30 バビロンの勇士たちは戦いをやめて、
とりでの中にすわり込み、
彼らの力も干からびて、女のようになる。
その住まいは焼かれ、かんぬきは砕かれる。
31 飛脚はほかの飛脚に走り次ぎ、
使者もほかの使者に取り次いで、
バビロンの王に告げて言う。
「都はくまなく取られ、
32 渡し場も取られ、葦の舟も火で焼かれ、
戦士たちはおじ惑っている。」
33 イスラエルの神、万軍の主が、
こう仰せられたからだ。
「バビロンの娘は、
踏まれるときの打ち場のようだ。
もうしばらくで、刈り入れの時が来る。
34 『バビロンの王ネブカデレザルは、
私を食い尽くし、
私をかき乱して、からの器にした。
竜のように私をのみこみ、
私のおいしい物で腹を満たし、
私を洗い流した。』
35 シオンに住む者は、
『私と私の肉親になされた暴虐は、
バビロンにふりかかれ』と言え。
エルサレムは、
『私の血はカルデヤの住民に注がれよ』と言え。」
36 それゆえ、主はこう仰せられる。
「見よ。わたしはあなたの訴えを取り上げ、
あなたのために報復する。
わたしはその海を干上がらせ、
その泉をからす。
37 バビロンは石くれの山となり、
ジャッカルの住みかとなり、
恐怖、あざけりとなる。
38 彼らは共に、若獅子のようにほえ、
雄獅子のように叫ぶ。
39 彼らがいらだっているとき、
わたしは彼らに宴会を開き、
彼らを酔わせて踊らせ、
永遠の眠りについて、目ざめないようにする。
――主の御告げ――
40 わたしは彼らを、子羊のように、
また雄羊か雄やぎのように、
ほふり場に下らせる。
41 ああ、100バビロンは攻め取られ、
全地の栄誉となっていた者は捕らえられた。
ああ、バビロンは国々の間で恐怖となった。
42 海がバビロンの上にのしかかり、
その波のざわめきにそれはおおわれた。
43 その町々は荒れ果て、
地は砂漠と荒れた地となり、だれも住まず、
人の子が通りもしない地となる。
44 わたしはバビロンでベルを罰し、
のみこんだ物を吐き出させる。
国々はもう、そこに流れ込むことはない。
ああ、バビロンの城壁は倒れてしまった。
45 わたしの民よ。
その中から出よ。
主の燃える怒りを免れて、
おのおの自分のいのちを救え。
46 そうでないと、あなたがたの心は弱まり、この国に聞こえるうわさを恐れよう。うわさは今年も来、その後の年にも、うわさは来る。この国には暴虐があり、支配者はほかの支配者を攻める。
47 それゆえ、見よ、その日が来る。その日、わたしは、バビロンの刻んだ像を罰する。この国全土は恥を見、その刺し殺された者はみな、そこに倒れる。
48 天と地とその中のすべてのものは、バビロンのことで喜び歌う。北からこれに向かって、荒らす者たちが来るからだ。――主の御告げ――
49 バビロンは、イスラエルの刺し殺された者たちのために、倒れなければならない。バビロンによって、全地の刺し殺された者たちが倒れたように。
50剣からのがれた者よ。行け。立ち止まるな。遠くから主を思い出せ。エルサレムを心に思い浮かべよ。
51 『私たちは、そしりを聞いて、はずかしめを受けた。他国人が主の宮の聖所に入ったので、侮辱が私たちの顔をおおった。』」
52 「それゆえ、見よ、その日が来る。――主の御告げ――その日、わたしは、その刻んだ像を罰する。刺された者がその全土でうめく。
53 たといバビロンが天に上っても、たとい、そのとりでを高くして近寄りがたくしても、わたしのもとから荒らす者たちが、ここに来る。――主の御告げ――」
54 聞け。バビロンからの叫び、カルデヤ人の地からの大いなる破滅の響きを。
55主がバビロンを荒らして、そこから大いなる声を絶やされるからだ。その波は大水のように鳴りとどろき、その声は鳴りどよめく。
56荒らす者がバビロンを攻めに来て、その勇士たちは捕らえられ、その弓も折られる。主は報復の神で、必ず報復されるからだ。
57 「わたしは、その首長たちや、知恵ある者、総督や長官、勇士たちを酔わせる。彼らは永遠の眠りについて、目ざめることはない。――その名を万軍の主という王の御告げ――」
58万軍の主はこう仰せられる。
「バビロンの広い城壁は、全くくつがえされ、
その高い門も火で焼かれる。
国々の民はむなしく労し、
諸国の民は、ただ火に焼かれるために
疲れ果てる。」
59 マフセヤの子ネリヤの子セラヤが、ユダの王ゼデキヤとともに、その治世の第四年に、バビロンへ行くとき、預言者エレミヤがセラヤに命じたことば。そのとき、セラヤは宿営の長であった。
60 エレミヤはバビロンに下るわざわいのすべてを一つの巻き物にしるした。すなわち、バビロンについてこのすべてのことばが書いてあった。
61 エレミヤはセラヤに言った。「あなたがバビロンに入ったときに、これらすべてのことばをよく注意して読み、
62 『主よ。あなたはこの所について、これを滅ぼし、人間から獣に至るまで住むものがないようにし、永遠に荒れ果てさせる、と語られました』と言い、
63 この書物を読み終わったなら、それに石を結びつけて、ユーフラテス川の中に投げ入れ、
64 『このように、バビロンは沈み、浮かび上がれない。わたしがもたらすわざわいのためだ。彼らは疲れ果てる』と言いなさい。」
ここまでが、エレミヤのことばである。
1 ゼデキヤは二十一歳で王となり、エルサレムで十一年間、王であった。彼の母の名はハムタルといい、リブナの出のエレミヤの娘であった。
2 彼は、すべてエホヤキムがしたように、主の目の前に悪を行った。
3 エルサレムとユダにこのようなことが起こったのは、主の怒りによるもので、ついに主は彼らを御前から投げ捨てられたのである。
そののち、ゼデキヤはバビロンの王に反逆した。
4 ゼデキヤの治世の第九年、第十の月の十日に、バビロンの王ネブカデレザルは、その全軍勢を率いてエルサレムを攻めに来て、これに対して陣を敷き、周囲に塁を築いた。
5 こうして町はゼデキヤ王の第十一年まで包囲されていたが、
6 第四の月の九日、町の中では、ききんがひどくなり、民衆に食物がなくなった。
7 そのとき、町が破られ、戦士たちはみな逃げて、夜のうちに、王の園のほとりにある二重の城壁の間の門の道から町を出た。カルデヤ人が町を包囲していたので、彼らはアラバへの道を行った。
8 カルデヤの軍勢が王のあとを追い、エリコの草原でゼデキヤに追いついたとき、王の軍隊はみな王から離れて散ってしまった。
9 そこでカルデヤ人は王を捕らえ、ハマテの地のリブラにいるバビロンの王のところへ彼を連れ上った。バビロンの王は彼に宣告を下した。
10 バビロンの王は、ゼデキヤの子らを彼の目の前で虐殺し、ユダのすべての首長たちをリブラで虐殺した。
11 またゼデキヤの目をつぶし、彼を青銅の足かせにつないだ。バビロンの王は、彼をバビロンへ連れて行き、彼を死ぬ日まで獄屋に入れておいた。
12 第五の月の101十日──それは、バビロンの王ネブカデレザル王の第十九年であった。──バビロンの王に仕えていた侍従長ネブザルアダンがエルサレムに来て、
13主の宮と王宮とエルサレムのすべての家を焼き、そのおもだった建物をことごとく火で焼いた。
14侍従長といっしょにいたカルデヤの全軍勢は、エルサレムの回りの城壁を全部取りこわした。
15侍従長ネブザルアダンは、民の貧民の一部と、町に残されていた残りの民と、バビロンの王に降伏した者たちと、残りの102群衆を捕らえ移した。
16 しかし、侍従長ネブザルアダンは、国の貧民の一部を残し、ぶどう作りと農夫とにした。
17 カルデヤ人は、主の宮の青銅の柱と、主の宮にある青銅の車輪つきの台と、海とを砕いて、その青銅をみなバビロンへ運んだ。
18 また、灰つぼ、十能、心切りばさみ、鉢、平皿、奉仕に用いるすべての青銅の器具を奪った。
19 また、侍従長は小鉢、火皿、鉢、灰つぼ、燭台、平皿、水差しなど、純金、純銀のものを奪った。
20 ソロモン王が主の宮のために作った二本の柱、一つの海、車輪つきの台の下にある十二の青銅の牛、これらすべての器具の青銅の重さは、量りきれなかった。
21 その柱は、一本の柱の高さが十八キュビトで、その回りを測るには十二キュビトのひもがいり、その厚さは指四本分で、中は空洞になっていた。
22 その上に青銅の柱頭があり、一つの柱頭の高さは103五キュビトであり、柱頭の回りに、網細工とざくろがあって、それもみな青銅で、他の柱もざくろもこれと同様であった。
23 回りには九十六のざくろがあり、回りの網細工の上には全部で百のざくろがあった。
24侍従長はさらに、祭司のかしらセラヤと次席祭司ゼパニヤと三人の入口を守る者を捕らえ、
25 戦士の指揮官であったひとりの宦官と、町にいた王の104七人の側近と、一般の人々を徴兵する将軍の書記と、町の中にいた一般の人々六十人を、町から捕らえ去った。
26侍従長ネブザルアダンは彼らを捕らえ、リブラにいるバビロンの王のもとへ連れて行った。
27 バビロンの王は彼らを打ち、ハマテの地のリブラで殺した。こうして、ユダはその国から捕らえ移された。
28 ネブカデレザルが捕らえ移した民の数は次のとおり。第七年には、三千二十三人のユダヤ人。
29 ネブカデレザルの第十八年には、エルサレムから八百三十二人。
30 ネブカデレザルの第二十三年には、侍従長ネブザルアダンが、七百四十五人のユダヤ人を捕らえ移し、その合計は四千六百人であった。
31 ユダの王エホヤキンが捕らえ移されて三十七年目の第十二の月の105二十五日に、バビロンの王エビル・メロダクは、彼が即位した年のうちに、ユダの王エホヤキン106を釈放し、獄屋から出し、
32 彼に優しいことばをかけ、彼の位をバビロンで彼とともにいた王たちの位よりも高くした。
33 彼は囚人の服を着替え、その一生の間、いつも王の前で食事をした。
34 彼の生活費は、死ぬ日までその一生の間、日々の分をいつもバビロンの王から支給されていた。
哀歌
1 ああ、人の群がっていたこの町は、
ひとり寂しくすわっている。
国々の中で大いなる者であったのに、
やもめのようになった。
諸州のうちの女王は、
苦役に服した。
2 彼女は泣きながら夜を過ごし、
涙は頰を伝っている。
彼女の愛する者は、だれも慰めてくれない。
その友もみな彼女を裏切り、
彼女の敵となってしまった。
3 ユダは悩みと多くの労役のうちに
捕らえ移された。
彼女は異邦の民の中に住み、
いこうこともできない。
苦しみのうちにあるときに、
彼女に追い迫る者たちがみな、彼女に追いついた。
4 シオンへの道は喪に服し、
だれも例祭に行かない。
その門はみな荒れ果て、
その祭司たちはうめき、
おとめたちは憂いに沈んでいる。
シオンは苦しんでいる。
5 彼女の仇がかしらとなり、
彼女の敵が栄えている。
彼女の多くのそむきの罪のために、
主が彼女を悩ましたのだ。
彼女の幼子たちも、仇によって
とりことなって行った。
6 シオンの娘からは、すべての輝きがなくなり、
首長たちは、牧場のない鹿のようになって、
追う者の前を力なく歩む。
7 エルサレムは、悩みとさすらいの日にあたって、
昔から持っていた自分のすべての宝を思い出す。
その民が仇の手によって倒れ、
だれも彼女を助ける者がないとき、
仇はその破滅を見てあざ笑う。
8 エルサレムは罪に罪を重ねて、
汚らわしいものとなった。
彼女を尊んだ者たちもみな、
その裸を見て、これを卑しめる。
彼女もうめいてたじろいだ。
9 彼女の汚れはすそにまでついている。
彼女は自分の末路を思わなかった。
それで、驚くほど落ちぶれて、
だれも慰める者がない。
「主よ。私の悩みを顧みてください。
敵は勝ち誇っています。」
10仇が彼女の宝としているものすべてに
手を伸ばしました。
異邦の民が、その聖所に入ったのを
彼女は見ました。
あなたの集団に加わってはならないと、
あなたがかつて命じられたものが。
11 彼女の民はみなうめき、食べ物を捜しています。
気力を取り戻そうとして、
自分の宝としているものを食物に代えています。
「主よ。私が、卑しい女になり果てたのを
よく見てください。」
12 道行くみなの人よ。よく見よ。
主が燃える怒りの日に私を悩まし、
私をひどいめに会わされた
このような痛みがほかにあるかどうかを。
13 主は高い所から火を送り、
私の骨の中にまで送り込まれた。
私の足もとに網を張り、
私をうしろにのけぞらせ、
私を荒れすさんだ女、
終日、病んでいる女とされた。
14 私のそむきの罪のくびきは重く、
主の御手で、私の首に結びつけられた。
主は、私の力をくじき、
私を、彼らの手にゆだね、
もう立ち上がれないようにされた。
15 主は、私のうちにいたつわものをみな追い払い、
一つの群れを呼び集めて、
私を攻め、
私の若い男たちを滅ぼされた。
主は、酒ぶねを踏むように、
おとめユダの娘を踏みつぶされた。
16 このことで、私は泣いている。
私の目、この目から涙があふれる。
私を元気づけて慰めてくれる者が、
私から遠ざかったからだ。
敵に打ち負かされて、
私の子らは荒れすさんでいる。
17 シオンが手を差し出しても、
これを慰める者はない。
主は仇に命じて、
四方からヤコブを攻めさせた。
エルサレムは彼らの間で、
汚らわしいものとなった。
18主は正義を行われる。
しかし、私は主の命令に逆らった。
だが、すべての国々の民よ、聞け。
私の痛みを見よ。
私の若い女たちも、若い男たちも、
とりことなって行った。
19 私は愛する者たちを呼んだのに、
彼らは私を欺いた。
私の祭司も長老たちも、町の中で息絶えた。
気力を取り戻そうとして、
自分の食物を捜していたときに。
20 「主よ。ご覧ください。
私は苦しみ、私のはらわたは煮え返り、
私の心は私のうちで転倒しています。
私が逆らい続けたからです。
外では剣が子を奪い、
家の中は死のようです。
21 彼らは私のため息を聞いても、
だれも私を慰めてくれません。
私の敵はみな、私のわざわいを聞いて、喜びました。
あなたが、そうなさったからです。
あなたが、かつて告げられた日を来させてください。
そうすれば、彼らも私と同じようになるでしょう。
22 彼らのすべての悪を、御前に出させ、
あなたが、私のすべてのそむきの罪に対して、
報い返されたように、
彼らにも報い返してください。
私のため息は大きく、私の心は痛みます。」
1 ああ、主はシオンの娘を
御怒りで曇らせ、
イスラエルの栄えを天から地に投げ落とし、
御怒りの日に、
ご自分の足台を思い出されなかった。
2 主は、
ヤコブのすべての住まいを、容赦なく滅ぼし、
ユダの娘の要塞を、憤って打ちこわし、
王国とその首長たちを、地に打ちつけて汚された。
3燃える怒りをもって、
イスラエルのすべての角を折り、
敵の前で、右の手を引き戻し、
あたりを焼き尽くす燃える火で、
ヤコブを焼かれた。
4 主は敵のように、弓を張り、
右の手でしっかり構え、
仇のように、
いとしい者たちのすべてを虐殺し、
シオンの娘の天幕に
火のように憤りを注がれた。
5 主は、敵のようになって、
イスラエルを滅ぼし、
そのすべての宮殿を滅ぼし、
その要塞を荒れすたらせて、
ユダの娘の中にうめきと嘆きをふやされた。
6 主は、畑の1仮小屋のように、
ご自分の幕屋を投げ捨てて、
例祭の場所を荒れすたらせた。
主はシオンでの例祭と安息日とを忘れさせ、
激しい憤りで、王と祭司を退けられた。
7 主は、その祭壇を拒み、聖所を汚し、
その宮殿の城壁を敵の手に渡された。
すると、例祭の日のように、
彼らは、主の宮でほえたけった。
8主は、シオンの娘の城壁を荒れすたらせようと決め、
測りなわでこれを測り、
これを滅ぼして手を引かれなかった。
塁と城壁は悲しみ嘆き、
これらは共にくずれ落ちた。
9 その城門も地にめり込み、
主はそのかんぬきを打ちこわし、打ち砕いた。
その王も首長たちも異邦人の中にあり、
もう律法はない。
預言者にも、主からの幻がない。
10 シオンの娘の長老たちは、地にすわって黙りこみ、
頭にはちりをまき散らし、身には荒布をまとった。
エルサレムのおとめたちは、
その頭を地に垂れた。
11 私の目は涙でつぶれ、
私のはらわたは煮え返り、
私の肝は、私の民の娘の傷を見て、
地に注ぎ出された。
幼子や乳飲み子が都の広場で衰え果てている。
12 彼らは母親に、
穀物とぶどう酒はどこにあるのか、と言い続け、
町の広場で傷つけられて衰え果てた者のように、
母のふところで息も絶えようとしている。
13 エルサレムの娘よ。
私はあなたを何にたとえ、
あなたを何になぞらえよう。
おとめ、シオンの娘よ。
2私は何にあなたを比べて、
あなたを慰めることができよう。
あなたの傷は海のように大きい。
だれがあなたをいやすことができよう。
14 あなたの預言者たちは、あなたのために、
むなしい、ごまかしばかりを預言して、
あなたの繁栄を元どおりにするために、
あなたの咎をあばこうともせず、
あなたのために、むなしい、
人を惑わすことばを預言した。
15 道行く人はみな、あなたに向かって手を打ち鳴らし、
エルサレムの娘をあざけって頭を振り、
「これが、美のきわみと言われた町、
全地の喜びの町であったのか」と言う。
16 あなたの敵はみな、
あなたに向かって大きく口を開いて、
あざけり、歯ぎしりして言う。
「われわれはこれを滅ぼした。
ああ、これこそ、われわれの待ち望んでいた日。
われわれはこれに巡り会い、じかに見た」と。
17主は企てたことを行い、
昔から告げておいたみことばを成し遂げられた。
滅ぼして、容赦せず、
あなたのことで敵を喜ばせ、
あなたの仇の角を高く上げられた。
18 彼らは主に向かって心の底から叫んだ。
シオンの娘の城壁よ。
昼も夜も、川のように涙を流せ。
ぼんやりしてはならない。
目を閉じてはならない。
19 夜の間、夜の見張りが立つころから、
立って大声で叫び、
あなたの心を水のように、主の前に注ぎ出せ。
主に向かって手を差し上げ、
あなたの幼子たちのために祈れ。
彼らは、あらゆる街頭で、
飢えのために弱り果てている。
20 「主よ。ご覧ください。顧みてください。
あなたはだれに
このようなしうちをされたでしょうか。
女が、自分の産んだ子、養い育てた幼子を
食べてよいでしょうか。
主の聖所で、祭司や預言者が
虐殺されてよいでしょうか。
21幼い者も年寄りも道ばたで地に横たわり、
私の若い女たちも若い男たちも剣に倒れました。
あなたは御怒りの日に虐殺し、
彼らを容赦なくほふりました。
22 あなたは、例祭の日のように、
私の恐れる者たちを、四方から呼び集めました。
主の御怒りの日に、
のがれた者も生き残った者もいませんでした。
私が養い育てた者を、
私の敵は絶ち滅ぼしてしまいました。」
1 私は主の激しい怒りのむちを受けて
悩みに会った者。
2 主は私を連れ去って、光のないやみを歩ませ、
3御手をもって一日中、くり返して私を攻めた。
4 主は私の肉と皮とをすり減らし、骨を砕き、
5 苦味と苦難で私を取り囲んだ。
6 ずっと前に死んだ者のように、
私を暗い所に住まわせた。
7 主は私を囲いに入れて、
出られないようにし、
私の青銅の足かせを重くした。
8 私が助けを求めて叫んでも、
主は私の祈りを聞き入れず、
9 私の道を切り石で囲み、
私の通り道をふさいだ。
10 主は、私にとっては、待ち伏せしている熊、
隠れている獅子。
11 主は、私の道をかき乱し、
私を耕さず、私を荒れすたれさせた。
12 主は弓を張り、私を矢の的のようにし、
13矢筒の矢を、私の腎臓に射込んだ。
14 私は、私の民全体の物笑いとなり、
一日中、彼らのあざけりの歌となった。
15 主は私を苦味で飽き足らせ、
苦よもぎで私を酔わせ、
16 私の歯を小石で砕き、
灰の中に私をすくませた。
17 私のたましいは平安から遠のき、
私はしあわせを忘れてしまった。
18 私は言った。
「私の誉れと、
主から受けた望みは消えうせた」と。
19 私の悩みとさすらいの思い出は、
苦よもぎと苦味だけ。
20 私のたましいは、ただこれを思い出しては沈む。
21 私はこれを思い返す。
それゆえ、私は待ち望む。
22 私たちが滅びうせなかったのは、主の恵みによる。
主のあわれみは尽きないからだ。
23 それは朝ごとに新しい。
「あなたの真実は力強い。
24主こそ、私の受ける分です」と
私のたましいは言う。
それゆえ、私は主を待ち望む。
25主はいつくしみ深い。
主を待ち望む者、主を求めるたましいに。
26主の救いを黙って待つのは良い。
27 人が、若い時に、くびきを負うのは良い。
28 それを負わされたなら、
ひとり黙ってすわっているがよい。
29 口をちりにつけよ。
もしや希望があるかもしれない。
30 自分を打つ者に頰を与え、
十分そしりを受けよ。
31 主は、いつまでも見放してはおられない。
32 たとい悩みを受けても、
主は、その豊かな恵みによって、
あわれんでくださる。
33 主は人の子らを、ただ苦しめ悩まそうとは、
思っておられない。
34 地上のすべての捕らわれ人を足の下に踏みにじり、
35 人の権利を、いと高き方の前で曲げ、
36 人がそのさばきをゆがめることを、
主は見ておられないだろうか。
37 主が命じたのでなければ、
だれがこのようなことを語り、
このようなことを起こしえようか。
38 わざわいも幸いも、
いと高き方の御口から出るのではないか。
39 生きている人間は、なぜつぶやくのか。
自分自身の罪のためにか。
40 私たちの道を尋ね調べて、
主のみもとに立ち返ろう。
41 私たちの手をも心をも
天におられる神に向けて上げよう。
42 「私たちはそむいて逆らいました。
あなたは私たちを赦してくださいませんでした。
43 あなたは、御怒りを身にまとい、
私たちを追い、容赦なく殺されました。
44 あなたは雲を身にまとい、
私たちの祈りをさえぎり、
45 私たちを国々の民の間で、
あくたとし、いとわれる者とされました。」
46 私たちの敵はみな、
私たちに向かって口を大きく開き、
47恐れと穴、荒廃と破滅が私たちのものになった。
48 私の民の娘の破滅のために、
私の目から涙が川のように流れ、
49 私の目は絶えず涙を流して、やむことなく、
50主が天から見おろして、
顧みてくださる時まで続く。
51 私の目は私の町のすべての娘を見て、
この心を苦しめる。
52 わけもないのに、私の敵となった者たちは、
鳥をねらうように、私をつけねらった。
53 彼らは私を穴に入れて殺そうとし、
私の上に石を投げつけた。
54 水は私の頭の上にあふれ、
私は3「もう絶望だ」と言った。
55 「主よ。私は深い穴から御名を呼びました。
56 あなたは私の声を聞かれました。
救いを求める私の叫びに
耳を閉じないでください。
57 私があなたに呼ばわるとき、
あなたは近づいて、
『恐れるな』と仰せられました。
58 主よ。あなたは、
私のたましいの訴えを弁護して、
私のいのちを贖ってくださいました。
59主よ。あなたは、
私がしいたげられるのをご覧になりました。
どうか、私の訴えを正しくさばいてください。
60 あなたは、私に対する彼らの復讐と、
たくらみとをことごとくご覧になりました。
61主よ。あなたは、
私に対する彼らのそしりと
すべてのたくらみとを聞かれました。
62 私の敵のくちびると彼らのつぶやきが、
一日中、私に向けられています。
63 彼らの起き伏しに目を留めてください。
私は彼らのからかいの歌となっています。
64主よ。彼らの手のわざに応じて、彼らに報復し、
65横着な心を彼らに与え、
彼らに、あなたののろいを下してください。
66主よ。御怒りをもって彼らを追い、
天の下から彼らを根絶やしにしてください。」
1 ああ、金は曇り、美しい黄金は色を変え、
聖なる石は、あらゆる道ばたに投げ出されている。
2純金で値踏みされる高価なシオンの子らは、
ああ、陶器師の手で作られた土のつぼのように
みなされている。
3 ジャッカルさえも乳房をあらわし、
その子に乳を飲ませるのに、
私の民の娘は、
荒野のだちょうのように無慈悲になった。
4乳飲み子の舌は渇いて上あごにつき、
幼子たちがパンを求めても、
それを裂いて彼らにやる者もない。
5 ごちそうを食べていた者は道ばたでしおれ、
紅の衣で育てられた者は、
堆肥をかき集めるようになった。
6 私の民の娘の咎は、
人手によらず、たちまちくつがえされた
ソドムの罪より大きい。
7 そのナジル人は雪よりもきよく、
乳よりも白かった。
そのからだは、紅真珠より赤く、
その姿はサファイヤのようであった。
8 しかし、彼らの顔は、すすよりも黒くなり、
道ばたでも見分けがつかない。
彼らの皮膚は干からびて骨につき、
かわいて枯れ木のようになった。
9剣で殺される者は、
飢え死にする者よりも、しあわせであった。
彼らは、畑の実りがないので、
やせ衰えて死んで行く。
10 私の民の娘の破滅のとき、
あわれみ深い女たちさえ、
自分の手で自分の子どもを煮て、
自分たちの食物とした。
11主は憤りを尽くして燃える怒りを注ぎ出し、
シオンに火をつけられたので、
火はその礎までも焼き尽くした。
12 地の王たちも、世に住むすべての者も、
仇や敵がエルサレムの門に、
入って来ようとは信じなかった。
13 これはその預言者たちの罪、
祭司たちの咎のためである。
彼らがその町のただ中で、
正しい人の血を流したからだ。
14 彼らは血に汚れ、
盲人のようにちまたをさまよい、
だれも彼らの着物に触れようとしなかった。
15 「あっちへ行け。汚れた者」と
人々は彼らに叫ぶ。
「あっちへ行け。あっちへ行け。さわるな。」
彼らは、立ち去って、なおもさまよい歩く。
諸国の民の中で人々は言う。
「彼らはもう立ち寄ってはならない。」
16主ご自身も彼らを散らし、
もう彼らに目を留めなかった。
祭司たちも尊ばれず、
長老たちも敬われなかった。
17 それに、私たちの目は、衰え果てた。
助けを求めたが、むなしかった。
私たちは見張り所で、見張った。
救いをもたらさない国の来るのを。
18 私たちの歩みはつけねらわれて、
私たちは広場を歩くことができなかった。
私たちの終わりは近づいた。
私たちの日は満ちた。
私たちの終わりが来たからだ。
19 私たちを追う者は、大空の鷲よりも速く、
山々の上まで追い迫り、
荒野で私たちを待ち伏せた。
20 私たちの鼻の息である者、
主に油そそがれた者までも、
彼らの落とし穴で捕らえられた。
「この者のおかげで、諸国の民の中でも
私たちは生きのびる」と
私たちが言った者なのに。
21 ウツの地に住むエドムの娘よ。楽しみ喜べ。
だが、あなたにも杯は巡って来る。
あなたも酔って裸になる。
22 シオンの娘。あなたの刑罰は果たされた。
主はもう、あなたを捕らえ移さない。
エドムの娘。主はあなたの咎を罰する。
主はあなたの不義をあばく。
1主よ。私たちに起こったことを思い出してください。
私たちのそしりに目を留めてください。
顧みてください。
2 私たちの相続地は他国人の手に渡り、
私たちの家もよそ者の手に渡りました。
3 私たちは父親のないみなしごとなり、
私たちの母はやもめになりました。
4 私たちは自分たちの水を、金を払って飲み、
自分たちのたきぎも、代価を払って
手に入れなければなりません。
54私たちはくびきを負って、
追い立てられ、
疲れ果てても、休むことができません。
6 私たちは足りるだけの食物を得ようと、
エジプトやアッシリヤに手を伸ばしました。
7 私たちの先祖は罪を犯しました。
彼らはもういません。
彼らの咎を私たちが背負いました。
8奴隷たちが私たちを支配し、
だれも彼らの手から
私たちを救い出してくれません。
9 私たちは、荒野に剣があるために、
いのちがけで自分の食物を得なければなりません。
10 私たちの皮膚は、飢えの苦痛のために、
かまどのように熱くなりました。
11 女たちはシオンで、
おとめたちはユダの町々で、
はずかしめられました。
12首長たちは彼らの手でつるされ、
長老たちも尊ばれませんでした。
13若い男たちはひき臼をひかされ、
幼い者たちはたきぎを背負ってよろめき、
14年寄りたちは、城門に集まるのをやめ、
若い男たちは、楽器を鳴らすのをやめました。
15 私たちの心から、喜びは消え、
踊りは喪に変わり、
16 私たちの頭から冠も落ちました。
ああ、私たちにわざわいあれ。
私たちが罪を犯したからです。
17 私たちの心が病んでいるのはこのためです。
私たちの目が暗くなったのもこのためです。
18 シオンの山は荒れ果て、
狐がそこを歩き回っているからです。
19 しかし、主よ。
あなたはとこしえに御座に着き、
あなたの御座は代々に続きます。
20 なぜ、いつまでも、
私たちを忘れておられるのですか。
私たちを長い間、捨てられるのですか。
21主よ。あなたのみもとに帰らせてください。
私たちは帰りたいのです。
私たちの日を昔のように新しくしてください。
22 それとも、
あなたはほんとうに、私たちを退けられるのですか。
きわみまで私たちを怒られるのですか。
エゼキエル書
1 第三十年の第四の月の五日、私がケバル川のほとりで、捕囚の民とともにいたとき、天が開け、私は神々しい幻を見た。
2 それはエホヤキン王が捕囚となって連れて行かれてから五年目であった。その月の五日に、
3 カルデヤ人の地のケバル川のほとりで、ブジの子、祭司エゼキエルにはっきりと主のことばがあり、主の御手が彼の上にあった。
4 私が見ていると、見よ、激しい風とともに、大きな雲と火が、ぐるぐるとひらめき渡りながら北から来た。その回りには輝きがあり、火の中央には1青銅の輝きのようなものがあった。
5 その中に何か四つの生きもののようなものが現れ、その姿はこうであった。彼らは何か人間のような姿をしていた。
6 彼らはおのおの四つの顔を持ち、四つの翼を持っていた。
7 その足はまっすぐで、足の裏は子牛の足の裏のようであり、みがかれた青銅のように輝いていた。
8 その翼の下から人間の手が四方に出ていた。そして、その四つのものの顔と翼は次のようであった。
9 彼らの翼は互いに連なり、彼らが進むときには向きを変えず、おのおの正面に向かってまっすぐ進んだ。
10 彼らの顔かたちは、人間の顔であり、四つとも、右側に獅子の顔があり、四つとも、左側に牛の顔があり、四つとも、2うしろに鷲の顔があった。
11 これが彼らの顔であった。彼らの翼は上方に広げられ、それぞれ、二つは互いに連なり、他の二つはおのおののからだをおおっていた。
12 彼らはおのおの前を向いてまっすぐに行き、霊が行かせる所に彼らは行き、行くときには向きを変えなかった。
13 それらの生きもののようなものは、燃える炭のように見え、たいまつのように見え、それが生きものの間を行き来していた。火が輝き、その火から、いなずまが出ていた。
14 それらの生きものは、いなずまのひらめきのように走って行き来していた。
15 私が生きものを見ていると、地の上のそれら四つの生きもののそばに、それぞれ一つずつの輪があった。
16 それらの輪の形と作りは、緑柱石の輝きのようで、四つともよく似ていて、それらの形と作りは、ちょうど、一つの輪が他の輪の中にあるようであった。
17 それらは四方に向かって行き、行くときには、それらは向きを変えなかった。
18 その輪のわくは高くて、恐ろしく、その四つの輪のわくの回りには目がいっぱいついていた。
19 生きものが行くときには、輪もそのそばを行き、生きものが地の上から上がるときには、輪も上がった。
20 これらは霊が行かせる所に行き、霊が行かせる所には、輪もまたそれらとともに上がった。生きものの霊が輪の中にあったからである。
21 生きものが行くときには、輪も行き、生きものが立ち止まるときには、輪も立ち止まり、生きものが地の上から上がるときには、輪も共に上がった。生きものの霊が輪の中にあったからである。
22 生きものの頭の上には、澄んだ水晶のように輝く大空のようなものがあり、彼らの頭の上のほうへ広がっていた。
23 その大空の下には、互いにまっすぐに伸ばし合った彼らの翼があり、それぞれ、ほかの二つの翼は、彼らのからだをおおっていた。
24 彼らが進むとき、私は彼らの翼の音を聞いた。それは大水のとどろきのようであり、全能者の声のようであった。それは陣営の騒音のような大きな音で、彼らが立ち止まるときには、その翼を垂れた。
25 彼らの頭の上方の大空から声があると、彼らは立ち止まり、翼を垂れた。
26 彼らの頭の上、大空のはるか上のほうには、サファイヤのような何か王座に似たものがあり、その王座に似たもののはるか上には、人間の姿に似たものがあった。
27 私が見ると、その腰と見える所から上のほうは、その中と回りとが青銅のように輝き、火のように見えた。その腰と見える所から下のほうに、私は火のようなものを見た。その方の回りには輝きがあった。
28 その方の回りにある輝きのさまは、雨の日の雲の間にある虹のようであり、それは主の栄光のように見えた。私はこれを見て、ひれ伏した。そのとき、私は語る者の声を聞いた。
1 その方は私に仰せられた。「人の子よ。立ち上がれ。わたしがあなたに語るから。」
2 その方が私に語りかけられると、すぐ霊が私のうちに入り、私を立ち上がらせた。そのとき、私は私に語りかけることばを聞いた。
3 その方は私に仰せられた。「人の子よ。わたしはあなたをイスラエルの民、すなわち、わたしにそむいた反逆の国民に遣わす。彼らも、その先祖たちも、わたしにそむいた。今日もそうである。
4 彼らはあつかましくて、かたくなである。わたしはあなたを彼らに遣わす。あなたは彼らに『3神である主はこう仰せられる』と言え。
5 彼らは反逆の家だから、彼らが聞いても、聞かなくても、彼らは、彼らのうちに預言者がいることを知らなければならない。
6 人の子よ。彼らや、彼らのことばを恐れるな。たとい、あざみといばらがあなたといっしょにあっても、またあなたがさそりの中に住んでも、恐れるな。彼らは反逆の家だから、そのことばを恐れるな。彼らの顔にひるむな。
7 彼らは反逆4の家だから、彼らが聞いても、聞かなくても、あなたはわたしのことばを彼らに語れ。
8 人の子よ。わたしがあなたに語ることを聞け。反逆の家のようにあなたは逆らってはならない。あなたの口を大きく開いて、わたしがあなたに与えるものを食べよ。」
9 そこで私が見ると、なんと、私のほうに手が伸ばされていて、その中に一つの巻き物があった。
10 それが私の前で広げられると、その表にも裏にも字が書いてあって、哀歌と、嘆きと、悲しみとがそれに書いてあった。
1 その方は私に仰せられた。「人の子よ。あなたの前にあるものを食べよ。この巻き物を食べ、行って、イスラエルの家に告げよ。」
2 そこで、私が口をあけると、その方は私にその巻き物を食べさせ、
3 そして仰せられた。「人の子よ。わたしがあなたに与えるこの巻き物で腹ごしらえをし、あなたの腹を満たせ。」そこで、私はそれを食べた。すると、それは私の口の中で蜜のように甘かった。
4 その方はまた、私に仰せられた。「人の子よ。さあ、イスラエルの家に行き、わたしのことばのとおりに彼らに語れ。
5 わたしはあなたを、むずかしい外国語を話す民に遣わすのではなく、イスラエルの家に遣わすのだ。
6 あなたを、そのことばを聞いてもわからないようなむずかしい外国語を話す多くの国々の民に、遣わすのではない。もし、これらの民にあなたを遣わすなら、彼らはあなたの言うことを聞くであろう。
7 しかし、イスラエルの家はあなたの言うことを聞こうとはしない。彼らはわたしの言うことを聞こうとはしないからだ。イスラエルの全家は5鉄面皮で、心がかたくなだからだ。
8 見よ。わたしはあなたの顔を、彼らの顔と同じように堅くし、あなたの額を、彼らの額と同じように堅くする。
9 わたしはあなたの額を、火打石よりも堅い金剛石のようにする。彼らは反逆の家だから、彼らを恐れるな。彼らの顔にひるむな。」
10 その方は私に仰せられた。「人の子よ。わたしがあなたに告げるすべてのことばを、あなたの心に納め、あなたの耳で聞け。
11 さあ、捕囚になっているあなたの民のところへ行って、彼らに告げよ。彼らが聞いても、聞かなくても、『6神である主はこう仰せられる』と彼らに言え。」
12 それから、霊が私を引き上げた。そのとき、私は、うしろのほうで、「御住まいの主の栄光はほむべきかな」という大きなとどろきの音を聞いた。
13 それは、互いに触れ合う生きものたちの翼の音と、そのそばの輪の音で、大きなとどろきの音であった。
14霊が私を持ち上げ、私を捕らえたので、私は憤って、苦々しい思いで出て行った。しかし、主の御手が強く私の上にのしかかっていた。
15 そこで、私はテル・アビブの捕囚の民のところへ行った。彼らはケバル川のほとりに住んでいたので、私は彼らが住んでいるその所で、七日間、ぼう然として、彼らの中にとどまっていた。
16 七日目の終わりになって、私に次のような主のことばがあった。
17 「人の子よ。わたしはあなたをイスラエルの家の見張り人とした。あなたは、わたしの口からことばを聞くとき、わたしに代わって彼らに警告を与えよ。
18 わたしが悪者に、『あなたは必ず死ぬ』と言うとき、もしあなたが彼に警告を与えず、悪者に悪の道から離れて生きのびるように語って、警告しないなら、その悪者は自分の不義のために死ぬ。そして、わたしは彼の血の責任をあなたに問う。
19 もしあなたが悪者に警告を与えても、彼がその悪を悔い改めず、その悪の道から立ち返らないなら、彼は自分の不義のために死ななければならない。しかしあなたは自分のいのちを救うことになる。
20 もし、正しい人がその正しい行いをやめて、不正を行うなら、わたしは彼の前につまずきを置く。彼は死ななければならない。それはあなたが彼に警告を与えなかったので、彼は自分の罪のために死に、彼が行った正しい行いも覚えられないのである。わたしは、彼の血の責任をあなたに問う。
21 しかし、もしあなたが正しい人に罪を犯さないように警告を与えて、彼が罪を犯さないようになれば、彼は警告を受けたのであるから、彼は生きながらえ、あなたも自分のいのちを救うことになる。」
22 その所で主の御手が私の上にあった。主は私に仰せられた。「さあ、谷間に出て行け。そこでわたしはあなたに語ろう。」
23 私はすぐ、谷間に出て行った。すると、そこに、主の栄光が、かつて私がケバル川のほとりで見た栄光のように、現れた。それで私はひれ伏した。
24 しかし、霊が私のうちに入り、私を立ち上がらせた。主は私に語りかけて仰せられた。「行って、あなたの家に閉じこもっていよ。
25 人の子よ。今、あなたに、なわがかけられ、あなたはそれで縛られて、彼らのところに出て行けなくなる。
26 わたしがあなたの舌を上あごにつかせるので、あなたは話せなくなり、彼らを責めることができなくなる。彼らが反逆の家だからだ。
27 しかし、わたしは、あなたと語るときあなたの口を開く。あなたは彼らに、『神である主はこう仰せられる』と言え。聞く者には聞かせ、聞かない者には聞かせるな。彼らが反逆の家だからだ。
1 人の子よ。一枚の粘土板を取り、それをあなたの前に置き、その上にエルサレムの町を彫りつけよ。
2 それから、それを包囲し、それに向かって塁を築き、塹壕を掘り、陣営を設け、その回りに城壁くずしを配置せよ。
3 また、一枚の鉄の平なべを取り、それをあなたと町との間に鉄の壁として立て、あなたの顔をしっかりとこの町に向けよ。この町を包囲し、これを攻め囲め。これがイスラエルの家のしるしだ。
4 あなたは左わきを下にして横たわり、イスラエルの家の咎を自分の身の上に置け。あなたがそこに横たわっている日数だけ彼らの咎を負え。
5 わたしは彼らの咎の年数を日数にして三百九十日とする。その間、あなたはイスラエルの家の咎を負わなければならない。
6 あなたがその日数を終えたら、次にまた、あなたの右わきを下にして横たわり、ユダの家の咎を四十日間、負わなければならない。わたしは、あなたのために一年に対して一日とした。
7 それから、あなたは顔を、包囲されているエルサレムのほうにしっかりと向け、腕をまくり、これに向かって預言せよ。
8 見よ。わたしはあなたになわをかけ、あなたの包囲の期間が終わるまで寝返りができないようにする。
9 あなたは小麦、大麦、そら豆、レンズ豆、あわ、裸麦を取り、それらを一つの器に入れ、それでパンを作り、あなたがわきを下にして横たわっている日数、すなわち、三百九十日間それを食べよ。
10 あなたが食べる食物は、一日分二十7シェケルを量って、一日一回それを食べよ。
11 あなたの飲む水も、8一日分一9ヒンの六分の一を量って、それを一日一回飲め。
12 あなたの食物は大麦のパン菓子のようにして食べよ。それを彼らの目の前で、人の糞で焼け。」
13 それから主は仰せられた。「このように、イスラエルの民は、わたしが追いやる国々の中で、彼らの汚れたパンを食べなければならない。」
14 そこで、私は言った。「ああ、10神、主よ。私はかつて、自分を汚したことはありません。幼い時から今まで、死んだ獣や、野獣に裂き殺されたものを食べたことはありません。また、いけにえとして汚れている肉を口にしたこともありません。」
15 すると、主は私に仰せられた。「では、人の糞の代わりに牛の糞でやらせよう。あなたはその上で自分のパンを焼け。」
16 そして、私に仰せられた。「人の子よ。見よ。わたしはエルサレムで、11パンのたくわえをなくしてしまおう。それで彼らはこわごわパンを量って食べ、おびえながら水を量って飲むであろう。
17 それはパンと水が乏しくなるからだ。彼らは自分たちの咎のために、みなやせ衰え、朽ち果てよう。
1 人の子よ。あなたは鋭い剣を取り、それを床屋のかみそりのように使って、あなたの頭と、ひげをそり、その毛をはかりで量って等分せよ。
2 その三分の一を、包囲の期間の終わるとき、町の中で焼き、またほかの三分の一を取り、町の回りでそれを剣で打ち、残りの三分の一を、風に吹き散らせ。わたしは剣を抜いて彼らのあとを追う。
3 あなたはそこから少しの毛を取り、それをあなたの衣のすそで包み、
4 そのうちからいくらかを取って、火の中にくべ、それを火で焼け。火がその中から出て、イスラエルの全家に燃え移ろう。」
512神である主はこう仰せられる。「これがエルサレムだ。わたしはこれを諸国の民の真ん中に置き、その回りを国々で取り囲ませた。
6 エルサレムは諸国の民よりも悪事を働いて、わたしの定めに逆らい、その回りの国々よりもわたしのおきてに逆らった。実に、エルサレムは、わたしの定めをないがしろにし、わたしのおきてに従って歩まなかった。」
7 それゆえ、神である主はこう仰せられる。「あなたがたは、あなたがたの回りの諸国の民よりも狂暴で、わたしのおきてに従って歩まず、わたしの定めを行わず、それどころか、あなたがたの回りの諸国の民の定めさえ行わなかった。」
8 それゆえ、神である主はこう仰せられる。「今、わたしもあなたを攻め、諸国の民の目の前で、あなたにさばきを下す。
9 あなたのしたすべての忌みきらうべきことのために、今までしたこともなく、これからもしないようなことを、あなたのうちで行う。
10 それで、あなたのうちの父たちは自分の子どもを食べ、子どもたちは、自分の父を食べるようになる。わたしは、あなたにさばきを下し、あなたのうちの残りの者をすべて四方に散らす。
11 それゆえ、──わたしは生きている。神である主の御告げ──あなたはあなたのすべての忌むべきものと、すべての忌みきらうべきことで、わたしの聖所を汚したので、わたしはあなたを取り去り、わたしはあなたを惜しまず、また、あわれまない。
12 あなたの三分の一はあなたのうちで疫病で死ぬか、あるいは、ききんで滅び、三分の一はあなたの回りで剣に倒れ、残りの三分の一を、わたしは四方に散らし、剣を抜いて彼らのあとを追う。
13 わたしの怒りが全うされると、わたしは彼らに対するわたしの憤りを静めて満足する。わたしが彼らに対する憤りを全うするとき、彼らは、主であるわたしが熱心に語ったことを知ろう。
14 わたしは、あなたの回りの諸国の民の中で、通り過ぎるすべての者の目の前で、あなたを廃墟とし、そしりとする。
15 わたしが怒りと憤りと譴責とをもって、あなたにさばきを下すとき、あなたは回りの諸国の民のそしりとなり、ののしりとなり、戒め、恐れとなる。主であるわたしがこれを告げる。
16 わたしがひどいききんの矢をあなたがたに放つとき、あなたがたは滅びてしまおう。わたしがそれを放つのは、ききんをいっそうひどくして、あなたがたの13パンのたくわえをなくし、あなたがたを滅ぼすためである。
17 わたしはあなたがたにききんと、悪い獣を送る。彼らはあなたに子を失わせる。疫病と虐殺とがあなたのうちに起こる。わたしはあなたに剣を臨ませる。主であるわたしがこれを告げる。」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。あなたの顔をイスラエルの山々に向け、それらに向かって預言して、
3 言え。
イスラエルの山々よ。14神である主のことばを聞け。神である主は、山や丘、谷川や谷に向かってこう仰せられる。見よ。わたしは剣をあなたがたにもたらし、あなたがたの高き所を打ちこわす。
4 あなたがたの祭壇は荒らされ、あなたがたの香の台は砕かれる。わたしはあなたがたのうちの刺し殺された者どもを、あなたがたの偶像の前に投げ倒す。
5 わたしは、イスラエルの民の死体を彼らの偶像の前に置き、あなたがたの骨をあなたがたの祭壇の回りにまき散らす。
6 あなたがたがどこに住もうとも、町々は廃墟となり、高き所は荒らされる。あなたがたの祭壇は廃墟となり、15罪に定められる。あなたがたの偶像が砕きに砕かれ、あなたがたの香の台は切り倒され、あなたがたのしたわざは消し去られ、
7刺し殺された者があなたがたのうちに横たわるとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
8 しかし、わたしは、あなたがたのある者を残しておく。わたしがあなたがたを国々に追い散らすとき、剣をのがれた者たちを諸国の民の中におらせる。
9 あなたがたのうちののがれた者たちは、とりこになって行く国々で、わたしを思い出そう。それは、わたしから離れる彼らの姦淫の心と、偶像を慕う彼らの姦淫の目をわたしが打ち砕くからだ。彼らが自分たちのあらゆる忌みきらうべきことをしたその悪をみずからいとうようになるとき、
10 彼らは、わたしが主であること、また、わたしがゆえもなくこのわざわいを彼らに下すと言ったのではないことを知ろう。」
11 神である主はこう仰せられる。「あなたは、手をたたき、足を踏み鳴らして、剣とききんと疫病とによって倒れるイスラエルの家の忌みきらうべきすべての悪に対して、『ああ』と叫べ。
12 遠くにいる者は疫病で死に、近くにいる者は剣に倒れ、生き残ってとどめられている者はききんで死ぬ。彼らへのわたしの憤りは全うされる。
13 彼らのうちの刺し殺された者が、彼らの偶像の間、その祭壇の回りや、すべての高い丘の上、山々のすべての頂、すべての青木の下や、すべての茂った樫の木の下、彼らがすべての偶像になだめのかおりをたいた所に横たわるとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
14 わたしが彼らの上に手を伸ばし、すべて彼らの住む所、荒野からリブラまで、その地を荒れ果てさせて荒廃した地とするとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。」
1 ついで、私に次のような主のことばがあった。
2 「人の子よ。イスラエルの地について16神である主はこう仰せられる。『もう終わりだ。この国の四隅にまで終わりが来た。
3 今、あなたに終わりが来た。わたしの怒りをあなたのうちに送り、あなたの行いにしたがって、あなたをさばき、あなたのすべての忌みきらうべきわざに報いをする。
4 わたしはあなたを惜しまず、あわれまない。わたしがあなたの行いに仕返しをし、あなたのうちの忌みきらうべきわざをあらわにするとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。』」
5 神である主はこう仰せられる。「わざわいが、ただわざわいが来る。
6 終わりが来る。その終わりが来る。あなたを起こしに、今、やって来る。
7 この地に住む者よ。あなたの上に終局が来る。その時が来る。その日は近い。しかし、山々での歓声の日ではなく、恐慌の日だ。
8 今、わたしはただちに、憤りをあなたに注ぎ、あなたへのわたしの怒りを全うする。わたしはあなたの行いにしたがって、あなたをさばき、あなたのすべての忌みきらうべきわざに報いをする。
9 わたしは惜しまず、あわれまない。わたしがあなたの行いに仕返しをし、あなたのうちの忌みきらうべきわざをあらわにするとき、あなたがたは、わたしがあなたがたを打っている主であることを知ろう。
10 見よ。その日だ。その日が来る。あなたの終局がやって来ている。杖が花を咲かせ、高慢がつぼみを出した。
11暴虐はつのって悪の杖となり、彼らも、その群集も、彼らの富もなくなり、彼らのために嘆く者もいなくなる。
12 その時が来た。その日が近づいた。買う者も喜ぶな。売る者も嘆くな。燃える怒りがそのすべての群集にふりかかるから。
13 売る者は、生きながらえても、売った物を取り返せない。幻がそのすべての群集にあっても、群集は帰らない。だれも、自分の不義のうちにいながら、奮い立って生きることはできないからだ。
14 ラッパが吹き鳴らされ、みなの準備ができても、だれも戦いに行かない。わたしの燃える怒りがそのすべての群集にふりかかるからだ。
15 外には剣、内には疫病とききんがあり、野にいる者は剣に死に、町にいる者はききんと疫病に滅ぼし尽くされる。
16 それをのがれた者が逃げて、山々に行っても、彼らは谷間の鳩のようになって、みな自分の不義のために泣き悲しむ。
17 彼らはみな気力を失い、彼らのひざもみな17震える。
18 彼らは荒布を身にまとい、恐怖に包まれ、彼らはみな恥じて顔を赤くし、彼らの頭はみなそられてしまう。
19 彼らは銀を道ばたに投げ捨て、彼らの金は汚物のようになる。銀も金も、主の激しい怒りの日に彼らを救い出すことはできない。それらは彼らの飢えを飽き足らせることも、彼らの腹を満たすこともできない。それらが彼らを不義に引き込んだからだ。
20 彼らはこれを、美しい飾り物として誇り、これで彼らの忌みきらうべきもの、忌むべきものの像を造った。それで、わたしはそれを、彼らにとって汚物とする。
21 わたしはそれを他国人の手に獲物として渡し、この国の悪者どもに分捕り物として渡し、それを汚させる。
22 わたしは彼らから顔をそむけ、わたしの18聖なる所を汚させる。強盗はそこに入り込み、そこを汚そう。
23鎖を作れ。この国は19虐殺に満ち、この町は暴虐に満ちているからだ。
24 わたしは異邦の民の中で最も悪い者どもを来させて、彼らの家々を占領させ、有力者たちの高ぶりをくじき、彼らの聖所を汚させよう。
25苦悩がやって来る。彼らは平和を求めるが、それはない。
26災難の上に災難が来、うわさがうわさを生み、彼らは預言者に幻を求めるようになる。祭司は律法を失い、長老はさとしを失う。
27 王は喪に服し、君主は恐れにつつまれ、その地の民の手はわななく。わたしが彼らの行いにしたがって彼らに報い、彼らのやり方にしたがって彼らをさばくとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。」
1 第六年の第六の月の五日、私が自分の家にすわっていて、ユダの長老たちも私の前にすわっていたとき、20神である主の御手が私の上に下った。
2 私が見ると、火のように見える姿があった。その腰と見える所から下のほうは火で、その腰から上のほうは青銅の輝きのように輝いて見えた。
3 すると、その方は手の形をしたものを伸ばし、私の髪のふさをつかんだ。すると、霊が私を地と天との間に持ち上げ、神々しい幻のうちに私をエルサレムへ携え行き、ねたみを引き起こすねたみの偶像のある、北に面する内庭の門の入口に連れて行った。
4 なんと、そこには、私がかつて谷間で見た姿と同じようなイスラエルの神の栄光があった。
5 その方は私に仰せられた。「人の子よ。さあ、目を上げて北のほうを見よ。」そこで、私が目を上げて北のほうを見ると、北のほうの祭壇の門の入口にねたみの偶像があった。
6 この方は私に仰せられた。「人の子よ。あなたは彼らのしていることが見えるか。イスラエルの家は、わたしの聖所から遠く離れようとして、ここで大きな忌みきらうべきことをしているではないか。あなたはなおまた、大きな忌みきらうべきことを見るだろう。」
7 それから、この方は私を庭の入口に連れて行った。私が見ると、壁に一つの穴があった。
8 この方は私に仰せられた。「人の子よ。さあ、壁に穴をあけて通り抜けよ。」私が壁に穴をあけて通り抜けると、一つの入口があった。
9 この方は私に仰せられた。「入って行き、彼らがそこでしている悪い忌みきらうべきことを見よ。」
10 私が入って行って見ると、なんと、はうものや忌むべき獣のあらゆる像や、イスラエルの家のすべての偶像が、回りの壁一面に彫られていた。
11 また、イスラエルの家の七十人の長老が、その前に立っており、その中にはシャファンの子ヤアザヌヤも立っていて、彼らはみなその手に香炉を持ち、その香の濃い雲が立ち上っていた。
12 この方は私に仰せられた。「人の子よ。あなたは、イスラエルの家の長老たちがおのおの、暗い所、その石像の部屋で行っていることを見たか。彼らは、『主は私たちを見ておられない。主はこの国を見捨てられた』と言っている。」
13 さらに、私に仰せられた。「あなたはなおまた、彼らが行っている大きな忌みきらうべきことを見るだろう。」
14 ついでこの方は私を、主の宮の北の門の入口へ連れて行った。するとそこには、女たちがタンムズのために泣きながらすわっていた。
15 この方は私に仰せられた。「人の子よ。これを見たであろうが、あなたはなおまた、これよりも大きな忌みきらうべきことを見るだろう。」
16 そして、この方は私を主の宮の内庭に連れて行った。すると、主の宮の本堂の入口の玄関と祭壇との間に二十五人ばかりの人がおり、彼らは主の宮の本堂に背を向け、顔を東のほうに向けて、東のほうの太陽を拝んでいた。
17 この方は私に仰せられた。「人の子よ。あなたはこれを見たか。ユダの家にとって、彼らがここでしているような忌みきらうべきことをするのは、ささいなことだろうか。彼らはこの地を暴虐で満たし、わたしの怒りをいっそう駆り立てている。見よ。彼らはぶどうのつるを自分たちの鼻にさしている。
18 だから、わたしも憤って事を行う。わたしは惜しまず、あわれまない。彼らがわたしの耳に大声で叫んでも、わたしは彼らの言うことを聞かない。」
1 この方は私の耳に大声で叫んで仰せられた。「この町を罰する者たちよ。おのおの破壊する武器を手に持って近づいて来い。」
2 見ると、六人の男が、おのおの打ちこわす武器を手に持って、北に面する上の門を通ってやって来た。もうひとりの人が亜麻布の衣を着、腰には書記の筆入れをつけて、彼らの中にいた。彼らは入って来て、青銅の祭壇のそばに立った。
3 そのとき、ケルブの上にあったイスラエルの神の栄光が、ケルブから立ち上り、神殿の敷居へ向かった。それから、腰に書記の筆入れをつけ、亜麻布の衣を着ている者を呼び寄せて、
4主は彼にこう仰せられた。「町の中、エルサレムの中を行き巡り、この町で行われているすべての忌みきらうべきことのために嘆き、悲しんでいる人々の額にしるしをつけよ。」
5 また、私が聞いていると、ほかの者たちに、こう仰せられた。「彼のあとについて町の中を行き巡って、打ち殺せ。惜しんではならない、あわれんではならない。
6年寄りも、若い男も、若い女も、子どもも、女たちも殺して滅ぼせ。しかし、あのしるしのついた者にはだれにも近づいてはならない。まずわたしの聖所から始めよ。」そこで、彼らは神殿の前にいた老人たちから始めた。
7 ついで主は彼らに仰せられた。「宮を汚し、死体で庭を満たせ。さあ行け。」彼らは出て行って、町の中で打ち殺した。
8 彼らが打ち殺しているとき、私は残っていて、ひれ伏し、叫んで言った。「ああ、21神、主よ。あなたはエルサレムの上にあなたの憤りを注ぎ出して、イスラエルの残りの者たちを、ことごとく滅ぼされるのでしょうか。」
9 すると、主は私に仰せられた。「イスラエルとユダの家の咎は非常に大きく、この国は虐殺の血で満ち、町も罪悪で満ちている。それは、彼らが、『主はこの国を見捨てられた。主は見ておられない』と言ったからだ。
10 だから、わたしも惜しまず、あわれまない。わたしは彼らの頭上に彼らの行いを返す。」
11 ちょうどそのとき、腰に筆入れをつけ、亜麻布の衣を着ているその人が報告してこう言った。「あなたが私に命じたとおりに私は行いました。」
1 私が見ていると、ケルビムの頭の上の大空に、サファイヤのような何か王座に似たものがあって、それが、ケルビムの上に現れた。
2 主は亜麻布の衣を着た者に命じて言われた。「ケルブの下にある車輪の間に入り、ケルビムの間の炭火をあなたの両手に満たし、それを町の上にまき散らせ。」すると、この人は私の目の前でそこに入って行った。
3 その人が入って行ったとき、ケルビムは神殿の右側に立っていて、雲がその内庭を満たしていた。
4主の栄光がケルブの上から上り、神殿の敷居に向かうと、神殿は雲で満たされ、また、庭は主の栄光の輝きで満たされた。
5 そのとき、ケルビムの翼の音が、全能の神の語る声のように、外庭にまで聞こえた。
6 主が亜麻布の衣を着た者に命じて、「車輪の間、すなわちケルビムの間から火を取れ」と仰せられたとき、この人は入って行って、一つの輪のそばに立った。
7 すると、一つのケルブは22ケルビムの間から、ケルビムの間にある火のほうに手を伸ばして、その火を取り、亜麻布の衣を着た者の両手にそれを盛った。この人はそれを受け取ると、出て行った。
8 さらに、ケルビムの翼の下から人の手の形のものが現れた。
9 私が見ると、ケルビムのそばに四つの輪があり、一つの輪は一つのケルブのそばに、他の輪は他のケルブのそばにそれぞれあった。その輪は緑柱石の輝きのように見えた。
10 それらの形は、四つともよく似ていて、ちょうど一つの輪が他の輪の中にあるようであった。
11 それらが行くとき、それらは四方に向かって行き、行くときには、それらは向きを変えなかった。なぜなら、頭の向かう所に、他の輪も従い、それらが行くときには向きを変えなかったからである。
12 それらのからだ全体と、その背、その手、その翼、さらに輪、すなわちその四つの輪には、その回りに目がいっぱいついていた。
13 私はそれらの輪が「車輪」と呼ばれているのを聞いた。
14 そのおのおのには四つの顔があり、第一の顔はケルブの顔、第二の顔は人間の顔、第三の顔は獅子の顔、第四の顔は鷲の顔であった。
15 そのとき、ケルビムが飛び立ったが、それは、私がかつてケバル川のほとりで見た生きものであった。
16 ケルビムが行くと、輪もそのそばを行き、ケルビムが翼を広げて地上から上るとき、輪もそのそばを離れず向きを変えなかった。
17 ケルビムが立ち止まると、輪も立ち止まり、ケルビムが上ると、輪もいっしょに上った。それは、生きものの霊が輪の中にあったからである。
18主の栄光が神殿の敷居から出て行って、ケルビムの上にとどまった。
19 すると、ケルビムが翼を広げて、私の前で、地上から上って行った。彼らが出て行くと、輪もそのそばについて行った。彼らが主の宮の東の門の入口で立ち止まると、イスラエルの神の栄光がその上をおおった。
20 彼らは、かつて私がケバル川のほとりで、イスラエルの神の下に見た生きものであった。私は彼らがケルビムであることを知った。
21 彼らはおのおの四つずつ顔を持ち、おのおの四つの翼を持っていた。その翼の下には、人間の手のようなものがあった。
22 彼らの顔かたちは、私がかつてケバル川のほとりでその容貌としるしを見たとおりの顔であった。彼らはみな、前のほうへまっすぐ進んで行った。
1 そのとき、霊が私を引き上げて、主の宮の東に面した東の門に連れて行った。ちょうど、その門の入口には二十五人の者がいて、その中に、私は、民の長であるアズルの子ヤアザヌヤと、ベナヤの子ペラテヤがいるのを見た。
2 主は私に仰せられた。「人の子よ。この者たちは、この町で、邪悪な計画を立て、悪いはかりごとをめぐらし、
3 『家を建てるにはまだ間がある。この町はなべであり、私たちはその肉だ』と言っている。
4 だから、彼らに向かって預言せよ。人の子よ。預言せよ。」
5 ついで主の霊が私に下り、私に仰せられた。「主はこう仰せられる、と言え。イスラエルの家よ。あなたがたはあのように言ったが、わたしは、あなたがたの心に浮かぶことどもをよく知っている。
6 あなたがたはこの町に刺し殺された者をふやし、死体でその道ばたを満たした。
7 それゆえ、23神である主はこう仰せられる。あなたがたが町の中に置いた死体は肉であり、この町はなべである。しかしわたしは、あなたがたをその中から取り出そう。
8 あなたがたは剣を恐れるが、わたしはあなたがたの上に剣をもたらす。──神である主の御告げ──
9 わたしはあなたがたを町から連れ出して、他国人の手に渡し、あなたがたにさばきを下す。
10 あなたがたが剣に倒れ、わたしがイスラエルの国境であなたがたをさばくとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
11 この町はあなたがたにとってなべとはならず、あなたがたはその中の肉とはならない。わたしは、イスラエルの国境であなたがたをさばこう。
12 あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。あなたがたが、わたしのおきてに従って歩まず、わたしの定めを守らず、あなたがたの回りにいる諸国の民のならわしに従ったからである。」
13 こうして、私が預言しているとき、ベナヤの子ペラテヤが死んだ。そこで、私はひれ伏し、大声で叫んで言った。「ああ、神、主よ。あなたはイスラエルの残りの者たちを、ことごとく滅ぼされるのでしょうか。」
14 そのとき、私に次のような主のことばがあった。
15 「人の子よ。あなたの兄弟、あなたの同胞、あなたの身近な親類の者たち、またイスラエルの全家のすべての者に対して、エルサレムの住民は、『主から遠く離れよ。この地は私たちの所有として与えられているのだ』と言った。
16 それゆえ言え。『神である主はこう仰せられる。わたしは彼らを遠く異邦の民の中へ移し、国々の中に散らした。しかし、わたしは彼らが行ったその国々で、しばらくの間、彼らの聖所となっていた。』
17 それゆえ言え。『神である主はこう仰せられる。わたしはあなたがたを、国々の民のうちから集め、あなたがたが散らされていた国々からあなたがたを連れ戻し、イスラエルの地をあなたがたに与える。』
18 彼らがそこに来るとき、すべての忌むべきもの、すべての忌みきらうべきものをそこから取り除こう。
19 わたしは彼らに一つの心を与える。すなわち、わたしはあなたがたのうちに新しい霊を与える。わたしは彼らの24からだから石の心を取り除き、彼らに肉の心を与える。
20 それは、彼らがわたしのおきてに従って歩み、わたしの定めを守り行うためである。こうして、彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。
21 しかし、彼らの忌むべきものや、忌みきらうべきものの心を、自分の心として歩む者には、彼らの頭上に彼らの行いを返そう。──神である主の御告げ──」
22 ケルビムが翼を広げると、輪もそれといっしょに動き出し、イスラエルの神の栄光がその上のほうにあった。
23主の栄光はその町の真ん中から上って、町の東にある山の上にとどまった。
24 また、霊が私を引き上げ、神の霊によって幻のうちに私をカルデヤの捕囚の民のところへ連れて行った。そして、私が見たその幻は、私から去って上って行った。
25 そこで私は、主が私に示されたことをことごとく捕囚の民に告げた。
1 ついで、私に次のような主のことばがあった。
2 「人の子よ。あなたは反逆の家の中に住んでいる。彼らは反逆の家だから、見る目があるのに見ず、聞く耳があるのに聞こうとしない。
3 人の子よ。あなたは捕囚のための荷物を整え、彼らの見ている前で、昼のうちに移れ。彼らの見ている前で、今いる所から他の所へ移れ。もしかしたら、彼らに自分たちが反逆の家であることがわかるかもしれない。
4 あなたは、自分の荷物を昼のうちに彼らの見ている前で、捕囚のための荷物のようにして持ち出し、捕囚に行く人々のように、彼らの見ている前で、夕方、出て行け。
5 彼らの見ている前で、あなたは壁に穴をあけ、そこから出て行け。
6 彼らの見ている前で、あなたは荷物を肩に負い、暗いうちに25出て行き、顔をおおって地を見るな。わたしがあなたをイスラエルの家のためにしるしとしたからだ。」
7 そこで、私は命じられたとおりに、私の荷物を捕囚のための荷物のようにして昼のうちに持ち出し、夕方、自分の手で壁に穴をあけ、彼らの見ている前で、暗いうちに荷物を背負って出て行った。
8翌朝、私に次のような主のことばがあった。
9 「人の子よ。反逆の家、イスラエルの家は、あなたに、『何をしているのか』と尋ねなかったか。
10 彼らに言え。『26神である主はこう仰せられる。この宣告は、エルサレムの君主、およびそこにいるイスラエルの全家にかかわるものである。』
11 また言え。『私はあなたがたへのしるしである。私がしたようなことが彼らにもなされる。彼らはとりことなって引いて行かれる。
12 彼らのうちにいる君主は、暗いうちに荷物を背負って出て行く。出て行けるように壁に穴があけられる。彼は顔をおおうであろう。彼は自分の目でその地をもう見ないからである。』
13 わたしはまた、彼の上にわたしの網をかけ、彼はわたしのわなにかかる。わたしは彼をカルデヤ人の地のバビロンへ連れて行く。しかし、彼はその地を見ないで、そこで死のう。
14 わたしはまた、彼の回りにいて彼を助ける者たちや、彼の軍隊をみな、四方に追い散らし、剣を抜いて彼らのあとを追う。
15 わたしが彼らを諸国の民の中に散らし、国々に追い散らすとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。
16 彼らが行く先の諸国の民の中で、自分たちの、忌みきらうべきわざをことごとく知らせるために、わたしが彼らのうちのわずかな者を、剣やききんや疫病から免れさせるとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。」
17 ついで、私に次のような主のことばがあった。
18 「人の子よ。震えながらあなたのパンを食べ、おののきながら、こわごわあなたの水を飲め。
19 この地の人々に言え。『神である主は、イスラエルの地のエルサレムの住民について、こう仰せられる。彼らは自分たちのパンをこわごわ食べ、自分たちの水をおびえながら飲むようになる。その地が、そこに住むすべての者の暴虐のために、やせ衰えるからである。
20 人の住んでいた町々が廃墟となり、その地が荒れ果てるそのとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。』」
21 さらに、私に次のような主のことばがあった。
22 「人の子よ。あなたがたがイスラエルの地について、『日は延ばされ、すべての幻は消えうせる』と言っているあのことわざは、どういうことなのか。
23 それゆえ、神である主はこう仰せられると言え。『わたしは、あのことわざをやめさせる。それで、彼らはイスラエルでは、もうくり返してそれを言わなくなる。かえって、その日は近づき、すべての幻は実現する』と彼らに告げよ。
24 もう、むなしい幻も、へつらいの占いもことごとく、イスラエルの家からなくなるからだ。
25 それは、主であるわたしが語り、わたしが語ったことを実現し、決して延ばさないからだ。反逆の家よ。あなたがたが生きているうちに、わたしは言ったことを成就する。──神である主の御告げ──」
26 さらに、私に次のような主のことばがあった。
27 「人の子よ。今、イスラエルの家は言っている。『彼が見ている幻はずっと後のことについてであり、はるか遠い将来について預言しているのだ。』
28 それゆえ、彼らに言え。『神である主はこう仰せられる。わたしが言ったことはすべてもう延びることはなく、必ず成就する。』──神である主の御告げ──」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。預言をしているイスラエルの預言者どもに対して預言せよ。自分の心のままに預言する者どもに向かって、主のことばを聞けと言え。
327神である主はこう仰せられる。自分で何も見ないのに、自分の霊に従う愚かな預言者どもにわざわいが来る。
4 イスラエルよ。あなたの預言者どもは、廃墟にいる狐のようだ。
5 あなたがたは、主の日に、戦いに耐えるために、破れ口を修理もせず、イスラエルの家の石垣も築かなかった。
6 彼らはむなしい幻を見、まやかしの占いをして、『主の御告げ』と言っている。主が彼らを遣わされないのに。しかも、彼らはそのことが成就するのを待ち望んでいる。
7 あなたがたはむなしい幻を見、まやかしの占いをしていたではないか。わたしが語りもしないのに『主の御告げ』と言っている。
8 それゆえ、神である主はこう仰せられる。あなたがたは、むなしいことを語り、まやかしの幻を見ている。それゆえ今、わたしはあなたがたに立ち向かう。──神である主の御告げ──
9 わたしは、むなしい幻を見、まやかしの占いをしている預言者どもに手を下す。彼らはわたしの民の交わりに加えられず、イスラエルの家の籍にも入れられない。イスラエルの地にも入ることができない。このとき、あなたがたは、わたしが神、主であることを知ろう。
10 実に、彼らは、平安がないのに『平安』と言って、わたしの民を惑わし、壁を建てると、すぐ、それをしっくいで上塗りしてしまう。
11 しっくいで上塗りする者どもに言え。『それは、すぐはげ落ちる。』大雨が降り注ぎ、わたしが雹を降らせ、激しい風を吹きつける。
12 すると、壁が倒れ落ちる。人々はあなたがたに向かって、『上塗りしたしっくいはどこにあるのか』と言わないだろうか。
13 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしは、憤って激しい風を吹きつけ、怒って大雨を降り注がせ、憤って雹を降らせて、こわしてしまう。
14 あなたがたがしっくいで上塗りした壁を、わたしが打ちこわし、地に倒してしまうので、その土台までもあばかれてしまう。それが倒れ落ちて、あなたがたがその中で滅びるとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
15 わたしは、その壁と、それをしっくいで上塗りした者どもへのわたしの憤りを全うして、あなたがたに言う。壁もなくなり、それにしっくいを塗った者どもも、いなくなった。
16 エルサレムについて預言し、平安がないのに平安の幻を見ていたイスラエルの預言者どもよ。──神である主の御告げ──
17 人の子よ。自分の心のままに預言するあなたの民の娘たちに、あなたの顔を向け、彼らに預言して、
18 言え。神である主はこう仰せられる。みなの手首に呪法のひもを縫い合わせ、あらゆる高さの頭に合うようにベールを作って、人々をわなにかける女たちにわざわいが来る。あなたがたは、わたしの民である人々をわなにかけて、自分たちのために人々を生かしているのだ。
19 あなたがたは、ひとつかみの大麦のため、少しばかりのパンのために、まやかしに聞き従うわたしの民にまやかしを行い、死んではならない者たちを死なせ、生きてはならない者たちを生かして、わたしの民のうちでわたしを汚した。
20 それゆえ、神である主はこう仰せられる。見よ。わたしは、あなたがたが、人々を鳥を取るようにわなにかけたのろいのひもに立ち向かう。それらをあなたがたの腕からもぎ取り、あなたがたが鳥を取るようにわなにかけた人々を、わたしが放す。
21 わたしは、あなたがたのベールをはがし、わたしの民をあなたがたの手から救い出す。わなにかかった者たちは、もうあなたがたの手のうちにいなくなる。このとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
22 あなたがたは、わたしが悲しませなかったのに、正しい人の心を偽りで悲しませ、悪者を力づけ、彼が悪の道から立ち返って生きるようにしなかった。
23 それゆえ、あなたがたは、もう、むなしい幻も見ることができず、占いもできなくなる。わたしは、わたしの民をあなたがたの手から救い出す。このとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。」
1 イスラエルの長老たちの幾人かが来て、私の前にすわった。
2 そのとき、私に次のような主のことばがあった。
3 「人の子よ。これらの者たちは、自分たちの偶像を心の中に秘め、自分たちを不義に引き込むものを、顔の前に置いている。わたしは、どうして彼らの願いを聞いてやれようか。
4 それゆえ、彼らに告げよ。28神である主はこう仰せられると言え。心の中に偶像を秘め、不義に引き込むものを自分の顔の前に置きながら、預言者のところに来るすべてのイスラエルの家の者には、主であるわたしが、その多くの偶像に応じて答えよう。
5偶像のために、みなわたしから離されてしまったイスラエルの家の心をわたしがとらえるためである。
6 それゆえ、イスラエルの家に言え。神である主はこう仰せられる。悔い改めよ。偶像を捨て去り、すべての忌みきらうべきものをあなたがたの前から遠ざけよ。
7 イスラエルの家の者でも、イスラエルにいる在留異国人でも、だれでもわたしから離れ、心の中に偶像を秘め、不義に引き込むものを顔の前に置きながら、わたしに尋ね求めようと、預言者のところに来る者には、主であるわたしが答えよう。
8 わたしがそのような者から顔をそむけ、彼をしるしとし、語りぐさとして、わたしの民のうちから彼を断ち滅ぼすとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
9 もし預言者が惑わされて、ことばを語るなら、──主であるわたしがその預言者を惑わしたのである──わたしは彼に手を伸ばして、わたしの民イスラエルのうちから彼を根絶やしにする。
10 こういう者たちは、自分たちの咎を負う。この預言者の咎は、尋ね求めた者の咎と同じである。
11 それは、イスラエルの家が、二度とわたしから迷い出ず、重ねて自分たちのそむきの罪によって自分自身を汚さないためであり、彼らがわたしの民となり、わたしも彼らの神となるためである。──神である主の御告げ──」
12 次のような主のことばが私にあった。
13 「人の子よ。国が、不信に不信を重ねてわたしに罪を犯し、そのためわたしがその国に手を伸ばし、そこの29パンのたくわえをなくし、その国にききんを送り、人間や獣をそこから断ち滅ぼすなら、
14 たとい、そこに、ノアとダニエルとヨブの、これら三人の者がいても、彼らは自分たちの義によって自分たちのいのちを救い出すだけだ。──神である主の御告げ──
15 もし、その地にわたしが悪い獣を行き巡らせ、その地を不毛にし、荒れ果てさせ、獣のために通り過ぎる者もなくなるとき、
16 たとい、その地にこれら三人の者がいても、──わたしは生きている。神である主の御告げ──彼らは決して自分の息子も娘も救い出すことができない。ただ彼ら自身だけが救い出され、その地は荒れ果てる。
17 あるいは、わたしがその地に剣を送り、『剣よ。この地を行き巡れ』と言って、人間や獣をそこから断ち滅ぼすとき、
18 たとい、その地にこれら三人の者がいても、──わたしは生きている。神である主の御告げ──彼らは決して自分の息子も娘も救い出すことができない。ただ彼ら自身だけが救い出される。
19 あるいは、わたしがその地に疫病を送って、人間や獣をそこから断ち滅ぼすために、血を流してわたしの憤りをその地に注ぐとき、
20 たとい、そこに、ノアとダニエルとヨブがいても、──わたしは生きている。神である主の御告げ──彼らは決して息子も娘も救い出すことができない。彼らは自分たちの義によって自分たちのいのちを救い出すだけだ。
21 まことに、神である主はこう仰せられる。人間や獣を断ち滅ぼすために、わたしが剣とききんと悪い獣と疫病との四つのひどい刑罰をエルサレムに送るとき、
22 見よ、そこに、のがれた者が残っていて、息子や娘たちを連れ出し、あなたがたのところにやって来よう。あなたがたは彼らの行いとわざとを見るとき、わたしがエルサレムにもたらしたわざわいと、わたしがそこにもたらしたすべての事について、慰められよう。
23 あなたがたは、彼らの行いとわざとを見て慰められる。このとき、あなたがたは、わたしがそこでしたすべての事はゆえもなくしたのではないことを知ろう。──神である主の御告げ──」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 人の子よ。ぶどうの木は、
森の木立ちの間にあって、
その枝が、
ほかの木よりどれだけすぐれているのか。
3 その木を使って何かを作るために
その木は切り出されるだろうか。
それとも、あらゆる器具を掛けるために
これを使って木かぎを作るだろうか。
4 見よ。それは、たきぎとして火に投げ入れられ、
火がその両端を焼き尽くす。
その中ほども焦げてしまえば、
それは何の役に立つだろうか。
5 見よ。それが完全なときでも、何も作れないのに、
まして、火がそれを燃やして、焦がせば、
もう、それで何が作れよう。
6 それゆえ、30神である主はこう仰せられる。
わたしはエルサレムの住民を、
わたしがたきぎとして火に投げ入れた、
森の木立ちの間のぶどうの木のように、
火に投げ入れてしまう。
7 わたしは彼らから顔をそむける。
彼らが火からのがれても、
火は彼らを焼き尽くしてしまう。
わたしが彼らから顔をそむけるそのとき、
あなたがたは、
わたしが主であることを知ろう。
8 彼らがわたしに不信に不信を重ねたので、
わたしはこの地を荒れ果てさせる。
──神である主の御告げ──
1 ついで、私に次のような主のことばがあった。
2 「人の子よ。エルサレムにその忌みきらうべきわざをよく知らせて、
3 言え。31神である主はエルサレムについてこう仰せられる。あなたの起こりと、あなたの生まれはカナン人の地である。あなたの父はエモリ人、あなたの母はヘテ人であった。
4 あなたの生まれは、あなたが生まれた日に、へその緒を切る者もなく、水で洗ってきよめる者もなく、塩でこする者もなく、布で包んでくれる者もいなかった。
5 だれもあなたを惜しまず、これらの事の一つでもあなたにしてやって、あなたにあわれみをかけようともしなかった。あなたの生まれた日に、あなたはきらわれて、野原に捨てられた。
6 わたしがあなたのそばを通りかかったとき、あなたが自分の血の中でもがいているのを見て、血に染まっているあなたに、『生きよ』と言い、血に染まっているあなたに、くり返して、『生きよ』と言った。
7 わたしはあなたを野原の新芽のように育て上げた。あなたは成長して、大きくなり、十分に円熟して、乳房はふくらみ、髪も伸びた。しかし、あなたはまる裸であった。
8 わたしがあなたのそばを通りかかってあなたを見ると、ちょうど、あなたの年ごろは恋をする時期になっていた。わたしは衣のすそをあなたの上に広げ、あなたの裸をおおい、わたしはあなたに誓って、あなたと契りを結んだ。──神である主の御告げ──そして、あなたはわたしのものとなった。
9 それでわたしはあなたを水で洗い、あなたの血を洗い落とし、あなたに油を塗った。
10 わたしはまた、あや織りの着物をあなたに着せ、じゅごんの皮のはきものをはかせ、亜麻布をかぶらせ、絹の着物を着せた。
11 それから、わたしは飾り物であなたを飾り、腕には腕輪をはめ、首には首飾りをかけ、
12 鼻には鼻輪、両耳には耳輪をつけ、頭には輝かしい冠をかぶせた。
13 こうして、あなたは金や銀で飾られ、あなたは亜麻布や絹やあや織り物を着て、上等の小麦粉や蜜や油を食べた。こうして、あなたは非常に美しくなり、栄えて、女王の位についた。
14 その美しさのために、あなたの名は諸国の民の間に広まった。それは、わたしがあなたにまとわせたわたしの飾り物が完全であったからだ。──神である主の御告げ──
15 ところが、あなたは、自分の美しさに拠り頼み、自分の名声を利用して姦淫を行い、通りかかる人があれば、だれにでも身を任せて姦淫をした。
16 あなたはまた、自分の衣服のいくらかを取り出して、自分のために、まだらに色どった高き所を造り、その上で姦淫を行った。こんな事はあったことがなく、あってはならないことだ。
17 あなたは、わたしが与えた金や銀の美しい品々を取って、自分のために男の像を造り、それと姦淫を行った。
18 あなたはまた、あや織りの着物を取って、それをおおい、わたしの油と、わたしの香とをその前にささげた。
19 あなたは、わたしが与えたわたしのパンや、あなたに食べさせた上等の小麦粉や、油や、蜜までも、その前にささげてなだめのかおりとした。そうしたのだ。──神である主の御告げ──
20 あなたはまた、わたしのために産んだ自分の息子や娘たちを取り、その像にいけにえとしてささげて食べさせた。あなたの姦淫はささいなことだろうか。
21 あなたは、わたしの子どもたちを殺し、これを焼いて、ささげ物とした。
22 あなたは、あらゆる忌みきらうべきことや姦淫をしているとき、かつて自分がまる裸のまま、血の中でもがいていた若かった時のことを思い出さなかった。
23 あなたはこのすべての悪行の後──ああ。わざわいがあなたに来る。神である主の御告げ──
24 あなたは自分のために小高い家を建て、どこの広場にも高台を造り、
25 どこの辻にも高台を築き、通りかかるすべての人に身を任せ、姦淫を重ねて自分の美しさを忌みきらうべきものとした。
26 あなたは、良いからだをした隣のエジプト人と姦通し、ますます姦淫を重ねてわたしの怒りを引き起こした。
27 見よ。わたしは、あなたに手を伸ばして、あなたの食糧を減らした。そして、あなたを憎む者、あなたのみだらな行いによってはずかしめを受けたペリシテ人の娘たちの思いのままに、あなたを任せた。
28 あなたはそれでもまだ飽き足らず、アッシリヤ人と姦通した。彼らと姦通しても、まだあなたは飽き足らず、
29 商業の地カルデヤとますます姦淫を重ねたが、それでも、あなたは飽き足らなかった。
30 なんとあなたの心は、あえいでいることよ。──神である主の御告げ──あつかましい遊女のするようなこれらのことをことごとく行って。
31 あなたは、どこの辻にも自分の小高い家を建て、どこの広場にも高台を造った。しかし、あなたは報酬をあざけったので、遊女のようではなかった。
32姦婦は、自分の夫の代わりに、ほかの男と通じるものだ。
33遊女には、すべて代価が支払われるのに、あなたは、自分のほうから持参金をすべての愛人たちに与え、彼らに贈り物をして、四方からあなたのところに来させて姦淫をした。
34 だから、あなたの姦淫は、ほかの女の場合と反対だ。だれもあなたを求めて姦淫をする者はいなかった。あなたが報酬を支払い、だれもあなたに報酬を支払わなかった。だからあなたは反対のことをしたのだ。
35 それゆえ、遊女よ、主のことばを聞け。
36 神である主はこう仰せられる。あなたは、愛人たちや、忌みきらうべき偶像と姦淫をして、自分の恥ずかしい所を見せ、自分の裸をあらわにし、それらに自分の子をささげて血を流したため、
37 それゆえ、見よ、わたしは今、あなたが戯れたすべての愛人たちや、あなたが恋した者や、憎んだ者をすべて寄せ集め、彼らを四方から集めて、あなたの裸を彼らにさらけ出し、彼らにあなたの裸をすっかり見せよう。
38 わたしは、姦通した女と殺人をした女に下す罰であなたをさばき、ねたみと憤りの血をあなたに注ぐ。
39 わたしは、あなたを彼らの手にゆだねる。彼らはあなたの小高い家をくつがえし、高台をこわし、あなたの着物をはぎ取り、あなたの美しい品々を奪い取り、あなたをまる裸にしておこう。
40 彼らは、集団をあおってあなたを襲わせ、石であなたを打ち殺し、剣であなたを切り倒そう。
41 そのうえ、あなたの家々を火で焼き、多くの女たちの見ている前であなたにさばきを下そう。わたしはあなたの淫行をやめさせる。あなたはもう、報酬を支払わなくなろう。
42 わたしは、あなたに対するわたしの憤りを静め、わたしのねたみをあなたから遠のける。わたしは心を休め、二度と怒るまい。
43 あなたが、自分の若かった時のことを思い出さず、かえって、これらすべてのことでわたしを怒らせたので、見よ、わたしもまた、あなたの頭上にあなたの行いを返す。──神である主の御告げ──あなたはすべての忌みきらうべきわざに、みだらな行いを加えることは、もうすまい。
44 見よ。ことわざを用いる者は、あなたについてこういうことわざを用いよう。『あの母だから、この娘』と。
45 あなたは、自分の夫と子どもをきらった母の娘。自分たちの夫や子どもをきらった姉妹があなたの姉妹。あなたがたの母はヘテ人、あなたがたの父はエモリ人であった。
46 あなたの姉は、その娘たちといっしょに、あなたの左に住んでいるサマリヤであり、あなたの妹は、その娘たちといっしょにあなたの右に住んでいるソドムである。
47 あなたは、ほんのしばらくの間だけ、彼らの道に歩まず、彼らの、忌みきらうべきわざをまねなかったが、ついにあなたのすべての道において、彼らよりも堕落してしまった。
48 わたしは誓って言うが、──神である主の御告げ──あなたの妹ソドムとその娘たちは決して、あなたと、あなたの娘たちがしたほどのことはしなかった。
49 だが、あなたの妹ソドムの不義はこうだった。彼女とその娘たちは高慢で、食物に飽き、安逸をむさぼり、乏しい者や、貧しい者の世話をしなかった。
50 彼女たちは高ぶって、わたしの前で忌みきらうべきことをしたので、わたしはこれを見たとき、彼らを取り除いた。
51 サマリヤもまた、あなたの罪の半分ほども罪を犯さなかった。あなたが彼女たち以上に多くの忌みきらうべきことをしたので、あなたのしたすべての忌みきらうべきことが、あなたの姉妹たちを正しいとした。
52 あなたも、あなたの姉妹たちをかばった恥を負え。あなたが彼女たちよりももっと忌みきらうべきことをして罪を犯したため、彼女たちがあなたよりも正しいとされたからだ。あなたもはずかしめを受けよ。あなたの姉妹たちを正しいとしたあなたの恥を負え。
53 わたしは彼女たちの繁栄を元どおりにする。ソドムとその娘たちの繁栄、サマリヤとその娘たちの繁栄、また彼女たちの中にいるあなたの繁栄を元どおりにする。
54 それは、あなたが、あなた自身の恥を負い、あなたが彼女たちを慰めたときにしたすべての事によって、あなたが恥じるためである。
55 あなたの姉妹たち、ソドムとその娘たちは、もとの所に帰り、サマリヤとその娘たちも、もとの所に帰り、あなたとあなたの娘たちも、もとの所に帰って来る。
56 あなたは、高ぶっていたときには、あなたの妹ソドムを悪いうわさの種にしていたではないか。
57 しかしそれは、あなたの悪があばかれる前のことであって、今はアラムの娘たちや、その回りのすべての者、およびあなたを回りから侮るペリシテ人の娘たちのそしりとなっている。
58 あなたは、自分のみだらな行いと忌みきらうべきわざの報いを受けている。──主の御告げ──
59 まことに、神である主はこう仰せられる。わたしはあなたがしたとおりの事をあなたに返す。あなたは32誓いをさげすんで、契約を破った。
60 だが、わたしは、あなたの若かった時にあなたと結んだわたしの契約を覚え、あなたととこしえの契約を立てる。
61 わたしが、あなたの姉と妹とを選び取り、あなたとの契約には含まれていないが、わたしが彼女たちをあなたの娘としてあなたに与えるとき、あなたは自分の行いを思い出し、恥じることになろう。
62 わたしがあなたとの契約を新たにするとき、あなたは、わたしが主であることを知ろう。
63 それは、わたしが、あなたの行ったすべての事について、あなたを赦すとき、あなたがこれを思い出して、恥を見、自分の恥のためにもう口出ししないためである。──神である主の御告げ──」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。イスラエルの家になぞをかけ、たとえを語り、
333神である主はこう仰せられると言え。
大きな翼、長い羽、
色とりどりの豊かな羽毛の大鷲が、
レバノンに飛んで来て、
杉のこずえを取り、
4 その若枝の先を摘み取り、
それを商業の地へ運び、
商人の町に置いた。
5 ついで、その地の種も取って来て、
肥えた土地に植え、
豊かな水のそばに、柳のように植えた。
6 それは生長し、たけは低いが、
よくはびこるぶどうの木となった。
その枝は鷲のほうに向き、
その根は鷲の下に張り、
こうして、ぶどうの木となって、
枝を伸ばし、若枝を出した。
7 さて、もう一羽の大きな翼と豊かな羽毛を持つ
大鷲がいた。
見よ。このぶどうの木は、
潤いを得るために、
根を、その鷲のほうに向けて伸ばし、
その枝を、自分が植わっている所から、
その鷲のほうに伸ばした。
8 このぶどうの木は、枝を伸ばし、実を結び、
みごとなぶどうの木となるために、
水の豊かな良い地に植えつけられていた。
9 神である主はこう仰せられると言え。それは栄えている。しかし、主はその根を抜き取り、その実を摘み取り、芽のついた若枝をことごとく枯らしてしまわないだろうか。それは枯れる。それを根こそぎ引き抜くのに、大きな力や多くの軍勢を必要としない。
10 見よ。それが移し植えられたら、栄えるだろうか。東風がそれに吹きつけると、それはすっかり枯れてしまわないだろうか。その芽を出した苗床で、それは枯れてしまう。」
11 次のような主のことばが私にあった。
12 「さあ、反逆の家に言え。これらがどういうことなのか、あなたがたは知らないのか。言え。見よ。バビロンの王がエルサレムに来て、その王とその首長たちを捕らえ、バビロンの自分のところへ彼らを連れて行った。
13 そして彼は王族のひとりを選んで、その者と契約を結び、忠誠を誓わせた。バビロンの王はこの国のおもだった者たちも連れ去っていた。
14 それは、この王国を低くして、立ち上がれないようにし、その契約を守らせて、仕えさせるためであった。
15 ところが、彼はバビロンの王に反逆し、使者をエジプトに送り、馬と多くの軍勢を得ようとした。そんなことをして彼は成功するだろうか。助かるだろうか。契約を破って罰を免れるだろうか。
16 わたしは生きている、──神である主の御告げ──彼は、自分を王位につけた王の住む所、彼が誓いをさげすみ、契約を破ったその相手の王の住む所、バビロンで必ず死ぬ。
17 戦争になって、多くの者を断ち滅ぼそうと、彼が塁を築き塹壕を掘っても、パロは決して大軍勢と大集団で彼をかばわない。
18 彼は誓いをさげすみ、契約を破った。彼は、34誓っていながら、しかも、これらすべての事をしたから、決して罰を免れない。
19 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしは生きている。彼がさげすんだわたしの誓い、彼が破ったわたしの契約、これを必ず彼の頭上に果たそう。
20 わたしは彼の上にわたしの網をかけ、彼はわたしのわなにかかる。わたしは彼をバビロンへ連れて行き、わたしに逆らった不信の罪についてそこで彼をさばく。
21 彼の軍隊ののがれた者もみな剣に倒れ、残された者も四方に散らされる。このとき、あなたがたは、主であるわたしが語ったことを知ろう。」
22 神である主はこう仰せられる。「わたしは、高い杉のこずえを取り、そのうちから、柔らかい若枝の先を摘み取り、わたしはみずからそれを、高くてりっぱな山に植える。
23 わたしがそれをイスラエルの高い山に植えると、それは枝を伸ばし、実を結び、みごとな杉の木となり、その下にはあらゆる種類の鳥が住みつき、その枝の陰に宿る。
24 このとき、野のすべての木は、主であるわたしが、高い木を低くし、低い木を高くし、緑の木を枯らし、枯れ木に芽を出させることを知るようになる。主であるわたしが語り、わたしが行う。」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「あなたがたは、イスラエルの地について、『父が酸いぶどうを食べたので、子どもの歯が浮く』という、このことわざをくり返し言っているが、いったいどうしたことか。
3 わたしは誓って言う。──35神である主の御告げ──あなたがたはこのことわざを、イスラエルで、もう決して用いないようになる。
4 見よ。すべてのいのちはわたしのもの。父のいのちも、子のいのちもわたしのもの。罪を犯した者は、その者が死ぬ。
5 もし、正しい者なら、その人は公義と正義とを行い、
6丘の上で食事をせず、イスラエルの家の偶像を仰ぎ見ず、隣人の妻を汚さず、さわりのある女に近寄らず、
7 だれをもしいたげず、質物を返し、物をかすめず、飢えている者に自分の食物を与え、裸の者に着物を着せ、
8 利息をつけて貸さず、高利を取らず、不正から手を引き、人と人との間を正しくさばき、
9 わたしのおきてに従って歩み、まことをもってわたしの定めを守り行おう。こういう人が正しい人で、必ず生きる。──神である主の御告げ──
10 しかし、彼が子を生み、その子が無法の者で、人の血を流し、先に述べたことの一つにでも違反する場合、
11 すなわち、それらすべてのことをしようともせず、かえって丘の上で食事をし、隣人の妻を汚し、
12乏しい者や貧しい者をしいたげ、物をかすめ、質物を返さず、偶像を仰ぎ見て、忌みきらうべきことをし、
13 利息をつけて貸し、高利を取るなら、こういう者ははたして生きるだろうか。彼は生きられない。自分がこれらすべての忌みきらうべきことをしたのだから、彼は必ず死に、その血の責任は彼自身に帰する。
14 しかし、彼が子を生み、その子が父の行ったすべての罪を見て反省し、そのようなことを行わず、
15丘の上で食事をせず、イスラエルの家の偶像を仰ぎ見ず、隣人の妻を汚さず、
16 だれをもしいたげず、質物をとどめておかず、物をかすめず、飢えている者に自分の食物を与え、裸の者に着物を着せ、
17卑しいことから手を引き、利息や高利を取らず、わたしの定めを行い、わたしのおきてに従って歩むなら、こういう者は自分の父の咎のために死ぬことはなく、必ず生きる。
18 彼の父は、しいたげを行い、兄弟の物をかすめ、良くないことを自分の民の中で行ったので、彼は確かに自分の咎のために死ぬ。
19 あなたがたは、『なぜ、その子は父の咎の罰を負わなくてよいのか』と言う。その子は、公義と正義とを行い、わたしのすべてのおきてを守り行ったので、必ず生きる。
20罪を犯した者は、その者が死に、子は父の咎について負いめがなく、父も子の咎について負いめがない。正しい者の義はその者に帰し、悪者の悪はその者に帰する。
21 しかし、悪者でも、自分の犯したすべての罪から立ち返り、わたしのすべてのおきてを守り、公義と正義を行うなら、彼は必ず生きて、死ぬことはない。
22 彼が犯したすべてのそむきの罪は覚えられることはなく、彼が行った正しいことのために、彼は生きる。
23 わたしは悪者の死を喜ぶだろうか。──神である主の御告げ──彼がその態度を悔い改めて、生きることを喜ばないだろうか。
24 しかし、正しい人が、正しい行いから遠ざかり、不正をし、悪者がするようなあらゆる忌みきらうべきことをするなら、彼は生きられるだろうか。彼が行ったどの正しいことも覚えられず、彼の不信の逆らいと、犯した罪のために、死ななければならない。
25 あなたがたは、『主の態度は公正でない』と言っている。さあ、聞け。イスラエルの家よ。わたしの態度は公正でないのか。公正でないのはあなたがたの態度ではないのか。
26 正しい人が自分の正しい行いから遠ざかり、不正をし、そのために死ぬなら、彼は自分の行った不正によって死ぬ。
27 しかし、悪者でも、自分がしている悪事をやめ、公義と正義とを行うなら、彼は自分のいのちを生かす。
28 彼は反省して、自分のすべてのそむきの罪を悔い改めたのだから、彼は必ず生き、死ぬことはない。
29 それでも、イスラエルの家は、『主の態度は公正でない』と言う。イスラエルの家よ。わたしの態度は公正でないのか。公正でないのはあなたがたの態度ではないのか。
30 それゆえ、イスラエルの家よ、わたしはあなたがたをそれぞれその態度にしたがってさばく。──神である主の御告げ──悔い改めて、あなたがたのすべてのそむきの罪を振り捨てよ。不義に引き込まれることがないようにせよ。
31 あなたがたの犯したすべてのそむきの罪をあなたがたの中から放り出せ。こうして、新しい心と新しい霊を得よ。イスラエルの家よ。なぜ、あなたがたは死のうとするのか。
32 わたしは、だれが死ぬのも喜ばないからだ。──神である主の御告げ──だから、悔い改めて、生きよ。
1 あなたはイスラエルの君主たちのために哀歌を唱えて、
2 言え。
あなたの母である雌獅子は何なのか。
雄獅子の間に伏し、
若い獅子の間で子獅子を養った。
3 雌獅子が子獅子のうちの一頭を育て上げると、
それは若い獅子となり、
獲物を引き裂くことを習い、人を食べた。
4 諸国の民はその獅子のうわさを聞いた。
その獅子は彼らの落とし穴で捕らえられた。
彼らは鉤でこれを
エジプトの地へ引きずって行った。
5 雌獅子は、待ちくたびれ、
自分の望みが消えうせたことを知ったとき、
子獅子のうちのほかの一頭を取り、
若い獅子とした。
6 これも、雄獅子の間を歩き回り、
若い獅子となって、
獲物を引き裂くことを習い、人を食べた。
7 この獅子は人のやもめたちを犯し、
町々を廃墟とした。
そのほえる声のために、
地と、それに満ちているものはおののいた。
8 そこで、諸国の民は、回りの州から攻め上り、
その獅子に彼らの網を打ちかけた。
その獅子は彼らの落とし穴で捕らえられた。
9 彼らはそれを鉤にかけておりに入れ、
バビロンの王のもとに引いて行った。
彼らはそれをとりでに閉じ込め、
二度とその声が
イスラエルの山々に聞こえないようにした。
10 あなたの母は、36まさしく、
水のほとりに植えられた
ぶどうの木のようだった。
水が豊かなために実りが良く、枝も茂った。
11 その強い枝は王の杖となり、
そのたけは茂みの中できわだって高く、
多くの小枝をつけてきわだって見えた。
12 しかし、それは憤りのうちに引き抜かれ、
地に投げ捨てられ、
東風はその実を枯らし、
その強い枝も折られて枯れ、
火に焼き尽くされた。
13 今や、それは、荒野と砂漠と、
潤いのない地に移し植えられ、
14 火がその枝から出て、
その若枝と実を焼き尽くした。
もう、それには
王の杖となる強い枝がなくなった。」
これは悲しみの歌、哀歌となった。
1 第七年の第五の月の十日、イスラエルの長老たちの幾人かが、主に尋ねるために来て、私の前にすわった。
2 そのとき、私に次のような主のことばがあった。
3 「人の子よ。イスラエルの長老たちに語って言え。37神である主はこう仰せられる。あなたがたが来たのは、わたしに願いを聞いてもらうためなのか。わたしは生きている、わたしは決してあなたがたの願いを聞き入れない。──神である主の御告げ──
4 あなたは彼らをさばこうとするのか。人の子よ。あなたはさばこうとするのか。彼らの先祖たちの、忌みきらうべきわざを彼らに知らせよ。
5 彼らに言え。神である主はこう仰せられる。わたしがイスラエルを選んだとき、ヤコブの家の子孫に誓い、エジプトの地で彼らにわたしを知らせ、わたしがあなたがたの神、主であると言って彼らに誓った。
6 その日、彼らをエジプトの地から連れ出し、わたしが彼らのために探り出した乳と蜜の流れる地、どの地よりも麗しい地に入れることを、彼らに誓った。
7 わたしは彼らに言った。『おのおのその目の慕う忌まわしいものを投げ捨てよ。エジプトの偶像で身を汚すな。わたしがあなたがたの神、主である』と。
8 それでも、彼らはわたしに逆らい、わたしに聞き従おうともせず、みな、その目の慕う忌まわしいものを投げ捨てようともせず、エジプトの偶像を捨てようともしなかった。だから、わたしは、エジプトの地でわたしの憤りを彼らの上に注ぎ、彼らへのわたしの怒りを全うしようと思った。
9 しかし、わたしはわたしの名のために、彼らが住んでいる諸国の民の目の前で、わたしの名を汚そうとはしなかった。わたしは諸国の民の目の前で彼らをエジプトの地から連れ出す、と知らせていたからだ。
10 こうして、わたしはエジプトの地から彼らを連れ出し、荒野に導き入れ、
11 わたしのおきてを彼らに与え、それを実行すれば生きることのできるそのわたしの定めを彼らに教えた。
12 わたしはまた、彼らにわたしの安息日を与えてわたしと彼らとの間のしるしとし、わたしが彼らを聖別する主であることを彼らが知るようにした。
13 それなのに、イスラエルの家は荒野でわたしに逆らい、わたしのおきてに従って歩まず、それを行えば生きることのできるそのわたしの定めをもないがしろにし、わたしの安息日をひどく汚した。だから、わたしは、荒野でわたしの憤りを彼らの上に注ぎ、彼らを絶ち滅ぼそうと考えた。
14 しかし、わたしはわたしの名のために、彼らを連れ出すのを見ていた諸国の民の目の前でわたしの名を汚そうとはしなかった。
15 だが、わたしは、わたしが与えた、乳と蜜の流れる地、どの地よりも麗しい地に彼らを導き入れないと荒野で彼らに誓った。
16 それは、彼らがわたしの定めをないがしろにし、わたしのおきてを踏み行わず、わたしの安息日を汚したからだ。それほど彼らの心は偶像を慕っていた。
17 それでも、わたしは彼らを惜しんで、滅ぼさず、わたしは荒野で彼らを絶やさなかった。
18 わたしは彼らの子どもたちに荒野で言った。『あなたがたの父たちのおきてに従って歩むな。彼らのならわしを守るな。彼らの偶像で身を汚すな。
19 わたしがあなたがたの神、主である。わたしのおきてに従って歩み、わたしの定めを守り行え。
20 また、わたしの安息日をきよく保て。これをわたしとあなたがたとの間のしるしとし、わたしがあなたがたの神、主であることを知れ』と。
21 それなのに、その子どもたちはわたしに逆らい、わたしのおきてに従って歩まず、それを行えば生きることのできるそのわたしの定めを守り行わず、わたしの安息日を汚した。だから、わたしは、荒野でわたしの憤りを彼らの上に注ぎ、彼らへのわたしの怒りを全うしようと思った。
22 しかし、わたしは手を引いて、わたしの名のために、彼らを連れ出すのを見ていた諸国の民の目の前でわたしの名を汚そうとはしなかった。
23 だが、わたしは、彼らを諸国の民の中に散らし、国々へ追い散らすと荒野で彼らに誓った。
24 彼らがわたしの定めを行わず、わたしのおきてをないがしろにし、わたしの安息日を汚し、彼らの心が父たちの偶像を慕ったからだ。
25 わたしもまた、良くないおきて、それによっては生きられない定めを、彼らに与えた。
26 彼らがすべての初子に38火の中を通らせたとき、わたしは彼らのささげ物によって彼らを汚した。それは、わたしが彼らを滅ぼすため、わたしが主であることを彼らが知るためである。
27 それゆえ、人の子よ、イスラエルの家に語って言え。神である主はこう仰せられる。あなたがたの先祖は、なお、このようにして、わたしに不信に不信を重ね、わたしを冒瀆した。
28 わたしが、彼らに与えると誓った地に彼らを連れて行ったとき、彼らは、高い丘や茂った木を見ると、どこででも、いけにえをささげ、39主の怒りを引き起こすささげ物をささげ、なだめのかおりを供え、注ぎのぶどう酒を注いだ。
29 そこで、わたしは彼らに言った。あなたがたが通う高き所は何なのか。今日でもその名を40バマと呼ばれているが。
30 それゆえ、イスラエルの家に言え。神である主はこう仰せられる。あなたがたは父たちの行いをまねて自分自身を汚し、彼らの忌まわしいものを慕って姦淫を犯している。
31 しかも、ささげ物を供え、幼子に火の中を通らせ、今日まであらゆる偶像で身を汚している。イスラエルの家よ。わたしはどうして、あなたがたの願いを聞いてやれようか。わたしは生きている、──神である主の御告げ──わたしは決してあなたがたの願いを聞き入れない。
32 あなたがたが、『私たちは木や石を拝んでいる異邦の民、国々の諸族のようになろう』と言って心に思い浮かべていることは決して実現しない。
33 わたしは生きている、──神である主の御告げ──わたしは憤りを注ぎ、力強い手と伸ばした腕をもって、必ずあなたがたを治める。
34 わたしは、力強い手と伸ばした腕、注ぎ出る憤りをもって、あなたがたを国々の民の中から連れ出し、その散らされている国々からあなたがたを集める。
35 わたしはあなたがたを国々の民の荒野に連れて行き、そこで、顔と顔とを合わせて、あなたがたをさばく。
36 わたしがあなたがたの先祖をエジプトの地の荒野でさばいたように、あなたがたをさばく。──神である主の御告げ──
37 わたしはまた、あなたがたにむちの下を通らせ、あなたがたと契約を結び、
38 あなたがたのうちから、わたしにそむく反逆者を、えり分ける。わたしは彼らをその寄留している地から連れ出すが、彼らはイスラエルの地に入ることはできない。このとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
39 さあ、イスラエルの家よ。神である主はこう仰せられる。おのおの自分の偶像に行って仕えるがよい。後にはきっと、あなたがたはわたしに聞くようになる。あなたがたは二度と自分たちのささげ物や偶像で、わたしの聖なる名を汚さなくなる。
40 わたしの聖なる山、イスラエルの高い山の上で、──神である主の御告げ──その所で、この地にいるイスラエルの全家はみな、わたしに仕えるからだ。その所で、わたしは彼らを喜んで受け入れ、その所で、あなたがたのすべての聖なる物とともに、あなたがたの奉納物と最上のささげ物を求める。
41 わたしがあなたがたを国々の民の中から連れ出し、その散らされている国々からあなたがたを集めるとき、わたしは、あなたがたをなだめのかおりとして喜んで受け入れる。わたしは、諸国の民が見ている前で、あなたがたのうちに、わたしの聖なることを示す。
42 わたしが、あなたがたの先祖に与えると誓った地、イスラエルの地に、あなたがたを入らせるとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
43 その所であなたがたは、自分の身を汚した自分たちの行いと、すべてのわざとを思い起こし、自分たちの行ったすべての悪のために、自分自身をいとうようになろう。
44 わたしが、あなたがたの悪い行いや、腐敗したわざによってでなく、ただわたしの名のために、あなたがたをあしらうとき、イスラエルの家よ、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。──神である主の御告げ──」
45 さらに、私に次のような主のことばがあった。
46 「人の子よ。顔を右のほうに向け、南に向かって語りかけ、ネゲブの野の森に向かって預言し、
47 ネゲブの森に言え。『主のことばを聞け。神である主はこう仰せられる。見よ。わたしはおまえのうちに火をつける。その火はおまえのうち、すべての緑の木と、すべての枯れ木を焼き尽くす。その燃える炎は消されず、ネゲブから北まですべての地面は焼かれてしまう。
48 そのとき、すべての者は、主であるわたしが燃やしたことを見るであろう。その火は消されない。』」
49 そこで、私は叫んだ。「ああ、41神、主よ。彼らは私について、『彼はたとえ話をくり返している者ではないか』と言っています。」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。顔をエルサレムに向け、聖所に向かって語りかけよ。イスラエルの地に向かって預言せよ。
3 イスラエルの地に言え。『主はこう仰せられる。今、わたしはあなたに立ち向かう。わたしは剣をさやから抜き、あなたのうちから、正しい者も悪者も断ち滅ぼす。
4 わたしがあなたのうちから、正しい者も悪者も断ち滅ぼすために、わたしの剣はさやを離れて、ネゲブから北まですべての者に立ち向かう。
5 このとき、すべての者は、主であるわたしが剣をさやから抜いたことを知ろう。剣はもう、さやに納められない。』
6 人の子よ。嘆け。彼らが見ているところで腰が砕けるほど激しく嘆け。
7 彼らがあなたに、『なぜあなたは嘆くのか』と言うなら、そのとき、あなたは言え。『この知らせのためだ。それが来ると、すべての者は心がしなえ、すべての者は気力を失い、みな意気消沈し、だれのひざも震える。今、それが来る。それは実現する。──42神である主の御告げ──』」
8 ついで、私に次のような主のことばがあった。
9 「人の子よ。預言して言え。
主はこう仰せられると言え。
剣、一振りの剣が研がれ、みがかれている。
10 虐殺のために研がれ、
いなずまのようにそれはみがかれた。
われわれはそれを喜ぼうか。
わたしの子の杖も、すべての木のように、
退けられる。
11 その剣はみがかれて手に握られ、
それは、研がれて、みがかれ、
殺す者の手に渡される。
12 叫べ。泣きわめけ。人の子よ。
それはわたしの民の上に下り、
イスラエルのすべての君主たちの上に
下るからだ。
剣への恐れがわたしの民に起こる。
13 ためされるとき、杖まで退けられたなら、
いったいどうなることだろう。
──神である主の御告げ──
14 人の子よ。預言して手を打ち鳴らせ。
剣を二倍にし、三倍にして、人を刺し殺す剣とし、
大いに人を刺し殺す剣として、
彼らを取り囲め。
15 彼らの心が震えおののくように、
彼らのすべての門に、
つまずきをふやせ。
ああ、わたしは剣の先をいなずまのようにして、
虐殺のためにみがきをかける。
16 あなたの顔の向くところ、
右に向け、左に向けて切りまくれ。
17 わたしもまた、手を打ち鳴らし、
わたしの憤りを静めよう。
主であるわたしが語るのだ。」
18 ついで、私に次のような主のことばがあった。
19 「人の子よ。バビロンの王の剣が来るために、二つの道にしるしをつけ、二つとも一つの国から出るようにせよ。町に向かう道の始まりに一つの道しるべを刻みつけておけ。
20剣がアモン人のラバか、ユダ、すなわち、城壁のあるエルサレムに行けるように道にしるしをつけておけ。
21 バビロンの王は、道の分かれ目、二つの道の辻に立って占いをしよう。彼は矢を振り混ぜて、テラフィムに伺いを立て、肝を調べる。
22 彼の右の手にエルサレムへの占いが当たり、彼は城壁くずしを配置し、虐殺を命じて口を開き、叫び声をあげて、城壁くずしを門に向かわせ、塹壕を掘り、塁を築く。
23 彼らは、何回となく誓われても、その占いはうそだと思う。だが、彼は彼らを捕らえて、彼らの不義を思い出させる。
24 それゆえ、神である主はこう仰せられる。あなたがたのそむきの罪があばかれるとき、彼が、あなたがたの不義を思い出させて、あなたがたのすべてのわざに罪が表れるようにするため、また、あなたがたが思い出すため、あなたがたは彼らの手に捕らえられる。
25 悪に汚れたイスラエルの君主よ。あなたの日、最後の刑罰の時が来た。
26 神である主はこう仰せられる。かぶり物は脱がされ、冠は取り去られる。すべてがすっかり変わり、低い者は高くされ、高い者は低くされる。
27廃墟だ。廃墟だ。わたしはこの国を廃墟にする。このようなことは、わたしが授ける権威を持つ者が来るまでは、かつてなかったことだ。
28 人の子よ。預言して言え。神である主はアモン人と、彼らのそしりについてこう仰せられると言え。剣、一振りの剣が、虐殺のために抜き放たれた。いなずまのようにして、絶ち滅ぼすためにとぎすまされた。
29 彼らがあなたにむなしい幻を見せ、あなたにまやかしの占いをするとき、その剣は汚れた悪者どもの首に当てられ、彼らの日、最後の刑罰の時が来る。
30剣は、さやに納められる。あなたの造られた所、あなたの出身地で、わたしはあなたをさばく。
31 わたしはあなたの上にわたしの憤りを注ぎ、激しい怒りの火を吹きつけ、滅ぼすことに巧みな残忍な者たちの手に、あなたを渡す。
32 あなたは火のたきぎとなり、あなたの血はその国の中で流され、もう思い出されることはない。主であるわたしがこう語ったからだ。」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。あなたはさばくのか。この流血の町をさばくのか。それなら、これにその忌みきらうべきわざを残らず知らせ、
345神である主はこう仰せられる、と言え。自分の中で血を流して、自分の刑罰の時を招き、自分の町に偶像を造って自分を汚す町よ。
4 おまえは自分の流した血で罪に定められ、自分の造った偶像で身を汚し、自分の刑罰の日を近づかせ、自分の刑罰の年を来させた。だから、わたしはおまえを諸国の民のそしりとし、すべての国の笑いぐさとする。
5 おまえの近くにいる者も、遠くにいる者も、名の汚れた、ひどくかき乱されたおまえをあざ笑う。
6 見よ。イスラエルの君主たちはみな、おまえの中で暴力をふるって血を流している。
7 おまえの中では、父や母は軽んじられ、おまえのところにいる在留異国人は虐待され、おまえの中にいるみなしごや、やもめはしいたげられている。
8 おまえはわたしの聖なるものをさげすみ、わたしの安息日を汚した。
9 おまえのうちのある者たちは、血を流そうと他人を中傷し、ある者は丘の上で食事をし、おまえの中でみだらなことをした。
10 おまえの中では父が裸をあらわされ、おまえの中では、さわりのある女が犯された。
11 ある者は隣人の妻と忌みきらうべきことをし、またある者は嫁とみだらなことをして身を汚し、ある者はおまえの中で、自分の父の娘である自分の姉妹をはずかしめた。
12 おまえの中では、血を流すためにわいろが使われ、おまえは利息と高利を取り、隣人を虐待して利得をむさぼった。おまえはわたしを忘れた。──神である主の御告げ──
13 見よ。おまえが得た不正な利得と、おまえの中に流された血のために、わたしは手を打ち鳴らす。
14 わたしがおまえを罰する日に、おまえの心は耐えられようか。おまえの手は強くありえようか。主であるわたしがこれを語り、これをする。
15 わたしはおまえを諸国の民の中に散らし、国々に追い散らし、おまえの汚れを全く取り除き、
16諸国の民が見ている前で46おまえにゆずりの地を与える。このとき、おまえは、わたしが主であることを知ろう。」
17 次のような主のことばが私にあった。
18 「人の子よ。イスラエルの家はわたしにとってかなかすとなった。彼らはみな、炉の中の青銅、すず、鉄、鉛であって、銀のかなかすとなった。
19 それゆえ、神である主はこう仰せられる。あなたがたはみな、かなかすとなったから、今、わたしはあなたがたをエルサレムの中に集める。
20 銀、青銅、鉄、鉛、すずが炉の中に集められるのは、火を吹きつけて溶かすためだ。そのように、わたしは怒りと憤りをもってあなたがたを集め、そこに入れて溶かす。
21 わたしはあなたがたをかり集め、あなたがたに向かって激しい怒りの火を吹きつけ、あなたがたを町の中で溶かす。
22 銀が炉の中で溶かされるように、あなたがたも町の中で溶かされる。このとき、あなたがたは、主であるわたしがあなたがたの上に憤りを注いだことを知ろう。」
23 次のような主のことばが私にあった。
24 「人の子よ。この町に言え。おまえは憤りの日にきよめられず、雨も降らない地である。
25 そこには47預言者たちの陰謀がある。彼らは、獲物を引き裂きながらほえたける雄獅子のように人々を食い、富と宝を奪い取り、その町にやもめの数をふやした。
26 その祭司たちは、わたしの律法を犯し、わたしの聖なるものを汚し、聖なるものと俗なるものとを区別せず、汚れたものときよいものとの違いを教えなかった。また、彼らはわたしの安息日をないがしろにした。こうして、わたしは彼らの間で汚されている。
27 その町の首長たちは、獲物を引き裂いている狼のように血を流し、人々を殺して自分の利得をむさぼっている。
28 その町の預言者たちは、むなしい幻を見、まやかしの占いをして、しっくいで上塗りをし、主が語られないのに『神である主がこう仰せられる』と言っている。
29一般の人々も、しいたげを行い、物をかすめ、乏しい者や貧しい者を苦しめ、不法にも在留異国人をしいたげた。
30 わたしがこの国を滅ぼさないように、わたしは、この国のために、わたしの前で石垣を築き、破れ口を修理する者を彼らの間に捜し求めたが、見つからなかった。
31 それで、わたしは彼らの上に憤りを注ぎ、激しい怒りの火で彼らを絶滅し、彼らの頭上に彼らの行いを返した。──神である主の御告げ──」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。同じ母の娘である、ふたりの女がいた。
3 彼女たちはエジプトで淫行をし、若いときから淫行をし、その地で彼女たちの胸は抱きしめられ、その処女の乳房はもてあそばれた。
4 その名は、姉はオホラ、妹はオホリバで、ふたりはわたしのものとなり、息子や娘たちを産んだ。その名のオホラはサマリヤのこと、オホリバはエルサレムのことである。
5 オホラは、わたしのものであったのに、姦通し、その恋人、隣のアッシリヤ人を恋い慕った。
6 彼らは、青色の衣を着た総督や長官で、すべて麗しい若い男たちであり、馬に乗る騎兵であった。
7 彼女は彼らと姦通した。彼らはみなアッシリヤのえり抜きの者であった。彼女は恋い慕った者のすべての偶像で自分の身を汚した。
8 彼女はエジプト以来の淫行をやめようとしなかった。それは、彼女の若いとき、エジプト人が彼女と寝てその処女の乳房をもてあそび、彼女に情欲を注いだからである。
9 それでわたしは、彼女が恋い慕う恋人たちの手、アッシリヤ人の手に彼女を渡した。
10 彼らは彼女の裸をさらけ出し、その息子や娘たちを奪い取り、彼女を剣で殺してしまった。こうして、彼女にさばきが下され、彼女は女たちの語りぐさとなった。
11 妹のオホリバはこれを見たが、姉よりいっそう恋情を腐らせ、その淫行は姉の淫行よりひどかった。
12 彼女は隣のアッシリヤ人の総督や長官を恋い慕った。彼らはみな盛装をし、馬に乗る騎兵たちで、麗しい若い男であった。
13 わたしは彼女が身を汚すのを見たが、ふたりとも同じやり方であった。
14 彼女は淫行を増し加え、壁に彫られた人々、朱で描かれているカルデヤ人の肖像を見た。
15 それらは腰に帯を締め、頭には垂れるほどのターバンをつけ、みな侍従のように見え、彼らの出生地カルデヤのバビロン人の姿をしていた。
16 彼女はそれを一目見ると、彼らを恋い慕い、使者たちをカルデヤの彼らのもとに遣わした。
17 バビロン人は、彼女のもとに来て、恋の床につき、彼女を情欲で汚した。彼女が彼らによって汚れたものとなったときに、彼女の心は彼らから離れ去った。
18 それでも、彼女は自分の淫行をさらけ出し、自分の裸をあらわした。それで、わたしの心は、かつて彼女の姉から離れ去ったように、彼女からも離れ去ってしまった。
19 しかし、彼女は、かつてエジプトの地で淫行をしたあの若かった日々を思い出して、淫行を重ね、
20 ろばのからだのようなからだを持ち、馬の精力のような精力を持つ彼らのそばめになりたいとあこがれた。
21 このように、あなたはエジプト人があなたの若い胸を48抱きしめ、あなたの乳房をもてあそんだあの若い時のみだらな行いをしきりに望んだ。
22 それゆえ、オホリバよ、49神である主はこう仰せられる。見よ。わたしは、あなたの心がすでに離れ去ったあなたの恋人たちを駆り立ててあなたを攻めさせ、四方からあなたを攻めによこす。
23 彼らはバビロン人、すべてのカルデヤ人、ペコデや、ショアや、コアの人々、それに加えてアッシリヤのすべての人々である。またすべての麗しい若い男、総督、長官、侍従、議官、馬に乗る者たちである。
24 彼らは、軍馬、戦車、車両、および民の大集団を率いてあなたを攻めに来、大盾、盾、かぶとを着けて四方からあなたを攻める。わたしが彼らにさばきをゆだねるので、彼らは自分たちのさばきに従ってあなたをさばく。
25 わたしはあなたをわたしのねたみとする。彼らは怒って、あなたを罰し、あなたの鼻と耳とを切り取り、残りの者を剣で切り倒す。彼らはあなたの息子や娘たちを連れ去り、残りの者は火で焼き尽くされる。
26 彼らはあなたの着物をはぎ取り、あなたの美しい品々を奪い取る。
27 わたしはあなたのみだらな行いと、エジプトの地以来の淫行をやめさせ、あなたが彼らを仰ぎ見ず、もうエジプトを思い出さないようにする。
28 神である主はこう仰せられる。見よ。わたしは、あなたが憎む者の手、あなたの心が離れ去った者の手に、あなたを渡す。
29 彼らは憎しみをもってあなたを罰し、あなたの勤労の実をことごとく奪い取り、あなたをまる裸にして捨て去ろう。あなたの淫行と淫乱と売淫の恥はあばかれる。
30 これらのことがなされるのは、あなたが異邦の民を慕って姦淫をし、彼らの偶像であなたの身を汚したからである。
31 あなたが姉の道を歩んだので、わたしは彼女の杯をあなたの手にも渡す。
32 神である主はこう仰せられる。
あなたは姉の杯、深くて大きい杯を飲み、
物笑いとなり、
あざけりとなる。
この杯はあふれるほどに満ちている。
33 あなたは酔いと悲しみに満たされる。
恐怖と荒廃の杯、
これがあなたの姉サマリヤの杯。
34 あなたはこれを飲み、
飲み干して、杯のかけらまでかみ、
自分の乳房をかき裂く。
わたしがこれを語ったからだ。
──神である主の御告げ──
35 それゆえ、神である主はこう仰せられる。あなたはわたしを忘れ、わたしをあなたのうしろに投げやったから、あなたも自分のみだらな行いと、淫行の責めを負え。」
36主は私に仰せられた。「人の子よ。あなたはオホラとオホリバをさばくか。それなら、ふたりに彼女たちの、忌みきらうべきわざを告げ知らせよ。
37 彼女たちは姦通し、その手は血に染まっている。彼女たちは自分たちの偶像と姦通し、わたしのために産んだ子どもをさえ、それらのために火の中を通らせて、焼き尽くした。
38 なお、彼らはわたしに対してこんなことまでし、同じ日に、わたしの聖所を汚し、わたしの安息日を汚した。
39偶像のために、自分たちの子どもを殺し、その同じ日にわたしの聖所に来て、これを汚した。彼らはなんと、このようなことをわたしの家の中でした。
40 それなのに、あなたがたは、遠くから来る人々を、使者を遣わして招いた。彼らが来ると、あなたは、彼らのために身を洗い、目の縁を塗り、飾り物で身を飾り、
41豪奢な寝台に横たわり、その前に食卓を整え、その上にわたしの香と油とを置いた。
42 そこでは、のんきなばか騒ぎが聞こえ、都会からの者に、荒野からの大酒飲みが加わった。そして、彼らは、彼女たちの腕に腕輪をはめ、頭には、輝かしい冠をかぶせた。
43 そこで、わたしは、姦通で疲れきった彼女について考えた。彼らは今、その女と姦淫をしているのではないかと。
44 彼らは遊女のもとに行くように、彼女のもとに行った。彼らは、みだらな女たち、オホラとオホリバのもとに行った。
45 しかし、正しい人たちは、姦通した女に下す罰と殺人をした女に下す罰で彼らをさばく。彼女たちが姦通し、彼女たちの手が血に染まっているからだ。」
46 まことに神である主はこう仰せられる。「わたしは一つの集団を彼らに向けて攻め上らせ、彼女たちを人々のおののきとし、えじきとする。
47集団は彼女たちを石で打ち殺し、剣で切り倒し、その息子や娘たちを殺し、その家々を火で焼き払おう。
48 わたしはこの地からみだらな行いをやめさせる。すべての女たちは自分自身を戒めて、あなたがたがしたような、みだらな行いをしなくなる。
49 あなたがたのみだらな行いの報いはあなたがたの上に下り、あなたがたはあなたがたの偶像の罪の罰を負わなければならない。このとき、あなたがたは、わたしが神、主であることを知ろう。」
1 第九年の第十の月の十日、私に次のような主のことばがあった。
2 「人の子よ。この日、ちょうどこの日の日づけを書きしるせ。ちょうどこの日に、バビロンの王がエルサレムに攻め寄せたからだ。
3 あなたは、反逆の家に一つのたとえを語って言え。
50神である主はこう仰せられる。
なべを火にかけ、
これを据え、水をこれに注ぎ入れよ。
4 これに肉の切れ、
ももと肩の良い肉の切れを
みないっしょに入れ、
えり抜きの骨でこれを満たせ。
5 えり抜きの羊を取れ。
なべの下には、まきを積み、よく沸騰させて、
その中の骨も煮よ。
6 それゆえ、神である主はこう仰せられる。
ああ。
流血の町、さびついているなべ。
そのさびは落とせない。
一切れずつそれを取り出せ。
くじで引いてはならない。
7 彼女の血はまだ、そこにある。
彼女はそれを裸岩の上に流し、
地面にそれを流さず、
これに土をかぶせようともしなかった。
8 わたしは、憤りをつのらせ、
復讐するため、その血を裸岩の上に流させて、
これに51土をかぶせなかった。
9 それゆえ、神である主はこう仰せられる。
ああ。流血の町。
わたしもこれにたきぎを積み上げよう。
10 まきをふやし、火を燃え立たせ、
肉をよく煮、味をつけ、骨も燃やせ。
11 なべをからにして炭火にかけ、
その青銅を熱くして、その中の汚れを溶かし、
さびがなくなるようにせよ。
12 しかし、その骨折りはむだだった。そのひどいさびはそれから落ちず、そのさびは、なお、火の中にあった。
13 あなたのみだらな汚れを見て、わたしはあなたをきよめようとしたが、あなたはきよくなろうともしなかった。それでわたしがあなたに対するわたしの憤りを静めるまで、あなたは決してきよめられない。
14主であるわたしは言った。それは必ず起こる。わたしはそれを行って、なおざりにせず、惜しまず、思い直しもしない。あなたの行いや、わざにしたがって、あなたをさばく。──神である主の御告げ──」
15 次のような主のことばが私にあった。
16 「人の子よ。見よ。わたしは一打ちで、あなたの愛する者を取り去る。嘆くな。泣くな。涙を流すな。
17 声をたてずに悲しめ。死んだ者のために喪に服するな。頭に布を巻きつけ、足にサンダルをはけ。口ひげをおおってはならない。人々からのパンを食べてはならない。」
18 その朝、私は民に語ったが、夕方、私の妻が死んだ。翌朝、私は命じられたとおりにした。
19 すると、民は私に尋ねた。「あなたがしていることは、私たちにとってどんな意味があるのか、説明してくれませんか。」
20 そこで、私は彼らに答えた。「次のような主のことばが私にあった。
21 『神である主がこう仰せられるとイスラエルの家に言え。見よ。わたしは、あなたがたの力の誇りであり、あなたがたが愛し、心に慕っているわたしの聖所を、汚す。あなたがたが見捨てた息子や娘たちは剣で倒される。
22 あなたがたは私がするとおりすることになる。あなたがたは自分の口ひげをおおわず、人々からのパンを食べなくなる。
23 頭に布を巻きつけ、足にサンダルをはき、嘆いたり泣いたりしないようになる。ただ、自分たちの咎のために朽ち果て、互いに嘆き合うようになる。
24 エゼキエルはあなたがたのためのしるしとなり、彼がしたとおりを、あなたがたもするようになる。このとき、あなたがたは、わたしが神、主であることを知ろう。
25 人の子よ。わたしが、彼らの力とするもの、栄えに満ちた喜び、愛するもの、心に慕うもの、彼らの息子や娘たちを取り去る日、
26 その日、のがれた者が、この知らせを告げにあなたのもとにやって来る。
27 その日、あなたはのがれて来た者に口を開いて言え。もう黙っていてはならない。あなたが彼らのしるしとなるとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。』」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。顔をアモン人に向け、彼らに預言せよ。
3 あなたはアモン人に言え。52神である主のことばを聞け。神である主はこう仰せられる。わたしの聖所が汚されたとき、イスラエルの地が荒れ果てたとき、ユダの家が捕囚となって行ったとき、あなたは、あはは、と言ってあざけった。
4 それゆえ、わたしは、あなたを東の人々に渡して、彼らの所有とする。彼らはあなたのうちに宿営を張り、あなたのうちに住まいを作り、あなたの産物を食べ、あなたの乳を飲むようになる。
5 わたしがラバを、らくだの牧場とし、アモン人の地を羊のおりとするとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
6 まことに、神である主はこう仰せられる。あなたは手を打ち、足を踏み鳴らし、イスラエルの地を心の底からあざけって喜んだ。
7 それゆえ、わたしは、あなたに手を伸ばし、異邦の民にあなたをえじきとして与え、あなたを国々の民の中から断ち滅ぼし、国々の間から消えうせさせる。このとき、あなたは、わたしが主であることを知ろう。
8 神である主はこう仰せられる。モアブとセイルは、『見よ、ユダの家は異邦の民と変わらない』と言った。
9 それゆえ、わたしは、モアブの山地の町々、その国の誉れであるベテ・ハエシモテ、バアル・メオン、キルヤタイムの町々をことごとくあけ放ち、
10 アモン人といっしょに、東の人々に渡して、その所有とし、諸国の民の間でアモン人が記憶されないようにする。
11 わたしがモアブにさばきを下すとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。
12 神である主はこう仰せられる。エドムはユダの家に復讐を企て、罪を犯し続け、復讐をした。
13 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしはエドムに手を伸ばし、そこから人も獣も断ち滅ぼし、そこを廃墟にする。テマンから53デダンに至るまで人々は剣で倒される。
14 わたしは、わたしの民イスラエルの手によってエドムに復讐する。わたしの怒りと憤りのままに彼らがエドムに事を行うとき、エドムは、わたしが復讐するということを知る。──神である主の御告げ──
15 神である主はこう仰せられる。ペリシテ人は、復讐を企て、心の底からあざけって、ひどい復讐をし、いつまでも敵意をもって滅ぼそうとした。
16 それゆえ神である主はこう仰せられる。見よ。わたしは、ペリシテ人に手を伸ばし、ケレテ人を断ち滅ぼし、海辺の残った者を消えうせさせる。
17 わたしは憤って彼らを責め、ひどい復讐をする。彼らは、わたしが彼らに復讐するとき、わたしが主であることを知ろう。」
1 第十一年のその月の一日、私に次のような主のことばがあった。
2 「人の子よ。ツロはエルサレムについて、
『あはは。
国々の民の門はこわされ、私に明け渡された。
私は豊かになり、
エルサレムは廃墟となった』と言って
あざけった。
3 それゆえ、54神である主はこう仰せられる。
ツロよ。わたしはおまえに立ち向かう。
海の波が打ち寄せるように、
多くの国々をおまえに向けて攻め上らせる。
4 彼らはツロの城壁を破壊し、
そのやぐらをくつがえす。
わたしはそのちりを払い去って、
そこを裸岩にする。
5 ツロは海の中の網を引く場所となる。
わたしが語ったからだ。
――神である主の御告げ――
ツロは諸国のえじきとなり、
6 畑にいる娘たちも剣で殺される。
このとき、彼らはわたしが主であることを知ろう。
7 まことに、神である主はこう仰せられる。
見よ。わたしは、
王の王、バビロンの王ネブカデレザルを、
馬、戦車、騎兵をもって
多くの民の集団とともに、
北からツロに連れて来る。
8 彼は畑にいる娘たちを剣で殺し、
おまえに向かって塁を築き、塹壕を掘り、
大盾を立て、
9 城壁くずしをおまえの城壁に向けて配置し、
やぐらを斧で取りこわす。
10 その馬の大群の土煙はおまえをおおう。
彼が城門に入るとき、
打ち破られた町に入る者のように、
騎兵と、車両と、戦車の響きに、
おまえの城壁は震え上がる。
11 彼は、馬のひづめで、
おまえのちまたをすべて踏みにじり、
剣でおまえの民を殺し、
おまえの力強い柱を地に倒す。
12 おまえの財宝は略奪され、
商品はかすめ奪われ、城壁はくつがえされ、
住みごこちのよい家は取りこわされ、
石や、木や、ちりまでも、水の中に投げ込まれる。
13 わたしはおまえの騒がしい歌をやめさせる。
おまえの立琴の音ももう聞かれない。
14 わたしはおまえを裸岩とする。
おまえは網を引く場所となり、
二度と建て直されない。
主であるわたしが語ったからだ。
――神である主の御告げ――
15 神である主はツロにこう仰せられる。刺された者がうめき、おまえの中で虐殺が続けられ、おまえがくずれ落ちるとき、その響きに、島々は身震いしないだろうか。
16 海辺の君主たちはみな、その王座をおり、上着を脱ぎ、あや織りの着物を脱ぎ、恐れを身にまとい、地面にすわり、身震いしながら、おまえのことでおののき、
17 おまえについて、哀歌を唱えて言う。
海に住む者よ。
おまえはどうして海から消えうせたのか。
海で強くなり、ほめはやされた町よ。
すべての住民を恐れさせたその町とその住民よ。
18 今、島々はおまえがくずれ落ちる日に身震いし、
海沿いの島々は
おまえの最期を見ておびえている。
19 まことに、神である主はこう仰せられる。わたしがおまえを廃墟の町とし、住む者のない町々のようにするとき、深淵をおまえの上にわき上がらせ、大水がおまえをおおうとき、
20 わたしがおまえを穴に下る者たちとともに昔の民のもとに下らせるとき、わたしはおまえを穴に下る者たちとともに、昔から廃墟であったような地下の国に住ませる。わたしが誉れを与える生ける者の地におまえが住めないようにするためだ。
21 わたしはおまえを恐怖とする。おまえはもう存在しなくなり、人がおまえを尋ねても、永久におまえを見つけることはない。──神である主の御告げ──」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。ツロについて、哀歌を唱えよ。
3 あなたはツロに言え。
海の出入口に住み、
多くの島々の民と取り引きをする者よ。
55神である主はこう仰せられる。
ツロよ。
『私は全く美しい』とおまえは言った。
4 おまえの領土は海の真ん中にあり、
おまえを築いた者は、
おまえを全く美しく仕上げた。
5 彼らはセニルのもみの木で
おまえのすべての船板を作り、
レバノンの杉を使って、おまえの帆柱を作った。
6 バシャンの樫の木でおまえのかいを作り、
キティムの島々の檜に象牙をはめ込んで、
おまえの甲板を作った。
7 エジプトのあや織りの亜麻布が、
おまえの帆であり、
おまえの旗じるしであった。
エリシャの島々からの青色と紫色の布が、
おまえのおおいであった。
8 シドンとアルワデの住民が、
おまえのこぎ手であった。
ツロよ。おまえのうちの熟練者が、
おまえの船員であった。
9 ゲバルの長老と、その熟練者が
おまえのうちにあって、破損を修理し、
海のすべての船とその水夫たちが、
おまえのうちにあって、おまえの商品を商った。
10 ペルシヤ、ルデ、プテの人々は、
おまえの軍隊の戦士であり、
おまえに盾とかぶとを掛け、
彼らはおまえに輝きを添えた。
11 アルワデとヘレクの人々はおまえの回りの城壁の上に、また、ガマデ人はおまえのやぐらの中にいて、回りの城壁に丸い小盾を掛け、おまえを全く美しくした。
12 タルシシュは、おまえがあらゆる財宝に豊かであったので、おまえと商いをし、銀、鉄、すず、鉛を、おまえの品物と交換した。
13 ヤワン、トバル、メシェクはおまえと取り引きをし、人材と青銅の器具とをおまえの商品と交換した。
14 ベテ・トガルマは馬、軍馬、騾馬を、おまえの品物と交換した。
15 デダン人はおまえと取り引きをし、多くの島々はおまえの支配する市場であり、彼らは象牙と黒檀とをおまえにみつぎとして持って来た。
1656アラムは、おまえの製品が豊かであったので、おまえと商いをし、トルコ玉、紫色の布、あや織り物、白亜麻布、さんご、ルビーを、おまえの品物と交換した。
17 ユダとイスラエルの地もおまえと取り引きをし、ミニテの小麦、57いちじく、蜜、香油、乳香を、おまえの商品と交換した。
18 ダマスコも、おまえの製品が多く、あらゆる財宝が豊かなので、ヘルボンのぶどう酒と、ツァハルの羊毛でおまえと商いをした。
19 ダンとヤワンもおまえの品物と交換した。その商品の中には、ウザルからの銑鉄、桂枝、菖蒲があった。
20 デダンは鞍に敷く織り布でおまえと取り引きをした。
21 アラビヤ人と、ケダルの君主たちもみな、おまえの御用商人であり、子羊、雄羊、やぎの商いをした。
22 シェバとラマの商人たちはおまえと取り引きをし、あらゆる上等の香料、宝石、金を、おまえの品物と交換した。
23 ハラン、カネ、エデン、それにシェバの商人たち、アッシリヤとキルマデはおまえと取り引きをした。
24 彼らは豪華な衣服や、青色の着物、あや織り物、多彩な敷き物、堅く撚った綱とおまえの商品とをもっておまえと取り引きをした。
25 タルシシュの船がおまえの品物を運んだ。
おまえは海の真ん中で富み、
大いに栄えた。
26 おまえのこぎ手はおまえを大海原に連れ出し、
東風は海の真ん中でおまえを打ち破った。
27 おまえのくずれ落ちる日に、
おまえの財宝、貨物、商品、
おまえの水夫、船員、修繕工、
おまえの商品を商う者、
おまえの中にいるすべての戦士、
おまえの中にいる全集団も、
海の真ん中に沈んでしまう。
28 おまえの船員の叫び声に58海辺は身震いする。
29 かいを取る者、水夫、海の船員はみな、
船から降りて陸に立ち、
30 おまえのために大声をあげて激しく泣き、
頭にちりを振りかけ、灰の中をころび回る。
31 彼らはおまえのために頭をそり、
荒布をまとい、おまえのために心を痛めて泣き、
いたく嘆き、
32 泣き声をあげて哀歌を唱え、
おまえのために悲しんで歌う。
だれかツロのように海の真ん中で
59滅ぼされたものがあろうか。
33 おまえの貨物が陸揚げされると、
おまえは多くの国々の民を満ち足らせ、
その豊かな財宝と商品で
地の王たちを富ませた。
34 おまえが海で打ち破られたとき、
おまえの商品、全集団は、
おまえとともに海の深みに沈んでしまった。
35 島々の住民はすべて
おまえのことでおぞ気立ち、
その王たちはひどく恐れて、あわてふためいた。
36 国々の民の商人たちはおまえをあざけり、
おまえは恐怖となり、
とこしえになくなってしまう。」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。ツロの君主に言え。
60神である主はこう仰せられる。
あなたは心高ぶり、『私は神だ。
海の真ん中で神の座に着いている』と言った。
あなたは自分の心を神のようにみなしたが、
あなたは人であって、神ではない。
3 あなたはダニエルよりも知恵があり、
どんな秘密もあなたに隠されていない。
4 あなたは自分の知恵と英知によって財宝を積み、
金や銀を宝物倉にたくわえた。
5 商いに多くの知恵を使って財宝をふやし、
あなたの心は、財宝で高ぶった。
6 それゆえ、神である主はこう仰せられる。
あなたは自分の心を神の心のようにみなした。
7 それゆえ、他国人、最も横暴な異邦の民を
連れて来て、
あなたを攻めさせる。
彼らはあなたの美しい知恵に向かって剣を抜き、
あなたの輝きを汚し、
8 あなたを穴に投げ入れる。
あなたは海の真ん中で、
刺し殺される者の死を遂げる。
9 それでもあなたは、自分を殺す者の前で、
『私は神だ』と言うのか。
あなたは人であって、神ではない。
あなたはあなたを刺し殺す者たちの
手の中にある。
10 あなたは異邦人の手によって
割礼を受けていない者の死を遂げる。
わたしがこれを語ったからだ。
――神である主の御告げ――」
11 次のような主のことばが私にあった。
12 「人の子よ。ツロの王について哀歌を唱えて、
彼に言え。
神である主はこう仰せられる。
あなたは全きものの典型であった。
知恵に満ち、美の極みであった。
13 あなたは神の園、エデンにいて、
あらゆる宝石があなたをおおっていた。
赤めのう、トパーズ、ダイヤモンド、
緑柱石、しまめのう、碧玉、
サファイヤ、トルコ玉、エメラルド。
あなたのタンバリンと笛とは金で作られ、
これらはあなたが造られた日に整えられていた。
6114 わたしはあなたを
油そそがれた守護者ケルブとともに、
神の聖なる山に置いた。
あなたは火の石の間を歩いていた。
15 あなたの行いは、
あなたが造られた日から
あなたに不正が見いだされるまでは、完全だった。
16 あなたの商いが繁盛すると、
あなたのうちに暴虐が満ち、
あなたは罪を犯した。
そこで、わたしはあなたを汚れたものとして
神の山から追い出し、
62守護者ケルブが
火の石の間からあなたを消えうせさせた。
17 あなたの心は自分の美しさに高ぶり、
その輝きのために自分の知恵を腐らせた。
そこで、わたしはあなたを地に投げ出し、
王たちの前に見せものとした。
18 あなたは不正な商いで不義を重ね、
あなたの聖所を汚した。
わたしはあなたのうちから火を出し、
あなたを焼き尽くした。
こうして、すべての者が見ている前で、
わたしはあなたを地上の灰とした。
19 国々の民のうちであなたを知る者はみな、
あなたのことでおののいた。
あなたは恐怖となり、
とこしえになくなってしまう。」
20 次のような主のことばが私にあった。
21 「人の子よ。顔をシドンに向け、それに預言して、
22 言え。
神である主はこう仰せられる。
シドンよ。わたしはおまえに立ち向かい、
おまえのうちでわたしの栄光を現す。
わたしがシドンにさばきを下し、
わたしの聖なることをそこに示すとき、
彼らは、わたしが主であることを知ろう。
23 わたしはそこに疫病を送り込む。
そのちまたには血が流れ、
四方から攻める剣のため、
刺し殺された者がその中に倒れる。
このとき、彼らはわたしが主であることを知ろう。
24 イスラエルの家にとって、突き刺すいばらも、その回りから彼らに痛みを与え、侮るとげもなくなるとき、彼らは、わたしが神、主であることを知ろう。
25 神である主はこう仰せられる。わたしがイスラエルの家を、散らされていた国々の民の中から集めるとき、わたしは諸国の民の目の前で、わたしの聖なることを示そう。彼らは、わたしがわたしのしもべヤコブに与えた土地に住みつこう。
26 彼らはそこに安らかに住み、家々を建て、ぶどう畑を作る。彼らは安らかにそこに住みつこう。回りで彼らを侮るすべての者にわたしがさばきを下すとき、彼らは、わたしが彼らの神、主であることを知ろう。」
1 第十年の第十の月の十二日、私に次のような主のことばがあった。
2 「人の子よ。顔をエジプトの王パロに向け、彼およびエジプト全体に預言し、
3 こう語って言え。
63神である主はこう仰せられる。
エジプトの王パロよ。
わたしはあなたに立ち向かう。
あなたは、
自分の川の中に横たわる大きな64わにで、
『65川は私のもの。
私がこれを造った』と言っている。
4 わたしはあなたのあごに鉤をかけ、
あなたの川の魚をあなたのうろこにつけ、
あなたと、
あなたのうろこについている川のすべての魚とを
川の中から引き上げる。
5 あなたとあなたの川のすべての魚とを
荒野に投げ捨てる。
あなたは野原に倒れ、
集められず、66葬られることもない。
わたしがあなたを
地の獣と空の鳥のえじきとするとき、
6 エジプトの住民はみな、
わたしが主であることを知ろう。
彼らが、イスラエルの家に対して、
葦の杖にすぎなかったからだ。
7 彼らがあなたの手をつかむと、
あなたは折れ、彼らのすべての肩を砕いた。
彼らがあなたに寄りかかると、
あなたは折れ、彼らのすべての腰を67いためた。
8 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしは剣を送ってあなたを攻め、人も獣も、あなたのうちから断ち滅ぼす。
9 エジプトの地は荒れ果てて廃墟となる。このとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。それは彼が、『川は私のもの。私がこれを造った』と言ったからだ。
10 それゆえ、わたしは、あなたにもあなたの川にも立ち向かい、エジプトの地を、ミグドルからセベネ、さらに68クシュの国境に至るまで、荒れ果てさせて廃墟にする。
11 人の足もそこを通らず、獣の足もそこを通らず、四十年の間だれも住まなくなる。
12 わたしはエジプトの地を、荒れ果てた国々の間で荒れ果てさせ、その町々も四十年の間、廃墟となった町々の間で荒れ果てる。わたしはエジプト人を諸国の民の中に散らし、国々に追い散らす。
13 まことに、神である主はこう仰せられる。四十年の終わりになって、わたしはエジプト人を、散らされていた国々の民の中から集め、
14 エジプトの繁栄を元どおりにする。彼らをその出身地パテロスの地に帰らせる。彼らはそこで、取るに足りない王国となる。
15 どの王国にも劣り、二度と諸国の民の上にぬきんでることはない。彼らが諸国の民を支配しないように、わたしは彼らを小さくする。
16 イスラエルの家は、これに助けを求めるとき、咎を思い起こして、もう、これを頼みとしなくなる。このとき、彼らは、わたしが神、主であることを知ろう。」
17 第二十七年の第一の月の一日、私に次のような主のことばがあった。
18 「人の子よ。バビロンの王ネブカデレザルはツロ攻撃に自分の軍隊を大いに働かせた。それで、みなの頭ははげ、みなの肩はすりむけた。それなのに、彼にも彼の軍隊にも、ツロ攻撃に働いた報いは何もなかった。
19 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしはバビロンの王ネブカデレザルにエジプトの地を与えよう。彼はその富を取り上げ、物を分捕り、獲物をかすめ奪う。それが彼の軍隊への報いとなる。
20 彼が働いた報酬として、わたしは彼にエジプトの地を与える。彼らがわたしのために働いたからだ。──神である主の御告げ──
21 その日、わたしはイスラエルの家のために、一つの角を生えさせ、彼らの間であなたに口を開かせる。このとき彼らは、わたしが主であることを知ろう。」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。預言して言え。
69神である主はこう仰せられる。
泣きわめけ。ああ、その日よ。
3 その日は近い。主の日は近い。
その日は曇った日、諸国の民の終わりの時だ。
4 剣がエジプトに下り、
刺し殺される者がエジプトで倒れ、
その富は奪われ、
その基がくつがえされるとき、
70クシュには苦痛が起きる。
5 クシュ、プテ、ルデ、71アラビヤ全体、クブ、彼らの同盟国の人々も、彼らとともに剣に倒れる。
6 主はこう仰せられる。
エジプトをささえる者は倒れ、
その力強い誇りは見下げられ、
ミグドルからセベネに至るまで
みな剣に倒れる。
――神である主の御告げ――
7 エジプトは荒れ果てた国々の間で荒れ果て、
その町々も、
廃墟となった町々の間にあって荒れ果てる。
8 わたしがエジプトに火をつけ、
これを助ける者たちがみな滅ぼされるとき、
彼らは、わたしが主であることを知ろう。
9 その日、わたしのもとから使者たちが船で送り出され、安心しているクシュ人をおののかせる。エジプトの日に、彼らの間に苦痛が起きる。今、その日が来ている。
10 神である主はこう仰せられる。
わたしはバビロンの王ネブカデレザルによって、
エジプトの富を取り除く。
11 彼と、彼の民、すなわち、最も横暴な異邦の民が
その地を滅ぼすために遣わされる。
彼らは剣を抜いてエジプトを攻め、
その地を刺し殺された者で満たす。
12 わたしはナイル川を干上がった地とし、
その国を悪人どもの手に売り、
他国人の手によって、
その国とそこにあるすべての物を
荒れ果てさせる。
主であるわたしがこれを語る。
13 神である主はこう仰せられる。
わたしは偶像を打ちこわし、
72ノフから偽りの神々を取り除く。
エジプトの国には、もう君主が立たなくなる。
わたしはエジプトの地に恐怖を与える。
14 わたしはパテロスを荒らし、
ツォアンに火をつけ、
73ノにさばきを下す。
15 わたしはエジプトのとりでシンに
わたしの憤りを注ぎ、
ノの群集を断ち滅ぼす。
16 わたしはエジプトに火をつける。
シンは大いに苦しみ、
ノは砕かれ、
74ノフは昼間、敵に襲われる。
17 75オンとピ・ベセテの若い男たちは剣に倒れ、
女たちはとりことなって行く。
18 わたしがエジプトのくびきを砕き、
その力強い誇りが絶やされるとき、
76タフパヌヘスでは日は暗くなり、
雲がそこをおおい、
その娘たちはとりことなって行く。
19 わたしがエジプトにさばきを下すとき、
彼らは、わたしが主であることを知ろう。」
20 第十一年の第一の月の七日、私に次のような主のことばがあった。
21 「人の子よ。わたしはエジプトの王パロの腕を砕いた。見よ。それは包まれず、手当をされず、ほうたいを当てて包まれず、元気になって剣を取ることもできない。
22 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしはエジプトの王パロに立ち向かい、強いが砕かれている彼の腕を砕き、その手から剣を落とさせる。
23 わたしはエジプト人を諸国の民の中に散らし、国々に追い散らす。
24 しかし、わたしはバビロンの王の腕を強くし、わたしの剣を彼の手に渡し、パロの腕を砕く。彼は刺された者がうめくようにバビロンの王の前でうめく。
25 わたしはバビロンの王の腕を強くし、パロの腕を垂れさせる。このとき、わたしがバビロンの王の手にわたしの剣を渡し、彼がそれをエジプトの地に差し向けると、彼らは、わたしが主であることを知ろう。
26 わたしがエジプト人を諸国の民の中に散らし、彼らを国々に追い散らすとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。」
1 第十一年の第三の月の一日、私に次のような主のことばがあった。
2 「人の子よ。エジプトの王パロと彼の大軍に言え。
あなたの偉大さは何に比べられよう。
3 77見よ。アッシリヤはレバノンの杉。
美しい枝、茂った木陰、
そのたけは高く、そのこずえは雲の中にある。
4 水がそれを育て、78地下水がこれを高くした。
川々は、その植わっている地の回りを流れ、
その流れを野のすべての木に送った。
5 それで、そのたけは、
野のすべての木よりも高くそびえ、
その送り出す豊かな水によって、
その小枝は茂り、その大枝は伸びた。
6 その小枝には空のあらゆる鳥が巣を作り、
大枝の下では野のすべての獣が子を産み、
その木陰には多くの国々がみな住んだ。
7 それは大きくなり、
枝も伸びて美しかった。
その根を豊かな水におろしていたからだ。
8 神の園の杉の木も、これとは比べ物にならない。
もみの木も、この小枝とさえ比べられない。
すずかけの木も、この大枝のようではなく、
神の園にあるどの木も、
その美しさにはかなわない。
9 わたしが、その枝を茂らせ、
美しく仕立てたので、
神の園にあるエデンのすべての木々は、
これをうらやんだ。
10 それゆえ、79神である主はこう仰せられる。そのたけが高くなり、そのこずえが80雲の中にそびえ、その心がおごり高ぶったから、
11 わたしは、これを諸国の民のうちの力ある者の手に渡した。彼はこれをひどく罰し、わたしも、その悪行に応じてこれを追い出した。
12 こうして、他国人、最も横暴な異邦の民がこれを切り倒し、山々の上にこれを捨てた。その枝はすべての谷間に落ち、その大枝はこの国のすべての谷川で砕かれた。この国のすべての民は、その木陰から出て行き、これを振り捨てた。
13 その倒れ落ちた所に、空のあらゆる鳥が住み、その大枝のそばに、野のあらゆる獣がいるようになる。
14 このことは、水のほとりのどんな木も、そのたけが高くならないためであり、そのこずえが81雲の中にそびえないようにするためであり、すべて、水に潤う木が高ぶってそびえ立たないためである。これらはみな、死ぬべき人間と、穴に下る者たちとともに、地下の国、死に渡された。
15 神である主はこう仰せられる。それがよみに下る日に、わたしはこれをおおって深淵を喪に服させ、川をせきとめて、豊かな水をかわかした。わたしがこれのためにレバノンを憂いに沈ませたので、野のすべての木も、これのためにしおれた。
16 わたしがこれを穴に下る者たちとともによみに下らせたとき、わたしは諸国の民をその落ちる音で震えさせた。エデンのすべての木、レバノンのえり抜きの良い木、すべての水に潤う木は、地下の国で慰められた。
17 それらもまた、剣で刺し殺された者や、これを助けた者、諸国の民の間にあって、その陰に住んだ者たちとともに、よみに下った。
18 エデンの木のうち、その栄えと偉大さで、あなたはどれに似ているだろうか。あなたもエデンの木とともに地下の国に落とされ、剣で刺し殺された者とともに、割礼を受けていない者たちの間に横たわるようになる。これは、パロと、そのすべての大軍のことである。──神である主の御告げ──」
1 第十二年の第十二の月の一日、私に次のような主のことばがあった。
2 「人の子よ。エジプトの王パロについて哀歌を唱えて彼に言え。
諸国の民の若い獅子よ。
あなたは滅びうせた。
あなたは海の中の82わにのようだ。
川の中であばれ回り、
足で水をかき混ぜ、
その川々を濁らせた。
3 83神である主はこう仰せられる。
わたしは、多くの国々の民の集団を集めて、
あなたの上にわたしの網を打ちかけ、
彼らはあなたを地引き網で引き上げる。
4 わたしは、あなたを地に投げ捨て、
野に放り出し、
空のあらゆる鳥をあなたの上に止まらせ、
全地の獣をあなたで飽かせよう。
5 あなたの肉を山々に捨て、
あなたのしかばねで谷を満たし、
6 あなたから流れ出る血で地を浸し、
その血で山々を潤す。
谷川もあなたの血で満たされる。
7 あなたが84滅び去るとき、
わたしは空をおおい、
星を暗くし、
太陽を雲で隠し、月に光を放たせない。
8 わたしは空に輝くすべての光を
あなたの上で暗くし、
あなたの地をやみでおおう。
――神である主の御告げ――
9 わたしが、諸国の民、あなたの知らない国々の中であなたの破滅をもたらすとき、わたしは多くの国々の民の心を痛ませる。
10 わたしは多くの国々の民をあなたのことでおののかせる。彼らの王たちも、わたしが彼らの前でわたしの剣を振りかざすとき、あなたのことでおぞ気立つ。あなたのくずれ落ちる日に、彼らはみな、自分のいのちを思って身震いし続ける。
11 まことに、神である主はこう仰せられる。
バビロンの王の剣があなたに下る。
12 わたしは勇士の剣で、あなたの群集を倒す。
彼らはみな最も横暴な異邦の民だ。
彼らはエジプトの誇りを踏みにじり、
その群集はみな滅ぼされる。
13 わたしはあらゆる家畜を、
豊かな水のほとりで滅ぼす。
人の足は二度とこれを濁さず、
家畜のひづめも、これを濁さない。
14 そのとき、わたしはこの水を静める。
その川を油のように85静かに流れさせる。
――神である主の御告げ――
15 わたしがエジプトの国を荒れ果てさせ、
この国にある物がみなはぎ取られ、
わたしがそこの住民をみな打ち破るとき、
彼らは、わたしが主であることを知ろう。
16 これは人々が悲しんで歌う哀歌である。諸国の民の娘たちはこれを悲しんで歌う。エジプトとそのすべての群集のために、彼女らはこの哀歌を悲しんで歌う。――神である主の御告げ――」
17 第十二年の86第一の月の十五日、私に次のような主のことばがあった。
18 「人の子よ。エジプトの群集のために嘆け。
その民と強国の民の娘たちとを、
穴に下る者たちとともに地下の国に下らせよ。
19 『あなたはだれよりもすぐれているのか。
下って行って、
割礼を受けていない者たちとともに横たわれ。』
20 その国は剣に渡され、彼らは剣で刺し殺された者たちの間に倒れる。その国とそのすべての群集を引きずり降ろせ。
21勇敢な勇士たちは、その国を助けた者たちとともに、よみの中から語りかける。『降りて来て、剣で刺し殺された者、割礼を受けていない者たちとともに横たわれ』と。
22 その墓の回りには、アッシリヤとその全集団がいる。みな、刺し殺された者、剣に倒れた者たちである。
23 彼らの墓は穴の奥のほうにあり、その集団はその墓の回りにいる。彼らはみな、刺し殺された者、剣に倒れた者、かつて生ける者の地で恐怖を巻き起こした者たちである。
24 そこには、エラムがおり、そのすべての群集もその墓の回りにいる。彼らはみな、刺し殺された者、剣に倒れた者、割礼を受けないで地下の国に下った者、生ける者の地で恐怖を巻き起こした者たちである。それで彼らは穴に下る者たちとともに自分たちの恥を負っている。
25 その寝床は刺し殺された者たちの間に置かれ、そのすべての群集も、その墓の回りにいる。みな、割礼を受けていない者、剣で刺し殺された者である。彼らの恐怖が生ける者の地にあったからである。それで彼らは穴に下る者たちとともに自分たちの恥を負っている。彼らは刺し殺された者たちの間に置かれた。
26 そこには、メシェクとトバルがおり、そのすべての群集もその墓の回りにいる。彼らはみな、割礼を受けていない者、剣で刺し殺された者である。彼らは生ける者の地で恐怖を巻き起こしたからである。
27 彼らは、87ずっと昔に倒れた勇士たちとともに横たわることはできない。勇士たちは武具を持ってよみに下り、剣は頭の下に置かれ、88盾は彼らの骨に置かれている。勇士たちは生ける者の地で恐れられていたからである。
28 あなたは、割礼を受けていない者たちの間で砕かれ、剣で刺し殺された者たちとともに横たわる。
29 そこには、エドムとその王たち、そのすべての族長たちがいる。彼らは勇敢であったが、剣で刺し殺された者たちとともに、割礼を受けていない者たち、および穴に下る者たちとともに横たわる。
30 そこには、北のすべての君主たち、およびすべてのシドン人がいる。彼らの勇敢さは恐怖を巻き起こしたが、恥を見、刺し殺された者たちとともに下ったのである。それで割礼を受けていない彼らは、剣で刺し殺された者たちとともに横たわり、穴に下る者たちとともに自分たちの恥を負っている。
31 パロは彼らを見、剣で刺し殺された自分の群集、パロとその全軍勢のことで慰められる。──神である主の御告げ──
32 わたしが生ける者の地に恐怖を与えたので、パロとその群集は、割礼を受けていない者たちの間で、剣で刺し殺された者たちとともに横たわる。──神である主の御告げ──」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。あなたの民の者たちに告げて言え。わたしが一つの国に剣を送るとき、その国の民は彼らの中からひとりを選び、自分たちの見張り人とする。
3剣がその国に来るのを見たなら、彼は角笛を吹き鳴らし、民に警告を与えなければならない。
4 だれかが、角笛の音を聞いても警告を受けないなら、剣が来て、その者を打ち取るとき、その血の責任はその者の頭上に帰する。
5角笛の音を聞きながら、警告を受けなければ、その血の責任は彼自身に帰する。しかし、警告を受けていれば、彼は自分のいのちを救う。
6 しかし、見張り人が、剣の来るのを見ながら角笛を吹き鳴らさず、そのため民が警告を受けないとき、剣が来て、彼らの中のひとりを打ち取れば、その者は自分の咎のために打ち取られ、わたしはその血の責任を見張り人に問う。
7 人の子よ。わたしはあなたをイスラエルの家の見張り人とした。あなたは、わたしの口からことばを聞くとき、わたしに代わって彼らに警告を与えよ。
8 わたしが悪者に、『悪者よ。あなたは必ず死ぬ』と言うとき、もし、あなたがその悪者にその道から離れるように語って警告しないなら、その悪者は自分の咎のために死ぬ。そしてわたしは彼の血の責任をあなたに問う。
9 あなたが、悪者にその道から立ち返るよう警告しても、彼がその道から立ち返らないなら、彼は自分の咎のために死ななければならない。しかし、あなたは自分のいのちを救うことになる。
10 人の子よ。イスラエルの家に言え。あなたがたはこう言っている。『私たちのそむきと罪は私たちの上にのしかかり、そのため、私たちは朽ち果てた。私たちはどうして生きられよう』と。
11 彼らにこう言え。『89わたしは誓って言う。──90神である主の御告げ──わたしは決して悪者の死を喜ばない。かえって、悪者がその態度を悔い改めて、生きることを喜ぶ。悔い改めよ。悪の道から立ち返れ。イスラエルの家よ。なぜ、あなたがたは死のうとするのか。』
12 人の子よ。あなたの民の者たちに言え。正しい人の正しさも、彼がそむきの罪を犯したら、それは彼を救うことはできない。悪者の悪も、彼がその悪から立ち返るとき、その悪は彼を倒すことはできない。正しい人でも、罪を犯すとき、彼は自分の正しさによって生きることはできない。
13 わたしが正しい人に、『あなたは必ず生きる』と言っても、もし彼が自分の正しさに拠り頼み、不正をするなら、彼の正しい行いは何一つ覚えられず、彼は自分の行った不正によって死ななければならない。
14 わたしが悪者に、『あなたは必ず死ぬ』と言っても、もし彼が自分の罪を悔い改め、公義と正義とを行い、
15 その悪者が質物を返し、かすめた物を償い、不正をせず、いのちのおきてに従って歩むなら、彼は必ず生き、死ぬことはない。
16 彼が犯した罪は何一つ覚えられず、公義と正義とを行った彼は必ず生きる。
17 あなたの民の者たちは、『主の態度は公正でない』と言っている。しかし、彼らの態度こそ公正でない。
18 正しい人でも、自分の正しい行いから遠ざかり、不正をするなら、彼はそのために死ぬ。
19 悪者でも、自分の悪から遠ざかり、公義と正義とを行うなら、そのために彼は生きる。
20 それでもあなたがたは、『主の態度は公正でない』と言う。イスラエルの家よ。わたしはあなたがたをそれぞれの態度にしたがってさばく。」
21 私たちが捕囚となって十二年目の第十の月の五日、エルサレムからのがれた者が、私のもとに来て、「町は占領された」と言った。
22 そののがれた者が来る前の夕方、主の御手が私の上にあり、朝になって彼が私のもとに来る前に、私の口は開かれた。こうして、私の口は開かれ、もう私は黙っていなかった。
23 次のような主のことばが私にあった。
24 「人の子よ。イスラエルの地のこの廃墟に住む者たちは、『アブラハムはひとりでこの地を所有していた。私たちは多いのに、この地を所有するように与えられている』と言っている。
25 それゆえ、彼らに言え。神である主はこう仰せられる。あなたがたは血がついたままで食べ、自分たちの偶像を仰ぎ見、血を流しているのに、この地を所有しようとするのか。
26 あなたがたは自分の剣に拠り頼み、忌みきらうべきことをし、おのおの隣人の妻を汚していながら、この地を所有しようとするのか。
27 あなたは彼らにこう言え。神である主はこう仰せられる。わたしは誓って言うが、あの廃墟にいる者は必ず剣に倒れる。野にいる者も、わたしは獣に与えてそのえじきとする。要害とほら穴にいる者は疫病で死ぬ。
28 わたしはその地を荒れ果てさせ、荒廃した地とする。その力強い誇りは消えうせ、イスラエルの山々は荒れ果て、だれもそこを通らなくなる。
29 このとき、わたしが、彼らの行ったすべての忌みきらうべきわざのためにその国を荒れ果てさせ、荒廃した地とすると、彼らは、わたしが主であることを知ろう。
30 人の子よ。あなたの民の者たちは城壁のそばや、家々の入口で、あなたについて互いに語り合ってこう言っている。『さあ、どんなことばが主から出るか聞きに行こう。』
31 彼らは群れをなしてあなたのもとに来、わたしの民はあなたの前にすわり、あなたのことばを聞く。しかし、それを実行しようとはしない。彼らは、口では恋をする者であるが、彼らの心は利得を追っている。
32 あなたは彼らにとっては、音楽に合わせて美しく歌われる恋の歌のようだ。彼らはあなたのことばを聞くが、それを実行しようとはしない。
33 しかし、あのことは起こり、もう来ている。彼らは、自分たちの間にひとりの預言者がいたことを知ろう。」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。イスラエルの牧者たちに向かって預言せよ。預言して、彼ら、牧者たちに言え。91神である主はこう仰せられる。ああ。自分を肥やしているイスラエルの牧者たち。牧者は羊を養わなければならないのではないか。
3 あなたがたは脂肪を食べ、羊の毛を身にまとい、肥えた羊をほふるが、羊を養わない。
4 弱った羊を強めず、病気のものをいやさず、傷ついたものを包まず、迷い出たものを連れ戻さず、失われたものを捜さず、かえって力ずくと暴力で彼らを支配した。
5 彼らは牧者がいないので、散らされ、あらゆる野の獣のえじきとなり、散らされてしまった。
6 わたしの羊はすべての山々やすべての高い丘をさまよい、わたしの羊は地の全面に散らされた。尋ねる者もなく、捜す者もない。
7 それゆえ、牧者たちよ、主のことばを聞け。
8 わたしは生きている、──神である主の御告げ──わたしの羊はかすめ奪われ、牧者がいないため、あらゆる野の獣のえじきとなっている。それなのに、わたしの牧者たちは、わたしの羊を捜し求めず、かえって牧者たちは自分自身を養い、わたしの羊を養わない。
9 それゆえ、牧者たちよ、主のことばを聞け。
10 神である主はこう仰せられる。わたしは牧者たちに立ち向かい、彼らの手からわたしの羊を取り返し、彼らに羊を飼うのをやめさせる。牧者たちは二度と自分自身を養えなくなる。わたしは彼らの口からわたしの羊を救い出し、彼らのえじきにさせない。
11 まことに、神である主はこう仰せられる。見よ。わたしは自分でわたしの羊を捜し出し、これの世話をする。
12牧者が昼間、散らされていた自分の羊の中にいて、その群れの世話をするように、わたしはわたしの羊を、雲と暗やみの日に散らされたすべての所から救い出して、世話をする。
13 わたしは国々の民の中から彼らを連れ出し、国々から彼らを集め、彼らを彼らの地に連れて行き、イスラエルの山々や谷川のほとり、またその国のうちの人の住むすべての所で彼らを養う。
14 わたしは良い牧場で彼らを養い、イスラエルの高い山々が彼らのおりとなる。彼らはその良いおりに伏し、イスラエルの山々の肥えた牧場で草をはむ。
15 わたしがわたしの羊を飼い、わたしが彼らをいこわせる。──神である主の御告げ──
16 わたしは失われたものを捜し、迷い出たものを連れ戻し、傷ついたものを包み、病気のものを力づける。わたしは、肥えたものと強いものを滅ぼす。わたしは正しいさばきをもって彼らを養う。
17 わたしの群れよ。あなたがたについて、神である主はこう仰せられる。見よ。わたしは、羊と羊、雄羊と雄やぎとの間をさばく。
18 あなたがたは、良い牧場で草を食べて、それで足りないのか。その牧場の残った分を足で踏みにじり、澄んだ水を飲んで、その残りを足で濁すとは。
19 わたしの群れは、あなたがたの足が踏みつけた草を食べ、あなたがたの足が濁した水を飲んでいる。
20 それゆえ、神である主は彼らにこう仰せられる。見よ。わたし自身、肥えた羊とやせた羊との間をさばく。
21 あなたがたがわき腹と肩で押しのけ、その角ですべての弱いものを突き倒し、ついに彼らを外に追い散らしてしまったので、
22 わたしはわたしの群れを救い、彼らが二度とえじきとならないようにし、羊と羊との間をさばく。
23 わたしは、彼らを牧するひとりの牧者、わたしのしもべダビデを起こす。彼は彼らを養い、彼らの牧者となる。
24主であるわたしが彼らの神となり、わたしのしもべダビデはあなたがたの間で君主となる。主であるわたしがこう告げる。
25 わたしは彼らと平和の契約を結び、悪い獣をこの国から取り除く。彼らは安心して荒野に住み、森の中で眠る。
26 わたしは彼らと、わたしの丘の回りとに祝福を与え、季節にかなって雨を降らせる。それは祝福の雨となる。
27 野の木は実をみのらせ、地は産物を生じ、彼らは安心して自分たちの土地にいるようになる。わたしが彼らのくびきの横木を打ち砕き、彼らを奴隷にした者たちの手から救い出すとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。
28 彼らは二度と諸国の民のえじきとならず、この国の獣も彼らを食い殺さない。彼らは安心して住み、もう彼らを脅かす者もいない。
29 わたしは、彼らのためにりっぱな植物を生やす。彼らは、二度とその国でききんに会うこともなく、二度と諸国の民の侮辱を受けることもない。
30 このとき、彼らは、わたしが主で、彼らとともにいる彼らの神であり、彼らイスラエルの家がわたしの民であることを知ろう。──神である主の御告げ──
31 あなたがたはわたしの羊、わたしの牧場の羊である。あなたがたは人で、わたしはあなたがたの神である。──神である主の御告げ──」
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ。顔をセイルの山に向け、これについて預言して、
3 言え。
92神である主はこう仰せられる。
セイルの山よ。
わたしはおまえに立ち向かい、
おまえにわたしは手を伸ばし、
おまえを荒れ果てさせ、荒廃した地とする。
4 わたしがおまえの町々を廃墟にし、
おまえを荒れ果てさせるとき、
おまえは、わたしが主であることを知ろう。
5 おまえはいつまでも敵意を抱き、イスラエル人が災難に会うとき、彼らの最後の刑罰の時、彼らを剣に渡した。
6 それゆえ、──わたしは生きている。神である主の御告げ──わたしは必ずおまえを血に渡す。血はおまえを追う。おまえは血を憎んだが、血はおまえを追いかける。
7 わたしはセイルの山を荒れ果てさせ、廃墟とし、そこを行き来する者を断ち滅ぼす。
8 わたしはその山々を死体で満たし、剣で刺し殺された者たちがおまえの丘や谷や、すべての谷川に倒れる。
9 わたしはおまえを永遠に荒れ果てさせる。おまえの町々は回復しない。おまえたちは、わたしが主であることを知ろう。
10 おまえは、『これら二つの民、二つの国は、われわれのものだ。われわれはそれを占領しよう』と言ったが、そこに主がおられた。
11 それゆえ、──わたしは生きている。神である主の御告げ──おまえが彼らを憎んだのと同じほどの怒りとねたみで、わたしはおまえを必ず罰し、わたしがおまえをさばくとき、わたし自身を現そう。
12 おまえはイスラエルの山々に向かって、『これは荒れ果てて、われわれのえじきとなる』と言って、侮辱したが、主であるわたしがこれをみな聞いたことを、おまえは知るようになる。
13 おまえたちは、わたしに向かって高慢なことばを吐いたが、わたしはそれを聞いている。
14 神である主はこう仰せられる。わたしはおまえを荒れ果てさせて、全土を喜ばせよう。
15 おまえは、イスラエルの家の相続地が荒れ果てたのを喜んだが、わたしはおまえに同じようにしよう。セイルの山よ。おまえは荒れ果て、エドム全体もそうなる。93人々は、わたしが主であることを知ろう。
1 人の子よ。イスラエルの山々に預言して言え。イスラエルの山々よ。主のことばを聞け。
294神である主はこう仰せられる。敵がおまえたちに向かって、『あはは、昔からの高き所がわれわれの所有となった』と言っている。
3 それゆえ、預言して言え。神である主はこう仰せられる。実にそのために、おまえたちは、回りの民に荒らされ、踏みつけられ、ほかの国々の所有にされたので、おまえたちは、民の語りぐさとなり、そしりとなった。
4 それゆえ、イスラエルの山々よ、神である主のことばを聞け。神である主は、山や丘、谷川や谷、荒れ果てた廃墟、また、回りのほかの国々にかすめ奪われ、あざけられて見捨てられた町々に、こう仰せられる。
5 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしは燃えるねたみをもって、ほかの国々、エドム全土に告げる。彼らは心の底から喜び、思い切りあざけって、わたしの国を自分たちの所有とし、牧場をかすめ奪ったのだ。
6 それゆえ、イスラエルの地について預言し、山や丘、谷川や谷に向かって言え。神である主はこう仰せられる。見よ。おまえたちが諸国の民の侮辱を受けているので、わたしはねたみと憤りとをもって告げる。
7 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしは95誓う。おまえたちを取り囲む諸国の民は、必ず自分たちの恥を負わなければならない。
8 だが、おまえたち、イスラエルの山々よ。おまえたちは枝を出し、わたしの民イスラエルのために実を結ぶ。彼らが帰って来るのが近いからだ。
9 わたしはおまえたちのところに行き、おまえたちのところに向かう。おまえたちは耕され、種が蒔かれる。
10 わたしは、おまえたちの上に人をふやし、イスラエルの全家に人をふやす。町々には人が住みつき、廃墟は建て直される。
11 わたしは、おまえたちの上に人と獣をふやす。彼らはふえ、多くの子を生む。わたしはおまえたちのところに、昔のように人を住まわせる。いや、以前よりも栄えさせる。このとき、おまえたちは、わたしが主であることを知ろう。
12 わたしは、わたしの民イスラエル人に、おまえたちの上を歩かせる。彼らはおまえを所有し、おまえは彼らの相続地となる。おまえはもう二度と彼らに子を失わせてはならない。
13 神である主はこう仰せられる。彼らはおまえたちに、『おまえは人間を食らい、自分の国民の子どもを失わせている』と言っている。
14 それゆえ、おまえは二度と人間を食らわず、二度とおまえの国民の子どもを失わせてはならない。──神である主の御告げ──
15 わたしは、二度と諸国の民の侮辱をおまえに聞こえさせない。おまえは国々の民のそしりを二度と受けてはならない。おまえの国民をもうつまずかせてはならない。──神である主の御告げ──」
16 次のような主のことばが私にあった。
17 「人の子よ。イスラエルの家が、自分の土地に住んでいたとき、彼らはその行いとわざとによって、その地を汚した。その行いは、わたしにとっては、さわりのある女のように汚れていた。
18 それでわたしは、彼らがその国に流した血のために、また偶像でこれを汚したことのために、わたしの憤りを彼らに注いだ。
19 わたしは彼らを諸国の民の間に散らし、彼らを国々に追い散らし、彼らの行いとわざとに応じて彼らをさばいた。
20 彼らは、その行く先の国々に行っても、わたしの聖なる名を汚した。人々は彼らについて、『この人々は主の民であるのに、主の国から出されたのだ』と言ったのだ。
21 わたしは、イスラエルの家がその行った諸国の民の間で汚したわたしの聖なる名を惜しんだ。
22 それゆえ、イスラエルの家に言え。神である主はこう仰せられる。イスラエルの家よ。わたしが事を行うのは、あなたがたのためではなく、あなたがたが行った諸国の民の間であなたがたが汚した、わたしの聖なる名のためである。
23 わたしは、諸国の民の間で汚され、あなたがたが彼らの間で汚したわたしの偉大な名の聖なることを示す。わたしが彼らの目の前であなたがたのうちにわたしの聖なることを示すとき、諸国の民は、わたしが主であることを知ろう。──神である主の御告げ──
24 わたしはあなたがたを諸国の民の間から連れ出し、すべての国々から集め、あなたがたの地に連れて行く。
25 わたしがきよい水をあなたがたの上に振りかけるそのとき、あなたがたはすべての汚れからきよめられる。わたしはすべての偶像の汚れからあなたがたをきよめ、
26 あなたがたに新しい心を与え、あなたがたのうちに新しい霊を授ける。わたしはあなたがたの96からだから石の心を取り除き、あなたがたに肉の心を与える。
27 わたしの霊をあなたがたのうちに授け、わたしのおきてに従って歩ませ、わたしの定めを守り行わせる。
28 あなたがたは、わたしがあなたがたの先祖に与えた地に住み、あなたがたはわたしの民となり、わたしはあなたがたの神となる。
29 わたしはあなたがたをすべての汚れから救い、穀物を呼び寄せてそれをふやし、ききんをあなたがたに送らない。
30 わたしは木の実と畑の産物をふやす。それであなたがたは、諸国の民の間で二度とききんのためにそしりを受けることはない。
31 あなたがたは、自分たちの悪い行いと、良くなかったわざとを思い出し、自分たちの不義と忌みきらうべきわざをいとうようになる。
32 わたしが事を行うのは、あなたがたのためではない。──神である主の御告げ──イスラエルの家よ。あなたがたは知らなければならない。恥じよ。あなたがたの行いによってはずかしめを受けよ。
33 神である主はこう仰せられる。わたしが、あなたがたをすべての不義からきよめる日に、わたしは町々を人が住めるようにし、廃墟を建て直す。
34 この荒れ果てた地は、通り過ぎるすべての者に荒地とみなされていたが、耕されるようになる。
35 このとき、人々はこう言おう。『荒れ果てていたこの国は、エデンの園のようになった。廃墟となり、荒れ果て、くつがえされていた町々も城壁が築かれ、人が住むようになった』と。
36 あなたがたの回りに残された諸国の民も、主であるわたしが、くつがえされた所を建て直し、荒れ果てていた所に木を植えたことを知るようになる。主であるわたしがこれを語り、これを行う。
37 神である主はこう仰せられる。わたしはイスラエルの家の願いを聞き入れて、次のことをしよう。わたしは、羊の群れのように人をふやそう。
38 ちょうど、聖別された羊の群れのように、例祭のときのエルサレムの羊の群れのように、廃墟であった町々を人の群れで満たそう。このとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。」
1主の御手が私の上にあり、主の霊によって、私は連れ出され、谷間の真ん中に置かれた。そこには骨が満ちていた。
2 主は私にその上をあちらこちらと行き巡らせた。なんと、その谷間には非常に多くの骨があり、ひどく干からびていた。
3 主は私に仰せられた。「人の子よ。これらの骨は生き返ることができようか。」私は答えた。「97神、主よ。あなたがご存じです。」
4 主は私に仰せられた。「これらの骨に預言して言え。干からびた骨よ。主のことばを聞け。
5 神である主はこれらの骨にこう仰せられる。見よ。わたしがおまえたちの中に息を吹き入れるので、おまえたちは生き返る。
6 わたしがおまえたちに筋をつけ、肉を生じさせ、皮膚でおおい、おまえたちの中に息を与え、おまえたちが生き返るとき、おまえたちはわたしが主であることを知ろう。」
7 私は、命じられたように預言した。私が預言していると、音がした。なんと、大きなとどろき。すると、骨と骨とが互いにつながった。
8 私が見ていると、なんと、その上に筋がつき、肉が生じ、皮膚がその上をすっかりおおった。しかし、その中に息はなかった。
9 そのとき、主は仰せられた。「息に預言せよ。人の子よ。預言してその息に言え。神である主はこう仰せられる。息よ。四方から吹いて来い。この殺された者たちに吹きつけて、彼らを生き返らせよ。」
10 私が命じられたとおりに預言すると、息が彼らの中に入った。そして彼らは生き返り、自分の足で立ち上がった。非常に多くの集団であった。
11 主は私に仰せられた。「人の子よ。これらの骨はイスラエルの全家である。ああ、彼らは、『私たちの骨は干からび、望みは消えうせ、私たちは断ち切られる』と言っている。
12 それゆえ、預言して彼らに言え。神である主はこう仰せられる。わたしの民よ。見よ。わたしはあなたがたの墓を開き、あなたがたをその墓から引き上げて、イスラエルの地に連れて行く。
13 わたしの民よ。わたしがあなたがたの墓を開き、あなたがたを墓から引き上げるとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
14 わたしがまた、わたしの霊をあなたがたのうちに入れると、あなたがたは生き返る。わたしは、あなたがたをあなたがたの地に住みつかせる。このとき、あなたがたは、主であるわたしがこれを語り、これを成し遂げたことを知ろう。──主の御告げ──」
15 次のような主のことばが私にあった。
16 「人の子よ。一本の杖を取り、その上に、『ユダと、それにつくイスラエル人のために』と書きしるせ。もう一本の杖を取り、その上に、『エフライムの杖、ヨセフと、それにつくイスラエルの全家のために』と書きしるせ。
17 その両方をつなぎ、一本の杖とし、あなたの手の中でこれを一つとせよ。
18 あなたの民の者たちがあなたに向かって、『これはどういう意味か、私たちに説明してくれませんか』と言うとき、
19 彼らに言え。神である主はこう仰せられる。見よ。わたしは、エフライムの手にあるヨセフの杖と、それにつくイスラエルの諸部族とを取り、それらをユダの杖に合わせて、一本の杖とし、わたしの手の中で一つとする。
20 あなたが書きしるした杖を、彼らの見ている前であなたの手に取り、
21 彼らに言え。神である主はこう仰せられる。見よ。わたしは、イスラエル人を、その行っていた諸国の民の間から連れ出し、彼らを四方から集め、彼らの地に連れて行く。
22 わたしが彼らを、その地、イスラエルの山々で、一つの国とするとき、ひとりの王が彼ら全体の王となる。彼らはもはや二つの国とはならず、もはや決して二つの王国に分かれない。
23 彼らは二度と、その偶像や忌まわしいもの、またあらゆるそむきの罪によって身を汚さない。わたしは、彼らがかつて罪を犯したその滞在地から彼らを救い、彼らをきよめる。彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。
24 わたしのしもべダビデが彼らの王となり、彼ら全体のただひとりの牧者となる。彼らはわたしの定めに従って歩み、わたしのおきてを守り行う。
25 彼らは、わたしがわたしのしもべヤコブに与えた国、あなたがたの先祖が住んだ国に住むようになる。そこには彼らとその子らとその子孫たちとがとこしえに住み、わたしのしもべダビデが永遠に彼らの君主となる。
26 わたしは彼らと平和の契約を結ぶ。これは彼らとのとこしえの契約となる。わたしは彼らを98かばい、彼らをふやし、わたしの聖所を彼らのうちに永遠に置く。
27 わたしの住まいは彼らとともにあり、わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。
28 わたしの聖所が永遠に彼らのうちにあるとき、諸国の民は、わたしがイスラエルを聖別する主であることを知ろう。」
1 さらに、私に次のような主のことばがあった。
2 「人の子よ。メシェクとトバルの大首長であるマゴグの地のゴグに顔を向け、彼に預言して、
3 言え。99神である主はこう仰せられる。メシェクとトバルの大首長であるゴグよ。今、わたしは、あなたに立ち向かう。
4 わたしはあなたを引き回し、あなたのあごに鉤をかけ、あなたと、あなたの全軍勢を出陣させる。それはみな武装した馬や騎兵、大盾と盾を持ち、みな剣を取る大集団だ。
5 ペルシヤと100クシュとプテも彼らとともにおり、みな盾とかぶとを着けている。
6 ゴメルと、そのすべての軍隊、北の果てのベテ・トガルマと、そのすべての軍隊、それに多くの国々の民があなたとともにいる。
7備えをせよ。あなたも、あなたのところに集められた全集団も備えをせよ。あなたは彼らを監督せよ。
8 多くの日が過ぎて、あなたは命令を受け、終わりの年に、一つの国に侵入する。その国は剣の災害から立ち直り、その民は多くの国々の民の中から集められ、久しく廃墟であったイスラエルの山々に住んでいる。その民は国々の民の中から連れ出され、彼らはみな安心して住んでいる。
9 あなたは、あらしのように攻め上り、あなたと、あなたの全部隊、それに、あなたにつく多くの国々の民は、地をおおう雲のようになる。
10 神である主はこう仰せられる。その日には、あなたの心にさまざまな思いが浮かぶ。あなたは悪巧みを設け、
11 こう言おう。『私は城壁のない町々の国に攻め上り、安心して住んでいる平和な国に侵入しよう。彼らはみな、城壁もかんぬきも門もない所に住んでいる。』
12 あなたは物を分捕り、獲物をかすめ奪い、今は人の住むようになった廃墟や、国々から集められ、その国の中心に住み、家畜と財産を持っている民に向かって、あなたの腕力をふるおうとする。
13 シェバやデダンやタルシシュの商人たち、およびそのすべての若い獅子たちは、あなたに聞こう。『あなたは物を分捕るために来たのか。獲物をかすめ奪うために集団を集め、銀や金を運び去り、家畜や財産を取り、大いに略奪をしようとするのか』と。
14 それゆえ、人の子よ、預言してゴグに言え。神である主はこう仰せられる。わたしの民イスラエルが安心して住んでいるとき、実に、その日、あなたは101奮い立つのだ。
15 あなたは、北の果てのあなたの国から、多くの国々の民を率いて来る。彼らはみな馬に乗る者で、大集団、大軍勢だ。
16 あなたは、わたしの民イスラエルを攻めに上り、終わりの日に、あなたは地をおおう雲のようになる。ゴグよ。わたしはあなたに、わたしの地を攻めさせる。それは、わたしがあなたを使って諸国の民の目の前にわたしの聖なることを示し、彼らがわたしを知るためだ。
17 神である主はこう仰せられる。あなたは、わたしが昔、わたしのしもべ、イスラエルの預言者たちを通して語った当の者ではないか。この預言者たちは、わたしがあなたに彼らを攻めさせると、長年にわたり預言していたのだ。
18 ゴグがイスラエルの地を攻めるその日、──神である主の御告げ──わたしは怒りを燃え上がらせる。
19 わたしは、ねたみと激しい怒りの火を吹きつけて言う。その日には必ずイスラエルの地に大きな地震が起こる。
20 海の魚も、空の鳥も、野の獣も、地面をはうすべてのものも、地上のすべての人間も、わたしの前で震え上がり、山々はくつがえり、がけは落ち、すべての城壁は地に倒れる。
21 わたしは剣を呼び寄せて、わたしのすべての山々でゴグを攻めさせる。──神である主の御告げ──彼らは剣で同士打ちをするようになる。
22 わたしは疫病と流血で彼に罰を下し、彼と、彼の部隊と、彼の率いる多くの国々の民の上に、豪雨や雹や火や硫黄を降り注がせる。
23 わたしがわたしの大いなることを示し、わたしの聖なることを示して、多くの国々の見ている前で、わたしを知らせるとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。」
1 「人の子よ。ゴグに向かって預言して言え。102神である主はこう仰せられる。メシェクとトバルの大首長であるゴグよ。わたしはあなたに立ち向かう。
2 わたしはあなたを引き回し、あなたを押しやり、北の果てから上らせ、イスラエルの山々に連れて来る。
3 あなたの左手から弓をたたき落とし、右手から矢を落とす。
4 あなたと、あなたのすべての部隊、あなたの率いる国々の民は、イスラエルの山々に倒れ、わたしはあなたをあらゆる種類の猛禽や野獣のえじきとする。
5 あなたは野に倒れる。わたしがこれを語るからだ。──神である主の御告げ──
6 わたしはマゴグと、島々に安住している者たちとに火を放つ。彼らは、わたしが主であることを知ろう。
7 わたしは、わたしの聖なる名をわたしの民イスラエルの中に知らせ、二度とわたしの聖なる名を汚させない。諸国の民は、わたしが主であり、イスラエルの聖なる者であることを知ろう。
8 今、それは来、それは成就する。──神である主の御告げ──それは、わたしが語った日である。
9 イスラエルの町々の住民は出て来て、武器、すなわち、盾と大盾、弓と矢、手槍と槍を燃やして焼き、七年間、それらで火を燃やす。
10 彼らは野から木を取り、森からたきぎを集める必要はない。彼らは武器で火を燃やすからだ。彼らは略奪された物を略奪し返し、かすめ奪われた物をかすめ奪う。──神である主の御告げ──
11 その日、わたしは、イスラエルのうちに、ゴグのために墓場を設ける。それは海の東の103旅人の谷である。そこは人が通れなくなる。そこにゴグと、そのすべての群集が埋められ、そこはハモン・ゴグの谷と呼ばれる。
12 イスラエルの家は、その国をきよめるために、七か月かかって彼らを埋める。
13 その国のすべての民が埋め、わたしの栄光が現されるとき、彼らは有名になる。──神である主の御告げ──
14 彼らは、常時、国を巡り歩く者たちを選び出す。彼らは地の面に取り残されているもの、104旅人たちを埋めて国をきよめる。彼らは七か月の終わりまで捜す。
15巡り歩く者たちは国中を巡り歩き、人間の骨を見ると、そのそばに標識を立て、埋める者たちがそれをハモン・ゴグの谷に埋めるようにする。
16 そこの町の名はハモナとも言われる。彼らは国をきよめる。
17 神である主はこう仰せられる。人の子よ。あらゆる種類の鳥と、あらゆる野の獣に言え。集まって来い。わたしがおまえたちのために切り殺した者、イスラエルの山々の上にある多くの切り殺された者に、四方から集まって来い。おまえたちはその肉を食べ、その血を飲め。
18 勇士たちの肉を食べ、国の君主たちの血を飲め。雄羊、子羊、雄やぎ、雄牛、すべてバシャンの肥えたものをそうせよ。
19 わたしがおまえたちのために切り殺したものの脂肪を飽きるほど食べ、その血を酔うほど飲むがよい。
20 おまえたちはわたしの食卓で、馬や、騎手や、勇士や、すべての戦士に食べ飽きる。──神である主の御告げ──
21 わたしが諸国の民の間にわたしの栄光を現すとき、諸国の民はみな、わたしが行うわたしのさばきと、わたしが彼らに置くわたしの手とを見る。
22 その日の後、イスラエルの家は、わたしが彼らの神、主であることを知ろう。
23諸国の民は、イスラエルの家が、わたしに不信の罪を犯したために咎を得て捕らえ移されたこと、それから、わたしが彼らにわたしの顔を隠し、彼らを敵の手に渡したので、彼らがみな剣に倒れたことを知ろう。
24 わたしは、彼らの汚れとそむきの罪に応じて彼らを罰し、わたしの顔を彼らに隠した。
25 それゆえ、神である主はこう仰せられる。今わたしはヤコブの繁栄を元どおりにし、イスラエルの全家をあわれむ。これは、わたしの聖なる名のための熱心による。
26 彼らは、自分たちの地に安心して住み、彼らを脅かす者がいなくなるとき、わたしに逆らった自分たちの恥とすべての不信の罪との責めを負おう。
27 わたしが彼らを国々の民の間から帰らせ、彼らの敵の地から集め、多くの国々が見ている前で、彼らのうちにわたしの聖なることを示すとき、
28 彼らは、わたしが彼らの神、主であることを知ろう。わたしは彼らを国々に引いて行ったが、また彼らを彼らの地に集め、そこにひとりも残しておかないようにするからだ。
29 わたしは二度とわたしの顔を彼らから隠さず、わたしの霊をイスラエルの家の上に注ぐ。──神である主の御告げ──」
1 私たちが捕囚となって二十五年目の年の初め、その月の十日、町が占領されてから十四年目のちょうどその日、主の御手が私の上にあり、私をそこへ連れて行った。
2 すなわち、神々しい幻のうちに、私はイスラエルの地へ連れて行かれ、非常に高い山の上に降ろされた。その南のほうに町が建てられているようであった。
3 主が私をそこに連れて行かれると、そこに、ひとりの人がいた。その姿は青銅でできているようであり、その手に麻のひもと測りざおとを持って門のところに立っていた。
4 その人は私に話しかけた。「人の子よ。あなたの目で見、耳で聞き、わたしがあなたに見せるすべての事を心に留めよ。わたしがあなたを連れて来たのは、あなたにこれを見せるためだ。あなたが見ることをみな、イスラエルの家に告げよ。」
5 そこに、神殿の外側を巡って取り囲んでいる壁があった。その人は手に六キュビトの測りざおを持っていた。その一キュビトは、普通の一キュビトに一手幅を足した長さであった。彼がその外壁の厚さを測ると、一さおであり、その高さも一さおであった。
6 それから、彼が東向きの門に行き、その階段を上って、門の敷居を測ると、その幅は一さおで、もう一つの門の敷居も幅は一さおであった。
7控え室は長さ一さお、幅一さおであり、控え室と控え室の間は五キュビトであった。門の内側の玄関の間に続く門の敷居は一さおであった。
8 彼が門の内側の玄関の間を測ると、一さお、
9 すなわち、門の玄関の間を測ると、八キュビト、その壁柱は二キュビトで、門の玄関の間は内側にあった。
10 東のほうにある門の控え室は両側に三つずつあり、三つとも同じ寸法であった。壁柱も、両側とも、同じ寸法であった。
11 彼が門の入口の幅を測ると、十キュビト、門の105内のり幅の長さは十三キュビトであった。
12控え室の前に出た仕切りは両側ともそれぞれ一キュビトであった。控え室は両側とも六キュビトであった。
13 彼がその門を、片側の控え室の屋根の端から他の側の屋根の端まで測ると、一つの入口から他の入口までの幅は二十五キュビトであった。
14 彼は壁柱を106六十キュビトとした。107門の周囲を巡る壁柱は庭に面していた。
15 入口の門の前から内側の門の玄関の間の前までは五十キュビトであり、
16 門の内側にある控え室と壁柱には格子窓が取りつけられ、玄関の間もそうであった。内側の回りには窓があり、壁柱には、なつめやしの木が彫刻してあった。
17 それから、彼は私を外庭に連れて行った。そこには部屋があり、庭の回りには石だたみが敷かれていた。石だたみの上に、三十の部屋があった。
18 石だたみは門のわきにあり、ちょうど門の長さと同じであった。これは下の石だたみである。
19 彼が下の門の端から内庭の外の端までその幅を測ると、東も北も百キュビトであった。
20 彼は外庭にある北向きの門の長さと幅を測った。
21 それには両側に三つずつ控え室があり、壁柱も玄関の間も先の門と同じ寸法であった。その長さは五十キュビト、幅は二十五キュビトであった。
22 その窓も玄関の間もなつめやしの木の彫刻も、東向きの門と同じ寸法であった。七段の階段を上って行くと、その先に玄関の間があった。
23 東に面する108門と同様に、北に面する門にも内庭の門が向かい合っており、彼が門から門まで測ると、百キュビトであった。
24 次に、彼は私を南のほうへ連れて行った。すると、そこにも南向きの門があり、その壁柱と玄関の間を彼が測ると、それは、ほかの門と同じ寸法であった。
25壁柱と玄関の間の周囲に窓があり、それはほかの窓と同じであった。門の長さは五十キュビト、幅は二十五キュビトであった。
26 そこに上るのに七段の階段があり、その先に玄関の間があった。その両側の壁柱には、なつめやしの木が彫刻してあった。
27 内庭には南向きの門があり、彼がこの門から南のほうに他の門まで測ると、百キュビトであった。
28 彼が私を南の門から内庭に連れて行き、南の門を測ると、ほかの門と同じ寸法であった。
29 その控え室も壁柱も玄関の間もほかのと同じ寸法で、壁柱と玄関の間の周囲に窓があった。門の長さは五十キュビト、幅は二十五キュビトであった。
30玄関の間の周囲は長さ二十五キュビト、幅五キュビトであった。
31 その玄関の間は外庭に面し、その壁柱にはなつめやしの木が彫刻してあった。その階段は八段であった。
32 次に、彼は私を内庭の東のほうに連れて行った。そこの門を測ると、ほかの門と同じ寸法であった。
33 その控え室も壁柱も玄関の間もほかのと同じ寸法で、壁柱と玄関の間の周囲に窓があった。門の長さは五十キュビト、幅は二十五キュビトであった。
34 その玄関の間は外庭に面し、両側の壁柱にはなつめやしの木が彫刻してあった。階段は八段であった。
35 彼は私を北の門に連れて行った。それを測ると、ほかの門と同じ寸法であった。
36 その控え室も壁柱も玄関の間もほかのと同じ寸法で、その周囲に窓があった。門の長さは五十キュビト、幅は二十五キュビトであった。
37 その109玄関の間は外庭に面し、両側の壁柱にはなつめやしの木が彫刻してあった。階段は八段であった。
38 門の壁柱のそばに戸のある部屋があり、そこは全焼のいけにえをすすぎ清める所であった。
39 門の玄関の間には、全焼のいけにえ、罪のためのいけにえ、罪過のためのいけにえをほふるために、両側にそれぞれ二つずつの台があった。
40 北の門の入口へ上って行くと、外側に二つの台があり、門の玄関の間の他の側にも二つの台があった。
41 すなわち、門の片側に四つの台があり、他の側に四つの台があり、この八つの台の上でいけにえをほふるのである。
42 また、全焼のいけにえのための四つの切り石の台があり、その長さは一キュビト半、幅は一キュビト半、その高さは一キュビトであった。その上に全焼のいけにえや、ほかのいけにえをほふるための道具が置かれていた。
43 内側には、周囲に一手幅の縁が取りつけてあり、ささげ物の肉は台の上に置かれるようになっていた。
44110彼は私を内庭に連れて行った。内庭には111二つの部屋があり、北の門のわきにある部屋は南を向き、南の門のわきのは北を向いていた。
45 彼は私に言った。「この南向きの部屋は、宮の任務を果たす祭司たちのためであり、
46 北向きの部屋は、祭壇の任務を果たす祭司たちのためである。彼らはツァドクの子孫であり、レビの子孫の中で主に近づいて仕える者たちである。」
47 彼が庭を測ると、長さ百キュビト、幅百キュビトの正方形であった。神殿の前には祭壇があった。
48 彼が私を神殿の玄関の間に連れて行って、玄関の間の壁柱を測ると、両側とも五キュビトであり、その門の幅は112十四キュビト、その門の両わきの壁は、それぞれ三キュビトであった。
49玄関の間の間口は二十キュビト、奥行は113十二キュビトであった。そこへ上るのに階段があり、両側の壁柱のそばにはそれぞれ円柱が立っていた。
1 彼は私を本堂へ連れて行った。その壁柱を測ると、その幅は両側とも六キュビトであった。これが114壁柱の幅であった。
2 入口の幅は十キュビト、入口の両わきの壁はそれぞれ五キュビトであり、本堂の長さを測ると、四十キュビト、幅は二十キュビトであった。
3 彼が奥に入り、入口の壁柱を測ると、二キュビト、入口は六キュビト、入口の115両わきの壁は七キュビトであった。
4 彼はまた、本堂に面して長さ二十キュビト、幅二十キュビトを測って、私に「これが至聖所だ」と言った。
5 彼が神殿の壁を測ると、六キュビト、神殿の周囲を囲む階段式の脇間の幅は四キュビトであった。
6階段式の脇間は三段に重なり、各段に三十あった。神殿の周囲の階段式の脇間は壁に固定してささえられ、神殿の壁は梁でささえられていなかった。
7階段式の脇間の幅は階段を上るごとに広くなっていた。それは神殿の周囲にあるらせん階段を上るごとに、その段の幅も広くなり、その下の段から上の段へは中央の階段を通って上るのである。
8 私は神殿の回りが高くなっているのを見た。階段式の脇間の土台は、長めの六キュビトの測りざおいっぱいであった。
9階段式の脇間の外側の壁の厚さは五キュビトであった。神殿の階段式の脇間と、
10 部屋との間には空地があり、それが神殿の周囲を幅二十キュビトで囲んでいた。
11階段式の脇間の入口は空地のほうに向き、一つの入口は北向きで、他の入口は南のほうに向き、その空地は幅五キュビトで周囲を囲んでいた。
12 西側の聖域にある建物は、その奥行が七十キュビト、その建物の回りの壁は、厚さ五キュビト、その間口は九十キュビトであった。
13 彼が神殿を測ると、長さは百キュビト、その聖域と建物とその壁とで、長さ百キュビトであった。
14 また、東側の聖域と神殿に面する幅も百キュビトであった。
15 彼が神殿の裏にある聖域に面した建物の長さと、両側の回廊とを測ると、百キュビトであった。本堂の内側と、庭の玄関の間、
16門口と格子窓と三段になった回廊とは、床から窓まで羽目板が張り巡らされていた。また、窓にはおおいがあった。
17 入口の上部にも、神殿の内側にも外側116にも、これを囲むすべての壁の内側にも外側にも彫刻がしてあり、
18 ケルビムと、なつめやしの木とが彫刻してあった。なつめやしの木は117ケルブとケルブとの間にあり、おのおのケルブには二つの顔があった。
19 人間の顔は一方のなつめやしの木に向かい、若い獅子の顔は他方のなつめやしの木に向かい、このように、神殿全体の回りに彫刻してあった。
20床から入口の上まで、本堂の壁にケルビムとなつめやしの木が彫刻してあった。
21 本堂の戸口の柱は四角で、至聖所の前には何かに似たものがあった。
22 それは木の祭壇のようであり、高さは三キュビト、長さは二キュビトで、その四隅も118台も側面も木でできていた。彼は私に、「これが主の前にある机だ」と言った。
23 また、本堂と至聖所にそれぞれ二つのとびらがあり、
24 それらのとびらにはそれぞれ二つの戸が折りたたむようになっていた。すなわち、一つのとびらには二つの戸があり、ほかのとびらにも二つの戸があった。
25 本堂のとびらには、壁に彫刻されていたのと同じようなケルビムとなつめやしの木が彫刻してあった。外側の玄関の間の前には木のひさしがあった。
26玄関の間の両わきの壁には格子窓となつめやしの木があり、神殿の階段式の脇間とひさしも同様であった。
1 彼は私を北のほうの外庭に連れ出し、聖域に面し、北方の建物に面している部屋へ連れて行った。
2 その長さは百キュビト、その端に北の入口があり、幅は五十キュビトであった。
3 二十キュビトの内庭に面し、外庭の石だたみに面して、三階になった回廊があった。
4 部屋の前には幅十キュビトの通路が内側にあり、その長さは百キュビトであった。その部屋の入口は北に向いていた。
5 上の部屋は、回廊が場所を取ったので、建物の下の部屋よりも、また二階の部屋よりも狭かった。
6 なぜなら、これらは三階建てであり、庭の柱のような柱がないためである。それで、上の部屋は下の部屋よりも、また二階の部屋よりも狭かった。
7 部屋に沿った外側の石垣は、外庭のほうにあって、部屋に面し、その長さは五十キュビトであった。
8 したがって、外庭に面する部屋の長さは五十キュビトであった。しかし、本堂に面する側は百キュビトであった。
9 これらの部屋の下には、外庭から入れるように、東側に119出入口があった。
10聖域や建物に面している120南側の庭の厚い石垣の中には、部屋があった。
11 その部屋の通路は、北側の部屋と同じように見え、長さも同じ、幅も同じで、そのすべての出口も構造も入口も、同様であった。
12 南側の部屋の入口も同様で、通路の先端に入口があり、東側の石垣に面し、そこから入れる通路があった。
13 彼は私に言った。「聖域に面している北の部屋と南の部屋は、聖なる部屋であって、主に近づく祭司たちが最も聖なるささげ物を食べる所である。その場所は神聖であるから、彼らはそこに最も聖なる物、すなわち穀物のささげ物、罪のためのいけにえ、罪過のためのいけにえを置く。
14祭司たちは聖所に入ったなら、そこから外庭に出てはならない。彼らが奉仕に用いる服は神聖だから、それを脱いで他の服に着替えてから民の所に近づかなければならない。」
15 彼は、神殿の内側を測り終えると、東向きの門に私を連れ出し、神殿の周囲を測った。
16 彼が測りざおで東側を測ると、測りざおで五百さおであった。
17 北側を測ると、測りざおで五百さおであった。
18 南側を測ると、測りざおで五百さおであった。
19 彼が西側に回って測りざおで測ると、五百さおであった。
20 彼が外壁の回りを巡って四方を測ると、その長さは五百さお、幅も五百さおで、聖なるものと俗なるものとを区別していた。
1 彼は私を東向きの門に連れて行った。
2 すると、イスラエルの神の栄光が東のほうから現れた。その音は大水のとどろきのようであって、地はその栄光で輝いた。
3 私が見た幻の様子は、私がかつてこの町を滅ぼすために来たときに見た幻のようであり、またその幻は、かつて私がケバル川のほとりで見た幻のようでもあった。それで、私はひれ伏した。
4主の栄光が東向きの門を通って宮に入って来た。
5霊は私を引き上げ、私を内庭に連れて行った。なんと、主の栄光は神殿に満ちていた。
6 ある人が私のそばに立っているとき、私は、神殿からだれかが私に語りかけておられるのを聞いた。
7 その方は私に言われた。「人の子よ。ここはわたしの玉座のある所、わたしの足の踏む所、わたしが永遠にイスラエルの子らの中で住む所である。イスラエルの家は、その民もその王たちも、もう二度と、淫行や高き所の王たちの死体で、わたしの聖なる名を汚さない。
8 彼らは、自分たちの門口をわたしの門口のそばに設け、自分たちの戸口の柱をわたしの戸口の柱のかたわらに立て、わたしと彼らとの間には、ただ壁があるだけとなり、彼らの忌みきらうべきわざによってわたしの聖なる名を汚した。そこでわたしは怒って、彼らを絶ち滅ぼした。
9 今、彼らにその淫行や王たちの死体をわたしから遠く取り除かせなければならない。わたしは永遠に彼らの中に住もう。
10 人の子よ。イスラエルの家が自分たちの不義を恥じるために、彼らに神殿を示し、彼らにその模型を測らせよ。
11 もし彼らが、自分たちの行ったあらゆることを恥じるなら、あなたは彼らに神殿の構造とその模型、その出口と入口、すなわち、そのすべての構造、すべての定め、すべての構造、すべての律法を示し、彼らの目の前でそれを書きしるせ。彼らが、そのすべての構造と定めとを守って、これを造るためである。
12 宮に関する律法は次のとおりである。山の頂のその回りの全地域は最も神聖である。これが宮に関する律法である。
13 キュビトによる祭壇の寸法は次のとおりである。──このキュビトは、普通の121キュビトに一手幅足したものである。──その土台の122深さは一キュビト、その回りの縁の幅は一キュビト、みぞは一あたりである。祭壇の123高さは次のとおりである。
14 この地面の土台から下の台座までは二キュビト、124回りの幅は一キュビト。この低い台座から高い台座までは四キュビト、その125回りの幅は一キュビト。
15祭壇の炉は高さ四キュビトであり、祭壇の炉から上のほうへ四本の角が出ていた。
16祭壇の炉は長さ十二キュビト、幅十二キュビトの正方形である。
17 その台座は長さ十四キュビト、幅十四キュビトの正方形で、その回りのみぞは半キュビト、その126縁は一キュビトであり、その階段は東に面している。」
18 彼は私に言った。「人の子よ。127神である主はこう仰せられる。祭壇の上で全焼のいけにえをささげ、血をそれに注ぎかけるために祭壇を立てる日には、次のことが祭壇に関する定めとなる。
19 わたしに仕えるために、わたしに近づくツァドクの子孫のレビ人の祭司たちに、あなたは、罪のためのいけにえとして若い雄牛一頭を与えよ。──神である主の御告げ──
20 あなたは、その血を取って、祭壇の四本の角と、台座の四隅と、回りのみぞにつけ、祭壇をきよめ、そのための贖いをしなければならない。
21 またあなたは、罪のためのいけにえの雄牛を取り、これを聖所の外の宮の一定の所で焼かなければならない。
22 二日目に、あなたは、傷のない雄やぎを罪のためのいけにえとしてささげ、雄牛できよめたように、祭壇をきよめよ。
23 きよめ終えたら、あなたは、傷のない若い雄牛と群れのうちの傷のない雄羊とをささげよ。
24 あなたは、それらを主の前にささげ、祭司たちがそれらの上に塩をまき、全焼のいけにえとして主にささげなければならない。
25 七日間、あなたは毎日、罪のためのいけにえとして雄やぎをささげ、傷のない若い雄牛と群れのうちの傷のない雄羊とをささげなければならない。
26 七日間にわたって祭壇の贖いをし、それをきよめて128使い始めなければならない。
27 この期間が終わり、八日目と、その後は、祭司たちが祭壇の上で、あなたがたの全焼のいけにえと和解のいけにえとをささげなければならない。そうすれば、わたしはあなたがたを受け入れる。──神である主の御告げ──」
1 彼が私を聖所の東向きの外の門に連れ戻ると、門は閉じていた。
2主は私に仰せられた。「この門は閉じたままにしておけ。あけてはならない。だれもここから入ってはならない。イスラエルの神、主がここから入られたからだ。これは閉じたままにしておかなければならない。
3 ただ、君主だけが、君主として主の前でパンを食べるためにそこにすわることができる。彼は門の玄関の間を通って入り、またそこを通って出て行かなければならない。」
4 彼は私を、北の門を通って神殿の前に連れて行った。私が見ると、なんと、主の栄光が主の神殿に満ちていた。そこで、私はひれ伏した。
5 すると主は私に仰せられた。「人の子よ。主の宮のすべての定めとそのすべての律法について、わたしがあなたに告げていることをことごとく心に留め、それに目を注ぎ、耳を傾けよ。宮に入れる者と、聖所に入れないすべての者を心に留めよ。
6 あなたは、反逆129の家、イスラエルの家にこう言え。130神である主はこう仰せられる。イスラエルの家よ。あなたがたのあらゆる忌みきらうべきわざは、もうたくさんだ。
7 あなたがたは、心にも肉体にも割礼を受けていない外国人を連れて来て、わたしの聖所におらせ、わたしの宮を汚した。131あなたがたは、わたしのパンと脂肪と血とをささげたが、あなたがたのすべての忌みきらうべきわざによって、わたしとの契約を破った。
8 あなたがたは、わたしの聖所での任務も果たさず、かえって、自分たちの代わりにわたしの聖所で任務を果たす者たちを置いた。
9 神である主はこう仰せられる。心にも肉体にも割礼を受けていない外国人は、だれもわたしの聖所に入ってはならない。イスラエル人の中にいる外国人はみなそうだ。
10 レビ人でも、イスラエルが迷って自分たちの偶像を慕って、わたしから迷い出たとき、わたしを捨て去ったので、彼らは自分たちの咎を負わなければならない。
11 彼らは宮の門で番をし、宮で奉仕をして、わたしの聖所で仕えるはずなのだ。彼らは民のために、全焼のいけにえや、ほかのいけにえをほふり、民に仕えて彼らに奉仕しなければならない。
12 それなのにレビ人たちは、民の偶像の前で民に仕え、イスラエルの家を不義に引き込んだ。それゆえ、わたしは彼らに132誓う。──神である主の御告げ──彼らは自分たちの咎を負わなければならない。
13 彼らは、祭司としてわたしに仕えるために、わたしに近づいてはならない。わたしのあらゆる聖なる物、または最も聖なる物に触れてはならない。彼らは自分たちの恥と自分たちの行った忌みきらうべきわざの責めとを負わなければならない。
14 わたしは彼らに、宮のあらゆる奉仕とそこで行われるすべての宮の任務を果たさせる。
15 しかし、イスラエル人が迷ってわたしから離れたときもわたしの聖所の任務を果たした、ツァドクの子孫のレビ人の祭司たちは、わたしに近づいてわたしに仕え、わたしに脂肪と血とをささげてわたしに仕えることができる。──神である主の御告げ──
16 彼らはわたしの聖所に入り、わたしの机に近づいてわたしに仕え、わたしへの任務を果たすことができる。
17 彼らは内庭の門に入るときには、亜麻布の服を着なければならない。内庭の門、および神殿の中で務めをするときは、毛織り物を身に着けてはならない。
18 頭には亜麻布のかぶり物をかぶり、腰には亜麻布のももひきをはかなければならない。汗の出るような物を身に着けてはならない。
19 彼らが外庭に出て、外庭の民のところに出て行くときは、務めのときに着ていた服を脱ぎ、それを聖所の部屋にしまい、ほかの服を着なければならない。その服によって民を聖なるものとしないためである。
20 彼らは頭をそってはならない。髪を長く伸ばしすぎてもいけない。頭は適当に刈らなければならない。
21祭司はだれも、内庭に入るときには、ぶどう酒を飲んではならない。
22 やもめや、離婚された女を妻にしてはならない。ただ、イスラエルの民のうちの処女をめとらなければならない。しかし、やもめでも、それが祭司のやもめであれば、めとってもよい。
23 彼らは、わたしの民に、聖なるものと俗なるものとの違いを教え、汚れたものときよいものとの区別を教えなければならない。
24 争いがあるときには、彼らは、わたしの定めに従ってさばきの座に着き、これをさばかなければならない。わたしのすべての例祭には、わたしの律法とおきてとを守り、わたしの安息日を聖別しなければならない。
25 彼らは、死人に近づいて身を汚してはならない。ただし、自分の父、母、息子、娘、兄弟、未婚の姉妹のためには汚れてもよい。
26 その場合、その人は、きよめられて後、さらに七日間待たなければならない。
27聖所で仕えるために聖所の内庭に入る日には、彼は罪のためのいけにえをささげなければならない。──神である主の御告げ──
28 これが彼らの相続地となる。わたしが彼らの相続地である。あなたがたはイスラエルの中で彼らに所有地を与えてはならない。わたしが彼らの所有地である。
29 彼らの食物は、穀物のささげ物、罪のためのいけにえ、罪過のためのいけにえである。イスラエルのうちのすべての献納物は彼らのものである。
30 あらゆる種類の初物、あなたがたのあらゆる奉納物のうちの最上の奉納物は、すべて祭司たちのものであり、あなたがたの麦粉の初物も祭司に与えなければならない。あなたの家に祝福が宿るためである。
31祭司たちは、死んだものや裂き殺されたものはすべて、鳥であれ獣であれ、食べてはならない。
1 あなたがたがその地を相続地として、くじで分けるとき、その地の聖なる区域を奉納地として主にささげなければならない。その長さは二万五千キュビト、幅は133一万キュビト。その周囲の全域は聖なる地である。
2 このうち、縦横五百キュビトの正方形を聖所に当て、その回りを五十キュビトの空地にしなければならない。
3 先に測った区域から、長さ二万五千キュビト、幅一万キュビトを測れ。そして、その中に聖なる至聖所があるようにせよ。
4 これは国の聖なる所である。これは、聖所で仕え、主に近づいて仕える祭司たちのものとしなければならない。ここを彼らの家の敷地とし、聖所のために聖別しなければならない。
5 また、長さ二万五千キュビト、幅一万キュビトの地は、宮で奉仕をするレビ人のものとし、134二十の部屋を彼らの所有としなければならない。
6聖なる奉納地に沿って、幅五千キュビト、長さ二万五千キュビトを町の所有とし、これをイスラエルの全家のものとする。
7 君主の土地は、聖なる奉納地と町の所有地との両側にあり、聖なる奉納地と町の所有地に面し、西側は西のほうへ、東側は東のほうへ延びている。その長さは一つの部族の割り当て地と同じで、この国の西の境界線から東の境界線にまで及んでいる。
8 これがイスラエルの中の彼の所有地である。わたしの君主たちは、二度とわたしの民をしいたげることなく、この地は部族ごとに、イスラエルの家に与えられる。
9135神である主はこう仰せられる。イスラエルの君主たちよ。もうたくさんだ。暴虐と暴行を取り除き、公義と正義とを行え。わたしの民を重税で追い立てることをやめよ。──神である主の御告げ──
10 正しいはかり、正しいエパ、正しいバテを使え。
11 エパとバテとを同一量にせよ。バテはホメルの十分の一、エパもホメルの十分の一とせよ。その量はホメルを単位とせよ。
12 一シェケルは二十ゲラである。二十シェケルと二十五シェケルと十五シェケルとで一ミナとせよ。
13 あなたがたがささげる奉納物は次のとおりである。小麦一ホメルから六分の一エパ、大麦一ホメルから六分の一エパをささげ、
14 油の単位により、油のバテで、一コルから十分の一バテをささげよ。一コルは一ホメルと同じく十バテである。
15 また、イスラエルの潤った地の羊の群れから二百頭ごとに一頭の羊を、ささげ物、全焼のいけにえ、和解のいけにえのためにささげ、彼らのための贖いとせよ。──神である主の御告げ──
16 国のすべての民に、この奉納物をイスラエルの君主に納めさせよ。
17 君主は、祭りの日、新月の祭り、安息日、すなわちイスラエルの家のあらゆる例祭に、全焼のいけにえ、穀物のささげ物、注ぎのぶどう酒を供える義務がある。彼はイスラエルの家の贖いのため、罪のためのいけにえ、穀物のささげ物、全焼のいけにえ、和解のいけにえをささげなければならない。
18 神である主はこう仰せられる。第一の月の第一日に、あなたは傷のない若い雄牛を取り、聖所をきよめなければならない。
19祭司は罪のためのいけにえから、血を取り、それを宮の戸口の柱や、祭壇の台座の四隅や、内庭の門の脇柱に塗らなければならない。
20 その月の七日にも、あなたは、あやまって罪を犯した者やわきまえのない者のためにこのようにし、宮のために贖いをしなければならない。
21 第一の月の十四日に、あなたがたは過越の祭りを守り、その祭りの七日間、種を入れないパンを食べなければならない。
22 その日に君主は、自分のためと国のすべての民のために、罪のためのいけにえとして雄牛をささげなければならない。
23 その祭りの七日間、彼は全焼のいけにえとして傷のない七頭の雄牛と七頭の雄羊を、七日間、毎日、主にささげなければならない。また一頭の雄やぎを、罪のためのいけにえとして、毎日ささげなければならない。
24穀物のささげ物は、雄牛一頭に一エパ、雄羊一頭に一エパをささげなければならない。油は一エパごとに一ヒンとする。
25 第七の月の十五日の祭りにも、七日間、これと同じようにささげなければならない。すなわち、罪のためのいけにえ、全焼のいけにえ、穀物のささげ物、それに油を、同じようにささげなければならない。
1136神である主はこう仰せられる。内庭の東向きの門は、労働をする六日間は閉じておき、安息日と、新月の祭りの日にはあけなければならない。
2 君主は外側の門の玄関の間を通って入り、門の戸口の柱のそばに立っていなければならない。祭司たちは彼の全焼のいけにえと、和解のいけにえをささげ、彼は門の敷居のところで礼拝して出て行かなければならない。門は夕暮れまで閉じてはならない。
3一般の人々も、安息日と新月の祭りの日には、その門の入口で、主の前に礼拝をしなければならない。
4 君主が安息日に主にささげる全焼のいけにえは、傷のない子羊六頭と、傷のない雄羊一頭である。
5 また、穀物のささげ物は、雄羊一頭について一エパ。子羊のためには、彼が与えることのできるだけの穀物のささげ物。油は一エパごとに一ヒンである。
6 新月の祭りの日には、傷のない若い雄牛一頭と、傷のない子羊六頭と雄羊一頭である。
7穀物のささげ物をするために、雄牛一頭に一エパ。雄羊一頭に一エパ。子羊のためには、手に入れることのできただけでよい。油は一エパごとに一ヒンである。
8 君主が入るときには、門の玄関の間を通って入り、そこを通って出て行かなければならない。
9 しかし、一般の人々が例祭の日に主の前に入って来るとき、北の門を通って礼拝に来る者は南の門を通って出て行き、南の門を通って入って来る者は北の門を通って出て行かなければならない。自分の入って来た門を通って帰ってはならない。その反対側から出て行かなければならない。
10 君主は、彼らが入るとき、いっしょに入り、彼らが出るとき、いっしょに出なければならない。
11 祭りと例祭には、穀物のささげ物は、雄牛一頭に一エパ、雄羊一頭に一エパ。子羊のためには与えることのできるだけのもの。油は一エパごとに一ヒンである。
12 また、君主が、全焼のいけにえを、進んでささげるささげ物として、あるいは和解のいけにえを、進んでささげるささげ物として主にささげるときには、彼のために東向きの門をあけなければならない。彼は安息日にささげると同じように、全焼のいけにえと和解のいけにえとをささげなければならない。彼が出て行くなら、彼が出て行って後、その門は閉じられる。
13 あなたは毎日、傷のない一歳の子羊一頭を全焼のいけにえとして、主にささげなければならない。これを毎朝ささげなければならない。
14 それに添えて、毎朝、六分の一エパの穀物のささげ物、上等の小麦粉に振りかけるための油三分の一ヒンをささげなければならない。これが主への穀物のささげ物であり、永遠に続く定めである。
15 こうして、子羊や穀物のささげ物や油を、常供の全焼のいけにえとして、毎朝ささげなければならない。
16137神である主はこう仰せられる。もし、君主が、贈り物として自分の相続地を自分の息子たちに与えるなら、それは息子たちのものとなり、それは相続地として彼らの所有地となる。
17 しかし、もし、彼が自分の相続地の一部を贈り物として奴隷のひとりに与えるなら、それは解放の年まで彼のものであるが、その後、それは君主に返される。ただ息子たちだけが、相続地を自分のものとすることができる。
18 君主は、民の相続地を奪って彼らをその所有地から押しのけてはならない。彼は自分の所有地から自分の息子たちに相続地を与えなければならない。それは、わたしの民がひとりでも、その所有地から散らされないためである。」
19 それから、彼は私を、門のわきにある出入口から、北向きになっている祭司たちの聖所の部屋に連れて行った。すると、西のほうの隅に一つの場所があった。
20 彼は私に言った。「ここは祭司たちが、罪過のためのいけにえや、罪のためのいけにえを煮たり、穀物のささげ物を焼いたりする場所である。これらの物を外庭に持ち出して民を聖なるものとしないためである。」
21 彼は私を外庭に連れ出し、庭の四隅を通らせた。すると庭の隅には、それぞれまた、ほかの庭があった。
22 庭の四隅に138仕切られた庭があり、それは長さ四十キュビト、幅三十キュビトであって、四つともみな同じ寸法であった。
23 その四つとも、回りは石の壁で囲まれ、石の壁の下のほうには料理場が作られていた。
24 彼は私に言った。「これは、宮で奉仕をしている者が、民からのいけにえを煮る料理場である。」
1 彼は私を神殿の入口に連れ戻した。見ると、水が神殿の敷居の下から東のほうへと流れ出ていた。神殿が東に向いていたからである。その水は祭壇の南、宮の右側の下から流れていた。
2 ついで、彼は私を北の門から連れ出し、外を回らせ、東向きの外の門に行かせた。見ると、水は右側から流れ出ていた。
3 その人は手に測りなわを持って東へ出て行き、一千キュビトを測り、私にその水を渡らせると、それは足首まであった。
4 彼がさらに一千キュビトを測り、私にその水を渡らせると、水はひざに達した。彼がさらに一千キュビトを測り、私を渡らせると、水は腰に達した。
5 彼がさらに一千キュビトを測ると、渡ることのできない川となった。水かさは増し、泳げるほどの水となり、渡ることのできない川となった。
6 彼は私に、「人の子よ。あなたはこれを見たか」と言って、私を川の岸に沿って連れ帰った。
7 私が帰って来て見ると、川の両岸に非常に多くの木があった。
8 彼は私に言った。「この水は東の地域に流れ、アラバに下り、海に入る。海に注ぎ込むとそこの水は139良くなる。
9 この川が流れて行く所はどこででも、そこに群がるあらゆる生物は生き、非常に多くの魚がいるようになる。この水が入ると、そこの水が良くなるからである。この川が入る所では、すべてのものが生きる。
10漁師たちはそのほとりに住みつき、エン・ゲディからエン・エグライムまで網を引く場所となる。そこの魚は大海の魚のように種類も数も非常に多くなる。
11 しかし、その沢と沼とは140その水が良くならないで、塩のままで残る。
12 川のほとり、その両岸には、あらゆる果樹が生長し、その葉も枯れず、実も絶えることがなく、毎月、新しい実をつける。その水が聖所から流れ出ているからである。その実は食物となり、その葉は薬となる。
13141神である主はこう仰せられる。あなたがたがイスラエルの十二の部族にこの国を相続地として与える地域は次のとおりである。ヨセフには二つの分を与える。
14 あなたがたはそれを等分に割り当てなければならない。それはわたしがかつてあなたがたの先祖に与えると誓ったものである。この地は相続地としてあなたがたのものである。
15 その地の境界線は次のとおりである。北側は、大海からヘテロンの道を経て、ツェダデの入口に至り、
16 ハマテ、142ベロタ、およびダマスコの領土とハマテの領土の間にあるシブライム、さらにハウランの領土に面したハツェル・ハティコンに至る。
17 海から始まる境界線はダマスコの境界のハツァル・エナンに至り、北は北のほうへ、ハマテの境界にまで至る。これが北側である。
18 東側は、ハウランとダマスコの間と、ギルアデとイスラエルの地の間のヨルダン川が、東の海を経て143タマルに至るまでの境界線である。これが東側である。
19 南側は、タマルから南に向かって144メリバテ・カデシュの水と川に至り、大海に至るまでである。これが南側である。
20 西側は、大海が境界となり、145レボ・ハマテにまで至る。これが西側である。
21 あなたがたは、この地をイスラエルの部族ごとに割り当てなければならない。
22 あなたがたと、あなたがたの間で子を生んだ、あなたがたの間の在留異国人とは、この地を自分たちの相続地として、くじで割り当てなければならない。あなたがたは彼らをイスラエル人のうちに生まれた者と同じように扱わなければならない。彼らはイスラエルの部族の中にあって、あなたがたといっしょに、くじで相続地の割り当てを受けなければならない。
23在留異国人には、その在留している部族の中で、その相続地を与えなければならない。──神である主の御告げ──
1部族の名は次のとおりである。北の端からヘテロンの道を経て146レボ・ハマテに至り、ハマテを経て北のほうへダマスコの境界のハツァル・エナンまで──147東側から西側まで──これがダンの分である。
2 ダンの地域に接して、東側から西側までがアシェルの分。
3 アシェルの地域に接して、東側から西側までがナフタリの分。
4 ナフタリの地域に接して、東側から西側までがマナセの分。
5 マナセの地域に接して、東側から西側までがエフライムの分。
6 エフライムの地域に接して、東側から西側までがルベンの分。
7 ルベンの地域に接して、東側から西側までがユダの分である。
8 ユダの地域に接して、東側から西側までが、あなたがたのささげる奉納地となる。その幅は二万五千キュビト、その長さは東側から西側にかけて部族の割り当て地の一つと同じである。聖所はその中央にある。
9 あなたがたが主にささげる奉納地は、長さ二万五千キュビト、幅二万キュビトである。
10祭司たちへの聖なる奉納地は次のとおりである。北側は二万五千キュビト、西側は一万キュビトの幅、東側は一万キュビトの幅、南側は二万五千キュビトの長さである。主の聖所はその中央にある。
11 この区域はツァドクの子孫の聖別された祭司たちのものである。彼らは、イスラエル人が迷い出たときいっしょに迷い出たレビ人とは異なり、わたしへの任務を果たしている。
12 彼らの地域はレビの部族の地域に接し、奉納地のうちでも最も聖なる地である。
13 レビの部族の分は、祭司たちの地域に接して、長さ二万五千キュビト、幅一万キュビトである。すなわち、全体の長さは二万五千キュビト、幅は一万キュビトである。
14 彼らはそのどの部分も、売ったり取り替えたりしてはならない。その初めの土地を手放してはならない。主への聖なるものだからである。
15幅五千キュビト、長さ二万五千キュビトの残りの地所は、町の一般用であり、住まいと放牧地のためである。町はその中央に建てられなければならない。
16 その大きさは次のとおりである。北側は四千五百キュビト、南側は四千五百キュビト、東側は四千五百キュビト、西側は四千五百キュビトである。
17 また、町の放牧地は、北へ二百五十キュビト、南へ二百五十キュビト、東へ二百五十キュビト、西へ二百五十キュビトである。
18聖なる奉納地に接する残りの地所の長さは、東へ一万キュビト、西へ一万キュビトである。それは聖なる奉納地に接している。そこから収穫した物は町の働き人の食物となる。
19 その町の働き人は、イスラエルの全部族から出て、これを耕す。
20奉納地の全体は二万五千キュビト四方であり、あなたがたは、聖なる奉納地と町の所有地とをささげることになる。
21聖なる奉納地と町の所有地の両側にある残りの地所は、君主のものである。これは二万五千キュビトの奉納地に面し、そこから東の境界までである。西のほうも、その二万五千キュビトに面し、そこから西の境界までである。これは部族の割り当て地にも接していて、君主のものである。聖なる奉納地と宮の聖所とは、その中央にある。
22 君主の所有する地区の中にあるレビ人の所有地と、町の所有地を除いて、ユダの地域とベニヤミンの地域との間にある部分は、君主のものである。
23 なお、残りの部族は、東側から西側までがベニヤミンの分。
24 ベニヤミンの地域に接して、東側から西側までがシメオンの分。
25 シメオンの地域に接して、東側から西側までがイッサカルの分。
26 イッサカルの地域に接して、東側から西側までがゼブルンの分。
27 ゼブルンの地域に接して、東側から西側までがガドの分。
28 ガドの地域に接して南側、その南の境界線はタマルからメリバテ・カデシュの水、さらに川に沿って大海に至る。
29 以上が、あなたがたがイスラエルの部族ごとに、くじで相続地として分ける土地であり、以上が彼らの割り当て地である。──148神である主の御告げ──
30 町の出口は次のとおりである。北側は四千五百キュビトの長さで、
31 町の門にはイスラエルの部族の名がつけられている。北側の三つの門はルベンの門、ユダの門、レビの門である。
32 東側も四千五百キュビトで、三つの門がある。ヨセフの門、ベニヤミンの門、ダンの門である。
33 南側も四千五百キュビトの長さで、三つの門がある。シメオンの門、イッサカルの門、ゼブルンの門である。
34 西側も四千五百キュビトで、三つの門がある。ガドの門、アシェルの門、ナフタリの門である。
35 町の周囲は一万八千キュビトあり、その日からこの町の名は、『149主はここにおられる』と呼ばれる。」
ダニエル書
1 ユダの王エホヤキムの治世の第三年に、バビロンの王ネブカデネザルがエルサレムに来て、これを包囲した。
2 主がユダの王エホヤキムと神の宮の器具の一部とを彼の手に渡されたので、彼はそれをシヌアルの地にある彼の神の宮に持ち帰り、その器具を彼の神の宝物倉に納めた。
3 王は宦官の長アシュペナズに命じて、イスラエル人の中から、王族か貴族を数人選んで連れて来させた。
4 その少年たちは、身に何の欠陥もなく、容姿は美しく、あらゆる知恵に秀で、知識に富み、思慮深く、王の宮廷に仕えるにふさわしい者であり、また、カルデヤ人の文学とことばとを教えるにふさわしい者であった。
5 王は、王の食べるごちそうと王の飲むぶどう酒から、毎日の分を彼らに割り当て、三年間、彼らを養育することにし、そのあとで彼らが王に仕えるようにした。
6 彼らのうちには、ユダ部族のダニエル、ハナヌヤ、ミシャエル、アザルヤがいた。
7宦官の長は彼らにほかの名をつけ、ダニエルにはベルテシャツァル、ハナヌヤにはシャデラク、ミシャエルにはメシャク、アザルヤにはアベデ・ネゴと名をつけた。
8 ダニエルは、王の食べるごちそうや王の飲むぶどう酒で身を汚すまいと心に定め、身を汚さないようにさせてくれ、と宦官の長に願った。
9 神は宦官の長に、ダニエルを愛しいつくしむ心を与えられた。
10宦官の長はダニエルに言った。「私は、あなたがたの食べ物と飲み物とを定めた1王さまを恐れている。もし王さまが、あなたがたの顔に、あなたがたと同年輩の少年より元気がないのを見たなら、王さまはきっと私を罰するだろう。」
11 そこで、ダニエルは、宦官の長がダニエル、ハナヌヤ、ミシャエル、アザルヤのために任命した2世話役に言った。
12 「どうか十日間、しもべたちをためしてください。私たちに野菜を与えて食べさせ、水を与えて飲ませてください。
13 そのようにして、私たちの顔色と、王さまの食べるごちそうを食べている少年たちの顔色とを見比べて、あなたの見るところに従ってこのしもべたちを扱ってください。」
14 世話役は彼らのこの申し出を聞き入れて、十日間、彼らをためしてみた。
15 十日の終わりになると、彼らの顔色は、王の食べるごちそうを食べているどの少年よりも良く、からだも肥えていた。
16 そこで世話役は、彼らの食べるはずだったごちそうと、飲むはずだったぶどう酒とを取りやめて、彼らに野菜を与えることにした。
17 神はこの四人の少年に、知識と、あらゆる文学を悟る力と知恵を与えられた。ダニエルは、すべての幻と夢とを解くことができた。
18 彼らを召し入れるために王が命じておいた日数の終わりになって、宦官の長は彼らをネブカデネザルの前に連れて来た。
19 王が彼らと話してみると、みなのうちでだれもダニエル、ハナヌヤ、ミシャエル、アザルヤに並ぶ者はなかった。そこで彼らは王に仕えることになった。
20 王が彼らに尋ねてみると、知恵と悟りのあらゆる面で、彼らは国中のどんな呪法師、呪文師よりも十倍もまさっているということがわかった。
21 ダニエルはクロス王の元年までそこにいた。
1 ネブカデネザルの治世の第二年に、ネブカデネザルは、幾つかの夢を見、そのために心が騒ぎ、眠れなかった。
2 そこで王は、呪法師、呪文師、呪術者、3カルデヤ人を呼び寄せて、王のためにその夢を解き明かすように命じた。彼らが来て王の前に立つと、
3 王は彼らに言った。「私は夢を見たが、その夢を解きたくて私の心は騒いでいる。」
44 カルデヤ人たちは王に告げて言った。――アラム語で――「王よ。永遠に生きられますように。どうぞその夢をしもべたちにお話しください。そうすれば、私たちはその解き明かしをいたしましょう。」
5 王は答えてカルデヤ人たちに言った。「私の言うことにまちがいはない。もし、あなたがたがその夢とその解き明かしとを私に知らせることができなければ、あなたがたの手足を切り離させ、あなたがたの家を滅ぼしてごみの山とさせる。
6 しかし、もし夢と解き明かしとを知らせたら、贈り物と報酬と大きな光栄とを私から受けよう。だから、夢と解き明かしとを私に知らせよ。」
7 彼らは再び答えて言った。「王よ。しもべたちにその夢をお話しください。そうすれば、解き明かしてごらんにいれます。」
8 王は答えて言った。「私には、はっきりわかっている。あなたがたは私の言うことにまちがいはないのを見てとって、時をかせごうとしているのだ。
9 もしあなたがたがその夢を私に知らせないなら、あなたがたへの判決はただ一つ。あなたがたは時が移り変わるまで、偽りと欺きのことばを私の前に述べようと決めてかかっている。だから、どんな夢かを私に話せ。そうすれば、あなたがたがその解き明かしを私に示せるかどうか、私にわかるだろう。」
10 カルデヤ人たちは王の前に答えて言った。「この地上には、王の言われることを示すことのできる者はひとりもありません。どんな偉大な権力のある王でも、このようなことを呪法師や呪文師、あるいはカルデヤ人に尋ねたことはかつてありません。
11 王のお尋ねになることは、むずかしいことです。肉なる者とその住まいを共にされない神々以外には、それを王の前に示すことのできる者はいません。」
12 王は怒り、大いにたけり狂い、バビロンの知者をすべて滅ぼせと命じた。
13 この命令が発せられたので、知者たちは殺されることになった。また人々はダニエルとその同僚をも捜して殺そうとした。
14 そのとき、ダニエルは、バビロンの知者たちを殺すために出て来た王の侍従長アルヨクに、知恵と思慮とをもって応対した。
15 彼は王の全権を受けたアルヨクにこう言った。「どうしてそんなにきびしい命令が王から出たのでしょうか。」それで、アルヨクは事の次第をダニエルに知らせた。
16 ダニエルは王のところに行き、王にその解き明かしをするため、しばらくの時を与えてくれるように願った。
17 それから、ダニエルは自分の家に帰り、彼の同僚のハナヌヤ、ミシャエル、アザルヤにこのことを知らせた。
18 彼らはこの秘密について、天の神のあわれみを請い、ダニエルとその同僚が他のバビロンの知者たちとともに滅ぼされることのないようにと願った。
19 そのとき、夜の幻のうちにこの秘密がダニエルに啓示されたので、ダニエルは天の神をほめたたえた。
20 ダニエルはこう言った。
「神の御名は
とこしえからとこしえまで
ほむべきかな。
知恵と力は神のもの。
21 神は季節と時を変え、
王を廃し、王を立て、
知者には知恵を、
理性のある者には知識を授けられる。
22 神は、深くて測り知れないことも、
隠されていることもあらわし、
暗黒にあるものを知り、
ご自身に光を宿す。
23 私の先祖の神。
私はあなたに感謝し、
あなたを賛美します。
あなたは私に知恵と力とを賜い、
今、私たちがあなたに請いねがったことを
私に知らせ、
王のことを私たちに知らせてくださいました。」
24 それからダニエルは、王がバビロンの知者たちを滅ぼすように命じておいたアルヨクのもとに行き、彼にこう言った。「バビロンの知者たちを滅ぼしてはなりません。私を王の前に連れて行ってください。私が王に解き明かしを示します。」
25 そこで、アルヨクは急いでダニエルを王の前に連れて行き、王にこう言った。「ユダからの捕虜の中に、王に解き明かしのできるひとりの男を見つけました。」
26 それで王は、ベルテシャツァルという名のダニエルに言った。「あなたは私が見た夢と、その解き明かしを私に示すことができるのか。」
27 ダニエルは王に答えて言った。「王が求められる秘密は、知者、呪文師、呪法師、星占いも王に示すことはできません。
28 しかし、天に秘密をあらわすひとりの神がおられ、この方が終わりの日に起こることをネブカデネザル王に示されたのです。あなたの夢と、寝床であなたの頭に浮かんだ幻はこれです。
29 王さま。あなたは寝床で、この後、何が起こるのかと思い巡らされましたが、秘密をあらわされる方が、後に起こることをあなたにお示しになったのです。
30 この秘密が私にあらわされたのは、ほかのどの人よりも私に知恵があるからではなく、その解き明かしが王に知らされることによって、あなたの心の思いをあなたがお知りになるためです。
31 王さま。あなたは一つの大きな像をご覧になりました。見よ。その像は巨大で、その輝きは常ならず、それがあなたの前に立っていました。その姿は恐ろしいものでした。
32 その像は、頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、
33 すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。
34 あなたが見ておられるうちに、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。
35 そのとき、鉄も粘土も青銅も銀も金もみな共に砕けて、夏の麦打ち場のもみがらのようになり、風がそれを吹き払って、あとかたもなくなりました。そして、その像を打った石は大きな山となって全土に満ちました。
36 これがその夢でした。私たちはその解き明かしを王さまの前に申し上げましょう。
37 王の王である王さま。天の神はあなたに国と権威と力と光栄とを賜い、
38 また人の子ら、野の獣、空の鳥がどこに住んでいても、これをことごとく治めるようにあなたの手に与えられました。あなたはあの金の頭です。
39 あなたの後に、あなたより劣るもう一つの国が起こります。次に青銅の第三の国が起こって、全土を治めるようになります。
40 第四の国は鉄のように強い国です。鉄はすべてのものを打ち砕いて粉々にするからです。その国は鉄が打ち砕くように、先の国々を粉々に打ち砕いてしまいます。
41 あなたがご覧になった足と足の指は、その一部が陶器師の粘土、一部が鉄でしたが、それは分裂した国のことです。その国には鉄の強さがあるでしょうが、あなたがご覧になったように、その鉄はどろどろの粘土と混じり合っているのです。
42 その足の指が一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。
43 鉄とどろどろの粘土が混じり合っているのをあなたがご覧になったように、それらは人間の種によって、互いに混じり合うでしょう。しかし鉄が粘土と混じり合わないように、それらが互いに団結することはありません。
44 この王たちの時代に、天の神は一つの国を起こされます。その国は永遠に滅ぼされることがなく、その国は他の民に渡されず、かえってこれらの国々をことごとく打ち砕いて、絶滅してしまいます。しかし、この国は永遠に立ち続けます。
45 あなたがご覧になったとおり、一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と青銅と粘土と銀と金を打ち砕いたのは、大いなる神が、これから後に起こることを王に知らされたのです。その夢は正夢で、その解き明かしも確かです。」
46 それで、ネブカデネザル王はひれ伏してダニエルに礼をし、彼に、穀物のささげ物となだめのかおりとをささげるように命じた。
47 王はダニエルに答えて言った。「あなたがこの秘密をあらわすことができたからには、まことにあなたの神は、神々の神、王たちの主、また秘密をあらわす方だ。」
48 そこで王は、ダニエルを高い位につけ、彼に多くのすばらしい贈り物を与えて、彼にバビロン全州を治めさせ、また、バビロンのすべての知者たちをつかさどる長官とした。
49 王は、ダニエルの願いによって、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴに、バビロン州の事務をつかさどらせた。しかしダニエルは王の宮廷にとどまった。
1 ネブカデネザル王は金の像を造った。その高さは六十キュビト、その幅は六キュビトであった。彼はこれをバビロン州のドラの平野に立てた。
2 そして、ネブカデネザル王は人を遣わして、太守、長官、総督、参議官、財務官、司法官、保安官、および諸州のすべての高官を召集し、ネブカデネザル王が立てた像の奉献式に出席させることにした。
3 そこで太守、長官、総督、参議官、財務官、司法官、保安官、および諸州のすべての高官は、ネブカデネザル王が立てた像の奉献式に集まり、ネブカデネザルが立てた像の前に立った。
4 伝令官は大声で叫んだ。「諸民、諸国、諸国語の者たちよ。あなたがたにこう命じられている。
5 あなたがたが角笛、二管の笛、立琴、三角琴、ハープ、風笛、および、もろもろの楽器の音を聞くときは、ひれ伏して、ネブカデネザル王が立てた金の像を拝め。
6 ひれ伏して拝まない者はだれでも、ただちに火の燃える炉の中に投げ込まれる。」
7 それで、民がみな、角笛、二管の笛、立琴、三角琴、ハープ、および、もろもろの楽器の音を聞いたとき、諸民、諸国、諸国語の者たちは、ひれ伏して、ネブカデネザル王が立てた金の像を拝んだ。
8 こういうことがあったその時、あるカルデヤ人たちが進み出て、ユダヤ人たちを5訴えた。
9 彼らはネブカデネザル王に告げて言った。「王よ。永遠に生きられますように。
10 王よ。あなたは、『角笛、二管の笛、立琴、三角琴、ハープ、風笛、および、もろもろの楽器の音を聞く者は、すべてひれ伏して金の像を拝め。
11 ひれ伏して拝まない者はだれでも、火の燃える炉の中へ投げ込め』と命令されました。
12 ここに、あなたが任命してバビロン州の事務をつかさどらせたユダヤ人シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴがおります。王よ。この者たちはあなたを無視して、あなたの神々に仕えず、あなたが立てた金の像を拝みもいたしません。」
13 そこでネブカデネザルは怒りたけり、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴを連れて来いと命じた。それでこの人たちは王の前に連れて来られた。
14 ネブカデネザルは彼らに言った。「シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴ。あなたがたは私の神々に仕えず、また私が立てた金の像を拝みもしないというが、ほんとうか。
15 もしあなたがたが、角笛、二管の笛、立琴、三角琴、ハープ、風笛、および、もろもろの楽器の音を聞くときに、ひれ伏して、私が造った像を拝むなら、それでよし。しかし、もし拝まないなら、あなたがたはただちに火の燃える炉の中に投げ込まれる。どの神が、私の手からあなたがたを救い出せよう。」
16 シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴはネブカデネザル王に言った。「私たちはこのことについて、あなたにお答えする必要はありません。
17 もし、そうなれば、私たちの仕える神は、火の燃える炉から私たちを救い出すことができます。王よ。神は私たちをあなたの手から救い出します。
18 しかし、もしそうでなくても、王よ、ご承知ください。私たちはあなたの神々に仕えず、あなたが立てた金の像を拝むこともしません。」
19 すると、ネブカデネザルは怒りに満ち、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴに対する顔つきが変わった。彼は炉を普通より七倍熱くせよと命じた。
20 また彼の軍隊の中の力強い者たちに、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴを縛って、火の燃える炉に投げ込めと命じた。
21 そこで、この人たちは、上着や下着やかぶり物の衣服を着たまま縛られて、火の燃える炉の中に投げ込まれた。
22 王の命令がきびしく、炉がはなはだ熱かったので、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴを連れて来た者たちは、その火炎に焼き殺された。
23 シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴの三人は、縛られたままで、火の燃える炉の中に落ち込んだ。
24 そのとき、ネブカデネザル王は驚き、急いで立ち上がり、その顧問たちに尋ねて言った。「私たちは三人の者を縛って火の中に投げ込んだのではなかったか。」彼らは王に答えて言った。「王さま。そのとおりでございます。」
25 すると王は言った。「だが、私には、火の中をなわを解かれて歩いている四人の者が見える。しかも彼らは何の害も受けていない。第四の者の姿は神々の子のようだ。」
26 それから、ネブカデネザルは火の燃える炉の口に近づいて言った。「シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴ。いと高き神のしもべたち。すぐ出て来なさい。」そこで、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴは火の中から出て来た。
27太守、長官、総督、王の顧問たちが集まり、この人たちを見たが、火は彼らのからだにはききめがなく、その頭の毛も焦げず、上着も以前と変わらず、火のにおいもしなかった。
28 ネブカデネザルは言った。「ほむべきかな、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴの神。神は御使いを送って、王の命令にそむき、自分たちのからだを差し出しても、神に信頼し、自分たちの神のほかはどんな神にも仕えず、また拝まないこのしもべたちを救われた。
29 それゆえ、私は命令する。諸民、諸国、諸国語の者のうち、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴの神を侮る者はだれでも、その手足は切り離され、その家をごみの山とさせる。このように救い出すことのできる神は、ほかにないからだ。」
30 それから王は、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴをバビロン州で栄えさせた。
1 ネブカデネザル王が、全土に住むすべての諸民、諸国、諸国語の者たちに6書き送る。
あなたがたに平安が豊かにあるように。
2 いと高き神が私に行われたしるしと奇蹟とを知らせることは、私の喜びとするところである。
3 そのしるしのなんと偉大なことよ。
その奇蹟のなんと力強いことよ。
その国は永遠にわたる国、
その主権は代々限りなく続く。
4 私、ネブカデネザルが私の家で気楽にしており、私の宮殿で栄えていたとき、
5 私は一つの夢を見たが、それが私を恐れさせた。私の寝床での様々な幻想と頭に浮かんだ幻が、私を脅かした。
6 それで、私は命令を下し、バビロンの知者をことごとく私の前に連れて来させて、その夢の解き明かしをさせようとした。
7 そこで、呪法師、呪文師、カルデヤ人、星占いたちが来たとき、私は彼らにその夢を告げたが、彼らはその解き明かしを私に知らせることができなかった。
8 しかし最後に、ダニエルが私の前に来た。――彼の名は私の神の名にちなんでベルテシャツァルと呼ばれ、彼には聖なる神の霊があった。――私はその夢を彼に告げた。
9 「呪法師の長ベルテシャツァル。私は、聖なる神の霊があなたにあり、どんな秘密もあなたにはむずかしくないことを知っている。私の見た夢の幻はこうだ。その解き明かしをしてもらいたい。
10 私の寝床で頭に浮かんだ幻、私の見た幻はこうだ。見ると、地の中央に木があった。それは非常に高かった。
11 その木は生長して強くなり、その高さは天に届いて、地の果てのどこからもそれが見えた。
12 葉は美しく、実も豊かで、それにはすべてのものの食糧があった。その下では野の獣がいこい、その枝には空の鳥が住み、すべての肉なるものはそれによって養われた。
13 私が見た幻、寝床で頭に浮かんだ幻の中に、見ると、ひとりの見張りの者、聖なる者が天から降りて来た。
14 彼は大声で叫んで、こう言った。『その木を切り倒し、枝を切り払え。その葉を振り落とし、実を投げ散らせ。獣をその下から、鳥をその枝から追い払え。
15 ただし、その根株を地に残し、これに鉄と青銅の鎖をかけて、野の若草の中に置き、天の露にぬれさせて、地の草を獣と分け合うようにせよ。
16 その心を、人間の心から変えて、獣の心をそれに与え、七つの時をその上に過ごさせよ。
17 この宣言は見張りの者たちの布告によるもの、この決定は聖なる者たちの命令によるものだ。それは、いと高き方が人間の国を支配し、これをみこころにかなう者に与え、また人間の中の最もへりくだった者をその上に立てることを、生ける者が知るためである。』
18 私、ネブカデネザル王が見た夢とはこれだ。ベルテシャツァルよ。あなたはその解き明かしを述べよ。私の国の知者たちはだれも、その解き明かしを私に知らせることができない。しかし、あなたにはできる。あなたには、聖なる神の霊があるからだ。」
19 そのとき、ベルテシャツァルと呼ばれていたダニエルは、しばらくの間、驚きすくみ、おびえた。王は話しかけて言った。「ベルテシャツァル。あなたはこの夢と解き明かしを恐れることはない。」ベルテシャツァルは答えて言った。「わが主よ。どうか、この夢があなたを憎む者たちに当てはまり、その解き明かしがあなたの敵に当てはまりますように。
20 あなたがご覧になった木、すなわち、生長して強くなり、その高さは天に届いて、地のどこからも見え、
21 その葉は美しく、実も豊かで、それにはすべてのものの食糧があり、その下に野の獣が住み、その枝に空の鳥が宿った木、
22 王さま、その木はあなたです。あなたは大きくなって強くなり、あなたの偉大さは増し加わって天に達し、あなたの主権は地の果てにまで及んでいます。
23 しかし王は、ひとりの見張りの者、聖なる者が天から降りて来てこう言うのをご覧になりました。『この木を切り倒して滅ぼせ。ただし、その根株を地に残し、これに鉄と青銅の鎖をかけて、野の若草の中に置き、天の露にぬれさせて、七つの時がその上を過ぎるまで野の獣と草を分け合うようにせよ。』
24 王さま。その解き明かしは次のとおりです。これは、いと高き方の宣言であって、わが主、王さまに起こることです。
25 あなたは人間の中から追い出され、野の獣とともに住み、牛のように草を食べ、天の露にぬれます。こうして、七つの時が過ぎ、あなたは、いと高き方が人間の国を支配し、その国をみこころにかなう者にお与えになることを知るようになります。
26 ただし、木の根株は残しておけと命じられていますから、天が支配するということをあなたが知るようになれば、あなたの国はあなたのために堅く立ちましょう。
27 それゆえ、王さま、私の勧告を快く受け入れて、正しい行いによってあなたの罪を除き、貧しい者をあわれんであなたの咎を除いてください。そうすれば、あなたの繁栄は長く続くでしょう。」
28 このことがみな、ネブカデネザル王の身に起こった。
29 十二か月の後、彼がバビロンの王の宮殿の屋上を歩いていたとき、
30 王はこう言っていた。「この大バビロンは、私の権力によって、王の家とするために、また、私の威光を輝かすために、私が建てたものではないか。」
31 このことばがまだ王の口にあるうちに、天から声があった。「ネブカデネザル王。あなたに告げる。国はあなたから取り去られた。
32 あなたは人間の中から追い出され、野の獣とともに住み、牛のように草を食べ、こうして七つの時があなたの上を過ぎ、ついに、あなたは、いと高き方が人間の国を支配し、その国をみこころにかなう者にお与えになることを知るようになる。」
33 このことばは、ただちにネブカデネザルの上に成就した。彼は人間の中から追い出され、牛のように草を食べ、そのからだは天の露にぬれて、ついに、彼の髪の毛は鷲の羽のようになり、爪は鳥の爪のようになった。
34 その期間が終わったとき、私、ネブカデネザルは目を上げて天を見た。すると私に理性が戻って来た。それで、私はいと高き方をほめたたえ、永遠に生きる方を賛美し、ほめたたえた。
その主権は永遠の主権。
その国は代々限りなく続く。
35 地に住むものはみな、無きものとみなされる。
彼は、天の軍勢も、地に住むものも、
みこころのままにあしらう。
御手を差し押さえて、
「あなたは何をされるのか」と言う者もいない。
36 私が理性を取り戻したとき、私の王国の光栄のために、私の威光も輝きも私に戻って来た。私の顧問も貴人たちも私を迎えたので、私は王位を確立し、以前にもまして大いなる者となった。
37 今、私、ネブカデネザルは、天の王を賛美し、あがめ、ほめたたえる。そのみわざはことごとく真実であり、その道は正義である。また、高ぶって歩む者をへりくだった者とされる。
1 ベルシャツァル王は、千人の貴人たちのために大宴会を催し、その千人の前でぶどう酒を飲んでいた。
2 ベルシャツァルは、ぶどう酒を飲みながら、父ネブカデネザルがエルサレムの宮から取って来た金、銀の器を持って来るように命じた。王とその貴人たち、および王の妻とそばめたちがその器で飲むためであった。
3 そこで、エルサレムの神の宮の本堂から取って来た金の器が運ばれて来たので、王とその貴人たち、および王の妻とそばめたちはその器で飲んだ。
4 彼らはぶどう酒を飲み、金、銀、青銅、鉄、木、石の神々を賛美した。
5 すると突然、人間の手の指が現れ、王の宮殿の塗り壁の、燭台の向こう側の所に物を書いた。王が物を書くその手の先を見たとき、
6 王の顔色は変わり、それにおびえて、腰の関節がゆるみ、ひざはがたがた震えた。
7 王は、大声で叫び、呪文師、カルデヤ人、星占いたちを連れて来させた。王はバビロンの知者たちに言った。「この文字を読み、その解き明かしを示す者にはだれでも、紫の衣を着せ、首に金の鎖をかけ、この国の第三の権力を持たせよう。」
8 その時、王の知者たちがみな入って来たが、彼らは、その文字を読むことも、王にその解き明かしを告げることもできなかった。
9 それで、ベルシャツァル王はひどくおびえて、顔色が変わり、貴人たちも途方にくれた。
107王母は、王とその貴人たちのことを聞いて、宴会の広間に入って来た。王母は言った。「王よ。永遠に生きられますように。おびえてはいけません。顔色を変えてはなりません。
11 あなたの王国には、聖なる神の霊の宿るひとりの人がいます。あなたの父上の時代、彼のうちに、光と理解力と神々の知恵のような知恵のあることがわかりました。ネブカデネザル王、あなたの父上、王は、彼を呪法師、呪文師、カルデヤ人、星占いたちの長とされました。
12 王がベルテシャツァルと名づけたダニエルのうちに、すぐれた霊と、知識と、夢を解き明かし、なぞを解き、難問を解く理解力のあることがわかりましたから、今、ダニエルを召してください。そうすれば、彼がその解き明かしをいたしましょう。」
13 そこで、ダニエルは王の前に連れて来られた。王はダニエルに話しかけて言った。「あなたは、私の父である王がユダから連れて来たユダからの捕虜のひとり、あのダニエルか。
14 あなたのうちには神の霊が宿り、また、あなたのうちに、光と理解力と、すぐれた知恵のあることがわかった、と聞いている。
15 先に、知者、呪文師たちを私の前に召して、この文字を読ませ、その解き明かしを私に教えさせようとしたが、彼らはそのことばの解き明かしを示すことができなかった。
16 しかし、あなたは解き明かしができ、難問を解くことができると聞いた。今、もしあなたが、その文字を読み、その解き明かしを私に知らせることができたなら、あなたに紫の衣を着せ、首に金の鎖をかけさせ、国の第三の権力を持たせよう。」
17 そのとき、ダニエルは王の前に答えて言った。「あなたの贈り物はあなた自身で取っておき、あなたの報酬は他の人にお与えください。しかし、私はその文字を王のために読み、その解き明かしをお知らせしましょう。
18 王さま。いと高き神は、あなたの父上ネブカデネザルに、国と偉大さと光栄と権威とをお与えになりました。
19 神が彼に賜った偉大さによって、諸民、諸国、諸国語の者たちはことごとく、彼の前に震え、おののきました。彼は思いのままに人を殺し、思いのままに人を生かし、思いのままに人を高め、思いのままに人を低くしました。
20 こうして、彼の心が高ぶり、彼の霊が強くなり、高慢にふるまったので、彼はその王座から退けられ、栄光を奪われました。
21 そして、人の中から追い出され、心は獣と等しくなり、野ろばとともに住み、牛のように草を食べ、からだは天の露にぬれて、ついに、いと高き神が人間の国を支配し、みこころにかなう者をその上にお立てになることを知るようになりました。
22 その子であるベルシャツァル。あなたはこれらの事をすべて知っていながら、心を低くしませんでした。
23 それどころか、天の主に向かって高ぶり、主の宮の器をあなたの前に持って来させて、あなたも貴人たちもあなたの妻もそばめたちも、それを使ってぶどう酒を飲みました。あなたは、見ることも、聞くことも、知ることもできない銀、金、青銅、鉄、木、石の神々を賛美しましたが、あなたの息と、あなたのすべての道をその手に握っておられる神をほめたたえませんでした。
24 それで、神の前から手の先が送られて、この文字が書かれたのです。
25 その書かれた文字はこうです。『メネ、メネ、テケル、ウ・パルシン。』
26 そのことばの解き明かしはこうです。『メネ』とは、神があなたの治世を数えて終わらせられたということです。
27 『テケル』とは、あなたがはかりで量られて、目方の足りないことがわかったということです。
28 『8パルシン』とは、あなたの国が分割され、メディヤとペルシヤとに与えられるということです。」
29 そこでベルシャツァルは命じて、ダニエルに紫の衣を着せ、金の鎖を彼の首にかけさせ、彼はこの国の第三の権力者であると布告した。
30 その夜、カルデヤ人の王ベルシャツァルは殺され、
31 メディヤ人ダリヨスが、およそ六十二歳でその国を受け継いだ。
1 ダリヨスは、全国に任地を持つ百二十人の太守を任命して国を治めさせるのがよいと思った。
2 彼はまた、彼らの上に三人の大臣を置いたが、ダニエルは、そのうちのひとりであった。太守たちはこの三人に報告を出すことにして、王が損害を受けないようにした。
3 ときに、ダニエルは、他の大臣や太守よりも、きわだってすぐれていた。彼のうちにすぐれた霊が宿っていたからである。そこで王は、彼を任命して全国を治めさせようと思った。
4 大臣や太守たちは、国政についてダニエルを訴える口実を見つけようと努めたが、何の口実も欠点も見つけることができなかった。彼は忠実で、彼には何の怠慢も欠点も見つけられなかったからである。
5 そこでこの人たちは言った。「私たちは、彼の神の律法について口実を見つけるのでなければ、このダニエルを訴えるどんな口実も見つけられない。」
6 それで、この大臣と太守たちは申し合わせて王のもとに来てこう言った。「ダリヨス王。永遠に生きられますように。
7 国中の大臣、長官、太守、顧問、総督はみな、王が一つの法令を制定し、禁令として実施してくださることに同意しました。すなわち今から三十日間、王よ、あなた以外に、いかなる神にも人にも、祈願をする者はだれでも、獅子の穴に投げ込まれると。
8 王よ。今、その禁令を制定し、変更されることのないようにその文書に署名し、取り消しのできないメディヤとペルシヤの法律のようにしてください。」
9 そこで、ダリヨス王はその禁令の文書に署名した。
10 ダニエルは、その文書の署名がされたことを知って自分の家に帰った。――彼の屋上の部屋の窓はエルサレムに向かってあいていた。――彼は、いつものように、日に三度、ひざまずき、彼の神の前に祈り、感謝していた。
11 すると、この者たちは申し合わせてやって来て、ダニエルが神に祈願し、哀願しているのを見た。
12 そこで、彼らは王の前に進み出て、王の禁令について言った。「王よ。今から三十日間、あなた以外に、いかなる神にも人にも、祈願をする者はだれでも、獅子の穴に投げ込まれるという禁令にあなたは署名されたではありませんか。」王は答えて言った。「取り消しのできないメディヤとペルシヤの法律のように、そのことは確かである。」
13 そこで、彼らは王に告げて言った。「ユダからの捕虜のひとりダニエルは、王よ、あなたとあなたの署名された禁令とを無視して、日に三度、祈願をささげています。」
14 このことを聞いて、王は非常に憂え、ダニエルを救おうと決心し、日暮れまで彼を助けようと努めた。
15 そのとき、あの者たちは申し合わせて王のもとに来て言った。「王よ。王が制定したどんな禁令も法令も、決して変更されることはない、ということが、メディヤやペルシヤの法律であることをご承知ください。」
16 そこで、王が命令を出すと、ダニエルは連れ出され、獅子の穴に投げ込まれた。王はダニエルに話しかけて言った。「あなたがいつも仕えている神が、あなたをお救いになるように。」
17 一つの石が運ばれて来て、その穴の口に置かれた。王は王自身の印と貴人たちの印でそれを封印し、ダニエルについての処置が変えられないようにした。
18 こうして王は宮殿に帰り、一晩中断食をして、9食事を持って来させなかった。また、眠けも催さなかった。
19 王は夜明けに日が輝き出すとすぐ、獅子の穴へ急いで行った。
20 その穴に近づくと、王は悲痛な声でダニエルに呼びかけ、ダニエルに言った。「生ける神のしもべダニエル。あなたがいつも仕えている神は、あなたを獅子から救うことができたか。」
21 すると、ダニエルは王に答えた。「王さま。永遠に生きられますように。
22 私の神は御使いを送り、獅子の口をふさいでくださったので、獅子は私に何の害も加えませんでした。それは私に罪のないことが神の前に認められたからです。王よ。私はあなたにも、何も悪いことをしていません。」
23 そこで王は非常に喜び、ダニエルをその穴から出せと命じた。ダニエルは穴から出されたが、彼に何の傷も認められなかった。彼が神に信頼していたからである。
24 王が命じたので、ダニエルを10訴えた者たちは、その妻子とともに捕らえられ、獅子の穴に投げ込まれた。彼らが穴の底に落ちないうちに、獅子は彼らをわがものにして、その骨をことごとくかみ砕いてしまった。
25 そのとき、ダリヨス王は、全土に住むすべての諸民、諸国、諸国語の者たちに次のように書き送った。
「あなたがたに平安が豊かにあるように。
26 私は命令する。私の支配する国においてはどこででも、ダニエルの神の前に震え、おののけ。
この方こそ生ける神。
永遠に堅く立つ方。
その国は滅びることなく、
その主権はいつまでも続く。
27 この方は人を救って解放し、
天においても、地においても
しるしと奇蹟を行い、
獅子の力からダニエルを救い出された。」
28 このダニエルは、ダリヨスの治世とペルシヤ人クロスの治世に栄えた。
1 バビロンの王ベルシャツァルの元年に、ダニエルは寝床で、一つの夢、頭に浮かんだ幻を見て、その夢を書きしるし、そのあらましを語った。
2 ダニエルは言った。「私が夜、幻を見ていると、突然、天の四方の風が大海をかき立て、
3 四頭の大きな獣が海から上がって来た。その四頭はそれぞれ異なっていた。
4 第一のものは獅子のようで、鷲の翼をつけていた。見ていると、その翼は抜き取られ、地から起こされ、人間のように二本の足で立たされて、人間の心が与えられた。
5 また突然、熊に似たほかの第二の獣が現れた。その獣は横ざまに寝ていて、その口のきばの間には三本の肋骨があった。するとそれに、『起き上がって、多くの肉を食らえ』との声がかかった。
6 この後、見ていると、また突然、ひょうのようなほかの獣が現れた。その背には四つの鳥の翼があり、その獣には四つの頭があった。そしてそれに主権が与えられた。
7 その後また、私が夜の幻を見ていると、突然、第四の獣が現れた。それは恐ろしく、ものすごく、非常に強くて、大きな鉄のきばを持っており、食らって、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは前に現れたすべての獣と異なり、十本の角を持っていた。
8 私がその角を注意して見ていると、その間から、もう一本の小さな角が出て来たが、その角のために、初めの角のうち三本が引き抜かれた。よく見ると、この角には、人間の目のような目があり、大きなことを語る口があった。
9 私が見ていると、
幾つかの御座が備えられ、
年を経た方が座に着かれた。
その衣は雪のように白く、
頭の毛は混じりけのない羊の毛のようであった。
御座は火の炎、
その車輪は燃える火で、
10 火の流れがこの方の前から流れ出ていた。
幾千のものがこの方に仕え、
幾万のものがその前に立っていた。
さばく方が座に着き、
幾つかの文書が開かれた。
11 私は、あの角が語る大きなことばの声がするので、見ていると、そのとき、その獣は殺され、からだはそこなわれて、燃える火に投げ込まれるのを見た。
12 残りの獣は、主権を奪われたが、いのちはその時と季節まで延ばされた。
13 私がまた、夜の幻を見ていると、
見よ、人の子のような方が天の雲に乗って来られ、
年を経た方のもとに進み、その前に導かれた。
14 この方に、主権と光栄と国が与えられ、
諸民、諸国、諸国語の者たちがことごとく、
彼に仕えることになった。
その主権は永遠の主権で、過ぎ去ることがなく、
その国は滅びることがない。
15 私、ダニエルの心は、私のうちで悩み、頭に浮かんだ幻は、私を脅かした。
16 私は、かたわらに立つ者のひとりに近づき、このことのすべてについて、彼に願って確かめようとした。すると彼は、私に答え、そのことの解き明かしを知らせてくれた。
17 『これら四頭の大きな獣は、地から起こる四人の王である。
18 しかし、いと高き方の聖徒たちが、国を受け継ぎ、永遠に、その国を保って世々限りなく続く。』
19 それから私は、第四の獣について確かめたいと思った。それは、ほかのすべての獣と異なっていて、非常に恐ろしく、きばは鉄、爪は青銅であって、食らって、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。
20 その頭には十本の角があり、もう一本の角が出て来て、そのために三本の角が倒れた。その角には目があり、大きなことを語る口があった。その角はほかの角よりも大きく見えた。
21 私が見ていると、その角は、聖徒たちに戦いをいどんで、彼らに打ち勝った。
22 しかし、それは年を経た方が来られるまでのことであって、いと高き方の聖徒たちのために、さばきが行われ、聖徒たちが国を受け継ぐ時が来た。
23 彼はこう言った。
『第四の獣は地に起こる第四の国。
これは、ほかのすべての国と異なり、
全土を食い尽くし、
これを踏みつけ、かみ砕く。
24 十本の角は、この国から立つ十人の王。
彼らのあとに、もうひとりの王が立つ。
彼は先の者たちと異なり、
三人の王を打ち倒す。
25 彼は、いと高き方に逆らうことばを吐き、
いと高き方の聖徒たちを滅ぼし尽くそうとする。
彼は時と法則を変えようとし、
聖徒たちは、ひと時とふた時と半時の間、
彼の手にゆだねられる。
26 しかし、さばきが行われ、
彼の主権は奪われて、
彼は永久に絶やされ、滅ぼされる。
27 国と、主権と、天下の国々の権威とは、
いと高き方の聖徒である民に与えられる。
その御国は永遠の国。
すべての主権は彼らに仕え、服従する。』
28 ここでこの話は終わる。私、ダニエルは、ひどくおびえ、顔色が変わった。しかし、私はこのことを心に留めていた。」
1 ベルシャツァル王の治世の第三年、初めに私に幻が現れて後、私、ダニエルにまた、一つの幻が現れた。
2 私は一つの幻を見たが、見ていると、私がエラム州にあるシュシャンの城にいた。なお幻を見ていると、私はウライ川のほとりにいた。
3 私が目を上げて見ると、なんと一頭の雄羊が川岸に立っていた。それには二本の角があって、この二本の角は長かったが、一つはほかの角よりも長かった。その長いほうは、あとに出て来たのであった。
4 私はその雄羊が、西や、北や、南のほうへ突き進んでいるのを見た。どんな獣もそれに立ち向かうことができず、また、その手から救い出すことのできるものもいなかった。それは思いのままにふるまって、高ぶっていた。
5 私が注意して見ていると、見よ、一頭の雄やぎが、地には触れずに、全土を飛び回って、西からやって来た。その雄やぎには、目と目の間に、著しく目だつ一本の角があった。
6 この雄やぎは、川岸に立っているのを私が見たあの二本の角を持つ雄羊に向かって来て、勢い激しく、これに走り寄った。
7 見ていると、これは雄羊に近づき、怒り狂って、この雄羊を打ち殺し、その二本の角をへし折ったが、雄羊には、これに立ち向かう力がなかった。雄やぎは雄羊を地に打ち倒し、踏みにじった。雄羊を雄やぎの手から救い出すものは、いなかった。
8 この雄やぎは、非常に高ぶったが、その強くなったときに、あの大きな角が折れた。そしてその代わりに、天の11四方に向かって、著しく目だつ四本の角が生え出た。
9 そのうちの一本の角から、また一本の小さな角が芽を出して、南と、東と、麗しい国とに向かって、非常に大きくなっていった。
10 それは大きくなって、天の軍勢に達し、星の軍勢のうちの幾つかを地に落として、これを踏みにじり、
11軍勢の長にまでのし上がった。それによって、常供のささげ物は取り上げられ、その聖所の基はくつがえされる。
12軍勢は渡され、常供のささげ物に代えて12そむきの罪がささげられた。その角は真理を地に投げ捨て、ほしいままにふるまって、それを成し遂げた。
13 私は、ひとりの聖なる者が語っているのを聞いた。すると、もうひとりの聖なる者が、その語っている者に言った。「常供のささげ物や、あの荒らす者のするそむきの罪、および、聖所と軍勢が踏みにじられるという幻は、いつまでのことだろう。」
14 すると13彼は答えて言った。「二千三百の夕と朝が14過ぎるまで。そのとき聖所はその権利を取り戻す。」
15 私、ダニエルは、この幻を見ていて、その意味を悟りたいと願っていた。ちょうどそのとき、人間のように見える者が私の前に立った。
16 私は、ウライ川の中ほどから、「ガブリエルよ。この人に、その幻を悟らせよ」と呼びかけて言っている人の声を聞いた。
17 彼は私の立っている所に来た。彼が来たとき、私は恐れて、ひれ伏した。すると彼は私に言った。「悟れ。人の子よ。その幻は、終わりの時のことである。」
18 彼が私に語りかけたとき、私は意識を失って、地に倒れた。しかし、彼は私に手をかけて、その場に立ち上がらせ、
19 そして言った。「見よ。私は、終わりの憤りの時に起こることを、あなたに知らせる。それは、終わりの定めの時にかかわるからだ。
20 あなたが見た雄羊の持つあの二本の角は、メディヤとペルシヤの王である。
21 毛深い雄やぎはギリシヤの王であって、その目と目の間にある大きな角は、その第一の王である。
22 その角が折れて、代わりに四本の角が生えたが、それは、その国から四つの国が起こることである。しかし、第一の王のような勢力はない。
23 彼らの治世の終わりに、15彼らのそむきが窮まるとき、横柄で狡猾なひとりの王が立つ。
24 彼の力は強くなるが、彼自身の力によるのではない。彼は、あきれ果てるような破壊を行い、事をなして成功し、有力者たちと聖徒の民を滅ぼす。
25 彼は悪巧みによって欺きをその手で成功させ、心は高ぶり、不意に多くの人を滅ぼし、君の君に向かって立ち上がる。しかし、人手によらずに、彼は砕かれる。
26 先に告げられた夕と朝の幻、それは真実である。しかし、あなたはこの幻を秘めておけ。これはまだ、多くの日の後のことだから。」
27 私、ダニエルは、幾日かの間、病気になったままでいた。その後、起きて王の事務をとった。しかし、私はこの幻のことで、驚きすくんでいた。それを悟れなかったのである。
1 メディヤ族のアハシュエロスの子ダリヨスが、カルデヤ人の国の王となったその元年、
2 すなわち、その治世の第一年に、私、ダニエルは、預言者エレミヤにあった主のことばによって、エルサレムの荒廃が終わるまでの年数が七十年であることを、文書によって悟った。
3 そこで私は、顔を神である主に向けて祈り、断食をし、荒布を着、灰をかぶって、願い求めた。
4 私は、私の神、主に祈り、告白して言った。「ああ、私の主、大いなる恐るべき神。あなたを愛し、あなたの命令を守る者には、契約を守り、恵みを下さる方。
5 私たちは罪を犯し、不義をなし、悪を行い、あなたにそむき、あなたの命令と定めとを離れました。
6 私たちはまた、あなたのしもべである預言者たちが御名によって、私たちの王たち、首長たち、先祖たち、および一般の人すべてに語ったことばに、聞き従いませんでした。
7 主よ。正義はあなたのものですが、不面目は私たちのもので、今日あるとおり、ユダの人々、エルサレムの住民のもの、また、あなたが追い散らされたあらゆる国々で、近く、あるいは遠くにいるすべてのイスラエル人のものです。これは、彼らがあなたに逆らった不信の罪のためです。
8主よ。不面目は、あなたに罪を犯した私たちと私たちの王たち、首長たち、および先祖たちのものです。
9 あわれみと赦しとは、私たちの神、主のものです。これは私たちが神にそむいたからです。
10 私たちは、私たちの神、主の御声に聞き従わず、神がそのしもべである預言者たちによって私たちに下さった律法に従って歩みませんでした。
11 イスラエル人はみな、あなたの律法を犯して離れ去り、御声に聞き従いませんでした。そこで、神のしもべモーセの律法に書かれているのろいと誓いが、私たちの上にふりかかりました。私たちが神に罪を犯したからです。
12 神は、大きなわざわいを私たちにもたらすと、かつて私たちと、私たちをさばいたさばきつかさたちに対して告げられたみことばを、成就されたのです。エルサレムの上に下ったほどのわざわいは、今まで天下になかったことです。
13 このわざわいはすべて、モーセの律法に書かれているように、私たちの上に下りましたが、私たちは、不義から立ち返り、あなたの真理を悟れるよう、私たちの神、16主に、お願いもしませんでした。
14主はそのわざわいの見張りをしておられ、それを私たちの上に下しました。私たちの神、主のみわざは、すべて正しいのです。私たちが、御声に聞き従わなかったからです。
15 しかし今、私たちの神、主よ、あなたは、力強い御手をもって、あなたの民をエジプトの地から連れ出し、今日あるとおり、あなたの名をあげられました。私たちは罪を犯し、悪を行いました。
16 主よ。あなたのすべての正義のみわざによって、どうか御怒りと憤りを、あなたの町エルサレム、あなたの聖なる山からおさめてください。私たちの罪と私たちの先祖たちの悪のために、エルサレムとあなたの民が、私たちを取り囲むすべての者のそしりとなっているからです。
17 私たちの神よ。今、あなたのしもべの祈りと願いとを聞き入れ、主ご自身のために、御顔の光を、あなたの荒れ果てた聖所に輝かせてください。
18 私の神よ。耳を傾けて聞いてください。目を開いて私たちの荒れすさんださまと、あなたの御名がつけられている町をご覧ください。私たちが御前に伏して願いをささげるのは、私たちの正しい行いによるのではなく、あなたの大いなるあわれみによるのです。
19 主よ。聞いてください。主よ。お赦しください。主よ。心に留めて行ってください。私の神よ。あなたご自身のために遅らせないでください。あなたの町と民とには、あなたの名がつけられているからです。」
20 私がまだ語り、祈り、自分の罪と自分の民イスラエルの罪を告白し、私の神の聖なる山のために、私の神、主の前に伏して願いをささげていたとき、
21 すなわち、私がまだ祈って語っているとき、私が初めに幻の中で見たあの人、ガブリエルが、夕方のささげ物をささげるころ、すばやく飛んで来て、私に近づき、
22 私に告げて言った。「ダニエルよ。私は今、あなたに悟りを授けるために出て来た。
23 あなたが願いの祈りを始めたとき、一つのみことばが述べられたので、私はそれを伝えに来た。あなたは、17神に愛されている人だからだ。そのみことばを聞き分け、幻を悟れ。
24 あなたの民とあなたの聖なる都については、七十週が定められている。それは、そむきをやめさせ、罪を終わらせ、咎を贖い、永遠の義をもたらし、幻と預言とを確証し、至聖所に油をそそぐためである。
25 それゆえ、知れ。悟れ。引き揚げてエルサレムを再建せよ、との命令が出てから、油そそがれた者、君主の18来るまでが七週。また六十二週の間、その苦しみの時代に再び広場とほりが建て直される。
26 その六十二週の後、油そそがれた者は断たれ、19彼には何も残らない。やがて来たるべき君主の民が町と聖所を破壊する。その終わりには洪水が起こり、その終わりまで戦いが続いて、荒廃が定められている。
27 彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。荒らす忌むべき者が20翼に現れる。ついに、定められた絶滅が、荒らす者の上にふりかかる。」
1 ペルシヤの王クロスの第三年に、ベルテシャツァルと名づけられていたダニエルに、一つのことばが啓示された。そのことばは真実で、大きないくさのことであった。彼はそのことばを理解し、その幻を悟っていた。
2 そのころ、私、ダニエルは、三週間の喪に服していた。
3 満三週間、私は、ごちそうも食べず、肉もぶどう酒も口にせず、また身に油も塗らなかった。
4 第一の月の二十四日に、私は21ティグリスという大きな川の岸にいた。
5 私が目を上げて、見ると、そこに、ひとりの人がいて、亜麻布の衣を着、腰にはウファズの金の帯を締めていた。
6 そのからだは緑柱石のようであり、その顔はいなずまのようであり、その目は燃えるたいまつのようであった。また、その腕と足は、みがき上げた青銅のようで、そのことばの声は群集の声のようであった。
7 この幻は、私、ダニエルひとりだけが見て、私といっしょにいた人々は、その幻を見なかったが、彼らは震え上がって逃げ隠れた。
8 私は、ひとり残って、この大きな幻を見たが、私は、うちから力が22抜け、23顔の輝きもうせ、力を失った。
9 私はそのことばの声を聞いた。そのことばの声を聞いたとき、私は意識を失って、うつぶせに地に倒れた。
10 ちょうどそのとき、一つの手が私に触れ、私のひざと手をゆさぶった。
11 それから彼は私に言った。「24神に愛されている人ダニエルよ。私が今から語ることばをよくわきまえよ。そこに立ち上がれ。私は今、あなたに遣わされたのだ。」彼が、このことばを私に語ったとき、私は震えながら立ち上がった。
12 彼は私に言った。「恐れるな。ダニエル。あなたが心を定めて悟ろうとし、あなたの神の前でへりくだろうと決めたその初めの日から、あなたのことばは聞かれているからだ。私が来たのは、あなたのことばのためだ。
13 ペルシヤの国の君が二十一日間、私に向かって立っていたが、そこに、第一の君のひとり、ミカエルが私を助けに来てくれたので、私は25彼をペルシヤの王たちのところに残しておき、
14 終わりの日にあなたの民に起こることを悟らせるために来たのだ。なお、その日についての幻があるのだが。」
15 彼が私にこのようなことを語っている間、私はうつむいていて、何も言えなかった。
16 ちょうどそのとき、26人の姿をとった者が、私のくちびるに触れた。それで、私は口を開いて話し出し、私に向かって立っていた者に言った。「わが主よ。この幻によって、私は苦痛に襲われ、力を失いました。
17 わが主のしもべが、どうしてわが主と話せましょう。私には、もはや、力もうせてしまい、息も残っていないのです。」
18 すると、人間のように見える者が、再び私に触れ、私を力づけて、
19 言った。「27神に愛されている人よ。恐れるな。安心せよ。強くあれ。強くあれ。」彼が私にこう言ったとき、私は奮い立って言った。「わが主よ。お話しください。あなたは私を力づけてくださいましたから。」
20 そこで、彼は言った。「私が、なぜあなたのところに来たかを知っているか。今は、ペルシヤの君と戦うために帰って行く。私が出かけると、見よ、ギリシヤの君がやって来る。
21 しかし、真理の書に書かれていることを、あなたに知らせよう。あなたがたの君ミカエルのほかには、私とともに奮い立って、彼らに立ち向かう者はひとりもいない。
1 ――私はメディヤ人ダリヨスの元年に、彼を強くし、彼を力づけるために立ち上がった。――
2 今、私は、あなたに真理を示す。見よ。なお三人の王がペルシヤに起こり、第四の者は、ほかのだれよりも、はるかに富む者となる。この者がその富によって強力になったとき、すべてのものを扇動してギリシヤの国に立ち向かわせる。
3 ひとりの勇敢な王が起こり、大きな権力をもって治め、思いのままにふるまう。
4 しかし、彼が起こったとき、その国は破れ、天の28四方に向けて分割される。それは彼の子孫のものにはならず、また、彼が支配したほどの権力もなく、彼の国は根こぎにされて、その子孫以外のものとなる。
5 南の王が強くなる。しかし、その将軍のひとりが彼よりも強くなり、彼の権力よりも大きな権力をもって治める。
6 何年かの後、彼らは同盟を結び、和睦をするために南の王の娘が北の王にとつぐが、彼女は29勢力をとどめておくことができず、彼の30力もとどまらない。この女と、彼女を連れて来た者、彼女を生んだ者、そのころ彼女を力づけた者は、31死に渡される。
7 しかし、この女の根から一つの芽が起こって、彼に代わり、軍隊を率いて北の王のとりでに攻め入ろうとし、これと戦って勝つ。
8 なお、彼は彼らの神々や彼らの鋳た像、および金銀の尊い器を分捕り品としてエジプトに運び去る。彼は何年かの間、北の王から遠ざかっている。
9 しかし、北の王は南の王の国に侵入し、また、自分の地に帰る。
10 しかし、その息子たちは、戦いをしかけて、強力なおびただしい大軍を集め、進みに進んで押し流して越えて行き、そうしてまた敵のとりでに戦いをしかける。
11 それで、南の王は大いに怒り、出て来て、彼、すなわち北の王と戦う。北の王はおびただしい大軍を起こすが、その大軍は敵の手に渡される。
12 その大軍を連れ去ると、南の王の心は高ぶり、数万人を倒す。しかし、勝利を得ない。
13 北の王がまた、初めより大きなおびただしい大軍を起こし、何年かの後、大軍勢と多くの武器をもって必ず攻めて来るからである。
14 そのころ、多くの者が南の王に反抗して立ち上がり、あなたの民の暴徒たちもまた、高ぶってその幻を実現させようとするが、失敗する。
15 しかし、北の王が来て塁を築き、城壁のある町を攻め取ると、南の軍勢は立ち向かうことができず、精兵たちも対抗する力がない。
16 そのようにして、これを攻めて来る者は、思うままにふるまう。彼に立ち向かう者はいない。彼は麗しい国にとどまり、彼の手で絶滅しようとする。
17 彼は自分の国の総力をあげて攻め入ろうと決意し、まず相手と和睦をし、娘のひとりを与えて、その国を滅ぼそうとする。しかし、そのことは成功せず、彼のためにもならない。
18 それで、彼は島々に顔を向けて、その多くを攻め取る。しかし、ひとりの首領が、彼にそしりをやめさせるばかりか、かえってそのそしりを彼の上に返す。
19 それで、彼は自分の国のとりでに引き返して行くが、つまずき、倒れ、いなくなる。
20 彼に代わって、ひとりの人が起こる。彼は輝かしい国に、32税を取り立てる者を行き巡らすが、数日のうちに、怒りにもよらず、戦いにもよらないで、破られる。
21 彼に代わって、ひとりの卑劣な者が起こる。彼には国の尊厳は与えられないが、彼は不意にやって来て、巧言を使って国を堅く握る。
22洪水のような軍勢も、彼によって一掃され、打ち砕かれ、契約の君主もまた、打ち砕かれる。
23 彼は、同盟しては、これを欺き、ますます小国の間で勢力を得る。
24 彼は不意に州の肥沃な地域に侵入し、彼の父たちも、父の父たちもしなかったことを行う。彼は、そのかすめ奪った物、分捕り物、財宝を、彼らの間で分け合う。彼はたくらみを設けて、要塞を攻めるが、それは、時が来るまでのことである。
25 彼は勢力と勇気を駆り立て、大軍勢を率いて南の王に立ち向かう。南の王もまた、非常に強い大軍勢を率い、奮い立ってこれと戦う。しかし、彼は抵抗することができなくなる。彼に対してたくらみを設ける者たちがあるからである。
26 彼のごちそうを食べる者たちが彼を滅ぼし、彼の軍勢は押し流され、多くの者が刺し殺されて倒れる。
27 このふたりの王は、心では悪事を計りながら、一つ食卓につき、まやかしを言うが、成功しない。その終わりは、まだ定めの時にかかっているからだ。
28 彼は多くの財宝を携えて自分の国に帰るが、彼の心は聖なる契約を敵視して、ほしいままにふるまい、自分の国に帰る。
29 定めの時になって、彼は再び南へ攻めて行くが、この二度目は、初めのときのようではない。
30 キティムの船が彼に立ち向かって来るので、彼は落胆して引き返し、聖なる契約にいきりたち、ほしいままにふるまう。彼は帰って行って、その聖なる契約を捨てた者たちを重く取り立てるようになる。
31 彼の軍隊は立ち上がり、聖所ととりでを汚し、常供のささげ物を取り除き、荒らす忌むべきものを据える。
32 彼は契約を犯す者たちを巧言をもって堕落させるが、自分の神を知る人たちは、堅く立って事を行う。
33民の中の思慮深い人たちは、多くの人を悟らせる。彼らは、長い間、剣にかかり、火に焼かれ、とりことなり、かすめ奪われて倒れる。
34 彼らが倒れるとき、彼らへの助けは少ないが、多くの人は、巧言を使って思慮深い人につく。
35思慮深い人のうちのある者は、終わりの時までに彼らを練り、清め、白くするために倒れるが、それは、定めの時がまだ来ないからである。
36 この王は、思いのままにふるまい、すべての神よりも自分を高め、大いなるものとし、神の神に向かってあきれ果てるようなことを語り、憤りが終わるまで栄える。定められていることが、なされるからである。
37 彼は、先祖の神々を心にかけず、女たちの慕うものも、どんな神々も心にかけない。すべてにまさって自分を大きいものとするからだ。
38 その代わりに、彼はとりでの神をあがめ、金、銀、宝石、宝物で、彼の先祖たちの知らなかった神をあがめる。
39 彼は外国の神の助けによって、城壁のあるとりでを取り、彼が認める者には、栄誉を増し加え、多くのものを治めさせ、代価として国土を分け与える。
40 終わりの時に、南の王が彼と戦いを交える。北の王は戦車、騎兵、および大船団を率いて、彼を襲撃し、国々に侵入し、押し流して越えて行く。
41 彼は麗しい国に攻め入り、多くの33国々が倒れる。しかし、エドムとモアブ、またアモン人のおもだった人々は、彼の手から逃げる。
42 彼は国々に手を伸ばし、エジプトの国ものがれることはない。
43 彼は金銀の秘蔵物と、エジプトのすべての宝物を手に入れ、ルブ人と34クシュ人が彼につき従う。
44 しかし、東と北からの知らせが彼を脅かす。彼は、多くのものを絶滅しようとして、激しく怒って出て行く。
45 彼は、海と聖なる麗しい山との間に、本営の天幕を張る。しかし、ついに彼の終わりが来て、彼を助ける者はひとりもない。
1 その時、あなたの国の人々を守る大いなる君、ミカエルが立ち上がる。国が始まって以来、その時まで、かつてなかったほどの苦難の時が来る。しかし、その時、あなたの民で、あの書にしるされている者はすべて救われる。
2 地のちりの中に眠っている者のうち、多くの者が目をさます。ある者は永遠のいのちに、ある者はそしりと永遠の忌みに。
3思慮深い人々は大空の輝きのように輝き、多くの者を義とした者は、世々限りなく、星のようになる。
4 ダニエルよ。あなたは終わりの時まで、このことばを秘めておき、この書を封じておけ。多くの者は知識を増そうと探り回ろう。」
5 私、ダニエルが見ていると、見よ、ふたりの人が立っていて、ひとりは川のこちら岸に、ほかのひとりは川の向こう岸にいた。
6 それで35私は、川の水の上にいる、あの亜麻布の衣を着た人に言った。「この不思議なことは、いつになって終わるのですか。」
7 すると私は、川の水の上にいる、あの亜麻布の衣を着た人が語るのを聞いた。彼は、その右手と左手を天に向けて上げ、永遠に生きる方をさして誓って言った。「それは、ひと時とふた時と半時である。聖なる民の勢力を打ち砕くことが終わったとき、これらすべてのことが成就する。」
8 私はこれを聞いたが、悟ることができなかった。そこで、私は尋ねた。「わが主よ。この終わりは、どうなるのでしょう。」
9 彼は言った。「ダニエルよ。行け。このことばは、終わりの時まで、秘められ、封じられているからだ。
10 多くの者は、身を清め、白くし、こうして練られる。悪者どもは悪を行い、ひとりも悟る者がいない。しかし、思慮深い人々は悟る。
11常供のささげ物が取り除かれ、荒らす忌むべきものが据えられる時から千二百九十日がある。
12 幸いなことよ。忍んで待ち、千三百三十五日に達する者は。
13 あなたは終わりまで歩み、休みに入れ。あなたは時の終わりに、あなたの割り当ての地に立つ。
ホセア書
1 ユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代、イスラエルの王、ヨアシュの子ヤロブアムの時代に、ベエリの子ホセアにあった主のことば。
2主がホセア1に語り始められたとき、主はホセアに仰せられた。「行って、姦淫の女をめとり、姦淫の子らを引き取れ。この国は主を見捨てて、はなはだしい淫行にふけっているからだ。」
3 そこで彼は行って、ディブライムの娘ゴメルをめとった。彼女はみごもって、彼に男の子を産んだ。
4主は彼に仰せられた。「あなたはその子をイズレエルと名づけよ。しばらくして、わたしはイズレエルの血をエフーの家に報い、イスラエルの家の王国を取り除くからだ。
5 その日、わたしは、イズレエルの谷でイスラエルの弓を折る。」
6 ゴメルはまたみごもって、女の子を産んだ。主は彼に仰せられた。「その子を2ロ・ルハマと名づけよ。わたしはもう二度とイスラエルの家を愛することはなく、決して彼らを赦さないからだ。
7 しかし、わたしはユダの家を愛し、彼らの神、主によって彼らを救う。しかし、わたしは弓、剣、戦い、および馬、騎兵によって彼らを救うのではない。」
8 ゴメルは、ロ・ルハマを乳離れさせてから、みごもって男の子を産んだ。
9 主は仰せられた。「その子を3ロ・アミと名づけよ。あなたがたはわたしの民ではなく、わたしはあなたがたの4神ではないからだ。」
10 イスラエル人の数は、海の砂のようになり、量ることも数えることもできなくなる。彼らは、「あなたがたはわたしの民ではない」と言われた所で、「あなたがたは生ける神の子らだ」と言われるようになる。
11 ユダの人々とイスラエルの人々は、一つに集められ、彼らは、ひとりのかしらを立てて、5国々から上って来る。イズレエルの日は大いなるものとなるからである。
1 あなたがたの兄弟には、「6わたしの民」と言い、あなたがたの姉妹には、「7愛される者」と言え。
2 「あなたがたの母をとがめよ。とがめよ。
彼女はわたしの妻ではなく、
わたしは彼女の夫ではないからだ。
彼女の顔から姦淫を取り除き、
その乳房の間から姦通を取り除け。
3 そうでなければ、わたしは、
彼女の着物をはいで裸にし、
生まれた日のようにして彼女をさらし、
彼女を荒野のようにし、
砂漠のようにし、
渇きで彼女を死なせよう。
4 わたしは彼女の子らを愛さない。
彼らは姦淫の子らであるから。
5 彼らの母は姦淫をし、
彼らをはらんで恥をさらし、
そして言った。
『私は恋人たちのあとを追う。
彼らは私にパンと水、羊毛と麻、
油と飲み物を与えてくれる』と。
6 それゆえ、わたしは、
いばらで彼女の道に垣を立て、
彼女が通い路を見いださないように、
石垣を立てよう。
7 彼女は恋人たちのあとを追って行こう。
しかし、彼らに追いつくことはない。
彼らを捜し求めよう。
しかし、見つけ出すことはない。
彼女は言う。
『私は行って、初めの夫に戻ろう。
あの時は、今よりも私はしあわせだったから。』
8 彼女に穀物と新しいぶどう酒と油とを与えた者、
また、バアルのために使った銀と金とを
多く与えた者が、わたしであるのを、
彼女は知らなかった。
9 それゆえ、わたしは、その時になって、
わたしの穀物を、
その季節になって、
わたしの新しいぶどう酒を取り戻し、
また、彼女の裸をおおうための
わたしの羊毛と麻とをはぎ取ろう。
10 今、わたしは彼女の恥を、
恋人たちの目の前にあばく。
だれも彼女を
わたしの手から救い出せる者はない。
11 わたしは彼女のすべての喜び、
祭り、新月の祭り、安息日、
すべての例祭を、やめさせる。
12 それから、わたしは彼女が
『これは私の恋人たちが払ってくれた報酬』
と言っていた彼女のぶどうの木と、
いちじくの木とを荒れすたらせ、
これを林にして、野の獣にこれを食べさせる。
13 わたしは、彼女がバアルに香をたき、
耳輪や飾りを身につけて、恋人たちを慕って行き、
わたしを忘れてバアルに仕えた日々に報いる。
――主の御告げ――
14 それゆえ、見よ、わたしは彼女をくどいて
荒野に連れて行き、優しく彼女に語ろう。
15 わたしはその所を彼女のためにぶどう畑にし、
アコルの谷を望みの門としよう。
彼女が若かった日のように、
彼女がエジプトの国から
上って来たときのように、
彼女はその所で答えよう。
16 その日、――主の御告げ――
あなたはわたしを『私の夫』と呼び、
もう、わたしを『私のバアル』とは呼ぶまい。
17 わたしはバアルたちの名を
彼女の口から取り除く。
その名はもう覚えられることはない。
18 その日、わたしは彼らのために、
野の獣、空の鳥、地をはうものと契約を結び、
弓と剣と戦いを地から絶やし、
彼らを安らかに休ませる。
19 わたしはあなたと永遠に契りを結ぶ。
正義と公義と、恵みとあわれみをもって、
契りを結ぶ。
20 わたしは真実をもってあなたと契りを結ぶ。
このとき、あなたは主を知ろう。
21 その日、わたしは答える。――主の御告げ――
わたしは天に答え、天は地に答える。
22 地は穀物と新しいぶどう酒と油とに答え、
それらはイズレエルに答える。
23 わたしは8彼をわたしのために地にまき散らし、
『愛されない者』を愛し、
『わたしの民でない者』を、
『あなたはわたしの民』と言う。
彼は『あなたは私の神』と言おう。」
1主は私に仰せられた。「再び行って、夫に愛されていながら姦通している女を愛せよ。ちょうど、ほかの神々に向かい、干しぶどうの菓子を愛しているイスラエルの人々を主が愛しておられるように。」
2 そこで、私は銀十五シェケルと大麦一ホメル半で彼女を買い取った。
3 私は彼女に言った。「これから長く、私のところにとどまって、もう姦淫をしたり、ほかの男と通じたりしてはならない。私も、あなたにそうしよう。」
4 それは、イスラエル人は長い間、王もなく、首長もなく、いけにえも、石の柱も、エポデも、テラフィムもなく過ごすからだ。
5 その後、イスラエル人は帰って来て、彼らの神、主と、彼らの王ダビデを尋ね求め、終わりの日に、おののきながら主とその恵みに来よう。
1 イスラエル人よ。
主のことばを聞け。
主はこの地に住む者と言い争われる。
この地には真実がなく、誠実がなく、
神を知ることもないからだ。
2 ただ、のろいと、欺きと、人殺しと、
盗みと、姦通がはびこり、
流血に流血が続いている。
3 それゆえ、この地は喪に服し、
ここに住む者はみな、野の獣、空の鳥とともに
打ちしおれ、海の魚さえも絶え果てる。
4 だれもとがめてはならない。
だれも責めてはならない。
9しかし祭司よ。わたしはあなたをなじる。
5 あなたは昼つまずき、
預言者もまた、あなたとともに夜つまずく。
わたしはあなたの母を滅ぼす。
6 わたしの民は知識がないので滅ぼされる。
あなたが知識を退けたので、
わたしはあなたを退けて、わたしの祭司としない。
あなたは神のおしえを忘れたので、
わたしもまた、あなたの子らを忘れよう。
7 彼らはふえるにしたがって、
ますます、わたしに罪を犯した。
わたしは彼らの栄光を恥に変える。
8 彼らはわたしの民の罪を食いものにし、
彼らの咎に望みをかけている。
9 だから、民も祭司も同じようになる。
わたしはその行いに報い、
そのわざの仕返しをする。
10 彼らは食べても、満たされず、
姦淫しても、ふえることはない。
彼らは主を捨てて、姦淫を続けるからだ。
11 ぶどう酒と新しいぶどう酒は思慮を失わせる。
12 わたしの民は木に伺いを立て、
その杖は彼らに事を告げる。
これは、姦淫の霊が彼らを迷わせ、
彼らが自分たちの神を見捨てて
姦淫をしたからだ。
13 彼らは山々の頂でいけにえをささげ、
丘の上、また、
樫の木、ポプラ、テレビンの木の下で香をたく。
その木陰がここちよいからだ。
それゆえ、あなたがたの娘は姦淫をし、
あなたがたの嫁は姦通をする。
14 わたしは、あなたがたの娘が姦淫をしても
罰しない。
また、あなたがたの嫁が姦通をしても罰しない。
それは男たちが遊女とともに離れ去り、
神殿娼婦とともに
いけにえをささげているからだ。
悟りのない民は踏みつけられる。
15 イスラエルよ。あなたは姦淫をしても、
ユダに罪を犯させてはならない。
ギルガルに行ってはならない。
ベテ・アベンに上ってはならない。
「主は生きておられる」と言って
誓ってはならない。
16 まことに、イスラエルは
かたくなな雌牛のようにかたくなだ。
しかし今、主は、
彼らを広い所にいる子羊のように養う。
17 エフライムは偶像に、くみしている。
そのなすにまかせよ。
18 彼らは飲酒にふけり、淫行を重ね、
10彼らのみだらなふるまいで恥を愛した。
彼らは自分たちの13祭壇のために恥を見る。
1 祭司たちよ。これを聞け。
イスラエルの家よ。心せよ。
王の家よ。耳を傾けよ。
あなたがたにさばきが下る。
あなたがたはミツパでわなとなり、
タボルの上に張られた網となったからだ。
2 曲がった者たちは落とし穴を深くした。
わたしは彼らをことごとく懲らしめる。
3 わたしはエフライムを知っていた。
イスラエルはわたしに隠されていなかった。
しかし、エフライムよ、
今、あなたは姦淫をし、
イスラエルは身を汚してしまった。
4 彼らは自分のわざを捨てて神に帰ろうとしない。
姦淫の霊が彼らのうちにあって、
彼らは主を知らないからだ。
5 イスラエルの高慢はその顔に現れている。
イスラエルとエフライムは、
おのれの不義につまずき、
ユダもまた彼らとともにつまずく。
6 彼らは羊の群れ、牛の群れを連れて行き、
主を尋ね求めるが、見つけることはない。
主は彼らを離れ去ったのだ。
7 彼らは主を裏切り、他国の男の子を生んだ。
今や、新月が彼らとその地所を食い尽くす。
8 ギブアで角笛を吹き、ラマでラッパを鳴らし、
ベテ・アベンでときの声をあげよ。
ベニヤミンよ。14警戒せよ。
9 エフライムは懲らしめの日に、恐怖となる。
わたしはイスラエルの部族に、
確かに起こることを知らせる。
10 ユダの首長たちは地境を移す者のようになった。
わたしは彼らの上に
激しい怒りを水のように注ぐ。
11 エフライムはしいたげられ、
さばかれて打ち砕かれる。
彼はあえて15むなしいものを慕って行ったからだ。
12 わたしは、エフライムには、しみのように、
ユダの家には、腐れのようになる。
13 エフライムがおのれの病を見、
ユダがおのれのはれものを見たとき、
エフライムはアッシリヤに行き、
16大王に人を遣わした。
しかし、彼はあなたがたをいやすことができず、
あなたがたのはれものを直せない。
14 わたしは、エフライムには、獅子のように、
ユダの家には、若い獅子のようになるからだ。
このわたしが引き裂いて去る。
わたしがかすめ去るが、
だれも助け出す者はいない。
15 彼らが自分の罪を認め、
わたしの顔を慕い求めるまで、
わたしはわたしの所に戻っていよう。
彼らは苦しみながら、わたしを捜し求めよう。
1 「さあ、主に立ち返ろう。
主は私たちを引き裂いたが、また、いやし、
私たちを打ったが、
また、包んでくださるからだ。
2 主は二日の後、私たちを生き返らせ、
三日目に私たちを立ち上がらせる。
私たちは、御前に生きるのだ。
3 私たちは、知ろう。
主を知ることを切に追い求めよう。
主は暁の光のように、確かに現れ、
大雨のように、私たちのところに来、
17後の雨のように、地を潤される。」
4 エフライムよ。わたしはあなたに何をしようか。
ユダよ。わたしはあなたに何をしようか。
あなたがたの誠実は朝もやのようだ。
朝早く消え去る露のようだ。
5 それゆえ、わたしは預言者たちによって、
彼らを切り倒し、
わたしの口のことばで彼らを殺す。
18わたしのさばきは光のように現れる。
6 わたしは誠実を喜ぶが、
いけにえは喜ばない。
全焼のいけにえより、
むしろ神を知ることを喜ぶ。
7 ところが、彼らはアダムのように契約を破り、
その時わたしを裏切った。
8 ギルアデは不法を行う者の町、
血の足跡に満ちている。
9 盗賊が人を待ち伏せするように、
祭司たちは仲間を組み、
シェケムへの道で人を殺し、
彼らは実にみだらなことをする。
10 イスラエルの家にわたしは恐るべきことを見た。
エフライムは姦淫をし、
イスラエルは身を汚している。
11 ユダよ。わたしが、
わたしの民の繁栄を元どおりにするとき、
あなたのためにも刈り入れが定まっている。
1 わたしがイスラエルをいやすとき、
エフライムの不義と、
サマリヤの悪とは、あらわにされる。
彼らは偽りを行い、
盗人が押し入り、
外では略奪隊が襲うからだ。
2 しかし、彼らは心に言い聞かせない、
わたしが彼らのすべての悪を覚えていることを。
今、彼らのわざは彼らを取り巻いて、
わたしの前にある。
3 彼らは悪を行って王を喜ばせ、
偽りごとを言って首長たちを喜ばせる。
4 彼らはみな姦通する者だ。
彼らは燃えるかまどのようだ。
彼らはパン焼きであって、
練り粉をこねてから、
それがふくれるまで、火をおこすのをやめている。
5 われわれの王の日に、
首長たちは酒の熱に病み、
王はあざける者たちと手を握る。
6 彼らは陰謀をもって近づく。
彼らの心はかまどのようで、
朝になると、燃える火のように燃える。
7 彼らはみな、かまどのように熱くなって、
自分たちのさばきつかさを焼き尽くす。
その王たちもみな倒れる。
彼らのうちだれひとり、
わたしを呼び求める者はいない。
8 エフライムは国々の民の中に入り混じり、
エフライムは21生焼けのパン菓子となる。
9 他国人が彼の力を食い尽くすが、
彼はそれに気づかない。
しらがが生えても、彼はそれに気づかない。
10 イスラエルの高慢はその顔に現れ、
彼らは、彼らの神、主に立ち返らず、
こうなっても、主を尋ね求めない。
11 エフライムは、
愚かで思慮のない鳩のようになった。
彼らはエジプトを呼び立て、
アッシリヤへ行く。
12 彼らが行くとき、わたしは彼らの上に網を張り、
空の鳥のように彼らを引き落とし、
その群れが騒々しくなるとき、
わたしはこれを懲らす。
13 ああ、彼らは。
彼らはわたしから逃げ去ったからだ。
彼らは踏みにじられよ。
彼らはわたしにそむいたからだ。
わたしは彼らを贖おうとするが
彼らはわたしにまやかしを言う。
14 彼らはわたしに向かって心から叫ばず、
ただ、床の上で泣きわめく。
彼らは、穀物と新しいぶどう酒のためには
集まって来るが、
わたしからは離れ去る。
15 わたしが訓戒し、
わたしが彼らの腕を強くしたのに、
彼らはわたしに対して悪事をたくらむ。
16 彼らは22むなしいものに立ち返る。
彼らはたるんだ弓のようだ。
彼らの首長たちは、
23神をののしったために、剣に倒れる。
これはエジプトの国であざけりとなる。
1 角笛を口に当てよ。
鷲のように24敵は主の宮を襲う。
彼らがわたしの契約を破り、
わたしのおしえにそむいたからだ。
2 彼らは、わたしに向かって、
「私の神よ。
私たちイスラエルは、
あなたを知っている」と叫ぶが、
3 イスラエルは善を拒んだ。
敵は、彼らに追い迫っている。
4 彼らは王を立てた。
だが、わたしによってではない。
彼らは首長を立てた。
だが、わたしは知らなかった。
彼らは銀と金で自分たちのために偶像を造った。
25彼らが断たれるために。
5 サマリヤよ。
26わたしはあなたの子牛をはねつける。
わたしはこれに向かって怒りを燃やす。
彼らはいつになれば、罪のない者となれるのか。
6 彼らはイスラエルの出。
それは職人が造ったもの。
それは神ではない。
サマリヤの子牛は粉々に砕かれる。
7 彼らは風を蒔いて、つむじ風を刈り取る。
麦には穂が出ない。
麦粉も作れない。
たといできても、他国人がこれを食い尽くす。
8 イスラエルはのみこまれた。
今、彼らは諸国の民の間にあって、
だれにも喜ばれない器のようだ。
9 彼らは、ひとりぼっちの野ろばで、
アッシリヤへ上って行った。
エフライムは愛の贈り物をした。
10 彼らが諸国の民の間で物を贈っても、
今、わたしは彼らを寄せ集める。
しばらくすれば、彼らは
王や首長たちの重荷を
負わなくなるであろう。
11 エフライムは罪のために多くの祭壇を造ったが、
これがかえって罪を犯すための祭壇となった。
12 わたしが彼のために、多くのおしえを書いても、
彼らはこれを他国人のもののようにみなす。
13 27彼らがわたしにいけにえをささげ、肉を食べても、
主はこれを喜ばない。
今、主は彼らの不義を覚え、その罪を罰せられる。
彼らはエジプトに帰るであろう。
14 イスラエルは自分の造り主を忘れて、
多くの神殿を建て、
ユダは城壁のある町々を増し加えた。
しかし、わたしはその町々に火を放ち、
その宮殿を焼き尽くす。
1 イスラエルよ。
国々の民のように喜び楽しむな。
あなたは自分の神にそむいて姦淫をし、
すべての麦打ち場で受ける姦淫の報酬を
愛したからだ。
2 麦打ち場も酒ぶねも彼らを養わない。
新しいぶどう酒も欺く。
3 彼らは主の地にとどまらず、
エフライムはエジプトに帰り、
アッシリヤで汚れた物を食べよう。
4 彼らは主にぶどう酒を注がず、
彼らのいけにえで主を喜ばせない。
彼らのパンは喪中のパンのようで、
すべてこれを食べる者は汚れた者になる。
彼らのパンは彼ら自身のためだけであって、
主の宮に持ち込むことはできない。
5 あなたがたは例祭の日、
主の祭りの日には何をしようとするのか。
6 見よ。彼らが破壊をのがれても、
エジプトは彼らを集め、
28モフが彼らを葬る。
彼らの宝としている銀は、いらくさが勝ち取り、
あざみが彼らの天幕に29生える。
7 刑罰の日が来た。報復の日が来た。
イスラエルは知るがよい。
預言者は愚か者、霊の人は狂った者だ。
これはあなたのひどい不義のため、
ひどい憎しみのためである。
8 エフライムの見張り人は、私の神とともにある。
しかし、預言者は、すべての道にしかけるわなだ。
彼の神の家には憎しみがある。
9 彼らはギブアの日のように、真底まで堕落した。
主は彼らの不義を覚え、その罪を罰する。
10 わたしはイスラエルを、
荒野のぶどうのように見、
あなたがたの先祖を、
いちじくの木の初なりの実のように見ていた。
ところが彼らはバアル・ペオルへ行き、
恥ずべきものに身をゆだね、
彼らの愛している者と同じように、
彼ら自身、忌むべきものとなった。
11 エフライムの栄光は鳥のように飛び去り、
もう産むことも、みごもることも、
はらむこともない。
12 たとい彼らが子を育てても、
わたしはひとり残らずその子を失わせる。
わたしが彼らを離れるとき、
まことに、彼らにわざわいが来る。
13 わたしが見たエフライムは、
牧場に植えられたツロのようであったが、
今や、エフライムはその子らを、
ほふり場に連れて行かなければならない。
14 主よ。彼らに与えてください。
何をお与えになりますか。
はらまない胎と、乳の出ない乳房とを
彼らに与えてください。
15 彼らのすべての悪はギルガルにある。
わたしはその所で彼らを憎んだ。
彼らの悪い行いのために、
彼らをわたしの宮から追い出し、
重ねて彼らを愛さない。
その首長たちはみな頑迷な者だ。
16 エフライムは打たれ、
その根は枯れて、実を結ばない。
たとい彼らが子を産んでも、
わたしはその胎の中のいとし子を殺す。
17 私の神は彼らを退ける。
それは、彼らが神に聞き従わなかったからだ。
彼らは諸国の民のうちに、
さすらい人となる。
1 イスラエルは
多くの実を結ぶよく茂ったぶどうの木であった。
多く実を結ぶにしたがって、
それだけ祭壇をふやし、
その地が豊かになるにしたがって、
それだけ多くの美しい石の柱を立てた。
2 彼らの心は二心だ。
今、彼らはその刑罰を受けなければならない。
主は彼らの祭壇をこわし、
彼らの石の柱を砕かれる。
3 今、彼らは言う。
「私たちには王がない。
私たちが主を恐れなかったからだ。
だが、王は私たちに何ができよう」と。
4 彼らはむだ口をきき、
むなしい誓いを立てて契約を結ぶ。
だから、さばきは
畑のうねの毒草のように生いでる。
5 サマリヤの住民は、
ベテ・アベンの子牛のためにおののく。
その民はこのために喪に服し、
偶像に仕える祭司たちもこのために喪に服する。
彼らは、その栄光のために悲しもう。
栄光が子牛から去ったからだ。
6 その子牛はアッシリヤに持ち去られ、
30大王への贈り物となる。
エフライムは恥を受け取り、
イスラエルは自分のはかりごとで恥を見る。
7 サマリヤは滅びうせ、
その王は水の面の木切れのようだ。
8 イスラエルの罪である
アベンの高き所も滅ぼされ、
いばらとあざみが、
彼らの祭壇の上におい茂る。
彼らは山々に向かって、
「私たちをおおえ」と言い、
丘に向かって、
「私たちの上に落ちかかれ」と言おう。
9 イスラエルよ。ギブアの日々よりこのかた、
あなたは罪を犯してきた。
彼らはそこで同じことを行っている。
戦いはギブアで、
この不法な民を襲わないだろうか。
10 わたしは彼らを懲らしめようと思う。
彼らが二つの不義のために捕らえられるとき、
国々の民は集められて彼らを攻める。
11 エフライムは飼いならされた雌の子牛であって、
麦打ち場で踏むことを好んでいた。
わたしはその美しい首にくびきを掛けた。
わたしはエフライムに乗り、ユダは耕し、
ヤコブはまぐわをひく。
12 あなたがたは正義の種を蒔き、
誠実の実を刈り入れよ。
あなたがたは耕地を開拓せよ。
今が、主を求める時だ。
ついに、主は来て、
正義をあなたがたに注がれる。
13 あなたがたは悪を耕し、
不正を刈り取り、偽りの実を食べていた。
これはあなたが、自分の行いや、
多くの勇士に拠り頼んだからだ。
14 あなたの民の中では騒動が起こり、
あなたの要塞はみな打ち滅ぼされる。
シャレマンが
ベテ・アレベルを踏みにじったように。
その戦いの日には、
母親が、その子どもたちの上で
八つ裂きにされた。
15 31イスラエルの家よ。
あなたがたの悪があまりにもひどいので、
わたしはこのようにあなたがたにも行う。
イスラエルの王は夜明けに全く滅ぼされる。
1 イスラエルが幼いころ、わたしは彼を愛し、
わたしの子をエジプトから呼び出した。
2 それなのに、彼らを呼べば呼ぶほど、
彼らはいよいよ遠ざかり、
バアルたちにいけにえをささげ、
刻んだ像に香をたいた。
3 それでも、
わたしはエフライムに歩くことを教え、
彼らを腕に抱いた。
しかし、彼らは
わたしがいやしたのを知らなかった。
4 わたしは、人間の綱、愛のきずなで
彼らを引いた。
わたしは彼らにとっては、
そのあごのくつこをはずす者のようになり、
優しくこれに食べさせてきた。
5 彼はエジプトの地には帰らない。
アッシリヤが彼の王となる。
彼らが32わたしに立ち返ることを拒んだからだ。
6 剣は、その町々で荒れ狂い、
そのかんぬきを絶ち滅ぼし、
33彼らのはかりごとを食い尽くす。
7 わたしの民はわたしに対する背信から
どうしても離れない。
人々が上にいます方に彼を招いても、
彼は、共にあがめようとはしない。
8 エフライムよ。わたしはどうして
あなたを引き渡すことができようか。
イスラエルよ。どうして
あなたを見捨てることができようか。
どうしてわたしはあなたを
アデマのように引き渡すことができようか。
どうしてあなたをツェボイムのように
することができようか。
わたしの心はわたしのうちで沸き返り、
わたしはあわれみで胸が熱くなっている。
9 わたしは燃える怒りで罰しない。
わたしは再びエフライムを滅ぼさない。
わたしは神であって、人ではなく、
あなたがたのうちにいる聖なる者であるからだ。
わたしは34怒りをもっては来ない。
10 彼らは主のあとについて来る。
主は獅子のようにほえる。
まことに、主がほえると、
子らは西から震えながらやって来る。
11 彼らは鳥のようにエジプトから、
鳩のようにアッシリヤの地から、
震えながらやって来る。
わたしは、彼らを自分たちの家に住ませよう。
――主の御告げ――
12 わたしは、エフライムの偽りと、
イスラエルの家の欺きで、取り囲まれている。
しかし、ユダはなおさまよっているが、
神とともにあり、
聖徒たちとともに堅く立てられる。
1 エフライムは風を食べて生き、
いつも東風を追い、
まやかしと暴虐とを増し加えている。
彼らはアッシリヤと契約を結び、
エジプトへは油を送っている。
2 主は、ヤコブを罰するためにユダと言い争う。
ヤコブの行いと、そのなすことに応じて、
主は彼に報いる。
3 彼は母の胎にいたとき、兄弟を押しのけた。
彼はその力で神と争った。
4 彼は御使いと格闘して勝ったが、
泣いて、これに願った。
彼はベテルで神に出会い、
その所で神は35彼に語りかけた。
5 主は万軍の神。その呼び名は主。
6 あなたはあなたの神に立ち返り、
誠実と公義とを守り、
絶えずあなたの神を待ち望め。
7 36商人は手に欺きのはかりを持ち、
しいたげることを好む。
8 エフライムは言った。
37「しかし、私は富む者となった。
私は自分のために財産を得た。
私のすべての勤労の実は、
罪となるような不義を私にもたらさない。」
9 しかし、わたしは、エジプトの国にいたときから、
あなたの神、主である。
わたしは例祭の日のように、
再びあなたを天幕に住ませよう。
10 わたしは預言者たちに語り、
多くの幻を示し、
預言者たちによってたとえを示そう。
11 まことに、ギルアデは不法そのもの、
ただ、むなしい者にすぎなかった。
彼らはギルガルで38牛にいけにえをささげた。
彼らの祭壇も、
畑のうねの石くれの山のようになる。
12 ヤコブはアラムの野に逃げて行き、
イスラエルは妻をめとるために働いた。
彼は妻をめとるために羊の番をした。
13 主はひとりの預言者によって、
イスラエルをエジプトから連れ上り、
ひとりの預言者によって、これを守られた。
14 エフライムは39主の激しい怒りを引き起こした。
主は、その血の報いを彼に下し、
彼のそしりに仕返しをする。
401 エフライムが震えながら語ったとき、
主はイスラエルの中であがめられた。
しかし、エフライムは、
バアルにより罪を犯して死んだ。
2 彼らは今も罪を重ね、銀で鋳物の像を造り、
自分の考えで偶像を造った。
これはみな、職人の造った物。
彼らはこれについて言う。
「いけにえをささげる者は子牛に口づけせよ」と。
3 それゆえ、彼らは朝もやのように、
朝早く消え去る露のように、
打ち場から吹き散らされるもみがらのように、
また、窓から出て行く煙のようになる。
4 しかし、わたしは、エジプトの国にいたときから、
あなたの神、主である。
あなたはわたしのほかに神を知らない。
わたしのほかに救う者はいない。
5 このわたしは荒野で、
かわいた地で、あなたを知っていた。
6 しかし、彼らは牧草を食べて、食べ飽きたとき、
彼らの心は高ぶり、わたしを忘れた。
7 わたしは、彼らには獅子のようになり、
道ばたで待ち伏せするひょうのようになる。
8 わたしは、子を奪われた雌熊のように
彼らに出会い、
その胸をかき裂き、
その所で、雌獅子のようにこれを食い尽くす。
野の獣は彼らを引き裂く。
9 イスラエルよ。
わたしがあなたを滅ぼしたら、
41だれがあなたを助けよう。
10 あなたを救うあなたの王は、
すべての町々のうち、今、どこにいるのか。
あなたのさばきつかさたちは。
あなたがかつて、
「私に王と首長たちを与えよ」と言った者たちは。
11 わたしは怒ってあなたに王を与えたが、
憤ってこれを奪い取る。
12 エフライムの不義はしまい込まれ、
その罪はたくわえられている。
13 子を産む女のひどい痛みが彼を襲うが、
彼は知恵のない子で、
時が来ても、彼は母胎から出て来ない。
14 わたしは42よみの力から、彼らを解き放ち、
彼らを死から贖おう。
死よ。おまえの43とげはどこにあるのか。
44よみよ。おまえの針はどこにあるのか。
あわれみはわたしの目から隠されている。
15 彼は兄弟たちの中で45栄えよう。
だが、東風が吹いて来、
主の息が荒野から立ち上り、
その水源はかれ、その泉は干上がる。
それはすべての尊い器の宝物倉を略奪する。
16 サマリヤは自分の神に逆らったので、
刑罰を受ける。
彼らは剣に倒れ、
幼子たちは八つ裂きにされ、
妊婦たちは切り裂かれる。
1 イスラエルよ。
あなたの神、主に立ち返れ。
あなたの不義がつまずきのもとであったからだ。
2 あなたがたはことばを用意して、
主に立ち返り、そして言え。
「すべての不義を赦して、
良いものを受け入れてください。
私たちはくちびるの46果実をささげます。
3 アッシリヤは私たちを救えません。
私たちはもう、馬にも乗らず、
自分たちの手で造った物に
『私たちの神』とは言いません。
みなしごが愛されるのは
あなたによってだけです。」
4 わたしは彼らの背信をいやし、
喜んでこれを愛する。
わたしの怒りは彼らを離れ去ったからだ。
5 わたしはイスラエルには露のようになる。
彼はゆりのように花咲き、
47ポプラのように根を張る。
6 その若枝は伸び、
その美しさはオリーブの木のように、
そのかおりはレバノンのようになる。
7 彼らは帰って来て、その陰に住み、
穀物のように生き返り、
ぶどうの木のように芽をふき、
その名声はレバノンのぶどう酒のようになる。
8 エフライムよ。
もう、わたしは偶像と何のかかわりもない。
わたしが答え、わたしが世話をする。
わたしは緑のもみの木のようだ。
あなたはわたしから実を得るのだ。
9 知恵ある者はだれか。
その人はこれらのことを悟るがよい。
悟りある者はだれか。
その人はそれらを知るがよい。
主の道は48平らだ。
正しい者はこれを歩み、
そむく者はこれにつまずく。
ヨエル書
1 ペトエルの子ヨエルにあった主のことば。
2 長老たちよ。これを聞け。
この地に住む者もみな、耳を貸せ。
このようなことがあなたがたの時代に、
また、あなたがたの先祖の時代にあったろうか。
3 これをあなたがたの子どもたちに伝え、
子どもたちはその子どもたちに、
その子どもたちは後の世代に伝えよ。
4 かみつくいなごが残した物は、いなごが食い、
いなごが残した物は、ばったが食い、
ばったが残した物は、
食い荒らすいなごが食った。
5 酔っぱらいよ。目をさまして、泣け。
すべてぶどう酒を飲む者よ。泣きわめけ。
甘いぶどう酒が
あなたがたの口から断たれたからだ。
6 一つの国民がわたしの国に攻め上った。
力強く、数えきれない国民だ。
その歯は雄獅子の歯、
それには雄獅子のきばがある。
7 それはわたしのぶどうの木を荒れすたれさせ、
わたしのいちじくの木を引き裂き、
これをまる裸に引きむいて投げ倒し、
その枝々を白くした。
8 若い時の夫のために、
荒布をまとったおとめのように、泣き悲しめ。
9 穀物のささげ物と注ぎのぶどう酒は
主の宮から断たれ、
主に仕える祭司たちは喪に服する。
10 畑は荒らされ、地も喪に服する。
これは穀物が荒らされ、
新しいぶどう酒も干上がり、
油もかれてしまうからだ。
11 農夫たちよ。恥を見よ。
ぶどう作りたちよ。泣きわめけ。
小麦と大麦のために。
畑の刈り入れがなくなったからだ。
12 ぶどうの木は枯れ、いちじくの木はしおれ、
ざくろ、なつめやし、りんご、
あらゆる野の木々は枯れた。
人の子らから喜びが消えうせた。
13 祭司たちよ。荒布をまとっていたみ悲しめ。
祭壇に仕える者たちよ。泣きわめけ。
神に仕える者たちよ。1宮に行き、
荒布をまとって夜を過ごせ。
穀物のささげ物も注ぎのぶどう酒も
あなたがたの神の宮から退けられたからだ。
14 断食の布告をし、きよめの集会のふれを出せ。
長老たちとこの国に住むすべての者を、
あなたがたの神、主の宮に集め、
主に向かって叫べ。
15 ああ、その日よ。主の日は近い。
全能者からの破壊のように、その日が来る。
16 私たちの目の前で食物が断たれたではないか。
私たちの神の宮から
喜びも楽しみも消えうせたではないか。
17 穀物の種は土くれの下に干からび、
倉は荒れすたれ、穴倉はこわされた。
穀物がしなびたからだ。
18 ああ、なんと、家畜がうめいていることよ。
牛の群れはさまよう。
それに牧場がないからだ。
羊の群れも滅びる。
19 主よ。私はあなたに呼び求めます。
火が荒野の牧草地を焼き尽くし、
炎が野のすべての木をなめ尽くしました。
20 野の獣も、あなたにあえぎ求めています。
水の流れがかれ、
火が荒野の牧草地を焼き尽くしたからです。
1 シオンで角笛を吹き鳴らし、
わたしの聖なる山でときの声をあげよ。
この地に住むすべての者は、わななけ。
主の日が来るからだ。その日は近い。
2 やみと、暗黒の日。
雲と、暗やみの日。
山々に広がる暁の光のように数多く強い民。
このようなことは昔から起こったことがなく、
これから後の代々の時代にも再び起こらない。
3 彼らの前では、火が焼き尽くし、
彼らのうしろでは、炎がなめ尽くす。
彼らの来る前には、
この国はエデンの園のようであるが、
彼らの去ったあとでは、荒れ果てた荒野となる。
これからのがれるものは一つもない。
4 その有様は馬のようで、
軍馬のように、駆け巡る。
5 さながら戦車のきしるよう、
彼らは山々の頂をとびはねる。
それは刈り株を焼き尽くす火の炎の音のよう、
戦いの備えをした強い民のようである。
6 その前で国々の民はもだえ苦しみ、
みなの顔は青ざめる。
7 それは勇士のように走り、
戦士のように城壁をよじのぼる。
それぞれ自分の道を進み、進路を乱さない。
8 互いに押し合わず、
めいめい自分の大路を進んで行く。
投げ槍がふりかかっても、止まらない。
9 それは町を襲い、城壁の上を走り、
家々によじのぼり、
盗人のように窓から入り込む。
10 その面前で地は震い、天は揺れる。
太陽も月も暗くなり、星もその光を失う。
11 主は、ご自身の軍勢の先頭に立って
声をあげられる。
その隊の数は非常に多く、
主の命令を行う者は力強い。
主の日は偉大で、非常に恐ろしい。
だれがこの日に耐えられよう。
12 「しかし、今、――主の御告げ――
心を尽くし、断食と、涙と、嘆きとをもって、
わたしに立ち返れ。」
13 あなたがたの着物ではなく、
あなたがたの心を引き裂け。
あなたがたの神、主に立ち返れ。
主は情け深く、あわれみ深く、
怒るのにおそく、恵み豊かで、
わざわいを思い直してくださるからだ。
14 主が思い直して、あわれみ、
そのあとに祝福を残し、
また、あなたがたの神、主への
穀物のささげ物と注ぎのぶどう酒とを
残してくださらないとだれが知ろう。
15 シオンで角笛を吹き鳴らせ。
断食の布告をし、きよめの集会のふれを出せ。
16 民を集め、集会を召集せよ。
老人たちを集め、幼子、乳飲み子も寄せ集めよ。
花婿を寝室から、花嫁を自分の部屋から呼び出せ。
17 主に仕える祭司たちは、
神殿の玄関の間と祭壇との間で、泣いて言え。
「主よ。あなたの民をあわれんでください。
あなたのゆずりの地を、
諸国の民のそしりとしたり、
物笑いの種としたりしないでください。
国々の民の間に、
『彼らの神はどこにいるのか』と
言わせておいてよいのでしょうか。」
18 主はご自分の地をねたむほど愛し、
ご自分の民をあわれまれた。
19 主は民に答えて仰せられた。
「今、わたしは穀物と新しいぶどう酒と油とを
あなたがたに送る。
あなたがたは、それで満足する。
わたしは、二度とあなたがたを、
諸国の民の間で、そしりとしない。
20 わたしは北から来るものを、
あなたがたから遠ざけ、
それを荒廃した砂漠の地へ追いやり、
その前衛を2東の海に、
その後衛を3西の海に追いやる。
その悪臭が立ち上り、
その腐ったにおいが立ち上る。
主が大いなることをしたからだ。」
21 地よ。恐れるな。楽しみ喜べ。
主が大いなることをされたからだ。
22 野の獣たちよ。恐れるな。
荒野の牧草はもえ出る。
木はその実をみのらせ、
いちじくの木と、ぶどうの木とは豊かにみのる。
23 シオンの子らよ。
あなたがたの神、主にあって、楽しみ喜べ。
主は、あなたがたを義とするために、
4初めの雨を賜り、大雨を降らせ、
降らせてくださるからだ。
24 打ち場は穀物で満ち、
石がめは新しいぶどう酒と油とであふれる。
25 いなご、ばった、食い荒らすいなご、
かみつくいなご、
わたしがあなたがたの間に送った大軍勢が、
食い尽くした年々を、
わたしはあなたがたに償おう。
26 あなたがたは飽きるほど食べて満足し、
あなたがたに不思議なことをしてくださった
あなたがたの神、主の名をほめたたえよう。
わたしの民は永遠に恥を見ることはない。
27 あなたがたは、
イスラエルの真ん中にわたしがいることを知り、
わたしがあなたがたの神、主であり、
ほかにはないことを知る。
わたしの民は永遠に恥を見ることはない。
28 その後、わたしは、
わたしの霊をすべての人に注ぐ。
あなたがたの息子や娘は預言し、
年寄りは夢を見、若い男は幻を見る。
29 その日、わたしは、しもべにも、はしためにも、
わたしの霊を注ぐ。
30 わたしは天と地に、不思議なしるしを現す。
血と火と煙の柱である。
31 主の大いなる恐るべき日が来る前に、
太陽はやみとなり、月は血に変わる。
32 しかし、主の名を呼ぶ者はみな救われる。
主が仰せられたように、
シオンの山、エルサレムに、
のがれる者があるからだ。
その生き残った者のうちに、
主が呼ばれる者がいる。
1 見よ。わたしがユダとエルサレムの
繁栄を元どおりにする、その日、その時、
2 わたしはすべての国民を集め、
彼らをヨシャパテの谷に連れ下り、その所で、
彼らがわたしの民、
わたしのゆずりの地イスラエルにしたことで
彼らをさばく。
彼らはわたしの民を諸国の民の間に散らし、
わたしの地を自分たちの間で分け取ったからだ。
3 彼らはわたしの民をくじ引きにし、
子どもを遊女のために与え、
酒のために少女を売って飲んだ。
4 ツロとシドンよ。おまえたちは、わたしに何をしようとするのか。ペリシテの全地域よ。おまえたちはわたしに報復しようとするのか。もしおまえたちがわたしに報復するなら、わたしはただちに、おまえたちの報いを、おまえたちの頭上に返す。
5 おまえたちはわたしの銀と金とを奪い、わたしのすばらしい宝としている物をおまえたちの宮へ運んで行き、
6 しかも、ユダの人々とエルサレムの人々を、ギリシヤ人に売って、彼らの国から遠く離れさせたからだ。
7 見よ。わたしは、おまえたちが彼らを売ったその所から、彼らを呼び戻して、おまえたちの報いを、おまえたちの頭上に返し、
8 おまえたちの息子、娘たちを、ユダの人々に売り渡そう。彼らはこれを、遠くの民、シェバ人に売る、と主は仰せられる。
9 諸国の民の間で、こう叫べ。
聖戦をふれよ。勇士たちを奮い立たせよ。
すべての戦士たちを集めて上らせよ。
10 あなたがたの鋤を剣に、
あなたがたのかまを槍に、打ち直せ。
弱い者に「私は勇士だ」と言わせよ。
11 回りのすべての国々よ。
急いで来て、そこに集まれ。
――主よ。
あなたの勇士たちを下してください――
12 諸国の民は起き上がり、
ヨシャパテの谷に上って来い。
わたしが、そこで、
回りのすべての国々をさばくために、
さばきの座に着くからだ。
13 かまを入れよ。刈り入れの時は熟した。
来て、踏め。
酒ぶねは満ち、石がめはあふれている。
彼らの悪がひどいからだ。
14 さばきの谷には、群集また群集。
主の日がさばきの谷に近づくからだ。
15 太陽も月も暗くなり、星もその光を失う。
16 主はシオンから叫び、
エルサレムから声を出される。
天も地も震える。
だが、主は、その民の避け所、
イスラエルの子らのとりでである。
17 あなたがたは、
わたしがあなたがたの神、主であり、
わたしの聖なる山、シオンに住むことを知ろう。
エルサレムは聖地となり、
他国人はもう、そこを通らない。
18 その日、山々には甘いぶどう酒がしたたり、
丘々には乳が流れ、
ユダのすべての谷川には水が流れ、
主の宮から泉がわきいで、
シティムの渓流を潤す。
19 エジプトは荒れ果てた地となり、
エドムは荒れ果てた荒野となる。
彼らのユダの人々への暴虐のためだ。
彼らが彼らの地で、
罪のない血を流したためだ。
20 だが、ユダは永遠に人の住む所となり、
エルサレムは代々にわたって人の住む所となる。
21 わたしは8彼らの血の復讐をし、
罰しないではおかない。
主はシオンに住む。
アモス書
1 テコアの牧者のひとりであったアモスのことば。これはユダの王ウジヤの時代、イスラエルの王、ヨアシュの子ヤロブアムの時代、地震の二年前に、イスラエルについて彼が見たものである。
2 彼は言った。
「主はシオンから叫び、
エルサレムから声を出される。
羊飼いの牧場は1かわき、
カルメルの頂は枯れる。」
3 主はこう仰せられる。
「ダマスコの犯した三つのそむきの罪、
四つのそむきの罪のために、
わたしは2その刑罰を取り消さない。
彼らが鉄の打穀機で
ギルアデを踏みにじったからだ。
4 わたしはハザエルの家に火を送ろう。
火はベン・ハダデの宮殿を焼き尽くす。
5 わたしは、ダマスコのかんぬきを折り、
アベンの谷から、王座についている者を、
3ベテ・エデンから、笏を持っている者を
断ち滅ぼす。
アラムの民はキルへ捕らえ移される」と
主は仰せられる。
6 主はこう仰せられる。
「ガザの犯した三つのそむきの罪、
四つのそむきの罪のために、
わたしは4その刑罰を取り消さない。
彼らがすべての者を捕囚の民として捕らえ移し、
エドムに引き渡したからだ。
7 わたしはガザの城壁に火を送ろう。
火はその宮殿を焼き尽くす。
8 わたしはアシュドデから、王座についている者を、
アシュケロンから、笏を持っている者を
断ち滅ぼす。
わたしはエクロンにわたしの手を向け、
ペリシテ人の残った者を滅ぼす」と
5神である主は仰せられる。
9 主はこう仰せられる。
「ツロの犯した三つのそむきの罪、
四つのそむきの罪のために、
わたしは6その刑罰を取り消さない。
彼らがすべての者を捕囚の民として、
エドムに引き渡し、
兄弟の契りを覚えていなかったからだ。
10 わたしはツロの城壁に火を送ろう。
火はその宮殿を焼き尽くす。」
11 主はこう仰せられる。
「エドムの犯した三つのそむきの罪、
四つのそむきの罪のために、
わたしは7その刑罰を取り消さない。
彼が剣で自分の兄弟を追い、
肉親の情をそこない、
8怒り続けて
いつまでも激しい怒りを保っていたからだ。
12 わたしはテマンに火を送ろう。
火はボツラの宮殿を焼き尽くす。」
13 主はこう仰せられる。
「アモン人の犯した三つのそむきの罪、
四つのそむきの罪のために、
わたしは9その刑罰を取り消さない。
彼らが、自分たちの領土を広げるために、
ギルアデの妊婦たちを切り裂いたからだ。
14 わたしはラバの城壁に火を放とう。
火はその宮殿を焼き尽くす。
これは戦いの日のときの声と、
つむじ風の日の暴風のうちに起こる。
15 彼らの王は、その首長たちとともに、
捕囚として連れて行かれる」と主は仰せられる。
1 主はこう仰せられる。
「モアブの犯した三つのそむきの罪、
四つのそむきの罪のために、
わたしは10その刑罰を取り消さない。
彼がエドムの王の骨を焼いて灰にしたからだ。
2 わたしはモアブに火を送ろう。
火はケリヨテの宮殿を焼き尽くす。
モアブは、どよめきのうちに、
角笛の音と、ときの声のうちに死ぬ。
3 わたしはさばきつかさを
そのうちから断ち滅ぼし、
そのすべての首長たちを、
彼とともに切り殺す」と主は仰せられる。
4 主はこう仰せられる。
「ユダの犯した三つのそむきの罪、
四つのそむきの罪のために、
わたしは11その刑罰を取り消さない。
彼らが主のおしえを捨て、
そのおきてを守らず、
彼らの先祖たちが従った12まやかしものが
彼らを惑わしたからだ。
5 わたしはユダに火を送ろう。
火はエルサレムの宮殿を焼き尽くす。」
6 主はこう仰せられる。
「イスラエルの犯した三つのそむきの罪、
四つのそむきの罪のために、
わたしは13その刑罰を取り消さない。
彼らが金と引き換えに正しい者を売り、
一足のくつのために貧しい者を売ったからだ。
7 彼らは弱い者の頭を地のちりに踏みつけ、
貧しい者の道を曲げ、
父と子が同じ女のところに通って、
わたしの聖なる名を汚している。
8 彼らは、すべての祭壇のそばで、
質に取った着物の上に横たわり、
罰金で取り立てたぶどう酒を
彼らの神の宮で飲んでいる。
9 エモリ人を彼らの前から滅ぼしたのは、
このわたしだ。
彼らの背たけは杉の木のように高く、
樫の木のように強かった。
しかし、わたしは
その上の実と下の根とを滅ぼした。
10 あなたがたをエジプトの地から連れ上り、
荒野の中で四十年間あなたがたを導き、
エモリ人の地を所有させたのは、このわたしだ。
11 わたしは、あなたがたの子たちから
預言者を起こし、
あなたがたの若者から、ナジル人を起こした。
イスラエルの子らよ。
そうではなかったのか。――主の御告げ――
12 それなのに、あなたがたはナジル人に酒を飲ませ、
預言者には、命じて、預言するなと言った。
13 見よ。束を満載した車が押さえつけるように、
わたしはあなたがたを押さえつける。
14 足の速い者も逃げ場を失い、
強い者も力をふるうことができず、
勇士もいのちを救うことができない。
15 弓を取る者も立っていることができず、
足の速い者ものがれることができず、
馬に乗る者もいのちを救うことができない。
16 勇士の中の強い者も、
その日には裸で逃げる。
――主の御告げ――」
1 イスラエルの子らよ。主があなたがた、すなわちわたしがエジプトの地から連れ上ったすべての氏族について言った、このことばを聞け。
2 わたしは地上のすべての部族の中から、
あなたがただけを14選び出した。
それゆえ、わたしはあなたがたのすべての咎を
あなたがたに報いる。
3 ふたりの者は、
仲がよくないのに、いっしょに歩くだろうか。
4 獅子は、
獲物がないのに、森の中でほえるだろうか。
若い獅子は、何も捕らえないのに、
そのほら穴から叫ぶだろうか。
5 鳥は、わながかけられないのに、
地の鳥網にかかるだろうか。
鳥網は、何も捕らえないのに、
地からはね上がるだろうか。
6 町で角笛が鳴ったら、民は驚かないだろうか。
町にわざわいが起これば、
それは主が下されるのではないだろうか。
7 まことに、15神である主は、
そのはかりごとを、
ご自分のしもべ、預言者たちに示さないでは、
何事もなさらない。
8 獅子がほえる。
だれが恐れないだろう。
神である主が語られる。
だれが預言しないでいられよう。
9 16アシュドデの宮殿と、
エジプトの地の宮殿に告げて言え。
「サマリヤの山々の上に集まり、
そのうちの大恐慌と、
その中のしいたげを見よ。
10 彼らは正しいことを行うことを知らない。
――主の御告げ――
彼らは自分たちの宮殿で、
暴虐と暴行を重ねている。」
11 それゆえ、神である主はこう仰せられる。
「敵だ。この国を取り囲んでいる。
彼はあなたの権威を地に落とし、
あなたの宮殿はかすめ奪われる。」
12 主はこう仰せられる。
「羊飼いが、雄獅子の口から、
二本の足、あるいは耳たぶを取り返すように、
サマリヤに住んでいるイスラエルの子らは、
寝台の隅やダマスコの長いすから救い出される。」
13 「聞け。
そして、これをヤコブの家に証言せよ。
――神である主、万軍の神の御告げ――
14 まことに、
イスラエルがわたしに犯したそむきの罪を、
わたしが罰する日に、
わたしはベテルの祭壇を罰する。
その祭壇の角は折られて、地に落ちる。
15 わたしは冬の家と夏の家とを打つ。
象牙の家々は滅び、
多くの家々は消えうせる。
――主の御告げ――」
1 聞け。このことばを。
サマリヤの山にいるバシャンの雌牛ども。
彼女らは弱い者たちをしいたげ、
貧しい者たちを迫害し、
自分の主人たちに、
「何か持って来て、飲ませよ」と言う。
2 17神である主は、ご自分の聖にかけて
誓われた。
見よ。その日があなたがたの上にやって来る。
その日、彼らはあなたがたを釣り針にかけ、
あなたがたを最後のひとりまで、
もりにかけて引いて行く。
3 あなたがたはみな、
城壁の破れ口からまっすぐ出て行き、
ハルモンは18投げ出される。
――主の御告げ――
4 ベテルへ行って、そむけ。
ギルガルへ行って、ますますそむけ。
朝ごとにいけにえをささげ、
三日ごとに十分の一のささげ物をささげよ。
5 感謝のささげ物として、種を入れたパンを焼き、
進んでささげるささげ物を布告し、
ふれ知らせよ。
イスラエルの子ら。
あなたがたはそうすることを好んでいる。
――神である主の御告げ――
6 わたしもまた、あなたがたのあらゆる町で、
あなたがたの歯をきれいにしておき、
あなたがたのすべての場所で、
パンに欠乏させた。
それでも、あなたがたは
わたしのもとに帰って来なかった。
――主の御告げ――
7 わたしはまた、
刈り入れまでなお三か月あるのに、
あなたがたには雨をとどめ、
一つの町には雨を降らせ、
他の町には雨を降らせなかった。
一つの畑には雨が降り、
雨の降らなかった他の畑はかわききった。
8 二、三の町は水を飲むために
一つの町によろめいて行ったが、
満ち足りることはなかった。
それでも、あなたがたは
わたしのもとに帰って来なかった。
――主の御告げ――
9 わたしは立ち枯れと黒穂病で、
あなたがたを打った。
あなたがたの果樹園とぶどう畑、
いちじくの木とオリーブの木がふえても、
かみつくいなごが食い荒らした。
それでも、あなたがたは
わたしのもとに帰って来なかった。
――主の御告げ――
10 わたしは、エジプトにしたように、
疫病をあなたがたに送り、
剣であなたがたの若者たちを殺し、
あなたがたの馬を奪い去り、
あなたがたの陣営に悪臭を上らせ、
あなたがたの鼻をつかせた。
それでも、あなたがたは
わたしのもとに帰って来なかった。
――主の御告げ――
11 わたしは、あなたがたをくつがえした。
神がソドムとゴモラをくつがえしたように。
あなたがたは炎の中から取り出された
燃えさしのようであった。
それでも、あなたがたは
わたしのもとに帰って来なかった。
――主の御告げ――
12 それゆえ、イスラエルよ、
わたしはあなたにこうしよう。
わたしはあなたにこのことをするから、
イスラエル、
あなたはあなたの神に会う備えをせよ。
13 見よ。山々を造り、風を造り出し、
人にその思いが何であるかを告げ、
暁と暗やみを造り、
地の高い所を歩まれる方、
その名は万軍の神、主。
1 イスラエルの家よ。聞け。私があなたがたについて哀歌を唱えるこのことばを。
2 「おとめイスラエルは倒れて、
二度と起き上がれない。
彼女はおのれの地に投げ倒されて、
これを起こしてくれる者もいない。」
3 まことに、19神である主はこう仰せられる。
「イスラエルの家で、
千人を出征させていた町には百人が残り、
百人を出征させていた町には十人が残ろう。」
4 まことに主は、イスラエルの家にこう仰せられる。
「わたしを求めて生きよ。
5 ベテルを求めるな。ギルガルに行くな。
ベエル・シェバにおもむくな。
ギルガルは必ず捕らえ移され、
ベテルは無に帰するからだ。」
6 主を求めて生きよ。
さもないと、
主は火のように、ヨセフの家に激しく下り、
これを焼き尽くし、
ベテルのためにこれを消す者がいなくなる。
7 彼らは公義を苦よもぎに変え、
正義を地に投げ捨てている。
8 20すばる座やオリオン座を造り、
21暗黒を朝に変え、昼を暗い夜にし、
海の水を呼んで、それを地の面に注ぐ方、
その名は主。
9 主は強い者22を踏みにじり、要塞を破壊する。
10 彼らは門で戒めを与える者を憎み、
正しく語る者を忌みきらう。
11 あなたがたは貧しい者を踏みつけ、
彼から小作料を取り立てている。
それゆえあなたがたは、切り石の家々を建てても、
その中に住めない。
美しいぶどう畑を作っても、
その酒を飲めない。
12 私は、あなたがたのそむきの罪がいかに多く、
あなたがたの罪がいかに重いかを知っている。
あなたがたは正しい者をきらい、まいないを取り、
門で貧しい者を押しのける。
13 それゆえ、このようなときには、
賢い者は沈黙を守る。
それは時代が悪いからだ。
14 善を求めよ。悪を求めるな。
そうすれば、あなたがたは生き、
あなたがたが言うように、
万軍の神、主が、あなたがたとともにおられよう。
15 悪を憎み、善を愛し、
門で正しいさばきをせよ。
万軍の神、主は、
もしや、ヨセフの残りの者を
あわれまれるかもしれない。
16 それゆえ、主なる万軍の神、主は、こう仰せられる。
「すべての広場に嘆きが起こり、
すべての通りで、人々は『ああ、ああ』と言い、
農夫を呼んで来て泣かせ、
泣き方を知っている者たちを呼んで来て、
嘆かせる。
17 すべてのぶどう畑に嘆きが起こる。
それは、わたしがあなたがたの中を
通り過ぎるからだ」と主は仰せられる。
18 ああ。
主の日を待ち望む者。
主の日はあなたがたにとっていったい何になる。
それはやみであって、光ではない。
19 人が獅子の前を逃げても、熊が彼に会い、
家に入って手を壁につけると、
蛇が彼にかみつくようなものである。
20 ああ、まことに、主の日はやみであって、
光ではない。
暗やみであって、輝きではない。
21 わたしはあなたがたの祭りを憎み、退ける。
あなたがたのきよめの集会のときのかおりも、
わたしは、かぎたくない。
22 たとい、あなたがたが全焼のいけにえや、
穀物のささげ物をわたしにささげても、
わたしはこれらを喜ばない。
あなたがたの肥えた家畜の和解のいけにえにも、
目もくれない。
23 あなたがたの歌の騒ぎを、わたしから遠ざけよ。
わたしはあなたがたの琴の音を聞きたくない。
24 公義を水のように、
正義をいつも水の流れる川のように、流れさせよ。
25 「イスラエルの家よ。
あなたがたは、荒野にいた四十年の間に、
ほふられた獣とささげ物とを
わたしにささげたことがあったか。
26 あなたがたは23あなたがたの王サクテと、
24あなたがたのために造った星の神、キウンの像を
かついでいた。
27 わたしはあなたがたを、
ダマスコのかなたへ捕らえ移す」と
その名を万軍の神、主という方が仰せられる。
1 ああ。
シオンで安らかに住んでいる者、
サマリヤの山に信頼している者、
イスラエルの家が行って仕える国々の
最高の首長たち。
2 カルネに渡って行って見よ。
そこから25大ハマテに行き、
またペリシテ人のガテに下って行け。
あなたがたはこれらの王国より
すぐれているだろうか。
あるいは、彼らの領土は
あなたがたの領土より大きいだろうか。
3 あなたがたは、
わざわいの日を押しのけている、と思っているが、
暴虐の26時代を近づけている。
4 象牙の寝台に横たわり、
長いすに身を伸ばしている者は、
群れのうちから子羊を、
牛舎の中から子牛を取って食べている。
5 彼らは十弦の琴の音に合わせて即興の歌を作り、
ダビデのように新しい楽器を考え出す。
6 彼らは鉢から酒を飲み、最上の香油を身に塗るが、
ヨセフの破滅のことで悩まない。
7 それゆえ、今、彼らは、
最初の捕らわれ人として引いて行かれる。
身を伸ばしている者どもの宴会は
取り除かれる。
8 27神である主は、ご自分にかけて誓われる。
――万軍の神、主の御告げ――
わたしはヤコブの誇りを忌みきらい、
その宮殿を憎む。
わたしはこの町と、
その中のすべての者を引き渡す。
9 一つの家に十人残っても、その者たちも死ぬ。
10 親戚の者でこれを焼く者が
家から28死体を持ち出すために、これを取り上げ、
その家の奥にいる者に向かって言う。
「あなたのところに、まだいるか。」
彼は言う。「だれもいない。」
また言う。「口をつぐめ。主の名を口にするな。」
11 まことに、見よ、主は命じる。
大きな家を打ち砕き、小さな家を粉々にせよ。
12 馬は岩の上を走るだろうか。
人は29牛で海を耕すだろうか。
あなたがたは、公義を毒に変え、
正義の実を苦よもぎに変えた。
13 あなたがたは、30ロ・ダバルを喜び、
「私たちは自分たちの力で
31カルナイムを取ったではないか」と言う。
14 「まことに、イスラエルの家よ、
今、わたしは一つの民を起こして
あなたがたを攻める。
――万軍の神、主の御告げ――
彼らは32レボ・ハマテからアラバの川筋まで、
あなたがたをしいたげる。」
133神である主は、私にこのように示された。見よ。王が刈り取ったあとの二番草が生え始めたころ、34主はいなごを造っておられた。
2 そのいなごが地の青草を食い尽くそうとしたとき、私は言った。
「神、主よ。どうぞお赦しください。
ヤコブはどうして生き残れましょう。
彼は小さいのです。」
3 主はこのことについて思い直し、
「そのことは起こらない」と主は仰せられた。
4 神である主は、私にこのように示された。見よ。神である主は35燃える火を呼んでおられた。火は大淵を焼き尽くし、割り当て地を焼き尽くそうとしていた。
5 私は言った。
「神、主よ。どうか、おやめください。
ヤコブはどうして生き残れましょう。
彼は小さいのです。」
6 主はこのことについて思い直し、
「このことも起こらない」と
神である主は仰せられた。
7 主は私にこのように示された。見よ。主は手に重りなわを持ち、重りなわで築かれた城壁の上に立っておられた。
8主は私に仰せられた。「アモス。何を見ているのか。」私が「重りなわです」と言うと、主は仰せられた。
「見よ。わたしは重りなわを、
わたしの民イスラエルの真ん中に垂れ下げよう。
わたしはもう二度と彼らを見過ごさない。
9 イサクの高き所は荒らされ、
イスラエルの聖所は廃墟となる。
わたしは剣をもって、
ヤロブアムの家に立ち向かう。」
10 ベテルの祭司アマツヤは、イスラエルの王ヤロブアムに人を遣わしてこう言った。「イスラエルの家のただ中で、アモスはあなたに謀反を企てています。この国は彼のすべてのことばを受け入れることはできません。
11 アモスはこう言っています。『ヤロブアムは剣で死に、イスラエルはその国から必ず捕らえられて行く。』」
12 アマツヤはアモスに言った。「先見者よ。ユダの地へ逃げて行け。その地でパンを食べ、その地で預言せよ。
13 ベテルでは二度と預言するな。ここは王の聖所、王宮のある所だから。」
14 アモスはアマツヤに答えて言った。「私は預言者ではなかった。預言者の仲間でもなかった。私は牧者であり、いちじく桑の木を栽培していた。
15 ところが、主は群れを追っていた私をとり、主は私に仰せられた。『行って、わたしの民イスラエルに預言せよ』と。
16 今、主のことばを聞け。あなたは『イスラエルに向かって預言するな。イサクの家に向かって預言するな』と言っている。
17 それゆえ、主はこう仰せられる。
『あなたの妻は町で遊女となり、
あなたの息子、娘たちは剣に倒れ、
あなたの土地は測りなわで分割される。
あなたは汚れた地で死に、
イスラエルはその国から
必ず捕らえられて行く。』」
136神である主は、私にこのように示された。そこに一かごの夏のくだものがあった。
2 主は仰せられた。「アモス。何を見ているのか。」私が、「一かごの夏のくだものです」と言うと、主は私に仰せられた。
「わたしの民イスラエルに、終わりが来た。
わたしはもう二度と彼らを見過ごさない。
3 その日には、神殿の歌声は泣きわめきとなる。
――神である主の御告げ――
多くのしかばねが、至る所に投げ捨てられる。
口をつぐめ。」
4 聞け。貧しい者たちを踏みつけ、
地の悩む者たちを絶やす者よ。
5 あなたがたは言っている。
「新月の祭りはいつ終わるのか。
私たちは穀物を売りたいのだが。
安息日はいつ終わるのか。
麦を売りに出したいのだが。
エパを小さくし、シェケルを重くし、
欺きのはかりで欺こう。
6 弱い者を金で買い、
貧しい者を一足のくつで買い取り、
くず麦を売るために。」
7 主はヤコブの誇りにかけて誓われる。
「わたしは、彼らのしていることをみな、
いつまでも、決して忘れない。
8 このために地は震えないだろうか。
地に住むすべての者は
泣き悲しまないだろうか。
地のすべてのものは
37ナイル川のようにわき上がり、
エジプト川のように、
みなぎっては、また沈まないだろうか。
9 その日には、――神である主の御告げ――
わたしは真昼に太陽を沈ませ、
日盛りに地を暗くし、
10 あなたがたの祭りを喪に変え、
あなたがたのすべての歌を哀歌に変え、
すべての腰に荒布をまとわせ、
すべての人の頭をそらせ、
その日を、ひとり子を失ったときの喪のようにし、
その終わりを苦い日のようにする。
11 見よ。その日が来る。
――神である主の御告げ――
その日、わたしは、この地にききんを送る。
パンのききんではない。
水に渇くのでもない。
実に、主のことばを聞くことのききんである。
12 彼らは海から海へとさまよい歩き、
北から東へと、
主のことばを捜し求めて、行き巡る。
しかしこれを見いだせない。
13 その日には、美しい若い女も、若い男も、
渇きのために衰え果てる。
14 サマリヤの罪過にかけて誓い、
『ダンよ。あなたの神は生きている』と言い、
『38ベエル・シェバの道は生きている』と言う者は、
倒れて、二度と起き上がれない。」
1 私は、祭壇のかたわらに立っておられる主を見た。
主は仰せられた。
「柱頭を打って、敷居が震えるようにせよ。
そのすべてを頭上で打ち砕け。
わたしは彼らの残った者を、剣で殺す。
彼らのうち、ひとりも逃げる者はなく、
のがれる者もない。
2 彼らが、39よみに入り込んでも、
わたしの手はそこから彼らを引き出し、
彼らが天に上っても、
わたしはそこから彼らを引き降ろす。
3 彼らがカルメルの頂に身を隠しても、
わたしは捜して、そこから彼らを捕らえ出し、
彼らがわたしの目を避けて
海の底に身を隠しても、
わたしは蛇に命じて、そこで彼らをかませる。
4 もし、彼らが敵のとりことなって行っても、
わたしは剣に命じて、その所で彼らを殺させる。
わたしはこの目で彼らを見る。
それは、わざわいのためで、
幸いのためではない。」
5 万軍の神、主が、地に触れると、
それは溶け、
そこに住むすべての者は泣き悲しみ、
地のすべてのものは
ナイル川のようにわき上がり、
エジプト川のように沈む。
6 天に高殿を建て、
地の上に丸天井を据え、
海の水を呼んで、地の面に注がれる方、
その名は主。
7 「イスラエルの子ら。
あなたがたは、わたしにとって、
40クシュ人のようではないのか。
――主の御告げ――
わたしはイスラエルをエジプトの国から、
ペリシテ人をカフトルから、
アラムをキルから連れ上ったではないか。
8 見よ。41神である主の目が、
罪を犯した王国に向けられている。
わたしはこれを地の面から根絶やしにする。
しかし、わたしはヤコブの家を、
全く根絶やしにはしない。
――主の御告げ――
9 見よ。わたしは命じて、
ふるいにかけるように、
すべての国々の間でイスラエルの家をふるい、
一つの石ころも地に落とさない。
10 わたしの民の中の罪人はみな、剣で死ぬ。
彼らは『わざわいは私たちに近づかない。
私たちまでは及ばない』と言っている。
11 その日、わたしは
ダビデの倒れている仮庵を起こし、
その破れを繕い、その廃墟を復興し、
昔の日のようにこれを建て直す。
12 これは彼らが、エドムの残りの者と、
わたしの名がつけられた
すべての国々を手に入れるためだ。
――これをなされる主の御告げ――
13 見よ。その日が来る。
――主の御告げ――
その日には、耕す者が刈る者に近寄り、
ぶどうを踏む者が種蒔く者に近寄る。
山々は甘いぶどう酒をしたたらせ、
すべての丘もこれを流す。
14 わたしは、
わたしの民イスラエルの繁栄を元どおりにする。
彼らは荒れた町々を建て直して住み、
ぶどう畑を作って、そのぶどう酒を飲み、
果樹園を作って、その実を食べる。
15 わたしは彼らを彼らの地に植える。
彼らは、
わたしが彼らに与えたその土地から、
もう、引き抜かれることはない」と
あなたの神、主は、仰せられる。
オバデヤ書
1 オバデヤの幻。
1神である主は、エドムについてこう仰せられる。
私たちは主から知らせを聞いた。
使者が国々の間に送られた。
「立ち上がれ。エドムに立ち向かい戦おう。」
2 見よ。わたしはあなたを国々の中の小さい者、
ひどくさげすまれる者とする。
3 あなたの心の高慢は自分自身を欺いた。
あなたは岩の裂け目に住み、高い所を住まいとし、
「だれが私を地に引きずり降ろせようか」と
心のうちに言っている。
4 あなたが鷲のように高く上っても、
星の間に巣を作っても、
わたしはそこから引き降ろす。
――主の御告げ――
5盗人があなたのところに来れば、
夜、荒らす者が来れば、
あなたは荒らされ、
彼らは気のすむまで盗まないだろうか。
ぶどうを収穫する者が
あなたのところに来るなら、
彼らは取り残しの実を残さないだろうか。
6 ああ、エサウは捜し出され、
その宝は見つけ出される。
7 あなたの同盟者がみな、あなたを欺き、
あなたを国境まで送り返し、
あなたの親しい友があなたを征服し、
2あなたのパンを食べていた者が、
あなたの足の下にわなをしかける。
それでも彼はそれを悟らない。
8 その日には、――主の御告げ――
わたしは、エドムから知恵ある者たちを、
エサウの山から英知を
消し去らないであろうか。
9 テマンよ。あなたの勇士たちはおびえる。
虐殺によって、エサウの山から、
ひとり残らず絶やされよう。
10 あなたの兄弟、ヤコブへの暴虐のために、
恥があなたをおおい、あなたは永遠に絶やされる。
11他国人がエルサレムの財宝を奪い去り、
外国人がその門に押し入り、
エルサレムをくじ引きにして取った日、
あなたもまた彼らのうちのひとりのように、
知らぬ顔で立っていた。
12 あなたの兄弟の日、その災難の日を、
あなたはただ、ながめているな。
ユダの子らの滅びの日に、
彼らのことで喜ぶな。
その苦難の日に大口を開くな。
13 彼らのわざわいの日に、
あなたは、わたしの民の門に、入るな。
そのわざわいの日に、
あなたは、その困難をながめているな。
そのわざわいの日に、
彼らの財宝に手を伸ばすな。
14 そののがれる者を断つために、
別れ道に立ちふさがるな。
その苦難の日に、
彼らの生き残った者を引き渡すな。
15主の日はすべての国々の上に近づいている。
あなたがしたように、あなたにもされる。
あなたの報いは、あなたの頭上に返る。
16 あなたがたがわたしの聖なる山で飲んだように、
すべての国々も飲み続け、
飲んだり、すすったりして、
彼らは今までになかった者のようになるだろう。
17 しかし、シオンの山には、
のがれた者がいるようになり、
そこは聖地となる。
ヤコブの家はその領地を所有する。
18 ヤコブの家は火となり、
ヨセフの家は炎となり、
エサウの家は刈り株となる。
火と炎はわらに燃えつき、これを焼き尽くし、
エサウの家には生き残る者がいなくなる、と
主は告げられた。
19 ネゲブの人々はエサウの山を、
3低地の人々はペリシテ人の国を占領する。
また彼らはエフライムの平野と、
サマリヤの平野とを占領し、
ベニヤミンはギルアデを占領する。
20 イスラエルの子らで、
4この塁の捕囚の民は
カナン人の国をツァレファテまで、
セファラデにいるエルサレムの捕囚の民は
南の町々を占領する。
21 救う者たちは、
エサウの山をさばくために、シオンの山に上り、
王権は主のものとなる。
ヨナ書
1 アミタイの子ヨナに次のような主のことばがあった。
2 「立って、あの大きな町ニネベに行き、これに向かって叫べ。彼らの悪がわたしの前に上って来たからだ。」
3 しかしヨナは、主の御顔を避けてタルシシュへのがれようとし、立って、1ヨッパに下った。彼は、タルシシュ行きの船を見つけ、船賃を払ってそれに乗り、主の御顔を避けて、みなといっしょにタルシシュへ行こうとした。
4 さて、主は大風を海に吹きつけられた。それで海に激しい暴風が起こり、船は難破しそうになった。
5 水夫たちは恐れ、彼らはそれぞれ、自分の神に向かって叫び、船を軽くしようと船の積荷を海に投げ捨てた。しかし、ヨナは船底に降りて行って横になり、ぐっすり寝込んでいた。
6船長が近づいて来て彼に言った。「いったいどうしたことか。寝込んだりして。起きて、あなたの神にお願いしなさい。あるいは、神が私たちに心を留めてくださって、私たちは滅びないですむかもしれない。」
7 みなは互いに言った。「さあ、くじを引いて、だれのせいで、このわざわいが私たちに降りかかったかを知ろう。」彼らがくじを引くと、そのくじはヨナに当たった。
8 そこで彼らはヨナに言った。「だれのせいで、このわざわいが私たちに降りかかったのか、告げてくれ。あなたの仕事は何か。あなたはどこから来たのか。あなたの国はどこか。いったいどこの民か。」
9 ヨナは彼らに言った。「私はヘブル人です。私は海と陸を造られた天の神、主を恐れています。」
10 それで人々は非常に恐れて、彼に言った。「何でそんなことをしたのか。」人々は、彼が主の御顔を避けてのがれようとしていることを知っていた。ヨナが先に、これを彼らに告げていたからである。
11 彼らはヨナに言った。「海が静まるために、私たちはあなたをどうしたらいいのか。」海がますます荒れてきたからである。
12 ヨナは彼らに言った。「私を捕らえて、海に投げ込みなさい。そうすれば、海はあなたがたのために静かになるでしょう。わかっています。この激しい暴風は、私のためにあなたがたを襲ったのです。」
13 その人たちは船を陸に戻そうとこいだがだめだった。海がますます、彼らに向かって荒れたからである。
14 そこで彼らは主に願って言った。「ああ、主よ。どうか、この男のいのちのために、私たちを滅ぼさないでください。罪のない者の血を私たちに報いないでください。主よ。あなたはみこころにかなったことをなさるからです。」
15 こうして、彼らはヨナをかかえて海に投げ込んだ。すると、海は激しい怒りをやめて静かになった。
16 人々は非常に主を恐れ、主にいけにえをささげ、誓願を立てた。
17主は大きな魚を備えて、ヨナをのみこませた。ヨナは三日三晩、魚の腹の中にいた。
1 ヨナは魚の腹の中から、彼の神、主に祈って、
2 言った。
「私が苦しみの中から主にお願いすると、
主は答えてくださいました。
私がよみの腹の中から叫ぶと、
あなたは私の声を聞いてくださいました。
3 あなたは私を海の真ん中の深みに
投げ込まれました。
潮の流れが私を囲み、
あなたの波と大波がみな、
私の上を越えて行きました。
4 私は言った。
『私はあなたの目の前から追われました。
しかし、もう一度、私はあなたの聖なる宮を
仰ぎ見たいのです』と。
5 水は、私ののどを絞めつけ、
深淵は私を取り囲み、
海草は私の頭にからみつきました。
6 私は山々の根元まで下り、
地のかんぬきが、
いつまでも私の上にありました。
しかし、私の神、主よ。
あなたは私のいのちを
2穴から引き上げてくださいました。
7 私のたましいが私のうちに衰え果てたとき、
私は主を思い出しました。
私の祈りはあなたに、
あなたの聖なる宮に届きました。
8 むなしい偶像に心を留める者は、
自分への恵みを捨てます。
9 しかし、私は、感謝の声をあげて、
あなたにいけにえをささげ、
私の誓いを果たしましょう。
救いは3主のものです。」
10 主は、魚に命じ、ヨナを陸地に吐き出させた。
1再びヨナに次のような主のことばがあった。
2 「立って、あの大きな町ニネベに行き、わたしがあなたに告げることばを伝えよ。」
3 ヨナは、主のことばのとおりに、立ってニネベに行った。ニネベは、行き巡るのに三日かかるほどの非常に大きな町であった。
4 ヨナはその町に入って、まず一日目の道のりを歩き回って叫び、「もう四十日すると、ニネベは滅ぼされる」と言った。
5 そこで、ニネベの人々は神を信じ、断食を呼びかけ、身分の高い者から低い者まで荒布を着た。
6 このことがニネベの王の耳に入ると、彼は王座から立って、王服を脱ぎ、荒布をまとい、灰の中にすわった。
7 王と大臣たちの命令によって、次のような布告がニネベに出された。「人も、獣も、牛も、羊もみな、何も味わってはならない。草をはんだり、水を飲んだりしてはならない。
8 人も、家畜も、荒布を身にまとい、ひたすら神にお願いし、おのおの悪の道と、暴虐な行いから立ち返れ。
9 もしかすると、神が思い直してあわれみ、その燃える怒りをおさめ、私たちは滅びないですむかもしれない。」
10 神は、彼らが悪の道から立ち返るために努力していることをご覧になった。それで、神は彼らに下すと言っておられたわざわいを思い直し、そうされなかった。
1 ところが、このことはヨナを非常に不愉快にさせた。ヨナは怒って、
2主に祈って言った。「ああ、主よ。私がまだ国にいたときに、このことを申し上げたではありませんか。それで、私は初めタルシシュへのがれようとしたのです。私は、あなたが情け深くあわれみ深い神であり、怒るのにおそく、恵み豊かであり、わざわいを思い直されることを知っていたからです。
3主よ。今、どうぞ、私のいのちを取ってください。私は生きているより死んだほうがましですから。」
4主は仰せられた。「あなたは当然のことのように怒るのか。」
5 ヨナは町から出て、町の東のほうにすわり、そこに自分で仮小屋を作り、町の中で何が起こるかを見きわめようと、その陰の下にすわっていた。
6 神である主は一本の4とうごまを備え、それをヨナの上をおおうように生えさせ、彼の頭の上の陰として、ヨナの不きげんを5直そうとされた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ。
7 しかし、神は、翌日の夜明けに、一匹の虫を備えられた。虫がそのとうごまをかんだので、とうごまは枯れた。
8太陽が上ったとき、神は焼けつくような東風を備えられた。太陽がヨナの頭に照りつけたので、彼は衰え果て、自分の死を願って言った。「私は生きているより死んだほうがましだ。」
9 すると、神はヨナに仰せられた。「このとうごまのために、あなたは当然のことのように怒るのか。」ヨナは言った。「私が死ぬほど怒るのは当然のことです。」
10主は仰せられた。「あなたは、自分で骨折らず、育てもせず、一夜で生え、一夜で滅びたこのとうごまを惜しんでいる。
11 まして、わたしは、この大きな町ニネベを惜しまないでいられようか。そこには、右も左もわきまえない十二万以上の人間と、数多くの家畜とがいるではないか。」
ミカ書
1 ユダの王ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代に、モレシェテ人ミカにあった主のことば。これは彼がサマリヤとエルサレムについて見た幻である。
2 すべての国々の民よ。聞け。
地と、それに満ちるものよ。耳を傾けよ。
1神である主は、あなたがたのうちで証人となり、
主はその聖なる宮から来て証人となる。
3 見よ。主は御住まいを出、
降りて来て、
地の高い所を踏まれる。
4 山々は主の足もとに溶け去り、
谷々は裂ける。
ちょうど、火の前の、ろうのように。
坂に注がれた水のように。
5 これはみな、ヤコブのそむきの罪のため、
イスラエルの家の罪のためだ。
ヤコブのそむきの罪は何か。
サマリヤではないか。
2ユダの高き所は何か。
エルサレムではないか。
6 わたしはサマリヤを野原の廃墟とし、
ぶどうを植える畑とする。
わたしはその石を谷に投げ入れ、
その基をあばく。
7 そのすべての刻んだ像は打ち砕かれ、
その儲けはみな、火で焼かれる。
わたしはそのすべての偶像を荒廃させる。
それらは遊女の儲けで集められたのだから、
遊女の儲けに返る。
8 このために、わたしは嘆き、泣きわめき、
はだしで、裸で歩こう。
わたしはジャッカルのように嘆き、
だちょうのように悲しみ泣こう。
9 まことに、その打ち傷はいやしがたく、
それはユダにまで及び、
わたしの民の門、エルサレムにまで達する。
10 ガテで告げるな。
激しく泣きわめくな。
ベテ・レアフラでちりの中にころび回れ。
11 シャフィルに住む者よ。
裸で恥じながら過ぎて行け。
3ツァアナンに住む者は出て来ない。
ベテ・エツェルの嘆きは、
あなたがたから、立つ所を奪い取る。
12 マロテに住む者が、
どうして、しあわせを待ち望めよう。
エルサレムの門に、主からわざわいが下ったのに。
13 ラキシュに住む者よ。戦車に早馬をつなげ。
それはシオンの娘にとって罪の初めであった。
イスラエルの犯したそむきの罪が、
あなたのうちに見つけられたからだ。
14 それゆえ、
あなたは贈り物をモレシェテ・ガテに与える。
アクジブの家々は、イスラエルの王たちにとって、
欺く者となる。
15 マレシャに住む者よ。
わたしはまた、侵略者をあなたのところに送る。
イスラエルの栄光はアドラムまで行こう。
16 あなたの喜びとする子らのために、
あなたの頭をそれ。
そのそった所を、
はげ鷲のように大きくせよ。
彼らが捕らえられて、
あなたから去って行ったから。
1 ああ。
悪巧みを計り、
寝床の上で悪を行う者。
朝の光とともに、
彼らはこれを実行する。
自分たちの手に力があるからだ。
2 彼らは畑を欲しがって、これをかすめ、
家々をも取り上げる。
彼らは人とその持ち家を、
人とその相続地をゆすり取る。
3 それゆえ、主はこう仰せられる。
「見よ。わたしは、こういう4やからに、
わざわいを下そうと考えている。
あなたがたは5首をもたげることも、
いばって歩くこともできなくなる。
それはわざわいの時だからだ。」
4 その日、あなたがたについて、
あざけりの声があがり、
嘆きの歌が起こって言う。
「私たちはすっかり荒らされてしまい、
私の民の割り当て地は取り替えられてしまった。
どうしてそれは私から移され、
私たちの畑は裏切る者に分け与えられるのか。」
5 それゆえ、主の集会で、あなたのために、
くじを引いて測り綱を張る者がいなくなる。
6 「たわごとを言うな」と言って、
彼らはたわごとを言っている。
そんなたわごとを言ってはならない。
恥を避けることはできない。
7 ヤコブの家がそんなことを言われてよいものか。
主がこれをがまんされるだろうか。
これは主のみわざだろうか。
6私のことばは、
正しく歩む者に益とならないだろうか。
8 以前から、わたしの民は
敵として立ち上がっている。
しかし、あなたがたは、
戦いをやめて安らかに過ごしている者たちの
みごとな上着をはぎ取る。
9 あなたがたは、わたしの民の女たちを、
その楽しみの家から追い出し、
その幼子たちから、
わたしの誉れを永遠に取り去る。
10 さあ、立ち去れ。ここはいこいの場所ではない。
ここは汚れているために滅びる。
それはひどい滅びだ。
11 もし人が風のまにまに歩き回り、偽りを言って、
「私はあなたがたに、ぶどう酒と強い酒について
一言しよう」と言うなら、
その者こそ、この民のたわごとを言う者だ。
12 ヤコブよ。
わたしはあなたをことごとく必ず集める。
わたしはイスラエルの残りの者を必ず集める。
わたしは彼らを、7おりの中の羊のように、
牧場の中の群れのように一つに集める。
こうして人々のざわめきが起ころう。
13 打ち破る者は、
彼らの先頭に立って上って行き、
彼らは門を打ち破って進んで行き、
そこを出て行く。
彼らの王は彼らの前を進み、
主が彼らの真っ先に進まれる。
1 わたしは言った。
聞け。ヤコブのかしらたち、
イスラエルの家の首領たち。
あなたがたは公義を知っているはずではないか。
2 あなたがたは善を憎み、悪を愛し、
人々の皮をはぎ、その骨から肉をそぎ取り、
3 わたしの民の肉を食らい、皮をはぎ取り、
その骨を粉々に砕き、
鉢の中にあるように、
また大がまの中の肉切れのように、
切れ切れに裂く。
4 それで、彼らが主に叫んでも、
主は彼らに答えない。
その時、主は彼らから顔を隠される。
彼らの行いが悪いからだ。
5 預言者たちについて、主はこう仰せられる。
彼らはわたしの民を惑わせ、
歯でかむ物があれば、
「平和があるように」と叫ぶが、
彼らの口に何も与えない者には、
聖戦を宣言する。
6 それゆえ、夜になっても、
あなたがたには幻がなく、
暗やみになっても、
あなたがたには占いがない。
太陽も預言者たちの上に沈み、
昼も彼らの上で暗くなる。
7 先見者たちは恥を見、
占い師たちははずかしめを受ける。
彼らはみな、口ひげをおおう。
神の答えがないからだ。
8 しかし、私は、
力と、主の霊と、公義と、勇気とに満ち、
ヤコブにはそのそむきの罪を、
イスラエルにはその罪を告げよう。
9 これを聞け。ヤコブの家のかしらたち、
イスラエルの家の首領たち。
あなたがたは公義を忌みきらい、
あらゆる正しいことを曲げている。
10 血を流してシオンを建て、
不正を行ってエルサレムを建てている。
11 そのかしらたちはわいろを取ってさばき、
その祭司たちは代金を取って教え、
その預言者たちは金を取って占いをする。
しかもなお、彼らは主に寄りかかって、
「主は私たちの中におられるではないか。
わざわいは私たちの上にかかって来ない」
と言う。
12 それゆえ、シオンは、あなたがたのために、
畑のように耕され、
エルサレムは廃墟となり、
この宮の山は森の丘となる。
1 終わりの日に、
主の家の山は、山々の頂に堅く立ち、
丘々よりもそびえ立ち、
国々の民はそこに流れて来る。
2 多くの異邦の民が来て言う。
「さあ、主の山、ヤコブの神の家に上ろう。
主はご自分の道を、私たちに教えてくださる。
私たちはその小道を歩もう。」
それは、シオンからみおしえが出、
エルサレムから主のことばが出るからだ。
3 主は多くの国々の民の間をさばき、
遠く離れた強い国々に、判決を下す。
彼らはその剣を鋤に、
その槍をかまに打ち直し、
国は国に向かって剣を上げず、
二度と戦いのことを習わない。
4 彼らはみな、おのおの自分のぶどうの木の下や、
いちじくの木の下にすわり、
彼らを脅かす者はいない。
まことに、万軍の主の御口が告げられる。
5 まことに、すべての国々の民は、
おのおの自分の神の名によって歩む。
しかし、私たちは、世々限りなく、
私たちの神、主の御名によって歩もう。
6 その日、――主の御告げ――
わたしは足のなえた者を集め、
追いやられた者、
また、わたしが苦しめた者を寄せ集める。
7 わたしは足のなえた者を、残りの者とし、
遠くへ移された者を、強い国民とする。
主はシオンの山で、
今よりとこしえまで、彼らの王となる。
8 羊の群れのやぐら、シオンの娘の8丘よ。
あなたに、以前の主権、
エルサレムの娘の王国が帰って来る。
9 なぜ、あなたは今、大声で泣き叫ぶのか。
あなたのうちに王がいないのか。
あなたの議官は滅びうせたのか。
子を産む女のような苦痛が
あなたを捕らえたのか。
10 シオンの娘よ。子を産む女のように、
身もだえし、もがき回れ。
今、あなたは町を出て、野に宿り、
バビロンまで行く。
そこであなたは救われる。
そこで主はあなたを敵の手から贖われる。
11 今、多くの異邦の民があなたを攻めに集まり、
そして言う。
「シオンが犯されるのをこの目で見よう」と。
12 しかし彼らは主の御計らいを知らず、
そのはかりごとを悟らない。
主が彼らを打ち場の麦束のように
集められたことを。
13 シオンの娘よ。立って麦を打て。
わたしはあなたの角を鉄とし、
あなたのひづめを青銅とする。
あなたは多くの国々の民を粉々に砕き、
彼らの利得を主にささげ、
彼らの財宝を全地の主にささげる。
1 今、軍隊の娘よ。9勢ぞろいせよ。
とりでが私たちに対して設けられ、
彼らは、イスラエルのさばきつかさの頰を
杖で打つ。
2 ベツレヘム・エフラテよ。
あなたはユダの氏族の中で最も小さいものだが、
あなたのうちから、わたしのために、
イスラエルの支配者になる者が出る。
その出ることは、昔から、
永遠の昔からの10定めである。
3 それゆえ、産婦が子を産む時まで、
彼らはそのままにしておかれる。
彼の兄弟のほかの者は
イスラエルの子らのもとに帰るようになる。
4 彼は立って、主の力と、
彼の神、主の御名の威光によって群れを飼い、
彼らは安らかに住まう。
今や、彼の威力が地の果てまで及ぶからだ。
5 平和は次のようにして来る。
アッシリヤが私たちの国に来て、
私たちの11宮殿を踏みにじるとき、
私たちはこれに対して
七人の牧者と八人の指導者を立てる。
6 彼らはアッシリヤの地を剣で、
ニムロデの地を12抜き身の剣で飼いならす。
アッシリヤが私たちの国に来、
私たちの領土に踏み込んで来たとき、
彼は、私たちをアッシリヤから救う。
7 そのとき、ヤコブの残りの者は、
多くの国々の民のただ中で、
主から降りる露、
青草に降り注ぐ夕立のようだ。
彼らは人に望みをおかず、
人の子らに期待をかけない。
8 ヤコブの残りの者は異邦の民の中、
多くの国々の民のただ中で、
森の獣の中の獅子、
羊の群れの中の若い獅子のようだ。
通り過ぎては踏みにじり、
引き裂いては、一つも、のがさない。
9 あなたの手を仇に向けて上げると、
あなたの敵はみな、断ち滅ぼされる。
10 その日、――主の御告げ――
わたしは、あなたのただ中から、
あなたの馬を断ち滅ぼし、
あなたの戦車を打ちこわし、
11 あなたの国の町々を断ち滅ぼし、
要塞をみなくつがえす。
12 わたしはあなたの手から呪術師を断ち、
占い師をあなたのところからなくする。
13 わたしは、あなたのただ中から、
刻んだ像と石の柱を断ち滅ぼす。
あなたはもう、自分の手の造った物を拝まない。
14 わたしは、あなたのアシェラ像を
あなたのただ中から根こぎにし、
あなたの町々を滅ぼし尽くす。
15 わたしは怒りと憤りをもって、
わたしに聞き従わなかった国々に復讐する。
1 さあ、主の言われることを聞け。
立ち上がって、山々に訴え、
丘々にあなたの声を聞かせよ。
2 山々よ。聞け。主の訴えを。
地の変わることのない基よ。
主はその民を訴え、イスラエルと討論される。
3 わたしの民よ。
わたしはあなたに何をしたか。
どのようにしてあなたを煩わせたか。
わたしに答えよ。
4 わたしはあなたをエジプトの地から上らせ、
奴隷の家からあなたを買い戻し、
あなたの前にモーセと、アロンと、
ミリヤムを送った。
5 わたしの民よ。思い起こせ。
モアブの王バラクが何をたくらんだか。
ベオルの子バラムが彼に何と答えたか。
シティムからギルガルまでに何があったか。
それは主の正しいみわざを知るためであった。
6 私は何をもって主の前に進み行き、
いと高き神の前にひれ伏そうか。
全焼のいけにえ、一歳の子牛をもって
御前に進み行くべきだろうか。
7 主は幾千の雄羊、幾万の油を喜ばれるだろうか。
私の犯したそむきの罪のために、
私の長子をささげるべきだろうか。
私のたましいの罪のために、
私に生まれた子をささげるべきだろうか。
8 主はあなたに告げられた。
人よ。何が良いことなのか。
主は何をあなたに求めておられるのか。
それは、ただ公義を行い、誠実を愛し、
へりくだって
あなたの神とともに歩むことではないか。
9 聞け。主が町に向かって叫ばれる。
――御名を13恐れることがすぐれた知性だ――
10 まだ、悪者の家には、不正の財宝と、
のろわれた枡目不足の枡があるではないか。
11 不正なはかりと、
欺きの重り石の袋を使っている者を
罪なしとすることがわたしにできようか。
12 富む者たちは暴虐に満ち、住民は偽りを言う。
彼らの口の中の舌は欺く。
13 わたしもそこで、あなたを打って痛め、
あなたの罪のために荒れ果てさせる。
14 あなたは食べても満ち足りず、
あなたの腹は飢える。
あなたは、移しても、のがすことはできない。
あなたがのがした者は、わたしが剣に渡す。
15 あなたは種を蒔いても、刈ることがなく、
オリーブをしぼっても、
油を身に塗ることがない。
新しいぶどう酒を16造っても、
ぶどう酒を飲むことができない。
16 あなたがたはオムリのおきてと、
アハブの家のすべてのならわしを守り、
彼らのはかりごとに従って歩んだ。
それは、わたしがあなたを荒れ果てさせ、
住民をあざけりとするためだ。
あなたがたは、
17国々の民のそしりを負わなければならない。
1 ああ、悲しいことだ。
私は夏のくだものを集める者のよう、
ぶどうの取り残しの実を
取り入れる者のようになった。
もう食べられるふさは一つもなく、
私の好きな初なりのいちじくの実もない。
2 敬虔な者はこの地から消えうせ、
人の間に、正しい者はひとりもいない。
みな血を流そうと待ち伏せし、
互いに網をかけ合って捕らえようとする。
3 彼らの手は悪事を働くのに巧みで、
役人は物を求め、
さばきつかさは報酬に応じてさばき、
有力者は自分の欲するままを語り、
こうして事を曲げている。
4 彼らのうちの善人もいばらのようだ。
正しい者もいばらの生け垣のようだ。
あなたの刑罰の日が、
あなたを見張る者の日が来る。
今、彼らに混乱が起きる。
5 友を信用するな。
親しい友をも信頼するな。
あなたのふところに寝る者にも、
あなたの口の戸を守れ。
6 息子は父親を侮り、
娘は母親に、
嫁はしゅうとめに逆らい、
それぞれ自分の家の者を敵としている。
7 しかし、私は主を仰ぎ見、
私の救いの神を待ち望む。
私の神は私の願いを聞いてくださる。
8 私の敵。私のことで喜ぶな。
私は倒れても起き上がり、
やみの中にすわっていても、
主が私の光であるからだ。
9 私は主の激しい怒りを身に受けている。
私が主に罪を犯したからだ。
しかし、それは、主が私の訴えを取り上げ、
私を正しくさばいてくださるまでだ。
主は私を光に連れ出し、
私はその義を見ることができる。
10 それで、私に向かい、
「あなたの神、主は、どこにいるのか。」
と言った私の敵は、これを見て恥に包まれる。
私もこの目で敵をながめる。
今、敵は道の泥のように踏みにじられる。
11 あなたの石垣を建て直す日、
その日、国境が広げられる。
海から海まで、山から山まで、
人々はあなたのところに来る。
13 しかし、その地は荒れ果てる。
そこに住んでいた者たちのゆえに。
これが彼らの行いの結んだ実である。
14 どうか、あなたの杖で、あなたの民、
あなたご自身のものである羊を飼ってください。
彼らは林の中、22果樹園の中に、
ひとり離れて住んでいます。
彼らが昔の日のように、
バシャンとギルアデで
草をはむようにしてください。
15 「あなたがエジプトの国から出た日のように、
わたしは奇しいわざを彼に見せよう。」
16 異邦の民も見て、
自分たちのすべての力を恥じ、
手を口に当て、
彼らの耳は聞こえなくなりましょう。
17 彼らは、蛇のように、
地をはうもののように、ちりをなめ、
震えながら彼らのとりでから、
私たちの神、主のみもとに出て来て、
わなないて、あなたを恐れましょう。
18 あなたのような神が、ほかにあるでしょうか。
あなたは、咎を赦し、
ご自分のものである残りの者のために、
そむきの罪を見過ごされ、
怒りをいつまでも持ち続けず、
いつくしみを喜ばれるからです。
19 もう一度、私たちをあわれみ、
私たちの咎を踏みつけて、
すべての罪を海の深みに投げ入れてください。
20 昔、私たちの先祖に誓われたように、
真実をヤコブに、
いつくしみをアブラハムに与えてください。
ナホム書
1 ニネベに対する宣告。エルコシュ人ナホムの幻の書。
2主はねたみ、復讐する神。
主は復讐し、憤る方。
主はその仇に復讐する方。
敵に怒りを保つ方。
3主は怒るのにおそく、力強い。
主は決して罰せずにおくことはしない方。
主の道はつむじ風とあらしの中にある。
雲はその足でかき立てられる砂ほこり。
4 主は海をしかって、これをからし、
すべての川を干上がらせる。
バシャンとカルメルはしおれ、
レバノンの花はしおれる。
5 山々は主の前に揺れ動き、
丘々は溶け去る。
大地は御前でくつがえり、
世界とこれに住むすべての者もくつがえる。
6 だれがその憤りの前に立ちえよう。
だれがその燃える怒りに耐えられよう。
その憤りは火のように注がれ、
岩も主によって打ち砕かれる。
7主はいつくしみ深く、
苦難の日のとりでである。
主に身を避ける者たちを
主は知っておられる。
8 しかし、主は、あふれみなぎる洪水で、
その場所を滅ぼし尽くし、
その敵をやみに追いやられる。
9 あなたがたは主に対して何をたくらむのか。
主はすべてを滅ぼし尽くす。
仇は二度と立ち上がれない。
10 彼らは、からみついたいばら。
大酒を飲んだ酔っぱらいのようであっても、
かわいた刈り株のように、
全く焼き尽くされる。
11 あなたのうちから、
主に対して悪巧みをし、
よこしまなことを計る者が出たからだ。
12主はこう仰せられる。
「彼らは安らかで、数が多くても、
刈り取られて消えうせる。
わたしはあなたを苦しめたが、
再び、あなたを苦しめない。
13 今、わたしは彼のくびきを
あなたからはずして打ち砕き、
あなたをなわめから解き放す。」
14主はあなたについて命じられた。
「1あなたの子孫はもう散らされない。
あなたの神々の宮から、
わたしは彫像や鋳像を断ち滅ぼす。
あなたはつまらない者であったが、
わたしはあなたの墓を設けよう。」
15 見よ。良い知らせを伝える者、
平和を告げ知らせる者の足が山々の上にある。
ユダよ。あなたの祭りを祝い、
あなたの誓願を果たせ。
よこしまな者は、もう二度と、
あなたの間を通り過ぎない。
彼らはみな、断ち滅ぼされた。
1 散らす者が、あなたを攻めに上って来る。
塁を守り、道を見張り、
腰をからげ、大いに力を奮い立たせよ。
2主は、ヤコブの栄えを、
イスラエルの栄えのように回復される。
――かすめる者が彼らをかすめ、
彼らのぶどうのつるをそこなったからだ。
3 その勇士の盾は赤く、
兵士は緋色の服をまとい、
戦車は整えられて鉄の火のようだ。
2槍は揺れ、
4 戦車は通りを狂い走り、
広場を駆け巡る。
その有様はたいまつのようで、
いなずまのように走り回る。
5貴人たちは呼び出され、
途上でつまずき倒れる。
彼らはその城壁へ急ぎ、防柵を設ける。
63町々の門は開かれ、宮殿は消え去る。
74王妃は捕らえられて連れ去られ、
そのはしためは鳩のような声で嘆き、
胸を打って悲しむ。
8 ニネベは5水の流れ出る池のようだ。
みな逃げ出して、
「止まれ、立ち止まれ」と言っても、
だれも振り返りもしない。
9 銀を奪え。金も奪え。
その財宝は限りない。
あらゆる尊い品々が豊富だ。
10破壊、滅亡、荒廃。
心はしなえ、ひざは震え、
すべての腰はわななき、
だれの顔も青ざめる。
11雄獅子の住みかはどこにあるのか。
それは若い獅子のための6ほら穴。
雄獅子が出歩くとき、
雌獅子と子獅子はそこにいるが、
だれも脅かす者はない。
12雄獅子は子獅子のために、
十分な獲物を引き裂き、
雌獅子のために7かみ殺し、
そのほら穴を、獲物で、
その巣を、引き裂いた物で満たした。
13 見よ。わたしはあなたに立ち向かう。
――万軍の主の御告げ――
わたしは8あなたの戦車を燃やして煙とする。
剣はあなたの若い獅子を食い尽くす。
わたしはあなたの獲物を地から絶やす。
あなたの使者たちの声はもう聞かれない。
1 ああ。流血の町。
虚偽に満ち、略奪を事とし、
強奪をやめない。
2 むちの音。車輪の響き。
駆ける馬。飛び走る戦車。
3突進する騎兵。
剣のきらめき。槍のひらめき。
おびただしい戦死者。山なすしかばね。
数えきれない死体。
死体に人はつまずく。
4 これは、すぐれて麗しい遊女、
呪術を行う女の多くの淫行によるものだ。
彼女はその淫行によって国々を、
その魅力によって諸部族を売った。
5 見よ。わたしはあなたに立ち向かう。
――万軍の主の御告げ――
わたしはあなたのすそを顔の上までまくり上げ、
あなたの裸を諸国の民に見せ、
あなたの恥を諸王国に見せる。
6 わたしはあなたに汚物をかけ、
あなたをはずかしめ、
あなたを見せものとする。
7 あなたを見る者はみな、あなたから逃げて言う。
「ニネベは滅びた」と。
だれが彼女を慰めよう。
あなたのために悔やむ者を、
どこにわたしは捜そうか。
8 あなたは、9ナイル川のほとりにある
ノ・アモンよりもすぐれているか。
水がこれを取り囲む。
その塁は海、その城壁は10水。
911クシュとエジプトはその力。
それは限りがない。
プテ人、ルブ人も12その助け手。
10 しかし、これもまた、捕囚となり、
とりことなって行き、
その幼子たちもあらゆる町かどで八つ裂きにされ、
その高貴な人たちもくじ引きにされ、
そのおもだった者たちもみな、鎖につながれた。
11 あなたも酔いしれて身を隠し、
敵から逃げてとりでを捜し求めよう。
12 あなたのすべての要塞は、
初なりのいちじくを持ついちじくの木。
それをゆさぶると、食べる者の口に落ちる。
13 見よ。あなたの兵士は、
あなたの中にいる女だ。
あなたの国のもろもろの門は、
敵のために広くあけ放たれ、
火はあなたのかんぬきを焼き尽くす。
14 包囲の日のための水を汲み、
要塞を強固にせよ。
泥の中に入り、粘土を踏みつけ、
れんがの型を取っておけ。
15 その時、火はあなたを焼き尽くし、
剣はあなたを切り倒し、
火はばったのようにあなたを焼き尽くす。
あなたは、ばったのように数を増し、
いなごのようにふえよ。
16 あなたの商人を天の星より多くしても、
ばったがこれを襲って飛び去る。
17 あなたの衛兵は、いなごのように、
あなたの役人たちは、群がるいなごのように、
寒い日には城壁の上でたむろし、
日が出ると飛び去り、
だれも、どこへ行くか行く先を知らない。
18 アッシリヤの王よ。
あなたの牧者たちは眠り、
あなたの貴人たちは寝込んでいる。
あなたの民は山々の上に散らされ、
だれも集める者はいない。
19 あなたの傷は、いやされない。
あなたの打ち傷は、いやしがたい。
あなたのうわさを聞く者はみな、
あなたに向かって手をたたく。
だれもかれも、
13あなたに絶えずいじめられていたからだ。
ハバクク書
1預言者ハバククが預言した宣告。
2主よ。私が助けを求めて叫んでいますのに、
あなたはいつまで、聞いてくださらないのですか。
私が「暴虐」とあなたに叫んでいますのに、
あなたは救ってくださらないのですか。
3 なぜ、あなたは私に、わざわいを見させ、
労苦をながめておられるのですか。
暴行と暴虐は私の前にあり、
闘争があり、争いが起こっています。
4 それゆえ、律法は眠り、
さばきはいつまでも行われません。
悪者が正しい人を取り囲み、
さばきが曲げて行われています。
5異邦の民を見、目を留めよ。
驚き、驚け。
わたしは一つの事をあなたがたの時代にする。
それが告げられても、あなたがたは信じまい。
6 見よ。わたしはカルデヤ人を起こす。
強暴で激しい国民だ。
これは、自分のものでない住まいを占領しようと、
地を広く行き巡る。
7 これは、ひどく恐ろしい。
自分自身でさばきを行い、威厳を現す。
8 その馬は、ひょうよりも速く、
日暮れの狼よりも敏しょうだ。
その軍馬は、はね回る。
その騎兵は遠くからやって来て、
鷲のように獲物を食おうと飛びかかる。
9 彼らは来て、みな暴虐をふるう。
彼らの顔を東風のように向け、
彼らは砂のようにとりこを集める。
10 彼らは王たちをあざけり、君主たちをあざ笑う。
彼らはすべての要塞をあざ笑い、
土を積み上げて、それを攻め取る。
11 それから、風のように移って来て、過ぎて行く。
自分の力を自分の神とする者は罰せられる。
12主よ。あなたは昔から、私の神、
私の聖なる方ではありませんか。
私たちは死ぬことはありません。
主よ。あなたはさばきのために、彼を立て、
岩よ、あなたは叱責のために、彼を据えられました。
13 あなたの目はあまりきよくて、悪を見ず、
労苦に目を留めることができないのでしょう。
なぜ、裏切り者をながめておられるのですか。
悪者が自分より正しい者をのみこむとき、
なぜ黙っておられるのですか。
14 あなたは人を海の魚のように、
治める者のないはう虫のようにされます。
15 彼は、このすべての者を釣り針で釣り上げ、
これを網で引きずり上げ、引き網で集める。
こうして、彼は喜び楽しむ。
16 それゆえ、彼はその網にいけにえをささげ、
その引き網に香をたく。
これらによって、彼の分け前が豊かになり、
その食物も豊富になるからだ。
17 それゆえ、彼はいつもその網を1使い続け、
容赦なく、諸国の民を殺すのだろうか。
1 私は、見張り所に立ち、
とりでにしかと立って見張り、
主が2私に何を語り、
私の訴えに何と3答えるかを見よう。
2主は私に答えて言われた。
幻を板の上に書いて確認せよ。
これを読む者が急使として走るために。
3 この幻は、定めの時について証言しており、
終わり4について告げ、
まやかしを言ってはいない。
もしおそくなっても、それを待て。
それは必ず来る。遅れることはない。
4 見よ。彼の心はうぬぼれていて、まっすぐでない。
しかし、正しい人はその5信仰によって生きる。
5 実にぶどう酒は欺くものだ。
高ぶる者は定まりがない。
彼はよみのようにのどを広げ、
死のように、足ることを知らない。
彼はすべての国々を自分のもとに集め、
すべての国々の民を自分のもとにかき集める。
6 これらはみな、彼についてあざけりの声をあげ、
彼を皮肉り、風刺してこう言わないだろうか。
「わざわいだ。
自分のものでないものを増し加える者。
――いつまでだろうか――
その上に担保を重くする者。」
7 あなた6をかむ者が突然起き上がり、
あなたを揺り動かす者が目ざめないだろうか。
あなたは彼らに奪い取られる。
8 あなたが多くの国々を略奪したので、
ほかのすべての国々の民が、あなたを略奪する。
あなたが人の血を流し、
国や町や、そのすべての住民に
暴力をふるったためだ。
9 わざわいだ。
自分の家のために不正な利得をむさぼり、
わざわいの手からのがれるために、
自分の巣を高い所に据える者。
10 あなたは自分の家のために恥ずべきことを計り、
多くの国々の民を滅ぼした。
あなたのたましいは罪を犯した。
11 まことに、石は石垣から叫び、
12 わざわいだ。
血で町を建て、不正で都を築き上げる者。
13 これは、万軍の主によるのではないか。
国々の民は、ただ火で焼かれるために労し、
諸国の民は、むなしく疲れ果てる。
14 まことに、水が海をおおうように、
地は、主の栄光を知ることで満たされる。
15 わざわいだ。
自分の友に飲ませ、毒を混ぜて酔わせ、
その裸を見ようとする者。
16 あなたは栄光よりも恥で満ち足りている。
あなたも飲んで、陽の皮を見せよ。
主の右の手の杯は、あなたの上に巡って来て、
恥があなたの栄光をおおう。
17 レバノンへの暴虐があなたをおおい、
獣への残虐が9あなたを脅かす。
あなたが人の血を流し、
国や町や、そのすべての住民に
暴力をふるったためだ。
18彫刻師の刻んだ彫像や鋳像、偽りを教える者が、
何の役に立とう。
物言わぬ偽りの神々を造って、
これを造った者が、それにたよったところで、
何の役に立とう。
19 わざわいだ。
木に向かって目をさませと言い、
黙っている石に向かって起きろと言う者よ。
10それは像だ。
それは金や銀をかぶせたもの。
その中には何の息もない。
20 しかし主は、その聖なる宮におられる。
全地よ。その御前に静まれ。
1預言者ハバククの祈り。11シグヨノテに合わせて。
2主よ。私はあなたのうわさを聞き、
主よ、あなたのみわざを恐れました。
この年のうちに、それをくり返してください。
この年のうちに、それを示してください。
激しい怒りのうちにも、
あわれみを忘れないでください。
3 神はテマンから来られ、
聖なる方はパランの山から来られる。 セラ
その尊厳は天をおおい、
その賛美は地に満ちている。
4輝きは光のよう。
ひらめきはその手から放たれ、
そこに力が隠されている。
5 その御前を疫病が行き、
熱病はそのうしろに従う。
6 神は立って、地を測り、
見渡して、諸国の民を震え上がらせる。
とこしえの山は打ち砕かれ、
永遠の丘は低くされる。
しかし、その軌道は昔のまま。
7 私が見ると、クシャンの天幕は乱れ騒ぎ、
ミデヤンの地の幕屋はわなないている。
8主よ。川に怒りを燃やされるのですか。
あなたの怒りを川に向けられるのですか。
それとも、あなたの憤りを海に向けられるのですか。
あなたは、馬に乗り、
あなたの12救いの戦車に乗って来られます。
9 あなたの弓はおおいを取り払われ、
あなたは地を裂いて川々とされます。
10 山々はあなたを見て震え、豪雨は流れ去り、
深い淵はその声を出し、その手を高く上げます。
11太陽と月はその住みかにとどまります。
あなたの矢の光によって、
あなたのきらめく槍の輝きによって、
それらは動きます。
12 あなたは、憤って、地を行き巡り、
怒って、国々を踏みつけられます。
13 あなたは、ご自分の民を救うために出て来られ、
あなたに油そそがれた者を救うために
出て来られます。
あなたは、悪者の家の頭を粉々に砕き、
15足もとから首まで裸にされます。 セラ
14 あなたは、戦士たちの頭に矢を刺し通されます。
彼らは隠れている貧しい者を
食い尽くす者のように、
私をほしいままに追い散らそうと荒れ狂います。
15 あなたは、あなたの馬で海を踏みつけ、
大水に、あわを立たせられます。
16 私は聞き、私のはらわたはわななき、
私のくちびるはその音のために震える。
腐れは私の骨のうちに入り、
私の足もとはぐらつく。
私たちを攻める民に襲いかかる悩みの日を、
私は静かに待とう。
17 そのとき、いちじくの木は花を咲かせず、
ぶどうの木は実をみのらせず、
オリーブの木も実りがなく、
畑は食物を出さない。
羊は囲いから絶え、
牛は牛舎にいなくなる。
18 しかし、私は主にあって喜び勇み、
私の救いの神にあって喜ぼう。
19 私の主、16神は、私の力。
私の足を雌鹿のようにし、
私に高い所を歩ませる。
指揮者のために。弦楽器に合わせて。
ゼパニヤ書
1 ユダの王、アモンの子ヨシヤの時代に、クシの子ゼパニヤにあった主のことば。クシはゲダルヤの子、ゲダルヤはアマルヤの子、アマルヤはヒゼキヤの子である。
2 わたしは必ず地の面から、
すべてのものを取り除く。
――主の御告げ――
3 わたしは人と獣を取り除き、
空の鳥と海の魚を取り除く。
1わたしは、悪者どもをつまずかせ、
人を地の面から断ち滅ぼす。
――主の御告げ――
4 わたしの手を、ユダの上に、
エルサレムのすべての住民の上に伸ばす。
わたしはこの場所から、バアルの残りの者と、
偶像に仕える祭司たちの名とを、
その祭司たちとともに断ち滅ぼす。
5 また、屋上で天の万象を拝む者ども、
また、主に誓いを立てて礼拝しながら、
ミルコムに誓いを立てる者ども、
6 また、主に従うことをやめ、主を尋ね求めず、
主を求めない者どもを断ち滅ぼす。
7 2神である主の前に静まれ。
主の日は近い。主が一頭のほふる獣を備え、
主に招かれた者を聖別されたからだ。
8 主が獣をほふる日に、
わたしは首長たちや王子たち、
外国の服をまとったすべての者を罰する。
9 その日、わたしは、
神殿の敷居によじのぼるすべての者、
自分の主人の家を暴虐と欺きで満たす者どもを
罰する。
10 その日には、――主の御告げ――
魚の門から叫び声が、第二区から嘆き声が、
丘からは大いなる破滅の響きが起こる。
11 泣きわめけ。マクテシュ区に住む者どもよ。
商人はみな滅びうせ、
銀を量る者もみな断ち滅ぼされるからだ。
12 その時、わたしは、ともしびをかざして、
エルサレムを捜し、
そのぶどう酒のかすの上によどんでいて、
「主は良いことも、悪いこともしない」と
心の中で言っている者どもを罰する。
13 彼らの財産は略奪され、彼らの家は荒れ果てる。
彼らは家を建てても、それに住めず、
ぶどう畑を作っても、そのぶどう酒を飲めない。
14 主の大いなる日は近い。
それは近く、非常に早く来る。
聞け。主の日を。勇士も激しく叫ぶ。
15 その日は激しい怒りの日、
苦難と苦悩の日、荒廃と滅亡の日、
やみと暗黒の日、雲と暗やみの日、
16 角笛とときの声の日、
城壁のある町々と高い四隅の塔が襲われる日だ。
17 わたしは人を苦しめ、
人々は盲人のように歩く。
彼らは主に罪を犯したからだ。
彼らの血はちりのように振りまかれ、
彼らのはらわたは糞のようにまき散らされる。
18 彼らの銀も、彼らの金も、
主の激しい怒りの日に彼らを救い出せない。
そのねたみの火で、全土は焼き払われる。
主は実に、地に住むすべての者を
たちまち滅ぼし尽くす。
1 恥知らずの国民よ。こぞって集まれ、集まれ。
2 昼間、吹き散らされるもみがらのように、
3あなたがたがならないうちに。
主の燃える怒りが、
まだあなたがたを襲わないうちに。
主の怒りの日が、
まだあなたがたを襲わないうちに。
3 主の定めを行う
この国のすべてのへりくだる者よ。
主を尋ね求めよ。
義を求めよ。柔和を求めよ。
そうすれば、
主の怒りの日にかくまわれるかもしれない。
4 だが、ガザは捨てられ、
アシュケロンは荒れ果てる。
アシュドデは真昼に追い払われ、
エクロンは根こぎにされる。
5 ああ。海辺に住む者たち。
ケレテ人の国。
主のことばはおまえたちに向けられている。
ペリシテ人の国カナン。
わたしはおまえを消し去って、
住む者がいないようにする。
6 海辺よ。おまえは牧場となり、
牧者たちの4牧草地となり、
羊の囲い場となる。
7 海辺はユダの家の残りの者の所有となる。
彼らは海辺で羊を飼い、
日が暮れると、アシュケロンの家々で横になる。
彼らの神、主が、彼らを訪れ、
彼らの繁栄を元どおりにするからだ。
8 わたしはモアブのそしりと、
アモン人のののしりを聞いた。
彼らはわたしの民をそしり、
その領土に向かって高ぶった。
9 それゆえ、わたしは誓って言う。
――イスラエルの神、万軍の主の御告げ――
モアブは必ずソドムのようになり、
アモン人はゴモラのようになり、
いらくさの茂る所、塩の穴、
とこしえの荒れ果てた地となる。
わたしの民の残りの者が、そこをかすめ奪う。
わたしの国民の生き残りの者が、そこを受け継ぐ。
10 これは、彼らの高慢のためだ。彼らが万軍の主の民をそしり、これに向かって高ぶったからだ。
11主は彼らを脅かし、地のすべての神々を消し去る。そのとき、人々はみな、自分のいる所で主を礼拝し、国々のすべての島々も主を礼拝する。
12 あなたがた、5クシュ人も、
わたしの剣で刺し殺される。
13 主は手を北に差し伸べ、
アッシリヤを滅ぼし、
ニネベを荒れ果てた地とし、
荒野のようにし、砂漠とする。
14 その中に、獣の群れ、あらゆる6地の獣が伏し、
ペリカンと針ねずみはその柱頭をねぐらとし、
7ふくろうはその窓で鳴き、
8烏は敷居で鳴く。
主が、杉でつくった9この町をあばかれたからだ。
15 これが、安らかに過ごし、
心の中で、「10私だけは特別だ」と言った
あのおごった町なのか。
ああ、その町は荒れ果てて、
獣の伏す所となる。
そこを通り過ぎる者はみな、
あざけって、手を振ろう。
1 ああ。
反逆と汚れに満ちた暴力の町。
2 呼びかけを聞こうともせず、
懲らしめを受け入れようともせず、
主に信頼せず、神に近づこうともしない。
3 その首長たちは、
町の中にあってほえたける雄獅子。
そのさばきつかさたちは、日暮れの狼だ。
朝まで骨をかじってはいない。
4 その預言者たちは、ずうずうしく、裏切る者。
その祭司たちは、聖なる物を汚し、律法を犯す。
5 主は、その町の中にあって正しく、
不正を行わない。
朝ごとに、
ご自分の公義を残らず明るみに示す。
しかし、不正をする者は恥を知らない。
6 わたしは諸国の民を断ち滅ぼした。
その四隅の塔は荒れ果てた。
わたしが彼らの通りを廃墟としたので、
通り過ぎる者はだれもいない。
彼らの町々は荒れすたれてひとりの人もおらず、
住む者もない。
7 わたしは言った。
「あなたはただ、わたしを恐れ、
懲らしめを受けよ。
そうすれば、
わたしがこの町を罰したにもかかわらず、
その住まいは断ち滅ぼされまい。
確かに、彼らは、
くり返して11あらゆる悪事を行ったが。」
8 それゆえ、わたしを待て。
――主の御告げ――
わたしが12証人として立つ日を待て。
わたしは諸国の民を集め、
もろもろの王国をかき集めてさばき、
わたしの憤りと燃える怒りを
ことごとく彼らに注ぐ。
まことに、全地はわたしのねたみの火によって、
焼き尽くされる。
9 そのとき、わたしは、
国々の民のくちびるを変えてきよくする。
彼らはみな主の御名によって祈り、
13一つになって主に仕える。
10 14クシュの川の向こうから、
わたしに願い事をする者、
わたしに散らされた者たちが
贈り物を持って来る。
11 その日には、あなたは、
わたしに逆らったすべてのしわざのために、
恥を見ることはない。
そのとき、わたしは、
あなたの中からおごり高ぶる者どもを取り去り、
あなたはわたしの聖なる山で、
二度と高ぶることはない。
12 わたしは、あなたのうちに、
へりくだった、寄るべのない民を残す。
彼らはただ主の御名に身を避ける。
13 イスラエルの残りの者は不正を行わず、
偽りを言わない。
彼らの口の中には欺きの舌はない。
まことに彼らは草を食べて伏す。
彼らを脅かす者はない。
14 シオンの娘よ。喜び歌え。
イスラエルよ。喜び叫べ。
エルサレムの娘よ。心の底から、喜び勝ち誇れ。
15 主はあなたへの宣告を取り除き、
あなたの敵を追い払われた。
イスラエルの王、主は、
あなたのただ中におられる。
あなたはもう、わざわいを恐れない。
16 その日、エルサレムはこう言われる。
シオンよ。恐れるな。気力を失うな。
17 あなたの神、主は、あなたのただ中におられる。
15救いの勇士だ。
主は喜びをもってあなたのことを楽しみ、
その愛によって16安らぎを与える。
主は高らかに歌ってあなたのことを喜ばれる。
18 例祭から離れて悲しむ者たちをわたしは集める。
彼らはあなたからのもの。
そしりはシオンへの警告である。
19 見よ。その時、
わたしはあなたを苦しめたすべての者を罰し、
足のなえた者を救い、散らされた者を集める。
わたしは彼らの恥を栄誉に変え、
全地でその名をあげさせよう。
20 その時、わたしはあなたがたを連れ帰り、
その時、わたしはあなたがたを集める。
わたしがあなたがたの目の前で、
あなたがたの繁栄を元どおりにするとき、
地のすべての民の間で
あなたがたに、名誉と栄誉を与えよう、と
主は仰せられる。
ハガイ書
1 ダリヨス王の第二年の第六の月の一日に、預言者ハガイを通して、シェアルティエルの子、ユダの総督ゼルバベルと、エホツァダクの子、大祭司ヨシュアとに、次のような主のことばがあった。
2 「万軍の主はこう仰せられる。この民は、主の宮を建てる時はまだ来ない、と言っている。」
3 ついで預言者ハガイを通して、次のような主のことばがあった。
4 「この宮が廃墟となっているのに、あなたがただけが板張りの家に住むべき時であろうか。
5 今、万軍の主はこう仰せられる。あなたがたの現状をよく考えよ。
6 あなたがたは、多くの種を蒔いたが少ししか取り入れず、食べたが飽き足らず、飲んだが酔えず、着物を着たが暖まらない。かせぐ者がかせいでも、穴のあいた袋に入れるだけだ。
7万軍の主はこう仰せられる。あなたがたの現状をよく考えよ。
8 山に登り、木を運んで来て、宮を建てよ。そうすれば、わたしはそれを喜び、わたしの栄光を現そう。主は仰せられる。
9 あなたがたは多くを期待したが、見よ、わずかであった。あなたがたが家に持ち帰ったとき、わたしはそれを吹き飛ばした。それはなぜか。──万軍の主の御告げ──それは、廃墟となったわたしの宮のためだ。あなたがたがみな、自分の家のために走り回っていたからだ。
10 それゆえ、天はあなたがたのために露を降らすことをやめ、地は産物を差し止めた。
11 わたしはまた、地にも、山々にも、穀物にも、新しいぶどう酒にも、油にも、地が生やす物にも、人にも、家畜にも、手によるすべての勤労の実にも、ひでりを呼び寄せた。」
12 そこで、1シェアルティエルの子ゼルバベルと、エホツァダクの子、大祭司ヨシュアと、民のすべての残りの者とは、彼らの神、主の御声と、また、彼らの神、主が遣わされた預言者ハガイのことばとに聞き従った。民は主の前で恐れた。
13 そのとき、主の使いハガイは、主から使命を受けて、民にこう言った。「わたしは、あなたがたとともにいる。──主の御告げ──」
14主は、2シェアルティエルの子、ユダの総督ゼルバベルの心と、エホツァダクの子、大祭司ヨシュアの心と、民のすべての残りの者の心とを奮い立たせたので、彼らは彼らの神、万軍の主の宮に行って、仕事に取りかかった。
15 それは第六の月の二十四日のことであった。
1 ダリヨス王の第二年の第七の月の二十一日に、預言者ハガイを通して、次のような主のことばがあった。
2 「3シェアルティエルの子、ユダの総督ゼルバベルと、エホツァダクの子、大祭司ヨシュアと、民の残りの者とに次のように言え。
3 あなたがたのうち、以前の栄光に輝くこの宮を見たことのある、生き残った者はだれか。あなたがたは、今、これをどう見ているのか。あなたがたの目には、まるで無いに等しいのではないか。
4 しかし、ゼルバベルよ、今、強くあれ。──主の御告げ──エホツァダクの子、大祭司ヨシュアよ。強くあれ。この国のすべての民よ。強くあれ。──主の御告げ──仕事に取りかかれ。わたしがあなたがたとともにいるからだ。──万軍の主の御告げ──
5 あなたがたがエジプトから出て来たとき、わたしがあなたがたと結んだ約束により、わたしの霊があなたがたの間で働いている。恐れるな。
6 まことに、万軍の主はこう仰せられる。しばらくして、もう一度、わたしは天と地と、海と陸とを揺り動かす。
7 わたしは、すべての国々を揺り動かす。すべての国々の宝物がもたらされ、わたしはこの宮を栄光で満たす。万軍の主は仰せられる。
8 銀はわたしのもの。金もわたしのもの。──万軍の主の御告げ──
9 この宮のこれから後の栄光は、先のものよりまさろう。万軍の主は仰せられる。わたしはまた、この所に平和を与える。──万軍の主の御告げ──」
10 ダリヨスの第二年の第九の月の二十四日、預言者ハガイに次のような主のことばがあった。
11 「万軍の主はこう仰せられる。次の律法について、祭司たちに尋ねて言え。
12 もし人が聖なる肉を自分の着物のすそで運ぶとき、そのすそがパンや煮物、ぶどう酒や油、またどんな食物にでも触れたなら、それは聖なるものとなるか。」祭司たちは答えて「否」と言った。
13 そこでハガイは言った。「もし死体によって汚れた人が、これらのどれにでも触れたなら、それは汚れるか。」祭司たちは答えて「汚れる」と言った。
14 ハガイはそれに応じて言った。「わたしにとっては、この民はそのようなものだ。この国もそのようである。──主の御告げ──彼らの手で作ったすべての物もそのようだ。彼らがそこにささげる物、それは汚れている。
15 さあ、今、あなたがたは、きょうから後のことをよく考えよ。主の神殿で石が積み重ねられる前は、
164あなたがたはどうであったか。二十の麦束の積んである所に行っても、ただ十束しかなく、五十おけを汲もうと酒ぶねに行っても、二十おけ分しかなかった。
17 わたしは、あなたがたを立ち枯れと黒穂病とで打ち、あなたがたの手がけた物をことごとく雹で打った。しかし、あなたがたのうちだれひとり、わたしに帰って来なかった。──主の御告げ──
18 さあ、あなたがたは、きょうから後のことをよく考えよ。すなわち、第九の月の二十四日、主の神殿の礎が据えられた日から後のことをよく考えよ。
19 種はまだ穀物倉にあるだろうか。ぶどうの木、いちじくの木、ざくろの木、オリーブの木は、まだ実を結ばないだろうか。きょうから後、わたしは祝福しよう。」
20 その月の二十四日、ハガイに再び次のような主のことばがあった。
21 「ユダの総督ゼルバベルに次のように言え。わたしは天と地とを揺り動かし、
22 もろもろの王国の王座をくつがえし、異邦の民の王国の力を滅ぼし、戦車と、それに乗る者をくつがえす。馬と騎兵は彼ら仲間同士の剣によって倒れる。
23 その日、──万軍の主の御告げ──シェアルティエルの子、わたしのしもべゼルバベルよ、わたしはあなたを選び取る。──主の御告げ──わたしはあなたを印形のようにする。わたしがあなたを選んだからだ。──万軍の主の御告げ──」
ゼカリヤ書
1 ダリヨスの第二年の第八の月に、イドの子ベレクヤの子、預言者ゼカリヤに、次のような主のことばがあった。
2主はあなたがたの先祖たちを激しく怒られた。
3 あなたは、彼らに言え。万軍の主はこう仰せられる。わたしに帰れ。──万軍の主の御告げ──そうすれば、わたしもあなたがたに帰る、と万軍の主は仰せられる。
4 あなたがたの先祖たちのようであってはならない。先の預言者たちが彼らに叫んで、「万軍の主はこう仰せられる。あなたがたの悪の道から立ち返り、あなたがたの悪いわざを悔い改めよ」と言ったのに、彼らはわたしに聞き従わず、わたしに耳を傾けもしなかった。──主の御告げ──
5 あなたがたの先祖たちは今、どこにいるのか。預言者たちは永遠に生きているだろうか。
6 しかし、わたしのしもべ、預言者たちにわたしが命じた、わたしのことばとおきてとは、あなたがたの先祖たちに追い迫ったではないか。そこで彼らは立ち返って言った。「万軍の主は、私たちの行いとわざに応じて、私たちにしようと考えられたとおりを、私たちにされた」と。
7 ダリヨスの第二年のシェバテの月である第十一の月の二十四日に、イドの子ベレクヤの子、預言者ゼカリヤに、次のような主のことばがあった。
8 夜、私が見ると、なんと、ひとりの人が赤い馬に乗っていた。その人は谷底にあるミルトスの木の間に立っていた。彼のうしろに、赤や、栗毛や、白い馬がいた。
9 私が、「主よ。これらは何ですか」と尋ねると、私と話していた御使いが、「これらが何か、あなたに示そう」と私に言った。
10 ミルトスの木の間に立っていた人が答えて言った。「これらは、地を行き巡るために主が遣わされたものだ。」
11 すると、これらは、ミルトスの木の間に立っている主の使いに答えて言った。「私たちは地を行き巡りましたが、まさに、全地は安らかで、穏やかでした。」
12主の使いは答えて言った。「万軍の主よ。いつまで、あなたはエルサレムとユダの町々に、あわれみを施されないのですか。あなたがのろって、七十年になります。」
13 すると主は、私と話していた御使いに、良いことば、慰めのことばで答えられた。
14 私と話していた御使いは私に言った。「叫んで言え。万軍の主はこう仰せられる。『わたしは、エルサレムとシオンを、ねたむほど激しく愛した。
15 しかし、安逸をむさぼっている諸国の民に対しては大いに怒る。わたしが少ししか怒らないでいると、彼らはほしいままに悪事を行った。』
16 それゆえ、主はこう仰せられる。『わたしは、あわれみをもってエルサレムに帰る。そこにわたしの宮が建て直される。──万軍の主の御告げ──測りなわはエルサレムの上に張られる。』
17 もう一度叫んで言え。万軍の主はこう仰せられる。『わたしの町々には、再び良いものが散り乱れる。主は、再びシオンを慰め、エルサレムを再び選ぶ。』」
18 私が目を上げて見ると、なんと、四つの角があった。
19 私が、私と話していた御使いに、「これらは何ですか」と尋ねると、彼は私に言った。「これらは、ユダとイスラエルとエルサレムとを散らした角だ。」
20 そのとき、主は四人の職人を私に見せてくださった。
21 私が、「この者たちは、何をしに来たのですか」と尋ねると、主はこう仰せられた。「これらはユダを散らして、だれにも頭をもたげさせなかった角だ。この者たちは、これらの角を恐れさせ、また、ユダの地を散らそうと角をもたげる国々の角を打ち滅ぼすためにやって来たのだ。」
1 私が目を上げて見ると、なんと、ひとりの人がいて、その手に一本の測り綱があった。
2 私がその人に、「あなたはどこへ行かれるのですか」と尋ねると、彼は答えた。「エルサレムを測りに行く。その幅と長さがどれほどあるかを見るために。」
3 私と話していた御使いが出て行くと、すぐ、もうひとりの御使いが、彼に会うために出て行った。
4 そして彼に言った。「走って行って、あの若者にこう告げなさい。『エルサレムは、その中の多くの人と家畜のため、城壁のない町とされよう。
5 しかし、わたしが、それを取り巻く火の城壁となる。──主の御告げ──わたしがその中の栄光となる。』
6 さあ、さあ。北の国から逃げよ。──主の御告げ──天の四方の風のように、わたしがあなたがたを散らしたからだ。──主の御告げ──
7 さあ、シオンにのがれよ。バビロンの娘とともに住む者よ。
8 主の栄光が、あなたがたを略奪した国々に私を遣わして後、万軍の主はこう仰せられる。『あなたがたに触れる者は、わたしのひとみに触れる者だ。
9 見よ。わたしは、こぶしを彼らに振り上げる。彼らは自分に仕えた者たちのとりことなる』と。このとき、あなたがたは、万軍の主が私を遣わされたことを知ろう。
10 シオンの娘よ。喜び歌え。楽しめ。見よ。わたしは来て、あなたのただ中に住む。──主の御告げ──
11 その日、多くの国々が主につき、彼らはわたしの民となり、わたしはあなたのただ中に住む。あなたは、万軍の主が私をあなたに遣わされたことを知ろう。
12主は、聖なる地で、ユダに割り当て地を分け与え、エルサレムを再び選ばれる。」
13 すべての肉なる者よ。主の前で静まれ。主が立ち上がって、その聖なる住まいから来られるからだ。
1 主は私に、主の使いの前に立っている大祭司ヨシュアと、彼を訴えようとしてその右手に立っているサタンとを見せられた。
2主はサタンに仰せられた。「サタンよ。主がおまえをとがめている。エルサレムを選んだ主が、おまえをとがめている。これは、火から取り出した燃えさしではないか。」
3 ヨシュアは、1よごれた服を着て、御使いの前に立っていた。
4御使いは、自分の前に立っている者たちに答えてこう言った。「彼のよごれた服を脱がせよ。」そして彼はヨシュアに言った。「見よ。わたしは、あなたの不義を除いた。あなたに礼服を着せよう。」
5 私は言った。「彼の頭に、きよいターバンをかぶらせなければなりません。」すると彼らは、彼の頭にきよいターバンをかぶらせ、彼に服を着せた。そのとき、主の使いはそばに立っていた。
6主の使いはヨシュアをさとして言った。
7 「万軍の主はこう仰せられる。もし、あなたがわたしの道に歩み、わたしの戒めを守るなら、あなたはまた、わたしの宮を治め、わたしの庭を守るようになる。わたしは、あなたをこれらの立っている者たちの間で、宮に出入りする者とする。
8 聞け。大祭司ヨシュアよ。あなたとあなたの前にすわっているあなたの同僚たちは、しるしとなる人々だ。見よ。わたしは、わたしのしもべ、一つの若枝を来させる。
9 見よ。わたしがヨシュアの前に置いた石。その一つの石の上に七つの目があり、見よ、わたしはそれに彫り物を刻む。──万軍の主の御告げ──わたしはまた、その国の不義を一日のうちに取り除く。
10 その日には、──万軍の主の御告げ──あなたがたは互いに自分の友を、ぶどうの木の下といちじくの木の下に招き合うであろう。」
1 私と話していた御使いが戻って来て、私を呼びさましたので、私は眠りからさまされた人のようであった。
2 彼は私に言った。「あなたは何を見ているのか。」そこで私は答えた。「私が見ますと、全体が金でできている一つの燭台があります。その上部には、鉢があり、その鉢の上には七つのともしび皿があり、この上部にあるともしび皿には、それぞれ七つの管がついています。
3 また、そのそばには二本のオリーブの木があり、一本はこの鉢の右に、他の一本はその左にあります。」
4 さらに私は、私と話していた御使いにこう言った。「主よ。これらは何ですか。」
5 私と話していた御使いが答えて言った。「あなたは、これらが何か知らないのか。」私は言った。「主よ。知りません。」
6 すると彼は、私に答えてこう言った。「これは、ゼルバベルへの主のことばだ。『権力によらず、能力によらず、わたしの霊によって』と万軍の主は仰せられる。
7 大いなる山よ。おまえは何者だ。ゼルバベルの前で平地となれ。彼は、『恵みあれ。これに恵みあれ』と叫びながら、かしら石を運び出そう。」
8 ついで私に次のような主のことばがあった。
9 「ゼルバベルの手が、この宮の礎を据えた。彼の手が、それを完成する。このとき、あなたは、万軍の主が私をあなたがたに遣わされたことを知ろう。
10 だれが、その日を小さな事としてさげすんだのか。これらは、ゼルバベルの手にある下げ振りを見て喜ぼう。これらの七つは、全地を行き巡る主の目である。」
11 私はまた、彼に尋ねて言った。「燭台の右左にある、この二本のオリーブの木は何ですか。」
12 私は再び尋ねて言った。「二本の金の管によって2油をそそぎ出すこのオリーブの二本の枝は何ですか。」
13 すると彼は、私にこう言った。「あなたは、これらが何か知らないのか。」私は言った。「主よ。知りません。」
14 彼は言った。「これらは、全地の主のそばに立つ、ふたりの3油そそがれた者だ。」
1 私が再び目を上げて見ると、なんと、巻き物が飛んでいた。
2 彼は私に言った。「何を見ているのか。」私は答えた。「飛んでいる巻き物を見ています。その長さは二十キュビト、その幅は十キュビトです。」
3 すると彼は、私に言った。「これは、全地の面に出て行くのろいだ。盗む者はだれでも、これに照らし合わせて取り除かれ、また、偽って誓う者はだれでも、これに照らし合わせて取り除かれる。」
4 「わたしが、それを出て行かせる。──万軍の主の御告げ──それは、盗人の家に入り、また、わたしの名を使って偽りの誓いを立てる者の家に入り、その家の真ん中にとどまり、その家を梁と石とともに絶ち滅ぼす。」
5 私と話していた御使いが出て来て、私に言った。「目を上げて、この出て行く物が何かを見よ。」
6 私が、「それは何ですか」と尋ねると、彼は言った。「これは、出て行くエパ枡だ。」そして言った。「これは、全地にある彼らの4罪だ。」
7 見よ。鉛のふたが持ち上げられ、エパ枡の中にひとりの女がすわっていた。
8 彼は、「これは罪悪だ」と言って、その女をエパ枡の中に閉じ込め、その口の上に鉛の重しをかぶせた。
9 それから、私が目を上げて見ると、なんと、ふたりの女が出て来た。その翼は風をはらんでいた。彼女たちには、こうのとりの翼のような翼があり、彼女たちは、あのエパ枡を地と天との間に持ち上げた。
10 そこで私は、私と話していた御使いに尋ねた。「あの者たちは、エパ枡をどこへ持って行くのですか。」
11 彼は私に言った。「シヌアルの地で、あの女のために神殿を建てる。それが整うと、そこの台の上に安置するためだ。」
1 私が再び目を上げて見ると、なんと、四台の戦車が二つの山の間から出て来ていた。山は青銅の山であった。
2 第一の戦車は赤い馬が、第二の戦車は黒い馬が、
3 第三の戦車は白い馬が、第四の戦車はまだら毛の強い馬が引いていた。
4 私は、私と話していた御使いに尋ねて言った。「主よ。これらは何ですか。」
5御使いは答えて言った。「これらは、全地の主の前に立って後、天の四方に出て行くものだ。
6 そのうち、黒い馬は北の地へ出て行き、白い馬はそのあとに出て行き、まだら毛の馬は南の地へ出て行く。
7 この強い馬が出て行き、地を駆け巡ろうとしているのだ。」そこで彼が、「行って、地を駆け巡れ」と言うと、それらは地を駆け巡った。
8 そのとき、彼は私にこう告げた。「見よ。北の地へ出て行ったものを。それらは北の地で、5わたしの怒りを静める。」
9 ついで私に次のような主のことばがあった。
10 「捕囚の民であったヘルダイ、トビヤ、エダヤからささげ物を受け取り、その日、あなたはバビロンから帰って来たゼパニヤの子ヨシヤの家へ行け。
11 あなたは金と銀を取って、冠を作り、それをエホツァダクの子、大祭司ヨシュアの頭にかぶらせ、
12 彼にこう言え。『万軍の主はこう仰せられる。見よ。ひとりの人がいる。その名は若枝。彼のいる所から芽を出し、主の神殿を建て直す。
13 彼は主の神殿を建て、彼は尊厳を帯び、その王座に着いて支配する。その王座のかたわらに、ひとりの祭司がいて、このふたりの間には平和の一致がある。』
14 その冠は、6ヘルダイ、トビヤ、エダヤ、ゼパニヤの子7ヨシヤの記念として、主の神殿のうちに残ろう。
15 また、遠く離れていた者たちも来て、主の神殿を建て直そう。このとき、あなたがたは、万軍の主が私をあなたがたに遣わされたことを知ろう。もし、あなたがたが、あなたがたの神、主の御声に、ほんとうに聞き従うなら、そのようになる。」
1 ダリヨス王の第四年の第九の月、すなわち、キスレウの月の四日に、ゼカリヤに主のことばがあった。
2 そのとき、ベテルは、サル・エツェルとレゲム・メレクおよびその従者たちを、8主に願うために遣わし、
3万軍の主の宮に仕える祭司たちと、預言者たちに尋ねさせた。「私が長年やってきたように、第五の月にも、断食をして泣かなければならないでしょうか。」
4 すると、私に次のような万軍の主のことばがあった。
5 「この国のすべての民と祭司たちに向かってこう言え。この七十年の間、あなたがたが、第五の月と第七の月に断食して嘆いたとき、このわたしのために断食したのか。
6 あなたがたが食べたり飲んだりするとき、食べるのも飲むのも、自分たちのためではなかったか。
7 エルサレムとその回りの町々に人が住み、平和であったとき、また、ネゲブや9低地に人が住んでいたとき、主が先の預言者たちを通して告げられたのは、次のことではなかったか。」
8 ついで、ゼカリヤに次のような主のことばがあった。
9万軍の主はこう仰せられる。「正しいさばきを行い、互いに誠実を尽くし、あわれみ合え。
10 やもめ、みなしご、在留異国人、貧しい者をしいたげるな。互いに心の中で悪をたくらむな。」
11 それなのに、彼らはこれを聞こうともせず、肩を怒らし、耳をふさいで聞き入れなかった。
12 彼らは心を金剛石のようにして、万軍の主がその御霊により、先の預言者たちを通して送られたおしえとみことばを、聞き入れなかった。そこで、万軍の主から大きな怒りが下った。
13 「呼ばれたときも、彼らは聞かなかった。そのように、彼らが呼んでも、わたしは聞かない」と万軍の主は仰せられる。
14 「わたしは、彼らを知らないすべての国々に彼らを追い散らす。この国は、彼らが去ったあと、荒れすたれて、行き来する者もいなくなる。こうして彼らはこの慕わしい国を荒れすたらせた。」
1 次のような万軍の主のことばがあった。
2万軍の主はこう仰せられる。「わたしは、シオンをねたむほど激しく愛し、ひどい憤りでこれをねたむ。」
3主はこう仰せられる。「わたしはシオンに帰り、エルサレムのただ中に住もう。エルサレムは真実の町と呼ばれ、万軍の主の山は聖なる山と呼ばれよう。」
4万軍の主はこう仰せられる。「再び、エルサレムの広場には、老いた男、老いた女がすわり、年寄りになって、みな手に杖を持とう。
5 町の広場は、広場で遊ぶ男の子や女の子でいっぱいになろう。」
6万軍の主はこう仰せられる。「もし、これが、その日、この民の残りの者の目に不思議に見えても、わたしの目に、これが不思議に見えるだろうか。──万軍の主の御告げ──」
7万軍の主はこう仰せられる。「見よ。わたしは、わたしの民を日の出る地と日の入る地から救い、
8 彼らを連れ帰り、エルサレムの中に住ませる。このとき、彼らはわたしの民となり、わたしは真実と正義をもって彼らの神となる。」
9万軍の主はこう仰せられる。「勇気を出せ。あなたがたは、万軍の主の家である神殿を建てるための礎が据えられた日以来、預言者たちの口から、これらのことばを日ごろ聞いているではないか。
10 その日以前は、人がかせいでも報酬がなく、家畜がかせいでも報酬がなかった。出て行く者にも、帰って来る者にも、敵がいるために平安はなかった。わたしがすべての人を互いに争わせたからだ。
11 しかし、今は、わたしはこの民の残りの者に対して、先の日のようではない。──万軍の主の御告げ──
12 それは、平安の種が蒔かれ、ぶどうの木は実を結び、地は産物を出し、天は露を降らすからだ。わたしはこの民の残りの者に、これらすべてを継がせよう。
13 ユダの家よ。イスラエルの家よ。あなたがたは諸国の民の間でのろいとなったが、そのように、わたしはあなたがたを救って、祝福とならせる。恐れるな。勇気を出せ。」
14万軍の主はこう仰せられる。「あなたがたの先祖がわたしを怒らせたとき、わたしはあなたがたにわざわいを下そうと考えた。──万軍の主は仰せられる──そしてわたしは思い直さなかった。
15 しかし、このごろ、わたしはエルサレムとユダの家とに幸いを下そうと考えている。恐れるな。
16 これがあなたがたのしなければならないことだ。互いに真実を語り、あなたがたの10町囲みのうちで、真実と平和のさばきを行え。
17互いに心の中で悪を計るな。偽りの誓いを愛するな。これらはみな、わたしが憎むからだ。──主の御告げ──」
18 さらに、私に次のような万軍の主のことばがあった。
19万軍の主はこう仰せられる。「第四の月の断食、第五の月の断食、第七の月の断食、第十の月の断食は、ユダの家にとっては、楽しみとなり、喜びとなり、うれしい例祭となる。だから、真実と平和を愛せよ。」
20万軍の主はこう仰せられる。「再び、国々の民と多くの町々の住民がやって来る。
21 一つの町の住民は他の町の住民のところへ行き、『さあ、行って、11主の恵みを請い、万軍の主を尋ね求めよう。私も行こう』と言う。
22 多くの国々の民、強い国々がエルサレムで万軍の主を尋ね求め、12主の恵みを請うために来よう。」
23万軍の主はこう仰せられる。「その日には、外国語を話すあらゆる民のうちの十人が、ひとりのユダヤ人のすそを堅くつかみ、『私たちもあなたがたといっしょに行きたい。神があなたがたとともにおられる、と聞いたからだ』と言う。」
1宣告。
主のことばはハデラクの地にあり、
ダマスコは、そのとどまる所。
13主の目は人に向けられ、
イスラエルの全部族に向けられている。
2 これに境を接するハマテにも、
また、非常に知恵のあるツロやシドンにも
向けられている。
3 ツロは自分のために、とりでを築き、
銀をちりのように積み、
黄金を道ばたの泥のように積み上げた。
4 見よ。主はツロを占領し、
その塁を打ち倒して海に入れる。
ツロは火で焼き尽くされる。
5 アシュケロンは見て恐れ、
ガザもひどくおののく。エクロンもそうだ。
その頼みにしていたものが
はずかしめられたのだから。
ガザからは王が消えうせ、
アシュケロンには人が住まなくなる。
6 アシュドデには混血の民が住むようになる。
わたしはペリシテ人の誇りを絶やし、
7 その口から流血の罪を除き、
その歯の間から忌まわしいものを取り除く。
彼も、私たちの神のために残され、
ユダの中の一首長のようになる。
エクロンもエブス人のようになる。
8 わたしは、わたしの家のために、
行き来する者を見張る14衛所に立つ。
それでもう、しいたげる者はそこを通らない。
今わたしがこの目で見ているからだ。
9 シオンの娘よ。大いに喜べ。
エルサレムの娘よ。喜び叫べ。
見よ。あなたの王があなたのところに来られる。
この方は正しい方で、救いを賜り、
15柔和で、ろばに乗られる。
それも、雌ろばの子の子ろばに。
10 わたしは戦車をエフライムから、
軍馬をエルサレムから絶やす。
戦いの弓も断たれる。
この方は諸国の民に平和を告げ、
その支配は海から海へ、
大川から地の果てに至る。
11 あなたについても、
あなたとの契約の血によって、
わたしはあなたの捕らわれ人を、
水のない穴から解き放つ。
12 望みを持つ捕らわれ人よ。とりでに帰れ。
わたしは、きょうもまた告げ知らせる。
わたしは二倍のものをあなたに返すと。
13 わたしはユダを曲げてわたしの弓とし、
これにエフライムをつがえたのだ。
シオンよ。わたしはあなたの子らを奮い立たせる。
16ヤワンはあなたの子らを攻めるが、
わたしはあなたを勇士の剣のようにする。
14 主は彼らの上に現れ、
その矢はいなずまのように放たれる。
17神である主は角笛を吹き鳴らし、
南の暴風の中を進まれる。
15 万軍の主が彼らをかばうので、
彼らは18石投げを使う者を滅ぼして踏みつけ、
19彼らの血をぶどう酒のように飲み、
鉢のように、
祭壇の四隅の20角のように、満たされる。
16 その日、彼らの神、主は、彼らを
主の民の群れとして救われる。
彼らはその地で、きらめく王冠の宝石となる。
17 それは、なんとしあわせなことよ。
それは、なんと麗しいことよ。
穀物は若い男たちを栄えさせ、
新しいぶどう酒は若い女たちを栄えさせる。
1 21後の雨の時に、主に雨を求めよ。
主は22いなびかりを造り、大雨を人々に与え、
野の草をすべての人に下さる。
2 テラフィムはつまらないことをしゃべり、
占い師は偽りを見、
夢見る者はむなしいことを語り、
むなしい慰めを与えた。
それゆえ、人々は羊のようにさまよい、
羊飼いがいないので悩む。
3 わたしの怒りは羊飼いたちに向かって燃える。
わたしは23雄やぎを罰しよう。
万軍の主はご自分の群れであるユダの家を訪れ、
彼らを戦場のすばらしい馬のようにされる。
4 この群れから24かしら石が、
この群れから鉄のくいが、
この群れからいくさ弓が、
この群れからすべての25指揮者が、
ともどもに出て来る。
5 道ばたの泥を踏みつける勇士のようになって、
彼らは戦場で戦う。
主が彼らとともにおられるからだ。
馬に乗る者どもは恥を見る。
6 わたしはユダの家を強め、
ヨセフの家を救う。
わたしは彼らを連れ戻す。
わたしが彼らをあわれむからだ。
彼らは、
わたしに捨てられなかった者のようになる。
わたしが、彼らの神、主であり、
彼らに答えるからだ。
7 エフライムは勇士のようになり、
その心はぶどう酒に酔ったように喜ぶ。
彼らの子らは見て喜び、
その心は主にあって大いに楽しむ。
8 わたしは彼らに合図して、彼らを集める。
わたしが彼らを贖ったからだ。
彼らは以前のように数がふえる。
9 わたしは彼らを国々の民の間にまき散らすが、
彼らは遠くの国々でわたしを思い出し、
その子らとともに生きながらえて帰って来る。
10 わたしは彼らをエジプトの地から連れ帰り、
アッシリヤから彼らを寄せ集める。
わたしはギルアデの地とレバノンへ
彼らを連れて行くが、
そこも彼らには足りなくなる。
11 26彼らは苦難の海を渡り、
海では波を打つ。
彼らはナイル川のすべての淵をからす。
アッシリヤの誇りは低くされ、
エジプトの杖は離れる。
12 27彼らの力は主にあり、
彼らは主の名28によって歩き回る。
――主の御告げ――
1 レバノンよ。おまえの門をあけよ。
火が、おまえの杉の木を焼き尽くそう。
2 もみの木よ。泣きわめけ。
杉の木は倒れ、みごとな木々が荒らされたからだ。
バシャンの樫の木よ。泣きわめけ。
深い森が倒れたからだ。
3 聞け。牧者たちの嘆きを。
彼らのみごとな木々が荒らされたからだ。
聞け。若い獅子のほえる声を。
ヨルダンの茂みが荒らされたからだ。
4 私の神、主は、こう仰せられる。「ほふるための羊の群れを養え。
5 これを買った者が、これをほふっても、罪にならない。これを売る者は、『主はほむべきかな。私も富みますように』と言っている。その牧者たちは、これを惜しまない。
6 わたしが、もう、この地の住民を惜しまないからだ。──主の御告げ──見よ。わたしは、人をそれぞれ隣人の手に渡し、王の手に渡す。彼らはこの地を打ち砕くが、わたしは彼らの手からこれを救い出さない。」
7 私は29羊の商人たちのために、ほふられる羊の群れを飼った。私は二本の杖を取り、一本を「慈愛」と名づけ、他の一本を、「結合」と名づけた。こうして、私は群れを飼った。
8 私は一月のうちに三人の牧者を消し去った。私の心は、彼らにがまんできなくなり、彼らの心も、私をいやがった。
9 私は言った。「私はもう、あなたがたを飼わない。死にたい者は死ね。隠されたい者は隠されよ。残りの者は、互いに相手の肉を食べるがよい。」
10 私は、私の杖、慈愛の杖を取り上げ、それを折った。私がすべての民と結んだ私の契約を破るためである。
11 その日、それは破られた。そのとき、30私を見守っていた31羊の商人たちは、それが主のことばであったことを知った。
12 私は彼らに言った。「あなたがたがよいと思うなら、私に賃金を払いなさい。もし、そうでないなら、やめなさい。」すると彼らは、私の賃金として、銀三十シェケルを量った。
13主は私に仰せられた。「彼らによってわたしが値積もりされた尊い価を、陶器師に投げ与えよ。」そこで、私は銀三十を取り、それを主の宮の陶器師に投げ与えた。
14 そして私は、結合という私のもう一本の杖を折った。これはユダとイスラエルとの間の兄弟関係を破るためであった。
15主は私に仰せられた。「あなたは、もう一度、愚かな牧者の道具を取れ。
16 見よ。わたしはひとりの牧者をこの地に起こすから。彼は迷い出たものを尋ねず、32散らされたものを捜さず、傷ついたものをいやさず、33飢えているものに食べ物を与えない。かえって肥えた獣の肉を食らい、そのひづめを裂く。
17 ああ。
羊の群れを見捨てる、能なしの牧者。
剣がその腕とその右の目を打ち、
その腕はなえ、
その右の目は視力が衰える。」
1宣告。
イスラエルについての主のことば。
──天を張り、地の基を定め、人の霊をその中に造られた方、主の御告げ──
2 見よ。わたしはエルサレムを、その回りのすべての国々の民をよろめかす杯とする。ユダについてもそうなる。エルサレムの包囲されるときに。
3 その日、わたしはエルサレムを、すべての国々の民にとって重い石とする。すべてそれをかつぐ者は、ひどく傷を受ける。地のすべての国々は、それに向かって集まって来よう。
4 その日、──主の御告げ──わたしは、すべての馬を打って驚かせ、その乗り手を打って狂わせる。しかし、わたしはユダの家の上に目を開き、国々の民のすべての馬を打って盲目にする。
5 ユダの首長たちは心の中で言おう。エルサレムの住民の力は彼らの神、万軍の主にある、と。
6 その日、わたしは、ユダの首長たちを、たきぎの中にある火鉢のようにし、麦束の中にある燃えているたいまつのようにする。彼らは右も左も、回りのすべての国々の民を焼き尽くす。しかし、エルサレムは、エルサレムのもとの所にそのまま残る。
7主は初めに、ユダの天幕を救われる。それは、ダビデの家の栄えと、エルサレムの住民の栄えとが、ユダ以上に大きくならないためである。
8 その日、主は、エルサレムの住民をかばわれる。その日、彼らのうちのよろめき倒れた者もダビデのようになり、ダビデの家は神のようになり、彼らの先頭に立つ主の使いのようになる。
9 その日、わたしは、エルサレムに攻めて来るすべての国々を捜して滅ぼそう。
10 わたしは、ダビデの家とエルサレムの住民の上に、恵みと哀願の霊を注ぐ。彼らは、自分たちが突き刺した者、わたしを仰ぎ見、ひとり子を失って嘆くように、その者のために嘆き、初子を失って激しく泣くように、その者のために激しく泣く。
11 その日、エルサレムでの嘆きは、34メギドの平地のハダデ・リモンのための嘆きのように大きいであろう。
12 この地はあの氏族もこの氏族も
ひとり嘆く。
ダビデの家の氏族はひとり嘆き、
その妻たちもひとり嘆く。
ナタンの家の氏族はひとり嘆き、
その妻たちもひとり嘆く。
13 レビの家の氏族はひとり嘆き、
その妻たちもひとり嘆く。
シムイの氏族はひとり嘆き、
その妻たちもひとり嘆く。
14 残りのすべての氏族は
あの氏族もこの氏族もひとり嘆き、
その妻たちもひとり嘆く。
1 その日、ダビデの家とエルサレムの住民のために、罪と汚れを35きよめる一つの泉が開かれる。
2 その日、──万軍の主の御告げ──わたしは、偶像の名をこの国から断ち滅ぼす。その名はもう覚えられない。わたしはまた、その預言者たちと汚れの霊をこの国から除く。
3 なお預言する者があれば、彼を生んだ父と母とが彼に向かって言うであろう。「あなたは生きていてはならない。主の名を使ってうそを告げたから」と。彼を生んだ父と母が、彼の預言しているときに、彼を刺し殺そう。
4 その日、その預言者たちはみな、預言するときに見るその幻で恥を見よう。彼らはもう人を欺くための毛衣を着なくなる。
5 また、彼は、「私は預言者ではない。私は土地を耕す者だ。若い時から36土地を持っている」と言う。
6 だれかが彼に、「あなたの両腕の間にあるこの打ち傷は何か」と聞くなら、彼は、「私の愛人の家で打たれた傷です」と言おう。
7 剣よ。目をさましてわたしの牧者を攻め、
わたしの仲間の者を攻めよ。
――万軍の主の御告げ――
牧者を打ち殺せ。
そうすれば、羊は散って行き、
わたしは、この手を子どもたちに向ける。
8 全地はこうなる。
――主の御告げ――
その三分の二は断たれ、死に絶え、
三分の一がそこに残る。
9 わたしは、その三分の一を火の中に入れ、
銀を練るように彼らを練り、
金をためすように彼らをためす。
彼らはわたしの名を呼び、
わたしは彼らに答える。
わたしは「これはわたしの民」と言い、
彼らは「主は私の神」と言う。
1 見よ。主の日が来る。その日、あなたから分捕った物が、あなたの中で分けられる。
2 わたしは、すべての国々を集めて、エルサレムを攻めさせる。町は取られ、家々は略奪され、婦女は犯される。町の半分は捕囚となって出て行く。しかし、残りの民は町から断ち滅ぼされない。
3主が出て来られる。決戦の日に戦うように、それらの国々と戦われる。
4 その日、主の足は、エルサレムの東に面するオリーブ山の上に立つ。オリーブ山は、その真ん中で二つに裂け、東西に延びる非常に大きな谷ができる。山の半分は北へ移り、他の半分は南へ移る。
5 山々の谷がアツァルにまで達するので、あなたがたは、わたしの山々の谷に逃げよう。ユダの王ウジヤの時、地震を避けて逃げたように、あなたがたは逃げよう。私の神、主が来られる。すべての聖徒たちも37主とともに来る。
6 その日には、光も、寒さも、霜もなくなる。
7 これはただ一つの日であって、これは主に知られている。昼も夜もない。夕暮れ時に、光がある。
8 その日には、エルサレムから湧き水が流れ出て、その半分は38東の海に、他の半分は39西の海に流れ、夏にも冬にも、それは流れる。
9主は地のすべての王となられる。その日には、主はただひとり、御名もただ一つとなる。
10 全土はゲバからエルサレムの南リモンまで、40アラバのように変わる。エルサレムは高められ、もとの所にあって、ベニヤミンの門から第一の門まで、隅の門まで、またハナヌエルのやぐらから王の酒ぶねのところまで、そのまま残る。
11 そこには人々が住み、もはや絶滅されることはなく、エルサレムは安らかに住む。
12主は、エルサレムを攻めに来るすべての国々の民にこの災害を加えられる。彼らの肉をまだ足で立っているうちに腐らせる。彼らの目は41まぶたの中で腐り、彼らの舌は口の中で腐る。
13 その日、主は、彼らの間に大恐慌を起こさせる。彼らは互いに手でつかみ合い、互いになぐりかかる。
14 ユダもエルサレムに戦いをしかけ、回りのすべての国々の財宝は、金、銀、衣服など非常に多く集められる。
15 馬、騾馬、らくだ、ろば、彼らの宿営にいるすべての家畜のこうむる災害は、先の災害と同じである。
16 エルサレムに攻めて来たすべての民のうち、生き残った者はみな、毎年、万軍の主である王を礼拝し、仮庵の祭りを祝うために上って来る。
17 地上の諸氏族のうち、万軍の主である王を礼拝しにエルサレムへ上って来ない氏族の上には、雨が降らない。
18 もし、エジプトの氏族が上って来ないなら、雨は彼らの上に降らず、仮庵の祭りを祝いに上って来ない諸国の民を主が打つその災害が彼らに下る。
19 これが、エジプトへの刑罰となり、仮庵の祭りを祝いに上って来ないすべての国々への刑罰となる。
20 その日、馬の鈴の上には、「主への聖なるもの」と刻まれ、主の宮の中のなべは、祭壇の前の鉢のようになる。
21 エルサレムとユダのすべてのなべは、万軍の主への聖なるものとなる。いけにえをささげる者はみな来て、その中から取り、それで煮るようになる。その日、万軍の主の宮にはもう42商人がいなくなる。
マラキ書
1宣告。マラキを通してイスラエルにあった主のことば。
2 「わたしはあなたがたを愛している」と
主は仰せられる。
あなたがたは言う。
「どのように、あなたが私たちを
愛されたのですか」と。
「エサウはヤコブの兄ではなかったか。
――主の御告げ――
わたしはヤコブを愛した。
3 わたしはエサウを憎み、
彼の山を荒れ果てた地とし、
彼の継いだ地を荒野のジャッカルのものとした。」
4 たといエドムが、
「私たちは打ち砕かれた。
だが、廃墟を建て直そう」と言っても、
万軍の主はこう仰せられる。
「彼らは建てるが、わたしは打ちこわす。
彼らは、悪の国と言われ、
主のとこしえにのろう民と呼ばれる。」
5 あなたがたの目はこれを見て言おう。
「主はイスラエルの地境を越えて偉大な方だ」と。
6 「子は父を敬い、しもべはその主人を敬う。
もし、わたしが父であるなら、
どこに、わたしへの尊敬があるのか。
もし、わたしが主人であるなら、
どこに、わたしへの恐れがあるのか。
――万軍の主は、あなたがたに仰せられる――
わたしの名をさげすむ祭司たち。
あなたがたは言う。
『どのようにして、
私たちがあなたの名をさげすみましたか』と。
7 あなたがたは、
わたしの祭壇の上に汚れたパンをささげて、
『どのようにして、
私たちがあなたを汚しましたか』と言う。
『主の食卓はさげすまれてもよい』と
あなたがたは思っている。
8 あなたがたは、
盲目の獣をいけにえにささげるが、
それは悪いことではないか。
足のなえたものや病気のものをささげるのは、
悪いことではないか。
さあ、あなたの総督のところに
それを差し出してみよ。
彼はあなたをよみし、
あなたを受け入れるだろうか。
――万軍の主は仰せられる――
9 さあ、今、
恵みを受けるために1神に願ってみよ。
これはあなたがたの手によることだ。
神はあなたがたのうちだれかを、
受け入れてくださるだろうか。
――万軍の主は仰せられる――
10 あなたがたのうちにさえ、
あなたがたがわたしの祭壇に、
いたずらに火を点ずることがないように、
戸を閉じる人は、だれかいないのか。
わたしは、あなたがたを喜ばない。
――万軍の主は仰せられる――
わたしは、あなたがたの手からのささげ物を
受け入れない。
11 日の出る所から、その沈む所まで、
わたしの名は諸国の民の間であがめられ、
すべての場所で、わたしの名のために、
きよいささげ物がささげられ、香がたかれる。
わたしの名が諸国の民の間で
あがめられているからだ。
――万軍の主は仰せられる――
12 しかし、あなたがたは、
『主の食卓は汚れている。
その果実も食物もさげすまれている』と言って、
祭壇を冒瀆している。
13 あなたがたはまた、
『見よ。なんとうるさいことか』と言って、
それを軽蔑する。
――万軍の主は仰せられる――
あなたがたは、かすめたもの、足のなえたもの、
病気のものを連れて来て、
ささげ物としてささげている。
わたしが、それをあなたがたの手から、
喜んで、受け入れるだろうか。
――主は仰せられる――
14 群れのうちに雄の獣がいて、
これをささげると誓いながら、
損傷のあるのを主にささげるずるい者は、
のろわれる。
わたしが大いなる王であり、
わたしの名が諸国の民の間で、
恐れられているからだ。
――万軍の主は仰せられる――
1 祭司たちよ。
今、この命令があなたがたに下される。
2 もし、あなたがたが聞き入れず、
もし、わたしの名に栄光を帰することを
心に留めないなら、
――万軍の主は仰せられる――
わたしは、あなたがたの中にのろいを送り、
あなたがたへの祝福をのろいに変える。
もう、それをのろいに変えている。
あなたがたが、これを心に留めないからだ。
3 見よ。わたしは、あなたがたの子孫を責め、
あなたがたの顔に糞をまき散らす。
あなたがたの祭りの糞を。
2あなたがたはそれとともに投げ捨てられる。
4 このとき、あなたがたは、わたしが、
レビとのわたしの契約を保つために、
あなたがたにこの命令を送ったことを知ろう。
――万軍の主は仰せられる――
5 わたしの彼との契約は、いのちと平和であって、
わたしは、それらを彼に与えた。
それは恐れであったので、
彼は、わたしを恐れ、
わたしの名の前におののいた。
6 彼の口には真理の教えがあり、
彼のくちびるには不正がなかった。
平和と公正のうちに、彼はわたしとともに歩み、
多くの者を罪から立ち返らせた。
7 祭司のくちびるは知識を守り、
人々は彼の口から教えを求める。
彼は万軍の主の使いであるからだ。
8 しかし、あなたがたは道からはずれ、
多くの者を教えによってつまずかせ、
レビとの契約をそこなった。
――万軍の主は仰せられる――
9 わたしもまた、あなたがたを、
すべての民にさげすまれ、
軽んじられる者とする。
あなたがたがわたしの道を守らず、
えこひいきをして教えたからだ。」
10 私たちはみな、
ただひとりの父を持っているではないか。
ただひとりの神が、私たちを創造したではないか。
なぜ私たちは、互いに裏切り合い、
私たちの先祖の契約を汚すのか。
11 ユダは裏切り、
イスラエルとエルサレムの中では
忌まわしいことが行われている。
まことにユダは、主の愛された主の聖所を汚し、
外国の神の娘をめとった。
12 どうか主が、このようなことをする者を、
たといその者が
万軍の主にささげ物をささげても、
ひとり残らずヤコブの天幕から
断ってくださるように。
13 あなたがたはもう一つのことをしている。
あなたがたは、涙と、悲鳴と、嘆きで
主の祭壇をおおっている。
主がもうささげ物を顧みず、
あなたがたの手から、
それを喜んで受け取らないからだ。
14 「なぜなのか」とあなたがたは言う。
それは主が、
あなたとあなたの若い時の妻との証人であり、
あなたがその妻を裏切ったからだ。
彼女はあなたの伴侶であり、
あなたの契約の妻であるのに。
153神は人を一体に造られたのではないか。彼には、霊の残りがある。その一体の人は何を求めるのか。神の子孫ではないか。あなたがたは、あなたがたの霊に注意せよ。あなたの若い時の妻を裏切ってはならない。
16 「わたしは、離婚を憎む」とイスラエルの神、主は仰せられる。「わたしは、暴力でその着物をおおう」と万軍の主は仰せられる。あなたがたは、あなたがたの霊に注意せよ。裏切ってはならない。
17 あなたがたは、あなたがたのことばで主を煩わした。
しかし、あなたがたは言う。
「どのようにして、私たちは煩わしたのか。」
「悪を行う者もみな主の心にかなっている。
主は彼らを喜ばれる。
さばきの神はどこにいるのか」と
あなたがたは言っているのだ。
1 「見よ。わたしは、わたしの使者を遣わす。
彼はわたしの前に道を整える。
あなたがたが尋ね求めている主が、
突然、その神殿に来る。
あなたがたが望んでいる契約の使者が、
見よ、来ている」と万軍の主は仰せられる。
2 だれが、この方の来られる日に耐えられよう。
だれが、この方の現れるとき立っていられよう。
まことに、この方は、精錬する者の火、
布をさらす者の灰汁のようだ。
3 この方は、銀を精錬し、
これをきよめる者として座に着き、
レビの子らをきよめ、
彼らを金のように、銀のように純粋にする。
彼らは、
主に、義のささげ物をささげる者となり、
4 ユダとエルサレムのささげ物は、
昔の日のように、ずっと前の年のように、
主を喜ばせる。
5 「わたしは、さばきのため、
あなたがたのところに近づく。
わたしは、ためらうことなく証人となり、
呪術者、姦淫を行う者、偽って誓う者、
不正な賃金で雇い人をしいたげ、
やもめやみなしごを苦しめる者、
在留異国人を押しのけて、
わたしを恐れない者たちに、向かう。
――万軍の主は仰せられる――
6 主であるわたしは変わることがない。
ヤコブの子らよ。
あなたがたは、滅ぼし尽くされない。
7 あなたがたの先祖の時代から、
あなたがたは、わたしのおきてを離れ、
それを守らなかった。
わたしのところに帰れ。そうすれば、
わたしもあなたがたのところに帰ろう。
――万軍の主は仰せられる――
しかし、あなたがたは、
『どのようにして、私たちは帰ろうか』と言う。
8 人は神のものを盗むことができようか。
ところが、あなたがたは
わたしのものを盗んでいる。
しかも、あなたがたは言う。
『どのようにして、
私たちはあなたのものを盗んだでしょうか。』
それは、十分の一と奉納物によってである。
9 あなたがたはのろいを受けている。
あなたがたは、わたしのものを盗んでいる。
この民全体が盗んでいる。
10 十分の一をことごとく、宝物倉に携えて来て、
わたしの家の食物とせよ。
こうしてわたしをためしてみよ。
――万軍の主は仰せられる――
わたしがあなたがたのために、天の窓を開き、
あふれるばかりの祝福を
あなたがたに注ぐかどうかをためしてみよ。
11 わたしはあなたがたのために、
4いなごをしかって、
あなたがたの土地の産物を滅ぼさないようにし、
畑のぶどうの木が不作とならないようにする。
――万軍の主は仰せられる――
12 すべての国民は、
あなたがたをしあわせ者と言うようになる。
あなたがたが喜びの地となるからだ」と
万軍の主は仰せられる。
13 「あなたがたはわたしに
かたくななことを言う」と主は仰せられる。
あなたがたは言う。
「私たちはあなたに対して、何を言いましたか。」
14 あなたがたは言う。
「神に仕えるのはむなしいことだ。
神の戒めを守っても、
万軍の主の前で悲しんで歩いても、
何の益になろう。
15 今、私たちは、
高ぶる者をしあわせ者と言おう。
悪を行っても栄え、
神を試みても罰を免れる」と。
16 そのとき、
主を恐れる者たちが、互いに語り合った。
主は耳を傾けて、これを聞かれた。
主を恐れ、主の御名を尊ぶ者たちのために、
主の前で、記憶の書がしるされた。
17 「彼らは、わたしのものとなる。
――万軍の主は仰せられる――
わたしが事を行う日に、わたしの宝となる。
人が自分に仕える子をあわれむように、
わたしは彼らをあわれむ。
18 あなたがたは再び、正しい人と悪者、
神に仕える者と仕えない者との違いを
見るようになる。
1 見よ。その日が来る。
かまどのように燃えながら。
その日、すべて高ぶる者、
すべて悪を行う者は、わらとなる。
来ようとしているその日は、彼らを焼き尽くし、
根も枝も残さない。
――万軍の主は仰せられる――
2 しかし、わたしの名を恐れるあなたがたには、
義の太陽が上り、
その翼には、いやしがある。
あなたがたは外に出て、
牛舎の子牛のようにはね回る。
3 あなたがたはまた、悪者どもを踏みつける。
彼らは、わたしが事を行う日に、
あなたがたの足の下で灰となるからだ。
――万軍の主は仰せられる――
4 あなたがたは、
わたしのしもべモーセの律法を記憶せよ。
それは、ホレブで、イスラエル全体のために、
わたしが彼に命じたおきてと定めである。
5 見よ。わたしは、
主の大いなる恐ろしい日が来る前に、
預言者エリヤをあなたがたに遣わす。
6 彼は、父の心を子に向けさせ、
子の心をその父に向けさせる。
それは、わたしが来て、
のろいでこの地を打ち滅ぼさないためだ。」
聖書は永遠の神のことばであって、あらゆる時代に対して、常に新しい力をもって語り、救いのための知恵を人々に与えることのできるものである。『聖書 新改訳』は、今の時代の人々のために、この神のことばである聖書を、正確に、わかりやすく翻訳しようとして企画された。
翻訳編集に携わった者の一致した願いは、原語にあくまでも忠実であり、最も読みやすく、しかも聖書としての品位を失わない訳文を得ることであった。
新約はネストレの校訂本二四版、旧約はキッテルの三版以後のものに基づき、訳業を進めたが、問題の個所については、正しい本文に近づくことに努めた。
どの翻訳についても言えることであろうが、私たちは、聖書翻訳の古い歴史の中で教会が私たちに残してくれた遺産に負うところが非常に多い。ここにあえて「新改訳」という名を採ったのも、多くの先達の業績に負うところが大きいことを認めるからである。
わかりやすく翻訳するためには、現代において一般に用いられている範囲の中で、ことばや、文型、また、書き表し方を用いる必要があった。このために、用字用語も、なるべく当用漢字およびその音訓表の範囲内にとどめるようにした。国語の特徴の一つである敬語の使い方もなるべく簡素化した。神ご自身に関することば使いには、敬体を用いて誤解のおそれのないようにした所が多いが、敬体を用いずに、神のみわざそのものを簡潔に表した個所も多い。神のみわざは敬語の適用範囲を越えたところにあると判断したからである。
訳語の中で、特に注意したことについて一、二、説明したい。
旧約聖書においては、特に、文語訳ではエホバと訳され、学者の間ではヤハウェとされている主の御名を、この訳では主と訳し、それによって主の御名がしるされている個所を明らかにした。そうでない〈主〉は〈主〉を代名詞などで受けた場合かまたは通常の〈主〉を意味することばの訳である。
新約聖書で〈ハデス〉〈ゲヘナ〉と訳出されているのは、それぞれ、「死者が終末のさばきを待つ間の中間状態で置かれる所」「神の究極のさばきにより、罪人が入れられる苦しみの場所」をさすが、適切な訳語がないために音訳にとどめたのである。しかし、旧約聖書では、新約の〈ハデス〉に対応する〈シェオル〉を〈よみ〉と訳した。これらの訳語の統一については、さらに検討が必要であろう。
この『聖書 新改訳』の標準版が節ごとに改行しているのは、ただ読みやすさのためであって、他意はない。文段を示すとき、一行あけたり、一字下げしたりしているのも、同様である。
また、章節を示す数字も後代のものであって、聖書固有のものではないので、便宜上のものである。そのため、私たちの用いた校訂本の章節の分け方が従来の邦訳のそれと違う場合には、できるだけ、邦訳の章節の分け方のほうを採用して無用の混乱を避けるようにした。
* 注の説明
注は、その注の性質を示す〈別訳〉〈直訳〉〈あるいは〉〈異本〉等の〈 〉の中に入った語をもって始まる。次にその説明をする。
(1) 旧新約に共通の注記
〈別訳〉は、本文には採らなかったが、重要と思われる別の訳。
〈直訳〉は、本文に意訳を採用したとき、特に注記することが必要と思われた直訳。
〈あるいは〉は、本文と微妙な相違のある他の訳、または本文と同義であるが、別の言い回し。
(2) 旧約にだけ用いられている注記
〈......による〉は、マソラ本文の意味が不明の場合に典拠とした古代訳、その他を示す。
〈......は〉は、本文には採らなかったが、重要と思われる古代訳、その他の訳文。
〈マソラの読みは〉は、マソラの読みに従う訳文。原則として、『聖書 新改訳』の翻訳はマソラの読みに従っているので、マソラの読みが通常の読み方と違っている場合も、いちいち注記していないが、マソラの読みでなくて、書かれている字の通常の読み方のほうを採用した場合があるので、その場合にこの注記を用いた。
〈子音字は「主」〉は、通常主と訳される神の御名が、マソラの読みに従って、本文では神と訳されている場合。
〈ヘブル語〉、〈アラム語〉、〈ギリシヤ語〉は、これらの原語の音訳、または原語の意味を示す。
特にその性質を示す語のつけてない注は、その本文の訳語に対する説明である。
第三版においては、およそ九百節に改訂を施した。その大半は、いわゆる不快表現、差別表現にかかわるものである。身体的な弱さを指すのに使われてきた語、例えば「めくら」「おし/つんぼ」等は、「目の見えない(人)、盲目、盲人」「口のきけない(人)/耳の聞こえない(人)」等に変更した。
特に、「らい病(人)」と訳されていたヘブル語「ツァラアト」とその派生語、及びギリシヤ語「レプラ」「レプロス」は、本改訂版では、従来の訳語や新たな造語を含む複数の選択肢を検討した結果、「ツァラアト」「ツァラアトの者・人」「ツァラアトに冒された(者・人)」と訳出することとした。聖書のツァラアトは皮膚に現れるだけでなく、家の壁や衣服にも認められる現象であり、それが厳密に何を指しているかはいまだに明らかでないからである。
「ツァラアトの者・人」(ツァルア)と「ツァラアトに冒された」(メツォラア)は、ヘブル語の名詞ツァラアトから派生したと考えられる動詞の受動分詞(それぞれ基本語幹カルと強意語幹プアル)であり、人の場合に限定して使われ、皮膚がツァラアトという「何らかの原因により、人体や物の表面が冒された状態」を描写している。
この症候は、前述のとおり、壁や衣服にも現れることがあり、「きよい」と宣言されるまで、それらはけがれたものと見なされた。それゆえ、聖書が教える神のきよめの恵みを正しく理解するために、「ツァラアトに冒された」という表現を適切に解釈する必要があろう。なお、「らいを病む」「らいに冒された」等の表現がふさわしい、とする考え方もあるが、ヘブル語「ツァラアト」を特定の病名に結び付けることはできないとの結論に達した。
以上のことから、第三版における訳語「ツァラアト」「ツァラアトの者・人」「ツァラアトに冒された(者・人)」が暫定的であることを了解されたい。
なお、不快表現、差別表現以外の改訂は、今回は最小限度にとどめた。しかし、一つの訳語の改訂(例えば、創世記一章二節「地は形がなく」を「地は茫漠として」とした)が、その文脈の理解や聖書全体の神学に多大な影響を与えることを考えるなら、改訂の重要さは個所の数で測られるものではないであろう。
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旧約聖書 新改訳
1970年9月1日 発行
1978年3月1日 第2版発行
2003年10月25日 第3版発行
2013年6月1日 第3版電子書籍発行
翻 訳 新日本聖書刊行会
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発 行 いのちのことば社
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新改訳聖書の翻訳は、ロックマン財団の
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表 紙 菊池信義
EPUB制作 大津博子